コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS SSスレ 25
■SSを投下される方へ
1.投下前後に開始・終了の旨を書いたレスを入れて下さい(または「何レス目/総レス」を名前欄に)
2.規制に掛かりやすくなっていますので、長文の場合は支援要請の旨も冒頭に書いて下さい。
逆に2〜3レスほど使用の場合、支援は要らない旨を書いてください。レス毎の投下間隔は2分〜3分程度がベストです
3.投下前は、他作品への割り込みを防ぐ為に必ずリロード。尚、直前の投下完了宣言から15分程度の時間を置いてください
4.投下許可を求めないこと。みんな読みたいに決まってます!
5.ゲーム内容以外で本編放送前バレ情報があるSSは始めに注意書きを。
6.なるべくタイトル・カップリング・分類の表記をして下さい。(特にタイトルはある意味、後述の作者名よりも重要です)
・読む人を選ぶような内容(オリキャラ・残酷描写など)の場合、始めに注意を入れて下さい。
7.作者名(固定ハンドルとトリップ)について
・投下時(予告・完了宣言含む)にだけ付けること。その際、第三者の成りすましを防ぐためトリップもあるとベスト。
トリップのつけ方:名前欄に「#(好きな文字列)」#は半角で
・トリップがあってもコテハンがないと領地が作れず、??????自治区に格納されます
■全般
1.支援はあくまで規制を回避するシステムなので必要以上の支援は控えましょう
2.次スレ建設について
・950レスもしくは460kB近くなったらスレを立てるか訊くこと。立てる人は宣言してから
・重複その他の事故を防ぐためにも、次スレ建設宣言から建設完了まで投稿(SS・レス共に)は控えることが推奨されます
※SS投稿中に差し掛かった場合は別です。例 940から投稿を始めて950になっても終わらない場合など
3.誤字修正依頼など
・保管庫への要望、誤字脱字等の修正依頼は次のアドレス(
[email protected])に
※修正依頼の際には 作品のマスターコード(その作品が始まる際の、スレ番号-レス番号。保管庫の最優先識別コード)を“必ず”記述して下さい
例 0003-0342 のタイトルを ○○ カップリングを ○○
(↑この部分が必須!)
マスターコードを記述されず○スレ目の○番目の……などという指定をされると処理が不可能になる場合があります
4.睡眠は1日7時間は取りましょう
■画像投稿報告ガイドライン
ロスカラSSスレ派生画像掲示板
PC用
http://bbs1.aimix-z.com/gbbs.cgi?room=lcsspic 携帯用(閲覧・コメントのみ)
http://bbs1.aimix-z.com/mobile.cgi?room=lcsspic 1.タイトルとコテハン&トリップをつけて絵を投稿する。尚、コテハン&トリップについては、推奨であり強制ではありません。
・挿絵の場合は、誰の何のSSの挿絵と書く
・アニメ他公式媒体などにインスパイアされた場合は、それを書く(例:R2の何話をみてテンさんvsライを描きました)
2.こちらのスレに以下のことを記入し1レスだけ投稿報告。
例:
「挿絵(イメージ画像)を描いてみました。
画像板の(タイトル)です。
・内容(挿絵の場合は、SSの作者、作品名等。それ以外のときは、何によってイメージして描いたのかなど)
・注意点(女装・ソフトSM(首輪、ボンテージファッションなど)・微エロ(キス、半裸など)・ゲテモノ(爬虫類・昆虫など) など、
絵はSSに比べて直接的に地雷になるので充分な配慮をお願いします)
以上です。よかったら見てください。」
画像掲示板には記事No.がありますので、似たタイトルがある場合は記事No.の併記をおすすめします。
*ただし、SSの投下宣言がでている状態・投下中・投下後15分の感想タイムでの投稿報告は避けてください。
3.気になった方は画像掲示板を見に行く。
画像の感想は、原則として画像掲示板に書き、SSスレの投稿報告レスには感想レスをつけないこと。
画像に興味ない人は、そのレスをスルーしてください。
4.SSスレに投稿報告をした絵師は以下の項目に同意したものとします。
・SSスレに投稿報告した時点で、美術館への保管に同意したものと見なされます
・何らかの理由で保管を希望しない場合は、投稿報告時のレスにその旨を明言してください
・美術館への保管が適当でないと判断された場合、保管されない場合もあります
(不適切な例:ロスカラ関連の絵とは言えない、公序良俗に反するなど)
改行制限で書けませんでしたが、テンプレは以上です。
>>1乙です!
新スレ早々お目汚しですが、投稿したいと思います。
9レス前後で片付くと思いますが、支援いただけますでしょうか。
タイトル:Not A Clockwork -Capriccio-
カップリング:無し(辛うじてライ→カレン)
ジャンル:コメディ
※純血派ルートの後で黒の騎士団に合流したライが、研究施設からメカオレンジを回収したという設定です。
※先回投稿分がキツいツラいと友人に殴られましたので、続編をコメディにしてみました。
※作中、醤油と虫については、腹筋捻じ切って下さった全力支援者Y卿に倣わせていただきました。
支援いただけましたら5分後にスタートします。
支援は全力で
実験適合生体として心身ともに改造されてしまったジェレミア卿を発見したことで、黒の騎士団はブリタニア帝国内部に巣食う新たな闇をも見出すことになった。
謎をはらむその存在に迫るべく、僕らはまず回収したデータからあの実験の内容を分析し、同時にその指示を下した人物を特定にかかった。
前者はラクシャータさんに任せるとして、当然ながら記録に後者のことはとどめられておらず、駄目元でジェレミア卿本人に聞いてみた。
ディートハルトさんの発案で、消息の分からない科学者を中心にさまざまな人物の映像を見せたが、彼はまったく上の空で、何一つに注意を払うでなく、眠たげな目をモニタに向けていた。
ところが。
偶然、そばのテレビに流れた無関係なニュースを観て、彼は呟いた。
「シュナイゼル、さま」と。
改造の手を下したのはバトレー将軍配下の研究者たちで、個人の名前を悉く彼の中から消去していた。
そんな状況で皇族の名前が絡むとしたら、コントロール用スイッチとしての発令者以外ありえない。
摂政シュナイゼル。バトレーが仕えている時点で白の度合いが落ちていたが、これはもう確実に黒だ。
既に地色の白黒定め難いパンダではない。クロクマだ。
「しかし、これは公表できんな」
ゼロが言った。
その意味するところは、居合わせた幹部には明白だった。
そもそもジェレミア卿の件を外へ出すこと自体が難しい。
生粋のブリタニア軍人が自国の研究施設でこの状態にされたと言っても、生半可な証拠では世論を納得させられまい。
下手をすると、逆に黒の騎士団の仕業と濡れ衣を着せられる。
ブリタニア側の仕業として告発できたところで、戦闘で重傷を負った者に特殊な治療をしていたという言い抜けも可能だ。
もとより皇族への忠誠を熱烈に主張していた人、記憶にシュナイゼルのみが残っていても不思議とは言われないだろう。
それどころか連中にとっての結構な美談になりかない。
向こうが交渉のカードを切ってきたら、彼を渡さざるを得ない。
そしておそらく、そのまま始末されてしまうだろう。
「では」
「うむ、当面は斑鳩で、作戦補佐の預かりとしよう」
支援
そういう訳で、彼は黒の騎士団に匿われ、僕と暮らすことになった。
当然ながら、周囲の風当たりは柔らかいとは言えなかった。
なにせ相手は「あの」ジェレミア・ゴットバルトだ。
ブリタニア軍人というだけで問題なのに、純血派としてナンバーズ排斥を声高に主張した人物。
ことに日本人に対しては、ブリタニアに帰化した人さえイレヴンと蔑んでいた。
おまけに軍務に極めて熱心な、レジスタンスにとって「敵」そのもののような男。
僕が出会う前のことだけれど、クロヴィス総督時代にシンジュクゲットーで嬉々として殺戮を行ったとか。
カレンはナイトメアで追撃され、あわやというところまで追い込まれたという。
そんな人を、どんな形だろうと受け入れることは難しい。
それは十分に理解できる。
しかし今の彼は、そんな過去どころか自分の名前も覚束ない。
「ジェレミア卿」と敬称をつけただけで認識できず、きょろきょろしてしまう。
日常生活すら、一人でこなせる事は子供レベルだ。
兵器の制御パーツとして要らない情報は、全て忘れさせられてしまったのだから。
だから割り切れと言っても難しいのは分かる。
言いたくはないが、黒の騎士団には感情先行型の人が多い。
不断の闘志をもつゆえに、何かあるとすぐ実力行使というタイプも少なくない。
長くブリタニアの支配に抗してきたゆえの意地、容易に意思を変えない頑固さもある。
支援!
とまれ、どんな事態にも何の抵抗もできない今の彼を、一人で現実と向き合わせるのはやはり理不尽だ。
だから僕は、なるべく彼と一緒にいて防壁になることにした。
僕より頭一つ分も背の高い彼が、どこへでもついて歩くのはおかしな光景だったかもしれない。
それに、何かするごとに僕が話しかけるのも、たぶん周囲には奇異にうつったろう。
そしてたぶん彼の、普通に組み立てられなくなってしまった返事も。
食事に行きましょう。
「いきますです、ライ」
そうか、箸は無理ですね。フォークなら使えます?
「だいじょぶ、でしたです」
石鹸は直接こすりつけちゃダメですよ。
「ライ、わかるでした」
これ、一緒に運んでください。
「いっしょ、もつです」
今夜は雨だから、甲板には出ないでおきましょう。
「ほし、みる、ないですか。理解」
おやすみなさい。
「おやすみなさい、でした」
幸せそうにしている彼を見るのは、悪い気分ではない。
むしろ、嬉しい。
まるで邪気の無い澄んだ瞳を僕に向ける端正な顔は、常に眉間に寄せていた皺が無いとこうも平穏になるものかと、こちらも安らかな気持ちにさせられる。
ただ、ジェレミア・ゴットバルトという人は完全に居なくなってしまったのかと、その度に寂しさも感じずにはいられなかった。
何かというと暴走気味の困った人だったけれど、こんなふうに自分の国に裏切られ消されてしまうのは、ただ死んで居なくなってしまうより悲しい気がする。
それでも、とりあえず日々は過ぎていった。
しかし。
支援
◆投稿ミスしました。
>>15の前に以下が入ります◆
「作戦補佐も大変だねえ」
やはりというか、先陣切って攻撃的な言葉を投げてきたのは朝比奈さんだった。
「コイツに元に戻ってもらっても困るでしょ。とっとと機能停止してくれるといいのにな」
さすがにむっとして反論しようと振り向いた瞬間。
ジェレミア卿が、朝比奈さんの顔を鷲掴みにした。
「ぬぉ?」
「ライ、なくです」
そのまま、ずいずいと押していく。突き当たりのドアから、ぽいっと放り出した。
「あなたさま、いらないデス!」
彼が他人の、僕のことを考えてくれたのは喜ぶべきことなのだろうが、生憎これはプラスにはたらく出来事ではなかった。
おかげで、通り過ぎざまに罵声を投げたり、僕に見えないところで蹴りつけようとする人が出てきた。
誰とは言わないが。
その度に左半身の金属部分を蹴ってしまい、向こうだけが足を抱えてぴょんぴょん飛び跳ねるのがご愛嬌ということで、無視できるのがせめてもだった。
それでも彼は基本的におとなしく、一度言い聞かせただけで人に手は上げなくなった。
まあ、僕に倣って無視を決め込んだというより、憎まれ口を叩かれても理解しきれなかったようだが。
僕が反応しなければ、それは彼にとって無意味な雑音にすぎなかったのだ。
けれど悪意の無いところでも、例えばラクシャータさんたちに看てもらう時はいささか辛い時間になった。
研究施設でされた事は説明できないながらも、苦痛の記憶だけはありありと刻まれているようで、白衣の人と装置の類が並んでいるところへ行くのがとにかく怖いらしかった。
跡がつくほど強く僕の掌を握る大きな手が、酷く震えているのには耐え難い思いがする。
その感覚は、僕にはよく分かっているから。
ただ、他の技術者よりラクシャータさんが怖いらしいのは、興味深かった。
外見の美しさも飄々とした物腰も、科学に売った魂を包みきれないということなのか。
支援!
なにか変だと気付いたのは、女性団員たちの視線からだった。
以前から、何かというと見つめられることが多かったのだけど、最近とみに監視の気配が濃くなっている気がしていた。
もともと外見からして日本人の中で浮いている僕が、彼を連れてきたことで不信を投げかけられても仕方の無いことではある。
疑わしいと思われているのだろうと、以前にも増して勤務に励み、かつ身辺を明瞭にするよう心掛けていたのだが。
そんなある日、井上さんに話しかけられた。
「これ、食べさせてあげて」
マドレーヌだ。焼きたてなのか、まだほんのり温かくていい匂いだ。
「彼に?」
明らかな好意を向けてもらえたのは初めてだ。本当に、心から嬉しくなった。
「ありがとう!美味しそうだ。ジェレミア、食べますか?」
差し出すと彼は受けとらず、そのままぱくりと食いついた。
「あ、行儀が悪いですよ?」
とたんに背後できゃーっと叫び声が上がった。
「さ、作戦補佐!萌えます!」
もえ?モエって、何?
真意を測りかねているうちに、彼女は腕をぶんぶん振り回しながら走り去った。
何だ、何が起きたんだ?
混乱していたら、物陰から一斉に女性達の声が沸き起こった。
「写真撮った?撮った?」
「ぎゃー、イイ!」
「これは神ショットよ!」
「データちょうだい!」
「神!神キタコレ!鯖にうp!」
「待ち受けにする!」
「あたしには出力して!」
何なんだろう、これは。
支援
僕が呆然としていると、千葉さんがやってきた。
「何の騒ぎなの貴方が」
た、まで言わないうちに、彼女は問題の写真を目にした。
「こ、これはッ!」
凛々しい顔が一瞬にして真っ赤になり、彼女はその顔を押さえてへたへたと座り込んだ。
「ち、千葉さん、具合でも」
僕が歩み寄ろうとすると、空いたほうの手で押しとどめる仕草をし、気付かなかったわ、迂闊だったと言いながらよろめきつつ凄い早足で立ち去った。
なんだか血が滴ってたようだ。
まさか吐血じゃあるまいな。
持病キャラは星刻だけで沢山だ。
翌日から、堤防が決壊したような状態になった。
女性陣は、彼に関する事をこぞって進言してくるようになった。
シャツのボタンがとれてます。
前髪が伸びすぎじゃないかしら。
爪も整えてあげたほうが。
うたたねしてます。毛布かけてあげたら?
お昼は鍋焼きですから、ふーふーしたげてくださいね〜。
マットレス干しますから、二人で持ってきてください。必ず二人で!
そして彼に対しても、彼女たちは直接話しかけるようになった。
基本フォーマットは「作戦補佐と****するのよ」。
この口火を切ったのは、他ならぬ千葉さんだ。
「夜食のおにぎりよ。作戦補佐に食べさせて」
彼は文字通りに受け取り、僕にそれをつきつけて食べさせようとした。
その瞬間、キャビネットから女性団員がなだれ出てきた。いつから居たんだ貴方たち!
そしてまたモエモエ叫びながら、あっという間に散った。
黒い制服は良くないかもと、僕は漠然と考えていた。
ああいう行動をされると、触覚の長いツヤツヤした昆虫に似て見える。
支援!
さして時を置かず、どこに居ても凄い数のシャッター音が聞こえるようになった。
なんだこれ!一体何が起きてるんだ!
そう。
皆が彼を許容してくれるようになった、それだけなら良かった。
問題は、皆この調子で騒ぎまわることにかまけ、任務がおろそかになってきたことだ。
しかも、どうやら写真とかモエとかとは関係ない、別の一派も発生してきた。
カレンと玉城さんは最後まで彼の存在に難色を示していた筈なのに、玉城さんはある朝、僕がシャワーを浴びている間に、先に出ていた彼の頭を拭いてやっているところを目撃された。
そして。
支援
「連れ出した?玉城さんと?」
カレン。君は、君だけは常識を保ってくれると思ったのに。
「トウキョウ租界で服を買いに。ちょっとだけね」
ブリタニア軍令部のお膝元じゃないか!何をしてくれやがりますかッ!
「ちゃんとパーカのフード被せてたから、誰にも気付かれてないわよ!」
そういう問題じゃない。
「べ、別に、可愛いとかそういうのじゃ、ないからね!」
僕の目を見て言ってごらん。
「だって、服のサイズが合ってないんだもの!
みんなのお下がりとか、裾が短くて。
それにライと並んで決まらない!」
「そうそう、色もねー」
僕の追求は他の女性団員に阻まれた。
「黒一色はイマイチなのよ」
「スーツならいいんじゃないかな」
「ハイネックとか?」
「絶対、ブルーが似合う」
「白もいいわ」
「浴衣とか着せたくね?」
「藍染よね、波模様!」
「作戦補佐とお揃いで!」
「当然!」
「ぎゃー、萌える!」
「萌え!萌え!」
もう、好きにしてください。
個別撃破はもう無理だ。主砲の一撃で沈めるしかない。
僕はミーティングを召集し、動議を提出した。
支援!
「確かにゆゆしい事態だ。
任務に対する態度は論外であるし、作戦補佐を煩わせるのも問題と考える。
皆、もっと状況を弁えて行動すべきだ。
衣食住、行住坐臥総てに於いて甘やかすだけではいかん」
おお、さすが藤堂さん。
「身体の健康を考え、積極的に運動をさせるべきだ。
先日、素振りをさせたが、素直でなかなか筋がよかったぞ」
ちょっと待て。
何故か部屋に竹刀持ち込んでると思ったら、貴方か!
「水練も上手いものでしたぞ」
仙波さんだ。
「金属部分が心配だったのでラクシャータ殿に伺いましたが、問題ないとのことでしたので」
卜部さんは上陸艇で磯に連れて行って虫取りを教えていたらしい。
あんなに冷たい言葉を投げていた朝比奈さんは、醤油の味を覚えさせようと、煎餅だの磯辺焼きだのみたらしだの五平餅だの、作り方講座を展開しつつ半日ぐらい占有してたとか。
四聖剣、堕ちたり!
「そういえば、昔ウチで子犬を拾った時、飼うのにさんざん反対した父が、実は陰で甘やかしてたわね」
井上さんが他人事のように呟いた。
「いい加減にしてください、皆さん!」
机を叩いて僕は立ち上がった。
「僕は彼を、普通に暮らせるように戻してあげたいんです!
そもそも身の丈190cm近い成人男性を可愛いという時点で異常です!
子供やペット扱いに思える行為は、今後一切禁止します!
撮影もダメ!」
支援
えー、と一斉に声が上がった。
「作戦補佐、横暴!」
「独り占めはダメです!」
「可愛いものは可愛いんだ!」
「日常が不毛なんだからいいじゃない!」
「私たちは萌えを要求する!」
「萌え!萌え!」
「静粛に願いますよ、皆さん」
既に野次と化している反論の中、声を上げたのはディートハルトさんだ。
「ゼロ、お考えを」
物言いはいつものとおりだが、キャッチボールして遊んでいる。相手は言うまでもない。
というか扇司令がナチュラルに間に挟まって三角キャッチになってるのは何故だ。
「フハハハハハハ!私には懐かないからな!無関係な立場で裁定させて貰おうか!」
そう、僕のかけたギアスのせいで、彼はゼロを認識しない。
良かった、一人でも局外から見てくれる人が居て。ルルーシュ、君だけはマトモでいてくれたんだね!
と思ったら。
「C.C.に誘わせて部屋に連れ込んでませんでしたか」
カレンが暴いた。
「ふ、見られていたならば仕方ない。
不本意だが、諸君らが生活面のみに拘泥しているのは問題だと思ってな。
知力向上のため、本を読んでやっていたのだ!」
「「「「「「「「ああっ!盲点!」」」」」」」」
何で一斉に叫ぶかな、この人たちは。
いや、それよりルルーシュ、仮面を取って接したな?
何かの弾みで彼の口から正体がバレたらどうするんだ。
支援!
頭を抱えた僕に、ラクシャータさんが煙管の先でつんつんと注意を促した。
「あのねえ、ライ?分かってると思うけど、一個の人格が作られるには相応の時間がかかるのよ?
取り戻すにしたって、じっくり付き合うしかないでしょ。
一人で頑張るのは難しいし、協力して何とかしたほうがいいじゃないの。
……ああ、そろそろ退屈そうねぇジェレミア。
キャンディあげるから舐めてなさい」
正論ではあるが、最後の最後で行動も結果も伴ってない。
どっかの世界のナイトオブセブンも真っ青だ。
「だからって限度があるでしょう!
みんなで勝手なこと教えても混乱するだけです!甘やかすな!連れ出すな!
モエとか言いながら写真撮るな!ちゃんと仕事しろ!
ていうか巨大なお世話!言い訳無駄ッ!問答無用は要らないデスッ!」
なにか変だ。僕は何を言ってる?
ぜーはーと息切れして座り込んだところで、隣にいた彼に覗き込まれた。
「ライ、あかいです、かお」
生身と機械の両手で頬を挟まれ、顔を上げさせられた。
色の違ってしまった両目が、まっすぐに僕を見る。
そのまま接近してきて、額がこつんと当たる。
「あつい、でした」
おおおおーっとどよめく声。シャッターの音が雷のように轟いた。
それを遠くに聞きながら、僕は眩暈をおぼえ、そのまま気を失った。
後で聞いたら、40度近い熱だったそうだ。
3日、寝込んだ。
その間、彼は僕の傍にずっとついていて、さらなるシャッターチャンスを提供することになったらしい。
もうイヤ、こんな生活。
いっそ二人で家出しようか?
支援
以上です。
投稿ミス&またもやのレス数読み違い、たいへん失礼しました。
またこんな時間に関わらずの支援、ありがとうございました!
>>33 銀鰻卿、GJでした!
前回、今回の前半と後半のギャップがw 萌えってwww
一人で黒の騎士団を陥落?させたジェレミア卿、恐るべし!
ラストのライのジェレミア化も笑えましたw
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
35 :
名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 10:15:54 ID:KNdSplUW
銀鰻卿、GJです!ひそかに続編を期待してました!
しかしギャグとは思わなかったw
あとこの場合カップルは 女性団員→ライ→カレン じゃないでしょうか。
大真面目なライが何も考えてないメカジェレミアと絡む(エロ無し)構図に
ちょっと腐の入った女性団員が萌えwってのは分かりますねぇ。
しかも男性陣は困ったお父さんモード。どうなる黒の騎士団www
カレンがこの中間で、しかも微妙にツンデレというのは好みです。
またの投稿、全力でお待ちします!
上げてしまった、申し訳ないorz
■画像掲示板アップしました■
タイトル「ワラビ餅卿に捧ぐ…」
0022-0255 舞台裏の暮らし 〜セーラー服 へ 接続〜のイメージイラストです。
もしも舞台裏の暮らし」が文庫本になったらという事でその本の表紙を意識して描いてみました。
このシリーズは大好きで、いつも楽しみにしています。
注意) 女装ですので、それが駄目な方などはご遠慮された方がいいかと思います。
綺麗には描いたつもりですけど、やはりこういうのは好き嫌いがあると思いますので。
それでも問題ない方は、どうぞ見に来てください。
―業務連絡―
本日2100より、次期フォーマットの最終動作試験を開始いたします。
それに伴い、当保管庫の更新作業(メールの返信も含む)が全て凍結状態となります。
凍結解除は明日20日、移転の終了までです。
お急ぎの用がある方は、恐れ入りますがお早めに願います。(期間中は応答自体が困難になると思われます)
ちょっと早めの投下宣言〜
ってなわけで予定
・まえがき(1レス)20:45
↓
↓10分後
↓
・本編(約25レス+おまけ2レス)20:55〜
・あとがき(1レス)
の予定です。
前書きの注意が非常に重要ですので、投下まで少し間隔を開けます。
支援準備お願いします
どんと来い!
あ、IDがV.V.だ!
ごめんトーマス、移転は手伝えない
計27レス……90分程度使いそうですね。分割は不可能なのでしょうか?
分割した方がいいんでしょうか?
そんなに大した物じゃないので一気に投下したい…
44 :
まえがき:2008/09/19(金) 20:46:36 ID:oBwVVkfh
〜めちゃくちゃ注意事項が多いまえがき〜
はーい。注意事項を説明しまーす。
・レスが多いから、RC卿かな?とか思った人残念!シリアスかな?とか思った人も残念!
・作者はピンクもふもふでした!久しぶりかと思いきや、実は名無しで投下してました的なー!
・しかもジャンルはギャグだぜハッハー!
・カップリングはよく分からない。ライ総受けのハーレム物。
・で、今回は女性キャラクターがライを取り合うため、結構鬼になります。女性なんてそんな物ですよね。男の前以外では酷いもんですよ。
・だから女の子に淡い幻想を抱いていると、ちょっとキツいかも。全然キツくないけど、注意書きって大げさに言うべきだと思うんだ。
・扱いに関しても良い人もいれば悪い人もいる。俺の○○ちゃんが!ってな感じになるかもしれない。
・これだけじゃ分からない?なら下記に書いてあるキャラクターが大好きな人は、スルーしてもいいかも。
・あと、作者の中でシュナイゼルの顎はとても硬いと認識されております。
・レス数は26〜27くらい。支援お願いしまーす。
・以下のキャラクター好きは注意〜
ギゼル、ソフィ、壁子、ドロテア、マリーカ、香凛、井上、ミーヤ、ラクシャータ、セシル、シスター、コーネリア、
マリアンヌ、カリーヌ、リーライナ、ギネヴィア、カレン、カレンの母、咲世子、神楽耶、ナナリー、C.C.、天子、モニカ、
ヴィレッタ、ノネット、ニーナ、千葉、シャーリー、双葉、水無瀬、日向、幻惑部隊、ローマイヤ、ミレイ、ユーフェミア
・タイトル:さあ、民主主義を始めようか
みんな好きだろう?民主主義
支援…
というか…民主主義?
ちょwww何じゃこのラインナップw支援の重婚禁止法
注意書きの女性観には同意せざるを得ない
支援
>>44 つまり全員ということですな。支援は出来そうもないですが、心の中で応援致しております。
30レスって言ってたから、絶対新人だと思っていたが
>>44 その登場人物の人数からしたら、そんなものかもしれない
と思えてきた
ここはとある会議場。
円卓に並べられた席に座るのは、一目で数え切るのは難しいほどの人間。
各々の思惑を胸に、雑談やら言い争いやらで時間を潰している。
その中、席の一つに座っていた皇神楽耶は立ち上がった。
長く美しい黒髪が一瞬ふわりと浮き、そして垂れ下がってから、
「皆さん」
呼びかけた。
神楽耶は思う、いい雰囲気だと。
議会の進行は神楽耶の役割だ。故に視線という視線が神楽耶に向けられ、そして生まれるのは緊張。
「ではまず――今回の議題を確認します」
神楽耶が手元のタッチパネルに触れる。すると各々のモニターに表示されるのは一人の少年。
「ライ」
その少年の名を神楽耶が告げた瞬間、皆の緊張が少し解けた。
それは自分も同じだと神楽耶は思う。しかし、今それを言う立場に無いのが悔やまれる。
「私達は常に悩まされてきました」
皆が思い思いの形で頷く。
「今日ここで、長きに渡る問題に決着を付けましょう」
告げてから、神楽耶がちらと横に座る天子を見た。彼女は神楽耶の視線に応え、立ち上がる。
紡がれる言葉は震え。それを愛おしいと神楽耶は思う。しかしそれは表情に出さない。ここでの互いの立場は、対等なものであるのだから。
「ほ、本日の議題は超合集国特別決議第一號として――」
一息。
「――ライの名字を決めたいと思います」
天子の言葉に導かれるように、皆は立ち上がって一礼した。
‡さあ、民主主義を始めようか‡
天子が会議の始まりを告げてから10分。未だに誰も何も言っていない。
しかし違う、と千葉は思う。
達人同士の決着が一瞬でつくように、この議場で、見えない攻防が繰り広げられているのだ。
ならば先に手を出した者の負けか。それは否、と千葉は否定した。
膠着状態から一歩抜け出すのは、やはり初撃が重要だ。
最初はそう思っていて、会議が始まるや攻勢に出ようと考えていた。
だが千葉は何も言わない。
(甘く見ていた…)
周りを見渡す。
そこにあるのは、戦場だ。カレン、C.C.、神楽耶の三人官女の圧倒的な存在感が、千葉を押し止めていた。
――飛び出したら、潰される。
生きるか死ぬか。前に出たら、もはや後には引けない。
故に千葉は考えた。彼女達に比べれば、自分は影がやや薄いほうだ。それに加えて大きな問題もある。
――藤堂だ。
下手に飛び出して、そこを突かれると不味い。
(何にも無いんだが…)
誤解だと言っても彼女達は聞く耳を持たないだろう。
アニメ23話ではそれっぽく描かれていたが、あれは藤堂に「ライと幸せに、な…」と言われたので喜んだだけだ。
つまりは、藤堂→千葉←ライという三角関係に終わりが見えただけ……と千葉(と作者)は解釈している。トライアングラー!
(今はまだ様子見……)
千葉はそう結論付け、この会議の行く末を見守ることにした。
すると、業を煮やした者が一名、立ち上がった。
(動き出す…!)
千葉だけではない、皆の注目がその人物に向けられた。
●
その人物は、すらりと直立する。
綺麗、というのはこういう姿勢なのだろう。動作一つ一つにキレがあり、品格を漂わせる。
優雅とも言うべき起立を済ませ、その人物は一礼する。ほう、と息が漏れるような一瞬が過ぎた。
そして切れ長の目をすっと開き、その人物は言った。
「カノン・マルディーニです」
「「「「「男は帰れ!!!」」」」」
●
カノン・マルディーニ退場。
書記を務めるジェレミアはそう議事録に記していく。
「何故、喋るまで気付かなかったのか…」
その呟きに答えるのは、神楽耶の代わりに進行役を任された黎星刻だ。
「考えてもしょうがあるまい」
ジェレミアはわざわざ左目をカシャッと開いて見ると、星刻は腕を組んで会議の様子を眺めているだけだった。
どうやら最初から滞りなく会議が進むとは考えていなかったようで、諦めて見守ることにしたようだ。
そして星刻のさらに横には、先ほど退場になったカノンの主君でもあるシュナイゼルの姿もある。
「おやおや、カノンは敗れてしまったか」
「勝つつもりだったのか?」
星刻の呆れたような問いにシュナイゼルは笑いながら答えた。
「まあね」
「だが結果は見ての通りだ。残念だったな」
「まだまだこれからだよ、星刻。無様な真似は見せないよ」
「ふん……」
この場でも見えない争いが繰り広げられているようなのだが、
(……この会議そのものは無様ではないのだろうか?)
ジェレミアはそんなことを思いながら、内容を速記していく。
すると、緊張した状態の会議が再び動き出した。
●
「面倒ですわね。私の名字に致しましょう」
神楽耶だ。
皆が戦慄する。無理もない。三人官女の一角が攻勢に出たのだから。
「あら、ここは私のでしょ」
それに答えたのはカレン。
二人は一見にらみ合っているようだが、表情は笑顔だ。
不味い。誰しもがそう思った。ここで二人は一気にふるい落としにかかる気だ。
走る緊張に耐えかねたシャーリーが立ち上がった。悲しいかな、彼女は一般人で、この戦場の中では一段とか弱く見えた。
「ま、待ってよ!私の名字だって…」
「あなたはルルを追いかけてなさいよ」
カレンが一蹴する。
「ええ!?」
「そうです。ライへの愛が足りないあなたの出る幕ではありませんわ」
かぐや の ついげき! シャーリー は たおれた。
「うう………」
しかしシャーリーが倒れたところで、別の人物が立ち上がる。
ミレイ・アッシュフォードだ。彼女はダンッ、と片足を机に乗せて注目を集めた。
アッシュフォード学園の制服のスカートは短いので、そんな体勢をしては中が見える事になるのだが、しかしミレイは気にしない。読者サービスを欠かさないのは流石といったところか。
ジェレミアは早速議事録に“黒”と記した。
「愛が足りない?ならアナタはどうなの神楽耶様?」
「あら、私のライへの気持ちは亜光速ビッグバンですわよ」
そう、とミレイが満足気に頷く。
意味は全く分からないが、どうやら二人の間では通じたようだ。
「ふふふ、じゃあゼロの事は?」
「大好きですわゼロ様!!……はっ、しまった!」
慌てて口を閉じる。しかし時既に遅く、神楽耶は思わずゼロへの愛を叫んでしまった。
その様子を見て、ミレイ達周囲の者はにやにやと笑みを浮かべる。
「う〜ん……」
神楽耶はぽりぽりと頬をかき、こほんと一つ咳払いをして、
「ま、いいですわ」
「「「いいのかよ!!!」」」
しえん
支援
全員で突っ込むが神楽耶は気にしない。
「“さんぴー”も魅力的ですし」
開き直って下ネタも暴発。
さんぴーってなに?と天子が首をかしげると、説明しようとした神楽耶を制して星刻が美味しい食べ物ですよ、と言った。
「手強いわね」
ミレイは肩をすくめて言う。
「妻ですから」
神楽耶のボルテージも一向に下がらない。
「もう、シャーリーもミレイちゃんも情けないんだから!」
そんな二人の間に入るのはニーナだ。
カレンはそれを意外そうに思って首をかしげた。
「あら、ニーナ。あなたもライを狙ってたの?」
「う……カレンにも負けないわ!私は終盤にかけてポイントも高くなってるし!」
自分で言うなよ。そんな皆の無言のツッコミが突き刺さる。ライニナは一向に増えないし、正直人気の程は定かでない。
一方、大人気の紅月カレンは一言。
「ニーナの名字ってダサいのよね」
「「「ええーーー!?」」」
またもや一蹴。バタバタと会場にいる人達が椅子から転げ落ちる。それは酷いだろう、と。
「何ですってカレン!」
「アインシュタインだって。バック・トゥ・ザ・フューチャーじゃ犬ね」
それは関係があるのか。
ばっく…?と天子が首をかしげると、神楽耶が「バックとは体位の一つで…」と説明し始めたのを星刻が制止し、「スパロボZのバンプレストオリジナルロボの一つです」とフォローした。
「大体、あんた影薄いし」
「な………!」
倒れ込むニーナ。余程ショックだったらしい。
「それは聞き捨てならないな!」
しかし、カレンのニーナへの追い討ちに異議を唱える者がいた。
しえん
支援
注意の中にアーニャはいないんですねwww
支援
●
「影が薄いのが何が悪い!」
そう言って机を叩いたのは、ナイトオブフォー、ドロテア・エルンストその人である。
彼女は女性でありながら、ビスマルクに匹(ry
「たとえ一言しか喋らなくとも、権利は平等にあるはずだ!」
その言葉に一部の人達からもそうだそうだと声が上がる。
「ロスカラでも恐らくは攻略対象にはなれないだろう。しかし、夢くらい描いてもよいではないか!」
必死だ。ドロテアの鬼気迫る形相に流石のカレンも気圧される。
「わ、分かったわよ…」
「ならいい」
ふっ、とドロテアは勝ち誇った笑みをして座る。
カレンも少しだけ申し訳なさそうに会釈して、
「ところで……あんたの名前なんだっけ?」
「うおおおおぉぉぉ〜〜〜!!」
バターン、と大きな音を立てて扉を開き、ドロテアは走り去っていった。
●
シャーリー・フェネット、ドロテア・エルンスト退場。ついでにニーナ・アインシュタインも退場。
ジェレミアは淡々と議事録に記していく。
「ふむ…やはり三人官女は強いねぇ」
「シュナイゼル、負けを認めたらどうだ?三人官女のうち二人はこちらの陣営だ。天子様もいる我々の勝ちは明白」
「いやいや、それはどうかな?」
相変わらず、星刻とシュナイゼルは言い争っている。
ジェレミアはオレンジジュース片手に、黙々と速記を続けた。
●
「次は私ね」
次に立ち上がったのは、なんと井上だ。
支援
前スレ1000叶うといいな、支援
「い、井上さん…!?」
カレンは驚愕した様子で見てくるのを、井上は嘲笑で返した。待ち時間で世間話したじゃない、と。
「ええ、そうよ。私は復活したの。ライへの愛で」
「そ、そうですか……でも、残念ながら井上さんには…」
カレンの言いたい事は井上には分かっている。
名前が無いのだ。公式ページや色んな検索ページで何度も確認したが、名字しかない。びっくりだ。何か理由があるのだろうか。
だが井上はポジティブだ。井上ライとするついでに、自分の名前も決めたいと考える。それに、勝算もある。
――自分には、意外と隠れファンが多いのだ!
更に言えば、カレンは仲間を裏切るような真似はできないはず。故に井上は勝負に出た。
「さあ、どうするのかしら。カレン!」
「う〜ん……どうします神楽耶様?」
しかし、カレンは井上の挑発に乗らず、横にいる神楽耶に流した。
神楽耶は、ええ、と頷きさらりと告げた。
「一期で死んだキャラなんかに発言権はありません」
「「「ええーーーー!?」」」
●
「ふむ……」
ルルーシュは顎に手をかざし、ジェレミアから逐一送られてくる議事録のコピーに目を通していた。
特に興味は無いのだが、C.C.などの重要人物が参加しているのだ。一応状況を確認しておかなければならない。
複雑な心境の中、ルルーシュは議事録をめくっていく。
「しかし、まともに会議すらできないのか、あいつらは…」
議事録に書いてある通りならば、議会はかなり凄惨な状況に陥っている。
神楽耶の一期死亡キャラ除外発言を受け、暴動が発生。
その先頭に立ったのは一期で壮大な死を遂げたユーフェミア・リ・ブリタニアらしい。
「生きていたのか…?」
あまり深く考えない事にして、議事録の続きを読む。
ユーフェミアの反乱に、コーネリアも荷担したようだ。コーネリアにしてみれば、妹の虐殺の汚名を返上するどころか、死んだ事を返上されたのだから喜びも大きいのだろう。
支援
支援
※:ユーフェミア殿下が机の上に乗り、高らかに宣言。
『R2に反逆します!』
『ユフィの望みは私が叶えるぞ!』
『お姉様、私のためにライの名字をリ・ブリタニアにして下さるのですね!』
『なに?ユフィ、あんな脆弱な男はいらないだろう?それより私と――』
『虐殺!』
『ぎゃーー!!』
※:ユーフェミア殿下がコーネリア殿下を射殺。混乱が広がり、会議は一時中断。エニアグラム卿が組みかかる。
『コーネリア殿下ぁ!ユーフェミア殿下、おやめ下さい!』
『虐さ――』
『おっと!』
※:エニアグラム卿腹パンチ。しかしユーフェミア殿下は胸で防御。
『なに!?』
『虐殺です!』
『ぎゃーー!!』
※:エニアグラム卿が射殺される。
※:その後、紅月カレン及び紅蓮聖天八極式の協力でユーフェミア殿下を抑える事に成功。
『離しなさい、無礼でしょう!日本人のくせに!』
『私、最近乗り換えたばかりで輻射波動のボタンを間違えて押しちゃうのよね。えい』
『ぎゃーーす!』
※:輻射波動によりユーフェミア殿下死亡。整備のためにラクシャータが退場する。
そこまで読んで、一息。
ルルーシュは呆れてしまって言うべき言葉が見つからない。感想としては、
「よくもまあ、こんな物を淡々と書ける…」
ジェレミアの精神力は大したものだ。皇女が射殺されて尚、速記の手に狂いが無いとは尋常ではない。
彼にはこれからも期待しよう、とルルーシュは議事録を閉じた。
せっかくジェレミアが記録してくれた物だが、もう見るのも億劫だ。頭が痛い。
「イレギュラーにも程がある……」
支援
支援
最近カレンの腕がいいんじゃなくて
紅蓮が厨すぎなんだと思う自分が支援
せめてC.C.達が無事に帰ってこれるよう、ルルーシュは祈った。
「そういえば、ライはどこにいった?」
●
舞台は再び議場。
暴動は収まり、会議が再開される事となった。
反乱は失敗に終わり、神楽耶の宣言通り一期で死亡、または一期でしか出なかったキャラクターは議会から追放された。
ジェレミアが議事録にそれらの人物をまとめていく。
まずは井上が退場。
彼女は一期で死亡したため追放処分となった。
この時点で気付いたが、一期死亡の女性キャラクターは意外と少ない。
続いて、一期でしか出番がなかったソフィ・ウッドと壁子(仮)とカレン母の三人が退場。カレン母もいたのか。
因みにソフィはシャーリーの元ルームメイト。ギアスにもかかった事がある。
壁子は壁に傷をつけていた女の子だ。
ジェレミアは前もって、さり気なく壁子に近づいてギアスキャンセラーでギアスを解いておいたので、もう彼女はアッシュフォード学園に向かおうとはしないだろう。めでたしめでたし。
そしてラクシャータは自ら退場を申し出た。元からやる気は無かったようで、紅蓮の整備を理由に出て行った。
多少無理があるが、ラクシャータの処理は後付けだ。作者が完全に彼女の存在を忘れていたので急遽ここでの退場となった。
最後に――ユーフェミア・リ・ブリタニア、コーネリア・リ・ブリタニア、ノネット・エニアグラムが死亡。
話し合いの場でまさかの死人が出た事により、
「黙祷。……では再開しましょうか」
しかし神楽耶はあっさりと流した。
●
「で、これはどういう状況なんでしょう?」
議場の中心に備え付けられた椅子に座らされたライは、困ったように周りに意見を求めた。
C.C.が何を馬鹿な事を、と言いたげな表情をしながら答える。
「お前の名字を決めるためだ」
「え、何で僕のをみんなが勝手に決めるんだ?」
どんだけカオスだw支援
支援
ジェレミアさり気に善行を支援
「お前が何時までも特定の女を作らないからこうなる。フラグを立てるだけ立てといて……」
C.C.の文句に、皆がうんうんと頷く。
ライは「すみません……?」と自分が悪いのに納得できないまま、とりあえず謝る。
「でも、名字が一緒だからどうだと……」
「ステータスにはなる。他の女共よりかは遥かにリードした形になるからな」
「よく分からないけど……そういう物なのか?」
「そういう物だ」
C.C.が断言するので、ライは渋々そういう物かと納得する。
深く考えてもどうせ言いくるめられる事は分かっているのだろう。
で、とライは前置きをして、
「僕は何をすれば?」
疑問に答えるのはC.C.ではなく、少し離れた位置にある傍聴席に座る星刻だ。
「君は今回の議題の重要参考人だ」
「参考も何も当事者な気が……」
星刻はライの呟きを無視し、
「ぶっちゃけ君が選べ」
ぶっちゃけた。
●
「一番、マリーカ・ソレイシィです」
「どうも」
「あ、私としてはですね。その…あの……あぅ〜。ごめんなさい、何言えばいいか忘れちゃいました……」
マリーカがペコリと頭を下げる。アピールタイム終了。
これで終わりか?とライは疑問に、だが人数も多いし仕方ないかとも思う。
(しかしこれでどうやって選べと…)
ライはちら、と星刻の方を向く。すると星刻は何やら手元のボードに書いて、くるりと回してライに見せた。
『もじもじするのが可愛らしい。プラス10点』
(あの人はもう当てにしない…!)
ライはそう決意する。すぐに覆す事になるのだが。
支援
支援
そういや黒の騎士団オペ3人娘がいない?支援
「二番、リーライナ・ヴェルガモンです」
「ど、どうも」
「マリーカの先輩で、今はヴァルキリエ隊の一員として頑張っています。よろしくお願いします!」
ぴしっと姿勢を正しながらはきはきと喋る様子はどこか初々しく、ライは好感を持った。
ちら、と傍聴席の方を向く。すると各々ボードを見せてきた。
星刻『気を付けろ。あれは羊の皮を被った狼だ』
シュナイゼル『もう少し女性を理解しようね』
作者『CV.はゴトゥーザ様だぜヒャッホー!』
なかなか厳しい意見だ。ライは感心しながらリーライナの評価を改める。作者はもう手遅れだ。
「三番、モニカ・クルシェフスキーです」
「どうも…」
ナイトオブトゥエルブ、モニカ・クルシェフスキー。その力は未(ry
なぜラウンズが…という疑問はもはや遅いのか?とライは思う。今更だ。
そしてモニカのアピールタイムが始まる。彼女はもじもじと恥じらった後、
「え〜と、も、も……モニカビーム!」
(えええええええぇぇぇぇ!?)
突然のモニカの萌撃に、ライはどうしていいか分からない。
あまりの出番の少なさに、作者もどう書いていいか分からない。
(コメントは!?)
ライはもはや自分の力では判断が付かないと判断。傍聴席の方を見る。
作者『正直みくるはあまり…』
意外とストライクゾーンは狭いんだな、とだけライは思う。このちまーじょ好きめ!
星刻『吐血』
字で書く必要があるのかどうかは分からない。血文字なのが妙に生々しい。
(いったいどうすればいいんだ…)
●
モニカのアピールタイムが終了したところで、審議を含めた休憩タイムが15分ほど与えられた。
支援
オペ娘→双葉、水無瀬、日向
30分経過支援
各自思い思いの方法で時間を過ごす。
ライは議場にいると色々と厄介なのでトイレに非難。
外に出るとき、開いていた扉はきちんと閉めた。なんとここでドロテアが開けっ放しで走り去った時の伏線を回収。
傍聴席では、
「お疲れ様だ。ジェレミア・ゴッドバルト」
星刻が買ってきたオレンジジュースをジェレミアに渡していた。因みに星刻は烏龍茶だ。
だがもう何をしても星刻の格好はつかないと思う。
「いや、大した事ではない」
「ははは、その調子で後半も頼む」
「うむ」
●
会議も後半。
ライのおかげでスムーズに進行すると思われたのだったが、結果は予想以上の物であった。
まずライは、マリーカ、リーライナ、モニカの名字は結局却下する事にした。
三人ともここで退場。退場したんです。したことになりました。
そしてアピールタイムが再開される。
「カリーヌ・レ・ブリタニアよ!」
「はあ……どうしてあなたまで?」
「り、理由が必要!?」
「無いのでしたら今回はお引き取り下さい」
「ええーー!私の出番これで終わりー!?」
カリーヌ退場。続いて、
「ミーヤ・I・ヒルミックです!」
「却下させて頂きます」
「はやーー!」
支援
ミーヤ退場。さらには、
「ギゼルです」
「…………誰?」
これはライの疑問ではない。この場にいる全員が、金髪の可愛らしい少女に対しそう思った。
しかしライだけは違う。
「ギゼルさん……ごめんなさい」
「あ、いいのいいの。楽しそうだから参加しただけだし、ね?」
「ありがとう」
ギゼル退場。
その事実自体はおかしい事ではない。おかしくは無いのだが……。
三人官女までが首をかしげた。
――早すぎやしないか、と。
ライは基本的に受け身だ。たまに天然で積極的な発言をしてしまうが。
だからこそ、皆はライの言動が理解できない。別におかしくはない。だが、やはりライにしては決断が速い。
傍聴席の星刻は先ほどからボードを見てくれないライに少し苛ついているくらいだ。
「あ!」
そこにピンときたのはミレイ・アッシュフォードだ。
ミレイは立ち上がるやいなや腕を高々と上げ、
「カモン!」
指をパチンと鳴らした。
すると席に着いていた5人がライの前に立つ。各々ポーズをとって、
「「「「「幻惑部隊よ〜!」」」」」
幻惑部隊。ミレイがキューピッドの日の際、対ルルーシュ用に結成した特殊お色気部隊である。
その魅力的なスタイルと蠱惑的な瞳に、星刻は思わず前かがみになり、シュナイゼルは顎を尖らせた。
星刻はもう完全に壊れているが、だんだんシュナイゼルも意味不明になっている。
「これでどう!?」
ミレイは自信満々に叫ぶ。しかしライはぷい、とそっぽを向き、
「女体に意味はありませんっ」
「「「「「そんな〜!」」」」」
幻惑部隊惨敗につき、退場。
だがミレイは含み笑いを隠しきれずに、ライに向き直る。
保管庫にライ×モニが1作品あるのを記憶している。支援
支援
……誰? 支援
支援
ギゼルさんって本当に誰?
支援
いや、ミレイだけではない。議場にいる皆がどこか納得した表情をしていた。
「ふっふっふっ……」
「な、なんですかミレイさん…」
「もう正体はバレているわよ、ライ。いえ、篠崎咲世子!」
「!!?」
ライ、いやライに変装した咲世子は驚愕に目を見開いた。
(何故、バレたのでしょう…?)
ミレイが感づいたのは、ギゼルという少女のおかげだ。彼女は以前、咲世子のせいでルルーシュがデートをしたうちの1人。美術館でデートした3年B組の女子だ。
つまりルルーシュ及び、約束を取り付けたサヨーシュは彼女を知ってはいても、ライは知らないはずなのだ。
(仕方ありません……篠崎ライ、というのは魅力的ではありましたが)
咲世子の疑問は尽きないが、SP(忍び)たる者、正体がバレてしまっては敗北を認めざるを得ない。
「さすがですね、ミレイ様」
「まあね〜」
ミレイに挨拶を済ませ、ぼん、と煙幕をたて咲世子は消えた。
篠崎咲世子退場。
その様子を終始見ていた神楽耶は、感心したように手を叩いた。
「まあ、偽者だったんですね」
「その反応……もしや気付いていましたね、神楽耶様?」
「ふふ、アッシュフォードの娘もなかなか……まあ、おかげで大分減りましたわ。」
神楽耶は満足そうに退場リストを眺める。
これは牽制だ。簡単にアピールできたと思っても、罠が仕掛けられている可能性があるという事を示唆しているのだ。これで再び出にくくなる。
緊張の糸が再度張られたところに、しかしカレンがあれ?といった様子で言った。
「そういえば……本物のライは?」
●
・・・・・・・・・。
カレンの疑問に皆が首をかしげる。ライはトイレに行ったはず。そして戻ってきたときには咲世子だった。つまり…。
ググったら分かった。108人デートの一人。支援。
ヤフったけど忘却の彼方な人だった 支援
支援
よく調べたものよと支援
「私、トイレを見てくる!」
「いえ、私が行きますわ!」
「お前達は会議でもしていろ。ライの所には私が…!」
皆、下心満載でライの様子を見てこようとする。
しかしここで、会議での発言とは全く別の音が響く。ドロテアによって開けられ、ライによって閉められた扉が開く音だ。
「ライさんなら、こちらにおります」
凛、とした声が会場内を響いた。
伝わってくる気配は、静かなようで荒々しい。
その猛々しい存在感を放つ人物を見て、カレンが叫ぶように呼びかけた。
「ナナリー!?」
「そう大きな声で話さなくても聞こえていますよ、カレンさん」
立ち上がろうとした皆をナナリーは手で制し、そのまま手を顔の横あたりまでもっていき、パチンと鳴らす。
すると、ナナリーの部下がロープでぐるぐる巻きにされたライをぽい、と投げ捨てた。
「ライ!」
「待って下さい」
駆け寄ろうとしたカレン達の前に、ナナリーが移動する。とても車椅子とは思えないスピードだ。恐らくはエナジーウイングを装備している。
「ライさんの名字はヴィ・ブリタニアにしてもらいます」
ナナリーの迫力に圧倒されつつも、皆口々に反論する。
「そう簡単に認められるか!」
そう言ってナナリーに立ちはだかったのは、ここにきて千葉だ。恐らく、千葉はここで退場になる。そう、誰もが思った。
「ではどうしたら認めていただけますか?千葉凪沙さん(30)」
「ちょっと待て!最後に何を付けている!」
「まあまあ、それに認められないと言えば、あなたの方ですよ。千葉さん(31)」
「増やすな!」
●
支援
支援・・・
千葉さん・・・かわいいよ〜
ナナリーの登場により、皆のボルテージは最高潮に達したようだ。ジェレミアは黙々と議事録に記しているままだが。
「これが私の切り札さ、星刻」
「ふ…あんな小娘一人に何ができる」
「まあ、見ていれば分かるさ」
シュナイゼルと星刻は相変わらず仲が悪い。というより、完全に敵対関係にあるようだ。
先ほどから星刻が剣で攻撃を仕掛けているが、シュナイゼルは顎で受け止めている。気味が悪い。
『あなたにはライさんの名字を与える資格がありません、千葉さん(32)』
『資格だと?』
ナナリー達の会話を速記しながら、ジェレミアは若干首をかしげた。
資格、とナナリーは言ったが、基本的にR2本編に出ている者なら大丈夫なはず。
それをここで言うという事は、
(何かこの会議の根本を覆すような事実がある……)
ジェレミアの予想は正しかった。
ナナリーは達観した様子で説明を続ける。
『あなたの名字がライさんの名字になったらどうなると思います?千葉ライになるんですよ』
『それのどこに問題が……はっ!』
『気付かれたようですね。あなたは普段名字で呼ばれているのに、その名字がライさんにも付けられる。……ややこしいんですよ!!』
『なにーーー!?』
ピシャーーン!!と雷のSEをシュナイゼルが手元のタッチパネルを操作して鳴らした。
『それに“千葉ライ”とか“ライ・チバ”とか表記されたらどうです?日本語はダサいですね』
『なんだとーー!?』
再びピシャーーン!!と雷のSEが入る。そして千葉だけでなく、日本人全員が倒れる。よほどショックだったらしい。
だが、やはり事実である。千葉は千葉とSS内でも表記するのが一般的で、急に凪沙とするとやはり違和感が出る。ダサいかどうかは感性によるが。
『ダサいと言えば、中華連邦の名前も同じようにライさんには合いませんね』
『そ、そんな…!』
『しんくー…』
香凛と天子が倒れる。なんとここで中華勢までアウト。
アニメ本編をも超える超展開だが、そろそろ人数大幅削除のため、ナナリー(と作者)は鬼になる。
「天子様!」
「おやおや星刻、手出しはいけないな」
傍聴席から飛び出しそうになった星刻をシュナイゼルが顎で制す。繰り返す。顎で制す。
しえん
支援
レス数が1,2,3,4,5・・・
今、何時?
もう、10時だ。11,12,13,14
支援
ライ=雷じゃ違和感あるかもね支援
一気に騎士団側の戦力が減っていき、更には主君までやられてしまい星刻も流石に動揺している。
「くっ、兄妹そろって外道だな……」
星刻は歯ぎしりしながらナナリーを睨む。
しかしナナリーの暴挙は終わらない。その刃は味方であるはずの人物すら巻き込む。
『名字で呼ばれている点では、あなたも資格はありません。ミス・ローマイヤ』
『!!?』
ローマイヤは一言も喋らせて貰えず資格を剥奪されてしまった。R2での新キャラでありながら扱いはかなり酷い。
ジェレミアは不憫に思いながらも、議事録の退場リストに名前を加えていく。
千葉凪沙(33)、天子、周香凛、アリシア・ローマイヤ退場。
更には日本人である双葉綾芽、日向いちじく、水無瀬むつきもダサいと言われて退場。アニメ同様空気のような扱いだ。
「ん?」
そこまで議事録に書いて、しかしジェレミアは疑問に思った。
(皇神楽耶は……?)
議場に堂々と座っている彼女は、手元のボードに「ライ・スメラギ」やら「皇ライ」と書いて何やら確かめている。
『問題ありませんわね!』
やはり三人官女はタフだ。カレンもシュタットフェルトの名前を出してナナリーの攻撃をガードしている。
(まだまだ終わらないか…)
ジェレミアはため息をつく。その間にも、次々とナナリーの毒牙の犠牲者は増えていく。
●
・ヴィレッタの場合
「え、私は何も問題は無いかと……」
「ヌゥですよヌゥ。ライ・ヌゥとかダサすぎです」
ナナリーは容赦ない。
だが、皆もライ・ヌゥは無いわ…というような感想を抱いている。ナナリーを中心に議会の意思がまとまりつつあった。
「く……」
「あ、失礼しましたヴィレッタさん。そんなにダサくないかもしれません」
「なに?」
支援・・・
ナナリー…鬼だwww
ガン・ルゥ?失礼しました支援
顎wwww支援
しかしナナリーは前言を撤回する。申し訳なさそうに一言謝ってから、
「でしょう?ヴィレッタ・扇さん。それとも千草さん?……あら、やっぱりダサいですね」
バターン!とヴィレッタは卒倒する。
「待て待て待って下さい!私は扇とは…!」
慌てて弁解しようとするが、
「人妻は帰れー!」「人妻!」「人妻!」「人妻!」「人妻!」「子持ち!」「人妻!」
議会全員の人妻コールにより、ヴィレッタは退場を余儀なくされた。全て、扇のせいです。
・ミレイの場合
「あら、私には問題ないと思うけど?ライ・アッシュフォードもダサくないし」
「学校と被ってるので分かりにくいです。却下」
「え、嘘、これで終わり!?」
ミレイ・アッシュフォード退場。貴族制も廃止され、彼女には最近いい所が全く無い。
・ギネヴィアの場合
「お姉様の名字知らないんですけど」
「そうなのよねぇ……」
ギネヴィア退場。でも死んではいない。そうでは無いと信じている。
●
「我が妹ながら恐ろしいな」
ルルーシュは再び目を通し始めた議事録を一旦閉じて、持っていたカップの中身の紅茶を一気に飲み干す。
喉の奥にすっと気持ちのいい感触を通しつつ、ルルーシュは言った。
「そういえば、君は行かないのか?」
言葉の先、コンピューターを弄っていたセシル・クルーミーが振り向いて返答する。
「まあ……勝てるとも思えませんし。何より、蜃気楼の整備もしなくてはいけませんし」
「それもそうか」
ルルーシュは納得した様子で頷いた。セシルなら案外勝てそうな気がする、とは言わない事にした。
ナナリースゲー 支援
支援
えーーっ…セシルさぁんっ…出てください…。
いつの間にか千葉さん(33)にw 支援
「で、蜃気楼の改造はどうだ?」
「はい。陛下のご希望通りに、ボタン一つで守護領域全面展開機能、輻射波動、新型ヴァリス、エナジーウイング、エクスカリバー乱舞機能を搭載完了しました」
「かっこいいポーズは」
「現在30パターンまで」
「よし」
何がよしなのかは分からない。どんなにいい機体を用意しても、ルルーシュだから結果は見えているが。かっこいいけど。
●
そしてルルーシュが新たな境地に旅立とうとしていた頃――。
超合集国特別会議会場では、激しい舌戦が繰り広げられていた。
人数も少なくなっていて、逆にここまで残った者はかなりのレベルに達していて、なかなか倒れない。
縛られていたライはとりあえずジェレミアの下に避難していた。
今は、横にいる星刻とシュナイゼルの剣と顎の打ち合いを見てはしきりに感心している。
「だいだいC.C.の名前なんて分かんないじゃない!」
「言ったなカレン。おいジェレミア、ルルーシュを呼べ。名前を言わせる!」
「やっぱりいいわ。わざわざルルーシュを呼ばなくても分かるわよ、あなたの名前くらい」
「ほう……ではその小さな脳みそでよ〜く考えて言ってみろ」
「ピザでしょ」
「殺す!」
カレンは今までの鬱憤を晴らすべく、言いたい放題だ。
C.C.もC.C.で、いつもなら余裕な笑みで皮肉に返すところであるのに、カレンに食ってかかっている。
ぎゃーぎゃー言い争う二人の会話を小耳にはさんだライは思う。
(確かに、C.C.の本名ってなんだろう…)
今度ルルーシュに聞いてみよう。そう考えながら視線は星刻とシュナイゼルの戦闘に向けられている。
「フレイヤ皇女のあなたに、ライは相応しくありませんわ」
「あら神楽耶さん。10億20億の人間なんて、ライさんに比べたら大した事ありませんよ」
「ふふふ、全人類ごとライを愛する包容力こそ、真実の愛と言えるのでは?」
「浮気の言い訳みたいですね」
ナナリーと神楽耶の戦いも表面上は大人しいが、まがまがしい邪気の応戦が繰り広げられている。
蜃気楼魔改造w 支援
かっこいいポーズ30パターンwwww 支援
支援
女って…こんなもの…
「このままでは終わりそうにもないな……」
ライは議場を見て呆れたようにそう言った。ここまでくると、優柔不断な自分の性格は確かに悪いとも思えてくる。
それはそうとしても、
「どこが民主主義なんだろう…」
「そうよねぇ」
「うわあ!」
ライの呟きに少女特有のころころした声色で返事がくる。
ライは驚いて横を見ると、いつの間にかナイトオブラウンズの一人、アーニャ・アールストレイムがちょこんと座っていた。
「あら、そんなに驚かなくてもいいじゃない」
「驚くよ!……ってアーニャ?」
「な〜に?」
くりくりと目を輝かせ顔色を伺ってくるアーニャに、ライは違和感を感じた。
ライの知ってるアーニャはもっと無表情・無口・可愛いの三拍子が揃っている。三番目は成立しているかもしれないが兎に角違うのだ。
「君は誰だ?」
「あ、分かった?私マリアンヌ。ルルーシュとナナリーのお母さん」
「な、なんだって!?」
ライはしげしげとアーニャの体つきを眺める。いつものラウンズの服に着飾られた肢体は、どう見ても少女のものだ。
(とても二児の母とは思えないな……)
「なんかこの子に失礼な事考えてない?私、ギアスの力でアーニャの心に潜んでいたのよ」
アーニャ改め閃光のマリアンヌの説明に、「へぇ」とライは微妙に納得いかないがらもとりあえず感心する。他人の話にとりあえず乗っかるスキルをマスターしたようだ。
確かに、よく見たら目が赤く縁取られている。ギアスにかかっている証拠だ。
「でも本当にギアスの力で、閃光のマリアンヌさんが?」
「ちょっとその呼び方はやめてよ!それに今“目が赤く縁取られている”って確認してたじゃない!」
「いや、あれは地文だし……じゃあちょっと確かめてみていいですか?閃光のマリアンヌさん」
「だから、それで呼ぶのやめてくれる?……ま、確かめるのはどうぞご自由に」
ふんぞり返って腕を組んで待ち構える様子は、どこかルルーシュを思わせる。だが体はアーニャなので可愛らしさは抜けきれず、思わずライは苦笑した。
そんなライに少しムッとした閃光のマリアンヌに謝りつつ、ライは早速確認する事にした。
もう厨設定じゃなくて幼稚園児並の発想じゃ。
いっぱい武器付いてりゃ強いとかのw支援
少し考える素振りを見せ、ライは閃光のマリアンヌのいる方とは反対側に座っていた人物に、振り向き様に話しかける。
「ジェレミア卿、ちょっとキャンセラーお願いします」
「うむ」
「え!?ちょっ―――」
淡い青色の光がジェレミアを中心に広がり、球状の形をとる。
閃光のマリアンヌは何か言おうとして、しかし何も言えない。赤い縁取りが何度か点滅し、やがて消える。
そして自然と目が閉じられていき、閃光のマリアンヌは倒れた。ライは慌てて支える。この時、胸に手が当たるのはお約束だ。
「これでいいかな?ラッキースケベライ」
「今、マリアンヌさんの気持ちが少しだけ分かりました。ともあれ、ありがとうございました。速記の方を続けて下さい」
「心得た」
ジェレミアは頷いて、主君を滅した事など気にもせず、全力で議事録の速記を続けた。
●
「ん……」
「ああ、アーニャ。気が付いた?」
「ライ……?」
目を覚ますと、アーニャはライの膝を枕に寝かされていた。
何だか胸の重りがすっと抜け落ちたような感覚がするのは、ライの膝枕のおかげかもしれないとアーニャは思った。
しかし、頭がぼんやりしてどうしてライに膝枕されていたのか
支援
おー、マーニャ登場!!
