1 :
No.2:
掲示板に書き込みさせて頂いた名無しです。
スレ立て乙です!
おっつ。こっちでいいのかね?
俺が保守怠ったせいで落ちたのか?
確か容量が480を突破した場合はレス数が980を越えた時同様
一日程放置すると落ちる仕様だった筈
そのせいだろうね
驚きました。
まぁ、もうそんなにストック無いですけど、こちらでもよろしくお願いします。
こちらこそ宜しくどうぞの保守
今は即死とかないのか?保守
ある晴れた午後の昼下がり。
オレは妹とトランプで遊んでいた。
負けた方が罰ゲーム。勝負はババ抜き。
「はやくしろよ」
「う〜ん…どっちかな……」
「はやく」
「急かさないでよ……」
「まだか」
「こっちか…あーでも負けたら罰ゲームだし……」
「お前の負けはもう確定している」
「むっ!なによそれっ!!なら勘を信じてこっちだっ!」
緊張の一瞬。
「……オレの勝ちだな」
「あぁぁぁぁぁっ!!……そんなぁ………がくっ」
「んじゃあルール通り罰ゲームやってもらうぞ」
「なにをやらせるつもり……?」
「この旧スク水とネコミミとしっぽを身に着けて今日一日オレのメイドをやれ」
「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
「そしてまずは『お帰りなさいませにゃんっご主人様っ♥』ってオレに言う」
「こっ!こんなもの着ないっ!!それにそんな事言わないっ!!」
「なら『お帰りなさいませにゃんっ旦那様っ♥』でも良し」
「違うっ!!だから言わないってっ!!
だいたいスクール水着きたメイドなんかどこにいるのっ!!」
「旧スク水を着て主人を出迎えたって設定なんだよ」
「どんな設定だぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
それから一週間後。
行きつけのコスプレ喫茶に顔を出すと、
「お帰りなさいませにゃんっご主人様っ♥」
「あ」
妹がコスプレ喫茶の店員になっていた。
「Unlimited blade works!!」
ピコッ!
「うわっ!……なにするのっ!?」
「すまない。ゲームしてたらやってみたくなったんだ」
「あのねぇ……」
「剣は一本しか出せなかったけど」
「このピコハンが剣なの……?」
「そう。剣の代わり」
「こんなもんでもポカッとやられたら痛いよ」
「痛かったか?」
「痛かった」
「そうか悪かった。愛する妹とのスキンシップのつもりだったんだけど」
「あ……愛する……妹……」
「ちゃんと加減したんだけどな。怪我させたら俺の方が泣いちゃうから」
「な、なら……もっとやっても……いいよ……?」
「……ニヤリ。魔神剣双牙!」
ピコッ!ピコッ!
「…………(……愛する……妹……(恍惚))」
12 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/09/30(木) 16:21:33 ID:kPqFSqGe
保守
べっ別にアンタなんかの為に保守するんじゃないんだからね!!
普段は冷たい態度を取ってくる美少女妹に風邪をひいた時に看病されて
その時に心配したんだから……とか言われたら悶えそう
>>14 即興で書いてみた。
妹の名前をくれたら貼りますよ。
鮮やかながらもどこか無機質なケータイの着メロ。
その音を認知しながらも、どこから鳴っているのかもわからない。
やかましくて頭に響くので、とにかく止めようと手を伸ばそうとしたが、体が動かない。
「……?」
そこでやっと自分の状況に意識を向けることが出来た。
そうだ、俺は……。
「……起こしちゃったのね」
目を開けた俺の目の前には、妹の雅。
ぼんやりとした頭で、
「雅のケータイだったか……」
雅は少しムッとした表情を見せて、
「だからこうしてお兄ちゃんに謝ってるじゃない」
「あ……別に責めてるわけじゃないんだ。あまり頭が回ってなくてすまない」
妹は、兄である俺が言うのもなんだが美人な方だと思う。
しかし、それゆえに少し睨むような視線は時に冷たく痛々しく感じられて、それには凄く弱い。
この目を見せられたら、大体謝るのは俺の方だ。
とはいえ、妹に頭をさげるというのも少々バツが悪く、
「それより、ケータイはいいのか?鳴ってたみたいだけど……」
「こんなのいいの!どうせ、知らない番号からなんて」
俺のどうでも良い質問に対し、少し語気を荒げる妹。
俺はその言葉から、
「……相変わらず雅は、人気あるんだな」
「羨ましい?」
「まぁ、少しは」
妹にこういうことをいうのも小恥ずかしい限りだが、否定するのもどうかと思うので。
そんな空気を読んだ言葉に対し……固まる雅。
そして、
「お兄ちゃんのこと……私一人が好きなだけじゃ……ダメなのかな……?」
と、小さくつぶやいた。
そのつぶやきがよく聞き取れず、どう聞いたものかと悩んでいると
「そんなことより!人のケータイの心配なんかしてる場合?風邪引いて倒れたっていうから、早く帰って来てあげたのに……」
「……え、さっき見たいテレビがあっただけって……」
「そ、そんなこと……い、言ってない!!」
「そうだっけ……」
「お兄ちゃん、ほ、本当に頭、危ないんじゃない?もう少し寝たら?」
「そうかも……そうさせてもらうよ」
「うん、おやすみ」
「おやすみ」
お互いに儀式を終えると、そっと目を閉じた。
その直後に意識が遠のいていった。
「もう。ホントにバカ……私がどれだけ心配したと……」
と、うっすら涙を浮かべながら微笑む雅がみえたのは、恐らく気のせいだと思う。
───────────────────────
いや、ホントに何も考えずになんで、期待していただくほどのものではないのですが。
むしろ大仰にしてしまって申し訳ないくらいで……。
インスピレーションがはたらけば、またイメージをお借りして何か書きます。
遊星さんGJ!
>>17-18 ありがとうございます!!
冷たい感じの美少女妹は最高だ……
>>18 遊星さん乙
しかし冷たい感じの美少女妹か……
兄が女の子と仲良くしてるとこを目撃した時のこの妹の反応が気なるw
凄い反応を見せそうだがw
後、兄に好きな娘が出来たり、兄に好意を寄せる娘が居ても敏感に気付きそうだよね
嫉妬に苛まれるブラコン妹も良いものだ
あれだろ、兄と仲良さそうに喋ってるのが可愛い系の女の子で
兄は自分みたいな女はタイプじゃないのかと凹んだり
ジト目で見たり、鼻の下を伸ばしてみっともないって怒ったり
まぁ、兄の方は兄の方で美人な妹は自分みたいなタイプの男は
あんま好きじゃないんだろうなって遠慮したり
23 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/11(月) 04:40:37 ID:9NTu1YUk
お兄ちゃん……
24 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/11(月) 09:12:34 ID:Lqf1Xo2n
リアルに妹居るんだが。
誕生日にプレゼントと感謝の気持ちを言葉にされたらオレ、泣くかも知れん。
そんなことありえないんだがな、別に仲悪いわけじゃないぞ?
妹と言わずとも家族からありがとうとか真っ正面から言われたらかなり恥ずかしそうだなw
上にあるようなクール系美少女な妹に感謝の気持ちを言葉にされて言われたら素晴らしいね
妹「いつもありがとう…兄さん…」
ガバッ
シンプルイズベストか
29 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/17(日) 23:17:19 ID:mDv2iI/c
妹 この変態
>>29 それはそれでw
でもその妹は実は極度のブラコンなのですよね、わかります。
妹が照れながらバレンタインチョコを渡してくれたら
A「お兄ちゃん、えへへっ、はいっチョコレート!」
B「ぎ、義理なんだからねっ!勘違いしないでよね!」
C「恥ずかしいけど…兄さんにチョコあげる…」
D「あ、あの…兄様、バレンタインですので…だからチョコレートです」
>>32 BとCの合わせ技でw
AとかDも好きだけど
34 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/20(水) 20:58:53 ID:74au3Avs
E リボンを付けて 「私を食べて」
「そういうことは彼氏にしなさい」
ちょっと、勝手に携帯触んないでくれる?
マジ最悪なんですけど……
……待受が兄貴の写真だなんて恥ずかしいじゃん
>>34 妹「お兄ちゃんが居れば彼氏なんていらない……」
37 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/20(水) 23:58:23 ID:74au3Avs
兄 俺もお前がいれば彼女なんていらない
妹として生まれたという事には感謝している
けど、欲を言えば、同級生辺りが良かったな
幼なじみなんかだったら最高だったかも。
…ふふ
私の言っている事の真意、わからないでしょ?
・・・鈍感
お兄ちゃんは基本鈍感
42 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/21(木) 22:25:38 ID:KFwkiDaX
おにいのばか
兄さん!兄さんには恋人なんていりません!
私がずっと隣を歩いてあげますから。それで満足してください!
えっ?
…お、お前が恋人になったらどうするんだって…?
なっ、ななななっ!そ、そんなの…
きゃっ、ちょ、兄さ…あ、む、むちゅ……
>>43 そこで空気読んで積極的になる兄は珍しいなw
45 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/22(金) 19:41:53 ID:JlIJDa10
妹可愛いな妹
46 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/22(金) 23:44:22 ID:YPP+t7VR
「兄貴ー今夜お父さんとお母さん遅くなんだってさー」
↓あとは頼む
カレシとメシ食ってくるから二万出して、二万。早く。
「兄貴、聞いてんのっ!?」
居間のソファーでアグラをかいている兄貴に怒鳴りつけた
「わかってるって」
面倒臭そうに返事をする兄貴
「晩御飯どうするの」
「外でいいか?作ってもいいけど」
兄貴の料理か外食か…そんなもの、天秤にかけるまでも無い
「え、あ、兄貴の…」
くぅう。しかし、いざ言うとなるとやはり恥ずかしい
「あ。そういえばお袋達が、これで何か食えって言ってたの思い出した」
そう言いながらポケットから取り出したのは諭吉
「たまには外で食うかっ」
ノリノリな顔で、言う
「・・・・」
「おい、どうした?」
「…し…」
「うん?」
「死ねっっ!!」
「ぇえっ??」
_,,.. -‐- .、.._.
___ ,, / iヽ
,. ´ : : : : : ` 、 // | \
,.,,/: : : : : : : : : : : :\ //_____ | \
<,.: : : /: : |: : ハ: : |i : : :\ < / ̄−、 −、: : : : \ | \
/: : : ハ_ハ::ノ:ハ_} : : : : | Y: : | ・|・ | 、: : : : :\|___>
\_/| ─ 、 ─ 、 ヽ|: : |: : :| /:/ `-●−′. \|\| ̄ ̄ ̄
|: | ・|・ |─|: : |: : :| |/ ── | ── | :|:|
|: |` - c`─ ′ |: : |: : :| |. ── | ── | :| |
|:ヽ (____ .|: : |/ .|. ── | ── .| :| |
|_/ヽ ___ |_/ |ヽ. (__|____ .| :| :|
/ |/\/ l ^ヽ |: :|\ | :| :|
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_,,.. -‐- .、.._.
___ ,, / iヽ
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お兄ちゃんの手料理にドキドキする妹可愛い
『まったく風邪なんかひきやがって』
「ゴホッ、しょうがないじゃない…」
『今日はゆっくり寝てろ、な?』
「ええー!?デートは?!!」
『また行けばいいだろ?それよりも何か食べるか?』
「ぶぅ…食欲ないよ…」
『ダメ。食べなさい。お粥作ってあげるから』
「え、兄貴が作ってくれるの?大丈夫?」
『お粥くらいワケないだろ。任せなさい』
『できたぞー』
「卵入ってるじゃん!兄貴やるぅ」
『だから言ったろ?』
「じゃあ食べさせて(あーん」
『…ったくしょうがないな』
「おいしい、兄貴おいしいよ!」
『だろ?これなら独り暮らしも余裕だな!』
「そ、それは絶対ダメー!!」
「せっかくの日曜日なのに、出掛けたりしないの?あのさ、お兄ちゃん…友達いないの?」
「俺の部屋に無断で侵入して、アグラをかきながらゲームしてる奴に言われたくないな」
「まぁまぁ。私達の間に遠慮なんていらないでしょ」
「…そうだな」
俺が勝手にコイツの部屋に入っても、コイツは怒らない。ま、無断で入るなんて滅多にしないが
「それと、友達はいるからな。勘違いすんなよ」
「そうなんだ。まぁ、知ってるけどね」
「…はぁ」
「溜め息つかないでよ。それよりお兄ちゃん、コントローラー」
そう言って2コンにささっているコントローラーを俺に手渡す
「お前、日曜日は絶対これだよなぁ」
日曜日はいつも二人で何かしら(主にゲーム)している事が多い
そのせいか、俺はいつの間にか日曜日に予定を入れなくなっていた
「日曜日はお兄ちゃん攻略の日にしてるから…ね」ボソボソ
「え?」
「何でもないよ」
なかなか良いと思うけど、なぜかわからんが悲しくなってくるな
こんな妹がいないからだろう……って自分で書いたら哀しくなった(´・ω・`)
お前等…こんな時に美人な妹に慰めて貰いたいな
「兄さん」
校門を出ようとした時だった。
聞き慣れた声が俺を呼び止める。振り向くと、周りに居るほとんどの生徒達の視線を集める女の子が、そこに居た
「お前も丁度帰りか」
「はい。一緒に帰りましょう、兄さん」
そう言って早歩きで俺に近付き、袖を掴む
「今日は、逃がしませんからね」
「はいはい」
俺に向けられる妹の笑顔。途端、ヤジが飛び交う。
そりゃそうだろう。学校一と名高い女の子の笑顔を、今俺が独り占めしているのだから
「逃げないから、離しなさい」
「ヤ、です」
「何で」
「せっかく掴んだのに、話したくありません…」
ボソボソと呟く。よく聞き取れなかった
「…まぁいいや。行くか」
60 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/30(土) 22:35:38 ID:0nhsqIDP
キモいんだよ死ね
>>60 はっはっは。
このスレにいる時点で貴殿も仲間!
照れや恥じらいはご無用ですぞ!!
62 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/31(日) 00:04:42 ID:QavWRg/Y
いやそう妹に言ってほしい
(テレ)で
「馬鹿兄貴」
俺の部屋に断り無く入り、開口一番に罵倒。だが、いつもの事なので気にしない
「どうした」
「勉強教えてくれ」
素直に教えてやってもいいが、せっかくだ。馬鹿と言われた仕返しをしてやろうと、ちょっとした意地悪を思い付く
「すまん。俺は馬鹿な兄貴だから、人に何かを教えるなんて高等技術持ち合わせていないんだ」
「ぬ…」
「すまん、妹よ」
「じゃ、じゃあいいよ!一人でやるからっ」
流石は強情な妹
まぁこう切り返されるのはわかっていた事だ
「冗談だよ。意地悪して悪かったって。ほら、こっち来て座れよ。可愛い妹の頼みを断る訳無いだろ?」
「さ、最初っからそうしろっ。…全く」
悪態をつきながらもどこかしか嬉しそうに見える妹
「と、いうか可愛いとか軽々しく口にすんなっ。は、恥ずかしいだろっ…」
「可愛い奴に可愛いって言ってるだけじゃないか。そんな恥ずかしがるなよ」
「ま、また言った!私は別に可愛くないっ」
「いいや、可愛いね!絶対可愛い!可愛い可愛い可愛い可愛い!」
「〜〜っ!キモいバカ死ねっっ!!」
「顔赤くして罵倒しても可愛いだけだぞ」
「んなっ!!〜っ!」ズシッ!
鈍い音と共にスネに痛みが走る
「お、お前っなっ!あたたた…」
「ふ、ふんっ」
ちょっと違うか…?
あー妹欲しい
激しい口調なのにちゃんと萌えるってのが良いですね。GJ!
