コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS SSスレ 27

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1名無しくん、、、好きです。。。
ここはPS2/PSPソフト「コードギアス反逆のルルーシュ LOST COLORS」SS投稿スレです。
感想等もこちらで。このゲームについて気になる人はゲーム本スレにもお越しください。
基本sage進行で。煽り・荒し・sageなし等はスルーするか専ブラでNG登録して下さい。

■SS保管庫 http://www1.ocn.ne.jp/~herma/CodeGeass_LostColors/2ch/0.html

■前スレ(0026) http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gal/1222387725
 (これ以前のスレは保管庫にてhtml形式で格納済みです。“スレッド一覧”からいつでも閲覧できます)

■関連スレ
コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS 20 (本スレ)
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gal/1222097730/
コードギアス ロスカラのライは闘う王様 ピコハン無双5戦目 (主人公スレ)
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1220797665/
【PS2】コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/famicom/1203247087/
【PSP】コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/handygame/1207641630/
コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS 攻略スレ4
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/gameover/1209720651/

■公式サイト http://www.geass-game.jp/ps/
■アニメ公式サイト http://www.geass.jp/

■攻略wiki http://www9.atwiki.jp/codegeasslc/
2名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 00:45:06 ID:PTRRMDof
■SSを投下される方へ
1.投下前後に開始・終了の旨を書いたレスを入れて下さい(または「何レス目/総レス」を名前欄に)
2.規制に掛かりやすくなっていますので、長文の場合は支援要請の旨も冒頭に書いて下さい。
 逆に2〜3レスほど使用の場合、支援は要らない旨を書いてください。レス毎の投下間隔は2分〜3分程度がベストです
3.投下前は、他作品への割り込みを防ぐ為に必ずリロード。尚、直前の投下完了宣言から15分程度の時間を置いてください
4.投下許可を求めないこと。みんな読みたいに決まってます!
5.ゲーム内容以外で本編放送前バレ情報があるSSは始めに注意書きを。
6.なるべくタイトル・カップリング・分類の表記をして下さい。(特にタイトルはある意味、後述の作者名よりも重要です)
・読む人を選ぶような内容(オリキャラ・残酷描写など)の場合、始めに注意を入れて下さい。
7.作者名(固定ハンドルとトリップ)について
・投下時(予告・完了宣言含む)にだけ付けること。その際、第三者の成りすましを防ぐためトリップもあるとベスト。
トリップのつけ方:名前欄に「#(好きな文字列)」#は半角で
・トリップがあってもコテハンがないと領地が作れず、??????自治区に格納されます

■全般
1.支援はあくまで規制を回避するシステムなので必要以上の支援は控えましょう
2.次スレ建設について
・950レスもしくは460kB近くなったらスレを立てるか訊くこと。立てる人は宣言してから
・重複その他の事故を防ぐためにも、次スレ建設宣言から建設完了まで投稿(SS・レス共に)は控えることが推奨されます
※SS投稿中に差し掛かった場合は別です。例 940から投稿を始めて950になっても終わらない場合など
3.誤字修正依頼など
・保管庫への要望、誤字脱字等の修正依頼は次のアドレス([email protected])に
    ※修正依頼の際には 作品のマスターコード(その作品が始まる際の、スレ番号-レス番号。保管庫の最優先識別コード)を“必ず”記述して下さい
    例 0003-0342 のタイトルを ○○ カップリングを ○○
(↑この部分が必須!)
  マスターコードを記述されず○スレ目の○番目の……などという指定をされると処理が不可能になる場合があります
4.睡眠は1日7時間は取りましょうw
3名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 00:46:48 ID:PTRRMDof
■画像投稿報告ガイドライン

ロスカラSSスレ派生画像掲示板
 PC用  http://bbs1.aimix-z.com/gbbs.cgi?room=lcsspic
 携帯用(閲覧・コメントのみ)  http://bbs1.aimix-z.com/mobile.cgi?room=lcsspic

1.タイトルとコテハン&トリップをつけて絵を投稿する。尚、コテハン&トリップについては、推奨であり強制ではありません。
・挿絵の場合は、誰の何のSSの挿絵と書く
・アニメ他公式媒体などにインスパイアされた場合は、それを書く(例:R2の何話をみてテンさんvsライを描きました)

2.こちらのスレに以下のことを記入し1レスだけ投稿報告。
例:
「挿絵(イメージ画像)を描いてみました。
画像板の(タイトル)です。
・内容(挿絵の場合は、SSの作者、作品名等。それ以外のときは、何によってイメージして描いたのかなど)
・注意点(女装・ソフトSM(首輪、ボンテージファッションなど)・微エロ(キス、半裸など)・ゲテモノ(爬虫類・昆虫など) など、
絵はSSに比べて直接的に地雷になるので充分な配慮をお願いします)
以上です。よかったら見てください。」
画像掲示板には記事No.がありますので、似たタイトルがある場合は記事No.の併記をおすすめします。
*ただし、SSの投下宣言がでている状態・投下中・投下後15分の感想タイムでの投稿報告は避けてください。

3.気になった方は画像掲示板を見に行く。
画像の感想は、原則として画像掲示板に書き、SSスレの投稿報告レスには感想レスをつけないこと。
画像に興味ない人は、そのレスをスルーしてください。

4.SSスレに投稿報告をした絵師は以下の項目に同意したものとします。
・SSスレに投稿報告した時点で、美術館への保管に同意したものと見なされます
・何らかの理由で保管を希望しない場合は、投稿報告時のレスにその旨を明言してください
・美術館への保管が適当でないと判断された場合、保管されない場合もあります
(不適切な例:ロスカラ関連の絵とは言えない、公序良俗に反するなど)

----テンプレは以上です----
4名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 00:48:59 ID:dDWmwG+R
乙。
しかし、だんだん規制が強くなってるのは気のせいか?
5名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 00:49:23 ID:dDWmwG+R
乙。
しかし、だんだん規制が強くなってるのは気のせいか?
6名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 00:50:27 ID:4U8gKhfH
乙でした
しばらくおみかぎりでしたがまたやっかいになりますよ〜
うん。がんばろう、みんな
7名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 00:50:35 ID:5En0mKIg
乙。
しかしまだ25スレ目残ってるんだが・・・
8保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/10/03(金) 00:54:05 ID:oZMpmXLG
一応こちらでも告知。
当方の副回線の規制が解除されました。プロバイダ規制時に於ける投下代行の依頼受け付けを再開致します。

>>7 容量限界ですね。
9名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 00:58:31 ID:5En0mKIg
>>8
トーマス卿お帰りなさい、帰還を心待ちにしていました
あと容量限界でした気付かず申し訳ない
10名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:02:55 ID:8KAayppw
>>1
乙。
では早速投下しちゃっていいかな?
11名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:05:39 ID:dDWmwG+R
sien
12萌は文化:2008/10/03(金) 01:10:19 ID:8KAayppw
ではこんな時間に投下

最近忙しかったので久しぶりにSS書いたらなんかおかしいです(いいわけ)

タイトル「姉妹喧嘩」

ブルームーン編からの発生と思いください

ジャンルはギャグな気がするがギャグでもない気がする

カップルはライ×ユフィです

注意点
・ブルームーン編からの発生です
・ギャグっぽいです
・でもギャグってほどはじけてません
・だからと言って真面目でもありません
では投下
13名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:10:50 ID:zjxyr8/n
全力で支援!
14萌は文化:2008/10/03(金) 01:12:25 ID:8KAayppw
校舎を出ると外はすっかり暗くなっていた。

「うわ、真っ暗だよ」

今日は間近に迫った文化祭の準備をしていたのだが、思いの他作業が難航してしまい、クラブハウスに帰るころにはすっかり暗くなってしまっていた。

「でも明日は休みだし、まあいいか」

僕はグッと背伸びをして、作業で堅くなった体を伸ばし、自室へと向かった。

「ただいま」

どうせ返事など返ってこないとわかりつつも僕は帰宅の挨拶をした。

「お帰りなさい」

すると返って来ないはずの返事が部屋の中から返ってきた。

「! 誰だ!」

どうやら疲れていて人の気配に気づかなかったらしい。
僕は部屋の電気をつけ、いざという時いつでも逃げられるように警戒しながら部屋の入口へと下がった。

「ごめんなさい。勝手にシャワー使わせていただきました」

警戒してる僕だったが、奥から出て来たのは可愛い寝間着姿のユフィだった。

「ユフィ!? どうしたの? ってか何だいその格好は?」
15名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:12:34 ID:zjxyr8/n
支援
16萌は文化:2008/10/03(金) 01:15:19 ID:8KAayppw
正直、すごく可愛いくて魅力的………じゃなくて、何でそんなお泊まりスタイルなんだ?

「はい、実は今日はライのお部屋に泊めていただこうかと思いますして」
「………え?」

今、何を言いましたかこのお転婆お姫様は……?
お泊まりする?
どこに?
僕の部屋に?

「ええーー!!?」

僕の大絶叫にユフィは不思議そうに首をかしげていた。

「えっと、なんか驚いてるみたいですけど駄目ですか?」
「いや、駄目とかじゃなくて………ほら、女の子が異性の部屋に泊まるってさ」

色々と問題ありだと思います。

「安心してください。ライなら大丈夫です」

何が大丈夫なのか?
何が安心なのか?
何故かユフィはすごく自信満々に言った。

「そ、それに、ライなら何されてもOKですし……」

最後のは声が小さくて良く聞こえなかったが、どうしたのかユフィは先程から恥ずかしそうにモジモジしている。

「それより、皇女様がこんなとこでお泊まりなんて大丈夫なの?」

よくよく考えると、男女の問題よりこっちのほうがもっと問題だろう。
17名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:16:12 ID:zjxyr8/n
支援!
18萌は文化:2008/10/03(金) 01:17:48 ID:8KAayppw
仮にもエリア11の副総督がこんな所でお泊まりなんて、それこそ大問題なんじゃないのだろうか?

「そのことなのですが……」

すると突然ユフィの瞳からポロポロと涙が零れた。

「ゆ、ユフィ……!?」
「お姉様が……お姉様が………」

お姉様ってコーネリア皇女殿下のこと?
一体何があったのだろう?
しかしユフィの様子はただごとじゃない。
僕は今にも泣き崩れそうなユフィをそっと抱きしめた。

「あ……」
「大丈夫、落ち着いたらでいい。何があったか話してくれるかい?」
「ライ………ありがとうライ」

しばらく泣き続けて落ち着くと、ユフィはゆっくりと口を開いた。

「お姉様ったら酷いんですよ」

するとユフィはコーネリア様との間に起きたことを語った。
19名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:17:57 ID:zjxyr8/n
支援
20萌は文化:2008/10/03(金) 01:20:00 ID:8KAayppw
「お呼びですかお姉様?」

ユーフェミアが部屋に入ると机に座ったまま険しい表情を浮かべたコーネリアが出迎えた。

「ああ、よく来たな。学校のほうはどうだユフィ」

コーネリアが言うとユーフェミアは嬉しそうにニッコリと笑って見せた。

「はい、皆さん優しくしてくださいますし毎日がとても充実しています」

それが嘘偽りのない本心なのだろう。
ユーフェミアは心底嬉しそうに生き生きとしながら学校の話をした。
そんなユーフェミアの話を聞き、先程まで険しかったコーネリアの表情も少しずつ和らいでいった。

「そうか、それは良かった。だが……」

突然目つきが鋭くなるコーネリア。
するとコーネリアは机の引き出しから数枚の写真を取り出し机の上に打ちつけるように広げた。

「この男は何だ!?」

写真ごと机を叩きつけるコーネリア。
その写真には、とても楽しそうに買い物をしているユーフェミアとそのユーフェミアに腕を引かれ買い物に付き合う銀髪の少年の姿が写っていた。

「あら、これはライとショッピングに行った時の写真ですね」

少し驚いたようにユーフェミアは写真を見た。

「誰だ! そのライとか言う脆弱者は!?」
21名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:20:11 ID:zjxyr8/n
支援!
22萌は文化:2008/10/03(金) 01:26:21 ID:8KAayppw
「むう、お姉様。会ってもいないのにその言い方は酷いと思います」

ライのことを悪く言われたのが気に入らなかったのかユーフェミアは少し拗ねたように言った。

「黙れ! 大体なんだこれは! 何故皇女であるお前がこんなどこの馬の骨かわからん奴と仲良く腕なんか組んで歩いているんだ!?」

コーネリアは机の上からライの腕に嬉しそうに抱きつくユーフェミアが写った写真をユーフェミアがに突きつけた。
どうやらコーネリアは素性もロクにわからない相手とユーフェミアがまるで恋人のように仲良くしているのが気にいらなかったようだ。

「う、馬の骨だなんて……お姉様、ライは私の……」

そこまで言うとユーフェミアはポッと赤くなった。

「なっ! み、認めん! 姉として私は認めんぞ!」

ユーフェミアの反応を見て、コーネリアは両手で机を叩いた。
すると机の上の写真がヒラヒラと舞い上がった。

「な、何でですかお姉様!? ルルーシュやナナリーのお母様だって元々は庶民の出の方だったじゃないですか!」
「駄目だ!駄目だ!マリアンヌ様とこれはまったくの別問題だ! とにかく、金輪際このライとかいう男に近づくことを禁ずる!」
「そんな……!」

あまりに理不尽なコーネリアの命令にユーフェミアの瞳から涙が零れた。

「ゆ、ユフィ……?」
「酷いですお姉様! もう、お姉様なんか知りません!」
23名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:26:31 ID:zjxyr8/n
支援
24萌は文化:2008/10/03(金) 01:30:46 ID:8KAayppw
そんなユーフェミアを見て困惑するコーネリア。
ボロボロと涙を流し、泣き出したユーフェミアはそのまま走り出した。

「ゆ、ユフィ!!」

慌てて呼び止めるコーネリア。
しかし、後の祭りであった。

「お姉様なんて大嫌いです!!」

そう叫ぶとユーフェミアは部屋から出て行った。

「ユフィーーー!!!」

1人部屋に残されたコーネリアの叫びが部屋の中に虚しく響いた。

「と、言うわけです」

説明が終わるとユフィはニッコリと笑った。

「いや、と言うわけじゃなくてさ」

頭が痛くなった。
それってつまり早い話が家出ってことか。
彼女は自分が皇女様だということに自覚はあるのだろうか……?

「ごめんなさい。スザクだと軍の関係者ですから駄目ですし、ルルーシュやナナリーの所だとお二人に迷惑がかかりますし…」

申し訳なさそうに言うユフィ。
ってちょっと待て。
ルルーシュ達には迷惑かけたくないって僕には迷惑かけてもいいと思ってるのか?
25名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:31:08 ID:zjxyr8/n
支援!
26萌は文化:2008/10/03(金) 01:33:02 ID:8KAayppw
「だから私にはあなたしか頼る人がいないの。お願いしますライ」

瞳をうるわせ、上目使いでユフィは僕を見た。

「うっ……!」

正直、これは卑怯だと思った。
こんなことされて断れる男なんていないと思う。
まあ、内心頼りにされて嬉しい気もするし、今日1日くらいならいいかな。

「まったく、今日だけだからね」

そう言うとユフィは嬉しそうに笑った。

「ありがとうライ! 大好きです!」

すると彼女は僕に飛びつくように抱きついた。

「うわっ」

そのまま僕はバランスを崩し、床に倒れた。
この後、ユフィが泊まることを了承した僕だったが、僕もシャワーを浴び、寝ることになってからが問題だった。
以前C.Cにベッドを占領された時みたく僕が床で寝ようとしていたらのだがユフィが「ライの部屋なのですからライはベッドで寝るべきです」なんて言い出したのだ。
しかし、流石に僕も女性を、しかも皇女殿下様を床に寝かせるのは気が引け、ユフィにベッドを譲ったのだが、そしたらユフィが「あ、私、なんかわかっちゃいました!」とか言って一緒にベッドで寝ようなんて言い出した。
27名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:33:14 ID:e57knwAO
支援
28名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:33:20 ID:zjxyr8/n
支援
29萌は文化:2008/10/03(金) 01:34:49 ID:8KAayppw
いくらなんでもそれはまずいと思った僕だがユフィも一歩も譲らず、結局僕の方が折れてしまい一緒のベッドに寝ることになってしまったのであった。

「じゃあ、電気消すよ」
「はい、お休みなさい」
「うん、お休み」

電気を消してベッドに入るがやはり落ち着かない。
横を向けはすぐそこにユフィが寝ている。
出来るだけ意識しないようにするが、それでも女の子独特のいい匂いで頭がクラクラしてしまう。
チラリとユフィの様子を見てみる。
どうやらユフィは本当に僕を信頼しているらしく、すでにぐっすりと熟睡している。

「………これは信頼を裏切るわけにはいかないな」

ユフィを起こさない程度の小声で僕は自分に言い聞かせるように言った。
よし、まずはこの緊張を解こう。
リラックスすれば自分もすぐに寝ることが出来るだろう。
僕は大きく深呼吸をした。

「ん………」

…………ムニュ

「!?!」

突然腕に柔らかい何かが当たり、思わず声が出そうになった。
よーし、落ち着くんだ僕。
まずはこの感触が何か確認しよう。
僕が横を見るとユフィが僕の腕をしっかりと抱きしめながら寝ていた。
この感触はその副産物らしい。
だがなんてことだ。
30名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:35:07 ID:zjxyr8/n
支援!
31萌は文化:2008/10/03(金) 01:37:44 ID:8KAayppw
これじゃあ気になって寝るどころじゃない。
どうにか出来ないか?
僕はユフィを起こさないように腕を動かし、なんとかユフィから腕を離すことに成功した。

「よし!」

しかし、安心したのも束の間だった。

「ん………!」
「ちょ……!」

ユフィは抱いてたものがなくなり寂しくなったのか今度は僕の体に直接抱きついて来た。
こ、これはまずい!
薄い布地から直接柔らかい感触が伝わって来る。
ユフィを起こすか?
いや、流石にそれは気持ち良く寝てるのに可哀想だ。
ここは耐えるしか……

「………ライ………大好きです」
「!!!?」

あ、危なかった。
今のユフィの寝言で一瞬理性が吹っ飛びかけたよ。
とにかく、今はこの状況をなんとかしなくては……って抱きしめる力が強くなった!?
胸が! 柔らかいものが!
こんな調子で結局朝まで寝れず、僕はユフィが起きるまでずっと理性と戦い続けるのだった。
32名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:37:54 ID:zjxyr8/n
支援
33名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:37:58 ID:e57knwAO
支援
34萌は文化:2008/10/03(金) 01:40:14 ID:8KAayppw
おまけ

ユフィ「ふう、あっ、しまったわ。 朝からシャワー浴びたのはいいけど着替えがもうなかったの忘れてました。ライ、悪いですけど……あら?」←バスタオル1枚
ライ「……ZZZ」
ユフィ「寝てますね。フフ、ライの寝顔ったらかわいいですね」

数時間後

C.C「おい、ルルーシュにカード取り上げられたからピザを奢れ………ん?」
ライ「………zzz」←寝てる
ユフィ「………zzz」←ライの寝顔を見てたら寝てしまったらバスタオルが取れてしまい裸
C.C「…………」

カシャ←シャッター音

バタン←帰った音
35名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:40:24 ID:zjxyr8/n
支援!
36名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:40:41 ID:wHocDp4h
支援
37萌は文化:2008/10/03(金) 01:44:28 ID:8KAayppw
以上で終了

次回に続きます

調子が戻らない!!
いや、元々こんな荒い文章だったか
書きたいのに執筆する暇が最近ないです
ああ、悲しい……

こんな時間に支援ありがとうございました
私はとりあえず寝ます
38名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:46:56 ID:dDWmwG+R
支援
39名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:50:53 ID:zjxyr8/n
おまけwwwww
>>37
萌は文化卿、GJでした!
誰も居ない部屋から響く声……こう書くとホラーっぽいな。
喧嘩してのユフィの家出、続くのか……ならば、期待するしかないですね。
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
40年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/03(金) 10:17:56 ID:lFQ6R57C
お久しぶりです、年下専門です。
といっても自分の存在を覚えている人は皆無でしょうが、短編一本落としたことがあるだけですし。
今回はその短編の続き、ではなく長編の第一話の投下をしたいと思います。
タイトルは「優しい世界で目覚めて 第一話 レクイエムで目覚めた少年」

・ギアス篇と学園篇の複合エンド後にしてR2終了後からの話
・ライは黒の騎士団入ってて学園篇エンドを迎えた、ルート的にはランペルージ兄妹で進んだ感じ
・シリアスな話にはならないはず
・カップリングは現時点ではなし
・7レスいかせていただきます
41年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/03(金) 10:20:40 ID:lFQ6R57C
「―――イ」
(……なんだ、この声は)
「おい、ラ―――げん、起きろ!」
(うるさいなぁ、折角人がゆっくり寝て……!?)

パチリ。
目を開けた銀髪の少年――ライは硬直した。
目に映ったのは二度と会うことはないだろうと思っていた親友の姿。
女性も羨むであろう艶やかな黒髪と、深淵を思わせる紫の瞳。
異性を瞬く間に虜にするであろう整った顔立ちを携えたその少年の名をライは忘れてはいなかった。
ルルーシュ・ランペルージ。
否、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。
神聖ブリタニア帝国の第11皇子・第17皇位継承者として生まれた皇族にして、自分のかけがえのない親友だ。

「ルルーシュ……どうして!?」
「お前が驚くのも無理はない。何せ俺は―――」
「どうしてそんなにミニチュアなんだ!?」
「最初につっこむのがそこか!?」

憤慨するルルーシュに、しかしライはマジマジと視線を送った。
無駄にえらそうで、それでいて相変わらずひ弱そうな親友は、半透明で宙に浮いていて。
そして、何故か手乗りサイズにまで縮んでいたのだ。

「いや、だって……」
「何故俺がここにいるのか? 黒の騎士団はどうなったのか? 聞くことはいくらでもあるだろう!」
「ええと……じゃあ、ナナリーはどうしてるの?」
「………フンッ!」

すかっ。
渾身の力を込めたと思われる(ライの目にはスローモーションにしか見えなかった)ルルーシュのパンチがライに炸裂する。
が、確かに頬をとらえたはずの拳は肌をすり抜けた。
それでも諦めきれないのか、貧弱王子様は次々にパンチを繰り出していく。
42名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 10:21:30 ID:+a2UQHaI
支援
43年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/03(金) 10:28:00 ID:lFQ6R57C
「フン、フンッ!」
「いや、当たらないし……」
「ええいうるさい! 二言目にはナナリーのことを問うなど! お前にはナナリーはやらん!」
「いや、誤解だよ。僕はただ……」
「くぬっ、このっ」

無駄な努力を繰り返す親友を困惑した表情で見守るライ。
三十秒も立たないうちに、肩で息をし始めたルルーシュはようやく諦めたらしく、機材の上に腰をかけた。
「ぜえ……ぜえ……」
「相変わらず鍛えてないんだね、ルルーシュ」
「黙れ、俺をお前やスザクのような体力馬鹿と一緒にするな。それに俺はもう身体を鍛える必要などない」
「え?」
「……お前にしては察しが悪いな。俺は、幽霊だ。だから身体を鍛える必要はないんだ」
「ええ?」
親友の口から飛び出たトンデモ発言にライは目を開く。
まあ確かにルルーシュは浮いてるし半透明だし触れないし、幽霊だといわれて納得できなくもない。
ミニチュア化しているのは意味不明だが。
「って、ルルーシュ……君、死んでしまったのか!?」
「だからそういっているだろう」
「聞いてないよ!」
目覚めてからの第一報が親友の死で驚かないはずがない。
一体自分が眠りについてから何が起きたというのか。
黒の騎士団は敗北してしまったのか?
カレンは? 扇さんは? 藤堂さんたちは? あとついでに玉城は!?

「とりあえず落ち着け、ライ」
「落ち着けないよ!」
普段の冷静さをかなぐり捨ててライは叫ぶ。
結局、彼が落ち着いたのは五分後のことだった。
44年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/03(金) 10:31:08 ID:lFQ6R57C
「落ち着いたか?」
「ああ、ごめん。取り乱してしまって……」
とりあえず起き上がったライは床に腰掛けてルルーシュと向き合っていた。
今二人がいるのはライが眠りについていた神根島の遺跡の最奥。
石壁に囲まれた薄暗い空間の中だった。

(まさかこんなに早く目覚めることになるとは……)

完全に覚醒をとげた脳に、眠る前の記憶が鮮明に蘇り始める。
アッシュフォード学園での日々、黒の騎士団での活動、友人たちとの交流―――そして、忘れていた自分の狂王としての過去。
友人たちを救うためギアスを使い、そしてその時の記憶を奪った。
そのことを後悔はしていない。
未練はある、だからこそ未練はない。
そう言い切って眠りについた自分だったが、こうも早く目覚めてしまっては少々バツが悪いというものだ。

「どうした?」
「いや……ちょっと、困惑してるんだ。まさかこんなに早く目覚めるなんて思ってもみなかったから」
「それについては謝る必要があるかもしれないな」
「え?」
「おそらく、俺の存在がお前を起こしたのだろうからな」
そういって溜息を吐くと、ルルーシュはライが眠りについた後のことを語り始めた。
行政特区日本、ブラックリベリオン、スザクとの対決、敗北。
箱庭の生活、ゼロの復活、ブリタニアとの戦い、シャーリーの死、裏切り、親殺し、スザクとの和解、ゼロレクイエム。
それは全てが嘘のようで、けれどもそれを語るルルーシュの表情に偽りはなく。

「……すまない」
「何故、お前が謝るんだ」
「僕が眠りについていなければ……あるいは、未来は変わっていたかもしれなかった」
「自惚れるな」
ルルーシュの一喝が静寂の石の間に響く。
ハッと顔を上げたそこには、微笑む親友の表情があった。
45年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/03(金) 10:33:06 ID:lFQ6R57C
「確かに、お前がいれば未来は変わっていたかもしれない」
「ルルーシュ……」
「だがな、ライ。それはただの傲慢だ、歴史にもしもはないんだ……ありえなかったIFにお前が責任を持つ必要はない」
「だけどっ」
「それにな……俺は、後悔なんてしないない。この結果には満足している、俺の反逆は確かに……成功したんだからな」
清々しく微笑む親友の表情をライは初めて見た。
そして、その表情からは嘘は読み取れない。

「幸せ……だったんだね?」
「ああ、俺は幸せだった」
「そうか……なら、僕に言うことはないよ」
本人が幸せだったと断言している以上、それを否定することなどできない。
おそらく、ルルーシュは世界の歴史において自分と同等の、否、それ以上の悪名を残すことになるだろう。
今現在、彼の名を聞けばほとんどの人間が嫌悪の感情を表面に出すに違いない。
だが目の前の少年は、そんなことを微塵も気にしていない。
「強くなったね、ルルーシュ」
「お前が呑気に寝ている間に色々な経験を積んだからな」
ふふん、と自慢気に口元を吊り上げる仕草はどこか子供っぽさを感じさせる。
しかしライには、そんなミニチュアな親友の姿がとても大きく見えた。
「まあ、ここまで話はさておきだ。死んだはずの俺は気がつけばこんなナリになっていた」
「……ギアスなんて代物があるくらいだから、今更幽霊くらいで驚くことはないけどさ」
「不死の魔女もいるくらいだからな……幽霊になった俺は、全てを思い出した」
「全て?」
「お前がかけたギアスのことだ」
ジロリ、と効果音をたてながら睨んでくるルルーシュに、ライは冷や汗をかく。
テロリストによるアッシュフォード学園占拠事件。
その際、ライは皆を救うためギアスを使用し、その記憶を奪ってそのままここで眠りについていた。
46年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/03(金) 10:35:14 ID:lFQ6R57C
「幽霊になったせいかはわからないが、とにかく俺を縛っていたお前のギアスは解除された」
「それで僕を探していたのか? でもこの場所がわかるはずは……」
「暇つぶしにバトレーの研究所を覗いていたらたまたまお前に関する資料があったのでな。来てみた」
「いや、来てみたって……」
あっさりととんでもないことを口にする親友に苦笑する。
幽霊ということは、壁抜けも自由自在なのだろうが、なかなか無茶をするものだ。
「そうしたらお前がここで眠っていたのでな。起こしてやろうと声をかけたら」
「僕が起きたってわけか……」
「ああ」
頷くルルーシュだが、ライとしてはコメントのしようがなかった。
会いにきてくれたのは嬉しいが、正直今起きたところでやることがない。
ナナリーたちは未だギアスが解けていないのだろうし、事件前後のことを考えると今更顔を出すのも気が進まない。
何故いきなり姿を消したのか、追求されても答えようがないのだ。

「しかし助かったぞ、お前が俺の存在を認識してくれて」
「へ?」
「お前に会いにくる前、スザクを初めとして何人かに会いにいってみたのだが……全員が全員、俺のことを認識できなかったのでな」
「そりゃ幽霊だからね……ってあれ? じゃあ僕って霊能力者?」
「知らん。だが、お前が俺の存在を認識しているのは確かだ」
「まあ、実際こうして会話できてるわけだしね……」
「このことは誰にも話すなよ」
「話しても誰も信じないって……」
それどころか、下手すればこっちが狂人扱いされる。
狂王から狂人にランクダウンなんて冗談ではない。

「まあ、ナナリーやスザクあたりなら信じそうだけど」
「……ナナリーたちには、余計な心配をかけたくない」
一瞬、悲しそうな表情をルルーシュは浮かべた。
最愛の兄を看取った妹に、責任の全てを押し付ける形になった親友。
確かに下手に話せることではない。
47年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/03(金) 10:37:54 ID:lFQ6R57C
「……で、これからどうする?」
「お前のことはお前が決めろ。俺は死者でお前は生者だ、好きにすればいい」
「勝手に起こしておいて無責任な……」
「勝手に寝たお前に言われたくはないな」
「ぐっ……」
ぼやくライに、ルルーシュの容赦ないツッコミが突き刺さる。
しかし実際問題、これからどうしたものだろうか。
かつての友人たちを頼れば人並みの生活は手に入るのだろうが、先程述べたように顔を合わせづらいものがあるし、迷惑はかけたくない。
かといって戸籍がない、お金もない、伝手もないのないない三拍子ではどうしようもなかった。
「困っているようだな、ライ」
「見ればわかるだろう」
「そんなお前に一つアドバイスをしてやろう。ジェレミアを頼れ」
「ジェレミア? ああ、オレンジの……」

ジェレミア・ゴットバルト。
純血派を率いる若手将校→オレンジ→敗北→改造→敗北→再改造→黒の騎士団へ→オレンジ畑のおじさん。
と、簡単な履歴を並べるだけでも波乱万丈な人生を送っているビックリ人間だ。
ルルーシュの話では、最後まで忠義を貫いた真の騎士という評価なのだが……

「なんでオレンジ畑?」
「奴ならば、お前一人養うくらい簡単だろう。俺の名を出せば快くお前を受け入れてくれるはずだ」
「いや、だからなんでオレンジ……わかった」
今現在、世界でも最強の戦士の一角である彼が何故オレンジ畑で働いているのか?
誰もが気になっていた部分を問おうとするライだったが、ルルーシュのあまりのスルーっぷりに諦めざるを得なかった。
「よし、話は決まった。では早速出立しよう」
「ていうか、君もついてくるつもり?」
「無論だ。折角見つけた話し相手、逃がしはしないぞ!」
ゼロのポーズをとりながら肩に乗るルルーシュに溜息を一つつきながら石畳を踏みしめる。
平和になった世界では、何が待ち受けているのだろうか。
期待と不安、そしてミニチュアな親友を供に、ライは出口へと歩き出した。
48名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 10:38:03 ID:tgMA1i4b
支援
49名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 10:38:14 ID:Fnzt5KGh
支援
50年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/03(金) 10:39:49 ID:lFQ6R57C
おまけ@

「ところでライ」
「なんだい?」
「どうやってこの島から出るつもりだ?」
「…………え?」

打ち捨てられていたボートをなんとか修理しました。


おまけA

「ところでルルーシュ」
「なんだ?」
「君、僕のところに来るまで知り合いに会いにいってたようだけど……変なこと、してないよね?」
「……何を言っている?」
「壁抜けできることをいいことに、ナナリーの寝顔を覗いたり着替えを見守ったり、あまつさえお風呂に一緒にはいったりしてないよね?」
「俺はナナリーの兄だからな」
「それ答えになってないよ!? ていうかやったな、やったんだろう!?」


おまけB

「そういえば、お前以外にも一人だけ俺の声が聞こえた奴がいたな」
「へえ、誰だい?」
「扇だ。奴の枕元で話しかけたらうなされていたぞ」
「いや……気持ちはわかるけどさ、やめてあげようよ」
51年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/03(金) 10:42:04 ID:lFQ6R57C
以上です。
基本的にこの話は生き残った面子とライとの交流話になるはず。
まあ何人か何をやっているのか、何故それをしているのかという面子がいますがそこは想像で。
52名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 11:06:38 ID:tgMA1i4b
>>51
GJです!ルルーシュが存在してるってのが嬉しいお話ですね。
ルルーシュのシスコンっていうか変態ぶりがステキでしたw
ハッピーな交流話を期待してます。
53名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 11:16:53 ID:T9r4ETZv
>51
あの最終回のあとでルルーシュにほのぼの笑えるときが来ようとはw
起こしてみたら起きちゃったっておい。セリフの端々ではしんみりと。
ありえなかったIFに・・・というセリフはルルーシュらしいなと。

奇妙な二人の道行きがどうなるのか。続き、楽しみにお待ちしています!
54名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 12:05:48 ID:zjxyr8/n
>>51
年下専門卿、GJでした!
手乗りルルーシュ……シュール。
そして枕元に立つって、悪霊じゃねーかwww
原作終了後の話、大変期待させていただきます!
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!




……ここからは独り言
最初、無意識にロリコン卿と打ってたorz
55名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 19:25:23 ID:UpG8cwmJ
>>51
『俺はナナリーの兄だからな』
なんか最強なセリフな気がするwww
56名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 22:30:08 ID:fx0U6iVe
投下したいのですが、支援お願い抱きますか?
合計で6〜7レスの予定です。
微妙なので・・・。
57名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 22:34:30 ID:2a7figG9
支援
58名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 22:37:25 ID:fx0U6iVe
支援表記ありがとうございます。
支援よろしくお願いいたします。

タイトル「思いを君に…その3」
カップリング「なし」
ジャンル「ほのぼの」じゃなくなりつつある・・・。(汗

○注意点○
このSSでは、オリジナルの設定等があります。
そういうものが駄目な方は、スルーをお勧めします。
本編5〜6レス+終了1レスの合計で6〜7レスの予定です。

なお、投下は2分前後ごとに行う予定ですので、5分超えた場合は、トラブル発生と思っていただいて結構です。
その際は、再度投下しなおします。
59名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 22:40:01 ID:2a7figG9
支援
60あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/10/03(金) 22:40:13 ID:fx0U6iVe

思いを君に…その3


「おーいっ。飲んでるかぁ〜♪」
玉城は実にご機嫌である。
この前奢ってもらったんで…と誘って玉城の行きつけの居酒屋で二人で飲んでいたりする。
なぜ、こんな事になっているかというと、前回の報告の後、井上さんの悲痛なお願いで玉城の例の女性の好みについて再度調査を依頼されたからだ。
もちろん、ここの飲み代は井上さんに請求となっている。
あとで領収書貰わないと…。
なんか気分は、接待しているサラリーマンのような感じだ。
あくまで、知識で知っているだけだが…。(その知識は、玉城からたっぷりこの前の飲みに行ったときに教えてもらった。)
そんな訳で、今の状態にいたっている。
「はいはい…飲んでますよ…」
苦笑しつつ、ウーロン茶に口をつける。
あははは…もう暫くお酒はいいです・・・。
カレンにも怒られたし・・・。
おっとっと…本題に入らないと…。
そう思っていると、玉城から話を切り出してきた。
表情がおちゃらけたものから真剣なものに変わる。
「で…話があるんだろ?」
こういう事は鋭いなぁ相変わらず。
人の気持ちを読んだりするのに長けているのかも知れない。
もっとも、遊び以外にはあまり活用してない気がする。
もったいないかも…。
61あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/10/03(金) 22:44:28 ID:fx0U6iVe
「しかし、よくわかったね」
「まぁな…。伊達にお前より年食ってねえしな…」
その言葉に苦笑する。
この前は、記憶がないから未成年かどうかもわからんだろうがと屁理屈をこねていたのに…。
こういう切り替えの早さも彼の長所かな。
「で・・実は、前回の女性の好みなんだけど…」
そこまで言うと、玉城は苦笑した。
「やっぱ、わかっちったか…」
「あれ…井上さんですよね」
ぐっとコップのビールを一気飲みすると素直に肯定した。
「そうだよ…。俺が唯一認めるいい女は、今のところあいつだけだからな」
苦笑しながら話を続ける。
「もっとも…井上にとっちゃいい迷惑だろうけどさ」
そういい終わると、ビールをコップに注いでもう1回一気に飲み干す。
僕は、何も言えなかった。
慰めを言うべきではないと思ったし、希望もないのに希望をもたせるような無責任な発言は相手に失礼だと思ったから…。
だから、黙っていることしかできない。
「しかし…ライ、お前は本当にいいやつだな。
慰めたり、希望をもたせるような事を言わないっていうのは、ある意味勇気の要ることなんだぜ。
それにそれだけ相手のことを考えているってことでもあるしな…。
ほんと…こんないいやつを親友に持てて俺は幸せだぜ」
そう言うと僕のコップに自分のコップをコッンと当てる。
乾杯のつもりらしい。
「まぁ、お前には言ってもいいか・・・」
そうつぶやくと「まぁ、つまらなかったら聞き流してくれよ」と言って話し始めた。
62名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 22:44:57 ID:Fnzt5KGh
支援
63あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/10/03(金) 22:47:22 ID:fx0U6iVe
「前に話したと思うけどよ、戦争始まる前は、こう見えてもエリート街道まっしぐらだったわけよ」
僕は、黙ってうなづく。
珍しくブルーになっていた時に話を聞いた記憶がある。
そして、僕のことを《戦友》って呼んでくれたっけ。
とてもうれしかった事を思い出していた。
そういえば、その頃からだろうか、玉城とよく喋るようになったのは…。
「あの頃は、今じゃ信じられないだろうけどよ、女にモテモテでさ・・・何人もの女と遊びまくってたんだぜ。
もちろん、いろんな知り合いもいてさ、人生絶好調って感じだった。
あー、そうそう、井上ともその頃からの知り合いでさ。
当時は、ただの知り合いって程度だったかな。
たまにしゃべる程度の間柄って感じだな。
もっとも当時は、ウザイ女って認識しかなかったけどな。
おっと、話がずれたな・・・。
えーっと・・・人生、絶好調ってとこまでだったな・・・。
そんな、感じで楽しんじゃってたんだよ・・・俺は・・・俺の人生を・・・。
ところがだ…。戦争が始まって、エリート街道から落っこちたら・・・さ・・・」
苦笑し、そこで一息入れた後、続きを話し始める。
「俺の周りには誰もいなくなっちまってた・・・。
結婚するつもりで付き合ってて、婚約してた女もいたんだぜ。
それがさ…・・・そいつも・・・俺を捨てていきゃがった・・・。
何も言わずに・・・だぜぇ・・・。
ほんと・・・馬鹿みたいだろう?」
玉城がすごく寂しそうに見えた。
玉城にとって、それは悪夢以上のものだったんだろう。
信じていた人にさえ、見捨てられたという現実は・・・。
64あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/10/03(金) 22:50:15 ID:fx0U6iVe
「だけどさ、そんな中・・・あいつだけは・・・井上だけは、違っていたんだ。
いつも通り世話を焼いて、文句を言って・・・本当にいつも通りに対応してくれたんだ。
結局さ、婚約した女やいつも俺の周りにいたやつよりもあいつが本当の俺を見ていてくれたって事さ。
あははは・・・。
ウザイとしか思ってなかった女が・・・だよ・・・。
ほんと、俺は自分の馬鹿さ加減に呆れてしまったぜ・・・。
そして、ちよっとだけ感謝したかな・・・。
恥ずかしい話だが、泣いちまったんだぜ・・・。
そして、それ以降からかな・・・。
俺にとっては、井上が俺が認める唯一のいい女って認識になったのは・・・」
そこまで喋ると空になったビール瓶を手に持って追加を注文した。
僕も追加のウーロン茶を注文する。
「いいか…井上に言うんじゃねぇぞ。惚れられたらこっちが困っちまう。
それにさ、お前だから話したんだからな・・・、親友」
ふざけた調子でそういう玉城。
きっと照れ隠しなんだろう。
そして、僕はここまで心を割って話してくれた玉城にすごく親しみを感じ、彼の親友という言葉に違和感を感じなくなっていた。
65名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 22:50:49 ID:zjxyr8/n
支援
66あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/10/03(金) 22:53:47 ID:fx0U6iVe
「そういやさ、なんで女の好みとか聞いてたんだよ…ライ」
追加注文分が届き、無駄話を楽しんでいたら思い出したように玉城が聞いてきた。
まぁ、あれだけ話題に振ったのだ。
疑問に思ってもおかしくないだろう。
ここは、誤魔化すことも嘘を言う事もできる。
多分、最初に振られたらそうしただろう。
だが、さっきの話を聞いた以上、誤魔化すことも嘘を言う事もしたくなかった。
だから、素直に話すことにした。
もっとも、名前や細かいことは言わないように気をつけながら…。
「実は…さ。玉城のことが気になっている女の子がいるんだ。それで…」
「そういうことか…」
それだけ言うと興味なさそうにビールを啜った。
「え?!」
てっきり細かくいろいろと聞いてくるかと思った僕は、いきなりの肩透かしに驚いた。
「いろいろ聞かないのか?」
そんな僕の質問に、玉城はめんどくさそうに答える。
「まぁ、興味がねぇって言ったら嘘だけどよ。
聞いてどうにかなるもんでもないしな…。だから聞く気はねぇよ」
「何で…」
「なぁに、前回ので恋だの愛だのは卒業しちまったんだよ。
女とは遊ぶ位の関係で十分なんだよ・・・俺はな・・・」
玉城は、ふざけた感じでそう言って別の話題を振って無理やりその話を終わらせた。
そのあまりにも不自然な対応は、僕には恋愛に臆病になっているように見えた。

《次回に続く…》
67名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 22:54:15 ID:zjxyr8/n
支援!
68あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/10/03(金) 22:56:01 ID:fx0U6iVe
今回は、ここで終了となります。
支援ありがとうございました。

やっと玉城が出たと思ったら、いきなりシリアス展開に・・・。
うーん・・・おちゃらけさせれなかった…。
まだまだですねぇ・・・。
それに短くなってしまった。
ああ・・・ここまでライ視点でやると難しくなるとは思わなかった・・・。
69名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 23:06:50 ID:zjxyr8/n
>>68
あしっど・れいん卿、GJでした!
玉城がカッコいい……玉城が……カッコいい。
……大事なことなので二回言いました。
シリアスはなんか身が引き締まる、それがいい!
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
70名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 23:26:29 ID:9ZMI7jhj
ほ、本当に玉城か……
驚愕の支援

驚愕のあまり言葉がありません
次回も期待しています。
71名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 23:33:36 ID:2a7figG9
あしっど・れいん卿
GJであります

カッコイイ玉城を見る日がこようとは

あと支援宣言しておきながら規制くらいましたすみません。
72名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 23:39:16 ID:T9r4ETZv
>>68
あれえ?
なんか玉城がちょっといい男に見える・・・よ?
井上さん、ちょっとだけ見直してあげてください。
73名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 23:48:20 ID:ThvPX156
こんばんは、24:00に投下予定です
合計で7レスくらいになると思います、支援をお願いします
74ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk :2008/10/04(土) 00:01:02 ID:ThvPX156
こんばんは!毎度ありがとうございます、ピザーライです
今日もSSをお持ちしました
いつも通りコードギアス REGAIN COLORSの続きとなります
それでは、注意をよく読んでお召し上がりください

注意点
ギアス編からR2のお話にライを登場させています
ライを中心にするため本編の一部をカットしている場合があります
合計は約7レスとなります
75名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 00:01:42 ID:GuCFKpEg
支援
76コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/04(土) 00:03:56 ID:9NuErYta
第17話「ライ・ディフェンス」

「負けられない」
ライはとりあえず武器として大きなピコピコハンマーを握り締めていた。
自分はこの帽子を死守しなくてはいけないのだ。
本当ならルルーシュの援護に向かいたいのだが、そうも言っていられない。
「何せ相手はナイトオブシックスなんだから・・・・・」
ルルーシュにも相談をしてこちらにも少なからず援護をしてもらうこととなった。
『しかし、約束は守るのか?もしもの場合は中華連邦への逃走ルートを用意しておくぞ』
「ごめん、ルルーシュ。僕がこちらにいなければ・・・・・」
自分がいることでルルーシュの障害になってしまうことをライは悔やんでいた。
『何を言ってるんだ。俺が連れてきたんだ。責任は俺にある、気にするな』
「ありがとう、ルルーシュ」
『お前については中華連邦のIDを作って偽造はしてあるが、転入の件を調べられれば終わりだ』
「うん、だから勝たなくちゃいけない」
ルルーシュはライについてのIDがないことに疑問を持っていた。
その点がライについて自分が把握していない部分の1つだった。
ライのことは信頼している、上司としても友人としても。
だからこそ、ライについて隠されている部分をルルーシュは知りたかった。
『それじゃあ、ライ。気を付けろよ』
「お互いにね」
そう言ってライは携帯を切ると開始の合図を待った。
何故こんなことになってしまったかというとミレイのイベントの宣言後のことだ。
77コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/04(土) 00:06:43 ID:9NuErYta
「丁度いい、これで勝負しようじゃないか」
ジノがそう言ってライへと笑いかけてくる。
「ライ、お前はアーニャに帽子を取られたら負けだ」
「・・・・・・・・へ?」
ライは一瞬、ジノが何を言っているのか訳が分からなかった。
それはそうだ。帽子を交換した(された)2人は強制的に恋人同士なのだ。
「学生らしいだろう?それに1対1とフェアな勝負だ。な?丁度いいだろ?」
「・・・・・あのさ、ジノ?さっきの話・・・・ちゃんと聞いていたよね?」
「ライ」
アーニャに呼ばれ、ライはそちらのほうを見る。そこには・・・・・・・。
「手加減しない」
そう宣言するアーニャの姿があった。勝負事で負ける気はないらしい、目が本気だ。
しかし、ライは勝負方法ではなくその結果に当惑していた。
「あの、アーニャ、君が勝ったら僕と君は恋人同士なんだよ?」
「別にいい」
「えええぇぇぇぇ!?」
アーニャの言葉にライは驚きの声を上げてしまう。
「勝てればいいから」
「アーニャにとってはそっちが大事なんだ」
ライはそんなアーニャに溜め息を付くしかなかった。
ジノはライの肩に腕を回しながら笑ってライに話しかける。
「要はライが勝てばいいだけじゃないか。勝てないとでも」
「分かったよ。僕は君たちの条件を飲まないといけない立場だ。逃げ切ってみせるよ」
「よし、よく言った。アーニャ、本気でいけよ」
「言われなくても」
そんな色々と常識外れな2人にライは盛大な溜め息をついたのだった。
78名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 00:08:10 ID:U+a9Fsiz
支援
79名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 00:08:14 ID:iWbfDyoi
支援
80名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 00:09:00 ID:DXaN1AGg
全身全霊で支援!
81コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/04(土) 00:09:16 ID:9NuErYta
そんなことがあり、ライはアーニャに帽子を奪われてはいけないのだ。
しかも、アーニャ以外にも帽子を奪われてはいけない。
それは不正をしてはいけないためだ。それは良く分かる。
「どちらにしろ、最大の敵はアー・・・・・」
『3年D組のルルーシュ・ランペルージの帽子を私の所に持ってきた部は部費を10倍!
 同じくD組のライの帽子を持ってきた部は部費を5倍にします!それではスタート!』
「・・・・・・敵はアーニャと会長か」
ライは溜め息を付いた。
いつの間にか廊下は部活動メンバーやライを狙った女子生徒が取り囲んでいた。
「くそっ、仕方ない!」
そう言ってライは手近の窓を開けてそこから下へと飛び降りた。
「なっ!?ここは3階だぞ!」
「下へ!下へ向かえーーー!」
そんな声が上から聞こえてくるが、ライはそのまま走って逃げる。
「もらったーーーっ!」
フェンシング部員たちがレイピアを構えて突撃してくる。
ライはそれをピコピコハンマーを持って迎え撃つ。
フェンシング部員たちとライが交錯し、フェンシング部員たちの帽子が全て地面に落ちた。
「ま、負けた」
そう言って部員たちはバタリと倒れる。
帽子を落としたら負けというルールはないが、ノリがいいということだろう。
ライはそのままルルーシュが指定したルートを走る。
ちらりと横目には華麗に花火をバックにアクロバティックにジャンプするルルーシュの姿があった。
「・・・・・・・咲世子さん」
ライはそんな姿に苦笑いを浮かべながら走っていた。
82名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 00:11:37 ID:DXaN1AGg
支援
83コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/04(土) 00:12:33 ID:9NuErYta
『お色気部隊、用意!』
「ルルーシュ君には効かなかったけどライ君だったら・・・・」
案の定、ライは前方の女生徒たちを見て固まってしまった。
全員が際どい服を着ているためにライは顔を真っ赤になってしまう。
「きゃ〜っ、真っ赤になってる〜。可愛い〜」
「何だか会長に持っていくの、もったいないかも〜」
「でも、部費5倍よ?」
「駄目、我慢できな〜い。貰った〜!」
「あ!抜け駆けずるいわよ!」
そうやって一人の女生徒が帽子を取ろうと手を伸ばす。
(しまった!)
ライが我に返ったときには避けられない距離にまで詰められていた。
(やられる!)
伸びてくる手がスローモーションのように見えた。
これを取られてしまえば、自分はジノたちに身元を調べられてしまう。
そうなればルルーシュとの繋がりがバレてしまい、この学園だって危険になってしまう。
(あぁ、僕はなんて馬鹿なんだ)
ライは自分の愚かさを呪った。
しかし、女生徒の手が帽子に触れることはなかった。
84名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 00:14:27 ID:U+a9Fsiz
行け支援の騎士よ
85コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/04(土) 00:16:41 ID:9NuErYta
次の瞬間、ライが気が付いた時には近くの茂みの中だった。
「大丈夫ですか、ライさん」
そう呼ばれて隣を見るとロロの姿があった。
今のこの状況を鑑みて、ロロのギアスだということに考えが行き着く。
「すまない、ロロ」
「全くですよ、あんなお色気に騙されるなんて」
『あぁ、その通りだ。ロロ』
通信のルルーシュまで同意してきた。
(いや、ルルーシュだったら僕と同じにな・・・・・らないか、ナナリーならともかく)
『何か、今とてつもなく失礼なことを考えなかったか?』
「いや、何でもないよ」
疑いの声にライはしれっと答える。
『ともかくこの事はC.C.やカレンに報告だな』
「何でそうなるのさ!」
そうやってライは叫ぶしかなかった。
何故2人に報告するのかは分からないが、間違いなくヤバイことだという感じがした。
そんな会話をするライとルルーシュをロロはクスクス笑って見ていた。
「笑わないでくれよ、ロロ。こっちは真面目に・・・・」
「でも・・・フフッ、アハハハハハ」
そうやって笑うロロを見てライも笑ってしまう。ルルーシュも通信の向こうで笑っている。
(何だ、今まで避けてきた僕が馬鹿みたいだな)
今までロロに警戒心を持って接してきたが、ここにきてそれが薄れてきていた。
ロロともちゃんと話をすることがもう少しで出来そうだとライは感じた。
86名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 00:17:02 ID:eYSxPCK7
支援
87名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 00:17:54 ID:U+a9Fsiz
支援
88コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/04(土) 00:19:15 ID:9NuErYta
その後、ロロと別れたライは馬術部から馬を拝借し、馬に乗って逃げていた。
これなら少なくとも普通の人では追いつけない。
先ほどまで追いかけてきていた馬術部も簡単に撒くことが出来た。
馬を駆り、戦場を駆け抜けたライと部活として馬に乗っている部員とではやはり格が違う
「それにしても・・・・・・」
未だにライはアーニャに会っていなかった。
勝負事に真剣なアーニャならば直ぐにでも仕掛けてくると考えていたのだ。
「まぁ、それなら安し・・・ん・・・・?」
そう言おうとしてライの言葉が止まった。
学園の外から何かが近づいてきていた・・・・・・・空を飛びながら。
「モ、モルドレット〜〜〜〜ッ!?」
ライはそう叫ぶとすぐに馬を下りて校舎の陰に隠れる。
「ル、ルルーシュ!」
『まさかここまで一般常識に欠けているとはな。建物の中に隠れろ、それがベストだ』
「了解」
そうやってライは校舎へと入ろうとしたときだった。
「アーニャ!ここにライがいるぞ〜」
「なっ!?ジノ!!」
上を見ると校舎の窓から身を乗り出したジノがライを指差しながらモルドレットへ手を振っている。
モルドレットもそれに気付いたのか、こちらへと向かってくる。
89名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 00:21:02 ID:iWbfDyoi
支援
90コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/04(土) 00:22:52 ID:9NuErYta
(やばい、何か・・・・・・)
そうやってライは辺りを見回すと先ほどの科学部の花火の筒が見える。
どうやら花火はもう装填済みのようだ。
「使える!」
ライはそう言うと科学部の方へと走り出す。
後ろから近づいているので科学部員たちはライに気が付かない。
「ちょっとこれ借りるよ!」
「え?」
科学部員たちがライの姿を確認した時にはライは花火の筒を全てモルドレットへと向ける。
「発射!」
その声と共に花火がモルドレットへと放たれ、丁度手前で花開いた。

パパパーーーーン!

