藤崎詩織 35歳 第3話
同窓会会場をあとにした詩織は、半ば自暴自棄になって独りで飲みに行く。
そこは、普段の詩織では決して足を運ぼうとしない、場末の寂れたスナックであった。
男3人「「「今夜も卒業アルバム〜」」」
3人の男たちが、店いっぱいに響き渡るような声で、涙を流しながら熱唱している。
いかにも恋に破れた、人生に疲れた男たちといった感じである。
一人はやや小柄で女性的な顔立ちをしたホスト風の男、一人は剣道でもやっていそうな細マッチョの体育会系営業風の男、
もう一人は髪が乱れて目が見えないものの、そこそこの会社に勤めていそうな感じの男である。
「ふん、なんて女々しい歌なの、なんて女々しい男たちなの。呆れてものが言えないわ」
詩織は誰も聞いていないことを良いことに、ぼそっと毒づいた。今日は結構飲めそうである。
やがて、3人の男たちは、歌い終わると、野次やからかいの言葉、乾いた拍手を背に受けながら、自分たちの席に戻っていった。
「皆さん!お待たせしました!本日のメインゲストの登場です!バンドグループAYAの皆さんです!」
バンドグループAYAは、きらめき高校から生まれたバンドである。昔は別の名前で活動しており、メンバーも若干違っていた。
発足当時のメンバーのうち、ギターの男とキーボードの女は、音楽性の違いを理由に脱退。
また、発足当時は兼任されていたボーカルの座に、現在のリーダー格であり、バンド名にもなっているAYAが加入した。
昔はそれなりに人気はあったのだが、今ではもう、こんな寂れたスナックでの活動が中心になってしまっている。
(つづく)
藤崎詩織 35歳 第3話 Bパート
AYAが歌いだす……先ほどの男たちの歌はどちらかというとバラードのような、演歌のような歌だったが、AYAはロックである。
日本語と英語……というよりは英単語を巧みに使った独特な詩、独特な曲で、他に類を見ないものであった。
しかし詩織はもともとクラシック好きである。先ほどの男たちの歌も好みではないが、それ以上にAYAの歌は好みから完全に外れており、詩織には雑音にしか聞こえなかった。
「HEY!YOU!オマエラ!コンニチハ!ハロー!ハロー!テメーラ!ミスターさーるー!」
「いいぞー!AYAちゃん!」
「AYAサイコー!!」
この店はAYAのファンが多いのだろうか、それとも今日はたまたまコアなファンばかりが集まったのだろうか。
詩織以外のほとんどの人が総立ちになって、首を振り、手を振り、体をくねらせながら、一緒になって歌っている。
AYAも気分が高揚したのか、いつもより調子良く歌い、2曲、3曲と、オリジナルの新曲を披露していった。
しかし、店の中でポツンと一人、皆の輪に入ろうとしない者がいた。詩織である。
実はAYAと詩織は面識があるのだが、今ではお互いすっかり変わってしまい、お互いに気づかない。
AYAは詩織がシャイなだけなんだと誤解し、詩織に近寄ってマイクを差し出す。
「さあさあ!YOUも歌いましょうネ!恥ずかしくないよ!シャイは捨てましょー!」
だが詩織は答えようとしない。露骨に顔を背け、私に関わるなというオーラを発する。
AYAはその態度に頭の中が沸騰しそうになりながらも、冷静にこう聞いた。
「ねえ、AYA知らない?今回が初めて?……地元では結構有名な方なんだけどなー」
(つづく)
藤崎詩織 35歳 第3話 Cパート
正直、AYAのことは知らなかった。詩織にとってどうでも良いことでしかなかった。
ただ、詩織の辞書に「知らない」という言葉はない。「知らない」と答え、他人より下に見られるのが怖かった。
「そのくらい知っているわよ。当然でしょ」
詩織の言葉にAYAも気を良くしたのか、ぱっと表情が明るくなった。
それで終わっていればお互い幸せだったのだろうが、余計な一言を吐いてしまったのである。
「ビジュアル系で有名でしょ」
その一言、その一言で、禁断のスイッチが入ってしまった。
「え?今、なんて?」
「だから、ビジュアル系で有名だって言ったの」
「ビジュアル系?何?何それ?私、知らない!アイドントノー!!AYAイズノットビジュアル系!!」
「お、おい」
ドラムの男があわてて二人の間に入る。客がざわめき始める。
「ちょっと、お姉さん困るよ。うちのAYAはビジュアル系って言われるのをものすごく嫌うんだ」
「ふーん」
「ふーんって、アンタ、いかにも俺たちのことを知っているような口ぶりだったじゃないか。何も知らなかったんだろ?本当は」
「知ってたわよ!知ってたけど、言わなかっただけよ!」
詩織までヒートアップ。詩織にとっての禁句は「知らないだろ?」だ。ふとAYAの方に目を向けると、そそくさと帰り支度を始めていた。
「AYAは気持ちよく歌えないので、ゴートゥーホームさせてもらいます!」
「おい、謝れよ、アンタ」
「AYAが帰っちゃうだろ!俺たちせっかく楽しみにしていたんだぞ!」
「知ったかしているんじゃねえよ!」
AYAが帰り支度を始めたせいで、ファンの客たちは激怒。
「みなさん!AYAはビジュアル系ではありません!ビジュアル系ではありませんよ!」
