コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS SSスレ 32
1 :
忠義のスレ建て:
2 :
スレ建ては全力で:2008/11/16(日) 18:47:52 ID:i4/Dym8t
■全般
1.支援はあくまで規制を回避するシステムなので必要以上の支援は控えましょう
2.次スレ建設について
・950レスもしくは460kB近くなったらスレを立てるか訊くこと。立てる人は宣言してから
・重複その他の事故を防ぐためにも、次スレ建設宣言から建設完了まで投稿(SS・レス共に)は控えることが推奨されます
※SS投稿中に差し掛かった場合は別です。例 940から投稿を始めて950になっても終わらない場合など
3.誤字修正依頼など
・保管庫への要望、誤字脱字等の修正依頼は次のアドレス(
[email protected])に
※修正依頼の際には 作品のマスターコード(その作品が始まる際の、スレ番号-レス番号。保管庫の最優先識別コード)を“必ず”記述して下さい
例 0003-0342 のタイトルを ○○ カップリングを ○○
(↑この部分が必須!)
マスターコードを記述されず○スレ目の○番目の……などという指定をされると処理が不可能になる場合があります
4.睡眠は1日7時間は取りましょうw
3 :
スレ建ては幸せ:2008/11/16(日) 18:49:31 ID:i4/Dym8t
■SSを投下される方へ
1.投下前後に開始・終了の旨を書いたレスを入れて下さい(または「何レス目/総レス」を名前欄に)
2.規制に掛かりやすくなっていますので、長文の場合は支援要請の旨も冒頭に書いて下さい。
逆に2〜3レスほど使用の場合、支援は要らない旨を書いてください。レス毎の投下間隔は3分弱程度がベストです
3.投下前は、他作品への割り込みを防ぐ為に必ずリロード。尚、直前の投下完了宣言から15分程度の時間を置いてください
4.投下許可を求めないこと。みんな読みたいに決まってます!
5.ゲーム内容以外で本編放送前バレ情報があるSSは始めに注意書きを。
6.なるべくタイトル・カップリング・分類の表記をして下さい。(特にタイトルはある意味、後述の作者名よりも重要です)
・読む人を選ぶような内容(オリキャラ・残酷描写など)の場合、始めに注意を入れて下さい。
7.作者名(固定ハンドルとトリップ)について
・投下時(予告・完了宣言含む)にだけ付けること。その際、第三者の成りすましを防ぐためトリップもあるとベスト。
トリップのつけ方:名前欄に「#(好きな文字列)」#は半角で
・トリップがあってもコテハンがないと領地が作れず、??????自治区に格納されます
前書きの中に、以下のテンプレを含むことが推奨されます。(強制ではありません)
【メインタイトル】
【サブタイトル】
【CP・または主な人物】
【ジャンル】
【警告】
【背景色】
【基本フォント色】
■画像投稿報告ガイドライン
ロスカラSSスレ派生画像掲示板
PC用
http://bbs1.aimix-z.com/gbbs.cgi?room=lcsspic 携帯用(閲覧・コメントのみ)
http://bbs1.aimix-z.com/mobile.cgi?room=lcsspic 1.タイトルとコテハン&トリップをつけて絵を投稿する。尚、コテハン&トリップについては、推奨であり強制ではありません。
・挿絵の場合は、誰の何のSSの挿絵と書く
・アニメ他公式媒体などにインスパイアされた場合は、それを書く(例:R2の何話をみてテンさんvsライを描きました)
2.こちらのスレに以下のことを記入し1レスだけ投稿報告。
例:
「挿絵(イメージ画像)を描いてみました。
画像板の(タイトル)です。
・内容(挿絵の場合は、SSの作者、作品名等。それ以外のときは、何によってイメージして描いたのかなど)
・注意点(女装・ソフトSM(首輪、ボンテージファッションなど)・微エロ(キス、半裸など)・ゲテモノ(爬虫類・昆虫など) など、
絵はSSに比べて直接的に地雷になるので充分な配慮をお願いします)
以上です。よかったら見てください。」
画像掲示板には記事No.がありますので、似たタイトルがある場合は記事No.の併記をおすすめします。
*ただし、SSの投下宣言がでている状態・投下中・投下後15分の感想タイムでの投稿報告は避けてください。
3.気になった方は画像掲示板を見に行く。
画像の感想は、原則として画像掲示板に書き、SSスレの投稿報告レスには感想レスをつけないこと。
画像に興味ない人は、そのレスをスルーしてください。
4.SSスレに投稿報告をした絵師は以下の項目に同意したものとします。
・SSスレに投稿報告した時点で、美術館への保管に同意したものと見なされます
・何らかの理由で保管を希望しない場合は、投稿報告時のレスにその旨を明言してください
・美術館への保管が適当でないと判断された場合、保管されない場合もあります
(不適切な例:ロスカラ関連の絵とは言えない、公序良俗に反するなど)
現在移転についての議論が持ち上がっています。
本レス番号900(この場合、レス900を越えたら次のスレを立てる)、もしくは次のスレ(33)が立った瞬間からこのスレにおいて移転するか否かの多数決を取りたいと思います。
また、この多数決に参加できそうに無い方はこのスレのどこでも良いので、賛成か反対かをレスして下さい。
(例)
支援、移転に賛成。
--------テンプレは以上です--------
1乙です。
1乙っす
1乙です。
では早速、前回の続きを投下させていただきます。
○シーン9『気持ちの問題』Bパート。
スザク達が中華連邦に旅立ってから一週間。
行政特区失敗についての後処理も山場を越えたと言って良かったが、相変わらずの忙しさではあった。
そんな中、ロイの元にある書類が持ち込まれた。
『黒の騎士団工作員捜索掃討作戦』
「……」
ロイは提出された書類をいつも通り短時間で速読した。そして、前に並んで微動だにせず、気をつけをしている男達に視線を向けた。
「君達の言いたい事は分かった」
執務机を挟んで立っていたのは全員、ロイより年上だった。
クラウディオ、デヴィッド、エドガー。三人ともダールトンの姓を持つ、グラストンナイツのメンバーだった。そして、今回の書類、いや、作戦を提案してきたのも彼らだった。
「この件について、ギルフォード卿は何と?」
ロイは行政特区では意見の相違から多少激しい口論をしたが、それでも信頼を置いている騎士の名前を出した。“説得”なら、彼らグラストンナイツを取りまとめており、ナナリー総督の方針にある程度の理解がある、そちらから攻めた方が早いと思ったのだ。
「ギルフォード卿は療養中です」
デヴィッドの答えに、ロイは表には出さなかったが胸中で嘆息した。
「そうですか……」
どうやらロイは早くない方の選択肢を取らなければいけないようだった。
「黒の騎士団のほとんどは中華連邦に亡命してしまいましたが、必ずまだ協力者が残っているはずです。そいつらを捕らえなければいけません」
と、エドガーが言葉と共に一歩前に出る。隣のデヴィッドもそれに習った。
「ぜひ、大規模なテロリスト捜索作戦の許可を」
「……」
クラウディオも無言で一歩前に出た。
机越しとはいえ、上背のある三人の騎士に詰め寄られて、ロイは軽い圧迫感を感じた。
(やれやれ……)
ロイは内心でため息をついた。そして三人の騎士の説得法を考える時間をとるために、再び報告書に目を落とした。
報告書の内容は検問設置を前提とした交通の封鎖はもちろん、情報、生活のあらゆるものに規制をかけ、それで潜伏している黒の騎士団工作員をあぶりだそうと言うものである。
(どうしたものかな、これは……)
このエリアから三人のラウンズが去った今、ロイはエリア11における軍の司令官的立場にあった。
総督であるナナリーからも、ある程度の裁量権を与えられており、ロイはやろうと思えば総督を通さず、軍主導の政治犯(黒の騎士団)の取締りを行う事ができる。
だが、もちろんロイはそんな事をするつもりは無かった。なぜなら、それをナナリーが望んでないからである。
「政治犯捜索は警察に任せればいい。軍人が会議と戦場以外にしゃしゃり出て、良い結果を生む事などそうは無いよ」
ロイの言葉に、血気盛んな青年たちはすぐに反応した。
「それでは、黒の騎士団の工作員をみすみす捨てておくとおっしゃるのですか!」
エドガーが更に迫ってきて、テーブルに手を置いた。
ロイは首を動かし、見上げる角度を調節した。
「だから、それは警察に任せればいい。それより、今度ナナリー総督が行う、イレブンの幼稚園訪問だけど、その時の護衛を君たちに――」
「話を逸らさないでいただきたい」
ロイの話題の切り替えは、赤毛の青年デヴィッドに遮られてしまった。彼は、口調は穏やかながらも、威圧的な視線をロイに浴びせた。
「ナイトオブゼロ様は、エリア11に黒の騎士団を存在させていても何とも思わないのですか?」
正直な所、ロイは極少数の黒の騎士団の工作員がこのエリア11にいる事について、その危機性を感じていない。なので、本心を言えばロイはデヴィットの言うように、その件については何とも思っていない。だが、とりあえず、口ではこう言うことにした。
「思うさ、もちろん不愉快だよ」
「なら」
「でも、軍主導で政治犯の取り締まりなどやったら、嫌でも市民の目に付き、不安を煽る……いや、それが不要とは言わないよ。でも現在の急務ではない。今は、混乱した民心を安定させる事が重要とされる時期ではないかな」
ロイは、ゴホンと咳をして間を置いた。
「そのために、ナナリー総督は以前にもましてマスコミに顔を出し、地域にも積極的に訪問し、民の慰撫に努めておられる。しかし、この作戦はそのナナリー総督の行動を無にしかねない危険なものだ。それを理解しているのか、君たちは?」
すると、エドガーが更に机の上に身を乗り出してきた。
「不穏分子を掃討する事こそ、民心を安心させる事に繋がります!」
ここで、ロイは初めて瞳に哀しみの色を乗せた。同じブリタニアの仲間ではあっても、彼らと、ナナリー総督の思想は大きく食い違っているのだというのを思い知らされた気がした。
「……君のその民心の中には、イレブンの人達が入っていないね」
「当たり前では無いですか! 我々は戦争の勝利者なのですよ!」
ロイは部下を、多少冷ややかに、そして悲しげに見つめた。
「ナナリー総督はそれを無くそうとしておられる。それが分からない君たちではないだろう?」
「平等と言っても、それはブリタニアとブリタニア人に利益がある上での平等であるべきです」
と、デヴィッドもエドガーに同意した。
「それに、今は緊急時です。どちらが優先されるべきかは、ナイトオブラウンズであるキャンベル卿にはご理解いただけるかと思いますが」
緊急時に無効とされる平等の何が平等なのか、ロイには分からなかった。
ロイは、分厚いレンズ越しの視線を三人に巡らせた。そして、諭すように言った。
「今、残念ながら民の心は、あのようなエンターテインメントを巻き起こしたゼロによって混乱している。そんな中、大規模な軍事行動を起こし、規制をかける事は無意味に民の不安や反発を巻き起こす可能性が高い」
一から十まで説明しなければいけない事に、ロイは軽く辟易した。
「それよりも、今は、イレブンを含めた民にこの地に残って正解だったと思わせる事が先決ではないのかな? 君たちだって、イレブンを含めた国民に反乱や不信の種を植え付けたいわけでもないだろう」
ロイは、あえて“イレブンを含めた民”の部分を強調した。これは、そもそもナナリー総督の治めるエリア11では大前提なのだ。
「物事には機会、そして順序というものがある。今はエリア11ではもはや大した力を持たない黒の騎士団に集中するより、国全体に目を向けるべきだ」
「それが消極的過ぎると言っているのです!」
「よせ」
興奮して銀髪の上官に詰め寄ろうエドガーを、クラウディオは手で制した。次いで、彼はその瞳で上官を見据えた。
「ではキャンベル卿。ならばせめて、その国全体に目を向けるという点を踏まえて、あなたが考える今後の私たちの指針と、予定をお聞かせ願いますか」
ロイは納得して頷き、淡々と三人に告げた。
「ナナリー総督のイレブンを含めた民心の慰撫、そのお手伝いだ。だから軍の仕事は今までと同じ、総督の護衛が中心になるね。それに、はっきり言っておくけど、僕は軍を総督の命令無しに動かすつもりはない」
ロイの言葉に、三人は明らかに落胆したようだった。
「あなたのやり方は、ブリタニアのやり方ではない! あなたは一体、何のためのラウンズで、裁量権を与えられた司令官で、軍人なのか!?」
エドガーが激しく机を叩いた。振動が走り、机上の小物が軽く飛んだ。
「……」
ロイは、その上司に対して棘のありすぎる言葉を黙って受け取った。その棘がナナリーではなく自分に向いている内は黙って受け取る事に決めていたからである。
その方がいいのである。ナナリーは今、軍人・文官の両方からその不満が集中しつつある身、ならばせめて軍人の不満ぐらい自分の下で留めるのも、ロイは自分の仕事だと思っていた。
それに、実力で上り詰めたスザクならともかく、単に気に入られた、という理由だけでラウンズになった自分の事に対しては色々思う所もあるだろう。言葉が少々陰湿なものになるのも無理は無いと思われた。
しかし、ロイのその沈黙は目の前の三人の眉間に溝を作らせるのには充分だった。
「なんとかおっしゃったらどうか!」
「いい加減にしろよお前達」
怒声に近い声が部屋に響き、青年士官三人と、その上司の少年は軽く肩を震わせた。
それ言ったのは堪忍袋の緒が切れたロイではなかった。ロイは至って冷静だった。
言ったのは、部屋に入ってきた一人の男だった。
長身で、金髪の髪。瞳は青く、ジノのような生粋のブリタニア人を思わせる青年だった。着ているのは黒い軍服でそれはグラストンナイツが好んで着用するものだった。
「アルフレッド!」
「久しぶりだなクラウディオ。それに、二人も」
アルフレッドと呼ばれた男は、金髪を手でかき上げ、兄弟達に一瞬微笑んで見せた。
「お前、もう怪我はいいのか?」
「いつまでも寝てはいられないだろエドガー。それより……」
と、アルフレッドは少々目を鋭くして兄弟を見渡した。
「お前達はどういうつもりだ?」
強い口調で兄弟に尋ねられた三人は、驚いて顔を見合わせた。
「どう、とはどういう事だ?」
「先ほどの問答の事だ。お前らも、軍人ならば、ナイトオブゼロ様のご指示に従え。ナナリー総督のご意志に照らし合わせてもこの方のおっしゃる事は的確だ」
話に出されたロイは、事の成り行きをキョトンとして見ていた。そんな上官を一瞥して、エドガーはアルフレッドに向き直った。
「アルフレッド……しかし」
「外見や評判だけで本質を見落とすな。父上がお嘆きになられるぞ」
「……」
三人はまた黙って顔を見合わせた。彼らにとって父の名は充分鎮静剤になり得たらしく、いつの間にか、その表情から先ほどまでの激情にも似た反発心は消えていた。
「……分かったよ」
やがて、クラウディオが敬礼をして踵を返した。他の二人もしぶしぶ無言でそれにならい、部屋から出て行った。
部屋にはそれを見送ったロイとアルフレッドが残された。
ロイは安堵に近い息を吐いた後、笑顔を作って立ち上がった。
「アルフレッド卿。助かったよ」
ロイは机を回り、アルフレッドの前に立った。
「それにしても久しぶりだね。君が助太刀にきてくれた、東ロシア戦線以来かな?」
すると、突然、彼はロイの前で跪いた。
「アルフレッド卿?」
ロイが驚いて尋ねると、アルフレッドは深々と頭を下げた。
「申し訳ありませんキャンベル卿。兄弟として恥ずかしい限りです。今後このような事は二度と無いように良く言い聞かせますので、どうかご容赦をいただけないでしょうか」
ロイは意外そうな顔をして、首を振った。そして、自分も膝を折り、金髪の若者の肩に手を置いた。
「何を言っているんだ。僕は彼らを罰したりなどはしない。僕にとって、意見の相違は歓迎すべき事だからね」
「真に恐ろしいのは集団の中に同じ認識を持った者しかいない事、ですか。相変わらずですねキャンベル卿」
アルフレッドは軽く笑って、立ち上がった。しかし、彼の顔がロイの上になると、その表情はいつの間にか真剣なものに戻っていた。
「しかし、上官であるあなたに対して暴言を吐いたのも事実、謝罪はさせていただくのは当然の事です。本当に申し訳ありませんでした」
「あっ、いや。それはスザクと違って、仕方がない所もあるだろうから」
ロイはハハっと乾いた笑い声を上げながら立ち上がった。
それを見て、アルフレッドは少し悲しげな表情を浮かべた。
「キャンベル卿。あの……あまり気になさらないで下さい」
「へっ」
「あなたは、ラウンズとしての実力を十二分にお持ちです。それは、一度でもあなたの指揮下に入った事のある騎士なら、誰でも分かる事です。ただ、その実力が枢木卿と違い、周りに認知されていないだけです」
「アルフレッド卿……」
「ご自身を卑下するのはお止め下さい」
言われて、ロイは照れくさくなって、頬をポリポリと掻いた。
「……ありがとう。君の言葉は深く心に刻んでおこう」
「はい、そうして下さい。それにしても、改めてお久しぶりですキャンベル卿。また会えて嬉しく思います」
「ああ、僕もだよ」
ロイはスッと手を差し出した。アルフレッドは迷い無くその手に自分の手を重ねた。
「東ロシア戦線では大変お世話になりました。あなたがいなければ、私は今頃東ロシアの土の下か、この間の黒の騎士団政治犯強奪事件の時に死んでいたでしょう」
「じゃあ、もしかして書き換えたプログラムは役にたったのかい?」
プログラムとは、東ロシア戦線の折、アルフレッドがロイの指揮下に入った時、ロイが命じて書き換えさせたKMFの緊急脱出プログラムの事である。
緊急脱出プログラムは緊急脱出用のイジェクション・シートを強制射出させるプログラムで、搭乗する騎士によってある程度任意に調節できるようになっている。
基本的に、操縦に慣れていない新人騎士は、機体がダメージを負えばすぐに強制脱出させるように設定し、ベテラン騎士はある程度ダメージを食らわない限り強制脱出プログラムが作動しないように設定する。
これは実に悪しき習慣と言うべきものだとロイは思っていた。つまり、ベテランの兵士は半壊しようが機体を自分の身を犠牲にしてでも持ち帰ってこいという事である。
まったくもって馬鹿馬鹿しい。機体より兵士の方が何十倍何千倍も貴重だというのに!
東ロシア戦線時のアルフレッドは、この悪しき習慣に素直に従い、自機“グロースター”に、ほとんど機体が全壊しなければプログラムが作動しないような設定を施していた。
そして、それを知ったロイは「僕の部隊には、機体が半壊しても脱出しないような特攻隊員はいらない!」と強い口調でその設定を直させたのである。
「はい、おかげさまで、あの紅蓮弐式の輻射波動を食らい、愛機を犠牲にしましたが、私は何とか生きています」
アルフレッドは苦い笑みを浮かべた。
ロイは「いや、それでいい」と、いかにも上官らしく頷いて見せた。
「生きていればまた戦えるからね。それで、今日から早速仕事に復帰するのかい? だったらよろしく頼むよ。また君には世話をかける事になるだろうけど」
「いえ、こちらこそ、よろしくお願いいたします」
アルフレッドはまた律儀に敬礼した。
「では、私はナナリー総督の方へ挨拶に参りますので。“その後またこちらに戻ってまいります”」
「ああ。って、えっ? 戻ってくるの?」
「はい、これからキャンベル卿の“副官”として、精一杯務めさせていただきます。よろしくお願いいたします」
「副官?」
ロイは素っ頓狂な声で聞き返した。
「君が僕の副官?」
アルフレッドは不思議そうな顔をした。
「あれ、お聞きになっていないのですか?」
「いや、初耳だよ」
「はい、シュナイゼル殿下に頼まれました。私も喜んで引き受けたのですが……」
「シュナイゼル殿下が?」
ロイは驚いた。
確かに、シュナイゼル殿下には、副官というか補佐を回して欲しいという希望を伝えた事があり、近々派遣するとも言われていたが、それがアルフレッドだとは。
もちろん、ロイはこの人選に文句など無い。アルフレッドは優秀な人間だし、むしろ副官に留めておくのが惜しいぐらいの人物だ。だが、
「いや、待ってくれ」
ロイはすぐにはその人事に承知しかねた。
「それは嬉しいけど、君はグラストンナイツだろう? そっちの方はいいのかい?」
「グラストンナイツでも、その前に私はブリタニア軍人です。転属命令が出ればそれを受理するのは当然でしょう」
「まぁ、それはそうだけど……」
「それに、一つの部隊に拘っていては自分の視野が狭くなってしまいます。私の父も、時には自らコーネリア様の下を離れ、他の部隊で腕を磨き、見識を深める事があったと言います」
確かに、コーネリア皇女の専任騎士であるギルフォードと違い、アルフレッド達の父ダールトンは言い換えれば一介の軍人である。場合によっては転属し他の部隊でその辣腕を振るう機会もあったのかもしれない。
いや、息子であるアルフレッドがこう言うからにはあったのだろう。
「……ちなみに、君たちの取り纏めであるギルフォード卿は、今回の人事については何と?」
間に合うか?支援
「良く学ばせていただけ、と大賛成していただきました。あと、餞別代りにギルフォード卿が騎乗していた“グロースター”まで頂きました」
「そうか」
肝入りの部下を快く送り出してくれるという事は、それだけ腕を買われ、信頼されているという事だろう。ならば、その信頼には応えるべきだ、とロイは考えた。
「そういう事なら、僕からは何も言う事は無い。これからよろしく頼むよ“アルフレッド”」
「はっ」
アルフレッドは気をつけをして、また敬礼した。そして順序は逆になってしまったが、ナナリー総督に仕事復帰の報告に行くために、部屋を出て行った。
(それにしても、最初は僕の命令すら聞いてくれなかったあのアルフレッド卿が、僕の副官とはね……)
一人になった部屋で、ロイはそう内心で呟きながら苦笑し、執務机に座った。まだまだ今日中に片付けなければいけない事は山ほど残っていた。
仕事の量の多さに、ロイは憂鬱を通り越して笑いがこみ上げてきた。
(これは、アルフレッドに手伝ってもらったとしても、徹夜は確実だな……)
○
『日本を見ているのか?』
紅月カレンが斑鳩の甲板から、海を眺めていると、聞きなれた声が耳に届いた。
赤い髪を海の風に弄ばれながら、カレンは振り返る。そこには黒い仮面の男がいた。黒の騎士団のリーダー、ゼロである。
「ゼロ……」
ゼロは無言でカレンの隣まで歩いてくると、転落防止用の柵に手をかけた。そして、仮面越しにカレンと同じ方角に、空と海の境界線に視線を向けた。
『この方角は日本だからな』
ゼロは、水平線のはるか向こう。今いる中華連邦の宝来島より何千キロと離れた島国の名前を出した。そこはもちろん、ゼロ自身にとっても思い出深い場所だった。もちろん、ゼロの中身の人間にとってもだ。
『違うのか?』
更に問われた。カレンは、正直分からなかった。ただ海を見ていただけのつもりだが、言われてみれば無意識に日本を見ていたのかもしれないとも思えた。
「どうでしょうね。分かりません……」
『そうか』
ゼロはそれだけ言うと、また黙ってしまった。カレンもあえて言葉を続けようとは思わなかった。無言の会話というのも確かに存在するのである。
支援!
二人はしばらく海を見ていた。二人の目の前のカモメが何度も上昇、下降を繰り返す。やがて、一匹のカモメが海から魚を捕らえ、それを嘴に加えて舞い上がる。
『日本を離れた事、後悔してるのか?』
「……」
ある程度予想ができたゼロの言葉に、カレンはしばし考え込んだ。そして、静かに首を横に振った。
「いいえ、そんな事はありません。私は貴方の右腕。あなたのいる所が私の居場所です。後悔なんて――」
『今は二人きりだ』
その一言で、ゼロは分厚い主従の壁を取り除いた。この瞬間、二人の関係は黒の騎士団のリーダーとその部下ではなく、学園生活を共に過ごした友達になった。
カレンは静かに目を閉じた。そして、またしばし考えて、弱々しく息を出した。
「今なら、あなたの気持ちが少しは分かる気がする」
『何がだ』
「生まれ育った土地を離れるのは、一時的とはいえ寂しいものね」
日本。カレンにとって一言で言えば色々あった土地だった。生まれ、育ち、その中には様々な出会いがあった、そして、その出会いの数だけ思い出もあった。
兄や母と過ごし、友人と出会い、彼とも出会った。
しかし、今はその日本を離れ、カレンは中華連邦に亡命した身である。
『……そうか』
唐突に強い風が吹いた。カレンは再び髪が、ゼロは黒いマントが宙でなびいた。しかし、二人は微動だにせず、海を眺め続けていた。
「ねぇ、ルルーシュ」
『んっ』
「あなたは、どうやってこの感情から立ち直ったの?」
ゼロの祖国であるブリタニアは、ルルーシュを追い出した。追放した。彼にとっては憎むべき国なのかもしれないが、それでも、その国でも幸せはあった、とかつてルルーシュは語ってくれた事があった。
紅月カレンは黒の騎士団ではC.Cを含めて二人しか居ない、ルルーシュの過去を知る人物だった。
ゼロは、少しだけ仮面を前に傾けた。そして、呟くように告げた。
『一番大切なのは、土地とか思い出じゃないから』
「えっ」
『俺にとっては、大切だったのはブリタニアで過ごした母さんとナナリーとの思い出もそうだが、それ以上に、その人たち自身だからな。
支援
支援
確かに、国を出るときには一抹の寂しさはあった。だが、俺の隣にはナナリーがいた。だから、俺は寂しくなかった。どちらかと言えば、ナナリーに寂しい思いをさせないように必死だったな』
「そう……」
土地と思い出ではなく、人。
そうかもしれない、とカレンは漠然と思った。
――カレン、大丈夫だ。僕が付いてる。
そう言ってもらえれば。彼が傍にいて言ってもらえるなら、カレンはおそらくそれだけで安心できる。それだけで、寂しさなど感じなくなる。
(結局、最後はそこに行き着くのか)
ライさえいればいい。それで自分の世界は上手く回る。彼がいれば、日本だってきっと簡単に解放できる。彼がいればこの遠い中華連邦の地でも寂しくなんてない。彼がいれば、彼がいれば、彼がいてくれれば……。
一年前に比べて、自分の思考はえらく端的になったものだ、と思ってカレンはなんだか可笑しくなった。
そして、そう割り切るとカレンはなんだか元気が出てきた。そうだ、自分の進む道はどこの国にいようと一本道なのだ。
どこかにいるライを助けて、日本を解放する。それだけだ、そのために真っ直ぐ進めばいいのだ。
『カレン』
ゼロ、いや、ルルーシュはカレンの肩に優しく手を置いた。
『君が寂しいと感じているのなら、それは俺の責任だ。だから……』
そこまで聞いて、すでに立ち直っていたカレンは呆れた。この男はいつもそうだった。ライの事になると、責任だの俺が悪かっただの陰気な事この上ない。
カレンは、ルルーシュをもっと知りたかった。ライが親友とした男をもっと知りたかったのだ。そして同時に、ルルーシュから見たライも知りたかった。
しかし、一年前とは違い、ルルーシュはカレンに対して、どこと無く腫れ物を触るような接し方になった。そして、ライの事を語る時は、いつも遠慮がちな上、最後にはいつも「俺が悪かった」「俺の責任が」とか言い出す。
聞きたいのはそんな取り繕った言葉ではなく本心だ、と思うカレンだった。
カレンはルルーシュの手を払いのけた。そして、おそらく女性に拒絶される機会が少ないのが原因だと思うが、軽く驚いている彼の前で腕を組んで、言った。
「ねぇ、ルルーシュ。あなたって、結構卑怯よね」
『は?』
「そうやって、自分で卑下して、もしライを助けられなかった時の予防線を張ってる」
支援
『いや、そんな事は……』
「だってそうでしょ。親友を助けられなかった。というのより、責任を感じている人を助けられなかった、という方が気持ち的には楽だもの」
『……俺がそう考えているように見えるのか?』
「見える」
カレンは断言した。ゼロは力なく顔――仮面を下に向けた。
『ショックだ……』
本気で落ち込んだ様子の友達を見て、カレンは笑った。
「だったら、そう言うのはやめて。私は別にあなたに責任を取ってもらうために協力してるわけじゃないの。あなたが、私と同じく純粋にライを助けたいという気持ちを持っているから、私はあなたに協力するのよ」
カレンがゼロ=ルルーシュという裏切りの事実を知っても、二心無くゼロに仕え続けているのはそういう理由だった。
もし、ライの事が無ければ、きっとカレンは、「ルルーシュが自分が信頼したゼロに成りうるのか見極める」とか言い訳して、しぶしぶ彼の部下としてありつづけるか、完全に見限っていたに違いなかった。
ライを助けたい。その想いの共通こそがカレンにとって重要であり。それだけで、カレンがゼロに協力する理由に足りた。
『やれやれ……』
カレンの気持ちを察したのか、ゼロが嘆息混じりに仮面を上げる。
『俺はお前を勇気付けるつもりだったんだが。それが、いつの間にか俺が怒られていては世話が無い』
それを聞いて、カレンは拳を作り、人差し指を口に当ててクスクスと笑った。
「そうね、一応お礼は言うべきよね。ありがとう、慰めようとしてくれて」
『フン、勘違いするな』
ゼロの口調は皮肉っぽいものに変化した。
『お前は、親友の女だからな。ライを助け出した時、お前に元気が無くて、今まで俺が苛めていたと勘違いされたら困る。だから、ここは、それなりに優しくしておくべき所だと思っただけだ』
「うわ、ひっど〜い。っていうか、実際そう思ってても、そんな事女性に言う?」
その時、カレンは形の良い眉をピクリと上げた。鍛え上げられた第六感的感覚が、何かを捕捉したのだ。
『どうした?』
ゼロが不審に思って尋ねると、いつの間にかカレンは零番隊隊長の顔になっていた。
「人が来ますゼロ。これは……多分神楽耶様です」
カレンが言うのと同時に、廊下を駆ける音が聞こえてきた。数秒後、一人の少女が重いドアを開けて甲板に現れた。
支援
「ゼロ様! こちらにいらしたのですね」
神楽耶は肩で息をしていた。その少女を確認したルルーシュは、再び心に仮面を被り、神楽耶に歩いて近寄った。
『どうされたのですか神楽耶様。そんなに慌てて』
神楽耶は数度息を付き、呼吸を整えた。そして、ゼロの前で手を組み、告げた。
「天子様が、天子様が」
神楽耶の口からカレンとゼロを驚愕させる事実が伝えられた。
天子の婚約を、二人はこの時初めて知った。
○
「なぁ、アーニャ。お前は一体何が気に入らないんだ?」
「別に」
中華連邦の高級なホテルの一室。結婚式当日まで割と暇なジノとアーニャは、私服姿で並んで座り、今流行のレーシングゲームに勤しんでいた。
二人とも会話を交わしながらも、顔を合わせず画面を凝視している。
ちなみに、この状態でかれこれ三時間になる。
「だってさ、お前明らかに不機嫌だろ。なんでだよ、スザクがナナリー総督のために残らなかったからか? それとも、ロイと離れ離れになったからか? ってうお!?」
トップを独走していたジノの自機が、ゴール直前でアーニャからのアイテム攻撃を受けてスピンしてしまった。その隣をアーニャの車がしたり顔で通っていき、
「はい、また私の勝ち」
「だーー! またゴール前で、抜かれたぁぁぁあ!」
ジノは髪を掻き毟って歯噛みした。画面上ではスピンの間に大きく順位を落としたジノのキャラクターががっくりと項垂れていた。
「ジノは無駄な動きが多い上に、常に一位を独占しようとするから、攻撃アイテムの脅威に晒されやすい。このゲームは中盤まで真ん中の順位を維持し、後半一気に巻き返すのが基本」
アーニャは淡々と解説した。事実、アーニャは先ほどからジノを交えた十人以上のインターネット対戦で三十戦無敗なので、言っている事に間違いは無い。
「いや〜、そうは言うけどな。なんか嫌なんだよ、他人に前を走られるのは。ほら、“ブリタニアの疾風”である俺としてはさ」
その言葉に、アーニャは怪訝な顔で、首を傾げた。
「“ブリタニアの疾風”? 何それ、初耳」
「ん? 知らない? 俺の二つ名」
アーニャはしばし考え込んだが、思い当たるものは何も無かった。
支援
「……聞いた事ない」
アーニャは眉間に皺を寄せた。
「もしかしてそれ、自分で作った?」
「だって、ロイとスザクにだけあって、俺には無いって言うのもさみしいじゃないか」
それを聞いて、アーニャは、可哀想なものを見るような――というか実際、可哀想だと思った――目をジノに向けた。
「自分で作った二つ名とか……虚しくない?」
「言うな……」
ジノは一瞬泣きそうになった。しかし、彼は不屈の精神で立ち直った。
「さてアーニャ! もう一回だ!」
「望む所」
そして、二人はまたレースを始め、テレビ画面に凝視した。
レースの序盤、相変わらずジノが序盤から一位を走っており、後続からの強い攻撃アイテムの脅威に晒されている。
(男って、ほんとうに懲りない)
アーニャはそう内心で呟きながら、ジノのキャラクターに攻撃アイテムを放った。しかし、それは違うキャラに当たってしまった。
「なぁ、さっきの話なんだが」
ジノが肩を揺らし、コントローラのステックをガチャガチャと激しく動かしながら言った。アーニャは逆にコントローラーを最低限の動作で操りながら答えた。
「二つ名の事?」
会話しつつも、二人は画面から目を離さなかった。
「違う。それは忘れてくれ……お前の機嫌が悪い件だよ」
ジノのキャラは、上手い機動で敵からのアイテムをかわした。彼は「よし」と歯を出して笑った。
「ロイがいなくて寂しいのと、スザクが友達のナナリー総督のために残らなかったのが気に入らないのは分かるが、少しは機嫌直せよ。もう殿下のご結婚までそう時間も無い事だし、俺としては三人一丸となって護衛任務にあたりたいんだ」
「……別に、迷惑はかけてない」
「かけてるよ。お前、中華連邦にきてからずっとムスっとしてるじゃないか」
「私は元からそんな顔」
「その点にはおおいに同意する。だけどな」
ジノは勢い余って上半身をテレビ画面にグッと近づけた。その大柄な体躯に視界の一部を塞がれたアーニャは、迷惑そうな顔をして、座る位置をちょっと横にずらした。
「お前が不機嫌かどうか見破れない俺だと思ってるのか? それに、中華連邦に来てから、スザクとは必要最低限の事以外、一言も喋ってないじゃないか」
「……」
支援
支援
アーニャは無言で自機のスピードを速めた。レースは中盤。そろそろ、勝負をかけ始める頃合だった。
「とりあえず、スザクと仲直りしてくれないか? ってああ! 誰だ今、俺に赤甲羅ぶつけたのは!?」
ジノの自機の隣を、『ピザ大好きっ子』というハンドルネームのキャラが魔女のような人を小ばかにした笑顔を浮かべながら通過していった。
「あ〜、またピザ子か! さっきもアイツにやられたな、くそ」
ジノは毒づいて、またレースに集中した。
「で、話を戻すけど、スザクと仲直りしてくれよ」
「別に、全部が全部スザクが原因で機嫌が悪いわけじゃない」
「じゃあ、何が原因なんだ」
レース終盤でアイテムを当てられたからか、ジノの声は苛立っていた。アーニャはその後ろから淡々と、自機が無敵になるアイテムを使用し、その後、車をジノと接触させた。ジノのキャラはコースから吹っ飛び、悲痛な叫び声を挙げながら谷底へ落下していった。
「うわ、また俺がビリじゃないか!」
ジノはまた頭を抱えて悔しがった。その隣で、『ピザ大好きっ子』を抜かしてゴールし、31回目の一位を獲得したアーニャは、コントローラーを操る手を止めてポツリと呟いた。
「女の子が好きでもない男と結婚するのは、見ていてあまり気持ちのいいものじゃない」
それは、アーニャから見て可哀想なもの以外の何物でも無かった。国を背負う者の宿命と言ってしまえばそれまでだが、少なくとも自分には絶対耐えられないと思えた。
何よりアーニャがそう強く思ったのは中華連邦到着後、すぐにラウンズ三人で天子に挨拶に伺ってからだった。そして、直に会ってアーニャは気付いた。というか感じ取った。自分とナナリーも持つ、女性が当たり前に抱く感情を、
――この人、他に好きな人がいる。
支援
35 :
名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/16(日) 20:19:35 ID:dOzPJObu
支援
それからだ、アーニャの心に何かやるせない気持ちが巣食ったのは。
やっぱり、女の子に生まれた以上好きな男(ひと)と出会って、結婚して、子供を生んで、家庭を築いて、そして最後はその好きな人とほぼ同時に死にたいものだ。と、歳相応にアーニャは思うのだった。
いや、正確には思うようになったのだった。
「可哀想……とても」
アーニャは本心からそう思っていた。
「んあ、何か言ったか!?」
ジノが最下位ゴールの不機嫌さをそのまま表した顔でアーニャに言った。アーニャは更に不機嫌な顔をジノに向けてやった。
「別に」
「じゃあもう一回だ!」
「何がじゃあ、なのか分からないけど望む所」
そして、レースは32回目に突入した。
ロイとは違い、二人の夜は遊びで更けていった。
シーン9『気持ちの問題』Bパート終わり。Cパートに続く。
投下終了です。
支援感謝です。
ではでは〜。
<連絡>
あと、申し訳ありません。今後は国家試験に集中するため、更新は二週間に一度程度になると思います。
>>37 GJ!
中華編の始まる前の一時という感じですね。
三陣営に分かれたそれぞれの話が実に興味深いなあと思いました。
アルフレッドが生き残れた理由もきちんと説明が付けられていて納得です。
あと、ジノ。対戦相手のピザ子は言うまでもなく魔女様ですねw
次回も楽しみにしております。ご無理のないように。
>>37 GJ!アルフレッドがいかにしてロイを信頼するようになったかが細かく書かれていて納得です。
それぞれの心情やらが細かく描写されていて、すごいと思いました。
次回をお待ちしています。
>>37 GJ!
まさかアーニャが他人の色恋について反応するとは…ロイの影響は偉大ですね。
職務は別として、星刻やゼロが結婚妨害やったときは内心拍手喝采するんだろうか。
>>37 KOUSEI卿、GJでした!
アルフレッドがライを信頼し、生き残っている理由に納得でした。
ゼロとカレンの会話、ライを恋しく思う結構乙女なカレンとライのことに責任を感じている不器用なゼロがいいかんじでした。
アーニャとジノ……マ○カー!?
あるのか? この世界に!?
と、どうでもいい所に驚愕しました。
自分で付けた二つ名、痛いねw
やはりアーニャの感情がなかなか豊かになってるようですね。
国家試験、無理をしすぎずに頑張ってくださいね!
貴公の次の投下を全力を挙げて待っております!
>>37 GJ
ジノの二つ名wもとは金髪の英雄さんの双璧の方のやつですか。
記憶が戻ってカレンとくっつくかハーレム化するかのどっちかなんだろうなぁ
>>37 相変わらずのGJ!各キャラの感情が丁寧に描かれていて素敵すぎます!
きっと、ルルーシュの友情とナナリーの優しさとスザクの勇気とアーニャの理解、そしてカレンの愛がライの記憶を呼び覚まし、みんなハッピーになることでしょう!
>>43 皮肉かぼやきか当て擦りか知らんが感想じゃないのなら余所でやれ
>>45 ここでやらないでどこでやるのかわからんが、不快なら相手にしなきゃいいのに
煽りに反応すると付け上がるよ。
トーマス卿へ保管庫の現スレが30のままです修正した方が良いと思いますが。
>>47 『良いと思いますが。』
てのはちょっと上から目線すぎやしないか?
あくまでもこっちは助けてもらってる側なわけなんだし
そんな突っかかりなさんなって
穏やかにいこうよ
>>37 遅くなりましたがGJ
相変わらず文句のつけようがない出来ですな・・・感服です
もういっそ本編よりKOUSEI版のキャラ造詣の方が面白うわなにをするやめr
貧弱な軍馬卿の『嬉しい報せも時と場所を選ぶ』が保管不全な気がします。
読み直してみたら、途中で文が飛んでおりますよ〜……ここに書いてトーマス卿に届くのだろうか?
51 :
45:2008/11/18(火) 08:45:53 ID:RgHiYq2e
>>46 だったらお前もスルーしてろよ。たちの悪さは明らかに
>>43の方が上だろうが。
俺に突っかかってんなアホ
>>47 何が「反応すると付け上がる」だ。鼻膨らませて得意げに書き込んでんじゃねえよ。
お前こそ煽ってんじゃねえか。ブサオタはおとなしく自殺するか引きこもっとけ
荒らし乙
これが若さか・・・
なんかこのスレも廃れてきたな・・・
荒らしもわくようになったしね
ゲームの新作とかでもこないと
>>51 たちが悪いのは君だよ。まぁ、君みたいのは自覚ができないタイプばかりな上に指摘されると逆切れしかできないのだがな。
でも誰にも注意されないと調子に乗るだけだから言ってあげよう。
可哀相なお子様だね。それで人生楽しいか?
