らき☆すた 陵桜学園 桜藤祭 IF-SS 4話目

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1名無しくん、、、好きです。。。
※ネタバレですのでご注意ください。

らき☆すた 陵桜学園 桜藤祭の
らきメモENDの後が気になってしまうこの頃。
もしも、あの後も話が続いていたら・・・というIFのSSを考えて
個人で書くのもよし、皆で書くのもよし。
自由に後味の良いストーリーを考えて書き込んでください。
もちろん、らきメモに限らずこのゲームに関っているものなら基本的にOKです。

・.txt、.html、スレに直接投下、形式はなんでもおk

※えちぃ作品について
 ・性描写(18禁)を含む作品につきましては、スレへの直接投下は避け、
 .txt等に直して投下していただくようお願いします。
 まとめサイトのほうにはきちんと保管しますのでご了承ください。

まとめサイト:ttp://www9.atwiki.jp/ryouohgakuen/ 


■前スレ:らき☆すた 陵桜学園 桜藤祭 IF-SS 3話目
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gal/1211970055/

■らき☆すた 陵桜学園 桜藤祭  公式サイト 
http://www.vridge.co.jp/homepage/contents/products/lucky_ps2/


2名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 23:32:16 ID:OSoqydgr
>>1
ホッ!
乙だっての
3名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 01:27:56 ID:B88piBLp
>>1
4名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 06:28:46 ID:fK4ZwI58
>>1
52-837:2008/09/14(日) 22:58:43 ID:PvkC6MVr
みなさん乙です、全てのSSの感想を書きたいところですが長くなりすぎてしまうので
みなさんGJ!と省略させていただきます、あしからず

ええと、みなさんお久しぶりです
随分と間が空いてしまいましたが、こうSSの後編ができたので投下させていただきます
6八坂こうの場合 後編:2008/09/14(日) 22:59:38 ID:PvkC6MVr
「こうのこと好きなんでしょ?」
 その日、カラオケから帰ってきた俺は、ずっとその言葉の答えを探していた。
 喉の痛みに耐えながら、八坂さんのことを考えていた。
 俺は、八坂さんのことをどう思っているのだろう?
 元気でノリの良い後輩? それとも――。
 その考えを遮るようにして、目覚まし時計が喧しく騒ぐ。
「あ、あれ? もしかして、もう朝?」
 ベッドに横になっていたものの、まだ寝れてないんだけど……。
 結局、一睡もできずに月曜の朝を迎えてしまったようだ。
 なんだか、桜藤祭のときにもこんなことがあったような……。よくは思い出せないけど。
 けれど、答えは見つけた。
 そもそも、寝ることすら忘れて、その人のことを考えていられるのだから、答えは出ているようなものだ。
 そして、寝不足で体が重いけれど、今日は平日。睡眠を欲しがる体に鞭を打ち、俺はベッドから出るのだった。

「あっ、伊藤先輩。おはようございます」
「ああ、田村さん。おはよう〜」
「何か……すごく眠そうっスね」
「うん、色々あって一睡もできなかったんだ」
「こうちゃん先輩とのデート、眠れなくなるほど楽しかったんスか?」
「それとはまた違う理由なんだけど、って何で知ってるの?」
「ちょっと買い物に出かけたら、デート中の先輩たちを見かけたんス。こうちゃん先輩と永森先輩に挟まれてニヤニヤしてたっスね」
「そりゃかわいい女の子二人に挟まれたら、さすがに……ね。というか、田村さんは永森さんと面識があるんだ?」
「前に、同人誌即売会で、こうちゃん先輩が売り子の助っ人として連れてきてくれたんス」
「なるほど、それで面識があるのか」
「そうっス。岩崎さんとはまた違う感じでクールっスよね、永森先輩」
「八坂さんと話してるときは、クールとは違う気もするけどね」
「あの二人の掛け合いは見てて楽しいっスよね! いいネタもらったっスよ!」
「ネ、ネタ……。なんというか、さすが田村さんって感じだね」
「こ、このことは他言無用っス」
「大丈夫、言わないよ」
「それを聞いて安心したっス……」
7八坂こうの場合:2008/09/14(日) 23:00:35 ID:PvkC6MVr
「それで、いつこうちゃん先輩に告白するっスか?」
「へっ?!」
 突然の質問に目を丸くする。というか、もしかして俺バレバレ……?
「な、何でそう思うの?」
 とりあえず、平静を装い聞いてみる。
「何でって……、部員でもないのに、受験期にアニ研に通ってるんスよ。かな〜り怪しくないっスか?」
「なんか、そういう風に聞くと確かに怪しいね、俺って」
「そうっスよ。それで、ちゃんと告白はするんスよね?」
「もちろんそのつもりだけど、中々タイミングとかが……ね」
 そもそも、自分の気持ちを整理したのが今日だ。
「そうなんスか。それじゃあ、そんな伊藤先輩に耳寄り情報っス! こうちゃん先輩は、最近恋愛ものばっかり書いてるっスよ!」
「ええと、つまりどういうこと?」
 元々、創作って恋愛が絡むものが多い気もする。というか、八坂さんたちはそれがメインじゃ……。
「つまり何が言いたいかっていうと、その小説の中身が純愛ものなんス! これはもう脈アリ間違いないっスよ!!」
「うーん、あまり根拠がない気もするけど」
「何言ってるっスか! 幅広く書いてるこうちゃん先輩が、純愛ばっかりっスよ!」
「そうなんだ……、それは少し心強い情報……かな」
「そう思ってもらえたなら、嬉しいっス。告白、がんばってくださいね!」
「うん。ありがとう、田村さん」
 なんだか楽しそうだったな、田村さん。やっぱり、他人の恋愛話はおもしろいものなのだろうか?
 けれど、心強い耳寄り情報をもらい、背中を押してもらったような気がする。
 後はタイミングだけだ。
8八坂こうの場合 後編:2008/09/14(日) 23:02:08 ID:PvkC6MVr
 あっという間に授業が終わり、現在放課後。いつも通りアニ研にお邪魔させてもらっている。
「まこと先輩、聞いたよ〜。授業ほとんど寝てたらしいじゃないですか〜」
「いや、睡魔に耐え切れずつい……」
「受験生がそんなんじゃダメですよ!」
「八坂さん、心配してくれるの?」
「そ、そりゃもちろんですよ! アニ研に行ってたら落ちた、な〜んて言わせませんよ!」
「アニ研に来てることを言い訳にはしないよ。それに、好きで来てるわけだしね」
「前から思ってたけど、部員でもないのにアニ研来るなんて、物好きですよね」
「それは前にも言っただろ? 八坂さんに会いに来てるって」
 ここぞとばかりに攻めてみる。
「は、恥ずかしいセリフ禁止ー!!」
 両腕で大きくバツの字を作る八坂さんの姿に、思わず笑ってしまう。良いリアクションするなあ。
「あっ、なにニヤニヤしてるんですかっ! さすがに怒りますよ!」
「いや、なんかおかしくてつい……、てちょっと八坂さん、何構えてるんだよ!」
 八坂さんの顔が赤い。
 なんだかんだ言って、もう怒ってるんじゃないか。
「問答無用! ロケットシューズ!!」
「うわっ! あ、謝るからちょっと……ストップストップ!」


「バカやってたら、すっかり遅くなっちゃいましたね」
「いやあ、まさか八坂さんが怒るとは……」
「はあ……、あんな風にからかうからですよ。てか、まこと先輩って実はS?」
「う〜ん、そうかもしれない。八坂さんが良いリアクションしてくれるからってのも、あるかもしれないけどね」
「もうそれはいいですよ」
 辺りはもうすっかり暗くなっている。結構な時間の間、追いかけっこをしていたようだ。
 遅い時間までバカをやっていたので、今は八坂さんと二人っきり。
 絶好のチャンスと思われる状況だ。
9八坂こうの場合 後編:2008/09/14(日) 23:04:10 ID:PvkC6MVr
 廊下を二人で歩いていると、星桜の樹がちょうど目に入った。
「なんだか、星桜もすっかり寂しくなっちゃったね」
「そもそも、桜藤祭の時期に満開になってたのが、おかしいんですけどね〜」
 何か理由があって満開になったハズなのだけれど、今はもう思い出せない。
 でも、星桜を見ると懐かしいと言うか、言葉にできない何かを感じる。
「俺としては、転校してきて早々に、良いものが見れたけどね」
「確かにそーですねぇ。中々にレアな体験ですよ、きっと!」
 う〜ん、せっかく星桜の近くにいるのだから、星桜の下で告白するのはどうだろう?
 星桜自体は今は寂しい状況だけれど、星桜の下ならばきっと大丈夫な気がする。
 ここなら無敗のような、根拠と言えそうなこともあったと思う。……でも、なぜか思い出したらいけないという、強迫観念に駆られる。
 思い出したら、罪悪感と共に混沌とした状況になってしまいそうな予感が――。
「まこと先輩、どーかしたんですか?」
「え? あ、いや、なんでもないよ。っとそうだ、八坂さん、ちょっと星桜を見にいかない?」
「構いませんけど、急にどーしたんですか?」
「えーと、星桜に合格祈願でもしとこうかなってね」
「なるほど、それじゃ私もまこと先輩の合格を祈ってあげますね!」
「ありがとう、八坂さん」
10八坂こうの場合 後編:2008/09/14(日) 23:06:03 ID:PvkC6MVr
「志望校に受かりますようにっと……」
 よし、合格祈願もしたし、後はタイミングだけだ。
「八坂さん……」 「まこと先輩……」
 まったく同時に切り出してしまった! ……ここは、少し落ち着くために、まず八坂さんの話を聞くことにしよう。
「えと、俺の話は八坂さんの後でいいよ」
「そ、そーですか。それじゃお先に……」
 すると、なぜか大きく深呼吸を始める八坂さん。
「八坂さん、どうしたの?」
「えーとですね、なんかガラにもなく緊張しちゃってるんで、少し落ち着こうと思って」
「そうなんだ……」
 八坂さんが緊張するなんて、余程大事な話なんだろうか。
 そう考えると、こちらもしっかり聞かないといけないな、なんて考えてしまう。
「ふうぅ、よし、それじゃ本題に入りますね」
「うん」
「私……、まこと先輩のことが好きなんですよ」
「うん。……え?」
「転校してきたばっかなのに、みんなのために一生懸命になれたりとか、……やまとのときだって、ほとんど面識がないのに親身になって手伝ってくれたし、そんな姿を見て、……なんかいいなって」
「…………」
 あ……、ありのまま今起こったことを話すぜ! 『告白をしようと思っていたら、いつのまにか告白されていた』
 な……、何を言っているのかわからねーと思うが(略)
「まこと先輩は、私のこと……好きですか?」
「……俺も八坂さんのこと好きだよ。ていうか、俺もここで告白しようと思ってたんだけどね」
「あれ、そーだったんですか? 思わぬ形で、さっきの仕返しができちゃいましたね」
「まあ、別に気にしてないけど」
「良かった!」
 言うと同時に、八坂さんは俺の腕に抱きついてきた。
「ちょっ、八坂さん!?」
「何驚いてるんですか〜。私のこと、好きって言ってくれましたよね?」
「も、もちろん」
 イタズラっぽく笑う八坂さん。何か、凄く照れくさい状況だなあ……。
11八坂こうの場合 後編:2008/09/14(日) 23:08:16 ID:PvkC6MVr
 翌朝、珍しく早起きに成功する。普段の余裕の無い朝が、嘘のような余裕ある朝になるだろう。
 良いことは続かないとよく言うけれど、案外そんなことはないのかもしれない。そんなことを考えながら、俺は居間へと向かう。
「母さん、おはよ……」
 しかし、その考えは居間の光景を見たとき、全て吹き飛ぶのだった。
「あっ、おはよーございます、まこと先輩!」
「おはよう、今日は早いのね。でも、女の子を待たせるのは関心しないわ」
 いや母さん、関心するしないより、こんな時間に女の子が家にやってくるという状況を、誰が想定できるのかと問い詰めたい。
「や、八坂さん……なんでここに?」
「えっ、そんなの、一緒に登校しようと思ったからに決まってるじゃないですか〜」
「そっか……。ていうか、それしかないか」
「ほらほら、雑談はまた後にして、早く準備を済ませなさい」
「わ、わかってるよ」
12八坂こうの場合 後編:2008/09/14(日) 23:10:47 ID:PvkC6MVr
「はぁ〜」
 賑やかな朝だった。というか、朝食を食べている間、母さんと八坂さんの俺トークを聞かされるって……どんな罰ゲームだよ。
 黒歴史は思い出すわ、色々恥ずかしいわで異常なほど疲れた。
「そんなに疲れましたか?」
「そりゃあね、拷問かと思ったよ……」
「確かに黒歴史を掘り返されたらそうですよねぇ、私にとっては凄く楽しい時間だったけど」
「そうだろうね……」
「あっと、そうだ。先に言っておきますけど、今日は先約があるんで一緒には帰れないんですよ、すいません」
「先約があるんじゃ仕方ないよ。ていうか、もしかしてそれで朝来たの?」
「まあ、そういう訳です。迷惑だったかもしれないですけど」
「迷惑ではなかったよ、楽しかったし。……疲れはしたけどね」
「いやー、まこと先輩のそーいうところ、好きですよっ!」
 言うと同時に、俺の腕に抱きつく八坂さん。
「おー、朝から路上でハレンチだねぇ」
「まこと君て、八坂さんと付き合ってたんだね〜」
「だから、最近はよくアニ研に行ってたのね」
「それにしても、見ている方も楽しくなるほど、楽しそうですね」
 もう声だけでわかる。というか、振り向くのが凄く怖いのはなぜだろう?
 今朝方考えたことは間違いだった。やはり、良いことばかりは続かない。

 ――その後、怒涛のいじりを受けたのは言うまでも無い。その様子はあまりに悲惨だったので、割愛させてもらう。

13八坂こうの場合 後編:2008/09/14(日) 23:12:39 ID:PvkC6MVr
 放課後、勉強を早めに切り上げ、一人帰路についていると、校門で永森さんに出会った。
「あれ? 永森さん、久しぶり」
「久しぶりね、今日はこうは一緒じゃないの?」
「うん、八坂さんはまだ部活中だよ。ていうか、もしかして八坂さんが言ってた先約って、永森さんのこと?」
「そうよ。だから、今日はこうを借りるわね」
「借りるって……」
「表現は間違ってないでしょ?」
「まあね。……ってもしかして、もう知ってる?」
「言われなくても、こうを見ていればなんとなくわかるわ」
「さすが親友だね」
「あんなに嬉しそうなこうを見れば、長い付き合いじゃなくてもわかると思うけど」
「そうだったんだ……、なんか少し照れるな」
 あの後の八坂さんは、誰が見てもわかるほど嬉しそうだったようだ。
 表情が豊かなのは、八坂さんの良いところだと思う。見ていて飽きないというか、一緒にいて凄く楽しい。
「わかってはいると思うけど、こうを悲しませないように。もし、悲しませたら……わかるわね?」
 永森さんは、冷ややかな目をこちらに向ける。綺麗なだけに、もの凄い威圧感だ……。
「好きな人を悲しませるようなことなんて、俺はしないよ」
「即答で臭いこと言えるなら、安心ね」
「そ、そんなに臭かったかな」
「かなり……」
「そっか……」
 真面目に答えたから、臭いと言われるのは少しショックだ。安心だってフォローはあったけど……。
「まあ問題ないとは思うけど、応援くらいはしてあげるわ」
「うん、ありがとう、永森さん」
 永森さんに別れを告げ、再び帰路につく。
 八坂さんとの時間を作るために、勉強をしておかないと。

14八坂こうの場合 後編:2008/09/14(日) 23:14:24 ID:PvkC6MVr

 ――時間は飛んで、卒業式。
 みんなとの別れの日……。と言っても同窓会があるし、たまに集まって会おうということにもなっている。
 だからか、なんかあっさり終わったような気がする。
 ただ、みゆきさんの言葉にはグッときた。短い間ではあったけど、このクラスのみんなにも、黒井先生にもお世話になったなあ。
 そんなことを考えていたら、見慣れた後姿を見つけた。
「あっ、副委員長、一年間お疲れ様。……ってどうかしたの?」
 副委員長は、みゆきさんのことが好きらしく、みゆきさんと仲がいいからという理由で、俺によく相談を持ちかけてきた。
 俺としても友人を助けたかったけれど、みゆきさんはもの凄く忙しそうだったので、何もできず卒業を迎えてしまったワケだ。
「はあ……、結局何の進展もなく卒業だよ、伊藤……」
「そんな副委員長にこの言葉を送る。あきらめたらそこで試合終了ですよ」
「……そうだよな、あきらめたら終わりだよな」
「そうそう、同窓会とかもあるし、まだチャンスはあるよ」
「ありがとう、伊藤。俺まだがんばるよ!」
 副委員長は元気よく去っていく。応援してるぞ副委員長、あきらめなければ、きっと報われるときが来る……ハズ。
15八坂こうの場合 後編:2008/09/14(日) 23:17:53 ID:PvkC6MVr
「やーっと見つけた!!」
 声の方向に振り向くと、八坂さんがいた。
「随分と探したんですからね!」
「ごめん。ていうか、それなら電話してくれれば良かったのに」
「簡単に見つかると思ってたんですよ」
「学校とかって自分が思ってるより、案外広かったりするものだよ。それで、どうしたのさ。今日は学校で会うって話はしてなかったけど」
「いやー、ぱっと思いついたことがあったんで」
「思いついたこと?」
「はい。えっと、その……第二ボタンもらえません?」
 そういえば、以前にこなたさんたちが話をしてたな、好きな人の第二ボタンがどーのって。
「こんなもので良ければ、どうぞ」
「こんなもの!? まこと先輩はベタの良さをわかってないな〜」
「ベタ?」
 確かありきたりみたいな意味だっけ。でも、八坂さんが言うからには違うのかな?
「今日はその辺のことをご教授しますよ〜」
「お手柔らかにね」
「わかってますよ。……あっ、遅くなりましたけど、卒業おめでとうございます!」
「ありがとう」
「後ちょっとしたら、しばらく簡単には会えませんね……」
「そうだけど、土日とかには会えるから、心配しなくても大丈夫だよ」
「……そうですね」
「だから、八坂さんは受験勉強に集中しないと」
「わかってますよ。同じ大学に受かってみせますから、待っててくださいね!」
 そう言って抱きついてくる八坂さん。
「うん……、待ってるよ」
 俺は優しく抱き返す。
 一年の辛抱は少し長いけれど、その先に続く二人の時間に比べれば、あっという間だろう。
 だから、今はもう少しだけこの時間を大切にしよう。
162-837:2008/09/14(日) 23:22:27 ID:PvkC6MVr
以上でこうSSは終了です
ニヤニヤなSSを目指しがんばったつもりですが、どうだったでしょうか?
気に入っていただけたなら、これ幸いです

調子に乗って入れてしまいましたが、6巻のネタやジャンプパロネタで不快感を与えてしまったら、申し訳ないです
17名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 23:36:12 ID:Y/kmb/MG
GJ!!!
18名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 00:47:23 ID:BWUslOnJ
ポルポルww
とにかくこうちゃん先輩好きにはたまらんす!乙!!
19名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 07:58:55 ID:BwnhRTli
乙です! いや〜朝からニヤニヤさせてもらいました。GJ!
20名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 03:02:25 ID:Q5eS4+62
>>16
乙です。
いや〜ニヤニヤさせて貰いました。
ギャグ分も適度にあって良かったですよ。
副委員長とか第二ボタンとか。
次回作も楽しみにしています。
21名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 18:13:50 ID:MVcLfmVH
あげ
222−14:2008/09/20(土) 21:44:00 ID:nkuMEygW
う〜ん、新スレになったら勢いが止まったな・・・

景気付けるために新作を投下します。

『かがみside〜ラキレボ編』の続きになります〜
23かがみside〜ラキレボ編:2008/09/20(土) 21:46:04 ID:nkuMEygW
「でも、ここはもうちょっと感情を込めて演じた方がいいんじゃないかな?」
 「そうね〜シーン的にも前半のヤマ場だし・・・」
 秋風が吹き抜ける屋上で、私は峰岸と劇の演技について話し合っていた。
 ミスコンもそうだけど、こなた達のクラスと合同でやる演劇も大事だし・・・
 「もうちょっと細かいところは実際に練習しながら、詰めよう?」
 「確かに動きとかも入れてやって見た方がいいだろうしね」
 そう言って私は一息付く。
 「そういえば、日下部は?」
 いつも峰岸と一緒にいる日下部の姿が今日は見えない。
 「みさちゃんはさっき、陸上部の後輩に呼ばれて行ったよ?陸上部もイベントやるみたいだし・・・
  ああ見えて、みさちゃん後輩には慕われてるんだよ?」
 「そうなんだ・・・」
 いつもだらけてる姿を見てることが多い私にとってはそれは意外だった。
 「・・・柊ちゃん。ゴメンね」
 申し訳なさそうに言う峰岸。
 「何がよ?」
 「ミスコンのこと。私がみさちゃんを止めてればこうならなかったんだろうけど」
 「別に峰岸が悪い訳じゃないでしょう?悪いのは日下部なんだし」
 それに、辞退をしなかったのも事実だし・・・
 「何より、優勝はみゆきで固いでしょう?」
 「そんなことないと思うよ」
 峰岸は私の顔を見て言う。
 「柊ちゃん、ここ最近どんどんキレイになってるような気がするし・・・
  案外みさちゃんが言ってたことも的外れじゃないのかなって思うの」
 「日下部、何か言ってたの?」
 「ほら、この間柊ちゃんにも言ってたじゃない?『永瀬くんのことが好きなんじゃないかって?』そのこと」
 「ち、違うわよ!峰岸までそんな勘違いしてる訳?」
 「そうかな〜私から見ても、柊ちゃん、永瀬くんと話してる時は楽しそうだよ?
  泉ちゃん達と話してる時とはまた違う感じだし」
 そ、そうかな・・・そんな感じは私自身はしてないんだけど。
 
24かがみside〜ラキレボ編:2008/09/20(土) 21:47:31 ID:nkuMEygW
確かに、祐一くんとは数少ないラノベ仲間だし、共通の話題があるとやっぱり会話も弾むけど・・・
 「柊ちゃん、結構天邪鬼なところがあるから・・・伝えなきゃいけない時にはちゃんと伝えないとダメだよ?」
 「なるほど・・・心には留めとく。経験者の言葉としてね」
 「ひ、柊ちゃん・・・」
 彼氏持ちの峰岸をからかうように言いながら私は時計を見る。
 「それよりお昼にしない?もう時間無いし」
 言いながら、私はお弁当箱を出す。
 もっとも、ダイエット中の私はバランス栄養食だけど。
 「・・・」
 お弁当箱の中身を見た私は固まった。
 ご飯に焼き魚、冷凍食品・・・
 普通のお弁当の中身がそこにはあった。
 (しまった〜・・・つかさのお弁当と間違えたんだ)
 「ご、ゴメン!峰岸。用事思い出した。ちょっと行って来る!」
 「う、うん教室でね」
 不思議そうな表情を浮かべる峰岸をその場に残して私は駆け出した。

25かがみside〜ラキレボ編:2008/09/20(土) 21:48:41 ID:nkuMEygW
「つかさ〜!ゴメン〜!!」
 私が教室のドアを開けて入った時、そこにはこなた達が集まっていた。
 そして―――
 何故か祐一くんとみゆきの肩がピクッと動いたような気がした。
 「タイミング最悪だよ・・・かがみさん」
 そんなことを呟く祐一くん。
 「あ、お姉ちゃん、じゃあやっぱりこっちのお弁当はお姉ちゃんのだったんだね」
 机の上には見事にバランス栄養食が一個しか入っていないお弁当箱があった。
 「そうよ。はい、これがつかさの分」
 つかさにお弁当箱を渡す。
 「むふふふふふ〜かーがみ♪」
 ニマニマと笑いながら私に近づくこなた。
 「な、何よ、私がダイエットするのなんて普通でしょう?」
 「ダイエットはね〜だけどこれがミスコンに出るためとなると話は別だよ〜」
 「なっ!」
 「ねえねえ、どんな衣装着るの?なんだったらお店のコスプレ衣装貸してあげよっか?」
 「ちょっと!祐一くん!?」
 思わず祐一くんをギロッと睨む私。
 「ち、違う違う!俺じゃないよ!」
 手を顔の前で振りながら全力で否定する祐一くん。
26かがみside〜ラキレボ編:2008/09/20(土) 21:49:41 ID:nkuMEygW
「じゃあ、みゆき!?」
 「ち、違います・・・」
 「ご、ゴメンね、お姉ちゃん・・・私が、こなちゃんに・・・内緒だってことすっかり忘れてたよ」
 申し訳なさそうに言うつかさ。
 「つかさ・・・あんたって子は!」
 「いや〜今年の学園祭は面白くなって来たね〜」
 そんな私の動揺なんかお構いなしに話を進めるこなた。
 「ミスコンはお父さんに頼んでHD録画してもらわなくちゃ♪きちんと保存して結婚式とかで上映しないと」
 「やめて〜!お願いだからそれだけはやめて〜!!」
 涙目になりながらこなたに懇願する私。
 「だって高校最後のミスコンなんだよ、目指せ、学園のアイドル!!」
 「いや、私はそういうのいいから・・・」
 ため息付きながら言う私。
 「そうかな?俺はかがみさんだったら十分学園のアイドルになれると思うけど・・・」
 「ゆ、祐一君まで何言ってるのよ」
 祐一くんから視線を逸らす私。
 赤くなってる顔を祐一くんに見られたくなかったから・・・
 「おや〜これはこれは・・・」
 「言っとくけど、こなたが考えてるようなことは何にも無いからね!」
 「ふ〜ん、そういうことにしといてあげるよ」
 「みゆきさん、2人共何の話してるの?」
 私達の姿を見て、みゆきに聞いてる祐一くん。
 「女性同士の大事なお話ですよ。祐一さんは深く立ち入らない方がよろしいかと」
 「そうなのか・・・」
 祐一くんは考え込むように私達を見ていた。
 「ねえ、お姉ちゃんがアイドルならゆきちゃんは何になるのかな?」
 「そうだねぇ・・・みゆきさんならマドンナって感じじゃないかな?みゆきさん落ち着いてるし」
 つかさの疑問に考えながら言うこなた。
27かがみside〜ラキレボ編:2008/09/20(土) 21:52:01 ID:nkuMEygW
「き、恐縮です・・・」
 「かがみさんがアイドル、みゆきさんがマドンナ・・・じゃあ黒井先生が勝ったら何になるんだ?」
 「う〜んそれは99%無いと思うけど・・・」
 「一言の元に切って捨てるな」
 「マスコットかな、学園のマスコット!!黒井先生可愛いし・・・」
 つかさの答えた、その時だった。
 教室のドアが開いたのが分かった。
 (あ・・・)
 その人影はゆっくりこっちに歩いてくる。
 「いや〜さすがに、マスコットって言うには年齢的に無理があるでしょ」
 「ちょっと、こなた・・・」
 だけど、私の声を無視して言葉を続けるこなた。
 「そもそも、黒井先生がミスコンに出るのが・・・」
 「ほぉ〜誰がミスコンに出るのが無理があるって?」
 「そんなの決まってるじゃん。黒井先生のことだって―――げ」
 振り返ったこなたの目の前には、怒りの表情を浮かべた黒井先生が立っていた。
 「で、泉・・・何か言うことはあるか?」
 「え、え〜と出来れば手加減して頂けると嬉しいんですが」
 「安心せい、特別に3割増しや」

 
28かがみside〜ラキレボ編:2008/09/20(土) 21:53:17 ID:nkuMEygW
“ゴスッ”

 「い、痛い・・・」
 「聞こえてへんと思っていらんことベラベラ喋るからや」
 「すいません・・・というかかがみ〜かがみの位置からなら黒井先生入って来るのわかってたじゃん!
  何で、教えてくれないの!?」
 「逆ギレすんな!第一教えようとしたのに、アンタが聞かなかったんでしょうが?」
 「はぁ・・・まあいいわ。それより高良、柊、それと永瀬、ちょっとこれからええか?
  アレの打ち合わせしなきゃならんやろ?」
 「そうですね」
 「そうね〜ほら、祐一くんもさっさと来る!」
 私は強引に祐一くんの腕を引っ張る。
 「わ、分かったよ。こなたさん、つかささん、ちょっと行って来るから」
 「行ってらっしゃ〜い、頑張ってね〜」
 つかさの声に送られて私達は教室を出た。
 
292−14:2008/09/20(土) 21:57:54 ID:nkuMEygW
今日はここまでですね〜

本当はもう少し先まで書こうかと思ったんですが、バランス考えてこれくらいの長さに。

今回は最初のオリジナルシーンですかね。見所は

こういうかがみとあやのの会話を書きたかったからみさおを出さなかったんですが・・・
(みさおが出るとどうしてもギャグに走りかねなかったので)


次回はニヤニヤ分をもう少し多く出来たらなと思います。

それでは!!
30名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/20(土) 22:35:18 ID:V7MgvzzG
乙&GJです!いいねえかがみいいねえ〜
31名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/22(月) 10:52:21 ID:nyrp7gPZ
イイヨイイヨー
32名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/22(月) 11:11:04 ID:r+F271FV
ワクワクしながら待ってました!乙です!
33名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/23(火) 17:13:49 ID:PlBhI34J
あげ2
34名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/24(水) 02:11:36 ID:ndN67+vR
>>16
乙です!
ニヤニヤさせてもらいました。6巻ネタやジャンプパロもおもしろかったです。
次回作期待してます。

>>29
GJです!
照れるかがみ、かわいいですね。
続きも期待して待ってます。

久しぶりにSSを投下しようと思います。
さくら樹の咲く頃にを見てたら思いついたネタです。
桜藤祭のその後を書いてます。

では投下します。
35忘れないもの:2008/09/24(水) 02:13:09 ID:ndN67+vR
ねぇ、まだ覚えてる?」

学園祭も中盤に差し掛かったころたまたま通りがかりに八坂さんにそう声をかけられた。

「永森さんのこと?」

八坂さんが俺にその質問をしてくるとしたらそれ以外には考えられなかった。
永森やまと…その名前の人物が今では本当に実在したのか、おぼろげな記憶になっていた。

いや、実在しないはずはない。実際まだ記憶もしっかりとしている。
時間をかければ転校してからこの桜藤祭当日までを何回もループしいろいろな体験をしたことも思い出せる。
ただ時間がたつにすれだんだんとその細かい部分や順序があいまいになってきているのも事実だった。

「今日が終われば、すべての記憶は消える…か」
「そうなれば先輩、やまとのことも忘れちゃうのかな」

そんなことはない、そう言いたかった。
でも、こうしてる間にもみんなと過ごした山ほどの思い出は失われつつある。
そしてあのときの永森さんの言葉を信じれば、最終的にはループをしていたことも永森さんのことも忘れてしまうはずだった。
36忘れないもの:2008/09/24(水) 02:14:52 ID:ndN67+vR
「せっかくやまとと会えたのに、私、そのことも忘れちゃうのかな」
「でも、永森さんは同化されていただけだから、会おうと思えば会えるんじゃないかな?」
「私もそう思って電話やメールをしてみてるんだけど通じないんだよね」

あの時永森さんから聞いた言葉は、一年生のみんなや八坂さんには伝えておいた。
時間のループの記憶があるもの同士、知っておく権利があると思ったからだ。
まあその記憶も今日中には消えてしまうのだけど…

「大丈夫、きっとまた会えるよ」

根拠はなかった…でも、なぜかほとんど確信をもってそう思っていた。
そう、きっとまた会える…

八坂さんと二人並んで窓の外を見る。
晴れ渡った空の下、今日という日を祝福するように星桜の樹が咲き誇っていた。

37忘れないもの:2008/09/24(水) 02:16:05 ID:ndN67+vR
翌日

「早く起きなさーい、遅刻するわよ〜」
「ふぁ〜い」

眠い目をこすりながら居心地の良いベッドからのそのそと這い出る。
昨日は桜藤祭がなんとか無事に終わった後、片付けをしなくちゃいけなかったから相当体に疲労がたまっている。
まったく学園祭の次の日ぐらい休みにしてくれたっていいよな。
まあそんな愚痴を言ったところで仕方がない。
制服に着替えて外に出る。

通学途中、ぼーっと桜藤祭のことを考えていた。
転校してからすぐに巻き込まれたからか何かものすごくいろいろなことがあったような気がする。
しかし、それが何?…と問われると具体的に何があったのかは思い出せない。
すごく多くのことを体験したはずなのにいざそれを思い浮かべようとすると当たり前の桜藤祭の準備をしていたことしか思い出せない。

じゃあ…と、とりあえずこの数日間で仲良くなった友達について思い出そうと思った。
これはすらすらと出てくる。
こなたさん、つかささん、かがみさん、みゆきさん、日下部さん、峰岸さん、八坂さん、小早川さん、岩崎さん、パティさん、田村さん…
うん、ちゃんと思い出せる。

あれ?…なにか違和感を覚える。
確かもう一人いなかったっけ?…
もう一度思い出してみる。やっぱりこれで全員だよな…
それでも何かが引っかかる…

38忘れないもの:2008/09/24(水) 02:18:24 ID:ndN67+vR
「いたっ!」
「あ、ご、ごめんなさい!」

ボーっと考え事をしていると曲がり角から歩いてきた人とぶつかってしまった。
なんてベタなシチュエーションなんだ…
こなたさんがここにいたらまたフラグがどうとか言い出しそうだ。

「あれ?」

その人の顔を見たとき確かに前に会ったことがある…と思った。
デジャビュってやつか?

「あの…前に会ったことあります?」
「いえ、私は昨日引っ越してきたから、多分人違いだと思います」
「そっか」

人違いか…というか昨日からすごく大切なことを忘れてってる気がする。
大丈夫か?俺の頭…

39忘れないもの:2008/09/24(水) 02:19:23 ID:ndN67+vR
「でも…」

ん?

「私も、前にあなたと会ったことがある気がします」

やっぱり…

「あなたは陵桜学園の学生さんですか」
「うん、そうだよ」
「私、今日から陵桜学園に転校してきたんです、よろしくお願いします」
「そうなんだ。こちらこそよろしくね」

また会えた。

「あ、自己紹介がまだでしたよね。私の名前は…」

俺は知ってる。君の名前は…


『永森やまと』



40名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/24(水) 02:22:58 ID:ndN67+vR
以上です。

あのエンディングの後、主人公とやまとが会うとしたらこんな感じかな〜と妄想しながら書きました。
41名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/24(水) 14:29:38 ID:5/VpnC/M
乙です!エンディング後って書くの難しそうなのに、きれいにまとめられる作者さんGJです!
42龍二:2008/09/24(水) 23:06:46 ID:nlUCSk5z
>>16 こうちゃん先輩好きなオレにとって
ものすごい Nice こうちゃんでした!乙です!
>>29 GJです!ニヤニヤ分これでもかと言う程あるのに
これ以上増えたらオレが悶絶してしまいますwww
でも増やして。悶絶したいから。(ぉぃ
>>40 文才力高すぎでしょw 本気でGJです!
ちょっとまって下さいよ、どこで学んだんですかその書き方!
もうオレのSS全部加筆修正してもらいたくなりましたw

え〜、お久しぶりです。龍二です。
感想の文はニヤニヤ状態のまま書いたのでものすっごく
「ニヤってるなコイツ」丸出しな感想文ですが、見逃して下さい><

それと、オレが書いてましたSS、「遙かなる時空の中で」ですが、
「完全に同タイトルのゲームがある」ことが発覚し、
タイトルは変更することになりました。
サブタイトルや中身の文章も修正がかかっているので、
こんなヤツが書くSSに興味を持ってくれる方は、
または前の話見ていない人は、
 ttp://ncode.syosetu.com/n0788f/
に前話が保管されてるんで見てやって下さい。

タイトルは「遠く、どこまでも近いモノ」となります。

今回はニヤニヤ分は少なく、って言うか無いに等しく、
シリアスというか居心地の悪い会話内容になってます。
目に毒のようなら、見逃してやって下さい。orz
それでは、はじめます ↓

43「遠く、どこまでも近いモノ」:2008/09/24(水) 23:11:59 ID:nlUCSk5z
「……信じられるかっての!!」

意味の分からない電波話を聞かされた俺は
どこかのエロ仙人のような口調で突っ込んでしまった。

「そりゃあアニメとかゲームでありがちな話でしょうさ!
だけど、これが事実なんだよ!?」

「そうよ!なんだってあんただけ記憶がないわけ!?」

「いや、そう攻められてもだな。突っ込みをW突っ込みで返すとか卑怯だぞ…?
…、というか転校初日で知り合いどころかもうここまでの関係にぶっ飛んだか。
いいセンスだ。これから…よろしくな?」


「「そうじゃなくてぇっ!!」」


とりあえず話を終らせるつもりだったが無理だった。


「待ってください、皆さん。多分これは宇宙人の方の永森さんの
なんらかのミスではないでしょうか?」

「そうだよね…。でもサトシ君だけ、ピンポイントで
ミスするなんてちょっと気の毒だね…。」

「ピンポイントて…。その言い方の方がオレにはお気の毒だよ…。」

「なんにせよ、この現象は宇宙人の永森さんにしか理由はわからないようです。」

「しかも…、その宇宙人さんはここにはもういないってわけね。」
44「遠く、どこまでも近いモノ」:2008/09/24(水) 23:15:07 ID:nlUCSk5z
「まぁ、その話を信じるとしても、だ。
ミスなんならいずれお前らも全員忘れるんじゃねぇの?
それか、オレから順番だとかなんだとかでさ。」

「案外いいセン打ってくるわね…。あんた本当に忘れてるの?」

「忘れてるの?って聞かれてもだな…。とにかく!オレはこの生涯で
ループだとかいう意味のわからん事件に巻き込まれた事はないッ!!
というか、面白そうだから巻き込まれたい気分だッッ!!」

「面白そうどころかメッチャ本気でループ止めたんだけどね…。」

「止めんなよッ!!そこ止めんなよオレッ!!」

「アンタが止めだしたんじゃない!!」

「うわ〜、なんだよそれ…。そのオレ、バカだな〜。
マジもう一回ループしろよ…。楽しそうジャン…。」

「たった今ループ中なんだけどね…。」

「あ、あの…、サトシさんってこういうキャラでしたっけ?」

「ちょっと面白くなってるね♪」

「逆に手間がかかるだけよ…。」

「お姉ちゃんは手間がかかる子が好きなんだよね。」

「ツンデレですね。分かります。=ω=.」

「うるさい、こなたぁ!つかさぁ!!」
45「遠く、どこまでも近いモノ」:2008/09/24(水) 23:16:25 ID:nlUCSk5z
……なんかこういう会話の中心にいるってだけで
ちょっと嬉しかったりする。オレはどうなんだろう?
でも、これからこの子達と交友関係を結べるのなら、
転校デビューとしてはいい流れである。

キーンコーンカーンコーン(←なんの捻りもない学校のチャイム

「あっ、予鈴だ!じゃあ私、教室に戻るねっ!」

「はいよ〜。」

「泉〜、火野〜。早よ席付きや〜。
柊姉もさっさと自分の教室戻り!」

学校に来て初の最初の休み時間は、一瞬だけ夢見ていた
「女子からの質問攻め」というものではなく、超電波なモノに終った。
46「遠く、どこまでも近いモノ」:2008/09/24(水) 23:17:27 ID:nlUCSk5z
世界史の授業…。聞いてると物語のようではあるのだが、
ライトノベルなどの「続きが気になる」感がまったくないので、
ただ、眠気だけが誘ってくる。

眠気が頂点にまで達すると…。その授業はただの
呪文の詠唱にしか聞こえなくなり…。
その呪文を聞いているとオレが呪われるような錯覚を覚える。

それはそうだろう…。眠気の中でも気づいていた。
その呪文は途中からオレの名前を含み、
目の前の影はどんどん迫ってきて…。

「火野!!さっさと起きんかいッ!!」

ゴスッ!といういい音と共にオレは頭に激痛を覚える。
やってしまった…。初の授業からの居眠りだ。
顔を上げるとみんなからの冷たい目線が来ていそうで怖い。

「ああ…。オレ、これから先どうなるんだろう…。」

「なっ、え〜と、火野?別にそんな落ち込む事やないで?
お前の居眠りなんかいつもの事やし、ええ加減慣れたな〜ていうか…。」

「あ〜、先生、ムダですよ。今のサトシくんは。」
47「遠く、どこまでも近いモノ」:2008/09/24(水) 23:18:49 ID:nlUCSk5z

「いや今回は珍しく寝てませんって!!」

「珍しく…なぁ。」

「あ、いぇ、いつも寝ないように心がけますって!!
そうじゃなくていまのサトシくんはですね?記憶喪失なんですよ。」

「やっぱ寝ぼけてるやないか。こいつは別に記憶喪失で病院になんか――。」

「そうじゃなくてですね!あぁ、とりあえずこっちに来てください!!」

こなたさんと黒い先生がなにやら話し始める。
オレのほうを見ながら。そういえば、
悪いウワサ話されるとき指指されながら言われるといやだよね。

「なんやてぇ!?ループ中の記憶が消えてるぅッ!?」

「「な、なんだってーーー!!!」」

クラスの人たちが立ち上がる。永森さんや寝ている人は不動だが。

「わー!わー!!クラス中が混乱しないように小声で言ったのに意味無くなるでしょ!!」

クラス全員が驚くという事は、あの4人の女の子の遊びというわけではなくなる。
クラス全員+教師のイジメってことも、無いだろうしな。
……異常なのは…オレ、なのか?
48「遠く、どこまでも近いモノ」:2008/09/24(水) 23:20:00 ID:nlUCSk5z
「世界史の授業は中止や!!どうせこんな内容ループしてるせいで
何回もしてるからええやろ!またループしたらまたやる事になるんやし!」

「そうですよ先生〜。こんな授業、私でも100点とれますよ〜。」

「…いつも寝とるか、オンゲーのPT編成考えとるお前がか?」

「うぐっ…。」

「まって下さいよ、先生。それじゃあオレが困りますよ。」

「寝とったヤツがよう言えたな、火野。で、本当に記憶ないんか、こいつは。」

すると、みゆきさんがやってきて、先生となにやら話しこむ。

「……そう、か。じゃあコイツは今までの事全部忘れとるんやな?」

「…はい。そしていずれ私達も忘れる事になるかと。」

「なんや切ないな〜。今まで一緒におったヤツが自分らのこと忘れとると思うと。」

クラスの全員がオレを見る。
「忘れてしまったのか?」「オレの事も覚えてないのか?」
と、哀しい目で、オレを見つめる。すごく、いやな目線だった。

「……意味わかんねぇよ。」
49「遠く、どこまでも近いモノ」:2008/09/24(水) 23:20:55 ID:nlUCSk5z
「ん、どうした、火野。」

もう最悪だった。転校してきて最初の日。家でドキドキして待ち望んだこの日が、
意味の分からない事件で台無しになって、最終的にはオレは異常者扱い…。

悲しさや怒りだけが心を満たして、その心は、爆発してしまった。

「「オレは異常者じゃない!!」」

「「意味わかんねぇよ!オレは今まで普通に生きてきたし、記憶なんて飛んだ覚えもない!」」

「ひ、火野?ま、まぁまずは落ち着こうや、な?」

黒井先生も少しひるんでいる。
こうやって叫ぶつもりはなかった。
でも、叫んでしまった。いや、叫んだ。

「「時間がループ?なんだよそれ?クラス揃って電波かよ!!」」

叫びながら、オレは多分、泣いていた。
新しい学校で、新しい友達。新しい生活を送りたかったオレにとって、
こんなにもイヤな事はなかった。正直、今すぐにでも転校してやりたかった。

「「しかも人数で攻めて普通の考えのオレを異常者扱いしやがって!」」

「………。」

クラスのみんなが黙り込み、悪びれた顔をする。
悪かった、と思ってくれていたのはわかった。
でも、オレは止まることができなくて。
50「遠く、どこまでも近いモノ」:2008/09/24(水) 23:21:43 ID:nlUCSk5z
すこし勢いが薄れてきたオレに、みゆきさんが近づく。

「…すみません。とても無礼な事をしました。お詫びします。
『前の』サトシさんがどうであれ、
『今の』サトシさんは関係ないのは当たり前でした。」

「もう…。いいよ…。」

オレは教室の扉を開け、外に走り出した。
止められる者は誰もいなかった。先生でさえ、暗い顔をするだけ。
なんで、こんな事になったんだろう。

そんなとき、オレはもっと幸せな初日の事を考えていた。
普通に、自己紹介をして、電波めいた事を言っていたあの女の子達が
オレを呼ぶんだ。そして、さっき先生が言っていたように、演劇をやることになって…。

何、妄想してるんだろ、オレ。バカだなぁ。

そして、オレはいつの間にか学校の昇降口まで来ていた。

「多分、これだと早退って事になるだろうな。…別にいいや。」

オレが学校から去ろうとした瞬間、オレを追う足音が聞こえた。
あんな状況で追いかけて来るヤツもいるもんなのか。
つかささんか?いや、こなたさん?みゆきさんは冷静に対処していたから、
多分追いかけて来ることもないだろうし。帰らせたほうが得策だ、だとか思っているだろう。

オレは立ち止まった『そいつ』の方に顔を向けた。
51「遠く、どこまでも近いモノ」:2008/09/24(水) 23:28:28 ID:nlUCSk5z
これで今回は終わりです。ハイ、こわーい。ハイ、キレたー。

いや、何か他のスレに「ゲーム版の主人公は男らしくないのがいやだ」
ってカキコミがあったんですよ。オレはアレでいいと思うけど。
だからちょっと主人公の口調や態度を男分UPしました。

キャラ崩壊?いいえ、それが龍二クオリティです。

立ち止まった『そいつ』は意外な子の予定。
そして次回からニヤニヤ分をUPさせる予定です〜。
――――――――――――
P.S「原作について」
原作ネタで思い出した。…オレ原作のマンガ一巻ももってねぇ…orz

P.S「身長について」
どうしても書きたかった。
「二年や一年チームの方が三年チームより身長デカイのねw」
パティとこうちゃんが陵桜女子チームでは一番高いそうで。
そしてそのこうちゃんよりオレの方が小さいわけで。
52名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/24(水) 23:59:12 ID:5/VpnC/M
乙です!主人公はこの後どうなるのか気になる…GJ!
53名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/25(木) 01:01:58 ID:iOAZxA70
こなたの話を書いてみたい。あと、こなたって彼氏ができると結構デレデレしそうなイメージがある。他のキャラもそうだが・・・。
542ー14:2008/09/26(金) 23:25:54 ID:gZJc49B4
前スレ私の書き込みで終わってたな・・・

>>40
乙です。
これだったら普通にやまと原作にも進出出来そうですね。


>>51
乙です。
嫌だな〜クラス全員電波w
そういうサトシ君も記憶が微妙に残ってるような。
さて、追って来たのは誰だ。
こなた、つかさ、みゆきは名前出てたから、かがみかやまと?


私もSSの続き投下したいと思います。
『かがみside〜ラキレボ編』の続きになります。(>>28の続きです)
55かがみside〜ラキレボ編:2008/09/26(金) 23:27:16 ID:gZJc49B4
「さて、この2日間、永瀬に教えて貰った通りにやって見た訳やけど・・・」
 職員室について、早速黒井先生はダイエットについて話し始めた。
 「柊、高良、どうやった?」
 その言葉に顔を見合わせる私とみゆき。
 「その様子やと・・・うまくいってないみたいやな〜・・・」
 腕を組んで考え込む黒井先生。
 「え・・・そうなの?」
 私に聞く祐一くん。
 「そうなのよ・・・」
 「私はダイエットの経験が始めてなので、感覚が分からないのですが・・・」
 「おかしいのよね〜ちゃんと言われた通りにやってるのに・・・リンゴダイエットって3日で3キロなんでしょ?」
 「うん、そのはずだよ。つかささんがウソをつくとは思えないし」
 私の問いに答える祐一くん。
 「そうよね〜だけど、そしたらもう少し減っててもいいはずなのに・・・」
 「何にしても、3食リンゴだけっていうのは、さすがにキツイで〜。カロリー足りんで授業にも集中できひん」
 「そうですね。私も今日は耐えられなくてヨーグルトを持って来ました」
 「えっ?ひょっとして、みんな3食リンゴなの?」
 頷くみゆきと黒井先生。
 「私は、今日バランス栄養食よ?それで明日はサツマイモにする予定」
 「だから、かがみさん・・・それじゃこのダイエット法の意義に反してるって」
 「そうなの?そっか〜だから太っちゃったのか・・・」
 「えっ?太ったの?」
 「ち、ちょっとだけよ!本当にちょっとだけなんだから!!」
 祐一くんの言葉に反論する私。
 「で、永瀬・・・他に何かないんか?」
 「はい?」
 「だから、他のダイエット法や。出来るだけ楽チンで!すぐに効果が出て!しかも劇的に痩せられる!!
  そんなダイエット法、どこかにあるやろ?」
 「ある訳ないでしょう・・・そんな都合のいいダイエット法なんて」
 呆れたように言う祐一くん。
56かがみside〜ラキレボ編:2008/09/26(金) 23:28:44 ID:gZJc49B4
「そうは言っても、学園祭まで時間が無いのは事実よ」
 「そうですね。うまい話がある訳じゃないと言うのは分かっていますが・・・」
 「・・・どうしてもって言うなら」
 「何や、何かあるんか?」
 「結局、普通のダイエット法が一番なんじゃないかと思うんですが」
 「普通?」
 「そうです。食事をちゃんと取って、適度に運動する。地味ですけどやった分はちゃんと返ってくると思いますよ」
 『う〜ん・・・』
 私達3人は考え込む。
 「だいたい3人共10キロも20キロも落とさなきゃいけない訳でもないんですし」
 「・・・そうやな」
 最初に頷いたのは、黒井先生。
 「確かに、他に方法も無さそうだしね」
 「そうですね、頑張りましょう!」
 「あ、でも3人共、ムチャはしないでね。ミスコン前に倒れたなんて言ったらシャレにならないし」
 「何や、そんなに心配やったら電話すればいいやん」
 「電話ですか?」
 「そうや〜そんでウチら3人が死にそうになってたら、救急車呼んでや〜」
 笑いながら言う黒井先生。
 「勘弁して下さいよ。マズイ時は本当に自重して下さい・・・」
 「でも、それいいかもね」
 黒井先生の意見に賛成する私。
 「そうですね。誰かが気に掛けてくれてると思うとやる気も出ますし・・・」
 みゆきも賛成の意見だった。
57かがみside〜ラキレボ編:2008/09/26(金) 23:29:30 ID:gZJc49B4
「そう?じゃあいつごろ電話すれば・・・」
 「そんなの決めんでもいいやん。好きな時に電話すればいいねん。何なら、柊か高良・・・」
 私達を見ながらニヤニヤする黒井先生。
 「口説きたい方にばっか連絡すればええねん」
 「なっ!?」
 「ちょっ!先生。何言ってるんですか!」
 「くくく口説くだなんて、そんな・・・」
 「なはは〜!だってお前らそんな話全然聞かへんし、せっかく男子とつるんでるんやからそんな関係になってもええやん」
 そう言った後、黒井先生は急にゲンナリとした。
 「ってアカン・・・自分で言ってて何か悲しゅうなってきたわ・・・」
 黒井先生は祐一くんを見る。
 「ちなみに永瀬!ウチはアカンからな、教師と生徒の恋愛はご法度や」
 「いや、誰に対してもそういう気はありませんから・・・しかし俺は誰に電話を・・・」
 そう言う祐一くんの目が一瞬みゆきを見たような気がした。
 (・・・)
 その時、何故か私の心はざわつくような嫌な感じに襲われて。
 そして、次の瞬間には口を開いていた。
 「ちょっと!祐一くん!調子に乗ってみゆきに手を出したら許さないからね!」
 「な、何でそうなるの!」
 「か、かがみさん・・・」
 顔を赤くするみゆきを見て、私は言葉を続ける。
 「大丈夫よみゆき。そんな真似絶対にさせないから!」
 「お、俺だってそれくらいの分別はついてるよ。あ、だけど・・・」
 祐一くんは考えた後で口を開いた。
 「みゆきさんがダメってことは、かがみさんならいいの?」
 「そんな訳ないでしょ!バカ!」
 祐一くんのしょうもない質問に言い返す私。
 「まあまあお二人とも、それじゃあ今日からまた心機一転頑張るということですね」
 「そうやな。そんで2日たったらまたここに集まろうな」
 黒井先生の言葉で今日は解散ということになった。
58かがみside〜ラキレボ編:2008/09/26(金) 23:31:21 ID:gZJc49B4
「こら!かがみ!ご飯ちゃんと食べなきゃダメよ」
 「うるさいな〜ちゃんと食べてるでしょう!」
 「そんなちょっとじゃ食べた内に入らないわよ」
 その日の夜。ちょっとしか夕飯を食べなかった私をお母さんが怒った。
 「お母さん、放っときなよ。どうせ3日もしたら、普通に食べてるだろうし」
 私とお母さんの会話を聞いていたいのり姉さんが呆れたように言う。
 「う〜ん、でもね〜」
 心配そうな顔のお母さん。
 「え〜でも今回はお姉ちゃん、今までで一番頑張ってるよ」
 つかさが私のフォローをする。
 「そうよね〜確かに今回は・・・一週間だっけ?頑張ってる方よね」
 いのり姉さんも頷く。
 「ねえ、かがみ。本当にミスコンに出るためだけなの?」
 「どういう意味よ?」
 「いや、何かミスコンに出る以外の理由があるのかな〜って思って」
 「バカね〜いのり。そんなの理由は一つに決まってるじゃない?」
 「あ、まつりお姉ちゃん。お帰りなさい」
 「ただいま〜あ〜疲れた・・・」
 つかさの声に答えながら椅子に座るまつり姉さん。
59かがみside〜ラキレボ編:2008/09/26(金) 23:33:07 ID:gZJc49B4
 「まつり、何か知ってるの?」
 「うん?いや何も知らないけど、かがみがここまで頑張る理由は・・・」
 そこまで言って笑いながら私の方を見るまつり姉さん。
 「ズバリ、オ・ト・コ♪でしょ!」
 「なっ・・・」
 まつり姉さんの言葉に慌てふためく私。
 「うわ〜分かりやす〜・・・」
 呆れたように呟くいのり姉さん。
 「ねえ、つかさ、心当たり無いの?」
 私の様子を見ながらつかさに話を振るまつり姉さん。
 「う〜ん・・・あ」
 「えっ?ウソ!マジで心当たりあるの?」
 身を乗り出して、つかさに詰め寄るいのり姉さん。
 「うん。お姉ちゃんのダイエットを手伝ってる―――」
 「つかさ!余計なこと言ったら今後一切勉強教えてあげないからね!!」
 「え〜お姉ちゃん〜」
 そう言って私は立ち上がる。
 「ちょっと、かがみ!夕飯は?」
 「いらない。今日はもう寝る。お休み!」
 私はお母さんの言葉にそう答えて自分の部屋に戻った。
 
60かがみside〜ラキレボ編:2008/09/26(金) 23:33:57 ID:gZJc49B4
自分の部屋に戻って、私はベットに腰掛ける。
 ふと、近くに置いてある鏡を見る。
 私の顔は真っ赤になっていた。
 (全く、まつり姉さんが変なこと言うから・・・)
 『ズバリ、オ・ト・コ♪でしょ!』
 まつり姉さんがそう言った時、私の脳裏には―――
 (何で、そこで祐一くんが出てくるのよ?)
 また脳裏によぎる祐一くんの顔を振り払う私。
 (そういえば、あやのも勘違いしてたみたいだし)
 昼間のことを思い出す。
 (大体、祐一くんは女の子の着替えを堂々と覗くし、こなたみたいにオタクだし・・・授業中に昼寝してるみたいだし・・・)
 祐一くんのダメな点を思い出す。
 (でも、何だかんだ言ってダイエットは手伝ってくれるし、学園祭の準備でも自分の担当じゃなくても
  いろいろサポートしてくれるし、頼りがいはあるのよね)
 その一方で祐一くんのいいところも上げられる。
 
 『かがみさん』

 私の名前を呼ぶ祐一くんの姿がまた脳裏に浮かぶ。
 (―――!!)
 それだけで、私の心はドキドキする。
 (な、何なのよ。これじゃまるで私が―――)
 思わず手近にあったクッションをギュッと抱きしめる。
 その先の言葉は考えないようにした。
 そうしないと、明日からどんな顔して祐一くんに会えばいいのか分からなかったから―――
 
612−14:2008/09/26(金) 23:38:41 ID:gZJc49B4
今日はここまでですね〜

今回は後半の柊家の部分に力を入れました。
このシーンは、ゲームでつかさが
「お姉ちゃん、ご飯全然食べないでお母さんに怒られてた」っていうセリフから
連想して書きました。
後はゲームにはまつりといのりが全然出ないので、このSSでは登場して貰いました。
口調がおかしくなってなければいいのですが・・・

次回もゲームのシーン半分、オリジナルのシーン半分くらいの比率かなと。

それでは!!
62名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/27(土) 00:05:36 ID:clKHRxdo
おつ〜
63名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/27(土) 00:44:29 ID:n7hKtBE7
乙&GJです! やっべかがみかわいいわ
64龍二:2008/09/27(土) 04:19:48 ID:ATFL5HZv
>>61
乙です!カワユすぎ!!
応援してまっす!

さてさて、休みの日の真朝はオレの暴走Timeです。
今回はすこし早めに(内容薄いけど)
ゆとり過ぎる野郎の描くSSをUPします。

(ゆとり過ぎる野郎とは。ゆとり教育でありながら宿題を
全くやらない、なんというオレな人である。)

一応ですが、前回までのお話置き場
ttp://ncode.syosetu.com/n0788f/
(↑「小説を読む」ボタンの下に、微妙にTXTファイルで
ダウンロードできる機能があります。評価と感想も書く機能あるんで
気に入らないところとかあったら指摘しちゃってください!)

HP(ブログ)もよろしく。
ttp://ameblo.jp/26310/

では、そそくさと早退する主人公を追いかける者は誰なのか?
「遠く、どこまでも近いモノ」はじまります〜。↓
65龍二:2008/09/27(土) 04:20:54 ID:ATFL5HZv
「オイ、火野!待てって!!」

…全く予想していなかったヤツが現れた。誰だっけ、コイツ。

「ハァ、ハァ。全く。オレのこの黄金の足がなかったら追いつけてなかったぜ。」

「……誰だっけ。」

「うおおぉぉぉおおおい!!忘れんなよッッ!!いくらオレが目立たないからって忘れんなよッ!!
…って。そうだったな。『今の』お前はまだオレの事は知らないのか。」

その男子はニコっと笑って(営業スマイルってヤツか?いい笑顔すぎる。)自分を親指で指す。

「オレは白石 みのる。同じクラスだぜ。アンタの事情はよく分かった。困ったらオレに相談してくれ。」

白石……、みのるねぇ。中の上、少し良い顔という微妙な位置なだけに、(「中の上」:普通に彼女が出来そうなレベル。)
忘れたりしちまいそうだから、よく覚えておこう。まぁ、この学校に明日から行くかどうかも分からないけど。

「それと、それだけの為に追いかけて来たわけじゃない。」

「なんだ?連れ戻そうってか?」

「いいや。今のオマエじゃあ到底、戻りはしないだろ。でもさ、分かるんだよ。」

「何が?」

「今のオマエ、不登校でもしそうな雰囲気なんだよな。」

本心をズバリ当てられたオレは、少し驚く。だがその分不愉快だった。
66龍二:2008/09/27(土) 04:21:54 ID:ATFL5HZv
「何で分かるんだよ、そんな事。」

「長い付き合いだぜ?『前の』サトシ君とは、だけどな。」

「……前の、オレ…。」

白石のその目はウソを語っているようには見えなかった。

「火野、本当はオマエ、分かってるんだろ?何かが変だって。
オレ達が遊びやイジメで言ってるわけじゃないって。」

その通りだ。みんなが騙してるとは思いづらい。こなたさん達の、
オレが何も覚えていない、という事を知ったときの、あの悲しそうな顔。
アレはどう見たって本物だった。一人の親友の為に悲しむその表情。……でも。

「でも、でも信じろって言うのかよ!?宇宙人を!時間の巻き戻しを!!
……どう考えたってムリだよ!何もない!証拠もない!……なのに――」

「まぁ、落ち着け。さっき言っただろ?困ったらオレに相談してくれ。ってさ。
信じられないかもしれないけど、『前の』オマエはオレの事を背景扱いにしててな、
オレの事をそんなに知らないんだぜ?その分オレだけオマエの事を良く知ってるとなると、
ストーカーみたいな話だけどさ。それでもタイムループを止める力になってやりたくて、
100万ティーク渡したりとか、色々したんだぜ?」

「ティークってなんだ?」

「ゲーム内マネー。ざっと一万円分だ。」
67龍二:2008/09/27(土) 04:23:02 ID:ATFL5HZv
「あぁ、オレがゲームの世界に行ったとかいう話だっけ?アレが一番信じられないんだよ。
タイムループは…、まぁ時空がなんやらでアリとしよう。ゲームはプログラムだぜ?
二次元だぜ?「.ha○k」じゃあるまいし。」

「…最近は脳波でモノを操る技術があるらしいな。それでキャラを動かせば
あたかも自分がキャラであるかのように錯覚するんじゃないか?」

「……それをオレたちがされたっていうのか?」

「そうとは言ってない。ただ、一応科学的には証明できるってこったよ。
だからこそ、電波だ電波だと思い込んで欲しくはないぜ。」

「で、その金を返せと?」

「いいや、時間が戻ってるから100万ティークは無くなってないさ。
もともと、戻ってくる事が分かってなかったら100万は出しづらいっつーの。」

「……ってことはオレに100万ティーク渡したときは、
ループを止める期待はあまりしてなかったってことか?」

「大当たりだけど、そこはスルーしてくれ。」

「大当たりかよ…。」

白石、みのる。今のオレには頼れる生徒はコイツだけになりそうだ。
なによりも、ラジオ番組の司会なんかに向いている傾向がある口調で、話術がうまい事から、
少し信用できないカンジもあるが、普通ありえない電波話を分かりやすくまとめてくれる。
そういう面では、かなり必要となってくる存在かも知れない。しかも、オレを異常者という目で見てこない。
68龍二:2008/09/27(土) 04:23:44 ID:ATFL5HZv
「まぁ、火野。これがオレのメアドだ。…ついでにこれ、オレのHPな。
『らっきー☆ちゃんねる』って言うラジオ番組の司会やってんだ。他のヤツには内緒だけどな。」

「マジで司会やってたのか。まぁ、了解。何かあったら連絡する。」

「別に、たわいのないただの雑談でもいいぜ?仕事が入ってなけりゃあな。」

「……だってさ…。」

白石は少し恥ずかしそうに笑い、後ろ頭を掻きながら言った。


「オレと、オマエは、たった今から親友だぜ?」


白石はオレの頭を人差し指でトン、と突く。


「いつでも連絡してくれよな。」


母さん。都会に来て入学した学校は、電波なヤツらだらけの場所でしたが…、
そんな学校で、オレは初日から友達が、いや、

親友ができました。
69龍二:2008/09/27(土) 05:38:37 ID:ATFL5HZv
家に着くと、母が寝ている事を確認。学校から早退した事がバレたら
なあんのこたぁない。ぽっくりコロされるだろう。母さん特製くじらビンタで。
(くじらが衝突してきたくらい威力が強いって意味ダゼ!?)
そぉ〜っと、オレは家のカギをあけ、自分の部屋に歩く。

「サトシ!!」

「!!」

なんと!いきなりバレてしまった。頭の中でEncountorが流れている。
危険フェイズだ。とにかくダンボールに隠れてやりすごs――

「大丈夫なの!?サトシ!学校で倒れたって本当!?」

「え、…え!?」

TURRRRRRRRR…。

「あ、サトシ、携帯なってるわよ。」

「あ、うん。」
70龍二:2008/09/27(土) 05:39:09 ID:ATFL5HZv
見た事もない電話番号。白石の物とは違う、まったく別の番号だった。
イタズラ電話…にしてはワンぎりするわけでもない。架空請求なら
その架空請求してくる相手に暴言いいまくってストレス解消も図れるが…。(ぉぃ

ピッ

「もしもし。」

「も、もしもし、…火野か?」

どこかで聞いた事のあるような声。

「え〜と…。どちらさんですか?」

「ななこや、黒井ななこ!」

黒井……ななこ?

「ああ、もう!担任の先生や!自己紹介したやろ!!」

「あ、黒井先生ですか?」

「せや。とりあえず、火野の親御さんにはブッ倒れて早退した事にしたで。」

「え、あ、ありがとうございます。
…じゃなくて!!なんでオレの電話番号知ってるんですか!!」

そうだ。オレは先生と番号など交換してないし、
まだ先生とはあまり会話もかわしていない。なのに…何故だろう?
71龍二:2008/09/27(土) 05:40:04 ID:ATFL5HZv
「メルアドも知っとるで?…『前の』火野がな、ウチらの為に連絡先、交換してくれたんや。
ウチと柊(姉)と高良でミスコン出場する事になってな?その時に手伝ってもらったんや。」

「『前の』…オレに、ですか?」

「そうや。…あの時はなんやかんやでオモロかったんやけどなぁ。」

やはり、ウソをついているようには思えない。…オレが、無意識の間に記憶喪失になっている?
…考えれば考えるほど、やはり先には何も見えない。深く、ため息をつき、電話に応対する。

「で、誰が優勝したんです?」

「だれって……ミスコンか?」

「それ以外ないでしょうよ。」

「全員や。」

「は?」

「ウチが優勝する事もあったし、高良も、柊も優勝したわ。ループ中に何度もミスコンはあったしな。
しかもや、なぜか火野が多くサポートしたヤツに限って優勝すんねや。ダイエットも成功するしな。」

「はぁ…。まさしく運命はオレに委ねられてたんですね。」

「もし、今度ミスコンが開催されるようやったら、ウチを支援してや!メルアドもメールで送っとくな!」

「分かりました。」
72龍二:2008/09/27(土) 05:41:23 ID:ATFL5HZv
「それと……。」

先生の声が急に暗くなる。

「…スマン。いや、ゴメン。ごめんなさい。」

「……今日のことですか?」

生徒が先生にごめんなさいと言わせたことは、少し背徳感を感じて、悪いなと思った。

「せや。火野の事情も知らずに、テキトーな事言って大騒ぎして。
……火野は火野や。『前の』火野は関係ないわな。火野は、異常者やないで。」

その言葉を聞いて、少しばかり、安心感を覚える。

「…ありがとうございます。」

「……でも。」

「はい?」

「…でも…な…?少しは…思い…出して…欲しいわ…。」

声がゆれて、よく聞こえない。泣いている、のか?先生が?
オレのために?『前の』オレのために?