司会進行役を務めていた店員のとりなしも虚しく、AYAはついに帰ってしまった。客全員、いや店の者たちからも冷たい視線が注がれる。
「な、なによ!私が悪いって言うわけ?」
誰も答えない。答えないが、NOではない。
「そ、そう、いいわよ、私も帰ってやるわよ!何よ!あんな頭に巻貝乗せたような髪して!フン!」
詩織は精一杯の捨て台詞を吐き、玄関へ向かった。
藤崎詩織 35歳 第4話
場末のスナックから事実上追い出された詩織は、憮然としながら帰路につこうとしていた。
しかし、詩織の言動に激怒し、冷静さを失ったAYAの熱狂的ファンが、詩織を路地裏で待ち伏せし、詩織を襲撃しようとしていたのである。
「おい、お前、ちょっと待てよ」
詩織は無視しながら、歩くスピードを速めていく。
「待てよコラ」
詩織はあっという間に囲まれ、絶体絶命の状態。
「何?アナタたち。警察呼ぶわよ」
「おうおう、呼んでみろよ、警察。ほら、早く呼べ」
「あ!おまわりさーん!こっちでーす!」
詩織は何かの漫画に出てきそうなDQN撃退法を試してみるが、全く通用しなかった。
周囲は真っ暗。交番もなく、行き行く人々は詩織たちを気にも留めない。世間なんか所詮そんなものである。
「てめえ、よくもAYAをディスってくれたな。殺してやるよ」
どんなものにも共通しているが、度を過ぎてのめり込んだ者は恐れを知らない。自分がはまっているもののためなら、人生さえ棒に振るのである。
詩織の正面に立っていた男が今にも殴りかかりそうになった時だった。
「どっちですか!!」
「早く!早く!逃げられちゃうから!」
野太い男の声と、それに答える女の声。そしてその後に鳴り響く、おなじみのサイレン
「おい、マジだ!やべえぞ!」
詩織を取り囲んでいた男の一人が叫ぶと同時に、DQNたちは一目散に逃げ去った。
運が良かったのだろうか。助かった。本物の警察が来てくれるなんて……。
「大丈夫?お姉さん」
なんともいえない、紫色の声。うずくまっていた詩織が見上げると、そこには男とも女ともいえない人間が2人立っていた。
詩織に話しかけていない方は、手に玩具のサイレンを持って、してやったりという顔で笑っている。
「なんだか知らないけどさ、ちょっとうちで休んで行きなさいよ。お代はいいから」
何とも胡散臭い奴らではある。しかし、詩織はDQNに囲まれた恐怖を思い出し、今すぐに単独で動ける状態ではなかった。
詩織は、言われるまま、二人について行った。
藤崎詩織 35歳 第4話 Bパート
二人の胡散臭い人間に案内されたのは、これもまた寂れた感じのバーであった。
詩織が追い出されたスナックと良い勝負というくらい場末感が漂っているが、「何か」が違う。
「ごめんね、店の中だとちょっと目立つし、貴方には似合わないから、奥の方に上がってちょうだい」
奥の方に通されたが最後、そこがヤクザの事務所で詩織は脅迫されて……ということも考えられたが、色々と疲れていた詩織は、とにかく一息つきたくて仕方なかった。
言われるがまま、店の奥の休憩室のような場所に行くと、そこには一人、先客がいた。
「あ、この子も貴方と同じで、ちょっと事情あって、うちでかくまっているのよ。今、飲み物持ってきてあげるから、座って話でもしていて」
「人間」はそう言うと、店の方へと戻っていった。
先客は、よく見ると、金髪ストレートで整った顔立ちをしている。相当の美人顔である。
悪い男にでも騙されて、借金取りにでも追われるはめになったのだろうか。ああ、やっぱり美人って不幸なんだわと、詩織は自分の顔に手を当て、ため息をついた。
「こんばんは。レイといいます。今、わけあって、この店で働きながら、かくまってもらっているんです。」
「そうだったの……私は詩織、よろしくね。ホント、美人ってろくな目にあわないわね……貴方もきっと辛かったでしょう?」
まだ何の理由でこの店にかくまわれているのかさえ分からないのに、詩織は勝手に予想して、はらはらと涙を流しながら、レイの手をとった。
「美人だなんて、そんな……。ところで、貴方は?どうしたの?何かパーティに出るような服装をしているけど……」
「私が嫌だって言っているのに、しつこくつきまとってくる男がいたの。ホント、しつこくて……」
詩織は、もっともらしいような、そうでもないような嘘をつき、上着を脱いだ。
上着のポケットから、一枚、名刺が落ちる。
「藤崎……詩織……?貴方、もしかして!きらめき高校○○年度卒業生の、藤崎詩織さん?」
藤崎詩織 35歳 Cパート
いささかの疑問はあった。だが、「女性なら私をライバルとして意識しているはず」と勝手に納得した詩織は、深くうなづきながら答えた。
「そうよ、私が『あの』藤崎詩織よ」
「そうなんだ!藤崎さん、本当に奇遇ね!貴方とこんなところで会えるなんて!私よ!伊集院レイ!忘れた?」
「え?」
思考が停止する。伊集院レイ……確かに高校在学時には毎日のように聞いたはずの名前である。
だが、伊集院レイは男性。今自分の目の前にいるのは女性。これは一体どういうことなのか?