荒らし(とそれと同等の発言をする者)はスルー汁
相手をする行為も荒らしです
自演だろ?
>>50 ここを含むいくつかのスレは私の常時監視対象ですのでご安心を。
作品の方は修正しておきました。ご報告ありがとうございました。
>>55 当方の意見を纏め次第、参加させていただきます。
最近投下少ないね…
他ロボットアニメとロスカラのクロスでも解禁すればまた投下数増えるかな?
他の作品のクロスですかー
意外と面白いかも知れませんねぇ
でもクロスは読み手を選ぶしなあ
ギアスしかロボットアニメ見てない人は苦しいかもしれない
最後に投下があったのが丸二日前だかんな〜
こんな事初めてでしょ。やっぱり今の状態が解決しないと無理な空気なのかな?
誰でもこんな空気で投下したいとは思わないよ。
私だって、以前だったら空気変える為に投下したいと思ってたけど、今の現状じゃ投下どころか書く気さえ失せる。
初めまして。
コードギアスのSSに興味があったのでググっていたらここを見つけました!
保管庫にあるSS全部読みましたが、みなさん凄いですね。
文才の全く無い自分にはとても小説など書けないので、本当に凄いと思います!
これからは定期的にこのスレきて
投下される方がいたら積極的に支援していこうと思います!
最近忙しかったんで、投下できませんでした。
23時半から投下してもいいですか?
最後までできるかわかりませんが、支援します
支援します
70 :
名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/18(火) 23:19:20 ID:3SfzJv1A
支援
俺式ロスカラ続編〜騎士団カレンルート〜 5話
一応シリアス系でタイトルどおり、騎士団カレンルートから特区日本の失敗ifからの続き。
R2で言うとだいたい7話目あたり。
今回は10レスくらい
支援
「……イ……ライ………おい、ライ!!」
はっと気がついた時、僕は残月のコクピットに座っていた。
周りには玉城と南が決して広くないコクピットの中で
僕に向かって懸命に声をかけてくれていたみたいだ。
「どうしたんだよライ、せっかくラウンズやっつけるチャンスだったのによ〜」
「あ、うん。ごめんみんな。」
どうやら、あたりを見まわすと騎士団の母艦に収容されたところで、グレンがまだ戻ってきてない様子から推測すると、
気絶してからたいして時間が経ってはいないようだった。
「ったく。一年ぶりの再会がこんなんじゃぁ しっくりしないぜ」
と玉城は再会の喜びを込めて僕の背中をバシバシと叩いている。
そう言われ、初めて玉城と南の顔を見たのだ。
「あはは、そうだね 二人とも。ただいま。」
「まぁ本当は、俺たちがただいまって言う方なんだけどな。そっちも一年間ご苦労様。」
と南も笑いかけてくれる。
この二人はいち早く戦線を離脱したため、僕が発進してからこの船とすぐに合流できたらしい。
その後は暁を使い脱出ブロックの回収を手伝っていたのだろう。
「ねぇ、僕の機体を回収した時、ラウンズの機体と戦闘にならなかったの?」
とふと疑問に思ったことを聞いた。
「あぁ、あのデカブツもお前と同じように落ちててな、
そのデカブツを回収していた機体はな、俺が攻撃しようとしたら恐れをなして下がっていったんだ。
なんていうかさぁ、俺も戦場での戦いに慣れてきて ほら、プレッシャーっていうの?戦士の貫録っていうの?
お前みたいに、そういう威圧感を与えられるようになったんだぜっ、お前にも見せてやりたかったぜ〜
帝国最強とか言われてるあいつらがしっぽまいて逃げていく様をよ〜」
と肩を叩きながら、自信満々に高笑いする玉城。
南は思った通り肩をすくませ溜息をつき、相手をするなと目で伝えてきた。
もちろん、僕も最初の二行だけを聞いて後はほとんど聞き流していた事は言うまでもない。
支援
それにしても、トリスタンのパイロットは僕に情けをかけたのだろうか。
それとも、動かない敵を倒しても意味がないという騎士のプライドから撃たなかったのか。
それに、なぜ あのモルドレットは僕を攻撃せず、一緒に落下していたのだろうか。
そもそも、あの頭痛は何だったのか…………
「なんにせよ助かったんだ。そんな難しい顔してないで、ここから出てみろよ。みんなが待ってるぞ。」
と南の言葉が僕の思考を遮った。
外にでると懐かしい顔ぶれが出迎えてくれた。
それぞれ、色々な事をおもいながら 僕がコクピットから顔を出すのを待っていたのだろう。
「みんなただいま。いろいろ心配かけたけど、僕はもう大丈夫だから。」
それぞれ思い思いにライという名前を呼んだり、戦闘隊長おかえり、といった声が飛び交った。
下に降りると男も女も関係なしにライを取り囲み、彼を引っ張りだこにしながらも先ほどの戦闘を褒めたたえてくれた。
負傷者は出たものの、死傷者が出ずに済んだのはライの発進時における判断とラウンズを引き付けてくれたおかげである。
人の群からぬけ、扇さんや藤堂さんたちに挨拶を交わし大袈裟ではないかと聞いたが、
それほど彼らにとって黒の騎士団の双璧と称されるエースの存在は心強いものなんだとここでも褒められてしまった。
久しぶりの仲間たちと懐かしい時間を過ごしていると、突然ハッチが開いた。
天井には大空がひろがり、心地良い風がドックに流れこんだ。
カレンが着艦するのだろう。
ゼロを抱えた紅蓮が少し離れた地点に着地した。
今回の作戦は総督 ナナリーの鹵獲であるがゼロと一緒にいる人の気配は全くない
支援
どうやら、新総督の脱出は失敗したらしい。
おかげで、普段の彼のような威厳のある雰囲気はまるっきり感じる事ができない。
仮面の上からでも楽に感じとれる覇気の無さ。
団員たちもその雰囲気を感じたのか。
さっきまでの喧騒が一気になくなった。
「ゼロ、これからどうするんだ」
と扇さんがゼロに訪ねる。
しかしゼロは質問に反応することはなく、うつむいたままだった。
そこへC.C.がやってきた。
「今回の作戦の失敗でこいつも思う事があるのだろう。指示は追々だすだろうから、それまで横須賀湾で潜伏だ」
と指示を出し、ゼロを連れて部屋に戻っていった。
正体を知る僕らも彼を訪れようとしたが、今は何をいっても聞く状態じなゃいとC.C.に言われて部屋を後にしたが、彼と話をする事はその後もなかった。
ゼロと連絡がとれなくなってから今日で2日目。
今日の夜には隠れていた横須賀を離れなければならない。
僕とカレンは未だにルルーシュを探していた。
カレンはゲットー、僕は租界を中心に手分けして探していたが見つからない。
思いつく場所を手当たりしだい探したのだが、どこにも見つからず
最後まで 行くかどうか迷っていた学園に足を延ばしてみる事にした。
幸い、修学旅行の期間だったので、学園には人の気配はなくクラブハウスには簡単に入ることができた。
しかしながら、人の気配がないのはルルーシュの部屋も同じで、部屋の中もがらんとしていた。
「ここでもないか…」
学園といっても、この部屋だけが彼の居場所ではない。
部屋を出てルルーシュがよく授業をサボったり考えごとをするときに行っていた屋上を探してみる事にした。
が、となりにあった部屋。
一年前にここで拾われてから住んでいた僕の部屋をつい覗いてみたくなったのだ。
「誰!」
部屋のドアノブに手をかけると 後ろから女性に声をかけられた。
一年前の感傷に浸っていたせいか、つい警戒をゆるめてしまったため、ライは声をかけられるまで気づかなかったのだ。
どうするか考えている間も、その足音は近くなる
相手は女性だが、殺気は感じられない。
しかし、ある程度までは完全に一般人のスピードで近づいていた彼女が、
瞬間移動したような速さで間合いを詰めてきた。
殺気を感じられなかったことだけで油断していた僕は
その瞬間移動に反応が遅れてしまい、体をくねらせ、両腕を顔の前でクロスさせる
もはや一般人の女性のような、なさけない防御の構えをとってしまった。
これが戦の時代に生きる自分だったら死んでいただろう。
そんな事を考えているライをお構いなしに、先ほど声をかけてきた女性は僕の両肩を捕まえ、その人と向き合わせた。
「やっぱり!ライじゃないの!!」
支援
支援
「ここでもないか…」
学園といっても、この部屋だけが彼の居場所ではない。
部屋を出てルルーシュがよく授業をサボったり考えごとをするときに行っていた屋上を探してみる事にした。
が、となりにあった部屋。
一年前にここで拾われてから住んでいた僕の部屋をつい覗いてみたくなったのだ。
「誰!」
部屋のドアノブに手をかけると 後ろから女性に声をかけられた。
一年前の感傷に浸っていたせいか、つい警戒をゆるめてしまったため、ライは声をかけられるまで気づかなかったのだ。
どうするか考えている間も、その足音は近くなる
相手は女性だが、殺気は感じられない。
しかし、ある程度までは完全に一般人のスピードで近づいていた彼女が、
瞬間移動したような速さで間合いを詰めてきた。
殺気を感じられなかったことだけで油断していた僕は
その瞬間移動に反応が遅れてしまい、体をくねらせ、両腕を顔の前でクロスさせる
もはや一般人の女性のような、なさけない防御の構えをとってしまった。
これが戦の時代に生きる自分だったら死んでいただろう。
そんな事を考えているライをお構いなしに、先ほど声をかけてきた女性は僕の両肩を捕まえ、その人と向き合わせた。
「やっぱり!ライじゃないの!!」
支援 二重?
支援
なんと、そこにそこにあった顔は ルルーシュを監視しているはずの軍人でも、バトレーの手先でもなく、
一年前に僕をひろってくれたこの学園の理事長の孫ミレイ・アッシュフォードだった。
「えっと、どうも。お久しぶりです。」
みんな修学旅行でいないと思っていたので予想外のイレギュラーに戸惑い、自分でもなさけなくなるような挨拶をしてしまう。
「お久しぶりじゃないでしょ〜。特区日本で死んぢゃったって報告うけてたんだから〜。
なんで戻ってこなかったのよ?」
頭を僕の胸に押し付けながら発したその声は、とても細く、泣いているようだった
「すいません。巻き込まれた時に怪我しちゃって…それからは中華連邦で療養してたもので。」
「だとしても、手紙くらい送りなさいよ全く。みんなどれだけ悲しんだと思ってるの?」
「すいません」
事情はあったものの、みんなを心配させてしまったことには変わりはない。
申し訳ない気持ちで、ライはつい目をそらせてしまう。
「でも、もう帰ってくるんでしょう?みんな喜ぶわよ〜」
すごく断りにくい笑顔を浮かべ、ミレイはライの肩に伸ばした腕を叩くように上下に振る。
先ほどのかよわい女の子はどこに行ったのだろうか…肩が痛い…。
「すいませんミレイさん記憶が戻ったんです。それで、全てにけりをつけるまでは戻れません。」
今まで肩を力強く掴んだり、叩いていた腕がだらりと力が抜けたようにおちる。
「そっか〜穏やかな記憶じゃなかったのね。後悔してる?」
「………少しだけ。」
上の二重カキこすいませんでした。
まぁ結局何処に、投下したら良いんだ事だろ。
ぶっちゃけどっちでも良いから早く決めて欲しいって所じゃないか?
支援
どう答えるか考えたが、正直に思った事を述べた。
ライにとって忌まわしく呪われた消し去りたいほどの過去。
思い出した事にも後悔はあるが、それ以上に、昔 行ってきた事を悔いているのだ。
腕をそっと下ろし、後ろをむいた彼女の顔をライは知るよしはなかった。
過去にしばられて今日を楽しめない、お見合いや結婚という未来が今を縛っていた彼女にとっては、似たようなものを見いだせたのだろう…
けれど、彼女は知っている。
知っているというより、当たり前だと思っている。
苦しいかもしれないが、過去を受け入れ未来に抗うのが人だという事を。
「あの、ミレイさん。ルルーシュいますか?」
「相変わらずよ、あいつは。修学旅行だっていうのに姿みせないし。何考えてるんだか…」
「そうですか。」
つい残念そうな声をだしてしまう。
「でも、リヴァルとシャーリーならいるわよっ!」
元気だしてと言わんばかりに肩を叩いてくるミレイさん。
二人に会いたくないワケではないが、ルルーシュとは会う目的が違う。
しかしながら、修学旅行と言っていたのに何故いるのだろうか。
「そういえば、どうして残ってるんですか?」
「旅行なんてものは誰と行くかなのよ。ちなみにあたしは留年しちゃって。」
と彼女は舌を噛んで笑って見せた。
支援
支援
「そうですか、みん…」
「ストーップ」
ライは、みんなによろしくと言い、帰ろうとしたのだが、ミレイさんに言葉を遮られた。
どうやらそうはいかないらしいが、当り前か…
ルルーシュを探しに帰ろうとしたのを止められてしまう。
「ライ、あなたルルーシュには会いたくて、リヴァルとシャーリーには会いたくないわけ?」
「いや、決してそういうわけじゃ……」
「なら、あなたが死んだって報告うけた時、みんなどれほど悲しんだと思ってるの?心配かけた罰として花火に参加しなさ〜い。」
「はい…」
ここまで言われれば会長命令でなくても人として参加せざるを得ない。
現に、みんなに心配をかけた上に悲しませたのは事実だから。
彼女を前にして屋上に向かおうとした時
「あぁ、そうだ。」
と言って振り返ったミレイさんはとびきりの笑顔で『おかえり』と言ってくれた。
ミレイさんに連れられて屋上に着くとそこには花火の準備をしているリヴァルとシャーリーがいた。
「うそっ」
「おい、マジかよ」
リヴァルもシャーリーも目の前の状況を理解できないといった顔をしている。
それぞれ、驚きのほうが大きく再開の言葉などを考えるほどの余分な思考を持っていないのだ。
「みんな、久しぶり。」
「どお〜、クラブハウスでこんな掘り出し物みつけちゃった〜」
「ミレイさん。僕はモノ扱いですか?」
けれど、リヴァルとシャーリーはまだツッコミを入れられる状況にまで回復していない。
支援
「あの、二人ともごめん………今まで連絡」
「よかった…」
「あぁ…よかったよ生きててくれて。それだけで十分だ。」
リヴァルとシャーリーは目に涙を浮かべている。
それに感を受け、自分の視界がぼやけるのを感じた。
「みんな、心配掛けてごめん。」
自分でも驚いた事に、そう言おうとしたのだが、口が震えてうまく言葉を紡げなかった。
「さぁ、再会を記念して一足先に花火しちゃいましょ」
そう言ったミレイさんの目端もキラキラ光っていたように思えたのは気のせいだろうか。
でも今そんなことはどうでもいい。
偽りの記憶に汚されていても、ここでは僕の帰りを待ってくれてる人がいるのだ。
花火を開始してからまもなくルルーシュが現れた。
花火に気付き、体力の乏しい体で急いで階段を上ってきたのだろう。息がかなり上がっている。
「みんな、どうし………ライっ、何でここに。」
「ルルーシュ久しぶり。」
厳密には久しぶりではないが、ゼロではなくルルーシュとの再会は一年ぶりだ。
演技するわけでもなく、純粋に彼との再会を喜んだ台詞が口から自然と洩れた。
「あぁ久しぶりだな。」
ルルーシュも僕との再会を純粋に喜んでくれるように言った。
しばらくしてシャーリーの手にあった鶴の折り紙を見てそれを指摘する。
「シャーリー、それ………」
支援
支援
支援
「あぁ、これ? 願い事が叶うっていうからおってみたの。
誰に教わったか忘れちゃったんだけど、千羽おると願いがかなうんだって。」
皇帝のギアスによって汚された過去。その中にいるナナリーの折った鶴。
彼女のことは記憶から消えていても、同じ生徒会のメンバーとしての絆は消えてはいなかったのだ。
その証拠に彼女が願っていたやさしい世界がここにあり、折り紙という形で彼女の思いは伝わっていたのだ
「そうかシャーリーは何を願ったんだ?」
「もう叶ったよ。みんなと一緒に花火がしたいなって願ったの。」
「みんな?」
「ルルーシュにロロ、スザク君にニーナ、それとカレンも。
流石にライは死んじゃったから会えないと思ってたけど、
一羽折っただけでルルは来てくれるし、ライなんか生き返ってくれたんだから!!かなり効果あるみたいだよこれ。」
ルルーシュはうつむいていた。先ほど僕が感じた事と同じような事を感じているのだろう。
「泣いているのかい?ルルーシュ。」
「俺たちの友情に感動した?」
僕が聞くとリヴァルも続いてちゃかしだした。
「バカ泣いてなんか………」
と対するルルーシュは予想通り後ろを向いて素直じゃない反応をよこしてくれた。
支援
支援
―何だろうこの暖かい気持ちは…
どこか懐かしいような気がする。
ここで拾われた時の懐かしさじゃなく、もっと前の記憶…
そうだ、まだギアスを手に入れる前…本当にまっさらで純粋な気持ちを持っていた僕が、
「母と妹を守りたい。」
と、兄上たちにいつも以上にいじめられ、帰っってから二人に励まされた時 幼い僕はそう思った。
ただ、それがどんなに無茶で無謀なことかも知らなかった上、
本当の意味で世界がどう仕様もないくらいに思いどおりにならないという事も解っていなかった。
だから、現実に打ちのめされた時、世界に絶望しギアスを手にいれ目的を達成するための手段なんてどうでもいいと思って行動した。
その結果は自らの力に飲み込まれ、その暖かくて心地よかった場所を失ってしまったけれど…
でも、今回はちがう。この場所は僕だけの場所ではない。
僕とともに呪われた力を持つルルーシュ、
呪われた力に振り回され悲劇を見てきたスザク、
そして何よりも大切にしたいと思える最愛の女性カレン
僕らの帰るべき場所、小さいけれど暖かくて誰にでもやさしい世界を僕は守りきりたい。
今度こそ 絶対に。
――――――
支援
支援
「みんな、実は記憶が戻ったんだ。」
みんなは一瞬、僕の記憶の回復を喜んだが、僕は構わず続けた。
「それで、昔の記憶の人たちの為にしなくちゃいけない事があって、今は学園に戻れない。」
僕の台詞の意味を汲み取ってくれたのだろう。残念がってはいるが決して声に出そうとはしない。
「だから、僕がすべてを終わらせてここに帰ってきたら、またこの屋上で花火を上げたいんだ。
もちろん、今ここにいないニーナやスザク。カレンにルルーシュのきょうだいも一緒に。」
そこまで言った後みんなは真剣な眼差しを僕に向ける。
「やはり、お前とは一年経っても気があうな。俺も、またみんなでやりたいと思ったところだ。」
「早く終わらせて帰ってきてね。どんな過去があったって、ここはライの家なんだから。」
「おれたち生徒会メンバーは、いつだってお前を歓迎するぜ〜」
「気をつけてね。何かあったら遠慮なく相談しなさいよ。どんなことがあっても、私たちはあなたの味方だから。」
「ありがとう。みんな。」
今日は目端が緩いのだろうか、僕はまたもや視界がぼやけるのを感じてしまった。
つづく。
今晩は相変わらずの支援ありがとうございます。
投下 最近少ないですね。。。。
本編が終わってから時間がかなりたってるんで仕方ないとは思いますが・・・
皆さんが楽しみにしてくださるかわかりませんが、
今年中にゼロレクイエムあたりには進めたいと思っていますんで今後とも支援の方お願いします。
>102
おつかれさまでした。
あの花火の光景の中にライが居たら。
そんなせつなくも温かな想像を描いていただけたことが嬉しいです。
ゼロレクイエムまで・・・悲劇は避けられないのかな?
続きを拝見できる日を楽しみに。ありがとうございました!
投下お疲れ様でした。重複分は削除済みです。
続きも勿論、首を長くしてお待ち致しております。
>>102 B.B.卿、GJでした!
温かく、しずくが目から零れそうな気持ちになりました。
生徒会メンバーのこの雰囲気、良いですね。
「きょうだい」がひらがななのも、結構きました。
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
106 :
快風:2008/11/19(水) 18:56:21 ID:Sih9MXua
19:15より投下します。
10レス程度、専任騎士シリーズより続きを投下。
支援よろしくお願いします。
支援します
一つの戦いが終わる。
その戦いで二人の男はそれぞれの名を胸に刻む。
ライ・アスプリウスと藤堂鏡志朗。
彼等の邂逅は偶然か、それとも必然なのか……。
出撃した艦載機を全て、多少トラブルもあったが、回収しアヴァロンは離脱する。
今回は此方の負けだな、と、ここまでのことを振り返りカノンは一人思う。
「父上だったらどうするだろうかな」
そう、誰かに向けたわけではないであろう言葉を発するは、ブリタニア第2皇子シュナイゼル。
戦場からの離脱への航行で、慌しささえあるブリッジの喧騒の中でも、
周囲に耳を傾けさせる力がその言葉にはあった。
支援
110 :
対峙3:2008/11/19(水) 19:12:05 ID:Sih9MXua
「ふふ〜、まぁ皇帝ちゃんだったらそのまま応戦しちゃうんじゃない?」
と、空気を読んだか読まずか、発言したのはロイド・アスプルンド。
そう言い放ちながらスキップしながらブリッジを出て行くあたり型破りな彼らしい。
その後を失礼しました、と謝罪しながら追っていくクルーミー女史の普段の苦労が偲ばれる。
いそいそと向かうのは恐らく格納庫。
拿捕した黒の騎士団のエース機を触りたくて仕方がないのだろう。
そんな彼の行動を思ったのか、殿下は笑っている。
珍しく作った笑顔ではない、本当に面白そうな顔で笑っている。
確かに殿下の趣味を考えれば、当然かと納得しながら思う。
シュナイゼルという人間は優秀でありながら変わった人物や物を尊び愛でる。
特派を作った事や、自分のような人間を主席副官に命じたことも。
111 :
対峙3:2008/11/19(水) 19:14:55 ID:Sih9MXua
カノンは自分の性質についてよく理解している。
全うな軍人や上官であったら扱いに困るであろうし、理解もされないだろう。
実際に苦労もしてきた。
実力を認められ、シュナイゼル皇子と対面したときには思わず聞いてしまったほどだ。
”何故自分を”と。
そのときに彼の趣味とも言える人材収集家の一面を知り、ある種のあきれを覚えたのは
カノンだけが秘める秘密だ。
もっともロイドという存在を知ったときには、”上には上がいるか”などとも思ったが。
何せ、今も偉大なる皇帝陛下を”皇帝ちゃん”などと呼ぶような命知らずは彼以外いないだろう。
任官されてからも収集癖は変わらず、最近では騎士までも大抜擢したのだ。
ライ・アスプリウス。
出自の知れない特派出身のパイロット。
112 :
対峙3:2008/11/19(水) 19:17:48 ID:Sih9MXua
その若さに似合わず卓越した操縦技能、戦術眼を誇る逸材。
これほどの人物が在野に埋もれていたのが信じられないほどだ。
記憶喪失とのことだが、記憶を失う前は何をしていたのやら。
だが、不思議と彼に対する負の感情を抱く事はない。
人柄もよく、誰に対しても物腰が丁寧である好青年、それが彼の評価。
周囲にそう思わせるその辺りが彼の恐ろしさであろう。
気付けば誰しもが彼を慕い、手を貸しているのが証拠であろう。
この1年で大分風当たりも弱くなり、周囲に認めさせたのだ。
シュナイゼルも、カノンも当初より認めたとはいえ、やはり反響は大きかった。
次期皇帝最右翼のシュナイゼルだからこそ、その騎士をと望むものは多い。
ある種ラウンズに匹敵する権限を持つことが約束されているのだ、当然であろう。
そんな敵だらけの中で彼は未だ立ち続け、その力を示しているのは並大抵のことではない。
政治も武力も、申し分ない力を持つ騎士。
彼の存在はそれまでのシュナイゼルにとって大きな力となるのだ。
ennsi
114 :
対峙3:2008/11/19(水) 19:20:14 ID:Sih9MXua
これまではシュナイゼルにとって武力と言う面で些か不足していた。
主としてエースという存在だ。
だが、そんな中新たに現れた少年。
彼はその力を思う存分見せつけたのだ。
常に戦闘の最前線で剣を振るい、常に勝利してきた。
だからこそ、今回の戦いで機体を損傷し帰還して来たのは周囲を驚かせた。
今までも損傷しなかったわけではないが、一人の敵を相手にしこうなったことは初だ。
1対1ならばラウンズとも互角で渡り合えるであろうライが機体を損ねる。
その様なことがあることが驚きだった。
ましてや黒の騎士団はエースを失い弱体化しているはずだった。
一人で戦局を変えられる、などと夢物語な事は考えないが、現実に戦闘の柱たる存在の損失。
それにより士気を下げることはできたであろう、だが、事態は簡単に終わることはなかった。
”奇跡の藤堂”並びに黎 星刻、3機の隊長機、そしてゼロ。
彼等の存在を軽視したわけではない、だが、ここまでひっくり返されるとは思わなかった。
今後の戦力計算の変更を考えねばなるまい。
そう思案していると。
「ゼロ、か。彼とはまた対戦したいものだよ。
そう、今回で少し何かを掴めたからね。あとは……」
シュナイゼルはシュナイゼルで思うところ、当然ながらゼロについて思いをめぐらしている。
前々から御執心なところがあるようだし、何かを感じているようでもある。
もっとも主たるシュナイゼルがその口から発せられるまでは尋ねまい。
思案の時間を終え、カノンは動く。
仕事は山ほどあるのだから。
115 :
対峙3:2008/11/19(水) 19:25:04 ID:Sih9MXua
藤堂は自らの乗機たる斬月を見上げていた。
現在ラクシャータ主導の下、急ピッチで修復されているのだ。
「まったく、こんなに怪我させてきちゃって、うちの子を…。
ま、いいデータが取れたから許すけど…」
そう、口では言いながらも、ラクシャータの作業への熱意が篭っていた。
しかし、彼が見上げているのは機体ではなく、刃を交えた相手のこと。
ライ・アスプリウス、シュナイゼルの騎士、青き死神。
彼を呼称する呼び名を連ね、思い返す。
命を賭けた戦いの中で、彼は高揚していた、戦いを楽しんでいたのだ。
昨年のブラックリベリオンの際にも、コーネリアの騎士、ギルフォードとも戦った。
彼との戦いも藤堂を熱くさせた。
だが、今回はそれ以上のものだった。
機体性能はほぼ互角、パイロットの技量も然り。
実力の拮抗した者同士の戦いは藤堂の心を刺激した。
支援
117 :
対峙3:2008/11/19(水) 19:27:33 ID:Sih9MXua
思えば8年前のブリタニアの侵攻では、満足良く戦いは出来ずに終戦。
日本解放戦線では思うように動けずに歯痒い思いを。
黒の騎士団でハード面でもソフト面でも充実し、力を振るえていた。
だが、ここまで熱くなった事はない。
日本解放を目指し、それ以外を見ずにここまでやってきた藤堂だった。
だが、出逢ってしまった、自らの力を示せる相手に。
武人としての自分を満たす好敵手に。
これからも日本解放への道の前に立ち塞がるであろう障害。
これまでの自分であれば邪魔なだけであっただろう存在を喜ぶ自分がいる。
結局自分は将である前に武人であったのだ。
だが、一つの道がまた出来たのだ。
日本解放という譲れない願いを叶えることも、彼を倒すという願いも同じなのだ。
その事実に気付き、藤堂は笑う。
ここ8年の闘志を向けるべきはブリタニアであった。
そのとてつもなく広い対象が、この時だけ一つに絞られたのだ。
ライ・アスプリウスへと……。
118 :
対峙3:2008/11/19(水) 19:30:11 ID:Sih9MXua
ブリタニア本国、ペンドラゴン。
無事帰国したシュナイゼルたちは、帰還早々休むまもなく事後処理を行った。
黒の騎士団と主流派へと成り代わったクーデター組の結託。
それは中華という国を大きく変化させるであろう。
だからこそ、大きくなる前に手を打たねばならない。
武官は1日の休息を与えられたため、ライは思いきり休息を取り、
翌日にはシュナイゼルの執務室へと向かった。
如何に命令とはいえ、騎士がたる自分が休み、シュナイゼルが働いているのだ、
申し訳ない思いで一杯だった。
それに自分同様文官筆頭たるカノンも、何故か強制的に休まされたのだ。
妙なものを感じつつも、ライは急ぐ。
そして、その予感は的中する。
119 :
対峙3:2008/11/19(水) 19:32:50 ID:Sih9MXua
「ライ、カノン。君たちには軍を率いて中華連邦を包囲してもらいたい」
その言葉に、僕はだからなのか、と確信した。
だからこそ、休ませたのだ、彼は。
「…纏まる前に、戦力を削るため、というわけですか」
と、僕はシュナイゼル殿下の言葉を確かめつつ、意味を問う。
「なるほど、旧主流派、大宦官派とも言える勢力は好意的ではないでしょうしね、
その不和を突いて領土を、ということですか」
と、カノンさんが続く。
「そういうことだ、基本は軍を外に構え、此方からは手は出さないつもりだがね。
その脅しだけで充分だろうし、これから上位皇族による会議があるから、
そこで話して許可を取るから、準備を頼むよ」
「「イエス・ユアハイネス」」
礼をしつつ、これからの任務の大変さを思いながら、決意を新たにするのだった。
(投下終了)
120 :
快風:2008/11/19(水) 19:34:06 ID:Sih9MXua
中華連邦編ラストです。
とは言っても、まだまだ中華との関わりが切れませんが…。
なんだか今回は1人称のような語りが多くなってしまいました…。
とりあえず、今回の話は、中華ラストから次回以降の導入部となります。
出来る限り次回も早く更新したいものです。
感想ご意見お待ちしております。
乙でした。
藤堂とライバル関係になるとは他ではない設定ですね。これは富士決戦の伏線かな?
一つ疑問なのは騎士であるライは良いとして、文官のカノンが部隊を率いるの問題が
あるんじゃないですかね?まあ直接戦闘がないから問題ないとは思いますがでもシュナイゼルの
騎士と文官筆頭の両方一度に離れるのも問題がある気がするのでどっちかだけでもいい気がします。
指揮系統の問題もあるでしょうから。ライを全般指揮にしてその下将軍クラスを付けるのが
違和感がなきがします。では次回の投下を楽しみにしています。
遅くなりました、色々整理してました。
この度はまたしても私の先走りによりスレに多大な迷惑を掛けてしまった事を先ずはお詫び申し上げます。
某所で移転の話が進んでいた際に、丁度31スレ目が容量限界を迎えていたので「じゃあ移転の話が持ち上がってることをテンプレに足そうか」
ということであのような形をとったのですが…もっと時間を置くべきでした。本当にすいません。
(一応言い訳でもないのですが…移転の話には私はノータッチでした)
以前と同じような失敗をしてしまい、進歩がないと罵られても何も言えない現状です。今は…今後気を付けるとしか言いようが無いです。
拙い文章ですいません。今はこれが精一杯の回答です。
>>120 快風卿、GJでした!
藤堂さんの心情とライバル描写が素晴らしかったです!
中華連邦編ラスト、次に騎士団と合間見えた時のバトルに期待です!
上で言われている事ですが、カノンは文官ですし
軍を率いるよりも後方での諜報活動等を行う方が
違和感が無いかな、と思いました。
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
おつかれさまです。
今回はインターミッションのような部分でしょうか。
もう少し心情の部分でも動きがあったら面白いのになあと思ったり。
シュナイゼルの副官という他ではない部分、どう生きてくるのか興味深いです。
次回を拝見できるのを楽しみにお待ちしています。
>>122 スレッドテンプレの変更(原案)をしたのがトーマスさんであることは
ここではどこにも明らかになっていない件ですし
議論用に避難所も用意されているのですから、そちらで発言された方がいいのでは。
a
10分頃に投下しても大丈夫でしょうか?
前書き・本文・後書き合わせての16レスです
>>122 あなたもう管理人やめてくれませんか?
何回も同じミスを繰り返す、どうせ反省も口だけでしょ?
今ある保管庫も閉鎖されることを強く望みます。でなければもうここには来ません
ありがとうございます。支援してくれる方に感謝を
後、お久しぶりです。間を空けてしまって申し訳ない…
スランプと風邪と私用の3連撃は手強いと思い知らされた今日この頃
えーっと…く、口を挟めそうに無いのでとりあえず黙ってます…
タイトル:コードギアス 反逆のルルーシュR2 RADIANT WORLD
カップリング:特になし
ジャンル:シリアス・長編
備考:ギアス篇&黒の騎士団篇の合いの子ルートのギアス篇ENDからスタートしています
R2の豪快なifルート&オリジナルKMFが登場します
苦手な方には本当に申し訳ないです
今回は話数にすると第8.5話。マルチスポットな話
支援
>>127 ここはあなた『だけ』のスレでは無いと思いますが?
少々身勝手な発言に感じられました。
仕事行くのでこれが最後の支援
INTERLUDE
【扇要の苦悩】
戦いのステージが世界へと広がっていこうとしている中、扇には気になる事があった。
それは彼と共に戦っていた青年、紅月ナオトの願いだった。
ナオトという青年が目指していた未来。その未来を目指す術をゼロに託した自分達。
そのゼロはブラック・リベリオンの時、自分達を裏切り見捨てた。
だが、彼以上に今の状況下でブリタニアに対抗出来る人物はいない。現実に横たわる事実は非情だ。
そうして帰ってきた彼は自分達を救出し、特区日本の折には自分達に道を選べと告げた。
覚悟の上で進んできた道、日本の独立という悲願。
ナオトという青年が目指したモノはなんだったのか、終ぞ聞けずじまいで彼は姿を消した。
亡くなったのかどうかもわからない彼なら特区日本から独立を目指したのだろうか。
扇の中のナオトは答えてくれない。そう、これは彼の意思で選んだ道でしかない。
それに彼には守らねばならない人間がいる。ナオトの妹であるカレンもその一人だ。
自分もナオトも反対だったテロに参加させてしまい、今や黒の騎士団のエース。
だが、戦わせ続けていいのだろうかと彼は今も悩んでいた。
戦いは世界へと広がっていく。そうなれば彼女の母親から遠ざかってしまう。
彼女とナオトが戦う理由、その一つが母親なのは扇にはわかっている。
二人が守りたかった者から遠ざけて、戦場へと進ませるしかない自分。
無理矢理にでも止めさせる出来る。しかし、自分だけが特別ではない。
支援
黒の騎士団に参加している人物の中にだってそういう人間がいるかもしれない。
想いと義務と責任の中で揺れ動く決心。それはカレンも同じなのだろうか。
彼は目の前でKMF隊のトレーニングに参加している彼女に視線を向けてみる。
別のメニューをしているのか、かなり汗をかいており息も上がっている。
「疲れているのはわかるけど先に汗を拭いた方がいい。風邪を引くぞ」
「あ……ありがと……」
後ろから彼女に声をかけながらタオルを投げかけた少年に扇は視線を移してみる。
少し暗めの銀色の髪にブリタニア然とした風貌の少年、ライも同じメニューをしていたのだろう。
しかし、彼は乱れていた呼吸を数度で整えてそのままトレーニングを再開していった。
「精が出てるな。でも、無茶はするなよ」
「扇さん……わかってますよ……それ位……」
ライの殺人メニューに流石のカレンも呼吸が戻りきらないらしく、まだ息も絶え絶えな様子だ。
その彼女の目線の先にはライがいる。100Mダッシュをしているのだが、扇が見始めてから既に二十本を越えている。
「ライも凄いな、まだ続ける気なのか?」
「そうみたい。本格的に一度やっておきたいって言ってたから」
ようやく呼吸が整ったのか、カレンは膝に手を預けた状態から背筋を伸ばす。
タオルで汗を拭き取りながらも視線はライに向けたまま。その表情を見て扇には何を思っているのかが読めた。
「悔しくて嫉妬するのはいいけど、無理に張り合おうとするなよ。カレンはカレンらしくやればいい」
「それ、ライにも言われた。後、嫉妬とかしてないっ」
支援
素っ気無く言いながらも彼女が頬を少し膨らませたのを扇は見逃さなかった。
蓬莱島に来てから主要メンバーにだけ明かされた事実、ライが日本人とブリタニア人とのハーフだという事。
扇はカレンが対抗心を燃やしているのを同じハーフだからなのかと考えてみた。
いや、同じハーフならそこまで意地にはならないだろう。となれば同じエースだからかとシフトする。
今はKMF隊の総隊長。つまり藤堂の一つ下になるが以前は総司令補佐だ。
そしてカレンのパートナー。つまり、もう一人のエースだからかとようやく見当がついた。
そのカレンはライのメニュー表を確認してから深呼吸をしてトレーニングを再開していく。
反対にライはインターバルに入っており動きを止めて呼吸を整えはじめている。
扇は休んでいる彼を呼んで頼み事をしてみる事にした。
「ライ、少しいいか?」
「少しなら問題ないですけど、どうかしたんですか?」
先程までダッシュしていた人間とは思えない整った呼吸をしながら近づいてくる彼に扇は思わず驚いてしまった。
汗もカレンと比べれば雲泥の差であり、ライを実は人間ではないのではないかと疑ってしまう。
「……失礼な事を考えていませんか?」
「あ、いや、スマン……実は頼みたい事があるんだが」
「頼みたい事ですか? 黒の騎士団についてなら僕より―――――」
「そういう事じゃないんだ。あ、いや、そういう事だな」
扇の少々要領がはっきりとしない返答にライも思わず頭に疑問符が浮かぶ。
彼なりに思い当たる所を考えたのだが、ピンと来るものが浮かばず扇の言葉を待つ事になる。
扇も少し悩んだのだが他に頼める人物が浮かばず、結局話を続ける事にした。
支援
「実はカレンの事なんだが」
「カレンの事ですか。ん? カレン、腕が下がってるぞ」
「言われ……なくても……わ……わかってるわよっ」
程よい匙加減でカレンに注意をするライを見て、扇は頼むに値する事を確信した。
彼女を見る目が優しく見えるのは、気のせいではないと。
「それでカレンがどうかしたんですか?」
「ああ。出来る限りでいいんだが、カレンを守ってやってくれないか?」
いい返事を期待できると扇なりに思っていたのだが、ライは頭を横に振ってノーという答えを示す。
その答えに扇が疑問が抱くのも至極当然だろうと思い、彼は即座に理由を告げる。
「僕や扇さんは団員達やここにいる人達全員を守らないといけない。その中でカレンだけを特別扱いするのは駄目でしょう?」
「そ、そうだな……そうだよな……」
「それに僕は日本に戻る事になりますから、そういう守りきれない約束は出来ないですよ」
組織の上に立つ人間ならではの考え方、それは扇も重々理解している。だからこそ頼みたかった。
戦場の矢面に立つ以上、死の可能性が一番高いカレンは扇にしてみれば一番守ってやれない位置だ。
だからこそ横に立つライならと思ったのだが、世の中そう上手くはいかない。
「ただ、本当に出来る限りでいいなら努力はしますけど」
「それでも構わない。すまないな、無理を言って……」
「それ位ならいいですよ。それにしても扇さんってカレンの父親みたいですね、何かと心配していますし」
「親友の妹だからな。預かっている手前、大事にしたくもなるさ」
支援
支援
そのままナオトの思い出話に移ってしまい小話を続けている間にカレンはダッシュを終えていた。
未だにライは扇と談笑中、つまりトレーニングは中断したままだ。
そこで彼女はここぞとばかりにトレーニングを続けてライに勝とうと目論む。
その行動をライが一瞥だけしたのを見て扇は思わず空を仰いだ。
男女の仲とまでは言わないが、ある程度カレンを理解しているライの行動に扇は一年前を思い出してしまう。
自分にもそうやって理解したかった女性がいた事を。
「千草……」
「チグサ?」
扇が聞き慣れない名前を囁いてから黄昏はじめたのだが、ライはその行動に困惑するしか出来ない。
結局、扇を少し慰めてから放置する事にしてライはトレーニングを再開した。
【ラクシャータの憂鬱】
「んだよ! もう終わりかよ!」
「玉城、しっかりしてくれ……」
シミュレータからぶつくさと文句を言いながら玉城を尻目に、ライはパイロット評価表にメモ書きしている。
KMF隊はトレーニングを終えた後、ラクシャータからの提案でパイロットのパーソナルデータの作成をしていた。
団員達に増減があり再編成も兼ねてだったのだが、彼女にはもう一つの目的がある。
それはライだ。月下の騎乗ログ、そして青月での二度の戦闘。控えめにしていても技術者の目は誤魔化せない。
青い月下に残っていた騎乗ログとの酷似。その月下や青月をそつなく操作する少年。
(ホント、なんなのかしらね。あの子)
支援
すまんそろそろ離脱しなきゃならん。誰か援護を!