花火が一瞬目くらましとなり、アーニャは目を瞑ってしまう。
目を開けた時にはライの姿はなくなっていた。恐らく建物の中に入ったのだろう。
「・・・・・逃がした」
アーニャは少し悔しそうに呟く。
建物の中に入ってしまうと熱源反応だけじゃどれがライが分からないのだ。
ふとアーニャの視線の先には凄いスピードで走るルルーシュの姿を見つけていた。
91名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 00:23:49 ID:eYSxPCK7
支援!
92名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 00:25:16 ID:U+a9Fsiz
支援
93ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk :2008/10/04(土) 00:25:37 ID:9NuErYta
以上です!いかがでしたでしょうか?
ラブ・アタックのお話は短編でもやったので何だか普通になってしまいました
それに今回は書きたいところまで書いてしまうと問題が・・・・
実は次の話で丁度いいところで切りたいのでこちら側が少し不自然(?)に
次の話ではついに彼女が・・・・そして、やっとライに光が・・・・・
多分、次の話は明後日くらいには投下できると思います

次回第18話「ライの記憶」となります、お楽しみに
それでは、また次の配達で!
94名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 00:29:47 ID:DNPTeniC
相変わらず面白い。。。
95名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 00:36:53 ID:1atY9rzk
GJでした、とりあえず純情なライがイイです
96名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 00:43:05 ID:eYSxPCK7
>>93
ピザの配達人卿、GJでした! 今回も美味しくイタダキました!
ピコピコハンマーでレイピアに勝利……それにしてもフェンシング部員のノリwww
お色気部隊は普通の男には効くと思います。
たぶん、ルルーシュとロロはその辺超越してるんじゃ……
貴公の次の配達を全力でお待ちしております!
97名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 05:54:30 ID:x7v1LGMe
このアーニャとのフラグはまさか、ライ、C.C.とともにジェレミアの家に身を寄せ両手に花フラグでは…
98名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:03:10 ID:93c18YpQ
15分頃に投下したいのですが、大丈夫でしょうか?
99名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:08:22 ID:5QlPDEVY
はい。支援します。
100ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 16:15:15 ID:93c18YpQ
ありがとうございます
支援してくれる人に感謝です
今回は、前書き・本文・後書き合わせての21レスです

タイトル:コードギアス 反逆のルルーシュR2 RADIANT WORLD
カップリング:今は特になし
ジャンル:シリアス・長編
備考:第4話です。R2のifルートを豪快に進んでいくので苦手な人にはごめんなさい
後、長い割にそこまで物語が進んでないです。すみません
101名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:16:20 ID:5QlPDEVY
支援
102ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 16:17:05 ID:93c18YpQ
少年はもう一度、立ち上がった。
かつて果たせなかった、願いの為に。
それは、偶然が与えたチャンスなのか。運命が下した罰なのか。

第四話『朱 と 蒼 再び』

処刑の期限が迫る中、ルルーシュとライは共に動きをみせない。
不安と懐疑で押し潰されるのに、カレンは耐えられないのか。
無言でノートPCに夢中の、ライに問いただした。
「なんとかなるの?」
「さあ? どうにか、なるんじゃないかな?」
興味が無さそうな返事に、カレンは怒りが込みあげてくる。
卜部は、黙って持すると決め込んだらしく、口を挟まない。
C.C.はその状況を静観しながらも、何か思うところがあるのか。
二人をただ眺めていた。まるで、行く末を見守るかのように。
重い沈黙が流れる。その沈黙を破るかのように、爆破音が総領事館に響き渡った。
ライ以外が驚くと同時に、通信機にコールが入る。
『大変ですゼロ! 中華連邦が突然』
仕掛けをしていた四者の一人、星刻が最初に行動を起こした。
その判断と決断。計算の鮮やかにライは尊敬したが、同時に恐怖も感じていた。
三人が顔を見合わせて、止めにいこうとするのをライは即座に制する。
先程まで傍観を決め込んだ彼も、星刻の行動の早さを看過できなくなったのだ。
「とりあえず、相手の出方を待ってみよう。それからでも、遅くはない」
103名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:18:40 ID:5QlPDEVY
支援
104ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 16:19:05 ID:93c18YpQ
ルルーシュがいない今、頼れるのは彼だけ。だが、防衛手段を持たずに待つのも無用心である。
それを気づかいライは、銃器のチェックだけはするように三人を促す。
それだけを伝え、そのままノートPCの作業へと戻った。まるで、客人でも待つかのように。
三人は彼の目論見が読めず困惑したが、今は頷くしかなかった。
再度の沈黙。不安を打ち消そうとカレンがC.C.に訊ねた。
「総領事には、ゼロが結んだ契約があるんでしょう? なのに、どうして?」
総領事、大宦官の一人である高亥。彼はライが使ったギアスで、既にゼロの傀儡だ。
カレンも高亥にギアスを使った事は知っている。ただ、使ったのがライではないことを知らないだけだ。
C.C.に訊ねたい事は、そのギアスが無効になってしまったのかだ。少々言葉を変えてあるが。
同室している卜部はゼロの正体。ギアスの事。そのどちらも知らないので、仕方のない事でもある。
C.C.もそれが解っており、返事も少々曖昧に返す。
「さあな? ただ、ここを取られるとゼロと私達は」
C.C.の組み直していた銃がバラバラになる。まるで、これからを暗示するのかのように。
その横でノートPCに集中していたライが、バラバラになった銃に手を伸ばす。
そのまま、組み直しながらC.C.の言葉に付け加えた。
「バラバラになったら、また繋ぎ合わせていけばいいさ」
言うが速いかという位の速さで、銃を組み直してC.C.に渡すライ。
受け取った銃を、C.C.が一通りチェックするのを見ながら、カレンがライに問いかけようとした時。
部屋の扉が開いて、一人の男が姿を現す。
「意外だな。一人で来るとは」
黎星刻。牙を剥いた麒麟児は、彼等の眼前に立った。
総領事は合衆国日本を承認している。なのに、なぜ騎士団へ攻撃をしたのか。
そのカレンの問いかけに星刻が返した言葉は、ライの予想範囲内だった。
105名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:21:23 ID:5QlPDEVY
支援
106ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 16:21:42 ID:93c18YpQ
「その方は、亡くなられる予定だ。それとも」
星刻はライを見つめる。その目に、言葉の続きが必要かを問うように。
「要求は解りました。受諾しましょう」
黒の騎士団の存続を優先したライは、星刻の提示するであろう条件を飲んだ。
高亥は、黒の騎士団との戦闘による死亡。その負い目を背負ってでも、騎士団が存続できるならと。
だが星刻には、打っておきたい手がまだあった。
「それから、君が動きをみせない場合。明日何が起きても、我々は見過ごさせてもらおう」
その要求に四人は驚いた。ゼロではなく、ライを名指しで指名した事に。
ライもそこまでは、予想していなかった。
星刻がゼロという記号ではなく、自分という実像に標的を定めた事。
その狙いが読めないライは、射殺しかねない程の眼で相手を睨む。
それを見たカレンと卜部が、恐怖を感じる程に。
「ゼロの実力は、既に証明されている。だが、君達はあくまで駒でしかない」
星刻の目論見には、ゼロは些かではあるが必要な存在ではある。
だがゼロという頭が残るのであれば、騎士団という体は必要ない。
暗にそう語る言葉に、ライは苦虫を噛み潰させられた気持ちだった。
「……他に要求は?」
「それだけだ。これは君にとっても黒の騎士団にとっても、悪くはない取引だとは思うが?」
これで明日の処刑までに、ライは自身の実力を見せなくてはならなくなった。
ゼロだけが動かなかった場合。
高亥を殺して行方不明と言い張られ、自分達はブリタニア軍に引き渡される。
逆にライだけが、動かなかった場合。
捕まっている騎士団の主要メンバーを、ゼロが救出したとしても中華連邦に見捨てられる。
両方動かなかった場合は、騎士団は完全に息の根を断たれる。つまり、選ぶ道は他にない。
だが両方動いた場合は、星刻に高亥の件で借りを作れる。
ルルーシュに並ぶ智略を突破するよりは楽であろうと思い、ライはその要求も承諾した。
107名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:24:17 ID:5QlPDEVY
支援
108ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 16:25:14 ID:93c18YpQ
「私達は思わぬ引き金を引いたらしいな。高邁なる野望か、俗なる野心か」
C.C.の言葉を背に星刻は部屋を出て行く。

星刻が部屋を去ってからは、沈黙とキーボードの叩く音だけが漂っていた。
動けと要求されたのにライは、ノートPCの作業に集中している。
「ホントにどうするのよ……」
「大丈夫だよ、手は考えてるから。っと、これでよし」
作業を終えたのか、ライはノートPCからKMF用のメモリーステックを抜き出す。
「カレン。悪いけど、これを僕の月下に入れておいて」
カレンにそれを渡して、ライは上着を羽織って出かけてしまう。
渡されたメモリーステックをしげしげと見て、彼が何を考えているのか益々解らなくなるカレン。
「なんなのよ、もう」
そのまま面倒くさそうに立ち上がって、部屋を出て地下倉庫へと向かう。
メモリースティックの中身。カレンは月下にそれを入れて、ようやく気づいた。
それは、月下の出力関係のプログラムを微調整したデータだった。
ラクシャータ曰く。他の月下と性能は同等だが、出力傾向が紅蓮弐式並にピーキーで並のパイロットでは扱いがたい機体。
つまり、騎乗していた人物はかなりの実力者という事になる。
だが、それ程の人物を団員達は誰一人覚えていない。
ラクシャータも不思議に思ってはいたらしいのだが、騎乗ログがある以上は誰かが騎乗していたのは確かだ。
多くは語らなかったが、ログの戦闘データは参考になると語っていた。
ブラック・リベリオンが失敗した時、カレン達は倉庫に置いてあったこの月下を回収していた。
あくまで予備パーツという認識だったのだが、幸いそこまで切迫した状況には追い込まれずに済んだ。
そして一ヶ月前。ライが合流して、彼がこの青い月下に騎乗する事になる。
109名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:27:06 ID:5QlPDEVY
支援
110ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 16:28:03 ID:93c18YpQ
カレン達は、あの細身で扱いきれるのかと懐疑的だったが、バベルタワーでの戦闘でその認識を覆された。
さらにカレン個人も、思わぬトラブルから見てしまったライの体から、その認識は間違いだとより強くなっている。
いままでパイロットがいなかった月下、その月下を自在に扱うパイロット。
「ライ……貴方、何者なの?」
その頃、ライは電話でルルーシュと明日の作戦の相談をしていた。
電話も機情に録音される可能性があった為、ライ自身が用意しておいた直通の電話だ。
星刻の要求を伝え、ルルーシュの現状を質問した。
『一人厄介なのがいるが、なんとかなるだろう。問題は』
「ギルフォード卿と捕虜か。策はあるのか?」
ルルーシュは、租界の構造を逆手に取って総領事館の領土に連れ込む作戦だった。
ただ、これでは悪戯に危険を招く可能性があった。
ギルフォードが敷いた陣形はベターなものだ。
ベースを後方側に配置して捕虜は中心に置き、周囲をKMF等で囲む。
このままの状態で、総領事館へと租界のプレートを傾ければ、確かに騎士団は助けやすい。
だが突発的にプレートを傾ければ、ギルフォード達も対処できずにこちらへ来てしまう。
手は出せなくても、落ちてくるベースなどで捕虜達も殺してしまいかねない。
『危険性は確かに高い。だが、全員を失うよりはマシだろう』
「相手は何度か君と交戦した事がある相手だ。以前の策と同じだと、対処されてる可能性もある」
勿論、裏をかいて同策を使うという発想もある。
ギアスを使うのも考慮済みなのだろうとライは思ったが、少々受け入れ難い内容だった。
「タワーの時はその場にいなかったから仕方ないけど、ギアスに頼りすぎるのもどうかと思う」
『それは、経験談からくる助言か?』
「ああ、ギアスにはリスクがない訳じゃない。それは、既に僕で証明されてる」
111名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:29:19 ID:5QlPDEVY
支援
112ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 16:30:04 ID:93c18YpQ
ライのギアスは、今も彼を蝕んでいる。暴走するまで増した力を、制御しているから無事なだけだ。
それに制御ができていても、いつどうなるかはわからない。
ルルーシュに自分と同じ過ちを繰り返させない為。
ライは自分を含め、ギアスを極力使わせないつもりなのだ。
『では、どうする。正面突破でもする気か?』
「もしくは僕を人質にして、交換でもするか?」
ライの立場は、テロに巻き込まれ騎士団に連れてこられた民間人だ。
こういう条件下も想定してのライが取った選択肢ではあったのだが、本来は違う。
ブリタニア人でも民間人を攻撃せず、テロには巻き込まない。
テロリストと一線を画すには、そういうクリーンなイメージも必要である。
それが自作自演なのが、ライには不満なことを除いて。
『それも危険だな。星刻とかいう外交官の要求がネックになる』
ライも幾つか考えたが、自分達の都合だけ考えれば最初に提示した作戦で十分だった。
問題点はルルーシュの言う通り、星刻が要求したライの手の内を見せろ、だ。
その要求上、ルルーシュの尻馬に乗っていては駄目である。
「ルルーシュ。君は、僕達を信じられるか?」
『……それは、お前以外も含めて全員という事か?』
「もちろんだ。正直に言ってくれ」
ライはルルーシュに決断を委ね、同時に決意を迫った。
この先、ルルーシュが自分達を駒扱いするだけでは行き詰るのは明白だ。
今回はライが星刻を受け止めたが、この先に彼がいるとも限らない。
重要な局面で。自分一人だけで。解決できない状況がきた瞬間。
その時に駒としてではなく、仲間として。それを信じて決断を委ねられるか。
113名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:32:13 ID:5QlPDEVY
支援
114ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 16:32:33 ID:93c18YpQ
『今はまだ……な。だが、いずれはそうありたいとは思う』
「そうか。ありがとう、前向きな答えが聞けただけで十分だ」
ライも性急に答えを求めていたわけではない。だから、一歩進んだだけでも満足している。
そして、明日どうするかの決意もした。
「明日は、以前使った策でいく。君は監視の掌握に集中してくれ」
『いや、俺もそこに向かおう。その方が段取りが幾分楽になるからな』
「解った。それと、すまない。色々と言って」
『気にするな。お前の簡単には妥協しない思慮の深さは、嫌いじゃないよ』
互いに当日の作戦を詰め、確認を済ませて電話を切る。状況は厳しくなりつつある。
時刻は既に、日が昇りはじめている時間だった。

「カレン、いつまで寝ている気だ?」
C.C.に揺さぶられて、カレンはゆっくりと目を開ける。
しばらくボーっとしてから、体を勢いよく起こして状況はどうなったかをC.C.に問いかけた。
処刑の時間まで、後一時間である事。その間にライが色々と動いていた事。
そして、紅蓮の出番がある事を聞かされる。
「それって大丈夫なの?」
「さあな? どちらにせよ、私達には選べる選択肢が少ない」
星刻の出した要求。ギルフォード達から捕虜の救出。どちらも容易な事ではない。
カレンも紅蓮を使うという事は、戦闘をして救出するのは理解した。
だが、一体どうするのかと考えようと手に力を入れた瞬間。
先程から握っていた、ライの上着の存在に気づく。
「……C.C.、誰が私をここに連れてきたの?」
「なんだ。ライがここまで運んだのを、覚えていないのか?」
115名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:32:41 ID:DNPTeniC
支援
116ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 16:34:05 ID:93c18YpQ
昨晩、カレンはライの月下が気になり、騎乗ログをずっと眺めていた。
特に数日前のバベルタワーのログは、参考になる点が多くカレンも釘付けになっていた。
そこまでは覚えている。どうやら、そこからは眠っていたらしくライが部屋まで運んだらしい。
「まあ。寝惚けてなければあんな事はしない、か」
C.C.の含み笑いが気になりカレンが問いただすと、C.C.は情緒豊かに語りだした。
「流石のお前も、あんな風に抱きかかえられたら小娘に見えて、意外と面白かったぞ」
ライは戻ってから月下を見に行ったら、カレンが操縦席で見事に寝ていたらしい。
ここで寝続けさせるのも体に悪いだろうと思い、いわゆるお姫様抱っこで寝室に連れてきた。
ベッドに寝かせたのはいいが、今度はカレンが上着を掴んで離さない。
そのまま握らせておいたら、寝言で『お兄ちゃん……』と何度か呟きだした。
少し泣きながら上着を握るので、ライも諦めて上着を預けていったという経緯を。
「ライに妹がいて良かったな。寝言とはいえ、あの男相手には中々にいい口説き文句だったぞ?」
「はぅっ!?」
ここまで聞かされて顔が赤くなるカレン、流石に恥ずかしいと思ったのだろうか。
C.C.も反応を楽しむのに、興が乗ってきたのか追い打ちを仕掛けはじめる。
「しかし、また男の上着を盗るとはな。この浮気性め、ルルーシュが悲しむぞ?」
「ふぇっ!? ちょ、ちょっと! ルルーシュは関係ないでしょう!?」
同時刻。中庭では、ライと星刻は互いに確認をしていた。
ライは戻ってきてからKMFの準備を進めていたのだが、それを星刻は特に止めなかった。
「これは、どう受け取ればいいんですか?」
「ゼロが現れたら、君達は自由に動いてくれていい」
卜部に指示を預け、ライは星刻に問いをしてみた。
狙いはいまだ読めないが、こちらへ出した制限は自分が動け、という事のみ。
高亥は昨晩に亡くなっている。いよいよ追い詰められつつあるが、それでも自由な点が多い。
117名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:34:39 ID:5QlPDEVY
支援
118名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:36:56 ID:9i8PCHPA
support
119ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 16:38:01 ID:93c18YpQ
「僕達なら発砲しても知らぬ存ぜぬを貫けるから、といったところですか?」
「昨晩も言ったが、悪い取引ではないはずだ。君達の目的も果たされる」
「武官と評されておきながら、その政治の手腕。尊敬しますよ」
互いに腹の探り合いをしようとするが、今は現状の問題だけに留めた。
時間も迫りつつある中では、ライに探り合いをする余力はない。
星刻も、ライの実力を垣間見る機会を手に入れられ、目的は達成されている。
後は事の成り行き次第で、制止するタイミングをどうするかだけだ。
互いに挨拶もなく別れる二人。ライは自分の月下を見つめる。
今の彼には自分を信じるしかない。そして、ここにいる仲間達を。
思いを馳せる時間。それを砕くのは、毎度おなじみの二人の女性である。
「そう、隠すな。事実は事実だろう?」
「だから、違うってば!」
言い合いが続いていたのか、パイロットスーツに着替えたカレンとC.C.が中庭に姿を見せる。
また、C.C.のからかいに乗ったのかとライは呆れながらも、止めに入った。
「C.C.、カレンをからかって遊ぶな。それに、今は」
「まあ待て。状況は切迫しているが、カレンの恋心も切迫している。乙女心を理解してやれ」
会話の流れがまたも読めないライはカレンを見たが、彼女は顔が赤くなるだけであった。
答えを聞けそうにもないのでC.C.に目線を戻すと、彼女は不適に笑っている。
「自分の心が浮ついて、懇意の男に顔向けができない。と、いったところだ」
「ちょっとC.C.! 誤解を」
「解った解った。ライ、説明をするからこちらまで来い」
C.C.はニヤニヤしながらライが傍に来るのを待つ。
早く準備に戻りたいライも、C.C.の招きに仕方なく応じた。
ライがC.C.の傍まで寄ると、なぜか耳打ちで簡潔に説明する。
120名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:39:52 ID:5QlPDEVY
支援
121ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 16:40:37 ID:93c18YpQ
説明される内容は、あくまでC.C.が楽しむ為に色々と誇張と歪まされた情報混じりなのだが。
一通り聞いた後のライの表情は、その嘘に騙された少年そのものだった。
「カレン、心配は無用だ。ルルーシュは君の事を、大事に思ってると思うよ」
「ちーがーうーっ! C.C.! アンタねー!」
「そう照れるな。愛は人を強くするものだぞ?」
現在の騎士団トップクラス三人の騒ぎを見ている卜部の感想は、他の人達の気持ちを代弁するかのようだった。
「本当に、こんなので大丈夫か?」

処刑の時刻まで数分に迫った。ライは騎士団のKMFを、総領事館の敷地ギリギリで並べる。
民衆はゼロの奇跡を、待ち望むかのように天を仰いでいる。
捕虜になっている団員達も同じような感じだ。
ライは生中継されている画面の中に、ヴィンセントがいる事を確認した。
後は、ルルーシュが仕掛けるのを待つだけの状態である。
処刑の時刻になり、ギルフォードは処刑の開始を宣告する。
『違うな。間違っているぞ、ギルフォードよ』
「後ろに回ったか、ゼロ!」
ルルーシュが背後から現れ、ギルフォードを制止した時。
数度の深呼吸で意を決し、ライは月下をブリタニア軍へと走らせた。
「ギルフォード卿! 黒の騎士団のKMFが一機こちらに!」
「何っ!?」
ライの月下は勢いをつけ跳躍し、ギルフォード率いる部隊の中心部に右膝を付く形で降りた。
まるで、捕虜達の近くで跪くかのように。
「くっ! 捕虜の命がどうなっても」
『待て。交渉は、まだはじまっていないぞ』
122名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:41:54 ID:9i8PCHPA
support
123名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:41:58 ID:5QlPDEVY
支援
124ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 16:42:28 ID:93c18YpQ
ルルーシュはギルフォードが命令を下す前に、スピーカーで呼び止める。
ギルフォードも青い月下を見て、一年前の埠頭での事を思い出した。
「よかろう。しかし、あの時の青い機体か。パイロットも健在なのかな?」
ギルフォードもスピーカーで応じたが、自分を指した言葉にライは、戸惑いと驚きで無言になってしまう。
ライは神根島の遺跡を使い、ギアスによる自分の忘却を望んだ。
だがそれが有効なのは、ライをライだと認識している人物にだけだった。
つまり、曖昧な認識では記憶を連結がされず忘却されない。
ギルフォードと相対した時、名を名乗らなかったのが原因だ。
だが、好転するチャンスもそこにあった。
両陣営に不安と疑念が渦巻く。今はただ、傍観するしかないこの状況に。
「来てくれた……でも……」
「こちらも中佐達がいる以上、迂闊には手を出せん」
「どうする、たった二人で……」
ルルーシュの乗る無頼が、ギルフォードの前へと歩みを進める。
『貴公が処刑しようとしているのは、テロリストではない。我が合衆国軍、黒の騎士団の兵士だ』
国際法を盾にギルフォードへ交渉を進めるが、相手もそれは予想済みだ。
そう簡単には応じない。ルルーシュは、交渉を次のステップに進める事にした。
『もちろん。無条件で、とは言わない』
そう言ってルルーシュは、ライの月下を指差す。ギルフォードはそれを見て、要求を理解する。
ライと捕虜256名を交換しろという要求を。
「一人の命で256名を見逃せと言うのかね、ゼロ?」
『命の重さは、みな平等だよ。だが、彼の実力を知っているのなら、君にとっては256名より価値があると思うが?』
ルルーシュはギルフォードがライの実力を知ってるという、バックグラウンドを見つけられ勝利を確信した。
後は彼自身の問題点である、ロロだけだ。
ギルフォードは先程から動きを見せない月下と、捕虜を見比べるが判断に迷う。
ここで、無条件に交換してよいのかと。
125名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:44:35 ID:5QlPDEVY
支援
126ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 16:45:06 ID:93c18YpQ
ルルーシュもすぐに受け入れないのは読んでいた。
だが、ライの実力を知っているギルフォードだからこその、説得力のある言葉。
最初は弱いかと思われた理由も、これで真実味が増す。
『彼は私の腹心だ。それを君に預ける勇気を、汲んでもらいたいのだが?』
「……良かろう。ただし、彼にはKMFから降りてもらう」
『いいだろう。ではそこにいる我が同胞達は、総領事館へと移動して貰おうか』
捕虜を乗せたトラックが総領事館へと入っていくのを確認したと同時に
ライは仕掛けを済ませ、騎士団の帽子とサングラスで変装をする
そのままKMFから離れ、ブリタニア軍の元へと移動する。
「それで、君達はどうするのかね? まさか決闘に応じず、正面突破でもするつもりか?」
『無論、そのつもりだ。我々も、合衆国の領土へ戻らなければならないのでね』
それを合図にしたかのように、着地体制から動いていない月下が突然地面へと輻射波動を放つ。
ライが着地した地点、そこにはライフラインが幾つも重なっている。当然、水道管等もだ。
輻射波動によるライフラインの連鎖爆発で、プレートが揺れたその刹那。
拘束していた軍人を振り払い、ライは月下の元へと急ぐ。
ルルーシュも、総領事館へと無頼のランドスピナーを走らせる。
『KMFは脱出の援護に回れ! 他の者達は同胞を守るのだ!』
二人が選んだのは、かつての同策。そう、ナリタ連山で使った水蒸気爆発の小規模版だ。
目的も前回とは違う。あくまで自分達のいるプレートのバランスを崩す事だ。
突発的なトラブルに人は、大なり小なりパニックにはなる。
その混乱する時間で、ルルーシュの移動時間を稼ぐ。
ただし、護衛なしでは危険度が高すぎる。だが、敵地に飛び込むのも自殺行為だ。
そこでライが出した補助プランが、自身を交換材料にすると同時に護衛を兼ねるである。
「くぅ! ゼロを逃すな!」
127名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:47:16 ID:9i8PCHPA
support
128ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 16:48:11 ID:93c18YpQ
ギルフォードの命令で、多少の落ち着きを取り戻したブリタニア軍が攻勢に出だす。
領土内に逃げ込まれて、手が出せなくなる前に仕留めなくてはならない。
ルルーシュが幾度かは避けた辺りで、ライの月下が無頼の元に到着する。
護衛しながら、迫るグロースターとサザーランドをできるだけ無力化させていく。
ルルーシュとライは総領事館を背にしながら、後退している。
射線をさげて命中率を高めたいブリタニア軍だが、下げれば流れ弾で総領事館に当てかねない。
プレートの境目が二機の目前まで迫ると同時にルルーシュは指示を出す。
『全機、援護射撃で弾幕を張れ!』
そのまま加速して、二人はプレートと総領事館の隙間を飛び越える。
ライはその飛び越える瞬間、何機かのKMFが射線調整をしているのを見た。
二人の着地予想地点には構造物は何もない。つまり、総領事館に当たる心配がない。
向こうも怒りで、そこも中華連邦の領土内だという事を忘れている。
もはや、総領事館にだけ当たらなければいいと思っているのだ。
「カレン、着地と同時に輻射波動を! 位置取りは任せるから、好きに動け!」
「えっ!? わ、解ったわ!」
ブリタニア軍のアサルトライフルの狙いが定まっていく。
ルルーシュの無頼へと放たれた広範囲のアサルトライフルの弾。
それは紅蓮と月下の輻射波動を、干渉させたフィールドによって防がれる事になる。
カレンが無頼と敵の動きを見ながら、紅蓮の位置取りを調整する傍で
ライは着地の衝撃をスピナーで殺しながら、紅蓮の動きに合わせて隣接し背中合わせにさせて
同時に輻射波動を使い、力場を干渉させて単体では出来ない広範囲でのフィールドを形成させた。
敵の動きを読みつつ、互いに動きを合わせる。ただでさえ、二人に合わせられるパイロットは少ない。
まさに、カレンとライにしかできない打開策だ。
その赤と青の動きは、戦場にいた人間の心を奪う程に鮮烈だった。
129名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:49:44 ID:5QlPDEVY
支援
130ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 16:51:54 ID:93c18YpQ
否、まだ奪われていない者もいる。金色のヴィンセントがルルーシュの無頼へと迫っていた。
(ロロ! まさか、そこまでするとはな!)
「ライ! 危ない!」
ライはすぐに援護へ向かおうとするが、アサルトライフルの銃弾の雨はまだ収まらない。
カレンの声ですぐに察したライは、月下の輻射波動を再度合わせる。
「こっちは動けない!」
「逃げろ、ゼロ!」
何機かが援護に回るも、ハーケンで即座に沈黙させられる。
卜部を向かわせるかライも悩んだが、互いにブリタニア軍に釘付けだ。
ライはロロを止める為の、決断を下そうとした時。
長距離ライフルの弾が、ヴィンセントに放たれたのを確認した。
(不味い。あの弾速と位置では、ロロが危険だ!)
ただ眺めているしかできないライ。
その眼前で起きたのは、ルルーシュの無頼がヴィンセントを庇う光景だった。
そこでライは理解した。あの狙撃は、殺す為ではなく手に入れる為の仕掛けだと。
二発目の発射が無いのも、そのいい証拠であった。
既に勝敗が決しつつある中、ギルフォードはケジメの為にも、と最後の一撃を放つ。
「ゼロ、ここで因縁を絶とう。私の一撃で! この鉄槌で!」
放たれるグロースターのランス。ライ達の位置では、防ぎようが無い。
だが、ランスは止められた。ロロのヴィンセントによって。
ブリタニア軍も、これには流石に驚いたのか困惑している。
治外法権を無視して、領土内に入った味方が敵を庇った。
様々な要素が状況の混迷を加速させるが、終わりもそこへやってくる。
131名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:53:12 ID:9i8PCHPA
support
132ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 16:55:16 ID:93c18YpQ
『そこまでだ、ブリタニアの諸君。これ以上は、武力介入と見なす。引き上げたまえ!』
黎星刻はライの実力を見定められたのか、ここで介入をしてきた。
領土内にランスを打ち込んだ事を盾に、ブリタニア軍への撤退を突きつける。
既に陽は落ち始め、時刻は夕方になりつつあった。
無頼をヴィンセントが連れて行くのを見ながら、ライは小さな願いを込めた。
(ロロ……お前の未来はそこにある。それが今は、かりそめだとしてもな)

ゼロの策と青い月下の活躍により、団員達はまた一つになった。
「中佐……よく御無事で……」
「すまんな卜部、随分と迷惑をかけた。紅月君もだ、感謝する」
カレンは涙を浮かべて団員達の再会を喜び、卜部も感極まって男泣きしている。
だが、ライはその再会の輪に加わっていない。
彼は地下倉庫に月下を戻し、総領事館の一室へ戻ろうとしていた。
その道中で、電話をかけなければいけない相手の事を思い出す。
「ロロ、調子はどうだ? 目の前で暴れられて、驚いたぞ」
『っ……ラ、イさん……』
「心配するな、誰かに言う気はない。お前が望むなら、そのままそこにいればいい」
随分と動揺した声にライは、ルルーシュがさぞかし言い包めたんだろうと思った。
どれだけ、甘い言葉で釣ったかまでは予想出来ないではいるが。
『目的は、なんですか……』
「僕はお前の味方であり、ルルーシュの味方。ただ、それだけだ」
かつて、ライはロロに殺されそうになった事があった。
一年前、神根島でルルーシュとカレンの行方を探していた時の事だ。
その時に命を奪おうとした相手を、今では救おうとしてる。
随分と皮肉な関係だと、ライは自分を自嘲した。
133名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:56:43 ID:9i8PCHPA
support
134名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 16:56:50 ID:5QlPDEVY
支援
135ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 16:58:07 ID:93c18YpQ
「今日は普通にしていろ。僕も、明日には学園に戻れる」
『……わかりました』
電話を切った辺りで、部屋の前に到着する。
とりあえず、ルルーシュ達が戻ってくるのを待つ事にするライ。
外は陽も暮れて夜になろうかと言うところだ。
そこに星刻が現れライは少し、げんなりする。
「やはり、かなりの実力者だったようだな」
「褒めても、何も出ませんけどよ」
ライはちょっと邪険すぎたかと思ったが、星刻は取り留めて気にしてはいないようだ。
話すべき事は互いにある。だが、今話すことでもない。
その僅かな無言。別れの挨拶代わりに星刻は今日の手際を賛辞し、ライはヴィンセントの処理を依頼した。
少し休もうかと今度は寝室へと、移動しようとするがルルーシュ、C.C.、カレンがやってきたのを見て諦める。
どうやらルルーシュが、ここにいない間の情報を整理していたらしい。
そのまま部屋で情報確認の続きがはじまり、ライも交わる事になった。
ヴィンセントの事。その件を担当した、黎星刻という外交官の事。
そして、カレンはそのヴィンセントのパイロットの事を問いただした。
が、ルルーシュはパイロットの事を秘匿する気だ。
「敵対していた件があるからな。名前等は伏せるが、我々の賛同者と考えていい」
その点がライには気になり、ギアスを使ったのかを問うも答えはノーだった。
当面は必要なくなった。その言葉に、ライは少し安堵した。
「それより、C.C.。皇帝に」
「ちょっと待って! 私にもパイロットの事は秘密なの?」
136名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 17:00:02 ID:9i8PCHPA
離席しなきゃいけなくなったんでラスト支援
すみません。
137ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 17:01:03 ID:93c18YpQ
ヴィンセントのパイロットの正体。
ライ自身は、知っているから問いたださない。C.C.は最初から興味が無い。
二人が黙ってパイロットの件を聞き流すという事は、知っていると同義に取られるのも仕方が無かった。
前回の演説の件もあり、カレンが疑問を持つのも当然だ。
また蚊帳の外に放り出されるのは、納得がいかないのだろう。
「いいだろう? 秘め事くらい、持ちたいときもある」
「それは、ゼロとして? ルルーシュとして?」
そして、ルルーシュの返答は自らを地獄へと招いた。
「君との関係も、オープンにはしていないだろう?」
「ちょっと、変な言い方やめてよ! ……って」
カレンは対面のソファーに座っている存在を、思い出した。
ライは若干目が丸くなってる。C.C.は笑っていた、それも極上に。おなかを押さえて。
「ほらな。言ったとおりだっただろう?」
「ああ。まさか、ルルーシュがここまで大胆だったとはな」
カレンは失念していた。ライがC.C.の言葉に踊らされているのを。
ルルーシュも何を言ってるのか、理解できないと表情が語っている。
「ルルーシュ、カレンを大事にするんだぞ。君は少々思いやりが」
「待て、なんの話だ!」
「いちいち慌てるな。私がお前達の関係を、こいつに説明してやっただけだ」
C.C.は曲解した関係を、ライに教えていた。ライもライで根が素直なのもあり、それを鵜呑みにしていた。
つまり、ライはルルーシュとカレンをそういう関係だと認識している。
ライはルルーシュの近くまで行き、手を握って思わず涙を浮かべてしまう。
「色恋の噂が無い事が心配だったけど、これどぅぇ!?」
138名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 17:01:28 ID:5QlPDEVY
引き続き、支援
139ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 17:04:20 ID:93c18YpQ
喋ってる最中に首元を引っ張られ、流石のライも驚く。
ルルーシュも自分が餌を与えなかったのが、この引き金になったのかと思い
後悔したが、今はそれよりも釈明が先だった。
二人に聞こえない様に、努めて声を小さくして話す。
「ライ! あの魔女の言葉を、不思議に思わなかったのか! カレンはお前のパートナーだろう!」
「えっ? それはそうだが、でもそれは戦闘においてだろう?」
ライの中でのカレンは、バディでありラバーではない。
さらに、九州戦から騎士団に合流するまでのブランク。
そして、カレンが自分の存在を忘れている事。
その色々とごちゃ混ぜの中に、C.C.の曲解された説明。
嘘を真実と思わせるには、十分な破壊力だった。
「ああ。だとしたら、バベルタワーの時は邪魔しちゃったのかな? すまな」
「人の話を聞けー!」
純情少年の素直さは感動するところなのだが、ルルーシュは逆に怒りを覚えた。
幸いな事に、C.C.が用意したスペシャルなコンタクトのおかげで、ギアスはかからずに済んでいる。
カレンはC.C.を睨んでいたが、C.C.は自分にピザを食べさせなかった罰を与えられて、満足そうな表情だった。
そうこうしている間に、団員達に説明をする時間がきてしまう。
(イレギュラーにも程がある! ライの事も聞けず、釈明も中途半端とは!)
腹立たしい気持ちを抑えながら、団員達の前に姿を出した。
そのルルーシュに向けての団員達の意見は、至極当然なものばかりだった。
救出してもらった事は感謝してる、だがブラック・リベリオン時の裏切りは許せない。
概ねそんな感じだったのだが、ルルーシュは一言で一蹴した。
「全てはブリタニアに勝つ為、それだけだ」
不満の声が上がるも、ルルーシュは結果が全てだと語るだけ。
その不満の声も高まろうかと言う時、藤堂によってそれらは一喝されしまう。
140名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 17:04:58 ID:5QlPDEVY
支援
141ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 17:06:49 ID:93c18YpQ
「今は彼の力が必要だ。私は、彼以上の才覚を他に知らない」
副指令である扇も同じ意見らしく、藤堂の意見に賛同し団員達を説得した。
独立戦争に勝つ、その為にも彼の力は必要だと。
団員達もそれは解っているのか、不信感よりも目的の為になるならと、ゼロをもう一度受け入れた。
ライはそれを冷めた目で、見つめているだけだった。
そこからは、団員達の立場の振り分けだったのだが、概ね一年前と同じだった。
副指令には扇要。ゼロの親衛隊隊長には紅月カレン。軍事総責任者には藤堂。etc。
その担当を、ゼロが発表している最中に玉城が茶々を入れてきた。
「ところでよ、ゼロ。そこのブリキヤローはなんなんだよ?」
「流石は玉城、目聡いな。彼は私の右腕とでも思ってくれ」
ライも現場にいたのはいたのだが、ずっと我関せずな態度で聞き流していた為に不意に振られて驚く。
ルルーシュもいい機会と思ったのか、ライの立場を明確にしようとする。
団員達にまた不信感が沸き立つ。藤堂達も、流石にそれは受け入れられないのか、動揺している。
名も顔も知らぬブリタニア風の人間が、騎士団のトップの右腕などと。
ライも、そこまで重要なポジションを任せてくるとは思っておらず、困惑していた。
「当然の反応だな。だが、彼なしでは私の復活はありえなかった」
「ああ。彼のおかげで騎士団を盛り返せられたし、そういう手腕は確かだ」
「それに彼が、あの青い月下を操っていました。ですから、既に実力は証明されていると思います」
卜部とカレンの擁護で、不信感もなんとか収まった。
収まったというより好奇心へと心変わりした、が正しいのだが。
その為にライは質問責めにあい、一睡も出来ずに学園に戻る事になった。
142名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 17:08:01 ID:5QlPDEVY
支援
143ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/04(土) 17:09:26 ID:93c18YpQ
以上です
次回はあの人やあの人が出るよ。って、誰だよって話ですね
後、物語のプロットの最終詰めと、シナリオをパッと確認する用に
PSP版ロスカラを買ってきたのですが、寝転んでやってると
つい熱中して、SS打つのを忘れてしまいます。
本末転倒です……では、失礼しました
144名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 17:18:41 ID:5QlPDEVY
>>143
おつかれさまでした!
ロロとの関係はどうなっていくんでしょうか。
「豪快なIFルート」との言に悲劇回避の期待してもいいのかな??
ラブコメも楽しかったです。ああ、スペシャルなコンタクトがあって良かった。
続きを楽しみにしております。

>135
>「褒めても、何も出ませんけどよ」
この語尾は「けど」か「よ」のどちらかかと。
なんだかちょっと笑っちゃったので一応
145名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 18:02:14 ID:eYSxPCK7
>>143
ぷにぷに卿、GJでした!
次回出てくるあの人やあの人もそうですが
どれだけ豪快なIFを見せていただけるのか楽しみです。
ライという個人を知らない人間に対し、ギアスの効果が曖昧というのは上手いと思いました。
純粋なライの反応が結構楽しいです。
貴方が次に投下される時を全力でお待ちしております!
146保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/10/04(土) 20:25:25 ID:D3W5JXZI
>>143 ぷにぷに卿、GJ&お疲れ様でした。
以下、誤字報告(修正済み)

藤堂によってそれらは一喝されしまう → 藤堂によってそれらは一喝されてしまう
副指令 → 副司令

>>144氏の指摘分は保留中です
147名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 20:53:15 ID:tQDTgUH6
>>143
激しくGJです。
自分の趣向のど真ん中とはあなたは・・・
148名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 21:01:31 ID:pGhmXrLX
21:10過ぎに投下します。本文・あとがき合わせて7レス分です。
149名無し:2008/10/04(土) 21:03:48 ID:5+fLhnt7
支援( ^o^)/
150余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/04(土) 21:10:21 ID:pGhmXrLX
では、そろそろ投下します。

作者:余暇
タイトル:摩訶不思議な飲み物
カップリング:ライ×カレン

本文・あとがき合わせて7レス分あります。
151余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/04(土) 21:13:00 ID:pGhmXrLX
             『摩訶不思議な飲み物』

ここはトウキョウ租界。僕はカレンと一緒に、租界で記憶探しをしていた。
「どう?何か思い出せそう?」
カレンが僕に尋ねてきた。
「いや、まだ何も。すまない、いつもこんなことに付き合わせてしまって。」
「いいのよ、私はあなたのお世話係主任で、騎士団の双璧を組むパートナーでもあるんだから、これくらい当然よ。」
「でも、毎回租界をただ歩いているだけではつまらないだろう。僕自身それほど面白い話ができる人間でもないし、退屈してないか?」
すると、彼女は首を横に振った。
「ううん、そんなことないわ。記憶探しを楽しむと言うのも変だけど、それなりに楽しんでるわ。それに、その……。
ライに面白い話ができなくても関係ないわよ、あなたと一緒にいることそのものが、私にとって大切な時間だから。」
そう言ってカレンは、顔を赤くして視線をそらした。どうかしたのだろうか。
「ね、ねえ。少し喫茶店で休憩しましょう、喉乾いちゃった。」
何かをごまかすように、カレンが喫茶店の方向を指さした。そうだな、今日も大分歩いたし、少し休んでいくか。
「ああ、構わない。それじゃ、行こうか。」
僕たちは、近くにあった喫茶店へと入っていった。
152名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 21:16:56 ID:eYSxPCK7
支援
153余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/04(土) 21:17:49 ID:pGhmXrLX
僕たちは店内の一角、窓際の席に陣取り、メニュー表を見ていた。
その時僕は、あまり馴染みのない飲み物の名前を見つけた。
「なあ、カレン。この、コーラって言うのは何だ?」
「ああ、炭酸飲料の一種よ。炭酸ガスを冷たい飲み物の中に閉じ込めたのが、炭酸飲料。
どういうふうに作っているのかは知らないけどね。」
カレンの説明を聞いて、少し興味が出てきた。要するに、飲み物の中に人為的に気体を閉じ込めたのか。
その方法や目的にも興味はあるが、一体どんな飲み物なんだろうか。
「そのコーラって一体、どんな味がするんだ?」
「あら、興味あるの?そうね、味は甘い方かな。それと、飲んだ時の感触が独特ね。
まあ、頼んでみれば?一度飲んでみれば、どんなものかわかるわよ。」
そうだな、何か記憶の手掛かりが見つかるかもしれないし、色々体験してみるか。
そう思い僕は、コーラなる物を注文した。ちなみにカレンは、アイスティーを注文した。


やがて、僕の目の前に『それ』は置かれた。
「これが……。」
氷が浮かべられた黒い液体。液体の底からは細かい泡が次々と浮かび上がっている。
初めて見るせいだろうが、少し不気味に見える。
「何とも不思議な飲み物っぽいな。いやそれ以前に、本当に飲める物なのか?」
「あなたねえ……。ここは飲食店よ、飲食店が飲めない物を出してどうするのよ。」
僕の質問に、カレンがこめかみを押さえつつ答えた。ああ、そう言われればそうだ。僕としたことが、外見にとらわれてしまっていた。
「ほら、飲んでみなさいよ。初めて飲むなら、少し刺激的かもね。」
いたずらっぽく笑いながら、カレンが勧めてきた。何だ、そんなにすごいのか?
「…それじゃあ、いただきます。」
とりあえず飲んでみようと思い、僕はストローを加えて息を吸った。
154名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 21:18:50 ID:eYSxPCK7
支援!
155余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/04(土) 21:20:50 ID:pGhmXrLX
そしてコーラがストローの中を伝い、僕の口に入った時だった。
「………!」
舌に電流が走ったような刺激を感じ、僕はくわえていたストローを離した。いや、実際に舌に電流を走らせたことなんかないが、そんな感じだった。
「い、今のはなんだ?すごい刺激を感じたんだが。」
「ふふっ、驚いた?炭酸ガスが中に入っているから、それで刺激を受けたのよ。」
いや、まあそれは大体わかる。でもここまで刺激を受けるとは思わなかった。世の中には変わった飲み物があるものだ。
「でもまあ、味はまあまあかな。この刺激にさえ慣れれば、どうってことはない。」
僕はまたストローでコーラを吸い上げるが、再び舌に強い刺激を感じる。
「うう、舌がしびれた。」
ストローを口から離し、舌を外気に触れさせてしびれを和らげようとする。今自分はかなり間抜けな表情をしているのではなかろうか。
「ぷっ、くくく……。」
向かい側を見ると、カレンが手で口を押さえ、必死に笑いをこらえている。そんなにおかしかったのだろうか。
でもそこまで笑うことはないだろうに。
「酷いな、カレン。そんなにおかしかったか?」
「ああ、ごめんなさい。おかしな顔だと思ったのは確かだし、それを笑ったのは謝るわ。
でも、それと同時に安心したって言うか、嬉しかった。ライもそんな顔をするんだって。」
「嬉しかった?僕が変な顔をすることがか?」
僕は彼女の言っている意味がわからず、首を傾げた。
156名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 21:21:57 ID:eYSxPCK7
支援
157余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/04(土) 21:26:14 ID:pGhmXrLX
「だって、最近はそうでもないけど、出会った頃は完全に無表情で、いつも難しい顔をしていたもの。
最近でこそ笑うようにはなったけど、まだ時々思い詰めたような顔をするし、私としては心配になるの。
『もっと肩の力を抜いてもいいのに』ってね。でも、そういう顔もできるようになったってことは、いい傾向なんじゃないかしら。
もっと色々な表情をみんなに見せて、みんなを頼ってもいいと思うわよ。もうあなたは一人じゃないんだから。」
そうか、彼女から見れば、僕はまだ一人で閉じこもることが多いのか。記憶のない僕を受け入れてくれた大切な人たち、
その人たちは僕にいつでも手を差し伸べてくれる。でも僕は、まだ彼らとの間に無意識のうちに壁を作っている。それをカレンは教えてくれた。
「そうだな、少し身構え過ぎかもしれない。大切な人たちを守りたい、ゼロや君の進む道を切り開きたいと思うあまりに、
自分一人で何とかしなければと力を入れ過ぎていたみたいだ。君やゼロ、他にもたくさんの仲間が僕の周りにはいてくれる。もっと周りを見ないとダメだな。」
「そうよ、一人で抱え込むのはライの悪い癖。あなた一人で頑張って、それで仮に事態が好転したとしても、あなたがボロボロに傷ついていたら誰一人として喜ばないわ。
もうあなたは、私たちの世界に必要な存在なんだから。争いのない優しい世界の中にも、あなたがいてくれなきゃ何の意味もないの。それだけはわかってちょうだい。」
カレンの温かい言葉に、僕は静かに頷いた。同意と、感謝の気持ちを込めて。
158名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 21:27:02 ID:eYSxPCK7
支援!
159余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/04(土) 21:29:50 ID:pGhmXrLX
その後もカレンと雑談をしていた僕は、ふと彼女のアイスティーが気になった。
今までお茶は温かくして飲むものだとばかり思っていたが、冷たくしてもおいしいのだろうか。
「なあ、カレン。そのアイスティーっておいしいのか?」
「え?まあ、おいしいけどそれがどうかしたの?」
「いや、今まで冷たいお茶なんて見たことがなかったから、何だか不思議で。」
するとカレンは、くすっと笑った。
「色々な物に興味を示すのね。好奇心旺盛なのはいいことだと思うわ、記憶探しにもつながるし。
そんなに興味があるなら飲んでみれば?店員さんを呼んで…」
「え、飲んでいいのか?じゃあ、少しだけ。」
カレンが言い終わらないうちに、僕は彼女が飲んでいたアイスティーの入ったグラスを手に取り、少しだけ飲んだ。
「なっ!?」
「………?」
するとカレンが、髪の色と同じくらいに顔を紅潮させ、口をパクパクさせた。
何だ、もしかして許可をもらったわけではなかったのだろうか。
(ラ、ライが私のストローに口を……。こ、これって間接キス!?店員を呼んで注文しろって言おうとしたのに、何をしてるのよ!
で、でもあのストロー、ライが口をつけたのよね。これって、ラッキーなのかな?)
「おーい、カレン?」
放心状態でぶつぶつ呟くカレンを見て、僕は思った。もしかして、自分が勝手にアイスティーを飲んだせいで相当怒っているのか?
だとしたら悪いことをしたな。何かお詫びを…そうだ!
「すみませーん。追加の注文お願いします。」
僕は店員を呼び、ある物を注文した。
160名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 21:30:31 ID:eYSxPCK7
支援
161余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/04(土) 21:34:04 ID:pGhmXrLX
「カレン、カレンってば。」
「へっ!?あ、ああ、ごめんなさい。少しボーっとしちゃって…って、あら?」
カレンは、いつの間にか目の前に置かれたケーキを見て、目を丸くした。
「ああ、勝手にアイスティーを飲んだお詫びに、僕が頼んだ。これで許してもらえるかわからないけど、せめてもの気持ちだ。」
「そ、そんな。お詫びだなんて大げさだよ。」
カレンが困ったような顔をする。
「でもさっき、顔を真っ赤にして怒っていただろう?だから、悪いことをしたなと思って。代金は僕が支払うから、遠慮なく食べてよ。」
「えっ、あれは別に怒っていたとかそういうのじゃなくて。ていうか、本当に自分のしたことに気づいてないの?」
「え?勝手にアイスティーを飲んだことに怒ったんじゃないのか?」
「……もういい、とりあえずそういうことにしておいてあげる。」
こめかみを押さえながらアイスティーに口をつけるカレンを見て、僕は訳がわからなくなった。もしかして対応を間違えたか?
(まったく、間接キスに気づかないなんて、どこまで鈍感なのよ。この先が思いやられるわ。
一人で勝手に恥ずかしがって、バカみたい。何よ、ライと同じストローを使うことくらい、恥ずかしくなんかないんだから!
そう、恥ずかしくなんか…ない、多分。)
また顔を赤くしつつ、口の中でストローを舌でいじっているらしいカレンを見て、僕は思った。
「カレン、もしかして風邪か?頭がボーっとするなら、早めに帰って…」
「どうしてそうなるのよ、バカッ!」
あれ?また怒られた。

結局、喫茶店を出た後も、カレンは顔を真っ赤にしたまま口を聞いてくれなかった。女性ってよくわからないな。
162名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 21:34:38 ID:eYSxPCK7
支援!
163余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/04(土) 21:36:20 ID:pGhmXrLX
以上です、支援ありがとうございました。
久しぶりにライカレネタが浮かびました。
164名無し:2008/10/04(土) 21:39:11 ID:5+fLhnt7
支援( ^o^)/
165名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 21:52:31 ID:RoIOC/Zo
>>163
GJです
コーラを珍しがるライが可愛いです
そして純情なカレンが素敵でした

10時ごろに投下してよろしいかな?
166名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 21:55:16 ID:eYSxPCK7
>>163
余暇卿、GJでした!
なんというか読んでいてホッとしました。
間接キス、意識したら確かに恥ずかしいよね。
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
167名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 21:56:40 ID:whlJz6F2
支援しますよ
168萌は文化:2008/10/04(土) 22:07:02 ID:RoIOC/Zo
では支援宣言があったので

前回の「姉妹喧嘩」の続きです

注意点
・カプはライユフィです
・前回と違ってギャグ100%です
・かなりはじけてます。嫌な人はスルーを
・コーネリアが重度のシスコンです

では投下します
169名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 22:08:11 ID:eYSxPCK7
支援
170萌は文化:2008/10/04(土) 22:09:05 ID:RoIOC/Zo
「ゆ、ユフィ……」

ユフィが部屋から去って行くとコーネリアはガクリと机に両手をついた。

「少し、言い過ぎたか……? いや、私は間違ってなどいない! 一晩頭を冷やせばユフィだってわかるはずだ」

しかし、この時のコーネリアの考えは甘かった。

1週間後

「ええい! ユフィはまだ見つからんのか!」

コーネリアに怒鳴り散らされギルフォードは少しビクつきながら報告した。

「そ、それがユーフェミア様は毎日学園に登校してるので場所はわかってるのですが……」
「だが、なんだ!」
「ユーフェミア様が『お姉様なんて知りません。私はこの人(ライ)と一緒に生きていきます!』と断固として拒否しまして…」

申し訳なさそうにギルフォードは言うと、コーネリアはクラリと頭を押さえ、倒れそうになった。

「ゆ、ユフィ……そこまであのライとかいう奴のことを…」
「コーネリア様。やはりここは素直に謝り、もう一度話し合ってみては?」
「何……?」

コーネリアはギルフォードをギロリと睨みつけた。
するとギルフォードはあまりの気迫に思わず後退りをした。
171名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 22:09:55 ID:eYSxPCK7
支援!
172名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 22:10:01 ID:whlJz6F2
支援
173萌は文化:2008/10/04(土) 22:11:23 ID:RoIOC/Zo
「総督である私が何故妹のワガママに屈しなければならんのだこの脆弱者が!」
「も、申し訳ございません!!」

ビクビクしながらギルフォードは頭を下げた。

「もういい、下がれ」
「イエス、ユア、ハイネス」

お辞儀をするとギルフォードは部屋から去って行った。

「ふう……」

ギルフォードが部屋から去ったのを確認するとコーネリアは力無く椅子に座った。

「ユフィ………どうすれば帰って来るんだ」

本心は妹が居なくて寂しいのに素直になれないコーネリア二十ウン才。

『話は聞かせてもらったぞ殿下!』
「この声は!?」

突然、轟音を響かせながら壁を破壊し、グロースターの握り拳が室内に侵入して来た。

「何ーー!?」

突然のことにコーネリアが驚いているとグロースターの拳が開いた。

「そんな殿下のお悩み解決する頼りになるナイトオブナイン。そんな私はノネットさんだよ!」

開いたグロースターの手のひらから華麗にポーズを決めてノネットは言った。
174名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 22:11:51 ID:eYSxPCK7
支援
175名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 22:12:02 ID:whlJz6F2
支援
176萌は文化:2008/10/04(土) 22:13:14 ID:RoIOC/Zo
「何してるんですかあなたは!!!」

コーネリアはグロースターに手を突っ込まれ滅茶苦茶になった部屋を指差して叫んだ。

「困ってる殿下を助けるため格好良く登場」

ノネットは腕を組んでケラケラ笑いながら言った。

「相変わらず滅茶苦茶ですねあなたは…」
「ハハハ、よせ、照れるだろ」

何故か恥ずかしそうに笑いながらノネットはコーネリアの肩を叩いた。

「それで、一応聞きますが何しに来たんですか?」
「うむ、実はさっきも言ったようにユーフェミア様が居なくなって寂しい殿下のために、私なりに色々解決法を考えてみたわけなんですよ」
「寂しいって……別に私は…」
「ハハハ、わかってますって」

今一つ素直になれないコーネリアの背中をノネットはビシバシと叩いて笑った。

「それで、期待はしてませんが何か思いつきましたか?」
「フフフ、私を誰だと思っている。ナイトオブラウンズだぞ」

シャキーンとポーズをキメるノネット。

「はいはい、わかりましたから話を進めてください」
「ノリが悪いですね殿下。そんなんだからユーフェミア様に嫌われるんですよ」
「うぐっ!」

ノネットの言葉が突き刺さり、コーネリアは自分の胸を押さえた。
177名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 22:13:32 ID:whlJz6F2
支援
178萌は文化:2008/10/04(土) 22:15:10 ID:RoIOC/Zo
「さて、それでは本題ですが、ズバリ、ユーフェミア様は具体的にどこが悪いか言わずに、一方的に好きな男と別れろと言われたのが不服だったと思うのですよ」
「そ、そうか、それで?」

まだ痛む胸を押さえなからコーネリアはノネットの話を聞いていた。

「けど殿下も言った手前引くに引けない。殿下は堅いですからね。だからユーフェミア様が嫌になって家出するんですよ」
「がはっ!」

痛むコーネリアの心に、さらにノネットは無意識の内に追い討ちをかけた。

「そこで殿下。まずはこのライって男を徹底的に検証してみてはどうでしょう?」
「………検証?」

ズキズキと痛む胸を押さえ、コーネリアは言った。

「はい、検証してみて、ここが駄目だ! って所を見つけたら、そこを理由にしてユーフェミア様に諦めさせるのです。そうすればユーフェミア様だって少なからず納得をしてくれるはずです」

ノネットが説明するとコーネリアはなるほどと頷いた。

「それに調べてみて合格だと思ったら了承してあげればよろしいのですよ。そうすれば殿下の顔も立ちますし、ユーフェミア様とも仲直りです」
「むう、確かにそれならユフィも納得してくれるかもしれんな」
179名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 22:15:29 ID:whlJz6F2
支援
180萌は文化:2008/10/04(土) 22:17:50 ID:RoIOC/Zo
納得したようにコーネリアが言うとよし、とノネットはガッツポーズをした。

「決まりですね。幸いなことに今、アッシュフォード学園には教師として潜入してる連中がいますからね。ライって奴のデータもすぐ集まりますよ。では早速……」

するとノネットは指をパチンと鳴らした。

「とおぉりゃぁぁっ!」
「何だ!?」

突然天井が崩れ、コーネリアは慌てて後ろに下がった。
するとクルクルと高速回転で天井を破壊しながらジェレミアが降りて来た。

「呼ばれて来るのは我が忠義の証! ジェレミア・ゴットバルト! ただ今参上!!」

ビシッとキレのある動きでキメるジェレミア。

「よし、打ち合わせ通りだ!」
「これもあなたのせいですか!」
「よし、では例の物を…」

コーネリアのツッコミを気にも止めずにノネットが言うとジェレミアは懐から書類を数枚取り出してコーネリアに差し出した。

「これは?」
「ハッ、私は現在ゼロの正体を暴くために教師としてアッシュフォード学園に潜入しています。こちらの書類は私が教師として見たライのデータのまとめでございます」

ジェレミアが説明するとノネットとコーネリアは書類に目を通した。
181名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 22:19:48 ID:whlJz6F2
支援
182萌は文化:2008/10/04(土) 22:20:23 ID:RoIOC/Zo
「成績優秀、運動神経抜群、おまけにルックスも良しときた。大したものだな」
「ぬう…」

感心したように頷くノネット。
一方、コーネリアは今だ納得出来てないようだ。

「ちなみにこちらがロイド伯爵が面白がってやらせたナイトメアフレームのシュミレーション結果です」

ジェレミアは新しい書類を出すとノネットに渡した。

「ほう、これは大したもんだな。一度、手合わせ願いたいな」
「確かに大した結果だが軍事機密は無視か?」

ノネットから渡された書類を見てコーネリアは眉をひそめたがノネットとジェレミアは気にせず話を続けた。

「さて、殿下。これでもご不満ですか?」
「む、確かにこれだけ見れば光る所がある。だが私はまだ認めぬ。まだこいつの人間性がわからぬからな!」

あらら、と呆れるノネット。

「さればコーネリア殿下…」

キラーンと目を光らせるとジェレミアは指をパチンと鳴らした。
するとコーネリアの近くの床が円状に弾け飛んだ。

「何! またか!?」

コーネリアが驚いていると円状に開いた穴からバニーガールの格好をしたヴィレッタが『アッシュフォード学園文化祭』とかかれたプラカードを持って上がって来た。
183名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 22:21:11 ID:whlJz6F2
支援
184名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 22:21:31 ID:90fTzSSX
シュミレーションじゃなくてシミュレーションだと思いつつ支援
185名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 22:21:45 ID:pGhmXrLX
支援
186萌は文化:2008/10/04(土) 22:24:48 ID:RoIOC/Zo
「よ、呼ばれて参上、綺麗なお姉さんは好きですか…? ヴィレッタです。近日公開アッシュフォード学園文化祭。セクシーなバニーガールがお出迎え……是非来てくださいね……」

ジェレミアとノネットとは違い、無理やりやらされたのか、恥ずかしそうに言うヴィレッタ。

「声が小さい!!」
「いいかヴィレッタ。プラカードはこう! そしてポーズはこう! そしてスマイルも忘れずに!」

そんなヴィレッタを怒鳴るノネットとジェレミア。

「くぅ! 呼ばれて参上! 綺麗なお姉さんは好きですか!? ヴィレッタで〜す♪ 近日公開アッシュフォード学園文化祭! セクシーなバニーガールがお出迎え! 是非来てくださいね〜♪」

最早ヤケクソ気味なヴィレッタ。
最後のウインクと同時にヴィレッタの目から輝く何かが零れ落ちた。

「と、言うわけで今度の文化祭でご自分の目で確かめてみてはどうでしょうか?」
「いや、それはわかったが………泣いてないか?」

ジェレミアの言葉に頷きつつ、可哀想なヴィレッタを指差すコーネリア。

「うう、何故私がこんな目に…」

シクシクと泣くヴィレッタにコーネリアは少なからず同情をした。

「では決まりですね。あ、これ文化祭で生徒達がやる出店の割引券です」
「あ、ああ…」
187名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 22:25:15 ID:whlJz6F2
支援
188名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 22:25:53 ID:90fTzSSX
支援支援
189萌は文化:2008/10/04(土) 22:26:55 ID:RoIOC/Zo
ジェレミアから割引券を受け取るコーネリア。
こうして、コーネリアはアッシュフォード学園の文化祭に潜入することになった。

(ユフィ……待っていろ。私が、私が見極めてやる!)
「なあ、私の分の割引券は…」
「すみませんが、残りは自分の分なので駄目です」
「シクシク……なんでこんな格好をしなきゃならんのだ……」
190名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 22:27:50 ID:90fTzSSX
支援
191萌は文化:2008/10/04(土) 22:28:45 ID:RoIOC/Zo
おまけ

調理室にて

カレン「どうしたの? 突然料理を教えてほしいって」
ライ「う、うんちょっとね」

調理中

カレン(こうしてると夫婦みたい………って何考えてるのよ私は!)
ライ(うーん、やっぱり料理って難しいな)

料理完成

カレン「さあ、出来たわ。味見してみて」
ライ「どれどれ……うん、美味しい。ありがとうカレン。これならユフィも喜ぶよ」
カレン「…………ユフィ?」
ライ「い、いや、あの……(しまった! カレンはユフィのこと良く思ってないんだった!)」
カレン「是非話を聞きたいわライ」
ライ「OKカレン。とりあえずその包丁を置こう。ね? ね?」
カレン「ウフフ……」
ライ「ハハハ……っ!」←全力で逃走
カレン「あ! 待ちなさいライ!!」
192名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 22:29:56 ID:90fTzSSX
支援
193萌は文化:2008/10/04(土) 22:33:01 ID:RoIOC/Zo
以上で終了です

やっと調子が戻って来た

次回はコーネリア様、文化祭に潜入です
次回で完結予定

>>184
誤字指摘感謝します

トーマス卿すみません!
修正お願いします

では支援ありがとうございました
194名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 22:39:32 ID:pGhmXrLX
>>193
GJ!ネリ様、血は争えんな、いいシスコンだw
ノネットさんにジェレミア、無茶苦茶やりすぎだろw
つーか、そんな派手にやらかしても誰も駆け付けないのか。
そしてヴィレッタさん、ドンマイッ。
あと、おまけの「OKカレン。とりあえずその包丁を置こう」で、
外国の学園ドラマのネタをする某ピン芸人を思い出した。
次回をお待ちしています。
195名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 22:41:05 ID:eYSxPCK7
>>193
萌は文化卿、GJでした!
ノリノリなノネットさんとジェレミア卿に吹いたw
グロースターでボーンとかクルクル回るって参上とかwww
おまけwww 軽く修羅場www
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
196名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 23:44:59 ID:+LNlZejy
>>193
GJ!!とりあえず、ノネットさん自重しろww
197名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 01:31:07 ID:WboSQ2HC
>>193
GJ!
ノネットさんかっこよすぎるwww
・・・割引券使う皇族とかラウンズってなにさwww
>>163
面白かったです!
やっぱりライは鈍感であるべきですよねwww

>>143
待ってました!
卜部が生きてる改変は少ないので凄く楽しいです!
ただ、卜部ってゼロの中身知ってませんでしたか?
198名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 02:13:03 ID:VCrRzort
2:30くらいに投下予定。
本文だけで6レスほどですが、支援願います。
199名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 02:18:02 ID:UXWEv4f0
支援します
200年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/05(日) 02:30:11 ID:VCrRzort
年下専門です、長編の続きを6レスほど投下します
タイトルは「優しい世界で目覚めて 第二話 オレンジ畑の少年少女」

・ギアス篇と学園篇の複合エンド後にしてR2終了後からの話
・ライは黒の騎士団入ってて学園篇エンドを迎えた、ルート的にはランペルージ兄妹で進んだ感じ
・ジャンル的にはほのぼのしんみり系のはず、多分
・カップリングは現時点ではなし
・アフターに関しては情報が少ないため、自己解釈の要素を多分に含んでいます
201名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 02:32:54 ID:UXWEv4f0
支援
202年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/05(日) 02:35:55 ID:VCrRzort
合衆国日本、シコクエリア・エヒメ。
蜜柑の栽培で有名なこの地の一角に、広大な土地を買い取り個人でオレンジ畑を作った男がいた。
彼の名はジェレミア・ゴットバルト。
悪逆皇帝ルルーシュ一の家臣にして、彼に最後まで付き従った忠義の騎士である。

「これは、凄いな……」
視界一面に広がるオレンジ畑に目を細めながらライは感嘆の溜息を吐き出した。
青々と茂った木々の隙間には、瑞々しく育ったオレンジの実がその存在を主張するように鮮やかに咲き並んでいる。
目の前に広がる緑と橙のコントラストが青空の下で爛々と輝いているのが眩しくてたまらない。
生命の躍動を感じさせる光景に、ライの肩に乗っているルルーシュも心を動かされている様子だ。
「なんか事前の情報から得ていたジェレミアさんのイメージが全部覆されそうだ」
「同感だな」
野宿と親切な人たちの善意でどうにかこの地に辿り着いたライとルルーシュは、これまでの苦労を忘れたかのように感動に酔いしれる。
人は、ここまで美しい風景を生み出すことが出来るのか。
今までの人生を暴力と謀略で生きてきた二人にとって、それは心に染み込む風景だった。
「俺も彼を見るのは久しぶりだ。このオレンジ畑を見る限り、元気でやっているのは間違いないだろうが……」
「問題は、彼がどこにいるかだな」
四方全てを見回しても、見えるのはオレンジばかり。
畑の面積は外部から見たところ、ちょっとした巨大菜園並はあったはず。
この広大なオレンジ畑の中から、一人の人間を見つけ出すのははっきりいって難しい。
だが、まさか一人でこの広大な土地全てを管理しているはずもあるまい。
使用人や雇われた作業員がいるはずだ。
そう考えたライはとりあえずオレンジ畑の中を進んでいく。
「しかし美味しそうなオレンジだな」
「うむ、この実を食すことが出来ない身が恨めしい」
道中、一際大きく育っていたオレンジを手に取ったライは、極上の酸味と甘味を備えているであろうそれを見て、大きく喉を鳴らした。
勿論、もぎ取って食べようなどと泥棒紛いの真似をするつもりはない。
後で分けてもらえるように交渉してみよう。
そう固く誓い、再び歩を進めようとして。
「ライ、後ろだ!」
203名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 02:36:44 ID:i0FFP2GE
支援
204年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/05(日) 02:38:56 ID:VCrRzort
「―――ッ!?」
ルルーシュの注意と、背後に現れた殺気をライが感じ取ったのはほぼ同時だった。
空を切り裂く音が自分の後頭部に迫ってくるのを察知し、咄嗟にしゃがみこむ。
「えい」
「うわッ!?」
しかし襲撃者の攻撃は終わってはいなかった。
横薙ぎにされたはずの何かが、続けざまに上から降ってくる。
ライはたわませた両脚を後方に解放し、バックステップでその攻撃を回避。
謎の襲撃者から慌てて距離をとった。

「な、なんだいきなり……って、女の子!?」
襲撃者の姿を確認したライはその意外な正体に驚く。
なんと、相手はナナリーと同じくらいの年齢であろう小柄な少女だったのだ。
頭の後ろでまとめたピンク色の髪が特徴的だが、その容姿は掛け値なしに可憐で可愛らしい。
ぽってりとした青のワンピースは作業着だろうか。
着ているというよりも着せられているという表現がピッタリなその少女は、しかしその細腕に凶悪な凶器を持っていた。
(手に持っているのは……スコップ!? もしかしてあれで僕を殴ろうとしたのか!?)
作業用だろうか。
土が先端にこびりついたスコップを構えている少女の姿はどこかシュールにすら見える。
しかし対峙しているライからすれば笑える状況ではない。
儚げな雰囲気に反して、その小柄な体躯から放たれる威圧感はこの世界で目覚めてから感じたことがないものだ。
ランスロットに乗ったスザクと相対した時ですら感じなかった緊張感が銀髪の少年を襲う。
と、その時、オレンジの実の上にいつのまにか移動していたルルーシュが思い出したように呟いた。
「なんだ、アーニャ・アールストレイムではないか」
「アーニャ・アールストレイム……って、ナイトオブシックスの!?」
氷柱を背中と服の間に差し込まれたような寒気がライの背筋を走った。
ナイトオブラウンズ。
それはブリタニア皇帝直属の騎士であり帝国最強の12騎士に与えられる称号だ。
黒の騎士団に所属していた際、遭遇することはなかった相手だが、当然ライはその情報を調べていた。
目の前に立っているのはその中でも、最年少でラウンズの座を手に入れている凄腕の少女。
オレンジ畑のおじさんに会いに来て、とんでもない人物と出会う羽目になった。
自分の不運に嘆きつつ、ライは油断なく正面に立つ少女を見つめた。
205名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 02:40:40 ID:UXWEv4f0
支援
206年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/05(日) 02:41:50 ID:VCrRzort
「私の名前を知っている? ……でも関係ない。泥棒は死刑」
「え、ど、泥棒? いや、僕はち」
がう、と言葉を繋げる間もなく再び迫ってくるスコップを回避する。
しかし慌てるライに構わず、アーニャはどこにそんな力を秘めているのかとばかりに大き目のスコップを軽々と振り回して攻撃を繰り出していく。
こうなっては避けるだけで精一杯だ。
女の子相手に反撃なんてできない。
そう考える余裕もないほどの猛攻に、ライは徐々に後退する。