「あにゃーん」って言ってくれ支援
少し考える素振りを見せ、ライは閃光のマリアンヌのいる方とは反対側に座っていた人物に、振り向き様に話しかける。
「ジェレミア卿、ちょっとキャンセラーお願いします」
「うむ」
「え!?ちょっ―――」
淡い青色の光がジェレミアを中心に広がり、球状の形をとる。
閃光のマリアンヌは何か言おうとして、しかし何も言えない。赤い縁取りが何度か点滅し、やがて消える。
そして自然と目が閉じられていき、閃光のマリアンヌは倒れた。ライは慌てて支える。この時、胸に手が当たるのはお約束だ。
「これでいいかな?ラッキースケベライ」
「今、マリアンヌさんの気持ちが少しだけ分かりました。ともあれ、ありがとうございました。速記の方を続けて下さい」
「心得た」
ジェレミアは頷いて、主君を滅した事など気にもせず、全力で議事録の速記を続けた。
●
「ん……」
「ああ、アーニャ。気が付いた?」
「ライ……?」
目を覚ますと、アーニャはライの膝を枕に寝かされていた。
何だか胸の重りがすっと抜け落ちたような感覚がするのは、ライの膝枕のおかげかもしれないとアーニャは思った。
しかし、頭がぼんやりしてどうしてライに膝枕されていたのか分からない。
アーニャは目を擦りながら起き上がって、周りを見渡した。
円卓に並べられた席は崩壊し、ナナリー、カレン、C.C.、神楽耶が殴り合いをしている。あ、話し合いだった。
少しだけ悩んで、アーニャはここがとりあえず元・議場である事を理解した。
●
ライが見守る中、アーニャは何度かきょろきょろと周囲を観察すると少しだけ頭を悩ませ、
「そうだ、ライの名字」
これにはライも若干呆れに似た感情が生まれた。君もか、と。
ジェレミア卿ーーーーーwww 支援
そういやマリアンヌいなかったなw支援
あにゃーん支援
「アーニャまでそんな事を…」
「駄目?」
「え、いや……」
小首をかしげて改めて正面から問われると、ライは断り辛い。
だが、ふと思う。
(別に断る理由が無い気がする……)
そもそも自分は名字に対してあまり関心は無い。一応はルルーシュに合わせてランペルージにしている程度だ。
(かと言って本当の名字もなぁ……)
かつての名前は、忌まわしい過去と共に捨て去ったとライは考えている。
だから、この世界では新たな名前でありたい、とは思う。
(みんなの言い争いが続くのも嫌だし、ここは僕がびしっと決めないと)
C.C.の言う通り何かのステータスになるのだとしても、アーニャは地位とかには興味がないだろうから皆も納得してくれるはず。
ライは何度か自分の考えに何らおかしい所が無い事を確認し、アーニャに向き直る。
「よし、名字をアールストレイムにするよ」
「ほんとう?」
目をぱちくりさせて、しかし素直に喜びを表すアーニャに、ライはしっかり頷いて答える。
「うん。……あれ、でもどうやって名字をアールストレイムにするんだ?」
「これにサインすればいい。とりあえず、ライ・ランペルージで」
「あ、分かった。意外と簡単だね」
ライは渡された紙にサラサラと名前を書き込んで、
「はい、アーニャ」
「ありがとう」
それはこっちの台詞だよ、とライが言おうとしたときだ。
「あーーー!!!」
突然後ろの方から発せられた大声に振り向けば、
「カレン……それにみんな」
「ちょっとライ!アーニャを選んだの!?」
「よりもよってアーニャさんなんて!悔しいです!」
「ああん、ライ!わたくしでは駄目なのですか〜!?」
カレン、ナナリー、神楽耶の平和的ハイテンションに思わずライはよろける。
支援
支援
漁夫の利www
ついに決着か?支援
(こんな調子でさっきから言い争ってたのか……)
感心すると同時に、ライは何だか悲しくなった。
「あの、別に構わないだろう?ライ・アールストレイムになったくらいで……僕は変わらないよ。僕は僕だ」
その言葉にぴたっ、と三人の言葉が止まった。
三人とも俯いてしまって、ライからは表情は読めないがぷるぷると体が震えているようだ。
何か間違った事を言ったか?とライは首をかしげていると、C.C.が呆れた様子で言った。
「お前……何にサインしたか知らないのか?」
「へ?」
疑問の声と共に振り返る。
ピースサインをしながらアーニャがひらひらさせていたその紙は…。
「こ…婚姻届!?」
思わず声を裏返しにして叫ぶ。
「あんたねぇ……何も変わらないですって?」
「か、カレン。みんなも落ち着いて!アーニャ、みんなに説明してよ。これは何かの間違いだ」
ライが促すと、アーニャはこくんと頷いて、
「子供は男2人と女1人がいい」
「あ、うん頑張るよ」
「あにゃ〜ん…」
2人の間を流れる甘い空気に、ぶちぃっ!とカレン達の血管が切れる音がした。
「「「ライ(さん)〜〜!!!」」」
「うわ〜〜〜!」
反射的にライは議場から逃げ出した。三人も、カレンの「追え!」というかけ声に合わせて散っていく。
カレンは紅蓮を呼び出し、神楽耶は黒の騎士団を総動員させ、ナナリーは物凄い速さで車椅子を回していく。
「助けてくれーー!!」
議場に伝わってきたのは、その性格ゆえ全てを失った悲しい男の末路の悲鳴であった。
ちょっwww 支援
でたーーーーーっ…。
あにゃ〜ん支援!!
結局こうなるのねw支援
●
「まったく、あの男は相変わらずだ」
C.C.はやれやれといった様子で肩をすくめ、適当な所に座りながら言った。
それを見てアーニャは不思議そうに話しかけた。
「あなたは追わないの?」
「まあ、それほど興味は無かったしな。暇つぶしに遊んだだけだ」
それにしては、本気で言い争っていたようだが。
「お前はどうするんだ?」
「役所に提出してくる」
アーニャはそう言って、婚姻届を大事そうに持って、てくてく歩いていく。
アーニャの足取りは軽い。
彼女はこれからライの妻になるのだ。嬉しくないはずがない。
ただ、それまでライが無事でいるかは分からないが。
議事録を書き終えたジェレミアは立ち上がろうとして、しかし再び聞こえてきた声を最後に書き加えた。
「誰か助けてくれーー!!!」
閉会
GJ!タイトルから何からこれはツボったwwwwww
満足…支援
支援
142 :
おまけ:2008/09/19(金) 22:08:26 ID:oBwVVkfh
§おまけ・星刻v.s.シュナイゼル
議場で舌戦が繰り広げられる中、二人の男が誰にも知られない戦いを続けていた。
理由は無い。ただどちらが強いかをはっきりさせたいだけ。
二人の動きは速い。
影が重なり、火花が散る。
残るのは音だ。
キィン、と金属が打ち合う音が響き、次の瞬間またキィン、と響く。
その音と火花が飛び散る世界で、星刻は思う。
――強い。
甘く見ていた訳ではない。だが、星刻の予想以上にシュナイゼルは素早かった。
(今まで実力を隠していたのか…!)
こちらの武器は己の体と、そして剣だ。
中華連邦の武官であった頃より愛用している、独特な意匠をもつ剣。
本来、剣は刀と違って斬る事を主眼に置かない。どちらかと言えば殴る感覚に近い。
何故なら人間の骨の強度は意外にも固く、通常の刃では2、3斬りつければ刃こぼれしてしまうからだ。
しかし星刻の剣はその常識を覆す。
斬るための剣。幾度打ち合おうと、特殊な合金で精製された刃はその切れ味を失う事は無い。
そうさせるのが名匠の剣であり、また星刻の技術だ。
故に星刻は自身の力に絶対的な自信を持っていた。
岩佐の小説でスザクと互角で、勝負に勝って試合で負けた的な状態になったのはちょっとした油断だ。その気になれば、百回殺せていた。
(しかし――)
その星刻を相手に、シュナイゼルは少しも引かない。
むしろ星刻が劣勢をしかれていた。
しかも相手の武器は、
顎。
鋭利に尖った顎だ。その顎が、星刻の剣を容易に受け止め、弾く。
何で出来てんだ、顎ww 支援
こっちかーっ…支援
ところで観るついでに保管庫漁ってたけども
>>88のss見つからないんだが教えてください支援
146 :
おまけ:2008/09/19(金) 22:10:10 ID:oBwVVkfh
顎はそう簡単に剣の軌道に乗せられる訳ではない。
だからこそ星刻は足元を狙って攻撃しようとするが、
「甘いね、星刻」
「くっ……!」
シュナイゼルは星刻の攻撃を距離をとる事でかわし、そして次の瞬間、距離を詰め攻撃してくる。
想像して欲しい。長身の男が、ステップ一つでいきなり目の前に現れるのだ。しかも、顎を突き出して。
どう考えても、怖い。
星刻は思わず剣で受け、しかしその衝撃で飛ばされる。
「おやおや、私の顎に恐れず反撃すれば、勝てたものを……」
「ちぃっ!」
星刻が剣を顔の後ろに引き、突き出すように構える。
それを見て、シュナイゼルは愉快そうに顎を揺らした。
「私の顎に、あえて突きで勝負するのかい?さすがだね、星刻」
「そっちこそ、作画崩壊の弊害かと思いきや、まさかこれほどの物とはな」
「降参するかい?」
「まさか!」
その一言で星刻は距離を詰めた。シュナイゼルと同じく、腰を屈め、ステップ一つで目の前に現れる。
対してシュナイゼルの動きはここで初めて後手に回る。突きの構えに合わせていたので、加速しようと足を引いたところを狙われたのだ。
しかし、星刻はその隙に突き出す事をしない。この距離まで詰めて、一撃でシュナイゼルを仕留めなければ、逆にこちらがやられる。
星刻はシュナイゼルの目の前で体ごと剣を大きく振りかぶって、下からアッパー気味に打ち上げる形をとった。
シュナイゼルにも星刻の意図は読めた。星刻は、自分の顎を砕く気なのだと。
星刻の大胆な行動に対してシュナイゼルがとる行動は一つ。頭を大きく振りかぶり、打ち下ろす形をとった。
星刻の剣とシュナイゼルの顎。二つの力は音を切り、風を切り、水蒸気の尾を引き互いに向き合う。
「「うおおおおおおおおおおお!!」」
そしてそれらが激突し重なった瞬間、世界が光をもって弾け飛んだ。
(´・ω・`)あにゃ〜ん…
ぐらっちぇ〜♪支援
あっはっはっはっはっはorz
終わりでーす。支援どうもアーンドお疲れさまです!読んで下さった方もありがとう!
最近投下がめっぽう少なくなったもっふーです。
次の投下ももっと遅くなるかと思います。ってなわけで連載物は全部一時中断させて下さい。
ロスメモとかプロット段階で60話越えたんで、纏まった時間がある時に書かないとなかなか終わらんのです。
すみません。しばらくはこうした実験的短編をたまーに投下するくらいです。もっふーも時間が無いときがあるのです。
ま!色んな人がいてくれてるから一人くらい減ってもみんな気にしないよね!
でも、ちょっとぐらい気にしたっていいんだからね!
〜まとめ〜
○結婚
アーニャ・アールストレイム
○退場
アリシア・ローマイヤ、井上、ヴィレッタ・ヌゥ、壁子、カノン・マルディーニ、カリーヌ・レ・ブリタニア、カレン母、ギゼル、
ギネヴィア、幻惑部隊、シャーリー・フェネット、周香凛、ソフィ・ウッド、千葉凪沙、天子、ニーナ・アインシュタイン、日向いちじく、双葉綾芽、
マリーカ・ソレイシィ、水無瀬むつき、ミーヤ・I・ヒルミック、ミレイ・アッシュフォード、
モニカ・クルシェフスキー、ラクシャータ・チャウラー、リーライナ・ヴェルガモン
○ライ追撃
紅月カレン、C.C.、皇神楽耶、ナナリー・ヴィ・ブリタニア
○欠席
セシル・クルーミー
○逃亡
篠崎咲世子
○死亡
コーネリア・リ・ブリタニア、ノネット・エニアグラム、ユーフェミア・リ・ブリタニア
○成仏
マリアンヌ・ヴィ・ブリタニア
○SS不参加
シスター
>>148 お疲れ様でした。
いやぁ、読み応えありました。
面白かったですよ…これは…。
ハーレムものという事だったんだけど、どうするかと思いきや…。
さすがです。完敗しました。
しかし・・・本当にお疲れ様でした。
次の作品も楽しみにお待ちしております。
(´・ω・`)あにゃ〜ん…
PS:セシルさーんっ…参加してよっ。
そけだけが残念です。
>>148 卿によってライアニャに目覚めた自分としては残念なお知らせですが、LCR2と同じく気長にお待ちしております。
最大限の感謝をこめてこの言葉を送ります、「超GJ!」
オォォォーーール・ハァァァイルゥ・もっふぅぅぅぅーーーーー!!!
>>148 ピンクもふもふ卿、GJでした!
大笑いしました、シュナイゼルとか、シンクーとか、ナナリーとか、シュナイゼルとか
ルルーシュとか、シュナイゼルとか、ジェレミア卿とか、シンクーとか、シュナイゼルとか、顎とか
長編なギャグ、素晴らしいの一言です!
どんなに遅くなろうとも、貴方の連載物や次の投下を全力を挙げて待たせていただきます!
>>148 乙&GJ!!!!!
すげー笑った。しえんと打つ手が震えるくらいにww
女性陣の仁義なき舌戦(一部本気の殺し合い)もさることながら、
合間に挟まれるルルーシュ陛下の冷静そうでいてやっぱりおかしいところとか
忠義のジェレミアの意外な働きっぷりとか
最後に全部持っていったシュナイゼル・顎・ブリタニアとか
本当に面白かった!
ありがとう!もっふー!またいつでも投下を待っています!
>>148 GJ!
大作お疲れ様でした。アーニャがリストにないのが不思議でしたが
最初から決まってたという事だったとは・・・
ないか。次の作品、お待ちしてます!!
>>148 お疲れ様でした。一気にスレが加速しましたな?
支援するのも楽しかったですよ
息継ぎなしで、一気に読ませていただきました。
いやー。本当テンポよく、さくさくいきました
GJ!
いま誰かいますか。いるようでしたら、投下します。
いますよ、支援します
支援します
はい支援しながらトーマス卿に連絡があります。保管庫の本スレ
へのリンクが23以降繋がってません。対処おねがいします。
お久しぶりです。
0024-0422 蒼を背負う銀糸の本 〜真実を記した書〜 の続編に当たる作品です。
タイトルは「続く道の先にあるモノ〜舞い戻る日まで〜」CP無しでジャンルはシリアス。
支援
支援
続く道の先にあるモノ〜舞い戻る日まで〜
特区が出来て、5ヶ月。
体調が良くなったので復帰を考えていた頃、政庁にいるノネットさんから電話があった。
「今日は飯要らないから。じゃっ仕事よろしく。」
僕は書類(自治領関係)の山と格闘中。いつの間にか肩書きが、領主代行に。
領民からは、銀さんと親しまれているみたいだ。
今日も現場に行き、そこで書類だけで足りない所を抑えて帰り、今後のために生かす。
その帰り道ふと思う。
徒歩と公共交通機関は正直キツイ。
そう思いながら、全ての仕事を終らせた。
晩飯を作ろうと、厨房に行こうとすると、
ノネットさんが帰ってきて料理を用意してあるみたいだ。
「遅いぞライ。」
「何があったんですか?」
「何って、御祝いだ。」
「おめでとうございます。」
「私じゃない。お前の御祝いだ。」
「あの、何の御祝いですか。」
「まずこれを」
そう言って手渡してくれたのは、IDカードだ。
名前欄には、『ライ・エニアグラム』
現在住所はここになっていた。
「これは一体。」
「ライ、気にするな。一応、エニアグラム家の長男だ。お前はもう、天涯孤独じゃないんだ。ライ」
その言葉は、僕の心の奥の氷を溶かしていった。
「アリガトウございます。」
「さっパーティーだ。」
そう言ってノネットさんは手元にあったシャンパンをイッキ飲みした。
支援!
支援
支援
「言い忘れてた。」
「何がですが?」
「明日付けで御前軍に復帰しろ」
「それはどういう意味で。」
「お前次第だがな。コーネリア殿下が明日からこっちに来るみたいだ。お前の体調が大丈夫ならちょうど良いからな。」
「分かりました。今まで御世話になりました。」
「おいおい、お前の家はここだぞ。」
「そっ、そうでした。これからも宜しく御願いします。」
「明日から復帰するというこで、殿下に連絡しておくよ。」
「お願いします。」
支援
次の日の朝
政庁の執務室
「失礼します。」
「入れ。」
「本日より、コーネリア殿下の親衛隊に復帰することになりました。ライ・エニアグラムです。宜しく御願いします。」
「遅いぞ。この脆弱者。」
「スミマセン。」
「ふっ許せ。冗談だ。無事でなにより。怪我は大丈夫なのか?」
「はい。今のところは。」
「こっちでの行動は報告が入っている。これを見る限り、腕は鈍っていないようだな。」
「以前程ではありませんが、一応は。」
「わかった。早速ですまないが、これからお前に、ブリタニアからの客将として、旧エリア11、行政特区日本へ行ってもらいたい。
向こうにダールトンがいる。その任務の引き継いで貰いたい。これが今回の任務内容の関連資料だ。」
僕はその資料を受け取った。
「しかし、殿下、自分は、処分中の身では。」
と恐る恐る尋ねると、殿下の隣にいた、ギルフォード卿が、
「確に。君は処分を受けた身だ。だかそれは、過去の事。今は軍務に復帰している。
それに、そんな事を考る暇があるなら、早く、支度して、行け。」
「ギルフォードの言う通りだ。早く、特区に言ってこい。」
「イエス、ユア ハイネス」
という事で僕は急いで、家に帰り、長期出張に必要な荷物を急いでまとめ、ノネットさんにさっきの事を話た。
「わかった。気を付けろよ。」
「はい。」
「あと、これ、お前宛てだ。」
と言って、小さな小包を渡してくれた。
送り主は、この間の被災者達の一人からだ。中には、地元工芸品の銀の懐中時計だった。
「じゃっ、行ってきます。」
「行ってこい。」
そう言って、僕は特区日本行きの飛行機に飛び乗った。
支援
支援
その頃特区代表執務室。
代表は本国と連絡をとっていた。
「元気そうだな。ユフィ。」
「はい。お姉さまも元気そうで。」
「今日、ダールトンの任期も近いから変わりの客将をそっちに送った。」
「どんな方ですか。」
「文官の仕事もこなせる優秀な奴だ。」
「楽しみですわ。」
「明日政庁に向かうそうだ。」
「今日此方に向かわれたのでは。」
「本人の私的用事があるらしい。」
「そうですか。そろそろ会議なので、」
「そうか。じゃあな。」
そして、代表は会議に向かった。
支援
支援
以上です。とりあえず、最終章前編的な扱いで。このシリーズはとりあえず、
次の作品で完結します。
次回作のアイディアは、有れど、文にならない。
ライをEUで戦わせようかな。オリ機で…
でも文にならない orz
今日はこの辺で。
乙でした〜うーん心が優しくなる作品でした。ユフィとの再会が気になりつつ次回
の投下をお待ちしております。
>>176 御錬師卿、GJでした!
銀さんの文字に目が死んでる侍を想像した俺は自重すべきだと思う
クライマックスへと着々と近づいているようで次が非常に楽しみです
貴公の次の投下を全力をお待ちしております!
いいですね〜こういう雰囲気とっても好きですよ。次で終わるのがちょっと寂しいですけど、楽しみに待ってますね。
>>160 移転作業でそこらへんの更新は凍結するってトーマス卿が言ってた。明日の夜を待とうよ。
まだどなたかいらっしゃいますか?
00:25頃に投下したいのですが。本文は10レス分あります。
支援は全力で!
ありがとうございます、では投下します。
前回投下時に「次回はユフィものにする」と言いましたが、
ごめんなさい、こっちが先にできました。『虫食い同好会』シリーズです。
作者:余暇
タイトル:新たなる力
(注意)
・すごくカオスです。
本文は10レス分あります。
支援
しええん
『新たなる力』
ここはプラント団のアジト。首領ドン・ウーの前で、一人の女性が険しい顔をしていた。
「オデュッセウス殿下、私にそのような遊びに参加せよと?」
「い、いやドロテア。これは遊びではないんだが、植物を守るためのれっきとした…」
「何が月下マンですか!もはや遊び以外の何物でもありません!」
彼女はナイトオブフォー、ドロテア・エルンスト。ドン・ウーことオデュッセウスに勧誘されていた。
「よろしいのですか、エルンスト卿?そのようなことをおっしゃっても。」
「モ、モニカ!まさかお前までこのようなふざけた遊びを!」
ドロテアは「信じられない」といった表情で、モニカを見つめた。
「これは遊びではありません。虫から植物を守る崇高な戦いです。トップはものすごく頼りないですけど。」
「酷いよモニカ。僕だってそれなりに…」
「殿下は黙ってて下さい、話が進みません。」
「はい……。」
もはや皇族の威厳など、あったものではない。
「もしエルンスト卿がプラント団入りを拒否されるのであれば、あの時撮った
エルンスト卿の恥ずかしい写真を公開しますよ?」
「何?……ま、まさかあの時の!?」
モニカの言う写真とは、以前行われた『ラウンズ対抗一発芸大会』の時の物。
その時ドロテアだけでなく、複数のラウンズが暴走したために、撮られた写真は永久にお蔵入りになったのである。
そしてその写真は、カメラ係だったモニカが保管していた。
「やっ、やめろ!それだけは……!」
「では、プラント団に協力していただけますね?」
モニカが勝ち誇ったような笑みを浮かべる。まさに悪女だ。
「くっ!仕方がない、これもラウンズとしての名誉のため。」
こうしてここに一人、新たな団員が誕生した。
支援!
「うむ、めでたいな。早速祝杯を…」
「ドン・ウー様、昼間からお酒はやめて下さい。もっと重要な話があるでしょう?」
モニカにあっさり却下され、ドン・ウーはしょげてしまった。
「ニーナ、いらっしゃい。」
モニカに呼ばれて現れたのは、ニーナと、そして……。
「おい、こいつは確か中華連邦の……。」
ドロテアが、長髪の大男を見て驚きの声を上げた。
「そう、彼は黎星刻。このニーナが開発した『プラント・レンジャー・システム』、略して『P.R.S.』の被験者第一号です。」
「『P.R.S.』、だと?」
「このシステムは、装着者の力を何倍にも増幅させる、月下マンに対抗して私が開発したものです。
ただシステムの力が強すぎたのか、星刻さんは意識を乗っ取られています。」
「月下マン…倒す。同好会、破壊する!」
ドロテアは驚いていた。このニーナという少女が、こんな危険な物を開発したという事実に。
「ではドン・ウー様。明日、月下マンを倒してきます。」
「ああ、モニカ。いい報告を期待してるよ。では前祝いで…」
「だからお酒はダメですって!」
「あ、あのモニカさん、落ち着いて……。」
ドロテアは、しょげ返る皇族様、無礼講のラウンズ、オロオロする研究者を見て、深いため息をついた。
(大丈夫か、この集団?)
支援
「暇だ……。」
ここは虫食い同好会のアジト。卜部さんが気力の抜け切った顔をしている。
「仕方がないでしょう、冬で虫がいないんですから。」
僕は今日だけで何度、このやり取りをしたんだろう。
「あのー、いつの間に冬になったんでしょう?私、この間は麦わら帽子にワンピース姿で
ポスターの写真を撮ったので、夏だったはずなんですけど……。」
「マリーカ。この世には『聞かないお約束』というものが存在するの。例えば、ついさっきまで手ぶらだった人が、
突然巨大ハンマーを振り回した時とかね。その場合、『どこに隠し持っていたんですか?』って聞いちゃいけないの、わかる?」
緑茶を飲みつつ、リーライナさんがマリーカに説明する。マリーカの疑問ももっともだが、リーライナさんのその例えもどうだよ。
「なるほど。ありがとうございます、先輩!私、また一つ賢くなりました!」
それで納得するのか、純粋な子だなあ。
「そういえばリーライナ、ルキアーノはどうした?見かけないが……。」
ゼロがリーライナさんに尋ねた。
「いけない!ルキアーノ様が昨夜の飛行機で本国に帰る予定だったこと、皆さんに伝えるのを忘れていました!
ルキアーノ様から聞いていたのに、すっかり頭から抜け落ちちゃって……。」
「そうか、見送りたかったな。残念だ。」
「リーライナさん……。相手は一応ラウンズで、あなたの上司なんですけど。」
僕の脳裏に、見送りなしで寂しく帰るルキアーノの姿が浮かんだ。
哀れとしか言いようがない。僕は心の中で、彼に謝罪した。
支援
「ねえスザク。さっきセシルさんが置いていったコレ、何?」
仕事前にセシルさんが差し入れしていったオスシを見て、カレンが怪訝そうな表情をする。
「本人はお寿司のつもりらしいよ。食べられたものじゃないけど。」
「はあ!?これがお寿司ですって?彼女、日本のこと絶対勘違いしてるでしょ!」
スザクの返答に、カレンがあきれる。
「僕だって間違いを指摘したいけど、いつも嬉々としてオスシを出すセシルさんを見ていたら、何だか言いづらくて。」
「せっかく特区が成立して、日本の名が復活したのよ!だったら正しい日本文化を…」
その時、アジトの外から声が聞こえた。
「出てきなさい、月下マン!今日こそ決着をつけるわよ!」
「むっ、誰かが俺を呼んでいる!」
卜部さんは颯爽と出ていった。
「あのー、今の『月下マン』って何ですか?」
マリーカが首を傾げている。
「あー、何と説明すればいいのやら。とりあえず、外に出ればわかるよ。
いや、あまりのカオスっぷりに、かえって混乱するかもしれないけど。」
「大丈夫ですよ、ライさん。虫食い同好会が世界に展開したり、ルキアーノ様の存在感が希薄になっている時点で、
とっくにカオスですから。『もう、何でも来い』って感じです。」
僕が説明に窮していると、リーライナさんがさらりとこんなことを言った。
ありがとう、リーライナさん。あなたが大らかな人で良かった。
支援
そして僕たちが外に出ると、モニカとニーナ、さらには見慣れない女性が一人いた。
「我が名はドロテア・エルンスト。本来はこんなことに加担はしたくないのだが、やむを得ん事情があるのだ、悪く思うな。」
「エルンスト卿!?ナイトオブフォーまでプラント団に……。」
スザクが驚きの声を上げる。またラウンズか、いい加減感覚がマヒしてきた。もう驚かないぞ。
「月下マン。今日のあなたの相手はこいつよ。出てらっしゃい!」
モニカに呼ばれて出てきたのは…星刻さん!?どういうことだ、何故彼がプラント団に?
「星刻さん!アンタたち、彼に何をした!彼は虫食い同好会のメンバーだぞ!」
「フフフ。月下マン、彼はもうあなたの知っている黎星刻ではないわ。
ニーナが開発した『プラント・レンジャー・システム』によって改造された、プラントマンよ!」
ニーナ、君はまた変な物を開発したな。しかも月下マンの次はプラントマンか。僕も月下マンだけど。
「さあ、星刻。月下マンを倒しなさい!」
モニカの声に反応し、星刻さんがポーズをとった。
「変身!」
星刻さんは光に包まれ、青いスーツを身にまとって現れた。
「我が忠義、天子様のために。我が名は、シェンフーマン!」
「……あれ?」
モニカが呆気にとられた。僕たちも言葉を失う。確かプラントマンでは……?
「あ、モニカさんごめんなさい。このシステムを身につけても、必ずしもプラントマンになるとは限らなくて、
彼は中華連邦で神虎(シェンフー)に乗ってるから…」
「だからシェンフーマン!?そういうことは先に言いなさいよ、赤っ恥かいたじゃない!」
「ひいっ、ごめんなさい、ごめんなさい。」
「本当に大丈夫か、この集団?」
真っ赤な顔をしたモニカに、ニーナが叩かれている。そしてそれを見るエルンスト卿が、頭を抱えている。向こうも大変だ。
支援
「報国変身、月下マン!」
「Z・E・R・O・ゼーロー!『魔神零式』、装着!」
卜部さんとゼロが変身した。
「ゼロが何かを開発していたのは知ってるけど、卜部さんが変身って……。」
「な、何が一体どうなってるんですかぁー!?」
「まるで特撮ヒーロー物ね。退屈しなさそうでいいけど。」
カレンとマリーカは呆気にとられ、リーライナさんは緑茶をすすっていた。
リーライナさん、どうしてそんなに落ち着いていられるんですか。
「星刻、お前みたいにまともな奴が同好会にいなければ、歯止めがきかんのだ。よって私がお前を目覚めさせる!」
ゼロ、その「まともな奴」の中に僕は入っているのかい?流れからして、入ってなさそうで不安なんだが。
「星刻さん。また一緒に虹色のアリを追い求めるために、俺はアンタを止める!」
卜部さん、また露骨な嘘を。
「天愕覇王荷電粒子重砲!」
星刻さん、もといシェンフーマンの胸部に膨大なエネルギーが集約し、僕たちに向けて放たれた!
「うわーっ!」
全員が吹き飛ばされ、気がつくと、動けるのは僕と月下マンだけだった。
僕は怒りを覚えた。またみんなを巻き込んだ彼らに、そして仲間を守れない自分に。
「変身!グランド月下マン・月下フォーム!」
僕はグランド月下マンに変身した。これ以上、仲間を傷つけない、傷つけさせない。
「卜部さん、行きますよ。」
「ああ、隊長殿!一緒に戦うのは初めてだな、腕が鳴るぜ!」
「月下マン、お前を…倒す!」
僕たちは、シェンフーマンに突撃した。
支援!
「うおお!」
月下マンが廻転刃刀で斬りかかり、シェンフーマンがそれを避けた所へ、僕が左腕の輻射波動で襲いかかる。
「もらった!…って、何!?」
シェンフーマンは僕の左腕をいとも簡単につかみ、投げ飛ばした。そして僕は、地面に叩きつけられた。
「ぐあ!何てパワーだ……。」
「隊長殿!仕方がない、文句を言われるのを覚悟で、アレを使うか!」
すると月下マンは、ポーズをとった。
「大変身!月下マン改め、斬月マン!」
何と月下マンの背中に翼が生え、髪が伸びた。何だか強そうだ、でもその設定は……。
『説明しよう。月下マンはエネルギーをフルチャージすると、大変身して斬月マンになれるのだ。
そのパワーは月下マンの比ではない。だが斬月は、R2で私が乗る機体だ。
よって、これだけは言わせてくれ。卜部、この泥棒猫があ!』(by藤堂さん)
「ほらやっぱり、藤堂さん怒ってますよ?」
「わかってるさ、隊長殿。でもこれくらいいいだろう?向こうの世界では、俺は一瞬で退場しちまったんだから。」
卜部さん、そういうことはあまり言わない方が……。何だか悲しくなります。
「とにかく、この力で星刻さんを止める!」
卜部さん、もとい斬月マンは、制動刀を持ってシェンフーマンに突撃した。
支援
支援w
「うおおお!」
斬月マンが制動刀をシェンフーマンに振り下ろした。シェンフーマンはそれを、真剣白羽取りで受け止める。
「何!」
「もらった!」
「まずい!このままでは天愕覇王荷電粒子重砲の餌食だ!こうなったら、実戦で使うのは初めてだけど、
密かに特訓していたアレをやるしかないか!」
斬月マンのピンチに、僕は立ち上がった。
「右手にクラブパワー、左手に月下パワー。そして…融合!」
僕は両手にそれぞれのフォームの力を結集させ、最後に両手を合わせて力を融合させた。
「大変身、フュージョンフォーム!」
僕は両方のフォームの力を併せ持つ、フュージョンフォームになった。
『説明しよう。フュージョンフォームは二つの能力を一つに合わせることで、1+1=さぁん!の勢いで能力をアップさせた、
すごいフォームなのだ!』(by藤堂さん)
「藤堂さんが、藤堂さんがアホになってしまった!俺はこれからどうすれば……。」
「落ち着いて下さい、卜部さん。ただのお茶目ですよ。『奇跡の藤堂』と呼ばれた男がお茶目というのもアレですけど。」
このフュージョンフォームは、あまり長い時間は使えない。速攻で決着をつける。
「卜部さん、制動刀を離して!」
卜部さんもとい斬月マンが刀を離すと同時に、僕は可変式輻射波動ライフルを放った。
「くっ。」
シェンフーマンは紙一重でこれをかわす。だが、最初から当てるつもりなどない。
僕はフルスロットルでシェンフーマンに突撃し、渾身の蹴りを放った。
「うおおお!」
「ぐああ!」
以前の倍以上のスピードで突進してきた僕の蹴りをまともに受け、シェンフーマンは吹き飛んでいった。
支援!
「ぐ、ゴフッ。そろそろ限界か……。」
体が限界に達したらしく、シェンフーマンが吐血した。
「星刻、あなたは退却しなさい。ここは私たちが!」
モニカ、ニーナ、エルンスト卿の三人が、花型マシーン『ラフレシア』に乗って僕たちに襲いかかってきた。
「隊長殿、一気に決めるぞ!」
「はい、卜部さん!」
僕たちは『ラフレシア』に突撃した、そして。
「斬月マン・ライトハンドストレート!」
「ファイナル輻射クロー!」
二人の息が合ってるのか合ってないのかよくわからない攻撃で、『ラフレシア』は吹き飛んだ。
「結局私たち、今回何もしてないじゃない!やっぱり悪役は損よ!」
「モニカさん、一応悪役という自覚はあったんですね……。」
「頭が痛くなってきた。私はラウンズだぞ、毎回このような役回りをせねばならんとは。」
そして、『ラフレシア』は星になった。
「卜部、ライ。いつか必ず、お前たちを倒す!」
星刻さんもどこかへと立ち去っていった。
「やったな、隊長殿。」
「ええ、卜部さん。」
僕たちは互いの拳を合わせた。
「本当に特撮ヒーロー物そのまんまね。なかなか面白かったけど。」
見ると、リーライナさんが瓦礫の上に座り、緑茶をすすっていた。
「……って、ずっと見ていたんですか!?全然気づかなかった。」
「ええ、ずっと気絶しているのもヒマですから。」
そう言って笑うリーライナさん。よく今の今まで狙われなかったな。ていうか、モニカたちも気づかなかったのか。
リーライナさんって何者なんだよ。
いずれにせよ、星刻さんは敵となった。だがみんなを傷つけるわけにはいかない、
みんなを守るために僕は戦う。僕はそう心に誓った。
支援
支援
支援
ここはプラント団のアジト。モニカたち四人が、ドン・ウーと対面していた。
「申し訳ありません、ドン・ウー様。また倒せませんでした。」
「いいよ、モニカ。君たちが無事で良かった。しかし、君たちだけが危険な目に遭うのは不公平だな。」
その言葉を聞き、ドロテアの顔色が変わる。
「殿下、まさか御自ら……!」
「ああ、ドロテア。次は僕が直々に出るよ。ニーナ、例の物はできてるかい?」
「はい。『ロイヤル・プラント・レンジャー・システム』、略して『R.P.R.S.』は間もなく完成します。
しかし、いきなり実戦運用というのは危険だと思いますけど……。」
ドン・ウーは静かに笑って言った。
「いや、いつまでも君たちに頼りきりではダメだと思うんだ。僕にだって何かできるはずだ。変えたいんだよ、自分自身を。」
「見事だ、ドン・ウー。私も力を貸そう。」
「ありがとう、星刻。助かるよ。」
いつもより七割増しでカッコいいドン・ウーを見て、モニカは呟いた。
「そううまくいくかしら?それこそ一兵卒から始めるくらいでないと……。」
「うう、酷いよモニカ。ここでそのネタを使うのかい?」
「我が忠義、天子様とドン・ウーのために!」
「星刻さんは『P.R.S.』に心を支配されたみたいね。これで少しは出力も安定するかしら。」
「辞めたい、もう全力でここから逃げ出したい……。」
『ついにプラント団に寝返った星刻。虫食い同好会メンバーは星刻の心を取り戻すことができるのか。
そして次回、ドン・ウーがついに自ら動き出す。決戦の時は近いのか、それともさらなるカオスへと突き進むのか!?
次回、ご期待下さい。日本、万歳!』(by藤堂さん)
「さらなるカオスだと!?やめてくれ、私をこれ以上苦しめないでくれ!」
「いい加減諦めましょうよ、エルンスト卿♪」
「うるさい!」
支援
以上です、こんな夜遅くまで支援ありがとうございました。
さて、ドン・ウー様をどんな悪役ヒーローにしようか……。
さて前に書いた『妖精リーライナさん』ですが、
思ったよりウケが良かったみたいなので、第二回を執筆中です。近いうちに投下します。
マリーカものも書かないといけませんが……。
乙でした〜今回もキャラの暴走っぷりが最高でした。
ドロテアさんの不幸ぶりも良かったんで発端となったラウンズ対抗一発芸大会が
読みたくなりました。是非!
では次回の投下を楽しみにしています。
>>208 乙&GJ!!
カ オ ス w
藤堂さんのナレーターが前回は聞けなかった(オーディションだっただから)ので
改めていいツッコミだと確信しましたw
敵も味方も人数が増えてまとめていくのが大変そうですが、適当な省き方がGJです!
ゼロ、変身しても出番が一瞬だしww
リーライナさんはこちらでもいいキャラですね。
寝る前に面白いものを読ませてくださってありがとうございます!
いい夢が見られそうだ!
次回も楽しみにしています!
>>208 余暇卿、GJでした!
敵に回ったシンクー、キレたりアホになる藤堂さんw
なんたるカオスwww
そして、次回出撃ウー様!
期待するしかないじゃないか!
貴方の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
保管庫が全然更新されてないけどどうなっているんですか?
もふの領地行ってもありませんでした。
■画像掲示板アップしました■
タイトル「184卿に捧ぐ…」
0021-0271 ロスカラさん 第1話 黒の騎士団
もし文庫本化したらシリーズ第2弾!!
注意) キャラクターのイメージを大事にする人は、やめといたほうがいいかも…。
まぁ、笑って許しちゃうよという方でしたら、よかったら見に来てくださいね。
>>212 管理人卿にだって都合があるんだから責めるようにいうのは止めようね
>>212 現在、倉庫移転の為、更新作業停止中です。
20日中には終わるそうなので、少し待ち増しようよ。
しかし…どんなになるんだろう…。
定期的に出るなこの手合い
別に責めてはいません。ただ、そういう重要なことは前もって言ってほしかっただけです。
>>217 前々から何度も書いてましたけどね管理人さんは…。
ちなみにこのスレだと
>>38に書いてあります。
確認してないのを管理人さんのせいにしてはいけないよ。
落ち着け、そして煽るな
割り切れよ、でないと荒れるぜ?
すいません、完全に僕の落ち度でした。頭冷やしてきます。
管理人さまへ。なんかひどいこと言っちゃったけど応援してます。
>>220 いえ、こちらこそ言い方悪かったですね。
すみません…。
>>220 ドンマイ、まあ次から気をつければ。
俺としては、前スレでトーマス卿が言ってた諸刃の剣なシステムってやつがめちゃめちゃ気になる。
でかい権限を与えるとか何とか…みんなは何だと思う?
>>222 投稿した本人が作品登録と修正が出来るとか…。
そういう事だったりして…。
前から言ってた的なことが書いてあったはずだから、
ずっと実装が見送られていた感想システム系じゃないのかと思うんだが……
諸刃って言ってたし
権限とかがどういうことかは、ちょっと想像つかないけど、
BBS的なものつけるんだとするなら、その管理権限かな〜?
投下したいのですが誰かいますか?
4レス程度ですが一応支援をお願いします。
支援します
どうも、ブランフォードです。新しい短編が出来ました。
僕の人生初のカップリングが出来ました!それは、
C.C.→ライ×咲世子 です!
上手く出来ているのかは自信がありません。
内容としては、第2次トウキョウ決戦の前の話しです。……多分
タイトルは、約束・前編です。4レスくらいあります。
前編ということは、後編もありますので後編は出来次第投下します。
それでは、どうぞ。
しえん
トウキョウ租界の政庁があった場所に大きな穴が出来ていた。水道管が破裂し、水が流れ大きな水溜りが出来つつあった。そんな様子をただ呆然と見ている1人の人物がいた。
彼の名はライ、黒の騎士団で紅月カレンと共に騎士団の双璧と呼ばれていた。彼は今、自らの愛機である『月牙』のコックピットの中にいた。彼は今なにを思うのか……きっと、作戦行動前に自らの勇気を振り絞って告白した、篠崎咲世子の安否であろう。
――作戦行動前――
僕は今、ゼロの……いや、ルルーシュの黒の騎士団内の自室にいる。僕のほかに咲世子さんとロロとジェレミア、C.C.そしてルルーシュの5人が集まっている。さて、とルルーシュが口を開く。
「今回の第2次トウキョウ決戦だが、ブリタニアとの決着をつけるものではない。あくまでも、ナナリーの奪還を優先させる」
どういうことですか? と、ジェレミアがルルーシュに尋ねる。
「俺たちは戦いこそするがそれは囮だ。真の目的は戦いで混乱させている最中にナナリーを咲世子とロロに奪還させる」
僕はここで思った疑問を口に出してみる。
「ルルーシュ、カレンの救出はどうするんだ?」
「あぁ、それも含めてこれから全て話す。それぞれ、適当なところに腰を掛けてくれ」
みんなが適当な場所に腰を掛ける。ジェレミアが壁に寄りかかる姿勢で話しを聞き、僕と咲世子さんとロロは空いてるところに腰を掛ける。すると、C.C.はどうすればいいのか分からないのか、オドオドした様子で僕らの方を見ていた。
「C.C.こっちにおいで」
僕は優しく声をかけるとC.C.は嬉しそうに僕の隣にちょこんと座った。正直、僕は信じられなかった。あんなに気丈なC.C.がこんなに弱々しくなるなんて……。
「よし、皆座ったな? これより今回の作戦の詳細を説明する―――」
支援
231 :
約束・前編:2008/09/20(土) 15:17:32 ID:MBuBYmcp
「――以上だ、これで作戦の説明を終了する。私は、これから他の騎士団にも説明をしてくるが意見はないな?」
僕はとりあえず気になったことを聞いてみた。
「ルルーシュ、ナナリーの救出のことは言わないんだな?」
「当然だろ? 咲世子とロロにはカレンの救出に行かせるとみんなには言うさ、他に意見はないな? よし、解散!」
各々が持ち場へ散っていく、僕は咲世子さんに声をかけた。
「あの、咲世子さん」
咲世子さんは僕のほうに振り返り、何でしょうか?と、尋ねてくる。
「とても、大切な話しがあるんです。咲世子さんの準備が終わったらでいいんで格納庫のほうに来てくれませんか?」
「はい、分かりました。なるべく早くに行きますね」
咲世子さんは笑みを浮かべながら、ルルーシュの自室を出て行った。僕も出て行こうとしたら、C.C.に袖を掴まれた。
「ん? どうしたんだ、C.C.?」
「あの、ライ様も―――」
僕はC.C.の手前に人差し指を持っていき――
「様はやめてって言ったよね?」
「あ!ご、ごめんなさい!……ラ、ライさんも戦いに行かれるんですか?」
突然、そんなことを言うから僕自身驚いてしまった。
「うん、戦うよ。ここにいるみんなのためにね」
「わ、私も一緒に……」
「いや、それはダメだ。危険すぎる、君はただ僕たちの帰りを待っていてくれればそれでいいよ」
僕はやわらかくC.C.に諭す。C.C.も理解したらしく、こくんと頷いた。
「ごめん、僕そろそろ行かなきゃ。待ってる人がいるんだ」
そう言って、僕はルルーシュの部屋を後にする。
「ライさん……―――」
C.C.が何かを言ったような気がしたが、僕には聞こえなかった。
支援
233 :
約束・前編:2008/09/20(土) 15:20:12 ID:MBuBYmcp
僕は格納庫へと急いだ。そこには僕が長年想い続けいた女性……咲世子さんが待っているからだ。そして、格納庫に着くと僕は周りを見回した。…………いた。そこには任務用の服を着た咲世子さんが立っていた。
「咲世子さん」
思わず声をかける。そして、僕のほうに咲世子さんは振り向いた。
「ライ様、大事なお話しとは何でしょうか?」
さっそく、本題を聞いてきた。僕は意を決して想いを伝えることにした。
「僕は……咲世子さんが好きです」
「え?」
咲世子さんは驚いた様子で僕のほうを見てくる。それもそうだろう、年下の男にいきなり告白されているのだから。
「あ、あの……ライ様? 今の言葉は本気ですか?」
「はい、本気です。冗談で僕はこんなこと言えません」
僕は、この気持ちに嘘はありませんと言葉を続けた。
二人の間に沈黙が続く、そして、先に言葉を発したのは咲世子さんであった。
「何故、私なんですか?」
咲世子さんは冷静さを取り戻してきたのか、そう聞いてきた。
「ただ、純粋に惹かれたんです。それだけじゃ、理由になりませんか?」
咲世子さんは考え込んでいる。
「理由は分かりました。でも、私はいつ死んでもおかしくない身……そんな私に惹かれてしまうのは、あまりにもライ様が可哀相です」
「だからですよ」
「え?」
「だから、僕はあなたが好きになったんです。自分の命より、他人の事……そんな優しさが僕が惹かれた原因でもあるんです」
そして、僕はもう一度言う、狂いのない、真っ直ぐな瞳で
「咲世子さん、僕と恋人になってくれますか?」
「ライ様……こんな私で良ければ、私のほうこそお願いします」
死亡フラグ支援
235 :
約束・前編:2008/09/20(土) 15:23:02 ID:MBuBYmcp
ライは一瞬何を言われたのか分からなかった。しかし、その目からは涙が零れていた。
「ライ様!?」
「あ、れ? う、嬉しいのに……な、涙が止まらないんです」
「ライ様……」
咲世子さんが優しく僕のことを抱きしめる。安心しきった僕は長年の想いが叶ったことに嬉しくて、涙がしばらく止まらなかった。
「すいません、男なのにこんなに泣いちゃって」
「いえ、大丈夫ですよ。私も嬉しいです」
咲世子さんは僕に笑顔を見せる。僕も、自然と笑顔になった。
「ライ様、そろそろ……時間のようです」
「そうみたいですね。……咲世子さん!」
「はい、何でしょう?」
「絶対に帰ってきてください、それだけが僕の願いです」
「分かりました、ライ様のために必ず、生きて帰ってきます」
そういって、お互いに唇を重ねた。長く、それは続いた。
「――それでは、行ってきますね」
「はい、無事に帰ってきてください……約束ですよ?」
咲世子さんは返事の代わりに笑顔を見せてくれた。そして、それが彼女と僕の最後の会話であった。
支援
切ない
支援
以上で投下終了です。
最後までありがとうございました。さて、この後どうしようかな…。
なんでも言ってください。今後の糧にしますので。
それでは、また次の投下に会いましょう!!
乙でした。
支援
乙でした。
フレイヤ後のライの慟哭を思うと……。
咲世子さんは原作だと生存してるはずだから、ジェレミアに代わって病室でイチャイチャして欲しいんだZE。
>>238 うわー…いいところで…。
ここで切られたら、生殺しですwww
しかし、文章の流れが綺麗ですよね。
読みやすい…。
だが、その分、もう少しボリュームが欲しいと思うのは私だけでしょうか…。
するっと読める分、物足りなく感じてしまう気がします。
なんかこういう事書いてますけど、面白かったので余慶そう感じました。
でもGJです。
続きも楽しみに期待して待っています。
>>238 ブランフォード卿、GJでした!
ライ、戦いの前に告白という死亡フラグ。
後半がとても気になりますが、「最後」の一文が……
記憶喪C.C.が何を言ったのかも気になるところですね。
続きを期待して、貴方の次の投下を持っています!
どなたかいらっしゃいますか?
投下したいのですが、予告含めて11レス程度使用しますので支援して頂きたいのですが・・・。
支援しますよ
有り難うございます。ではその前に例の如く注意書き等を少々。
タイトル 〜 胎動(後編)〜
カップリング 無し
前作 〜 胎動(中編) 〜 の続きになります。
話の根幹は黒騎士ルートを通ってのR2準拠ですが、もう色々と破綻してますので、
出来ればIF物として読んで頂ければ幸いです。
以下注意点
●暗いお話。
●王様ライの性格は微妙。相変わらず自分の想像が入り過ぎてます。
●ロロの設定も性格もオリジナル入ってます。
●相変わらず、ライもV.V.も皇帝も黒いです。お好きな人はご注意下さい。
では、投下行きます。
支援
〜胎動(後編)〜
ロロとの出会いより3日後、嚮団内に一室をあてがわれたライは、皇帝から送られて来たゼロに関する資料を熱心に読み耽っていた。
机の上に積み上げられた膨大な書類。
それはライの姿を隠してしまいそうな程の量だったが、彼は黒皮の豪奢な椅子に深く身を沈めると、平然とした様子で書類を読み進めていく。
そこに記されたゼロの姿。それは皇帝の話しに聞いた以上に興味深い人物だった。
ゼロ、黒の騎士団なるテロ組織を率いた謎の男。
幅広い視野で戦場を見渡し、悪魔的とも言える戦略を駆使して、帝国に幾度と無く煮え湯を飲ませた男。
各地のテロ組織やイレブンを蜂起させたトウキョウ租界での決戦、ブラックリベリオンにおいても、武勇の誉れ高いコーネリア皇女に重傷を負わせたという。
しかし、その後の行動が不可解だった。
捕虜の話によれば、戦局は優性であったにも拘わらず、部下に理由を告げずに突然戦線を離脱したと言う。
数多の戦場を駆け巡ったライにとって、王を失った軍がどうなるかなど考える必要も無い事だった。
その結果、彼らは当然の如く瓦解し無惨な敗北を喫した。
そう言った意味では、重傷を負ったにも拘わらず、ライは戦闘終了まで自らの負傷を隠し続けたコーネリアに賞賛を与えるべきだと思った。
そんな事を考えながら、机上にあるカップを手に取ったライは、中に注がれた紅茶を飲み干す。
すると、直ぐ側に従っているロロが直ぐさま代わりの紅茶を注ぐ。
そうしてロロは何事も無かったかのように、ライの様子を飽きる事なく見続けている。
そんな甲斐甲斐しく仕えるロロの姿を横目で見たライは、――どうやら名を与えたという事は想像以上に心を掴んだようだな――と、心の内でほくそ笑むと、
ロロに向けて笑みをつくる。だが、その笑顔は口元は笑っていたが、瞳には一切の優しさなど持ってはいなかった。
それはまともな人間が見れば、冷笑以外の何でも無いような笑みであったが、ロロにとってみれば、任務が成功した時に見せてくれたV.V.の笑みと同じ。
それに喜びを見出していたロロにとって、ライの笑みが気になる事などある筈も無く、寧ろこんな事で喜んでくれる事に喜びを見いだしていた。
支援
V.V.がどれほど渇望しても決して与えてくれなかった名を、目の前にいる灰銀色の青年は、いとも間単に当然のように与えてくれた。
ライが微笑む度に、自分が役に立っている事が実感でき、ロロの心に嬉しさがこみ上げて来る。これ程の幸せは今のロロには考えられなかった。
だが、やがて離れなければならなくなる。
ライと会う前に、既に自分が行う任務は聞かされており、機情への顔見せも済んでいる。その結果、長い任務になる可能性を認識していた。
その事でロロはライと離れる事に一抹の寂しさを抱きながら彼の横顔を見つめていると、不意に部屋の壁に取り付けられた巨大なスクリーンが僅かな起動音と共に点灯し、
幼さの残る顔立ちをした少年、V.V.の顔が映し出された。
それを見たロロは頭を垂れて敬意を示す。V.V.の事も嫌ってはいなかったのだ。
親も家族も居らず、他に行く所が無かった自分を拾ってくれたのは、他ならぬ彼だったのだから。
V.V.はそんなロロの仕草を一瞥した後、我関せずといった様子で書類を読んでいるライに話し掛けた。
「やあ、捗ってる?」
「お前が話し掛けるまではな」
「相変わらず辛辣だね」
手元の書類から視線を移す素振りも見せず、吐き捨てるように言ったライからの皮肉たっぷりの台詞に対して、V.V.は笑みを絶やす事無く、
まるで世辞を言われたかのように軽く受け流した。
「暇潰しなら他の奴をあたれ。私は忙しい」
「ゼロが着いたんだよ。一応知らせておこうと思ってね」
その言葉を聞いた瞬間、ライの書類を捲る手が止まった。そうしてライは書類から眼を離すとゆっくりとV.V.に視線を向けると、
「感謝しよう」
彼にしては珍しい言葉を発した後、少々拍子抜けした様子でいるV.V.を余所に、ライは無造作に書類を放り投げて席を立つと出口に向かって歩き出した。
すると、そんなライを見たロロは慌てた様子で問い掛けた。
支援
「あ、あの…どちらへ?」
「ゼロに会いに行く。ロロ、間もなく任務を開始する事になる。準備をしておけ」
「はい……分かりました」
ライは立ち止まると振り向く事無くそう告げた後、再び歩み始めた。が、それを聞いた時、ロロは遂に来てしまったと思い視線を床に向けて押し黙った。
扉の開閉する音が聞こえ、ライが出ていったのを確認したV.V.はそんなロロの姿を一瞬見咎めたが、やがて何事も無かったかのようにモニターを切った。
一人、部屋に残されたロロの心の中には――この幸せな時が終わりを告げてしまう――その事に対する寂しさが渦巻いていた。
認めたくは無かった。しかし、どうする事も出来ない事だと分かっていた。今のロロには、静かに拳を握りながらじっとそれに耐える事しか出来なかった。
いや、それしか術を知らなかったのだ。
―――――――――――――――――
ライは嚮団施設にある遺跡を使って帝都まで向かうと謁見の間の前で一旦立ち止まった。
彼にしては珍しく足早にここまで来た。フッと一息吐き僅かに乱れる呼吸を整えると、流行る気持ちを押さきれなかったのか、勢い良く扉を開けた。
そうして広間に進んだライの視界に三人の人物が映った。一人は言うまでもなく皇帝。あとの二人のうち一人は床に俯せになったまま、微動だにしない。
最後の一人は茶色の癖毛の青年だった。突然の訪問者であるライに驚いたのだろうか。青年は睨みつけるような瞳でライを見つめていた。
実際は、睨んだ訳では無く逆光が眩しかったからそのような眼になってしまったのだが、その事を知らず、純粋にその眼が気に食わなかったライは、
威嚇の意味も込めて青い炎を身に纏わせると、
――あれがゼロか?
その青年の足下に拘束服を着せられて俯せになっている黒髪の青年に向けて歩みを進める。
大抵の人間ならば、今のライから発せられるその雰囲気に、逃げ出すかその場から動けなくなるのだが、その青年は恐るべき勇気を持って立ちはだかろうとした。
――見上げたものだ。
青年の勇気を認めたライは素直に感心したが、同時に少々嗜虐的な気分になった。
支援
支援
――どこまで耐えられる?お前の胆力を見せてもらおうか。
そうして何とも趣味の悪い考えを巡らせながら、悠然とした足取りで歩み寄る。
「陛下、お下がり下さい!!」
「構わぬ……して、何用か?」
青年の心は未だ折れず。必死な声色で上申するが、皇帝からの相も変わらぬ平然とした問い掛けに興を削がれた気分になったライは、纏っていた青い炎を消すと、
同時に青年に対しての興味も消え失せた。
そうして、今は皇帝の問い掛けに答えるよりも、目の前のゼロと呼ばれる男に
興味が戻ったライは、片膝を付き意識を失ったゼロの髪を掴み、顔を引き上げた。
「この男がゼロか」
男の顔を見たライは努めて冷静な感想を口にした。そう言って暫しの間じっくりと観察するように覗き込んだ後、
「若いな、しかしこの歳で我らに反逆するとはな」
素直な感想を口にした。まさかこれ程まで若いとは思わなかったのだ。あれ程の戦略を練る男だ。ライは、もっと狡猾な面構えをしていた。
例えるなら蛇のような男を想像していたのだが、現れたのは端正な顔立ちをした、自分と同い歳程度にも見える黒髪の青年だった。
自分が抱いたゼロの幻想をあっさりと否定されたが、不思議と不快には思わなかった。寧ろ自然と笑い声が漏れた。
ライは凍り付くような声で一通り笑った後、ゼロの髪を静かに放しゆっくりと立ち上がると、問い掛けの答えを待っているであろう皇帝に向き直る。
そして、まさか待ち望んでいたなどと言える筈も無かったライは、いつもと変わらぬ態度で答えた。
「ゼロなる者が如何ほどの男か、少し興味が湧いたのだ」
その答えに、彼の心中を見破ったのか、皇帝は愉快そうな顔を浮かべた。
それを見たライは、片眉をピクリと動かした後、何が可笑しいのかと文句の一つでも言ってやろうと口を開いたが、突然横から聞こえた声に耳を疑った。
「ラ…イ…?」
驚いて声がした方を振り向くと、先程の青年が動揺を貼付けた表情で見つめていた。
支援
支援!
