コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS SSスレ 24

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1名無しくん、、、好きです。。。
ここはPS2/PSPソフト「コードギアス反逆のルルーシュ LOST COLORS」SS投稿スレです。
感想等もこちらで。このゲームについて気になる人はゲーム本スレにもお越しください。
基本sage進行で。煽り・荒し・sageなし等はスルーするか専ブラでNG登録して下さい。

■SS保管庫 http://www1.ocn.ne.jp/~herma/CodeGeass_LostColors/2ch/0.html

■前スレ(0023) http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gal/1220617286/
 (これ以前のスレは保管庫にてhtml形式で格納済みです。“スレッド一覧”からいつでも閲覧できます)

■関連スレ
コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS 18 (本スレ)
http://game14.2ch.net/test/read.cgi/gal/1219155995/
コードギアス ロスカラのライは折り紙先生 折り鶴4羽目 (主人公スレ)
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1218532294/
【PS2】コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/famicom/1203247087/
【PSP】コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/handygame/1207641630/
コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS 攻略スレ4
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/gameover/1209720651/

■公式サイト http://www.geass-game.jp/ps/
■アニメ公式サイト http://www.geass.jp/

■攻略wiki http://www9.atwiki.jp/codegeasslc/
2名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/11(木) 21:41:45 ID:DfUpBc2z
■SSを投下される方へ
1.投下前後に開始・終了の旨を書いたレスを入れて下さい(または「何レス目/総レス」を名前欄に)
2.規制に掛かりやすくなっていますので、長文の場合は支援要請の旨も冒頭に書いて下さい。
 逆に2〜3レスほど使用の場合、支援は要らない旨を書いてください。レス毎の投下間隔は2分〜3分程度がベストです
3.投下前は、他作品への割り込みを防ぐ為に必ずリロード。尚、直前の投下完了宣言から15分程度の時間を置いてください
4.投下許可を求めないこと。みんな読みたいに決まってます!
5.ゲーム内容以外で本編放送前バレ情報があるSSは始めに注意書きを。
6.なるべくタイトル・カップリング・分類の表記をして下さい。(特にタイトルはある意味、後述の作者名よりも重要です)
・読む人を選ぶような内容(オリキャラ・残酷描写など)の場合、始めに注意を入れて下さい。
7.作者名(固定ハンドルとトリップ)について
・投下時(予告・完了宣言含む)にだけ付けること。その際、第三者の成りすましを防ぐためトリップもあるとベスト。
トリップのつけ方:名前欄に「#(好きな文字列)」#は半角で
・トリップがあってもコテハンがないと領地が作れず、??????自治区に格納されます

■全般
1.支援はあくまで規制を回避するシステムなので必要以上の支援は控えましょう
2.次スレ建設について
・950レスもしくは460kB近くなったらスレを立てるか訊くこと。立てる人は宣言してから
・重複その他の事故を防ぐためにも、次スレ建設宣言から建設完了まで投稿(SS・レス共に)は控えることが推奨されます
※SS投稿中に差し掛かった場合は別です。例 940から投稿を始めて950になっても終わらない場合など
3.誤字修正依頼など
・保管庫への要望、誤字脱字等の修正依頼は次のアドレス([email protected])に
    ※修正依頼の際には 作品のマスターコード(その作品が始まる際の、スレ番号-レス番号。保管庫の最優先識別コード)を“必ず”記述して下さい
    例 0003-0342 のタイトルを ○○ カップリングを ○○
(↑この部分が必須!)
  マスターコードを記述されず○スレ目の○番目の……などという指定をされると処理が不可能になる場合があります
4.睡眠は1日7時間は取りましょう
3名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/11(木) 21:43:15 ID:DfUpBc2z
■画像投稿報告ガイドライン

1.タイトルとコテハン&トリップをつけて絵を投稿する。尚、コテハン&トリップについては、推奨であり強制ではありません。
・挿絵の場合は、誰の何のSSの挿絵と書く
・アニメ他公式媒体などにインスパイアされた場合は、それを書く(例:R2の何話をみてテンさんvsライを描きました)

2.こちらのスレに以下のことを記入し1レスだけ投稿報告。
例:
「挿絵(イメージ画像)を描いてみました。
画像板の(タイトル)です。
・内容(挿絵の場合は、SSの作者、作品名等。それ以外のときは、何によってイメージして描いたのかなど)
・注意点(女装・ソフトSM(首輪、ボンテージファッションなど)・微エロ(キス、半裸など)・ゲテモノ(爬虫類・昆虫など) など、
絵はSSに比べて直接的に地雷になるので充分な配慮をお願いします)
以上です。よかったら見てください。」
画像掲示板には記事No.がありますので、似たタイトルがある場合は記事No.の併記をおすすめします。
*ただし、SSの投下宣言がでている状態・投下中・投下後15分の感想タイムでの投稿報告は避けてください。

3.気になった方は画像掲示板を見に行く。
画像の感想は、原則として画像掲示板に書き、SSスレの投稿報告レスには感想レスをつけないこと。
画像に興味ない人は、そのレスをスルーしてください。

4.SSスレに投稿報告をした絵師は以下の項目に同意したものとします。
・SSスレに投稿報告した時点で、美術館への保管に同意したものと見なされます
・何らかの理由で保管を希望しない場合は、投稿報告時のレスにその旨を明言してください
・美術館への保管が適当でないと判断された場合、保管されない場合もあります
(不適切な例:ロスカラ関連の絵とは言えない、公序良俗に反するなど)


--------テンプレは以上です--------
4名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/11(木) 21:49:10 ID:iHfOkm8o
全力を挙げて>>1乙するんだ!
5名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/11(木) 22:03:17 ID:Xbt7kLAC
■関連スレ(訂正分)
コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS 19(本スレ)
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gal/1220776352/
コードギアス ロスカラのライは闘う王様 ピコハン無双5戦目 (主人公スレ)
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1220797665/
61:2008/09/11(木) 22:09:31 ID:DfUpBc2z
>>5 誠に申し訳ありません。次からは事前に作っておきます。

それはそうとTHREADシリーズマダかな〜?(チンチン
7名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/11(木) 22:40:11 ID:+A6IY96D
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8名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/11(木) 22:42:09 ID:+A6IY96D
しくじった!ごめんよー
9名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/11(木) 22:45:08 ID:+A6IY96D
                                 ,. -‐ ¨ ̄ ̄`丶
                                /            ヽ
                                / /              ヘ
                              / /  /               ハ
                           / /  /       /    !  |
                             / /  /  /,. イ   /  / | |
                         / /  / // _,/  // ,. イ  :| |
                           / /  /,r==く ̄ / ,.イ/∠_|   | |
                       / /   l/弋tしハ./イ イ,r==x、!   ! !
                           f l    ||:     .:|   弋tしハ|   | |
                          | | |  lハ.      ′     |   | |
                          | | |  | |ヘ.   __     ,.イ.!   ! !
                          | | |  | | |'、   `   / l || | |  >>1になら抱かれても良い。
                          | | |  l|ノ \ __ . イ | l || | |
                         ,. ┴ | |  |'´       / /   !ハ V:! !
                       /⌒\l ヘ l         /\__!_ハ. V !
                     /     / | | ヽ!、              `! マヌ.
                       /⌒\_/ :! ! ! 丶.         /  ゝ-' |
                      f      | | |   \  ,. -一'´   |     !
                 l         | | |             j     |
                   l      j| | |             /     jl
10名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/11(木) 22:45:38 ID:/6Fk0Jq4
画像掲示板アドレス貼っておきますね

ロスカラSSスレ派生画像掲示板
 http://bbs1.aimix-z.com/gbbs.cgi?room=lcsspic
画像掲示板携帯用url(閲覧・コメントのみ)
 http://bbs1.aimix-z.com/mobile.cgi?room=lcsspic
111:2008/09/11(木) 23:18:13 ID:DfUpBc2z
>>10 ほ、ほんとにすいません……もし次にスレを建設することがあれば、その時は必ず入れますので許してください。
12名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/11(木) 23:22:16 ID:/6Fk0Jq4
>>11
orz
いえあの 忘れちゃったんだろうなって あのほんとすみませんスミマセン
131:2008/09/11(木) 23:25:45 ID:DfUpBc2z
ついでにお訊きしたいのですが、この画像掲示板のリンクどこに入れたらいいと思います?
1か、3か。
14名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/11(木) 23:47:12 ID:/6Fk0Jq4
>13
前スレ564をそのまま(最初の行から)多少アレンジして体裁を整えて
3にすればいいのではと思いますが・・・
当事者には答えられない質問ですごめんなさい。
151:2008/09/11(木) 23:50:57 ID:DfUpBc2z
>>14 あ、あくまで“意見”を聞きたかっただけですので、そんなお気になさらないでください。
もう失礼いたします。おやすみなさい。
16名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/11(木) 23:52:03 ID:8UfMQVij
>>13
難しいですね。
まぁ、3が無難かな。
いざとなったら保管庫から行けるし…。
17名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 08:05:39 ID:JwHAQpx1
>>13 3のトップに張るのが無難と思います。

もふもふの方ですが、よく考えたら本放送を完全に追い抜いてるから書こうにも
書けませんよね。もしためらってる職人さんがいたらなんですので一応言わせてもらいました。
18184 ◆CqyEjyiJyU :2008/09/12(金) 14:00:58 ID:2VRl1Ab+
こんにちは。今週もやって来ました『184』です。
今回は本文が3レスになりましたので、投下宣言と前書きを一緒にやらさせてもらいます。
投下タイミングの被る事が十中八九ない!ものと、判断しての事ですがもし被ったらごめん。
その時は譲り合ってレス消費したくないので、早い物勝ちという事でお願いします。
勿論、この『投下宣言&前書き』を投下する前にリロードはぬかりなくやっております。


タイトル  :ロスカラさん 第3話 紅蓮舞う?
カップリング:千葉←ライ←カレン
ジャンル  :コメディ? ユル〜いキャラで再構成もの

キャラの言動が、ほぼギャグです。(各自がギャグ漫画にありがちな特技や思考を持ってたりします。)
5〜3頭身キャラが出て来る四コマ漫画を楽しむ感覚で、読んでもらえれば幸いです。
なので、カップリング表記も参考程度に考えてください。
ライの千葉中尉への呼び方に違和感を覚えるかもしれませんが、『千葉←ライ』的表現と納得して
下さい。
3レス使用予定、総レス数が5レスなので支援は不要

では、5分後位に本文スタートです。
19184 ◆CqyEjyiJyU :2008/09/12(金) 14:05:36 ID:2VRl1Ab+
ロスカラさん 第3話 紅蓮舞う?


日差しがまぶしく、空が蒼く高い。こういう空は好きだ。今、僕達はナリタ連山へハイキングに来て
いる。各種火器やナイトメアで武装しているが・・・

「――既に退路は絶たれた。この私抜きで勝てると思うのなら、誰でもいい私を撃て」
ゼロの宣言を聞いたみんなが、いっせいに僕の顔を見る。
「・・・カレン、僕の弁当は?」
「はい、これ♪ 後で感想、聞かせてね?」
「・・・けっ、好きにしろよ(どいつも、こいつも)」「ああ、あんたがリーダーだ」
ごめん、みんな。僕には無理だ・・・

紅蓮弐式の輻射波動で、山崩れを起こしブリタニア軍を分断。孤立したコーネリアを討つ為、一気
に山頂から駆け下りた。
「東からナイトメア接近中」
僕は無頼を転回させ、分断しきれなかった敵を押さえに向かう。
「ライ、気を付けろよ」
「ああ、君こそ。カレン、ゼロを頼む。彼に何かあったら、僕や扇さんが苦労する」
「ええ、任せて♪」


「全軍へ・・・脱出地点に移動しろ・・・撤退だ!」
サザーランドを五機撃破したところで、ゼロから撤退命令が出る。
「ちょっと、待ってくれ。まだ、食べ終わって――じゃなくて、手近で日本解放戦線が苦戦している。
 救出に・・・」
「戦闘中に食うんじゃない! 横っ腹が痛くなるぞ。命令通り撤退しろ」
僕は、無頼を転進させた。戦闘が行われている方角へと、斜面を一気に駆け下る。ゼロの撤退
命令を無視して、解放戦線の援護に向かう。弁当を食べながらなのは、我ながら器用だと思う。
「命令に従え!・・・怪我でもしたらどうする? このお人好しめ!」
「大丈夫、大丈夫」
20184 ◆CqyEjyiJyU :2008/09/12(金) 14:08:57 ID:2VRl1Ab+
森を抜け、茂みを踏み越える。ちょうどサザーランドが無頼のカスタム機(無頼改)を取り囲んでい
る一画に飛び込んだ。背後から奇襲を掛ける形で一機を仕留め、左右から挟撃してくる二機を
同士討ちで戦闘不能にした。
「すまん、助かった。黒の騎士団の者か?」
包囲の崩れた一角から、無頼改が飛び出してきた。通信機から話しかけてきたのは、目の覚め
る様な美人だった。こちらに振り向いて背中を晒したサザーランドの隙を見逃さず、すかさず切り
伏せていく。
「は、はい、僕は黒の騎士団のライ」
「四聖剣が一人! 千葉凪沙、中尉だ」
「同じく、朝比奈省吾! 推参」「藤堂鏡志朗、まかり通る!」
最後に残ったサザーランドも別の無頼改が、連携で倒してしまった。しかし、四聖剣・・・藤堂・・・
『厳島の奇跡』か!!

「突然不躾で、申し訳ない。藤堂中佐、黒の騎士団に合流・参加してもらえませんか? 僕は、
 あなた方と共に戦いたい。あなた方の力が欲しい」
これは、僕の偽りなき気持ち。下心(凪沙さんの事が気になるとか)が全くないとは、言えない
が・・・
「ふむ、ヘッドハンティングか? しかし、主君を変える気はない。共に戦いたいなら、君が私達
 と来ればいい」
「そういう事だ。残念だったな? そのライ、スとか言ったか?」
「・・・ライです。凪沙さん」
名前を間違えられた。少しショック・・・
「中佐、進路啓開しました」
「よし、行くぞ。敵の追撃はまだ厳しい。油断するな」「はい中佐」
「君も来るか?」
誘われたが、さすがにそれはできない。
「・・・味方と合流します。また、会える事を期待してます」
「そうか。武運を祈る」


21184 ◆CqyEjyiJyU :2008/09/12(金) 14:12:01 ID:2VRl1Ab+
「やあ、カレン。 惜しかったらしいね?」
黒の騎士団と合流した僕は、さっそくカレンに声を掛けた。紅蓮弐式は白カブトに肉迫しながら
も、右腕の損傷により戦闘を続ける事ができなくなった。
『ムシャクシャしているだろうから、愚痴を聞いてなだめておいてくれ』と、扇さんから頼まれて
いたのだ。
「あっ! そうなの聞いてよ、ライ。もうちょっとで・・・」
不機嫌さの混じった声で振り返ったカレンだったが、僕の顔を見るなり頬を緩ませた。
「や、やだ。ライったら、子供みたい。可愛い〜〜♪」
そう言って、僕の頬に手を伸ばしてくる。
「ほら、ほっぺにご飯粒が付いてる♪(ぱくっ)うん、おいしい♪」
今の今まで周囲に見っともない姿を晒していた事に加えて、カレンのそんな行動に僕は、自分
の頬が熱くなるのを自覚した。
「あ、やだ、私ったら・・・」
僕の表情の変化に、カレンの方も自分がいかに恥ずかしい事をしてしまったのか気付いたのだ
ろう。さっきまでは満面の笑みを浮かべていたのに、今は頬を赤く染め俯いてしまった。
何か言ってやらないと・・・そうだ、今日の弁当のお礼と感想を言わないと。
「カレン、ありがとう。今日の弁当もおいしかったよ。カレンは、将来きっと良い奥さんになるな」
「そんな・・・褒めすぎよ。でも、嬉しい♪」

「〜〜♪」
ライに予想以上に褒められご機嫌の紅月カレンであったが、井上を始めとする女子団員達の非
難を一身に浴びる事になる。
「カレン、ばらすの早すぎ」「もっと、萌え(ライのご飯粒を付けた姿)を堪能したかった」
「みんな、わざと黙ってたのに」「折角の癒しが・・・」
さすがのC.C.も戦闘後のドタバタでカメラの用意が間に合わず、また通信時の映像記録も元
々画質が粗い上に、距離があった為かノイズが邪魔をして肝心のご飯粒が写っていなかった。
データとして残す事ができなかったのである。

「あ〜あ、私も見たかったなぁ」
「カレン。罰として今日から一週間、お前はピザ禁止だ」
「いや、C.C.。その罰、あなたにしか効き目ないから」
22184 ◆CqyEjyiJyU :2008/09/12(金) 14:14:15 ID:2VRl1Ab+
以上です。
前回まで前書きに『崩壊キャラ(軽め?)』って書いてましたが、何かしっくりこなかったんです。
前スレで絵師さんから
>>ゆるーくアレンジされたコードギアスの世界
と感想を貰いまして「これだ!」と思い、今回使ってみました。
それでは、また来週〜
23名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 14:41:45 ID:Y57dNAkY
>>22
184卿、GJでした!
何故だろう、戦闘したのに、ほのぼのだ……字余り
面白いです、こういうのいいなぁー
続きがかなり、とても、大変気になります
貴方の次の投下を待っています!
24名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 15:16:00 ID:+cRBd3qT
>>22
乙です!
弁当食べながらテキトウに足とかで操縦桿を動かすライの絵が浮かんで
思わず突っ込みました。
操縦席のすきまに卵焼きやら落としてなければ良いね。虫とか来るからね。

前スレの絵師です。
ちょこっとでも反映していただけることがあるなんて!
今回も楽しかったです。
またの投下を心よりお待ちしています。
25名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 16:20:58 ID:AT0CEF+D
乙です!キャラの表情がこっちまで伝わってくるようないきいきした感じがとってもいいです。
続き楽しみにしてます。
ところでみんな気付いてる?キャラ部屋からシリーズ部屋へ直接行けるようになったのを。前は領地のトップだけだったよね?
保管庫って内部リンクが1000とか凄まじい量になってそう。いつも思うんだけどどうやって作ってるんだろう?ビルダー?
26全力支援者Y ◆7RZOliBygM :2008/09/12(金) 18:18:47 ID:b6szO9dZ
いきなりですが、投下しようと思います

まえがき

タイトルは「醤油vs虫」です


注意書き
・ギャグ?です
・パロディが満載です、いくつあるか探すのも楽しいですよ
・声ネタあります
・虫、食べます
・支援は要らないと思います

それでは全力で投下します
27全力支援者Y ◆7RZOliBygM :2008/09/12(金) 18:18:52 ID:Y57dNAkY
黒の騎士団のアジト
今日は何事も無く一日は過ぎて……いなかった。
格納庫に入ったライが目にしたのは何やら言い争う朝比奈と卜部
周りの団員たちはそれを遠目におろおろ見ている。
「どうしたんだ?」
「ライ戦闘隊長! 実は――」
その声を遮るように響く声
「醤油こそ究極の存在であり上です
 何度言えばわかるんですか!」
「至高の存在、虫の方こそが上だ
 醤油は調味料であって食材では無いだろう」

「……という訳です」
「……分かった」
互いに一歩も譲らずに口論を続ける二人
とりあえず二人を止めることにした。
「どうしたんですか、二人とも」
「おお、作戦補佐殿。
 あんたからもこのわからず屋に言ってくれ。
 虫は醤油を凌駕すると」
「わからず屋はどっちだ。
 だいたい、虫なんてゲテモノと醤油を一緒にしないで欲しいね」
うん、朝比奈さんに賛成です
「ゲテモノだと?
 あの素晴らしさが分からないのか!
 虫を目で、耳で、手で、そして舌で慈しむ
 その素晴らしさが!」
舌使う時点でアウトでしょう
「そこまで言うなら、第三者に判定してもらいましょう」
……え?
この流れ、もしかしなくても嫌な予感が
28全力支援者Y ◆7RZOliBygM :2008/09/12(金) 18:21:12 ID:b6szO9dZ
「それでは! 第一回どっちの好物でショーを始めます!」
盛り上がる会場、ノリノリのディートハルト

あの後、騒ぎを聞きつけたゼロの「どうせならイベントにしよう」発言で急遽ひ
らかれることとなった料理対決
「審査員は「厳島の奇跡」軍事総責任者、藤堂鏡志郎!
 副司令、扇要!
 そして、作戦補佐、ライの三人です!

