大和撫シコシコ花火のスレッド

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【朝日新聞 平成11年 2月22日夕刊】

最新の医学技術を使えば、男性が妊娠して赤ちゃんを産むことも
可能--−。英国の体外受精の先駆者の一人であるロンドン大学の
ロバート・ウィンストン教授がこんな常識を覆す見解を発表した。
人類始まって以来の営みを大転換させるだけに、早くも賛否両論
が出ている。二十一日付の英日曜紙サンデー・タイムズが報じた。
 教授によると、体外受精した胚を男の腹腔内に移植し、大腸な
どの内臓に「着床」させる。胎児は胎盤を通じて大腸から栄養分
を吸収して成長、臨月を迎えたら開腹手術で取り出す。
 男性には「流産」を防止するため大量の女性ホルモンを投与す
る必要があるが、原理的には女性の子宮外妊娠と同じ。実際に英
オックスフォード州で、受精卵が女性の腹腔内に移動して大腸の
表面に着床、無事に育って生まれるという珍しい子宮外妊娠の例
があった。
 これについて、ノッティンガムの不妊治療センターのサイモン・
フィシェル博士は「女性が事故で子宮を失い、代理母を使わずに
子供をつくりたいと望んでいるカップルの場合などは倫理的に問
題はなく、危険性さえなけれは施術するだろう」と賛成論。
 また同紙は、男の妊娠を禁止するのは、法的には性差別になる
ので不可能なはずという専門家の意見も伝えた。
 これに対し、やはり体外受精専門家のイアン・クラフト氏は
「男が妊娠可能でも、認めるかどうかは別問題。危険が伴うし、
自然の摂理に反する」と反対を表明した。