ライは、まだV.V.と皇帝以外では知る筈の無い自身のもう一つの呼び名を、何故目の前の青年は知っているのか理解出来なかった。
二人からは既に幾度となくそう呼ばれ大分慣れてはいたものの、会った事も無い青年に突然その名を呼び捨てにされて我慢出来る筈が無く、
射殺しかねない瞳を向けると冷気を帯びた声で問い掛ける。
「誰だ?貴様は」
ライの問いに、一瞬身体を強張らせた青年は、それ以降語る事無く押し黙ってしまった。
だが、そんな態度をライが許す筈も無く、ライの双眸に紅い色が浮かぶと、それを見た青年は驚愕した表情を張り付けると、唇を震わせながら呟いた。
「そんな……君もギアスを持ってるなんて……」
「何だと?」
その台詞はライの限界を容易に越えさせた。痺れを切らしたライが青年にギアスを使おうとした瞬間、
「止めよ!!」
いち早くライの行動を察知した皇帝の言によって、彼はまたしても止められる事となった。
「枢木よ、ルルーシュを連れて退出せよ」
――ルルーシュ?ゼロの名前か?
「Yes……Your Majesty」
皇帝の言葉に枢木と呼ばれた青年は気を失っているゼロを担ぐと、覚束無い足取りで退出していった。
扉が閉まると直ぐにライは説明を求めた。
「どういう事か説明してもらおうか。何故、あの男は私の名前を知っていた?それに、お前はゼロの正体を知っていたのか?」
「ゼロの正体は我が息子。名をルルーシュという」
「お前は私に自分の息子を監視させる気か!?」
平然と語る皇帝に、ライは嫌悪感を覚えた。それは親のする事とは思えなかったからだ。
その言葉を聞いた時、ライは母と妹を護ることを放棄した――認めたくは無かったが――自身の半身を構成する男の事を思い出し、怒りが体中から吹き出すのが分かった。
支援
だが、皇帝からは答えが返って来る事は無かった。
「悪趣味な奴め」
ライは侮蔑の意味も込めて辛辣な言葉を口にした。
だが、その発言にも皇帝は眉一つ動かす事無く、険しい表情を浮かべながらただ一言、
「付いて来るがよい」
そう言うと踵を返して歩き出した。
―――――――――――――――――
「またここか……」
黄昏の間でライは項垂れるようにそう呟くと、怒りを抑えながら皇帝からの説明を待っていた。
「これから話す事は他言無用」
皇帝はライにそう釘を刺すと話し始めた。
一通り聞いた後、ライの怒りは治まっていた。
「兄弟を殺し、親をも殺そうとするのは、ブリタニアの名を冠する者の宿命か?」
ライはルルーシュの行いを嘗て自分が行った事と照らし合わせて言った。だが、その口調は恐ろしく軽かった。
まるで罪とさえも思っていないような口ぶり。いや、実際彼は何とも思っていなかったのだ。
そう言ってライは軽口を叩いた後、以前の疑問を一度に聞く良い機会と考え、ゆっくりとした口調で問い掛けた。
「ルルーシュにギアスを掛けたのか?」
「如何にも」
その答えをライは無表情で受け止めた。別段、驚く事ではなかったからだ。推測通り、やはり持っていたかといった程度。
しかし、同時に何かがおかしいと思った。その為、自分の問いにこうもあっさりと答える皇帝に、ライは、ここでさらにもう一歩踏み込んだ問いをぶつけるか悩む。
が、僅かに間をおいた後、意を決した彼は、恐らく聞き流されるであろうと思いながらも、一番答え辛いであろう事を尋ねた。
支援
「お前のギアスはどのような力だ?」
「…………記憶を書き換える。安心せよ、御主の母と妹の事には一切触れていない」
「なっ!?」
それは一瞬の沈黙であったが、皇帝は事も無げに言い放った。聞き流されるであろうと踏んでいたライにとって、流石にその答えは予想外だったようで、絶句してしまった。
更に、皇帝はそうなる事を予測した上で、ライを落ち着かせる為に念を押すように語ったのだが、彼にしてみれば、そのような事を言われても何の確証も無い。
「……それを信じろと?」
そう言うとライは無言で皇帝の瞳を覗き込む。
皇帝もまたライの瞳を覗き込むかの様に敢然とした態度で見返した。
「嘘では無いだろうな?」
王であった頃に嫌がおうにも培った洞察力を駆使して、僅かな動揺も見逃すまいと睨み付けながら尋ねたが、皇帝の瞳には一切の動揺が浮かぶ事無く、濁り無き瞳で見返した。
ライにとって、その瞳は少なく見ても嘘を吐いている者の眼には見えなかった。
確かに、その事で確証を得れたと言うのは余りにも危険かもしれない。しかし、どれ程問い掛けようと、恐らくこれ以上は言う事は無いだろう。
「いいだろう……一定の信は置いておく。その上で聞こう。どこを書き換えた?」
更なる追求は無駄と悟ったライだったが、やはり一度抱いた疑念をそう簡単に払拭出来る筈も無く、怪訝な口調を滲ませながら話題を変えた。
「御主が目覚めたのは今回が初めてでは無い」
「以前一度目覚めており、その時の記憶を消したという事か。それだけか?」
「気にならぬのか?」
「前の記憶に未練はあるかという問いならば未練は無い。私にとって何よりも大切な記憶は母と妹。二人と過ごした日々。そして私の過ちのみだ。
それに……二人以外で私に大切な者が出来る筈も無いからな」
そう答えたライは、どこか寂しそうな表情を黄昏の空間に向けて答えた。彼の灰銀色の髪が金色の夕日に照らされて眩く光る。
支援
支援
出来る筈が無い。二人こそが自分にとって何よりも大切な存在。
そんな自分の心に宿る二人を押し退ける事が出来る存在が居たなど、今の彼には想像する事さえも不可能だったのだ。
そんなライの横顔を見た皇帝は、満足げな笑みを浮かべた後、正面に向き直ると暫しの間、二人は一言も言葉を交わす事無く、ただ雲海の彼方を眺めていた。
やがて、頃合いかと思ったのか、不意に皇帝が語り出した。
「ルルーシュを決して殺させるな。御主の部下とやらにも徹底させよ」
その言葉に意識を戻されたライは、一つの疑問が瓦解していくのを感じた。
――それなりに大切に思っているという所か?
それを言葉にする事はしなかったが、ライは何となく皇帝の心の内が見えたように思えた。
ライは無言で頷くと、それを見た皇帝は、努めて冷静に今回の本題中の本題でもある事を告げた。
それらを聞いたライは、ここに来てから初めて心の底から笑った。哄笑(こうしょう)と呼ぶのだろうか。
暫しの間、黄昏の空間に透き通るような笑い声が響いた。やがてその声が消えると、目尻を僅かに潤ませながら呼吸を整え終えたライが、笑みを浮かべながら感想を口にした。
「……どうやら、本格的に退屈せずに済みそうだ」
目尻に浮かぶ雫を拭き取る事も無く笑う。皇帝はそのライの妖艶とも言える笑みを無言で見届けた後、再び語り出す。
「必要な物は後で届けさせる」
「1つ目は戻り次第直に始めよう。だが、二つ目はどうする?」
「エリア11は復興に今暫く時間が掛かる。それに彼奴の回りを固める必要もあるのでな。行動を起こすにしても時が必要。早くても一週間後になる」
「分かった。では、戻って準備しておこう」
そう言ってその場から去ろうとする自分を無言で見送る皇帝に対して、ライは先程とは別人であるかのように陰惨な笑みを浮かべる。
「部下とは親密になっておく必要がある。今のままでは付け焼き刃にもならないからな」
―――――――――――――――――
支援!
支援
1週間という期間はあっと言う間に過ぎて行き、今日はロロの出発の日。
この日が来るまで、ライはこれまで以上にロロを側に置いて自らの存在を植え付けていった。
そして、それに呼応するかのように、ロロにも感情の発露が見られるようになった。
いや、以前のロロを知っている嚮団の人間からすれば別人のように見えただろう。しかし、ライにとっては満足出来るレベルには達していない。
彼の中では、何とか付け焼き刃になった程度の認識でしかなかった。
だが、それも無理からぬ事と言える。ライは二人以外の、ましてや赤の他人に愛情を注ぐ術を知らないのだから。
だが、ライと行動していたからだろうか。彼に対しては絶対に無かったが、ロロが他者に対して単刀直入な発言や高圧的な態度を取る姿を度々目撃しており、
それとなく自分の言動と似てきたようで、何となく妙な気持ちを抱いていた。
「それでは、行ってきます」
施設内のメインホールとも言える場所で、背後に巨大なギアスの紋章が赤々と輝く扉を背に、子供達に囲まれて深紅の玉座めいた椅子に深々と腰掛けて、
脚を組んで頬杖をついているライに対して、ロロは寂しそうな表情を浮かべると名残惜しそうにそう告げた。
片やライは、そんなロロを見て、落ち着かせるかのように頬を僅かに緩ませて笑みを作る。
だが、相変わらず瞳は笑っておらず、冷笑めいた笑みを浮かると抑揚の無い声で命じた。
「任務を復唱しろ」
「はい……僕はルルーシュ・ランペルージの弟役。ルルーシュを監視し、あくまでも接触して来たC.C.を捕らえる事が任務です。その為、ルルーシュの殺害は厳禁とする事」
ロロは先程見せた表情を消すと、ライに命じられるがまま淡々とした口調で復唱する。
ワザとそうした表情を作りながら語るのならば上出来だと言いたかったが、ライはそれが未だに直らぬ地の部分だと知っていた。
だが、今更どうにもならない。
「機情との連携については?」
「取る必要は有りません。任務が優先されます」
「定時連絡は?」
「絶対厳守です。その他の連絡にも、何があっても応じる事」
明確な意思を宿した薄紫の瞳を浮かべながら、ロロはライからの質問を流暢に返して行く。
ライとしても、それについては及第点をやっても良いと思えるものだった。
支援
「いいだろう。最後に一つ、言っておく事がある」
「何でしょうか?」
「ギアスの事は誰にも知られるな。機情でギアスを知っているのはヴィレッタ・ヌウという女だけだ」
「その女以外に知られた場合はどうしますか?」
ロロのその問いに対して、ライは何も答えなかった。ただ、壮絶な笑みでもって返すのみ。そう、それだけで十分だったのだ。
「分かりました。その女以外に知られた場合は消します。可能性がある場合も同様に」
ロロは先程とは打って変わって陰惨な笑みを浮かべると、さも嬉しそうにそう答えた。
これについては、ライは満点に近い点をやっても良いと思える程だった。
「いい答えだ。では行け」
ライは口元を僅かに釣り上げて冷笑を浮かべながらそう命じると、ロロは軽く頭を下げた後、出発しようと背中を向ける。
「ロロお兄ちゃん!気をつけてねー!」
「行ってらっしゃーい!!」
すると、ライの側に居た子供達が、手を振りながら屈託の無い笑みを浮かべて自分達の兄に見送りの言葉を掛けた。
「いい子にしてるんですよ」
ロロは振り向いて微笑を浮かべながら、彼らに対して軽く手を振った後、出口に向けて歩いて行った。
後ろ髪引かれる思いだったが、決して振り向く事はしなかった。何よりも、ライから与えられた任務だったのだから。
――絶対に成功させるんだ。あの人の為にも。
ロロの耳に聞こえる弟達の声が徐々に小さくなっていく。そうして、遂には聞こえなくなった。
暫く歩いて施設の出口付近まで来た時、ロロの眼に小さな人影が映った。
「何だか凄い気迫だね?ロロ」
「……V.V.」
影の正体は、嚮団の主でもあり、ロロにとっては育ての親とも言える存在。V.V.の姿だった。
「行ってきます」
そう言って、ロロは頭を垂れた後V.V.の側を通り過ぎようとしたが、不意に呼び止められた。
支援
「僕の方からも一つ言っておく事があるんだ」
まさかV.V.から労いの言葉を聞けるのかと内心喜んだロロだったが、その期待は直に裏切られる事となった。
「ルルーシュの記憶が戻ったなら、ゼロが復活したなら、殺していいよ。でも、C.C.の捕縛は最優先だよ?」
「っ!?で、でもあの人は……」
先程の気迫は何処えやら。全く違う命令を告げられて狼狽した様子でいるロロに対して、V.V.は品定めをするかのような瞳で見つめながら問い掛けた。
「ロロ、君の本当の主は誰?」
「それは……V.V.です」
「いい答えだね」
ロロの瞳に動揺の色が広がる。それを認めたV.V.は、安心させるかのように穏やかな口調で告げた。
「彼との未来が欲しいなら、それは忘れてはいけないよ?」
「っ!!……分かり……ました」
その言葉は楔となり実に的確にロロの心に突き刺さった。V.V.からの命令を受けると言う事は、ライの言葉に逆らう事になる事は分かっていた。
しかし、V.V.の言葉もまた。ロロにとっては絶対だったのだ。それに、逆らえば下手をするとライにも危害が及ぶかもしれないとも思った。
だが、ライは自分達の同士であり、更に言うなら弟である皇帝と何よりもV.V.自身がライを気に入ってるのだ。
そこまでする事は無いのだが、そのような事をロロが知る筈も無かった。
――やるしかないんだ。あの人との未来の為にも……。
そう心に堅く誓ったロロは、再び頭を垂れた後、出口に向かって走り去って行く。
そんなロロの後ろ姿を、V.V.は三日月を浮かべながら見送った。
支援
支援
出鱈目な次回予告?らしきもの
薄暗い部屋の中、一人の女がソファーの上で頭からシーツを被り、両膝を抱えて僅かに生気を感じさせる瞳で画面を流れる映像を見つめていた。
目尻に浮かぶ川の後が痛々しい。その川は干上がる事無く時折流れ落ちて、彼女の両腕に小さな雫を作る。
それは、おそらく彼女の人生で最も幸せだった頃の映像。
画面の中の彼女は、振袖を着て幸せそうに笑っていた。その隣に居る灰銀色の髪をした男性もまた同じように屈託の無い笑顔を浮かべている。
だが、彼はもう居ない。
「C.C.紅月の様子はどうだ?」
「卜部か……以前よりは大分落ち着いているな。食事もちゃんと摂るようになったが……」
「復帰は未だ無理か」
「何か後一押しあれば好転するやもしれないが」
「あと一押し……」
「何だその顔は?まるで、あると言っているようなものだな?」
「あるにはある。彼の……最後の……通信記録だ」
「代わり映えのしない映像より、余程刺激的だな。それを寄越せ」
――済まないな、ライ。お前を利用する事になる。だが、カレン。お前はここで終わるような奴じゃないだろう?いや、終わってもらっては困るのだ。
C.C.は心の中で彼女にしては珍しく詫びの言葉を呟いた後、無言で立ち上がると部屋を出て行った。
支援
以上で投下終了です。
1レス増えました。申し訳ないです。
現在、迷走しながら暴走中・・・。
明日の本編が怖いです。せめて、書く気が沸くような話であって欲しいなー。
感想・批判・ご指摘など、何でもいいので頂けると嬉しいです。
最後に、支援して下さってありがとうございました
>>277 お疲れ様でした。
いやぁ、読み応えありましたねぇ。
重々しい雰囲気が伝わります。
しかし、どうなるんでしょうね。
次回以降が楽しみな展開ですね。
>>明日の本編が怖いです。せめて、書く気が沸くような話であって欲しいなー。
ほんとですよね。
だが、その納得できない本編のおかげでifもの書こうという気になるんだからなぁ…、私の場合…www
だから、本編がどんなでも続き書いてくださいね。
期待してお待ちしております。
最後に…GJでした。
>>277 ライカレ厨卿、GJ! でした!
ラストのカレンに……泣けんでぇ!
ルルーシュの記憶書き換え直前なかんじでしょうかね
あと、ライになつくロロをルルーシュが陥落出来るのだろうか
読み終わって息をつき、その後の満足感、GJでした!
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
……で、ライは子供達の名前は決めたのかな?
>>278 ありがとうございます。
確かに、自分も本編が納得出来ないのと、玉職人の方々の作品に当てられて書く事決意したので。
何とか完結まで持って行きたいのですが、本編準拠する上で、何度も見返さないといけなくて、
その度にモチベーション落ちるんですw
何とか頑張りたいなー。
>>279 ありがとうございます。頑張りたい・・・と思います。
>あと、ライになつくロロをルルーシュが陥落出来るのだろうか
一応考えてます。というかあれしか考えられなかったのでw
>……で、ライは子供達の名前は決めたのかな?
・・・さて、執筆に戻りますか。
>>277 乙でした!
カレンがこの後ライの通信記録を聞いてどうなるのか…。
本編もそうですがこちらもどうなるのか、次の投下をお待ちしております!!
遅レスですが、「約束・前編」の感想を返します。
>>241 そこまで持っていきたいんですけど、長くなっちゃいそうなんで手前までにしようと考えてます。
>>242 文章の流れが綺麗なんて初めて言われましたよ。ありがたいですね!
ボ、ボリュームですか…今後の課題にします。
>>243 どんな風にしていこうかまだ、思案中ですw
ただ、みなさんの期待を裏切れればいいかなぁと、思ってます。
2000より、予定通り移転本番を開始するので直前通達に伺いました。
ファイルが領地レベルで消えると思います。結構長引きそうです。
>>283 お疲れ様です。何事もなく平穏に作業が完了されることを願います。
一職人としては、どのようにリニューアルされるのか、大変気になります。
それでは、いってらっしゃいませ。
>>283 お疲れ様です。
リニューアル後がどうなるのか楽しみにしています。
30分から投下を開始します。
注意書き〜終了宣言まで8レスです。
お手すきでしたら、途中、数回の支援をお願いいたします。
支援開始します
時間ですので開始します。
誰もいないみたいなので、支援は自分でなんとかしましょうかね。
24スレの「鳥籠」の続きです。
・サブタイトルは「魔女の指先」
・BRからR21話までの空白の一年の間の話になります。
・特派ルートで特区の惨劇を回避できなかった場合となります。
・本編に描かれてないのをいいことにオリジナル展開です。
・R2が終わる前にさくさく終わらせたいです。
・投下終了宣言まで、これを含めて8レスとなります。
いますよー支援
「魔女の指先」
ミレイのお花見は着々と準備が進んでいる。天気予報で桜前線のチェックにも抜かりはない。その上、
彼女は自分でトウキョウ租界の開花予想までしているのだ。
「せっかくエリア11に居るんだから楽しまないとねえ! 重箱に緋毛氈に、ええと、やっぱり着物?」
「会長! 私、キモノ着てみたいです!」
温泉旅行の時の浴衣が気に入ったらしいシャーリーはちらちらとルルーシュの方を気にしながら、頬を
紅潮させて強く主張した。
「よっしOKよ! 色々選べるようにレンタルを手配するわ」
ミレイは腕まくりしてさっそくパンフレットを広げる。彼女の分析では今週末が五分咲きで予報通り
気温が高くなれば週明けすぐにも満開になるという。
「ううーん、でもさすがにエリア11の食器だと租界の業者への発注だけじゃ揃わないわねぇ。
私たちは花見弁当レシピも探さなきゃいけないし……。では男子諸君は買い出しに、」
ミレイとシャーリーは顔を見合せてにっこり笑う。
「いってらっしゃ〜い!」
こうして生徒会男子役員は写真を頼りに未知の道具を探す旅へと追いやられたのである。
「バイクに三人乗りはまずいかな?」
リヴァルは二人分のヘルメットを弄びながら愛車を眺めた。サイドカーはルルーシュの指定席で、
運転手はリヴァルに決まっている。人数は多い方がよいが、ライの乗る余地はなかった。
「ライ、馬術部に馬を借りて来い」
「いや、普通に自転車で追いかけるからいいよ」
ルルーシュはちょっと考えて最良の策を提案したようだが、それは普通の感覚とずれていた。
「そういえばスザクは走って並走してたよなぁ」
「そんなのスザクだけだから。普通の人間には無理だ」
壁を走るという伝説を残した風紀委員は休学中でこの場には居ない。
支援
ライもしばらくスザクと連絡を取っていなかった。軍人、それも皇帝直属のラウンズともなると
守秘事項も多くなることだろう。気軽に電話やメールをしていいものかと迷ううちに、下書きだけの
メッセージは送信されることなく携帯に未だ残っている。
(スザク、どうしてるかな。ブリタニアにも桜の木はあるんだろうか)
満開の花の写真を送ったら、少しは戦場の彼の心の慰めになるだろうか。
ここはブリタニアに占領されても彼の故郷には変わりない。ライはまだ綻び始めたばかりの花を見上げた。
「兄さん!」
リヴァルのバイクに乗り込もとしていたルルーシュを息を切らせて走ってきたロロが呼び止めた。
ライは倉庫から自転車を引っ張り出して来たところだった。
「どこに行くの?」
不安そうな表情は置いていかれる子供のままでルルーシュは眦を下げた。宥めるようにロロの頬を
撫でる。
「生徒会の買い物だよ。お前も知ってるだろ? 会長の花見企画の。ちょっと遠出するけど租界からは
出ないから、」
「駄目だよ! 今日は……、ヴィレッタ先生に呼ばれてたじゃないか」
「ああ、体育の補習だったな。ちゃんと進級したんだから帳消しにしてくれてもいいじゃないか」
ルルーシュは興味なさそうにゴーグルをかけ直した。
「兄さん!」
「……分かったよ。まったく、ロロは真面目だな」
ルルーシュは被っていたヘルメットを脱ぎ、ライに手渡した。結局、自転車は活躍の場を失い、そこに
留め置かれるままとなったのだ。
支援!
「あいつ、うまいこと逃げたよなあ」
サイドカーに荷物を積みながらリヴァルがぼやく。なんとか租界内で済ませられたが、ゲットーに近い
外縁部にまで出ないと目的のものは見つからなかった。それも曖昧な地図とぼやけた写真を頼りに。
イレブン文化に詳しかったカレンが居れば、もっと楽だっただろう。今さら言っても詮無きことだ。
深窓の令嬢だと思われていた彼女は実際はハーフで黒の騎士団で、現在は指名手配犯となっている。
それでも生徒会の皆は今でも友達であると思っている。
嵩張る荷物に占領され、サイドカーは満席だった。
「ごめんな、せめて駅まで乗せてやれればよかったんだけど」
「いいよ。そんなに離れてるわけじゃない。リヴァルこそ転倒しないように」
「まっかせとけって!」
先に学園へ戻るリヴァルのバイクを見送り、ライは片手に紙袋を持って駅を目指そうとした。道を挟
んだ反対側に見知った紅い髪を見た気がした。
「カレン?」
支援
C.C.は租界の外れ、名誉ブリタニア人の多い公園の片隅でベンチに腰かけていた。ちらりと時計を見る。
予定より少しだけ遅れていたが、そう大したことではない。金色の目は沈む太陽の光を受けて一層妖しく
輝く。黄昏が迫っている。逢魔ヶ時――人の目が対象を見失う時刻を選んでゲットーのアジトに戻る予定
だった。
やがて赤い髪の少女が姿を現し、C.C.もさり気無く立つ。二人は並ぶことなく距離を開けて人気のない
方向へと進んで行った。C.C.が先に廃ビルの角を曲がる。
「カレン、面白いものをくっつけて来たな」
小声で忠告されてカレンははじめて後方を伺った。尾行してくる者がある。
「あれは……、ライ?」
「角付き兜のパイロットか、厄介だな。どうする?」
魔女の声はからかいを含んでいてまったく真剣みがない。
スザクには及ばないが、ライの身体能力の高さはカレンも知っている。紅蓮があれば、あの青いランス
ロットには機体能力差で勝てるだろう。しかし、ここにナイトメアフレームはない。C.C.と二人がかりだ
としても人を呼ばれては一巻の終わりだ。今、この時期にトウキョウで騒ぎを起こすのは得策では
なかった。
「ピザ五枚」
「はぁ?! 何言ってんの? ピンチなのはあんたも一緒でしょ!」
「私には手がある」
余裕綽綽の魔女はカレンを強請る気だ。
(こいつ、いつか泣かす!)
「三枚よ! サイドメニューもつけていいから!」
「なんだ、ケチくさいな。狭量な女は嫌われるぞ」
「うっさい!」
「ゴージャスフ4のLサイズで手を打とう。カレン、そのまま真っ直ぐ走れ」
C.C.の声と同時にカレンは地面を蹴った。
突然走りだしたカレンにライは自分の失敗を悟った。深追いするつもりはなかった。既に場所は
ゲットーに入り込んでいる。地の利は向こうにある。
軍人である以上、テロリストの逮捕は責務である。
しかし、ライはそれよりもカレンに友達として聞きたい事があったのだ。ゼロを、リーダーを失って
まだ尚続く各地の抵抗活動は黒の騎士団を弱らせながらもブリタニア、イレブン双方の民間の被害者を
巻き込んでいる。これ以上、何を失おうというのだろうか。彼女達の行く先には未来はない。
支援!
「行き止まりじゃない! あの女!」
カレンは思いきり毒づいたが、遅い。追ってくる靴音はすぐ側に迫っていた。やがて銀色の髪の少年が
姿を現した。息も切らしていないその様子にカレンは舌打ちする。
「それで、私をどうするのかしら? ブリタニアの軍人さん」
開き直ったカレンが腰を落として挑発すると、ライは悲しそうに顔を歪めた。
(なんで、あんたがそんな顔するのよ)
「逮捕して政庁に突き出す? あのカラレスのところに。それで見せしめにするんだわ。ブリタニアに
刃向えばこうなるってね」
カレンの言う通り、現総督カラレスの方策は強硬だった。疑わしきは罰せよ。テロの容疑者は容赦なく
処刑される。それが毎日のようにニュースに載せられていた。いや、余りに日常過ぎてニュースにもなら
ないくらいだ。
「僕は、そんなことはしない。君と話がしたかっただけだ」
ライは素早く距離を詰めた。
「そんなこと信じられるとでも?」
カレンは焦りを押し殺して言葉を続け、隠し持っていたナイフを突きつけた。しかし、ライはあっさり
とカレンの腕を掴み、彼女は訳も分からないうちに投げ飛ばされていた。強かに背中を打ち、カレンは
一瞬息が詰まった。
ナイフはとうに蹴り飛ばされて遠くにある。覚悟を決めてカレンは目を瞑った。
「そこまでだ。私の暫定相方を離してもらおう」
ライの後ろから落ち着いた少女の声がした。
「C.C.! 遅いのよ!」
カレンは憤懣やるかたない様子で叫ぶ。
緑髪の魔女は何の武器も携えていない。ライの背中に小さな手のひらを付けようとしているだけだった。
「君は、特区の式典の時の」
彼女の金色の目が静かにライを見据えている。
――コレハ、ヨクナイモノダ
本能が警告を告げる。ライは彼女の手を振り払おうとしたが、その前に魔女の額の文様が赤く浮かび
上がった。
そして、世界は一変する。
支援
無数の歯車が世界を回している。螺旋の塔、生命の木。進化、人から人への記憶。目まぐるしく変わる
風景の中に見覚えのあるものがいくつか通り過ぎたような気がした。
そして、赤い赤い景色を見る。鉄錆の臭いにまみれ、どこもかしこも赤い。日没と夕闇との間、屍でで
きた山の上に旗が翻っている。これでまた国は大きくなった。しかし、行く道も振り返る跡もすべてが赤
く汚れている。もはや、この世のどこにも安息の地はない。
後悔はない。決めたのは他でもない自分自身だ。
「自分?」
(そうだ、私が決めた。母と妹のために)
両手を見下ろすと真っ赤に染まっている。足元には誰よりも愛した――
ライは悲鳴を上げた。
「ねえ、何をしたの」
カレンは掠れた声をなんとか絞り出した。C.C.の額が光り、それが収まると、ライが蹲って体を震わせていた。
「何でもいいだろう。それより今のうちに行くぞ」
C.C.は感情のない目で彼を一瞥し、さっさと歩き出す。
「ちょっと、彼は!」
「放っておけ。命に別条はない」
魔女はそれきり振り向きもしなかった。カレンはいまだに動けずにいるライを何度も振り返りながら、
最後は小さく「ごめん」と呟いてその場を後にした。
彼は廃ビルの間に一人取り残されていた。
全力で支援!
以上で投下終了です。
支援ありがとうございました!あやうく自演になるところでした。
では、本編が終わる前になんとか完了させたいところです。
>>301 マト卿、GJでした!
自演は駄目ですよ、やるなら自援です。
ルルーシュw馬ってwww
バイクと並走するスザク……ガ○ダムファイター?
チャリでバイクに追い付くのも無理な気が……
C.C.は一期のスザクにやったアレですか……ライが暴走しないか心配ですね。
では、貴方の次の投下を全力で待たせていただきます!
>>マト卿GJでした!前回の鳥かごからめっちゃきにいってます。早く続きが読みたい。
で、前回のぶん読もうと思ったら…ファイルがない!本格的に移転が始まったようです。
あと、自援はマジ危険ですんで。
>>301 乙です!
取り残されたライ…狂王モードでゲットーが血の海になりませんようにw
かなり移転してるみたいだ。
倉庫ほとんど見れなくなった。
新倉庫どんなのだろう。
ちょっと楽しみ…。
中間報告です。ただいま作業が非常に難航しており、移転完了はまたしても夜中になりそうです。
職人様向けのお知らせしかありませんので、無理して起きてることはないと思います。
そうそう……、今の内に言っておきますが、移転したからといっても少なくともその時点では
見た目とか殆ど変わりません(階層とかはかなり変わってますが)。
なぜなら私が何かするというわけではないからです。
私は、ね。
>>308 お疲れ様です。
中間報告ありがとうございます。
しかし、すっごく意味深な言葉…。
>>308 お疲れさまですっ!
なんか、凄く含みのある言い方っすねぇ…気になるなぁ
無理せずほどほどに頑張ってください!
>>301 乙&Gjです!
カレンは敵だしC.C.も知り合ってないから二人とも冷たいな。
なんかライが一期のスザクに見えました…という事は次回には二期スザク=狂王化?
ははは…まさかね。
>>308 こちらも乙&GJです!
保管庫見れなかったの更新のせいだというの忘れてましたw
「私は、ね」…これまた意味深な…。
では身体に気をつけて頑張ってください。
これしか言える事がないのが心苦しいですが…
>>282の訂正
期待を裏切るではなく、予想を越えられればいいかなぁ。
的なことを書き込みたかったんです!誤解を招きかねなかったので訂正しました。
このレスはスルーしてください。orz
移転完了しました。関門ページのアドレスは変わっていないので、ブックマークの変更は不要です(直下に絶対参照)。
説明などを行おうと思うのですが、どなたかおられますかね?
おー…完了お疲れ様でした。
ぱちぱちぱち〜♪
お疲れ様です。説明、ぜひお聞かせ下さい。
お疲れ様です。是非説明お願いします。
ありがとうございます。
さて、保管庫にお越しいただいた皆様はこう思ったことでしょう。
「どこも変わってないじゃん」
その通り。現時点では依然と殆ど変わっておりません。取り敢えず言えることは……
・全ファイルの書式をXHTML1.1に引き上げました。これにより、難読文字などへのルビ振りが可能になりました
(IE・FireFox・Opera・Safari にて確認済み)
しかし、もちろんそれだけではありません。
どきどき…
もったいつけてくれちゃって!www
おお!凄い機能だ!けど、、、確かに諸刃の剣だな、これは
では、具体的な方法を説明いたします。
まずテキストエディタを開きます。次に、保管庫の本文のところにマウスカーソルを合わせ右クリック、“ソースの表示”をクリックします。
ソースの全文をコピペして、テキストエディタに貼り付けます。改良したものをテキスト形式で保存し、でメールに添付して送ってください。
従来の誤字脱字修正システムを拡張したようなものです。
〜重要!〜
・編集は<body>〜</body>間のみです。書式宣言やCSSは改変しないでください
・保管の際、文字コードは絶対にUTF-8を選択してください
・文字の装飾などは、ある意味文章の創作と同じぐらい感性を問われます。やりようによっては作品自体を台無しにする、まさに“諸刃の剣”です
・背景色などは、投下宣言の際に指定(必ず16進数で!)していただければ、こちらで行います
「そうだな。俺はずっと投下していた。名前だけじゃない。本心すらコテで隠して。しかし、当たり前のことだろう?他人に話を合わせる、空気を読む。
それらなくしてスレッドは存在しない。誰もが感想を書く。皆褒め称える。しかし、それは罪だろうか?馴れ合いとは何だ?
お前だって職人という仮面をかぶっている。もはや我々は感想無しでは歩めないのだ」
「違うな。未来永劫に渡ってSSが消えぬと悟った時、感想は消える。理解し合えれば馴れ合いはなくなるのだ」
「形而上学的な机上の空論だな」
「すぐ現実になる。それが我が新保管庫の接続。住民は感想という仮面を脱ぎ捨て、真実をさらけ出す。これが優しい世界よ」
「違う!お前達が言っているのは住民に優しい世界だ。でも、ライが望んだのは、きっと職人を含めた全ての人に優しくなれる世界なんだ!」
THREAD 21『新保管庫 の 接続』
「だとしても、それが何だ?既に新保管庫の接続は始まっている」
「どうかな?俺はゼロ、奇跡を起こす男だ」
「今更ギアスなど」
「いいや、もう一人いるじゃないか、2chの世界は人類の意思。そして人は平等ではない。平等ではないがゆえの俺の力を知っているな?」
「愚かなり、ルルーシュよ。職人の力では住民に勝てぬ」
「勝ち負けじゃない!これは願いだ!そう、俺は今こそ自分を知った。住民よ!集合の意識よ!SSの歩みを止めないでくれ!」
「できるはずがない。神に、住民そのものに」
「それでも俺は、褒めて欲しい!!」
―タグ権利譲渡―
「お前達は知っているのか?ナナリーの笑顔の意味を」
「笑顔?」
「何故わからないんだ。ナナリーは目も見えず歩くこともできなかった。だから、世の中にSSがある事を知っていても、読めないんだ。
ナナリーの笑顔は……それでも投下してくれた職人への、せめてもの感想なんだ!」
「そのような誤魔化しこそが…」
「それを嘘だとは言わせない、言わせてなるものか!感想をすることなく高みに立ってスレを楽しげに観察して…
ふざけるな!事実は一つだけだ。お前達は、職人を見捨てたんだよ!!」
「わしを拒めば、その先にあるのは、シュナイゼルの世界!感想と批判は一枚のカードの裏表!」
「だとしても、俺はお前の世界を否定する!消え失せろっ!」
尚、320のリンク先のものは壁紙を使っています。添付方法は現在2つ考えています。
・ソースファイルと一緒に送る
・画像掲示板に、壁紙専用スレをつくり、そこにマスターコードと共に投下してもらう(←これは決定ではない)
画像の大きさや形式については、策定中ですので今しばらくお待ちください。
取り敢えず以上です。こんな夜中にありがとうございました。
>>323 ワロス
おお〜流石早い上に上手い!感動した!。乙でした〜
で、早速ですが卿に質問いいですか?
言い忘れた。
使用できる具体的なタグについては、まだ完全に決まっていないので、運用開始はもうしばらくお待ちください。
月曜中には一覧を提出できると思います。
では落ちます。おやすみなさいです。
え?私に?
いえ、トーマス卿にです。誤解を招く書き方ですいませんでした。
トーマス卿も落ちたようなので、もういいです。たいしたことでもありませんし
>>323 オール・ハイル・もっふー!
GJでした!
なんか私、ちょっと感動しました!
故にこれからも全力を挙げて感想書こうと思います
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
>>326 もうなんか色々言いたいのですがボキャブラリー貧困な私はただ一言。
こ ん な ま と め サ イ ト 見 た こ と ね え!
いや、もう、ホントに頭の下がる思いです。そして即座に応えるもっふーも化け物だ!
既に変貌しつつあるまとめサイトを拝見して感心してから来ましたよ。
中身を知ってさらにびっくり!
これはもはやまとめではない!オンラインアンソロジーだ!
>>323 オール・ハイル・もっふもふー!
民主主義も凄かった! こんど別な形で感想を提出します!
見終わった。
我 が 騎 士 !!!
ラストのナナリー開眼もだが、一番嬉しかったのはこれだった俺は何なんだろう。
>>332 お前はひとりじゃない。だが、これから録画やびっちろーぶで見ようってやつのこともわすれないでやってくれな。
騎士の人は失明してそうだな、あの様子だと。
ところで、保管庫みれなくないですか?
>>335 保管庫は移転してるよ。
たぶんキャッシュが残っちゃってるんだと思うから、
関門のページをリロードしてからもう一回入ってみて。
うわ。やっちまった……orz
今週もノネットさんがOTL
まあ死んでないだけましか
ノネトさんはきっと生存確定さ。喜ぼうぜ。
それに引き換えカレンが不安です。なんか死ぬお膳立てが揃ってそうな。
そろそろスレチかな。ゲーム本スレいこうぜ。
orz
ノネト→ノネット 愛が足りない…
>>340 その程度のことノネットさんなら豪快に笑い飛ばしてくれるさ。
なんといってもヒーローだからなw
では30分ごろから投下します。
支援します
支援
345 :
食卓:2008/09/21(日) 20:32:11 ID:ngdqfQ+g
誰もいないようだけど密かに投下。
・反逆学園 ギアス先生外伝 〜教卓の騎士たち〜(前編)
・SE3のネタバレが少なからずあります。
・一部SE3と設定が違う箇所もあります。
・短いコメディ系にする筈が、思いのほか長くなった。
・むしろ何が書きたかったのかも分からなくなった。
・公式や全国の不良さんに喧嘩を売っているつもりはないです。
・一部キャラの口調が違います。
世界には、無数の可能性がある…
これはそんな可能性の1つ、パラレルワールドの物語である。
世の不良たちの間で実しやかに囁かれている噂がある。
如何なる不良もたちどころに更正させてしまう12人の凄腕教師達の伝説…
彼らにより更正された人々は彼らをこう呼ぶという、
ナイト・オブ・ティーチャー 『教卓の騎士』と―――――― (ナレーション:皇帝)
反逆学園 ギアス先生外伝 〜教卓の騎士たち〜
◆
ブリタニア学園、帝都ペンドラゴン中の不良達の吹き溜まりと蔑まれる荒んだ学園。
その学園の科学室には今日も1人の生徒がいた。
彼の名はロイド。科学番長の肩書きを持つ彼は毎日科学室に立て籠もり、その一室を我が部屋同様に改装し、怪しげな研究に日夜励んでいた。
何度も説得に訪れた教師達を入り口のトラップで撃退し続け、その個人要塞に立ち入ることが出来た者はここ最近、誰一人として存在しなかった。
「ふんふふふんふ〜ん♪ 今日も静かで良い日だねぇ〜」
鼻歌交じりで片手でプリンを食べながらも、彼の眼は手元の画面を凝視し、空いた手の指は機械の如き精密さで高速に動いている。
「まぁ最も、入り口を開けて入ってくるような奴がいたら、扉に触れた瞬間に大・爆・発〜だけどね〜」
堪えきれない笑いと共に高らかに自らの仕掛けたトラップ、ひいてはそれを造った自分自身を讃えたその瞬間、
ドカン!
支援
支援します!!
いきなり入り口が爆破、つまりはトラップが作動した。
「えぇぇぇぇ〜!?」
信じられないと振り返るロイド。
何故なら科学室の入り口に辿り着くまでにも様々なトラップが用意されており、それらを突破しロイドに気付かれず入り口に立つなど不可能だからだ。
しかしそんな疑問も、振り返ったロイドは自分の眼に映った『それ』を見てすっかり忘却の彼方に飛び去ってしまった。
そこには1人の青年が黒煙を上げる入り口を背に立っていた。
自分の天才的な頭脳をもってしても答えを出すことの叶わない、ありえないことの連続にロイドは言葉と思考を失い、案山子のように立ち尽くす。
そんなロイドなど意に介さず、青年は口を開く。
「はじめまして、科学番長ロイド君だね? 僕は今日から君のクラスの担任になった、
ティーチャー・オブ・セブン、枢木スザク。人呼んで『KY先生』だ。
さぁ、何時までもこんな所に居ないで教室に戻って授業を受けよう」
二つ名通り、空気を読まずに説明一切無しで一方的に話を進めるKY先生。
ここで少しだけ冷静になったロイドは慌てて後退さる。
「な、なんなのさ、君?
どうやってここまで、僕に気付かれずに来れたんだよ、トラップは?」
「ティーチャー・オブ・セブン、枢木スザク。人呼んで『KY先生』だと今言ったじゃないか?
トラップは無効化させてもらったよ」
KY先生の言うことが信じられないロイドは慌てて自分のパソコンを操作し、廊下に仕掛けたカメラの映像を見る。
そこには、乱射されるマシンガンをすり抜け、壁から突き出される槍を蹴り砕き、地雷原を踏んだ地雷が爆発するよりも早く走りぬけ、入り口に仕掛けられた震動感知、熱源察知、対人認識センサー搭載の扉に超高速で回転蹴りを放ち室内に着地するKY先生がいた。
「ど、どうして…」
「どんな高性能センサーでも標的を認識する時と、攻撃を開始する時にはタイムラグがある。
つまり機械より早く動けばいいだけだよ」
タイムラグの説明意味無しである。
「さぁ、教室に戻ろう。間違ったやり方で学んだ知識に意味はない」
支援
「う、うるしゃぁい!」
セリフを噛みながらも、差し伸ばされた手を跳ね除けるロイド。
「お、お前なんかに僕の何が分かるっているんだ!僕は―」
「僕はお前を蹴る!」
ロイドの話を最後まで聞かずに回転蹴りを放つKY先生。
勿論力はかなりセーブしているが、それでもロイドは吹っ飛ばされた。
「なにすんのさ!?」
「僕は君の気持ちなど知らない。
だが、君が寂しがっていることなら知っている」
「ぼ、僕は1人で実験するのが好きなんだ、他の馬鹿共なんていなくても―」
「僕はお前を蹴る!」
再び回転キックを放つKY先生と吹っ飛ぶロイド。
「人は1人で生きることなんて出来ない。
君の好きな実験だって過去に誰かが始めたから、今君が出来るんじゃないのか?
確かに君は頭が良い。もし世界に科学実験なんて存在が無くても、君なら独学で発見できたかもしれない。
君に比べれば他の生徒は勿論、体育と日本史以外赤点しか取った事のない僕だって無知な馬鹿かもしれない。
だが、君は知っているのか? 君が何度となく爆破したあの扉を、君のご両親が建て替えていることを」
「え?」
「君が爆破するたびに、君の代わりにご両親は何度も頭を下げ、入院した先生方の入院費を立て替え、君が帰った後に自腹で戸を買ってきて建て替えているんだ。
だがご両親も貴族の伯爵、戸の建て替えなんてやったことがあると思うかい?
最初はどれだけ苦労したと思う? 建て替えの為にパーティーを抜けたり、約束を破棄したり、どれだけ恥じを重ねているか君は知っているのか?」
「う、うぅ…」
「それでも君の為に君が必ず心を入れ替えると信じて、今夜も君が帰った後でここに来るだろう。
戸を建て替え、君がいつ家に帰ってきてもいいように、大好物のプリンを買って帰るんだ。それでも君は―」
「うわ〜ん!」
大粒の涙を垂れ流しながら崩れ落ちるロイド。
「ぼ、ぼくはなんて馬鹿だったんだ…こんな、こんな」
「分かってくれたかい? 大丈夫、自分の愚かさを知ることが出来るなら君は変れる。
さぁ、教室に行こう。君から歩み寄ればきっと皆迎え入れてくれる。勿論僕も全力で協力するよ?」
差し出されたKY先生の手はどんな機械よりも硬く、しかしどんな加熱物体よりも温かかった。
◆
ブリタニア学園体育館裏。
そこには授業をサボり喫煙を満喫する辺境番長ジェレミアがいた。
空を眺めながら4本目の煙草に火を着けようとした時、自分に近づいてくる足音を聴き取り、そのちらに眼を向ける。
そこには初めて目にする、金髪で深いスリットのスカートを履いた女性が居た。
「おはよう、ジェレミア君。朝から授業をサボって体育館裏で喫煙とは感心できないわね。
でも、今すぐ教室に戻って授業を受けるんなら、見逃してあげても良いけど?」
表情こそ笑顔だが、否定を許さない雰囲気が彼女からは滲み出ていた。
(ハッ、新任の教師か)
しかしジェレミアもブリタニア学園で番長の名を持つ男。 教師の注意など焼け石に水である。
相手を一瞥し、煙草に火を着けながらジェレミアは腰を上げた。
「そっちこそ、ここはこの私辺境番長ジェレミアの領域(テリトリー)だ。
本来なら問答無用の実力行使でお帰り願うところだが、女性には一度だけ忠告するのが私のルールでね。
今すぐ私の目の前から消えれば、痛い思いはしなくて済むが?
最も、私の女になりたいと言うなら話は別だが?」
挑発を混ぜながら目の前の女を足元から頭まで、値踏みするように眺めるジェレミア。
あからさまな脅しだが、これで何人もの女教師を退けてきたジェレミアにはこれでこの女も逃げ帰るだろうという確信があった。
「冗談でしょう。ジュースの中で溺れるようなヘナチョコの女なんて、恥かしすぎて生きていれないわ」
だが女性は逃げるどころか、冷たい眼光で睨み返す。
その迫力に思わずジェレミアの左足が下がった。
「情けないガキね。
あんたのような腰抜けに憧れられたんじゃ、マリアンヌ様の名が汚れるわ」
「何!?」
女の口から予想だにしなかった人物の名前が発せられ、ジェレミアの身体が強張った。
支援
「自分の受け持つクラスの生徒のことぐらい知ってるわよ。
辺境番長ジェレミア。本名ジェレミア・ゴッドバルト。
ブリタニア学園初代筆頭番長マリアンヌこと『スケ番おマリ』に憧れ学園に入学。
彼女のような番長を目指すも、彼女が卒業後教員になったことを知りショックを受け、今では番長なんて名乗ってはいるけど実際は舎弟もおらず、授業をサボって隠れて喫煙するだけのチッポケな不良(ワル)に成り下がった。
本当に情けないガキね」
嘆息交じりに女はジェレミアの、彼しか知らない経歴を並べ立てる。
「貴様、私の事だけでも許せんのに、マリアンヌ様を侮辱した罪、万死に値する!」
電光石火の動きでジェレミアが女性に飛び掛るが、彼の手が届くよりも尚早く、彼女の手がジェレミアの腕を取り、関節技の見本のような流麗な動きで締め上げる。
「ぬぉぉぉぉ!?」
完全に間接を極められジェレミアは動けなくなる。
「この私が簡単に。一体何者?」
「落ちぶれたとは言え、貴方もマリアンヌ様に憧れた事があるなら聞いた事ぐらいあるでしょう?
彼女の片腕と呼ばれた女のことを」
「ま、まさか!」
ジェレミアは知っていた。
かつて学園だけでなく、帝都中の不良たちを束ねた『スケ番おマリ』。
彼女の傍らには常に1人の腹心がいた。
人呼んで『帝都の疾風(ペンドラゴンのかぜ)』、クイーン・オブ・レディース、モニカ・クルシェフスキー。
「ご名答。最も今は
ティーチャー・オブ・トゥエルブ、モニカ・クルシェフスキー。人呼んで『総長先生』だけどね」
「お、教えてくれ。いや、教えて下さい先生。
何故なのです、帝都中の不良たちのカリスマだった『スケ番おマリ』が卒業と同時全ての不良の敵、教師になどなったのです?
今では数多の不良とモンスターペアレントを改心させるカリスマ先生になったというのは本当なのですか?
『先公のマリアンヌ』の二つ名で不良たちから恐れ忌み嫌われているというのは―」
支援
支援
先公のマリアンヌってwwwww
支援
「教師になったこと、『先公のマリアンヌ』と呼ばれていることは事実よ。
でも、どうしてあの人がいきなり教師になったのかは私も知らないの。
何度聞いてもはぐらかされてね…「貴女もなってみればわかるわよ」の一点張り。
だからね、私は彼女が何を考えているか知りたくて我武者羅に勉強したわ。
けれど今まで碌にした事もないものをやり続けるのは辛かった。
何とか教師にはなれたけど、それからの日々も大変だった。
今でもあの人が何を考えて教師になったのか、全然分からないわ。」
「では何ゆえ―」
今も教師を続けているのか? とジェレミアが口にする寸前、
「何を考えていたのかは分からない。
でも、あの人が見ている世界は少しは分かった気がするの。
担当する生徒や同僚の先生達と苦楽を共にしながら日々を過ごすうちにあの頃、『帝都の疾風』と呼ばれていた頃とは違う充実感に気付いたの。
周りから恐れ怯えられ、力で結束していたあの頃にはないモノ…優しさのある世界に」
言いながらジェレミアの腕を離す総長先生。
「ジェレミア君、君の気持ちは少しだけど分かるつもりよ。
私ももしかしたら今の君のようになっていたかもしれないもの」
「………」
ジェレミアの足が無意識のうちに、足元の煙草の火を消していた。
「君は今でもマリアンヌ様の為に本気で怒ることができた。今でも彼女への敬愛は続いているんでしょう?
その事が私はとても嬉しい。きっとマリアンヌ様もきっと喜ぶわ」
「う…うぅ……」
ジェレミアの眼から涙が溢れた。
「もう心配はないわね。
私は授業に戻るけど、気持ちの整理が付いたら教室にいらっしゃい」
そう言いながらハンカチを差し出した総長先生の顔は、紛うことの無い女神の微笑だった。
これより数年後、ブリタニア学園には生徒達から親しみを込めて『オレンジ先生』と呼ばれる1人の教師の姿があった。
支援
◆
ブリタニア学園3階廊下。
そこにはガラスの破片が廊下中に散乱していた。
無事な窓ガラスは、既に1枚を残すだけとなり他のガラスは全て、下っ端番長玉城とその仲間の南と杉山により割り尽くされていた。
「ハッハッハ、これで3階のガラスはこの1枚だけだぜ」
金属バットを肩に担いで玉城が叫ぶ。
「さすがは玉城だ。学園中のガラスを割り歩くなんて誰も考え付かないぜ」
鉄パイプを持った南が言う。
「こりゃあ間違いなく、ブリタニア学園の番長の歴史に残るぜ」
木刀を持った杉山も言う。
「そうだろそうだろ?よっしゃあ、見てろよお前ら。偉大な歴史はここから始まる!」
最後のガラスを叩き割ろうと玉城がバットを振り被ったその時、
「ちょ〜っとまったぁ!」
「「「あん?」」」
3人が声のした方に振り向くと、いつの間いたのかそこには長身の青年がいた。
素人目にも分かる高価な服装に身を包み、爽やかな雰囲気をかもし出す青年は子供のように無邪気な笑顔で玉城たちに語りかけた。
「そのガラスを割るのは止めてくれないか?」
「あぁん、誰だてめぇ?」
玉城が青年を睨みつける。後ろの2人も青年を囲むように左右に移動する。
しかし彼は臆した様子を見せずに、
「いやぁ、丁度良いところに通りがかったよ。
そのガラス、私に割らせてもらえないかな?一度やってみたかったんだよ、窓ガラスを割るの」
などと口にした。
支援
「「「は?」」」
思いもしなかったセリフに3人は言葉を失う。
「昔から憧れていたんだよ、庶民の不良に。
私の通っていた学校は貴族専用のエスカレーター式だったからさ、ガラスを割ったり、授業をサボったり、黒板消しを先生に落したり、帰りにゲーセン寄ったりなんて
とても出来なかったし、一緒にやってくれる奴もいなかった。1人でやってもこういうのはつまらないだろう?
せっかく庶民の不良に会えたんだ、私も仲間に入れてくれよ」
「「「…………」」」
笑顔で頼み込む青年に、3人は何から言えばいいのか分からなかった。
それでも漸く南が口を開いた。
「い、いいのかよ、あんた見たところ新しく来た教師だろ。教師が不良と一緒にそんなことして?」
「別に教師がやろうが生徒がやろうが、器物損壊に違いはないだろ。何か問題があるのか?」
「そ、そういう意味じゃなくて…」
沈黙した南に代わり、杉山が口を開いた。
「そもそも、教師ならまず俺達を止めろよ!」
「庶民の不良は教師の言うことを素直に聞くのか?」
「それは…」
杉山も沈黙した。
しかし玉城はニヤリと笑い、
支援
364 :
sage:2008/09/21(日) 21:02:52 ID:QOcwpBlR
支援
支援
「言いたいことは分かった。仕方ねぇ、お前に割らせてやるよ」
青年にバットを渡した。
「おぉ、ありがとう!」
新しい玩具を買ってもらった子供のようなはしゃぎっぷりで、青年は素振りを始めた。
「いいのかよ、玉城?」
「何考えてるんだよ?」
南と杉山が玉城に詰め寄る。
「バカ。作戦だよ、作戦」
「「作戦?」」
「あの先公はああやって、自分は不良の気持ちも分かる先生だってことを俺らにアピールしておいて、そっから俺らを説得しようとしてるんだよ。
マジでガラス割る教師が何処にいるんだよ? ありえねぇっての」
「そうか!」
「さすが玉城だぜ!」
「だろ?」
2人に褒められ得意気になる玉城。
「さぁ見ててやろうぜ、あの教師がどんな顔するか」
「「あぁ!」」
3人がニヤニヤしながら見つめる中、素振りを終えた青年はいよいよ窓ガラスの前に立ち、大きくバットを振り被り―
そこでバットを下ろした。
「おいおい、どうしたんだよ?割るんじゃないのかよ?」
玉城が嘲るように青年に言う。
「それとも、ビビッちまったのかい?」
「やっぱり先公がガラスなんて割れるわけないよなぁ?」
南と杉山が鉄パイプと木刀を手に青年に近づく。
しかし彼は日常のふとした疑問にでも気付いたかのような面持ちで、彼らに尋ねた。
「なぁ、何でガラスなんだ?」
「は?お前何言って―」
「ガラスなんて簡単に割れるし、不良なら誰でもやってることだ。
ありきたりすぎるんだよな〜。なんと言うか…もっとこう、達成感のある物を………」
考え込む青年。
sageはメールのとこに入れるんだぜ。支援
「わけのわかんねぇこと言ってんじゃねぇよ、ようするにてめぇも今までの先公と同じで俺らにあれこれ指図しに来ただけだろうが!」
「「そうだ、そうだ」」
「う〜ん………」
3人の声など聞こえていないかのように悩み続ける青年。
そして、
「なぁ君達、学校は好きか?」
と3人に聞いた。
「へっ、やっと本性現しやがったな。嫌いに決まってんだろうが、学校なんてなくなっても何も困りゃしねぇえぜ!」
「「そうだ、そうだ!」」
「それなら問題ないな」
笑顔で携帯を取り出し、どこかに掛ける青年。
3人が呆然と見つめていると、
「あぁ、私だ。今すぐブリタニア学園にアレを届けてくれ。頼んだよ」
それだけ言って携帯を切る。
その直後、3機のヴィンセントに支えられたKMFトリスタンが学園の校庭、と言うか4人の目の前に降り立った。
「「「何する気だよ!?」」」
3人は同時に叫んだ。
「決まってるだろ、学校を壊すんだよ」
「「「はぁ!?」」」
「窓ガラスを100枚割るよりも、よっぽど達成感があるだろう?」
言いながら窓からトリスタンに飛び移ろうとする青年。
「止めろって、おい!」
慌てて玉城が青年を止める。南、杉山もそれに続く。
「何だ君達、学校は嫌いなんだろ? それを壊そうってのに何故止める?」
「「「!?」」」
3人は固まってしまう。
支援
(そ、そうだよ。学校が壊れるってのになんで俺は…)
「なんなら君が壊すかい? 操作ならこれ1つで簡単に出来る」
青年が玉城にトリスタンの操作説明書を差し出す。
「へ、へへっ……いいぜ、やってやろうじゃねぇか!」
説明書を受け取る玉城。
しかし、彼はそれを見つめたまま動かなかった。
南、杉山も俯いたまま一言も発せずにいる。
「壊せるわけないよな。君達が出会った記念すべき思い出の場所なんだから」
窓枠から降りた青年が語る。
「君達は親の仕事の都合で日本を離れ、この学園に転入してきたんだろ?
見ず知らずの異国の地で、文化的にも人間的にも馴染めずにいた。
そんな中で君達は偶然にも出会い、友情を深めた。
それでも本当は寂しかったんだろ、友達がほしかったんだろ?
それで数多の番長が蔓延る現状に乗っかり、自分達の存在をアピールしようとした…違うかい?」
3人は泣きながら頷く。
「でもな、そんな事をする必要はないんだ。
君達は言えばよかったのさ、友達がほしいならそう言えばよかったんだ」
玉城は膝を着き、南は眼鏡を取って涙を拭い、杉山は俯いたまま涙を溢す。
「そこでだ、私が君達の友達になろう。
さすがに学校にいるうちはそうはいかないが、授業が終れば遠慮することはない。
勉強で分からないところ、悩み、不満があったら何でも言ってくれ。
その代わり、私に庶民の生活を教えてくれ。
下校の時にゲーセン寄ったり、買い食いしたり、休日は遊びに出かけたり、ずっとそんな生活に憧れていたんだ私は」
「「「先生…」」」
支援
3人が泣きながら青年を見る。
「さぁ、まずは窓ガラスを張り替えよう。
私も協力すれば午後の授業には間に合うだろう。
頑張るぞー!」
笑顔で右手を突き上げる青年。
その姿を見て玉城たちも立ち上がり、
「「「おー!」」」
右手を突き上げ雄叫びをあげた。
「ところで先生、あんた名前は何てんだ?」
涙を拭い、鼻水を啜りながら玉城が聞いた。
「今日から君達の担任になった、
ティーチャー・オブ・スリー、ジノ・ヴァインベルグ。 人呼んで『貴族先生』さ!」
笑顔で彼は親指を立てた右腕を突き出した。
中編に続く。
以上です。支援ありがとうございました。
しかし本当に何がやりたかったんだろう自分?
ちなみに『総長先生』は中の人的なネタとは無関係です、偶然です。
>>373 GJ&乙&GJ!!
腹 筋 崩 壊 wwwww
ロイドが出てきたあたりはSE3と同じかなーと思ったけど、KY先生で爆笑。
ちょ、先生、素敵にKY過ぎww
「先公のマリアンヌ」で日本語の奥行の深さに目から鱗です。
他の不良も先生もキャラが立ち過ぎで、次に何が出てくるんだよ!とwktkでした。
中編に続くってことはあと2回は続くわけですね。
ライがどんなので出てくるのか楽しみにしてます!
>>373 GJ、お疲れ様でした。何箇所か「最も」を「尤も」に直しています。
325氏、私に質問とのことですが、何でしょうか?一応2330頃までは起きてます。
>>373 GJです!
「僕はお前を蹴る!」 駄目だ笑いが止まらねぇwしかもフレーズが頭から消えません。
次回更新が非常に楽しみです。期待してます!
>>373 食卓の騎士卿、GJでした!