ちょこっと書いたのを貼らせてください。
―――――――――――――――――――――――――
「……なぁ透子」
「…………なに」
漫画から目を離さずに返事だけする妹。こっちを見なさい。
「いつまでそこで漫画読んでるんだよ」
「…………」
思いっきり無視。
俺のベッドの上でうつ伏せに寝転んで枕に両肘つきながら漫画読んで。
布団にまでしっかり入り込んでるし……
「それ貸してやるから、自分の部屋で読めよ」
「……やだ」
「何でだよ……」
「なんでも」
「俺そろそろ眠いんだって」
時計の針は十二時半。もちろん夜中の。
「……寝れば」
「寝ればって……、透子がそこにいたら寝場所が無いだろ」
「…………なら」
ぼそっと何か言ったと思ったら、
漫画を読んでるうつ伏せ体勢のまま器用にすすすっと横にずれた。
「はい」
「『はい』ってな……」
「スペース空いたよ」
確かに一人くらい寝られそうなスペースは空いた。
「ってーか、自分の部屋行けって……」
「やだ」
「じゃあ俺がお前の部屋で寝――」
「入っちゃだめ」
「何でだっ!? 寝る場所ねーじゃんかっ!」
「……だからここ」
人差し指でちょんちょんと隣を指さしてる。
しかもまた俺の方を見ずに……
隣ってのは言わずもがなさっき透子が横にずれた事で空いた布団のスペース。
「…………」
「…………」
こりゃ駄目だ。部屋に戻る気配全く無し。でも床で寝るの嫌だし……
心の中で舌打ちをしながら結局ベッドへ。そんで布団の中に潜り込む。
お、人肌に暖められてて温い。
「枕は返せな」
「……ん」
枕を奪い取り、自分の頭の下へ。
目下まで布団をすっぽり被って、透子に背を向けて、
「じゃあ俺は寝るからな、おやすみ」
「……おやすみ」
「…………」
ごそごそ
「…………」
もぞもぞ
…………寝ようとしたらゴソゴソモゾモゾ動き始めやがって……寝れん。
「あんまり動くなよ……眠れないだろ……」
「……ん、わかった」
……? 何か今、耳元のすぐま後ろで声がしたような、
しかも布団の中で喋ったみたいな、篭った声。
その場で少し寝返りを打って透子の様子を見ると、
「って、お前も寝るのかよっ!」
布団に入って目閉じていらっしゃる。俺の方向いて。
「…………」
俺の声にも目を開けずに無視。漫画読むんじゃないのかよ……
「寝るんだったら……って」
前にもこんな事あったな。
妹の不思議な行動から推測するに、
「もしかして一緒に寝たかったのか?」
「…………」
「ん? どうなんだ? んー?」
「…………ぐ」
お、透子のほっぺが少し赤くなったぞ。
「図星かね。はっはっはっ」
「……わ……わらうなっ……」
頬を赤くしたまま小さい声でぼそぼそ呟いて不機嫌風味。
まったく、一緒に寝たいならそう言えばいいのに、素直じゃないヤツ……
口は悪いけどブラコンで甘えん坊な可愛い妹好きじゃ
69 :
sage:2010/10/31(日) 20:41:22 ID:RLN/cJPB
えっへへ♪おにぃちゃん、トリック&トリートっ!だよ♪
>>69 妹よ、トリック&トリートではない。トリックorトリートだ。
71 :
sage:2010/11/01(月) 11:50:21 ID:PygU1eVX
>>70 お菓子はもらうけど、悪戯もしちゃうもんねー
そぉれ、こちょこちょこちょこちょー♪
>>71 ……い、妹のくせに……
く、悔しい……でも、悪戯されてる……
悪戯っ子な可愛い妹ゴクッ
そういえば最近妹モノのギャルゲーやってないな…
お勧めの妹モノギャルゲはありますか?
Canvas2とか
78 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/03(水) 03:56:59 ID:OCnXTNwd
カイジ
79 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/03(水) 17:00:18 ID:yhRyrdet
ガイシ゛
結婚した妹が式の席で両親に挨拶した後
「おにいもはやくゲーム卒業してね」ってリアルに言われたよ…
結婚もしてないメタボ体系だったし軽く鬱だぜ
>>80 「お前から卒業できない」って答えれば、煩わしい人間関係とおさらばできるよ
82 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/04(木) 03:00:46 ID:HkvpS4ER
俺はゲームを卒業した、なぜならヒロインが現実で俺を
迎えに来てくれたからだ
新参お兄たち、テンプレ読んで
84 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/04(木) 13:58:20 ID:veAltCdi
妹「そんな服装で大丈夫か?」
俺「大丈夫だ!問題ない!」
85 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/04(木) 23:00:56 ID:HkvpS4ER
警官 不審人物め猥褻物ちんれつ罪で逮捕する
俺 これはアートなんだ
86 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/05(金) 20:36:45 ID:/6BWsVUZ
エッチしよ
>>76 乃絵美だっけ?10年ぐらい前だからほとんど忘れたけど
病弱でサッカー部員に廻されて捨てられたウザキャラの印象しかないのだけど
89 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/11(木) 08:06:27 ID:/03EdR02
叩き殺すぞゴケブリと友達がいわれてますた。
「ゲテモノは美味と相場が決まってるもんだがな…」
風邪を引いた。看病してくれる人間なんていない。そりゃそうだ。
両親は他界し
同僚達は仕事バカ(…と言うのは失礼か)
地元の友人達は…皆疎遠になりつつある
親戚は…知らない。親父達の兄弟は仲が悪かったようで、交流は無かった
「ゴホッゴホッ。辛いなぁ」
こういう時に兄弟でも居てくれたらなぁ…とか考えていると、部屋に呼び鈴の音が鳴り響いた
(…誰だ?)
「はぁい、ちょっと待って」
重い体を起こして、玄関へ
ドアを開けるとそこには、一人の女の子(高校生くらいか?)と、スーツを着た背の高い女性がいた
両親を亡くした女の子。なんとその子は俺の従妹。隣に居る女性は弁護士かなにかのようだった
兄弟を欲した俺への神様からのプレゼントなのだろうか
(・・・なーんてな。…あほらし)
妄想お疲れ様。そう言いたいところだが
その日俺は本当に神様とやらに感謝する事となる
しまった
セリフじゃなくてシチュエーションだなこれじゃ
>>92 いや、俺は好きだぞ、こーいうの。
従妹が黒髪で前髪ぱっつんの後ろ髪セミロングでフレームレスの横長眼鏡で
言葉少ないけど優しくて臆病で自虐気味でちょっとソバカスを気にしてて
葬式中に誰の前でも泣いてなくて夜中に部屋の隅っこで声を押し殺して泣いてるシーン
には俺も目頭が熱くなった
妹「たとえ私がお兄ちゃんを諦めても第二、第三の私が・・・ぐあっ」
>>94 水乃「土子が死んだわ…自殺よ」
風華「ぶざまな事ね…兄は?」
水乃「幼馴染のあの女との仲を邪魔する妹が消えてほっとしているようよ」
火穂「ふふふ…土子はわれわれ妹の中でも一番の小物。妹の恐ろしさを知るのはこれからよ」
ジョジョ5部のプロシュートとペッシの関係でペッシが妹だったら結構萌える気がしてきた
あんなピザで最後ゲスな妹は嫌だ
真面目に嫌だ
98 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/12/16(木) 23:18:51 ID:QTiog/bO
保守
長年妹だと思っていた子が実は男の娘だったときの衝撃とか一度は味わってみたいな
妹(弟)の性別がわからないって
両親にどういう洗脳されてるんだ
お兄さん
「今日は悪かったな」
ある日の夕方、友人である石川真司の家の玄関にて。
「いや、こっちこそ。わざわざ持ってきてくれて、悪かった」
用事の内容を話せば実に情けないことで、取り違えた鞄を交換しに来ただけだ。
もちろん明日でもいいんだろうが、良心の呵責。というか小心者が考え過ぎたため、届けにきてしまった。
「あぁ、じゃあまた明日」
逃げるように別れのあいさつをする。
そう何を隠そうこの家には……
「あ、大野先輩だ」
「大野先輩、こんばんはー」
……玄関の奥から登場する友人の妹、しかも双子。
名前は忘れた。
もう手の指じゃ足りないくらい聞いてることだろうから、もう聞かない。聞けない。
「あぁ、久しぶり」
当たり障りの無い挨拶を返し、帰ろうとすると
「大野先輩、もう帰っちゃうんですかー?」
「唯奈ちゃん、ほら先輩にも……」
「そうかそうかー、それならしょうがない!」
……俺は何も言ってない。
帰してくれるなら何でもいいけど。
背を半分向けたままどうやって帰ろうか固まっていると、
「そうだ、大野先輩。ケーキいりませんか?」
「ケーキ?甘いモノは嫌いじゃないけど……」
どうして突然、という質問はできない。
石川に目で訴えたが、助けてくれなかった。
「そうですか、それは良かったです!余った材料で作ったので、ちょっと小さいですけど」
と言いながらも、2、3人分はありそうな丸いケーキを差し出す双子の大人しいほう。
石川と双子の元気な方はなにやら後ろでいい雰囲気。
「あぁ、ありがとう……」
相手の目は見えない。
だから長居はしたくなかったんだが。
「ケーキ温まっちゃいけないから、俺はこれで」
良かった。この眩しい領域から帰る理由が出来た。
───────────────────────
まぁ、もらった経緯はともかくとして、俺も甘いものは嫌いじゃない。
ケーキの箱をひょいとつまんで、家で待っていた妹、遥に見せてみる。
「え……!?」
笑顔が溢れ出ました。と言った風に、遥の口元が笑った。
「どうしたの、お兄ちゃん!?」
「いや、まぁ、いろいろあって」
細かく説明したくはない。というか、あの家でのことは思い出したくない。
「でもでも!お兄ちゃんがクリスマスケーキ買ってきてくれるなんて思わなかったなー!」
……クリスマス……?
不穏な気配に時計を見る。
三本の針の奥に、12と24という数字が見えた。
この暗号を解読するのはそんなに難しいことじゃない。
ただ、認めるのに時間がかかるだけだ。
「お兄ちゃんがその気になってくれるなんて、嬉しいなー!今日はお夕飯奮発しちゃおうかなー!」
やたらテンションの高い遥の声が、遠くで聞こえている。
珍しくはしゃぐ遥に水をさす勇気もなく、立ち尽くしている俺。
……俺もはしゃいでみる?
などと心にもないことを思ったところで、
「どうしたの……お兄ちゃん……?」
その目に疑惑をなみなみと抱えた遥。
それはどういう意味だい、妹よ。
「何が……?」
「冷静に考えたら、お兄ちゃんがクリスマスケーキ買ってくるのは変かな、って……」
……。
いや、落ち込むんじゃない俺。遥のいうことは正しい。
「いや……なんていうか……」
「なんていうか?」
遥の顔に落胆が現れ始めた。
「貰ったものなんだが……まさか今日がクリスマスとは……」
カッコ悪いと思ったが、ここは正直に言うべきだと判断した。
「そっか……そうだよね。お兄ちゃんは、クリスマスとか、嫌いだもんね」
あーあ、なんか変な空気になっちゃった。
「まぁ……とは言え、だ」
「え?」
「くれた人間も、遥もクリスマスケーキだと思ってたんだ。……俺もクリスマスケーキだと認めても、いい」
句点に一瞬のためらいを感じてもらえると有り難い。
「お兄ちゃん……」
「少しは成長したかね、俺も」
「うん。たまにはそういうお兄ちゃんも、いいかな」
どういう意味だよ。
「ねぇ、お兄ちゃん。今晩のお夕飯、少し頑張ってもいいかな……?」
「いいけど……そんなパーティ風を装ったって、俺はプレゼントは用意してないからな……」
「いいよいいよー!遥は、お兄ちゃんがクリスマスを認めてくれただけで嬉しい!」
……。
何か俺、随分圧制を強いてきたんだね……。
ものすごく遥に謝りたい気持ちで一杯だが、それがどれだけこの空気を壊すかは、俺でも分かる。
「じゃあ、今からお買い物行かないと!忙しくなってきたなー」
とはいえ、遥のテンションが止まらないのはどうしたものか。
「じゃ、お兄ちゃん。行ってくるね!」
呆然と立ち尽くす俺に一切気を使わず、マックスのテンションで去っていく遥。
さぁ!!テンションあげないと!!
……辛いな。
───────────────────────
お久しぶりです。
遊星史上最高速作品。内容はもうちょっと考えるべきでしたか。
まぁ、随分久しぶりなんでリハビリだと思って見逃してもらえれば。
遊星さんGJ!
>>105 遊星さんGJ!!
クリスマスはとうに過ぎてしまたがw
乗り遅れたぜ
気が付いたらクリスマスどころか、正月まで過ぎていたでござる。
弾には当たったわ、でもコレが助けてくれた
子供の頃に兄さんがくれた、このロケットが…
遊星ってセブンの欠番話から取ってるの?
ちょっと不謹慎じゃない?
何故不謹慎?被爆に関しての記述だけで判断したなら時期尚早だよ
別に遊星さんがそれを話のネタにしたわけじゃないし
ご両人、そんなことより義妹について語ろうじゃあありませんか!!