詩織の頭の上にいくつもの「?」が浮かび上がる。そんな様子を見たレイは、しまったと思いながらも暴露する。
「そうよね、藤崎さんは知らないわよね。私、実は女なの。男としての私しか見ていないから驚くのも無理はないわね」
詩織はまだ理解できない。この女は一体何を言っているのか?
そんな時だった。詩織を助け、店まで案内した「人間」が、飲み物やつまみを用意して戻ってきた。
「あらあら、レイちゃん、ずいぶん今日はテンション高いじゃない?何か良いことがあった?」
「この子、高校時代の同級生なんです!あまりにも偶然で嬉しくて!」
「あらまあ、それはすばらしい奇跡だわ!つもる話もあるでしょうから、今日はここに泊まっていきなさいよ。お布団も用意してあげるから」
完全に固まっている詩織をよそに、二人は盛り上がっている。詩織はなんとか意識を保ちながら、禁断の扉をノックした。
「あのー……ここって、何のお店なの?」
「あらまあ、分からなかった?ここ、オカマバーよ……」
「うっ……」
レイを見る詩織の目は冷たい。完全な誤解なのだが、今は詩織の頭の中で別の真実が作られていた。
「藤崎さん?」
「いや!!私知らない!こんなオカマ!知らない知らない!人違いです!帰ります!きもいわ!」
「藤崎さん、酷いよ……私、女だよ?」
「ちょっとアンタ!きもいだなんて、そんなこと言うことないじゃない!なんていう子なの!」
「近寄らないでオカマ!不潔!きもい!それ以上近寄ったら本当に警察呼びます!帰ります!追ってこないで!」
詩織は逃げるように店から出て行った。伊集院レイが何故ここにいるかという重大な話を聞かないまま。そして、それは後に新たな悲劇を生むこととなった。
(つづく)
藤崎詩織 35歳 第5話
結局詩織はビジネスホテルに泊まり、翌日直接職場に向かった。
職場に着くと、いつもは半数以上がまだ出勤していないのに、今日に限ってほぼ全員が出勤していた。
詩織の上司は詩織を見かけると、血相を変えて「どうしたんだ!全然連絡がつかなくて大変だったんだぞ!」と怒鳴ったのである。
「何でしょうか?」詩織は昨日悲惨な目にあったこともあり、ぶっきらぼうに尋ねた。
「何でしょうかじゃないよ。お前、ニュース見ていないのか?」
確かに昨日は色々ありすぎてニュースなんか見ていなかった。そんなに重大なニュースがあったというのだろうか。
「状況がわからんまま電話に出られても困る。お前はまず休憩室でニュースを見て来い。そして動きがあったら逐一報告しろ!」
上司はそう言うと、一刻を争うというような慌てぶりで、秘書課室に戻って行った。
詩織が休憩室のテレビをつける。皆が働いているというのに、重役のような待遇である。
テレビをつけると、片目が前髪で隠れるような髪型をした女性の学者が、報道陣に囲まれている。
『博士!RMY細胞で世界のあらゆる病気を治せるというのは嘘だったのでしょうか?』
『RMY細胞を使って、エイズ患者を完治したというのは嘘だったのでしょうか?』
『RMY細胞は実は人類滅亡計画に利用する細菌兵器だという噂がありますが、本当なのでしょうか?』
『博士!答えて下さい!RMY細胞を北の楽園に売っているというのは本当なんですか?答えて下さい!』
博士と呼ばれている女性は、つい先日までテレビで話題の中心にいた科学者である。
RMY細胞という特殊な細胞を培養することに成功し、ノーベル賞の最有力候補とも言われ、百年に一人の天才とまで評されていた。
「痛い!痛い!離しなさい!離しなさい!」
博士は大勢の記者に押しくらまんじゅうのように詰め寄られて、悲痛な叫び声をあげる。
しかし、記者は決して容赦しようとしない。我先にと、博士に詰め寄って質問を浴びせる。
『博士!博士の研究のスポンサーは確かあの伊集院グループですよね?この件も伊集院グループが関与しているのでしょうか?』
『伊集院グループの株価が軒並み暴落していますが、この件について何かコメントを下さい!』
『博士!逃げないで答えて下さい!』
藤崎詩織 35歳 第5話 Bパート
つまり、こういうことである。
日本有数の大企業である伊集院グループがスポンサーとなっている博士の研究が、実は病気治療のためのものではなく、世界征服のためのものではないかという見方が強くなった。
その影響により、伊集院グループの株価は一気に大暴落。「北の楽園」とのつながりも疑われているせいで、今や世間は伊集院家を外患誘致の悪の手先として見るようになったのである。
そして、その影響は伊集院グループだけに限らない。伊集院グループと強固なつながりを持っていた企業も、その影響を強く受けているのである。
無論、詩織が勤めている企業もそのうちの一つであり、朝から株価は急降下。苦情や問い合わせの電話が鳴りっぱなしである。
確かに、渦中にいる「博士」には黒い噂もあった。
だが、それらは、今までは博士に及ばない能力の科学者たちによる妬みだとしか捉えられていなかった。
しかし、今回は、きわめて機密性の高い情報が漏れたことにより、博士の研究の暗黒面が、高い信憑性をもって浮き彫りにされたのである。
あの伊集院家がと、首を傾げたくなるような、お粗末な情報漏えい。
一説には内部の犯行ではないかと言われているものの、誰の仕業なのか分からなかった。
事件勃発前後から所在不明となっていた伊集院家の長女や次女の仕業なのではないかという噂もあった。
『ここで番組の途中ですが、緊急の情報が入りました。』
一大事件の報道中だというのに、それを上回る緊急ニュース。一体何事か。詩織も食い入るようにテレビを見る。
『先ほど入った情報によると、暴落した伊集院グループの株を、何者かが買い占めているとのこと。繰り返します……』
詩織は上司に言われた言葉を思い出し、急いで上司を呼びに行く。
こんな時でも上司の言葉は絶対。エリートとはいえ、いや、エリートだからこその悲しい性でもある。
事態はまた、新たな局面を迎えようとしていた!