支援
支援
デスクに腰を下ろしてキセルをクルクル回しながらデータを打ち込みつつも、ライの動きを観察を止めない。
KMF隊とは別メニューでハードなトレーニングをしていたのに疲れは見せていない。
一方で同じメニューをしていたカレンはと言えば、彼女の横の椅子でグッタリしている。
男女という差はあるものの、あまりに雲泥の差がある二人の状態。それはパーソナルデータも同じだった。
「お疲れ様です。木下さんは動きがいいですね、このままで大丈夫だと思います」
シミュレータと評価表を交互に見ながら、ライはテストしているパイロットに一人一人声をかけ続けている。
(マメな子ね。オマケに―――――)
更新されていくパーソナルデータとは別にライのパーソナルデータを表示させて彼女は思案を巡らせた。
経歴に謎は多いが能力は秀でている。当初、ブリタニア人だと思われていたがハーフである事。
しかも血液検査で皇族のハーフの可能性ありと出たのだが彼女は誰にも明かさず黙っていた。
この情報を秘匿するかどうかより彼女の興味はライの身体能力に向いている。
例えば瞬発力は人間の限界を超えている点、これは騎士団の強敵であるランスロットにも迫る程だ。
機体捌きの仕方が機械の様な正確性にも着眼したい、ミリ単位まで誤差が無いのは驚異である。
さらにエナジーフィラーの過剰消費している原因であるライの操作にも興味が止まらなかった。
細かい機動を繰り返す為に驚異的な動きをしているが、お陰でエナジーを馬鹿みたいに消費している。
(神虎に乗せたら面白いデータが取れそうね。それに―――――)
ふと、仏頂面でライを眺めているカレンに彼女は視線を向けた。
不機嫌とまでは言わないが、些か不満そうな表情だ。
「ライ、私はシミュレータはしなくていいの?」
「いいんじゃないか? 気になるならラクシャータに聞いてくれ。次は……」
支援
支援
支援
評価表から目は離さず返事をするライにカレンは少々不服そうにしている。
それを見てラクシャータはからかいも兼ねて話しかけた。
「残念だったわね。まぁボウヤだけが男じゃないんだし、振られても諦めちゃ駄目よ?」
「なっ!? ち、違いますよ! そんなんじゃありません!」
「冗談よ。カレンちゃんがゼロに夢中なのはわかってるつもりよ?」
「ラクシャータさん!」
騎士団のエースの年頃な女の子の反応にラクシャータは思わず笑ってしまう。
とはいえ、ゼロに夢中なカレンしか知らないラクシャータにしてみれば意外な反応だった。
興味の方向は同じKMFのエースとしてだろうとは考えられたが。
(若いわねぇ。でも、良い傾向が続くなら別にいいんだけど)
カレンと話をしながら彼女は紅蓮の騎乗ログを開く。
ライと合流してからの紅蓮の動きのキレが更に増したのにも彼女は興味があった。
いい刺激になってはいるのだが、肝心のライは満遍なく団員達と接している。
強いてあげるならゼロとC.C.が思い浮かんだが、その辺りの事情を知らない彼女にしてみれば興味が無かった。
しかし、彼女的にはカレンだけに絞って貰いたい所もある。その彼女に妙案が閃いた。
「カレンちゃんにもシミュレータをして貰いたいんだけど、仮想の敵じゃ意味がないのよね……」
「藤堂さん達じゃ駄目なんですか?」
「なんか忙しいみたいなのよね…でも、カレンちゃんにはして貰いたいし……」
「そうなんですか……どうしましょう?」
「後はボウヤがいるんだけど、でもボウ―――――」
「別にライでもいいですよ?」
支援
支援
少々嫌な笑いをカレンが浮かべているがラクシャータは釣れたと喜んだ。
カレンの技術向上とライの真贋。技術者の性には逆らえないラクシャータの一石二鳥の企みはこうして成功してしまう。
そうこうしている間にライも評価表の作成を終えたのか、ファイルを閉じていた。
「これで大丈夫だ。KMFの細かい調整はそっ……二人共どうしたんだ?」
「ボウヤの明日の予定は?」
「特にはないな、それがどうかしたのか?」
「暇なら予定は決まりね。明日は私と勝負よ」
「はぁ?」
「明日はシミュレータで模擬戦をしてもらうわ、二人でね」
「……新手の冗談か?」
「冗談なわけないでしょ。それにこの際色々とハッキリさせましょ」
「そうね、それもいいんじゃない?」
「なんの話だ……」
ラクシャータは細かい話は明日するとだけ言い残して、二人を置いて自室に戻る事にした。
残った二人はあれやこれやと言い合いをしているのだが、彼女の興味は既に明日にしかない。
部屋に戻りシミュレータの調整と評価項目をまとめていたのだが思わぬ来客があった。
「彼についてわかった事は?」
「そこに置いてあるファイルにまとめてあるわよ」
ディートハルトはライが蓬莱島に来てからどうにも気になったらしい。
彼女が血液検査をすると知った時にはデータが欲しいと申し出た程だ。
「まさか彼が皇族とのハーフとは……危険な存在になりかねませんね、これは」
「あくまで可能性があるってだけよ。サンプル一つじゃ断言は出来ないから鵜呑みにはしないで」
支援
支援
ディートハルトは情報を開示したのかを聞いてきたのだが、彼女なりに思う所もあり質問されない限り黙っている。
それを伝えた時、ある種の予感めいたものをラクシャータは感じた。
「あの子を消すつもり?」
「必要とあらばそうするつもりです。確かに彼も素晴らしい存在ですがゼロという華を咲かせるのを阻害されては困ります」
「あんたもそうだけどホントにゼロばっかりね」
「当然でしょう、ゼロは素晴らしき存在なのですから」
受け取ったファイルを読みながらディートハルトは彼女の部屋を後にしていく。
明日の準備を進めながら彼女は一抹の不安を感じた、ライを失うという可能性について。
しかし、それは科学者として不安であるという事に彼女は自嘲してしまう。
(科学者は人として壊れている。自分は違うとは思っていたんだけどねぇ)
キセルを吹かしながら窓の外に視線を向けて彼女は何を思うのだろうか。
彼女の目の前では煙がゆらゆらと揺れているだけだった。
【乙女心?】
時刻はまだ朝の六時を過ぎた辺り、軍人気質な仙波は既に起床しており食堂でお茶を飲んでいた。
そこにライと卜部も現れ三人で談笑をしている。
「大尉は元気ですな、昨日はあれだけ訓練したというのに」
「早起きは三文の徳、常に心掛けておる」
「サンモン?」
ライが不思議そうな顔をしているのを見て、三人の話題は日本の諺等の話にシフトしていく。
四聖剣にもハーフである事は知らされており、卜部や仙波は益々ライを気に入っていた。
支援!
蓬莱島でハーフである事を知らない人間からは風貌の所為もありライはそこそこ疎まれたりもしている。
会話をする団員達でもそれなりに嫌っている人間もいる、根付いてしまった反ブリタニア感情は彼にはまだ厳しかった。
カレンも同じハーフだが初期からの団員でありエースである事等からそういう事はない。
似たような境遇でも違いがあり不憫といえば不憫だが、ライは仕方がないと受け入れている様子だ。
それに聞かれればブリタニア育ちだと公言して取り繕う事をあまりしていない。
当然の結果といえばそれまでだが、卜部はそれでも騎士団に尽力してくれている事を知っている。
仙波にしてみても時代に振り回されている事を不憫に思っていた。
「とは言え、いよいよ総隊長殿に跡継ぎを任せる日も近いですな」
「何をおっしゃっているんですか、大尉はまだ必要です。そう弱気にならんで下さい」
「そうですよ。それに僕やみんなにも仙波さんはまだまだ必要です」
「はっはっはっ、これは手厳しいな。しかし、これで老骨に鞭打つ甲斐が出てきましたな」
話も色々と盛り上がり時刻は七時になろうかと言う辺りで、二人は訓練をする為に食堂を後にした。
その二人を見送った後、ライは湯呑みを見つめて何かを考え込んでいる。
そこに自主訓練を終えた朝比奈と千葉が朝食を食べに来た。
なにやら神妙な面持ちをしていた筈なのだが、二人を見つけた彼の表情はいつもと同じだった。
「茶を好むとは変わっているな。あちらでは紅茶やコーヒーが主流なのだろう?」
「そうですね。でも日本茶も美味しいですから、つい」
「へえ。育ちが違ってもそういうのはわかるんだね」
和やかなムードなまま談笑の二回戦がはじまり、話題はKMFへと移っていく。
黒の騎士団の新しい主力機になるKMF【暁】についてだった。
支援
「暁についての評価を読ませてもらったのだが、実に的確でわかりやすかったぞ」
「要所も丁寧にまとめてあったしね。案外、技術職の方が向いてるんじゃない?」
「そうですか?」
斬月や青月は暁の流れを汲んだKMFでもあり、その事からライは月下との違い等を逐次まとめていた。
先の評価表を作成する際にも誰を暁に騎乗させるかのプランも織り込まれてある。
とは言え、ライも暁に関してはカタログスペックでしか知らない点が多いと注釈もしてあった。
それもあり二人は疑問点について質問していたのだが。
「やっと見つけた。ライ、今日の約束を忘れたの?」
「ん? ああ、もうそんな時間だったのか」
「ほう。デートの約束かい? 二人とも隅に置けないね」
「ち・が・い・ま・す・! 朝比奈さんまでラクシャータさんみたいな事言わないで下さい」
朝比奈のからかいもそこそこにカレンはライの肩を掴んで急かしている。
まるでおねだりする妹とせがまれる兄の様な図に二人は少し笑ってしまう。
「わかったから揺すらないでくれ。それより服装の乱れが少し酷いぞ」
「えっ、どこ?」
「上着のボタンだ、掛け違えている」
「ホントね……っと」
「まるで目の離せない子供みたいだな」
「もう、からかわないでよ!」
会話しながら食堂を後にしていく二人を眺めながら千葉は少々思い耽っている。
それを見た朝比奈は間髪を容れず彼女を口撃した。
支援!
支援
支援
「千葉も紅月みたいに藤堂さんへ積極的にいってみたら?」
「なっ!? べ、別に紅月を羨ましくなど思っていないぞ!」
「俺はそんな事言ってないけど?」
「朝比奈っ!」
千葉凪沙。武人としては一流でも心は未だに乙女であった。
「でも色恋には遠いよね、あの二人の関係って」
「そうだな、あれでは兄妹にしか見えん」
お茶に醤油を入れて飲む朝比奈に呆れながらも千葉は嫌な予感を感じてしまう。
それは虫の知らせなのだろうか。
【頂上決戦】
「見事な動きだ。無駄も少ない上に相手をよく見ている」
「この結果も当然の帰結ってわけ?」
「ああ。紅月の動きも良いが相手との相性もあるだろう、あれでは勝てん」
シミュレータ終了の合図音と共に外部モニターが表示した結果はカレンの勝利、総合結果は二勝六敗。
「また手を抜いたでしょ!」
「悪かった、謝るから怒らないでくれ」
ライがシミュレータの上で両手を挙げて降参の合図をしているのだが、カレンの怒りは収まらない様子だ。
藤堂は先程からの対戦のログから斬月の運用法を煮詰めている。
専用機という事もあり完全にパーソナライズされてはいるが怠って良いことでもない。
それもあってライとラクシャータに聞きに来たのだが、当の本人達はシミュレータの相手に忙しかった。
支援
「まさか可翔式をここまで翻弄するなんてね、ちょっと悔しいわ」
「いや、あれは決闘用の動きだ。戦略的に見ればあの動きでは駄目だろう」
ライが敗北した二戦は動きが控え目だった。ラクシャータから聞いていたエナジーの過剰消費の問題点。
それを彼なりに対処しようとした結果、スピードとマニューバに付け入る隙が出来てしまっていた。
戦っていたカレンもその違和感に気付いており不満が色々と溜まっている。
「大体、君は輻射波動に頼りすぎだ」
「決め手なんだから当然じゃない」
「だったら相手にそれを読ませるな、もっと間に動きを挟んで意図を隠すべきだ」
「それを読めるのは貴方位でしょ……」
模擬戦中にライは一度も紅蓮の右手に一度も捕まらなかった、つまり掴もうとしたのが読まれていたという事だ。
砲弾を撃つ時もミサイルでかく乱しても意図が読まれて直撃は一度も無かった。
カレンが二勝を決めたのは左手のグレネードと小型ナイフ。つまり今回に関しては輻射波動は役に立っていない。
逆にライはバリエーション豊富で、輻射波動を含め使っていない兵装は無しだ。
時には廻転刃刀とスラッシュハーケンと左腕部の輻射波動のコンビネーションまで使っている。
「ランスロットもあれ位はしてくる。でも、カレンの左の使い方には驚かされたよ」
「褒めてもらってもこの結果じゃ納得がいかないわ」
「相性の問題もある、それに一対一と限定されているからこうなっただけだ」
「実戦なら結果は違うとでも言いたいの?」
「仲間もいるだろうし敵も他にいるだろうからね。だけどカレンの動きが荒いのも事実だ」
カレンやスザクの様に直感とセンス、そして機体性能に存分に発揮するパイロットとKMFは脅威である。
しかし、先読みと戦術眼と共に行なわれる理詰めの戦い方の前では少々脆い。
支援
支援
勿論それを並行して行なう事を可能にするライの身体能力と青月の性能があればこその今回の結果だ。
「紅蓮の性能でカバー出来ているけど、もっと小手先の技を使う事を考えた方がいいんじゃないか?」
「空中戦で地上戦みたいにしろ、を簡単に言わないでよ……」
「今まで出来ていたんだから出来るだろう?」
「もう、他人事だと思って……それより、戦ってて思ったんだけどライの攻撃も見境無いわよね。色々と」
「……カレンに言われると釈然としないのはなぜだ?」
「どういう意味よ、それ」
「君はフェイントをかけたらすぐに突っ込んでくるじゃないか。あれじゃ闘牛場の牛と同じだよ」
「私が見境無しに猪突猛進してるみたいな言い方しないでよ!」
カレンの紅蓮の動かし方を真面目に討論しているだろうが、ライの言い方はどうにも直球だけだ。
二人の喧騒を傍目に藤堂はライがそこまでカレンの動きを観察していた事に驚いていた。
ライが手加減をしてはいないのはKMFの動きで読めていたのだが、相手を冷静に分析しながらとでは話が違う。
言うは簡単だが実力が切迫している相手にそれを行なうのは至難だ。
「見識も見事だな、外側から見ている我々よりも的確な部分の指摘もある」
「でも言い方がちょっとね。カレンちゃん相手にあれじゃ怒るでしょ」
「確かに……彼はどうにもちぐはぐだな」
勝手知ったる仲と言えば聞こえは良いのだろうが、少々遠慮が無さ過ぎる。
カレンもあれやこれやと表現の悪さに文句を言っているのだが、ライのあしらい方は手馴れている様子だ。
「変な距離よね。友人でもなくて親子や兄妹とも違うし」
「そういう関係なのだろう。うむ、おおよそは掴めた。ラクシャータ、これで調整を頼む」
「お任せあれ。う〜ん……ついでに紅蓮の調整プランも練り直そうかしら」
夫婦喧嘩は犬も食わないとは言わんばかりに二人は喧嘩の仲裁もせずその場を後にしていく。
誤解は更なる誤解を生んだり生まなかったりである。
支援
支援
今回はこんな感じで申し訳ないです
これからの本編中に挟めそうにないのでこんな形にしてみました
まだ先があるのですが投下の時間がかかりそうだったので
今回は前編として後編はまた後日にでも投下します
体調を崩したのはいいのですが、いやよくないですが…
音信不通になってしまって申し訳ないです
崩すとPCに近付けないのは辛かった…
みなさんもライ調管理には気を付けてましょう
では、失礼します
>>172 お疲れ様でした
身体を大事にしてください
それにしてもライとカレンのやり取りはGガンのシュバルツとドモンの闘いのようだw
>>172 GJ! 健康にはお気をつけて。
しかし年頃の男女だというのに色気のないやり取りだなこの二人は。
まあ、それがらしいといえばらしいのですが。
>>172 ぷにぷに卿、GJでした!
カレンを実の妹、あるいは娘の様に大事にしている扇さん。
多くの悩みを抱える彼の行く末がどうなるのか気になる所でございました。
ラクシャータの科学者としての不安、すなわちライという存在、その有用性を失う事を心配している。
しかしながら、それを自覚してれば壊れては……ロイドさんも自覚してたな、そういや。
四聖剣の面々、特に仙波さんのナイスミドルっぷりがイイ! 凄くイイ!
そしてカレンとライの微妙な距離感もなかなか。
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
>>172 GJでした!!
ライとカレンのやり取りが、どことなく新鮮な感じがして良いなぁ。
ライが乗る機体の燃費が悪いのも納得できましたw
こういう説明が無いと、単に機体に嫌われる不憫な子ですからねw
次の投下を楽しみにお待ちしております。
お疲れ様でした!
ライと黒の騎士団のからみが自然で読みやすかったです
体調には気をつけてください!次も楽しみにしてます
ところで145に強敵であるランスロットとありますが
身体能力なのでスザクでは?
間違ってたらすいません
このスレの新たなジャンル確立のため、他ロボットアニメとのクロスオーバーネタを執筆中(何かは言えませんが多分ギアスを見ていた皆さんならかなりの確立で知ってると思います)。
完成したら投下する予定だけど、ここに落として良いんですかね?
>>178 クロスものならここよりarcadiaとかの方が向いてると思うよ
(・∀・)つ|投下予告|
親衛隊篇アナザー/NO MATTER WHAT
#前スレ
>>604の続き、第3章後編とエピローグを一気に投下。2期のネタバレあります
#メインは生徒会メンバーとロスカラ最強のあの人
#軍人篇のライはスザクスザク言い過ぎ。ひよこの刷り込みのようだ
終了含め13レス、21時30分よりのんびり投下予定です。お手すきな方がいらっしゃいましたら支援願います。
支援
《クラブハウスにいるあの少年ですが》
モニターにひとりの少年の個人IDデータが表示される。生年月日、出身地、経歴。
ただしそのデータの大半が作られたものだと知るものは、今この部屋にいない。
《かねてより枢木卿の指示があった少年です。今回、軍務を離れ復学した模様》
「復学の理由は」
《申請では官僚試験の準備となっています》
「ふん、優秀な男のようだな」
《監視対象と親しいようですが問題はないのですか?》
「万が一C.Cに関わった場合のみ、身柄の確保を命令されている。コーネリア皇女殿下の
親衛隊だった男だ、特に問題はないだろう。…本日の報告を聞こう」
この日も型通りの報告が終わり、地下室の会議は解散になる。報告員が部屋を去ると
それまで沈黙を守っていた小柄な少年が褐色の肌の女に問いただした。
「彼、ライの記憶は操作されているのですか?行動に不審な点があります。
…問題にならないうちに処分してしまうほうがよいのでは?」
「『C.Cとギアスに関わらない限り彼に干渉するな』。枢木卿からの厳命だ。手を出すな」
「…イエス、マイ・ロード」
親衛隊篇アナザー/NO MATTER WHAT 3*偽り の 学園(後編)
アッシュフォード学園に復学してから2ヶ月が過ぎた。
注意深く観察した結果、学園の異変はルルーシュを中心に起こっているのだけは理解した。クラブハウスを始め
学園のあちこちに設置された監視カメラまで見つけるに至って、事の異常さがハッキリする。渦中のルルーシュには
例のロロという少年が常に張り付いていて隙を見せないのも相変わらずだった。
いっそロロにギアスを使って…とも考えたけれど、過去を思い出してから僕はギアスの力を使わないようにしている。
もう二度とギアスの暴走による惨劇を繰り返したくないし、ギアスの力がなくとも僕を必要としてくれる人たちに出会えた。
それだけで充分だった。
そしてなにより僕の中にある何かが《ロロに関わるな》と警鐘を鳴らしている。ブラックリベリオン以降
僕は自分の直感を信じるようにしていた。
今日は授業を休み政庁を訪れていた。学園に新しく赴任している教師たちに軍の人間と思われる者が多いので、
データベースで身元の照会をしてみようと考えたのだ。一応休職扱いなのでおおっぴらに端末を借りる訳にも
いかず頼りのギルフォード卿は不在で困っていたら、ちょうどグラストンナイツのデヴィッド卿と出くわした。
彼らグラストンナイツは亡きダールトン将軍から僕の話をいろいろと聞いていたらしく、なにかと良くしてくれる。
いわく「ひょっとしたら兄弟になっていたかも知れないしな!」だそうだ。
僕を養子にしたかった、と言ってくれたダールトン将軍。
あの日、コーネリア様のグロースターを貫いていたランスが将軍のものだったことは公にされていない。
彼のこれまでの功績・人望・名誉全てが失われるような話を、ただの状況証拠だけで決めつける訳にはいかないのだ。
僕だって将軍がそんな事をするとは考えられない。あの夜、おそらくダールトン将軍と最後に会話をしたのは僕だ。
その時の将軍の苦しげな声を思い出して僕は唇を噛み締める。ひょっとしたら彼はゼロに脅されていたのかもしれない。
ひとりで行かせるべきじゃなかったんだ。
デヴィッド卿にお願いして端末を拝借し、何人かの教師の顔を思い出して名前をインプットしてみた。
最初はなにかとルルーシュに絡んでくる(ように見える)体育教師の女性。どうせ偽名だろうから手間取ると
思ったが、あっさり該当者が見つかり僕は拍子抜けする。
ヴィレッタ・ヌゥ。なんと男爵様だ。さすがにこれには驚いた。普通、男爵が体育教師はしない。
(ちなみにロイドさんは伯爵だけど、彼が例外中の例外であることは親衛隊に入ってからようやく理解した)
調べてみると彼女はブラックリベリオン以降に爵位を与えられている。…これはなにかの符合か?
写真を眺めているうちに、彼女の軍服姿にどこか見覚えがあるのに気がついた。今となってはかなり昔のように
感じられるが、記憶を探しにゲットーをうろついているときに僕は彼女と遭遇している。彼女は軍服で(たしか胸に
羽を挿していた。純血派の証だ)、僕は特派の制服を着ていたのでお互い気付かなかったのかも知れない。
そのまま画面をスクロールしていった僕は彼女の現在の所属に目を留め、さらに驚愕した。
機密情報局。皇帝直轄の諜報部局だ。
なんてこった、藪をつついて出てきたのは蛇どころか頭がライオンのウロボロスじゃないか。
もう迂闊に探れるような内容じゃない。下手したら今この端末を借りているデヴィッド卿にも迷惑が掛かる
可能性を考え、僕はこれ以上の調査を断念する。僕はデヴィッド卿に礼を言い、政庁を後にした。
新たに判明した事実は僕をさらなる混乱に招く。静かに考えられる場所を求め、僕は学校の屋上に足を向けた。
あの女教師、ヴィレッタ・ヌゥ。以前僕が会ったとき彼女はゲットーでゼロの手掛かりを探していた。
確か「気を失っている間にナイトメアを盗まれた」と言っていた。
考えるまでもなくおかしな話だ。ナイトメアを動かすには起動キーだけではなく識別ナンバーも必要だ。だから動かせる
ナイトメアを奪うには起動している状態でコックピットを開けて搭乗者を外に出さなくてはならない。だが彼女はナイトメアに
搭乗している状態で《誰か》に遭遇し、気がつくと独り外で立ちつくしていたと話していた。しかもなんの怪我もなく。
ゼロを捕らえたスザクはラウンズになり、ゼロの手掛かりを探していたヴィレッタは男爵になった。ゼロは皇帝にとって
それだけ価値のある人間だったと言うことだ。コーネリア様が行方不明になっているのもゼロが関係しているからか?
スザクにゼロの居場所を伝えられるぐらいだ。コーネリア様がゼロの正体、もしくはそのヒントを知った可能性は高い。
だがゼロは処刑され黒の騎士団はもう問題にならないぐらいの規模でしかない。それなのに男爵となったヴィレッタが
わざわざ教師の真似事をしてまでアッシュフォード学園を監視する意味は?皆の記憶はどうしておかしくなった?
なぜナナリーがいなくなった?コーネリア様はなぜ姿を消した?ゼロは本当に死んだのか?
手掛かりとなりそうな点はいくつも見つかるも、その点と点を繋ぐ線が見当たらない。
僕は途方に暮れていた。
「ルールー!?」
ルルーシュを呼ぶ声と共に扉が開き、シャーリーが屋上に姿を見せる。
「あれ?ライだけ?ルルを見かけなかった?」
「いや、ここでは見てないよ」
「もう!どこに行ったのかしら?ルルってば本当にサボリ魔なんだから!」
今度はどこで賭けチェスに興じているのやら。ルルーシュのサボり癖は今に始まった話ではないので僕は苦笑する。
ルルを見かけたら捕まえておいてね!と言い残し、元気なシャーリーは階下に駆け戻っていった。
そう言えばシャーリーはまた「ルル」と呼ぶようになったようだ。もうすっかり仲直りしたのだろうか。
あの『他人ごっこ』は人ごとながら楽しい感じではなかったから、元に戻って良かったと思う。全く知らない人に対して
話しているようでシャーリーも演技派だな、と…。
ん?何だ?何かが引っ掛かる。『他人ごっこ』?
あの時のシャーリーの態度は、今の状況によく似ていなかったか?もしあれが『ごっこ』じゃなかったとしたら?
ルルーシュを知らない人のように話すシャーリー。
ナナリーを知らない人のように話すリヴァルたち。
答えは一番近くにあったじゃないか。どうすれば記憶をなくすことが出来る?何が原因で僕は過去を忘れていた?
「…《ギアス》なのか?」
学園が監視されているのは《ギアス》が関係しているのか?
僕の頭と身体を散々いじってくれたあのバトレー率いる軍の研究グループの主導で機情が動いているならば、今の
この状況も説明がつく。だけどそれならターゲットは僕のはず。なんでナナリーだったのか?
僕が最後にナナリーに会ったのは学園祭の日だった。…いや違う。ブラックリベリオンの夜、僕はナナリーの
安否を確認している。思い出せ、あの時ミレイさんは何て言っていた?
(ルルーシュとナナリーは別の所にいるけど大丈夫、スザクくんが保護してくれているそうよ)
また、スザクだ。
なんなんだ一体。コーネリア様の時もナナリーの時も、違和感の中心近くにいつもスザクがいる。
スザク、君にいったい何が起きた?
少し前にナイトオブセブンとして戦地に赴く彼の姿をニュースで見た。圧倒的な力で敵を駆逐する「白き死神」。
ブリタニア人から畏怖と侮蔑を、日本人から嫉視と怨嗟を受けてひとり立つその姿を。
自分が成せなくても、誰かがバトンを受け取ってくれればいいと真っ直ぐな瞳で語った彼。
ユフィを亡くしたあの日、最後に見たスザクの瞳を思い出す。
今なら分かる。あれは僕がかつて駆けた戦場で見た沢山の兵士達、彼らの瞳と同じ色だ。戦いを繰り返すうちに
僕も同じ色に染まっていった。その先にあったのは、ただ深い絶望と後悔と…孤独だけ。あの時スザクを
引き留めていれば、何か変わっていたのだろうか。僕に何か出来たのだろうか。
僕は携帯を開く。スザクの携帯の番号はずっと圏外のままで通じない。あの日以降、これまで何回かメールを
送ってみたけれど返事はなかった。エラーにはなっていないからアドレスは生きていると思うけど。
屋上を心地よい風が吹き抜ける。あの学園祭の日からもうずいぶん長い時間が経ってしまったような気がする。
ここはあの日のままなのに、今の僕はたったひとりだ。
校舎を出てクラブハウスに戻ろうとした僕の耳に聞き覚えのある声が響いた。
「ライ!」
すらりとした体を包む白いラウンズの制服。記憶に残る快活なその笑顔。円卓の騎士、ナイト・オブ・ナイン。
ノネット・エニアグラム卿その人だった。
「エニアグラム卿!なぜここに!?」
にこやかに近づいてきたエニアグラム卿は、僕の問いには答えずそのイイ笑顔のまま僕を思いっきり殴った。
甘んじて受けた拳とは言え、かなり痛い。
男子学生を殴り飛ばすラウンズ、と言う恐ろしい図を他の生徒達は見ないフリをしてくれている。
「どうして殴られたかもちろん分かっているな」
「イエス、マイ・ロード」
僕はうなだれる。1年ほど前、卿と別れる際に僕はコーネリア様をお守りすると約束をした。それを守れなかった
僕が受ける罰は本来こんなものじゃ済まない。
「そうだ、これは殿下をお守り出来なかった分」
そう言ってエニアグラム卿は今度は腕まくりをした。ちょ、なんでもう一回拳を作っているんですか。
「で、次は私を『エニアグラム卿』と呼んだ分だ」
「わ、わかりました。ノネットさん」
慌てて名前を言い直すとエニアグラム卿、もとい、ノネットさんは満足げに笑った。
(これからはユフィ、と呼んで下さいね)
もうひとり、呼び方にこだわっていた少女を想う。
胸がえぐられるように痛んで、思わずノネットさんの笑顔から目を逸らせた。
支援
ノネットさんは座り込んだままの僕の側にしゃがむ。そしてくしゃくしゃに髪をかき混ぜながら、僕の頭を撫でてくれた。
「つらかったな」
その言葉に僕は目を見張る。この人は本当に、なんで!
ユフィを失ってつらかった。でもコーネリア様や、スザクの方がもっとつらい思いをしている。
ダールトン将軍を亡くしてつらかった。でもグラストンナイツ、将軍の「息子」たちはもっと悲しんだだろう。
コーネリア様を守れなくてつらかった。でもギルフォード卿の方がずっと自分を責めているに違いない。
ナナリーが居なくなって、学園の皆に何かとんでもない事が起こっているのに僕にはなんのすべもない。
僕は一度も言えなかったのだ。「つらい」と。
僕は誰かに言いたかったんだ。「つらい」と。
(力になろうとしている人間がここにいるってこと、それだけは知っておいてほしいんだ)
(君はひとりじゃない。それを忘れないで)
そうだったな、スザク。
僕はひとりじゃない。自分しか信じられず破滅の道を歩んだ過去の「私」はもういない。
スザク、君が信じてくれた。生徒会のみんなが、コーネリア様が、ノネットさんが、ギルフォード卿が、
ダールトン将軍が、従ってくれた部下の皆が僕を信頼してくれた。
僕はもうひとりじゃないんだ。
「…大人って凄いですね」
色んな想いがぐるぐる渦巻いているのに、結局僕の口から出てきたのはそんな間抜けな言葉だった。
ノネットさんはにぃっと笑うと、突然僕を抱えてヘッドロックで押さえ込む。
「誰が年の功だって?」
「言ってませんっ!ノネットさん、い、痛いです!!」
男子学生とじゃれるラウンズ、と言う恐ろしい図をやっぱり他の生徒達は全力で見ないフリをしてくれていた。
支援
親衛隊篇アナザー/NO MATTER WHAT エピローグ
夕方、部屋を訪ねるとルルーシュは以前と変わらない様子で僕を歓迎してくれた。
「お前とチェスなんて久し振りだな」
嬉しそうにチェス盤に駒を並べていく。彼は白の駒を取り、僕は黒の駒を並べる。以前彼と対戦するとルルーシュは
いつも黒の駒を好んで選んだ。そんなところにもルルーシュの変化を感じてしまう。
…とは言え、ルルーシュのチェスの腕前は全く変わっていない。僕も善戦したつもりだったけど黒のキングは
白のルークに追いつめられてしまった。僕は自らのキングを倒し、両手を挙げて降参の意を表す。
今の1局の手筋を検討しながらルルーシュが笑う。
「軍勤めで腕が鈍ったか?ライ」
「否定はしないよ…」
前は五分五分な戦いが出来たと思っていたのに少しショックだ。頻繁に賭けチェスをしているルルーシュと軍で
対戦相手がいなかった僕との差が開いてしまっている。ノネットさんはチェスを嗜む人だろうか。今度聞いてみよう。
「そうだルルーシュ、これ前に借りていた本。長い間借りていてゴメン」
鞄から本を引っ張り出し、ルルーシュに手渡した。
「気にするな。面白かっただろう?同じ作者の本が他にもあるから読んでみるか?」
「ありがとう。是非、と言いたいところだけど実はまたちょっと留守をすることになったんだ」
僕がそう告げるとルルーシュはその秀麗な眉を寄せた。
「また軍の仕事か?」
「そうと言えばそうだけど、違うと言えば違うな。2割が仕事で8割が個人的な用だ」
「長くなりそうなんだな」
「うん、正直どれぐらい掛かるか見当もつかない。この《エリア》を出て、ブリタニア本国へ行って来る」
支援 すいません続きどなたかお願いできますでしょうか
支援
支援
「…それを聞いたらなおさらコイツが必要だな」
ルルーシュは書棚に向かうと1冊の本を抜き取る。そして僕の胸にポン、とその本を押し付けた。
「これは俺が気に入っている本なんだ。もう何回も読んだのに、時々無性に読み直したくなってしまう。
またこれを読み直したくなる前に返してくれると有り難いのだが?」
「ルルーシュ」
その彼らしい、遠回しな気遣いが嬉しかった。
「ありがとう、ルルーシュ」
ルルーシュに返した本にはナナリーが僕に折ってくれた折り鶴が挟んである。表紙カバーの折り返しに隠して
あるからすぐには気付かないかもしれないけど、厚みがあるので開いてみれば分かるだろう。
ナナリーを忘れてしまっているルルーシュ。ギアスによって記憶が変えられているのなら元に戻すのは
難しいけれど僕だって自分自身に掛けた《すべてを忘れる》ギアスは解けたじゃないか。
(千羽折ると願いが叶うそうなんですよ)
ナナリーの言葉が蘇る。
きっと元に戻してみせる。
言葉にすることはできないけれど、それは確かに僕の誓いの印だった。
支援
部屋を見渡し綺麗に片づけられたことに満足する。まとめた荷物を肩に掛け、部屋の鍵を机の上に置いた。
短い間だったけどたくさんの思い出が詰まったアッシュフォード学園。僕の「家」。
優しくて暖かいこの場所を、今日僕は出ていく。
ノネットさんは僕の同行を快諾してくれた。ブリタニア本国に渡り、コーネリア様の行方を捜すのと平行して
ギアスについての調査を行う。自分が持っている力なのに、僕は驚くほどギアスについて何も知らない。
それにゼロ。彼は本当に処刑されたのだろうか。ナイト・オブ・ラウンズのノネットさんと一緒にいれば、
同じラウンズのスザクと会う機会もあるだろう。一度直接会って話がしたい。
スザクが何を背負っているのかわからない。
ルルーシュに何が起こっているのかわからない。
ナナリーが何処に消えてしまったのかわからない。
わからない事だらけだけど、それを嘆くよりまず一歩先に踏み出そうと思った。
《保護者》のミレイさんには電話で学園を離れると伝えてある。つい2ヶ月前に歓迎会をしたのに
格好悪いじゃないですか、と送別会は丁重に辞退した。本当のところは皆との別れがつらいから、夜のうちに
こっそり出ていくつもりだった。昼間とはうって変わって静かな夜の学園に僕の足音だけが響く。
支援
支援
僕が校門を出ようとしたときだった。
「なっ…」
生徒会の皆が待ち構えていた。ミレイさん、シャーリー、リヴァル、ルルーシュ、そして控えめにロロもいた。
「こーんな夜になってから何処に行くのかなー」
リヴァルが僕の肩を組み、脇腹に軽くパンチを入れてくる。
「お前の行動なんて充分予測済みさ」
そう言って笑うのはルルーシュ。彼にここを離れることを告げた時点で、こっそり出ていくなんて無理な話だった。
「たまにはメールしてね!あたしもメールするよ!!」
と、シャーリーが言えば、ミレイさんは僕に人差し指を突きつけて宣言する。
「早く帰ってきなさいよ!お姉さん、ライちゃんと一緒に卒業できるまでここに居座ってやるからね!」
「会長、それ笑えません…」
リヴァルが突っ込む。ミレイさんなら本当にやりかねない。なるべく早く帰ってこようと僕は決意した。
ひとりひとりに見送りのお礼を言い、名残惜しくならないうちに僕は歩き出す。
「いってらっしゃーい!!!」
皆の声が夜空に響く。僕は振り返り、笑って大きく手を振った。
うん、帰ってくるよ。絶対に。ナナリーと、スザクと、それとカレンも一緒に。
そうしたらニーナも呼んで大きなピザを焼こう。また失敗するかもしれないけれど、皆と一緒ならそれでも楽しいよ。
ユフィが望んでいた世界はきっとそんな姿をしているはずだから。
親衛隊篇アナザー/NO MATTER WHAT 終
#(・∀・)あ、予告のレス番間違いでした。前スレ
>>636の続きでした
#初投下の長文連載におつき合いありがとうございました。支援と感想に心から感謝
#ロスカラ親衛隊篇からR2までの長い助走、って感じの話になりました
#でも結局ノネットさんにお持ち帰りされているのは一緒。いわゆる鴨ネギ
#この後はラウンズ篇にいくも良し、ギアス嚮団に絡めて若本篇にいくも良し、大逆転ルルタニア篇にいくも良し
#伏線は仕込んであるので分岐はいくらでも考えられますが、「NO MATTER WHAT」は今回で終わりです
#では、またどこかで
>ぷにぷにさん
面白かったです!
ともすればとても淡白に見えそうなライなのに、
味気なくならずにうきうきと読み進めることができるのは、
他のキャラクターがまた彼ららしくライの周りを彩っているからなんでしょうか。
それぞれがそれぞれに、ライを捉えて、受け止めている様子が
なんだかとっても面白い。
本筋の抱える色々な秘密が気になるこのごろですが、
こんな幕間もきっちり面白いって素敵だなあと思いました
次回を拝見できる日を心から楽しみにしています。
>(・∀・)さん
面白かった・・・
状況を分析し、じりじりと真実ににじり寄っていくライ。
彼のさまざまなことに対する後悔と、ルルーシュの変化。
ノネットさんの年の功な発言には何かぐっと来るものがありました。
ルルーシュはどんな本を貸してくれたんだろう、
そんなことを考えてみたり。
こ、これでおしまいですか?気になることは尽きないのですが・・・
(・∀・)さんの文章とても読みやすく、面白かったです。
またどこかで作品を拝見できることができたなら幸せです。
ありがとうございました!!
>>202 (・∀・)卿、GJでした!
変わってしまった学園を探るライ
そして、いくつかの手掛かりは見付けても、最終的には答えに行き着かない。
こういうの好きだ!
真実を探るために踏み出すライ、それを見送る仲間、イイねぇ……
……終わった!?
続きが気になってしょうがねぇ!
しかし、諦めも肝心、そう
貴公が次に投下される時を、全力を挙げて待ち続けたいと思います!
(・∀・)さん、お疲れさまでした。
第1章が終了した、という感じでしょうか。
元通りの学園に戻って欲しいとも思いますが、
ライの今後に期待です!
土曜だというのにこの人の少なさは一体…
遅ればせながらも(・∀・)卿、GJでした!
今回は目頭が熱くなりました…
これからライはどう進んでいくのか、想像はいくらでも膨らんできますね。
卿の次回の投下を全力でお待ちしております!
これで夜も同じだったら…
210 :
名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/22(土) 14:36:27 ID:Clkuk8Bc
これもひとつの結果か・・・
書きかけを抱えてる人がいたら辛いと思うよ。
ageてまで言うようなことじゃない。
むしろ嵐の前の静けさなのだと考えよう
213 :
名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/22(土) 19:22:40 ID:62dgzBSO
スパイ
工作員
指揮官
騎士
参謀
軍師
なんでもこなせる
ライは孔明クラスの天才だなw
スレ違いだわageてるわ内容がおかしいわスレが過疎ってくるとおかしなのが湧くな
投下は幸せ!!
9時15分ごろ投下させていただきました!