二次元では義妹も実妹も良い物だ
投下期待
アイドル+妹 という電波を受信したが、多分形にはならない。
アイドルの妹は芸能事務所の寮暮らし
仕事も忙しく逢えるのはごく稀
でおながいします
>>115 帰ってくるたび態度がぎこちなくなる妹
だんだん俺を避けるようになる妹
口をきいてくれなくなる妹
ゴミを見るような冷めた目でみつめてくる妹
ちょうどそのころだった
不倫、宿泊ネタに事欠かない流行のイケメン俳優と妹のスキャンダル記事を発見したのは…
いまの話と関係ないけど投下します
「おにいちゃん朝だよっ!ご飯だよっ!」
「……zzz……」
「おにいちゃん起きてっ!新学期だよっ!」
「……ん〜、犯人は〜お前だ〜」
「犯人じゃないよっ!彩奈だよっ!」
「ん〜、彩奈か〜……武器は装備しないと意味ないぞ〜」
「脈絡ないよっ!?」
「彩奈が一人、彩奈が二人、彩奈が三人、彩奈が四人、街中彩奈、彩奈王国……」
「なにそれ怖いよっ!?」
「うんごめん……」
「ほんとに寝てるのっ!?」
「……zzz……」
「こうなったら……フライング彩奈アタックだよっ!!」
「……zzz……げふぅっ!!」
「おはようなんだよっ!」
「ん〜おやすみ〜」
「寝ちゃダメなんだよっ!?」
「あと五時間〜」
「寝すぎなんだよっ!?早く起きないと彩奈も怒っちゃうんだよーーーーーー!!」
「ううん(ぐいっ」
「ふぇっ!?あっ、ちょっとおにいちゃ……ふぁぁぁぁ……」
「……zzz……(あ〜なんかこの抱き枕気持ちいいし暖かいな〜)」
「ち、遅刻……しちゃうんだよ……(あう……あ、朝からこんな……おにいちゃん……)」
「……zzz……」
「って、遅刻はダメなんだよーーー!!」
(注、結局二人は遅刻しました
終わりです
ちなみに、彩奈の口癖の『だよ』はいつのまにかデフォルトになってました
あと、本当だったらもう少しあったのですが、改行が多すぎるとのことで泣く泣く削りました
乙っす。
次回も期待してますぜー
>>121 脳内で勝手に声が聴こえてきたから困る
必死に体全部で動いてても効果音はパタパタって感じが可愛いw
126 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/02/07(月) 17:46:30 ID:Cm0+LZsb
投下期待
どうもっす、投下しますっす
「おにいちゃん、彩奈だよっ!帰ってきた彩奈だよっ!」
「いや、お前が帰って来たのは昼過ぎだっただろ?もう夕方だぞ」
「そういう意味じゃないんだよっ!りたーんずだよっ!」
「……そうか、それはよかったな」
「はっ!おにいちゃん、なんでそんなアレな人を見る目に!?」
「ソンナコトナイヨ」
「不自然!不自然だよっ!おにいちゃん!」
「まあ、彩奈はときどきおかしくなるからなぁ……」
「おかしくないよ!これが普通だよ!」
「そうかそうか、それならイインダヨ」
「うにゃーーーーーーーー!!」
(閑話休題)
「おにいちゃん、お腹空いたよ。そろそろ夕ご飯にしようよ」
「ん?もうそんな時間か。じゃあ、今日はなにが食べたい?」
「う〜ん、なににしようかなぁ」
「なんでもいいぞ」
「う〜ん……じゃあ、オムレツが食べたい!おにいちゃん特製のチーズオムレツ!」
「オーケー、ちょっくら作ってくる」
「なにか手伝うことない、おにいちゃん?」
「彩奈はそこにじっとしててくれればそれだけで十分だよ(彩奈はしばしば台所でテロを起こすからな……)」
「え!?う、うん。ほ、本気でじっとすることなら彩奈の右に出る人はいないんだよっ!任せておにいちゃん!(じっとしてるだけでいいって、そこにいてくれればそれでいいってことだよね。つまり、すたんどばいみーってことだよね……おにいちゃん……)」
「わ、わかった。じゃあ頼むな(なんか、すごい誤解をされている気がする……しかも、彩奈がなんか気持ち悪い眼差しを向けてきている……)」
数十分後
「ほら、出来たぞ彩奈(彩奈の様子は……っと)」
「……あはは……つかまえてごらんなさいなんだよ〜……あはは……」
「…………!!(なにこの子、すごい怖い!)」
「あ、おにいちゃん!ご飯できたの?」
「あ、ああ、出来たぞ(ビクビク」
「やったぁ!愛情たっぷりのご飯だね!」
「そ、そうだな……(あ、愛情……!?や、やばい!うちの妹、本格的に頭がアレになってきてる!)」
「らん、らんらららんらんらん、らん、らんらららん」
「……っ!!(ビクッ!!」
「どうしたの、おにいちゃん?手、震えてるよ?」
「あ、ああ、気をつけるよ……(もしかして、学校でなにかあったとか……?だとしたらどうする……?いや、今この家には俺しかいないんだ……。俺がなんとかしないと!)」
「うん?おにいちゃんどうしたの?」
「彩奈……そこに座りなさい(彩奈!俺はやるぞ!あとは俺に任せろ!)」
「い、いきなりどうしたの?そんな真面目な顔して……あ!(ま、まさか、愛の告白!?)」
「大事な話があるんだ。聞いてくれるか?」
「う、うん……(ど、どうしよう!なんて答えよう!『兄妹でも関係ないよ!彩奈はおにいちゃんが大好きだから!』かなぁ!ああ〜どうしよう!)」
「彩奈、俺と彩奈は家族だよな」
「う、うん、モチのロンだよ!(きちゃう!?とうとうきちゃう!?)」
「だからな、悩み事があるなら遠慮なく言っていいんだぞ」
「……へ?」
「俺たちはたった二人の兄妹なんだ。だから、なにか困ったことがあるならいつでも言ってくれ。絶対力になるから、な?」
「…………(わたしの勘違い……?)」
「ん?どうした、彩奈?」
「…………(…………)」
「彩奈……ってすげぇ無表情!ほんとにどうした!?」
「ナンデモナイヨ、オニイチャン」
「なんか変なこと言ったか!?俺!」
「ゴハンサメチャウヨ、ハヤクタベヨウヨ」
「彩奈!?彩奈ーーーーー!!」
(注、彩奈はこのあと小一時間戻りませんでした
終わりっす
バレンタインにも投下するつもりで、今必死に書いてます
では、これで
イイヨイイヨー
>>130 ナウシカを急にハミングしてあっち側にいっちゃってる脳が暖かな彩奈が超可愛いw
134 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/02/11(金) 23:55:28 ID:GN34Y8Ce
投下期待
>>130 彩名可愛いな。
なんか心が暖まったよ…。
ありがとう。
どうもです
バレンタインなのでとーかします
「おにいちゃん、彩奈は今日、友達の家に寄ってから帰るんだよっ!だから遅くなるんだよっ!(今日はバレンタイン!おにいちゃんのために、愛情をたっぷり込めたチョコを送っちゃうんだよ!)」
「…………!!そうか……。よし、わかった。何時くらいに帰ってくるんだ?(そうか……彩奈ももうそんな年か……。もう中二だもんな……。彼氏とバレンタインにデートくらいはするよな……)」
「う〜んと……(学校終わって友達の家に着くのが四時くらいだから……二時間あれば充分かなっ!)……六時までには帰るんだよっ!」
「六時か、わかった。遅くなる時はメールしろよ?(六時か。意外と早いな。ま、中学生同士ならそんなもんか……?)」
「モチのロンだよっ!じゃあ、行ってきま〜す、だよっ!(えへへ……今日でおにいちゃんとの距離を一気に詰めて……うへへ……)」
「おう、行ってらっしゃい(よっぽど楽しみなのか、すげぇにやけてるな〜。にしても、彩奈に彼氏がいたのは初耳だったな……)」
「……うふふ……えへへ……ふひひ……ククク……(……自主規制……)」
「さて、俺もそろそろ出ないと遅刻しそうだな」
おにいちゃん学校にて……
「よう、白凪改めナギー!見ろよこのチョコ!さっき昇降口で会った栗枝先輩に貰ったんだぜ!羨ましいだろう!」
「俺は別に……」
「嘘つくなって!正直に言えばちょっとくらいなら分けてやらんでもないぜ!」
「いや、ほんとにいらない。これ以上あっても困る」
「またまたそんな見栄張っちゃって……って、あれ?そのカバンから溢れ出している四角い物体はナンデスカ……?」
「チョコ」
「…………」
「…………」
「……ま・じ・で……?」
「……マジで」
「……………………う、」
「……う?」
「うわああああん!ナギーの馬鹿やろーーーーー!お前の母ちゃんメータボーーーーー!あとチョコ寄こせ!!」
「俺の母さんはけっこうスリムだ。チョコは欲しけりゃ好きなだけやるよ」
「ほんとか!?」
「ああ、俺は甘いものは好きじゃないんだ」
「いやっほーーーーーう!ナギ様感謝!!」
「……人の貰ってそんなに嬉しいのか……?」
「貰えるチョコは貰っとく。これ、常識!」
「そうか……。まあ、俺は彩奈から貰えれば充分だからな……っつっても、たぶん今年も市販のビターチョコだろうがな」
「相変わらずのシスコンだなーナギーはー」
「ほっとけ」
「まったく、なんでこのシスコンがこんなにモテるのかねぇ?世の中は理不尽だ」
「文句があるならチョコ食わせないぞ」
「あ、いえ、なんにも言ってませんでござるよ?ふぇっふぇっふぇ……」
「まったく……」
その頃の彩奈……
「ねぇ、彩奈」
「なぁに、雪ちゃん?」
「彩奈は、誰にチョコ渡すの?」
「えへへー、彩奈はおにいちゃんに渡すんだよっ!」
「クラスの男子たちには、あげないの?」
「うん!彩奈はね、おにいちゃんにしかあげないんだよっ!」
「なんで?」
「だって、彩奈は料理が苦手だからそんなにいっぱいチョコ作れないもん!」
「……チロリチョコを渡そうとか考えなかったの?」
「うん!だって、市販のチョコを渡すなんて失礼だよっ!」
「……わたし、クラスの男子一人にポツキーを一つずつあげたんだけど……」
「えー!雪ちゃんひどいんだよっ!!本命の人にもポツキーあげるの!?」
「えっ、いや、ハルにぃにはちゃんと手作りを……って、あ……(カァァ///!」
「わ〜、雪ちゃん顔真っ赤なんだよ〜!かわいい〜!」
「……彩奈うるさい……。ハルにぃはただのお隣さん……」
「わ〜、わ〜、照れてるんだよ〜!」
「いい加減にしないと、台所貸してあげない」
「あっ、ごめんなさいだよっ!もう言わないから貸して欲しいんだよ〜!」
「まったく彩奈は……。チョコの作り方も教えてあげるわ。彩奈は爆発物を作るのが上手いから……」
「ありがとうだよっ!雪ちゃんっ!!」
「ひぁっ、ちょっ、抱きつかないで……」
そして6時数分前……
「おにいちゃんただいま帰ったんだよっ!」
「おう、おかえり彩奈……ってあれ?なんで私服になってるんだ?」
「カバンの中に入れて持ってってたんだよっ!それで、雪ちゃんの家で着替えさせてもらってたんだよっ!(今日こそは本気でいくよっ!おにいちゃん!ちゃんと勝負ぱんつも装着済みなんだよっ!これはおにいちゃんとの勝負なんだからっ!)」
「へえ、ちゃんとお礼は言ったか?(ま、制服でデートは普通しないよな)」
「とーぜんだよっ!それより……おにいちゃん(今日の彩奈はほんきもーどなんだよっ!)」
「ん?なんだ、その包みは(……なんか、ヤバイ気配がするな……)」
「へへ〜ん、チョコだよ!!(しかも手作り!)」
「お、おう、毎年毎年ありがとな……(まさか……手作り!?……彩奈から手作りのチョコは嬉しい。だが……こいつはとんでもなくヤバいぜ……!!)」
「どういたしましてなんだよっ(これでおにいちゃんの心を鷲掴みしちゃうんだよっ。そしてそのあとはめくるめく大人の時間………………えへへ………………)」
「…………!!(彩奈がまた!?本当に大丈夫なのか?……あ、今日のデートを反芻してるとかか?……いや待て、今日の放課後はチョコを作っていたんだよな。じゃあ、デートの時間はなかったのか。じゃああのにやけはなんだ……?よだれも垂れてるし)」
「…………えへへ…………(兄妹としての一線を超えた彩奈とおにいちゃんは世界初の連立総理大臣となって日本中……いや、世界中から祝福されて……)」
「…………!(ぽむ。(閃いた!彼氏にバレンタインチョコを作り、それでそのオマケとして俺のが作られたのか!納得の理由だ……。それなら、平気かもしれない。彩奈は気合を入れれば入れるほど料理が凶器になるからな……)」
「…………っは!(あれ!?フラダンスを踊っていたおにいちゃんは!?……って妄想だったんだよ……)」
「彩奈、手がフラダンスの動きになってるぞ……っと、それより、チョコ食っていいか?(彩奈のチョコの味が気になるな。ヤバい感じはするが、別に本命があるなら安心できるな)」
「大歓迎なんだよっ!(今日のチョコは自信があるんだよっ!なんせあの料理上手な雪ちゃんに指示を仰ぎ、さらに彩奈が個性的な味付けにしようと頑張ったからなんだよっ!)」
「にしても、ついでとはいえ嬉しいな。彩名から手作りチョコが貰えるなんて(さすがに個性的な味付けにしようなんて思わないよな、チョコは)」
「ふぇ?ついでって?(……あれ?なんか反応が変なんだよ?)」
「だって、彼氏のために作ったチョコのついでなんだろ?(じゃなきゃ、手作りなんて彩奈じゃあり得ないし)」
「彩奈に彼氏なんていないんだよ!?(どうしてそういう発想になるんだよっ!?)」
「え?……じゃあこれは……まさか……(究極の毒物である可能性が……!?)」
「…………(ゴゴゴゴゴゴゴゴ……」
「…………(ヤバい、これ食ったらマジで死ぬかも……!)」
「おにいちゃんのために必死に作ったのに……(勘違いするなんて……)」
「え、あ、すまん彩奈。俺、今あまり食欲ないからこれやっぱ後で食うわ……(ばれないように処分しないと……ってあれ?彩奈の様子が……?)」
「おにいちゃんのばかああああああぁぁぁあぁあぁぁあああぁ!!(ドガッ」
「ムグッ!?(なっ!?チョコを口に押し込まれ……あ、なんかお花畑がみえる……?)」
「もうおにいちゃんなんて知らないんだよっ!!!」
「………………(あゝ、こんなに綺麗なお花畑は初めて見る。まるでこの世のものとは思えないな……)」
(注、おにいちゃんはこの後なんとか一命を取り留めました
終わりです
なんか、回を重ねるごとに完成度が低くなってる感じがしますので、次回はできる限りいいものを投下したいと思ってます
ちなみに、学校でのおにいちゃんは自宅にいるとき(彩奈と一緒にいるとき)と違ってクールキャラです
≫142
GJ!
俺もこんな妹欲しいな
空から降る白い何か。
その白い何かは、そこかしこに降り積もって白い膜を作っている。
雨とは違うこいつの扱いに慣れていない人間にしてみれば、
ここは進むべきところなのか待つべきところなのか。
もしこれが、ホワイトバレンタインとやらを望む人間の願いが叶ったとするなら、
俺はそいつに謝ってもらう権利はあると思う。
「はぁ……」
ため息が空気を異常なほど白く染めた。
「今、お兄ちゃんが考えてること、当ててあげようか?」
ため息の流れて行って向こうに妹、遥の意地悪な笑顔。
「必要ない。絶対に当たるはずだ」
「うん、自信ある」
こんな状況でも、微笑を絶やさない遙に、少ししかめ面。
「まぁまぁ。全部終わってからなだけ、良かったんじゃない?」
「今日に関しては、そのポジティブシンキングを採択しよう」
自分でも何だかよくわからないが、本命チョコとやらをよく貰う。
……俺にしてみれば、全てが俺にドッキリを仕掛けるための悪戯だと思っているが。
恋愛事なんか、俺には無用の世界だと思っていたが、どうもそうではないようだ。
とはいえ、長年の教育の賜物。拒絶反応はそうそう消えるもんじゃない。
「それにしても……」
「どうしたの?」
「今年は……何だか、俺にチョコを渡した後の反応が少し変な気がして」
「どういうこと?」
遥が少し興味を持った口調で尋ねる。
「なんていうか、みんな無口になる」
「無口……?黙ってるってこと?」
「ああ」
俺の肯定に、顔を曇らせる遥。
そして、苦い顔で、
「一個心当たりある」
「へぇ、どんな?」
俺の流れを壊さない疑問に、遥は少しだけ微笑みながら
「その前に、お兄ちゃん」
バッグから小さな包み紙を取り出して、
「遥もチョコあげるね」
俺に差し出す。
妹とは言え、チョコを貰うのはやはり慣れない。
少し照れながらも、それを受け取ると
「今年も余らせたか」
少し皮肉のつもり。
「うん。余らせちゃった」
……。
他愛もない返事で終わる、はずだった。
油断した瞬間、遥の顔が俺の目の前に。
抜群の反射神経を発揮。遥の額を手のひらで押し返す。
「な、なにをっ!!?」
「多分、みんなこれがしたかったんじゃないかなー」
あー、女って嫌い!!
遥の思わぬ攻撃に少し胸の奥から込み上げてくるものが。
吐き気なんですが。
「ごめんごめん。晩ご飯、お兄ちゃんのリクエスト聞いてあげるから許して?」
「まったく……俺以外のヤツにこんなことしたら怒るからな」
妹の遊女っぷりを心配しての一言。
「え……?」
「ん?」
「えと、えと……うん」
あまり勢いがなくうつむく遥。
……。
え、何、この間は!?
何だかその気まずさに目をあげると、
「あ、だいぶ雪も治まってきたみたいだな。帰るか」
「うん!」
歩き出す俺の隣に並ぶ遥。
流れだす遥の鼻歌。
「〜♪」
「……古い歌だな」
「うん、最近リメイクされたんだよー」
「なるほどね……」
わずかに白く染まる町並みに漂うどこかで聞いたメロディ。
この歌の正体をサビまで気付かない俺。
俺が自己嫌悪に陥るまでのカウントダウンは、そんなに長くない。
───────────────────────
まぁ、端的にいうと、返り討ちですか。
テレビで渡り廊下をどうのこうのする人たちを見たんで、書いてみたんですが、
リハビリもすんでない状況でさらに酔っぱらい、まともな文章を期待しちゃいけませんね。
じゃあ、またいつか。
遥ちゃん、おぢさんにもチョコくれ〜〜〜〜!!!!