提案者であるゼロは仮面を取るわけにはいかないと解説者席に座っている。
「対決するは壱番隊隊長、朝比奈省吾と弐番隊隊長、卜部巧雪です
 それぞれ醤油料理と虫料理を作るらしいですが」
「日本で昔から使われる調味料、醤油
 それを使う料理は数多くあり、朝比奈の方が有利だろう
 だが、日本にはイナゴやハチを食べる文化がある
 そう言った意味では卜部の虫料理も興味深い」
ゼロが長々的確に解説する。
「それでは両者、意気込みを語っていただきましょう」

「とれたての虫を使った俺の至高の料理を味わうといい!」
「料理に大切なのは何だ!
 そう、調味料だ!
 醤油の力を見せてあげます!」

調理過程はダイジェストで
「あ、あの調理法は!」
「知っているのですか!?
 ゼロ!?」
「あぁ、あれは〜中略〜by民○書房」

29名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 18:23:29 ID:cWRHYVyD
支援
30投下は全力で:2008/09/12(金) 18:23:43 ID:Y57dNAkY
「なんだと、炒飯が醤油色に輝いている……」
「う、美しい」


「あの虫、まだ、生きてますよ……」
「う、うろたえるな! 黒の騎士団員はうろたえない!」


「では、審査員の方々に食してもらいましょうか」
「……扇さん」
「……ライ、覚悟を決めるんだ」
「……藤堂さん」
「……大丈夫だ、俺は慣れている」
二人の言葉に僕は覚悟を決め(諦めたとも言う)料理が運ばれてくるのを待った。

「俺からいかせてもらおうか」
そう言った卜部さんの運んできたものは……お椀?
「まずは味噌汁だ」
今、恐ろしい前置詞が聞こえた。
「まずは!?」
「汁物だけでは料理と言えん!
早く飲んでみろ、中佐と副司令はもう飲んでるぞ」
その言葉に促され、味噌汁を飲んでみる……な、何だと!
「う、美味い!」
「あぁ、この味噌はなかなかだ」
「ふっ、腕を上げたな、卜部」

「長々の高評価ですね」
「あぁ、資料によると味噌は卜部の手作りだそうだ」
31名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 18:25:13 ID:cWRHYVyD
スマン、支援要らないてトコ見逃してたorz
32全力支援者Y ◆7RZOliBygM :2008/09/12(金) 18:25:48 ID:b6szO9dZ
「しかし、どこが虫料理何ですか?」
味噌汁をすすりながら質問する
「その味噌汁には、ミミズを使っている
ほら、その細いやつだ」
僕が食べている肉っぽい何かを指差す卜部さん
「「な、何だってー!?」」
驚く僕と扇さん……藤堂さんは驚かない
「アミノ酸、コラーゲンを多く含み高蛋白
ミミズを甘く見るなよ」
嬉しそうに言う卜部さん
……虫の凄さを垣間見た気がする

「それじゃ、次はこっちの番だ!」
そう言ってお椀を配る朝比奈さん
醤油だし、こっちは安心して食べられるかな
……そう思ってた時期もありました
「ぶふぅぅぅぅぅー!」
僕よりも先に飲み始めた扇さんが、何か黒い液体を吹いた。
そのまま倒れる扇さん
「なっ?」
「あれ? おかしいな?
量間違えたかな?」
恐る恐るお椀の中を見ると、暖かく、黒い液体が存在した
「こ、これは?」
「お吸い物だよ、ちょっと醤油を入れすぎたみたいだね
まぁ、ゆっくり飲めば大丈夫だよ」
確かに藤堂さんはゆっくり、確実に飲んでいる
流石、ミラクルトゥードゥーだ
33全力を挙げて投下:2008/09/12(金) 18:27:12 ID:Y57dNAkY
「はぁはぁ」
「大丈夫か、作戦補佐?」
「はい、何とか」
ちなみに扇さんは塩分過剰摂取で運ばれた

「次はこっちからだ」
朝比奈さんの持ってきたのは黒光りする炒飯

普通に美味しかった。

「これが俺のメイン料理だ!」
卜部さんの持ってきたのは、山盛りの何か
……うん、現実逃避だと分かっている
はっきり言おう、セミだ。
「セミ炒め、セミの殻揚げ、そして、セミの幼虫を使ったセミチリだ!
米と一緒に食べるといい」
ニヤリと笑う卜部さん
恐る恐るご飯にセミをのせて食べてみる
「「もしゃもしゃ」」
あれ?
「思ったより、美味しい」「もしゃもしゃ」
思わず賞賛の言葉が出た僕と食べ続ける藤堂さん

結局完食しました。

「まさか、あんなに虫が美味しいとは」
「……最後まで油断するなよ……次は、デザートだ」
34あとがきまでは全力で:2008/09/12(金) 18:29:22 ID:Y57dNAkY
「審査員が全員居なくなってしまったので、引き分けとさせていただきます!」

「なかなかやるな」
「そっちこそ」
そう言って手を取り合う二人……そう、喧嘩により絆はより強くなったのだ

「しっかりしてよ、ライ!」
「くそ、目をあけろ!
ライ、生きろ、生きるんだ!」



しばらくの間、ライは目玉焼きにソースをかけて食べることになった。
35全力支援者Y ◆7RZOliBygM :2008/09/12(金) 18:30:41 ID:b6szO9dZ
あとがき

……あれ? 最初の構想とは全く違うものが出来上がってしまった
まぁ、よくあるよね
実験的に携帯とPCで交互に投下してみました
……長編が進みませんorz

次も全力を挙げて投下したいと思います
3633と34の間にこれをorz:2008/09/12(金) 18:31:55 ID:b6szO9dZ
「「さぁ、どうぞ」」
最後は同時に持ってきた二人
しかし、これは……
「「どうした? 食べないのか?」」
「……これ、何ですか?」
まずは卜部さんに聞いてみる。
「虫ケーキだ」
「即答!?
そして何ですか、それ!?」
「これはな、昔、虫とケーキを別々に食べるのが面倒くさかった
おにぎり大名が作ったという由緒ある――」
「おにぎりはなんの関係も無いでしょう!
で、こっちは何ですか? 見た目はチョコパフェですが」
「それは醤油パフェといって、その昔
醤油とパフェをバラバラに食べるのがめんどくさかった
……処鵜湯将軍が――」
「明らかに今考えたでしょう!
あと、文だとわかりずらいですが、口に出せばしょうゆですよね、それ!」
「「まぁ、そんなことはどうでもいいから、食べてみなって」」
「いや、どうでも良くないです
藤堂さんからも言ってくださいよ……あれ?」
藤堂さんがさっきまでいた場所には熊のぬいぐるみと「千葉、仙波と釣りに行く
約束があった」という書き置きがあった
「ちょっと、やめてくださいよ
なんかケーキ動いてるんですけど?
活きがいいから? 踊り食いですか!?
いや、ホントに勘弁してくださいよ……ぐはっ!
……ごめん、ナナリー……もう君に折り紙を折ってあげられないかも―――」
37それからこれです:2008/09/12(金) 18:33:18 ID:Y57dNAkY
「審査員が全員居なくなってしまったので、引き分けとさせていただきます!」

「なかなかやるな」
「そっちこそ」
そう言って手を取り合う二人……そう、喧嘩により絆はより強くなったのだ

「しっかりしてよ、ライ!」
「くそ、目をあけろ!
ライ、生きろ、生きるんだ!」



しばらくの間、ライは目玉焼きにソースをかけて食べることになった。



あとがきへ
38名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 18:33:58 ID:AgEloy+C
>>22
GJッス
真面目な話をほのぼのに
このゆるさがたまらないッス
このシリーズはやたら井上さんが魅力的だwww

>>35
まずはGJ
ちょっ!意外に虫が優勢なのがおもしろすぎるwww
最後のデザートが気になって仕方ないッス
39名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 18:35:59 ID:AgEloy+C
と思ったらデザートキタ
……急ぎすぎたかな?
40名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 18:37:01 ID:Y57dNAkY
>>39
すまない……俺の……ミスだorz
41全力支援者Y ◆7RZOliBygM :2008/09/12(金) 18:42:10 ID:b6szO9dZ
という訳でトーマス卿、保管の際は>>36>>33の後にお願いします
42名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 19:59:12 ID:GoVpnXDb
こんばんわ…。
またへんな電波をキャッチしたので投下しますがよろしいでしょうか?
43名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:00:27 ID:Y57dNAkY
>>42
どうぞ、支援がいるなら支援しますよ
44名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:03:51 ID:GoVpnXDb
ありがとうございます。
5レス程度なのですが、よかったらよろしくお願いいたします。
45名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:04:29 ID:Y57dNAkY
では、支援
46あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/12(金) 20:06:23 ID:GoVpnXDb
タイトル 勘違い その2
カップリング ライ×セシル

えーっと、とても壊れてますので、そういうものが気にならない方は、よかったらどうぞ。
なお、気になる方はスルーしてください。
突っ込みどころ満載です。


なお、投下は2分前後ごとに行う予定ですので、5分超えた場合は、トラブル発生と思っていただいて結構です。
47名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:06:38 ID:Y57dNAkY
支援
48あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/12(金) 20:08:25 ID:GoVpnXDb
勘違い その2

セシルは眠そうな顔でぼーっとしていた。
昨晩、グランドマスターSという人物の「恋愛観察研究会」というサイトを、時間が経つのを忘れて読み

ふけってしまったため寝不足気味なのである。
読みふけった理由は簡単。
気になる人が、サイトの「危険な男の子達の関係」という項目に当てはまりそうな感じがして、何度も何

度も項目を確認していたためだ。
多分、間違いと思いたいが、普段の彼らの仲のよさを見ているとあながちハズレでもなさそうに思えてき

てしまうからとても怖い。
あーーーっ…駄目駄目っ…。
落ち着くのよ、落ち着くの…二人がそんな関係になってたら…。
恐ろしい考えが頭に浮かぶ。
あーーっ…あーーーっ…。
浮かんだ考えを一生懸命振り払う。
で…結局行き着いた結論は、彼が来てから遠まわしに確認するという事だった。

ちなみに、そんなセシルを、ロイドはまたかといった感じで受け止めていたのでした。
49名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:08:55 ID:Y57dNAkY
 支援
50あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/12(金) 20:10:09 ID:GoVpnXDb
その日の夕方…。
「こんにちわ」
いつものように挨拶をして入室してくるライ。
「あ、こんにちわ、ライくん」
セシルがニコニコと対応する。
「えーっと、今日は何の実験でしたっけ?シュミレーションならパイロットスーツに着替えてきますけど…」
「あ…その前に聞きたい事あるんだけどいいかしら?」
「ええ、かまいませんよ。僕にわかる事なら…」
そこまで言って、ライはセシルの雰囲気が変わっている事に気が付いた。
なにか鬼気迫るものが感じられる。
「な、なんでも…聞いて下さい…」
なんとか最後まで言えた…。
「ありかとうね、ライくん」
そこで一呼吸を入れると、真正面からライを見つめる。
「ライくん…私達…お互い好きあって付き合っているわよね?」
「はい。もちろんです」
ライが赤面しながらも即答する。
51名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:10:47 ID:Y57dNAkY
支援
52あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/12(金) 20:12:13 ID:GoVpnXDb
「じゃあさ、隠し事ナシで答えてね、いい?」
「も、もちろんです」
その返事に満足したのか、セシルは質問を始めた。
「あのね、ライくんにとってスザク君ってどういう存在なのかしら?」
(しまったーっ…ストレートすぎたかしら…)
セシルは、一瞬ドキリとするものの、ライは気にした様子もなく答える。
「そうですね…。大切なやつかなぁ…。」
(え…大切なやつって…。大切なのは私じゃないの?)
不安になるセシルをよそにライの言葉は続く。
「彼がいたから、僕はいままでやってこれたんだと思います。
だから、僕には彼が必要なんだって思ってます。
スザク的にはどうだかわかんないですけどね」
(えっ…必要って…私もまだ言われた事ないのに…)
ますます深みにはまっていくセシル。
しかし、まだライはそんなセシルの変化に気づかない。
53名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:12:37 ID:pLRWjkON
支援
54名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:12:45 ID:Y57dNAkY
 支援
55あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/12(金) 20:14:16 ID:GoVpnXDb
「それに、このままスザクと二人でがんばっていけば、いつかは未来が開けるんじゃないかと考えてますよ」
(そんな…二人でって…私はっ?私じゃ駄目なの?)
そこまで言い切ってしまったから、ライはセシルの変化に気が付いた。
なにやら嫌な感じのオーラが吹き出ているように感じられる。
「あ、あのぉ…セシルさん?」
恐る恐るライがセシルに声をかける。
(ふふふ…これで諦めちゃ駄目よ、セシル。
彼が道を誤ったのなら、私がきちんと誤りを指摘して元に戻さないと…。
これも愛なのよ…。がんばれ…私っ…)
そんなライの問いかけに反応し、座った目でセシルがライを見る。
「あ…」
まるで蛇に睨まれた蛙のように動けなくなるライ。
口だけがパクパクと動いているのがいとあわれ…。
「ロイドさん…これからちょっとライくんと出かけてきますね」
きりきりという効果音が聞こえそうな動きでロイドを見るセシル。
「うっ…ど、どうぞぉ…」
ロイドも睨まれた蛙のように動きが止まる。
56名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:14:23 ID:Y57dNAkY
支援
57名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:14:33 ID:pLRWjkON
支援
58あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/12(金) 20:16:15 ID:GoVpnXDb
「うふふふ…」
がしっとライの手首を捕まえるとセシルは、ライに微笑む。
とても殺気だった笑顔で…。
「ライくんに女のよさをうんと教えてあげるからね」
「え…?!」
答えるまもなく、セシルに信じられない力で引きずられていくライ。
「ライくん…がんばってぇ〜」
ロイドの哀れみの声援が響く。
そして二人は、夜の街へと消えていった。

ちーーーん…。
ライの冥福を祈ります。(え?!
59名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:16:42 ID:pLRWjkON
支援
60あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/12(金) 20:19:07 ID:GoVpnXDb
以上です。
支援ありがとうございました。

最近、へんな電波うけすぎですね。
ああ…疲れているのかしらん。

なお、1レス目…へんな風に切れてしまってますが、つなげておいてもらえますか、トーマス様。
本当にすみません。
メモ帳だと違和感なかったんだけどなぁ…。
61名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:22:15 ID:pLRWjkON
お疲れでした〜
セシルさんの勘違いぶりとライの天然ぶりが相乗効果で
いい感じでした。
又の投下をたのしみにしてます。
62名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:25:02 ID:Y57dNAkY
>>60
あしっど・れいん卿、GJでした!
グランドマスターS……やっぱりあの人だよね
ラストの引きは、またあっちなかんじかw
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
63保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/09/12(金) 20:29:40 ID:o5JbNT17
>>41 修正して保管しました。

>>60 不自然と思われる改行を修正しました。一応ご確認願います。
64名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:33:37 ID:Y57dNAkY
>>63
確認しました
>>28が抜けてましたので修正をお願いしました
65名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:36:28 ID:GoVpnXDb
>>63
確認しました。
えーと、最初の部分をこういう風につなげておいてもらえますか?

昨晩、グランドマスターSという人物の「恋愛観察研究会」というサイトを、時間が経つのを忘れて読みふけってしまったため寝不足気味なのである。
読みふけった理由は簡単。
気になる人が、サイトの「危険な男の子達の関係」という項目に当てはまりそうな感じがして、何度も何度も項目を確認していたためだ。
多分、間違いと思いたいが、普段の彼らの仲のよさを見ているとあながちハズレでもなさそうに思えてきてしまうからとても怖い。
66名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:41:25 ID:AgEloy+C
>>60
GGGJ!!
ご冥福?
何を言っている?
これはハッピーエンドではないか
ライは好意的な気持ちはストレートに伝える人だと思う
セシルさんの必死さが素敵です

少しずつだが確実にライセシが増えてるのが感激の極み
私も出来れば今日中にライセシ投下する予定です
その時は支援お願いしますね
67保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/09/12(金) 20:43:55 ID:o5JbNT17
>>64 >>65 仰せのままに……。修正完了致しました。
68名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:47:16 ID:Y57dNAkY
確認しました……今度は>>32が抜けていました
重ね重ね申し訳ありませんが修正お願いできますか?
69名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:50:50 ID:GoVpnXDb
>>67
ありがとうございました。
無理言ってすみません。

>>66
おおー、本命の登場ですね。
期待してお待ちしております。
でも、ヘタってたら御免なさい。

>>35
感想遅れすみません。
いやぁ、投下前のチェックしてたら、もう投下されていたとは…。
さすがです。
今回も面白く読ませていただきました。
というか…ライ…同情しちゃうよ。
でも、ソースをかける程度で済んでよかったね。
では、全力さんっ、次回作も期待して待ってますっ。
GJでしたっ。
70名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:52:41 ID:c69n+N05
新参です
ここって自作小説のせるとこなんですか?
71保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/09/12(金) 20:53:03 ID:o5JbNT17
今度こそ大丈夫かな…システムの不具合というか機能不足です。
全力支援者Y卿、大変言い難いのですが、IDが交互に変わるような投下は今しばらく控えていただけないでしょうか?
72名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:58:57 ID:Y57dNAkY
>>71
確認しました
度々すいませんでしたm(__)m
……規制回避の為の画期的な方法だと思ったんですが、失敗でしたかorz
お身体に気を付けて頑張ってくださいね
73名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 20:59:00 ID:GoVpnXDb
>>70
PS2/PSPソフト「コードギアス反逆のルルーシュ LOST COLORS」SS投稿スレですよ。
詳しくは1から3レスまでを読んだらいいよ。
そこで説明されているから。

それとsage進行でお願いしますね。
74名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:00:42 ID:rXniwACC
>>70
言っている意味がよく分からないんだけど……自作小説がオリジナルという意味ならノー。
ここは名前通りのロスカラ二次SSスレ。ロスカラ主人公のライを愛でたりいじめたりして皆で楽しむスレですよ?
75名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:01:45 ID:c69n+N05
すいません;
まだ新参なもので
あのぉ…sageってどうするんですか?
76名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:02:33 ID:pLRWjkON
>>74
いじめられてるのはルルーシュかもw
77名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:03:08 ID:Y57dNAkY
>>75
メール欄に半角でsageと入力するんです
最初は誰でも初めてですから落ち着いていきましょう
78保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/09/12(金) 21:03:43 ID:o5JbNT17
>>72 いや、規制回避という点で考えれば失敗とは言えないと思います。
現在、トリップで検索する機能を開発中ですので、それまではすいませんが宜しくお願いいたします。
念のため言っておきますが、日を跨ぐ(1回だけ切り替わる)程度なら全然OKです。
79名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:04:09 ID:rXniwACC
>>75
E-mail(省略可)という欄がありますよね? そこに半角で「sage」と入力すると出来ますよ。
80名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:05:01 ID:GoVpnXDb
>>75
E-mailのところに小文字で「sage」って入れること。
それで書き込んでもスレッドが上がらないので、sage進行です。
81名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:05:15 ID:c69n+N05
ありがとうごさいます
82名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:06:18 ID:GoVpnXDb
>>80
しまった…半角だった…。
がっくし…。
なんで小文字って書いたんだ…私は…。
83名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:06:23 ID:rXniwACC
>>76
ですよねーw

というか、>>77さんがもう言ってくれてるし……なんか、ごめんね。
新人さんも来てくれたことだし、投下してもいいですかね?
84名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:07:09 ID:GoVpnXDb
はい。支援します。
85名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:09:26 ID:pLRWjkON
調子が戻ってきたな。週末だからかな?支援
86千葉はライの嫁:2008/09/12(金) 21:11:00 ID:rXniwACC
では投下しますが、なんだか今週のR2で千葉さんが取り返しのつかない事になりそうなので、
「もう笑うしかねぇよ」という気分で書いた奴です。最近こんなのばっかだな……

以下、注意書き
・ギャグマンガ日和って面白いよね。
・ギャグマンガなだけにみんな頭おかしいよね。
・つまりこれはそういう内容ってことなんだ。
・それが苦手な人はスルーして欲しいな。

では、投下します。
87名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:11:35 ID:Y57dNAkY
支援
88名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:12:44 ID:GoVpnXDb
支援www
89ギャグギアス日和:2008/09/12(金) 21:13:15 ID:rXniwACC
「ごつごうせかいそうぞうき・あーかーしゃのつるぎ」
中学生が居眠りしながら書いたノートの文字みたいなきったない筆跡で書かれたメッセージカードと共に、
そのおもちゃみたいな剣は宙に浮いていた。
そのおもちゃみたいな剣から少し距離のある場所に、ルルーシュ、スザク、シュナイゼルは並んで佇んでいる。

「……なんという胡散臭さだ」
やるせない表情をしたルルーシュの嘆息交じりの言葉。
紙の文字の周りには凄さを強調する為か、黄色いマジックでギザギザの枠が描かれていた。
「むしろ安っぽく見えるぞ。こんなもので、本当に世界を意のままに出来るのか?」
「でも手元の取説には、そう書いてあるけど」
言いつつ、スザクは改めて手にしている(これまた安っぽいざら紙の)取説に目を落とす。

『おまえら、満足か? こんな世界で……俺は嫌だね。そんなことを思っているそこのあなたに朗報です!
 このご都合世界創造機・アーカーシャの剣さえあれば、なにもかもがそう、あなたの思いのままに!
 気が付いたら十二人の超可愛くて兄LAVEの妹がいる世界? 創れます!
 こいつむかつくなぁ、とか思うやつの体に黒い線が見える眼? 無問題!
 草むらを歩けばポケットサイズのモンスターが出てくる? 楽勝、余裕っすよ!
 便利な道具をくれる青狸? ……それはちょっと、ほら、ねぇ? 流石にアレは、ねーよ。
 とにかく、ずっと大事に初めてを守り続けてるのにちっとも魔法が使えないそこのあなた!
 是非、アーカーシャの剣をお試しください。きっと夢のような日々があなたに訪れるでしょう。
 ※なお、一回限りしかご利用になれません。ご了承ください』
90名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:13:35 ID:GoVpnXDb
支援
91名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:13:37 ID:pLRWjkON
支援
92名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:14:37 ID:pLRWjkON
支援
93ギャグギアス日和:2008/09/12(金) 21:16:50 ID:rXniwACC
「これは随分、都合のいい剣だね。おや? 剣の名前がちゃんと漢字になってるね」
「これを都合がいいで済ませるのか!? そもそもなぜ取説があるんだ!!」
「あ、LOVEの綴り間違ってる。馬鹿だなぁ、これじゃあ(゚∀゚)ラヴィ!! だよ」
「お馬鹿さぁん、はお前だスザク! 乳酸菌とってるぅ? だいたいネタが古すぎるわ! 何年前だそれは! 顔文字使ってるし!」 
「ああ、ごめんごめん。これならレイヴだね」
「あれは終盤の展開がって違う! しかも人に何感想言わせて……ん? シュナイゼルはどこに……」
隣でアホなことばかり言うスザクにぜぇぜぇ言いながらツッコミを入れているルルーシュが見ると、
「あ、ヤベ」
一昔前の泥棒のように緑の布で頭を覆い、それを鼻の下で結んでいるシュナイゼルが、
こそこそとアーカーシャの剣に近づいていた。
「シュナアァァァイゼル! 何をしてるか貴様!」
「いらないんだろう? なら、兄さんが貰うからさ!」
「誰もいらないとは言っていないってはやぁ!? 速すぎて足が@になってるじゃないか!? 非常識な!!」
「忍●みたいだね」
ある意味伏字になってない。
「なに落ち着いてるんだスザク! このままじゃあの剣パクられるんだぞ?
 なんとかしろこの体力馬鹿!」
「それが人にものを頼む態度か? 許しを請えよ」
「ほあぁ!? ご、ごめんなさい……!」
「はっはっは! 愚弟とそのホモダチ、安心するといい。私が創る世界は萌えに満ちた、平和なものになるだろう! 
 そうだ、枢木卿の実家も名前を変えて鷲宮にしよう。そうすれば君の腐った性根も」
「スザキィィィーーック!!」
「ケツがアッーーーーー!」
回転により速度と威力を増したスザクの回し蹴りが、シュナイゼルの尻にスマッシュヒット。
「な、なんで尻に……」
「僕はらき☆嫌いなんだよ!」
「わけわからんわ! というかそれ隠せてないから! 怒られるから! 色々な人に怒られるから!! 主に南とかサウスとか!!!」
シュナイゼルはお尻だけを妙に高々と掲げた格好で、盛大に地面にキスしていた。
どうでもいいが、女がやればエロティックなこのポーズ、男だと間抜け以外の何物でもなかった。
94名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:17:27 ID:Y57dNAkY
 支援
95名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:17:38 ID:GoVpnXDb
支援
96ギャグギアス日和:2008/09/12(金) 21:19:48 ID:rXniwACC
「なにをするんだいまったく。いいかい、ウザク、ルルーシュ。
 私は皇族だよ? その高貴な私の尻に蹴りを入れるなんて、どういう神経してるんだい?」
復活したシュナイゼルが、ぷんぷんと怒り心頭な様子で説教をしている。
ルルーシュとスザクは何故か正座だ。
「もとはと言えばその高貴な貴様が汚い手を……」
口を挟もうとするルルーシュを封じ、シュナイゼルは言い放つ。
「慣れている私だから良かったものの。無闇に人を傷つけるのは愚かな行為だよ」
「いや、だから先にお前が……ん? 慣れてる?」
「というかさっき僕、ナチュラルに馬鹿にされなかった?」
「私達が争っていても仕方ないだろう。先程死んだように眠った……いや、眠るように死んだ?
 とにかくそんな感じだったライ君の最期の言葉を思い出しなさい」

