1 :
名無し、、、好きです。。。:
ときメモキャラ総出演のバトルロワイヤル。
1、2問わず男女を問わず、全員が瀬戸内か東シナ海の無人島にぶち込まれ、武器を持って戦います。
僭越ながらそんなデス&ポップな作品を造りたいと考えております。
無論担任は麻生華澄先生に担当して頂きます。
差し当たって、一つ質問。
皆さんは誰が生者になるべきだと御考えでしょう?
また逝者についても、どんな逝き方がこのキャラには相応しいとかあれば御意見下さい。
>>1 低脳な奴め、いいかげんにしろ。マジで氏ね。
ガイシュツです。
6 :
テンプレ:2001/02/09(金) 09:40
8 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/02/09(金) 12:12
>1
詩○の武器は、ヘアバンドか?それで美樹腹の首でもしめるか?
ともかくお前、速攻逝け
9 :
偽穂刈:2001/02/09(金) 12:17
フン、つまらんスレだな。ageるな。
10 :
あ?ああん?:2001/02/09(金) 12:28
お前なんて逝ったってもそこでも逝けと言われるのだから
なにもするな!!
アボーン!!
か、可哀想な人・・・
>>10 みんな、放置してあげてね・・・・
■sage(さげ)
いま書き込んでいるスレッドの並び順を維持します(ageない)
「E-mail」欄に sage と記入します。
teriサーバーにある板では「sage****」などで
sageることが出来る場合があるようですが
通常の板では余計なものをつけるとsageる事は出来ません。
↓sage↓
14 :
ごーきゅー%若菜イチオシ:2001/02/09(金) 17:45
いんどめたしん の新刊のネタになってる、 に一票(w
>>15 あんたみたいな風紀委員っぽい書き込みがいっぱいあるからageてやりたくなるんだけど
17 :
1:2001/02/09(金) 23:17
>3
に代表されるドキュソキャラ萌えヲタの方にとって、
この主旨のスレはいささか刺激が過ぎたかと、反省しております。
重ね重ね、お詫び申し上げます。
>5
麻生先生の投げられるナイフであれば、甘んじてお受け致します(藁
逝 っ て よ し
さようなら。
っ て 言 う か 氏 ね
22 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/02/09(金) 23:57
1日で21か。思ったより上出来だったな。
33 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/02/10(土) 00:47
いやー、こういう風紀委員気取りを見ると上げたくなるね
34 :
森喜朗:2001/02/10(土) 00:49
さげなさい。ワシは総理じゃぞ。
>>35-44
お前がいちばんウザい。
ギャルゲ板を正常化しようと思ってやってるのかもしれないけど、
その結果厨房を呼び寄せてる事に気付け。
53 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/02/10(土) 01:22
56 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/02/10(土) 01:23
59 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/02/10(土) 01:23
偽清掃屋だろう?やめとけよ。
どっちも消えろ
100以下まで落ちたか、、、さて、はじめようか、、、
一瞬、慣れ親しんだ教室ではないと光は錯覚した。
もちろん、その部屋はいつものひびきの高校の教室であったのだけれど、
何かがおかしかった。何かが違っている。
すぐに、光はその原因に気づいた。窓の外で、すでに日が暮れようとしている。
さっきまで授業中であったはずなのに・・・
光は、辺りをそろそろと見回した。校内で見かけたことのある女の子たちが、
先ほどまでの光と同じように机に伏して眠っている。
そのなかには、光の親友でもある水無月琴子の姿もあった。
私、どうしたんだろう? 光がそう思ったとき、校内放送が鳴り響いた。
「わしがこのひびきの高校校長の、爆・裂・山である!
みな、よく眠れたかな? うむ、寝る子はそだつ!」
突然の大音量に、教室の女子たちはそれぞれ眠りから起き出した。
みな、なにが起こったのかわからないという顔で焦点の定まらない目つきを
している。しかし、スピーカーから流れ出た次の言葉に、誰もが目を覚ました。
「いいかー! 説明する。今日皆に集まってもらったのは他でもない!」
そして、言った。
「今日は、皆にちょっと、殺し合いをしてもらう!」
その声に、全員の動きがスチル写真にとらえられたように止まった。
教室内のざわめきが消える。
「お前たちは、今年の”伝説のプログラム”に選ばれたのだ!」
誰かが、うっ、とうめいた。
【残り13人】
およそこの国の女子高生で「伝説のプログラム」を知らない者はいないだろう。
あまりにも人気のある男子がいたときだけ行われる、より相応しい一人として
選ばれるための女同士の戦い。それはいわば、学校公認の公開喧嘩だ。
去年は確か隣町の高校で行われたと聞いている(その時は何か玉を使った
ゲームだったらしい)。
勝者の少女は、幼なじみの彼を手に入れたばかりでなく、芸能界デビューまで
果たしたという。
もっとも、噂では聞いているものの光も今の今まで人事だと思っていた。
私の好きなあの人は、きっと私だけを好きでいてくれる、年頃の乙女なら
誰もがそう考えるものだ。
それがまさか2年連続、こんなにも近い場所で行われるとは・・・
「そんなばかな」
椅子をがたんと鳴らして、伊集院メイが昂然と立ち上がった。
「なぜ、この伊集院メイが、そんなものに参加しなくてはならないのだ?
伊集院家が、ゆ、許すはずないのだ」
彼女お得意の台詞だった。が、スピーカーからの返事は
今まで彼女が経験したことないほど冷淡なものだった。
「馬鹿ものぉ、平等というのがどういうことか知らないか!
君が伊集院家の娘だからって、彼が君を選んでくれる保証はないのだ!
ちなみに、君たちのお父さん、お母さんも了承済みである!」
それを聞いて、メイは糸が切れたように椅子に崩れ落ちた。
他の皆も押し黙ったままだ。
あまりの事態に、現実を持てあましているといった感じだ。
「なんだ、まだ信じられんとは・・・仕方ない、おい、入ってこい!」
呼びかけに応えて、教室の入り口の引き戸が開いた。そこから入ってきたのは、
クラスメイトの男の子、坂城匠だった。肩から何かの詰まった寝袋のような
袋を担いでいる。
「紹介する必要もないと思うが、彼、坂城匠くんは今回のプログラムを
手伝ってくれる。さあ、見せてやれ」
匠が袋のジッパーに手をかけ、ゆっくりと開くと
そこから亜麻色の髪がさらりとこぼれて・・・
「きゃああああああぁぁああぁ」
最前列に座っていた寿美幸が耳を劈くような叫び声をあげた。
半分ほど開かれた袋の中身に皆の目が引きつけられる。
光はごくりと唾を飲み込んだ。
「華澄おねえちゃん・・・!」
袋の中から覗けていたのは、光のクラスの担任であった麻生華澄の姿だった。
いや、もうそれは"もと"麻生華澄ですらあった。
何が行われたのか、美しい亜麻色の髪には血がこびりつき生気の無くなった眼は頭蓋の半分ほどに陥没していた。細い腕が通常では曲がり得ぬ方向へと曲がり、教壇から垂れ下がっている。
「いやぁぁあああ助けてよぉぉぉおお!!」
再び寿が悲鳴を上げた。それに釣られて教室内に阿鼻叫喚の渦が巻き起こった。
「こらぁ、静かにせんかぁお前たちぃ!」
スピーカーからの声も少女達の金切り声に掻き消される。
それを収めたのは、部屋にこだました一発の銃声だった。
気づいた時には、最前列にいた寿美幸が椅子ごと派手な音を立てて倒れていた。
額には、黒々とした穴が開いている。斜め後方に座っていた佐倉楓子の机にまで鮮血が飛び散り、彼女は「ひっ」と小さく声を上げた。
床には、見る見る赤黒い血だまりが広がっていった。
世界一ツイてない女の子は、こんな時までツイてない。
【残り11人】
66 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/02/14(水) 02:28
うわっなんじゃこれ?
うきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃ!!!!
馬鹿です!1は馬鹿です!偉そうなことほざいて馬鹿ですよ!!!
アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!
1さん!!あなたはどうしてそんなに馬鹿なんですか!?!?!?!?!?
キチガイですか!?ヒッキですか!?アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!
うきゃきゃきゃきゃーーーーーーーきゃきゃきゃーーーーーー!!!
あほですよ!!1さんはあほです!!!全くあほすぎます!!!もひゃひゃひゃひゃひゃひゃはやひゃは!!!
もひょうよほよひょごほひょひょーーーーーー!!!1はあほです!!!1は馬鹿です!!!
1はこれからずっと社会の到底で生きていくことでしょう!!!!!アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!
もひゃひゃははや!!!1さん遠慮なく逝っちゃって下さい!!!!許可しますよ!!!
あなたみたいなアホ人間は逝ってよしですぅぅぅぅぅぅぅうううう!!!
アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!
アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!
アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!
アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!
アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!
アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!
アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!
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>1
お前、警察にマークされるぞ。
スゲエ!!ちゃんと小説書いてる人が居るよ。やっぱ1なの?
というかある程度潜った方が良いよきっと。んでsage。
>>62 うーむ、「ギャルゲーロワイアル」スレッドはもうないのか…。
あそこにすごいのが載っていたんだが…。
あがってるし、、、
一応言っておくけど俺は1じゃないです。
最近バトロワ読んだばっかなんで、パロディ書いてみたかったもんで、、、
それに俺、こういうコピペ野郎とか掃除屋とか風紀委員気取りの
プチ基地外どもが大嫌いなんで、
まあそいつらへの皮肉の意味も込めてこのスレッドでやろうかなと、、、
>70
先行者がいたのか、やっぱ、、、
「こら坂城、お前が殺してどうする?」
スピーカーからの叱責に、まだ煙をあげている銃口を少女達に向けたまま
匠は苦笑した。教室内は静まりかえっている。
「だが、これで進められそうだ。
麻生先生は、なぜだか知らんがこのプログラムにえらく反対したのだ!」
それを聞いて、光は強い衝撃を受けた。
もしかすると華澄おねえちゃんは、私のために反対してくれたのかもしれない。
だが、光には何もできなかった。既に同級生一人の命を奪った銃口が
こちらを向いている(どうして匠君は顔色ひとつ変えずにいられるの?)。
それでも、どうしても華澄の顔に眼が吸い寄せられてしまう。
今にも泣き出しそうだった。
「では、ルールを説明する。簡単だ、お互いに殺しあって
最後の一人になれば勝ち。何をしようと自由!
勝者はあこがれの彼に告白できるぞ! どうだ、すごいだろう!」
光は幼なじみの彼を一瞬思い浮かべた。
が、凄惨な華澄の姿が脳裏にちらついて快くはなかった。
「会場はひびきの市内の全て!
このプログラムのために住民の皆さんには出ていってもらった!
・・・・・・」
淡々とルール説明は進む。誰も何も言わなかった。
部屋に漂う生々しい血の匂いが、彼女たちに事情を了解させていったようだ。
「ややこしい説明はこれまでだ。
これから、校長として一つ、アドバイスをしよう。
みんなは、いきなり殺しあうなんて無茶苦茶だと思うかもしれないが、
忘れてはいかん。他のみんなはやる気になっている」
ウソだ、と光は心の中で叫んだが、この時教室内にある変化がおこり、
光は確かにそれを見た。
誰からともなく周囲に目を配り(その中には水無月琴子の目もあった)青ざめた顔で
視線を走らせたのだ。
そうだ、元はといえば恋のライバルどうし、何が起こっても不思議ではない。
そう考える人がいないとは言いきれなかった。光は唇をかみ締めた。
「ではこれから2分おきに一人づつ、教室から出ていってもらう。
部屋を出るときに武器や食料の入ったデイバッグを渡すので、忘れず受け取るように。
出発したらすぐに校外に出ること、うろうろしてると撃ち殺されることになる!
出発順は、先頭をくじ引きで決めて、後は名前の順だ!」
そこまで聞いて光は、自分の次に出発するのが水無月琴子であることに
気がついた(琴子がもし先頭でなければ)。
と、いうことは校門の外で琴子を待つことも可能ではないか?
「うむ、一番初めに出発するのは・・・八重花桜梨に決定した。
次は、最初に戻って赤井ほむらじゃ」
【残り11人】
げえええ!
書いたの、1じゃなかったのかよ!?
みんな、ストレス溜まっているのかぁ?
>>71 なるほど。そういうことなら協力しよう(よけーなお世話とも言う)。
そのうち1も戻ってくるさ。
75 :
協力:2001/02/15(木) 14:05
出席番号順に並べてみたりしちゃうぞ。
女子一番 赤井ほむら
女子二番 麻生華澄
女子三番 伊集院メイ
女子四番 一文字茜
女子五番 (九段下舞佳)
女子六番 寿美幸
女子七番 佐倉楓子
女子八番 (白雪真帆)
女子九番 白雪美帆
女子十番 (野崎すみれ)
女子十一番 陽ノ下光
女子十二番 水無月琴子
女子十三番 八重花桜梨
コメントをつけたりしちゃうぞ。
赤井ほむら 格闘戦においては茜と双璧の強さ。生命力も高い。
麻生華澄 万能の上に生徒の弱点を知り尽くしている。あ、もういないのか。
伊集院メイ 伊集院家の技術ならクローンの一体や二体は用意済みさ。
一文字茜 あの兄貴なら海の孤島にでも助けに来よう。本人も強いし。
九段下舞佳 実は軍事関係のバイトもやったとかやらないとか。
寿美幸 BRでは生き残った奴がある意味一番不幸だ。となれば。
佐倉楓子 忘れたか?BRにおいては転校生=強いという公式がある事を!
白雪真帆 美帆のフリして油断させるのだよ。冷酷そうだし健闘するかも。
白雪美帆 そういえば前世少女がいたね。映画では瞬殺されていたが。
野崎すみれ 瞬発力では右に出るものなし。非情さがないのは弱みか。
陽ノ下光 人気があるキャラは死なないという少年誌の法則と俊足がウリ。
水無月琴子 みんな思ってるんだろ?光子がハマり役だってさ・・・。
八重花桜梨 DDRで見せた順応性・人気二位・淡白と好条件が揃い過ぎてる。
どうでもいいけど、八重さんは殺すなよな。
すごく助かります、どうもです>75、76
あと申し訳ないんですけど、できたら各キャラ同士の呼び合い方とか
相関関係とか、リクエストしていいでしょうか?
はっきり言ってちょっと資料不足なもんで、、、
点呼とスタートが、容赦なく始められた。
最初に教室を出ていったのは、八重花桜梨だ。
普段から暗い表情をさらに強張らせながら、ふらふらと立ち上がって
銃口に見送られながら出ていった。
戸口の向こうに姿が消えた途端に、数歩、廊下を歩く上履きの音が聞こえて
すぐに走る音に変わり、遠ざかっていった。
永遠にも思える静寂が流れて、また次の出発者をスピーカー越しの声が催促する。気丈な生徒会長、赤井ほむらが足取りも重く部屋を出る。
続いて伊集院メイ、一文字茜、佐倉楓子と一定の間隔を置いて
次々に出発していく。
それを眺めながら光は、琴子を外で待つべきかどうか必死に考えていた。
もし誰かが”やる気”になっていたら、それはとてもリスクの大きい賭けだ。
が、琴子とならこの異常な状況の中でも善後策を話し合える。
彼女だけは今の光にとっても信じられた。
どうすべきか、光はただ心の中で自問自答していた。
その時、
「きゃぁぁあああぁああーーーー!」
誰かの叫び声が校庭に響き渡った。そう遠くはない場所からだ。
何が起こったの? 光の顔色がスッと消えた。
今まで耳にしたことのないような、いや、ついさっき袋が開かれたときに
聞こえた悲鳴、それに、似ていた。
悲鳴はすぐに止んだ。何かが起こった、もう疑いようもなかった。
光の気持ちの整理がつかないうちに、新たな出発者、白雪美帆が教室から出ていく。
次は自分だ、光は考えることをやめて腹を括った。
いづれにせよ、答えは外にあるのだ。
わずか2分のインターバルが無性に長く感じた。
さっきの悲鳴が頭から離れない。
アレは、ひょっとして、断末魔の悲鳴、というものなのだろうか?
だとしたら、いったい誰の? 悪い予感ばかりが、胸をよぎる。
「光ちゃん、出発だ」
匠が無表情に言った。光はきっと睨んだが、ひるむ様子もない。
立ち上がって、教壇の前まで進む。
そこには寝袋に包まれた麻生華澄の血まみれの遺体があった。
光はその変わり果てた”近所のお姉さん”の姿を、じっと見つめた。
子供の頃からの思い出が、こんな時に頭に浮かんでくる。
やはりどこか間違ってる、こんなことが許されるはずもない。
が、そんな思考を中断させるように、匠が武器の入ったデイバッグと銃口を押しつけて、催促する。
「さあ、行って」
光は深呼吸すると、ゆっくり教室の扉に手をかけた。
部屋を出る直前に、振り返って水無月琴子を見た。
琴子が、かすかに微笑んだような、気がした。
光は、それだけで少し落ち着いた気分になった。
やはり校門の外で琴子を待っていようか、またそう考えた。
軽く頷いて、そのまま廊下へと歩を進めた。
だが−− 琴子の方がよく事情を了解していたのかもしれない。
その笑みはあるいは、これでさよならかもね、光、という笑みだったのかもしれない。
基本的にさん付け。下のは例外。
光→琴子 琴子
→華澄 華澄さん
琴子→光 光
寿→白雪 みほぴょん
美帆→真帆 真帆
真帆→美帆 美帆
どうせシナリオを書いてる人によって違う。ギャルゲーなんてそんなもんさ・・
仲の良い組み合わせ
陽ノ下と水無月
陽ノ下と麻生
寿と白雪
赤井と一文字
佐倉と八重
華澄と九段下
仲の悪い組み合わせ
赤井と伊集院
以上がオフィシャル。
どうせゲーム・小説・サブスト・ドラマCD・同人誌・ネット小説・・
それらによって違う。ギャルゲーなんてそんなもんさ・・
はやく1もどってこーい。
下の表には何の意味もありません。気にしないで下さい。
あーBRが手元に無いよー。
赤井ほむら
麻生華澄 いきなり殺された担任の先生(名前失念)
伊集院メイ
一文字茜
九段下舞佳
寿美幸
佐倉楓子
白雪真帆
白雪美帆 ディキアン・ミズホ
野崎すみれ
陽ノ下光
水無月琴子 相馬光子
八重花桜梨 桐山和雄
発想自体に無理があったか。千草貴子とか該当者多すぎ。
やっぱりほとんどが灯台に立て篭もるのかな、映画は意外とおもろかったネ
84 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/02/18(日) 19:12
映画まだ見てないんすよ、、、ビデオ落ちを待ちます。
あっしまった、、、
84は僕です、、、
窓から見た夕日が、校庭を赤く染めていた。
校門へ向けてとぼとぼと歩きながら、光はこれからどうすべきかを悩み続けていた。
まずは琴子と合流しよう、それが第一だ。
こんな状況、とても一人では耐えられない。
そして、できることなら他の女の子たちと話し合って、
この馬鹿げた戦いをやめさせる。きっとみんな、わかってくれるはず。
もうひとつ、華澄お姉ちゃんを殺した人たちを、私は絶対に許さない。
復讐、普段の光では思いつきもしない言葉が、胸中に渦巻いていた。
が、そんな甘い計画は、校門を出た途端に崩れ去った。
校門の先、通学路に何かが落ちている。
山腹の鬱蒼とした林を昇る通学路は見通しが悪くて、それが何か
遠くから判別ができない。
なんだろう、光は軽い気持ちで近づいていったが、すぐに目を見張った。
人間が、転がっていた。たしか、一文字茜さん、だったと思う。
一目見て、もう助からないとわかる。
喉がぱっくりと割れて、そこからまだフレッシュな血が鼓動にあわせて噴き出していた。
さっきの悲鳴は、これだったんだ。
光ものど元まで悲鳴がこみあげてきたが、こらえた。
さらなる恐怖が、光の思考を奪っていたから。
これって・・・これって・・・やっぱり誰かが、やったの・・・よね?
茜の天まで釣りあがった眼球が光に語りかける。ワタシハ、コロサレタ。キヲツケテ。
今までどこか希望を持っていた光が、一気に現実を叩きこまれた瞬間だった。
直後、林の中からかさかさと物音がした。
狙われてる? などと意識する暇もなく、光は必死に通学路を駆け下りていった。
【残り10人】
林の陰では、伊集院メイが包丁をしっかりと握りしめたまま震えていた。
包丁には、一文字茜の血脂が、拭いようもなくまとわりついている。
「咲之進・・・姉様・・・」
蒼白の唇から、助けを求める呟きが漏れる(もちろん誰も来てはくれないが)。
メイは校門を出る前に、自分のバッグの中身を点検していた。
安っぽい非常食(メイにとっては物珍しかったが)、時計、
そして一本の肉切り包丁が入っていた。
その包丁を手に取ったのも、別段護身を考えてのものではなかった。
日常、料理などする機会のないメイにとって、好奇心も手伝い、なんとなく持っていただけだ。
それを使って誰かを傷つけるなど、メイには思いつかなかった。
あまりにも、過保護に育っていたから。
校門の前で誰かを待っていたのも、ただ一人が心細かったから。
どうしていいかわからなかったから。
けれどそんな全ては、後から出てきた一文字茜に通じるはずもなかった。
夕日のなか包丁を握り締めて校門の前に大胆に立ち竦む伊集院メイを見たとき、
一文字茜は全身が粟立つのを感じた。
「待っていたのだ」
そういってひきつった笑いを見せるメイが、たまらなく恐ろしかった。
なまじ自分の力に自信があるばかりに、自らのバッグの中身を
チェックしていなかったことを、茜は激しく後悔した。
先手必勝、一文字茜は伊達ではない。兄譲りの戦闘センスは抜群だった。
すぐさま手にしたデイバッグをメイに向かって叩きつけると、
包丁をもぎ取るべく掴みかかっていった。もつれ合いながら、二人は倒れた。
「なにするのだ、やめるのだ!」
そう叫んだとき、メイは間近で茜の眼を、見た。
血走ったその眼は、爛々と光っている。
彼女は自分に危害を加えようとしている。だけど誰も助けてはくれない。
メイにとってこんな体験はこの時が初めてだった。
反射的に払おうとした。
「・・・っ!」
包丁を握ったまま、押さえ込まれそうになっていた両手を思い切り振り回した。
切っ先に引っ掛かるような感覚。
一拍遅れて、なま暖かい液体がメイの首筋に降りそそぐ。
うつぶせのまま、メイは受難の時が去るのを待った。
相手は何もしてこない。目を開けて、振り返るとそこには、
首を切られた一文字茜が横たわっていた。
後は覚えてない。
忘れたかった。
気がついた時からこうして木陰で震えていた。凶器となった包丁を握ったまま。
デイバッグが傍らに2つ。茜の物も持ってきていたらしい。
「メイは・・・メイは人を殺してしまったのだ・・・
でも、あれは事故なのだ・・・」
「そこ、誰かいるの?」
最後の出発者、水無月琴子の声だった。
俺の記憶によると・・・。
一文字茜→赤井ほむら ほむら
赤井ほむら→一文字茜 茜
赤井ほむら→その他 苗字呼び捨て
伊集院メイ→赤井ほむら 「山猿」、又は「猿」が基本。(w
伊集院メイ→その他 苗字呼び捨て
寿美幸→伊集院メイ メイちゃん (ひびきのネットでこう呼んでた)
寿美幸→坂城匠 さっきゃん
白雪美帆→白雪真帆 真帆ちゃん
白雪真帆→白雪美帆 姉さん
こんな感じだったかな。
ageちゃいやーん。
様子を窺うような油断ならない沈黙が辺りを支配した。
メイは、息を潜めてそっと相手の姿を確認する。
琴子は一文字茜の死体の傷口を観察していた。まるで何かを点検しているような手振りだった。
そして、彼女は迷うことなくメイの所へと、茂みを分け入ってきた。
メイの体に降りかかった大量の血の跡が点々と、彼女の居場所を示していたのだ。
とりあえず、琴子は丸腰だった。
あんな物を見た後だというのに琴子の態度は普段と変わらない。
それがメイを奇妙に安心させた。
「あなたが、やったの?」
きっかけとなったのはその一言だった。
張りつめた緊張の糸がプツンと切れたのか、嗚咽混じりの声でメイは弱々しく訴えはじめた。
「メイは・・・メイは・・・
殺すつもりなど無かったのだ・・・
怖かったのだ・・・ただ怖かったのだ・・・」
「そう、そうよね」
予め想像していたのか、血塗れとなって包丁を握るメイを見ても、
琴子は怯えることなく歩み寄った。
「あの女が、いきなり襲いかかってきたのだ・・・
メイは何もしてないのだ、あの女が悪いのだ・・・」
もう独りぼっちではないという安堵感が、メイの胸をいっぱいにした。
メイの眼からも、どっと、涙がこぼれだしていた。
「大丈夫、わかってるわ。誰だってこんな状況じゃ
自分を守るのに精一杯だもの、仕方ないわよ」
メイは泣き続けた。
今まで当たり前のように大勢の人に守られてきたから、
こんなにも一人の人が側にいてくれることが心強いと思ったことはなかった。
メイは本当にわがままだったのだ、ごめんなさい・・・
ざくっ、という、小気味よい音が響いた。
袈裟懸けに斬り倒されたメイは、どぅ、と草むらに沈んだ。
声をあげることすらなく、ただ、引き裂かれた体が熱く燃えるような感触を最後に、
メイは意識を失っていった。最後に彼女が思ったのは、何だったのだろうか?
(じゃあなんで包丁なんて持ってたのよ)
琴子は手にした正宗を一振りして返り血を払うと、背中に隠してあった鞘に
収めながら冷然と言い放った。
「正当防衛よ、悪く思わないでね」
【残り9人】
サクっと氏んでますなぁ。
楽しく読ませてもらってます。
頑張ってください。
メイ様を・・・殺ったな!!
なぜクソ琴子の方を殺さんのだ!?
最終的にオチはどうなるのか。
ときめきバトルロワイヤルがんばれ〜
>>94 「!!・・・あぁ、怖い夢だった・・・」
で、足もとを見ると、血だらけの制服と刃物が・・・。
どれくらい時が経ったのだろう?
ひびきのタワーの展望台にあるロビー、その窓辺から
八重花桜梨は俯きがちに街を見ていた。
真夜中の海のような、濃密な闇が街全体を覆っている。
本来なら眼下には生活の灯かりが燈り、美しい夜景が広がっているはずなのに。
この闇の中を、今も教室で見た同窓生たちが自分を殺そうとして蠢いているのかもしれない。
教室で一撃の元に倒された寿美幸の姿を思い出して恐怖が再び胸を過った。
先頭として出発して以来、花桜梨はずっとこのタワーに立て篭もっていた。
入り口には厳重に鍵を掛けて、エレベーターの電源も落とし、
階段にはソファで即席のバリケードを築いた。
ここなら誰かに見つかる可能性は低いだろうし、侵入者がいたとしても
逃げるまでの時間を稼ぐことはできるはずだ。
そうして気休めながら一時の安息が約束されると、花桜梨の悪い癖である
考え過ぎの虫が騒ぎ出した。
本当に「殺人」を犯そうとする娘がいるのだろうか?
安易に他人を信じることには懲りているが、昨日までの日常からすると
いくら自分のためとはいえ誰かを殺すことなど常識の埒外だった。
世の中にはそういう人もいるというのは理解しているが、
同じ学校に通う女の子の中に、そんな人がいるのだろうか?
いくら考えてもわからない。
私には、できない。それははっきりしていた。
どれだけのうんざりするような現実を見せつけられても、
私には誰かを殺そうとするなんてできそうにない。
花桜梨は投げ捨てたままにしてあるデイバッグを絶望的な気持ちでちらっと見た。
なんでこんな事になったんだろう?
人を好きになっただけなのに、ひどすぎます、神様。
いっそ自殺してしまおうか、こんな暗闇にずっといると、時折
そんな思いも頭を掠めていく。
でも、それもできなかった。
微かにでも他の女の子達を信じる気持ちがあるから、簡単には命を捨てられない。
この悪夢は、最後の一人になるまで続くのだ。
いっそ私がここにいる間に終わってくれたらいいのに。
けどそれは、他のみんなが死んでしまった(見殺しにした)という結果だ。
他の娘の亡骸のうえに立つ私。とても、嫌だ。
その時、ロビーの静寂を打ち破るがなり声が、した。
「ワシがひびきの高校校長、爆・裂・山である」
突如響いた大音響に穂刈純一郎の先を急ぐ足がぴたと止まった。
それにしても耳障りな大声だ。
スピーカーの残響がひどくて声の方向がわからない。
学校からだけではないようだ。
「みんな頑張っているか? 逃げ出そうとか、抵抗しようとしても無駄だぞ。
わかっているな?」
ああ、と穂刈は舌打混じりに呟いた。
何か見えない檻のような物が町境を遮り、決してこのプログラムの枠から
逃げられないようにできている。電車さえ動いていない。
前もって聞いていなければ、こうして街中に潜んで
開始を待つなどという芸当は不可能だったろう。
穂刈は少しだけ、あのムカツク校長の犬、坂城匠に感謝した。
「よいか、今からリタイアした者の名を言う。皆、心して聞くように」
穂刈の身体が硬直した。木刀を握る掌に我知らず力がこもる。
まさか目的を果たさないうちに彼女が死んでしまったなんてことはないだろうか?
「まずは、寿美幸。これはみな知っているか・・・
次は一文字茜、
そして伊集院メイ。以上じゃ」
−−違った。
読み上げられた名前の中に彼女のものはなかった。
穂刈は安堵し、ふうっと息をつく。
そして、死んだ娘達に対して安堵したことを申し訳なく思った。
とにかく、急がなければ。
彼女がいつまでも無事であるという保証はない。
何の手がかりもないが、必ず探し出す。
穂刈純一郎は再び彼女の姿を求めて、暗い街へと消えていった。
【残り9人】
#
今回は誰も死ななかったですねぇ。
予告しちゃうと、次は殺します、、、
>94
オチ、まだ決まってないです。なんとなくかんがえちゅう、、、
ところで八重花桜梨さんの武器って、
何がいいでしょうか?
自由に殺ッてください ドキドキ
あーこのスレ消えたかと思った。残ってて安心したよ・・・・・。
>八重さんの武器
お任せ致します。
102 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/02/25(日) 21:10
うきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃ!!!!
馬鹿です!1は馬鹿です!偉そうなことほざいて馬鹿ですよ!!!
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あほですよ!!1さんはあほです!!!全くあほすぎます!!!もひゃひゃひゃひゃひゃひゃはやひゃは!!!
もひょうよほよひょごほひょひょーーーーーー!!!1はあほです!!!1は馬鹿です!!!
1はこれからずっと社会の到底で生きていくことでしょう!!!!!アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!
もひゃひゃははや!!!1さん遠慮なく逝っちゃって下さい!!!!許可しますよ!!!
あなたみたいなアホ人間は逝ってよしですぅぅぅぅぅぅぅうううう!!!
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八重さんの武器はトンファーかワイヤーがいいと思ったりしちゃったり
ラストまでがんばってください。
ずっとロムります、邪魔しないように完結まで書きこみません。
本当にがんばってください!
八重さんの武器はワイヤーにもう一票。
純は何の為にいるの?気になる〜
108 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/02/26(月) 12:45
大阪名物はりせんちょっぷに一票
109 :
八重:2001/02/26(月) 12:51
・・・止めて。死にたくない。
蝿たたきに一票。
111 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/02/26(月) 17:45
バレーボール壱ダースに一票
ベレッタM92FS <八重さんのエモノ
なぜかいきなり人気スレに!?
ベレッタは女性にお勧めの小口径お手軽銃ですな。
でもおなべのふたに一票。
114 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/02/26(月) 18:58
同じベレッタでもエリートUに一票
大柄な八重さんならFAMASも余裕で使いこなせるかも。
楓子なんか蜂の巣だモン!!
八重さんファンだから彼女には生き残って欲しいが、
光の視点で始まっているから、そこに帰結するのが妥当なんだろうな・・・
死なすのなら、即死ではなく余韻を持った最期を希望。
激闘の末、他人を信じられる心を取り戻したうえで、静かに・・・。
>>116 ・・・死なすのイヤ。
作者、なんとかせい。
いや、ガンガン死んでしっかり、バトロワのパロディしてもらいたい。
俺が寿ファンだというのは関係ないよ、ホント。
先生はこいつの生き残りに給料全部を賭けるぞー。
「赤だけ透けろ」
アナグラムにしといたからなー。全て終わるまで解くなよー。
121 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/02/27(火) 00:43
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ちくしょう、赤井ほむらは拳に血が滲むほど強く、土管を殴りつけた。
友達だった一文字茜が死んだこともショックだったが、
なによりあの生意気で、嫌味で、チビで、ガキ臭くて幼稚な
小憎らしいカニ頭の、伊集院メイが、死んだ!?
うそだろう? あいつは殺しても死なないような奴だ、そんなバカな。
茜はともかく、伊集院メイの死に激しく動揺している自分に
ほむらはまた驚いてもいた。
かつて何度も喧嘩しあった犬猿の仲の彼女だったが、こうして理不尽に奪い去られると
まるで彼女が懐かしい友人であったかのような気がしてくる。
許さねえ、こんなクソったれな事させる和美ちゃん(校長)の野郎、
絶対に許さねえぞ。今まで信じてたのに。
怒りに煮えたぎるその手には、サブマシンガンが握られている。
イングラムM10、今回の支給武器の中では飛びきりの「当たり」だ。
ほむらは決意した。
こいつで、奴らに逆襲してやる。絶対に負けない。
茜、カニ頭、お前達の仇はとってやる、だから安心しろ。
本当は、出発した時からずっとこのシステムに対して
ほむらは不愉快に感じていた。
ただ、麻生先生や寿美幸を使ったデモンストレーションに、
やはり赤井ほむらといえども、ビビっていたのだ。
が、2人の死がほむらの我慢の限界に最後のひと押しを加えた。皮肉な結果だ。
決めた以上、行動に移すのは早い方がいい。
すぐさま学校へ向かおうと身を隠していた近所の公園から歩き出そうとした
その時、過敏になった神経が不自然な草の揺らぎに反応した。
イングラムを油断なく構えて、そちらを向く。
「やめて、うたないでください」
ほむらはその娘に見覚えがあった。白雪美帆だ。
自分に向けられている銃口に、白雪美帆は泣きそうな顔になりながら訴えた。
「お願いです、銃を下ろしてください」
ほむらはこういう時どう言えばいいのか一瞬困った。
しかし、昔見たアニメのワンシーンにこんな場面があった気もする。
ええと、たしか
「両手をあげろ。動くなよ、わかったか?」
美帆は何度も頷いて、言われたままに万歳の体勢をとった。
ほむらはゆっくり近づきながら、仔細に美帆の様子を観察した。
武器は、携帯してないようだ。
「誰かと一緒にいたくて。妖精さんが、赤井さんだったら、
私のこと殺そうとなんてしないって・・・・・・」
震える美帆の唇から囁かれる言葉に、ほむらは警戒心を解いていった。
ああ、彼女には少なくとも敵意はない。銃口を外すと、ほむらは言った。
「他に誰か見なかったか?」
美帆は首を横に振った。考えてみれば、もしも誰かと出会っていたなら
こうして一人ノコノコ歩いている可能性は低いだろう。
「赤井さん、一緒にいてくれますか?」
美帆が期待を込めた瞳でほむらを見つめる。
が、ほむらは決心に従って彼女に告げた。
「あたしは、今から校長や、このろくでもない事をさせる奴らをぶっ殺しにいく。それでも、一緒に来るか?」
美帆は、目を丸くしていた。
まさか、ついてきてくれるなどとほむらも考えてはいない。
第一、武器も持たない彼女についてこられても足手まといだ。
せめて運動能力に優れた陽ノ下光か冷静沈着な八重花桜梨。
そして最強の友達だった茜さえいてくれたなら、どれほど心強かったろうか。
月に照らされた公園に一抹の淋しさを含んだ風が吹きぬけた。
と、美帆が口を開いた。
「私の妹のこと、赤井さん、知ってますか?」
突然何を言い出すのか?
ちらっと思ったがほむらは深く考えることもなく答えた。
「知ってるぜ。真帆とか言ったっけ? 隣町の高校に通ってるって聞いたけど」
美帆は微笑みながら頷いた。
「私、真帆ちゃんにいろいろ聞いたんです、このプログラムのこと。
去年のプログラム、真帆ちゃんの学校が対象だったんです。
真帆ちゃんは参加しなかったけど・・・・・・」
一体何が言いたいのだろう?