「ウチらの…楽しかった日々が……火野の中では…
無い事に…なっとるなんて…。ウチは…そんなんイヤやわ…。」

「……先生…。」
73龍二:2008/09/27(土) 05:41:59 ID:ATFL5HZv
「しかも…いつかウチらの記憶も消えて…。次にループした時には…
知らん人同士やで…。いやや…。いやや、そんなん…。」

記憶が、消える。それでこんなにも人を泣かせるだなんて。なぁ。『前の』オレ。
オマエはいったい、みんなに何を残したんだ?そして、オレに何をして欲しいんだ?
答えてくれ。火野 サトシ。オレは……一体…。

「先生…。思い出せなくて……ゴメン…。」

「…ええんや。火野が悪いんちゃう。ウチこそゴメンな。いきなり泣き出したりして。
いやー、職員室で電話せんで正解やったわ。職員室やったら今頃注目の嵐やで。」

「そうですね。今日のオレみたくなっちゃいますよ。」

「じゃあウチも倒れて早退って事になるんやな。」

「まったくもってのオレじゃないですか!」

「「ハハハハハハ」」

少し、体が軽くなる。何かが消えた感覚。その重い何かは、オレから消え去って。
どこか清々しい気持ちになった。明日、学校に行くの、怖くないかもしれない。
74龍二:2008/09/27(土) 06:05:04 ID:ATFL5HZv
「じゃあ、まっとるで。火野。学校、いつでも来ぃや。」

「もちろん、行きますよ。行かないと先生も寂しいでしょうしね。」

「な、何を言うとるんや火野っ、別にそんなこたないで!」

「そうですか、分かりました。じゃあ行きません。」

「そうじゃなくてぇっ!ああ、いつの間にそんな性格になったんやオマエは!!」

「『この』火野サトシは生まれた時からこんなヤツですよ。」

「面倒なヤツやなぁ。」

「よく言われます。」

「まぁ、それはそれでオモロいわ。まっとるで。火野。」

プツッ、と、電話が切れる。時刻は、1:00分。なるほど、先生は昼休みだから電話したのか。
そして、自分の電話の「切る」ボタンを押す。すると…。
75龍二:2008/09/27(土) 06:05:32 ID:ATFL5HZv
「うおぅっ!メール着信数15件!?今の電話の間にかよ!?」

とりあえず送信者名と題名を見てみる。

――――――――――――――――――――――――――
| 件数 |  送信者    |   題名      |
――――――――――――――――――――――――――
|01. |「黒井 ななこ」 |『メールアドレス』   |
|02. |「白石 みのる」 |『オマエと友達の…。』 |
|03. |「高良 みゆき」 |『お詫びと連絡』 |
|04. |「柊 かがみ」  |『ゴメンね』      |
|05. |「永森 やまと」 |『いいご身分ね』    |
――――――――――――――――――――――――――
|06. |「小早川 ゆたか」|『みんなから聞きました』|
|07. |「岩崎 みなみ」 |『無題』        |
|08. |「田村 ひより」 |『記憶喪失っスか!!』 |
|09. |「泉 こなた」  |『L5のK1』     |
|10. |「八坂 こう」  |『やまとも』      |
――――――――――――――――――――――――――
|11. |「パトリシア」  |『大丈夫ですか』    |
|12. |「日下部 みさお」|『忘れちまうのか』   |
|13. |「峰岸 あやの」 |『あやのです』     |
|14. |「柊 つかさ」  |『ゴんメンささい』   |
|15. |「アニメ店長」  |『新商品追加だ!!』  |
――――――――――――――――――――――――――
76龍二:2008/09/27(土) 06:06:29 ID:ATFL5HZv
見ただけでお詫びのメールを送ってきてるのがわかる人がいれば、
題名では何が言いたいのか分からない人、
まず、文字を打つのに慌てすぎな人(約一名)、
そして確実にいまのオレには関係のないメールマガジンも届いていた。

とりあえず、まずは情報や手がかりのありそうな白石からのメールを見る。


――――――――――――――――――――――――――
名前「白石 みのる」| 題名『オマエと友達の…。』
――――――――――――――――――――――――――
よぅ、火野。1時間ぶりだな。とりあえず、学校でオマエの
友達の写真を激写してきたぞ。無断だけどな。
顔と名前を覚えるために、見ておくといいよ。
           Dear soul brother's みのるより。
――――――――――――――――――――――――――
77龍二:2008/09/27(土) 06:14:58 ID:ATFL5HZv
…ディア ソウルブラザーズってなんだ…。まぁ気にしないことにしよう。

ともかく、色々な友達の写真が送られてきた。……9割以上が女子だった。
すくなくとも、メールの差出人の、白石以外の14人の写真と名前があった。
(アニメ店長のもあった。『兄沢 命斗』というらしい。)

オレは白石になんて返信しようか悩んで、とりあえず
「ありがとう」とだけ書いて送った。

そしてオレは他の人たちからのメールを確認する。
78龍二:2008/09/27(土) 06:18:57 ID:ATFL5HZv

今回はこれで終わりです。ごめんなさい。
「次回からニヤニヤ分UPさせる」とかいいながら
全く持ってのシリアスゾーンです。

次こそ…。といっても、ニヤニヤゾーンはあと3回後くらいかも?
一応ライトノベル風に、挿絵とか描いてたんだけど
UPする場所が自分のブログくらいしかないから永遠封印カモwww

P.S「脳波を感知して動かすゲームについて」
脳波をキャッチしてモノを動かす技術をゲームに代用して…。とかいう
説明が出たと思いますが、まさか本当にゲームに代用する技術があったとは
思ってませんでした。あの話は「ありえないけど、でもありそうな話だろ?」
的な解釈をしてもらうつもりでしたが、本当にありえた話だったとは…。
最近の技術はすごいネ!!>ワ<
79名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/27(土) 07:47:32 ID:cxs7aLYO
>>龍二氏
実に続きが気になる展開です、「今の」サトシは「前の」記憶を取り戻す(と言う言い方は正しいのかな?)のか、それとも……?
何はともあれGJ!

さいごに、つかささん間違いすぎだw
80名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/27(土) 12:42:13 ID:c46XsHzS
シリアスだったのに、つかさに全部もってかれたw
乙です!
81名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/28(日) 01:29:33 ID:FW9kPJwt
乙です! せっかくシリアスに話が進んでいたのに店長とつかさがぶち壊してるw GJっした!
82名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/29(月) 23:57:10 ID:d00kTzPZ
乙です。つかさ落ち着けw
83龍二:2008/09/30(火) 02:17:40 ID:NI7bDK+G
月曜日よ、さようなら。こんばんわ、火曜日。
どうも、木川 龍二です。二連投は気が引けます…。が、
新スレになってから完結した神作品が多いので、神光臨までの
つなぎとして今日も龍二クオリティ(低クオリティ)なSS始まります。

前回までのお話置き場
ttp://ncode.syosetu.com/n0788f/
(↑評価と感想も書く機能あるんで
気に入らないところとかあったら指摘しちゃってください!)

HP(ブログ)もよろしく。最近コメント0で涙目です。
ttp://ameblo.jp/26310/

他の人たちのメール内容確認が主な内容の今回。
今回は短いけど、始まるザマスよ。↓
84龍二:2008/09/30(火) 02:21:13 ID:NI7bDK+G
白石が送ってくれた、『前の』オレの友達の顔写真のおかげで、
メールを送ってきた人の顔が把握できるのはなかなかよかった。
顔もなにも分からない人から心配のメールが来てもビビるしなぁ。

……それにしても、学校関係のメール送って来たの、女子だけじゃないか。
『前の』オレはこんなにモテモテ(?)だったのか?
うぉぅ、2年生や1年生にまで手をだしているではないか。侮れないな、オレ。

……いつの間にか、自分の中であの電波話はあったことになっている事に気づく。
『前の』オレって言葉を連呼している所、母さんに見られたらどうなる事か。

「サトシ!!」

「!!」

なんと!またもやバレてしまった。頭の中でEncountorが流れている。
危険フェイズだ。とにかくドラム缶に隠れてやりすごs――

「ほら、昼飯よ。学校で食べてないんでしょ。」

そういえばオレはまだ昼飯を食べてなかった事に気づく。

「昼飯て…。おにぎりひとつじゃないか。」

「昼飯代渡したでしょ。」

「買ってないよ。」

「じゃあそのお金を渡しなさい。おかずと引き換えよ。」

俺がもらった昼飯代をどうにか小遣いにしようとしていた事が
母にはお見通しだったようで、俺のサイフは乏しい状態に戻った。
85龍二:2008/09/30(火) 02:21:39 ID:NI7bDK+G
昼飯を食べながらメールを見ていて、殆どの人が
「お詫びと心配」のメールだったが、何通か気になる内容のものがあった。

例えば、俺と一緒に転向してきて、『前の』オレ達を救ってくれた人の器(?)らしい
永森さんからのメールだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――
名前「永森 やまと」| 題名『いいご身分ね』
―――――――――――――――――――――――――――――――
なんの理由があったか知らないど、こう達、心配してる。
いいご身分ね。いきなり怒鳴ったと思いきや、さっさと帰るなんて。
…でも、何らかの事情があるようね。まぁいいわ。
どうせ同じ日に転校し合った同士だし、困ったことがあったら力になるわ。
―――――――――――――――――――――――――――――――

このメールの文章を見る限り、彼女が『前の』事件を覚えていない、
オレとなんら変わりのない立場にいることがわかる。

同じ立場の人となら行動しやすいだろう。オレの頭の中の協力者リストに
「白石 みのる」に続いて「永森 やまと」が追加される。

かがみさんや、ゆたかさん、みなみさんに、ひよりさん。そしてこうさんとあやのさんも、
「力になるよ」とメールをしてくれたのだが、顔も写真でしか見た事が無く、(かがみさんを除いて)
立場的にもまだ親しみにくい気がするので、協力者リストには追加されなかった。
86龍二:2008/09/30(火) 02:24:19 ID:NI7bDK+G
こなたさんのメールはユニークなもので、

―――――――――――――――――――――――――――――――
名前「泉 こなた」| 題名『L5のK1』
―――――――――――――――――――――――――――――――
びっくりしたよ。あのタイミングで爆発とはねぇ。
「オレは異常者じゃない!!」って、一瞬「祟殺し」編の
圭一君思いだしちゃったよw でも、みんなそこまで気にしてない
みたいだよ。 明日、学校でまってるからね (=ω=.)ノシ
―――――――――――――――――――――――――――――――

という内容だった。きっとオレが明日学校に行きやすいように
明るい口調で書いてくれているのだろう。なかなか悩んでメールを送ったはずだ。

みゆきさんのメールによると、桜藤祭で行うイベントが一つ増えたそうだ。
だが、クラス全員だとかそういうものでなく、みゆきさん達個人で行うもので、オレには関係ないらしい。
一応、みゆきさんたちが忙しくなるという事は伝わった。演劇もやるらしいからそりゃあ大変だろう。

ちなみに、これはパトリシアさんの提案らしく、その案は先生に届けられた。
内容は、「桜藤祭のオープニングでチアをする」というものらしい。
別に、時間がループしているのなら、今回に限ってやることはないだろう、と先生は思ったらしいが、
それに対してみゆきさんが「やりたい」と大きく押したため、決定された事らしい。

『今の』オレが、時間のループを今回で終らせるとでも思っているのだろうか…。
『前の』オレでなく、『今の』オレ。手がかりもなければ何も知らないオレに期待して?
87龍二:2008/09/30(火) 02:25:51 ID:NI7bDK+G
……考えれば考える程、意味が分からなくなる。こういうときは、深呼吸をして…。

「サトシ!!」

「!!」

なんと!目撃されてしまった!別に見られてはいけない光景ではなかったが、それでも頭の中ではEncountorが流れている。
危険フェイズだ。とにかくスモークグレネードを投げてやりすごs――

「食器を早くかたづけに来なさい!!」

「母さん。入るときはノックしてよ。年頃の男なんだからさぁ。気まずいもの見てたらどうすんのさ?」

「全てを受け入れる。」

「意味わかんないよ。まぁ、さっさと片付けますよ。」

そうしながらも、最後に気になったメール。それは、みさおさんからのモノだった。
88龍二:2008/09/30(火) 02:28:19 ID:NI7bDK+G
―――――――――――――――――――――――――――――――
名前「日下部 みさお」| 題名『忘れちまうのか』
―――――――――――――――――――――――――――――――
よぅ。元気か?…まぁ元気に決まってるよな。ゴメン、こういうの書くの
慣れてないからさ、始め方どうすればいいかとかわかんねぇんだ。

話は聞いた。記憶、消えちまったんだってな。それと、お前の推理に
よると、私達も一人づつループ中の記憶が無くなっていくみたいだな。
他のみんなも、その推理が正しいって方向に進んでるよ。

『今まで』も、色々楽しい思い出、あったんだけどな。
忘れちまうのか…。忘れたくねぇなぁ。絶対に。
―――――――――――――――――――――――――――――――

そうだ。オレは記憶を取り戻すような方向に進んでいたが、そうじゃなかった。
『みんなの記憶が消えていく』かもしれない事を、すっかり忘れていた。

忘れたくない。みんながそう思っていただろう。楽しかった頃を。かけがえのない日々を。
忘れろ、と言われて進んで忘れるヤツがどこにいる。……忘れたくない…、か。

『前の』オレも、そう思っていたんだろうな。忘れるとわかったら、急に胸が苦しくなって、
切なくて、哀しくて。そうなることは、『今の』オレでもわかる。

―――なんだか、『前の』オレに対して、罪悪感を感じた――。
89龍二:2008/09/30(火) 02:29:53 ID:NI7bDK+G
………………。

…………………………。

「……ん…。…ここは…どこだ?」

限りなく続く真っ白な世界。白以外に何もない。ただ、透き通った世界にオレはいた。
そこに、一人の人影が見える。

「…オマエは…!!」

その姿は紛れも無く、オレ、だった。

「オマエは…『前の』、オレ?」

「返せよ…。」

「は?」

『前の』オレはオレの肩をつかみ、ものすごい形相でオレを怒鳴りつける。
鬼のような形相で。それでいて、子供のような純真さと、悲しみを持った表情だった。

「返せよ!『オレ』を返せ!!こなたさんや、みんなと遊んだ日々を!その記憶を!」

「や…やめろ…。」

そのつかむ握力はさらに強くなって、いつしか激痛を覚える。
90龍二:2008/09/30(火) 03:16:37 ID:NI7bDK+G
「『オレ』はオマエのものじゃない!!オレのものだったんだ!なのに、いきなりオマエのものになって!!
返せ!返せッ!!返せよぉ!!嬉しくて、楽しくて、怖くて緊張して恥ずかしくてそれでも笑って!
そんなかけがえのないオレの思い出たちを返せよぉおおおッッ!!」

「…やめろ…。…やめてくれ。やめろやめろやめろやめろやめろ」

「「やめろぉーーーーーッッ!!」」


「サトシ!!」

「!!」

なんと!なぜか母さんが目の前にいる!頭の中でEncountorが流れている。
危険フェイズだ。とにかく麻酔銃で眠らせてやりすごs――

「いきなり大声ださないの!近所に迷惑よ!!」

…夢、か。なんというか、怖い夢だった。死ぬ夢とか、そんなんじゃなく、
『オレ』という存在全てが拒絶する「恐怖」。

気が付くと、時間は7:30。まだみんなにメールの返信をしていないままだ。
みんなのメルアドを登録して、返信を行うことにした。
91龍二:2008/09/30(火) 03:17:47 ID:NI7bDK+G
「…やめろ…。…やめてくれ。やめろやめろやめろやめろやめろ」

「「やめろぉーーーーーッッ!!」」

「サトシ!!」

「!!」

なんと!なぜか母さんが目の前にいる!頭の中でEncountorが流れている。
危険フェイズだ。とにかく麻酔銃で眠らせてやりすごs――

「いきなり大声ださないの!近所に迷惑よ!!」

…夢、か。なんというか、怖い夢だった。死ぬ夢とか、そんなんじゃなく、
『オレ』という存在全てが拒絶する怖さだ。

気が付くと、時間は7:30。まだみんなにメールの返信をしていない。
みんなのメルアドを登録して、返信を行った。
92龍二:2008/09/30(火) 03:19:03 ID:NI7bDK+G
ほとんどの人には『ありがとう』と。
こなたさんにはあえて『ウッディ!』の一言だけ、と
そしてメールの内容が

「越前、オマエは湘北の柱になれ!」

と、テニスマンガのセリフと思ったらチーム名がバスケマンガのチームで
しかも何故そんな文章を送ってくるんだ?とつい混乱してしまうような内容
(あせって変な文章を貼り付けたんだと思う。)だったつかささんには

「バスケが…したいです…。」

とギャグで返して、オレの元気さをアピールした。

とにかく、晩飯を食べて明日の準備をしたら寝よう。
色々と体力が必要となりそうな感じだ。記憶的な面で。

さっきの悪夢を見ない事を願い、オレは明日の準備をすませ、目を閉じた。

――――――――――――――――
「遠く、どこまでも近いモノ」

第一部「近く、どこまでも遠いモノ」 完
93龍二:2008/09/30(火) 03:25:23 ID:NI7bDK+G
第一部、完結です!ィェァ!!
第一部がシリアスだったことから、
第二部からはニヤニヤモードです。

なんというかギャルゲモード全快になります。
でもオレ、いまだに夏休みの宿題やってないのね。
だから第二部開始は遅くなりそうです。ゴメンナサイ。

P.S.「なによりも、早さが足りない!」
その名のとおりそんな気がします。どうすれば勢い増しますかネェ。
オレがSS書き始めるまでは、勢いメチャよかったんですけど…。
あれ?まさかオレのせい!?(ぃゃ落ち着け。
94名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/30(火) 08:52:49 ID:e9KsHggi
乙&GJ! 今回も楽しませていただきました、続きも期待してます!
95名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/30(火) 12:11:16 ID:8offLOjE
>>93
連投乙!楽しませてもらいました
シリアスモード全開どんとこい!この先の展開に期待します
母親(に対するサトシの脳内対策会議)とつかさのシリアスブレイカーっぷりがw
二部からニヤニヤモードということでこれも期待です
何週もしてるんならほぼ全員好感度MAXなんだろうなぁ……w
96名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/30(火) 23:28:59 ID:1Sn7gkJT
乙です。
今のサトシからすりゃ前の方の言い分は知らんがなとしか言いようがないなw
ニヤニヤモード期待。
972ー14:2008/10/02(木) 18:15:36 ID:tg6TP7OQ
>>93
乙です〜
2連投お疲れ様です。
サトシを追ってきたのはみのるか・・・
6巻のひよりじゃないけど、女の子が追ってくると思い込んでる時点ですっかり私も
ギャルゲー脳らしい・・・
2部からのニヤニヤモードにも期待です。
誰かを選ぶんだとしたら可能性があるのは、やまとかみさおか?
私も書きたいんですけどね〜
他にも予定がありまして・・・
かがみsideの続きは来週になってしまいそうです。

>どうすれば勢い増しますかネェ。
一番はやっぱり『桜藤祭続編製作決定!!』だと思うんだけどな・・・
こればっかりは角川を信じるしか。
98龍二:2008/10/03(金) 00:16:19 ID:Q4gjvZ53
来週末までに第二部の一話目をUPする予定だったけど
来週、そういえば中間テストでした;;

テスト週間に入っちゃうんで、再来週になるカモ・・・。
おそくなったらゴメンナサイ(汗

あ〜、早く高校生になりたいなぁ〜。
99名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 01:55:53 ID:wwlNrV/m
>>98
高校生になってもテスト期間は忙しいよ
と現実逃避中の高校生のオレが言ってみる
100名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 11:16:35 ID:uRJ8W5g0
>>98
高校生どころか大学生になってもテスト期間はハンパねぇぞ
と現実逃避中(テスト以外のことで)の大学院生の俺が言ってみる
101名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 11:52:22 ID:OVUPh2DG
>>100

社会人になれば四六時中ハンパないけどな。
102名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 12:28:59 ID:vAGarHdd
まあいくつになっても忙しさは付きまとうということで
103名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/03(金) 15:30:32 ID:cQaHsEmR
ってことで仕事さぼって保守する俺を戒めてくれ
1042-837:2008/10/03(金) 22:04:44 ID:etH9ssIc
>>103
保守乙です。あなたの保守でスレは救われた!
となぐさめてみたり…、ウザかったら申し訳ないです

あ、それとまとめの更新をしてくださった方も乙です

そして、2-17氏も龍二氏も乙です
勢いは落ちましたが、ひっそりと続けていけば
新たな職人の方や、以前の職人方もやってくるかもしれません
だから、原作のようにゆっくりまったり落ちないように続けていけば大丈夫だと思います、たぶん
自分は少し忙しくなるので、しばらく投下できなくなるかもしれませんが
書きたいものもまだあるので、いずれ帰ってきます。あいるびーばっく
105名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/04(土) 01:19:17 ID:FajIKRXk
まだまだこんなにたくさん人がいるなら大丈夫っさ

筆(指)は動かず未完で停滞中・・・
妄想力を高めるためにゲームやろうにも時間はなし

もう半年になる
106霧波:2008/10/04(土) 23:45:28 ID:/97j7pGG
初めましてな方、お久しぶりな方共々こんばんは。霧波ですm(_ _)m

何かと色々ありまして長い間投下出来なかったんですけど、ようやっと落ち着いてきたのでこれからもちょくちょく出来たらいいなと思ってます。

とりあえず短めですが一本。タイトルは「うたたね」です。
107うたたね:2008/10/04(土) 23:48:29 ID:/97j7pGG
「いい天気だねぇ〜、みゆきさん」
「本当ですね。日差しがとても心地よいです」

ここはみゆきさんの部屋。俺とみゆきさんは窓際に座り、まったりとひなたぼっこをしていた。
まぁ座っているのはみゆきさんだけで、俺はいつものように膝枕をしてもらってるわけなんだけどね。

「でも、こんだけ気持ちいいと眠くなってくるよね。……ふぁ〜…」

思わず欠伸が出てしまった。滲み出た涙を手で拭くと、みゆきさんも小さく欠伸をしているのが目に入った。
俺の視線に気付いたのか、みゆきさんの顔が見る間に赤くなっていく。

「俺の欠伸が伝染っちゃったかな?」
「は、恥ずかしいから見ないでいただきたかったのですが……」
「バッチリ見させてもらっちゃった。欠伸してるみゆきさんも可愛いよ」
「あ…いえ…その……ありがとうございます」
「どういたしまして。それにしてもこの陽気のせいか、ものすごく眠くなってきちゃったや」
「私もです。……あの、もしよろしければですが一緒にお昼寝いたしませんか?」
「うん、大賛成だよ」

さすがにこの体勢じゃみゆきさんが寝づらいと思い上半身を起こそうとすると、「あの…」と、声をかけられた。
108うたたね:2008/10/04(土) 23:52:32 ID:/97j7pGG


「どうかした?みゆきさん」
「はい。…出来ればあの体勢のままでいてほしいのですが」
「でもみゆきさん寝づらくないの?」
「全然平気ですよ。それに……」
「それに?」
「ゆうさんの顔を見ていると、とても幸せな夢が見れそうですから……」

なんて、顔を赤らめながら言われてしまった。

「そうだね。俺もみゆきさんの顔を見ながらならすごい幸せな夢が見れそうな気がするよ」

そう言ってもう一度みゆきさんの膝に頭を乗せる。目の前には優しい微笑みを浮かべているみゆきさん。これで幸せな夢が見れないわけがない。

「それじゃみゆきさん、おやすみなさい」
「はい。ゆうさんも、おやすみなさい……」

暖かい日差しと暖かな微笑みに包まれ、俺の意識は数分とたたず途切れた。

109うたたね:2008/10/04(土) 23:55:27 ID:/97j7pGG


カシャッ

「んぅ……何の音だろ……」

眠い目を擦ると、目の前にはみゆきさんの寝顔があった。みゆきさんまだ寝てたんだ。なら今の音は?
次に横を向いてみる。するとそこには、

「おはよ〜」

携帯電話を片手に持って満面の笑みを浮かべているゆかりさんがいた。
俺は、何となく予想は付くがとりあえず疑問をぶつけてみる事にした。

「え〜っと……そこでなにをしているんですか?」
「さっき買い物から帰ってきてね、せっかくだからゆうくんも晩ご飯食べていったらどうかなって聞きにきたんだけど〜」
「はい…」
「声をかけても返事がなかったから部屋に入ってみたら二人してお昼寝中じゃない?邪魔しちゃ悪いかなと思って部屋から出ようとしたんだけど二人ともすっごい幸せそうな寝顔してたから〜」
「……してたから?」
「携帯電話のカメラでパシャっとね」
「あぁぁ〜〜っ!」

その後夕飯をご馳走してもらってる間中、俺とみゆきさんはゆかりさんにからかわれ続けたのは言うまでもない。
110霧波:2008/10/04(土) 23:59:50 ID:/97j7pGG
以上です。ご意見ご感想待ってますね
111名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 00:10:13 ID:MoOxN3xZ
乙&GJです!なんてほのぼのなんだ、危うく死ぬところだった…
112龍二:2008/10/05(日) 00:51:54 ID:ZE18Pf3f
GJです!!
いや〜、やっぱりこう、ゆる〜りとした感がたまらないですね!
あ゛ぁ゛〜。オレもこういう文章が書けるようになりたいな。
113牛乳帝国:2008/10/05(日) 23:05:55 ID:4BncNLsm
みなさま、始めまして、うしのちちていこくと書いて牛乳帝国です。
実はほかのサイトで連載やってたんですがこっちでも書いてみようと思います。
けど、どうしてもメインは連載のほうになってしまうのでこっちは遅れ気味になるかも・・・・・・。
まあ、そうなったらそっちの連載サイトのほうに叱咤激励をくれたらなと思います。
まあ、今日はプロローグだけでも。
↓連載してるページです。よかったらこっちも・・・。
ttp://ncode.syosetu.com/n2108f/
114牛乳帝国:2008/10/05(日) 23:06:59 ID:4BncNLsm
 らきすた 〜陵桜学園桜藤祭〜

   After Story プロローグ 「またね、のあとに。」



繰り返されてきた時間

その答えを見つけ出した俺たちは元の時間に戻ってきた

けれど、その記憶は消えると言う

だけど、俺たちには“今”がある

“前”にはなかった“今”・・・・・・

いや、少し違う

俺たちを待っているのは“これから”だ

だから、みんなに見てほしい、聞いてほしい

俺たちの“これから”の話を・・・・・・

COMING SOON・・・
115名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/05(日) 23:39:17 ID:mwtjM7SG
>>113

見させていただいたけど続きが気になるな〜
おもわずニヤニヤしてしまったw
116牛乳帝国:2008/10/06(月) 00:07:15 ID:95QdsOgj
では今書いてきたのでうpします。


「・・・・・・ん・・・・・・もう・・・・・・朝か・・・・・・。」
俺はゆっくりと体を起こした。
携帯のカレンダーを見る。
今日は・・・・・桜藤祭・・・・・・二日目!!


「おはよう!」
と、元気よく挨拶をして教室に入るともうそこにはみんなが待っていた。
こなた「おはよー!セイカ君!!」
かがみ「おはよう、今日はよく眠れた?」
つかさ「うん!今日はばっちりだよ。」
かがみ「いや、あんたに言ったわけじゃないんだけど・・・。」
みゆき「セイカさん、おはようございます。」
と、みんなが挨拶してくれる。
転校してきて初めてできた友達、一緒に困難を乗り越えてきた友達・・・・・・。
俺はまだ覚えている、ループした時間のことを。
てっきり一晩寝たら忘れると思ってたけど・・・・・・まだおぼろげながら覚えていた。
みんなに聞いてみようかと思ったが、やめた。
だって、これから楽しい桜藤祭2日目が始まるのに。
もしみんなが忘れていたらみんなで頭をひねることになってしまう。
だから、俺は。
「みんな、今日は楽しもうね!」
と言った。


117牛乳帝国:2008/10/06(月) 00:08:41 ID:95QdsOgj
桜藤祭の一場面、こなたのあぷろ〜ち


こなた「ねえ、セイカ君。」
「ん?なに?こなたさん。」
みんなで屋台を回っている途中でこなたさんが声をかけてきた。
こなた「だれか誘ったりしないの?学園祭なんてフラグの宝庫だよ(ニマニマ」
「だから、ゲームじゃないんだから・・・・・・。」
こなたさんは事あるごとにフラグがどうのこうのイベントがどうのこうのと言ってきていた。
今日だけで13回目である。
「いいんだよ、俺はこうやってみんなと回ってるだけで楽しいから。」
こなた「う〜む・・・そうやってハーレムエンドを目指そうと・・・・。」
「いや、それはないから。」
そう言ってみんなのほうに戻る。



こなた「・・・・・・・・・・ほんとに・・・・・・・セイカ君は鈍いなぁ。」

と、つぶやくこなたさんの姿があったがもちろん俺には聞こえてなかった。

118牛乳帝国:2008/10/06(月) 00:12:41 ID:95QdsOgj
と、言うわけで今日はここまで。
ちなみに主人公は連載小説の主人公から抜粋、本名・平野征禍(ひらのせいか)
どうしても伊藤まことにするのはいやだったので・・・。
個人的にSchool Days が好きではないので・・・好きな方ごめんなさい!!

こなたの話を書いていたら自分までニヤニヤしちゃったZE☆

最終的には誰ENDにしようかな・・・。
皆さんは誰がいいですかね?
119名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 00:13:32 ID:k+hNh9fD
( ゚∀゚)o彡°白石!白石!
120名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 00:21:58 ID:k+hNh9fD
っていうのは嘘ぴょんで自分はかがみ希望かな
121名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 01:45:09 ID:hut6dW/J
誰でもいいが三角関係ないし四角以上の関係になって修羅場になれば面白くなりそうだな。
122龍二:2008/10/06(月) 03:22:20 ID:TVDep/K0
いっそハーレムエン(ry

ケンカしない程度の修羅場もいいかも。
ケンカとかしたらもう
「ほら、なかに誰もいネェ!!」
ってまことくんみたいになっちゃう気がするのでw

そういえば、連載してるサイトが同じですね!
お互い頑張りましょう!応援してます!
123名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 13:12:14 ID:tfnLkZc3
>>118
空気を読まずにひよりん希望と言ってみる
124名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 15:00:45 ID:6hZz/XI+
>>118
大穴で小神あきらを希望。
アニメ版最終話では、ゲストして桜藤祭に参加化していたので、
主人公に絡ませるのは不可能ではないかと
125牛乳帝国:2008/10/06(月) 22:41:12 ID:95QdsOgj
どもども、こんばんわ。
では軽く修羅場を交えてみたのでごらんください

126牛乳帝国:2008/10/06(月) 22:43:26 ID:95QdsOgj
活気があふれてる。
正直にそう思った。
前にいた学校もそれなりに活気はあったのだが公立だったためどうしてもこういった屋台は開けない。
まあ、盛り上がってたのは有志によるライブくらいだったな、と思い出す。
あれはあれでよかったけど。
「やっぱ・・・こっちも楽しいな。」
みんなは元気でやってるだろうか?

127牛乳帝国:2008/10/06(月) 22:44:54 ID:95QdsOgj
こなた「お!あそこのポップコーンなんてかがみが太りそうじゃない!?」
「ちょ!こなたさん!!そんなこといったら鉄拳が・・・・・・」
ゴスッ!!
ああ、遅かった。
かがみ「アア!?なんか言ったか?こなた。」
こなた「ちょ・・・かがみ、ゴットハンドクラッシャーは海馬様に言われてからに・・・・・・。」
かがみ「うっさい!黙れ!!」
そんなやり取りの合間につかささんが
つかさ「セイカ君、海馬様ってだれ?」
と、訊くので。
「えと、『非ぃ科学的だ!!』とか言う人。」
つかさ「????????」
ああ、つかささんの頭の上に?がわっしょいしてる。
こなた「まあ、それはそれとして、ポップコーン買って来るね。」
かがみ「はいはい、いってらっしゃい。」
こなたさんは颯爽とかけていく。
ポップコーンの屋台で一番小さいサイズを買って戻ってきた。
みゆき「泉さん、そんな小さなものでいいのですか?」
こなた「いいのいいの、これだけでおなか膨れたらもったいないじゃん。」
つかさ「そうだよね。どうせならいろいろなものいっぱい食べたいなぁ。」
かがみ「つかさ、前に縁日行った時にも言ったけど、お財布の中身と相談しながらね。」
つかさ「うう、やっぱり学園祭の屋台は高めだよぉ・・・・・・。」
「たしかに、ちょっと値段設定が高めだよね、学園祭に限らずに屋台って。」
そういいながら周りの屋台の値段を見ると、やはり普通のお店よりも高い。
みゆき「そうですね、きちんと考えて買い物しないとすぐになくなってしまいます。」
一応自分の財布の中身を確認してみる。
うん、3500円、十分だ。
128牛乳帝国:2008/10/06(月) 22:47:59 ID:95QdsOgj
こなた「ねえねえ!お化け屋敷行ってみない?」
「ん?ああ、たしか結構本格的って話の奴?」
こなた「そうそう!!試しに行ってみない?」
と、みんなに訊く
「俺はかまわないよ。」
かがみ「へえ、お化け屋敷か・・・・・・いいわね!」
つかさ「お姉ちゃん意外〜。てっきり嫌がると思ったのに・・・・・・。」
かがみ「何言ってんのよ。前にみんなでホラー映画見に行ったじゃない。明らかに本物じゃないってわかってる奴は平気よ。」
「ってことは、ほんとの心霊スポットとかは駄目なんだね。」
かがみ「うううううっさい!!だからお化け屋敷は平気よ!!」
みゆき「あの・・・実は私は結構苦手なのでお待ちしていてもよろしいですか?」
つかさ「うう・・・私もやっぱり怖いから待ってるね。」
こなた「ええ〜、せかっくだからみんなと行こうと思ったのになぁ〜。」
「まあまあ、こなたさん。どっち道5人で行っても絶対に分かれて入らなきゃいけないだろうしまあ、しょうがないよ。」
こなた「うそつき〜。本当はみゆきさんと『キャ!!』ぽよん『み、みゆきさん!む、胸があたってる!!』とかやりたいくせに!!」
「ちょ!何言ってるのさ!!」
こなたさんは相変わらずセクハラだよなぁ・・・・・・。
129牛乳帝国:2008/10/06(月) 22:53:06 ID:95QdsOgj
と、いうわけで
こなた「到着〜。」
俺たちはお化け屋敷についた。
ちなみにつかささんとみゆきさんはこのあたりの喫茶店で待っている。
こなた「さあ、セイカ君。」
「うわ!?な、なに!?」
こなたさんが引っ張るのでその後についていく。
その後にかがみさんも
こなた「これをみたまへ〜。」
「え〜っと・・・・・・カ、カップル限定!?」
かがみ「な、なによこれ!!こなた!!こんなの訊いてないわよ!!」
こなた「そそ、ここって男女ペアしか入れないんだよねぇ。」
「ええ!?何でそんなところを!?」
こなた「ここが怖いって教えてもらったから。」
かがみ「誰によ!?」
こなた「黒井先生。」
・・・・・・・・・・・・・・・ん?
「こなたさん、ここってカップル限定なんじゃ・・・・・・。」
こなた「教師の特権だとかいって一人で入ってひどい目にあったとか何とか。」
かがみ「そ、それはまた・・・・・・。」
「黒井先生らしいと言うか・・・・・・。」
先生、自爆おつです・・・・・・
130牛乳帝国:2008/10/06(月) 22:54:48 ID:95QdsOgj
こなた「で、どうする?」
かがみ「なにをよ」
こなた「だから男女ペア限定なんだってば。」
そうだ、つまりは・・・・・・。
こなた「セイカ君が私たちを選ぶか私たちでどっちがセイカ君と行くかを決めないとね〜♪」
かがみ「べつに先に行ったほうが終わったら残ったほうとセイカ君がペアを組めばいいじゃない。」
こなた「かがみ、それはノコギリフラグが立ちまくっちゃうよ?」
かがみ「なによそれ?」
こなた「知らないほうが幸せだよ・・・・・・。」
「俺もそう思うよ・・・・・・。」
ネタを知ってる手前、同意せざるを得ない。
ああ、あれをはじめてみたときは本気で怖かったなぁ・・・・・・。
こなた「じゃあ平等にセイカ君に決めてもらおうか。さあ!!どうする!?」
「ええ!!ここで俺に振るの!?」
さ、さすがこなたさん。変なところに選択肢を持ってきたな。
っていうか、はじめからこうなるのを狙ってたってことか・・・・・・。
さて・・・・・・どうしよう?

選択肢
1、こなたさんと
2、かがみさんと
131牛乳帝国:2008/10/06(月) 22:57:36 ID:95QdsOgj
「どうする!?どうするよ俺!?CMならここで終わってくれんのに!!」
ってかんじで今日はここまで〜。
連載のほうも見てくれると嬉しいな、あ、6話追加しますた
ちなみに選択肢の先は両方書く予定なので意味はないZE☆

ではでは〜
132牛乳帝国:2008/10/06(月) 22:59:18 ID:95QdsOgj
あ、連載もよろしくです〜
人生\(≡ω≡.)/こなた 
ttp://ncode.syosetu.com/n2108f/
133名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/06(月) 23:35:48 ID:HFxXIbSh
乙です!
134名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/07(火) 01:13:56 ID:BDMTVkP9
乙乙乙!!!!!なんて展開が楽しみな状況なんだ
135名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/08(水) 21:38:46 ID:GocBM7Z7
乙。でも宣伝は程ほどに
1362−14:2008/10/08(水) 23:21:16 ID:4JoSBCZC
いや〜人が少しづつ戻って来ているのが嬉しいですね
>>110
乙です〜
ほのぼのしてていいですね〜
ゆかりさんにとっては、主人公もいいネタになるのか・・・
みなみに続いてw

>>131
乙です。
というかこのSSに出てくるネタが分かってしまうあたりどうなんだろう・・・
次回も楽しみにしています。
個人的には予想よりもリアルで怯えまくるかがみんに期待。


それでは、私も『かがみside〜ラキレボ編』の続きを投稿したいと思います(>>60の続きです)
137かがみside〜ラキレボ編:2008/10/08(水) 23:22:42 ID:4JoSBCZC
「アカン・・・」
 「もう限界かも・・・」
 「正直、辛いです・・・」
 私達3人の声が職員室に響く。
 「だ、大丈夫なの?3人共?」
 心配そうに声を掛ける祐一くん。
 この日も私達3人は黒井先生に呼び出されていた。
 もちろんダイエットの状況についてだ。
 だけど、私はもちろんのこと、みゆきと黒井先生もかなり辛そうな表情をしていた。
 「何か、肌まで荒れ出して来たで〜」
 「私は、神経質になって来てまして、最近は寝不足気味で、歯まで痛くなって来て・・・」
 「みゆきさん、それは虫歯なんじゃ・・・」
 「ち、違います、虫歯じゃ無いです!ただ歯が痛いだけなんですよ!」
 祐一くんの指摘を全力で否定するみゆき。
 「私は、祐一くんが2人に見えるわ・・・」
 その言葉と同時に私の身体がグラリと揺れる。
 「か、かがみさん!」
 慌てて祐一くんが私の身体を支える。
 「あ、あはは〜ありがと」
 「かがみさん、ちゃんとご飯食べてる?今日のお昼はダイエット食品で済ませようとしてたみたいだけど・・・」
 「な、何で知ってるのよ?」
 「つかささんがお弁当箱空けたら『10秒チ○ージ』が出てきたから」
 「うっ・・・」
 また、渡し間違えたんだ・・・
138かがみside〜ラキレボ編:2008/10/08(水) 23:24:06 ID:4JoSBCZC
「ご、ごめん、つかさには謝っといて・・・」
 消え入りそうな声で言う私を祐一くんは心配そうな目で見つめる。
 (そ、そんな目で見られると、また・・・)
 昨日の夜、祐一くんのことでドキドキしたことを思い出す。
 「あ、ありがとう。もう大丈夫だから」
 私はお礼を言うと祐一くんから身体を放す。
 「マズイで〜ここに来て体重が落ちなくなって来たしやな」
 「黒井先生もですか?」
 「『も』ってことは柊もかいな?」
 「目標まで本当に後ちょっとなんですけどね」
 みゆきも同じらしく、私達の意見に同意する。
 「かと言って今更、違うダイエットを試す時間もあらへんし・・・」
 「桜藤祭まで、後2日しかないし・・・」
 「辞退・・・するしかないんでしょうか」
 『はぁ〜・・・』
 私達3人のため息がハモる。
 「そ、そんな・・・何とか頑張って見ようよ!!大丈夫!きっと何とかなるよ!俺も全力でサポートするから!」
 私達を励ますように言う祐一くん。
 「でも、根拠は何も無いわよね〜」
 「ウグッ・・・そ、それは・・・」
 私の指摘に言葉に詰まる祐一くん。
139かがみside〜ラキレボ編:2008/10/08(水) 23:25:21 ID:4JoSBCZC
「・・・まあ、でも男子にそこまで言われてやらない訳にはいかないわね」
 「そうやな、それにここまで来て投げ出したら、今までの苦労が水の泡やし」
 「最後までベストを尽くしましょうか?」
 笑いながら言うみゆきや黒井先生を見ながら、私も決意を固める。
 「よし、じゃあ最後までやるだけのことをやるで、絶対に後悔はせーへんようにな!」
 『はい!』
 「あ、でも・・・3人共本当に体調には気を付けてね」
 「分かってるわよ、煽っといて心配しないの!」
 「そうですよ。それにいざとなったら祐一さんが助けて下さるでしょうし」
 「あ、うん、それはもちろん・・・」
 笑いながら言うみゆきに、照れながら答える祐一くん。
 その姿を見て―――
 「・・・」
 私は何故か、思わず2人から視線を逸らした―――
140かがみside〜ラキレボ編:2008/10/08(水) 23:26:47 ID:4JoSBCZC
 “ハァ・・・ハァ・・・”
 走っている私の息遣いだけが聞こえて来る。
 結局ダイエットの基本に立ち返った私は、学校から帰った後こうしてランニングをしていた。
 (全く・・・何考えてるのよ・・・あいつは・・・)
 午後の授業で起こったことを思い出しながら、私は『その時』のことを思い出して恥ずかしくなる。
 授業中にいきなり、隣りのクラスから祐一くんが私のクラスに来て―――
 

141かがみside〜ラキレボ編:2008/10/08(水) 23:35:14 ID:4JoSBCZC
「かがみさん!」
 祐一くんは私の名前を呼びながら教室に入って来て―――
 いきなり、私の手を握った。
 「ち、ちょっと!一体何やってるのよ!!」
 私の声を無視して、真剣な眼差しで私を見つめる祐一くん。
 「おー!これはコクりだな〜。みんな〜これから祐一が柊に告白するってよ〜」
 (えええっ!!)
 日下部の声に心の中で動揺する私。
 「みさちゃん。柊ちゃんにとっては大事なことなんだから、からかっちゃダメだよ」
 峰岸の声も聞こえているのか、いないのか―――祐一くんは真剣に私を見つめ続ける。
 「ち、ちょっと待って!まだ、心の準備が―――」
 (ってこれじゃ、まるで私が、こ、告白されたらOKみたいじゃ―――)
 自分で自分にツッコミを入れる私。
 「かがみさん―――」
 「な、何?」
 ドキドキする自分の心臓の音しか聞こえなくなる。
 そして、祐一くんは口を開いた。
 「ダイエット頑張って!!」
 「・・・・・・・は?」
 思わず目が点になる私。
142かがみside〜ラキレボ編:2008/10/08(水) 23:35:59 ID:4JoSBCZC
「そりゃ、ダイエットなんてしたことない俺には辛さを理解しようったって無理なのかも知れないけど、
  でも、俺はかがみさんを信じてるから!」
 「あ、ありがとう。うん、応援してくれるのは嬉しいんだけど・・・言いたいことはそれだけか?」
 思わず口調が変わる私。
 「えっ?う、うん。そうだけど・・・」
 戸惑いながら答える祐一くん。
 「ふ〜ん・・・そうなんだ」
 だんだん、怒りのボルテージが上がって行く私。
 「何考えてるのよ、アンタは〜〜〜!!」
 「えっ?ええっ?」
 「馴れ馴れしく手を握るな!」
 手を振り解く私。
 「ダイエットダイエット連呼するな!」
 握り拳を作る。
 「後、今は授業中だ〜〜〜!!」
 そのまま、私のパンチが祐一くんの顔面を掠めた。
 「ご、ゴメンなさい〜〜〜!!」
 パンチを交わした祐一くんはそのまま教室を出て行った。
143かがみside〜ラキレボ編:2008/10/08(水) 23:36:45 ID:4JoSBCZC
(全く、恥ずかしかったわよ・・・)
 それに疑問に思うこともあった。祐一くんに告白されるかもと思った時に、私は―――
 (まさかね―――)
 私がそんなことを考えていたその時だった。
 「やっと見つけた・・・かがみさ〜ん!!」
 「ゆ、祐一くん!?」
 そこには何故か、祐一くんがいた。

  「で、何でここにいるのよ」
 並んで家に帰りながら、私はそう祐一くんに聞いていた。
 「ほら、さっきも言ったじゃない。ダイエットのサポートをするって」
 「ああ・・・でも大丈夫よ?一人でも何とかなるし」
 「う〜ん、それでもね。黒井先生やみゆきさんにも頼まれたしね」
 「何をよ?」
 「自分達は大丈夫だから、俺はかがみさんをサポートしてやってくれって。かがみさんダイエット何回も失敗してるんでしょ?」
 「うっ・・・」
 嫌なところをついてくる祐一くん。
 「で、でもよく私の家が分かったわね。つかさにでも連れて来て貰ったの?」
 「ううん、つかささんは用事あるみたいだったしね、だからこなたさんに聞いて来たんだ」
 「なるほどね・・・」
 「で、家に行ったら、お姉さん達に会って・・・」
 「姉さん達に会ったの?」
 「そうじゃなきゃ、かがみさんがどこにいるかなんて分からないだろ?」
 「そ、そうよね」
 (な〜んか嫌な予感が・・)
 そんな私の考えを他所に祐一くんは話し続ける。
144かがみside〜ラキレボ編:2008/10/08(水) 23:38:12 ID:4JoSBCZC
かがみさんって5人姉妹なんだね」
 「えっ?5人?・・・ウチは4人姉妹よ?」
 「でも、お姉さん達3人居たよ?ショートヘアの人が2人とロングの人が1人・・・」
 「あ〜それか・・・ロングはお母さんよ」
 「へっ?」
 心底驚いたような表情を見せる祐一くん。
 どうせ、お母さんのことだから『長女です〜』とか言ってたのね。
 「そういえば、かがみさん、俺のことを面白おかしくお姉さん達に喋ったりしてないよね?」
 「何で?」
 「いや、俺が『かがみさんに用事が・・・』って言ったら、『なるほどね〜』とか『かがみはああいうのが・・・』とか
  言ってたからさ〜気になっちゃって」
 考え込む祐一くん。
 「べ、別に祐一くんが気にすることじゃないわよ」
 そう言いながら、私達は歩き続ける。
 「で、かがみさん。どう?ダイエットの調子は?」
 「正直、微妙ね・・・本当にギリギリだろうし」
 これから帰って体重計に乗って見ないと分からないと言うのが本当だった。
 「・・・やっぱり分からないな〜」
 「何がよ」
 「今回はミスコンがあるからって言うのは分かるけど、どうして女の子ってそこまでダイエットにこだわるの?体調崩しそうになるほど・・・」
 「・・・祐一くんには分からないかもね。女の子はいつだってキレイでいたいと思うのよ」
 「いや、だからそれこそ分からないって。ダイエットなんかしなくたってかがみさんは十分キレイだと思うけど」
 「なっ、何言ってるのよ・・・」
 思ってもみなかった祐一くんの言葉。
145かがみside〜ラキレボ編:2008/10/08(水) 23:39:01 ID:4JoSBCZC
“ドキン・ドキン・・・”
 また、私の心臓の鼓動が早くなる。
 そして、私はとんでもないことを聞いていた。
 「例えば、祐一くんだって『自分の彼女』は可愛いほうがいいでしょ?」
 「へっ?い、いやそれはまあ・・・」
 みるみるうちに顔が真っ赤になっていく祐一くん。
 その様子を見ている内に、私も自分の質問の意味に気づく。
 (こ、これじゃまるで私が祐一くんの、か、彼女になりたいみたいじゃない!!)
 「ち、違うわよ!こ、これはあくまでものの例えで、べ、別に祐一くんのことがどうとか思ってるんじゃないからね!!勘違いしないでよ!!」
 「わ、分かってるよ」
 それでも、まだ顔が真っ赤の祐一くん。
 (いや、人のことは言えないか・・・)
 私は心の中でそんなことを思っていた。
 きっと、私も似たようなものだから―――
146かがみside〜ラキレボ編:2008/10/09(木) 00:00:50 ID:4JoSBCZC
「・・・」
 お風呂上りの私はジッと目の前の体重計を見ていた。
 もし、この段階で目標体重に達していなかったら、ミスコンへの出場は辞退しないといけないだろう。
 (それにしても・・・やっぱり予想通りだったわね)
 祐一くんと別れて家に戻った後、私を待っていたのはまつり姉さんといのり姉さんからの質問攻めだった。
 『あの彼とはどこまで行ったの?』とか『付き合い始めてどれくらいよ?』とか・・・
 『そんなんじゃない!!』って全力で否定したんだけど、2人共聞く耳持たないし。
 『ほら、まつりもいのりも、かがみをからかっちゃダメよ』
 お母さんがそう言った時には、助けてくれたのかと思ったんだけど・・・
 『かがみから紹介してくれるまで、待ってあげなくちゃ』
 『だ〜か〜ら〜!!』
 結局、そのままお風呂に入るまでずっとからかわれ続けた。

 (全く・・・みんなそんなに私を、祐一くんの・・・こ、恋人にしたい訳?)
 自分で言って自分の言葉にドキドキする私。
 (と、とりあえず今は、体重の方が問題よ)
 ダイエットを手伝ってくれた祐一くんのためにも、何としてでもミスコンに出ないと申し訳ないし・・・
 私は結果を見るのが怖くて、目を閉じながら体重計に乗る。
 そして――ピピッと計測が終わった電子音が聞こえる。
 私は、おそるおそる目を開けた―――
1472ー14:2008/10/09(木) 00:04:40 ID:Nrx4Y9o1
ううっ、最後だけageてしまった・・・

今回はここまですね〜
ミスコン直前の様子、告白もどきのシーンを書いて見ました。
後半のオリジナルシーンは、あの告白もどきの後、ありそうな会話を想像して書きました。

次回はいよいよミスコン当日。ラキレボ編ラストかと

楽しみにして頂けると嬉しいです。それでは!!
148名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 00:06:01 ID:WzMVOso1
>>147
乙!
次が楽しみです
149名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 00:06:34 ID:GocBM7Z7
乙です。
次を楽しみにしてます
150名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 00:08:52 ID:cAlktOEm
これはいいニヤニヤ。乙です!
151名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 00:14:17 ID:Vbd6x1s8
素晴らしい
152名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/09(木) 02:28:47 ID:TagQiiQy
乙です!次も楽しみにしています!
153龍二:2008/10/10(金) 01:44:01 ID:WjZm77cj
>>131
乙です! な ん だ か
も り あ が っ て ま い り ま し た ! !

>>147
女の子視点をこんなうまく書けるのすごいな〜、とか思った。
Nice ニヤニヤ。 超GJです!

え〜、また来ちまいました。AKY(あえて空気ry)の龍二です。
今日はテストです。なのにSSを書いている自分がなんとも…。

第二部少しできました!今回は演劇だけでなく、
アニメ版にしたがってチアもあるので、「キスしないの?」って
言われるのが放課後でなく、昼休みまで繰り下がってます。

なんか微妙に時間設定おかしくね?とか思ったら伝えてくだせぇ。

とりあえず保管場↓
ttp://ncode.syosetu.com/n0788f/

誤字脱字、その他意見などはコメントにお願いします。↓
ttp://ameblo.jp/26310/

さて、宣伝は程ほどにしておきまして。

「遠く、どこまでも近いモノ」第二部、スタートです。
154龍二:2008/10/10(金) 01:45:56 ID:WjZm77cj
―――――――――――――――――――――――――
 「遠く、どこまでも近いモノ」

第二部 「浅はかな記憶、知らない自分の恋愛事情」
―――――――――――――――――――――――――

………………。

…………………………。

「また…。『オマエ』か…。」

二度も辿り着いた、白い世界。
…夢だとわかっている。わかっているが、『前の』オレの事が気になった。

オレの夢なのだから、『前の』オレといっても、オレの中で勝手に想定されたものなのだけれど。
それでも、話そうと思った。話さないといけないと思った。

「…でてこいよ。オレに言いたい事があるんだろ?もう一人のオレ。」

「………。」

なぜか、『その』オレは現れることもなく、口を閉ざしていた。
だけど、なぜか感じる、その『存在感』。

その『存在』は、オレの目の前によってくる。姿は、見えない。
……そして気がついた。オレは今、この『存在』に押し倒されているではないか。

抵抗も何もできない。夢だとわかっている。それでも、恐怖はオレから離れない。
ガッシリとオレをつかんだ『それ』は、やがて声をあげる。
155龍二:2008/10/10(金) 01:46:25 ID:WjZm77cj

「ククク…。美味しそうだ。その心、程よい純粋さ。まるで子供のようだ…。」

「…だれだ…!だれだよ、オマエ!『オレ』じゃないな!?オマエ……誰だ!?」

「私が欲しいのは…。そう。魂。欲するものは、お前の心。」

「なにを…言ってるんだ…。」

すると、その『存在』は、いくつもの『存在達』に分かれていく。増殖したのだ。
意味がわからなかった。オレではなく、いくつも存在する、『それ』。

「やめたほうがいいんじゃないかな。」

「フフフ…いいんだよ。面白そうだもん。」

面白そう…?オレを苦しめて、楽しんでいるのか?
…まさか…オレはこの夢の中で…、

………死……。

「マインドクラッシュ!!」

「う、うわあああぁぁぁああああっっ!!」


ゴスッ!!


オレが押し倒されている状態から飛び起きたとき、姿が見えなかった『それ』に
オレは思いっきり頭をぶつけた。頭に激痛が襲う。
156龍二:2008/10/10(金) 01:47:48 ID:WjZm77cj
「あ、おはようございます、サトシさん。」

……目を開けると、そこは白い世界ではなく―――、
オレの部屋だった。しかも、そこには見たことのある人たちが集まっている。

「おぅぉぉぉおおおお…。これは効いたよ、サトシ君。」

オレの足の上で頭を押さえて悶絶しているのは、こなたさんだった。
そしてオレをおはようの挨拶で迎えてくれたのは、ゆたかさん。

「お〜、マジで寝てるヤツに囁いたら効果あるもんなのな。すげぇ〜な〜。」

「ちょっと可愛そうな気もするけれど…。」

「この時間に起きないヤツが悪いのよ。いいお目覚めになったんじゃない?」

「そりゃあ朝から頭ゴッチンコなら私でもさわやかなお目覚めっスよ!」

目のぼやけが直ってくる。だけど、さっきの白い世界以上に、この光景の方が
夢としか思えなかった。…そりゃあそうだろう。
世の中の皆さん。こんな展開がありえるだろうか。転校二日目の朝っぱらから…。
157龍二:2008/10/10(金) 01:52:49 ID:WjZm77cj
「お邪魔しています。サトシ先輩。」

「ふぅん、怒りっぽいイメージあったけど、なかなか可愛い顔してるのね。」

「あれれ〜?サトシ先輩に萌えちゃったのかな?やまと〜ぅ?」

「ちがっ…そういう意味じゃなくて…!!」

自分の部屋に女子がいると思うか?…しかも、大人数。
メールをくれた女子、ほとんど全員がオレの部屋に集結していた。
こなたさん、かがみさん、つかささん、みゆきさん……みんな。

「やまとサン、Niceツンデレデスヨ!!」

「あんた達…!!」

「よし、わかった。何もわかってないが、わかった。とりあえず状況を説明してくれ。」

「わかってないんじゃない。」

「まぁどっちでもいい。とにかくこの状況はなんだ?」

みゆきさんの説明によると、「昨日の事を不安がったオレは学校にいかないのでは」と思い、オレの家に
来たところ、みんなも全く同じ考えでオレの家の玄関に走ってきたらしい。
158龍二:2008/10/10(金) 01:53:25 ID:WjZm77cj
「シンクロニティ…。」

「なんのマンガですか。」

「そういえばみゆきさんは蟷螂拳とかできるよね。」

「知りません。」

で、みんなが集まって10分しても起きないので、こなたさんが
オレのベットに登ってオレの耳元で色々と囁いたらしい。

「…おかげでとぉってもい〜い夢、見させてもらったよ。………こなたさん。」

「え、笑顔が笑ってないよサトシ君。…まぁ一言だけ言わせて。」

「……何?」

「サトシ君…。爆☆殺!!」

「まさか夢で聞こえた『マインドクラッシュ!!』って……。」

「お〜♪出た?出た!?夢に出た!?」

素直に喜んでいるこなたさんの顔を見て、オレは心からため息をする。
少しだけ、ホッとしたような気もするけど。
159龍二:2008/10/10(金) 01:54:55 ID:WjZm77cj
「いくつもの『存在達』ってのはみんなの事だったのか…。」

「どしたの?そんなに夢が怖かった?」

「いや、別に。死ぬかと思ったけどさ。」

「なっさけねぇ〜な〜。」

「しょうがないだろ。みさおさんだって、
ああいう状況になったら戦慄を感じるって。」

「あ、名前もう覚えてくれたのか?ありがとな〜。」

ん?…なんだか覚えた、というか普通に条件反射で名前が出た気がする。
この人の名前は…日下部 みさお さんだったっけ?

なんだか、昨日と違う。頭が冴えているカンジで、みんなの名前が
パッパと浮かんでくる。……もう少し頑張れば思い出せそうな気もするが。

「ねぇねぇ。私の名前は覚えてる?」

「あやのさんですよね。そして右にいるのが、かがみさん。それと…」

驚いた事に、オレは思い出してもなく、直感で出た名前を言うだけで、
全員の名前を答える事が出来た。

「お、これは幸先いいんじゃない!?名前だけじゃなくて、何があったか
思い出してみてよ!インパクトのあったことだけでもいいからさ!」
160龍二:2008/10/10(金) 02:56:36 ID:WjZm77cj
「ん〜……。いきなり言われてもな。」

「なんか思いださねぇか?」

みさおさんの顔が近づく。……不思議と、その接近した顔には覚えがあった。
デジャヴ…。だろうか。その光景から、なにがあったかを思い出す。
……たしか…あれは……。

「……わッ!?」

「どうした?サトシ?」

「い、いや、何でもない!何でもないっっ!!」

「大丈夫?顔、赤いわよ?」

「そ、そんなことないっ!絶対ないっ!!」

絶対あるなぁ、と、オレは自分で言いながら思っていた。
みさおさんの顔を見て思い出したこと。それは…、演劇が終わった後の事だった。

演劇が終わって…。木の幹で昼寝していたオレをみさおさんが起こして…。
それから……それから…。

またもや顔が赤くなる。今にも爆発してしまいそうな程に。
そう。オレは…いや、できては無かった気がするけど。
みさおさんにオレは。…告白なんてしたような記憶。
161龍二:2008/10/10(金) 02:57:38 ID:WjZm77cj
「わぁ…。首筋まで赤くなってるよ。」

こなたさんの顔が近づく。その顔にまた覚えがあって…。
思い出すと、また、顔が赤くなる。
告白……!?しかもここにいるみんなの殆どに!?何やってんだよ『前の』オレ!!

「大丈夫なの?いきなり赤くなって。」

かがみさんの顔が見える。

「う、うわっ!いや、大丈夫、大丈夫だからぁッ!!」

「どうみても大丈夫じゃないよ。熱があるならいってよ。」

つかささんの顔が見えて…。

「ふおっ!いやッ!別に異常ないですッ!さぁ早く学校に行こうか!!」

「…まぁ、大丈夫ッスよ。行けるって言うなら行けるッス。こんな状態、私からしては珍しくないッスから。」

ひよりさんの顔が…。

「うぉう!!う、うん!そうですとも!!さぁLet's go to school!!」

その後、登校中にたくさんの女子に囲まれるオレを見通す男子の目線が痛かったが、
それ以上に、その女子の殆どにオレが目を合わせられない状態だったのがもっと辛かった…。
162龍二:2008/10/10(金) 02:58:28 ID:WjZm77cj
「え〜、せやから、宗教上の問題によって魔女狩りを神判と変更する必要があったんやな。」

世界史の授業。珍しく居眠りをしていないオレは、真面目にノートにメモを取っているのではなく…。

(あぁぁああぁあぁあぁぁぁ。なんだよ…。『前の』オレよ…。
お前ってヤツはこんなにもすけこましだったのかオイ…。)

オレは告白シーンを頭の中で何度もリピートし、顔を真っ赤に染めていた。
いつの間にかノートにはビッシリと文字が書かれている。

「みゆきさん かがみさん ゆたかさん みなみさん ひよりさん
 こなたさん パティさん みさおさん つかささん ・・・。」

そう。オレのノートにはいつの間にか告白されたり、した人たちの名前がビッシリと並んでいた。
そしてその文字はどんどん読み上げられていく。
……読み上げられていく?

「みゆきさん かがみさん ゆたかさん みなみさん ひよりさん
 こなたさん パティさん みさおさん つかささん みゆきさん
 ゆたかさん こなたさん パティさん みさおさん つかささん 
 みなみさん ひよりさん こなたさん かがみさん ゆたかさん ・・・。」

「うわっ!?先生、いつの間に!!」
163龍二:2008/10/10(金) 02:59:02 ID:WjZm77cj
「友達の名前覚えよったんかぁ〜。えらいこっちゃな〜。」

「きょ、恐縮です…。」

「でっ♪もっ♪ねっ♪」

「う゛っ!殺意が・・・。」

ゴスッ!!

オレの頭に拳骨が打ち落とされ、痛感がほどばしる。

「ふぐり!!」

「授業中にやることやないわな〜。」

「ご、ごめんなさい・・・。」

そうして、授業は淡々と終わっていった。

「で!!」

「うわ、いきなり何だよこなたさん。」

授業後、魂の抜けた虚ろな目でボーッっとしていたオレにいきなりこなたさんが詰め寄る。
164龍二:2008/10/10(金) 03:00:42 ID:WjZm77cj
「演劇の役割を決めたいのだが。」

「…あぁ。アレね。了解。」

「でも、もう決まってるけどね。」

「は?」

「シロウ役。キミの演技は毎回スバラシイから、今回はキミの為に席を
あけておいたんだよ。かがみと初共演だよ♪がんばりたまへ〜。」

シロウ役…。先生が言っていた通りだ。かがみさんと初共演…。てことは、
いままではかがみさんがこの役をやっていたのだろうか。

「シロウ役か。いつもはかがみさんと共演してなかったみたいだけど、かがみさんはシロウ役だったの?」

「あ、そうか。『今の』サトシ君は何も知らないんだっけ。かがみは他の女の子のキャラ役でね。
いつもはかがみが足をねんざしちゃって、これから君がやる男の子のキャラ役だった人に
その女の子のキャラの役をしてもらって、それでキミが男の子の役をすることになったの。」

「ふ〜ん。その男の子のキャラってのがシロウってわけね。」

「そゆこと!で、その女の子のキャラの役はやっぱりかがみがいいから。
よ〜くかがみの事を見守っておく事!わかった?」

「りょ〜かい。善処しますよ。」
165龍二:2008/10/10(金) 03:01:16 ID:WjZm77cj
演劇…。それを思い出すとなんだかやはり恥ずかしいものしか浮かばない。
何が恥ずかしいのかはわからない。でも、これを思い出したらとても恥ずかしいのはわかる。
やっぱり少しだけ顔があからむ。演劇の後…。わかっていることは、あの時だけ。

「それと・・・。」

「ん?」

「いや、なんでもないよ。あえて言わないでおく。」

「む?ま〜いいけど。」

そして積み重なる退屈な授業を受け流し(ちゃダメだろ!?)

昼休みが始まった…。

「ヘイ!サトシくんっ!!では早速屋上にいこうじゃないかああぁぁぁあああッッ!!」

「うお!?なぜそんなにハイテンションなんだこなたさん!」

「昼ですよ!学校で手に入る唯一のフリーダムですよ!」

「いや、一応規則は守らないといけないから、リバティになるとおもうけど…。」

「いいからくるんDA☆!!演劇についてとかチアについてとか話さないとね!」

オレはこなたさんにずるずると引きずられていく。
仕方ないね。オレ、体重軽いしね。つかささんより下だしね。
166龍二:2008/10/10(金) 03:01:59 ID:WjZm77cj
「お〜、来た来た。遅いぞ、こなた、サトシ君。」

かがみさんとみんながそこで昼飯を食べていた。
あれ!?昼休み始まってからすぐにこなたさんに引きずられて行ったよな?
なぜオレよりもみんなのほうが早いんだ!?

「チンタラ歩いてるからよ。みんなはやる気十分なんだから、これくらい当然よ!」

なんだか普通に読心されてるが、気にしない。

「で、演劇の役目は決まってるそうだね。オレはケンシロウ役だったっけ?」

「シロウよ!なんで一気にグロテスクな方向に変わるかな!!」

「そうなのか…。オレ、北斗百裂拳くらいならできるのに。」

「あんなメチャ早い手の動き、ムリに決まってるでしょ。やってみなさいよ。」

「ほぉ あぁ たぁ たぁ たぁ たぁ たぁ …。」

「遅ッ!!もう連打とも呼べないわよそれ!」

「違う…。これは遅いんじゃない。早すぎて遅く見えるだk

「懐かしいネタはもういいから。とにかく座ってよサトシ君。」

こなたさんが珍しく仕切ってる。えらくやる気満々だなぁ。
さて…、オレも座って昼飯の弁当箱を開けて、と…。
167龍二:2008/10/10(金) 03:03:24 ID:WjZm77cj


「ハズレ」


ハズレ……?

弁当箱のなかには「ハズレ」と書かれた紙が一枚入っているだけだった。

「あのヤロウ……!!」

「ぶはっ!ハズレって!サトシ君のお母さんも面白いもんだねぇ!ってか吹いたお茶返せ!」

こなたさんが豪快に吹いた。まぁ初めて見る人は仕方ないだろう。
母のこのイタズラは転校前から続いていたものだ。それで前の学校では結構イジられてた。

「仕方ねぇなぁ。ホラ、ミートボールやるから、元気だせよ。」

オレはみさおさんからミートボールをもらう。オレは「ありがとう」といってほお張った。
みんなはそれを赤い顔をしながらしかめっ面で見つめていた。

「みさちゃんが……大好物のミートボールを!?」

「な、どうしたのあやのさん!」

「私でさえ何回かしかもらった事がないのに!」

みんなの注目の意味が分かった。ようは珍しい現象だったのだろう。
168龍二:2008/10/10(金) 03:08:07 ID:WjZm77cj
「別に。腹減ってるっていってるからあげただけ。コイツが弁当もってきてたらあげやしね〜よ。」

「みさおさん……そういわれるとちょっとショックなんだけど。」

「な、別にショック受ける事じゃないだろ!?結果的にあげたんだしさ!」

みんなの注目はなぜかおさまらない。ため息ついたりとか考え込んだりとか。
そんなにスゴイことだったのだろうか?