148 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/02/19(土) 23:37:47.11 ID:V6ZYjuKc
俺の妹(中3)は,俺のことを「名前+ちゃん」と呼ぶ。
なんでも,親の話では,俺が「お兄ちゃんって呼ぶな」と,
小学生の頃にマジギレしたらしい。(妹とは年子)
今からでも,6.7歳の自分をなぐりたいorz
>>148 逆に考えるんだ、無数にある呼び方の選択肢の一つを失った・・・と
あと遅くなったが、遊星さん魔王さんお疲れ様です!2828が止まりませんなぁ
お題と軽い設定あればたまには書いてみるけど
ボクっ娘で、激甘なヤツを。
>>150 兄は気付いて無いがブラコンな美少女妹で
兄に仲の良い女の子が出来て嫉妬みたいな話が
言い出しといて何だが週末まで待っちくり
何時までも待ちますよ〜気長に頑張ってくりゃれ
156 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/02/26(土) 21:43:30.49 ID:mJdekzrv
期待
ブラコンで綺麗な妹に優しい言葉をかけてもらいたい
158 :
お待っとさん:2011/03/01(火) 01:13:22.03 ID:GIocbIyW
ボクは良く“男の子みたいだね”と言われる。
特に気にしたこともないけど言われてみればそうなのかもしれない。
髪を伸ばしたこともなければ私生活でスカートを履いた記憶も薄い。
『うーん、確かに言葉遣いは多少そうかもしれんがなぁ』
横に並んで下校する兄は気にもしないようでおざなりな返事だ。でも、
『お前がそう言われてるのは知ってるよ。でもまぁ、お前は可愛いから安心しろ!』
ボクの髪をなでながら屈託のない笑顔を見せてくれた。
ボクはこの笑顔が大好きだ。ボクにとっての“幸せ”とは兄のこの笑顔なんだ。
「ねえ、明日休みだしどっか行こうよ?ボク誕生日なんだよ?」
そう、明日はボクの誕生日。この喜びを一番好きな人と分かち合いたい。
兄ならボクのこの気持ちを分かってくれると思う。ボクに幸せを分けてくれると思う。
『ああ・・それなんだけど・・』
ボクの期待に背く歯切れの悪い兄の言葉。
『悪い。明日ちょっと用事あるんだ』
バツの悪い兄の顔、こんな顔を見たのは初めてだった。なんだろう、ボクもそれ以上は追及できずに口をつぐんでしまう。
お互い気まずい雰囲気の中、言葉を交わせずに。
日曜日、ボクは独りで街に出た。兄はすでに出かけてしまったようだった。
せっかくの誕生日・・・しかしボクの気分同様、天気はどんより。
一緒に観たかった映画も主人公とヒロインのハッピーエンドにボクの気は滅入るだけ。
映画館を出ると外は雨模様。ボクは向かいの喫茶店に駆け込む。
二人で映画を観たあとは決まってここでお茶を飲む。
ボクはいつもどおりミルクティーを注文し二階へ上がるがいつもの壁際の席にはカップルが既にいて楽しげに談笑していた。
しかたなくボクは窓際の一人掛けスツールに座り楽しげな雰囲気に背を向ける。
窓から見える風景はたくさんの人々。
男の子を肩車する家族連れ、笑いあう友達どうし、ひとつの傘にはいる男女。雨の中でもみんな楽しそうだ。
こんなにたくさんの人がいても誰もボクに気づかない。まるでボクだけ取り残されたよう。
本当はボクも後ろの席で楽しく過ごしているはずたった。はずだったのに・・・
もう帰ろう、このぶんだと雨はやんでくれそうにない。
冷え切ったミルクティーを飲み干しボクは店を出る。しかし雨の中を歩く決心もつかず店の入り口でしばらく呆けていた。
よどみなく流れる人々をただぼんやりと眺める。
ふいに目に飛び込んできたのは兄の姿。ボクの知らない女の人と歩く兄の姿。
向かいの通りを歩いている楽しげな姿。その姿は通り沿いにある雑貨店へと消えていった。
ボクの視界がモノクロームに反転した。
ボクは駆け出していた。なぜかは分からない。ただ、その場にはいたくなかった。
家に着くころにはすっかり濡れてしまっていてボクはそれを脱ぎ捨てベッドにもぐり込んだ。
ふいに涙があふれた。ああ、ボクはショックだったんだな。ボクより知らない女の人を選んだ兄に。そんな兄に激しく嫉妬した自分に。
もちろん兄が女の人と遊びに行くのは自由だ。ボクは兄の恋人ではない、ただの妹だ。分かってる。でも兄が取られたという事実にボクは打ちひしがれた。
兄がずっと自分のものだと自惚れていたボク自身もたまらなく腹立たしい。涙が止まらない。
ひとしきり泣いて涙も枯れた頃、兄が帰ってきた物音がした。
その足音はそのままボクの部屋の前で止まりドアをノック。
ボクは返答もできない。
『おーい入るぞー・・・うわっ真っ暗じゃないか』
ボクの部屋に入った兄はまるで茶化すような口調だ。
『寝てるのか?風邪でもひいたか?』少し声のトーンが下がる。
『どうした?』とベッドの横にかがみ、ボクの髪をなでる。
「やめて!」体を覆う激しい嫌悪感にボクは兄の手を振り払ってしまった。
さすがに驚いただろうけど兄は一瞬、間を置いてからボクのベッドの端に腰掛けた。
『なぁ、俺なんか悪いことしたかな?今日一緒に遊びに行けなくて怒ってるのか?』
優しい口調。ボクは何も言えない。
『俺が悪いことしたなら謝る、何があったか教えてくれないか?』
ボクは何も言えない・・でも兄を困らせる権利すらボクにはないのだ。単にボクが自惚れていただけなのだから・・・
「・・・が・・・と・・・の・・見た」
『うん?』とぼけたふうに。ボクの気も知らないで。
「お兄ちゃんが知らない女の人と歩いてるの見たの!」つい大声を出してしまう。
兄は困った顔をしたかと思いきや、ふっと優しい顔になり小さな箱をボクに押し付けてきた。
「・・・これは?」情けない、ボクの声はガラガラしている。
『開けてみな』とボクに開けるよう促す。
小さな箱の中には可愛らしいクローバーのネックレスが入っていた。
161 :
終い:2011/03/01(火) 01:21:45.59 ID:GIocbIyW
「これって・・・」
『誕生日プレゼント。今日買ってきたんだよ、ちょっとは女の子っぽくなるかなと思って。』
『大変だったんだぞコレ選ぶの。俺こういうの良くわからないし』
頭を掻きながら照れくさそうな申し訳なさそうな表情。
「じゃ、じゃあ、あの女の人は?!」
『俺が無理言って付き合ってもらったの。女の子の店に男一人じゃ入りづらいだろ。』
そうだったんだ。ならボクの・・・そうならボクの・・・
『誤解だよ。今日はお前のプレゼント買いに行っただけなんだから』
兄の言葉を聞いてボクはへたり込んでしまう。やれやれという兄の顔。
兄はへたり込んで動けないボクの後ろからクローバーのネックレスを付けてくれた。
『うん、良く似合ってるよ。・・あのな・・・俺はな、お前が思ってるよりお前を大事に思ってるんだからな』
そう言うとボクを優しく抱き締めてくれた。
『ごめんな、心配させて。ホントごめんな』
ボクを強く抱き締める腕。
ボクはその腕の中で涙があふれて止まらなかった。
駄文のくせに遅くなりました
>>151 あとなぜかいつも妹が語り手になってしまうw
まぁいいやw
>>162 やばい可愛いっ!乙です。 こういう話を見ると優しい気持ちになるな。
166 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/03/05(土) 03:18:34.22 ID:Ay5b7WGQ
乙
167 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/03/07(月) 20:19:53.62 ID:v0tZyIzn
保守
気長に待てるんならリクエスト受け付けるよ
>>168 黒髪ロングでクールで兄に冷たいと見せかけて
実は極度のブラコンで嫉妬も凄いというテンプレなリクエストを……
でも好きなんです
みんな無事か?
そこまで人の居るスレでないから心配だ
171 :
168:2011/03/14(月) 05:38:44.34 ID:EfLh1Mt+
実は東北地方のとあるライフライン従事者。てんやわんや
災害派遣参加自衛官ですが、本当ヤバいっす…
燃料足りなくて物質も輸送できないし、こうしてる間にも被災者の方は辛い思いをしてるんだよなあ…
>>173 お疲れ様です。私のほうは一段落しました。
テレビでよく見る“被災”ってのを初めて体験したなぁ
>>174 お疲れさまでした!そして、ありがとうございます。私の方は、しばらく落ちつきそうにありませんね。
いまいる場所は食料、毛布、オムツ、薬等、無い無い尽くしですし、それにより、皆さん肉体的な面ばかりでなく、精神的にも疲労が蓄積していますので。
現状、私の部隊に出来る事は、燃料がある限り、少しでも多くの物資を輸送し、避難所の皆さんが、健康的な避難所生活を営めるように支援する事くらいです。
大した事の出来ない自分が歯痒くてしようがないですが、今やっている事が自分に出来る最高の仕事だと言い聞かせ、全力で頑張ります!
「むぅ……」
コーヒーを飲むのは今日で何度目だろうか。
ブラックコーヒーを何杯飲もうと収まることのない眠気と疲労を気力で黙らせながら、
よろよろとキッチンから這い出てリビングへ。
俺に背を向けたソファーの向こうに、妹、亜彩美の後ろ姿が霞目の向こうに確認できた。
「いつのまに」や「何しているんだろう」などの疑問は浮かんだが、それを問題にするほど気力に余裕はない。
黙って通りすぎようとすると、
「お兄ちゃん」
肩越しの亜彩美の顔。
その顔には、何時も通りというべきか表情が希薄。
「どうかしたか?」
何も考えずに発した言葉に。
「……」
対抗したつもりだろうか、何も言葉を発しずに自分のとなりのソファを軽く叩く。
「なんすか」
亜彩美とは長い付き合いだ。
この状態の亜彩美に何を言っても無駄であることは織り込み済み。
亜彩美の手前よろよろするワケにも行かないので、出来る限り背すじを伸ばして自分に用意された席に向かう。
「何か用事?」
この言葉から、できるだけ手短にというニュアンスは伝わったろうか。
「目、閉じて」
「目?あぁ……」
「力抜いて」
「抜いた」
肩でも揉んでくれるつもりだろうか、目を閉じて力を抜いた俺の肩に亜彩美の小さな手が乗っかる。
そして、
「え……!?」
両肩に力が加わり、真横に投げ出される俺の上半身。
痛くはないが、この態勢は……。
「お兄ちゃんに1分間だけお休みあげる」
下から覗き込む、穏やかな亜彩美の微笑。
「別に疲れてないって」
「疲れてるように見える」
見栄張るのも限界だったか。
軽く欠けた男のプライドが反論を続ける。
「亜彩美にだけは心配させたくなかった」
「いいよ、そういうのは。だからムリしないで」
「ムリはするよ。俺だって、色んなもん背負ってんだ」
「うん、分かってる。亜彩美が何も出来ないのも分かってる。だから応援するだけ」
逆光の向こう。
亜彩美の顔が数パーセントだけ緩んだのが見えた。
「頑張ってね」
「当然。色んなもんの為だもの」
「そう。じゃあ、休憩おしまい」
亜彩美が上半身を起こすのを手伝ってくれ、俺の休みは終わった。
「あ、お兄ちゃん」
「何?」
「コーヒーぐらいなら、淹れてあげてもいいんだよ?」
「……三時間後に頼むわ」
「了解」
無表情に見える亜彩美の笑顔。
しかし、よく見れば、ちょっとニヤニヤをかみ殺しているようにも見えた。
「自分だって無理してるのに」
ドアを閉めてからつぶやいた後、一気に階段を駆け登った。
───────────────────────
妹に言われたいセリフスレってそんな凄い人も読みに来るようなとこだったのか……。
こんな糞台本に時間を費やしてる場合じゃないかもしれないですが、
僕がここで出来ることはこんなことしかないんで……。
勇者お二方の活躍と無事を祈っております。
178 :
175:2011/03/18(金) 00:53:09.41 ID:m+790fRk
>>177 現在、宿舎のベッド内から書き込み中です。随分チャチな勇者ですが、ありがとうございます!
実は昨日、物資を輸送に行った際に、自分の妹(小3)と同じ年頃の女の子から「お兄ちゃん、フラフラしてるけど大丈夫…?私達の為に頑張ってくれてありがと♪でも、無理したらダメだよ♪」と、お言葉と左手による敬礼をいただきました。
実際、連日の救援活動で、体力的には疲れ果てていましたが、「ありがとう!お兄ちゃんは大丈夫だよ!」
そう心の底から言葉が出てくると同時に、今まで誰にしてきたよりも、魂を込めた返礼をしていました。
被災者皆さんの為に、そして大人でも自分を見失う者がいる状況下において、他人を気遣う強さをもった小さな女の子の未来を守る為に、明日以降も頑張ろうと思える出来事でしたね。
長々と失礼しましたm(__)m遊星さん、GJ!癒されました。
>>174 被災されたのですね
ご苦労様です、一段落という事なら当面は安心?ですかね
>>176-177 遊星さん乙
これは可愛い
>>178 マジでお疲れ様です
妹さんの年齢を考えるとかなり若い隊員さん?