「それで私達、時々、
もしも参加するならどういう方法をとるのがいいかとか、
相談したりしてたんですよ。ねぇ、妖精さん」
ひゅん。
イングラムを握っていた腕が根元からどさりと地面に落ちた。
ほむらは声にならない絶叫をあげる。
腕の切断面を残りの手で押さえつつ、後ろを振りかえる。
幅広の刃をもった片手斧を手に立っているのは、白雪美帆?
いや違う、あれは・・・・・・
意識する間もなく、胸の奥が燃えるように熱くなる。
正面の美帆が袖に隠し持っていた果物ナイフを
ほむらの肺臓めがけて深深と突き刺していたのだ。
口元から、吐息に混じって血の霧が夜の空気に舞う。
背後で大きく何かを振りかぶる気配がしたが、ほむらは
もう身体の自由が利かなかった。
彼女が大好きだったロボットアニメの一場面のように、斧が自分の背中の中央に
食い込んでいくのを、ただ為すがままに受け止めるしかなかった。
訳が分からないまま、ほむらは崩れ落ちていく。
わりぃ、仇をとることはできないみたいだ・・・・・・
数分後、ほむらが完全に動かなくなったのを確認してから、
2人はその隣で笑いあった。
「うまくいったわね、姉さん」
【残り8人】
125 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/02/27(火) 05:36
121に当てつけるようにageよう(^^
八重さん人気ってすごいなぁ、、、
>ときめきバトルロワイヤル
文章うまくなってない?
段々エンジンが掛かってきたな、頑張れ作者。
しかし白雪姉妹は思ったより手強そうだ・・・
九段下さんにも活躍の場を是非。
強そうなのがどんどんリタイアするなぁ・・・。
ここまでの展開について考察。
華澄さんが先生として登場・・・時期は3年生?2年の教育実習時?
いずれの時期も、佐倉楓子は大門高校・・・しかしひび高の教室に居る。
真帆は教室に居なかった(ほむらとの会話から推測)が、BRに参加。
九段下さん、すみれちゃんも参加?
以上を考慮した上で、どんどん殺ってください。
完結まで見守ります。
>>125 ageるから荒らされるんだよ。
以後sageろ。
>130
そーそー
深く潜らないと、浮上すると厨房が乗ってる実習船にぶつかっちゃうよ<さりげない風刺
みんなの言うとおりだぞー。
先生は賭けの結果が気になるからなー。
先生もこのスレが大好きだー。
133 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/03/01(木) 21:10
作者様へ、、、 とっても面白く、次も期待しているのですが、出来ればひとつ注文。
泥は全部真帆にかぶせて美帆は綺麗なままにして欲しい、、、ってもう遅いかも。
あげるなって言ってんだろ
メアド欄に半角でsageと入力する事。
基本だぞ
>>133
ホンマに作者は文章がウマくなってる。
思いつきからプロット作成に切り替えたか?
何でもいいが真帆と美帆が殺しあうコトもあるのか?
ちょっと嫌だ。
遅筆なところがまた憎い。
姉妹対決きぼん。もちろん作者の意向が最優先だが。
作者よ、じっくりと案を固めてくれ・・
これだけを楽しみにして3日間逝きぬいて来たのに続きがまだだなんて・・・
まあ、じっくり待とうよ
>>141 推測だけど、作者は八重さんを早めに殺すつもりだったのかも。
そこで武器のアンケート取ったら、「殺さないで」の嵐・・・
設定チェックのレスもあったし、本格的に内容を練り直してるのかもしれない。
いずれにせよ、読み応えのある内容だから俺は待つ。
どうせいづれは氏ぬんだから早めに氏なす方がダメージ少なくていいと思うけど、
多くの読者を惹きつけるのに八重は欠かせないといったところか。
やっぱりドラマチックな展開が似合うキャラでもあるしね
>>143 さて、あの無慈悲な桐山役は、誰になるのか・・・
「真帆ちゃんのおかげよ、ありがとう」
血に濡れたナイフをほむらの汚れた制服で拭いながら美帆が言うと、
真帆はちょっと眉を上げた。
かつての同級生を惨殺したというのに、白雪姉妹には一片の暗さもなかった。
まるで休日に仲良く出かけたショッピングの後のように、
2人は予定以上にうまくいった成果の前で喜びを分かち合っていた。
真帆は地面に落ちているほむらの腕からマシンガンを奪うべく、
指を1本1本丹念に引き剥がそうとしている。
「別にお礼なんていいわよ、姉さん。私だって、姉さんに死んでほしくないもの」
黙々と作業に没頭しながら、真帆は口先だけの返事を返した。
「それにしても、こんなに上手くいくなんて」
「何言ってるのよ、姉さん」
やっとイングラムM10をもぎ取った真帆は、新しい玩具を
手に入れた子供みたいにその重さを確かめながら月に翳して、言った。
「こんなの、経験者が圧倒的に有利に決まってるじゃない。
・・・・・・まあ、私が実際に参加したわけじゃないけど、
それでも噂だけはいろいろ聞いてるしね」
そう、元はと言えばこの作戦−−2人一組でのおとり作戦を
提案したのは、真帆の方からだった。
「前回の優勝者の娘も言ってたわ・・・・・・
相手が油断した時が最大のチャンスだって」
それはそうなのだろう、だが美帆の胸には何か割りきれない思いが生まれていた。先程の赤井ほむらの真っ直ぐな瞳にさらされた時から。
呟くように、美帆は言った。
「でも妖精さん。赤井さんを、殺す必要があったのかしら?」
真帆がぴくりと顔をあげた。
「赤井さんは、私たちを殺すつもりなんて全然なさそうだった。
それに赤井さんは、このプログラムを止めさせると言っていたのよ」
真帆は鼻で笑った。
「甘いわね、姉さん。それもすべて、演技だったって可能性もあるわ。
信じきったところで、後ろからズドンと・・・・・・」
「真帆ちゃん!」
美帆は悲しかった。私の妹はこんな冷酷な考え方をする人間だったのか?
「・・・・・・それに、反抗しようとしても無駄なのよ、姉さん」
真帆がポツリと言った。
「前のプログラムの時も、そう言ってプログラムに刃向かおうとした娘が
いたらしいわ。服従を良しとしない彼女の持つ天才的な科学力なら、
あるいはと思ったけど、結果は・・・・・・」
真帆は立ちあがってイングラムM10を構えると、
さっきまでほむらが隠れていた土管に向けて軽く試射を行った。
ばららっと夜空に甲高い音が響く。
期待通りの威力で銃痕が土管に刻まれていった。
「第一もう忘れたの? 姉さん。
このプログラムで勝ち残れば、彼が手に入るのよ。
そのためなら何でもするって姉さん言ったじゃない」
美帆は口を閉じた。真帆の言うように、彼のためならちょっとくらい
人を殺すことなど何でもない。
それに相手も自分を殺そうとしているのだ、
だからいいじゃないですか、ねえ妖精さん?
そう考えて美帆はこのプログラムに臨んだのだ。
「だから文句言わないでね、姉さん」
真帆はイングラムの銃口を美帆に向けた。
「・・・・・・真帆ちゃん?」
美帆は泣きそうな顔になっていた。
「冗談はやめて、危ないじゃない、真帆ちゃん」
無理にでも真帆を信じて、美帆は平静を装いつつ声をかけた。
真帆は抑揚のない声で言った。
「冗談だと思う? 姉さん」
そう問い返す真帆の顔にはかわいい妹の面影などまったくなかった。
狂気を宿した一人の女性の顔に変貌している。
美帆は混乱した。
「なんで? ねえ、真帆ちゃん?」
真帆は薄笑いを浮かべつつ、言った。
「私、前から姉さんのかわりにデートしながら、彼のこといいなと思ってたの。
理由なんて、それで充分じゃない?
本当はもっと人数が少なくなってからにする予定だったんだけどね。
迷いの生まれた姉さんじゃ、肝心なとき足を引っ張りそうだから」
そして瞬間、視線を手に持ったマシンガンに移して、真帆は続けた。
「こんないいモノがあるんじゃ、もう協力の必要もないしね。
姉さん、ヘンなとこだけ運がいいのね」
美帆は驚きを隠せないまま、叫ぶ。
「そんな、だって真帆ちゃん、参加してないじゃない!」
「言ってなかったけどね、舞台の中にいる女の子なら、誰でも
参加できるのよ、プログラムに。
普通、”隠れキャラ“って言うらしいんだけどね」
美帆の顔が強張っていく。
涙が、こぼれた。強い感情の波に、身体中が震えている。
「聞きたいことはそれだけ? じゃあ、さよなら、姉さん」
おもむろに真帆が引き金をひき絞った。さっきと同じ甲高い音が、響く。
身体に無数の銃痕を刻みつけられて、美帆はゆっくりと倒れていった。
消え行く意識の中で、美帆は思った。
これは、罰なのかもしれない。
私の都合だけであの純粋な赤井さんを殺したことの。ねぇ、妖精さん・・・・・・
そのまま真帆は倒れた美帆の身体に近づいていく。
マシンガンを痙攣している美帆の脳天に突きつけ、再度撃った。
頭蓋が割れて、脳漿が飛び散り、真帆のつま先にまでかかった。
疑いなく、彼女の姉は死んだ。
「私を信じた時点で、姉さんの負けだったのよ」
言い捨てると真帆は斧とマシンガンを手に次の獲物を探して歩き出した。
【残り7人】
#
ごめんなさい、ちょっと数日仕事が忙しかったもんで更新遅れちゃいました。
あまり期待されるとちょっとこわいです。
とりあえず今後数回分は”てきとーに”考えてありまする、、、
果たしてこれでオチがつくのか、ちょっと不安、、、
>>129 うわっ、深く考えてなかったら設定に矛盾が!
まあ、「なぜかいた」ということで一つ、、、
隠れキャラはどうにかして全部出します。
ではまた。
相変わらず、凄い展開・・・いい感じでBRしてますね。
>「なぜかいた」ということで・・・
その「なぜかいた」を「なぜそこに居たか」に膨らませる事が重要かと。
思いがけない展開が生まれる事もありますよ。
『あしたのジョー』も最初、意識せずに力石徹を大柄に描いたら
「ジョーと同じ階級のリングに立てない」という問題が発生し、
そこから地獄の減量話を編み出したという逸話がありますし。
アクシデントを味方に出来れば、更に技術は向上します。頑張ってください。
発言される方、E-mail欄に半角でsageを忘れずにね。
隠れキャラ・・・すると、【残り最低でも7人】ですな。
おー…続きが。これから楽しみに読むよ。作者よカゼには気をつけてくれ
ゴホゴホ
すみれちゃんは如何にして絡んでくるのかその辺が楽しみ♪がんばれときめきBR
真帆と美帆なら意外と美帆を残すかと思ったが直球勝負だったな〜。
修羅場をくぐってきたであろう舞佳さんの登場が楽しみ。
茜が死んだコトで番長軍団の登場はなくなったのね。
>>153 確かに、茜の弔い合戦をしたいだろうけどね・・・番長軍団。
純の様に情報リークされていなければ、封鎖された市内には残れないだろうし。
・・・はっ!待てよ?バイト番長は確か・・・今後に期待大。
番長軍団は出さなくていいよ。話がこじれる。
俺も、番長軍団は存在を匂わせる程度でいいと思う。
BRの雰囲気に合わないし、あの世界で金茶小鷹出されても嫌だ。
杉村&貴子のような泣きのシナリオも欲しいな。
やはり純が担うべきだと思うが。
決勝は光×琴子が有力と思われ
作者の方へ
毎回楽しみにしてます。お仕事の方も頑張ってくださいませ。
仕事すっぽかしてでも、こっちをがんばってくれ。
俺なんか仕事すっぽかしてこのスレ楽しみにしてたのに・・・
光はもう走り続けることに疲れてしまっていた。
校門を出て、あの凄惨な遺体を眼にしたときから、神経が高ぶりつづけている。
わずかな物音、動く影、そんな周囲の些細な変化に踊らされながら、
ずっと姿なき殺人者に怯えていた。
支給武器であるワルサーP38の冷たいグリップを頼りなく握りしめて、
彼女は長い長い夜の中を逃げ続けた。
光が行き着いたのは、灯の落ちた駅のホームだった。
街から脱出したいという願望が彼女をここに誘ったのか。
始発列車を待つように、光は力なくベンチに腰を下ろした。
ホームの時計は4時を指している。
もう限界。華澄お姉ちゃん……
憔悴した頭で、ぼんやりと思った。
誰かに会いたい。幼なじみの彼の顔が浮かぶ。
でもここに彼はいない。わかりきったことだ。
彼はこのプログラムの「賞品」なんだから。
こんなことなら、せめて最初から彼女を校門前で待っていればよかった。
今この街の中で、唯一信頼することのできる彼女。
さっきの放送では彼女の名前は呼ばれなかった。
(新たに赤井さんと白雪さんが死んだらしい)
私の一番の親友はまだ生きているのだろうか?
生きているなら、ここに来て、琴子、お願い。
「光? 光なの?」
声がした。朦朧とした瞳を向けると、ホームの階段をゆっくり下りてくる
琴子の姿が見えた。
これは幻覚だろうか?
都合のよすぎる。けれど光のくちびるは自然と彼女の名を刻んだ。
「琴子・・・・・・?」
琴子はかすかに微笑みながら、言った。
「ひどい顔してるわよ、光」
「・・・・・・琴子ぉぉっ!!」
我を忘れて光は泣きじゃくりながら琴子の胸に飛び込んだ。
人の体温が懐かしかった。
琴子は驚いたようだったが、光を受け止めると、そっと抱きしめた。
光は琴子の胸に顔をうずめて、子供のように泣き続けた。
琴子にも光の気持ちは痛いほど理解できた。
孤独、怒り、恐怖、葛藤、・・・・・・
お互いがお互いを疑うしかないこのプログラムの現実の中で、一人でも
信じられる人がいるというのはどんなに心の支えとなるだろうか。
2人寄り添ったまま、しばらく静寂の時が過ぎた。
しかし人心地ついた頃、ふと光は気付いた。
琴子の制服から、何か生臭い匂いがしている。
あの教室でした匂いと同じ、これは、血の匂い?
「琴子・・・・・・?」
不安げな光の口調に、聡い琴子は彼女の疑問を感じ取ったのだろう。
琴子は軽く肯いて、言った。
「ええ、殺ったわ」
光はあとずさった。
琴子は淋しそうな表情で言った。
「私が恐い? 光」
光は答えられなかった。
すぐさま否定できたはずなのに、琴子は唯一信じられる友達だったはずなのに。
彼女が纏った血の匂いが光の心に消せない疑念を植え付けていた。
「仕方なかったのよ、あの時は。
殺らなければ、殺られてしまったかもしれない」
琴子はあっさりと説明する。嘘はついてないのかもしれない。
でも、だからといって殺人だよ? 一線を踏み越えた琴子が、光には遠く思えた。そしてもう素直に琴子を信用できない自分が、たまらなく悔しかった。
琴子はしばらく光の顔をみつめた後で、口を開いた。
「私達、一緒にいないほうがいいかもね、光」
光の顔に見る見るうち衝撃が広がる。
琴子は相変わらず冷静な口調のままで、続けた。
「お互いが相手を恐がっているようじゃ、一緒にいることでいつか
お互いを傷つけ合うことになるかもしれないわ。私、光を傷つけたくない」
琴子はそこで言葉を切った。
そして、ぽつりと漏らした。
「恐いのよ、私だって」
琴子は踵を返すと、再び出発した。
今度こそ、最後の別れになるかもしれない。
そう思ったのに、光には琴子を引きとめられなかった。
琴子が去った後で、光はしばらくの間ベンチにうずくまって、泣いた。
【残り7人】
こんなに速く新作が読めるなんて、早起きして良かったっスよ!!
ナンマンダブ ナンマンダブ
あがってるね。dat回避?
お、お〜い!作者がageてどうする・・・
以下、E-mail欄に半角でsage入力をお忘れなく。
下がりすぎると消えたりするのか・・・いつ保存したらいいのだろうか?
たしか200番以下になるかならないかぐらいだったから、
あげるにはいい頃合いだったかもよ。
書きこんでいればsageでも大丈夫でしょ?
これからは春休み厨房が増える時期だからなあ・・・ageられてるとドキドキするよ。
なるほどぉ〜とりあえず光&琴子ラインを崩した訳ですな。
今回の新作分はやけにキャラにマッチしてるような気が・・・・・
光が人を殺すシーンは見たくないなぁ〜。
無理だろうけどね。
174 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/03/08(木) 00:33
めちゃくちゃ続きが読みたいです!
sageなきゃ!
sageろ!読みたいならなおさらさげろ!
作者がメアド欄で「いまいちか、、、?」とコメントしてたので、一応返答します。
話の展開に関しては、何ら問題は感じませんでした。むしろキャラ描写が秀逸です。
気になる点を敢えて挙げるなら、複雑な思いが交錯する場面の割に、サクサク展開している事。
もっと『間』を持たせた流れの方が、より両者の揺れる心境を描けたのでは(特に琴子)。
あと欲を言えば、今回の1段階前(ほむら戦辺り)の光・・・走る事しか考えられない
パニック状態の描写を伏線として張っておけば、今回がより引き立ったかもしれません。
でも掲示板連載という特異な環境の下、これだけの物が書けるというのは賞賛に値します。
お仕事も忙しいとは思いますが、これからも頑張って下さい。
「ハズレ武器」は誰が持っているのか、というのも気になる所です。
バトロワ系スレって2ちゃん全体で大量発生したけど
面白いと思ったのはここが最初で最後だよ。
ときめきバトルロワイヤル氏がんばってくれ。
ときめきBR頑張ってアップしてね。それだけが人生の楽しみ
最高です。
頑張って下さい。
期待しつつもうすこしsage
さがったな・・・ふぅ。
くどいとは思うけど、これからの時期はsageを知らない初心者が来るので、注意書き。
このスレッドは荒らしの参入を抑える為、sageで進行しています。
E-mail欄に半角でsageと入力することにより、スレッド順位の上昇を止めていますので、御協力をお願いします。
また、名前の欄に誤ってsage入力をされる方がたまにいらっしゃいますので、御注意下さい。
こんな感じでいい?定期的にコピペって事で。
>>184 イイ!!
このスレッドは荒らしの参入を抑える為、sageで進行しています。
E-mail欄に半角でsageと入力することにより、スレッド順位の上昇を止めていますので、御協力をお願いします。
また、名前の欄に誤ってsage入力をされる方がたまにいらっしゃいますので、御注意下さい。
186 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/03/10(土) 03:52
いや、もともと荒らし上等凸(-_-#)ではじめたんで
ガソガソあげてもらってかまわないっすよ。
あぐぁってる〜!
マジで本人か?
J馬鹿な真似止めれ!!!!!!
またJか・・・
まぁ本人かどうかは別として、作者本人も挑発的にageるからなぁ・・・
荒らしは無いに越した事はないんで、sage進行。
でも、あがって慌てふためく住人を見て楽しむ荒らしも居るんじゃないかな・・・と最近思う。
191 :
133:2001/03/10(土) 14:37
これでいいのか?
>>191=133
むやみにageないで。お願い。
貴方の願いとは裏腹に、美帆は・・・しかしすべては作者の意向が最優先なので。
>>184の注意書き、声優板の死亡スレにコピペされてたな。
向こうでは逆効果だったみたいだ・・・
どうしろちゅうねん。
195 :
1:2001/03/10(土) 21:16
書いて下さる方がいて感動です。
面白いです。頑張って下さい。
1、おかえり。
ということで1はときメモ1版BRの担当な。
>>196 人に強制する前に自分でやろうとしろよウンコ
も少しsageとこか。
兵器についてだが、イングラムってそんなに強いのか?
俺も銃器ヲタじゃないんで良く解らないんだが・・・
あと、光のワルサーP38は、女性にも扱い易い銃?(そんな感じはするけど)
マグナムなんかは、反動の逃し方誤ると腕折れるっていうし。
>>200 タイマンで戦うときはショットガンやイングラムの様なサブマシンガンは弾をばらまく分だけ当たりやすくなるので有利です
しかし、ショットガンは距離が遠くなるほど威力が弱くなり、また反動が大きいです
それに対しサブマシンガンは威力の減衰が少なくあまり反動も大きくなりません
もし私がBRに参加するとしたらサブマシンガンかアサルトライフルを使いたいものです
199だよ。
そうかー。原作ではイングラムを持った桐山が神のごとく強かったじゃんか。
それで実際にはどうなのかな、と思ってさ。
俺が聞いたのは弾速ならトカレフ、威力ならデザートイーグル。
ただ一般市民がいきなり使える代物ではない、てな感じかな。
がいしゅつだけど、ベレッタ92?とかいうのが女性向らしいぞ。
ワルサーP38はルパン三世の歌にでてきたという事しかしらないな。
ベレッタは弾の反動に較べボディが大きく重いので反動が鋭くありません
そういった意味では女性が扱えるかもしれません
しかし私なら沢山の弾をばらまけるファイブ・セブンピストルをお勧めします
5.7はベレッタの二倍の数の弾を装填できサイズ、反動ともに小さく消防でも撃つことができほとんどの防弾ベストを貫通します
205 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/03/12(月) 03:59
穂刈純一郎は、息を呑んでいた。
もはや彼女が隠れていそうな場所はあらかた立ち寄っていた。
残る手段は町を隈なく歩くことしかない。
疲れきった体をひきずるようにして、穂刈は歩き続ける。
まだ彼女は生きているんだ、その事だけが彼を活動させていた。
足が棒になるまで歩き続け、そして−−
たまたま通りがかった小さな公園で、穂刈は立ち尽くしていた。
血の海に沈む悲惨きわまりない死体を2つ、見つけたからだ。
それはまるで壊れた人形にケチャップをかけたようだった。
吐き気を押さえて、穂刈は遺体を直視する。
それが、佐倉楓子ではない事を確認するために。
片方の死者には、見覚えがあった。
生徒会長の、赤井ほむらだ。
片腕が取れている。
そして背中が、セミの抜け殻のように大きく、真っ二つに割れていた。
もう一人は、誰であったか?
校内ですれ違っていたような気もするが、頭を吹っ飛ばされた姿からでは
とても連想できそうにない。
やはり、やる気のある奴はいるのだ。
いったい誰が? まだ殺った奴はこの辺りにいるのか?
と、遠くに人が歩いてくるような気配を感じた。
考えるより早く、穂刈は物陰に伏せる。
そっと顔を覗かせて、足音を感じた暗がりに目を凝らした。
「私よ、穂刈君」
暗がりから返ってきた声に、穂刈は緊張を解いた。
彼女とは前に何度か話したことがある。
立ちあがって、そこにいる声の主、水無月琴子に手を振った。
206 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/03/12(月) 03:59
水無月は相変わらず冷静だ。
さすがというべきか、可哀想にというべきか。
穂刈はとりあえず最優先で聞くべきことを聞いた。
「水無月、佐倉楓子を、見なかったか?」
琴子は首を振った。
何を今更、と皮肉めいた様子で、彼女は訊ねた。
「彼女を探して、どうするつもり?」
「俺は、佐倉にどうしても、伝えたい事があるんだ」
穂刈はきっぱりと言いきった。
「だから、彼女を探している」
「そんなに伝えたかったなら、こんなプログラムが始まる前に
言えば良かったじゃない」
責めるような琴子の言葉に、穂刈は悔しさを滲ませつつ言った。
「このプログラムの開始を知ったのは、彼女が拉致された後のことだったんだ。
匠の奴がうっかり口を滑らせたのを聞いて、初めて知ったってわけさ。
もっと早く決心していれば、こんな面倒なことにはならなかったのにな」
その通りだ。琴子だってその点、他人の事は言えない。
琴子は視線を落として、哀しげに呟く。
「馬鹿ね、あなた」
「俺もそう思う」
そう答えて、穂刈はにやっと笑った。
「じゃあ、もう行くぜ」
言い残して穂刈は身を翻し、去った。
「気をつけて」
彼を見送った後も、琴子はしばらくその場にたたずんでいた。
穂刈のことに気を取られて、無防備に接近を許してしまった。
それが、彼女にとって人生最後の大失態となった。
207 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/03/12(月) 04:01
ぱららら、という音がして、琴子は衝撃とともに薙ぎ倒された。
傷みを感じる余裕すらなかった。
あっという間に全身の感覚が奪われていく。
痺れる上半身を撃ち抜かれた肘で強引に持ち上げて、琴子は
自分を殺そうとした女の顔を、しっかりと睨みつけようとする。
あの髪型は白雪美帆?
でも彼女はそこで死んでいるのに・・・・・・
悩む間もなく、また、ぱらららという忌まわしい音がした。
今度は倒れていたおかげか、銃弾は目の前の2つの死体に
風穴を開けただけだった。
(そのついでに生肉の飛沫と紅い噴水をあげた)
だが、もう琴子には反撃の余力が湧いてこない。
とどめを刺そうと真帆が琴子に歩み寄りながらイングラムを構えなおした
その時だ。
「水無月ぃぃぃっ」
絶叫に瞬間驚いて真帆が振り向くと、さっき立ち去ったはずの穂刈が
木刀を片手に駆けつけてきていた。
だが、まだ距離がある。
薄く笑いながら、真帆が引き金を引く。が、弾が出ない。
焦って何度も右指に力をこめるが、イングラムは反応しない。
所詮、銃器の初心者、弾丸を補充することを忘れていたのだ。
穂刈は迷いなく真帆の懐に飛び込むと、裂帛の気合を込めて小手を繰り出した。
「せいやぁあぁ」
剣道部で鍛え続けた彼の剣は、実戦においても正確だった。
狙い通りに、真帆の手からイングラムが弾き飛ばされて、道路上を転がる。
続いて、真帆の身体の中央めがけて、一直線に突きを放つ。
これも見事に鳩尾へと入った。真帆が倒れて、激しく咳き込む。
そのまま穂刈は木刀を大上段へと構えた。
が、殺人の決意のない穂刈には、どこか躊躇いが残っていたのか。
振り下ろそうとする刹那、腕が止まった。
その一瞬の間隙を縫って、真帆が隠し持っていた果物ナイフを投げつける。
穂刈は身を逸らしてそれを逃れた。が、決定的なチャンスもまた逃していた。
真帆は直ちに、傍のイングラムを掴むとそのまま脱兎のごとく闇に消えた。
208 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/03/12(月) 04:02
穂刈は水無月に肩を貸すと、そのまま近くの自動車の陰に隠れた。
真帆は追撃をしてこない。
穂刈を警戒したのか、それとも既に琴子に致命傷を与えたと確信しているのか。
どちらにせよかなり用心深くて、狡猾な性格のようだ。
そしてこの場合、それが幸いした。
冷えたアスファルトに琴子を寝かせる。傷穴から出血が止まらない。
クソ。とまれ、とまってくれ。
琴子は苦しそうな呼吸の合間に言った。
「銃声を聞きつけて、まだ誰かが来るかもしれないわ。早く離れた方がいい」
「馬鹿、まだ手当てをすれば・・・・・・」
「助かると思う?」
穂刈は形容しがたい表情をした。彼女の傷が致命傷であることは
一目で明らかだった。
琴子は、諦めにも似た作り笑いを浮かべた。
「自分の体のことは自分が一番わかるわ」
そして、空を仰ぎながら琴子は言った。
「最後ぐらい、一人静かにさせて・・・・・・」
最後の願い。
穂刈はそれを聞いてやっと立ちあがると、その場を離れた。
すまない、水無月と、心の中で詫びながら。
俺はまだ、佐倉を探さなければならないんだ・・・・・・
#
今週末も大忙しだったせいで、すっかり更新遅れちゃいました。
ごめんなさい。
>199
イングラムの強さについては、原作者に聞いてください(^^
ワルサーP38はるぱ〜んが元ネタです。
光が持ったら似合いそうな気がして、、、
ちなみに186も僕です。
普通にageた人が非難されるのって、何だかおかしくないですか?
ときめきBRがんばってるね。おもろいよ。
でも面白いスレだからこそ荒らされたくないからできることならsage進行でってことで・・・
>>210とほぼ同意見。だが作者の意見もわかる。
ageられる事に対して、住人側が過敏になり過ぎているのかもしれない。
最近はあがっても荒れないし、変にピリピリする必要は無いんじゃないかな。
勿論、基本はsage進行って事で。
>>209 イングラムって、反動ばっかり強くてあんまり当たんないから
本国ではMP5にとってかわられたんじゃなかったっけ?
9パラを使うM11と.45ACPを使うM10とあって、確かに威力は
あるんだが。
真帆にはもっともっとがむばっていただきたいねー
作者、おつかれさま。
完結まで応援するよ。
真帆は桐山のポジションを確立したわけですね。
琴子の死(まだ死んでないけど)を光は嫌でも知らねばならないので
精神的なダメージは大きそうですが・・・
劇場版エヴァのシンジ君状態?光ファンの方には酷な展開ですが
いい感じで話が展開しているので、今後も頑張って下さい。
また重箱の隅をつつく様な話になりますが、彼女達には
「首輪」に相当する物は装備されているのでしょうか?
だとすると、会話は本部に筒抜けですから
居てはいけない存在の純にも危険が及ぶ可能性が・・・
また、匠が純に機密を漏らしたという会話がある以上、
匠にも危険が・・・頑張って下さい。
光子萌え
おっ更新されてますねぇ〜。
琴子終わっちゃったかぁ〜。でも彼女らしさが
出てたと思う。
真帆の桐山化もあんまり無理がなくていいですね。
さあ我が舞佳さんはどうなるんだろう?
今日友達からBRの小説を借りた。
目次のすぐ後にある引用文のズレっぷりが最高。
おもろい。
オレは彩子属性だからときめき1じゃなくて良かったあ(ワラ
自分の萌えキャラが氏んじゃった人も、つまらんといって閲覧止めないでね。
ここはログ保管サイト作るくらいの価値はあると思うが。
気がつけば続きが。
サンクスです。
萌えキャラ氏んだけど見てるよ。
そういえば、ときメモ1のキャラって氏んじゃッたんですか?
さぁ。今続いてる小説ではそれをにおわすような記述があったような、
なかったような。
ここに強い奴は居るのか?
>>221 直接名前は出てないが、前回優勝者は詩織らしい(芸能界デビュー云々の記述あり)。
紐緒さん(らしき人物)が大会に反旗を翻そうとしたが、失敗(真帆の発言より)。
この世界では、1のキャラはほぼ氏んでしまっていると思われる・・・
途中から読んだから、初めのほうを読みたいんだが・・・・。
ギャルゲーBRも読もう!確かそっちで塩離散が優勝したんじゃないかな?
でも作者も2chらしからぬ賛美の嵐でよかったね
>>225 2ch初心者さん?
このスレのいちばん上「ログを全部読む」をクリックしてねん。
>>223 「ギャルゲーマーバキ2回戦」というスレにうなるほどおりますです、はい。
>>228 ここには居ねぇのか?
居るみてぇだけどな。
「バトルロワイヤル」の原作は()の中身でいろいろな事を説明しすぎると思う。
あれのおかげですんなり読めれない事が結構ある。
まぁ、それが味と言えば味だけど。
いまさら指摘するけど、
【バトルロワイアル】なんだけどね。
>>224 あ、そういえば・・・。
彩子氏んだのね。
鬱だ、漏れも氏のう・・・。
なんか本編よりも予告編のように入る雑談の方が楽しくなってきたw
ギャルゲーロワイアルのほうのアドレス知ってる人いたら
貼っておくれ。
まだ全部見てないのにDAT逝っちゃって見れないよぅ……。
>>231 そういえばそうだった。最初に見たときは違和感を感じたなー
日本語だと「バトルロイヤル」って読むのが標準だと思うし。
>>234 漏れも見たい。
「ロイヤルホスト」ってファミレスもあるしな。
237 :
ときめきバトルロワイ「ア」ル:2001/03/15(木) 06:38
身体に無数の風穴を開けられたにもかかわらず
彼女は未だ生きていた。
しかしそれも束の間のこと。
琴子はただ瞳を閉じて、静かに永遠の眠りが訪れるのを待った。
朝を予感させる空気が気持ちいい・・・・・・
傷痕からどうしようもなく火照る身体の熱を冷やしていく。
不思議なほど安らかな気分だ。
殺した相手ヘの怨みなど、もはやどうでもいい。
(無いと言ったら嘘になるが)
思えばこんなプログラムに巻き込まれた時から、
私は心のどこかで覚悟していたのかもしれない。
このプログラムから帰還できるのは一人。
わずかな可能性に賭けて、クラスメイトや、最愛の友人、
そして自分の自尊心を捨ててまで生き残ろうとするなら
運命に従う方が圧倒的に楽だ。
現実、戦うことをやめ、受け入れてしまった今では、
もう死の恐怖に怯えることはない。
もう誰かを殺したりする必要もない。
でも・・・・・・
こんなことなら、あのとき光と一緒にいれば良かったな。
琴子は意識を失う直前に、思った。
光は、最後まで生き残れるかしら?
私は駄目だったけど、光には無事でいてほしい。
あの娘は優しすぎるところがあるから、心配だけど・・・・・・
そのまま琴子の意識は広大な闇に落ちた。
238 :
ときめきバトルロワイ「ア」ル:2001/03/15(木) 06:38
これも走馬燈というやつなのだろうか?
遠くから誰かが私を呼び続けている。
「琴子ぉ、琴子ぉっ!」
でもおかしいな、この暖かい雫はなんだろう。
「やだ、目を覚まして、琴子ぉっ!」
琴子は硬直しかけた目蓋をもう一度だけ、抉じ開けた。
涙で顔中をぐしょぐしょにした光が、いた。
「・・・・・・ことこぉ」
琴子がうっすらとでも瞳を開いたのを確かめ、
ようやく光は嗚咽まじりの呼びかけをストップすると
琴子の次の反応を期待するように顔を近づけ瞳の奥を覗きこんだ。
琴子はもうほとんど機能しない頭の中で、ぼんやりと思った。
ああそうか、追いかけてきたんだ、こんな私のことを。
嬉しかった。
だからもう泣かないで、光。
239 :
ときめきバトルロワイ「ア」ル:2001/03/15(木) 06:39
肩で呼吸しながら、琴子はなんとか息を整えて言葉を声帯から絞り出す。
「ごめんね、ひかり、さっきは、ごめん」
光は駄々をこねるように激しく首を振る。
「琴子、いいよ、そんなの。だから元気出して、琴子ぉ」
ううん、それは無理、自分でもわかってる。
だけどいくつかの忠告ぐらいは、私にもできる。
琴子は思うように動かない唇をもどかしく思いつつも
途切れ途切れに、口にする。
「光、白雪さんに、気をつけて」
光が顔をこわばらせる。
「彼女はやる気よ。私の荷物、持ってっていいから
・・・・・・負けないで」
言い終えると、力尽きるようにがくっと琴子の閉じた顎が落ちる。
「琴子、しっかりして、琴子!」
まだ。
琴子はわずかに残った力をかき集めて、光の手を握った。
「生きて、光」
光が頷くのが見えた。途端に、琴子の意識が遠のいていく。
もう一言だけ、ありがとうを述べたいのに、もう声帯が動かない。
それは贅沢過ぎでしょうか。せめて微笑みだけは。
あぁ、それにしても、神様に感謝します。
やっぱり独りぼっちで死ぬのはちょっと寂しすぎるから。
最後に一緒にいてくれる誰かが、光でよかった・・・・・・
光がともだちで、ほんとによかった。
数分後、今度こそ水無月琴子は、絶命した。
【残り6人】
#
相変わらずの遅筆に不甲斐なさを感じる今日この頃。
とうとう人数、半分割っちゃいましたね、、、
いやぁ、それにしても指摘されるまで
「ヤ」と「ア」、全く気づかなかった、、、
ま、いっか。。。
いいよ。いい。凄く面白い。
完成を急いで雑な内容になるよりは、多少遅筆でも全く構わない。
つか、既に住民は受け入れてるから、気にしないでいいよ。
いい最期だったね、琴子。泣けてきた・・・
007の映画に「カジノ・ロワイヤル」って番外編があったね。
同じ言葉も、訳した人によってニュアンスが変わるからねぇ・・・
目頭がマジで熱くなった。
ヤバイね、今回のは。
これからの展開はかなりコアになりそな予感・・・・・
うを、更新されてるぅ!
しかし上で誰かが言ってたが、毎回文章力がついてきてるようですな。>作者
フリーページでよければ、ログ保管サイトを作ろうかと思うのだが・・・。
皆さんの意見と作者さんの意向を仰ぎたい。
それとも完結してからがいい?
でしゃばりスマソ。
更新されてますね。
こうなってくると『外伝』でもいいので琴子&光の
親友コンビ誕生までのプロセスなんかを書いて欲しいなぁ〜。
すっかり真帆は悪役になったんですね>説得力あるからいいけど
残り6人かぁ〜。
ゆっくりで良いですよ>作者サマ
ところでサブスト第2弾は皆様お買いになりますか?