「女子相手に情けないぞライ」
「君がそれを言うなぁ!」
「……何を言っているの?」
ルルーシュの声はアーニャには聞こえていないため、ライの叫びは意味不明なものとして扱われてしまう。
しかし桃色の少女ははてな? と首を傾げながらもスコップの動きを止めようとはしない。
(くそ、このままでは埒が明かない……こうなったら!)
ぶぅん、と当たったら痛そうな音を立てながら迫ってくる鈍器をライは集中した瞳で捉えた。
「ハァッ!」
刹那、顔面にヒットしようとしていたスコップが少女の手を離れて上空に跳ね上がる。
完璧なタイミングで振り上げたライの右足が、的確に振るわれるスコップをとらえたのだ。
「――まだ!」
武器を失ったにも関わらず、なおも素手で攻撃を仕掛けてくる少女の拳をライは捌いていく。
スコップを弾かれたことに動揺しているのか、その攻撃にキレはない。
「いや、終わりだ!」
冷静になられてはまずい。
ここが勝機とばかりに一気に踏み込む。
アーニャは近づかせるかと左足を蹴り上げて顎を狙う。
しかし、それはライにとっては想定済みの対応だった。
しゃがみこむようにして蹴りを回避し、そのままの姿勢で足払いを―――

「あ」

ピタリ。
足払いを仕掛けようとしていたライの動きが突如硬直した。
207年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/05(日) 02:44:09 ID:VCrRzort
視界に入って来たのは、めくれ上がったスカートの中から覗く少女らしいほどよい肉づきの白い太もも。
そしてその上でひっそりと息づく桃色の下着。
「うわ―――!」
お宝映像に思わず見とれてしまったライだが、当然アーニャがその隙を見逃すはずもなかった。
振り上がった足が重力と筋力に引かれて高速で落下してくる。
ガスン!
芸術的なまでの踵落としが、黒の騎士団の誇る(元)戦闘隊長の頭上に炸裂した。
「おおライよ。しんでしまうとはなさけない」
なんとなくルルーシュの口がそう動いているように見えて、とてもむかついた。

「う、ううう……」
ズキズキと痛む頭頂部に、顔を顰めながら目が覚める。
目に入ったのは白い雲、青い空、桃色の髪、美少女の顔。
「え、あれ?」
「起きた?」
「君は……なんで、痛ッ!」
「駄目、まだ寝てて」
起き上がりかけた身体を押し倒される。
ぽすん、と後頭部に柔らかな感触が伝わってくる。
痛みとは程遠い、心地よいその感触が少女の太もものものだとライが察したのは三秒後のことだった。
「な、なあ!?」
「痛いの痛いの、とんでけー」
非常に無感情かつ投げやりくさい声で、桃髪の少女が頭を擦るのをライは呆然と見やった。
確か自分は目の前の少女に負け、気絶したはず。
なのに何故、膝枕をされているのだろうか?
「あ、あの、ちょっといいかな?」
「何」
「どうして、その……僕を?」
膝枕しているの? とまでは気恥ずかしくて聞けなかったが、どうやらアーニャは理解したようだった。
淡々とした表情で、それでいてどこか申し訳なさそうに眉根を寄せ、口を開く。
「ごめんなさい」
「え?」
208名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 02:44:35 ID:UXWEv4f0
支援
209名無し:2008/10/05(日) 02:45:36 ID:MB6BP5lW
支援( ^o^)/
210年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/05(日) 02:48:23 ID:VCrRzort
ぽつぽつとアーニャの口から語られた内容は、実は途中でライが泥棒ではないことを確信していたということだった。
にもかかわらず、戦闘を続けた挙句、傷を負わせてしまった。
だから謝るのだ、と。
「いや、僕も誤解されて仕方なかったし……」
「でもこっちは途中で気がついた、だからその時に止めるべきだった」
「なんで止めなかったの?」
「貴方が強かったから」
ラウンズを辞して久しぶりに出会った強敵に血が騒いでしまった。
そう平然と呟く美少女にライは自分の頬が引きつるのを止められない。
まさかそんな理由だったとは。
しかし本当に申し訳なさそうな少女を見ていると、とてもではないが怒ることなどできない。
「とにかく、僕は怒ってなんてないから」
「でも……」
「……なら、お詫びの印として、一つお願いしてもいいかな?」
「わかった、なんでもする」
呑み込まれるような真紅の瞳が対面を射抜く。
年頃の女の子が口にするにはなかなか過激な台詞だったが、一応ライは紳士のつもりである。
邪なことなど一切考えずに、ジェレミア・ゴットバルトのところへ案内してくれないかと請うた。
勿論、アーニャの返答が諾だったのは言うまでもない。

「ライ……さっきは、どうして動きを止めたの?」
「え」
オレンジ畑の道中。
自己紹介を――といっても名前くらいだが、を終えたライはアーニャの後ろをついていく途中。
唐突に投げかけられた質問に対し、硬直した。
「最後の攻防は、どう考えても私の失策だった。あの瞬間、貴方の足払いが決まっていれば私の負けは間違いなかった」
なのに何故?
そう言いたげな瞳からライは視線を逸らす。
まさか君のスカートの中に見とれてたんだなどと言えるはずもない。
「教えて」
しかし、ジッとこちらを見つめてくる真紅の瞳は回答拒否も嘘も許しはしないといった意思を含んでいた。
211名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 02:49:42 ID:3l8CapPi
支援
212年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/05(日) 02:52:02 ID:VCrRzort
「ええと、その、実はあの時」
仕方なく、本当のことを話す。
自分よりも幼い少女に対して、あなたのスカートの中を覗いて動揺しましたと告白する羽目になるとはどんな羞恥プレイだ。
一瞬、ギアスを使って誤魔化そうかと考えかけたのはライの秘密である。

「……そう」
説明を終えた後、アーニャが口にしたのはその一言だけだった。
再び前を向き、歩き出す少女は恥ずかしい場所を見られた動揺など欠片も見せていない。
やはり元ラウンズともなると、羞恥心など持ち合わせていないのだろうか。
そんな微妙に失礼なことを考えたライは、異変に気がついた。
僅かではあるが、先程まではきびきびと進んでいた少女の足取りが乱れている。
両手はさりげないながらもスカートを守るように添えられ、よく見れば後ろから見える頬は微かに赤い。
(ひょっとして、恥ずかしがっている?)
常人ならば、注視したところでわからないはずの変化だったが、無駄に観察眼に優れているライはその変化に気がついていた。
とはいえ、そのことを言及することなど出来るはずもない。
それをすれば、墓穴を掘るだけなのだから。
ピタ、とアーニャの足が止まる。
「……何?」
こちらの視線が気になったのか、振り返った少女が問う。
だが、目をじっと見つめられると自分の邪な心が掘り起こされるようで落ち着かない。
反射的に先程の白と桃の光景が脳裏に浮かぶ。
(な、何を思い出しているんだ僕はっ)
ぶんぶんと頭を振るライにいぶかしげな視線を向けるアーニャ。
だが、彼が何を脳裏に浮かべているか察した少女は、僅かに表情を険しくすると同時に頬を赤らめる。
「へんたい」
「んなっ!?」
容赦のない一言にライの身体が仰け反った。
そして痛々しいまでの沈黙が訪れる。
気まずい雰囲気に二人の口も、そして足も止まってしまう。
しかしその時、オレンジ畑の奥のほうから鋭い怒声が響いた。

「戯けがッ!!」
213年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/05(日) 02:53:24 ID:VCrRzort
投下終了、そして支援感謝です。
次回はオレンジおじさん登場。
なお、このSSにおいてジェレミア×アーニャはありえないのでご了承くださいw
214名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 03:00:24 ID:UXWEv4f0
>>213
「痛いの痛いの、とんでけー」
これでアーニャに惚れましたwww
215名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 03:04:03 ID:VkyfDTGS
GJ!スコップで殴りかかるのくだりで某特殊部隊を連想したのは俺だけでいいw
216名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 04:37:15 ID:FWuL1h4v
>>213
年下専門卿、GJでした!
エヒメと見ただけで何故か吹いてしまったww
スコップって武器としてはかなり強い部類に入るよね。
……王様ルルーシュwww
オレンジおじさんに期待しつつ
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
217名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 09:12:04 ID:eiEnR2oF
>>213
GJでした。
自分もエヒメで吹いてしまったwww
218名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 10:30:17 ID:uKVBknP8
>「痛いの痛いの、とんでけー」
リ、リアンノンが出たw
219酸性雨 ◆M21AkfQGck :2008/10/05(日) 12:31:55 ID:1/zG2/bn
俗・800記念に…


「聞いて、聞いてよっ、カレンっ…」
すごくうれしそうに話しかけてくる井上さん。
「どうしたんですか?なんかいいことあったみたいですね」
「そうなのよぉ〜。ついに…ついに…私の部屋ができたのっ。
これで、めくるめくロマンスの世界がぐーっと開けるんだわ。おほほほほほほっ」
あー、気持ちわかるんだけど…。
そう思いつつ、SSのリストを確認する。
うーーんっ…どう考えてもロマンスというより…サスペンスか昼ドラの世界よねぇ…。
今のところは…。
でもねぇ…ここまで喜んでるとなると…言えない…。
だから…一番シンプルで無難なお祝いの言葉だけを言った。
「おめでとうございます。よかったですね」
「うふふふふ…。ありがとねぇ…。やっぱ、身体を張っただけあったわ」

そして、その会話を影で聞いているものがいた。
「そっかー、身体を張ったからうまくいったんだな。よし…それなら俺も…」

そして、その夜、トーマス卿の部屋に忍び込もうとする玉城の姿があったという…。
220名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 13:02:28 ID:FWuL1h4v
俗てwww
>>219
あしっど・れいん卿、乙でしたー!
井上さんのテンションがなんか痛い。
玉城www
はっ! まさか、これは貴方様が玉城メインSSを続々と書くという意思表示!?
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
221KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 15:16:47 ID:OrI+o81d
 前回の続きを投下します。
<オリキャラ。オリ設定注意>
 一応17レス予定です。
222名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:17:35 ID:dQADhIqK
支援します
223KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 15:22:09 ID:OrI+o81d
 ○ シーン7『紅 と 青』Cパート

 4つのメインカメラがこちらを向いた所で、紅月カレンはようやく小アヴァロン爆砕の呆けから立ち直り、そして次の瞬間後悔した。
 目の前にいるナイトオブラウンズの機体“クラブ”と“トリスタン”。その一騎当千の機体がいつの間にかこちらに狙いを定めていた。
 カレンは背筋に冷たいものがよぎるのを感じた。
「く、来るか」
 “紅蓮”が身構える。しかし、二機はすぐには襲ってこなかった。いや、それどころか“トリスタン”の方がフロートを吹かして空へあがり、どこかへ飛んでいった。“紅蓮”の眼前には“クラブ”だけが残った。
 遠くの空に浮遊している“モルドレッド”もなぜか積極的に戦闘に加わる意志は無いらしく、大アヴァロンの周りを離れて飛んでいるだけである。
なるほど、この“紅蓮”は“クラブ”一機で事足りるということらしい。
(舐められたものね……)
 しかし、それが敵の判断として当たり前。というのも理解できたので、何も文句は言えなかった。
『紅蓮弐式のパイロット』
 そのとき、外部スピーカーを通して“クラブ”のパイロットから声があがった。
 カレンがその唐突さに驚いて、返答するかどうかを迷っている内に“クラブ”からの声は続いた。
『降伏する気はありませんか?』
 何だそんな事か。とカレンは肩透かしをくらった気分になる。カレンはフンと鼻を鳴らし、外部スピーカーの電源を入れた。
「ありがとう。優しいのね」
 と、女らしくおしとやかに言って、侮蔑の笑みを浮かべた後、声のトーンを一つ下げた。
「それとも……戦死じゃなくて、公開処刑の方がそちらの都合がよろしいのかしら?」
 “クラブ”のパイロットは少しの沈黙の後、
『そんなつもりは……』
「あなたはそんなつもりじゃなくても。ブリタニアはそうでしょ? だから」
 “紅蓮弐式”は爪を前に構える。それがカレンの意思表示だった。
「第三の選択をさせてもらうわ。私はあなたを倒して、生き残って、目的を達成する」
 “クラブ”は構えなかった。しかし、
『……こちらも時間に余裕があるわけではありません』
 その男の声に、微かな殺気が重なった。
『これで最後です。あなたでは僕に勝てない』
224名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:23:28 ID:dQADhIqK
支援
225KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 15:25:47 ID:OrI+o81d
 そうだろう。それは先ほどの戦闘でカレンはよく理解した。ただ、この目の前の男がカレンと同レベルであるスザクに比べて強いというわけでは決してない。おそらく、純粋な強さで言えば“クラブ”のパイロットとスザクでは、十中八九スザクの方が強いだろう。
 多分、相性の問題だ。とカレンは思った。こういう理由で相性が悪いとは言えないが、とにかく“クラブ”のパイロットと自分は最高に相性が悪い。思えば、カレンにとってのライがそうだった。
 ライは究極的に理詰めを持って戦闘を行う。そういう相手は自分にとって最も苦手なタイプなのだと、カレンはかつての彼との模擬戦で散々思い知らされた。
 そして、目の前の男もおそらくはそんなタイプだった。
『僕はあなた程のパイロットを殺さずに取り押さえる自信は無い。悪い事はいいません。投降してください』
 その呼びかけにカレンは“紅蓮”のスラッシュハーケンで応えた。ワイヤーで繋がれた刃を、“クラブ”は双剣を最小限に動かして弾く。
 カレンは鼻息荒く言った。
「これが返答よ!」
『……残念です』
 “クラブ”は剣を構えたまま後ろに跳躍して距離を取った。そして告げる。
『僕の名前はロイ。ナイトオブゼロ、ロイ・キャンベル』
 驚くべき事だが、カレンはここで初めて、目の前の男があの文化祭の時に、自分にクレープを差し出してきた人物だと気付いた。
 もちろん。カレンは文化祭での彼がナイトオブゼロだと知っていたし、“クラブ”が出てきた時点で相手はロイ・キャンベルだと認識してはいた。
 でも、あの平和な学園で優しい微笑みを持ってクレープを差し出してきた男と、鋼鉄の巨人を操って殺し合いを行う人物とはどうしても繋げられなかっようだ。
 カレンは一瞬だけ、戦争という現実に悲しみの感情を抱いたが、それは本当に一瞬で、次の瞬間にはカレンにとって目の前の男はただの倒すべき男となっていた。
 カレンは戦士なのだ。
「カレン。紅月カレンだ」
『……良い名です』
 それが最後だった。両機はそれぞれの武器、それぞれの構えで、お互いの距離をはかる。
 しばしの硬直の後、先に動いたのは“クラブ”だった。“クラブ”は剣を構えランドスピナーで甲板を疾走。真っ直ぐ向かってくる。愚直で、フェイントも無い。本当にただ真っ直ぐ。
「そんな馬鹿正直な攻撃でっ!」
226名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:26:17 ID:dQADhIqK
支援
227KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 15:28:42 ID:OrI+o81d
 “紅蓮弐式”は遠慮など微塵もせずに爪を繰り出す。それに対して“クラブ”はかわそうともしない。
 ――もらった!
 カレンは確信した。なんだ、意外に倒すのは簡単だった。そう思った瞬間。
 “クラブ”は目の前から消え失せた。
 カレンは目を見開いて息を飲んだ。同時に、必殺の白い爪が虚しく空を切った。

 ○

 ――こんどこそ終わった。
 ロイは“紅蓮弐式”の側面――“紅蓮弐式”からは死角――で勝利を確信し、紅の装甲に剣を振り下ろした。
 使ったのはロイの必殺技。ブルーファントム。
 機体を直進するように見せかけて、相手に気付かれない程度に徐々に右か左に寄り、そして敵の攻撃が“クラブ”に到達する瞬間、一気に身を翻えして、その攻撃をかわす。
 つまり、一種のフェイント。
 おそらく“紅蓮弐式”のパイロットは、この“クラブ”が何の前触れも無く急に消えたように見えただろう。それこそ、幽霊のように。
 この技はかなり強力で、ラウンズ同士の模擬戦でも上手くいけばこれだけで一勝を奪い取れる。
 それ程の技。なのだが……。
「!」
 完全に相手の死角から振り下ろしたはずのMVSは、その赤い装甲を切り裂く事は無かった。
 “紅蓮弐式”のメインカメラは完全に正面に向いている。しかし、その腕だけは、正確にこちらに伸びて“クラブ”の腕を掴んでいた。
「防がれた? しかも初見で!?」
 ロイは驚愕した。
 ラウンズにだって初見ではこうも完全に止められはしない。
 あの、ナイトオブワンとて、模擬戦でこの技を初めて使われた時は成す術無く一本を取られたのだ。つまり、この技は初見に限ればまさに必殺。そのはずだった。
 いや、すでに初見で防がれたので、そう思っていた。という過去形の表現の方が正しいが……。
 あまりの出来事に、ロイは一瞬だけ動きを止めてしまった。その一瞬の隙で、ロイはいままで数多くの敵を屠ってきたというのに。

 ○

 紅蓮弐式のコクピットの中で、カレンは驚いていた。
「こいつ、ライみたいな技を」
 青い亡霊。ライが得意としていたフェイントだ。
 それとほとんど同じ技を“クラブ”は繰り出してきた。
228名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:29:08 ID:dQADhIqK
支援
229KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 15:31:49 ID:OrI+o81d
 防げたのは、過去の模擬戦で何度もこの技で撃破されている内に身に付けた、無意識レベルでの条件反射だった。つまり、考える前に体が動いたのだ。かつて、ライも「もうこの技に限って言えば君は無敵だね」と苦笑いして言った。
 ライのお陰だ。そうカレンは思った。
 ライが守ってくれた。そうとしか思えなかった。
 不意に、カレンの顔に哀しげな影が浮かんだ。
(ライ、必ず助けるからね……)
 カレンは、再び目の前に立ちはだかる“クラブ”を睨み付ける。
「私の邪魔をするな! こいつ!」
 “紅蓮弐式”が主の意志に呼応して、右腕を力強く“クラブ”に伸ばした。

 ○

 ロイが動揺した一瞬の隙をついて“紅蓮”は身を俊敏に反転させ、必殺の右腕を伸ばしてきた。
「!」
 ロイは我に返って回避行動を取る。しかし、遅い、間に合わない。必殺の技が破れたという事実は心に動揺を呼びナイトオブゼロであるロイにすら一瞬の判断を鈍らせた。
 白い爪がクラブの肩に食い込む。
 コックピットが一度大きく揺れた。
「しまっ――」
 いそいで離れようとする。だが爪はしっかりと食い込んでいて離れられない。“クラブ”のランドスピナーが煙をあげて虚しく空回りする。
 “紅蓮弐式”のメインカメラがキラリと光った。“破壊の衝撃。とくと味わえ”そう言ってる気がした。
 やられる。ロイがそう思った瞬間。
『動くなよロイ』
 遠い空。
 遅れて到着した白き騎士――“ランスロット”から、ヴァリスの弾丸が発射された。
「スザク!?」
 “紅蓮弐式”は瞬時に判断した。彼女は“クラブ”を捕らえていた右腕を外し、それをヴァリスの弾丸に向けて、赤い障壁を展開した。
 弾丸と障壁が火花を散らす。
 その隙にロイは“クラブ”のフロートエンジンをフル回転させて、空に逃れた。

 ○

『枢木卿。貴公は――』
『スザク、あなた――』
230名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:33:15 ID:dQADhIqK
支援
231KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 15:34:12 ID:OrI+o81d
「牽制です」
 ギルフォードとアーニャからの非難を、スザクは一言で遮った。
『味方の艦にヴァリスなど、正気か!? あそこにはナナリー姫様もおられるのだぞ』
「あれぐらい“紅蓮弐式”は止めます」
『近くにロイもいた。あの赤いのが防がなかったら、敵もろともロイは』
「ロイはあれぐらいでは死なない。そうだろう」
『スザク……』
 アーニャがまだ何か言いたげにこちらを睨み付けてくる。それを無視して、スザクは大アヴァロンの白い甲板に立っているライバルを見据えた。
 “ランスロット”の位置は“紅蓮”と、大アヴァロンに対して水平になっていた。これなら、“紅蓮弐式”を撃っても大アヴァロンに傷は付かない。

 ○

「スザクか!」
 カレンはヴァリスを輻射障壁で弾ききると、見慣れた忌々しい機体の登場に“歓喜”した。 
 黒の騎士団としては、ここにきて“ランスロット”の登場は充分に危惧すべき事柄だったが、カレン個人としてはよく来たなと言ってやりたいところだった。

 ○

 出撃前。カレンはゼロに呼び出された。
「何か分かったの!?」
 ただ空間を布でおおっただけの簡素な場所。そこでカレンはゼロの親衛隊などの体面など捨てて、感情的にゼロ――仮面を脱いだルルーシュに詰め寄った。
 ルルーシュは部下のその行動を咎める事も無く、真剣な眼差しのまま小さく頷いた。
「ああ、新たな事実がな」
 そして、ルルーシュは傍の机からA4サイズぐらいの紙を取り出すと、それをカレンに向けた。
 カレンはそれをひったくるように取って読んだ。
「……何よ、これ」
 心臓が止まりそうになった。
 そこには、ライの結末が書かれていた。
 黒の騎士団のバイザーをつけたライの写真と<処刑済み。データ無し>の文字。
 カレンの世界が不意に歪んだ。足に力が無くなってグラリと崩れる。しかし、その体が地面の冷たいコンクリートに付く前に、だれかが支えた。
「大丈夫か?」
 C.C.だった。彼女は崩れ落ちるカレンを支え、心配そうに声を掛けた。しかし、そんな言葉などカレンには届かなかった。
232名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:36:08 ID:dQADhIqK
支援
233名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:36:17 ID:A9y1mzhI
支援
234KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 15:37:55 ID:OrI+o81d
 目の前の事実が受け入れられない。
「……何よ、これ」
「カレン。今は冷静になって俺の話を聞け」
 ルルーシュの淡々とした言葉。いつもは尊敬にすら値する声でもあったが、今はそれがどうしようもなく腹立たしかった。
「冷静になれ? なれるわけ無いだろう!」
 カレンはぶつけようの無い激情と、あふれ出てくる悲しみと涙を目の前の男に浴びせた。手渡された紙を投げ捨て、ルルーシュを締め上げる。細身の体はなす術なく持ち上げられる。椅子が飛ぶ。ルルーシュは苦しそうに息を漏らした。
「ちょ、ちょっと待て、カレン、落ち着け、少し落ち着――」
「どういうこと! 何なのコレは!? 何なのよ! 何だ!」
 そして、感情のまま力任せにルルーシュを振り投げようとした所で、カレンの視界が反転した。
 背中を引かれ、さらに足払までかけられたようだ。今度こそ、カレンは冷たいコンクリートに背中からぶつかった。
 カレンが痛みに耐えながら頭を起こすと、そこには首を押さえて苦しそうに息をしているルルーシュを庇うように、C.C.が立っていた。
 彼女は呆れた様子で大きく息を吐いた。
「いきなり気遣いも何も無く本題に入ったルルーシュの馬鹿さ加減には、私も女として腹が立たなくもないがなカレン。少し落ち着け。話が進まないだろう」
「でも、でもC.C.! ライが、ライが!」
「ラ、ライは生きている」
 ルルーシュが未だ苦しそうに息を吐きながら告げた。それを聞いてカレンはすでにポロポロと涙を流し始めていた目を丸くした。
「……へっ?」
 C.C.がスッと脇にどく。そして彼女は近くに置いてあった椅子に腰掛けた。
 ルルーシュは立ち上がり、転がった椅子を直し、そこに座ると、乱れた服装を整え、一度咳払いしてから言った。
「今度は話を最後まで聞いてくれ。公式発表では、ライはブラックリベリオンの後、いの一番で処刑された事になっている。それは今渡した紙に書いてある通りだ。だが、俺はそれを嘘だと思っている」
「どういう事?」
 カレンはフラリと力なく立ち上がる。
 ルルーシュは丁寧に説明した。
 ライがこういう形で死刑とされているのはおかしいということ。
 ライがブリタニアで生きている可能性が高いという事。
 記憶を改ざんする皇帝のギアスの事。
235名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:38:41 ID:dQADhIqK
支援
236KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 15:41:09 ID:OrI+o81d
 そして、すでにルルーシュはブリタニア情報部へのハッキングを繰り返し、ライの行方を捜しているということ。
「これが、そのライ候補者リストだ」
 カレンは分厚い書類を手渡された。
「その中にライがいるとは言えないが、可能性があるものを俺なりにリストアップしてみた」
 カレンは黙ってその書類に目を通し始めた。軍人。文官。学生。商人。執事。様々な人物のその詳細な経歴が写真付きで書き込まれていた。
「どうだ?」
 カレンが見終わったのを見計らって、ルルーシュが声を掛けてくる。
 カレンは自信なさげに答えた。
「分からない。この中に本当にライがいるの? その、皇帝のギアスとかで」
「それは分からない。ブリタニアは広い。俺だって全てのブリタニア人を調べ上げたわけじゃないからな。ただ、俺が確信を持って言えるのが――」
「断定じゃないんでしょ。ライが生きてるって言うのは」
 カレンがルルーシュの言葉に被せるように言うと、彼はどこか悲しげな様子で視線を下げた。その様子は、まるで親に悪い所を指摘された子供のようだった。
「……お前が俺の推論を信じないのも、その……無理は無い。そう思っている。むしろ、お前の男を巻き込んだ俺に、いや奪った俺にまだよく仕えてくれるとありがたく思っている。だから、俺はお前には最大限の誠意を持ってだな」
「そんなのはどうでもいいよルルーシュ。少なくともあなたはライが生きていると確信している。そうね?」
 その言葉にルルーシュは小さく驚いたようだった。しかし、カレンが真剣な眼差しを向けているのを見て、彼も、その瞳に力を込めた。
「ああ、そうだ。助けてみせる。アイツは俺の親友だ。だからカレン、お前も」
 カレンは、その言葉に嘘が無い事を感じ、力強く頷いた。
「……うん、分かってる。正直、ゼロ=ルルーシュに全て納得してるわけじゃない。けど、あなたがライを助けると言うのなら、私はあなたの指示に従うし、あなたの目的への協力も惜しまない。そうね、今この瞬間、あなたの道は、私の道になった」
 ルルーシュは瞳を細めた。パッと見れば不愉快そうなしかめっ面をしているが、この男は天邪鬼なので、おそらく、喜びを隠すためにこんな表情をしているのだろう。ルルーシュは椅子から立ち上がり、そして数歩カレンに近寄った。
237名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:42:37 ID:dQADhIqK
支援
238名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:42:45 ID:uVPLmjOw
支援
239KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 15:45:10 ID:OrI+o81d
「分かった。誓おう。俺はライを取り戻す。そのために力は惜しまない」
 カレンは目の前にあるルルーシュの瞳を真っ直ぐに見据えた。
「私も誓うわ。私はあなたのために力を尽くす。あなたの目的とライのために」
「これは契約だな」
 傍で事の成り行きを見守っていたC.C.がポツリと呟いた。
 ルルーシュとカレンはその比喩がおかしくて小さく笑いあった。
「……ありがとうカレン。そしてすまない。俺はお前の大切なものを奪ってしまったというのに」
 カレンは小さく首を振った。
「違う。それは違うわルルーシュ。今の結果は彼が選んだ事だもの、きっと、ライは巻き込まれたとかそういう感情なんて持ってない」
 そして、カレンはこの部屋に入って初めて優しげな顔で微笑んだ。
「しっかりしてルルーシュ。彼の親友であるあなたまでそんな間違いをしていたら、ライが悲しむわ」
「そうだな……」
「カレン。大丈夫なのか」
 いつの間にか立ち上がっていたC.C.に聞かれて、カレンはまた笑顔を向けた。
「大丈夫よC.C.。もう沢山泣いたもの。知ってるでしょ? だから、大丈夫」
「カレン。お前……」
 C.C.は軽く笑った。
「神経が図太くなったな」
 カレンはそれを聞いてガクッとコケそうになった。
「そ、そこは、素直に強くなったな。って言いなさいよ」
「それはすまなかった」
 そう言ってC.C.はまた笑った。

 ○

「会いたかったわスザク……」
 カレンの表情が怒りと喜びが入り交じった複雑な表情を浮かべる。
 自分とルルーシュの道を妨げる敵。特にこの男には個人的な恨みもタップリある。
 そしてここは学園ではない。感情を抑える必要は無い。ここは戦場で、二人は兵士。
「アンタには……」
 スザクはライを撃った。傷つけた。許せない。許せるものでは無い。
 同時に悔しい。
240名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:45:21 ID:2KrYiU5f
sien
241名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:47:14 ID:dQADhIqK
支援
242KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 15:47:43 ID:OrI+o81d
 あいつさえ早めに殺しておけば、ライだってまだ自分の隣にいたはずなのに……。
「今こそ……」
 歪む。奴に対する何かが、それに呼応して表情が、心が、全てが奴にぶちまけろと憎悪に歪む。
「こいスザク! 私と戦え!」
『カレン。君はまだ戦っているのか……』
 スザクからの声に、カレンは怒声で応じた。
「当たり前よ!」
『ライはもういない……』
 スザクのその言葉に一瞬息を飲む。
 処刑。
 そのイメージがよぎる。
(違う! そんなわけない)
 カレンは、思考を拒絶するように頭を強く振った後、ぬけぬけと言った男を睨みつけた。
「黙れ! お前の言う事など誰が信じるものか!」
 スザクは息を吐いたようだった。
『……なら、何も言う事は無い。今更、許しは乞わないよ』
 その時、“ランスロット”の右肩から長い砲身が伸びた。
「!」
 カレンの脳裏に、あの“クラブ”が長い砲身を携えて味方の“無頼”を屠った時の光景が甦る。
 ――来る。あの赤い閃光が!
『隠れろ! 紅月!』
 その時、近くにいた千葉の“月下”から、通信機越しに声が飛び込んできた。
 カレンは岐路に立たされた。
(隠れるか? いや駄目だ。今よくよく考えればあいつはここに味方がいたと言うのに、あの馬鹿みたいに破壊力のあるヴァリスを発射した。すでにあいつはブリタニアの軍人。敵を倒すためなら、味方の犠牲も省みない非常な男)
 奴は信用できない。奴は友達二人を売った男なのだ。だから、“紅蓮”を移動させれば、それに合わせて、照準を変えてくるかもしれない。例えナナリーがいる大アヴァロンを傷つける事になったとしても、だ。
(防ぐしかない!)
 それに今、大アヴァロンにはゼロもいる。
 ナナリーを、そしてルルーシュを殺すわけにはいかない。
 そう判断した次の瞬間。あの“クラブ”とは比較にならない力強い閃光が“ランスロット”の砲身に宿り、こちらに撃ち出され、飛来した。
「お願い、紅蓮!」
 紅蓮弐式は腕を突き出し、赤い障壁を展開する。しかし、出力が上がらない。
243名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:49:17 ID:uVPLmjOw
しえん
244名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:50:07 ID:2KrYiU5f
支援
245KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 15:50:59 ID:OrI+o81d
「っ、まさか!」
 輻射障壁のパワーがいつもより弱い。この腕が間に合わせの上、連射がきかない甲壱型。というのもあるかもしれないが、それにしても障壁の出力が低すぎる。
 ――故障!?
 今の黒の騎士団の整備力の無さが、ここに来て決定的になった。
 閃光が飛来する。それは障壁を易々とぶち破り、“紅蓮弐式”の命ともいえる右腕を奪った。

 ○

『紅月!』
 “紅蓮弐式”が腕を失い、制動を失って大アヴァロンから落下していくのを、一機の“月下”が追った。
 それを眺めつつ、アーニャはフロートを吹かし、頭上から、その“月下”を鷲掴みにした。
『!』
 パイロットが、驚きの吐息を漏らす。そして、手に持った剣でこちらを切りつけてきた。しかし、その剣は“モルドレッド”の強固な装甲に阻まれる。
「おしまい。かくれんぼは」
 “モルドレット”は、月下の頭部を握る力を強めた。
 “月下”はその間に、何度も紫の装甲を切りつける。しかし、逆に切りつける刀が壊れる有様だった。
「それに、赤いのは落ちたからもう前線にでても大丈夫。ロイは心配しない」
 その言葉を“月下”のパイロットが聞けたかどうかは分からないが、その言葉を最後に“モルドレッド”は“月下”を握り潰す。
 パイロットの安全を優先し、飛び出す脱出用のイジェクション・シート。アーニャにとっては大切な友達であるナナリーを襲った黒の騎士団だ、一瞬撃ち落してやろうかとも思ったが。
「……やめた」
 アーニャはそれを実行に移さなかった。ナイトオブテンのような趣味はないし。それに、ロイはそういうのは嫌いだろう。

 ○

 捕らえられた状態をスザクのお陰でなんとか脱出したロイは、紅の機体が落ちていくのをモニター越しに見ていた。
 “ランスロット”の“ハドロンブラスター”が“紅蓮弐式”の輻射障壁を破った時はヒヤリとしたがコックピットブロックはどうやら無事のようだ。
「良かった」
 ロイはそう言って安堵の息を吐いた後、はたと気付く。
「って、なんでホッとしてるんだ僕は……」
 思えばこの状況で“紅蓮弐式”に降伏勧告など馬鹿な事をしたものだと、ロイは首を傾げた。そして自分の行動を思い起こして、なぜそんな事をしたのかと不思議に思った。
246名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:52:52 ID:dQADhIqK
支援
247名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:53:31 ID:2KrYiU5f
しえん
248KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 15:53:38 ID:OrI+o81d
 敵に優しいのはいい。しかし、敵に甘いのはいけない。それはロイにとって守るべき指針の一つなのだが、“紅蓮弐式”への降伏勧告を初め、あの機体に対するロイの感情はどうも、その甘い領域に足を踏み入れつつあるようだ。
(う〜ん。女性には弱いからな僕は……)
 自分の悪い癖が出たとロイは思った。フェミニストのつもりはないし、戦場で戦う以上女も男も関係ないという主義のつもりだが、やはりまだその主義に殉じきれていない部分があるようだ。
『お〜。なんだよ結局スザクがいいとこ取りか』
 “クラブ”の隣に“トリスタン”が寄ってきた。続けて“モルドレッド”も近づいてきた。
『いいとこ取りはいいけど、スザクはちょっと強引すぎ』
『……お前がそれを言うか』
 先ほど“トリスタン”スレスレにハドロン砲を撃たれたのを思い出したのか、ジノがゲンナリとした様子で言った。
 アーニャが即反論した。
『私はジノにもロイにも当てない自信があった。でもスザクは違う。スザクは完全に敵の判断に任せた攻撃をした。もし、あそこで紅蓮がヴァリスを弾き返してなかったら、ロイどころかナナリー総督も危なかった』
『でも、結果的に二人は助かったじゃないか』
『私は、ギャンブルでロイとナナリー総督の命を賭けてほしくないだけ』
 そう言って画面でムッとするアーニャを、ロイは手で制した。
「もういいよアーニャ。ありがとう。でも、僕はスザクの判断は正しかったと思う。そもそも、僕があの“紅蓮弐式”に油断して負けたのがいけなかったんだ。スザクは褒められこそすれ、責められるいわれはない。どちらかと言えば責められるのは僕の方だろう」
『……』
 ロイがそう言うと、アーニャはしぶしぶといった感じで口を閉じた。
 その時、スザクから通信が入った。ロイは恩人に笑顔を向けた。
『ロイ。無事か?』
「ああ。お陰でね。ありがとうスザク。助かったよ」
『良かった。じゃあ、僕はナナリー総督を探しに行く。後の事は任せてもいいかな』
「もちろんだ。でも、総督の現在位置は分かってるのか?」
『セシルさんが探してくれている。それに、いざとなったら、あれを使う』
「分かった。僕の方でも“クラブ”のレーダーで探してみる」
『ああ、何か分かったら連絡を頼む』
249名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:54:23 ID:dQADhIqK
支援
250KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 15:56:33 ID:OrI+o81d
 そして“ランスロット”は身を翻して大アヴァロンの内部に向かっていった。
 それを見送ってから、ロイは同僚二人に告げた。
「さて、僕達は残りの一機を片付けようか」
『藤堂か。その必要は無いみたいだぞ』
「え?」
『ほらな』
 “トリスタン”が指で示す、その先では“月下”のイジェクション・シートが海面に向かって勢い良く飛んでいく所だった。ギルフォードの“ヴィンセント”と“グロースター”がその後を追う。
 どうやら、黒の騎士団は全て片付けられたようだ。殲滅すべき対象がいなくなったのなら、ロイ達の後の行動は一つしかない。
「よし、じゃあ藤堂はギルフォード卿に任せて僕達はナナリー総督の捜索を――」
 そして、三機が大アヴァロンへ機体を向けた時、
 空で赤い光が弾けた。
「! 何だ」
 ロイが振り返り、レーダーに視線を落とすと、LOSTのマークが三つ。
『おいおい。飛んでるぜ、あの赤いの』
 ジノの声で顔を上げると、そこには確かに赤いKMFがあった。
 “紅蓮弐式”だった。しかし、その姿は先ほどまでの満身創痍とは違い、破壊された右腕は修復され、溶けた装甲は再生し、背中には尖った羽のようなパーツが付いていた。
 ジノがそれを見て興奮気味に言う。
『へぇ、黒の騎士団もフロートを開発してたのか。おれとしては、こっちのフロートよりあっちの方が好みだ』
『……でも、どんなにパワーアップしたって』
 アーニャの呟きに、ロイは「ああ」と頷いた。
「だからと言って、一機じゃどうにもできないさ。ジノ! アーニャ!」
『了解。牽制する』
『了解。でも私の出番ある?』
 そう答えてジノは前に飛び出し、アーニャは後ろに下がった。
 二人とも、自分の機体の特性を考えた上での判断だった。
 一方、ロイはMVSを構え、ジノに少し遅れて飛び出す。
 この場合、ロイの役割はジノが敵を取りこぼした時のその始末だ、そして万が一ロイも取りこぼせばそれはアーニャが始末する。
 いままで、この隊形を取って撃墜できなかった敵はいなかった。というか、アーニャまで出番が回った事も無い。だが、今回は違った。
 “紅蓮可翔式”は“トリスタン”に向けて右腕を突き出すと、そこから、輻射波動の“弾丸”を撃ち出した。
『へぇ、おもしれぇ!』
251名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:57:47 ID:2KrYiU5f
支援
252名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:57:47 ID:dQADhIqK
支援
253名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 15:58:28 ID:uVPLmjOw
支援
254KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 15:59:40 ID:OrI+o81d
 と言っても、ジノは一度見せられた技に易々とやられる男ではない。
 “トリスタン”は神速の機動でその弾丸をかわし、戦闘機に変形してスラッシュハーケンを放った。敵の七割はこれで沈む。だが“紅蓮可翔式”は的確に迫るハーケンをかわし“トリスタン”に接近すると、
『お、俺を踏み台にしたぁ!?』 
 なんと戦闘機形態の“トリスタン”を上から踏みつけて加速。その勢いで奥の“クラブ”に迫った。
「!」
 “紅蓮可翔式”は、“トリスタン”を踏み台にした加速を生かし、ロイにとっては完全に予想外の速さで一気に接近した。
 突き出される紅蓮の脚部。ロイが回避か迎撃かを迷った一瞬の時間のせいで、結局その選択肢は二つとも消えた。
 “クラブ”のメインモニター一杯に赤い足の底が映った。
『はぁぁぁぁぁあ!』
 カレンの咆哮。
 回避は間に合わず、“クラブ”の頭部に、体当たりにも似た痛烈な蹴りを食らう。“クラブ”は仰け反って吹っ飛んだ。
 “クラブ”のコックピットが縦横無尽に揺れる。ロイは何度か頭をぶつけて、気を失いそうになった。
 その様子を見ていたアーニャの瞳に、珍しく怒りの色が灯った。
『! 土足で』
 “モルドレッド”は展開していたハドロン砲の狙いをつける。
 砲身に赤い光が灯り、戦艦を一撃で沈める閃光が飛び出た。それは真っ直ぐ“紅蓮可翔式”に向かって伸びる。
『紅蓮を、舐めるなぁぁぁぁぁぁ!』
 “紅蓮”は機敏な動きで赤い閃光を潜り抜けるようにかわすと、右手の爪をビンタの要領でぶん回した。
『!』
 紅蓮に張り倒された“モルドレッド”は、巨体を揺らし、道を譲った。
「くっ、まだまだ!」
『ラウンズ並みの腕前かよ!』
 その頃には、ロイもジノも改めて紅蓮を追っていた。
 距離は空いている。しかし、じき追いつく。と、その時、紅蓮が上空で止まった。
 すると、先ほどまでの白い爪とは違い、まるで肉食恐竜のような大きく鋭い爪を突き出すように展開した。
(また、あの弾丸か?)
 ジノも、体勢を立て直したアーニャもそう思ったらしく、いつでも回避できるよう操縦桿を握る。
 強力な輻射波動が飛び出ると言っても、しょせんは効果範囲が限られた弾丸。くると分かっていてかわせないメンバーはこの三人の中にはいない。
255名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 16:00:17 ID:dQADhIqK
支援
256名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 16:02:04 ID:2KrYiU5f
支援
257KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 16:02:56 ID:OrI+o81d
(かわして、そのままの勢いで突っ込む!)
 三人は一瞬で同じ事を決断した。その時、“紅蓮”の爪の付け根――いままでと違う機構――が、ガチャリと動いた。
<収束の次に拡散に発想がいくのは自然な流れだよ〜>
 いつかのロイドの言葉がロイの頭をよぎった。同時に背筋に何か冷たいものが伝った。
(まさか……!)
 爪に充電していく熱量。
「二人共! 散開――」
 ロイが叫ぶのと同時に、膨大に広がった赤い閃光が三人を襲った。

 ○

 アーニャが目を開けると、そこには相変わらず青い空が広がっていた。
「あれ、私……」
 “紅蓮”に張り倒されて、そして体勢を立て直して、改めて紅蓮を追おうとしたら。赤い閃光が視界一杯に広がって……。
『アーニャ! ジノ! 無事か!?』
 アーニャのぼんやりとした頭に聞きなれた声が飛び込んでくる。アーニャはそれで完全に目が覚めた。
「あ、ロイ……」
『俺も無事だ』
 アーニャと同時に、ジノも答えた。
『にしても、一体全体なんだ。俺達は何をくらったんだ? “トリスタン”も全く動かないし。あ〜くそ。後はスザクに任せるしかないな……』
 ジノの問いに、なにやら画面上で操縦桿をガチャガチャと動かしているロイが答えた。
『おそらく、あれは僕の可変ハドロンブラスター拡散モードと同じように、輻射波動の弾丸を拡散させた攻撃だろうね。見た目のダメージはほとんど無いみたいだけど、……駄目だ、センサーを初め精密機械が全部いかれてる』
 それを聞いてアーニャも操縦桿を動かしてみた。なるほど、確かに精密機械に深刻なダメージを受けたようで、“モルドレッド”は全身が錆びたゴーレムのように軋みを上げながら、断続的に動くだけだった。これでは戦闘は不可能だ。
 仕方が無いのでアーニャは視界を上に向けた。“紅蓮”とスザクの“ランスロット”が戦っている。しかし、その戦いもすぐに終わった。
 スザクは“紅蓮”に背を向けて大アヴァロン内に突入し、“紅蓮”も“ランスロット”を追わず、大アヴァロンの周りを何かを探すように飛び始めた。
『って、おいおいロイ! お前大丈夫か!?』
 ジノの声を聞いて、アーニャはモニターに視線を戻した。そして彼女は目を見開いて、息を飲んだ。
「! ロイ」
258名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 16:03:48 ID:2KrYiU5f
支援
259KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 16:05:35 ID:OrI+o81d
先ほどは光の加減で気付かなかったが、ロイの頭からは顔の三分の一を隠すように血がダラダラと流れていた。
 血を被った眼鏡からも、潤沢な血液がポタポタと垂れている。
 ロイは弱々しく笑った。
『ああ、実はさっき、蹴られた時に頭をぶつけてね。大丈夫、と言いたいところだけど……』
 ロイの顔から、フッと血の気が失せた。
『ごめん、駄目だ。悪いけど“クラブ”の回収は任せ、る……』
 そして、ロイは頭を垂れると、気を失った。
 一応フロートシステムが起動しているので、急に海に落ちたりはしないが、それでも“クラブ”は糸が切れた操り人形のように、だらしなく四肢を垂らし、青い機体はゆっくりと高度を下げていった。
 アーニャは一瞬何が起こったのか理解できなかったが、
「……ロイ? ロイ!?」
 アーニャは叫ぶように呼びかけながら、“モルドレッド”を急いで“クラブ”に寄せる。それをジノが声で制した。
『むやみに動かすな! 運ぶならゆっくりとだ!』
「でもジノ! ロイが――」
 アーニャの声は今にもかすれそうだった。瞳にも水分がたまり始めている。そして思い通りに動かない“モルドレッド”に苛立ち、乱暴な手つきで操縦桿を動かし、とにかく急いで“クラブ”に駆け寄ろうとした。
 アーニャの脳裏には。もはやモニター上でありえない量の血をながすロイしか映っていなかった。
 その様子を見たジノは目を吊り上げた。
『バカヤロウ! 落ち着けナイトオブシックス!』
 彼は珍しく語尾を強めて、明らかに動揺し始めたアーニャを諌めた。そして、ジノは一度息を吐いてから口調をゆるやかにして言った。しかし、その声には軽くドスがきいていた。
『もう一度言うぞ。落ち着いて、そしてゆっくりと運べ。それができないならできないと言え。俺がやる』
260名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 16:07:17 ID:uVPLmjOw
支援
261KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 16:08:30 ID:OrI+o81d
「……できる」
 首を振り、感情を収め、表情を落ち着いたものに戻してアーニャが答えると、ジノは穏やかに『それでいい』と笑った。
『なら任せる。あと、そう心配するな、ロイはただ気を失っただけだって――ロイド伯爵。これより俺達は帰艦します。ロイが負傷したんで、一応医療班の手配を』
 ジノがロイドと、事務的な会話を交わす隣で、アーニャは指で瞼を拭い、心配そうな顔をモニターのロイに向けながら“モルドレッド”に“クラブ”をゆっくりと抱えさせる。
 本来なら、KMFにはこういう騎士が意識を失った時に備えて自動で帰艦できるプログラムが入っていたりするのだが、輻射波動をくらって、精密機械に甚大な被害を受けた以上、それは当てにできないだろう。
 なので“クラブ”はマニュアルでアヴァロンまで運ぶ必要があった。
「ロイ……」
 アーニャはもう一度、画面のロイに不安げな視線を送った後、
「っ、よくも……」
 一転して、唇を噛み、怒気の炎を内包した瞳で空の“紅蓮”を睨みつけた。
 じきに、スザクがナナリー総督を救出したという連絡が入った。しかし、アーニャはその本来なら喜ぶべき知らせにも何の反応も示さなかった。
 彼女は丁寧に、それこそ赤子の手を握るかのように優しく操縦桿を動かし“クラブ”を抱える“モルドレッド”を操り“アヴァロン”ヘの着艦作業に入るまで“紅蓮可翔式”と紅月カレンを奥歯を噛みしめながらモニターに映し出される限り睨みつづけた。
 ――アイツはいつか私が落とす。
 そう決意したのは、この時だった。

 ○ シーン7『紅 と 青』Cパート 終わり。シーン8『ナナリー の 信頼』に続く。
262KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/10/05(日) 16:09:37 ID:OrI+o81d
 投下終了です。
 支援感謝です。
 ようやくこのSSが小説の一巻まで到達しました。全体の三分の一といった所でしょうか。
 小説と言えば初めて読んだとき、スザク、ジノ、アーニャの直属部隊がエリア11に来ているという描写があって驚きました。
 特にアーニャの直属部隊の人たちっていったいどんな人たちなんだろうと気になりました。まさか、直属部隊と言う名の親衛隊(アイドル的な意味で)じゃないだろうな。
 と苦笑したものです。「オール・ハイル・アーニャ!」って叫びながら戦う部隊は面白いけど何かやだなw
 まぁ、きっと、○ルヒアイスとか○デューカスみたいな(両方分からない人ごめんなさい)副官的隊長がいるんだろうな〜。なんて勝手に自己完結しましたけど、う〜ん、気になります。
アーニャ「攻撃、開始……」
「アイ・マム!」とか「了解しました。閣下」とか。
 
 さて、それにしてもロイの直属部隊はどうしたもんか……。 

 では今週もこのへんで。また来週〜。
263名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 16:09:48 ID:uVPLmjOw
乙でした
264名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 16:09:48 ID:dQADhIqK
支援
265名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 16:11:49 ID:2KrYiU5f
GJ!!
アーニャとカレンにライバルフラグが…ww
続きを楽しみにしています。
266名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 16:13:18 ID:dQADhIqK
>>262
GJです!素晴らしい。ついにアーニャとカレンのガチフラグが!
カレンの心情描写が増えてきて実に嬉しい限りです。
続きを心からお待ちしてます!
267名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 16:15:21 ID:PdkPesSc
GJでした〜。
ああ、神視点の読者からすれば滅茶苦茶胃の痛くなる戦いですね。
大切な人を取り戻すために大切な人を傷つける…全ての真実が明らかになった時、ルルーシュが、カレンがどれだけ傷つくことになるのやら。
アーニャがカレンをロックオンしたようですが、相性的に最悪な紅蓮に今後どう戦いを挑むのか注目ですね。
268名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 16:25:46 ID:dQADhIqK
16:40頃から投下させていただきます。
269名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 16:29:47 ID:QaQt+OM8
今回もGJでした!
黒の騎士団サイドの空回りが切ないですね、必死でも思い込みが目をくらませて真実に届かないどころか傷つけてしまうなんて。
C.C.さんならロイに気がつきそうな気もしますが、なんとなく。
それにしてもラウンズサイドがステキすぎます、健気なアーニャ、イイ意味で三枚目のジノ、聡明でいつも公正な聖騎士なロイ。
スザクさんは、まぁゼロレクイエム覚醒前ですので暴走気味なのはしょうがないとw
次回の更新も楽しみにお待ちしています!
270貧弱な軍馬@代理投下:2008/10/05(日) 16:42:11 ID:dQADhIqK
では、時間になりましたので。
現在、貧弱な軍馬氏がSSスレに投下できない状況にあるため、代理で投下させていただきます。

タイトル:戦女神の長(吸血鬼の花嫁シリーズ)
注意事項:ヴァルキリエ隊のことなんて良くわからんので捏造&オリキャラあり
レス数は終了宣言含め8レスの予定です。
支援お願いします。
271名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 16:43:47 ID:oVbfqjO8
支援します
272名無し:2008/10/05(日) 16:44:20 ID:MB6BP5lW
支援( ^o^)/
273貧弱な軍馬@代理投下:2008/10/05(日) 16:44:52 ID:dQADhIqK
神聖ブリタニア帝国軍にはヴァルキリエ隊と呼ばれる部隊が存在する。
この部隊は大きく分けて二つの意味で有名だ。一つはナイトオブラウンズの親衛隊だと言う事。
もう一つは美人ばかりで構成されているという点。
これは決して偶然ではない。皇族の騎士がイケメン揃いなのは偶然だが。
理由はヴァルキリエ隊、正式名称グラウサム・ヴァルキリエ隊の主であるナイトオブテン ルキアーノ・ブラッドリーにある。
正直な話をすれば……

「よく覚えてねえな〜」

と言うのが本人談である。指揮にも興味がない単機駆けのスペシャリストは、親衛隊に必要性を感じていなかったのだろう。
ただ偶々、偶然最初に選んだメンバーが美女で……

「お? 正式に女を侍らせられるのは良いね〜」

と、不謹慎な方向で知恵が発揮され、いつの間にか「15〜25歳までの腕利き美少女騎士で構成された部隊」が誕生していたというだけ。
女に興味がないといえば嘘になるルキアーノだが、彼にとってもっとも大事な事は「戦争」であり「一番大事なものを奪う事」だ。

故にヴァルキリエ隊はナイトメア乗りを目指す少女達の憧れの一つとなっていた。
ラウンズ親衛隊と言う腕の保証、ルキアーノの破天荒な性格を許せる広い心。
そして面食いな吸血鬼のお眼鏡にかなった美貌。いわば才色兼備、文武両道。
まるで庶民から騎士候、后妃にまで上り詰めた女傑 マリアンヌを思い起こさせる。
彼女の人気は死後も衰えず、貴族の間では「ナイトメア乗りの騎士を嫁に向かえる」と言うのがステータスとして定着している。
274貧弱な軍馬@代理投下:2008/10/05(日) 16:46:12 ID:dQADhIqK
つまりヴァルキリエ隊とは「軍人として上り詰める事が出来て、退役後は嫁の貰い手に困らない部隊」としても有名になったのだ。
一つだけ問題があるとすれば……主であるルキアーノに戦乙女が乙女の資格 「純潔」を奪われる可能性。
これには二パターンが存在する。吸血鬼も英雄も色を好む。だが彼が本当に愛しているのは闘争だ。
お互いの合意があれば暇つぶしのように床を共にする事があったと言われる一方、本当に乙女を守りたい者に手を出さないとも言われた。
真実を問い質すことは出来ないし、問い質したとしてもニヤニヤとした笑みで、

「さて? どうだったかな〜」

みたいな答えが返ってくるのは必定だろう。それに最近はその危険性もほぼ無くなったと考えて良い。
なぜなら『吸血鬼は花嫁を見つけた』のだから。



「おい、ヴァルキリエ隊だぜ」
「あぁ…特注軍服に紅い蝙蝠の髪留め…間違いない」

とある軍の基地の廊下を歩いていた二人の軍人が前から歩いてくる一団を見て呟いた。
正しく露出が多いパイロットスーツ兼軍服に身を包んだ息を呑むような美少女たち。
軍事基地としては違和感しか覚えないが、余りにも有名なその一団 ヴァルキリエ隊。

「そう言えば一人欠員が出たって聴いたな……新人あさりか?」
「ん? まさかあの銀髪……」
275名無し:2008/10/05(日) 16:46:34 ID:MB6BP5lW
支援( ^o^)/
276貧弱な軍馬@代理投下:2008/10/05(日) 16:48:11 ID:dQADhIqK
ふと片方の男が、他のヴァルキリエ隊とは違う軍服を纏った存在に気がついた。
上は僅かに膨らむ胸と開かれた背中部分は美しいラインを二の腕にかけて魅せる。
下は膝下ほどの丈でピッチリしたデザインながらも、大胆なスリットが入ったスカート。
片方の肩を覆う丈の短いマントの色はナイトオブテンのソレと同じオレンジ。
美しい銀髪には紅に加えて金の縁取りがされた蝙蝠の髪留め。美髪はストレートで肩下にまで伸ばし、歩くたびにハラリと舞う。
憂いを帯びながらも、冷たさと強さを感じさせる不思議な表情。
どうしても他のメンバーの少女たちとは違う存在だと感じる。

「吸血鬼の……花嫁」

吸血鬼の花嫁。白ロシア戦線前後から現れたグラウサム・ヴァルキリエ隊の隊長。
出身や経歴は一切不明。解っているのはライという名前だけ。
ラウンズに匹敵するとも言われたナイトメア操縦能力、帝国宰相シュナイゼルに並ぶとも称される知略。
そして男女にも受け入れられる不思議な魅力。以上の事からルキアーノ・ブラッドリーのお気に入りにして、その右腕。
ラウンズ権限で独断専行が目立つ彼が唯一素直に指示を聞く相手にして……恋人とも愛人とも嫁とも噂される。
その実物を前にして二人の軍人は思った。
『ブリタニアの吸血鬼がコロッとやられたのも頷ける』と

「ちょっと良いですか?」
「はっ! 何でありましょうか、ライ卿!!」

不意に話しかけられて、ビシリ!と緊張した敬礼する軍人二人を見ながら、背後のヴァルキリエ達はクスクスと笑う。
277名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 16:49:37 ID:wCQs+7OE
支援
278貧弱な軍馬@代理投下:2008/10/05(日) 16:50:47 ID:dQADhIqK
「こらっ二人とも、お仕事中の人を笑うのは失礼だよ」

そんな仲間の様子を小さく諌めて、ライという美少女は問うた。

「第三訓練場はこちらですか?」
「はっ! この突き当りであります!!」

軍人二人に小さく礼をして、ライを先頭にしたヴァルキリエ隊は移動を開始。
擦れ違った二人が見えなくなった時、ライ以外の一人が口を開いた。

「みた? さっきの奴らもライにメロメロだったぜ?」

女としては短めのショートヘア。小麦色の健康的な肌、筋肉質と言って良い引き締まった肉体。名をベッキー・フォール。
男勝りといった雰囲気が良く似合う彼女に、ライが定番となった否定の言葉を口にするその前にもう一人が続けた。

「当然です、あのブラッドリー卿を骨抜きにするくらいですもの」

ブリタニアには珍しい黒髪と小さな眼鏡。何時も浮かべるのは小さな微笑。
お嬢様然とした雰囲気だろうか? 名をオーリス・ドルツ。

「止してよ、二人とも。僕だって好きでこんな格好してるわけじゃ……」
「またまた〜これだけキレイなんだから楽しまないと損だぜ?」
「ですわね? ライ卿、僕じゃなくて私でお願いします」

そんな二人の様子にライはタメ息を吐きながら告げた。

「今日は新しいメンバーをルキアーノさんの代わりに選びに来たんだよ?
 リーライナが後輩を紹介してくれるから良いものを……」
279貧弱な軍馬@代理投下:2008/10/05(日) 16:52:09 ID:dQADhIqK
僕…いや私…やっぱり僕 ライは困惑していた。『女装に慣れてきてしまった』と。
寝起きを襲撃されなければしなかった女装だが、最近は自発的にしている気がする。
いや、実際している。この前も伸ばす事を強要された髪の毛を丁寧に梳かしていた。
これは不味いぞ……ルキアーノさんやヴァルキリエ隊の皆が喜んでくれるのが嬉しくてつい……今だけでも仕事に集中しないと……

「お〜やってるな! 私達も混ざるか? ライにオーリス」

目の前で行われているのはナイトメア同士の模擬戦だ。そんな様子にバトルマニアのベッキーが目を輝かせている。
オーリスも何時もの微笑を浮かべながらもソワソワしているから、その意見には賛成らしい。

「まだダメです。まずはリーライナと合流して…「ライ様!」…探す手間が省けたね」

声をかけてきたのは金色の長い髪が僅かにカールした少女。ベッキーやオーリスよりも若干歳は下だろう。
身を包むのはベッキーたちと同じヴァルキリエ隊の軍服。
彼女達三人と僕を合わせた四人が現在のヴァルキリエ隊の全てであり、今回は抜けた五人目の穴を生めるためにここに来たのだ。
何故穴が生じたかった? 幾らルキアーノさん直轄のエリート部隊とは言え、僕達は戦争をしている。
人員が欠ける理由は沢山ある。軍隊ならば当たり前のモノから、ウチ特有なものまで……

「遠くまでご足労願い申し訳ありませんでした」
「止めてリーライナ。私が君や後輩にも無理を言って、この時間を作って貰ったんだもの。
 非礼を詫びるのはこっちだよ?」
「勿体無い……お言葉です」
280貧弱な軍馬@代理投下:2008/10/05(日) 16:54:19 ID:dQADhIqK
特に考えもせず、リーライナの頭を撫でていたら本人を含む多方向から、熱っぽい吐息が聞こえる。
理由は良く解らないけど、考えもせずに女性的なアクションをとった時に返って来る気がする。
この前も偶々ナイトオブセブンとお茶を共にした時、『クスッ』と小さく笑った時にもこんな雰囲気が起きた……枢木卿から。

「硬いな。もっとフレンドリーに接して良いと思うんだけど、どうよ?」
「私達のような接し方は昔のライ卿を知らないと難しいと思うの」

これは僕の勝手な推測だがヴァルキリエ隊に来る人間は二つに分けられる。
一つはさらに高度で息が詰まる戦闘を求めるような生粋の騎士たち。
もう一つはヴァルキリエ隊という箔がこの先の出世や婚姻に重要だと考える貴族たち。
バトルマニアのベッキーや、文官の家系ながら軍人になったオーリスは前者。
今回の穴を作った彼女やリーライナは間違いなく後者だろう。
そしてヴァルキリエ隊に入った時期、僕と知り合った時期によっても分けられる。
僕がヴァルキリエ隊に入った時から変わらないメンバーは今ではベッキーとオーリスのみ。
一人は部隊指揮がしたいと通常部隊に配置換えを希望して実現、もう一人は……
とにかく昔の僕、女装なんてする前の世間知らずを知っている人たちは僕にも軽い気持ちで話しかけてくれる。
だけどリーライナは……

「でっでも! ライ様はブラッドリー卿の恋人ですし……」
「そういう事はあんまり人前で言うべきじゃないと思うの……ね?」

『シィー』と沈黙を要求するジェスチャーの後、その指でコツンとリーライナのオデコをコツンと叩く。
何時にも増して女らしい言葉になっている気がした……すると更に赤みを増した彼女が夢見心地のように言葉を紡ぐ。
281名無し:2008/10/05(日) 16:55:04 ID:MB6BP5lW
支援( ^o^)/
282名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 17:04:41 ID:hBKomCYE
支援
283名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 17:13:02 ID:t4Rm2mYl
まさか規制か?支援弾幕を
支援
284名無し:2008/10/05(日) 17:14:04 ID:MB6BP5lW
支援( ^o^)/
285貧弱な軍馬@代理投下:2008/10/05(日) 17:14:41 ID:dQADhIqK
「ライ様は私の……憧れで……その……ライ様の事がすっすっ……やっぱり言えない! ブラッドリー卿に殺される〜」

なんだか物騒な台詞が聞こえた。そんなにルキアーノさんって怖いかな?……うん、怖いや。
特に僕が違う男の人と楽しく話しているところを目撃したときは怖い。
さて「すっすっ……」なんだろう? 「スキ」だろうか? 話の流れ的にも多分ソレだろう。
けど別に緊張するような要素は無いと思うんだけど……僕もルキアーノさんやヴァルキリエ隊のみんなの事が「スキ」だ。
全く問題ない。口ごもるような事じゃない。だから僕が言って上げる事にした。

「私も貴女の事がスキだよ? リーライナ」

僅かに屈んで視線を合わせ、覗き込むようにして呟く。意外と近かった……ちょっと緊張。

「……キュウゥ〜」

なぜかリーライナが鼻血を出しながら倒れた。慌てて助け起こす。

「ちょっ! 大丈夫!? しっかり!!」

結局リーライナが紹介してくれるはずの士官学校時代の後輩と会えたのはもうちょっと後のことだった。
286名無し:2008/10/05(日) 17:16:01 ID:MB6BP5lW
支援( ^o^)/
287名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 17:16:02 ID:hBKomCYE
支援
288名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 17:16:51 ID:t4Rm2mYl
sienn
289貧弱な軍馬@代理投下:2008/10/05(日) 17:16:53 ID:dQADhIqK
以上です。何かリーライナのキャラが皆さんの認識とは違う気がします。
本当はマリーカの入隊試験?とかまで書く予定が……多分な捏造を含みますが許して。
テンさん出てないね……そう言えば


――代理投下ここまで―――
以上です。おのれ、お猿さん…!
貧弱な軍馬氏、GJでした(代理人が言うのもなんですが)。
支援してくださった方、ありがとうございました!
290名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 17:39:23 ID:3filKt00
代理人氏お疲れ様です!279に誤字を見つけたのですが、
「五人目の穴を生める」じゃなくて五人目の穴を埋めるですよね?
291名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 17:52:54 ID:KyJeo7mo
>>289
貧弱な軍馬卿GJ&代理投下の方乙!
ライが女装に目覚めたwいっそこのまま、突っ走っちゃいなよ。楽になるぜ(何がだ)。
オリキャラのヴァルキリエ二人もいいキャラですね、実際にいそうだし。
そして何より、リーライナさんがかわいい。鼻血ブーってw
そして次回はマリーカが登場か、期待しています。
292名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 18:22:02 ID:wCQs+7OE
18:30から投下したいのですが、15レスほどを想定しております。
支援いただけますでしょうか。
293名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 18:23:18 ID:UPhrmFEG
支援します。
294名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 18:24:58 ID:FWuL1h4v
>>262
KOUSEI卿、GJでした!
やはり読者としては、読んでいてハラハラします。
ただ、>「お、俺を踏み台にしたぁ!?」 ……吹いたw
それ言ったら真ん中が……
紅蓮とカレンへの怒りをおぼえるアーニャ。
これがどう繋がるのか楽しみです!
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!