多分最前線で一番忙しいと思いますが身体に気をつけて頑張って下さい
何とかお休み頂きました
ウチが扱ってるライフラインも全面復旧で落ち着いたので
被災したといっても自宅は被害無しです(停電のせいで大事にしてた熱帯魚が全滅したけど…)
ただ会社は海沿いにあるので津波を被って大変でした
地震発生から帰社する間、車やら街路樹が道路に散乱してメチャクチャでしたが今は落ち着いてます
やっとテレビ見る余裕が出来ましたが災害派遣の自衛隊が映し出されて頭が下がります
大変な状況かと存じますがくれぐれも御慈愛下さいませ
それと遊星殿GJです。私も皆さまの慰めになるよう少しずつ書いていこうかな、と
181 :
178:2011/03/18(金) 22:28:01.15 ID:m+790fRk
>>179 今年22になります、三等陸曹(早い話下っぱ)です。
お気遣い感謝します。自分の方はともかく、実家が宮城で、家族と連絡が取れないのが気掛かりでして…家族が無事でいてくれる事を祈るばかりです…
>>180 自宅が無事で何よりです。自分の方は、地元の友人に聞いたところ、綺麗に流されてしまったらしいです…
182 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/03/26(土) 04:35:45.76 ID:doRtEGQJ
保守
あの電話を受けた瞬間から、私の心のなかの何かに埋れていた気持ちが少しだけ顔を出したような気がした。
眼を閉じるたびに、
静かになるたびに、
私は私のリズムを取り戻す。
心が動き始めるとリズムはすぐにメロディになった。
心のなかに何度も何度も流れていたメロディ。
その甘酸っぱいメロディに悲しい詩がついてしまう前に、私は家を飛び出していた。
少し暗くなりかけていたが構いはしない。
あの時の自転車で向かう、二人の思い出の場所。
あの人に最後に会った場所。
悲しみに暮れて何度も訪れたこの丘にこんな気持ちで来る日が来るなんて想像もできなかった。
あの日と同じ風が吹く木の下。
「ぼくはいつでもそばにいる」なんて、最近では気休めだと思い始めていた。
今でもそうかも知れない。
もう一度教えてもらおう。
何度でも言ってもらおう。
私の心のなかのあの人は、久しぶりに笑った。
私もそうだ。
あの人と向きあう、私の中の私。彼女の錆びついた表情が動き出していた。
暗闇の中に街の光が輝きはじめる。
前はとても悲しい場所だったのに、とても幸せな時間を過ごせたような気がした。
この幸せは長い時間も続いた。
しかし、気持ちの中ではあっという間だ。
待ち遠しい気持ちよりも言いたいことがどんどん膨らんで、時計が見えなくなっていた。
時計の針を私の見ていないうちにあの人が動かしているような気がした。
あの人ならそういう事をしそうだった。
確かにあの人は「いつでもそばにいる」んだ。
───────────────────────
私が駅に向かうことになっている。
駅までの坂道は太陽に背を向けていた。
毎日一緒に下っていた坂道を、自転車で駆け登る。
息が弾む。でも苦しくない。
脚だって痛くない。
私は全然平気。
平気になったんだよ。今日のために。
ペダルを踏みしめるたびに、思い出と言葉が蘇ってくる。
思い出は亡くしていなかった。言葉は消えていなかった。
私が覚えていて、信じているから。
頂上の風は強かったが、とても優しかった。
これまでの勢いに少しだけ休憩をする。
風の向こうに電車が見えた。
滲んだ視線で見つめた方向を忘れるはずもない。
ありがとう。今度は降りるだけだから。
大丈夫。飛び出したりしない。
約束したよね。
ゆっくり。でも速く。
私の自転車は駅に滑り込んだ。
もう自転車をどこに止めたかも思い出せない。
背中を押されたように早足で歩いて行く。
光の向こうに、忘れるはずもない顔。
「久しぶり」の言葉が私の耳をむずむずさせた。
「お兄ちゃん、おかえり」
春の日差しとお兄ちゃんの手が私の頭をクシャクシャに撫でた。
春風がお兄ちゃんの言葉を運んだ。
今度は手を伸ばすんだ。
───────────────────────
いや、かなり挑戦というか。
100%飲酒状態で書いたかなりの問題作。
僕の場合、どうも根暗な男を書いてしまいがちなので、
じゃあ男出さなきゃいいんじゃね!?みたいな。
ちなみにこれを書くに当たってイメージの土台にした歌がありまして。
歌詞をほぼ使ってる部分も無くはないですが、
中途半端に古い歌なんで誰か分かってくれればいいかもってな感じで。
別に何でもない日。
まぁ、強いて言うなら、今日は委員会の仕事があって少し憂鬱だ。
ちょっと嫌な気分で教室内でボーっとしていると、
「賢にぃ……」
もう一人の図書委員。冬月真雪が正面にちょこんと立っている。
「……真雪か。どうした?」
「……ゴメン。今日、図書委員会の仕事……行けない……」
申し訳無さそうな真雪。
「マジ?」
驚きで、声が少し大きくなる。
「ゴメン……。今日はどうしても……ムリ……なの……」
声を荒げてゴメンなさい……悪いのは俺です……。
「いや、仕方ないけど……俺一人か……結構キツいな……」
オロオロしながらをフォローを入れた後、少し愚痴。
愚痴を言ったことで、嫌味が出たことを少し後悔していると、
「……それは、大丈夫……」
「何が?」
「図書委員長さんが、代わりの人……用意してくれるって」
「……あの委員長が?」
「うん。相変わらず、仕事熱心だね」
「まぁな……」
……まぁ、人手を手配してくれるのはありがたい。
しかし、一人で仕事するのと、おそらく知らない人と仕事するの、
どっちがマシかっていう話になっただけなんだが……。
「まぁ……頑張るよ」
「うん、あとで……お詫びする……」
「いいよ……真雪のピンチヒッターにお礼してやれ」
「うん……分かってる……」
小さく手を振って、離れていく真雪。
放課後の委員会を考えて、さらに憂鬱を加速させていく俺。
……真雪の代わりに遥、っていうオチはないかな……。
───────────────────────
さて、お酒のテンションで妙なものを貼ってしまったんで、
口直しになるかどうか自信はありませんが、いつぞやのネガティブ兄シリーズを。
短いですが、次回に続きます。
あと、前の名前が少し洒落にならない感じになってきたんで、しばらくはこっちの名前にします。
遅くなったけど、遊星さんGJ
遊星さんGJ。
いつも楽しみにしています。
190 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/04/18(月) 19:14:42.07 ID:CVWDD5Rl
投下期待
どうも、お久しぶりです
投下しますです
「おにいちゃん!変態、変態なんだよっ!おにいちゃん!」
「いや、『大変』だろ。で、何かあったのか?」
「大事件なんだよっ!おにいちゃん!」
「だから何が……」
「同級生の男の子に告白されちゃったんだよっ!!」
「あ、そう……………………って、は?告白?」
「だよっ!!」
「はあああああああぁぁぁあぁあああぁぁぁああぁぁあ!!?」
「いや〜、まさかうちの彩奈が告白されるとはな……」
「なんでそんなに落ち着いてるんだよっ!おにいちゃん!?」
「こればかりは焦っても仕方がないだろう」
「仕方なくないんだよっ!?彩奈がその子と付き合っちゃってもいいの!?」
「場合によっては」
「ひどいんだよっ!?」
「冗談だ。イッツアメリカンジョーク、HAHAHA……」
「どこがアメリカンだよっ!?」
「ま、彩奈に手を出すんだったら……」
「だったら……?(あれ?なんか今日のおにいちゃん、どこかおかしいような……)」
「頭蓋骨の一つや二つは覚悟してもらわないとな……(ニヤリ」
「それ死んじゃうんだよっ!?(やっぱりおかしかった!?)」
「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
「おにいちゃんが壊れたんだよっ!?」
「生き地獄を見せてくれよう!!」
「そこまでしちゃダメぇええええええ!!」
「な、なんとか落ち着いた……?」
「ああ、ちょっと取り乱してた。悪かったな、彩奈」
「う、うん、大丈夫なんだよ……って、はっ!(彩奈が告白されて取り乱したってことは……まさか脈あり!?)」
「ところで彩奈」
「なに?おにいちゃん(って、そんなことないか。そろそろ彩奈も懲りたんだよ……)」
「『ダメぇええええええ!!』より『らめぇええええええ!!』の方が、おにいちゃんはいいと思うんだ」
「おにいちゃん正気に戻るんだよーーーーーー!!(ポコポコポコ」
「……っは!」
「もどったんだよ!?」
「彩奈は可愛いなぁ……(なでなで」
「はぅぅ!い、いきなりなにを……ってあたまなでちゃダメなんだよぅ……。あぅぅ……んぅ……はふぅ……(ふぁぁぁぁぁ、気持ちいいんだよ……)」
「…………(なでなで」
「……んぅ……」
「…………っは!なにしてんだ俺!!」
「……んにゃ?おにぃちゃん……どぅしたの……?」
「わ、悪い彩奈!俺今どうかしてた!!(バッ」
「…………(ぽ〜」
「あ、彩奈……?」
「……………………………………もっと…………」
「……へ?」
「……もっと……なでて……?」
「ぅえ!?あ、いや、彩奈!?」
「んぅ、おにぃちゃん……もっとなでて……」
「ちょ、ちょっと待て!俺が言えたもんじゃないが落ち着け!」
「ん、彩奈、落ち着いてるんだよ……」
「いや!今のお前は正気じゃない!とりあえず落ち着け!」
「だから、彩奈は落ち着いてるもんっ」
「っ……!『もん』って……!」
「すきありだよっ(ぎゅっ!」
「んなっ、彩奈さん!?なにしてますか!?」
「おにぃちゃん……温かいんだよ……」
「いやいやいやいや!?は、離れなさい彩奈!」
「…………」
「んぅ……はふぅ……(すりすり」
「ちょっ、彩奈!離れろって!」
「…………」
「…………(すりすり」
「ほ、ほら!離れなさい!こんなとこ誰かが見ていたら……って、え……?」
「…………彩奈の友達の、白川雪(しらかわゆき)、と、いいます……。どうも、お邪魔してます」
「…………(すりすり」
「ど、どうも…………(冷や汗ダラダラ」
「…………お取り込み中、だったみたいで、失礼し……」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!!べ、別にこれは……」
「いえ、大丈夫です……。学校に、広めるつもりは、ありませんから。……どうぞ、ごゆっくり……」
「せめて誤解は解かせてくれえええええええ!!」
注)一応誤解を解くチャンスは与えてもらえました
投下終了です
二ヶ月も間が空いてしまいました
こんな短い会話文なのに
>遊星さん
GJです
相変わらずお上手です
>>195 GJ!
彩奈可愛いよ彩奈
俺もだだ甘な妹欲しいよ
結論から申し上げます。そんな素敵な幸運はありませんでした。
図書室で俺を待っていたのは、
「ご苦労様。大野君」
「……委員長……?」
図書委員長。名前は知りません。聞いた気はしますが。
フレームレスのメガネに、後ろで束ねた髪型、規定通りの制服に長めのスカート。
まぁ、マジメなんだろうなと。
「代わりの人が来るって聞いてますが……」
「ええ。私が冬月さんの代理ですよ」
……。
責任感強い人だね……。
ただ、男を手配してくれるとありがたかったんだが……。
「……何か不満?」
「え……?」
「なんだか……暗い顔」
暗いに決まってんだろ!!言えないけど。
仕方なく、ちょっと自虐的に
「元からですよ」
「そうですか……それなら……いいのですが」
委員長は一瞬だけ納得いかないような顔をして、
「さて。さっそく、蔵書整理を始めましょう」
「あぁ……はい」
委員長に仕切られ、黙って仕事をする。
まぁ、気まずいは気まずいが、相手が真雪だってほとんど状況は同じだ。
黙々と仕事を続けていると、
「大野君……」
梯子の上、委員長が静かに声をかける。
「はい?」
「大野君は……冬月さんとお付き合いされているのですか?」
マジメそうに見えても女ってのは基本的には変わらんようだな……。
「そう見えますか」
俺が真雪にそこまで興味が無い以上、そういうふうに見えてもらっちゃ困るんだけどなぁ。
「あ……ゴメンなさい。私、変なことを……」
「いや、別に」
……俺、大人だなぁ……。
だが、これ以上は触れられたくはない。
黙って作業を続ける。
「……はぁ……」
ため息。でも、俺じゃない。
まぁ、俺もため息のプロ。ため息の主を見ると、
「お、大野君っ……!?」
あんなに大きなため息をしておいて、見られて焦るってどういうこった……。
それとも、俺の目が相当気持ち悪かったんだろうか……。
そんなことを一瞬のうちに思い浮かべていると、
「わ、わわっ……!!」
脚立のバランスが崩れ……
「きゃっ!!」
脚立ごと、女が倒れてくる。
何とかしなくては、と思ったのだが、いきなりすぎて、うまく反応できない。
「おぐっ……」
何とか委員長の落下地点に入ったのは良かったが……
「ぐぅ……」
いまひとつ踏ん張りが利かず、そのまま倒れこんでしまった。
……背中が痛い。
「……」
夕暮れ。
誰もいない図書室。
外れたメガネ。
解けた後ろ髪。
目の前の委員長。
俺の腹の上の重圧。
物理的な吐き気……。
「……大野……君……」
大野君。じゃねぇ……降りろ……。
だが、生憎俺はこの空気を壊す術を持ち合わせていない。
どこかで学べないものかと常々思っている。
「……」
顔が近い。
……息が臭いとか思われてたらどうしよう……。
必死に呼吸回数を減らそうとする俺。
「……」
さっきから、俺何も話してないな、そういえば。
「……好き……です……」
「は……?」
若干酸欠気味の俺の耳に聞こえる小さな声。
こいつの今の顔は見たくない……。
「だから……私を……大野くんの……恋人に……」
もはや脅迫に近い委員長の言葉。
答え自体は決まっているが、その方法が分からない。
いや、というより……もう限界だった。
「無理だ」
もはや俺の心のキャパを超えて、久々にやさぐれる。
とはいえ、この台詞が出ただけで精一杯。
空気が更に悪化したのをビシビシ感じる。
「……いや、悪い。俺は誰かと付き合う気はなくて……」
飛び出した暴言を庇うように必死で言い訳をする。
委員長は明らかに落胆した様子で、
「そう……ですか……」
まぁ、これで良かったんだよ。
とはいえ、この状況でこの体制はまずい。
「ケガ、無い?」
とっさに出た言葉がこんなでは。
「うん……大丈夫……大野君は?」
「俺も大丈夫だけど……どいてくれると助かる」
「あ、ごめんなさい!」
慌てて飛び退く委員長を確認し、ゆっくり体を起こす。
服の埃を払う俺に、委員長が背中越しに。
「……一つだけ聞いてもいいですか……?」
「ん……?」
「大野君は、妹さんがお好きなんですか?」
「はっ!?何故!?」
シスコン気味とは言われるものの、この聞き方はそれとは意味合いが違う。
「いや、だって……いろんな女の子に「お兄ちゃん」って呼ばせてるとか……」
……俺が望んだんじゃねぇ!!
「……あんまり説明したくない……詳しいことは、そういう変な呼び方してる奴を捕まえて聞いてくれ」
「え……あ、はい」
絶対納得してないけど、まぁいい。
これ以上会話をしても泥沼にはまるだけのような予感がしたので、黙って作業を続ける。
「……あの……最後に一つだけ」
「何か……?」
「私は、なんて呼んだらいいでしょうか!?」
「頼むから……普通にしてくれ」
「普通……というと、やはり『お兄さん』とかでしょうか」
……もういいや。
───────────────────────
文字数制限が厳しいんでダラダラ失礼しました。
長いこと放置してましたが……。次で終わりです。
今回に関してはもはや眼鏡以外に言うことがありませんね。
>>195 毎度毎度さすがですねー。少し見習わなきゃ。
遊星さんGJ!
実妹派なのに委員長に萌えた
今気付いた
どうしよう委員長が可愛いw
「ただいま……」
家にたどり着く頃には既に心が満身創痍。
俯きながら、なんとか言葉をひねり出した。
「あ、おかえり」
妹の遥は冷蔵庫の中をのぞき込みながら言った。
そして、何かの野菜を持ちながら俺の方を一目見るなり、
「帰りが遅かったから……おかしいとは思ってたんだけど」
全て分かっているといった具合の遥。
「……」
遥の台詞に何も言う気が起きず、頭を下げたまま黙りこくる。
「誰?」
「図書委員長」
「ふーん……」
遥も相手の事は存じないようだ。
「どんな人?」
聞かれたことだけしか答えない。答えたくない俺。
それを分かっている遥は一問一答形式で、ある程度の情報を得ると、
「ま、いつものことだし」
「……」
「さ、少し早いけどご飯にしよう」
「そうだな」
夕飯の誘いに少しだけ気分を直し、顔を上げると
「……っ!?」
「どうかした……?」
「それ……」
「あ、これ?」
不審そうな遥の顔。
そのジト目を覆う眼鏡が……。
「へへ、ちょっとお洒落のつもり。あ、度は入ってないんだよ?」
赤く太めのツルを摘んで、眼鏡をかけ直す遥。
「へ、へぇ……」
怖いというわけではないが、異常に落ち着かない俺。
……また弱点が増えたな。
───────────────────────
長くなりましたが、これで終わりです。
まぁ……僕が眼鏡が好きなんだってことが伝わればそれで。
では、またいつか。
210 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/05/15(日) 20:57:23.73 ID:3CTaN9yG
保守
211 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/05/27(金) 19:03:24.21 ID:LRt73OBA
ほ
212 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/06/03(金) 02:45:51.53 ID:O//r/hh2
あげ
213 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/06/20(月) 22:14:08.44 ID:uoHtx+Hz
ほしゅ
214 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/06/23(木) 22:40:01.66 ID:tNd9bUpw
投下期待
SS貼ろうとすると長いって出る……。
どうしたものかね。
>>215 忍法帖のせいですな
1レス辺りの文章量を減らして
連投規制が入るなら投下を2日に分けて前後編にするしか無いかもしれません
「あ、お兄さん。帰ってたんですね」
リビングのドアを開けた妹が、少し目を大きくさせながら言った。
「あー、仕事が早く終わってねー」
俺の前の低いテーブルには、コンビニで買ったお菓子と缶ビール。
「お酒ですか?珍しいですね」
鞄をおろしながら、
「そう……あー、あんまり家じゃ飲まなくなったかもなー」
「おつまみ、作りましょうか?」
「いいよ。恵里香ちゃんも忙しいだろうし」
そう言ってビールを一口。
「さてと。それじゃ、夕飯つくるのに邪魔だろう?部屋に戻るよ」
「え……?あ……えっと、気にしないでください!すぐ夕飯も出来ますから!!」
「そう?……じゃあ、おじゃまするけど」
「はい!」
とはいえ、一人で飲んでるのも悪い気がするので
「恵里香ちゃんもよかったら飲む?」
「わ、私ですか……?」
驚きの表情……。
あれ、未成年ではなかったはずだが。
「あ、お酒ダメだった?」
「いや、えっと実は飲んだこと無くて……」
すこし気まずそうな妹。
「へー、そうなんだ。じゃあ飲んでみる?」
そんな妹に飲みかけのビールを差し出す。
悪いやつめ。
「え!?」
「あー、ごめんごめん。こんなぬるい飲みかけビールじゃだめだよね」
「飲みかけ……?間接……!」
「冷蔵庫にもう一本入ってるから……」
と言いかけた瞬間、
「飲みます!!」
缶ビールを半ば奪うようにつかみとり、そのまま一気に……。
「え、恵里香ちゃん!?初めてなのにそんな一気に……!!」
と、肩をつかんだ瞬間。妹の顔が爆発した。
「だいじょぶですよー。とっても美味しいですー」
……若干呂律が回っていない。
「恵里香ちゃん……?」
驚きのせいで、酔いかけていた頭が一気に冴えた。
「もうー!誰がえりかちゃんなんですかー!」
「え……?」
「え・り・か。ちゃん付けなんてやめてくださいよー」
「はぁ……」
絡まれてる……絡まれてるよ俺……。
「どうしたんですかーだまっちゃってー」
「えと、恵里香ちゃん」
パンっ!