スレ違いで悪いけど休憩時間というコトで。
ぱずるだまを刈ってしまったので見送ります。
現時点での生存キャラについて、整理してみたいと思います。
「予告編のように入る雑談〜」というレスがあったので、予告編風に(笑)
華澄・琴子・・・かけがえのない人を次々に失ってしまった陽ノ下光。
理不尽な戦いの中で、彼女は希望の光を見つけられるのか?
八重花桜梨は苦悩する。「人間」を信じたい。
しかし現状は、すべての人間が「敵」。心の闇が、再び彼女に大きな影を落とす・・・
白雪真帆は悟った。もう手段は選ばない。
姉をも殺した狂気の瞳に、優しさが戻ることは無いのか!?
かつての母校は、血に染まっていた・・・佐倉楓子は何処に?
穂刈純一郎は、楓子に「気持ち」を伝えられるのだろうか・・・
「隠れキャラ」はあと二人いる。
九段下舞佳と野咲すみれ・・・彼女達もまた、この街で息をひそめている。敵か?味方か?
いつもの本編チェックは、後ほど。風呂入って来ます。
琴子、逝ったなぁ・・・。
オレ、ヤツはラスボスだと思ってたよ。
ゲームだと「親友」って敵になる可能性、大じゃん。
これで、真帆の独壇場か?
他の連中はウサギのようだからなぁ・・・。
ここでさまざまな予想をする事は、作者の構想・執筆を助けるか否か?
僕は良くわかりませんので、とりあえず黙ってます。
予想は裏切り、期待は裏切らないsage
ゲームも未プレイ、小説も読んでませんが楽しく拝見させて
いただいてます。 生死に立ち向かう姿は、全て美しい。
待つ楽しみを味わうのは、ひさしぶりです。俺は待つぞっ!(笑)
マジでいいスレだな。こんなふうになると誰が予想したか!
雑談ももはや名物に。これも本文が優秀たる所以でしょう。
まさに
>>252氏の言う通り・・・
予想は裏切り、期待は裏切らない展開ですね。
駅の場面を読んだ限りでは、光が追いかけて来るとは思わなかったですから。
おかげで、琴子には美しい最期が・・・
これで6人に絞り込まれたわけですが、まだ行動が描かれていないキャラが3人も・・・
>>250氏の言うように、真帆以外に強そうな子が残っていない・・・様に見えますが、
まだ舞佳さんが残っています。
彼女はゲーム本編で、伊集院家のSPのバイトをしています。
(メイのスケート場イベントで、他のSPに混じって銃を構えています)
本物の扱い方を知っているだけに、どんな活躍をするのか、今から楽しみでなりません。
私は、予想雑談はアリだと思っています。
雑談から作者が何か拾ってくれればうれしいし、
かといって作者マンセーでは、ぬるま湯になってしまいます。
作者自身も「荒らし上等」と言うくらい肝が座っていますから、雑談による悪影響は心配無用かと。
それではまた。sage進行でお願いします。
251です。252、256さん他ありがとうございます。
僕が心配したことは、多くの人がいろんな予想をする事で結果的として
作者さんの選択をせばめてしまうかも、ということでした。
>>256 名無しくん129さん
僕は以前テキトウに「軍事関係のバイトもやってるとか・・・」
と書いてたんですが、本当にやってたとは…
メイ様スケートイベントの時に、三原の後ろにいたのは覚えてますが
銃器を使った事がある、までは想像が追いつかなかった。
>>257さん
もちろん、予想発言に関しては注意を払う必要があります。
自分の考えた展開を延々と書き続けたあげく
「これで決まりだぜ」みたいな事を言う厨房は論外です。
多少踏み込んだ発言をするにしても、「物語の可能性を提示する」という距離感が必要かと。
私は「ときメモ」と「BR」の必須設定を掘り出して
「こんなのあるけど、どうよ?」というスタンスですが・・・。
生存者が絞られてきて、今後の展開も目が離せません。作者氏、頑張って下さい。
>>256 女生徒を撃てるのは真帆ぐらいかも。
舞佳は校長狙いか?
関係ないけど、ぱずる玉の絵は嫌いだけど、真帆は可愛かったなぁ・・・。
校長かぁ・・・存在を忘れてたよ(藁)
原作の金発と映画のキタノ、どっちに近い設定なんだろう。
そういやキタノの娘の名は「しおり」だったなぁ・・・
>>260 キタノの娘の名前なんてよく覚えてるな。
小説版金発も、映画版キタノもそれぞれの良さがあったよ。
小説版がどっかの新人賞で酷評されたのは
審査員の中に3年B組マニアがいてそいつらが金発の事を許せなかった、
それで過剰に反発した、と見るがどうよ?
>>261 そ、それはどうだろう?確かに金八ファンからすれば、金発は嫌な存在だろうけど。
爆裂山は・・・金発とキタノ、どちらでも合いそうな気がするなあ。
つか、匠の立場がかなり微妙だ。爆裂山と上手く差別化してね、作者さん。
ちなみに・・・
キタノの娘・漢字は詩織ではなく、栞。声は前田愛。しっかり前田亜季と姉妹競演してたのね。
魔帆萌え。
大穴決勝ひかりん×すみれ
完全に待機モードですね・・・それも又、良し。
突然ですが、この小説の「プロローグ」を書いても良いでしょうか?
映画版は前回優勝者が移送されるところから始まるのですが、
そういう「前大会はどうだった?」みたいな部分が欲しかったので。
いえ、取るに足らない短文ですが・・・
作者氏および皆様の意見を求めます。
>>246さん
保管サイトはそんなに急がなくても良いと思いますよ。
私は完結後で良いかな、って感じですが。
>>265 脳内補完じゃだねかな
漏れはプロローグ見てみたいがそのせいで荒れたりしないよね?
>>266 一行目はよくわからないけど、漏れもプロローグは見てみたいっす。
とりあえずプロローグについてはときめきBR待ちにしようぜ。
私もそれがいいと見た。
改めて読み返して気づいたが、きらめき高校の生徒はあくまでも
玉を使って争ったというのなら、誰も氏んでないのかな?
まあ、清川さんは溺死したかもしれんが・・・。
清川ファンすまん。
271 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/03/20(火) 04:31
朝焼けに沈む街がこんなにきれいだなんて
花桜梨は知らなかった。
まだ彼女はひびきのタワーの展望室から動いていない。
ここにいる限り、他人に見つからないで済むような気がして。
先程まで疲労に勝てず、うつらうつらと眠りかけていた。
目を覚ましたのは、窓から射し込む朝日がまぶしくて。
窓の外を覗いてみると、遠く山々の稜線から昇りかけた陽で
街が薄紫に染められている。
花桜梨は瞬間、呼吸が止まる思いがした。
この世界は美しい。「生きたい」と強く思った。
気がつくと、身体が空腹を訴えている。
展望レストランの冷蔵庫にあった食材で簡素な朝食を作る。
ボトルに詰まったミネラルウォーターもそこで見つけた。
ほぼ半日ぶりの食事。
穏やかな時間が過ぎていく。昨日の事が幻だったかのように。
−−されど残酷な現実はそんな一時の安息さえも許さなかった。
272 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/03/20(火) 04:32
惨劇の序曲はまたもあの、ぱららら、という音だった。
遥か地上から響いた発射音が、こなごなに何かを砕いたらしい。
激しいノイズが空を伝って遠く展望室まで達する。
いったい何? 花桜梨は意味もなく左右を見廻す。
程なく、館内の照明が低い唸りとともに一斉に点灯した。
非常灯の灯を呆然と見ながらも、花桜梨は悟っていた。
つまり何者かが、1階の分電盤を操作したのだ。
とすると、さっきの音は誰かがこのタワーへ侵入するため
入り口を破壊した時のものか。
まずい。花桜梨は口端を噛んだ。
相手は凶悪な武器を持っている、しかもそれを使うことに
躊躇いがない。
どう考えても好意的な態度ではなかった。
出会したら、おそらく一巻の終わりではないか。
ロビーに飛び出すと、1基しかない中央エレベータに向かう。
だが、既にエレベータの階数表示ランプが7、8、9・・・と
展望室めがけて上昇してきていた。
うっ、と花桜梨は小さな悲鳴をあげる。
立ち止まっている暇はない。
非常階段を、猛スピードで花桜梨は駆け降りていく。
2フロアほど降りた時、さっきまでいた頭上の展望室から
またあの、ぱららら、とともに、
ガラス窓が砕け散る悲鳴にも似た音が聞こえた。
#
調子悪い、、、
>>246 基本的に2ちゃんに書いたものは自由にしてもらってかまいません。
ログ保管サイト、作ってもらえるなら嬉しいです。
版権にうるさい某社に見つからないよう祈ります、、、
>>265 >名無しくん129
プロローグなど、みなさん書き足したい部分があるならどうぞ書いてください。
せっかくの掲示板なんですから。
少なくとも僕はプロローグを書くつもり、ないです。
設定に矛盾が出たって、もともと適当な設定ではじめた
(今も適当だけど)話だからなぁ、、、
274 :
おっ:2001/03/20(火) 11:08
更新されてる
いい感じですね。
あんまりサクサク進んでもアレなんで(W
八重さんは土壇場で強そうだよね
『つづく』が似合う展開・・・
いい感じです。久々に緊迫感溢れる展開です。
作者氏、ありがとうございます。
あくまでも「本編の尊重・補完」が最優先課題ですので、
好き勝手な事はしないつもりです。
まあ、あくまでも「プロローグ」なので
前大会にサラッと触れる程度の短い文章ですが・・・(しかも決勝だけ)
現在手直し中につき、後ほど・・・
>>270>彩子さん、、、好きです。。。さん
「1」のキャラへの愛は痛いほど感じるのですが・・・
私は「玉」=「弾」、銃器オンリー戦だったのでは?と解釈しています。
『伝説のプログラム』は決して甘いものではないと思うので・・・
>>275 そういう考え方があったのね。おれはぱずるだまかと思ってたよ。
>>276 俺的には「玉ァとったるわー!ゴルァ!」
なんだけど
始まりがあれば 終わりがあるように
出逢いがあればまた 別れもある
嫌・・・こんな、人との別れ方・・・嫌・・・
一台の車が、出発しようとしていた。
その車を、報道陣が取り囲む。
「今回のプログラムの優勝者、藤崎詩織さんです」
「詩織さん、辛くはなかったですか?」
「権利を得た今の気持ちを、聞かせてください」
後部座席には、藤崎詩織という名の少女がいた。
彼女は、血染めのコアラの縫いぐるみを抱きしめ、うつむいている。
誰の言葉も、彼女の耳には入らない。
いや、誰の言葉も聞きたくないのだ。
あの地獄を知らない人達の言葉なんか・・・
そう、彼女は数時間前まで『プログラム』という名の地獄にいた・・・
硝煙の匂いがした。
『伝説の樹』の下で、詩織は見ず知らずの少女を撃った。
いや、正確には、親友のクラスメイトだという事は知っていた。
J組の子。ただ、それだけ。
撃ちたくなんかなかった。だが、それは少女が強く望んだ事だった。
樹にもたれながら、消え入りそうな声で少女は言う。
「気にしちゃ、駄目だよ・・・私が、悪いんだ・・・」
泣きながら何度も首を横に振る詩織。
違う!悪いのは私。誰も撃たないと決めていたのに・・・
「あの人を、遠くから見つめるだけで良かったのに・・・貴方を苦しめちゃったね・・・」
少女は続けた。自分の想いが叶わぬ事を、最初から受け入れていたかの様に。
詩織はベレッタM92Fを手から離すと、少女の元へ歩み寄り、その体を抱きしめた。
もうそれ以上は言わないで。ごめんなさい、本当に、ごめんなさい・・・
心音が限りなくゼロに近付いた時、少女は呟いた。
「もっと・・・もっと早く、勇気を出せば良かったな・・・そうすれば、きっと・・・」
『終了』を告げるサイレンが、鳴り響いた。
木漏れ陽が、二人を優しく包んでいた。
それから1年後
隣町の少女達に、同じ悲劇が訪れる・・・
・・・書いてみました。
みはりんファンの方、ごめんなさい。詩織ファンの方、ごめんなさい。
本編では詩織が優勝した事になっているので、決勝にふさわしい相手として・・・
一応『ぱずるだま』の展開をモチーフにしたつもりです。
締めの言葉が少し強引だったかな・・・
こんなヘタレ文章で申し訳ないです。それではまた・・・
>>277さん
その解釈、大好きです(藁)
281 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/03/21(水) 05:54
花桜梨は耳を塞ぎたかった。
が、今は脱出する事だけを考えなければ。
生き延びたい。
頭上からは、まだ何者かによる破壊の騒音が続いている。
聞こえないふりをして、螺旋の階段を走りつづけてるうち、
次第に音が遠ざかっていくのがわかる。
思わず足を運ぶ速度が緩みそうになる。
まだ早いって、この建物から離れるまで油断は禁物。
いつしかあのノイズは聞こえなくなった。
階段の先にほのかな光りが見える。出口が近い。
安心した途端、足が縺れて花桜梨は2Fの踊り場でたたらを踏んだ。
偶然だったが、それが花桜梨の命を永らえさせた。
凄まじい音をあげてイングラムが数段下の階段外壁に
銃創を刻む。圧倒的なスピードで。
埃くさい風圧が花桜梨のいる踊り場まで押し寄せる。
花桜梨は慄然とした。先回りされてるの?
休む間もなく、さっきまで駆け下りてきた階段を
逆に昇っていく。
「待て!」と呼ぶ声のかわりに、再びイングラムの
ぱららら、という発射音が響いた。
まるでこの状況を楽しんでいるかのように。
おおっ!緊迫感あるねぇ〜
八重ファン必見だね。大詰めだ。
ときめきBRもがんばれや〜
a
284 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/03/21(水) 19:38
x
う〜ん良いです。例えこんな状況下であっても
八重さんが生きるコトに必要な強さやなんかを
思い出してくれればGOODです。
>>278 >>279 プロローグも良かったです。詩織と最後に残るのは
みはりんという気持ちも激しく同意します。
詩織はみはりんしか殺さなかったの?
プロローグだけでは勿体無いくらいいい感じだと思います
プロローグか…
僕のシナリオでは、最終決戦は詩織×伊集院かな。
もちろん伊集院は最後の最後まで主催者側のふりをしてて、
勝利者インタビューの時に詩織に牙をむく、とそんな感じでした。
つか伊集院はきらめき理事長の孫だし…。
八重さん、本気モード出してくれないかなぁ・・・。
きまぐれだからな、本気モードは。
大事な時には発動しない・・・
289 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/03/23(金) 02:15
・・・ずっと、信じていていいですか?
基本的にsage進行なのでよろしく。
しかし本当に緊迫感のある展開だなあ・・・
>>289 コレどうやら歌の歌詞みたいだよ。某虎1の八重のテーマにあった。
・・・そっと、思い出へと変えて逝く・・・
プロローグいい感じでしたね
コアラのぬいぐるみが重要アイテムになってるのが
良いです。
ごめん。
他所でageたら、そのままになってたよ。
反省。
週末なので期待、でもsage
ゆっくり待とうよ。
まあ、ユクーリ待っても良いモンがちゃんと出てくるからな。がんばれときめきBR!
298 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/03/26(月) 07:29
疲れきった足を叱咤しながら、花桜梨は一段一段踏みしめるように
階段を駆け登る。
時折足下の方から断続的にぱららら、ぱらららと例の発射音がする。
明らかに威嚇のつもりなんだろう。
悔しいけど、立ち向かう手段が今はない。
幸い、相手との距離は離れていっている。
鉄の固まりで重武装している敵と、身軽な花桜梨の差だ。
(元々の運動能力の差もあるけれど)
心臓破りの非常階段をようやく昇りきって展望室に出ると、
花桜梨の頬に外からの冷たい風が吹きつけてきた。
最上階の展望室は、嵐が巻き起こった後のように荒れ果てていた。
少し前までの洒落たロビーは、廃墟に様変わりしている。
ガラスやコンクリートの破片が散らばる床を見渡して
花桜梨は自分に支給されたデイバッグを探した。
出発前にあの憎き校長が言っていた話しを思い出す。
「・・・武器や食料の入ったデイバッグを渡すので・・・・・・」
“武器”。
あまり使いたくはなかったが、この追い詰められた状況を
好転するにはそれしかない。
何が入っているかは知らない(まだチェックしていない)が
どうかあのマシンガンに対抗できる物がありますように。
必死の思いで、花桜梨は生き残りのため一途な望みをかけた。
#
プロローグありがとうございます。
ちなみに「玉を使った戦い」ってのは、ぱずる玉を意識して入れた
一発ギャグみたいなものでして、、、
読者の皆さんにそれぞれ補完してもらえれば幸いです。
ときメモ2やった事ないけど、すんごいいいの書くね〜ときめきBRさん
2ちゃんねるにこんないいスレがあるなんておもわなかったよ。
これからも期待しつつsage
ようやく
>>99-115で話し合った事の答えが出るわけだ
>>300 面白いから、やってみなさい!ときメモ2。
で、一通りやってからここを読み返すと
更に楽しめます。
いよいよ八重さんの武器が登場・・・
>ちなみに「玉を使った戦い」ってのは、ぱずる玉を意識して入れた
>一発ギャグみたいなものでして、、、
ええ、勿論そのつもりで読んでいたのですが・・・
『極力シリアスな解釈』をした結果、あのプロローグとなりました。
【刺身のツマ】の役割を果たせたかどうか、甚だ不安ではありますが・・・
詩織に関しては、本家『BR』の典子のイメージを持たせてみました。
みはりんを撃った事については、『様々な条件が重なった結果、断腸の思いで』
という事にしてありますが、あえて詳細は省きました。御自由に想像して頂ければ幸いです。
あと、本編で全員が集められる直前を描いた『最後の日常』編も考えているのですが・・・
ゆっきーや華澄さんなど、すぐに氏んでしまったキャラがちょっと可哀想だったので。
まだ『考えている』段階ですが・・・
スレと一緒に作者(ときめきBR)も読者も成長するスレ。
・・・スバラシイ!!
優良スレsage
>>302さん
やってみようかとも思うんだけど…
何か馴染め無さそうでさ。
コナミのギャルゲはみつめてナイトしか知らないからなぁ…
どんな感じなの?
同じような感じなら非常にやってみたいんだけど。
>>129さん
是非とも書いていただきたいですな。
302じゃあないけど
>>306 みつめてナイトとのおおまかな違いは…
キャラ攻略における難度がラク、戦争ものじゃないので重い話は出てこない
定期的な戦闘がない、世界観そのもの、などがありますが…
まぁ似た様な感じである事は確かです。それぞれ独自の良さがありますね。
>>306 ごめん。
私は「みつめてナイト」がわからないです。
デートして、会話を選んで(3択)好感度をあげて・・・。
相手が好みの(得意の?)勉強や運動をしてパラメータの上下を調節して・・・。
・・・うーん、説明するの下手なもので、自分でも何を書いているやら。トホホ(;´Д`)
>>306 「みつめてナイト」の経験があるのなら、すぐ馴染めると思いますよ。
ま、メモ2本編やみつめてナイトの話題はこのくらいで。
みつめてナイトの方が面白いというのが定説だけどな。
金に困った友人が1000円ポッキリで売ってくれると言うので取りあえずやってみようかと思います。
…キャラすら知らないですが^^;
>>308 みつめてナイトは実はマイナーなようですが、
ひとまわりやってみると相当萌えますよ。
さわりだけでやめるとヒロインが爆死するゲームという評価になるらしいですが。
スレ違いなのでsage&此の話題これで終えます。スミマセンでした。
313 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/03/29(木) 14:12
200より下になってたのでage
ageちゃだめなんだって。
ちゃんと過去見とけよ
一句詠んでみる
マターリと sageで続きを 待つ身かな
焦る必要はないからね、作者さん。
やっぱみんなサブストやってるのか知らんがイマイチもりあがりに欠けるな・・・
漏れもやってません<サブスト
318 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/03/30(金) 02:52
デイバッグは、窓際のソファの傍に落ちていた。
花桜梨は焦りすぎのせいで何度も捲れかけた絨毯や
フロアに落ちた照明機器に足を取られそうになりながらも
窓際まで駆け寄ってデイバッグを手に取る。
開封して花桜梨は、心が絶望に支配されていくのを感じた。
バッグの中には、食料品のほかにちゃちなヨーヨーが
ひとつ入っていただけだった。
まさかこれが“武器”?
神様、何もこんないたずらをしなくてもいいじゃありませんか?
ぱららら、とまたあの音がして、花桜梨は階段近くを振り返ると、見た。
可愛らしい顔をした少女が、勝ち誇った笑顔を浮かべながら
マシンガンの銃口をこちらに向けているのを。
「鬼ごっこはおしまい?」
彼女が言った。花桜梨は無意識に後ろへ退がる。
すぐそこは外だ。踵に触れたガラスの破片がいくつか中空へ舞う。
花桜梨は絶望の底から絶叫した。
「なんで? なんで平気な顔でこんな事できるの?」
救いを求めての言葉ではない。
ただ、自分なりに納得できなければ、死にきれない。
そんな花桜梨をせせら笑うように、真帆は答えた。
「さぁね・・・・・・自分のため、だからかな。
あなたはできないの?・・・・・・だから負けるのよ」
なに、それ。嫌・・・・・・わかりたくない。
「バイバイ」
再び真帆のイングラムが火を噴いた。
凶弾に花桜梨の身体は貫かれ、ガラス窓の向こうに転落する。
上空を吹き抜けるまだ冷たい春先の風の中、痛みもなく
どこまでも落ちていく感覚。
それは信じる事に裏切られた絶望感によく似ていた。
最後まで彼女の抱いていた希望は、地上に落ちたその身とともに散った。
【残り5人】
#
僕もやってません、サブスト&ぱずる玉。
ゆっくりゲームやりこむ時間が欲しいです。
やった〜!続きだ〜♪
起きてて良かったよ…
かおりんに合掌
かおりんに合掌・・・&もったいない(泣)
高倉健が「通行人A」で映画に出るくらい、もったいない。
真帆の残酷さを際立たせる描写としては、流石ですが・・・
花桜梨の潜在能力を描かぬまま、死なせてしまったのが惜しいです。
(私が花桜梨ファンであるというのも、少しありますが)
ともかく【残り5人】が出た以上、受け入れねばなりませんね・・・
勝手に補完しちゃっていいですか?
人は最期の瞬間、それまでの人生が走馬燈の様に頭を巡るといいます。
彼女がタワーから落ちて行く間、何を思ったのか・・・
それを書かせてください。
夜の間に入れておきます。
もったいねー!
良い意味で裏切られたのは良いが、それでかおりん終わりか!
1よぉ〜、こうなることわかってあえて書いてるんだな。
すごいよ。サヨウナラ
そういえばさ・・メイってこういってたのよね。
「なぜ、この伊集院メイが、そんなものに参加しなくてはならないのだ?
伊集院家が、ゆ、許すはずないのだ」
つまりさ、伊集院家がいままで選ばれたことがないってことですよね。
ということは・・・レイって生きてる?もしや黒幕(笑)。
>>324 黒幕かどうかは分からないけど、レイは参加してないだろうね。
あくまでも「男」で通していたし、戸籍も偽装工作してると思う。
つか、大事な後継者だから、伊集院家の総力を結集して守るんじゃないかな。
メイは・・・
女として一般社会に出た時点で、運がなかったとしか。
ヨ、ヨーヨーって・・・・・・。
結局、隠れて逃げて撃たれて終わりか・・・。
まだ、誰かが書いた「バレーボール」の方がなんとかなったかもなぁ。
それにしても・・・ヨ、ヨーヨーって・・・・・・。
もしや、原作の「はずれ」もこんなの?
あぁ、俺の八重さん・・・。
一言も喋らずに殺されたキャラもいることですし、
BRなんてのはあっけなく死ぬ時は死ぬ。そんなものでしょう、とか言ってみる。
ヨーヨーって何?
ちょっと前にはやったベアリング入りのアレ?
それとも某スケ番刑事のアレ?
329 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/03/31(土) 08:27
あ、sage忘れてた。すみません。
八重さんサクッとやられてる。
彼女の潜在能力に期待した読者が多数なだけに
ちょっと勿体無いかな。
それも計算のうちだったりするかもしれないからなぁ〜
>>322 補完版期待してます
色々と広がるのもアリかなと思います
>>326 原作のはずれ武器なら三味線糸とかフォークとか。
映画版ならボクシンググローブやらハリセンまである。
八重ファンにはつらいかもしれんが
それがバトロワらしさでもあるからな…
いや、寿ファンの俺としては既に関係ないかもしれないけど。
「だいぶ良くなってきたよ、花桜梨」
中学のバレー部の先輩の声が、聞こえた。
先輩の打つスパイクは凄い威力で、いつも後ろに吹き飛ばされていた。
そう、ちょうど・・・こんな感じで・・・
先輩のスパイクを返して、誉められた時・・・嬉しかった。
上達して自分が認められたのが、嬉しかった。
先輩みたいになりたい、と思った。
先輩を追って、バレーの強い高校へ進学した。
でも・・・あの事件の後、先輩は私を見なくなった。
当然かもしれない。部費を盗んだ後輩だものね、私・・・
でも、本当は先輩だって、知っていたんだ。
部費を盗んだのは、先輩と同じ、レギュラーの子だって事。
でも、先輩は私に、何も言ってくれなかった・・・
「どうして罪を被ったの?」って、一言、聞いて欲しかった・・・
だから、バレー、辞めたんだ・・・
遅くなりました。
やっぱり簡単には書けませんね・・・
「2」へと続きますので、早急にUPします。
335 :
お前名無しだろ:2001/03/31(土) 12:11
ときめも版ロイヤルランブルがみたい
「高校は出ておいたほうがいい」と言われて、ひびきの高校へ来た。
でも、何も無い毎日・・・いえ、何もしたくない毎日。
苦痛だった。
でも、あの日屋上で「彼」に出逢ってから、「何か」が変わった。
あの人と居ると、楽しかった。心の底から、笑いあえた。
真剣に、私のことを心配してくれた。
だから決めたんだ。もう一度バレーをやろう、って・・・
なのに・・・神様、あんまりです・・・
薄れ行く意識の中、花桜梨の目線に、地上の景色が映った。
桜が咲いている。
「綺麗・・・最期くらい、ちゃんと、咲きたいな・・・」
花桜梨は体勢を立て直すと、瞳を閉じ、空を仰いだ。
そして、満開の桜のベッドへと、身を委ねる・・・
ふわぁっ、と、一斉に桜の花びらが、宙に舞った・・・
激しく泣けた
・・・こんな感じで、いかがでしょうか。
>上空を吹き抜けるまだ冷たい春先の風の中
という部分が本編で登場したので、この物語は「3年生・4月」という事になりますね。
「もしかしたら・・・」という微かな望みを持たせてみましたが、無理でしょうね・・・
もったいない・・・
さあ、あと残るは5人か・・・
登場人物を復習。
今まで氏んだのは
華澄・美幸・茜・メイ・ほむら・美帆・琴子・花桜梨
現在残っているのは
光・楓子・真帆・すみれ・舞佳
ゲスト出演
純一郎
主催側
校長・匠
これでいいかな?
隠れキャラ3人が、全員健在なのね・・・・
光と真帆の決戦が濃厚ですなぁ〜
共同戦線張りそうなメンツいないし・・・・・
>>332 そうか、ハリセンとかあるのか・・・。
当然、ハズレで善戦したヤツはいないんだろうなぁ・・・。
情報サンクス。
映画のDVD、早く出ないかね。
見てみたいよ。
>>342 来週から、追加撮影シーンを盛り込んだ「特別編」が上映されます(マジレス)。
>>343 ・・・ってことは、当分でないのね。
地元に映画館がないのよ・・・。
すみれって以外と強そうなんだけどどうよ?
すべては舞佳さん次第でしょう
楓子は純一郎とのカラミキャラだと思うから
小説版の生き残った女はハズレだったよな?
期待さげ。
舞佳さんは香澄さんの幼馴染みで親友だから、
香澄さんの遺志を引き継いでくれるのかな?
頼りがいのあるお姉さんって感じだし。
あぁ、八重さんの歌を聴くと涙が出そう・・・。
影響でかいよ、ここ。
>>351 俺はあんまり気にならないなー。
パラレルワールドだって割り切ってるから、かな?
>>350 そう言ってくれるのは嬉しいんだけど私、華澄なの。
ちょっと勉強が足らなかったカナ?
>>353 華澄さんの名前、出しにくいです。今度辞書登録しときマス。
>ちょっと勉強が足らなかったカナ?
華澄さんはこんな嫌みはいわないYO!
まだか…続きはまだなのか…
ユクーリ待とう。
ひさしぶりに、最初の方見て気付いたんだけど
そういや、荒らしまくられてたんだっけね、このスレ。
でも、今はマターリしていい感じ。
sageながら続きを待たせてもらうよ。
寿美幸の部屋。
愛猫のミーちゃんは、じっと天井を見ている。
そこに「彼女」の気配を感じたからだ。
「ミーちゃん・・・判るんだね、美幸のこと。死んじゃったんだよ、美幸・・・」
言葉までは伝わらないのか、ミーちゃんは反応を示さない。
「お留守番なんだね、ミーちゃん。パパもママも、すぐ帰って来るからね。
美幸も・・・動かない美幸も・・・帰って来る・・・から・・・」
魂だけの存在となった美幸は、泣き崩れた。
「・・・どうして?人を好きになるって、不幸なことなの?誰か、教えてよぉ・・・」
美幸は思い出していた。
ダンスゲームの練習が上手くいかず、同じように泣き崩れていた日の事を。
あの時励ましてくれた「彼」には、もう会えない・・・絶望感が、彼女を襲う。
そんな彼女の肩を、そっと、誰かが抱いた。
「いいえ、決して不幸な事ではない筈ですよ・・・」
「・・・美帆ぴょん?」
彼女の傍らには、白雪美帆がいた。同じ、魂だけの存在として。
「人を好きになる・・・素敵なことですよ。たとえ死んでしまっても、
想いが報われなくても・・・楽しい時を過ごした記憶は、永遠です・・・」
美帆は落ち着いた口調で語る。普段と変わらない、穏やかな表情で。
「でも・・・でも、殺し合いなんだよ?美帆ぴょんだって、あんな・・・あんなことに・・・
美帆ぴょんは平気なの?本当に平気なの?ねぇ、答えてよぉ・・・」
美帆の表情が曇った。
「それは・・・」言葉が続かない。
平静を装って、美幸を励ますつもりだった。
でも違う。励まして欲しかったのは自分。信じていた妹に惨殺された自分。
「・・・ごめんなさい・・・」
今度は美帆が泣き崩れた。
美帆の心中を察した美幸は、ただ黙って彼女を見つめるしかなかった。
ミーちゃんは、ただじっと、天井を見ていた。
本編が待ちきれない方のために、ちょっと書いてみました。
番外編でなければ描けない、幽霊話ですが・・・
私もsageながら待たせて頂きます。
番外編もいいですね。
今どのくらいまで下がってるんだろ?
>>360 うん、良い感じ。
そのまま続けてくれ。
363 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/04/06(金) 07:18
佐倉楓子は建売住宅の片隅で膝を抱えていた。
街外れにある、新興住宅地の入り口近くにある一軒家だ。
まだ人が住み着いていないそこは、生活の匂いがなくて小奇麗で
誰にも見つからずに隠れ続けていたい彼女にとっては
奇妙に安らげる空間だった。
開始以来、佐倉はここから一歩も移動していない。
支給のパン以外何も口にしていなくて、お腹も空いているし
じっと動かないでいるのも辛かったが、それ以上に外は恐ろしかった。
時折、死者の葬送を告げる放送が町内に響くたび、佐倉は
昨日から目にしたいくつもの死体・・・・・・校門前で
喉を切り裂かれていた一文字茜、教室の目の前で射殺された寿美幸
そしてボロ屑のように袋に詰め込まれていた麻生先生・・・・・・
確実に減り続けていく同窓生のことを思った。
血まみれで殺されていた一文字を見た時、佐倉は我を忘れて
叫び声をあげた。そしてそこから震える足で逃げ出しながら、直感的に
理解していた・・・・・・隠れていることが最良だと。
これまで誰にも出会わず、誰にも襲われず夜が過ぎ、昼を迎えていた。
かなりの幸運もあるが、じっとしていたのが結果的に功を奏した。
佐倉はずっと握りしめていたベレッタM92Fを
床に置くと、大きくため息をついた。
もはや疲労の極みに達していた。睡眠もほとんどとれていない。
ぼうっとした頭で、佐倉は彼のことを思った。
このプログラムの「賞品」ともなっている、優しい彼のことを。
連れ立って海を見に行った夏の日。中央公園の並木道を2人で歩いた秋の日。
今、こんな辛い状況の中でも、彼のことを思うと頑張れる。
そう、あの日引っ越してからも、折に触れて彼のことを思い出して
自分を元気付けていた毎日もあった。
彼のイメージは、佐倉にとってかけがえのない大事な、宝物だった。
だからこうして卒業を前に、またひびきの高校までやってきたのだ。
それが、まさかこんなことに巻き込まれるなんて。
佐倉は自分が泣いているのに気づいた。
無性に、彼に会いたかった。
きっと私は、真剣に彼に恋しているのだ。
・・・・・・がちゃりと家の玄関のドアが開く音がした。
佐倉は、身を硬くした。
364 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/04/06(金) 07:18
侵入者は、1階の部屋を探索しているようで、がさがさと物音がする。
いったい誰? 佐倉は恐怖が実体を持って迫ってくるのを感じた。
いづれ何者かが階段を上がって、この部屋までやってくる。
どうすればいい? 床に置いたベレッタに視点が集中する。
やれるの? 私に。
躊躇している間に、侵入者が階段を昇る足音が聞こえてきた。
ベレッタを手に取り、そのグリップをぎゅっと握り締める。
足音が、この部屋の前で止まった。来る。
ドアノブがかすかな音とともにゆっくりと回って、扉が開く。
隙間から姿をあらわしたのは、穂刈純一郎だった。
右手には木刀を握り、制服は介抱した琴子の返り血で
まだらに染まっている。
佐倉の目が見開かれる。今にも叫び出しそうなほどに。
「佐倉・・・・・・」
穂刈が大胆に一歩、踏みこんできた。
殺される!
彼女がそう強く思いこんだ刹那、ぱん、と軽い銃声がした。
穂刈の身体が弾かれたように倒れた。
左胸の肩の付け根辺りから、制服が血でどす黒く染みていく。
こわいこわいこわい。とにかく、止めを刺さなければ。
佐倉は銃を握ったまま、彼の側に駆け寄った。
銃を構えて、穂刈の頭に向けたとき、彼女の視線は
彼の哀しげな瞳にぶつかった。思わず、動きが止まる。
次の瞬間、穂刈は、手に持っていた木刀を投げ捨てた。
あれ?
ようやく恐怖が落ちつき、佐倉に冷静さが戻ってくる。
そういえば、なんで彼がここにいるんだろう?