9〜12レスぐらいだと思いますので
支援をヘルプ!!でお願いいたします
なんかちょっとわかりにくいがとりあえず支援待機
217 :
カズト:2008/11/22(土) 21:14:02 ID:Yoh6sF94
タイトル「追憶の旅路 第十二章 最後の安らぎ」
カップリング 今回は(ライ×オリキャラ)×カレンというややこしい形です
注意点
・実質完全オリジナルです
・カレンがライの過去編を精神体という形で見ております
・オリキャラ多数 あくまで別人です……
・今回は甘い……です
初めて読む方へ
心を閉ざしたライの心に飛び込んだカレン
ブリタニアの辺境の国の皇子
ライエル=スメラギ=フォン=ブリタニア
「魔法使い」からギアスを授けられ
父と兄達を殺し、ついに王となった
改革を推し進めていくが
いつしか、心が磨り減っていき
ギアスも不安定になっていく・・・・・・
「北の蛮族」との決戦が少しづつ近づいていく中で
ライは一人の少女と出会う・・・・・
帝都の皇女レフィーナ=リ=ブリタニア
彼女はライの心に何をもたらすのか・・・・・・・
ホントだ支援します。
219 :
カズト:2008/11/22(土) 21:16:27 ID:Yoh6sF94
ライはアレクサンデルとチェスを打っていた
膠着した局面でライはキングの駒を取った
「むうううう!キングを!!」
この一手を境に形勢はライに有利になっていった……
「リザインします……」アレクサンデルは投了した
「ふう……これで10勝10敗……勝率五割ですね」ライは息をついた
「いやはや……あそこでキングを動かすとは……
しかも、キャスリングを使うことなく……」
「王たる者、危機を知らねば高みに登れません……」
「まさか、軍でもトップクラスのアレクと互角に打てるなんて、すごいですわライエル様
あの……私にも教えてもらえませんでしょうか……チェスを……」
「え?ええ……構いませんよ……自分でよければ……」
「ライエル様……動かないで下さい……そう、そのまま……」
「はあ……」ライはバルコニーで直立不動の姿勢をとらされていた
レフィーナはイスに座ってライの姿をスケッチしていた……
先遣隊……いやレフィーナ皇女が来てからのライは妙にイライラしていた……
イライラしているというのは正確ではない……何というか、モヤモヤしてるというか……
よくわからない感情がライの心を支配していた……
支援
221 :
カズト:2008/11/22(土) 21:19:04 ID:Yoh6sF94
その日の夜……
今日の政務を終え、気分を変えるために庭に出た……あの時の木があった
何年前だろうか……ここで庭の木にうずくまっていた事、自分の無力を味わい、
そして「魔法使い」と契約し、ギアスを手に入れた時の事
父と兄を殺し、王座を手に入れた……
だが、今はどうなのだろうか、今までどれだけの命を奪ってきたのだろう……
すでに後には引けないのだ、奪った命の重みだけ前に進まなくてはならない……
「北の蛮族」の脅威は日を追うごとに増している
奴らとの全面戦争は既に目前だった……
「工作員」も仕込みは十分であるが、国力の差は如何ともしがたい……
この戦で全てを終わらさなくてはならない……そして……そして……
あれ……何のために?私は……奴らと戦ってきたのだろう……?
そんな事を考えていていたら、レフィーナ皇女が目の前にいた……
「どうかなされたのですか?ライエル様……」
「……!こ、皇女殿下!?お休みになられていたのでは!!」
「眠れなくて……夜風に当たろうと庭に出たらあなたがいました
それよりも……ライエル様、皇女殿下というのは、何か固くてしっくり来ません……あ、あの……名前で呼んでくれませんか……」レフィーナは妙にモジモジしていた……
「な、名前ですか……レ、レフィーナ……姫……」なぜかライは緊張した……
「な、なんですか……?ライエル様」
「え?な、名前で呼んでほしいって……」ライは戸惑った……
「あ……そ、そうですね……」知らない間に会話が止まっていた……
「あ、あのレフィーナ姫はなぜ我が国の視察に来られたのですか……」ライが気まずい沈黙を破ろうと言葉を紡いだ
「最近の帝都は安穏としています……辺境に守られてる事が当たり前になって、あなたの国をはじめ他の辺境を蔑ろにしているのです……
辺境というものを知り、辺境の様子を訴える事で、帝都の者達に危機意識を促す事ができればと思いまして……
そ、それと……興味があったんです……ライエル様……あなたに……」
「えっ!?」ライの心臓の鼓動が一瞬跳ね上がった!
支援
支援
224 :
カズト:2008/11/22(土) 21:22:13 ID:Yoh6sF94
「あなたは評判が悪いのです貴族の間で……
ですが、調べさせた所……治安は良好で民の評判は非常に高く、帝都に来ていた商人からは、商売がやり易いとあなたの事を褒めていました……
この違いは何なのかと思い、私はこの国の視察を志願したのです……
あ、あの……個人的に聞きたいのですが、後宮……でしたか?
男の人という者は、そういう事が好きだと聞きましたが……なぜ、廃止されたのですか?」レフィーナは顔を赤らめながら聞いた
「ああ……あそこは権力の温床となっていましたから……それに、ノーブルオブリゲーションもわからないくせに政治に口を出し、父上に宝石や香水をねだり、贅沢三昧……
母上をコレクションし……子供の僕に色目を使い!安穏と暮らしているだけの醜い女達が集まっている場所など!!……っハァハァハァ……すいません」
レフィーナの前で熱くなってしまった事をライは恥じた……
「フフッ……そういう所もあるんですね……」レフィーナはライの子供っぽい部分を見て嬉しそうに笑ったそしてさらに言葉を紡ぐ……
「あの……ライエル様……私もそういう類の女性でしょうか……?」
そう言って訴えるような顔をした……
「え……?いや、あなたは違います!!そんな女達とは!!あなたは優しくて!勇気があって!き、綺麗で!!」(な、なぜ?僕はこんなに必死に弁解を!?)
「あ……ライエル様……うれしい……」レフィーナは目を潤ませる……
ライは、そんな彼女の瞳から目が離せなくなってしまっていた……
自分の心臓の音が聞こえていた……
がしっ……
ライは彼女の肩を掴んだ……
ライは彼女の顔……いや唇に吸い寄せられていく……
夜の月に照らされた二つの影は一つに……重ならなかった……
ライはレフィーナを肩を掴んだまま顔を離していた……
「っ……ハァハァ……も、申し訳ありませんレフィーナ姫……」
「ラ、ライエル様……?」レフィーナは戸惑っていた……
支援
226 :
カズト:2008/11/22(土) 21:25:09 ID:Yoh6sF94
ライは苦しかった……ライの手は既に多くの血で穢れていた……
ギアスという魔道の力も持っていた……父を……兄達を殺した……そして、さらに多くの者を……
そんな自分が彼女のような清らかな存在と口づけを交わす資格があるのだろうか?
「ライエル様……何か悩んでおられるのですか?」
「悩みですか?「北の蛮族」との……」
「違います!あなた自身のことです……あなたは何に苦しんでいるのですか?」
「……っ!!」ライは彼女の鋭さに胸を突かれた!
「私でよければ話してくれませんか……?」レフィーナは真剣に尋ねる
「……な、なんでもありません!!」ライは逃げるようにしてその場を去る
「ライエル様……この世に……相談できないことなんてないんです!!」
逃げるライの心にレフィーナの声が響いていた……
ライは自分の部屋で頭を抱えていた……
話せるわけが無いのだ、ギアスの事を……こんな魔道の力など……
(この力は君をひとりぼっちにする……)「魔法使い」が言った言葉……
孤独……ライはその言葉を噛み締めていた……
(何をしているんだ……なぜレフィーナ皇女を部屋に連れてこない……?)
ライの前に、「そいつ」は現れた……
ライの前に現れたのはライ自身だった……ライは大して驚かなかった……
「何なんだよ、うるさいな……」
(なぜお前は彼女をモノにしない……できたはずだろう?彼女をモノにすれば、皇帝の地位に一歩近づく……お前はこの国を手に入れることができる!!おまえ自身だって彼女が欲しいんじゃないか?)
「うるさい!!」ライは、すっくと立ち上がり、「そいつ」に殴りかかる!!ライの拳は空を切る……
(おいおい……自分で自分を殴れるはず無いだろ……)
「うるさい!!」ライはそれでも「そいつ」に拳を振るう
支援
228 :
カズト:2008/11/22(土) 21:28:38 ID:Yoh6sF94
(彼女に話せるわけ無いよな……ギアスを使って父を殺し!!)
「ぐ……」ライは何も言い返せない……
(ロベルトを追い詰め……カイドーを死なせ……改心していたダニエルを殺した!!)
「うるさいと言っている!!」
(話せたら楽だろうなあ……だが、そんな事はできないだろう……?
解決する方法はあるじゃないか……
そう……ギアスだ!!レフィーナに使うんだよ!!)
「そ、そんな事できるはずが……」
(彼女はお前に好意を持っている……ギアスを使おうと何も変わらない……
今までそうやって来たじゃないか……お前はもう人間とは言えないんだよ……)
「うるさい……うるさい!!」
(バケモノが人間に愛されようなんて虫が良すぎるだろ……
はっきり言ってやる!もう、お前はギアスでしか愛を得る事ができないんだよ!!)
「うわあああああああああ!!」
ライは無我夢中で「そいつ」の胸倉を掴み額をぶつけた!!
目の前にあったのは扉だった!!
ゴッ!ォォォォォォォォォォ……
ドサッ……
ライは自ら扉に頭をぶつけ倒れた……
「陛下!!如何なされましたか!?」召使いが音を聞き駆けつけたのだった……
翌朝、ライは目覚めると医務室のベッドにいた
頭には包帯が巻かれていた
「陛下……如何なされたのですか?召使いの者は大きな音がしたと……」
「だ、大事無い……それより、もう朝か……今日の政務に……」
「今日はお休みになられては……ミコト様もそう仰られています……」
「大丈夫だ……少し落ち着いたよ……」そう言ってライは医務室を出た……
支援
230 :
カズト:2008/11/22(土) 21:31:00 ID:Yoh6sF94
しばらく歩いていると、話し声が聞こえる
レフィーナ皇女とアレクサンデル将軍だった
「姫様、この国の視察及び援軍派遣の話し合いは済ませました……
我々も帝都に帰り、軍の編成をせねばなりませぬ……」
「アレク……私はこの国に残ります……父上にはあなたから言っておいてください」
「そうは参りませぬ!姫様を置いていっては、皇帝陛下に申し訳が立ちませぬ!!」
「私は残ると言ったら残ります!!」
そう言ってレフィーナはアレクサンデルを無視して歩き去っていた……
アレクサンデルはただ黙って見送るしかなかった……
「失礼、アレクサンデル殿……如何なされたのですか?」
「おお……これはライエル王よ……援軍については目途が立ちましたので
いったん帝都に帰らねばならぬと思いまして……」
「レフィーナ皇女殿下……の事ですね?」
「はい……帰らぬと申しまして、姫様はああ見えてかなり強情な性格ですから……」
「……ふむ、私が皇女殿下を説得いたしましょう」
ライは夜にレフィーナを自室に呼んだ
「ライエル様……あの……何か御用でしょうか……」レフィーナは頬を赤らめていた……
「レフィーナ姫……あなたに渡したいものがあります……」
ライは細長い木の箱を机の上に置いた……
「これは……?」レフィーナは箱を開けた
中にあったのは、日本刀だった……
「そ、その……小刀の方です……そ、それは私も戦で使った事はありません……」
ライは師匠の海堂の形見分けについて語った……
「その様な大切なものを私に……」レフィーナの目は輝いていた
「レフィーナ姫……どうか、それを持って帝都に……」
「帰りません!」真摯な瞳がライを見据える……
「な、なぜですか?もう用事は済んだはずです!」
「あなたの事を放っておけと言われるのですか?私はここに残ってあなたの側に……」
「もうすぐ奴らとの全面戦争が始まります!!ここは危険なのです!!アレクサンデル殿もそれをわかってるから、貴女を帝都に……うっ!」
支援
支援
233 :
カズト:2008/11/22(土) 21:34:23 ID:Yoh6sF94
ライの背後に「そいつ」がいた……
(なあ……レフィーナ皇女はここに居たいって言ってるじゃないか……
お前も望んでいるだろう?彼女にここに居て欲しいって……)
(う、うるさい!だまれ!!)
(一体何を遠慮する必要がある……お前にはギアスがある……
さあ……命じろ!「私を愛せ!」と!!「私に尽くせ!」と!!)
(う……うう……)
がしっ
ライの両手がレフィーナの肩を掴む
「えっ……!?」レフィーナはライから何か違う気配を感じた……
ライはそんな彼女から怯えの瞳を感じた……
(ち、違う……何かが違う……こんなのは間違っている気がする!!)
必死で自分を取り戻したライは彼女にギアスをかけた……
「ライエル=スメラギ=フォン=ブリタニアが願う……」
数日後
レフィーナ皇女はアレクサンデルに伴われて帝都に帰る事になった……
ライは配下の兵士と共に彼女を見送る事になった……
なぜライは大切な刀の片割れを彼女にあげたのだろう……
ライは彼女に何かを伝えたかった……
ライは女性というものを知らない……
でも何かをあげたい……
宝石は駄目だった……
後宮の醜い女達を見てきたライにとっては自分の醜さを隠す綺麗なだけの石でしかない……
香水も駄目だった……
自分の醜い気配を誤魔化す芳しいだけの水でしかない……
何をあげればいいのかわからない……
それが……らしからぬ武骨な物というのはわかっていた
だが、ライは本能で知っていたのだろう……
贈り物というものは、モノではなく心を送るものだということを……
234 :
名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/22(土) 21:35:23 ID:5lCBotWk
支援
235 :
カズト:2008/11/22(土) 21:37:51 ID:Yoh6sF94
「……ル王!ライエル王!!」
「っ!あ……これはアレクサンデル殿!!」
ライは声をかけられたことに気付いていなかった
「よくぞ姫様を説得してくださいました!!感謝いたします!」
「説得……ですか……
アレクサンデル殿……どうか皇女殿下の事をよろしくお願いいたします……」
「当然です!!この命に代えましても!!」
レフィーナが別れの挨拶にライの前に立った……
「ライエル様……どうか御身を御自愛くださいませ……
帝都で待っておりますわ……貴方を……」
「はい……皇女殿下もどうかお達者で……」
(これでいいんだ……これ以上一緒にいると僕は彼女を傷つける……)
ライは指で唇を触った……
あの夜、彼女の唇に触れかけた時、
彼女の吐息がライの唇にわずかにかかっていたのを思い出した……
ライはそれを暖かく感じていた……
「姫様……贈り物……にしては随分と武骨ですなあ……」
「いえ……あの方らしいです……」とても嬉しそうに微笑む
レフィーナは馬車に乗り込みながら、ライから贈られた細長い箱を自ら大事そうに抱えていた……そして、ライに一礼して馬車に乗り込んだ……
ライはレフィーナを名残惜しそう見送っていた……彼女の姿が見えなくなっても……
彼女は結果的に「あの惨劇」から免れる事になったのだが、それは彼女にとって幸せだったのかどうかはまだわからない……
236 :
カズト:2008/11/22(土) 21:40:33 ID:Yoh6sF94
カレンだけが知っていた……これが二人の今生の別れだと言う事を……
(なんで……?なんであたしは……)
ライが彼女と一緒にいると胸が苦しい……
ライと彼女がキスしそうになったのを見て、心に黒い靄がわき上がる……
ライが彼女に大切な刀を贈ったのを見て嫉妬し、そんな自分が嫌になる……
それでもなぜ彼女に同情しているのだろうか?自分でもわからなかった……
ライから恋敵が去って嬉しいはずなのに……
その夜……ライの体に異変が起きた……
ぐにゃり……と視界が歪む
「うっ……あ、あれ……?くっ……ハァッ、ハァッ……」
部屋に戻ったライは突然、強い眩暈に襲われた!即座にベッドの柱を掴む……
「ぐっ……がっああああ……!!」
さらに、目の奥が割れるような痛みが襲ってきた!
単なる頭痛じゃない!!
それでもライは痛みを抑えるため机に仕舞っている睡眠薬を取り出そうとした……
ハァ……ハァハァ……
一歩一歩が長く感じた……ようやく机に辿り着く……
がらっ……
引き出しを開けた途端に眩暈と痛みは治まった……
「ハァ……ハァハァ……あ、あれ……?一体……」
色々な事もあってか、ライは戸惑いながらも眠りについた……
それは力を増していき悪魔という形を取るように……
ライという殻を破ろうとしていた……
支援
238 :
カズト:2008/11/22(土) 21:45:15 ID:Yoh6sF94
投下終了です
最近過疎ってるのは移転に関するゴタゴタとか
他の職人さん達の雌伏の時だと思ってみたり
なかなか甘い描写は難しいですなあ・・・・・
次回あたりでなんとかリンクできそうです
支援感謝!!ではまた!!
>>238 おつかれさまでした!
ひと時の安息、皇女の温かさがすてきでした。
運命のときが、近付いているのでしょうか。
ささやかな幸せが転落の予兆のようで恐いですね。
文章で、気になるところをひとつだけ。
三点リーダ(…)を多用されていますが、
ここまで使わなくても十分情緒は表現されていると思いますよ。
それでは。次回を拝見できるのを楽しみにお待ちしています。
ありがとうございました!
>>238 GJです!!
続き待ってます。
久々に来たら移転とかで騒いでたんだ・・。
そういうのがSS投稿をしにくくなってるのだろうに。
今まで通りでいいじゃないか
>>238 カズト卿、GJでした!
淡い恋、暴走の兆し、あぁ、盛り上がってきました!
向かう先は悲劇、しかし当人たちには知るよしも無し!
ライの精神状態、かなりヤバげでしたね。
色々とどうなるのか非常に楽しみです!
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
242 :
ライ×C万歳:2008/11/23(日) 01:56:27 ID:9AExL+Jw
こんばんわーライ×C万歳でーす。
新しい短編がやっと書けた…
カップリングはライと騎士団オペレーターの双葉綾芽です。
ぶっちゃけこのカップリングにしたのは前に話した折笠富美子萌えの友人のゴリ押しっすw
投下良いですか?遅いのであと七分ほど誰かいるか確認できなかったら今日は引き下がるです。
支援しますぞ
います。支援待機。
245 :
ライ×C万歳:2008/11/23(日) 02:00:35 ID:9AExL+Jw
よし…ではいきますか。
タイトル:チョコレート
カップリング:ライ×綾芽
備考:エロさも含めろとの頼みでしたので少しのえっちぃ描写あり。苦手な方は読まないほうがいいかも…
行きます。
246 :
ライ×C万歳:2008/11/23(日) 02:02:03 ID:9AExL+Jw
チョコレート
「何故だルルーシュ!?なぜギアス饗団の虐殺なんかやったんだ!?」
時計が午後十時を指した頃、中華連邦に滞在する戦艦斑鳩にあるライの自室で、ライは自室のモニターに映るルルーシュに向かって怒鳴った。
「脅威を防ぐためだ。俺にとってもお前にとっても、ギアス所有者が敵になっては面倒だろう。
それにV.V.も倒せた。」
ルルーシュは冷ややかに答えた。
ライは眉間の皺を深めながらデスクを叩き、ルルーシュを睨みつける。
「だからって、殺す必要はなかったはずだ!」
「…とにかく、これが一番手っ取り早く、面倒の無い作戦だったんだ。分かってくれ…ライ…通信終わるぞ。」
映像が切れ、画面が暗闇に包まれる。
ライは溜息をつくと、デスクを殴りつけた。
「ルルーシュ…君は…!」
支援
248 :
ライ×C万歳:2008/11/23(日) 02:04:36 ID:9AExL+Jw
ライはデスクに肘を付き、額を押さえる。
ライには分かっていた。
ルルーシュが虐殺を行った本当の理由…それはシャーリーの命を奪ったギアスへの報復だ…
ライとルルーシュの学友であり、ルルーシュに好意を抱いていたシャーリー・フェネット数日前、シャーリーは何らかの事情により、ロロに殺された。
ロロからは「シャーリーが拳銃を持ってルルーシュを追いかけ、危険と判断したからギアスを使って処分した。」と報告を受けている。
だが、シャーリーが銃を持ち、ましてやルルーシュを狙う人間ではないことを知っていたライはロロが何か嫉妬のような感情でシャーリーを殺したことを分かっていた。
そしてルルーシュは、シャーリーを苦しめたギアスを絶やすため、ロロを含むギアス所有者を粛清するためにギアス饗団を潰したのだ。
粛清の為の零番隊出撃の際、戦闘隊長であるライを呼ばなかったのはライなら絶対にこの作戦に反対し、部隊を引き上げたからであろう。
今やゼロ以上の信頼を騎士団で集めつつあるライは、ゼロの命を受けた零番隊すら「退け」という一言の命令で撤退させることが出来るかもしれない。
もしそうなった場合、ルルーシュの計画は失敗に終わる。
そしてもう一つ、ルルーシュがライを殺せなかったからだ。
ルルーシュは完璧主義者だ。ギアス所有者であり、ゼロを脅かしつつある存在になってきているライは間違いなく粛清の対象の一つとなっただろう。
現にロロが乗ったヴィンセントから爆弾が発見されたと密かに零番隊の隊員の一人から連絡があった。
ルルーシュがロロを処分しようとした証拠だ。
だがルルーシュは非情に見えて友情を大切にする男だ。
ギアス所有者といえども、友人である自分を殺すことが出来なかったんだろう。
だから粛清に支障をきたさないよう、ライを呼ばなかったのだ。
ルルーシュのロロを許せない気持ちは分かる。
だが一人の過ちを全てに押し付け、ギアス所有者を根絶やしにして良い訳がない。
それではブリタニアと同じだ。
ルルーシュはシャーリーが死んだ悲しみと憎しみに支配され、取り返しの付かないことをしてしまったのだ。
支援
250 :
ライ×C万歳:2008/11/23(日) 02:05:59 ID:9AExL+Jw
「僕は…どうすれば良い…」
ライは分からなくなった。
このままルルーシュに付いて行ってもいいのだろうか?
このままでは彼は昔の自分のように過ちを犯すかもしれない…
そんな彼にこのまま従って戦っても良いんだろうか…
そう思っていた時、インターホンが鳴り響いた。
「ん?」
ライは椅子から立ち上がり、ドアの方に足を進めて、ロックを解除した。
そしてドアが自動で開くと、黒の騎士団オペレーターであり、ライの恋人でもある双葉綾芽の姿があった。
「双葉さん…」
「あ、すみません!こんな夜遅くに突然お邪魔して…」
綾芽は頭を下げ、ライに謝ると、ポケットからデータスティックを取り出し、ライに渡した。
それはライが綾芽に頼んでいた現在の中華連邦内に存在する反抗勢力の情報だ。
「これ、渡しに来ました。」
「ああ、ありがと。」
ライはスティックを受け取り、ポケットにしまった。
ライが綾芽と交際を始めたのは二週間ほど前だ。
ライは超合衆国反対派の軍勢との戦闘で仲間を庇って負傷した。
その時に医療室で看病してくれた際に彼女の告白を受け、ライは彼女と付き合うことになった
しかし、ライは忙しい身のため、デートもまだしていないが。
支援
252 :
ライ×C万歳:2008/11/23(日) 02:07:35 ID:9AExL+Jw
「戦闘隊長…どうしたんですか?」
「え?」
「なんか…イライラしてるみたいです。」
「ちょっとね…」
ライは再び部屋に戻り、ベッドの上に腰掛けて頭を掻いた。
「あの、上がって良いですか?」
「あ…うん、良いよ、双葉さんは僕の彼女なんだし。隣に座っていいよ。」
「彼女」と言う言葉を聞き、綾芽は頬を染めながらライの部屋に入り、隣に座った。
ライは自分が綾芽を好きになった理由が自分でもよく分からなかった。
恋人になる前は、別に特別な交流をした訳でもなかった。
ただ仕事を手伝ってあげたり、山積みの資料の半分ほど運ぶのを手伝ってあげたり、たまに同じ席で食事を採りながら談笑を楽しんだり、アクシデント彼女とぶつかり、転んだときにスカートの中の下着を見てしまったことがあったりしただけだ。
ただ、自分が負傷したとき、彼女が流してくれた涙と、彼女の安心した顔がとても嬉しかった。彼女を守ってあげたいと思った。
だからライは彼女の告白を受け入れ、恋人になった。
「どうしたんですか?」
「…ごめん、言えないんだ。」
「…分かりました。戦闘隊長がそう言うなら、何も聞きません。」
「ごめん…」
本当は聞いて欲しかった…
誰かに話せばきっと気持ちも軽くなると思ったから…
けど、話す訳には行かない
綾芽は黒の騎士団のメンバーだ。
まさか総帥であるゼロが虐殺を行ったとは言えないし、こんな事を話したらゼロに粛清される可能性もある。
だから自分が苛立つ理由を話せなかった。
253 :
ライ×C万歳:2008/11/23(日) 02:08:39 ID:9AExL+Jw
「じゃあ、これ、一緒に食べましょう!」
「え?」
綾芽はスカートのポケットから板チョコを取り出し、箱から銀紙に包まれたチョコレートを取り出して半分に折り、ライに渡した。
「チョコレート…」
「夜遅くにお菓子なんて良くありませんけど、イライラしてるときには、甘い物が一番です!イライラした気分なんてどっかに飛んで言っちゃいますよ!」
綾芽はそう言って銀紙を剥がし、チョコレートをかじった。
ライも彼女につられる様に銀紙を剥がし、チョコレートをかじる。
舌中に甘い味が広がり、自然に口元が緩む。
「美味しい…」
何処にでも売っている市販の安い板チョコだったが、今のライにはどんな高級な菓子より美味しく感じた。
さっきまで重かった気持ちが少しだけ軽くなる。
彼女の言ったとおりだ。
「ありがと、双葉さん。なんか、落ち着いた。」
「あはは…なんか照れちゃいます。」
綾芽はまた頬を桃色に染めると、早めに自分の分のチョコを食べ終え、ベッドから立ち上がった。
支援
255 :
ライ×C万歳:2008/11/23(日) 02:09:52 ID:9AExL+Jw
「じゃあ、もう部屋戻ります。ほんとにお邪魔してすみま…」
ライは自分のチョコを枕元に置き、立ち上がって綾芽を抱きしめた。
「ふぇ!?」
「…」
綾芽の暖かさがライに伝わってくる。
傷付いた心が温まる…
ライは少しの間そのぬくもりで身を暖めた後、彼女の唇を強引に奪った。
「ん…ぅ…」
綾芽はライの強引な口づけに驚き、少し呻くような声を出したが、ライを突き放すわけでもなく、むしろ求めるように、瞳を閉じて舌を突き出した。
ライも自分の舌を出し、綾芽の舌と絡め合わせる。
先程食べたチョコレートの甘い味と愛情がお互いの舌から伝わってくる。
二人はしばらくその味と思いを堪能すると、ライの方から唇を離した。
「…ごめん。」
「いえ…嬉しいです。」
綾芽は恥ずかしそうに顔を紅潮させながらも、幸せそうな笑顔でライを見つめる。
そして今度は綾芽の方からライに抱きついた。
「双葉さん…?」
「もっと戦闘隊長…ライさんを感じたいです…」
「…分かった。」
ライは再び自分の唇を綾芽の唇に重ね、ベッドに押し倒した。
この時ライは思った。
「これから先どうなるかは分からない。けど、例えルルーシュを裏切ることになったとしても、僕は黒の騎士団で彼女を守っていこう。」と…
ライが心の中でそう決めたすぐ後、二人の衣服が床の上に落ちた…
支援
257 :
ライ×C万歳:2008/11/23(日) 02:16:56 ID:9AExL+Jw
投下終了。
以上が…
俺「ライCネタないよぉ…」
友「だったらライシャリ書け!」
俺「もう二つも書いたじゃないか!まぁあのカプも好きだけどそれでもネタ無いよ!」
友「だったらライ綾で書け!」
俺「全部お前の趣味じゃねーか!この折笠富美子萌えめ!」
友「褒め言葉だ!」
という言い争いの末書いたSSでした。
皆さんのSSを参考にし、エロイのを押さえるだけ押さえて表現してみたつもりです。
うーん…皆さんの趣向に合うかどうかは自信ないです。
話は変わりますがクロスネタやってみたいって言ったの僕です。
ライとガンダムOOのロックオンが絡むならこんな展開かな?と考えたもので。
ここじゃ無理みたいなんでどこかクロスOKな所に完成したら投稿しよう思っています。
ライ×C万歳投下乙&GJでしたー
とりあえずエロいよ、この話、いいぞもっt(ry
前半のノリからは想像もできないオチになりましたね、
オペレーター三人娘の一人というマイナーかメジャーか分かりにくいキャラでご苦労様でした
しかしこの話だとルルタニア不参加の流れになりそうなライ、ここでは珍しいかもしれませんね
ともあれ卿の次の投下をお待ちしています
>>257 投下お疲れ様です。
支援ほとんど参加できずにすみません。
(「お尻臭い虫」が携帯マルチポスト規制だとようやくわかった…)
珍しい組み合わせ、と思ったら折笠さんでしたか!
ラブラブかと思いきや意外にシリアス、そちらの続きも見たくなりました。
殲滅作戦はR2のナリタ、解放戦線的な分岐になりそう。
正直ガンダムはあんまり知らないんですが
卿の作品は読んでみたいと思います。投下先でお会いすることがあれば、是非。
作品投下もいいが、それよりも今重要なのは議論のほうじゃないか?
そんなわけないだろ、重要なのは作品投下だ
移転は二の次
>>257 投下お疲れ様でした
久々の卿の作品で楽しく見させていただきました
卿の次のライCを待っています
>>260 投下がなければこのスレは何なんでしょう?
議論に参加しない人たちがここから離れないためにも、こんな時だからこそ投下すべきじゃないでしょうか?
皆が皆、議論優先じゃないんだから・・・・・・
荒らしはスルー汁
正午あたりから投下を考えているのですが、誰かいらっしゃいますか?
>>257 ライ×C万歳卿、GJでした!
友人強いなwww
前半のシリアスさと後半の微エロがいい感じです。
綾芽がオペレーターの内の誰だったか思い出せなくなってたorz
とりあえず公式みて確認しました。
この流れだとライが黒の騎士団纏めていきそうですね。
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
クロスネタって書いてるのを見た日、ドラえもんとのクロスオーバーという凄い夢を見た。
……書けるかぁ!!!
年下専門です、それでは長編の続きを7レスほど投下します。
タイトルは「優しい世界で目覚めて 第十三話 マスター玉城(前編)」
・ギアス篇と学園篇の複合エンド後にしてR2終了後からの話
・ライは黒の騎士団入ってて学園篇エンドを迎えた、ルート的にはランペルージ兄妹メインに万遍なく頑張ったライ君
・ジャンル傾向はほのぼのしんみり系
・カップリングは今のところないですが「ライ←複数ヒロイン」の要素があります
・アフターに関しては情報が少ないため、自己解釈の要素を多分に含んでいます
支援
「いらっしゃいませー」
カランカラン、とカウベルの音とともに入り口の扉が開く。
店内から聞こえてきたのはやや幼げな声。
紫がかった髪の、大人しそうな少女が丁寧におじぎをして入ってきた客―――ライと神楽耶を迎える。
その少女は、二人を見やると目を丸く見開いて手に持っていたお盆を口に当てた。
「か、神楽耶様!?」
「お久しぶりですわね、双葉さん」
知り合い同士であろう、歳の近い二人の少女がそれぞれの表情で相手の顔を見つめる。
片方は驚愕、もう片方は笑顔と正反対で。
「ここのところ顔を出せなくてごめんなさい」
「い、いえ! こうして来て頂けるだけで感激です!」
「くすっ、そんなに緊張しなくてもいいのですよ。今の私はただの一般人なのですから」
微笑みかける神楽耶だが、しかし双葉と呼ばれた少女は緊張の色を隠せない様子だった。
それはそうだ、いくら本人が主張しようが相手は日本最後の皇族。
本来ならば会話を交わすことはおろか、目にすることすら難しい相手なのだ。
カチコチに固まった少女を不憫に思いつつ、ライは店内を見回す。
パッと見、なかなかこざっぱりして雰囲気のよさそうな装いだ。
看板にはバーと掲げてはあったが、店内を見た感じではどちらかというと喫茶店のほうが近い感じがする。
しかし、その割には昼時だというのに客が一人も見当たらない。
(もしやこの店ははやっていないのだろうか……)
夜がメインなのかもしれないが、それでも昼時に客がゼロというのはかなり深刻なはずである。
料理がまずいのか、と思いかけるもそれなら神楽耶がこの店を薦めるはずもない。
「あ、あの……ところで神楽耶様、そちらの方は?」
思考にふけりかけていたライを現実に呼び戻したのは店員の少女の疑問の声だった。
そういえば挨拶もしていなかった、と思い出し慌てて頭を下げる。
「初めまして、ラ……青月ハルトです」
「あ、あのっ! 双葉綾芽です! ここの店員です!」
姿勢よくペコリと頭を下げたライに、慌てて返答する少女。
そんなやり取りを笑いながら見やっていた神楽耶は、おかしそうに口を開いた。
支援!
「くすくす……まるでお見合いのようですわね」
「神楽耶様、そ、そんなっ!」
「いや、別に普通だと思うけど……」
からかわれた綾芽は顔を真っ赤にしてぶんぶんとお盆を左右に振りたくる。
対照的に、呆れたように溜息をつくのはライ。
黒の騎士団、もっと遡ればミレイに拾われてから散々からかいは受けてきた身である。
今更この程度のからかいで狼狽するはずもない。
むしろ、過剰に反応する綾芽を微笑ましそうな、眩しいものを見るような表情で見やる始末だった。
「あ、あの……?」
当然、そんな視線を向けられればライという人間を知らない綾芽は戸惑うほかなかった。
しかも、相手は客観的に見て美形。
そんな異性にじっと見つめられれば普通の感性を持つ少女として恥ずかしさに頬を赤く染めないはずがない。
「ハルト、そんなにジッと女性の顔を見続けるのは失礼ですわよ?」
「っと、これは失礼」
「あ、い、いえ!」
謝罪に再び頭を下げるライと、お盆を左右に振ってそれを遠慮する綾芽。
先程の焼き直しのような光景にやはりクスクスと微笑みながら神楽耶は情報を捕捉した。
「双葉さんは、元黒の騎士団の一員だったのですよ」
「へえ……」
「いえっ、所属していたといっても! 新入りでしたし、ほんの下っ端で!」
謙遜する少女だったが、神楽耶と知り合いということはそれなりに上の地位にいたのだと推測できる。
ただ、自分が黒の騎士団に所属していた頃に見た覚えはない顔なので騎士団解放以降の参入者なのだろうとライは考えていた。
昔の騎士団の女性メンバーといえばサッと頭に浮かぶのはカレンと井上、そしてC.C.にラクシャータくらいのものだ。
四人が四人、アクが強い女性達だったせいか、いかにも普通っぽい目の前の少女を見ると複雑な感情を覚えてしまう。
同時に、自分がいた頃にもこんな娘がいてくれたらな、とも。
「あの……それで、青月さんは……その」
もじもじと身体を揺すりながらお盆のふちから上目遣いで綾芽が何事かを問おうとしてくる。
こっそりカレンたちに対して失礼なことを考えていたライは、その声にハッと我に返ると一筋の冷や汗をかいた。
なお、横にいる神楽耶が私は全てお見通しですわよ、といいたげな顔をしていたのはスルー確定である。
支援
「ああ、僕も実は黒の騎士団に所属していたんですよ」
「え、そうなんですか!?」
「とは言っても、ブラックリベリオンの前に持病の都合で戦線離脱していたんですけどね」
苦笑しながらも虚実を織り交ぜた説明をするライに、綾芽は驚きながらもどこか不満気な表情を浮かべていた。
彼女が聞きたかったのはそういうことではなく、別のことだったのだから。
だが、そのあたりの機敏にやや疎い銀髪の少年は少女の様子に気づくことなく椅子を引く。
促された神楽耶は一連のやり取りの意味を理解していただけに、ふきだすのを必死に堪えながら着席する。
「ありがとうハルト……そういえば双葉さん、マスターはどうしたのですか? 姿が見えませんが」
「あ、先輩なら今買い出しに
カランカラン。
その瞬間、カウベルが鳴り響き三人の視線が入り口へと集まる。
入ってきたのは大き目の紙袋を抱えた一人の男だった。
ライ達からは紙袋のせいで顔が見えないのだが、視界が封じられている度合いは男本人ほうが深刻である。
フラフラと頼りない足取りで店内に足を踏み入れた男は、後ろ足で器用に扉を閉める。
「おう、けーったぞー!」
「お帰りなさい、先輩」
「双葉ァ! 俺のことはマスターと呼べって言ってんだろうが……っしょっと!」
綾芽を叱責しつつ男は手近なテーブルに紙袋を下ろす。
荷物の向こう側から現れたのはいかにもチンピラといった感じの容貌をした若い男だった。
「ごめんなさい、マスター」
「玉城さん、お久しぶりです」
綾芽の謝罪と神楽耶の挨拶が両隣から聞こえるのにも構わず、ライはしばし思考を停止させていた。
マスターと呼ばれている男が自分のよく知る男だったからだ。
玉城真一郎、黒の騎士団がまだ小規模な無名グループだったころからのメンバーである。
能力はそれほど高くはなく、短気で迂闊とかなり問題のある男だったのだが、ムードメーカー的な役割を担っていた人物だ。
物怖じしない性格はトラブルを起こすことが多かったものの、騎士団の円滑油としてそれなりに機能していた。
仮面の男ゼロを親友とまで言い切り、見た目ブリタニア人である自分をすぐに受け入れてくれた豪胆さは印象に良く残っている。
勿論、最初は猜疑心丸出しで突っかかられたことも、彼の起こしたトラブル処理によく走らされたことも忘れてはいないが。
当時はよく『なんでこんな人が幹部なんだろう?』とゼロに疑問を抱いていたのも良い思い出だ。
支援
「おっ、神楽耶様じゃないっすか! お久しぶりです!」
客が神楽耶だと気づいた玉城はニカッと快活に笑う。
流石の傍若無人男といえども相手が皇族である以上敬語になるらしい、やや乱雑な言葉遣いではあるが。
そんな割とどうでもいいことに感心するライ。
しかし、続けて視線を横に滑らされ自分のほうを見られたことで緊張が走る。
店内ということで帽子を脱いでいるため、今の変装道具は眼鏡だけ。
交流のあった玉城ならば自分がライであると気がついて当然である。
ゴク、と唾を飲み込んで銀髪の少年は玉城の第一声を待った。
「……なんだオメェ?」
「は?」
「ぷっ!」
ガク、とライの足が崩れるのと神楽耶がふきだしたのは同時だった。
いぶかしげな表情で睨み付ける様に発せられた声は罵声でも歓喜でもない、見知らぬ人に対する反応だった。
それどころか、客相手の反応ですらない。
ライは拍子抜けするとともに、この店に客がいない理由を悟った。
マスターと呼ばれているということはこの店の店主は玉城なのだろう。
確かにこの男が店主の店では客がいなくても不思議ではない。
初見の客に対して喧嘩腰で声をかけるなど、客商売ではまずアウトだ。
現にそのあたりを理解しているであろう綾芽は「あちゃあ」といった感じの表情をしている。
(やや諦めが入っているあたり、よくあることなんだろうな……)
相変わらずの玉城節にライはこっそりと呆れとも懐かしさともとれる溜息を吐いた。
とりあえずこちらの正体に気づいていないのならばそれはそれでいい。
正直、釈然としないものはあるが気づかれるほうが厄介だ。
そう自分を納得させたライは自分が神楽耶の連れであることを説明し、席に座った。
「ふーん、神楽耶様の連れねぇ……」
が、玉城のほうはそれで納得しなかったらしく、こちらに近寄ってくると顔を覗き込むように見下ろしてきた。
客観的にはチンピラのガンつけにしか見えない光景に綾芽の顔が真っ青に染まる。
「せ、先輩!?」
支援
「マスターだって言ってんだろぉが!」
よほど呼称にこだわりがあるのか、再び綾芽を怒鳴りつける玉城。
視線は神楽耶の横に座るライを見つめたまま。
しかし、ライは平然と剣呑そうな相手の視線を見つめ返した。
気の弱い人間ならば身が竦んだかもしれないが、玉城の実体をしっているライからすればガンつけにビビる理由もない。
それが面白くなかったのか、軽く舌打ちした玉城は神楽耶のほうに顔を向けた。
「神楽耶様、コイツとはどんな関係なんスか?」
「ちょっ……」
無礼千万としか言いようがない店主の態度に綾芽があたふたと慌てだす。
が、少女の混乱する表情には僅かな期待が浮かんでいた。
実のところ、先程彼女が聞きたそうにしていたのは正にそのことだったのだ。
(マズイな……)
外面では冷静そのものといった状態を崩さないライだったが、その実内心では滝のような汗を流していた。
まさか知り合いがいる場所に連れて来られるとは思ってもいなかったので、そのあたりの言い訳は全く考えていなかったのだ。
何度も言ったことだが、神楽耶は日本最後の皇族でいわゆるVIPである。
そんな人物が連れている人間がただの男であるはずがない。
それに、あまり至近距離で見られ続けるといい加減正体がバレないとも限らない。
どう答えたものか。
悩むライを尻目に、しかし神楽耶はあっさりと爆弾発言を口にした。
「ハルトは、私の婚約者ですわ」
時が止まった。
勿論比喩表現ではあるが、その時神楽耶の台詞を聞いた三人は確かに時の停止を感じていた。
無言、痛いほどの無言の静寂が場に訪れる。
ここで三人の内誰か一人でも「やだなぁ、冗談きついですよ」とでもいえばよかったのだろう。
だが、あまりの衝撃に誰一人として口を開くことすらできない。
神楽耶も自分から冗談だと言うつもりはないのか、ニコニコと微笑んでいるだけだった。
一分経過。
ここでようやく正気を取り戻したライは、咄嗟に否定の言葉を吐こうとし。
支 援
「なんだ、そうだったのかよ! いや、こいつはめでてぇ!」
「ゲホッ!?」
背中を玉城に平手で強かに叩かれた。
最悪のタイミングでの衝撃にむせてしまったライはケホケホと咳き込みながら涙目になってしまう。
「だ、大丈夫ですか青月さん!?」
「だいじょ……ケホッ」
「玉城さん、強く叩きすぎですわ!」
慌ててライに駆け寄る綾芽と背中をさする神楽耶。
玉城は悪びれた様子もなく「ワリイワリイ」と手を振って謝罪の意を示す。
この瞬間、ライの脳裏にヒゲ抜きの刑という文字が過ぎったが詳しいことは割愛しておく。
「いやぁさっきは悪かったな! お前さんが嫌味なブリキ野郎にしか見えなかったからついな!