いきなりのKY先生に吹いたwww
機械よりも早く動く、その認識と動き、んでいきなり蹴るんかいww
先公のマリアンヌwww
玉城がやたら輝いているしww
スケールデケーよ、ジノww
大笑いだコノヤロウwww
貴方の中編を全力を挙げてお待ちしております!
では40分ごろに投下します
325です。投下前に急いで質問します。
保管庫の改装で字の色やバックが自由に替えられるという機能が出来ましたけど
もし、それが読みにくくなった場合はどうなるんですか?
一つ断っておきますが、改装内容に文句があるわけではありません。ただ一寸気に
なっただけです。
>>379 基本的に、送られたものはそのまま乗せます。読みにくくても読めなくとも、それは職人様が選んだ事なのですから。
冷たい言い方かも知れませんが、権限と責任は表裏一体なのです。
(文字の装飾などを行った場合、ご自身で表示確認などをされたほうが賢明です)
379さんも投下宣言いたしてますが
先に投下させてもらってよろしいでしょうか?
成る程、有難うございました。
スイマセン、誤解させる書き方致しましたが。378さんの投下前という意味です
スイマセンでした。支援します。
384 :
カズト:2008/09/21(日) 21:50:04 ID:4XcjAy5q
タイトル「追憶の旅路 第五章 魔窟への潜入」
初めて読む方への注意点
・オリキャラ多数
・この物語はライの過去編をカレンが精神対として見ているものです
・実質完全オリジナルのようなものだと思ってください
支援
386 :
カズト:2008/09/21(日) 21:51:18 ID:4XcjAy5q
後宮……それは皇帝や王などの后妃が住まう場所であり
正当な血筋を厳しく保つための原則的に王と一部の者を除く
男子禁制の場所である
ライはこの場所を嫌悪していた……
愛する母をコレクションした場所として……
父の寵愛を受けながら自分にも色目を使ってくる女どもの集まる場所として……
ライは後宮の入り口の前に来た
「ライエル皇子、ここからは、限られた方のみが入れる区画です……どうかお引取りを……」
二人の女官がライの前に立ちふさがる
「責任は僕が取る、僕がこの中に入る事を許可しろ!」片方の女官にギアスをかける
「……イエスユアハイネス!」「ええっ!?いいんですか?」
「見張りとして、中にいる者を案内役としてつけろ!」
そして、ライは女だけの魔窟に足を踏み入れる……
案内役の女官には「これから二時間、異常なしとして記憶してはならない」とギアスをかけていた
後宮内は大騒ぎだった
特別の外出でしか会えないライエル皇子が後宮内に来たのだ
後宮の寵姫、お仕えする女官、ここにいる誰もが皆、ライを羨望のまなざしで見ていた
しかし、ライは顔はにこやかに微笑んでいたが、
心の中では彼女達を薄汚い売女と見て、軽蔑していた……
特に、最近ライは戦場で行方不明になり
そこから、生還した皇子として王宮内でも話題の的になっていた
基本的に外と隔絶された世界で生きる彼女達にとっては、たまらない話の種である
支援
388 :
カズト:2008/09/21(日) 21:54:22 ID:4XcjAy5q
ライは愛妾と認められた者たちの部屋を訪ねた……
普通に話をしては、また別の愛妾の部屋を訪ねては、
普通に談笑してまた別の愛妾の部屋で談笑していた……
この場面を精神体として見ているカレンはなぜか違和感を感じていた……
そして、四人目の愛妾の部屋に来た時、
(見張りを除いて)人払いをしてライは行動を起こした
最近のアルベルト王のお気に入りの愛妾である
彼女は三十の女盛りで、豊満な胸と磨き上げられた珠のような肌をしていた
さらに、父から貰ったのだろうか、煌びやかな宝石を身に着けていた
ライは民から無意味に搾取したのかと思うと顔には出さなかったが不快感を感じていた
ましてや、町の惨状を目の当たりにしたのではなおさらである
また今までと同じように談笑をしていたが、ライはふとある言葉を発した
「この間、教育係から聞いた言葉なんだけど……
ノーブル・オブリゲーションについて聞きたいんだけど……」
「皇子……申し訳ございません……私はある事情で、十分な
学問を得る事ができなかったんです……」その言葉を聞いて、ライはニヤリと笑った
「皇子、私が王に頼んで王位継承者をあなた様にして差し上げますわ……」
寵姫は頬杖をつきながら言った
しかし、ライはその言葉を聞いても何も感じなかった……
「当然お前には協力してもらうが、お前には何も与えない……」
「えっ……!?」ライはギアスをオンにする
「今度父上が後宮に渡って来た時に……隙を見て殺せ!」
「……イエス、ユアハイネス」ライはそのまま振り返ることなく部屋を出た
ノーブル・オブリゲーション……高貴なる者の義務
高い身分、お金持ちの人間は
そうでないものを助けねばならないという考え方である
知らなければ、王の愛妾としての高い身分を
自覚してないという事になりギアスをかけられ
知っていれば、実践してないものとしてギアスをかけられる
どっちに答えても、彼女は王を殺す役割を押し付けられる事になるのだった
支援
390 :
カズト:2008/09/21(日) 21:57:57 ID:4XcjAy5q
その後、ライは数人の愛妾に保険として同じ様なギアスをかけ後宮を出た……
(さて、水風呂に行かねば……)そう思ったライに次兄ロベルトが近づいてきた
「おい!ライエル!お前後宮に行ったそうだな!あそこは父上の場所だぞ!」
「(目障りな……)後宮がどのような所か見てみたくなりましたので……
お気に触られましたら、謝罪いたします……」そう言って、恭しく頭を下げる
「……うっ!ま、まあいい、気をつけろよ……」
頭を下げられているロベルトの方が気圧されていた……
安全な所にいる兄とわずかとはいえ戦場を知ったライとではすでに人間としての格が違っていた……ライはすでに兄とは違うステージに立っていた
(全く……兄上も何を言っているんだか……
あの様な汚らわしい女どもに触れるなど、怖気がするというのに……)
足早に風呂場に向かい、脱衣所に入り服を脱いだ
「ぐっ……あ痛っ……!」裸になったライは跪き、
血の滲んだ止血帯を巻いた右太腿を押さえた
「体を鎮めたら、医師に見てもらわなければ……」
カレンが違和感を感じていたのは、おかしくない事がおかしかったという事だ
この年になると体も変化してきて異性の体に興味を持つ年頃である、いくら心で後宮の女達を蔑んでいても、体は異性を求めてしまうのである
そのため、ライは後宮に入る前に、自分の足をナイフで刺して、痛みで欲求を誤魔化し
彼女達と「普通」に話をしていたのだった
そうして、水風呂で体を鎮めたライは風呂場を後にした……
廊下を歩いていると、ライはアルベルトとすれ違った
自らの失策によって、憔悴しているのがわかる……
ライは小さくなった父の背中を鼻で笑いながら見送った
(もうすぐお別れですね……父上……寂しくなります……)
カレンはそんなライの姿を見て心が痛んだ
少しづつ、闇に染まっていくライではない……
自分の中の良心が自分自身を苛んでいる事に気付いていないライに対してだった……
支援
392 :
カズト:2008/09/21(日) 22:06:15 ID:4XcjAy5q
以上で投下終了です
自分はノブレス=オブリージュが語感としては好きなのですが
本編ではルルーシュがそっちを使ってたので
ノーブルオブリゲーションの方にしました
前回色々批判を受けましたが
かえって、贅肉をばっさり切れました
今だ前半戦ですが、支援よろしくお願いいたします
規制かな?
乙でした。感想は後ほどにして、次回の投下を楽しみにしています。
>>392 GJです!実は毎回楽しみにしてたので続編投下されて嬉しいです。今回も楽しませていただきました。
また、前回の批判から立ち直られた姿勢を見習いたいとも思います。
次回のご投下をお待ちしてます。
>>392 カズト卿、乙&GJでした!
父暗殺の流れですか、次回は大きく動きそうですね。
闇ライになっていくライの今後が心配ですね。
貴方の次の投下をお待ちしております!
23時丁度に投下します。
支援がいるなら支援します
忘れてました。6レスほどですのでお願いします。
全力で了解いたしました
401 :
24話派生:2008/09/21(日) 23:00:28 ID:22RUTzcQ
フレイアが飛び交う戦場。
幾多の命が光の中に消えていく光景は世界の終焉の光にも見える。
これはもはや戦争ではない。
いや、人間個人が識別番号、記号でしかないのは変わらないのだから、
これも新しい戦争なのか。
しかし、これはもはや人の行く先は滅びでしかないのかも知れない。
支援
403 :
24話派生:2008/09/21(日) 23:02:34 ID:22RUTzcQ
先の東京決戦で愛機を失ってしまった僕は、司令室で見守るしかない。
シュナイゼル殿下とルルーシュの戦場という舞台を盤上とした戦略戦。そして、フレイア。
次々と発射されるフレイアを見て、発射スイッチをもつナナリーはどうしているのか、
どんな気持ちで押しているのか、それを思うと悲しくなる。
決戦前、スイッチを押すと言うナナリー。
シュナイゼル殿下やコーネリア殿下が下がった後、覚悟を聞いた。
ルルーシュを止める。その気持ちが全ての根源だというナナリー。
後の歴史家はナナリーを稀代の大量殺戮者と非難するのかもしれないし、
世界を我がものにせんとする皇帝ルルーシュを討った英雄と評するかもしれない。
しかし、今この時代ではどう思われるのか。
出来れば彼女にはこんな決意をして欲しくは無かったのだ。
ただ、その一方で、彼女の苦しみも知っていた。
支援!
405 :
24話派生:2008/09/21(日) 23:04:11 ID:22RUTzcQ
僕や知っている人たちが出撃する度に悲しげに、そしてそれ以上に自分の無力を責める顔。
そう、僕が王であった時の妹と同じ表情だからだ。
あの時の僕は、そんな顔をしていた妹に気付かない振りをして戦場に出た。
守られる存在もまた、守られている間戦っている。
守る存在に守られなければならないことに耐える。手を出すことを許されない。
そして、そのために傷つく者に心を痛めていく。無力感をこの上なく味わうのだ。
だからこそ、彼女たちは笑い、感謝する。それこそが唯一出来ることだからだ。
故に彼女は全てを背負うことを選択したのだろう。
支援
407 :
24話派生:2008/09/21(日) 23:06:00 ID:22RUTzcQ
「ナナリー、これが最後の確認だ。君は人を、沢山の人間を殺す覚悟があるのか?」
ナナリーの肩を掴み念を押す。
「・・・正直、怖いです。私の手で人を・・・殺してしまうのは・・・」
震えながら俯くナナリー。やはり、こんな事を彼女にさせてはいけない。
「・・・厳しい事を言うようだけど、君がしようとする事は悪行だ」
ハッとするように顔を上げるナナリー。
「多分、人は君を虐殺者。・・・ユーフェミア様以上に厳しく非難される。それでいいのかい?」
ユーフェミア様を引き合いに出すのは心が痛む。だが、ここで止めないと・・・。
「・・・それでも、私はお兄様を正さないといけないのです。
ギアスと言う力で人を従わせ世界を従わせようとするお兄様を、私は・・・」
支援!
409 :
名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/21(日) 23:06:51 ID:tr/XPlsx
支援
410 :
24話派生:2008/09/21(日) 23:07:41 ID:22RUTzcQ
ナナリーの覚悟が伝わってくる。そう、昔ルルーシュから聞いたんだ。
ナナリーは昔お転婆で、言い出したら聞かないというのを。
「本気、なんだね・・・。沢山の人を殺めても。それでも・・・」
「それでもやらなければならないのです。私の名の下に戦うと言うのなら、
せめてそれだけは私が・・・」
もう震えも俯く事もない。一人の少女の決意。
ああ、ルルーシュ。今の君は敵だけれど、一人の兄として君に見せたかったよ。
ナナリーはもう守られるだけの存在じゃないってことを。
彼女もまた、自分の道を、戦いを見つけたんだってことを。
ならば、僕も決めよう。
この戦いを見届けると。そして守ると。シュナイゼル殿下とともに。
支援
412 :
24話派生:2008/09/21(日) 23:09:30 ID:22RUTzcQ
フレイアが無効化された。ルルーシュとスザク、彼ら二人がやってくる。
二人揃えば出来ない事は無いとまで言っていた彼ら。
確かにそうだろう。フレイアまでも止めてしまったのだ。
ダモクレス内部へと侵入しようとする。ならば、
「君たちをこれ以上行かせるわけにはいかない!」
ヴィンセントを駆り、彼らと対峙する。機体性能の違いはわかってる。
ラウンズ専用機すら屠った第9世代KMFランスロット・アルビオン。
それでも、これ以上は進ませない!それが守るものの役目なのだから!
どれほど絶望的な戦いであろうとも、諦めはしない。だから・・・。
支援!
414 :
快風:2008/09/21(日) 23:11:16 ID:22RUTzcQ
以上です。
今回後半というかシュナイゼルメインは難しいと感じ、23話、そして24話のナナリーについて
触れる事にしました。そしたらナナリーヒロインポジションにw
スザクとルルーシュと対峙した後の事はご想像にお任せします。
楽しんでいただけたら幸いです。
尚、設定に関しては以前投下したシリーズのパラレル扱いと言うことで。
>>414 快風卿、GJでした……ってもう今日の放送分書いたんですか!?
ナナリーヒロインだと?
パラレルと分かっていてもシリーズ物に期待せざるをえない!
貴方の次の投下を全力で待たせていただきます!
>415
本編見た後に録画したのをもう一回見てその間に咀嚼しながら構想練って、
30〜40分ほどで完成したので色々とドキドキしながら投下しましたw
シュナイゼルの騎士である以上その見せ場に合わせなきゃならないので
そこまで持っていくのに苦労してます。
次回も早めに投下できるよう頑張ります。
KOUSEIです。
前回の続きを投下させていただきます。
<オリキャラ。オリ設定注意!>です。
○ロイ・キャンベル。
このSSの主人公。
スザクと同じ日にナイト・オブ・ラウンズになった若き騎士。ナンバーはゼロ。
ゼロと言っても、ナンバーワンより地位的に上というわけではなく、本来は存在しない。という意味のゼロであり、どちらかと言えば、他のラウンズより地位は下かもしれない。
そのため、自分専用のカラーも無ければ、マントも与えられていない。他のラウンズは全員持っている直属部隊も組織していない。
専用KMF開発チームは、ナイトオブセブンと共同所有でありロイド伯爵率いるキャメロット。
能力は高くルルーシュ並の知性と、スザク並の戦闘力を兼ね備えている。しかし、ラウンズに至るまでの経緯とその出自。そして、ラウンズ就任後のある事件が原因でブリタニア軍全体の評価は総じて低い。
だが逆に、敵からの評価は高く「青い聖騎士」の二つ名と共に恐れられている。スザクと二人で戦場で暴れまわる様子を「ブリタニアの二本槍」と呼称された事もある。
軍全体で言えば評価は低いロイだが、一部の皇族、軍人、騎士からは、その人柄と能力の高さから厚意や好意を抱かれている。
ラウンズの中ではジノ、スザク、アーニャと歳が近いせいもあって特に仲が良い。
○クラブ・コンクエスター
0007-0290参照。
○ライ
0012-0009参照。
○青い聖騎士(パラディン)
0022-0188
○紅月カレン
このSSのヒロインの一人。
黒の騎士団に所属する若き女性レジスタンス。KMF乗りとしての腕は超一流であり、また生身での戦闘能力も修行の成果もあってスザク並に高くなった。だが、その修行と言う名の苦行のせいで体には目立たないまでも多くの傷を負った。
黒の騎士団ではゼロ直轄の部隊である零番隊の隊長を務めており、そのゼロに対する忠誠心と技量から“ゼロの右腕”と呼ばれる。
日本を解放する事と行方不明になったボーイフレンド、ライを見つけ出す事が今のカレンの目標であり、それが今の彼女の全てとも言える。
好きな食べ物はハンバーグとクレープ。
支援
○ シーン7『紅 と 青』Aパート
『で、今から送るデータが、あなたが作ったナナリー総督警備案に対する私の考察ね』
エリア11の政庁にあるロイの執務室。それなりに高級な革張りの椅子に座りながら、ロイは目の前のパソコンに映る女性――モニカ・クルシェフスキーにお礼を述べた。
「ありがとうございます」
モニカは『別にいいわよ、これぐらい』と応じて画面上でなにやら操作する。数秒後、ロイのパソコンにメールが届いた事を知らせる軽快な着信音が鳴った。
『届いた?』
「はい、届きました。ありがとうございますクルシェフスキー卿」
『あら、いつもはモニカさん。って呼んでくれるのに』
そう言って、モニカは悪戯っぽくクスクスと微笑んだ。
「え!? い、いえ、しかし僕は勤務中で……」
『勤務中でも何でも、今は私とあなた二人だけでしょ?』
「それも、そうですけど……」
『アールストレイム卿にはいつもアーニャって言うのに……。うん、決めた。これからロイ君が私と二人っきりの時はモニカさんって呼ばないと、私はあなたと喋りません』
「勘弁してくださいよクルシェフスキー卿……」
『喋りません』
そして、ついにツーンとそっぽを向かれてしまった。ロイはその様子を見て、ため息を付いた。
「……分かりましたモニカさん。でも、他に誰かいる時は勘弁して下さい」
『はい。そこまで我侭はいいませんよ』
そして、またモニカは楽しそうに微笑んだ。
ロイは完全に遊ばれていると自覚しながらも、別段嫌な気持ちは感じなかった。いや、むしろ心地よさを感じている自分に気付いて、ちょっと困った。
モニカ・クルシェフスキー。ナイトオブトゥエルブ。そしてロイの同僚。彼女は皇帝直属の護衛部隊であるロイヤルガードを統括する人物でもあり、要人警護というジャンルならばラウンズ内でもこの人の右に出る者はいないだろう。
ロイはそのモニカに対して、スザク、ジノ、アーニャと共に作成したナナリー総督の空港到着時から政庁間における護衛計画を考察してもらえないかと頼んだ。
元々、ロイ達と親しいモニカは快くオッケーし、そして彼女もラウンズとして忙しい身であるにも関わらずたった一日でこのように返事をくれた。
「それにしても本当にありがとうございますモニカさん。こんな急な話を引き受けていただいて」
支援
支援
ロイが改めてお礼を述べると、モニカは大きな瞳をパチクリとさせた。
『へっ? 急な話も何も、ただあなた達が作った案を私が手直しするだけでしょ? 大げさよロイ君。休憩中にでもできる事だわ』
「手直し? 何か問題点でもありました?」
ロイが聞くと、モニカは口に指を置いて「う〜ん」と少し悩んだ後、
『問題というか……あなたたち、もう少し人間を守るっていう事を認識した方がいいわよ』
「と、言うと?」
『あなたたちの計画書。確かに、空港を守るには適した内容だったわ。けど、ナナリー様を守るとしたら穴だらけとまではいかなくても、それに近い部分はあったわね』
「え? どこですか?」
『トイレ』
「……はっ?」
ロイは思わず声を高くして聞き返した。
『はっ? じゃないわよ。その点はどうなってるの? ナイトオブゼロ』
役職で呼ばれて、ロイは反射的に背筋を伸ばした。続けて、脳に整頓されている知識の棚から、ナナリー総督護衛計画についての情報を急いで引っ張り出す。
「はい、トイレにつきましては大アヴァロンの中についているので問題ないかと。艦内ならセキュリテイも万全ですし」
それに、艦内の事は自分たちの担当ではなく、その艦の責任者の問題である。
しかし、モニカはそのロイの答が気に入らなかったらしく、不出来な生徒を諌める教師のような口調で言った。
『空港に到着して、総督が急にしたくなったらどうするの? その事は考えた? 空港はあなたたちの担当でしょ?』
「それは空港のトイレを使う場合の総督の安全の事ですか? それなら使わなければ済む話では?」
『ではキャンベル卿。ナナリー様が空港のトイレをご使用にならないとなぜ言い切れるの?』
「いや、それは……」
『もし、大アヴァロンのトイレが全部使えなくなったら? 特にナナリー様はお体が不自由だわ。大アヴァロン内に、バリアフリーのトイレは限られた数しか無いわよね。
それがもしなんらかのトラブルで壊れたら、空港到着後、施設内のトイレを使う可能性も否定できないのではなくて?』
「……」
『それだけじゃ無いわ。あなたたちの案の中でナナリー殿下がお通りになる空港やそれから政庁に到着するまでの予定ルートの護衛計画は良く練りこんであるけど、それ以外は全く考えてないじゃない。
支援!
この場合、せめて空港ぐらいはナナリー様がどこに行く事になっても大丈夫なように考え直さなきゃ駄目よ。例えば、空港のルート上に爆弾を抱えたテロリストが急に現れたらどうするの?』
「射殺します。僕たちの決めたルートに割り込みなんてさせません」
『もしその犯人が持っている爆弾が、心臓が停止したら爆発するタイプだったら、あなた達は全員死んだわね』
「うっ……」
ロイは口をつぐんだ。画面上のモニカはゆるやかに腕を組み、同僚への指導を続ける。
『そういう爆弾を持ったテロリストが現れたら当然ルートは変更する事になるわけでしょ? いい、ロイ君。最低でも安全なルートというのは施設内、そして施設外にそれぞれに三つは確保しておかなきゃ駄目。
皇族の護衛っていうのはそういうものよ。細かい所にまで気を配るのが私たちの務め。あらゆる状況を予想し、それに対応できる策を練る。分かる?』
「……はい」
なんという認識の甘さだったのだろう。
ロイは総督の護衛を、施設や補給輸送の護衛と同じ視点で考えていた事に気付いて、恥ずかしい気持ちで一杯になった。
人というのは不規則である。気まぐれである。無機質な物資や補給を運ぶのとはわけが違う。そんなものより多くの不測の事態が付きまとうのは護衛対象が生物である限り当然。そんなの少し考えればすぐに分かる事だったのに……。
ロイが猛省していると、
『……っと、少し意地悪な事を言ってみました』
モニカはあっけらかんと言った。
「…………は?」
ロイが目の前の女性からの、あまりな言葉に対して思わず聞き返すと、モニカはまたクスクスと微笑んだ。
『普通。そんなところまで気は回らないわよね』
「えっと、あの……ええ!?」
モニカは『だって……』と前置きしてから、
『この計画書。良く出来ててほとんど私が言うこと無いんだもの。ロイ君、やっぱりあなた優秀よね。でも、私だって頼まれた以上、何かこういう所を直しなさい! とか、こうしなきゃ駄目よ! とかお姉さんっぽく言いたいもの……』
「いや、言いたいもの。とかちょっと拗ねた感じに言われても困るんですが……」
ロイが言うと、モニカは口を尖らせた。
支援
支援
『大体、ロイ君も冷たいわ。長期任務からやっと本国に帰ってきたと思ったら、私に挨拶もせずにすぐにエリア11に行っちゃうし……エニアグラム卿やカリーヌ様とはお会いになったみたいなのにさ』
なんか急に話が180度変わった。
「あの。その話と今の話と何の関係が……。というかそれ以前に――」
あなたは僕が帰国していた時は、仕事で本国にいなかったじゃないですか……。とロイは言おうとしたが、『言い訳は聞きたくないの!』というモニカの言葉と、彼女がドン! と机を強く叩いた音に遮られた。
「い、言い訳って。僕はそんなつもりは微塵も……」
『アールストレイム卿とはいつも一緒にいるし! それに今度エリア11にはあなたと仲の良いローマイヤまで行くんでしょ? 不公平よ!
いっそ私も一年前エニアグラム卿がしたのと同じ手段でエリア11に行こうかしら! 行けばいいのかしら!? 行ってもいいかしら……』
と、あげくに言葉の最後で、彼女は「あっ、それいいかも」なんて呟きながら何やら考え込み始めた。
一年前。ノネットがこのエリア11に来ていたという事実はロイにとっては初耳で、少し驚いたのだが、今このときに限ってはそんな事はどうでも良かった。
なぜなら、ロイは(まずい、本気でこっちに来る事を考えてる……)と、本能的に悟ったからだ。
「待ってくださいクルシェフスキー卿。少し落ち着いて下さい……」
『……』
「クルシェフスキー卿?」
呼びかけるが返事は無い。彼女は大きな瞳を少々とがらせて、しばらくこちらをまじまじと見つめた後……やがてボソッと言った。
『……モニカ』
「…………はい。すみませんモニカさん」
ロイは即座に言い直した。だがモニカは、『もう、結構です』と言うと、表情を一変して、これ以上無い天使の微笑みを浮かべた。
その天使の微笑みに、ロイはかつて極寒の地である東ロシアで経験した以上の寒気を感じた。
『あなたたちの計画書は良くできてましたよ。さすがキャンベル卿、とても優秀ですね。私の言いたい事は送ったメールに添付しておきましたんで優秀なキャンベル卿の参考になれば幸いだわ。
せいぜいみなさんと仲良くお仕事を楽しめばいいんじゃないですか? じゃあごきげんよう。優秀なキャンベル卿。以上、クルシェフスキー卿からでし、た!』
支援!
shien
「ええ! ちょ、モニカさん何を怒って――」
そして、モニカがふん! と顔を背けた映像を最後に通信は途切れた。
ロイは通信画面の消えたパソコンをしばらく呆然と眺め、
「……ぼ、僕は何かを踏み外したのだろうか」
と、冷たい汗を垂らしながら熟考してみる。……がそんなもの全く分からない。分かるはずがない。
こういう時にジノがいれば何か適切なアドバイスをくれると思うのだが、現在ジノを初めロイ以外のエリア11にいるラウンズは中華連邦の総領事館に匿われているゼロの身柄引き渡しを要求しに行っていて不在だった。
(仕方ない。とりあえず。あとでモニカさんには謝りのメールを送っておこう……)
といっても、一体全体何を謝ればいいのか全く分からないロイだった。
○
モニカから送られてきたデータを参考にし、ロイがパソコンでナナリー総督の空港到着から政庁までの警備計画を細部修正していると、机に備え付けられた通信機が鳴った。
ロイは素早く受話器を取る。しかし、作業は止めない。
「僕――いや私だ。何か?」
すると、オペレーターが電話越しに応えた。
『キャンベル卿。ベスタ島基地のギルフォード卿より通信です』
「ギルフォード卿から?」
意外な人物からの連絡に、ロイは目をしばたたかせた。
ロイはあのギルフォード卿が自分に連絡をしてくる理由が全く思いつかなかった。
「……分かった。じゃあ私のパソコンに繋いでもらえるかな」
『かしこまりました』
それを最後に、ロイは受話器を置く。すると、目の前のパソコンにウィンドウが現れてそこに一人の男が映った。
ロイは作業の手を止めた。
「お久しぶりです。ギルフォード卿」
軽く挨拶をすると、画面の中の男――コーネリア皇女殿下の騎士ギルバート・G・P・ギルフォードは鋭利な顔に、柔和な微笑みを浮かべた。
『お久しぶりですキャンベル卿。貴卿のラウンズ就任式でお会いして以来ですね』
「ええ、その節はお世話になりました。ところでギルフォード卿は先日の政治犯強奪事件で負傷し、療養のために本国に帰国していると聞きましたが……もう、お体の方はよろしいのですか?」
『はい、お陰様で回復いたしました。本日より、私もエリア11での任務に戻らせていただくつもりです』
支援
寝る前に支援
支援
「それは大変心強い事ですが……大丈夫ですか? 画面越しで見る限りでは、どうも顔色がよろしく無いようですが」
そうロイが尋ねると、ギルフォードの顔にスッっと影が差した気がした。
「ギ、ギルフォード卿?」
『はい。実は……私が病院を退院するとき、ある部下が「自分も退院します!」と重症のくせに我侭を言いまして。それを諌めるのに手こずったものですから……』
「我侭?」
『まぁ、怪我が治るまで大人しくしていろと一喝し、黙らせました。ですが、あの様子では私の制止も一ヶ月もつかどうか……』
ギルフォード卿の部下と言えば。おそらくグラストンナイツのメンバーだろう。そして、現在本国で療養中ともなれば一人しかいない。
「そうですか。ここはかつてコーネリア皇女殿下が治めた土地ですので、やはりアルフレッド卿も相当強い思い入れをお持ちなのですね」
『? アルフレッドをご存知なのですか?』
ギルフォードが意外そうな顔をした。それにロイは頷いて応えた。
「ええ、彼とは一度、東ロシア戦線で小隊を組んだ事がありますので」
あれは確か一年ぐらい前。ロイが初めてラウンズとしての任務に就いた時の事だった。
アルフレッドは一時エリア11から本国に報告に戻っていた時に、助っ人として東ロシアにやってきた。その時に出会って。ロイはアルフレッドと三日間作戦行動を共にした。
『ああ、なるほど。奴が我侭を言う原因はキャンベル卿でしたか……』
「はい? 原因?」
『いえ、合点がいきました。恐らくあなたに恩義を感じているのでしょう。だから早く戻りたいと……』
「へ?」
『おっと、これから先は本人の口からいう事ですね。でしゃばりは控えましょう』
「はぁ……」
ロイが曖昧な返事を返す。
ギルフォードは咳払いしてから、その顔を微笑みから真面目な軍人のそれに戻した。
『それより……。先ほどナナリー総督を乗せた大アヴァロンが補給のためベスタ島基地に到着いたしました』
それを聞いて、ロイも表情を引き締めた。
「そうですか。報告感謝します。護衛は確かアプソン将軍でしたかな?」
『はい』
「そうですか……」
アプソン将軍はあまり良い評価を聞かない人物である。ロイはギルフォードには気付かれない程度に顔を険しくした。
支援
支援ー
「では、ギルフォード卿。あなたは高速艇で一足早くこのエリア11に戻ってきていただけませんか? 空港の防備を固めたいと思いますので」
『了解しました。ですが……』
と、ギルフォードが言いよどんだのをロイは見逃さなかった。
「んっ? ギルフォード卿。何か心配事でも?」
ロイが尋ねると、ギルフォードは少し躊躇って、
『はい、どうも嫌な予感がするのです。できれば、私はナナリー新総督と共にエリア11に参りたいのですが……』
ロイはそれを聞いて、「ふむ」とアゴを指でなぞった。
「参りたいのですが、というのはどういう事ですか? いや、待った……それ以前にあなたが今そのペスタ島にいるのはおかしいですよね。
今思い出しましたが、私が聞いた限りでは、あなたはナナリー総督がエリア11に到着されるずっと前――予定ではすでにエリア11到着しているはずでは?」
『……はい』
「それなのに、あなたはまだベスタ島にいる。……理由をお聞かせ願いますか?」
これは問題である。ギルフォード卿は軍であらかじめ予定されていたエリア11への帰還ルートを外れて、自分の部隊を率いて自由奔放な行動をしている事になる。
もちろんあのギルフォード卿の事なので、何か理由はあるのだろうが、だがこうやってその事実を知ってしまった以上、それを黙って見逃せるほど、ラウンズという立場の責任は軽くない。
ギルフォード卿はロイの怪訝そうな瞳を真っ直ぐ見つめ返した。
『実は……私はアプソン将軍には内緒で、大アヴァロンに捕捉されない距離を保ちつつ、自分の部隊を率いてこのペスタ島にやってきました』
「? それは一体どういう事ですか?」
『護衛です』
「護衛? 誰から守る護衛ですか?」
『……ゼロです』
この答えには、ロイも「馬鹿な」と驚くしかなかった。
「そんな場所をゼロが襲うわけが無いでしょう」
『はい。ここまでは奴も姿を現しませんでした。しかし、エリア11に近づけば近づくほど、奴が現れる可能性が高くなります』
「ギルフォード卿。悪い事は言いません。少し冷静になって考えてみてください。カリフォルニア基地からベスタ島基地の空路上でゼロが襲ってくるわけ無いじゃないですか。事実こうやって襲われなかった」
支援
『はい。私も99,9%襲われないと思っていました。しかし、ここからエリア11への間ならありえるかもしれません』
「……」
『本当なら、私たちは大アヴァロンに沿う形で同行したかったのですが、――カリフォルニア基地で、アプソン将軍に我が部隊も同行させてほしいと頼んだところ、断られまして……』
と、困った様子で言うギルフォード。
あの将軍の性格ならそう言うだろうな。とロイは思った。将軍とは顔見知りではなかったが、頑固者という噂は色々と聞いていたからだ。
だが、それはこの際問題ではない。
「だから軍の規則を破って、自分の部隊とはいえ、あなたの独断でブリタニアの軍を勝手に動かしているのですか?」
ロイがそう咎めるように言っても、ギルフォードは全く臆する様子を見せず、むしろ堂々として言った。
『私は、ゼロを甘く見たくはないのです』
「……」
ロイはそれを聞いて、またか、と視線を上げた。
「あなたもですかギルフォード卿……」
『はっ? あなたも?』
「あっ、いや……」
ロイは自分から不意にでた言葉に軽く驚いた。
こうやって、無意識に言葉が出るという事は、どうやら、自分は先ほどスザクと行ったやりとりを少々根に持っているんだな。と気付いてロイは内心で苦笑した。
「スザクもそう言って、僕の制止を聞かずに中華連邦の総領事館にゼロの身柄引き渡し要求に行ったものですから」
『枢木卿が……』
「ええ、困ったものです」
――ゼロを甘く見るな。
そう言って――いや、言い続けて、スザクはロイの制止を聞かず。領事館に行くと言ってきかなかった。
ロイの意見としては。オデュッセウス殿下と天子様のご婚儀も早まった事だし。あまり中華連邦を刺激するような行動はどうかとも思った。
それにご婚儀が執り行われれば、流石に中華連邦もゼロを匿うことは止めるはずである。いや、むしろ向こうからゼロを差し出してくるかもしれない。
我々ブリタニアはそれを待っていればいいのだ。なのに、スザクはわざわざ波を立てに行った。しかも、ナナリー総督が到着するこの大事な時期にだ。
『賢明な判断です』
しかし、ギルフォードはスザクの行動を擁護した。呆気に取られるロイを尻目に、卿の鋭利な瞳が更に細くなった。
支援
お待ちしておりましたKOUSEI卿
支援
『私には、あのゼロが自分が中華連邦から追い出されるのを手をこまねいて見ているとは思えません』
「……」
ロイはギルフォードの言葉を聞いて、机に肘を付き、指を交わらせモニターの前にゆったりと上半身を近づけた。
「ではギルフォード卿。つまり、ゼロは何かしらの行動を起こす。と、おっしゃりたいのですか?」
ギルフォードは小さく頷いた。
『その可能性は高いでしょう。ですのでナナリー総督が就任されるこの時期。取り返しが付かなくなる前にゼロを確保したい。という枢木卿の考えは分からなくもありません。とはいえ、外交問題に発展するような問題を起こすのもどうかとは思いますが……』
「その点は大丈夫です。ナイトオブスリーやナイトオブシックスも同行しています。それに、スザクだって政治というのをちゃんと理解している人物です。外交問題になるかならないかの見極めはできるでしょう」
とロイはニッコリとした表情を浮かべて言った。私は完全にスザクを信頼していますから。という顔をロイは作った。
だが、それは嘘だった。
そもそも、本当にスザクに外交問題になるかどうかの見極めができると思っていれば、彼が領事館へ行くというのをロイは制止したりはしない。
実を言えば、ロイはスザク一人で領事館に行かせるのはかなり不安だった。なぜならスザクはゼロに対しては冷静さを失う節がよくあるからだ。感情的になる。衝動的になる。と言い換えても良い。
それはユーフェミアを交えたスザクとゼロの過去の確執を見れば仕方が無いとも言えるが、だからといって暴走してもらっても困る。なのでロイは、ジノとアーニャも同行するならという条件付きでスザクが領事館に行くのを嫌々ながらも納得した。
ちなみにスザクに付き添う二人には「くれぐれも問題を起こさないように。スザクが何かしそうになったら止めるように」と出発する時にスザクに隠れて何度も言い聞かせた。
もっとも、本当ならロイは自分が付いていけばもっと確実だったのだが、モニカと通信の約束もあったし、一人ぐらいラウンズが政庁に残ってないといざとなった時に困る。という判断だった。
ギルフォードは少し思案顔をしてから口を開いた。
『そうですか。ただ正直に個人的な意見を言わせていただければ。やはり多少中華連邦との関係が悪くなったとしても、早々にゼロを捕まえるべきだと思います』
支援
「……ほぅ」
ここで、ロイはゼロに対して、ある種の驚きにも似た感心を覚えた。
(それほどの男なのか。ゼロ……)
スザクもギルフォードもブリタニア屈指の騎士と言っていい人物だ。その二人が――実際ゼロと相対したことのあるこの二人が揃ってゼロに脅威を感じている。
(ここまでくると、もしかして僕の方がゼロに対する認識が甘いんじゃないのか? と思えてくるな。それとも、この二人が単に気にしすぎなのか……)
『キャンベル卿?』
少し考え込んでいたようだった。ロイはギルフォードの不審げな声を聞いてハッとした。
「はい、何でしょうか」
『すみません。差し出がましい事を申しました』
「いえ、あなた程の人物が危険視するのです。なるほど、私は少しゼロという人物を甘く見ていたのかもしれない。注意しますよ」
『はい。キャンベル卿も油断なさらぬよう』
「ありがとうございます。して、ギルフォード卿。あなたの私への要求を聞きましょうか。わざわざ隠密行動をとっているのも関わらず、こうやって連絡をしてきたのですから。行動を黙認して下さいとかそんな内容じゃないんでしょう?」
行動を黙認して下さいと頼むもなにも、ロイはそんな事を知らなかったわけだから、こうやって連絡する意味が無い。そして、ギルフォード卿はとりあえず“甘そうな”上司に連絡だけしておいて、後で、
「キャンベル卿には今回の私の行動は伝えてありました」と言って厳罰逃れをするような人物でもない。となると、何かしらロイにしてほしい事があってこうやって連絡してきたと思うのが普通だろう。
ギルフォードは躊躇わずに言った。
『はい。実は私の部隊が使っていた輸送機が、急に調達した古い機種なのもあってかエンジントラブルのため、修理に二時間程かかる事が判明いたしました。しかし、その間にナナリー新総督を乗せた大アヴァロンはこのベスタ島を出航してしまいますので……』
(つまりは、ラウンズの権限でなにかしらの航空手段を確保してくれないか。という事か……)
と、ロイは解釈した。
それならば、この通信は本来スザクに繋ぐはずのものだったのかもしれない。いや、多分そうだろう。と判断できた。
支援
支援
この種のお願いならば、ギルフォード卿にとっても顔見知りであるスザクに頼むのが普通だし確実だ。しかし、今はスザクがいないので、それならばロイに、という事だろう。
(ジノやアーニャに比べて説得しやすいとでも思われたのかもしれないな……)
そう思って、ロイは心の中で苦笑した。しかし、たとえそう思われていたとしても、いや、そう思われたぐらいで傷つくような安いプライドをロイは持ち合わせていない。
「……では、こうしましょう。私の部隊で“も”ある“キャメロット”が使用している“アヴァロン”も確か予定ではその基地に給油のため立ち寄っていますよね?
本来なら“アヴァロン”はアプソン将軍出発の一時間後にその場所――ベスタ島基地を離れることになっていますが、
……予定を繰り上げて三十分後に出立にしましょう。そして、ギルフォード卿の部隊にはその“アヴァロン”の護衛をナイトオブゼロの名において正式にお願い――いや命令します。これで、よろしいですか?」
そうすれば、もし、ナナリー総督の乗る大アヴァロンの方に何かあったとしても、KMF用の例の装備の量産化の事もあるし、すぐに後ろから駆けつけられる。
ギルフォードは自分の意見がすんなりと通った事に、一瞬目を見開いて驚いていた。しかし、すぐに、ほっとしたように微笑む。
『ありがとうございます。感謝いたします』
「いえ。私はあなたの意見を聞いて、よりナナリー新総督の安全が高い選択をしたまでです。では、“アヴァロン”の責任者であるロイド伯爵にはこちらから連絡を入れておきます」
『よろしくお願いします』
背筋の伸びたギルフォードの敬礼を最後に、通信は切れた。
執務室には再び静寂が訪れる。ロイは真っ暗になったモニターを見つめ、呟く。
「……ゼロか」
ロイの頭の中にスザクとギルフォードが言った、
――ゼロを甘く見るな。
――ゼロを甘くみたくはないのです。
という言葉が何度もよぎる。
「……」
ロイは妙な胸騒ぎを感じて、もう一度、情報部から届けられた黒の騎士団のデータを確認する事にした。
パソコンを操作し黒の騎士団の最新情報を表示させる。
支援
sienn
しかし、何度確認してもその航空戦力の欄には、“黒の騎士団には航空戦力は無し”としっかり記載されていた。それは情報部の報告を信じるならば、黒の騎士団は空中戦ができないという事。つまり、ナナリー総督は少なくとも空にいる限りは安全という事になる。
黒の騎士団に航空戦力は無い。実は、これは前々から判明していた事で、だからこそロイ達ラウンズは、もし黒の騎士団が総督を狙って何らか行動を起こすとしても、ナナリー総督が到着する前後。
つまり空港か、政庁までの護送ルートが一番危険であると判断し、ナナリー総督に先立ってこの土地にやってきて防備を固めていたのだ。
しかし、ロイはスザクとギルフォードの言葉を聞いて、自分達はいつの間にか襲撃があるとすれば、空港到着前後。という固定観念に囚われてしまっていたのでは無いか? とそんな不安に駆られた。
――ゼロを甘く見るな。
――ゼロを甘くみたくはないのです。
スザクとギルフォードの言葉が再びロイの頭によぎる。
(それはつまり、黒の騎士団はナナリー総督を空港ではなく、渡航中に襲う可能性があるという事か?)
そう思い立って、ロイはパソコンにエリア11を中心とした地図を表示させた。そこにはブリタニアからこのエリア11に来るまでにナナリー総督が通る空路が示してあった。
(僕が黒の騎士団のリーダーだとする。そして敵にバレていない航空戦力を保持している。と仮定して……)
海上決戦。それを行う場所として、大アヴァロンの航空ルート上、黒の騎士団に一番都合が良い場所。それは、
「ポイントT−2031……」
ここだ。というかここしか無い。ここならば、他のブリタニア軍施設からもっとも離れているため、もしナナリー総督が襲われても他の基地から救援に駆けつけるのに時間がかかる。
少なくとも自分が黒の騎士団のリーダーで大アヴァロンと一戦を交えるつもりなら絶対にこの場所で待ち伏せをする。だが……。
「う〜ん」
ロイは、頬をポリポリと掻いた。
「そもそも、航空戦力をそれなりに揃えていたとしても、あの大アヴァロンの編隊に敵うかな……」
攻撃を加える。これは誰にでも可能な事だが、敵を撃破するとなると話が違ってくる。それが分からないゼロでは無いだろう。
支援
モニカさん可愛いぜ。
支援
ナナリー総督を護衛し、このエリア11まで送り届けてるのはアプソン将軍率いる量産化された空中戦艦アヴァロンの編隊だ。
それらは一隻で街一つを焦土にできる力がある。しかもそれが五隻。五隻も護衛についているのだ。
生半可な航空戦力で奇襲を敢行した所でこのアヴァロンの編隊はビクともしないだろうし、たとえこの大アヴァロンを撃破できるほどの航空戦力を持っていたら、さすがにそんな大きな規模の戦力の保持を情報部が見逃すわけが無い。
それこそ、ゼロが奇跡でも起こして、短時間で師団クラスの航空戦力を揃えられるというのなら話は別だが。
「それとも……僕は何かを見落としているのか?」
ロイは画面上の海図を見つめて唸る。
黒の騎士団がブリタニアの情報部が見逃してしまう程度の小規模及び中規模の航空戦力を持っていたとしても、やはりそれでアヴァロンに戦いを挑むのは無謀すぎる。
それならまだナナリー総督が空港に到着した瞬間に地上戦力である無頼や月下のKMFで突撃をかけた方が現実的だろう。もっとも、空港には自分たちラウンズが四人も揃っているので、たとえ黒の騎士団のKMFが軍団規模で攻めて来たとしても遅れなどとらないが。
「……まぁ、念のためだ。アヴァロンの通過するT−2031に先行してこちらから偵察機を飛ばしておくか」
――あらゆる状況を予想し、それに対応できる策を練る。
モニカの言葉だ。しかし、これが、帝国を守護するナイトオブラウンズの役目である。
○
ギルフォードがナイトオブゼロとの通信を終えると、部下の一人、グラストンナイツのデヴィットが話しかけてきた。
「どうやら、キャンベル卿を上手く説得できたようですねギルフォード卿」
「説得?」
そう言ってギルフォードはデヴィットをチラリと見やった後、その視線を再び真っ暗になったモニターに戻した。
「少し違うな、あの方を説得したのではない。あの方がこちらに理解を示したのだ」
「はっ?」
「説得というものは伝える情報を全部提示して、それから始めるものだ。私は、今の会話では情報の提示しかしていない。情報を聞いて、判断をしたのはキャンベル卿だ。なるほど。アルフレッドが熱中するのもわかるな。賢い人物だよ」
そして、ギルフォードはフッと軽く笑い、
「いや、それとも人が良いだけなのかな」
支援
「?」
デヴィットが首を傾げる。その様子を見てギルフォードはまた微笑んだ後、すぐに顔を引き締めた。
「さぁ、聞いての通りだ。我々はロイド伯爵の“アヴァロン”に搭乗する。すぐに取り掛かれ」
「イエス・マイ・ロード!」
デヴィットの敬礼する横を通り過ぎ、ギルフォードは通信室からペスタ島基地の廊下に出た。
○
黒の騎士団が中華連邦領事館から抜け出して一夜が明けた。
「……」
紅月カレンは租界地下に作られた地下道を歩いていた。
地下道。と言っても、この場所はブラックリベリオン以前から黒の騎士団が、よく使っていた施設で、横幅はちょっとした体育館ぐらいの広さがあり、簡易な宿泊施設や通信施設等が存在し、
さらにその周りには黒の騎士団のKMFである無頼と月下が所狭しと並べられていた。
つまり、この場所はちょっとした地下基地とも言えた。
もう少しで出撃なのもあってか、ここは整備兵達の飛び交う声で少々騒がしかった。
だが、そのKMFが並べてある空間を通り過ぎるとやがて喧騒も無くなった。
自分の歩く足音が反響する音を聞きながらしばらく通路を進むと、カレンはやがて目的の場所に着いた。
そこには布で仕切られた一角があった。ここは現在、カレン達黒の騎士団のリーダーがいる場所だった。
「失礼しますゼロ。零番隊隊長紅月カレンです」
仕切られた布の前でそう言うと、
『入ってくれ』
「はい」
カレンは声に従って、空間を覆っていた布をサッとどけた。中には簡素な机とテーブル。椅子が数個。粗末なベッド。そして、
『呼び出してすまなかったなカレン』
カレンの上司であり黒の騎士団のリーダー、ゼロがいた。木製の椅子がある中で、唯一革張りの椅子に座っていて、カレンが入ってきたのを確認すると、その椅子をクルリと回転させてその体をこちらに向けた。
黒い仮面に黒い装束。何度見てもセンスが悪いとカレンは思う。もっとも、このゼロという人物の服装をどうこう思い始めたのは、ゼロの正体を知ってからだったが……。
「何か御用でしたか。ゼロ」
カレンはゼロの前に立ち、敬礼こそしなかったが一年前と変わらない敬意を持って尋ねる。
ゼロは腰掛けた椅子でゆったりと足を組み直し、そして言った。
『君に、作戦前に話しておきたい事があってな』
支援
支援
「? 何でしょうか?」
『一応人払いはしたんだが……気配は?』
「気配? ああ、少しお待ちを」
そう言ってカレンは周りの人の気配を探った。遠くから先ほどの喧騒が聞こえてくる他は、この辺りに人の気配は一切しなかった。
つまり、ここで何を話そうともそれが第三者に聞かれる心配は無いという事だ。
「大丈夫です。人の気配はありません。もっとも、猫の気配はしますけど」
「やっぱりすごいな。お前は」
カレンがゼロから視線を外し、ジト目で布で仕切られた空間の一角を見ると。そこの布が不意に揺れてその隙間から一人の女性――C,C,が感心しながら現れた。
「あんたの気配は薄いようでなんか目立つのよC,C,」
「そうか? これでも潜入は得意なんだが」
C,C,はそう言って、クスクスと笑った。女性のカレンから見てもその笑みは綺麗だなと思えた。
『茶化すなC,C,。それとなカレン――』
二人の女性の会話を遮り、ゼロは己の仮面に手をかける。同時に空気が抜ける音がして、彼はその仮面を脱いだ。
中から繊細で綺麗な顔が現れる。ゼロの正体。ルルーシュ・ランペルージだった。
カレンはそれを見届けて、片方の眉をピクリと上げた。
「仮面を取ったという事はゼロとしてではなく。ルルーシュとして私に用があるという事かしら?」
ルルーシュは微笑みもせず神妙な顔で「ああ」と小さく頷く。その隣では、C,C,がそれこそ猫のような仕草でゆうゆうと空いていた椅子に腰掛けた。
「何の用かしら? 出撃前だし、なるべく端的に済ませてもらえるとありがたいんだけど」
すると、ルルーシュはその宝石みたいに綺麗な瞳をカレンに向けて、そして告げた。
「ライの事だ」
「!」
カレンの瞳が大きく見開かれた。
シーン7『紅 と 青』Aパート 終わり。Bパートに続く。
投下終了です!
そして皆様! いつもこのような半端な時間の投下に付き合って支援していただき誠にありがとうございます。
その上、いつも長くてすみません……(マジで)
これでも絞ったんです。スザクとロイが口論するシーンとかもろもろメモ帳10キロバイト程……。
みなさん本当に支援ありがとうございました。
また来週。
KOUSEI氏GJ!!
長いことは良いことだと思いますよ?
スザクとライの口論は見てみたかったです
>>459 KOUSEI卿、GJでした!
相も変わらずちょっとした笑いとシリアスの割合が良いですね。
あと、長くても構いませんよ、色々見てみたいですしね。
ゼロに対する評価を改めたロイ、それがどういう結果へと繋がるのか非常に楽しみです!
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
GJです。いつものことながら、引き込まれました。
次回を期待しています。
流石KOUSEI卿!
見習いたいものですな〜
このまま続いていって23、24話ぐらいになったらどうなってしまうのか。とても楽しみです。
こっちのカレンはいいですね〜。もう本編みたくないよー(´Д⊂グスン
GJでした!
今回もGJでした!
長いってことは素敵だと思います。
今回はライとモニカさん、ギルフォードさんの絡みが特によかった。
流石フラグ一級建築士、いろんな所で男女問わず誑し込んでますねw
ライに対しては綺麗で大人気ないお姉さんなモニカさん可愛いよモニカさん。
>>459 相変わらずGJでした!
男女問わぬフラグの建築っぷりに思わず吹いてしまったw(良い意味で)
次回もwktkしてお待ちしておりますw
個人的にモニカが良い感じで良かったです
つうか、引きが気になり過ぎる
カレン好きの自分としては、次回が楽しみでなりません
またの投下、楽しみにしてます
KOUSEI卿GJ!本編以上に週一の楽しみですよ、もはや。この話の最初からリアルタイムで読んでいる自分としては次回のライとカレンの再会が楽しみでしかたありません。(しかし本編がこんな展開になるとは当時は思ってもみなかったな…)
誰か、保管庫のURLを頼むm(_ _)m新しくすると聞いて間違えて消してしまったんだ。
携帯で見ていたるんだ。携帯だと
>>1のURLだとみれないのかな?
あれ?俺パソだけど保管庫行けないぞ?
>>471 ほんとだ。入れるのに行けない。なんでだ?
入ったとこのurl張るのは流石にマズイよね?
>>1で書いてるURLだよな?関門ページってやつ。普通に見れるけど
>>472 それは直リンであって、普通に嫌われるから止めたほうがいいと思われ。
でも俺も見れない。473の環境はなんだろう。
そろそろスレ違い?だったらスマソ
>>1から保管庫に行こうとするとNot Foundになるぞ
どうなってるんだろう?
取り敢えずパソなら普通に見れるけど…アンチウィルスソフトが弾いてるとか?
俺はさっきまでは行けたけど今確認したら行けなくなってた…
マジでどうなってるんだw
小改装かなんかの作業中なんでね?
まあ落ち着いて丸1日ぐらい繋がらなかったらゆっくりメールするがよろしかと。
こんにちわ。
今のうちに投下しちゃいます。
本レス4、終わり宣言レスの合計5レスの予定です。
微妙なので、途中1〜2回程度でいいので支援をいただけたらありがたいです。
タイトル「合流の夜に…その2」
カップリング カレン→ライ×井上
なお、ライがゲームと違い、優柔不断気味です。
イメージ合わない方は、スルーをお願いいたします。
前作で感想書いていただいた皆様、ありがとうございます。
あれで終わるつもりだったのですが、感想を読んでて続きを書こうという気になりました。
また楽しんでいただければ幸いです。
支援
合流の夜に…その2
私は、飲み物が入ったグラスを二つ持ち、きょろきょろと周りを見渡して彼を探す。
「あれ?おかしいなぁ…。さっきまでここにいたのに…」
すると同じように誰かを探しているかのような動きをしているゼロを見つけた。
「あ…ゼロも誰か探しているんですか?」
私が声をかけると、ゼロも同じように聞いてきた。
「も…という事はカレンも誰か探しているのか?」
「ええ…。さっきまでライがいたと思ったんですけど…」
「カレン、君もか…。確かについさっきまでここにいたはずだ。どこに行ったんだ…あいつは…」
「ゼロも彼を探してたんですね」
気まずそうに暫く間が空き、ゼロは頷いた。
「まぁ、また共に戦うのだ。以前の蟠りは無い方がいいからな」
以前の事をゼロも気にしていたのだろう。
まるで意地っ張りの男の子が素直に仲直りできない時に言い出しそうな感じで言う。
普段の時とのギャップの差が大きい分、その行為がとても可愛く思う。
クスッ…。
自然と笑いが私の口から漏れた。
その笑いを何か勘違いしたのだろう。
慌ててゼロはいろいろ言い訳を言い出す。
それがますます笑いを誘う。
支援
さすがにこれ以上は言っても無駄とわかったのだろう。
ゼロは咳払いをすると話題を変えた。
「カレンは、どして彼を探していたんだ?」
「うーん、なんというか話したかったから…かな」
そう言ってはみたものの、心の中の思いは形を成しておらず、いろんな思考が混ざり合って自分自身正確にはわからない。
ただ、彼が帰ってきてすごくうれしいという思いと、彼と話しをしたいという思いだけが私を突き動かしている。
「そうか…」
ゼロは私の顔をじっと見た後、やれやれといったジェスチャーをする。
「今回は、君に彼を譲るよ、カレン」
「え?」
「そんなにうれしそうな顔をされたら、譲りたくもなる」
私の頬がカーッと燃えあがったかのように熱を持つ。
多分、真っ赤になっているのだろう。
「ち、違いますっ…ゼロぉ…」
そんな私の言葉をゼロは笑って聞き流す。
「ではな…。ライによろしく…」
そう言うと藤堂さんたちのいる方に歩いていった。
「違うのにぃ…」
ぶつぶつとそう言ったものの、私はゼロの言葉や配慮がうれしかった。
そして、再びきょろきょろと会場をうろつきながら彼を探す。
しかし、その日、私は彼と会って話すことは出来なかった。
支援
あーーっ、なんでやっちゃったんだろう…。
私はキスの後、格納庫を飛び出すと廊下を駆け出しながら後悔していた。
彼が大事にしているであろうカレンの写真を見た瞬間、私は自分の心の思いを殺す事を選択したはずなのに…。
だが、自信なくうなだれる彼を見ていたら、慰めてあげなくちゃという思いが心を支配して……気が付くと唇を重ね合わせていた。
まるでそうするのが当たり前のように…。
未だに自分がそんな行動をしたのが信じられなかった。
なんとかその場は言い繕ったものの、私の心は複雑だった。
どうすれいいの…。
思いも殺せず、だけどカレンのことを考えたら…。
心の中で思いと理性の戦いがあれからずっと続けている。
だが、この戦いは終わりそうになかった。
なせなら…あのキスの後、殺したはずの思いはますます強くなって私の心を大きく占めるようになったのだから。
支援
僕は、井上さんにキスされた後、その場に呆然と立ち尽くしていた。
「柔らかかった…」
右手の指が自分の唇をなぞり、唇の感触が頭の中で再現される。
その瞬間、僕は膝から力が抜けてその場に座り込んでしまっていた。
予想外の井上さんの行為にまだ感情が落ち着かず、思考がうまく働かない感じだ。
そして、頭の中は井上さんとの思い出ばかり浮かんでくる。
始めて会って、いろいろ話をして…。
そう思い返してみて、ふと気が付いた事があった。
そういえば、いつも彼女は僕を見ていてくれた様な気がする。
常に僕に気をかけて、話しかけてくれたり、手伝ってくれたり…。
そこまで考えて、僕はその考えを払いのけた。
何を考えているんだ…僕は…。
キスされた途端、そういう事を考えるなんて…。
彼女も言ってたじゃないか「勇気のつくおまじない」って…。
だから、それは僕の思い違い…。
それに…それに…僕には、カレンへの思いがあるはずだ。
そこまで考え、僕はやっと思い出す。
カレンの事を…。
カレンへの思いを…。
あれほど迷い、考えていた事をすっかり忘れてしまっていた事がショックだった。
あんなに…あんなに…思っていたはずなのに…。
何をやっているんだ僕は…。
僕は…そのまま、格納庫を後にすると自室へ閉じこもった。
今回は、ここで終了です。
中途半端なのは、これ以降は合流の夜以降の話しになってしまい、タイトルとは違ってきてしまうためです。
その為、次とのつなぎの部分までとしました。
続きは、「合流した後に…」というタイトルで書く予定です。
よかったら、その時もよろしくお願いいたします。
>>488 井上さんがせつない…
ライはどっちを選ぶのか気になります
>>488 >>「柔らかかった…」
て、もしかしてライ、ファーストキスを奪われた? だとしたら、ライに萌えるw
前作では、一時的なものかと思われたライ×井上。これは、本格的にラ井上がくるのか!?
最近、井上さんが登場する作品が増えて嬉しい。
GJ! 次回作を期待して待ってます。
>>488 あしっど・れいん卿、GJでした!
まだはっきりしていないカレンの思い、燃え上がる井上さんの思い。
そして、あやふやとなるライの思い。
三人の思いはどうなるのか……
大いに期待させていただきます!
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
今回の改定の一環として、背景や基本の文字色を変えたいという職人様は、
投下宣言、若しくは前書きに次のテンプレを追記することを推奨します。
背景色 333333
文字色 cccccc
この指定があれば、保管の時点で変更いたします。尚、上記は2つともデフォルト値です。
背景色 ff0000
文字色 0000ff
ならば、背景が赤で文字が青になります。(因みにこれはもの凄く読みにくい配色です)
本日の昼頃に保管庫に繋がりにくいという事態が発生したようですが、原因は不明です。
現在、当方では閲覧に何の問題もありません。
KOUSEI卿へ質問です。昨日のものですが、開始は417からですか?それとも419からでしょうか?
トーマス卿へ。
いつもお世話になっております。KOUSEIです。
開始は
>>417からでお願いします。
今後もAパートではオリジナル設定の説明を入れていこうと思っています。
よろしくお願いします。
なんか現時点でうちのPCではフレームの右側が表示されないです。
>>492 すみません…トーマス様。
倉庫修正お願いします。
「0025-0481 合流の夜に… その2」のカップリングが「ライ→ライ×井上」になってます。
「カレン→ライ×井上」でお願いします。
ロスカラが発売されてかれこれ数か月が経ったけど
まだ伸びてるなんてここは本当に凄いなw
もうすぐ本編が終わっちゃうけど、そうすれば色んな謎が解けるからSSも書きやすくなるかな?
自分もまたSS書くかな!