365 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/04/06(金) 07:18
「やっと会えたな、佐倉。ずっと、探してたんだぜ」
苦しげな様子をおくびにも出さず、穂刈はそう言って笑ってみせた。
だけどさっき撃たれた傷口からはどんどん血が流れ出ている。
「穂刈くん! ごめんね、ごめんね・・・・・・」
佐倉は自らの行為に後悔しながら、必死で傷口を押さえつけていた。
そんなことで出血が止まるはずもないのに。
「大丈夫さ、こんな傷」
穂刈はそう言うが、明らかに強がりだった。荒い呼吸が、隠しきれない。
それでも穂刈は、佐倉のために平気と言い張った。
佐倉は混乱して、ぼろぼろ泣きながら言った。
「穂刈くん、どうして・・・・・・?」
佐倉にとって、穂刈は数少ない男友達だったが、それ以上でも
それ以下でもない。
そんな彼が、何の為に私なんて探してたんだろう。
穂刈は幸せそうに微笑んで、傷の手当てをしている佐倉に言った。
「俺、ずっと佐倉が無事でいてくれるか、不安だったんだ。
お前が生きててくれるなら、こんな傷、どうってことない」
「―――え?」
佐倉はすんなりと理解できず、その手が止まった。
若干の沈黙のあと、穂刈が口を開く。
「俺、どうしてもお前に、言っておきたいことがあってさ」
「それって、え、何?」
長い間悩んでいたのが嘘のように、あっさりと、穂刈は言った。
「俺、佐倉のことが、好きなんだ。ずっと、ずっと好きだったんだ。」
穂刈が心の中でずっと暖めていた言葉に、佐倉は心臓を鷲掴みに
されたような、呼吸が止まるほどのショックを受けた。
好き・・・・・・・って、私のことが、好きって。
かすれる声で、彼の名を呼ぶ。
「穂刈くん・・・・・・」
佐倉の心中から、「賞品」となっている彼のことが遠ざかり
かわりに、穂刈との思い出が蘇ってくる。
前にダブルデートした時、さりげなく私のことを気遣ってくれた彼。
あの人ばかり見つめている私に「あいつと乗りたかったか?」と
冷やかすでもなく真面目に問いかけてきた彼。
あの頃から彼は、私のことが好きだったのだろうか。
けれど私は、知らなかったとはいえ銃弾をもって彼に応えたのだ。
どうすれば私は、彼の真摯な気持に償うことができるのだろうか。
「穂刈くん、私、私・・・・・・」
「いいから」穂刈は優しく言った。
「佐倉になら、何されてもいいから、気にすることない」
そして佐倉の手を掴むと、懸命な眼差しで訴えた。
「それより、早く逃げろ」
366 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/04/06(金) 07:19
「早く逃げるんだ、佐倉」
突然の穂刈の変化に、佐倉は途惑った。
穂刈は彼女のため必死になって説得を続ける。
「さっきの銃声を聞きつけて、やる気のある奴が来るかもしれない。
早くこの場を離れるんだ」
それだけ言うと、穂刈は疲れ果てたようにいったん目を閉じた。
泣きべそを拭いながら、佐倉は穂刈に縋りつく。
「一緒に行きましょう、穂刈くん、一緒に・・・・・・」
「佐倉・・・・・・」
そんな感動の場面を打ち破るように、ぱららら、と音がした。
おそらく玄関の扉が、激しい金属音をあげた。
佐倉は反射的に立ちあがって、窓の外を窺う。
誰の姿もない。かわりに、階下からまたあのマシンガンの音がした。
脱出しなければ、でも、どうやって?
ここは2階だ、窓から逃げるのは難しいだろう。高すぎる。
佐倉は唇を噛む。と、穂刈が立ちあがろうとしているのが見えた。
「穂刈くん!」
佐倉が駆け寄る。穂刈は木刀を力の限り握り締め、決然と言った。
「あいつは、俺が何とかする。佐倉は、ここにいるんだ」
「駄目、そんな、ケガしてるのに!」
引き止めようとする佐倉の手を穏やかに振り解きながら
穂刈は透き通るような笑顔をみせて、言った。
「やるしかないんだ、やるしか・・・・・・」
そして佐倉の手に先程のベレッタを押しつけるようにして持たせた。
「もし俺が無事に撃退できたら、今度は部屋に入るとき
声をかける。黙って扉を開ける奴は、敵だと思うんだ。
俺がやられて、そいつがこの部屋に入ってきそうになったら・・・・・・
これで、自分の身を守るんだ。できるな?」
穂刈の熱のこもった言葉に気圧されて、佐倉は拒否する術がなかった。
「じゃあ、俺は行く」
部屋を出て行こうとする時、穂刈が呟いた言葉。
「俺のこと、忘れないでいてくれ、佐倉・・・・・・楓子」
それは彼がおそらく初めて呼んだ、彼女のファーストネームだった。
#
風邪をひいて死にそうっす、、、、、、、
かかりつけの病院がないから、こういうときに困る、、、
それはともかく、サブスト2は買いでしょうか?
メイ様萌えの自分はかなり惹かれるものが、、、
続きだ…続きが書かれたんだ…
>>ときめきBR氏
風邪…ですか。
熱が高いのならとりあえずポカリを飲みまくって座薬ぶち込んで
寝まくる事をオススメします。
>>名無しくん129氏
貴方の書かれる番外編も大好きです。
これからもガシガシ書いてください。
>>368 ずいぶんとワイルドな風邪の治し方ですね・・・。
ぼくは厚着して寝ることをお勧めします。洗濯が面倒になるけど。
バトロワ、好きなキャラが悲惨な目に遭ってるってのに
読後のこの快感は一体・・・
あ、筆者様、風邪の時は、靴下はいて軍手して寝ましょう。
下手に薬飲むより効きますぞ。
本編も番外編も良かったよぉ〜。
特に番外編の美幸&美帆泣けるよぉ〜。
同じく!ドキドキの展開ですね。
続きが!サンクス♪
374 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/04/07(土) 02:00
今TVの10チャンネルでBRの監督と藤原辰也がでてるYO!
ごめん、さげわすれたぁ!!
以後気を付けましょう。
本編読んでて思ったが一番悪人なのは賞品の彼なんじゃないのか!?
>>377 彼は犠牲者という感覚があるんだけど、違ったらスマソ。
こうなったら主人公も出て来てほしいね。
CDドラマの主人公の渡瀬公一でいいから。
>>363-366 作者さん
すばらしい出来だと思います
個人的には穂刈が部屋の中に入ってきた刹那、
楓子にはもっと動揺して欲しかったところ
彼女は穂刈の服についた血が
琴子を介抱した時についたものだという事がわかっていないはずなので
穂刈を殺人者だと誤認し、激しくショックを受けると思ったので。
今回は、いいところで終わりだね。
次が待ち遠しいです。
もはや待つことが快感に・・・
「・・・・・・霧?」
光は目を疑った。
見渡す限り、公園は霧に覆われていた。3メートル先も見えない程の濃霧だ。
市街地でこんなに濃い霧は、見た事がない。
突然の現象に、戸惑う光。
そんな彼女の耳元に、突然、聞き覚えのある声が届いた。
「光ちゃん」
知っている・・・幼い頃から知っている、優しい声・・・
光は、声の聞こえた方向を向いた。
そこには、麻生華澄が優しい笑みを浮かべながら、ベンチに座っていた。
「華澄・・・おねえちゃん・・・」
でも、どうしてここに?
だって華澄おねえちゃんは、プログラムの開始前に・・・
困惑を隠し切れない光に、華澄は悪戯っぽく微笑みながら語りかける。
「華澄おねえちゃん、か・・・彼と居るときは『華澄さん』って呼んでたくせに」
その言葉に、光はハッとした。
そう、今までは、本当の姉のように『華澄おねえちゃん』と呼んでいた。
でも、彼の前では『おねえちゃん』とは呼びにくかった。
子供っぽいと思われるのが嫌だった?それもある。でも、本当は・・・
その時、華澄が呟いた。
「ごめんね、光ちゃん・・・私、教師なのに・・・光ちゃんの担任なのに・・・
守ることが出来なかった・・・みんなを・・・」
華澄の表情が、暗くなってゆく。
「教師失格だな、私・・・やっぱり、向いてなかったんだ・・・」
明るい表情を必死で取り繕う華澄。しかし、寂しそうな瞳は誤魔化せなかった。
「そんな・・・そんなことないよ!」
光は強く言った。
「みんな言ってたよ。去年の実習の時も、『麻生先生の授業は解りやすい』って評判だった。
男子にも女子にも人気あるし、優しいし、それに、それに・・・」
光の目から、涙がこぼれ落ちた。
もう流し尽くしたと思っていたのに、涙が止まらない。
「まだ・・・先生になったばかりじゃない・・・向き不向きなんて、わかんないよ・・・」
今の光には、華澄が既に故人である事にまで、考えは回らなかった。
落ち込んでいる華澄を元気付けたい・・・ただそれだけだった。
「そうね・・・まだ、わからないよね・・・ありがとう」
華澄はそう答えた。もう二度と教壇に立つ事は出来ない。だが、そう答えた。
光の言葉が、嬉しかったから。
「・・・ねぇ、光ちゃん。あなたの『夢』って、なに?」
華澄は質問を投げかけた。
「・・・夢?」
「そう、夢」
夢・・・将来の夢?すぐには浮かばない・・・
そもそも、この状況の中では、夢を叶えるまで生きられない可能性の方が高い。
でもどうして、そんな事を?
華澄は、光の目をじっと見つめて、こう言った。
「『彼に逢いたい』っていうのは、夢じゃないの?」
光は、胸が締め付けられる様な感覚を覚えた。
逢いたい。幼馴染みの彼に、今すぐにでも逢いたい。
でもその為には、「最後の一人」にならなければ・・・
誰かを殺すことになるかもしれない。そんなの嫌だ。でも、彼に逢うには・・・
良心の呵責に苦しむ光。
華澄にも、その苦しい胸の内は痛いほど伝わっていた。
「私・・・どうすればいいの?死にたくなんかない。でも、人殺しも嫌・・・どうすれば・・・」
迷子の子犬のように、光は小さく震えていた。
そんな光に、華澄は優しく、しかし力強く答えた。
「光ちゃん・・・大事なのは、『諦めない』っていうこと」
「・・・諦めない?」
「そう。確かに状況は絶望的・・・でも、それで諦めてしまっていいの?
彼のことも、生きることも・・・放棄してしまっていいの?」
光は、俯きながら首を横に振った。
「でしょ?なら・・・何をすれば良いのか、常に考えて。最良の方法を、考えて」
華澄の言わんとする事は、一応理解していた。
でも、最良の方法・・・平和的な解決法なんて、思い浮かばない。
「自信がないのは分かるわ。でも・・・泣いてうずくまるだけじゃ、何も解決しない。
勇気を出して・・・光」
華澄は、「ちゃん」を付けずに『光』と呼んだ。
最大級の信頼と、愛情を込めて。
「おねえちゃん・・・」
光も、あえて「華澄」という名を呼ばなかった。それで充分だった。
彼女の心は、届いたから。
華澄は光のもとへ歩み寄ると、そっと、光の頬の涙を拭った。
「彼の前では泣かない、って、決めたんでしょ?」
「うん・・・」
華澄は笑みを浮かべた。
光が今まで見たなかで、一番優しく、暖かい、笑顔だった。
その華澄の笑顔が、霧の中に消えてゆく。
「待って・・・お姉ちゃん、待って!」
霧は、あっという間に華澄を、景色を、飲み込んでいった・・・
ぱららら・・・・・・
不快なマシンガンの音が、遠くから微かに聴こえてきた。
その音に、目を覚ます光。
琴子の死を見届けた後、疲労の限界から、公園のベンチで眠ってしまったらしい。
「お姉ちゃん・・・あれは・・・夢?」
公園の時計は、琴子の死から1時間後を指していた。
光の頬には、うっすらと、涙を拭った跡があった。
番外編なのに、本編に食い込んでるやん・・・
ときめきBR氏、ごめんなさい。
ゲームでは「華澄さん」と呼んでいる光ですが、
こちらでは幼年期モードの「華澄おねえちゃん」が使われているので
設定の擦り合わせに苦心しました。
それではまた。
さあ、闘え!純!
八重さんに推したベレッタが、楓子の手に・・・。
まぁいいか、彼女嫌いじゃないし。
がんばれ楓子!八重さんの分まで!!
・・・もう風前の灯火ですか?
もうそろそろでてもいいんじゃないでしょか?>舞佳さん
ときめきBR氏は風邪をひいてそのまま逝ってしまわれたのでしょうか?
>>名無しくん129氏
相変わらずいいモノ書きますなぁ…
なんかもうときめきBR氏と共同著作って感じ。
さあ、この後はどうなる?
舞佳さんは正義のヒーローの匂いがプンプンするね!
茜たんと華澄さんの仇をとってくれ!!
とはいえ生き残るのは一人・・・。
394 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/04/12(木) 02:45
彼が出て行ってからずっと、様々な熱を伴った想いが
佐倉の頭の中を駆けめぐっている。
私を探して、彼はこの危険なプログラムの中を一昼夜もかいくぐり、
今も、あの恐ろしい武器を持つ相手に向かって、立ち向かっていく。
私を救うため、愛しているたった一人の女の子のために。
佐倉は泣き止むことなんてできなかった。
もう少し早く穂刈の気持ちに気付いていたら。
階下からさっきのぱらららという銃声が、した。
それが開始の合図。
絶え間なく続く、2人が争いあう凄まじい騒音。
甲子園で試合前のベンチにいたときのように、佐倉は、祈った。
勝って。どうかもう一度、あなたの元気な姿を私に見せて。
そうしたら、今度こそ私は最高の笑顔であなたを迎えてあげたい。
ほどなく、一階からの音が鳴り止んだ。
息を呑む静けさ。
ぎしっ、と階段が軋んだのが聞こえる。
誰かが昇ってくる。穂刈か、それとも侵入者か?
『もし俺が無事に撃退できたら、今度は部屋に入るとき
声をかける。黙って扉を開ける奴は、敵だと思うんだ。』
彼の言葉を思い出し、震える手でベレッタの銃口を扉に向ける。
足音が、再びドアの向こうで静止した。
佐倉は彼の声を待った。
優しく私の名を呼ぶ穂刈の声をいつまでも待ち続けたかった。
だがドアノブは無言のまま、かちゃりと回った。
扉がゆっくりと開いていく。
佐倉は大粒の涙をこぼしながら、ベレッタの引き金を引き絞っていく。
ぱん、と銃声が、がらんどうの部屋に響いた。
#
まだ風邪がぬけきらないっす、、、
今回はこんなところでご勘弁を。
ああ、本当は一気に佐倉編書ききるつもりだったのに、、、
不甲斐ない私、、、
P.S みなさん風邪の心配&アドバイス
ありがとうございました<(_ _)>
>>395 おっ更新お疲れ様。
ビタミンCを取りなさい。
CCレモンとか飲むといいんじゃないかな。
・・・続きがメチャメチャ気になります。
って、戦闘場面は描いて下さらないのですね・・・それもまた、良し。
敢えて描かずに、想像力を働かせるのもアリかと。
でも、やはり読み物としては、アッサリ感は拭えないかな・・・
いかん、対決場面を描きたい衝動が・・・(汗)
風邪は治りかけの時期が大事です。無理をなさいませんように。
398 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/04/12(木) 03:51
いかん、対決場面を描きたい衝動が・・・(汗)
>129さん
気持ちはよく分かりますが、本編はときめきさんに任せた方がいいかと。。
sage忘れました。。
本当に申し訳ないです。
>>398さん
勿論、そんな出過ぎた真似はしないつもりです。
光の番外編で「やりすぎたかな・・・」とも思ってますし・・・
ああ¥おも知れぇ
こういうのが読みたかった。
「ときメモ+ハンニバル」とか「ときメモ+スナッチ」とか、誰かやってくれな
いかなあ……
すごい展開ですね
ときめきBRも心憎い区切り方しちゃって・・・わざと?
誰にでもできる企画ってもんじゃないだろ、コレは…
期待さげ。
遂にプログラムは開始された。
最後の一人を見送り、教室には坂城匠がひとり、残った。
「もう、戻れないんだな・・・」
匠はそう呟きながら、右手に握った銃を見つめた。
そして、その銃によって命を絶たれた少女の亡骸を見つめた。
寿 美幸
開いたままだった目蓋は、親友の白雪美帆によって閉じられ、血糊も拭われていた。
今朝、あんなに楽しそうにはしゃいでいた子が、今は永遠の眠りについている。
そう、今朝・・・
廊下でスキップをしている美幸に、匠は声を掛けた。
「おはよう、美幸ちゃん。どうしたの?何かいい事でもあったの?」
「えへへー、あったんだよー♪すっごくラッキーな事。人生二度目の、大ラッキーだよぉ〜」
思わぬ大はしゃぎ振りに、匠は目を丸くした。
「じ、人生二度目?凄いね・・・何があったんだい?教えてよ」
「ん〜とねぇ、教えてあげよっかなぁー。でもぉ、こーゆーのって
人に言うと、効果が無くなっちゃうらしいんだぁ。だから内緒。ごめんね〜♪」
美幸はそう言うと、足早にその場を去って行った。
回収班がやって来て、美幸の体を担架に乗せた。
その時、匠の視線に、白い紙きれが映った。
美幸のポケットからこぼれ落ちた、小さな紙。
匠はそれを拾い上げると、そこに書かれている文字をじっくりと読んだ。
『大吉 今後の人生を左右する、大きな出来事に出会うかも』
それは、美幸が登校途中に神社で引いた、おみくじだった。
「人生二度目の大ラッキー、か・・・二度目にして最後、ってわけだ」
匠はそう言うと、フッと一つ、小さなため息をついた。
いや、もしかしたら、美幸のことを鼻で笑っていたのかもしれない。
今の彼には、人を殺した罪悪感がまるで沸かなかったのだから・・・
ちょっと変化球を投げてみました。
本編では、まだ匠の『本心』には触れていないので
敢えて心理描写をぼかしてみましたが・・・
411 :
寿F:2001/04/17(火) 07:54
寿〜・・・
もう、匠の事は好きになれそうにない。
>>411 まあまあ、あくまでここでの話だから…。
>>413 よく見つけられましたね・・・。これから読ませていただきます。
1:9の割合は決して珍しくないですよ。
415 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/04/18(水) 06:53
自暴自棄とばかり乱暴に佐倉は細い指先を
何度も何度も引き金へと叩きつけた。
立て続けに6発、放った時点で衝撃に腕が痺れてしまって
堪えきれずベレッタを取り落としてしまう。
しかし銃弾は扉を貫き、確実にその向こうにいる相手を捉えたはずだ。
手応えはあった。確かな感触が痺れのとれない手の平に残っている。
佐倉は床にへたりこむと、茫然と宙を仰いだ。
これで、私は助かったの?
ううん、穂刈くんが、助けてくれたんだ。自分を犠牲にして。
最後まで私のことを思いながら?
彼のことを思うと、枯れ尽くすことのない涙が自然と溢れてくる。
しかし涙が零れる前に、佐倉の眼は再びあのドアが
開こうとするのを見ていた。
時が止まったかのように佐倉は固まる。
開ききったドアから覗いた物は、身体中を蜂の巣にされて
血を垂流している穂刈純一郎の遺体だった。
そしてその陰から、白雪真帆が姿をあらわす。
血祭りにあげた穂刈の身体を、盾にしたのだ。
じゃあ、私が撃ったのは?
佐倉は悲鳴をあげることさえ忘れた。
ただ圧倒的な無に意識が押しつぶされる。
真帆は酷薄な笑みを口元に張りつかせたまま、丸腰の佐倉を見下ろして
悠然とイングラムの照準を合わせた。
ぱららら、とイングラムが咆哮をあげ、佐倉楓子が血飛沫とともに
穴だらけの死体へと変わる。
満足そうに真帆は肯いて、床に横たわる佐倉の遺体の上に
穂刈の遺体を積み重ねるように投げ捨て、立ち去った。
この部屋で繰り広げられたちっぽけな恋なんて、真帆は知り得なかったが。
【残り4人】
#
スレ順位、289だったよ、、、
sageで書くべきだったかなとか、ふと思った、、、
・・・・・今ひとしきりここまでの展開を読み終わった。
かなり凶悪だな、真帆・・・・ここまでで一体何人殺した!?
っととりあえずこの時点での残りはひかりん、真帆、すみれ、舞佳の4人+匠&校長か。
最終血戦の組み合わせはひかりんvs真帆と勝手に予想してみるが
すみれか舞佳さんが乱入ってケースも考えられるな。
あと、最後の勝者が校長と匠を殺りに逝くのも面白いかも知れん。
「絶対に許さない・・・・・!!」とか言って。
・・・・・乱文スマソ、おとなしく続きを待つよ・・・・。
「先生、佐倉に賭けてたんだ。給料。
>>120のカキコだから、誰も覚えてないだろうな。
けど、白雪のおかげで、負けちゃったよ」
>>416 その位置ならageでいいのではないでしょうか。
この調子でがんばってください。
>>416 続き待ってたよ!
どんどん凶悪になっていく真帆がいいね
でもこんなのにひかりんは勝てるのか・・・
がんばれ!ひかりん (ていうかときめもBRがんばれ!)
421 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/04/18(水) 21:40
age
ああ真帆りんが最強最悪な設定に(泣)
無敵モードに入ってるなぁ〜
やはりストップザ真帆はひかりんだろうなぁ〜。
匠の良心が僅かでも残ってることを祈る。
真帆のケレン味が凄くなってきたね
目覚めろひかりん!がんばれときめきBR!!
「殺る気になってる」キャラクターがいないと話が進まないからとはいえ・・
真帆ふぁんにはつらい展開か? ついに残り4人、大詰め期待sage。
>>424 う〜む・・・・とりあえずひかりんに街を彷徨わせて
殺された全員の死体を目の当たりにさせた上で
最終血戦に向かわせればそれなりに真帆への殺意が沸くと思うがどうか?
とりあえず期待sage。
最後まで書かないつもりだったけど我慢できなくなったので一言。
ときめきBRがんばれ――――。
あと、129氏にひとつ注文って言うかお願い。
あなたの番外編もとても好きなので、ここでも頑張って欲しいのですが、
できれば上記のサクラロワイヤルに出張ってイニシアチブをとって
名文を書かれることを期待します(あんたの文章もっと読みたいのよ、、、)
「飯塚くん、みんな・・・ごめんね・・・」
佐倉楓子は泣いていた。
もう「大門高校の野球部マネージャー」としての責務は果たせない。
センバツではベスト4まで行けた。チームの仕上がりも上々だった。
みんな、自分のことをマネージャーとして認め、信頼してくれた。
夏こそは・・・と、一致団結していたのに・・・
その時、楓子の耳に「彼」の声が聞こえた。
「楓子・・・」
楓子が振り向くと、そこには穂刈純一郎が立っていた。
「穂刈くん・・・穂刈くぅーんっ!!!」
楓子は一目散に駆け寄ると、純一郎の胸に飛び込み、声をあげて泣いた。
「ごめんなさい、ごめんなさい・・・私が・・・あなたの気持ちに気付いていたら、こんな・・・」
純一郎は楓子を抱きしめると、子供をあやすように、優しく彼女の髪を撫でた。
「いや、俺のほうこそ、すまなかった・・・君を、守れなかった。
マシンガン相手じゃ勝てないって、常識なのにな・・・」
純一郎は思った。できれば生きているうちに、こうして彼女を抱きしめたかった。
彼女が転校する前に、自分の気持ちを伝えておくべきだった。
『そんなに伝えたかったなら、こんなプログラムが始まる前に
言えば良かったじゃない』
公園での水無月琴子の一言が、純一郎の心に突き刺さる。
だが、もう過ぎてしまった事は仕方ない。
体は滅んでしまったが、こうして佐倉楓子と心を通わせることが出来る。
それで充分だった。
お互いを見つめ合う二人。
もう二人の間に、言葉など要らなかった。
「あらまあ・・・見せ付けてくれるわね、お二人さん」
突然、聞き覚えのある声がした。
二人は、声のした方向を向く。
そこには、水無月琴子がつまらなそうな顔をして、立っていた。
「皮肉なものよね・・・三人共、同じ人物に殺されるなんて」
琴子は、ふぅ・・・と、溜め息をついた。
「水無月さん・・・」
楓子は、何か一言、琴子に声を掛けようと思った。
だが、何も言い出せない。
たとえ死んだ後でも、自分は最愛の人を見つける事が出来た。
しかし琴子は、その夢が叶わなかった。親友が恋敵というハンデも背負っていた。
そう。彼女と比べたら、自分はまだ幸せなのだ。
「水無月・・・光ちゃんの事は、いいのか?見守ってやるべきじゃないのか?」
純一郎が進言した。
陽ノ下光は精神的に弱い。親友なら、気持ちだけでも・・・そう思っての言葉だった。
「駄目よ・・・今行ったら、光の心の中に、私の気持ちが流れ込んでしまう・・・
華澄さんと同じ事をしても、光を混乱させるだけ。だから・・・」
琴子はそう言うと、俯いて、黙り込んでしまった。
純一郎も楓子も、もうそれ以上、琴子に言葉を掛けられなかった。
琴子は、心の中で呟いた。
(光・・・白雪真帆に気をつけなさい。彼女はもう、誰も止められないわ・・・)
ひびきの駅のコインロッカー。
返り血を浴びたひびきの高校の女子制服が、脱ぎ捨てられている。
白雪真帆は、ロッカーからスポーツバッグを取り出すと、その中から別の服を取り出した。
「きらめき高校」の制服。
姉との共闘作戦のため、ひび高の制服を着ていたが、もう必要ない。
いや、姉と同じ制服なんて、もう着たくなかった。
『私は私』白雪真帆として戦う・・・彼女の決意の表れだった。
真帆は制服を着こなすと、愛用のブランド『VK』のコロンをシュッと一吹きして、呟いた。
「さあ・・・あと何人殺ればいいのかしら♪」
【残り4人】
真帆が書きたかった・・・
ときめきBR氏、終盤戦に入りますが、頑張ってください。
>>426さん
黙っているつもりでしたが・・・既に書いていたりします(汗)
スレだけ立っていて誰も書かないので、ちょっとだけ・・・
あちらのスレでの「14」というのが私です。
ただ、私はサクラの知識が無いので、あちらの方々を満足させる物は書けません。
こちらと同様、進行にチャチャを入れたりはしますが・・・
ときメモ2、1000円でゲットしたんで早速やってみよう…
期待sage
>>429 あんたの書く番外編おもしろいな!
ときめきBRと共同で話し合いながら書いてるみたいだ
2人ともがんばれ!
敬意を表してsage
こんなこと書くと荒らしになるが、番外編いるか?
本編に食い込みすぎてる気がする。
皆は違うと思うが、あの冷たい現実感が好きな俺には
魂になった奴らが慰め合う話はちょっと駄目だな。
前の光の視た幻の話は良かったと思うけどね。
これが、ときめきBR氏の足枷になったらどうする?
まぁ部外者が言う事じゃないがな。
>>433 それはBR氏の都合によると思うけど?
まあ、ああいう話はダメな人はダメだよね。>番外編
とりあえず、続きキボソ。
>>433 同意。
番外編は本編が終わってからでもいいかと。
番外編が面白くても駄目なのだと。
本編が遅筆なのも問題かと。
でもがんばれBR。期待sage
俺的には、さっきまでは番外編は悪くないと思ってたんだが。
真帆がきら校の制服に着替える描写を入れちゃったのは、
本編に食い込んでで失敗だったんじゃないかと。
>>437 オレもそう。あと匠の心理描写を僅かとはいえ書いてしまったことも。
でも基本的にオレは129さんを応援しているので、
難しいでしょうが本編に支障のない程度に頑張ってください。
オレも
>>437-438に同意。
真帆のことは不快感さえ覚えたが
129氏の番外編自体はとても面白いと思うので
>>359、
>>427みたいに生存キャラを出さない話ならどんどんやって欲しい。
御批判は真摯に受け止めさせていただきます。
私の調子付いた書き込みによって、気分を害された方がいらっしゃる事に関しては
反論の余地はありません。軽率でした。申し訳ありません。
突然ですが、色々と考えた結果、私はこのスレを一時撤退することにしました。
ときめきBR氏の文章に刺激を受け、勝手に番外編を幾つか書いてきましたが、
結果的に感じたのは「自分は本編が書きたいんだ」というものでした。
今、御批判を頂いて書くのを止めていても、この気持ちがある限り
再び同じ事を繰り返して、皆様に御迷惑をかけるのでは・・・そう感じました。
なら、一から自分で書けばいい。
近日中に新しいスレを立てて、ときめき(1)のキャラでバトロワ小説を書く事にしました。
「サクラロワイアル」を薦めてくださった方には申し訳ありませんが、
やはり専門外の物は書けないと痛感した次第です。あちらはサクラファンの方が書くべき物だと。
ある程度書き溜めてからスレを立てようと思っていますので
その時はまた、厳しい御意見をお願いします。
このスレはずっと見続けますし、あくまでも「一時撤退」ですので、フラッと現れて何か書くかもしれませんが・・・
「名無しくん129」は一旦封印します。お騒がせしました。
ときめきBR氏、これからも頑張って下さい。
>>440 その潔さ…ファンになりそうだYO
新しいのが出来たら是非とも読ませてもらいたいYO
>名無しくん129
部外者の発言を真摯に受け止める姿勢に
敬意を表します。
あなたの今後の活躍を応援すると共に、
このスレが一段落したのちの、番外編を期待してます。
皆さんには私の発言がこの様な結果を招いたと
お思いでしょうが、この作品の完成を望むのなら
どうか、御理解いただきたい。
>>443 はい。
それにしてもこのスレはギャルゲ板の中で1番良識人の多いとこだね
>>440 ときめきBR氏の意見が聞きたいところです。
なかなか現われないこのスレの神様のような人ときめきBR
447 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/04/24(火) 08:12
虚ろな眼をして思い出の遊園地のベンチに佇む光は、
もはや抜け殻だった。
思考の裏では市街地から遠ざかりたいという気持ちも
働いたのかもしれないが、彼女をここへと連れてきたのは
やはり懐かしいあの日の記憶なのだろう。
忘れられない思い出がある。
子供の頃の楽しかった一日と、不意に訪れた別れ。
必死になって彼を追いかけたあの日のことを。
いつだって別れは急なものだったような気がする。
優しかった近所のお姉さん、麻生華澄はもういない。
親友の水無月琴子にも、そして多くの同級生達にも会うことが
できなくなった、わずか一日のうちに。
みんな、血を流しながら死んでしまった。
いや、この腹立たしいプログラムに殺されてしまったんだ。
傍らにおいてある、琴子の形見となったデイバッグに目を移す。
光の心に深くて黒い何かが蠢く。
こんな時こそ側にいてほしい彼も、手の届かないところにいる。
叫んだって、声も届かない。彼に会うためには
死体の山を積み重ねていかなければならない。
やだ、やだ、やだ。
いっそ記憶の中にこのまま逃げ込んでしまいたかった。
どうしていいのか分からない。
過酷な現実に翻弄されるうち、いつしか光は考えることさえ
困難になっていった。
なのに臆病な本能の弱さが命じるままに生きようともがいている。
銃を片時も離せないでいるのがその良い証拠だった。
そんな時だ、同じ様な途方に暮れた顔で歩く少女に出会ったのは。
448 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/04/24(火) 08:13
少女は野咲すみれと名乗った。
小さな子供が遊園地にいること自体は当たり前の状況なら
ごく自然なはずだったがこんなプログラムの最中、
人気の消えた園内に突然現れた彼女は、まったくその場にそぐわなかった。
すみれは光を見つけると、喜びを隠しきれない足取りで
駆け寄ってきた。
警戒することも忘れ、光が「どうしたの?」と訊ねると
彼女は今にも泣き出しそうな顔をして、言った。
「両親とはぐれちゃったんです。
サーカス小屋にいて、気がついたらいなくなってて・・・・・・
ずっと誰かいないか探してたの」
光はそれを無条件で信じた。
この女の子の置かれている孤独、心細さ、そういったものが
そのまま光の心にもあったからだ。
「一緒にいて、くれますか?」
期待に満ちた眼でお願いするすみれを見つめながら、光は思った。
私達はまるで捨て猫みたいだ。
「いいよ、一緒にいよう」
そう言って光はすみれの身体を抱き寄せた。
自分だったら、そうして欲しいと思ったからだ。
すみれはちょっと驚いたようだけど、あえて逆らいもせず
微笑みを浮かべながらその身を任せた。
光は慈しむように、まだ幼いすみれを抱きしめていた。
しかし、思いもしない方角から「危ない!」と声がした。
#
登場人数減ってくるときっついわ〜。どんどん一人一人の
話が長くなるし、、、(原作もその傾向があるけど)
なんとか完結まで頑張るぞ、と。
なんかいろいろあったようだけど、とりあえず僕の遅筆ぶりが
原因のひとつであることは間違いないようで、、、申し訳ないです。
まあ、ここはあくまで掲示板なんで、みんな書きたいものを書けばよろしでは。
僕も僕の好きなように書いていくので。
>名無しくん129
ときめき1版BR、期待してます。
ああ、ついにすみれが出てきたか。
「危ない!」と発したのが舞佳だとするならいよいよ最終決戦だね
おおっアップされてますね。
まさしく最終決戦近しですな。
>名無しくん129
番外編良かったのだが・・・・・
勇気有る撤退に感動してる。
別スレ立てたら必ず読むから頑張ってくれ。
やった。つづきだ〜。
がんばれ!ひかりん!がんばれ!ときめきBR!
いよいよクライマックスの気配が、、、
真帆が来たのか、はたまたすみれが、、、?
期待しつつさげます。
129氏へ
ときメモ1ver
いよいよ最終血戦間近か。
誰か生き残る人間がいるのか、それとも予想に反して全員死亡か?
期待しつつsageます。
マジツッコミで失礼するが…
> 光は慈しむように、まだ幼いすみれを抱きしめていた。
公式設定では、すみれは光や主人公より1歳だけ年下です。
まあ見た目が幼いので、いいんですけど…。
456 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/04/26(木) 04:49
驚いて顔をあげる光、その視線の先には、光の首筋狙って
剃刀の刃を下ろそうとしている、すみれのか細い指があった。
すみれの表情が豹変する。右手が素早く動こうとする。
反射的に光はすみれの身体を突き飛ばした。
しかしすみれは転げる寸前に刃を振り下ろす。
間一髪、剃刀の刃は光の皮膚を掠めて薄く引き裂いたが
命に別状はない。けれどリアルな痛みが広がる。
2人の距離が離れた。
すみれは難なく体勢を立て直すと、懐から
サーカスの小道具らしき鋭く光るナイフを取り出す。
考えるより先に光の体が動いた。
ずっと握りしめていた銃をすみれに向けると、引き金を引く。
激しい衝撃が光の腕を、心臓を震わせた。
すみれのちっぽけな体が弾け飛ぶ。一瞬の光景に光は目を見開いた。
決して使うことのないと考えていた物だったのに。
震えが止まらない。鈍く痛む紅い傷痕を手で押さえながら、
光はふらふらと前のめりにベンチより起きあがった。
目の前ですみれが地面に倒れこんだまま細かく痙攣している。
私がやったんだ。このまま死んでしまうのだろうか、彼女は。
足元にまですみれの流す血だまりが浸食してくるような気がして、
茫然と立ち尽くしたまま光は、自責の念に狂いそうだった。
そこから解放してくれたのは、またしても
さっきと同じあの明るい声だった。
「大丈夫だった、光ちゃん?」
彼女はそう言いながら、光の前に姿をあらわした。
457 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/04/26(木) 04:49
言葉遣いや足取りの明るさにもかかわらずシビアな表情をした
年上の姉貴のような彼女の姿を、光は真昼の幽霊を
見るような目で眺めた。
彼女はそのままつかつかと光の隣を通りすぎると
末期の痙攣を繰り返しているすみれの前で足を止めた。
その手には黒い鉄の固まり、漫画なんかでよく見るような
六連装の拳銃が握られている。
すうっとすみれの頭に照準を合わせて構える。
光は視線を逸らす事ができなかった。
ガォン、と銃声が木霊する。すみれの頭部が大きくバウンドした。
後頭部の穴からどろりとした赤っぽい液体がこぼれだした。
光は強い吐き気を覚えて蹲る。
全てが終わった後、彼女はしゃがんで光の顔を覗き込み言った。
「あの子を殺したのは私よ、見たでしょう?
だから光ちゃんは、気にしなくてもいいのよ」
典型的な詭弁だ。それでも光は、そんな理屈に騙される事で
なんだか救われているような自分に気付いていた。
思わず、光は呟く。
「あの子は、いったい・・・・・・?」
「隠れキャラなのよ、彼女も。
光ちゃんは知らないかもしれないけど、この彼をかけた争奪戦には
誰でも参加できるの。
つまりあの子も、彼にほれた女の子ってわけね」
少なからずショックだった。
【残り3人】
#
>>455 マジで知らなかったよ、もっと子供だと思ってた、、、
ご指摘ありがとうございます。
まあ、どちらかというと光側の視点で書かれているので、そういうことで
ひとつよしなに、、、
お、更新されてますね。
以前言ってたログ保管サイトができました。
今のところここへのリンクと「本編のみを閲覧」しかないのですが・・・。
URLは後ほど。
お、続きがageられてる。
にしてもあっけなかったな、すみれ・・・・・・。
助けに入ったのはやはり舞佳さんか?
ログ保存人も出て来てくれた事でこのスレもだんだん
同人板の「終わるコミケット」スレのノリに近づいてきた感じがするな(w
さて・・・・完結は近いぞ、一体どうなる?とハラハラしつつsage。
作者は作者自身の事を「ときメモをあまり知らない」ってどっかに書いてたと思う。
知らなすぎればオリジナルのときメモと矛盾が生じるし、
知りすぎるとキャラに愛情(?)が沸いて
バトルロワイヤル化しにくくなるだろうなぁ、と思ったんだけど。
それにしても冴え渡ってますね。ここまで続けるだけですごいわ、ほんと…。
更新されてますな。
舞佳さんがさばさばしたかんじでいいけどこの後ひかりんは
舞佳さんとも闘うのだろうか?