笑顔の妹と、ヒリヒリ痛む頬。
平手打ちするほどのことなのか。
「だから、えりか!」
「え、えりか……?」
「そうそう。えりかはお兄ちゃんの妹なんですから、さん付けなんて寂しいよ」
「はぁ」
「お兄ちゃんはいつもえりかに気を使い過ぎなの。えりかはもっと仲良くなりたい」
「はい……」
殺気……。
「いや、わかったよ、えりか」
「んふふー」
満足そうな妹。
そして、大変良い飲みっぷりでビールを一口飲んだ後
「大好きよ、お兄ちゃん」
「はぁっ!?」
「そんなに驚かなくてもいいじゃない……ずっとアピールしてたのよ、私」
「え……?」
思い当たり一切なし。
「鈍感すぎ」
「勘違いしないためには、鈍感なくらいで丁度いいんだよ……」
「男の人って面倒ですねぇ……ま、えりか以外には鈍感でもいいですけどー」
「はぁ……」
もう、どうすればいいか分からない……。
そういえば……。
「なんか焦げ臭くない……?」
「えー?気にしないでもう少しお話ししましょうよ」
「いや、鍋鍋!!」
「いいじゃないですかーそれぐらい平気ですよー」
「いや、煙でてるし!!離してよえりかちゃん!!いや、えりか!!」
そこはまさに地獄絵図……。
気を遣うなと言われてしまった以上、確かにそうしたいが、さすがに蹴飛ばしていくわけにもいかない。
兄妹ってのは難しいなぁ……。
───────────────────────
無心。
今の俺は無心である。
「あ、お兄さん……おはようございます」
「あぁ、おはよう……」
「あの……どうして朝からお鍋なんか洗ってるんですか……?」
「……君とはしばらくはお酒は飲まない……」
「……?私、お酒なんて飲んだこと……」
「そうだな……。そうだった……」
「それより鍋……」
「あぁ、そうだな……えりかは朝食を頼む」
「どうした?」
「え、あ……はい!!」
どうしたものかね。
───────────────────────
お久しぶりです。
出来れば昨日貼りたかったんですが、規制が厳しく。しかもぶつ切りで。
随分前に書き始めたものなので、もはや何が書きたかったのかも分かりませんが、
20歳過ぎた兄妹ってのも珍しいかな、と。
それではまたいつか。
GJ
恵里香ちゃんが可愛くてワロタ
素晴らしい成人妹
224 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/08/10(水) 21:28:33.72 ID:vOFXo3bU
保守
よくこんなに書けるね
226 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/09/05(月) 21:36:33.16 ID:Rq+jKS6a
保守
227 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/09/16(金) 08:28:27.49 ID:lGeNNCDn
保守
228 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/09/22(木) 23:30:13.52 ID:kd97k9sw
投下期待
229 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/11/24(木) 01:54:11.87 ID:3soOYQU8
保守
230 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/11/24(木) 12:31:30.74 ID:l9+BPL5D
みてみて〜おっぱいおっきくなった〜
保守
232 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/11/28(月) 07:10:30.94 ID:05t99U4f
おっぱいさわって〜
233 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/12/01(木) 22:06:59.09 ID:tMM1r07/
ええのぉ
とある町。
普段自分が住んでいる街から少し離れたこの田舎にも、
正月らしいのんびりとした空気が流れている。
とはいえ、家の中は外の空気とは一転して賑やか。
昔からいる親戚一同に新しい家族が出来たりして、一層雰囲気は明るい。
一方、独りこの場に投入された俺は隅で寒さに背筋を縮めながら、飲んではならないビールの缶を眺め続けている。
退屈も頂点に達した瞬間、
「お兄ちゃん」
背後で声。
振り返ると、
「あ、やっぱりお兄ちゃんだ。久しぶりー」
パーカーにジーンズといったラフな格好の女の子がちょこんと正座している。
「寿々奈(すずな)か。おめでとう」
「あ、あけましておめでとうございます」
仰々しく頭を下げる寿々奈。
「今までどこに行ってたんだ?姿が見えなかったけど」
「バイトだよ、バイト。今年は寒くて大変だったけど、稼いだよー」
なんだか妙に現実的な言葉に少し苦笑い。
こんなしっかりしたことを言うような子だったかな……。
「こんなお正月からバイトとは大変だな。どこで働いてるの?」
「今年は神社。巫女さんの恰好で、お守り売ってたの」
想像……。悪くない。
「と、こ、ろ、でぇ……」
「ん?」
「お年玉ちょうだい♪」
こういうときだけ甘えてくるんだもんな……。
「バイトで稼いだんじゃないのか?」
「それとこれとは話が別だよ。ほれほれー、お兄ちゃんだって稼いでるんでしょー?」
俺の胸を人差し指でついてくる寿々奈。
これが小悪魔と言う奴だろうか、と思いながらも袋を差し出す俺。
「わ、ホントにもらえた!ありがとー!!」
満面笑顔の寿々奈。
『金で買った笑顔』とは微塵にも思っていない。本当だ。
「そんなにお金稼いで、何か欲しいものでもあるのか?」
釈然としない気持ちをごまかすために、たわいのない質問をぶつけてみる。
「んー、結婚資金だよー」
「結婚資金……?」
結婚資金……。
いまどきの若い子はしっかりしてんな……。
「結婚するのか?」
「しないの?」
……?
「いや、俺もいつかはするのかもしれないけど」
「でしょ?だから、貯めてるんだよ」
「……?今は俺は関係ないだろ?」
「無いの?ボクの旦那様になる人なのに?」
ついていけないぞ!!
「ちょっと待て、どうして俺が寿々奈と結婚することになってるんだっ!?」
「え……?だって……去年のお正月に……寝ぼけながらボクのこと可愛い。ボクのこと好き。って言ってたじゃない……」
記憶には無い。
だが、あの時はちょっと酔ってたから……言っていたかもしれない。
「……ぬぅ……」
死ぬほど恥ずかしい。
恥ずかしいけど、酔っていても全く嘘は言っていないことに少し安心した。
「ってことはアレだぞ……寿々奈も俺のこと……」
「……うん、大好き……」
もじもじと指を組む姿の寿々奈。
正直人の目が無かったらどうなっていたか分からん……。
「まぁ、その……なんだ……。まだ結婚は先だと思うけどさ……今からデートくらいは……どう?」
「うん……」
今年はいい年になりそうだ。
───────────────────────
お久しぶりです。おじゃまします。
正月ネタです。
もうすっかり自分も歳をとったせいか、学生兄妹が書けなくなって困りますね。
それではまたいつか。
今更気付いたw
GJです
1月中で良かったw
遅くなったけど遊星さんGJ!
お兄ちゃんとかお兄さんとかアニキとかかなw
うちの妹、名前呼び捨てなんだよな。
ムカつくからそれでケンカになる。
お兄ちゃん・・・保守
242 :
名無しくん、、、好きです。。。:2012/07/18(水) 23:17:31.11 ID:lCb3O4EB
保守
ほす
ふとこのスレを思い出してまだあるかなーと検索してみたらあった!懐かしいよーw
何年か前に書き溜めたものがあるので作家様が光臨するまでの保守で少しずつ貼ってみようかな。
結局書ききれなくて未完成な上、合計100kb位もあるのでお邪魔にならない程度に貼っていきますー
第一話は伏線だらけ&途中まであんまり妹関係無いかも…、
それでは連投規制で中途半端貼りになるかもですが失礼しますー ↓
セミの鳴く声が部屋の窓ガラスを越えて耳に届く。
夏だ。
僕がとあるお屋敷に住むお嬢様、
『如月理沙』さんの家庭教師をする事になったのは一ヶ月ほど前。
父親から「お世話になっている取引先の社長令嬢の家庭教師をしてくれ」と頼まれた。
何故そんな話がまわってきたのか解らないが父親があまりに頼み込んでくるものだから
相手の時間と僕の都合が合う時だけという条件をつけて渋々OKした。
ただ当の僕は家庭教師なんて仕事をかつて経験した事などまったく無い。
通う大学でも別に取り立てて優秀な方でもない。いやむしろへっぽこ学生だ。
そんな僕にお嬢様の家庭教師なんて大仕事が勤まるんだろうかと不安に思っていた。
そして不安を抱えたまま初仕事の日が決まり、
「どうせ堅っ苦しいお嬢様言葉を使うクールで仏頂面した子なんだろうなぁ」と
失礼な事を考えながら如月屋敷の呼び鈴を鳴らした僕を出迎えてくれたのは、
たどたどしい敬語で話す、人懐っこそうで笑顔の似合う少女だった。
その勉強が苦手な十四歳のお嬢様は現在、
勉強机に向かい中学生数学の問題集とにらめっこをしている。
「ぅぅ…三城さまぁ……」
「分からないとこでもあった?」
「…わたしもう疲れました……」
そう不満をもらしながら、
暇を持て余すかのように机の上に置いた鉛筆を指でころころと転がしている。
勉強への集中力が切れてしまったらしい。
壁に掛けられた時計に目をやると、丁度、三時を回ったところ。
たしか勉強を開始したのは一時頃だったので、二時間位は頑張ったみたいだ。
「よし。じゃあ今日の勉強はここまでにしておこうか」
「はぁ…やっとおしまいですぅ……」
理沙さんはため息をひとつ付いた後、両腕を頭上に高く伸ばす。
「んぅ〜〜〜〜〜っ!……ふぅ」
そのままバンザイをする格好で伸びをして腕を下ろし、更にため息をひとつ。
「明日から夏休みだったよね?」
「はいっ なつやすみってわくわくしますよね〜っ♪」
急に元気になった理沙さんが笑顔で応える。
「うん、夏休みは楽しみだねぇ、でも」
「……?」
「明日はこの問題集の残り、全部片付けちゃおうね」
「……えぇっ? こ、これを全部…ですかっ?」
「そう。全部ね」
「これ…あと何ページ残ってました……?」
理沙さんが問題集の残りページ数を慌てた様子でチェックしている。
あと残ってるのは確か、十二ページ位だったかな、
「そんなっ!あと十二ページもありますっ…!」
「お、合ってた」
「…ぅぅ……こんなにできるわけないですよぉ……」
問題集を持っていた手が弱々しく下がって
今にも泣き出しそうな声で弱音をはいてる理沙さんだが…、
ページ数は確かにやる時の平均よりも多いけど無茶ではないはず。何故なら、
「中学一年生の問題集なんだから、出来るはずだよ」
「数学はもうやりたくないですっ!」
そう言って拗ねたようにほっぺたを少し膨らます。子どもっぽい拗ね方だ…
「う〜ん、でも苦手な数学を克服するために頑張らないと」
「……あ、国語なら得意なのでまだやる気も…」
「そっか。なら明日は国語にしよっか」
「はいっ そうしてもらえると――」
「その代わり、やってもらうページ数は数学の二倍」
「えぇっ!? ど、どうして増えちゃうんで――」
「冗談だよ冗談」
「じょ…じょうだん…?……む〜っ!」
「ははははっ! ごめんごめん!」
「いじわるです………あ」
「どうかした?」
「わたし…なつやすみの宿題もあるんでした……」
「宿題と勉強は別だからね。そっちはそっちで忘れずにちゃんとやらないと」
「あぅ…結局わたしは、お勉強の魔の手から逃げられないのですね……」
「勉強の方は解らない所があればちゃんと教えてあげるから、ね?」
「ぅぅ…、三城さまはスパルタ先生です……」
少しいじけた様子で椅子の上で体育座りの姿勢をとり始める理沙さん。
ひざにおでこを押し付け丸くなっているその姿から
『いま私はとってもいじけています』的なオーラを発しまくっている。
うーん。そんなにスパルタなやり方してるのかなぁ。
ふむ。反省して明日に生かし家庭教師として精進しなくては!