>>493 その形で保管しました。尚、「C,C,」を「C.C.」に、「99,9%」を「99.9%」に修正しています。
>>494 あ、それは現時点では正常です。
>>495 修正しました。すみませんでした。
規制早く解けて欲しい……業務連絡の度に回線を切り替えなきゃならん。
さて、22:30頃から投下します。本文・あとがき合わせて7レス分です。
>>488 続きキター!
GJッス
まさかというかついに井上のブームが来るか!?
私には来た!
酔った勢いだと思っていたら意外と切ない思いを胸に秘めた井上さんが素敵ッス
ライは、ライはどうする!?
次回もすごく期待してます!
支援します
ありがとうございます、では投下します。
『自称・緑茶の精、現る』の続きです。
シリーズ名は、『僕と妖精さん』でお願いします。
作者:余暇
タイトル:妖精さんとハプニング
カップリング:ライ×リーライナ
(設定と注意)
・特派編スザクEND後
・リーライナは妖精(緑茶の精)で、神出鬼没です。
本文とあとがき合わせて7レス分です。
支援
『妖精さんとハプニング』
ある日の昼休み。学食で昼食を済ませた僕は、一人で屋上に来ていた。寝転がって眺める空は、青く澄んでいた。
「はあ、平和だなあ。」
「そうですね、こういう日は緑茶を飲むに限ります。」
「本当ですね…って、うわあっ!?」
誰もいないはずだった僕の隣から声が聞こえて、僕は飛び起きた。隣にはいつの間にかリーライナさんが座り、
緑茶をすすっていた。本当に心臓に悪い登場のしかただ。
「こんにちは、ライさん。ごきげんいかが?」
「こんにちは、心臓が止まるかと思いました。もう少し、前触れとかないんですか?心の準備くらいさせて下さい。」
すると彼女は、澄まし顔で言った。
「残念ながらできません。それに、ライさんの驚いた顔ってかわいいし、もっと見てみたいなあ。」
かわいいって……。僕は一応、男なんですが。
「ところで、今はこっちに来てもいいんですか?」
「ええ。私の方も昼休みなので、こちらにお邪魔しました。」
昼休みだからって日本と本国を往復できるなんて、妖精はすごいな。
「ところで、お昼はもう食べられたのですか?」
「ええ、さっき学食で。」
「そうですか、では食後のデザートはいかがですか?もちろん、緑茶も一緒に。」
そう言って彼女は、緑茶の入った水筒と栗ようかんを出してきた。本当にマジシャンみたいだな。
「それじゃあ、遠慮なく。」
僕とリーライナさんは、食後の小さなお茶会を楽しんだ。
お茶会を終えた後、彼女はすぐに本国に戻り、僕も教室に戻った。
支援
放課後、特派の研究施設でシミュレーターによる訓練をし終えた僕は、着替えるために更衣室に向かった。
更衣室に入ると、先に着替え終えたスザクがいた。
「お疲れ様。今日の訓練でも思ったけど、ライはどんどん強くなっていくね。」
「そんなことないさ。スザクこそ随分上達したと思う。」
そんなことを話しつつ、僕はのどの渇きを覚えていた。
(はあ、のどが渇いたな。それに疲れた。帰ったら緑茶と甘い物でも……。)
そんなことを考えながらロッカーの扉を開けると、
「む?」
何故かロッカーの中にリーライナさんがいて、緑茶を飲んでいた。爪楊枝に刺したようかんを持って。
「………!!」
悲鳴を上げたくなるのをどうにか堪えて、僕は静かにロッカーの扉を閉めた。
「どうしたの、ライ?顔色が悪いけど、大丈夫?」
スザクが心配そうに僕に声をかけてきた。どうやら、彼女のことは気づいていないらしい。
もし見られでもしたら大変だ。僕はスザクをこの部屋から遠ざけることにした。
「すまない、スザク。少し疲れたみたいでね、しばらくこの部屋で休んでいこうと思うんだ。
だから今日は一緒に帰ることはできない。」
「えっ、大変じゃないか。すぐセシルさんに知らせて、医務室に…」
「いい!余計なことはしなくていいから、君は誰にも知らせず、まっすぐ帰るんだ。
少し休めば大丈夫だから、本当に心配しないで。頼む、ここは見逃してくれ。」
何を必死になっているんだ僕は。自分でも何を言っているのかわからなくなってきた。
「そ、そうかい?ライがそこまで言うのなら、僕もまっすぐ帰ることにするよ。じゃあ、お大事にね。あまり無理をしたらダメだよ。」
そう言うと、スザクは更衣室から出ていった。僕は脱力感から、床にへたり込んだ。
「つ、疲れた……。」
するとロッカーの扉が開いて、リーライナさんが出てきた。
「お茶をどうぞ、ようかんもありますよ。」
「……いただきます。」
言いたいことは色々あるが、ここはお言葉に甘えて一息つこう。
支援!
「ところで、どうしてロッカーの中にいたんですか?僕が緑茶と甘い物が欲しいと考えていたからですか?」
緑茶とようかんをもらって一息ついた僕は、リーライナさんに尋ねた。
「あら、よくわかってるじゃないですか。その通りですよ、ライさんがそう考えることで、私を呼んだんです。
自分の部屋でくつろいでいる時に移動が始まったので、ちょっとびっくりしましたけど。しかも着いた場所が
ロッカーの中だったので、さらにびっくり。」
そうか、だから出てきた時、狐につままれたような顔をしていたのか。悪いことをしたな。
「すみません、僕が無意識に呼び出したせいで。これから気をつけます。」
するとリーライナさんは、手をひらひらさせながら笑って答えた。
「気にしない、気にしない。無意識に私を呼ぶということは、それだけ緑茶を気に入ってもらっているわけですから。
それにライさんと会う機会が増えれば、私も嬉しいです。結構楽しいですよ、ライさんとお話していると。」
「そうですか?自分ではユーモアもないし、大して楽しい人間ではないと考えていますけど。」
するとリーライナさんは、床に座る僕の頭をなでながら言った。
「そんなことないですよ。ライさんは楽しい人だと思います。一緒にいると、すごく優しい時間が流れているような気がするし、
癒されるんです。何より緑茶を気に入って下さっているんですから、緑茶の精としてはこんなに嬉しいことはないですよ。」
「あ、ありがとうございます……。」
僕は照れ臭かった。突然現れてびっくりさせられるけど、彼女自身はいい人だし、一緒にいると不思議と落ち着くのだった。
やはり彼女が緑茶の精だからだろうか。
しばらく話した後、リーライナさんは帰っていった。彼女と話すのは楽しいが、これからはうかつに呼び出すのはやめようと心に決めた。
本人は「気にするな」と言っていたが、やはり変な時に呼び出すと、彼女に迷惑をかけてしまうと思ったからだ。
ところが、この後さらにとんでもない事件が待っていた。
「はあ、疲れた。」
自室の浴室につながる洗面所で、僕は服を脱いでいた。これから風呂に入るためだ。
今日は何だかいつもよりも疲れた気がする。特派での訓練がハードだったこともあるが、
二度にわたって、いきなり現れたリーライナさんに驚かされたことも関係していた。
「別に彼女が悪いわけじゃないのはわかってるんだ。勝手に呼び出した僕が悪いんだけど、
登場する前に前触れがあって欲しいんだよな。特にロッカーから出てきた時は心臓が止まるかと思った。」
でも彼女と話したりお茶を飲むのは悪い気分ではない。彼女はああ見えて、僕に気を遣ってくれているみたいだし、いい人なんだよな。
そういう意味では、彼女と出会った偶然は、僕にとって良かったのかもしれない。
「でもわからないものだな。冗談で言った『緑茶うめぇ』の一言で、こんなことになるなんて。」
僕は苦笑しつつ、浴室の扉を開けた。すると何故かシャワーの音がして、白い湯気が立ち込めている。
おかしい、誰もいないはずなのに。そう思って目を凝らすと、僕の正面に人の姿が現れた。その正体は……。
「ええっ、ラ、ライさん!?」
「ああっ、リ、リ、リーライナさん!?どうしてここに……。」
そう、そこにいたのはシャワーを浴びるリーライナさんだった。しかも僕たちは、思い切り正面で向かい合っている。
つまり普段は見られないものが見えるわけで……。
「キャアッ!」
「ごごごめんなさい!失礼しました!」
僕はあわてて浴室から逃げ出した。その途中で、さっき「緑茶うめぇ」と言ったことで、彼女を呼び出していたことを思い出した。
「しまったー!何やってるんだ、僕のバカー!」
僕は自分自身の行いに絶望し、頭を抱えた。後でちゃんと謝ろう、許してもらえるとは思わないが。
支援
それから二十分後、リーライナさんは風呂から上がり、リビングにやってきた。あの後怒って帰ってしまうかもしれないと思ったが、
帰ることなく僕に謝罪の機会をくれたことには感謝しなければならない。僕はすぐに、頭を下げた。
「すみませんでした!完全に僕のミスです、軽率でした!」
僕はひたすら謝った。
「あ、あの、頭を上げて下さい。私は大丈夫ですから…」
「良くありません!僕の行いは許されるものではない。許しは請いません、もう僕の前に出たくなければそれでもいい、
ただ反省しているということだけでもわかって欲しくて……。」
せっかく出会えたばかりだが、自分で犯した過ちの責任は取らなければならない。
もう会えなくなっても構わない、そう思っていた。
「そんなに気にしないで下さい、こういうこともあるかもしれないとわかっていましたし、覚悟もしていましたから。
確かに実際に体験するとすごく恥ずかしかったですけど、それでライさんに幻滅することはありませんから。
だって、わざと呼び出したわけではないんでしょう?でしたら仕方がありませんよ。」
僕が顔を上げると、リーライナさんはニッコリと笑った。
「僕を許してくれるんですか?だってあなたの入浴中に…」
「ええ、許します。そりゃあわざとだったら許しませんし、うっかりでも二度目はありませんけど。」
「す、すみませんでした。以後肝に銘じます。」
「ふふっ。じゃあ私は帰りますので、ゆっくりお風呂に入って、ちゃんと疲れを取って下さい。
では、また明日。おやすみなさい。」
「はい、おやすみなさい。」
そしてリーライナさんは、僕の目の前から消えていった。
「良かった、許してもらえるとは思わなかった。でもこれからは本当に気をつけよう。」
僕はほっとしたと同時に、これからは彼女に迷惑をかけまいと心に誓うのだった。
支援!
sien
ここはリーライナの部屋。ライの所から戻ってきた彼女は、そのままベッドに倒れ込んだ。
「はあ……、ライさんに見られた。あー、思い出すだけでも恥ずかしい!」
リーライナの脳裏にあの時の光景が浮かび、彼女は枕を抱えてベッドの上を転げ回った。
「大丈夫なんて言ったけど、本当に大丈夫かなあ。普通に接することができるかしら。ライさんも変に意識してなければいいけど。」
異性の裸を見るのは、昔父親と一緒に風呂に入って以来だ。その後は士官学校に入って、他の少女士官候補生と一緒に寮生活を送ったため、
同年代の異性と触れ合う機会そのものがあまりなかった。ヴァルキリエ隊入隊後も恋愛に対して憧れは持っていたが、
その対象となる人物は周りにはいなかった。ただ、見たこともない「特派のダブルエース」の一人に対して、漠然と憧れていた。
「でももう、単なる憧れじゃないよね。偶然出会った時にすぐに惹かれて、事故とはいえ彼と風呂場で鉢合わせして。
これで意識しないわけないじゃない。」
偶然の出会いから憧れの人と知り合い、少しずつでも関係を進展させて、いつか彼を振り向かせることができればと思っていた。
だが風呂場で鉢合わせという出来事が、予想を超えて彼女の心に変化をもたらしていた。
何かの拍子で呼び出された時にあり得る出来事ではあったが、事故であればさほど気にならないと思っていた。
だが異性に対する免疫が、自分で思っているほどは持ち合わせていなかった。
「まさかこんなに胸がドキドキするなんて。さっきは何とか平静を保っていられたけど、明日からどうしよう。
急に彼の前に出ていった時に、ちゃんと顔を見ることができるかな?あー、どうしよう……。」
結局リーライナは、その後も悶々とした夜を過ごしたのであった。
次回予告 『妖精さんと伝説の妖精』
ライを本格的に異性として意識し始めたリーライナ。まだそれに気がつかないライ。
そんな二人の前に、もう一人の妖精が現れた。その人は、ライにとって身近な人物だった。
以上です、支援ありがとうございました。
設定が設定だけに、話を作りにくい。いや、考えたのは自分ですが。
とりあえず、妖精さんを二人くらい増やす予定です。次回はその第一弾。
余談ですが、『虫食い』書いてたらさらなるカオスにはまりました。
しえん
最初に言っておく!
……増えるの!?
>>514 余暇卿、GJでした!
ロッカーの中にいる緑茶とようかんを持ってる女性……シュール。
そしてOYAKUSOKU! そこから加速する思い!
続きも、虫食いも期待してますね。
では、貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
さて、よろしければ23:25頃にSSを投下したいと思います。
16kほどありますので支援の程をお願います。
……くっ、今からバスタイムだorz
誰か支援を頼みます!
支援表明
時間となりましたのでSSを投下致します。
以前書いた選択肢系SS「酒乱人」で○ラクシャータが介抱する編です。
わあ、待ってました!
支援します。
○ラクシャータが介抱する
「ちょっと、大丈夫?」
胡坐をかくライに対して、ラクシャータは彼の前で屈んで目線を合わせる。ラクシャータの顔を見るとライは大丈夫、と笑顔を作って言った。
「………」
大丈夫と言うライの言葉をラクシャータはそのまま鵜呑みにしなかった。
先程の彼の笑顔には、感情が篭ってない、というよりは相手を心配させない為の作り笑いだとわかったからだ。
「大丈夫だよ……それよりさ、カレンとラクシャータも飲まない?色んなジュースがいっぱいあるんだよ」
ライは辺りを見回すと、目当ての物を発見したのか、まだ未開封の缶を手にとって二人に見せ、二人は心の中で溜息を吐く。
ライが手に取ったその缶には、大きくカクテルという酒の種類がはっきりと表記されていたからだ。
小学生でも読めそうなものをジュースと間違えてしまうのは重度に酔っぱらっている証拠となる。
基本的の酒というものは、適度に飲めばストレスを緩和し、心を楽しませるものだが、飲酒適齢期に達していない者が飲むと話しは変わる。
日本人の半分は、アルコールを摂取すると人体にとってマイナスの症状をもたらしてしまう「酒が飲めない」という属性を持つ人が多い。
顔面の紅潮や頭痛、更には激しい動悸などの人体からの警告が出ているにも関わらず、アルコールを受け入れたフリをする者もいる。
基本的にそのような人間は大抵、いらない気を使っている場合が多いとも聞く。
ライは優しく、しっかりとしているけれど、どこか抜けてて、意外にも天然な部分も持ち合わせる。
それは悪いことではないが、今回ばかりはそれが裏目に出てしまっている。
ラクシャータは昔、中華連邦にいた時期があり、神蘭のことはよく知っている。外見がジュースに見え、その正体が酒だと知るには口に含むしか方法はない。
団員の中で酒を数多く飲んだことのある玉城でも看破は難しいであろう。
彼の性格上、恐らくは口に含んだ時に酒と気付いたがそれを吐き出すわけにも突き返すのも悪いと考え、いらない気を使って飲み干した、といった所だろう。
支援
「………何言ってるんだか」
ぼそりと言うラクシャータはライの手から缶を取り上げて、それを床に置き、ライの腕を取ろうとするがそれよりも速く、カレンの手がライの腕を掴んだ。
「本当に大丈夫?気分悪くない?気持ち悪かったら………」
まるで、我が儘な子供を諭す母親のような口調でカレンが声を掛けると、ライの代わりにラクシャータの声が耳に入る。
「あら……彼をどうするの?」
ライを立ち上がらせようとするカレンに対してラクシャータは口の端を上げて言う。
「とりあえず医務室に連れて行きます。彼、無理してるみたいですから」
「ふ〜ん、大丈夫なの?」
ラクシャータがライの方に視線を移すとカレンはそれを察して、ライの前に移動して彼女の視線を塞ぐ。
「えぇ、大丈夫ですよ。」
「そういえば、あなた紅蓮の整備があるんでしょ?彼のこと、なんなら替わってあげてもいいわよ?」
「いいえ、結構です。こう見えても、私は彼のお世話係ですし、彼のことはよく知っているので」
お世話係、よく知っているという部分を何故か強調し、ラクシャータの誘いを黒の騎士団に入団させるまでの間、ライのお世話係として一緒にいたことで得られた自信を、紡ぐ言葉に乗せて笑顔で断る。
「知ってる?普段はどんなに優しい狼でもおいしい獲物を見つけちゃうと理性が無くなっちゃうって聞いたことがあるのよねぇ」
目を細めて、キセルを銜えるといつもの口調で返す。だが、その後ろには普通の人間が放つとは思えないモノ――オーラのようなを放っていた。
「……まるで、私が今の彼を見て、襲おうとしているって聞こえるんですけど、気のせいですか」
「べっつに〜そう聞こえるんなら心当たりはあるんでしょ〜」
ラクシャータの言葉でカレンの目元をきつく――ほぼ睨むという状態になり、ラクシャータはカレンの反応を面白がっているのかニヤニヤとしており、二人は無言でバチバチと火花が飛び散りそうな視線と視線のタイマンを始めていた。
支援
「カ〜レ〜ン♪」
「えっ…わわっ?!」
カレンの声が格納庫内を響かせた。しかし、周りの団員達は声に対しては意も介さずに酒盛りを楽しんでいる。
視線と視線の喧嘩の最中、カレンは甘えるような声が耳に入るのと同時に衝撃を受ける。
視線を下ろせば、誰かの手が自分のカレンの両脇を通して体の前に回しているのがわかった。
あまりに驚きの声が大きかったのは、その手がカレンの胸を鷲掴みにしていたからだ。
「ちょっ、ちょっと井上さん!何なんですか?!!」
胸を鷲掴みにするその手と背後からの声でカレンは即座にその人物の名を呼ぶ。
「何って女同士のスキンシップよ〜!ス・キ・ン・シ・ッ・プ」
名を呼ばれた黒の騎士団幹部の一人は顎をカレンの肩に乗せて。甘えるように頬ずりをする。こころなしか、妙に頬が赤い。
「だからって、いきなり胸を掴まないでくださいよっ!」
「え〜いいじゃない。減るモンじゃないんだから〜〜」
赤面しながら訴えるカレンの言葉に拗ねてしまったのか井上は頬を膨らませてカレンの胸から手を離そうとしない。
井上から漂う高濃度のアルコール臭と呂律の回らない言葉紡ぎでようやく井上が泥酔していることに気が付いた。
自分の胸を掴む手と共に井上を引っぺがそうとするが思いの外に彼女の力は強かった。
「ねぇ、カレンもこっちに来なさいよぉ〜おいしいものがいっぱいあるから〜」
井上はやっと離れたかと思うと、今度はカレンの腕を引っ張って酒盛り場に連れて行こうとしていた。
「えっ、ちょっと待ってくださいよ!」
「だぁめ!年上の言う事はちゃんと聞くのが常識よ、常識!」
どこの常識だ、と心の中でツッコミを入れながら、腕を引っ張る力に対してカレンは抗う。
だが、何故かこの時の井上の力は強く、抵抗は無意味と思い知らせるようにどんどんと酒盛り場への距離を縮めていった。
「……あれ?」
支援
井上から逃れようと暴れる最中、ふとカレンの目が自分たちに対して微笑んでいるラクシャータを捉えた。
その隣には、アルコールのお陰でふにゃふにゃになっているライ。
その二つを見て。瞬く間に顔を青ざめさせるカレン。
「い、井上さん!ちょっと、本気で離してください!」
「え〜何れよ〜?いいじゃないのよぉ」
カレンを引っ張るのをやめて井上は振り向いて文句を垂れる。
「で、でもライをあのままにしておくのは……その、あぶないので……」
「ライ〜?大丈夫よぉ!心配なら、ラクシャータに任せておけばいいじゃないの……ねぇ〜!彼のことお願いできる〜?」
井上の酒気混じりの声に対して、ラクシャータは手をヒラヒラと振って答えた。
「ほら、OKだって」
井上はそう言うとほんの少しばかり強くなったカレンの抵抗も無に帰すように腕の力を強めてカレンを強制連行が再開する。
「OKって…!一番それがあぶないんですってば!……ラ、ライーーー!?」
哀れ紅蓮弐式を駆る戦乙女は井上の力に抗えず、ライの名を叫びながら連れて行かれるのであった。
この時、カレンは猫にマタタビを与えてしまったと、己の非力さを恨んだ。
支援
支援
「ごゆっくり〜♪」
井上とカレンが格納庫内で多く密集しているグループの中へ姿を消すと、ラクシャータはライの腕を取る。
「あれ……カレンは?」
酔いのせいなのか先程の出来事が目に入っていなかった様子のライは顔をキョロキョロとあちこちに向けてカレンを捜す。
「あぁ………急用が出来たってさっき帰ったわよ?」
ラクシャータはふらつくライの腕と自分の腕を組ませることで支えると微笑みながらそう言った。
「ほら、さっさと行くわよ」
「い、行くって?」
突然腕を引っ張られ、強制的に立たされたライは足をもたつかせながらラクシャータに行き先を尋ねるとラクシャータはすぐに答えた。
「医務室よ、あんたキツそうみたいだからね」
「だから、大丈夫だってさっきから……」
「酒とジュースの区別ができない酔っ払いが何言ってんのよ。明日、新しいパーツの感想を聞いたり、テストをするんだからいつまでもそんな状態だとこっちが困るのよ」
今もなお、大丈夫だと言い張るライにラクシャータは本音と嘘が入り交じった言葉でライを黙らせる。その言葉はまるでよく切れるナイフのようにライの言葉を一刀両断にし、有無も言わせずにライの腕を引っ張った。
ライはその力に抗わず、歩き出しラクシャータと供にアルコール臭が濃厚に充満する格納庫から出て行った。
++++++++++
医務室は既に飲み会でハメの外しどころを間違えたことで泥酔した新入団員達でベッドは満員となっていた。
所々から呻き声が聞こえ、その種類はかなり豊富なものであった。「気持ち悪い」はもちろんのこと、「吐く〜」「だれかバケツくれよ〜」など、
「んあ〜またタカオまで行っちゃったよ……」
「……スガモ、コマゴメ、タバタ、ニシニッポリ、ニッポリ、ウグイスダニ、ウエノ、オカチマチ……アキハバラ〜!!」
という風に、謎の言葉を発する団員達もいるその医務室は泥酔者が放つ特有の雰囲気と相俟って墓場と表現しても差し支えは無い。
さすがにそんな所にライを置くわけにはいかないので、ラクシャータはとりあえずライの部屋へと移動しドアを開ける。
支援
「はい、そこに座って」
部屋に入るや否やライはベッドの縁に座らされる。ラクシャータはベッド横にある水差しからコップヘ水を注ぐと白衣のポケットから硬質プラスチックなどに錠剤を入れ、アルミニウムフィルムで封を施された二錠の薬を取り出してライの前に差し出した。
「ほら、飲みなさい」
「薬?」
「酔い覚まし、飲めば楽になるわよ」
「大丈夫だよ。気分なんて悪くないし」
ライは微笑みながら言うが、ラクシャータはそれを引っ込めようとしない。
それどころか、薬とコップを更に顔に突きつける。コップの側面がライの頬に触れると、その冷たさに一瞬だけ驚いた
「何言ってんのよ。こんなに顔を赤くして、そんな嘘が通じると思って?」
「……」
「………さっさと戻ってきなさい。今、ここにいるのは私とアンタだけなんだから」
今の状態のライをその目に収めているのが楽しいのかラクシャータは口の端を上げて言った。
ラクシャータの言葉を聞いて、ライはほんの少しだけ顔を俯かせていたが、やがて水の入ったコップに両手を伸ばして受け取った。カタカタと手が震え、コップの水面が何度も波打つ。
薬の方も受け取り、錠剤を押し出して取り出し、それを口の方に含もうとした瞬間、手の平に乗った酔い覚ましの薬を褐色の細い指が摘み取っていた。
「ラクシャータ?」
疑問符を頭に思い浮かべて薬を摘み上げた指の持ち主の名を呼び、目を向けると、彼女は屈んでベッドの縁に腰掛けたライと視線を合わせた。
「口開けて」
「…?」
言われた通りに口を開けると、彼女の指先にあった薬はライの舌の上に乗せられていた。
そして、コップを持つ震える手にラクシャータの手が重なり、彼女の手がライの手の主導権を握る。
ラクシャータの手の先導によってコップの淵が唇へ運ばれ、ライはコップの淵を唇につけて冷水を口の中へ受け入れ、薬を流し込む。
口から食道へ、そして最後には胃の中へ火照った体が内側からほんの少しの間だけ冷却されるのを感じ取った。
「ほら、横になって」
薬を飲んだことを確認したラクシャータは団服を脱がせて、ライをベッドに寝かせた。
支援
「気分はどう?」
「…頭の中がぐるぐるして…それと、体が熱い」
腕で顔を覆いながらライは途切れ途切れでありながら答える。灰銀の髪を掻き上げ、露となった額に手を当てるとまるで風邪を引いたかのような熱さが伝わってくる。あとで氷のうを持ってきたほうが良さそうだ。
「熱い……」
まるで呻くようにその言葉を何度も口で紡ぐライ。ラクシャータは篭る熱を逃がそうとライのシャツに手を掛ける。
シャツは汗を吸って肌に張り付いていた。細い指がシャツのボタンを外してゆく、四つほど外した辺りで男にしては白い肌の一部分が現れた。
「すずしい…楽になった。ありがとう…ラクシャータ」
露になった部分から熱が放出されるのを感じ取ったのか、ライの顔が幾らか緩くなった。
ギシっとベッドのスプリングが音を立てる。潤んだ目が天井を仰ぐと笑みを浮かべたラクシャータの顔を捉える。
「………」
「ラクシャータ……?」
名前を呼んだ時には褐色の肌を持つ両手がライの両頬を包み込み、次の瞬間にはラクシャータの唇がライの唇と重なった。
「んっ…」
部屋の中で喉から漏れた声が空間を浸透する。ラクシャータの舌が侵入し、舌と舌を重なり合わせ絡ませるという激しいキス。
何秒、何十秒は経ったのだろうかやっと唇を離すと、互いの唇と唇の間に唾液が糸を引く。
「待って……汗が、酷いから…」
「何言ってるの。ものすごいゴチソウじゃない」
妖艶な笑みを浮かべると、ラクシャータは額に唇を落とした。ついばむように何度も唇を落とし、首筋に顔を埋めて唇を這わせる。
首筋を軽く舌で舐め上げながらはだけたシャツの胸元に手を差し入れると、ライが咎めるような声を上げた。
「ダメだって……!」
ライのその声にラクシャータはすぐに行動を止まった。
「……あら、そ。そんなに私に触れられるのがイヤなの?」
ふてくされた様子で体を起き上がらせ、その辺に置いておいたファイルを手にした。
言葉の後半、語気を冷ややかに突き放してみせると、ライの瞳はたちまち困惑に満ちた。
「だ…って……」
「イヤなの?」
「………だって」
支援
支援
視線を上に向ければ、口の端を上げて微笑むラクシャータの顔が写る。灰銀の髪を梳くように撫でながらライを抱き締めており、
柔らかい感触は彼女の胸である事に気が付いたのは、それから数秒後であった。
自分に纏わりついていた神蘭の香りがラクシャータに移り、彼女の肌の匂いと絡まり合っている。
花のように甘く……しかし、危険でもある香り。
それが鼻腔に入り込むと、瞼に重力が掛かるのをライは感じ取った。反応のないライに対して、ラクシャータが声を掛けた時には既に
ライは完全に眠りの世界へと足を踏み入れていた。
「何、寝ちゃったの?つまんない……」
強烈な酒に翻弄されて疲れたのか、その寝顔は小さな子ども…いや、大きな子どもと言った方が良いか。
胸の中で静かな寝息を立てる少年の寝顔は何とも可愛らしく思えた。
「よっと…」
ラクシャータはファイルをその辺に放り投げ、ライを再びベッドへ寝かせる。
ラクシャータとしては、できればもう少し楽しいことをしたかったが生憎と、弱りかけの子羊を慈悲無く食べようという趣味は持ち合わせていない。
「………」
支援
男だけではなく、女も時には獣になる。
ライに対して背を向けるようにベッドの縁に座り、ラクシャータは先程のことについて考えてみる。
汗でシャツを張り付かせ、はだけた肌からはライという男の匂い、この世に一つしかないそれを鼻腔に誘い込んだ時、心臓が大きく弾んだ。
更に上気した顔と潤んだ瞳で見上げられ、柔らかい唇が自分の名を紡いだその数瞬後には、抑えつけられなかった己の中の獣が彼の唇を奪った。
普通ならば、背徳感が心を蝕むだろう。だが、そんなものは欠片も生まれず、ゾクリと背中を走る感覚が心地よく感じ、逆に満たされた感じがした。
彼を初めて見た時は『人間そっくりな人形』という印象を抱き、自分が設計・開発をしたKMFの性能を誰よりも発揮できるモルモットとして、紅月カレンと同様にそれ以上でもそれ以下でもない存在として見ていた。
しかし、時を重ねる内に彼に対する人形という印象は消え始めていた。
彼が他の女性団員達と楽しそうに話しているのを見ると、どうにもいい気分にはならず、月下の話を餌にして彼を女性団員から引き離していた。
これがどういう気持ちなのか、いくら自分が研究中毒の人間と言って分からない訳じゃない。
これは間違いなく彼に対して『それ以上』の感情――モルモットとしてではなく、ライという人物を一人の男として好意を抱かせていた。
科学者ではなく、ラクシャータ・チャウラーという一人の女として。
いつ頃からこんな気持ちが芽生えたのかは自分でも分からない。
気が付いたら彼が好きになっていた――本当にそんな感じだった。
そう自覚してから間もなく、ラクシャータのライに対する想いは増していった。
しかし、それと同時に厄介な恋敵が現れ始めただ。
黒の騎士団女性団員は勿論として、その筆頭となるのは紅月カレンだろう。
彼女はもう言う事は無い、完全に彼に惚れている。
戦闘の時はライに頼りにされているし、カレン自身もライの為に頑張っている。
最近は取りとめの無い話をする為だけに、彼の部屋に時折通っているらしいので要注意である。
「ん……むぅ」
小さな呻き声に気づくと今まで背を向けて眠っていたライが寝返りを打ってこちらの方を向いていた。
ラクシャータがライの手を握る。
ほんの少しだけ握るとそれに反応して握り返す。女のように白く柔らかい肌は触っているだけでも心地よかった。
だが、ここまで心地よく思えると嫉妬を覚えてしまいそうだ。
そんな事を考えるラクシャータに対してライは気持ち良さそうに寝息を立てており、無防備なその寝顔には、月下を駆り、第一陣を切り込む戦闘隊長の面影は一欠けらもない。
ラクシャータは握った手を上げ、ライの掌と手首に唇を落とし彼の寝顔を見つめながら微笑む。
掌へのキスは願い、手首へのキスは欲望の意味を持つ。
ラクシャータは常に願う。
ライが自分無しではいられない程に狂おしいほどの愛を抱くように。
そして、欲っする。彼の全てを。誰にも奪われないように自分だけのものにする。
「ねぇ、今の私って正常なの?それとも……狂っているのかしら?」
ラクシャータは眠っているライにそう問い掛けた。だが、今のライが問いかけに答えることは無く、ラクシャータはククッと自嘲気味に喉を鳴らし、唇をライの耳元にまで近づけて柔らかい声で呟いた。
「……もし、狂っているのだとすれば、それはあなたのせい」
更に言葉は続く。
「何故?あなたを愛するがゆえにそうなったのよ」
言葉を紡ぎ終えると、ラクシャータは満足したような顔つきで離れると、その辺に置いといた分厚いファイルを手に取り、立ち上がると彼の頭を梳くように撫でて頬をなぞった。
指の感触がくすぐったいのか、彼の肌が反応を示す。
「おやすみ………ライ」
部屋から出る際に紡いだ言葉は空間を泳ぎ、ドアが閉められた時には神蘭の香りと静寂が部屋の中を支配していた。
支援
支援
というわけで、投下を終了致します。支援してくださった方々、ありがとううございました。
それにしても……ラクシャータになると、微エロになってしまうのは何故だ(OrL
しかも、カレンの時よりも微妙に話が長い…まぁいいか(ええんか
さて、最後は×思わぬ伏兵か………どうしよう、多すぎて誰にしようか全く決まらない(滝汗
よし、牛乳を飲んでから考えよう(何
>>545 GJ!ラクシャータの、一人の女性としての想いがよく描かれていたと思います。
そしてライは、一体何を言いかけたんだろう。ちょっと気になる。
次回の投下を楽しみにしています。
GJ!
実にナイスな微エロでした。
わるいおねーさんなラクシャータさんは勿論のこと、誘ってるとしか思えないライ的な意味でもw
更なる続き、期待しております。
>>545 蒼い鴉卿、GJでした!
うん、とりあえず言っておく、エロい。
少しずつ?唐突に?ライに惹かれていったラクシャータの気持ちが良いのでした!
ラストの選択肢を楽しみにしつつ
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
0:25に投下しようと思います
9レスくらいになります
支援します
>>541にかこつけた小ネタ(未満)
VV「ふーん。妖精さんが増えるんだ。やっぱり、紅茶と烏龍茶かな?
それとも、緑茶の妖精さんがふえるのかな?」
天子「青茶だよ?」
VV「はっ?」
天子「烏龍茶は青茶なの。他にもねー、白茶と黄茶と黒茶と花茶があるんだよ!」
ライ「天子様。プーアル茶は黒茶の仲間だといった方が判りやすいですよ」
天子「そっかー!ライ、頭いい!」
ライ「いえ、たいしたことじゃありません。
天子様こそ、外の事をたくさん覚えられて…ライは天子様のような方にお仕えできて幸せものです」
天子「そんなぁ。私こそライがそばにいてくれてすっごく嬉しい…」
VV「…いちゃつくなら余所でやってくれないかな?」
最近某スレでネタ投下してたら、こんな小ネタばっかり浮かぶようになった…
いかん!SSを!SSを書かねばっ!
まあそれは、おいといて
余暇卿の妖精さんも、同好会も続きを楽しみにしています!
ライの前では平気なふりをして、気を使わせないように振る舞いつつ、
実は意識しはじめているというシチュエーションがたまりません!
ところで、妖精さんは某紅茶○子見たいに、ちいサイズになったりはしないんでしょうか?
ポケットサイズの妖精さんが大きな栗饅頭にかぶりついたりしたら可愛いとおもうのですが…
…少女マンがだから判らないかな?<紅○王子
すみません、管理人さん!
実は投下していなかった部分がありまして、
意地悪に冷たい口調を崩さないでいると、ライの目に涙が滲み、背を向けるように寝返った。
「話してくれないんじゃ意味無いわね。じゃあね」
「!!」
背を向けるライに呆れたか、いざ踵を返す音がしたと思った瞬間、弾けたようにライは向き直った。
それがその彼女の罠だとも知らずに。
「あ……」
振り向いたすぐ側にあるのは布団の淵から動かないラクシャータの微笑。
「あら、どうかしたのぉ?振り向こうとしただけなんだけど?」
悪戯っ子のような感情を込めた声で言った。
「……性格、悪くないか」
真っ赤になっていた顔が更に赤くなり、頬を脹らましながら声を紡ぐ。どうやら、自分がラクシャータの罠に引っ掛かった事より、その罠に嵌めた張本人が許せないらしい。
「仕方ないじゃない。あなた我慢しなくても良いのに妙に強情なんだから」
文句を言おうと立ち上がろうとしたが、神蘭の影響は足にまで及んでおり、まともに立つことは出来ず前方の重力に従って倒れようとした時、柔らかい感触が顔に当たる。
「あら、積極的ね」
「ご……ごめん」
を
>>536の終わりから入れてもらいませんか。
あと、申し訳ないのですが
>>541の下から七行目の
気が付いたら彼が好きになっていた――本当にそんな感じだった。という文章を消して頂けませんか。
お手数をお掛けして申し訳ありません
こんばんは。毎度ありがとうございます、ピザーライです
今日もSSをお持ちいたしました
コードギアス REGAIN COLORSの15話となります
それではお召し上がりください!
注意点
この物語はギアス編終了後となり、本編(R2)にライを組み入れたお話です
ギアス編のためC.C.以外は全員ライを忘れています
支援
第15話「狂王と閃光」
モルドレットは攻撃を中断せざるを得なかった。
目の前の暁に集中しなければ、落とされているからだ。
『アーニャ、そいつもラウンズ並だぜ。出来れば取っておいてくれ』
「・・・・・いや」
『言うと思ったぜ』
そうやってジノとの通信を切ったアーニャは正面の暁を見つめる。
小型ミサイルを使ったとしても全てを避けられてしまっていた。
シュタルクハドロン砲もあの暁を捉えることはできないだろう。
「はぁっ!!」
『っ!!』
ブレイズルミナスによって射撃による破壊は不可能と感じた暁は一気に距離を縮めてくる。
アーニャには接近戦でもモルドレットなら負ける気はない。
だが、相手の左腕を見れば至近距離に入れるのは得策ではないのは確かだ。
「くそっ、あんな機体でよく動く!」
輻射波動であれば廻転刃刀でも傷一つ負わない超重装甲でも破壊できる。
しかし、相手もラウンズだ。腕を伸ばせる間合いをギリギリで避けていっている。
支援!
このままでは埒が明かない、ライはそう判断した。
「なら・・・・・」
暁は廻転刃刀を構え、モルドレットへと突っ込んでいく。
『その剣でモルドレットは傷つけられない』
確かに廻転刃刀が当たった部分に傷らしい傷は出来ることはなかった。
それでも暁は連続して廻転刃刀で斬り掛かってくる。
『無駄なのに・・・・・・っ!?』
アーニャは暁から感じ取れる殺意の一瞬の違いを敏感に感じ取った。
モルドレットは先ほどの体勢から腕を交差させて防御の体勢を取った。
ガンッ!!
やはり廻転刃刀は腕に弾かれてしまった。
しかし、アーニャは怪訝な表情で暁を見つめる。
『今、間接部分を狙ってきた?』
今の暁の攻撃の集中した場所は超重装甲のない間接部分だ。
先ほどまでの連続での無駄な攻撃はこれを気付かせないためのカモフラージュだろうか。
そこでアーニャはこのパイロットは間違いなくラウンズに匹敵することを理解した。
支援
(くそっ、気付かれたか)
ライは先ほどの攻撃を防がれたことに舌打ちをした。
多分、自分の狙いを勘付かれただろう。相手はラウンズなのだから。
「さて、どうするか」
そうやって自然と笑いながらライは次の手を考えようとした時だった。
一瞬にしてモルドレットが距離を詰めてきていたのだ。
あちら側が懐に入ってくることに予想が出来なかったため反応が一瞬遅れてしまう。
「くっ!」
モルドレットの拳を輻射障壁で防御するが機体が安定していなかったため吹き飛ばされてしまう。
どうにか地上にぶつかる前に機体を着地させる。
しかし、体勢を立て直すより早く小型ミサイルが暁を襲ってきた。
すぐに空に上がり、小型ミサイルの雨も回避する。無茶な動きに機体が段々付いていけなくなってきた。
『脇がガラ空きよ』
「なっ!?」
やはり気付かない間にモルドレットが暁の目の前にいた。
容赦なくモルドレットの横蹴りが暁を襲い、強い衝撃と共に暁が吹き飛ばした。
「うわあああぁぁぁぁっ!?」
空中を錐揉みしながら暁が吹き飛ぶ、機体が自動で体勢維持ができない状況になった。
『終わりね。もう少し骨があると思ったんだけど・・・・残念だわ』
モルドレットがシュタルクハドロン砲を構え、狙いを定めた。
支援!
狙いを定めるモルドレットの姿をライもどうにか確認することが出来た。
まるでそれがスローモーションの出来事のようだった。死が近づいてくるように感じた。
いきなり動きの変わったモルドレットにライは手も足も出なかった。
冷静に対処すればどうにか互角の勝負が出来たかもしれない、完全に虚を突かれてしまった。
そんな悔しさと恐怖がライを襲い、頭の中が真っ白になってくる。
(死ぬのか・・・・・僕は・・・・・)
そうやって諦めかけた時だった。
『ライッ!』
C.C.の言葉を聞いた瞬間、ライの体が動いた。
信じられない速さで操縦桿とペダルへの入力を行っていった。
次の瞬間にはライの暁は機体を持ち直し、モルドレットへと突っ込んでいた。
放たれるシュタルクハドロン砲をライは機体を少しずらして避ける。
暁の右肩の装甲が溶けるだけで済ませ、モルドレットへと一気に距離を詰める。
『嘘、アレを持ち直しちゃうの!?』
向こうの機体の通信から驚きの声が漏れる。
そのまま勢いを付けた暁はモルドレットがやったことと同じように横蹴りを繰り出した。
モルドレットの頭に蹴りが当たり、そのまま空中から地上へと蹴り落とす。
それを受けたモルドレットは体勢を崩しながらも、機体を持ち直して地面と激突は避けられた。
しかし、モルドレットは地に膝を付けられてしまっていた。
支援
支援
ライはすぐさま次の攻撃に移ろうとした時だった。
『あはははは、まさか黒の騎士団にこんな凄いパイロットがいるとは思わなかったわ』
何故か愉快そうに笑う声にライは眉をひそめた。
『もう少し戦ってみたいけど私はこれで失礼するわね』
「・・・・・?」
相手の言葉の意味が分からず、ライは当惑してしまう。
そのままモルドレットと対峙するが、静かで動く様子がない。
(誘ってるのか?それにしては不自然・・・・さっきの言葉も気になるし・・・・・)
しかし、その瞬間モルドレットが何か目が覚めたように動いた。
その動きは先ほどの動きではなく、感じるプレッシャーも違っていた。
(どうする?こちらから仕掛けるか?)
そうやってライが操縦桿を握り直した時だった。
砲撃の音が強くなっていることに気が付いた。戦いに集中し過ぎていたようだ。
「なっ!?星刻さん!!」
神虎が斑鳩の甲板の上で天子を守っている姿が見えていた。
『ライ、そいつは私と千葉が抑える』
「分かった!」
C.C.の言葉にライは頷くと斑鳩へと攻撃するガン・ルゥを次々と落としていく。
先ほどのモルドレットの動きが変わったことが気になったが、今はそれを気にする暇がなかった。
支援!
その時、大きな爆発により甲板部分が大きな煙に包まれた。
「星刻さん!」
『大丈夫だ。ライ、彼は無事だ』
ゼロの声と共に煙が晴れるとそこには1機のナイトメアの姿があった。
それはゼロの専用機である蜃気楼だった。
いくら砲撃をしても蜃気楼の全方位エネルギーシールド・絶対守護領域を破ることはなかった。
そして、蜃気楼の拡散構造相転移砲によりほとんどのガン・ルゥを殲滅していた。
それを機に全戦力が攻勢に打って出る。
その後、ルルーシュの戦略通りに事が進んでいった。
ゼロと大宦官たちの通信記録により大宦官の卑劣な考えを中華連邦の人民に伝え、人民たちの放棄を促す。
それは星刻が用意していたクーデターに合わせた人民放棄を利用してのものだった。
援軍はこの中華連邦にいる人民全てということなのだ。
これによりシュナイゼルは撤退を決め、大宦官は死に、戦闘は終結した。
支援
支援
放棄ではなく蜂起では? 支援
「くそっ、カレンはブリタニアのほうにいたなんて!」
ライは暁から降りると悔しそうに暁の足を殴っていた。
必ず助けるとルルーシュと共に約束したはずだったのに・・・・・・。
「僕の所為だ」
カレンが捕まったのは連携が上手くいかなかったからだ。
その理由も今の自分には良く分かっていた。
自分があの時カレンを拒絶していたからだ。その所為で動きがギクシャクしたのだろう。
もし拒絶していなかったらと後悔の念がライの中で渦巻いていた。
「お前はそれが最良だと判断したんだろう?」
その言葉に振り返ってみるとC.C.の姿があった。
しかし、その顔色は何故か優れていない。
「C.C.!顔色が悪いよ、さっきの戦闘でどこか負傷を?」
そうやって駆け寄るライをC.C.は手で止める。
「怪我など私にはあってないようなものだ。気にするな」
「でも・・・・・・」
「それよりカレンのことだ。お前はあの時、拒絶したのはギアスがあるからだろう?」
そうやって聞いてくるC.C.にライは目を逸らした。
支援!
「聞いていたのか」
「安心しろ、他には誰もいなかった」
「カレンや皆を・・・・・母上たちのように失いたくなかった」
「分かっているさ。だからお前は一度眠りに付いたのだろう?」
「だけど、その所為で・・・・僕の所為で!」
そうして言葉を続けようとするライをC.C.は抱きしめた。
ライの目には涙が浮かんでいた。
「大丈夫だ。あの女がそう簡単に死ぬはずがない」
そうやってC.C.はライの頭を優しく撫でる。
「お前は約束したんだろう?助けると」
「そう・・・だね」
C.C.の言葉にライは頷くと顔を上げる。その顔にもう涙は残っていなかった。
それを見てC.C.はフッと微笑する。
「全くお前は私がこうして傍にいないとしっかりしないやつだな」
「ごめん、何かC.C.には甘えてばかりで・・・・・」
「いいさ、私も悪い気はしない。さぁ、行くぞ。ルルーシュが待っている」
C.C.の言葉にライは頷くとルルーシュたちの所へ向かった。
支援
支援
「まさかお前が反対するとはな」
C.C.がそんな風にライへと笑いかける。
天子を日本人の誰かと結婚させるという当初の案を女性陣やライが反対したのだ。
「そ、そんなにおかしいかな?」
ライは不思議そうに他のメンバーへと話しかける。
「確かに・・・・・君が人の恋路を理解するのは驚きだったね」
「そうだな」
「そうね〜、意外だわ〜」
横にいた朝比奈や千葉、ラクシャータが笑い、扇も同意しているのか笑って頷いている。
藤堂は反応はしないが同意しているように見えた。
「え?いや、分かりますよ。そのくらい」
そう言うライへ全員が怪訝そうな目でライを見た。
まるで「お前は全然分かっていない」とそう言っているような顔だった。
「な、何で皆そんな顔で僕を見るんですか!」
ライはそう叫ぶしかなかった。
そして、そんなライの姿に周りの全員が笑っていた。
(多分、僕が一番失いたくないのはC.C.なのかもしれない)
C.C.の笑う顔を見ながらライもまた穏やかに笑うのだった。
支援!
以上です!いかがでしたでしょうか?
前の感想にあったもう少し長くしてもいいかもという意見を取り入れました。
自分では少し増やしたつもりです。というか、これが限界かもしれません
今回はライとマリアンヌを一度だけ戦わせて見たかったのでこんな風になりました
出来る限りR2のほうのお話を大きくは壊さないようにしています
ライの大きな活躍が見たい方には少し不満かもしれません
出来る限りロスカラ2が出たら自分だったらこう書くなと思って書いています
長くなりましたが、これにて失礼します。
それでは次の配達で!
>>569 ご指摘ありがとうございます。自分もまだまだですね
トーマス様、修正をお願いいたします
>>577 ピザの配達人卿、GJでした! 今回も美味しくいただきました!
……えっと、アーニャ、ですよね?
いつの間にかマリアンヌになったんでしょうか?
こういうチマチマした活躍は好きです、なんか地道なかんじが。
それでは、貴公の次の配達を全力でお待ちしております!
>>577 GJ!おいしくいただきました。
やはりマリアンヌでしたか。彼女を覚醒させるとは恐るべし。
ライとC.C.は本当に信頼し合っているんだなあと思いました。
次回を楽しみにしています。
>>551 小ネタ乙です。天子様がかわいすぎる。
インスパイアされた身としては嬉しいですね。頑張ります。
しかしポケットサイズは思い浮かばなかった、その手があったか!
よし、5話あたりまでのネタは揃った、ありがとうございました。
>>551 忘れてたぜ、GJだ!
いちゃつくというより、ほのぼの空間が展開されてる気がする。
おはようございます。
朝早くですが、投下支援お願いできますか?
本編9レス、終了宣言1レスの合計10レスの予定です。
支援しますよ
ありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
本編9レス、終了宣言1レスの合計10レスになります。
タイトル「合流した後に… その1」
カップリング「カレン→ライ×井上」
分類 「シリアス」
注意点
前作「合流の夜に…」の続編になります。
ちょっとエロ描写が入ってます。
ライが流されまくってます。
以上の点で問題ある人は、スルーお願いいたします。
PS:前作で感想書いていただいた皆様、本当にありがとうございます。
期待通りのものになったかはわかりませんが、また楽しんでいただければ幸いです。
支援
あれ以来、ライくんは少し変わったようだった。
黙々と訓練に励み、黒の騎士団の一員としての仕事をこなしていく。
以前いた頃よりも何倍も…。
ほとんどの人は、日本解放戦線にいたからと思っているようだが私はそうは思えなかった。
なぜなら、時折見せる彼の表情が苦痛と悲しみに満ちていたから。
そう、まるで苦しい事から逃げるように任務に取り組んでいるようだ。
だが、私には声をかける勇気はなかった。
声をかけてしまったら、多分、私はもう押さえ切れなくなりそうだったから。
そこまで私の中の彼への思いは、強くなりつつあった。
そんな時だった。
カレンが私に相談に来たのは…。
合流した後に… その1
支援
「最近、ライ、すごいんですよ」
まるで自分の事のように喜びながらカレンが話す。
「私でも1対1で互角にしか戦えない四聖剣の人たちをこの前なんか2対1で倒しちゃうんですよ。ほんと、強くなったなぁ…」
その姿が、その笑顔が、今の私には疎ましい。
カレンには、彼の悲痛な思いはわかってない。
だから、そんな無邪気な彼女の笑顔や思いに虫唾が走る。
「で…相談って何かしら?」
なんとか彼への思いと今の感情を心の底にしまい込み、笑顔で話を進めようとする。
「あ、そうでした。あのですね…ライの事なんですけど…」
彼の名前が出るたびに、心の底にしまい込んだはずの彼への思いが暴れだす。
「最近、いろいろ忙しいみたいで、合流してからゆっくり話すことが出来てないんです。
だから、井上さんに彼との橋渡しをお願い出来ないかなって…」
カレンは、少し赤面しつつ、私の顔を覗き込むように見ている。
その表情には、信頼と姉に甘えるような感情が交じり合っていた。
「いいわ。わかった。セッティングしてあげる」
私はそう言って無理やり笑顔を作った。
なんとか、湧き上がる別の感情を押し殺しながら…。
支援
訓練が終わり、僕はゆっくりと月下のコックピットから降りた。
「少尉、本当に腕を上げたな」
千葉中尉が、タオルを僕に渡しながら声をかけてくる。
「いえ、まだまだです。中尉」
僕は、タオルを受け取ると汗だくになった顔を拭いていく。
「ほほう、我々3人がかりと互角に戦えるようになっても、まだまだとはな…」
仙波大尉がにこやかに笑いながら、近づいてくる。
「まったくだ。それだけ貪欲なら、もっともっと強くなるぞ、お前は…」
そう言いながら僕の背中を叩くのは、卜部中尉。
「確かに…。今のお前なら、藤堂中佐の懐刀と言われても問題ない」
千葉中尉が笑顔で同意する。
「そのうち、四聖剣ではなく、五聖剣に変えなくてはならないかもな」
「そうだな。少尉さえよければどうだ?」
仙波大尉の提案に、賛成しながら卜部中尉が聞いてくる。
その配慮はすごくうれしい。
だけど、僕は丁寧に辞退する。
支援
「まだ、朝比奈中尉には、負け越してます」
その僕の答えに、三人は歓声を上げる。
「わかった。少尉が朝比奈に勝ち越したら、五聖剣と改名しょう。わはははは」
仙波大尉が楽しそうにそう宣言すると残りの二人も笑顔で合意する。
僕もその提案を受け入れるとシャワーを浴びるためにシャワールームに移動した。
そして、シャワールームのドアの前には、井上さんが僕を待っていた。
「あのね…。話があるの…。時間作れない?」
思い詰めた表情で僕に聞いてくる。
「あ…はい。シャワーの後なら…」
「いいわ。じゃあ、演習場の近くの公園で待ってる」
「はい…」
僕は、そう短く返事をする。
なぜなら、井上さんの唇に気をとられてしまいそれだけしか言えなかったから。
「じゃあ…ね」
井上さんも言葉少なげにそう言うと去っていった。
僕は、その後姿を見えなくなるまで見送り続けていた。
支援
15分ほどして、ライくんは公園にやってきた。
もっとも公園といっても今は瓦礫の山になっているのだが…。
「井上さん、お待たせしました」
彼は待っていた私にそう声をかける。
「いいえ。こっちが誘ったんだもの…。気にしないで」
そう答えた後、言葉に詰まる。
カレンのお願いを伝えるだけだなのに…。
それだけで済むはずなのに、私の中にある彼への思いが伝える事を拒もうとしている。
でも…伝えなきゃ…。
彼はきっと喜ぶだろう。
だから、伝えなきゃ…。
私は、そう決心すると搾り出すようにカレンのお願いを言葉にする。
「あのね…ライくん。カレンがね…」
そこまで行って、一息入れる。
落ち着け、落ち着くんだ。
伝えよう。
彼の笑顔の為に…。
支援
「貴方とゆっくりお話したいから…今度…時間…」
そこまで言った時、私はライくんに抱きしめられていた。
「いいんですよ、無理しないで…井上さん」
彼の悲しそうな声が耳元で聞こえる。
「でも…言わなきゃ……伝えなきゃ…貴方の為に…」
「いいんです。いいんですよ。そんな辛そうな井上さん見たくない…」
「そんな……私、辛いなんて思ってない…」
私を抱きしめる強さが強くなる。
「だって、なんでそんなに辛そうなんですかっ…なんで泣いてるんですかっ…」
そこまで言われ、私は自分が泣いている事に気が付いた。
そして、それを自覚した途端、一気に心の底にしまい込んだ彼への思いが一気に溢れ出す。
「ライくんっ……私……私っ…」
もう、抑えるものがなくなった彼への思いは、心の中に一気に広がり満たしていく。
駄目…。
もう、駄目…。
私は、彼の背中に手を回すと抱きしめ返す。
そして、ライくんの顔を見上げるように見つめる。
彼も私を見つめ返す。
自然と唇と唇が近づき…そして重なり合った。
御免なさい…カレン。
だけど…私…。
私…やっぱり…。
今、私の心は罪の意識と満たされる満足感がごちゃごちゃに混ざり合っている。
お互いの唇が離れ、再び見詰め合う。
もう、歯止めは利かない。
再び唇と唇が重なり、私はゆっくりと彼に押し倒される。
支援
背中に当たる土の感触が、時折私の理性に火を灯すものの、それはすぐに甘い情熱の波に消されてしまう。
「井上さん…」
唇が離れ、潤んだ瞳で見つめられる。
私の心は、それだけで蕩けそうになってしまう。
「いいわ…ライくん……」
私は、ゆっくりとうなづく。
彼の唇が首筋を這い、衣服に手がかかる。
私はその行為を受け入れていく。
後戻りは出来そうになかった。
甘い吐息が口から漏れ、より熱い情熱が私の心と身体を焦がし、甘い刺激と満足感に私のすべてが塗りつぶされていく。
もう、罪の意識はまったくなかった。
ただ、この時間が長く続けばいいのにという思いだけが心を満たしていた。
訓練の後、私はライの今日の訓練の映像記録を見ていた。
「すごい。本当に…すごい…」
自然と口から感嘆の言葉が漏れる。
紅蓮の量産型とはいえ、月下はワンランク下のナイトメアフレイムだ。
それなのにこの動き。
私が紅蓮を使っても、こんな動きは出来ない。
それを行うには、相手の動きを読み、正確に素早く操作する必要があるだろう。
私は、鮮やかな動きで月下三機を翻弄する蒼い月下に魅入っていた。
「すごいな…」
その時、私の後ろから声が聞こえた。
私が後ろを振り向くと、そこには戦闘訓練の映像を同じく見ていたゼロの姿があった。
「あ…ゼロ。いつの間に…」
「すまないな。さっき来て声をかけようと思ったが、彼の月下の動きがあまりにも鮮やかでね。思わず見とれてしまっていたよ」
「そうですね…。すごいですよ…彼は…」
再び、私は画面の蒼の月下に魅入っていた。
支援
「ふっ…。まるで恋する乙女のようだな」
唐突にゼロがそんな事を言い出す。
「えっ…な、なんなんですかっ…」
私は、焦って後ろを振り向く。
そんな焦る私を見ながら、ゼロは言葉を続けていく。
「いや、すまない。ただ、まるで恋人でも見ているかのような気がしたのでね。それでつい口から出ただけだ」
「そ、そんなこと…」
私は、反論しようと一瞬思ったが、その考えは私の中から湧き上がってくる別の感情によって掻き消された。
「ただ、本当に好きなら、しっかりする事だ。彼の事を狙っている女性は多そうだからな」
冗談とも本気とも取れる口調でそういうとゼロは部屋を出て行った。
私は、そのゼロの言葉で心が揺れた。
私はライのことをどう思っているのだろう。
その疑問が私の心に芽生え、心の中を乱す。
そして、私の中に新しく湧き上がってくる感情。
そう、彼のことを独占したいという思いに戸惑っていた。
支援
ここで終了です。
支援ありがとうございました。
最後に猿が出ました。
あう…。
なんでかなぁ…。
なお、書いてる本人も実は先が読めません。
書いてると一人でキャラクターが動き回っている感じです。
こんな感じは、初めてかな。
一応、ハッピーエンド(?)とバッドエンドと考えてますが、今のままではどっちに転がるか、或いはまったく違う方向へ行くか決められなくなってます。
だから、書きながら私自身も楽しんでたりしますが。
なお、エロ描写ですがこれぐらいで抑えた方がいいのでしょうか?
実は、もっと突っ込んだ書き方してたんですよ…最初は…。
でも、拙いかなと思い、この程度に変更しました。
もっとも、市販のライトのベルの方が数段エロいなぁという気がしないでもないんですよねぇwww
>>601 GJです!毎回楽しみにしてます。
新鮮なカップリングってこともあるのですが、ライの持ち上げ方というか評価が絶妙で読んでて気持ち良いのもあります。
エロ描写については、あれくらいは問題ない気が。仰るとおり市販のラノベは収拾付かないくらい酷いですしw
次回のご投下お待ちしてます!
>>602 あしっど・れいん卿、GJでした!
ライスゲー……でもその強さに悲しみの影、か。
公園で!? いや、だからどうということはありませんが。
自らの思いに流される二人、自覚をしたカレン。
この展開にドキドキが止まらない!
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
>>545GJでした
ラクシャータさんの大人の女であるからこその墺悩を感じました
ラクシャータさんの色香はすごかった……
ところで、自分が
>>551でアンカーミスしているのに今気付きました
私にしては珍しくお名前を出していたので、ちゃんと伝わってはいるようですが、正しくは
>>514ですね……
蒼い鴉卿並びに余暇卿、大変失礼しました
>>577GJです!
VSマリアンヌ戦!すっごくえました!!
関節狙いがそんなにきたのか?
自分に関することは疎いが、周りのことは普通に察するライの描写も笑えました
C.C.とのやり取りはじんわりきました
>>601 ああ・・・つっこむってそういう・・・
GJ
誰が上手い事を言えと
>>601 >>605乙でした
こ、公園!?初めてが青○!?
まあ、これくらいの描写なら問題ないと思いつつ、その状況はなかなかのものではないかと……
だ、誰かに見られていても知らないんだからねっ!