けど神楽耶様の婚約者だっていうんだなら話は別だ。よく見れば結構良い面してんじゃねえか、俺には劣るけどな!」
コイツ、一度殴っておくべきか?
ハハハッと調子よく馬鹿笑いするチンピラ風マスターに対し、ライは拳を握りかける。
が、次の瞬間、少年の怒気を代弁するように玉城の頭上に金属製のお盆が容赦なく振り下ろされた―――縦向きに。
「おご!?」
ガツン!
硬いもの同士がぶつかり合う鈍い音が広くはない店内で響いた。
「いてて……一体俺が何したっていうんだよ」
「自業自得です」
頭にできたたんこぶを押さえながら買ってきた荷物を整理する玉城に綾芽の冷たい視線が飛ぶ。
そんな二人の掛け合いを見ながら、ライは流れ出る汗を止められないでいた。
あの後、ドタバタのうちに結局自分は神楽耶の婚約者ということになってしまったのである。
今からでもさっきのは嘘なんだと声を大にしていいたいのが本音だ。
しかし玉城と綾芽はすっかり神楽耶の嘘を信じ込んでしまっていてとても今更嘘と言い出せる雰囲気ではない。
平然と嘘をついた当の本人は何が楽しいのか鼻歌を歌いながら椅子の下で足をぶらぶらさせている始末。
最後に会ってから一年以上の時が流れているというのに相変わらず子供っぽい人だ。
そんな本人が聞けば怒り出すこと間違いなしな感想を抱きながら、ライはとりあえず現実逃避代わりにメニューを手に取るのだった。
(あれ? そういえば料理はまさか玉城が作るのか?)
支援!
支援
おまけ(その頃の色んな人たち)
・とある女官部屋
オレンジ「リリーシャ、久しぶりだな! 元気にしていたか? ところで妹よ、見合いをする気はないか?
うむ、写真は持ってきてある……この男はライといってな、なかなかの好青年だぞ?」
・とあるサミット会議室
実妹溺愛「ええい扇め、所詮決まったことを話し合うだけのサミットだというのにどもってどうする、それでも元教師か!
見ろ、お前が詰まったせいでナナリーが困っているではないか!」
人生勝組(ヒイィィ……ま、まただ! 奴の……ルルーシュの声がする! 昨日除霊してもらったばかりなのにっ)
幼女忠誠(む? 会議中だというのに天子様はどこを見ていらっしゃるのだ? あちらの方角には何もないはずなのだが……)
中華幼女(なにか黒いのが浮いてる……)
・とある銀髪少年の部屋の前
3「な、なあノネット。アーニャの機嫌が悪いように見えるんだが気のせいか?」
9「うん、あれは正に『彼氏に突然デートの約束をすっぽかされた恋する乙女』といった感じだな」
6「……ライ、どこへ行ったの」
・とあるパーティーの時くらいは大人しくしようと考えている紅の乙女の部屋
猫かぶり「このジノが選んだドレス……動きにくい。これじゃ蹴りが出しにくいし、走るのも難しいわね。短くしようかしら」
・とあるサミット会議室の天井裏
腐メイド「今のところ異常なし、ですね」
投下終了、支援感謝です。
あと、本文3レスめの最後の行なんですが、掲載の際は
「あ、先輩なら今買い出しに―――」
に変更していただけると幸いです、お手数かけて申し訳ありません。
支 援
>>285 投下お疲れ様です。
今回も面白かった!
前回の引きで、どんな罵声が飛んでくるかとはらはらしてましたが
まったく意表を突く玉城クォリティ。
…やっぱり客商売向いてませんでしたか。あやめさんの苦労が偲ばれます。ガンバ。
おまけの皆さんも楽しかったです。
ひとりひとり突っ込みが必要ですコレ。
新着を読めて幸せです。
次回を拝見出来る日を楽しみに。ありがとうございました!
>>285 いつもお疲れ様です!
今回も楽しませていただきました
玉城はたしかに自分の呼び方とかうるさそうですよね
それにしてもおまけがおもしろすぎたwww
>>285 年下専門卿、GJでした!
玉城の行動にニヤニヤしながら読んでました。
さっすが玉城、どう見てもチンピラ!
そこにシビれる! アコガれない!
神楽邪の冗談?は波乱を呼びそうですね。
天子様にはゼロが見えてるのかwww
ジェレミア卿、貴方はまた炎にガソリン注ぐようなことをwww
メイドさん、何やってんのwww
貴公の次の投下を全力で待たせていただきます!
290 :
匿名希望:2008/11/23(日) 14:42:59 ID:iKeBYAoh
支援
>>285 修正いたしました。
移転の議論についての告知を本日中に保管庫に載せる予定です。
>>291の告知は延期になりました。議論スレのリアクション待ちです。
55分から投下したいと思います。
よろしければ支援ください。
支援
支援します
俺式ロスカラ続編〜騎士団カレンルート〜 6話
一応このシリーズとしてはシリアス系なんだけど、今回はそこまでシリアスじゃないつもり
騎士団カレンルートで特区日本の失敗ifからの続き。
かぷは もちろんライ×カレです
それでわ・・・・
今、僕の目の前には信じられない光景が広がっている。
カレンがルルーシュの上に四つん這いになり
顔がくっついているのか、ギリギリ離れているのか、わからないような近さにある。
キスしてましたと言われれば簡単に納得でき、キスしてませんと言われても
簡単に納得できないような状態。
なぜ、彼女が………
こうなった原因は何だろうか………
と僕は考えを巡らせる。真実はとても簡単なものなのに。
今から二週間くらい前に、カレンは新宿でルルーシュを見つけ出したらしい。
その時に何があったのかはわからないが、その時からの彼女は
昔学園で猫を被っていた時よりも、守ってあげたいオーラ全開で僕の膝の上に頭をのせ甘えてきた事や、
一緒に寝たまではよかったものの、目覚め方が彼女に腹を思い切りきつく抱き締められた事による激痛でだった。
無理に解こうとしても「いっちゃいや」と余計にきつく締めつけるだけ。
あの数日の間 どうして寝ている人間にここまで力が出せるのだろうか疑問に思わなかった朝は無い。
結局はカレンが起きるまでは動けなかった事は記憶に新しい。
この時 本人は長い間会えなかったから、その分の埋め合わせだと言っていたが
あの時のカレンの甘え様の原因はルルーシュと何か関係していたのだろうか。
支援
けれど、蓬莱島に移るまでの数日間しか僕はカレンと接していない。
行政特区日本で移住した百万の人が住む蓬莱島これらの手配に伴い、
書類仕事はあらかじめある程度は済ましてあったが
扇さんたちと残っていた書類仕事を早急に済ませなければならなかった。
そのため、寝る時間すらあまり取れないほど忙しくカレンがわざわざ訪ねてきても
やらねばならなかった仕事のため、追い返さざるを得なかった場合が多々あった。
彼女はそれに拗ねたのだろうか。
しかしゼロであるルルーシュにも書類仕事はあり、僕と同じくらい忙しいはずである。
正体を知ってるとは言え、ゼロを尊敬していたカレンなら邪魔をしないように気を利かすだろう。
などと考えていると、ピザをほおばっていた魔女から聞きたくない言葉を聞かされた。
「お前が女心も解らず、ほっといたから欲求不満に陥ってしまったようだぞ。」
―そんな………カレン………嘘だろ………
僕は、胃を鷲掴みにされたような感覚を初めて味わった。
「「C.C.!」」
魔女にしてやられた二人は同時に彼女を睨みながら叫ぶ。
これ以上誤解を生まないために。
「ライ、外にいくならタバスコを頼む。ここにはラー油しかないからな。」
カレンとルルーシュがライのいた場所に視線を戻した時には既にライの姿はなかった。
「ねぇライ、私がもし、慰めてっていったらどうする?」
「ん〜話聞きながら頭なでてあげるかな。」
カレンの表情からは僕の答えに対する満足は見つけられない。
まぁこんな聞き方ならこういう言葉が返ってくるのは仕方がないだろう。
しかしカレンが聞きたい『慰め』の意味は精神へむけた抽象的な慰めではなく、身体に向けた具体的なものである。
しかしながら、うまくごまかしの利いた言葉でその意図を口から紡ぐ事は非常に難しく彼女にはできなかったのだ。
分かるように唇を近づけてこっちの『慰める』だと言いたかったが、ライは観察力と洞察力に優れている男である。
ルルーシュの事を知られたくなかったカレンは、それ以降その事について話すのをやめた。
ルルーシュに迫られた事は もう許したし、私には別にライ慰めて欲しい事なんてない。
けれど、口には言えないが褒めて欲しい事は沢山あった。
寂しい思いもたくさんした。
だから、あの時 私は彼に思いっきり甘えることにしたのだ
はぁ………
今、私 紅月カレンは 黒の騎士団の戦闘隊長、皇ライの部屋の前にいる。
今のため息は、先程 恋人であるライに、事故とはいえ、別の男に自分が覆い被さっていた所を目撃されてしまったのだ。
つい先日、私はライの部屋に行った。
その日の仕事は自分の機体、紅蓮可翔式の最終チェックだけだったので、これといってする事がなく、時間を持て余していた。
どうしようか考えながらあるいても、体は正直なもので、気づかないうちにライの部屋の前に立っていた。
もちろん、彼が忙しいのは百も承知。
戦場で彼をKMFに乗せれば、敵をバッタバッタなぎ倒すだけではなく
味方への指示も的確で、戦場で彼を司令部に置いても、少ない損害で多くの敵をなぎ倒す。
その上、机に座らせてもその働き様は群をぬいており
戦場で敵をなぎ倒すかのごとく机上の書類や会議での異議をなぎ倒してゆく。
そんな彼の行き過ぎたポテンシャルは、恋人として誇らしいと同時に、自分が不釣り合いに思えるほどである。
支援。
今回の蓬莱島の件でも、彼の能力ゆえに任される仕事は非常に多く
そしてそのどれもが私に手伝えるようなものではなかった。
そんな尽くしてくれる彼に、誤解とはいえ恩を仇で返すような事をしまった。
それに、事故といいながら直ぐに退こうとしなかったのも事実。
憂鬱だ……… わたしは今更ながら彼と再会してからというもの、迷惑しかかけてない事に気づいたから。
もし、自分がライの立場なら、多分 紅月カレンという女にはとっくに幻滅していただろう。
意を決して部屋をノックすると、返事は返ってこなかった。
恐る恐るドアをあけてもなかなかライは見当たらなかった。
ベッドをみてみると、白い枕の上に同系色である、きれいな白銀の頭がうつ伏せに置いてあった。
どうやら、あの後ふてくされて寝てしまったのだろう。
彼の肩は規則的に動き、小さな声で呼んでも反応はなかった。
彼は掛け布団の上からうつ伏せになっていたので、私は自分の部屋の毛布を彼にかけるため部屋をでようとした次の瞬間
「…レ…ン……カ……レン……謝るから………行か…ない…で……」
寝言ではっきりとした発音ではないが、私にははっきりと聞こえた。
それと同時に、彼への愛おしさと自分への情けなさの入り混じった複雑な感情を感じた。
悪いのは全て私なのに、それを責めるどころか自分の非を謝っている。
そんな優しすぎる彼がふてくされているなどと勝手に決めつけ、どうやって誤解を解くかを考えていた自分を心底恥ずかしいと思ったと同時に
彼へのどうしようもない位の愛おしさが、体の奥底から溢れるのを感じたのだ。
ライの部屋にあったタオルケットと上着で、簡易ながら掛け布団をつくり、自分も横になりながら彼を包み込むように抱きしめ
「私はどこにも行かないわ」
すると 彼の寝顔からは負の感情は消え、綺麗な顔にどこか幼さを漂わせている顔は
見ている者にめ安らぎと幸福を与えてくれそうなほど。
彼の綺麗な寝顔を見れば見るほど、どうしよもないくらいの彼への好きという感情が込み上がってくる。
私は彼が起きるまで彼を見つめていたが、それは自分の時を止められたような感覚で、
彼が起きてから部屋の時計を見た時は時計が壊れたと思ったくらいだ。
ちょっと投下ペース早いかも。支援
「あれ、カレン………どうしたの?」
ライはまだ寝ぼけたように尋ねてきた。目の焦点が定まってないし口もきちんと回っていない。
「さっきのこと謝りたくて………」
一瞬、何のこと?と聞かんばかりの顔を向けてきたが、すぐに思い出したのか彼の顔は一気に変わった。
「あ、あのね。さっきのルルーシュとのあれは事故なの、C.C.が言ってたのはデタラメだから。」
「本当に?」
とライは首をかしげ、淡い青色を宿している綺麗な眼差しを向ける。
彼の仕草はどうして、こうまで私の心を捕らえるのだろうか。
「当たり前じゃない あんな頭でっかち、何とも思ってないんだから。」
「なんだそれ。C.C.じゃあるまいし。」
と言いながら、彼は私に向けた顔を笑顔にかえた。
「久しぶりに笑ったんじゃない?」
「えっ」
「あなたがそういう風に笑ったの、随分見てなかったきがするもの」
ここ最近、彼と会う機会は少なかったがこれは事実だ。
それに、会ったとしても彼との会話は仕事の内容しかなかった。
「ごめん………」
「謝らないでよ。こっちが謝りに来たんだから。」
彼の優しさに、ついつい出鼻をくじかれそうになりながら、私はつづけた。
「その、さっきはごめんなさい。私が新宿でルルーシュを見つけたとき、
ルルーシュ ゼロを辞めようとか考えるくらい落ち込んでたから…それで、その時の事…」
「もう気にしてないよ。」
とライは私の言葉を遮ってきた。
「僕も、仕事が忙しかったからついカリカリしちゃって………でも、明日には仕事が全部片付く可能性があるから
そしたら食事でも一緒に食べに行かないか?こっちに長い間いただけあって、色々いい店とか知ってるんだ。
あ、カレンにも仕事があるだろうから無理にとは言わないよ?」
「ううん 大丈夫!」
304 :
sage:2008/11/24(月) 00:04:15 ID:KKbN+Alc
支援
「美味しかったわね〜。」
僕とカレンは今日一日中のオフをもらった。
中華連邦にいたときに予めしていた準備のおかげで、仕事が予定より1日早く終わったのだ。
玉城の担当部署がまだだったので、つい同情してしまい手伝いを申し出たが、ゼロや扇さんたちに却下された。
それどころか、半日もらえればいいなと思っていた休みが
今まで頑張ってくれた褒美として丸1日の休暇をカレンと一緒にもらったのである。
みんながまだ働いている中で、僕たちだけオフをもらうのはどこか気が引けたが
みんなから是非休みをとってほしいとまで言われてしまい、ありがたく頂くことにしたのだ。
「でしょ!カレンにも前から食べさせてあげたいと思ってたんだ!!」
「全く、わたしやC.C.が苦労してる中 あなたはこんな贅沢してたのね。」
カレンはため息をつきながらそっぽを向いてしまっが、あわててごめんと謝ると、悪戯な笑みで冗談と訂正してくれた。
僕らはベイエリアから景色を楽しんでいた。
蓬莱島から本土へ渡る際に使った小舟を停泊させておいた場所で、人の行き来は少ない。
その上コンテナなどが山のように積まれていて上るのには少し苦労がかかるが、
頂上からは蓬莱島の人々がまだ働いている思われる灯りと、市街地の綺麗な夜景が見れる。
「カレン、僕らの戦いが終わったら一緒に学園に戻ろう。」
しばらく話さずに夜景を楽しんでいたが、僕は自ら沈黙を破った。
「それ、ルルーシュにも言われたわ。」
くすりと笑われてしまった。
言葉は違うけど、同じニュアンスの言葉をルルーシュに言ったのはぼくなのに…
2分半ごとなら猿にひっかからないそうですよ。支援。
「学園かぁ〜」
と カレンは呟き遠くをみつめる。
彼女が心配していることは理解できた。
「大丈夫だよカレン、あそこも………学園の生徒会も、僕らの居場所だから」
学園は僕らのはじまりの場所。素性を隠して生活していたとしてもあの頃の僕たちの笑顔に偽りはないと信じている。
スザクだって、最後まで君のことを言うような事はしなかった。ニーナとだって、いつか必ず分かり合えると思う。
他のみんなも、以前の様に学校のクラブハウスで笑いあいたいと思っている事を知ってる。
「それでもだめなら、これからは僕がカレンの居場所になる。」
黙ったままの彼女を見て、つい口から出てしまった言葉の意味を
よくよく考えてみると恥ずかしさに顔が赤くなるのを感じた。
けれど、カレンはこの言葉にとても喜んでくれたみたいだ。
支援
支援
支援
「ありがと。それってプロポーズ?」
カレンは僕の胸板に頭を立てかけ、小さな声で囁いた。
彼女の表情は分からない。
僕は“そうだ”と言ってみたいのに、実際には言うことの出来ない自分へのジレンマで
「えっと」や「その」という言葉を連発してしまう。
もちろん、声だけで彼女の表情を想像する余裕など全くない。
そうこうしているうちに、パニックになっている僕を見るのに満足したのか
カレンは また「冗談よ」といって人差し指を僕の唇にあてがった。
「ルルーシュのところのピザ娘に似てきたんじゃないかい?」
「そうかしら? まぁ一年もあの女と一緒に生活してましたからね。」
と言ってカレンはまた笑う。
なんか悔しい。
けれど楽しい。
こんな日がいつまでも続けばいいな という僕の願いは、はたして叶うのだろうか。
戦いが終わったら、今さっき言えなかったことを僕は言えるのだろうか。
支援。
以上です。支援ありがとうございました。
次の話は短いんで、火曜日あたりにまた投下しに来ます。
クロノトリガーもクリアしたし
ss作る妨害も無くなったんで、残り何話になるかわかりませんが
最後まで皆さんとおつきあいできたら幸いです。
>>313 乙&GJ!
ライの台詞はどうみてもプロポーズです。本当に(ry
甘いライカレでごっつぁんです。
途中カレン視点に移るところが混乱していたのがちょっと残念です。
果たして彼らが学園に戻れるのか、先の展開も楽しみにしています!
B.B.卿乙でした!
うなされるライをそっと労るカレンの描写に心が癒されました。
また次回も期待です。
>>313 クリア早いよ、俺まだ買ってすらいないよ!
……という個人的事情は置いといて。
B.B.卿、GJでした!
ライ、あらゆるものをなぎ倒してるwww
誤解が解ける早さと、その後の二人の会話が良いものでした。
ライの願いは叶うのか、戦いが終わる頃には二人はどうなっているのか。
展開が非常に楽しみです!
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
>>313 なんだかほっとする一編。
不貞寝するライの様子が可愛くてたまらないです。
ずっとカヤの外に置かれているだろうルルーシュが不憫w
この先、本物のプロポーズすることができるんでしょうか。
BBさんのロスカラ世界、今後どう展開するか
楽しみにお待ちしています。ありがとうございました!
このスレッドが立ち上がって以降、外部板(
>>55,
>>205)にて意見交換がされていた
当ロスカラSSスレの移転問題について、以下のとおりお知らせします。
ご理解の上、ご協力をお願いいたします。
**********
●●当ロスカラSSスレ移転の是非を問う投票のお願い●●
先日から、外部板避難所(
>>55)にて意見交換されている
ロスカラSSスレ板移転問題ですが、当スレ利用者の皆さんに
改めて移転の是非を問いたく、以下に併記する問題の経緯を参照の上
下記日程・方法にて移転の賛成・反対の投票をお願いいたします。
投票日:11月29日(土)0:00〜24:00
場所:避難所(
>>55)内投票所スレッド(まだ立っていません。)
29日0時より24時間の間に、避難所内に設けられた投票所スレッドにて
各自一票、ロスカラSSスレッドの移転について賛成・反対をレスしてください。
30日になった時点で締め切り、集計します。
(投票所スレッドは、投票時間に合わせて避難所内(
>>55)に新しく立てます。
期日に際して改めてこちらに投票所アドレス等誘導する予定です。)
※当ロスカラSSスレ32が立てられるにあたり、
>>5にて前触れなく
移転について触れる内容が加えられ、混乱の原因となりましたが、
改めて移転問題を運ぶにあたり、こちらの内容を撤回することとします。
●移転問題の経緯・概要●
現在使用しているギャルゲー板は連続投稿や過剰投稿などの規制が厳しく、
また過日のコードギアスのアニメ本編の終了よりスレッド利用者が減少し
十分な支援が確保できないことも多くなったため、作品投下に支障が出る状態になっていました。
これらの問題を回避すべく提案されたのが、文化カテゴリ「創作発表板」への移転です。
(創作発表板の主なスペック→
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gal/1225730237/803)
移転に関する主なポイントは以下の点です。
* 創作発表板のメリット
・ 一レスで投稿できる文章量が増え、投下にかかる時間が減少
・ 投稿に関する規制がゆるく、連投・過剰投稿規制にかかりにくい。(「さる」回避)
支援がなくても長文投稿が可能になる
* 移転のデメリット
・ 板移転で離れていく利用者、迷子になる帰還者が出る
その他、詳細は避難所(
>>55)議論用スレで交わされている意見を参照してください。
気になる点や意見等ありましたら、引き続き、投票日まで意見交換をお願いします。
※また、ロスカラSSスレッドの創作発表板への移転が決まり実行されることとなる場合、
移転の体裁についても話し合うこととなります。
今回の投票は「板移転の是非」についてのみ行うものですが、
移転方法についても気になる点やご意見等ありましたら(
>>55)議論用スレにご参加ください。
移転問題に関する事について、議論や投票の場所のリンクとお知らせなどを
保管庫のNewsにて掲載しました。(318からの文言を許可を得た上で丸写し)
乙です
>>322 いつもながら乙です。二律背反的な希望があって大変とお察しします。
こんばんは、B.B.です
でましたよ…………
<アクセス規制中です!!>
しばらくは投下無理くさいかも………
規制は本当に困りますよね……
避難所で代理投下をお願いするという方法もありますよ?と言ってみるテスト
トーマス卿にメールで送る手も有りますよ
と、言ってみる。
本編終わって投下数とコメが減ってきているのが寂しいので、シチュエーションとかお題みたいなリクエスト関係も、やってみたらどうだろうと言ってみるテスト。
やってみたいな。
これくらい緩やかならできそうな気も
330 :
名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/26(水) 20:43:57 ID:JtPcjd4e
お題 ライのクリスマス
雰囲気 学園編風
シチュエーション
クリスマスが近付き忙しない学園。
いまいちクリスマスという概念を理解できないライに間違ったクリスマスを吹き込む生徒会の面々だが………。
間違ったクリスマスのイメージを吹き込む役はC.C.でもいい
かも試練。
こうですか? わかりません><
>>330 そうそう、こんな感じで。
職人の皆さん、どうでしょう?
心では無く、魂で理解出来た!
SSを書きたいと思った時…既に行動は終了しているんだ!
移転の話が出たとたん過疎ったな
終わりかな…このSSスレも
334 :
ライ×C万歳:2008/11/28(金) 00:24:55 ID:GdurH3J+
こんばんわライ×C万歳です。
短編が出来ました。
タイトル:野菜ジュース
カップリング:ライ×C.C.です。
二十分で書いたんで字の分少なめで短いです。
投下してよろしいでしょうか?
待ち構えております。
336 :
ライ×C万歳:2008/11/28(金) 00:31:24 ID:GdurH3J+
いきます
野菜ジュース
「はい、C.C.。」
ライは仁王立ちしながら、今日も自室のベッドの上でピザを食べているC.C.に、コップに入った赤い液体を差し出した。
「!?…何だそれは?」
C.C.は何か不気味な物でも見たような目でコップの中の液体を見た。
「ほら、最近CMでやってる、「一日分の緑黄色野菜」だよ。一杯飲めば一日分の野菜と同じ栄養素が取れるっていう野菜ジュースさ。」
「ああ…あれか…」
C.C.は、今人気のグラビアアイドルがメイド服を着て「ご主人様!これ飲むと、一日分の野菜を食べたのと同じ栄養素が取れるんですよ!萌え〜♪」と言いながら、野菜ジュースを飲んでいるCMを思い出した。
「で、これをどうするんだ?」
「飲むんだよ。」
「誰が?」
「C.C.が。」
「嫌だ。」
C.C.は即答で野菜ジュースを飲むことを拒む。
「我侭言わないでよ。C.C.は野菜食べてないんだから。」
「ピザに入っている野菜を食べている。」
「それじゃ足りないよ。ほら、飲む。」
「…」
C.C.は観念したのか、コップを受け取り、一口飲む。
だが一口飲んだだけで顔を歪ませ、ライにコップを返してしまった。
必要かな。支援
338 :
ライ×C万歳:2008/11/28(金) 00:33:18 ID:GdurH3J+
「苦い。」
「まぁ、一日分の野菜を凝縮してるからね。」
「お前は、将来を約束した相手にこんなものを飲ませるつもりか?」
「将来を約束した相手だからこそだよ。C.C.の体のこと、心配してるんだよ。」
「じゃあ、頼みを聞いてくれたら飲んでやる。」
「何?ピザは駄目だよ。」
「お前が半分飲んでくれ。」
「は?それじゃコップ一杯にならな…」
「…」
C.C.は少し悲しそうな目でライを見つめる。
その表情から、「私の頼みを聞けないのか?」という心の声がライの耳に届いた気がした。
「う…分かったよ。飲むよ。」
ライはコップに口をつけ、野菜ジュースを一気に半分まで飲んだ。
確かに苦かったが、先に一杯飲んでいたライは、嫌悪感なく飲むことができた。
支援
340 :
ライ×C万歳:2008/11/28(金) 00:34:06 ID:GdurH3J+
「(あ…)」
それよりもライは、飲み終えたときにあることに気付き、開いている左手の人差し指で自分の唇を押さえた。
「(これって…間接キス…)」
ライは少し頬を染め、僅かな羞恥を感じた。
C.C.はそれを見てニヤリと笑うと、ライの右手からコップを取り、残った半分を飲んだ。
「うん…少し甘くなったな…これならなんとか飲める。だが…まだ苦いから、口直しが必要だな。」
「え?」
C.C.はベッドから立ち上がると、ライと向き合った。
そして…
「ん…!」
ライの唇に自分の唇を強引に押し付けた。
「これで口直し完了だ。」
支援
342 :
ライ×C万歳:2008/11/28(金) 00:38:16 ID:GdurH3J+
投下完了。
これだけです。
たまには短くて薄味なライC物を書きたかったんで。
ちなみにこのライはブルームーン編をイメージしてるんでC.C.が不死と言うことは知りません。
私も野菜ジュース飲んでるんですがやっぱ生野菜食べたほうがいいのかな?
>342
ライ×C万歳さん良い仕事ですね。
間接キスを気にするライが乙女のようで可笑しくなりました。
口移しで飲ませてしまえw けしかけたいです。
この季節は温かな鍋などの煮野菜もおいしそうですね。
CCの偏食を気にするライがあの手この手の野菜攻めというのもいいな
>>342 ライ×C万歳卿、乙でした!
間接キスを気にする……うぶだw
不死でも栄養をとった方がいい……のかなぁ?
薄めの甘さ、いただきました。
貴公の次の投下を全力で待たせていただきます!
GJでした!
緩くて甘い話は大好きです
天然ライにしては珍しく間接キスに気付いたようでw
またの投下をお待ちしてます
45分頃に投下しても大丈夫でしょうか?
前書き・本文・後書き合わせての15レスです
支援します
危うく後日にしようかとしてしまいました
支援ありがとうございます
感謝のエールを送りたいです
前回のと合わせると長い1話になっちゃいました
タイトル:コードギアス 反逆のルルーシュR2 RADIANT WORLD
カップリング:特になし
ジャンル:シリアス・長編
備考:ギアス篇&黒の騎士団篇の合いの子ルートの
ギアス篇ENDからスタートしています
R2の豪快なifルート&オリジナルKMFが登場するので
苦手な方には本当に申し訳ないです
今回の話数は前回の続きですので第8.5話
支援
【コイバナ】
蓬莱島に来てからというもの、C.C.はピザから遠ざかっていた。
最近で食したのは日本に潜伏していた偽装船の中に居た時だけ。
しかし、ここで食べようにもルルーシュは学園での準備があり今はここにはいない。
となればライなのだが、当の本人は部屋におらず彼女は探す羽目になる。
そうしてそこそこ広い蓬莱島を放浪してやっと見つけたのだが、どうやらカレンと言い合いをしているようだ。
だが、彼女が遠慮などする筈も無く間に割って入っていく。
「こんな所にいたのか。ライ、ピザを食―――――」
「C.C.は黙ってて! じゃあ言わせて貰いますけどライだって無茶するじゃない!」
「僕はカレンみたいな無茶はしない。大体、無茶は無茶でも君と同じじゃないだろ?」
「だからピ―――――」
「後にしなさいよ!」
流石のC.C.もカレンの剣幕にたじろいでしまう、彼女の怒りは相当らしい。
終わるのを待つしかないと思ったのか、C.C.はシミュレータのデータの閲覧をはじめた。
そこに表示された二人のリザルトを見て原因が読めた彼女はすぐさまちょっかいを出す事に決める。
「カレン」
「なによ!」
「諦めろ。お前ではライには勝てん、ゼロからの信頼も含めてな」
「なんですってー!」
「C.C.、火に油を注ぐ真似をするな……カレンもいい加減に落ち着いてくれ」
「落ち着けるわけないでしょ! それともパートナーよりC.C.の肩を持つ気なの!?」
「なんでそういう話になるんだ……」
支援
支援
喧嘩を尻目に椅子に腰を下ろして二人の痴話喧嘩を聞きながらリザルトログを眺めている彼女に声をかけてきた人物がいた。
見慣れない三人の女性。名乗りを聞けば新人のオペレーターなようだ。
どうやら黒の騎士団の戦闘空母となる斑鳩のブリッジに配属されたらしい。
そこで挨拶も兼ねてKMF隊の総隊長とゼロの親衛隊隊長である二人に挨拶しに来たそうだ。
だが肝心の二人はKMFやら態度の違いやらの喧嘩の真っ最中である。
そこへおずおずと話しかけてくる巻き毛の少女、双葉綾芽はC.C.に素直な疑問をぶつけた。
「あの……お二人は恋人なんでしょうか?」
瞬間、場は静寂に包まれた。まるで聞いてはいけない事を聞いてしまったかの様な空気だ。
その中でC.C.は面白おかしく答えてやろうと口を開こうとしたその時。
『違う!』
当の本人達からの否定の言葉で目論見はあっさりと破られた。
その否定を不思議そうな顔で受け止める双葉の横から眼鏡をかけたポニーテールの少女、日向いちじくが口を突っ込む。
「それじゃあ総隊長の恋人はC.C.さんなんですか?」
「そういう噂があるのかどうかは知らないけど、C.C.とだけは噂でも御免だな」
「おいっ、今のは聞き捨ててはやれんな。まさか私の愛人では不服とでも言いたいのか?」
「誰が愛人だ。そうやって面白半分で誤解の輪を広げるな」
喧嘩の火種が移行していき話題を振った二人がオロオロする中。
綺麗なセミロングヘアーの少女、水無瀬むつきはカレンに狙いを変えていた。
「でも、お二人ってお似合いだと思うんですけど?」
「そういうのはやめてよ。それに興味がないわ」
「カレン、嘘を言うな。男勝りだとは思っていたが総領事館で―――――」
「あれは誤解だって言ったでしょ!」
支援
喧嘩は明後日の方向へ飛んでいき、女性陣は恋やあれやと話が二転三転している。
そんな中で一人仲間外れになったライは途方に暮れていた。
これでは模擬戦どころではないのもあり、少し考えてこの場を後にする事に決める。
「カレン、言い方が悪かったのはすまない。ただ、気には留めておいてくれ」
「あ、え、うん……」
肩を軽く叩いて去っていくライを見つめているカレンを四人の女性陣はにんまりと見ている。
紅月カレン、戦闘ではエースでも人生のエースにはまだまだ遠かった。
【LIES TOO CLOSE】
シャワーを浴び終えて髪を拭きながら、ライは茶化されてからはじめて真面目に考えていた。
異性への愛情についてなのだがどうにもそういう事には関心が向かない様子だ。
過去の自分を振り返っても、心に余裕がなかったなとしか思い出せないでいる。
そう、彼にはそんな事よりも守らなくてはいけないモノがあった。
だから気にもかけず武道や政治の勉学に勤しんでいた。母や妹を守る為に。
ギアスを手に入れたある時、彼は怒りと衝動に駆られ父と兄達を殺した。
王の座に就いた時も縁談の話はあったが断り続けていた、隣国からの攻撃でそれ所ではなかったから。
その結末は蛮族の全ての命を奪ったが、その代償は大切だった母と妹の命。
悲嘆に暮れたが自分に恋人の様な存在がいなかったのは僅かな救いだったのだろうか。
そう思いながらも母と妹と全国民を殺した自分が生きているのは救いではなく罰なのではないか。
その事実にすら目を背けたくて自身の死を願ったが、彼にギアスを与えた人物は彼に望まない答えを告げた。
『―――――願いを叶えるまでは駄目。それを果たせる時が来るまで、おやすみ』
支援
ギアスによる記憶の封印と当時は自暴自棄だったのもあり、詳細な言葉は思い出せない。
タオルを洗濯籠に入れて自室のシャワールームを後にする。
他人との友愛は二度目の目覚めの折に知ったが、その時も記憶を取り戻す事で手一杯だった。
ゼロとの邂逅。C.C.が教えた世界。カレンが預けた信頼。ナナリーとの穏やかな時間。生徒会メンバーとの交流。黒の騎士団での戦い。
そこで知ったのは世界の優しさ。それが彼を―――――
「ぁぅ……」
「なぁに、ボウヤも大胆ね」
俯きながら斑鳩にあるゼロの自室に向かおうと外観にある階段を上っていたライの目の前が急に見えなくなる。
どうやら階段を下りて来ていたラクシャータにぶつかった様だ。
問題は彼の頭が彼女の胸に埋まってしまった事だろう。
「こっちの不注意ですまない……」
「別にいいわよ。今更恥ずかしがる年でもないし」
体を一歩引いて距離を取ってから彼女の顔を見ると何やら不思議そうな顔しているのが気になる。
自分の顔を凝視しながら思い出したかの様に口を開いた。
「あんたってさ、恋人でもいたの?」
「唐突な上に突拍子な質問だな……今まで一度もいた事はないよ」
「ふぅん。ホントに変わった子ね」
キセルをクルクル回していたのをピタッと止めて彼女は言葉を続けた。
『自分と合う者に出会えないなら孤独に生き、愚か者を道連れにしない。愚か者と道連れするな』
彼女の言葉に耳を傾けていた彼の頭の中に言葉の続きが思い浮かんでくる。
『孤独で歩め、悪をなさず。求めるところは少なくとも。林の中の象のように』
「よく知ってたわね。感興の言葉の一節よ」
「ブッダだったかな……急にどうしたんだ?」
「ん〜忠告って所かしらね」
支援
この先の会話に興味が無いのか彼女は階段を下りていく。
それを黙って見送るだけの彼に付け加える言葉を思い出したのか振り返って彼を見据えた。
「それじゃカレンちゃんの面倒はよろしくね〜」
「そういう事はゼロに言ってくれ、僕がするべき事じゃないだろ?」
「なぁに、あんた達ってそういう関係じゃなかったの?」
「違う、ただのパートナーだ。なんでラクシャータにまで勘違いされているんだ……」
頭を抱える彼を見据えたまま思い違いだったのがわかったのか、彼女は彼に謝罪をしてその場を後にしていく。
彼も部屋に向かおうと階段を上りきった所で卜部と仙波に出会ったのだが卜部の表情が少々怪しい。
羨ましそうな表情をしているのが気になったのだが仙波に気にしなくて良いと言われてその場で別れた。
今日も騒がしい日常だなと思いながら二人を見送っていると玉城がこちらに向かってくる。
「玉城、またサボったのか?」
「いいじゃねえかよ、細かい話は無しだぜ戦友」
「どうなっても知らないからな……」
肩をバシバシ叩きながらいつもの調子で話す玉城にライは何を言えばいいのか思いつかなかった。
そこで先程まで考えていた事はなんだったのかを思い出そうとしたのだが、玉城が急に真面目な顔になる。
「ところでよ、一つ言っておくぜ」
「ん、なんだ?」
「お前みたいな野郎は何でも自分で抱え込むからな、これからは無茶とかすんなよ」
「急にどうしたんだ? 大体、僕がいなくなった所で―――――」
「んな事を軽く言うんじゃねえ。それによ、お前になんかあったらあのゼロやカレンでも悲しむだろうぜ。だから死に急ぐんじゃねえぞ」
自分の存在価値。それは少なからずあると言う玉城の言葉に彼は内心驚いていた。
その時、同じ言葉をかけられた一年前を思い出した彼は玉城の変わらない人柄に感謝した。
変わってしまったものもあるが、変わっていないものもあるという事も含めて。
支援
「……わかった、これからは気をつけるよ」
「わかりゃいいんだよ。後よ、そうやって笑えるんなら普段から少しは笑えよな」
「ん、笑っていたか?」
「無自覚かよ……」
そのまま好き勝手に捲し立てて玉城はどこかへと消えていく。
そこで彼は気が付いた。玉城を訓練に戻さなくてはいけなかった事を。
今更止めようにも何処へ向かったのかがわからず姿も見当たらない。
結局、玉城の事は諦めてルルーシュの自室に入り新型KMF蜃気楼のマニュアルに目を通しはじめる。
ウィークポイント等の思案を続けている彼の頭の中に先程まで悩んでいた愛情の問題を思い出す。
だが、その問題にすぐ蓋をしてしまう。まるで考えるだけ無駄だという様に。
(人間は概ね自分で思っている程幸福でも不幸でもない、か……)
あるフランス作家の言葉を彼は思い浮かべた。
咎人である自分が優しさを知れただけでも幸福だと彼は思っている。
思い出がある限り彼はいつまでも幸せだ。だから戦っていられる、守りたい場所があるから。
その過程で優しさを教えてくれた人達からの責め苦を負っても彼は後悔しないだろう。
彼が望むのは他者の幸福と未来であり自身はそこに入っていない。
しかし、作家の言葉の続きにはこうある。
『肝心なのは、望んだり生きたりする事に飽きない事だ』
一年前、大切な人達を悲しませたくないからと彼は自らの忘却を望み眠りについた。
だが、目覚めを迎えた彼が見たのは悲しい結末だけだった。
支援
それを知った時、彼はもう一度生きる事を。戦う事を決意した。望み託した未来を残す為に。
確かに望んで生きてはいる。しかし、その為に不幸になるのは幸福と呼べるのだろうか。
今の彼が心に抱えている幸せのカケラ。今も傷ついている願いを癒したい衝動。
それはまるで嘘を重ねて作りあげた砂上の楼閣の如く空虚で曖昧だった。
【PLATINA SOUL】
からかいから逃げ出したカレンはシャワーを浴びようと斑鳩に用意されている自室に戻っていた。
団員服の上着とパイロットスーツをベッドに脱ぎ捨てて彼女はバスルームに入っていく。
蛇口を捻りシャワーを浴びながら考えていた、先程から頭に引っかかっていた事。
正確に言えば前々からだろう、ルルーシュとゼロの真実についてを。
『そうだ、俺がゼロだ』
神根島で暴かれたギアスによる日本人の虐殺とブラック・リベリオンの思惑。
『こいつはルルーシュだ! 日本人を、君を利用した男だ! そんな男を守りたいのか、君は!?』
壁に体を預けながらゆっくりと目蓋を閉じて彼女は自分に問いかける。
ゼロがいたから日本開放の夢は広がった、その広がった夢を壊したのもルルーシュだ。
自分の兄と同じ位に信じていたのに、結局は利用されていただけの関係。
『自分の心が浮ついて懇意の男に顔向けができない。と言ったところだ』
懇意にはしていたかもしれない、だが相手はそう思ってはいない。
あの時の言葉は本心だったのかを聞こうにも既に一年の月日が過ぎた。
そして二度目の同じ言葉を投げかけた彼の言葉の続きは隷属ではなく選択だった。
『あくまで君達自身の意思で選んでもらいたい。私に出来るのは旗印になる事だけだ』
支援
それを迫られる前から彼女は選んでいる。
特区に参加した多くの人間の命を奪ったルルーシュだが、そのルルーシュにしか状況の打破は出来ない。
この一年間で思い知らされたその事実。日本の独立の為にはゼロは必要不可欠である事。
彼女が慕っていた井上や仲間だった吉田や永田といった命を失っただけで何も変えられないまま終わるなど出来る筈がない。
様々な悲劇で散った命を無駄にしない為にも戦い続けるには彼はまだ必要だった。
(勝ち取ってみせる。みんなや紅蓮と一緒ならきっと……)
彼女自身、既に引き金は引いてしまっている。その過程で学園での知人の父親の命を奪ってしまった事もある。
ここで止めてしまえば彼女は奪うだけ奪っただけの略奪者に成り下がってしまう。
それは彼女の中に半分流れているブリタニア人がしてきた事と同じでしかない。
彼女は決意を固めるかの様にシャワーを止めてからバスルームを後にしてバスタオル一枚の姿になる。
ハンドタオルで髪を拭きながらベッドに腰を下ろした彼女は机に置いてある物に視線を移していく。
青色のストラップと繋がっている紅蓮の起動キーへと。
(私と同じハーフ、か。不思議な感じね)
ふと、彼女は自分と同じ日本人とブリタニア人のハーフの少年のライを思い浮かべた。
彼女がはじめて会った時、彼を信用できなかった。どうみてもブリタニア人にしか見えなかったからだ。
『彼は信用できる人物だ』
だが、人を駒だと言い切ったルルーシュがバベルタワーでは信用できるとまで言い切った。
ルルーシュだけではない、C.C.も同じ様な態度だった。
真実の一部しか知らない彼女だったが、その二人からの全幅の信頼を寄せられる。
つまり、それだけ真実に近くにいて頼られているという証だった。
それがわかった時、彼女は益々彼を信用できなくなった。
自分の知らない人間が全幅の信頼を寄せられている事。自分よりもKMFの扱いに長けている事。
支援
感情論寄りではあったがルルーシュの裏切りもあり信用できると言われては逆にできない。
そう思っていた彼女だったのだが彼と話し合うと確かに信用できる人柄だった。
無表情で口数は多くないが義務感は強く他人への思いやりもある。
(ルルーシュとライ……似てるけど……)
二人に漂う雰囲気が似ている事、それも彼女が信用できなかった理由の一つだ。
しかし、それはライの言葉と行動と共に不信感は消えたが違う悩みを浮き彫りにした。
記憶の彼方にある安心感、一年前にはあって今まで無かった感情。
二人の明確な違い。二人の明確な変化。それは彼女の心の中で影を落としていた。
(やっぱりゼロの事を……違う……ルルーシュの事もよね……)
記憶の檻に閉じ込められた日々。あの戦いの中で確かに感じていた気持ち。
指導者として。仲間として。背中を預けるという命を託す行為。
ルルーシュと似ているライとの出会いは彼女の心を揺らした。
嫌っている人間と同じ空気を持った相手に出会って痛感したのは―――――
(そういうのは柄じゃないか。そんな事より日本の事からよね)
気持ちに蓋はしたが彼女の心は傾いていた。ルルーシュという存在に。
許す事を出来ない相手に抱く好意、それが彼女の心を衝いていた。
団員服に袖を通しながらその考えにシャットダウンをして彼女は視線を違う物へと移していく。
キーの側に置いてあるフォトフレームに入った家族と写っている写真へと。
兄が掴もうとした未来、母という守りたい存在。
彼女もまた守りたい者の為、そして願いの為に戦っている。
しかし、彼女自身が見つけた戦う理由はまだ無かった。
【魔女はかく語りき】
からかう対象に逃げられ目的も果たせなかったC.C.は斑鳩のルルーシュの自室に戻ってきた。
支援
部屋に入ると明かりがついており不思議に思ったがデスクチェアーに腰掛けたライを見てすぐに理解する。
ライも彼女を一瞥するだけでなにかの作業へと戻ってしまう。
団員服を脱ぎ散らかして彼女はソファーに置いてあるチーズ君の人形を抱きしめて寝転がる。
視線はライに向けていたが言葉も無くただ沈黙が漂っているだけだった。
「ライ―――――」
「ピザならさっき手配した。明日には届くよ」
彼女は彼の返答に思わず目を丸くしてしまう。
あの口喧嘩の最中でもこちらの言葉には耳を傾けていた事に。
それと同時に彼の表情の僅かな変化も見て取れた。
「……模擬戦をしていたそうだが、カレンを使うつもりか?」
沈黙が再び漂う中、彼は深呼吸をして彼女の眼を見据えた。
そうして彼女が見た彼の蒼い眼には決意しか見えない。
「今は断言できないな。ただ、必要なら―――――」
その先の言葉は聞かなくても彼女にはわかっていた。
この男がどこまでも愚直で頑固だという事を。
慰めも称賛もされないその選択は止めるべきだと彼女は理解している。
しかし、彼女にはどうやってするべきかわからなかった。
今止めればルルーシュは力に飲まれて彼女は彼を失ってしまう。
(自分勝手なものだな……それに過ぎた願いとでもいった所か……)
一年前に彼へ託したささやかな願い。次に目覚める世界が彼に優しくあるようにと。
だが、再び目覚めて彼が知ったのは世界の歪んだカタチだった。
支援
「……怨んでいるか、私の事を?」
「怨む? なぜC.C.を怨む必要があるんだ?」
彼の当然といった返答に彼女も困惑してしまう。
彼女の気紛れにも似た行動、世界の在り方と捉え方を教えた事。
「むしろ感謝しているよ。世界に興味を持てなかったのに―――――」
「それ以上は言うな。あれは気紛れでした事だ、感謝される謂れはない」
彼の感謝の言葉は彼女の心を抉り傷つけた。
彼にも咎があるように彼女にも咎がある。
そんな自分が感謝される程、今の彼女は自分を許せていない。
そして彼の変化にも憤りを覚えた。
「お前は変わったよ……悲しませない為だと言いながら悲しませる道を選ぶなど……」
「ロバが旅に出ても馬になって帰ってくるとは限らないだろ」
「言葉で心を隠すな。誰もお前に―――――」
「望まれても頼まれてもいない。でも、これが僕の願いだ」
彼の決意、それに綻びでもできればと彼女は思ったが彼の心は貝の様に固く閉ざされていた。
ただ、それは学園の人間や団員達の所為ではない。勿論彼女にも責はない。
彼は彼なりに守ろうとしているだけだ、この世界に訪れる明日を。
「怨まれるだけだぞ、それでも―――――」
「構わない。みんなが笑っていてくれる明日が来るなら……それでも……」
彼の想いは純粋だと彼女にもわかっている。
しかし、誰も彼に手を差し伸べない現実を彼女は知っていた。
彼が世界にかけたギアスは彼から救いを取り上げたという事を。
支援
(これも力を手に入れ、使った代償か……)
作業を終えたのか、ファイルを片手に彼が部屋から立ち去ろうとした時。
彼の膝が折れてその場に跪いてしまう。
「ちっ……おい、しっかりしろ」
彼が手で抑えている指の隙間から覗かせた眼を見るとギアスが明滅している。
彼女には原因がわかっていたがそれでどうにかできる物でもない。
そんな中で背中を摩りながら彼に声をかける彼女の表情は悲しそうだった。
「息をしっかり吸え、ゆっくりと深くだ」
ギアスの明滅は収まりつつあったが呼吸は荒く彼はまだ跪いている。
「高亥に使ってからか、それとも以前からか?」
「目覚めてから……時折だよ……間隔も不定期だ……最近は大丈夫だったんだが……」
心配をかけまいとしているのだろうが彼女にはどうみても辛そうにしか見えない。
だが、彼女は慰めるという選択肢は選べなかった。それをするのは自分ではないと。
彼女も己の願いの為に傍観者に徹するしかなかった。
「……もう大丈夫だ……すまない……」
彼女の肩に手を乗せながらなんとか立ち上がる彼の姿は一年前より儚いと彼女は思えた。
そうしたのは自分でもあり世界でもあり彼自身でもある。
『王の力は人を孤独にする』
それを痛感しているからこそ彼女はここにいる。
しかし、無力でしかないのも事実だった。
「ライ、打ち克てよ。運命に。選択に。その行動の結果に」
「C.C.も傲慢だな……」
「なんだ。もう忘れたのか、私はC.C.だぞ?」
支援
支援
ふらふらした足取りでドアに向かっていた彼が立ち止まり彼女を再度見据える。
彼女の記憶の中にある彼の髪の色より少し薄くなってしまったのを見て彼女はルルーシュの未来を案じてしまう。
これもルルーシュの進む道の成れの果ての一つなのかと。
「お前は私の過去を知っている、それでも望むのか?」
「駄目か?」
「いや……望むのは自由だ。だが―――――」
「人は変わる、変われる。僕もそうだった、それに君も少し変わったよ」
それだけを言い残して彼は部屋を出て行ってしまう。
拒絶を残しながらも彼女の行動を許容しているその行動に彼女は苛立ちにも似た戸惑いを感じる。
「人間は面白いが……儚く物悲しいものだな……」
彼女の願いは誰かの犠牲無しには叶わない。
しかし、今の彼女はその願いを叶えていいのかを迷いはじめていた。
「マオ……シスター……」
彼女は人である事を忘れてしまった。
闇を抱えて。真実を奥底に沈ませて。心を痛ませて。
そうして魔女はかくも言葉を語っている。
故に人としてかくも心を語らなかった。
支援
以上です
色々と方向がぶっ飛んできてアレな感じですね
ギアスと関係ない曲をテーマに選ぶと色々大変だ…
次回のキーワードは『ライがアップをはじめました』
>>177 確かに身体能力だけならスザクと表現するべきなのですが
あくまでナイトメア戦を指しているのでランスロットと表現しました
でも、ややこしいと言えばややこしいですね。申し訳ないです
色んな漫画やゲームを買ったのはいいんですが消化する暇が無い…
でも感想が増えて嬉しいので古参の方や新人さんに劣らない為にもSSをまず頑張ります
では、失礼しました
ぷにぷに卿、GJ!!!