「まぁ、仕方ないわね。私のも少し分けたげるから、食べていいよ。」

「お、サンキュ。やまとさん。」

そしてみんなは少しづつオレにおかずやおにぎりを分けてくれて、一人分の弁当くらいにまで集まった。
だが……、いまだに何人かのしかめっ面はなおらなかった。

「さて、演劇のはなしだけど…。」

「オレはシロウ役だったっけ?台本とか、ある?」

「あるけど、読み終えるのにかなり時間がかかりそうよ?」

その台本はとてもブ厚く、その紙一枚一枚も字で真っ黒になっていた。

「はは……。これは読み応えありそうだね。」

「それと……、『前の』サトシ君が悩む事になったシーンがあるのだけれど。」

あやのさんがページを開く。「シーン58」と書かれていた
169龍二:2008/10/10(金) 03:08:44 ID:WjZm77cj
「ここ、よく見て。」

「あ、うん。」

「え〜っと、『ナレーター:「遠い、遠い夢を見た。」』」

「その一行前!」

「『セイバー役、シロウ役が近づきあい、キスをする。』」


…………。


「マジか。」

「マジです。」

「大マジか。」

「えらくマジです。」

「あやのさん……キスって、なんだか知ってる?」

「そりゃあもう、とても…。」

「あ〜、大丈夫、大丈夫。セイバー役私だから。」

こなたさんが手を上げながら言う。
170龍二:2008/10/10(金) 03:09:19 ID:WjZm77cj
「そっか。こなたさんがセイバーか。なら大丈夫…。……じゃないよね!?
どっから大丈夫って言葉が出てくるのかな!?キミ!」

「大丈夫だから大丈夫なんだよ。キスしてもおかしくない関係になればいいんだし。」

「あ、そっか。つまりオレがキミを攻略すればいいんだな。」

「むお。いつもなら私が『キミを攻略する』って言ってサトシ君が『え〜!?』ってなるのに。」

「………おい!?…否定しないのか!?冗談で言ったのに!」

「いや〜、攻略はあるよ。いつも私がキミを攻略してたんだし。失敗多かったけど。」

攻略て…。ゲームじゃないんだぞ。オレも冗談だったのに。
話がこんがらがってきた。とりあえず、原点をツッコもう。
171龍二:2008/10/10(金) 04:09:52 ID:WjZm77cj
「なんで演劇なのにマジでキスしちゃうんだよ!まずそこを訂正しようよ!
大人の事情により飛ばしちゃえばいいじゃナイ!!」

「ダメ。」

「なにゆえ!」

「これがないと盛り上がりにかけるの。迫力もないし、なんといってもラストフィナーレなんだもの。」

「とにかく、攻略開始は明日からね!楽しみに待っていたまえ!!」

「なんか、もう疲れたよ…。」

キーンコーンカーンコーン(←相変わらず捻りのない学校のチャイム

「あ、昼休み終わりだね。じゃ先に戻ってるね。」

こなたさんはそそくさと戻っていった。そしてオレも教室に戻ろうとする。すると…。

「「「キスしないの?」」」

後ろの皆さんの声がオレの中で悲しくエコーした…。
172龍二:2008/10/10(金) 04:18:20 ID:WjZm77cj
え〜、ここで今回はオシマイです。

SS書き込み中に「バイバイさるさん」を

(書き込む文章が長すぎる事が5〜6回続いたときに起きる1時間程度の書き込み規制)

2回も喰らって、そのせいで4時になって
マトモにテスト勉強してない受験生が通りますよ。

第ニ部になっていきなり文力が落ちたのは見逃してくだしぃ。
ニヤニヤシーンとか書くの苦手やねん。ならなんでSS書くんやねん。

自分で自分にツッコんだところで、とりあえず伝えますけど

な ん か 時 間 設 定 ぜ っ た い ず れ る 気 が す る か ら カ ン ベ ン ね 。

カンベンといえば見逃してもらえると思う俺は究極のゆとり。
テスト勉強やらにゃ〜。ゲームもやらにゃ〜……いやゲームは自重するか。

P.S.「原作について 2」
やっとらき☆すたの単行本を買ったさ!……6巻だけだけど。
1巻〜5巻を持たずに最新刊だけ持っているオレって…。

表紙ウラに永森のやまとさんいたね!原作の書き方カワイイね! bb
173名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 06:38:12 ID:mr4b0KAH
乙です!!!!
174名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 07:18:00 ID:7AYwDdpI
乙です! 朝からニヤニヤが止まらないw
175名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 07:52:06 ID:5iy+lgMe
>>172
乙です!
電車内でニヤニヤしてしまってこれから友達にからかわれる日々が…

テストもがんばってください
176名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/10(金) 12:33:09 ID:5wKRlpYa
乙!なんてジェットコースターな展開なんだw
そして案の定らきメモ全員攻略済みかよw
この先の展開が楽しみです(コメディ的な意味で)

最後にどうしてもツッコまずにはいられないポイント
>オレ、体重軽いしね。つかささんより下だしね。
なん……だと……つかなんで知ってるんだよw
177名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 00:54:22 ID:26JTUQLQ
>>147
乙です!
次はいよいよクライマックスですね。
楽しみにしてます。

>>172
次の展開が全く読めない(笑)
続き期待して待ってます。

新作のSS投下します。

178concealed love:2008/10/11(土) 01:05:32 ID:26JTUQLQ
もう…何考えてんのよ。

目の前に広げられているのは参考書と問題集。
でも意識は全くそこに集中していない。
そして浮かんでくるのは誠君の横顔。

これじゃ勉強にならないな。しかたなくベッドに腰掛ける。
熊のヌイグルミを抱きかかえながら一人ため息をつく。
どうしたらいいんだろう…

桜藤祭の準備をしているうちに気付いたこの想い。
その想いは一緒にいるうちにだんだん大きくなっていった。

会いたい…

想いが膨らむ一方でそれが実現できないことは分かっている。

桜藤祭も終わり、今はお互い受験生なのだ。
これから受験に向けて恋だなんだと言っている余裕はない。
私自身が目指す大学も難しいこともさることながら、誠君が私のせいで受験に失敗したら、と思うと想いを伝えることはできない。
それがわかっていながらも思考は堂々めぐりを繰り返していた。

179concealed love:2008/10/11(土) 01:13:51 ID:26JTUQLQ
「おはよー、かがみさん」
「あ…おはよ」

朝、みんなが登校する時間。
クラスが違う私が誠君に会えるわずかな時間。

「最近かがみさん。登校するの遅くない?」
「え、そんなことないわよ」
「そうだよー、前までは私がいつも遅いって怒られてたのに、最近は私がお姉ちゃんの部屋に急かしに行くこともあるんだよ」
「ちょ、つかさ、余計なこと言わないでよ」
「やっぱりそうだよね。何かあったの?」

そう、最近はぎりぎりに登校するようになってしまった。
でもその理由は言えるわけがない…

もしかしたら登校中に、誠君に会えるかもしれないからだなんて…

授業を受けていても意識を勉強に集中させることができない。
朝、誠君がしてくれた挨拶の声が頭をよぎる。
たった数秒の会話なのに私の頭を占領してなかなか出て行ってくれなかった。

終わった…
心ここにあらずの授業はいつもより数倍長く感じられる。
私は荷物をまとめて急いで隣のクラスへ行く。
つかさ達がこっちのクラスに来る前に…
B組の教室に入るとすぐにこなたが話しかけてくる。

「あ、かがみんも授業終わった?じゃあ帰っろか」

180concealed love:2008/10/11(土) 01:15:45 ID:26JTUQLQ
いた…
私の視線は話しかけてきたこなたを飛び越えてその背中越しに見える人物に注がれる。

「かがみさん帰るの?お疲れ〜」
「うん、じゃあね。誠君」

これでいいんだ…伝えたってお互いのためにならないもんね…
誠君に手を振りながら私は自分に言い聞かせていた。


「お姉ちゃん、最近無理してない?」

駅でこなたと別れた後つかさがいきなり聞いてきた。

「別にそんなことないわよ」
「そう?でもお姉ちゃん、素直になった方がいいよ」
「何言い出すのよ、いきなり?」

急に意味深なことを言い出すつかさ。
気付かれているわけはない…と思う。

それに、別に無理をしているわけではない。
このまま誠君への想いを伝えずに隠し続けていけると思っていた。
というよりそれしか選択肢はないと思っていた。

そして、なにより、もしはっきり拒絶されたら…
それを思うと眠れなくなるほど怖かった。
それならいっそこのまま友達の方が…

つかさはそれ以上何も問い詰めてこなかった。

181concealed love:2008/10/11(土) 01:17:59 ID:26JTUQLQ
次の日もいつも通りに進む。
誠君とクラスが違う私は朝と帰るときくらいしか話せる時間はない。
話すといっても挨拶程度である。
ここ数日は休み時間にB組に顔を出すのも控えている。
会いたいと思っても自制するようにしていた。
会ってしまったら話したくなる。話したらもっと話したくなる。それが分かり切っていたから…

授業が終わり、昨日と同じように荷物をまとめてB組に向かう。
B組の教室に入ると、無意識のうちに誠君を探す。

いた…

そしてすぐ見つけてしまったことを後悔した。

「うん、ありがとう。じゃああとでメールするね」

誠君と満面の笑顔で話していたのは私の双子の妹だった…

1822438:2008/10/11(土) 01:24:39 ID:26JTUQLQ
とりあえず以上です。

書く前に言うべきでしたが今回あげたのは前編です。
後編は近いうちに上げようと思ってます。



183名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 07:43:04 ID:wPvc9GkZ
乙です!続き楽しみにしてます!
184名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 08:09:22 ID:JVk/wPy1
乙です
最近職人さんがふえて俺うれしいよ
俺うれしくてファンガイア化しちゃううえううい
185名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 13:33:13 ID:niMpbgma
もう初回特典は手に入らないよな…
186牛乳帝国:2008/10/11(土) 13:54:53 ID:U/ToSgbM
ピッ
「こなたさんと」
ピローン←決定音

   「それじゃあ・・・・・・こなたさんと。」
こなた「おお〜、とうとうセイカ君はわたしにフラグを立てる気になったのかな?かな?」
かがみ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
    あ、あれ?もしかしてかがみさん怒ってる?
   「か、かがみさん?」
かがみ「まあ、いいわ。わたしはつかさたちの喫茶店で待ってるから」
    おや?意外と怒ってない?
こなた「それじゃあ、わたしはセイカ君と共に魑魅魍魎たちと戦ってくるよ!」
   「・・・・・・・・・お化け役の人に攻撃しちゃ駄目だよ?」
こなた「ふっふっふ、ゴーストバスターズの腕が鳴るぜ!!」
かがみ「いつからあんたはそんなのになったんだ・・・・・。」
    かがみさんが某憂鬱アニメの一般人の主人公のように顔に手を当てやれやれ、と首を振った。
かがみ「じゃあ、私は戻ってるわね。ああ、後セイカ君。」
   「ん?なに?かがみさん。」
    かがみさんが俺の耳元でつぶやく
かがみ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ロリコン。」
    やっぱり大層ご立腹なようだった。
187牛乳帝国:2008/10/11(土) 13:55:24 ID:U/ToSgbM
   かがみさんが去った後
こなた「う〜ん、かがみん。もっと怒ると思ったのになぁ〜。つまんないの。」
    いや、かなり怒ってました。
   「と、とりあえず行こうか。」
こなた「よ〜し、それじゃあ。ゴーストバスターズ出動!!」
   ・・・・・・・・・・・・・バスターズってことは俺も入ってるんだろうか。

188牛乳帝国:2008/10/11(土) 13:56:33 ID:U/ToSgbM
Another view 泉こなた

正直驚いた。
今回はかがみんとセイカ君のフラグを立てて後でからかう予定だったのに。
セイカ君は私を選んだ。
(・・・・・・・・・・・・・・・どうしよう。なんかすごくうれしいかも。)
柄にもなく。どきどきする。
こんな状態で一緒にお化け屋敷なんて大丈夫だろうか。
そんな考えをくびをふって吹き飛ばした。
「って、私のキャラじゃないよね。」
「こなたさん?どうかした?」
「ううん、なんでもないよ〜。」
これからは自分のフラグを立てれるようにがんばってみようかな?
ああ、けどセイカ君は変なところで鈍感だしなぁ・・・。
まあ、いっか。
まだまだ時間はたくさんあるんだから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

Another view End
189牛乳帝国:2008/10/11(土) 13:59:01 ID:U/ToSgbM
ってなわけで皆様お久しぶりです。
一応テスト前のみなのでこれだけしかかけませんでした。
次回はお化け屋敷内での出来事をかくのでおたのしみに

連載のほうもテストが終わるまでストップです^^;
来週の土曜日にでも書きますね。
一応連載URL
ttp://ncode.syosetu.com/n2108f/
190名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/11(土) 21:05:54 ID:wPvc9GkZ
乙です! ロリコン吹いたw
191GREN ◆.V03vEgrME :2008/10/12(日) 01:22:42 ID:QSewirmn
新スレに移ってからは初カキコです。俺です。
職場での環境の変化でいろいろありつつ、なんだかんだでこちらへの顔出しも減ってきていて申し訳ないです。


もうすぐ200いこうってのに今更ですが、新スレ立ち上げ記念のSS置いていきます。

題して、「しぇいむふるいず☆しぇいむふる」

ttp://blogs.yahoo.co.jp/homurabe_2000/56938383.html


このスレどころか2chすらまともに見てない日々です;
ブログとmixiとあと諸々で即睡眠。

今月は25日にみゆきさんの誕生日があるので、とりあえずそれに向かってがんばります。
今後ともどうぞよろしく。
192名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/12(日) 07:40:13 ID:pgzCodyk
乙&GJです! みゆきさん楽しみにしてます!
1932−14:2008/10/12(日) 17:43:56 ID:s4GlCqYG
>>172
乙です。
サトシ君・・・まあ何というか、頑張ってとしかw
しかし、全員攻略済みということは、ゲーム通りにこなたに攻略させる訳は無いだろうし(他のヒロイン達が)
次回以降も楽しみにしています。



>>182
乙です。
切ない話ですね。
こと恋愛面に関してはつかさの方がかがみより大人なんじゃないかと。
そして、同じかがみ視点でSS書いてる人間としては、大変参考になりました
(ぶっちゃけ、文章力で負けたと思いましたw)
後編も楽しみにしています。


>>189
乙です。
メチャメチャ怒ってるかがみに萌えた。
こなたもいい感じですし。
次回も楽しみにしています〜

194名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/14(火) 22:10:27 ID:CjQQca6u
195名古屋市民:2008/10/14(火) 23:17:22 ID:hvAIGmLf
らき☆ばとの白石さんでてるセーブデータとかって落ちてないんですかね?
1962438:2008/10/15(水) 18:22:28 ID:SENjeIyT
『concealed love』の後編を投下します。
197concealed love:2008/10/15(水) 18:24:51 ID:SENjeIyT
コンコン…
「お姉ちゃん、入っていい?」

そう言いながらつかさが私の部屋をノックしてきたのはもう日が変わろうかという時間だった。
桜藤祭が終わって、私が本格的に受験勉強に取り掛かりだしてからは、何か用事がない限り私の部屋に来る家族はいない。
つかさも例外ではなかった。

「なーに?どうしたのこんな遅い時間に」

その時点で嫌な予感がした…

「あのね、お姉ちゃんに相談したいことがあるの…」

もし予想している通りのことが起こったら…姉として協力しなくちゃね。

「あの…あのね…誠君のことなんだけど」

体温が一気に下がった気がした。体中の血液が凍ったかのようだった。胸が詰まって息を吸うのが苦しい。
それを悟られないように私は一瞬目をつむって無理やり笑顔を作った。


198concealed love:2008/10/15(水) 18:26:04 ID:SENjeIyT
「何考えてるのかしら、あの子」

昨日つかさから切り出した相談は結局『やっぱり恥ずかしいから明日学校で話す』ということになった。
そのくせこなたやみゆきには聞かれないようにと、わざわざ昼休みに星桜の樹の下で待ち合わせることになったのだ。

「こなた達に聞かれたくないなら家で話せばいいのに…」

それにしても…自分の鈍さにはあきれてしまう。
考え直してみれば、つかさが誠君を好きになったことには思い当たる節がいっぱいあった。
道具係で一緒にいた時間が長かったし、誠君と話すときのつかさはいつも以上に笑顔であふれていた気がする。

敵わないなぁ…
思わずため息をつく。
私もつかさみたいにもっと素直になれたらいいのに…
諦めたはずの想いはまだくすぶっていて胸がちくちくと痛む。

しばらく待っているとやっと来たようだ。
一つの人影が校舎の曲がり角から現れた。
199concealed love:2008/10/15(水) 18:27:26 ID:SENjeIyT
「遅いわよ、つか…」

現れた予想外の人物に私は息を呑んだ。
……誠君…?

「ごめんごめん、思ったより授業が長引いちゃって」
「え、えっと誠君?あれ?なんで?」
「なんでってかがみさんが呼び出したんじゃないの?つかささんに聞いたんだけど」

突然の出来事に頭の整理が追い付かない。
心臓の音が誠君に聞こえるんじゃないかと思うくらいに跳ね上がっている。

ブルルルル…
そんな私の心音と共鳴したかのように携帯のバイブレーションがメール着信を告げる。

「ちょ、ちょっとごめんね」

誠君に断ってから携帯を開く。
送信者はつかさだった。

『お姉ちゃん、がばてね』
200concealed love:2008/10/15(水) 18:30:12 ID:SENjeIyT
混乱していた頭にようやく理路整然とした思考ができるような冷静さが戻ってきて一つの納得いく結論が浮かぶ。
つまりこれはつかさが仕組んだこと…
双子の妹に私の想いはすべて見抜かれていた、ということだ。

「それで、話って何?」

とはいえいきなりのこの状況で想いを伝えるなんてできっこない。
それに、もし振られたら…

「もしかしてつかささんの勘違いだったとか?相変わらずつかささんってちょっとおっちょこちょいだね。違うんなら戻ろうか?」
「ち、違うの!」

思わず呼び止めてしまった。
こんなチャンスはもう二度とないかもしれない。
そう、さっき自分でも思ったじゃない。つかさのように素直になりたいって。

深呼吸をひとつ。そして言った。

「好き、誠君のことが好きなの」

言えた。
心臓が今までにないくらいバクバクいってる。
恥ずかしさと怖さで誠君の顔を見ることができなかった。
一気に体温が上がって顔が真っ赤になっているのがわかる。

誠君の返事はない…
沈黙がどれくらい続いたんだろう。
多分時間にしたらたった数秒か、長くても数十秒だったろう。
でも私には数時間たったかのように感じられた。

「ごめん…」
201concealed love:2008/10/15(水) 18:31:27 ID:SENjeIyT
目の前が真っ暗になった。
足に力が入らなくなって危うく倒れそうになるのをギリギリのところでこらえた。
そんな様子の私を見て誠君はあわてて言う。

「いや、そういう意味じゃなくて…」
「じゃあどういう意味よ!」

気がついたら目には涙がにじんでいた。
もう…なんで私が泣かなきゃいけないのよ!

「かがみさんの気持ち、すごくうれしいよ。その…だから、言わせちゃってごめんってこと」
「え?」
「俺、かがみさんのこと大好きです。俺の方から言おうと思ってたんだけどな」
「うそ…」

これは夢じゃないだろうか。

「嘘じゃないって」

そう言うと誠君は私を優しく抱きしめてくれた。

「ちょ、ちょっと」

いきなりのことに心臓が止まって死んじゃうんじゃないかと思った。
でもこんなに幸せならこのまま死んじゃってもいいかも…
202concealed love:2008/10/15(水) 18:32:59 ID:SENjeIyT
「嫌だった?」
「べ、別にそんなことは…」
「なんか素直すぎていつものかがみさんじゃないみたい」
「な、何よ!いつもと変わんないわよ」

精一杯の強がりを言う私を見て誠君は嬉しそうに笑う。
その笑顔を見てたら私もおかしくなってきて一緒に笑ってしまった。
ひとしきり笑った後、誠君がもう一度言った。

「かがみさん、好きだ」
「私も……大好き…」

私の背中にまわされている手の力が強くなった。
それに応えるように私も誠君を抱きしめ返す。

二人の距離がだんだんと近づいていく。
私は静かに目を閉じた。


星桜の樹が私たち二人をそっと見守っていた。

2032438:2008/10/15(水) 18:34:39 ID:SENjeIyT
以上です。

読んでくださった方、ありがとうございます。

できたら番外編のようなものも書こうかなと思ってます。
204名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/15(水) 19:25:42 ID:GMviwEtV
>>203
乙です!かがみかわいいよかがみ
205名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/16(木) 10:45:47 ID:wG784Mfu
乙です!!!
206名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/16(木) 11:10:09 ID:mXT8Cf30
>>203
乙!
つかさのメール文面がテンパってるってことはもしや……?
などと想像が膨らみます
いやぁ、姉妹愛っていいもんですなぁ
あと誠が微妙にドS入ってるなw
2072ー14:2008/10/16(木) 23:32:30 ID:LlAPX9j9
>>203
乙です〜
切ないのと幸せな感情がごちゃまぜになってるのがいい感じですね。
番外編も楽しみにしています。


それでは私も『かがみside〜ラキレボ編』の続きを投稿したいと思います。
208かがみside〜ラキレボ編:2008/10/16(木) 23:33:54 ID:LlAPX9j9
「あ、来た来た!!遅〜い!!」
 「いや〜ゴメン!!これでも早起きの自己新記録更新だったんだけど」
 謝りながら言う祐一くん。
 「それでも、遅い!ミスコンは一番最初のイベントなんだから、早く来なきゃダメでしょ!!」
 「まあまあ、かがみさん。祐一さんも急いで来られたんでしょうし。それくらいで・・・」
 怒る私を宥めるように言うみゆき。
 「う〜ん・・・仕方ないわね」
 「さて、柊も納得したことやし、これからの手順はどうなっとるんや?高良?」
 「あ、はい!これから説明しますね」
 そう言って説明を始めるみゆき。
 (というか、黒井先生も把握してないと問題あるんじゃ・・・)
 私はそんなことを思ったが口には出さなかった。
209かがみside〜ラキレボ編:2008/10/16(木) 23:34:58 ID:LlAPX9j9
「・・・というのが大まかな流れです。所要時間は約90分くらいですね。他に何かご質問は?」
 みゆきは説明を終えると一息付く。
 「あ、はい」
 「はい、祐一さん」
 「いや、ミスコンの流れとは関係無いんだけど・・・3人共ダイエットはどうなったの?」
 「それよ!それ!やっと聞いてくれたわね!」
 私は勢いこんで祐一くんを見る。
 「おっ?ということは・・・」
 「何とかうまくいったわ〜目標に届いたわよ!」
 「そうなんだ?おめでとう!」
 「私もうまくいったんですよ」
 嬉しそうに言うみゆき。
 「正直、ホンマに途中はどうなることかと思ったわ〜」
 「じゃあ、黒井先生も?」
 「あったり前やん!生徒が先生に見本を見せてやらんでどうすんねん!」
 「良かった〜本当に良かったですよ。もし失敗してたら俺にも責任がありますしね」
 心底ホッとした様子で言う祐一くん。
 「そんなこと無いですよ」
 みゆきが優しく声を掛ける。
210かがみside〜ラキレボ編:2008/10/16(木) 23:35:38 ID:LlAPX9j9
「祐一さんが励まして下さったから、私達もやり遂げることが出来たんです」
 「そうね。そこは認めてあげるわ」
 「せやな。永瀬。ホンマにありがとな」
 「い、いや〜そんなに改まってお礼を言われると照れますね」
 頭を掻きながら言う祐一くん。
 「せやけど、ホンマにキツかったな。指定したドレスが入るかどうかギリギリの線やったし」
 「あ、先生のドレスは、本当にギリギリですもんね〜」
 「だけど、黒井先生は凄いですよね。私はあんな大胆なドレスは・・・」
 そのドレスを思い出したのか、頬が赤くなるみゆき。
 「そんなこと言うて〜高良も柊もかなり勝負かけてるやん。本気で優勝狙ってるんとちゃうか?」
 「わ、私はそんな・・・」
 「私だって違いますよ!つかさがどうしてもって言うから・・・」
 黒井先生にツッコミを入れる私達。
 「と、これくらいにしといた方がいいかも知れへんな。永瀬にとっては楽しみが減るかも知れへんし」
 「えっ、そ、そりゃ楽しみですけど」
 「まあ、とにかく期待してもらってええで〜楽しみにしときや」
 「では、ひとまず解散しましょうか?まだ皆さんお仕事残ってるでしょうし」
 みゆきの一声でひとまず解散になった。
211かがみside〜ラキレボ編:2008/10/16(木) 23:37:19 ID:LlAPX9j9
『皆さん、お待たせしました。ミス陵桜学園コンテスト、ついに開幕です!!』
 “ウワァァァァッ!!”
 開会宣言と共に、体育館の中が一気に熱気に包まれる。
 その舞台袖で、私は緊張に包まれていた。
 クジ引きの結果登場順は、私は4番目、みゆきが9番目、黒井先生が一番最後だった。
 みゆきや黒井先生より先って言うのは、嬉しいけど・・・
 舞台の上では、最初の女の子がアピールしている。
 (あ〜ドキドキしてきた・・・)
 もちろん、大勢のお客さんの前に立つということもある。だけど、それ以上に・・・
 私の目は最前列に注がれる。そこには―――
 「あ〜A組の子だ、私知ってるよ。可愛い〜」
 「むう、改めて思うけどウチの学園ってこんなにハイレベルだったんだね〜」
 楽しそうに話すつかさとこなた。そして―――
 「・・・」
 何かを考えるように舞台を見つめる祐一くんの姿があった。
 祐一くんにこの姿を見られると思うと更にドキドキして来た。
 (な、何でよ!?)
 自分で自分にツッコミを入れたその時だった。
212かがみside〜ラキレボ編:2008/10/16(木) 23:38:07 ID:LlAPX9j9
「かがみさん、どうしたんですか?」
 「もうすぐ出番やで、ビシッとせな」
 ベージュを基調とした、背中が大きく開いたドレスを着たみゆきと、水色を基調とした胸元が大きく開いたドレスを着た
 黒井先生がいた。
 「あ、う、うん、分かってるんだけど・・・」
 2人共、ドレスがバッチリ似合っている。
 そんな姿を見ていると、だんだん自信が無くなってきた。
 「な、な〜んかね。私、このまま出てもいいのかな?って気が・・・」
 「大丈夫ですよ、かがみさんもキレイですから」
 「そうやな〜それにその『ウェディングドレス』というチョイスもいいと思うで。正直、『その手があったか!』と思ったで〜」
 「こ、これは、つかさがどうしてもって言うから・・・」
 自分の姿を見て、ますます浮いているような気がする。
 (祐一くん・・・どう思うかな?)
 私がそんなことを思ったその時だった。
 『それでは、エントリーナンバー4番・3年B組、柊かがみさん!!』
 「ほら、呼ばれたで、行ってこいや」
 「かがみさん、頑張って下さい」
 「・・・分かった。じゃあ行って来るわ」
 私は、腹をくくって舞台の中央に歩き始めた。
213かがみside〜ラキレボ編:2008/10/16(木) 23:39:29 ID:LlAPX9j9
 演出上の効果を狙ったのか、舞台の上は真っ暗だった。
 女の子達が中央に行った時に、スポットライトが当たるのだ。
 私は舞台の中央まで歩くと、一つ深呼吸。そして―――
 “ザンッ”
 その音と共にスポットライトが私に当たる。
 私を迎えたのは―――無音だった。
 (えっ?)
 歓声もリアクションも無く、ただ無言の空気が漂っていた。
 「な、何でみんな、黙ってるのよ。ちょっと!何とか言いなさいよ!」
 「お姉ちゃん〜似合ってるよ」
 「あ、あはは〜ありがと・・・ってつかさは前に見てるじゃない!ちょっと!こなたも何とか言いなさいよ!」
 「あ〜う〜ん、いや、これは・・・」
 「こ、こなたまで絶句してる!?」
 段々、この空気が辛くなって来た私は思わず口を開いた。
 「あ〜もう!どうせ私にはこんなの似合わないわよ!さあ、笑うなら笑えばいいじゃない!?」
 「ち、違うよ、かがみさん!」
 そう言ったのは―――
214かがみside〜ラキレボ編:2008/10/16(木) 23:40:18 ID:LlAPX9j9
「祐一くん・・・じゃあ何でみんな黙ってるのよ!?」
 「い、いや面と向って言うのは照れるんだけど・・・」
 「何よ!?ハッキリ言いなさいよ!」
 「その・・・みんなが黙ってるのは・・・かがみさんに見とれてるからだと・・・思うよ」
 「えっ・・・」
 祐一くんの言葉に私の方が言葉に詰まる。
 「ウ、ウソよ・・・そんなの。お世辞なんかいらないわよ・・・」
 「だったら、こなたさんに聞いてみなよ。こなたさんはかがみさんにお世辞なんか言わないでしょ?」
 「こ、こなた・・・どう?私のこの格好?に、似合ってる?」
 「う、う〜ん・・・まさか、かがみがこう来るとは・・・だけど」
 こなたは一息付くと親指を立てて言った。
 「かがみん最高〜!すっごく似合ってるよ!」
 “ウワァァァァッ!!”
 こなたの声と共に体育館は大歓声に包まれる。
 「さすが、私の嫁〜!!」
 「嫁って言うな〜〜〜!!」
 「ツンデレ最高〜〜!!」
 「ツンデレって言うな〜〜〜〜!!」
 こなたにツッコミ入れながら、私の出番は大盛況で幕を閉じた。
215かがみside〜ラキレボ編:2008/10/16(木) 23:41:09 ID:LlAPX9j9
そして、出場者の出番が終わり、後は結果発表だった。
 (まあ、みゆきか黒井先生よね)
 そんなことを考えてると、不意にドラムロールが流れた。
 『皆様、お待たせいたしました。ミス陵桜学園、グランプリは―――』
 会場が一瞬静まり返る。
 『エントリーナンバー4番、3年B組、柊かがみさん!!』
 (ほ〜らね、やっぱり、柊・・・えっ?)
 私にスポットライトが当たっていた。
 「かがみさん!おめでとうございます!」
 「やったやないか!柊!おめでとさん」
 いつのまにか近づいて来ていたみゆきと黒井先生に祝福される。
 「えっ?えっ?、ウ、ウソでしょ!?」
 「お姉ちゃん〜おめでと〜」
 「かがみ〜ほらほら笑って〜」
 「かがみさん、現実見てよ、まぎれもなくかがみさんがNo1だよ!」
 「祐一くん・・・みんな」
 (ヤバッ・・・泣きそうかも)
 それをごまかすように私は―――
 「みんな・・・ありがとう!本当にありがとう!!」
 みんなにとびっきりの笑顔で挨拶した。
216かがみside〜ラキレボ編:2008/10/16(木) 23:42:00 ID:LlAPX9j9
“ガチャッ”
 私は屋上のドアを開けた。
 桜藤祭が終わって2日後、私はやっと探している人物を見つけた。
 正確には、桜藤祭の後片付けなどがあって2人だけになれる時間が無かったといった方がいいかも知れない。
 (みんなの前じゃ・・・変な誤解されるだろうしね)
 そう言いながら私は、屋上の一角で寝ている人の所に歩いていく。
 その人―――祐一くんは日当たりのいい場所を見つけたのか、そこで横になって寝ていた。
 私はその枕もと当たる場所に立つ。
 「お〜い、こんなところで寝てたら風邪引くぞ〜」
 私の言葉に一瞬反応した祐一くん。だがまるで子供みたいに一瞬ムズがった後、また寝息が聞こえて来る。
 「いい加減に・・・」
 私が更に声を掛けようとしたその時。
 「あ、かがみさん・・・一体・・・」
 そこまで言った後、寝転んだままの祐一くんの顔がニヤ付く。
 (?)
 寝転んでいる祐一くんの視線は私の足元から膝下の部分を通過して―――
 (――――!!)
 「キャッ!!」
 思わず私はスカートを押さえる。
 祐一くんの視線は私のスカートの中を見ていた。
 「あ、あ、アンタは〜〜〜!!」
 「ま、待って、今回は見てない、本当だって!」
 「本当でしょうね?」
 「マジだって!白と水色のしましまだなんて全く―――」
 そこまで言って『しまった!』といわんばかりに口をつむぐ祐一くん。
 「やっぱりバッチリ見てんじゃないのよ!バカァっ!!」
 “パチンッ”
 私の平手打ちが祐一くんの頬を捉えていた。
217かがみside〜ラキレボ編:2008/10/17(金) 00:03:18 ID:naHc0MXu
「痛って〜何も平手打ちしなくたって・・・」
 「自業自得でしょ!」
 赤く腫れた頬を撫でながら言う祐一くん。
 「あ、そう言えばかがみさん。ミスコン優勝おめでとう」
 「えっ?あ、ありがとう・・・」
 (ち、ちょっと何でドキドキしてるのよ・・・)
 自分自身に戸惑いながら、私は口を開く。
 「まあ、今回のことに関しては、アンタの協力のおかげでもあるしね、だから・・・はい、これ」
 そう言って私は小さな袋を取り出して、祐一くんに渡す。
 「何これ?・・・クッキー?」
 「協力してもらったお礼ってことで、い、いびつな形のもあるし、嫌だったら捨ててもいいのよ」
 祐一くんは、袋からクッキーを取り出すと―――パクリと口に含んだ。
 「うん、おいしいよ!ありがとう。かがみさん」
 「そ、そう!?なら良かったけど」
 クッキーを食べながら、祐一くんは口を開く。
 「だけど、唯一不安なことが出来ちゃったな〜」
 「何よ?」
 「かがみさん、今回のミスコンでウェディングドレス着ちゃったじゃない?」
 頷く私。
218かがみside〜ラキレボ編:2008/10/17(金) 00:04:06 ID:naHc0MXu
「『ウエディングドレスを結婚式以外で着ると婚期が遅れる』って言うしな〜」
 「よ、余計なお世話よ!第一今の時代に『婚期が遅れる』だの言ってるのもどうかと思うわよ」
 「まあ、そうなってもかがみさんは大丈夫だろうね〜」
 「その根拠は?」
 「うん、そうなったら、責任取って俺がかがみさんを貰ってあげるから」
 「えっ?」
 祐一くんにとっては、軽い冗談だったのだろう。
 だけど私は―――
 凄い勢いで顔が真っ赤になるのと、心臓が凄い勢いで早鐘を打っているのを感じていた。
 (まさか―――)
 それと同時に私はさっきのことを思い出していた。
 こなた達の教室に行って真っ先に祐一くんを探していた私。
 そして―――
 「どうしたの?かがみさん?」
 「な、何でも無いわよ!」
 思わず祐一くんから顔を逸らす私。
 もう間違い無かった。私は―――
 (祐一くんのことが――――好きなんだ――――)
2192−14:2008/10/17(金) 00:09:51 ID:naHc0MXu
という訳でこれでラキレボ編は完結です。
後半はもはや完全にオリジナルですね。

俗に言う『第一部・完』みたいなものだと思って下さい。
この後、幕間みたいな話が入って、『第二部・らきメモ編』に入る予定です。

桜藤祭終わらせてるからな〜どうやって演劇ネタに持っていこうかと。

それでは、もうしばらくお付き合い頂けると嬉しいです。
220名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/17(金) 00:25:23 ID:0gzOkn4C
激しく乙
221名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/17(金) 06:17:58 ID:79CHywyz
乙です!
222名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/17(金) 14:30:08 ID:sGBANJtI
乙&GJです! かがみ可愛いなあ
223牛乳帝国:2008/10/19(日) 13:34:15 ID:NHxLDCzq
おひさしぶりでつ
テスト終わったのでお化け屋敷前編投下
224牛乳帝国:2008/10/19(日) 13:35:14 ID:NHxLDCzq
「じゃあ、入ろうか。」
そう言ってこなたさんをうながす
しかし、さっきから気になっていたのだが・・・・・・。
(それだけ話題になってるお化け屋敷なら人が並んでてもおかしくないのに・・・・・・。)
そのことに若干の違和感をおぼえる。
何かあるんだろうか。
こなた「そうだね、そろそろ入ろうか。」
こなたさんが後ろについてくる
使用されている教室は音楽室
それなりの広さがある教室なので結構楽しそうだ。
225牛乳帝国:2008/10/19(日) 13:36:00 ID:NHxLDCzq
こう「あれ〜?平野先輩じゃないっすか。」
中に入ってきて声をかけてきたのは2年の八坂さんだった。
「あれ?ここって八坂さんのクラスの出し物?」
こう「ちがいますよ、ここは生徒会が主催の出し物です。」
こなた「あれ?そうだったんだ。」
「この学校は生徒会主催の出し物なんてあったんだ。前の学校にはなかったな。」
しかしそんな俺の言葉はどうでもいいらしく、八坂さんはニヤニヤしていた
こう「っていうか・・・・・・お二人ってカップルだったんっすね〜。」
「ええ!?なんで!?」
こなた「セイカ君、ここがカップル限定って忘れてない?」
はっ!そういえば!!
「い、いや俺たちはそういうのじゃ―――――」
こなた「うん!そうだよ〜。」
ちょっと!こなたさん!?アナタナニヲオッシャッテルンデスカ!?
こう「へえ〜、これはスクープだねぇ〜。メモメモっと・・・・・・・。」
「や、やめてくれー!!」
226牛乳帝国:2008/10/19(日) 13:36:31 ID:NHxLDCzq
こう「まあ、それはともかくさっさと中に入っちゃってください。」
「そうするよ・・・・・・。」
ガチャ
ん?
中に入るとそんな音がした。
「あ、あれ?かぎ掛けられた。」
こなた「っていうか・・・・・・。」
中を見回す
「なんていうか・・・・・・どうやったらここまで暗くできるんだろう?」
中を見回すとそこには漆黒の闇が広がっている
それはいつかの黒い闇から5人で逃げたときのような
あの時の闇のようだった
こう『はーい、お二人とも、その辺に懐中電灯とレーザーガンあるからそれもってくださーい。』
「ちょっとまって、懐中電灯はわかるけど何でレーザーガンがいるの?」
こう『敵を倒すためです』
こなた「説明キボンヌ。」
キボンヌ?希望するって意味だろうか?
こう『いやー、生徒会の出し物って結構予算はあるんですけど人手が足りないんで、お化けは3Dです。」
「つまり、その3Dお化けをこの銃で撃てと・・・・・・。」
こなた「冗談のつもりだったのに、ほんとにゴーストバスターズとは・・・・・・・・。」
こう『謎解き要素もあるんで頑張ってくださいねー。』
・・・・・・・・・・・・・っていうか、これだけの物を作れるとかいくら予算が多めだからって・・・・・・・。
こなた「セイカ君、考えちゃ駄目だよ。」
ハイ、ソウデスネ・・・・・・。
227牛乳帝国:2008/10/19(日) 13:39:00 ID:NHxLDCzq
以上です
え?毎回毎回短いって?
気にしたら負けだよ
バイニ〜☆
228名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/20(月) 00:57:46 ID:YyyMcOgq
乙華麗でしゅ
229名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/20(月) 11:42:08 ID:r4nIXPj7
>>227
乙!キボンヌとか久々のボキャブラリーだわw
いやこれ、お化け屋敷っつか、
大型テーマパークに1つはあるシューティングアトラクションじゃねーかw
後編楽しみにしてますよ〜
230白狐:2008/10/21(火) 06:03:25 ID:u5JE/fQr
完全オリジナル!結構駄文ですがお付き合いくださいませ!!
231白狐:2008/10/21(火) 06:59:49 ID:u5JE/fQr
こなた「いやぁ、めでたいねぇ」
かがみ「ほんと。まさかあんたがねぇ・・・」
ここは某居酒屋。いま俺はみんなにいじられている。
みさお「お前までかぁ・・・正直へこむよ」
そんな言い方ないでしょ日下部さん!
ゆたか「でも、本当におめでとうございます先輩!」
みなみ「・・・おめでとうございます・・・」
ひより「おめでとうっす!マジオメっす!!」
田村さん・・・マジオメって何?
つかさ「本当におめでとぅ♪」
みゆき「おめでとうございます」
あやの「おめでとう、りゅうじ君」
こう「ちょいとぉみんな!幹事は私なんだけどぉぉぉ!!」
こたろう←オリジナルキャラ。主人公、りゅうじの親友。
こたろう「あれ、八坂さん居たんだ」
こう「ちょっ先輩!そりゃないよぉぉぉ・・・」
こなた「そろそろ始めようよ〜」
ひより「そうっす、こうちゃん先輩、ながいっスよぉ」
まったく、これじゃ同窓会だな。え?いや、同窓会じゃないよ。
こう「え〜それではみなさん!我らが先輩、神楽りゅうじさんと」
そう、俺と。
こう「我が親友、永森やまとの今後の幸せを祈願しまして・・・」
俺とやまとは・・・
全員「「かんぱーーーーーーーーーーい!!!」」
結婚しました。
232白狐:2008/10/21(火) 07:55:17 ID:u5JE/fQr
俺とやまとは結婚した。今日は披露宴の2次会なのだ。
みんなと色んな話をした。高校の思い出、卒業後の事、仕事の事。
こなたさんは小説家、つかささんはパティシエ、みゆきさんは内科医、
みさおさんは教師、小早川さんは獣医、岩崎さんはピアニスト、
田村さんは漫画家、んでもって八坂さんは田村さん担当の編集者。
かがみさんと峰岸さんは結婚して、専業主婦をしているそうだ。
みさお「ハァ・・・柊もあやのも結婚しちまって、今度はおまえかぁ・・・」
かがみ「ちょっと。私はいまは『伊東かがみ』よ」
こなた「かがみんは私を裏切ったのね!酷いわ!」
かがみ「うるさい、黙れ」
やれやれ、この辺は相変わらずか・・・
やまと「楽しそうね、りゅうじ君」
「そう・・・見える?」
やまと「えぇ、とっても」
こう「なぁに話てんの?ハイハイ皆さん、今から二人に質問タァイム!じゃんじゃん聞いちゃって!!」
「答えづらい事は聞かんといてねぇ」
つかさ「二人はいつ知り合ったの?」
「実は俺たち、同じ中学の出身でさ。知り合ったのもその時」
こう「ちなみに私もこたろう先輩もこの二人と同じ中学でぇす♪」
やまと「こうには聞いてないでしょ」
233白狐:2008/10/21(火) 08:35:38 ID:u5JE/fQr
こなた「お互いのどんなところが好きか言って」
「こなたさん、それ愚問。俺はやまとの全部が好きなんだから」
やまと「ちょ、ちょっと・・・///」
こなた「かっこいい事いうねぇ、へたれ王が。永森さんは?」
やまと「え・・・やさしいところ///」
こんな調子で色々と質問をされていた。
こなた「ねぇ。よかったら聞かせてくれない、その頃の事」
この質問に全員が興味あったらしく、まじまじと見てくる。
「わかりました。結構長くなるよ?」

ここからは俺とやまとが出会った頃の話・・・
234白狐:2008/10/21(火) 08:37:42 ID:u5JE/fQr
今日は以上です。
言い忘れましたが、今回はかなり長編になっています。
飽きずに読んでください。
ではでは・・・
235名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/21(火) 20:25:37 ID:vl06Ou8F
乙です! 初っ端からにやつかせてもらいました!
2362438:2008/10/22(水) 02:32:10 ID:jq/Hppbd
『concealed love』の番外編を投下します。

今回はかがみ視点じゃなくて同じ話を他の人物の視点から書いています。
2372438:2008/10/22(水) 02:33:49 ID:jq/Hppbd
『concealed love』 another side story


「うまくいったかな…」

屋上に一人立ち尽くしている私は空を見上げながら呟いた。

昼休みが終わって帰ってくる二人の様子を見ればおそらくすぐにわかるだろう。
だから昼休みが終わるぎりぎりまでここにいるつもりだった。
結果を知るのが怖かったから…

私が二人の想いに気付いたのは桜藤祭の準備期間だった。
最初にわかったのはお姉ちゃんの方。
お姉ちゃんが男の子の話をするのは珍しいのに、お姉ちゃんとの会話で誠君の名前が出てくることが多かった。
少し注意深く見ると、お姉ちゃんが誠君のことが好きなんだなってことが分かった。
多分、周りにはばれないように気をつけてるんだろうなってことも…

誠君の想いに気付いたのはもう少し後…
道具係で一緒に仕事をする機会が多かった私と誠君は、話をする時間も多かった。
その中で少しづつお姉ちゃんのことを誠君が話題にすることが多くなってきた。

二人の想いに気付いた時、私は一つの決断を迫られた。
それは私にとって選択の余地のない辛い決断だった。
2382438:2008/10/22(水) 02:34:42 ID:jq/Hppbd
てっきり桜藤祭が終わったら、二人が付き合うと思っていた私は、未だまったくその気配がないのに拍子抜けした。
その一方で、ホッとしている自分がいるのも確かだった。
しかし、しばらくするとそうも言ってられなくなってきた。
お姉ちゃんが目に見えて元気がなくなってきたからだ。

「お姉ちゃん、最近無理してない?」

そんな私の問いかけにもお姉ちゃんは、苦しそうに言い訳をするだけだった。
お姉ちゃんは自分の想いをこのまま隠し続けようとしてるんだ…
このままじゃお姉ちゃんがダメになってしまう。
私は以前から考えていた一つの計画を実行することにした。

ふと考えると、ただ私もこの現状に耐えられなくなっただけなのかもしれない。
お互いがお互いに気を遣って、変化を恐れて…
立ち止っているのはみんな同じ。お姉ちゃんも、誠君も、そして私も…

計画のための第一歩。まず誠君に星桜の樹で会う約束を取り付ける。
授業が終わった後、やっと終わったという様子で伸びをしている誠君に話しかけた。

「誠君。明日ちょっと相談したいことがあるんだけどいいかな」
「いいよ?何?明日じゃなきゃダメなの?」
「うん。ごめんね」
「いや、大丈夫だよ」
239concealed love:2008/10/22(水) 02:36:41 ID:jq/Hppbd
そのときの誠君の表情を私は忘れられないだろう。
視線が一瞬の間、少しだけ私の顔からずれ、私の肩越し、つまり教室のドアの方に移動した。
そしてほとんどわからないくらいの短い時間だけ、嬉しそうに笑った。私には見せたことのない微笑みだった。
私も誠君に気付かれないようにごく自然に体の向きをかえ、誠君が見ていた方向を見た。
そこにはお姉ちゃんが立っていた…
ちくりと胸を刺すような痛みが走った。

「うん、ありがとう。じゃああとでメールするね」

お姉ちゃんに聞こえるか聞こえないか、ぎりぎりの音量で言った。
お姉ちゃんが聞いたらどういう風に思うか、双子の妹だからこそ、手に取るようにわかっていた。
それをわかっていながら…いや、それをわかっていたからこそ私はわざと聞こえるように言ったのかもしれない。
誠君が想いを寄せる人に対して、意地悪をしたくて…
このままじゃ、ダメになっちゃうのは私の方だ…


その夜、相談、という名目で、次の日の約束を取り付けた後、部屋を出ていく私の背中に向けてお姉ちゃんは言った。

「つかさがそうだったなんて、私、気付かなかったな。がんばってね」

私も…いっそのこと何も知らなければよかった。
そうして何も知らないままこの想いを貫けたらどんなに良かっただろう。
たとえその思いが届かなくても、隠す必要がなかったら…

「そんなんじゃないよ、お姉ちゃん」

その言葉は空疎に響いた。
お姉ちゃんに言ったんじゃなくて、自分に言い聞かせているのかもしれなかった。
240concealed love:2008/10/22(水) 02:38:52 ID:jq/Hppbd
そして今日、いよいよ約束の昼休みが来たとき、私はすぐに教室を出てこの屋上に来ていた。
お姉ちゃんに一言だけメールを打つ。
お姉ちゃんならこれですべてを察するだろう。
私がお姉ちゃんの想いに気付いていたことも、私がどういう目的でお姉ちゃんと、誠君を星桜の樹に呼び出したかも。

それでも一つだけ気付かないことがあるだろうな。
私の想い…それだけは絶対に気付かない。

それでいいと思った。そうでなければいけなかった。

昼休みの終了を告げるチャイムが鳴った。
3年生の教室の階まで来て、私の足がすくんだ。

お姉ちゃんと、誠君…
それを見た瞬間、すべてを理解した。
二人が一緒に階段を上ってきたことは私の計画が完璧に成功したことを示していた。

まともに二人を見ることができなかった。
向こうも私に気付いたようだった。お姉ちゃんが照れくさそうにしているのが分かった。
一瞬だけお姉ちゃんから顔をそらして、なんとか笑顔を作った。

「お姉ちゃん、おめでとう」


241concealed love:2008/10/22(水) 02:40:15 ID:jq/Hppbd
本音ではあった。お姉ちゃんの想いが叶ったことを祝福する気持ち。
こうなることを望んで、計画を立てたのだから、当然それが遂げられた喜びと祝福の気持ちはあった。
それなのにどうして泣きたくなるんだろう。
自分の中でどうしようもない黒い感情が湧きあがってくるのを感じる。
嫉妬…妬み…悲しみ…
お姉ちゃんに対して、私こんな感情を抱いたことはなかったのに。
どうしよう…お姉ちゃんの顔がまともに見れない。
どんな顔をしていいか分からなかった。


「つかさ、あの〜…ありがとね」


お姉ちゃんは照れながら言った。その顔は、恥ずかしさで真っ赤になりながらも、とてもうれしそうだった。
その顔を見た瞬間、その言葉を聞いた瞬間心の中に光がさしたようだった。

よかった…ほんとによかった…

素直にそう思える自分がいた。大好きなお姉ちゃんと、誠君が幸せそうに笑っているのを見て、本当によかったと思えた。
242concealed love:2008/10/22(水) 02:41:08 ID:jq/Hppbd
「お姉ちゃん、おめでとう!」

今度は何も後ろ暗いことはなかった。迷いもためらいもなく胸を張ってそう言えた。

誠君の方を見る。誠君もお姉ちゃんと同じ顔をしていた。嬉しさと恥ずかしさが半々で同居している顔。
それを見てちょっとだけ切なくなった。
遠ざかっていく誠君の後ろ姿と私の想いに私は小さく手を振った。

「バイバイ」

誰にも聞こえないくらい小さな私のつぶやきは授業の始まりを告げるチャイムの音に溶けていった。
2432438:2008/10/22(水) 02:47:04 ID:jq/Hppbd
以上です。
『concealed love』はこれで完結です。

読んでくださった方、ありがとうございました。

また新作思いついたら投下したいと思います。

では!
244名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/22(水) 09:15:29 ID:w6MpTwvf
GJ! 姉を気遣う妹の姿に心打たれました、乙です!
245名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/22(水) 09:24:26 ID:9prXJJz0
乙です!あなたの小説に俺が泣いた…涙はこれ(便所紙)でふいておきます
246名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/22(水) 12:01:35 ID:PHiWzL11
>>243
乙&GJ!
やっぱりそうだったのか……切ねぇ……
今回のつかさみたいな道化演じる娘はストライクです!
247名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/22(水) 19:23:10 ID:IKgiVuam
全俺が泣いた!
248名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/22(水) 21:29:28 ID:V/ZY7UZa
>>243
乙!!でも誠ときくと・・・
「今だけ・・・かがみお姉ちゃんのことを嫌いになった誠くんでいて」
「俺かがみのこと嫌いになった訳じゃないから、
うまく言えないかもしれないけど・・・

最高だ、つかさ、かがみよりずっと良い
つかさのこの小さくて柔らかい胸に比べたら
かがみのなんて物足りないよ、つかさの胸は最高だ
ここも、締まりもすごくて、かがみのじゃ全然いけないけど
つかさには入れるだけでもうすぐにもいっちゃいそうだ
かがみのあんな体に溺れていたなんて自分で情けないよ
この吸い付くような肌に触れたら
もうかがみのブヨブヨとした体なんて触る気もしない
かがみなんて中出しさせてくれるくらいしか価値のない屑女だよ
つかささえ居れば俺は・・・ つかさぁ、つかさぁぁ」

こんな展開になるんじゃないかと思ってしまうw
249名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/23(木) 05:40:42 ID:C09Mrdes
せめて誠じゃなくて真にしてくれ
250名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/23(木) 07:38:39 ID:RunDuWYV
251名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/23(木) 09:03:08 ID:ioQ0bhTA
本名が誠の俺はどうしたらいい?
252名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/23(木) 10:07:52 ID:fvCGLIHK
>>251

ネットで犯行声明された、と訴えるとか


いや、イキロ
253名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/23(木) 12:30:53 ID:l6luQTlh
>>251
Nice makoto.
254名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/25(土) 14:17:07 ID:L0VfQQik
初めてSSというのを書いたのですが、こちらに投下しても大丈夫でしょうか。

一応内容としては、
・ゲーム主人公設定
・ただしゲーム内容はあまり出ない

となっています。
大丈夫であれば、今夜にでも投下したいと思います。
255名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/25(土) 15:24:48 ID:LoZ0S/T3
いいんじゃね?ゲーム内容があまり出ないのは今までも結構あった気がする
256名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/25(土) 19:28:45 ID:L0VfQQik
では、これより投下致します。
いろいろと至らぬところもありますが、よろしくお願いします。

題名は「純愛〜ななこの葛藤〜」です。
257純愛〜ななこの葛藤〜:2008/10/25(土) 19:35:14 ID:L0VfQQik
「ついに卒業しちゃったね〜」
そう言いながら泉こなたは何かから開放されたように大きく伸びをする。
「そうね…。ってかよくアンタは卒業出来たわね?」
伸びをする親友を眺めながら、からかうように柊かがみが頭をなでる。
「むぉ! さわるなぁ〜! てか、何気にかがみひどくない!?」
「でもホントに卒業しちゃうんだね〜。なんだか寂しいね…」
少し目と頬を赤くしながら、柊つかさが校舎を見上げながら呟く。
「つかささん、ハンカチをどうぞ」
側にいた高良みゆきがピンクの可愛らしいハンカチをつかさに渡した。
「確かに、今日が最後と思うと、何だか寂しいですね」
みゆきがそう言うと、4人は思い思いに校舎を見上げた。
258純愛〜ななこの葛藤〜 2:2008/10/25(土) 19:39:20 ID:L0VfQQik
今日は凌桜学園の卒業式。暖い陽射しと咲き始めの桜に囲まれながら、彼女達は卒業式を終えて校門前に集まっていた。
「いろいろあったね〜。…特に桜藤祭が」
「ホントよね。足を挫いた時はどうしようかと思ったわ」
「そうでしたね。○○さんに何とか代役を務めてもらいましたが、最後はかがみさんが演じれて良かったですね」
「そうだね〜。お姉ちゃんの凛かっこよかったもん。○○くんの司郎も素敵だったけど」

つかさはそのシーンを思い浮かべたのか、ホロリと泣いていたのとは別の意味で頬が上気する。
「ん? その○○くんはどこ?」
こなたがキョロキョロ辺りを見渡す。
「お友達とお別れしてるようですよ」
みゆきが指した方を見ると、玄関入口で男子生徒と別れた○○がこっちに来るところだった。
「○○くんってセバスチャンと仲良いの?」
「さぁ? あんまり喋ってるとこ見た事無かったけど」
259純愛〜ななこの葛藤〜 3:2008/10/25(土) 19:43:50 ID:L0VfQQik
4人の視線に気付いた○○が慌てて駆け寄って来る。
「遅くなってゴメンよ。いろいろ話しちゃって」
「○○くんセバスチャンと仲が良いんだ?」
かがみが不思議そうに聞いて来る。
「…セバ…? いや、白石とはそんなに仲良くなかったんだけど、さっき急に話しかけられて『もう一回ループしないか?』とか、『もっと出番くれよ!』とか泣き付いて来たから怖くなって逃げた」
4人がセバスチャンを見ると、下駄箱に寄り掛かりながら泣いている姿が目に入った。
「そっか、なら良いや。んじゃ、生徒側はこれで全員かな?」
セバスチャンに極力触れないようにしながらこなたが言って。
「そうね、あとは黒井先生かな」
かがみがそう言うと、○○の顔が少し悲しげになる。
「…そっか。黒井先生と会えるのは今日で最後なのか…」
その言葉の中に先生に対する敬意以上のものがある事を他の皆は知っていた。

(黒井先生も気付いてそうだけど…。やっぱ教師って枠がブレーキかけてるのかしら?)
(おそらくね〜。だ・か・ら! 私達が今日一肌脱いでやろうとしてるんじゃないかい? かがみん)
(分かってるわよ。いい? 私情を挟んじゃダメよ!)
(それは多分皆に言うべきだけどね〜)
(大丈夫だよ〜。もう気持ちは決まってるもん)
(私もです。あんなに悲しそうな顔のままでは、私まで悲しくなってしまいますから…)
(決まりね。じゃあ手筈通りいくわよ)
(オー!)

「何を話してるの?」
「おぅわ!ナンデモナイヨ、ナンデモナイ」
「? 何でこなたさん片言なんだよ?」
「いーのいーの。たまにこなたは片言になっちゃうだけだから」
「ん〜、知らなかったな」
「私も知らなかった〜。こなちゃん片言タイムがあるんだね〜」
(つかささん、あれは誤魔化しただけでは…)
みゆきが心の中でツッコミを入れている頃、黒井先生は屋上で一人佇んでいた。
260純愛〜ななこの葛藤〜 4:2008/10/25(土) 19:47:22 ID:L0VfQQik
屋上から校門付近にいる5人を眺めながら、ななこはその中の一人に視線をそそいでいた。
「アホなやっちゃで…」
そう呟きながら盛大に溜め息を吐く。
(ホンマにアホなんはウチか…)
自分は教師である事、○○が生徒である事、歳が離れている事…。
それらの心のストッパーを外して、ななこは○○に想いを寄せるようになっていた。
(ウチも一人の女やった…、ちゅう事かいな…)
また一つ溜め息を吐く。今日だけで何度吐いたか分からない溜め息は、春の陽気に包まれながら消えていく。
261純愛〜ななこの葛藤〜 5:2008/10/25(土) 19:50:23 ID:L0VfQQik
(確かに、あん時は『卒業したら、構わへん』みたいな事言うたけど…)
(ここで○○がウチを受け入れても、いつか○○が後悔するんちゃうか…?)
やはり学生とは違い、年齢的にも身分的にも、大人のななこは「その先」を考えてしまう。
(○○はまだ20にもなってへん。大学に進めばもっと綺麗で若い娘なんていっぱいおる)
(そんな未来のあるアイツの選択肢を…、ウチなんかで埋める訳にはいかんやろ…)
自分と○○の年齢差は約10も違う。○○が20になると、ななこは30になる。この如何ともし難い年齢差が、ななこに不安という暗い陰となってのしかかる。





(…決めた…)
彼等と約束した待ち合わせの時間に差し掛かろうとして、ななこは決断した。
(…ゴメンな…、○○…)
校門付近で談笑している○○を悲しげに一瞥し、ななこは屋上から校門へと向かった。
262純愛〜ななこの葛藤〜 6:2008/10/25(土) 19:54:06 ID:L0VfQQik
「いや〜、スマンスマン! 待たせてしもたな!」
そう明るく笑いながら黒井先生は俺達のところにやってきた。
「とりあえず、卒業おめでとさん」
にこやかに笑いながら、皆にお祝いの言葉をかける。
「寂しくなりますね…」
「そんなんすぐ寂しくなくなるで。自分らはこれから大学の準備やらなんやらで忙しくなるんやし!」


(…あれ…?)
手をひらひらとしながら明るく笑う黒井先生に何か違和感を感じた。
他の4人も同じようで、それぞれ不思議そうな顔をしている。
「ほな、今日は教え子のめでたい門出の日や! パ〜ッと奢ったるさかい、遊びいこか!」
「え!? 良いんですか?」
さすがにビックリしたようで、かがみさんが声を上げる。
「かまへんかまへん。卒業生と遊び行ったらアカン法律なんてあらへんからな」
(…やっぱり変だ…)

どうにも黒井先生の態度に違和感を感じ、何かあったのか聞こうとした時。
263純愛〜ななこの葛藤〜 7:2008/10/25(土) 19:57:13 ID:L0VfQQik
「やたー! 先生の奢りだってー!」
飛び跳ねながらこなたさんが喜びの声を上げた。

(ちょっとこなた?)
(大〜丈夫だよ〜。黒井先生の考えてる事くらいわかってるって)
(では、やはりあれは…)
(うん、無理にテンション上げてるね。多分、彼とは生徒と教師のままでサヨナラするつもりだよ)
(え〜! そ、そんなの○○くんが可哀相だよぅ…)
(だから、ここは黒井先生の好きにさせるの。無理に問い質しても逆効果だからね)(そうね。じゃあせめて場所だけは最初の予定してた場所へ誘導しましょ)
264名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/25(土) 19:58:25 ID:8KjN+HxI
支援
265純愛〜ななこの葛藤〜 8:2008/10/25(土) 20:00:06 ID:L0VfQQik
「せんせー! パ〜ッといくならやっぱりカラオケでしょ!」
「いいわね。黒井先生の歌聞きたいかも!」
「私も〜! こなちゃんのアニメソング聞きたいな〜」
「すでに部屋は予約してありますので、宜しければ行きませんか?」
「ん? 随分準備えぇな高良。さすが委員長やってだたけはあるな! よっしゃ! ほなカラオケで歌うで!」「え? ち、ちょっと待ってくれよ、皆。黒井先生の様子が…」
「ほらほら、○○くんも行くわよ!」
「早くしたまへ〜! 予約してても時間は限られているのだよ!」

かがみさんとこなたさんが強引に手を引いていく。

「おわっ! 急に引っ張るなよ! ってか話を聞いてくれよ〜」
266純愛〜ななこの葛藤〜 9:2008/10/25(土) 20:02:39 ID:L0VfQQik
俺の訴えは華麗にスルーされ、妙なテンションの黒井先生に違和感を感じながら、カラオケ屋に到着した。本当に予約は済んでいたらしく、すぐに部屋へ案内された。
ちょうど6人で一杯になるくらいの部屋で、2人掛けソファーが3つある。
それぞれに、こなたさんとかがみさん、つかささんとみゆきさん、俺と黒井先生が座っている。
黒井先生は妙なテンションを維持したままだったが、ソファーに座ってから妙にそわそわしている。
歌わないのにマイクを持ってグルグル回していたり、メニューを見るフリしながら、こちらをチラリと盗み見ている。

(…変だ。明らかに変だ)

何かを我慢しているように見えるが、いざ問い質そうとすると歌の順が回って来たり、皆に話しかけられたりでなかなか話が聞けない。

(…カラオケ終わってからじゃないと無理かな…)

とりあえず今問い質すのは諦め、せっかくの黒井先生とのカラオケを楽しむ事にした。
267純愛〜ななこの葛藤〜 10:2008/10/25(土) 20:05:19 ID:L0VfQQik
(何で謀ったかのように隣りに○○がおんねん!)

ななこは何杯目か分からないカクテルを飲み干し、顔が赤くなるのを酒で誤魔化していた。

(いくら受け入れたらアカンって覚悟決めても、こんなに近かったら意識してしまうやろ…)

カラオケに着いてから飲み物を取って戻って来ると、開いている席は既にここしかなかった。
おまけに何故か分からないが、ななこと○○の歌う曲以外が、全てラブソングで統一されていた。

(何で泉までラブソングなんか歌うねん! お前はアニソンいかんかい! おまけ98点とかどんだけ上手いねん!)

普通ならなんてことはないが、自分の想い人が隣りにいて、尚且つその相手も自分に好意を抱いてるのを知っているばかりに、妙にラブソングに対して意識してしまっていた。
268純愛〜ななこの葛藤〜 11:2008/10/25(土) 20:09:20 ID:L0VfQQik
(アカン、どんどん顔が赤くなってきよる)

半分はカクテルのせいだが、もはや冷静に思考が働かなくなっているため、ラブソングに当てられたと勘違いしてしまっていた。

(もっと酒で誤魔化さな…)

先程注文していたカクテルを店員が運んで来ると、奪うように取ると、一気に飲み干した。

「せ、先生? そんなに飲んで大丈夫ですか?」
「あぁ〜、らいじょうぶやこれくらい!」

既に呂律はまわっていなかったが、本人はそれを気付いていない。

「んぁ? ウチの入れた歌やないか。よっしゃ! まだまだ盛り上げて行くで!」

勢いよく立ち上がった時、ななこは世界が歪んでいくのを感じた。

(あら…? なんや画面が良く見えんな…)

やがて歪んだ世界はグルグル回りだし、足元から地面が無くなるのを感じた。

「先生!」

○○の声を遠くに聞きながら、ななこはゆっくりと意識を無くしていった。
269純愛〜ななこの葛藤〜 12:2008/10/25(土) 20:12:27 ID:L0VfQQik
(どこや…? ここはどこや…?)

見た事のない風景と雑踏が広がっている。周りを見ると、ここはスクランブル交差点の中心のように見える。

(あれ? 何でウチはこんなとこに…)

ふと前を見ると、見慣れた横顔が目に写った。

「あ、お〜い! ○○〜」

声を上げ大きく手を振るが、相手は気付いている様子が無い。
良く見ると、彼は見た事もない美人と仲睦まじく会話していた。

(…えっ…?)

二人はななこに気付く様子もなく遠ざかって行く。

「ま、待って! ○○! お願いやから待って!」

追いかけようとしても雑踏に邪魔され、とても進める状態ではない。

「行かんといて! お願いやから!」

泣きながら手を伸ばすが、二人の姿は雑踏の中に消えて行ってしまった。

「ぅう…、うあぁぁぁぁぁぁ!」

声を上げて泣いた。決めたはずなのに、決心したはずなのに。
それでも、ななこにとって○○がいなくなる現実は堪えられるものではないのだろう。
心の奥底から沸き上がる悲しみのままに、ななこは泣き続けた。
270純愛〜ななこの葛藤〜 13:2008/10/25(土) 20:15:16 ID:L0VfQQik
―――んせい―――
―――――せんせい―――


遠くで声がする。聞きたくて聞きたくて仕方のなかった声が。

――先生! 大丈夫ですか?――

心配する声に誘われるように、ゆっくりと目を開ける。

「…起きましたか? 大丈夫ですか?」

ななこの目の前にドアップになった○○の顔があった。

「…○○?」

「先生大丈夫ですか? うなされながら泣き出すから心配しましたよ」

頬に手を当てると、涙で濡れているのが分かった。

(さっきのは…夢…?)

(…ってそうやなくて、○○近すぎるわ!)

手を伸ばせば届くところに顔があるため、ななこの頬は一気に上気する。

「頬が赤いですね。まだお酒が残ってるんですかね? お水持ってきますね」

そう言い残し、○○は部屋から出て行った。
271純愛〜ななこの葛藤〜 14:2008/10/25(土) 20:18:03 ID:L0VfQQik
身体を寝ていたベッドから起こし、周りを見渡してみる。
わりと広めの部屋に大きめの本棚。泣いていて目が霞むせいで本の内容までは分からないが、かなりの冊数が置かれている。

(…ここはアイツの部屋なんか…? ウチは何でここに…)

そういえば、最後の思い出にパ〜ッと遊ぼうとしてカラオケに行った気がする。
ただ、その辺りですでに記憶が曖昧になってきているので、深くは思い出せない。
思い出そうと思案していると、お盆に水とお茶を持った○○がやってきた。

「起きて大丈夫ですか? 何があったか覚えていますか?」
「いんや、な〜んも思い出せん…」

盆をテーブルに置き、水をななこに渡しながら○○が事の経緯を説明した。

カラオケに行った事。
暫く歌っていたが、ななこが酒をハイペースで飲み始め、やがて倒れてしまった事。
慌ててひかる先生に連絡し、飲み過ぎだと言う事なので近かったこなたさんの家の部屋を借りて休んでいた事。
272純愛〜ななこの葛藤〜 15:2008/10/25(土) 20:23:04 ID:L0VfQQik
「そうやったか…。スマンな、最後の最後に迷惑かけてしもて…」
「いえ、迷惑なんかじゃないですよ」

軽く首を横に振りながら、○○は優しく微笑んだ。

「ところで、さっきは何で泣いてたんですか? 何か悲しい夢でも見たんですか?」

ななこは口詰まった。夢の内容を話せば、いくら鈍くても勘付かれる。
「いや、実は泉が何年経っても卒業せん夢を見てな。おまけに担任をず〜っとウチがする夢やったんや」
「そ、それは何と言うか…、確かに大変そうな夢ですね…」
「せやろ? そやからちょっと泣いてただけやねん。『勘弁してぇな〜』ってな」

何とか誤魔化せたかと、ななこは胸をなで下ろす。
○○に対して嘘を吐くのは嫌だったが、こればかりは正直に言う訳にはいかなかった。

(決心が鈍らん内に早よ帰ろ。これ以上ここに居ったらアカン)

夢と相俟って、○○への想いが張り裂けそうになっていた。これ以上彼に優しくされると、もう堪えが効かなくなると思ったからだ。
水をグイッと呷り、コップを○○に渡した時、彼が口を開いた。
273純愛〜ななこの葛藤〜 16:2008/10/25(土) 20:27:37 ID:L0VfQQik
「先生、もう一つ聞きたいんですが」
「ん? なんや?」

今までにない真剣なまなざしで○○が見つめて来る。
何か無性に恥ずかしくなって思わず目を逸らす。

「先生は…、今付き合っている方はいますか?」

(…!)

この質問で相手が何を言いたいのかすぐに分かってしまった。
ななこからの返事がないまま、○○は続ける。
「先生と会うのは、おそらく今日が最後でしょう。…ですが、それは生徒と教師としてです」
「卒業式の終わった今、僕は一人の人間として貴女に接したいんです」
「だから、言わせて下さい。僕は、一人の男として、貴女の事が…」
「ちょっと待った! その先はゆうたらアカン!」

○○の言葉を遮るように、ななこは声を上げる。

「多分、お前が言おうとしている言葉と、ウチの考えてる言葉は同じや」
「だけど、その言葉は聞く訳にはいかんねん」
「たとえ卒業してもな、ウチは教師でお前が生徒だったってのは変わらんのや」
「せやから、お前の気持ちに答える訳には…」
274純愛〜ななこの葛藤〜 17:2008/10/25(土) 20:31:44 ID:L0VfQQik
矢継ぎ早に捲し立てるななこを抱き締める。

「…っ! な、何しよんねん…!」

強い口調とは裏腹に、ななこはあまり抵抗していない。

「僕はまだ想いを伝えてません」
「それに…、人は役職で形作られる前に、一人の人間なんです」
「僕が生徒だったという役職が消えなくても、僕の先生への想いは何も変わりません」
「だから…、先生も先生としての返事ではなく、ななこさんとしての返事を下さい」
「……」
「貴女が好きです。…誰よりも…、愛しています」
275純愛〜ななこの葛藤〜 18:2008/10/25(土) 20:34:51 ID:L0VfQQik
「貴女が好きです。…誰よりも…、愛しています」

告白を聞いた瞬間、ななこは泣いていた。
自分をこんなに好きになってくれる相手がいる。それがただただ嬉しかった。
抱き締められた時に感じていた鼓動が、より一層早くなっている。

(緊張してんねやな…。コイツの一生懸命な想いが鼓動と一緒に伝わってくるわ…)

「…なぁ、○○。ウチと○○の歳の差知っとるか?」
「約10ですね」
「オマエが大学生の頃には30やで?」
「きっとますます好きになってますね」
「酒かて飲むし」
「お相手出来る歳になったら、一緒に飲みましょう」
「酒癖悪いで」
「尚更介抱する相手がいるでしょう?」
「ネトゲにドップリハマッてるような女やで?」
「遊び心を忘れない人は素敵だと思います」
「わがままかて言うかも知れへん」
「僕を頼ってくれるんですよね」
「ロッテが負けると機嫌悪くなるで」
「その時は美味しいものをご馳走しますよ。…金銭的余裕があれば」
「…束縛するで。浮気はゼッッッタイ許さへんからな!」
「僕もななこさんを離しませんから、おあいこです」


276純愛〜ななこの葛藤〜 19:2008/10/25(土) 21:03:52 ID:L0VfQQik
「…○○…」
名前を呼びながら、彼の顔を見上げる。

「はい?」

そこには優しく微笑む○○の顔があった。

「…ずっとずっと我慢してた事言うで」
「好きや…、…大好き…」
「…僕もです。ななこさん…」

ずっと我慢していた。自分は彼と結ばれてはいけないと決め付けていた。

(…だけど、こんなに愛してくれるんなら、ウチも素直になってええよな…?)

溜め込んでいた「好き」という感情が胸の奥から溢れて来る。
その感情に従うままに、彼の身体をギュッと抱き返した。

「ずっと離さへんから…。ずっと離さんといてな…」
「はい…。ずっと一緒です…」

お互いの温もりを確かめ合うように、強く強く、抱き締める。

(そうやんな…。ウチは確かに教師やけど、教師という役職以前に「黒井ななこ」やねん)
(教師という役職は忘れたらアカンけど…、ななことしての想いもあってええよな…)
277純愛〜ななこの葛藤〜 20:2008/10/25(土) 21:06:46 ID:L0VfQQik
「ななこさん…」
名前を呼びながら彼女の頬え手を当てる。
「あっ…」
意図を察したのか、瞼を閉じてこちらを向く。
「優しく…してな」
「初めてですから、上手く出来ないかも知れませんが…」
「ウチもやから気にせんでも大丈夫や」
「ななこ…」
「○○…」
ななこの息遣いを感じながら、ゆっくりと唇を合わせる。
「んっ…」
触れるだけの優しいキス。しばらく重ねた後、ゆっくりと離れていった。
「略式ですけど…、誓いのキスって事で」
「…アホ。略し過ぎや…」そう言いながら、お互い顔を真っ赤にして俯く。
「なぁ、○○…」
目線を上げ、彼の顔を見る。何度言っても言い足りない言葉。きっとこれから先も言うだろう。
決して枯れる事のない不滅の想い…。
言の葉に乗せて、大切な人へ伝える想いを。




「大好きやで!」

FIN
278純愛〜ななこの葛藤〜作者:2008/10/25(土) 21:14:01 ID:L0VfQQik
以上で「ななこの葛藤」投下は終了です。
携帯からの投下なので、ところどころ見辛いかと思います。すいません。
初めて書いたので、文章としても成立しているかどうかも怪しい限りです。
支援して下さった方、ありがとうございました!