あと、四聖剣からの持ち上げられっぷり描写がが心地よかったです
608 :
603:2008/09/23(火) 12:48:46 ID:ceAwdViP
アンカミスorz
当然、
>>601あてです、ハイ
……寝起きで頭がぼーっとしてたんだろうか
>>601 GJ
いいな、井上いいな
ゼロがなんとなく保護者っぽくて笑った
井上の幸せを祈りたいですが、井上の幸せを祈るとカレンが…
カレンの幸せを祈ると井上が…
どうなるのでしょう?
続きがすごく気になります
次回も楽しみにしております
>>601 GJです。ナイス君望(褒め言葉)。
なにやら修羅場が予想され期待が高まります。
次回のご投下をお待ちしてます。
>>611さん
確かにライ君、微妙にヘタれているしw
後から刺されなきゃいいですけどww
投下したいけど人はいるかな?
支援できますよ!
615 :
萌は文化:2008/09/23(火) 18:36:32 ID:rfYFs9Iv
あ、よかった
では投下します
最近忙しくて投下できなかったので久しぶりの投下な気がする
ライセシで「 夢 」の続きです
17レスくらいです
今回でラストです
注意、一部エロいです
それでは投下
616 :
萌は文化:2008/09/23(火) 18:38:39 ID:rfYFs9Iv
「ライ君!」
特派の研究室に戻ると、そこにライ君の姿はなく、1人でプリンを食べてるロイドさんがいた。
「あれ〜、今日も休みだと思ってたけど違ったみたいだね」
特に驚いた様子もなく、ロイドさんはプリンを食べながら言った。
「あの、ライ君は……?」
ライ君のことを聞くとロイドさんはいつも通りのゆるい笑いを浮かべた。
「残念でした〜。ライ君はセシル君を探すとか言って朝からどこか行っちゃったんだよね。僕としては今日はスザク君が午後からだから暇でしょうがないんだけどね」
「そうですか。ありがとうございました」
ライ君が居ないとわかった私は、お辞儀し、ライ君を探すため、外へと向かった。
「あらら、行っちゃった。仕事溜まって困ってるのにな…」
これじゃ作業が進まないと思いながらロイドは新しいプリンの封を開けた。
617 :
萌は文化:2008/09/23(火) 18:42:17 ID:rfYFs9Iv
時間はちょうど正午
散々探したがライ君を見つけることができず、仕方ないので私は公園の噴水の前のベンチで一旦休むことにした。
「どこ行ったんだろライ君」
肝心な時に行き違いになるなんて、本当に自分の間の悪さが嫌になる。
どうして私ってこうなんだろ。
私の口から深いため息がこぼれた。
「あ、セシルさん!」
「!」
遠くから私を呼ぶ声に振り返ると、そこには私が探し求めていた銀髪の少年が汗だくでこちらに向かって走っていた。
「ハァ……ハァ……よかった……やっと見つけた」
私の元まで来ると肩で息をしながらライ君は言った。
「ど、どうしたのライ君? そんな汗だくで…」
するとライ君は大きく深呼吸をして呼吸を整え始めた。
「セシルさん……あ、あの、ごめんなさい!」
呼吸を整えたライ君は突然私に頭を下げた。
え? どういうこと?
私まだ告白すらしてないのにもう断られたの?
もしかして私の決意は無駄だったの?
いやいや、落ち着くのよ私。
私はまだ何も言ってないじゃない。
支援
支援
620 :
萌は文化:2008/09/23(火) 18:46:38 ID:rfYFs9Iv
だからまだ断られたわけじゃないはずよ。
でも、それなら何でライ君が私に謝るの?
謝るのはむしろ私の方だっていうのに…
「何があったか知りませんが、僕の何気ない一言でセシルさんを傷つけてしまったみたいで……本当にすみません」
ライ君は深々と頭を下げた。
どうやらライ君は朝の一件のことをずっと気に病んでいたらしい。
それで私に謝っているようだ。
でも、ライ君は一つも悪くない。
悪いのはすべて私。
ライ君はただ私に優しくしてくれただけで負い目に感じる必要なんてどこにもないのに……
「ううん、むしろ謝るのは私。ライ君は何も悪くないわ。本当にごめんなさいね」
「え? あ、いや、その…」
頭を下げると事情を知らないライ君は困惑している。
でも今は事情を説明するより先に言うべきことがある。
「それから、謝るついでに聞いて欲しいことがあるの」
「え? え? あ、はい。何でしょう」
私の決意が伝わったのかライ君も真剣な表情になった。
言おう。
今こそ私の気持ちを伝えよう。
それが私の本心だから。
例え断られても、私の気持ちは変わらない。
ライ君が好き。
何があろうと私はライ君が好き。
支援
622 :
萌は文化:2008/09/23(火) 18:48:03 ID:rfYFs9Iv
この気持ちは変わらない。
だからこの気持ちを伝えよう。
「ライ君。私、あなたが好き」
「え?」
言った。
ついに言った。
すごい胸がドキドキしてる。
顔だけじゃなく、全身から火が出そうなほど熱い。
でも言えた。
ライ君に伝えた。
私の思いを。
「え? え、えー!!」
私の告白を聞いたライ君は驚いたように目をパチパチさせていたが、しばらくすると一気に真っ赤になった。
「えっと、それって……つまり」
ライ君は恥ずかしそう顔を伏せてに小さく呟く。
「ええ、こ、告白ですよ」
「〜〜!」
顔がすごく熱い。
きっと私もライ君以上に顔が真っ赤なんでしょうね。
「こ、告白って………セシルさん!?」
支援
624 :
萌は文化:2008/09/23(火) 18:50:50 ID:rfYFs9Iv
やや、混乱気味のライ君。
当然だろう。
ライ君にはあの赤毛の娘がいる。
ライ君には彼女がいる。
わかっている。
それなのに私なんかに告白されて困るのは当然だろう。
でも、後戻りは出来ない。
ううん、後戻りする気なんてない。
「ごめんね。……ライ君には彼女がいるのに、私の気持ちだけ押しつけちゃって。」
私の気持ちをライ君が知っていてくれる、それだけでも充分だ。
私だってこれ以上ライ君を困らせる気はない。
私の気持ちは伝えた。
ただそれだけでいい。
「そんなセシルさん………ん、彼女?」
先程まで恥ずかしそうにしてたライ君だったが、何故か彼女という単語を聞いて眉間にしわを寄せた。
一体、どうしたのかしら?
「僕、彼女居ませんけど…」
「………はい?」
不思議そうな表情を浮かべるライ君。
彼女がいない?
そんなはずはない。
もし本当にいないのなら、一昨日見かけたあの赤毛の娘は恋人じゃないと言うのなら一体なんだと言うのだ。
あの時、ライ君とあの娘のキスはなんだったのだ。
支援
626 :
萌は文化:2008/09/23(火) 18:52:25 ID:rfYFs9Iv
私があんなに悩んだのに……
「でも、一昨日公園で…」
「公園?」
ん? とライ君は首をかしげた。
「ええ、あの……赤毛の娘と…」
「赤毛? ああ、カレンのことかな」
ポンと手を叩くライ君。
ほら、やっぱり………恋人…じゃない。
「別に僕とカレンは付き合ってませんよ」
「え? で、でも…!」
「カレンは同じ生徒会で、ただの友人ですよ」
「で、でも、一昨日公園でキ、キスしてじゃない」
「キ、キス〜!! そ、そんなのしてませんよ!」
するとライ君は頬を真っ赤に染めて首を大きく横に振った。
「でも私、確かに見たわよ」
「み、見たってキスしてる瞬間をですか?」
そんなわけはない、とライ君は否定する。
「でも2人抱き合って公園で…」
「公園で抱き合う? あ、もしかしてあの時かな」
支援
628 :
萌は文化:2008/09/23(火) 18:53:42 ID:rfYFs9Iv
納得したように手を叩くとライ君は一昨日の公園の一件の真実を語りだした。
真相
夕暮れ時、スザクと図書館で勉強をする約束をしていたライだったが、スザクの予定が変わったため、手持ち無沙汰になったライは特にやりたいこともないので1人でぷらぷらと街中を歩いていた。
「あら、ライじゃない。1人? 珍しいわね」
ライが公園の前に差しかかると、カレンにバッタリ出会った。
「出会い頭になんだいカレン?」
出会って早々、物珍しそうに笑うカレン。
一方ライは約束をすっぽかされたからか少しふてくされたように言った。
「え、ほら、だってあなたっていつも何かとスザクと一緒にいるじゃない。だから今日は一緒じゃなくて珍しいなと思って」
「ムッ、1人じゃ悪いのかい?」
フフ、とおかしそうに上品な微笑みを浮かべるカレンに対してライは顔をしかめて不機嫌そうな顔をした。
言われてみれば確かにライはスザクととても仲がいい。
最近、仲が良すぎて昔からのスザクの親友であるルルーシュからの嫉妬の視線を受けるほどだ。
余談だが、その様子を見ていた咲世子は「スーさんをめぐってルルーシュ様とライ様が…アッー!」と話していた。
支援
630 :
萌は文化:2008/09/23(火) 18:55:23 ID:rfYFs9Iv
そんな仲の良い2人は、軍内だけでなく学園でもプライベートでもよく一緒にいる。
そのため、カレンは珍しがったのだが、ライ自身はそこまで自覚もなく、しかも約束をすっぽかされたばかりなのだ。
それでカレンの言葉にライは気を悪くしたらしい。
ライはプイっとそっぽを向いた。
「もう、ライったら何怒ってるの」
「……別に、そんなつもりはないよ」
ふてくされたライを可愛いく感じたカレンはクスクスと笑った。
それに気づいたライはさらにムッとしたように眉を釣り上げた。
「じゃあ、暇ならそこでクレープでも食べない? 美味しいクレープ屋さんがあるよ」
「クレープ? まあ、別にやることないからかまわないけど…」
なんだかんだ言って、カレンに誘われたのが嬉しかったのか、ライの表情が少し和らいだ。
「そう、じゃあ行きましょ」
そう言うとカレンに引っ張られ、ライは公園内へと歩き出した。
ちなみに最初にセシルが目撃したのはこの場面。
その後、クレープを食べたライとカレンは噴水の前を歩いていた。
「ね、美味しかったでしょ?」
「うん、そうだね。確かに甘さも控えめで美味しかったな」
支援
632 :
萌は文化:2008/09/23(火) 19:00:28 ID:rfYFs9Iv
すっかりカレンおすすめのクレープが気に入ったらしく、ライはとても満足げに頷いた。
それを見たカレンもどこか嬉しそうに優しく微笑んだ。
「フフ、良かった。あそこ、私のお気に入りなのよ」
「そうなのかい? カレンみたいなお嬢様でも帰りに買い食いするのかい?」
何気なくライが言うとしまったとカレンは気まずそうに視線をそらした。
学園内では病弱でおしとやかなお嬢様で通ってるカレン、そのおしとやかなお嬢様が帰りに買い食いをしているのがバレるのはカレンにとって自分の作り上げて来たイメージを下げることになる。
そんなことを考えながらカレンは少し恥ずかしそうにライを横目で見た。
「別に言いふらしたりしないよ」
苦笑いをしながらライが言うとカレンは恥ずかしそうに顔をうつむけた。
「あ、ありがとう………キャッ!」
「おっと」
偶然、誰かが放置して転がっていた空き缶を踏んづけ転びそうになったカレンをライは自分の胸で抱き止めた。
「大丈夫カレン?」
「……あ、ありがとうラ…!」
カレンの言葉がつまった。
顔を上げるとすぐ目の前からライが真剣な表情で自分を見つめているからだ。
ここでカレンは自分の今の状態を気がついた。
支援
634 :
萌は文化:2008/09/23(火) 19:03:49 ID:rfYFs9Iv
今、自分はライにお互い抱き合う形でライの顔がすぐ目の前に…。
カレンの顔が一気に紅く染まって行く。
「カレン……」
突然真剣な表情になるライ。
そのまま、ライの顔がゆっくりと、着実に、カレンの顔に近付いて行く。
「ライ…」
カレンはそれを拒まない。
いや、拒めなかった。
ライの瞳に見つめられたカレンは、その真っ直ぐな瞳から目を背けられなかった。
見とれてしまった。
見惚れてしまった
魅了されてしまった。
その瞳に、ライという異性に。
「カレン…」
ライの唇がカレンを呼ぶ。
ライの唇がゆっくりと動き出す。
カレンの元へ。
カレンの唇へ
それを受け入れるようにカレンはそっと目を閉じた。
「カレン……目やにがついてるよ」
「…………は?」
カレンが目を開けるとライはカレンの目元についていた目やにを指でそっととってあげた。
「はい、とれた。寝不足かい? ちゃんと顔洗わなきゃだめだよ」
支援
食事しながらですが、支援の援護します
637 :
萌は文化:2008/09/23(火) 19:07:03 ID:rfYFs9Iv
忠告するようにライはニッコリと笑った。
「………ッ」
後ろから走り去る足音に気がついたライが振り返ると走り去るセシルの後ろ姿が見えた。
「あれ? セシルさ……グハ!」
ライの脇腹に激痛が走った。
カレンの強烈な拳がライの脇腹にめり込んでいるからだ。
意識が薄れていくライは地面に膝をついた。
「馬鹿! 勘違いさせないでよ!」
薄れる意識の中、怒鳴り散らすカレンの顔が見えた。
しかし、それはきっと何かの間違いだろう。
だってあの病弱なカレンがこんなこと出来るわけがない。
そんなことを思いながらライは倒れた。
「と、言うわけです」
ライ君から真相を聞いた私は開いた口がふさがらなかった。
それってつまり…
「私の勘違い?」
一瞬、激しい目眩に襲われた。
「はい、そうみたいですね」
罰が悪そうにライ君は視線を反らした。
支援
639 :
萌は文化:2008/09/23(火) 19:08:49 ID:rfYFs9Iv
まさか、目やにをとっている様子を見てキスしてると勘違いするなんて……
なんという勘違い。
なんという早とちり。
結局、すべて私の1人相撲だったらしい。
「あ、あの、それでセシルさん。僕の返事ですが…」
クラクラする頭を押さえいた私にライ君真剣な表情で私を見た。
「すみませんがあなたの思いは受け止められません」
ライ君の返事はノーだった。
「そう……ありがとうライ君」
今にも崩れそうな気持ちをぐっとこらえ、私は言った。
ダメ、まだここで泣いたらいけない。
そう、これでいいんだ。
元々、叶う思いだと思っていなかったのだし、私の気持ちを伝えた。
これだけで充分だ。これで諦めがつく。
自分の思いに決着がつく。
だからこれでもいいんだ。
私は、私は…
支援
641 :
萌は文化:2008/09/23(火) 19:10:41 ID:rfYFs9Iv
「だから、セシルさん。僕の思いを受け止めてください」
「え?」
今にも泣きだしそうにうつむいていた私はライ君の言葉に顔を上げた。
「僕は、あなたが…好きです。お、お付き合いしてください!」
勢い良く頭を下げてライ君は叫んだ。
一方、私はライ君の言葉に頭が真っ白になり何を言っているのかわからなかった。
「……えっと、ライ君?」
なんとか言葉を絞りだすとライ君は顔を上げ、恥ずかしそうに顔を背けた。
「いや、だって、その、こういうものは男性から言うものじゃないですか。なんか、先に言われて……その、なんか男として悔しくて………僕も、あなたが好きです」
すねた子どものように言うとライ君はさらに頬を紅く染めた。
「ライ……君。あれ?」
おかしい。
嬉しいはずなのに。
すごく、すごく、嬉しいはずなのに。
涙が溢れてきた。
涙が止まらない。
「あれ? どうしてかしら? すごく嬉しいのに…私ったら……」
どうしようもなく、涙がこぼれ落ちる。
でも、以前のような痛みも苦しみもない。
今は、嬉しさと充実感で胸がいっぱいだ。
支援
643 :
萌は文化:2008/09/23(火) 19:12:47 ID:rfYFs9Iv
「セシルさん」
私の名を呼ぶと、ライ君は私をそっと、優しく私を抱き寄せた。
「また、泣かせたみたいで…すみません」
申し訳なさそうにライ君の囁きが聞こえる。
その優しさが嬉しくて私はライ君の胸に顔を埋めこんだ。
「ううん、いいの。だって私、今すごく幸せですから」
私は強くライ君を抱きしめた。
それに答えるかのように、私を抱いているライ君の両腕の力が強くなった。
色々あったけど私、やっぱりライ君のことが好き。
それがどんなに幸せなことなのか?
この気持ちはきっと私にしかわからない。
私にしか伝わらない。
今の私は、すごく幸せだ。
ライ君を好きになって良かった。
私は心からそう思う。
「ありがとうライ君」
ライ君に聞こえないように、私は小さく囁いた。
支援
支援
646 :
萌は文化:2008/09/23(火) 19:16:33 ID:rfYFs9Iv
「ライ君」
僕の名を呼ぶと同時に彼女は僕の唇を奪った。
深く重なる唇と唇、絡み合う舌と舌。
お互い拒絶はない。
恋人同士なのだから当然だ。
むしろ、驚くほど積極的だ。
唇を離すと互いの舌の間に小さく糸が引いた。
「フフ」
艶やかな笑みを浮かべ彼女は再び唇を重ねると僕をベッドに押し倒した。
「……ん、セシルさん」
唇が離れると僕は彼女の名前を読んだ。
すると彼女は幸せそうな笑みを浮かべ、服を脱いだ。
脱いだ服の下から彼女の美しい下着姿が露わになる。
大きくて形の良い彼女の乳房が妙にやらしく揺れる。
「興奮した? ライ君」
ペロリと舌を出して笑う彼女がどうしようもなくいやらしく見えた。
興奮した? そんな質問は愚問だ。
こんな姿を見せられて興奮しないほうがどうかしてる。
彼女は僕の身体に自分の豊満な身体を重ねた。
直に触れる彼女の身体に僕の欲情はピークに達する。
「私は、すごく興奮してる」
彼女の言葉に僕は理性と共に彼女を押し倒した。
僕達は互いが求めるがままに、朝まで互いを求めあった。
支援
648 :
萌は文化:2008/09/23(火) 19:19:30 ID:rfYFs9Iv
……という夢を見た。
「……あれ?」
目が覚めるとライは自室のベッドの中だった。
「なんて夢見てんだ僕は…」
ダルい体を起こし、ライは自分の見た夢に恥ずかしさを覚え赤くなった。
ふっと、ライは横を見た。
「あ、あれ?」
そこには幸せそうに眠るセシルの姿があった。
支援
支援
651 :
萌は文化:2008/09/23(火) 19:20:33 ID:rfYFs9Iv
おまけ
プルルルルッ
ピッ
ルルーシュ「もしもし、ルルーシュだ。なんだC.Cか。何、金がないから今すぐピザ屋に支払い来いだと? ふざけるな、少しは皿洗いでもして反省しろ!」
ピッ
ルルーシュ「ふう、少しはこれであいつもこりるだろ」
店員「食い逃げだ! 誰か捕まえてくれ!」
C.C「フハムハラルルーフをフハメ(恨むならルルーシュを恨め)」←ピザくわえながら全力疾走
ルルーシュ「………えっと、持ち合わせいくらあったかな?」
支援!
653 :
萌は文化:2008/09/23(火) 19:21:58 ID:rfYFs9Iv
以上で終了
フフフ、燃え尽きたぜ
ぶっちゃけタイトルにウソがあると思うんだ
なんかキャラの描写が大変不安であります
シリアスって難しいわ
次回はギャグにしますか
では支援ありがとうございました
>>653 萌は文化卿GJ!
夢ではなく現実でしたか
おまけのルルーシュがいとあわれw
>>653 GJ!かなりエロかったですな、ラストのあたり。
しかしライ天然だな、そりゃセシルさんもカレンも勘違いするわw
そしておまけのルルーシュ、相変わらず哀れだw
次回の投下を楽しみにしています。
>>653 微エロは良いもんですね。
相変わらずライは天然だったかw
しかし、最後はやることやったのかよ!w
カレンのツンな態度も良い感じですね。
面白かったです。
またの投下をお待ちしてます。
>>653 先生!目脂の件はどう考えても、ライが悪いと思います!
女性に恥をかかせちゃいけません!(このスレのライらしいけどw)
セシルさんは可愛いなあ…
そして、大人の女性相手なだけあって、くっついた後の展開早っ!
ライのアクション描写が妙に昭和で笑ってしまいました
ルルーシュは色々嫉妬深いんですね、わかります
でも、それでも最後の彼は可哀想だと思いますw
>>653 萌は文化卿、GJでした!
ちょっとニヤニヤしながらみる→エロい→夢落ち?→……じゃねーのかよ!
という素晴らしい時間をありがとうございました。
おwまwけwww
まとめると、甘エロい、そんなかんじ。
貴方の次の投下を楽しみに待っています!
20:45頃から投下してもいいですか?
本文・あとがき合わせて9レス分あります。
支援お任せあれ
全力で支援させていただきます
ありがとうございます、では投下します。
『僕と妖精さん』シリーズです。
作者:余暇
タイトル:妖精さんと伝説の妖精
カップリング:ライ×リーライナ
(設定と注意)
・特派編スザクEND後
・リーライナは緑茶の精。
・今回登場するキャラも、実は妖精だったという設定。
本文、あとがき合わせて9レス分あります。
支援
『妖精さんと、伝説の妖精』
リーライナさんと風呂場で鉢合わせして二日後、僕は学園の授業を終え、クラブハウスの自室に戻ってきた。
結局、昨日は一度も彼女に会わなかった。気まずいのもあって呼び出そうとしなかったのと、
何故か彼女の方から会いに来なかったのと、二つの理由があった。
「やっぱり、怒ってるのかなあ。」
そう思いつつ、僕は部屋の扉を開けた。すると、
「お帰りなさい、ライさん。」
「リーライナさん?」
緑茶のいい匂いとともに、リーライナさんが出迎えてくれた。
「そろそろ帰って来られる時間かと思いまして、こうして待っていたんですよ。」
良かった、いつもどおりのリーライナさんだ。僕は嬉しくなった。
「ありがとうございます。お茶を用意してくれていたんですね。」
「ええ、だって緑茶の精ですもの。それに、午後のティータイムは日課ですから。
さあ、手を洗って来て下さい。おせんべいもありますよ。」
僕はティータイムに備えて、洗面所まで手を洗いに行った。
(はあ、気を抜くとあの時のことを思い出しちゃう。落ちつくのよ、リーライナ。平常心、平常心……。)
僕が洗面所から戻った後、二人のティータイムが始まった。
支援
支援
部屋の中に、せんべいをかじる音が響く。醤油の香ばしい匂いがして、なかなかおいしい。
「おいしいですね、これ。」
「そうですか、良かった。」
何気ない会話の中、僕は一つの疑問を口にした。
「リーライナさん、昨日は何か用事があったんですか?
僕が呼ばなかったせいもあるんですけど、一度も来ませんでしたね。」
すると彼女は、少し顔を赤らめて言った。
「えーと、はい。昨日は色々と用事があって、来られなかったんです。もし待って下さっていたのでしたら、すみませんでした。」
「いえ、忙しいのに無理する必要はありませんよ。僕もあまり迷惑をかけたくなかったので、呼ばなくて正解でした。」
忙しいのなら仕方がない、彼女もラウンズの親衛隊だし。
(はあ、本当は気持ちの整理がつかなくて、彼の前に出られなかっただけなんだけど。
おまけにライさんに呼んですらもらえなかったし、遠慮されているのかな。せっかく前向きに頑張る気になれたのに、これじゃ…)
「リーライナさん?」
「ひゃあっ!?」
彼女の考え込むような仕草が気になって声をかけたら、彼女は飛び上がった。何か悩みでもあるのだろうか。
「あの、どうかしたんですか?もし悩みがあるんでしたら、僕で良ければ相談に乗りますよ。」
「い、いえ何でもありません。悩みはありませんよ、少しボーっとしていただけですから。」
「そうですか、ならいいんですけど。」
僕の思い過ごしかな、それならいいんだけど。
(ふう、「あなたのことで悩んでいます」なんて、恥ずかしくて言えるわけないじゃない。)
そう言えば彼女の顔が少し赤い気がするけど、風邪なのかな?
支援
「あの、顔が少し赤いですよ。調子が悪いのなら、早めに帰って休んだ方がいいですよ。」
「えっ?そ、そんなことないですよ。私はこの通り、元気ですから。」
少しあわてつつ、リーライナさんは笑顔で答える。何だか今日は様子がおかしい。
そう思いつつせんべいに手を伸ばすと、ちょうど彼女もせんべいに手を伸ばしてきた。
そして二人の手が重なり、僕たちは顔を見合わせた。その瞬間、顔が火照るのがわかった。
「ああっ、ごめんなさい!」
「いえ、僕の方こそすみません。」
僕たちはあわてて手を引っ込め、二人の間に静寂な空気が流れた。
(ど、ど、どうしよう。ライさんの手に触っちゃった。温かくて、大きな手だった。ダメッ、また昨日のこと思い出しちゃう!)
(柔らかい指だったな。女の人の手を触るのって初めてだ。彼女びっくりしているみたいだし、謝った方がいいかもな。)
そう思って僕がリーライナさんに声をかけようとすると、
「お邪魔します。」
「「うわあっ!?」」
突然台所から声をかけられ、僕たちは飛び上がって驚いた。何故だ、この部屋には僕とリーライナさんしかいないはずなのに。
「申し訳ありません、いい雰囲気の所を突然お邪魔してしまいまして。
ですが、他の妖精の気配をこのお部屋から感じましたので、気になったのです。」
僕が後ろを振り返ると、意外な人が立っていた。
「さ、咲世子さん!?」
「はい、こんにちはライ様。」
何と、そこにいたのは咲世子さんだった。でも待てよ、今咲世子さんは妖精がどうとか言っていたよな。どうしてそれを……?
「さ、咲世子?もしかして、『伝説のメイドの精』、篠崎咲世子さんですか?」
「あら、よくご存知でしたね。」
リーライナさんが驚きの声をあげ、咲世子さんはニッコリ微笑んだ。
ていうか待て、『伝説のメイドの精』って何だ。まったく話が読めない。
支援
支援
「あの、私は緑茶の精、リーライナ・ヴェルガモンと言います。伝説の妖精さんにお会いできて光栄です。」
「まあ、そうですか。そう言っていただけると嬉しいです。」
「ちょ、ちょっと待った!」
頭の整理をしたくなった僕は、二人の会話に割って入った。
「あの、一つ聞きたいんですが、今の流れだと咲世子さんが妖精ということになりませんか?」
「ええ、実は私は『メイドの精』なのです。あ、でもルルーシュ様とナナリー様には内緒ですよ?」
あっさり肯定されてしまった。夢じゃないよな、これは。
「咲世子さんは妖精界では伝説の存在なんです。細やかな気配りや多趣味多芸なことから、
『伝説のメイドの精』、『史上最強の妖精』、『腐の妖精』といった様々な肩書きを持っているんです。」
……ツッコミ所満載だ。確かに咲世子さんは気配りが利いた人だから、メイドとしてはすごい人かもしれない。
だが史上最強って、彼女に武術の心得でもあるのか?それと、『腐』って何だ、何か腐っているのか?
でも何か、深く追求してはいけない気がする。
「えーと、とりあえず咲世子さんも妖精ということでいいんですね?
では何故、ルルーシュとナナリーには内緒にしているんですか?僕にはすぐに正体を明かしたのに。」
僕が尋ねると、咲世子さんは笑って答えた。
「ライ様の場合は、既に数日前から妖精であるリーライナ様と親しくしておられたので、
正体を明かしても構わないと思ったのです。ですが、私はアッシュフォード家の関係で多くのお宅にお邪魔することがございますので、
あまり自分から正体を明かすわけにはいかないのです。妖精界では、むやみに正体を人間に明かしてはならないという掟がございますので。」
なるほど、正体を明かしても信じてもらえるとは限らないし、信じてもらえたとしても騒ぎが大きくなったり、
悪意を持って近づく人間が出る可能性があるしな。その点ではギアスと似たようなものだな。
支援
緑茶支援
「あの、私は咲世子さんに憧れているんですけど、どうすれば咲世子さんみたいな素敵な妖精になれるんですか?」
リーライナさんが咲世子さんに尋ねた。
「純粋な愛です。」
咲世子さんはただ一言、こう答えた。
「純粋な愛?」
「そうです。恥ずかしがらず、分け隔てなく、純粋に人を愛すること。それが妖精の務めであり、真の妖精への近道なのです。
近道と言っても決して平坦な道のりではございません。むしろ、遠回りすることもあるでしょう。
しかし、真の妖精には簡単にはなれるものではありません。この私でも修行中の身なのですから。」
「えっ、咲世子さんでも修行中だと言うんですか?」
リーライナさんが目を丸くする。妖精って奥が深いんだな。
「物事には限界などございません、それは人の道も妖精の道も同じこと。私も、昨日の自分よりも今日の自分、
今日の自分よりも明日の自分がより成長しているように、日々努力しているのです。」
僕は心を強く打たれた。何と奥の深い人生訓か。これは咲世子さんに対する評価を大きく改めなければならない。
「咲世子さん、私感動しました!お会いできて本当に良かったです。私、頑張ります!」
目をウルウルさせながら、リーライナさんが感謝の言葉を述べた。
「咲世子さん、僕も深く感銘を受けました。すごく大事なことを教わった気がします。本当にありがとうございます!」
僕も咲世子さんに感謝の意を伝えた。
「いいえ、お二人のお役に立てれば私も嬉しいです。それではお邪魔しました。リーライナ様、恥ずかしがらずに頑張って下さいね。」
「は、はい!」
咲世子さんは、静かに姿を消した。最初は驚きとあまりの急展開に頭が混乱したが、今は何だかすっきりした気分だ。
支援
「あ、そう言えばライさんは咲世子さんとお知り合いだそうですけど、いつ知り合ったんですか?」
リーライナさんが尋ねてきた。
「ああ、僕がこの学園に来た時に知り合ったんです。咲世子さんは、このクラブハウスに住んでいる僕の友人の身の回りの世話をしていますから。
ルルーシュとナナリーっていう名前の、二人の兄妹なんですけどね。」
「このクラブハウスに咲世子さんがいるんですか!?やったー、ということはいつでも、咲世子さんに会えるんですね!嬉しいなあ。」
リーライナさんが飛び上がって喜んだ。本当に彼女に憧れているんだな。
「私、何だかやる気が出てきました!もっと立派な妖精になって、ライさんにふさわしい女性になるって…」
「えっ?」
「ああっ!い、いえ、何でもありません。今のは忘れて下さい、でも頑張るのは本当ですから。
妖精としても人としても、もっと頑張りますから。それじゃ、失礼します!」
早口でまくしたてると、リーライナさんは消えていった。
「あ、ちょっと!……行っちゃった。用事でも思い出したのかな?でも、何を言おうとしていたんだろう。
まあ、あまり詮索をするのも良くないな。せっかく彼女が元気になったんだし、僕も応援してあげなくちゃ。
もちろん、僕自身ももっと精進しなくちゃな。」
僕は決意を新たにしつつ、残ったせんべいに手を伸ばした。
支援
ここはリーライナの部屋。ライの部屋から戻ってきた彼女は、ベッドに倒れこむなりため息をついた。
「はあ、せっかく憧れの咲世子さんに会えてやる気になったのに、何をヘマやってるのよ私は。
ライさんにあんなこと言っちゃって、あー恥ずかしい!」
リーライナは頭を抱えた。うかつな発言をした自分に腹が立っていた。
「でも咲世子さん、いい人だったなあ。すごくためになるお話もしてくれたし、
あの人が近くにいるなら、私も頑張れそう。またお話しに行こうっと。」
憧れの人との出会いに感謝しつつ、リーライナはベッドに寝転がっていた。
そのうち眠くなってきた彼女は、ゆっくりと夢の世界に入っていった。
それから一時間後。
「ん……。」
不思議な夢を見たリーライナは、目を覚ました。
「今の夢、何だったんだろう。『妖精として目覚めようとしている人物が間もなく現れる。汝、その者を見守れ』って。
私が妖精の力に目覚めた時も似たようなお告げがあったしなあ。確か、エリア11で緑茶の味を知った時だったっけ。
最初は信じられなかったけど、本当に妖精になっていてびっくりしたし。しばらく様子を見ようかしら、そのうち動きがあるはずよね。」
そして数日後、夢は現実のものとなる。
次回予告 『妖精さんと萌えのカタマリ』
リーライナの前に、お告げどおりにある人物が現れた。その人物は意外にも身近な存在で、登場早々にして、ライを巻き込んでしまう。
その力を目の当たりにしたリーライナは……。
おまけ
ここは咲世子の部屋。ライの部屋から戻った彼女は、椅子に腰かけた。
「偶然お互いの裸を見てしまった男女。相手の男性を意識し始める女性、それに気付かない男性。
またしても偶然に触れ合った二人の手。見つめ合い、照れる二人。さらに相手を意識する女性、まだ気付かない男性。
興奮のあまり思わず声をかけてしまいましたが、もしあのまま時が進めば、二人はどうなっていたのでしょうか。」
咲世子は、ネタ帳に自分が見てきたことを書き記す。そのネタ帳には、ルルーシュとスザクが何をしたとか、そこにライが加わってどうとか、
様々なことが記されていた。それらの記述は、事実とともに咲世子の妄想も織り交ぜられ、口に出すのもはばかられる内容がほとんどだった。
「妖精になってからというもの、色々なものを見てまいりましたが、ここ最近は特にネタが身の回りに溢れています。
ルルーシュ様とスザク様は当然ですが、ライ様もかなりのネタの宝庫。男女問わずにフラグを立て、ついに妖精まで。
何気なく緑茶をお勧めしたつもりが、緑茶の精を召喚なさるとは思いもしませんでした。やはりあのお方は、期待を裏切りませんね。」
文字がびっしり書かれたネタ帳を眺め、咲世子は悦に入った。
「メイドとしてのお仕事はきっちり致しますが、私にとっては創作活動も生きがい。
妖精の力と篠崎流忍術を駆使して、最高のネタを拾い、最高の作品を作るのです!
何故なら私は、『腐の妖精』でもありますから、アッー!」
篠崎咲世子、自分に限界を作らず、どこまでも走り続ける最強の妖精。
(しかし、あのお二人は純粋に応援してあげたいですね。お似合いですし、うまくいくような気がします。
そのためにも、先輩としてリーライナ様をサポートせねば。もちろん、ネタもいただきますけどね。)
支援
以上です、支援ありがとうございました。
次回誰が登場するかは、予告でわかるかもしれませんね。
しかしいつの間にか、自分のSS内でリーライナさんがエース級になってる。
性格とか設定とか考えたら、いつの間にか大きな存在に。
逸材というのは、どこに隠れているかわからんものです。
>>682 余暇卿、GJでした!
伝説の妖精、咲世子さんw さらには史上最強、腐ってwww
午後のティータイムに緑茶とせんべい……なんか凄くまったりなかんじがしますね。
そして次回……また新たな妖精かwww
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
はじめまして、22:15頃にSSを投下したいのですが大丈夫でしょうか?
支援いたします
ありがとうございます
あ、はじめまして。ぷにぷにと申します
以後、よろしくお願いします
タイトル:コードギアス 反逆のルルーシュR2 RADIANT WORLD
カップリング:今は特になし
ジャンル:シリアス・長編
備考:ギアス編と騎士団編の合いの子ENDからのスタートです。
R2のifルートを豪快に進んでいくので苦手な人にはごめんなさい
本文とあとがきとあわせて6レス分です
支援
第一話『魔神 との 再会』
記憶が戻った……喜ぶべきなんだろうけど……素直に喜べなかった。
僕のギアスは大切な人達を傷つけてしまう。
過去の自分がそうしてしまった様に……
だから、去ろうと思った。大切な人達だから。
『そう、結論を急ぐな。ただお前が去るという以外に、なにか方法があるはずだ』
彼を守りたかったから。
『戻ってきて……くれますよね?』
この子を傷つけたくなかったから。
『私はさよならなんて言わない。また会いましょ』
彼女を守りたかったから。
たくさんの大切な人達を守りたいから……
『未練はある。だから未練はない。』
『それを未練という気もするがな』
そういった彼女は、少し寂しげだった。
(これでいいんだ……これで……)
大事だからこそ遠ざけるべきだと。そうする為には、あの選択が最良だったと。
今でも信じたい。
支援!
皇暦2018年、黒の騎士団とブリタニア軍との決戦から一年後
ここに一人のテロリストが復活した。その名をゼロ。
その正体は、ブリタニア皇帝に記憶を奪われた少年、ルルーシュ。
「間違っていたのは俺じゃない……世界の方だ!」
一年前より力強く、ルルーシュは世界への反逆を高らかに謳う。
その復活を知るのは、彼を見守る謎の少女、C.C.。そして……
「C.C.。幾つか聞かせてもらうぞ」
「なんだ?」
自殺させた機密情報局員の死体を調べながらC.C.に問いかける。
(機情の目的はある程度、把握はできる。だが……)
ルルーシュは記憶が戻った際に、気になる事があった。
その最たる事から聞くべきか、優先事項であるナナリーの事を聞くべきか。
(結果は全てにおいて優先される。なら問うべきは、あの男の事からか。)
服についた血を不快そうに見ながら埃を落としているC.C.を見る。
「アイツは今、どこにいる?」
「あいつ?」
「ああ。ラ―――――」
その男の名を呼ぼうとした時、通路の壁を砕いて一機のKMFが現れる。
青色の月下。それを見た時、ルルーシュは驚くがコックピットから姿を見せた
アッシュフォード学園の制服を着た銀髪の少年の姿を見て、驚きは歓喜に変化した。
支援
支援のロードを突き進む!!
「はじめまして、ゼロ」
「ああ。また会えて嬉しいよ、ライ」
「……ルルーシュ、僕の事を覚えてるのか?」
ライはルルーシュが自分の事を覚えてるのに戸惑った。
ルルーシュが記憶を操作されたのはC.C.から聞いていたとはいえ
記憶が戻る部分は皇帝のギアスに操作された部分だけだろうと2人は思っていたからだ。
「案外、どうとでもなるものだな」
「適当に言わないでくれ。僕は期待してなかったんだぞ」
どんな事にもイレギュラーは付き物とはいえ、このイレギュラーに付随する幾つかの不安要素。
信頼関係を再度構築する手間が省けるが、その為に不安要素を受け入れて良いのか。
懸念が残っていたライだがルルーシュの事を思うならと、このイレギュラーを受け入れる事にした。
「なんの話をしている?」
蚊帳の外に追いやられたルルーシュは、不快そうに二人に問いただす。
「ああ。実は……」
ライは説明するより早いだろうと、ギアスを発動状態にさせた。
「お前……そうか、そういう事か。色々と納得がいったよ。だが……」
ルルーシュはライの眼を見て、違和感を覚えた。
自分は片目だけの常に発動状態、つまりギアスが暴走状態にある。
だが、ライは両眼が発動しており、さらにコントロールもできている。
自分にギアスを使った皇帝と同じだったのだ。
支援!
「神根島の遺跡を使ってギアスを発動したのが原因だと思う。目覚めたら既にこうなっていた」
「あの遺跡か、なるほどな……それで誰もお前を覚えていなかったのか。で、体の方は?」
「問題ない……と思う。ギアスの力は増したけど、コントロールできる状態だからかな」
ライのギアスは彼自身を蝕んでいたが、今は前ほど強い苦痛は感じられなくなっていた。
だが、ギアスが彼を蝕んでいる事は変わってはいない。
説明する言葉を選んでいたライを尻目にC.C.が不意に問い質してきた。
「で? どうするんだ、ルルーシュ?」
ルルーシュにはその質問の意図を瞬時に理解できた。
自分がゼロである事、ギアスを持っている事、その秘匿すべき事柄を知った人物。
存在を消すか、それとも……
「僕にギアスをかけておくか?」
「……その必要はない」
ライもC.C.の質問の意図は解っていた。当然、その事への対処法も予想していた。
だが、ルルーシュはその選択肢を全て一蹴した。
「いままでの行動、態度、言葉。これ等はギアスよりも強力な信頼の証だ」
そうだろう?とルルーシュはライに手を差しだした。
ライもそれに合わせて手を差しだし、強い握手を交わした。
「相変わらず、甘い連中だな」
「だが、悪くはないだろう?」
C.C.はルル−シュの返答が気に入ったのか微笑していた。
ライもその答えに満足したらしく笑顔になる。
二度目のはじまりはここから。
異なる思い、異なる願い、世界が彼等の望む形に変わる。
支援
以上です
導入部なのであまり進行してないですが、追々スピードアップしていきたいと考えてます
ロスカラ部分・C.C.達との再会についても次回以降で触れていきます
ボリュームに関しては『たっぷり・コンパクト・シンプル』をスローガンに書いていきますので
よかったら応援して下さい。では、失礼します
>>697 ぷにぷに卿、初投下乙&GJでした!
両目ギアス+制御、強くて続きからなライにワクワク。
これ以前の展開も触れていくということで非常に楽しみですね。
貴方の次の投下を全力で期待して待たせていただきます!
>>697 初投下乙です。これから世界がどう変わっていくのか、楽しみです。
次回をお待ちしています。
55分頃に投下させていただきますが
よろしいでしょうか?
>>697乙&GJです
ギアス編と騎士団編の折衷エンドスタートということですので、
誰エンド設定なのかな?とか、騎士団合流時のエピソード、カレンとの関係あたりが気になるところです
今後の展開に期待したいです
読みやすい文章だと思うのですが、三点リーダを多用されているのがちょっと気になりました
なんだかとても書き慣れてる感じですね。これからの展開楽しみです。GJでした!
そして、もう領地まで作成してるトーマス卿には畏怖をささげますw
>>682 咲世子さんキターッ!
実は第一回目を読んだ時には、既に咲世子さんも妖精さんだったりしないかな?と期待してました!
次回予告を見て、勝手に半ば咲世子さんに違いないと確信していましたが、本当に咲世子さんだった!
嬉しい!
でも、メイドの妖精さんだったのにはビックリしました。
普通にお茶系の妖精が増えるものと思っていたので、紅茶の妖精さん予想でした。
ブリタニア人が緑茶で日本人が紅茶って、錯綜していて面白いんじゃ?とか思っていましたが、
斜め上をいかれた気分ですw
咲世子さんは予想以上に凄い妖精さんでちょっとビックリしましたが、
オマケを見て、やっぱりいつもの咲世子さんだった!と安心しましたw
リーライナさんはライを意識する様も、咲世子さんに憧れる様も、可愛い!
咲世子さんが素直に応援したいと思うのも納得です!
頑張れ!リーライナ!
負けるなリーライナ!
敵は相当鈍いぞ!w
次の妖精さんは予告からみて、多分、あの娘さんかと思いますが、どんな萌えを振りまくのか楽しみにしています
>>700 どーぞ、支援が必要ならば冷静に支援します
>>700 支援します
人大杉警報が発令されてます。投下や支援の際は要注意です。
706 :
カズト:2008/09/23(火) 22:55:48 ID:UHbPc929
タイトル「追憶の旅路 第六章 闇の発露」
注意点
・オリキャラ多数
・実質完全オリジナル
・カレンがライの過去編を精神体という形で見ています
支援
708 :
カズト:2008/09/23(火) 22:57:05 ID:UHbPc929
ライが後宮を訪ねて三日後、王宮は大騒ぎだった
アルベルト王が後宮内で殺害されるという異常事態が発生した
死因は絞殺、さらには頭部には打撲の痕があり、激しく争ったとみられる
実行犯の寵姫は後宮の女官に取り押さえられ牢屋に送られた
本人は何も覚えていないと泣き喚いたが、
現場を押さえられては救えるはずもなく、即日死刑が決まり即実行された……
無断で後宮を訪ねたライも事情を聞かれたが、女官の「異常は無かった」という証言により、お咎めは特に無かった……
アルベルト王の国葬の準備は、戸惑う兄達を差し置いてライが取り仕切っていた
その手際のよさに、家臣、使用人達はライの指示に速やかに従い
国葬は執り行われたのだった
帝都に向かっていた命も隣国討伐の勅令を賜り次第、戻ってくる事になっている
国葬から間もなく戴冠式が執り行われた
「ダニエル王、万歳!」
「オールハイル!ダニエル!!」
「オールハイル!ダニエル!!」
「オールハイル!ダニエル!!」
王となった長兄ダニエルは父の急死で戸惑いながらも手を上げ観客を制したのだった
支援!
710 :
カズト:2008/09/23(火) 22:57:57 ID:UHbPc929
王の間
王族をはじめ家臣達がこれからの事について話し合っていた
「これからの事を皆と相談して決めねばならない皆の忌憚ない意見を聞きたい」
すかさずライが意見を述べる
「兄上、「北の蛮族」と隣国との戦いにおきまして
彼らに対抗するために我が軍も大きく再編成せねばなりません
そこで、このカイドーを師団長に昇格し「北の蛮族」に対する防備に専念してもらいたい」
「!」
ザワザワ……王の間が戸惑いの声で満たされる
推薦された海堂も戸惑っている
彼は確かに戦術に優れ「北の蛮族」との戦いの経験も多く
人望も厚い、しかし彼は日本人である外国人の彼にそこまでの地位を
与えてもいいものかと疑問の声はブリタニアの国是からすれば当然である
「お気持ちは、ごもっともです
しかし、我らは今二つの脅威に晒されているのです!
この国を守るために全ての力を尽くさねばならない!
ブリタニア人だ、外国人だと言っている場合ではないのです!」
家臣たちの間に納得の声が広がっていく
ライは海堂に向き直った
「カイドー……旅団長を飛ばして師団長に推薦したのはこの国の為なんだ
お前の力を信じているんだ……つらいと思うが、それでもお前にしかできないと見込んでいる……やって欲しい……頼む!!僕も前線に立つから!」
「若君……わかりました!私も全てを尽くします!後はダニエル王の承認があれば」
「そういうわけです、兄上!お願いします!」ライは頭を下げた
「……う、うむ!よかろう!セイシロー=カイドーを我が国の師団長に任命する!」
ライは海堂に向き直る
「ありがとう、カイドー……空きのある連隊長、旅団長に関しては、お前の認める者を
選んで欲しい」
「イエス!ユアハイネス!」
その後、話し合いが終わり、場を後にするライは次兄のロベルトとすれ違うが
ライは冷ややかな目をするだけだった
支援
支援
713 :
カズト:2008/09/23(火) 23:02:06 ID:UHbPc929
部屋に帰りベッドに寝転がるライ、深呼吸をする
(……フー、よし、これでいい……これで、カイドーが軍のトップに立った
軍が僕の派閥になるのも、そんなに時間が要らないだろう……
隣国との戦を終わらせ、「北の蛮族」のみに備える時になったら
兄上達は用済みだ……)そう考えを巡らせていたライの近くにふと影が立っていた
支援!
715 :
カズト:2008/09/23(火) 23:02:55 ID:UHbPc929
(……っ誰だ!?)ライはベッドからすかさず身を起こし影を見る!
その影は人の形をしていたがなぜか黒い靄がかかっていた
「それ」はライに濁った様な声で語りかける
(温いのではないか?兄達をまだ生かしておくなど……)
「何だって……何なんだよお前は……そんな事いわれる筋合いはないよ」
(まだ情が残っている様だな……ギアスを使えばすぐ王になれるだろ……
ダニエルは凡庸、ロベルトは腰巾着のクズ……この国に要らない者じゃないか
国のトップが無能……それだけですでに罪なんだよ……)
「知ってるよ、そんな事……だから、隣国との戦が……」
(言い訳だな……兄は意地悪で小人物だが、
父の様な失策を犯していないから、殺すのを躊躇ってるだけだろう?
お前なら、すぐ王としてやっていけるよ……)
「い、今は二つの敵を相手してるんだ……例えダニエルでも実力がある
母上が側に付く事になってるよ……内政は今の所あれでいいんだよ……」
(凡庸なダニエルだ……他の家臣に飲み込まれるのも時間の問題だ……
ましてや、理に適ってるとはいえ、母上は他の貴族からも白い目で見られている
その内、母上の意見が通らなくなってくるだろうな……)
ライはその言い方にムッときていた
「おい……人の母上を気安く……」
(何を言ってるんだい……僕は……君だよ!!)
顔の靄が晴れて、現れた顔はライそのものだった……
「うわあああああああああああああああ!!
……っ!?ハァ、ハァ……あれ……」
まだ、真夜中であった……
いつの間に寝ていたのか、部屋に帰った時の服装のままで、体中が汗でびっしょり濡れていた
「い、今のは……夢……だよな……」
(あたしが側にいれば……ライ……)
カレンの中にもどかしい気持ちが駆け巡っていた……
支援
717 :
カズト:2008/09/23(火) 23:05:59 ID:UHbPc929
ウラバナシD
数日後 深夜
ロベルトは大臣の屋敷で愚痴っていた
「クソッ!ライエルめ……僕を馬鹿にしやがって……」
「まあまあ……ロベルト様……落ち着いて……」
「落ち着いていられるか!この間の会議はライエルのペースだったじゃないか!
兄上の側に、ニッポン人を置くなんて……」
「大丈夫ですよ、私達があの女に口を出させないように何とかいたしますので」
ガチャッ ドアが開き女が入ってきた
「あら、お客様ですか?」
「L・Lじゃないか……この方は第二皇子のロベルト様だ……
くれぐれも失礼のないようにな……」
L・Lはこの国では大臣の愛人として潜伏していた
「はい、わかりましたわ……ロベルト皇子はじめまして……L・Lと申します」
そう言ってL・Lは跪きロベルトの手に触れた……
そして、沈黙を保ったまま二人だけの空間がしばらく続いた……
「では、失礼いたします」L・Lは立ち上がり部屋を辞した……
(これでいい……ライエル皇子か……少し目障りになってきたわね
少し、バランスを取らせてもらうわ……能力は少し劣化してる様だったけど
彼を殺すにはそれで十分だわ……例え使い捨てでも……)
支援!
719 :
カズト:2008/09/23(火) 23:15:31 ID:UHbPc929
投下終了です
よく考えると自分で書く主人公やキャラクターは
どうしてもスペックを高く書いてしまう場合があったりします
今回はまだわずかに残ってるライの甘さ(?)
を書かせていただきました 完璧なものなどいません
そのままだと兄達の動機が父王に比べて薄いのでさらに書き込みです
これからライを襲う悲劇をどこまで突っ走れるか
来週本編がラストですが新人さんも来られたようなので
このスレもまだまだ突っ走れるようですね
>>719 カズト卿、乙でした!
実質上、王と言っても過言ではない立場となったライ。
ライに残る甘さというか、情というか、それがどの様な結果を生み出すのか気になりますね。
そして、最後の引きが次回へどう繋がるのか、楽しみです!
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
721 :
カズト:2008/09/23(火) 23:35:15 ID:UHbPc929
すみません
訂正依頼です
>715
その内、母上の意見が通らなくなってくるだろうな……)
→その内、母上の意見も通らなくなってくるだろうな……)
>>719 カズト卿GJです!
堪能させていただきました
次回も楽しみにしております
タイトルは24話IFで
設定としては基本はギアス編ですが、カレンと恋仲にかなり近い関係、
ライが誰の記憶も消さず眠りについています。
カレンは一年間の間にC.Cからギアスの説明を受けています。
しかしライがどこで眠っているかは知りません。
ライが目覚めたのは空白の一ヶ月間の間CCが目覚めさせました。
以上のようなオリ設定を許せる方はご覧ください。
あと作者は2チャンに投下は初めてです。
「さよなら!!スザク!!」
そう叫びながら、カレンの乗る紅蓮聖天八極式の右腕を高らかに振り上がった瞬間、
超高速でKMFが紅蓮に体当たりをし、紅蓮は吹き飛ばされた
「カレン!!」
そう叫びながらトリスタンの体勢を立て直そうとするジノ。しかし
「終わりだよジノ」
そう言いながらスザクはトリスタンのコクピットにMVSを突き刺した、
爆炎を上げるトリスタン。少し悲しそうな顔をしたスザクだが、
すぐに自分を助けた機体に通信を開いた。
「ありがとう。危ないところだったよ」
「スザク、君はルルーシュを!カレンの相手は僕がする」
「!?機体性能が違いすぎるよ!」
そう、彼が操縦しているKMFは第七世代の物だ。ブリタニアの最新世代だが
相手は紅蓮聖天八極式、ロイド・アスプルンド伯爵により改修されたそれは第八世代
もしくは第九世代の性能を誇っている。
彼の腕前は敵として戦った事のあるスザクはよく知っているが、紅蓮聖天八極式はロイド曰く、
60%ほどの出力で、ナイト・オブ・テン、ルキアーノ・ブラットリー及びその親衛隊ヴァルキリエ隊
を瞬殺し、さらに自分が操縦するランスロット・コンクエスターを大破させたのだ。
いくらなんでも荷が重すぎる。そう思ったスザクだったが、彼が考えなしでこんな事を言うはずがない。
だからスザクはこう訊いた
待機しております。支援
「何か策があるのかい?」
「・・・相手がカレンだからね」
「もしかしたら別の人間が乗っているかもしれないよ?」
「あれをあそこまで動かせれるのは、カレンだけだ」
「・・・・・・・わかった。任せるよ」
そう言いランスロット・アルビオンはダモクレスも中に再び入っていた
「くっ!!!!ジノー!!!!」
かなりの距離を飛ばされながら、カレンはトリスタンが爆発するのを見ているだけだった。
ようやく紅蓮が止まり、トリスタンの煙が消えたとき、カレンが見たもの
それは、白いランスロット・アルビオンではなく、青いランスロット・コンクエスターだった
ただ多くの戦場でカレンが見てきたランスロット、色以外に大きく違う所、それは
「左腕に輻射・・波動?」
そう左腕の輻射波動。カレンにとっては、ただ青い機体でさえ己を刺激するのに、
左腕に輻射波動を着けられたては、カレンを激昴させるには十分だった。
「ルルーシュ!!!あんたはこんな事まで!!!」
そうカレンが叫んだとき、ピピッ!ピピッ!と紅蓮に通信が入った
「オープンチャンネル?あのランスロットからか!?」
通信パネルの向こう側にカレンが見た者、
それは一番会いたっかた人、そして一番その場所にはいてもらいたくなかった人だった。
そして彼は、今一番彼女が聞きたくないことを言った。
「黒の騎士団零番隊隊長、紅月カレン聞こえるか?私は、ブリタニア軍総司令官ライ・ランペルージだ!!」
支援
すみません以上です。
最初にレス数を言うのを忘れました
本当にすみません
いらないかな?とも思ったのですが
スレッドを覗いたジャストタイミングで投下予告だったのでこれは支援せな!と
>729
ロスカラを知る身には男子三人の共闘は是非見たいもののひとつですよね。
しかもランスロットに輻射波動wなんという夢の機体か!
とても読みやすく、続きが気になりました。ライの策とはカレンの動揺を誘う心理戦??
初投下おつかれさまでした。またの投下をお待ちしております。
>>729 初投下乙&GJでした!
ランスロット+輻射波動の夢の魔改造!
設定を見る限りでは、やはり話して揺さぶるかんじでしょうか、それとも……
続きが大変気になりますね……続きますよね?
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
732 :
貪りーマン ◆mLBzpeNA1o :2008/09/24(水) 08:58:40 ID:heOcMb15
ふわーんと流れてきまして、初投稿です。緊張します。
支援?ナニソレクエンノな状態ですが、なにとぞ…;
RC黒の騎士団編のパラレルEndです。
タイトル: あの日の彼の独白
カップリング:無し
ジャンル:シリアス?
ただ今より3、4レスでいきます。
だーっと駆け抜けた展開で、理解不能な点も多々あるやもしれません。
全体的に重く、あんまりオチがない話ですのでご注意を。
もしかするとグロ指定受けるかも知れない内容です(基準分からないんで;)
――そこは地獄だった。
銃声と怒号が支配する虐殺の舞台。
その日確かに自由と誇りを勝ち取るはずだった『日本人』達は、
何もかもを暴力という濁流に飲み込まれて沈んでいった。
年老いた老人も、泣き叫ぶ子どもも、それを庇う母親も、
皆等しく紅に塗りつぶされた大地に倒れ伏し、
ゆっくりとその身を大地と同じ色に染めていった。
黒の騎士団戦闘隊長――ライは、そんな地獄を冷めきった瞳で眺めていた。
〜あの日の彼の独白〜
始まりは一発の銃弾であり、一片の言の葉(ギアス)だった。
「『日本人』を殺せ」
誰よりも平和を望んだ皇女は、紡がれた絶対遵守の命に従い引き金を引き、
それにより放たれた銃弾は命を奪った。
自分には止められなかった。
制止するため歩み寄ろうとして、両足を打ち抜かれた。
それでも何とか近づこうと這いずる左手を、凶器を取り上げようと差し伸ばした右手を、
9mmの鉛の塊が貫いた。
両の眼を返り血よりも赤く染めた皇女は、倒れた自分にさらに銃弾を見舞った。
右太腿に一発、腹部に二発。
血を吐いて身を震わす自分に、皇女は優しく諭すように言葉を振りかけた。
「日本人は殺さなきゃいけないんです。邪魔をしないで」
その紅く染まった眼を見たとき、意思の抜けおちた無邪気な言葉を聞いたとき、
舞台裏で起きたこと――全てを悟った。
暴走するギアスの呪いが、皇女を、日本を、大切な人たちを、破滅へと導こうとしていることを。
そう、あのときのように。
「…ふざ、けるな」
魂から絞り出すように、どす黒い何かが零れた。
出血多量で薄れかけた意識を繋ぎとめたのは、怒りだった。
理不尽に大切なものを奪われる怒り、奪い去ろうとする力への憎しみ。
もっとも嫌っていたはずの『狂王としてのライ』が、自分を支えていた。
――ふざけるな!
「ライが命じる!ユーフェミア、お前は誰一人として殺」
ぱん
爆竹のような安っぽい火薬の破裂音がして、右胸に軽い衝撃を感じた。
「殺すな」と叫んだはずの喉から、擦れた息が血の塊と一緒に吐き出された。
「邪魔しないで」
殺意も悪意も、欠片も感じられない皇女の声。
必死に伸ばした右腕が力尽き、血だまりに落ちてべしゃりと粘った水音を立てた。
命が流れ出していく感覚を覚えながら、意識はゆっくりと沈んでいった。
○
そしてライは今地獄を見ている。
とうに命の流れ切った体を、真っ赤なカーペットに横たえながら、
何故かはっきりと冴えて冷めきった意識で。
銃声が、戦いの音が遠ざかっていく、ユーフェミアもここには残っていないだろう。
何もかも、急にどうでもよくなった。
『こんなものだ』
自分の中で、もう一人の自分が哂っている。
『所詮世界とはこんなものだ。ここで何人死のうが世界は回り続ける。
そんなちっぽけな命をいくら掛けたとて、何かを変えるなんて出来はしない。
そんなちっぽけな人間の願いなど、いくら重ねたところで世界は変わらない』
確かに滑稽な話だ。
スザクもゼロもユーフェミアも、同じく優しい世界を望みながらもいがみ合い、
やっと訪れた共に歩むチャンスも、ギアスなどという下らない呪いに打ち崩されて、
結局その先に待っていたのは最悪の結末。
自分がこの時代で行った全ては、新たな『狂王』を生む手伝いでしかなかった。
「……馬鹿な…話だ…全、部無駄だったのに…」
それもどうでもいい。自分に出来ることなど、何も残されてはいないのだから。
でも、口元に浮かべた嘲笑は、ひどく歪んでいて、
「…だけど……仕方、無い…よな……」
やめろ、もういいんだ。僕は終わったんだから、休んでいいんだから。
思いを裏切るように、命の残りかすが一筋頬を伝った。
「……今度こそ…守りた、かったんだけど…なぁ……」
ああ――そうだ、認めるよ。僕は…
震るような独白は、誰にも届かずに紅い大地に染み込んで、消えた。
これにて終了です。
>>737 貪りーマン卿、初投下乙でした。
重い、そして暗い……誰も救えず、命を落とす。
というか一歩間違えたらこんなんになるんだな、と軽く絶望しました。
この後、ブラックリベリオンでのカレンの怒りがヤバイことになりそうですね。
貴方の次の投下をお待ちしております!