>>289
代理投下乙でしたー
そして、貧弱な軍馬卿、GJでした!
ある意味覚醒してしまったライww 彼女?のいく末は如何に!?
そして、スザクw お前もかww
鼻血ブーはパ○ワとかハ○グゥとかを想像してしまうwww
貴方が次に投下されることを全力でお待ちしております!
295銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 18:33:03 ID:wCQs+7OE
支援ありがとうございます。それでは投下します。

タイトル:Orange Capriccio XXX
ジャンル:ギャグ/シリアス(選択肢あり)
カップル:ライ×ナナリー

アニメ最終回ではKMFマトリョーシカだの「爆!散!」だの勢い良く人外した挙句
まさかの最終場面だったジェレミア卿ですが、ロスカラの「躾のなってない大型犬」の
ような彼が懐かしく、純血派編からのシナリオ分岐を考えてみたくなりました。
内容としては純血派編+学園編→新シナリオへ?という展開です。

選択肢のため、トーマス卿にはご面倒をおかけいたしますこと、お詫び申し上げます。
296名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 18:34:20 ID:tX8JVzmK
支!援!
297銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 18:34:49 ID:wCQs+7OE
「ジェレミア卿!少年相手になんということを!」
僕らの頭上で、ヴィレッタ卿が叫んだ。

その少年が僕。
名前はライ。とりあえず、そう名乗っている。
年齢は18ぐらい。
このアヤフヤな表現は記憶が無いからで、ID上では正しくライ、18歳だ。
迷い込んだアッシュフォード学園に住まわせてもらいつつ、ふとしたことからブリタニア軍に入って働いている。
所属は特別派遣嚮導技術部、通称・特派。デヴァイサーと呼ばれる、ナイトメアフレームのパイロット。
なのだが、これまたひょんな……きっかけというか何というかで、かれら「純血派」という派閥と知り合った。
とはいっても、その派閥はとある出来事で崩壊し、一時は明確に主張し続けていたのがこの二人ぐらいという体たらくだったのだが。
かれらはその出来事の原因究明のために僕に近づき、調査への協力を求めた。というか、勝手に決めた。
その後、僕が軍でそれなりに仕事をこなすうち、かれらの派閥の一員として扱うようになり、周囲にもそう触れ回りだした。最近では徽章こそつけないが、かれらに近い立場と見られることさえある。とほほ。
こうして書き出してみるとえらく強引というか自分本位な人たちなのだが、それでも何となく許せてしまうというか、ついこちらからも協力したくなってしまうのだ。

主として、今僕の上に乗ってるこの人、ジェレミア・ゴットバルトに。

10歳も年上の彼にこんな批評をするのは失礼かもしれないが、いささかズレた人だと思う。
ひたすらブリタニア皇族への忠誠を唱え、常に全力、大真面目。純血派の主張は、軍はブリタニア人のみで構成し皇族を守るべしというものなのだが、派閥が形を成さない今もそれを熱意をもって説き続けている。
悪いけど、非常に、暑苦しい。
騎士としての技量も身分も武勲も含め実力は十二分にあるのだが、その全てがものすごい勢いで空回っている。
目的を追うことにだけ集中して、戦場でも何度も突出して危機に陥ってたりするし。
ほんとに、危なっかしい。
放っておけないんだよなあ。やれやれ。
298名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 18:35:51 ID:FWuL1h4v
支援
299銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 18:39:03 ID:wCQs+7OE
そんな彼の部屋を訪れたのは、僕にパーティの招待が届いたからだった。
正直言って、記憶があってもそういう場所に縁があると思えない僕には、騎士候とか軍人としてどう振舞うべきかなんて分からない。
なのに僕の上官は軍人としての面はまるっきり持ち合わせなくて、こういうことは「ぬっふっふ〜☆」とか笑って貴族流で済ませてしまう人だから、アテにできない。
そこで、たまたまシミュレータで遊び……いや、合同訓練がてら、学校を休みがちなスザクと僕に勉強を教えていたジェレミア卿が、そういう事ならと軍人としての礼服、いわゆる礼装というものを仕立てに連れて行ってくれた。
で、着た時に動作として気をつけることとかマナー講座をひととおり。
正直、本当に有り難かった。ついでに純血派の赤い翼の徽章をつけたがったのを勘弁してもらったのが、ちょっと悪いような気がしたぐらいだ。

「うむ、よく似合うな。君はもともと姿勢がいいから、それだけでも形になる」
「ありがとうございます」
「めぼしい出席者を名鑑で確認しておくといい。そこの端末で見られるぞ」
はいと答えてきちんと整頓された机に歩み寄った時、珍しいものを見つけた。
手紙だ。
それも、厚手の羊皮紙封筒で、封蝋で閉じて印章が捺されている。
見たとたん、なんだかすごく懐かしい気持ちになった。もしかして僕は以前にこういうものを目にしていたのかもしれない。
失礼なことだが、つい手にとって眺めていると、ジェレミア卿は無言で僕の手からそれを取り上げ、そのままごみ箱へ投げ込んだ。
「読まないんですか?」
「誰が読むか!」
何を怒っているんだろう。表書きはしっかりした筆跡で、どうやら男性のものらしいけれど、差出人名が無い。匿名の手紙……嫌がらせ?でもそれに印章は無いな。
「以前の友人だ。私が純血派として起った時に訣別した」
「考え方が違ったということですか?」
「彼はナンバーズを実母にもっていた。我々の大義は受け入れられないと、捨て台詞して去った」
「ジェレミア卿から絶縁したのではないんですか?」
「学生時代からの友人に、そんなことはしない!私は、彼もブリタニア人として認識していたのだ!」
300名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 18:39:24 ID:FWuL1h4v
支援!
301銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 18:42:29 ID:wCQs+7OE
神聖ブリタニア帝国においては、皇族・貴族ともに植民地人であるナンバーズとの正式な婚姻は認められない。
ただ、どんなことにも抜け道はあるもので、貴族ならば結婚せずに子供を作り、その子を嫡子として引き取ることはできる。たぶん、この友人という人も、そういう立場にあったのだろう。
それにしても、こんな穴があるようでは純血って何ってことにならないんだろうか。名誉ブリタニア人と半分しか血の濃度が違わない人を認めて、その人がまたナンバーズとの間に子供をもうけたらどうする気なんだろう。
たぶんそういう線引きとかプロパガンダとかは、ナリタで亡くなったキューエル卿の仕事だったんだろうなあ。ジェレミア卿向きとは思えない。
というか、この人は派閥の方向付けと派手な旗印の役割だったんだな、どう考えても。
「例の事件から暫くして、一度だけメッセージを寄越した」
「例の事件と言うと、オレ……」
「言わなくていい!」
ジェレミア卿は、まだ手紙を睨みつけている。そもそもこの人の瞳が濃い琥珀色で、オレンジみたいなんだよな。
「それで何と言ったと思う!『オレンジについては黙っていてくれ』だ!おのれっ!」
「そ、それって」
なぜ依頼形なんだろう。
「言いたいことがあるなら通信でいい。わざわざ仰々しく手紙を持たせて寄越すなど、今回の件を面白がっているのだ!」
「でも、わざわざ手紙で寄越すということは、通信では話せない重要なことでは?」
「では君が読んで、適当に返事をしておけ!」
僕、この人の秘書になった覚えはないんだけどなあ。
それでも僕は手紙を拾い、机の上からペーパーナイフを取って、封を切った。その感触が手に馴染んで心地よい。やっぱり、記憶を失う前にはこういうものに触れていた気がする。
書面は表書きと同じ、飾り気の無い書体で書かれていた。
おそらく故意に、文脈と無関係に用紙をまたいで綴られている。
何故ならその内容たるや、とんでもないものだったからだ。
ジェレミア卿にかけられた汚職の疑い、いわゆるオレンジ疑惑を覆すために「ある大物」を巻き込むという陰謀を持ちかけている。
もともと本当に告発材料に事欠かない人物だし「さる方」へ敵対しているので確実にやれるぞ、と。
302名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 18:42:45 ID:FWuL1h4v
支援
303銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 18:45:11 ID:wCQs+7OE
使える。
僕の脳裏で誰かが呟き、猛然と計算を始めた。
並べられた事項を確認する限り、本物だ。小芝居のできないジェレミア卿の代わりに適当な弁護役を用意すれば完璧に行けるだろう。
大体、そもそもある程度の規模の派閥など立てようと思ったら、何が起きてもいいよう、事前にこのテの人間を用意しておくべきだったのだ。純血派の人たちは貴族の子弟ばかりで、思想だけで走っていたようだから仕方ないが。
……いや、僕は何を考えているんだ?政治家でもあるまいに。
我に返って手紙にもう一度、目を落とす。末尾にはこう綴られていた。
『お前の気性で汚職など信じられるか、アホらしい。どんな手だろうと使ってやる。火急ならば一時凌ぎにとりあえず俺が泥を被ってもいい、例の借りを返させろ。
*追伸。
陰謀ってのはこうやって仕込むもんだ、いいトシぶっこいて素人め。
*追々伸。
盗聴の可能性もあるので手紙にして人に持たせる。読んだらちゃんと焼却しろよ、ど素人』
これを読んで良かったのだろうか。ものすごくまずい気がするが。
「ジェレミア卿……うわっ」
いつの間にか、彼は僕のすぐ後に立っていた。長身を折り曲げるようにして肩越しに手紙を覗き込んでいる。
と、思ったら、やおら僕の襟首をつかんで反転させ引き寄せた。
「ちょ、ちょっとジェレミア卿!」
ぎゅーっと頭を押し付けられて、息が詰まる。というか、バランスが。
「やめてください!危な」
どっすん。
かくて、いつ入ってきたのかヴィレッタ卿の、冒頭の台詞となったわけ。
僕はジェレミア卿の下敷きになり、傍らに仁王立ちになったヴィレッタ卿を逆さまに眺めていた。
惜しいところで、見えなかった。何がって、それはまあ。
304名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 18:48:28 ID:2KrYiU5f
sien
305名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 18:48:32 ID:FWuL1h4v
支援!
306名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 18:49:36 ID:tX8JVzmK
支援
307銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 18:51:39 ID:wCQs+7OE
「何をなさっているんですジェレミア卿!ことと次第によっては!」
怒っていてもヴィレッタ卿は綺麗だ。ちょっと険があるのが玉に瑕だけど。
いや、そんなこと言ってる場合じゃないか。なんか、剣を抜いてるよ?重ねておいて四つってやつ?
「なっ!ち、違う!待てヴィレッタ!」
「誤解です!」
僕らは慌てて起き上がった。
「今、ちょっと手紙を……」
「手紙とは、これか?」
床に落ちていた手紙をヴィレッタ卿が差し出す。僕が手を出すより早く、ジェレミア卿がそれをひったくってびりびりというか粉々に引きちぎった。羊皮紙って、和紙どころじゃなく丈夫なんだけど。
「馬鹿者め!この私が、ジェレミア・ゴットバルトが、偽計をもって保身などするか!まして友をそんな風に利用すると思っているのか!」
紙吹雪のむこうで、僕らに向けた背中が震えている。
「ジェレミア卿。泣いてます?」
「泣いてないっ!」
突っ込むのはやめておこう。なにか拭くものを渡してあげないと。えーとえーと。
「タイとハンカチを一緒にするな!」
あ、間違えた。アスコット・タイって紛らわしい。あれ、どっちがどっち?
僕らがどたばたしている間に、ヴィレッタ卿は手紙の破片を半分ほど拾い集め、ついでに封筒を見つけていた。ひらひらと手を振って僕を招き寄せる。
「ライ卿。手紙とはこの方から?」
「え、ヴィレッタ卿、心当たりがあるんですか?」
「印章に覚えが。エル・アラメインの疫病神と仇名されている人だと思う」
「なんですか?その二つ名」
彼女によると、摂政殿下の正規軍中、特に独立行動を許されている特殊編成の一部隊長が件の人物だという。
第二皇子、摂政シュナイゼル殿下。特派とか独立部隊とか、要するに変わったものを好まれるんだな。若干中二病?
308名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 18:53:27 ID:FWuL1h4v
支援
309銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 18:54:22 ID:wCQs+7OE
「コーネリア総督閣下がエリア18へ入られる前に、先遣部隊指揮官に一地方の切り取りを命ぜられたのだそうだ。当時そこで偵察を主任務としていたのがその部隊で」
皇女殿下の先遣部隊がある作戦を行おうとした時、件の隊長は中止を進言したらしい。しかし部隊は無視して出撃、あろうことかことごとく砂漠にはまり込んだのだという。もちろん敵は勇んで攻勢に転じた。
「そこでこの方は、おもむろに彼らを足場に出撃、油断のあった敵兵力を叩きのめしたと」
「味方を踏み台にしたんですか?」
「戦略的には正しいが、酷暑の砂漠で救助活動を後回しにした、そもそも地形については熟知していたのだろうと、だいぶ恨まれたそうだ」
それで疫病神か。
「いつかジェレミア卿ご本人が、この方のことを調べておられた。隠したつもりのファイルの中で、目にした記憶がある」
つもりって。
いや、書類の管理は何でもかんでもヴィレッタ卿が押し付けられてるのだから、そんなものか。
それにしても、なんというか、ジェレミア卿とは逆の方向ではた迷惑そうなご友人だな。
でも、そんな人が、かつての確執を越えて、おまけに自分が犠牲になってもいいからと手紙をくれる。
友達か。いいな。
僕にもここで友人はたくさん出来たけれど、この先何年もそうやって付き合っていけるのだろうか。
そしてそれは、記憶が戻っても続くのだろうか。
310名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 18:54:59 ID:FWuL1h4v
支援!
311銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 18:55:25 ID:wCQs+7OE
僕がそんなことを思っていると、ヴィレッタ卿は封筒を僕に差し出した。
「まあ、手紙の内容は私とは無関係のようだ。貴公が預ったのだろう?」
彼女の背後でジェレミア卿が、すんと鼻を鳴らした。ああ、あれが治まるまで待っていたのか。
こんなところでちゃんと呼吸が合ってるんだ。一方的に合わせてあげてるんだけど。
「あと、これを半分持って行って、適当なところで処分してくれ」
手紙の破片だ。この人も、やるなぁ。というか、件の疫病神さんと組んだら凄そうだ。
「それで、何のご用だったのですか、ジェレミア卿。まさかライ卿の衣装をご披露くださるだけではないのでしょうね」
言いながらヴィレッタ卿はちょっと手をのばして僕の襟元を直してくれた。何だか、目が優しい。
でも口調はまだ不機嫌だ。そりゃそうか。
しかしジェレミア卿はそんなことには全く頓着していなかった。机の上にできたティッシュの山をごみ箱へ薙ぎ落とし、ひとつ咳払いして言った。
「ヴィレッタ。ゼロの関係者についてアッシュフォード学園を特定した件だが、他の候補は無いとみていいのだな?」
唐突だ。
「お前の用意した資料を見直してみたのだが、気になる学生がいる」
なんで、今ごろ?
僕が疑問に思うぐらいだから、当然ながらヴィレッタ卿は柳眉を逆立てた。
「学園祭の前にご覧になってくださらなかったんですか!」
「あれほどごった返していたら、よほどの偶然でもないと確認できないではないか」
本当だろうか。あんなに楽しそうに模擬店をひやかして買い食いしてたくせに。
絶対、後から思いついたんだ。

それにしても、このまま行くとまた面倒ごとに巻き込まれそうだ。
僕は……。
  ○ギアスを使う
  □そのまま付き合う
  △立ち去る
312銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 19:05:06 ID:wCQs+7OE
[選択肢●ギアスを使う]
可能性をさらってみたが、どうせまた学園に入り込むのに僕の手を借りたいという話になるだろう。
かれらは悪い人たちじゃないけど、あそこにはかき回して欲しくない大事なものが沢山ある。
特に今は、何より誰より大切な人が居る。僕は思い切って、力を使うことにした。
「ライが命じる!」
怪訝な表情で振り向いた二人に心中で謝りつつ、能力を発動させた。
「この資料について、全力で忘れろ!」

「……で、何のご用だったのですジェレミア卿」
「む。何だったかな」
「何だったかじゃありません!ライ卿も、どうしてそこでもじもじする!」
「え、あの、その、ええと」
「うーむ。思い出せん。とりあえず夜食でもどうだ?」
「あ、いいですねそれ」
「よくありません!」

すったもんだの挙句かれらに別れを告げ、資料を持って廊下へ出、急ぎ足で階段を駆け下りる。
踊り場でざっと目を通しただけで、これを回収したのは正解だったと分かった。
そこにはまさに、危惧したことが。
幾つかの重大な秘密を共有する、大切な友達がピックアップされていたのだから。
ルルーシュ・ランペルージ。真の名はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。皇族として生まれながら父に疎まれ、敵地に棄てられて妹と二人、ひっそりと暮らしている皇子。
もし他の皇族に生存が知られたら、暗殺者が大挙してやってきかねない。万一の事があったら、僕は彼にも妹のナナリーにも顔向けができない。
いや、ナナリーが悲しんだり、彼女の身にも事が及ぶなら、僕も生きてはいられない。
気が咎めるけれど、こうするしかなかったんだ。

ゼロを捕まえなくても復権できるように、僕ができる限りの事をします。
だからどうか許してください。僕の友達を巻き込まないで。

とりあえず明日から、こっそり例の疫病神さんに連絡して立ち回り方法を詰めよう、まずは隠したつもりの書類とやらを探さなくちゃと考えつつ、僕は資料をダストシュートに放り込んだ。
【選択肢●ギアスを使う:了】
313名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:06:24 ID:FWuL1h4v
支援
314銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 19:07:31 ID:wCQs+7OE
[選択肢■そのまま付き合う]
それでも、この調査については僕は手を引くわけにはいかなかった。
こういう細かい仕事は苦手なジェレミア卿が懸命に考えたのだろう事を、無為にするのが気の毒に思えたのもあるけれど……。
それより何より、彼が資料から抜き出したのが僕の友人の一人だったからだ。
しかも、幾つかの重大な秘密を共有する、大切な友達。

かくしてよく晴れたその日、僕は面会許可を取ってかれらを学園に導き入れた。
恋人?恋人なの?とミレイさんは興味津々だったが、僕がくら〜い顔をして否定したので「あららららら……」と気の毒そうな表情になった。
「まあ、よいよい!めげるな青少年!きっと新たな出会いがあるわよ!」
だいたい、どっちを指して恋人だと思ってるんだ。ヴィレッタ卿ならまだしも、もう片方だったら耐えられない。
そして当日やってきた「もう片方」は、いつもながら僕の予想を軽々と飛び越えていた。

「ま!」
大声で叫ぼうとする口を、僕とヴィレッタ卿は慌てて掌で抑えた。
その二人を目にした瞬間、彼の態度が激変したのだ。
「あ、ああああああれは、あの方々こそはっ!」
間違いないっ!……と続けて叫ぼうとしたのだろう声は、ふさがれてこもった音になった。
「待って、落ち着いてくださいジェレミア卿。お願いですから落ち着いて」
「あ、あ、行ってしまわれる……」
「大丈夫です、行き先はクラブハウスですから」
「あの二人がどうしたのですか?」
「分からないのかお前達には!あれはマリアンヌ様の!」
「えええ?マリアンヌ様って?」
確か、何年か前に暗殺されたというブリタニアの皇妃様……だよね?
そのことでジェレミア卿が、とても辛そうにしていたのを憶えている。
でも、ひとこと言わせてほしい。
見たことないのに、分かるわけないじゃないか。
315名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:08:23 ID:FWuL1h4v
支援!
316銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 19:10:39 ID:wCQs+7OE
彼の視線の先に少年が一人、少女が一人。
ルルーシュと、ナナリー。
僕と同じく、事情があってこの学園のクラブハウスに住んでいる兄妹。
車椅子のナナリーと傍らのルルーシュ、まるで一幅の絵のように。
「幼い面影が残っておられる。何より、お二人ともマリアンヌ様によく似て!」
すいません、ジェレミア卿。あの二人はお互いそんなに似てません。皇妃様ってどんな人だったんでしょう。
「ルルーシュ様とナナリー様に相違ない!資料を見た時からそう思っていたのだ!そもそも皇妃様の後楯のアッシュフォードという時点で気付くべきだった!」
「お待ち下さいジェレミア卿!ゼロはどうしたんです、ゼロは!」
「そんなものどうでもいい!放せ!」
いや、よくないだろう。少なくともヴィレッタ卿には。というか、ジェレミア卿本人にとってこそ重要なのでは?
「ジェレミア卿、お願いですから静かにしてください。あの二人は僕の友人です。とりあえず、かれらと話ができるようにしますから、ヴィレッタ卿とここで待っていてくれませんか」
「なに?君は殿下のご学友だったのか。なぜ早く言わない」
いつどこで言えというんだろう。でも仕方ないから謝ることにする。
「すみません」
「ではさっさと行ってきたまえ!」
なにか、すごく不本意だ。

「ルルーシュ、ちょっといいかな」
「ライか。何か騒々しかったな」
「ごめん。ちょっと、話が違ってきちゃって」
早口に小声で言葉を交わしてから、彼の妹へ身をかがめた。
「こんにちは、ナナリー」
「ライさん」
にっこり笑う可憐な表情に、心臓が倍速で動き出す。ああ、可愛い!なんでこんなに可愛いんだ!
「ライ」
後から冷た〜い声が僕の動悸を一瞬で標準値に戻す。あと1分、彼女の手を握っていたら、鼓動が止められてもおかしくない。いや、これは冗談だけど。たぶん。きっと。
317名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:11:03 ID:FWuL1h4v
支援
318銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 19:12:30 ID:wCQs+7OE
「今日は、お友達とご一緒なんですか?」
どうやらナナリーには、遠くでかれらと(不本意ながら)騒いでいた僕の声が聞き取れていたらしい。
どうしているかと、背後をちらりと振り返る。
アッシュフォード学園のクラブハウス前、美しく植樹された庭園の隅に、男女の姿。
いずれも長身、隠れようも無いのに木々の間に立っている。
しかも片方は木の陰から身を乗り出して、こっちをじーっと見つめている。
逆に目立つ。どうしようもなく。

「ああ、軍で知り合った人なんだけど、この学校のことを知りたいんだって」
後半は嘘。だから早めに彼女の手を放していて正解だった。彼女は目が不自由な分、周囲の気配に敏感で、特に手に触れている時は嘘をそれと覚ってしまう。
基本的にトラブルは彼女の耳に入れないことにしている兄、ルルーシュの方針に従って、かれらのことは取りあえず伏せておく話が昨夜のうちについている。
「で、ルルーシュ。例の人たちなんだけど、知らせた方面の調査じゃなくなっちゃって」
「なに?イレギュラーか。どうした」
わずかに眉を顰めたルルーシュの顔は、そこらの女の子よりずっと綺麗だ。それで僕は、つい考えてしまった。
『マリアンヌ様によく似て』か……皇妃様って学園祭の時のコスプレみたいだったのかな、と。
致命的なタイムラグだった。

ジェレミア卿の忍耐力を、僕は甘くみていた。
いや違う、その欠如を、だ。
彼は、たかが挨拶程度の時間も待てなかったらしい。
引きとめようと腕にすがっているヴィレッタ卿を引きずって、ずんずんと迫ってきていた。
真っ直ぐこちらに視線を据え、口を一文字に引き結んで、これ以上ないほど真剣な表情だ。
まともに向かって止められるとは思えない。
というかコワイ。逃げたい。全力で見逃して欲しい。
319名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:12:40 ID:FWuL1h4v
支援!
320銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 19:14:01 ID:wCQs+7OE
がしかし、後ろ暗いところ満載のルルーシュの、ここは生活の場で、学校内で。
何よりナナリーの前だった。
背後をちらりと振り返り、僕がナナリーとの間に立っているのを確認するや、彼は発した、絶対遵守の命令を。
「帰ってくれ!」
本来なら、これで全ては片付く筈だった。

だが、この二人には効かなかった。
(シンジュクゲットーの時と、オレンジ事件の時に使用済みだからですね、はい。by作者)

「な、なんだ、この男?」
どこかで見た覚えが、とおそらくルルーシュが思った時には男(つまりジェレミア卿)はヴィレッタ卿を振り飛ばしてテラスへ駆け寄り、彼の足元に跪いて騎士の礼を執っていた。
「殿下!ルルーシュ様!」
「え?だ、誰だ?なんだと?」
イレギュラーに弱いのはルルーシュ最大の弱点だと思う。
いや違う。シスコンのほうか。
いやいや、究極に奥手のとこか。
僕がくらんくらんと思考を空回りさせている間に、事態はどんどん進行して行く。
「なんたる僥倖!まさかこのような所に!生きておいでとは!」
橙色の双眸が、火を噴かんばかりの熱を帯びている。
「ちょ、ちょっと待て!何を言ってる!」
「お兄様?お知り合い?」
「ナナリー様も、ご無事で!」
わあ。わあわあ。
「ナナリー、ごめん!」
僕はナナリーの耳を両手で塞ぎ、ルルーシュは声を張り上げた。
「待て!何も言うな!黙ってくれ頼むから!」
321名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:14:51 ID:FWuL1h4v
支援
322銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 19:16:25 ID:wCQs+7OE
敷地の向こう側で、他の学生がちらほらと立ち止まりだした。このままではまずい。ものすごく。
とりあえずジェレミア卿は口を噤んだが、黙ったら黙ったでものすご〜く熱のこもった瞳が鬱陶しいほどだ。逃げ出しても着いてくるだろう。締め出せたとしてもまた来るに決まっている。いやいやいや、それよりこの騒ぎが外へ、他の軍関係者にでも伝わったら……。
どうしたらいいんだ!
「ライ!咲世子さんだ!咲世子さんを呼んでこい!」
僕は唯一の救援を求めてクラブハウスへ駆け込んだ。
「咲世子さーん!」

「なんという馬鹿騒ぎだ」窓のひとつで、そんな呟きを発した魔女が居たとか居ないとか。

ルルーシュが皇子様ということは、実は以前に偶然聞いて知っていた。
そして、彼と僕の能力。絶対遵守のギアスのことも、あるきっかけで打ち明けあっていた。
あ。
考えてみたら、僕がジェレミア卿とヴィレッタ卿の接触前に、ふたりのことを忘れさせればよかったんじゃないのか?
あああああ、僕の馬鹿!

「ジェレミア・ゴットバルト……か」
あれから数分。
ルルーシュは、ようやくいつもの冷静さを取り戻していた。
「わ、私をお見知りおき戴けたのですか!なんたる栄誉!」
「いや、TVで、ナンダカ事件を」
「……そ、それは、お見苦しいものをお目にかけまして」
ひどくしょんぼりした顔つきになったジェレミア卿が気の毒で、僕は横手から口を出した。
「ねえルルーシュ、持ち上げたり落としたり遊ばないであげてよ」
「遊んでいるワケではない」
反対側ではヴィレッタ卿が、こめかみを揉んでいた。眉間に縦じわが深く刻まれてる。これを標準装備するのは自分だけにしといてください、ジェレミア卿。女性にこんな負担をかけるな。
「すごく、疲れた……」
ごもっともです。
「煙草を吸ってもいいかな、ライ卿」
「ダメですよ、ここ学校だし」
「いまどきの学生は真面目なんだな」
「殿下の御前で不敬な!そもそもお前の基準はおかしい」
話はさりげなく脱線していく。
323名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:17:27 ID:FWuL1h4v
支援!
324銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 19:18:07 ID:wCQs+7OE
クラブハウスのルルーシュたちのダイニングルーム。
僕らはとりあえずそこでテーブルを囲み、お茶を飲みつつ、話の糸口を探り合っていた。
ナナリーには、咲世子さんと中庭へ散歩に出て貰っている。
きっといつものように、風のそよぎや虫の羽音、そして花の香りを楽しむ穏やかな時間が流れているのだろう。
僕も行きたかったなあ。
というか、ここに居たくないよ。助けてナナリー。

「誠にご無礼ながら殿下、何故このようなお暮しを?」
珍しくもジェレミア卿が、話を本道へ引き戻した。
「ご存命を明らかにし本国へお帰りになるという選択はなさらないのでしょうか」
そういえばルルーシュ、9つの時に皇帝陛下に啖呵切って当時はまだ日本だったエリア11へ送られたんだっけ。
「おれの心はあの時と変わっていないと言ったら?」
いきなり場の空気が変わった。
「母を見殺しにし、不自由な身のナナリーを棄てたあの男に頭を下げるなど、死んでも嫌だ」
「殿下!」
ジェレミア卿は一瞬でルルーシュの足元に跪き、ふたたび騎士の礼を執る。どういう反射速度だろう。
「お仕えさせてください殿下!マリアンヌ様のためとなればなおさら捨て置けませぬ!」
「母さんの?」
「はい!私が心に決めた主君はマリアンヌ様、なればこそ、今、貴方に忠誠を!」
「では、おれが父に反逆すると言ったらどうする貴公。それでも行を共にできるか?」
「イエス、ユア・マジェスティ!」
即答した。即答したぞこの人。僕とヴィレッタ卿の視線が固まる。だがルルーシュは。
「そこまで言ってくれるか、ジェレミア!」
ふたりはひしと手をとりあった。
325名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:18:37 ID:FWuL1h4v
支援
326名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:20:54 ID:tX8JVzmK
支!援!
327銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 19:21:34 ID:wCQs+7OE
「なんか妙なノリになってるなあ」と僕。
「根は似たもの同士、ということかな」と小声でヴィレッタ卿。
「どうしましょうこれ。謀反しましょさぁしましょって大盛り上がりされても、ねえ」
「どうするも何も。ここまで聞いてしまって、いち抜けたといったら殺す気だろうよ」
「よく分かっている。なかなか優秀な部下ではないか」とルルーシュ。
「恐悦に存じます」とジェレミア卿。完全にいつもとトーンが違う。
「怖い話をさらっとするんだね、ルルーシュ」
「まあ、殺したりはしない。万一捕まった時に、あること無いことぶちまけて巻き添えにするだけだ」
「無いこと無いこと、の間違いでは?」
テーブルの端と端で、熱の高さが異様に違う。
気圧差で台風が発生しそうな気がしつつ、僕は空になったカップに紅茶を注いだ。ついでにヴィレッタ卿へクッキーの皿を差し出してみる。
「そもそも謀反とか簒奪って、もっと殺伐と計画するもんじゃないでしょうか?」
「そうだな。少なくともアフタヌーンティを楽しみながらというのは、ちょっと」
「こっちのスコーンもいけますよ」
「ポピーシードを振ってあるのか、面白い」
とこうするうち、即席というか促成栽培な主従のほうから、晴れ晴れとした顔つきで爽やかな口調で、ジェレミア卿が爆弾を落とした。
「そういうことで、軍を辞めようと思う」

「えぇ?そんな!あっさりし過ぎ!」
「いいのですか、それで?」
僕らの上げた声を歯牙にもかけず、ジェレミア卿は軽快に論を展開した。
「今の立場で軍の内部にいてもさしてお役に立てない。下手をすると他のエリアへ転属だ。
兵力がお入用なら私兵を整えれば良いこと、当座は爵位だけを利用して本国と行き来し状況などお知らせするほうがまだしもと思う。
できればここへ留まって、ルルーシュ様の警護をつとめさせていただきたいが」
「留まるって、どうやって」
「教師にでもなればいいだろう?それならここに居ても疑わしくは無い」
先生か。スザクと僕への教え方は上手いし、向いてるかも。と僕は思った。
ぶつん、と音がしそうな勢いでヴィレッタ卿は切れた。
328名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:22:27 ID:FWuL1h4v
支援!
329銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 19:24:01 ID:wCQs+7OE
「何を考えてらっしゃるんですジェレミア卿!でもしかで教師にならないで下さい!
生徒の住まいに入り浸ってる教師なんてそれだけで怪しいです!
そもそもご自分のお立場が分かってらっしゃいますか辺境伯!
疑惑のオレンジがいきなり軍を辞めて教師にって、それで目立たずに済みますか!」
さすがのヴィレッタ卿も、我慢の限界を超えたらしくNGワードを口にした。
「オ、オオォオオオレンジと呼ぶなっ!」
「オレンジはオレンジです!このオレンジ!」
ああ、溜まってたんだなあオレンジ分。
「ええいっ、黙れ!うるさいッ!」と、これはルルーシュ。
「は、申し訳ございません。では執事でも何でもいたします、お傍にお置きくださいルルーシュ様!」
「いいえ殿下、信じては駄目です。この方は猫の皿洗いもできません」
「訓練生の時に従卒はやった、あれと同じだ!」
「プロの仕事を舐めてはいけません。無・理・で・す!」
「そ、それはいささか足りぬところはあるかも知れないが。ならばメイドを5人ほどと料理人とフットマンとナナリー様用の侍女と小間使いを持ってくればご不自由はあるまい」
「このクラブハウスのどこへですっ!殿下のご都合もお考えください!」
「では屋敷のひとつも整えてお迎えすれば良いのだな!あとは門番と庭師と厩番だなっ!」
なんだか違う方向へエキサイトしている。
「そういう問題じゃありません!もう!世間知らずなんだから!」
「ぬ、な、ななななんだとっヴィレッタっ!その雑言、もはや勘弁ならん!」

何か、もう、どうでも良くなってきた気がする。
「ああ、楽しそうだねえ」
「迷惑だ、他所でやって欲しい」とルルーシュ。
「他所でやらせたら何もかもバレるよ」
「そうなんだ、くそっ!とりあえずナナリーにはしばらく伏せておかないとな」
「それでいいのかな、ルルーシュ。いつもいつもナナリーには秘密って。彼女は君が思ってるよりもずっと大人になってるよ」
「どういう意味だそれは!お前、まさかっ!」
「ちょ!ちょっと待ってくれ!僕らまで『あの』ノリになってどうするんだ!」
「あ、ああ、そうだな。なんというか、その、少し伝染したかもしれない」
違うよ。ヴィレッタ卿の言うとおり、君、実はあの人とどっか似てるんだよ。
330名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:24:43 ID:FWuL1h4v
支援
331銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 19:26:06 ID:wCQs+7OE
「それで、どうするんですジェレミア卿」
たいがい疲れのピークとみえ、気怠そうにヴィレッタ卿が問う。
僕らが影響されてる間に純血派の話し合いは済んだようだ。言い負かされたジェレミア卿が壁のほうを向いて拗ねている。
「まったくです。立場も身分も放り出して、この皇子様に何もかも捧げる気ですか」と僕。
「もちろんだ!このジェレミア・ゴットバルト、全力をもってルルーシュ様にお仕えする!」
出た、全力。この後に必ず斜め上か空回りがやってくる。
「本来なら、あえて身を隠しておられる殿下にご遠慮申し上げるべきとは承知だ。だがしかし、この学園にはゼロの協力者、悪くすれば本人が潜んでいる可能性がある。なればこそ、お傍近く仕えて剣となり盾となるが我が忠節の道であろう!」
驚いた。マトモだ。この人、それなりに考えてたんだ。
そして「よしんば謀反の企てだろうと!」と言いかけた時、今度はルルーシュがフレイヤ弾頭を投げた。本編ではこの時点でまだ出てきてないけれど。

「その件だが、嘘だ」

「ええぇええええぇえええ?」
僕らは一斉に叫んだ。
「言っていいことと悪いことがあるよ、ルルーシュ!」
さすがのジェレミア卿も、もちろんヴィレッタ卿も蒼白になっている。たぶん、僕も。
反逆なんて口にしたのは確かにルルーシュだが、それをそのまま皇帝陛下呼びで肯定(いや、駄洒落じゃなくて)したのはジェレミア卿だ。これだけでも立派な反逆罪になる。
しかし、ジェレミア卿は負けなかった。
「申し上げたことは我が真情、今さら違える気はありませぬ。貴方様の験しにあって断罪されるならば、それも本望!」
か……いや、お、漢だ。
僕は初めてこの人を尊敬した。
332名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:26:19 ID:FWuL1h4v
支援!
333銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 19:27:17 ID:wCQs+7OE
ルルーシュがくすりと笑った。
「貴公にはもう少し、落ち着いてもらいたいものだ。これから聞かせることこそ真実、いいな?」
ほっそりした手で招いて、ジェレミア卿にみたび騎士の礼を執らせた。
「貴公を、いずれおれの騎士として迎えたい。いつになるか分からないが、必ず。おれには貴公に報いるものが、まだ何も無いからな」
然様なことは、と言いたげなジェレミア卿の視線を、ルルーシュは僅かにかぶりを振って否定した。
「他の者への示しも必要となる。また、アッシュフォードのこともある。近々の約定として胸に秘し、かつ、自重自任を心がけてくれ。己を守るはずの騎士につまづいて欲しくはないのだ」
差し出された手をジェレミア卿は押し戴いた。
「ルルーシュ様!私ごときにそこまで深いお考えを……!」
私服姿なのに絵になるなあ。黙ってればかっこいいんだよね、この人。
しかし、だ。ジェレミア卿にとってはこの上ない栄誉だろうが、僕はちょっと不満になった。
えーっ、と声が出た。
「僕は?僕はダメなのかいルルーシュ。せめて親衛隊には入れてくれよ」
「ダメだ」
にべもない返事。
やっぱり、よく調べもしないでこの人たちを連れて来たことを怒っているんだろうか。
「お前には、ナナリーを頼みたい」
ナナリーを、頼む。頼むって。それってやっぱり。
「も、何でも任せてくださいお兄様」
「あくまでも騎士としてだからな」
不本意ながら、とルルーシュが小声で続けたのは聞かなかったことにしよう。
「そしてジェレミア、それにヴィレッタと言ったな。この件はナナリーには伏せておきたい」
出たよシスコン秘密主義。
「何か言ったか」
「いや別に。地の文に反応するなよ」
「クロヴィスの事があるからな。動き出すには時期を考えないと」
前の総督、第三皇子クロヴィス殿下。彼が暗殺されたことを契機に、エリア11の騒乱が激化したのだった。
確かに、タイミングが悪い。ここでルルーシュが出て行くと、要らない疑いが降りかかってくる可能性もある。
状況次第ではアッシュフォード学園にも火の粉がかかるだろう。大恩あるミレイさんに迷惑はかけられない。
334名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:27:36 ID:FWuL1h4v
支援
335銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 19:30:06 ID:wCQs+7OE
「その件で、お耳に入れたいことが」
低く言うなり、ジェレミア卿は僕に向き直った。
「ライ卿、これは他言無用だ。沈黙を誓え」
ずんばらりん。
どこから出したその長剣。
「このテーブル下に普通に」
「いや、普通じゃないです!そんなもの見つけるな!ルルーシュも隠すな!」
「おれではない!」
「じゃあ誰だ!」
ごん、と音がして剣の平が僕の頭に落ちた。
「いいからとっとと誓え!」
乱暴だなあジェレミア卿。
仕方が無いので型どおり手を按じて沈黙を誓う。
あれ?これってどこかで習ったっけか?
ゆっくり考えたかったが、場を仕切った人間はそんな時間をくれなかった。
「実は」とジェレミア卿は声を潜めた。
室内には元のメンバー4人しか居ないのだから、あまり意味は無い。
「クロヴィス殿下は亡くなってはおらぬ。テロリストの銃弾が頭皮を掠めた衝撃で気絶されていた。どうも、テロリストに殺意が無かったというより、惰弱な奴で銃ひとつまともに撃てなかったらし……痛ッ!」
ああ、すまなかったなと言いながらルルーシュは、ジェレミア卿の手の甲へはね飛ばしたフォークを回収した。
後から聞いたら、ギアスをかけた後の成り行き上、偽装のつもりで1発撃ったら掠っちゃったんだと言う。結局まともに撃ててないじゃないか。八つ当たりされたジェレミア卿も気の毒に。
『何の力も無く、皇位継承権のみ持つ身では宮廷では生き延びられないからな。あいつに本国での地盤を作ってもらおうと思ったのさ』とはその時の弁。力ならあるだろう、もう。それも二人分だぞ。
……ともあれ、今の話へ戻そう。
フォークの刺さった跡をさすってから、ジェレミア卿が言葉を継いだ。
「パニックを起こされて帰国、そのまま廃嫡の仕儀と相成ってな。このような事、よもや公表するわけに行くまい!」
「あまり偉そうに胸張って語られる話でも無いですね」
336名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:30:21 ID:FWuL1h4v
支援!
337銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 19:31:23 ID:wCQs+7OE
「殿下は気の優しい御方で、軍事には不向きでおられたのだ。騒擾相次ぐこのエリアの管理は、もとよりご無理を押してのことだった」
溜息混じりになったところをみると、前の総督閣下のこともそれなりに好きだったのだろう。
「しかし、だからといって警護の者を全て下がらせたバトレー将軍らの責任が軽くなるわけではない。かねて目障りな文官どもと思ってもいたので、好機と見て追い落としてやったのだが……」
「オレンジ事件に至ったわけですね!」
さっきの一撃と当時のスザクの心痛のため一矢報いたくて、僕はつい1玉もとい1球投げた。
「その名を口にするなッ!」
「まあ、仕方ないか。クロヴィスはたかがテロリストの炙り出しに新宿ゲットー殲滅を命じるような粗忽者だったからな」とルルーシュ。
「粗忽、ですか?」
「粗忽だ!おかげでおれは……」
ふはははははははは!
突然、ルルーシュが笑い出した。
後で知ったが、彼の父親と実によく似た笑い方であった。

ルルーシュが笑い止むまで、室内は結構微妙な空気に包まれていた。

「……ともかく、だ」
ややあって、少し冷めた紅茶を喉へ流し込んでからルルーシュは言った。
「ジェレミア、貴公にはとりあえずこのまま軍に居てほしい。日ごろの警護は今のところ問題ないし、ライが連絡係を務めてくれるから、心配は要らん」
彼は僕を振り向き、実に魅力的なやわらかい笑い方をした。これに逆らえたためしがない。
「頼むぞ、ライ」
「うむ、頼んだぞ」とジェレミア卿。
「私からも頼む」
なんでヴィレッタ卿まで。ああもう!
338名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:32:26 ID:FWuL1h4v
支援
339銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 19:34:29 ID:wCQs+7OE
「それにしても、こうしてルルーシュ様にお目通りできる日が来ようとは!」
ジェレミア卿が呟いた。向いた窓に差す夕陽と同じ色の瞳が潤んでいる。
「かなり情にもろいタイプだな」ルルーシュが囁く。
「うん、どっち方向へも感情先行型。突っ走ったら後戻り無し」
「単純だが悪い人間ではない、か」
「いい人だよ。ちょっと困ったところもあるけど、僕は彼といて記憶のことを悩んだことが無い」
「それは、手がかかって考える暇も無いんじゃないのか?」
ルルーシュはくすくす笑い、お前がいなかったら信用しないぞ、と呟いた。
「使いどころが難しいな。軍や貴族の知識はアテに出来そうだが、基本は実行部隊向けか?」
確かに、組織の管理や謀略などが向かないのは実証済みだ。
(今度、純血派絡みで何かあったら私が上手く処理してやらんとな)
って、何?今の声?僕の声じゃなかったか?
何故僕がやる話に?しっかりしろ僕!
僕のセルフ叱咤を余所に、窓を眺めて純血派の会話が続いている。
「ナナリー様も、なんと可憐にお美しくお育ちになられたのか。殿下のお許しがあれば、ドレスなど誂えて献上したいものだ」
「お目がご不自由なのでしょう。手触り良く、デザインにも細かく気を使って差し上げた物でないといけませんよ」とヴィレッタ卿。
「そうだな。いい年をして、私は考えが足りぬ。いつもお前に叱られるわけだ。では、とりあえず近いうちに花でもお届けさせていただこう」
うん、微笑ましい大人たちだ。
かれらの会話にしみじみと頷いて、僕らは同時にあることに気付いた。
「ちょっと待て。なぜ急にナナリーの事を」
「どうして窓の方を向いて?」
「いえ、今しがたナナリー様が、メイドと共にここの前を通過されましたので」
「散歩の時間が終わってる!」
「帰ってきたんじゃないか!」
既にホールの方で物音がしている。
340名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:39:13 ID:sy4Vhwbv
支援
341銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 19:41:48 ID:wCQs+7OE
ルルーシュが、効果音がつきそうなかっこいいアクションでさっきの窓を指差した。
「出ろ、ライ!早く!」
「はいはい、はいっ!」
飛び降りたら、間を置かず上からジェレミア卿が降って来て、僕を踏み潰した。痛い。
しかもその後で飛び出してきたヴィレッタ卿をちゃっかりキャッチした。重い!
「撤収だ!帰るぞ!」
へろへろになった僕の腕を右手で、ヴィレッタ卿の腕を左手で掴み、彼は猛然と校門へ向かった。
って、なんで僕まで?僕、ここに住んでるんですよ?
「待ってぇ〜!」

これから先、そんなこんなの顛末があって、かれらはアッシュフォード学園とその周辺で珍騒動を繰り広げた挙句に神聖ブリタニア帝国の歴史に関与することになるのだが、それはまた後日のお話とさせていただきたい。
え?僕ら、じゃないのかって?
……頼むから、一緒にしないでほしい。お願い。
342名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:42:02 ID:FWuL1h4v
支援!
343銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 19:42:20 ID:wCQs+7OE
【Epilogue】
「少し驚きました。できれば事前に伺いたかったです」
口調に咎めるものは無いけれど、僕は全力で謝る。
「すいません、つい!」
あ、違った。
「ごめんごめん。いろいろ、準備が足りなくて」
「いいえ。ほんとはびっくりするのも楽しかったですから」
くすくすと思い出し笑い。いつの何を思い出してるのか、ちょっと冷汗が流れる。
「とても面白い方々なのでしょう。そのうちご紹介くださいね」
「若干一名が騒々しいかもしれないけど、大丈夫かな」
「貴方がいらしてくだされば、きっと平気です」
それに、と優しく柔らかく言葉が接がれる。
「念のため、私も確かめたいのです。暗殺者の兆候は見られないそうですが、用心に如くは無いと思いますから」
ルルーシュは計算ずくにみえて、情に流されやすい。しかも、いったん身内と定めたら、手元に囲い込むようにして思い入れする。
愛すべき点だが、大いなる弱点でもある。それが僕らの共通見解だ。ゆえに、フォローが必要、と。
「イエス、ユア・ハイネス」
さしのべられた細い指先をとって、額をあてる。
うーん、今ひとつサマになってないかも。この点、ジェレミア卿に一日の長があるな。
「ねえ、ライさん?」
「なんだい?」
「まだ私に内緒になさっていることがありますね?」
「聞きたい?」
うふふ、とくすぐったそうに彼女は微笑む。
「幾つか秘密があったほうが、ミステリアスで素敵です」
なんという余裕。智勇ともに優れた閃光のマリアンヌの血は、まさにここに受け継がれている。
「あ、お兄様の事は別ですよ?悟られないように、しっかり守って差し上げてくださいね」
「もちろん。報告も欠かさないよ」
可愛いナナリー、僕の姫。君のためなら、なんだって。

 [データをセーブしますか?Y/N]
 [宮廷謀略編へ進みますか?Y/N]
【選択肢■そのまま付き合う:了】
344名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:44:39 ID:sy4Vhwbv
支援
345名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:45:41 ID:ztUKWH2E
支援
346名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:46:54 ID:wCQs+7OE
すみません。カウントミスで相当オーバーしてしまいました。
残り1選択肢ですので、ひらにご容赦を。
347名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 19:55:57 ID:sy4Vhwbv
支援
348銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 20:05:56 ID:wCQs+7OE
[選択肢▲立ち去る]
いずれにしても、学園に関わることだと今の僕は公平に見られない。却って迷惑にもなるだろう。
「それじゃ、僕はこれで失礼します」
ジェレミア卿が呼び止めようとしたが、ヴィレッタ卿がそれを遮った。
「ライ卿もいろいろお忙しいのですよ。もう巻き込むのはおやめ下さい」
たしなめる声がドアの向こうに遠ざかった。

政庁で銃声を聞いたのは、その数日後だった。

エントランスに入りかけた時に、乾いた音が立て続けに響いた。即座に銃を抜きながら駆け込むと、凍りついて彫像と化したような人々が、視線を一箇所に集めて立ち尽くしていた。
その輪の中心。
ホールの壁際にくずおれた男女の姿が目に飛び込んできた。少し離れた所に、男が数人。誰の周りにも、真っ赤な色が飛び散って。
いったい、何が。

壁際のふたり。
背後にヴィレッタ卿を庇い、そのまま座り込んだのだろう。
左脚を前に投げ出し、立てた右膝に銃を手にした腕を凭せて、ジェレミア卿は項垂れていた。
軍服の胸元がどす黒い染みに覆われ、それがみるまに拡がっている。
名前を呼びながら顔を覗き込むと、視線だけで僕を見た。
「……ヴィレッタは」
銃を手に横ざまに倒れた彼女に、もう息が無いのは一目で分かった。
でも僕が答えたのは「大丈夫です」だった。
「そうか、良かった。また面倒をかけると、後が怖い」
うすく笑った彼は、銃からゆっくりと手を放した。
重い音を立てて、それが床に落ちる。

傷を押さえようとした僕の手を、その手が掴む。
脈拍に合わせて溢れていた血が、さらに勢いを増す。
「動かないで!」
僕の声は悲鳴になっていたと思う。
けれど彼は離そうとせず、翼の形の純血派の徽章に僕の手を導いた。
349名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 20:08:39 ID:FWuL1h4v
支援
350銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 20:10:34 ID:wCQs+7OE
「頼む、ライ、あの方を」
途切れとぎれの言葉を遮る意味が無いことに、僕は既に気付いていた。
記憶は戻っていないのに、どうしてこんな知識だけ存在するのだろう。
こんなこと、分かりたくない。それより助ける方法が欲しい。
「ルルーシュ殿下を、お守りしてくれ」
全力で、と微かに笑って続けた言葉はもう声にならなかった。
橙色の瞳が虚空に向き、そこから光は消えて、もう何も見なくなった。

何故彼が、ルルーシュのことを?
分からない。もう、聞くことはできない。
僕には泣くしか出来なかった。
そして、既に死んでいた犯人を目にして、わきあがる怒りのままに叫ぶしか。
「何故イレヴンがここに、しかも銃を持っているんだ!警備は何をしていたんだ!」
その呼称が何の躊躇いも無く自分の口から出たことに驚きながら、けれど、もう歯止めはきかなかった。

二人と一緒にいると、楽しかった。
困らせられたり、驚かされたりでも、失った記憶のことを忘れていられるほどに。
真剣に話せば聞いてくれる人だった。
純血派にこだわったのは、大事な人を守りたかっただけ。
だから日本人のことも、いつかは分かってくれたかも知れないのに。
なのに、どうしてこんな形で解決しようとするんだ!

世界は天秤を傾けないと安定しないというのか。
血の色でしか塗り替えられないというのか。
ならば、引き継ごう。
彼の代わりに、成し遂げてみせよう。
大事な人が同じなら、何も迷うことはない。
純血派として、皇子ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアを守る。
望まれるならば、皇位をその頭上に冠すべく。
それが僕に示せる、友達への唯一の餞だから。
[BAD END]
【選択肢▲立ち去る:了】
351名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 20:12:04 ID:FWuL1h4v
支援!
352銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 20:13:06 ID:wCQs+7OE
以上です。いろいろ不手際で(途中で猿にも捕獲され)申し訳ありませんでした。
また長丁場にお付き合い支援くださいました方、誠にありがとうございました。
353名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 20:17:43 ID:dQADhIqK
>>352
乙です。
んが、えぇっ最後にバッドエンド!?せ、せめて順番を逆にされたら…
354名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 20:18:47 ID:FWuL1h4v
>>352
銀鰻卿、GJでした!
……ただ、順番が……なんで、なんで最後がBADEND……orz

友人がやたらといい人。
ジェレミアが男前だったり、クロヴィス死んでなかったり
更にはライナナで、wkwkしました!
キレたライもなかなか良かったです。
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
355銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/10/05(日) 20:21:01 ID:wCQs+7OE
>>353>>354
いや、ギャグの流れに死にネタ放り込むと読みにくいかなとorz
保管庫でリンクを貼っていただければ、問題なく読めるかと存じます。
よろしくお願いします>トーマス卿
356保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/10/05(日) 20:24:34 ID:eR72g3km
>>355 GJ、お疲れ様でした。一つのファイルに纏めて、リンクは内部で完結するようにしています。
357名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 20:49:52 ID:QaQt+OM8
乙でした!
素敵なジェレミア分を補給させて頂きました。
暴走する主従も、苦労人たちも良い感じですw
では宮廷謀略編を楽しみにしています。
358名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 21:48:30 ID:KyJeo7mo
22:00頃から投下します。本文・あとがき合わせて13レス分です。
359名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 22:01:19 ID:dQADhIqK
支援しまっす
360余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/05(日) 22:05:57 ID:KyJeo7mo
ありがとうございます、では投下します。
『僕と妖精さん』シリーズです。

作者:余暇
タイトル:妖精さんとコスプレ
カップリング:ライ×リーライナ

(設定と注意)
・特派編スザクEND後
・リーライナ・マリーカ・咲世子さんは妖精。
・咲世子さんが絶賛暴走中。

本文・あとがき合わせて13レス分あります。
361名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 22:07:26 ID:dQADhIqK
支援
362余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/05(日) 22:08:53 ID:KyJeo7mo
             『妖精さんとコスプレ』

ここはリーライナの部屋。今日はリーライナ、マリーカ、そして咲世子が、ライへのアプローチ方法に関する作戦会議を開いていた。
「初めまして、マリーカ・ソレイシィと言います。『伝説の妖精』と謳われる咲世子さんにお会いできて、光栄です。」
マリーカは咲世子に、初対面の挨拶をした。
「初めまして、篠崎咲世子と申します。リーライナ様からお話は伺っておりましたが、なるほど、確かに小動物的でロリッ娘ですね。
もっとも、まだ成長の余地は残しておいでですが。」
「はい?ロリ?」
首を傾げるマリーカを、リーライナが制した。
「マリーカ、あなたは知らなくていいの!それに咲世子さんも、私は彼女がロリなんて、一言も言ってません!」
「これは失礼しました、率直な感想を述べたのがいけませんでしたね。では本題に入りましょう。如何にして、朴念仁のライ様を
リーライナ様の下僕…ゲフンゲフン!虜にするか、という会議ですね。」
咲世子は早くも暴走気味だ。
(何だろう、見てはいけない物を色々見てしまいそうな、嫌な予感がする。)
(下僕?虜?それも一種の恋人同士の形なのかな?さすが咲世子さん、物知りだなあ。)
リーライナは、まだ見ぬ未来を感じ取って身震いした。そしてマリーカは、純粋に咲世子に感心していた。
363名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 22:11:34 ID:dQADhIqK
支援
364余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/05(日) 22:11:42 ID:KyJeo7mo
「それで咲世子さん、何かいい方法はないですか?」
リーライナの問いかけに対し、咲世子の目が妖しく光った。
「手っ取り早い方法として、普段とは違うリーライナ様の姿や一面をお見せすることで、
ライ様があなた様の魅力に気づくように仕向ける方法がございます。」
「普段とは違う姿?」
「そう、それはズバリ……コスプレでございます。」
「「コ、コスプレ!?」」
咲世子から出てきた意外な言葉に、リーライナとマリーカの声がハモッた。
「はい。様々な衣装を着てアピールすれば、ライ様も自然とリーライナ様を女性として意識なさるでしょう。
そうなれば、後はこちらのものでございます。」
二人には到底思いつかない斬新な方法だった。だがそれだけに、抵抗があった。
「でも咲世子さん、やっぱり恥ずかしいですよ。コスプレって、バニー服とかあるんですよね?私はそういうのはちょっと……。」
渋るリーライナに、咲世子はさらにたたみかけた。
「リーライナ様、恥ずかしがってばかりでは、ライ様の心はつかめませんよ。恋愛とは甘酸っぱく、そして前進するには大きな勇気がいる行為。
あなた様が勇気を持たねば、いつまでも現状は変わらず、関係は進みません。そんなことをしている間にも、多くの女性がライ様を狩らんとして、
その牙を研いでいるのです。あなた様は、目の前の大きな獲物をみすみす横取りされてもよろしいのですか?」
「………!」
リーライナは、雷に打たれた気分になった。
(そうだ、恥ずかしがっている場合ではない。もっと自分を知って欲しい、自分だけを見て欲しい。前に進むには、もっと勇気を持たなければ!)
そして彼女は、決心した。
365名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 22:12:30 ID:dQADhIqK
支援
366余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/05(日) 22:14:28 ID:KyJeo7mo
「わかりました、咲世子さん。私、コスプレやります!そしてライさんに、もっと自分をアピールします!」
「よくぞ決意なさいました。私も全面的にバックアップさせていただきます。」
「先輩、頑張って下さい!私も協力します!」
コスプレ作戦が決まった瞬間、咲世子は早速動き始めた。
「では早速、採寸させていただきます。篠崎流透視術!」
咲世子の瞳が妖しく光り、リーライナとマリーカを照らす。
「ふむ、お二人ともなかなか。ほっほーう、リーライナ様は黒、マリーカ様は白ですか。よくお似合いでいらっしゃいますよ。
ただリーライナ様、最近そのサイズでは胸がきついのでは?そろそろ1サイズ上げることをお勧めいたしますよ。」
「なっ!?咲世子さん、どうして私たちの下着の色がわかるんですか!?しかもサイズが合わないことまで!」
「な、何で私までー!?」
リーライナとマリーカは、必死に体を腕で隠そうとした。
「おほほ、直接触ると色々とアレなので、この方法をとらせていただきました。さあ、じっとしていて下さい。じきに終わりますので。」
「「な、何かイヤー!」」
必死の抵抗もむなしく、二人は咲世子に隅々まで採寸されてしまった。
「先輩、私もうお嫁に行けません……。」
「咲世子さん、本当に底の知れない人……。」
(ほほほ。眼福、眼福。さて、早速衣装作りに取り掛かりますか。あの方の採寸もこっそり済ませておりますし、腕が鳴りますね。)
367名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 22:14:47 ID:dQADhIqK
支援
368余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/05(日) 22:18:10 ID:KyJeo7mo
それから一週間後、ライの部屋。
「はあ、疲れた。」
政庁での仕事を終え、僕はクラブハウスにある自室の前まで戻ってきた。
ずっと机にかじりついて書類と向き合ってきたため、目が疲れ、肩もこっていた。
「今日もハードだったなあ。こういう時こそ、ゆっくりお茶でも飲みたいものだな。」
今やすっかり日課とも言えるようになった、リーライナさんとのお茶会。
最初は突然現れる彼女に振り回されるばかりだったのに、今では彼女に会うのが楽しみな自分がいた。
「彼女に会いたいのか、お茶が飲みたいのか、どっちなんだろうな自分は。」
そう思いつつ部屋の扉を開けると、
「「お帰りなさい、ライさん。」」
「え?二人ともその格好……。」
リーライナさんとマリーカが僕を待っていたのだが、いつもと違う二人の服装に、僕は言葉を失った。
リーライナさんは水色の着物に藍色の袴を身に着け、髪の毛は後ろで束ねて、頭には大きな赤いリボンを着けていた。
そしてマリーカは上に白衣、下に紅い袴を身に着けていた。
「お帰りなさいませ、ライ様。いかがですか、今までご覧になったことのないお二人の姿は。」
「咲世子さん!これはどういうことですか?」
部屋の奥から咲世子さんが出てきて、僕は事情を聞いた。
「お茶会では、こちらのお二人はいつも軍服をお召しになられているとか。
せっかくのいい素材、もといお美しいお二人ですので、たまには違う服をお召しになってみてはいかがかと、私が提案したのでございます。」
なるほど、咲世子さんが提案したのか。確かにこうして見ると、新鮮かもしれない。しかし彼女たちが着ている服、
日本に古くからある衣装なのはわかるが、実際いつ着るんだ?
369名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 22:18:34 ID:dQADhIqK
支援
370余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/05(日) 22:21:20 ID:KyJeo7mo
「咲世子さん、彼女たちの服って、日本ではどういう時に着るんですか?」
「まずはリーライナ様の方ですが、昔は女学校の生徒達が着ていたのですが、最近ですと成人式で見かけますね。
マリーカ様の方は、神に仕える巫女と呼ばれる女性が着る衣装でございます。」
「なるほど、そうなんですか。勉強になります。」
そう言うと僕は、二人の姿をじっくりと眺めた。ふむ、本当に新鮮だし似合ってるな。
「二人とも、結構似合ってますね。リーライナさんは大人の女性って感じがして綺麗だし、マリーカもかわいらしい中に、どこか奥ゆかしさがあっていいと思う。」
すると二人は、顔を赤らめつつ笑顔になった。
「良かった、ライさんに喜んでもらえて。内心、ドキドキしていたんですよ。」
「私も嬉しいです。本当は先輩だけが違う服を着る予定だったんですけど、咲世子さんに『せっかくだから』って言われて。やってみて良かったです。」
でも服装を変えるだけで、こんなにも印象が変わるものなんだな。彼女たちの少し違う一面が見られた気がする。そう言う意味では、咲世子さんにも感謝だな。
(よしっ、つかみはばっちり!)
(咲世子さんが提案した、『私たち二人を競演させることで先輩のやる気に火をつけ、なお一層先輩を輝かせる作戦』はうまくいきそうですね!)
(さあお二人とも、これからですよ。ライ様は『似合ってる』くらいの殺し文句は当たり前のように使われる方。もっと心を揺さぶり、リーライナ様への認識を改めさせるのです!)
何だ、三人が輪になって気合いを入れているように見えるが。ああいう服装は、気合いを入れないと着られないものなのか?
371名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 22:22:04 ID:dQADhIqK
支援
372名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 22:22:16 ID:q4ZxwssM BE:420815434-2BP(0)
sien
373余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/05(日) 22:25:31 ID:KyJeo7mo
やがて今日もお茶会が始まった。今日の和菓子はわらびもちだ。このプルプルした食感が癖になりそうだ。
「ところでこの服、どうしたんですか?結構高かったんじゃないですか?」
すると咲世子さんが笑って言った。
「いいえ、私が生地から手作りで作りましたので、それほどでもございませんよ。」
「ええっ!?これ全部、咲世子さんの手作りですか?信じられないな。」
さすがは咲世子さん、高度なスキルを色々持っているらしい。
「では少し、写真を撮らせていただきます。この艶やかなお姿を記録に残さない手はございませんので。」
咲世子さんは、デジタルカメラで僕たちの写真を撮り始めた。
「はい、ありがとうございました。いい写真が撮れましたので、後でお渡しいたします。
ではお二方、そろそろ次の衣装に着替えましょうか。」
「あれ、まだ他にもあるんですか?」
僕が驚くと、リーライナさんはニッと笑った。
「ええ、咲世子さんが色々作って下さったそうなので、楽しみにして下さいね。それじゃ、洗面所をお借りしてきます、そこで着替えますので。」
そして三人は、洗面所へと消えていった。しかし他にも衣装を用意しているなんて、それも咲世子さんが作ったのだろうか。
「あ、この服。」
「ええ、お察しの通りでございます。それでですね……。」
「ふむふむ、なるほど。とにかくご奉仕すればいいんですね。マリーカ、いいわね?」
「はい、先輩。」
洗面所から彼女たちの話し声が聞こえる。いま、ご奉仕って聞こえた気がするが。