ついでではありませんが、オマケを一つ投下します。
279純愛〜ななこの葛藤(おまけ)〜:2008/10/25(土) 21:16:45 ID:L0VfQQik
「…好きや…、…大好き…」


(…ふぅ〜…)

部屋の外で扉に張り付いている4つの影は、一斉に安堵の溜め息を吐く。

(一件落着ってね〜)
(そうねぇ。カラオケで倒れた時はさすがに慌てたけどね。計画ではカラオケ屋で二人きりにさせるつもりだったけど…)
(でも良かったね〜。…ホントに…、よ、良かったよぉ…)
(つかささん…、泣かないでください…)
(う…、うん…。泣いちゃダメだよね。○○くんの幸せが逃げちゃうよね)
(気持ちは分かるけどね〜)
(まぁ…、あの二人はこのままにして、私達は外に行きましょ)
(そうだね。失恋した者同士慰め会でも行くかぁ〜)
(ちょっ! な、何言ってんのよ! 私は別にアイツの事なんか…)
(はいはい〜、分かりやすい反応ありがとう、かがみん。ってか今さらでしょ?)
(…うっ)
(それじゃあ、フラれたかがみんの為に、ケーキバイキングでもいこ〜)
(うぐっ…。い、いいわよもう! 食べてやるわよ!)
(さすがかがみん〜。それじゃ、行こうか)
280純愛〜ななこの葛藤(おまけ)〜 2:2008/10/25(土) 21:22:48 ID:L0VfQQik
(ひゃぁ!)
今だに扉に張り付いていたみゆきが小さく叫んだ。
(ど、どうしたのゆきちゃん)
(き…きすしてます…)
(えぇぇぇ!)
扉から離れていた3人が一斉に張り付く。
(ほんとだ…)
(あぅ〜、いいなぁ〜)
(……)
(ねぇ、こなた)
(…なに?)
(…悔しく…ない?)
(…悔しいね。ってかここ私の部屋なんだけど…)
281純愛〜ななこの葛藤(おまけ)〜 3:2008/10/25(土) 21:23:52 ID:L0VfQQik
(…ぶち壊したいですね…)
(ゆ、ゆきちゃん?)
(…ねぇ、皆)
(なによこなた)
(ホント〜に○○くんを諦めてる?)
(…………)
(だよね〜。簡単にはいかないよね〜)
(そ、そうゆうアンタはどうなのよ?)
(好きに決まってんじゃん)
(わ、私も好きです!)
(私も大好きだよ〜!)
(かがみんは?)
(……嫌いな訳…、ないじゃない…)
(決まりだね。いい? あくまで二人の愛を試す…、ってか○○くんだけなんだけどね。彼の愛を試すだけだからね)
(建前全開ね)
(じゃあ、これからぶち壊す為の会議ですね…)
(みゆき…、悪意が感じられるわよ…)
(じゃあ行こうか。…待っててね〜、お二人さん)
新たな決意を胸に4人は廊下を後にする。
この後、ななこが4人のアプローチにやきもきするのはまた別のお話である。


FIN
282純愛〜ななこの葛藤〜作者:2008/10/25(土) 21:28:14 ID:L0VfQQik
オマケは以上になります。
初めての投下でお見苦しいものを書いてしまいすみません。
良ければ「ここはこうした方がいい」とか「このキャラはもっとこうだろ」
といった意見や批判を頂ければ有り難いです。
それでは、失礼致します。ありがとうございました。
283名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/25(土) 23:03:35 ID:eQE7jYqZ
乙です!黒井先生もの久しぶりですね、展開と四人の心境の表現がGJ!
284名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/26(日) 00:39:41 ID:cKWzlycR
久々の大作だな、面白かったです
285名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/26(日) 10:06:30 ID:GnIqi3rA
GJです!みゆきさんの黒部分に、見事に爆笑さらしました
286純愛〜ななこの葛藤〜作者:2008/10/26(日) 22:56:07 ID:VxFFW3bz
こんばんは。先日投下したSSの作者です

先日投下したSSに関してお詫びがあります
先程まとめサイトのSSを読んでいたところ、「黒井ななこSS」という題名の、告白導入部の構成が非常に似た内容になってしまっていました
作者である1-162氏には大変失礼を致しました。申し訳ありません
意図していなかったとは言え、書き手としてあるまじき事をしてしまいました

先日投下したSSは、まとめサイトには入れないようお願い致します
(非礼に対する詫びとして)

現在、別の新作に着手していますが、もし良ければまたこちらに投下させて頂きたく思います
その際は、二度とこのような事がないように留意致します

改めて、申し訳ありませんでした。それでは、失礼致します
287白狐:2008/10/26(日) 23:28:48 ID:cvpnyttg
この前の続きを投下いたします
主人公、りゅうじとヒロイン、やまと。
二人が初めて出会った日・・・
288白狐:2008/10/26(日) 23:41:19 ID:cvpnyttg
担任「出席をとるぞぉ。相川、井上、遠藤、尾崎・・・神楽」
ここは埼玉県立東部第二中学校。ごく普通の中学生が通う、普通の学校。
担任「神楽・・・神楽はどうした!?」
生徒「さっきまで居ましたけど・・・」
これはいつもの事。朝のHRが嫌いなオレは、いつも逃げていた。
担任「またか・・・そういえばこたろうも居ないな、まったく!」

神楽「・・・ふぅ〜・・・」
いつものように、オレは屋上にいた。
屋上でただ寝そべってタバコを吸っていた。
こたろう「やっぱりココだったか・・・」
289白狐:2008/10/27(月) 00:09:53 ID:ORHb0ac7
神楽「なんだよ、お前だってHRサボってんだろ?」
こたろう「あのなぁ、教室でタバコが吸えると思うか?」
神楽「・・・そりゃ無理だな。・・・ほらよ、火」
こたろう「サンキュ!」
オレの隣で一緒になってタバコを吸っているのは、親友の高橋こたろう。
オレ達は小学校からの付き合いだ。

こたろう「そういえば今日は確か新入生が校内見学するらしいぜ」
神楽「だからなに?」
こたろう「かわいい娘何人いると思う?」
こいつは口を開けば女の話題。もう耳にタコができるわ!

神楽「興味ねえよ、そんなこと!」
そう言ってオレは、二本目のタバコに火をつけた。
校庭を見てみると、まだ初々しい新一年生たちが校長の長〜い話を聞いていた。
こたろう「う〜ん・・・お!B組のあの娘ら、かわいいなぁ♪」
こたろうの方を向くとどこから出したのか、双眼鏡で校庭を眺めていた。もちろん女漁り。

神楽「好きだねぇお前は・・・」
こたろう「いいからお前も見てみろよ!あの二人!!」
神楽「どれ?」
こたろう「ほら!あのアクビしてる娘と、ポニーテールの娘!」
そうこたろうの言った二人を見てみる・・・確かにかわいい・・・
でもポニーテールの娘は、どちらかと言えば・・・綺麗だ・・・
290白狐:2008/10/27(月) 00:51:44 ID:ORHb0ac7
時は進んで放課後。今度は二人、体育館の裏でタバコを吸う。
こたろう「あの二人、名前はなんて言うんだろうなぁ♪」
随分とさっきの二人が気に入ったようだ。さっきからこの調子。
神楽「お前って奴は・・・」
そう言いながらも、実際オレもポニーテールの娘が気になっていた。
(なんて名前なんだろうなぁ・・・)

?「かわいい娘だなぁ、これから一緒に遊ぼうぜ?」
なんだ?外から聞いたことのある声が聞こえた。
?「やめて下さい!」
女の子の声も聞こえる。何なんだ?
こたろう「お〜い。三年の池田たちがさっきの二人をナンパしてるぞぉ」

池田・・・あぁ、三年の不良か。見てみると確かにさっきの二人が男6人に囲まれている。
?「離して下さい!痛い!!」
?「あんた達、やまとになにすんのよ!!」
結構緊迫した状況になってきたなぁ・・・かなり強く握っているのか、やまとという娘の顔が歪んでいる。
もう一人の娘も、池田に対して強く発言した。その時
パァン!!
291白狐:2008/10/27(月) 01:08:37 ID:ORHb0ac7
池田がもう一人の娘を平手打ちした。その娘もあまりの事にその場に倒れてしまった。
やまと「こう!こう!あんた達・・・最低よ!!」
あまりの事にやまとという娘も、強く、涙目になりながら叫んだ。
池田「・・・まずお前らには、上級生に対する言葉使いを教えなきゃなぁ・・」
池田がそう言って、再び右手を振りかぶった。

こたろう「おいおい、やべぇぞりゅうj・・・」
こたろうがそう言い切る前に、オレは池田の右手を掴んでいた。
不思議な感情だった。今まで感じたことのない思いが、オレを動かした。

やまとは驚きの表情でオレを見ていた。
池田「テメェ・・・二年の神楽だな!」
神楽「女相手に男6人。しかも手を出すなんて・・・恥ずかしいと思わないの?」
怒りに似た感情。池田がやまとを叩こうとした事を、オレはすごく許せなかった。

池田「最近テメェ調子に乗りやがって!丁度いい・・・ココで袋叩きにしてやる!」
池田がそう言うと、不良6人がオレを囲む。
・・・・・・やれやれ、謹慎明け早々にこれか・・・
292白狐:2008/10/27(月) 01:23:04 ID:ORHb0ac7
5分後・・・オレの右手は紅く染まっていた。
神楽「こたろう・・・何分だった?」
こたろう「5分ジャスト。相変わらず強いな、お前」
周りには、さっきまで粋がっていた不良たちが倒れている。
やまと「あ、あの・・・」

恐る恐るオレ達に話かけてきたやまと。そりゃ目の前であんな喧嘩見りゃあなぁ・・・
やまと「えっと・・・その・・・あ、」
教師「こら!お前ら、なにしてる!!」

やまとが何かを言おうとするのを、教師の怒声がかき消した。
こたろう「やべぇぞりゅうじ!早くにげねぇと!!」
神楽「あ!こたろう!てめぇ自分だけ先ににげんじゃねぇ!!」
そそくさとオレ達二人は、その場から立ち去った・・・。

教師「む!君らは確か一年B組の・・・」
やまと「永森やまとです。この娘は八坂こうです」
いつの間にか起きたこうとやまとが、状況を説明しようとすると・・・
教師「大丈夫か!どうせさっきの二人に何かされそうになったんだろう!」

二人の話をまったく聞こうともせず、話を勝手に進める。
やまとが説明をしようとしても、聞く耳もたず。
教師「いいか!これからあの二人には、絶対に関わるな!」

教師「二年の神楽りゅうじと、高橋こたろう。あいつらはこの学校始まって以来の・・・クズなんだ!!」

これがやまととオレの、初めて出会った日・・・。
293白狐:2008/10/27(月) 01:25:30 ID:ORHb0ac7
今日は以上です。
何か変な展開になってきました・・・(汗)
しばらくは中学生編を書いていきます!

ではまた今度・・・
294名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/27(月) 07:59:40 ID:OYZIICW5
>>286
別に気にしなくて良いんじゃね?
つーかまとめに無いとたまに読みたい時に困る
295名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/27(月) 12:25:32 ID:lOEAz8iJ
>>282
乙!
先生にしろ4人組にしろ恋愛が絡むと
「諦める」という決意は揺らぎやすいんだなぁ……
にしても「ぶち壊したいですね」ってwww盛大に吹いたwww
まさに「アレー?何か出ましたねー」って感じだw

>>293
乙!
永遠の中二病患者である俺にはたまらん展開だ(褒めてます)
主人公コンビがなんでやさぐれてんのか気になるところだ
296龍二:2008/10/27(月) 17:26:20 ID:5l4Th0nf
皆さん乙です!!

最近は泣ける展開や熱く燃える展開など、
ココロ揺さぶる作品が多くて見入ってます!!

オレのSSは未だにただドタバタばっかりしてるお騒がせモノですが・・・。
どうかもうしばらくよろしくお願いします。

最近は文化祭やテスト連続!そして夏休みの宿題(まだやってなかったのか)
がオレの邪魔をして、ネタが浮かばない!!

一応大まかなストーリーは全て出来上がってるんですけど
なんというかその一つ一つのつなぎが作りづらく・・・。

そして2〜3週間も最新話UPできませんでした。
しかも今回は結構短くなっております。

それでは例によって前回までのまとめ置き場↓
http://syosetu.com/g.php?c=w0622c&m2=nl
(まとめサイトあるなら必要ない気もしてきた。)

それとまたまた例によってブログ↓
http://ameblo.jp/26310/
(どう見ても宣伝にしか見えない気もしてきた。)

それではSS投下開始します!!
297龍二:2008/10/27(月) 17:27:58 ID:5l4Th0nf
「……ふぅ。思わず走ってきちゃったよ。」

屋上から颯爽と出て、その途中の非常階段。私はそこにいた。
私以外に誰もいない、私が悩む姿を誰にも見られない。私だけの、非常階段。

「なんで……なんだろうな。」

いつものように「攻略開始」といっただけなのに。攻略なんてしたって、
今までみたいに演劇が終わったらすぐに時間が巻き戻るだけなのに。
なぜか、火照る顔。いつものギャルゲのように、ただ、キャラを攻略するだけなのに。

なにか……忘れている気がした。きっと一番忘れたくないものだった。
けれど、頭から出てこない。…サトシくんもこんな気分なんだろうか。

演劇が終わって……すぐに時間が巻き戻った?
…いや、むしろその後に大事な事が…。

思い出せない。私は頭をかきむしる。
それでも、そんな姿は誰にも見られない。心配されない。

誰もいない、誰も見ない。私だけの非常階段。

…でも、なにか寂しい感覚を感じていた…。
298龍二:2008/10/27(月) 17:28:45 ID:5l4Th0nf
「はぁ〜あ。こなたさんとキスシーンねぇ…。」

なんらかの返答をしておけばよかった。台本を作ったあやのさんにムリを承知で
「あやのさん台本かえて!」だとでも言えただろうに。

「お〜い!」

「あ、みさおさん?」

みさおさんがオレの前にやってくる。走ってきたようだが、急用だろうか?

「どうしたの?そんなに急いで。」

「はぁ、はぁ……。ふぅ。…あのさ。」

そのみさおさんの顔はとても真剣だった。
思わずオレも真剣な顔をする。キリッと。

「とっても重要なことなんだ。」

「う、うん。」

重要なこと…。みさおさんがそういう真剣な顔をするキャラじゃなく、
天然なカンジの人だった事もあり、その言葉に本気で耳を傾けた。
299龍二:2008/10/27(月) 17:29:54 ID:5l4Th0nf
「……何だっけ?」


「……はい?」

「すっげぇ重要なことなんだ!でも思い出せねぇ!
なんか思い出さないか!サトシ!」

「そんな聞いてもない事思い出せだなんて!
そんな重要な事なら忘れないでよ!!」

ちょっとしたツッコミのつもりだった。
…なのにみさおさんは急に顔を暗くして俯く。

「……ごめん。」

「え?」

…まさかそんな本気で謝られるとは思わなかった。
なんかこう、「あ〜、まあどうでもいいじゃん?」みたいな流れになると思ってし。
みさおさんの性格からして。

「……なんか、思い出さないといけない事があった気がしてさ。
確信は無いけど、少しだけ思い出したんだ。」

なんのことだろう…?その『重要な事』ってのが演劇やチアの事じゃないのなら、
ひょっとして、『前の』オレの事だろうか?
300龍二:2008/10/27(月) 17:36:19 ID:5l4Th0nf
深刻そうな顔を見ていると、そうとしか思えない。そうだとすれば、
もしかしたらオレだけでなく彼女達もほんの少し記憶が消えているのかもしれない。

自分だけ、というのがどうもオレの中では引っかかっていたからだ。
そしてその自分でさえ『前の』記憶がわずかにある。

相変わらず実感はない。でもそれはそうだ。『記憶がなくなった』人間は、
『なくなる前』の人間とは全く違った生き物になるのだから。

とにかく、このままの状態だと何も進まないので、
情報を手に入れるのも含めて、みさおさんに問う。

「思い出したって……何を?」

「いや。オマエが思い出しててくれないと、ダメなんだ。
自分だけ思い出してても意味がなくてさ。ゴメン。わかりづれぇな。」

どうしてか、申し訳なさそうに後ろ頭をかく
みさおさんの姿がとても哀しく見えた。
301龍二:2008/10/27(月) 17:36:47 ID:5l4Th0nf
「……『力になる』っていう考えの時点で、多分思い出してないんだろうなぁ。
まぁいいや。一回しかいわねぇから、良く聞いとけよ。」

一回しか言わない。その言葉を聞いたオレは、
聞き逃さまいと、耳を立てる。


そして何秒もの時が流れる…。


「……あ〜。うん。」

「!!? もしかして、もう言った!?」

「いや〜。なんというかだな。あ〜、まあどうでもいいじゃん?」


………なったよ。なんかこう、
「あ〜、まあどうでもいいじゃん?」みたいな流れに。

一字一句違いも無く。
302龍二:2008/10/27(月) 17:37:23 ID:5l4Th0nf
「どうしたんだよ!気になるじゃんか!」

「う、うるせぇな!やっぱ忘れたんだよ!」

「忘れたって……どんだけ〜。」

「やめろ!柊妹による哀れみの目みたいな目でこっちをみるなッ!」

ベチッ、とオレの頭に張り手を決めて、ベーッと舌を出しながら
みさおさんは教室に向かって走り去っていった。
オレも教室に戻るとしよう。
303龍二:2008/10/27(月) 17:38:03 ID:5l4Th0nf
食後の午後の授業は意外と眠くなりはせず、
なかなか栄養のおかげで目が冴えていた。

なので無事に眠らずに授業をやり過ごす事ができたのだが、
ノートはほとんど取れていなかった。

でも、ただ『少しでもノートを取った』という行為をとても素晴らしく思ってしまい、
オレがなかなかレベルの高い高校に属している事を忘れさせる。

いつもノートなど取らずにテスト前に猛勉強でやり過ごしてきたのだ。
ノート提出など言い渡されようものなら大慌てだ。


なんだかんだで放課後。放課後まで学校にいたのは一応これが初めてだ。
白石は「用事がある」と言って大急ぎで帰っていったのだが、
この学校での頼れる情報源はアイツしかいないため、
白石からのメールを期待し、ケータイをせわしく開け閉めしていた。
304龍二:2008/10/27(月) 17:39:58 ID:5l4Th0nf
オレが昇降口にたどり着いたとき…。

WAWAWA忘れ物〜♪

「お、来た!白石からメールだ。」

アイツから手に入る情報はいつも有力なものが多く、
オレがどう人に接していけばいいかわかりやすく書いてある。

だが、今回の内容は情報ではなかった。

「体育館に来る事…。用事があったんじゃなかったのか?アイツ。」

オレに体育館に行く必要など全く無い。
行ったからといって何かがある確証も無い。

それでも親友の情報なので、ウソではないとまずは信じる事にする。
というかあちらにもウソや冗談をぶちまけるメリットなんてないのだ。

『行動に理由を持つな。』昔、オレが尊敬していた人の言った言葉だ。
グチグチ考える前に行動だ。

オレは体育館へ向かう事にした。
305龍二:2008/10/27(月) 17:50:50 ID:5l4Th0nf
これにて終了です。

「白石目立ちすぎ!!」という罵声が飛びそうですが、
一応、サトシの生活の命綱的なポジションなのですみませぬ。

でも情報提供以外ではあまり出番の無いみのる君です。
クライマックスでまさかな登場をさせるつもりだけれど。(ォィ。

分かると思いますが、最初の非常階段はこなた視点です。
時々『秘密の非常階段』でこなた視点の心境を描こうかと思います。

しかめっ面はなんだったのかとか、
あのときの不自然な応対はなんだったのか等を少々…。

それではお騒がせしました〜。

P.S. 「通称ウルトラマンについて」

この作品を描くにつれて、一番苦労するのが通称ウルトラマンの名称です。
『あなた』だとかなんだとか、名前で呼ぶことが出来ない現状。
主人公×宇宙人 なわけですが、さすがに「ウルトラマン」だと(汗

オリジナルな名前にになるから嫌われるかもしれませんが
宇宙人さんの名前を考えてます!
もし、誰かが思いついたなら参考にするんでおしえてくだせぇ!
306名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/27(月) 18:00:37 ID:hpzLI1SG
宇宙仁美と書いて「そら・ひとみ」


ごめん、とっさに「かしまし」を思い出しちゃって……
307名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/27(月) 18:02:45 ID:t23VxDVw
恒点観測員340号
308名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/27(月) 18:07:24 ID:nfYfq0e0
ウルトラセブンのことだっけ?
309名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/27(月) 19:12:01 ID:pBTU0Fi9
一応、らき☆すたスレ的には「ヤマトラマン」という隠語(?)はあるけど。
こなたあたりが冗談で言うんだけど、偶然ドンピシャリとかw
310純愛〜ななこの葛藤〜作者:2008/10/28(火) 08:30:12 ID:Dr8yGVy1
皆さんおはようございます。

先日「純愛〜ななこの葛藤〜」を投下したものです。
新作を書き上げたので、こちらに投下したいと思います。

今作もまた、
・ゲーム主人公設定
・ただし、ゲーム内容はあまり出ない

となっています。

時間が許せば、今夜にでも投下したく思います。
今回も携帯からの投下となりますので、いろいろ見辛い箇所等あるかと思いますが、ご容赦下さい。

それでは失礼致します。
311名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/28(火) 18:31:30 ID:LAJ2qGqQ
楽しみです
312名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/28(火) 20:06:42 ID:Dr8yGVy1
皆さんこんばんは

これより投下いたします。

題名は「純愛〜ひよりの想い〜」です。

いろいろと至らぬところもありますが、どうぞよろしくお願いします。
313純愛〜ひよりの想い〜 1:2008/10/28(火) 20:10:31 ID:Dr8yGVy1
「どうしよう…。あぁ〜、どうしたらいいの〜」

ひよりんこと田村ひよりは、自室のベッドで頭を抱えて悩んでいた。
明日はパティとこうちゃん先輩に加え、○○先輩も一緒に買い物ついでに遊びに行く約束をしている日なのだ。

「せっかく○○先輩と(二人きりではないにしても)デートなのに…」
「何で今日に限って可愛い服が全部ナフタレン臭いッスか〜!」

普段から同人活動まっしぐらなひよりは、部屋ではどてらやジャージを愛用している。
平日はもっぱら制服なので、余所行き用の服は長い間タンスにしまわれていたのだ。
そしてつい先日、なかなか着ないタンスの服に虫が付かないよう、母が防虫剤を入れ替えたばかりなのである。

「なんてタイミングの悪さ…orz」

このままでは制服で行くしかなくなる。

(せめて休みの日ぐらい、○○先輩の前では可愛くいたかったのに…)

ひよりは美人ではないかも知れないが、決して不細工と言われる程でもない。
が、パティやみゆきといった、所謂トップクラスに囲まれているせいで、自分に対して自信が持てなくなっていたのだ。
314純愛〜ひよりの想い〜 2:2008/10/28(火) 20:13:21 ID:Dr8yGVy1
「仕方ないか…。制服で行こう…」

諦めを込めた溜め息を吐き、メガネを机に置いてそのままベッドに俯せになる。

(…先輩…)

桜藤祭が終わってから、ひよりは○○の事を意識するようになっていた。

(…何でだろ…? 何でずっと気になっちゃってるんだろ…?)

当然ながら、ひよりは時間のループを知らない。
そのループの中で○○は、一度ひよりに想いを告げている。
だが、例のごとく時間がループした為に、ひよりの中に淡い想いだけが残ったのだ。

(確かにいろいろお世話になってるけど…)
(好きになる要素がなかった訳じゃないけど…)

○○の事を思い返しながら、ひよりは毛布をかぶる。

(…ううん、違う。何で好きになったかで戸惑ってるんじゃない…)
(先輩を…、人を好きになる事が、こんなに切ないなんて知らなかったんだ…、私…)

寝返りをうち、まどろんでいく事を自覚しながら、○○の顔を頭に描いていく。

(…先輩は私の事をどう思ってるのかな…)

明日に一抹の不安と期待を抱えつつ、ひよりは深い眠りへと落ちていった。
315純愛〜ひよりの想い〜 3:2008/10/28(火) 20:20:41 ID:Dr8yGVy1
翌日の駅前。そこにはラフな格好をしたパティ、こうと○○がいた。

「いや〜、先輩すみません! 今ちょうど個人と漫研とで締切被っちゃいまして」
「分かってるよ。それもう100回くらい聞いた」
「あはは〜、そうでしたっけ?」
「その続きは『修羅場なもんですから、ひよりんは当分貸せません! 漫研のが終われば貸すんですけどね〜』…だろ?」
「オー! 流石○○! 記憶力バツグンネ!」

パトリシアさんが親指をグッと立てて笑う。

「だから100回も聞けば覚えるって。…それよりも、田村さんには言ってないよね?」
「先輩がひよりんにぞっこ…」
「わぁ! こんなとこで大声で言うなよ!」
「あちゃ、すいません。でも大丈夫ですよ。私達は言ってないですし、ひよりんも気付いてないみたいですから」
「オージョーギワガワルイネ!」
「それ用途違う。まぁバレてないなら良いけどね」
「大丈夫ですって! 先輩がこうして居るのも、漫研の手伝いでかたが付きますから」
「ホントハひよりんト早ク遊ビタイカラ手伝ッテルンデスネ?」
「うぐっ…」

言葉に詰まる俺をパティさんと八坂さんがからかっていると、田村さんが制服姿でやって来た。

「すいません、お待たせしたっす…」
「ひよりん遅いよ! …って、何で制服なのさ?」
「こうちゃん先輩…、乙女にはいろいろあるっすよ…」
「腐ッテマスケドネー」
「パティうっさい。っつかここに居る4人は皆腐ってるじゃん」
「俺を数に入れるんじゃない」
「先輩冷たい〜。一緒に腐りましょうよ〜」
「何だ腐るって…。ほら田村さんも来たし、買い物に行こうよ」
「そうですね。では近くの画材屋さんに行きましょうか」
316純愛〜ひよりの想い〜 4:2008/10/28(火) 20:25:59 ID:Dr8yGVy1
画材屋に行く道中、ひよりは物思いに耽っていた。

(皆オシャレだな〜…)
(こうちゃん先輩は白を基調にして赤をあしらった服か…。先輩スタイル良いから赤が良く映えて似合うなぁ…)
(パティもオシャレにしてるし、少し胸元とか大胆過ぎない? って感じ…)
(○○先輩もカッコいい〜。私服だと凄い大人びて見えるんだ…)
(それなのに私は制服って…。何だか一人浮いてる感じ…)
(…来なきゃ…良かったかな…)

ハァッ…。と溜め息をもらしながら歩いていると、突然○○に声を掛けられた。

「どうしたの? 何か元気ないみたいだけど」
「うひゃあ! せ、先輩? ど、どうしたんですか?」
「うん? いや、どうしたって聞かれたら…、田村さんが元気無さそうだなーと思った、かな?」
「え? あ、いや、何でも無いッスよ! ネタを考えてただけっす」
「そう? でも歩きながら考えると危ないよ」
「そうなんですよね。この前も歩きながら考えてたら、電柱におでこぶつけちゃいましたから」
「うわ…、痛そう…。おでこにぶつけたって、この辺り?」

そう言いながら、○○はひよりのおでこを優しく触る。
317名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/28(火) 20:59:09 ID:SomGVedb
>>310
投下止まってしまったみたいだけれど何かトラブルでしょうか?
318純愛〜ひよりの想い〜 5:2008/10/28(火) 21:13:40 ID:Dr8yGVy1
瞬間、ひよりは自分の顔が真っ赤になるのを感じた。

(はひゃ!? せ、せせせ先輩の手が!)

○○としては、特に凄い事をしている認識は無いが、
免疫のないひよりには赤面するのに充分だった。

「ん? もしかして熱があるんじゃない? 顔赤いし、おでこも熱いよ?」
「そ、そうですか? じ、じゃあ私、今日はお先に失礼しますね! こうちゃん先輩、パティごめんなさい! 私帰るっす〜!」

そう言いながらひよりは全力で来た道を逆走していった。
恥ずかしかった。地味な自分があの中にいる事が。
何より○○の隣りにいる事が恥ずかしかった。

(あんなにカッコいい人の隣りに私がいちゃダメっ! こんな地味な私が…)

確実に恋愛フィルターがかかっているが、ひよりにはどんな男性よりも素敵に見えていた。
319純愛〜ひよりの想い〜 6:2008/10/28(火) 21:17:06 ID:Dr8yGVy1
全力で走ったせいか、部屋に辿り着くと、その場にへたりこんでしまった。

少し落ち着いてくると、どうしようもなく胸が切なくなってきた。

どうして自分は地味なんだろう
どうしてもっと綺麗じゃないんだろう
どうしてスタイルが良くないんだろう

気付くとひよりは泣いていた。嗚咽を噛み殺しながら、ひよりは一人で泣いていた。

(○○先輩…、…先輩ぃ…)

胸の奥から込み上げて来る切なさを抱え、ひよりは一人で泣き続けた。







一方その頃の○○達は、喫茶店に3人でいた。ただし、○○は椅子の上に正座させられている。

「○○先輩…」

恐ろしくドスの効いた声で八坂こうが呟く。

「ひよりんに一体何をしたんですか!」
「オージョーギワガワルイネ!」
「だから用途が違う。…俺は何もしてないよ! おでこをぶつけたって言ってたから、その…、ちょっとおでこ撫でたけど…」
「…本当ですか…?」
「ホントだよ! …やっぱりイヤだったのかな…」
320純愛〜ひよりの想い〜 7:2008/10/28(火) 21:22:07 ID:Dr8yGVy1
○○から話を聞いたこうは考えた。

(これが本当だとしたら、イヤと言うより恥ずかしかった可能性が高いか…)
(ひよりんは自分を過小評価するところがあるから…)
(普段と変らない自分と、普段と違うあたし達を比べたのかも…)
(……知らない間に気合い入っちゃってたかな…)

こうは自分とパティの格好を見る。決して派手では無いが、自分達の魅力を引き出す格好をしている。

(…諦めたつもりだったんだけどね…。ゴメンよひよりん)

心の中で謝りつつ、こうは口を開く。

「こうなったら取るべき方法は一つです! 先輩は今からひよりんの家へダッシュです!」
「え! いや、しかし女の子の家に突然押しかけるのは…」
「先輩!!」

テーブルを叩き、こうはいつもより真剣なまなざしで○○を見る。

「今行かないと、ひよりんを失う事になりますよ! 良いんですか!?」

脅しでも何でもなかった。こうはひよりの性格上、今日がこのまま過ぎてしまったら○○を避ける可能性がある事を知っていた。
321純愛〜ひよりの想い〜 8:2008/10/28(火) 21:30:36 ID:Dr8yGVy1
「……っ!」

言葉を無くす○○に、こうは続けて言う。

「ひよりんが好きなんじゃないですか? 大切なんじゃないですか!?」
「大切だ! 誰よりも大切だよ!」

弾かれたように立ち上がり、こうの問い掛けに答える。その眼は、迷いも曇りもなかった。

「…行ってあげて下さい。きっと待ってますから」
「分かった。ありがとう、二人とも」

伝票を掴み、颯爽と喫茶店を後にする○○を、こうとパティは黙って見つめていた。

どれくらい泣いただろうか。気が付けば部屋は暗くなっていた。

(…随分泣いてたっすね…)

涙が枯れ果てるかと思う程泣いていたが、○○の顔を思い浮かべると、また一筋の雫が流れた。

(誰かを好きになるのって、こんなに辛かったんだ…)
(こんな想いなら…、いっそ無い方が…)
322純愛〜ひよりの想い〜 9:2008/10/28(火) 21:33:27 ID:Dr8yGVy1
♪ずっと探してたんだ〜♪運命の人ってやつを〜♪

携帯の着うたが鳴り始める。○○用に設定した曲「かおりんのテーマ」だ。

(…○○先輩…?)

慌てて携帯を取るが、泣き続けていた為、喉を2、3回鳴らしてから電話に出た。

「…もしもし…?」
『あ、田村さん。俺だよ、○○です』
「はい、先輩どうしたんですか?」
『いや、田村さん、様子はどうかなって思ってさ。今大丈夫?』
「…はい、心配をおかけしましたっす」
『そう、良かった。それでね、少し話したい事があるんだけど、良いかな?』
「へ…? 別に大丈夫ですけど…。何ですか?」
『うん、じゃあちょっと失礼して…』

(ピンポ〜ン)

(…まさか…)

ドタドタドタドタ! …カチャッ

「やあ」
「…え?」

片手を上げてにこやかに挨拶する○○がそこにいた。
323純愛〜ひよりの想い〜 10:2008/10/28(火) 21:36:41 ID:Dr8yGVy1
「…何してるっすか?」
「田村さんに会いに来たんだよ」

俺がそう言うと、田村さんは嬉しそうな、悲しそうな、どちらともつかない顔をした。

「…立ち話もなんですから…、どうぞ」

最初より幾分沈んだ感じがした。

「? …うん、じゃあお邪魔するね」

部屋に通された後、田村さんはお茶を入れて来ると言って部屋から出て行った。

(何だか元気無かったな…)

そう考えて、頭を振る。

(俺まで沈んでどうする!)

気持ちを切替え部屋を見渡す。割りと和風な感じの部屋だ。

(…同人誌が山程入れてある棚があるな…)
(自分の書いたのと、他のサークルのやつかな?)

さすがに物色するわけにはいかず、大人しく座っていると、田村さんがお茶を2つ持って戻ってきた。
324純愛〜ひよりの想い〜 11:2008/10/28(火) 21:41:11 ID:Dr8yGVy1
「あ、ありがとうね。熱は大丈夫?」
「はい、ご心配をおかけしましたっす」

どこかよそよそしい。

(さっきから目線も合わせてくれない…。八坂さん達に言われて来たけど…)
(…どうすりゃ良いんだ? あれか? 玉砕してこいって事なのか?)

八坂さんに言われた事を思い返す。

『今行かないと、ひよりんを失う事になりますよ! 良いんですか!?』

(…失うなんて絶対にイヤだ。…だけど、どうしすればいいのか全然分かんないよ…)

「先輩…、何かお話があったんじゃないんですか?」
「あ〜、うん。そうなんだけど…。ほら、熱があったみたいだから心配で…」

そう言った途端、田村さんの顔が更に曇った。
325純愛〜ひよりの想い〜 12:2008/10/28(火) 21:46:44 ID:Dr8yGVy1
「あ〜、うん。そうなんだけど…。ほら、熱があったみたいだから心配で…」

ひよりは複雑だった。

(先輩が来てくれたのは嬉しいッスけど…)
(先輩はどうゆうつもりで来たんだろう…)

自分の好きな人が心配してくれる。それだけで嬉しいはずだが、ひよりが喜べない理由はそこにあった。
『自分に好意を抱いてくれているから』という発想は、マイナス全開の自信の無さから、最初から選択肢になかった。

(後輩に対する優しさだったら…、私…)

「…田村さん? もしかして…泣いてたの?」

声にハッとして顔を上げると、すぐ目の前に○○の顔があった。

(……っ!)

何でこんなに簡単に踏み込んでくるのか。ある意味無神経とも言えるこの行動に、ひよりの胸の奥にあったものが溢れ出してしまう。

「…何で…、何でなんですか?」
「後輩だから気に掛けてるんですか?」
「知り合いだから優しいんですか?」
「…私は…、私はそんな優しさならいらないです!」
「だって…! だって私は…! 先輩が好きなんですから!」
326純愛〜ひよりの想い〜 13:2008/10/28(火) 21:49:42 ID:Dr8yGVy1
「だって…! だって私は…! 先輩が好きなんですから!」

一気に捲し立てる田村さんの言葉を聞いて、○○は愕然とした。
同時に自分の鈍さと無神経さを呪った。
何で自分は気付けなかったのか。
どうして田村さんをここまで傷つけてしまったのか。

「…ゴメンよ…」

自然と口から出たのは謝罪の言葉だった。心の底から出た言葉、大切な相手を傷付けた事に対する言葉だった。

「…分かってるッス…」

その言葉を聞いたひよりは、拒絶の言葉だと勘違いしてしまう。

「え? いや、違うんだよ!田村さんが嫌いとかじゃなくて、むしろ…」
「…いいッス…。私なんか地味ですし…、胸なんかペチャンコだし…、おでこ広いし…」
「好かれる訳がないのは分かってるッス…」

慌てて○○が否定するが、ひよりはただ「いいッス…」を繰り返すだけである。




「ひよりっ!」

自分が何をされたか理解するのに幾らかの時間を必要とした。
とてもテンポの早い何かが聞こえる。
自分の顔が、何かに押しつけられている。
暫くして、自分が○○の腕に抱き締めている事に初めて気付いた。
327純愛〜ひよりの想い〜 14:2008/10/28(火) 21:57:41 ID:Dr8yGVy1
「…せ、先輩…?」
「…しっ。静かに…」
「…………」
「聞こえる? 俺の鼓動…」
「…はい」
「凄いドキドキしてるでしょ?」
「緊張してるんだよ。…大切な人を抱き締めてるから」
「…え…?」
顔を動かし○○を見上げる。
「田村さんがちゃんと言ってくれたのに、俺が言わない訳にはいかないよね」
「よく聞いててくれよ? …俺は、田村さんが好きだ」

あまりにも衝撃的な事が続いたため、ひよりは半ば放心して○○の顔を見ていた。
「…田村さん…?」
「ぅひゃい! な、何ですか?」
慌てるひよりを○○は優しい目で見つめ、抱き締めていた手をさらに大きく、優しい手つきで包む。
「もう一度言うよ。好きだ…、大好きだよ…田村さん…」
ひよりは夢を見ているのではないかと疑った。
(なんだかボ〜ッとするし…、夢なんだ…)
抱き締められている感覚を夢だと勘違いし、夢ならば何でも聞いてしまえ、と口を開く。

「でも…、先輩さっき『ゴメン』って…」
「それは、自分が意図して無いとは言え、大切な人を傷付けてたんだよ? 謝らないとダメだろ?」
「だけど…、私なんか地味だし…。パティやこうちゃん先輩に比べてスタイルだって…」
「俺には、どんな女の子より可愛いく見える」
「それに覚えてる? 劇の代役をやる時、沢山資料を用意してくれたでしょ?」
(…あれ? でも代役って、かがみ先輩足挫いてなかったような…。…でも確かにそんな事もあったような…?)
「あれが嬉しかったんだよ。不安で不安で仕方の無かった時に、誰より親身になって応援してくれたから」
328純愛〜ひよりの想い〜 15:2008/10/28(火) 22:01:11 ID:Dr8yGVy1
「…な、何だか恥ずかしいッスね…。今の格好も充分恥ずかしいッスけど…」
「あはは、ゴメンね? でも、もう少しこのままでもいいかな?」
「…別に構わないッスけど…」

ひよりはまだ○○の気持ちに半信半疑のようだった。少し考えた○○は、ひよりのおでこを撫でながら声を掛ける。

「じゃあ一つ証拠をあげるよ」
「…証拠…?」

そう呟いた時、ひよりはあごを持たれ、唇を○○の唇で塞がれていた。

「むぅ…っ!?」

少し長めに唇を吸われ、その後何度か啄むようなキスを終えて、二人の顔が離れる。

「……はぁっ……」
「これが証拠じゃ…、ダメかな…?」
「…い、いきなり過ぎるっすよ…。…先輩…、ドSっすね…」
「そうかな…? こんな俺はイヤ?」
「…好きッス。Sなところも含めて、全部…」
「そう、良かった」

にっこりと優しく微笑む○○の顔をひよりは見つめる。
この時初めて『夢にしては長い』と思った。
329純愛〜ひよりの想い〜 16:2008/10/28(火) 22:03:51 ID:Dr8yGVy1
「あれ…?」
「どうしたの? 田村さん」「…先輩、ちょっと私の頬をつねって欲しいッス」
「え? いくら俺がSっぽいからって、田村さんがMにならなくても…」
「ち、違うッスよ! ちょっとで良いんでお願いです」
「う〜ん、じゃあ抓るよ?」

優しく、軽い痛みを覚えるくらいで、頬を抓られる。

「…痛い…」

もちろん、のたうち回る程では無いにしろ、痛みを感じたのは確かである。

「じゃあ…これ、夢じゃない…?」
「当たり前だよ。ファーストキスを夢オチにされたくないな」





「えぇぇぇ!」
「ど、どうしたの?」
「夢じゃないッスか? だ、だってさっき先輩、私の事好きって…」
「? そうだよ?」

さらりと肯定する○○を驚きの目で見る。よくよく自分の体勢を確認すると、夢だと思っていた『抱き締められている』体勢になっている。

「じゃ、じゃあさっきの告白も…、き、きき、キスも…」
「夢なんかじゃない。ちゃんとした現実だよ。…田村さんは、夢の方が…、よかったかな…?」
「……そんな事…ないっす…」
330純愛〜ひよりの想い〜 17:2008/10/28(火) 22:08:13 ID:Dr8yGVy1
恥ずかしそうに顔を伏せながら、抱き締められていた体勢から、ひよりが腕を○○の背中に回し、『抱き合う』体勢になる。

「だって…私も…、先輩が好きッスから…」

ようやく通じた淡い想い。一時はこの想いのせいで、胸が引き裂かれそうな程切なくなった。
『こんな想いをするくらいなら…』と思ってしまう事もあった。
だけど、今は違う。この想いのお陰で、こんなにも満ち足りた気持ちになれた。
この想いがあるから、今、愛される幸せを感じられた。
○○からの想いを温もりと共に感じ、ひよりは知らず涙を流していた。

(嬉しい涙って、こんなに気持ち良いんだ…。ありがとう、先輩…。私を選んでくれて…)

「先輩…」
「何?」
「これは夢じゃないッスよね?」
「まだ言ってるの? そんなに俺が信じられないかな?」
「いえ! 違うッス! ただ、夢じゃないなら一つお願いが…」
「ん?」
「ひより…って呼んで欲しいっす。さっき…、呼んでくれましたよね…?」
「ん? あぁ、勢いでつい…ね」
「呼んで欲しいっす」
「いやしかし、いきなりって何か恥ずかしいだろ?」
「呼ぶっす」
「いや…、だからね…?」
331純愛〜ひよりの想い〜 18:2008/10/28(火) 22:13:33 ID:Dr8yGVy1
「呼ばないなら、次の同人誌は○○先輩と白石先輩の18禁を…」
「愛してるよ、ひより」
「……はい、私も…愛してます…」
「…まったく…。まさか無理矢理呼ばせるとはね…。こうなったらいつでも名前で呼ぶからな!」
「の…、望むところっす!」

とても恋人の会話に聞こえず、二人は同時に笑い出す。

「あはははっ! これから先も、こうして一緒に笑えたらいいね」
「もちろんッス! …でも、浮気はしないで下さいッスね…」
「あぁ、もちろんだよ。じゃあ…、誓いのキスをしようか?」
「あぅ…、またキスっすか? …嬉しいからいいっすけど…」

目を閉じ○○に顔を向ける。少し待っていると、おでこに軟らかい感触が感じられた。

「…おでこ?」
「うん、あんまり可愛かったからつい…」
「でこが可愛いって…。何か複雑っす」

お互い顔を見合わせクスッと笑い合う。
きっとこれから先もずっとこうだろう。何気ない会話でお互い笑い合える。
そんな素敵な二人でいられるよう、ひよりは想いを込めて告げた。

「○○さん…」



「大好きッス!」

FIN
332純愛〜ひよりの想い〜作者:2008/10/28(火) 22:20:27 ID:Dr8yGVy1
以上で「純愛〜ひよりの想い〜」の投下は終了です。

途中携帯トラブルがあり、投下のテンポを崩してしまい、すみませんでした。

「改行が多すぎる」とはじかれるため、かなり細くて分割して投下してしまいました。読み辛くなってしまい、すみません。

御意見や批判なども良ければお聞かせ下さい。

後ほど、おまけを一つ投下させて頂きます。

それでは、失礼致します。
333名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/28(火) 22:38:09 ID:74iQzc08
長文乙…って携帯からかよ
良く頑張った、感動した

やっぱ主人公名が○○とかだと読みやすくて良いわー
読めないわけじゃないけど、元々デフォ名がないから伊藤誠やオリジナルだと抵抗感じるからなぁ
334純愛〜ひよりの想い〜作者:2008/10/28(火) 22:52:40 ID:Dr8yGVy1
>>333
ありがとうございます。

主人公の名前に関してですが、元々デフォルトの名前が無く、
プレイヤーを主人公に投影するゲームなので、自分の作品では「○○」と表現しました。

ただ、名前がついている作品も、全体を通して見ると読みやすかったり、
「○○」だと表現の仕方が若干狭まったりと一長一短な気がしますね。

自分は今後も「○○」と表現させて頂きます。

それでは、かなり短いですが、おまけを投下させて頂きます。
335純愛〜ひよりの想い(おまけ)〜:2008/10/28(火) 23:01:50 ID:Dr8yGVy1
カランカランカラン…
パティとこうは、○○が出て行った扉を眺めていた。
「あとは先輩が上手くやるだけね」
「…………」
「…? パティ?」
「オージョーギワガワルイネ…」
「だからそれは用途が…」
そこまで言って、こうは口をつむぐ。パティの目から大粒の涙が溢れていたからだ。
「…パティ…」
「…ひよりんハワタシノベストフレンドデス…」
「ダカラ…ひよりん二ハ笑ッテイテ欲シカッタンデス…」
「○○ナラキットひよりヲ幸セニスルッテワカッテル…」
「ダケド…、ソウ想エバ想ウ程、胸ガ苦シクナッテ…」
こうには何となく分かっていた。パティも○○に好意を寄せていた事。
そして、ひよりんの為に一生懸命その想いを押さえていた事も。
嗚咽を堪えるパティの頭を優しく抱え、落ち着かせるように頭をなでる。
「うん…、辛かったね…、パティ…」
その一言で押さえていたものが決壊したのか、一気に声を上げて泣き出した。
「今は泣いちゃいなよ。無理しないで、全部出しな、ね?」
「ウッ…ウゥ…、ウゥァァァァァァン!」
(○○先輩…、可愛い後輩二人の苦悩と涙の分は、きっちりお返ししてもらいますからね!)
(…ついでにアタシの分もね)
こうは泣きじゃくるパティをなだめつつ、妖しく目を光らせるのだった。
後日、こうとパティは顔面にシューズとビンタの跡をつけた○○に、ケーキバイキング5万円分奢ってもらう事になるのだが、それはまた別のお話。

FIN
336名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/28(火) 23:05:06 ID:LAJ2qGqQ
GJ!やっべえひよりが可愛すぎて頭が痛いよ 乙でした!
337龍二:2008/10/28(火) 23:07:51 ID:NVnjTUW1
>>332
「改行が多すます!」を5回喰らうと一時間程投下できなくなりますよね(泣

乙でした!携帯からあそこまでの文章を…!!
そして何故、アナタの文章はそんなに泣けるんだッ…!

>>333さんの言うように、
主人公にデフォ名が無いのは書くときに難しいですよね。

それでも名前をつけるという固定概念にとらわれず、
より読みやすいSSを完成させたアナタに敬礼。 GJ!!
338名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/28(火) 23:36:57 ID:74iQzc08
まぁ俺の場合本名(または良く使うHN等)入れて俺がガンダム…じゃない、俺が主人公だって感じでプレイするから
○○とか決まってない方が抵抗感じないだけだったりする
昔は別に名前付いてようが全然平気だったんだけどね
339純愛〜ひよりの想い〜作者:2008/10/29(水) 00:03:05 ID:N6ATaE96
>>336さん
ありがとうございます。ひよりんの可愛らしさが伝わったのなら、とても嬉しいです

>>龍二さん
ありがとうございます。しかし、そこまで称賛されるとむず痒いですね…
自分はまだまだ未熟なので、至らぬ点も多々あるかと思いますが、これからもよろしくお願いします。
340牛乳帝国:2008/10/29(水) 00:21:50 ID:llZVl/Nu
>>339
お疲れさま!
ゲームのほうのひよりんも純愛ものだったけどこれははこれでGJ!!
そういえば俺ここでの掲載とめちゃってるな・・・・・・
この前書いておいたテキストデータがどこかに逝ってしまったゆえ鋭意書き直し中です。
・・・・・・スマソ。(ノω=.)アチャー

別連載のほうは続いてるので読んでやってください。
341名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/29(水) 13:15:11 ID:X09inr25
>>332
ひよりん分大幅補給キタ━━━━━゜∀゜━━━━━!!
最近のあまりのひより分不足にこうなったら自分で書いてやろうかと
(そんな時間も才能もないくせに)思っていた矢先にこれはなんというGJ!
ひより特有の「自信のなさ」がしっかり表れていてよかったです
あぁもうひよりかわいいよひより

そしてオマケのこうちゃん先輩&パティちょっとやりすぎw
勝手に惚れといて失恋した挙句そりゃねーだろw
342GREN ◆.V03vEgrME :2008/10/31(金) 01:09:41 ID:7YZFy3Hs
みなさま、毎度乙&GJです。凄まじいまでの執筆ペースに全俺が嫉妬です。

さて、大幅に遅れてしまい恐縮ですが、25日のみゆきさん誕生日記念です。

ttp://blogs.yahoo.co.jp/homurabe_2000/57162097.html

題して「おんゆあ☆ぶっくまーく」


職場の環境変化等で執筆ペースがかなり悪くなってます。
次のゆーちゃんの誕生日は特に12月なので期日までに上がるかどうか(トオイメ


ともかく、ガンバリマス。
343純愛〜ひよりの想い〜作者:2008/10/31(金) 08:43:03 ID:tDhldCQn
皆さんおはようございます。

先日「純愛〜ひよりの想い〜」を投下させて頂いた者です。

新作を書き上げたので、こちらに投下させて頂きたく思います。

今回も例に漏れず、
・ゲーム主人公設定
・ただし、ゲーム内容はあまり出ない

となっています。
時間が許せば、今夜にでも投下致します。

それでは、失礼致します。
344名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/31(金) 08:49:52 ID:tDhldCQn
>>GRENさん

みゆきさんの柔らかい雰囲気が伝わってきますね。
主人公の心情表現も、とても上手く、読みやすかったです。
GJ!

…そういえば、みゆきさんの誕生日失念してました…。
345名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/31(金) 12:10:07 ID:VrdpJ3yG
>>343
GJ!
情景が鮮明に脳裏に浮かんでなんというかほんわかしましたよ
こんな青春送りたかったなぁ……

そしてみゆきさんの誕生日がガッツ小笠原と同じだと気付いて吹いたw
リアル友人の1人が某うぐぅと、もう1人が清原と同じ誕生日だと知ったとき以来の笑撃w
346名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/31(金) 13:30:43 ID:RdSNUOFr
つーか>>343の執筆ペース速いなおい
347純愛〜ひよりの想い〜作者:2008/10/31(金) 20:04:02 ID:tDhldCQn
>>346
あまり好ましくなかったでしょうか?
確かに、他の書き手の方のペースを考慮しないで投下…、というのは自己中心が過ぎますね。

言い訳になりますが、自分が早いと思われるのは、
・通勤帰宅の時間(往復2時間)を使用して書いている
・執筆の媒体が携帯であるため、いつでも執筆可能
・「らきすた」という、基盤のハッキリしたものを題材に書かせて頂いている

これらが早い原因かと思われます。

投下のペースに関しては、書き手として初めてな為、
書いたものを片っ端から投下してしまいました。

投下のペースに対して、不快に感じましたら、お詫び致します。
すみませんでした。
348名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/31(金) 20:18:16 ID:iCKJa3r8
346はほめてるんだと思いますよ。
早いペース大歓迎ですw
349名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/31(金) 21:30:37 ID:hcJ5oRAA
>>347
>>346はあなたの素晴らしすぎる才能に感動しているのです!
私も楽しみにしてますよ!
350名無しくん、、、好きです。。。:2008/10/31(金) 21:36:17 ID:LXWT4/aF
読む側としては早いペースなのは嬉しいですw
あと私的にちょっと謙虚すぎるような・・・もう少し自信を持って
大丈夫だと思いますよw
351純愛〜ひよりの想い〜作者:2008/10/31(金) 21:53:13 ID:tDhldCQn
>>348
そう言って頂ければありがたいです。

>>349
書き手にとって、楽しみにしてくれる方がいるのは、最大の幸せです。
ありがとうございます。

>>350
すいません。書き手になったのが黒井先生のSSを書いたのが初めてなので、
まだ自信というものがありません。
ですが、読んでくれる方の期待を裏切らないだけの努力は致します。
352純愛〜ひよりの想い〜作者:2008/10/31(金) 21:57:34 ID:tDhldCQn
それでは、遅くなりましたが、予告通り投下致します。

題名は「純愛〜パティの笑顔〜」になります。

それでは投下致します。
353純愛〜パティの笑顔〜 1:2008/10/31(金) 22:00:49 ID:tDhldCQn
「ハァイ○○! 元気してますか〜?」

昼休み、学校の自販機でメロンソーダを買おうとしていると、後ろからパトリシアさんが声をかけて来た。

「や、パトリシアさん。相変わらず元気だね…」
「ン〜? ○○何だか元気ないネ? どうかしたデスカ?」
「う〜ん…、勉強疲れが出てるのかな…。毎日毎日こうだと流石に疲れたかも…」

肩に手を当て首を回すと、『ゴキゴキゴキッ』と信じられない音をたてた。

「凄い音ネ…。○○大丈夫〜?」
「うん…、今のはちょっとビックリしたけど…」

○○達はちょうど受験期真っ直中。○○に限らず、こなたやかがみ達も勉強漬けになっていた。

「勉強ばかりじゃダメ! たまにはリフレッシュも必要デスヨ!」
「そうだね。…だけど皆勉強に集中してる大切な時期だから、なかなか遊びに行けないよ」

そう言うと、パトリシアさんは少し考えるそぶりをすると、閃いた様に言った。
354純愛〜パティの笑顔〜 2:2008/10/31(金) 22:03:36 ID:tDhldCQn
「だったらワタシと遊びに行きましょう! 一緒にリフレッシュするネ!」

良い事を思い付いた子供のように、パトリシアさんは満面の笑みを浮かべている。

「え? でも、二人で?」
「そうですヨ! …○○はワタシと二人だけじゃ、楽しく無いデスカ…?」
「ううん、そんな事ないよ。じゃあ明日土曜に遊びに行こうか?」
「ハイッ! 一緒にエンジョイしましょう!」

自販機からジュースを取り出し、パトリシアさんと別れて教室に戻った。

(明日はパトリシアさんと遊びに行くのか…。久々に肩の力を抜いて遊ぼうかな。…楽しみだな…)

「○○くん何ニヤニヤしてんの?」

いつの間にか、こなたさんとつかささんが俺の顔を覗き込んでいた。

「え? そんなにニヤニヤしてた?」
「うん、ヤバいくらいね。道で見掛けたら間違なく通報してる」
「俺に何か恨みでも?」
「あはは…、こなちゃんちょっと言い過ぎだよ〜。でも○○くんとっても嬉しそうだったよ? 何かあったの?」
「うん、明日パトリシアさんと遊びに行く事になってさ。久々の息抜きだから楽しみなんだ」
355純愛〜パティの笑顔〜 3:2008/10/31(金) 22:07:32 ID:tDhldCQn
「…………」
「? どうしたの?」
「…二人で遊びに行くの?」
「今のところはそうだね」
「…そう…、楽しんで来てね」

そうこなたさんが言うと、二人は教室から出て行ってしまった。

「…?」



「♪フフフ〜ンフ〜ン♪」
「パティ随分楽しそうね? 何か良いネタでもあった?」
「ハイ! 明日○○とデートの約束シマシタ!」

瞬間、ひよりのメガネにヒビが入り、みなみは目の色が暗く落ちていき、ゆたかは笑顔で箸を逆手に持ち変える。が、目は笑っていない。

「…ゆたか…、今はまだダメ…」
「みなみちゃん…。そうだね、人目があるもんね」

4人の間に流れる空気が凍り付いている。それでもパティは気にした様子もなく、明日の事を考えて浮かれていた。
356純愛〜パティの笑顔〜 4:2008/10/31(金) 22:11:13 ID:tDhldCQn
土曜の朝9時過ぎ。
駅前には、街灯に寄り掛かりながらパトリシアさんを待つ○○の姿があった。

(早過ぎたかな…。約束が朝10時だからな…)

そんな事を考えながら携帯を見る。約束の時間までの間を考えて
軽く溜め息を吐くと、こちらに駆け寄って来る足音が聞こえた。

「ゴメンなさい! 遅くなったネ!」

息を切らしながらパトリシアさんがやってきた。

「○○ゴメンなさいネ…。遅れちゃいマシタ…」
「いや、大丈夫だよ。ってか約束の時間は10時だからさ」
「ソウデシタカ? ○○がもう居たから遅れたかと思いマシタ」
「うん、何だか楽しみでさ。自然と早く来ちゃったんだよ」

そう言うと、心なしかパトリシアさんの頬が赤く染まる。

「本当ですか!? ウレシイデス!」

満面の笑みを湛えてパトリシアさんが嬉しそうに言う。

「でも流石に早過ぎたね。どこもお店開いてないよ」
「そうですネ。○○朝ご飯は食べたデスカ? ワタシサンドイッチ作ってキマシタ!」
「本当? 朝早かったから食べなかったんだよね。食べても良いの?」
「もちろんデス! ○○の為に作ってきたんですヨ!」
357純愛〜パティの笑顔〜 5:2008/10/31(金) 22:14:13 ID:tDhldCQn
そう言いながらパトリシアさんは手に持っていたバスケットを俺に渡してきた。
手頃な場所に座り、バスケットを開けて見ると、定番の三角サンドイッチにロールサンド、
ホットサンドにホットドッグと、様々なサンドが入っている。

「凄いね、これ! どれも美味しそうだよ」
「好きなものを好きなだけ食べてクダサイネ!」

向日葵の様な笑顔を向け、パトリシアさんは三角サンドイッチを渡してくれた。

「ありがとう、じゃあ、いただきます!」

一口頬張ると、程よくマスタードがきいていて、レタスとハムがパンと絡み、正にサンドイッチの王道といった味だった。

「美味しいよ! 味付けが完璧だね!」
「本当デスカ!? 良かったデス…」
「パトリシアさん料理上手なんだね。この味付けはシンプルだけど、見事だよ」
「そんなに褒めないでクダサイ…。何だか…、恥ずかしいデスヨ…」

褒められて照れているのか、手を合わせてモジモジしながら呟く。

(…これ俺の為に作ってくれたんだよな…)

そう考えながらパトリシアさんを見る。頬を赤らめて俯いているパトリシアさんの横顔がとても可愛く見えた。
358純愛〜パティの笑顔〜 6:2008/10/31(金) 22:18:33 ID:tDhldCQn
――――ドキッ――――

○○は自分の鼓動が大きく高鳴るのを感じた。

(…何か胸が急にドキドキしてきた…。もしかして…、いや、やっぱり俺…パトリシアさんの事…)

桜藤祭以後、○○はパティの事をなにかと考える様になっていた。

「…ン? ワタシの顔に何か付いてますカ?」
「い、いや! 何でもないよ」
「そうですカ…?」
「そ、そう言えばパトリシアさんは食べないの?」
「エ? ワタシは大丈夫ですよ! 全部○○が食べても…」

グゥ〜…

パトリシアさんの顔がみるみる赤くなる。

「今の…、お腹の…?」
「〜〜っ! 何でお腹が鳴っちゃうデスカ〜! もぅ…恥ずかしくて死にそうネ…」
「そんなに気にしなくても…。朝ご飯は食べなかったの?」
「乙女の準備には時間が掛かるんですヨ〜! それに…、それを作ってたら時間が無くなったネ…」
「そっか…。そうだよね、これだけ作るのは大変だもんね」

バスケットの中一杯に入っているサンドイッチを見る。

「じゃあこうすれば良いよ。はい、パトリシアさん」

そう言いながら、○○はサンドイッチを一つ取り出し、パトリシアの口へ運ぶ。
359純愛〜パティの笑顔〜 7:2008/10/31(金) 22:23:53 ID:tDhldCQn
「はい、あ〜ん」
「エ? エエェェェ!?」



○○にとっては何気ない行為だったのだが、予想していなかっただけに、パティは目を見開いて驚いた。その反面、心の底から喜んでいた。

(こんなに簡単に理想のシチュエーションが叶うなんて、幸せデス!)

二人でお弁当を食べる。しかも手作りのそれを二人で分け合うというのは、シチュエーションとしては欠かせないとパティは考えていた。

「じゃ、じゃあ食べさせて下さいネ? …ア〜ン…」
「うん、あ〜ん」
「…ウ〜ン! 美味しいデス!」
「パトリシアさんが作ったからね」
「ノンノンノン! 違いますヨ〜! ○○がア〜ンしてくれたからデスヨ!」
「グッ…、ゴホッゴホッ!」
「だ、大丈夫デスカ?」

突然むせだした○○に慌ててポットの紅茶を入れる。

「だ…、大丈夫だよ…」
「モウ! 落ち着いて食べるネ!」


(まったく…、○○子供みたいヨ…)

むせながら笑顔を作る○○を、パティは微笑ましく見ていた。
360純愛〜パティの笑顔〜 8:2008/10/31(金) 22:30:05 ID:tDhldCQn
(いつから…? いつから○○がワタシの中にいたんデスカ…?)

自分の中にいる○○に問い掛けるが、答えは返ってこない。

(桜藤祭の時から…? あの時から、アナタはずっとワタシの心の中にいるんデスネ…)

記憶がフラッシュバックする。劇の代役を任された○○、不安ながらも一生懸命頑張っている○○、
自分達の即売会の為に一緒に悩んでくれた○○…。
それらのシーンを思い返して、胸の奥が切なく、熱くなる。
だが、同時にどうしようもない哀しさが押し寄せる。

(…もうすぐしたら、○○も卒業してしまいマス…)
(それに…、ワタシもアメリカへ帰らないとイケマセン…)

パティは留学生である。当然、いつかはアメリカへ帰る事になっている。

(アメリカに帰ったら、きっと○○もワタシの事は忘れてしまうネ…)
(…だから…、最後かも知れない想い出を…、ワタシにクダサイ…)

受験が本格的に近付くと、もう○○とは簡単に遊べなくなる。
そう考えると、○○との想い出作りの最後のチャンスかも知れないと、パティは思った。


「パトリシアさん?」

突然声を掛けられ、はじかれたように顔を上げる。
361純愛〜パティの笑顔〜 9:2008/10/31(金) 22:35:06 ID:tDhldCQn
「ハ、ハイッ!? どうかしましたカ?」
「…いや、何でもないよ。それより、ごちそうさま! とっても美味しかったよ!」
「全部食べてくれたんですカ!? ウレシイデス!」

満面の笑顔で○○からバスケットを受け取る。

(今日はずっと笑顔でイキマス! ○○との最後の想い出は笑顔で作りたいカラネ!)



パトリシアさんからのお弁当を食べ時計を見ると、10時を既に回っていた。

「あ、10時過ぎてたのか。もうそろそろお店も開きだすだろうし、行こうか?」
「ハイッ! イ〜ッパイ楽しみましょうネ!」

大輪の花のような笑顔で、「はぐれない様にデス!」と言い、ギュッと手を握ってきた。

「まずはどこに行きますカ?」
「う〜ん…、パトリシアさんと一緒なら、やっぱり『あそこ』かな?」



やがて二人はとあるビルの前にきた。

「流石○○! 分かってますネ!」
「う〜ん、ここでそんなに喜んでくれるのか…」

二人が来たのは、秋葉原にある「とら○あな」1号店である。
362純愛〜パティの笑顔〜 10:2008/10/31(金) 22:40:29 ID:tDhldCQn
「ホラホラ! 早く行きマスヨ! タイムイズマネーデス!」
「わ、分かってるって。だからそんなに引っ張らないでくれ!」

手を引かれるがままに、パトリシアさんに付き添う。
商業誌、同人誌、CDなどを見て回るパトリシアさんは、本当に楽しそうな笑顔をしていた。

(正直…、よく分かんないんだけど…。まぁ喜んでくれているし、良いか)
(それに、パトリシアさんの手って、軟らかくて暖いな…)

しばらくパティの好きにさせながら、○○はパティとの二人だけの時間を楽しんだ。



夕方。
お昼を過ぎても、「とらの○な」を出なかった為、何も食べないまま駅前へ戻って来た。
363純愛〜パティの笑顔〜 11:2008/10/31(金) 23:03:42 ID:tDhldCQn
「う〜ん! 今日は沢山遊んだな〜。流石にお腹も空いたけど」
「…………」
「ん? どうしたの? パトリシアさん」
「○○ゴメンナサイ…」
「…え?」
「今日はずっとワタシだけ楽しんで…、○○は楽しくなかったんじゃないデスカ…?」
「そんな事ないよ。『と○のあな』もあんまり行った事無かったから、新鮮で楽しかったし」
「何よりパトリシアさんと一緒にいろいろ盛り上がったじゃない? あれがとても楽しかったよ」

(何しろ自分の好きなアニメや絵描きの本を見つける度に、目を輝かせてたからな…)
(あれは見ていて飽きないよ)

○○は「○らのあな」での事を思い返しながら言う。
だが、パトリシアさんの表情はまだ暗いままだ。
不思議に思い、声を掛けようとすると、パトリシアさんの目から涙が溢れていた。



(ワタシのバカ! バカバカバカ!)
(何で今日くらいちょっと見るだけで我慢出来なかったデスカ!)
(やりたい事やお話したい事がイッパイあったのに…)
364純愛〜パティの笑顔〜 12:2008/10/31(金) 23:07:45 ID:tDhldCQn
パティは軽く「とらのあ○」を見て回ってから、
お昼にはどこかでご飯を食べながら、楽しくお話しようと思っていた。
だが、今日に限って探していた本やCDなどが次々と目に入り、結局片っ端から物色してしまったのだ。

(最後の想い出がこんなのなんて…、最低ネ…)

そう思うと、自分が許せなくて涙が出てきてしまった。
慌てた様子で、○○が声を掛けてくる。

「ど、どうしたの? 何かあった?」
「…ウッ…ヒック……」
「な、何か欲しかったのが無かったとか? だったら他の店に探しに…」
「違うネ…。そんなんじゃアリマセン…」
「クヤシインデス…。せっかく○○と遊びにきたのに…。ずっと『あそこ』にいた自分が情けないんデス…」
「もっとお話とかタクサンしたかったのに…」
「ゴメンナサイ…、○○…、ゴメン…ナ、サ…」

謝っている間に、パティは泣き出してしまった。

顔を俯かせ泣いていると、フワリと頭を撫でる感じがした。
顔を上げると、○○が困ったような笑顔をして、パティの頭を撫でていた。
365純愛〜パティの笑顔〜 13:2008/10/31(金) 23:12:53 ID:tDhldCQn
「泣かないで。俺はとっても楽しかったよ?」
「それに、お話するだけじゃ見えない、パトリシアさんの顔を沢山見れたから」
「それだけで、俺は嬉しかったんだよ」

優しい笑顔でそう言った○○は、愛しさを込めながらパティの頭を撫で続けた。
「だから…泣かないで。パトリシアさんが泣くと、俺まで悲しくなっちゃうよ」

優しく頭を撫でられ、パティはついに限界になってしまった。

「ウッ…、ウワァァァン!」

○○に抱き付き声を上げて泣き出した。

自分でも止められない想いが、次から次へと溢れ出てきてしまう。
我慢が出来ず一人で楽しんでしまった事の後悔。
やりたい事が沢山あったのに、自分のせいで出来なかった事の情けなさ。
近い将来アメリカへ帰る事の寂しさ。
何より、○○に対する誰にも負けない強い想い…。

それらが混ざり合い、パティの心の容量を越えてしまったのだ。
366純愛〜パティの笑顔〜 14:2008/10/31(金) 23:15:15 ID:tDhldCQn
自分の胸で泣きじゃくるパトリシアさんを見つめ、○○は自問自答する。

(俺は一体何をしていたんだ?)
(パトリシアさんは、こんなに俺の事を考えてくれてるのに…)
(ただ見てるだけで、何も自分からしようとしなかった)
(お弁当もパトリシアさんが作ってくれたけど、俺はご飯くらい適当に済ませれば良いって思ってた)
(『とら○あな』も喜んでくれはしたけど、積極的に何かをしようとしていなかった)
(それじゃあ一緒に居るなんて言わない。それはそこに『在る』だけじゃないか!)
(誰かと一緒に居るってそうゆう事か?)
(――――違うだろうが!)
367純愛〜パティの笑顔〜 15:2008/10/31(金) 23:18:25 ID:tDhldCQn
暫く泣いていると、パティは自分を暖い感触が包んでいる事に気付く。

「…○○…?」

彼の名前を呟くと、○○はより強く、だけど優しい力でパティを抱き締める。

「ゴメンね…、パトリシアさん…」
「何で○○が謝るデスカ? …ワタシが悪い…」
「そんな事ないよ!」

遮るように○○が声を上げる。

「そんな事ないっ…! だって、俺は何もしなかったんだよ! ご飯もどこかで食べれば良いとしか考えてなかった」
「『と○の○な』に行っても、俺はただ見てるだけだった!」
「俺がもっとちゃんとしてれば…、パトリシアさんはこんなに悲しまなかった」
「だから…、俺が悪いんだ…。ゴメンよ…パトリシアさん…」



パティは溢てくるものを止める事が出来なかった。
だが、今溢れているものは、先程までのものとは違う。
嬉しい涙が止まらなかった。
○○を愛しい気持ちが止まらなかった。
そして何より、こんなに自分に優しくしてくれる○○の気持ちが嬉しかった。

(やっぱりワタシの大好きな○○ネ…、とってもとっても…、素敵な人…)
368純愛〜パティの笑顔〜 16:2008/10/31(金) 23:21:40 ID:tDhldCQn
手をゆっくり○○の背中に回す。

「○○…、聞いて欲しい事がアリマス…」
「覚えていますか…?桜藤祭の時…、○○は一生懸命ワタシ達の為に頑張ってくれました…」
「それに…、代役を演じ切った○○は…とてもカッコ良かったネ…」
「あの時、ワタシ…○○に大切な事を言った気がするヨ…」
「けど、それは夢の中のような気がするネ…」
「だから…、今ここでもう一度言いマス…」
「…○○…、……I LOVE YOU……」



時間のループがあったせいか、告白した事自体は覚えているが、それが夢のようにぼやけた記憶になっているようだ。

「パトリシアさん…」

○○が答えを告げようとすると、パトリシアさんは腕の中で首を振る。

「ダメネ…。答えは聞きたくないヨ…」
「…どうして…?」
「これから○○は受験で忙しくなるネ…。それに…、いつかはワタシはアメリカへ帰るんデス…」
「…だから…、○○とは想い出のままでサヨナラした方が…」
369純愛〜パティの笑顔〜 17:2008/10/31(金) 23:25:17 ID:tDhldCQn
ギュ〜ッ!
突然○○はパティの鼻を摘み上げる。

「イ、イタイイタイイタイ! イキナリ何をするんデスカ!?」
「パトリシアさんがバカだからだよ」
「バ、バカって何ですカ!? ワタシは○○の邪魔になりたくないから…」
「好きな人が邪魔な訳ないじゃないか」
「ソウデスヨ! 好きだから邪魔に…。…エ? 好き…?」

キョトンとするパトリシアさんを優しく見つめる。

「答え聞いちゃったね? 何度でも言うよ。俺はパトリシアさんが好きだ」
「……ダ、ダメデス……。聞いたら…、我慢出来なくなっちゃいマスヨ…」
「しなくて良いんだよ。それに、好きな人と会えなかったり、話が出来なかったら受験どころじゃないさ」
「デモ…、ワタシはアメリカに…」
「迎えに行くよ。いつか、必ず」



『○○の邪魔になってはいけない』
パティなりの考えで押さえていた感情が、○○の言葉一つ一つで解き放たれる。

「○○…っ!」

泣きそうになるのを堪え、○○の胸に顔を埋める。
370純愛〜パティの笑顔〜 18:2008/10/31(金) 23:30:40 ID:tDhldCQn
「イインデスカ? ワタシ…、我慢しませんヨ…?」
「もちろん。俺も我慢しないからね。会いたくなったら会うし、愛しくなったら、こんな事もするよ」

そう言いながら、○○はパティの顔を上げさせて唇を奪う。

「ぅん…っ! …ん…」

一瞬驚いたようで、身体を硬直させるが、すぐに○○に身を任せる。

「んっ…チュッ……はぁ…」
「……まさかいきなりシテくるとは思いませんデシタ……」
「俺も自分がこんなに大胆だとは知らなかったよ」

幸せそうな笑みを浮かべながら、○○の胸の中へと顔を埋める。

「…いつか…、迎えに来てクダサイネ…」
「ああ、もちろん」
「受験が終わるまでは、時々で良いから会ってクダサイ…」
「俺は毎日がいいけど…」

そう言うと、パトリシアさんはキッと顔を上げる。

「ダメデスヨ! ちゃんと勉強してクダサイ! アニメを見るのも忘れたらダメネ!」

そう言いながら人差し指を○○の鼻へ突き付ける。

「あと、会えないからって、浮気は許しませんヨ! …ホントにイヤデスヨ…?」
「もちろんしないよ。…俺を信じて」
「ハイ…、信じマス…」
371純愛〜パティの笑顔〜 19:2008/10/31(金) 23:40:26 ID:tDhldCQn
「…それと、一つだけイイですか?」
「パティ…って呼んで下さい…。でないと、イヤです…」
「あの時…、夢では呼んでくれましたヨ…?」

(夢…? ループした時の事かな…)

「うん。…愛してるよ、パティ…」
「…ワタシもデス…。いつでも…、いつまでも…、愛してマス…」

良い雰囲気のなか、再び顔を近付けようとすると、周りからざわめき声が聞こえた。
ふと周りを見渡すと、部活帰りの学生や、買い物途中の主婦などが一斉にこっちを見ていた。
372純愛〜パティの笑顔〜 20:2008/10/31(金) 23:42:50 ID:tDhldCQn
一瞬にして頭が沸騰する。
突然のパティの涙。
パティからの告白。
それらが相俟って今置かれている状況を忘れていたが、今ここは夕方の駅前だった。
パティを見ると、同じく失念していたようで、顔を真っ赤にしてこっちを見ている。

「ど、どどどど、どうしまショウ〜!?」
「とりあえず…、逃げよう! パティ!」

パティの手を取り一目散に逃げ出す。
周りからは『愛の逃避行だ!』『お幸せに!』などと聞こえてくる。

「○○! 何だか今が今日一番楽しいネ!」
「それは同意せざるを得ないな! 恐ろしく恥ずかしいけど!」

手を取り合い二人は駆けて行く。その顔にはもう迷いはない。
パティは、好きな人と一緒にいて良い理由を知った。
○○は、好きな人と一緒にいる事の意味を知った。
二人の想いは、もはや迷う事は無い。

「○○〜!」

離れていても伝わる言葉。
離れ離れになる二人が、愛を確かめ合う一つの言葉。
パティは枯れる事のない思いを、笑顔と言葉に乗せて高らかと告げた。



「大好きデスヨ!」

FIN
373純愛〜パティの笑顔〜作者:2008/11/01(土) 00:02:02 ID:yJN1bKsG
以上で「純愛〜パティの笑顔〜」の投下を終了します。

自分の書く作品は、例外なくヒロインを泣かせていますね…。

今まで泣かせて書いた娘達のファンの方、すみません。

書いていて、もっと意外性があった方が良いかと感じました。
前に書いた2作品とパターンが似ているというのは致命的ですね…。

初めてさるさんとやらに遭遇しました。あれは自分がさる扱いされてるって事ですかね?
何にせよ鬱陶しい…。

それでは、ついでではありませんがオマケを一つ投下致します。
374純愛〜パティの笑顔(オマケ)〜 1:2008/11/01(土) 00:06:40 ID:yJN1bKsG
朝9時前。駅前のとある一角に5つの影が潜んでいた。

(こ…こなちゃん…)
(何!? つかさ)
(私達は今何してるの?)
(尾行だよ! び こ う!)
(鼻孔?)