乙でした。
支援できて光栄です。
ライ…幸せになってくれよ。
次回も楽しみに待っています。
>>378 GJでした!!
ライは自分より他人を心配するタイプですからね。
そういった部分も彼の魅力の一つですが、このライを見ていると色々と心配になってしまいますね。
果たして、ライを含めてみんなが笑いあえる日が来るのでしょうか!?
次回の投下を楽しみにお待ちしております!!
>>378 ぷにぷに卿、GJでした!
人の為に自分をないがしろにしがちなライ、今は救いの無いその道の先
それでも、幸せになって欲しいと思いますね。
複雑な思いを抱えるカレン、そしていい人な玉城……皆に頼ることが出来れば良いのに。
綾芽の言葉にダブル○ーの、ですぅ娘を幻視。
貴公の次の投下を全力を挙げて待っております!
●●ロスカラSSスレ移転の是非を問う投票のお願い●●
ロスカラSSスレ板移転問題についての投票を開始しました。
投票期間:11月29日(土)24:00まで
場所:避難所内投票所スレッド
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12122/1227687607/l50 29日24時までの間に、上記投票所スレッドにて各自一票、
ロスカラSSスレッドの移転について賛成・反対をレスしてください。
30日になった時点で締め切り、集計します。
※投票所は、投票時間を過ぎた時点で板管理人の方によりスレッドストップされます。
ギリギリの投票は出来るだけ控えて下さい。
・・・・・・・
それでは、よろしくお願いいたします。
●●ロスカラSSスレ移転の是非を問う投票●●
ロスカラSSスレ板移転問題についての投票が終了しました。
賛成 46票
反対 2票
(投票総数49票、無効票1票)
賛成多数により、今後、ロスカラSSスレは創作発表板に移転することとなります。
移転の方法などについて、引き続き意見交換が必要になりますので
避難所議論スレへの参加、動向の確認をお願いいたします。
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/12122/ ・・・・・・・
みなさん、ご協力をありがとうございました。
静か過ぎる……
多くの作家さんがここから離れてしまったんじゃないか?と不安だ。
寂しいなあ
俺は信じてる
きっと帰ってくる
みんな投下をしに戻ってくる
とくに青い運命卿!
ぷりーづかむばっく!あおちゃん愛してる!!
みんな受験とかで忙しいのさ
あとアクセス規制も厳しいみたいだしね
どうも、二週間ぶりです。
今から続きを投下します。
全部で16レス(予定)です
○シーン9『気持ちの問題』Cパート
「終わったぁ」
ロイは背もたれに体を預けて大きく背伸びをした。
行政特区失敗からちょうど九日。ようやくロイはラウンズとしてのその後処理全般を終えた。もっともだからと言って、通常の業務が減ったりはしないが、少なくともこれで一週間以上の徹夜からは解放されるだろう。
「お疲れ様です。キャンベル卿」
そのそばからアルフレッドが紅茶を差し出した。ロイはお礼を言って、自分と同じく目の下にクマを作っている副官を見上げた。
「いや、お疲れ様。こんなに早く終わったのは、君が手伝いにきてくれたからだよ」
ロイは副官にひとしきり感謝の言葉を並べた後、紅茶を口に含んだ。疲れている頭に、いつもより甘めに作ってある紅茶は良く染み渡った。
「うまい」
「恐縮です」
アルフレッドは軽く頭を下げた。
「それにしても、正直、ここまで忙しいとは思いませんでした」
そう言う青年士官の顔には明らかな疲労の色があった。この数日、副官としてロイの殺人的な業務の一部を任されていたアルフレッドは、充分にその能力を発揮し、ロイを助けていた。
「まぁ、君の場合は今回の着任の時期が悪かった」
ロイはそう言って悪戯っぽく笑って見せた。
「なにせ、あの規模の式典が失敗に終わった直後だからね。その後に計画されていた企画は全部キャンセルだし、企画がキャンセルされればそれにしたがって、その企画に動員するはずだった人員、資材もろもろ不要になるから。大変だよ」
ロイは人事のように述べて、そのまま疲れを吐き出すように深く息を吐いた。そして、手元にある書類を机の上でトントンと揃え、それをアルフレッドに差し出した。
「アルフレッド。これをローマイヤさんの所へ。その後はもう直帰で構わない」
「イエス・マイ・ロード。では、今日の所はこれで」
アルフレッドは書類を受け取ると、丁寧な敬礼して、部屋を出ていった。その後ろ姿が少しフラついているのを見て、ロイは心の中で、おつかれさま、と呟いた。
「さて、僕は少し寝ようかな……」
ロイはもう一度大きく背伸びをした。
時間は夜の七時過ぎだった。いつもならまだ元気に仕事をしている時間だが、ここ数日、ずっと徹夜で眠いのだ。形式上では業務時間内でもあるが、これだけ残業手当が付かない徹夜を繰り返したのだ。ささやかな睡眠ぐらい許されてもいいだろう。
ロイは大きなあくびを一つして瞼を拭うと、執務室と繋がっている私室に足を向けた。
その時、執務室に来訪者を知らせるブザーが鳴った。
「んっ、どうぞ?」
ロイは足を執務室に戻して、睡魔に犯され始めた表情を引き締めた。
それから数秒後、空気の抜けるような音がして、入り口のドアが横に開いた。すると、
「こんばんは、ロイさん」
現れたのは、ロイの上官であり、このエリアの総督であるナナリーだった。
「ナナリー総督?」
ロイは早足で駆け寄り、いつも通り彼女に合わせて身を屈めた。
「申し訳ありません。総督に頼まれた件につきましては、まだ調査もしておらず――」
ナナリーがルルーシュという人間の捜査状況の確認に来たと思ったロイは、そう素直に謝った。
別に、まだウラが取れていないから教えないわけではなく、本当にここ数日はそんな事を調べる暇もなかったのだ。
「あ、いえ、そういう事では無いのです。ロイさんの忙しさは、知っているつもりですから」
ナナリーは手を出して、それを顔の前で左右に振りながら、ロイの懸念を否定した。
ロイは顔を上げ、分厚いレンズ越しにナナリーを眺めて「では」と聞き返した。
「どのような御用でしょうか?」
「あの、わたくし……」
ナナリーは肩を落として、ついでに顔も伏せた。
「……」
ロイもこの可憐な上官と付き合いだして一年以上が経過している。なので、ロイがその表情から、またナナリー総督は何か重いものを背負っているな、と判断するのはそれほど難しくは無かった。
「失礼しました。とにかく、席にお連れします。実は今さっき仕事が終わったばかりでして、よろしければお茶をご一緒していただきませんか?」
しかし、目の前の少女はその誘いを素直に応じなかった。
「……あの、それは本当ですか?」
ナナリーは何やら神妙な面持ちで聞き返してきた。
「はい? 何がですか?」
ロイが驚いて尋ねると、ナナリーは少し迷って、
「ロイさんは、私が訪ねるといつもそうおっしゃて下さるので、本当は無理をしているのでは無いかと……」
「そんな事はありませんよ」
ロイは、内心ドキリとしたが、表面上は少し吹き出して笑って見せた。
○
温い紅茶と、熱い上に、通常より相当濃いブラックコーヒーが置かれたテーブルを挟んで、ナイトオブゼロとエリア11の総督は何かを話し合っていた。
「私は、何のお役にも立てなくて……」
そう言ったナナリーの言葉には、自分自身を卑下する響きがあった。
ロイは返答に困った。
「……」
今まで、ロイがナナリーから聞いていた話はこうだった。
ナナリーは今回の行政特区日本失敗の責任を感じている。そして、その後始末のお手伝いをしたいと切に望んでいた。しかし、何もできなかった。
文官に、私に何かできる事はありますか? と尋ねても、「いえ、総督の手を煩わせる事は何もございません」という言葉の連続。口調は優しいがその実、「忙しいからあっち行っててください」という意図がナナリーには感じられたそうだ。
(ふむ……)
ロイはそんなナナリーに内心、同情した。しかし、ナナリーを冷たくあしらった文官たちの気持ちも理解できるロイだった。
ロイもそうだったが、行政特区日本が終わって今日まで、ある程度の立場を有する軍人、文官は皆、行政特区の殺人的な後処理に追われていた。
正直、あまりそういう後処理の能力に長けていないナナリー総督の面倒まで見切れないというのは、当然とは言わないまでも仕方の無い反応と言えるだろう。
しかし、そのせいでナナリーの自信が大きく失われてしまったのも事実だった。そして、ここ数日の精力的なイレブン施設への訪問やマスコミへの顔出し等は、ナナリーの話から、ローマイヤがナナリーの心境を察して、無理やり組んだものだと言うのも分かった。
おそらく、ローマイヤとしては、ナナリーに暇を持て余させるより、何かしらの仕事をやらせた方がナナリーにとっても良い、と考えたのだろう。
しかし、ナナリーの方からしてみれば、そのローマイヤの行動は自分を仕事の邪魔者としてみている、だから外に回す、という風に映ったようだった。
ちなみに、ナナリーは自分をそのように見なしたローマイヤを怒ってはいない。ナナリーは自分の力量と幼さを良く認識している上に、むしろそのような気遣いをしてくれたローマイヤに感謝すらしている。
だが、自身の能力の無さを情けなく思う気持ちに歯止めが効くものではい。
ロイは、そんなナナリーを見つめ、困った顔をした。なんとか慰めてあげてさしあげたいものだが、その手段が思い浮かばないのだ。
だが、ロイはふいにある事を思いついた。
「総督の部屋に行きましょう」
「?」
急にロイが椅子から立ち上がって告げると、ナナリーが下に向けていた顔を上げた。
その顔に、ロイは自信に満ちた微笑を向けた。
○
ナナリーの車椅子を引いて総督の執務室に入ったロイは、すぐに目当てのものを見つけた。
「あったあった」
ロイは車椅子を押し、二人でその目当てのものに近付くと言った。
「総督。やはり、まだ続けていらしたんですね」
何を問われているのかに気付いたナナリーは、微笑んで小さく頷いた。
「はい。昔に比べてやれる時間は減ってしまいましたが、それでも、少しずつにでも続けていこうかと思いまして」
そう言ってナナリーはその細い腕をスッと前に伸ばした。目は見えなくても、部屋に入った後に動いた歩幅や距離等から、手を伸ばせばそこにはそれがある事を知っているようだった。
ナナリーの手にカサリと乾いたものが触れた。
それは鶴だった。正確には折り鶴の大群だった。ぱっと見ただけでも百や二百ではきかない数が、糸に吊るされていた。
日本の伝統、千羽鶴というものだった。これをナナリーは各イレブンの福祉施設に、訪問と共にプレゼントして回っているのだ。
今までナナリーが贈呈した千羽鶴は三つ。目の前にあるのが四つ目だ。どこに贈呈されるかは決まっていないが、市役所の福祉課か、児童施設か、老人ホームのどれかになるだろう。
「あと、どのくらいで完成なのですか?」
ロイが尋ねると、ナナリーは弾んだ声で答えた。
「あと、100羽ほどで完成します。そういえば、今まで作った中で、これが一番早く出来上がりそう」
ナナリーは鶴に触れていた手を下ろして、瞼が閉じられたままの瞳をロイに向けた。
「ロイさん。実は、先日カリーヌ姉さまが300羽ほど、鶴を送ってくださったんです」
嬉しそうに言うナナリーを見ていると、ロイは自分の顔は笑顔にしか表情を変えられないのではないかと、思わず勘違いしてしまうような錯覚に囚われた。ロイはナナリーの嬉しそうな姿を見るのが好きだった。
「カリーヌ様がですか?」
「はい」
本当に嬉しそうにカリーヌの名前を出すナナリー。
ロイは鶴の群の中に、少々見栄えの悪い鶴が紛れているのを見つけた。おそらく、それがカリーヌの折った鶴だろう。
「それは、ようございました」
ロイは本心からそう言った。
カリーヌは元々鶴の折り方など知らなかったはずだった。にも係わらず折り鶴を折り300羽も送ってくる。そこから導き出される答えは簡単だ。
ナナリーが教えたのだ。カリーヌに鶴の折り方を。それは、過去の彼女たちの関係を知るロイにとっては、とても素晴らしい事のように感じられた。
姉妹が鶴を折り合う姿は実に微笑ましいものだったのだろう。と、ロイはその様子を思い浮かべ、心が温かくなっていくのを感じた。
「本当に。これもロイさんのお陰です」
ナナリーは感謝の言葉を述べた。だが本人は謙虚に答えた。
「いえ、僕はきっかけを作ったにすぎません。実際に仲良くなられたのはナナリー総督と、カリーヌ様です」
「ロイさん……」
ナナリーはしばしロイを瞼の奥から見上げていたが、やがて頬を軽く染めて顔を横に背けてしまった。
「総督?」
「あ、いえ。何でもないんです……。それよりロイさん。なぜ、この部屋に来ようなどと?」
「ああ、それはですね」
「それは?」
「一緒に、総督と千羽鶴を完成させようと思ったからですよ」
そう言ってロイは、鶴の群れの傍に置いてあった折り紙を手に取った。
「えっ? 鶴をですか?」
なぜ今、鶴を折ろうなどど? という疑問がナナリーの顔に浮かんでいた。
「いいから、折りましょうよ」
ロイは笑顔でそう言って、ナナリーに折り紙を一束手渡した。そして多少強引に、でもナナリーが驚かないように丁寧に車椅子を押して、テーブルまで連れて行った。
そして二人は、残りの100羽を折り始めた。
○
支援
「唐突ですが、千羽鶴とは、千羽集まって初めて願いが叶うんですよね」
鶴を折り始めて約一時間。千羽まで残り一桁を切った所で、ロイは鶴を折る手を止めずにナナリーに言葉をかけた。
「はい、千羽折って初めて願いが叶うと言われています」
ナナリーも鶴を折る手を止めずに答えた。その手の動きは、目が見えていないにも関わらず、滑らかに動いている。流石に作業の速さはロイの方が一枚上手だが、完成度だけで言えば明らかにナナリーの方が上手だった。その事にロイは軽く感心した。
しかし、ロイはナナリーに鶴を折ることの上手さを褒める前に、彼女に伝えたい事があった。
「あなたの理想も同じではないですか」
そのロイのセリフがあまりにも自然に出されたので、ナナリーがそれを自分に向けられた言葉だと認識するのに数秒を要した。
「えっ……」
ナナリーは動かしていた手をピタリと止めて、瞼と形の良いまつげに閉じられた瞳をロイに向けた。
「千羽鶴。それは九百九十九羽までそれはただの鶴の塊に過ぎません。最後の一羽を完成させてそれは初めて意味を持つのです」
ロイは鶴を折り終え、また新しい折り紙に手を伸ばした。それは、ちょうど千羽目の折り紙だった。
「あの日。僕が始めて総督とお会いしたあの日です。協力をお願いされてから、僕はずっと思ってました。あなたの理想は素晴らしい。と」
幸せな世界。それがナナリーの理想だった。
それは一見、単純だが、その内容は複雑で、そこに至るまでの過程は困難を極めていた。
しかし、ナナリーはそれを承知で、それでも理想をかなえようとしている。それが、皇帝陛下に運命を委ねられて、スラムの貧困から脱出し、自分自身が生きるためだけに今の仕事を始めたロイには、とても眩しいものに映ったのだ。
ロイは、ナナリーの能力とか、可愛さとか、可憐さとかに魅力を感じて協力しているのではない。もちろん、理想の共感というのもあるが、それ以上にその理想を本気で追いかけている一途さに美を感じたから協力しているのだ。
ブリタニアの皇族でありながら、戦争に疑問を感じ、立場の弱い民の身を案じる。一部の者達はそのナナリーの思想を民への点数稼ぎの偽善と言うが、ほとんどの皇族はその点数稼ぎすらしないのだ。
そしてロイはナナリーのその願いが点数稼ぎなどではなく純粋なものだと知っていた。いや、正確にはそれを感じ取り、確信していた。
理想の共感。純粋な上官。美を感じさせる少女。とりあえず、これだけ揃っていれば、ロイが皇帝陛下に対する忠誠と共に並んで、それを捧げる相手となるのには充分足りた。
「総督、行政特区日本の件、心中お察しします。ですが途中で諦めては駄目です。でも、この問題にすぐに成果を求めてもいけません。あなたは、まだ」
ロイは慣れた手つきで鶴を完成させ、それを少し掲げて細部を修正すると、にっこりと笑った。
「鶴を折りはじめたばかりではありませんか」
そして、ロイは折り上がった最後の鶴をナナリーに手渡した。
「……」
鶴を受け取ったナナリーはハッと顔を上げた後、閉じた瞳でジッとロイを見ていた。
ロイはそんなナナリーの手を、少々ゴツゴツとした自分の両手で包んだ。
もう言葉はいらなかった。そう思ってロイは年上らしく落ち着いた笑顔をナナリーに向けた。
だが、次にナナリーが起こした行動に、流石のロイも年上の余裕顔を破顔して驚かずにはいられなかった。
「総督?」
少女から、小さく鼻をすする音がした。
「す、すいませ……私……」
総督はロイから顔を背けた。軽くウェーブのかかった髪が、ロイからナナリーの表情を隠した。
「こんな優しい言葉……。かけていただけるの……お兄さま……いなくなって……久々で……だから……」
ロイが包んだ細い指は、小さく震え始めていた。
「すみません……。嬉しいんです……でも……涙が、止まらなくて……」
「……ナナリー総督」
ロイは黙って立ち上がると、失礼だとは思いつつも車椅子に座る少女の体を優しく抱きしめた。そうする必要があると思った。
ナナリーは最初小さく上半身を震わしたが、やがて、あふれ出る涙もそのままに、ロイの胸に向き直り、服を濡らし続けた。
ロイは、ナナリーを抱きしめながら優しくその頭を撫でた。そのロイの動作は、まるでわが子を撫でる母親のように優しげで、父親のように頼もしかった。
しかし、
ある意味暖かい心がロイの心を侵食していく中で、そのある一角では、同時に激しいものが湧き上がっていった。
(スザク。君は一体何をしているんだ)
支援
sien
ロイは友に、親友であるスザクに強い歯痒さを感じた。それは、人間の感情で言えば怒りに近かった。いや、事実ロイは怒っていた。
(ユーフェミア様の仇を討ちたいという気持ちは分かる。分かるよ。でも……)
ロイの歯は悔しげに軋みの音を立てた。
(今、この場で、この傷ついた少女を励ますのは君の役目だろ……)
ロイは嗚咽の混じる呼吸を至近距離で聞きながら、言い様の無い感情を実感していた。
ロイは、スザクにナナリーの傍にいてほしかった。それが何よりナナリーが喜ぶ事なのだ。
しかし、スザクが中華連邦に行き、ロイがエリア11に残る。それは全く効率的であり、軍人として非難のしようも無ければ、スザクは非難を浴びせられる道理も無い。ロイとて一時は、その効率に目を瞑りスザクに中華連邦行きを譲ったのだ。
しかし、この涙を見た今、ロイは、
道理が何だ!
と軍人ながらに思ってしまうのだった。
ロイはナナリーの頭を優しく撫で続けた。
思想、総督という地位、百万人の裏切り、本国と日本人からの冷笑、それらが寄ってかかってナナリーの心を蝕んでいた。
ロイは、溜めていた重い感情を吐き出し続ける少女を、黙って受け止め続けていた。
(スザク、ナナリー総督はまだ乙女なんだ。それに比べて、背負っているものの重さは半端ではないんだ。笑っていてもこんなに溜め込んでいるんだ。そんな事にも気付かないのか……)
スザクは今、ナナリーを見ていない。それは仕方の無い事とも思えるが、それでも……例え残酷な言い方でも、死んだ人間より生きた人間を見ろ! とロイは友人を怒鳴りたくて仕方が無かった。
この時、ロイはせめてスザクがナナリーの本当の支えとなるまで、自分はそれを代替わりしようと改めて誓った。いや、そうしなければいけなかった。そうしなければ、あまりに大きなものを背負いすぎたこの少女はそう遠くない将来に潰れてしまうように思えた。
同時に、ロイは今回の中華連邦の件が片付いたら、折を見てスザクと二人で話し合う場を作る事も決めた。もはやロイは本人に直接、色々言ってやらなければ気がすまない、と感じるようになっていた。
そう思っていたロイの背後で、小さな風切り音が鳴って扉が開き、来訪者を受け入れた。
「失礼します総督。すこしお話が――」
400 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/30(日) 20:18:13 ID:CqHQfeNN
PS2のゲームカセットで2人プレー
が出来て自由にナイトメアを選んでバトルしたり
朱雀のストーリーが出来るカセット(PS2)
はありますか??
シエーン
入ってきたのはローマイヤだった。彼女は最初、いつも通りの淡々とした表情で入室してきたのだが、それは扉をくぐって三歩目で崩壊した。
「!」
ローマイヤは入室して、場の惨状を目撃すると、手に持った数枚の書類をパサリと落とした。
その気配に気付いたロイはナナリーから体を離して振り返る。
そして、ロイが離れて、今までナイトオブラウンズの白い軍服で隠れていたナナリーの姿を確認すると、ローマイヤは雷が直撃したかのように身を震わせた。
ナナリーは泣いていた。そして、それに抱きつくナイトオブゼロ。
その意味を解釈したローマイヤの瞳が驚きから戸惑いになり、やがて怒りになって、その肩はワナワナと震えた。
みるみる内に表情が変わっていくローマイヤにロイは気の抜けた声をかけた。
「ど、どーしたのローマイヤ?」
ローマイヤは、過去のの好意的? な視線から180度変化させて侮蔑と軽蔑をごった煮にして煮詰めて、さらに悪意をブレンドしたような瞳でロイを睨みつけ、怒鳴りつけた。
「見損ないましたキャンベル卿!!」
「?」
「そ、そ、そ、総督に手を――」
「手を?」
「手を出すなんて!」
「………………はい?」
ロイはローマイヤの言っている意味を理解できず、呆然と聞き返した。それとは対照的に、ローマイヤは素早く身を翻して、部屋の壁に付いている防犯ベルのスイッチをポチッと押した。
ジリリリリリリリリリリ!
政庁に割れんばかりのベルが鳴り響いた。
○
ローマイヤが鳴らしたベルは政庁全体に響き渡った。
「ナナリー総督の部屋からです!」
政庁の警備を担当する部署では、それを確認した兵が、上官に顔を向けると同時に言った。
「なんだと!?」
その報告を受け取った中年の上司は目を剥いた。そして、彼の頭の中にある考えがよぎった。
(まさか、黒の騎士団か!?)
ありえない話ではなかった。いくらゼロと黒の騎士団の大部分が中華連邦に亡命したといっても、その全てが亡命したわけではないのだ。
黒の騎士団は中華連邦に亡命したと思わせて、エリア11の政庁の警戒を緩ませ、それに乗じて潜伏させていた工作員に総督を襲わせる。
現実味のある推測だ! と、少なくともこの上司は思った。
「おのれ!」
黒の騎士団が絡んでいるとあらば、事態は急を要する。万が一黒の騎士団に総督になんらかの危害を加えられては政庁内の警備を仕切る自身の進退にも関わるからだ。
「警備は至急、総督の部屋に急行せよ!」
上司の命令を受け取った部下は、「イエス・マイロード!」と頷き、マイクに向き直った。
「政庁全警備隊に通達! 総督の執務室に異常が発生、至急急行せよ! 繰り返す、至急急行せよ! これは訓練ではない。繰り返す。これは訓練ではない……」
○
「何だ?」
ローマイヤに書類を手渡し、帰宅の途中にあった元グラストンナイツ、現ナイトオブゼロの副官であるアルフレッドは、鳴り響いたベルを聞いて、不審半分、驚き半分で立ち止まった。
火事か? という予想が彼の頭をよぎったが、じきに聞こえてきた放送がそれを否定した。
『政庁全警備隊に通達! 総督の執務室に異常が発生、至急急行せよ! 繰り返す、至急急行せよ! これは訓練ではない。繰り返す。これは訓練ではない……』
アルフレッドが放送に驚くと、廊下の向こうから兄弟のエドガーが走ってきた。彼も私服姿で後ろにリュックサックを背負っている所をみると帰宅途中だったようだ。
「アルフレッド! 今の放送聞いたか!?」
「ああ、聞いた」
慌てる兄弟に比べて、アルフレッドはいくらか理性的な口調で言った。
「どうやら一大事みたいだな」
「何を落ち着いているんだ。今すぐ総督の部屋に向かおう!」
「いや、待て」
アルフレッドは、身を翻したエドガーの肩に手を置いて止めた。
「何だ?」
「もしかしたら黒の騎士団かもしれない。お前たちは他のKMF部隊を率いて出撃し、政庁周辺の警戒にあたれ。俺はキャンベル卿の所に戻る」
『警備隊には特例A項の装備を許可する。繰り返す警備隊には特例A項の装備を――』
その時、特例A項――テロリストが政庁内に侵入した場合の、実弾装備の携帯許可――の命令が政庁内に響いた。
○
支援
支援
十分かもしれんが一応支援
書き込みテスト
40分ごろから投下をします。10レス程度ありますので宜しければ支援をお願いします。
事態は素早く、だが確実に大事になっていった。
ローマイヤがベルを鳴らしてから一分で、警備隊は総督室の扉の前をこじ開けて中になだれ込んだ。また、すでに政庁の外にはベルを聞いて数機のKMFが出撃し、政庁の警戒にあたっている。外のKMFの数は、一分ごとにどんどん増えそうだった。
一方、政庁内の兵士は二分で装備を整え、それぞれの隊長の元に集い、指示を受けている。
この政庁に駐留している騎士や兵士はそのほとんどが戦女神と称えられたコーネリア隊の者達だった。それだけに行動は素早く、動きも洗練されたものであった。だが、今回の事に限って言えば、その優秀さがアダとなって、かえって被害が拡大したとも言える。
「総督のお命が最優先である!」
ローマイヤがベルを鳴らしてから45秒後。総督執務室のドアの前で、警備隊長は緊迫した面持ちで告げた。部下たちは無言で頷いた。
さすがに、総督執務室に一番近い場所で警備を担当している者達なだけあって、その表情には緊張はあっても焦りや、扉のむこうの未知のものに対する恐怖は微塵も無かった。
警備隊長は、それらの部下の顔を見回して満足そうにもう一度頷いた。
「ドアを開けろ!」
隊長が命令すると、兵士の一人が力強くドアを蹴飛ばして中になだれ込む。警備隊の仲間もそれに続いた。ドアを蹴破って四分の一秒後。二十を越える銃口が総督執務室の全てをその射程に収めた。
「総督!」
「総督!」
「総督! ご無事で!?」
しかし、彼らが見たのは、
エリア11の総督と、
実質的現エリア11在留軍司令官と、
総督主席文官の姿だけであり“敵”の姿などどこにも無かった。
「ナイトオブゼロ様。これはいったい」
中年の警備隊長が自分の上司であるナイトオブゼロに尋ねる。しかし、答えたのはローマイヤだった。
「キャンベル卿を捕らえなさい!」
「?」
数十人の何割かは首を傾げた。ローマイヤは珍しく興奮した様子で言葉を続けた。
「不忠にもこの男。(オオカミ的な意味で)皇女殿下に襲い掛かった!」
「!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
多くの驚愕と戸惑いが、勇敢な警備隊隊員達の顔に表れた。
しかし、次の瞬間ほとんどの警備兵がそのローマイヤの言葉を信じた。
ちょい待ち、まだ投下中では?
今投下中だぞ。支援
リロードし忘れてたすいません。KOUSEI卿、どうぞ続きを!
414 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/30(日) 20:38:44 ID:CqHQfeNN
PS2で2人プレーが出来るゲームカセット
はありますか??
あと自由にナイトメアを選んでバトルが出来て
朱雀のストーリーができるコードギアスのカセットは
ありますか??(PS2)
涙を流す総督――しかも、ロイに泣き崩れたはずみで、衣類が少し乱れていた――。その隣で相変わらず呆然としているエリア11の軍司令官。そして、その司令官を指して怒っている主席文官。
それらの状況もあったが、なにより警備兵の判断を確定させたのは、ロイのブリタニアでのある噂が原因だった。
ブリタニアでのロイ・キャンベルに対する噂。それは、
カリーヌ皇女殿下に好かれている。ナイトオブシックスのアーニャに懐かれている。ナナリー皇女殿下と仲が良い。つまり……。
悲しいかな、ブリタニア内で、ナイトオブゼロは年下好みがすでに定説だった。
「全員。銃を置け!」
警備隊長がたくましい腕を振り上げ、決意を込めた太い口調で命令すると。部下の警備兵達は命令に従って一斉に銃を床に置いた。
流石に、不敬罪だとしてもナイトオブラウンズの一人をいきなり射殺するわけにもいかなかった。どんな理由があれ、彼らの生死与奪の権利は皇帝陛下が握っているのだ。
「へっ?」
ナイトオブゼロ、いや、変態――と彼らは見なした――は、後ずさった。
「構え!」
隊長の命令が飛ぶ。隊員達は同じタイミングで足を一歩前に踏み出し、ファイティングポーズを取った。
「ち、ちょっと」
変態がさらに後ずさった。
「確保ぉぉぉぉ!」
隊長が、腕を振り下ろしながら告げた。それが引き金だった。
瞬間。たくましい男たちの“津波”が『うおおおおおおお!!』という咆哮と共に許されざる変態に襲い掛かった。
「えっ、ちょ!?」
ロイは反射的に身構え、飛び掛ってくる男たちの何人かを投げ飛ばそうとした。だが、本当に投げ飛ばすわけにはいかないと判断したのか、彼は自分の手を瞬時に引っ込めた。だから、簡単な答えとして、彼は津波に呑まれた。
結局。彼は警備員たちに組み伏せられて、頬を床に打ち、殴打され、揉みくちゃにされた。
狼が取り押さえられていく一方。ローマイヤがナナリーに駆け寄った。鋭利な瞳に困惑の色を浮かべた主席文官はその少女の乱れた服装を直しながら声をかけた。
「総督、お怪我は!?」
「あの、ローマイヤさん。一体何が起きているのですか? あと何ですか、この男性の雄たけびは??」
支援ついでに言っておく。
>>414 そのようなゲームは存在してません。
支援
当然、怪我など無いナナリーは、自分の副官的立場にある女性に向けて、困惑した表情を向けるだけだった。彼女はこの部屋で繰り広げられている事の成り行きを理解していなかった。無知とは罪である。
「ご安心下さい。総督を襲った男は取り押さえました」
「襲う?」
ナナリーは目は見えないのだが、それでも、状況を理解するために少しでも情報を得ようと顔を部屋に巡らせた。
「何をするんだ!? 放してくれ!」
「お黙りください! 皇女殿下に対して欲望あらわに襲い掛かるナイトオブラウンズなど前代未聞ですぞ! 恥をお知り下さい!」
「な、何を訳の分からない事を、って痛たたた!」
その、ロイの情けない悲鳴を聞き取ったナナリーは、不意に事態を理解した。
「って、ええ!? 違います!」
ナナリーは顔を真っ赤にして、叫ばん限りに全員に告げた。
「違うんです。誤解なんです! というか、何でそんな事になったのですか!?」
ナナリーの悲鳴にも似た訴えで、数十人の男は動きを止めて、目を丸くしたのだった。
ちなみに、今、この瞬間にも外ではKMFが出撃しつづけ、歩兵は列を成して敷地内を警戒し、ベルは鳴り響き、外のライトは全て政庁に向けて点灯し、地域の住人は政庁のただならぬ雰囲気を察知して道路にぞろぞろと集まりだしていた。
○
『と、いう事があった』
夜。ロイは中華連邦で天子とオデュッセウスの婚約祝いのパーティーに出席していたアーニャから、定時連絡を受けていた。そして、その連絡の内容に興味深げに頷いた。
「……なるほど、ゼロがシュナイゼル殿下とチェスをね。あとで勝負の映像を送ってくれないかな?」
しかし、アーニャはその件に関して返答せず、ただジッとロイを見つめていた。
「んっ? どうしたのアーニャ」
返答には時間がかかった。
『ロイ。疲れてる?』
今度がロイが返答に時間をかける番だった。ロイは腕を組み、大きく息を吐くと、力ない口調で言った。
「……まぁね。疲れてると言えば疲れてる」
アーニャはしばし迷った顔をして、
『どうしたの。その顔……』
と、ロイの顔を指して言った。
支援
420 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/30(日) 20:45:52 ID:CqHQfeNN
PS2で2人プレーが出来るゲームカセット
はありますか??