『誰も死なせずに済んだ……各女の子とのエンドも個別CG付きだ……これでファンの期待にも応えた。
 ならこのまま、イロモノキャラと化すよりは、母と妹の元に……ガクリ』

結局、三人同時に剣に触れるということで落ち着いた。
「無論私もそのつもりだったよ」
「随分と面の皮が厚いですね兄上……」
涼しい顔をしているシュナイゼルに、頬をひくつかせながらルルーシュが言う。
だが一先ず怒りを抑え、ルルーシュ達は横一列に並んだ。
「このまま真っ直ぐ、同じペースで歩いて行こうよ」
「なるほど、それなら平等だ。ところでスザク、その剣はどこから出したんだ?」
「え? 何が?」
「君もとぼけた顔して中々だね枢木卿。その剣を持っていると、手を伸ばしたら倍は君のリーチが長くなるじゃないかこの卑怯者。
 あ、だからって先っちょこっち向けないでくれるかな。ちょ、痛っ! 尖ってるから! 刺さってるから! うわ、血ぃでてる!?」

☆シュナ兄様止血中につき暫くお待ちください☆
97名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:20:14 ID:Y57dNAkY
支援
98名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:20:37 ID:pLRWjkON
しくじった支援

99名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:20:38 ID:GoVpnXDb
支援
100名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:22:39 ID:Y57dNAkY
全力という名の支援
101ギャグギアス日和:2008/09/12(金) 21:24:30 ID:rXniwACC

 凄くない? 僕頑張りすぎじゃない? そのせいか、最近意識が無くなる時があるんだ。過労かな……労災認めてもらえるかな』

「まったく、しょうがないな。ではもう潔く競争と行こうじゃないか。それなら恨みっこなしだろう?」
「僕は構いませんよ」
「待て、人間凶器のお前と俺とではあまりに速力の差が大きすぎるだろう」
「ああ、そういえばルルーシュは、会長にもかけっこで負けてたっけ。しかも会長ドレスだったのに」
「へぇ、ルルーシュはドレスを着た女の子より足が遅いのか! ……まさに「速さが足りない」ってわけだ。ププッ」
(殺せたらいいのに……! 憎しみで人を殺せたらいいのに……!!)
「とは言え、私も枢木卿と競うなんて無理だからね。ここはハンデを付けようじゃないか。
 私とルルーシュはここ、枢木卿は……あの辺りでいいかな?」
「分かりました」
絶対に負けない自信があるのだろう。シュナイゼルの言葉に素直に頷くと、スザクは背を向け歩き出す。
それを見送りながら、いよいよ迫った決戦にルルーシュはゆっくりと呼吸をし、気を落ち着けようとする。
「あ、ルルーシュ。靴紐解けてるよ?」
「なに?」
「嘘だよバァーカ! ウケケケケ」
「シュナイゼルゥゥゥウ!!」
ルルーシュの絶叫を無視し、全力でダッシュするシュナイゼル。
102名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:24:59 ID:Y57dNAkY
へーたーこーいーたーorz でも支援
103名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:25:29 ID:pLRWjkON
支援
104ギャグギアス日和:2008/09/12(金) 21:25:41 ID:rXniwACC
ごめん、失敗しちゃった。こっちをよんでね♪



「まったく、ここまで来てこんなことで揉めるなんて。呆れたよ君たちには。自分のことしか考えない者なんて最低だよ?
 今ここにい亡いライ君が三日前に言ったことを思い出しなさい」

『ルルーシュもシュナイゼルもさ、フレイヤ使う場所考えようよ。防ぐ身にもなれよ。まぁ、言っても無駄と悟ったけど。
 カレンもスザクも無双しちゃうし……僕独りなのにテンさんもヴァルキュリエ隊もモニカもドロテアさんもワンさんも助けたんだよ?
 凄くない? 僕頑張りすぎじゃない? そのせいか、最近意識が無くなる時があるんだ。過労かな……労災認めてもらえるかな』

「まったく、しょうがないな。ではもう潔く競争と行こうじゃないか。それなら恨みっこなしだろう?」
「僕は構いませんよ」
「待て、人間凶器のお前と俺とではあまりに速力の差が大きすぎるだろう」
「ああ、そういえばルルーシュは、会長にもかけっこで負けてたっけ。しかも会長ドレスだったのに」
「へぇ、ルルーシュはドレスを着た女の子より足が遅いのか! ……まさに「速さが足りない」ってわけだ。ププッ」
(殺せたらいいのに……! 憎しみで人を殺せたらいいのに……!!)
「とは言え、私も枢木卿と競うなんて無理だからね。ここはハンデを付けようじゃないか。
 私とルルーシュはここ、枢木卿は……あの辺りでいいかな?」
「分かりました」
絶対に負けない自信があるのだろう。シュナイゼルの言葉に素直に頷くと、スザクは背を向け歩き出す。
それを見送りながら、いよいよ迫った決戦にルルーシュはゆっくりと呼吸をし、気を落ち着けようとする。
「あ、ルルーシュ。靴紐解けてるよ?」
「なに?」
「嘘だよバァーカ! ウケケケケ」
「シュナイゼルゥゥゥウ!!」
ルルーシュの絶叫を無視し、全力でダッシュするシュナイゼル。
105名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:27:04 ID:pLRWjkON
何か皆調子わるいな支援
106名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:27:09 ID:GoVpnXDb
支援
107ギャグギアス日和:2008/09/12(金) 21:29:22 ID:rXniwACC
「貴様一度ならず二度までもぉ! というか俺の靴には紐ついてないわ!!」
「誇りとか矜持とかないのかあなたには!!」
「うるせー黙れクソども!! 一番乗りは私なんだよボケ! 誇りなんてそこらの狗に食わせたわクケケケェ!!」
「スザァァク! なんとかしろ!!」
「なんとかしたいけど、この距離じゃ微妙に届かない……そうだルルーシュ、ゼロの仮面被って!」
「仮面だと? 一体どうするんだ?」
「いいから被れよこのロリコン!!」
「俺はシスコンだ! えぇいクソ……被ったぞ。これでいいのか?」
どこからか仮面を取りだし被ったルルーシュを確認すると、スザクは渾身の力をこめ、床を踏み割るほどに強く踏み込み。
「飛んでけぇ!」
「あべし!?」
お約束の悲鳴と共に、ロケットのように蹴り飛ばされるルルーシュ(頭はゼロ)。
そのスピードは脅威的で、先を駆けるシュナイゼルにあっという間に追い付いたかと思うと、
「ケツがアッーーーーー!」
狙いすましたように、シュナイゼルの尻に命中した。勿論、ゼロの尖ってる部分がバッチリ穴に刺さったのは言うまでもない。

「まったく、君たちいい加減にしたまえよ? 人の痛みを知るべきだ。
 過労で真っ白に燃え尽きたライ君がまだ元気があった中盤に言っていたことを思い出しなさい」

『井上さん(と名前忘れた幹部の人)とダールトンさん、元気になったって。え? 死んだはずだろって?
 ああ、僕が助けたんだよ。君がスザクと遊んでいる間にね。それと、仙波さんの意識が戻ったって卜部さんが言ってたよ。
 それはそれとして、ルルーシュちょっとそこに座れ。君さぁ、ロロなんとかしてよ。危うくシャーリー殺しかけてたよ?
 何で君たち兄弟は大事なことが絡むと馬鹿になるとこばかり似てるんだ。ナベア●か? ナベア●なのか? コラ待て、まだ話は終わってない!!』

結局、スザクは離れた所からスタート。よーい、ドン! はルルーシュが言う。
というルールでもう一度やることになった。
108名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:29:45 ID:Y57dNAkY
打ち切りSS、KMFマスターライの電波が! 支援
109名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:29:46 ID:pLRWjkON
支援
110名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:30:21 ID:GoVpnXDb
>>105
そうだねぇ…。こういう事はめずらしいね。
支援
111名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:33:12 ID:Ufksg4Hk
支援

前スレもうDAt落ちかよ!?早すぎる…確認したいこととかあったのに…
112ギャグギアス日和:2008/09/12(金) 21:33:59 ID:rXniwACC
「じゃあ、準備はいいか」
「いつでもいいよ」
「早くしなさい寝とられのルルーシュ」
「変なあだ名付けるな! だいたいC.C.もカレンも神楽耶もシャーリーもその他諸々も俺がライに譲っただけなんだから! 勘違いするなよ!?」
「わかったからさっさとしろ」
スザクの冷え切った視線を受けてびくりとなりつつ、ルルーシュは(仮面被ったまま)クラウチングスタートの構えを取る。
「そ、それでは、位置につい」
「よドン!!」
「「よドン!?」
勝手に合図し勝手に走り出すシュナイゼル。こやつめ、やりおったわ!(CV.若本)
「シュナてめぇ! よドンってなんだよよドンって!」
「省略したんだよボケェ!! キェキェキェキェキェキェキェ!!」
ただただ純粋に「腹立つ」嗤い声を上げるシュナイゼル。
その瞬間、ルルーシュの怒りが頂点に達した。
「こ、この……!! 大概にしておけよ只人めがぁ!!!!」
獣の如き獰猛な殺気を纏うと共に、ルルーシュの肉体がまたたくまに膨張していく!
そして生まれる超・戦・士!! ピチピチになった黒いスーツによってますます強調される肉・体・美!!!
彼こそ泣く子ももっと泣く恐怖そのもの、魔王・ゼロ!!
「げげぇー!? 悪夢版は卑怯だろうがこの筋肉バカ! マッスルバカ! とにかくバカァ!!」
「やかましい! 結果は全てに優先するのだよ!!」
「結果が全て、か。ならば僕も……蒸着!」
「むぅ!?」
スザクの声に応えるように、光の粒子が彼の姿を覆い隠す。
光が消えた、そこにいたのは……白き鎧を纏った最強の騎士!!
113名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:34:28 ID:pLRWjkON
支援
114名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:34:47 ID:GoVpnXDb
支援
115名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:34:56 ID:Y57dNAkY
>>111 保管庫に行きなよ 支援
116ギャグギアス日和:2008/09/12(金) 21:38:19 ID:rXniwACC
「ランスロット仮面、推ぃぃぃぃぃ参!!」
「( Д ) ゜ ゜」
皆のヒーロー、ランスロット仮面その人だった!
「ふざけんなよウザクお前、元から化け物みたいなのに何やる気だしてんだよ!! ってかギャ●ンって古いんだよ幾つだコラァ!!」
「作者の趣味さ、許しは請わないよ!!」
「つーかシュナてめぇ何気にはえぇよ!! 何で互角なんだよほんとに只人かお前!?」
「卑怯者には負けられない!!」
「貴様が言うなよドチクショーー!!」
「「「うおおおぉぉぉぉぉぉーーーー!!!!!」」」
人外の速度で走る、キチガイ三人。
彼等が、アーカーシャの剣の目前で目にしたのは。

「「「ライ!!!!????」」」

それは幽霊だったのか、それとも幻だったのか。
或いは、誰よりも「世界」を愛していたかもしれない彼は、黄昏の空に溶けていった。


『え? 僕の望みは何か、だって?
 んー、そうだなぁ。別に、大したことじゃないんだけどね。
 親しい友人達がいて、隣には、好きな人がいてくれて、僕と一緒に歩んでくれる。
 それが望み、というか夢かなぁ。うーん、我ながら平凡だな。でもね、こんな当たり前のことが、きっと、
 最高の幸せだと僕は思うんだ。なんて、あはは。ちょっとくさかったかな?』
117名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:38:55 ID:GoVpnXDb
支援
118名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:39:04 ID:pLRWjkON
支援
119名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:40:06 ID:/lgqn35J
委員長の声はミサトさんでOK?
120千葉はライの嫁:2008/09/12(金) 21:43:02 ID:rXniwACC
若いってなんだ?
躊躇わないことさ!

バカバカしい内容でごめんね。顔文字とか使っちゃってごめんね。
さりげなくライが鬼籍に入っちゃってるし。でもこの中ではライが一番勝ち組だから許してソーリー。
というか今気付いたけど、新人さんが来たから投下するような内容じゃないですね。
まぁ、こんなこともあるさ。ではまた。

バイバーイ!
121名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:43:38 ID:pLRWjkON
支援
122名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:47:47 ID:pLRWjkON
乙でした〜
シュナイゼルがいい味出していてよかったです。
次回の投下をおまちしております。
123名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:48:46 ID:Y57dNAkY
>>120
ライは千葉……
違った、千葉はライの嫁卿、GJでした!
皆大好きだろう、ギャグが!
なんか今日投下されたのギャグ的なやつばっかなんですけど!?

めちゃくちゃギャグマンガ日和だ……あれ? オチは?
この見事なコラボレーション、最高にハイってやつだぜ!
貴公の次の投下が何であろうとも、全力を挙げてお待ちしております!
124名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 21:48:57 ID:hgFQiQOY
>120
乙でした。ライ・・・苦労したんだろうなあ・・・!涙なしには。
3馬鹿の無茶っぷりが楽しかったです。
そうだね!ゼロの仮面(特にR2版)は刺さるときっと痛いよね!

107で説教しているライに和みました。
残りのふたりは口尖らして横向いて聞いてたに違いないw
楽しかったです!またの投下を心より。お待ちしております。
125名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:06:06 ID:I8YevmIh
22:15に投下します。前書き、本文、あとがき合わせて8レス分です。
126名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:06:36 ID:AgEloy+C
投下しちゃうよ
かまわない?
127名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:07:36 ID:AgEloy+C
あ、かぶった
>>125
どうぞどうぞ
128名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:07:56 ID:pLRWjkON
どっちが先ですか?
129名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:12:24 ID:o5JbNT17
早い者勝ちで125氏に一票。
130125:2008/09/12(金) 22:12:33 ID:I8YevmIh
>>126
先に投下していいですか?
131余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/12(金) 22:19:24 ID:I8YevmIh
少し遅れましたが投下します。

作者:余暇
タイトル:愛しの姫君とキスの味
カップリング:ライ×ユーフェミア

(設定)
・特派編スザクEND後
・ライがユフィの騎士で恋人になってます。

(注意)
・甘いです。
・コーネリアファンの方、ごめんなさい。

本文は6レス分です。
132名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:20:03 ID:Y57dNAkY
もういっそ同時に投下するとか……冗談です
支援
133名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:20:12 ID:pLRWjkON
投下はどうするんですか?
126さんが譲っているので125さんが投下するのがいいんじゃないですか?
134余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/12(金) 22:21:29 ID:I8YevmIh
            『愛しの姫君とキスの味』

政庁にある庭園。僕はそこで、わが主であり恋人でもある、ユフィと待ち合わせをしていた。
「遅いな、どうしたんだろう?」
特区のことで、何か用事だろうか。でもそれなら、専任騎士である僕も同行させるはず。他の用事だろうか。
その時、携帯電話が鳴った。ユフィからだ。
「もしもし、何かあったの?」
『あっ、ライさん?すみません、エニアグラム卿がお見えになって、少し話し込んでしまったものですから。』
「ノネットさんがこっちに?」
『ええ、特区日本の視察とかで。会いたがっておられましたよ。』
「そうか、また挨拶しに行かないとな。」
『では、すぐにそちらに向かいますので、もう少し待ってて下さいね。』
そう言うと、彼女は電話を切った。
(ユフィとは特区成立後に恋人同士になったわけだが、このことはノネットさんには伝えていない。
案外知っていたりして。きっとからかわれるんだろうな。)
そう思い、僕は苦笑した。そのうち、温かい日差しに照らされて眠気に襲われた僕は、ついベンチに座ったままウトウトし始めた。
135名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:21:58 ID:Y57dNAkY
支援
136名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:22:06 ID:pLRWjkON
スイマセンでした。支援
137余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/12(金) 22:24:56 ID:I8YevmIh
「む……?」
僕は口を塞がれると同時に唇に甘い湿り気を感じ、目を覚ました。
「ライさん、寝ちゃうなんて酷いです。」
「……殿下?」
目を開けると、目の前にはふくれっ面をしたユフィがいた。
「あ、また殿下って呼びましたね?二人っきりの時は名前で呼ぶって決めましたのに。」
「ああ、ごめん。寝ぼけててつい。ところで、今僕に何かした?口に違和感を覚えたというか……。」
すると彼女は、頬を赤らめつつ言った。
「目覚めのキス、です。」
「キ、キス?」
「はい。お姫様が王子様のキスで長い眠りから覚めるという童話があるのをご存知ですか?それを再現してみたのですが、
効果抜群でしたね。お姫様と王子様の立場は逆ですけど。」
そう言って、ユフィはクスクス笑う。本当に大胆な人だ。特区が成立してからも時々租界へお忍びで出かけ、そのたびに僕も巻き込まれて、
後でコーネリア殿下にカミナリを落とされている。それだけならいい。突然学園にお忍びでやってきて、みんなの目の前で僕に抱きついて
きたときには肝を冷やした。その時は変装していたから、スザク以外には正体がばれずに済んだのだが、これがいけなかった。
僕が皇女殿下の騎士であることは周知の事実。その僕が他の女性と抱き合ったと大変なことになったのだ。
結局ミレイさんにだけ正体を明かし、その場は収めてもらったが、寿命が縮む思いだった。なのに彼女は、
「みんなの反応、面白かったですね。」
ときた。そういうわけで、僕は彼女に振り回されつつ、毎日を送っていた。
138名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:25:20 ID:Y57dNAkY
 支援
139名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:26:16 ID:pLRWjkON
支援
140余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/12(金) 22:27:17 ID:I8YevmIh
「今日もいい天気ですね。」
空を眺めながら、ユフィがつぶやいた。
「このエリア11が、日本が平和な世界になって、本当に良かったです。」
「そうだな。これも、ユフィが特区日本を宣言してくれたおかげだ。本当にありがとう。」
「いいえ、私一人の力ではありません。あなたがいつもそばにいて、私を支えて下さったからです。
あなたがいるから、私は勇気を持って前に進めるのです。お礼を言いたいのは私の方です。」
「君を支えたのは僕だけじゃないよ。スザクやコーネリア殿下、たくさんの人たちが支えてくれたから、ここまで来られたんだ。
僕たちはこの世界を、未来へと受け継いでいかなくちゃ。それが支えてくれる人たちへの恩返しになるから。」
「ええ、頑張りましょう!」
僕たちは頷き合った。


「ところで……。」
不意に、ユフィがいたずらっぽい笑みを浮かべた。何か嫌な予感が。
「今から租界へ出かけませんか?もちろんお忍びで。」
やっぱりそうか。僕はため息をついた。
「ダメだって。またコーネリア殿下に叱られるよ。」
「大丈夫ですよ、お姉様は私にはそれほどきつい口調にはなりませんので、私は耐えられます。」
「いや、僕が耐えられない。毎日叱られてばかりだと、その場面が夢に出てきてうなされるんだ。夢の中でまで叱られたくない。」
「うふふ。夢の中にもお姉様が出てくるということは、実はライさんは、お姉様のことが好きなのでは?
『叱られるのもまた快感!』という方も、世の中にはいらっしゃるようですし。」
どこでそんなことを覚えたんだ。悪いがそういう趣味は僕にはない。
141名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:28:09 ID:Y57dNAkY
支援
142名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:28:10 ID:pLRWjkON
支援
143余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/12(金) 22:30:34 ID:I8YevmIh
「とにかく、今日は租界に出たらダメ。わかった?」
「むう、それでは待ち合わせ中に寝てしまわれたライさんへの罰ゲームができません。」
僕がコーネリア殿下に叱られるのが罰ゲームなのか?冗談じゃない。
「と、とりあえずもう少し違った罰ゲームにしてくれないか?精神衛生上、良くない。」
「そうですか、でしたら……。」
ユフィは考えた後、こう言った。
「キスして下さい。」
「えっ、キス?」
「はい。それも、私が合格点を出すまで。」
合格点って。それって、君がいいと言うまでキスを続けろと?
「いや、あの……。何度もキスをするのは恥ずかしいんだけど。」
「だって、ライさんはいつもそうやって恥ずかしがって、私にあまりキスをして下さらないではありませんか。
だからキスをするのは、いつも私の方から。それって、不公平だと思いませんか?」
不公平とか、そういう問題なんだろうか。
「それだけではありません。ライさんからもキスしていただかないと、何だか一方通行の愛に思えてしまうのです。
もっと、私に愛情表現を見せて下さい。さりげないものではなく、もっとストレートで情熱的なものを。
でないと私、時々不安になるのです。あなたに愛されているという自信が持てなくなるのです。
ただのわがままな女だと思われているような気がして、怖くなるのです。」
ユフィの声が、だんだん小さくなっていく。その時僕は、自分の愚かさを知った。
自分がキスを恥ずかしがって敬遠しているせいで、彼女を不安にさせていた。それではいくら彼女の
身の安全を守っても、精神的に支えても、彼女の不安は取り除けない。彼女が欲しかったのは、それだけではなかったから。
「ユフィ。」
ユフィの不安を取り除いてあげたくて、僕は彼女を抱き寄せた。二人は視線をそらさず、じっと見つめ合った。
144名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:31:29 ID:pLRWjkON
支援
145名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:31:55 ID:rXniwACC
支援支援支援
146余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/12(金) 22:34:16 ID:I8YevmIh
「ごめん、ユフィ。君のことを何もわかってなかった。恥ずかしいという理由だけで逃げて、君の本当の気持ちを理解しようとしなかった。
自分も本当は君のことが大好きで、お互いの気持ちを確かめ合いたかったのに。」
「ではこれからは逃げないで、もっと私を見て下さい。私も一緒ですから、恥ずかしがる必要なんかありませんよ。だから……。」
ユフィはその細く柔らかい指で僕の顔の輪郭をなぞり、最後に僕の唇に触れた。
「もっと恋人らしいこと、私にして下さいね。」
「わかったよ、ユフィ。」
僕は彼女に口付けしようとした。だが彼女の柔らかそうな唇を見ると、また恥ずかしさがこみ上げてきて、
本当に軽く触れるくらいのキスしかできなかった。
「また…恥ずかしがってますね?」
ユフィは明らかに不服そうだ。
「いや、だってあまり僕からキスしたことないし、どうすればいいか…ん!?」
突然ユフィが僕の首の後ろに腕を回し、キスをしてきた。自分の想いをぶつけるかのような、熱くて甘いキス。しばらくして、彼女は離れた。
「お手本はお見せしましたよ。これくらいしていただかないと、納得できません。」
ユフィはそう言って、ニッコリと笑った。随分とハードルが高いな。でも別に、上手にしろとかそういうわけではないんだ。
羞恥心を投げ捨て、自分の想いをぶつけないと。
「わかった。じゃあ、目を閉じて。」
僕がそう言うと、彼女は言われたとおりに目を閉じた。僕はそっと彼女を見つめ、その唇に自分の唇を重ねた。
彼女の甘い香りに包まれて、僕を覆っていた羞恥心という名の壁は崩れ去っていた。