藤崎詩織 35歳 第6話
今や価値が暴落して誰もが見向きさえしなくなった伊集院グループの株。
それを買い占めている者がいるという。一体何のために?
誰もが疑問に思うところだが、不思議なくらい、その後のニュースは「博士」の研究のことばかりであった。
しかし、いずれにせよ、この事件で失ったものはあまりにも大きすぎた。
詩織の会社では、即日、緊急の役員会議が開かれ、依願退職者を大量に募集された。
職を失うこと、そして、今の一流企業の正社員としての地位を失うことは大きいものの、誰もがこの沈み行く泥舟に残る気はなかった。
会社から代償として支払われる退職金の額が目減りしないうちにと、我先にと退職していく。
それでいいのかもしれない。なぜならば彼らはエリートだから。彼らの能力をもってすれば、今の会社ほどではないにしろ、職に困ることは考えられなかった。
そして、詩織も同じ考えだった。沈み行くこのタイタニック号に、いつまでも残っている気はなかったのである。
本社ビルに一礼。颯爽と立ち去る。感慨も何もなかった。
美樹原愛はこれを機に、しばらく専業主婦として暮らすということで、婚約者と話し合いがついたらしい。
詩織は、そんな美樹原の行為を、「坂道から転がり落ちるような転落人生」と一笑し、自分はそうはならないと心に誓った。
だが、明日からは、社会的には無職である。早く新たな職を見つけなければ、自分は負け組だ。
ただ、ハローワークに行くようなことだけは絶対にしないと決めていた。あそこは社会の負け犬が職を求めておしかけるような場所だ。自分の行く場所ではない。
それに新聞や雑誌に載っているような、安っぽい求職に応じることもしないと決めていた。自分にはもっとふさわしい場所がある。
さて、どうしようか……悩んでいた詩織は思わず母校の一流大学に立ち寄る。
そこには、一流大学生にしか声がかからないような企業の求人情報もあるのである。
詩織の目の前に大きなポスターが目に入った。
「新規開業 副社長をはじめ、幹部候補募集 〜私たちは女性の美を徹底的に追求する会社です〜」
これしかない! 詩織は早速、社会人経験者を募集していないか問い合わせた。返事は「経験者の方は特に歓迎します」であった。
藤崎詩織 35歳 Bパート
鏡魅羅35歳……かつて、容姿のせいで酷い失恋を経験し、一時期は男性不信のようになった。
幼い兄弟を抱えながら貧しい生活を送り、それを悟られないように、気高く振舞うことに必死だった。
だが、高校時代に出会った、とある男性との交流をきっかけとして、彼女は本来の自分を取り戻すのであった。
高校卒業後、その美貌を生かし、モデルとして活躍。生活は見違えるほど改善された。
だが、女性が美を保てる時間は短く、そして維持するのには多大な労力を要することを、彼女は一番わかっていた。
ずるずると三枚目のおばかタレントして生き残る道を捨て、モデルとして旬が切れないうちに、惜しまれながら引退。
その後は、有名な化粧品会社やアパレル系の会社に入って、経営のノウハウを学びながら、弟たちを進学させた。
一家の長としての役割を終えた彼女は、今までの自分の人生経験を生かすため、自分の蓄えと人脈、そして立派になった弟たちからの援助をもとに、会社を立ち上げたのである。
その名も、「株式会社ミラーデス・コーポレション」である。
化粧品や服飾品、エステ、美容院、健康食品など、女性の美に関する事業について手広く扱う会社である。
学生時代の彼女の成績は壊滅的ともいうべきものであったが、それも日々の生活に追われて勉強どころでなかったことが大きい。
決して彼女自身が頭が悪いわけではなかったのである。そして苦労人でもあった彼女は実に人身掌握術や交渉術に長けていた。
だからこそ、経営者としては申し分なかったものの、いかんせん、法や経済の専門知識となると話は別だったのである。
副社長候補をはじめ、幹部候補生の大々的募集。
彼女は情に流されない部分もあったため、決して自分の弟や親戚縁者を役員に取り入れるようなことは考えなかった。
むしろ、自分の人生とは違う道を歩んできた賢者を手広く募集し、場合によっては三顧の礼を尽くして迎え入れる覚悟だったのである。
「社長、三次面接の合格者が決まりました。こちらの5名です」
「ありがとう……下がっていいわよ……あら?これは……」
「藤崎さん……」
鏡は何かを決心したように、窓の外を見た。窓には夕日に反射して、「美しい私の顔」が映ってた。
藤崎詩織 35歳 第7話
「藤崎詩織です。よろしくお願いします」
「どうぞ、おかけ下さい」
詩織の最終面接が始まった。試験官は社長である鏡魅羅と、外部から詔勅した人材派遣会社役員などの試験官総勢7名である。
外部試験官からの質問に、詩織は淀みなく、そしてスマートに答えていく。
筆記試験はトップ通過。経歴も申し分ない。まさに将来の幹部候補としては申し分ない人材であった。
ただ一つ、履歴書に貼ってある写真がずいぶん昔のものではないかと思うほど違っていた一点を除いて。
ちなみにこの点については、わざわざブサイクな替え玉を用意して望む人間はいないだろうとのことで、難なきを得た。
(この調子、この調子、バッチリだわ!(電球3つ点灯)……この調子でいけば合格間違いなし)
(あと、残すは中央の社長だけだわ。ここが肝心。ここで社長に気に入ってもらえれば私も晴れて副社長候補よ!)