スパンッ!

軽い音を立てて、こなたの裏拳がつかさの額にクリーンヒットする。

(文字にしないと分かんないよ)
(何で泉先輩は分かったッスか?)
(なんとなく)
(…ど、どんだけ…)

うずくまるつかさを尻目に、みなみとゆたかは○○を探していた。

(先輩いないね)
(…パトリシアさんより先に拉致する予定なのに…)
(いや、そんな予定立ててないッスから)

ひよりが小さく突っ込むと、遠くから○○がやってくるのが見えた。
375純愛〜パティの笑顔(オマケ)〜 2:2008/11/01(土) 00:09:48 ID:yJN1bKsG
(先輩キターーーーー(゚∀゚)ーーーーーーー!)

スパンッ!

(声がデカいよ)
(…く、首に手刀はキツいッス…)
(先輩カッコいいね〜。…みなみちゃん、スタンガンはダメだよ)
(良い? 皆。パティの抜け駆けを阻止するのが目的だからね!)
(分かってるッスよ!)
(任せてよこなちゃん!)
(うん、お姉ちゃん)
(…一撃で仕留めるから…)
(岩崎さん眼がマジだよ。その青龍刀はしまおうか。)

暫くすると、パティもやってきた。

(むむむ…、随分気合い入れてるッスね…)
(何がむむむだ。それより、パティ何か持ってるね)
(この匂い…。あれは多分お弁当かな? 中身はサンドイッチみたいだね)
(分かるのつかさ? ってかここ軽く100メートルは離れてるけど)
(柊先輩スゴ〜イ! みなみちゃん、44マグナムはマズいよ)
(お弁当と聞くと…、何だかお腹が空いたッスね…)
(朝早かったからね…。仕方ない、腹が減っては戦は出来ないって言うし、何か食べに行こうか?)
(じゃあ私マックがいい! あのチーズバーガーのケチャップが好きなの〜)
(安い舌してるね、つかさ)
(…こなちゃんのくせに…)
376純愛〜パティの笑顔(オマケ)〜 3:2008/11/01(土) 00:13:25 ID:yJN1bKsG
腹拵えを済ませた5人は、パティと○○が動いたのを見て、慎重に後をつける。

(…手握ってる…)
(パトリシアさんいぃなぁ〜)
(…ネタになりそうな…。でも書きたくないような…)
(羨ましいなぁ…。…みなみちゃん高枝切り鋏で切っちゃダメ)
(…どっから出したッスか?)



そうこうしている内に着いたのが、秋葉原の「とら○あな」一号店だった。

途端に、約二名の目が光る。

(先輩…)
(うむ…、一時任務中止だ)
(どうしたの? こなちゃん)
(つかさ…。世の中には譲ってはならない時があるんだよ…)
(それが…、今なんッスよ!)

言うが早いか、二人は一号店の中に飛び込んで行った。
377純愛〜パティの笑顔(オマケ)〜 4:2008/11/01(土) 00:17:34 ID:yJN1bKsG
(ふぇ〜…。大事な用事かなぁ…?)
(…欲に負けただけに見えますが…)

本来の目的である二人を探していると、ゆたかが声を上げた。

(あ〜! こんなとこにカフェがありますよ!)
(ホントだ〜、尾行して疲れたし、寄って行こうか?)
(はいっ)
(…そうですね…)


それから暫くして…。

「しまった! もう閉店だよ!」
「ホントッスか!? 夢中になり過ぎた…」
「二人は?」
「…さすがにもう…」
「うぅ〜…、撒かれてしまったか…。やるなパティ」
「どちらかと言うと、物欲ってかオタク欲に負けたような…」
「だって、ホントに欲しいものがあったら悔しいじゃん?」
「気持ちは分かるッスけどね…」

一号店から出ると、隣りの本店からつかさ達が出てきた。
378純愛〜パティの笑顔(オマケ)〜 5:2008/11/01(土) 00:21:58 ID:yJN1bKsG
「つかさ? 何してたの?」「カフェでずっとおしゃべりしてたよ〜。スイーツも美味しかった〜」

スパンッ!

「いかほどっ!」
「まったく…、ちゃんと尾行してよね!」
「泉先輩…、ワタシ達も同罪では…?」
「二人共見失っちゃったね…」
「…残念…」

のたうち回るつかさを尻目に、ゆたかとみなみは溜め息を吐く。

「仕方ない…。今日は帰ろうか…」
「月曜に○○先輩を問詰めるッスか?」
「そんな事しないよ。だけど、次の土曜の○○くんを予約しとくつもり」
「あ、私も予約する〜!」
「先輩達は勉強するッス!」
「そうだよお姉ちゃん! ○○先輩は私が預かるからね!」
「…いくらゆたかでも…、それは阻止する…。…全力で…っ!」

一触即発の空気の中、一人、また一人と夜の街へと帰っていった。

後日、5人から一斉にアプローチを受け、5人が血で血を洗う抗争に勃発したのは、また別のお話。

FIN
379純愛〜パティの笑顔〜作者:2008/11/01(土) 00:31:33 ID:yJN1bKsG
以上でオマケの投下を終了します。

…皆壊してしまいました…。強力なツッコミ役がいなかったので、
こなたに担当してもらいましたが…、なかなか上手くいきませんでした。…すみません。

ここまで一気に書き上げましたが、次の作品はまったく未定です。
差し出がましいかと思いますが、ヒロインの希望があれば、リクエストして頂いても問題ないので、
もし自分の未熟な力量でも良ければ、リクエストをお応えします。

ただ、特にリクエストのないまま書きたい衝動に駆られたら、
衝動のままに書き上げてしまうので、そこはご了承下さい。

それでは、失礼致します。
380名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/01(土) 00:46:09 ID:1XCc96st
>>379
GJ!
おまけも含めて面白かったです。
前半の五人見て修羅場になると思ってたらいい意味で裏切られましたw?

>自分の書く作品は、例外なくヒロインを泣かせていますね…。
むしろ私的には直球ど真ん中なのでこれは貫いてほしいです。

楽しませていただきました。
ありがとうございます。

次回作を楽しみにしてます。





気が向いたらつかさで書いていただけたら嬉しいです。
381名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/01(土) 00:49:31 ID:1XCc96st
×裏切られましたw?

○裏切られましたw

なんか?ついてた(´・ω・`)
382名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/01(土) 06:58:01 ID:h/BSOZ9Q
GJ! パティがオタクなところ、留学生であるが故の葛藤がよく書けていると思いました。そうこうしてるとまた頭が痛くなってきましたw乙です!



出来るならかがみをいつか書いて欲しいです
383名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/01(土) 12:43:11 ID:VQUY2vtP
>>379
乙!今回もいい話だった!
主人公だけがループ中の記憶はっきり持ってるって設定なのかな?
そしてオマケのみなみヤンデレすぎw凶器の見本市と化してるしw

>自分の書く作品は、例外なくヒロインを泣かせていますね…。
でもいい涙みたいだから許したげる、むしろもっとやって下さい
っていうか前作のひよりの涙だけでご飯三杯余裕でしたw
384名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/01(土) 13:08:23 ID:YtO19lt5
乙です!みなみに盛大に吹きましたw
385純愛〜パティの笑顔〜作者:2008/11/01(土) 18:25:07 ID:yJN1bKsG
皆さんこんばんは。

先日「純愛〜パティの笑顔〜」を投下した者です。

新作を書き上げたので、こちらに投下させて頂きます。

時間が許せば今夜投下したいのですが、もうすぐ用事が入ってしまうので、
今日中に投下出来るかどうか分かりません。

可能であれば、今晩にも投下させて頂きます。
厳しいようであれば、明日には必ず投下致しますので、ご了承下さい。

今作は、リクエストのあった中から、ヒロインを選ばせて頂きました。


それでは、失礼させて頂きます。
386純愛〜パティの笑顔〜作者:2008/11/01(土) 18:34:11 ID:yJN1bKsG
>>381
ありがとうございます。自分の作風で喜んで頂けたのは、これ以上ない幸せです。

>>382
頭痛は大丈夫ですか? パティらしさを出すのが難しく、そう感じてもらえたのはとても嬉しいです。
ありがとうございます。

>>383
そうですね。指摘されてハッとしましたが、主人公の設定をかなりあやふやにしてしまっていました。
主人公の設定としては、
・ループの記憶を持っている
・らきメモだけでなく、全ルートを完全攻略済み

大きなところは上記二つになります。
ご指摘ありがとうございます。

>>384
ありがとうございます。
…狙い通りです。嬉しいです。
ただ、壊し過ぎた気もするので、ファンの方には申し訳なく思います。
387名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/01(土) 22:22:33 ID:h/BSOZ9Q
>>386 心配しなくても大丈夫です、可愛すぎて頭が痛くなるのでw
388純愛〜パティの笑顔〜作者:2008/11/02(日) 00:09:54 ID:dXzucPW5
皆さんこんばんは。

つい先程用事も終わり、時間が出来ましたので、
深夜ではありますが、投下させて頂きます。

今回はリクエスト頂いた中からヒロインを選ばせて頂きました。

題名は「純愛〜つかさの優しさ〜」になります。

それでは投下致します。
389純愛〜つかさの優しさ〜 1:2008/11/02(日) 00:15:22 ID:dXzucPW5
「うぅ〜…、緊張するよぉ…」

ここは柊つかさの自室。その主であるつかさは、布団に潜りながらモゾモゾしていた。

「○○くん明日の大学受験の面接大丈夫かな…。はぅぅ〜、考えると緊張してきちゃうよ〜」

なぜつかさが緊張するのか少しおかしい気もするが、つかさは強張った顔をして布団の中にいる。

「メール送ってあげた方がいいかな…。でもでも、桜藤祭の時みたいに、
それで失敗しちゃったら可哀相だし…。うぅ〜…」

つかさは自分が送ったメールで、○○がキスシーンを意識してしまった事
(それが直接の原因という訳ではないが)を思い出した。

「……あれ? でも劇はちゃんとお姉ちゃんがやってたよね?」
「?????」

つかさは桜藤祭時の記憶が混同してしまっていた。時間が繰り返した事によるものだろう。

「…うん、やっぱりメールしよう! …何もしてあげられないのは嫌だもん…」

そう決意すると、つかさは携帯を取り出し文字を入力していく。

(私の時も○○くんが応援してくれたし…、今度は私の番だよね)

つかさは既に料理師の専門学校への入学が決まっている。
その面接の日、○○から「落ち着いていこう」といった内容のメールを貰い、不思議と気持ちが落ち着いたのだ。
390純愛〜つかさの優しさ〜 2:2008/11/02(日) 00:19:38 ID:dXzucPW5
「送信っと…。出来た〜!」

小一時間かかってメールを作成し、ようやく送信した。
携帯を机に置き、やり遂げた顔をしながら改めて布団に入る。

(これで○○くんの支えになれたら嬉しいなぁ…)

寝返りをうち、頭の奥がぼやけていくのを感じる。
眠りに落ちていく感覚を自覚しながら、つかさは○○の顔を思い返した。

桜藤祭から、5人はほぼ毎日一緒にいた。
そして桜藤祭のループの中で、つかさは○○に対してほのかな想いを抱いていた。
それが桜藤祭以後、ほぼ毎日一緒に居た事で、○○がかけがえのない存在になっていたのだ。

(…だけど…)

○○への想いを自覚しながら、つかさはそれを封じてきた。

(…きっと…、こなちゃんも…ゆきちゃんも…お姉ちゃんも…、○○くんが好きなんだよね…)

○○以上に一緒の時間を過ごしてきた皆の事だ。いくらつかさでも、3人の想いには気付いていた。

(私なんかより、3人の方がずっと幸せになれるよ…)
(こなちゃんはゲーム上手だし、料理も出来るし…)
(ゆきちゃんはスタイル良いし、綺麗だし…)
(お姉ちゃんは頭も良いし…、ツンデレだし…)
391純愛〜つかさの優しさ〜 3:2008/11/02(日) 00:22:52 ID:dXzucPW5
正直、つかさは「ツンデレ」という事が良く分かっていなかったが、
何となく魅力の一つなんだろうと思っていた。
それに比べ、自分には何もない。そう結論付けてしまっていた。

(…受験も…、恋愛も…、私は○○くんの応援が出来れば良い…。
○○くんが幸せになってくれればそれで良いよ…)

寝返りをうつ。それと同時に、涙が一筋流れた。

(泣いちゃダメだよ…。明日○○くんを応援しに行くのに…)
(泣いたら目が腫れちゃうよ…)
(泣いちゃダメ…。泣いちゃ…)

そう思えば思うほど、涙は止まらなかった。

(……好きだよ……、やっぱり私…○○くんが大好きだよぅ……)

つかさは布団の中で小さく身体を丸め、涙を流しながら眠りについていった。
392純愛〜つかさの優しさ〜 4:2008/11/02(日) 00:26:54 ID:dXzucPW5
一方、○○も眠りにつけずにいた。

(明日は面接だもんな…。相対するのが紙とペンの筆記試験より、何倍も緊張するよ…)

眠らないと、間違なく明日へ影響する。だが、そう思えば思うほど眼は覚めてしまう。

(…ヤバいぞ…)

何度か寝返りをうっていると、携帯が鳴り出した。

♪ハァ〜! すっぽんすっぽんすっぽん! すっぽんすっぽんすっぽん! すっぽ…♪

「白石やかましいっ!」

携帯を乱暴に取り、着信を確認してメールを開く。

「…つかささん?」

送り主はつかささんだった。


『落ち着いていこうよ』
『明日は面接だね。きっと○○くんなら大丈夫だよ。だって私信じてるもん。
面接の人も○○くんの良さが分かってくれるって。だから大丈夫。

明日は皆で応援に行くから。頑張って!

つかさ』
393純愛〜つかさの優しさ〜 5:2008/11/02(日) 00:29:38 ID:dXzucPW5
(つかささん…)

終始根拠のない内容だったが、それでも○○は嬉しかった。

(そうだよな…。自分を信じてやるしかないよな)

携帯を閉じると、さっきまでごちゃごちゃしていた心が、嘘のように静まっていた。

(…ありがとう、つかささん…)

夜も遅いので、返信はせずに心の中でお礼を言った。

(…眠ろう…、全ては明日頑張るしかないんだからな)

布団に入り目を閉じる。応援してくれたつかさの優しい笑顔を想いながら、○○は眠りへと落ちていった。
394純愛〜つかさの優しさ〜 6:2008/11/02(日) 00:33:26 ID:dXzucPW5
翌日、○○が受験する大学の面接会場前に5人の姿があった。

「○○くんよく眠れた?」
「うん、昨日は早めにベッドに入ったから、寝起きもスッキリだよ」
「えぇ!? じゃあ昨日の深夜アニメ観てないの?」
「観る訳ないだろ…」
「○○くんをアンタと一緒にするな!」
「むぅ〜、昨日はあんなに萌える展開だったのに…」
「でも、面接前日に夜更かしはよろしくないですし…。深夜アニメなら録画しておけますから…」

みゆきさんが控え目に正論をぶつける。

「旬なアニメはリアルタイムで観ないとダメなんだよ」
「アンタはそんなに○○くんを落としたいの?」
「うぐっ…」

かがみさんに突っ込まれ、返す言葉もなくこなたさんが押し黙る。

「あはは、大丈夫だよ。アニメ自体は録画してるからさ。面接後の楽しみにしとくよ」

3人の掛け合いを眺めていると、一人静かな人がいる事に気付いた。
395純愛〜つかさの優しさ〜 7:2008/11/02(日) 00:38:06 ID:dXzucPW5
(…つかささん…?)

一人俯いて何も喋っていない。どうしたのかと声を掛けようとしたが、いつの間にか面接の時間が押し迫っていた。

「あ、もうこんな時間! ほら、○○くん早く行って!」
「遅刻はマズいよ! 早く行きたまへ〜!」
「落ち着いて下さいね!」

皆が思い思いに声を掛けてくれる。
つかささんはまだ押し黙ったままだった。時間が時間なので、急いで会場へ入ろうとした時。

「…○○くん!」
「つかささん?」
「…私…、ゆきちゃんやお姉ちゃんみたいに頭良くないから…、何言えばいいか分かんないけど…」
「―――頑張って!」

まっすぐに俺を見つめながら応援してくれる。

「…うん! ありがとう!」

皆の応援を背に、○○は会場へと入って行った。
396純愛〜つかさの優しさ〜 8:2008/11/02(日) 00:42:20 ID:dXzucPW5
「行ったわね」
「そうだね、後は彼次第だよ」
「はい、そうですね。…では、私達は行きましょうか」
「そうね。つかさ、行くわよ」

かがみが声を掛けるが、つかさは動こうとしない。

「つかさ? 行くわよ?」
「…ううん、ここで待ってる」
「つかささん、流石にこの季節長時間外に居ると、風邪をひいてしまいますよ? せめてどこか屋内に…」
「大丈夫だよ。カイロを20個持ってきたから」
「アンタ家中のカイロを持ってきたの?」

つかさは会場をじっと見つめて、梃子でも動く気配はない。

「…行こう、皆」
「そうね…。まったく…、つかさは乙女なんだから…」
「…少し…羨ましいですけどね…」

3人はつかさをそのままに、それぞれの帰路に着いた。
397純愛〜つかさの優しさ〜 9:2008/11/02(日) 00:45:46 ID:dXzucPW5
○○は会場の控え室で座っていた。ついさっき自分の前の人が呼ばれ、次はいよいよ自分だ。

(大丈夫…、大丈夫…)

上着を脱ぎ身体をほぐす。軽くストレッチして再び上着を着ると、ポケットに何か入っているのが分かった。

(…?)

取り出して見てみると、ポケットに入れたままの携帯だった。

(やばっ。電源切らないと)

慌てて切ろうとするが、その前にメールを開く。

(つかささん…)

昨日の夜に来たつかささんからのメールを見る。

(他にも応援のメールは貰ったけど…)
(何でつかささんのメールが一番嬉しかったんだろう…)

そこまで考えて頭を振る。
398純愛〜つかさの優しさ〜 10:2008/11/02(日) 01:05:57 ID:dXzucPW5
(…分かりきった事だろ…)
(俺は…、つかささんが好きなんだ)
(つかささんの優しさが…、つかささんの笑顔が…)
(いや、どこが好きかなんて事じゃない…)
(つかささんだから好きなんだ…)
(同じ笑顔でも…、同じくらい優しくても…)
(…きっと俺は、他の誰でもない、つかささんを選ぶから…)

携帯を閉じ、電源を切って前を見る。

(ありがとう…、つかささん。俺を応援してくれて…)

控え室のドアが開き、○○の名前が呼ばれる。

「はいっ」

上着を片手に立ち上がる。

(よし、行くか!)

心で気合いを入れて、○○は控え室を出て行った。
399純愛〜つかさの優しさ〜 11:2008/11/02(日) 01:09:54 ID:dXzucPW5
(…………)

会場の外にいるつかさは手の平を合わせてじっとしていた。

「つかささん?」

名前を呼ばれハッと顔を上げると、自分の前に○○が立っていた。

「○○くん! 面接はどうしたの? 何でここにいるの?」
「いや、今終わったんだよ。つかささんこそどうしてここに?」

そう聞かれたつかさは、鼻の頭を赤くしながら笑う。

「え? …えへへ、ここで○○くんを応援してたの。『頑張って〜』って」
「ここで? …ずっと!?」
「…うん、…だって私…、これくらいしか…してあげられないから…」

そう言いながら、つかさは鼻と手先を赤くして震えていた。

「それより、面接はどうだったの?大丈夫だった?」
「もちろんバッチリだったよ! それより、この寒空の中ずっとここに居たの? 風邪ひいちゃうじゃないか!」
「大丈夫だよ〜。カイロ20個持って来たし」

得意そうに言いながら、ポケットからカイロを取り出す。

「一個しか開けてないの? 他も開けないとダメじゃないか!?」
「あれ? …そっか、応援するのに夢中だったんだ。…どうりで寒いんだね」
400純愛〜つかさの優しさ〜 12:2008/11/02(日) 01:13:23 ID:dXzucPW5
えへへ…、と頬を掻きながら笑うつかさを見ていると、○○は胸が苦しくなってくる。

「ゴメンよ、つかささん…。ほら、手を貸して」
「? …背中でも痒いの?」

○○は困ったような笑顔をして、つかさの両手を包む様にギュッと握る。

「え? えぇ?」
「手が凄く冷たくなってるよ…、こんなになるまでゴメンね…」
「う…ううん、大丈夫だよ。それに…、私が出来るのは、やっぱりこれくらいだから…」
「そんな事ないよ。だって、つかささんからのメールのおかげで落ち着いて面接出来たんだからさ」
「本当…? えへへ、私でも支えになれたんだ…。嬉しいな…」
「……違うよ」
「え?」
「つかささん『でも』支えになれたんじゃない」
「つかささん『だから』支えになれたんだよ」
「つかささんからのメールが無かったら…、きっと面接は失敗してたと思うから」

○○がそう言うと、つかささんは不思議そうな顔をしている。

「そんなに良い文章だった? 私あんまり現国の成績良くないよ」
401純愛〜つかさの優しさ〜 13:2008/11/02(日) 01:18:22 ID:dXzucPW5
つかさの言葉を聞いて○○は苦笑いする。

(やっぱりつかささんだな…。あの時と同じく、鈍いと言うか何というか…)

ハッキリ言わないと伝わらない事が分かると、○○は覚悟を決める。

「つかささん。聞いてくれるかな? 今から大切な事を言うから」

そう○○が言うと、つかさの顔に緊張が走る。

「何? どうしたの?」
「俺さ、好きな人がいるんだ」

握っていた手から、緊張が伝わる。だが、つかささんの顔を見ると笑顔のまま俺を見ていた。

「受験も…、まぁ合格した訳じゃないけど一段落したし、想いを伝えようと思うんだ」
「そ、そうなんだー。私応援するよ!」
「ホントに? 告白して上手くいくかな?」
「…も、もちろん…だよ。だって…」

(…だって私なら…)

だが、つかさはそう言えなかった。

(…きっと3人の内の誰かかなんだよね…)
(じゃあ、やっぱり応援しなきゃ)
(…だって、皆私の大切な友達だもん…)

「きっと上手くいくよ! だって○○くんこんなに素敵なんだもん…」

語尾が震えそうになりながら、つかさは笑顔で答える。
402純愛〜つかさの優しさ〜 14:2008/11/02(日) 01:23:59 ID:dXzucPW5
「そう…かな。じゃあ告白するよ。…つかささん、俺は…、貴女が好きです」
「…え? …つかさんって? 周りに誰もいないよ?」

(…わざとか…? わざとなのか?? …くそっ…こうなれば…っ!)



グイッ

つかさは突然前に引かれ、つんのめりながら○○の胸に鼻をぶつける。

「い、痛いよ…。どうしたの? ……あれ? 私抱き締められてる…」

慌てた様につかさは○○の顔を見る。

「はわわわわ! 私抱き締められてるよ!? ゴメンね、すぐ離れるから」
「イヤだ、離さないよ。ってか俺が抱き締めてるからね。つかささんが謝る事じゃないよ」
「だ、だって、○○くんの好きな『つかさん』に悪いよ…」

○○は抱き締める手を緩めずに、つかさの耳元に口を寄せる。

「よく聞いてね? …俺は、柊つかささんが好きなんだよ」
「他の誰でもない、今俺の腕の中にいる人が、大好きなんだ」




耳元で囁かれる言葉を、つかさはパニックになりながら聞いていた。
403純愛〜つかさの優しさ〜 15:2008/11/02(日) 01:30:01 ID:dXzucPW5
(あれ? あれ?? え〜っと、○○くんはこなちゃん達に好かれてて、
その○○くんは『つかさん』が好きで、今は『つかささん』が好きで…)
(……私が好き…?)

考える内に落ち着いてきた思考が、結論に至る事で再び沸騰した。

「えぇ!? 私ぃ〜!?」

つかささんは目を見開きながら、驚きの声を上げる。

「ダ、ダメだよ! 私なんか。…だって、きっと他に○○くんを好きな娘が…」
「…もしかして…、みゆきさんとか…?」

見開いていた目がさらに見開く。

「知ってたの!?」
「…うん、あとこなたさんとかがみさんも…ね」
「何で知ってるの? ○○くん心が読めるの?」
「そんな訳ないよ…。しばらく前に告白されたんだ」

○○の話を聞くと、みゆき→こなた→かがみの順で告白されたようだ。

「何で○○くんは…付き合わなかったの? 皆○○くんの事が大好きなんだよ!」
「…うん、告白された時に感じたよ。こんなに好かれてるんだ…って」
「でもね、俺にはもう好きな人がいたから。それなのに告白を受け入れるなんて出来ないよ」
「それが私なの…? だけど、私なんか何もないんだよ?」
404純愛〜つかさの優しさ〜 16:2008/11/02(日) 01:33:41 ID:dXzucPW5
「胸だって小さいし、運動神経だって鈍いし…、ツンデレでもないんだよ?」
「最後のが何で必要なのか分からないけど…、そんなのは人を好きになる理由にならないよ」
「今のつかささんより、胸が大きかったり小さかったりしても、俺は何も変らない」
「柊つかさって『人』が、…俺は好きなんだ」
「…つかささんは、俺って『人』は嫌いかな…?」




つかさは自分の心が満たされていくのを感じ、気がつくとボロボロと大粒の涙をこぼしていた。

「…大好き…、大好きだよぉ…」

そう言いながら、つかさは○○にしがみつくように、手を背中に回す。

「で、でもぉ…、わ…私でいいのぉ…? 私…、私ぃ…」

泣きながら○○の顔を見つめる。○○は優しく涙を拭きながら、つかさに声を掛ける。

「つかささんが良いんだよ。他の誰よりも、つかささんが大好きなんだ」
「…うん…、うん…。私も大好き…! 誰よりも…大好きだよ…」
405純愛〜つかさの優しさ〜 17:2008/11/02(日) 01:36:59 ID:dXzucPW5
凍えた身体を温めるように、優しく、優しく抱き締める。

「うっ…、うぅ…」
「つかささん…、もう泣かないで…?」
「うん…、分かってるんだけど…。止まらないよぉ…」

頭を撫でていた○○は、そっとつかさの頬に手を添える。

「じゃあ、涙が止まるおまじないしてあげるよ。…目を閉じて…?」
「…う…、うん…」

止まらない涙を拭いながら、つかささんは目を閉じる。




…チュッ…

唇に柔らかい何かを感じた。それが何か分からずに、つかさはゆっくり目を開ける。

「…? 今のは何? ちょっと気持ち良かったけど…」
「おまじないだよ。恥ずかしいから見られたくないおまじないだけどね」
「気になるよぉ〜。ちゃんと見せて。…私には見せるの嫌なの…?」

(…そんな目で見られたら…、ダメなんて言えないよ…)

「じゃあ、見せてあげるね…?」
「うん、何?」
406純愛〜つかさの優しさ〜 18:2008/11/02(日) 01:40:23 ID:dXzucPW5
目に力を入れて、しっかりと○○を見る。
○○は深呼吸を一つすると、突然彼の顔がドアップになる。
暫くして、自分がキスされていると初めて分かった。

「ぅん…、ん…」

少し長めにキスをし、お互いの顔が離れる。
二人の吐息が、白く混ざり合いながら消えていく。

「…キス…しちゃった…の?」
「涙の止まるおまじないだよ。…止まったよね?」
「う…、うん…。だけど…、嬉しくてまた泣きそうだよぅ…」
「じゃあ…、もう一回する?」
「えぇ!? …うん…、して欲しいな…」

目を閉じて○○に顔を向ける。想いが通じてから3回目のキス。
初めてお互いが意識して望んだキスをした。

…チュッ…

唇から○○の想いが全身に広がる。

(こんなに愛してくれるんだ…。…○○くんを好きになって良かった…)

「…ねぇ、○○くん…」
「うん?」
「お願いがあるんだけどね…」
「何かな?」
「…つかさって、呼んで欲しいの…。『つかささん』だと…、他人行儀で嫌だから…」
「うん、良いよ…。つかさ、…愛してるよ」
407純愛〜つかさの優しさ〜 19:2008/11/02(日) 01:45:38 ID:dXzucPW5
その言葉を聞き、つかさは嬉しそうに○○の胸にギュッと顔を埋める。
それに合わせて、○○はつかさを強く抱き締める。
小柄なつかさが、○○の腕の中にスッポリ入った。

「…私…、こうやってギュッてされるの好き…」
「これからも…、たくさんギュッてしてね」
「うん、もちろんだよ。…ずっと、いつでも抱き締めてあげる」

○○は言葉でないと伝わらない事を、つかさは温もりで想いが伝わる事を知り、二人は改めて想いを伝える大切さを感じる。

「つかさ…、ずっと…一緒にいてくれよ?」

それに答えるように、つかさは精一杯想いを込めて抱き締める。



この温もりは途絶える事はないだろう。つかさは○○に、○○はつかさに想いを抱いている限り。
そして二人は離れる事はないだろう。二人が共に紡ぐ想いがある限り。

「○○くん…」

温もりで○○に想いを告げながら、顔を上げてつかさは言葉を告げる。今を繋げる想いを、未来へと紡ぐ想いを。




「大好きだよ!」

FIN
408純愛〜つかさの優しさ〜作者:2008/11/02(日) 02:05:10 ID:dXzucPW5
以上で「純愛〜つかさの優しさ〜」の投下を終了致します。

リクエストして下さった方の期待に応えられたか不安全開ですが…。
こんな未熟な文章で良ければ、またリクエストして下さい。
精一杯書かせて頂きます。

かがみをリクエストして下さった方、今回はお応え出来ず、すみません。
現在かがみの作品を鋭意作成中ですので、少しだけお待ちください。

それでは、ついでではありませんが、オマケを一つ投下致します。
409純愛〜つかさの優しさ(オマケ)〜:2008/11/02(日) 02:08:59 ID:dXzucPW5
「大好きだよ!」


一つの影となっている○○とつかさを、遠くから見つめる影があった。

「ネタキターーーーー(゚∀゚)ーーーーーーー! キタコレ! キタコレ!」
「ひより落ち着くネ!」

学校帰りのパティとひよりだった。

「まさかネタ探しに彷徨っていたら、生告白シーンを見られるなんて…!」
「遠出したカイがアリマシタネ!」
「さっそく帰ってプロットを書くよ!」

そう言いながら振り向くと、異様な空気がそこにあった。

「…ご機嫌ね…、お二人とも…」
「ホントにね〜。…良いネタでもあった? …ひよりん…?」
「うふふ…」

そこには、髪が自然では有り得ない揺らめき方をして、仁王立ちしたこなたとかがみとみゆきが立っていた。

「人の妹の…、それも告白シーンをネタにしようとは…ね」
「ひよりん…、これはシャレにならないよ〜?」
「うふふ…、うふふふふ…」

3人は口調こそ軽い(かがみはマジだが)が、目がカケラも笑っていなかった。

「お、お三方! 居られたッスか…?」
「ひ…、ひよりんマズいネ…」
410純愛〜つかさの優しさ(オマケ)〜 2:2008/11/02(日) 02:12:28 ID:dXzucPW5
闘気とも殺気とも思えるオーラを放ちながら、3人はひより達を取り囲む。

「今メモったの…、渡しなさい?」
「…な、何の事ッスか…?」
「…遺書を書く方が宜しいですか?」
「ひぃっ…。こ、これッス!」

渡されたメモをこなたは粉々に裂く。

「勘違いしないでよ!? ○○くんが書かれるのが嫌なんじゃないからね? つかさを書かれるのがイヤなんだから!」

聞いてもいない事を、かがみが弁解する。

「ツンデレ全開だねかがみん。だけど、本当にそうだからね」
「はい、私達フラれちゃいましたからね」
「そ…、そうなんッスか?」
「…まぁ…、ね。○○くんが他の女の子を好きってなら諦めないけど…」
「つかささんを好き…、という事なら仕方ありません」
「そうそう。だって、二人とも大切な友達だからね」
「たまにはアンタもまともな思考をするのね」
411純愛〜つかさの優しさ(オマケ)〜 3:2008/11/02(日) 02:16:35 ID:dXzucPW5
「愛人の座は諦めてないけどね」
「オイ!」
「い〜じゃんかがみん〜。私達ならつかさも許してくれるって」
「いずれ正妻の座を奪い取るって訳ですね…」
「みゆき、鬼気を出さない! 絶対ダメだからね! つかさが悲しむでしょ!」
「分かってるって。冗談だよかがみん」

チッチッチ…、と口の前で指を振る。
「…チッ…」

メガネの方から舌打ちが聞こえたが、全員スルーした。触れる勇気がない。

「だから、アンタ達も絶対同人誌なんか書いちゃダメよ! …もしどこかで見掛けたら…」


「「「覚悟はいいでしょうね!?」」」


「…はい…」
「ワカリマシタ…」


「さあ、帰るわよ」
「あの二人はあのままにしておきましょう。…お邪魔したら悪いですから」

帰る道中で、3人はひよりの目が妖しく光ったのを知らなかった。

数日後、ひよりとパティが記憶を頼りに『Tの純愛』という18禁同人誌を創り、
それを知った3人が即売会に乗り込んで全ての本を燃やしたのは、また別のお話。

FIN
412純愛〜つかさの優しさ(オマケ)〜作者:2008/11/02(日) 02:22:15 ID:dXzucPW5
以上でオマケの投下を終了致します。

御意見、御批判などありましたらお聞かせ下さい。

それでは失礼致します。
413名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/02(日) 03:10:44 ID:3jHnV47l
乙です!いつも楽しく読ませてもらってます!
つかさかわいすぐる
414龍二:2008/11/02(日) 04:14:27 ID:9hp+h7X5
GJです!
「Tの純愛」・・・www

もうバレバレじゃないッスかw
3人が乗り込んだ後の即売会のパニック具合が気になるw

そしてミュート推薦である「すっぽん、すっぽん♪」を
大音量で流した主人公に乾杯。これぞ「漢の生き様」ですね。
415名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/02(日) 08:31:56 ID:xa/LSS8x
つかさリクしたものです。
つかさらしさが出てて本当によかったです。
つかさスキーとしては最高な内容でしたw
ジーンときてた時に「つかさん」で笑ってしまいましたw

面白かったです。
ありがとうございました。
416牛乳帝国:2008/11/02(日) 23:36:36 ID:J2ZgV+q+
なんという投稿の早さwGJです
417名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/03(月) 12:52:00 ID:Tgtkd98A
>>412
今回も乙!もうあんた最高だ!
ホントつかさの天然謙虚っぷりが滲み出ててよかったです
しかし毎回泣かす&抱きしめるな主人公……いいぞもっとやれ

そして毎回むしろオマケの方を楽しみにしてる俺がいるw
ななこ先生のときもそうだったがみゆきさん黒すぎるw
前回のみなみといい東京組怖ぇw
でも腐女子コンビの反応見ると毎回全員に恋心抱かれてるわけでもないみたいね
418名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/03(月) 14:33:22 ID:djPZ0nmM
GJ!頭痛はしなくなったが見てたら涙が出てきた 乙ですぜ!
419名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/03(月) 17:15:07 ID:drRwAOu4
いつの日かみきさんSSが投下されるのを夢見つつ描いてみた。
ttp://a-draw.com/uploader/src/up6387.jpg
『こんないびつなの、みきさんじゃない!』って言わないでねw
420419:2008/11/03(月) 18:59:03 ID:drRwAOu4
すいません、リンクしくじってました・・・orz
ttp://paint.s13.dxbeat.com/up/src/paint_11999.jpg
こっちに・・・
421牛乳帝国:2008/11/03(月) 23:40:28 ID:NPN+o6L8
>>420
かわえええええ!!GJ!!
みきさんは俺の嫁、という人は多いんだろうな
あれで本当に四児の母か?若すぎるだろ!!
422純愛〜つかさの優しさ〜作者:2008/11/04(火) 09:54:41 ID:9AN4WhW4
皆さんおはようございます。

先日「純愛〜つかさの優しさ〜」を投下したものです。

新作を書き上げたので、こちらに投下させて頂きます。

今回も例に漏れず、
・ゲーム主人公設定
・主人公のみループ記憶あり
・ただ、ゲーム内容はあまり出ない

となっています。

時間が許せば、今夜投下させて頂きたく思います。

それでは、失礼致します。
423名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/04(火) 10:45:21 ID:oXm/stn2
>>422
楽しみにしているぜ。
424牛乳帝国:2008/11/04(火) 19:40:25 ID:HrX0X0iz
うっす、みなのもの久々に続きを投下するぜ

すまん、お化け屋敷の中でのことはまったくインスピレーションが浮かばなかった。
俺にインテルさえ入っていれば・・・・・・

と、言うわけでこなたルート確定
かがみんはこの話が終わった後にリクが多ければ書くかもしれない・・・・・・(多分)
425こなたとの記憶 〜君のことが好きだから〜:2008/11/04(火) 19:41:20 ID:HrX0X0iz
つかさ「あ、二人ともおかえり〜。」
みゆき「お化け屋敷はどうでしたか?」
お化け屋敷の感想を聞いてくる二人はニコニコしているがかがみさんはムスッとしている。
けどね?かがみさん
こなた「かがみんは選ばれなくて正解だったよ・・・・・・。」
かがみ「????」
あのお化け屋敷、遊園地にひとつはあるただのシューティングだと思った人もいるであろう
ところがどっこい、あのお化け屋敷・・・・・・もとい化け物屋敷
間違った目標を打てば上からタライが落ちてくるし、トラップに引っかかると天井が落ちてくるし・・・・・・。
正直に言ってあの設備にどれだけのお金をかけたのだろう?
壁はダンボール製だったのに・・・・・・・・。
八坂さんに聞いたら「禁則事項です」って言って教えてくれなかった。
卒業までに解明しておく謎がひとつ増えたな
426こなたとの記憶 〜君のことが好きだから〜:2008/11/04(火) 19:46:27 ID:HrX0X0iz
かがみ「あっ!ごめん。そろそろ峰岸たちとの約束の時間だ。」
喫茶店で一息ついているとかがみさんが立ち上がった
かがみ「ごめん、私たちは抜けるわね。」
「私たちって?」
俺が質問するとつかささんも立ち上がった
つかさ「ごめんね〜。わたしもおねえちゃんについてくことになってて。」
かがみ「それじゃあ、後夜祭でね?」
そう言って二人は出て行った
みゆき「それでは、私もおいとまします。」
こなた「え?みゆきさんまで?」
みゆきさんは持っていた手さげからファイルを取り出した
みゆき「後夜祭に向けて実行委員の打ち合わせがありますので。」
「そういえばみゆきさんは実行委員だったんだよね。」
今まで一緒に回っていたのですっかり忘れていた。
みゆき「それでは失礼します、お二人で楽しんでくださいね。」
そう言ってみゆきさんは出て行った
「お二人でって・・・・・・。」
俺はこなたさんの方を見る
だが特にあわてた様子もなく
こなた「じゃあ、言われたとおり、二人でたのしんじゃおっか!!」
そう言うとこなたさんは俺の手をつかんで立ち上がった
「ちょ、ちょっと!!こなたさん!?」
こなた「ん〜?もしかして私とじゃいやかな?かな?」
こなたさんは俺の顔に自分の顔を思いっきり近づけてきた
427こなたとの記憶 〜君のことが好きだから〜:2008/11/04(火) 19:48:13 ID:HrX0X0iz
こなたさんの顔がすごく近くにある
(あれ?)
この光景をどこかで見たことがある
けどあの時はここじゃなくて
(どこで・・・・・・いつだった?)
確かに俺は時間のループのことを覚えている
けどその“事実”を知っていても“過程”を覚えていない
(思い出せない・・・・・・)
すごく大切な
決して忘れたくない思い出のはずなのに・・・・・・

こなた「セイカ君?どうしたの?」
こなたさんの声で我に返った
「な、なんでもない。」
そうだ、今は前のことに気をとらわれちゃいけないんだ
こなた「それじゃあ行こっか?」
こなたさんは俺の手を自然につかんだまま歩き出す
この感覚もどこかであったように感じる・・・・・・
大好きな・・・・・・誰よりも大好きな、そんな人との記憶

思い出したい

どうすれば思い出せる?

大切で、大好きで、いとおしい記憶

今よりも前の記憶
428こなたとの記憶 〜君のことが好きだから〜:2008/11/04(火) 19:48:43 ID:HrX0X0iz
だけど考えたところで思い出せるわけもない
こなた「ねえねえ、あそこ入ろうよ。」
そう言ってこなたさんが指したのは『桜藤祭準備期間の写真館』と書かれた写真部の出し物
「うん、いいよ。」
中に入れば何か思い出せるかもしれない
そう思って俺たちは中に入った
429こなたとの記憶 〜君のことが好きだから〜:2008/11/04(火) 19:51:24 ID:HrX0X0iz
こなた「うわー、結構いっぱいあるねぇ。」
中には壁一面に張られている写真の数々
俺とこなたさんは順番に写真を眺めていく
こなた「あ、セイカ君写ってるよ。」
「え?どれどれ・・・・・・って寝てるし!!!」
その写真は休憩中に俺が爆睡している写真だった
こなた「ぷぷっ、すっごい間抜けな顔〜。」
「・・・・・・否定できないのがつらい。」
その写真から目をそむけるように他の写真へ目を移す
そして俺の目にとまったのは
「星桜の・・・・・・木?」
そこには花をつけた星桜の木が写っていた
430こなたとの記憶 〜君のことが好きだから〜:2008/11/04(火) 19:52:23 ID:HrX0X0iz
こなた「ああ〜、そういえば準備期間の間に咲いたよね〜、異常気象のせいかな?」
こなたさんの発言から考えるとこなたさんはループのことはすっかり忘れているようだ
だけどその写真が俺の心に妙に引っかかった
(そうだ、ここで・・・・・・!!)
さっきの“どこで”という質問の答えが出た
星桜の木
そこで俺は何かを伝えたはずだ
(もう少しで・・・・・・)
またそんなことを考えていると
こなた「ねえ、どうしたの?」
「うわっ!!」
こなたさんの顔がまた目の前にあった
だが、今回は
(・・・・・・・・・・・・・かわいい。)
そう思った
意外に長いまつげや幼さの残る顔そして・・・・・・
その唇を見たとき、心臓が跳ね上がった
こなた「どうしたの?顔真っ赤だよ?」
「な、なんでもないって!!」
あ、危なかった
あやうく・・・・・・キスしそうになった
でも、なぜだろう?
俺はこなたさんにはキスしてもいいような・・・・・・そんな気がした


つづく!!
431牛乳帝国:2008/11/04(火) 20:01:50 ID:HrX0X0iz
以上です 次くらいには終わるかな?
ちなみに題名は「こなたとの記憶 〜君のことが好きだから〜」にしました

(宣伝)
相変わらず連載を続けております

http://ncode.syosetu.com/n2108f/
よかったら読んでください
ではでは〜
432純愛〜つかさの優しさ〜作者:2008/11/04(火) 21:28:59 ID:9AN4WhW4
>>413
ありがとうございます。
楽しんで頂けたのは、何より嬉しいです。

>>龍二さん
ありがとうございます。
パニック具合は…、まぁ燃やしたぐらいですから、
かなりの大事ではないかと(笑)

>>415
リクエストにお応えできたでしょうか?
良ければ、またいつでもリクエストして下さい。

>>牛乳帝国さん
ありがとうございます。
初めてのリクエストだったので、気合いを入れて書かせて頂きました。

>>417
そこまで褒めて頂けるとは、光栄です。
オマケも楽しんで頂けたようで、嬉しい限りです。

>>418
頭痛は無くなりましたか? 良かったです(笑)
何より、喜んで頂けたようで嬉しいです。
433純愛〜つかさの優しさ〜作者:2008/11/04(火) 21:36:52 ID:9AN4WhW4
>>420
みきさん可愛いですね!
あんな美人を捕まえた親父さん羨まし過ぎます。
SSは難しそうですね…。
やはり人妻な訳ですから…。

>>牛乳帝国さん
文章の書き方がとても上手ですね。
参考になります。
何よりこなたと主人公の雰囲気がとても良いです!
とりあえずキスの衝動を我慢した主人公に乾杯。
GJです。続きを期待しています!
434純愛〜つかさの優しさ〜作者:2008/11/04(火) 22:08:54 ID:9AN4WhW4
皆さんこんばんは。

それでは、予告通り投下させて頂きたく思います。

題名は「純愛〜かがみの涙〜」になります。

それでは、投下致します。
435純愛〜かがみの涙〜 1:2008/11/04(火) 22:12:53 ID:9AN4WhW4
キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン…。

「ほな今日はこれまで。ちゃんと予習しときや?」

お昼前の最後の授業が終わり、皆空腹を満たすために動き出す。
学食を利用する人、購買で買う人、弁当を取り出す人など様々だ。

「ぬぅぅぅ〜…んっ!」

大きく身体を伸ばし、授業で凝り固まった関節をほぐす。

「すっごい伸びるね。まさか○○くんゴム人間?」
「君は何を言ってるんだ?」

弁当を持ったこなた、つかさ、みゆきが○○の机にやってきた。

「ジョークだよ、ジョ〜ク。…そんなに素で返さないでよ」

いじけたようにこなたさんが口を尖らせる。

「まぁまぁお二人とも」

みゆきさんがやんわりと仲裁する。その傍らでつかささんが机を繋げて座る準備をしていた。

「お腹空いたね〜。早く食べようよ〜」
「つかさ待ちなって。まだかがみが来てないよ」
「お姉ちゃん今日は購買で済ますって。さっきメール来てたよ」

弁当箱を開けながらつかささんが言った。どうにも我慢出来ないくらいお腹が減っているようだ。
436純愛〜かがみの涙〜 2:2008/11/04(火) 22:16:48 ID:9AN4WhW4
「むぅ…、さてはまたダイエットだな…。桜藤祭が終わって気が抜けたね」
「こ…、こなちゃんあんまりそういう事大声で言わない方が…」
「でも食欲の秋って言うからね。いろいろ美味しいものが旬を迎えるし、つい食べちゃうのも分かるな」

そう言いながら、○○は摘んだおかずを口に運ぶ。

「でもかがみさん、言うほど太ってないと思うけどなぁ」
「甘いね○○くん。見て判らない部分が太ってきたんだよ」
「そうなのかな? 少しくらい丸みのある方が女性らしくていいのに」

○○がそう言うと、こなたがいきなり白石に声を掛けた。

「セバスチャン! 購買でチョココロネ10個買って来て!」
「わ、私メロンパン10個!」

突然の命令に戸惑いながら購買へ向かう白石を横目に、みゆきさんが電話をかける。

「もしもし? ピザ○ラさんですか? LLサイズのピザ10枚お願いします」
437純愛〜かがみの涙〜 3:2008/11/04(火) 22:20:02 ID:9AN4WhW4
「…皆どうしたの? ってかピザ10枚はどうするの? 投げるの?」
「いや〜、何だか急にお腹が減ってね〜」
「メロンパン大好きなの〜」
「ピザとコーラは至高の組み合わせですよ?」
「そうなんだ…? ピザとコーラに関しては同意だけど」

暫くして机の上はパンとピザで埋め尽くされていた。
凄まじい勢いで平らげる3人を眺めながら、○○はかがみの事を考えていた。

(かがみさんは特に体重気にしてたしなぁ…)
(あの時みたいに無理しなきゃいいけど…)

○○はつかさの弁当と入れ替わっていた「カロリーメイト弁当」と、
「ウィダーインゼリー弁当」を思い返していた。

(…やっぱり様子を見てこよう)

そう思いたった○○は、いつの間にか半分以上平らげられた
机の上に驚きながら、教室を出てかがみを探した。
438純愛〜かがみの涙〜 4:2008/11/04(火) 22:24:22 ID:9AN4WhW4
(仮に購買で買ったとして…、どこで食べるか…)
(周りに食べてる人が多いと、食べても満足出来ない可能性がある…)
(あまり人がいなくて…、何も考えずに居られる場所…)
(…屋上かな…?)

そう考えて屋上へ上がると、角の方でうずくまるようにしているかがみが居た。

「かがみさん?」
「…え…? ……なっ! 何でアンタがここに居るのよ!」
「探しに来たんだよ。お昼にいなかったから」

そう言いながら、○○はかがみの横に腰を下ろす。

「座っていい?」
「…座ってるじゃない。まったく…」

少し頬を赤らめて、かがみはそっぽをむく。

「…ダイエットだって?」
「……!! 誰に聞い――!…あっ」

今度は目に見えて顔が赤くなる。慌ててかがみは○○から顔を逸らす。

「…ホントなんだ? かがみさん別に太ってるように見えないけどな」
「う、うるさいわね! 私の勝手でしょ!」
「…まぁ…、そうなんだけどさ」
「…心配なんだよ? 桜藤祭の時みたいに、とんでもない食生活しそうで」
「カロリーメイト弁当とか、ウィダーインゼリー弁当とかさ」
439純愛〜かがみの涙〜 5:2008/11/04(火) 22:27:20 ID:9AN4WhW4
「うっさい! …ってか、早く忘れてよそんなの!」
「あはは、ゴメンゴメン」
「…まったく…。……アンタのせいなんだから……」

「…え? 何か言った?」
「何でもない! ほら、お昼休み終わるわよ? 私は先に戻るからね!」

そう言うと、かがみさんは屋上から出て行ってしまった。

「…? 何って言ったんだろ…?」




屋上から戻る道中、かがみは複雑な心境だった。

(アイツ、私の事心配してくれてるんだ…)
(…だけど…、これだけは止める訳には…)

そう思いながら、かがみは数日前の事を思い出した。
440純愛〜かがみの涙〜 6:2008/11/04(火) 22:30:57 ID:9AN4WhW4
こなた達と一緒に帰ろうと教室へ向かうと、廊下で白石と会話する○○がいた。

「なぁ、○○は大きいのと小さいのはどっちが好きなんだ?」
「ん〜、大きいのかな。ってか表現違くないか?」
「気にするなよ。じゃあ細いのと太いのは?」
「う〜ん、俺は細いのが好きだな。見た目的にも綺麗だろ」

かがみはこの会話を耳の端で聞きながら教室へ入っていった。

(…大きいのと小さいの? これってやっぱり…)

かがみは自分の胸を見る。

(じゃあ…、細いのと太いのって…)
(…体型…よね…。やっぱり…)
(○○くん細い方が好きなんだ…)

かがみは決して太っている様には見えない。それどころか適正な体型のように見えるが、
自分の目にはそう写っていなかった。

(最近間食が多かったし…)
(…よし、…痩せよう!)

これが数日前の事だった。きっかけは単純だったが、その決意は生半可なものではなかった。

(絶対に痩せるんだから…っ!)

自分の教室に向かいながら、改めて決意の炎を燃やすかがみだった。
441純愛〜かがみの涙〜 7:2008/11/04(火) 22:35:37 ID:9AN4WhW4
キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン…

一日の終わりを告げるチャイムが鳴る。

「うぅぅぅ〜…っ」

両手を組み合わせて、上にあげながら大きく伸びをする。

「やほ〜。○○くん寄り道してこ〜!」

こなたさんがそう言いながら、薄い鞄を片手にやってきた。

「う〜ん、今日は遠慮しとくよ。宿題沢山あるしね」
「え〜。せっかく私とのイベントを起こすチャンスじゃ〜ん。行こうよ〜」
「多分俺とこなたさんの間にフラグは一本も立ってないよ」
「フラグって言葉を自然と使うあたり…。君も立派なオタクだね!」

嬉しそうに親指を立てながらこなたさんが言う。

「…ま、まぁとにかく。今日は止めとくよ、また今度ね」

ブーブー言うこなたを置いて、○○は昼間のかがみの様子を心配しつつ、帰路に就いた。

一方、かがみは一人帰宅を急いでいた。

(…早く帰って部屋でじっとしていよう…。お腹減り過ぎて痛い…)
442純愛〜かがみの涙〜 8:2008/11/04(火) 23:05:51 ID:9AN4WhW4
かがみのダイエット方法とは、一日一食しか食べないものだった。
それも、食べるのはお昼の購買のパン一つだけである。
つい2日前まで、食事を取りながら運動するというごく普通のものを行なっていたが、
効果があまり目に見えてこないため、かなり強引な手法に切り替えたのだ。

(痩せるんだから…)

なかば朦朧としながら家に辿り着くと、倒れるように自室のベッドに横になった。




翌日。

「おはよう。つかささん、かがみさん」
「○○くんおはよ〜」
「…おはよ…」

対照的な挨拶をする二人に、昨日の心配が甦る。
443純愛〜かがみの涙〜 9:2008/11/04(火) 23:08:47 ID:9AN4WhW4
「…大丈夫? かがみさん。目に見えて衰弱してるよ?」
「…だ、大丈夫よ! ちょ〜っと目が覚めて無いだけだから」
「ホントに?」

そう言いながら○○はかがみの顔を覗き込む。
するとかがみは沸騰したかのように真っ赤になると、慌てて横を向いた。

「大丈夫って言ってるでしょ! …女の子の顔を覗き込むなんて、デリカシーが無いわよ…!」
「…お姉ちゃん…、○○くんは心配してくれてるんじゃ…?」

つかさが控え目にかがみに言うが、かがみは顔を赤くしたまま、
「先に行くから」と言って走って行ってしまった。

「…マズかったかな…」
「ねぇ、○○くん…。お姉ちゃんね、昨日の晩ご飯何も食べて無いんだ…」
「昨日だけじゃないの。一昨日も食べなかったし…」
「このままじゃお姉ちゃん、倒れて怪我しちゃうよ…」
「だからお願い。お姉ちゃんにダイエットを止める様に言ってあげて!」

つかささんが必死な顔で俺を見てくる。
444純愛〜かがみの涙〜 10:2008/11/04(火) 23:13:12 ID:9AN4WhW4
「…でも、それならつかささんの方が良くないかな?
妹が本気で心配してるって分かれば止めそうだけど」
「……ダメなの。○○くんが言ってあげないと」
「きっと、今お姉ちゃんに必要なのは、○○くんの言葉だと思うから…」
「? 分かったよ。今日のお昼にまた話をしてみるね」
「うん! お姉ちゃんをお願い!」

つかささんはホッとしたような、少し哀しそうな顔をしていた。

その日のお昼。
昨日と同じく、大量のパンとピザを平らげる3人を眺めつつ、○○はかがみを探しに教室を出た。

(また屋上かな?)

○○が屋上のドアを開けると、昨日と同じ場所にかがみが居た。
○○は近付いて行くと、昨日と同じく隣りに腰を下ろす。
445純愛〜かがみの涙〜 11:2008/11/04(火) 23:16:52 ID:9AN4WhW4
「ちゃんと食べてる?」
「…うるさいわね。…食べてるわよ…」
「…皆心配してたよ。全然食べてないみたいじゃないか」

こなたも最初は面白がっていたが、
流石に様子が尋常ではないと気に掛けていたのだ。

「…………」
「俺も…、無理してかがみさんが怪我でもしたら…、悲しいよ」
「…大丈夫よ。自分の事は自分で分かるわ。無理なんかしてないわよ」
「…でも――」
「もう良いでしょ? 大丈夫よ。私は無理してないから」

無理矢理会話を終わらせ、かがみは立ち上がる。

「ほら、休みが終わるわよ」

そう言ってかがみは入口へと向かい、慌てて○○は後を追いかけた。



(…気持ちはとっても嬉しいけど…。やっぱり止める訳にはいかないの…)
(…だって…、私…アンタが…)

そう考えながら扉をくぐり、階段を降りようとした時、
かがみは視界が回るのを感じた。

(…あれ…?)

遠くで○○の声を聞きながら、かがみの意識は遠くなっていった。
446純愛〜かがみの涙〜 12:2008/11/04(火) 23:20:30 ID:9AN4WhW4
「かがみさんっ!」

入口をくぐり前を向くと、かがみさんの身体がグラリと前へ傾いたのが見えた。

(くそっ! 間に合え!)

大きく踏み出すと、かがみの身体を抱える様に抱締め、そのまま階段を転がり落ちていった。

(ぐわっ! …痛って〜。…か、かがみさんは…?)

腕の中にいるかがみが無事なのを確認すると、安心したのか、○○はフッと気を失った。


いつまで眠っただろうか。
深く暗い水中から急浮上するように意識が戻る。

「…ここ…は?」
「…お姉ちゃん? …お姉ちゃ〜ん!!」

目に涙を溜めたつかさが抱き付いてくる。

「かがみ起きたの!?」
「大丈夫ですか? かがみさん!?」

こなたとみゆきも居た。周りを見渡すと、どうやら保健室のようだ。

「…何で私ここに…?」
「かがみ覚えてないの? 屋上の階段で○○くんと倒れてたんだよ?」
「倒れて…。そっか…、倒れちゃったんだ…」
「先生が、顔色悪いし栄養不足だろうって。もう、かがみ無理し過ぎ!」

皆からの言葉をぼんやり聞きながら、かがみは引っ掛かった事を聞いた。
447純愛〜かがみの涙〜 13:2008/11/04(火) 23:24:00 ID:9AN4WhW4
「…○○くんと?」
「…うん。そこにいるよ」

隣りのベッドを見ると、○○くんが静かに横になっていた。

「多分、かがみをかばって一緒に落ちたんだと思うよ。頭を強く打ったみたいだけどね。傷もないし、大丈夫だろうって」
「念の為、明日は病院で見てもらうそうですよ」

かがみは呆然としていた。
自分の事は自分が分かっている。…そう大口を叩いておきながら、
倒れた挙句に○○まで危険な目に合わせた事に。

(…何やってるのよ…。私は…)

かがみの表情を見たこなたは、みゆきとつかさに外で待っていようと言い、保健室を後にする。


(…何でダイエットしてたのよ…)
(この人の隣りに居たくて…、○○くんの隣りに居たくて頑張ったのに…)
(…なのにっ…。○○くんに心配掛けさせて…)
(挙句の果てには…、危険な目に合わせるなんて…)
(…最低…。最低よ…)

静かに眠っている○○の顔を見るていると、自分の浅はかさに悔し涙が流れた。

(ゴメンね…、ゴメン…)

後悔が押し寄せる。悔しくて涙が溢れる。かがみは自分に対して、
そして○○に対しての思慮の無さに、ただただ泣き続けた。
448純愛〜かがみの涙〜 14:2008/11/04(火) 23:27:55 ID:9AN4WhW4
「…泣かないで、かがみさん…」

静かな、優しい声が聞こえて、かがみは顔を上げる。
いつの間にか、隣りのベッドで眠っていた○○が目を覚ましていた。

「○○くん…。…大丈夫なの? 頭はハッキリしてる? 気分が悪いとかない?」

かがみが心配そうに聞いてくる。○○は身体を起こしてゆっくり自分の頭を触る。

「…痛っ! …タンコブが出来てるくらいかな…。気分も悪くないし、大丈夫だよ」
「本当に? …良かった…。ごめん…。私のせいで…」
「違うよ。かがみさんをかばったのは俺の意志だもん。かがみさんのせいじゃないさ」
「でも…。『自分の事は自分で分かる』なんて大口叩いて…、
結局気絶しちゃうなんて…。最悪よね…」

自嘲気味にかがみが笑う。

「そんな事ないよ。たまたま今回上手くいかなかっただけさ。
それに、そこまでして痩せたい『理由』があったんでしょ?」
「…それは…」

かがみが口ごもると、○○はゆっくり首を横に振る。
449純愛〜かがみの涙〜 15:2008/11/04(火) 23:31:14 ID:9AN4WhW4
「ううん、聞かないよ」
「…どうして…?」
「例え聞いても、俺は何も変わらないから。かがみさんが本気なら、
俺はかがみさんが無理し過ぎないように側で見守るだけだから」
「どんな理由であってもね。…まぁ…、今回は後手になっちゃったけど」

苦笑いしながら○○は言った。そんな○○を見て、かがみはますます自責の念にかられる。
収まりかけていた涙が、再び溢れる。かがみは止まらない涙を拭いながら、
ただひたすらに○○に謝るしかなかった。



両手を顔に当て、嗚咽を堪えながら泣き続けるかがみを見て、○○は掛ける言葉を失っていた。
不意に今朝のつかさの言葉が甦る。

『きっと、今お姉ちゃんに必要なのは、○○くんの言葉だと思うから…』

(…俺の言葉…)

言葉とは、相手に想いを伝える為に存在する。

(…俺の…、かがみさんに伝えたい想いは…)

○○は自分の胸に問い掛ける。
450純愛〜かがみの涙〜 16:2008/11/04(火) 23:36:07 ID:9AN4WhW4
俺の想いは…?
何を伝えたいんだ…?
…俺にとってのかがみさんは何…?

心の中でそれらの答えを探ると、一つの想いに行き着く。
それはいつからあったのか。
泣き続けるかがみを見ていて芽生えたのか。
共に桜藤祭を成功させた時に芽生えたのか。
ダイエットを支えるうちに芽生えたのか。
劇を見た時に芽生えたのか。
初めて会った時に芽生えたのか…。

○○の行き着いたのは、いつの間にか大きく育った「かがみへの想い」だった。

「…かがみさん…」

そう呼びながら、○○は硝子細工を扱うかのように、
丁寧に、優しくかがみを抱き締める。

「…え? な、何で? ちょっと…」
「…少しだけ…、このままで…。伝えたい事があるんだ…」
「……な、何よ…」
「今朝ね、つかささんに言われたんだ。かがみさんには、俺の言葉が必要だって…」
「だけど、俺は泣き続けるかがみさんに掛ける言葉なんか分からなかった」
「だから、今俺の心にある、素直な感情を言葉にするよ」
「…かがみさん…。好きだよ」
「俺の好きなかがみさんは、笑顔が素敵で…、怒った顔も…、怖いけどやっぱり素敵で」
「だから…、泣かないで…。貴女の泣き顔は…、とても悲しくて…」
「俺まで悲しくなってしまうから…」
451純愛〜かがみの涙〜 17:2008/11/04(火) 23:40:28 ID:9AN4WhW4
突然の告白に、さっきまで流れていた涙は無くなっていた。

「で…でも、私こんなんだよ? 意地っ張りで…、強がりで…」
「だったら尚更側にいさせて欲しいんだ。俺が、かがみさんの支えになってみせるから」
「…それに…、私そんなに細くないし…」

そうかがみが言うと、○○は首を振って否定する。

「今俺の腕の中にいるかがみさんは、とても細くて、華奢で、温かいよ」
「……っ! は、恥ずかしい事言わないでよ…! …もう…」
「…かがみさんは…。俺なんかじゃダメかな…?」
「……そんな事、ない…。私も…、…アンタが、いい」

○○の胸に顔を埋めながら、背中に手を回して呟く。

(…どこかで同じ様な事を言った気がするわね…)
(…だとしても、きっと相手はこの人よね…)
(だって…、こんなに好きなんだから…)

気持ち良さそうに、○○の胸板に顔をすり寄せる。
その仕草が愛しくて、○○はより強くかがみを抱き締める。
452純愛〜かがみの涙〜 18:2008/11/05(水) 00:01:29 ID:9AN4WhW4
「そういえばさ…、一つ聞きたいんだけど…」
「やっぱり○○くんは細くて大きな娘が好きなの…?」

腕の中で顔を上げ、上目遣いでかがみが聞いてくる。

「…? 何の事?」
「ほら、この前白石と話してたでしょ?」

そう言われて○○は記憶を探る。

「…あ〜、あれかな? 細いのが好きとかなんとか」
「…やっぱり…、そうなんだ…」

そう聞いてかがみは落ち込む。もっと細い娘が現れたら、○○を取られると思ったからだ。
だが、次に○○から発せられた言葉に唖然とする。
453純愛〜かがみの涙〜 19:2008/11/05(水) 00:05:05 ID:1R+FJnGm
「うん、やっぱりパスタは細くて長いのがいいよ。盛り付けた時も見た目が綺麗だし」
「…は?」
「だから、パスタは細くて長いのが…」
「いやいやいやいや」
「…どうしたの?」
「『…どうしたの?』じゃないわよ! 何でパスタの話になってんのよ!?」
「だってそうなんだもん…。最近白石がセクハラ染みた質問ばっかりするからさ」
「ついこの間も、すりこ木の棒について俺に『形状は?』とか、『サイズは?』とか聞いてくるんだよ」
「そんなの『太い』か『硬い』しかないのに、無理矢理言わせるんだよ?」
「流石に怖くなって、こなたさん直伝の正中線5連突きをお見舞いしたけど」

かがみは口をパクパクさせて呆然としていた。

(…な、何よそれは〜!)
(もしかして…、盛大な勘違い…?)