僕たちはこれからも歩き続ける。平和で優しい世界をより良くし、後世に伝えるために。
そして、二人の愛を確かめ合うために。
147名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:34:44 ID:Y57dNAkY
 支援
148名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:34:50 ID:pLRWjkON
支援
149余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/12(金) 22:38:35 ID:I8YevmIh
おまけ
庭園の隅で、二人の様子をうかがう影が二つ。
「………。」
「おーおー。二人とも何と大胆な…っと、どこへ行かれるのです、コーネリア殿下?」
顔を真っ赤にして飛び出そうとするコーネリアを、ノネットが取り押さえた。
「離して下さいエニアグラム卿!ここは政庁ですよ、あ、あんな破廉恥なことをしていい場所ではありません!
それにいくら恋人同士とはいえ、主従関係あってこそのもの。奴の行動はそれに反します!よって、奴を止めに…」
「まあまあ。あれくらい良いではありませんか。私が彼らを覗き見しようとお誘いした時に、なんだかんだ言って
殿下もついて来られたではありませんか。やはり男女のこういう関係に興味がおありなのですな。」
「なっ!?からかわないで下さい!私はただ、ユフィが不純異性交遊に走ってしまわないよう、監視を…」
「素直ではありませんな、殿下。女性なら一度は、こういうことに憧れるものではないですか。
それに、いつまでも妹君を子供扱いすると、嫌われますよ?」
「むう、しかし……。ちょっ、待てユフィ、それは!」
コーネリアの口を、ノネットの手が塞いだ。
「おおっと、大声を出すと気づかれますよ。しかしライ、それ以上は危険だぞ、色々な意味で。」
「むー、むー!」(離して下さい先輩!奴に天誅を下さねば!)
「おお、私を先輩と呼んで下さるのは何年ぶりでしょう。懐かしいですな。よし、今から学生時代の
思い出話でもしに行きますか!お邪魔虫は退散ということで。」(頑張れよ、ライ。)
コーネリアを引きずったまま、ノネットは庭園を立ち去った。

ちなみにそれから一ヶ月ほどの間、ライはコーネリアに嫌というほどこき使われることになる。
150名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:39:19 ID:Y57dNAkY
支援
151余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/12(金) 22:43:19 ID:I8YevmIh
以上です、支援ありがとうございました。
ユフィが大胆な子に……。これでいいのだろうか。
ライ×ユフィは確かに少ないですね、ネタが見つかり次第書きます。
その前に、ライ×リーライナを計画中なので、まずはそっちからということで。
152名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:44:27 ID:Y57dNAkY
>>151
余暇卿、GJでした!
甘いよ、なんか心臓の鼓動がおかしくなるくらい甘いよ!
というかむしろ見てて恥ずかしいよ
ほのぼのしてて甘い、いい、実にいい!
全力を挙げて貴公の次の投下をお待ちしております!
153名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:46:48 ID:pLRWjkON
お疲れさまでした。
リクエストを受け入れてくれて有難うございます。
素晴らしい作品でしたので感想は一言で
甘〜〜〜〜〜〜〜い!
以上次回の投下を心待ちにしております。
154名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:50:55 ID:rXniwACC
癒されました。やっぱりユフィはええこやなぁ……
続編出ても、やっぱユフィ死んじゃってるんだろうな。ヘコむ……。
155名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:55:29 ID:AgEloy+C
GJです
天然カップルっていいよね
ライユフィも近々やりたいな……

それじゃあ11時から投下するよ
156名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 22:55:56 ID:pLRWjkON
>>155
支援します。
157萌は文化:2008/09/12(金) 23:00:04 ID:AgEloy+C
では時間で投下

普段空気無視してみんなシリアス投下の中、ギャグを投下してた私ですが……
何故、私がシリアスの時はギャグが多いのでしょう?

「 夢 」の続きでごさいます

約9レス

注意点は以前と同様であります
後、前回からだけど少し表現がしつこい所があるかも

では投下
158名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:00:56 ID:pLRWjkON
支援
159萌は文化:2008/09/12(金) 23:03:12 ID:AgEloy+C
夢を見た。
嫌な夢だ。
ライ君があの赤毛の娘と仲良さそうに散歩をしていたのを私が遠くから眺めてる夢だ。
なんて酷い夢。
何が嫌だって丸1日仕事を休んでまで泣き続けて、まだ未練がましくそんな夢を見る私自身が嫌だ。
何を嫉妬しているの私は……?
ライ君に彼女が居たのがそんなに悔しいの?
そんなんだったらもっと早くに自分の気持ちに気づけば良かったのに……。
私はベッドから起き上がり鏡を見た。
酷い顔だ。
とても酷い顔だ。
丸々1日泣いて、目は充血、寝不足で目下にはクマ、肌もボロボロだ。
おかしくて笑ってしまうくらいみっともない顔。
こんな顔、誰にも見られたくない。
けど昨日は、風邪と嘘をついてまで休んだのだ。
ライ君と顔を合わせるのは辛いけど、いつまでも休んでるわけにもいかない。
仕方なく、私は仕事へと向かう準備をした。

「あ、おはようございますセシルさん」

職場に着くと朝から元気良く、ライ君が出迎えた。
どうして朝からライ君が?
ああ、そうか、今日は日曜日だったものね。
だから朝からライ君が居るのか。

「風邪って聞いてましたけどもう大丈夫なんですか?」
160名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:03:57 ID:pLRWjkON
支援
161萌は文化:2008/09/12(金) 23:05:01 ID:AgEloy+C
心配そうな表情でライ君は言った。
きっと本気で心配してくれているんだろう。
でも、その何気ない優しさが、今の私には………痛い。
胸が…しめつけられるように苦しい。

「おはよ……ライ君。もう、大丈夫だから…」

自分の覇気のない声にビックリした。
今の私には空元気すらなかったらしい。
そんな私を見てライ君はますます心配そうな表現になった。

「でもなんか辛そうですよ。無理しないでくださいね」
「〜〜!」

優しい。
どうして優しいの!
その優しさがこんなにも私を苦しめるのに!
私に優しくしないで!

「セシルさん………!」

突然、前触れもなくライ君の指先が私の頬をそっと撫でた。
驚いた私はゆっくりとライ君を見た。
心配そうに私を覗きこむライ君の瞳は、真っ直ぐに私をとらえていた。

「泣いてるのですか?」
「………え?」

言われて初めて、私は自分が泣いていることに気づいた。
162名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:05:21 ID:pLRWjkON
支援
163名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:06:54 ID:I8YevmIh
支援
164萌は文化:2008/09/12(金) 23:07:10 ID:AgEloy+C
「どうして……?」

たくさん泣いたのに……!
昨日、仕事を休んでまでずっと泣いてたのに!
それでもまだ泣き足りないの私は……?

「………何かあったのですか?」
「ッ!!」

この一言が決め手となった。
もう、限界だった。

「ちょっ! セシルさん!!」

とにかくこの場から逃げ出したい、ライ君から離れたい、その一心で私は部屋から飛び出した。

「………何やってるのかしら私は」

ライ君から逃げ出した私は公園のベンチで1人自己嫌悪に陥っていた。
ライ君は悪くないのに。
ライ君は悪くないのに。
何度も自分に言い聞かせてわかってるはずなのに。
何で泣いちゃったの私は!
もう自分で自分がわからない!
こんなにライ君が好きだったのならどうしてもっと早く気がつかなかったの!
こんなに苦しいなら気がつかなければよかったのに!
…………なのにどうして?
割り切ろうと思えば思うほど、ライ君の顔が離れない。
ホントに私、どうしちゃったの?
165名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:07:39 ID:pLRWjkON
支援
166名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:08:57 ID:I8YevmIh
支援
167萌は文化:2008/09/12(金) 23:09:29 ID:AgEloy+C
「………どうすればいいのかしら」

職場に戻らなければいけないけど、今戻ってもきっと同じことの繰り返しになるだろうし。
私は、どうしたら……?

「どうした、悩み事か?」
「え?」

いつから居たのだろう?
私の目の前に緑色の長い髪の少女が立っていた。
…………誰?

「よかったら話を聞いてやってもいいぞ。主にそこでピザを食べながらな」

何故か上から目線で少女は近くにあったピザ屋さんを指差した。

「あの、どちら様ですか?」
「そんなことはどうでもいい。私はピザが食べたいのだ。それに、悩み事なら誰かに話を聞いてもらうだけでもだいぶ楽になるぞ」

早い話がピザを食べたいだけのようだ。
でも彼女の言うことも一理あるかもしれない。
こんなこと知り合いに相談出来る人がいないし、せっかくだから聞くだけ聞いてもらうことにしよう。
結局、私は緑髪の少女にピザをご馳走して話を聞いてもらうことになった。

「フムフム、つまり最近まで意識してなかった年下の男を急に意識してしまい、その男が知らない女とキスしていたのを目撃してショックで泣いていたと。あ、ピザあと3枚追加」

一通り話すと緑髪の少女はピザを頬張りながら呆れていた。
168名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:10:27 ID:I8YevmIh
支援
169名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:10:45 ID:pLRWjkON
支援
170萌は文化:2008/09/12(金) 23:11:37 ID:AgEloy+C
「一つ聞くが…………お前、何才だ?」
「べ、別にいくつだっていいじゃないですか……! そ、そりゃ、確かに私もこの年で失恋してここまで苦しむなんて思ってもいませんでしたけど……」

うう、改めて口に出すと、なんだかすごく恥ずかしい。
やっぱりこんな赤の他人なんかに相談しなきゃよかったのかもしれない。
ところでそのピザ何枚目かしら?

「馬鹿かお前は?」

心底くだらないと彼女は鼻で笑った。

「ええ、色々と馬鹿だったとは思ってますよ」

なんで自分の気持ちに気づかなかったのかってこととか、少し年が離れた男の子を好きになってしまったこととか、年甲斐もなく泣きじゃくったこととか、自分で自分を馬鹿だと罵りたいことがいっぱいある。
そんなこと一々口に出されなくても自覚いる。

「そうじゃなくて、お前はただ、その男が知らない女とキスしていたのを目撃しただけで、告白して振られたわけじゃないのだろ? だったらそれは失恋じゃない。お前が勝手に失恋だと思い込んでるだけだ」
「………!」

ただの取り越し苦労、と言わんばかりに彼女は笑った。

「その男がホントに好きなら当たって砕けろ。そのほうが楽だぞ」
171名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:12:19 ID:Y57dNAkY
支援
172名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:13:07 ID:pLRWjkON
支援
173萌は文化:2008/09/12(金) 23:13:28 ID:AgEloy+C
うんうん、と1人納得したように頷くと彼女はピザを口いっぱいに頬張った。

「当たって砕けろって………無駄なのが確実にわかっているのに?」

どうせライ君にはあの赤毛の彼女がいる。
私が告白したところで、ライ君を困らせるだけだ。

「なんだ? フッ、どうせ彼女がいるのだから告白したらその男に迷惑だとかくだらないこと考えているのだろ」
「うっ」

思っていたことをズバリ当てられ私は硬直した。

「図星か、だがそれは相手のせいにして自分を正当化してるだけだ。本当は相手に拒絶され、惨めな思いをしたくないだけだろ。違うか?」
「ッ………!」

言い返せなかった。
それはきっと彼女の言う通り、私がライ君に拒絶されて、今の関係すら失ってしまうのが恐いからなのかもしれない。
でも、だからこそ、結末がわかっているのに
拒絶されるのがわかっているのに
きっと受け入れてもらえないというのがわかっているのに
自分の気持ちを伝える勇気なんて私にはない。

「どうせダメなら玉砕して徹底的に粉砕されたほうが楽だと私は思うがな」

確かにその通りかもしれない。
でも私は……やっぱり恐い。
174名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:15:06 ID:Y57dNAkY
志村
175名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:15:33 ID:pLRWjkON
支援
176萌は文化:2008/09/12(金) 23:15:49 ID:AgEloy+C
拒絶が恐い。
ライ君に拒絶されるのが恐い。
「ここまで言ってもダメか。まあ、どの道お前の問題だ。私の知ったことじゃない」

釈然としない私の態度が気に入らないのか、少し不愉快そうに彼女はピザをかじった。

「少しはお前も食べたらどうだ? 腹が減ってるからそんなマイナス思考なんじゃないか?」

すると彼女は私に食べかけのピザを差し出した。
そういえば、私は昨日から泣いてばかりでろくに食事を取っていない。
彼女の言う通り、ご飯を食べたら少しは元気になるかもしれない。
どうせ私のお金だし、私もピザをいただくことにした。
「………ちょっと待て」
私がピザを小皿に取ると彼女は難しい顔をして言った。

「その手に持ってるジャムをどうする気だ?」

どうやら彼女は私の持参して来たブルーベリージャムが気になったらしい。

「え? タバスコだとつまらないと思って、ジャムをかけようとしたんだけど……」

すると彼女はますます険しい表情になった。

「………正気か?」

あ、なんか今、すごく失礼なこと言われた気がする。

「いいじゃないですか。好きでやってるんですから」
「……それだ!」

突然、彼女はテーブルの上から前かがみ
177名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:16:22 ID:pLRWjkON
支援
178名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:16:25 ID:Y57dNAkY
なにミスってんだ、俺はorz 支援
179萌は文化:2008/09/12(金) 23:19:11 ID:AgEloy+C
に人差し指突き出した。

「好きだから関係ない。違うか?」
「………え?」

いきなりのことに戸惑う私を見て彼女は顔を近づけ、さらに言った。

「好きなのだろ? 好きだから他人にとやかく言われても関係ないのだろ? お前はその年下の男の子が好きなんだ。なら、彼女がいたって関係ないだろうに。好きなら好きと言ってやれ。泣くほど好きなら例え振られても胸を張って言ってやればいい。それでもお前が好きだとな」
「!!」


少し興奮気味に一通り言うと、彼女は満足したのかゆったりと座席に座った。
確かに彼女の言う通りかもしれない。
ようは私の気持ちの問題だ。
実にシンプルで簡単なことだ。
私はただ胸を張ればいい。
例え振られても、それでもライ君が好きだと胸を張ればいい。
他人の気持ちなど二の次だ。
私はライ君が好き。
この譲れない思いがあるなら、例え迷惑だろうとこの気持ちは押し通すべきだ。
この気持ちに素直でいるべきだ。
もう、自分に嘘をつくのも、我慢するのもよそう。
もう、迷わない。
私はライ君が好き。
私は覚悟を決めた。

「ありがとうございます。どなたかご存知ありませんが、おかげで吹っ切れました!」

私は立ち上がり、彼女にお辞儀をした。
180名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:19:52 ID:Y57dNAkY
支援
181名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:20:24 ID:pLRWjkON
支援
182萌は文化:2008/09/12(金) 23:20:48 ID:AgEloy+C
「私、今から彼に私の気持ちを伝えてきます」

すると彼女は細く微笑んだ。

「フッ、やっとわかったか。何事も勢いが肝心だぞ」
「はい、本当にありがとうございます」

私は再度お辞儀をすると走り出した。
ライ君にこの気持ちを伝えるために。

「礼などいらん。それよりピザの代金………ってちょっと待て! ピザの代金払ってから行け!! 私は金を持っていないのだぞ! …………仕方ない。ルルーシュを読んで払わせるか」

セシルを見送った彼女は店の人から電話を借りてクラブハウスへと電話をかけた。
183名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:21:23 ID:pLRWjkON
支援
184萌は文化:2008/09/12(金) 23:24:35 ID:AgEloy+C
以上で終了

今回で終わる予定だったのにな……
次回完結予定

実にセシルさん部屋が出来たらやろうとずっと温めてたネタがこのSS
だいぶ遅くなりましたがセシルさん部屋完成記念ですよ

前回で燃え尽きたかのかシリアスさが下がった気が…
ふふふ、難しいぜ
C.Cのキャラが少しあれかもしれませんね

管理人卿、申し訳ないですが>>176の最後が変に切れちゃってるのでうまく繋いでください

明日も朝早いので私はもう寝ます

では支援ありがとうございました
185名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:28:44 ID:pLRWjkON
乙でした。
セシルさんが切なかったですね。
でも吹っ切れたようでよかったかな?
次回で当たって砕けるか、それとも?
次回の投下を楽しみに待ってます。
186名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:29:39 ID:Y57dNAkY
>>184
萌は文化卿、GJでした!
C.C.が色んな意味でいいキャラですね
読み終わって感じる満足感、素晴らしい
続きがどうなるのか大変期待しております!
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
187名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:31:49 ID:I8YevmIh
>>184
GJ。セシルさんの想いが切ないな。
アドバイスしてあげるC.C.がいい人だ…と言いたいが、何枚ピザ食ってるんだww
セシルさんも、ピザにジャムをつけるなよwていうか、何で持参してるんだww
そしてこの代金は結局、ルルーシュが払わされるのか、哀れなw
次回を期待します。
188名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:34:14 ID:pLRWjkON
>>184
誤字です。ルルーシュを読んで=呼んで
189名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:45:24 ID:PBRBu5hV
いざ投下しようと思ったら今日は何でこんなにも…
練習で書いた戦闘物ですが、投下してもよろしいでしょうか?
190名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:47:55 ID:pLRWjkON
>>189
はい喜んで支援します。
191名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:49:58 ID:PBRBu5hV
ありがとうございます。では投下します。

タイトル   シアワセネイロ
カップリング ライ×アーニャ
ジャンル   スィリアス

ライ(モルドレッド)v.s.ビスマルク(ギャラハッド)で戦闘描写練習

ボツになった話を読めるようにしたものです。
ですから伏線は気にせず読み進めて下さい。回収する気はありませんので。
192シアワセネイロ:2008/09/12(金) 23:51:06 ID:PBRBu5hV
 おやすみ。そう言われて眠りに就いた少年は、永久をさ迷う。
 それは、彼に掛けられた贖罪の十字架か、それとも現実からの逃避か。
 どちらにしても、彼は選択したのだ。
 関わった全ての人々の記憶を封じ、そして自分だけがそれを抱えていくと。
 彼は言った。そうしたかった訳じゃない。そうするしかなかっただけだ、と。
 愛する人々に、自分の存在は害悪としかならない。
 あれは奇跡だったのだ。長い長い自分の懺悔に、神様が一時の安らぎを与えてくれただけなのだと。
 それは諦め。
 それは未練。
 様々な思惑を胸に秘め、彼は眠った。
 その判断が正しい物ではないと知りながら。
 彼は眠る。
 永遠の懺悔。
 しかし、終わりが無いから永遠と言うのか。それとも、終わりが有るから永遠と言うのか。
 彼の贖罪は終わる。
 彼は現実と向き合う。
 たった1人の少女を救うために。
 たった1人の少女と生きるために。
 それは、もしかしたら彼が一番望んでいた事なのかもしれない。
 だから、彼は全てを壊す。

 断罪の果てに迎える答えは、奇跡の福音。



     ‡シアワセネイロ‡



193名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:52:18 ID:Y57dNAkY
支援
194シアワセネイロ:2008/09/12(金) 23:52:59 ID:PBRBu5hV
 §1:Memory of 0


「ここ……どこ?」
 気が付けばアーニャは変な遺跡らしき場所に横たわっていた。
 辺りを見渡せば、赤。
 崩れて、というより爆弾か何かで崩されたような遺跡だが、どういう仕組みなのか壁面が赤く光っていた。
 その光が、古風な紋様を描きアーニャの頭の遙か上に続いている。
 当然、見たことのない場所だ。
 アーニャにとって、記憶の欠落は日常茶飯事……というほどではないにしろ、度々起こっている。
 しかし、それにしても今回は訳が分からない。黒の騎士団の旗艦にいたはずでは?とアーニャは首をかしげる。
 とりあえず状況を確認しようと起き上がろうとする。すると、
「ぎゅむ」
 ……ぎゅむ?
 奇声、と言えばいいのか。とにかく声が発せられた。
 そういえば、とアーニャはお尻から伝わってくる地面の感触がやけに柔らかい事に気づく。どうやら下に何やら物体があって、それを下敷きに自分は寝ていたらしいと判断。
 何となく直接見るのは気が引けたので、手でその物体を押してみる。
 ぎゅむぎゅむぎゅむぎゅむぎゅむ…。
 ……楽しい。
 アーニャは恍惚とした笑みを浮かべた。
 こんな状況でも自分の好きな行為に没頭できるのは、さすがはナイトオブラウンズといったところか。
「ぷはぁっ!…そろそろやめないか!」
「きゃっ」
 いきなりそれはアーニャの手を押しのけて起き上がった。
 ごろん、と転がるようにアーニャは落ちて、そして見た。
 アーニャが下敷きにしていたのは、少年。整った顔をした銀髪の少年だった。
 年はアーニャよりも少し上。スザクやジノと同じくらいだろう、とアーニャは思った。それは別に高めの身長から推測したとか、顔立ちから判断した訳ではない。そんな能力は持っていない。
 ただ単に、彼がアッシュフォード学園高等部の制服を着ていたからである。
(どうして、学校の人が…?)
 アーニャは考える。ここは古代遺跡のように見えるが、実はアッシュフォード学園の近くなのかもしれない。
……ジノが庶民の学校には謎が多いと言ってたし。
195名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:53:18 ID:Y57dNAkY
 支援
196シアワセネイロ:2008/09/12(金) 23:54:53 ID:PBRBu5hV
 しかし、アーニャは同時に、ここが学校の近くではないとも考えていた。
 何故なら……まあ、当然こんな遺跡が学校にあるだなんて考えられないからというのもあるが、何よりも少年の服装――アッシュフォード学園の制服にあった。
 ほとんど汚れていない。
 ここまで(と言っても詳しくは分からないのだが)来るのに、埃を少しも被ること無く歩いてきたようだ。
 あり得ない、とアーニャは思う。だが妙に納得する自分がいた。
 服が綺麗なまま、とかそれ以前に、彼はどこか現実から少し離れたような存在感を醸し出していた。
 それは、少し自分と似ているかもしれないとアーニャは思った。
「あのー…」
 不意に少年が話し掛けてきた。
 どうやら考えている間、少年をずっと見つめていたらしい。
 少し気恥ずかしそうに頬を掻きながら話し掛ける少年に、アーニャは何故か自分の動悸が激しくなるのを感じた。
 それを紛らわすためか、まあとりあえずは聞いておかなくてはならないだろう事をアーニャは言った。
「あなた、誰……?」
「それはこっちのセリフなんだが…」
 そう言って、アーニャと一緒に銀髪の少年も首をかしげた。