「さて……藤崎詩織さん……」
「はい」
ついに魅羅が詩織に問いかけた。どんな質問が来るのだろうか?
「弊社社長の鏡魅羅と申します……お久しぶりね、高校時代以来かしら……懐かしいわ」
「え…………」
詩織の中で電撃が走った。鏡魅羅……そんな名前の人間、この日本に2人といない。
そして、高校時代は、自分と鏡、それとあと一人誰だったか思い出せないが、とにかくその3人で男子生徒の人気を3分していた。
まさにきらめき高校内三国志状態であった。あと一人の名前はにわかに思い出せないものの、鏡の名前は特に覚えていた。
「あら……忘れちゃったかしら……確かにあれからもう20年近く経っているのですし、無理もないわね……」
「……す、すみません……」
鏡魅羅は、仕事に私情をはさまなかった。そのことは弟たちを役員に取り立てていないことからも明白だった。
しかし、鏡は、かつてのライバルが今職に困っているということ、そして、その原因が有名な紐緒博士・伊集院グループの一連の事件のせいだとわかっていた。
だから、今回に限っては、詩織が他の試験官の眼鏡にかなう限りは、自分は何も試さずに副社長として取り立てるつもりであったのだ。
同情ではない。詩織の能力を認めたうえでの決断でもある。
しかし、それを許さない者が一人いたのである。詩織だ。
藤崎詩織 35歳 第7話 Bパート
詩織の中では、ここで無難にやり過ごせば合格できるだろうという算段はあった。
しかし、そのことは、自分が、あの鏡魅羅の部下として働くということをも意味していた。
新設会社とはいえ、資本金は潤沢で、過去の有名モデル鏡魅羅の会社ということで、事業が軌道にのるのは難しくもなかった。
今、ここで、鏡の部下という地位を甘んじて受け入れれば、自分には副社長としての椅子を与えられるだろう。
だが、それはどうしても許せなかった。自分があの鏡魅羅より下であってはいけないのだ。
常に成績表の左上の最上段付近にいた自分が、右下の最下段付近を争っていた鏡より下のはずがないのだ。
「どうしたの?藤崎さん?具合が悪い?トイレだったら遠慮しないで言ってね」
「……知っています……」
「え?」
「知っています、鏡さんのこと。覚えています」
「あ、思い出してくれたのね!それじゃ話は早いわ、私もできれば知っている人の方が……」
「知っていますよ、いつも赤点とって補習受けていた鏡さん」
「え?……い、いやねー、そんなことわざわざここで……」
「意味不明なことを言って、成績悪いのを開き直っていた鏡さんですよね?覚えています」
「っ………」
会場がざわめく……ざわざわ……
「無礼な!」「社長に失礼だぞ!」「いくら元同級生でも礼儀があるだろう!」
試験官たちはいっせいに非難する。しばし、鏡と詩織がにらみ合う形で対峙する。
「藤崎さん、せっかく応募していただいたのですが、貴方はどうやら弊社の社風に……」
「わかっています!私もこの程度の待遇に満足する安い女じゃないですから!」
詩織は試験官たちの怒号を背に浴びながら退席した。
せっかくのチャンスをふいにしてしまった。そして今後、鏡と再会してもその関係修復はまず不可能だろう。
でもいいのだ。詩織のプライドがそれで守られたのだから。
詩織は颯爽と立ち去った……。
藤崎詩織 35歳 第8話
ちゃらららららーん、ちゃららららーん
「ありがとうございました!」
ポニーテールの元気な店員が元気良く詩織を見送った。
詩織は近所のコンビニで、ポテチといちご1パックを買って帰路についた。
会計の際に、限定いちごTシャツとプロレス観戦チケットも勧められたが、丁重に断った。
「ふぅ……嫌な一日だったわ」
今日はある意味最悪な一日だった。今まで明らかに勝ち組に属していた自分が、なぜか負けている感じがしてならなかったのである。
そのため、詩織は、目の前の信号が赤になったままだということに気づかないでいた。
「おいこら!あぶねえだろうが!!」
横断歩道を渡ろうとする寸前で、何者かに止められる。
「ばいばーい、みどりのおばちゃん!」
「気をつけて帰るのよ」
すぐ近くで、学校帰りの小学生たちが、「みどりのおばちゃん」に元気に挨拶して行った。
そして、詩織を止めているのもまた、みどりのおばちゃんである。
「おい、あんたなあ、子供も見ているんだよ!交通ルールくらい守れよ!」
詩織を止めている方のみどりのおばちゃんは、かなり気の強いタイプのようであり、言葉遣いもまるで男だ。
みどりのおばちゃんというよりは、婦人警官、いや、自衛隊員と言った方がふさわしいような感じの迫力である。
「望ちゃん、落ち着いて落ち着いて、その人もついうっかりしただけかもしれないから」