>>737 ぬお、死にネタw
初投下乙です。これからもよろしくお願いします。
デッドエンドかつバッドエンドですね。これ読むとゲームのライがどれだけがんばって
ハッピーエンドに持ってったかよくわかります。こうならなくてよかった。
こんにちわ。
えーと、投下したいのですが、支援お願いできるでしょうか?
本レス7本+終了1レスの合計8レスの予定です。
可能な限り支援します。
支援表示ありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
本編7レス+終了1レスの合計8レスの予定です。
タイトル「合流した後に…その2」
カップリング「カレン→ライ×井上」
ジャンル「シリアス」
注意点
えーと、微エロ描写あります。
また、ライのヘタレ警報発動中です。
以上の点で問題ある人は、スルーお願いいたします。
それとかなり内容ドロドロになりつつあります。
さわやかな恋愛を求める方は、多分…というか絶対見ないで下さい。
なお、投下は2分前後ごとに行う予定ですので、5分超えた場合は、トラブル発生と思っていただいて結構です。
その際は、再度投下しなおします。
支援
「ねぇ、ライくん…後悔してる?」
私は服の乱れを直しながら、同じように無言で服の乱れを直す彼に聞く。
ここで後悔してるとか、遊びだったとか言われても構わない。
それでも彼に抱かれたという事実は変わらないし、諦めもつく。
だが、彼は寂しそうな表情を浮かべると私をやさしく抱きしめた。
「そんな悲しい事…言わないで下さい、井上さん」
彼の温かさが私を包みこんでいく。
優しすぎるよ…ライくん…。
離れられなくなっちゃうよ…。
私は彼のたくましい身体に身も心も委ねきってしまいそうだった。
「このまま、僕の部屋に来ませんか?」
「えっ?」
「いや、シャワーぐらい浴びた方がいいかなって…」
真っ赤になりながらたどたどしく言う彼。
私はその姿にくすりと笑い、彼の顔を覗き込むように見上げる。
「そうね、それがいいわね」
身体の中で落ち着いていた情熱の炎が再び燃え始める。
私の心があの甘美な時間を再び求めたい思いに塗り替えられていく。
無意識のうちに、私は甘えるように身体を摺り寄せ、甘い声で囁いていた。
「でも…シャワーの前に…もっと私をライくんの色に染めてね」
私の言葉にさらに真っ赤になるものの、彼はゆっくりと頷くとごくりと唾を飲み込んだ。
合流した後に…その2
支援
あの夜から、私達の関係は大きく変わった。
昼間は今までと同じ関係を装いながら、夜には彼の自室で昼間の鬱憤を晴らすかのようにハメを外し、獣のように互いの愛欲に溺れる。
他人が見たら、淫らで破廉恥だと映るかもしれない。
また、それはただの傷の舐め合いでしかないと言われるかもしれない。
だけど、私はこの関係を幸せだと感じ、失いたくないとさえ思い始めていた。
「ねぇ…、井上さん。ライとのセッティングの件、どうなってます?」
休憩時間にカレンが怪訝そうな顔で聞いてくる。
あの相談を受けて、1週間近くが経っていた。
「え?」
私は一瞬、何のことかわからなかった。
もうすっかり忘れかけていたのだ。
「あ…ごめんね。仕事が忙しくて…」
思い出すと、慌てて誤魔化す。
「そうだったんですか…。すみません、忙しい時に…」
本当に申し訳なさそうにカレンが謝ってくる。
いいえ違うの…カレン。
謝らなくてはいけないのは、私の方なの。
私の心を罪悪感が責めたてる。
「いいの。私こそごめんなさいね。ちゃんと用意するから…」
「はいっ、お願いします、井上さん」
安心した表情で微笑むカレンの姿。
その姿はとても眩しく、私をより惨めな気分にさせていく。
だけど、そんな感情をしまい込み、微笑む。
彼との関係を知られるわけにはいかないから…。
そう…カレンだけには…。
支援
「精が出るな…ライ」
愛機の整備をしていると後ろから声をかけられた。
「ゼロ。珍しいな、君がこんなところに…」
整備の手を止めて、彼の方を向く。
「相談があってな…。時間いいか?」
ゼロにしては回りくどい言い方だ。
「どうしたんだ?ゼロらしくないな…」
僕の言葉に、ゼロの首が微妙に揺れる。
多分苦笑でもしているのだろう。
「まぁ、前だったらそれでもよかったんだが、今の君は藤堂中佐の直属部隊だからな」
ああ、そういう事か…。
その言葉で納得する。
確かに藤堂中佐率いる旧解放戦線の兵士達は、黒の騎士団に参加している。
だが、何でもゼロの好きなように出来るわけではない。
現時点では、あくまでも協力体制なのだ。
それに、無理をして友好な関係を壊したくないという事もあるだろう。
「わかった。もうちょっとで整備が終わるから…。どこに行けばいい?」
「すまないな、司令室にいる。そこに来てくれ…」
「わかった。30分後に伺うよ」
「待っているぞ、ライ」
その答えに満足したのか、ゼロはそう言うと格納庫から出て行った。
支援
「よく来てくれた」
ゼロはそういうと椅子を薦める。
僕も立ち話をするつもりはなかったので、薦められた椅子に腰掛けた。
「まず、以前の互いのすれ違いに対しての修正を行いたい」
ゼロはそういうと僕の方を見る。
「そうだね。今は共に戦う仲間同士だからこれ以上いがみ続けてもしょうがないからね」
「ああ、蟠りは捨てるべきだ。互いの未来の為に…」
「ふっ、相変わらずうまいな…。わかった」
互いに自然に手を出し、がっちりと握手をする。
そして、互いの意思を確認し手を離す。
「でも、呼んだのはそれだけじゃないんだろう?」
僕のその問いかけに、ゼロは苦笑する。
マスクの奥から、かすかに笑い声が聞こえる。
「さすがに抜け目がないな…お前は」
「いやいや、これでもいろいろ実体験してきたからね。おかげで少しはマシになるさ」
苦笑してみせる。
ゼロのマスクが揺れる。
多分、笑いを堪えているのだろう。
しばしの間が開き、揺れが収まるとゼロは話を切り出してきた。
「単刀直入に言おう。ライ、私の元に戻ってこないか?」
僕はその言葉に驚いた。
支援
「どういう意味だ?今でも、僕は黒の騎士団に参加しているが…」
「言葉どおりだよ。君を私直属にしたい」
僕は彼の真意を測ろうとする。
自然と表情が厳しいものに変わっていく。
「他意はない。私やカレンの手助けをしてほしいだけだ」
そこで一呼吸をいれ、話を続ける。
「特にカレンのパートナーの役割に期待している。今の他の黒の騎士団のパイロットの腕では、カレンとは組ませられん」
それはそうだろう。
使用する機体性能も違うが、何より操縦技術に雲泥の差がある。
彼女と組めるのは、僕を除くと藤堂中佐や四聖剣くらいのものだろう。
その中でも、仲違いしたとはいえ、僕はゼロの部下だったという経緯があり頼みやすい。
また、いくら腕が立つとはいえ戦場での単機での行動は危険が大きく、カレンほどのパイロットを些細な事で失いたくない。
そういう事を考えての提案なんだろう。
だが、そうはわかっていても僕の心の中でゼロに対しての嫉妬の炎が燻っている。
井上さんとの関係がありながら、未だに僕の心の中にはカレンへの思いが強く残っている。
だから自然と口調が厳しいものになってしまっていた。
「カレンにえらくご執心だな…ゼロ」
「そう言うな…ライ」
ゼロは、僕をなだめるかのように穏やかに言う。
「私にとって彼女は切り札であると同時に頼もしい仲間だ。だが、それ以上でも、それ以下でもない」
そこで一呼吸を入れるゼロ。
そしてゆっくりはっきりとした発音で言った。
「だから君の思いを邪魔するつもりはないよ」
その僕の心を見透かしたような言葉に僕は絶句するしかなかった。
そして、ゼロはさらに言葉を続ける。
「それにカレンも君の事を満更でもないと思っているようだしな…」
カレンが…僕の事を…。
その甘い誘いに僕は頷きそうになっていた。
だがなんとかその誘惑を押しとどめ、ゼロに後日返事をすると言ってすぐ退室した。
なぜなら…このままゼロの話を聞いていたら、躊躇なく承諾しそうで怖かったから…。
支援
その夜、僕は充実した疲れを感じながらベッドの中でゼロの話を思い出していた。
「どうしたの…何か考え事?」
僕の身体に擦り寄ると怪訝そうな表情で井上さんが僕の顔を覗き込む。
肌が密着し、互いの体温を感じる。
うっすらと汗をかき、頬を染めている彼女はとても愛らしい。
僕は、井上さんをぎゅっと抱きしめる。
柔らかく豊かな胸が僕の肌に押し付けられ気持ちがよかった。
「あんっ…。もう…誤魔化そうとしてるぅ」
甘えた声で井上さんが抗議の声を上げる。
「違うよ…。こういうのが誤魔化すって言んだよ」
そう言って井上さんにキスをする。
軽い抵抗を見せていたものの、すぐにキスに夢中になる井上さん。
「どう…わかった?」
唇を離して、笑顔で囁く。
「もう…すっかり女の子の扱いがうまくなっちゃってぇ…」
満更でもないという表情と甘えた声で抗議されるが、それが心地よい。
「どうすれば許してくれる?」
「そうね…。ちゃんと悩んでいる事があったら相談する事。それと…」
井上さんは、僕の首に手を回しながら言葉を続ける。
「また私を可愛がって…」
その媚を売るような声が僕の欲望を激しく刺激する。
「喜んで…。井上さんが満足するまで何度でも可愛がってあげるよ…」
僕はすぐにそう答える。
「うれしいわ…ライくん…」
互いに唇を重ね合わせると裸体を密着させ、手足を絡ませていった。
支援
「ふう…」
私は、ベッドに寝転ぶと天井の蛍光灯をぼんやりと見ている。
だが、頭の中では今日ゼロに言われた事を考えていた。
「カレン…まだ本人の返答待ちで本決まりではないが、よかったらライと組んでみないか?」
「え…どういうことですか?」
私は、驚き聞き返す。
「近々大規模な作戦を行うにあたり、少しでも勝てる要素を上げたいというのが1つ。
それに、彼だったらカレンの紅蓮と組んでも遜色ない活躍が出来るというのが2つ目…」
そして少し間をおくと優しい口調で言葉を続ける。
「後は、カレンとライの関係改善のきっかけになれば…というのが3つ目の理由だ」
私は、真っ赤になって最後の理由を問いただす。
「私が君に出来るのは、これぐらいしかないからな…」
ゼロはそう言うと考えておいてくれと言い残し去って行った。
ゼロはわかっていたんだ…。
ライに対しての私の気持ちを…。
だから…私にあそこまで言ってくれたんだ。
ゼロに対しての感謝の気持ちが湧き上がってくるのと同時に、ライへの思いもはっきりと自覚できる。
このまえまでモヤモヤとしていたほずなのに…。
それは、多分…ゼロが少し背中を押してくれたから。
だから、きちんと伝えよう…。
彼にこの気持ちを…。
私はそう決心する。
まずは、井上さんに早く機会を作ってもらわなくっちゃ…。
私は明日一番に彼女のところに行く事を決めると心地よい眠りに入っていった。
以上で終了です。
支援ありがとうございました。
いやぁ…どんどんドロドロになっていっているのは気のせいでは……ないですよねぇ…ww
しかし…このシリーズ書きやすいなぁ…。
すいすい書けてしまうんですけど…ww
前回の感想ありがとうございました。
皆さんの突っ込みの通り、考えてみたらすごいですよね。
初体験が…青○って…。
でも気が付くとああなってましたww
今回も前回同様楽しんでいただけたら幸いです。
エロッッッ!!!
>>757 あしっど・れいん卿、GJでした!
ドロドロだ……時間帯的に昼ドラ見てる気分。
カレンの気持ちはどうなるのか、ライと井上の関係は。
色々ドキドキしてきます!
貴方の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
>>757 乙です。う〜ん、どろどろしてますな
こうなりゃ一夫多妻制を新生日本で成し遂げるしかないのでは(笑)
>>757 乙です。いやあもういつ孝ゆk じゃなくてライが刺されるかと
ヒヤヒヤしながら読んでます。次回あたりひと波乱ありそうですね。
次回も異常に楽しみにしてます。
あしっど・れいん卿、乙であります
いや〜、本当に昼ドラみたくドロドロしてきましたな〜w
762 :
名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/24(水) 14:54:37 ID:v5RsdrIQ
GJです。このぐらいならこっちでもセーフなの?
763 :
名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/24(水) 14:56:02 ID:v5RsdrIQ
ごめん、sage忘れたorz
>>757 GJです
ああ、なんかどんどんドロドロになっていっる
鬱な終わりになりそうな……
井上さんとライがどうなるかの一方です
本日は…静かな夜ですねぇ…。
まったりしようや。そういう日もあるさ。
>>757
これはかーなーりエロい!!
修羅場とかドロドロは苦手な方ですが
こういうエロいのも書きたい漏れがいたりします
GJなんだけど、結末が怖いなあ・・・・
青い運命さんはもうこないのかね?
某所で酷く叩かれてるそうだけど。
続きとか短編とか結構気になる書き手なんだけどさ。
>>768 近は一日おきくらいで、まったりの日と投下多い日がきてる感じだね
そんなまったりの日は保管庫へ……ってわけで、読んでて、?ってなったところをトーマス卿に報告
??????に保管されている0017-0189無題ですが、これはとんぼ卿のSSではないのでしょうか?
ご本人も認めていたと思うのですが…
それとも、とんぼ卿のSS数が2になっているのに中に入ると1つなのは0017-0189無題のリンクミスなんでしょうか?
はっきり覚えていないんですが、もう一作あった気もするんですが…
また0017-0189無題の一番最初と、0017-0443「戦争恐怖症」にもライのセリフで
三点リーダの置き換え漏れがありましたのでご確認ください
>>768 某所って何処ですか?あ、マズい質問だったらスルーしてください
あんなに上手な作品投下する人が叩かれてるなんて意外ですね
青い人ももちろん気になりますが、最近きたばかりの自分が保管庫一通り読んでみると、コウさんや千葉はライの嫁さんの連載も気になりますねぇ
続きが楽しみな作品が多い
すみません。本文・あとがき合わせて12レス分を投下したいのですが。
23:45頃を予定しています。
うをっ?!
なんか間違えてアンカーつけてる
すみません、専ブラの操作ミスです
アンカーは無視してください
前なら今頃は修正完了報告があったのになあ。ここ最近の投下の鈍さはトーマス卿のレスポンスの遅れも影響してるだろう。
ぶっちゃけ言うと、トーマス卿さいきん寝るの早すぎです。以前は1時2時まで起きてたじゃないですか。
>>770 まずいというか、知らないなら知らないままのほうがいいと思う。
>>773 管理人氏のせいにすんのもどうかと。暴論だぜ。
>>773 何で寝る時間をこのスレに合わせにゃならんのだ、あほかw
釣りじゃなくて真面目な意見なんだけど…保管庫の唯一のウリってはやさでしょ。それが無くなっている以上何らかの対策をしてほしいというのが
いち住民としての意見です。なんで急に寝るのが異常に早くなったのか、理由を聞かせてほしいものです。
投下がきたので支援します。
しばらく見ない間に色んなの増えたんだな
排除するのも難しいし、変なのもいるって割り切ってやってくしかないよね
ありがとうございます、そろそろ投下します。
『僕と妖精さん』シリーズです。これだけで三日間連投だよ、既にリーライナ中毒w
作者:余暇
タイトル:妖精さんと萌えのカタマリ
カップリング:ライ×リーライナ
(設定と注意)
・特派編スザクEND後
・リーライナは緑茶の精、咲世子さんはメイドの精。
・今回新加入の人も、新米の妖精さん。
・ライと新加入の人が、天然すぎます。
・天然ボケ発言が多いかと。
文章量が多くなってしまったので、途中で間延びするかもしれません。
NG推奨
ID:GFakMAma
真性過ぎてどうしようもない、相手するだけ無駄
支援
支援
すみません、これが1レス目で、あとがきまで12レスありますorz
『妖精さんと萌えのカタマリ』
リーライナがお告げの夢を見た翌日、彼女の部屋に来客があった。
その人物の名はマリーカ・ソレイシィ、リーライナの後輩である。
「それでマリーカ、私に相談って何かしら?」
リーライナが尋ねると、マリーカはおずおずと口を開いた。
「えーと、その、先輩は妖精さんなんですよね?」
「なっ!?」
リーライナは絶句した。マリーカには自分が妖精であることは打ち明けていない。なのに何故、そんなことを?
「ねえ、私が妖精だとして、それがどうかしたの?」
「あの、実は昨夜、夢を見たんです。『汝は萌えの精になる宿命にある。間もなくその力は目覚めるが、その時はリーライナを頼れ。
彼女もまた、妖精である。きっと汝を導いてくれるだろう』って言われたんです。萌えが何なのかとか、どうして私が妖精なのかとか疑問はありますけど、
正夢だとしたら先輩を頼っておいた方がいいかもと思って……。」
(なるほどね、お告げで言っていたのはマリーカのことだったのね。それにしても随分身近な所から出てくるものね。)
リーライナは内心驚いていた。士官学校にいた頃から面倒を見てきた彼女も妖精だったとは、思いもよらなかったのだ。
とりあえずリーライナは、妖精が何たるかを話すことにした。
「マリーカ、まずこれだけは言っておくわ。『萌え』というのはマリーカ、あなたそのものよ。」
「えっ、私そのもの?どういうことですか、私が燃焼系ってことですか?」
「違う!そっちの『燃え』じゃなくて、こっちの『萌え』!まるで見当違い!」
「ひゃっ、すみません。でも、そっちとこっちって、どっちがどっちですか?」
目をぱちくりさせながら首を傾げるマリーカを見て、リーライナは頭を抱えた。
(ダメだ、この天然娘にどう説明すればいいのかわかんないよ……。)
支援
支援
「あのね、あなたは小動物的な所があるの。ちょこまか動き回ったりとか、いきなり転んで半泣きになるとか、涎垂らしながらうたた寝するとか。
そういうのを見ていると、男の人は『かわいい』とか、『守ってやりたい』とか思うらしいの。それが『萌え』よ、私も全部は理解していないけど。」
リーライナは、自分が考える『萌え』をマリーカに説明した。
「そうなんですか?でもそれって、私にとっては恥ずかしい行為ばかりなんですけど。」
「こら、『恥ずかしい行為』なんて言わない!何か年齢制限に引っ掛かりそうだから。
……いや、何でもない。私が深読みし過ぎた、今のは忘れて。」(調子狂うなあ。)
「はあ。」
先走ってオトナなことを想像してしまい、顔を赤くして視線をそらしたリーライナを見て、マリーカはまた首を傾げた。
「と、とにかく。本題に入るけど、私は確かに妖精よ。そして今は、ある男性に召喚されて、その人の所に通っているの。」
「あっ、前に話していた『素敵な殿方』のことですか?」
「変な所だけ鋭いわね、その通りよ。いずれはあなたも誰かに召喚されるかもしれないわ、私のように。」
いつ召喚されるかわからないので、心の準備だけでもさせておこうと思い、リーライナがさらに言葉を続けようとした時だった。
「うーん。でも召喚されると言われても、誰の所に行くのかわからなくてこわ…」
最後まで言いかけた所で、突然マリーカが消えてしまった。リーライナは言葉を失った。
「う、嘘!?もう召喚されちゃったの?どうしよう、どこへ行ったのかしら。あの子、力の使い方とか全然理解していないのに。
私はどうすれば…そうだ!咲世子さんに聞いてみよう。あの人なら、マリーカがどこへ行ったのかわかるかも。
よし、そうと決まれば、まずはライさんの部屋へ行かなくちゃ。」
そしてリーライナは立ち上がり、ライの部屋へワープした。
支援
支援
そしてその頃、ライの部屋。
「ん?向こうから煙が上っている。何だろう、火事かな。」
僕は部屋の窓から外を見た。クラブハウスのずっと向こうで、用務員のおじさんがたき火をしていた。
近くにほうきが置いてあるので、落ち葉を集めて燃やしているのだとわかった。
「何だ、たき火か。そう言えば灰は花壇の肥料にするって、用務員さんが言ってたな。」
それにしても、結構落ち葉があったのか、よく燃えていた。
「随分と燃えているなあ。そう言えば前にテレビでやってたな、『燃え〜』って。女の人のどこが燃えているのか、
全然わからなかったけど。でも、体が燃えたら熱いし、命が危険にさらされるから危ないと思うんだけど。」
以前同じことをリヴァルに話したら、何かものすごく憐れむような目で見られた。その後色々説明されたのは覚えているが、全然理解できなかった。
「あの時リヴァルは、結局何が言いたかったん…だっ!?」
突然両腕に重みを感じ、僕は反射的に体に力を入れて踏ん張った。そしてすぐに違和感を覚えた。
すごく柔らかくて、温かい何かを腕に抱えている気がして、僕は視線を落とした。
「あれ、ここはどこ…って!?」
「え……?ええーっ!?」
僕は、茶髪の華奢な少女を抱きかかえていた。いわゆるお姫様だっこだ。いや、そんなことはいい。
何が一体どうなっているんだ、この子は誰だ?頭の中が真っ白になりそうだ。
「あの、あの、ここはどこですか?あなたは誰ですか?私は誰ですかぁー!?」
「ちょっ、あの、落ち着いて。とりあえず暴れないで、落ちるから。」
「よし、到着…っと!?」
そこへ、リーライナさんがやってきた。そして少女を抱きかかえる僕を見つけて固まった。
「リ、リーライナさん、これはその…」
「この、浮気者ー!」
「ええっ!?ちょっと何を言って…ぐはっ!」
「先輩!?」
僕は何故か、リーライナさんに平手打ちを食らった。それでも抱きかかえる少女を落とさなかったのは、せめてもの男の意地だ。
支援
支援
今回の件についてトーマス卿に抗議文送ってきました。
「本当に、すみませんでした!」
その後、冷静さを取り戻したリーライナさんは、ひたすら僕に謝っていた。
「いえ、僕がいきなりお姫様だっこしていたから、動揺したんでしょう?
それにいつまでも彼女を抱えていた自分が悪いんだし、自業自得です。でも、浮気者ってどういうことですか?」
「えっ!?い、いや、特に意味はないんです。ただ何となく出てきたというか……。とにかく、気にしないで下さい。」
(まだ付き合ってもいないのに、しかもマリーカとライさんは初対面なのに、何であんなこと言うのよ。私のバカ……。)
リーライナさん、何だか元気がないな。そんなに気に病まなくてもいいのに。
「あ、そう言えばあなたの名前は?」
僕は茶髪の少女のことが気になり、声をかけた。一見年下に見えるけど、初対面だし言葉遣いには気をつけておく。
「えーと、マリーカ・ソレイシィと言います。リーライナ先輩と同じヴァルキリエ隊所属で、まだ信じられないんですけど、私も妖精らしいです。」
「えっ、あなたもですか?」
なるほど、それなら彼女が急に現れたのも納得がいく。しかし、同じ部隊の先輩と後輩が、そろって妖精とは。ヴァルキリエ隊の副業は妖精なのか?
「実は彼女、『萌えの精』として目覚めたばかりで、うまく力を扱えないんです。しかもいつの間にか妖精の力に目覚めていて、
さっきいきなりライさんの所へ飛ばされたんです。」
リーライナさんがマリーカさんの力について説明してくれた。いつの間にか妖精になっていて、しかも前触れなしに僕の所へ飛ばされて、
マリーカさんも大変だな。僕は自然と、彼女の頭をなでていた。
「マリーカさん。突然のことで動揺しているだろうけど、リーライナさんや僕がいるから、安心して下さいね。」
「へっ……?あ、はい。あ、ありがとうございます。」
(なっ!?初対面でいきなり頭をなでるなんて。私にはそんなことしなかったのに。いや落ち着け、これもマリーカの力なのかも。でも、何だかうらやましい……。)
何だか、リーライナさんがこっちをにらんでいるような気がするけど、どうしたのだろう。
支援
「そう言えば、さっきの『燃え』って何ですか?マリーカさんは、熱血系だったりするんですか?」
(あ、あなたまで同じことを言うんですか、この天然男!)
リーライナさんが頭を抱えている。何か変なこと言ったか?
「あのですね、そっちの『燃え』ではなく、かわいいとかそっちの意味の『萌え』なんですよ。ちょっとした仕草とか表情がかわいくて、
『守ってあげたい』とか『こんな妹が現実にいたらいいのに』とか、そんなことを考えさせるのが『萌え』なんです、多分。」
リーライナさんが『萌え』について説明してくれた。僕は何となくわかったような気がした。昔妹がまだ小さかった頃、いつも僕の後を必死について回って、
僕に追いついた時に見せてくれる笑顔がすごくかわいくて、そのたびに絶対に守ってあげようと心に誓っていた。それと似たようなものなのかもしれない。
「要するに、『何が何でも妹を守る』と決意すること自体が『萌え』というわけですか?」
「…えーと、何か微妙に違うというか、話が大きくなっているというか。そんな大層な話ではないんですけど。」
リーライナさんがこめかみを押さえている。何か間違っているのか?
「ライさん。私が先輩から聞いたのは、私の小動物的な仕草とか、私が『恥ずかしい行為』をすることが、『萌え』につながるそうですよ。」
「何ですって!?ダ、ダメですよ、女の人がそんな破廉恥なことを言っちゃあ……。」
僕はマリーカさんの話を聞いて、思わず赤面した。何てことだ、そんなことまで『萌え』の条件にあったなんて。奥が深いんだな。
「ちっ、違うんです!『恥ずかしい行為』というのは、涎を垂らしたまま寝てしまうとか、『この子にとって恥ずかしい』ことなんです。
決してそんな破廉恥な話ではないんです!マリーカも誤解を招くようなことは言わないで!」
僕たちの間では、真っ赤な顔をしたリーライナさんが必死に弁解していた。
その後、「そのうち理解できる日が来るから、今は深く考えないで下さい」とリーライナさんに言われて、この話題は終結した。
支援
支援
支援
やがて、午後のティータイムが始まった。話している途中でわかったのだが、マリーカさん、いやマリーカは僕より年下で、
ナナリーとあまり年が違わないらしい。そうなると敬語というのもおかしいので、僕はマリーカとは普通に話すことにした。
ちなみにリーライナさんにも年齢を聞いたら、何故か怒られた。
「そう言えば、マリーカは何故僕の所に来たんだろう?リーライナさんを初めて呼び出した時みたいに、呪文でも唱えたのかな?」
僕は、ふと思いついた疑問を口にした。
「そうかもしれませんね。例えば『萌え〜』とか。」
リーライナさんの言葉を聞いて、僕はあることを思い出した。
「そうだ。確かクラブハウスの向こう側で、用務員さんがたき火をしているのを見たんです。落ち葉がよく燃えていたので、
この間テレビでやっていたのと同じかと思って、『燃え〜』って口走ったんです。
それからすぐにマリーカが…ってあれ?どうかしましたか、リーライナさん?」
話している途中で、リーライナさんが頭を抱えているのに気がついた。どこか調子悪いのかな。
「な、なるほど、多分そのせいですね。その言葉がきっかけで、マリーカが召喚されたんだと思います。
でも召喚したのがライさんで良かったですよ、見ず知らずの人だったらどうしようかと思いました。」
(そこから勘違いが始まっていたのか。ていうか、勘違いで召喚されるマリーカって一体……。)
「そうですね。私も、ライさんみたいな優しい人に呼ばれて、良かったです。何だか頑張れそうな気がしてきました!」
「そうか、それは良かった。大変かもしれないけど、応援するから頑張って。」
「はい!これからよろしくお願いします。」
僕とマリーカは、互いに笑い合った。彼女の笑顔を見ていると、何だか楽しい気分になってきた。
不思議な力を持った子だ、いや、妖精だから当然か?
(むう、出会ったばかりなのに、何だかいい雰囲気じゃない。これもマリーカの力なの?
でも何だか、胸の奥がもやもやする……。)
支援
支援
支援
「うわあ、これおいしいですね。」
豆大福を食べたマリーカが、感嘆の声を上げる。
「そうだな。リーライナさんはいつも、緑茶に合う和菓子を用意してくれるんだ。リーライナさん、本当にありがとうございます。」
「いえ、私は緑茶の精。当然のことをしているだけですよ。」
リーライナさんは、ニッコリ笑った。
「先輩はやっぱりすごいなあ。何でもできて、気配りもできて、みんなから頼りにされて。
それに比べて私は、いつも空回りで、ドジばっかり。私も先輩みたいになりたいのに。」
急にマリーカが落ち込んでしまった。先輩の背中を追いかけて、背伸びをしているのだろうか。
一生懸命頑張るのはいいが、背伸びばかりしていると、足元の石に気づかなくなる。そう思った僕は、彼女に声をかけた。
「マリーカ、君は自分のペースで進めばいい。目標や憧れとする人を目指すのは構わない。
でも背伸びばかりしても、足元の石につまづいて挫折する危険がある。地に足をつけて、一歩ずつ前に進むんだ。
目標とする人たちだって、そうやって地道に努力を重ねてきたはずだ。君ならきっとできる、だから今は焦ってはダメだ。
もし何かあったら、僕も相談に乗るから。」
「ライさん……。はい、ありがとうございます。」
マリーカは少し顔を赤らめつつ、笑顔で答えた。自然と応援してあげたくなるような、そんな笑顔だった。
「………。」
「リーライナさん、どうかしましたか?」
何故か僕をジト目で見つめるリーライナさんが気になって、僕は声をかけた。
「えっ?あ、ああ。二人とも会ったばかりなのに、随分仲がいいなと思ったものですから。」
そう言って彼女は、豆大福をひと口で平らげた。
(ああもう!完全にヤキモチじゃない、カッコ悪いったらありゃしな…んぐ!?)
その時、リーライナさんに異変が起こった。
支援
「んー、んー!」(の、のどに詰まった!お茶…入ってない!?)
リーライナさんが苦しみ始め、自分の湯のみの中を見てさらにあわてている。
まさか、さっきの豆大福をのどに詰まらせたのか?
「せ、先輩、大丈夫ですか?しっかりして下さい!」
マリーカは涙目で、オロオロするばかりだ。よし、ここは僕が!
「リーライナさん、これを飲んで!」
僕は自分の湯のみをリーライナさんに渡した。幸い、湯のみの中には緑茶が半分以上残っている。
「………!」(ライさん!た、助かった!)
リーライナさんは僕から湯のみを受け取ると、すぐに緑茶を飲みほした。僕は彼女の隣に座り、背中をさする。
「ぷはあっ、はあ、はあ。た、助かった……。」
リーライナさんが目に涙をため、肩で息をしている。まだ苦しそうだが、危機は脱したようだ。
「良かった、一時はどうなることかと思いましたよ。」
「先輩、びっくりさせないで下さいよぉ。」
彼女の背中をさすりながら僕は安どし、マリーカは泣きながら怒っていた。
「えーと。ごめんねマリーカ、心配させて。それと、ライさんも……。」
リーライナさんが何か言いかけて、僕の顔と僕の湯のみを交互に見つめた。
そしてさらに、自分の背中をさする僕の腕を見て、顔を真っ赤にした。そして、
「す、すみませんでした……。」
蚊の鳴くような声で謝るのが精いっぱいだった。急にどうしたんだ、もう大丈夫なはずなのに。
支援
「本当にごめんなさい、お騒がせして。」
一息ついた後も、リーライナさんは僕とマリーカに謝っていた。
「いえ、何事もなくて良かったですよ。これからは落ち着いて食べて下さいね。」
「そうですよ、もうあんな思いはしたくありませんから。」
「はい……。」
こんなにしおらしいリーライナさんは、初めて見た。本人も反省しているみたいだし、
もうこんなことは起きないだろう。
お茶会も無事に終わり、二人が帰る時間が来た。
「それではライさん、どうもお騒がせしました。これからもマリーカともども、よろしくお願いします。」
「ライさん。色々ご迷惑をおかけするかもしれませんけど、よろしくお願いします。」
二人が丁寧に頭を下げた。僕もつられてお辞儀する。
「いえ、こちらこそよろしくお願いします。マリーカも頑張って。」
「はい、頑張ります。それではまた。」
「では失礼します。」
二人は静かに消えていった。今日も色々あったが、あっという間に時間が過ぎていった気がする。
「まあ、それだけ楽しんでいるということかな。」
さらに賑やかになりそうな日常を思い、僕は何となく嬉しくなった。
支援
支援
マリーカを部屋まで送り届けたリーライナは、自室に戻るなりベッドに倒れ込んだ。恥ずかしさから顔が赤くなっている。
「あの湯のみ、ライさんのだったよね?ということは、か、間接キス……。しかもライさんの手が私の背中を優しくなでて。
うあー、意識し過ぎだと思うけど、やっぱり恥ずかしい!」
リーライナは、拳で枕を何度も叩いた。
「でも、ライさんとマリーカ、すごく仲が良さそうだった。そんな二人にヤキモチ焼いて、
恥ずかしさを隠すために豆大福を食べたらのどに詰まらせて、二人に迷惑かけて。」
だんだん自分がみじめに思えてきた彼女の目から、涙がこぼれてきた。
「カッコ悪い、カッコ悪過ぎるよ。勝手にライさんのことを好きになって。彼がマリーカと仲良くなっただけで、
焦って余裕がなくなって、勝手に独り相撲して。私ってこんな人間だった?何だか、みじめだよ……。」
「お邪魔します、少しよろしいでしょうか。」
「え?さ、咲世子さん!?」
するとそこへ、突然咲世子が訪ねてきた。突然の来客に、リーライナも驚きを隠せなかった。
「どうしたんですか、よくここがわかりましたね。」
「私くらいになりますと、移動はどこでも自由にできますので。それよりも、何故泣いていらっしゃるのですか?
もしよろしければ、お聞かせ願えませんでしょうか。私も微力ながら、リーライナ様のお役に立ちたいので。」
そう言うと、咲世子は彼女をそっと抱きしめた。
「ですから、今は泣いてもよろしいのですよ。涙を流せば、少しは気持ちが軽くなると思いますよ。」
「咲世子さん……!」
そしてリーライナは、咲世子の胸に抱かれて、気が済むまで泣き続けた。
支援
「そうですか、そんなことがあったのですか。」
リーライナが泣き終わった後、咲世子は彼女から、今日起こったことを聞かされていた。
「そのマリーカ様とライ様が仲良くされるのを見て、嫉妬するご自分が嫌だとおっしゃられましたね。
ですがそれだけライ様を想っていらっしゃることは、決して恥ずべきことではありませんよ。
むしろ堂々と、ライ様にご自分のお気持ちをアピールすべきです。」
咲世子は、リーライナを諭すように言った。
「アピールですか。でも私、ちょっとしたことで意識してしまって……。」
自信なさげに、リーライナがつぶやく。
「まあお互いの裸を見た仲ですから、緊張なさるのはわかります。ですが…」
「あれ?私、ライさんに裸を見られたなんて言いましたっけ?」
「ゲフンゲフン!と、とにかく、もっとご自分に自信を持って動くべきです。
今日お伝えしようと思った用件も、アピール活動に役立つかと。」
覗き見していたことをごまかしつつ、咲世子は本来の用件を伝えることにした。
「用件?ライさんへのアピールに役立つようなことって、何ですか?」
首を傾げるリーライナの耳元で、咲世子はそっと囁いた。
「妖精ならではの、妖精にしかできない『秘密の魔法』でございます。」
次回予告 『妖精さんと秘密の魔法』
咲世子にとっておきの魔法を教えてもらったリーライナ。その魔法は、まさに妖精ならではのものだった。
リーライナはその魔法を使い、ライとともに学園に向かう。そして今まで見ることのなかった彼の一面を知り……。
支援
支援
以上です、こんな時間まで支援ありがとうございました。
GJ!
秘密の魔法・・・何だろう?
続きが気になるぜぇ!
>>815 GJでした!
このシリーズは毎回楽しみにしていますよ!!
このSSのリーライナはめちゃくちゃカワイイですねw
>>815 余暇卿、GJでした!
萌えの妖精ってw 具体的なような抽象的なようなw
そこまで萌えを理解していないから、ただマリーカが可愛いことしか分からなかった俺。
そして咲世子さん、流石は最強の妖精だぜ!
妖精にしかできない秘密の魔法とは!?
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
>>792 トーマス卿、体調面を悪くしたから早めに寝るようになったはずだよ
まぁ、その時のスレ見てないなら仕方ないけどさ
このスレにも、まさかこんなに常識のない人がいるとは、悲しいな。
多分リアルであんまり友達いないでしょ、
>>778と
>>792の人はさ。
>>815 GJです。どんどん妖精が増えていくw
このシリーズ、ぽやぽやな雰囲気が大好きです。次回のご投下お待ちしてます!
>>820 あれだ。荒らしだよ。でなけりゃモンスターなんたら、ないし真性の害基地だな。
頭が悪すぎるにも程がある。
おはようございます。
どなたかおられますか?
仕事に出る前に投下したいので、支援お願いしたいのですが…
>>824卿、まだおられますでしょうか?
おられるようなら支援いたします。
ありがとうございます。
助かります。
よろしくお願いいたします。
本編6レス+終了宣言1レスの合計7レスの予定です。
タイトル「合流の後で…その3」
カップリング「カレン→ライ×井上」
ジャンル「シリアス」
注意点
えーと、微エロ描写あります。
また、ライのヘタレ警報発動中です。
さらに井上さん、病んでます。
以上の点で問題ある人は、スルーお願いいたします。
それと内容ドロドロになってます。
感想にあった昼ドラみたいというのは、的確なものだと思います。
さわやかな恋愛を求める方は、絶対見ないで下さい。
なお、投下は2分前後ごとに行う予定ですので、5分超えた場合は、トラブル発生と思っていただいて結構です。
その際は、再度投下しなおします。
良かった。間に合いましたか。
支援します。
「井上さん、私…決めました」
カレンは真剣な表情で私に言う。
「私…ライに告白します。だから…」
恐れが現実となり、私は怯えた。
「だから、今日、彼と会えるよう取り計らってもらえませんか?」
カレンの言葉が、私の心を傷つけていく。
お願い…私のライを取り上げないで…。
彼がいないと…私は……。
心は悲鳴をあげて血の涙で満たされるとずぶずふと不安という暗い闇の底に沈み込んでいく。
だが、物分りのいい女友達であり、姉代わりという私の仮面はその傷だらけの私の心を覆い隠す。
私は、笑顔でおめでとうとカレンを祝福し、そして彼と会えるよう取り計らうと約束していた。
かれんナンテ…
かれんナンテ…イナクナレバイイノニ……。
そういう感情が心の底からわきあがってくる。
全身がぎちぎちと締め上げられ、息が止まりそうになっていく錯覚で私はもう倒れそうだった…。
後で思えば…この時、もうワタシのココロは、コワレ始めていたのかもしれない…。
合流した後に…その3
井上さんから連絡があり、公園で彼女を待っている。
昼間から連絡を取り合うなんて初めての事だ。
どうしたんだろうという疑問よりも不安の方が大きいのは、互いの関係が他の人たちには秘密だからだろうか。
ともかく、僕は落ち着かなかった。
支援
そして、約束した時間にそこに来たのは…カレンだった。
「こんにちわ、ライ…」
カレンがすこし赤面して挨拶してくる。
「あ、ああ、やぁ…久しぶりだね、カレン」
久々の会話に心躍るものがある。
未だに心の中に強く残っているカレンの思いがうずうずと動き始める。
だが、井上さんが来ないのはどういう事なんだ?
きょろきょろと辺りを見渡すが彼女の姿は見えない。
そんな僕に遠慮がちにカレンが言った。
「井上さんなら来ないよ」
「何でカレンが…」
僕は思わず、大きな声をあげ反応した。
その対応に少し驚いたのか、びくっとなるカレン。
「ああ…ごめん…。驚かして…」
僕はすぐに謝った。
「いいの、気にしないで。実は…無理言って私が頼んだの…。井上さんに…」
「え?!」
支援
そこまで言って、カレンは深呼吸を繰り返す。
とても緊張しているみたいだ。
そして、短く「よしっ」とつぶやくと僕の顔を真正面から見る。
その表情には、真剣さと一途さが表れていた。
「私……ライの事が好き…。大好きなの…」
それだけ言うだけで真っ赤になってしまうカレンの姿は初々しい。
だが、彼女は勇気を振り絞って言葉を続ける。
「だから…私と…私と…付き合ってください」
そこまで言うと顔を伏せた。
耳まで真っ赤になっている。
だが僕は、彼女の告白を呆気にとられて聞いていた。
まさか告白されるとは夢にも思ってなかったから…。
後から考えてみると端から見ていたらなんとかっこ悪いことだろうと思ってしまう。
だが、本当にその時の僕は言葉を発する事が出来なかった。
なぜなら、思考も感情もごちゃごちゃに混ざりあってしまい、何も判断できる状態ではなかったから…。
そんな僕の状態を感じたのだろうか…。
「急にごめんなさい。返事は…後からでいいから…」
そういい残すとカレンは走って立ち去った。
支援
私は、公園の茂みの中で二人の様子を見ていた。
ライくんの心の中には、まだカレンへの思いが強く残っているのは知っている。
だから、彼はすぐに返事をすると思っていた。
ワタシは…ステられる…。
だが、彼は言葉を失い何も言えないようだった。
それが私の心を少し楽にした。
だけど、それでも心の傷は深く、不安と彼を失う恐怖という暗い闇の底に沈みこんでいる事は変わらない。
ライくんは…ワタサナイ…。
彼が、カレンに惹かれてもかまわない…。
でも…彼の側にいるのは…ワタシ…。
ワタシなの…。
カレンに…ココロは渡しても…それ以外…ワタサナイ…。
どす黒い感情の渦が起こり、私のココロをコワしていき、どろどろに溶け切ったヨクボウが私を満たしていく。
「うふっ…」
歪んだ笑みが浮かぶが、私にはわからないだろう。
だって…それを判断する正常な精神(こころ)は、もうズタズタになってしまっていたから…。
支援
その日の夜、いつも通りに私はライくんの部屋に行った。
彼は、私が部屋に入っても反応せず椅子に座り考え込んでいる。
普段なら、部屋に入ってくるなりキスをして抱きしめてくれるのに…。
「どうしたの?ライくん」
私は考え込んでいる彼の背中側から首にゆっくりと手をまわすと頬にキスをした。
「井上さん…僕は…どうすれば…」
悲痛な表情の彼がゆっくりと私のほうを向く。
「もしかして…カレンの事?」
わかりきっているが、私はあえて聞いてみる。
そして、私の問いにライくんが頷く。
「うん。僕は今でもカレンが好きなんだ。だから、告白されてすごくうれしい。でも…」
そこまで言って私の顔をじっと見る。
「それと同じぐらい…井上さんの事も好きなんだ」
その言葉に、私は心地よい安心感を得る。
「ありがとう、ライくん。すごくうれしいわ」
でも、それじゃ…駄目なのよ…ライくん…。
私のココロの不安が囁く。
それじゃ…私はステられる…。
だから、私は彼を追い詰める事にした。
「でも…どちらか選べれる?」
その質問に彼は言葉を詰まらせる。
そう、選べないから迷い続けているのだ。
くすっ…ナンテカワイイのかしら…。
歪み始めた感情は、理性を狂わせていく。
支援
「じゃあ、二人と付き合えばいいのよ」
まるで「そんな事もわからないの?」といった感じで私は彼を誘導する。
「え?!それは…どういう…」
驚いて聞き返す彼の肌に舌を這わせながら甘く囁いていく。
「別に私は恋人という地位が欲しいわけじゃないの。今までだってそうだったでしょ?」
まるで甘い蜜に酔わされているかのように頷く彼…。
「だから、カレンと付き合っても、今までどおり私を可愛がってくれるのなら問題ないわ…」
「で、でも…そんな…井上さんが…」
ヤサシイカレはやっぱりそう言いかける。
でも、言わせない…。
私は、言いかける彼の唇をキスでふさいで言葉を黙らせる。
「かわいそうなんて言ったら怒るわよ。いいのよ…私がそれを望んでいるの…」
そういって彼から離れると、ゆっくりと服を脱ぎ捨て下着姿でベッドに腰掛ける。
さぁ、いらっしゃい…ライくん…。
貴方にワタシをステられないオモイをたっぷりとキザミ込んであげる。
「私は、ライくんの都合のいい女でもいいの。貴方の側にいられるなら…」
そう言って右手を伸ばして彼を誘惑する。
「だから、これからも私を可愛がって…」
その言葉を言い終わらないうちに私はベッドに押し倒されていた。
私は、悦びの悲鳴をあげて彼を迎え入れる。
そして、欲情した彼にはわからなかったが、私の顔には病んだ笑みが浮かんでいた。
以上で終了です。
支援ありがとうございました。
次からは、病んだ井上さんのターンが始まります。
たぶんですけど…www(予定は未定と…
しかし…こういうお話書くの楽しいなぁ(え?!)。
おかげで蒼天の方、進みません。
もし、待っている人いたらもちっとお待ちください。
なお、誤解ないように先に言っておきます。
私、井上さん大好きです。(カレンもですが…)
当初はカレンが壊れる予定でした。
ただ、カレンに比べると井上さんの方がとても壊れやすい気がするのですよ。
だから、今回のような流れになったと思います。
本当にこの先どうなるかは、書いてる本人もまったく予想できなくなりつつありますがもう少しお付き合いくださいませ。
それと、今回も前回同様楽しんでいただけたら幸いです。
後、いつも感想つけでくださる皆様ありがとうございます。
皆さんの感想や意見で、再発見したり感じ方が変わってくる事が多くすごく助かってます。
またよかったらよろしくお願いいたします。
>>839 ライの心と体が擦り切れそう…
井上さん怖いですw
>>839 投下乙でした。
まず最初に、誤字と思しき箇所の指摘なのですが、1レス目の8行目「ずぶずふと」。
これは「ずぶずぶと」で良かったでしょうか?
脳内保管したのか一度さらっと読み進めてしまいましたが、改めて読んだら「あれ?」と思いましたので念のため挙げておきます。
井上さんが壊れていく様が怖かったです。
ラ、ライ、がんばれ…。
……泥沼だー!
>>839 あしっど・れいん卿、GJでした?
面白いけど素直にGJできない、何故だ!?
……ドロドロだからさ。
しかしながら読んでいて、もっと続きが見たくなる何かがあります。
自らの思いを打ち明けたカレンと病んでいく井上さん、二人の間で揺れ、肉欲に溺れるライ……
何だろう、この修羅場一直線なかんじは。
貴方の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
35分頃に投下したいのですが、大丈夫でしょうか?
なるべく支援します
支援いたします
こんな時間に、ありがとうございます
支援してくれる人に感謝します
タイトル:コードギアス 反逆のルルーシュR2 RADIANT WORLD
カップリング:今は特になし
ジャンル:シリアス・長編
備考:前回の続きからです。今回は長々と書いちゃってます、すいません。
R2のifルートを豪快に進んでいくので苦手な人にはごめんなさい
支援
黒の騎士団総司令、ゼロ。
彼が起こした数々の奇跡に、ナンバーズと区別されてしまった人々は希望の光をみた。
だが、彼は忽然と表舞台から姿を消した。奇跡の残滓だけを残して。
ブラック・リベリオンの最中に彼は戦線を離脱し、敵に捕まり処刑された。
希望は潰え、絶望はまた広がりだす。それでも微かに、確かに希望は残っていた。
黒の騎士団。
昨日までは小さかった希望。だが、今日からは違う。
ゼロの復活、その反逆への一歩を。その復活への一歩を。今日歩みだした。
その一歩を歩みださせたのは、一人の少年だった。
ライ。
彼の登場が、騎士団にゼロの奪取を決断させた。
だが、彼が歩ませたその一歩。ゼロという希望の記号へと続く道。
その道を進んだ先には、復活ではなく終焉が待っていたとしても、彼等は進んでいく。
自分達が縋った、ゼロという記号へと。ゼロという終焉へと。歩んでいく。
第二話『二度目 の 独立』
支援
「しかし、お前がここまで大胆な作戦を考えるとはな。意外だよ」
ルルーシュは、機情局員の遺体から手帳を手に入れたらしく、それを読んでいた。
その後ろで、KMFに寄りかかっているライとC.C.
大胆。と表現されたライは、ルルーシュの予想外の評価に驚いていた。
この奪還作戦。概要を言うなら、持てる戦力全てで行う電撃作戦である。
だが、ルルーシュが把握できる限りでは、騎士団にそこまでの余力も決断力もない。
つまり、騎士団にはこの作戦を立案したとしても、行うだけの力はない。
仮に実行したとして、失敗すれば騎士団は崩壊。つまり、二度目は期待できない。
この崖っぷちの状況下にある騎士団は、ゼロがいなければ緩やかに崩壊していく組織。
ルルーシュの中での騎士団は、そういう認識だった。
だが、一ヶ月前に合流したライはこの作戦を立案、実行に移した。
「言っておくが。私は、反対はしたぞ」
ライの横にいたC.C.は保身の為か、からかう為か。
自分は関係ないといった素振りに、ライはC.C.を小さく睨んだ。
その目を見て、C.C.は愉快そうにライの視線から逃げていった。
ルルーシュも手帳の把握が終わったのか、立ち上がってライ達へと振り向く。
「まぁいいさ。結果は」
「全てにおいて、優先される。だろ? 僕はそれを実践しただけだ」
ルルーシュを待っていたライは、終わったのを見計らい傍へと近づき
用意しておいたヘッドセットとここ、バベルタワーの設計図を渡した。
それを見たルルーシュは、認識をより強めた。優秀な人物である、と。
以後は、要項の確認だった。
支援
ライの記憶は未だに、一部しか戻っていない事。
ルルーシュを捕らえたのが、枢木スザクである事。
「俺は過去の自分に、スザクに敗れた」
彼の顔が屈辱で歪む。だが、ライの表情には変化がなかった。
そして記憶を奪われた。そう、皇帝のギアスによって。
ルルーシュはC.C.に問いただしたが、皇帝にギアスを与えたのは自分ではないという。
ナナリーの消息に関しても、騎士団に調べる余力はなかったとC.C.は付け加えた。
ルルーシュは少し落胆したが、手がかりがない訳ではなかった。
「ナナリーは今、本国だ。今の所在地までは知らないけど」
ライの情報を是とするなら、恐らく自分へ。そしてC.C.を手に入れる為に使うだろう。
ルルーシュは情報の整理をはじめようとした時、ライが思い出したように質問した。
「ルルーシュ、君に弟はいたのか?」
そう。ルルーシュには妹がいた。だが、弟がいたとは誰も聞いた事がない。
ルルーシュの弟を名乗る謎の少年、ロロ・ランペルージ。
何者なのか。考えたかったルルーシュだが、ライがそれを止めた。
「ルルーシュ。今は、ここの構造の把握を優先してくれ。そろそろ危険だ」
通信機から聞こえていた声を、ライは会話しながらも聞き逃していなかった。
ブリタニア軍は、タワー周辺を固めつつ包囲を狭くしていっている。
抑えは配置してあったが、気休めでしかない。
ルルーシュは一寸考え、ライにKMFを一機鹵獲してくれと頼む。
自分の月下に騎乗しながらライは、解ったと返事を返す。
「五分、それだけあれば構造の把握と作戦の立案はできる」
「期待してるよ」
絶望的な状況下、それでも二人は笑顔だった。
支援
ブリタニア軍は見抜いていた。テロリストは終始、守りの姿勢を保っている事を。
ブラック・リベリオンと名づけられた大規模テロから一年。
散発的なテロはあったが、所詮は多勢に無勢。
敵は黒の騎士団だと思われていたが、奴らはもう烏合の衆。
それがブリタニア軍側の認識。
今日も楽に終わるだろうと思っていた。そう、それが彼らの敗因だった。
『二十階に侵入しました。このまま進ぐ』
そこで部下の通信が途絶えた。小隊長はもう一度問いかけたが、それが最後の問いになった。
(二機撃破。思ったより多いな)
青いKMFはタワーの十八階から二十階を駆け抜けていた。そう、まさに縦横無尽に駆け抜けていた。
下といたと思えば上にいる。前にいると思えば後ろにいる。
ブリタニア兵が相手にしているのは、亡霊の様に戦う青いKMFだった。
月下を奔らせているライは、細かな指示を団員に出しながら自身も戦っていた。
今回の作戦で卜部か紅月カレンのどちらが、陣頭の指揮を執るか。
それを少々揉めたのだが、C.C.がライをごり押ししたのだ。
作戦開始前、団員全員がライに不信感を抱いてたが、その不信感をライは戦果で払拭した。
劣勢だった状況を今、対等にまで持ち直しつつあった。
『ほう。随分と強くなったものだな』
ルルーシュにKMFを届けてきたC.C.は、ライに秘匿通信をしてきた。
廻転刃刀で一機撃破、振り抜きざまにハンドガンでさらに一機撃破。
そのまま天井をスラッシュハーケンで破壊し、階上と天井下の敵を沈黙させる。
「本国の化け物級の騎士を相手にしていたら、イヤでも強くなる」
ライは思い出したくなかったのか、顔が青くなっていく。
支援
支援
今ので三手で八機撃破。構造把握を終え、C.C.に作戦の指示を出し
状況の推移を見ていたルルーシュは、タワーの管理室からそれを把握していた。
自分の知っているライの実力。一年前の彼はカレン、藤堂、四聖剣に次ぐ程度だった。
だが、今の彼はそれを凌駕していた。
カレンや藤堂でも、今の彼を相手に絶対の勝利を掴めるかが、怪しくなる程に。
(ライから、詳しく聞きだすべきだな。これは尋常ではない)
急激な彼の成長。ルルーシュの知らない、ライの空白の期間。それを知っているのはC.C.だけだった。
『さて。これをどう認識するかな?』
「餌に食らいついたのは君だと思うんじゃないか。それか」
餌の役目は終わったか、と付け加えてライは急に現れたサザーランドを慌てず撃破。
「どちらにせよ、動きはあるはずだ」
そう言い終えて、ライは秘匿通信を解除してルルーシュへ繋ぐ。
「十八から二十は抑えた、どうする?」
『よし。作戦の確認の為に私の元へ来てくれ』
了解、と返事をしてルルーシュの元へ向かうライ。
管理室へ向かう途中、紅蓮が戦線を離れていたのがライには気になった。
ルルーシュは作戦の算段が終わり、退路への算段もつけ団員達に指示を出していた。
戦況の劇的な変化。これだけ動かせば今の総督、カラレスの出番は近い。
そう思案しているルルーシュに、不意に声をかける人物が現れる
「順調みたいね」
「カレン。二十一階に向かえと」
「貴方の傍にいたかったの」
指示を無視して、カレンはルルーシュの元に来た。その目に、敵意を宿しながら。
「やっと二人きりになれたわね」
そう言いながら、カレンは後ろに持っていた銃をルルーシュへと向けた。
支援
ライは紅蓮の抜けた穴をカバーしながら、管理室に向かっていた。
カレンはゼロの正体を、ギアスを知っている。
C.C.から聞かされた事実に、ライは一抹の不安があったが
ルルーシュなら乗り切るだろうと信じていた。正確には、ルルーシュとカレンをだが。
管理室のドアの前で、ライは深呼吸を一度した。
ライは合流してからの一ヵ月、カレンとの関係に苦労していた。
カレンは、ライを正体不明のブリタニア人としてしか認識しなかった。
本当はブリタニア皇族と日本の皇族のハーフなのだが、前と同じく面倒な事になるから
ルルーシュと判断するまでは伏せておけ、とC.C.に言われた為だ。
ここに、カレンがいる。そう思うと、ライは気が重くなった気がした。
改善されるといいが。と、意を決してライはドアを開けた。
「み、見ないでよヘンタイ!」
ライは思った。どういう会話の流れだ、と。
カレンはバニーの格好を未だにしており、ルルーシュにそれを指摘された。
咄嗟に言い返しての言葉なのだが、ライにしてみれば流れが不明瞭だった。
ため息をしながら、ライは制服の上着を脱いでカレンに着せてやる。
「女性に恥ずかしい思いをさせるのはどうかと思うんだが」
「ん? ああ、ライか。別段何も」
続く言葉をルルーシュは出そうとしたが、カレンがその流れを止めた。
カレンはライに銃を向けていた、ゼロの秘密を守るために。
「言ったはずよ、私は貴方を信用してないって。ゼロの正体を知った以上」
「待てカレン。彼は信用できる人物だ、だから」
大丈夫だ、と。そう言いながら、ルルーシュはカレンの銃を下げさせた。
でも、とカレンは言ったがルルーシュの言葉に納得せざるをえず、銃を下げた。
ルルーシュは今の一連の流れが気にかかったが、C.C.からの通信が考えを中断させる。
支援
『ブリタニアに援軍が現れた』
その数はかなりの規模で、管理室のディスプレイに写っている戦況図が、敵のアイコンで埋め尽くされていく。
退路は絶たれた、一箇所を除いて。そう、タワー正面の道路だ。
だが、そこにはカラレス総督がいる本陣が待ち構えている。
カレンには絶望的にしか見えなかった。だが、ルルーシュは。ライは違った。
ルルーシュは勝利を確信し、ライはルルーシュの用意させた物とC.C.の行動位置から真意を理解した。
「脱出は難しい。だから、私の勝ちだ」
ルルーシュもKMFに乗り込み、配置移動を各団員に通達した。
カレンも続いて、紅蓮へと向かおうとするがライに呼び止められていた。
「カ……紅月。ゼロを任せた」
名前で呼びそうになったライを、カレンは目で牽制した。
騎士団と合流してから、カレンはライへの警戒を一度も解かなかった。
名前の呼び方も『気安く呼ばないで』と釘を刺されていた。
そのやりとり、先ほどのライへの態度。つぶさに見ていたルルーシュは、騎乗しはじめていたライに呼びかけた。
『昔と違って、今はずいぶんと仲が悪いみたいだな』
「あまり説明してないからな」
苦笑いしながらライは返答してから月下を起動させ、ルルーシュ達とは違う方向へ向かった。
敵を陽動する為の単独行動。最初はカレンがするといったが、ルルーシュとライが止めた。
何が起こるかわからないから、紅蓮は傍にいた方がいい。が、ライの言い分。
ルルーシュは、ライならそれだけの事ができるから。と、信頼からの言い分。
カレンの機嫌が悪くなったのも、ルルーシュからの全幅の信頼に納得がいかなかったからだ。
それ程の信頼がある人物。C.C.にごり押しされる程の人物。なのに、今まで姿を見たことがない。
そんな人間だからか、カレンは逆にライを信用できなかった。
支援
一ヵ月前に合流した時に、カレンが反対したのも似たような理由からだった。
それもありライも、すぐに和解は無理だろうと諦めていた。だから、ルルーシュとの合流までは距離を空けた。
だが、結果は余計に悪化しただけだった。
(苦労は絶えそうにないな)
そんな感想を心の中で漏らしながら、タワー上部から侵入してきた援軍を蹴散らしていく。
IFFの情報を逐一確認し、戦況の常に把握する。その流れの僅かな変化をライは見逃さない。
敵がこちらへと意識を向けだした。そう認識したライは、時間を計算する。
ルルーシュがC.C.に用意させてる仕掛けの準備が終わるまで後、十分。
合流地点までの撤退時間を計算しながら、陽動の為にさらに敵機を撃破していく。
再度IFFを確認した時だった。味方のマーキングの異常な変化を確認したのは。
(敵か? IFFを切ってるのか? だが、これは……)
異常なスピードで味方を撃破していく、正体不明の敵機。
陽動を放棄して、ライはルルーシュ達の下へ向かう事にした。
ルルーシュも、この存在に気づいた。そして、予測される事態も。
(不味い。このままではこちらに)
護衛に付いていた卜部とカレンを、前面へと移動させる。
出現予測位置は正面、敵は進行を緩めず近づいてきていた。
「ゼロ、アンタだけでも逃げてくれ。俺達は所詮は陽動、死んだところで」
卜部の言葉をルルーシュは、ゼロとして遮った。間違っている、と。
「切り捨てるという発想だけでは、ブリタニアには勝てない」
その発想、ブリタニアの国是にも似た発想。ブリタニアを打倒するのに、ブリタニアと同じでは駄目なのだと。
だが、ルルーシュは知らない。その甘えが、悲劇を繰り返す原因でもある事に。
今度こそ成してみせる。そう、ルルーシュが決意を強めた時。
「機体が消え、うわぁぁぁぁぁ!」
通信機からの断末魔にルルーシュは、違和感を覚えた。
支援
機体が消える。ありえるはずがない。だが現に今、目の前の通路ではそれが起きている。
ルルーシュは悪い予感が溢れてでくる自分を抑える為に、C.C.の作業を急かしたが
C.C.は卜部とカレンがいるから大丈夫だろう? と、暢気に返してきた。
爆発と共に、正面からイレギュラーな存在は姿を見せた。
(こいつか、イレギュラーは!)