   ●


 銀髪の少年は、名をライといった。
 ライは首をかしげながら状況を確認する。
 先ほどから頭はぼんやりとし、目の焦点も合わないという体たらくだったが、ようやく覚醒してきた。
(ここは……間違いない、神根島だ)
 遺跡は崩れてしまっているが、幾つか残った特徴や、何より側にあるギアスの紋様が浮かぶ壁面は神根島の物そのものだ。
(僕は…また、目覚めたのか?)
 また、というのは昔も目覚めたという事に他ならない。
 どうやら今回は記憶に不備は無いようだ、とライは前に目覚めた事を思い起こす。
 C.C.に連れられ黒の騎士団に入ってゼロやカレンと共に日本解放に向けて戦っていた日々を。
 まあ、自分の場合、記憶を探るためにC.C.に従って成り行きで入ったようなものなのだが。それはここでは置いておく事にする。
197名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:55:34 ID:Y57dNAkY
支援
198名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:56:56 ID:pLRWjkON
支援
199シアワセネイロ:2008/09/12(金) 23:57:39 ID:PBRBu5hV
(とりあえずこの子は…?)
 ライはもう一度よく目の前にいる女の子を眺める。少し妹に似てるだろうか。可愛い。
(いや、何を考えているんだ僕は…)
 眠っている間に少しボケたのか、とライは浮かんだ考えを打ち消す。そして改めて観察すると…服装に特徴があった。
 ブリタニア軍のパイロットスーツ。
 それを見たライは当然のように推測する。つまり、この子はブリタニア軍なのか?それにしてもへそ出しとは…
(あああああ、また変な事を考え始めている!)
 ライは煩悩を追いやるべく、目線を強引に女の子の頭の上に向ける。
 そのピンク色の髪を見ながらライは思う。撫でたらとても気持ちいいだろうと。
「だから違う!」
「っ!?」
 突然上がった大声に女の子はびくりと震える。
「あ……怒鳴ったりしてごめん。君の髪がふわふわしてるから、つい…」
 こほん、とライは咳払いをして気を取り直す。
 そしてライは何人もの女性を陥れた美と魔性の柔和な笑みを浮かべ、
「僕はライ、君は?」
「アーニャ」
「そうか…アーニャ、はどうしてここに?」
「ここがどこか知ってるの?」
 アーニャは質問に質問で返す。こういう時には先に相手の疑問を解決してあげる方がスムーズに話は進むもの。
 ライはよく耳を澄ますと戦闘音が聞こえる事を確認し、話す内容を慎重に吟味しながら話す。
「ここは神根島と言って、エリア11の外れにある島のはずだ」
「ふ〜ん…」
 さり気なくエリア11、という言葉を使ってみたがそこにアーニャの反応は無い。
(という事は、まだ日本は独立していない……なら僕が眠ってからそれほど時間が経ってないという事か?)
 もしくは黒の騎士団が失敗したか、だ。
 だがライの予測では、自分がいなくてもあの時点で十分にブリタニア軍を倒せるはずなのだが。
 ……これ以上は時間の無駄か。
 皆、ギアスの力でライの事を忘れているが、ギアスの効かないC.C.やV.V.は別。
 V.V.が死んでしまった事を知らないライだが、そもそも彼とは面識があまり無い事を考えると、やはりC.C.に会うのが妥当か、と結論づける。
200名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:57:58 ID:Y57dNAkY
 支援
201名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/12(金) 23:58:43 ID:pLRWjkON
支援
202シアワセネイロ:2008/09/12(金) 23:59:43 ID:PBRBu5hV
「とりあえず、崩れそうだからここを出てから話そうか」
「うん」
 ライは立ち上がってアーニャに手を差し出す。
 差し出してから気付く。何を手を繋ごうとしているのだ、と。
 ライは慌てて手を引っ込めようとするが、それをアーニャが逃がすまいとガシッと捕まえる。
 この時、ライのいた所にチーズ君人形が置いてあったのだが、動揺したライは気づくよしも無かった。
「……………えーと」
「行く」
「ああ、うん、そうだね…」
 そのまま強引に指を絡められ、何故か体まで寄せられてライは歩き出す。
 ……ああ、僕はやはり女の子には逆らえない性格なのか。前起きた時もそうだけど、この時代の女性は皆こういう性格をしているのだろうか。
 ならば正さねばならないとライは思う。ただ、それと同時に、
 ……母も妹も、こんな感じだった。
 いつの世も女は強しという事だろうか、とライはアーニャの横顔を見る。
「アーニャは……どうしてここに?」
 アーニャは少し考える素振りを見せ、
「分からない。気づいたらライの上にいた。……でも、私にはよくあること」
「よくあること?」
「そう、記憶が途切れるの…」
 記憶が途切れる。どういう理由かは知らないが、その意味なら、ライはよく知っている。
 ……不安、なのかな…。
 記憶が途切れるよりは、逆にすっぱり全てを忘れた方がいいと思える時もある。特に自分はそうだった。のん気なものだとからかわれたのも、今ではいい思い出だ。
 一番嫌なのが、断片だけ思い出した時の違和感。
 それは、友人達の優しさに触れるにつれ、早く思い出さなくてはという焦りや、どこか自分が複数人いると思えるような感覚となって苦しめてくる。
 その苦しみを知っているライだからこそ、アーニャに共感できる。
「そっか…大変だね」
「……」
203名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:00:19 ID:Y57dNAkY
支援
204名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:00:28 ID:wMHTcaMv
支援
205シアワセネイロ:2008/09/13(土) 00:02:27 ID:PBRBu5hV
 ライの言葉に、アーニャは眉をわずかにひそませる。
 意味も無く同情されるのは不満なのかな、とライは苦笑しつつ、
「僕も記憶が無かった時があったんだ」
「あなたも?」
「それはもう、ばっさりと。自分の名前以外は全て忘れててね。逆に清々しい気分…なんて言ったら、記憶を戻すのに協力してくれた人達に悪いな」
「……取り戻せたの?」
「一応ね。まあ、また今までの事もよく覚えていないんだけど………今、何年?」
「皇歴2018年」
 アーニャが事も無げに言った年号に、ライは驚愕する。
 自分が神根島で眠ってから、一年。
 ……短すぎる。
 以前、ライが長い年月の眠りから覚め、現世に現れた時はもはや別世界と言ってもいいくらい時代は移り変わっていた。
 バトレーの実験により、生活に支障は無かったが。
 にしても、何らかの外的要因がなければそんなに短期間で出られないはず。何か理由があるはずだとライは考え…。
 ……いやまあ、遺跡壊れてたしなあ…。
 原因も何も、寝床を壊されたからに決まっている。
 だが、どうしてそうなったかはライは知らない。
「アーニャ、ギアス……って知ってる?」
「知らない。なにそれ?」
「……知らないならいい。また後で教えてあげるよ」
「わかった」
 こくんと頷くアーニャに、ライは満足そうに笑みを浮かべる。
 ……ギアスの事は知らない。なら、アーニャは関係無い……?
 不確定要素は多いが、とりあえずアーニャは信用できるだろうと安心する。
 嘘をついている、という考えが浮かばなかった訳では無いのだが…。
 とりあえず頷き方がとても素直で可愛らしいからどうでもいいか、と納得する。
(…僕もだんだんルルーシュの事をとやかく言えなくなったな…)
206名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:02:43 ID:wMHTcaMv
支援
207シアワセネイロ:2008/09/13(土) 00:06:05 ID:ArY2fk50
 遺跡から出て少し歩いたところで、そういえばギアスは使えるのか?とライが確認しようとしたところ、
「あ、モルドレッド」
 とアーニャが突然何かを見つけて反応した。
 ライはすぐにその視線の先を追ってみると、
「ほう…」
 見たことの無いナイトメアが横たわっていた。一瞬呆気に取られたがアーニャに駆け足で引っ張られていく。
 知ってる物があって安心したのか、アーニャの顔は少しだけほころんでいた。
「これ……君のナイトメア?」
「うん、モルドレッド」
「後ろに付いてるのはフロートユニットか…?」
「ナイトメア、わかるの?」
「え……まあ、少しは」
 アーニャはモルドレッドに乗り込みながら、ライに問う。
 同じくコクピットの中に乗り込んだライは、少し迷ったが頷いた。別に隠すほどの事ではないだろう。もはやここにいる事自体が異端なのだから。
 そんな軽い気持ちで頷いたライだったのだが、アーニャは少し考えて、うん、と頷き言った。
「じゃあ、ライが操縦して」
「何を馬鹿な、アーニャが操縦すればいいじゃないか」
「さっき足くじいた。とても痛い」
 もの凄く痛くなさそうに棒読みでアーニャは足の怪我を告げた。
 ライは、先ほどモルドレッドを見つけた時に思いっきり走ってた気がしたのだが、
「これでミサイル発射、これでハドロン砲が撃てる。フロートは少し故障してるけど、問題無い」
 完全にアーニャはライに操縦させる気のようだ。モニターを見ながら、設定も次々に切り替えていく。
 ……フロートにハドロン砲って、あの黒い機体みたいだな。でもハドロン砲は未完成だったんだけど…さすがに完成したのか。
 と、ライは投げやりになりながらも説明を聞いていく。飛ぶのは初めてだが、
 ……まあ、何とかなるか。
 モルドレッドは多少損傷してはいるが、月下よりも随分と高性能だ。機動力よりも攻撃力を特化したと見られがちだが、フロートを利用して上手く動かせば機動力は月下にも劣らない。
 それはモニターに映る機体の説明を見たライにも分かった。
208名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:06:35 ID:qGbnAXpX
 支援
209シアワセネイロ:2008/09/13(土) 00:08:13 ID:ArY2fk50
 ライは操縦席に座り、操縦桿の反動を確かめてからアーニャに頷く。
「とりあえず、準備はいいよ」
「ん、」
 分かった、という風にアーニャも頷き返し、

  ぽふん

 と、ライの膝の上に何かが乗っかった。
 アーニャだ。
 (くぅっ………!!)
 感慨深い感想がライの頭の中を駆け巡るが、あえてそれを言語化しようとはしない。
「あ、アーニャ…さん?」
「頑張って、ライ」
 ライの疑問の声を無視してアーニャはしれっと言った。素直ないい子なのだが…。
 ……意外と強引だな。
 しかし、見ず知らずの自分にナイトメアを預けるという事に不用心だと感じつつ、ライは素直にそれを喜んだ。
「じゃあ、行くよ」
 告げた言葉通り、思いっきりペダルを踏み込む。
 そして次の瞬間、赤の巨体は夜空に舞い上がった。

210名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:08:41 ID:wMHTcaMv
支援
211シアワセネイロ:2008/09/13(土) 00:10:45 ID:ArY2fk50
 §2:All-out Attacks


 ライは子供のように目を輝かせた。
(……うわあ)
 空が近くに感じる。
 ナイトメア以前に、そもそもライは空を飛んだことがないのだ。
 ……コクピットハッチを開け、風を感じてもいいかもしれないな。
 なんて爽やかな気持ちになるライだったが、。
『モルドレッド!どうかしたのかアーニャ!』
「へ?」
 ライはぼけっとした声を出す。
 モルドレッドの前には、長大な剣を抱えたナイトメアが立ちはだかっていた。
 それだけではない。
 ライが驚いたのは……上空で繰り広げられた戦場だった。


   ●


 ……ビスマルク。
 ライの膝に乗りながら、アーニャは淡々とした様子でモニターに映る情報を見る。
 現在、この戦場で展開している部隊はいくつかある。ロイヤルガードや、式根島駐屯地から借り入れた部隊など。
 そして、ブリタニア皇帝専用の旗艦グレートブリタニアに、ナイトオブワン専用機のギャラハッド。
 それらの部隊に共通する大きな点は、
 ……全部、ブリタニア軍。味方同士で戦っている…?
 反乱、にしては統率も取れてないようだが、とモニターを見ていたアーニャは思う。集団行動の苦手な自分からしたら大好きな状況ではあるが。
212名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:11:22 ID:wMHTcaMv
支援
213シアワセネイロ:2008/09/13(土) 00:13:23 ID:ArY2fk50
 状況を把握したアーニャは、次にビスマルクの言葉を頭の中でもう一度再生する。ビスマルクは、自分を味方だと判断している。
 ……ラウンズだから?それとも他に理由が?
 どちらにしろビスマルクは、
 ……ここに私がいた事を、驚いてはいない。
 ならば、自分の今の立場は…とアーニャが考えたところで、
「な、一体何が起こっているんだ!?」
『む…男の声だと?貴様、何者だ!』
「え、あ…いや……何者なんでしょう?」
「……馬鹿」
 説得しようにも、もうビスマルクはこちらを敵として認識してしまった。せっかくの味方が。
『ふざけた奴だ。アーニャをどうしたかは知らんが……斬る!』
 と、ビスマルクが通信を解き、ギャラハッドが長剣エクスカリバーを構えた。
「く……一体何なんだ!?」
「ライが喋るから…」
「アーニャのこと呼んでたし、味方じゃないのか」
「もう遅い」
 アーニャの言葉通り、ギャラハッドはモルドレッドに突撃する。
 轟。
 フェイントも何も無い、真っ直ぐな突き。だが、ギャラハッドとビスマルクの力ならそれが一番厄介なのだとアーニャは知っている。
 ……下手に防いでも、次の攻撃に繋がるだけ…。
 相手はビスマルクだ。当然、モルドレッドの防御力は理解しての攻撃。故に、あれは本命の攻撃ではない。かと言って無視するには痛い一撃だ。
「よけて」
「そんな無茶な…!」
「むう…」
 ……仕方ない、操縦を代わろう。
 もう少し様子を見たかったのだが、やられては仕方がない。攻撃を防いだ後、ビスマルクを何とか説得する。アーニャはそこまで考えたところで、操縦桿に伸ばそうとした手をしかし止めた。
 アーニャは見た。
 ライの、操縦幹に掛けられた手が――、
『覚悟!』
 ――尋常でない速さをもって動き出したのを。
214名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:13:41 ID:wMHTcaMv
支援
215シアワセネイロ:2008/09/13(土) 00:15:20 ID:ArY2fk50


   ●


「むう…」
 アーニャの不満そうな声を聞いたとき、ライは思った。仕方ないじゃないか、と。
 本来ならば彼に備わっていた常識的な判断力は完全に息を潜めていた。
 何故か。
 一言で言えば、ジェネレーションギャップ。
 ……サザーランドまで飛んでいるなんて!
 ライはフロートユニットを付けた新型や旧型が入り乱れた攻防を見て(この時目の前にいたギャラハッドの事は完全に忘れていた)、戦慄したのだ。
 フロートシステムがあれば敵が現れても余裕だろう。そんな事を考え浮かれていた自分を、ライはハドロン砲で撃ち殺したいとさえ思った。
『覚悟!』
 その声にようやくライは目の前のギャラハッドに注意を向ける。
(はあ…とりあえず、この人を何とかするか)
 でも強そうだな、とライは他人事のように思った。
 いや、事実彼は他人事として扱った。
 それは、彼本来の戦い方。己の心を無にし、あらゆる雑念を捨て去り、思考する。
(……………………くそ、柔らかいとか考えては駄目だ!)
 膝の上のアーニャのせいでなかなか雑念は振り払えない。
 ぴったりと体に密着したパイロットスーツは、幼いながらも自己主張する女の肉体を雄弁に語る。
 もっと離れてくれ。そう言いたい気持ちを、しかしライは抑える。
 ……ここでそんな事を言っても上手くいかないだろうし。
 ライが数ヶ月の新生活で身に染みた体質。そこから生まれた処世術。
 ……大変だったなあ…。
 カレンやC.C.の前で考え無しに発言した時は酷い目に遭ったものだとライは苦笑する。
 特にカレンに下手な事を言えば、すぐ周りに誤解されたものだ。しかもその事で必ず後でカレン本人から怒られるのだ。あれが一番つらかった。
 ……でも、楽しかった。
216名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:15:42 ID:qGbnAXpX
支援
217名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:16:12 ID:wMHTcaMv
支援
218シアワセネイロ:2008/09/13(土) 00:17:34 ID:ArY2fk50
 ギアスの力で皆は自分の事は忘れているはず。でも様子を見るくらいはいいだろう。
 自分の引き起こした結果を受け止めるくらいは。
 だから、
 ……ここでやられる訳にはいかない!
 そして、ライは操縦桿を握った手に力を込めた。


   ●


 ビスマルクは思った。勝った、と。相手のモルドレッドの防御力は心得ている。
 ……問題は、懐に入る事だったのだが。
 しかしギャラハッドの持つエクスカリバーの切っ先は今、完全にモルドレッドを捉えている。
 しかしモルドレッドに動きはない。こちらの動きに付いてこれないか、
 ……あるいは、防御から反撃に転じるつもりか!
 だが遅い。エクスカリバーは長剣だ。本来突きには向いていない。その長さを活かし敵を薙払うのが正しい使い方だ。
 にもかかわらず、ビスマルクはエクスカリバーで突く。斬るという手段も、結局はモルドレッドにとって防御できる事に変わりないからだ。
 故に、薙払った場合、そのままの勢いでモルドレッドは離れ、しかも自分は停止する事になる。
 しかし突きならば、自らの勢いを消すことなく、次の技に繋げられる。
(さあ、どうする!)
 後一息で切っ先が届くというところ。
 そこでモルドレッドはようやく動きを見せた。
 ビスマルクの予想通り、モルドレッドはブレイズルミナスの盾を展開する。
 エクスカリバーの威力を持ってしても、さすがにあの盾がある限り一撃では仕留めきれない。が、盾そのものは破壊できる威力は持っている。
「それ故の突きだ!」
 エクスカリバーの切っ先が放たれる。その勢いは、風を斬り、しかしその音が聞こえる前に相手の下に叩き込まれる――
219名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:18:14 ID:qGbnAXpX
 支援
220シアワセネイロ:2008/09/13(土) 00:20:33 ID:ArY2fk50
 ――はずだった。
「消えただと!?」
 ビスマルクの目からはそう見えた。
 実際はそうではない。モルドレッドは、ブレイズルミナスの盾に沿わせてエクスカリバーの突きを逸らしたのだ。
 エクスカリバーの刃がブレイズルミナスを噛む、ギリギリ前で。
 ビスマルクからしてみれば、何故か自分の突きが横に逸れ、その僅かに広がった空間にモルドレッドが吸い込まれていったかのような動き。
 結果、当たったという幻想を引きずったまま、消えたという感覚になる。
 言ってしまえば簡単だが、しかしそこに至るためには重大な事実が必要だ。
 ……この私の剣技を、完全に見切ったという事!
 そこに実力差があるわけではない。受け流し、そして避けるのを得意とする流儀の人物なら、確かにそういう事もある。
 例えば黒の騎士団の総司令、黎星刻。
 彼も攻撃を受け流すのを得意とする流儀だった。そして、不完全ながらも自分の攻撃を受けたという事をビスマルクは覚えている。
 しかし、
 あの時の星刻の機体は神虎だったとか、今の相手がモルドレッドだとか、そういうレベルの話ではない。
 異質だ。そうビスマルクは判断した。避け方が余りにも正確過ぎる。まるでドルイドシステムで完全にこちらの動きを分析していたかのよう。
 そう、相手はこちらの動きを予測したのではない。見てからの判断。
 普通、熟練者同士の戦いでは必ずあるはずの勘と呼ばれる物が、微塵も感じられなかったのだ。
「一体、何者だ……!」
 その問い掛けに答えるように、モルドレッドが動いた。


   ●


「ふう…何とか避けられたか」
 そう言ってのけたライに、アーニャは驚愕していた。
 一瞬の間のコマンド入力。
 モルドレッドはこんなにスムーズな動きができるんだ、と思うほどに精錬された動き。
221名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:21:36 ID:wMHTcaMv
支援
222シアワセネイロ:2008/09/13(土) 00:23:15 ID:ArY2fk50
「よく分からないけど、とりあえず倒せばいいんだね」
「うん」
 ビスマルクは倒す必要はなかったのだが、アーニャはあえてライを促した。
 見てみたい。筋肉の付き方、身のこなしから推測した強さの範疇など既に超えている。一体彼はどれほど強いのか。これだけでも十分なのだが…。
 しかし、強ければ強いほど、アーニャにとって都合がいい。だから止めない。
 ……もしライがビスマルクより強かったら…。
 思わぬ拾い物にアーニャは身を震わせて喜びを表した。
『一体、何者だ……!』
 ビスマルクの問い。それは自分も聞きたい。しかし今は…、
「頑張って」
 ライの力を試すため。ビスマルクには、尊い犠牲となってもらおう。