「だから未緒は甘いって言っているんだよ!いいか?轢かれてからだと遅いんだぞ!命は一つしかねえんだ!」
藤崎詩織 35歳 第8話 Bパート
二人のみどりのおばちゃんが口論?をしている時も、詩織はどこかうつろである。
二人が今、何を話しているのかさえ、耳に入ってこない。
「おい、あんたなあ、聞いているのかよ?」
「え?」
詩織は「何のこと?」と言わんばかりの反応を示し、目の前の信号が青になったこともあって、二人を無視して歩き出そうとした。
「おい、無視するなよ!」
「望ちゃん、もうその辺にし……あっ……」
「おい、未緒!未緒!大丈夫か?また貧血か?ちくしょう!あんなに無理するなって言っただろうが!」
「大丈夫よ、それより、あの人、心配だわ。何か心ここにあらずといった感じだったし」
「ああ……なんか様子がおかしいっていえばおかしかったな」
「望ちゃん、ここ、お願いね」
「おい、ちょっと!!」
病弱な方のみどりのおばちゃんが、信号をちょうど渡りきった詩織に追いつく。
呼び止めようとしても全く無視して歩いていく詩織の肩にようやく手が届いた。
「え?何?まだ何か用なの?」
「いいえ、貴方、何か悩み事がありそうで、心配だったから。さっきも赤信号で飛び出そうとしていたし」
「別に……大丈夫ですから」
「あの……」
「何?」
「良かったら、お家までご一緒しますよ。その方が安全だと思うし……」
病弱な方のみどりのおばちゃんは、自分の健康状態もあまり良くないはずなのに、詩織を心配して同伴を申し出た。
だが、詩織は、そんなみどりのおばちゃんを突き放すように、こう言った。
「一緒に帰って、変な噂とかされると恥ずかしいですから。じゃ……」
一生懸命走って追いつこうとしたせいで、病弱なみどりのおばちゃんの息はあがっていた。
病弱なみどりのおばちゃんは、詩織の返事を聞くと、ショックだったのか、その場に座り込んでしまった。
詩織は、そんなみどりのおばちゃんを気にもとめず、帰路へとつくのであった。
藤崎詩織 35歳 第9話
詩織にとって最悪の朝がやってきた。今までの人生の中で、一度たりとも負け組に属していたことはなかった。
今朝、負け組としての最初の朝を迎えたのである。藤崎詩織35歳・独身・無職、負け組。それが今の詩織である。
今日もまた、母校の一流大学の就職情報コーナーに行こうと気合を入れていた。
詩織が、駅に向かって歩いていた時であった。
「帰って下さい!私、何度言われても、この土地は売る気はないんです!」
「奥さん、他の皆はもう納得して売ってくれているんだよ?奥さんだけだよ、俺らを困らせているのは」
「俺らにもノルマがあるんだよなあ。奥さんがウンって言ってくれないと、俺らも上からヤキ入れられるんだよ」
「どうせこの食堂だって儲かっていないんだろう?こんな食堂、潰れてしまったら、何も残らないんだぜ?」
食堂の前で、店主と思われる女性と、柄の悪い大男3人が対峙している。
男たちは極めて体格ががっちりしており、派手なスーツを着ている。見るからに「ヤ」の人たちである。
「そうそう、もしかしたら、火事とか起きちゃうかもしれないよ?そうなりゃ、こんな店、丸焦げだなあ」
「火事が起きなくても、ブルトーザーが事故を起こして突っ込んできても大変だ。お客さんも無事ではすまないかもなあ」
「人の噂って怖いからな。昔、ネズミの肉が入っていると噂されたハンバーグ屋も潰れたしなあ。噂は怖いよな、な、お前ら」
「あんたたち……脅しているのね、私を」
「おいおい、人聞きの悪いことを言うなよ。俺たちは忠告してあげているだけだよ?」
「そもそも奥さん、もし、もしもだよ、俺らが言ったようなことが起きたら、どうやってこの店守るんだい?」
「……根性で守ってみせるわ……」
「がははははは!おい、また根性だってよ!」
「古いんだよな、奥さん。根性で食っていけたら、誰も苦労しねえよ」
「さて、奥さん、一瞬で済むんだ。何もハンコとって来いとは言わねえよ。この朱肉にちょっとその親指をだな……」
藤崎詩織 35歳 第9話 Bパート
いつもの詩織ならば、「君子危うきに近寄らずよ」と言いながら、見て見ぬふりをして別の道を通ったかもしれない。
そうでなくとも、相手は「ヤ」のつく人たちである。本当にいざという時になれば、何をされるか分からない。
だが、今の詩織には見過ごすわけにはいかなかった。なぜならば、一夜明けて、圧倒的に少なくなった「自分よりも明らかに弱者」を発見したから。
自分より明らかに弱い者に対してだけは助けなければならない。それは詩織が優位に立って自己満足……ゴホンゴホン、ではなく、義憤によるものである!