「お待たせしました、ご主人様。」
やがて現れたのは、濃紺のワンピースにフリルのついた白いエプロン、頭にはフリルのついた白いカチューシャを身に着けた、リーライナさんとマリーカだった。
374名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 22:26:10 ID:dQADhIqK
支援
375余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/05(日) 22:29:19 ID:KyJeo7mo
「あ、あれ?この服、咲世子さんが着ている服に似ていますね。」
「はい、メイド服にございます。もともとライ様は、リーライナ様にとってはご主人様に当たるお方。
ご主人様といえばメイド、メイドといえばご奉仕。というわけで、お二人には今から、ライ様にご奉仕していただきます。」
ちょっと待て、急にそんなこと言われても、別に僕はそんなの必要ないのに。
「さあご主人様、お茶のおかわりをどうぞ。」
「ご主人様、肩をお揉みしますね。」
リーライナさんが僕の隣に座って緑茶を湯のみに注ぎ、マリーカが僕の背後に回って肩を揉み始めた。ふむ、ちょうどいい力加減だ。
でもこのシチュエーションは、結構恥ずかしいのだが。ちょっと咲世子さん、カメラを向けないで下さい。見せ物じゃないんですから。
「どうですか、気持ちいいですか?」
「え?あ、ああ、気持ちいいよ。」
マリーカが声をかけてきたので、僕はあわてて返事をした。
「ご主人様。はい、あーんして下さい。」
隣を見ると、リーライナさんが爪楊枝に刺したわらびもちを差し出してきた。勘弁して下さい……。
「はい、あーん。」
「……あ、あーん。」
結局突っぱねるわけにもいかず、僕はリーライナさんにわらびもちを食べさせてもらった。恥ずかし過ぎて味なんかわからない。
「どうですか、おいしいですか?」
「え、えーと、はい。」
「わかりませんでした」などと言えば、また同じことをさせられるだろうから、とりあえず当たり障りのない返事をしておいた。
「そうですか、ではもう一つどうぞ。はい、あーん。」
リーライナさんは喜んで、またわらびもちを差し出してきた。しまった、こっちのパターンもあるんだっけ。
「あ、あの、これはちょっと恥ずかし過ぎるのでやめてもらえませんか?」
僕は、リーライナさんとマリーカに懇願した。彼女たちは良かれと思ってしているのだろうが、何だかすごく落ち着かない。
376名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 22:30:47 ID:dQADhIqK
支援
377余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/05(日) 22:33:31 ID:KyJeo7mo
「ふむ、メイドはお気に召しませんか。リーライナ様、マリーカ様、作戦変更です。更衣室にお集まり下さい。」
「わかりました。イケると思ったんだけどなあ。」
「むぅ、結構肩がこってるから、もう少し続けようと思ったんですけど。」
三人は更衣室、もとい僕の部屋の洗面所に入っていった。作戦って何だ、何がイケるんだ。
もしかして、これって何かの作戦中なのか?だとしたら、まだ何かあるのか。
「どうもライ様は、女性に尽くされるのは苦手のようですね。」
さっき思ったのだが、洗面所から声が筒抜けなんだよなあ。
「てことは、ライさんはご自分が尽くしたいタイプだと?」
「それじゃ、ライさんに先輩や私に尽くしたいと思わせればいいんじゃないですか?」
尽くすとか尽くされるとか、何の話だ。
「いえ、ここはもっと大胆に、ライ様の男心をくすぐる作戦にしましょう。」
「「男心をくすぐる?」」
咲世子さん、またよくわからない作戦を思いついたな。
「そうです、ライ様も所詮は男。かわいくセクシーに迫れば、メロメロになること間違いなし。
というわけで、これを着ていただきます。」
「え、ええーっ!?こ、こんなの恥ずかしくて着られませんよ!」
「ちょ、ちょっと待って下さい。何でこれに猫耳や尻尾がついてるんですかぁ!?」
二人の叫び声が聞こえる。何か、猫耳がどうとか聞こえたが、気のせいか?
「羞恥心を乗り越えるのです。世の中には猫耳の他にも様々なニーズがあるのです。もしライ様にそのようなニーズがあったとしたらどうなさいますか?
ここで己の限界を超えなければ、明日はありませんよ!」
何だか話が大きくなってないか?服を着るだけなのに、何故己の限界を超える必要があるんだ。
「わかりました。やりましょう、先輩!ライさんをゲットするためなんですから、頑張りましょう!」
「マリーカ……。ええい、仕方がない!やってやろうじゃないの!」
どうやら、二人とも意を決したらしい。うまいこと咲世子さんに乗せられている気がするのは、僕だけか?そしてしばらく時が過ぎて……。

「ブフッ!?」
僕は二人の姿を見て、飲んでいた緑茶を噴いた。何なんだよ、これは。
378名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 22:34:19 ID:dQADhIqK
支援
379余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/05(日) 22:37:57 ID:KyJeo7mo
「あ、やっぱり大胆過ぎましたか?」
真っ赤な顔をしたリーライナさんの頭の上で揺れるウサギの耳、大きく開いた胸元と背中、
網タイツに包まれた脚、腰の後ろについた丸い尻尾。バニーガールって言うんだっけ?はっきり言って、目のやり場に困る。
「あのー、私の格好、やっぱり変ですよね?」
赤い顔でモジモジするマリーカが着ているのは、体操服だ。いや、体操服には違いないが、何故か頭には猫耳、腰の後ろから尻尾が生え、
猫の足の形をした手袋と靴下が彼女の手足を覆っていた。体育の授業で、あんな物必要あったか?
「バニーガールに、猫コス付きブルマーでございます。いかがでございますか?」
何故ブルマーを強調するんですか、咲世子さん。それに「いかが」と言われても、どうコメントしたらいいんだよ。
うう、二人がジッとこちらを見ている。何かコメントせねば。
「えーと……。リーライナさんはすごく大胆で、見ている方が恥ずかしくなるくらい綺麗だと思います。
マリーカは何というか、すごく独創的だけど、それはそれでかわいいと思うよ。」
ごめんなさい、これが精一杯です。だって、どう言えばいいのかわからないよ。そして咲世子さん、こんな時でもあなたは写真を撮るんですか。
うわ、後ろからローアングルで撮ってるよ。
「ふむ、まだひと押し足りませんね。リーライナ様、マリーカ様。今こそ、先ほど伝授したあの技を使うのです!」
「ええっ、本当にやるんですか!?」
「そ、そんなの恥ずかしくてできませーん!」
リーライナさんとマリーカが、激しく抵抗している。そんなに嫌がるなんて、一体何なんだ。
「この場合、そうやって恥ずかしがりながらやることが、逆にポイントを高めるのです。ライ様もきっと、お喜びになりますよ。」
ポイントって何だよ。そして僕が喜ぶようなことって何だ。
「うう、ライさんのためなら仕方がないか。」
「先輩、こうなれば当たって砕けろですね。」
二人とも、さっきから咲世子さんの言葉に流され過ぎな気がする。そして当たって砕けなきゃならないことなのか?
380名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 22:40:36 ID:dQADhIqK
支援
381余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/05(日) 22:42:06 ID:KyJeo7mo
「あ、あのライさん。もっと…私を見て下さい。でないと私、寂しくて死んじゃいそうなんです……。」
真っ赤な顔で瞳をウルウルさせつつ、リーライナさんが僕を見つめた。しかも前傾姿勢で胸を寄せるものだから、
柔らかそうな膨らみと深い谷間が強調されている。ダメだ、恥ずかし過ぎて直視できない。
「ラ、ライさん。私のこと、いっぱい、いーっぱいかわいがって欲しいニャー……。」
僕の足元で床に膝をつき、僕の膝に手を置きつつ、マリーカが赤面しながら上目づかいに僕を見る。
やめてくれ、それは反則だろう。いかん、頭をなでなでしたくなってきた。
「し、しょうがないなあ。す、少しだけだから。」
僕は自然とマリーカの頭の上に手を置き、優しくなでた。
「んなっ!?」
「はわわっ。」
「ウホッ。」
リーライナさんが何故かショックを受け、マリーカは戸惑いつつも動くことができず、咲世子さんは変な声を出して、カメラのシャッターを押しまくった。
みんなどうしたと言うんだ。しかし僕は、マリーカの頭をなで続けた。
(こ、これが萌えの精の実力か。あの子は私をサポートするはずだったのに、いつの間にか立場が逆転してない?くっ、このままでは!)
(あれー?おかしいな、本当は先輩の方がかわいがってもらわなくちゃいけないのに。でも何だか、気持ちいい……。)
(ふおおお、これは萌えますね。さすがはマリーカ様。ですが、これではリーライナ様のお立場が危ういですね。)
(うっ、マリーカが目をとろんとさせて、気持ち良さそうにしている。そのうち、本当に喉をゴロゴロ言わせそうだ。ヤバイ、これはかわいい……。)
僕がまさに、マリーカに撃墜されようとしている時だった。リーライナさんが僕の隣に座ってきて、その柔らかい胸を押しつけてきた。
僕は、それまでのほんわかしていた感情を、一気に吹き飛ばされた。
382名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 22:42:37 ID:q4ZxwssM BE:490951627-2BP(0)
支援
383余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/05(日) 22:46:18 ID:KyJeo7mo
「リ、リーライナさん!?」
「マリーカばっかりずるいです。わ、私も頭をなでなでして欲しいなあ。あっ、もしかしてライさんは、ウサギ派じゃなくて猫派ですか?
だとしたら私、寂しくて死んじゃうかも。」
潤んだ瞳で、リーライナさんが上目づかいに僕を見る。よほど恥ずかしいのか、顔が耳まで赤い。それでも相変わらず、胸を押しつけてくる。
どうしよう、本気で理性がヤバイ。
「ライさん……。」
「ううっ、わ、わかりました。それじゃあ……。」
しばらくなでれば離れてくれるかもという淡い期待とともに、僕はリーライナさんの頭をなでた。ちなみに、マリーカの頭もなで続けている。
耐えろ、自分。心を無にするんだ。
「ふにゃ〜ん。」
するとマリーカが、僕の膝の上に顎を乗せてきた。自然と体が密着し、柔らかいものが足首に当たる。やめてくれ、猫の手で太ももをなぞるな。背筋がゾクゾクする。
「ライさん、またマリーカの方を見てる。」
リーライナさんが、上目づかいに僕を睨む。ダメだ、顔を見ようとすると、すぐ下の胸の谷間に目が行ってしまう。しかし、いい匂いだな。
「実に素晴らしい光景でございます!お二人とも大胆かつ積極的、ライ様も恥じらいつつお二人を愛でていらっしゃって、被写体としては最高でございます!
それこそ、ルルーシュ様とスザク様の、愛のツーショット並みに!」
咲世子さんがすごいテンションで、カメラのシャッターを押している。最後の一文は聞かなかったことにしよう。
「ん?ちょっ、ちょっと咲世子さん鼻血、鼻血!床に血だまりができてますって!それと、こんな恥ずかしい所撮らないで下さい!」
結局僕が解放されたのは、それから三十分後のことだった。
384名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 22:47:01 ID:q4ZxwssM BE:631223429-2BP(0)
しえん
385名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 22:47:02 ID:dQADhIqK
支援
386余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/05(日) 22:49:20 ID:KyJeo7mo
「うう、恥ずかしい。何て大胆なことを。」
「私も、気がついたら大変なことをしていました……。」
僕を解放したリーライナさんとマリーカは、自分たちの行為を振り返り、すごく恥ずかしがっていた。
どうやら衣装の影響で、気分がハイになっていたらしい。ちなみにまだ、バニーコスと猫耳ブルマーのままだが。
「さて、お二人はもう十分でしょう。お次はライ様の番ですよ。」
「……はい?」
咲世子さんの言っている意味がわからず、僕は間抜けな声を出した。
「お二人の色々な側面を見せていただいたのなら、今度はご自分の違った側面をお見せになるのが礼儀ではございませんか。
まさに『コスプレ返し』でございます。」
何だよ、その『コスプレ返し』って。そもそも、僕はそんなに服なんて……。
「というわけで、ライ様にはまず、これを着ていただきます。」
「「「え?ええーっ!?」」」
咲世子さんが出してきた衣装を見て、リーライナさんとマリーカ、そして僕の叫び声が見事にハモッた。
……咲世子さん、本気で僕にコレを着ろと?



次回予告 『妖精さんとコスプレ返し』
咲世子がライに着せようとしたのは、三人の予想の斜め上を行く物だった。そしてその服を着たライの姿に、
リーライナとマリーカは心を奪われる。やがて、ノリノリな三人の手により、ライは着せ替え人形と化す。
387名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 22:50:49 ID:dQADhIqK
支援
388余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/05(日) 22:54:11 ID:KyJeo7mo
以上です、支援ありがとうございました。
ライのコスプレまで書くと長くなりそうなので、女性編とライ編に分けました。

さて、ライが何を着るのか、これから検討します。
このスレ的には、絶対外せないのもありますし。
おそらく、萌は文化卿には謝罪せねばならなくなると思いますが、ご容赦下さい。
389名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 23:02:38 ID:fWNeTvXc
>>388
篠崎流透視術ふいたw
これは咲世子さんになりたい人続出かとか思ったけど、
猫耳&ウサギ耳の二人の様子にやっぱり代わるならライか?と思い直した
ただ、次回予告に不安を覚えたけど……アレか?アレがくるのかっ!?

ところで、咲世子さんの違った側面を見ることのできる艶姿はでてこないのでしょうか?
でも、咲世子さんの場合、どんな艶姿でも、頭のアレは着けてる気がするw
390名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 23:19:50 ID:0wAHp677
>>388
GJです
マリーカとリーライナ可愛いwwww
バニーは正義だと思うんだ私は
次回予告、ま、まさかあれか!?

あ、25分ごろ投下していいかね?
391名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 23:20:09 ID:FWuL1h4v
>>388
余暇卿、GJでした!
コスプレてww ある意味斬新過ぎるwww
透視術……メイド○イ!?
巫女に猫耳だとぉ! ぐふっ!
……巫女はいいねぇ、巫女は日本の生み出した文化の極みだよ。
予想の斜め上……アレかな?
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
392名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 23:20:13 ID:2wpsIZgY
ちょうどいいタイミングで来たので支援します
393萌は文化:2008/10/05(日) 23:26:46 ID:0wAHp677
では支援宣言に感謝して

タイトル「バカップル」

カップリングは最近ライセシ成分が足りてなかったのでライ×セシル

約5レスで終了

注意点
・ただイチャイチャしてるだけの話です
・スパロボやりながら書いたのでかなりテキトーです
・どちらかというとギャグよりです

では投下します
394名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 23:27:50 ID:2wpsIZgY
Zですか いいですねぇ

支援
395萌は文化:2008/10/05(日) 23:29:32 ID:0wAHp677
「失礼、ジェレミア卿は居るか」

特派の研究室に来たヴィレッタは来て早々に、近くにいたスザクに声をかけた。

「ジェレミア卿ですか? それなら今…」
『待てゼロォォォ!! 私と勝負せよ!!』

ヴィレッタはスザクの視線の先を追うとシミュレーションの中から相変わらず騒がしいジェレミアの声が響いた。

「もうそろそろみたいですが待ちますか?」
「ああ、すまないな」

頷くとヴィレッタは近くの椅子に腰掛けた。

「ところでライ卿は?」
「ライですか? ライならそこに…」

スザクが指差した先では、ライとセシルが仲良さげに話をしていた。

「〜でね」
「あれ? セシルさん今日の髪…」

ライが言うとセシルは少し嬉しそうに自分の髪を指先でいじった。

「あ、わかった? 実は今日トリートメント変えてみたのよ」

嬉しそうに笑うセシルを見て自分も嬉しくなったのか、ライは優しい微笑みを浮かべた。

「やっぱり。セシルさんはいつも綺麗ですけど、今日はまた一段と綺麗だったから、ずっと気になってたんですよ」
「もう、ライ君ったら…」
396名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 23:30:21 ID:2wpsIZgY
支援
397萌は文化:2008/10/05(日) 23:33:26 ID:0wAHp677
少し照れつつも、まんざらでもない様子でセシルはライの肩を叩くと、セシルはライの胸元から上目使いで覗きこんだ。

「褒めても何も出ませんよ」
「別にそんな期待してませんよ。あ、でも……」

何か思いついたようにライが笑うと、セシルの腰元に腕を回し、セシルを抱き寄せた。

「キスくらい、出てもいいんじゃないかな?」

悪戯っぽくライが笑うとセシルは恥ずかしそうに頬を染めた。

「もう、ライ君ったら…」

恥ずかしそうに笑うとセシルはライの唇に自分の唇を押し付けた。

「…………ん」
「……ん、セシルさ………ん」

一度唇を離すと、2人はより強く抱き合い、再び口づけをした。

「………おい、なんだあれは」

もちろん、周りに居るスザクやヴィレッタのことなど全くお構いなしで…

「どうかしましたか?」

自分達を全く気にせずイチャつく2人を怒りながら指差すヴィレッタを見て、スザクは不思議そうな表情をしていた。

「え、お前……」
「あれ? 来てたのですかヴィレッタ卿」
398名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 23:34:19 ID:2wpsIZgY
支援
399萌は文化:2008/10/05(日) 23:37:30 ID:0wAHp677
ライは今ごろヴィレッタに気づいたらしく、キョトンとした表情をしていた

「ず、ずっと居たぞ! まったく…」

イライラをなんとか押さえつつ、ヴィレッタは言った。

「あら、ヴィレッタ卿。ジェレミア卿待ちですか? よかったらケーキがあるんですけど、ご一緒にいかがですか?」

やっとセシルもヴィレッタに気づいたらしく、奥の冷蔵庫からケーキの入った箱を出して来た。

「あ、ああ、すまないな。いただこう」

ヴィレッタが頷くとセシルはテーブルの上にケーキを並べた。

「ほう、ショートケーキか」
「こちらのケーキ屋さんのケーキは美味しいって評判らしいですよ」
「なるほど、楽しみだな」

スザクの説明を聞きながらヴィレッタは嬉々としながらケーキにフォークを刺した。

「はい、ライ君。あーん」

ヴィレッタの手がピタリと止まる。
理由は、すぐ目の前でラブラブムード全開でケーキ食べさせ合っているバカップルだ。

「あーん………うん、セシルさんが食べさせてくれたからかな? とっても美味しいよ」
「もう、ライ君ったら………じゃあ、もう一口。あーん」
「あーん」

ベキッ

「ヴィレッタ卿。どうしました? フォークが折れ曲がってますけど…」
400名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 23:38:22 ID:2wpsIZgY
支援
401萌は文化:2008/10/05(日) 23:42:10 ID:0wAHp677
どうやらここではこれが日常らしい。
スザクは顔色一つ変えずに、今にも爆発しそうなヴィレッタを心配そうに見ていた。

「ありがとうセシルさん。じゃあ僕からも…」

ライはショートケーキのイチゴをフォークに刺すと、セシルの口ではなく自分の口へと運んだ。

「セシルさん…」

するとライはそのまま自分の唇をセシルの唇に押し付け、口移しでイチゴをセシルに食べさせた。

「ん……」
「どうですか?」
「甘い………ライ君の味かな?」

フフ、っと照れ笑いを浮かべるセシル。

「ぬあぁぁぁ! 私は! 私はぁぁぁ!!」
「ヴ、ヴィレッタ卿!?」

ついにキレたヴィレッタはフォークを投げ捨て、ものすごい勢いで悔しそうに部屋から走り去って行った。
そう目からは、大粒の涙が零れていたとかなんとか…。

「どうしたのだろヴィレッタ卿?」
「さあ? どうしたのでしょう?」

そんなヴィレッタの悲しみ(?)に気がつかない3人は揃って首をかしげた。

「あ、ライ君。今度は私のイチゴ食べさせてあげましょうか?」
402名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 23:44:31 ID:2wpsIZgY
支援
403萌は文化:2008/10/05(日) 23:49:04 ID:0wAHp677
「ええ、お願いします」

ライが頷くとセシルはライがやった時と同じように口移しでイチゴを食べさせた。

「ハハ、本当に仲が良いね2人とも」

スザクはそんな2人を見て楽しそうに笑った。

『オレンジじゃないんです………』
「僕の分も残ってるのかな? ケーキ」

そんな一部始終を見ていたロイドは、ジェレミアのシミュレーションのデータを取りながら自分のケーキの心配をしながら苦笑していた。
404名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 23:49:20 ID:2wpsIZgY
支援
405萌は文化:2008/10/05(日) 23:52:42 ID:0wAHp677
以上で終了です

もう少し真面目に書けば良かったと少し後悔

ただイチャつくライセシがやりたかっただけさ

支援ありがとうございました
またいつかよろしくお願いします

>>388
全く気にせずどうぞどうぞ
406名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 23:55:52 ID:2wpsIZgY
萌えは文化卿GJでした!
なんだか最初からイチャイチャな雰囲気でビビりましたが、
「オレンジじゃないんです………」にとても受けました
…つうか萌えました
卿の次回の投下を全力でお待ちしております!
407名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 23:58:33 ID:fWNeTvXc
>>405
砂を吐いてもいいですか?
408名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 00:03:45 ID:Tp+jchLm
>>405
萌は文化卿、GJでした!
イチャつく二人は……置いといて、と
ジェレミアがどういうシミュレータやってたのか気になる。
こんな日常……はたから見てるとムカつくよね?
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
409名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 00:04:38 ID:PQK+CZtv
>>405
GJ!何て甘ったるい世界なんだ、この二人は。
ヴィレッタさん、かわいそうにwそしてスザク、何故そこまで平常心でいられるんだw
次回の投下をお待ちしています。

さて、許可を下さってありがとうございます。冒頭に入れるかは未定ですが、
アレを登場させます。うちのライで、どこまで弾けることができるかな?
410名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 00:20:38 ID:zkMMzXbY
00:30くらいに投下予定です
合計7〜8レスほどになります、支援をお願いします
411名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 00:29:34 ID:jnc66/pc
支援
412ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk :2008/10/06(月) 00:30:33 ID:zkMMzXbY
こんばんは!毎度ありがとうございます、ピザーライです
今日もSSをお持ちしました
いつも通りコードギアス REGAIN COLORSの続きとなります
それでは、注意をよく読んでお召し上がりください

注意点
ギアス編からR2のお話にライを登場させています
ライを中心にするため本編の一部をカットしている場合があります
合計は約7〜8レスとなります
413名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 00:32:26 ID:Tp+jchLm
支援
414コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/06(月) 00:32:32 ID:zkMMzXbY
第18話「ライの記憶」

「あ、危なかった」
ライは図書館の中に隠れていた。
ルルーシュの指示でしばらく地下の管制室に隠れることにしたのだ。
そして、途中で合流したルルーシュ(咲世子)と共にここまでやってきていた。
だが、そこには先客がいた。
「う〜ん、確かこの辺りでルルの様子が・・・・・・」
それはルルーシュの最近の行動に疑問を持っていたシャーリーだった。
ルルーシュの様子が変わった場所に来て何があったのかを調べているようだ。
「こんな時に・・・・・」
多分、咲世子と入れ替わるためにルルーシュはもうエレベーターに乗った頃だ。
このままではシャーリーに見つかってしまうのだ。
「咲世子さん、僕がシャーリーの気を引きます」
「了解しました」
そう言ってライはシャーリーへと声を掛けようとした時だった。
ライの視線が一瞬、窓の外に移って固まった。
「シャーリー!逃げて!」
「え?」
その瞬間、シャーリーの近くの窓からモルドレットの手が飛び込んできていた。
「危ない!!」
丁度エレベーターから出てきたルルーシュはシャーリーを抱えると階段から下の階に落ちていった。
咲世子とライは一緒に飛び出してアーニャの気を引く。
415名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 00:33:44 ID:Tp+jchLm
支援!
416名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 00:35:25 ID:jnc66/pc
支援
417コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/06(月) 00:35:58 ID:zkMMzXbY
「アーニャ!僕はここだ!」
一瞬、ルルーシュ(咲世子)のほうに気が向いたがもうアーニャの視線はライを捉えていた。
もう一度モルドレットは腕を引き、ライを捕まえようとするが・・・・・。
『ナイトオブシックス様、ここは机上の作戦区域であります。
 速やかにナイトメアをお引きください』
「だめ?」
『駄目です』
「・・・・・・いや」
『えぇ!?』
そう言うとアーニャはライを捕まえようと腕を伸ばす。
その瞬間、ライの姿が忽然と消えていた。
「っ!?どこ?」
アーニャは辺りを見回すが、どこにもライの姿が見えない。
それもそのはずでヴィレッタとの会話に気を取られていた隙にライはモルドレットに乗り移っていたのだ。
カメラの範囲に移らなければ見つかることもない。正に灯台下暗しとはこのことだ。
「確か・・・・・ここら辺に・・・・・」
このナイトメアにも外部からコックピットを開ける方法があるはずだ。
ライはコックピット部分を探し、外部入力システムを見つける。
「とはいえ、僕はこの機体の緊急時のパスワードは知らないわけだが・・・・・」
『・・・・・・よ。あの時楽しませてくれた、お礼よ。感謝なさい』
「え?」
一瞬、ライに誰かが話しかけてきていた。
アーニャの声だった気がするが、その言葉の雰囲気が何故か違うものにライは感じられた。
418名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 00:36:51 ID:Tp+jchLm
支援
419名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 00:38:33 ID:l44VLyqW
支援
420コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/06(月) 00:39:09 ID:zkMMzXbY
(この声・・・・・どこかで・・・・・・)
そう考えながら、その声の通りにライはパスワードを打ち込んでいく。
それが一体誰なのか、ライが思い出す前にコックピットが開き、驚いた表情のアーニャがいた。
いつの間にかモルドレットも着陸している。
どうやらライがパスワードを打ち込んでいる内に着陸させていたようだ。
「こら」
ライはそう言って持っていたピコピコハンマーでアーニャの頭を帽子ごと叩いた。
ピコッ、っと可愛らしい音がした。
「言ったよね。今の君たちは学生なんだから先生の言うことは聞かないと駄目だよ」
「???」
何故かアーニャは今の状況が理解できないのか叩かれた部分に手を当てながら辺りを見回している。
確かにコックピットがいつの間にか開いて、探していた人物が近くにいれば驚きもするだろう。
ライはそう判断しながらキョロキョロとするアーニャに笑ってしまっていた。
「・・・・・また」
だが、アーニャは何故か少し悲しそうな顔を見せていた。
「アーニャ?」
そんな顔をするアーニャにライは不安になりながらライはアーニャに話しかける。
421名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 00:39:35 ID:tfnLkZc3
支援
あと、『机上』→『機情』かな?
機密情報局の略称だったはず。
422コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/06(月) 00:42:29 ID:zkMMzXbY
そこでアーニャはやっと自分に声を掛けてきていた人物を見た。
今まで気付かなかったのかもしれない。
「ライ」
「どうしたの、アーニャ。どこか痛むの?」
そうやってライは心配そうにアーニャを覗き込む。
「・・・・・・・・」

ババッ!

素早く伸びてくるアーニャの腕をライはすぐさま避ける。
「惜しい」
「あ、危なかった」
そうやって呟くアーニャの顔に先ほどの表情は残っていなかった。
ライはその表情が少し気掛かりだが、今は帽子を守ることのほうが重要だった。
そして、もう一度アーニャがライへ向かおうとした時だった。
校門にナイトポリスが数機到着し、空にはランスロットとヴィンセントがいた。
どうやらアーニャがモルドレットを持ってきたことで大事になっていたようだ。
「アーニャ・・・・・モルドレットの発進許可は?」
「・・・・・・取ると時間がなかった」
「というより、モルドレットを持ってこない!」
もう一度、ピコッという音が響き渡った。
そんな感じでキューピッドの日は終わりを迎えたのだった。
その後、ジノとアーニャは約束通りライについて調べることはないらしい。
しかし、2人とも今回の件でライに興味を持ったのは間違いなかった。
423名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 00:42:51 ID:Tp+jchLm
支援!
424コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/06(月) 00:45:15 ID:zkMMzXbY
「さすがミレイさんだな」
ライはテレビに映るミレイを見ながら楽しそうに笑っていた。
そこには元気にお天気お姉さんをやっているミレイの姿があった。
「それに・・・・・」
この姿のミレイを見ていたらとても安心できた。何だか色々と吹っ切れた顔をしていたのだ。
いつも以上に彼女が彼女らしいとそう感じていた。
「頑張ってください、ミレイさん」
そうやってライはテレビの向こうにいる彼女に静かに笑いかける。
「あ、そうだ。シャーリーに電話しないと」
ルーフトップガーデンについてシャーリーに電話をしないといけないのだった。
確か今の時間、彼女は外に出ているから何か買ってきて貰おうと考える。
とりあえず近くの資料を見ながら必要なものがないかの確認をしながらシャーリーへと電話を掛けた。
外はこの前のイベントの日が嘘のように雨が降っていた。
425名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 00:46:01 ID:Tp+jchLm
支援
426コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/06(月) 00:48:15 ID:zkMMzXbY
「あ、シャーリー。今大丈夫?」
『うん、大丈夫だよ』
「そういえば会長の見た?」
『うん、見た見た。会長らしいよね』
「僕もそう思うよ」
シャーリーの言葉にライも笑いながら答える。
『で、どうしよ?ルーフトップガーデン』
「あぁ、うん、今必要なものはこれといってない・・・・・かな?」
『そう、じゃあハーブの苗だけ買って帰るね』
「あ、うん、よろしく。園芸部にも協力してもらったほうがいいかな?」
『園芸部にはルルから話してくれると思うけど』
「そっか、分かったよ。あ、それとシャーリー」
ルルーシュがデートコースについてシャーリーの希望をそれとなく聞いてくれと頼まれたのをライは思い出していた。
それくらい自分でやれと思ったが、ルルーシュも恋愛事は初めてなのかは分からないが協力してあげたかったのだ。
「あのさ、シャーリーって・・・・・」
『あ・・・・あぁ・・・・』
ライは携帯から聞こえてくるシャーリーの声に耳を疑った。
何か・・・・恐ろしいものが目の前にいる、そんな感じの声だった。
「シャーリー?どうしたの、シャーリー?」
携帯から聞こえてくるのは雨音と街の音だけだった。
そのことがライを一層不安に掻き立てる。
「シャーリー?ねぇ、シャーリー聞こえる?返事をして!」
『・・・・出した・・・・お父・・・・した・・・ロは・・・・・−シュ』
雨音や街の雑音の中、僅かにシャーリーの声が聞こえるが上手く聞き取れなかった。
427コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/06(月) 00:51:14 ID:zkMMzXbY
『シャーリー!どうしたの?シャーリー!』
下げていた携帯からライの声が聞こえてくるのにシャーリーは気付いた。
今思い出したこと。
ルルーシュがお父さんを殺したゼロだったこと。
自分がルルーシュを撃ってしまったこと。
ルルーシュが自分の中からルルーシュという記憶を消してしまったこと。
皇帝に記憶を書き換えられたこと。
全てを思い出していた。
もちろん彼のことも・・・・・・・。
「ライ・・・・君」
『シャーリー。良かった・・・・大丈夫?』
そう、この声は正しくあの時の彼だ。何も変わっていない。
しかし、分からなかった。
本当に彼は・・・・・あのライなのだろうか?
いつの間にか自分は彼のことを忘れてしまっていた。生徒会のメンバー全員も忘れてしまっていた。
そして、彼は転校してきた時に自分や皆に「初めまして」と言った。
(それじゃあ、今この電話の向こうで、生徒会のメンバーにいる彼は誰?)
姿も、声も、性格も、全てあの頃と変わらない。
しかし、自分や他の人たちが忘れてしまっていた彼。
ルルーシュのこともあるのにシャーリーの頭は混乱してしまっていた。
『シャー・・・リー?』
そして、彼女は混乱する頭でライへとこう呟いたのだった。
「あなたは・・・・・誰?」
428名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 00:51:58 ID:Tp+jchLm
支援!
429ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk :2008/10/06(月) 00:53:25 ID:zkMMzXbY
以上です、いかがでしたでしょうか?
ここで一旦切りたいためにラブ・アタックを少し切っている感じにしていました
次のお話はライとシャーリー2人しか出てきませんのでご容赦を
やっとライにスポットが当たり始めた気がしますのでこれからもどうぞよろしく

後、この17話と18話のサブタイトルのライはLie(訳・嘘)から取りました
2つの意味があるということで解釈してもらえれば幸いです
それでは、また次の配達で!
430名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 00:59:16 ID:C9lTqMaW
>>429
ピザの配達人卿GJでした。
今後のシャーリーがとても気になります。
431名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 01:02:21 ID:Tp+jchLm
>>429
ピザの配達人卿、GJでした! 今回も美味しくいただきました!
敢えてモルドレットに飛びうつるライ、そこにシビれる! アコガれるー!
電話中にキャンセラー、シャーリーの今後は如何に!?
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
432名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 01:57:18 ID:l44VLyqW
>>430
GJです。そうかキャンセラーは複数解除できるんだな。
433名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 01:58:33 ID:7Rkt99cN
>>429乙でした
何でか解りませんが、ピコハンの描写に無性に萌えます…
そして、シャーリーがどうなるかが楽しみでもあり、心配でもあります
434名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 02:33:05 ID:OiMN5C8y
さすがに…この時間帯は誰もいないかな…。
誰かいますか?
435名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 02:43:58 ID:+IsQSc1n
えっ?
436名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 02:45:34 ID:OiMN5C8y
いや…投下支援お願いできないかなとか思って…。
合計10レス程度なんですが…。
437名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 02:45:44 ID:+IsQSc1n
了解しましたー
438名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 02:46:04 ID:Tp+jchLm
支援はします、感想は起きてから書きます
439名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 02:47:16 ID:OiMN5C8y
支援表記ありがとうございます。
よろしくお願いいたします。

タイトル「思いを君に…その4」
カップリング「カレン×ライ」
ジャンル「シリアス」か「ほのぼの」か…どっちなんだろう…。

○注意点○
このSSでは、オリジナルの設定等があります。
そういうものが駄目な方は、スルーをお勧めします。
本編9レス+終了1レスの合計で10レスの予定です。

なお、投下は2分前後ごとに行う予定ですので、5分超えた場合は、トラブル発生と思っていただいて結構です。
その際は、再度投下しなおします。
440名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 02:47:37 ID:Tp+jchLm
支援……ごめん、やっぱ限界、あと頼みます
441名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 02:47:51 ID:+IsQSc1n
支援
442あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/10/06(月) 02:49:10 ID:OiMN5C8y

思いを君に…その4


次の日、僕は井上さんに呼ばれた。
昨日の報告のためだ。
「どうだった?ライくん・・・」
かなり真剣な表情で聞いてくる。
本当なら報告すべき事かもしれない。
だけど、僕のことを親友と呼んで、心の奥底にしまっている事を話してくれた玉城を裏切れなかった。
「すみません・・・話せません・・・」
ぼくは、井上さんにそれだけしか言えなかった。
そんな僕に井上さんは文句を言わず、呆れ返っていた。
「ふう・・・聞いたのね、あいつの過去の話・・・」
僕は何も言わずうなづく。
「まだ、あの時の事を引きずっているのね……あの馬鹿は…。いい加減吹っ切ればいいのに・・・」
つぶやく井上さんの声に僅かな怒りが含まれているようだった。
443名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 02:49:19 ID:+IsQSc1n
支援
444あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/10/06(月) 02:51:20 ID:OiMN5C8y
「知ってたんですね・・・。玉城の思いも・・・」
僕は呟く様に聞く。
「まぁ、薄々はね・・・。でもね、ライくん・・・それで相手を好きなるかは別。
同情と恋愛は別なんだよ。それを勘違いしてない?」
僕の心の中を読むような井上さんの発言。
「確かに、同情から恋や愛が芽生えることもあるかもしれないけどね・・・。
でもね・・・私から言わせてもらえれば、それは男の思い込み。或いは、自己陶酔の女の思い込みでしかないわ。
同情という見下しがある限り、対等の恋愛にはならない。そんな恋愛・・・楽しい?」
その言葉に僕は言葉に詰まる。
お互いに長所、短所をわかっている対等の恋愛・・・それが理想だろう。
だが、井上さんがいう事は、あまりにも正論すぎてはいないだろうか・・・。
感情を無視しているようにさえ聞こえてしまう。
「思い込みも恋も感情の一部だと思います。井上さんが言ってる事は、正論かもしれません。
でも・・・感情を否定しているように聞こえてしまいます。
それに・・・お互いがよければいいんじゃないでしょうか・・・そういう恋愛も・・・」
そんな僕の反論に、井上さんはくすりと笑う。
馬鹿にした笑いではなくて、なんか若いわねと言った感じに受け取れるような笑いだ。
445名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 02:52:03 ID:+IsQSc1n
支援
446あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/10/06(月) 02:53:21 ID:OiMN5C8y
「確かに、そういう人もいるかもね。
でもね、私は嫌なの。同情や自己犠牲の恋愛なんて特に・・・ね。
私は、恋愛ってお互いに思い、思われるべきだと思ってるから・・・。
だから、玉城には悪いけど、あいつは恋愛対象外なのよ。
もっとも・・・友人としてなら交流を持ってもいいとは思ってるけどね」
苦笑し、そう言う井上さん。
まぁ、気持ちはわかるけど玉城の気持ちも知ってしまったからなんとなく複雑な心境だった。
「だから…あの娘とのきっかけはいいと思ったんだけどねぇ…」
井上さんは、向こう側をぼんやりと見てそうつぶやいた。
447名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 02:53:52 ID:+IsQSc1n
支援
448あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/10/06(月) 02:55:21 ID:OiMN5C8y
訓練が終わり、外で座り込んでたたずんでいると、カレンが声をかけてきた。
「隣、いいかな…」
にこりと笑う顔が愛おしい。
「ああ、カレンなら大歓迎だよ」
そういって僕も笑う。
「よいしょっと…」
そう言って僕の横に寄り添うように座るカレン。
「…やっと笑ってくれたね」
「え?」
「だって、朝からずーっと難しい顔してた…」
そう言って、眉間にしわを立てて難しい顔をして見せる。
「あ…そうだっけ…」
「そうよ…」
ゆっくりと僕の方に身体を預けるように寄りかかってくる。
そのカレンの重みがすごくうれしく、幸せを感じる。
449名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 02:55:42 ID:+IsQSc1n
支援
450あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/10/06(月) 02:57:29 ID:OiMN5C8y
「まいったな…。僕のことをよく見てるじゃないか…」
「当たり前よ…」
そこでちょっと間をあける。
「だって…私の一番好きな人だもの…」
頬を朱に染めてそう言うと笑いかけてくる。
ああ…なんてかわいいんだろう…。
言葉を失って、その笑顔に見とれてしまう。
「だから…もし悩みがあるなら相談して…。
確かに私では役に立たないかもしれない。でも、私はライの力になりたいの」
一途な思いを込めた言葉…。
そうだ、一人で悩んでいてもどうしょうもない。
それに、僕は一人じゃないじゃないか…。
そう考え、僕はカレンに相談することにした。
「あのさ…ものは例えだけど、誰かを好きでありながら、他の人の方がもっと好きなったりするのかな…」
「え?」
僕の質問に、一瞬動きが止まるカレン。
そして、疑うように僕の顔を覗き込む。
あーーっ…質問の仕方が不味かったかっ…。
451名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 02:57:51 ID:+IsQSc1n
支援
452あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/10/06(月) 03:00:00 ID:OiMN5C8y
僕は、自分の言っている意味が、とてつもなく浮気発言に近いことに気がついた。
「あーっ、違う違うっ…。僕じゃないよっ…。僕は、カレン一筋だって…。本当に本当だっ」
あわてて言い訳する僕をカレンはじーっと見つめた。
「ふぅ…。そうよね、ライはそんな事しないか…」
ほっとした僕は、そのカレンの言葉に何度も頷く。
「実は…」
「玉城関係の事なんでしょ?」
言う前に言われてしまう。
鋭いな…。
「そうなんだ…。その参考のために聞きたかったんだ」
「そうね…だったら…そういう事・・・あるかもね」
カレンは、さらりと言う。
そして、言葉を続ける。
「なぜなら、私も似たような感じだったから…。
ほら、知ってると思うけど、私の場合、好きとは違うけど最初はゼロの事しか考えていなかったから…。
それに貴方の事も最初はゼロの力になれるかもって思ってた程度だし…」
そこまで言って小さく「ごめんね」と言う。
453名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 03:00:47 ID:+IsQSc1n
支援
454あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/10/06(月) 03:02:18 ID:OiMN5C8y
わかっていたけど、本人に言われるのは少しショックだった。
だが、僕はカレンを責める気はない。
その思いがあったから、ここに僕はいるのだから…。
そして、カレンは話を続ける。
「最初はそんな感じだったんだけど、あるきっかけで貴方の方がとても気になり出して・・・。
そして、気が付くと貴方の事が一番大切になってた・・・。
だから、ライの言ってる事、ありだと思うの・・・」
そう言うと、ぎっと僕の腕にしがみ付く。
「でも・・・今からはずーっとライの事が一番大事だから・・・ね」
「わかってるよ・・・カレン」
そう…人の感情は揺れやすく、移ろい易いものだ。
だが、それだから、強いのかもしれないと思う。
だから、難しい…。
そして、それは人間関係も同じだ。
僕は…どうすればいいんだろう…。
こんがらがっている頭は、何も解決を生み出そうとせず、まるで迷宮の中をさまよい続けているようだった。
455名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 03:03:02 ID:+IsQSc1n
支援
456あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/10/06(月) 03:05:01 ID:OiMN5C8y
そして、よほど難しい顔をしていたのだろう。
心配してカレンが声をかけてくる。
「参考にならなくて…ごめんね…」
申し訳なさそうな表情で…小さく…呟く…。
「あ…そういうわけじゃないんだ」
「じゃあ、どうしてまた難しい顔してたの?」
僕の頬を指で突付くカレン。
「あははは、まいったな…。いや…感情とか人の関係って難しいなぁって思ってさ…」
僕は、苦笑するしかない。
「そうね。確かに難しいわ。
だって、自分の感情さえ、自分ですべて把握できないんだもの。それは人間関係も同じだし…」
カレンが講釈するかのようにようにえっへんと咳払いをして話す。
「だから、ライは自分のやりたいと思ったことをやればいいの。
動かないと何も見えてこない場合もあるしね。。
後ね、くよくよ悩むのはライらしくないっ。
それに…やった後に悔やむから、後悔だって自分でいってたじゃないのっ」
カレンはそこまで言うと僕をじっと見つめる。
457名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 03:05:25 ID:+IsQSc1n
支援
458あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/10/06(月) 03:07:48 ID:OiMN5C8y
「そうだね…。ありがとう、カレン」
僕は、彼女の優しさと思いをしっかりと感じ、うれしく思う。
そして、そっと彼女の手を握り締める。
カレンも握ってきた手を握り返してくれた。
「僕の思ったとおりにやってみるよ」
「うんっ…。がんばって…。」
そして、その言葉と共に最高の笑顔を僕にプレゼントしてくれた。

《次回に続く…》
459名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 03:09:46 ID:OiMN5C8y
今回は、ここで終了です。

深夜での支援ありがとうございました。
本当に、感謝いたします。

しかし…この流れに持ってくるのに何度も書き直すハメに…。
いやぁ…難しいよぉ…。
それより問題なのは、先がまったく見えない事。
どうなるんだろう…。
書いてる本人も予想つかないし…。
それに少しずつドロドロ要素が増えつつあります。
やばいよぉ〜。
あと…なんか、双葉→玉城→井上って構図が出来上がってんですけど…。
もう一方通行過ぎですね…この関係は…。
次回は、やっと双葉綾芽ちゃん登場の予定です。


460名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 03:11:41 ID:+IsQSc1n
>>459
乙です。
井上さんが想像以上に大人だ…
461名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 07:27:50 ID:tXLuI2l7
459>>乙です。玉城を中心とした黒の騎士団恋愛模様って感じですね。玉城はいい奴だから幸せになってほしいなあ。
462名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 08:40:06 ID:Tp+jchLm
>>459
あしっど・れいん卿、GJでした!
いいねぇ、男の友情。
何も言わなくても察することのできる井上さんは流石というべきか。
一方通行って下手な三角関係より性質わるい気が……
この恋の行方は如何に!?
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
463名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 13:34:06 ID:6zLggAZm
さて、3分後に投下を行いたいのですがよろしいでしょうか。
5kbくらいですので、支援はそんなに要らないと思います。
464名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 13:42:08 ID:9JXudL/E
支援します
465蒼い鴉 ◆F.9o83kBbA :2008/10/06(月) 13:48:49 ID:6zLggAZm
では、SS投下させていただきます。
タイトルは「優しい世界」
カップリングはライ×コーネリアでロスカラ親衛隊編の終了後で二人とも婚約し、コーネリアは妊娠しております。
ちなみにゲームセンターCXのDVDを見ながら書き上げました(何
466名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 13:50:11 ID:9JXudL/E
一人っぽいけど支援頑張ります
467蒼い鴉 ◆F.9o83kBbA :2008/10/06(月) 13:51:00 ID:6zLggAZm
【優しい世界】

マシュマロのように柔らかい感触、砂糖菓子のように甘い味が知らないうちに癖になって、いつしか二人にとって欠かせない数秒となっている。
唇と唇を触れ合わせる時はいってらっしゃい、お帰りなさい、愛している、おはようやおやすみなさいと同じように大事で普通になっている。
彼とのキスの感触は彼が仕事に出かけた後でも消えることは無く、未だにコーネリアの唇に残っていた。
「あ……今、動いたな」
痛くはない。だが、気持ちいいわけでもない。しかし、この感覚が好きであった。
彼と一緒に宿した新しい命がいる自分のお腹をマタニティウェアの上から優しく撫でてコーネリアは微笑んだ。
彼とデートしたこと、キスをしたことや抱締めてもらったこと、それらの事を思い出しているとお腹の子供は必ずと言っていいほどに母親である彼女に対して訴えていた。
パパを独り占めにしないで、なのか、それともパパだけじゃなくて自分も構って欲しいと訴えているのだろうか?
「大丈夫だ、大丈夫」
お腹の中で訴える子供にコーネリアは安心感を与えるような口調で語りかけた。
ふと、ベランダの向こう側にある外の景色に目が移る。窓の外は雲ひとつの無い快晴だった。マンションに続く表通りには、マンションの管理人が忙しなく掃除をしている。
平日の昼間。大人は会社に行き、主婦は家事に精を出して、子供は学校に行っている。お腹の子供の父親であるライは妹のユーフェミアが設立した経済特区『日本』にて書類仕事に追われているだろう。
468名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 13:51:43 ID:9JXudL/E
shien
469蒼い鴉 ◆F.9o83kBbA :2008/10/06(月) 13:52:18 ID:6zLggAZm
「もう……三年か」
そう、ライと一緒に暮らし始めてもう三年が経つのだ。
流れは早く、時には緩やかに。
あの日のことからまるで一瞬のようにさえ感じる。仕事に出かける時にするキスと変わらない些細な時間。
もし昔の自分が、今の自分を見たら、さぞかし驚く事だろう。彼と出会う前の自分は、結婚など考えたことも無かったからだ。
だが、気になる人物ならいた。それが、ライだ。
突如、特派に現れた新人のKMFのパイロット。模擬戦ではナイトオブラウンズの一人、ナイトオブナイン ノネット・エニアグラムと対等に渡り合ったその実力と人目を引く容姿には嫌でも噂の的になるだろう。
その後、ライを親衛隊へ入隊させ供に幾つもの戦場を駆け抜けていく内に、彼に惹かれてゆく自分の姿を見た。
そして、いつしかそんな自分はいつ頃からこんな気持ちが芽生えたのかは自分でも分からない程にライに惚れていた――本当にそんな感じだった。
皇族であるからには、いずれ夫に相応しき者と婚約しなければならなかったが、そんなことは常に二の次だった。
その二の次にしていた事が特区設立式典から一年後に、突然目の前に現れた。
それは、ナイトオブナインのノネット・エニアグラムがあの日に保護し、本国でエニアグラム家の養子となったライであった。
その時はいきなりのエニアグラム卿の訪問には驚いたが、それ以上にライからのプロポーズに驚いてしまった。
470名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 13:53:31 ID:9JXudL/E
支援
471蒼い鴉 ◆F.9o83kBbA :2008/10/06(月) 13:54:08 ID:6zLggAZm
そして、プロポーズを受け、彼を愛する一人の女と同時に妻として生きることに慣れたとはいえ、まだ少し戸惑いを感じることもある。
彼の子供を身籠り、あと数ヶ月で母親になるのだと実感すると一日のキスの数よりも小さな溜め息の数の方が上回る。
「私は……立派な母親になれるのだろうか」
コーネリアはお腹の子供にそう問い掛けた。少し難しい質問だったのか、お腹の子は何も答えない。
「……そうだな」
母親になれるのかどうかだとそんなことは今考えたって仕方ない。
生まれてきたその子供が幸せな人生を送れるように育てる。ただそれだけだ。
母親に『なれるのか』ではない、母親に『なる』のだ。
コーネリアの問いに答えずに無言で返してきた、お腹の子供の無言の意味をそう解釈して微笑みながら心の中で語りかけた。

ここには彼がいる。
時には強く、時には優しい彼がいる。
だから、安心して生まれてきておいで
472名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 13:55:20 ID:9JXudL/E
支!援!
473蒼い鴉 ◆F.9o83kBbA :2008/10/06(月) 13:55:59 ID:6zLggAZm
「そういえば……そろそろ、だな」
壁掛け時計を見ると、長針と短針がある時刻を指している。そう、もうすぐ彼が帰ってくる。
座り心地のよいソファから腰を上げ、ベランダに出て視線を外に向けると灰銀の髪を持つ青年がゆっくりとアスファルトの上を歩いてくる。そして、こちらに気づいて手を振っているのも見えた。
数分後、部屋の扉を開けてライが帰ってきたので玄関で出迎えると額と首筋にうっすらと汗をかいており、いつもどおりの人懐こい笑顔で靴を揃えて部屋に入ろうとしていた。
「ただいま、コーネリアでん……かがが!」
「お前は何度言ったらわかるんだ?二人っきりの時は殿下は付けるなと言っているだろう」
出迎えてくれたコーネリアの名を呼んだライはその後に続く言葉を紡ごうとした為にコーネリアに鼻を摘まれてなんともマヌケな声を出していた。
二人っきりのときは敬称を付けずに呼び合うというコーネリアの夫婦の取り決めに親衛隊に所属していた時のクセなのか、未だにライは二人っきりの時でも名前の後に『殿下』と付けそうになっており、たびたびコーネリアに溜息を吐かせていた。
三年も一緒に暮らしているのだからそろそろ直ってもいいと考えていたがどうやら、それはまだ先の話になりそうだ。
474名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 13:56:48 ID:9JXudL/E
し・え・ん!
475蒼い鴉 ◆F.9o83kBbA :2008/10/06(月) 13:58:18 ID:6zLggAZm
「もう一度だ」
摘んでいた鼻から手を離すと、ライは赤くなった鼻をさすりながら敬称を付けないように心掛けながら、ゆっくりと愛しい妻の名を紡ぎ出す。
「ただいま、コーネリア」
「おかえりなさい……ライ」
よろしい、と満足そうな表情で言うと、コーネリアはライの唇にお帰りのキスを落とす。
ベランダから子供のようなライの姿を見てから、その唇はライとのキスを欲していた。それは、彼を本気で愛している証拠。しばらく消えそうにも無いし、消したくもない。
だから、

―――生まれてくるまでは、彼を独占させてほしい。

母親の子供じみた提案に、お腹の子供は仕方なしに了承した、そんな気がした。
476名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 13:59:27 ID:9JXudL/E
これぞ忠義を示す支援の試練!
477蒼い鴉 ◆F.9o83kBbA :2008/10/06(月) 14:03:10 ID:6zLggAZm
以上で投下終了です。
支援してくださった方、ありがとうございました。
478名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 14:08:20 ID:9JXudL/E
>>477 乙でした
まさかのネリ様での新婚生活が読めるとは思いませんでした
しかし、流石は一級建築士のライ
まさか、お腹の子にですr(ry
479名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 14:14:29 ID:AnazTvHK
ギルフォードが血の涙を流しているのを想像できて泣ける。・゚・(ノД`)・゚・。
480名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 16:19:38 ID:Tp+jchLm
>>477
蒼い鴉卿、乙でしたー!
ライ×ネリ様とは……
ギルフォードとかダールトンが「お前ごときに姫様をやるわけには!」と模擬戦挑んだイメージが浮かびました。
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
481名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 17:15:08 ID:KVc2Zc6M
>>477 乙です!他の方々も言われてますがどうやってダールトンとギルフォードを説得したかが凄く気になりますね(笑)
2人ともライの実力は認めてますが姫様と結婚となれば話は別でしょうし
482名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 17:28:36 ID:RxjDoVI4
しかしこうも良SSが続くと新規の職人さんは投下し辛いかもね。
バリバリ投下してほしいところだが。
483名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 18:08:02 ID:CQm/mT7C
質なんてものは書いてるうちに上がるし、どんどん投下していただきたいものだね。
それはそれとして昨日は実に投下数多かった。ホクホクです。

>貧弱な軍馬氏
 GJです。すっかり女性が板についてきたライがにんともかんともw
 つか随分平和ですなw 是非このままの路線でハッピーヴァルキュリエ隊の
 話を読ませていただきたいです。次回のご投下お待ちしてます!
>余暇氏
 GJです。何がGJかって、咲世子さんのトばしっぷりがもうw
 いつも氏のSSには悶えてしまいます。もっと悶えさせていただきたく。
 次回のご投下お待ちしてます。
>萌は文化氏
 GJです。俺も砂吐きたい…!いいぞもっとやれw
 次回のご投下お待ちしてます。
>ピザの配達人氏
 GJです。アーニャの苦悩と抜け目のなさにやられました。
 また、シャーリーの今後が非常に気にかかります。次回を心待ちにしております。
>あしっど・れいん氏
 GJです。カレンで萌えさせてくれる氏のSSは毎回楽しみにしてます。
 玉城と井上さんの大人な態度を読めるのもこのシリーズの魅力なので
 続きが待ち遠しいです。次回も楽しみにしております。
>蒼い鴉氏
 Gjです。なかなか貴重なカップリングで、貴重なシチュエーションですな。
 コーネリアがいいお母さんになりそうで素敵です。あとギルフォードの動向が
 気になって気になってw次回のご投下お待ちしてます。

他の職人さんへの感想は既に書き込み済みだったりします。紛らわしくてサーセン。
あと長々と感想申し訳ない。
484名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 18:41:34 ID:OiMN5C8y
タイトル「続々・二重人格 」
カップリング「ライ×アーニャ」
ジャンル「ほのぼの」

本編3レス+終了1レスの合計で4レスの予定です。

なお、投下は2分前後ごとに行う予定ですので、5分超えた場合は、トラブル発生と思っていただいて結構です。
その際は、再度投下しなおします。
485ゲリラ投下 ◆M21AkfQGck :2008/10/06(月) 18:42:57 ID:OiMN5C8y
続々・二重人格

「ライ…お腹すいた…」
「人造人間スザク」のデータチップを見終わった後、アーニャが呟くように言った。
そういえば、もうお昼だ。
「何が食べたい?」
「うーー・・・」
考え込むアーニャ…。
クイズ番組ならテロップに「只今、思考中」とか付いてそうな感じだ。
うんうん…かわいい、かわいい…。
「じゃあ…」
そういいかけた時、アーニャの口を借りてC.Cが言葉を発した。
「ピザだ。ピザがいいぞ…」
僕とアーニャがあきれて呟く…。
「まだいたの?」
「うざい…」
ちなみに上が僕、下はアーニャである。
「うっ…」
言葉に詰まるC.C。
「ルルーシュの奴が…カードを…」
そう言いかけた所で、言葉をさえぎった。
「はい、はい…。またピザ禁止令ですね」
呆れ返ってしまう。
486ゲリラ投下 ◆M21AkfQGck :2008/10/06(月) 18:44:44 ID:OiMN5C8y
「わかっているなら、頼むぞ…。新作のやつが出ているらしいのだ」
おいおい…、注文指定する気ですね…。
「おおっ…そうそう…ポイントは、ちゃんともらっておいて、私に宛てに送ってくれ」
あまりの図々しさにちょっとカチンとくる。
「ねぇ、アーニャ…。何が食べたい?」
僕は、ワザとらしくアーニャに聞く。
「…ピザ以外がいい…」
僕の言いたいことを理解したのか、絶妙の答えを返すアーニャ。
「なっ…な、なにっ…ピザを否定するのかっ」
「電波…うるさい…。
私は、ライのお手製の愛情ご飯がいい…。それ以外、却下…」
おおーーっ、アーニャ、ナイスだ。
でも…愛情ご飯っていうのは、無茶苦茶恥ずかしいんだが…。
「くうーーっ…お前らもかっ…裏切りものーーーっ…」
そう叫ぶとC.Cの反応はなくなった。
「電波…撃退…」
勝利宣言をする。
ちなみにVサインなんてやってる。
うーん…いいなぁ…。
うんうん…。
487ゲリラ投下 ◆M21AkfQGck :2008/10/06(月) 18:46:32 ID:OiMN5C8y
「で…ライ…手作り愛情ご飯…作って…」
少し赤面してねだるアーニャ。
うわーっ…これはっ…。
可愛すぎるっ…。
やばいっ…やばすぎるっ。
ええ、がんばって作りますとも・・・。
もちろんですよっ…。
そして、僕は張り切って料理を始めたのだった。

あー、マリアンヌの言うとおり…。
マリアンヌのアドバイスを思い出し、試しに言ってみたのだが、効果は抜群のようだ。
そして、アーニャは、張り切るライの姿を見ながら思った。
今度も使おうと…。

こうして、女は男をうまく操縦する方法を身に付けていくのであった。
488名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 18:47:38 ID:OiMN5C8y
ここで終了です。
皆さん、楽しんでいただければ幸いです。

このシリーズは、楽しい…。
ネタ湧いたら、また投下します。
489名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 18:55:39 ID:Tp+jchLm
>>488
あしっど・れいん卿、GJでした!
電波撃退てwww
赤面しながらねだるアーニャ……ヤヴァイね。
プチ悪女として歩き出したアーニャと尻にしかれてるかんじのライが良いのです!
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
490名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 22:34:58 ID:Gqj3i0U+
>>488
GJでした!
このライアニャは、美しい…
491名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 22:53:04 ID:JK4sXLns
3レスくらいなんですが、今投下しても大丈夫でしょうか
492名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 22:56:02 ID:AzIdLjGX
大歓迎です。支援…はいらなさそうですな。
493エアパスタ ◆B.jUaYJTw6 :2008/10/06(月) 22:57:52 ID:JK4sXLns
それでは邪魔します
ライ×カレン前提で今さらR2直前くらいのネタです

