ニ限目の休み時間、同じクラスの男の子に茶化された。
「渡瀬と陽ノ下ってデキてんだろー?」
「デキてるって何が?」
「だーかーら、渡瀬と陽ノ下がラブラブって事だよ」
「な!? ラブラブって、僕と光ちゃんはそんなんじゃ―」
「『光ちゃん』だってよ。やっぱりデキてんじゃねーか!」
他の男子達も一緒になって囃したてる。
「ラッブラブ、ラッブラブ、渡瀬と陽ノ下はラッブラブー」
「ちがうよーっ」
「男子ってやーねー。また下らない事で盛り上がってる」
そんな男子を見て女の子達は飽きれ返っている。
その中に光ちゃんは……いないみたいだ。取りあえず安心。
「とにかく僕と光ちゃ――陽ノ下はそんなんじゃないよ!!」
「だったら証拠を見せてみろよー!」
クラスの中でリーダー格の男の子がそう言った。
「証拠って…?」
「そうだな、今から陽ノ下のとこに行ってアイツのスカートをズリ下ろしてこい。そーしたら信じてやるよ」
「そんな…」
(まったくヒドイこというなー。そんな事できるわけないじゃないか。……でもやらないと信じてくれないんだろうなー。だったら仕方ないか)
「わかったよ、やればいいんでしょ!」
「おぉー!!」
安請け合い。安請け合いだったんだ。
まさか、それが後であんな事になるなんて……。