   ●


 モルドレッドは動く。
 エクスカリバーの切っ先は、ライから見て右に向けられている。
 ギャラハッドは手首を返し、斬撃に移ろうとするが、ライはあえてそちら、つまり右のエクスカリバーに機体を傾ける。
 ガギィン!
『ぬうっ!』
 今度はライは小細工をしなかった。しかし、エクスカリバーはモルドレッドのブレイズルミナスを切り裂く事はできない。
 長剣の強みはその長いリーチから繰り出される斬撃だ。しかしそれは同時に弱点でもある。
 そのリーチ故に、斬撃が威力を持つまでに時間がかかる。手首の返しから強引に振ったとしても、初速は遅い。そこをライは狙って防いだ。
 しかし、問題もある。エクスカリバーは長剣でありながら、大剣とも呼べるものだからだ。
『うおおおお!』
「くっ……!」
 ギャラハッドがブレイズルミナスに刃を食い込ませたまま、そのままモルドレッドを薙払う。
223名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:23:44 ID:wMHTcaMv
支援
224シアワセネイロ:2008/09/13(土) 00:25:12 ID:ArY2fk50
 その力は凄まじく、モルドレッドは簡単に吹き飛ばされた。
 だが、
『しまった…!』
 これがライの狙い。そもそもビスマルクが最初に斬る攻撃をしなかったのは、これを避けるためだったのだ。
 ライはあえてエクスカリバーの一撃を受け止め、そして投げ出される力に逆らわずに、結果距離をとる事に成功する。
「これで…!」
 ライはモルドレッドの両肩の盾を正面に構え、接続させる。
 シュタルケハドロン砲。
 威力のほどは聞いてないが、それでもハドロン砲が完成していれば十分倒せるはず。ライはグリップにあるボタンを押し込んだ。
 ドオオオオオン!
 赤黒い光の収束が、ギャラハッドに向かい、そして爆発する。直撃。しかしそれを確認する間もなく、
「うわっ!」
 ハドロン砲の反動で機体が揺れる。
「ブレーキ」
 そう言ってアーニャはライの膝の上から懸命に足を伸ばして、フロートのブレーキペダルを踏む。
 がくん、ともう一度機体が大きく揺れて、体勢が立て直されるが、
「足痛いんじゃないのか」
「あ…」
 しまった、という風にアーニャが口を開く。
 そして、
「あにゃ〜ん…」
「そんなに可愛らしく謝っても無駄だ」
「むう」
 これなら大抵の事は許してもらえるのに、とアーニャは口を尖らせて言う。
 ……なんて子供だ。
 ライは一度アーニャを教育し直す必要があると感じ、しかし許しを請う度に「あにゃ〜ん」とがっくりする様子を思い浮かべると、
『ぞくぞくするな』
「しない!……ってあれ?」
225名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:25:42 ID:wMHTcaMv
支援
226シアワセネイロ:2008/09/13(土) 00:28:03 ID:ArY2fk50
 まさか、と思いライが前を見ると、爆煙の中、左腕を失いながらも長剣を構えるギャラハッドの姿があった。
『マリアンヌ様以外に、この力を使う時が来るとは…』
「反動で砲撃が逸れた……?いや、完璧に捉えたはずだが…あの状態でこちらの攻撃をよけたのか、凄いな」
「ビスマルクは、ナイトオブワンだから」
「へえ…あの帝国最強の……ってなに!?」
「因みに私はナイトオブシックス」
「そういう冗談はよそう」
「むう、本当なのに」
 アーニャの呟きを無視し、ライは思考を巡らせる。
 相手は片腕。しかし、実力的には自分より上であるとライは判断する。先ほどは自分の策が勝ったが、
 ……結構油断してたみたいだし。
 だが、今度は隙の無い構えでこちらの出方を伺っている。
 こうなると、一転モルドレッドの不利になる。
 モルドレッドの攻撃手段は、ミサイルやハドロン砲が主だ。相手が格闘戦タイプなら尚更、それを起点にするしかない。
 ミサイルもハドロン砲も、悪く言えば大ざっぱな攻撃だ。その気になれば避けるのにそれほど苦労しない。
「そちらから来ないならこちらから行くぞ、っていうのは期待しても無駄かな」
「ビスマルクは我慢強い」
「アーニャは?」
「我慢弱い」
「なら行こう…!」
 一拍の間を置いて、ライはモルドレッドを突進させる。
『正面!?片腕と思って嘗めているのか!』
 ビスマルクの言葉を無視し、ライはモルドレッドを真っ直ぐに向かわせる。
 モルドレッドの機動力は、ギャラハッドに比べたら随分と遅い。グロースターよりは若干上という程度でしかない。しかし、それはつまり、
 ……月下と同じ動きができるという事!
 最も慣れ親しんだ速さ。だからこそライの動きに迷いはない。
 前へ、前へ、前へ。
 そしてギャラハッドがエクスカリバーの一撃を放つ瞬間、
「え?」
 アーニャは再びライのとった行動に驚いた。
227名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:28:39 ID:qGbnAXpX
支援
228名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:28:43 ID:wMHTcaMv
支援
229シアワセネイロ:2008/09/13(土) 00:29:53 ID:ArY2fk50


   ●


 今、ビスマルクの左目は赤い輝きを放っていた。
 ギアス。
 人知を遥かに超える王の力。
 彼のギアスは極近未来を見るギアス。未来を見る、というのは複雑なようでいてそうではない。
 例えば、リンゴが木から落ちれば、誰もがその軌道は予測できるだろう。例えば、相手が拳を構えて放てば、達人であればその軌道も読めるだろう。
 ようは、その積み重ねだ。
 物理現象や、相手の呼吸、読み、勘。
 それら全てを考慮し、未来を予測する。確率論の結果を自らの脳に浸透させ、視覚化しているに過ぎない。
 故に、眼前のモルドレッドの動きは読みにくい。通常の未来予測では、視覚化したところで、現在のモルドレッドの動きと何ら変わりないのである。
 それは恐らく、パイロットの操縦方法が特殊なせいだ。無駄の無い機械的な動き。推測できる情報が少な過ぎる。しかし、
 ……格闘戦のできる機体なら話は変わっただろうが。
 ビスマルクはエクスカリバーを振るう。たとえ動きが読みにくくとも、相手はモルドレッド。その動きなら十分対応できるレベルに自分は達している。
 しかし、ビスマルクは目を見開く。モルドレッドの動きが、読める。
「正面!?片腕と思って嘗めているのか!」
 フェイントのかける余裕の無い程の単純な動きならば、その未来を予測する事などたやすい。
 エクスカリバーをモルドレッドの軌道に合わせ、そして斬る。
「おおおおおお!!」
 モルドレッドはブレイズルミナスを展開して左肩を突き出す形で前進を止めない。
 ビスマルクはその事に笑みを浮かべる。片腕のエクスカリバーなら防げると考えたのだろう。だが、自分の技量とギャラハッドの性能ならば十分な威力が片腕でも出せる。
「故に、貴様の負けだ!」
 ドン!
 ギャラハッドのエクスカリバーがモルドレッドの左肩の盾を捉えた。そしてそのまま勢いを失う事も無く、切り裂く。
230名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:30:37 ID:qGbnAXpX
 支援
231名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:30:44 ID:wMHTcaMv
支援
232シアワセネイロ:2008/09/13(土) 00:32:58 ID:ArY2fk50
「む……!?」
 手応えはあった。
 モルドレッドの盾を切り裂く手応えは確かにあった。というより、むしろ手応えがありすぎた。
 ビスマルクは見た。エクスカリバーが、いとも簡単にモルドレッドの左肩から左足に掛けて振り下ろされていくのを。
 しかしビスマルクは知っている。
 ……モルドレッドは、ブレイズルミナスはこんな簡単には切り裂ける物ではない!
 そしてギアスの未来予測が告げる。モルドレッドが切り裂かれた事を無視し、こちらに突っ込んでくるのを。
「ブレイズルミナスを展開せず、左半身を捨てて次の攻撃に移るか!」
 その言葉通り、モルドレッドは前進を続け、ギャラハッドに肉薄する。
 もはや、返す手は間に合わない。長剣及び大剣の長所を活かした攻撃も、長いリーチ故に引き戻すのに時間がかかる短所を持つ。片腕なら尚更だ。
 ビスマルクは知る。己の敗北を。思えば、相手は自分のエクスカリバーの短所を狙う、という策を最初から最後まで突き詰めていた。
 ……驚くべきは、その戦略眼か!
 戦うポイントを見誤らない。それがどれだけ難しい事か、相手は知っているのだろうか。
「見事だ……!」
 言った瞬間、衝撃が機体を伝わる。モルドレッドの巨体を活かした体当たり。そして、
 ドドドドドドドドドドドド…!!
 零距離での、ミサイル一斉掃射。
 それを確認した所で、ビスマルクの意識は途切れた。


   ●


「やった」
 落ちていくギャラハッドの破片を見て、アーニャはガッツポーズを作った。
「ああ……ナイトオブワンを殺してしまった!」
「死んでない、コクピットは無事」
 アーニャがモニターにギャラハッドのコクピットブロックを表示する。
233名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:33:24 ID:wMHTcaMv
支援
234シアワセネイロ:2008/09/13(土) 00:35:14 ID:ArY2fk50
 ライはそれを見てほっとして息を吐く。
「しかし、あの状態で防御したのか……やはり凄い」
 確かに凄いが、
「ライの方がもっと凄い」
 とアーニャは呟く。しかしライは首を左右に振って、
「いや、運が良かっただけさ。実力的にはあちらが上。もう一度やったらこっちが負けるよ」
 そんなに謙遜する事ないのに、とアーニャが言うとライは苦笑いを浮かべる。
 確かにビスマルクの方が実力は上かもしれないが、だが勝利を収めたのは事実だ。アーニャの力は優に超えている。
 しかもライはモルドレッドに乗ったのは初めて。故に、たとえ勝手の分からない武装であろうと絶対に当たると確信できる状況に持ち込んだのだ。
 そんな戦法、アーニャは自分ができるとは到底思えない。というより、その戦法では確実にビスマルクにやられるのがオチだ。
(予想以上。これなら……)
「えと、…これからどうすればいいのかな?」
「モルドレッドはどう?」
「これ以上の戦闘は厳しい。エナジーも残り少ないしね」
 しかもビスマルクを倒した以上、こちらは敵としてブリタニア軍に認識されてしまった。サザーランド数機が向かってくるのをアーニャはモニターで確認する。
 ……どうしよう?
 アーニャとしては十分楽しんだし、これ以上ブリタニアに付き従う理由は無い。それに、ブリタニアにいるよりも楽しい物を見つけてしまった。
 後は自分の記憶の事をどうするか。
 そしてアーニャはモニターに向けてせわしなく動かしていた視線を止める。浮かぶ表情は笑顔。
「……ライは何かしたい事ある?」
「う〜ん、あるにはあるが。とりあえずアーニャの方を優先するよ」
「ありがとう。…じゃあ、下に降りて」
「わかったよ、お姫様」
 ありがとう。アーニャは素直にそう思った。
 そして操縦桿にあるライの手に自分の手を大切そうに重ねた。とてもとても大切そうに。絶対に手放さないという意志を込めて。


 ――私はずっと偽物の日々を過ごしていた。
 名前も本物か分からない。経歴も、記憶も本物か分からない。……分からない事ばっかりだ。
 分からないながら手探りで進んできた世界も、飽き飽きするような変わり映えのない物だった。
 だけど手に入れた。力を。私だけの“本物”を。
 だから――…
235名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:36:06 ID:qGbnAXpX
支援
236名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:36:20 ID:wMHTcaMv
支援
237名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:36:35 ID:ArY2fk50
これにて終わりです。支援ありがとうございました。読んで下さった方もありがとうございました。
戦闘描写は初めてなんで上手くいったかどうか…


 §3:WORLD END〜
 1ヶ月後、神聖ブリタニア帝国第98代皇帝シャルル・ジ・ブリタニアに代わりルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが皇帝に即位した。
 その傍らには、ナイトオブゼロとなった枢木スザク。
 そして、元ナイトオブシックスのアーニャ・アールストレイムとライの姿があった。
 果たして彼らの目的、ゼロレクイエムとは?
 ルルーシュの野望、アーニャの思惑、そしてライの選択が、世界に破壊と混乱を巻き起こす。


なんて設定はありますが書く気ゼロです。伏線放置万歳
238名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:40:07 ID:BkWNIATx
モルドレッドでギャラハッドを倒すというありえない展開をありがとう

これでビスマルクは弱いことが明らかになった
239名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:41:25 ID:wMHTcaMv
乙でした
戦闘描写良かったですよ。
次は続き物で読みたいですね。
あと、あにゃ〜んが最高でした。
次回の投下を楽しみにしています。
240名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 00:43:33 ID:qGbnAXpX
……ぐふっ!
>>237卿、GJでした!
素晴らしい、素晴らしいです!
萌え燃えな戦闘に胸が熱くなりました!
いちいちアーニャが可愛いよ、「あにゃ〜ん」って、なにかが目覚めそうだよ
全力を挙げて次の投下を待たせていただけますか!?
241犬男 ◆zzv8Mp4tBs :2008/09/13(土) 01:18:18 ID:wq7crbNn
誰もいないうちにこっそり投下。
久しぶりにココに来て見たら24まで続いててビックリな犬男です。
やとこさSS書ける時間が出来たので、短いですけど書いてみました。
全1レス程度の短いSSが投下したいと思います。

タイトル:『行政特区日本設立前夜』
カップリング:ライ×ユフィ
注意事項:青月編のユフィルートの後日談的なお話。
     最近SS板を見れなかった&書けなかったのでリハビリの意味も込めて書いたので
     文法的におかしなところがあるかもしれません。
242名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 01:19:51 ID:wMHTcaMv
一応支援
243犬男 ◆zzv8Mp4tBs :2008/09/13(土) 01:20:20 ID:wq7crbNn

「よし!これで確認は終わりっと。」
僕は見ていた書類を机の上に置き、椅子に座ったまま「ん〜」と背伸びをする。
机の上に置いてある時計が目に入る。時刻は午後の11時を表示していた。
(あと1時間で今日が終わり明日が来る。特区日本設立の日。
 無事に上手くいくのだろうか?彼がどう動くか、それが問題か・・・。)
そんな風に明日の事を色々と考えてるとベットの上に置いといた携帯が鳴り出した。
こんな時間に誰だろうと、携帯を手に取り、表示を見ると相手はユフィだった。
何か明日の事で相談でも出来たのかと思いながら電話に出る。
「もしもし、ユフィ?」
『あ、御免なさいこんな時間に・・。まだ起きてましたか?』
「うん、まだ起きてたから大丈夫だよ。それよりどうしたの、明日の事で何か相談?」
『いえ、そういうことではないんですけど、ただ寝付けなくて。
 ライと少し話が出来たらなと思って。」
「そういうことなら喜んで。僕も今あんまり眠くないし。」
『そうですか!それじゃ今からいきますね!!』
「えっ!ちょとユフ『ツーツーツーツー』切れてるよ。」
(でもユフィ、いくら同じ政庁内にいて恋人同士だとしても、こんな時間に男の部屋に来るのは不味いんじゃ
 ないだろうか・・。まあ、少し綺麗にしとくか。)

それから部屋にやって来たユフィと僕は、特区日本のことや他愛のない話をし、特区日本の成功を祈りながら眠りに着いた。

ユフィが一緒に寝たいと言い出し、僕はそれは無理だと言ったが結局勝てず、僕のベットで一緒に寝る事になった。
ユフィはすぐ寝付いてしまったか、僕は眠れない夜を過したのをここに追記しておく。
244犬男 ◆zzv8Mp4tBs :2008/09/13(土) 01:21:09 ID:wq7crbNn
以上で投下終わりです。

久々にSS書いたら短い文章でも疲れました。長文を書いてる職人さん方は本当に尊敬に値します。
それではまたお会いしましょう、バイチャ。
245名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 01:22:45 ID:wMHTcaMv
乙〜って早!
でも良く纏まっていて面白かったです。
次回の投下を待ってます。
246名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 01:30:23 ID:qGbnAXpX
>>244
犬男卿、GJでした!
こういうさっと読めるSSも良いものですね
というか皇女と一緒のベット……色々アウトだ
次の投下を待っています!
247名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 01:31:11 ID:/moqg2qA
すみません…。
途中で爆睡してしまったので、感想一気書きです。

>>120
千葉はライの嫁さん、お疲れ様でした。
いやぁ、馬鹿馬鹿しさに圧巻され、笑ってしまいました。
もしTVがこういう内容なら、視聴率バリバリ上がりそうですwww
たまには、こういうはっちゃけたやつも書きたくなるものさ〜♪
若さっていいなぁ…。(しみじみと思った。
次も期待してお待ちしております。

>>151
余暇さん、GJです。
いやぁ、大甘ですなぁ…。
もう、床転げまわるほど…www
しかも、ユフィかわええ…。
スザクには悪いけど、ユフィ×ライっていうのもいいかもと思いました。
新鮮でした。
続編お待ちしております。

>>184
きたよ、本命っ…。
すみません、支援できなくて…。
爆睡してました。気が付くと…ww
いやぁ、いい話ですな。
しかも、相手にC.Cもってくるとは…。
思いつかなかったですよ。しかも違和感ないし…。
さすがセシル・マスターの萌は文化さんだ。
これは、続きも期待大です。
次の投下も首をながくしてお待ちしております。
248名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 01:32:55 ID:/moqg2qA
その2です。

>>237
いやぁ、戦闘とキャラクターの描写がすごくよかったです。
そして、やはり、「あにゃ〜ん」に尽きますなwww
アーニャ、かわいいなぁ…。
今度、使っていいですか?「あにゃ〜ん」
使いたいなぁ…www
後…続きが無いのがとても残念ですね。
もしよければ、続き期待したいです。
では、次も楽しみに待ってます。

>>244
犬男さん、お疲れ様です。
小粒だけといい感じですね。
続き期待しちゃいますよ。
大変だとは思いますけど、今度は長めのやつお待ちしております。

いやぁ、しかし今日は幸せだなぁ…。
投下多いし、読み応えあるし、いろんなパターン楽しめたし…。
皆さん、GJでしたーっ。
249名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 04:23:42 ID:MRLyEa3m
シアワセネイロさんよ、萌えは素晴らしいけど戦闘がな。

ライ最強物の話なの?
250名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 07:19:11 ID:X3EcT12K
ライって最強キャラだろ?まあ、スザクが勝てたのは生きろ
ギアスのお陰だから、同世代のKMFでは勝つのは不可能だと俺も思うけど
251名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 10:02:14 ID:Qw0YaT2f
最強キャラではないよ。
被弾率高いし、不幸だし。
252名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 10:58:37 ID:5lEzwcCc
ひょっとしてジノってハーフ、つーかライだったりと妄想してみた
アーニャを妹のように面倒みている
ハーフであるカレンに惹かれている
イレブンであるスザクに好意的である
格闘武器が似ている
パーツを合体することで出現する鶴嘴型MVS、2本のMVSを合体させることによって使うツイン式MVS
こっから妄想
ノネットの親類ということで名門ヴァインベルグに入る、その際に髪の毛をノネットとおなじ金色に染めて同じように髪の毛を結う
http://rainbow2.sakuratan.com/img/rainbow2nd41004.jpg

まあ、ただのリスペクトキャラってオチなんだろうけどね
253名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 11:37:06 ID:KJKZBgwJ
>>252
面白い発想だね。でもそういう話は、
ここよりもゲーム本スレ向きじゃないかな? 向こうで話してみてごらん。
254名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 15:26:32 ID:dXauAs7O
>>252
なるほど
言われるまで考えもしなかった
本編でも、ジノの普段は明るいんだけど実は戦争や政争においては結構冷ややかな一面も発揮する、という小説板みたいな描写が増えていれば、より近い印象だったかも
何にしても惜しいキャラだ
kouseiさんとかが描くジノなら本編でもっと目立てたと思うんだがなぁ
255保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/09/13(土) 19:09:11 ID:k0GoRGmJ
                          ―業務連絡―

7月20日 2000より、第二回移転を行います。最大で約2時間の間、関門を除く殆どのページが見にくい、若しくは見られない事態が想定されます。
また、現在 構造と嚮団人事を中心にした保管庫の大規模な改装を行っており、一部のコンテンツの更新が凍結状態にあります。更新を継続中のものは以下の通りです。

・SS単体、領地、部屋、スレ毎一覧、一ヶ月毎一覧、過去ログ

尚、改装期間中であっても誤字脱字の修正依頼などは普段どおり受け付けますので(当日の移行本番を除く)、その点はどうぞご安心ください。
256名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 19:41:00 ID:/moqg2qA
>>255
お疲れ様です。
無理せず、ご自愛ください。
257名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 20:26:06 ID:BpS1b7l+
>>255
いつもお疲れ様です!
でも日付にはツッコんでいいでしょうか? 9月20日ってことですよね?
258255:2008/09/13(土) 20:52:32 ID:k0GoRGmJ
>>257 失礼、そうです。うむー、誤字以前の問題ですなこれは。

皆様、ちょっと早いけどお先に失礼いたします。では。
259名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 20:56:32 ID:/moqg2qA
トーマス様、お疲れ様でした。

今日は、静かですね。
景気づけというわけではありませんが、21時ごろ投下したいんですが、支援お願い出来るでしょうか?
260名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 20:59:01 ID:cGxCkvxT
支援
261名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 21:00:17 ID:/moqg2qA
支援表示ありがとうございます。
よろしくお願いいたします。

タイトル 蒼天の騎士 17話 嵐の前の…
カップリング なし

○注意点○
このSSは、オリジナル展開の為、アニメとは違う話になっています。
また、ナイトメアや設定なども本編とは違う解釈やオリジナルの部分が多々あります。
それらが駄目な方は、スルーをお願いいたします。
合計で10スレの予定です。

なお、投下は2分前後ごとに行う予定ですので、5分超えた場合は、トラブル発生と思っていただいて結構です。
その際は、再度投下しなおします。
262名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 21:01:14 ID:t7hd/ooQ
支援
263あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/13(土) 21:02:30 ID:/moqg2qA
中華連邦が解体され、超合衆国となって1ヶ月以上が経とうとしていた。
たが、未だに代表が決まらず、超合衆国は大きな動きもとれず不安定のままであった。
その最大の原因は、合衆国中華とその周辺の合衆国との衝突にある。
かって中華連邦時代に苦渋を舐めさせられ続けた国々が、合衆国中華中心の流れに難色を示していたためだ。
また、機会さえあれば侵攻しようとするEUやブリタニアの動きも活発になっており、そのため黒の騎士団の主力は大陸から動く事が出来なくなっていた。