 紙袋には惣菜のつまったタッパーが、肩にかけたトートの中身は掃除用具がほとんどを占めている。
 それらを持って、いつものように玄関口で靴を履いたところで、それでもなお卜部は諦め悪く青年に目をむけた。
「なあ、やっぱりあんたが行ってくれないか」
「嫌です」
「即答かよ」
 ここは卜部とこの青年が、身分を偽って潜伏中の六畳一間の安アパートである。
 あのブラックリベリオンでの敗北以来、残った構成員たちはそれぞれ目につきにくいように
普段は分かれて暮らしているのだ。
 司令塔的な役割を果たしている卜部と、戦闘隊長であるこの青年、ライは連携がとれていないと
まずかろうということで、現在居をともにしている。
 そして今日はやはり分かれて潜伏しているカレンとC.C.への定期連絡をかねた訪問日なのだが、
卜部は正直気が進まなかった。
 なにしろ、自分が行っても、料理と掃除を要求されるばかりなのである。
 C.C.はさておき、はじめは敬意を持って接してくれていたカレンも、朱に交わればなんとやらというか、
何度かの訪問を経て、すっかりだれたというか、慣れたというか、態度の端々にぞんざいさが表れて、
今や訪問するなり『とりあえず流しと風呂場の掃除お願いします』とかそんな状況なのだ。
 別にだからといって、腹を立てるほどのものでもないのだが、卜部はなんだか自分が思春期の娘に
ぞんざいな扱いをうける父親のようなわびしい気分を味わうことに、さすがに疲れを感じ始めていた。
 その点、このライならば、という思いがある。
494エアパスタ ◆B.jUaYJTw6 :2008/10/06(月) 22:59:29 ID:JK4sXLns
 あの両名にそれなりに好かれているのだから、彼の方が訪問は喜ばれるだろうし、同じ年頃なのだから
自分よりはるかに話もはずむはずである。
 なのに、その当の青年は笑顔で卜部の頼みを拒否してしまった。
「いや、紅月は絶対喜ぶし、いいじゃないか戦闘隊長」
 まるで出社拒否の会社員のように、玄関口で卜部は行きたくないという態度をとる。
 ライはライで、にこにこと満面の笑顔のままで、きっぱり首を振る。
「まだ清い体でいたいんで、お断りします」
 好意はありがたいものである。だが、行き過ぎた好意というのも、困ったものなのだ。
 断りを口にしながら、ライはライで前回の訪問時の悪夢を思い出して渋い顔になった。
 紅月カレンはたしかに魅力的な女性である。だがしかし、なしくずしにことに持って行こうとするのはいけない。
 スザクではないがやり方はやはり少しばかり考えて欲しいのである。ムードとか。
「……据え膳なら食っちまえばいいじゃないか」
 なんとなくおおよその事情を察したのか、卜部がそんなことを言うと、ライはまたもうすっぺらい笑顔で即答した。
「食われそうになったのは、僕です」
 荷物をかかえたまま、卜部はふーっとため息をついた。呆れているのかもしれない。
「しょうがねえな、C.C.も」
「ええまったく、カレンをけしかけて二人がかりとか…ってなんでわかるんですか、卜部さん」
 うっかり流しかけて、ライはあわててつっこみをいれた。
 カレンだけならともかく、C.C.のことをほのめかした覚えはない。
 そんなライに、卜部は暗い目で笑う。
495エアパスタ ◆B.jUaYJTw6 :2008/10/06(月) 23:01:13 ID:JK4sXLns
「一度手ぶらで顔出したら、食うもんよこさないとおまえを食うって脅された」
 ふっと笑う姿に、嫌がる理由の一つを思い知らされて、ライは少しだけ卜部に同情した。
 それと同時に、そんな簡単に脅されるなよ四聖剣と思ったのも事実ではあるが。
「……よく、無事でしたね」
「全裸で青森を逃げ切った俺をなめてもらっちゃ困るな」
 あの時は、カレンに変態とか言われましたよね、卜部さん。あ、僕もだった。
 でもカレンもそう言いながら凝視してたよなあ。
 C.C.は堂々とガン見してたし、あ、思い出したくなくなってきた。
 遠い目になりながらもライはツッコミを忘れなかった。
「ブリタニアと同列ですかC.C.」
「連中よりあの女の方がよっぽどタチ悪いぞ」
 卜部の言葉に、ライはつい笑ってしまった。卜部もまた、仕方がない奴だろとでもいいたげに笑う。
 ひとしきり笑いあったあとで、ライはふっと顔をひきしめ、卜部に時計を指し示した。
「ところでそろそろ出たほうがいいですよ、卜部さん」
「なあ」
「待ってるはずですから、さあ」
「あの」
「しゃんとしてくださいよ四聖剣」
 とうとうライの意思が動かせないと悟った卜部は、のろのろと戸を開けながら三十六歳に
あるまじき往生際の悪さで愚痴をはいた。
「……戦闘隊長のはくじょうもん」
 愚痴をはいたところで、どうにかなるわけでもないこともよくわかってはいたのであるが、
はかずには、いられなかったのである。
496エアパスタ ◆B.jUaYJTw6 :2008/10/06(月) 23:02:56 ID:JK4sXLns
以上で投下終了です
BSiの再放送見てたら、むしょうに懐かしくなったもので
497名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 23:08:30 ID:7YE6myfh
おお〜、久しぶりです!清い体ってアンタww
本格的に復帰されるならこれ以上うれしいことはない!ところでこれってタイトルはないんですか?
498名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 23:12:34 ID:AzIdLjGX
>>496
GJです!クソワロタw
女性陣の方が野獣てwww積極的なカレンもステキ!
次回投下お待ちしてます!
499名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 23:17:39 ID:ja1XMdlM
>>496 これはいいwそのうち食われるんだろうなw次回の投下を全力で待たせていただきます!
500名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 23:18:34 ID:Tp+jchLm
卜部www
>>496
エアパスタ卿、GJでした!
ライww食われるてwww
所でおっさんが可愛いと思ってしまったんだが、どうしよう?
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
501名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 23:19:32 ID:qL/+2Zmj
>>496
GJでした!
ケダモノの女性陣と苦労人の卜部さんww
なんかライが居れば本編もこんな感じだったんだろうと思える作品でした
502名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 23:23:30 ID:aiWayEhd
>>496 エアパスタ卿お疲れ様です!久しぶりに見れてすごくうれしい!
次回の投下を全力で待ちしてます!GJでした!
503名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 23:26:59 ID:nDzLGqzO
果報は寝て待て。昔の人はいいことを言ったもんだ。
俺、エアパスタ卿のSS大好きだったけど、もう来ないってあきらめてたんだ。
しかし!今日むくわれた!ありがとうエアパスタ卿!次は食われるほんば(ry
504名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 23:32:16 ID:nRlbCgUA
オール・ハイル・エアパスタ卿!苦労人のライと卜部に同情をきんじえませんww

>>503 本番はヤバスww
505名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 00:14:18 ID:DHRcQRzv
すみません。トーマス卿へのご連絡はどちらで行えばよろしいでしょうか?
506名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 00:26:22 ID:RTyHEJlU
>>505 >>2をよーく見よう
507名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 00:30:26 ID:DHRcQRzv
あ、失礼しました!見落としてました!
508名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 01:21:41 ID:B1bQy26M
個人的にちょっと句読点が少し多い気がしたんですが
それでも文章にリズムがあってすごく読みやすかったです。安心して読めました
常に緊張感があるはずの生活の中での、こういうまったりした人間味が溢れてる描写っていいなぁ
509名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 08:24:37 ID:5lFdacw0
エアパスタ卿きてたのか...乗り遅れてシモタorz
おかえりなさい、GJでした。こんなボキャブラリー貧困な俺だけど応援してます。
510名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 10:49:46 ID:w/H/X+TQ
11:00から投下しようと思います。
前書き本文後書きあわせて7レスの予定。
511名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 11:02:18 ID:Qao+2pfO
支援
512年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/07(火) 11:02:37 ID:w/H/X+TQ
年下専門です、長編の続きを5レスほど投下します
タイトルは「優しい世界で目覚めて 第三話 ルルーシュの両腕」

・ギアス篇と学園篇の複合エンド後にしてR2終了後からの話
・ライは黒の騎士団入ってて学園篇エンドを迎えた、ルート的にはランペルージ兄妹メインに万遍なく頑張ったライ君
・ジャンル的にはほのぼのしんみり系のはず、多分
・カップリングは現時点ではなし
・アフターに関しては情報が少ないため、自己解釈の要素を多分に含んでいます
513年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/07(火) 11:07:10 ID:w/H/X+TQ
「な、なんだ?」
「……また、あいつら」
「アールストレイム卿?」
「アーニャでいい。もう私はラウンズでも貴族でもない」
突如聞こえてきた怒声に、アーニャは前方の木の影に身を隠すように移動した。
彼女に倣って木陰に移動したライはそっと声のしたほうに目線を向ける。
そこにいたのは直立不動で動かない一人の男と、彼を取り囲み、顔を歪めている三人の男たちだった。

「ルルーシュ様の御心も理解できないような貴様等と話すことはない、帰れ」
「何故ですか、ジェレミア殿!」
「貴方が我らの組織に加わってくだされば鬼に金棒! この偽りの平和を崩すことができるのですよ!?」
「何度言わせればわかるのだ。私にその気はない」
どうやら三人は勧誘を行っているようだった。
となると、囲まれているのが目的の人物であるジェレミア・ゴットバルトだろうか。
男たちの陰に隠れてその姿はよく見えないが、その存在感は見えずともビリビリと伝わってくる。
「しつこい……」
「アールス、いや……アーニャ、彼らを知っているのか?」
「彼らはホワイトナイツ。簡単に言えば、テロリスト」
「ホワイトナイツ……白の騎士団?」
「そう。ルルーシュ前皇帝が着用していた服の色と、敵対した黒の騎士団に対抗してつけられた名前」
「あれが……」
ゼロによるルルーシュ前皇帝の暗殺、否、誅殺により世界に平和が訪れた。
というのはあくまで表面上のことであり、未だに戦乱の火種はくすぶっている。
象徴的なものがテロリストの存在だ。
一時は世界の頂点に立ちかけたにもかかわらず、超合衆国の一国に身を落とした現政権に不満を持つブリタニア人がその代表格であり
その中でもルルーシュ前皇帝を信奉する者が集まったホワイトナイツ―――通称、白の騎士団はとりわけ有名な部類に入る。
とはいえ、ゼロを筆頭とした黒の騎士団の戦力は健在であり、彼らに対抗できるほどの戦力を持つ組織は実質的には存在しない。
だからこそ彼らは最強の騎士の一角であるジェレミアを勧誘しているのだろうが……
「何故です! 今の政権は、否! 世界はルルーシュ陛下をまるで悪鬼羅刹の如く語る愚か者ばかり!」
「我々にはそれが我慢できない。それは貴方とて同じのはず!」
「……それに関しては、思うところがないといえば嘘になる。だが!」
514年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/07(火) 11:10:10 ID:w/H/X+TQ
轟!
ジェレミアの覇気に押され、三人の男が後ずさりする。
「私が主と仰ぐのはルルーシュ様のみ! 他の誰かに頭を垂れる事も、ましてやあの御方の実の妹君であるナナリー陛下と敵対することなどありえぬ!」
「くっ……我らがこれだけ言っても理解を示さぬとは、ルルーシュ様一の家臣といえども所詮はオレンジか」
「オレンジ結構! 私はその名を誇りに思っている。馬鹿にしたければするがいい、しかし! 私の気が変わることはない!」
「うっ、い、行くぞ! ジェレミア殿、我々は諦めませんぞ!」
「ふん、さっさと行け。同じブリタニア人として、通報はしないでおいてやろう」

そそくさと退散していく三人を見やると、ジェレミアはふんと息を一つ吐いた。
その様子を見て、アーニャが木陰から身を現す。
「待ってて」
そう言い残し、桃髪の少女はジェレミアの元へと駆けて行く。
「あれが、ジェレミア・ゴットバルトか」
「相変わらず暑苦しい男だ」
「いたのか、ルルーシュ。どこへいっていたんだ?」
「近くにいたぞ。姿を現さなかったのは、単に空気を読んだだけだ」
「?」
「フッ、わからないならばいい。しかし……白の騎士団、か」
いつの間にか肩に戻ってきていたルルーシュを見て、ライは複雑な表情を浮かべる。
「わかってはいた。ゼロレクイエムで世界が完全に平和になることなどないということは」
「それは……」
「言うな、ライ。これは予想していた256通りの可能性の一つに過ぎない。
 それに彼らとて、好きでテロリストに身を落としたわけではあるまい。全ての罪は俺の元に、それでいい」
「ルルーシュ……」
寂しそうな表情を浮かべる親友に、ライは何一つ言葉をかけることができない。
そもそも、どう声をかけようというのか。
大事な時にのうのうと眠りにつき、寝所の上でルルーシュが両親と対峙していた時も目覚めず。
彼が世界の敵という仮面を被っていた時も何もすることができなかった自分に、一体何が言えるというのか。
「そんな顔をするな。ほら、ジェレミアが来るぞ。そんな辛気臭い顔でアイツの前に立つな」
「ああ……そうだな、ルルーシュ」
苦笑しあう二人の少年。
そんな彼らの下にに、少女に連れられたオレンジ畑の主が近寄ってきていた。
515年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/07(火) 11:20:05 ID:w/H/X+TQ
「いや、先程は見苦しいところを見せた」
「いえ、そんなことはありません。騎士の気迫、見せていただきました」
アーニャに紹介される形で自己紹介をしたライは、ジェレミアの先導の下に彼の住居へと案内されていた。
ライは自分が元黒の騎士団の者であること、病気を患い遠方で療養生活をおくっていたこと。
いざという時はジェレミアを頼るようにルルーシュに言われていたことを話した。
実際のところ、療養の部分(療養もある意味では本当だ)を除けば嘘はない。
説明をあっさり信じたジェレミアは、すっかりライに気を許したのか軽い足取りを見せる。
「しかし君がルルーシュ様の右腕と称された蒼の月下のパイロット、ライとはな」
「僕のことを知っているのですか? けど右腕というのは……」
「左腕では、といいたいのだろう? 私がいっているのは、ゼロではなくルルーシュ様という一個人での話だ」
516名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 11:20:30 ID:ytCalMjN
支援
517年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/07(火) 11:21:25 ID:w/H/X+TQ
ジェレミアの説明にライはああ、と理解を示す。
ライ、そして紅蓮のパイロットであったカレンは共にゼロの両腕と称され、ライは左腕、カレンは右腕と呼ばれていた。
黒の騎士団の双璧にしてゼロの両腕、そう呼ばれていた頃のことを思い出す。
玉城が騒ぎ、井上が煽り、カレンが注意し、扇が仲裁をし、慣れない光景に藤堂と四聖剣が戸惑い。
ディートハルトがゼロを称賛し、ラクシャータが呆れ、C.C.がピザを食べ、そしてゼロが変なポーズ決めていた。
殺伐した活動の中、和やかで輝いていた日々。
眠りについていたライには、その日々はつい昨日のことのように思い出せる。
「ということは、ルルーシュの左腕はジェレミアさん、ということですよね?」
思い出に浸りかけていた思考を、強制的に現実に引き摺り戻す。
半ば確信を持って放ったその問いに、ジェレミアは照れたように、しかし誇るように大きく頷いた。
「勿体無くも、ルルーシュ様は私ごときを片腕とまで評価してくださった」
「その時に、彼は僕のことを?」
「うむ。君の事を語るルルーシュ様は本当に楽しそうだった。その時、私は思ったものだ。
 ルルーシュ様は本当に君の事を信頼していたのだと」
チラリ、と肩に目を向ければそっぽを向くルルーシュの姿が見える。
照れているのだろう、顔を見られたくないようだ。
素直じゃないのは死んでも変わらないんだな……ライは思わず心中で苦笑してしまう。
518年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/07(火) 11:23:36 ID:w/H/X+TQ
「……でも、彼の最期には間に合いませんでした」
「それは私も同じことだよ。かの御方の意思を尊重し、今の世があるが……あの時の私の判断は正しかったのか、そう思わない日はない」
「そうなんですか?」
「無論だ。ルルーシュ様の思惑がどうであれ、結果的にあの御方の死を傍観したのは事実。悔やまないはずがない」
異形の機械仮面に覆われていない顔を歪め、ジェレミアは微かに顔を伏せる。
それだけで、大柄だった彼の身体がとても小さくなったようにライには見えた。
「……きっと、ルルーシュは貴方に感謝していると思います」
「で、あれば嬉しいのだが……」
俯いていた顔をあげ、ジェレミアは空を見上げた。
つられるように、ライも空を見上げる。
一片の曇りも見当たらない、蒼天の空が目に映る。
隣に立つ彼は何を思い、何を空に見ているのだろう。
ふ、と沈黙が訪れる。

「着いた」

沈黙を破ったのは、会話に入れずただ黙していたアーニャだった。
仲間外れにされていたことを怒っているのか、無表情の中に憤りが見える。
ジェレミアはそれに気がついていないのか、差し出された鍵を受け取ると呑気に扉を開け始めていた。
(いやちょっと待て)
その光景に、ライは僅かな違和感を感じた。
何故アーニャがジェレミアの家の鍵を差し出して、それを彼が受け取っているのか。
もしかしてこの二人、一緒に暮らしているのか?
(親子ほど歳は離れているはずなんだけど……いやでも恋愛に歳の差は関係ないって言うし、いやでも)
突如判明した驚愕の事実にライの思考が混乱する。
まさか、いやでも。
否定と肯定を繰り返すライは、アーニャに手を引かれて家の中に引き入れられていることに気がつかなかった。
彼は知らない、今以上のショックが家の中に待ち受けているということを。
519年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/07(火) 11:26:51 ID:w/H/X+TQ
「ようこそ、ライ君。我が住まいへ」
「ブフゥッ!!??」

訪問一番、ありえない勢いで吹き出したのはライの肩に乗っていたルルーシュだった。
ライはといえば、いきなり目に映ったものに呆然としている。
それも無理はない。
何せ彼らの目に映っているのは日本式の故人を祀る棚―――その中央にデカデカと置かれたルルーシュの遺影だったのだから。
いや、厳密には驚くのはそこではない。
ルルーシュに忠誠を捧げていたジェレミアが彼をこうして供養しているのは別におかしくはないのだ。
おかしいのは、遺影。
全長一メートルはあろうかという引き伸ばされた写真に写っているのは、確かにルルーシュだ。
ただ、その映っている姿が問題だった。
両腕を肩よりやや上にピンと伸ばし、足は右足を折り曲げ、左足はグンと伸ばされている。
背景には一面の青空、映っている表情は、彼らしからぬ満面の笑み。
タイトルをつけるとすれば、『空を翔けるルルーシュ』だろうか。
ありえない……
宇宙人を発見した気分で、ライは肩のルルーシュを見つめる。
「な、何故この写真が……」
ぶるぶると震えているのは羞恥ゆえか、それとも別の理由か。
とにかく、ルルーシュが使い物にならないと判断したライは無言でジェレミアに問いかけた。
「む? ああ、この遺影かね。君も知っての通り、ルルーシュ様は今の世では大罪人として扱われている。
 当然、そのお姿を写した写真も処分され、ほとんど残されてはいない」
「で、では、この写真は?」
「うむ、とある女性から譲ってもらったのだ。どうだね、素晴らしい写真だろう」
「え、ええ……」
「この躍動! 背景との調和! 溢れんばかりの表情! ルルーシュ様を弔うには正に最適な全力の一枚だ」
「ち、違う、違うぞジェレミア! これは俺ではない! これは、これは咲世―――!」
ぶんぶんと蚊のようにジェレミアの周囲を回りながら叫ぶルルーシュ。
だが当然その言葉はライ以外の誰にも届かない。
当のライも、親友の意外な一面にただ驚くばかりで周囲からの音が遮断されてしまっていた。
パシャリ。
そんな愉快な光景を、アーニャの携帯電話が見事に切り取るのだった。
520年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/07(火) 11:28:07 ID:w/H/X+TQ
投下終了、支援感謝です。途中で本文長すぎ規制に引っかかってしまい、1レス増えてしまった…
ちなみに遺影の写真はラブ アタック!の時のアレです。
勿論ジェレミアにこの写真を渡したのは忍者メイド。
521名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 11:28:55 ID:ytCalMjN
しえん
522名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 12:03:56 ID:Qao+2pfO
支援一回で猿食らったのは初めてだ!支援出来ずにすまぬ
523名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 12:40:57 ID:ybJReYpA
>>520
年下専門卿、GJでした!
熱く、漢なジェレミアが最高です!
話についていけずちょっとふてくされるアーニャを幻想した。
しかし、遺影が別人てwww
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
524名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 12:45:33 ID:JrXfGlgG
>>520
GJでした!この優しい空気に癒される…
ジェレミアの忠義とルルのライに対する信頼もクるものがありましたが、
今回はサヨーシュのステキポーズに全て持ってかれましたw腹痛てぇw
次回のご投下を心待ちにしております。
525名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 15:12:07 ID:wfZzuYU/
この時間に人居るかな?
526名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 15:12:47 ID:JrXfGlgG
ん?投下されるのですかな?そうであれば支援しますぞ
527萌は文化:2008/10/07(火) 15:16:07 ID:wfZzuYU/
それじゃあ感謝して投下します

「姉妹喧嘩」の続きです

カプはライユフィですが今回は特にライユフィ要素なしです

注意点
・ギャグです
・ギルフォードがおかしくなってるので嫌な人はスルーで

では投下します
528名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 15:17:11 ID:JrXfGlgG
支援
529萌は文化:2008/10/07(火) 15:18:42 ID:wfZzuYU/
アッシュフォード学園文化祭当日。
この日、コーネリアはギルフォードとノネットを連れ、ユーフェミアの恋人としてライが相応しいかどうか調査をするため一般の来客に混じって学園へと潜入していた。

「ふむ、かなりの人だな」

予想以上に賑やかな学園祭の様子を見て感心したようにコーネリアは頷いた。

「イヤー、活気あって何よりですね殿下」
「ああ、そうだな」

楽しそうに周囲を見渡しながらノネットは言った。

「ところで姫様、その格好は?」

今日は潜入捜査のため、出来るだけ目立たない格好が望ましいと皆、いつもの軍服などではなく私服で校門前に集まったのだが……

「?……何かおかしいか?」

コーネリアの服装はというと、全身上から下まで真っ黒なスーツで統一。
何にこだわっているのかネクタイからサングラスまで黒という徹底っぷりだ。

「出来るだけ目立たないように気を使ったつもりだが?」

何かまずかったか?と首をかしげるコーネリア。
そんなコーネリアにどう説明しようか悩むギルフォードを見て、ノネットはギルフォードの肩にそっと手を置き囁いた。

「止めとけ。殿下は皇族だからこういうことには疎いんだ。たぶん、あれで精一杯だ」
530名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 15:18:52 ID:JrXfGlgG
支援
531萌は文化:2008/10/07(火) 15:21:21 ID:wfZzuYU/
「………姫様はあれで本気なんでしょうね」
「何をこそこそ話てる? 早く行くぞ」

コーネリアが言うとギルフォードはため息をつきながらコーネリアとノネットの後をついて行った。

「しかし本当に人が多いな。これではライとかいう者やユフィを探すのも困難だな。なあ2人とも………何?」

2人に同意を求めようと後ろを振り返るコーネリア。
だが背後には自分が話しかけたはずの2人の姿はなかった。

「ま、まさかはぐれたのか……?」

予想せぬ事態ではなかったが、あまりに早すぎる別れにコーネリアの顔が引きつった。

「仕方ない。ここからは1人で探すとするか」

とりあえず校舎へと向かうことにしたコーネリア。
ちなみにそのころノネットは…

「あれ? 殿下どこ行った? ギルフォード卿もいないし……殿下、殿下ー! 」

とりあえずコーネリアを呼んでみるノネット。
しかし、返事はなく、どうしたものかとノネットは少し考えると近くの学生に声をかけた。

「そこの銀髪が素敵な学生よ」
「え? はい」

銀髪の学生こと、呼び止められたライは立ち止まりノネットの方へ振り返った。

「む、お前は……!」

ライの顔を見るとノネットの目が鋭く光った。
532名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 15:21:40 ID:JrXfGlgG
支援
533萌は文化:2008/10/07(火) 15:29:09 ID:wfZzuYU/
それもそのはず、目の前にコーネリアからユーフェミア様を奪った男に図らずも出会ったのだ。
コーネリアのためにノネットはすぐさまライを拘束しようと…

「可愛らしい顔してるな」
「は? はあ、どうも」

する気など全く持っていないノネットであった
むしろライに気づいているのかすら不安である。

「それはそうと、何か食べたいのだが食べ物の出店はどこだ?」
「あ、それなら中庭ですよ」
「おお、そうかすまないな少年よ」

わざとなのか素なのか?
ライに全く気がつかずに礼を言うとノネットは楽しそうに中庭へと向かって行った。

「変わった人だな。あ、もう見えなくなった。足早いな」

そんなノネットの背中を見送り感心するライだった。

「さて、僕は中の様子を見に行こうかな」

そう呟くとライは校舎の中へと向かった。

「コスプレ喫茶? 喫茶店はわかるけどコスプレってなんだ?」

廊下を歩いていると偶然通りかかった看板が目に入ったライは立ち止まり、しばらく看板を眺めていた。

「喫茶店ってのはわかるけどコスプレ………コスプレ……うーん、わからない」
「あら、いらっしゃいませお一人ですか?」

教室の前で1人悩んでいると、ライに気がついた女生徒が教室の戸を開けて挨拶をした。
534名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 15:30:08 ID:JrXfGlgG
支援
535萌は文化:2008/10/07(火) 15:31:45 ID:wfZzuYU/
「あ、いや、僕はただコスプレって何かなって考えただけで…」
「それなら是非体験してってください。そんなわけでお1人様ご案内〜♪」
「え、ちょっと…」

女生徒に押し切られ、ライは教室内へと引っ張り込まれた。
数分後、教室内からライの悲鳴とともに他の生徒達の歓声が響き渡った。

「姫様は一体どちらへ……?」

ちょうどそのころ、コーネリアとはぐれたギルフォードが近くを通りかかっていた。

「仕方ない。ここは姫様のために私1人でも…………ん?」
「わぁ!!」

突然、近くの教室の戸が開き、中からギルフォードに向かって1人の女性が飛び出して来た。

「おっと、大丈夫ですかお嬢さ……!」
ギルフォードはすかさず女性を受け止める。
訂正。
女性という表現は正しくなかった。
正確にはミニスカートのように丈が短い振り袖の着物で女装させられたライがギルフォードに抱き止められている。

「あ、す、すみません!!」

慌ててギルフォードから離れるライ。

「な!! あなたは!?」

ギルフォードに衝撃が走る。
それもそのはずである。
536名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 15:32:11 ID:xshRTnUb
支援
537名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 15:32:21 ID:JrXfGlgG
支援
538萌は文化:2008/10/07(火) 15:34:32 ID:wfZzuYU/
ユーフェミアが家出してまで好きだと主張していた相手が、まさか女装癖がある男だったとなどと…。
そんな変態とユーフェミアが付き合うのをコーネリアの騎士であるギルフォードが認められるはずがない。
だがこの時ギルフォードにこみ上げてきた感情は怒りなどではなかった。

「………可憐だ」
「……は?」

ギルフォードの様子がおかしい。
ギルフォードの視線がまるで目の前の相手に心奪われたかのように相手から離れない。
っていうかギルフォードは目の前の女装したライを完全に女性だと勘違いしてるようだ。

「なんと可憐で美しい女性なのだ! あなたのような女性に私は今まで出会ったことなどない!!」
「は、はい?」

熱烈に愛の言葉を吐き、迫ってくるギルフォードにライは困惑した。
どうやらギルフォードは女装したライに完全に一目惚れしたらしい。

「名乗り遅れました。私の名はギルバート・G・P・ギルフォード。コーネリア皇女殿下の騎士をしております」
(コーネリア殿下の騎士!? まずい、もしかしてユフィをかくまってることがバレたのか?)

そんなギルフォード気持ちなど知らず、ライは警戒を強める。
539名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 15:35:32 ID:JrXfGlgG
支援
540萌は文化:2008/10/07(火) 15:38:48 ID:wfZzuYU/
「是非、あなた様のお名前をお聞かせください! 美しいお嬢さん!」
(お嬢さん? もしかして僕のことを女だと思ってるのか? なら…)

とりあえずこの場はなんとか誤魔化して逃げなければ、とライは必死に頭を回転させる。

「あの、お名前を…」
(名前? ライマー…いやいや、和服なのにその名前はおかしい。えっとここは…)
「ライカ、と申します」

とりあえず思いつきの名前を名乗り上品にライはお辞儀をした。

「ライカさんですか。礼儀正しく、なんて清楚なお方だ。まるで野に咲く一輪の花のようだ」
「ま、まあ、ありがとうございます」

とりあえず相手に男性だとバレない程度に会話を合わせるライ。

「ここで出会ったのも何かの縁。よろしければ私とお茶でも…」
(や、やばい。どうしよう? なんとかここから逃げ出す方法は…?)
「ん? あれ、もしかしてお前ライか?」

ライが必死に脱出法を考えているとギルフォードの背後から歩い来たリヴァルがライに気づき声をかけてきた。

(ナイスリヴァル!)
「すみませんギルフォード様。私、ちょっと呼ばれてるもので…」
「え、そんなライカさん!」

急ぎ小走りでリヴァルの元へ走るライを焦り呼び止めるギルフォード。

「ライカ? なんだそりゃ? ってかライ、なんだその格好………グフッ」
541名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 15:39:16 ID:JrXfGlgG
支援
542萌は文化:2008/10/07(火) 15:41:32 ID:wfZzuYU/
「フフフ、さあ、行きましょうリヴァルさん」

余計なことを言いかけたリヴァルに一発入れ、気絶したリヴァルを引っ張りライは全力でその場か逃げ出して行った。

「ライカさぁぁぁん!」
(た、助かった…)

そんなライの後ろ姿を名残惜しそうに見送るギルフォードの叫びが廊下へ響き渡った。
543名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 15:45:20 ID:JrXfGlgG
支援
544萌は文化:2008/10/07(火) 15:48:39 ID:wfZzuYU/
おまけ

生徒「では、これより超大盛ラーメン早食い大会を始めたいと思います!」
ノネット「フッ、ラウンズの力を見せてやろう」
ジェレミア「フフフ、全力でお相手しましょうナイトオブナイン殿!」
ヴィレッタ(おかしい、絶対私は場違いなはずだが何故出場しているのだ?)
生徒「それでは、スタート!!」

ジェレミア「全力で!!」
ヴィレッタ「やるからには…! ウップ…」
ノネット「さあ、行こうか!!」

数分後

生徒「優勝はルルーシュのとこのメイドさんです」
咲世子「これが藤崎流大食い術です」
ジェレミア「なんとーー!」
ノネット「この私が……フッ、完敗だ」
ヴィレッタ「だ、誰か、洗面器………ウ」
545名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 15:49:48 ID:JrXfGlgG
支援
546萌は文化:2008/10/07(火) 15:50:30 ID:wfZzuYU/
以上で終了です

最近、以前にも増して自分の文が酷くなってる気がする
今回完結予定だったけどまだ続きます
次回はユフィメインの予定

それでは支援ありがとうございました
547名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 15:56:25 ID:JrXfGlgG
>>546
乙です!まさかのギルライw
そしてジェレミアさえ霞むノネットさんのカッとばしっぷりが素敵です。
次回のご投下もお待ちしてます。
548名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 16:28:32 ID:8NUUD0Y8
>>546
乙です
今回、まさかのギル大活躍で素敵過ぎます

何故か、読み終わった後に政庁で寂しく留守番しているダールトンが見えてきましたw
549名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 16:53:41 ID:93MlTxeU
GJ

咲世子さんは、藤崎では無くて篠崎では?
550名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 16:59:55 ID:wfZzuYU/
>>549
あ、本当だ…すみません管理人卿、修正お願いします
いや、本当すいません
551名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 17:22:11 ID:ybJReYpA
ギルフォードォォォwwww
>>546
萌は文化卿、GJでした!
ノネットさんのカッ飛びっぷりがたまらないw
ギルフォード卿が間違った方向に向かいそうで怖い。
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!

>>531
何をこそこそ話てる→話してる、では?
552名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 17:23:08 ID:R/LNzbQ5
>>546
GJです。なぜか場違いと理解しつつも参加させられてるヴィレッタw
553保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/10/07(火) 18:21:54 ID:YLcwuGFn
>>550 GJ、お疲れ様でした。誤字については(551氏のも)修正して保管いたしました。
尚、シリーズ部屋を作る際に、話数を当方で付け足しています。不都合があれば仰ってください。
554名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 18:32:00 ID:+53ee+EH
>>546乙でした
盤上女ヒロインをライカの名でプレイしていたので、ライの偽名にふいた
ノネットさんは豪快で、やっぱりいいなあ
我が騎士は姫様ほっぽっといて何してるんだ!?
どう落とすのか続きが気になります
555名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:02:20 ID:UAgZtNjI
22:15頃から投下します。本文・あとがき合わせて13レス分ありますので、
できれば支援をお願いします。
556名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:04:05 ID:6oEpZYEk
支援します
557名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:05:07 ID:8NUUD0Y8
支援頑張ります
558名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:07:20 ID:dtiymA0x
>>546
某執事マンガ「XXXの如く」に女装の話で似たようなのがあった気が…
気のせいですかね?
ノネットさんに勝つ咲世子さん凄いなw
559余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/07(火) 22:15:28 ID:UAgZtNjI
ありがとうございます、では投下します。
『僕と妖精さん』シリーズです。

作者:余暇
タイトル:妖精さんとコスプレ返し
カップリング:ライ×リーライナ

(設定と注意)
・特派編スザクEND後、いたって平和な世界。
・リーライナ、マリーカ、咲世子さんは妖精。
・全員、暴走気味。

萌は文化卿、すみません。本当に色々やってしまいました。
本文・あとがき合わせて13レス分です。
560名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:16:59 ID:8NUUD0Y8
支援
561名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:17:07 ID:6oEpZYEk
支援
562余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/07(火) 22:18:50 ID:UAgZtNjI
             『妖精さんとコスプレ返し』

「あ、あの咲世子さん。これは一体?」
僕は目の前に出された服を見て、絶句した。そこにあるのは全身ピンクの服で、短いスカート、ピンクの帽子まであった。そう、つまり……。
「ナ、ナース服ですか。」
やめてくれ、マリーカ。現実を突きつけないでくれ。
「ライ様はきっと、いいえ必ず、女装がお似合いだと思うのです。男性が男性の服を着ても面白くありませんので、ここは思い切ってみましょう。」
「待って下さい!そこは僕の意思は無視ですか!?」
冗談じゃないぞ、誰がこんな物を着るか。リーライナさんとマリーカだって、僕の女装なんか見たいわけが……。
「やっぱり咲世子さんもそう思います?実は私も、ライさんは女性的で、女性の服も似合うんじゃないかなーって思っていました!」
「私もそう思います。それに、先輩や私がこんな恥ずかしい格好をしたのに、ライさんが普通の服だったら不公平です!」
「ええっ、二人までそんなことを!?」
そ、そんな。二人だけは信じていたのに、そっち方向にノリが良くても困るんだ、僕が。
「さあ、ライさん。お覚悟を。」
「ライさんのコスプレ、見たいなあ。」
「同感です。」
ダメだ、逆らえる気がしない。それに二人にあんな恥ずかしいことをさせて、多少は後ろめたいものがある。
ここは覚悟を決めるしかないようだ。
「はあ、わかりましたよ。着ますからそれを貸して下さい。ちょっと洗面所で着替えてきます。」
僕は咲世子さんからナース服を受け取り、洗面所で着替えた。着替え終わった姿を鏡で見た時、自然と涙が出てきた。
母上、こんな親不孝者をお許し下さい。
563名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:20:32 ID:8NUUD0Y8
支!援!
564余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/07(火) 22:21:57 ID:UAgZtNjI
そして僕は、三人の前に出た。全身を覆うピンクのナース服、膝の上10センチまでしかないスカート、足を覆う白いストッキング、
胸にある二つの詰め物、ピンクの帽子。そして小さな縁なし眼鏡。その姿はまさしくナース、中身は男だが。
「完璧、完璧でございます!やはり私の見込んだ通りでございました!」
咲世子さん、そんなことで感激されても困ります。悲しいだけですから。
「すごい、綺麗……。何だか、女として負けた気がする。」
いやいや、リーライナさん。僕は男ですから、悔しがられてもすごく複雑です。
「私病院って苦手ですけど、こんな看護師さんがいるなら診て欲しいなあ。」
いや、マリーカ。中身は男だから、僕が診てもセクハラになるだけだ。
「さて、ライ様。ちょっとこのセリフを言ってみて下さい。」
咲世子さんが僕の耳元で囁く。
「あの、本当に言わないとダメですか?」
「ダメです。でなければ今日お撮りした恥ずかしい写真を、学園内にバラしますよ?」
うわ、脅迫ですか。まさか、このために写真を撮っていたのか?だが、あの写真をバラされるわけにはいかない。
僕は諦めの境地に達して、ため息をついた。
「……わかりました。言えばいいんですね?」
僕はバインダーを見つつ、片手で眼鏡のズレを直しながら言った。
「はい、次の方どうぞ。」
「「はいっ!」」
リーライナさんとマリーカ、二人同時に手を挙げた。……どうしろと?ていうか、二人ともノリが良すぎるよ。
『アドリブでお願いします。』
どこから出してきたのか、咲世子さんがスケッチブックに書いた文字を見せてきた。本気ですか、それ。
でも仕方がない、何とか乗り切るか。
「えーと、ではマリーカさん。こちらへどうぞ。」
僕とマリーカは、ソファに隣り合って座った。
565名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:23:32 ID:8NUUD0Y8
ナイス眼鏡 もとい、支援
566名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:23:56 ID:6oEpZYEk
支援
567余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/07(火) 22:24:25 ID:UAgZtNjI
「え、えーと。では今日はどうなさいましたか?」
「あ、あのー、どうも熱っぽくて。」
僕とマリーカは、たどたどしくお医者さんごっこをし始めた。僕はナースだが。
「そうですか。では点滴を…」
「あっ、その、診ていただけないんですか?えっと、聴診器で……。」
そう言うとマリーカは、体操服の裾を少したくし上げた。一瞬へそが見えた。
「まっ、待って!気をしっかり!僕はナースだから聴診器は使わないし、それ以前にこれは演技だってば!」
「はっ!やっ、やだ私ったら、何してるんだろう。恥ずかしいよぉ。」
あわてて体操服の乱れを直し、マリーカは赤面した。
「オホン!つ、次の方どうぞ!」
僕は場の空気を正常に戻すために、リーライナさんを呼び出した。
「お、お願いします。」
リーライナさんが僕の隣に座る。
「え、えーと、今日はどうしましたか?」
努めて冷静を装って、僕は彼女に尋ねた。もちろん演技だ。
「あの、すごくドキドキするんです。体も火照るし、どうしたんでしょうか。」
「うーん、風邪でしょうか。一度先生に診てもらって…」
すると、リーライナさんが僕の腕を取り、自分の胸に押し付けた。
「うわあっ!?」
「あの、同じ女性であるあなたに診て欲しいんです。あなたになら私……。」
そう言うと、彼女がバニースーツの胸の部分に手をかけて下ろそうとする。
「ちょっ、ちょっと待ったー!ダメ、それはダメー!」
僕は彼女の手をつかみ、何とかやめさせた。危なかった、心臓が口から飛び出すかと思った。
「………。」
「惜しいですね、もう少しでいい所だったのですが。」
マリーカ、ジッと見つめていないで少しは止めようとしてくれ。そして咲世子さん、『惜しい』じゃありませんよ。
しかも、しっかり写真撮っているし。
568名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:25:03 ID:FRuCwPo/
支援
569名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:25:50 ID:hONB0s51
支援します
570名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:25:57 ID:8NUUD0Y8
支援
571余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/07(火) 22:28:01 ID:UAgZtNjI
「わ、私ったら、何てはしたないことを。」
正気を取り戻したリーライナさんの顔が、真っ赤になっている。今日は本当にみんなどうかしている、僕も含めて。
「さて、ライ様。次の衣装を洗面所に用意しております。それに着替えてきて下さい。」
「えっ、まだあるんですか?うう、今度は何を着せる気ですか?」
「それは見てのお楽しみということで。」
僕はため息をつきつつ、洗面所に入った。そしてそこには、何やら金色のスーツに緑の仮面が置いてあった。
「な、何だこりゃ?お世辞にもセンスがいいとは言えないぞ、これ。」
そして傍らには、咲世子さんからの伝言が添えられていた。
『登場したら、このセリフをお願いします。』
「何だか、特撮物っぽいな。」
僕はそう思いつつ、その衣装に着替えた。


そして僕は三人の前に出ると、こう叫んだ。
「フフフ。ごきげんよう、月下マン。僕がプラント団の首領、ドン・ウーだよ。え?『首領なのに影が薄い』って?うん、それはよく言われるね。
でも、今日ここで君を倒し、そんなことも言われなくなる。なぜなら僕は最強の戦士、ヴィンセントマンだから!」
……おかしい、何をノリノリでやっているんだ僕は。やはり特撮ヒーロー物は、いつの時代でも男のロマンなんだろうか。
「これは今、小さいお友達の間で大人気の『報国の戦士・月下マン』に出てくる悪役ヒーロー、ヴィンセントマンでございます。
雰囲気がよく出ていて、最高ですよ。」
写真を撮りつつ、咲世子さんが言った。あ、これって悪役だったの?その割には締まらないヒーローな気がするが。
「「………。」」
「あ、あれ?二人ともどうかした?」
リーライナさんとマリーカが、ジッと僕を凝視しつつ一言も発しないのを不思議に思った僕は、二人に声をかけた。
572名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:29:24 ID:8NUUD0Y8
支!援!
573余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/07(火) 22:32:07 ID:UAgZtNjI
「いえ、すごくおかしなことを言うようですけど、床に見えるライさんの影がすごく薄いんです。」
「……はい?」
リーライナさんの言葉に、僕は目を丸くした。何を言っているんだ。
「そ、それだけじゃないんです。ライさんの体が微妙に透き通っていて、向こうの壁がうっすら見えるというか、とにかく不気味なんです!」
「透き通っているだって?ハハハ、そんなバカな……。」
怯えるマリーカの言葉が信じられず、僕は自分の手を確かめた。……あれ?目がおかしいのか、本当に透き通って見える。
手だけじゃない、確かに体全体が微妙に薄く見えるような気が。
「悪の首領ドン・ウーは、極めて影の薄いキャラ。常に他のキャラより薄く見え、少しでも濃いキャラが同じ場に現れると、それだけで半透明になってしまう能力があるのです。
おそらくライ様が彼に扮したことで、そのキャラが移ってしまわれたのでしょう。」
「ちょっ、咲世子さん、そんな気味悪いこと言わないで下さい!すぐに着替えてきます!」
呪われているような気がして気味が悪くなった僕は、すぐに洗面所に駆け込んだ。


「よ、良かった、元に戻った。」
金色の衣装を脱ぐと同時に、僕の体は元に戻った。ふと見ると、既に次の衣装が用意されていた。咲世子さん、いつの間に。
『これを着て、登場と同時に以下のセリフをお願いします。』
「うわあ、今度は女の子か。恥ずかしいな。」
置いてあった衣装と咲世子さんからの伝言を見て、僕はため息をついた。
「うう、スカートの下がスースーする。何だろう、このステッキは。あれ?これって変声機?わざわざ女の子の声にしなきゃいけないのか。」
ぶつぶつ文句を言いながらも、僕は着替えを済ませた。
「あー、あー。うむ、変声機に異常はなし。はあ、緊張するなあ。ていうか、いつの間にか真剣にコスプレしている自分が悲しい。」
やがて僕は意を決し、三人の前に飛び出した。
574名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:35:14 ID:8NUUD0Y8
支!援!
575名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:36:37 ID:hONB0s51
支援
みんな、これもう保管されてるぞw
576余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/07(火) 22:36:46 ID:UAgZtNjI
肩まで伸びた銀色のロングヘア、その頭には大きな赤いリボンが着けられている。そして全身を覆う水色のドレスに、フワリと揺れるスカート。
胸元で大きな紫のリボンが揺れる。片手には、青い玉がついた魔法のステッキ。そう、彼女こそは……。
「やっほー♪私、魔法少女ライマーユニー。世界征服を企む、ブリタニア暗黒四天王と戦っているの。でも私、本当は戦うのが怖いの。だって女の子だもん。
でもね、大切な人たちを守りたいから、勇気を持って戦うことにしたの。だから、みんなも私を応援してね。みんなの声援が、私の力になるから。
というわけで、魔法少女ライマーユニー、今日もいっぱいサービスしちゃうぞ♪」
最後の決めポーズとともに、ウインクを一つ。ああ、心の中でもう一人の僕が泣いている。
「これは今、大きなお友達の間で大人気の『魔法少女ライマーユニー』の主人公、ライマーユニーでございます。
最後の決めポーズまで、まさにライマーユニーそのものでございますよ。完璧でございます。」
咲世子さん、こんなことで完璧なんかいりませんし、褒めて欲しくありません。
「キャー、本物のライマーユニー!私、ポスターを部屋に飾るくらいにファンなんです!」
僕の手を握りつつ、リーライナさんが興奮する。まさか、これのファンだったとは。いや、それよりも僕は偽物ですから。
「すごーい、魔女っ子だ。私、小さい頃魔女っ子に憧れていたんです。いいなあ、この服かわいい。」
マリーカが目をキラキラさせながら、僕の衣装に触れる。まあ確かに、小さい頃はこういうのに憧れるかもしれないな。
……ちょっと待て、君はどこを触っているんだ。
「さあ、皆様。仲良く固まって下さい、写真撮影を行いますので。」
咲世子さんの号令により、魔法少女、バニーガール、猫耳ブルマーの撮影会が始まった。
「いいですねえ。皆様、いい笑顔ですよ。あっ、今のポーズで揃えましょうか。」
咲世子さんがカメラのシャッターを押していく。リーライナさんもマリーカも、楽しそうに笑っている。
そして不思議なことに、僕も自然と笑っていた。何故だ、女の子の格好で本当は恥ずかしいはずなのに。
577余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/07(火) 22:39:45 ID:UAgZtNjI
「さあ、リーライナ様にマリーカ様。お二人にもライマーユニーの衣装を用意してありますよ。こちらへどうぞ。」
「やったー、ライマーユニーになれる!」
「わあ、小さい頃の夢が叶うなんて、ドキドキします。」
三人は洗面所へと入っていった。その間に僕は、ソファに座って緑茶を飲むことにした。三人の話し声が聞こえてくる。
「実は、私の衣装もあるのですよ。一枚くらいは写真に収まりたいので。」
へえ、今度は咲世子さんも着替えるのか。
「わあ、それじゃあ魔法少女四人組ですね。」
リーライナさんが喜んでいる。本当に楽しんでるなあ。
「うわあ、咲世子さんもスタイルいいですね。先輩もスタイルがいいし、私、自信なくすなあ。」
マリーカが二人をうらやんでいる。やはり気になるのか。
「大丈夫よ、マリーカはこれから成長するんだから。それに今でも綺麗だし、自信を持ちなさい。」
「そうですよ、マリーカ様。それに今のまま成長が止まっても、ニーズはございますから。」
「咲世子さん、それ、フォローになっていません……。」
しかし、三人は会話がここまで筒抜けなことに気づいていないのか?
「ふむ、しかしリーライナ様は、本当に理想的な体型でいらっしゃいますね。」
「ちょっ、咲世子さん!あんまり見ないで下さ…ひゃん!触ってもダメです、何だか手つきがいやらしいです!」
「はあ。でもやっぱり、私も二人みたいに綺麗になりたいなあ。」
ダメだ、想像するな自分!……でも、さっきの「ひゃん!」は正直、心にグッと来るものがあったな。いやいや、やっぱりダメだ!

結局、三人が出てくるまでの間、僕はこんな感じで悶々とした時を過ごした。
578名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:40:21 ID:8NUUD0Y8
支!援!
579名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:40:34 ID:8+0BwdJO
支援
580名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:43:31 ID:8Aq8v3qe
>>575 すげえwマジだ! 支援
581余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/07(火) 22:45:10 ID:UAgZtNjI
「マジカル〜♪フレイヤ♪」
思い思いのポーズをとる四人を、セルフタイマーがセットされたカメラが写していく。
「魔女っ子って楽しいですね。今度ライマーユニーのアニメも見てみようかなあ。」
白いライマーユニーの衣装を着たマリーカが言う。何と咲世子さんは、色違いの衣装を僕のも含めて四着用意していたのだ。本当に凝っているな。
「じゃあ今度、DVDを貸してあげる。きっとハマるわよ。」
金髪をツインテールに結び、黒いマントを羽織ったリーライナさんが笑顔で言った。
咲世子さんの説明によると、魔力が最大限に増幅される満月の夜にしか変身できない幻の姿、『ライマーユニー・ルナ』と呼ばれるものらしい。
ライマーユニーの戦闘シーンは何故か昼間が多く、たまに夜に戦闘があっても三日月の場合が多いため、幻と称されるそうだ。
ちなみに性格もツンデレに変わるらしいが、ツンデレって何だ?
「皆様、楽しそうで何よりでございます。ライ様の自然な笑顔も素敵でございますよ。もしかして、コスプレに目覚めてしまわれましたか?」
青い衣装を身にまとった咲世子さんがほほ笑んだ。それを聞いた僕は少し青ざめた。
「ま、待って下さい!僕は決して、女装趣味に目覚めたわけではありません!」
冗談じゃない。確かに自分ではない何かに変装するのは楽しいと思う。だが、決して女装に目覚めたのとは違う。ちょっと自信ないけど。
「ふふっ、わかっておりますよ。今回皆様がコスプレを楽しんでおられたのも、半分は私の能力によるものでございますから。」
「「「能力?」」」
咲世子さん以外の三人が首を傾げる。彼女の能力って何だ。
「実は私は、『コスプレの精』でもあるのです。変装した誰かに完璧になり切ると同時に、自分が制作した衣装を他人に着せることで、
その人にも自然にキャラクターを演じたいと思わせてしまうのが、私の能力でございます。」
なるほど、僕たちが自然に役柄にのめり込み、楽しんでいたのは咲世子さんの力があったからなのか。道理で僕が、女装をすんなりこなしていたわけだ。
しかし、咲世子さんの妖精の力って、一体いくつあるんだよ。
582名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:47:18 ID:8Aq8v3qe
支援
583余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/07(火) 22:48:12 ID:UAgZtNjI
「はー、楽しかった。」
コスプレを終え、いつもの服装に着替えたリーライナさんが、満面の笑みで言った。
「そうですね、またやりましょう。巫女さんの服やライマーユニーのドレス、また着たいですから。」
マリーカも頷いた。
「お待たせしました、写真が出来上がりましたよ。」
咲世子さんが、プリントアウトした写真を持って戻ってきた。手渡された写真には、四人の魔法少女や、バニー姿のリーライナさんなどが写っていた。
「あー、こうして見ると恥ずかしいな。よくこんな服着たよね。」
「そうですね、さすがに体操服は恥ずかしかったです。」
「うわー、ナース服やライマーユニーなんて、誰にも見せたくないよ……。」
僕たちは自分たちの恥ずかしい写真を見て、顔を赤くした。だが、不思議と誰もが笑顔だった。おそらく、何だかんだ言って楽しんだからだろう。
「ライ様、いかがでしたか?リーライナ様、素敵でしたでしょう?」
咲世子さんが僕に尋ねてきた。何故リーライナさんに限定したのかは知らないが。
「ええ。リーライナさんもマリーカも、すごくかわいかったです。色々な彼女たちを見ることができて、良かったと思いますよ。」
すると何故か、三人がヒソヒソと囁き合った。
「やっぱり天然ですね。これって、作戦成功ですか?」
「先輩の名前しか咲世子さんは出していないのに、どうして気づかないんでしょう?」
「まあコスプレの良さはおわかりいただけたようなので、今後もライ様のお部屋をご訪問の際は、コスプレで攻めるのも手ですね。
今回はこれで良しとしましょう。」
何だ、何を話し合っているんだ。僕は首を傾げるしかなかった。
584名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:49:44 ID:8NUUD0Y8
支!援!
585余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/07(火) 22:51:10 ID:UAgZtNjI
「ふう、疲れた。」
ここはリーライナの部屋。ライの部屋から戻った彼女は、ベッドに寝転がって写真を眺めていた。
その写真には、バニー姿でライに迫る自分の姿が写っていた。
「うわあ。改めて見ると、本当に恥ずかしいことしているなあ。思いっきり胸を押しつけているし、ライさんの首筋に息がかかっているんじゃないの?」
赤面しつつ、写真を眺める。自分がこんなことをしたという事実に驚きながら。
「でも、あの時は自分でも驚くくらい積極的になれた。もしかしたら、咲世子さんは大きなヒントをくれたのかもしれない。
よし、これから頑張ってライさんにアプローチするぞ!」
リーライナが拳を握りしめ、決意を新たにした時だった。
「お邪魔します。先輩、ライマーユニーのDVDを貸してもらえますか?一度見てみたいんです。」
マリーカが部屋を訪れた。
「あら、いいわよ。じゃあ、今から一緒に見ましょうか。」
「わあ、ありがとうございます。楽しみだなあ。」
こうして、二人は一緒に『魔法少女ライマーユニー』のDVDを見始めた。


『さあ覚悟なさい、タコ怪人・玉城!このライマーユニーが成敗してあげる!』
『グヘヘ、返り討ちにしてくれるわ!』
ライマーユニーとタコ怪人・玉城の熱いバトルを、リーライナとマリーカはじっと眺めていた。
「先輩。これってただかわいいだけじゃなくて、熱いものがこみ上げる作品でもあるんですね。」
「でしょう?これからもっとヒートアップするわよ。」
マリーカはまだ知らなかった。何故大きなお友達に、この作品が支持されているのかを。
586名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:54:05 ID:8NUUD0Y8
支!援!
587余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/07(火) 22:54:16 ID:UAgZtNjI
『キャー!』
服がボロボロになったライマーユニーが、玉城のタコ足に拘束される。
「えええーっ!?こ、これって、いいんですかぁ!?」
顔を真っ赤にしながら、マリーカが叫んだ。
「まあ確かに、過剰な演出よね。でもこういうのが好きな人たちは多いし、私の場合は、こういうドキドキ感が気に入ってるの。」
「そ、そうなんですか。わからなくはないですけど……。」
そして話は進み、何とか脱出したライマーユニーが必殺技を繰り出した。
『マジカル〜♪場外ホームラーン!』
『ギャアアアア!』
「ええーっ!?先輩、ライマーユニーが金属バットで怪人を!」
一本足打法で玉城をかっ飛ばしたライマーユニーを見て、マリーカが青ざめた。
「うーん、いつ見てもスカッとするわねー。こういう奇抜な必殺技も人気の秘密で、私もストレス解消に役立てているの。」
「は、はあ。」(先輩のすごい一面を見てしまった気がする……。)
自分が憧れていた魔法少女像の崩壊と、憧れる先輩の意外な一面を同時に目の当たりにして、マリーカは大きなショックを受けた。
(大人の世界って、すごいなあ。これからもっと勉強しなくちゃ。)
だがそれと同時にちょっぴり大人になった、あくまでポジティブなマリーカであった。



次回予告 『妖精さんとお月様』
ふと空を見上げたリーライナは、満月が近いことを知る。ライを誘ってお月見を始めたリーライナは、再びコスプレでアピールする作戦に出る。
588余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/07(火) 22:57:22 ID:UAgZtNjI
おまけ
ここは咲世子の部屋。机の上には写真が広がっている。
「フフフ。バニーガールに猫耳ブルマー、良いモデルさんが見つかったおかげで、資料をたくさん入手できました。
ライ様の女装姿も手に入りましたし、皆様に感謝せねばなりませんね。」
咲世子はスケッチブックに、ライマーユニーの姿をしたライ、ルルーシュ、スザクのイラストを描いていった。
「ルルーシュ様やスザク様のライマーユニー姿を描きたかったのですが、実物をこの目で見るまでなかなか良いイメージが湧きませんでした。
ライ様に着せればもしくはと思ったのですが、やはり予感は的中しました。どんどんイメージが湧いてまいります。」
そう、彼女がコスプレ作戦を提案したのは、ライとリーライナの関係を進展させるとともに、自分が手がける同人誌のネタを集めるためでもあった。
彼らのコスプレを間近で見たことにより、咲世子の頭の中では、多種多様な妄想が広がっていた。
「今日撮った写真に写る人物を脳内変換することで、様々なシチュエーションが生まれますね。今後半年はネタには困らないでしょう。
さて、まずはルルーシュ様とスザク様のお医者さんごっこから…アッー!」

篠崎咲世子、彼女の辞書に「不可能」という文字はないのかもしれない。
589名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 22:59:11 ID:8NUUD0Y8
支!援!
590余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/07(火) 23:03:00 ID:UAgZtNjI
以上です、支援ありがとうございました。
萌は文化卿、本当にすいませんでした。衣装に関して色々設定したり、
挙句の果てには新キャラまで。いや、金髪ツインテールが欲しかっただけなんです。
けど、書いてて楽しかったです。

保管庫を見たら、自分の領地が第3領地まで拡大してて、びっくりしました。
まさか、作品数が50オーバーするなんて、最初のころは夢にも思いませんでした。

591名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 23:16:16 ID:8Aq8v3qe
GJ!サヨコさんがすごくいいwいろんな意味で最強だ。次の投下楽しみに待ってますよ!
それにしても50超えってすごいですねえ。モチベーションを維持する秘訣でもあるんでしょうか?
もしよかったら是非ともおきかせ願いたいです。
592名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 23:32:00 ID:+53ee+EH
>>590乙でした!
ドン・ウー様(つд;)
ネタとは判っていても、うーたんスキーでもあるので、ちょっと哀しくなりました
しかし、咲世子さんの都合の良い万能っぷりがw
サイズ測定可能な篠崎流透視術が、あくまでも篠崎流の技であって
コスプレの精としての能力ではないあたり、なるべくしてなったという事でしょうかw
593名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 23:36:45 ID:+53ee+EH
>>469乙&GJでした
やさぐれ気味のライと哀愁漂う卜部のコンビのバランスがw
肉食獣なカレンと草食獣なライが目に浮かぶようですw
いや、女性陣が肉食獣で男性陣が草食獣なのかwww



>>520乙&GJでした
遺影のサヨーシュ、咲世子さんは判っていて送ったんでしょうか?
いくら天然の咲世子さんでもそれはないと思いたいっ!
天然で何か変な勘違いしていて送ったっていうのはありだと思いますが……
それにしてもジェレミアが格好よく、かつ、天然で素晴らしいと思いますw
594名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 23:53:11 ID:ybJReYpA
>>590
余暇卿、GJでした!
お医者さんごっこ……なんかヤバイかんじw
ドン・ウーwwwww
咲世子さんが万能すぎるww なんだ、このある意味完璧超人はwww
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
595名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 00:10:30 ID:cfZ9/UeT
593でアンカーミスしているのに今更ながら気付いたので、改めて……
大変失礼しました

>>496乙&GJでした
やさぐれ気味のライと哀愁漂う卜部のコンビのバランスがw
肉食獣なカレンと草食獣なライが目に浮かぶようですw
いや、女性陣が肉食獣で男性陣が草食獣なのかwww
596名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 02:11:14 ID:FH7fvDK0
>>590
GJ、色々な意味でナイス
咲世子さんが完璧すぎるwwww
お医者ごっこ、それは危なくも甘い香り
次回も楽しみにしてます
597名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 14:31:57 ID:gT0gZV0T
コナン「博士の発明の最高作品ってなんなんだ?」
博士「大人を子供にするクスリじゃよ」
コナン「えっ……」

今週号マジ震えたわ、青山は神

画像→http://up2.viploader.net/pic3/src/vl2_059945.jpg
本スレ→http://changi.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1223221671/
598名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 14:39:01 ID:/59iYeUq
スルー検定 初級試験でござい
599名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 19:28:49 ID:CLjGLNUX
40分頃に投下したいのですが、誰かいらっしゃいますか?
600名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 19:35:25 ID:8AjxQLKv
支援しますよ
601ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/08(水) 19:40:24 ID:CLjGLNUX
ありがとうございます。支援してくれる方に感謝です
あと、感想を書いてくださる方にも感謝を。凄く励みになってます
返事をしたいのですが、それは完結した時にでも
読み辛いand解り辛いかもしれないですが、その点も精進していきます
今回は、前書き・本文・後書き合わせての16レスです

タイトル:コードギアス 反逆のルルーシュR2 RADIANT WORLD
カップリング:今は特になし
ジャンル:シリアス・長編
備考:第5話です。R2のifルートを豪快に進んでいくので苦手な人にはごめんなさい
今回は、本編よろしくコメディ…?
602名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 19:43:25 ID:8AjxQLKv
支援
603ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/08(水) 19:44:35 ID:CLjGLNUX
思惑は錯綜を続ける。
世界が次々と生み出す、時代の波。
それに逆らうだけだったとしても、少年は戦う。
それしか術を知らないから。

第五話『日常 と 追憶』

神聖ブリタニア帝国、帝都ペンドラゴン。
数日前のゼロの復活に世界は揺れたが、ここは日常そのものだった。
第九十八代皇帝、シャルル・ジ・ブリタニア。
彼を基点にした円卓、そこに座する騎士達。
ナイトオブラウンズ。それぞれが、帝国最強の称号を持つ騎士達。
その中の一人が面を上げる。
膠着状態だったEUとの戦線を単独で好転させ、昨日に帰国したばかりの騎士。
名は枢木スザク。日本、今はエリア11と呼ばれる国の出身だ。
ナンバーズと区別されてしまった人種、その中からの栄進。
それはナンバーズに希望を与え、絶望を与えた。
そんな彼は出口がいまだ見えないこの世界で、どこへと向かうのか。
今の彼には、ただ進むしかできない。
出口を見つけられない彼に、手を差し出した少年の下へと。
『誰にも譲るつもりはありません。ゼロを止めるのは、自分達です』