期待sage
うわっ、更新されてる、、、、
448の時点で半ば予想していたとはいえ、真帆とは違って
弁解のチャンスすら与えてもらえなかったすみれって一体、、、
こういうときこそ番外編の出番だと思うのは俺だけ、、、、
、、、俺ってしつこいですね。逝きます。
逝く前に一言。459の彩子さんマンセー。
ときめきBRマンセー、彩子さんマンセー、このスレ良質マンセー!
神 超天才 天才 秀才 強者 凡人 馬鹿 電波 劣等 超劣等 カス カメモナー
┠──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┨
↑
です
ここの作者はなにが凄いって、最後まで続けようとするその姿勢だろうね。
468 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/05/01(火) 01:42
わお、上がってるよ!
一体何が?
どうやらage荒らしがいるみたいね。
それにしてもこの人は何者なんだろう。いきなり現れて。
私を助けてくれたからには、当面、敵ではないのだろうけど
迷わずにあの少女を撃ちぬいた行動力、そして
精神力はいったい・・・・・・
おずおずと光はこの凛として立つ彼女に尋ねる。
「あの、あなたは・・・・・・」
「わたしは、九段下舞佳。よろしくね」
飄々と舞佳は応えた。
「あ、私は・・・・・・」
「陽ノ下光ちゃんでしょ。知ってるわよ」
光は拍子抜けしたが、思ったほど驚いたりはしなかった。
知っていたからこそ、こうして助けてくれたのだろうから。
「前に、華澄から聞いてたから。あなたのこと。
麻生華澄、知ってるでしょう?」
袋詰にされた華澄の姿が脳裏にフラッシュバックする。
光は華澄の事を告げようかと一瞬迷ったが、勇気がなくて
結局黙ってしまった。
けれどその必要もなかったようだ。舞佳は言った。
「そして、私がここにいるのは、華澄のためよ」
今度は光も驚いた。
「プログラムがこの学校で開催されるって小耳に挟んだ時
わたし、華澄に言ったのよ。『逃げて』って。
でも華澄、絶対にこんなプログラムは止めさせるって・・・・・・
あいつ等に逆らったりしても、ろくなことないのにね」
三度、光は驚いた。いや、感動していた。
最後まで華澄先生は、信念を曲げる事なく生きたんだ。
やはり彼女には華澄のことを伝えた方がいいのかもしれない。
そう思って光はためらいがちに話し始めた。
「あの、華澄さんは・・・・・・」
けれど舞佳はそれを遮った。
「言わなくてもいいわ、こうしてプログラムが始まったって事は
彼女が無事なはずがない。そうでしょう?」
俯く光。彼女は知っているんだ、彼らのやり口を。
「でも別れる時、華澄が言ったの」
光は顔をあげた。舞佳は穏やかな目をしていった。
「もし私に止められなかったら、守ってほしい娘がいるって。
子供の頃から面倒を見ていた娘で、幸せになってほしいって。
・・・・・・あなたのことよ」
胸が一杯になるような感激、幸せを光は感じていた。
沢山の人達の優しさに包まれて、私は暮らしていたんだ。
「だからわたしはこうしてプログラムに潜り込んだの。
自分の手で守りたい人がいるから。
そして、できればこのプログラムを破綻させてやろうと思って。
華澄に成り代わってね」
話しながら舞佳の脳裏に守りきれなかったこの街の知己たち
・・・・・・姐さんや、伊集院家のお嬢さんの姿が過った。
唇を噛む。運がなかった。
いや、一人だけでも会えたのだから、上出来なのか?
考えこんでいる舞佳に、光は訊ねる。
「でもその武器は・・・・・・」
舞佳は少し決まりの悪そうに微笑んで、言った。
「ヘヘェ、バイト先からちょっと、ね」
光は絶句した。
世の中にはいろんなバイトがあるんだ、と思うしかなかった。
更新お疲れ様です。
うーん、早く続きが見たい!
age嵐になんか負けるな!
いよいよ大詰めだね。舞佳さんに感動。
BRマンセー
>>471-472
うまい。舞佳さんのことを良く研究したんだと思います。
成果でてますよ。
舞佳さん良いよぉ〜〜〜〜〜〜。
ひかりんを助けてやってくれい!
いよいよ最終局面ですねぇ〜。
匠はひかりんに殺されるのかな?
>>460 保存サイト設置お疲れでした。
外伝閲覧ができないんだけど何で?
>>477 すいません、まだ編集してないの・・・。
今日はタブレット買ってご機嫌だから今日あたりできてるかも(w
一連の作業中にこのスレが消えても大丈夫なように、
このスレを急いで保存したオレはバカなのか?
でもまだ結構他のスレ壊れてるね。
約二週間の旅から帰って早速確認。
いやーあいかわらずおもしろいね!文章レベルもあがってるし。
これからも応援してます!
>>478 俺も二週間前買ったタブレットを今日接続。
認識までに6時間かかっちまった。
>>all
番外編の編集が完了しました。
>>480 一緒にタブレット頑張りましょう。
オーラスに向けてだいぶ盛り上がって来ましたな。
親友と仲間達の仇討ちに燃える舞佳さん・・・・なんかカッコいい。
でも舞佳さんが真帆に・・・・って・・・・いや、言うまい。
最後どうなるか楽しみに待ってまっせ>BR氏
>>481 お疲れ様。
早速見に逝ってみますわ。
ってこのスレだけは荒らされずにマターリ進んで欲しいものだ・・・・
糞スレ立てまくり厨房のせいでSSスレが過去ログ送りになっちまってるし。
483 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/05/02(水) 12:53
dat阻止
久々に見てみたらこの荒れもようは一体なんなんだ?
一応下げで書くけど、ここまできたら上げ上等で進行してもやむをえないんじゃ?
483えらいぞ。
>>484 昨日のサーバ調整の際にトラブルがあったらしく、各スレッドに大小様々な被害が出ています。
ここも一部の書き込みが消えていたり・・・・
いや、やはりsage進行のほうが良いかと。GW厨房も居ますし。
>>482 そういえば、なんでSSスレがdat送りになってるの?
あれってそんなに古く無いじゃん。
とりあえず、続きをキボン。
>>486 昨日の鯖メンテの際に400位以下のスレッドが全て過去ログ送りになったんで
そのあおりを食ってSSスレも過去ログ送りとなったって所。
ご無沙汰しております。簡単なコメントだけですので、ちょっとだけ・・・
>彩子さん、、、好きです。。。さん
保管サイト設置、御苦労様です。
しかも、私の書いた番外編まで別枠で設置して頂いて・・・
「マンセー」と言われる程の文章は書けていませんが(改めて読み返すと、表現力のヘッポコさに鬱・・・)
時期が来ればまた書きますので、その時は宜しくお願いします。
製作中の1版BRですが、「最初に逝くキャラ」の選択にかなり苦しみました・・・
連休厨房が治まる頃には、ある程度の話数が出せると思いますので、その時はまた、別スレにて・・・
ときめきBR氏、完結まで頑張って下さい。
>>488 またこのスレであなたの名前が見られるとは・・・。
1版BR、プレッシャーをかけぬ程度に期待してます(藁
オレは名前の通り本来1派(つうか片桐派)ですので。
個人的にはみはりんには鞭を持たせてほしいのう。
この意味が分かる人も少ないか・・・。
では、執筆者の両氏、リロードしまくり読者(オレ含む)、
頑張っていきまっしょい。
>>488 最初に殺すキャラか・・・
キャラクターに愛情がわけばわくほど殺しにくくなる・・・
心中お察しします、ユクーリとがんばってくださいまし。
492 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/05/03(木) 06:46
「でも、『破綻させる』ってどうするんですか?」
光は言った。本当にそんなことができるのだろうか。
しかし舞佳の言葉はこんなプログラムの中で久々に見出した
唯一の希望だったから、嘘であってほしくない。
光の期待に応えるかのように、舞佳は言った。
「このプログラムを確実に失敗させる方法はひとつだけよ」
ごくっと息を呑んで光は次の言葉を待つ。
「誰もこのプログラムに乗らなければ、成立しないわ」
光はがくっ、っと肩を落とした。舞佳は簡単に言うけれど、それが
どれほど難しい事かを光はこの一昼夜の間に思う存分味わっているのだ。
が、舞佳は妙に自信ありげに言った。
「何とかなるって。大丈夫。現に、光ちゃんのような
娘だっているじゃないの。さっきの、見てたわよ」
そう言われると、光はくすぐったいような気がして、でも
あの娘に裏切られた哀しさを、少し思い出してしまった。
「戦う気のない娘達だけ集めたいんだけど・・・・・・
でもそのためには、このプログラムに乗ってしまった
相手を倒すしか道がないでしょうね」
「え、倒すって、それって・・・・・・」
さっきの光景がフラッシュバックした。銃弾に吹っ飛ばされる体。
さばさばと舞佳は言う。
「可哀想だけど、他に手はないわ。
放っておいたら、いつ隙を狙われるかわからない」
光はそれでも、ちっちゃな声で食い下がった。
「なんとか話し合えないかな、その娘達と」
「難しい、というか、現実的には不可能ね。
乗ってしまった娘は、他人を信じてくれないわ。絶望的なまでにね。
せめて、良心を持ちつづけている娘達だけでも救いたいじゃない」
あいまいに光は頷いた。確かに彼女の言うことは一面筋が通っている。
「さあ、一気に決着と行こうじゃないの」
そう舞佳は言い放った。
「決着?」
光が問い返すと、己に言い聞かせるかのように舞佳が檄を飛ばした。
「そう、ここで終わらせるのよ、こんなくだらない戦いは。
そしてこの悪夢のようなプログラムも」
「でも、どうやって?」
理解できないといった表情の光に、舞佳は真剣な面持で言った。
「呼ぶのよ、ここに」
「呼ぶ・・・・・・?」
「そう。やる気になっている相手を、呼ぶの。こうして・・・・・・」
言うが早いか、舞佳は手に持っている六連装の拳銃を空に向かって
2発、間隔を置いて撃った。甲高く銃声が澄み渡った空に轟く。
「隠れて、光ちゃん」
言われるままに、舞佳の後に続いて光は2つのデイバッグを手に
近くにあった回転木馬の陰に隠れた。
間もなく、遠くから園内の静寂を打ち破る車の排気音が聞こえてきた。
どこから調達したのだろうか、真っ赤なオープンカーを駆って
何者かがそのまま柵の隙間から突入してくる。
敵はアクセルを踏んだまま、車内からぱらららと機関銃をばら撒いてきた。
すぐ鼻の先で銃弾の爆ぜる音がする。
そのうちのいくつかは鉄製の木馬本体に着弾したらしく
ガン、ガンと耳元から不協和音が響いた。
隣で舞佳が半身だけ身体を外に出して応戦している。
車はそのまま回転木馬の前を通りぬけ、サーカス小屋のテントに
勢いよく突っ込んで止まった。
交錯する際に見えたあの顔は、琴子が死に際に囁いた名前の主、
白雪だ。
萎みかけた光の闘志が、ぶち切れんばかりに膨れ上がる。
あのマシンガンで、彼女は琴子を殺したんだ!
怒りに燃える手で、光はワルサーP38の銃身をぎゅっと握った。
華澄さん、琴子、見ていて。そして、守って。
【残り3人】
>名無しくん129さん
最初に殺すキャラ、、、
僕の場合は教室で美幸が撃ち殺されるところまでは決定済みだったんだけど
その次誰を死なすかは結構悩んだような、、、
逆に言えば、ゆっきーの悲惨な死に様は始める前から決まってたって事。
ひどい話ですよね(笑
完結まであとほんのちょっと、がんばりまっす。
ううっ、もう予想がつかん、、、
気になってみてみたら、嵐もおさまったようですし。
あとはクライマックスへ一直線・・・
八重さんの学生書テレカを見つつさげ。
「学生証」でしたね、失礼。
更新うれしいsage
明け方更新っぽいので最近は5時ぐらいにPC起動するようになってるYO
がんばれ!ときめきBR
「積極的な性格」が拡大解釈された真帆たん萌え。
>>473 これの大会版にエントリーした。
応援したってください。
関係ないね、うん。
もうすぐ終わるのが惜しい。
>>499 エントリー出きんかったYO
でも映画版にはよくいるよ
関係ないね。うん。
大会でたけど、29人目で殺られました。
ちょっと悲しい。
ひとつ相談なのですが・・・
以前、「新スレを立てて1版BRを始める」と書きましたが、
ここ最近のギャルゲー板の状況を見ると、
連続投稿や新スレッド作成を抑制する方向にあるようです。
まあ、議論中にあんな強力な荒らしが来たら、規制実施が加速されるのは仕方ないとは思いますが・・・
こんな中で新スレを立ち上げると、「重複スレ」と槍玉に挙げられて、思うように書けないのでは?
そう感じるようになりました。
こちらの本編の完結が近い事、まだ500近くレスが残っている事を考えた時、
新しくスレを立てるより、こちらの完結を待って、それから始めても良いのでは?
そう思うようになったのですが・・・いや、そうすべきだと思うのですが。
御意見をお願いします。
白雪真帆イメージソング
2nd face ほんとうのわたし(バトルロワイヤルバージョン)
恋ならばいいじゃない 好きならばいいじゃない
気にしたらきりが無い 願い叶わない
もっとcoolに殺れ もっと熱く殺せ
遠くでその声が そっと囁く
現実は多分夢より儚い ねえ、だから早く傷つけるの
この胸が指が探してるこんなに いつもいつもおまえを
夕闇が街を血で染め上げてくよ 違う私になる
、、、、、、構想三分。なんのひねりもないですね。
ちょっとかいてみたかったもんで、すみません。
>>504 とりあえず賛成。
その間に書きためておいてもよろしいのでは。
テントの陰から再び、ぱらららという音が轟いて
厄介な敵の無事を告げた。
弾は正確にメリーゴーランドの周囲を叩いてきた。
ここからでは相手の姿が見えない。
相手にはこちらの居場所がばれている。
闇雲に撃ち返してもこのままではジリ貧だ。
「光ちゃん、いったん建物の陰まで退却よ」
言うが早いか、舞佳が発砲しながら囮になるつもりか
見当違いの方角へ飛び出していく。
その一瞬の隙を突いて、光も木馬の陰から飛び出し、近くの
建物、占いの館の入り口へ転がり込んだ。
瞬発力、脚力に自信のある光だから可能だった。
遅れていれば、鉛玉の雨でその場に釘付けにされていただろう。
少しして、舞佳も滑り込んできた。
「大丈夫ですか?」
光の気遣いに、舞佳は余裕の笑みで応じる。
断続的にぱらら、ぱららと銃声がしていたが、やがて静寂が訪れた。
息を殺して、外の様子を窺う。テントの辺りに動く影はない。
見失った? 軽いパニックに陥る光、しかし舞佳は冷静だった。
「彼女はわたし達の行動を見ていたはずよ、油断しないで」
言ったそばから、再びあのマシンガンの銃声が響く。
館の側壁に無数の弾痕が開いた。また銃声がして、今度は
側壁の一部が吹き飛ばされた。内部までがら空きになる。
「回りこんだつもり!? ええぃ!」
舞佳が牽制代わりに銃声のした方へ数発、撃ち返す。
光も手持ちのワルサーP38でそれに続く。
緊張からか、銃撃の反動のせいか、手が震えていた。
けれど2人の抵抗などまったく意に介さぬように、ぱらららと
マシンガンによる狙撃が館を襲う。
焦げ臭い匂いがして、壁や地面が傷だらけにされていく。
入り口近くにいたため、幸い被弾はしなかったが。
「舞佳さん」
光が悲鳴に似た声をあげる。舞佳は舌打ちした。
「だめね、相手にはこちらが見えてるのかも・・・・・・逃げるわよ」
館から撤退した2人は、園内を奥へと振り向きもせず走った。
「舞佳さん、いったいどこへ?」
光が息を切らせながら聞く。舞佳が怒鳴るように言った。
「どこでもいいわ、とにかく追いつかれない場所へ!」
火力が違いすぎる、逃げるしかない。
今にも後ろからまたあのぱらららという音が聞こえてきそうな気がして
光は耳を塞ぎたかったが、耐えながら走りつづける。
肩から担いだ荷物がやけに重く感じた。
と、急に舞佳が大声で叫んだ。
「あ、あれよ、光ちゃん」
舞佳が指差した先には、この遊園地のシンボルでもある大観覧車があった。
彼女は運転室に駆け込むと、何やら操作盤をいじくった。
低いうなりと軋み音を立てて、観覧車が動き出す。
「この中で、待ち伏せしましょう」
舞佳が言った。うまいアイデアかもしれない。
沈黙した園内で回りつづける観覧車というのは異様だ。
気付かれないはずがない。
しかし上空からなら、近寄ってくる敵も丸見えとなるだろう。
結局、他に方法も思いつかず、その手に賭けてみることにした。
2人を乗せたゴンドラがゆっくりとあがっていく。
舞佳は下界を見張りながらも、申し訳なさそうに言った。
「ごめんね、光ちゃん・・・・・・計画ミスだったわ
まさかあんな武器を持った相手がいるなんて・・・・・・」
光は首を振った。
「ううん、いいんです。一人でいたら、きっと途方に暮れて
何もしないまま殺られてただろうし・・・・・・
舞佳さんのおかげで、戦ってやろうと思える力を貰えたから」
「・・・・・・ありがとう」
ちょっと感動的な場面だった。浸っている余裕などないけれど。
じっと下の様子を窺っていた舞佳が舌なめずりをした。
「来たわね」
同じく隣で、光も確認すると頷く。
ジグザグにこの観覧車めがけて駆け寄ってくる一粒の人影が見えた。
黒光りするイングラムを小脇に抱えた学生服の少女。間違いない、彼女だ。
競うように2人はゴンドラから身を乗りだして、拳銃を構える。
先に火を噴いたのは舞佳の銃だった。遅れて、光も撃つ。
耳が痛くなりそうな銃声の協奏曲。
『当たって、お願い』祈りながら光は引き金を何度となく引いた。
だが間合いが遠すぎるためか、弾は虚しく地上のコンクリートを叩く。
真帆は立ち止まる事なく一直線に観覧車の真下まで潜ると
そのまま手近にあったゴンドラに隠れた。
光たちのゴンドラとは7、8個しか離れていない。
即座に、ぱららら、と例のやつが来た。
慌てて身を屈める。弾はゴンドラの底や、支柱に弾かれて外れた。
息つく間もなく、反撃。手を突き出して、カンを頼りに撃つ。
が、ゴンドラの屋根に当たって真帆まで届かない。
すぐまたマシンガンの掃射が飛んできた。
思わず光は首を竦める。
予備の弾を装填しながら、光は強く思った。
死にたくない、負けてられない、こんな所で。
仇を討つんだ、もう一度、彼に会うんだ!! と。
膠着状態のうちに、かちっ、と舞佳の銃が空撃ちする。
ホルスターに手をやり、舞佳は自分の迂闊さを呪いたくなった。
弾切れ? こんな時に。
「光ちゃん、バッグ借りるわよ!」
舞佳は反撃を続ける光の足元に転がっていた2つのデイバッグを開いた。
何でもいいから、武器を。
舞佳は縋りつくような思いでデイバッグの中をひっくり返した。
1つ目のバッグ、光のバッグにはわずかな食料品しか入ってなかった。
駄目か、それでも諦めきれず2つ目の、琴子の形見のデイバッグを開く。
ぱらららという例の音が舞佳の焦りを増幅させる。
「舞佳さん!」
もはやマシンガンの優位は押さえきれず、光が悲痛な声をあげる。
神を罵りたい気持ちを堪えて、舞佳はバッグの中を掻き回す。
そして彼女は、琴子のバッグの底に眠るそれに気付いた。
「光ちゃん、伏せて!」
そう怒鳴ると同時に、舞佳は大きく振りかぶって、投げた。
訳もわからず光は床に伏せる。
数秒して、凄まじい轟音、ゴンドラが大きく爆風に揺れた。
何事が起こったか理解できないままゴンドラの手すりに
しがみつくようにして、光は嵐がおさまるのを待った。
「・・・・・・やったわ」
舞佳が言う。光が、おそるおそる顔を覗かせると
真帆の乗っていたゴンドラの辺りは、跡形もなく四散していた。
きょとんとした顔で光が言った。
「舞佳さん、今のは・・・・・・」
琴子のバッグの一番底に押しこまれていた物、それは
スタート直後に琴子が回収したきり、忘れ去られていた
一文字茜の支給武器、手榴弾だった。
【残り2人】
>>499 大会あるのに気付かなかったッス、、、
自己記録は最高9人抜きまで、、、
>>504 お好きなように、、、
今回長すぎなんであげ無しです。
良かったらてきとーなところで誰かあげてください。
この時間の更新は珍しいですね。
これから楽しみに読みます。
小説の出来としてはおいといて―・・・
おたく的突っ込みです。
長いですしそういうのが嫌いな人は流してください。
舞佳さんの動きはなにからなにまで酷いです。
まず相手にどんな武装があるか全く情報を集めない。
こちらの武装を点検もしない。
敵を誘っておきながらなんの準備も計画もない。
どこで待つのか、相手はどの様に突入して来るのか、
何の想定もなされていないから地の利を全く生かせず
後から来た相手に一方的に射角を取られるばかりか
姿を見失って敗走する羽目になりました。 素人相手に。
火力以外は有利条件ばかりなのに。
そして逃げ込んだ先が観覧車。
サイアクです。
逃げ場無し・ルート確定の鉄の棺おけです。
アクション映画お約束のトロッコ(この場合なら
ジェットコースターあたりですか)ならまだしも
観覧車じゃ真帆が付き合う理由も全くありません。
下から配電盤をいじられても危険だし
地上まで戻って来れても待ち構えていた
イングラムでやられるだけです。
このゲームのルールでいけばキラーである真帆は
更に別の強力な武器(例えば爆発物)を死体から
奪っている可能性も考慮しなければなりません。
はっきり言えば全くプロどころかちょっと機転の効く素人以下です。
例えばしっかりとしたビジョンを持ってメイに接近し切り倒した
琴子に完全に負けています。
あとここからはもーホントにしょうがない突っ込みですが、
有段者の木刀でコテと胴突きがクリーンヒットした真帆が
今だ戦闘可能な状態なのと、それ以前に純から逃げ出せたのは
全くもって脅威的です。 人間じゃありません。 桐山を超えてます。
効き手は粉砕、内臓や胸骨に致命的な被害が出てリタイヤが正しい。
よくて重傷、悪くて重体です。
>>513 舞佳って、プロではありません。
伊集院家のバイトで銃を構えているシーンが有りましたが、
他のSPと比較し、素人の構えなのは明白です。
恐らく、なんとか自制心を保とうとして精一杯だったのでは?
>>509 ちなみに敢えて言うと、
イングラムですが、たいした貫通力は無いので
ゴンドラを破壊する前に弾切れ確定でしょう。
Mac10かMac11かは分かりませんが、
発射速度が異常に速いため、素人の真帆に扱える武器ではないですね。
MP5とか、P90だったら違和感ないのですが・・・
(強力過ぎですか・・・)
あと、手榴弾に
「ゴンドラを跡形もなく破壊する」
ほどの威力はありません。
手榴弾は、爆発による衝撃波&破片で相手を殺傷する武器ですので。
以上、ご参考にして頂ければ幸いです。頑張ってください。 敬具
こんな考察する方とかまであらわれるだなんて…
良いものだっていう証みたい。
むむ、プロではなかったのですか。 失敬。
いや、別にゴンドラを穴だらけにせずとも・・。
自由に動かず行き先わかりきってて
脱出が出来ない乗り物に載りこむというのは
かなり終わっています。 少なくともメリットゼロで。
そう言えば手榴弾への突っ込みが先でした。 ヘボです自分。
とはいえ
>>515さんのいう通り好感が持てる完成度だと思います。
オタな突っ込みは適当に聞き流して頑張って下さい。
個人的にはメイ様とほむらっちのくたばり方があっさり過ぎてキー!(アホ)
>>516 私も、楽しみにさせて頂いてます。
外野の意見は適当に聞きつつ、頑張ってくださいませ。
ラストは誰だろう…
…八重さん、生きてたりして…?
最初から一気に読んだよー
面白い!続きが気になる!頑張れー
519 :
k:2001/05/08(火) 06:27
大変だと思いますが、がんばってください!
520 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/05/08(火) 08:37
dat逝き防止の為、一回ageます。
頑張れーっ!
521 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/05/09(水) 14:12
>517様へ
そうあってほしいけど、俺の八重さんはもう、、、(笑)
ああっ、下手なジョーク言ってたらさげわすれたぁーーーーーーーー
本当にすみません
密室状態のゴンドラの中に放り込めたら、さぞ強力だろうが……
あれ?
やけにアッサリ逝ってるな>真帆
何だか今回のは裏がありそうな気がする。
真帆死んでないんじゃないかなぁ〜。
あぼーん
「そうですか・・・・・・このバッグに・・・・・・」
ゆっくりと降りていくゴンドラの中で興奮したように話す
舞佳の言葉を聞きながら、光は思った。
やっぱり最後まで、守ってくれたんだ、琴子。
ゴンドラが地上に到達したあと、2人は遊園地の入り口近くの
死角に隠れて次の誰かが現れるまで待つことにした。
光は疲れきったようにベンチへ腰掛けている
その隣で舞佳が、どこからか調達してきた予備弾を
再びその6連装の拳銃に装填していた。
そんな一時の平穏を破るように、ノイズたっぷりの放送が響く。
「ワシがひびきの高校校長、爆・裂・山である。
随分とペースが速いぞ、今回は。積極的で、ワシは嬉しいぞ。
今、生き残ってるのは・・・・・・
2人だけか」
光は顔をあげて、舞佳を見る。彼女も驚いたように、光の顔を見返した。
「ひとりは、陽ノ下光くん、もうひとりは・・・隠れキャラじゃな、これは。
光くん、あと1人倒せば、優勝じゃ。頑張るんじゃぞ。
隠れキャラの誰かさんも、頑張りたまえ」
ぶつっと耳障りな音を立てて、放送は終了した。
まるで葬式のような気まずい沈黙が、2人の間に流れた。
困り果てた顔つきで、光は俯いている。
私達のほか、みんな死んじゃったんだ。
どうしよう。舞佳さん・・・?
「隠れキャラのこと、さっき話したよね」
突然何を言い出すのだろうか? 疑問に思いつつ、光は頷いた。
「あなたの、負けよ」
舞佳は手に持った拳銃をすっと光に向けた。
#
いやあ、さすがにキャラ復活はないっす、、、
次が最終回かな、たぶん、、、
ちなみに舞佳さんは(ここでは)ノリと勢いで動いている人だから
周到に準備してたわけでもないし、知識も素人(つまり作者レベル)っす、、、
それにしても、あの手榴弾にはいったい何が詰まってるんだろう(笑
お、続きがageられたか・・・・
と思ったらコピペ荒らしの被害に遭ってるな・・・・
とうとう最後だって。切ないねぇ・・・
みんなも心して待ちましょう。
真帆復活で、光を手にかけようとした舞佳と相打ちになって今度こそ死亡。
事切れる前に涙ながらに謝る舞佳を看取り、結局手を汚さずに光が優勝。
……という展開かと思ったのに、復活は無しか。俺も読みが甘い。
舞佳はやはり、敵になったか・・・。
そういえば、外伝かいてた人のきらめきのバトロワは何人参加しますか?
GB版とか無理にいれて破綻しても残念なので・・・
いよいよ最終局面・・・
>>533さん
一応本編以外のキャラは、みのり&鈴音、GB三人娘が参加します。
ただ、GB三人娘は認知度が薄いキャラですので、扱いもそれなりになります。
・・・って、確実に氏ぬと宣言しているような物だなぁ(藁
ただ、BRというフィルターを通した「夢の共演」でもありますので、
設定の破綻を抑え(誤魔化し)つつ、印象的な場面を作ろうと思っています。
では、完結の日まで、再び潜行致します。
舞佳はおそらく川田のポジションだから裏切ったワケじゃないんじゃない?
と、適当な事を言ってみる。
期待sage
538 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/05/11(金) 08:17
dat逝き防止age。
つか、age荒らしのおかげで下がり過ぎ・・・・
お〜っいよいよ最終回ですかぁ〜。
真帆はあれで最期だったんだ。
あくまで個人的にはそれなりのハッピーEDきぼーん!
>>534 ものすごーく期待してまーす。
頑張って下さ〜い!(虹野さん風に)
でも、みのりが死ぬのは見たくないなぁ〜(W
とりあえず期待sage
542 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/05/14(月) 15:58
信じられない思いで、光は突きつけられた銃口の先をみつめた。
思わず笑い出しそうになるのを抑えて、光は言った。
「え、どういうこと、舞佳さん」
舞佳は表情を変えず、冷たく言った。
「だから、説明したでしょう?
誰でも参加できるのよ、このプログラムには」
そして手に持った拳銃をもう一度、光の額に向けて構えなおした。
「あなたと組んだのは、その方が有利だと思ったからよ。ただそれだけ」
嘘だ、こんなの嘘だ。
彼女のあの燃えるような言葉がすべて嘘だなんて、そんなはずがない。
戦闘のさなか、私を絶えず気遣ってくれたあの気持ちは、
絶対に打算なんかじゃないよ。
「だ、だから・・・・・・」
あれ? と光は思った。
舞佳の口調が途切れがちになり、よく見れば足も震えている。
突如として、舞佳の身体が崩れ落ちた。
「舞佳さん!」
光が抱き起こすと、舞佳の腹に大きな血の染みができていた。
いったい何時から? まさかあの戦いの途中で?
舞佳が弱々しく、それでもお道化ながら言った。
「あっちゃあ、このまま騙しとおしたかったんだけど・・・・・・
も、持たなかったか、わたしの身体。
光ちゃんが私を憎んで、う、撃てば、全部きれいに片付いたのに」
「舞佳さん!! いやだ、いやだよ!」
光はまた泣いていた。このプログラム開始以来、どれほど泣いただろう。
舞佳はわずかに顔を傾けてそんな光の顔を慈しむようにみつめた。
「あなたは、彼と幸せになってね・・・・・・
すべて忘れて・・・・・・」
最後まで舞佳は、言うことができなかった。
いくら光が揺すっても、もう舞佳は反応しなかった。
咽び泣く光の耳に、ぴんぽんぱんぽん、と学校のチャイムが聞こえた。
放送委員が原稿を読み上げる声が無人の市内にこだまする。
『これにて、第46回のプログラムを終了します。
優勝者の陽ノ下光さん、きらめき高校校庭まで来てください』
【残り1人 第46回伝説のプログラム 終了】
543 :
ときめきバトルロワイヤル:2001/05/14(月) 15:58
丘を登ると、銃を掲げた兵士達が門から校庭まで
沿道に仰々しく隊列をなし、優勝者の帰還を称えていた。
おそらくプログラムの主催者側に雇われている彼ら兵士達は
皆一様に無表情なまま、彫像のように立ち尽くしている。
しかし目つきだけは油断なく(あるいは興味深げに)花道を
歩く優勝者、光の挙手投足を凝視していた。
校庭の中央に設置された壇上で、爆裂山校長は待っていた。
傍らには、坂城匠が相変わらず無表情に控えていた。
そしてその脇には、これまた大勢の兵士達がやはり銃を掲げて
一列に並んでいる。まるで全校集会でも開かれた時のようだった。
光が朝礼台の前まで進むと、開口一番、爆裂山が唸った。
「見事じゃ、光くん。よくぞ勝ち残った。
そなたこそ、あの男に相応しい恋人ということだ。
優秀な者どうし、永遠に幸せな関係になれるだろう!」
うるさい、と光は思った。
そんな褒め言葉なんて聞きたくない。余計な御託は沢山だ。
「・・・・・・彼は、どこにいるの?」
光の問いに、爆裂山はニヤリと笑った。
「まぁ、そう急ぐな。後はこの坂城に聞きなさい」
すっと匠が一歩前に出て、こちらは表情を崩さずに事務的な口調で言った。
「光ちゃん、優勝者には副賞の授与式があるんだけど・・・・・・」
「彼は、どこにいるの?」
光は同じ問いを繰り返す。
匠は肩をすくめると、言った。
「あいつなら時計塔の鐘の下にいるけれど」
それだけ聞けば十分だ。
光は後ろ手で隠し持っていた手榴弾のピンを抜いた。
そしてそれを朝礼台に向かって投げつけると同時に走り出す。
周囲の兵士達が一斉に銃を構えるのも気にせずに。
いとしい彼の元へ!
【完】
#
この話はこれで終わりです。
長々と続けさせてもらってありがとう!
今晩か、明日の夜あたりにまた来ます、、、
おつかれ様ー
ご苦労様でした。
おつかれさま
楽しかったよ
長丁場、ご苦労様でした。
本当に御疲れ様でした・・・長かったようで短かったような。
いつか他所でも御目にかかりたいものです
お疲れ様でしたー
ええもん見せてもらいましたー
>>ときめきBR氏
お疲れ様でした。
前から思ってたんですがこれコミケで出しても
十分に通用するレベルだと思います。
秋レヴォか冬コミあたり狙ってみてはいかがですか?(ぉ
>>名無しくん129氏
まだ450レスは書き込めるんでここで進めてもいいでしょう。
ときめきBR氏、お疲れ様でした。
最後まであっさりテイストで貫かれましたね。
ああいう粋なラスト、私は好きです。
次は私の番なわけですが・・・
ちょっと直したい部分があるのと、
仕事量が最近増えてきている状態にある関係上、少しお時間を下さい。
週末辺りから開始できると思いますので・・・
とりあえず、セリフを抜粋した「予告編」を置いておきます。
(BGMは、映画のOPでおなじみのヴェルディ「レクイエム」で)
【それは、離婚率の急激な増加に端を発した法律だった……】
「嘘!こんなの嘘よ!」
「あったかいよ、ゆかり……」
「お兄ちゃあああんっ!!」
「ソーリー、ごめんなさい。でもね……」
「指の震え……止まらないんです」
「振り向いて欲しかったのよ!」
「……よかったら、一緒に食べない?」
「私、決めたんです。生き残るって……」
「……虹野せんぱぁいっ!!」
「やっぱり……封鎖されてるのね」
「法律だからって……こんなのおかしいよ!理不尽だよ!」
「……だから、殺したの?」
お疲れ様でした。
個人的には、(他の方も言ってらっしゃいますが)
コミケ、いいんじゃないかと思います。
何かの縁がありましたら、また御作品を拝見したく思います。
それでは・・・
嵐は収まった。
観覧車からの爆発音を最後に、遊園地は再び静寂を取り戻した。
死の静寂。
野咲すみれは、その小さな体を血の海に横たえていた。
もう二度と動かない体。
と、その時、すみれの襟元で何かが動いた。
動物……小さな猿だ。
彼女の「家族」、デイジーである。
デイジーは血溜まりに転がり落ちると、そこからすみれの顔をじっと見上げた。
キキッ、キキッ、と何度も呼び掛けるが、すみれは反応しない。
デイジーはすみれの顔へと近付くと、ペタペタとその頬を叩き始めた。
起きて。すみれ、起きて。
すみれの頬に、血の手形が幾つも重なってゆく。
だが、彼女の瞳はもう開かない。
プログラムの終了を告げるアナウンスが、鳴り響いた。
デイジーは、いつまでも、いつまでも、すみれの頬を叩き続けていた。
遊園地のシーンに決着がつくまで、出すのを我慢していたネタです。
結局デイジーは、本編では未登場でしたね・・・
完結ご苦労様sage
いやあ、遂に完結しましたね。
本当にお疲れ様でした。
いつか機会があれば、またあなたの作品を拝見したいものです。
完成おめでとうございます。
おつかれさまでした。またいつか違うのかいて〜
完結おめでとうございます。そしてありがとうございました。
一つことを成し遂げて感じるものはありましたか?
よき人生おくってください。
133=191=426です。
途中であげてしまって申し訳ありませんでした。
なんせ美帆のあまりの凶悪さに(今考えれば真帆の足元にも及ばなかったりするが)
しばし呆然とした厨房だったんで。
しかし、話が進んでいくうちにだんだんとこの世界にどっぷりとはまって
しまいました。また何かの機会があったら、あなたの作品を見てみたいです。
本当にお疲れ様でした。
この手のSSは、やはり文才のある人1人ないし2人が書き込まないと
まとまらないもんですかねぇ?
詳しくはSAKURA.ROYAREにて、、、
(誰か救ってやってくれ、、、っていうか、「ときめきBRさーん。3番テーブル
ご指名でーす(笑))
ときめきBRさん。
これだけの大作、お疲れでした。
楽しませていただきました。
これらを全部ちゃんとまとめる事はしないのでしょうか?