さて、問題はこの理沙さん。どう元気付ければ…、いや、今はあえて……
「そ、それじゃあ、僕はこれにて失礼するから……」
「……あ、もう帰ってしまうんですか?」
今はあえてそっとしておいてあげる事に決め、これで失礼しようと
ドアノブに手をかけた所でパッと顔を上げた理沙さんに呼び止められた。
さっきまでのいじけオーラはもうすっかり消えている。
立ち直りの早い子だ…
「このあとなにかご用事ですか…?」
「………………」
……今気付いたちょっと困った事が。
理沙さんは顔は上げたけど姿勢はさっきの体育座りのままだ。
その座り方に問題があり両足をぴったり閉じずに
少しハの字に開き気味で座っているので両足の間に隙間ができている。
そして両足の隙間から見えるのは彼女が今日履いている下着……
……色は薄いピンク。
「………? 三城さま?」
「うおっ!」
慌てて『それ』から目線を逸らす。
意外に大人っぽいレースの下着だったので思わず凝視してしまった。恥ずかし…
「どうかしましたか…?」
「いや何でもないよ、うん。……えっと、特に用事は無いよ」
「そうですか♪ では…」
そこでようやく足を下ろし姿勢を正してくれた。
下着が見えていた事にまったく気付いてなかった様なのでその事には触れずにおこう……
「ごいっしょにティータイムなどいかがでしょう〜」
「ティータイム…………。え? お呼ばれしちゃっても、良いの?」
「はいっ♪ 岸谷さんから紅茶の入れかたを教わったのでぜひ飲んで頂きたくて」
「岸谷さん? ……あ、執事さんか」
「そうです。岸谷さんは紅茶を入れるのがとっても得意なんですよぉ〜」
「へぇ、そうなんだ…」
「意外でした?」
「少し……」
『意外』
その単語のせいでさっきの下着が脳裏に蘇りかけたが頭を振ってそれをかき消す。
岸谷さんというのは如月家に仕える執事さんだ。
体格は大柄で顔も強面なので得意そうに見えなくて失礼ながら少し驚いてしまった。
「ではご用意しますのでちょっとだけお待ちくださいねっ」
そう僕に告げ部屋を後にして、数分後。
トレーの上にポットと二つの白いティーカップを乗せた理沙さんが戻ってきた。
「おまたせしましたぁ」
テーブルの上にトレーを置き、僕の向かい側の椅子に静かに腰を下ろした。
「………………」
「……あれ? 紅茶入れないの?」
時計に目を向けている理沙さんにそう声をかける。
「もうちょっとだけお待ちください♪」
「ああ、うん……」
「……………………………………そろそろです!」
茶こしを手に取りポットから両方のティーカップに紅茶を注いでゆく。
自分で紅茶を入れるのに慣れていないのか手つきが少々危なっかしい。
肩に力が入りすぎなのでは……
注がれる紅茶から立ち上る湯気と一緒に紅茶の香りが周囲に漂う。いい香りだ。
茶こしに溜まった残り葉からしたたる滴まで念入りに一滴ずつ入れている。
「しずくまで一滴づつ入れていくんだね」
「岸谷さんがいうにはこのひとしずくが紅茶の味をかえると……」
「へぇ…」
「えと…確かこれをべすと……んと……ベスト…」
「……ベストキッド?」
「思いだせないけどそれは絶対ちがうと思います……」
そんなやり取りをしている内に紅茶が注ぎ終わった。
「じゃあ、頂きます」
こちらに向けられたティーカップを口元へ運び、一口すする。
「どうでしょうか……」
「……うん。おいしい!」
「よかったです♪ ……ではわたしもいただきます〜」
理沙さんも紅茶を口元へ運び、一口。
普段が子どもっぽいから優雅さはあんまり感じられないな…
そんな理沙さんを見ていたらふと目が合った。
頬をちょっぴり染めて微笑む彼女に少し焦りながら僕もにっこりと笑みを返した。
……優雅さが無いとか失礼な事考えてたのを気取られやしなかったかとヒヤヒヤしながら……
―――――――――――――――――――――――――
紅茶を飲みながら僕の通う大学での出来事や
岸谷さんの武勇伝(ネタではなく本当の)など、
色んな話で談笑しているとふと兄弟の話になった。
「三城さまは兄弟の方って、いらっしゃるんですか?」
「いや、一人っ子だよ」
「そ、そうなんですか、わたしも一人っ子なんですよ〜」
「そうみたいだね」
「あ、知ってましたか」
「うん。ここに来るようになる前に僕の父さんから聞いててね」
父さんから社長令嬢の家庭教師をしてほしいと頼まれた時に
その令嬢、理沙さんは一人っ子だと言っていたのを覚えている。
「三城さまは……」
「ん?」
「兄弟がほしいって思ったことは……ないでしょうか」
「兄弟…か」
「はい。たとえば…ですけど…『妹』……とか……」
「妹かぁ……うん、欲しいと思った事もあったよ。もし居たら可愛いいだろうねぇ」
「そうですか!」
「でも実際に妹がいる奴から話を聞くと妹なんて別に可愛いものでもないらしいね」
「そ…そうでしょうか……」
「理沙さんは? 理沙さんも兄弟がほしいと思った事、あるの?」
「はっ、はいっ じつはっ! わたしもあるんですっ」
「そっかぁ。お互い無いものねだりだねぇ……」
妹ならある意味、親が若ければ可能かもしれないけど。
まあそんな事を頼むのも嫌だし今更出来ても親子みたいに歳は離れるし…
「それでなんですけど……」
「ん?」
「………あの…」
「うん」
「…その……何て、いえば…」
理沙さんは手にしているティーカップの中の残った紅茶を見つめながら、
うまく言葉が纏まらないのか口を開いては閉じ、たまにこちらをチラッと窺う。
その顔は何故かほんのり赤く染まっている。
「(何だろう……)」
やがて意を決したようにティーカップをテーブルに置き、
僕の目を真剣な眼差しでじっと見つめ始めた。
「ど、どうしたの…?」
「……お願いがありますっ!!」
椅子から立ち上がりテーブルに手を付き僕に顔を近づけてくる。
理沙さんのシャンプーの香りが僕の鼻先にふわっと漂う。
……いい匂いだな。
「三城さまをっ!! 『お兄さま』とよばせてくださいっ!!」
「……………………へ? おにいさま?」
「はいっ! そうですっ!」
理沙さんの口から飛び出したセリフに思わず目を丸くしてしまう。
「ぼ、僕をお兄様、か………え、え〜っと」
そのセリフがあまりに突飛すぎて状況について行けず言葉が出てこない。
ドラマとかで『お父様と呼ばせてください』とかってセリフは聞いたことはあるけど
「わたし……」
テーブルから手を離しゆっくり椅子に座り直しながら理沙さんが口を開いた。
「ずっと…お兄さまがほしいなって思ってたんです……」
「…………」
「三城さまは妹がほしかったんですよね…?」
「そうだけど…」
「わたしなんかが妹では…いやでしょうか……」
「いや、そんな事……って、あれ? 理沙さんも『妹』がほしかったんじゃないの?」
「わたしがほしかったのはお兄さまです…」
先ほどの理沙さんとの会話を思い返してみる。
…………確かに言われてみれば妹がほしいとは言ってなかったかも。
『妹とか〜』と話を振られたのでてっきりそうだとばかり…
「…やっぱり…だめでしょうか……?」
「それってさ、僕に養子に来てほしいとか…そういう意味じゃな――」
「いえっ! そういう意味ではないんですっ!」
「そ、そう…」
「三城さまと本当の兄妹みたいになれたらいいなって思って…それで……」
「そっか…」
本当の兄のように慕える存在がほしいって意味なのかな、
さすがに『養子に来てくれ』って話だったら
スケールの大きな話になりすぎるから返答に困る所だった。僕の今後も左右する訳だし……
でも別にそこまでの話って訳ではないなら……
「それなら僕で良ければ、兄として、宜しくね」
「いいんですかっ? わ〜っ♥ わたしお兄さまができてしまいましたっ♥」
頬に両手を当てまぶたを閉じてうっとりした表情をしながら惚けている。
よっぽど兄妹に憧れを持っていたんだな……
「ただ…僕が理沙さんの想像する良いお兄さんになれるかどうかは――」
「なれますっ!」
「そ、そう? ははは……」
そこまではっきり言い切られると期待に応えない訳にはいかなくなるよね……
「ではっ わたしのことは『理沙』と呼んでくださいっ」
「呼び捨てでっ!?」
「はいっ 理沙さんってちょっと呼びにくくないですか?」
「まあ…確かに呼びにくいと言えば、呼びにくいかもしれないけど…」
「ではどうぞ『理沙』でおねがいしますっ」
「……じゃ、じゃあ……『理沙』?」
「はいっ お兄さまっ♪」
満面の笑みで『お兄さま』なんて呼ばれると少し照れるな……
う〜ん…何か背中がむず痒くなってきたよ……
「あっ」
何か思いついたのか両手をぽんっと合わせた後、
椅子からぴょんと離れ、テーブルの横に立って僕の方へ向く。
行儀良くぺこっと頭を下げ、お辞儀をしながら、
「ふしだらな妹ですがこれからもよろしくお願いいたします。お兄さまっ♪」
「こちらこそ……って、ふしだら?」
「えっ? なにか、違ってましたか?」
「理沙さん、そこは不束――」
「お兄さまっ 『さん』はいらないですっ」
「ああ、間違えた……ってそうじゃなくて!」
この兄妹関係は多分僕が家庭教師をやめた時点で終わってしまうんだろう。
できるだけ長くこうしていられる様に家庭教師を続けていきたいと思った。
……仕事振りが不甲斐なさすぎてクビになったりして…
よし。そうならないように頑張ろう!
予想以上にスレ数を使っちゃった!
次にまた貼らせて頂く時は半分ほどに区切ってからにします……
ではー
大作だ!
続きを楽しみにしよう!!
コメントありがとうございます!
途中で区切ってから貼らせて頂く予定だったんですが
話数形式なので切り所を掴みかねたのでそのまま貼らせて頂こうかと思いますー
一ヶ月ちょっと前、
如月さん宅を訪れた僕は、まず理沙の今の学力を測るため
試しに作ってみた五教科のテストをやってもらう事にした。
結果はまあ…家庭教師を頼まれたのも頷ける惨状だった。
最高点数が国語の六十二点。他はそれ以下…
これからどんな方針でやって行けば良いのか、
家庭教師など経験した事のない僕は悩み、結局、
一番点数の低かった数学に重点を置く方針にした。
「説明するから聞いててね。一次関数はこのxとyが――」
「お兄さま…?」
「――ん? 何か質問?」
「ちがいます…」
「……お手洗い?」
「ち、ちがいますっ」
「行ってきて良いよ?」
「お手洗いじゃないですっ」
「それなら……なに?」
「もう…疲れましたぁ…」
「こら。まだ一時間しか経ってないでしょ」
「ふぇぇ…だってぇ……」
まるでチワワの様な潤んだ瞳で僕の事を見つめてくる。
「そんな眼で見ても駄目だよ」
かわいそうだけど一刀両断。
「あぅ……ひどい…」
「ひどくないの」
「ぅぅ…やっぱりお兄さまはスパルタ先生です……」
「あ、あのねぇ……」
さすがに一時間でスパルタ扱いされてはたまらないものがある。
まあ勉強が苦手な理沙からするとこの時間はとっても辛いのは解るけど……
「数学も前よりは理解できる様になってきてるでしょ?」
「それは……そう、ですけど…」
「ならもっとやればもっとできる様になるよ。あと一時間だけ頑張って」
「……ふぇぇんっ」
「ね?」
「…ぅぅ…わかりましたぁ…」
不満はぶーぶー言うけど諭せばちゃんと分かってくれる。
勉強も少しずつではあるが身についているので教える側としても嬉しい。
ただひとつ、『お兄さま』『理沙』と呼び合うようになってから
理沙が前よりも僕に対して甘えるようになってしまった感じがする。
まあ子どもっぽい妹ができたみたいでそれも良いんだけどね……
―――――――――――――――――――――――――
「今日はこれからお時間は…」
「ああ、うん。大丈夫だよ」
「そうですか! ではご用意しますねっ」
紅茶の用意をするために理沙がパタパタと部屋を出てゆく。
ティータイムのお誘いを受けて以来、
勉強の後は紅茶を頂いて少しおしゃべりをしてから帰るのが日課になっている。
お誘いを断るとすごく残念そうで寂しそうな顔をするので
頂いて帰れるようになるべく先に用事を済ませてからここに来るようにしている。
………それはそうと、今日はのどが渇いた。
ホットティーよりもアイスティーの方が飲みたい所だ。先に言えば良かったかな…
「おまたせしましたぁ♪」
部屋に戻ってきた理沙の方を見ると、
いつも見る紅茶セット一式とは違ったものをトレーの上に乗せていた。
透き通った褐色の液体が入ったグラスとシロップのプチカップの様な物が二つ。
グラスの中にはひんやり冷たそうな氷もたくさん見える。
「本日は! アイスティーをご用意してみました〜♪」
「え!? 丁度今日はアイスティーの方が飲みたいなと思ってた所だよ!」
「そうなんですか!?」
「うん!」
「わ〜っ 以心伝心ですっ!」
「本当だね! こんな事あるんだなぁ」
アイスティーを用意しようと思ってくれた理沙に感謝っ!
互いに歓喜し合った後、今度はグラスを手に持ちその冷たさに感動。
……多少大袈裟な様な気もしたが、
ホットティーが来るとばかり思っていた僕にとってはそれ位嬉しかった。
そのグラスにシロップをひとつ入れアイスティーを自分好みの味に。
「シロップは少しず――――あっ」
「ん?」
グラスを口に付け傾けアイスティーを飲む。
渇いていたのどを冷たくて甘い紅茶が潤していく。
うん。ホットティーも良いけど夏ならやはりアイスティーだ。
「ふぅ……うん。冷たくておいしい!」
「……甘く…ありませんか…?」
「丁度良い味だよ。それにしても」
「?」
「理沙、よく『以心伝心』なんて言葉知ってたね」
「そ、それぐらいは知ってますよぉっ」
「知ってたんだ……」
「どこまでお馬鹿さんだとおもってるんですか?まったくぅ……」
「いやいや、ごめんね」
「一応ですが、国語はとくい科目なんですから〜」
「その割にはこの間『ふつつか』と『ふしだら』を間違えてたけどね」
「あぅ…それは言わないでくださいっ……」
―――――――――――――――――――――――――
「あっ!」
アイスティーもほとんど飲み終えたところで理沙が唐突に声を上げ
慌てた様子で部屋から出て行き、包装紙で包まれた箱と食器を手にして戻ってきた。
「持ってこようと思ってすっかり忘れちゃってました……」
テーブルの上に置かれた箱の包みには『青星堂の長崎カステラ』と印字してある。
「とってもおいしいって評判のお店のカステラなんですよ〜♪」
「へぇ、カステラか」
「お兄さまは甘いもの、お好きですよね?」
「うん。僕は結構甘党だよ」
「よかったです♪ では切りわけますね」
「……あれ?」
「? どうかしました?」
「僕って、理沙に甘いものが好きだって話したことあったっけ?」
たぶん無かったと思うけど……
それを聞いた理沙が小悪魔チックな笑みを作りぴっと人差し指を立てる。
「ふっふっふ〜。お兄さまをよ〜く見ていれば、それくらいわかっちゃうんです♪」
「僕を、よく見てれば…?」
小悪魔チックな笑みってのも新鮮だな…
「お兄さまは、アイスティーにシロップをひとつ入れましたよね?」
「うん」
「あのアイスティー。実はもうお砂糖入ってたんですよぉ」
「えっ? そうなの……?」
「はい。そこからシロップが入っても丁度いい味、っておっしゃってたので〜」
「ははは……あ、でもそれ、もしお世辞で丁度良いと言ってたとしたら?」
「む、お世辞だったんですか?」
「い、いや、お世辞じゃないんだけどね……」
「それだけじゃないですよ?ホットの時も」
ホットティーの時も何かやってたのかな、僕…
「スティックシュガーを二本も入れてとこを見ちゃいましたっ♪」
「ぐわっ!」
「あとですね、ティーカップの底にのこったお砂糖をスプーンでぺろっと……」
「理沙、参りました……降参です……」
理沙はテーブルの上に両手で頬杖を付き、楽しそうにニコニコしている。
それとは対照的に僕はがっくりうな垂れていた。何か敗北した様な気分で……
「さ、甘いものをたべて元気だしてくださいっ どうぞ〜」
「うん……ありがとう……」
ティーカップの底に残った砂糖をすくっておいしく頂くなど
何ともみっともない姿を晒してしまって落ち込む気分を払拭しつつ、
お皿の上に取り分けてもらったカステラをフォークで挿し一口ほおばる。
「これは…っ! 確かにおいしい!」
口の中に広がるしっとりとしたカステラの甘みと
底に敷いてあるザラメのシャリシャリした食感がたまらない。
よくわからない敗北の余韻はあっという間に消え去った。
「もしかして、アイスティーも僕を見てて何か感じて用意してくれたとか?」
「あ、いえ、アイスティーはなんとなくですよぉ」
「何となく?」
「はい。なんとな〜く、今日はお兄さまは冷たいものがほしいんじゃないかな〜って」
「そっか。でもその何となく、ちゃんと的中してたね」
「当たってくれてよかったです♪」
「何となくでも僕の喉が渇いてるって事を感じ取ってくれてたのかもね」
「そ、そうなんでしょうか」
「うん」
僕の行動をよく見ているなら無意識に感じ取れるって事もあるかもしれない。
「もし本当にそうだったら――」
「……ん?」
「わたしたち、本当の兄妹みたいですねっ♥」
「――――かっ」
か、かわいい……っ!!
理沙の照れたように、はにかむ笑顔が僕の胸をどきんと高鳴らせていた。
やばい、か、顔が……顔が熱くなってきた!
「えっ? 蚊、ですか?」
「い、いや、蚊じゃなくてあーっとうーんと」
でも当の本人は僕のそんな変化には気付く様子もなく
蚊を探しているのか周囲をきょろきょろと見回している。
気付かれなくてよかった……とりあえず何とかその場をごまかさなくては!