中華連邦総領事館前を中継しているニュースを流しながら
スザクは帰国の為の、荷造りをしていた。
「おっ、いたいた。お〜い枢木」
604名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 19:46:01 ID:8AjxQLKv
支援です
605ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/08(水) 19:47:10 ID:CLjGLNUX
自分を呼ぶ女性の声。その聞き慣れた声に、スザクも笑顔で返事をした。
「エニアグラム卿、今日もお元気そうですね」
ノネット・エニアグラム。ナイトオブラウンズの、ナインの名を預かっている女性だ。
愉快そうに、いつでも元気だぞ。と、返事を返しながら近づいてくる。
彼女は女性でありながらラウンズの古株だ。
だがそれをふりかざす事もなく、気さくで明るい人柄の持ち主でもある。
その横を付いて歩くように、同じ出で立ちの褐色肌の女性もいた。
「まったく。少しは他人のスケジュールを、気にしたらどうです?」
「いいじゃないか。同じラウンズなんだ、気軽にいこうじゃないか」
ノネットの横はドロテア・エルンスト。ラウンズのフォーを預かっている女性だ。
彼女はノネットの少し後に、ラウンズ入りしたのだが
ノネット自身がフランクなのもあり、今では悪友みたいなノリの付き合いである。
両者は今のナイトオブワン、ビスマルク・ヴァルトシュタインに迫る実力者だ。
スザクは一度だけ、二人の御前試合を見た事があるのだが、感想は筆舌に尽くしがたいだった。
彼の目的であるナイトオブワンになる事。それが、ここまで遠いのかと。
いまだに矮小に思えてしまう、自分の願い。それを叶えられるのかと。
「エニアグラム卿。我々も枢木卿も、今日には発たねばならないのですよ」
「わかっているさ。枢木、放蕩してるアイツに早く帰ってこいと、伝えておいてくれないか」
どうやらノネットは、スザクに伝言と挨拶をする為だけに来たらしい。
その為に、軍で行なわれるパレードに遅刻しそうなわけだが。
スザクはつくづく豪胆な人だなと思い、笑ってしまう。
「わかりました。でも、あくまで伝えるだけですよ?」
「確かに、アイツは強情だからな。どうしたものかな?」
「時間です、行きますよ。EU戦も控えているというのに、この人は……」
606名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 19:49:01 ID:8AjxQLKv
支援
607ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/08(水) 19:50:14 ID:CLjGLNUX
悩むノネットを引きずりながら、ドロテアが公用車へと戻っていく。
それを見送り、スザクもまとめた荷物を持って空港へと向かう。
黒の騎士団が処刑を妨害した翌日、スザクはアッシュフォード学園に復学した。

ライは総領事館から学園のクラブハウスへと帰宅したのが
早朝だったのもあり、布団に入ってすぐに眠りに落ちてしまう。
昨晩は質問攻めにあって睡眠時間をけずられたのもあり、彼が起きたのは放課後だった。
とりあえず、制服に着替えて学園を歩く。
ライはアッシュフォード学園にいるのはいるが、扱いは一年前と同じ仮入学だった。
元々彼は、ここに戻ってくる気はなかった。
一年前選択した事を曲げるのを、ライ自身がまだ許せてはいない。
なら、なぜ今ここにいるのか。こちらも一ヶ月前の事だ。
つい寄ってしまった学園の門前で、学園理事の孫娘。
ミレイ・アッシュフォードに、見つかってしまったのが事のはじまり。
会話の流れで、ライは学校等に行っていない事などを言ってしまい
ミレイに『なら、うちに来なさいな』と誘われたのだ。
最初は断っていたのだが、ミレイの押しと一年前と同じ理由。
なぜかライを放っておけないという言葉に、彼が折れてしまったのだ。
情けない気持ちになりながらも、受け入れてしまったライ。
今は監視の為の箱庭になってしまってはいるが、彼にとってここは大事な場所だ。
それをこれ以上壊させない為にも、と自分を納得させたのが事の経緯。
そこからは黒の騎士団の活動も並行していたのもあり
出来なかった散策の続きをするかを、悩みながら歩いていたライは、ロロに出会った。
互いに話すべき事がある。だが、おおっぴらに話せることでもない。
その為、二人は人気のない場所へと移動した。
608名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 19:51:33 ID:8AjxQLKv
支援頑張る
609ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/08(水) 19:53:10 ID:CLjGLNUX
「随分と、落ち込んでいるみたいだな」
「どうする気ですか……?」
ロロは迷っていた。ルルーシュの言葉は、信じれるものなのどうか。
どう考えても利用するだけにしか思えない、数々の言葉。
だが、それを受け入れてしまった自分に選べる道はもうない。
「ロロ、今でも未来に興味はないのか?」
「……わかりません」
どちらか決められない。その言葉にライは、ロロの変化をより強く実感した。
ただ人を殺す為だけに生かされ、使い捨てにされる少年。
その少年が迷っている。未来に興味を示したのだ。
ライはそれを、嬉しく思った。
「聞かせてください。あなたは一体、誰の味方なんですか?」
「言っただろ。お前の味方でもあり、ルルーシュの味方だと」
そこに嘘や偽りはなく、ただ真意を語ったライ。
だが、敵対している勢力の両方に味方をする事が、ロロには理解できなかった。
「とりあえず、好きにしたらいい。止めるつもりはない」
「……わかりました。それと、ヴィレッタさんが探していましたよ」
ライはヴィレッタが自分を探している事を不思議に思ったが
理由をロロに聞いてもわからないだろうと思い、その場で別れて機情のいる学園地下へと移動した。
ライが部屋に入ると、ヴィレッタは彼が訪れたのに驚いたのか、少々難しい顔をした。
「入れ違いか。先程まで、枢木卿がいたんだがな」
「スザクが?」
ここで聞くには、いささか懐かしい名前にライは困惑した。
610名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 19:54:40 ID:8AjxQLKv
支援
611ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/08(水) 19:56:12 ID:CLjGLNUX
スザクはつい先日まで、EUとの戦いに出向いていた。
だが最近のニュースでは、EUとの戦いの一部が好転しただけと、報じられているのみ。
ライは不思議に思ったが、理由はどうあれ今はここにいる。今は、そう受け止める事にした。
「EUには誰が代わりに向かったのか、わかりますか?」
「ナイトオブフォーとナイトオブナインの、両名が向かわれたそうだ」
それを聞いたライは、椅子から落ちそうになった。
よりにもよってあの二人なのかと、頭痛で倒れそうになる。
EUが無事でありますように、と願いを込めてライは自分を探していた理由を尋ねた。
「ところでヴィレッタ卿、一体なんの用だったんですか?」
「実は、エアメールと伝言があってな」
ライはヴィレッタから渡された、エアメールを開けてみた。
中身はちょっと厚めの本と光ディスクだ。
なんなのだろうか疑問に思ったライだが、差出人を見て中身の正体を理解した。
渡したヴィレッタはというと、ちょっと興味がありそうな顔をしている。
「すみません。これ、一応機密にした方がいいみたいです」
「い、いや、気にしないでくれ。すまん。それと伝言なんだが」
そういえば伝言があるとも言ってたな、とライは思い出す
差出人からだろうかと思ったのだが、名前を聞いてまた椅子から落ちそうになる。
「ジェレミア卿からだ。少しは忠義を示せ、愚か者! との事だ」
「そ、そうですか……」
さすがに沢山の人間から色々言われると、ライでも大変なようだ。
とりあえずの予定を幾つか修正しなくてはならなくなり、ライは部屋へと戻る事にした。
「あ、そうだ。ヴィレッタ卿」
「なんだ?」
用件が済み、ヴィレッタも学園に戻ろうとしていたが、それを止めてライを見る。
その顔には、緊張感が少し漂っていた。
612名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 19:58:27 ID:8AjxQLKv
支援こそが我が忠義の証
613ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/08(水) 19:59:29 ID:CLjGLNUX
「近い内に、ここにいる機情局員はルルーシュに掌握されると思います」
「なっ!? それはどういう」
「ですが、掌握されても内密に。普段どおりに振舞っていてください」
ヴィレッタはライが敵に回ったのかと疑ったが、その可能性は低かった。
仮に裏切ったとしたら、彼がこの長期間の監視を続けるとは思えなかったのだ。
ライは去り際にスザクにも内緒ですよ、と付け加えて部屋へと戻っていく。
残されたヴィレッタには、ただ困惑するしかできなかった。

「会長チョーップ!」
いい音を響かせてチョップをしたのは、ミレイ・アッシュフォードだ。
チョップをされたライも、思わず頭を抑えている。
「どう? 少しは生活に慣れた?」
「会長。ライ君、驚いてるじゃないですか。大丈夫?」
横からライの心配をしてる女性は、シャーリー・フェネット。
二人とも、学園の生徒会メンバーだ。
ライは懐かしい衝撃に、戸惑ってしまいああ、とだけ返事を返すだけ。
どうやら、どうしたものかと考えあぐねているようだ。
「バベルタワーのテロに巻き込まれるなんて、大変だったわね」
「ホント、君も無事でよかったよ」
二人とも、ライがテロに巻き込まれた知った時は、気が休まらなかったらしい。
それはリヴァルから、後で聞かされた事なのだが。
ここで都合がいいと思ったのか、ライは返事ついでに言い訳を付け加えた。
「実はまだ、取調べとかが済んでいないんだ。だから、不在がちになるかもしれない」
二人とも、それはお気の毒にといった感じの表情になる。
無事に生きて帰ってきたのもあり、そこまで悲壮感はないが。
614名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 20:01:27 ID:8AjxQLKv
支援
615ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/08(水) 20:02:12 ID:CLjGLNUX
そしてライも、クラブハウスを空けられる当面の理由を用意できて安堵した。
彼女達は既に巻き込まれてしまったが、これ以上は巻き込まないで済むと。
「そうなんだ……大変だろうけど、がんばってね!」
「取り調べも大事だけど、歓迎会の事も忘れちゃ駄目よ?」
そう言って、ミレイはスザクの歓迎会のパンフレットをライに渡す。
努力する、とだけ返事をして部屋に戻り簡単な荷造りをして、ライは総領事館に戻った。
その途中、政庁へと向かう一機のMRFを見て、ライは不思議に思う。
「ライ。よかった、ちょうど探してたのよ」
その事を考えながら総領事館へ戻ったライに、カレンが声をかけてきた。
どうやら、ラクシャータから紅蓮の新しいデータが送られてきたらしい。
そのシミュレーションに、付き合って欲しいとの事だ。
今のライの立場は、ゼロの補佐と同時に各トップの補佐でもある。
そして以前と同じく、カレンのパートナーも任された。
自身の用事を溜め込んでいなかったのもあり、快諾したのだが邪魔する人物もここにはいる。
「待て、カレン。私もライに用がある、お前は後にしろ」
「私が先に声をかけたんだから、私が先でしょ?」
軽い睨み合いをする二人をライが離すも
どっちを優先するのかを表情で聞く二人を見て、彼は早くも学園が恋しくなってしまう。
「C.C.、何事にも順番はある。今回は、カレンが先だ」
「なっ!? ライ、お前という男は……見損なったぞ、他人の女を奪う気か?」
「なぜ、そうなる!」
ライはただ平等に考え、先に声をかけたカレンを優先しただけなのだが
C.C.のからかい半分の返事に、毎度の頭痛で膝が折れそうになった。
それに付き合いきれなくなったのか、ライは拗ねているC.C.を放置していく。
616名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 20:04:12 ID:8AjxQLKv
支援は終わらない
617ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/08(水) 20:05:54 ID:CLjGLNUX
その時パンフレットを落としてしまったのだが、これがドタバタ劇の引き金だった。
「……ほう」
C.C.は、ただ笑っていた。ものすごい不敵な笑顔で。

それからの三日間は、特になにもなく平穏だった。
ライは掌握されつつある機情のデータを、眺めながら光ディスクと本の処理。
カレンとのシミュレーション。ラクシャータから送られてきた新型機のデータ。
団員達とのコミュニケーション。各セクションのカバー。
その幾つもの事をこなしていた。C.C.の企みにも気付かずに。
そして今日も、日課の筋力トレーニングをしながら予定の整理中だ。
廊下からバタバタと走る音が気になるな、と思った矢先。
突然ドアが開き、カレン、扇、卜部が雪崩のように入ってきた。
「そんなに慌てて、どうかしたんですか?」
『C.C.がいない!』
「……はっ?」
ライは、彼等が何を言っているのか理解できなかった。
その脳裏で、昨晩のミレイからの電話の一言を思い出した。
『目玉の世界一のピザは見物よ♪』
「まさか……」
ライは顔が青くなったのを、自覚できる位に血の気が引いた。
ピザとあの変な人形の為に、敵地の真ん中に普通行くかと。
ライ自身で抑えられる所は抑えてはいるが、それでも限度はある。
「と、とりあえず学園に行ってくる!」
「待って、私も行くわ!」
ライとカレンは、それぞれ学園に向かった。
618名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 20:07:53 ID:8AjxQLKv
支援です
619ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/08(水) 20:08:18 ID:CLjGLNUX
学園に一足先に到着したライは、脇目もふらずC.C.を探す。
彼の人生でここまで、焦った事はあるのだろうか。いや、ない。
手当たり次第に視線に入る女子を見比べるが、目的の人物は見当たらない。
その女性を見比べている時、ライは流し目になってしまう。
「キャー! 幻の美形よ!」「ウソ!? どこどこ!?」
C.C.を探しに来たのに、いつの間にかライは学園女子生徒に囲まれて、揉みくちゃにされてしまう。
なんとか振りほどこうとするが、乱暴に扱う訳にもいかず
どうしたものかと考えていたら、今度は変なきぐるみに食べられてしまい
そのままどこかへと、連れて行かれてしまう。
「なにしてるのよ! ピザ女は見つかったの!?」
「いや、まだだ……」
きぐるみにくわえられたまま、会話する二人。傍から見れば、怖い図である。
そして、怖いのはライも同じだった。意味合いはちょっと違うが。
カレンは緊急事態の状況でC.C.を探しもせず、女生徒に囲まれていたライに立腹していた。
その彼女の怒り顔に、ライはちょっぴり恐怖を感じる。
「だったら、女の子に構ってないで、探しなさいよ!」
「探していたら、囲まれたんだよ……とりあえず僕は広場を見てくるから、カレンは中庭の辺りを頼む」
そうして、互いに別れて捜索を再開する。
ライは立ち止まって探すと危険だと思い、走りながら探している。
探しながら、なぜ女子に囲まれたのかを不思議に思ったが
その考えを遮断させるインパクトのある二人組みを見かけて、ライは思わずフリーズしてしまう。
(あれは……ヴァインベルグ卿にアールストレイム卿!?)
広場の露天にいたのは、ナイトオブスリーのジノ・ヴァインベルグ。
そして、ナイトオブシックスのアーニャ・アールストレイムだ。
ライは、なぜここに二人がいるのか考えたかったが、それよりもC.C.が先だった。
620名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 20:10:04 ID:8AjxQLKv
支援しますよ
621ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/08(水) 20:10:42 ID:CLjGLNUX
平穏が続くと、トラブルが起きるものなのか。
ライはそんな事を考えながら、今度はクラブハウスの方へと向かう。
変な人形も目的なら、そこを目指すだろうという予想だ。
クラブハウスの前に着くと、そこにはトマトが入った巨大なコンテナがあった。
そこから大きな音が、響いてくる。まるで蹴っているかのように。
ライは疑問に思ったが、その場にいたルルーシュの言葉で、中になにがいるのかを理解する。
「猫とトマトは、セットではない!」
中にいるのはC.C.だ。ルルーシュに落とされて、トマトのコンテナの中にいるのだ。
ライは思った。さぞかし、怒っているんだろうなと。
同時に迷惑をかけた天罰だな、とも思っていた。
その天罰もここで終わらない。
民間用KMF・MR-1がそこに現れて、あろう事かコンテナを持ってどこかへと走り出したのだ。
ライは目が点になったが、その場にいたルルーシュ、スザク、きぐるみ(カレン)、シャーリー、ミレイ。
以上が追いかけていくのを見て、慌てて追走する。
以前の事だが、ライはバトレーから肉体の強化をされているのだが
再度の眠りから目覚めた時も、肉体を再強化されており、一年前より筋力がアップしている。
そこに普段からの筋力トレーニングと合わさって、いまやスザクにも迫る勢いだ。
その脚力であっという間に、追走順位最下位のルルーシュを追い抜く。
「こんなの……俺の……ジャンルじゃ……」
ルルーシュ堕つ。完!
続いて、ミレイ、シャーリー、きぐるみ(カレン)を追い抜いてMR-1を追走する。
「あら、随分と速いわね」
「うわぁ。ライ君ってば、凄〜い」
(ウソ。ライって、あんなに速かったの!?)
そんな三人の関心をよそに、ライは更にスピードを上げる。
622名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 20:11:44 ID:8AjxQLKv
支援
623ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/08(水) 20:13:14 ID:CLjGLNUX
でも、スザクには追いつけない。追いつきようがない。だって彼は体力バカだもの。
(ああ、もう! スザクが凄いのは、わかっていたけど!)
このままでは、C.C.の存在が露見してしまう。
それを防がなければいけないライには、スザクは大きな壁だった。
だが、スザクはMR-1の前にいた猫。アーサーを拾い、そのままコースから外れる。
(今しか……ない!)
ライは残るエネルギーを振り絞り再加速して、MR-1が持ち上げたコンテナの下へと滑り込む。
「あっ! ライ、危ないぞ!」
他の事を気にかける余裕のないライには、リヴァルの心配の声は聞こえていない。
シェイクされたトマトが降り注ぐ中、コンテナを見上げればC.C.がそこにいた。
どうやら、必死にコンテナに捕まっているようだ。
「手を離せ! こっちで受け止める!」
その言葉にC.C.が手を離すと同時に、スモークが吹き出てくる。
ルルーシュが用意していた、緊急事態用の予防策だ。
会場は軽いパニック状態になるが、これもまた学園の日常だったのだろうかと。
ふと、ライは追憶する。あのまま過ごしていたら、こんな色も見つけられたのだろうかと。
「女の扱いが下手な男だ。もう少し、優しく抱き止めろ」
ライは、涙が出そうになった。違う意味で。

トマトまみれのC.C.とカレンを連れて、クラブハウスの自室に戻るライ。
ルルーシュから、とりあえず匿えとのことだった。
二人に変装用の着替えを渡して、ライも着替えをする事にした。
星刻に迎えを用意させるにしても、人目がまだ多い。
とりあえず時間を潰そうかと、考えながら目線を移す。
624名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 20:14:40 ID:8AjxQLKv
支!援!
625名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 20:17:03 ID:+sqROy9M
支援
626ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/08(水) 20:17:37 ID:CLjGLNUX
C.C.は目当ての人形、チーズ君と言うらしいそれを抱えて満足そうだ。
カレンも着替えを終えている。
「とりあえず、日が暮れるまで待とう。その間、僕は学園を見てくるよ」
「なら、私も一緒に行くわ」
カレンも来るという言葉に、ライは不安を抱いたが誤魔化しようもあるか、と考え承諾した。
久々の学園を見て回りたいという、彼女の気持ちもわかるからだ。
「デートか? 呑気なものだな」
C.C.のからかいに、二人はにらみ返すが彼女は怖い怖い、などと面白がってそのまま窓へと視線を移す。
その窓を見つめている彼女の表情は、少々暗かった。
「……そんな、ロマンティックなものではないさ。マリアンヌ」
二人で連れ立って歩く学園。一年前、彼と彼女にとってそれが日常の一つだった。
だが、その日常は既にない。今ここにある日常は、もう二人の日常ではない。
「変わってると思ってたけど、あんまり変わってないみたいね」
「やっぱり、懐かしいものなのか?」
ライは素直な疑問を、カレンにぶつけた。
懐かしむ。ライには、ここにそんな気持ちを抱けなかった。
あるのは守りたかった場所を、壊された憤りだけだ。
カレンが懐かしそうに歩く後ろにいたライは、そんな事を思いながら質問する。
「懐かしいわよ。色々あったけど、ここにも思い出はそれなりにあるもの」
「そうか……」
カレンが思い出す風景に、ライはいない。
それが彼の願いであり、それがこの世界に生きる人達の日常だ。
カレンはライの返事に、覇気が無いのが気になり振り返ると
悲壮な、でも確かな決意を漂わせる表情が気になり、彼女が声をかけようとした時だった。
627名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 20:19:11 ID:8AjxQLKv
支援が止まらない
628ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/08(水) 20:20:16 ID:CLjGLNUX
「ライ? やっぱり、ライじゃないか。やっと見つけられたよ」
声をかけてきた少年に、カレンは硬直してしまう。近づいてくる少年は、枢木スザクだ。
スザクとカレンは互いに敵同士。それが、ここでこんな形で出会ってしまった。
カレンは振り返るに返れず、どうしようかと考えてるうちに、ライがカレンの前に出ていく。
「スザク、久しぶりだな。相変わらず、元気そうだったから嬉しいよ」
ライは前に出ながら、カレンを手で軽く背中の方へ押す。
その動きに従って、彼女も彼の背中に隠れた。
「君こそ、降ってくるトマトの下に行った時は、驚いたよ」
他愛のない話をしながらスザクは、ライの後ろにいる人物が気になり質問してみる。
「彼女は、僕が租界に不慣れだった時に、助けてもらった人だ。だからお礼も兼ねて、ね」
今日の歓迎会の案内をしていた。そう、説明するライ。
嘘はついていない。一年前にカレンが、租界を案内したのは本当だ。
ただそれを、この二人が覚えていないだけ。
スザクは見覚えがある気がしたのだが、カレンの変装とライの言葉でそれを信じた。
「そうなんだ。あ、実は恋人とか?」
「まさか。そういうのはいないと、いつも言っているだろう」
そのまま二言三言、言葉を交わして別れる。
二人の会話は短かったが、表情には互いへの信頼が滲み出ており
言葉数は少なくても十分だ、と語っていた。
それがカレンには気になり、ライに聞いてみる事にする。
「随分信用があるみたいね。それに、嘘も上手いみたいね」
「そうかな? ルルーシュ程では、ないと思っているんだけど」
カレンの質問に意図があるとは思わないライは、素直な返事を返した。
その返事に彼女の、ある種の直感が反応した。いわゆる女の勘だ。
629名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 20:22:18 ID:8AjxQLKv
支援支援
630ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/08(水) 20:23:11 ID:CLjGLNUX
「で、その口の上手さで何人の女性を、騙したのかしら?」
「はあっ?」
カレンなりにパートナーを、からかってみる。
いつもはC.C.がしている事だが、パートナーになった以上は
C.C.にばかり彼を持っていかれるのは、癪だったのだ。
秘密も共有しているパートナーの特権、といったところである。
それと、ルルーシュとの関係を誤解した罰。というのもあるのだが。
それに気付かないライは、先の女生徒に囲まれていた事の釈明を慌ててしたのだが
カレンも面白がって、中華連邦の迎えが来るまでからかい続けた。
その迎えにきた車の中で、カレンの満足そうな表情にC.C.が辛辣な言葉をぶつける。
「随分と、からかったようだな? まったく……」
「いいでしょ。たまには、ね」
カレンはC.C.が、からかえなくて拗ねてるのだろうと思ったが
C.C.はただ、窓の外を流れる夜景を願うかのように眺めていた。
631名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 20:24:27 ID:8AjxQLKv
支援します
632ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k :2008/10/08(水) 20:25:36 ID:CLjGLNUX
以上です
じわじわと効くボディブローのような伏線から
あれ、本編とちょっと違うくね?な伏線を張ってみましたが
回収し忘れないようにしたいです
それにしても、微々たる変化を組み込んで積み上げていくのも大変ですね
大体C.C.(ry

後、気になったご意見があったので、これだけは返事をさせて頂きます。
>>197
mjd!?卜部さんって知ってたの!?
R2の一話の終わりと二話での「ゼロの正体が学生とはな」で
てっきりバベルタワーで正体を知ったのだろう思い
一話の時点で、ライとC.C.だけを迎えに行かせたんですけど…
ロスカラ・R2の放送キャプ・小説の朱の軌跡しか、参考媒体がないので
これは他の媒体情報の見落としですかね…
卜部さん、ここで早期退場に予定変更か? それは困るな…
う〜ん…このSSでは知らなかったって事で、流してください
こちらの不手際、大変申し訳ないです…

以上、失礼しました
633名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 20:28:21 ID:8AjxQLKv
>>632
乙です
ところどころ本編と違うところがこれからどう絡んでくるか楽しみに待っています
634名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 21:01:30 ID:ugxKgfUc
>>632
ぷにぷに卿、GJでした!
ノネットさんやスザクと普通に仲が良くて、ジェレミアが改造されてないかんじで……
……なんかこんがらがってきた。
更に強化されたライでも追い付けないスザク、恐るべし!
え? 卜部ちょっと延命しただけ?
では、なさそうなので少し安心。
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
635名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 23:37:13 ID:Vlah5gjz
>>598
誤爆じゃね? 別にリンク先は釣りでもブラクラでもなかったし。
636名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 23:48:08 ID:9gCksNuN
スルーしろって言ってる時点でスルーしてないんだよねw
637名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 00:08:54 ID:S7xg7iZY
んでもってこうやって蒸し返してるあたり俺らもスルーできてないんだよな。

今日は静かな一日だったのう
638名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 00:20:08 ID:91meDqzE
久しぶりにここに来て、とりあえず直近の投下物を読んだわけだが…

ぷにぷに卿、マジでレベル高いっすね。続き物の途中から読みましたが
キャラがうまく捉えられているんでセリフがすごく自然に感じるせいか
物語も余計に自然に感じて、読みやすい。
何よりライの介入のさせ方も面白いんで新鮮で続きが気になりすぐるw
639名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 00:33:45 ID:vf5lJYQP
45分くらいに投下してかまわないかい?
640名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 00:44:16 ID:vf5lJYQP
人いないみたいなので出直して来ますね
641名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 00:44:58 ID:DFReN40g
支援準備おKです
642名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 00:46:44 ID:IRcaJzCV
出来るだけ支援します
643名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 00:47:39 ID:r7QAnZLE
支援おKだぜ
644萌は文化:2008/10/09(木) 00:47:47 ID:vf5lJYQP
あ、人来てくれた
では感謝しつつ投下します

9レスくらいで「姉妹喧嘩」の続きです

カプは引き続きライユフィです

前回ユフィ主体っていってたけどウソかも…

注意点
・全力でギャグです
・一応ブルームーン編からの発生
・カレンがちょっと嫌な人になってるかも
645名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 00:51:39 ID:IRcaJzCV
支援
人来たから大丈夫かなやっぱり携帯はだめだ
646萌は文化:2008/10/09(木) 00:52:25 ID:vf5lJYQP
ユフィがライを探して生徒会室の前に来ると同じく生徒会室へ来たカレンと鉢合わせになった。

「あ…」
「あら、誰かと思ったらブリタニアのお姫様じゃないの」

ユフィの顔を見て早々、カレンは相手を挑発するかのような態度で言った。

「もしかしてロクに手伝いも出来ずに教室から追い出されたのかしら?」
「む、違いますよ。私は自由時間をもらったからライを誘って一緒に回ってもらおうと思ってるだけですよ」

ユフィが言い返すとカレンの眉がピクリとつり上がった。

「へぇ、あなたもライを……でも悪いけどライと一緒に学園祭を楽しむのは私よ」
「むう、そんなの駄目です。ライのことに関してだけは譲れません!」
「何よ、こっちだって!」

唸り、互いに睨み合う2人。
しばらく2人が睨み合うと生徒会室の扉が開いた。

「ん、何してるんだ2人とも?」
「「ルルーシュ!?」」

扉を開け、出て来たのはルルーシュだった。
ルルーシュを見て声を重ねて驚く2人を見て、ルルーシュは不思議そうに首をかしげた。

「ねぇ、ルルーシュ。ライを知らない」
「あっ!」

すかさずカレンがルルーシュにライの居場所を聞くと、ユフィは悔しそうな顔をしていた。

「ライ? ライならさっきリヴァルを連れてここに来たが、着替えてすぐにシャーリーの手伝いに行ったぞ」
647名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 00:53:04 ID:r7QAnZLE
支援
648萌は文化:2008/10/09(木) 00:56:19 ID:vf5lJYQP
「シャーリーの手伝いってことはプールね」

ライの居場所を聞いたカレンはすぐさまプールに向かって走りだした。

「あっ! ありがとうルルーシュ」

ルルーシュにお礼をすると一足遅れてすぐにユフィもプールへと向かった。

「カレンの奴、病弱設定を忘れてないか?」
「なあ、ルルーシュ」

ルルーシュが呆れ顔で2人を見送っていると生徒会室からミニスカート並みに丈が短い振り袖を着ているリヴァルが声をかけてきた。

「なんで俺こんな格好してんだ? 俺の制服は?」
「…? お前の制服ならライが着てったぞ」
「はぁ! なんだそりゃ!」

大騒ぎするリヴァルにルルーシュはキョトンと首をかしげた。

「着たかったんだろその服」
「なんでだよ!」
「ライがそう言ってたぞ」
「あの野郎……!」

ルルーシュがリヴァルの相手をしてたそのころプールでは…

「どうしたの2人とも? ライ? ライならナナリーと一緒に中庭に行ったよ」

シャーリーが言うとユフィとカレンは中庭に向かった。

「あら? この足音はカレンさんとユフィお姉様? ライさんですか? ライさんならミレイさんのお手伝いで体育館へ行きましたよ」
649名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 00:57:25 ID:r7QAnZLE
支援
650萌は文化:2008/10/09(木) 01:00:48 ID:vf5lJYQP
体育館

「ちょっとどうしたのカレン!? そんな汗だくで大丈夫なの…? え、ライならロイド先生に荷物持ちの手伝いに連れて行かれたわよ。場所? 場所は校門の方ね」

校門

「残〜念でした。彼なら少しゆっくりするってどっか行ったよ。どこ行ったかって? 知りません。自分で探してください」

互いに競い合いながらライを探していたユフィとカレンだったが、なかなかライを見つけられることが出来ず、仕方なく2人は一度休憩するために人気の少ない場所で休むことにした。

「ライったら働きすぎでしょ」
「ハァ…頑張ることは素晴らしいことですけどね…」

あまり仲が良いわけでもないのに何故か2人並んで休むユフィとカレン。

「こうなりゃ意地でもライを見つけてやる!」
「ええ! もう元気になったんですか!?」

回復して意気揚々と立ち上がったカレンを見て、未だ息を切らしているユフィは驚いた。

「フフ、じゃあねお姫様。精々ゆっくり休んでなさい」

ニヤリと小馬鹿にしたような笑みを浮かべ、カレンはさっさとライを探しに行ってしまった。

「むむむ、このままではライが………こうなったら」

カレンに負けたくない一心でユフィはポケットから犬笛を取り出した。
651名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 01:03:54 ID:SY6bhqw5
支援。
652名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 01:05:33 ID:IRcaJzCV
支援
653萌は文化:2008/10/09(木) 01:06:42 ID:vf5lJYQP
「すまんがそこの学生」
「はい? ……げっ」

ちょうどそのころ、中庭をうろついていたライは、ギルフォードに呼び止めらていた。

(やばい! さっきの人だ!)
(ん? この学生どこかで…)

何かが引っかかったギルフォードの視線にライの体に緊張が走った。

「何か用ですか?」

早くこの場から離れたいライは出来るだけポーカーフェイスで言った。

「あ、ああ、すまない。君、すまないが雪のように美しい銀髪で秋の紅葉のように華麗な姿をした振り袖の女性を見てないか? こう目はまるで水晶のように神秘的でライカと言う名の女性なのだが…」
「…………知ら…ない……です」

ものすごい量の汗を流しながらライは答えた。
内心かなりのドキドキである。

「そうか、すまないな手間をとらせて」

そう言うとギルフォードは残念そうな表情を浮かべてどこかへ歩いて行った。
そんなギルフォードの背中を見送り、見えなくなるとライは安堵のため息をついた。

「おい、ライ」
「!!」

背後からの声に慌ててライが振り返るといつの間にかルルーシュが立っていた。
654名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 01:08:09 ID:tvi5eC4S
支援
655名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 01:08:38 ID:r7QAnZLE
支援
656萌は文化:2008/10/09(木) 01:09:43 ID:vf5lJYQP
「な、なんだ、ルルーシュか」
「なんだとはなんだ。リヴァルが怒ってたぞ。制服返せって」
「あ、忘れてた」

すっかり忘れていた様子のライを見てルルーシュは呆れたようにため息をつく。

「忘れてたってお前な……それからユフィとカレンがお前を探してたぞ」
「え? ユフィはともかく何でカレンも?」

不思議そうに言うライを見て、ルルーシュはカレンのことを哀れに思い、再びため息をついた。

「ともかく、リヴァルに制服を返してどっちかに会ってやれ」
「そうだね。それじゃあ生徒会室に…」
「ランスロット! キィィィック!!」

2人が会話していると、ライの背後からランスロットのかぶり物をかぶり白いブリタニアのパイロットスーツを着た人物が突然回し蹴りをしながら飛んで来た。

「うわぁ!!」
「なんだ!」

反射的に体をそらして回し蹴りを避けるライ。
ルルーシュはというと、突然のことで呆然と立ち尽くしている。

「僕は君をある人の元へ連れて行かなければならい! だから許しはこわないよ!」

ランスロットのかぶり物をした人物はライに避けられた後、綺麗に着地をするとバッチリとポーズを決めた。
657名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 01:10:26 ID:tvi5eC4S
支援w
658名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 01:11:14 ID:r7QAnZLE
支援
659名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 01:12:45 ID:SY6bhqw5
犬かw、支援
660名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 01:13:42 ID:DFReN40g
支援
661萌は文化:2008/10/09(木) 01:14:04 ID:vf5lJYQP
「何してんのスザク?」

だが正体は名乗る前からバレバレだった。

「!! 違う! 僕はスザクじゃなくてランスロット仮め…」
「あれは確か午後から屋上でおこなわれるヒーローショーのだな。あれの担当はスザクとジェレミア先生だったな。担当のスザクならヒーローショーの道具を持ち出すのも実に容易だろうな」
「…………」

なんとか誤魔化そうとするスザクだったがルルーシュの推理を聞くと、気まずそうに沈黙した。

「用がないなら僕は行くよスザク」
「ま、待て! そうはいかない! 僕には使命があるのだから!」

するとスザクはライに立ちふさがるように拳を構えた。

(使命? まあ、どうせユフィにライを連れて来いとか言われたってところか)

ユフィもユフィだがスザクもスザクだとルルーシュから深いため息が漏れた。
ちなみにルルーシュの予想はバッチリ当たっていた。

「そんなわけで、行くよライ!」
「うわっ! ちょっとスザク!」

スザクの一方的な攻撃を受け流し続けるライ。

「ん、あれは入って早々、道を教えてくれた学生じゃないか。……へぇ、なかなかやるじゃないか」

その光景を、偶然通りかかったノネットは面白そうに眺めていた。
662名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 01:15:58 ID:tvi5eC4S
支援
663名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 01:16:11 ID:r7QAnZLE
支援
664萌は文化:2008/10/09(木) 01:17:59 ID:vf5lJYQP
「ちょっと、止めようよスザク」
「僕はスザクじゃない。ランスロット仮面だ!」
「嫌! バレてるから! 最初から!」
(ふむ、ライには悪いが騒ぎが大きくなる前に俺は逃げるとしよう)

未だにランスロット仮面だと正体を否定するスザクとライの攻防を見ていたルルーシュはいそいそとその場から離れた。

「これで!!」
「クッ!」

激しい攻防が続く中、再びスザク必殺の空中回し蹴りが炸裂したその時だった。

「とおっ!!」
「何!?」

突然の乱入者の蹴りにより、スザクの蹴りが止められたのであった。

「ジェレミア先生!?」

ライが乱入者の名を叫ぶとジェレミアは小さく笑った。

「フフフ、ランスロット仮面よ。中の者は誰かは知らぬが私の生徒を襲うなどとは愚か者の極みであったな」
(いや、中の人スザクですけど黙ってた方がいいのかな?)

そんなライの考えなどお構いなしに、ジェレミアは体制を直し、拳を握りしめるとファイティングポーズをとった。

「ヒーローショーにはまだ早いが来るがいい。遊んでやろう」

余裕の笑みを浮かべるジェレミア。
一方スザクは、その仮面の下で、どんな表情をしているのだろう。
665萌は文化:2008/10/09(木) 01:19:12 ID:vf5lJYQP
「僕は……俺は……後には引けないんだぁー!!」

とりあえずヤケクソなのはわかった。

「うぉぉぉぉ!!」
「はぁぁぁぁ!!」

ここに、ジェレミアとスザクの強烈な激闘の火蓋が切って落とされた。

「………僕、行っていいのかな?」

内心後ろめたさを感じながらもその場から離れ、ライは生徒会室へと向かった。
666名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 01:20:40 ID:tvi5eC4S
支援!
667萌は文化:2008/10/09(木) 01:21:48 ID:vf5lJYQP
おまけ

ヴィレッタ「うう……まだ気持ち悪い。胃がムカムカする……ん、あれは?」
ジェレミア「全力で受けてみよ!!」
スザク(仮面着用)「知るか!! 俺は、生きなきゃいけないんだ!」
女生徒「頑張って〜ジェレミア先生〜」
男生徒「ランスロット仮面も負けるな〜」
咲世子「お2人とも、こんなところで喧嘩など周りに迷惑です。私が懲らしめてあげましょう。さあ、来なさい。喧嘩両成敗です!」
男生徒「おお、ルルーシュんとこのメイドさんも乱入だ!!」
女生徒「頑張ってくださ〜い」
ノネット「ハハハ、面白そうだな。私も混ぜろ!」
ヴィレッタ「………また、始末書か………ああ、別な意味で胃が痛い…」
ミレイ「………何……これ?」
668名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 01:21:56 ID:n3qiDVwH
支!援!
669萌は文化:2008/10/09(木) 01:23:58 ID:vf5lJYQP
以上で終了

なんだか予想以上に長くなってるなこの作品
終わりは見えてるのにたどり着けない…

では、こんな時間に支援ありがとうございました
670名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 01:25:56 ID:R5UkpcJL
支援
>>664
ジェレミアは体制を直し→体勢
671名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 01:30:49 ID:IRcaJzCV
お疲れさまでした。
スザクのノリがツボったwww
ギルフォードさをもいい味だしてますねww
672名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 01:32:40 ID:tvi5eC4S
おまけがカオスすぎるwww
>>669
萌は文化卿、GJでした!
しかし、ギルフォードがハヤテな執事のアイツみたいに見えるwww
犬笛で来るスザク……人間やめとるwww
しかし、間違っているぞ! ライ! ヒーローは正体を隠すものだ!
つまり気付かないフリをしなければ!
いつ収拾がつくんだろうか……
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
673名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 01:33:28 ID:IRcaJzCV
"を"じゃなく"ん"ですね…
だから携帯は苦手なんだ…
674名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 02:15:48 ID:F0apfyJB
二時半くらいから投下しようと思います。
全部あわせて7レスの予定。
675名無し:2008/10/09(木) 02:23:02 ID:/XWNgl2F
支援( ^o^)/
676年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/09(木) 02:30:42 ID:F0apfyJB
名前もヒロインの好みも年下専門です、長編の続きを5レスほど投下します
タイトルは「優しい世界で目覚めて 第四話 ライとアーニャ」

・ギアス篇と学園篇の複合エンド後にしてR2終了後からの話
・ライは黒の騎士団入ってて学園篇エンドを迎えた、ルート的にはランペルージ兄妹メインに万遍なく頑張ったライ君
・ジャンル傾向はほのぼのしんみり系
・カップリングは現時点ではなし
・アフターに関しては情報が少ないため、自己解釈の要素を多分に含んでいます
677名無し:2008/10/09(木) 02:31:06 ID:/XWNgl2F
支援( ^o^)/
678年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/09(木) 02:34:03 ID:F0apfyJB
「ライ」
「ああ、アーニャ……おいで」
ころり、と横たわりながらライの膝の上に頭を置いたアーニャはもぞもぞと動き、ベストポジションを探る。
やがて、満足のいく場所を見つけたのか、桃髪の少女は気持ち良さそうに目を細め、上を向く。
ちょうど見下ろす形になっているライと目が合う格好だ。
「やれやれ、男の膝枕なんて硬くて寝難いだろうに」
「そんなことない。ライの膝は枕よりも落ち着くから」
「それは光栄、とでも言えばいいのかな」
労働後、昼下がりの休憩。
上半身で伸びをした後、木の幹に背を預け楽な体勢をとる。
なし崩しにジェレミアの家で世話になり始めて一週間。
宿泊費代わりにとオレンジ畑の手伝いを申し出たライは、教育係のアーニャと共に日々良質なオレンジを生み出すために汗を流していた。
「ここで手伝いを始めて一週間がたつけど、意外に重労働だ……」
「その割にはちゃんと仕事はこなしてる。ジェレミアもライは要領がいいって褒めてた」
「まあ、身体を動かすことは嫌いじゃないからね。しかしこうも広いと三人じゃあ大変だ」
アーニャの話によると、最初の頃こそは下働きを雇っていたらしいのだが、農園の運営が軌道に乗り出すと人を雇うのはやめたらしい。
今ではこの広大なオレンジ畑を維持しているのは実質的にジェレミアとアーニャの二人だけ。
ちなみに、ライが加わったことで楽になったとはアーニャの言である。
「ジェレミアは後先を考えてなさ過ぎる。私はこの半分の広さでいいって言ったのに」
「あはは……」
「お金を出したのは私なのに……」

僅かに眉を寄せて遺憾の意を示すアーニャに、ライは苦笑するほかない。
当然のことではあるが、これだけの広さのオレンジ畑を作るのにはお金がかかる。
一時は戦死扱いで財産は家族へ。
復活後はルルーシュ皇帝付きの騎士になったものの、彼の死によって貴族位と財産は剥奪され。
はっきり言って着の身着のままでブリタニアを出る形になったジェレミアにオレンジ畑を作るようなお金はなかった。
では一体どこから土地の買い取りを含めた費用を捻出したのか。
679名無し:2008/10/09(木) 02:34:22 ID:/XWNgl2F
支援( ^o^)/
680年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/09(木) 02:37:52 ID:F0apfyJB
勿論、言及するまでもなく―――アーニャが全ての費用を賄ったのだ。
最終決戦時、シュナイゼルに、ひいてはナナリー現皇帝側につく形になっていたアーニャは戦後もその地位を保持していた。
ナイトオブラウンズという称号こそ、生き残りが三人という時点で有名無実となっていたのだが、アールストレイム家は健在。
当然、それなりの財産は所有したままであった。
しかし戦後復興の折、ナナリー直々の引き止めがあったにもかかわらずアーニャは軍を辞した。
そして、その財産の一部をオレンジ畑製作費用に使用。
残りを全て使用人たちに分け与えて自身はジェレミアについていく形でブリタニアを離れてしまったのである。
681名無し:2008/10/09(木) 02:38:11 ID:/XWNgl2F
支援( ^o^)/
682年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/09(木) 02:39:24 ID:F0apfyJB
(それだけジェレミアさんに恩義を感じていたってことか……いや、違うな。恩義だけでここまでできるはずがない。
 ジェレミアさんはどうか知らないが、彼女は……きっと彼のことが好きなんだろうな)
ライの考えは、ナナリーを初めとした彼女の知人の大半が出した結論だった。
そもそも、アーニャの記憶云々事情は極一部の者しか知らないのだ。
年頃の娘が少なくない金額を無一文の男にポンと差し出し、本人は身一つでついていき押しかけ女房状態。
客観的に第三者がこの事実を見て、彼女がジェレミアに好意を抱いていると考えても無理はない。
この考えを否定しているのは、アーニャのことを良く知る元ラウンズのジノ・ヴァインベルグとノネット・エニアグラムくらいだ。
彼ら曰く
『アーニャは世間知らずだからな。感謝の気持ちとしてあれくらいは当たり前にやる』
とのことなのだが、実際のところ彼らの言が真実だったりする。
ジェレミアのギアスキャンセラーによって記憶を取り戻したアーニャ。
しかし、記憶の中の知己は既にシャルルによって処分されていたため、そのことに対する喜びはなかった。
むしろ自分の中にずっと赤の他人がいたかと思うと記憶が戻らないほうがよかったとすら思える。
だが、長年追い求めていたものを取り戻すことができたのも事実。
記憶が戻った以上、軍に所属し続ける意味はなくなっていた。
仲が良かったナナリーのために軍に残るという選択肢もあったのだが、それは所詮惰性の結論に過ぎない。
自分にしたいことはないのか―――そう考えた時、思い出したのがジェレミアの存在だった。
普段の言動からは想像しにくいが、アーニャとて貴族にして騎士なのだからそれなりに義理を大事にしている。
戦場で敗北した自分の命を取らず、記憶を取り戻させてくれた恩を彼に返してはいない。
その事実に気づいたアーニャは、ブリタニアを去ろうとしていたジェレミアについていくことを決断した。
常識的に考えて、彼女がそこまでする義理はない。
ないのだが、行動に移してしまうのがアーニャ・アールストレイムという人間だったのである。
683名無し:2008/10/09(木) 02:40:04 ID:/XWNgl2F
支援( ^o^)/
684年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/09(木) 02:42:19 ID:F0apfyJB
が、彼女と出会ってまだ一週間足らずであるライにそんな内面を理解できるはずもない。
アーニャにとっては甚だ失礼な、そして後に困ることになる勘違いはこうして深々と銀髪の少年の心に刻み込まれるのだった。

「ライ、何か話して」
すぐ傍にいる少年がとんでもない勘違いをしているとは露知らず、アーニャはまどろみかけている瞳で催促を始めた。
アーニャの下で働き始めてから、こうして膝枕をした状態で自分のことを語るのがライの日課となっている。
最初は膝枕なんて恥ずかしいと固辞していたのだが、出会いの時のことを持ち出されると彼に拒否権などなかった。
(うーん、正直もう話すことなんてないんだけど……)
すっかりこの状態に慣れてしまった自分に嘆きつつ、ライは記憶を掘り起こそうと奮闘する。
しかしいくら頑張ってみても元からある記憶は増えることはない。
ルルーシュたちに拾われてから眠りに着くまでの話は、あらかた話し尽くしてしまったのだ。
勿論話していない部分はあるし、狂王時代の話ならば倍は語れるのだが、流石にそれを話すことはできない。
(ルルーシュがいてくれたら……)
こういう時に頼りになるであろう親友は現在席を外している。
ブリタニアに行ってくるといっていたので、十中八九ナナリーの様子を見に行ったのだろう。
全く、相変わらずのシスコンっぷりだ。
ライはこういう時にだけ無駄に行動力を示すルルーシュに軽く皮肉を抱く。

(……そうだ)
昔話ではないが、話題が、聞きたいことがあったことを思い出す。
ルルーシュがいないのもちょうど良かった。
「アーニャ、聞いてもいい?」
「?」
話をするのではなく、問いをかけてきた少年にアーニャはいぶかしげな表情を浮かべる。
やはり、聞かないほうがいいのだろうか。
問いかけようとしている内容に、少しばかり躊躇する。
一瞬言葉を止めかけて、しかし抑えきれない好奇心がライの口を開かせた。
「君は……ルルーシュのことをどう思っているんだ?」
ひゅうっ、と一陣のそよ風が銀の髪を揺らす。
アーニャは軽く眼を見開いて、問いを反芻するようにじっとライの瞳を見つめた。
685名無し:2008/10/09(木) 02:42:37 ID:/XWNgl2F
支援( ^o^)/
686年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/09(木) 02:46:14 ID:F0apfyJB
アーニャ・アールストレイムにとってルルーシュという名の少年は特別な意味を持つ。
記憶を取り戻すための鍵として、運命の悪戯さえなければ知り合いに、そしてあるいは友人になっていたかもしれない少年。
最終決戦の折、アーニャはどちらの陣営につく事も可能な立ち位置にいた。
ナイトオブシックスとしてはどちらについても問題はなかっただろう。
だが、アーニャ個人としては。
自身の記憶を捜し求める一人の少女としては、シュナイゼルの言葉は魅力的だった。
結果、アーニャはシュナイゼルの陣営につき、ジェレミアに敗北を喫している。
そんな彼女が、現在世界中の人々の憎しみを受けているルルーシュのことをどう思っているのか。
ライはどうしてもそのことが知りたかった。

「どうして、そんなことを……聞きたいの?」
「ルルーシュは僕の親友だから」
「……」
「だから、聞きたいんだ。たとえ、それが憎しみの言葉でも」
無言。
上下で見詰め合ったまま、数十秒が過ぎる。
やがて、おずおずとどこか怯えるようにアーニャは口を開く。
「嫌いじゃ、ない」
「アーニャ……」
喉から搾り出すような声。
ジェレミアとの戦闘中、アーニャは独り言で『今のルルーシュは嫌い』とまで言い放っている。
だが、『今の』とついているように、彼女は決してルルーシュのことを嫌ってはいなかった。
嫌っていたのは悪逆非道の皇帝と呼ばれていたルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。
人々を苦しめ、ナナリーを悲しませ、微かに記憶に残る幼き日の面影をまるで見出せなかった孤高の少年。
「嫌いじゃ、ない」
少女が彼の真意を知ったのは全てが終わった後のこと。
世界中の全ての人々の憎しみを一身に集め、それでもなお揺るぐこと無く、優しい世界への礎に迷いなく己の命を使った少年。
そんな彼を、どうして憎むことができようか。
スザクが、ジェレミアが最後まで付き従った主を嫌いだなどと、どうして言えるのか。
今もなお、臆面もなく彼は親友だと胸をはっている少年を前に、どうして嘘がつけようか。
687名無し:2008/10/09(木) 02:46:32 ID:/XWNgl2F
支援( ^o^)/
688年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/09(木) 02:48:40 ID:F0apfyJB
「嫌いじゃ……ない」
三度目の答え。
小さな、それでいてしっかりと意思のこもったその言葉を、ライは確かに聞いた。
「……ありがとう」
安堵の息を吐き出すと共に、ライは軽く少女の髪を撫でる。
今の世では決して人前では口に出せないはずの言葉。
それでも、聞かせてくれた少女に最大級の感謝を込めて。

「あ……」
嬉しそうに手を動かす少年に、アーニャの心臓高く跳ねる。
とくん、とくんと早鐘のように鼓動が脈打ち、速度を上げていく。
身体の熱が上昇し、全身が赤く染まりそうだ。
(どうして……? ライの顔が見れない)
つい先程まで穴が開くほど見つめていたはずの少年の顔が直視できないことにアーニャは困惑する。
見つめられていると思うと、どうしても落ちつかない。
身体の内側からカッと発熱するような、苦しくて、でも決して不快ではない感覚。
「アーニャ?」
耳を打つ少年の声がやけに大きく聞こえる。
彼の膝の上に乗っている後頭部が蕩けそうだ。
(私……ヘン)
突然の変調に戸惑う少女は、目を瞑ることで事態の収拾を図った。
けれども胸の鼓動は鳴り止まず、むしろ視覚を封じたことによって鋭敏化した残りの五感がフルにライの存在を感じてしまう。
このままではどうにかなってしまいそうだ。
しかし彼の膝から逃れるという選択肢はありえない。
それどころかもっと触れ合いたいという考えさえ浮かぶ。
「寝ちゃったのか……?」
呼吸による息吹が頬に届き、それがまた原因不明の熱を昂らせる。
ライの言葉通り、いっそ眠れればいいのに。
そう思うも、つい先程まであったはずの眠気は完全に去ってしまっている。
だが幸いにも、あるいは不幸にも―――アーニャの動揺を打ち消す荒々しい足音が耳に届いたのは、次の瞬間のことだった。
689名無し:2008/10/09(木) 02:49:08 ID:/XWNgl2F
支援( ^o^)/
690年下専門 ◆BheL.TnbIA :2008/10/09(木) 02:51:19 ID:F0apfyJB
投下終了、支援感謝です。
今回はアーニャの掘り下げ、原作じゃあマリアンヌさんに全部持っていかれた感があるので頑張ってみました。
しかしヒロイン候補はまだ最低三人はいたり…
691名無し:2008/10/09(木) 02:56:36 ID:/XWNgl2F
お疲れ様でした。
692名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 08:17:25 ID:ruvFeP+W
こういうアフターものって珍しい分すごく楽しみです。続きめっちゃ気になりますよ!GKです。
693名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 08:59:10 ID:tvi5eC4S
>>690
年下専門卿、GJでした!
最初の宣言に思わず吹きましたw
ジェレミア……ある意味ヒモ……
アーニャの答えや反応を見てると、微笑ましさと共に、何故か涙が出そうでした。
ヒロインが年下で少なくとも三人……うん、わかった。
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
694名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 10:23:03 ID:APqyvdMR
年下…C.C以外ですね、わかります
695名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 10:29:33 ID:VfgFn3+G
>>694
俺も思ったw
696名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 15:45:58 ID:3XTnpcon
>>694
年齢的に言うと
ライ、シスター>C.C.>シャルル・V.V.じゃない?
あっ、C.C.以外になるか
697名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 18:04:50 ID:APqyvdMR
豚は死ね!な王様ライとギアス得る前と得た後のC.Cの出会いSSマダー
698名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 18:56:44 ID:cLcfNqAb
ライってC.C.より年上なの?
アニメ本編とは別物って分かってるけど、ナナナ版ではC.C.ってジャンヌ・ダルクと顔見知りだよね?
699名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 18:59:14 ID:lKfxoDqu
>>697
契約者を通してシスターとライが知り合い、
たまに教会にやって来ては皮肉と愚痴の応酬の日々、
そんなある日、ライが少女を拾って来る。

な展開?
700名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 19:29:34 ID:JI/dxWPy
>>699
路傍で凍えていた頃のC.Cが街中を行進するライとライの軍を見て自分とのギャップに憧れを覚えていた
その憧れてさえいた本人が目の前にいてC.Cは何を思う…

な展開だな間違いない
701名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 19:36:03 ID:Al52ehsp
>>698
年上というか、昔の人間なんじゃね?
本編でも、火炙りにされてるカットあるから、魔女狩りの時代にはコード持ちだったと妄想してる
だから俺はジャンヌと知り合いって言われても納得出来る
702名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 20:42:57 ID:2VuLWVaC
ジャンヌと知り合いってよりジャンヌにギアス与えたで違和感ないな
703名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 21:07:33 ID:3XTnpcon
>>702
確か、ジャンヌに呪いかけられてギアスになったというか。
ライは、V.V.とフュージョンして魔王ゼロみたいになるのか、スザクみたいに契約(契約者との合体)なしでギアスの力を行使できるワイアード(繋がりしもの)のどっちになるのかな?