呆然としたままのかがみを見て、状況を理解した○○がニヤリと笑う。
454純愛〜かがみの涙〜 20:2008/11/05(水) 00:08:36 ID:1R+FJnGm
「…もしかして…、かがみさん俺が細い娘が好きだって勘違いしたとか…?」
「う、ううう、うっさいわね! そうよ! 悪い? アンタの隣りに居たかったから必死だったのに!」
「…なのに…。これじゃあ…私、バカみたいじゃない…」

俯き再び泣き出しそうになったかがみを見て、○○は慌てる。

「いや、ゴメン。違うんだ、嬉しいんだよ」
「こんなに好かれて、こんなに一生懸命に想いをぶつけてくれるから」
「それが好きな相手からなら尚更だよ」

○○はかがみの頭を撫でながら謝る。

「…じゃあ、アンタの想いを証明してよ」
「…どうやって?」

そう聞くと、かがみは目を瞑り○○に顔を向ける。

「…いいの? 俺はまだかがみさんの気持ちをハッキリ聞いて無いけど…」
「……バカ。…好きに決まってるじゃない…」

恥ずかしそうに呟くかがみさんの唇に、自分の唇をあてがう。
触れるだけのキス。それでも、幾万の言葉を交わすよりも明確な想いを伝えた。
「んん…。…ぁん…。…はぁ…っ」

暫く重ねていた唇を、名残惜しそうに離す。
455純愛〜かがみの涙〜 21:2008/11/05(水) 00:11:06 ID:1R+FJnGm
「…愛してるよ、かがみさん…」
「…かがみって…、呼びなさいよ…」
「かがみ…」
「…うん…」
「…好きだよ」
「…私も…」
「…俺さ…、あんまりカッコ良くないかも知れないけど…。
かがみに相応しい男になるからさ…」
「だから…、ずっと一緒にいてくれよ」
「…分かったわよ。…仕方ないわね…」
「私も…、アンタ以外に興味無いんだから…」
「浮気なんかしたら、許さないんだからね!」

かがみは笑顔で泣いていた。だがそれは、自責や後悔の涙ではない。
○○と想いが通じた歓喜の涙。
○○の隣りにいられる事の喜びの涙だった。

「○○…」

決して枯れる事はない涙。これから先、○○は何度となく喜びの涙を流させるから。
○○が側に居る限り、かがみの流す涙に悲しみはないから。
かがみは一筋の涙と共に、慈愛と微笑みに溢れた顔で告げた。


「大好きだからね!」


FIN
456純愛〜かがみの涙〜作者:2008/11/05(水) 00:16:56 ID:1R+FJnGm
以上で「純愛〜かがみの涙〜」の投下を終了致します。

かがみを書くのは難しいですね…。先達はこのキャラで数多く書いたんですね…。凄い…。
今回程書いていて不安な作品はありませんでした。

以前かがみをリクエストして下さった方、いかがでしょうか?

もし良ければ、いつかまたリベンジの機会を与えて下さい。

それでは、ついでではありませんが、オマケを投下させて頂きます。
457純愛〜かがみの涙(オマケ)〜 1:2008/11/05(水) 00:19:41 ID:1R+FJnGm
「大好きだからね!」

腕の中の愛しい人が想いを告げている。しかもここは保健室のベッド。
健全な男子なら『えっちぃ事を考えるな』…という方が無理かも知れない。

「…かがみ…」
「…どうしたの?」
「俺さ…、その…。…我慢出来ないかも…」
「……っ!?」

かがみは言葉の意味をすぐに感じ取った。

「ダ、ダメよ! こんなとこで! 学校よここ!?」
「だって…。かがみ温かくて、柔らかくて…。…気持ち良いから…」
「や、柔らかいって言うな…っ!」
「かがみ…」

抱き寄せていたかがみの身体をゆっくりとベッドに横たわらせる。

「…もう…。…初めてが学校なんて…」

かがみが恥ずかしそうに、ほんの少しだけ嬉しそうにしながら呟くと、後ろで声が響いた。
458純愛〜かがみの涙(オマケ)〜 2:2008/11/05(水) 00:23:02 ID:1R+FJnGm
「それなんてエロゲ?」

―――――。

「うわぁ!」
「きゃあああ!」

一拍の間を置いて、かがみと○○は驚いて身体を起こす。
そこには、頬を赤くしたこなた、つかさ、みゆきがいた。

「皆! 見てたのかよ!?」
「一部始終ハッキリとね」
「お姉ちゃん可愛かったよ〜」
「素敵な告白でしたね…」

皆が思い思いの反応を口にする。かがみと○○は顔を真っ赤にしながら聞いていた。

「いや〜、しかし想いの通じたその日にヤっちゃうなんて〜。○○くんのエッチィ!」
「違うよ! あ、いゃ、違わないけど、そんないい加減な気持ちじゃ…!」
「分かってますよ。○○さんがかがみさんを、とても大切に想ってる事は」
「そうだよ。さっきの二人、とっても幸せそうな顔してたもん」

改めて言われて、再び二人の顔が赤くなる。
459純愛〜かがみの涙(オマケ)〜 3:2008/11/05(水) 00:26:50 ID:1R+FJnGm
「だけどさ〜。○○くん…」
「何?」
「私にも告白しといて、かがみにも告白ってのは鬼畜過ぎない?」

――――。

「いやいやいやいや!」

一拍の間を置いて、猛烈な勢いで○○は否定する。

「私にも告白してくれたよね? とっても嬉しかったよ〜」
「あんなにハッキリと愛を囁いてくれましたよね?」

驚いた事に3人が3人とも、○○に告白されたと言ってきた。
かがみを見ると、怒りと悲しみとが混ざり合い、まさに『般若』の形相をしていた。

「違うよかがみ! 俺そんな事一言も――」
「一昨日言ってくれたじゃない」
「丸みのあるこなたさんが好きだって」
「女性らしいつかささんが好きだって」
「ピザを平らげるみゆきさんが好きだって」

3人が3通りの告白文を告げる。

「何でそうなるんだよ! 俺は女性らしい丸みがあった方が良いって…」

懸命に弁解するが、こなた達は告白されたシーンを思い返しているのか、上の空である。
かがみを見ると、そこにある筈の無い角が見え始めた。
460純愛〜かがみの涙(オマケ)〜 4:2008/11/05(水) 00:32:25 ID:1R+FJnGm
「だから私はチョココロネを毎日10個食べてたのに…」
「私はメロンパンを焼いて持って来てたのに…」
「私はピザをフリスビーしてたのに…」
「みゆきさん食べ物を粗末にしない! だから違うって! かがみも話を聞いてくれよ!」

最早さっきまでの甘い空気はどこへやら。
一変して修羅場と化していた。

「「「「さぁ…っ! ○○くん…」」」」

泣きそうな○○を取り囲み、4人は般若の形相で問詰める。

「「「「一体誰が好きなの!?」」」」



この後、小一時間かけて全ての誤解を解き、お詫びと称して全員に叙○苑の焼肉を奢らされ、
最後にかがみとのキスを披露したのは、また別のお話。


FIN
461純愛〜かがみの涙〜作者:2008/11/05(水) 00:38:57 ID:1R+FJnGm
以上でオマケの投下を終了致します。

今回はかがみの表現がかなり不安定になってしまいましたので、
良ければ「かがみはもっとこうだろ」などの批判があれば、御意見を頂きたく思います。

未熟な文章で申し訳ありません。遠くない未来に、またかがみでリベンジしたいと思います。

それでは、失礼致します。
462名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/05(水) 01:19:24 ID:Ow2PgBS5
GJ!まさか本当にかがみを書いてくれるなんて、感無量です。やっぱり文章に込められた何かを感じる、だから泣けるんだね 寝る前に良いもの読ませてもらいました 乙ですぜ!
463名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/05(水) 01:21:54 ID:aywGXDst
GJでした。相も変わらず素晴らしい文章で非常に満足でした。あとオマケもいつも通り、笑わせて頂きました。
しかし、丸みのあると女らしいはともかく、ピザを平らげるってw
あと食物粗末にしちゃ駄目でしょ。みゆきさんw
464名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/05(水) 01:55:17 ID:afHTukIW
相変わらずクオリティ高いな、GJと言うしかあるまい

で、出来ればひかる先生の話をやっていただきたいのですが
465名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/05(水) 12:54:30 ID:bZelxioD
GJ!毎度楽しみにしてます!
466名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/05(水) 13:46:29 ID:H2g5Mu1n
>>461
今回も乙!相変わらずの高クオリティでした
喜びの泪っていいよね〜……
白石が色々な意味で可哀想なヤツになってるw
リベンジの必要は感じないけどまた書いてくれるというなら大歓迎です

そしてオマケがどんどん進化してる気がするw
あの3人、嫌がらせかと思ったら素で勘違いしてたのか?w
どんだけ自分の都合のいいほうに考えてんだよw
467名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/05(水) 16:25:15 ID:kyFtDL0v
>>461
叙○苑って白石にとっての贅沢なんだよなw
468龍二:2008/11/05(水) 19:04:32 ID:r8xMmZ5v
>>306
サトシ君、女になっちゃうんですね。わかります。

それはいいとして「そら」って名前はなかなかいいかも。
名字はもう決まっちゃってるんで、「(名字) そら」って名前もいいかな。

でも名前はまだ考え中なんでみんなも考えてみてネ!(なんというやっつけ。
オレ自身では三つ位名前考えたけど、全て超駄作な名前だったのでw

今週が終わるまでには続き投下します。と、いっても、
次回はイベントは少なめで主人公の立場を少し変えるだけですが。

え?さっさと受験勉強しろ?だめだよ。
数学の式に÷や/の記号が3つ並んだだけで
頭がパーッ!!ってなる。
469名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/06(木) 13:47:24 ID:2q9HI0A+
主人公がみんなのヒモになる話ってあったけ?


470牛乳帝国:2008/11/07(金) 00:29:13 ID:J8PfB/sn
>>469
まとめ見てきたけどなかったと思うぞ
471名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/07(金) 09:51:35 ID:87fQcGSH
イケメン主人公が何股かけられるか真剣に挑む話とかもうあります?
472名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/07(金) 13:57:30 ID:E2ohXvZw
>>471
wikiで探しなさい
ないようなら、君が作りなさい
俺に同じ事を二度言わせるな
473名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/07(金) 15:40:44 ID:2Kj2zic/
>>471
シュージン乙

一般的にはひんしゅく買うけど好きな人絶対いるって!!
474純愛〜かがみの涙〜作者:2008/11/08(土) 23:57:49 ID:crhd/kkV
>>462
ありがとうございます。
期待に応えられたか、不安でしたが、そう言って頂けてとても嬉しく思います。

>>463
満足頂けたでしょうか?
次また見て頂ける時はもっと満足頂けるよう頑張りますので、
良ければまた感想を頂けると嬉しいです。
475純愛〜かがみの涙〜作者:2008/11/09(日) 00:07:35 ID:crhd/kkV
>>464
そう言って頂けて、とても嬉しいです。
文が無駄に長いだけかと不安になるので、とても嬉しいです。

>>465
楽しみにしている方がいるとは…。期待を裏切らないように、これからも精進致します。

>>466
ありがとうございます。
喜びの泪…いいですよね。
嬉しそうに満面の笑みで流す泪はとても好きです。
そしてオマケをそけまで褒めて頂けるのは恐縮です。

>>467
知りませんでした…。
叙○苑は店名で高いのが分かりそうなのがここくらいしか思い付きませんでしたので。
良いもの食べてますね、白石さんは。
476純愛〜かがみの涙〜作者:2008/11/09(日) 00:14:56 ID:cJpt2R0u
皆さんこんばんは。

先日「純愛〜かがみの涙〜」を投下した者です。

新作を書き上げたので、こちらに投下させて頂きたく思います。
今回も例に漏れず、
・ゲーム主人公設定
・ただし、ゲーム内容はあまり出ない
・主人公のみループの記憶あり

となっています。

時間が許せば、明日にも投下したく思います。

それでは、失礼致します。
477純愛〜かがみの涙〜作者:2008/11/09(日) 16:41:10 ID:cJpt2R0u
皆さんこんにちは。

昨日の予告通り投下させて頂きたく思います。

題名は「純愛〜ひかるの恋心〜」です。

それでは、投下させて頂きます。
478純愛〜ひかるの恋心〜 1:2008/11/09(日) 16:42:59 ID:cJpt2R0u
教室に板書する音が響く。
黒板に向かってチョークを走らせているのは、生物教師の桜庭ひかるだった。

「…と、まぁこんなとこだ。分からないとこがあったら聞きに来い」

どこか適当な感じもするが、板書された内容は丁寧で、途中に挟んだ解説も至極分かりやすいものだった。

(適当に見えてちゃんと授業になってるんだもんな…)

手に付いたチョークを払う桜庭先生を、○○は敬意の想いを込めて眺めていた。
桜庭先生がチラリと時計に目をやると、ちょうど終業のチャイムが鳴った。

「お、ちょうど終わりか。では、今日はこれまで」

教室から出る桜庭先生の姿を目で追いながら、○○は物思いに耽っていた。

(クールで理知的で…。でも可愛いところもあって…)

○○は桜藤祭前の事を思い出していた。
時間がループする中で、扉を開ける度に場所や時間が飛ばされるという体験をしていた時を。
その時に見回りをする黒井先生と桜庭先生を脅かした事があったのだ。

(…普段の先生からは考えられなかったな…。あんなに慌てて…)

その時を思い出しながら、普段とのギャップに愛しさを覚える。
479純愛〜ひかるの恋心〜 2:2008/11/09(日) 16:45:53 ID:cJpt2R0u
(…何故か天原先生の名前を呼んでたけど)
(意外と結婚願望が強いのかな? …いや、天原先生と結婚したがってる…? ――いやいやまさか)

信じられない…、と言うよりは信じたくないという気持ちを込めて否定する。

(…ギャップに弱かったのかな…、俺…。こんなに桜庭先生が気になるなんて…)

鞄を取り出し、教科書を入れながら二つの顔を思い返す。
いつも理知的で、クールな桜庭先生。
桜藤祭前に見せた脅かされて慌てる桜庭先生。
その二つを想い○○が胸をときめかせていると、みゆきが話し掛けてきた。

「○○さん? 顔が赤いですよ? 風邪をひかれたのですか?」

そう言いながら、心配そうな顔をしている。

「え? いや、そんな事ないんだけど、赤くなってるかな?」
「ええ、もし体調が悪い様でしたら、一度保健室へ寄られてはいかがですか?」
「大丈夫だよ。ちょっと暑いだけだから」
「ダメダメ! 私が看病してあげるよ! 感謝したまへ!」

いつの間にかこなたがみゆきの後ろに来ていた。
480純愛〜ひかるの恋心〜 3:2008/11/09(日) 16:49:09 ID:cJpt2R0u
「こなたさん居たの? みゆきさんの影で見えなかった」
「ひどっ! う〜…。確かに縦も横も足りて無いけどさ…」
「いや、悪気があった訳では…」
「泉さん? …『横』とはどこの事でしょう?」

こちらからはみゆきさんの表情は見えないが、相対しているこなたさんの表情を見ると、
この世の終わりの様な顔をしている。

(…見える…。みゆきさんの周りの空間が歪んでいくのが…)

間に入らないと、こなたさんがとんでもない事になりかねないと思った時――。

「でもホントにお熱はない? 顔赤いよ?」

○○の視線の外から、つかさが額に手を伸ばしてきた。

「ん…。ちょっと熱いよ? 良かったら明日お見舞いに…」
「つかさ! 抜け駆け…じゃない。何してるのよ!」

いつの間にかつかささんの隣りにかがみさんもいた。

「…抜け駆け…?」
「な、何でもないわよ。気にしたら負けよ?」
「むぅ…、イベントを起こそうとしてるのは私だけではなかったか…」
「…イベント…?」
「何でもないのだよ。気にすると禿げるよ?」
481純愛〜ひかるの恋心〜 4:2008/11/09(日) 16:51:30 ID:cJpt2R0u
「さっきから気にすると散々だな。…でも何だか頭クラクラしてきたし…、保健室寄ってから帰ろうかな…」

そう言って立ち上がると、4人が一斉に声を上げる。

「付き添ってあげるよ!」
「仕方ないわね…。付き添ってあげるわよ。…か、勘違いしないでよ!?」
「私に付き添わせて欲しいな…」
「何でしたら世界的権威をお呼びいたしますよ?」

4人が同時に口を開いたので○○にはよく聞き取れなかったが、
4人には言葉が聞こえたようで、お互いをじっと見ている。

(…見える…。4人の間の空間が歪んでいくのが…)

ここに居ては危険と判断した○○は、4人を置いて保健室へと急いだ。



保健室の前まで来ると、中から話し声が聞こえる。

(桜庭先生だ。天原先生とおしゃべりしてるのかな?)

中に桜庭先生がいると思うと、思わず胸が高鳴る。軽く深呼吸しつつ、○○は扉を開けた。

「失礼しまーす」

そう言いながら入ると、少し頬を赤くしながらこっちを見ている桜庭先生と、
いつものニコニコ顔が5割増しになっている天原先生がいた。
482純愛〜ひかるの恋心〜 5:2008/11/09(日) 16:53:46 ID:cJpt2R0u
「…○○! いつからそこに居たんだ!?」
「…今来たんですが? どうかしましたか?」

○○がそう言うと、桜庭先生は幾分落ち着きを取り戻した。

「…そうか…。いや、なら良いんだ。ところで、何か用事か?」
「いえ、頭がクラクラするので…、帰る前にちょっと診てもらおうかと」
「…だそうだ、ふゆき」
「桜庭先生に用がなくて残念ですね。良ければ桜庭先生が診てあげてはどうですか?」
「私の専攻は生物学だぞ」
「生物の事ですよ?」
「医学とは別物だ! …早く見てやれ」
「はいはい。それで、○○くんどうしましたか?」

桜庭先生に急かされながら、天原先生がニコニコ顔のまま聞いてくる。

「いえ、何だか熱があるような気がするんです。頭もクラクラするし…」
「あらあら、それは大変ですね。じゃあちょっとお熱を計ってみましょうか」

そう言いながら、天原先生は体温計を――何故か桜庭先生に渡している。

「では桜庭先生、彼の熱を計ってあげて下さい」
「…何で私なんだ?」
「お暇でしょう?」
「…いや、そうゆう問題では無くてな…」
「私は書類を取って来るので。お願いしますね?」
483純愛〜ひかるの恋心〜 6:2008/11/09(日) 16:56:03 ID:cJpt2R0u
有無を言わさぬペースで桜庭先生に体温計を押し付け、
天原先生は保健室を出て行った。

「…まったく…、ふゆきのヤツ…」
「…あの、体温計貸してもらえますか? 自分で出来ますし」

そう○○が言うと、桜庭先生は一瞬寂しげに眉をひそめたが、何事も無かった様に体温計を渡した。

「…約5分挟んでおけよ」
「はい、分かりました」

体温計を脇に挟んでじっとしている。保健室の時を刻む音だけが響く。

(…何だこの間は…。せっかく桜庭先生といるんだし…、何か話さないと…)

そう思い必死に話題を探していると、桜庭先生から声を掛けてきた。

「どうだ? 授業で分からないところはなかったか?」
「あ、はい。大丈夫です。先生の授業は適当に見えて凄く分かりやすいですよ」
「適当とはなんだ、適当とは」
「いや、凄いなって思ってるんですよ! ただ、たまにメチャクチャ難しい
話に飛ぶと流石に分からなくなるんですが…」
「難しい?」
「ほら、この前言ってた『シュレーディンガーの猫』とか」
484純愛〜ひかるの恋心〜 7:2008/11/09(日) 16:58:11 ID:cJpt2R0u
「あぁ、あれか。なに、そんなに難しく考える事は無い。
要は『思い込みはダメだ』ということだ。それが分かっていれば問題無い」
「う〜ん…、思い込みですか…」

そんな話しに夢中になっていると、体温計が音を鳴らして計り終えた事を知らせる。

「貸してみろ。…37度8分か。微熱より高いぞ、今日は早く帰れ」
「思ったより熱があったんですね…」
「そうだな、明日も下がらないようなら休むんだな」
「はい、それでは帰りますね」
「あぁ…。…おい、○○」

不意に呼び止められ、扉の前で振り返る。

「はい?」
「…あ〜、その、なんだ。…気をつけて帰れよ」

しどろもどろになりながら、桜庭先生はそう言った。

「はい、それじゃあ失礼しますね」

そう言いながら、○○は保健室を後にした。




○○の出て行った扉を眺めながら、ひかるは体温計を綺麗にして元に戻す。
しばらくすると、手ぶらのふゆきが戻ってきた。
485純愛〜ひかるの恋心〜 8:2008/11/09(日) 17:01:54 ID:cJpt2R0u
「…書類を取りに行ったんじゃなかったのか?」
「あらあら、忘れちゃいましたね」

にこやかに笑いながら、ひかるはしれっと言いのける。

「…余計な事をするな。私はもう諦めはついてる」
「随分と早いんですね、諦めるのが。何も始まってないというのに」
「…早くなどない…桜藤祭から――。いや、もう少し前から抱いていた想いなんだからな」

悲しげな目をしながら、ひかるは俯く。

「まさかこの歳で本気の恋愛をしようとはな…。おまけに相手は年下の…、
しかも生徒だ。こんな数式、どんな学者にも解ける訳がないだろう…」
「だから、解くのを諦めるんですか?」
「唯一導き出せる解はそれだけだろう。…それに…、私の想いなどアイツにとって迷惑以外の何でもない」

寂しげに、吐き捨てるように呟くひかるを、ふゆきはニコニコ顔のまま見ていた。

(…ひかるちゃんは意外と自分の事に関しては鈍いから…。そこに敵対心があったら感付くのに…。
敬愛と恋慕に対してはまるっきり気付かないのかしら…?)

そう考えながら、ふゆきははゆっくり立ち上がる。
486純愛〜ひかるの恋心〜 9:2008/11/09(日) 17:04:23 ID:cJpt2R0u
「お茶にしましょう? 温かいお茶は気持ちを落ち着かせてくれますよ」
「…そうだな。下手に動揺したままではマズいしな」

二人はお茶を飲みながら、暫くの静かな時間を過ごし、それぞれの仕事を切り上げて帰路についた。




翌日。
○○は自室で冷えピタを張って寝込んでいた。
帰ってからさらに熱が上がり、最終的には38度を超えてしまった。
流石に学校へ行くは厳しいだろうと、黒井先生に病欠を伝え、休んでいたのだ。
どれだけ眠っていただろうか。
夢か現実か分からない中、額に手をあてがわれる感触を感じた。

(…母さん…?)

優しい手つきで○○の額を撫でている。その仕草から、心配している事がありありと伝わった。

(…母さん…。ありがとう、俺は大丈夫だよ…)

そう呟きながら、額にあてられている手をギュッと握る。
すると、手がビクッと強張るのを感じた。
やけに現実味のある手の感覚に、ゆっくりと目を開けると、そこには困ったような顔をした桜庭先生がいた。
487名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/09(日) 17:41:25 ID:5Gx7Ruvb
支援
488純愛〜ひかるの恋心〜 10:2008/11/09(日) 18:00:42 ID:cJpt2R0u
「…先生…?」
「あ…あぁ、体調はどうかと思ってな」
「…何でここに…?」
「時計を見ろ。もう夕方だぞ」

言われて壁に掛かっている時計を見ると、既に夕方も6時になろうとしていた。

「随分寝てたんだ…。…お見舞いに来てくれたんですか?」
「ま、まぁな。ふゆきに急かされて様子を見に来たんだが…」

そう言うと、桜庭先生は困ったような顔のままそわそわしている。

「さっき軽く計ってみたが、熱は大分下がったようだな。…だから…、その…、手を離してくれないか?」

言われて自分の手を見ると、右手が桜庭先生の手をしっかりと握っていた。

「…あれ? …そうか、母さんの手かと勘違いしてた…」
「なんだ? お前は普段から母親の手を握っているのか?」
「ち、違いますよ!」
「それに…、幾らなんでも母親に間違われるとはなぁ…」
「だから違いますって。何だか夢の中にいるような感覚だったので…」

顔を赤くしながら○○が弁解する。

「まぁ何でもいい。ほら、手を離せ」

じっと握っている桜庭先生の手を見ていて、○○は首を横に振る。
489純愛〜ひかるの恋心〜 11:2008/11/09(日) 18:04:13 ID:cJpt2R0u
「…何だか落ち着くんです…。だから、もう少しだけこのままで居て下さい」
「…そうしてやりたいのは山々だが、水を持って来れないだろう」

そう言うと、桜庭先生はゆっくりと手を解くと立ち上がる。

「待っていろ。水を取って来るから」

部屋を出て行く桜庭先生を、○○はぼやける視界で眺めていた。

(…先生…)
(…なんで来てくれたんだろ…?)
(天原先生に急かされたからって…)
(わざわざ来てくれるものかな…?)
(―――先生…。…早く帰って来て下さい…)
(寂しいよ…先生…、先…生…)

風邪をひいているせいか、一人の時間が恐ろしく心細かった。
このままずっと一人なのではないかと不安に心が締め付けられ、気付くと○○は涙を流していた。




(…どうする…。どうすればいいんだふゆき!)

コップに水を汲みながら、ひかるは難しい顔をしていた。

(ふゆきの有無を言わせない迫力に押されて来たはいいが…)
(私に出来る事などこれくらいだぞ…?)

ひかるはコップをおぼんに置き、揺れる水面を眺めながら今日の昼休みを思い出していた。
490純愛〜ひかるの恋心〜 12:2008/11/09(日) 18:07:07 ID:cJpt2R0u
『今日は○○くんはお休みですよ?』
『何で知っているんだ』
『保健教員ですから』

うふふと笑うふゆきをひかるは肩を竦めて一瞥する。

『…で? お見舞いは行かないんですか?』

出されたお茶を口に運びながら、ひかるは首を振る。

『生徒が休んだだけだぞ? それに黒井先生によると、風邪による病欠なだけだ』
『でも○○くんは今お家に一人なんですよ?』
『ご両親は共働きなのか?』
『いいえ。昨日から町内会の旅行だそうですよ。帰宅は明後日だそうです』
『…だから何でそれをお前が知ってるんだ…』
『行き先もお聞きしますか?』
『いや、いい…。知るのが怖い』

ふゆきに畏怖しながらお茶を飲み干す。○○は心配だが、自分が行ったところで出来る事はたかが知れている。

『ごちそうさま。…ふむ、午後は授業はないし、書類の整理をして…』
『はい、桜庭先生』

そう言いながらひかるは一枚の紙を差し出した。
491純愛〜ひかるの恋心〜 13:2008/11/09(日) 18:11:34 ID:cJpt2R0u
『…何だこれは?』
『○○くんの家までの地図ですよ。お見舞い行かれるんでしょう?』
『お前は話を聞いて無かったのか? 午後は…』
『行かれるんでしょう?』
『だから…』
『…行くんですよね?』
『…あぁ、分かったよ。だからオーラを出すな』

やれやれと溜め息をつきながら、ひかるは腰を上げる。

『だが、私が行っても何も出来んだろう?』
『そんな事はありませんよ? …きっと一番の薬になると思いますよ』

いつも通りのニコニコ顔のままで、意味ありげに呟く。

『…うん? 何か言ったか?』
『いいえ? 何も♪ それよりちゃんと行くんですよ? お薬やお水を出してあげる事は出来るでしょう?』
『…まぁな。分かった、放課後行くよ』

(…これで出来る事はすべてだぞ…? やはり来た意味はなかったんじゃないのか?)

おぼんにふゆきから貰った薬と水を持って、○○の部屋へと戻る。
492純愛〜ひかるの恋心〜 14:2008/11/09(日) 18:15:54 ID:cJpt2R0u
「薬を持ってきた…ぞ…?」

そこまで言ってひかるは目を疑った。○○が仰向けのままで泣いていたのだ。

「ど、どうした!? どこか痛いのか? 頭か? 腹か?」
「うっ…ひっく…。ち、違うんです…」
「先生が部屋から出て行ったら…、急に寂しくて…、心細くて…」

ひかるは机におぼんを置き、○○の元へ駆け寄る。

「…心配するな。私はここにいる」
「…すみません…、先生…」

○○の額を優しく撫でてやる。どうすれば落ち着くのか分からなかったが、
ただ泣きながら震える○○が愛しくて堪らなかった。

しばらくそうしていると、○○が口を開いた。

「…先生…。昨日の『シュレーディンガーの猫』の話を覚えていますか…?」
「あぁ、覚えているぞ」
「あの時…、先生は『思い込みはダメだ』と言ってました」
「…俺…、このままじゃきっと、桜庭先生の事を思い込んで勘違いしてしまうから…」
「勘違いしたままの独り善がりなんて嫌だから。…だから…伝えます」
「俺は…桜庭先生が好きです」
「…桜庭先生の気持ち…、俺に教えて下さい」
493純愛〜ひかるの恋心〜 15:2008/11/09(日) 18:22:55 ID:cJpt2R0u
真剣なまなざしで自分を見つめる○○に、ひかるは言葉を失っていた。

――自分は今告白されているのか?
――しかし…、この告白を受けていいものか?
――私と○○は教師と生徒。
――それでなくても歳が大きく離れている。
――それに、風邪による気の迷いかも知れない。

様々な推測と思いがひかるの中で浮かんでは消えていく。
ひかるの戸惑いを感じた○○は、さらに言葉を重ねる。

「…俺は、風邪をひいて心細いからじゃないです。看病されたからじゃないです。
――ずっと前から、貴女が好きでした。そして、これからも貴女が好きです」




――ひかるが思い悩んだ全ての解がその中にあった。

「…お前…本気か? 本気で私が…好きなのか?」
「本気で好きです。大好きです」
「…わ、私は…、私は――」

そう言いながら、ひかるは一筋の涙を流していた。

「…ふふっ。意外と乙女だったのかもな、私は」
「先生…」
「あぁ…、問われたのなら、答えが必要だな」

そう言うと、ひかるは○○の頭を優しく抱き締めた。
494純愛〜ひかるの恋心〜 16:2008/11/09(日) 18:25:49 ID:cJpt2R0u
「私も…好きだぞ。生徒としてではなく、一人の男性として…」

そう言いながら、○○の頭を優しく撫でる。
○○もひかるの背中へ、ゆっくりと手を回した。

「俺…、俺凄い嬉しいです…!」
「なんだ大袈裟だな。この程度で嬉しいのか?」

○○は顔を赤くして慌てる。

「ち、違いますよ! 先生と両想いになれたのが嬉しいんです! べ、別に抱き締められる事では…」
「抱き締められるのは嬉しくないのか?」
「…嬉しいです…」

そう呟く○○を、ひかるは愛しさを込めて見つめていた。
495純愛〜ひかるの恋心〜 17:2008/11/09(日) 18:28:09 ID:cJpt2R0u
「だが○○。まだ私とお前が教師と生徒なのは変わらん。そこはキッチリ区別するぞ?」
「はい、もちろんです」
「…でもな、『今』この時は私とお前の二人だけなんだ」
「…だから、今だけは私を名前で呼んでくれないか…?」
「…はい、喜んで! 愛しています、ひかるさん…」
「…随分恥ずかしいものだな…」
「ひかるさんは?」
「…愛しているよ。当たり前だろう?」

そう言いながら、お互いの身体を強く抱き締める。
人の想いは科学や数式では分からない。
言葉で、温もりで初めて理解出来るものである。
長らく悩んだその解を、ひかるは喜びと共に伝える。

「…○○…」



「大好きだぞ!」

FIN
496純愛〜ひかるの恋心〜作者:2008/11/09(日) 18:33:03 ID:cJpt2R0u
以上で「純愛〜ひかるの恋心〜」の投下を終了致します。

それでは、ついでではありませんが、オマケを一つ投下させて頂きます。
497純愛〜ひかるの恋心(オマケ)〜:2008/11/09(日) 18:36:35 ID:cJpt2R0u
「大好きだぞ!」



甘い空気を醸し出す○○の部屋の外に、扉に張り付く複数の影があった。

(…出遅れた〜! せっかくのイベントチャンスが…)
(それどころじゃないでしょ! ○○くんが桜庭先生を好きだったなんて…)
(え〜? ○○くん年増が好きなの〜?)
(…そばかすがぁ…っ)

こなた、かがみ、つかさ、みゆきがそこに居た。

(生徒と教師…。素晴らしいネタだけど…、書いたらいろいろマズいような…)
(OH! ○○は年上好きネ!?)
(そんな…先輩ぃ…)
(泣かないでゆたか…。あのツインテール切り落としてくるから…)

チェーンソー片手に乗り込もうとするみなみを、7人が取り押さえる。

(い、岩崎さん! 流石にそれはマズいッス!)
(それに、○○くんが選んだんだよ? そんな事したら○○くん悲しむでしょ!)

かがみがそう説くと、全員納得いかないながらも、静かになる。

(…でもさ〜。いいの? かがみんは○○くんを取られたままで)
(…いいもなにも…。○○くんが…)
(恋愛は自由なんですよ?)
498純愛〜ひかるの恋心(オマケ)〜 2:2008/11/09(日) 19:01:08 ID:cJpt2R0u
(…みゆきが言うと何だか怖さがあるわね…)
(気のせいですよ? うふふ…)
(…だけど…やっぱり…)
(柊先輩…。恋愛は戦いなんですよ?)
(ゆたかちゃん、たくましくなったわね…)
(…で、どうするかがみ?)
(私達はこれから宣戦布告してくるよ、お姉ちゃん)
(…ま、待ちなさいよ! …私も諦めないんだから!)
(…では皆さん、行きましょうか)

みゆきがドアノブに手を掛けた瞬間、8人は背後の殺気と闘気に背筋を凍らせた。

(…皆さん? 何をしているのですか?)

8人がゆっくり振り向くと、空気を震わせながら、笑顔の天原先生がそこに居た。
499純愛〜ひかるの恋心(オマケ)〜 3:2008/11/09(日) 19:04:02 ID:cJpt2R0u
(あ、天原先生? いつのまに…)
(さっきからですよ? …もう一度聞きます。『な に を し て い る の で す か ?』」

その単語を発した瞬間、天原先生を中心に闘気が放たれる。
闘気にあてられた8人は、押し潰されそうになるのを堪えて、皆しゃがみ込む。

(…さあ、帰りましょう? 皆さん)
(…で、でも…)
(…帰りましょう?)

再び闘気をぶつけられ、8人は完全に心が折れてしまった。

(…はい…)×8
(良い子達ですね。では帰りましょうか)

ぞろぞろと降りていく8人を眺め、天原先生は闘気を収める。

(…あとは二人の問題ですね。…末永くお幸せに♪)

扉を一瞥して、ふゆきは階下に降りていった。
この後二人は天原先生の闘気にあてられ、折り重なって気絶したまま○○の両親に見つかり、
弁解したものの、その場で婚約させられたのはまた別のお話。

FIN
500純愛〜ひかるの恋心〜作者:2008/11/09(日) 19:13:59 ID:cJpt2R0u
以上でオマケの投下を終了致します。

…自身として精一杯書いたつもりでしたが、
「桜庭ひかる」というキャラの雰囲気がまったく見られませんでした。

自分の未熟さに、皆さん落胆されたかと思います。

言い訳は致しません。
何より、前回の投下後にリクエストして下さった方、本当に申し訳ありませんでした。

良ければ「ここが悪い」などの批判を頂けたら幸いです。

それでは、失礼致します。
501名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/09(日) 19:39:37 ID:5Gx7Ruvb
今回も面白かったよ、悪い点なんて無かったと思うが
502名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/09(日) 20:29:10 ID:1aWZVhJX
GJ!悪いところは無かったけどあえて言わせてもらえば自分を卑下しすぎていること もう少し自分に自信を持って。少なくとも自分はあなたの投稿する作品に毎回感動させられてますよ
503純愛〜ひかるの恋心〜作者:2008/11/09(日) 20:34:32 ID:cJpt2R0u
>>501

ありがとうございます。
…実は自分はゲームから「らきすた」に興味を持ったので、
原作やそれ以外で描かれているキャラクターを良く知らないのです。

原作は1〜3巻までしか持ち合わせていないので…。
ですので、今回自分が「桜庭ひかる」を理解しきって表現出来たか、分からなかったのです。

ですが、>>501さんの一言で、自分の気持ちがいくらか軽くなりました。

ありがとうございます。
504名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/09(日) 21:06:03 ID:Z719dNfr
オマケがワンパターン化してきた感じはする
505名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/09(日) 21:33:00 ID:Z719dNfr
後こっちは割とどうでも良いが
ふゆき先生はひかるちゃんではなくてひかるさんだと思う
6巻で一度だけそう呼んでただけだが(名前で呼ぶ場面自体ほとんど無いけど)
506純愛〜ひかるの恋心〜作者:2008/11/09(日) 21:33:11 ID:cJpt2R0u
>>502
ありがとうございます。
確かに、書き手が卑屈では作品が駄目になりますからね。
今までで6作品書き上げれました。これで自信を持てないというのもおかしな話ですね。
決して天狗にならないよう、だけど自信は持っていきたいと思います。

>>504
確かにそうですね…。
他キャラ嫉妬→本編と同じ時間軸で進行→主人公に何らかの形としてオチをつける
…といったものが、キャラが違うだけで展開されていますね。

ありがとうございます。
今後のオマケ展開の参考に致します。
今まで基本としては、「本編の別視点」を書いてきましたが、
今後はこれにこだわらずに書き上げます。
507名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/09(日) 21:37:40 ID:qfnLfll/
>>500
先生ルートがなくて絶望した俺には嬉しい話だったぜ。GJ。
508名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/09(日) 21:45:10 ID:JHyHpC1m
作品として悪い所は無いと思う。寧ろ尊敬に値する
ただ、個人的な意見になっちゃうけど、もうちょっとオマケとかでのキャラの
黒化を抑えて欲しいと思うときは度々あったりする
個人的な意見言ってしまってすまん;
509名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/09(日) 22:11:52 ID:c+pLcWcd
携帯からですが…

GJでした!
意見としては、最初主人公が主要キャラを呼び捨てなところが気になりました
510純愛〜ひかるの恋心〜作者:2008/11/09(日) 22:46:27 ID:cJpt2R0u
>>507
ありがとうございます。
自分が書き始めたきっかけが
「黒井先生のらきメモがあれば…っ」
という事なので(らきレボに近いものはありましたが)、喜んで頂けたら嬉しいです。

>>508
恐縮です。ほんと恐縮です。
黒化に関しては、パティ辺りから確かに行き過ぎな感じがありました。
とくにみなみとみゆきには損な役目ばかりやらせてしまったと思います。
もっとキャラ特有のもので楽しんで頂けるように、今後は極端な黒化をなるべく控えたく思います。
…ただ、ときたま黒い何かが顔を出すのは、許して下さい。

>>509
ありがとうございます。
あの部分ですが、意図しています。
というのも、「主人公側のナレーション」を意識している箇所と、
「当事者以外の目線からのナレーション」とを分けて表現したからです。
ただ、確かに明確な書き分けが出来ていなかったので、違和感を感じられたかと思います。

御意見ありがとうございます。次はもっと喜んで頂けるよう頑張ります。
511名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/10(月) 00:29:35 ID:CeA4Timk
乙です!
俺はこのオマケ好きだけどなぁ
ずっと続けて欲しいです
512名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/10(月) 01:26:54 ID:ND0cQURF
>>510
別に黒化自体が嫌いとかオマケがいやとかではないので、
ただこんなこと言う奴もいんだなーと思っていただいて構いません
これからも楽しみにしておりますです
513名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/10(月) 02:27:06 ID:IEcJgnMb
リクエストに迅速に応える姿に感動した。
ところでそろそろコテかトリ付けようぜ。
514ゆう:2008/11/10(月) 08:58:21 ID:3Q3SSfKU
>>511
ありがとうございます。
そう言って頂けるのは嬉しいです。
ただワンパターン化してきているというのもあまり良くはないと思うので…。
理想はどちらの方も満足いくものを書くべきですが…。
難しいですね(苦笑)

>>512
はい、一つの御意見として留意しておきます。

>>513
コテハンの事ですよね?
確かに毎回「〜作者」と書くのは分かり辛いですね。
では、自分は今後「ゆう」と名乗る事にします。
問題無ければ、これで宜しくお願い致します。
515名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/10(月) 09:28:53 ID:zhPdmlrQ
おまけは通常Verと黒化Verを作れば良いと思ったが作者に負担かかるな
516名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/10(月) 11:57:36 ID:qjkutv7o
俺はオマケを見て逆にこの人が書く誰ルートでもないハーレム?に近い日常編を見てみたくなったw
517名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/10(月) 12:11:04 ID:/g3rGn/C
>>500
今回もGJでした!
主人公がいつもと立場逆転してるがひかる先生相手ならまぁそうなるわな、とすごく納得
そして原作でもみたことないひかる先生の涙が見れてよかった

しかしゲームからとはまた珍しい入り方ですね
オマケでのみゆきさんの黒さ&みなみのヤンデレっぷりもそういうことなら納得w
あとオマケは個人的には全然ワンパじゃないと思います
っつか闘気だけでドア越しに2人気絶させるとかふゆきちゃんどんだけだよw
518名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/11(火) 21:11:35 ID:6eipJzYJ
ふゆき「ついに惚れ薬が完成した・・・・これをひかるに飲ませれば」
主人公「ふぅ。授業の後は清々しいや。あ、先生、俺の為に飲み物を用意してくれたんですか。」
ふゆき「あ、ちょ」
主人公「 ん?何だこれは・・・・」
かがみ「あれ?主人公、何飲んでるの?」
主人公「か、かがみん・・・・なんていい女なんだ・・・・・」


っていう妄想した
519名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/12(水) 09:58:23 ID:Kk7GAzaT
主人公「我が友、か・がーみん!」
520名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/12(水) 12:26:39 ID:ynnBiPu8
なんというノブレスオブリージュ。
521名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/13(木) 04:06:24 ID:4vl2Gy7m
ノーマルカップルに萌える俺としては、このスレは最高だw
でも同人誌とかでも、彼氏×らき☆すたキャラはあんま見ないよな・・・

やっぱ需要ないのかな?
522名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/13(木) 09:49:55 ID:GQDnu+6m
>>521
自己投影するんですね
俺もです
523名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/13(木) 17:53:07 ID:mhar2Mjl
桜藤祭の同人誌もないな
デフォ名がないと描きづらいのかな
後輩なら先輩って呼べば対処できるけど
同級生や年上だと名前呼べない
524名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/13(木) 18:18:14 ID:tmgunj4h
たぶん一番人気はまことくんになるな
525名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/13(木) 21:37:02 ID:nIYPrvki
誠マジ(゚听)イラネ
526ゆう:2008/11/14(金) 08:53:49 ID:CgInMTQo
>>515
御意見を参考に2パターン作ってみました。ただ、まったく別視点になってしまいました…。

>>516
参考にさせて頂きます。何か難しそうですね。

>>517
ありがとうございます。
自分は友人勧められてゲームを借りたんですが、何故か制服も一緒に友人から押し付けられました。
それで初めてらきすたに触れました。それからアニメや原作を見ましたから、確かに珍しい部類ですね(笑)
527ゆう:2008/11/14(金) 09:00:22 ID:CgInMTQo
皆さんおはようございます。

先日「純愛〜ひかるの恋心〜」を投下した『ゆう』です。
新作を書き上げたので、こちらに投下させて頂きたく思います。
今作も例に漏れず、
・ゲーム主人公設定
・ただし、ゲーム内容はあまり出ない
・主人公のみループの記憶を明確に持っている

となっています。

時間が許せば今夜投下したいのですが、今日は仕事で終日時間が取れそうにないので、
もしかすると、投下出来るのは明日になるかも知れません。その際は、どうかご了承下さい。

それでは、失礼致します。
528名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/14(金) 11:11:26 ID:ISlpbgCr
前から思ってたけど、いちいち投下予告する必要あるの?
いつも朝予告して夜投下してるけど、前書きも含めて投下できる時に纏めてやれば良いと思うんだが
529名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/15(土) 18:08:27 ID:Cof/LFmi
>>527
いつも乙です!楽しみにしてます!
530ゆう:2008/11/15(土) 20:56:10 ID:Ko6mmM4G
遅くなりましてすみません。

それではこれより投下させて頂きます。

題名は「純愛〜こなたの微笑み〜」です。
531純愛〜こなたの微笑み〜 1:2008/11/15(土) 20:57:59 ID:Ko6mmM4G
「かがみ様〜! 寄り道してこ〜!」

金曜日の放課後、○○を引き連れて、こなたはかがみの教室にやってきた。

「悪いけど今日はパス。家の用事があるのよ」
「むぅ〜、かがみ様も〜? つかさもみゆきさんもダメだったんだよ〜」
「つかさも同じ用事だからね。…てか、かがみ様って言うな!」

かがみがこなたに襲いかかり、両拳でこなたの頭を挟みこんでグリグリする。

「ぎにゃ〜! イダイイダイイダイイダイ! ○○くん助けて〜!」
「か、かがみさん! こなたさんの頭が砕けちゃうよ!」

こなたを抱える様に庇い、かがみから引き離す。

「砕かないわよ。ってか○○くんまでそうな事言うか…」

心なしか落ち込んでいるかがみを余所に、こなたは「むふふふ…」と含み笑いをする。

「こなたさん?」
「いや〜、助けるためとは言え、いきなり女の子を胸に抱き締めるとはねぇ〜。
○○くん、やっぱギャルゲ主人公の素質バッチリだよ!」

○○の腕の中で猫口をしたこなたが親指を立てて笑っている。

「うわっ! ゴ、ゴメンよ!」

慌てて○○はこなたを引き離した。
532純愛〜こなたの微笑み〜 2:2008/11/15(土) 20:59:50 ID:Ko6mmM4G
「そんなに慌てなくてもいいのに…。それに桜藤祭の時は劇でキスした仲じゃん?」
「アンタ何言ってんのよ? 桜藤祭の時は○○くんは道具係や進行の雑用だったじゃない」
「え、あれ? あれぇ? そうだっけ?」
「ゲームのやり過ぎよ。現実との区別が付かなくなったらヤバいわよ?」
「むぅ…、そんなんじゃないんだけどなぁ…」
「まぁいいわよ。それより、○○くんはこなたと一緒に行くの?」
「うん、予定は無いから行こうかな〜と。いろいろ教えてくれるらしいし」
「クックック…。私色に染めてあげるよ〜」

怪しげにこなたが笑うのを、○○とかがみが冷ややかな目で見ている。

「……やっぱ行くの止めるかな」
「それが賢明ね」
「ちょ! 冗談だよ! ○○くんに『とら○あな』の素晴らしさを教えるだけだって」

慌ててこなたが帰ろうとする○○の前に立ちはだかり、ちょこまかと弁明する。

(…可愛いなぁ…)

目の前で一緒に行こうと力説するこなたを、○○はほんわかした顔で見ていた。
どこか小動物チックな動きにほのぼのしながら、
○○はこなたに別の感情が芽生えているのを気付いていなかった。
533純愛〜こなたの微笑み〜 3:2008/11/15(土) 21:01:42 ID:Ko6mmM4G
「ねぇ、行こうよ〜。一人で行っても寂しいしつまんないんだよ〜」
「アンタやけに○○くんに絡むわね?」
「え? き、気のせいだよかがみん」

ニンマリ笑いながら、こなたが否定する。

「うん、大丈夫、ちゃんと行くよ。『と○のあな』行った事無いから、ちょっと楽しみなんだ」

そう○○が言うと、こなたは満面の笑みでピョコピョコ飛び跳ねながら喜んでいる。

「やた〜! じゃあ行こう行こう!」

言うが早いか、こなたは○○の手をとり駆け出していた。

「おわっ! 急に引っ張らないで! か、かがみさんまたね! バイバ―――」

二人はドップラー効果を残し、かがみの前から走り去ってしまった。

「…いってらっしゃい」

軽く溜め息をつきながら、かがみは二人の走り去る姿を眺めていた。



電車を乗り継ぎ、秋葉原の『とらの○な』一号店までやってくると、こなたさんの目の色が変わった。

「さぁ〜て、今日は何か良いのがあるかな〜」
「え? 目的があって来たんじゃないの?」
「とりあえずはコンプの最新号かな。あとは未知数」
「未知数って…。もしかして片っ端から見て回るの?」
534純愛〜こなたの微笑み〜 4:2008/11/15(土) 21:03:27 ID:Ko6mmM4G
「はっはっは、…そんな馬鹿な」
「俺の目を見て否定してくれ」
「さぁ! さっさと行くよ! 時間が惜しいからね」
「やっぱ片っ端からか!」
「…○○くんは私と買い物するのはイヤ…?」

こなたさんが目をウルウルさせながら上目遣いに聞いてくる。

「…ギャルゲで培った技術ってやつ? そんな技使わなくても行くよ。せっかくだしね」
「やた〜! 流石○○くんだね! しかし○○くん…。
あの上目遣いで動揺しないとは…。エロゲ主人公の素質バッチリなだけはあるね!」

褒められているのかいないのか分からなかったが、とりあえず笑って誤魔化しておいた。

「じゃあ早速行くよ。ついてきたまへ!」

そう言うと、こなたは○○の手を引いてビルの中へと駆け出していった。

「だ、だから引っ張るなって! おわっ!」




結局各階の端から端まで見たせいで、とてつもない時間が掛かってしまった。
ホクホク顔のこなたとゲッソリした○○がビルを出たのは、閉店時間も間際だった。
535純愛〜こなたの微笑み〜 5:2008/11/15(土) 21:05:36 ID:Ko6mmM4G
「いや〜、満足満足」
「……そか、よかたね」
「ん? 元気ないね? 疲れた?」
「まぁ…。後半は流石にキツかったな…」

(最初はこなたさんが目を輝かせながら、このCDはどうとかこのDVDは良いとか、一生懸命説明してくれてそれはそれで嬉しかったんだけど…)
(流石に同人誌一冊ずつ持って来て説明されるのはキツかったな…)
(…最後は全部同じ人が書いた絵に見えたよ…)

ぐぐっと身体を上に延ばし、気持ちを入れ替える。

(…まぁ、こなたさんも善意でやってくれたんだろうし。楽しそうだったのは見て分かったしね)

「いや〜! これで○○くんもオタク街道まっしぐらだね!」
「いや、それはないよ」

即座に否定する○○に、こなたが口を尖らせる。

「ぶーぶー。○○くんつれないなぁ…」
「いやぁ、あの強行軍の中で染まれと言われても…」

そう○○が呟くと、こなたは猫口のまま少し寂しげに眉をひそめた。

「…やっぱり、楽しくなかった?」

言葉のテンションを少し落とし、こなたが呟く。

「一般人には見るとこなんかないもんね…」
536純愛〜こなたの微笑み〜 6:2008/11/15(土) 21:07:32 ID:Ko6mmM4G
みるみるアホ毛が萎れていくこなたを見て、○○は慌てて否定する。

「いや、楽しかったのは楽しかったよ! でも詰め込み過ぎた感じがして疲れたな〜ってだけさ」
「…本当に?」
「あぁ、もちろん。また一緒に来たいくらいだよ」

○○がそう言うと、パッと表情が明るくなる。

「だよね! やっぱ○○くんイイ人だね! また連れて来てあげるから感謝したまへ!」

さっきまでのしおらしさはどこに行ったか、こなたは猫口笑顔で喜んでいる。

(…やれやれ。まぁ、一緒に来るくらいでこんなに喜んでくれるなら、また来ても良いかな)

微笑ましく○○がこなたを見ていると、突然こなたが手を差し出して来た。

「もう遅いから帰ろうか? 送ってあげるよ! だから、はぐれないように手をつなご?」
「…それは男である俺が言うべき台詞だよな」
「気にしない気にしない。こんなイベント滅多にないよ?」
「俺には女の子と手をつなぐ機会は滅多にないと? 二度と無いと?」
「何いじけてんのさ。ほらほら、遅くなっちゃうから早くしたまへ!」

そう言うと、こなたは○○の手を引き歩き出した。
537純愛〜こなたの微笑み〜 7:2008/11/15(土) 21:09:06 ID:Ko6mmM4G
「か、勘違いしないでよ! 別にアンタと手を握りたい訳じゃないんだから!」
「…突然何?」
「ツンデレの練習だよ。今度バイト先で『ツンデレDAY』ってのをやるからさ」
「こなたさんバイトしてたっけ? どんなバイト?」
「ただのコスプレ喫茶だよ。良かったら○○くんもおいでよ。サービスするよ〜?」
「…何というか…。こなたさんがバイトしてるとことしては、まったく違和感ないね」
「…それどういう意味?」
「気にしない気にしない」
「むぅ…何か引っ掛かるなぁ…」

そんな事を話ながら、こなたは終始手を引きながら○○の前を歩いていた。
そのせいで○○からはこなたの表情は見られなかったが、どこか落ち着きのない雰囲気があった。

「…ねぇ、○○くん」

しばらく歩いていると、こなたが前を向いたまま話し掛けてくる。
握っている手が、どこか汗ばんでいるのを感じた。

「○○くんさ、オタクってどう思う?」
「どうしたの? 突然」
「いや〜、今日秋葉原行ったでしょ? その時いろんな人達が居てどう思ったカナ〜って」

そう言われて○○は今日を振り返る。
538純愛〜こなたの微笑み〜 8:2008/11/15(土) 21:10:51 ID:Ko6mmM4G
(…そういえば、漫画かアニメみたいな女子高生のカッコしてる人いたな)
(…男だったけど…)
(別にそれが悪いとは思わないけど…)
(…やっぱり何か怖いよな…)

人は理解出来ないものに対して、拒絶するか、畏怖してしまう。
○○も、拒絶こそしなかったが、『なぜそんな格好をしているんだろう』と、
疑念と畏怖の混ざった感情を感じていた。

「う〜ん…。あまり良いイメージないかな? やっぱり何か近寄りがたいよね」

○○は今日見たごく一部の人に対しての感想を言った。

「…そっか…。……そうだよね……」

それを聞いたこなたは、目に見えてテンションが下がっていた。

「…? どうしたの?」
「何でもないよ。…私用事思い出したから帰るね」

そう言いながらこなたは○○と手を離す。
その瞬間、○○は自分の心から何か大切なものを失ってしまう予感がした。

――今こなたさんを追わないと後悔する――

そんな予感に駆られながらも、○○はどう呼び止めて良いか分からず、ただ走り去るこなたを眺めていた。
539純愛〜こなたの微笑み〜 9:2008/11/15(土) 21:13:25 ID:Ko6mmM4G
翌日の土曜日。
自室にいる○○は昨日の事を思い返していた。

(…こなたさん…、何であんなに落ち込んでたんだろう)
(とらのあ○に居た時はあんなに楽しそうだったのに)

そんな事を考えながら、部屋でゴロゴロしていると、玄関のインターホンが鳴った。

「…誰だ…?」

そう○○が呟くと、突然ドアを激しく叩く音が聞こえた。

「○○くん! ○○くん居ないの!?」

外から聞こえてくるのは、かがみの声だった。

「かがみさん!?」

慌てて階下に降りてドアを開ける。もう少し遅かったら、扉がブチ破られていたかも知れない。

「かがみさんどうしたの? こんなに朝早く」

○○が時計を見ると、朝8時を回ったとこだった。

「今日は学校は休みだ――」




バチィン!!

○○の目の前に一瞬火花が散る。かがみにビンタされたと分かるまで、しばらくかかった。
540純愛〜こなたの微笑み〜 10:2008/11/15(土) 21:15:32 ID:Ko6mmM4G
「…い、いきなり何する――」
「アンタ…昨日こなたに何したのよ!?」

全身に怒気を纏いながら、かがみがとてつもない剣幕で詰め寄る。

「何って…。普通に『○らのあな』で買い物しただけさ。何があったんだよ?」
「…さっきこなた、泣きながら電話してきたのよ」
「――何だって?」
「泣いてたのよ! アンタともう会えないって! 会っちゃダメだって!」
「こなたに何を言ったのよ! …ヒドイ事言ったのなら、私…、アンタを許さないから…!」

目に涙を浮かべながら、かがみは○○を問詰める。
かがみの言葉を受け、○○は昨日のこなたを思い出した。

――随分と楽しそうだった事――
――いつも以上にテンションが高かった事――
――帰り際に見せた悲しげな雰囲気――

思い当たるのは一つしかなかった。

「…昨日の帰りなんだけどさ、その時に『オタクってどう思う?』って聞かれてさ」
「…それで?」
「うん…、『あんまり良いイメージないかな』って」
「…………」
「それと…、『近寄りがたいよね』って」
「もういい…。理由が分かったわ…」
541純愛〜こなたの微笑み〜 11:2008/11/15(土) 21:17:30 ID:Ko6mmM4G
溜め息をつきながら、かがみはジト目で○○を見る。

「…アンタね…。こなたの質問の意図分からなかったの?」
「いや、ただオタクについて俺がどう思ってるのか知りたいのかと…」
「…半分当たりね」
「…半分?」
「残り半分は自分で理解しなさい。でないと意味がないから」

かがみはそう言うと、改めて○○に向き合う。

「アンタこなたの家分かるわよね? 行って謝ってきなさい」
「…え?」
「謝る理由は着くまでに見つけなさいよ。…ほら、さっさといく!」

かがみに急かされるように、○○は服を着替えて家を出た。

(…何でこなたさん泣いてたんだろう…)
(…かがみさんの話を聞く限り、俺のせいみたいだけど…)
(…でも、俺のせいなら一刻も早くこなたさんの所に行かなくちゃ…)
(理由は何でもいい。とにかくこなたさんに謝ろう)

――こなたが泣いている――
この現実が、○○をこなたの元へ急がせていた。
542純愛〜こなたの微笑み〜 12:2008/11/15(土) 21:19:12 ID:Ko6mmM4G
こなたは部屋のベッドの上でクッションを抱き抱えていた。
その目線は暗く、宙を彷徨っている。

(…オタクじゃ…、やっぱりダメなのかな…)
(…今までオタクでいた事に後悔なんてなかったけど…)
(…○○くん…、オタク苦手なのかな…)

こなたの中で大きくなり過ぎた想い。
それは桜藤祭までの日々が芽生えさせたもの。
それは○○との時間が育んだもの。
こなたは初めて自分の中を占める感情に戸惑った。

(…何となく感じてたんだ…。私○○くんが好きだって…)
(…だけど…、やっぱり私普通じゃないから…)
(…だから、○○くんにオタクの事を興味を持ってもらおうと思ったけど…)
(…ダメだね、やっぱり…。○○くん一般人だもん…)

こなたは昨日の○○の言葉を思い返していた。

(…どんなにギャルゲやエロゲやってても…。現実だと全然上手くいかないや…)
(当然だよね…。…は…はは…)

探りを入れた問いに返ってきた○○の答えは、こなたには拒絶以外の何にも聞こえなかった。
543純愛〜こなたの微笑み〜 13:2008/11/15(土) 22:00:08 ID:Ko6mmM4G
――あんまり良いイメージないかな――
――何だか近寄りがたいよね――

(…あんな事聞かなかったら良かった…。そうすれば…、こんな気持ちにならなかったのに…)

手を握った時も、かがみから助けられた時も、内心は凄くドキドキしていた。
だから取って付けたようにツンデレの真似をしたり、照れ隠しに含み笑いをしたのだ。

(……もう○○くんに会えないよ……。会いたいけど…話したいけど…)
(泣いちゃう…。きっと泣いちゃうよぉ…)

○○の事を思い返しながら、こなたはクッションに顔を埋めて泣いていた。

自分は拒絶された――

○○の言葉にそんな意図はなかったが、こなたには希望を打ち砕く言葉にしか聞こえなかった。
それでも、こなたの気持ちは止まらなかった。

会いたかった。
話したかった。
例え拒絶されたとしても、それは変わらなかった。

拒絶された現実
○○への想い

それらが混ざり合い、こなたの心を駆け巡る。
こなたは、ただただ流れる涙を止められなかった。
544純愛〜こなたの微笑み〜 14:2008/11/15(土) 22:02:03 ID:Ko6mmM4G
「はっ…! はぁっ…! …着いたぁ!」

肩で息をしながら、○○はこなたの家の前にいた。

「…おじさん居なければ良いんだけど…」

そうじろうが出ない事を祈りつつ、○○はインターホンを押した。



ピンポーン

泣き疲れたこなたは、まどろんでいく意識の中でインターホンを聞いた。

(…誰かきた…?)

さっきまで泣いていたせいか、窓に映る自分の顔には涙の跡がついている。

(これじゃ出られないね…。お父さんいないし…。誰だろ? 郵便かな)

そう思いながら窓から覗くと、肩で息をしている○○の姿が見えた。

「うぇ!? ○○くん!?」
驚きとほんの少しの喜びに思わず前のめりになり、したたかに額を窓にぶつけた。
545名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/15(土) 22:03:37 ID:rK/ARAQn
支援しとくお
546純愛〜こなたの微笑み〜 15:2008/11/15(土) 22:03:57 ID:Ko6mmM4G
ゴン!

何かをぶつけたような鈍い音がして上を見ると、うずくまっていくアホ毛が見えた。

(いた! こなたさんだ!)

が、こなたはそのまま窓から見えなくなってしまった。

(どうしよう…、まさか大声出して呼ぶ訳にも…。近所にストーカー扱いされそうだし…)

そう思った○○は周りを見渡し、一つの決意をして行動に出た。



窓の外に居た○○に驚いたが、それ以上に心が締め付けられていた。

(…何で○○くんが…)
(かがみが呼んだのかな…)
(…でも…、だとしてもどうして…)

友達だから来てくれたのかも知れない。
かがみに無理矢理来させられたのかも知れない。
それでもこなたは、○○が来てくれた事に喜びを感じていた。

(…でも…、私は…)

こなたは喜びを即座に否定する。自分はオタクなのだと。○○が嫌うオタクなのだと。
そんな不安定な感情に揺れていると、『コンコン』と窓を叩く音に振り返る。

――会いたくて会いたくて仕方の無かった笑顔がそこにあった――
547純愛〜こなたの微笑み〜 16:2008/11/15(土) 22:06:20 ID:Ko6mmM4G
(…完全に変質者だな…)

家の隣りに建っている電柱によじ登りながら、○○は自虐的に思う。

(…どうしても会わなきゃいけない…。伝えなきゃいけないんだ)

○○はここに来るまでの道中、こなたに伝える事を考えていた。
その中で行き着いた想い。その言葉を伝える事に必死だった。

(…警察呼ばれるかな…)

雨どいをつたって2階部分へ辿り着く。
中を覗くと、額に手を当ててうずくまっているこなたがいた。

(あの音はおでこをぶつけた音なのかな?)