あと自由にナイトメアを選んでバトル
ができて朱雀のストーリーが出来るカセットは
ありますか??
今、ロイの顔はとんでも無い事になっていた。何度も床に叩きつけられたせいで顔は腫れ、押しつぶされたせいで体中のあちこちがアザになっている。一言で言うならボロボロだった。
もっとも、かけていた眼鏡が無事だったのと、大切なマントを羽織っていなかったので、それが汚れなかったのが不幸中の幸いとも言えた。
「……」
ロイは今日起きた一連の騒動をアーニャに報告するのには抵抗があった。というか、勘違いとはいえ、そもそも自分がそんな事をしかねないと判断された事に、ロイは海より深く傷ついていた。
「……聞かないでくれるかい」
『……』
この世の終わり、もしくは燃え尽きたボクサーみたいなロイの表情に何かを感じ取ったのだろう、アーニャは静かに頷いた。
『分かった。聞かない』
ロイはホッとして、新しい会話を切り出そうとした。
「他に変わった事は」
『伝達事項は以上……ああ、あとジノが鼻の下を伸ばしてた』
アーニャはその光景を思い出したのか、多少呆れ気味に首を振った。
『よりにもよってあんな女が良いとか。趣味が悪い』
ロイは内心で軽く驚いた。アーニャがこうも人を堂々とけなすのは珍しい事だった。
「はは、趣味が悪い、か。で、その人はどんな人だったんだい?」
『ロイも知ってるはず。紅月カレン。黒の騎士団のエース。ジノが、彼女が手配書よりずっと可愛いとかで……見る?』
画面の中のアーニャが何やら操作すると、しばらくしてロイの携帯電話が着信を訴えた。携帯電話に動画が送られてきたのだ。
ロイが送られてきた映像を見ると、そこには二人の少女が映っていた。
一人は黒髪の少女で、恐らくは皇家の当主だろう。そして、もう一人はまさしく紅月カレンだった。
ロイは軽く笑って、ジノの行動に納得した。そして無意識に言った。
「なるほど、確かに美人だ。手配書なんかよりずっといい――」
これは明らかな失言だった、とロイが気付いたのは、アーニャがモニターの中で眉間に深い溝を作っているのを見たからだった。
『……ロイも大きい方が好きなの?』
ロイはアーニャの聞きたい事を悟った。アーニャが色々小さい事を気にしているのをロイは知っていたのだ。
「あ〜……」
ロイはどう答えるか迷って、結局おどけて見せた。
「な、何の話かな?」
支援
荒らし出たか?支援
『……真剣に聞いてるのに、そういう不誠実な態度は嫌い』
ロイの打算は、キレた“ランスロット”の前に立ち塞がる“無頼”の如く易々と粉砕された。
ロイはお手上げ、といった心境だった。しかし、ブリタニアと覇権を争う中華連邦やEUに対してですら許される白旗も、ことアーニャ・アールストレイムに対しては通用し無い事をロイは良く知っていた。
「大小は関係無いよ」
ロイは慌てて舌を回した。
「僕が女性にそういう魅力を感じるとするならば、それは心の輝きだろうね」
咄嗟の事とはいえ、我ながら馬鹿な事を言い出した。とロイは思ったが、だからと言って止めるわけにもいかなかった。
もう毒食わば皿までという心境だった。
「これは持論だけどね。美しく輝く心を持つ女性はそれに伴って、外見も美しくなるさ」
と、ここでロイは思いついたように付け加えた。
「そう、アーニャのようにね」
『……本当?』
すると、奇跡がおきてモニターの中のアーニャの機嫌が直ったようだった。とりあえずロイは安心した。
女性が怒り出したらとりあえず褒める。これは、ロイがこの一年間様々な女性関係に悩まされた結果考え出した、自己防衛術だった。
「もちろんさ」
ロイはトドメとして計算しつくした笑顔を浮かべた。顔の腫れた部分がモニターから見えないように顔と体位の位置を変え、大げさにならないように控えめに顔を緩める。
相手の視界を計算して自分の表情をコントロールするのは交渉術における基本中の基本であり、ロイの得意分野でもあった。
ちなみに、もろもろの技術を用いた事に罪悪感は無かった。アーニャが美しいと思う気持ち自体に嘘は無いのだ。
それからやたら上機嫌になったアーニャ――少なくとも、ロイからはそう見えた――と、取り留めの無い会話を交わし、通信を終えた。
「さて……」
ロイは立ち上がろうとして、机に置かれた自分の携帯がふと目に入った。
「……」
ロイは特に理由無くその携帯を持ち上げ、先ほど送られてきた映像を見直した。
紅月カレン。先の大アヴァロン攻防戦で自分に痛手を与えた女性。本来ならロイはこの少女を憎む立場ではあったが。
「君の心の輝きはさぞ美しいんだろうね」
425 :
名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/30(日) 20:49:03 ID:CqHQfeNN
↑間違えました
>>416 じゃあどのようなカセットがあるんですか??
支援
ロイは軽く笑った。そして、映像の中で生き生きとした動きをする少女に好意的な感情を抱いた。
その歩き一つとっても、彼女は戦士だというのが良く伺えた。しかし、戦士という力強い表現の他に、ロイはその無駄の無い一挙一動が美しく可憐だとも思えたのだ。
「本当に美人だな……」
ロイは、しばらくその映像を繰り返して見ていた。理由は特に無かった。少なくとも理由が思い当たらなかった。
「んっ?」
その時、妙な事が起こった。ロイの視界が急激にぼやけたのだ。
「何だ?」
一瞬、目にゴミでも入ったかと思ったが、それは違っていた。
ロイは反射的に、指で目元を拭った。するとそこには、
「……涙?」
目から離した指に少量の水滴が付いているのを見て、そして、頬に伝わる感触を感じて、ロイは首を傾げた。
「泣いてるのか僕は……なんで?」
その理由も、自分が紅月カレンの映像を繰り返し見続けた理由同様、全く分からなかった。
シーン9『気持ちの問題』Cパート 終わり。
シーン10『ロイ・キャンベルの憂鬱』に続く。
投下終了です。
支援感謝です。
個人的に、この板に投下するのは最後にしたいな……。
限界が2000バイトだし、途中で猿かかったし、くやしいのぅ、くやしいのぅ……。
ではまた二週間後にお会いしましょう。
PS、トーマス卿へ。いつもお世話になっております。
>>402 「ど、どーしたのローマイヤ?」を「ど、どうしたのローマイヤさん?」に
更に、そのすぐ下の
ローマイヤは、過去のの好意的?
の、の、が一つ多いので、
お手数ですが、修正をお願いできますでしょうか。
投下お疲れ様です。
面白かったです!ナナリーをなぐさめる場面は感動した。
いい話だ…と思ったら!!
後半大爆笑!いやあギャップがいいですね。
そしてロイの涙のワケは…?
次回投下を楽しみにさせてもらいます。
>>428 GJでした!!
ロイのナナリーに対する思いやりが色々と台無しに……ローマイヤさん、そりゃないよwwww
>>428 乙です。
また一歩ロイが核心に近付きましたね。
次の鍵となりそうなのは本人との対面か?
でもスザクが阻止しそうだな……
今回のロイの不満と合わさって大揉めの予感が!?
>>427 GJです!!
相変わらず面白いですね!
まさかロイが皆にボコボコにされるとはwwwww
そして、最後のロイの涙…次回に期待しています!!!
>>428 投下お疲れ様です。誤字は修正しておきましたので領地よりご確認ください。
さて先ほどは割り込み失礼しました。20分ごろから代理投下を始めたいと思いますので、
連続ですいませんが支援をお願い致します。
支援
では時間ですので、始めます。
========ここから前書き含む本文===================
タイトル:Intermezzi #4.5 〜ナイト・オブ・D〜
ジャンル:ギャグ
カップル:ライ×ナナリー
保管庫0031-0413「Intermezzi #4 〜ピンク・ハリケーン〜 」の続きです。
・純血派編と学園編を並行→新シナリオへ?という展開です。
・なのでライはルルーシュ=ゼロを知りません。
・ただしスタート地点でルルーシュは利用を考えクロヴィスを殺していません。
(公式記録上で死亡とされ本国へ帰っており、以後の展開は同じですが)
・両シナリオ終焉のギアスの暴走やテロリストの襲撃は無かったものとお考えください。
・アニメを含む公式ネタが若干入ってます。
ナナリーの「優しい世界」実現のため、ひたすら和平路線でルルーシュの復権を
目標とするライのドタバタ風味の日常風景です。
既にジェレミアをルルーシュに引き合わせ、兄妹の騎士同士となる筈なのですが、
イレギュラー相次ぎ、純血派シナリオ本編以上にライの苦労が続いています……。
が、今回はライがひたすらデレってるだけなので、ここらは無視して番外編ということで。
支援
「ライさん」
「なんだい、ナナリー」
「ジェレミアさん」
「はい、ナナリー様」
「お二人に、大事なお話があります」
庭園の花々を背景に、僕の姫君が真剣な面差しで言った。
ようやくルルーシュがナナリーにジェレミア卿を紹介したので、僕らは揃って中庭でうららかな昼下がりを過ごしていた。
軍人ということは絶対に明かすな!離宮に来たことのある貴族だという話で通せ!
と、超過保護シスコン兄貴は前もって僕らに厳命したが、どこかからの電話で席を外してくれたのを幸い、それは無かった話になった。
ジェレミア卿は困っていたが、僕がナナリーに全て打ち明けているのだから嘘を吐いて貰っても仕方がない。
ルルーシュが最愛の妹を可能な限り血腥い情報から遠ざけたい気持ちは分かる。僕だって出来るならそうしたい。
だからって、彼にとっては得難い味方、僕にとっては友人である人の立場をこの期に及んで偽る事に何の意味があるんだか。
いつまでも子供扱いして手の内に囲っておく事など出来ないと、何度言ってもこれだけは納得しないんだから困ったものだ。
だいたい、どう緘口令を布いたって、ジェレミア卿の挙措動作から軍人らしさを抜くなんて無理だ。
そしてナナリーが相手の気配からでも様々な事を察してしまうのはルルーシュが誰より知ってるだろうに。
要らない嘘はいずれ手痛いしっぺ返しになるんだぞ、ルルーシュ。
そう内心呟く僕の傍らでは小さなお姫様と長身の騎士が互いにちょっと遠慮がちに、ぎこちなくやり取りしている。
なんだか非常に可愛い構図だ。
「ジェレミアさん」
「はい、ナナリー様」
本来なら、ナナリーがジェレミア卿を呼ぶならそのまま或いは爵位で呼ぶべきなのだろう。
しかし彼女はそれにどうしても馴染めず「さん」付けで彼を呼び、自分は呼び捨てにしてくれるよう頼んだ。
だからといって皇族を崇敬するジェレミア卿がそれに応じられる訳も無く、結果として折り合いがついたのが今の状態。
ヴィレッタ卿から注意事項を詰め込まれたそうで、いつもの全力モードを何処かへ追いやり、壊れ物にするようにそーっと息を詰めて相対するジェレミア卿。
そして最初の挨拶で彼に小さな手を預け、嬉しそうににっこり笑ったナナリーの愛くるしさといったら、もう!もう!もう!
と、僕が思い出してじたじた身悶えしてる間に、会話は続いていた。
「私に騎士の叙任の仕方を教えてくださいますか」
「それは、お教えできますが……」
何ゆえ、と言いかけたジェレミア卿はすぐに僕を見て、目許を和ませた。
僕はというと、かなり間抜けな顔をしていたと思う。
「ナナリー。君がずっと彼に会いたい、お願いがあると言ってたのは」
「ええ、ライさん」
現在のブリタニアにおける騎士とは、ナイトメアフレームのパイロットを指す。
旧来の意味の騎士は、主として統治に携わる皇族の専任となった場合にしか生きていない。
けれど僕がなりたいのはそのどちらでも無く、自ら選んだ主を守る、旧い時代の掟と誓いに生きる騎士だ。
僕の姫君は、それを知っている。
支援
でも、彼女がジェレミア卿に直接会いたいのは、何よりルルーシュを託すに足るかどうか知りたいからだと思っていた。
なのに彼女はまず僕との約束を想ってこの人を確かめ、そして口にしてくれたのだ。
「身分や実績どころか何も出来ない私の、騎士になって下さるとライさんはおっしゃいました。
それは私が皇族の生まれだからではなく、大昔の伝説の時代の、本来の騎士としてのお気持ちを下さるのです。
だから、旧いしきたりのように私の騎士になっていただきたいと夢見ていました。
それには立会い役として先達の騎士が必要だと、本で読んで、それで……」
頬を染めて一生懸命に説明し続ける彼女を見ていたら、なんだか鼻の奥がつーんと痛くなって、視界がぼやけてきた。
これはきっとアレだ、花粉症だ!なったこと無いからよく知らないけど!
僕が、自分でも分かるくらいぽーっとしてナナリーから目が離せないのは、熱があるんだ!
ジェレミア卿が僕を見て笑いをかみ殺してたのは気のせいだ!ていうか何がおかしいんですか!
「ナナリー様」
ジェレミア卿は静かに、彼女の前に膝をついた
「光栄です。その任、謹んで承ります」
そういえばこの人も、僕と同じような事をしてるのかも知れない。
だいたい、辺境伯の位を手にしていながら存在さえ明らかに出来ない皇子の騎士たらんとする時点で、この国の制度からはみ出している。
ルルーシュがいつか身分を公にできるよう動いてはいるけれど、そんな日が来なくてもたぶん彼はルルーシュを守ってくれるだろう。きっと、全力で。
「ナナリー様は、彼から剣を受け取らなくてはなりませんが」
「剣……ですね」
「よろしければ日を改めて、相応しいものを持参いたしますが」
ナナリーはいっとき迷うそぶりを見せたが、ややあって心を決めたらしい。
「あの……花では、いけませんか」
「花?でございますか?」
ええと、とジェレミア卿は言葉を探して、少しのあいだ躊躇った。
支援
「花を捧げるのは、騎士の役目ではありません」
ようやく見つけたらしい遠まわしな言葉の意味は僕にも分かる。
所属、階級としての騎士は本来は戦士だから、象徴として剣を用いるのは当然だ。
そして個人の騎士として任ぜられるということは、己の剣をその主君に捧げ、貴方の為にのみこれを揮うと誓うものだ。
剣を持たなかった場合、主君が下賜した剣を戴くこともある。
だとしたら。
僕の場合ナイトメアフレームをもって誓うことになるのかとか、
アレは個人の物じゃないからまずいかなとか、
そもそもナナリーに持ってもらうのは無理だろうとか、
ナナリーが騎乗<の>るなら猫型『にゃーいとめあ』だろうかとか、
ここしばらくのお気楽暮らしのせいか、瞬時に30パターンぐらいのボケツッコミが脳内で展開してしまった。
が、続いたナナリーの言葉は、僕を一気に現実へ引き戻した。
「剣を、持って欲しくないのです。人を傷つければ自分も傷つきます。私、ライさんには傷ついて欲しくない」
「それは……」
僕らは顔を見合わせた。
ジェレミア卿も僕も軍人だ。今まさに戦いの中にある機械を駆っている。
やはりナナリーには、世間の暗い面は知らせないままのほうがいいのだろうか、と思ったが。
ナナリーは、さらにこう続けた。
今、この世界でそれが難しいのは分かっています……と。
「わがままです、でも心は」
心だけは。
いつからだろう。
要りもしない急激な変革を望んで血で血を洗うなど、見たくないと僕は思っていた。
『……だから、明日も笑っていてね』
失った記憶の中で囁く誰かの想いが時折胸にこだまして、それは僕だけの願いじゃないと信じていた。
そして知った、ナナリーの望む優しい世界。
人が互いに優しく出来る、そんな世界。
その世界に剣は要らないと、誰より僕は知っていた筈だ。
「今は心の在りようだけでも、いつかは、きっと」
想いをともにしてくれると知った時から、彼女こそが僕の姫。
「だから……花を用いたいのです。いけないでしょうか」
「ジェレミア卿、僕も花をもって誓いたいと思います」
僕の言葉に彼は思案顔をしたがそれでも頷き、言葉にしてナナリーに返してくれた。
「分かりました、ナナリー様。ライ卿ならばお望みを果たす事も出来ましょう」
安堵の吐息がナナリーの唇からこぼれ、そこに嬉しそうな微笑みが生まれた。
「ライさん、摘んでいただけますか」
庭園に咲き乱れる色とりどりの花。
本当は、桜にしたい。でも季節が巡ってしまったから、ナナリーと僕の思い出を作ったあの花は咲いてない。
だから僕は、黄色でふわふわした小さな丸い花を選んだ。
その花はエリア11の原生ではないと、授業中の余談に聞いた。
交易などの荷物に付いて運ばれてきたのだろうけれど、風に飛ばされた綿毛がヨーロッパからアジア、そして海を越えて日本へ長い時間をかけて辿り着いたのかもしれない。
どこからどう流れ着いたか分からない僕には似つかわしい、そんな気がする。
外の世界からもたらされたそれを、時に遺伝子汚染などと呼ぶのは知っている。
でも、芝生の端に星のように咲いてるのは悪い眺めじゃないと思う。
それに、今日のナナリーのドレスが白っぽいふわふわしたデザインで、綿毛のようなのだ。
なんだか、すごく……似合いじゃないか。
支援
ふと、どこかの丘の上で、この花に囲まれていた記憶がよぎった。
『昨日は鹿、一昨日は兎。そして今日もきっと何かに会えるわ』
誰かが、僕に向かって微笑んで言った。
そして並んで、小さな星々の間から綿毛が真っ青な空に飛んで行くのを見送った。
『……だから』
それは一瞬のことで、僕は黄色い花を一輪、胸前に構えて学園の庭に立っていた。
「それでいいのか?」
苦笑しながらジェレミア卿が言った。
「薔薇とか向日葵とか、そっちの丈の高いのとか、もっと派手なのがあるだろう」
あまり花の名前は知らないんだな、この人も。
それでも説明は求めずあえて変えさせようともせず、彼はナナリーに所作を説明した。
誓言のほうはオリジナルで行くしかないと、ふたりで相談しているようだ。
ここに騎士としての誓約を立て、ブリタニアの騎士として戦うことを願うか…が、この国での騎士に求める誓言だけど、彼女に必要な言葉はきっとそこには無いから。
「では、ルルーシュ様のお戻りを待って始めましょうか」
ナナリーがぱっと顔を上げた。
「あ、あの、お兄様には、内緒……なの、で……」
ナナリーの声がどんどん小さくなった。同時に両手で覆った頬の赤みが広がってゆく。
最後の言葉は聞き取れるぎりぎりだった。
「……二人だけ、で……」
僕は、顔の温度だけが急速上昇するのを感じていた。
そのリアクションは不意打ちすぎるよ、ナナリー。
びっくりした心臓が、何処かへ走って行きたがってる。
そんな僕の顔を見て、ジェレミア卿はまた笑いを声に出すまいと頑張っていた。
何が面白いんですか一体。そんな、呼吸を止めないと堪え切れないほど笑えますか!
僕は無言で拳を振り回し、彼はそれを目にしてさらに苦しがる。見なければいいでしょうに!矛盾してるけど!
ややあって、ようやく落ち着いた彼は咳払いして言った。
「ライ卿、異存は無いのだな」
そして立会い役として、僕を導き姫君の前に跪かせた。
ナナリーには見えていない。
それに、もしかすると傍からは子供のママゴトのような眺めかもしれない。
けれどそれでも彼は、一動作も疎かにさせない。
ただ、本当はこの後に首打ち(コレー)が入るんだがな〜、と呟いてたのだけは聞かなかったことにしよう。
あんな痛そうなの、されてたまるか。自分が何故そんな事知ってるか分らないけど。
今はとにかく全身全霊をこめて、姫君の言葉を受け取らなくては。
「ライさん。私、ナナリーの騎士として、何が起ころうともまた何処へ行こうとも、共に生きて……優しい世界を願ってくださいますか」
これは騎士に求める誓いでは無いかもしれない。でも僕らふたりの、ひとつの望みだ。
「はい、ナナリー姫。この身の全てにかけて、誓います」
僕は姫君に花を捧げる。
「汝、ライを私の騎士に任じます」
差し伸べられた黄色い花が、僕の目の前でふわりと揺れる。
僕はそれを、両手で受ける。彼女の小さな手もろともに。
そこで、時が止まった。
と、思った。
「何をしている!」
ルルーシュが戻ってきて、騒々しい時間が動き出した。
「勝手なことをするな!ナナリーには、いずれもっと然るべき場で騎士をつける!」
予想通りの反応だな。然るべき相手を、と言われなかっただけマシとすべきか。
僕はやれやれと肩をすくめ、頑固者の友人に振り返った。
が、謝罪するかと思ったジェレミア卿が、ルルーシュの前に片膝をつくなり反論し始めた。
「殿下、ご報告しなかった点についてはお詫び申し上げます。しかし、ナナリー様がご自身の騎士を選び任じる権利は不可侵とご承知の筈です」
彼としては、ルルーシュがたった一人の妹を何より大事にしていると承知だからこそ、公正であって欲しいと思ったのだろう。
だが、ルルーシュが聞く耳をもつだろうか。
「また、わが友ライ卿はナナリー様の騎士として欠けるところ無き男と、既にお認めではありませんか」
え。そんな話、してたんだ。
「仮の儀としてでも、お許しを戴ければ……殿下?」
「……っ」
ルルーシュは物凄いしかめっ面をしたかと思うと、足取りを荒げてクラブハウスへ去ってしまった。
「お兄様……」
ナナリーの小さな声が届いたわけも無いけれど、彼はすぐに引き返してきた。
支援
前にテーブルの下に隠してあった長剣を、両手で引きずっている。
「ジェレミア・ゴットバルト、そこ動くな!」
「はっ!」
ちょっと待て!いきなりお手討ちか!
「ジェレミア卿、逃げて下さい!」
僕は跪いたままの彼の腕を掴んで引っ張った。が、しかし主君に動くなと言われた彼は梃子でも動く気配が無い。
その眼前で、ぶん、と風を切って剣が振られ、足元の芝生にめり込んだ。
ルルーシュは真っ赤になってそれを引き抜こうとする……が、抜けない。
呆気に取られて見守る僕らの前で両脚を踏ん張り、仰け反り、身体の向きを変えてぐいぐい引いているが、やはり抜けない。
たしか「おおきなかぶ」って童話があったっけ。
そんな事を思い出している僕の傍らで、見かねたジェレミア卿が手を出そうとする。
「で、殿下、宜しければその、お手伝いいたしますが?」
「ええい!うるさいっ!」
怒鳴った弾みに剣が抜け、ルルーシュはすってん、と仰向けに転んだ。
「殿下!ご無事ですか!お手討ちなればこちらから参ります!」
「何言ってんですかジェレミア卿!ルルーシュ、おい、危ないって!」
ルルーシュは真っ赤になって立ち上がると、今度は肩越しに剣を振りかぶろうとした。
前にスザクに教わったイレヴンの剣術、示顕流の構えに似ている。
でも、重さに耐えかねて、刀身もろともふらついていた。
これで倒れると身長プラス剣の刀身プラス腕の長さで、攻撃範囲がかなり大きい。
ナナリーを守らなくては!と振り向くと、彼女の車椅子は既に芝生の反対端へ移動されていた。
ありがとう咲世子さん!いつの間に来たか知らないけど!
切っ先がまた僕らの鼻先を掠めて、地面に落ちた。
今度は斜めに刺さったので浅かったらしく、ルルーシュが全体重をかけて引っ張ると抜けた。
おお、とうっかり拍手した僕らの前で彼はしばらくのあいだ呼吸をととのえ、それから構えなおした剣をジェレミア卿の喉元に突きつけて叫んだ。
「お前の叙任がまだなのに、ライの世話をみている場合ではないだろう!
確かにお前は既に騎士たる身だが、俺の専属として任じるにはせめて公に名乗ってからと思い、あえて後の約定としたというのに!
もういい!立会いの騎士も要らん!略式で行くからなっ!」
……叙任、する気だったのか。
ちょっと涙目だ。もしかしてユフィやナナリーに先を越されて悔しかったりもするのか?
でも危ないから!君には本身の長剣じゃ無理だから!振り上げるなってば!
わあ!
思わず首をすくめ目をつぶった僕らの頭上に剣が降ってこよう、として。
きぃぃぃん、と澄み切った金属音がした。
咲世子さんが僕らの前に立ち、右手の果物ナイフで長剣を軽やかに受けていた。
「ルルーシュ様、立会いの騎士ならこちらにお一人いらっしゃるではありませんか」
彼女は僕をさして、にっこりと笑った。
「ライ様は、ナナリー様の騎士ですよね?」
Epilogue】
ちなみにルルーシュは剣を振り回すうちに足首を捻挫し、咲世子さんに剣をはじかれた衝撃で手首をくじいていた。
さらに全身筋肉痛に見舞われたらしいが、それは翌日の話。
この儀はとりあえず日を改めてと、例の剣はジェレミア卿がルルーシュを抱えた反対の手で引っ下げて部屋へ戻した。
これがさらにルルーシュをクサらせたことは言うまでもない。
「次は本気でやるからな!」と、包帯を巻いて貰いながら、なお偉そうな口調で負け惜しみを言っていた。
ついでに最悪のショックが彼を襲ったのはその直後で、自分の行動でナナリーに何もかもがバレたと悟った時だった。
ぷんぷん怒ったふりをしているナナリーにつれなくされて、この世の終わりみたいな顔でベッドに潜った彼に、つける薬は無かった。
だから要らない嘘は吐くなというんだ、ルルーシュ。この程度で済んで良かったかも知れないぞ。
ナナリーには素直に謝り倒して許してもらえよ。
あと、鬱陶しいからと僕の部屋に避難(という名の押しかけ)して来てるC.C.を引き取ってくれ。
以上です。
ちなみに「どこかの丘の上」での台詞の一部は、某名作SF小説から貰いました。
タイトルが分かった方は、ニヤリとして戴ければ。
〜* D Is for Dandelion *〜
====以上、あとがき含む本文終了====
最初に書き忘れましたが、これは
銀鰻卿の作品です
支援ありがとうございました。
支援
>>428 GJです。ローマイヤさん、それはあんまりですww
ロイはカレンを思い出しかけてるのだろうか、続きが気になります。
>>452 GJ&代理投下乙です、このライはナナリーにデレデレだなーwそしてルルーシュ、無理すんなww
某小説の一節が出てきましたが、これはつい最近、とあるゲームでお目にかかりました。
お二人の次回の投下をお待ちしています。
>>452 代理投下乙! 銀鰻卿、GJです!
あなたのSSがまた読めて嬉しい!
台詞は思わずググって納得。二重三重に仕掛けられてる文章を読むとにやりとします。
剣ではなく、花で騎士の誓いを行うライナナ主従は実にらしいなと思いました。
ルルーシュは情けn……、いやいや、ジェレミアのことを思ってのことと考えると
やっぱりいい奴だよなとほろりときます。
次回の投下も楽しみにしています!
オハヨウゴザイマシタ
>>428 KOUSEI卿、GJでした!
千羽鶴に例えた願い、あぁ、感動した!
その後、いきなり誤解されるロイ……警備兵www
ナイトオブゼロは年下好みwww
カレンのことを繰り返し見て涙を流すロイ、無意識の内に記憶を取り戻しかかっているのか……
貴公の次の投下を全力を挙げて待たせていただきます!
>>452 代理投下乙でした。
そして銀鰻卿、GJでした!
凄まじい! ナナリーの可愛さが阿修羅すら凌駕する!
剣ではなく花をもって騎士の叙任を行う、ナナリーらしくて良いですね。
……ルルーシュ……生きろ……
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
23:30から投下します。本文・あとがき合わせて7レス分です。
支援します
ありがとうございます、そろそろ投下します。
作者:余暇
タイトル:恋人初日の夜
カップリング:ライ×カレン
設定:騎士団編カレンEND直後
(注意)
・なるべくシンプルにしようと思ったら、激甘なだけになりました。
本文・あとがき合わせて7レスあります。
支援
支援
『恋人初日の夜』
夜、僕は暗闇の中で目を覚ました。広い部屋の中央にあるベッドに、僕は寝かされていた。
「……痛っ。」
軽く体を動かすと、少し痛みが走った。無理もない、銃で数回撃たれたのだから。
「ああ、そうか。ここはアジトの医務室だっけ。」
特区日本の式典会場でゼロのギアスが暴走し、そのギアスにかかったユーフェミアが、会場にいる日本人を虐殺しようとした。
彼らが望んだ世界がギアスによって壊されるのが嫌で、自分の命に代えてもこの世界を守りたくて、僕はありったけの力を振り絞って会場にいる全員にギアスをかけた。
その際ユーフェミアに数回撃たれて意識がもうろうとしていたが、とにかく必死だった。自分の命がどうなろうと、どうでも良かった。
結果的には大惨事を免れて特区日本も成立、僕も一命を取り留めた。体の中にあったギアスが消失するというおまけ付きで。
(良かったんだよな、これで。ギアスのことはわからないけど、結果として血の流れない世界を創っていくスタート地点に立てたんだから。)
そう、これで良かったんだ。大切な人たちが笑って明日を迎えることができるのだから。決して代わりなどいない大切な仲間、そして世界でたった一人の……。
「ん?」
考え事をしていて気付かなかったが、僕の手を誰かが握っていた。暗闇の中で目を凝らすと、ベッドの横で誰かが椅子に腰掛け、静かに寝息を立てていた。
シルエットでしか判断できないが、僕にはすぐにその人物の正体がわかった。
「カレン?君なのか?」
「ん……。」
声をかけられ、その人物は目を覚ました。
「あ……。ライ、目が覚めたの?ごめんね、起こしちゃった?」
僕の予想通り、その人物は黒の騎士団のエースパイロットにして『騎士団の双璧』と呼ばれる僕のパートナー、そして世界でたった一人しかいない最愛の人、紅月カレンだった。
支援
支援
支援
「別に目が覚めたのは君のせいではないが……。」
「そう、良かった。喉渇いてない?お水あるけど。」
「あ、ああ、頼む。」
カレンは椅子から立ち上がって部屋の電気をつけ、ベッドのそばにあったコップに水を注いだ。そして僕は彼女に支えられてゆっくりと体を起こし、コップを受け取った。
「一人で大丈夫?」
「ああ、これくらいは問題ない。」
僕はゆっくりとコップを傾けた。冷たい水が喉を潤していく。
「そう言えば、何故カレンはここにいるんだ。僕はもう大丈夫だから、帰っても良かったのに。」
「良くないわよ。その…こ、恋人の心配をしたり、面倒を見たりするのは当然じゃない。初日だからよくわからないけど。」
まだ照れがあるのだろう、カレンが顔を赤くして視線をそらした。確かに、昼間に僕がトレーラー内の簡易ベッドの上で意識を回復し、その直後に正式に恋人同士になったばかりだから、まだ初日と言えば初日だ。
そう考えると何だか恥ずかしくて、僕も顔が熱くなってきた。恋人とは、こうも不思議な感覚にさせられる関係なのか。
「それとも、ライはベタベタされるのは嫌い?」
「いや、そんなことはない。ただ、あまり君を束縛したくないから。恋人になったからって、急に今まで以上に相手に束縛される必要もないと思うし、迷惑もかけたくないから。」
「迷惑なんかじゃないわ、私が自分の意思で付き添っていたんだから。それに、そうやって変に距離を置かれる方が不安なの。本当にあなたの一番近くにいるのか、自信が持てないから。」
カレンがベッドに腰掛け、僕に身を寄せてきた。
「だから、遠慮しないで私に甘えて。ライは遠慮し過ぎるから、もっとわがままになって私を頼って。それが恋人としての最初のお願い。ルールその一、『相手に遠慮するな』ってとこかしら。」
「ルールか。じゃあ、守るしかないな。その代わり、君も遠慮しないで僕に甘えて欲しい。」
自分の顔のすぐ近くにあるカレンの顔を見ると、彼女は顔を赤くした。
「あ、そうか。ルールってことは、私も守らなきゃいけないのよね。遠慮しているつもりはないけど、遠慮なく甘えるって、どうすればいいのかな?」
僕も少し考えてみたが、やはりよくわからなかった。恋人とは難しい。
支援
時計を見ると、午後十一時を過ぎた所だった。アジトに戻ったのは夕方で、食事をとったのは七時頃。その後すぐに眠ってしまったから、四時間ほど眠っていたことになる。
「カレンは今夜はどうするんだ?ここに泊まるとして、他にベッドかソファはないのか?椅子に座ったままだと、疲れが取れないぞ。」
「あるにはあるけど、今夜だけはライの手を離したくなかったから。大丈夫とわかっていても、この手を離したらもう会えなくなりそうで。」
カレンが僕の手を強く握る。僕は、彼女をここまで不安にさせていることが申し訳なく思えてきて、そっと彼女の肩を抱いた。
「大丈夫、僕はどこにも行かない。ずっと君のそばにいるから、二度と君を不安がらせたり、泣かせたりしないから。」
「うん、約束よ。破ったら承知しないから。」
「ルールその二、『相手を悲しませたりしない』も追加だな。」
「ふふっ、また増えたわね。」
僕たちは笑い合った。
「それで、今日はどうする?やっぱりちゃんと横になって寝るべきだと思うんだが。」
「そうね、肩とかこりそうだし。」
その時、僕はふと思った。「今夜は離れたくない」と彼女は願っている。今彼女は僕のベッドに腰掛けており、ベッドは意外と幅がある。そして彼女と話しているうちに、僕も離れたくなくなってきた。
以上から導き出される結論は……。
「あ、あのさ。もし迷惑じゃなかったら……。」
カレンが顔を真っ赤にして、僕を見つめた。どうやら、僕と同じ結論に達したらしい。
「べ、別に迷惑ではないから。むしろ僕もそうしたいから、うん。」
「そ、そうなんだ。そう言ってくれると、嬉しい…かも。」
カレンがすごく緊張しているのが伝わってくる。そして彼女に負けず、僕もかなり緊張していた。
支援
支援
部屋の電気が消えた中で、僕は隣にぬくもりを感じていた。まさか、初日からカレンと寝床を共にするとは。いや、決して変な意味で言ったのではない。それに合意の上だし…って、僕は何を言い訳がましいことを考えているんだ。
「何だか、緊張するね。」
隣にいるカレンが声をかけてきた。
「そうだな。それより狭くないか?ちゃんと眠れそうか?」
「ええ、狭くはないけど、ドキドキして眠れないかも。」
「同感だ、目が冴えてきた。」
二人とも思い切ったことをするものだと、今さらながら思う。ちゃんと眠れるといいのだが。
「狭いと言えば、ライはどうしてベッドの端っこで小さくなっているの?ちゃんとした所で寝ないと、体に障るわよ?」
「えっ、それは……。カ、カレンが薄着だから、触ったらまずいと思って。」
「だ、だって制服のままだと寝にくそうだから……。」
そう、カレンは寝る前に制服を脱いで薄着姿になっていた。僕は、彼女が着替える時後ろを向いていたので実際どんな姿なのかは知らないが、おそらく悩ましい姿なのだろう。
そして僕は恥ずかしさのあまり、ベッドの隅の方で小さくなっているわけだ。こんな光景をC.C.が見れば、からかわれるか呆れられるかのどちらかだろう。いや、両方か。
「べっ、別に少しくらい触れても大丈夫だから、こっちにおいでよ。それに、そんなに離れられたら、何だか寂しいから。」
「わ、わかった。カレンがいいって言うなら、そうする。」
僕は意を決して、少しずつベッドの中央付近に体を寄せた。寄り過ぎたのか、腕に柔らかい感触があったが、僕が離れようとするとカレンに捕まってしまった。
「どうして逃げるのよ。人に誘わせておいて、それはないじゃない。」
「いや、でも最低限の距離はとった方がいいだろう。君こそ恥ずかしくないのか?」
「確かにすごく恥ずかしいわよ。でも、やっぱり離れたくないし、離したくないもの。それに、二人一緒に恥ずかしい思いをした方が、気が紛れそうだし。まあ、開き直ったとも言うけど。」
もう開き直れたのか、度胸あるな。何だか早々に主導権を握られそうな気がする。
支援
支援
自分の腕を通して、カレンの速い鼓動が伝わってくる。
「やっぱり緊張しているのか?すごい心拍数だぞ。」
「そりゃあ、緊張もするわよ。それに、ライだって……。」
彼女の手が、僕の胸の上に伸びてきた。ただでさえ心拍数が上がっているのに、余計に緊張感が増した。
「すごく緊張しているのが、手に取るようにわかるんだけど。」
「この状況で緊張しない方がおかしい。それとも君は、僕が緊張もせず平然としている方がいいのか?」
「まるで遊び慣れた男か、女体に興味を持たない別世界の人間みたいね。そんなの、どっちもライらしくないから嫌。
ドキドキしてくれた方が、ちゃんと私を見てくれているってわかるから、今のままのあなたでいて。そして、ずっと私を好きでいて。」
僕の服と手をつかむ彼女の両腕に、さらに力がこもった。僕も、彼女の手を握り返す。
「ああ、わかった。いろんな君を見つけて、もっと君を好きになろう。ずっと好きなままで、一緒に新しい世界を歩こう。だから、ずっとそばにいて欲しい。」
「ふふっ、何だかプロポーズみたい。初日からこんな甘いセリフばかりで、これからどうなっちゃうのかしら。」
そう言われてハッとした僕は、みるみるうちに顔が熱くなるのを感じた。初日から飛ばし過ぎだろ、自分。でも、実際にはこれが本心だった。
過去の罪は消えることはない、だがそれでも守りたい世界が、守りたい人がいる。この人と新しい世界を歩みたい、幸せにしてあげたい。
「どう解釈してもらっても構わない、君の答えを聞かせて欲しい。」
すると僕の顔の上に、カレンの顔が近づいてきた。
「もちろん、答えはイエスよ。これからもよろしくね。」
「ああ、よろしく。」
暗闇の中で二人の唇が重なり、夜は更けていった。
支援
こんばんわ
12時からのんびり投下しようとおもってます。
5レスくらいなんで支援は途中一回くらいで大丈夫と思います。
「む……。」
「おはよぉ〜、早速アツアツじゃなぁい。」
翌朝。目を覚ますと、ラクシャータがニヤニヤしながら立っていた。隣では、相変わらずカレンが気持ち良さそうに眠っている。しまった、診察の時間か!
「あっ、いや、これは……。」
「あ〜、騒がない方がいいわよ。カレンちゃんを起こしてパニックを起こされたら、アンタの傷に障るかもしれないし。」
そう言われ、僕は口をつぐんだ。だが最悪だ、人に見られるかもしれないことを考慮すれば、早起きすべきだった。
「もう少し後にした方が良さそうね、すごく幸せそうな寝顔だし。でももうすぐ人が集まりだすから、早めに起こしてあげた方がいいわよ。」
「ああ、すまない。それと、今見たことはカレンには内緒にしておいてくれ。何だか後が恐そうだし。」
「はいはい、『どうして起こさなかった』って言われたくないものねぇ。」
そしてラクシャータは部屋を去る間際、僕の方を振り返った。
「カレンちゃんのこと、幸せにしてあげないとダメよ。惚れさせたアンタにはその責任があるんだから。もちろん、アンタ自身も幸せになることが前提だけど。」
「わかっている、もちろんそのつもりだ。」
最後にラクシャータはニヤリと笑うと、医務室を出ていった。
「ライ……。」
カレンが、寝言で僕を呼んだ。僕はしっかりと彼女を抱き寄せて、耳元で囁いた。
「僕はここにいる、いつでもいつまでも、君のそばにいる。もう君を悲しませない、不安がらせない。ずっと守るから、ずっと君を見つめているから。僕の最愛の人……。」
二人の新しい時間が、世界が、戦争という長い夜が明けるとともに動き出す。これから待ち受ける様々な出来事が、僕は楽しみで仕方がなかった。何故なら僕のそばには、カレンがいてくれるから。
おっと、リロードし忘れごめんなさい。
余暇卿終了15分後くらいからスタートしますね。
支援
支援
以上です、支援ありがとうございました。投下ラッシュ、久々ですね。
ベタベタな激甘ライカレSSは久しぶりに書いた気がします。書いてて楽しいや、やっぱり。
ネタはなくはないので、また書くと思います。
>459
余暇卿乙&GJでした
とりあえず一言で言うならば
甘い、甘すぎるぞこの夫婦、という感じです
やっぱこの夫婦のラヴュラヴな感じはいいなとつくづく思いました
貴公の次の投下をお待ちしています
>>481 甘―――!