ルルーシュには、その存在がランスロットと同じものに感じられた。
戦略を戦術で潰す、その荒唐無稽の力。そう、あの枢木スザクのように。
謎の機体は着地体勢から、ゆっくりと立ち上がり二本の剣を構える。
卜部とカレンが間髪入れず、動き出す。
「近接戦闘ならば!」「こっちが上よ!」
二機の同時攻撃。だが、そこには敵機はいない。既に背後だった。
機体の異常を知らせるシグナル。二機は避けられただけでなく、腕部にも痛手を受けていた。
「消えた!? 本当に!?」
驚愕のまま、その機体を見つめるカレン。その眼前でルルーシュを処刑するかの如く
二本の剣を繋ぎ合わせ、振り落としはじめる。
(や、やられる!!)
ルルーシュは感じた、死がそこにある事を。こんなところで終わるのか、と。
その刹那。ルルーシュのKMFの背後から、ライフルの弾が飛んでくる。
「ゼロ、下がるんだ! 卜部さんと紅月も、ゼロの傍へ!」
青色の月下。ルルーシュはそれを確認し、即座に自機をライの後ろへ下がらせた。
ライは、道中のサザーランドから奪取したであろうアサルトライフルで牽制を続ける。
敵機を視認して、該当する機種を思い出す。
(ヴィンセントか。あのカラーリングだと……)
ライは記憶を探り、騎乗しているであろう人物を思い浮かべる。
先の不可解な味方の消失と照らし合わせて、該当者を認識した。
(騎乗しているのは、ロロか!)
支援
ライは距離を詰めようとしていたが、騎乗している人物がロロと解ると
逆に距離を取った。それも、かなりの距離を。その間合いを保ちつつ、ヴィンセントを牽制し続ける。
ルルーシュと卜部は、月下のその動きに感嘆していた。手の内が解らない相手に萎縮することなく
攻勢を取りにいく、その動きに。カレンも同じ感想を抱いていた、同時に嫉妬の感情も。
守ると覚悟を決めたのに、ゼロを任せるとあの男に言われたのに。
それすらできず、自分にゼロを任せたあの男が先に助けた。
今も手の内が解らない相手に、萎縮せずに一人で立ち向かっている。
それだけの行動ができるライに、カレンは悔しくて仕方がなかった。
ルルーシュとC.C.から全幅の信頼を預かっているライに、カレンは嫉妬をした。
「くっ! そろそろ限界か!」
事情を知らない三人が感心していたのを、当の本人は露も知らない。いや、知る余裕がないのだ。
パイロットの正体を知る人物なら、当然取りうる選択肢をライは選んだだけなのだが。
それでも、危うかった。そう、エナジーフィラーが切れそうだったのだ。
(なんで僕の騎乗するKMFは、どれもこれも燃費が悪いのかな!)
と、敵の実力ではなく自分の機体に敗れそうになっていた。
焦っているライだったが、通信機から聞こえてきたC.C.の声に焦りが和らぐ。
その声が、女神の囁きにライは思えた。本当は魔女だけど、と付け加えて。
「残念なお知らせだ。準備が整った。」
「ルルーシュ!」
それが合図かの様に、ライは空になったアサルトライフルをヴィンセントに投げつけ
最後の牽制と共に、月下をルルーシュ達の下へと跳躍させる。
「ああ。お前達が作ったチャンス、無駄にはしない」
ルルーシュが仕掛けた作戦。タワーの各所に爆弾を仕掛け、タワーを崩す作戦だった。
勿論、ただ崩すだけでは駄目である。脱出できなければ意味がない。
支援
その為の道筋を用意させる為には、カラレス総督が必要だった。
ライから聞いた、カラレスの性格。カラレスが総督に着任してからのイレブンへの圧政。
ルルーシュには、彼が取りうる行動が容易に想像できた。
皇帝の威光を知らしめる為に、過剰な戦力を投入する事を。
その餌に相応しいのは、黒の騎士団以外にはない。ライも、それと同じ考えだった。
だからこそ、ライも黒の騎士団で行動を起こした。
そして、ルルーシュがタワーを使って脱出するだろうという目算も。
月下の着地と同時に、床が揺れだし下へと落ちていく。
追跡しようとするヴィンセントだったが、ライの最後の牽制で追えずにいた。
『お前が用意した布石、存分に活用させてもらったぞ』
「ああ。ただ、カラレスが単純だったのはちょっと意外だったけどね」
カラレスは、偽りの退路を用意していた。
正面ゲート前の道路、そこが空いているかのように進軍させていた。
威光を示したい。イレブンへの最上の絶望。その為にも自分がいる場所へ来てもらう。
カラレスが敗れた敗因。それは、ルルーシュが使った奇策ではなく、その欲だった。
『欲が出すぎたんだろう。脱出ルートを絞りすぎだ』
「それでは逆に、自分の居場所を教えるようなもの。だな」
ライの月下に誘き寄せられ、タワー上部に集まっていた部隊。
そして、タワー崩壊の先にいるカラレスの本陣。その二つをルルーシュは、この一手で壊滅させた。
ディスプレイが写しだす状況を見て、カレンは作戦の目的を理解した。
「そうか。これで上にいる敵も、その先の地面にいる敵も叩きつけられて」
それを聞いたルルーシュは、それだけではないと、訂正する。
敵の壊滅。彼はそれだけの為に、タワーを崩壊させたわけではなかった。
そう、目的はもう一つあった。
支援
「仮にこの場を逃走できたとしても。僕達に、この国での居場所はない」
『ああ。だからこそ!』
その為のもう一つ布石。崩れたタワーの先にある場所、中華連邦総領事館。
そこが、ルルーシュの見据えていたもう一つの、目的だった。
カラレス総督の死亡で、軍部は混乱していた。
指揮権のある主要の軍人は、バベルタワーでのテロ鎮圧へと出向いていた。
カラレス総督が死亡したのであれば、当然出向いていた彼等もそうなっている。
それが軍部での判断だったが、指揮権の所在をはっきりとしなくてはならない。
その為にも指揮権の移譲をしたいのだが、その焦りが宙に浮いた状態を加速させる。
パニックが広がる中、それを制したのはメガネをかけた長髪の騎士。
ギルバート・G・P・ギルフォード。エリア11の前総督であり、ブリタニア皇族の一人。
今は行方不明のコーネリア・リ・ブリタニアの騎士。その彼が指揮を執ると申し出たのだ。
「これは権力の掌握ではない。あくまで一時的な処置だ」
姫様の名にかけて誓おう、と付け加え周りの意見を待つ。
ギルフォードは軍内部で人望がある人物だ。忠義を重んじ、皇族の専属騎士を務める男。
その男が主君の名を出したのだ。反対する者などいるはずもない。
移譲を受け、ギルフォードは礼を述べた。
「ありがとう、感謝する」
ギルフォードは連れていた、グラストンナイツに指示を告げはじめる。
その最中、背後の巨大ディスプレイが人物を映しはじめる。
画面の中には、死んだはずの人物が立っていた。
『私は、ゼロ』
その名前に、ギルフォードは慌てて後ろの画面を注視した。
支援
仮面を着けた謎の人物、確かにゼロだ。だが、中身は違うはず。
なぜなら、ゼロは一年前に死んだのだ。ならば、あのゼロは偽りだ。
ギルフォードはそう考えた。だが、その考えは発信元の特定によって否定される。
「発信元は、中華連邦総領事館です!」
発信元を聞いたギルフォードは、その時になって理解した。
黒の騎士団がタワーの半面だけを倒壊させた、もう一つの理由を。
カラレス総督率いる軍を壊滅させるだけでは一手足りない。そう、そこからの逃走ルートだ。
それが無い。だから、騎士団は作ったのだ。タワーを道代わりにして、総領事館へと亡命したのだ。
この大胆さと智略。ギルフォードは確信した。
「ゼロだ! 本物の」
世界を揺るがせた人物の復活。止まっていた世界が動き出す。
この人物に。理想を求める者に。贖罪を求める者に。
様々な思惑が渦巻く世界で、ゼロは二度目の行動を起こした。
『私はここに合衆国日本の建国を、再び宣言する!』
この日、合衆国日本は再び独立した。総領事館の小さな部屋の中で。
二度目の独立宣言、世界はここから動き出していく。
世界に向けた誓いと共に。
支援
以上です。
今気づいたんですけど、総レス数を書いてなかったですね・・・申し訳ないです
あと、謎を沢山出してすいません
ボロボロ出しすぎて自分がオロオロしてるので勘弁してください
R2の流れを辿りながら物語が進むので、飽きるかもしれないですけど
応援してくれると嬉しいです。では、失礼しました
>875
おつかれさまでした!
本国の騎士と?ロロを知っている?
こちらの長編での設定がちらちらと見え隠れ。どきどきします。
卜部さんが散らずに済んだのが嬉しいポイント。
とても読みやすく、続きが楽しみです。
燃費の悪い機体w
ほんとロスカラ次作では持ちのいい機体になっててくれるといいなあ。
>>875 ぷにぷに卿、GJでした!
ライのことを忘れているカレン、二人の仲はどうなるのか。
また、ロロを知っている理由等、まだまだ空白の期間の謎がありますね。
そして生き残った卜部の活躍は!
この後も、前も大変続きが気になるこの作品!
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
>>875 乙です!
卜部さんが生き残った!
そして空白の1年でのライの行動が気になります!
続きを全力で待たせていただきます
15分にとうかしてもよろしいでしょうか
10レスほどになります
支援します。
EU本土への上陸作戦に勝利したブリタニア軍。
しかし、そんな勝利の余韻も束の間だった。
エリア11に再び世界に反逆する魔神、ゼロが復活した。
再び合衆国日本建国を宣言した彼の目的とは。
世界に再び反逆の狼煙が上がる。
支援
シュナイゼル殿下旗艦アヴァロンにより、本国に帰還しようとしていた。
「殿下、お茶のおかわりはいかがでしょうか。ライもどう?」
カノンさんが殿下にお茶をすすめてくる。
ありがたく頂くとする。
うん、おいしい。流石はカノンさんだ。
「ありがとう、カノン。しかしようやく本国か。本国の土を踏むのも二ヶ月ぶりか。
宮廷料理が懐かしいね。ライ、君も少しは休めるだろう。君にも苦労をかけたね」
そう、あの作戦から2ヶ月が経とうとしていた。
EU上陸作戦と一言で言って済むものではない。
EU周辺国家も明日は我が身とばかりに呼応し、梃子摺らされた。
あのアフリカまでもが最後には援護としてやってくるのだ。
KMFや武装等はこちらが勝るにも拘らず、流石に数だけは多い。
勝利できたのも殿下の指揮に加え、ナイトオブラウンズを始めとする精鋭たちのおかげだ。
支援
支援
887 :
復活 :2008/09/25(木) 22:19:57 ID:6tcJ1HC1
殿下に言わせれば、
「戦争は所詮は数だよ。いかに戦いが始まる前に戦力を整え、圧倒できるか、さ。
戦術は戦略を補うものでしかない。少数が大勢を覆すなんてことは異常な事だよ。
それを最初から求める事は愚かなことさ」
となる。そう、如何に高性能な装備でも物量の前には無力だ。
今回の戦場では当初駐留部隊と敵の数の差が大きかった。
我がブリタニア軍は装備、兵の質ともに上ではあったが、数の差は覆せなかった。
駐留軍司令の見積もりが甘かったためだ。
司令は数の差や、周辺国家の呼応した動きを言い訳したが、
殿下は、戦力が拮抗するのならば軍人の腕の見せ所ではあるが、
そんなのは数を揃えられない負け惜しみでしかない、そう言い放ったのだ。
全てを見通すと言ってもいい殿下にとって、所詮は如何なる戦場でも彼の手の上で踊るしかない。
正直この方が敵でなくてよかったと感謝するくらいだ。
「それにしても、殿下とライは何を熱心に見ているのかしら?」
カノンさんが尋ねてくる。そう、僕らが見ているのは植民エリアのニュースだった。
そのエリアはナンバー11。かつて日本と言われた国だ。
そのニュースでは総督が殺害され、仮面の男ゼロが再び現れたと言うのだ。
888 :
復活 :2008/09/25(木) 22:21:07 ID:6tcJ1HC1
「聞け!ブリタニアよ。かつ目せよ、力を持つ者よ!
私は悲しい。戦争と差別。振りかざされる強者の悪意。
間違ったまま垂れ流される悲劇と喜劇。
世界は何一つ変わっていない。
だから私は復活せねばならなかった!
強き者が弱き者を虐げる限り、私は抗い続ける。
まずは愚かなるエリア11総督カラレス。
彼は無実の日本人を捕らえ、数十万人の命を無慈悲に、そして残虐に奪い続けてきた。
ゆえに天誅を下した。私は戦う!間違った力を行使する全ての者たちと。
ブリタニアが何度私を潰そうと試みても、全ては徒労に終わるだろう。
私は蘇る。そして・・・・・・立つ!
私は今ここに、合衆国日本の建国を再び宣言する!」
蘇った仮面の男、ゼロが世界に向けた声明である。
支援
支援
891 :
復活 :2008/09/25(木) 22:22:42 ID:6tcJ1HC1
「しかし、このゼロが本物にしろ、偽者にしろ、面倒な事になりましたね」
カノンさんがどこかうんざりとでも言いたげに発言する。
確かにこの時期は良くはない。中華連邦との婚儀を進めるなか、
大使館でブリタニアの反逆者を匿う行動。
どうやって話をつけたのかは不明だが、これでは彼の国との関係が怪しくなる。
特使の独断か、それとも・・・
「ふむ、確か、エリア11の特使の側近が婚儀反対派、いや、反主流派の大物、
黎 星刻だったか。けれど彼が独断でゼロと結ぼうとしても、特使が主流派の
高亥だ。さて、どうなってるのかな?」
「いつものことながら、ゼロが関わると読めませんね。まともな政略では考えられません」
ブラックリベリオン以前のゼロの行動の軌跡を追っても所々不自然な点が多々ある。
彼の手腕が優れているのか、それとも彼のオレンジ事件のように何かの弱みでも握ったのか。
何れにせよ、厄介な相手だ。
「さて、ね。まぁ彼の真偽はこれからわかるだろうさ。
未だ反ブリタニアの動きで立ち向かうというのなら相手になるまでだよ。
君たちにも力になってもらうよ?我が騎士ライ、我が副官カノン」
静かながらも皇帝に引けをとらない覇気。これぞ帝国宰相シュナイゼル・エル・ブリタニア。
その確認の問いに僕らは”イエスユアハイネス”と即座に了解の意を示す。
そう、彼が再び反逆の狼煙を上げるというのなら、叩き潰そうではないか。
全ては我が主の命の下に。
支援
893 :
復活 :2008/09/25(木) 22:24:11 ID:6tcJ1HC1
殿下を宰相府まで御送りした後、今回の戦争での軍務の報告書の作成を自分の執務室で完成させ、
その後にKMFの装備についての報告書や意見書を纏め、旧特派、現枢木卿専属の
KMF開発チーム”キャメロット”のあるドッグへと向かう。
そこはナイトオブラウンズの研究開発チームのドッグが並んでいる区域だった。
何れもそれらの関係者ばかりで、ラウンズでない自分には肩身が狭いが、
自分のKMFもキャメロットにあるため赴くしかない。
専用の第7世代KMFをラウンズ以外所持しているのは皇族騎士とはいえ僕だけだという。
これである程度の戦果を挙げていなければやっかみを買っていただろうなと自嘲する。
こんな待遇も、ロイドさんという色々と型破りな研究者と、シュナイゼル皇子の騎士で
あるということが大きいということか、そんな事を考えながら歩いていると、
「おぉ?ライじゃねぇか」
この2ヶ月聞きなれた声、ナイトオブテン、ブラッドリー卿だ。
支援
895 :
復活 :2008/09/25(木) 22:25:41 ID:6tcJ1HC1
「よぉ、お前も武器を見に来たのか?わかるぜ、大事なものを奪うための得物は
手入れしないとならねぇからな」
軽い口調で話しかけてくるブラッドリー卿。
今回の戦いでどうやら気に入られてしまったらしく、何かと話しかけてくる。
僕自身過去の記憶を思いださせられ、どうも苦手なのだが。
彼曰く、人を殺してきた者特有の業やオーラが同類にはわかるらしく、
実際数多くの命を奪ってきたという記憶を取り戻した僕はそれを自覚していたが故に、
その業がわかるらしい。
そして、それだけの業を持つ人間はこれまではシャルル・ジ・ブリタニア皇帝陛下と
ナイトオブワン、ビスマルク・ヴァルトシュタイン卿位しか居ないとの事。
そこに僕という存在を確認し、どうやら変な同族意識を持ったという。
支援
897 :
復活 :2008/09/25(木) 22:26:53 ID:6tcJ1HC1
「EUは楽しかったぜ?俺自身もかなり殺ったが、お前の戦いを見てるのも楽しかったぜ。
あそこまで完璧に殺るのが上手いのはそうは居ないぜ。
特に常にコックピットを的確にロックしてたのは鳥肌がたったぜ?
俺並に無情なほどの奪い方だ、ヴァルトシュタイン卿以来だぜ?燃えたのはな」
確かに狙撃の際はコックピット周辺を狙った。
自分でもここまで冷酷になれるのかと思う位に、だ。
冷静な自分の中では容赦がない。敵に情けをかけることで、部下が死ぬかもしれない。
だからこそ、”落ち葉拾い”は徹底させたし、行動不能にさせた。
また、彼の言う様に戦場で高揚している自分を感じることもあるのだ。
そう言うところがブラッドリー卿の琴線に触れたのだろう。
自分でも自覚しているが故に否定はしない。
そして、そこがスザクと自分の違いなのだろう。
彼は出来る限り、死者を減らそうとするのだ。偽善者と言われようと必ず・・・。
そんな彼を甘いと思う反面、好ましくも思うのだ。
きっと眼の前のブラッドリー卿は吐いて捨てる考えだろうが。
その後二言三言話し、僕はドッグに向かう。
支援
899 :
復活 :2008/09/25(木) 22:28:08 ID:6tcJ1HC1
「いらっしゃーい」
と、ランスロットをいじっているロイドさんが出迎える。
今回の戦いで、大いにロイドさんは新装備を試すことができ、喜んだ。
ハドロンブラスターも何回か改良を重ね、正式に完成に至った。
これでスザクのランスロットにフィードバックすることができる。
エリア11の頃からの装備のままだったランスロットもこのデータを下に改良されるという。
その名はランスロット・コンクエスター。
征服者とは皮肉な名だと、感じたが、ロイドさんのセンスはいつも通りだと諦める。
そして僕のクラブも改良するという。現行のアサルトパーツを本格的に定着させることで、
総合力を上げ、燃費もよくなるとのことだ。これで稼働時間が延びるだろう。
改造されるランスロットとクラブを見ながら、次の戦いに備えるのだった。
支援
901 :
復活 :2008/09/25(木) 22:29:46 ID:6tcJ1HC1
軍務やクラブの調整を僕がしている間にもシュナイゼル殿下は活動していたという。
エリア11総督が決定したナナリーとの食事会と現状報告会にでていたとのこと。
こうした政治的な席は、”文”の騎士であるカノンさんの役割だ。
僕に求められているのは”武”としての騎士だからだ。
無論専任騎士である以上様々な場にも出るが、やはり専門であるカノンさんの方が上だ。
だからこそ、殿下を支えるための役割分担となる。
まぁ、基本的に宰相であるため優秀な文官を多数揃えているということもあるが。
その会の内容の報告をカノンさんよりしてもらい、僕は今、ナナリーの下を尋ねる。
僕にとっても予感はあったが、ゼロの事、中華連邦の事といい、内政が安定していない
エリアへと赴くナナリーが心配だったのだ。
アールストレイム卿と入れ違いに―どうやら親しいらしい―部屋に入室する。
支援
支援
904 :
復活 :2008/09/25(木) 22:30:44 ID:6tcJ1HC1
「ナナリー殿下、御目通りが叶い感謝します。ライ・アスプリウス、参りました」
礼に則って、挨拶する。
「ライさん、もう大丈夫ですよ。ここは私しか居ませんから」
ナナリーの許しも得たので、顔を上げ話しかける。
「・・・思ったより元気そうで安心したよナナリー。
緊張しているってカノンさんから聞いたから心配してたんだ」
そう、今まで公の場での経験がないナナリーだ。
それが問題のエリアの総督になるのだ、不安で当然なのだろう。
だが、今のナナリーは違う。纏っている覇気ともいうものが満ちている。
「はい、アーニャさんに励ましてもらったんです。
それに、私の夢のためにも足を止めてはならないんです。
ユフィお姉さまとスザクさんの夢を叶えるためにも」
支援
906 :
復活 :2008/09/25(木) 22:32:35 ID:6tcJ1HC1
この2ヶ月の間に、ナナリーにも色々とあったのだろうか。
眼の前の少女はもう兄に守られていた可憐な姫ではない。一人の皇族だった。
「ですから、ライさん。スザクさんとともに、協力していただけませんか」
おずおずと、遠慮がちに手を差し伸べるナナリー。
その手は震えていた。僕が拒絶するとでも思ったのだろうか。
当然ながら僕は、
「イエスユアハイネス!もちろんさ。僕も出来る限り協力するよナナリー」
そう口にした瞬間、パアっと輝くようなナナリーの笑み。
その表情に一瞬心奪われた。そう、とても綺麗だと、感じた。
ぼうっとしている僕に気付いたのか、
「ライさん、どうしたのですか?」
と不審がられてしまう。急いで、
「い、いや。なんでもない。シュナイゼル殿下のバックアップもあるんだし、
君の思う通りに頑張るといいよ、ナナリー」
と、誤魔化すしかない。こんな場面ルルーシュに見られたら殺されてしまう。
そう考えると冷や汗しか出てこないのだった。
この胸の鼓動が死への恐怖であるのだとこのときの僕はそう思っていた。
いや、そうだと思いこんでいたのだった。
支援
908 :
快風:2008/09/25(木) 22:36:01 ID:6tcJ1HC1
以上で終わりです。
相変わらず半端な終わりですみません。
「第二皇子専任騎士ライ」 シリーズ第4弾
「復活」です。
ゼロの復活からのお話です。
まぁタイトルはこんな感じですが、あまりゼロは活躍しませんが・・・。
テンさんが思った以上に出張ってしまい予想以上の長さに。
今回はもう少し纏めたかったような・・・。
でもこれ以上書くとだらだらとなってしまいそうなので。
時系列的にバベルタワー破壊後、スザク転校の間?かな。
次回はもう少し話が動く予定です。
PS
ヒロイン戦線に異常アリ?
>>908 これは面白かった
ライの強さはどの程度でしたっけ?
>908
書き手さんの名前やシリーズ名、どこからの続きなのかは
先に書いていただいたほうが読み始めやすいと思います。
てっきり単独の作品かと。
シュナイゼル付きという変り種の設定、
本編の行く先を思って、どうライが関わるのか・・・
続き楽しみにお待ちしております。
>>909 ライの強さは特派END後を準拠しており、多少は実力が上がっています。
ラウンズメンバーに近いくらいを。
>>910 はい、以後気をつけます。
そうですね、投下する際に、これから宣言します。
>>908 乙です。このシリーズの初投稿の時から思ってましたがシュナイゼルの騎士ってのはカノンがいるからやっぱりライは戦場に専念なんですね
この後、シュナイゼルの本性見た時どうなるか楽しみにしています
>>908乙andGJです。
シュウナいゼルの専属騎士だと、シュナイゼルにとってかなり有利なカードになりすぎるのでは?
なんせ、ブリタニア皇族の縁戚かつキョウト六家のハーフなので、黒の騎士団と旧皇帝派をまとめるのに最適な人物なので、バランスが心配ですね。
>>913 カノンを始めとする優秀な文官勢ぞろいしてる感じですからね、
ライは武としての印象を強くします。
>>914 あ、確かに。ただ、特派準拠なので日本皇族という事実は明かされてませんし、
ライ本人も日本の貴族の家柄程度の印象しかないので、そこまでは大丈夫かと。
黒の騎士団との面識もカレンくらいですし、カレンの印象は多分敵というもの
になるので。
ただ、最終決戦の戦力バランスが問題なんですけどねw
>>908 快風卿、GJでした!
ナナリーヒロインキター!?
そして何かテンさんがちょびっといい人っぽく見える、何故?
戦いは数だよ、兄貴、ですね、至言です。
特異な設定なこのSS、どの様に広がっていくのかいつも楽しみに思います。
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
おはようございます。
恒例(?)になりつつある出勤前の投下でございます。
もし、どなたかおられましたから、支援をお願いしたいのですが、よろしいでしょうか…。
本編6レス+終了宣言1レスの合計7レスの予定です。
ちと…早かったかなぁ…。
一応、45分くらいまで待ちます。
もし、支援できる方がおられましたら、よろしくお願いいたします。
間に合うかな?
支援します
ありがとうございます。
うわー…諦めないでよかった…。
支援
支援表示ありがとうございます。
支援よろしくお願いいたします。
タイトル「合流の後で…その4」
カップリング「カレン×ライ×井上」
ジャンル「シリアス」というか…「昼ドラ」かも…www
注意点
えーと、微エロ描写あります。
また、ライのヘタレ警報発動中です。
さらに井上さんの病み具合進行中です。
以上の点で問題ある人は、スルーお願いいたします。
それと内容ドロドロになってます。
感想にあった昼ドラみたいというのは、的確なものだと思います。
さわやかな恋愛を求める方は、絶対見ないで下さい。
本編6レス+終了宣言1レスの合計7レスの予定です。
なお、投下は2分前後ごとに行う予定ですので、5分超えた場合は、トラブル発生と思っていただいて結構です。
その際は、再度投下しなおします。
告白の翌日、僕はカレンに返事をした。
もちろん、OKの返事を…。
彼女は泣いて喜んでくれた。
そして、僕の周りの人たちも祝福してくれた。
だから、僕は井上さんのアドバイスどおりにやってよかったと思った。
彼女のアドバイスは、的確だったと…。
合流した夜に…その3
カレンと付き合い始めて、僕の生活は忙しくなった。
まず、以前ゼロに提案された事を承諾し、僕は正式にゼロの直属部隊へと戻った。
もちろん、藤堂中佐や四聖剣のみんなは、僕がゼロの元に戻る事をすごく残念がった。
(特に仙波大尉は、五聖剣にならない事をすごく残念がっていた)
だが、僕がカレンと付き合っている事を知っているらしく、最後は笑顔で送り出してくれた。
そしてこれをきっかけに、僕はより騎士団の任務や仕事に没頭するようになった。
もちろん、騎士団の任務や仕事だけではない。
男としても充実した時を過ごしていた。
昼間はカレンと初々しい恋人同士の関係を楽しみ、夜は井上さんと快楽と肉欲に溺れる日々。
こんな生活がずっと続くとばかり思っていた。
いや、続くと思い込んでいた。
支援
いつものようにベッドで快楽の余韻を楽しんでいる時に井上さんが甘えた声で聞いてきた。
「ねぇ、ライくん。明日から1週間、特別野外訓練って本当?」
「ああ、近々大きな作戦があるらしいからね。でもなぁ…」
僕はうんざりした口調で答えた。
特別野外訓練…。
作戦前に行われる実戦さながらの訓練で、かなりしんどい訓練であるが、なによりキツイのは食事である。
訓練中は拙い簡易食のみが支給される為、何日か続くとウンザリさせられてしまうのだ。
特に訓練中は食事以外にろくに楽しみもないのだから、その食事が拙ければ嫌な気分の一つや二つすぐにでもなるだろう。
「大変だね…実働部隊って…」
そこでしばしの間が開いた後、井上さんが提案してくる。
「お昼、お弁当差し入れしていいかな?」
僕の胸に頭を乗せて、頬を摺り寄せ甘えてくる井上さん。
「いいの?」
「うん。ライくんさえ良ければ…」
「じゃあ、楽しみにしているから」
僕は、会話をしながら無意識のうちに右手で井上さんの藍色の髪を撫でていた。
「うふふふ…」
井上さんは、気持ちよさそうに目を細める。
その表情は、猫を思わせた。
そして撫でてくれたお返しとばかりに僕の肌に舌を這わせ舐めていく。
舌が淫靡に動き、舐め上げる様子はとても卑猥だ。
「井上さん…僕…また…」
うめくような僕の言葉に、井上さんは舌を這わせる事をやめた。
そして、にやりと淫靡な微笑を浮かべ舌で自分の唇を舐める。
そのゾクゾクするような色っぽさに僕の欲望が激しく燃え上がる。
「いいわ…。また楽しみましょう…。ライくん…」
そういうと井上さんは、僕の上に乗りかかってくる。
豊満な乳房が僕の胸に当たって気持ちがいい。
僕は、彼女の細く引き締まっていながら、程よい柔らかさと綺麗な曲線を描く腰に手をやると位置を合わせた。
そして、欲情した表情で互いを見詰め合うと快楽と肉欲のみを楽しむ行為を再開した。
PCに移ってから支援
次の日の朝、私は早めに起きるとお弁当の準備を始めていた。
彼がカレンと付き合いだしてからというもの、私の心は常に不安定だった。
肉欲に溺れ、肉体的には満たされてはいたが、不安と捨てられる恐怖が私の心を蝕み、些細な事でさえ私の心は激しく揺れ動く。
表面上はそういう素振りさえ見せないようにしていたが、何度カレンを罵っただろうか…。
そして、惨めな自分に何度絶望しかけた事か…。
だが、彼に差し入れるお弁当を作るという行為は、とても幸せでうれしい気持ちで心を満たしていた。
なんか、久しぶりだな…こういう幸福感を感じるのって…。
心が癒されるような錯覚さえしてしまいそうになる。
だが、そんな時間もすぐに終わりがやってくる。
お弁当が完成したのだ。
彼は喜んでくれるだろうか…。
心がぎゅっと締め付けられる。
だが、それは不安ではなく期待感であり、常に感じているものとは大きく違う。
何気なく時間を確認する。
あ…そろそろ行かなきゃ…。
ライくんがお腹をすかして待っているはずだから…。
私は完成したお弁当を手作りの袋に入れると、彼のいる野外訓練場に向かった。
支援
えーっと…ライくんは…と。
あ…いたいた…。
「ライく…」
そう声をかけようとして、私の口は開きかけたが途中で言葉を失った。
そこには……照れて…それでいてにこやかに微笑みながら……カレンからお弁当を受け取るライくんの姿があった。
ぴしっ…。
今までの私の心を満たしていた幸福感が音を立ててひび割れていく…。
期待感が、絶望という闇に塗りつぶされていく…。
「あはっ…」
何を私は期待したんだろう…。
ガタガタと身体は振るえ、心は…ぎちぎちに締め付けられていく…。
まただ…。
またあの感じだ…。
カレンの告白を受けて戸惑う彼を見ていたときに感じた失望感と不安、そして捨てられる恐怖が私を襲ってくる。
イヤダ…。
イヤダよぉ…。
ワタシは…・
ワタシは…もう…かれんにカレのココロいがいワタしたくないのに……。
いや…チガウ…。
ホントウ…は…。
ホントウなら…ココロさえワタしたくない…。
カレのスベテは…。
ワタシだけがドクセンできるハズなの…。
そう…カレはワタシだけのもの…。
ワタシだけの…らいクン…。
ココロが悲鳴をあげる。
砕け散った幸福感が雨のように降り注ぎ、ワタシのキズだらけでチのナミダで満たされたココロに深くて不快なキズをつけていく。
死にたいと思うほどの絶望感がワタシを満たすが、ワタシは……二人の姿から目を離す事が出来ないでいた。
支援
「うふっ…うふふふふふ…」
きりきりきりと口元が歪み、笑いが漏れる…。
ソウカ……ワカッタ…。
ソウナンダ…ネ……ヤッパリ……。
どす黒い思考が、すべてを蕩けさせていく。
ヤッパリ……。
かれん…ガイナケレバ…イインダ…。
アノ…おんな…サエ…イナケレバ……。
ソウスレバ…カレハ……。
らいクンハ…ワタシダケノモノ…。
うふふふふふふ……。
病んだ微笑を浮かべ。私はその場を立ち去った。
二人が幸せそうに微笑みながら談笑する姿を目に焼き付けて…。
そして、私は近くの廃墟の壁に……持ってきたお弁当を叩きつけた。
袋が破れ、中身が散乱する。
あれだけ時間をかけ、愛情をかけたものが…あっという間にゴミとなっていく。
それは…まるで……私のココロが完全に壊れていく様のようだった。
支援
やったぁ〜っ…。
幸福感で一杯だった。
やっぱ、がんばったかいがあったぁ〜。
ライ、とても喜んでくれいたし、それにおいしいって言ってくれた…。
うふふふふ…。
ベッドに寝そべりながら、お昼の楽しかった時間の事を思い出す。
そして食べ終わって彼の言った言葉…。
「きっと、カレンはいいお嫁さんになれると思うよ」
にこやかな笑顔で言われたその言葉がよりカレンを興奮させ、幸福感を増長させる。
きゃ〜、きゃ〜♪
枕を抱え、足をバタバタさせながらベッドの上をグルグルと回転して動き回る。
よし、明日もがんばって作って持って行かなきゃ…。
そう決心すると、幸福感に包まれて、カレンは眠りの中に沈みこんでいった。
支援
以上で終了です。
支援ありがとうございました。
すごく助かりました。
しかし…2〜3回で終わるつもりだったのが、もう4回目…。
もう、書き始めるとキャラが頭の中で勝手に動き回っています。
書く前にこうしたいと思うものの、書く度に違うものになってしまうのが現状です。
どうなる事やら…。
しかし…ハッピーエンドを考えてたんだけど…これは…もう…無理っぽさそうだなぁ…。
皆さん、その時は覚悟しておいてください。
後、今回も前回同様楽しんでいただけたら幸いです。
いつも感想つけでくださる皆様ありがとうございます。
皆さんの感想や意見が、頭の中で暴れまわる各キャラクターのエネルギー源になっています。
よかったら、よろしくお願いいたします。
ちなみに…病んデレ井上さんの大好物は、皆さんの応援ですwww
怖いというのは、彼女にとって最高の褒め言葉のようです。
>935
おつかれさまでした!
朝もはよからなんつーどろどろしたもんを!(褒め言葉
他の追随を許さない展開に、続きが気になってしょうがありません。
誰に不幸になって欲しいわけではありませんが
このライは痛い目見ればいいと思うよ!カレンは逃げてー!
次回の投下をお待ちしております。
>>935 あしっど・れいん卿、GJでした!
いきなりのジャンル、昼ドラに吹いたw
というかこれは微、か?
ドロドロしすぎ、井上さんがガ○パレの原さんみたいなことをやらねばいいが……
井上さんとカレンを支配する感情の違いがより井上さんの狂気を引き立ててるかんじです。
……怖い。
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
容量限界に近づいてるので、スレ建て行ってきます。
言い忘れてました。
あしっど・れいん卿、超GJです。ライがいつロクでもない目にあうのかワクワクしながら読んでますです。
>>935 GJ
って井上さーん!
本当に病んで来たよ
血が見そうで大変怖いです
次回が恐ろしいが楽しみにしてます
しかし、ここまで不幸になることを期待されるSSのライって初めてじゃないだろうか
477KBか・・・6.5KBなら大丈夫だよね・・・
こんにちは。「リロード」完璧! 今週もやって来ました『184』です。
タイトル :ロスカラさん 第5話 キョウトからの使者
カップリング:なし
ジャンル :コメディ? ユル〜いキャラで再構成もの
キャラの言動が、ほぼギャグです。(各自がギャグ漫画にありがちな特技や思考を持ってたりします。)
5〜3頭身キャラが出て来る四コマ漫画を楽しむ感覚で、読んでもらえれば幸いです。
(3〜4話 あらすじ)
ナリタ連山に行った。カレンの弁当を食べた。ゼロに注意されたけど、やっぱり食べた。美味しかった。
藤堂さん達と会った。黒の騎士団に誘ったけど、断られた。悲しくなんかない!
帰りしなゼロを迎えに行った。C.C.がゼロをからかっていたので、一緒になってからかった。楽しかった。
帰ってからカレンにお弁当のお礼を言った。褒めたら、喜んでくれた。僕も嬉しかった。
みんなとテレビを見た。C.C.が僕の事をスケコマシみたいに言った。ビックリした。
井上さんが、僕はゼロの言いつけを守らない悪い子だから罰が必要だと言った。そしたら、女の子達が
罰を何にするかで、揉めた。罰が決まるまで、牢屋に入る事になった。牢屋は寂しいよ。
3レス使用予定、総レス数が5レスなので支援は不要。
では、5分後位に本文スタートです。
ロスカラさん 第5話 キョウトからの使者
アッシュフォード学園の屋上に上がると先客が居た。
「あら、今日は登校してるのね」【お嬢様モード】
カレン嬢だった。正直今はまだ、顔を合わせづらいが逃げ続けるわけにもいかない。
「ああ、君こそ・・・」
「何で、脱走なんかしたの!」【お嬢様モード解除】
命令違反で独房に入れられていた僕だったが、そこから逃げ出し今は日本解放戦線に身を置
いている。我ながらビックリな展開だ。
「いやほら、男の浪漫?」
「何よそれ?」
「牢屋に入れられたら、脱獄を試みるのは男として当然の事なんだよう」
ついつい、甘えた口調になってしまった。最初は大人しく独房に入っていた僕だったが、その
後の処遇に対する不安や脱獄を計画している間の高揚感を押さえる事ができなかった。つい、
衝動的にやってしまった。盗んだ無頼で走り出す・・・
「ふう〜、子供みたいな事言って。じゃあ、もう満足したでしょ? 早く帰って来なさい。
いつまでも、家出みたいな事してないの」
目をパチクリさせた後、溜め息をつくカレン。呆れた声音は、まるで『お母さん』だ。いや、実際
僕が子供なだけか・・・
「いや、それが〜」
僕は成り行きで日本解放戦線に所属している事、そこで黒の騎士団で得た実戦データと解放
戦線での戦術蓄積を比較、統合する作業に協力している事。さらに、血液検査による僕自身
の身元調査の結果を待っている事を説明した。
「日本解放戦線・・・そう、良かった・・・」
「何が?」
「ううん、こっちの事」
カレンは解放戦線と聞いて、ホッとしたようだったが理由までは教えてくれなかった。
後日、知った事だが――黒の騎士団を飛び出した僕の行き先について、色々な噂が飛び交っ
た。その中で『水商売のお姉さんに拾われて、ヒモ同然の暮らし』が、割りと上位の方に挙が
っていたらしい。(何故だ!?)カレンは、僕がそんな自堕落な生活を送っていないか心配して
くれていたのだ。
更に、
「毎日ヤリまくりで、もう俺達の事なんか――」
と、騒いでいた一部の人達を拳で黙らせていたそうだ。
「そ、それより検査結果が出たら、直ぐ戻ってこれる?」
「仕事を任せて責任感という鎖で縛り、身元調査という餌で手懐ける。――か、そう簡単には
戻れまい。ゼロももう少し早く、手をつけていれば・・・」
突然の第三者の発言に振り向くと、そこに居たのはC.C.だった。相変わらず神出鬼没だ。
「「C.C.!」何で、あなたがここに!?」
「なに夕べは、その男の部屋にお泊りだったのでな」
カレンの問いに、爆弾発言で返すC.C.。そうなると当然、矛先は僕に向かう。
「ラーイー?」
「落ち着けカレン、C.C.に遊ばれてるぞ。僕は今朝、潜伏先から直接登校してきたんだ」
僕の言葉にカレンは一応落ち着きを取戻し、一方のC.C.は口を尖らせた。
「ちっ、つまらん。この間は、あんなにも・・・」
「あんなにも、何!? 何をしたの!?」【セーフティロック解除? Yes or No】
僕はカレンに両肩をつかまれ、頭をブンブン揺さぶられた。
「ああ、注意したばかりなのに・・・」
片瀬少将の話によると血液検査の結果、僕は貴族の血を引いているということだった。
「貴族の血を引く若き戦士。これで君が日本解放戦線にとって必要な人材である事が明白に
なった」
そしてC.C.の『責任感という鎖で――』の言葉通り、キョウトへの支援要請の使者という
更に重要な仕事を任されてしまった。今僕は、富士のサクラダイトプラントに来ている。
目の前の巫女装束の様な着物を着た少女は、皇 神楽耶といい僕の遠い親戚に当たるのだ
という。なるほどこの胸に染み入るような懐かしさの様なものは、血が受け継いできた記憶な
のか?
(いや、スザクに感じた事はないから血とか遺伝子は無関係だな)
そんな事を考えていたら、いきなり厳つい顔のじいさんが目の前に現れた。
「私は、桐原だ」
「・・・どうも、ライです」(妖怪じゃないんだ・・・)
びっくりして、声を上げそうになるのをなんとか耐えた。
「――勢力拡大中の騎士団から、ある意味落ち目の解放戦線に参加。普通に考えると、理に
適わない行動。確たる理由がないと出来ない事だ」
「理由ならば、愛する者(凪沙さん)を守るためで充分だと思いますが?」
二人の瞳をジッと見つめ、桐原翁の問いに答えると二人ともピクッと体を震わせた。
「ほう、愛するもの(日本)とな・・・」
「愛する者(誰?私?)を守る・・・ とても、素敵なお考えですわ!」
二人が感じ入った風になった所へ、再起の為には支援が重要だと訴える。
「――こちらの回復が早ければ、その分だけ今後の戦いも有利になるでしょう」
「よろしい、お主の言葉を信じよう。いや、お主を信じると言うべきか」
「私も貴方を信じます! 解放戦線は、今の日本にとって希望なんです。ですから、貴方も
た〜っくさん頑張ってくださいね!」
キョウトから引き上げる前に、神楽耶様から手紙をいただいた。手紙には
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
早く帰って来い、バカ息子。
黒の騎士団一同、お前の帰りを首を長くして待っている。
黒の騎士団 司令 ゼロ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
と、あった。
「『バカ息子』って・・・・・・ったく!」
「うふふふ・・・ ライは愛されてますね?」
嬉しくて涙が出そうになった。これで、益々手ぶらで帰る訳にはいかなくなった。
支援
以上。
どうにか、第5話まで来ました。今週もユル〜い世界を感じて貰えましたでしょうか?
ゲームではまだまだ序盤ですが、そろそろ週一ペースは無理そうです。書き溜めてた分がなくなりました。
次回作の投下はユルユル、お待ちください。
>>950 184卿、GJです。
こういうのはいいですよ。
心が洗われるようです。
こう、のんびりほわーんって感じで・・・。
しかし・・・ああ、なんてアットホームな黒の騎士団。
こういう組織だったら、裏切りなんて起こらなかっただろうに・・・。
次回も期待して投下をお待ちしております。
合言葉は、ユル気持ちいいですねww
しかし、その前のSSと比べたら対極ですな。
いろんな意味で・・・。
あwwらwwすwwじwww
>>950 184卿、GJでした!
確かに脱獄は男のロマンだな、経験したくはないが。
なんて暖かい騎士団だ……ライ、騎士団はいい所だぞー!
早く戻って来ーい! ってかんじですね。
ほんわかしたこのSSも素晴らしい!
遅くなっても俺は気にしない。
そう、貴方の次の投下を全力を挙げてお待ちするだけです!
>>トーマス卿
すみません。
SS保管庫の「0025-0923合流した後に… その4」のカップリングを「カレン→ライ×井上」ではなく、「カレン×ライ×井上」にお願いいたします。
あと931の「病んだ微笑を浮かべ。私はその場を立ち去った。 」の部分ですが、「病んだ微笑を浮かべ、私はその場を立ち去った。 」に変更お願いいたします。
すみませんが、よろしくお願いいたします。
>>950 乙なのよ〜。
15のよ〜る〜…!
盗んだ無頼で走り出す〜行く先は〜ブリタニア〜……うわー!やられたー!
続かなかった。世代じゃかないからこの先知らんなのよ。
30分から投下するなのよ。容量ギリギリだけど頑張るなのよ。
では注意事項の説明なのよ。今回もかなり人を選ぶSSとなっていますなのよ。
しかし、あまり設定を説明すると面倒くさい……じゃなくてつまんないと思うので、どんな設定も受け入れられる心構えがある人のみどうぞなのよ。
・タイトルは「記憶の旅〜LOVE & HISTORY〜」です。
・カップリングはライ×???なのよ
・?にしておいてなんだけどヒロイン自体は出ないなのよ。すぐに誰か分かるけど。
・分からない事があっても大丈夫。脳内補完でお願いなのよ。
・ジャンルは……ほのぼの、なのよ?
・なんとびっくり!オリジナルキャラが最初から最後まででばっているよ!ヒロインが出ないのにこりゃなんてこったい!
・本文5レスと終了1レスなのよ。軽く支援お願いなのよ。
支援するのよ
957 :
記憶の旅:2008/09/26(金) 17:33:08 ID:UOOY1DJ5
とある国のとある街。
忙しそうに早足で歩く人や、重そうな買い物袋を下げとぼとぼ歩く人や、笑顔で走り回る子供たち。
そんな普通の、活気溢れる街並。
住宅や様々な店舗が立ち並ぶ大きい通りの中、一つだけ様式が異なる家があった。
歩道から見える美しい庭園を持つ家。花の香りと鮮やかな彩りはこの通りの一つの名物でもある。
その家の中で、一人の子供がドタバタと足音をたて、大声を上げた。
「お兄さま、お兄さま!みてみて!」
お兄さま、と呼ばれた子供は読書を邪魔されたのが不満なのか、少しだけ眉をひそめて返す。
「どうしたんだよ、ナナリー」
ナナリーと呼ばれた女の子は、ご本を読んでたのにごめんなさい、と一言謝って兄の下に寄る。
ナナリーの兄、ルルーシュも別にいいよ、と本を閉じる。
それで笑顔になったナナリーは、後ろ手に隠し持っていた一冊の帳面をルルーシュの前に広げて言った。
「これ!おかあさんとおとうさんだよね!」
ルルーシュは帳面に貼り付けられた写真を見て、頷いた。
「本当だ。アルバムって言うやつかな」
「あるばむ?」
「う〜ん、……思い出の写真をはっておく物だよ」
「ほえ〜」
分かったのか分かっていないのか、ともかく感心したようにナナリーはアルバムを眺める。
「なかよしだったんだね、おとうさんとおかあさん」
「今でもなかよしすぎると思うけど……」
ナナリーが指を差した写真には、体を寄せ合って笑みを浮かべる父と母の姿があった。
〜Ascension Throne Britannia/Zero Requiem Era:記憶の旅〜
支援
959 :
記憶の旅:2008/09/26(金) 17:35:23 ID:UOOY1DJ5
§z.r.e.12-4/5-10:02
ルルーシュはナナリーと一緒に父の書斎に向かった。
ナナリーは彼の一歩手前でとたとたと軽い足取りで歩いている。
今日のナナリーは淡いピンク色の髪をふわりと靡かせ、赤いリボンをサイドに結んでいる。
ピンク混じりの赤いワンピースは、母が好きなファッションそのままだ。
(お母さんはぼくにもピンク色の服を着させようとするからな……)
何か嫌な事を思い出したかのようにルルーシュは顔を歪める。
ナナリーの可愛らしい服と違ってルルーシュが着ているのは普通の子供服だ。
青い上着に、黒のシャツ。長ズボンを好むのは彼がもっと子供の時から。
色素の薄い銀髪の陰から現れるのは、真紅の瞳。母から最も色濃く受け継いだのはこの部分だ。
(ぼくの髪がピンクじゃなくてよかった…)
とルルーシュはどれだけ安堵したことか。因みに、ナナリーの瞳は父の淡い蒼を継いでいる。
「とうちゃく〜!」
そんな事を考えているうちに、書斎の前に着いた。
お仕事中は入っちゃだめ!と母にきつく言われているが、あの甘い父の事だ。叱られないのは二人とも分かっていた。
ナナリーが扉を開けようとするが、届かないのでルルーシュが前に出る。
せっかくの現代的なドアも、ボタンに手が届かなければ開くことは無い。
少しだけ背伸びしてルルーシュがボタンを押すと、軽い音を立ててドアが開いた。
支援
961 :
記憶の旅:2008/09/26(金) 17:37:20 ID:UOOY1DJ5
「おとうさんおとうさん!」
「ん?」
パソコンに向かい何やら打ち込んでいたルルーシュ達の父は、ナナリーのかん高い声に呼ばれて振り向いた。
三十路近いにも関わらずその容姿は未だ若々しいオーラを放っていて、また柔和さが見て取れた。
美しい銀髪はルルーシュのそれと同じ色。ナナリーよりも深い蒼の瞳からは、怒ったような様子は案の定見られない。
ナナリーは髪をふりふりさせながら、父の胸に飛び込む。
「おっと…」
「えへへ〜。おとうさん!これおとうさんでしょ」
「ん?……うわ〜、これまた懐かしい物を持ってきたな」
ナナリーから差し出されたアルバムを、父は懐かしそうに開く。
その姿を見て、ルルーシュは思う。
(あいかわらず顔にすぐ出る…)
父は感情をすぐに表に出すタイプだ。それは母もそうである。ただし、父の前という制限つきだが。
いつもぶっきらぼうなくせに、父の前だとすぐデレデレしているのはちゃんとルルーシュには分かっているのだ。
夜もいっつも仲良さそうに一緒に寝ている。何故か朝はくたびれている事が多いが。
「おかあさんちっちゃい〜」
「今もちっちゃいけどね」
ナナリーは母の昔の写真に興味を持ったようだ。容姿が似てるから親近感を抱いたのだろう。
(ちっちゃいって言ってたこと、言いつけてやろう…)
そう思った瞬間、しかし、
「ルルーシュ、お母さんには変な事言わないように」
「う……」
考えていた事が何故バレたのかは分からないが、ルルーシュはとりあえず「なんのこと?」と誤魔化した。
昔からこの父は妙にするどい。油断ならない思いでルルーシュはソファに座った二人の、ナナリーのいる方とは逆の位置の父の隣に座った。
支援
963 :
記憶の旅:2008/09/26(金) 17:39:07 ID:UOOY1DJ5
「お父さんの写真が多いんだね」
そう言うと父は少しだけ苦笑して、
「お母さんは昔から写真が好きだったからね」
昔から、と父が言ったのにルルーシュは納得した。
母は今でも暇さえあれば携帯をいじっては、写真をいたるところで撮っている。
母が携帯に書いている日記はそれはそれは有名らしく、ブログ本なる名称で各地でベストセラーになっている程だ。
それ以外にも、母は数々の著書を執筆し、ことごとく成功を収めていた。
反対に、父の稼ぎはあまり見られない。
一家の大黒柱が母親という何とも情けない話だが、ルルーシュはそうは思わない。
父は仕事の話をまったくしてくれないが、いつも忙しそうにパソコンをしては、時々ふらりと出張で家を出て行く。
母は父の仕事を“正義の味方”と言っていたが、ルルーシュにはそれがあってるのか判断がつかない。
最初は子供だましの嘘かと思っていたが、最近はそうでもない気がしてきたのだ。
――この父なら、それ位やってもおかしくはない。
いつしかルルーシュはそう考えるようになっていた。
しっかり者の母がとんでもなく慕う父が、駄目人間だとはどうしても思えない。
「お父さん、これは?」
ルルーシュはアルバムのページの最初の方の写真を見て言った。
父と母を中心に、色んな友人らしき人物の写真が貼られている。ルルーシュが気になったのは、皆、裾の長い白の制服を着ている事であった。
しかも何やら厳かなマントを羽織っている。父は黒の、母はピンクのマントだ。
「ああ、ラウンズの頃のだね…懐かしいなあ」
「おかあさんもおなじかっこうだー」
「そうだよ。同僚……一緒にお仕事をしていて、お父さんとお母さんは知り合ったんだ」
「ほえ〜」
支援
965 :
記憶の旅:2008/09/26(金) 17:41:13 ID:UOOY1DJ5
父の説明を聞いていて、ナナリーとは逆に、ルルーシュは疑問に思った。
(ラウンズ……?)
父は今のも昔のも、どういう内容の仕事をしていたのか詳しくは言わない。今のは言っても分からないだろうと思って口にしたのだろう。
だが、ルルーシュは本で読んだ知識を総動員させ、記憶の中からその単語を探り当てた。
(昔、ぼくが生まれる前にあったブリタニアの騎士様のことだ…)
ブリタニアがまだ君主制であった頃、騎士という身分があった。
かつての皇帝が貴族制を廃止した事や、ブリタニアが君主制でなくなった事などで、騎士という制度は既に廃れているのだが。
しかも、本には当時では騎士とは相当高位な身分だと書かれていた。ラウンズとは、更にその中でも最強なのだと。
(やっぱり、お父さんはすごい人なんだ)
これだから“正義の味方”でも何らおかしくないと思えてしまう。
ルルーシュは何だか嬉しくなって、ナナリーと一緒にアルバムを眺めた。
「ねえ、お父さん。お話聞かせてよ」
「お、ルルーシュからなんて珍しいな。いつもはナナリーからなのに…」
父は気をよくして、ルルーシュの頭を撫でながらページをめくる。
紙と紙が擦れる音が響き、風が肌をくすぐっていく感覚が心地よい。
しばらくして、父の手が止まった。
「じゃあ、この頃の話からしてみようか。お母さんの失敗談……お母さんには言わないように」
「わーい!」
ルルーシュはナナリーと一緒に父の話に耳をかたむける。
響く優しい声は、2人が大好きな音色。
「この頃のアーニャお母さんはね……」
――今、記憶の旅が始まる。
記憶の旅〜LOVE & HISTORY〜
投下終了ですなのよ。
読んで下さった方ありがとうございましたなのよ。
ええ〜どうして子供の名前があの2人なの?とか思った方。どうやってあの2人はくっついたの?とか思った方。そもそも父親誰よ?とか思った方。
まあ、気にしないのが一番なのよ。
因みにz.r.e.はゼロ鎮魂紀で、ゼロレクイエムが起きた年を元年としてるのですなのよ。
ていうかそんな設定だけ無駄に細かく作ってあるなのよ。
最後になんか気になる物を置いていくなのよ。
〜Ascension Throne Britannia/Zero Requiem Era:記憶の旅〜
【a.t.b.2017〜】
〜12/ <ブラックリベリオン>
【a.t.b.2019/z.r.e.1】
???? ゼロレクイエム
【a.t.b.2030/z.r.e.12】
4/5 アルバム:LOVE & HISTORY
オール・ハイル・もっふー!
>>966 ピンクもふもふ卿、GJでしたなのよ!
まさかそういうオリキャラだとは……まぁ父と母は分かるのよ。
というか、ほえ〜、が何かイイのよ!
ラストのやつ……何? 続くの? 頑張って! みたいなかんじなのよ。
……何かうつったの。
貴公の次の投下を全力でお待ちしてるのよ!
>>966 GJでしたのよ!
親子揃って可愛らしいのよ。
続くのかどうかがかなり気になるのよ。
だいぶ前に言っていたのはこれなのかしら?(記憶違いだったらごめんあそばせ)
>>966 オール・ハイル・もっふー!
なんか癒された〜。いいな〜、こんな世界。次回の投下をお待ちしています。
>>967 不覚にもお前に萌えてしまったんだぜ!
>>968 違うと思うなのよ。
実は他にも書きたいシリーズがあったなのよ。そのために用意した様々な仕掛けがあったのよ。仕掛けはまだ残ってるけど、活かすのは難しいなのよ。
限りなく遠い未来に書くかもしれないなのよ。
ヤッテラレルカーヽ(`Д´)ノ ナノヨ
>>970 GJ
何でこの名前なのかな〜って考えてたらちょっと不安になってしまった
気のせいであってほしいこの感情
972 :
快風:2008/09/26(金) 18:48:38 ID:eM/0U5WW
保管庫のメッセージを確認しました。
トーマス卿個人に連絡する方法がわからないのでこの場をお借りします。
>>908 シリーズ名を記述されていますが、部屋を希望と見なして宜しいのでしょうか?
それならば、お作り致しますが(現在のメインタイトルがサブタイトル扱いになります)。
いつでもいいので、お返事お待ち致しております。
とのことですが、大変恐縮なのですがお願いします。
シリーズ名は「第2皇子専任騎士ライ」でお願いします。
お手数おかけして申し訳ありません。
今後ともよろしくお願いします。
えーっと…電波が来たので、穴埋め用に投下します。
病んデレ井上さんと天然カレンちゃん
「井上さん、大丈夫ですか?気分悪そうですけど…」
「大丈夫よ。ただ、生意気な女がいて、私の大切な人を取り上げようとするの…」
「そうなんですか?すっごく酷い女性がいるんですね」
「わたしだったら…そんな女性は許せませんね」
「そう思うでしょ?」
「はい、そう思います。
井上さんみたいに男をたぶらかす事しか能のない色気だけの人がやっと捕まえた男を取り上げようとするなんて…。
本当に酷い人だと思います」
「なんか、えらい引っかかる言い方してるじゃないの…」
「えっ…そうですか?私、天然だから…わかんないや…」
「そう…天然なんだぁ…」
「はい、天然です」
「あはっ…」
「うふっ…」
「「あはははははははははははは……」」
「あのー…二人とも…仲良く…」
ぎろっ、ぎろりんっ…。
「なにかしら…ライくん」
「そうよ…私たち、とっても仲がいいのに…ねぇ…井上さん」
「そうね…カレン」
「「うふふふふふふふふふふふふ…」」
「C.C…助けて…怖いよぉ…」
「ふっ…私に助けを求めるか…。
だが、例え刺されようが、切り刻まれようが、どろどろに煮込まれようがお前の選んだ結果だ」
ぽんっ…。(肩を叩く音…)
「まぁ…がんばれ…」
「そんなぁ〜…っ…」
…という夢を見たんだ…。どう思う意味だと思う?井上さん…」
「そうね…正夢じゃないかな…」
「えっ?!」
ぐさっ…。
「い、井上っ…さんっ…」
「うふふふ…」
ぐりぐりぐり…。
「ひぃぃぃぃぃぃぃっ…」
「あ、ライ、元気…じゃなさそうね」
「た、助けてくれ…カレン…。こ、殺されるっ…」
「私、天然だから、わかんないや…。あはははは…」
「そんな…馬鹿なぁ…っ」
という最後はどうでしょうか?
え…、駄目?
うーーーん…楽しそうなのに…。
仕方ない。
ちゃんとした最後を書くか…。
ちゃんちゃん。
どうもすみません。終わりです。
なお、間違ってるし…。
「そうなんですか?すっごく酷い女性がいるんですね」
「わたしだったら…そんな女性は許せませんね」
↓
「そうなんですか?すっごく酷い女性がいるんですね。
わたしだったら…そんな女性は許せませんね」
が正しいです。
うぉーい!
いや、別にいいけど!
>>975 あしっど・れいん卿、乙!
井上さんよりカレンの方が怖くない?
本編を全力でお待ちしております!