その様子に少し和みながら、窓をそっとノックした。



少し申し訳なさそうな笑顔の○○が窓の外にいた。

(…通報されるね…。外見が100%怪しい人だよ)

かと言って自分が通報する訳にもいかず、まさか突き落とす
訳にもいかなかったので、窓を開けて○○を入れた。
548名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/15(土) 22:07:39 ID:rK/ARAQn
しえん
549純愛〜こなたの微笑み〜 17:2008/11/15(土) 22:08:31 ID:Ko6mmM4G
「や、こなたさん」
「…『や』じゃないよ。何しに来たの?」
「かがみさんがこなたさんが泣いてるって聞いてさ」
「それで来たの? 2階から侵入してまで。…○○くん本当にエロゲ主人公みたいだよ」

半ば呆れ、半ば喜びながらこなたが○○を見る。
○○は靴を2階の屋根に置き、こなたの横へ座った。

「やった事ないから賛同しかねるよ。…泣いてたのはホントなんだね」

こなたが慌てて頬を擦る。

「うっ…。こ、これは汗だよ! せっかくの休みだから正拳突きの素振りを100本してたからね!」

しどろもどろに説明するこなたをまっすぐ見ながら、○○はゆっくり口を開いた。

「俺、こなたさんに伝え損ねた事があるんだ。…聞いてくれるかな?」
「…イヤ。シリアス過ぎるのキライ」
「今だけでいいから。――大切な話なんだ」

○○に見つめられ、こなたが押し黙る。
550純愛〜こなたの微笑み〜 18:2008/11/15(土) 22:11:18 ID:Ko6mmM4G
「俺さ、『オタク』ってまだよく分からないんだ」
「男の人が堂々とセーラー服来てたりとか…さ」
「アニメとかなら俺もよく見るよ? だけどああして何かをするってのがよく理解出来ないんだ」
「だけどね? 俺は『理解しない』つもりはないよ」
「これから先、ああいう人達がその格好するのも、良いと思うんだ」
「きっとそこには『やりたいと思った理由』があるはずだから」
「だから俺は、そういう人達の気持ちまで否定しないし、理解もするよう頑張る」
「…だから…。――だから、こなたさんの事も教えて欲しいんだ」
「何でそういうのが好きなのか。きっかけは何だったのか。今どういうのが好きなのか」
「こなたさんの想いと一緒に、全部教えて欲しいんだ」
「…だって俺は…。こなたさんが好きだから。――誰よりも…、大切だから」

いつも側にいて分からなかった。
近過ぎたが故に気付かなかった想い。
○○はようやくそれに気付いたのだ。

「…俺じゃダメかな? その、もっとオタクについて勉強するから!」

身振り手振りを交えて懸命に想いを伝えてくれる。
そんな○○を見て、こなたの目から涙がこぼれていた。
551純愛〜こなたの微笑み〜 19:2008/11/15(土) 22:14:10 ID:Ko6mmM4G
だが、それは悲しい涙ではなく、心から自然とわき出た喜びの涙だった。

「…○○くん!」

こなたが○○の胸に飛び込んでくる。

「わっ!? こなたさん?」

顔を○○の胸にすり寄せながら、こなたは小さく呟く。

「…ダメだと思ってた…。○○くんオタク苦手だって言ってたし…」
「私の事も苦手なのかなって…。本当は私といるの迷惑してるんじゃないかなって…!」
「だから…! だからもう○○くんに会えないって思ってた…。会っちゃダメだって…!」
「でも…、でも! 会って良いんだよね? オタクだけど…。こんなにちっちゃいけど…。…胸だってないけど…」

言葉を発していく内に徐々にヘコんでいくこなたを、愛しさを込めて抱き締める。
普通より小さい身体が、○○の腕の中にスッポリ収まった。

「…全部、大好きだよ。こなたさんの気持ち…、教えてくれる?」

優しくこなたの頭を撫でながら、○○は返事を待つ。

「大好き…。大好きだよ…」

小さな身体を押し付けるようにして、こなたは精一杯○○に抱き付く。
552純愛〜こなたの微笑み〜 20:2008/11/15(土) 22:16:34 ID:Ko6mmM4G
「…攻略されちゃったね…。しかもこんなイベント付きで」
「…イベント?」
「ヒロインの家に押し入って告白なんて、ギャルゲにもなかなかないよ?」
「押し入るって…。いや、確かに玄関から入った訳じゃないけどさ」
「んで? この後はどうするの? ベッドあるけど」
「なっ…! 何を言って…」

顔を真っ赤にしながら○○がこなたを見ると、ほんのり頬を赤くしながら、
こなたはいつものからかうような猫口になっていた。

「その前に…」

そう言いながら、こなたは○○へ目を閉じて顔を向ける。

「…何だか緊張するな…」
「もう…! こういう時はリードするもんでしょ? …前も同じ事言ったよ?」
「覚えてるの?」
「なんとなくね。…この距離の○○くんの顔…、見覚えあるし」

改めて○○と目を合わせ、その距離の近さにこなたが真っ赤になる。
恥ずかしそうに目を逸らそうとするこなたの頬に手を当て、奪うように唇を重ねる。
553純愛〜こなたの微笑み〜 21:2008/11/15(土) 22:18:28 ID:Ko6mmM4G
「うむぅ!? …うぅ…ん…」

舌をからめお互いの唾液を交換する。しばらく重ねた唇を、惜しむようにゆっくりと離した。
互いの舌先を繋ぐ透明な糸がゆっくり伸びて消えていった。

「…リードするって、こういう事じゃないんじゃない?」
「…ゴ、ゴメン…。可愛かったからつい…」
「…いいよ…別に謝らなくても。……気持ち良かったし……」
「ん? 最後何か言った?」
「言ってないよ! やっぱり○○くんエロゲ主人公に向いてるね」
「向いてるって…。今度そのエロゲを見せてよ」
「エロゲを彼氏と一緒にやるの!? …別にいいけど…」
「そ、彼女と一緒にエロゲをやるの」

『彼氏』『彼女』という響きに、お互いおかしくなって笑い合う。
554純愛〜こなたの微笑み〜 22:2008/11/15(土) 22:20:23 ID:Ko6mmM4G
「いろいろ教えてくれよ? こなたさんの事…」
「…じゃあ…。私の事を『こなた』って呼ぶと、好感度上がるよ?」
「完全にギャルゲのパラメーターだよね。…こなたらしいと言うか…」
「そのうち○○くんにも分かるよ! 沢山教えてあげるからね!」

いつもの猫口ではなく、○○の初めて見る笑顔がそこにあった。
泣く事もあるかも知れない。
怒る事もあるかも知れない。
それでも、この笑顔だけは失う事はないだろう。
○○がこなたに言葉を紡ぐ限り。
こなたが○○に想いを紡ぐ限り。

「○○くん!」

こなたは○○以外に見せる事のない、優しい笑顔に想いをのせてまっすぐに告げた。



「大好き!」

FIN
555名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/15(土) 22:22:04 ID:JvhBU9e6
リアルタイムで読み終わった
一言だけ言わせてもらう
GJ!
556名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/15(土) 22:25:52 ID:k4EU2DDv
GJ!愛する人にだけ見せる笑顔とはいいものだね!乙でした!
557ゆう:2008/11/15(土) 23:00:08 ID:Ko6mmM4G
以上で「純愛〜こなたの微笑み〜」の投下を終了致します。

>>528
確かにその通りですね。分かりやすいようにと思っていましたが、
具体的な時間がない以上、あまり意味はありませんね。

>>529
今回も楽しんで頂けたら嬉しいです。


今回はオマケを2パターン作成してみました。
「なるべくキャラをそのままで別視点からみたもの」と、
「キャラをいじって壊したもの」を作成しました。
ただ、完全に別シーンのものになってしまいましたが…(苦笑)

それではついでではありませんが、オマケを投下させて頂きます。
558純愛〜こなたの微笑み(オマケ)〜 通常ver 1:2008/11/15(土) 23:02:48 ID:Ko6mmM4G
かがみは走り去る○○を眺めていた。

(……これで…いいのよね…)

かがみは泣きそうな顔をして微笑んでいる。

「お姉ちゃん…」

呼ばれた声に振り返ると、目に涙を溜めたつかさが立っていた。

「つかさ!? なんでここに?」
「お姉ちゃん朝電話してたでしょ? それで起きちゃったの…」

今にも泣きそうになりながら、つかさが説明する。

「…何で泣きそうになってるのよ?」
「…だって…、だってお姉ちゃん可哀相なんだもん…」

つかさはそう言うと、ポロポロと泣き出してしまった。

「……っ」

つかさに言われて、かがみは言葉に詰まった。
559純愛〜こなたの微笑み(オマケ)〜 通常ver 2:2008/11/15(土) 23:05:34 ID:Ko6mmM4G
「…つかささん、泣かないで下さい」

声がした方を見ると、いつの間にかみゆきがいた。

「みゆきまで…。何でここに?」
「つかささんに呼ばれました。…かがみさんの側にいてあげて欲しいと」

みゆきがつかさの頭を撫でながら、かがみに説明する。
戸惑いながらつかさを見ると、みゆきがゆっくり口を開く。

「…かがみさんは、○○さんがお好きだったんですね」

核心をつかれ、かがみは思わず口を噤む。

「…でも、泉さんも大切なんですね」
560純愛〜こなたの微笑み(オマケ)〜 通常ver 3:2008/11/15(土) 23:07:26 ID:Ko6mmM4G
――その通りだった。
いつの間にか抱いていた○○への想い。
だが、それと同時に気付いてしまった、こなたの○○への想い…。
二つの想いに気付いてしまってから、かがみはずっと悩んでいた。

こなたは一番と言っていい親友だから。
○○は、どんな人よりも素敵な、想いを寄せた人だから。

二人を見続けて至った結論は、『二人が笑顔でいられるようにしよう』という事だった。

「…私達も分かっていました。…泉さんが○○さんを好きな事も…。
かがみさんが想いを堪えていた事も…」
「…辛かったですね…、かがみさん…」
「…良いのよ…。二人が笑っていてくれれば…。…私は…それで――」

みゆきの言葉に、押さえていた想いが溢れ出す。
最後は最早言葉にならなかった。溢れる涙を押さえながら、かがみはその場に泣き崩れた。
561純愛〜こなたの微笑み(オマケ)〜 通常ver 4:2008/11/15(土) 23:09:43 ID:Ko6mmM4G
つかさは泣き崩れるかがみの頭をかき抱いて、一緒に泣いていた。

「お二人共、そんなに泣かないで下さい…」
「…うん…分かってる…。あの二人が上手くいったら、笑顔で祝福しなきゃね」

目をこすりながら、かがみが笑顔を作る。

「お姉ちゃん…」
「ほら、つかさも…、もう泣かないの。私も泣かないから。…笑顔でいるから」

かがみにそう言われ、溢れそうになる涙をつかさは懸命に堪える。
その様子をかがみは可愛く思い、つかさの頭を優しく撫でる。

「ありがとうね、つかさ…。みゆきも、ありがとう…」
「ううん、どういたしまして。…えへへ…」
「お気になさらずに。大切な友達ですから」
「うん…、ありがとう。何でつかさは嬉しそうなのよ?」
「…えっとね、お姉ちゃんに撫でられるのが気持ち良くて…」
562純愛〜こなたの微笑み(オマケ)〜 通常ver 5:2008/11/15(土) 23:12:23 ID:Ko6mmM4G
「まったく…。子供ね。まぁつかさらしいけどね」
「うふふ。…そうです、良かったら私の家でクッキーを食べませんか?
先日知り合いから美味しいものを頂いたんですよ」
「いいわね、今日はのんびりとお茶会で楽しむのも」
「じゃあ私クッキー焼いて行くね。昨日下準備してたからすぐだよ」
「準備いいわね。じゃあ、後でみゆきの家に行くわね」
「はい、お待ちしていますね」

そう言って3人は一度別れ、正午から優雅にお茶会を楽しんでいた。
後日、失恋のせいもあって、お茶会でクッキーと出されたケーキを食べ過ぎ、体重が○kg増えたかがみが、
○○に八つ当たり気味に往復ビンタをお見舞いしたのは、また別のお話。


FIN
563ゆう:2008/11/15(土) 23:14:06 ID:Ko6mmM4G
以上で「純愛〜こなたの微笑み(オマケ)〜 通常ver」の投下を終了致します。

では、続けてもう一つオマケを投下致します。
564純愛〜こなたの微笑み(オマケ)〜 別ver 1:2008/11/15(土) 23:17:42 ID:Ko6mmM4G
「大好き!」


ドアの外にまで溢れる甘い空気を、目を血走りながら蹴散らしている影があった。
家主であり、泉こなたの父親、泉そうじろうである。

(お〜の〜れ〜! こなたの部屋に付けた盗聴器から男の声がしたから急いで帰ってきてみれば…)
(何だあの男は! 俺のこなたに告白した上に、だ…大好きなんて言わせやがって〜!)

そうじろうは、体液を撒き散らしながら怒り狂っている。

(まったくです! 俺の○○に抱き付きやがって! 泉のヤツめ〜)
(…君は誰だ)
(WAWAWA…っと、どうも! 白石ッス!)
(どうやって入って来た? …いや、それより抱き付いているだと!?)
(えぇ! お互い抱き合っていますね。…○○の腕の中は、俺の予約席なのにぃ〜!)
565純愛〜こなたの微笑み(オマケ)〜 別ver 2:2008/11/15(土) 23:20:32 ID:Ko6mmM4G
(ぐぬぬぅ…! よくもよくもよくもぉ〜! こうなっては自らの手で天誅を下さねば…)
(…ところで、ちなみに何で中が分かるのだ?)
(○○の事なら何でも分かるんです!)

得意気になる白石を異物を見るような目で一瞥すると、手首を回し突入の準備をする。

(待っていろよこなた! 今助けてやるからなぁ!)
(○○! 俺の愛を受け止めろぉ!)

バンッ! と扉を開けて中に踏み込むと、ベッドの上に避難した○○と、
部屋の真ん中で仁王立ちしているこなたがいた。

「こなた! 無事か…あ?」
「…よく来たな…」
「…と、闘気が不動明王を形作ってる…」
「扉の外で何を騒いでいるかと思ったら…」

ジリッ…。っとこなたが間合いを詰める。

「娘の部屋に盗聴器を仕掛けて…。さらには○○くんに危害を加えようとは…」
「な、なんでそれを…? お、落ち着けこなた。お父さんはただ心配で…」
「危害じゃない! 愛の形だ!」
「君は黙っていろ! ほ、ほら。落ち着いて闘気を…」
566純愛〜こなたの微笑み(オマケ)〜 別ver 3:2008/11/15(土) 23:23:47 ID:Ko6mmM4G
「もういい…。テメー等は泉こなたが直々にぶちのめす」

言葉の迫力とオーラに二人が思わず縮こまると、その瞬間にこなたの姿がいなくなる。

「ど、どこに…」
「…こっちだよ…」

言葉が聞こえる方へ視線を下げると、拳を右脇に構えたこなたがいた。

「はぁっ!!」

気合一閃。正拳突きをそうじろうの股間にねじ込む。
突いた拳を脇に引き戻した動作から遅れて、「ズドンッ」という鈍い音がした。

「…そんな…、音が正拳突きの引き手より遅れて聞こえるなんて…」

そうじろうは糸の切れてマリオネットのように崩れ落ちた。

「ひぃぃ…!」

おびえる白石にこなたがゆっくり近付く。

「許して下さい! もう○○には近付かないから!」
「そう…、本当に○○くんに近付かないんだね?」
「近付きません! 近付きませんから命だけは…」
「だ が 断 る !」

絶望に染まる白石に五連中段突きを叩き込み、白石は「ぶべらぁ!」と声を上げながら窓から吹き飛んでいった。
567純愛〜こなたの微笑み(オマケ)〜 別ver 4:2008/11/15(土) 23:26:49 ID:Ko6mmM4G
「二度と○○くんに近付くなぁ!」
「…こなた強いんだなぁ」
「まぁ、格闘技経験者だしね。何より、『愛』の力だよ!」
「…何だか恥ずかしいな…。でも、ありがとう」

床に倒れているそうじろうを無視して、こなたと○○は愛の空間を展開していった。

『あらあら…。恋する女の子は強いのね。こなた、あんまりそうくんをいじめちゃダメよ?』
『それと、○○くんでしたっけ。二人共末永くお幸せに。こなたをこれからもずっとよろしくね?』

その部屋に居た優しい存在は、二人に気付かれないまま、ゆっくりと消えていった。

後日、○○に「一回だけ!」と迫る白石に、こなたが瞬獄殺を10連続で叩き込んだのは、また別のお話。

FIN
568ゆう:2008/11/16(日) 00:00:16 ID:073GHXx2
以上でオマケの投下を終了致します。

今回は前回頂いた御意見にありました「オマケの通常verと黒verの2パターン投下」をしてみました。

本当は同じシーンを別パターンで書きたかったのですが、自分の力量では厳しかったです…。

今回もまたいろいろ御意見を頂けたら嬉しく思います。

途中支援して下さった方、ありがとうございました。

>>555
ありがとうございます。
リアルタイムで読んで頂けたのは何だか嬉しいですね。

>>556
ありがとうございます。
自分にだけ向けてくれる顔の良さが伝われば、とても嬉しいです。
特にこなたはいつも飄々としてるイメージがあるので。
569名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/16(日) 00:30:39 ID:1XkTxbRu
乙。純愛っていいものだよね。
570名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/16(日) 00:47:45 ID:DuLsoDJO
GJ
普通に上手かった
571名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/16(日) 01:15:03 ID:jzv3HXo2
>>568
毎度ながら乙!
しかし今回はいつにもまして破壊力がすげぇ……
原作第1巻から通じて1度もなびかなかったのにこなたに転びそうだ……

オマケ2パターン作成も乙です
ピエロ演じる娘に弱い俺には通常版のかがみに涙せざるを得ない
しかし結局主人公がいわれなき攻撃を受けるのねw
別バージョンもまた新たなキャラが発掘されて楽しかったw
っつかこなたはスパコンゲージLV30まで溜められるのか?w
572牛乳帝国:2008/11/16(日) 01:55:35 ID:LWWT6Vh4
上でこなた編が盛り上がってる中肩身が狭いが〜こなたとの記憶〜の最終話投下。
573こなたとの記憶〜君のことが好きだから〜:2008/11/16(日) 01:56:58 ID:LWWT6Vh4

さっきの気持ちは何だったのだろう。
自分はこなたさんにキスする権利なんて持っていないはずだ。
なのに、しようとした。
していいような気がした。



さっきセイカ君の顔を覗き込んだとき
その光景に見覚えがあった
大事な時間、大事な人。
いつだったか覚えていない
いや、あるはずのない記憶───
574こなたとの記憶〜君のことが好きだから〜:2008/11/16(日) 01:57:50 ID:LWWT6Vh4
「そろそろ後夜祭だね。」
「そうだねぇ〜。」
写真館を出た後もへんなもやもやを抱えながらこなたさんと学園祭をまわった。
「そろそろかがみさん達も来るかな?」
辺りを見回すが目的の影はない。
「まだ時間もあるしのんびり待ってよーよ。」
「そうだね。」
こなたさんと近くのベンチに座った
ただそれだけで胸が高鳴った。
「後夜祭が終わったらもう桜藤祭も終わりかぁ〜。」
こなたさんが思いっきり伸びをした
そんなしぐさもかわいらしく思ってしまう
「そうだね、劇の準備とか大変だったけど結構楽しかったよ。」
「特にチアは大変だったよ〜。」
「そうだよ!こなたさんたちチアのこと俺に教えてくれなかったよな!!」
「ビックリさせたかったからね〜。」
あのときは白石のケータイが鳴って会場が大爆笑になった。
そのおかげでこなたさんたちは緊張せずにすんだらしいが。
「ほんと、いろんなことがあったよな・・・・・・。」
俺はこの準備期間・・・・・・とても長い準備期間のことを思い返した。
即売会やミスコン、時間旅行やネットゲーム・・・・・・。
・・・・・・・・・・あれ?ひとつ足りないぞ?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「セイカ君?」
575こなたとの記憶〜君のことが好きだから〜:2008/11/16(日) 01:58:59 ID:LWWT6Vh4
そうだ、ひとつだけ・・・・・・
さっきの写真館での星桜の木
デジャブしたこなたさんの顔
そんなことを考えていると
「おーい!!セイカ君!!こなたー!!」
「あ、かがみーん!!」
かがみさん達がやってきた。
「あ、日下部さんに峰岸さんに・・・・・・。」
「ゆーちゃんたちも。」
かがみさんたちは峰岸さんや日下部さん、それに一年生組もつれてきていた。
「後夜祭は大勢のほうが楽しいですからね。」
みゆきさんが頬に手を当てて笑った
みゆきさんだけじゃなくみんな笑っている
「そうだね。」
そうだ
俺は今を見るって決めたんじゃないか
前のことは忘れていい
みんなで決めたんだ
思い出したかったら・・・・・・。
「星桜の木を見ればいい・・・・・・。」
その声に振り向く
(・・・・・・・・・・・・永森さん!?)
猫目にポニーテール
あの時、宇宙人のよりしろになっていた本当の永森さん
「永森さん、今の・・・・・・。」
「さあ?なんとなく頭に浮かんだのよ。
なんとなく、あなたに伝えろって言われた気がして。」
そう言って永森さんは去っていた。
そして去り際に一言
「自分の気持ちに気づきなさい。」
そう言って去っていった。
576こなたとの記憶〜君のことが好きだから〜:2008/11/16(日) 02:00:00 ID:LWWT6Vh4
「俺の気持ち・・・・・・・?」
永森さんのいった言葉の意味を考える
わからない
どうすればわかる?
『星桜の木をみればいい・・・・・・。』
永森さんはそういった
誰かに俺にその言葉を伝えろといわれて・・・・・・・。
それはきっと宇宙人の永森さん。
なら・・・・・・。
「あ、ちょっと!!どこいくのよ!!」
俺は走り出した。
かがみさんの制止も聞かずに
星桜の木に
577こなたとの記憶〜君のことが好きだから〜:2008/11/16(日) 02:00:31 ID:LWWT6Vh4
「はあ、はあ、はあ。」
グラウンドから全力疾走してきた
肺が悲鳴を上げている
俺は星桜の木を見上げた
もうすっかり花が散ってしまった桜
だが、何も分からなかった。
「何が・・・・・・足りないんだ?」
俺はその場に座り込んだ


タッタッタッ

誰かが走ってくる音がする
「セイカくーん!!」
この声・・・・・・
「こなたさん!?」
顔を上げるとこなたさんが走り寄ってくるのが見えた。
「もう、さがしたんだよ!!」
「ご、ごめん。」
俺は立ち上がった
「!!」
頭の中が鮮明になる
忘れていたビジョンが流れる
そう、あれは正真正銘
俺が始めて転校してきたとき・・・・・・。
「セイカ君?」
前に続かなかった未来
今のこの気持ちを
前と同じ場所で伝えよう
今度こそ、先へ進めるように。
578こなたとの記憶〜君のことが好きだから〜:2008/11/16(日) 02:02:13 ID:LWWT6Vh4
「もーう、どこにいっちゃったのさ〜。」
セイカ君を探して走る
かがみたちとも手分けして探しているが一向に見つからない
「私達といるのいやなのかな・・・・・・。」
よくよく考えたら今日一日私がセイカ君を振り回しっぱなしだった。
胸が締め付けられる
「私といるの・・・・・・いやなのかな?」
涙がこぼれる
一緒にいたときは何とかごまかしていたがもう耐えられない
「私・・・・・・セイカ君が・・・・・・好きなんだ・・・・・・。」
そうつぶやくと
「それを言うのはここじゃないはずよ。」
後ろを振り向く
すると、後ろには猫目でポニーテールの女の子が立っていた
「どういう・・・・・・。」
「星桜の木。」
「え?」
「いってみなさい、彼はそこにいるから。」
セイカ君は星桜の木のところにいるの?
「がんばりなさい、今は先へと続いているらしいから・・・・・・。」
その子はそう言うと人ごみのほうへと去っていった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・セイカ君。」
私は走り出した。
大好きな人がいる場所へと
579こなたとの記憶〜君のことが好きだから〜:2008/11/16(日) 02:03:06 ID:LWWT6Vh4
「こなたさん。」
セイカ君が私をまっすぐに見据えてくる
「な、なに?」
あんまりにも真剣な目だから少し口ごもってしまった
「俺、好きな人がいるんだ。」
「え?」
心臓が跳ね上がった
好きな人がいる?
「へ、へー・・・・・・・。」
そう言うのが精一杯だった。
いやだ、その人の名前を言わないで。
私じゃないその人の名前を
言われたら私は立ち直れない。
この年になっての初恋
一生そばにいたいと思う人
その名前を言われたら
キミのそばにいられなくなる・・・・・・。
「その人はさ、普段はおちゃらけてるけど、大事なときには頼りになって。
 日ごろの行動がツッコミどころ満載で・・・・・・。」
だれ?
おちゃらけてる・・・・・・みさきち?
頼りになるってとこはかがみん?
ツッコミどころ満載なのはつかさ?
「ちっちゃくて、胸がなくて、マニアックで・・・・・・。」
ちっちゃい・・・・・・ゆーちゃん?
胸がないってみなみちゃん?
マニアックなのはひよりんとパティー?
「だけど、きっと俺はその人のどこかが欠けてもその人が好きなんだと思うんだ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・それって、全部好きってことだよ。」
ああ、セイカ君は本当にそのこのことが好きなんだね
かないっこないや。
580こなたとの記憶〜君のことが好きだから〜:2008/11/16(日) 02:04:27 ID:LWWT6Vh4
「それで・・・・・・どうするの?」
もう叶わないなら
せめて応援しよう
好きな人が好きになった人とうまく行くように
「告白するよ・・・・・・っていうかさ、こなたさん。
 いい加減気づこうよ。」
「わかんないよ・・・・・・・・・・・誰かなんて・・・・・・・・・・・。」
そう言うとセイカ君は顔に手を当ててため息をついた
「はあ、それじゃあこなたさん。
 俺は“今から”告白するよ。」
「うん・・・・・・・・・・・今から・・・・・・・・・へ?」
抱きしめられた
セイカ君に

581こなたとの記憶〜君のことが好きだから〜:2008/11/16(日) 02:05:09 ID:LWWT6Vh4
「こなたさん・・・・・・俺は、キミが好きだ。」
いま、セイカ君はなんていった?
誰が好きって?
「うそ・・・・・・。」
「うそでこんな事言わない。」
もっと強く抱きしめられる
そうすると必然的にセイカ君の胸に顔か押し付けられる
「あ・・・・・・凄いどきどきしてる。」
「う、うるさいな。わかってるよ。
 だいたい、告白でどきどきしないほうがおかしいよ。」
ああ、私は本当に告白されてるんだ・・・・・・。
「・・・・・・・・・・グスッ、ヒック・・・・・・。」
「ええええ!!な、何で泣いてるの!?
 そんなにいやだった!?」
そう言うとセイカ君はあわてたはなれた
「違うよ・・・・・・ばかぁ。」
私は自分からセイカ君の胸に飛び込んだ
「私も・・・・・・だいすき。
 世界で一番・・・・・・キミが好き。」
582こなたとの記憶〜君のことが好きだから〜:2008/11/16(日) 02:06:13 ID:LWWT6Vh4
やっと言えた
ずっと伝えたかった思い
気づかないフリをしていた思いを
いまここで
「ってことは・・・・・・俺達って彼氏彼女?」
「そうだね。」
セイカ君が笑ったのに釣られて私も笑った
「こなたさん、鈍すぎるんだもん。
 こっちが告白してるつもりなのに気づかないなんて
 普段ギャルゲがどうとか言ってるくせに。」
「リアルだとわかんないもんだね。」
これからこの話題は二人の間の笑い話になるんだろうか
二人の関係がどこまで続くかわからないけど
「コレがギャルゲならTurueエンドだね。」
「なにそれ?」
「つまりは、二人は末永く幸せに〜ってやつ。」
「それってプロポーズ?」
またセイカ君も私も笑った
「それじゃあ、告白シーンにはつき物のやつやろっか?」
「え!!ここで!?」
「うん、ここで。
 まあ、星桜も見守ってくれてるし。」
「いやいや、さすがに野外プレイは・・・・・・。」
「何と勘違いしてるか知らないけど・・・・・・・。
 その・・・・・・・つまりは・・・・・・。」
顔を赤くするセイカ君を見て笑った
「あはは、分かってるよ・・・・・・。」
583こなたとの記憶〜君のことが好きだから〜:2008/11/16(日) 02:07:24 ID:LWWT6Vh4
私は軽く背伸びして目をつむった。
唇にやわらかい感触がする
「んっ・・・・・・。」
唇の間から吐息が漏れる。
永遠にも感じられる時間だった
唇が離れる
「えっと・・・・・・もういっかいいい?」
「へ?・・・・・・んむっ・・・・・・。」
また唇が重なる
だけど今度は舌を絡める濃厚なキス
どうしよ・・・・・・頭がボーっとしてきた
「ぷはっ、えっと・・・・・・ごめんね?」
セイカ君はばつが悪そうに頭をかいた
「・・・・・・・・・いいよ、一応彼女だし・・・・・・。」
結構気持ちよかった、とは言わないでおこう。
「こなたさん、これからもよろしくね。」
「うん!」
ここが世界の中心なら
叫んでやろうじゃないか
「セイカ君!!大好き!!」


泉こなたルート
TurueEND・・・・・・
584牛乳帝国:2008/11/16(日) 02:10:45 ID:LWWT6Vh4
つーわけで完結
ここまで長かった・・・・・・っていうか上の純愛ものが良作過ぎて肩身が狭い。
リクがあれば続編or別キャラやるかも
ではではいつかまた会いましょう
バイニ〜☆

連載続いてるっす

ttp://ncode.syosetu.com/n2108f/
585名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/16(日) 02:25:06 ID:udf3XoZB
本編はそれなりによかったがオマケの白石は最悪だった
586名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/16(日) 02:27:27 ID:udf3XoZB
っと安価忘れ
>>585>>564
587名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/16(日) 09:53:13 ID:nG1RTqMB
両者乙です!
粉田好きにはたまらない一日ですた!
588名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/16(日) 21:24:55 ID:jqU02ML7
今更だけど中古でDXパック買いました
ついでにハルヒ戸惑い&約束、夜明け前より瑠璃色な、ファーストkiss物語まで。。
無性にギャルゲやりたい
589龍二:2008/11/17(月) 20:58:20 ID:AbMoK6EF
>>ゆう さん
乙です!毎度毎度泣かされるぜ;;

>>牛乳帝国 さん
完結乙です!感動させていただきました!!

>>293
続きがメッチャ楽しみなオレがいる…。

>>588
無性にギャルゲ作りたい

どうも。木川 龍二です。
先々週、「週明けまでに最新話UPする」とかいいながら
もう2つも週があけちゃってた悲しみを抱えつつ書き上げたので、
これから投下しようとおもいます。

では例のとおり、前作まとめ。
http://syosetu.com/g.php?c=W0622C(「小説一覧ページ」からどぞ)

それと、この作品&ニコニコ投稿予定のらきすたRPG製作ブログ。(宣伝)
http://ameblo.jp/26310

それでは、投下していきたいと思います。
590龍二:2008/11/17(月) 21:00:07 ID:AbMoK6EF
「お〜い、火野!こっちだこっち〜!!」

白石の声が聞こえる。他にも色々人がいるようだが、なんだろう?

「やぁ、火野君。」

「あれ、こなたさん?あ、みんなもどうして?」

そこにはなぜかみんながいた。何かの話し合いだろうか。

「当たりよ。さっき屋上で話してたチアの件について会議してるの。
アイドルの小神あきらさんがチアの前の空き時間に
特別出演してくれる事になってるから、それについて、ね。」

チョイチョイ、とかがみさんが後ろを指差す。
そこにはあまり見たことは無いけど名前は知っているアイドル、
あきらさんが白石と共に立っていた。

「大体、内容は決まったから。アンタは殆んど関係ないけど、一応挨拶しといたら?
あきらさんもこの辺では有名だし、折角だからサインでも貰っとけばいいじゃない。」

まぁ、あきらさんのサインならちょっとは自慢になりそうだしな。
とりあえず、あきらさんがオレに気づいたようなので、そちらに向かう。
591龍二:2008/11/17(月) 21:00:48 ID:AbMoK6EF
「こんにちわ〜☆あきら、この学校で持ち歌を
披露する事になったんだけどぉ、なんだか緊張しちゃってぇ〜。」

ワオ。なんというアイドル口調。なんてったってアイドル。(←古ッ!?
人差し指を顔に当てつつ喋るところとか磨きがかかってるな。

「ケッ。仕事中でもねぇのに普通の喋り方ができねぇのかよ。」

白石による一言。うわぁ。言い切っちゃったよこの人。

「んだと白石、テメー最近調子乗っちゃってんじゃねーのk」

「るっせー!なぁにが「三十路岬」じゃ!
そんなしッッッぶい演歌なんか、チアの前で歌うような曲じゃねぇんだy」

「んだとコラおま……って、あ♪紹介遅れてすみませ〜ん☆
世界のスーパーアイドル!小神あきらで〜す!あ、このCDどうぞ♪」

めちゃキレてたあきらさんがいきなりグッドスマイルで
こちらを向いたかと思うと、CDを渡して丁寧(なのか?)に挨拶をしてくれる。

「あ、「三十路岬」ね。これはどうも。オレは火野サトシです。
……で、オレは何で呼ばれたのかな?」
592龍二:2008/11/17(月) 21:02:25 ID:AbMoK6EF
「チアの前の特別出演枠についてなんだが……。」

白石が説明を始める。こういうところからしてやっぱりコイツは
ラジオ番組の司会なんかに向いていると思う。

「まずオマエ、喧嘩強いか?」

喧嘩……?なにか暴力沙汰でも起こすつもりだろうか?

「あ、いや喧嘩じゃなくてもいい。とにかく人を制する力を持ってるかって事。」

「喧嘩は技術次第でなんとかなるけど、実際の力はあんまりないぜ?
ってか喧嘩は大キライだ。人を傷つけるのは決していい事じゃないからな。」

「そうか。まぁそれならムリかもしれないが、一応聞いておいて欲しい。
実はコイツの事務所から、コイツ起用するなら警護つけろって言われてな。」

「コイツじゃねーだろあきらさまだろ!」

「るっせーよ説明中だよ!まずなんでテメーなんかに警護が必要なんだよ!
狙うヤツなんていやしねーよ!!事務所もどうかしてんじゃねーのかぁ!?
まだそこのみんなの方が警護必要だぜ!」

「テメーさっきから調子乗り過ぎじゃねーのかコr……。」

二人は初対面じゃないのだろうか?そして仲が悪いんだろうか。
白石がアイドルと知り合い……。というと、やはりラジオ番組で知り合ったのだろう。

「ハイハイハイハイ。とりあえず続きを。」

このままケンカさせておくのもなんなので、とりあえず仲裁した。
すると白石は意外とすんなりケンカをやめ、説明を続けた。
593龍二:2008/11/17(月) 21:04:38 ID:AbMoK6EF
「だから、警護というかあれだ。つまりボディーガードが必要なんだな。
まぁ何人必要だとかは指定されてないから一人だけしか呼ぶつもりないけど。」

「ふぅん。で、それをオレにやれと?」

「そういうこと。一応チアとの合同企画だからな。
みんなの練習見たり、色々手伝ったりできるだろうから、やっとけ。」

「なんでオレが手伝いを……?」

手伝いをしてくれと頼まれたら、まぁ力になるつもりだが、
白石の言い方だと「手伝いをしたほうがいい」と取らせる言い方だ。

オレ自身に何か手伝うメリットでもあるというのか?
そう悩んでる内に、白石がオレにボソッと言った。

「基本、オマエはみんなと何らかの共同作業を行って
記憶をフラッシュバックしたり手がかりが掴めたりしてたんだ。
できるだけオマエがみんなと接する時間を増やしたほうがいいと思ってな。」

「どうせ手ごろなボディーガードが見つからなかったからオレにしたんだろ。」

「……!! い、いや、んなこたぁねぇさ!!」

「笑顔引きつりすぎ。バレバレ。……まぁいいか。オマエが言ってること、
あながち、というか殆んど間違ってないしな。手伝うよ。」

「え〜☆ いいんですか〜?」

でたよ、アイドル口調。さっきの白石とのケンカが本音だろうに。
でもまぁ、仕事に口出しなど素人がするものではない。
アイドルは可愛くなければいけないのだ。それをジャマするのはNGってもんだ。
594龍二:2008/11/17(月) 21:05:34 ID:AbMoK6EF
「うん。でもオレ一人じゃ心細くないかな?」

話している途中、白石が不機嫌そうな顔で俯きながら
壁にすがっているのが見えたので、白石に目線を泳がせた。

(チッ…。あきらも火野も人によって口調を完全に変えやがって…。
火野のヤツ、オレに話すときと女子に話すときじゃ大違いじゃねぇか。)

白石の呟きが聞こえる。それを聞いた俺は白石の足をツンツン、と蹴って
こちらを向かせる。白石が耳を傾けたところで、オレは白石に囁く。

(白石…。逆に考えてみろ。オレに「…うん。そうだね。」とか、
そこのあきらさんに「白石くぅん☆」とか言われて、オマエ嬉しいか?)

白石はその情景を浮かべているのか、いったん上を向くと、
「うっ……。」っと声をあげ、顔を真っ青にしてオレに視線を戻す。

(……それはご免こうむる。)

(だろうが?)

すると、あきらさんが「無視してんじゃねーよ」と
表情で語っていたのでオレは焦ってあきらさんに視線を戻す。
595龍二:2008/11/17(月) 21:06:56 ID:AbMoK6EF
「一人は心細いけど、そこはアシスタント君が何とかしてくれるので〜☆」

「なんでオレなんだよ!!オレは普通に陵桜祭を楽しむんだよ!!」

「知らねーよ!私だってあの時オマエが暴走しなけりゃ
ここで仕事することもなかったんだよ!あ゛〜!私の休日GAAAAAA!!」

「そりゃオマエが折角オレが取ってきた水捨てるからだろうが!
休日なんて、時間ループしてんだからいくらでもあるだろ!!」

「それだったら陵桜祭も何回も行われてんじゃねーか!
なんで今回に限ってゴットゥーザ様が仕事仕組んだ事になってんだよ!!」

この二人は仲がいいのか悪いのかわからない…。
だが、さっきから話を聞いてると、このループする時間の中で二人が陵桜祭で
仕事をするのは始めてなようだ。

「……。二人とも散々だね。ゴットゥーザ様って誰?
……って聞いても教えてくれないんだろうけど。」

するとあきらさんが恐る恐る口を開く。

「……まぁ…、絶対支配者っていうか…。」

「うん。ありがとう。その世の終焉を見たような表情とその姿勢で
十分その人の怖さが伝わった気がするよ。なんというか、いろいろとゴメン。」

「いいですよ…。私もあの人が見てないなら仕事口調やめられますしね。」

あきらさんはあたりを見回しつつ口調を元に戻した。
口調を素にするだけでひどい目にあうのだろうか…。考えるだけでコワイ。
だがアイドル口調をやめたあきらさんに、全く違和感は感じなかった。
596龍二:2008/11/17(月) 21:09:19 ID:AbMoK6EF
「ん。そのほうがオレも話しやすいよ。そっちの方が違和感ないしね。」

するとあきらさんは顔をしかめる。ヤバ!地雷踏んだ!?

そういや、アイドルにアイドル口調じゃないほうがいいって言うってことは、
オマエにアイドルとか向いてねーって言うみたいなものじゃないか!!

「それはどういう意味で…?」

「あ、いや!別にアイドルとしてダメだとかそういうわけじゃなくて!
なんというかそっちのほうが自然な感じで可愛いから〜……。」

クスッ、と、あきらさんが小さく笑う。

「似てる。」

「え?」

「サトシさん……でしたっけ。いや、大原に似ててつい…。」

「……大原?」

「…友達です。本当は大原とあと二人と私で陵桜祭を回る約束をしてたんすけど…。」
597龍二:2008/11/17(月) 21:10:16 ID:AbMoK6EF


友達、か。


少し、オレの心にその言葉が響く。


どちらかというと、とても虚しく。


前の学校の友達は、もういない。なにもない状況。
ただこのみんなの名前をなぜか知っているだけで、
実際、この子達の事は何も知らない。あっちが知ってるだけだ。

その「あっち」も少しづつオレの記憶を失っていく。
友達がいない状況に戻るという事。
だからといって、昔の友達がこの学校に来るわけでもない。

始めからに戻るだけだとしても、
この子達とうまくやっていたのは『前の』オレ。

オレがこれから友達ができるかなんてわからない。

どこか、悲しかった。

どこか、苦しかった。

598龍二:2008/11/17(月) 21:11:22 ID:AbMoK6EF
どうかしました?」

「あ…いや。何でもないよ。それにしても芸能界ってのはキビしいものなんだね。」

すると、あきらさんは白石の肩をポンポンと叩く。

「こ〜んなヤツが司会できるぐらいですから、こいつと比べるなら
たぶん、サトシさんなら一瞬でスターなんじゃないっすか〜?」

「んだとこのガキゃっ!!オレがこの役もらうまでどんだけ苦労したと思ってんだ!
毎晩毎晩、ココイチでメンチカツ焼いたり、焼肉屋で何枚の肉を焼いたと!!」

「数えてんのかよ。」

「13枚。オレは和食なんでな。」

「何だコイツ……。」

この二人の喧嘩を見てわかった事がある。
この人ら………、仲良すぎだな。実は。

「とにかく、火野!お前にはコイツのボディーガードを頼む。」

「厄介になりそうか?」

「いや、ステージに登ってきたりとかするヤツを止めるだけでいい。
殴ってでも近づこうとするんであれば、やりかえして放り出してくれ。」

「まぁ、ケンカは負けた事あまりないし、少しは力になれると思うよ。」

オレのセリフに驚いたのか、白石は「うぉわッ!」な顔をする。
今にも「ごゆっくりぃ!!」と走って逃げていきそうだ。
599龍二:2008/11/17(月) 21:12:16 ID:AbMoK6EF
「こんな……、ヘタレの塊にしか見えないようなヤツが?」

「余計なお世話だ。」

「まぁ……、いいか。一応頼りにはなるってこった。」

「信用してないな。」

「あたぼうよ。」

やはりオレは見た目からして弱そうなんだな。
転校する前に髪をバッサリ切ったからだろうか。
影も薄い方に分類されてるし、やっぱりコレ、地味すぎるかな。

「じゃあ、オレからの用事はこれで終わりだ。」

「なんだ。オレの記憶に関しての手がかりはないのか。」

オレが落胆した声で言うと、白石はニヤリとして言った。

「あるだろ。ここに何個も。」

「は?」

白石は集まって会議をしているみんなを指差した。
600龍二:2008/11/17(月) 22:17:51 ID:AbMoK6EF
あっという間に始まって〜♪
あっというまに終わります〜♪

投稿時間、約二十分という無駄に早い終了です。
このあとがき、書き込むボタン押すのを忘れてそのまま飯食べてたんで
一時間くらい間が開いてるという…。

話の進展度も微妙ですが〜……。まぁ、ね。

最近、ギャルゲーを作りたいと思うこの頃。
出来かけのらき☆すたRPG(笑)をニコニコに投稿するわけだけど、
いっそギャルゲー風にしてやりてぇなぁとか思う15の夜。

はい、こういう話はブログでやれバカ >ワ<

現時点では宇宙人さんの名前は
>>306さんの「そら」になってるわけですが(おま、人のモノを!
なんかいい名前あったらよろしくおねがいします。

こういう募集がなんか厨臭いとかゆとりだとか
正直やめて欲しいとかありましたら言ってやってください。

一応、名前としては「(苗字)(募集している名前)」となります。
例としては、「(苗字)そら」といった感じ。
苗字はもう決定してあり、ストーリー上公開できないのですみませぬ。

きっと三ヶ月後までにはこの話を完結させてみせる!!
……けど高校受験もあり、あまりパソコン触れない龍二でした。

今頃思った。アレ?なんで中学生が高校生の青春モノ書いてるの?

(゜Д゜)
601牛乳帝国:2008/11/18(火) 01:13:50 ID:38dqHuco
なにいいい!!らきすたのRPGだと!?
俺も連載中小説の主人公でらきすたのRPGを作っているというのに!!
VXで!!
602龍二:2008/11/18(火) 01:29:25 ID:CS2Wq7TU
主人公、男かww
オレもだけど。

火野 サトシって名前は変更可能にしようと思うよ!
さて、スレ違いってな目線が来てるから本題に。
(仲間同士、続きはブログで熱く語り合いましょうや>ワ<ノ )

途中、あせって投稿したため文章が間違っているところがありました。
最後のページです。訂正を投稿します。
603龍二:2008/11/18(火) 01:39:43 ID:CS2Wq7TU
「こんな……、ヘタレの塊にしか見えないようなヤツが?」

「余計なお世話だ。」

「まぁ……、いいか。一応頼りにはなるってこった。」

「信用してないな?」

「あたぼうよ。オマエさっき『喧嘩は大キライ』だとか
『実際の力は全くない』とか言ってたじゃねぇか。」

「色々あったんだよ。今後語るつもりもないけど。」

「別に聞こうとも思わんさ。気になるけど。ってか気になる!!教えろ!!」

「だ〜!!ただ単に喧嘩が多い学校だったって事でいいだろっ!」

「そんなんじゃあヘタレが喧嘩が強いなんて信用できねぇな!」

やはりオレは見た目からして弱そうなんだな。
転校する前に髪をバッサリ切ったからだろうか。
影も薄い方に分類されてるし、やっぱりコレ、地味すぎるかな。

「じゃあ、オレからの用事はこれで終わりだ。」

切り替えはえぇなコイツ。さすが司会だ。
ただ、オレが白石に呼ばれて来た割に、何かを忘れてるきがした。

「あ。なんだよ。オレの記憶に関しての手がかりはないのかよ。」
604龍二:2008/11/18(火) 01:42:17 ID:CS2Wq7TU
↑が最後のページになります。

オレが落胆した声で言うと、白石はニヤリとして言った。

「あるだろ。ここに何個も。」
「は?」
白石は集まって会議をしているみんなを指差した。

の部分は変更がなかったので省略しましたが、
一応アレも最後のページです。

保管所のまとめページでは訂正されたものをUPします。
お騒がせしましたm(_ _)m
605名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/18(火) 05:11:17 ID:6B4T6BVE
乙。しかし宣伝は程々にしろ。
606龍二:2008/11/18(火) 18:18:59 ID:CS2Wq7TU
>>605
はい。正直、書き込んだあとに後悔しました。
精進します。
607ゆう:2008/11/18(火) 21:56:05 ID:VryrkCwn
>>569
ありがとうございます。
やはり最後は幸せに終わる形が好きなのです。

>>570
ありがとうございます。
シンプルな褒め言葉はとても嬉しく思います。またそう思って頂ける様頑張ります。

>>571
ありがとうございます。
自分の文でそう思って頂けるのは、自信に繋がります。

>>牛乳帝国さん
乙です!
すいません、こなたでダダ被りしてしまいました…。
小さなこなたが背伸びしてキスするの凄い可愛いです!

>>585
そうですか…。申し訳ありません。
良ければ、どのような箇所が悪かったか教えて頂きたく思います。今後のオマケや本編の参考としたいので。

>>587
ありがとうございます。
一番喜んで欲しかった「こなた好き」の方に喜んで頂けたのは、何より嬉しく思います。

>>龍二さん
乙です!
あきら様と白石の掛け合いが上手いです。情景がありありと浮かびます。
流石の一言ですね。
パソコンがあればブログを拝見させてもらうのですが…(´・ω・`)
608名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/18(火) 23:01:49 ID:wuDpy/qB
>>607
単純に俺の好みの問題なんだが、俺は白石と言うキャラが大嫌い(存在自体いらない)
正直つまらんパロディ連発以上に奴を登場させた事がアニメの一番の黒歴史だと思ってるから
たとえ名前だけであっても奴を登場させると不快に思っちまうのよ
ましてや「○○は俺のものだー」とか言ってたから>>585見たいな感じになったというわけ
609龍二:2008/11/18(火) 23:33:57 ID:CS2Wq7TU
>>607 >>608

あの人はバラエティといいますか、
ら き ☆ す た 「 オ マ ケ 」 と し て は
最高に笑えるんですけど、
まぁ「らき☆すた」としては微妙でしたね……。

演技力は無駄に(失礼)ズバ抜けて高いんだから
普通に男性キャラ(いないけど)を演じておけば
人気は得られたかと思うんだけども……。

それと、オレはあのオマケは面白く見れたんですが、
やはり、ギャグだとしも同性愛ネタを
使うと好き嫌いがパックリ分かれますね。

オレは通常も百合も薔薇も認めてますが。
(認めてるだけで好きとは限らないけど。)

まぁでもオレは面白かったです。

そういえばゆうさん、携帯でしたっけ!w
携帯なのに文の構成に全く不自然がなくてすごいですw
オレも携帯がほすぃずぇ。
610名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/19(水) 00:14:49 ID:o1n1akhF
まぁオマケだろうと演技が良かろうと
どのような形であれ、らきすたに存在する事自体不快な俺みたいなのもいると言うことで
611牛乳帝国:2008/11/19(水) 00:53:29 ID:T/SiEy8L
俺は白石好きだぜ。
神曲を生み出す天才だし
俺ラジオも聞いてたから親近感ある
ラジオで提案したえみりんのテーマが発売されたのも嬉しかった

おっと、この話題はスレ違いだな
612ゆう:2008/11/19(水) 09:56:56 ID:oE4DZT9q
>>608
なるほど。そういう事でしたか。
しかし「白石」自体を出さない…というのは厳しいかも知れません。
本来なら御意見を受けて、「では、今後は白石の描写を出しません」としたいのですが、
キャラに関しては好きな方、嫌いな方と分かれるので、出さない…という処置は難しいと思います。
どうかご了承下さい。

それと、白石は自分にとって「使いやすい」キャラなので、これからもちょこちょこ顔を出すと思います。
砕けて言えば「どう使ってもいける」キャラなので。…あくまで自分の話ですが。

ただ龍二さんがおっしゃるように、同性愛自体を嫌う方もいるので、こちらは今後自粛したいと思います。

御意見ありがとうございました。
613龍二:2008/11/19(水) 18:21:43 ID:iroBGq/4
自分の小説も、言っちゃうと白石が重要人物なんで
ださないのはちょっとな〜、と思いますが、できるだけ

「白石君登場シーンは飛ばしてもストーリーには
直接関係しないから飛ばしてもいいっすよ」

みたいな役目にしようと思います。ラストは例外として。

ただどんなキャラもどんな愛の形も否定しない少年が
ここにいるということで。(否定はしないけど好きではない。←これ重要。)

それと理由あって自分の小説、次話を投稿するのは遅くなります。
受験生の受難というヤツです。簡単に言えばテストです。

いつもはテスト勉強なんてしないけど(だから順位はドベに近い。)
これだと高校落ちて、親に迷惑かかっちゃうんで本格的にやろうかと(汗
でも、他の方が推敲されたSSへのコメントはすると思います。

途中でいなくなって未完結作品。みたいになりたくないので一応報告です。
いらなかったらすみません。それでは。
6142ー14:2008/11/19(水) 23:11:31 ID:vxNx4T8P
こんばんわ〜
ちょっとこない間に、職人さんが増えて嬉しいです。
レベルが高くなった上に、感覚空いたので覚えていてくれる人がいるかどうか不安ですが
『かがみside〜ラキレボ編』の続編にあたる作品を投稿したいと思います。(>>218の続きです)
615かがみside〜幕間〜:2008/11/19(水) 23:13:31 ID:vxNx4T8P
窓の外には白い雪がチラチラと舞い始めた。
 「あ〜お姉ちゃん、雪だよ雪」
 それに気がついたつかさが嬉しそうな声を上げる。
 「本当ね。急に冷え込んだと思ったら・・・」
 「今日はクリスマスですから、ロマンチックですね」
 みゆきが、話を繋ぐ。
 「そのクリスマスに、俺は何をやってんだかな・・・」
 がっくりと机に倒れこむ祐一くん。
 「いや〜でも祐一くん、状況としてはかなり恵まれてるよ?」
 「どういう意味なの?こなたさん?」
 「だって、クリスマスに美少女4人に囲まれてるなんて、ギャルゲーの主人公っぽいじゃん」
 「それで、こんなに切羽詰まってなければいいんだけどさ・・・」
 「こら!2人共無駄話しない!」
 『は、はい!』
 見事に2人の声がハモる。
 そして、こなたと祐一くんは再び参考書に目を通す。
 ここは陵桜学園の3−Bの教室。
 そこに私達5人は集まっていた。
 そもそもクリスマスに何で私達が集まっているのかというと・・・
 「全く・・・2人共もう後が無いのよ?分かってるの?」
 「自信はあったんだけどさ・・・」
 力なく言う祐一くん。
 「緊張しちゃってね〜」
 それに同意するこなた。
 2人は最初の大学受験に失敗していた。
616かがみside〜幕間〜:2008/11/19(水) 23:22:44 ID:vxNx4T8P
「特に祐一くん!アンタは滑り止めの大学に落ちたんだから、本命に合格するしかないのよ!」
 「わ、分かってるよ」
 「ま、まあまあ、かがみさん、息抜きも時には必要ですよ」
 「そうかも知れないけど・・・」
 みゆきの言葉に渋々同意する私。
 「だけど、かがみさんもみゆきさんもつかささんもいいの?」
 「何が?」
 「いや、3人はもう受験終わってるし・・・俺達に付き合うことは無いけど」
 私とみゆきは推薦でもう志望校に進学が決まってるし、つかさは調理師の専門学校に合格していた。
 「3人共、せっかくのクリスマスなのに・・・デートとか無いの?」
 「わ、私はそのような相手は・・・」
 「私もだよ〜」
 少し照れながら答えるみゆきとつかさ。
 「かがみさんは?」
 「・・・わ、私も同じよ」
 本音は違っていた。
 あの日―――桜藤祭が終わった2日後の学園の屋上で私は自分の祐一くんへの想いに気が付いた。
 そして、それ以来気が付いたことがある。
 それは、祐一くんの周りには常に人がいるということ―――特に女の子が―――
 同じクラスのこなたやつかさ、みゆきはもちろんのこと、
 たまに自販機の前では、ゆたかちゃんやみなみちゃん達と仲良く話していることも多い。
 それを見るたびに、私の心は痛くなった。
 そんな時、祐一くんが受験に失敗したことが私の耳に入った。
 落ち込んでいる祐一くんを見て、私は思わず口を開いていた。
 『じゃあ、私が勉強見てあげるわよ』って・・・
 祐一くんが困っているのなら助けて上げたかった。
 何より、落ち込んでいる祐一くんを側にいて励ましてあげたかった。
 それが、私に出来る唯一のことだと思ったから。
617かがみside〜幕間〜:2008/11/19(水) 23:23:55 ID:vxNx4T8P
「そうなんだ。かがみさん可愛いのに、今や陵桜のアイドルでもあるんだし・・・」
 陵桜のアイドル―――
 その言葉に私は思わず心の中でため息を付く。
 それが最近の私の悩みだった。
 「・・・どうしたの?かがみさん?」
 そう聞いて来たのは、祐一くんだった。
 「えっ?な、何が!?」
 「いや、何か表情が少し暗かったからさ。何か悩みごとかなと思って」
 「な、何でも無いわよ!それより、とっとと勉強する!」
 「わ、分かったよ・・・」
 (おかしいわね〜表情には出さなかったつもりなんだけど)
 「うわ〜凄い雪だよ〜」
 つかさの声に私は窓の外を見る。
 さっきまで、粉雪程度だった雪が今はボタン雪並になっていた。
 「うわ〜これは確実に積もるわね」
 「もう、今日はこれくらいにしておいた方がいいんじゃない?」
 「そうだな。俺はともかくみんなは電車通学だろ?止まる前に帰った方がいいんじゃない?」
 「そうですね〜都会はちょっとの雪で交通機関がマヒしてしまいますから」
 「仕方ないわね・・・こなたと祐一くんは家に帰ってもちゃんと勉強するのよ」
 「分かってるよ」
 「さすがに今年は真面目に勉強しよう・・・クリスマス限定のアイテムとかあったんだけどな〜」
 「またネトゲーの話か・・・」
 こんな時でもゲームのことを考えてるこなたに呆れる私だった。
618かがみside〜幕間〜:2008/11/19(水) 23:25:30 ID:vxNx4T8P
「明けましておめでとう!」
 「おめでとう〜」
 あちこちで新年の挨拶を交わす声が聞こえて来る。
 私達の家は神社をしているので、毎年お正月になるとこうして参拝客が来る。
 有名どころの比じゃ無いけど、結構参拝客も多い。だから・・・
 「お姉ちゃん〜休憩終わったよ〜」
 向こうから巫女服姿のつかさが歩いてくる。
 「お姉ちゃんも休憩して来たら?朝から全然休んでないんでしょう?」
 「そうね、じゃあつかさ、後お願いね」
 「は〜い。ゆっくり休んでね〜」
 つかさの声に送られて私は家の方に向った。
 (今年も人多いわね〜)
 袴や晴れ着姿に身を包んだ人達を見ながら私はそう思った。
 (そういえば・・・こなたの姿を見ないわね。祐一くんも)
 2人共今年は神頼みしている場合じゃないかも知れない。
 私がそんなことを考えてた時だった。
 “ドンッ”
 誰かとぶつかった。
 「イテッ!」
 「あ、ご、ゴメンなさい」
 「アンタ、ちゃんと前見て歩けよな!」
 見ると、私の前には不良っぽい高校生が3人居た。
 「す、すいません」
 私はもう一回謝る。
 その時、私の顔を見た不良の一人が声を上げる。
 「あれ?この娘、この間の学園祭のミスコンで優勝した娘じゃないか?」
 「あ、そういえばそうだな」
 「へ〜巫女さん姿も可愛いね〜」
 ニヤニヤと笑いながら言う男3人組。
 「・・・」
 これが私のミスコン優勝してからの悩みだった。
 目立ったせいか、ナンパされることが多くなっていた。
619かがみside〜幕間〜:2008/11/19(水) 23:27:08 ID:vxNx4T8P
「すいません。失礼します」
 そう言って私はその男達の横を通り抜けようとする。
 「まあ、待てって」
 男の一人が私の腕を掴む。
 「何ですか?謝ったわよね?」
 今度は、声に怒りをこめながら言う私。
 「まあ、つれないこと言うなって、ちょっと俺達に付き合えよ」
 「ちょっと、イタッ・・・無理に引っ張んないでよ!!」
 「何だと!」
 私の手を掴んだ男のもう片方の手が振り上げられて―――
 「それぐらいにしとけよ」
 その時私の耳に聞こえたのは、聞き慣れた声だった。
 「ゆ、祐一くん!?」
 男の手を祐一くんが掴んでいた。
 「何だ、お前は!?」
 その男の問いに祐一くんはとんでもない答えを返した。
 「俺?俺はこの娘の彼氏だけど」
 『!!』
 (なっ・・・なっ・・・)
 この言葉に急激に顔が赤くなっていく私。
 そんな私の様子に祐一くんは気がつかないまま言葉を続ける。
 「ほら、行くぞ、かがみ」
 「う、うん」
 男達に背を向けて歩き始めた祐一くん。
 その後を慌ててついて行く私。
 「何だよ、彼氏持ちかよ・・・」
 そう呟いて人込みに消えていく男達の姿が振り返った私の背中越しに見えた。
620かがみside〜幕間〜:2008/11/19(水) 23:29:07 ID:vxNx4T8P
「本当にゴメン!!」
 祐一くんは私に案内されて家に入るなり、そう言って頭を下げた。
 「な、何で謝るのよ」
 「いや、助けるためとはいえとっさにあんなウソ付いちゃったし」
 「あ、ああそのことね」
 
 “ほら、行くぞ、『かがみ』”

 祐一くんに呼び捨てされたことを意識して顔が赤くなる私。
 「ほら、これが原因で変な噂がたったらかがみさんだって困るだろうし」
 「べ、別にいいわよ。助けてくれるためにやったことだし・・・それに、別に噂になってもいいし・・・」
 「えっ?何か言った?」
 「な、何でも無いわよ!」
 ますます赤くなる顔を見られないように祐一くんから顔を逸らす私。
 「そ、それでやっぱり祐一くんも初詣に来たの?」
 「うん?それもあるけど、お守り買いに来たんだ」
 「ここまで来て、神頼みなの?」
 呆れたように言う私。
621かがみside〜幕間〜:2008/11/19(水) 23:31:06 ID:vxNx4T8P
「というかやれることはやったから、神頼みくらいしか縋れるものが・・・」
 「ふ〜ん・・・祐一くんちょっと待っててくれない?」
 「えっ?う、うんいいけど・・・」
 私はその言葉を確認してから、自分の部屋に向った。
 「はい、これ。アンタにあげるわ」
 私はそう言って手の中の物を祐一くんに渡す。
 「これって・・・お守り?」
 「そうよ?私が受験の時に持っていったお守りよ。効き目はあるわ」
 「でも、いいの?」
 「いいわよ。それに、アンタの本命の大学は私と同じなんだし。き、気休めにはなるんじゃない?」
 「分かった。ありがとう。これで自信が付いたよ」
 「そ、そう?でもやっぱり一番はアンタが頑張らないとダメなんだからね」
 「分かってるよ、よ〜しこれで頑張れる気がして来た。ありがとう!かがみさん!」
 祐一くんはそう言って外に出て行った。
 (祐一くん・・・頑張って)
 私はその背中に向って祈った。
 そして―――
 (春になったら一緒の大学に通いたいな・・・)
 本人を目の前にしたら言えそうにないことを私は思っていた――― 
6222−14:2008/11/19(水) 23:36:48 ID:vxNx4T8P
という訳で、幕間になります〜
一応『ラキレボ編』と『らきメモ編』を繋ぐ話ですね。

かがみがミスコン優勝したら巻き込まれてそうなトラブルとかを書いてみました。
ニヤニヤ分が少ないかも知れませんね。
というか久々に書いたからかがみのキャラがブレてるような気もします(汗)

次回からはらきメモ編になります。
楽しみにして頂けると嬉しいです。それでは!!
623名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/19(水) 23:40:23 ID:rm+UOww0

年越しする前に大学決まってるとかいいな〜
6242438:2008/11/20(木) 01:54:09 ID:kXfdH2mN
>>622
乙です!
更新待ってました!
相変わらずかがみが可愛くて良いですね。
これからどうなるか楽しみです。

俺も新作書きたいけどネタが浮かんでこないorz
625名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/20(木) 08:24:11 ID:srCkCRCb
乙です!いいねかがみ可愛いなあ
626牛乳帝国:2008/11/20(木) 20:19:56 ID:nFRrbQzr
おつ!!
ようやく帰ってきたか!!!待ってたぜ
時間が巻き戻ると思ってたけどそのまま続く形で来るとは予想外だった!!
かがみにニヤニヤする日に期待
627名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/20(木) 20:41:46 ID:PEAXMQtS
かがみ「チュー…して?」
主人公「え?聞こえないなあ〜(・∀・)ニヤニヤ」
かがみ「チ…チューして!!///」
主人公「もっと大きい声で言わなきゃわかんないよぉ?」
かがみ「もうっ!!聞こえてるくせにぃ><」

続かない
628白狐:2008/11/20(木) 23:53:02 ID:5o22jlD7
お久しぶりなのです!訳あって停滞してましたね!
というわけで第二部落としたいと思います。
629白狐:2008/11/21(金) 00:06:40 ID:5o22jlD7
登校道中・・・
大抵の学生は徒歩で登校している。中には自転車なんてのもいるがな。
不良A「どけてめぇら!轢くぞコラァ!」
3年の不良どもが粋がって自転車暴走中。みんな関わりあいたくないので大人しく道を空けてゆく。
不良B「信号なんか関係ないわぁ!」
そう言って信号を無視して渡ろうとする不良達に、二台のバイクが突っ込む!
不良A、B、C「ぎゃああああああああ!!!」
630白狐:2008/11/21(金) 00:31:34 ID:DbTLpm7b
神楽「おいこら、あぶねぇだろうが。信号見えねぇのかコラ」
こたろう「りゅうじ。急がないと遅刻だぞ」
そう言って二台のバイクは学校の校舎内に入ってゆく。
その光景を窓から見ている女子二人。

こう「またバイクで登校してきたのね、先輩たち」
やまと「でも、また十分くらいは校舎に入れないわよ、ほら」
やまとがそう言っていると、校舎から教師が出てきた。

教師「貴様らぁ!バイクで登校するなと言ってるだろうが!大体お前ら中二だろうが!」
神楽「ギャアギャアやかましいんだよ。発情期の猫かお前は」
教師「む!高橋!タバコを吸うな!」
こたろう「いいじゃんか。朝まだ一本も吸ってねぇんだから」
教師「一本も吸うな!」

毎朝のやりとり。やまととこうは笑いながらこの光景を見ている。
こう「やっぱり先輩たちおもしろいなぁ!いつも笑える!」
やまと「ほんとね。見てて飽きないわ」
こう「そういえば、やまと知ってる、あの噂」
やまと「えぇ、神楽先輩と高橋先輩が・・・暴走族に入ってるって噂よね」
631白狐:2008/11/21(金) 00:53:45 ID:DbTLpm7b
飛んで二年D組教室・・・
この学校では朝のHRが終わると、十五分の読書の時間がある。
本を読む習慣を付けようと学校側が行っているのだが・・・

教師「神楽ぁ!漫画読むんじゃねぇ!」
神楽「なんだよ。読書にかわりねぇだろ、本なんだから」
教師「馬鹿かお前は!意味ねぇんだよ、下らない漫画を読むな!」
神楽「なんだコラ!銀○なめんなコラァ!人生の教訓教えてくれんだぞ!」
教師「家で読め!ここで読むな、○魂を!」

こたろう「まぁよせ神楽。大人しく読書しようぜ」
教師「お前は学校にエロ本持ってくんな!もう6回目だぞ!?」
神楽「しかも殆ど人妻ってどうなんだよ」
こたろう「人妻なめんなよコラァ!」
生徒A「先生、集中できません」
632白狐:2008/11/21(金) 01:44:16 ID:DbTLpm7b
こたろう「ちくしょう!俺のエロ本持ってきやがって!」
神楽「そりゃ自業自得だろ。堂々と学校でエロ本読む奴がいるか、普通」
やまと「神楽先輩だって漫画持ってきてたでしょ?」
神楽「エロ本よりはマシだろうが」
こう「どっちもどっちっすねぇ・・・」

最近はこの四人で帰ることが多くなった気がする。あの一件から俺たちに懐いたのかなんなのか・・・
でもやっぱりやまとちゃんは綺麗な顔立ちしてるなぁ・・・
不意にこたろう達をみると、にまぁ〜とこちらを見て微笑んでやがる。

こう「なになに?神楽先輩、やまとに一目惚れ?」
神楽「馬鹿!違うよ!」
こたろう「照れんなよ、シャイボーイだなぁ」
神楽「こたろう・・・俺の右ハイキック受けたいのか?」
こたろう「スマン・・・」

神楽「それに・・・・・・」
こう「それに、なんですか?」
神楽「俺は、人を好きになっちゃいけねぇ人間なんだ」
こう「・・・どういう事ですか?」

この時はなにも言わず、二人を駅まで送ったが、この二日後知られる事になる。
俺とこたろうの、夜の姿を・・・。
633白狐:2008/11/21(金) 01:47:22 ID:DbTLpm7b
今回はここまでです。
え?文が雑で下手?しょうがねぇだろ、高校のときの現国2だったんだから!
また書きに現れます。また会う日までぇ・・・
634名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/21(金) 03:57:27 ID:gVpijHu4
なんというかもう陵桜である必要を感じないのは俺だけか。
635名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/21(金) 08:22:52 ID:eI1jM3xW
>>627
聞こえないな。もっと大きな声でいいなさい。
636名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/21(金) 09:11:08 ID:gOoOWhB6
途中から読んだから舞台とか良く分からんが
オリキャラっぽい男?二人がなんか厨ニ臭い
637牛乳帝国:2008/11/21(金) 20:01:02 ID:3+pU7qIn
>>634
俺も思った
コレはちょっとスレ違いだな・・・・・・。
まあ、ゲームとの共通点はやまとが出てるくらいかな
638名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/21(金) 20:16:44 ID:Hesk+HOi
絵にかいたようなメアリ・スーな気が……
主人公の口調や性格まで変えちゃうと、どうしてもなあ。
639龍二:2008/11/21(金) 22:26:10 ID:7AlXNKfi
アレって主人公だったんですか?

オリキャラって書いててオリジナル設定だったからてっきり
PS2版主人公でなく別の人と思ってたんだけどw

主人公じゃあないと思えば許せるんだけど、
やっぱここじゃあ主人公以外はスレチなんですかね?

それとオレも国語は2以外とった事ないっすw
ってか全教科2っすww
640名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/21(金) 22:30:17 ID:mhh3ojdb
ここの書き手って何で厨房臭いのしか居ないの?
内容といい自己主張といい。
641名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/21(金) 23:00:59 ID:FOtW49J1
3スレ目辺りから狂い始めた
642龍二:2008/11/21(金) 23:24:49 ID:7AlXNKfi
……ちょうどオレが書き始めたトコですね。
まぁ自分の場合、本当に厨房なんですけど。

やっぱ恋愛モノは前フリを入れずに
>>1に書いてあるとおりに「後日談」にすべきなのかなぁ。

自分で書いてても感じます。
恋愛までにもっていく「前フリ」がすごく厨的内容だと。
643名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/21(金) 23:55:56 ID:T3aPv8bc
んー・・・でも前フリとかで結構楽しめたりもするから、
俺はあってもいいと思うけどな。もちろん無くてもいいし
厨房っぽいのも人によって結構違うからそんなに気にもならないし

と今だ厨房くさい自分が言ってみる
644ゆう:2008/11/21(金) 23:56:40 ID:GaFEdT2p
>>龍二さん
自分も『後日談』というよりは、『らきすたの世界観を借りたSS』となってしまってます。
ゲーム内容はと言えば、申し訳程度にしか出ませんし…。
やはりきちんとスレの目的に沿ったものにするべきですね…。
反省します。
645名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/22(土) 00:08:31 ID:J0mcRFHx
でも後日談に限ると作品の幅がだいぶ狭くならないか?
らきメモの攻略対象外のキャラもいるし
646名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/22(土) 00:35:29 ID:vNpmq1B3
>>1に「らきメモに限らずこのゲームに関っているものなら基本的にOKです」と書いてあるからSSの内容に少しでも関わっていればセーフなのでは?
647龍二:2008/11/22(土) 00:42:47 ID:eosJbnUw
それだと嬉しいんですけど…。
批判が出るって事はやはりこちら側に至らぬ部分が
あったという事だと思いまして。

なので、この場を借りてお詫びいたします。
>>640さん、>>641さん。
不快な思いをさせて申し訳ありませんでした。

これからは誰もが楽しめるよう、もっと推敲を練って文章を
投稿したいと思いますので、これからもよろしくおねがいします。
648牛乳帝国:2008/11/22(土) 01:09:18 ID:RugES78K
>>647
気にする必要なし
そもそも「妄想=厨房」という等式が成り立ち始めているのが間違い。
ブログとかのリンクがあっても俺は気にしない
むしろそういうの(>>640がいうところの自己主張?)を見るのも結構楽しい。
龍二氏の作品は別に厨房臭いとか感じない。
んなこといったら世界中の恋愛物とかが厨房作品になる。
そもそも文句を言うならどのへんが気に食わないorおかしいかを書くべき。
あいまいな批判は帰って混乱させるだけ。

駄文スマソ。
649名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/22(土) 01:18:47 ID:BZNA1KJ3
書き手は作品投下するとき以外はコテとかあまり使わないほうがいいよ

650名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/22(土) 01:55:16 ID:p2DSAnf6
少なくとも現国2だとか作者の成績なんぞはいらねぇわな
651名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/22(土) 02:15:39 ID:3S0E8NQS
ゲームのSSスレなんだからゲームから逸脱しすぎなければいいと思う。
自分で書いていてあんまり逸脱しすぎていると思うなら自サイトでやればいい。
とりあえず
ttp://iwatam-server.sakura.ne.jp/column/marysue/index.html
のテストとか参考にしてみればどうだろうか。
厨とか言われてる要素をどの程度入れるかは作者の好みでいいよ。
妄想も厨要素も入っていても面白ければ読んで乙ってレスするし、読んで気に入らなければスルーするだけだし。
652名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/22(土) 06:22:54 ID:LqhrL55v
かがみ「戦わなければ生き残れない!」
653名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/22(土) 09:11:45 ID:FEzyIHun
>>652
つまり、こなた・かがみ・つかさ・みゆきさん・みさお・ゆたか・みなみ・ひよりん・パティのらきメモ対象者(除あやの)
らきれぼのななこ先生
人数足りないのでこう・やまと・ひかる先生・ふゆき先生・ひなた・ひかげの中から四人
以上、計十三人でらきすたバトルをする事になるのか。
勝者に与えられるのは主人公の恋人の座。さあ、戦え。
654龍二:2008/11/22(土) 11:29:54 ID:eosJbnUw
>>牛乳帝国 さん
わかりました。今まで通りに頑張ろうと思います。

>>651
11点でした。とても参考になりました!
ありがとうございます!
できるだけ、レスが来るような作品を目指します。
655名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/22(土) 13:50:08 ID:ly6CVxuS
ゲームは主人公がらき☆すた世界に違和感無く溶け込んでいたから
主人公が強い個性を出すと違和感も強くなるよね。

その辺覚悟して書けばよし。
気に入らない人は読み飛ばす。
656名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/22(土) 17:54:44 ID:LqhrL55v
>>653
ネタは与えた
さぁ、長きに渡る長編を執筆するんだ!

最終回でタイムベントオチはなしねw
657名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/22(土) 20:53:57 ID:4qMo1gbr
>>652
それは鏡だろw
658名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/22(土) 21:21:08 ID:FEzyIHun
>>656
とりあえず、やまとはオーディンポジションだな。ゲーム中でタイムベントやってたしw
龍騎、ナイトはこなた、かがみで。
ところで俺の中ではみゆきさんは王蛇ポジションなんだがどうしたら・・・
659名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/22(土) 21:36:38 ID:LqhrL55v
>>658
みゆき「ここかあ?祭り(桜藤祭)の場所は…」
っていうようにすれば、陵桜学園を舞台にできるから、スレ違いにもならないな。
執筆しなければ生き残れない!

あやの=シザースでお願いします。
660名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/22(土) 23:46:23 ID:BZNA1KJ3
でも、まあこんな流れだと
逆に普通の桜藤祭SSが駄目な気がしてならない
661名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/23(日) 00:02:41 ID:h5jfWE8o
>>658
とりあえずやまととヤマトラマンの違いははっきりしておいて貰いたい
ヤマトラマンは俺の中でゲームの黒歴史筆頭

ついでにみゆきは黒化してもツマランから頭の良さをいかしてオルタナティブ辺りで一つ
662名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/23(日) 01:35:31 ID:eEfyJcDX
上のなんかのパロ?の意見見てると
もう桜藤祭一切関係ないような気が・・・

663龍二:2008/11/23(日) 02:00:07 ID:174boVw3
そういえば、こういうネタを提供してくれる方々がいますけど、
そのネタって勝手にSSにしちゃっていいんですかね?