「待ちなさい!あんたたち!」
「なんだてめえは!」
「大の男が寄ってたかって女性をいたぶるなんて、どういう神経をしているの?」
「ああん?おめえ、何言いがかりつけているんだよ?俺たちがいついたぶったって言うんだ?」
「一部始終見させてもらったわ!あんたたちのやっていることは、れっきとした脅迫よ!」
「うぜえな、関係ない外野は引っ込んでろや、怪我したくなかったらな」
「怪我したくなかったらなってどういう意味?」
「そのままの意味だ、自分で考えな」
「怪我したくなかったらなってどういう意味?」
「しつけえな」「おい、構うな」
「ねえ、怪我したくなかったらなってどういう意味?」
「うるせえ!殺されたいのか!」
「ふん……刑法第222条、脅迫罪、生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を……」
「お、おい……」
「今、あんたたちは、『殺されたいのか』と言って、私の生命もしくは身体に対して明白に……」
「やべえぞ、こいつ、サツか?」
「弁護士です。あんたたち、どこの組?」
「お、おい……」「分が悪そうだな」「奥さん、また来るからな」
ハッタリである。昔付き合っていた貧乏弁護士から聞きかじったことを思い出して、言ってみた。
あまりにもすらすらと言えたせいか、弁護士バッチをつけていないにもかかわらず、ヤさんたちは時代劇の小悪党のように立ち去っていった。
「あ、ありがとう……」
「別に礼を言われるほどのことじゃないわ」
「良かったら、上がって、ご飯でも食べていって下さい」
※ナレーション 立木文彦
SSスレへの移行お願いしといてこう言うのもなんだがこれSSじゃないっスねw大作じゃん
じゃ、続き楽しみにしてます
緊急インタビュー 「藤崎詩織 35歳」の作者に突撃!
Q 「藤崎詩織35歳」大人気ですね、アニメ化、映画化も決まったようで、おめでとうございます。
A ありがとうございます。思わぬ大反響で、私としても嬉しい限りです。
Q 途中から作風が変わったのではないかという指摘がありますが……
A 序盤はある程度飛ばさないと(笑)。本編はまだまだ続きますしね。全部同じ作者が書いていますよ。
Q この作品を書くにあたって、影響を受けた作品はありますか?
A 「カイジ」シリーズですね。カイジのアニメを全部ぶっ通しで見てから書き始めました。
だから、序盤の話でナレーターがカイジのナレーターと同じ人を当てられたときはびっくりしましたよ。
Q なるほど。そういえば、カイジと似たような作風ですね。さて、これからどんな展開に?
A それは読んでのお楽しみですが、これからは名づけるとしたら「根性食堂編」ということで、物語の後半に入ります。
Q そういえば、あの人は?
A おおっと!賢明な読者の皆さんならもう気づいていると思いますが、まだ登場していない人物がいます。その人がキーマンです。これ以上はいえませんね。
Q 先生はアンチ詩織なのですか?
A そうでもないですね、誤解してもらっては困ります。アンチ虹野でもありません。基本的にアンチのキャラはいません。
Q 最後に読者の皆さんに一言お願いします。
A これからも応援よろしく。そして、これからの怒涛の流れ、衝撃的で感動的なラストに乞うご期待!
もう少し待たれよ。これから物語は「根性食堂編」に突入する。
さて、ここで読者からのQ&Aコーナー
・伊集院はどうしてオカマバーにかくまわれていたの?
→まだ教えられません。
・清川さんがどうして緑のおばさんに……水泳選手じゃないんですか?
→交通事故で足をやられたのです。選手生命を事実上絶たれた清川さんは、交通安全を訴えるため、緑のおばさんになりました。
なお、如月さんは最初から役所の職員として緑のおばさんをやっています。
・RMY細胞って何?
→諸説ありますが、「レイサマメイサマユイナサマ細胞」の略だというのが通説です。
あらゆる病気を治す細胞として注目されていましたが、細菌兵器ではないかとの疑惑も持たれています。
・コアラとメット以外は全員未婚なの?
→虹野さん、清川さん、如月さん、優美も結婚しています。
また、閣下と鏡さんは仕事の都合で夫婦別姓です。片桐さんは同棲中で結婚間近です。
夕子はバツ1で、今フリーですが、同窓会で好雄と再会し(以下略)。
・あの〜、一人忘れてません?
→忘れていません。むしろ真打ちです。その人の活躍に乞うご期待!