蒼天の騎士(17) 嵐の前の…



「ゼロ、相談とは何だ?」
イカルガの司令室に呼ばれた藤堂は、入ってくるなりゼロが座っている机に近づいた。。
彼にしてみれば、ゼロから相談というのはめったに無い事であり、よほどの事だと思ったのだ。
「ふむ、藤堂…今の現状をどう思う?」
ゼロは椅子に座ったまま、藤堂に問いかけた。
「こう動きが取れなくてはな…。なんとか打破したいが政治に関しては私にはどうする事も出来ん」
藤堂は、軍人らしい意見を述べる。
264名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 21:03:09 ID:cGxCkvxT
支援
265あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/13(土) 21:04:21 ID:/moqg2qA
「そうだな。扇らが調整役で動いてはいるが、時間がかかりすぎる」
「確かに…。副指令は、相手の意見を聞きすぎる傾向にあるからな。
こういう事にはあまり向いてないのかもしれん」
「だが、彼以上に最適な人材がいない現状では、扇達にがんばってもらうしかないか…」
まるで確認をするかのようなゼロの言葉に、藤堂は自分の力不足を感じた。
そして、かってゼロの片腕として動いていたライ作戦補佐の有能さをしみじみ実感する。
彼がゼロの側にいれば、こういう状況にならなかったのではとさえ思えてしまう。
二人が黙った事でしばしの沈黙が司令官室を満たす。
ほんの1〜2分程度の沈黙ではあったが、藤堂にとってそれはとても長い時間に感じられた。
その沈黙は、ゼロが椅子から立ち上がることで破られた。
「やはり、そうするしかないか…」
ゼロは決断すると、藤堂の方を向く。
「藤堂、これから私は独自に行動する。よって黒の騎士団はお前に任せる」
「?!」
いきなりの言葉に、藤堂は言葉を失った。
266あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/13(土) 21:06:22 ID:/moqg2qA
「扇達にはそのまま調整役を続けさせろ。
時間は無いが、無理をして途中で超合衆国が瓦解してもらっても困るからな。
しっかりやるように言っておいてくれ」
そこまでゼロが指示を出した時、藤堂がやっと言葉を発した。
「なせだ…ゼロ。私では、君のように全体を見回しての判断などできんぞ」
「自分の事は良くわかっているようだな。だが、やってもらうぞ、藤堂。
この現状が超合衆国が軌道に乗るまで続くとは限らん。だから、打てる手は今のうちにすべて打ちたいからな」
「しかし…」
渋る藤堂に、ゼロははっきりと言う。
「藤堂鏡四郎。別に私と同じことをやれとは言わん。
きちんと方針さえ間違えなければ、お前なりに黒の騎士団を動かせばいい。
それに判断に困る時は、合衆国中華の黎 星刻に相談すればいい。
また、ディートハルトや行政特区のライには協力するようにきちんと連絡しておこう。いいな……任せたぞ」
そこまで言われてしまえば、返す言葉も無い。
そして、藤堂がゼロの申し出を受け、方針やいろんな作業の確認の打ち合わせが終わったのはそれから3時間後の事だった。
267名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 21:06:37 ID:cGxCkvxT
支援
268あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/13(土) 21:08:47 ID:/moqg2qA
深夜、部屋のドアが控えめに叩かれた。
「どうぞ。開いてます」
書類整理をしていた僕の部屋に咲世子さんが入ってくる。
「夜分遅くすみません」
「かまわないですよ。ところで何かあったんですか?」
そう言って、ハッとして身構える。
「またからかうのは勘弁して下さい…」
「…あ…」
咲世子さんは、その言葉にしまったという表情をする。
「ああ…忘れてましたわ。道理で物足りないと思いました」
がくっ…。
思わず椅子から滑り落ちそうになった。
「で…用事は?」
椅子に座りなおしながら、咲世子さんの方を向く。
「こちらを…。ルルーシュ様から連絡がきております」
そういうと、特殊な装置の付いた電話機を手渡してくる。
「ルルーシュから?」
僕はそれを受け取り、電話機に話しかける。
「どうしたんだ…ルルーシュ」
「ライか…。すまないな、こんな時間に…」
少し沈みがちの声。
何かあったのか…。
不安が心の底から湧き上がってくる。
269あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/13(土) 21:11:28 ID:/moqg2qA
「実はな…」
言いにくそうだが、ルルーシュは教団殲滅作戦での事を話し始めた。
V.Vを捕らえる事に失敗し、Cの世界という別空間で皇帝と対峙した事。
そして、その皇帝との対峙の際、ルルーシュを庇いC.Cが倒れ、現在記憶が失われてしまっている状態である事。
また、超合衆国の計画進行スケジュールの大幅な遅れが深刻なのも大きな問題だった。
話しを聞いている僕でさえ動揺してしまうほどだから、それを実際に体験したルルーシュにとっては、この程度の動揺で済むはずも無いだろう。
「で、どうするんだ…これから…」
僕は、ルルーシュの話が終わると感情を殺した声で聞いた。
「すまないが、しばらくC.Cをそちらに預けさせてくれ」
「それは構わないが……」
暫くの沈黙の後、覚悟を決めた声でルルーシュは答えた。
「黒の騎士団が動けない以上、暫くは私独自で動こうと思う。騎士団は、藤堂に任せるのでフォローを頼む」
「わかった。任せてくれ。………それはそうと……ルルーシュ…君は大丈夫か?」
最後の言葉は、友人として彼に聞く。
270名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 21:12:15 ID:t7hd/ooQ
支援
271あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/13(土) 21:13:56 ID:/moqg2qA
「ふっ…大丈夫だよ、ライ。無茶はしない」
少し明るめの声で答えが返ってくる。
「ならいいんだけどな…。
君は何でも自分で背負い込みすぎるからな。少しは僕も頼ってくれよ」
受話器の向こう側で、苦笑しているような笑いが漏れる。
「もう頼ってるさ。お前じゃなきゃ、ナナリーやC.Cを安心して預けられないからな」
「わかったよ。……でも、本当にきつい時は連絡をくれよ」
「ああ、その時は真っ先に連絡するからな期待していろ」
軽口のやり取りではあったが、互いに相手を心配している事がわかる。
そしてしばし談笑し、ルルーシュは最後に僕にこう伝言して電話を切った。
「そろそろ大きく何かが動きそうだ。注意しておいてくれ」と…。
272あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/13(土) 21:16:03 ID:/moqg2qA
そしてその夜は、ルルーシュの電話の後、もう1本電話を受ける事になった。
「やぁ、元気にしてるか、ライ」
「ええ、元気だけはありますよ、ノネットさん」
しかし、返事は返ってこない。
(あ……)
以前何度も言われた事を思い出し、すぐさま言い直す。
「いえ…義姉さん」
「そうかぁ、元気が一番だからな」
言い直した途端、返事が即答される。
(現金だな…相変わらず…)
苦笑が漏れる。
「いや、元気ならいいんだよ。相変わらずバリバリやってそうで安心した」
「義姉さんこそ、元気ハツラツって感じじゃないか…」
「当たり前だ。私はいつも元気だからな」
そういわれ、確かにその通りだと思ってしまいそうになる。
今までどんな事があっても前向きで元気に対応してきたノネットさん。
だか、見えないところで悩み苦労している事を僕は知っている。
伊達に1年近く世話になったわけではない。
だが、それは言うわけにはいかない。
言えばノネットさんを傷つける。
だから、いつもどおり軽口で対応する。
273名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 21:16:14 ID:t7hd/ooQ
支援
274名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 21:17:23 ID:qGbnAXpX
支援
275あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/13(土) 21:18:49 ID:/moqg2qA
「元気がない義姉さんなんて想像できないからね」
「こいつ…」
互いに笑いあう。
「そういえば3日後だったな…。皇帝陛下の行政特区日本の視察は…」
「ええ、そうですよ。おかげで今夜も遅くまで事務処理です」
苦笑が漏れる。
「あははは、がんばれよ」
「もちろんですよ。任せてください」
「おうおう、逞しくなったなぁ…。では、今度そっちに行った時は、模擬戦楽しみにしておくからな」
騎士になるまで修行と称して模擬戦でこってり絞られた事を思い出す。
「なるべくお手柔らかにお願いします」
「おいおい、お手柔らかにやったら意味が無いからな。本気でやるからな」
「ひいーっ…勘弁してください」
「あははははは…」
受話器の向こうから笑い声が響く。
だが、その笑い声はすぐに落ち着いた声に変わる。
「どうも嫌な予感がするんだ。それにこっちもEUの動きがきな臭いからな。何が起こるかわからん…気を付けろよ」
「僕の事を心配してくれるのはうれしいけど、義姉さんこそ気を付けてください」
「当たり前だ。ライの成長ぶりを見ない事には、死んでも死にきれんからな」
お互いに笑うと別れの挨拶をして電話を切った。
276名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 21:20:22 ID:t7hd/ooQ
支援
277あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/13(土) 21:20:47 ID:/moqg2qA
電話が終わると椅子に深く座り、背もたれに身体を預けた。
独自に集めた資料や情報から何かが起こりつつあるという事は一応考えてはいたが、その考えが今の二人の電話から確信へと変わっていた。
だが、普通なら何か起こる場合には前兆があり、それによって予想が立てられるのだが、今回はありすぎて予想がまったく出来ない。
そう…一気に世界が動こうとしている感じがする。
だが、何もしないわけにはいかない。
出来ることをやっておかなくては…。
僕は、再び書類に手を伸ばし、作業を再開した。
278名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 21:21:40 ID:qGbnAXpX
 支援
279名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 21:42:02 ID:LD7xSfsI
sien
280あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/13(土) 22:03:33 ID:/moqg2qA
皇帝陛下の行政特区日本視察の当日。
僕は、式根島のブリタニア基地で案内役として皇帝陛下の乗るグレートブリタニアを待っていた。
この島と神根島は帝国直轄領となっており、先行して来ていたシュナイゼル殿下達はすでに到着し、警備についている。
「やぁ、実際に会うのは初めてだね、ライ卿」
「はい。行政特区設立の草案の際、映像電話でお話して以来です、殿下」
臣下の礼をとり、そう答える。
「まぁ、楽にしてくれ。硬苦しいのは抜きでいきたいからね」
「ありがとうございます。それに今回、こちらの基地利用の許可と警護の協力を頂き大変助かりました。
現在の特区内の治安部隊と騎士団の戦力では、とてもではありませんがここまでの警備体制は無理でしたから」
「気にする事は無いよ。一応、特区を承認した人間の一人だからね。協力は惜しまないよ」
シュナイゼルはそういうと微笑んだ。
裏表の無い笑顔のように見える。
だが、その笑顔を素直に信じる事は出来なかった。
本能が警告を発している。
「おや…そろそろだね。到着は…」
海の向こうに微かな点がいくつか見えてくる。
そして、その点の集まりの中にあるひときわ大きな1つの点「グレート・ブリタニア」に皇帝陛下が乗っている。
ごくりと唾を飲み込む。
何度か皇帝陛下とは直に会ったことがあるが、あの目の前にした緊張は忘れられない。
そして、以前ルルーシュの電話にあった皇帝と対峙したという話やCの世界という別次元の話…。
予想がつかない事を皇帝は実施しようとしている事だけはわかっている。
だから今回の視察がただで済むわけはないだろうと予想していた。
だが、僕は怯む訳にはいかない。
そう決心し、皇帝の到着を待つ。
しかし、その決意は意外な形で裏切られる事となる。
281名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 22:05:10 ID:/moqg2qA
以上で終了です。
支援ありがとうございました。

猿にPCトラブルで最後になって書き込めなかった。
最近こんなのばっかりだ…。
祟られているのかなぁ…
282名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 22:18:51 ID:59kRVoAo
新人ですが、投下してもよろしいでしょうか。
30分ごろに投下したいのですが、支援の方よろしくお願いします。
283名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 22:23:10 ID:qGbnAXpX
>>281
あしっど・れいん卿、GJでした!
オリジナルを突き進むこのSS、ゼロが単独行動するとは……
先が読めず、ワクワクしますね
どういう結末へと向かうのか楽しみであります
と、いう訳で
貴方の次の投下を楽しみに待っています!
あと、人造人間も楽しみにしていますよー!
284名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 22:26:27 ID:qGbnAXpX
おっと
>>282
支援しましょう
285名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 22:26:27 ID:/moqg2qA
>>283
支援しますよ。
投下どうぞ。
286名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 22:26:45 ID:6WiLy8Ws
>>282
支援しますよ
287捏造特派ENDif:2008/09/13(土) 22:28:06 ID:59kRVoAo
では投下します。
特派ENDのifです。
特区日本は成立せず、原作どおりに進みます。
ブラックリベリオン後です。
本作品は捏造によって出来てます。
シュナイゼルの設定もオリジナルです。
それでもよろしい方はどうぞ。
288捏造特派ENDif:2008/09/13(土) 22:30:25 ID:59kRVoAo
目覚めた時、全てが終わってしまったと知った。
そして目覚めと同時に世界の荒波に翻弄されてしまったのだろう。
その先にあるものが何なのか、まだ、僕にはわからない。
だけれど、僕は、僕たちは足を止めるわけにはいかないのだ。




僕は今、シュナイゼル殿下旗艦、アヴァロンの医務室に居た。
何故そんなところに居るのか、混乱した僕にドクターが順を追って説明してくれた。
そう、僕は・・・・・・。
289名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 22:30:53 ID:/moqg2qA
すみません。
282でしたね。
290捏造特派ENDif:2008/09/13(土) 22:33:14 ID:59kRVoAo
行政特区日本。
ユーフェミア皇女殿下が唱えた限定的だが、イレブンが日本人へと戻れる世界。
スザクが、ユーフェミア殿下の専任騎士である枢木スザクの夢の第一歩が実現するはずだった。
だが、ゼロと二人きりで奥に行ったユーフェミア殿下が一人で戻った時、悲劇が始まった。

「日本人は殺さなきゃ」

とても正気とは思えないユーフェミア殿下の言葉を聞き、すぐさま止めようとした。だが。

「あなたは邪魔するの?邪魔するのなら・・・・・・」

気付いたときには腹に熱と衝撃が奔っていた。
撃たれたのだ、あのユーフェミア殿下に。
続けざまに2、3回撃たれ、意識を失う。
最後に聞いた声は、

「虐殺です!日本人は皆殺しです!!」

という彼女の声と、それに呼応したKMFの銃火器の銃声だった。

291名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 22:34:01 ID:qGbnAXpX
支援
292名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 22:34:26 ID:/moqg2qA
支援
293捏造特派ENDif:2008/09/13(土) 22:36:49 ID:59kRVoAo
行政特区日本。
ユーフェミア皇女殿下が唱えた限定的だが、イレブンが日本人へと戻れる世界。
スザクが、ユーフェミア殿下の専任騎士である枢木スザクの夢の第一歩が実現するはずだった。
だが、ゼロと二人きりで奥に行ったユーフェミア殿下が一人で戻った時、悲劇が始まった。

「日本人は殺さなきゃ」

とても正気とは思えないユーフェミア殿下の言葉を聞き、すぐさま止めようとした。だが。

「あなたは邪魔するの?邪魔するのなら・・・・・・」

気付いたときには腹に熱と衝撃が奔っていた。
撃たれたのだ、あのユーフェミア殿下に。
続けざまに2、3回撃たれ、意識を失う。
最後に聞いた声は、

「虐殺です!日本人は皆殺しです!!」

という彼女の声と、それに呼応したKMFの銃火器の銃声だった。

294名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 22:38:11 ID:qGbnAXpX
 支援
295捏造特派ENDif:2008/09/13(土) 22:38:18 ID:59kRVoAo
ドクターの言葉によると、その後、黒の騎士団が乱入し、ブリタニア軍の殲滅と、
・・・・・・ユーフェミア様の殺害により鎮圧。
そして、この悲劇により、日本人、イレブンの一大武力蜂起が起る。
ゼロによる「合衆国日本」の建国宣言により、独立戦争が勃発した。
それは各地の静観していたイレブン全ても蜂起した反乱。
後にブラックリベリオンと称される反乱となる。
黒の騎士団の指揮の下、東京租界の構造を逆手にとった作戦。
租界外苑部のパージ、指揮系統の混乱。
勢いに優る黒の騎士団の攻勢。
だが、それも長くは続かず、リーダーのゼロの戦線離脱による混乱によって、
ギルフォード卿、そしてグラストンナイツの指揮の下、鎮圧された。
援軍としてこちらに向かっていたシュナイゼル殿下の合流もあり、
エリア11は完全に落ち着いたようだ。


296名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 22:38:41 ID:/moqg2qA
支援
297捏造特派ENDif:2008/09/13(土) 22:39:26 ID:59kRVoAo
そして僕はロイドさんたちに運ばれここに居るらしい。

「・・・スザクは?スザクは無事なんですか?」

そう、枢木スザク。僕の友人にして、戦友。
ユーフェミア様を失った彼は、どうなっているのだ。
その時、

「ざ〜んねんでした〜。目が覚めたって聞いたから来たよ〜」

「ライ君!無事でよかったわ。どこか痛む所は無い?」

特派主任のロイドさんとそのお目付け役のセシルさんの二人が来た。

「ロイドさん、セシルさん。お二人も無事でしたか」

「うん、元気元気。君も大丈夫そうだねぇ〜。もうセシル君なんか顔真っ青にしてたんだよ?」

「ロイドさん!・・・けど、本当に無事で良かったわ、ライ君」

「ありがとうございます。心配かけてしまったようで・・・。それで、スザクは?」

ずっと気になっていた事を尋ねる。
298名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 22:40:24 ID:qGbnAXpX
支援
299名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 22:42:55 ID:/moqg2qA
支援
300名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 22:47:12 ID:kXE5ANy+
また猿か。支援
301名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 22:51:27 ID:/moqg2qA
なんか・・・最近多い気がする…。
支援
302捏造特派ENDif:2008/09/13(土) 23:18:27 ID:59kRVoAo
「スザク君は、反乱の際に飛び出してしまって・・・。今は本国に居るの」

「本国?何故そんなところに・・・?!」

「あは〜、お手柄さ!大手柄を上げちゃったんだよ、彼。
 ゼロを捕まえちゃたんだってさ。凄いよね〜、僕も顔を見たかったのにな〜」

「ゼロを?!それで・・・本国に・・・」

スザクがゼロを・・・。仇をとったのか、スザク・・・。
僕が物思いにふけっていると、

「あ、そうだ。起きたら連絡しなきゃいけないんだった!」

突然ロイドさんが声をあげる。

「誰に、ですか?ロイドさん。私は聞いてませんよ?」

「うん、シュナイゼル殿下に」

「「シュナイゼル殿下!?」」

余りの衝撃に、僕とセシルさんは大きな声を出す。
303名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 23:23:01 ID:/moqg2qA
支援
304捏造特派ENDif:2008/09/13(土) 23:23:38 ID:59kRVoAo

だが、そんな驚きを通り越した、更なる衝撃がやってきた。

「その必要は無いよ、ロイド」

扉が開いたかと思えば、なんとその人、シュナイゼル殿下がやってきたのだ。

「あれ〜僕まだ呼んで無いのに?どうしたんです、殿下」

そんな僕たちを尻目にまったく動じて無いロイドさんが疑問を口にする。

「ああ、主治医が報告してくれたんだよ。・・・ライ君、無事で何よりだ。
 君に用があるんだが。悪いけれど席を外してもらえないかな?」

と、殿下はロイドさんとセシルさんに命じる。

「わかりました。行きましょう、ロイドさん。ライ君、ゆっくり休むのよ?」

どこか不満そうなロイドさんを引きずって、セシルさんは退室して行った。
305名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 23:25:25 ID:/moqg2qA
支援
306捏造特派ENDif:2008/09/13(土) 23:28:55 ID:59kRVoAo
「あの、一体僕に何か・・・」

「うん、君の事は前から気にかけていてね。特にバトレーからの報告の後からは」

「!!ということは、ご存知と言うことですか・・・。僕を、またあの研究に・・・」

バトレーから聞いたということはまたあの実験を・・・。
ここは逃げるしか・・・、いや、無理だ。この傷さえなければ。
だが、そんな僕を見ながら、彼は今日一番の衝撃の一言を口にした。

「いや、そんな事はしないよ。君に頼みたいことがあるんだよ。
 私の騎士になってもらえないか?」

「な、僕を騎士に・・・!?」

ブリタニア皇族にとって騎士とは自らの剣であり盾。主人の命を絶対とするもの。
騎士として代表的なのは、やはりコーネリア皇女のギルフォード卿だろう。
彼のように公私ともに支える存在。
だが、それに自分が、それも次期皇帝との呼び声も高いシュナイゼル皇子の。

307名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 23:31:30 ID:qGbnAXpX
 支援
308名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 23:32:36 ID:/moqg2qA
支援
309捏造特派ENDif:2008/09/13(土) 23:33:41 ID:59kRVoAo

「そう構えないでくれないかい。君にとっては急かもしれないが、私は以前より、
 君の活躍を知り、興味を持ち、君ならと思ったのだよ。
 君の能力は優秀だ。戦闘に限らず、その政治的能力も高いと聞いた。
 だからこそ、是非私に、ブリタニアのために力を貸して欲しい」

シュナイゼル殿下にここまでかってもらえるとは思わなかった。
しかし、シュナイゼル殿下なら、騎士の一人や二人はいるだろうに。
そう思ったのが顔に出たのか、

「ああ、私には騎士は居ないのだよ。警護隊、親衛隊のようなものなら居るがね」

シュナイゼル皇子は言う。昔は居たのだが、やはり次期皇帝候補であるほど危険は多い。

次期皇帝の騎士となれば、とてつもない栄誉であるからだ。

また、シュナイゼルの騎士ともなると、周囲の羨望や嫉妬となり、狙われると言う。

特に最前線での戦いも多いため、生半可な実力では彼の騎士になっても死ぬだけだ。

だからこそ僕を選んだのだと言う。

310名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 23:34:39 ID:qGbnAXpX
支援
311修正:2008/09/13(土) 23:35:32 ID:59kRVoAo
「そう構えないでくれないかい。君にとっては急かもしれないが、私は以前より、
 君の活躍を知り、興味を持ち、君ならと思ったのだよ。
 君の能力は優秀だ。戦闘に限らず、その政治的能力も高いと聞いた。
 だからこそ、是非私に、ブリタニアのために力を貸して欲しい」

シュナイゼル殿下にここまでかってもらえるとは思わなかった。
しかし、シュナイゼル殿下なら、騎士の一人や二人はいるだろうに。
そう思ったのが顔に出たのか、

「ああ、私には騎士は居ないのだよ。警護隊、親衛隊のようなものなら居るがね」

シュナイゼル皇子は言う。昔は居たのだが、やはり次期皇帝候補であるほど危険は多い。

また、シュナイゼルの騎士ともなると、周囲の羨望や嫉妬となり、狙われると言う。

次期皇帝の騎士となれば、とてつもない栄誉であるからだ。

特に最前線での戦いも多いため、生半可な実力では彼の騎士になっても死ぬだけだ。

だからこそ僕を選んだのだと言う。



312名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 23:35:38 ID:/moqg2qA
支援
313名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 23:40:01 ID:fEwZAgXA
支援
314捏造特派ENDif:2008/09/13(土) 23:40:32 ID:59kRVoAo
「返事は傷が治ってからで構わないよ。主治医の話では3日あれば復隊できるそうだよ。
 良い返事を待ってるよ、ライ君。ではこれで失礼するよ」

そう言って、殿下は部屋を出て行った。去り際に、

「そうそう、言い忘れていた。枢木君だが、ゼロを捕まえた功績でナイトオブラウンズになった
 そうだよ。君が一番気にしていることだろう。早速だが、1週間後にEU戦に派遣される。
 ラウンズ入りの結果、特派も解体、枢木スザク専属のKMFチームとして変わる。
 彼らもEUへと向かう。君はどうするのかな?ではまた」

と最後にそう言って去って行った。
シュナイゼル皇子の騎士。それはとてつもない栄誉だ。
あのように言ったが、僕に拒否権は無い。
それに、特派が解散された以上、僕は無所属になってしまう。
どこかの部隊に移されるのだろうが、彼らと離れ離れになってしまう。
その事実が、とても怖い。自分自身こんなに弱くなってしまったとは思わなかった。
僕を特派に誘ってくれたスザク。
飄々とモルモットのように扱うが、なんだかんだと言って優しいロイドさん。
まるで姉のように優しく見守ってくれるセシルさん。
そう、僕はこの特派での日々がとても楽しかったのだ。
それに、僕はスザクと約束したのだ。スザクとともに夢を掴むため。
そして、アッシュフォード学園の皆を守るために。
答えが出た。僕は・・・・・・。
315名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 23:42:09 ID:qGbnAXpX
 支援
316捏造特派ENDif:2008/09/13(土) 23:44:33 ID:59kRVoAo
枢木スザクは格納庫へと向かう。
シュナイゼル皇子の指揮の下、EUとの戦争を行っていた。
現在こう着状態とのことで、自分の出番が来たのだ。
ナイトオブセブンとしての初任務だ。だが、緊張は無い。
ただ、残念なのが、いつもとなりを歩く戦友がいないと言う事。
それが、どこか寂しいと感じていた。