一個だけ、ものすごい制作意欲沸いたネタがあったんですけど。
664名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/23(日) 05:12:12 ID:lbx1tvh1
まず普通に雑談してる時はコテ外せ
くだらない自己主張はするな
誘い受けなどもってのほか

書き手はこれだけ頭に叩き込めばいい
665名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/23(日) 05:30:15 ID:174boVw3
>>664
すみませんでした。頭に入れておきます。
666名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/23(日) 09:10:44 ID:lfiab+NS
>>664
何故だ?そこまでいうって事は何か明確な理由があんの?
667名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/23(日) 12:01:32 ID:qxcyK3bR
みんなもう少しまた〜りゆる〜りしようぜ
668名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/23(日) 12:03:31 ID:7Tz4smWM
>>664
コテ云々はともかく、自分のエゴを押しつけるのはどうよ。
理由ぐらい書かないと。
669名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/23(日) 14:16:41 ID:5fcdSvlm
馴れ合いを嫌う人もいるだろうし、誘い受けのような構ってちゃんオーラを嫌う人もいる。
>>664はそういう馴れ合いが嫌。
それに個人的に作品投下時以外で名前出して自己主張するのは本人にその気がなかろうと売名みたいで好きじゃない。
職人気質。男は黙ってという感じの。雑談とかじゃなくて作品で存在感を示せ、必要ないときは名無しに徹しろ。良い作品にはちゃんとレスするし。

と、かなり好意的に推理してみたがどうだろうか。
まぁ、こういうぬるい馴れ合う空気を嫌う人もいるってことなんじゃね。
670名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/23(日) 14:52:46 ID:oCJNrgJP
>>669
もしこう極端に思うならまとめだけ見てればよくね?と思わなくはないな
671名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/23(日) 15:18:11 ID:98Sg54HD
特定コテNGしとけばいいやん
672名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/23(日) 16:05:19 ID:Bi0cuOLA
まとめと言えば早く更新来ないかな・・・・・・。
673名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/23(日) 16:57:56 ID:NtsB7c9o
て言うかもう決まった人間しか書いてないよな。
正直4スレ目が立つとも思ってなかった。
3スレ目の時点でかなり勢い無くなってたのに。
674名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/23(日) 17:56:58 ID:zOGEBthT
良ゲーのあかし
675名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/23(日) 19:18:29 ID:1hFwOIUr
久々に書こうかな
676名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/23(日) 19:29:19 ID:eEfyJcDX
>>664
コテのことはまだいいが「くだらない自己主張はするな」だの
「これだけ頭に叩き込めばいい」だの、ちと上から目線すぎないか?

あと4スレ目から書き始めてる人もいるから
これからも書く人は出てくると思う。・・・多分
677名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/24(月) 00:21:50 ID:1aq4Hy4t
って言うかテンプレに無いのにそこまで言う必要あるか?
俺の経験上そういうスレは職人が離れていくんだが・・・・・・。
678名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/24(月) 01:09:35 ID:ba2Qz09d
最近ゲームクリアしたんで書こうと思ったんだがこのスレ決まりとかある?
主人公の名前とかこれNGとか
679名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/24(月) 01:18:29 ID:8LpteElN
特にない。主人公が出てればおk
自由に書きなさい。
680名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/24(月) 12:07:15 ID:1aq4Hy4t
けどあんまりキャラ崩壊してるとたたかれるかも^^;
681名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/24(月) 12:34:56 ID:ba2Qz09d
サンクス
近々書いてみるわ
682名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/24(月) 13:57:38 ID:mqvCloam
↑12:34:56にちょっと感動した
……どうでもいーな、すまん
683ゆう:2008/11/24(月) 19:28:19 ID:i31R1pPR
ここ最近投下しにくい雰囲気でしたが、
落ち着いた感じがするのでこれより投下させて頂きます。

今回も例に漏れず、
・ゲーム主人公設定
・ただし、ゲーム内容はあまり出ない
・主人公のみループの記憶を明確に覚えている。

となっています。
題名は「純愛〜みゆきの願い〜」になります。

それでは、投下させて頂きます。
684純愛〜みゆきの願い〜 1:2008/11/24(月) 19:31:35 ID:i31R1pPR
自室の窓から星降る空を見上げ、高良みゆきは物思いに耽っていた。

(今日も星が綺麗ですね…)

ホットミルクティーを飲みながら、ひんやりとした空気の中、瞬く星空を眺めいる。
最近は夜空を眺める事が、みゆきのささやかな楽しみとなっていたのだ。

(流れ星は流れないでしょうか…)

星空を見上げた日は、いつも流れ星を探して眠りにつく。叶えて欲しい願いを伝えるために。
夜空を眺めながら、いつ流れ星が来ても良い様に、両手を合わせて目を閉じる。

(…○○さんが幸せでありますように…)

いつから抱いていたか、みゆきにも分からない。
ただ、いつも一生懸命に頑張ってくれた○○を、いつしかみゆきは想いを寄せるようになっていた。

(桜藤祭から…でしょうか? いつも頑張ってくれてましたから…。劇も、ミスコンも、ステージを支えていた時も…)

みゆきはその時々に見た○○の顔を想い、頬を赤らめる。
ほてった頬に手を当て、ゆっくり目を開ける。
その目には僅かな哀しみも含まれていた。
ふと空を見上げると、星が流れていくのが見えた。
685純愛〜みゆきの願い〜 2:2008/11/24(月) 19:33:43 ID:i31R1pPR
(あっ…)

慌ててみゆきは両手を合わせて願いを祈る。

(…○○さんが幸せでありますように…)

一つ願いを祈って、ためらいがちにもう一つ祈る。

(それと…願わくば、私の想いが伝わりませんように…)

願いを祈り終えたみゆきは、悲しげな表情で目尻に涙を溜めながら、窓を閉めて眠りについていった。



翌日。
授業も終わり生徒達が思い思いの活動の場へ散って行く中、
こなた達4人は○○の机の周りで話していた。

「今日も疲れた…。これからバイトだよぉ〜」
「こなたさん今日はずっと熱心にノートとってたもんね。あれだけ集中してれば疲れるよな」
「こなたが!? 有り得ないわよ」

かがみが一瞬大きく目を見開いて、即座に否定する。

「むぅ、失礼な。私もやる時はやるのだよ!」

薄い胸を叩きながら、誇らしげにこなたが言う。

「こなちゃんホントに頑張ってたもんね。たくさん英語書いてたよ」
「…英語?」
「うん、全部の教科で一生懸命書いてたの見たよ。こなちゃん頑張ってるな〜って」
「ちょ! つかさ見てたの?」
686純愛〜みゆきの願い〜 3:2008/11/24(月) 19:35:40 ID:i31R1pPR
「全部の教科で…、ですか? 泉さん海外へ留学なされるんですか?」
「え? あ〜、いやまぁね…」

バツが悪そうにこなたが視線を逸らして猫口になる。

「…アンタ…。もしかして一日中ネトゲのパーティ編成考えてたんじゃ…」
「…はっはっは…。かがみんや、そんな馬鹿な」
「こっちを見て否定しなさいよ…。まったく…、そんな事だろうと思ったわよ」
「ちぇ…。つかさに見られていたとは…。せっかく○○くんの好感度アップしそうだったのに…」
「いやぁ…、しないと思うけどな…」
「普段勉強しない娘が、一生懸命机に向かう! そのギャップに萌えないの?」
「そう力説されてもな…。ってか勉強じゃないじゃないか」

こなたに詰め寄られて○○が困っていると、みゆきが横から助け船を出す。

「まぁまぁ…。皆さんそろそろいい時間ですから。泉さんもバイトのお時間大丈夫ですか?」

ケータイの時計を見てこなたが焦りの声を上げる。

「うぉっ!? ヤバ、遅刻しちゃうよ! じゃあ私先に帰るね! ○○くんいつか私のバイト先においでよ! じゃね!」

そう捲し立てながら、こなたは疾風の如く駆けて行った。
687純愛〜みゆきの願い〜 4:2008/11/24(月) 19:37:47 ID:i31R1pPR
(…しっかりアピールしてったわね…)
(流石こなちゃんだね〜)

走り去るこなたを眺めながら、かがみとつかさが小声で喋る。

「うん? 二人共何か言った?」
「な、何でもないわよ。ほら、私達も帰るわよ!」
「暗くなっちゃうから早く帰ろう?」

二人に背中を押され、○○は教室をあとにする。

「おっと! 分かってるよ。分かってるから押すなって」

教室を出ようとする3人に、みゆきが申し訳なさそうに声を掛ける。

「すいません。委員会の仕事があるので、私はもう少し残りますね」

少し困ったような笑顔をしたまま、みゆきが控え目に言った。

「そうなんだ? 良かったら俺も手伝おうか?」
「いえ、書類をまとめたら提出するだけですから。お気になさらずに」

みゆきがそう言うと、○○は一瞬怪訝そうな顔をする。

「…そう? じゃあお先に失礼するね」
「みゆきあんまり無理しちゃダメよ?」
「ゆきちゃんまたね〜」

○○達はみゆきに言葉をかけて、そのまま教室をあとにした。
688純愛〜みゆきの願い〜 5:2008/11/24(月) 19:40:18 ID:i31R1pPR
3人を見送り、みゆきは「ふぅ…」と溜め息をはく。

「…○○さん…」

普段○○が座っている机を眺めながら、ポツリと呟く。

(皆さん…、○○さんがお好きなんですね…)
(…そうですよね…。だって、あんなに素敵な方ですから…)

委員会の仕事というのは、半分嘘だった。
確かにやらなければならない事はあったが、別に今日中に取り決めなければならないものではなかった。
ただ、あのまま○○の側にいては、自分の気持ちが表に出てしまいそうで怖かった。

(…やはり…私は○○さんが…)

そこまで考えて、いくつかの顔がフラッシュバックする。

――積極的に○○にアピールするこなた――
――強がりながらも頬を赤らめるかがみ――
――少し恥ずかしがりながら○○と楽しそうに話すつかさ――

その一つ一つを思い返しながら、みゆきはゆっくりと呟く。

「皆さん…、私の大切なお友達ですから…」

自分に言い聞かせるように、みゆきは言葉を繋ぐ。

「だから…、私の想いは気付かれてはいけないんです…」
689純愛〜みゆきの願い〜 6:2008/11/24(月) 19:43:26 ID:i31R1pPR
みゆきは、いつしか自分が読んだ小説の内容を思い出す。
それは好きな男性を巡って、友達同士が仲違いするというものだった。
ただの小説の内容だが、それでもみゆきは不安になる。それだけこなた達の事が大切という事の表れなのだ。

(…もし小説のような事になったら…)

こなた達が自分を見る目に敵意が宿ったとしたら、きっと自分は耐えられないだろう。
『想いを伝えて友達との仲が壊れるくらいなら、自分を押し殺していた方が良い』
みゆきはそう考えてしまったのだ。

「だから…」

誰にともなくみゆきは呟く。

「――だから…っ」

振り払おうとすればするほど、瞼の裏で鮮明に甦る。
――思い出したくない顔――
――見たくないはずの姿――
――だけど、誰よりも愛しく大切な、その笑顔――

「……だ、から……」

呟きながらみゆきは泣いていた。
どんなに頭で理解しても心まで簡単に理解出来るものでは無かったのだ。
○○への押さえられない気持ちが涙になって溢れ出す。
眼鏡が涙で濡れるのも構わず、出てくる声を押し殺し、自分自身を抱える様に、みゆきはただ一人泣き続けた。
690純愛〜みゆきの願い〜 7:2008/11/24(月) 19:46:30 ID:i31R1pPR
どれだけ泣いていたのか、辺りはすっかり暗くなっていた。
みゆきは泣き腫らした目を軽く洗い、書類を片付けて昇降口へと向かった。

(遅くなってしまいました…)

人の気配が微塵もない昇降口をくぐり、校門へ向かって行くと、門に寄り掛かるように立っている一つの影が見えた。

(…どなたでしょう?)

そう思いながら歩いていくと、よく見えなかった顔がだんだんハッキリしてくる。
随分と見慣れた顔がそこにあった。
その影は安心したような笑顔を携えて、みゆきの横へやってきた。

「みゆきさんお疲れ様。遅いから心配したよ」
「…○○さん? どうしてここに…?」

みゆきがそう言うと、ほんの少し困った顔をしながら○○が呟く。

「あ〜、うん、なんだかみゆきさんの様子がおかしかったからさ。その…、心配で待ってたんだ」

そう呟く○○の顔は、暗くてよく分からなかったが、言葉の端々から照れているようにみえた。

「様子…、ですか?」
「うん、なんだか思い詰めてる気がしたんだ」
691純愛〜みゆきの願い〜 8:2008/11/24(月) 19:49:17 ID:i31R1pPR
みゆきは驚いた。想いを押殺している雰囲気が僅かに出ていたのだろう。
何より驚いたのは、その僅かな変化を、○○が感じ取っていた事だった。

「ホントに大丈夫? 俺で良かったらまた力になるよ? …もう一回ミスコン出るとか?」
「ち、違います! もうあんな恥ずかしいのはイヤです…」
「そう? みゆきさん綺麗だったよ」

事も無げにそう言う○○を、みゆきは頬を赤くして抗議する。
暗くて互いの顔がよく見えないのが救いだった。

「そんな…! 私なんて、…綺麗じゃないです…」

どこか哀しみを帯びた否定の言葉に、○○は首をかしげる。

「…大丈夫ですよ。大した事ではありませんから…」
「う〜ん、なら良いんだけどね。じゃあこれ以上遅くならない内に帰ろうか? 送っていくよ」
「え? だ、大丈夫ですよ。そんな送って頂かなくても…」
「いいから。ほら、早く帰ろう?」

そう言いながら、○○はみゆきの手を引き歩き出す。
その握られた手から伝わる温もりと優しさに、みゆきの心は辛く締め付けられた。
692純愛〜みゆきの願い〜 9:2008/11/24(月) 19:52:39 ID:i31R1pPR
(…ダメです。このままでは私…)

想いに気付かれてはいけないと押し殺していた感情が、○○の温もりで引き出されそうになる。
そのまましばらく歩いていると、おもむろに○○が話し掛けてきた。

「見て、みゆきさん。凄い星空だよ」

そう言われて見上げると、とてつもない星空が煌めいていた。心なしかいつもより多く、綺麗に見えた。

「あ! 流れ星!」

○○が指す方を見ると、確かに一筋の光の尾が消えていくのが見えた。
ふと○○を見ると、何かを懸命に祈っている。

「お願い事ですか?」
「うん、ちょっとね。叶うと良いんだけどな」

そう言いながら、○○は照れくさそうに笑う。

「何をお願いしたのですか?」
「え? あ、う〜んとね…」
「?」
「…『みゆきさんの悩みが解決しますように』…って。その…、何に悩んでるか分からないけど…。
自分に出来るのはこれくらいかなって…」

照れ笑いする○○の言葉を聞いて、みゆきは心がさらに締め付けられる。

――いつもこの人は優しくて――
――だけど、その優しさが私を苦しめている――
――だったら、いっそ――
693純愛〜みゆきの願い〜 10:2008/11/24(月) 20:08:21 ID:i31R1pPR
「…○○さん」
「どうしたの?」
「お願いが…あります」

みゆきの強い口調に、○○は改めてみゆきに向かい合う。

「…私の事を『嫌いだ』と言って下さい」
「……何だって…?」
「私を、嫌って下さい。…そうすれば、私の悩みは無くなりますから…」

そう言うみゆきの目は真剣そのものだった。



○○は、みゆきからの言葉に呆然としていた。

(『嫌いだ』なんて…、嘘でも言えないよ…)
(…好きな娘に、そんな事…)

そう、○○もみゆきに想いを抱いていたのだ。
時間のループが見せたみゆきの様々な顔が、いつしか○○の心を埋め尽くしていた。

しばらく考えて、○○は決意する。

「…分かった。それで、みゆきさんの悩みは無くなるんだね?」
「…はい…」
「…じゃあ…言うよ。俺は…みゆきさんが――」
694純愛〜みゆきの願い〜 11:2008/11/24(月) 20:13:46 ID:i31R1pPR
みゆきはギュッと目を瞑り、○○から伝えられる言葉を待っていた。
だが、○○からの言葉がこない。どうしたのかと思っていると、自分を暖い何かが包んでいるのを感じた。
早い鼓動、すぐ側に感じる○○の息遣い。
みゆきは○○に抱き締めていると気付くのに、しばらくの時間を要した。

「…え? ○○さん…!?」
「…よく聞いてね。俺は…、みゆきさんが好きだ。一人の女性として、大好きだ」
「…だから、嘘であっても、『嫌いだ』なんて言えないよ…」

○○から感じる鼓動が、その言葉が嘘ではない事を物語っていた。

「…ダメです…、そんな事…。○○さんにはもっと相応しい方が…」
「自分が好きな人以上に相応しい相手なんかいないよ。…みゆきさんは、俺が…嫌い?」

みゆきは言葉に詰まる。このまま○○の腕の中で想いを伝えたかった。
だが、浮かぶ親友の顔が、それをさせてはくれなかった。
答えのないみゆきの雰囲気を感じ取り、○○はゆっくりと話し掛ける。

「俺はね…、こう思うんだ。『他人の知っている自分と、他人の知らない自分が自分自身の中に居ても良い』って」
「今までのみゆきさんは、きっと『こなたさん達が知っているみゆきさん』だったと思うんだ」
「だから…、俺にだけ教えて欲しい。こなたさん達の知らない…、誰も知らないようなみゆきさんを」
「そのみゆきさんが出した答えなら、例え何であっても、俺はそれを受け入れるから」
695純愛〜みゆきの願い〜 12:2008/11/24(月) 20:18:25 ID:i31R1pPR
自分の胸で俯いているみゆきをまっすぐに見つめながら○○は告げる。
やがてみゆきは、○○の腕の中で、心から絞り出すように呟く。

「…ご存じですか…? 泉さん達も○○さんが好きなんですよ…。つかささんも…、かがみさんも…。
……私は、泉さん達が大好きなんです……! 大切なお友達なんです…。もし、皆さんといがみ合うような事になったら――」
「そんな事ならないよ」

○○は、微かに震えながら消え入りそうに呟くみゆきを、優しく撫でながら否定する。

「みゆきさんは3人がみゆきさんを嫌うと思う? お互いこんなに大切に思ってるんだよ?」

そう言って○○は自分の携帯からメールの画面を呼び出し、みゆきへ渡した。
696純愛〜みゆきの願い〜 13:2008/11/24(月) 20:21:39 ID:i31R1pPR
『みゆきさん何だか様子が変だったから、○○くんみゆきさんを支えてあげなよ。みゆきさんきっと喜ぶから。
フラグゲットでイベントCGゲットのチャンスだよ!

こなた』
『みゆき様子が変だったから、一緒に帰ってあげなさいよ。
アンタみゆきが好きなんでしょ? 男を見せなさいよ!

かがみ』
『ゆきちゃんと一緒に帰ってあげて? なでなでしてあげると元気出ると思うから。
…ゆきちゃんをお願いね。

つかさ』


それは自分を心配してくれる3人からのメールだった。
メール画面を見ながら、みゆきは口に手を当てて涙を流していた。
親友からの思いに、その優しさに、涙が止めどなく溢れてくる。
そんなみゆきに、○○は優しく語りかける。


「俺はこなたさん達の気持ちには応えられない。だって、俺はみゆきさんが好きなんだから。
いつも優しくて…、笑顔が素敵で、…怒るとちょっと怖くて。そんなみゆきさんが好きなんだ」
「こなたさん達には俺がちゃんと伝えるよ、『ゴメン』って。だから、みゆきさんも、みゆきさんの心のままを応えて欲しい」
697純愛〜みゆきの願い〜 14:2008/11/24(月) 20:23:48 ID:i31R1pPR
○○の言葉を聞き、震えるみゆきの手が○○の背中に回される。

「好きです…。大好きです…! ずっと、ずっと前から――!」

そう言いながら、みゆきは○○の胸に顔を埋めた。
『ありがとう』と『ごめんなさい』がみゆきの心を駆け巡る。
こんなに好きでいてくれる○○に『ありがとう』を。
心配してくれた親友達に『ありがとう』を。
こなた達の想いを知りながら、自分の想いを伝えてしまった事に『ごめんなさい』を。
喜びと罪悪感を感じながら、みゆきは涙を止める事が出来なかった。

「そんなに泣かないで。…お願いだから…」
「す、すいません…。すぐに…、泣き止みます…か、ら…」

そう言いながら、一向に泣き止む気配のないみゆきに、○○は思い切った行動に出る。

「眼鏡…、外すね」

そう言って眼鏡を取ると、不思議そうに顔を上げるみゆきの唇に、自分の唇をあてがった。

「んぅっ!? んむ〜…」

目を白黒させながら、突然の感触にみゆきは慌てた。

「…っぷは! …はぁ…はぁ…」

みゆきには永遠とも感じられる時間が、唇から温もりが離れる事で終わりを告げる。
698純愛〜みゆきの願い〜 15:2008/11/24(月) 20:26:26 ID:i31R1pPR
「…泣き止んだ?」
「…は…い…」

ポ〜ッっと頬を赤らめ、涙とは違う意味で目を潤ませてみゆきがうなずく。

「ゴメンね…。どうすれば泣き止んでくれるか分からなくて…。ビックリしたら泣き止むかな〜? …って」
「あの…、しゃっくりではないので…」

控え目なみゆきのツッコミに、二人は柔らかく微笑む。

「みゆきさん…、愛してるよ…」
「…『みゆき』が良いです…。そう、呼んで下さい…」
「みゆき…」

優しく名前を呼びながら、二人の距離は再びゼロになる。
突然ではないキス。伝えたい想いを温もりに込めて、心の全てが伝わるように唇を重ねる。

「…叶わなくて…、良かったです…」
「ん? どういう事?」
「うふふ、何でもありませんよ」

そう言いながら、みゆきは空を見上げた。
二人を祝福するように、星達がより一層輝いている。

「綺麗ですね…」
「そうだね。…あ! また流れ星だ」

星の煌めきの間を縫って、一筋の光が流れていく。

「「……」」

二人は目を閉じて願いを唱える。
699純愛〜みゆきの願い〜 16:2008/11/24(月) 20:32:02 ID:i31R1pPR
「みゆきは何をお願いしたの?」
「え? ひ、秘密です!」
「教えて欲しいなぁ。ダメ…かな?」
「そ、そんな哀しそうな顔で聞かないで下さい…」
「あはは、ゴメンゴメン」
「…もう…、いじわる」
そう言うと、みゆきは顔をそっぽを向いてしまった。

(――○○さんとずっとずっと一緒に居られますように――なんて、恥ずかしくて言えません…)

恥ずかしそうに、背中に回していた手を解いて身体を離す。

「帰りましょうか? 遅くなってしまいますから」

そう言ってみゆきは○○の手をとり歩き出す。
700純愛〜みゆきの願い〜 17:2008/11/24(月) 20:34:08 ID:i31R1pPR
「っと、待ってよみゆき!」



叶う願いと叶わない願い。
それは星が選んでくれているかもしれない。
そうならば――と、みゆきは願う。

(この言葉だけは…、いつも○○さんに伝わりますように…)

「○○さん――」

願いと想いを言葉にのせ、星の輝きに負けない笑顔で振り返りながら、みゆきは告げた。





「大好きです!」

FIN
701ゆう:2008/11/24(月) 20:37:52 ID:i31R1pPR
以上で本編の投下を終了致します。

それでは、ついでではありませんが、オマケを投下致します。
先ずは通常verから投下致します。
702純愛〜みゆきの願い(オマケ)〜 通常ver 1:2008/11/24(月) 20:41:40 ID:i31R1pPR
「大好きです!」



二人の想いが通じた翌日、○○はみゆきと屋上でお昼を食べていた。

「はい、○○さんどうぞ」
「あ、あ〜ん」
「うふふ、美味しいですか?」
「美味しい! みゆき料理も上手なんだね!」
「いえ、これは知り合いのシェフの方に昨日教わったので…」
「シェフに? 凄いな」
「いえ…、○○さんに食べてもらうのですから…。美味しくないと…イヤじゃないですか」
「…みゆき…、ありがとう」
「○○さん…」

周りに誰もいない事を確認し、二人の間がだんだん近付いていき、いざゼロになろうとした瞬間。

「先輩〜! こなたお姉ちゃんが呼んでま――」
「!!」

突然屋上入口からゆたかがやってきた。やろうとしていた事が事だけに、
ビックリした勢いでお互いの唇を思いっ切りぶつけてしまう。

「――せんでしたぁ…。ど、どどどどうぞごゆっくり!」

ゼンマイ仕掛けの人形のように、角張った動きでゆたかはUターンしていった。
703純愛〜みゆきの願い(オマケ)〜 通常ver 2:2008/11/24(月) 21:00:23 ID:i31R1pPR
「…見られちゃいましたね」
「…うん、おまけにビックリしてキスしたから、かなりディープな感じに見えたかも…」
「…どうしましょう…」
「それはもう一回キスしたいって事?」
「え!? …は、はい…」

○○はみゆきの眼鏡を優しく外し、髪を梳しながら再び距離を縮めていく。
お互いの吐息を肌で感じる距離になった瞬間。

「みゆきー。委員会の書類は――」
「!!!!」

計ったかのように入口からかがみが入って来る。
2回目は無いと油断していたせいか、突然の訪問者に驚いた○○はバランスを崩しみゆきを押し倒してしまう。

「――用意しとくわ。…ほどほどにしときなさいよ…」

落ち着いているように振る舞いながら、顔を真っ赤にしたかがみは、
足取りもおぼつかないまま屋上から出ていった。

「…厄日なのかな、今日は」
「……」
「ん? みゆきどうしたの?」
「いえ…、この状況が…」
「…あ! ゴ、ゴメン! すぐに退くよ!」

身体を起こそうとした○○を、みゆきは手を掴んで止める。

「みゆき?」
「…その前に、ちゃんとキス、して…下さい…」
704純愛〜みゆきの願い(オマケ)〜 通常ver 3:2008/11/24(月) 21:03:57 ID:i31R1pPR
頬を赤らめながら、横になったままみゆきは目を閉じる。
その姿に○○は胸が高鳴った。

(…綺麗だ…。みゆきを好きになって、良かった…)

眠れる森の美女にキスするかのように、○○はみゆきの唇へ近付いていく。
二人の影が一つになろうとした瞬間。

「みゆきさ〜ん! チチくりあって――」
「○○くん、エッチはダ――」
「ウチより先に結婚は許さへ――」
「!!!!!!」

かがみ達から話を聞いたのか、こなたとつかさと黒井先生が続々と屋上へやってきた。
3回目を警戒する前に、みゆきに見とれてしまった○○は、突然の乱入に驚きバランスを崩して手をつく。

――ムニュ――

――その瞬間――世界が凍った――

「きゃああぁぁぁぁぁぁ!」
「ゴ、ゴメンみゆき!」
「え、あ、いえ、いきなり過ぎてビックリしただけなので…。その…、イヤではないです…」
「え…、…うん…ゴメンね」

恥ずかしながら見つめ合う二人を、こなた達は凍り付いたまま眺めていた。
705純愛〜みゆきの願い(オマケ)〜 通常ver 4:2008/11/24(月) 21:05:40 ID:i31R1pPR
「しょせんは巨乳が勝ち組か…」
「こなちゃん、貧乳はステータスじゃなかったの?」
「勝負に負けちゃ意味がないんだよ。…まぁ、素直に祝福してあげようか」
「そだね。あの二人とってもお似合いだもん…」
「ま、説教は私達からのプレゼントって事で。では、黒井先生よろしく〜」

その後、桃色空間を作り上げ続ける二人は、黒井先生による涙と嫉妬の説教を3時間程くらったのはまた別のお話。


FIN
706ゆう:2008/11/24(月) 21:07:29 ID:i31R1pPR
短いですが、通常verの投下を終了致します。

それでは、続けて別verの投下を致します。
707純愛〜みゆきの願い(オマケ)〜 別ver 1:2008/11/24(月) 21:09:22 ID:i31R1pPR
黒井先生から血涙付きの説教をくらった翌日。
相変わらず屋上で桃色空間を展開し続ける二人に、入口から複数の視線を送る影があった。

(二人が上手くいったのは良いんだけどさ〜)
(こうもあからさまに桃色空間作られるとね…)
(…どんだけ〜)

こなた、つかさ、かがみの3人は、入口から息を潜めて二人を観察していた。

(…確かに○○くんには、ハッキリとフラれちゃったけどさ)
(諦められる訳ないじゃない! いくらみゆきでも、これは譲れないわよ!)
(お、お姉ちゃん声が大きいよぉ…)

目に力を入れて燃え上がるかがみに、こなたは提案する。

(かがみんも諦めてないんだね? じゃあ話は簡単だ)
(? こなちゃんどうするの?)
(…決闘だよ! ○○くんを賭けて勝負を申込むのだよ!)
(血糖?)

――ズンッ!

つかさはかがみの当て身をくらい、その場に崩れ落ちる。
708純愛〜みゆきの願い(オマケ)〜 別ver 2:2008/11/24(月) 21:11:33 ID:i31R1pPR
(その手のネタ2回目よ)
(何でかがみが知ってんのさ)
(気にすると危険よ。それよりも早くも一人脱落ね)
(でも、みゆきさんにはこんな力づくは通用しないよ)
(じゃあどうするのよ? 何か手はあるの?)

そう聞かれてこなたはポケットからトランプを取り出す。

(前回のリベンジを兼ねて、ポーカーで勝負しようと思ってね)
(アンタ前回ボロ負けしたじゃない。結果は同じじゃないの?)

かがみがそう言うと、こなたは口の前で指を振る。

(チッチッチ。私が2度も失敗する訳ないじゃん。はい、かがみ)
(何よ、この伊達眼鏡は?)
(これを付けると、カードの裏から絵柄が見えるんだよ)
(…イカサマかよ…)
(○○くんを奪う為には手段なんか選んでられないんだよ!)
(まぁ…いいけどね。じゃあ…、行くわよ! 『○○くん奪還作戦』開始!」

『恋は盲目』とはよく言ったものである。奪還も何も○○は望んでみゆきの隣りに居る訳だが、
もはやこなた達には、そんな事も見えなくなっていた。
709純愛〜みゆきの願い(オマケ)〜 別ver 3:2008/11/24(月) 21:13:43 ID:i31R1pPR
入口を勢いよく開けて、二人は桃色空間の中へ突入する。

「「みゆき!(さん!)」」

突然の訪問者に、若干驚きながら○○達はこなたとかがみを見る。

「どうかなさいましたか?」
「みゆきさんに勝負を申込みに来たんだよ。…○○くんを賭けてね!」
「お、俺?」
「今からこのトランプでポーカーをやって、勝った人が○○くんの彼女になるんだよ」
「いや、待ってくれよ。俺の意志は――」
「ないわよ。諦めなさい」

かがみにピシャリと言われて、○○はスゴスゴと押し黙る。

「――どう? みゆきさん。この決闘受ける気はある? …それとも逃げるのかな?」

不敵な猫口笑みを浮かべながら、こなたが挑発する。
そんな様子を見ながら、みゆきは怖じ気付く様子も無く、微笑んだままうなずく。

「えぇ、やりましょう」
「みゆき!?」
「ご安心を。このゲームは得意ですから」
「…でも――」
「私を信じて下さい。…大丈夫、必ず貴方の元へ戻りますから…」
「…みゆき…」
「あぁもう! 桃色空間展開しないでよ! ほら、さっさとやるわよ」
710純愛〜みゆきの願い(オマケ)〜 別ver 4:2008/11/24(月) 21:18:28 ID:i31R1pPR
そう言いながらカードを配ろうとするかがみとこなたに、みゆきが声をかける。

「ところで――」

その瞬間、○○は時間の流れに『違和感』を感じた。

「何故こんな伊達眼鏡をかけているんですか?」

そう聞くみゆきの手には、さっきまでかけていたはずの、イカサマ眼鏡が握られていた。

「…そんなバカな!?」
「何がですか? 泉さん。…これがないと、何か『不都合』でもあるのでしょうか?」

顔は笑っているが、みゆきの目は一切笑っていなかった。

「一体いつの間に? まさかみゆきさん『ザ・ワールド』を――」
「何の事でしょう? うふふ…」

不敵に笑うみゆきに、二人はたじろぐ。

「どうされました? …やはり決闘は止めますか?」

みゆきからのお返しと言わんばかりの挑発に、二人は引き下がれなかった。
711純愛〜みゆきの願い(オマケ)〜 別ver 5:2008/11/24(月) 21:20:02 ID:i31R1pPR
「今度こそ絶対私が勝つんだよ!」
「止めないんだから!」

二人の返事に、眼鏡と目の奥を光らせてみゆきが笑う。

「――よろしい、ならば戦争だ」

その後、こなたとは『7カードポーカー』で、かがみとは『テキサスホールデム』で対決し、
どちらもみゆきのロイヤルストレートフラッシュで叩き潰したのは、また別のお話。


FIN
712名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/24(月) 21:34:01 ID:omqGsZGE
毎度毎度あなたのSSはずこすぎる!!
前にも言ったけどGJ!!
713ゆう:2008/11/24(月) 21:36:48 ID:i31R1pPR
以上でオマケ別verの投下を終了致します。

御意見、御批判などありましたら、是非お聞かせ願います。

また、リクエスト等もありましたら、精一杯書かせて頂きますので、遠慮なく申し付け下さい。

では、失礼致します。
714牛乳帝国:2008/11/24(月) 21:39:01 ID:1aq4Hy4t
感想のときはコテつけます。
みゆきさんがDIO様と化した・・・・・・。
黒みゆきさんはゲームの要素のひとつだよね〜。
とにかくGJ!!
715名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/24(月) 21:52:19 ID:E5MiGdav
GJすぎるッス・・・
というか何故そんなに凄い小説書けるんだ・・・羨ましすぎる
とりあえず黒いみゆきさんは敬意を表してピンクの悪魔とよb(ry

716名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/24(月) 22:23:32 ID:gvkRbf3+
相変わらず、見事な文章力でした。
しかし、みゆきさんはヒロインだった場合でも黒くなるのかwいいぞ。もっとやれ。


ところでひかげちゃんをリクエストしたいのですが、やはり難しいでしょうか?
717名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/24(月) 22:48:26 ID:xJhlwiby
俺もひかげちゃん希望
718名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/24(月) 23:08:29 ID:FMlsldxT
GJすぎです!!!!今回も楽しく読ませてもらいました。
719名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/24(月) 23:08:50 ID:c4EJMcHR
ひかげと言えば前にひかげルート書こうとしてた人はどこへ行ったんだろう。
720名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/24(月) 23:22:04 ID:PyC/lvK6
GJ! >>696を見たときから涙が溢れ出ていたのに別verで見事に笑いに変わったよ なんていうか優しい文面だよね 乙でした!
721名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/25(火) 11:32:41 ID:de2JKrjy
>>713
今回も乙!もう俺は完全にあなたのファンになってます
>>683見た瞬間に「新作キタ━゜∀゜━!」って(心の中で)叫んだ)
今回は>>685で早くも泣きそうになって>>696で涙腺崩壊……
だから俺は道化演じる娘にゃ弱いんだってば
みゆきさんも含めてみんな友達思いにもほどがあるぜ

オマケも相変わらずのクオリティでした
ゆーちゃんは今月のコンプを彷彿とさせるバッドタイミングw
そして別バージョン、お前らスーチーパイか何かかw

ところで俺もひかげちゃんが見たいです……難しいだろうとは思うけど
722名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/25(火) 12:52:06 ID:zJbIGfQ/
>>669

一言で言えば、
「2ちゃんへ投下する作家たるもの、『投下装置』に徹するべし」
という。

出る杭は打たれる2ちゃんねるでは、自衛策でもある。
切ない話だが。
723名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/27(木) 02:11:23 ID:DjvnYqd/
「郷に入れば郷に従え。」今、このスレがそんな投下装置だとかそういう
冷たい状況から離れて、明るく暖かい雰囲気になってるのがわからんのか。
なぜいちいちそんな事を言う必要がある?正直いって、浮いてるぞ?
「作家が書いて、褒めて、アトバイスして、そして書く。」そんな雰囲気を
「書く、見る。書く、見る。話すといえば、批判だけ。」にしたいのか。

馴れ合いが嫌とか、そういう雰囲気が嫌いだとか。勝手な事言うな。
みんなが仲良くやってんだから、嫌ならスルーすればいいだろ?
なにもお前が思ってるとおりのスレにする必要はないし、
多分、みんなもそうするつもりはないだろうさ。
このスレの主人公はお前だけじゃない。みんな主人公なんだよ。

もう一度、このレスの始めに描いたことわざを見て欲しい。
自分のやってることの愚かさに気づいてくれ。みんな仲良くやりたいんだ。
だからといって出て行けだとか、そういう事が言いたいんじゃない。
お前も一緒に仲良くやろうぜ。このスレは平和なスレであって欲しいんだよ。

長文スマン。最近、このスレの雰囲気が
悪くなってる気がしたから長話してしまった。
これ以上は雰囲気悪くするから何も言わないけど、
どうかこのスレの平和を乱さないで欲しい。
724名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/27(木) 02:28:00 ID:rzYpcUvO
自己主張や馴れ合いが嫌なら
http://www9.atwiki.jp/ryouohgakuen/
↑だけを見てればいいだけの話かと。ここでも一応感想は書けるんだしね。

とゆう事で話を丸く治めていただきたい。
725名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/27(木) 02:51:39 ID:DjvnYqd/
>>723
ちょっと言葉にトゲを入れすぎた。
気分を害したならスマン。
ただ言いたいのは仲良く平和にやろうぜってこと。
まったり、ゆる〜りと、ね。
726名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/27(木) 14:20:50 ID:DJ771c7G
まぁ別にどんな話書いても良いけどさ、少なくとも俺は台本形式の奴は読まないよ?
727名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/27(木) 15:48:48 ID:2owGHPVL
>>726
だからそういうのを言わないほうが良いんだって^^;
728名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/27(木) 21:41:14 ID:fJ9QHiQm
まあ感想くらいは自由に書いていいとは思うが
あまりに汚い言葉じゃなければ
729名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/27(木) 22:40:18 ID:DjvnYqd/
うん。「感想」はいいと思う。
それが「文句」でなければだけどな。
730名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/28(金) 00:50:51 ID:KjUmtzX7
横からはいるが、そろそろこういう話題は終わりにしないか?
この手の話題は下手すると延々と続くわけだし、
書き手も投下しづらい空気になるし




731名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/28(金) 01:11:04 ID:/Bsz8sNB
こんな話題でもないとこのスレは伸びない。
正直エロパロ板の盛況がうらやましい。
732名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/28(金) 01:15:15 ID:IV2XY2Uq
こっちはこっち
あっちはあっち
あっちは盛況してるとかそんなのどうでもいいだろ
733名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/28(金) 10:06:25 ID:stOHlqIr
あっちはあっちで、メアリスーとかマニアックすぎるネタには手厳しいけどな。
冒頭に注意書きをつけるとか、読みたくない奴がスルーしやすい体制を
作ったおかげで落ち着いた。今はずいぶん丸くなったほうだよ。
734天狗 ◆xj9kZVf0gU :2008/11/28(金) 19:16:36 ID:G137ZX+R
どうも、お久しぶりです
駄作ですが書いたので投下します。
735天狗 ◆xj9kZVf0gU :2008/11/28(金) 19:17:52 ID:G137ZX+R
あ、こなたモノです。
736名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/28(金) 19:18:39 ID:G137ZX+R
「劇終わったな」
そう、転校してすぐに桜藤祭で行う劇の手伝いをすることになった。
道具作りや進行を手伝ったりして忙しかったけど、そのおかげで転校してすぐに友達が出来たりと充実した日々が送れた。
それでも、心残りがあるとすれば一つ……



「なんだ、ここにいたんだ」
寝転んでいると、急に声が聞こえた。
「結構捜したんだよ」
「ちょっ!?なに!?なんでいきなりーっ!?」
そこには、こなたさんがいた。俺には本当にこなたさんが何故ここにいるのか理解出来なかった……
737名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/28(金) 19:19:39 ID:G137ZX+R
「はぁ、何やってんだろ俺…」
かがみさん達がお膳立てしてくれたのに結局こなたさんと仲直りが出来なかった。
「これから、どうしよう…」



結局、士郎役は別の人がやることになった。
俺は償いというか、申し訳ない気持ちでいっぱいで他の作業を精一杯、それこそ人の何倍も頑張ってみたと思う。
それでも、なんとなく気まずい雰囲気で今まで過ごして来た。
だから、なんでこなたさんがここにいるのかわからなかった。
738名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/28(金) 19:20:32 ID:G137ZX+R
「むぅ、そこでトボけるか。さすが主人公、この甲斐性無しめ」
「えっ、だから、なんで!?」
素直な疑問しか口に出来なかった。たぶん、なんとも言えない表情をしていたんだろう、こなたさんがクスクスしながら
「ねぇ、劇やってみない?」
「は?」
「ここ、選択肢無いよ。あってもイエスかハイの2択だよ」
「劇って、俺は練習だって途中で投げ出したわけだし……」
「トボけたってムダムダ、ちゃんと見てたんだよ。○○くんが人一倍みんなの手伝いしてたこととか、劇の練習だって真剣に見てたじゃん…だから出来ないなんて言わせないよ」
こなたさんの有無を言わさぬ雰囲気、ではなくていつものように、こなたさんのペースに流されて、結局セイバーと士郎のシーンを2人でやることになった。
それは、ただ台詞を言いあってるだけのものだった。
そして例のシーンになろうとした。
739名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/28(金) 19:21:43 ID:G137ZX+R
「こなたさん、次のシーンって…」
「シーン58?ここからは動きもつけてやるよ」
俺がこなたさんと気まずくなった理由、だけどお構いなしにこなたさんは進めていく。
「最後に1つだけ伝えないと」
そう、次の台詞を言ったら…
「○○、貴方を愛してる」
「えっ…こなたさん、台詞違う……」
こなたさんは士郎といわずに俺の名前を言った。
「もう、空気読んでよ」
「え〜と、ごめん…けど、いろいろいきなりすぎて頭がついてかないというか……」
「むぅ、ここまでニブいとは、さすが主人公」
こなたさんが大きく深呼吸をする。
「だから、フラグはとっくに立ってたんだって!!私は君のことが好きになってたの、ここまで言ったらわかるでしょ?」
俺はとっさにこなたさんを抱き締めた。今度こそ空気を読んだつもりだった。
「ごめん、ちょっと痛い」
やっぱり読めてなかった。
「ごめん……えっと続きする?」
「もう……こういう時は男がリードするもんでしょ?……けど、初めてだから許す」
そして、こなたさんが目を閉じて俺は……
740天狗 ◆xj9kZVf0gU :2008/11/28(金) 19:23:45 ID:G137ZX+R
以上です。
短いですが、読んでいただいた方がおりましたら幸いです。
741名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/28(金) 21:23:33 ID:XXICVsgD
乙だ。ところでそろそろ容量がヤバイな。
742名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/28(金) 21:46:53 ID:WRAV549Y
あとは新スレ建ててまとめスレにSS移動かな
743名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/28(金) 21:59:37 ID:/Bsz8sNB
なんだかんだで5スレ目か。
よくここまで続いたな。
744名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/28(金) 22:19:08 ID:N04rQEBq
最近ROMってばかりで投稿してないなぁ。
5スレ目になったら何か投稿するかな
745名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/29(土) 14:56:32 ID:cpm/69oW
>>740
GJです。
何だかんだで約をやりとげたのを前提にしてるSSが多い中
こういう物は新鮮でした。

次は劇失敗Verも見てみたい様なw
746名無しくん、、、好きです。。。:2008/11/30(日) 13:15:33 ID:Gjid+w2O
4スレ消化か・・・
1スレ目の過疎期にクソSSを垂れ流した身としてはまさかここまで続くとは
747名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/01(月) 06:35:42 ID:ah9aESZM
建てようと思ったらやり方がわからない
748龍二:2008/12/01(月) 14:49:59 ID:wZXp11Cj
なぜかアク禁をくらった龍二です。
今は友達のWiiで書き込んでいますが、
ウチのパソコンでは書き込めないので、
最新話が投下出来ない状況です。

SSを投下する際、書き手の方は何十回も連続で
書き込みする事になると思いますが
それを「荒らし」と誤認される事があるようです。

書き手のみなさまもご注意下さい。
龍二でした。

追記

最新話はアク禁が解除されるまで
お待ち頂ければうれしいです。
749名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/02(火) 00:40:18 ID:sYeZGWh+
>>龍二さん
お待ちしています。
しかし誤認されるってのはキツいですね。
何とか誤認されないようにする方法はないんでしょうか?
750名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/03(水) 12:25:40 ID:hcbnP5fY
レス数を減らしゃいいんじゃね?
つまり書き込み限界までギッチリと詰めてから投下
751名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/03(水) 15:40:43 ID:a0Q2xTe2
運営を倒すしか道はない
752名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/03(水) 16:17:49 ID:PdVJDhvz
test
753龍二:2008/12/03(水) 16:24:13 ID:PdVJDhvz
↑ すみません、アク禁が解けたかのテストです。
アク禁解除されたみたいです。

限界までつめるとありますが、
それをやったら「改行が多すぎる!」という警告を受け、
二、三回やってしまうと何時間か書き込み禁止になるんです。

最高書き込み字数もよくわからないので、
書き手のみなさんもオレも余裕を持たなければいけなくなり、
結局、多大なレス数が必要となってしまうのです。

ですが、「一回一回の投稿量を減らす」という対処法があるので、
自分はその方法を使おうかと思います。

書き手のみなさんもご注意ください。
754名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/03(水) 16:45:34 ID:bv0m2g4i
>>753

それは通称「バイバイさるさん」じゃないですかね。

短時間での連続投稿は禁止行為になっているので、投稿に失敗したからといって
すぐに投稿を繰り返すとそうなりますよ。
板によって違うけど、長いところで120秒、短いところでも30秒は間をおかないと
そうなります。
ほかにも、行数/文字数/先頭行が改行のみ、など、制限はいろいろあります。
いちど調査されるといいかもしれませんね。
755名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/03(水) 17:06:10 ID:Bldfx5Yf
>>753

この板(ギャルゲー板)の設定情報はこちら。
ttp://schiphol.2ch.net/gal/SETTING.TXT
設定情報の読み解き方。
ttp://kobe.cool.ne.jp/r_030/2ch_jikken/SETTING.htm

この内容からすると、
・タイトルは24文字以内
・1レスあたり32行以内
・文字数は1024文字以内
・投稿ボタンを押した後(成功でも失敗でも)次を押すまで最低10秒空ける

これで問題なくいけるはず。
756龍二:2008/12/03(水) 17:06:57 ID:PdVJDhvz
そうです。「バイバイさるさん」です。

勉強不足だったようなので、
もう少しこの板の調査をしてきます。

お騒がせ致しました。
757名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/03(水) 20:32:27 ID:UHbGiK00
1024文字は正確じゃない(全角文字ばかりとは限らないから)

この板の場合、
名前欄は48Bytes(半角48文字)まで。
メル欄は48Bytes(半角48文字)まで。
本文は2048Bytes(半角2048文字)まで。

全角文字はsjisで換算されて2Bytes/文字。改行は6Bytes。
実体参照は文字に変換されないので入力したそのままの文字数。&hearts(半角で♥)は8Bytes。
文字の一部は実体参照に逆変換されるから余分にBytes数を食う。< >は4bytes/文字、"は6Bytes/文字。

>>756
専ブラ使ったら?モノによるけどちゃんと文字数のカウントやってくれるから楽だよ。
連投防止機能が付いているものもあるし。
758名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/03(水) 23:16:16 ID:YKF/EZCn
ここは他のssスレみたいに投下時に支援を頼むとかはしないの?
759名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/04(木) 09:07:32 ID:x2e7todV
>>753
限界まで詰めるってのは改行限界まで詰めるって事だ
そんくらい少し考えればわかるだろ
あと話をブツ切りで投下するくらいなら全部完成させてからtxtでロダに上げとけ
これが一番早くて簡単で負担がかからん
760龍二:2008/12/04(木) 18:53:04 ID:4GfgCHaN
>>759
すみません。説明が足りませんでした。

「正確な改行限界量が正しくわからないので余裕を持って、
詰め過ぎないようにしないとバイバイさるさんを喰らってしまう」

という事です。

ですが、そちらがおっしゃった通りtxt等で上げる方法も良いかもしれません。
参考にさせていただきます。ありがとうございます。

それと、アク禁になった理由が同じプロパイダの人が荒らし行為を行い、
そのプロパイダに属している人たちがアク禁になったらしく、
オレもその中の一人だった、という可能性が高いそうです。

なので、SS投下が原因ではなさそうです。
無駄に騒いで申し訳ありませんでした。

ですが、いつ本当にSSが原因でアク禁にされるかわからないので、
今回の事件で話し合ったこと、学んだことは心に入れておこうと思います。

申し訳ありませんでした。
761名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/04(木) 23:51:52 ID:PfgzRcTm
>759
どうにも言葉にトゲを感じるなぁ
「少し考えれば分かるだろ」とか言い方がキツ過ぎやしないか?
それに投下方法に関しても書き手の好きな投下方法で良いじゃないか
アンタの言い方だと「俺ルール」を押しつけてるようにしか見えないよ
あんまり上から目線で物を言い続けると
書き手も萎縮して投下し難くなってしまいそうな気がするんだが…
762名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/05(金) 01:03:34 ID:9RMbE/aT
>>759(名護くん)は戦士としてふさわしくない
763名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/05(金) 18:45:53 ID:nNqxNS6Y
みゆきさんってFカップ70くらい?
764名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/06(土) 16:11:29 ID:W2tbEY1s
>>761
すでにこのスレは投下しづらい雰囲気になっている
どうも口が悪いのが多いな
もう少し雰囲気考えようぜ
職人が離れていくぞ
765名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/06(土) 16:15:17 ID:FiGoqqmT
そういう工作員は鼻で笑ってスルーすればOK
気に病んだりスレがおかしくなったらそいつの思う壺
766名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/06(土) 18:51:24 ID:JlR7OXUv
>764、765
すまん、触れた俺がアホだった
俺このスレ好きだからつい…
以後気をつける
767名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/07(日) 08:01:38 ID:0G6LZ8ms
らきらきメモリアルのこなたマジギレ後

ひかげ「こらー○○!!(ひかげは主人公を苗字で呼んでそう。もしくはフルネーム)」
主人公「あれ、ひかげちゃん?」
ひかげ「ちょっとアンタ、今日のあれなんなのよ!」
中略
ひかげ「はあああ!?あたしの顔!?」

私は文に覚えが無いので、できませんが
こんな感じのひかげルートSSを切に希望。
ここの職人達ならばできそうな気がして・・・。
768名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/07(日) 15:12:33 ID:Lm8MWu7G
>>767
いいなw
才能がある。君がそのまま書きなさい
769名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/07(日) 16:29:42 ID:0G6LZ8ms
え、あ、あたしゃダメですわw
晒し上げで言っちゃうと、以前に時かけでひよりやこなたのらきメモ告白シーンに紛れ込んだらってシチュの書いたりしましたけど
心情とかの描写が自分にはでけへんのでSSは書かないことにしたんス・・・orz
770名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/07(日) 16:46:07 ID:sVq2YJnW
このスレは最高だ……


かがみと付き合って家に遊びに行くが、
まつりさんやいのりさん、
みきさんに気に入られ、寝取られそうになり、

嫉妬するかがみんを書いたSS希望
771名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/08(月) 00:09:45 ID:VvTJD6kT
みきさんに寝取られたらただおさんが黙って無いだろうな
772名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/08(月) 00:31:51 ID:yRqY0U7f
>>769
アレお前さんだったのか
本人が書かないことにしたっていうなら無理強いはしないが
俺はあの作品かなり好きだぞ
773769:2008/12/08(月) 01:00:19 ID:GqPrrA16
もう何もかも晒しちゃえw
覚えてないかもしれませんが、前にこうの漫画とかそういうのを書いてたのも
あっしでござんすorz

>>772
ありがたいお言葉、痛みいるっス
774GREN ◆.V03vEgrME :2008/12/09(火) 00:49:57 ID:cdaYUGgY
こんばんわ。みなさん乙です。

久々にネタ受信しました。
ttp://blogs.yahoo.co.jp/homurabe_2000/57639116.html
題して「カッコ☆かわいくネ?」 こなたメインです。

>>767
この書き込み見てから実はちょっと構想練ってたりしてます。
ひょっとしたらお届け出来るかもしれません。
まぁ20日のゆーちゃん誕生日SSや他作品の執筆もしながらなので、早くても年明け…ですらちょっと怪しいかもですが(汗
775名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 09:26:47 ID:YCqDPgXq
乙です!オーバーヘッドて身体能力高いなあ
776名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 12:02:50 ID:HX99Gscm
>>774
GJ!最新刊で明かされた設定を見事に活用してきましたねw
しかし体育の授業中に堂々と恋人応援するとはやるなゆうきw
そしてタイトルは某ゼノグラシアのOP曲ですか?

ひかげルートの構想……だと……?
それは期待せざるを得ない、首を長くして待ちます
今後とも執筆頑張ってください!
777名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 19:22:02 ID:b7uWnkW8
>>770
少し書いてみたのですが…載せても大丈夫でしょうか?
778名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 20:15:01 ID:YCqDPgXq
大丈夫ですよ。
779名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 20:26:28 ID:b7uWnkW8
ありがとうございます。

では書かせていただきます。
書き始めて日が浅いので多少違和感があると思いますがご了承ください。




「ただいま〜!」


「こ、こんにちは…」


俺は今までにないほど緊張していた。
証拠に握っている拳が汗ばんでいるのが自分でも分かるほどだ。


それもそのはず。俺は今、彼女の家に遊びにきたのだから。


このような事態になったのは今日の昼休みが原因だった
780名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 20:29:13 ID:b7uWnkW8

――――――――――――

「お〜っす、今日もお昼食べに来たわよ〜」


かがみがいつものようにお弁当箱を持って俺達のクラスにやってきた。


「むふふ、かがみんや。目的はお昼食べに来ただけじゃないでしょ」


こなたさんが(≡ω≡)こんな顔でかがみを見た。


「うっ…べ、別にいいでしょっ////」

かがみの顔がゆでダコみたいにみるみる真っ赤になっていく。


「かがみんはかわゆいのぅ」

そう言いながらこなたさんがかがみの頭ををなでた。
781名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 20:32:34 ID:b7uWnkW8

「まぁ、かがみさん顔が真っ赤ですよ」


みゆきさんがいつものようににっこりと笑った。


「あはは〜、お姉ちゃん図星なんだぁ」

つかささんも笑顔でからかった。


「そんなんじゃないわよ〜///」/

「ま、まぁこんなもんで勘弁してやってくれ」


かがみが顔を赤らめたまま俯いたので俺がそれを制止した。


「むぅ〜…〇〇君はかがみんに甘いなぁ」

こなたさんが口をとがらせて非難した。
横ではかがみはまだ顔を赤らめたている。
782名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 20:34:15 ID:b7uWnkW8

「あの〜泉さん。そろそろお弁当にしませんか?」


助かった…みゆきさんがナイスタイミングで机を動かし始めた。

「私もお腹ペコペコでお腹と背中がくっついちゃうよ〜」

つかささんのリボンがしゅんとしおれた。
よほどお腹がすいているのだろう。

いつもこんな他愛もない会話が続いているが、少しだけ変わったことがある。


桜籐祭の日、俺はかがみと付き合うことになった。
もちろん今は時間のループもなく、毎日を過ごしている。
783名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 20:43:42 ID:b7uWnkW8

「た、たまたま多く作りすぎちゃったのよ。絶対朝早く起きて二人分作ろうなんて考えてなかったからね////」


かがみは腕を組み、目を反らして言った。
素直に作ったと言えないかがみを見て俺は相変わらずだなぁと思った。

しかし、そんないい雰囲気もすぐに終わった。



「ツンデレきいとぅああああ!」


いきなり叫び声が聞こえたので、何かと思い俺は叫んだ方向をみた。

784名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 20:45:53 ID:b7uWnkW8

……こなたさんだ


こなたさんがこちらを見て目を輝かせている。

「かがみん!デレはいつくるの?」


こなたさんが目を輝かせたままかがみに迫ってきた。

「そんなのないわよ!ってか近いって!」


否定したかったのだろうが、かがみが言い終わる前にこなたさんがかがみに引っ付いので、かがみは剥がそうと躍起になっている。


「どんだけ〜」
「お二人とも相変わらずですね」

つかささんとみゆきさんはその様子を見ても特に驚きもせず穏やかにお弁当を食べ続けていた。


「え、あれ止めなくていいの?」


俺は二人からみゆきさんにへと目を移し尋ねた。


「えぇ、大丈夫ですよ。その内終わりますから」
785名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 20:53:18 ID:b7uWnkW8

みゆきさんはにっこり笑い二人を見ていた。


よく見るとかがみも本気で嫌そうな顔はしていなかった。


俺は少し考えた後、つかささんとみゆきさんがの方へと行き、かがみが作ってくれたお弁当を広げた。

786名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 20:56:04 ID:b7uWnkW8

――――――――――――
「ごちそうさまでした」

お弁当を食べながら二人を見ていたが最後にかがみがこなたさんにチョップをして終わった。


それからというものの、みんなの視線は俺…と下にあるかがみのお弁当へとずっときていた。


「どうだったかな…?」


お弁当にフタをするとかがみが顔を近付け上目遣いで聞いてきた。
その姿はいつも以上に可愛くてドキッときた。


「う、うん。美味しかったよ。特に玉子焼きとか。」

余計な事は言わない方が言わないいとよく聞くが、この一言でまさかかがみの家に行くまでになるとは思わなかった。
787名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 20:58:11 ID:b7uWnkW8

「あ…玉子焼きは…」


つかささんが感想を聞いて遠慮がちに俺の方を見た。

「玉子焼きがどうしたの?」


「玉子焼きだけは私が作ったやつなんだ…自分のお弁当に作ったんだけど余ったから、お姉ちゃんに頼んで〇〇君のお弁当の中に入れてもらったの…」


つかささんは申し訳なさそうにうなだれてしまった。

「えっ?」


俺は慌ててかがみの方を見た、かがみは俺の方を見てなく、ただ下を向いているだけだった。


「かがみ…」


俺は何と声をかければいいか分からなかった。
でも…かがみを泣かせてしまったかも、という罪悪感があった。
788名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 21:00:29 ID:b7uWnkW8

「あはは…やっぱりつかさには勝てなかったかぁ〜」

かがみは自嘲気味に笑い俺の方を見た。
泣いてはいなかのが唯一の救いだった。


「やっぱり私もまだまだね、頑張らないと」

そう言い終わるとかがみは微笑んでいつもの顔に戻った。


「じゃあ、今日は〇〇君好みの味を見つける為にウチに来てもらうからね」


「うーん…ってえぇぇ!?」

ちょっと待て、かがみの家に行く?
なんか事がどんどん大きくなってる気がするぞ。


「文句あるの?」


かがみのツリ目がいつもより上がっている気がする。
内心は怒っているのだろう。
そう察した俺は。

「…ありません…」

…と半ば強引だがかがみの家に行くことになった。
789名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 21:05:39 ID:b7uWnkW8

「よろしい。あ、そろそろお昼休み終わるからクラス戻るね。〇〇君、放課後ちゃんと待っててね。」


そう言うと、かがみはお弁当を持って小走りで自分のクラスへと帰っていった。

「え〜っと…」


少し混乱している頭で後ろを振り向いた。


振りかえると、驚きで目を見開いているこなたさん。
大きな口をポカンと開けているつかささん。
口の辺りを手のひらで押さえているみゆきさんがいた。


「〇〇君フラグ立ちまくってるよ!!」

「えっと…〇〇君がウチに来てそれで…あ〜!」

「こんなことって本当にあるんですね…」


我に帰った三人は思い思いの言葉を口に出した。
790名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 21:10:16 ID:b7uWnkW8

「俺にも何がなんだか…」


俺自身、かがみが何を考えているのか分からないのでどうしようもなかった。


もちろんその後三人から質問攻めにあったのは言うまでもない。

――――――――――――

「〇〇君〜?」


放課後、教室で待っているとドアの方から聞き覚えのある声が聞こえた。

「お〜…じゃあ帰るか?」

「そうね…あ、そういえばみんなは?」


「こなたさんはバイトで…つかささんは用事があるらしくて…みゆきさんは桜籐祭の決算報告だって…」


「そうなんだ…でさ…」


と他愛もない会話を交わしているとかがみが神社の前で突然立ち止まった。
791名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 21:15:49 ID:b7uWnkW8

「ん…?どうしたの?」

不思議に思ってかがみの方へと振りかえる。

「いや、前も話したと思うけど…私のウチ神社だから…」

かがみが呆れたような口調と表情で俺を見た。

「いや、本当に神社だったんだ」

内心少し疑ってはいたが、まさかこんな立派な神社だったとは思わなかった。

「アンタ…信用してなかったのかっ!」

ドスッ

「…かがみさん…お腹にグーパンチは痛いです…」

「まぁ、今日はこのくらいで許してあげるわ」

「は〜い……」

かがみは満足すると神社へと向かった。

俺はお腹を押さえながら付いていった。
792名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 21:23:01 ID:b7uWnkW8

「そういえばかがみの家は4人姉妹なんだよね」


「そうよ、まぁ毎日大変だけど…みんないい姉さん達だよ」


かがみはにっこり笑うと神社を通りすぎ、家へと案内してくれた。


「なんだか緊張してきたなぁ」


家が見えると自分自身の服装をよく見る


「大丈夫だって、ウチには何にも変な事はないと思うわよ…多分…」

最後の多分が気になるがまぁ大丈夫だろう。

「そんな心配そうな顔しなくても大丈夫だって」

そう言うとかがみは家のドアを開けた。


とりあえずここまでです。
よかったら感想お願いします
793名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 21:26:57 ID:x7nDZrpE

続きに期待してます
794名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 22:17:44 ID:XcEYmV9S
いい所でなんという寸止めw
795名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 22:32:11 ID:bcRgteu9
くぅ!
続きが気になって仕事が手につきませぬ!

ゲームの雰囲気出ててよかったと思いますよ(偉そうに言える立場ではないがw)
796名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/09(火) 23:51:22 ID:YCqDPgXq
乙です!いや〜この後の展開が気になりますね〜、続き待ってます!
797名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/10(水) 00:24:44 ID:5HUlpflA
いい感じじゃないですか。
自信持って続き書いて下さい。
798770:2008/12/10(水) 09:09:57 ID:URDVeAas
まさか、本当に書いてくれる人が現れるとは思わんかったw

>>777サンクスです。
続き楽しみにしてます。
799名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/10(水) 09:17:28 ID:q++uu1Fj
乙です。素晴らしい出来じゃないですか。
すげーいいところで次回へ持ち越しとは!
続き楽しみにしてます!
800名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/10(水) 10:05:01 ID:Kfi6hUFv
改行が多いのが少しだけ気になった
801名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/10(水) 10:20:06 ID:q9XTfSzi
―――私は・・・ようた君の事が好きだった・・・?
そうだ!そうだよ!私はようた君の事が好きで、ようた君も私の事が好きだったんだ・・・

でも、何で急に思いだしたんだろう?

ううん、確かめなくちゃ。ようた君も思いだしたのかを。

「こなた!」

あっ・・・ようた君

ようた君も思いだしたの?その・・・えと、私のこ

「こなた」

う、うん%
802名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/10(水) 10:21:19 ID:q9XTfSzi
―――私は・・・ようた君の事が好きだった・・・?

そうだ!そうだよ!私はようた君の事が好きで、ようた君も私の事が好きだったんだ・・・
でも、何で急に思いだしたんだろう?
ううん、確かめなくちゃ。ようた君も思いだしたのかを。
「こなた!」
あっ・・・ようた君

ようた君も思いだしたの?その・・・えと、私のこ
「こなた」
う、うん。
「俺はこなたの事が好きだったんだ!いや・・好きなんだ!」
うん、私もだよっ!
「そう言えば俺たちさ、そのなんだ」
もう、こっちまで赤くなっちゃうじゃん。
こう言う時は男がリードするもんでしょ?
2回目なんだから、さ。
「・・・ごめん。でも」
でも?
「ここから先は初めてだから」
うん、早く先に行こうよ///


結局どうして2人同時に思いだしたのかはわからない。
確かなのは
2人とも
私は教室から
ようた君は渡り廊下から
星桜を見ていた、と言うこと。
星桜が思い出させてくれたのかな
803名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/10(水) 10:22:02 ID:q9XTfSzi
連投ごめんなさい
804名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/10(水) 13:30:27 ID:q++uu1Fj
>>803
短編乙。連投になるのは仕方ないから、謝る必要はないよ。
805名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/10(水) 21:00:27 ID:7rNgMSOh
昨日SSを書いた>>777です

皆さん様々な感想ありがとうございます。

今日も続きを落とそうと思うのですが、今日ちょっと体調が悪く、昨日よりは量が少ないのですみません。
806名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/10(水) 21:04:04 ID:7rNgMSOh

とまぁこんな感じで俺はかがみの家に来た。

「さ、上がってよ」

かがみが靴を揃えて玄関に上がると、どこからか廊下を走ってくる音が聞こえる。


ドタドタドタドタ…


「いらっしゃ〜い〇〇君〜」
現れたのはつかささんと3人のお姉さんだった。


1人はつかささんと同じたれ目で、ズボンを履いていてボーイッシュな感じ。あとの2人はツリ目で、ロングスカートを履いている。1人は大人のお姉さんって感じで、もう1人はお母さんみたいな感じがあった。
807名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/10(水) 21:08:24 ID:7rNgMSOh

「こ、こんにちは…俺…あ、いや僕は〇〇と言います」

俺は慌ててその場で4人に頭を下げた。

「そんなにかしこまらなくてもいいって〜楽にしなよ〜」

たれ目のお姉さんがにっこり笑いながら言った。


「それにしてもこの子がかがみの彼氏かぁ〜」

ツリ目のお姉さん2人がニコニコしながら俺とかがみを交互に見る。


「ち、ちょっと!あんまり〇〇君を困らせないでよね!」


かがみを見ると顔を真っ赤にして、どうしていいか分からずにおろおろしている。

「はいはい、分かってますよ〜。かがみの〇〇君だもんね〜」

たれ目のお姉さんが今度はニヤニヤして、かがみをこづきながら言った。

808名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/10(水) 21:11:28 ID:7rNgMSOh

「そんなんじゃないってばぁ!あぁ、もう!とりあえず居間に行ったらウチの家族紹介するから!」


かがみは更に顔を赤くして、ズンズンという効果音がふさわしいくらいに足音を出して二階へと上がっていった。


「もぅ、お姉ちゃん。かがみお姉ちゃんをからかいすぎだよ〜」


つかささんがたれ目のお姉さんを見て少し困ったように注意した。

「あはは…ごめんごめん。あ、〇〇君上がってよ。居間に案内するから」

たれ目のお姉さんは頭をかきながらつかささんに謝った後、俺を居間へと案内してくれた。
809名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/10(水) 21:13:12 ID:7rNgMSOh

――――――――――――
「はい、お茶でもどうぞ」

「あ…ありがとうございます」


ツリ目のお姉さんにお茶をもらい、俺は軽く頭を下げる。

俺は緊張のせいもあり、喉が乾いていたのでお茶を飲みたかったが、つかささんと3人のお姉さんにじっと見つめられている。

美女4人に見つめられているのは嬉しいが恥ずかしくもある。

飲みたくても飲みづらい状況で、どうしようか…と悩んでいると後ろから声がした。
810名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/10(水) 21:31:41 ID:7rNgMSOh

「〇〇君〜?」

かがみが俺の隣に座った。
かがみは膝まで届く赤い横じまのスカートを履いていて、薄い緑のハイネックに薄いピンクのカーディガンを羽織っていた。


「それじゃ、ウチの家族を紹介するわね」


「まず…つかさ…は分かるから大丈夫よね」

つかささんを見るといつものように子犬みたいに無邪気に笑っている。


「それでつかさの隣にいるのが次女のまつり姉さん」

「ヨロシク〜」

まつりさんへと目を移すと、ヒラヒラと手を振っているので軽く頭を下げた。


「それでまつり姉さんの隣にいるのが長女のいのり姉さん」

「よろしくね」

いのりさんを見ると首をかしげて笑顔でこちらを見て言った。
811名無しくん、、、好きです。。。:2008/12/10(水) 21:34:45 ID:7rNgMSOh

「あれ?いのりさんが長女でまつりさんが次女なら…いのりさんの隣にいるお姉さんは?」


俺はおかしい事に気付いた。かがみは4人姉妹と言っていたが5人いるではないか。



「ぷっ…あはははは!」


俺の言葉を聞いたみんなはいきなり一斉に笑いだした。
俺はわけも分からずにポカンとしていると、いのりさんの隣にいるお姉さんが立ち上がった。

「柊みきです、この子たちのお母さんですよ〜」

みきさんは茶目っ気たっぷり笑った。

…へ?
…いくらなんでも若すぎるだろぉぉぉぉ!!
812名無しくん、、、好きです。。。

「お母さん…だったんですか?」

「そうなのよ〜。私もまだまだいけるかしら」

みきさんはくるくるその場を回りながらスカートをヒラヒラさせている。

俺はあまりにも衝撃的だったので、びっくりするを通り過ぎてひっくり返りそうになった。

周りをみてもまだ皆笑っている。


「あ〜おっかしい。ウチのお母さん若いから間違えるのも無理ないわね」

かがみは笑いすぎて涙目になっている。


「うん、メチャクチャ若いし綺麗だよ」

「あら、やだ〇〇君ったら」
みきさんは頬に手を当て、嬉しそうに顔を赤らめてにっこり笑った