細かな辻褄合わせ等々・・・。
たとえば最後の放送の所、光ならば「ひびきの」高校とか・・・。
細かなところを修正してしかるところへ出せばかなり評価を得そうな気が・・・。
いわゆる「完全版」を見てみたい気がします。
作者様
ときめもで好きなキャラもしくは
執筆の途中で気にいったキャラとか居たら教えてくだされ。
最高!
うまい!の一言です。
このスレが始まってからいろいろありましたが、完結してよかった!
おつかれでした!!
完全版見たいなぁ(w
あらためて、こんばんわ。
完結を皆さんに祝っていただける事、とても嬉しいです。
ときメモ万歳!
ちなみに元原稿、400字詰めで120枚近くありました。
いつの間にか、凄い分量になってたんですね、、、
>>551 いったん2chに公開したものだし、ログサイトを作ってくれた方もいるので
他に持ちこむ気は今の所あんまりないです、、、
コミケの仕組みとかってよくわからないし、、、
>>552 名無しくん129さん
いくつもの番外編をいただき、ありがとうございます。
番外編を楽しみにしていた人も(僕を含めて)多かったのではないでしょうか。
最新の番外編にちなんで言えば、最初、光を襲うのはデイジー、という案もありました。
あくまですみれちゃんは直接手を汚さない役回り、、、でもそれだとすみれちゃんを
倒す理由が薄くなるし、何より無駄に長くなってしまいそうなんでああなりました。
最後らへんは直したくなるような、ちょっと後悔している部分が多かったりします。
新連載?のときめき1版BR楽しみに待ってます。
>>553 上記の通り、コミケって行った事がなくて、、、
小説とかも売ってるんですか?
>>560 自分の遅筆ぶりに突っ込みを入れたくなる事は何度もありました(笑
よくここまで書けたなと、我ながら驚きです。
>>562 個人的にはもっと名無しくん129さんみたいに単発のショートストーリーを
書く人が出てくるかと思ったんですけど、、、
最初から殺しすぎたからかな?
サクラ大戦は1しかやってないからなぁ、、、
3は結構興味あるんだけど、DCだし、、
>>563 、、、うゎーい、、、最後の最後に大きなへまをやらかしてしまった、、、
「きらめき高校」はもちろん「ひびきの高校」の間違いです。
ログサイト版では直っていてほしいなぁ、、、
「完全版」については、「ないとは言えない」ぐらいに思っていていただければ。
FFDQ板の某企画用シナリオも書かなきゃならなかったりだし、、、
>>564 ときメモ1では藤崎詩織が、2では伊集院メイがまいふぇいばりっとです。
そのメイが参加者中3番目に死んでいるあたり、作者の屈折した性格を
よく表しているなぁ、、、
作中で気に入っているキャラは穂刈純一郎、、、というか、杉村弘樹。
BRでは杉村弘樹が大のお気に入りなんで、このシナリオだけは絶対入れようと。
で、この役回りをこなせるのは彼しかいないなと。実際、大活躍だったし(笑
他には琴子かな、やっぱり。
シナリオ的には赤井、白雪姉妹のあたりなんかが上出来だと思います。
逆に失敗だったと思ってるのは八重花桜梨。彼女には可哀想なことをしました、、、
誰かが言った通り、「逃げ回って殺されただけ」なんですよね、、、
あと、爆裂山、、、最後まで奴の話し方が掴めんかった、、、
最後に残ったのが光+隠れキャラ3人になってしまったのも
大失敗だったかなとも思っています。
コミケで小説、売ってますよ。
いや、大丈夫です。
コミケの水準など、遥かにクリアしています。
間違いなく、完全版を出したならば
売れることでしょう。
私も買いに行きます(笑)。
ときめきBR氏の後書き?を読んでから本編を読みなおすとまた面白い。
もはやこのスレとBR氏はギャルゲ版の生きた伝説になった
>>569 レスサンクスです。
たぶん僕が書いたとしても、自分のお気に入りのキャラは苦しまない方法で
さっさと片付ける事でしょう(ヒドイ)。
杉村、良いですよね。楓子のくだりは素晴らしい出来だったと思います
それではお元気で。
>>568 >ログサイト版では直っていてほしいなぁ、、、
では、修正入れときます。
修正とはいえ、人様の作品を改ざんするのはどうかと思ってたので、
今までわざと放置しておきました。
ご本人のお墨付きだから万事OKです!
>ときめきBR氏
もしコミケで「完全版」を出されるとき、ログ保管サイトが枷になるなら、
消去しますのでご一報ください。
みんなファンだねえ
コミケ参加激しく希望。
例え花桜梨さんの葬式を蹴ってでも(笑)絶対買いに行きます。
あと、ときめきBR氏に一つお詫びしたいことがあります。
下げ進行だったのに現実の世界で上げまくってました。
どういうことかっていうと、メモラーの友達30人くらいにクチコミで
ここの宣伝しちゃったんです。
幸い、大多数の人がこの作品を高く評価していたんですが、まかり間違って
荒らされでもしたらやばかったなあ、と今になって思っています。
とにかく、ときメモのこととなると血の気の多くなる連中にも荒らされなかったのは
ひとえに卓越した文章力の賜物。
挿絵が付いたら3000円でも買いに行きますよ。
コミケ参加を勧めてくれる方が結構いらっしゃるみたいだけど
製本とかいろいろ面倒といえば面倒、、、
これでお金もうけるつもりもないですから。
「完全版」は、あったとしてもまたオンラインで配布の形にしたいなぁ。
573も怖いし(太田出版は怒らなさそうだけど、なんとなく)
>>574 修正ありがとうございます。
ログサイトが足枷になるとかはまったくないのでご心配なく。
>>575 情報ありがとうございます。
とりあえずちょっと研究してみます。
でも参加するとしたら、一番早くて秋以降みたいですね、、、
>>577 僕はsage進行するつもりもなかったんですけどね、、、
元々これ書き始めた動機に、ときメモスレッドを荒らしまわってた
阿呆(初めの頃に痕跡あり)に対する挑戦状の
意味合いがあったので、あがりつづけてたらそれはそれで痛快だったかも。
大勢の方に紹介してもらえるのは嬉しいです。
挿絵、欲しい気もするけど、死体とバトルの絵だらけになりそうな気も、、、
恋愛系の同人誌から全速力で逆走する内容だなぁ、、、
579 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/05/18(金) 16:28
スレッド上昇システム
「藤崎さん……よかったら、一緒に食べない?」
クラスメートの女子が、藤崎詩織に購買の牛乳パックを差し出した。
何の変哲もない、いつもの昼休み。
詩織は、クラスの女子と昼食を共にすることが多かった。
勿論、学校のアイドル的存在である彼女には、男子からの誘いも多かった。
だが、詩織がその誘いを受ける事は、少なかった。
『彼』が教室に居る時は、特に……
いつの間にか、詩織は『彼』を意識するようになっていた。
ただの幼馴染みだと思っていた彼は、いつしか、理想の男性へと変わっていた。
彼以外の誘いは、詩織には受ける気になれなかった。
たとえそれが「みんなで昼食を食べよう」というレベルのものでも……
「すみませーん、お兄ちゃんいますかぁ?」
突然、下級生とおぼしき女子の声が教室に響いた。
早乙女好雄の妹、早乙女優美だ。
優美は、なにやら弁当箱らしき物を持っている。
「あら?優美ちゃん、どうしたの?」
詩織が優美の応対に出た。
「あ、藤崎先輩。お兄ちゃん、お弁当忘れて行っちゃったんです。せっかく優美が作ったのにぃ」
『優美が作った』という言葉に、詩織は一瞬、複雑な表情を見せた。
彼女の料理の腕は、お世辞にも上手では無い……彼からも、好雄からも聞いた事があったからだ。
「ゆ、優美ちゃん、お兄さんなら、さっき職員室に行ったけど……」
詩織は、優美に悪いと思いながらも、笑いを噛み殺すのに必死だった。
好雄が職員室へ呼ばれたのは事実だが、まるで優美の弁当から逃げているかのようだ……
「職員室ぅ?お兄ちゃん、また何かやったのかなぁ。しょうがないなぁ。
あ、じゃあこれ、お兄ちゃんに渡してください。失礼しまぁす」
優美は弁当箱を詩織に手渡すと、教室を去って行った。
詩織は弁当箱を好雄の席に置くと、その隣の『彼』の席を見た。
彼は今日、風邪を引いたと学校に連絡を入れ、休んでいた。
「お弁当、か……」
クラスメートのお喋りに耳を傾けつつ、詩織は弁当の事を考えていた。
そういえば以前、彼が虹野さんに弁当を貰ったのを、見たことがある。
サッカー部のマネージャー、虹野沙希。
料理上手なのは有名だし、彼女の作る弁当は『虹弁』とも呼ばれ、男子の間では有名だった。
……男の子って、手作りのお弁当が好きなのかな?
詩織は、パック牛乳を一口、二口と飲んだ。
そういえば私、彼に何か作ってあげた事、無いな……
もし私がお弁当作ったら、彼、喜んでくれるかな……?
自分の弁当は自分で作る詩織も、他人の為となると、少し不安がよぎる。
だが、彼が美味しそうに弁当を頬張る姿を思い浮かべた時、詩織の不安は消えた。
今度、彼のために作ってみよう。
彼が喜んでくれるなら。
でもその前に、学校が終わったら、お見舞いに行かなくちゃ……
詩織はまた、牛乳を一口飲んだ。
……と、その時、詩織の手から牛乳パックが滑り落ちた。
急激に意識が遠のいてゆく。
詩織自身、体の変調が理解出来ずにいた。
ただ、ひたすら、眠い。
即効性の睡眠薬でも飲まされたかの様だ。
でも、睡眠薬を飲まされる理由なんて思い浮かばない。
詩織は、机に倒れ込むように体を伏せた。
もう自力で立ち上がれない程に、睡魔が襲いつつあった。
「ねえ……私、一体……どう、し、た……の……」
詩織が意識を失う直前に見た、クラスメート達。
その表情は、まるで詩織の事を哀れんでいるかの様な、哀しいものだった。
女子の誰かが、呟いた。
「本当に、始まっちゃうんだね。『あれ』が……」」
【残り18人】
わーい、修正どころか、ほぼ全編書き直しだぁ(鬱
とりあえず、始めちゃいました。
果たして自分が、ときめきBR氏並みの高水準な物語を紡ぎ出すことが出来るのか……
かなりプレッシャー掛かってますが、頑張ります。
ぐあっ、2話のタイトル、途中で切れてる……鬱だ、原稿直し続けよう……
おぉ、始まりましたね。
ということで期待sageウマー(゚д゚)
585 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/05/18(金) 22:43
頑張れー!応援してまーす!
>>名無しくん129様
きたいしてますよん。
新連載記念sage
>名無しくん129さん
復活おめでとうございます。
貴方のご活躍、楽しみにしています。
長い闘いになるでしょうが、
貴方は生き残ると信じています。
彼女達の生き様、見ずや!聞かずや!
<勝手に番外編:八重花桜梨>
八重さんの番外編が無いので作りました。
名無しくん129さんのじゃなきゃ駄目!という方、
どうかご容赦ください。読み飛ばして頂いて結構です。
花桜梨は、いや、今となっては「花桜梨であったモノ」は、
目の前で散らばっている、これも同じく「かつて花桜梨であった物」を
虚ろな瞳で見下ろしていた。
かつて、信じていた物に裏切られてから、
花桜梨は何かを信じる事を拒絶するようになった。
転校してからも、周囲と自分との間に存在する見えない壁は
決して無くなる事はなかった。
それは自分自身が作り出した物で、
他の誰のせいではない事も、また理解していた。
しかし、また傷つく――傷つけられてしまう――事に対する恐怖が、
どうしてもその「壁」の存在を認めさせなかった。
ある時、偶然に一人の男の子と出会った時、
その壁はゆっくり、だが確実に、消えていこうとしていた……筈だった。
目の前にある物は、赤い肉塊、透明な体液、酸化して褐色に変化した血液……
かつて花桜梨を形作っていた物だ。
奇妙な感じだった。
ホラー映画は苦手ではなかったが、やはり見ていて
気持ちの良い物ではなかったはずだった。
しかし、今実際に死体――そう、紛れもなく――そのものを見ても、
何の嫌悪感も生まれては来なかった。
死への恐怖があるからこそ、死を思い起こさせられた時、恐怖し、
同時にそうさせる存在を嫌悪するのだ。
もはや死ぬ事がありえない存在となった花桜梨に、
死の恐怖など持ち得ない。だから嫌悪の感情も生まれて来ないのだった。
昔、何度も「消えてしまいたい」と思っていた。
自分の存在が無意味に思えたから、ただ居続けると言うことが
どうしようもなく苦痛だった。
「八重さん」
そう言って、いつも話し掛けてくれた人がいた。
そのとき、少しばかりの疎ましさを感じつつも、
心が癒されていたのだった。
花桜梨はいつしか、少しづつ、自覚しないながらも惹かれていった。
奇妙な事に、死んでしまったことよりも、
あの人と会えないという、その事だけが心の中を支配していた。
(どうして?なんで?……もう会えないの?)
分かりきった事だ。それでも、まるで壊れたレコードのように
いつまでも同じ言葉が心の中に響いていた。
実に馬鹿馬鹿しい事に、今更生きている事の嬉しさ、楽しさが
心に溢れてくる。…もう手遅れだというのに。
……一緒にお話をしながら公園を散歩した。
……一緒に水族館で魚を見た。
……一緒にスキーに行って、怪我をした私に嫌な顔一つせずに肩を貸してくれた。
……「信じなければ、何も変わらない」そう言ってくれた、その人……
思い出の全てが、あの人のものだった。
そうだ、ずっと一緒にいたかった。…でももう叶う事はない…永遠に…。
目の前の変わらない光景……
綺麗な顔立ち、均整の取れたプロポーション、美しい手足……
……それらはもう元の面影を留めてはいない。
只の「肉塊」。それ以外の形容は無かった。
生命を宿さぬそれらの「物」はやがて土へと還っていく。
為すべき事も無く、花桜梨はただ立っていた。
もう、何の感慨も湧いては来ない。もう終わってしまったのだから。
「…え…さん…」
どこかから、声が聞こえた気がする。
いつの間にか、辺りは白く、何も見えなくなっていた。
(?)
「…やえ…さん…」
(あの人の…声?)
「…八重さん…行こう。」
(どこへ?)
「さあ…こっちだよ…」
(待って…どこに行くの?)
「心配ないよ…ほら…手を握って…」
(うん…そうだよね……今行くね…)
そうして、手を掴むと、八重花桜梨の意識は白い光の中に消えていった…。
<あとがき>
八重さんについて、自分なりの幕を引きたくて書きました。
最期に迎えにきたのが誰なのかは、読まれた方の
ご想像にお任せしたいと思いますが、私自身は
「彼」が来てくれたものと思っています。
彼女の心が救われたことを信じて、幕を下ろさせていただきます。
申し訳ないです。
333&336に有ったのですね…。
名無しくん129様…ご容赦を…。
>>590-593通りすがりの厨房さん
いえいえ、私ごときに気を遣う必要などありませんので。
それに私とは違う表現方法をお持ちの様で、興味深く読ませて頂きました。
ちなみに私、『肉塊』等のグロ表現が基本的に苦手だったりします。
特に八重さんの場合、私の萌え度が他のキャラより格段に上だったので、
そういう表現を避けて、極力綺麗に散らせてあげたく、あの番外編となったわけです。
でも今度のBR、散る人は壮絶に散りますので……
595 :
政教分離名無しさん:2001/05/19(土) 15:17
時メモのキャラに層化と強酸と鸚鵡をまぜて皆殺しにしてほしい。
>>594名無しくん129様
>いえいえ、私ごときに気を遣う必要などありませんので。
有難うございます。(「ごとき」とは思いませんが……)
>ちなみに私、『肉塊』等のグロ表現が〜
私も、書いてて鬱になりました…。
(八重さんが一番好きですので)
とにかく、魂に救いがあったのか?というのが出発点でした。
>>595 かんべんしてください…
逆なら望むところですが…。
>>ALL
こういうものを作るのは初めてでしたので
至らぬ点が多々あるかと思いますが、
ガシガシ叩いてやって下さいませ。よろしくお願いします。
597 :
595:2001/05/19(土) 15:41
逆って何。
あと統一と天理と大本も皆殺し
>>597 とりあえず、「sage」を入れて置いてください。
週末に上がっていると荒らしが来るので…。
あー、「連中を」皆殺しにするんですか?OKOK。
期待sageです。
綺麗だろうが汚かろうがそんなこたぁたいした問題ではない。
彼女の魂が救われたかどうかが問題であり、
だいたい八重さんだったらたとえどんな姿になっても美しい・・・・・
事もあろうに八重さんの誕生日になんて痛い発言してんだろう俺。逝こう。
おっ、はじまりましたね、ときめき1BR。
詩織ちゃんには頑張ってほしいなぁ、、、
それでは、そろそろ僕も名無しに戻ります。
もし完全版が出せたら、また会いましょう。
あとログサイトのほうにも時々お邪魔させてもらいますです。では。
http://ad2ch.tripod.co.jp/
「詩織ちゃん……起きて、詩織ちゃん」
聞き覚えのある声が、詩織の耳に届いた。
「……メグ?」
もう、何時間眠っていたのだろう。
詩織が教室の床の上で目覚めた時、外の景色は夜に変わっていた。
そして詩織の傍らには、親友の美樹原愛が、今にも泣きそうな顔で詩織を見つめていた。
ゆっくりと上体を起こし、周囲を見渡す。
机と椅子が撤去された室内には、女子生徒十数名の姿があった。
皆、眠りから覚めたばかりらしく、詩織と同様に周囲を見回している。
一体、何が起きたのだろう?何故私達は、ここに居るのだろう?
誰もが困惑と不安を隠しきれずにいた。
「ねえ、詩織ちゃん……何が、どうなってるの?私、怖い……怖いよ……」
愛は、目に涙を溜めて不安を訴えた。
詩織は「大丈夫だよ」と言ってあげたかったが、出来なかった。
自分自身、現状が怖くてたまらなかった。
そう、嫌な予感がする。
何度もニュースで聞いた、『あれ』の状況によく似ている……
突然、施錠されていた教室の扉が、開いた。
そして、銃を携えた兵隊の様な連中が十数人、入って来る。
兵士達は黒板の前に整列すると、銃を少女達に向け、構えた。
いつでも発砲できる体勢だ。
まさか……
コツ、コツ、と、兵士達とは違う、軽い足音が聞こえた。
教室に入って来たその足音の主は……伊集院レイだ。
レイは教壇に立つと、いつもと変わらぬ嫌味な笑顔で、話し始めた。
「ようこそ諸君。まさか君達に集まってもらう事になるとは、この僕も予想出来なかったがね」
相変わらずの高慢な口調だ。
しかし、今日は普段にも増して、自信に満ちているようだ……詩織にはそう映った。
そしてレイは、教室内をぐるりと見回すと、衝撃的な一言を言い放った。
「今日はこれより、諸君に殺し合いをしてもらう!」
室内の全ての空気が止まった。
「諸君は、今回の『伝説のプログラム』に選ばれたのだよ」
詩織の予感が、的中した。
愛は、ギュッと詩織の腕を掴んで、震えていた。
誰かが、うっ、とうめいた。
【残り18人】
相変わらず、修正の嵐です。
今回もほぼ、原形をとどめていません……こんなペースで大丈夫だろうか?
>>600さん
鋭い御意見、有難う御座います。
>綺麗だろうが汚かろうがそんなこたぁたいした問題ではない。
>彼女の魂が救われたかどうかが問題であり
過激な表現に捉われ過ぎると、こういった『物語の本質』が見えなくなる事があります。
肝に銘じて、頑張りたいと思います。
604 :
主人公:2001/05/23(水) 03:56
602さんへ
虹野沙希ちゃんが亡くなるときは、一思いに、苦しまずにお願いします。
優勝させてくれと這いいません。せめて、息をひきとる前に「優勝できなくてごめんね。」の一言で沙希ふぁんは救われると思います。
私への意見&クレーム等は
[email protected]まで。
批判よろしくお願いします。
圧縮ファイルは勘弁してください。
では、名無しくん129様、頑張って下さい。
楽しみにしております。
sage
『伝説のプログラム』
それは、魔の法律。
正式名は『博愛教育助成特別法』という。
近年、この国では離婚率が激増の一途を辿っていた。
育児放棄による子供の死亡事件も後を絶たず、「夫婦の崩壊」は社会問題となっていた。
何故、こんなにも簡単に男女関係が崩れてしまうのか?
何故、互いの理解を深めようとせず、安易な恋愛に走ってしまうのか?
……そして制定されたのが、この法律だった。
真に「愛する強さ」を持ち合わせた人間だけを選抜する法律。
毎年、数組の対象者が無作為抽出され、最後の一人になるまで殺し合いが行われる。
しかし、選ばれる確立はゼロに等しいと言われていただけに、彼女達はすぐには信じられなかった。
「冗談なら、やめて頂きたいわ」
張りのある、艶っぽい声が響いた。
校内一の美貌の持ち主、鏡魅羅だ。
「私のために男性方が争うならともかく、私に戦えと?正気なのかしら?」
魅羅は嘲笑を込めて異議を唱えた。
そもそも、このプログラムの指揮権が伊集院家にある事に、理解が出来なかった。
普通なら、政府や教育委員会の担当者が赴いて、ここで説明するだろう。
ここに居る兵士達も、おそらく伊集院家私設軍やSPの面々。
驚かせておいて、実はパーティーでも開くのだろう……そう思っていた。
しかし、現実は残酷だった。
「そうか……鏡くん、君はまだ、信じられない様子だね。では、信じられる物を用意しよう」
レイは表情を変えずにそう言うと、指をパチン、と鳴らした。
教室の扉が開き、『何か』を載せたベッドが運び込まれて来る。
ビニールシートの下の『何か』からは、少し生臭い匂いがした。
「見せてやれ」とレイが言うと、門番の外井がそのシートを外した。
一瞬の静寂。
そして次の瞬間、早乙女優美が絶叫した。
「……お兄ちゃあああんっ!!」
出勤前にこれを書いてる私って一体……鬱だ仕事逝こう。
おお、続きが!
>>607 好雄ォォーーーーーーーーーーーッ!!!
やべえっス! これからの展開にドキドキしてきました!!
1のキャラは思い入れは長いからねー。
だが、期待してるのも確か!覚悟完了!
>『博愛教育助成特別法』
(・∀・)イイ!
やばいやばい、初っ端から(勿論いい意味で)裏切られたような感じが。。。
名無し君129さん、更新お疲れさまです。
ところで、この「1」もログサイトの方に掲載してよろしいでしょうか?
よろしければご返答願います。
優美の叫びが、一瞬にして全員の悲鳴へと変わる。
そこに有ったのは、早乙女好雄の『なれの果て』だった。
まるで操り人形を投げ捨てたかの様に関節は捻じ曲がり、
頭蓋骨は陥没し、両目も潰されていた。
「お兄ちゃん!お兄ちゃああああんっ!!」
優美は泣き叫びながら、兄の亡骸に近付こうとする。
しかし次の瞬間、兵士達が一斉に優美に向け、銃を構えた。
それに気付いた秋穂みのりが、慌てて優美を羽交い絞めにして、引き止める。
「優美、駄目!今行ったら、優美も殺されちゃうよ!」
「でも、お兄ちゃんが!お兄……ちゃん……が……」
優美はその場にヘナヘナと座り込むと、声をあげて泣いた。
泣くことしか、出来なかった。
そしてその光景は、少女達に現実を認識させるのに、充分だった。
レイが説明を続ける。
「早乙女君は、君達に関する膨大な情報を持っていた。
本プログラムの最終確認のために、手帳の提出をお願いしたんだが、断られてね。
その結果が、これだ。素直に協力すれば良いものを……」
死臭が室内を満たしてゆく。
それはまさしく、絶望の臭いでもあった。
レイは胸元から政府印の押された封書を取り出すと、その中の文書を事務的に読み始めた。
いわゆる『宣誓文書』だ。
「……本プログラムは、日本国政府の完全管理下のもと、私立きらめき高校の運営者である
伊集院財閥によって執り行われるものとする旨を、ここに通達する……」
宣誓文書など、誰も聞いてはいなかった。
ただ、殺戮の海に放り込まれた事実を受け止める事しか、出来なかった。
自分達を庇ってくれた(であろう)早乙女好雄が、あっけなく殺された。
こんな理不尽な殺人さえ、合法だという。
いや、理不尽な殺人劇は、これから始まるのだ。自分達の手によって……
どうする?どうすればいい?ここから逃げ出す方法は無いの?
誰もが、戦うことなく生き延びる方法を自問自答していた。
と、その時、レイが宣誓文書を読むのをピタリと止めた。
「……どうやら、僕の話を聞いてくれない人が、いるようだね」
なんか小出しにしてるな、自分……
次からは、もう少しまとめてアプ出来るようにします。
>>613彩子さん、、、好きです。。。さん
反対する理由などありません。掲載、よろしくお願いします。
ペース早いっスね〜。
期待sage
名無し君129さん
頑張って下さい!!
楽しみににしてます!!
好雄・・・南無
>>615 では、頑張らせていただきます。
好雄に合掌!
全員が、肩をビクッ、と震わせた。
今ここで彼に逆らうことは、死を意味している。
……まさか、聞いていないのを悟られたのでは?
彼女達は、恐る恐るレイの視線の先を辿った。
レイが見ていた先……そこには、古式ゆかりと朝日奈夕子の姿があった。
ゆかりはまだ睡眠薬が効いているらしく、眠ったままだった。
それを夕子が必死になって起こそうとしている。
「……ゆかり、起きてよ。寝てる場合じゃないんだってば……」
夕子は、レイを刺激しないように、小声で呼び掛けながらゆかりの肩を揺すっていた。
その呼びかけに応じたのか、ゆかりがようやく目を覚ます。
「……あら?夕子さん。おはようございます。いかがなされましたか?」
まだ現状を把握していない彼女の一言が、教室中に響き渡った。
誰かの呟く声がした。
「……だめっ!」
次の瞬間、レイは小さなリモコンの様な物を取り出すと、ゆかりに向けてそれを「ピッ」と鳴らした。
ピピピピ、ピピピピ……
何処からともなく、アラーム警告音が聴こえる。
「どなたか、目覚まし時計をセットされましたか?
でも、変ですねえ。外はまだ、夜のようですが……」
まだ寝ぼけているのか、ゆかりは緊迫した現状に気付いていなかった。
「なに言ってんのよ、ゆかり!今はそれどころじゃ……ゆかり?」
夕子は、異変に気付いた。
警告音の発信元が、異常に近いのだ。
しかもそれは、ゆかりの体内――頭の中から聴こえている。
「まさか……伊集院くん!ゆかりに何をしたの!?」
夕子の追及に、レイは落ち着いた調子で答える。
「古式くんに限った事ではない。君達には、眠っている間に、『装置』を埋め込ませてもらった。
なあに、最新技術を駆使したマイクロサイズの物だ。違和感は感じないだろう?
それから、これには位置特定の為の発信機と、自爆装置がセットされている。
指定の制限時間をオーバーしたり、プログラムの進行を著しく妨害した場合には……」
「場合、には……」
夕子は、唾をゴクリと呑んだ。まさか……まさか、そんなことって……
そして、一番聴きたくない言葉が、レイの口から発せられた。
「爆発する」
ピピピピピピピピ……
警告音の間隔が短くなってゆく。
悪魔のカウントダウンに、静かだった教室が再びざわつき始めた。
しかし、当のゆかり本人は、まだこの危機的状況に気付いていなかった。
「皆様、起きていらっしゃるようですが……時計はお止めにならないのですか?」
夕子はパニック寸前だった。
親友の命が、あと数秒で消えてしまうかもしれない。
しかし、自分にはそれを止める術が無い。
「ゆかり……ゆかりぃ……」
夕子は、とっさにゆかりの両手を強く握った。
涙がこぼれ落ちて、止まらない。
その涙が、ゆかりの頬へと落ちて行く。
「ずっと……ずっと、友達だよ……」
まだ通常の判断力が戻っていないゆかりには、何故夕子が泣いているのか、解らなかった。
しかし、「友達だよ」という言葉だけは、はっきりと聞こえた。
「はい、もちろんですとも。夕子さん……」
ゆかりは、いつものように微笑んだ。
その直後――
ぱんっ、という音とともに、ゆかりの側頭部が弾けた。
夕子の顔が返り血を浴び、真っ赤に染まる。
瞬間、教室中が再び悲鳴に包まれた。
人の命が奪われた瞬間を目撃した以上、それは好雄の時とは比較にならない状況だった。
「君達!静かにしないか!」
レイの忠告も、もはや届かない。
ある者は泣き叫び、ある者は気を失い、ある者は何度も嘔吐を繰り返した。
そんな混沌とした中、夕子はゆかりの手を握ったまま、動かなかった。
いや、動けなかった。
呆然としたまま握っているゆかりの手には、まだ、温もりが残っていた。
「あったかいよ、ゆかり……」
【残り17人】
最初の犠牲者です。やはり書いててツライですね……
多分、次からはペース落ちると思いますが(書き溜めた分を使い果たしたので)、頑張ります。
あぅ…いきなり古式さん死亡…。
『博愛教育助成特別法』の設定からするとベースは映画版ですか?
>>624さん
原作・映画どちらがベースということは、特に考えていません。
ただ、映画の『新世紀教育法』に関しては、もう少し細かく設定しても良かったのでは?
と思う部分があったので、それへの挑戦という意味も込め、『博愛教育助成特別法』を作ってみました。
ただ、「リアリティのある嘘」を作るのは難しいです。この法律もまだまだ穴だらけですし……
わかっていた‥。覚悟していた‥。でも、ショックだ。
ゆかりちゃん‥‥‥‥
だが、まだ終わりじゃない。これからだ。
悲しんでいる間もないよ、もっと死ぬよ。今よりもっと悲しいよ。
それがイイ。
ソレガタノシイ。
「悲シミ」ガ作ル麻薬ガ、オレヲ虜ニスル!
ココハ、スバラシイ!モットダ!モットヨマセテクレ‥‥!!
627 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/05/28(月) 06:24
dat逝き防止age
正直読んでいて辛くなったけど、(・∀・)イイ!!
頑張って下さい
古式さん萌えだった人間としては辛いなぁ
ま、がんばって続けてくれぃ
俺は ときメモ1 の世界には嫌いな子はいないので誰が逝っても辛いのだが
古式さんはこれはこれで良かったのかも
だって、どう考えても他人を殺めたりできなそうだもん、彼女
しかし、これは夕子ちゃんショックだろうなぁ・・・
そっちの方が辛いです、俺的には
>>630 同意。この話なら、幸せな最後だったろう。
何も知らないうちにだし、計画の最中に予想されるような
恐怖も、裏切りへの疑心も、人殺しの罪悪感も感じずに済んだのだ。
残された17人の方が、むしろ‥‥
ときめも1では古式
ときめも2では寿が好きな俺。
両者とも序盤で一発氏したね。嫌な偶然だね。
633 :
ときめきロワイアル-forever with you-:2001/05/31(木) 08:10
「威嚇射撃!」
レイの号令が飛んだ。
それに合わせて、兵士達が一斉に床へ向けてマシンガンを発射する。
ただならぬ轟音とともに、床面のコンクリートが削られ、破片が宙に舞う。
圧倒的な『実弾』の恐怖。
その威力の前に、泣き叫んでいた彼女達の動きが一瞬にして止まった。
そして、数秒間の掃射が終わる直前――
床に跳ね返された弾の一発が、虹野沙希の左膝をかすめた。
「痛っ!」
沙希は傷口を押さえ、その場にうずくまった。
「――虹野先輩!!」
その様子を見たみのりが、慌てて沙希のもとへと駆け寄る。
「大丈夫ですか!?虹野先輩!」
みのりはそう言うと、ポケットからハンカチを取り出し、それを沙希の膝へと巻き付けた。
サッカー部マネージャーとしての本能か、手際の良い応急処置だ。
「大丈夫。かすり傷だから……ありがとう」
沙希は苦痛に顔を歪めながらも、みのりに礼を言った。
確かに、弾は膝をかすめただけだった。
あと数ミリずれていたら、確実に骨を砕き、歩く事さえ出来なかっただろう。
しかし、弾を受けた際の痺れと出血は、普段の『かすり傷』とは比較にならないものだった。
教室が『一応の』平静を取り戻した所で、再びレイが話し始める。
「まったく、君達は……これ以上、僕の手で参加者を減らしたくないのでね。
しかしまぁ、驚くのも無理はあるまい。
以前は、このシステムに首輪を使っていたのだが……」
レイは、そこでチラッ、と紐緒結奈の姿を見た。
結奈はこの狂乱の中、ただ一人、冷静に腕を組みながら現状を見つめていた。
二人の目が合った。
レイは少し、口元をニヤリとさせてみる。
「……すぐに首輪を外せそうな人物がリストアップされたのでね。埋め込み式にさせて貰った次第だ」
彼の表情は、自信に満ちていた。
そう簡単にプログラムは妨害させない――結奈の先手を打った満足感に満ちていた。
その時、結奈が不満そうに口を開いた。
「……くだらないわ」
明日はもう少しまとめて出します。
仕事逝こう……
635 :
・・・:2001/05/31(木) 17:55
>>633 閣下がぶち壊ししてくれること希望。
バトロワ嫌いなんでね…
…だったら何でここ読んでいるかって、突っ込みは却下
だったら何でここ読んでいるの?
とりあえずマターリとsage。
名無しくん129氏に大期待sage
埋め込みは正解です。応援してるsage
征服ロボで全てを破壊する閣下キボーン
結奈は冷静だった。
いや、本心は怒りに満ちていた。
そして、睡眠薬のトラップに掛かった自分に対する憤りも感じていた。
「警戒して頂いて光栄だわ。でも、私を恐れている時点で、貴方に勝ち目は無い。
こんなくだらないプログラム、すぐに破壊してあげるから、覚悟なさい」
結奈はあっさりと挑戦状を叩きつけた。
しかし、レイは動じない。
「ほう……それは楽しみだ。もっとも、君の自宅や研究室は、既に封鎖済みだがね」
結奈の眉が、ピクリと動いた。
よもや、自分に対する警戒がここまで徹底的だとは、思っていなかった。
またしても先手を打たれた事に、悔しさがこみ上げてくる。
「私を甘く見ないことね……」
結奈は冷静さを保ったまま、しかし、鋭い眼差しでレイを見ながら言った。
この時、藤崎詩織は状況を整理し、理解するのに必死だった。
自分は『伝説のプログラム』に選ばれた。
間違いなく、『彼』をめぐる戦いだ。
ここにいる少女達と、命を賭けて。
校内で見慣れた人や、親友……
今、隣で震えている美樹原愛とも、戦うかもしれない。
そんな、そんなこと……わからない、どうすればいいの……
冷静な判断をする為に、現状を整理するつもりだった。
しかし、考えれば考える程、気持ちは混乱してゆく。
お願い、誰か、助けて……
だが、そんな詩織の願いを無視するように、レイの宣誓が響き渡った。
「ではこれより、プログラムを開始する!