704名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 21:38:05 ID:wJ5ohR2w
ギアス終わったら投下がかなり少なくなった
705名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 21:46:57 ID:Al52ehsp
>>704
終わり方があれだから、その後の話も書き辛いんだよ
706名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 21:51:59 ID:plAFZrlT
>>704
ちょっと前にも出てたけど上手い人が多くなって
新規の書き手さんが入りづらくなってるんじゃないか?
あとシリーズものが増えて短編投下しづらいっていうのもあると思う
707名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 22:41:07 ID:6JVbCwEp
なるほど でもなんとかならないかな?  
708名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 22:50:11 ID:S7xg7iZY
まあとりあえずsageるところからはじめようぜ。
茶化してるわけじゃないぞ。
709名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:00:52 ID:6JVbCwEp
まあそうか
710名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:06:03 ID:Yb2vhWqp
いや・・・分かってないだろ
711名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:06:54 ID:TU4XIdpu
スルー推奨
712名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:22:43 ID:wyhRmKlL
23:30過ぎに投下します。本文・あとがき合わせて12レス分です。
713名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:24:53 ID:tvi5eC4S
了解しました、支援します。
714名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:26:46 ID:LDJVV7Kt
漸く規制が解除されました。支援に参加致します。
715名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:28:22 ID:f/i8Qyhy
さっきはすみません 支援
716名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:32:45 ID:DFReN40g
全力で支援します!
717余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/09(木) 23:33:00 ID:wyhRmKlL
ありがとうございます、そろそろ投下します。
だいぶ前に書いたのに、投下してなかった単発ネタです。

作者:余暇
タイトル:冷やっこいもの
カップリング:ライ×ユフィ

(設定)
・基本は特派編を進み、ライがユフィの騎士兼恋人になった。
・特区は成立してます。
・オリキャラ二人(親衛隊員)が少しだけ登場。

本文・あとがき合わせて12レス分あります。
718名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:34:29 ID:tvi5eC4S
支援
719余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/09(木) 23:35:50 ID:wyhRmKlL
               『冷やっこいもの』

「蒸し暑いな、本当に。どうにかならないのかな。」
僕は租界を歩きつつ、汗を拭っていた。日本の夏が蒸し暑いのはスザクから聞いていたが、これほどとは。
「それよりも早くユフィを探さないと。どこに行っちゃったんだ。」
僕は租界の中を急いで歩き回った。


『ユフィがまたいなくなった。即刻探し出し、連れ戻せ。』
コーネリア殿下からの連絡があったのは、午前中の授業が終わってからだった。たまには授業に出なければと思い、
今朝から学園に登校していたのだが、ユフィは僕がいないと見るや、早速政庁を抜け出したらしい。
『申し訳ございません。我々も探したのですが……。』
『我々の責任であります。』
電話の向こうで僕に謝る二人の部下には、悪いことをしたと思っていた。彼らは僕がユフィの専任騎士となった後、親衛隊に抜擢した兵士たちだ。
僕が学園の用事などで彼女のそばにいられない時には、彼らに警護を任せていた。
(ユフィは政庁の抜け道を知っていたりするのかもな。でなければ、こうも簡単に彼らを出し抜けるはずがない。僕も今度調べてみるか。)
僕がそう思った時、探し人が向こうから現れた。
720名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:36:15 ID:LDJVV7Kt
支援
721余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/09(木) 23:39:23 ID:wyhRmKlL
「あっ、ライさん見つけました!」
突然声をかけられ振り向くと、そこには見慣れたピンク色の髪の少女が。
レンズが薄茶色をしたサングラスをかけて変装してはいるが、僕にはすぐわかった。
(やっと見つけた。少しは僕らの苦労も考えてくれ。)
僕は、心の中でため息をついた。
「…ユフィ。君はまた無断で政庁を抜け出し…て!?」
僕が言い終わらないうちに、ユフィが抱きついてきた。彼女は今、薄いキャミソール姿。その胸の弾力に気を取られそうになった。
「良かった、お会いできて。」
「ユフィ、離れてくれ。往来の中で抱きつかれると、すごく恥ずかしい。
それと、何故政庁を抜け出したのか、説明してくれるかい?」
「それでは、公園でお話しませんか?あそこならゆっくりお話しできますよ。」
あまりゆっくりするわけにもいかないが、ここでは周りの目も気になるので、とりあえず僕はユフィを連れて公園へ向かった。


「かき氷が食べたい?」
公園のベンチに座り、僕がユフィから聞き出した説明が、これだった。
「…って、かき氷って何?」
僕はかき氷なるものを、見たことも聞いたことも食べたこともない。それを聞いたユフィは、驚いたような顔をした。
「えっ、ご存じありませんか?氷を細かく砕いて器に盛り付け、上からシロップをかけて食べるのだそうです。夏のデザートだそうですよ。」
「へえ、そんな物があるのか。」
要するに、氷に何らかのシロップをかけて食べるというわけか。僕が昔治めていた地方は気候的に温暖だったが、ここまで暑くなることもなかったので、そんなことはしなかったな。
722名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:39:29 ID:3XTnpcon
イシカワで小隊を組んだの二人ですな。
支援
723名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:39:30 ID:DFReN40g
支援!
724名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:39:31 ID:tvi5eC4S
支援!
725余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/09(木) 23:42:25 ID:wyhRmKlL
「でもただ食べたいだけなら、料理人に頼めば作ってもらえるんじゃないか?わざわざ租界に出てくるまでもないだろう。」
するとユフィは、ふるふると首を横に振った。
「ダメです。租界で皆さんと同じように食べたいのです。政庁にこもったまま食べても、おいしくありません。」
「何だ、結局外に出たかっただけか。」
僕はため息をついた。するとユフィはムッとした表情になり、さらに続けた。
「それだけではありません!私だって、ライさんと喫茶店でデートとか、普通のカップルみたいなお付き合いをしたいのです!」
「……え?」
「だって、いつも政庁の庭園でしか逢瀬を重ねることができず、外でデートなんて一度もないではありませんか。自分の立場や役割は当然理解しています。
でも、私だって皇族である前に、一人の女です。好きな方と、あなたと色々な所を見て、色々なことをして、素敵な思い出を作りたいのです。
閉じ込められたままの恋愛なんて、幸せですけど私は嫌です。」
ユフィは黙ってうつむいた。彼女も年頃の女の子、遊園地にも行きたいだろうし、喫茶店にも行きたいだろう。でも彼女はブリタニアの皇女で、特区日本の代表だ。
そう簡単に外に出るわけにもいかない。
「ライさんは、どう思われますか?」
「僕?」
ユフィが僕に尋ねてきた。
「ライさんは、私と普通のカップルのように、外でデートはしたくないのですか?」
「そ、それは……。」
僕は返答に窮した。皇女の専任騎士としては、むやみに彼女を外に出すわけにはいかないと思っている。それだけ警護にも人員を割く必要があるし、何かあった場合は大変だからだ。
だが一人の男としては、そういう願望がないわけではない。むしろ外を一緒に歩くことで、彼女の色々な姿や表情を見たいと思っていた。
726名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:42:36 ID:tvi5eC4S
支援
727名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:42:46 ID:f/i8Qyhy
支援の嵐
728名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:45:14 ID:By1gYEn2
E-mail(省略可)と書かれているところにsageと入れるんだ
支援
729余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/09(木) 23:45:17 ID:wyhRmKlL
「どうなのですか、はっきりして下さい。」
ユフィが僕を見つめる。僕は思うままを口にした。
「その……。願望とかそれ以前に、僕は君の騎士だ。君を守るという大任がある。その立場から言わせてもらうと、
君がしていることは僕だけでなく、多くの人に迷惑をかけている。それはわかっているのかい?」
「それは……。お姉様や、私の親衛隊の方、他にも多くの方にご迷惑をかけているのは自覚しています。でも…」
「だったらこれを最後に、もう二度と勝手に租界に出てはダメだ。ちゃんと許可を得てから行くこと、それから護衛は付けること。いい?」
「ライさん、それって……。」
ユフィが目を丸くする。
「まあ、その何だ、僕だってユフィと一緒に外を歩きたい時もあるし。コーネリア殿下の許可を得られる確証なんてないけど、
何とかしてあげたいとも思うから。時間はかかると思うけど、それまで待ってよ。」
ユフィは満面の笑顔になり、僕に抱きついてきた。
「ありがとうございます、ライさんも同じお気持ちだったのですね!私からもお姉様を説得いたします。それと、今から喫茶店に行きましょう!」
そう言ってユフィは、僕の手を取って歩き出した。
「い、いやちょっと待って。何故そうなるんだ。今日はもう帰らないと。」
「でも今から帰っても、やはりお姉様には叱られるでしょう。同じ叱られるのでしたら、当初の目的を達成しようと思いまして。
ですから、ライさんもご一緒に。」
同じ叱られるなら喫茶店でデートしてからにしようって、どういう理屈だ。
「やはり、私と一緒ではつまらないのですね?そうですよね、私なんか……。」
今にも泣きそうな顔で、ユフィが僕を見つめる。つくづく僕は、彼女に甘いな。僕は苦笑した。
「わかったよ、でも今回だけだから。食べ終わったらすぐに帰ること、いいね?」
「はい!では、行きましょうか。」
僕たちは手をつないで歩きだした。
730名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:45:27 ID:tvi5eC4S
支援!
731名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:47:27 ID:LDJVV7Kt
支援
732余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/09(木) 23:47:30 ID:wyhRmKlL
そして僕たちは、喫茶店の隅の方、周りから見えにくい席に座った。一応変装しているとはいえ、ユフィの正体がばれないとは限らない。
いざという時のための脱出ルートも確認し、シミュレーションもした。
「えーと。色々な種類のかき氷があるのですね。どれがおいしいのでしょう?」
ユフィはメニュー表を見て、どれにしようか考えていた。せめてこの時間だけでも、平穏に過ぎて欲しいものだ。彼女の笑顔が消えないように。
「ライさん、そんな難しい顔をなさらないで下さい。」
気がつくと、ユフィが僕を見て不機嫌そうに頬を膨らませている。
「お仕事のことを考えてしまわれるのはわかりますし、私を守って下さっているのですから感謝しています。
でも、今だけは私の恋人でいて下さい。私はあなたと一緒に、恋人としてこの時を過ごしたいのです。」
「あ……。すまない、悪かった。そうだな、今をもっと楽しまないとな。そのために君と一緒にここへ来たんだから。」
そう言って僕は、すぐに笑顔に戻る。
「ふふっ、それで良いのです。それでは、どれにしましょうか?」
改めて、ユフィがメニュー表を見せてくる。
「ふむ。イチゴ、メロン、他には……。色々あるな。でもやっぱり、あまり変わった物よりかは、普通の物の方がいいんじゃないか?」
「そうですね。では、私はイチゴにします。」
「それじゃ、僕はメロンかな。すいませーん。」
僕は店員を呼び、二人分のかき氷を注文した。
733名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:48:01 ID:tvi5eC4S
支援
734余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/09(木) 23:49:19 ID:wyhRmKlL
しばらくしてテーブルに置かれたのは、器に山盛りに盛られた、細かい氷の山だった。
「これが、かき氷……。スケールが大きいというか、何というか。」
僕はかき氷を見て、それをうまく表現できる言葉を見つけられずにいた。
「うわあ、すごい。実物は初めて見ました。おいしそうですね。」
ユフィは子供のように大喜びだ。
「これは崩さないように、上手に食べないといけませんね。」
「そうだな、意外と神経を使うな。それでは…」
「「いただきます。」」
二人はスプーンを手に取り、それぞれの氷の山を慎重に崩し始めた。


キーン!
「ぐっ!こ、これは……。」
一口食べた瞬間、こめかみに痛みが走った。あまりの冷たさに、神経が『冷たい』ではなく、『痛い』と感じ取ったのだろうか。
のどの奥もすごく冷たい。こんな感覚は初めてだ。
「うう、これは刺激的ですね。でも……。」
ユフィもこめかみを押さえていた。
「甘くておいしいです。」
「うん、確かにシロップが氷に合っているな。」
氷の冷たさとメロンシロップの甘さがうまく合わさり、なかなかの美味だ。
「暑い時にこれを食べたら、おいしいに決まってる。まさに夏のデザートだな。」
「そうですね、今日はここに来て良かったです。」
僕たちは、かき氷を食べ続けた。
735名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:50:16 ID:tvi5eC4S
支援!
736余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/09(木) 23:51:44 ID:wyhRmKlL
「あのう、ライさん。」
ユフィが声をかけてきた。
「何?」
「ライさんのかき氷、少し分けていただけませんか?どのような味か、知りたいのです。
その代わり、私の方も少し差し上げますので。」
「ああ、構わないよ。じゃあ、反対側のまだ手をつけていない部分を…」
僕が言い終わらないうちに、ユフィは自分の器からかき氷をスプーンですくって、僕に差し出してきた。
「あ、あのユフィ?これってまさか……。」
「はい、そのまさかです。ライさん、あーん。」
そう、恋人同士の定番と言われる「あーん」を、彼女はやろうとしていた。テーブルの上に少し身を乗り出しているため、キャミソールの隙間から見える白い肌が眩しい。
「ライさん、早くしないと溶けてしまいますよ。」
僕は恥ずかしさを堪え、ユフィのスプーンからかき氷を食べた。正直、頭の中が真っ白になりそうだ。
「いかがですか?」
「あ、うん。甘くておいしい。イチゴも合うんだな。」
「そうですか、良かったです。」
ユフィが笑顔で答えた。顔が熱い、ドキドキする。外でデートするのって、こんなに緊張するものなのか。
ユフィはどう思っているのかな。案外ケロッとしていたりして。
737名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:52:07 ID:tvi5eC4S
支援
738名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:52:40 ID:f/i8Qyhy
支援していいのは支援する覚悟がある奴だけだ
739名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:53:01 ID:LDJVV7Kt
支援
740余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/09(木) 23:54:54 ID:wyhRmKlL
「ではライさん、そちらをいただけますか?」
ユフィが僕のかき氷を指差した。
「あの、まさか僕も……。」
「はい、私がしたようにお願いします。」
「当然だ」と言わんばかりに、ユフィが笑顔で答える。
(恥ずかしいが、言っても聞かないだろうな。だったらやるしかない、決してやましい気持ちなんか、これっぽっちもないぞ。
僕が使っていたスプーンにユフィが口をつけるからどうとか、そんなことは断じて……。)
僕は心の雑念を打ち消し、スプーンでかき氷をすくった。そして、スプーンを彼女の顔の前に持っていった。微妙に手先が震える。
「ライさん、もしかして緊張していらっしゃいます?」
ユフィがいたずらっぽく笑う。
「まあ、正直。とにかく早く食べてくれ、こんなに緊張するのは初めてかもしれない。」
「ふふっ、ライさんって本当に純粋な方。それでは遠慮なく。」
ユフィは、スプーンの上に乗ったかき氷を食べたが……。
「あっ、冷たい!」
氷の一部がこぼれて、ユフィの服の隙間に入ってしまったらしい。顔をしかめている。
「あっ、ごめん!大丈夫?僕の手が震えていたせいで……。」
僕はあわててナプキンを差し出した。
「いえ、大丈夫です。それにライさんのせいではありません。こんなお願いをした私が悪いのですから。
でも今のは、さすがに冷たかったです。すぐに乾くとは思いますが。」
そう言ってユフィは、キャミソールの下にある自分の胸を覗き込んだ。僕はあわてて目をそらす。
「あ、今見ましたか?」
「いや、何も見てないよ。」
「本当ですか?お顔が赤いですよ。」
「いや、これは緊張しているから。ちゃんと警護しないと。」
「むう、逃げましたね?」
こんなやり取りをしつつ、喫茶店デートの時間は楽しく過ぎていった。
741名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:55:01 ID:tvi5eC4S
支援!
742名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:55:03 ID:By1gYEn2
支援していいのはsageる覚悟のある奴だけだ!
743名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:55:30 ID:djqX1lBQ
しえん
744余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/09(木) 23:57:22 ID:wyhRmKlL
「楽しかったですね。」
「ああ、何とか正体もばれずに済んだし。」
喫茶店を出た僕たちは、政庁へと向かっていた。
「むう、またお仕事のお話ですか?そうではなくて、デートのことを言っているのです。」
ユフィが頬を膨らませた。
「わかってるよ。デートも楽しかった。」
そう言って僕は、ユフィの頬を指でつついた。
「何かからかわれているような気もしますが、今回は不問とします。それより……。」
ユフィが僕の腕に抱きついてきた。
「また、一緒に外を歩きたいですね。」
「ああ、それにはコーネリア殿下を説得しないといけないけど。」
僕は自分で言っておいて、勝手に落ち込んだ。
「うう、これから殿下に何を言われることやら。」
「確かに、少し遅くなってしまいましたから。『探し出すのに手間取りました』では、お姉様は納得されないでしょうね。」
「ああ、かえって逆効果だ。どうしたものかな……。」
するとユフィは、何かを決心したように言った。
「やはり正直にお話ししましょう。元はと言えば、勝手に政庁を抜け出した私が悪いのですから。私たちの思う所を、お姉様にぶつけましょう。」
「そうだな、嘘をついても仕方がない。ちゃんと話そう。」
僕たちは心を決めて、政庁への道を急いだ。
745名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:57:29 ID:tvi5eC4S
支援
746名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 23:59:42 ID:LDJVV7Kt
支援
747余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/10(金) 00:01:14 ID:8x1H4C2X
「喫茶店でデートをしていた、だと?」
政庁の執務室。コーネリア殿下の怒気を含んだ声が響く。
「はい、お姉様。申し訳ございません、私がライさんに無理なお願いをしたばかりに……。」
「いえ、僕が悪いんです。もっと強く殿下をお引き止めするべきでした。申し訳ございませんでした。」
「馬鹿者!己の身分をわきまえず、私情に流されて動くとは何事か!ライ、お前は騎士としての自覚が足りん!
ユフィももっと、皇族としての自覚と、周囲への迷惑というものを考えたらどうだ!」
当然ながら、殿下にきつく叱られた。だが、意外な言葉が僕たちを待っていた。
「まったく、視察ならともかく、無断で政庁を抜け出すなど言語道断。今後許可なしに政庁を抜け出すことは禁ずる、良いな。」
「お姉様、いえ総督。それは、許可があれば外出しても良いということですか?」
ユフィが殿下に尋ねた。
「まあ、視察という形ならな。当然一般市民にばれないよう変装し、護衛もつけねば認めんがな。」
驚いた、コーネリア殿下から外出許可の話が出るとは。
「ありがとうございます、総督!良かったですね、ライさん!」
ユフィは無邪気に喜んでいる。僕は予想外の展開に、驚くばかりだった。
「良いか、ライ。私はユフィとの交際は認めたが、不純異性交遊までは認めておらん。今回の話も、あくまで視察に限定してのこと。
お前は騎士として、ユフィを守ることだけを考えよ。決してやましい気持ちで動くな、わかったか!」
「イ…イエス、ユア・ハイネス!」
どこぞのシスコンが言いそうなセリフに動揺しかけたが、僕は平静を装った。
「以上だ、下がって良い。」
「それでは失礼します。」
「失礼します。」
僕たちは一礼し、執務室を退室した。周囲に誰もいないことを確認すると、ユフィが抱きついてきた。そして僕も、彼女を抱きしめる。
これからも彼女の色々な表情を見られるという喜びと、何があっても彼女を守るという決意を胸に秘めながら。
748名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:01:40 ID:tvi5eC4S
支援!
749名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:04:30 ID:figSwoY6
sien
750余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/10(金) 00:05:05 ID:8x1H4C2X
「ふう。これで良いのですね、エニアグラム卿?」
二人が退室した執務室で、コーネリアが物陰に潜んでいたノネットに声をかけた。
「ええ、完璧です。こうすれば妹君も、勝手に政庁を抜け出すことはなくなるでしょう。」
実はノネットは、ずっとユフィをつけていた。そして彼女とライの様子を見て一足先に政庁に戻り、
コーネリアに報告した上で、外出許可の件を提案したのだ。
「殿下は妹君を束縛し過ぎです。皇族としての役割があるのは理解できますが、もう少しお好きなようにやらせてもよろしいはず。
特区にしても、恋愛にしてもです。今のままでは息苦しいだけですから。」
「ですが、やはり心配です。ライは信頼に足る男だとは思いますが、その、ユフィに何をするやらわかったものではありません。」
それを聞いたノネットは、ため息をついた。
「殿下、少しは妹離れなさったらいかがです?人は殿下のような方を、シスコンと呼ぶのですよ。」
「なっ!?わ、私がシスコンなどと、そのようなことは断じて……。」
「でも、ご自分でも過保護だと自覚なさっているのでは?」
「くっ。」
コーネリア自身にも思い当たる節があるため、言い返せなかった。
「良い機会ではありませんか。あの二人がどのような道を歩むのか、我々が見守ってやりましょう。
彼らが道に迷いそうになれば、我々が手を差し伸べてやれば良いだけのこと。
人はいつか独り立ちせねばならんのですから、その準備段階とお思いになればいかがです?」
「まあ、エニアグラム卿がそうおっしゃるのであれば。」
コーネリアは、渋々ながら納得した。

(時間は待ってくれない。青春を謳歌しろよ、青年たち!私や殿下が経験できなかった、平和で優しい青春時代をな。)
751名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:05:42 ID:CeuZETOd
支援
752名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:08:43 ID:6orTPJdf
支援
753余暇 ◆kkvclxzIds :2008/10/10(金) 00:11:40 ID:8x1H4C2X
以上です、支援ありがとうございました。
>>722氏のおっしゃる通り、親衛隊員はイシカワの時の二人をイメージしました。
ただ特派ルートを進んだため、彼らとライが知り合ったのは、
ライがユフィの騎士になった後ということになります。

遅レスですが、>>591氏からの質問に答えます。
モチベーション維持の秘訣は、おそらくギアスのキャラが好きだからでしょう。
好きでないと書けませんので。
754名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:16:54 ID:CeuZETOd
>>753
余暇卿、GJでした!
ユフィの騎士、いいねぇ!
かき氷ってそんないきなりキーンってなったっけ?
んーなんか甘いというか微笑ましいというか、ほわっとする作品ですね。
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!



0030頃から代理投下よろしいですか?
755名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:23:14 ID:6orTPJdf
>>753 GJ、お疲れ様でした。鬼と化したコーネリア様かと思いきや、意外や意外(超失礼)。理解ある家族としての一面を見せてくれました。
眼福眼福。

>>754 支援します。
756名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:23:15 ID:74ZrNHRt
支援しますとも
757貧弱な軍馬@代理人:2008/10/10(金) 00:31:10 ID:94CPAHei
それでは代理投下開始します
二分ごとに行い、一分たっても支援がなければ、自援します。

依頼人は貧弱な軍馬卿です。

内容は『姫と騎士にて、愛しきかな』の第五話となります。
後書きを含めて8レスを予定しています。
758名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:32:39 ID:CeuZETOd
自援
759名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:33:26 ID:74ZrNHRt
待ってましたー、支援
760貧弱な軍馬@代理人:2008/10/10(金) 00:33:45 ID:94CPAHei

皇位継承権の低く、目も見えず足も不自由な出戻り皇女と陰口を叩かれるナナリー・ヴィ・ブリタニアの住むベリアル宮。
その一室を支配するのは氷のように冷たく、間を通れば裁断されるような緊張が張り詰めていた。
豪奢な部屋の中央には円形のテーブル、ソレを挟む二つの椅子。
テーブルの上には職人の手で作られた事が解る綿密な細工が成されたチェスセット。
椅子に座すのは二人の男性。沈黙の中で彼らが盤上の駒を動かす音だけが淡々と響く。

「どちらが勝っているのですが?」

お付のメイドに尋ねたのは車椅子に座す盲目の少女。離宮の主であるナナリー・ヴィ・ブリタニア。
目が見えない主へ的確な状況説明をしなければ成らないのだが、メイドは困ったように顔を曖昧に傾けることしかできない。

「私も詳しくは……五分……でしょうか?」
「そうですね、若干シュナイゼル殿下が押しているけど……」

メイドに代わり答えるのはシュナイゼルの副官にして、男とは思えない女らしさを漂わせるカノン・マルディーニ。

「遊びも手加減も無しでチェスをするシュナイゼル殿下は久しぶりにみましたわ……何者なんですか? あの少年」
「だって……ライさんですから」

答えるナナリーが浮かべるのは微笑。最高に誇らしい騎士を語る主君のソレ。
同時に最愛の恋人を語る恋人のようでもあり、心が女であるカノンを持ってしてもときめくモノを覚える。
ちなみに上記の会話は全て小声。本当は会話すら戦場のようなチェスゲームには憚られる。
761名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:34:08 ID:yQm46ASE
しえん
762名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:34:53 ID:74ZrNHRt
支援
763貧弱な軍馬@代理人:2008/10/10(金) 00:35:51 ID:94CPAHei
「チェックかな?」
「……まいりました」

長考も含め、かなりの時間を費やした盤上の激戦はそんな言葉で幕を閉じた。
辺りから漏れるのは安堵のため息。張り詰めていた緊張が解かれていくサイン。
侍女達はチェスセットを片付け、椅子を並べなおしてお茶会の準備を始める。

「随分お楽しみだったようですね?」
「あぁ、カノン。チェスでよかった……戦場でにらみ合ったら寿命が縮んでしまうよ」

近づき難い雰囲気は解かれたゆえにカノンが問うのは金髪長身の男性。
シュナイゼル・エル・ブリタニア。ブリタニア帝国第二皇子にして帝国宰相。

「お疲れ様です。シュナイゼルお兄様、それにライさん」

シュナイゼルと相対していた銀髪の少年にはナナリーが近づき、雌雄を決していた両者へと労いの言葉をかける。
ライと呼ばれた少年は脳の過酷な行使で疲れ切っていたが、最愛の人の言葉に笑顔を浮かべて答える。

「ここまで強いとは思わなかったな。楽しいチェスだったよ、ライ君」
「勿体無きお言葉です、宰相閣下」

裁断されるような緊張感を生み出し、対峙していたとは思えないほど、二人が作り出すのは和やかな雰囲気。
メイドたちが準備を整え、二人の皇族とその副官二人、合計四人によるお茶会が始まった。
764名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:37:39 ID:74ZrNHRt
支援
765貧弱な軍馬@代理人:2008/10/10(金) 00:38:34 ID:94CPAHei
「そうかい、あのルルーシュとチェスで互角か……」
「運動神経はナイトオブセブンに匹敵するという話もありますわ」
「ほぉ……文武両道というのは君のためにある言葉かもしれないね?」

ドロドロとした皇位継承の問題を抱える皇族同士のお茶会において、褒めると言う行動は素直に受け止める事が難しい。
しかし王座にもっとも近い男と言われるシュナイゼルと、下から数えたほうが早いだろう継承権しか持たないナナリーだ。
探るべき腹も無ければ、隠すべき事も無い。それでもシュナイゼルのライへの評価は高い。

「恐れ多いです。自分は唯の学生でしたし……」

そんな風に謙遜しているがルルーシュ・ヴィ・ブリタニアと知で並び、枢木スザクに武で追随する意味を考えれば、結論は明白。
ルルーシュはシュナイゼルに幼いながらも良い勝負をした数少ない人物であり、スザクはいまや帝国最強の騎士ナイトオブラウンズ。
そんな能力が一人の人間に有るとすれば、それはとても恐ろしい事である。

「もっと自分に自信を持って良いと思いますよ、ライさん」
「しかしナナリー殿下…『殿下は要りません』…今は二人っきりじゃ……『ナナリーです』……そうだね、ナナリー」
「優秀な騎士も姫の前では形無しかな?」

恐ろしい事なのだが久しぶりに再会した妹に言い負けている様に、シュナイゼルは敵としての評価を封印する。
幾ら他の人の前とは言え、プライベートなお茶会で殿下と付けられたのが納得いかないらしく膨れる妹との掛け合いが非常に愛らしい。
これが甘さであるとは解っているのだが……シュナイゼルが選ぶのは優しい言葉。
766名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:39:37 ID:6orTPJdf
支援
767名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:39:59 ID:74ZrNHRt
私怨
768貧弱な軍馬@代理人:2008/10/10(金) 00:41:18 ID:94CPAHei
「だいたい何時もライさんは…『ナナリー』…っはい! 何でしょうか、シュナイゼルお兄様?」

甘えるような説教を続行したそうだったナナリーだが、兄の言葉にハッと顔を赤らめて振り視線を戻す。

「良い騎士を見つけたね?」
「そんな…私はただ……」

ナナリーはライが『騎士』と評価される事に微妙な感情を持っていた。
確かにライ自身から『君の騎士になる』と告げられた事は嬉しい。
だがそれだけだと捉われてしまうのがイヤだった。だってライさんと私は……

「僕はナナリーの騎士でもあり……」

真意を完全に解っているようにライは突然口を開いた。『でも』と言うのは他の要素がある事を示している。
不安そうに膝の上で握られていたナナリーの手に、自分のソレを重ねてライは彼女の耳元で囁く。
ナナリーにだけに聴こえるように……愛の言葉を。

「君の恋人でもある。それで、間違い無いよね?」
「はい……ライさん」

若き主従はお互いに自分を委ねあうようにじゃれ合う。周りにある視線など、気がつくまではお構いなし。
気がついてから顔を赤らめるのもご愛嬌だが……
769名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:41:56 ID:74ZrNHRt
甘いな・・・支援
770名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:43:24 ID:P1SgnmeF
輻射支援
771貧弱な軍馬@代理人:2008/10/10(金) 00:43:57 ID:94CPAHei

「そう言えば騎士就任の件を皇帝陛下に直談判したそうだね?」

お茶会の一コマ、和やかなだった空気がシュナイゼルの一言で重くなった。
彼の視線の先、問いの先に居るのは皇女でもないライなのだから、視線も集まると言うもの。
皇帝陛下に直談判など平民は勿論のこと、並みの貴族では一生不可能だし、行ったとしても命を失いかねない。

「シュナイゼルお兄様、それはライさんが私を不安だった私を元気付けようとして……」

失いかねない危険性が僅かにでもあるのならば、ナナリーは声を僅かに荒げて答える。
二番目に年上の兄はそんな性格では無いとは思うが、もし万が一にも……そんな彼女の思いやりを妨害する声が一つ。

「はい、自分が皇帝陛下にお願いしました」

それは守りたいと思った愛しい人。ナナリーには見えないが感じられた。
その愛しい人 ライが浮かべる自信に満ち溢れた表情で答える様子を。ここで自分が邪魔をするのはヤボと言うものだと。

「皇帝陛下が私に『騎士の技量を試す面白い方法を提案せよ』と仰ったんだ」
「では……」
「うん、今日はその案件もあったんだよ。ライ君、君はナイトメアには乗れたね?」

ライは記憶喪失だったりするが唯の学生だったのは間違いない。
772名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:45:55 ID:CeuZETOd
支援
773名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:46:07 ID:9Ng7Sbn4
クラブ発進支援
774名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:46:11 ID:74ZrNHRt
今こそ支援の時
775貧弱な軍馬@代理人:2008/10/10(金) 00:47:15 ID:94CPAHei
しかしブリタニアを初めとした各国が使用する陸戦兵器 ナイトメア・フレームを自在に操る才能もまた持っていた。
人を部品として扱う性格に問題がある元特派 現キャメロットの主任からも大絶賛される飛び切り優秀な部類に入る。

「君は本来騎士に任命されるのは難しい人生を送ってきた。
そんな君の腕を劇的に見せることで、信を得る。これはそんな方法なんだ」

シュナイゼルが告げた内容は多くの要件を満たすプランだろう。
血筋がはっきりしないライを実力という形で認めさせ、ナナリーの皇族復帰を周知の意味も兼ねる。
それを見届けるモノ達にも舞台を見るような興奮を与え、皇帝が提示した『面白い方法』も当然満たす。
流石はブリタニア帝国の頭脳、世界を掌で転がすと恐れられる策士の提案する『見極め』だろう。
しかし……ライはこの案に了解を示す事ができない。なぜならば……

「このプランはナナリーを危険に晒します」
「う〜ん、確かに戦いの中に身を置く事になるけど……使うの模擬戦装備だ。
ナナリーに入ってもらう事になる強化アクリルのボックスなら安全だよ」
「少しでも危険が付き纏う方法を僕は認められません」

劇的な演出や見極めのルールからすれば、ナナリーが居るべき場所は戦闘エリアの中と言う事になる。
それだけでライはこの素晴らしいプランを了解する事は出来ない。
何よりも優先し、騎士としても守ろうと決めた少女が危険な目にあうのでは本末転倒だ。
776名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:48:48 ID:74ZrNHRt
支援
777名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:49:02 ID:9Ng7Sbn4
どうした。右舷、支援弾幕が薄いぞ!ス○ッガー何やってんだ!
778貧弱な軍馬@代理人:2008/10/10(金) 00:49:49 ID:94CPAHei
「ステキじゃないですか、ライさん」
「え?」

今度は先のライとナナリーの関係、庇おうとしたナナリーを遮るライとは逆の構図。
安全を優先しようとしたライを、ナナリーが遮った。これにはライも大慌て。
『殿下はいりません!』と怒られるのは訳が違うのだ。

「私、この方法で良いと思います」
「ちょっと! ナナリー!?」

なぜナナリーが嬉しそうに顔を赤らめているのか? ライは全く理解できなかった。
片やナナリーも自分がこの提案を呑んだ理由が余りにも純粋な憧れによる物であると気がついて、恥ずかしげに身を捩った。
この方法は端的に現せば『騎士は姫を助け出す力と知恵があるか?』と言うモノ。
憧れていたのだ。自分を助けに来てくれる騎士。強く生きなければとは思う。それでも彼女は恋する乙女でもある。

「我が騎士ライよ」

ナナリーが背筋を伸ばして差し出すのは契約の左手。
ライが力を試すのならば、ナナリーは覚悟を試される。主の覚悟、皇族としての覚悟。

「貴方が私の為に戦うのならば、私は貴方の戦う目標になりましょう……ちゃんと迎えに来てくれますね?」

ライは差し出された手を取り、手の甲に口付けを一つして……答えた。

「イエス……イエス・ユア・ハイネス」
779名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:50:56 ID:74ZrNHRt
支援こそ我が忠義の証
780貧弱な軍馬@代理人:2008/10/10(金) 00:52:02 ID:94CPAHei
以上でした〜
今回はシュナイゼルお兄様とお茶をして、次回は騎士たる器か?と言うテストを予定。
簡単に言えば、『騎士として姫を助け出すゲーム兼見世物』ですが詳しい方法は次をお楽しみに〜
……そろそろ本編に辿り着きたい(遠い目



ここまでです。
代理投下終了、支援ありがとうございました。
さて、読むか。
781名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:55:36 ID:74ZrNHRt
 代理投下お疲れ様でした、GJで御座いました
 しかしこの二人、兄やその部下の前でもイチャイチャ・・・もう結婚してしまえwww
782名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:56:38 ID:P1SgnmeF
なんかライカレに飢えているオレがいる
783名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 00:57:27 ID:9Ng7Sbn4
貧弱な軍馬卿規制にめげずに乙and GJです。
『騎士として姫を助け出すゲーム兼見世物』か楽しみだな。ドリルのテンさんが喜々として「質問するぞ。お前にとって一番大切なものは何だ?」とか、ナナリーにドリルを向けてライに質問する姿が目に浮かぶw
784名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 01:04:00 ID:CeuZETOd
>>780
貧弱な軍馬卿、GJでした!
ルルーシュと互角の知略にスザクに匹敵する身体能力、改めて確認するとテラチートw
あぁ、甘い……ライナナはいい……
姫を助け出す騎士……最高に素晴らしいシチュエーション、楽しみです!
あぁ、もう、全力でGJだ!!!
貴公の次の投下を全力を挙げて待たせていただきます!
785名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 01:06:38 ID:6orTPJdf
GJ、お疲れ様でした。諦めかけていたシリーズの続きがきて凄く嬉しい。この次も楽しみにしてます。
786名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 06:06:02 ID:TNWbwoyH
とんでもなく久しぶりに投下しようと思います
SSは合計5レス使用する予定です

6時20分より投下します
7871:2008/10/10(金) 06:21:13 ID:TNWbwoyH
『気合いと婚期』


「……ふへっ?」
我ながら情けない声を出したと思う、突然に切り出された言葉に戸惑う
まず何故目の前の人物からその話題が出てくるか理解出来ない、
そして自分達もまだそれを考えていなかったからである。
「いやだから、カレンちゃん達はいつ結婚するの?」
二度目の質問
今度は理解出来たが、理解したが為に今度は体が熱くなっていくのを自覚する。
さらに体が熱くなるのを自覚したために、余計に体が熱くなるのも自覚する。
その連鎖反応の為か、全身から汗がにじんでくる。
「え、いや、ちょっと何を言いだすのよ母さん」
身を乗り出しながら返事をする私、口から出る声はとんでもなく上擦っていた。
これじゃあ動揺しているのがバレバレだ。
「そんなに意外な事かしら?」
先程の身を乗り出した衝撃で崩れた蜜柑を
積み直しながら返す言葉は若干喜びが混じっているように思える。
「何が可笑しいのよ?」
声に凄みをきかせ
眉をひそめ顔を恐めてお母さんに迫る私
まぁ顔が紅くなっている時点で意味がないようなきがするが
「いやだってカレンちゃん可愛いんですもの」
手を口にあて笑う母さん
7882:2008/10/10(金) 06:26:37 ID:TNWbwoyH
一時のリフレイン中毒から回復し、最近はよく笑うようになった。
「まったく」
そんな母さんを見て私も笑う
本当に良かったと
「大きなお世話よ」
気恥ずかしさも残っているが悪くない。

何か気をまぎらわす為に、目の前にある蜜柑の棚から一つ取り剥いていく。
「大体それは、彼と私との問題でしょ」
剥いた蜜柑を口の中に放り投げ込む
「お母さんは、口をはさまないで」
多少落ち着いた私は反論する。
別に嫌な訳じゃない、ちょっと恥ずかしいだけのこと
「カレンちゃんは、口に蜜柑をはさまないでね。失礼ですよ」
「げふっ、げふっ」
気管支に蜜柑が入り咳き込む私
「汚いわよ、カレンちゃん」
多少顔を歪めて嫌な顔をする母さん。
少々体もひきぎみだ。
「んなら、変なこといわないでよ」
「なら、カレンちゃんは少しは女の子らしくしてよ」
半眼になりながら間発いれずに、返してくる母さん
売り言葉に買い言葉、今の状況はたぶんそんな感じだろう。

そのためかどちらとも話しかけないため
妙に静かな空間になってしまう
―テレビからは「俺が、ガン〇ムだ」という音声が聞こえてくる―
居心地が悪くそろそろ何か言おうかなと思いはじめた頃
7893:2008/10/10(金) 06:32:32 ID:TNWbwoyH
ポツリと母さんが
「この前ね、八百屋で買い物してる時に見ちゃったのよ」
ハァとため息をつきながらわざわざ溜めるように話す母さん
「女の人と一緒に歩くライ君」
「ハァ?」
溜めた時点で何となく予想は出来たが
すっとんきょうな声を上げる私
「いや有り得ないってないですナイナイ」
否定はしたものの、汗がまた噴き出してくるのを実感する。
今度は身を乗り出すだけではなく
テーブルの上に乗り上げ母さんの目の前まで詰め寄って行く
「でもね、ライ君いい笑顔だったのよ」
手を頬にあて、神妙な面持ちで呟くように声をだす母さん
ハァともう一度ため息をつく母さん
しかし私は母さんの顔を見ていなかった
内心ハラワタが煮えくりかえっていたためだ
「あなたと歩くライ君」
下を向いて居たため、盛大に前にずっこける私
それを軽やかに回避する母さん
「まったくズルイわよカレンちゃん」
母さんの頬が赤く染まる。
頬に手をあてイヤンイヤンという擬音が聞こえそうな
身の振り方をする。
「あんな素敵な笑顔を一人締めにして、お母さん貴方に嫉妬しちゃうわ」
コケた為にテーブルか落ちた私
ズルズルとテーブルに寄りかかるようにして這上がる
790名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 06:34:14 ID:iQgZ9eBl
支援
7914:2008/10/10(金) 06:37:43 ID:TNWbwoyH
「かあぁぁあさぁぁぁん」
呪いを吐くように低く長い声を吐く私
そんな私を見てくすりと笑いながら話しを続ける
「ごめんごめん、だってカレンちゃん可愛いんですもの」
可愛く軽く謝る母さん
もうテヘッって擬音も見えそうだ。
「ハァ」
私は、ため息をつくしか無かった。
体から力が抜けなんていうか疲れたし、おざなりに質問を母さんにぶつける
「なんでそんなに結婚させたいのよ母さんは?」
しばらく溜めるようにして一言
「孫が見たいから?」
極めて簡潔で簡単な答えだが何故に疑問形?
そんな事を考えていたが次第にその意味に気付き体が沸騰するように熱くなっていく
顔が茹で蛸のように赤く染まっていることも自覚する
何かを言おうとするがパクパクと口が開いたり閉じたりと
言葉がうまく出てこない
「あらやだ、まさかまだしてないの?」
ビックリするようこちらを見ている
その様を見ていて、やっと言葉が出てくる
「………………うん」
よりによって肯定の言葉である。
パニックになっているのは解るが、何故に肯定と自分自身に自問する。
「そうなの大切にされてるのね」
言葉では誉めてくれてるが、イントネーションと表情でまるわかりだ。
7925:2008/10/10(金) 06:43:07 ID:TNWbwoyH
がっかりしてるのがまるわかりな反応だ。
「うっさいわね、いいじゃないそれこそ私とライの勝手じゃない」
恥ずかしくなりコタツ布団で顔を隠す。
「はぁ、まさかカレンちゃんがここまで乙女だったなんて」
なんというか母親ながら複雑だ、とでもいいたそうな表情をしている。
ピンポーン
家のチャイムがなる
「あら、もしかしたらライ君じゃないの出なさいよカレンちゃん」
ニヤニヤしながら促す母さん
さぁさぁなんて背中を押して玄関まで押される
とりあえず覗き穴から外をみるとそこには
やはり銀髪の青年がいた。
ドキッと一瞬してしまうが、落ち着かせる
一度深呼吸をしてからドアを開ける
すると銀髪の青年は爽やかに笑い
「やぁカレンこんばんは」
普通の挨拶である
しかし私は返せないでいた。
先程の事をモロにひきずっていたためである。
ライの顔をまともに直視できない。
したらたぶん腰が抜けてしまう
「カレン?」
心配そうな声で喋りかけてくるライに私はただ一言
「…………馬鹿」
そう呟きドアを閉めた
793名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 06:44:47 ID:TNWbwoyH
以上で投下を終了します
中途半端でごめんなさい
794名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 06:50:55 ID:wWEGk2Jf
カレンがかわいい…GJっす。見たことあるような文章の気がするんですが、どちらさま?
795名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 07:02:05 ID:xiCQbv/8
これだけの時間書き込みがなかったの初めてじゃないか?
796名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 07:08:50 ID:xiCQbv/8
>>795 すいません。色々間違えました。スルーしてください。
797名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 09:34:27 ID:OpoBdbf3
>>793
GJ!&お帰りなさい。
タイトルに『 』だけでも候補はかなり絞られそうですけど、明言は避けます。
だって、外れていたら赤っ恥ですから・・・

特区成立数年後orR2終了数年後?
ともかく、『優しい世界』なんでしょうね? 母娘の会話というかママさんが素敵です。
こんなお茶目なママさんのSSを読む事ができて、今日はとてもいい一日になりそうです。
もう一度GJ!

自分も頑張ってSSの続きを書くぞぅ!!←気合注入
798名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 11:23:46 ID:CeuZETOd
>>793
乙&GJでしたー!
親子の会話がなんかいい、なごむな、うん。
カレン母のノリは結構好き、はたから見てると。
そして、文体やキャラから導き出される答えは……無粋だな、やめとこ。
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
799名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 17:43:42 ID:sbWBw1JC
久しぶりのライカレありがとうございます。次回作を期待しています
800名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 18:28:26 ID:NIpPm6VX
ふっ…GJだ。続きが気になって今夜は眠れそうにないぜ。
801名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 19:16:56 ID:ykUILKDv
>> 793 乙です
ライカレ好きとしてはたまらない作品でした

それにしてもカレンママかわいすぎるwww
802名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 20:08:18 ID:LYDgAH2o
暇だ投下バッチコーイ 
803名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 20:12:59 ID:UuRDFHjS
昨日からsageない人多いよな…
804名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 20:21:24 ID:vCs4udin
「これは契約だ…お前に王の力を授ける。
だから私の願いを叶えろ!ピザ寄越せ!」
805名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 21:56:46 ID:KxJ3e6S2
こんばんは、22:10頃投下予定です
合計で7レスです、支援があるとありがたいです
806名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 22:02:26 ID:74ZrNHRt
支援しまっせ
807ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk :2008/10/10(金) 22:10:30 ID:KxJ3e6S2
こんばんは!毎度ありがとうございます、ピザーライです
今日もSSをお持ちしました
いつも通りコードギアス REGAIN COLORSの続きとなります
それでは、注意をよく読んでお召し上がりください

注意点
ギアス編からR2のお話にライを登場させています
ライを中心にするため本編の一部をカットしている場合があります
合計は約7レスとなります
808名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 22:10:58 ID:74ZrNHRt
この機を逃さず支援
809名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 22:13:08 ID:74ZrNHRt
しえん
810コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/10(金) 22:14:18 ID:KxJ3e6S2
第19話「真実」

『あなたは・・・・・誰?』
その言葉を聞いただけでライの体に衝撃が走っていた。
何故か、ライにはこの言葉の意味が分かってしまった気がした。
それは望んでいたような・・・・望んでいなかったような・・・・そんな言葉。
「・・・・・・・・」
ライはその言葉や意味を理解できても咄嗟には言葉が出てこなかった。
『ねぇ、ライ君・・・・・どうして私は・・・・私たちはあなたを忘れちゃってたの?』
「それは・・・・・」
やはり予想通り、シャーリーは自分を思い出した。ギアスが解けたのだ。
しかし、そのことを説明するということはギアスについて話すことになる。
うまく嘘を付いたとしてもバレてしまう可能性が高い。
そして、それがバレてしまえばもう自分は彼女と友達でいられないかもしれない。
それにギアスの話をしたとすれば彼女に危険が及ぶ可能性が高いのだ。
(なら、いっそのこと・・・・もう一度シャーリーにギアスを・・・・・)
811名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 22:16:30 ID:74ZrNHRt
支援ー
812コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/10(金) 22:17:06 ID:KxJ3e6S2
『・・・・・嫌だよ』
「え?」
『私・・・自分の記憶が分からない・・・信じられないよ・・・もう私・・・・自分が何なのか分からなくなりそう』
その言葉を聞き、ライは黙り込む。そして、自分の愚かさを呪った。
もう一度、友達に自分を忘れさせようとした愚かな考えを恥じた。
彼女のためと思った今の考えは彼女を傷つけるだけなのだ。
「・・・・・・分かった」
『え?』
ライは決意をした。彼女に全てを話すことを。
もし本当のことを話したとして信じてもらえるかは分からない。
もしかしたら自分のことを怖がるかもしれない。
記憶を書き換えたことを許してもらえないかもしれない。
本当のことを話して彼女に危険が及ぶかもしれない。
もう・・・・・友達でさえいられないのかもしれない。
でも・・・・・それでも・・・・・・。
813名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 22:18:11 ID:74ZrNHRt
紫煙
814名無し:2008/10/10(金) 22:18:18 ID:5iN6a2Nj
支援( ^o^)/
815コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/10(金) 22:20:25 ID:KxJ3e6S2
「本当のことを・・・・・話すから・・・少しだけ・・・・時間を・・・・くれないかな」
『・・・・・ライ君』
携帯を持つ手が、声が震えていた。
怖かった。どうしようもなく怖かった。
それでもライは本当のことを話すことを決意した。
理由は簡単だ、友達だから。
「今日の夜、学園の前に来て・・・・・あ、ルルーシュには内緒にしておくよ」
ライは努めて明るく、そうやってシャーリーへと話しかける。
『・・・・・・ルル・・・・か』
「シャーリー?」
『あ、ううん、何でもない。分かった、今日の夜だね』
そうしてライは電話を切り、長い長い溜め息を付いた。
何故、ギアスが消えたのか。何故、シャーリーだけなのか。
そんな疑問が残るが、今考えることはそんなことじゃなかった。
夜のことを思うと怖くなる気持ちが強かった。
しかし、思い出してくれたことがほんの少し・・・・ほんの少しだけ・・・・。
「嬉しかったのかな・・・・・僕は」
ライは涙を流していることに気が付いた。それは恐れから来るものなのか嬉しさから来るものなのか。
今のライには分からないものだった。
816名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 22:21:39 ID:74ZrNHRt
紫煙、支援、四円
817コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/10(金) 22:24:09 ID:KxJ3e6S2
「「あ」」
ライが校門に到着するとシャーリーはすでに校門で待っていた。
先ほどまで降っていた雨はいつの間にか止んでいる。
シャーリーはライの姿を確認すると一歩後ろへと下がってしまっていた。
「やっぱり・・・怖い・・・・かな」
「あ・・・ごめん・・・・ね」
そうやって答えるシャーリーにライは首を横に振った。
「最初に・・・・・シャーリー、聞いて欲しいことがあるんだ」
「何?」
「僕は今も・・・いや、今までもシャーリーたちのことを友達だと思ってる。その上で君が聞きたいことに僕は答える」
ライの言葉と目にシャーリーは彼が嘘を付いていないように感じた。
先ほどまで自分の目の前にいる人物が仮面をつけていた。
だが、今はその仮面を外した。あの時のライが立っている、そう思えた。
「あなたは・・・・あの時の・・・・ライ君なんだよね?」
「うん」
「何で・・・・いなくなっちゃったの?」
「僕がいると皆に危険が及んでしまうから」
「何で・・・・忘れちゃったの?」
818名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 22:25:54 ID:74ZrNHRt
今が支援のとき
819名無し:2008/10/10(金) 22:26:02 ID:5iN6a2Nj
支援( ^o^)/
820コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/10(金) 22:27:29 ID:KxJ3e6S2
「・・・・・・ギアス」
その言葉にシャーリーの体が震え、一歩下がってしまう。
それはあの男、マオに教えてもらった言葉だった。
ルルーシュはその力を持っていた。そして、その力を使って戦争を起こした。それに父親が巻き込まれた。
そして、あの時自分はルルーシュにギアスを掛けられてルルーシュのことを忘れた。
ブラックリベリオンの後は皇帝にギアスを掛けられて記憶を書き換えられた。
その力を・・・・・ライが持っていた。
自分の目の前にいたはずのライの姿が・・・・・仮面を付けたゼロに見えた。
「・・・・・・いや」
「シャーリー?」
シャーリーの様子がおかしいと思ったライは一歩近づこうとした。
「いやあああぁぁぁぁぁぁ!」
そう言ってシャーリーはライから逃げようとする。
ライはそれを追いかけてすぐに捕まえたが、シャーリーは暴れて抵抗した。
「どうしたの!シャーリー!」
「いや!放して!放してよ!」
「痛っ!」
ライの頬をシャーリーの爪が引っ掻いて血が流れた。
構わずライは暴れるシャーリーを強く抱きしめた。
「あ」
そのことにシャーリーが気付いて暴れるのをやめる。
ライは気遣いながらシャーリーの体を放す。
「落ち着いた?」
そう言ってライは落ち着かせるように笑いながらシャーリーの頭を撫でた。
いつの間にか自分の目の前にいたゼロの姿はなくなっていた。
821名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 22:29:39 ID:74ZrNHRt
支援せざるを得ないな
822名無し:2008/10/10(金) 22:30:05 ID:5iN6a2Nj
支援( ^o^)/
823コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/10(金) 22:30:46 ID:KxJ3e6S2
「ごめんね、ライ君」
「ううん、まさかシャーリーがギアスについてまで知っているとは思わなかったから」
あの後、ライは落ち着いたシャーリーに話を聞いていた。
彼女が何故ギアスを知っていたのかを、そして彼女がゼロの正体がルルーシュであるということを。
その全てをシャーリーはライへと打ち明けた。
「ねぇ、ライ君。私・・・・もう何が正しいのか分からないよ、誰も信じられなくなりそう」
「シャーリー」
ライは膝を抱えて泣いているシャーリーの頭を優しく撫でる。
「シャーリーは・・・・・ルルーシュのこと、今も好き?」
「え?」
「ルルーシュがゼロでも君は彼のことが好き?」
「それ・・・・は」
シャーリーはその質問に答えられなかった。
いや、考えようとしなかったのかもしれない。
そんなシャーリーの姿を見たライは溜め息を付くと携帯を取り出した。
「ライ・・・・君?」
「ルルーシュがゼロなんだろう?だったらスザクに連絡しないと」
「え?」
「ゼロは君のお父さんの仇なんだ。だったら捕まえて仇を取らないとね」
そう冷たく言い放つライは携帯のボタンを操作する。
その顔はひどく冷たく、いつものライの顔ではなかった。
824名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 22:31:23 ID:4Jj91XvT BE:2524889489-2BP(0)
しえん
825名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 22:32:06 ID:74ZrNHRt
支援こそわが忠義の証
826名無し:2008/10/10(金) 22:32:42 ID:5iN6a2Nj
支援( ^o^)/
827コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/10/10(金) 22:34:04 ID:KxJ3e6S2
「あ、スザク?実はゼロの・・・・」
シャーリーはその言葉を聞いた途端、頭の中にルルーシュとの思い出がフラッシュバックする。
その瞬間、シャーリーの体は勝手に動いていた。
「っ!!だめぇ!!」

バチン!!

シャーリーは必死にライの携帯を叩き落していた。
その目には涙が溢れていた。
「・・・・・・良かった」
「え?」
先ほどの冷たい声音ではなくいつものライの優しい声音へと戻っていた。
その顔には笑顔があった。
「答え・・・・・出てるじゃないか」
「あ・・・・・」
そう言われてシャーリーは叩き落した携帯を見つめる。
そこの画面には壁紙だけしか映っていなかった。誰にも電話を掛けていなかったのだ。
「ライ・・・・・君?」
「ごめんね、試すようなことをして」
ライはすまなさそうに携帯を拾う。
シャーリーはさっきのが自分の本心に気付かせるためのライの演技だったことがやっと分かった。
そして、自分の本当の気持ちにも気が付いていた。
「ありがとう、ライ君。気付いたよ、私のホントの気持ち」
「うん」
「私はルルを許せるよ。だって、私はルルーシュのことが好きなんだから」
「うん」
そうやってライとシャーリーはお互いに笑い合った。
828名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 22:35:16 ID:CeuZETOd
支援
829名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 22:36:58 ID:74ZrNHRt
支援せずして何とする
830名無し:2008/10/10(金) 22:37:01 ID:5iN6a2Nj
支援( ^o^)/
831ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk :2008/10/10(金) 22:38:46 ID:KxJ3e6S2
以上です!いかがでしたでしょうか?
とりあえずシャーリーのルルーシュを許す場面はライに活躍してもらおうと思いました
やっとライが少しは主人公(?)っぽくなったでしょうか?いや、やっぱり脇役?
どちらにしろこの物語のライはR2を壊さないように作ってるため活躍の場が・・・・。
しかし、これから活躍するはずです・・・・・たぶん

それでは、またの配達で!
832名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 22:42:50 ID:CeuZETOd
>>831
ピザの配達人卿、GJでした! 今回も美味しくいただきました!
キャンセラーを受けたシャーリー、ルルーシュやスザクの前にライと会ったことがどれだけ影響するのか。
シャーリー、生き残るといいなぁ。
ここで一句
大丈夫、十分ライが、主人公
貴公の次の配達を全力を挙げてお待ちしております!
833名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 22:43:12 ID:74ZrNHRt
>>831
 GJでしたー、前倒しになった記憶の解放によって物語は、シャーリーとルルーシュ
 の関係はどうなっていくのか、続きが気になります。
 またの配達を楽しみにさせて頂きます
834保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/10/11(土) 00:08:37 ID:CWpOCWVn
                   〜業務連絡〜

・本日より保管庫はJavascriptを採用いたしました。関門ページでON/OFFの確認ができます
 (OFFでも閲覧自体に問題はありません)

以下は、保管嚮団 → 嚮団本部 → 資料室 から閲覧できます
・以前申し上げたタグ打ちの権限について、使用できるタグとソース例をあげました
・16進数と色の一覧をあげました

尚、タグについては順次増やしていきます。以上です。
835名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 00:18:55 ID:zD94/7RT
>>834
乙です
836名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 00:39:43 ID:KQyMb9lf
配達人さん乙です、支援!!

シャーリー死亡フラグ見事に回避しましたね。したんですよね!?

しかし、よくよく読み返すと・・・・・・あれ、いつの間にかフラグ立ってね?
837名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 01:27:36 ID:T7DUeAD1 BE:1402716858-2BP(0)
>>834乙です。
配達さん乙です。
投下したいです。
支援ほしいです。
838名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 01:28:34 ID:q8io85Ch
ピザの配達人卿、GJです!シャーリーの死で本編は一挙に暗転したので、
ここで踏みとどまった物語には期待いっぱいです。

そしてトーマス卿、いつもながら着実なお仕事に感謝×∞です!
839名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 01:38:01 ID:5R2UtAFh
支援間に合うかな?
840B.B. ◆lpNb5xIsIU :2008/10/11(土) 01:41:57 ID:T7DUeAD1 BE:2840500499-2BP(0)
支援ありがとうございます

俺式ロスカラ続編〜騎士団カレンルート〜 U

ふぅ……
体もだいぶよくなってきたかな と思いながら、狭い箱の中から眩しい世界に出た。
実戦とは違い、Gのかからないシュミレーションならできるくらいに体も回復してきたようだ。
けれど、コンピュータとはいえ実戦なんてまだまだ到底できる体でもない。おまけに、ブランクがあり、ここまで腕が鈍っていては実戦なんて出ても散々たる結果だろう。

リフトに乗り、下に降りたとき何人かが、僕に声をかけてきたが、言ってきたことに無意識に適当な答えを送ってたため、
何を言ってきたのかはあんまり覚えていない。まぁ、お疲れ様といった感じの定番な発言だろう。
しかし、そんなみんなの気配りすら今の僕にはあまり意味はなかった。
僕は、事あるごとに黒の騎士団のみんなを心配してしまう。僕に世界の色を教えてくれた大切な仲間たち
死んだと発表されているゼロ、その正体であるルルーシュや扇さんや藤堂さん、四聖剣のひとたち、それに玉城。
一刻もはやく開放してあげたいし、ゼロの正体を公表せずに一方的にしんだと公表するのも気になる。もちろん、連絡の取れない黒の騎士団の生き残りもとても心配だ。
その中でも、特にそのきっかけをくれ、僕が淡い好意を抱いてるカレン。はたして今無事だろうか
東京決戦にてルルーシュがスザクに捕まってしまい、藤堂さんをはじめほとんどの団員も捕まってしまった。
幸い、カレンは捕まってはいないものの、いつ正体がバレたり捕まったりするかわかったものじゃない。
かといって、いくらギアスを持っていても体が回復しただけで他の策なしのまま日本に戻るのは危険すぎる。
そもそも情報が少なすぎる。こっちから、情報を集めるにはブリタニアを通さないと不可能なので情報量では圧倒的に不利なのだ。
にもかかわらず、カレンたちを助けたいという思いは日に日に積もっていく。
841名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 01:43:55 ID:5R2UtAFh
支援
842B.B. ◆lpNb5xIsIU :2008/10/11(土) 01:44:49 ID:T7DUeAD1 BE:1683259968-2BP(0)
そんなある日、鈴木雷子という名前宛ての包みが届いた。 ここにいる日本人は神楽耶とサヨコと僕だけ。
雷という漢字から宛先的には僕のことなんだろう、それに偽名を使うなんて明らかに黒の騎士団の関係者しかいない。
僕はラクシャータとディートハルトとかぐやとサヨコさんの前でこの包みをあけてみた。
が、中に入ってた物にあたりの空気が凍りついた。

入っていたのはコケシと正方形のパックにはいった丸い輪っか。これはリヴァルが教えてくれたやつかな。
何かまったくわからなかったことをリヴァルに馬鹿にされたっけ。
僕のいた時代にはなかったし、バトレーたちの所でも教わることはなかったので、当たり前といえば当たり前なんだけど。
神楽耶様みてはなりませんと焦るディートハルトだったが、
「あら、この位の愛の営み。私にも理解できてよ」
「ライ様、いくらあなたが女装好きでもこういうものをもらうのはどうかと………」
やめろサヨコ。いくら文化祭でのチャイナ服がみんなに人気だったからといって、こういう時の天然ボケは笑えない。
「あっはっはっはっライ子ちゃんもとんだ変態貴族に目を付けられたもんだね〜」
と面白そうにからかってくるラクシャータ
「そんなわけないじゃないですか!そもそも僕ここにいることを知っている人なんてほとんど居ないのに!
といい、急いで調べてみると近くに添え書きを見つけた。
843名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 01:45:40 ID:5R2UtAFh
支援
844B.B. ◆lpNb5xIsIU :2008/10/11(土) 01:47:24 ID:T7DUeAD1 BE:981902047-2BP(0)
”寂しいだろうと思ってこれを送ってやった、これで俺を思い出してくれもちろん人目につかないところで使うんだぞ(笑”
と書いてあり、他のメンバーは半分笑いながら半分引いているが、僕はじっとその紙を見つめた。
なぜなら、そのメモ用紙はいつもCCが食べているピザハットのマークが端にあったからだ。
「ちょっとこれ借ります!」
「えぇっ! お義兄様、それ笑えませんよ。」
「ライ様、いくらそういう趣向がおありだからといいそこまで居直られるのもどうかと、、、」
ややこしい連中をスルーし、急いでブツを調べてみると案の定、コケシの中にはカレンたちからの手紙が隠されていた。

CCのやつ、いくらカモフラージュとはいえこれはやりすぎだ。
今度CCにあったらどうしてやろうか。。。 ピザにわさびでも混ぜてやろうか。
ルルーシュと騎士団全員にccにピザを与えるなというギアスでもかけるか?

けれどこれらの郵送から、日本ではそうとう厳重な管理体制がしかれてるのがわかったし、
カレンたちも充分な情報を送ってくれた。
ルルーシュのこと
アッシュフォード学園のこと
この位のカモフラージュじゃないとだめだとCCの意見に仕方なしに従ったこと
今の拠点のこと
生き残った騎士団のこと
エリア11でのブリタニアの動き
などが書いてあり、ここ二、三週間心配していた事はや僕の変態疑惑はだいたい解消され。今までの疲れがどっと出てきた。
845名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 01:49:41 ID:5R2UtAFh
支援
846B.B. ◆lpNb5xIsIU :2008/10/11(土) 01:51:30 ID:T7DUeAD1 BE:280543542-2BP(0)
「ディートハルトさん。ラクシャータさん。滑走翼のテストが終わったら僕は日本に戻ってみようと思います。」
さっきの手紙からルルーシュやギアスのことは伏せて事情を説明したので説得の自信はあったものの、うまくそれは伝えられなかった。
「戦闘隊長、それは危険すぎるのでは?そもそも、完成した暁0式はいっしょに日本にはいけませんよ。」
そんな事僕にだってわかってる。けれど心配事がなくなった今カレンへの思いは止められなかった。
「わかってます。大きく動けない今こそ、現地の戦力の増強を手伝いたいんです。」
「いいんじゃないかしら〜彼の交渉力だって結構なものなんだし〜」
「そうですわね。向こうもきっと会いたがってるはずですしね」
とラクシャータとかぐやが賛成してくれたのでディートハルトの反対を押し切ることができ、
その数週間後、用意してくれた中国の偽IDとともに僕は久しぶりに日本に渡った。
847名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 01:54:36 ID:plA9YQ6O
支援……眠い
848B.B. ◆lpNb5xIsIU :2008/10/11(土) 01:56:09 ID:T7DUeAD1 BE:1963802887-2BP(0)
今日でもう半年か………
朝の日差しはまぶしくて。今日一日をやる気にさせてくれる。
ここは僕の中国名義で借りたアパートで、ゲットーの中でも中の中に当たるランクだろう。
ひとりで住むにはちょうどいい感じのアパートではあるものの今はカレンとここで同棲をしている。少し狭い感じがなぜか心地いい。
そのカレンは今僕のとなりで気持ち良さそうに眠っているところだ。

僕はカレンと再開した時にゼロがルルーシュであっかた事を知っていた事。
僕もギアスを持っていて、狂王と呼ばれていた時の記憶にギアスの事を隠さずに打ち明けた。
「もちろん君にはギアスは使ってない。信じてもらえるとは思ってないけど。」
カレンは、僕の事を軽蔑すると思っていたが僕に抱きついてきた。
「ライ、ありがとう。打ち明けてくれて…」
うつむく俺の頭を抱きしめ慈悲深く続けてくれた。それは今まで感じたことのない人の本当の優しさというぬくもり。罪悪感という棘が刺さったような痛みを胸に感じたが、それ以上に目に熱いものがこみ上げてくるような感じがした。
僕は涙をこらえながらカレンに聞いてみた。
「カレン、ありがとう。君にギアスをかけたい。けじめをつけさせてくれ。」
「ばかねぇ。そんな必要ないわよ、あなたの優しさはわかってるつもり。それに、だからこそ、今までのあなたを信じるように、ううん今まで以上に信じる。」
そう言いと顔を離し顔を赤らめてカレンが恥ずかしそうに言ってきた
「だけど、ライにならかけられてもいいけどねっ」
849名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 01:57:57 ID:5R2UtAFh
しえん
850B.B. ◆lpNb5xIsIU :2008/10/11(土) 01:58:25 ID:T7DUeAD1 BE:1052037465-2BP(0)
あまりの唐突な発言に、僕はつい
「えっ、何を?」
ときいてしまった。勿論何の事かわかっている。
そんな動揺した僕の顔をみたカレンはくすりと笑い、なんでもないわと笑いしながら背をむけて歩きだした。
その背中は、どこかがっかりというか寂しそうな感じがして抱きしめたくなるような愛おしさを感じられ、その時やっと自分が朴念仁などと言われてきたわけに気づき、そしてまたここに来た最も大切な理由を思い出せた。
ぼくは後ろから愛おしいと思った赤髪の女の子を抱きしめ、告白した。


それからぼくらはいろいろな所をいっしょに転々とし、復興活動を行っていた。昼は互いに生活費をかせぎ、夜は遅くまでゲットーで騎士団としての活動
それは、つらくてひもじい生活なはずなのに、彼女といっしょの目的のために日々をともにしてきたこの時間はとても幸せだった。色鮮やかな生活ではないはずなのに、いままでの生活で塗られていた色に何か加えてくれるような新鮮でどこか懐かしくもとても充実した生活。
本来の目的よりも今が続いてほしいとすら思えてしまう。
しかしそんな生活を送っているとラクシャータさんたちから帰国の指示がきた。
どうやら輻射波動の強化がおわり実験のメドがたったらしい。

僕はカレンを起こし指示が書いてある手紙をカレンに見せた。
もちろん彼女はほほを膨らまし、残念がったが、それ以上そういった態度は見せなかった。
彼女自身も僕らの目的のためにするべきことは分かっているから。
そんな彼女を見て急遽、今日一日仕事を休んで、中華連邦に帰るための支度をかねてデートすることを提案した。
僕らは同棲はしてるものの、仕事やら騎士団の活動やらで、一緒にいる時間はとれたもののあまりデートといったことをしてこなかった。
851名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 02:00:32 ID:plA9YQ6O
支援……寝ます
852B.B. ◆lpNb5xIsIU :2008/10/11(土) 02:01:07 ID:T7DUeAD1 BE:1578055695-2BP(0)
映画を見たり租界のショッピングモールで買い物をしたりやはり彼女と居る時間はとても早く過ぎ去ってしまう。
日が暮れたころ僕らは記憶探しといって初めてカレンと待ち合わせした思い出の公園にきていた。
「あれからもう半年以上たったのね」
と空を仰ぎながらカレンはつぶやいた。
カレンのきれいな横顔が夕日によっていっそう美しく見え、僕は思わずそれに見とれてしまった。
「私ライがいたからここまでこれたんだと思う。ううん私だけじゃない。ルルーシュや扇さんだってそうだとおもう。」
僕の視線に気づいてかカレンがもう一度口を開いてきた。
「えっ、そ、そんなことないとおもうよ。」
カレンに見とれていたので、つい焦ってしまった。
「カレンたちだって十分一人でも頑張ってるじゃないか。僕一人の力なんて組織の前では微々たるものだよ。」
「ううん、あなたのおかげで騎士団のみんなも変われたと思うわ。なんていうか、最初はゼロのこと信用するのにも時間がかかったし、そのあとでも一人一人いろいろと騎士団の活動に思ったり考えたりすることがあったんだと思う。
なんていうか士気は十分にあったんだけど、そうね、色。色がない士気って感じだったの。」
「色?」
「そう。レジスタンスとして活動してた時ともあなたが来る前ともちがう目の色。たぶんあなたがみんなに騎士団としての活動の本当の中身をくれたたんだと思う。」
そう言って僕のほうを見ながら、照れたように微笑んできた。
「何変なこと言ってんだろうね私。がらでもないこといっちゃた。これが最後の会話ってわけじゃないのに。」
といってはずかしそうに舌をかんだ少女に僕も微笑み返す。
「色をもらったのはずっと僕だけだと思ってたけど。案外僕も恩返しできてたんだな。」
このことを気づかせてくれた大切な人だけは守れるようになろう。
ささやかな決意を秘めて僕はそうつぶやいた。
853名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 02:03:24 ID:5R2UtAFh
支援
854B.B. ◆lpNb5xIsIU :2008/10/11(土) 02:04:03 ID:T7DUeAD1 BE:1683259586-2BP(0)
今回は以上です。

こんな夜遅くに新兵ごときを支援してくださった方々、どうもありがとうございます。m(-_-)m
855名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 02:10:08 ID:5R2UtAFh
>>854
お疲れ様でした!
こけしにはやられましたw
カレンとの同棲は羨ましい…
856名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 02:45:45 ID:KQyMb9lf
こ、こけしとは・・・・・・支援!!
神田川状態のライとカレンがツボでした(そのネタだけで自分の世代バラしてますな)
電動こけしはやはり夜の性活wに大活躍でしょうかww
857名無しくん、、、好きです。。。
>>854
乙でした。
しかし、カグヤやサヨコと呼び捨てにするライには違和感を感じました
ラクシャータも呼び捨てだし、かといって名前を呼ぶ時はさん付けだったりと
個人的には統一性が無いのがちょっと残念だったです