「そうだ! な、何で砂糖入ってたのにシロップも置いてあったの?」
「シロップですか? あれはお好みで少しずつ足してもらおうかな〜と思って…」
「そうゆう事……」
「カステラ…ひとくちしか食べないんですか…?」
「いや、これから食べるよ! 改めて、頂きます!」
うまく誤魔化せたみたいだ……。再びカステラをほおばる。
何はともあれ、やっぱりこのカステラは美味しい。
「ではわたしも、いただきま〜す♪」
理沙が皿に取ったカステラの角をフォークで切り、ひとかけらを口に運ぶ。
「ん〜っ! おいひいれす〜っ♪」
「…………」
フォークを口にくわえ、幸せそうにしている理沙。
口にフォークくわえて喋るのは行儀が悪いけど……
理沙の顔をまじまじと見てみる。
まだ十四歳なのであどけなさはあるが
小顔で色白で鼻筋も通っている。年頃だけどニキビなども無い。
目も今はニッコリしているので閉じられているが確かパッチリした目だった。
ピンク色の唇も薄すぎず厚すぎず、さわったらとっても軟らかそうだ。
結論。美少女。
今まで理沙を『可愛い』と思う事はあってもそれは
『子どもっぽくて』って意味での可愛いだったんだけど
一人の『女の子』として見てもこんなに可愛い子だったのか……
間近で見ていて何で気付かなかったんだろう。
答えを求めて思考を巡らせる。
「………」
「お兄さま…?」
「…………」
「…あの……」
「……え?」
声がして我に返ると頬を赤らめて伏し目がちにもじもじしている理沙の姿があった。
「そんなに見つめられると…恥ずかしいです…」
「うおっ! ごめんっ!」
どうやら理沙を見つめたまま思考の沼にはまっていたらしい。
理沙のもじもじしたしぐさが可愛らしくて僕の顔が再度熱をもってくる。
「あ……食べやすくもっと小さくした方がいいですか…?」
「いやえっと…」
「で、でしたらこれを…」
そう言って理沙が自分の皿のカステラを少し切り、
フォークに挿したひとかけらをおずおずとこちらに差し出してくる。
「これ……どうぞ…?」
「いや、どうぞって……」
理沙がどうぞと差し出してきたフォーク。(カステラ付き)
ついさっき彼女が口にくわえてたやつじゃないか。
それをもし僕が口に入れたら、いわゆる……
思わず喉をごくりと鳴らせてしまう。
断るべきだろうか。かと言っていらないと断るのも失礼か…、
「………じゃ、じゃあ、もらおう、かな」
「あーんしてください…」
「……え? あーんって…口を開けろって事っ!?」
受け取ろうと手を伸ばすと予想外の不意打ちが返ってきた。
差し出されたカステラ付きのフォークってそういう意味だったのか!
「だめ……ですか…?」
「駄目って言うか……」
「………」
なぜだ…
どうして彼女は頬を赤く染めてちょっぴり切なそうな顔をしながら僕にこんな事を……
「あのね、理沙…」
「…はい……」
「普通はね、男女間でこういう事をする時は恋人同士の間柄でしかやらないと思うんだ…」
「こ、恋人……どうし…」
「わかるよね…?」
「……そ…そ、そうですよねっ!……ごめんなさい…」
理沙の表情が陰りしゅんとした顔をしながら手を引っ込めようとする。
う…こういう顔をされると、弱い……あーもう! 仕方ない!
「……よし! わかった! 今日だけ特別にっ! あーん」
「あ………はいっ!」
しゅんとしていた顔がぱぁっと明るくなった。
そして僕の口元にカステラを挿したフォークがゆっくり近づけられる。
……意識しない様なるべくカステラだけを食べるように浅めにぱくっと食べた。
「……うん。おいしいよ! ありがと!」
そう微笑み掛けると理沙の頬がさっきみたいに、ぽっと赤に染まり
恥ずかしそうにもじもじした後、にこっとはにかむ笑顔を見せてくれた。
……やばい、これは駄目だ。
理沙を子どもっぽい子ではなく女の子としてしか見れなくなってしまいそうだ……
家庭教師とはいえ僕の教え子なのに!
お兄さまと慕ってくれている子なのに…!
「あー何て事だぁ!」
「……?」
「いやごめん独り言……」
「……あの…あの……えと…」
「な、なに…?」
「つ……つぎは…」
「次は、なに…?」
「…わたしも…たべたいです……」
「う、うん。 食べれば、良いんじゃないかな…」
理沙の分のカステラが乗っているお皿を指でスッと彼女の方へ押してみる。
『このカステラじゃないです』と言うかのように首をふるふると横に振られてしまった。
「そっちの…お兄さまの、たべてる方…を…」
「……それって…やっぱり……」
さっき僕がしてもらった事の逆をやってほしいって意味だよね…
意識するな…意識するな……
そこからはお互いに変わりばんこで食べさせ合ったりして。
その姿はまるで付き合い始めて間もない初々しいカップルみたいで。
何でこんな事になってるんだろうと途中考えてみたりして…
今日の出来事はできるだけ気にしない方向でいこう……
今回は第2話になりますが……これはちょっと長すぎた!
やっぱり次回からはお話のどこかで区切る事にしますー
失礼しましたー
人がいない感!
でも僕は見てるぞ!!
コメントありがとうございます!
今回は第三話の前編になりますー ↓
「じゃあ今日の勉強はここまでにしよっか」
「はぅぅ……やっとおしまいです……」
勉強の時間が終わり、その安堵からか机にぐで〜っと腕を伸ばして突っ伏している理沙。
「お疲れ様だったね」
「…うぅ〜…うぅぅ〜……」
脱力しきって何やらうんうん唸っている…
もう一度労いの言葉をかけてあげようかなと口を開きかけた所で、
「……あ、お兄さまにお聞ききしたいことがあるんですけど、いいですか?」
突っ伏していた理沙が顔を上げて楽しい事を話す様な表情をして僕に聞く。
今の今まで疲れたと言って机でぐで〜っとしていたのにもう回復したらしい。
「ん? 勉強の事?」
違うのは分かっているがあえてとぼけてみる。
「ちがいますよぉ…っ」
「はははっ 分かってるよ。聞きたい事ってなに?」
「あ、えと…お兄さまは普段、ゲームってしますか?」
「ゲームって……、TVゲームの事?」
「そうですっ ちょっと古いものなんですけど…」
そう言うと理沙は跳ねるように椅子から降り、棚(水玉模様のカーテン付き)の前へ。
棚に掛かっているカーテンを少しだけ開き、中から何かを取り出して僕に見せた。
「こういうのです」
「お、これは」
それは懐かしさを感じさせる、カセットをゲーム機に差し込むタイプのゲームソフトだった。
昔は最先端だったそのフォルムも今となってはレトロな雰囲気を醸し出している。
「懐かしいなぁ」
このゲームは今でも別の機種でより進化して発売され続けている落ち物パズルゲームだ。
落ちてくる同色のスライムみたいなの同士をくっつけて消す……というやつである。
「このゲームお気に入りなんです♪」
「へぇ、そうなんだ」
「はい♪ これやったことありますか?」
「うん。同じ物じゃないけどシリーズの一つならあるよ」
「……シリーズの、ひとつ?」
「知らない? この落ち物パズルゲームって沢山種類あるんだよ」
「そうなんですかっ!? ぜんぜん知らなかったです…」
「これよりも更に進化したものが今でも発売されてる」
「進化……?」
「うん。消え方が凝ってたり、落ちてくるスライムの組数が増えてたり」
「わ〜っ♪」
「使用キャラによって能力に違いがあったり、一発逆転のチャンスがあったり、とかね」
「わーっ わーっ おもしろそうです〜っ♪」
目をキラキラと輝かせて僕の話に聞き入ってくれてる。
そんなに好きなんだ……このゲーム……
「このパズルゲーム好きなら他のシリーズもやってみると良いよ。よりハマるかも」
「もちろんですっ 買っちゃいます〜っ♪」
にこにこしながら両手にガッツポーズを作っている姿から察するに、
もう明日にはこの部屋に置いてあるだろうな……
「これ以外にも他のゲームも持ってるの?」
「あ、はい〜」
理沙が棚のカーテンの隙間に入り込み「んしょっ」と小さく掛け声を入れる。
棚につけてあるカーテンが若干邪魔そうに見える。
開けずに取ろうとする所から察するに、中を見せたくないのだろうか、
そんな事を考えていると、
「いろいろありますよぉ」
竹で編み込んであるフルーツバスケットの様な籠を引っ張り出してきて、床にトンと置いた。
置かれた籠の中を覗くと、今僕が手に持っているパズルゲームと同じ本体で
プレイできるゲームソフトが沢山入っていた。箱は無く全て中身のカセットのみだ。
数はパッと見て二十本くらいはあるだろうか。
「このゲームはわたしが小さいころ、知り合いの子にもらったもので――」
さらに、それらのゲームソフトを遊ぶための本体を理沙が棚から取り出して床に置く。
「ずっと置いたままになってたんですけど、最近やってみたら楽しくて〜」
「そうなんだ、それで夢中になっちゃってる訳だね」
「はい。なっちゃってます……」
僕の言葉に理沙は少し照れくさそうな顔でほっぺを掻いた。
しかしその知り合いの子。
お嬢様に自分が遊んでいた中古品をあげるってのも何かすごい話だな……
籠の前にしゃがみ込んでどんなものがあるのかカセットを指で分けてタイトルを見てみる。
サッカーゲームや野球ゲーム。車のレースゲームや有名なRPGなどなど、
男の子が好みそうなタイトルが多い所を見ると元持ち主は男の子かな。
「もう一通り全部プレイしてみたの?」
「いえ、全部はまだなんです」
「そっか。他にも面白いのが有るかもしれ――な……」
僕がしゃがみ込んでいる顔の位置と近い辺りから声がしたので
理沙も籠のゲームを見るために座ったのかなと思い、顔を上げてみると、
女の子座りの格好で両手を床に付けて籠の中をのぞきこんでいる理沙の姿が目に入った。
……いや、正確に言うと、座っている彼女の胸元とスカートの下着が目に入った……
っていかん。こういうのは見ては駄目だ。 慌てて目線をそこから外す。
「そうですね♪、あ、でもこれはあんまり…かも…」
理沙はそう話しながら籠の中からゲームを一本抜き取って見ている。
「へ、へぇ〜、そうなの……」
それに対する応答をする。が…
目線を外していてもついついそこに目が行ってしまう。
上下両方が一編に見えるなんてあまりにベストアングルすぎて……
首周りが少し開いた涼しげなノースリーブの夏服は
両手を床に付けて籠を覗き込む姿勢のせいで服の首周りが下がり、
肌と服との間に少々空間が生じてしまっており、僕の目の高さからは丁度その空間の中が見える。
そこには通常、服の上からでは見えない胸元の白い肌とレースの純白がチラチラと僕の目に。
「わたしの好みが変わってるんでしょうか…、あ、こっちのはですね」
下はスカートの中からスラリと伸びる白いふとももの股奥に、
上とお揃いだと思われるレースの純白が僕の目にそれはもうしっかりと映って。
何と言うか理沙、キミは…無防備すぎだ……
目線を逸らしたいのに逸らせなくて……胸が……どきどきしてきた……
…………あれ?
この前、理沙の下着を見ちゃった時は別にどきどきなんてしなかったのに、何で今はこんなに――
「お兄さまぁ、きいてますか?」
僕の返答が返ってこないからか理沙が顔を上げた。
「……え、ああ! うん聞いてるよ!」
「……?」
しまった。目線を逸らすのがツーテンポ程遅れた!
い、今のは思いっきり凝視していたのを見られてしまったはず……
逸らしていた目線をおそるおそる理沙の顔へ移す。
僕の挙動を不審に思ったのか、
理沙は少し首をかしげた後、何気なくといった感じで下を向いた。
「……あっ」
小さく声を上げ何かに気付いた表情をしたのが分かった。
「に゛ゃっ!!」
慌てた様子でふとももの間のスカートをぎゅっと床に押さえつけ、
その押さえつけた両手ごと股に挟んで内股になり、
「…み……みました…?」
顔を紅潮させた理沙が上目遣いに小さな声でそう問いかけてきた。
う……両手を股に挟んでそのしぐさは……やたらに可愛い……
このあいだ理沙のはにかむ笑顔にときめいてしまって以降、
どうしても、ふとした瞬間、理沙がかわいいと思ってしまう。
……って今はそんな事考えてる場合じゃなかった!
さすがに僕の視線がそこへ向いていたのを見られててはもう言い逃れできないだろう……
「ごめん……見ない様にはしてたんだけど、つい……」
「……ぅぅ………おにいさまの…えっちぃ……」
「う……ごめん……」
僕の答えに顔をもっと赤くさせて俯いてしまった。
こういう反応を見せるって事はこの間、椅子に理沙が体育座りをしていた時に
見えていた下着を僕が凝視してしまったあの件は、本当に気付いてなかったんだな。
ああ、でも今回はあの時とは違って理沙も僕が見てた事に気づいてるんだ……
「見ちゃって本当にごめん!」
申し訳ない気持ちから言葉だけじゃなく頭も下げて謝った。
「あっ……そ、そこまでしなくてもっ」
俯けていた顔を上げた理沙がふとももに挟んでいた片方の手を上げ、
その手を僕の方に伸ばして手を振って宥めようとしているのが頭を下げながら視界に入った。
「お、怒ってるよね……?」
「おこってなんかないですっ……ただ…恥ずかしかっただけで……」
「そ、そう、良かった……上下両方見ちゃったからもっと怒ってるかと思って……」
「え………えぇっ? りょ、両方……」
「……?」
理沙のおかしな反応が気になり頭を上げてみる。
『僕を宥めようとしていた』理沙の手はいつのまにか『服の胸元を押さえる』に変わっていた。
片方の手は下を隠すようにふとももの間、片方の手は上を隠すように服の胸元。
…………あれ? もしかして、僕が見てたのは下だけだと思っていたのか?
よ、余計な事を言ってしまった!
女の子の下着には、気をつけよう……
前編はここまでとなります。
微お色気ネタが多いのは僕がラノベのノリが好きだからですw
では失礼しますー
風呂上がり、温いカフェオレなんかを飲みながらまったりテレビ。
「ねえ、お兄ちゃん」
そんな中、いつの間に背後に来ていたのか、妹の声。
「どうした?」
振り返るのも面倒なので、少しだけ首を横に向け、答える。
「あの……ね……?ちょっとだけ、私の方、見てくれないかな……?」
「ん……?いいけど……」
見ていないのがバレていたことに対するバツの悪さからくる罪悪感が、俺の腰を曲げた。
「うぉっ!!」
猫……。
「まままままままま、真那!!なんだその格好は!!」
耳!!尻尾!!肉球!!スカート短いし!!ヒラヒラしてるし!!
「そ、そんな驚かれると……恥ずかしいんだけど……」
「いやいや!!なんだってそんな!」
「へへ……ハロウィンだし。トリック・オア・トリート……なんてね」
ハロウィンってこういうイベントだっけ……。
「だからって、家の中でやる事無いだろ……」
「そうだけど、折角バイトでもらったやつだし、お兄ちゃんにも見てもらおうかなって」
「な!?お前、それ、バイトで!?」
想像……実に、けしからん!!
あまりのけしからなさに、片言になってしまった。
「ううん。これは先輩の。私はずっとカボチャを潰して……」
「カボチャ……」
「うん、先輩似合ってたんだよ。私が隣に並ばなくてよかったよ」
あぁ……そういうことね……。
「そういう事言うなよ、似合うと思うよ」
「本当?」
「嘘だ。お菓子をもらってないからな」
「もう……」
「これも嘘だ。俺は仮装してないから」
「……??」
伝わってないか。まぁいいや。
「そういえば……」
「ん?」
「さっきの返事、まだ聞いてない」
「残念だが、菓子を持ってない」
「いたずら?」
「……マジで?」
「いたずらー!!」
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お久しぶりです。ハロウィンです。
短時間なので、それなりのものです。
賑やかしです。またいつか。
287 :
名無しくん、、、好きです。。。:2013/03/09(土) 00:25:41.59 ID:vJ0viWRK
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ちゃん
289 :
名無しくん、、、好きです。。。@転載禁止:2014/05/18(日) 08:33:50.05 ID:BBX5eiNF
保守しようか
290 :
名無しくん、、、好きです。。。@転載は禁止:
続編はないのか?