制限時間は三日間。きらめき市内全域が戦闘エリアとなる。
勿論、市民の退避は完了している。
君達の両親にも既に連絡済だ。後悔の無い様、思う存分やりたまえ!」
【午前1時 プログラム開始 残り17人】
出発は、最初の一人がくじ引きで選出され、それ以降は五十音順だった。
外井が用意した箱の中にレイが手を入れ、1枚の紙を引く。
「それでは、最初に出発する者の名前を発表する……宗像尚美くん」
全員の視線が、彼女に集中する。
参加者中唯一、きらめき高校以外からの参加者だ。
「は、はいッ!」
末賀高校の制服に身を包んだ尚美は、上ずった声で返事をし、立ち上がった。
そして、顔を強張らせながら教室の出口へと進む。
その彼女の右手には、愛用のクラリネットが入ったケースが握られていた。
レイがその姿を横目で見ながら、参加者にプログラムの説明を行う。
「私物の持参は自由だが、くれぐれも『お荷物』にならないよう、注意したまえ。
それから、出口で支給するデイパックには、武器がランダムで入っている。
有効に活用し、円滑にプログラムを進めて貰いたい。以上だ」
尚美は出口でデイパックを受け取ると、教室内へ向き直り、深々と一礼をした。
そして、一目散に外へと駆けて行く。
次の生徒の出発は2分後だ。
皆一様に怖がっていたが、中には「やる気」になっている子がいるかもしれない。
特に尚美の場合、参加者は皆、知らない者ばかりだ。
心を許せる人間が居ないことが、彼女の不安感を更に増大させていた。
早くここから離れなければ……
その言葉だけが、尚美の心を支配していた。
教室では、2番目に出発する少女の名が呼ばれた。
「それでは、五十音順に戻り……秋穂みのりくん」
みのりは「はいっ」と返事をして立ち上がったものの、一歩が踏み出せない。
「大切な人達」のことが気になって、傍に居たくて、仕方なかった。
親友の優美と、憧れの虹野先輩。
優美は泣き止んでこそいたものの、ずっと俯いたままだ。
そして虹野沙希は、傷を負った左足を、ずっと押さえている。
どうしよう……ふたりを放って行くなんて、出来ないよ……
迷う事が許されない状況の中、みのりは出発すべきか迷っていた。
その時、なかなか動こうとしないみのりに気付いた沙希が、微笑みながら声を掛けた。
「みのりちゃん……私なら、大丈夫だから……」
GB版を知らない方のために、簡単なキャラ説明です。
○宗像尚美(むなかた なおみ) CV・堀江由衣
末賀高校吹奏楽部所属。一見大人しそうだが、意外と積極的。
○パトリシア・マクグラス CV・倉田雅世
シリーズ中唯一の外国人留学生。明るい性格だが、じつは寂しがり屋。
○和泉恭子(いずみ きょうこ) CV・中島沙樹
寿美幸並みに運のない子。正義感が強く、頑張り屋。
改めて見ると、なかなか豪華な声優陣……GBなので、音質は悪いですが。
紐緒閣下、人気ありますね。
「虹野先輩……」
みのりの瞳が、徐々に潤んでくる。
先輩とは離れたくない。でも、離れなければならない。
そして先輩の言葉は、別離への選択を迫る言葉。
わかってる。わかってるけど、その一歩がどうしても踏み出せない。
「秋穂くん、早くしたまえ」
レイは冷徹に、出発を促す。
「はい……」
みのりは力無く答えた。しかし、まだ歩き出す事は出来ない。
その時――
沙希がスッと立ち上がると、突然、みのりを力いっぱい抱きしめた。
「せ、先輩……?」
みのりは動揺を隠せなかった。先輩、どうしたんですか?急に……
そして沙希は、いつもにも増して、優しく語り掛ける。
「みのりちゃん……諦めちゃ駄目。諦めたら、すべてがそこで終わってしまうわ……」
『諦めちゃ駄目』
それは、いつも沙希が選手を応援するときに使う言葉だった。
そう、応援するときの、言葉……
みのりの脳裏に、楽しかった部活の日々が蘇る。
どんな時も、虹野先輩は、頑張っている人を応援し続けていた。
その応援の言葉を、先輩は今、自分に送っている。
「先輩……」
みのりの瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちた。
沙希は抱きしめた両手をほどくと、じっとみのりの顔を見つめる。
みのりを見る沙希の表情は、普段と変わらない、優しい笑顔だ。
(どうして?
どうして先輩は、そんな優しい笑顔を見せるの?
三日後にはもう、二人共この世にいないかもしれないのに……)
沙希は言葉を続けた。
「よくわからないけど……必ず、何か方法があるはず。みんなが助かる方法が……
だから、そんなに悲しい顔をしないで。
マネージャーがそんな顔をしていたら、選手のみんなも頑張れないでしょ?」
今のみのりに、笑顔を作る事は不可能だった。
だが、沙希の言わんとすることは、しっかりと伝わっていた。
「わかりました……優美にも、一言、掛けてあげてください」
みのりはそう言うと、出口へ向かって歩き始めた。
そしてデイパックを受け取ると、一旦立ち止まり、沙希に向かって大声で叫んだ。
「次の練習試合、選手のお弁当、一緒に作りましょうね!」
沙希が頷く。
みのりはそれを確認すると、夜の闇へと走り去って行った。
今、一回目から読み直したんですが……
妙に、みのりの登場場面が多いですね(汗
別に私の萌えキャラではないんですが……何故だ?
名無しくん129さんへ
>>552の予告編の台詞なにげに使ってる・・・。
うまいな・・・。
みのり大好き〜♪な俺にはこの先読めそうもない・・・
GB版のキャラは性格どころか
グラフィックもわかんないからサクッと殺ってほしいですな
>>648 まぁ、そういわずにGB版やってみてくだされ
宗像 和泉 パット の3人衆はなかなかですぞ
GB版やった後、PS版フルボイスでリメイクして欲しくなったぞ
出発の点呼は続く。
次いで、朝日奈夕子の名が呼ばれた。
しかし、夕子は何の反応も示さない。
あの時からずっと、ゆかりの手を握ったままだ。
「朝日奈くん、早くしたまえ。
このままだと、プログラムの進行を阻害するものとして、君を排除することになる」
レイから最後通告が発せられた。
それに反応するように、ようやく夕子が動き出す。
夕子の手から、ゆかりの手が離れた。
「ゆかり……じゃあ、行って来る。待っててね……」
夕子は俯いたまま、返り血を拭う事もせず、ゆっくりと立ち上がる。
そして、教室の出口ではなく、レイの居る教壇へと向かった。
数秒後――
パシッ、
夕子の平手打ちが、レイの頬を捉えた。
兵士達が一斉に夕子に向け銃を構えるが、レイがそれを制止する。
レイは叩かれた頬を押さえつつ、じっと夕子を見た。
夕子の瞳は、さっきまでの無気力さが消え、怒りに満ちていた。
「絶対に……絶対に、許さないから!」
夕子はそう言い放つと、足早に出口へと向かう。
意外なことに、レイは夕子を咎める事もせず、ただじっと夕子の様子を見ていた。
出口へ向かう途中、再びシートが被せられた好雄の死体の前で、夕子は足を止める。
好雄とは、中学の頃からの親友(悪友)だった。
この短い時間の間に、自分の親友が相次いで去って行く。
しかも、明らかに『見せしめ』として殺された……
具体的な策がある訳ではなかった。
しかし、夕子の心の中には、レイに対する復讐心が沸々と湧き上がっていた。
「好雄くん……優美ちゃんを、守ってあげてよね」
夕子はそう呟くと、デイパック受け取って教室を去って行った。
その後の出発は順調だった。
順調といっても、”みのりや夕子と比べたら”というレベルではあったが。
目眩を起こして倒れていた如月未緒は、歩くことがやっとだった。
早乙女優美も、沙希に促され、力無く教室を後にする。
その虹野沙希も、左足を微妙に気にしながら、出発して行った。
一人、また一人と、教室から参加者が消えて行く。
そして、藤崎詩織の番がやって来た。
勿論、行きたくなんかない。
しかし、この場で抵抗しても無駄なのは判っている。
(行くしか、ないんだね……)
名前を呼ばれ、立ち上がろうとする詩織。
と、その詩織の右腕を、美樹原愛が掴んだ。
「詩織ちゃん……大丈夫だよね。みんな、人を殺したりなんか、しないよね……」
愛の顔は蒼ざめ、恐怖と不安に震えている。
「メグ……大丈夫だよ」
詩織は優しく語り掛けた。
怖がりな愛の心を、少しでも落ち着かせなければ……
「みんな大丈夫。そんな簡単に、人を殺すことなんて――」
詩織がそう言い始めた瞬間だった。
パンッ、パンッ、パンッ、
乾いた銃声が、外から聞こえてきた。
残っていた全員が、ビクッ、と肩を震わせる。
誰もが信じられなかった。
(まさか、本当に「やる気」になっている子がいるの!?)
「嫌……こんなの、嫌あああっ!!」
愛は耳を塞ぎ、激しく首を横に振る。
詩織の言葉に、わずかでも希望を持とうとした矢先の銃声。
容赦ない現実が、愛の希望を一瞬にして打ち砕いていった。
「メグ……玄関で待ってるから!」
詩織はそう言い残すと、デイパックを受け取り、教室を出た。
恐怖に震える愛を、このまま放っておくことなど出来ない。
だからといって、迂闊に外で待ち合わせるのは危険だ。
さっきの銃声は、校門の辺りから聞こえてきた。
標的にされる可能性が高すぎる。
次に出発するのは、愛。
校舎内で待っていれば、安全かつ迅速に愛と合流出来る筈。
靴だけ取りに行って、裏口から出よう……
詩織はそう考えた。
しかし、それが悲劇の始まりだとは、この時、詩織は知る由も無かった。
「デイバッグ」と「デイパック」
どちらが正しいのだろう……
原作が「デイパック」なので、それに合わせてますが。
ま、いいか……
おお!もう続きが!
ハイペース万歳sage
こ、これは期待がもてるじゃないか・・・sage
元ネタは読んでないんだけど、随分と文章もこなれてきたね
パックっていうのは
真空パックみたいのではないの?
657 :
主人公:2001/06/06(水) 10:24
いきなり沙希ちゃんハンデもらってる(泣)
しおりんとメグの絡みも見逃せんな!!
両方とも目的の為ならなんでもしそうでさ。
板違い承知で聞きますが、和泉恭子役の中島沙樹って何者?
>>658 アーツビジョン所属の声優としか・・・
これといった代表作、無いなぁ。漏れも情報きぼーん
ここへきたのは前作完結以来ですが、はじまっていたとは・・・不覚。
メモ1だとやっぱ見所は
詩織&愛
閣下
館林
んで・・・・・・・・・・・・・・・・・伊集院だな
奴もプログラム参加者になっててもおかしくは無いな
明日はバトルロワイアルのレンタルsage
663 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/06/08(金) 22:01
teikiage
玄関に、人の気配は感じられなかった。
校門までの十数メートルの間にも、動くものは見当たらない。
詩織は慎重に周囲を警戒しつつ、下駄箱へ向かった。
まず愛の靴を回収し、次いで自分の靴を回収すべく、A組の下駄箱へ。
だが、自分の靴に手を伸ばした時、詩織はふと思った。
そうだ。
何故わざわざ、靴を取りにここへ来たのだろう。
今は非常時だ。
防災訓練の時だって、上履きのまま外へ出るのが当り前の筈。
悠長に靴を履き替えて逃げる人なんて、居やしない。
一刻を争うというのに、どうして、こんなことを……
危機感の欠如
それは、参加者の誰もが同じだった。
火事や地震と違い、殺し合いという状況に備えている人間などいない。
しかも、今まで出発した参加者には、主催者であるレイ以外への殺意は、感じられなかった。
誰も人を殺すなんて、出来やしない。
とりあえず外へ出れば、何とかなるだろう。そう思っていた。
だが、そんな淡い期待は、さっきの銃声によって打ち消された。
信じたくは無いが、既に殺し合いは始まっている。
とにかく、ここまで来てしまった以上、早く靴を取って戻ろう――
詩織は心の中でそう呟くと、下駄箱から自分の靴を取り出した。
その時だった。
カチッ、という金属音とともに、何かが引っ掛かる感触が伝わって来る。
靴や下駄箱の構造上、引っ掛かる物があるとは思えない。
嫌な予感がした。
暗がりの中、詩織は下駄箱の中を覗き込む。
そこには、ガムテープで固定された丸い物体が、一つ。
そして靴には針金が巻かれ、その先には
ピンを思わせる金属部品が結び付けられていた。
――手榴弾だ!
しかも、靴を取り出したことにより、ピンは外れている。
仕掛けた人物を詮索する時間など無い。
詩織は全速力で、その場から立ち去るべく走り出した。
だが、運命は脱出を簡単に許してはくれない。
走り出した詩織の眼前に、突然、人影が現れた。
仕事忙しい……
明日の朝までには、数本上げる予定なので、お待ちください。
こっちも更新されてる・・・。さっき作業終わらせたのに・・・。
ええいついでに早速足しといてやる!
129氏、お仕事頑張って下さい。期待している私が言うのもなんですが、
くれぐれもお体にはお気をつけて・・・。
というわけで早速足しました。
つうか初めてキリ番
>>666 取っちゃいました。
そうか私はポコポコ乱れ打ちで彩子に頃されるんですね・・・。(アホ
連続カキコすいません。
バッグと靴が、勢い良く床を転がって行った。
……誰!?
詩織は下駄箱の方向へと振り返る。
そこには、虚ろな目をした金髪の少女が、ぼんやりと立ち尽くしていた。
パトリシア・マクグラス
陽気な留学生として、校内では有名な子だ。
しかし、今の彼女には、普段の明るさは微塵も感じられない。
当然だ。
今は殺人ゲームの真っ只中なのだから。
……だが、それ以上に、今のパトリシアは様子がおかしい。
彼女は腹部を手で押さえている。
そしてその手は、赤黒い血液に濡れていた。
「藤崎サン……撃たれちゃったヨ。どうしよう……」
パトリシアは、声を絞り出すようにして、語り掛ける。
その声は震え、息も荒い。
どんな素人が見ても、致命傷を負っている事は明白だった。
(どうしよう、って……)
詩織は答えられなかった。答えられる筈もなかった。
手榴弾を発見し、そして傷付いたパトリシアと遭遇するまで、ほんの数秒間。
突然すぎる恐怖と衝撃の連続に、詩織の思考回路はパニックに陥っていた。
「……逃げてっっ!!」
詩織は咄嗟に叫んだ。
そう、手榴弾のピンを引いてしまっている。
もう時間が無いのだ。
一刻も早く、ここから離れなければ――
そう思い、詩織は体を起こそうとした。
その瞬間だった。
大音響とともに、パトリシアの背後の下駄箱が吹き飛んだ。
強力な爆風とともに、埃や破片が彼女達に降り注ぐ。
そして、その中でもひときわ大きな金属片が、パトリシアの後頭部に突き刺さった。
「ぐっ」と、パトリシアは小さなうめき声をあげる。
それが、彼女の最期の言葉だった。
倒れ込み、動かなくなったパトリシアの体が、みるみる血だまりに沈んでゆく。
詩織は震えながら、その血だまりが広がってゆくのをじっと見つめていた。
そうする事しか、出来なかった。
【残り16人】
すみません、風邪引いて寝込んでます……
数本上げると約束しておいて、申し訳ないです。
ちなみに次回は、片桐さんが登場します。
>彩子さん、、、好きです。。。さん
ログサイト更新、お疲れ様です。
ここでちょっと、書き手としてのわがままを聞いては頂けないでしょうか?
出来れば、こちらのタイトル表記は『ときめきロワイアル-forever with you- 』で
お願いしたいのですが……
追伸
ログサイト上での『1版BR』に関しての事ですので。鬱だ寝よう。
でも、布団の横に置いたノートには、原稿を走り書き……
連続スマソ。やはり体調不良時に無理は禁物ですね。
>>669、最初の2行が抜けています。以下の文を追加して下さい。失礼致しました。
肩がぶつかった。
足がもつれ、詩織は廊下へと倒れ込む。
やはり、ワキから潰していくか。
ログサイト更新&訂正完了です。
例え人気が無かろうが、メジャーでなかろうが
GB版キャラを順ぐりに死なせる展開はカンベン。
最後まで、とは言わん。一人くらい中盤あたりまで
思わぬ活躍をする奴がいてもいいのでは?バトロワ物には
何人か元キャラが崩れる奴はつきものだし。この場合は「いい方向に」
676 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/06/12(火) 20:14
age
677 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/06/13(水) 17:44
----------ときメモスレ乱立防止のための定期age----------
ときメモ、マンセー
(私の……せい?)
(私が、不用意に靴を取りに来たから?)
(私が、手榴弾のピンを抜いてしまったから?)
(だから……パトリシアは死んでしまったの?)
詩織の心の中に、自責の念が渦を巻く。
あの爆発以前に、既にパトリシアは致命傷を受けていた。
自分が何もしなくても、彼女は助からなかっただろう。
しかし、直接の死因は、あの爆発にある。
防ぐ事が可能だった筈の、あの爆発。
人を殺した
人を殺した
人を殺した
同じ言葉が、何度も何度も詩織の頭を駆け巡る。
「違う!あれは……あれは……」
詩織は頭を抱えて、泣き叫んだ。
気が変になりそうだった。
「詩織ちゃん、しっかりして!」
その時、愛の声がした。
ハッとして、顔を上げる詩織。
いつしか、詩織の傍らには愛が寄り添っていた。
「メグ……」
「詩織ちゃん……落ち着こうよ。事故だったんでしょ?
パトリシアさんには悪いけど……運が、悪かったとしか……」
そう、確かにパトリシアは運が悪かった。
本来なら、姓の「マクグラス」が名簿上優先される筈。
出発順では、詩織の後でなければならない。
明らかな名簿の作成ミスだ。
と、ここで詩織は今の状況に気付いた。
自分は今、愛に慰めてもらっている。
教室の時とは、全く逆の立場になっているのだ。
(そうか……私、強がっていただけなんだ……)
必要以上に張りつめていたものが、段々と緩くなってゆくのを感じた。
緊迫した状況に変わりは無いが、詩織は少しずつ、冷静さを取り戻してゆく。
「メグ……ありがとう」
詩織は靴を愛に渡すと、自分も靴を履き替え、バッグを拾い上げた。
あと30分弱で、ここは立入禁止エリアになってしまう。
早くここから立ち去らなければ……
しかし、ここでまた新たな訪問者がやって来た。
「Why!?何の騒ぎよ、これは……」
そこに現れたのは、片桐彩子だった。
彩子は何故か、バッグ以外の荷物を沢山抱えている。
「片桐さん……どうしたの?その荷物」
詩織は目を丸くした。
確かに、私物の持参は自由というルールだ。
しかし、教室を出た時の彩子は、バッグ以外の物は持っていなかった。
「ああ、これ?ちょっと美術室へ寄って、取って来たのよ」
美術室から取って来た荷物――
その中には、小さなキャンバスや絵の具など、持てる限りの画材が詰まっていた。
彩子は苦笑する。
「どうせなら、最後は自分の好きな事、やりたいしね……」
最後は――
とてつもなく、重い言葉だった。
彩子に戦う意思が無いのは明白だが、この言葉は、彼女が生き残る事を放棄するとも取れるものだった。
「片桐さん……あなたは、生き残りたくないの?『彼』に会いたいとは、思わないの?」
詩織が問いただす。
しかし、彩子の回答は実にあっさりしていた。
「まぁ、これに参加してる以上、気持ちが無い訳じゃないわ。
でも、人殺しをしてまで、私は彼が欲しいとは思わない。後味悪いもの。それだけよ。
生き残れたらラッキー、ってところかな。紐緒さんに、チョット期待してるんだけどね……」
そうだ、まだ自分達には紐緒結奈という希望がある。
このプログラムを破壊出来るかも知れない、天才的な頭脳の持ち主を。
圧倒的な恐怖の中で忘れかけていた、微かな希望が蘇る。
「ねぇ、詩織ちゃん、片桐さん……私達で、紐緒さんの応援、出来ないかな?
コンピュータとか、専門的な事は出来ないけど、色々と意見を出し合ったりとか……」
愛の意見に、詩織は頷いた。そして彩子に目配せをして、同意を求める。
だが、彩子は首を横に振った。
「……あの人は、群れる事を望まないわ。それに、さっき裏口から出て行くのが見えた。
主催者にマークされてるし、追うには危険が伴うわ。私達じゃ、彼女の足手まといになってしまう……」
明確な回答だった。
詩織も愛も、黙って俯いてしまう。
「ソーリー、ごめんなさい。でもね……」
彩子はそう言うと、パトリシアの亡骸に近付き、その体からバッグを引き剥がした。
「過度な期待は、しないほうが良いわ。それに……」
そして彩子は、ポケットから拳銃を出し、構えた。
「むやみに人を信じたら、負けよ!」
とりあえず体調は元に戻りました。本編更新します。
細かいコメント等は後ほど書きます。
片桐さん・・・・撃っちゃって!
683 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/06/14(木) 00:09
teikiage
マジで面白いんで、まとめて読みたいですね。
ジオかなんかで、サイト作ってみてはどうでしょうか?
686 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/06/14(木) 07:15
面白いのでage
>684
いつでも読めるように織れはプリントアウトしたのを切り貼りして保存してる(わら
688 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/06/14(木) 13:28
∧_∧
( ´∀` ) <age
∪ ̄∪
それは一瞬の出来事だった。
数発の銃弾が、愛の体を貫いてゆく。
愛は、痛みを感じるより早く、着弾の衝撃によって床へと倒れこんだ。
「――メグ!!」
詩織は信じられなかった。
少なくとも、話していた時の彩子の雰囲気からは、この状況は予測出来なかった。
だが、これは現実だ。
現に愛は、彩子の放った銃弾を受け、血にまみれている。
次いで彩子は、詩織にも銃口を向けた。
手を伸ばせば届く程の至近距離だ。
外すことは有り得ない。
詩織は咄嗟に、自分のバッグを彩子の手めがけて振り回した。
彩子の手からグロックが弾かれ、床を転がってゆく。
その隙に、詩織は倒れた愛の手を引いて、物陰へと隠れた。
「メグ!しっかりして!」
詩織は、苦痛に喘ぐ愛に呼び掛けながら、バッグの中の武器を探す。
彩子は銃を拾い、再び攻撃して来る筈だ。
時間稼ぎで構わない。彼女を足止め出来る武器を……詩織は祈った。
彩子は廊下の端まで転がった銃を拾い上げると、詩織たちが隠れた物陰へと歩を進ませる。
そして銃撃が始まった。
スチール製の下駄箱が、激しい金属音を打ち鳴らす。
詩織は銃撃の恐怖に震えながら、手にした武器を天井へと掲げた。
パンッ!パンッ!パンッ!
自分の物とは違う銃声に、彩子は素早く身を隠した。
4列ほどの下駄箱を挟んで、双方が対峙する。
彩子が詩織の出方を警戒している一方、詩織の心は更に不安を増していた。
どうにか彩子を牽制する事は出来たが、それとて一時的なもの。
どうすれば……どうすればいい?
詩織の手中にあるパーティー用のクラッカーは、ほんの少しだけ、熱かった。
「片桐さん、どうして!?どうしてメグを撃ったの!?
人を殺したくないって言ったじゃない!」
詩織は彩子に呼び掛ける。
時間稼ぎをしたいという思惑もあった。
だが、彩子の行動に、どうしても納得がいかなかった。
理由を聞きたかった。
「死にたくないから、やっただけよ。……パットを殺したんでしょ!?
あの子を殺した貴女達を、信用できるわけがないわ!」
彩子は強い調子で言い返した。
誤解している。
「違う!パトリシアさんを撃ったのは私達じゃないわ!
それに、あの爆発も偶然……偶然だったのよ。信じて!」
だが、彩子は詩織の弁明に耳を貸す事はしなかった。
「言い訳なんか聞きたくないわ。理由はそれで充分よ……」
彩子が動き出した。
一歩ずつ、足音が近付いて来る。
詩織は、急いで愛のバッグを探り始めた。
もうクラッカーでは誤魔化せない。
今度こそ、武器らしい物が入っていますように……詩織は祈った。
だが、祈りは届かなかった。
詩織が手にした武器――それは透明プラスチックで成型された水鉄砲だった。
勝負にならない。
段々と彩子の足音が近付くなか、詩織は今度こそ死を覚悟した。
彼に会う事も無く、ここでメグと一緒に殺される。
嫌だ。嫌だけど……
詩織は生き残る事を諦めかけてゆく。
しかしその時、意外な声が玄関に響き渡った。
「君達!校内での戦闘は速やかに停止したまえ!」
……更新です。極端にペースが落ちてるな。反省。
結局、熱出しながら書いたノートは使い物にならず、一から書き直し。
夜にまた上げます。
>彩子さん、、、好きです。。。さん
お手数をおかけしました。タイトル変更ありがとうございます。
面白すぎ。
面白いニャア。
無理しないようにsage
お大事にです><sage
いつしか、玄関は伊集院レイと兵士達によって包囲されていた。
「まったく、困った人達だ……ここには大会本部が設置されている。
これ以上戦闘を続けた場合、プログラムの進行を著しく妨害したものとして……」
そしてレイは、『あの』リモコンをポケットから取り出し、掲げる。
思わぬ水入りだった。
彩子は悔しそうに唇を噛む。
そして詩織は、ほっと胸を撫で下ろした。
とりあえず、差し迫っていた危機は回避出来た。
しかし、決してプログラムから解放されたわけではない。
撃たれた愛の状況も、予断を許さない。
――と、ここで詩織は愛の異変に気付いた。
さっきまでの苦しそうな息遣いが聴こえない。
何事も無く、静かに眠っている様に見える。
いや、愛は寝息さえ立てていなかった。
「……メグ?」
嫌な予感がした。
詩織は慌てて愛の手を掴み、脈を測ろうとする。
……もう、愛の鼓動を感じることは出来なかった。
(うそ……嘘でしょ?メグ……)
詩織の胸に、悔しさと怒りがこみ上げてくる。
「こんな、こんなことって……法律だからって……こんなのおかしいよ!理不尽だよ!」
詩織の嗚咽が玄関中に響き、やがて廊下や階段へと伝わって行く。
その音を聴きながら、彩子は荷物を抱え、裏口へと歩き始めた。
そしてその途中、一人の少女とすれ違う。
最後に出発した参加者、美咲鈴音だ。
彼女がちょうど階段を下りたその瞬間から、この銃撃戦は始まっていた。
そして鈴音はその一部始終を、身を隠しながら、じっと見ていた。
彩子がここでは攻撃しない(出来ない)事は判っていた。
だがそれでも、彩子が近付く度に、足が勝手に一歩、二歩と後ずさりを始めてしまう。
彩子は鈴音とすれ違うと、ふと立ち止まり、振り返ってじっと鈴音の顔を見た。
「See you again……」
彩子は寂しげな顔でそう呟くと、裏口へと駆け出して行く。
鈴音は、ただじっと彩子を見送る事しか出来なかった。
哀しい泣き声が、いつまでも響いていた。
【残り15人】
予定通り上げられず、申し訳ないです。
まだ自分のペースを掴めていないとは……鬱だ。
風邪は治りましたので、また気合を入れ直して頑張ります。それではまた。
さよならウォーズマン。
ん〜、詩織が美樹原に裏切られて呆然とするとかってのを想像していたんだが、以外だったな。
パット、美樹原さん、お疲れさまん。
・・・って、二人ともまだなんにもしてないってば。(藁
700 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/06/21(木) 03:52
age最高だよ、あんた
おもしろいです。
作者さん、がんばってね。
sageで盛り上がろうね、君達
703 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/06/21(木) 22:41
teikage
sageなきゃ
705 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/06/22(金) 12:06
teikiage
706 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/06/22(金) 13:42
>作者さん
表現力・構成力・文体の抑揚とも見事の一言なり。
プロの小説家かプロに弟子入りしてるかのどちらかとお見受けした。
名無しくん129氏、外伝よりも全体的にレベルがあがっていると思われます。
ゆっくりペースで良いですので、私どもを楽しませていただきたく思います。
くれぐれも体調にはお気を付けて・・・。
「お兄ちゃん……優美、優美……」
児童公園のベンチで、早乙女優美は震えていた。
その震える手には、拳銃が握られている。
優美は出発した直後、校門近くの茂みに身を隠していた。
立入禁止エリアになるギリギリの時間まで、兄の近くに居たかったのだ。
一人、また一人と、参加者が校門を過ぎて行く。
この場に留まっていられる時間が、どんどん少なくなって行く。
優美は怖かった。
校門より先の世界に出ることが、たまらなく怖かった。
(殺される。誰かに会ったら、殺される。
だから守らなきゃ。この銃で、自分を守らなきゃ……)
支給された銃を握って、優美はこの言葉を何度も何度も繰り返す。
その時だった。
「早乙女サンですネー、どうしましたかー?」
カタコトの日本語に、優美は素早く反応する。
(見つかった!?)
優美は声のした方向へと向き直り、銃を構えると、引き金に力を込めた。
そこで初めて、声の主がパトリシアである事を知る。
しかし、パトリシアは優美に危害を加える素振りを見せなかった。
いつもの様に、微笑んでいた。
(――撃っちゃダメ!)
優美は瞬時にそう思った。だが、引き金を引く指の動きは止まらなかった。
そして……
優美は校門を飛び出したあと、無我夢中で市内を走り回り、この公園へと辿り着いた。
だが、どんなに走り回って気持ちを紛らわせても、
パトリシアに発砲した時の映像が、頭の中で何度も何度もリフレインする。
「お兄ちゃん……優美、人を殺しちゃったよ……どうしよう……」
もはや優美は、俯くことしか出来なくなっていた。
と、その時――
誰かがやって来て、優美に声を掛けた。
「大丈夫……ですか?」
声を掛けたのは、如月未緒だった。
「お兄さんの事は、お気の毒ですけど……元気、出しましょう」
未緒はそう言うと、優美の隣に腰を降ろした。
「如月さん……」
優美は銃を構えなかった。構えられなかった。
パトリシアの二の舞いは避けたかったし、
優しく接してくれる人に、銃は向けられなかった。
優美はそっと、銃をバッグにしまい込んだ。
未緒は髪のリボンを解きながら、優美に話し掛ける。
「ひとつ、聞いていいですか?これに参加しているっていう事は、あなたも……」
優美の答えは、一つしか無かった。
「……はい、大好きです。先輩のこと。
お兄ちゃんのお友達だし、それに……」
「それに?」
優美は頬を赤らめる。
「先輩、優美が作ったお弁当、美味しいって言ってくれたんです。
お兄ちゃんは馬鹿にしてたけど、優美の自信作だったんです。嬉しかったなぁ……」
優美の心に『ときめく』感覚が蘇ってくる。
「そうですか。でも……」
未緒は眼鏡を外すと、それをケースに収めながら、つぶやいた。
「それは、あの人の本心では無いと思います」
(――え?)
意外な返答に優美は驚いた。
そして未緒は、優美と目を合わせる事無く、淡々と話し続ける。
「あの人が、あなたのお兄さんと話しているのを、聞いたことがあります。
”お前の妹、本当に料理下手だなぁ”って、笑いながら話していましたよ」
あまりに痛烈な未緒の言葉に、優美は言葉を失った。
(うそ……如月さん、何を言ってるの?嘘でしょ!?)
「あなたは、あの人に”可愛い”って言って貰った事、ありますか?」
そう言うと、未緒はコンタクトレンズのセットを取り出した。
「一緒に映画を観に行った時、私、感動して泣いてしまったんです。
そして眼鏡を外したら、”そのほうが可愛い”って……」
コンタクトを装着しながら淡々と語る未緒の姿に、優美は絶望した。
慰めてくれると思っていたのに、どうして……
しかし、未緒の辛辣な言葉は止まらない。
「あなたは、恋愛の対象として見られていないんです。
このプログラムに勝ち残る意味なんて、無いんですよ……」
決定的な一言だった。
「どうして……どうして、そんなひどいこと言うんですかっ!?」
優美は泣きながら訴えた。
だが、未緒はそれを軽く受け流す。
「事実だからです。それに私、言いましたよね?
あの人は私を可愛いって言ってくれた。だから……」
未緒は優美の目をじっと見て、静かに微笑んだ。
口元が、すぅっ、と上にあがる。
「私、決めたんです。生き残るって……」
その瞬間、優美は言い知れぬ恐怖感を覚えた。
体中の血の気が、一瞬にして引いて行くのを感じる。
「い……いやああああっ!!」
優美の絶叫が、夜の公園に響く。
ザシュッ!
未緒が隠し持っていたサバイバルナイフが、優美の喉元を掻き切った。
血飛沫を上げながら、、優美の体が地面へと崩れ落ちて行く。
未緒はナイフから滴り落ちる血を見つめながら、呟いた。
「もうずっと、お兄さんと一緒なんですから……寂しくなんかないですよ」
【残り14人】
お待たせ致しました。更新です。
>>707さんほか、御心配いただき、ありがとうございます。体調は元通りですので。
今回の如月さんは『ときめきの放課後』ED2の姿を思い浮かべて頂ければ良いかと。
>>706さん
いえ、私は工場務めの素人です。確かに作家志望だった時期はありましたが……
如月さんの意外な行動に驚愕sage
き、如月さん暗黒面に…。
そうか、そうゆうことか>パトリシア
がんばれ>名無しくん129
おもしろ〜〜〜〜〜〜い。
名無しくん129は世界イチィィィィィ
如月さん、いいぞ。
如月さんは黒い方が萌える
saiko-
お、続きがうぷされてる。
今回は未緒ちゃんが前回の真帆の役どころを演じるのかな?
でもまさか大親友の沙希ちゃんまでこの調子で殺るとは思えんが・・・・(汗)
って事で名無しくん129様体調管理には気をつけて下さいなsage。
未緒を殺るのは夕子か?
129氏へ、、、
今からでも遅くないメジャーデビューだぁーーーー(勝手なこといいやがる)
(;-д-)眼鏡っ娘全滅ッ・・・・!!
なるほど、こう来ましたか・・・。
メジャーキャラを暗黒キャラに仕立てた度胸(?)には賛成。
今後も楽しみ。
>>718さん
>大親友の沙希ちゃんまで〜
ステレオドラマ以降の設定なので、この際(公式設定を)忘れるのも一つの手かも・・・。
まぁ、パラレルワールドってことで。
大親友だからこその裏切りも面白いかもね。
ブラック如月さん、好きですな。
十一夜恵とかは出ないのか?
如月さん、めまいはしなかったのか?
昨日「暗黒面」と書いて思った。
如月さん「ひびきの高校」に双子の姉妹いないよね…。(^^;
だって「ひびきの編」の…ハッ!!!
「ザシュッ!!」
逝かされてもうた。
やはり文学少女は怖いですな・…。おもろすぎsage
ワルナ如月サンモ(・∀・)イイ1
みはりんと閣下が手を組んだりするといいなぁsage
>>725 演劇部だった場合は自分に酔っている可能性があると思われ
前作の真帆は桐山だったが
如月は相馬な感じだな
んで三村な閣下か
誤解から生じる戦闘や
殺る気のなかった殺人など原作イメージが(・∀・)イイ!
733 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/06/26(火) 11:45
teikiage
「藤崎さん……ここで、お別れしましょう……」
東の空が明るくなり始めた頃、美咲鈴音が呟いた。
俯きながら力無く歩いていた詩織が、顔を上げる。
美樹原愛が息を引き取った後、詩織はその場を動こうとしなかった。
愛が死んだなんて、信じられなかった。
しかし、退去命令のタイムリミットは刻々と迫って来る。
鈴音は、愛の傍を離れたがらない詩織を何とか説き伏せ、校外へと連れ出した。
無駄に死人が増えるのだけは、嫌だったから。
「藤崎さん……私、分からないんです……」
鈴音は目を伏せながら、話し始めた。
「藤崎さんのこと、放っておけなくて、連れ出したけど……
でも本当は、迷ってるんです。プログラムに乗るべきなのか、抵抗するべきなのか……」
鈴音の唇が、微かに震えはじめる。
「勿論、人殺しなんてしたくありません。でも、誰かに殺されるのも嫌……
紐緒さんも研究施設を押さえられてるし、プログラムから解放される可能性は、無いに等しいんです。
生き残る選択肢が一つしか無いのなら、それに乗るのも、仕方ないのかな、って……」
二人の周囲を、霧が覆いはじめた。
少し肌寒い空気の中、互いの目を見つめる二人。
沈黙の時間が、流れて行く。
「藤崎さん……あなたは、あの人に一番近い場所に居る人。
小さい頃の事から、昨日の事まで……あの人の事なら、何でも知っている人。そうですよね?」
詩織は一瞬返答に迷ったが、小さく、こくん、と頷いた。
「……そんな人が近くにいたら、私、冷静に今を判断出来ないんです。
答えを出せないまま、感情に流されるまま……あなたを殺してしまうかもしれない。だから……」
そして鈴音は、銃を構えた。
サイレンサーを装備したベレッタM1934コマーシャルが、詩織の顔に向けられる。
「だから、ここで別れましょう……私の気が変わらないうちに、行ってください」
「美咲さん……」
詩織は動揺しつつも、鈴音を諭そうと、言葉を続けようとした。
しかし次の瞬間、鈴音の放った銃弾が、詩織の頬の数センチ先をかすめて行く。
詩織の長い髪が数本、空中に散った。
「お願いです、行ってください!私は……美樹原さんの代わりには、なれないんですから……」
それを聞いて、詩織は言葉を続けられなかった。
(そうだ。独りになるのが、怖かったんだ……)
詩織の脳裏に、プログラム開始時からの記憶が蘇る。
プログラムが始まってから、ずっと傍には愛がいた。
そして愛の存在が消えた瞬間、独りになるのが不安で、何も出来ない自分がいた。
鈴音に付いて行ったのも、タイムリミットが怖かったからじゃない……
無意識のうちに鈴音に負担を掛けていた事に気付き、詩織は自分の不甲斐無さを嘆いた。
「わかったわ……辛い思いをさせてしまって、ごめんなさい……」
詩織はそう言うと、スッ、と踵を返す。
「でも、出来るなら……」
鈴音に背を向けながら、詩織は語り掛けた。
「人は殺さないで。そして……決して希望は捨てないで。お願いだから……」
それは鈴音に対してだけでなく、自分自身にも言い聞かせる為の言葉だった。
「……努力します」
鈴音は消え入りそうな声で返事をする。
頭では解っていたが、それを実行出来る自信は、今の彼女には無かった。
「それじゃ……元気でね」
その言葉を残し、詩織は霧の中へと駆け出して行く。
そして詩織の姿が見えなくなると同時に、鈴音はその場に座り込んだ。
「何やってるんだろう、私……自分から立ち去れば、それで済んだのに……」
銃を持った鈴音の指先は、ずっと震えたままだった。
霧は益々、その深さを増して行った。
鈴音ちゃんの武装、まんま「ノワール」やん……
それはさておき、ブラック如月さんにこんなに反応があるとは思いませんでした。
「虹野さんとは大親友」という設定は虹色の青春でも使われているので、生かすつもりです。
あと、十一夜恵などのドラマCDキャラは出ません。
鞠川さんは出そうかどうか迷いましたが……
次回は「霧の早朝決戦」です。
嵐の前のしずけさsage?