389 :
名無しくん、、、好きです。。。:2013/03/02(土) 22:57:48.01 ID:X03eb7vH
∧_∧
( ・∀・)
( ∪ ∪ -期待age-
と__)__)
390 :
名無しくん、、、好きです。。。:2013/03/02(土) 23:37:33.06 ID:qW0mOUtm
早くしろ、風邪引くだろ
ほしゅ
392 :
名無しくん、、、好きです。。。:2013/03/22(金) 08:32:16.21 ID:bEIfLZro
こりゃ筆者も飽きたな
元々本スレ荒らすのが目的だったんだろうから
追い出されてやる気なくしたんだろ
最近見た長文の中ではかなり面白かった
続き読みたい
ほしゅ(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
396 :
名無しくん、、、好きです。。。:2013/04/30(火) 23:19:26.96 ID:Fhp2UugB
根性食堂編は?
_, ,_
( *゚∀゚)ほしゅ
ググッ "⊂ノ
398 :
名無しくん、、、好きです。。。:2013/10/07(月) 00:00:57.37 ID:BqCsmOwQ
さくや
399 :
名無しくん、、、好きです。。。:2013/12/02(月) 13:35:06.29 ID:OmVH0rBx
根性食堂編待ち
400 :
名無しくん、、、好きです。。。:2013/12/03(火) 18:26:26.51 ID:K9Q6qsKW
19歳の時に出来た彼女が詩織っぽかった。
山本香織ってコ。
2週間くらいで分かれちゃったけど。
401 :
名無しくん、、、好きです。。。:2014/02/28(金) 21:55:57.30 ID:RHTg98gK
保守あげ
402 :
名無しくん、、、好きです。。。:2014/02/28(金) 21:57:43.76 ID:FGJIOkur
勇気の神様の替え歌で、
「気づくとIPチェックしてる」ってやつ覚えている人いない?
歌詞張ってほしい。
むーむーさんが書いた陵辱のメモリアルが凄いと聞いたんですけど、どこかで見られませんか?
随分前にサイトが消えてしまったようで・・・
404 :
名無しくん、、、好きです。。。:2014/03/15(土) 20:23:31.97 ID:rl20xiM9
あ
奇しくも一年前に細胞学分野で疑惑の女性研究者がw
続きやらないの?ずっと待ってるんだぜー
副所長
407 :
名無しくん、、、好きです。。。@転載は禁止:2014/09/18(木) 03:37:31.40 ID:icCGWCcs
巷では「吹奏楽部(軽音部)の片桐さん」が主流みたいだけど
あえて「美術部の片桐さん」とのSSでも書こうと思ってるんで
完成したら投下させていただく保守
主人公「鬱陶しかったんだよなぁ・・・虹野さんのあの甘ちゃんの目・・・。
『どんな時でもあなたを応援してます』って感じの目。
これで帰りの誘い断ったりデートすっぽかせば、あのお人よしの虹野さんも
俺の正体にようやく気付くだろうさ。俺がサイテーの爆弾職人だってなァ!」
片桐「くく・・・くふふ・・・ふふ・・・」
主人公「何笑ってんだ」
片桐「What is this? なーんだ、なんのコトはないわ。
あなたは虹野さんの目に耐えられなかっただけじゃない。ふふふっ。
『そんな目で見ないでくれ』『俺はそんなに根性がある奴じゃない』
『俺はそんなんじゃない』・・・ってさ。ふふっはははっ」
主人公「・・・・・」
片桐「くふっふふふっ・・・!ふふっ・・・あっはははっははっは!
とってもファニーね、デリケートさんっ!」
主人公「 だ ま れ ぇ ぇ !! 」
ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカ!!
片桐「あははは、怒った怒った!」
主人公「だまれだまれだまれだまれだまれだまれ――――っ!」
メキッ
片桐「 シ ャ ラ ッ プ 、 負 け 犬 !!
あははは、怒った!デリケートさんが怒っちゃったわぁ〜!」
え?もう終り?
パロディの一発ネタかね
詩織って恋愛に関して秋葉流みたいな感情抱いてそうだな
せやろか
412 :
名無しくん、、、好きです。。。@転載は禁止:2015/01/11(日) 12:41:36.33 ID:tZmgZPTP
如月「紐緒さん・・・・っていいましたっけ
あなたは科学力に優れた素晴らしい超兵器の発明家だそうで
しかし私の領域(テリトリー)の中では、あなたただの厨二病ですよ」
紐緒「・・・・」
詩織「紐緒さん!!挑発よ、乗っちゃダメ」
詩織「紐緒さん!!」
紐緒「『あつい』と言ったから何だというの?
私が『あつい』と言えばあなたが私を殺せるとでも言うの!?」
如月「あ〜あ・・・・言っちゃいましたね」
>>412 片桐「鏡さん、オレンジジュースでいい?」
鏡「ええ」
詩織「私も同じのでいいわ」
鏡「あ、ついでに氷も入れてくださるかしら
コップも透明なのがいいわね、ストローもあったらお願いね」
片桐「注文が多いわね〜」
ド ク ン
鏡「!?」
如月「二人目ですね」
詩織「どうして!?」
片桐「ホワット!?鏡さん『あつい』って言ってないじゃない!!」
詩織「あ・・・」
片桐「あっ」
片桐「しまっ・・・!」
バァーン
紐緒「解剖してやるぜぁー!」
文系は如月さんのが得意なんだよね