乙でした。ふたりのときめき、初々しくてなんとも。
あの式典のあとのふたりは、間違いなくこんな感じだったのだろうなと。
こちらまでドキドキします。
>>KOUSEIさん
ナナリーのもどかしさ、やるせなさ。
それを解きほぐすライが良かったです。ひとを慰めるのって難しい。
その実、きっとナナリーは着実に理解者を増やしているんだと思います。
思わぬハプニングでそんな思いが伝わったりすればいいなあと思いました。
>>銀鰻さん
今回も、楽しかったです!
この作品の、ジェレミア卿がもう大好きでたまらない。
咲世子さんも一緒に叙任してしまえばいいのに。
なんともデコボコな所帯になってきましたね。本当にいつもわくわくします。
みなさんの、次回の作品を拝見できるのを楽しみに。
ありがとうございました!
……ぐはっ!
あまりの甘さにむせた。
>>481 余暇卿、GJでした!
あまりの甘さにむせた。
……大事なことなので二回言いました!
恋人に成り立てで共に寝る、ヤバい、なんかニヤニヤしてしまう。
いい、むせる程に甘い!
とっても大事なことなので三回言いました!
貴公の次の投下を全力を挙げて待っております!
めちゃめちゃ甘いの乙です!
カレンエンド直後の出来事とはリアリティあっていいですね!
では、甘くないですが私も投下しようと思います。
俺式ロスカラ続編〜騎士団カレンルート〜 7話
一応シリアス系でタイトルどおり
騎士団カレンルートから特区日本の失敗ifからの続き。
騎士団の本部に帰ってきたが、夜も遅いのにやけに賑やかだった。
司令室には幹部のほとんどが居て、みな深刻そうな顔をしている。
見るからに 何かがあったのは明らかで、
さすがに朝から1日中デートしていた事に後ろめたさを感じる。
「ゼロ何があったんですか?」
カレンが雰囲気を読み取り、申し訳なさそうに聞いた。
「私とライが想定していた最悪のケースに陥ったが、あらかじめライが用意してくれていた情報と作戦案のおかげで早めに行動できた。
お前の男は相変わらず優秀だよ。」
「そうか、ありがとうゼロ。で、日にちはいつなんだい?」
「ちょっと待って、最悪のケースってなによ!」
ゼロがカレンを置いてけぼりにしながら話を続けようとしたので
たまらずカレンはゼロのセリフから かぶせるように僕にきいてきた。
ゼロがルルーシュと判明する以前の彼女の行動は
ゼロに必要とされる事が 私の全てだ と言わんばかりだ。
だからなのか、自分か紹介したライがあまりにも色々な事ができるのに対して
ナイトメアの戦闘だけは負けないように努力を行ってきた。
それが、いつの間にかカレンがライを意識するようになった原因でもある。
ゼロがルルーシュと判り僕と恋仲になっても、ゼロへの信頼においては譲れないプライドがあるのだろう。
「カレンよ〜。零番隊の隊長やってるのにそんな事もわかんねぇーの?」
と不良口調の若い男がカレンをちゃかした。
玉城、あんまりカレンを刺激しないでくれ…
と口には出さずに呟く。
「何よ玉城!あんたはわかったの?」
カレンは玉城のことを軽く睨みつける。
「ったりめ〜だろ。」
カレンの睨めつけに臆することなく 鼻で軽く笑ってから玉城は続ける。
「結婚に決まってんだろ。天子とブリキ皇族のよぉ。
そんでもって黒の騎士団を結納品にするんだ。」
「なるほど、幹部でもない玉城がよく知ってるね。どうやって会議に潜り込んだんだ?」
カレンの機嫌を損ねると後々大変な思いをするのは僕だ。
僕も玉城を攻撃してカレンを援護する。
「あのなぁ!俺の役職は保留なだけで幹部である事は変わんねーんだよっ」
「「玉城は宴会太政大臣!」」
カレンとC.C.の声がハモった。
さすが!僕が中華連邦に戻ってからの間 日本で一緒にいただけはある。
「あのなぁ〜!」
玉城が声を荒げたのは言うまでもない。
「なぁゼロ、俺の役職早く決めてくれよ〜俺たち親友じゃねーかよ。」
でました、相変わらずの玉城の名言。
ゼロがみんなを助けた次の日から、毎日のように耳にしてきたセリフだ。
「その話はこの作戦が終わってからきちんと考えてやる。今は結婚式の方が優先だ。」
でました、相変わらずの玉城への空返事。
支援……いるのかな?
「ゼロ、そろそろ二人に作戦説明を。」
とディートハルトが話が進まないのに痺れを切らしたようだ。
玉城をいじる事で生まれた平和な雰囲気にもピリオドが打たれる。
式は明後日。明日は顔合わせのパーティーを行うので、神楽耶の夫としてなのかはわからないが、ゼロが付き添いとしていくらしい。
カレンはゼロの付き添いとして祝賀会に参加
僕も皇という姓をもつ人間なので、完全に式に参加するつもりでいたが、
僕はクーデターを利用した作戦の見直しと準備が担当らしい。
そのほかに付け加える細かな点を簡潔に述べ、真夜中の会議はやっとおひらきになった。
にもかかわらず、僕とゼロは指令室に残っている。
お互い話す事があるのを確信したような面持ちで…
「ゼロ。この策はシュナイゼルの作戦なのだろ?」
「あぁ、恐らくそうだろう。」
マントを翻し僕のとなりを歩きながら言った。
「僕をどうして式に同行させないんだ?。」
「どうしてだ?」
ゼロは後ろに下がり、普段オペレーター達が座るイスに腰かけ足を組んだ
「狙いに行くんだろ?ギアスを。」
「流石だなライ。そこまでお見通しか。やはりお前は優秀だよ。」
一応ここはゼロの部屋ではないので、
いつ誰が来るかわからない。
そのため、仮面を外すことはできないので確認はできないが、声の雰囲気からどこか憂いを秘めていた。
─どうして?
様々な意味においての僕の一言。
「お前のギアスの状態をC.C.から聞いた。お前はもうギアスを使うな。」
確かにそうだろう。
ルルーシュの場合、仮面やコンタクトレンズでなんとかなるが、僕の場合どうすればいい?
式での使用となれば、かなりの広範囲なので負担も大きい。
それはつまるところ 一回の使用で一気に暴走させてしまう可能性も少なくはないということだ。
暴走すれば、僕の声を聞く者全てに効果を及ぼしてしまうだろう。
それが故に、僕は以前の悲劇を生み出し、狂王という僕が生まれたのだ。
そんな事を繰り返すつもりは一切ないのだが、いざギアスを二度と使うなと言われても
すんなりと「わかった」と言う事は難しい。
「僕は昔の呪われた自分にけじめをつけなければならない。
確かに、自分の犯した罪の贖罪と、自分にかかっている呪いに誰かを巻き込みたくない。」
一度瞼をとじ、この一年間思ったり考えた事全てを振り返る。
より一層真剣な目をゼロに向け、僕は続けた。
「だけど、僕の贖罪は守りたいと思う人全てを守り、幸せにする事だ。
もし僕の目的にギアスが必要だと思ったら、一度だけ使う。
君は笑うかい?非現実的な理想のために矛盾した言い分で罪を重ねるのを。」
「いや…笑わないさ。」
仮面の下にあるルルーシュの顔はどんな顔なのかわからない。
どういう気持ちでこの端的な返事をよこしたのかは知る術もない。
「だが、一つだけ忘れるな。」
ゼロは僕の思考を遮り、話を続けた。
「お前は自分の思っている以上に活躍しているし、みんなお前を必要としている。
もっと自分を大事にするべきだ。お前は十分 昔の罪に向き合い、償いをしてきた。
俺は、そんなお前にも十分に幸せになる資格があると思うがな。」
そう言ってゼロの仮面を付けたルルーシュは部屋を出る際に手を僕の肩を軽く叩いて行った。
自分はもう幸せになる事が許されない存在だと思っていたのに、カレンもルルーシュもそれを許してくれる。
僕は……幸せ者だ………
支援
以上です。だいぶ遅くなりました。規制時の対処法を教えてくださった方々ありがとうございました。
規制になってから自分のパソコンを今日まで触れなかったんで
メールや避難所投下ができませんでした。次回からはそちらを利用させていただきますね。
>>492 B.B.卿、GJでした!
平和な空気を作り出せる玉城はある意味貴重な人材だwww
自分は幸せだと感じるライ……それでもやはりギアスを再び使いそうで心配だ。
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
>>492 おつかれさまでした!
宴会太政大臣て響きには愛があると思うのです。
ゼロも、その実憎めない奴だと思っているに違いない。
ひとときの幸せが、転落の予兆のようで恐い気もします。
次回の作品を拝見できる日を楽しみに。
ありがとうございました!
●●ロスカラSSスレ移転に関するお知らせ●●
過日の投票結果により、(告知
>>318-320 結果
>>383)
ロスカラSSスレは、近日、創作発表板に移転することとなります。
現在、避難所議論スレにて上がっている骨子は以下のとおりです。
・次スレは創作発表板へ。スレッドbヘ持ち越しで33
・現スレ(32)は次スレへの連絡用として、使い切らずに残す
・創作発表板にすでにある「コードギアス2期を作り直すスレ」との
統合案は現時点では見送り。次スレを運用しながら検討
ロスカラSSスレをご利用の皆さんは、引き続き
避難所議論スレへの参加、動向の確認をお願いいたします。
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/12122/
久しぶりの投下ラッシュに朝から歓喜してしまいましたよ。
KOUSEI卿→今回はコメディが良かった!ここまで一作品の中でシリアスとギャグを使いこなすとは…!少しずつ物語の核心に迫ってきてますね。次回の投下も心から楽しみにしています。
余暇卿→あまーーーいwライカレ、ありがとうございます。久しぶりにライカレ分を補給させていただきました。あのENDの直後はきっとこんなことがあったんでしょうw私的にはラクシャータだけでなくライが心配で見舞に来た主要メンバー全員に見られ、冷やかされるの希望w
とにかく、皆さんGJ&乙でした!
かつての盛況さを思い出しつつ、埋め
>>497 ちょっ、まだ埋めは早い。
創発板に、スレ立ってないのに、立てる前に連絡とか
創作発表板に次スレを立ててきます。できましたらまた報告に上がります。
>>500 乙です!
……ルルーシュ誕生日SSの続きを書かねば!
向こうに投下した際は、こっちにも「投下しておきました」と書いておいた方がいいですか?いや、まだ作成中ですけど。
しなくていいよ
大丈夫です
わかりました。多分もうすぐ出来上がるので、できたら向こうにこっそり投下しときます。
???「さて、ここの甘さなら上質の砂糖が出来そうだ」
???「早速回収開始だね、兄さん」
???「おっと、我々の事は気にしないで戴きたい」
???「正直スレを通り越して板違いだものね・・・」
流石に変態兄弟が来るのはいかがなものかと……
ここ、ネタスレじゃなくてSSスレだよ?
完璧にスレチだぞ
509 :
名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/03(水) 23:51:30 ID:GyPdysLZ
板移転記念age
創作板にスレ立ってからこっちは完全に流れが変わってますよ、っと
ここどうなるんだ?
まだ200kb近く残ってるのに・・・・・・
創作に立った時点でこっちに投下する職人さんはまずいないわな…
あっちに投下する自信の無い人用の練習板としてでも使うか?
練習?こちらに落とせるなら本スレで良かろ
ぼちぼち雑談でいいんじゃないのかね。
だね、時々ageないと
516 :
名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/07(日) 19:45:11 ID:NmYwx0VD
517 :
名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 08:54:00 ID:aBP/a5sP
あげます。
ageっと
板が移っても、変なのは沸くんだな。
沸くっていうかあれは月一くらいにいちど定期的に出没する
かまってちゃんだからなあ
コテつけてくれればあぼーんできるのに・・・
また出たよ、例の奴が。どうにもならないのか?
524 :
名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/15(月) 18:26:34 ID:nL/Hk/A7
新スレage
まだ33の方は500ちょっとなのに…
やっぱ賑わうようになったよなぁ
戻ってきた人もいるみたいだしね。
少なくとも書き手が投下しやすくなったのは事実のようで何よりだなと
保守ageっと
ついに1000作品目か。すげえな
ageましておめでとうー
530 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/01/09(金) 05:18:51 ID:/pXVDunm
保守
保守
誕生日
1/28 天子
2/02 ロイド
2/16 ディートハルト
…orz
ゴメンナサイ
538 :
◆Moffuu/mUE :2009/02/09(月) 20:16:20 ID:PEQeKgt7 BE:773166454-2BP(0)
消えてます
はやっ。でも他にupするところ知らんからこれで精一杯だがや
いつか書き直した物を公開する場でも作るかな……昔のとか結構めちゃくちゃだったりするし
過疎地で、こそっと誤字報告
0036-180
『そういう事だ。堪忍するんだな、ライ』
『そうよ、堪忍してくれた?』
堪忍→観念
アーウチ、久しぶりにやってしまったぜ。報告ありがと
誕生日
2/16 ディートハルト
3/ 3 玉城
3/18 扇
突っ込む人が居ないのが不思議だ・・・
0036-428 アッシュフォード学園・ログハウスにて
クラブハウスだよね?
547 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/04/04(土) 22:03:40 ID:1n+DhwUj
038-447
空調、証明、とその他の設備
↓
照明
549 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/04/17(金) 08:52:21 ID:A1+q7Lxo
誕生日
4/19 ルキアーノ
550 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/04/17(金) 14:07:22 ID:nHEaUk7w
確かにそうだろう。
ルルーシュの場合、仮面やコンタクトレンズでなんとかなるが、僕の場合どうすればいい?
式での使用となれば、かなりの広範囲なので負担も大きい。
それはつまるところ 一回の使用で一気に暴走させてしまう可能性も少なくはないということだ。
暴走すれば、僕の声を聞く者全てに効果を及ぼしてしまうだろう。
それが故に、僕は以前の悲劇を生み出し、狂王という僕が生まれたのだ。
そんな事を繰り返すつもりは一切ないのだが、いざギアスを二度と使うなと言われても
すんなりと「わかった」と言う事は難しい。
「僕は昔の呪われた自分にけじめをつけなければならない。
確かに、自分の犯した罪の贖罪と、自分にかかっている呪いに誰かを巻き込みたくない。」
一度瞼をとじ、この一年間思ったり考えた事全てを振り返る。
より一層真剣な目をゼロに向け、僕は続けた。
「だけど、僕の贖罪は守りたいと思う人全てを守り、幸せにする事だ。
もし僕の目的にギアスが必要だと思ったら、一度だけ使う。
君は笑うかい?非現実的な理想のために矛盾した言い分で罪を重ねるのを。」
「いや…笑わないさ。」
仮面の下にあるルルーシュの顔はどんな顔なのかわからない。
どういう気持ちでこの端的な返事をよこしたのかは知る術もない。
「だが、一つだけ忘れるな。」
ゼロは僕の思考を遮り、話を続けた。
「お前は自分の思っている以上に活躍しているし、みんなお前を必要としている。
もっと自分を大事にするべきだ。お前は十分 昔の罪に向き合い、償いをしてきた。
俺は、そんなお前にも十分に幸せになる資格があると思うがな。」
そう言ってゼロの仮面を付けたルルーシュは部屋を出る際に手を僕の肩を軽く叩いて行った。
自分はもう幸せになる事が許されない存在だと思っていたのに、カレンもルルーシュもそれを許してくれる。
僕は……幸せ者だ………
551 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/04/20(月) 00:31:22 ID:IdXjna4V
発売後1年以上の時を経てROBOT魂月下先行量産型オプションパーツキタw
(ソースはホビージャパン)
>>555 過疎地から、GJ
オレ、ここの管理人みたいだな
285
>>「でも僕、ラウンズ同士のナイトメア戦、僕ヴァルトシュタイン卿とやったんだけど。あれが伝統じゃないのか?」
僕がダブッてます
下がわからない
教えて下さい
LOST MEMORIES
の略称って?
>>557 LOST COLORS→ロスカラ
だから・・・
誕生日
6/ 1 ヴィレッタ&カノン
5/4がSSスレの誕生日って事、すっかり忘れてた・・・
manidame鯖復旧見通したったみたいだね
ログも直近のデータが使える可能性出てきたし、良かった
manidameってなんだよ
namidameだよ……orz
誕生日
7/ 8 シャーリー
7/10 スザク
誕生日
7/20 リヴァル
7/24 ミレイ
ここで質問
アーニャの誕生日はいつですか
じゃあ、ナナリーの誕生日はいつですか?
ギルフォード「……」
ミレイさん、誕生日おめでとうございます
リヴァル「会長、誕生日おめでとうございます!
…………
……
>>567……」
――南佳高はロリコンである。
彼の所属する黒の騎士団は、世界を裁く正義の秘密結社である。
ロリコン南は、幼女の自由のために世界と戦うのだ。
今、ロリコン南は黎星刻と対峙していた。
黎星刻――中華の麒麟児と謳われるほどの能力を持ち、その知力・武力は黒の騎士団の頂点に立つゼロをも唸らせる男だ。
通常なら南が敵うような相手ではない。
だが、今の南はただの南ではない。
ロリコンパワー充填120%の最強のロリコン戦士と化した南は、星刻と互角の闘いを繰り広げていた。
恐るべきはロリコン。
いや、真に恐れるべきは、そのパワーの源となった天子――蔡麗華の愛らしさかもしれない。
幼い少女の普段は隠されている肩や太股、更には膝小僧の破壊力は南にとって凄まじいものであった。
通常より遥かに高い露出を誇る服を気負うことなくサラリとあどけなく着こなすその姿は、少女性の極みの一つと言える。
その神々しいばかりに可憐な姿に力を得た今の南は、無敵とさえ言えるかもしれない。
現に今、星刻は南に押されていた。
実力から言えば天地の差とまではいかなくとも数十段は上の星刻が――
誰にも乗りこなせないと言われた神虎を見事に駆ってみせた星刻が、前線指揮より後方支援を得意とする南に遅れをとっていた。
だが星刻にとっても、この戦いは敗けることは許されぬ、退くことのできない勝負であった。
星刻が諦めてしまえば、麗華が南に何をされるか判らない。
天子としての麗華ではなく、個人としての麗華にとって最も危険な相手――それが、南だ。
しかし、その想いも虚しく星刻は間もなく自分が倒れるだろう予感がしていた。
神聖ブリタニア帝国の武の頂点ナイトオブラウンズに匹敵する武力と、知の頂点である帝国宰相シュナイゼルに引けを取らぬ知力を有する星刻が――
TURN13の評価パラメーターで言えば忠誠以外はほぼ満点に近い数字を叩き出すのではないか思われる星刻が――
評価パラメーターではバランスがとれており、総合評価こそ中々のものだったが各数値は特別高いとは言えなかった南に、今、正に屈しようとしていた。
(最早、これまでか……っ)
「そこまでだッ!南ッ!!」
星刻の心が折れそうになったその時、二人の間に割って入ったのはライだった。
……なーんて妄想を中華ポスカ絵を見ながらかましていたw
ここまではシリアス風味だけど、この後のライVS南はしょーもない舌戦混じりの
ギャグテイストで落差をつけて、ディートハルトもちゃんと絡ませて〜とか考えていたが、
寝たら肝心要のしょーもないセリフを忘れてしまったのでここまでで終了。
中途半端過ぎるけど、折角久しぶりに書いたし……と、保守がわりにこっちに投下してみる。
こっちなら保管されないよね?
ワラビ餅卿作「ハーレムの日〜南の部屋へようこそ〜」へのオマージュ的な気持ちもあるけど、
ラスト自体は、ライ側の辛勝で「南……恐ろしいヤツだった」的なエンドにするつもりだった。
楽しかったので、今も反省はしていない。
ポスカ絵は他のもいいよね!
シュナイゼルの壺コレクション絵のウーギネカリとか生徒会ハイキング絵(多分サヨーシュ)は
妄想膨らむし、ラウンズ海水浴絵のフェチっぷりとか、オールハイルキムタカ!って感じだと思うよ!
ルルーシュとナナリーのダンス絵にはジェレミアとV.V.の横にライを加えた妄想しちゃったよ!
ジェレミアとライの間から顔を出す感じになったらV.V.もより可愛らしい感じに見えると思う……
こんな僻地へようこそ
誕生日
8/ 2 ジェレミア
8/ 4 シャルル&V.V.
8/10 神楽耶
8/27 ニーナ
神楽耶様、誕生日おめでとうございます
>>579 GJ
そしてありがとう、ルルーシュ……
584 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/08/28(金) 17:54:16 ID:tEQ+VvAq
昨日は、ニーナの誕生日
9月は、↓の二人です。
9/ 1 千葉
9/ 7 セシル
千葉凪沙さん、31歳?
586 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/09/07(月) 06:34:56 ID:m7tm4k8g
セシルさん 17歳と○○○○日
587 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/09/08(火) 18:25:09 ID:L5ZlyhW/
最近ラブプラスにはまっているんだ・・・
コードぎあすキャラであれができたら最高なのに
カレンといちゃつきたいよ ミレイさんでもいいが
バンダイに申請するわ。
588 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/09/08(火) 19:40:58 ID:Mvc5vRiK
それマジ欲しいww
俺もバンダイにメールしてみるわww
ロスカラR2まだ出ないの?
590 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/09/10(木) 22:27:14 ID:7yczVutq
PSPとPS2でまた出ることを期待している俺がいる…
592 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/09/13(日) 17:11:14 ID:n7wUgdcb
俺はスザクとライの両方に攻略されたい
ルルーシュ乙
594 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/09/15(火) 01:14:54 ID:n0fgN/YY
596 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/09/15(火) 02:26:52 ID:n0fgN/YY
>>595 誰お前?
R2(苦笑)から登場の奴?
帰れよ。
新スレも建って忘れている人もいるかもしれないので、勝手ながら貼らせていただきます。
487 名前: 保管者トーマス ◆HERMA.XREY [sage] 投稿日: 2009/08/09(日) 01:03:27 ID:k/gRAQgH
〜重要業務連絡〜
保管庫の安全保障並びに運営方針の変更
安全保障や方針変更とかどういうふうになるの?と思われた方が多数おられると思います。
今回の変更点をズバリ一言で申し上げますと
今後、保管庫は本人という証拠がなければなにもしない
と言うことです。詳細を説明させていただきます。
1. トリップの重要性
早速例を挙げてみます
・A氏(トリップ付き職人)がトリップをつけてBという作品を投下した
・後日、悪意の第三者QがA氏を騙り、作品Bの削除依頼をした
どうなるか?何もしません。当然ですけど。ここで押さえてもらいたいポイントは、
例え本人であろうが、トリップを付け忘れた(証拠がない)場合は如何なる依頼も受け付けない
ということです。そしてさらにもうひとつここから導き出される事実。しかしそれを話す前に
一つだけ。かつて私は初代スレに於いて、「トリップを付ける付けないは本人の自由である」
と提唱し、現在もそう思っております(職人の自由意思を尊重するということ)。しかし敢えて今回は
トリップ無しで投下した場合、誰になり済まされても文句は言えない(救済策がない)
と言いきってしまいます。作者本人とは全く違う人間が悪戯で消してくれと言っても…、当方としては
従うよりないのです。名無しの職人の方々には、使い捨てトリップの使用をご一考いただければ
幸いと存じます(今後、マスターデータに作品毎に投下時のトリップを記録します)。
2. メールの本人認証の実施
また例を
・C氏(同じくトリップ付き職人)がトリップを付けて作品Dを投下した
・後日、保管庫にメールが届く
こんにちは、Cです宜しくお願いします
さてここで問題が。この時点では、このメールが本当にC氏から送られてきたものなのか、確認の
しようがありません。もしかしたら悪意の第三者Qかもしれないし、はたまたさらに別の者かも。
そこで私は、メールとトリップを利用した本人認証システムなるものを考案いたしました。
以下に手順を示します。
1 認証希望の旨のメールを保管庫(
[email protected])に送る ※1
2 保管庫より複数のパスワードを返信する ※2
3 任意のパスワードを1つ選択
4 避難所の専用スレ(
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12122/1249745955/)に
トリップを付けて(←最重要!)3で選択したパスワードを投下
※1 そのことが分かれば文面は適当で構わない
※2 キー割れをした時の予備のため
以上で認証は完了です。認証が完了したメールは、「ご自身の作品に対する管理者権限」を持ちます。
削除も修正も自由です(直接ファイルを操作できるようになるわけではありません)。ここでのポイントですが
認証の済んでない(得体の知れない)メールからの依頼は、如何なるものも一切受け付けない
(ただし、要望・意見についてはこの限りではない)
ということです。
488 名前: 保管者トーマス ◆HERMA.XREY [sage] 投稿日: 2009/08/09(日) 01:04:48 ID:k/gRAQgH
以上です。長々と述べましたが如何だったでしょうか?抵抗や反感を感じられる方も少なからずおられるかと存じますが、
悲しいことにこのスレにも他人を騙る心ない者がいて、実際に被害が発生しています。そして、ネットと言う顔が見えない
同士がやり取りをする以上、確たる証拠と言うものもなしに動くのはあまりに危険かつ無責任であると判断しました。
質問などありましたら仰ってください。(メール認証関連の質問は避難所で)
ご静聴ありがとうございました。
>>601 乙
久しぶりに笑わせていただきました
この投下方法でも問題はないかと…トーマスさんが落とし損ねなければ保管されるわけですし
残りCとDも読みたいです
ていうか、溜まっているSSも読みたいです
もう一度、乙
603 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/09/20(日) 03:43:27 ID:67oiVpIr
保守
604 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/09/20(日) 07:37:32 ID:67oiVpIr
606 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/09/21(月) 04:38:45 ID:4kG1inC4
逆だよ。向うでライの話題は、荒れるもと。
それがリンクを貼らない理由の一つでもある
アニメはアニメ、ゲームはゲーム
下手に一緒に扱おうとすると荒れるだけだ
609 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/09/22(火) 06:32:18 ID:rYUFgr7A
やはりR2(外伝)は超駄作なんだな、本編(ロスカラ)の良さが分からないから、R2に支配されている邪教徒はロスカラをそういう風に見てしまうのね・・・・。
自分では何にも出来ないクズキャラばっかりだからなぁ→R2
ロイド君
そろそろ黙ろうか?
611 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/09/26(土) 19:32:57 ID:LbCQQjBQ
612 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/09/26(土) 19:33:46 ID:LbCQQjBQ
最初は、親切心でリンクを貼っている様に見せかけていたが
最近は、本性を出してきたな?
614 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/09/27(日) 10:10:08 ID:IUh5D9RN
>>613 あなたはロスカラ派ですか?原作アニメ派ですか?
615 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/09/27(日) 11:12:55 ID:IUh5D9RN
ロスカラ派は残りなさい
原作アニメ派並びにルルーシュ×シーツーカプ厨並びにルルーシュの名前を出す愚か者は消えなさい
ここでの話題は
ライ×カレンか
ライ×スザクのみ許す!!
R2のキャラの名前は出すなよ!!
616 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/09/27(日) 12:26:43 ID:IUh5D9RN
キチガイホイホイのコードギアスR2は狂儲が暴れる産廃アニメ201
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1252836777/ 315 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/09/27(日) 12:23:09 ID:nsBhpDWY
最終回の民衆も同じくらい酷いな
憎しみで世界を平和にするとか
今までの色々な作品で沢山否定されてたのに実現しやがった
テロリストが総理、虐殺魔が皇女
ゲレミアお咎めなしとか無いわ絶対死刑だろ
ゼロがカマキリを攻撃する際の超人的なスピードについて
突っ込む奴はなぜいなかったんだ?
てかあんなバカ共に世界統治出来るかよ!
まあ、あれが人間が皆馬鹿になれば
世界は平和になるって意図があるなら
ある意味名作アニメかもな
618 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/09/28(月) 10:50:44 ID:7SQ/hGag
本人乙www
別スレに書き込んでる時間からして、同一人物なのは丸分かりwww
622 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/10/06(火) 03:09:05 ID:HcWAQbgq
623 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/10/11(日) 09:24:30 ID:s20uPSu2
虐殺皇女様、誕生日おめでとうございます
624 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/10/13(火) 11:51:06 ID:9xIS1GYQ
>>623 ここのスレタイ読めないんかお前?マジで殺すぞ?
誕生日age
10/25 ナナリー&ロロ
10/26 アーニャ
626 :
名無しくん、、、好きです。。。:2009/10/24(土) 22:26:38 ID:tp2wja+3
ロスカラ2まだ?
桃ネネさんと初キッス。
桃ネネさん「やりかたはわかるよね?」
俺「…いいの?」
おめーら、キスだけで終わらせるつもりないだろww
桃ネネさんと初キッス。
桃ネネさん「やりかたはわかるよね?」
俺「…いいの?」
おめーら、キスだけで終わらせるつもりないだろww
ナナリー殿下の御誕生日、全力で祝福
誕生日おめでとうアーニャ
ロスカラ2で会おう
11月(前半)
9日 篠崎咲世子
11月後半
11/17 ラクシャータ
11/22 マリアンヌ
11/27 ジノ
時を止めるギアスにやられてゲームオーバー
なんでぇ
12月前半
12/5 ルルーシュ
なんでここまだ持ってるんだろか
読めば判る
639 :
名無しくん、、、好きです。。。:2010/06/25(金) 21:44:06 ID:NOHRP8Qk
!?
!!!!!
↑
ドラゴンボール的感嘆符
遂にあちらが落ちたか…
最近投下されてまだまだ大丈夫だと思ったのにorz
>>642 乙でした
>>641 44スレの容量確認したら480KB超えてたから、一定期間書き込みがなくて落ちたんだと思うよ
480KB超えると、980レス超えた場合と同じような感じで
24時間だか48時間だか書き込みがないと落ちる仕様になってたはず
最後の書き込みから、1週間程耐えてなかったか?
646 :
代理書き込み:2010/07/10(土) 18:58:03 ID:YyARPjyz
>>645 板によってdat落ち判定基準は違うはずだけど、ググったらエロパロ系と宝くじ板で
「480kb超で約一週間書き込みなし」基準だってレスがあったから、創発板もそんなもんじゃないかと思う
創発板に関しては、圧縮はまだスレ数的に心配ないけど、即死判定ってどうなってたっけ?
念のため、30辺りまでは保守っときたい感じなんだけど、規制されちゃったよ……
(これ自体は代理投下スレに依頼した)
▼参考コピペ
65 :-:2008/07/22(火) 00:19:48 ID:WSbao8rw
現在までに確認している宝くじ板のdat落ちルールは
レス数981以上、datファイルサイズ500KB以上で約1日書き込みがない、または
レス数19以下、951以上980以下、datファイルサイズ480KB以上で
約1週間書込みがないスレはdat落ちするというもの。
板のスレッド数が800に近づくと、書込みがない期間が長いものから
dat落ちするというルールも他の板と同様適用されているはずだが
上限値の半分にも達していない現状では実際に目にすることは当分ない。
age
本板落ちた?
むごい
アニメ見てないけどケース割・説明書汚・ディスク傷付の三重苦で980円で
売ってたので買ってみて最近攻略wiki見てるんだけどENDルート多いね
アニメ見てた人には楽しめそうだね
653 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/02/04(金) 22:39:27 ID:N4n5JcJz
ほう
ムラサメ
657 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/08/10(水) 16:10:54.75 ID:sVFMfDl1
乙
「ギアス先生」の続きも読みたい
660 :
名無しくん、、、好きです。。。:2011/10/18(火) 20:40:34.95 ID:tX7V6pTN
1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. ONE 〜輝く季節へ〜 茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司のSS
茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司を主人公にして、
中学生時代の里村茜、柚木詩子、南条先生を攻略する OR 城島司ルート、城島司 帰還END(茜以外の
他のヒロインEND後なら大丈夫なのに。)
5. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
6. ファーランド サーガ1、ファーランド サーガ2
ファーランド シリーズ 歴代最高名作 RPG
7. MinDeaD BlooD 〜支配者の為の狂死曲〜
8. Phantom of Inferno
END.11 終わりなき悪夢(帰国end)後 玲二×美緒
9. 銀色-完全版-、朱
『銀色』『朱』に連なる 現代を 背景で 輪廻転生した久世がが通ってる学園に
ラッテが転校生,石切が先生である 石切×久世
SS予定は無いのでしょうか?
ウザッ!
何度プレイしてもアニメの復習編であるギアス編にしか入れない
しかも既読スキップが機能しねぇ!クソが!
とか思ってたけど、これクリアデータのロードからやんないとダメなのか
「システムデータをセーブしますか?」とか聞いてくるからそっちにセーブされてるのかと思って
毎回NEW GAMEで始めてた
ってすまん
ここSSスレか
666 :
◆IgQe.tUQe6 :2011/12/20(火) 14:57:23.00 ID:6ZQq7qZr
s
t
-
t
a
k
a
i
@
e
z
w
e
b
.
n
e
.
j
p
669 :
名無しくん、、、好きです。。。:2012/03/12(月) 00:49:47.16 ID:fDI7o6A3
ももこ
さくらこ
671 :
名無しくん、、、好きです。。。:2012/04/21(土) 14:57:05.03 ID:1cBr54qO
はあ・・・・・
公式・・・・・・・・いつになったら続編を・・・・
いっそ、作りません宣言してくれりゃ・・・
674 :
名無しくん、、、好きです。。。:2012/06/27(水) 21:48:58.65 ID:DRPjLAsx
675 :
名無しくん、、、好きです。。。:2012/07/30(月) 23:51:44.59 ID:t01yrw3R
豆知識
作品数 1340
職人数 107(名無しを含まず)
676 :
名無しくん、、、好きです。。。:2012/08/06(月) 22:06:28.98 ID:B2bOlZGS
旧保管庫で領地が作られず、更にSSスレ40以降投下が無かった為
新保管庫の作家リストにも名前が残らなかったタイミングの悪い職人さんが
2名存在する
677 :
名無しくん、、、好きです。。。:2012/09/12(水) 00:47:42.11 ID:wt9Kg7gq
よう
>>677 久しぶり、お前以前ライスレ荒らしてた奴だろ?
来るんじゃねーよ
679 :
名無しくん、、、好きです。。。:2012/09/19(水) 15:00:29.14 ID:Axang4ib
前々から思っちゃいたんだが
どこへ行ってもブリタニア軍人編からの派生でユフィ虐殺阻止失敗→ブラックリべリオン→
ライとスザクが揃ってナイトオブラウンズになる→ライとスザクとルルーシュでラグナレクの
接続阻止→ルルーシュ皇帝誕生ライとスザクはナイトオブゼロになる→
そのままゼロレクイエム無しでライルルーシュスザクが三人で世界を支えていくという
王道パターンのSSってあってもいいものなのにどこにもないんだよね。
なんで作れないのかな?一期と二期の間のスザクの動向がいまいちぱっとしないから?
なんでだろう?どこにもないんだ。
680 :
名無しくん、、、好きです。。。:2012/09/19(水) 16:30:29.84 ID:bwjeg3OD
>>678 ふだんスレに書き込みもしに来ないくせに
いざ来てみれば随分と頓珍漢な書き込みをしている御仁ですこと(爆笑
スレを盛り上げる気が無い奴は(・∀・)カエレ!!
お前みたいなのがロスカラの続編制作を遅らせる&無かった事にしてしまうんだよ、
ちょっとは自分が嫌われている自覚を持とうぜ、本編厨さんよ?
681 :
名無しくん、、、好きです。。。:2012/09/19(水) 17:20:28.14 ID:IbMZZ1L+
_____
| |
」 | _
「凵|〈\/〉「凵|
└―┤ 〉〈 ├―┘
[ニニニニニニニニ]
|● o ●|
\(_人_)/
/l ̄ ̄l\ 売上げNO.1のワンピースこそ至高。だからお前らグズ作品ファンは負け組なんだぞ!!コノヤロ
W[ニΠニ]W
凵 凵
>>679 言っちゃアレだが、そのレスから「ライ(と)」を無くしてもまあ普通に通じるよな…w
>>679 その王道パターンをシミュレーションして最終話まで書き上げるだけの能力又はやる気が無いからでしょ
俺が知ってる複数話構成のロスカラSSで完結したの、外部に1つ
保管庫ではカズトさんの特区後ライカレ物と、作者は忘れたけどもう1つしか無い。後は皆打ち切りだよ
>>680 ホント、分かりやすいわw
自分を否定するのは、本編厨とか昔のまんまだな。
そのうち、ライを好きなのは自分だけだとか言うんだろ?
685 :
名無しくん、、、好きです。。。:2012/09/20(木) 11:30:40.69 ID:+ROr6RcG
>>684 おまえほんと病院に行きな。
マジで荒らしかなんかだろ?
ライに嫉妬しているんだろう?
686 :
名無しくん、、、好きです。。。:2012/09/20(木) 11:36:00.51 ID:+ROr6RcG
687 :
名無しくん、、、好きです。。。:2012/09/20(木) 12:41:01.16 ID:+ROr6RcG
きめえ
死ねよゴミ
>>680,685
>>678の言う「以前ライスレ荒らしてた奴」とは、違いますって
否定しないって事は、つまり「同一人物です」って事でいいんだなw
693 :
名無しくん、、、好きです。。。:2013/03/03(日) 12:11:52.96 ID:78275sZt
亡国
の
うんこ
れに極まれり
うんこ
こたつ
つみき
キンメル卿
うんこ
>>701 コロコロすんぞ! (#゚Д゚) ゴルァ!!
うんこ
>>703 これから、お前の事はうんこ厨って呼ぶわw
うんこ厨、うんこ中。おーい、早くトイレから出てこい!
何だこいつ
この流れなら・・・
この流れなら、言える!
>>705は、うんこ厨w
何だこいつ
反応せずには、居られないんだな
このバカw
いや、うんこ厨か?
何だこいつ
何(ry
う(ry
712 :
名無しくん、、、好きです。。。:2014/03/10(月) 15:44:43.67 ID:OOo+7kNV
双貌の
キングパンドン
ライ
ブラスター
ちょっと教えてくれ
学園編でミレイに誘われてミレイEDのはずだったんだが
最後喋るのがスザクだったんだが
故障?それとも仕様?
調べまくったんだがどこにも記述してなかったんだ
双貌のオズ2なんでオルフェウスの偽名をライアーにしたんだろうな…
綴りが違うとはいえマンガや小説ではカタカナでライアーだし気になって仕方ない
特にHJは読むのキツい
ジノ&アーニャと御前試合とか走馬灯が駆けめぐったわッ!!
マンガの方は絵があるから別物と認識できてまだ読みやすいけど
HJの方はそのうち脱落するかもしれん
719 :
名無しくん、、、好きです。。。@転載は禁止:2014/12/27(土) 20:27:04.27 ID:r8yKJ2li
みんな31日までにギアスに投票してくれ!栄光の1位の暁には
コードギアス新作、劇場版、リメイク等の呼び水になるかもしれないぞ!
「SUGOI JAPAN 国民投票」は、2005年1月1日〜2014年7月31日
までの約10年間に日本国内で連載・刊行スタートもしくは
放送・上映が行われた「マンガ」「アニメ」「ラノベ」「エンタメ小説
」を対象とし、「この素晴らしい作品を日本国内だけでなく
世界中の人々にも紹介したい!
世界でも大ヒットするにちがいない!」
と多くのファンが支持する作品を、
ファンの皆様自身の声で選んでいただく史上初の試みです。
国民投票は2014年10月〜12月に実施し、その結果は、
2015年3月に行われる予定の「SUGOI JAPAN AWARD 2015」
にて発表いたします。
主 催:SUGOI JAPAN 実行委員会/読売新聞社
後 援:外務省、経済産業省、一般社団法人日本動画協会、
コミック出版社の会 協 力:一般社団法人アニメミライ
、Tokyo Otaku Mode、:中野ブロードウェイ商店街振興組合、
大須商店街連盟
https://sugoi-japan.jp/vote.html?category=anime ギアスにだけでも投票してくれ!お願いだ!
欲しいのはギアスの新作じゃなくてロスカラの新作だ