サクラ大戦 Vol.37

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18名無しくん、、、好きです。。。
イチローの足の間で膝立ちして、頭を抱き寄せるようにして肩に腕を回す。
ママになるって、どんな気分なのかな?
赤ちゃんにおっぱいあげるのって、どんなカンジ?
ボクの胸にイチローの顔が近付いてくるのをドキドキしながら見守る。

前はサーカスを見に来てくれる楽しそうな親子連れを見ても、
ちっともうらやましくなんて思わなかったよ。
だけど、イチローのこと好きになって、いつの間にか子供たちじゃなく、
優しそうなママに自分を重ねるようになってたんだ。
そしたら、家族に憧れる気持ちを押さえられなくなっちゃった。
こんなふうにしてみたかったんだ。
サーカスで生まれた動物の赤ちゃんたちも、ママのおっぱいを飲んでる時が、
一番幸せそうなんだもん。

唇が触れた途端、まるで電気が走ったみたいだった。
イチローがボクの胸のちょっとだけ出てる先っぽをお口に含む。
舌の先でアメ玉を転がすようになめられた後でチュッと吸われて、
思わずビクンと震えちゃった。
イチローのおっぱいは、ボクが吸ってもくすぐったそうなだけだったのに、
ボクのおっぱいは、気持ちいいっていうより敏感すぎて痛いや。
痛いけど、吸われるたびに、やさしい気持ちでいっぱいになる。
えへへ……これが母性本能なのかなぁ?
そんなふうに思ってたら、いきなり強く吸われてびっくりしちゃった。

「くっ!……ん」
「ごめんよ、今のはちょっと強すぎたな」
「いいんだ。イチローは今、ボクの赤ちゃんなんだから、遠慮なんか
 しないで、たくさんおっぱい飲んで、早く大っきくなるんだよ」
「おっぱい出てないよ、コクリコ」
「もう、イチローってば夢がないなぁ〜」

いつもとは逆で、ボクのこと見上げてるイチローと、顔を見合わせて笑う。
ボクは今、教会にある聖母像みたいに優しい顔をしてるかもね。
それはきっと、イチローのこと、愛してるからだよ。
生乾きのシャンプーの匂いのする頭を胸に抱いて、黒い髪を撫でてみる。
イチローとこうしてみて、ますます赤ちゃんほしくなっちゃったよ。

「ボクに赤ちゃんが生まれたらね、おっぱいをたくさん飲ませてあげるんだ。
 お腹が空くのはつらいもん。雨の日や風が強くて怖い夜には、寝つくまで
 ずっと子守歌を歌ってあげるんだよ。
 ねぇ、イチロー。ボクにはママがいなかったから、ママが子供を
 どんなふうに愛するのか、よくわからないんだ。
 だけど、ボクだって……ママになってもいいよね?」
「コクリコは誰よりも心の痛みを知ってるし、優しいから、きっといい
 ママになれるよ」
「ホントに!?」
「俺が保証するよ」
「……よかった……」

〔つづく〕