738 :
主人公:2001/06/28(木) 00:26
沙希ちゃん大ピンチ!!
ブラック如月に騙されちゃだめだ!!
贅沢な意見だと思うが、優美の死ぬまでの間、
首を切られ、自分の血で溺れながらに、生への執着の表現が欲しかった。
死にたくない、と言ってほしかった。
人は黙って死にはしない。たとえ死ぬと解ってても、
潔く受け入れるだろうか?
俺はうすっぺらに人が死んでいく話など読みたくはない。
懸命に生きる表現には、死ぬまでの描写も含まれるのではないだろうか。
どうか彼女達をただ死なせないで欲しい。贅沢な意見だが。
>>739さん
御意見ありがとうございます。
>俺はうすっぺらに人が死んでいく話など読みたくはない。
これは私も激しく同意なのです。
が、改めて読み返すと、皆アッサリと死んでますね……改めて気付く反省点に、少し鬱。
優美に関しては、『如月未緒の豹変』というインパクトを優先したので、瞬殺という形を取らせて頂きました。
あと、少しネタバレになりますが
メグには回想シーンという出番がありますので、そこで色々とフォローを入れる予定になっています。
……ついマジレスしてしまいましたが、やはり答えは作品の中で出すべきですね。
皆様の御期待に添える物を作るべく、精進致します。
厳しい御意見も励みになります。ありがとうございます。
>>736 そうですか、ドラマCDキャラは出ないんですね…って
『残り○○人』って見てれば判るか。
>あっさりと死んで…
場面と殺られ方によって変化があって良いと思います。
優美の場合、近接からの斬撃であったと推測できるので「生」から「死」へは一瞬であったと理解できます。
(如月さんに「殺しのテク」があったかどうかは別の話ですが…)
>生の執着
表現を誤ると死に切れない「ゾンビ」になってしまうのでは?
序盤は、キャラがそんなに動いていないので仕方ないと思います。
変な表現になりますが、彼女達が「殺れる」までに「どうあがいて生き残ろうとしたか」が表現できていれば
>>739の言っている事を補えるのではないか?
なにはともあれ、がんばれ>名無しくん129
>名無しくん129氏
マジレス、感謝。
読むしか能のない者の戯言と思って、好きなように書いて下さい。
>>741 俺の場合は、「あがいて生きる」キャラより、
「死ぬまでしぶとい」キャラのほうが好きです。個人的ですが。
べつに「生への執着」の部分をキャラクターに語らせる必要はないのでは?
存外死というものは実にあっけなくやってくるものなのでしょうから
、、、死んだことがないのでよく分かりませんが(笑)。
ただ、それだと本当に薄っぺらいものになってしまいそうなので、
作者さんがそこのところをうまく語る、、、ってのはどうでしょうか?
なんか要領を得ないアンド生意気な発言すみません。
>>743 ひょっとしてサクラ系スレでSS書いてた?
いや、なんとなく。
朝霧の中、スポーツウェアに身を包み、清川望は走っていた。
どんな非常時といえど、毎朝のジョギングを欠かす事は出来なかった。
いや、そうしなければ、落ち着かなかった。
誰かを殺すか、誰かに殺されるか……
嫌な選択肢しか残されていない現状を、忘れたかった。
(もうすぐ大会なんだ。あいつも応援に来るって言ってた。
だから、しっかり基礎体力を維持しておかないと……)
望は出来る限り、プログラムの事を忘れようと懸命だった。
しかし中央公園に入った時、望は現実に引き戻される。
濃い霧の先に、誰かが立っている……
望は走るのを止め、警戒しつつ、霧中の人物に声を掛けた。
「誰?そこに居るのは……返事をして」
そして数秒後、聞き慣れた声で返事が帰って来る。
「Good mooning 望」
片桐彩子の声だ。
親友の声に安心した望は、警戒を解き、彩子に近付いて行く。
「無事だったんだ、彩子……怪我はしてない?大丈夫?」
「まあね。一応、生き延びてるわ」
普段通りの明るい声で、彩子は答えた。
(良かった……元気そうだ)
望は、親友と再会出来る喜びを噛み締めていた。
たった数時間しか離れていないのに、数週間振りに会うような感覚。
緊張していた心を、ようやく落ち着ける事が出来る……そう思っていた。
だが、彩子にあと2〜3メートルまで近付いたその時、望は自分の目を疑った。
霧の中から現れた彩子は、望に銃口を向けている。
「ソーリー、悪く思わないでね、望」
そうつぶやく彩子の表情は、冷静だった。
「――どういうつもり!?彩子……」
望は動揺を隠し切れない。
しかし、彩子はあくまで冷静に、言葉を続ける。
「動かないで……弾が外れるから」
「本気……なのか?」
望は信じられなかった。
彩子が自分に銃を向けるなんて、嘘だ。こんなの嘘だ……
しかし、彩子は銃を下ろさない。
「本気よ。友達だからこそ、私はあなたを撃つの……」
「どういう事だよ、それは――」
と、望が言いかけた所で、何処からとも無く大音量でクラシック音楽が流れて来た。
ワーグナーの『ワルキューレの騎行』だ。
そしてそれに続いて、伊集院レイのあの嫌味な声が聴こえて来る。
「おはよう諸君!朝6時になった。それではこれより、
現在までに脱落した参加者の名前を発表しよう。よく聞いておくように」
それは、6時間毎に流される定例放送だった。
二人は動きを止めたまま、その放送に聞き入る。
「これまでに脱落したのは、古式ゆかりくん。パトリシア・マクグラスくん。
美樹原愛くん。そして、早乙女優美くん……以上4名だ。
意外とペースが早い。3日もしないうちに終了するかもしれないな。
それでは諸君、頑張ってくれたまえ。また6時間後に会おう」
『ワルキューレの騎行』が、フェードアウトしてゆく。
そして望は、その放送内容に愕然とした。
「もう……もう4人も死んだっていうのか!?」
「そうよ。そして、美樹原さんを殺したのは、私……」
彩子のその言葉が、望の心に更に傷を刻む。
「う、嘘だろ?彩子……」
「本当よ。もう殺し合いは避けられないわ。望もいつ、
誰に殺されるかわからない。……あなたが他の誰かに殺されるのは、嫌なのよ。
だから、親友として、私はあなたを殺す義務があるの……」
彩子の言葉に同意出来る筈はなかった。
しかし、銃口は自分に向けられている。
このまま死ぬのは嫌だ……望はそう思った。
望はフッ、と溜め息をつくと、挑戦的な目つきで彩子を見て、言った。
「……で、私の都合はお構いなし、ってわけ?」
747 :
ときめきロワイアル-forever with you-:2001/06/30(土) 16:39
「そりゃあ彩子が殺してくれるなら、少しはドラマチックかもしれない。
でもね……私だって、死にたくないんだ。それに……」
望はそう言うと、背中のバッグから日本刀を抜いた。
「どうせなら、正々堂々と勝負しようじゃない。
いきなり銃を構えて現れるなんて、ずるいよ……」
望の目に、迷いは無かった。
(ただ黙って殺されるくらいなら、私は闘う事を選ぶ。
たとえ相手が、彩子であろうとも……後悔はしない!)
彩子は、そんな望の姿を見て、微笑んだ。
「……望らしい答えね。オーケー、じゃ、始めましょうか」
望は汗ばむ両手を気にしながら、刀を構え直す。
「やるからには、全力を尽くすからね……」
「もちろんよ。Are you ready――GO!」
パンッ、パンッ、パンッ。
銃声が、児童公園の鳩の群れを飛ばした。
虹野沙希が、驚いて空を見上げる。
銃声は、断続的に鳴り響いていた。
「また、誰かが戦ってる……どうすればいい?ねえ、優美ちゃん……」
沙希はそう呟きながら、早乙女優美の遺体の血を拭っていた。
通りがかりに偶然見つけた優美の体を、そのまま放置しておく事が出来なかった。
地面からベンチへとその体を移し、丁寧に両手を組ませる。
首の傷口さえ見なければ、それは本当に眠っているようにも見えた。
沙希は、離れ離れになった親友の事を思う。
「みのりちゃん……大丈夫かな?それに、未緒ちゃんも……
貧血で倒れていなければ、良いんだけど……」
優美殺しの張本人が未緒である事を、沙希は知る由もなかった。
闘いはまだ続きます。思ったより難しい……
まぁ、残り全員が浪花節吹いて死ぬのはテンポが崩れるので
バランスを取りつつ、無駄な死に方はさせないつもりです。それではまた。
すべては清川厨房のおかげ
ちなみにこのスレのサイズは361KBです。
512KB超えると、スレ自体が壊れます。
気をつけてください。
あと、頑張って下さい。
て事は、頃合を見て早めに新スレに移るべきかもしれませんね
うわ、
>>745でミス発見。
× Good mooning
○ Good morning
鬱出死脳……
誤字は少ないから安心してくだされ>作者どの
くだらないミスごときで、死なないで下さい。
みんなが、続きを待っている...
850行った所で新スレ移転ってのはいかがでしょうか?
SSスレ故長文化する傾向があるんで通常よりもサイズが大きくなるって事で
512KB超える前に早めに移転した方が宜しいかと>ALL
758 :
:2001/07/04(水) 05:31
759 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/07/04(水) 05:35
サイコーッ!(´Д`;)ハァハァ
こ…この気持ちは一体何なんだ?!(´Д`;)ハァハァ
匠、かわいすぎるゥッ!!(´Д`;)ハァハァ
ハッキリ言って「ときメモ2」でナンバー1のかわいさだよ!!!(´Д`;)ハァハァ
ひかりん?知らねーYO、馬鹿ッ!!!!(´Д`;)ハァハァ
匠萌えマンセーッ!!!!!(´Д`;)ハァハァ
彼の頼みなら、クリームソーダくらい何杯でも御馳走するZEー!!!!!!(´Д`;)ハァハァ
もち睡眠薬入りで…。(´Д`;)ハァハァ(´Д`;)ハァハァ
「やっぱり、無茶だったかな……」
木陰で、望がつぶやいた。
戦闘開始の合図とともに、望は並木道の方向へとダッシュした。
銃が相手では、日本刀といえど勝ち目は無い。
しかし、この濃霧を味方に付ければ、まだ勝算はある。
彩子の放つ銃弾を辛うじて避けながら、望は街路樹の陰で機会を窺っていた。
霧の中から、彩子の影が近付いて来る。
こちらから打って出るには、弾切れの瞬間を待つしかない。
危険な賭けだ。
だが、それしか手段は思い浮かばない。
望は意を決して、木陰から飛び出した。
「さあ、当ててみな!」
彩子が少しぼやけて見える位置で、望は叫んだ。
多少距離があるとはいっても、充分射程距離内だ。
彩子は望に向け、数発連射する。
しかし、霧で視界が悪いのに加え、望はあっという間に別の木陰へと移動してしまう。
「望!正々堂々と闘うんでしょ?
コソコソ隠れて鬼ごっこだなんて、アスリートらしくないわね」
少し不機嫌そうな口調で、彩子が呼び掛ける。
しかし、望は動じない。
「正面で一騎打ちをする事が、全てじゃないわ。
武器の性能差を考えた上での、ベストな戦法だと思うけど……」
望はそう言うと、彩子との距離を確認しつつ、もう一度、木陰から飛び出した。
(そろそろ弾が切れてもいい頃だ。望、チャンスは逃すな!)
自分にそう言い聞かせ、望は数本先の並木へとダッシュする。
しかし、回避出来ると思っていた弾の一発が、望の左肩を捉えた。
「くっ!!」
どうにか木陰には辿り着いたものの、かつて経験した事の無い痛みが、全身を襲う。
左手が流血で染まり、握力がみるみる落ちて行く。
望は肩口をスポーツタオルでギュッと縛り、一応の止血を施した。
しかし、血は止まりそうに無い。
「そろそろ……勝負時かな……」
仕事のせいにしたくはないが、忙しい……
とりあえず今日は1編だけアップ。鬱だけど簡単には氏にませんので。
>新スレ移行の件
そうですね。サクラロワイアルも800番台で移行してますし、
容量に余裕があるうちに移行しましょう。
まだしばらくは、ここでも大丈夫だとは思いますが。830前後かな……
名無しくん129さん応援sage
応援sage
765 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/07/07(土) 13:42
彩子の足音が近付いて来る。
もはや、弾切れを待っている余裕など無い。
ほんの一瞬でいい。彩子の動きを封じる事さえ出来れば……望は思考を巡らせる。
そして、望は背中のバッグを下ろした。
陰からそっと顔を出し、彩子との距離を見る。
「(――届く!)」
望は心の中でそう叫ぶと、バッグを彩子の真正面へ向けて投げつけた。
彩子の目線に、突然、バッグが飛び込んで来る。
反射的に銃を構え、彩子はそのバッグに銃弾を撃ち込んでゆく。
空中でバッグが二度、三度と踊った。
そして、踊り疲れたバッグが引力に引かれ始めたその瞬間――
バッグが作った死角から、望が一気に飛び込んで来る。
バッグに気を取られていた彩子は、予想外の進撃に反応出来ない。
望は低位置から彩子の懐に入り込むと、刃を180度返し、渾身の力を込めてそれを拳銃に叩き込んだ。
「とぉりゃあああああっ!!!」
ガキィィィン!!
金属音と共に、彩子の拳銃が宙を舞い、繁みの中へと落ちて行く。
激痛に近い手の痺れに、彩子は思わず顔を歪めた。
(2度も……2度も銃を弾かれた……)
そんな自戒の言葉が、彩子の脳裏をかすめる。
だが、状況はそんな反省の時間も与えてはくれない。
望は間髪を入れず、彩子に斬りかかって来る。
彩子は辛うじて、望の斬撃を避け続けた。
しかし超速の刃は、彩子の頬や制服を、何度も薄く切り裂いてゆく。
そして、路上の小石が彩子の足元をすくった。
(嘘でしょ!?ここで、The ENDなの?……)
自分の体が宙を舞った瞬間、彩子は自分の周囲がスローモーションになってゆくのを感じた。
そして、尻餅をついて倒れた彩子の顔面に、鋭い切っ先が突き付けられる。
望は、真剣な眼差しで呟いた。
「さあ、これで終わりだよ」
望の勝ちは明白だった。
だが、望はなかなかとどめを刺そうとしない。
「どうして……どうして殺さないの?」
彩子が尋ねる。
「どうしてかな……覚悟を決めた筈なのに、まだ、怖いのかもな……」
さっきまで冷徹だった望の顔に、苦笑いが漏れる。
「……望、ひとつ聞いていい?」
「何?」
「あの時、どうして逆刃で銃を叩いたの?右手ごと切り落としたほうが、簡単なのに……」
彩子は不満だった。
全力で闘うと言われながら、手を抜かれた……それが納得出来なかった。
「ああ、あれか……彩子の今後を考えたら、腕は切れないよ――」
彩子は、望の言葉が理解出来ない。
(どうして?もうすぐ死ぬ人間に、どうして今後の心配なんてするのよ、望……)
「――だって、天国へ行っても、絵は描いていたいだろ?だから……」
望のその言葉が、彩子の胸を締め付ける。
「望……あなた馬鹿よ。大馬鹿よ……」
彩子の頬を、涙が伝う。
「そんな……余計な心配しなければ……殺られなかったのに!!」
彩子は左手で刀を払いのけると、右手でポケットから何かを取り出し、望に押し当てた。
途端、望の全身に凄まじい衝撃が走る。
刀が手から離れ、立っていられない程の脱力感が、全身を襲う。
「そうか、電気、か……」
意識が朦朧とする中、望は彩子の右手に握られた武器を見た。
それは、本来パトリシアに支給された筈のスタンガンだった。
彩子はもう一度、望に電撃を仕掛ける。
火花を散らす電流を見ながら、望は、いつかの夏の日を想い出していた。
「電気……雷……あの日……」
それは、彼と一緒に海水浴へ行った日のことだった。
沖の島まで二人で泳ぎ、いざ帰ろうとした時に、雷雨に見舞われた。
雷が大嫌いな望は、怖さのあまり、思わず彼に抱きついてしまう。
(今思うと、かなり恥ずかしいな……でも、私は忘れない。あの二人きりの時間を……)
望が甘い記憶に浸っていたのは、ほんの数十秒間だった。
そして再び気付いた時、望の眼前には、刀の切っ先と、それを構える彩子の姿があった。
「形勢逆転ね、望……」
「ああ、そうみたいだな……」
望は微笑んだ。そして次の瞬間、意外な言葉を口にした。
「ねえ、彩子……このまま、とどめを刺してくれないか?」
彩子の手が、一瞬、震える。
「Why!?な、何言ってるのよ。私はそのつもりで、こうしているんじゃない……今更、何を……」
「……そうだよな。殺し合い、だもんな」
「でも、どうして……さっきは『私だって、死にたくない』って言ってたくせに……」
彩子の問いに、望は淡々と答える。
「……もうこれ以上、いろんな物を背負いたくないんだ」
「背負う?」
「そう。私は今まで『超高校級スイマー』とか『日本記録保持者』とか、色々と言われ続けてきた。
良い意味でも、悪い意味でも……露骨に嫌う人も、多かった。
有名税と言われれば、それまでだけど……偏見に満ちた目で私を見る人は、結構多かったんだ。
もし万一、このプログラムで生き残ったとして……
やっぱり、私を『人殺し』って言う人は、他の子より多いと思う。有名人だからね。
……これ以上、彼に迷惑を掛けたくないんだ。だから……頼むよ」
彩子は動揺していた。
望を殺す事が、自分の役目だと信じていた。
そして望本人も、それを希望している。
躊躇する理由など無い筈なのに、踏み出せない自分がそこに居る。
美樹原愛を撃つ事は出来たのに、どうして望は殺せないの?……
「彩子……怖いんだね。きっとそれは、銃と刃物の違いだよ。
銃は所詮、弾の反動しか手元に返ってこない。でも刃物は違う。
相手の感触が直に伝わるから、命を奪う感覚が直に伝わるから……怖いんだ。
それを解って欲しいんだ。元の彩子に戻って欲しいんだ。だから……」
望はそう言うと、刀の切っ先を自分の額に当てた。
彩子は俯き、大粒の涙をこぼす。
「……Sorry……」
そして彩子は、刀を握る手に力を込めた。
愛の時には感じなかった嫌な感覚が、掌に伝わって来る。
路上に拡がる血溜まりを見ながら、彩子は泣き崩れた。
【残り13人】
……お待たせ致しました。
全体のストーリーはほぼ出来ているのですが、個々のエピソード単位では、まだ詰める箇所がたくさん……
今回は特に難産でした。仕事も忙しかったし。
何とか完結まで頑張ります。それではまた。
くわー、痛いよ痛いよ。読んでて心が痛いよ……。
清川って、いいヤツだなあ……。
プレッシャーになるかな、と思いつつ、こう言うことしか出来ないよ。
「名無しくん129さん、がんばって書いてください。1年くらい待ちますから」
770さん、同意ですよ。
ホント文章を読んでて胸が痛くなった。
名無しくん129さん、応援することしかできませんが頑張ってください。
無粋ですまんが額から斬るのは女性の力では難しいと思われ
首筋とか背後から介錯するような形か、左胸を一突きでないと
望の苦痛が耐えがたいものになるであろう。
ちなみに袈裟掛けに斬っても絶命するには時間が掛かる
>>772さん
あ、すみません。私の表現力不足ですね。
一応、額を一突きで即死という事にしてあるのですが……。
でも、自分の表現力の無さには鬱になることが多いです。
特にサクラロワイアルの職人さん(珪素生物さん)の表現力には脱帽しております。
さぁ、自分も頑張らねば……
うぉ、なんだこの彩子さん。
表と裏の変化が激しいですね。
未緒さんのヒールぶりが際立ってしまうような…。
>名無しくん129
無理せずじっくりとカキコ進めてください。
>>773 そ・それは・・・刺すほう刺されるほう共に最悪なパターンですよ。
額の骨はえらい硬いですからね・・・
それに刺される方は・・・見えるんですよ切っ先が
あんまりにも望がかわいそう過ぎる・・・
じっくり考えると無残な死に方ですね・・・。
777 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/07/10(火) 04:06
続き、気になる〜(>_<)
age〜
ガンバッ
>>775 確かに切っ先は見えるだろうけど、そういう事に気付くとは…。
このスレのサイズ、今の所384KBまで逝ってます。
あと100KB分は粘れるでしょうか?
とりあえず続きを期待しますsage。
781 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/07/10(火) 23:08
>>779 プロレス技でダイビングヘッドバッドというのがあるがあれは
大体高さ3.5M辺りから額を相手の体にぶつけていく技だそれでも
額の骨が折れたなんて話は聞いたことがない。流血する程度の
ことはあるが
額に突き刺すのは困難…
一番楽なのは目から刃を突っ込んで脳を損傷させる…
駄目だ清川さんが不憫すぎる…
>>782 一番楽なのは背後から切腹の介錯の要領で首を斬る。
それも技量が足りないと何度も切りつけることとなり
斬られる方はたまった物ではない
もうひとつは左胸に切っ先を押し付けて一気に心臓に
損傷を与える方法。
最期に首の頚動脈を一気に切断するという方法だ
>>783 首を斬られても数十秒は生きてるらしいね
イタタ‥‥ 想像しただけで、痛い。
多分、片桐は何度も突きまくって殺したのだろうか?イタタ‥‥
殺し慣れない人にやらせるとこうなるんだね‥‥コワーー
お久しぶりです。
さて、
>>784さん
スパッといけば、ショック死するので大丈夫です。
一番まずいのは、動脈を切りそこなった場合。
これはつらい。
それと、脳への血流が完全に停止すると数秒以内に意識が落ちるので、
苦しみは短いです(首チョンパ)。
では、頑張って下さい>名無し君129様
何だ、「痛い殺し方スレッド」になってないか?
苦手なんだよ俺こういうの。
では続きに期待してさげ。
私はこのスレで二回泣きました。
一回目は回想シーンの寿アンド美帆の時。
二回目はこの清川さんアンド片桐さんのやつです。
SSで泣いてしまう痛すぎる私に誰か逝ってよしコールを、、、、
いちいちアホな奴がいるな。
雰囲気がよけりゃいいじゃんか。
>>773 ははっ。お言葉、もったいのうございます(^^;
ときメモを最後にプレイしてからもう数年になりますが、「ああ、そういえば
あったあった」というエピソードがいちいち絡んでくるのが素晴らしいです。
これからもこっそり楽しませていただきます。
この話だと、閣下の扱いに困る気がする...。
「何でもアリ」な人だからなぁ....話が崩壊する可能性がある。
そんな所が好きなのではありますが(w
逆に、「シド・マイヤーズ アルファ・ケンタウリ」みたいな世界だと、
閣下というキャラが生きてくる気がする。
つーことは........閣下は日常生活には適応できないってことか。
最近見始めたのだがもう過去ログ逝きになってるなんて!
もったいないのでレスりましたー。名無し129さん銃バレー!
BR公式サイトは閉鎖しちゃったね。
teikiage
798 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/07/14(土) 10:57
teikiage
800 :
:2001/07/14(土) 14:50
800
>799
うざい。暇人は死ね!死ね!死ね!
799を見てはいけません。不愉快になります。
霧の中、少女は立っていた。
周りは何も見えない。
「ここは……何処?」
無の世界が、彼女を不安にさせる。
突然、目の前に人影が現れた。
「あなたは……」
現れたのは『彼』だった。
『彼』は彼女に向かって微笑むと、スッと背中を向け、歩き出して行く。
(え!?それだけで……行っちゃうの?)
彼女は『彼』を追い駆ける。
「待って!私、あなたにどうしても伝えたいことが……」
『彼』は走ってはいない。
だが、どうしても追いつく事が出来ない。
霧の中に『彼』の姿が消えて行く。
「待って!私の話を……聞いて……」
彼女は泣きじゃくりながら、必死に『彼』を追い駆ける。
しかし、ついに『彼』の姿は、霧の中に呑みこまれてしまった……
寝具店のショールームにあるベッドの中で、館林見晴は目覚めた。
シャッターが下ろされた店内は、非常口を示す緑色のパネルだけが、微かに店内を照らしている。
「嫌な、夢……」
彼女はそう呟いた。
彼のことを、影から遠巻きに見ていた日々。
素直に話し掛けられず、彼にぶつかっては誤魔化していた日々。
間違い電話を装って、留守電にメッセージを入れた日々。
――何一つ、堂々と彼に接する事が出来なかった。
(……どうして、積極的にアプローチしなかったの?)
見晴は自分自身に問い掛ける。
ほんの少しだけ、勇気を出せば済んだ事なのに。
伝説なんて信じずに、気持ちを伝えてしまえば、こんな事にはならなかったのに……
考えれば考える程、後ろ向きな言葉しか浮かんでこない。
「もう、隠れてコソコソしているなんて嫌なのに……どうして……」
と、その時、目覚まし時計のようなアラーム警告音が鳴り響いた。
見晴は、慌てて音源の機械のボタンを押し、警告音を止める。
彼女が手にした機械――それは、武器として支給された対人レーダーだった。
そしてレーダーの画面には、二つの光点が映し出されている。
「――誰かが来る!」
見晴は慌てて荷物をまとめ、非常口へと走った。
そしてレーダーをチェックしながら、脱出の機会を窺う。
……だが、レーダーの光点は、段々と離れて行く。
どうやら通り過ぎて行ったようだ。
見晴はホッと胸を撫で下ろすと、その場に座り込んだ。
「結局、隠れ続けるしかないのかな……私って……」
レーダーの光点は、一定の距離を保ったまま、静かに移動していた。
……さすがに間が開きすぎましたね、更新。
明日は、レーダーに映った二人の話です。
えー……一応、頭蓋骨の硬さまでは考えてなかったので、雰囲気で流してください。
キタノのナイフ投げで瞬殺される子(映画版BR)のイメージが残っていましたので。
>>792 あ、珪素生物さん、見てたのですね。こちらこそ恐縮です。
>>801さん
よく見掛けるURLですから、気にしない気にしない(藁
他にもカーセクースの瞬間を激写された生物の写真とか、定番リンクは沢山ありますので。
>>1-803までのサイズは385KBです。
900までは持つかな?
夏コミ3日目西う38aのサークル、どうよ?
まさかときめきバトルロワイヤル氏ってことはないよな
>>806 まさか。
漏れもそこは確認してるが漏れがときめきBR氏にサークル参加を勧めた時点で
すでに夏コミのサークル参加受付は締め切られてたから
おそらく別の筋書きの話だと思う。
>>807 よくよく見るとこのスレの1が立てられた頃がコミケの申込日だよな。
ぢつは1のサークルだったりして
霧が晴れつつある商店街を、紐緒結奈は歩いていた。
――背後に誰かの気配を感じながら。
最初は、本部の人間に尾行されているものと思っていた。
しかし、こうもアッサリと尾行を見抜かれているようでは、エージェント失格である。
大体の見当は付いていた。
結奈は足を止めると、振り向く事無く、尾行している人物に声を掛けた。
「正義の味方を気取るのはやめなさい。和泉恭子さん」
ハッ、と驚く声が聞こえた。
結奈は苦笑混じりに溜息をつく。
「ど、どうして判ったんですか!?」
正体を見破られた和泉恭子の声は、明らかに動揺していた。
「どうもこうも……よくそれで、今までやって来れたわね……伊集院家の犬を」
結奈は皮肉を込めて言った。
恭子の一家は、代々正義感の強い血筋である。
親子共々、防衛隊の任務に就き、日々の平和の為に活動していた。
だが、その『防衛隊』は伊集院家が運営している組織である。
そしてその『隊長』に就任しているのは、他でもない伊集院レイだ。
きっと今回も、参加者を装って自分を監視しているのだろう。
結奈はそう思っていた。
「わ、私……犬なんかじゃありません!!」
恭子はそう叫ぶと、物陰から歩道へと飛び出した。
彼女が表へ出た事を察知した結奈は、後ろへと振り返る。
結奈の5メートルほど先には、武器のピコピコハンマーを両手で構えた恭子がいた。
「私、犬なんかじゃありません!今回だって、何も指示は受けていません。
だって私、失敗ばかりだし……このプログラム、嫌だし……」
恭子は、目に涙を浮かべながら訴える。
今まで、『世界征服』という危険思想を持つ結奈の監視を命じられ、それを遂行して来た。
『彼』と共闘して、7月7日の征服活動を阻止した事もあった。
ミスを連発して自分の評価が上がらなくても、『世界平和の為に働く』事が彼女の誇りだった。
だが、いくら合法とはいえ、このプログラムが『平和のため』だとは、どうしても思えない。
『法律遵守』という防衛隊の基本理念と個人の感情が、恭子の心を激しく揺さぶっていた。
恭子は、結奈に問い掛ける。
「あなたは……正義の味方ですか?それとも、敵ですか?」
駄目ね、私……全然ペース上がらないわ。
ま、じっくり進めましょ。
GB版キャラ、和泉さん登場です。未プレイの方にはネタバレ要素満載となりますが、御了承下さい。
夏コミカタログ買いました。
>>806のサークル、覗いてみようかな。
でも私、コミケって行った事ないです。凄い混雑らしいですが……
811 :
名無しくん、、、好きです。。。:2001/07/17(火) 12:45
定期あげ。
や、どうもこの名前ではひさしぶりです。
>>806ってどんなサークルなんでしょ? 誰か教えてくれませんか?
コミケのカタログ?って持ってないもんで、、、
あと最近、ちょっとリライトしようかなという気が起こってきました。
ぞんざいな扱いに終わった八重さんの霊に恨まれている気がして、、、
和泉さんて、そういうキャラだったんですねぇ、、、
GB版やったことないから、知らなかった^^;
では、また名無しに戻ります。がんばってください >名無しくん129さん
残りキャラの死に方についてですが…
全員即死は淡白すぎるし、全員が能書き垂れてだらだら死ぬのもしつこいと思います。
誰を瞬殺し、誰をゆっくり死なせるか、よく考えて下さい。
129さんの力量に期待します。
頑張れ!
片桐氏の保管サイトも覗かせて頂きました。
よく整理できてますね。素晴らしいです。
頑張って下さい。
何度もすみません。GB版の3人娘、これを読むうちにどんなキャラか知りたくなってきました。
スレ違いですが、どなたか画像のあるサイト御存じの方はupして下さい。
このスレの容量大丈夫?
>>817 わざわざありがとうございます。
頑張って下さい。
映画板のビートたけしは異様な死に方をする。
あそこだけギャグみたいだった。
ギャルゲーロワイアルって小説部が43と48の2つしかなかったけど…
よくわからないバトルロワイアルに参加しました。
挑戦6回目にしてやっと5人殺せました。
結局7人逝かせて氏にました
>>819 普通あれだけ撃たれて再起するなんてあり得ないね
>>822 同盟組む→休憩→その間に同盟軍氏ぬ→別の奴が復活させる→休憩終わり→出会う→油断→逝
という経験が山ほどあります。
あまり意味が無いネタでも。
映画版BRの戦いの場所は「神奈川」です。
原作は香川なのに変える必要ってあったのかな。
仕事なんて嫌いだ……と愚痴ってみる。
更新遅れていて申し訳ありません。今夜あたり続きUPしますので、お待ち下さい。
>>825 チャットのなれ合いに参加するとそいつらと同盟組んだも同然
「くだらない価値観ね」
結奈はそう言い放った。
「正義なんてものは、個人の主観でしかないわ。
こんな理不尽な殺し合いでも、『合法』の二文字が付けば正義になる。
……貴女はどうなの?貴女の考え方次第で、私は敵、味方、どちらにでもなるのよ」
「え?」
恭子は戸惑っていた。
これまで、結奈のことは「危険人物」としか捉えていなかった。
過去の事を考えれば、間違いなく彼女は「市民生活を脅かす敵」なのだろう。
だが、今は違う。
この冷酷なプログラムを破壊する技術と意志を持つ、唯一の参加者なのだ。
しかし恭子は、まだ結奈を信じる事が出来なかった。
ひょっとして、皆を助けずに一人だけで脱出してしまうのでは……
そうなりかねないと思ったから、ずっと彼女を尾行し続けて来た。
(私は今、なんて答えたら良いんだろう……)
「貴女、このプログラムは嫌だと言ったわね」
結奈が問い掛ける。
「……え?は、はい」
自分の思考に没入していた恭子は、一瞬反応が遅れるものの、きっぱりとそう答えた。
「なら、私と敵対する理由は無いわ。ついていらっしゃい」
そう言うと、結奈は元の方向へと歩き始めた。
「え?あ、あの……」
思いもよらない反応に、恭子は困惑する。
結奈は一度足を止め、恭子に言った。
「何をボーっとしているの。諜報活動の経験があるのなら、パソコン位は扱えるでしょう?」
「はい……」
「なら、早くついて来なさい。人手が欲しいのよ」
恭子の迷いが消えた。
自分の信じる『正義』を勝ち取るべく、この人に賭けてみよう……そう思った。
「は、はい!待ってください!今行きます」
霧はすっかり晴れ、清々しい青空が広がっていた。
830 :
ときめきロワイアル-forever with you-:2001/07/23(月) 19:10
「ねぇ、ゆかり……ゆかりの仇を討つには、どうすればいい?」
駅の待合室でバッグの中身を確認しながら、朝日奈夕子が呟く。
あの惨劇から数時間……夕子は当ても無く市内を彷徨っていた。
「絶対に許さない!」と啖呵を切って出発したものの、何をしたら良いのかが全く分からない。
ただ、確実に言えるのは『途中で死んだらダメ』という事だけ。
既に此処へ来るまでに、何人もの死体を見てきた。
(あの娘達の様には、なりたくない。
途中で死んでしまったら、彼に会うどころか、ゆかりの仇も討てない。
絶対に……絶対に生き残って、伊集院レイをこの手で殺すんだ――)
例えようの無い強力な復讐心が、夕子を動かしていた。
夕子はパンやミネラルウォーターといった食料を確認すると、バッグから武器を取り出した。
『当たり』と言っても良いだろう。小型のマシンガン、マイクロウージー9ミリだ。
「超ラッキー。これなら何とか生き残れそうじゃん」
夕子の顔に、安堵の笑みが漏れた。
添付されている簡単な説明書を見ながら、夕子は操作手順を確認する。
そして、弾倉を差し込もうとしたその時――
形状が違う。
何度差し込もうとしても、はめ込みが上手くいかない。
夕子は慌てて予備の弾倉を取り出し、同様に差し込んでみる。
しかし、どれもマイクロウージーには一致しない。
「そんな……まさか、配給ミスなわけ!?」
さっきまでの安堵感が一瞬にして消え、夕子の心に焦りと不安が忍び寄る。
――その時、夕子は弾倉の一つに挟み込まれた紙を見つけた。
何かが書かれている。
夕子はその紙を取り、開いて読み始める。
その文面は、夕子を絶望の淵に叩き込むものだった。
☆とっかえだまシステム☆
このマシンガンの弾は、他の誰かが持っています。
そして、その誰かが持っている銃には、この弾が使われます。
その人を探し出して、弾を交換しましょうね。
「……ふざけないでよっ!!」
夕子は弾倉を床に投げつけた。
無用の長物となった弾倉は、くるくると回りながら、床の上を転がって行った。
遅すぎるぞ、自分……(鬱
「とっかえだま」ネタは、以前から暖めていた物だったりするのですが。
そろそろ誰かが戦う頃合いかな……
そんなわけで、容量の都合上、次回の更新から新スレに移行したいと思います。
よろしくお願い致します。
「とっかえだま」ネタ…(・∀・)イイ!
>>831 ご苦労様です。そろそろ移行しましょうか。
おつかれさま