今回の作戦はシュナイゼル殿下の騎士と共に、前線でのかく乱が主な任務だ。
ラウンズは帝国最強の騎士。この程度で死ぬわけにはいかない。
ただ、殿下の騎士についてはまったく情報が入ってこなかった。
何でも最近任命されたばかりで、本国でもちょっとした騒ぎになったとか。
噂はどうであれ、自分についてこれなければ邪魔なだけだ。
そして、格納庫のランスロットへと向かうと、そこには。
317名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 23:45:54 ID:/moqg2qA
支援
318捏造特派ENDif:2008/09/13(土) 23:48:14 ID:59kRVoAo
「ナイトオブセブン、枢木卿。シュナイゼル殿下が騎士、ライです。よろしくお願いします」

ライと、ランスロットの兄弟機、ランスロット・クラブがあったのだ。

「ら、ライ?君が、シュナイゼル殿下の騎士だって?」

そう、騎士専用のパイロットスーツを着たライが居るのだ。

「スザク、しばらくだったね。ラウンズ襲名、おめでとう。
 積もる話もあるけど、今は作戦時間が近い。さぁ、行こう!」

ライが手を差し出してくる。僕はその手を握る。硬い握手をし、

「ああ、君と僕、力を合わせれば出来ない事はないさ。背中は任せるよ、ライ」

「もちろんさ、そっちこそ、遅れをとるなよ?」

背を叩き、お互いに軽口を言い合い、それぞれの機体に搭乗する。

「ナイトオブセブン、枢木スザク。ランスロット、発艦!」

もはや緊張などどこかに行ってしまっていた。

319名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 23:51:15 ID:qGbnAXpX
支援
320名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 23:51:39 ID:/moqg2qA
支援
321捏造特派ENDif:2008/09/13(土) 23:52:01 ID:59kRVoAo
カタパルトに接続、射出体制に入る。
スザクとの再会で、とても昂ぶっていた。彼となら、どんな戦場だろうと乗り越えてみせる。
通信モニターにシュナイゼル殿下が写る。
一言二言話し、出撃の番が来た。
シュナイゼル殿下の顔に泥を塗らないためにも、またスザクのラウンズ初任務を成功させる。
そのために、

「ランスロット・クラブ、MEブースト」

クラブのユグドラシル・ドライブが唸る。
オペレーターのセシルさんの合図が来る。

「ZE―01b、ランスロット・クラブ、発艦!」

「発艦!!」

発艦し、フロートユニットを展開、浮上。

その空はとても青かった。
322名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 23:53:04 ID:qGbnAXpX
支援!
323快風:2008/09/13(土) 23:53:22 ID:59kRVoAo
以上で投下を終了します。
時間がかかってしまい申し訳ありません。
シュナイゼルに関しては本編にまだ騎士が出て無いので、
今のうちにと思い、このような設定に。
このまま、シュナイゼルと一緒に、ラスボスへの道へ?
皇帝とワンみたいな関係になってくのか。
とりあえず読みきり的に書いてみました。
できればこの設定のまま続けたいものです。
支援、ありがとうございます。
324名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 23:53:34 ID:/moqg2qA
支援
325名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 23:56:40 ID:/moqg2qA
>>323
面白かったです。
シュナイゼルの騎士か…。
考えた事なかったなぁ。
だから、すごく新鮮な感じて読めました。
出来れば続編希望という事で…www

なお、投下前に何レスぐらいか書いたほうがいいと思いますよ。
支援する方も目安になるしね。
326名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/13(土) 23:58:15 ID:qGbnAXpX
>>323
快風卿、初投下乙&GJでした!
斬新な設定にぐいぐい引き込まれました
読んだ後の満足感もかなりのものです!
貴方の素晴らしきSSをこんなカタチでGJでした!
そう、ならばこそ、貴公の次の投下を全力を挙げて楽しみに待たせていただきます!
327名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 00:00:13 ID:ko8bt2am
>>325
続編ですか。頑張って書いていきたいものです。
内容的には中華まではオリジナルというか好き勝手に書けそうですが・・・。

次回からは、何レスか書くようにします。
感想ありがとうございます。
328名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 00:04:04 ID:ko8bt2am
>>326
ありがとうございます。2ちゃん初心者なので手探り状態でした。
満足いただけて幸いです。続き書けるよう頑張ります。
329名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 00:13:27 ID:DLgerIle
>>323
初投下お疲れ様でした。
新しい展開でどきどきします。続きがあるならば期待してお待ちします。

さて、20分くらいから投下したいと思います。
5レス程度ならば支援は不要でしたっけ?
330名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 00:14:49 ID:vNySOK/B
念のため支援します。
331名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 00:15:23 ID:nUSiVa3j
>>329
全力を挙げて見守ります
332マト ◆Dmf7s6g6us :2008/09/14(日) 00:21:10 ID:DLgerIle
時間ですので投下開始します。

・タイトルは「魔女の食卓」
・カップリングはライ×C.C.

・これを含めずに終了宣言まで6レスです。
333名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 00:21:54 ID:vNySOK/B
支援
334マト ◆Dmf7s6g6us :2008/09/14(日) 00:22:26 ID:DLgerIle
   「魔女の食卓」


 日曜日、ちょっとした外出から戻ると、クラブハウスはトマトソースの香りで満たされていた。
「昼食はピザかな」
 既に午後一時を回っていたが、朝がゆっくりだったため、まだそれほど空腹は感じていない。僕は自室
の扉を開き、そこで固まった。
 C.C.が居る。いや、彼女が居るのはいつものことだ。チーズ君を抱えて僕のベッドを占領しているのも
いつものことだ。しかし、「私に近づくな。寄らば噛みつく」という顔で転がっているのはいかがなものか。
 不機嫌オーラを感じながらも、僕は部屋に踏み入った。ここの主は僕である。堂々としていていいはずだ。
 たぶん。
 ポケットから携帯電話を出して充電器に置くと、付けられていたストラップの黄色いマスコットが
小さく音を立てて滑り落ちた。C.C.の目が確認するように一瞬そこに留まる。僕はあえて魔女の無言の
圧力を無視し、借りた本の続きを捲りはじめた。
335マト ◆Dmf7s6g6us :2008/09/14(日) 00:23:13 ID:DLgerIle
「何かあったのか?」
 素直に負けを認めよう。十分ともたなかった。ちなみに本の内容は一行も頭に入っていない。
「今日の昼食はピザだそうだ」
「うん。匂いで分かった。よかったじゃないか」
 キッチンから漂ってくる香りはルルーシュのお手製トマトソースだろう。咲世子さんが育てている
プランターのバジルも少し減っていたようだ。
「お前は誤解をしているな。私のためじゃないぞ。ナナリーが食べたいと言ったからだ。
 あのシスコンめ」
 C.C.は心底嫌そうに吐き捨てた。
「お陰で今日は大手を振ってピザを食べられるじゃないか」
 隠れ住んでいるC.C.はルルーシュのカードで注文するより他なく、いつも彼に小言を言われながら
電話している。その小言を彼女が聞いているかどうかは知らないが。
 しかし、C.C.は顔を顰めた。
「あいつが作ると言い出さなければな。塩分過多だとか、添加物がどうとか、化学調味料がダメだ
とか……。私が食べたいのはヘルシー志向と真逆を行く高カロリー高脂質でジャンクな味だというのに!」
 その高カロリー高脂質のブリタニアンな食事を一日三食続けていて、体型が変わらないのがこの魔女の
不思議の一つでもある。摂取したカロリーは一体どこに消えているんだろうか。毎日「ダイエット!」と
叫んではお茶菓子を我慢しているシャーリーが聞いたら本気で怒りだすだろう。
336マト ◆Dmf7s6g6us :2008/09/14(日) 00:24:29 ID:DLgerIle
「その上、あの白兜のパイロットまで呼んで……」
 一番の理由はそれだったようだ。C.C.はチーズ君に顔を埋めて目を瞑ってしまった。既に顔見知りで
あるナナリーだけならばともかく、スザクまで居るとなると彼女が同じテーブルの席につくわけには
いかない。
 C.C.はそのままベッドに横になった。不貞寝するつもりなのだろう。階下では来客を迎えたらしく、
弾む会話が漏れ聞こえてくる。決して大きくないはずなのに、今日に限って彼らの声は奇妙によく通り、
この部屋にまで伝わってきていた。
「お前も行って来い」
「……C.C.」
「別にいつものことだ。後でうんと奢らせてやるから、あいつにそう言っておけ」
 彼女は顔だけ上げると、いつもの無表情でそう言って僕を追い出した。


 ダイニングルームではスザクを迎えて昼食の準備が整いつつあった。氷で満たされたグラスに熱い紅茶
を注いでいたスザクが目敏く僕を見つけた。
「やあ! お邪魔しているよ」
「今日は軍の方は休み? 偶にはゆっくりしていきなよ。ルルーシュもナナリーも喜ぶ」
 ちょうどキッチンからナナリーがピザの皿を運んでくるところだった。
「そうですよ、スザクさん! ここのところ、ちっともいらっしゃらなくて。お兄様も……。
今日はうんとお話ししてくださいね」
 ちょっと拗ねてみせるナナリーにスザクは優しく笑いかけた。僕はナナリーの頭を軽く撫でてから、
横を通り抜けてキッチンに向かった。
337名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 00:24:38 ID:vNySOK/B
支援
338マト ◆Dmf7s6g6us :2008/09/14(日) 00:25:36 ID:DLgerIle
「ルルーシュ」
「いいところに来た。追加が焼き上がる。向こうに持っていってくれ」
 きちんとエプロンをかけて一人奮戦していたルルーシュはオーブンの様子を気にしながら、
ドレッシングをかき混ぜていた。
「それ、上に持っていっていいかな? あと、コーラを二本」
 ルルーシュは手を止めてしばらく僕を見つめ、軽く息を吐いた。
「……アイスティーにしておけ。ナナリーが淹れてくれたからな。二人には俺から適当に言っておく」
 野菜も食べろよなんて言いながら、ルルーシュはガラスのボウルに大量のサラダを放りこんでいく。
彼も彼なりにC.C.のことを考えているのだ。表現が下手なだけで。
「追加で宅配を頼むかもしれないけれど、いいかな?」
「必要なら俺に言え! いくらでも焼いてやるさ」
 魔女の伝言に自棄になったルルーシュの声を背に聞きながら、僕は自室へと戻った。
339マト ◆Dmf7s6g6us :2008/09/14(日) 00:26:39 ID:DLgerIle
 仰々しいフードカバーに呆れたのか、C.C.はしばらくぽかんと口を開けていた。僕が噴き出しそうに
なるのを堪えていると、彼女はゆるゆると眉を寄せ渋面を作ってみせた。
「馬鹿だろう、お前たちは。それとも私を虚仮にしているのか?」
「お代わりは自由だそうです。電話一本で係の者が飛んできます」
 僕はなるべく澄まして、用意されたテーブルクロスを広げピザとサイドメニューを並べた。
「だいたい私はこんなにお上品に澄ました奴じゃなくて、ジャンクフードの方が……。
 それにポイントシールが貯まらないじゃないか」
 まんざらでもない表情の癖にC.C.はぶつぶつと文句を並べている。僕はとどめに隠し持っていた立方体
をぽんと彼女の前に置いた。
「……おい、これをどこで手に入れた?」
 たっぷり三十秒ほどそれを見つめた後、C.C.は恐る恐るそれを手に取った。四角いルービック・
キューブは表面に彼女の愛する黄色いマスコットが描かれている。
「ピザハウスでアルバイトしてる友達がくれた。ほら、これを付けてるだろ? 好きだと思われたらしい」
 僕は充電器に置いたままになっている携帯電話を示した。C.C.が勝手に括りつけたストラップは彼女が
抱いているものと同じ形をしている。C.C.は何故か深く溜息を吐いた。
「この女たらしが」
 確かにその友達は女の子だが、たらし込んだ覚えはない。言われなき批判だ。
「自覚がないようだな。最も性質が悪い部類だ。……まあ、いい。冷めないうちに食べるぞ」

 C.C.はピザを一切れ手に取り、それから思い出したように付け加えた。
「私が満足するまで付き合えよ?」
 魔女はにやりと良くない笑みを浮かべた。
340マト ◆Dmf7s6g6us :2008/09/14(日) 00:28:24 ID:DLgerIle
以上で投下終了です。
途中、支援ありがとうございました。

本編が殺伐としているので、まったりしたのを書きたくなりました。
341名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 00:35:38 ID:vNySOK/B
>>340
おおー…ツンデレだ…www
やっぱC.Cはこうじゃなきゃね。
しかも…他のキャラもいい味出してるなぁ。
なんかゲームの途中であってもおかしくない話ですね。
GJでした。

342名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 00:36:45 ID:nUSiVa3j
>>340
マト卿、GJでした!
C.C.……ヘルシーフード<ジャンクフードなのかよ!
ほのぼの、まったり、どんとこい!
良いSSをありがとうゴザイマシタ!
次の投下を全力でお待ちしております!
343名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 10:39:44 ID:Rl2M5AjR
>>340
GJ! 
和むなぁ。
今日の本編が殺伐とした内容であったとしても、このSSを思い出して耐えれそうです。
344KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 10:54:38 ID:6iz4LTXD
 おはようございました。前回の続きを投下します。
 ちなみに、最後のレスと投下宣言が同じになってます。
 17レスを予定してます。
 ゆっくり投下しますが、猿になったら携帯でその旨をお知らせします。
<オリキャラ。オリ設定注意>
345KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 10:57:04 ID:6iz4LTXD
 シーン6『アッシュフォード 学園』Cパート


 スザクは驚いていた。
 なにせ、ユフィの羽ペンを銜えたアーサーを追いかけてきて、トマト置き場でシャーリーとルルーシュと着ぐるみという不思議な組み合わせに出会ったと思ったら、なぜか自分が乗るはずだったKMFが現れて、トマトの入った大きなコンテナを力強い動作で抱えたからだ。
『これを会場まで運べばいいんだろ?』
 KMFからのスピーカー越しに、聞き慣れた声が響いた。
「まさか……ジノ!?」
 そうスザクが言い終わらない内に、KMFのランドスピナーが砂煙を撒き散らし、唸りをあげた。
『はは、面白いな。庶民の学校は〜』
 そこはナイトオブスリーの名を持つ一流の騎士。機体以上に重いトマトのコンテナを持っているにも関わらず軽快にKMFを操り、校舎を軽やかに曲がると、一目散にピザを焼く会場に向かっていった。
「ピザ女が!」
 ルルーシュが副会長の責任感からなのか慌てた様子でその後を追い、さらにシャーリー、着ぐるみと続く。
 スザクはその光景を眺めて呆然とした。
(一体何がどうなっている?)
「スザク!」
 その時、ルルーシュ達が走っていったのとは逆の方角から私服に戻ったロイと、相変わらずウェイトレス姿のアーニャが駆け足でやってきた。
「ロイ。それにアーニャ。これは一体……」
 スザクが聞くと、ロイは肩をゆらし、大きく一息つくと歯噛みしながら憎々しげに告げた。
「すまない。ジノを止められなかった……」
「えっ、どういう……」
「悪ふざけだよ! ジノの性質の悪い病気だ!」
 その言葉に、スザクは呆れ顔で「ああ、成程……」と納得した。
「まぁ、KMFに乗っちゃった以上仕方が無いよ。それより僕はアーサーを――」
 その時、スザクの隣にいたこの学園の会長。ミレイ・アッシュフォードは、こちらの肩を軽く叩いて言った。
「スザク君。あれ、アーサーじゃない?」
「へっ?」
 スザクは反射的にミレイが指で示した方角を見る。そこにはジノのKMFに追いかけられているアーサーがいた。もちろん羽ペンを銜えている。
「ああっ! 本当だ!!」
 スザクも慌てて駆け出した。
346名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 10:58:42 ID:nUSiVa3j
支援
347名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 10:59:01 ID:4AznWd6k
支援致します
348KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 10:59:21 ID:6iz4LTXD
 ○

 スザクまで走っていったのを見送って、ロイは深々とため息をついた。
「全く。ジノは本当に……」
 どうしようも無い奴である。
 ロイとてジノと付き合い始めて一年になるが、いまだに彼の行動の不規則さは予想もできない。
「あ〜あ。予定変えなきゃ」
 その時、ロイの隣からスッと現れた女性が残念そうに、でもどこか楽しそうなニュアンスを感じさせる口調でボヤいた。
 少しウェーブのかかった金髪。悪戯好きな猫を連想させる瞳。抜群に良いからだのスタイル。美少女ではなく美女。
「? あなたは……」
 ロイが眼鏡を指でかけ直しながら聞くと、その女性はニコッと笑って答えた。
「私? 私はミレイ。この学校の生徒会長です」
 それを聞いてロイは少し驚いた。妙に大人びた外見なので、若い教師辺りだと思っていたからだ……。
(いや、まて。生徒会長という事は……)
 ロイは、上司に行うのと同じ仕草でピッと背筋を伸ばした。
「となると、あなたはこの場の責任者ですね。今回は私の連れが大変迷惑な事をしてしまい、なんとお詫びすればよいのか……」
 丁寧に頭を下げると、ミレイと名乗った女性は今度は上品に微笑んだ。
「あ、いえ、気になさらないで下さい。面白くなってきたし」
「はっ、面白く?」
 ロイが聞き返すとミレイは、スカートの裾を広げて一礼した。
「では、私もそろそろ会場に向かわねばなりませんので失礼いたします。ごきげんよう。キャンベル卿」
 貴族らしいその仕草は、ロイが一瞬頬見惚れてしまうほど優雅なものだった。
 ちなみに、余談だがそのミレイの仕草に見惚れているロイの隣でアーニャがムッとした表情を浮かべたのだが、ロイは気付かなかった。
「……ご親切にどうも」
 ロイがそれだけを何とか返答すると、ミレイはまた微笑んで、
「では……よっしゃ〜。待て待てスザクにルルーシュ〜!」
 ドレスのスカートを翻しながら大またで走り出した。
「……」
 ロイがその変わり身の早さに小さく驚いていると、隣のアーニャが不機嫌そうに聞いてきた。
「知り合い?」
349名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 10:59:54 ID:nUSiVa3j
 支援
350名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:01:05 ID:4AznWd6k
支援
351KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 11:02:12 ID:6iz4LTXD
「へ? ……いや知らない。初めて会った人だよ。何で?」
「ロイの事、キャンベル卿って言ってた」
 ここで、ロイははたと気付いた。
「ああ、そういえば……」
 確かにそうだった。ロイはこの学園で誰にも一度も名乗ってないのに、ミレイは「ごきげんよう。キャンベル卿」と言った。
 ロイは首を傾げた。
「あの人。何で僕の事知ってたんだろう……どこかで会ったっけ?」
 ロイはミレイという名前を、脳の中で検索にかけた。
 該当。一件。
 ロイはポンと手を叩いた。
「思い出した。あの人、アッシュフォード家のご令嬢だ」
 隣でクレープを頬張るアーニャもロイの言葉を聞いて「ああ、そういえば」と頷いた。
 アッシュフォード家の令嬢といえば、ロイ・キャンベル専用KMF“クラブ”の開発者であるロイドの婚約者である。彼女が夫になるかもしれない人の担当の騎士ぐらい、知っていても不思議ではない。
「しまったな。ロイドさんに世話になってる手前、もっとちゃんと挨拶しておけばよかった……」
 ロイドさんの奥方になるのなら、自分にとってもあのミレイさんとは一生の付き合いになるかもしれない。人との関係というのは第一印象が大切であり。できることなら、もう少ししっかり挨拶すればよかった。とロイは後悔した。
「あの人は婚約済み……」
 その時、後悔するロイの隣で、アーニャが何かを考え込み……そして、
「うん、ノープロブレム」と頷き、食べかけのクレープをパクっと頬張った。
 ちなみに一体何が“問題無し”なのかは、彼女自身にしか分からない。
「ん? 何か言ったアーニャ?」
「ううん。何でもない……」
 アーニャは首を振ると、ロイの裾を軽くクイッと引っ張った。
「それよりロイ。スザク達。走っていったけど、面白い事になる?」
「面白い、ねぇ……」
 ロイは面白いという表現はえらく不謹慎のような気がしたが、もうここまできたら別段怒る気も沸かなかった、
「ああ、多分そうなる……」
 ロイは力なく言った。
 間違い無くジノの悪ふざけによってアーニャの言う意味での面白い事態にはなるだろう。それは断言できた。
352名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:03:20 ID:4AznWd6k
支援
353KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 11:05:40 ID:6iz4LTXD
 もっとも、ロイにとっては全くもって頭が痛い話だが……。
「じゃあ記録してくる」
 アーニャはクレープの最後の一口を頬張って、包み紙をポケットにしまうと、身を屈め、そして次の瞬間、優れた身体能力を生かしてスザク達を追いかけるために走り出した。
 そしてあっと言う間に離れていく走るウェイトレス、アーニャ・アールストレイム。それを見送って、ロイはまた苦笑した。
「好きだな、アーニャも……」
 面白いものがあると分かれば、いつも、

『アーニャ・アールストレイム……発艦!』

 と言わんばかりの勢いで走っていく。その様子は本当に、アヴァロンから発進するランスロットのようだ。
 ロイは自分の想像のおかしさに吹き出しながら、ゆっくり歩いて皆の後を追い掛けようとした。
 その時、
「!」
 ロイはとんでもない事に気付き、驚きおののいた。
 だんだんと離れていくアーニャ。もちろん彼女はまだ、あのウェイトレスの格好である。
 そして、あの服のスカートは短い。それこそいかがわしいお店の店員並に。
 そして、アーニャの体力は一般のそれを大きく上回る。イコール。アーニャは足が速い。イコール、足が速いと受ける風の影響が大きい。イコール、その風の影響でスカートがめくれ、後ろから見ると思いっきり白いのが……。
「ちょっ!? アーニャ待て! それを着て走るな!」
 ロイは顔を真っ赤にして、一目散に駆け出した。しかし、アーニャは小柄なのもあって素早い。すぐに追いつけない。
「アーニャ! 止まれ!」
 何度か校舎の角を曲がり、途中。なんか汗を垂らしながらバテている学生の横を通りすぎた。しかし、二人の距離は縮まらない。
「アーニャぁぁぁ!」
 呼びかけても、絶叫してもアーニャは止まらない。どうやら、走るのに夢中で聞こえてないらしい。
(ああ、くそ!)
 ロイは心の中で毒付いて、走る速度を速めた。
 どうやら、あのオテンバを止めるためには、走って追いつくしかないらしい。
『中の人。違いま〜す。それでも僕は! 焼きたいピザがあるんだぁぁぁ! なんちゃって♪』
 その時、またまたジノの悪ふざけの声がスピーカー越しに学園に響いた。
354名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:06:26 ID:nUSiVa3j
支援
355名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:10:18 ID:ko8bt2am
中の人自重ww支援w
356KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 11:10:54 ID:6iz4LTXD
 ○

 その後、ロイはなんとか人目に付く前にアーニャを止める事に成功した。
 そしてKMFから降りて合流してきたジノを小突き、ミレイの所まで引っ張っていき、頭を下げさせて詫びを入れさせたころには、もう日は沈みかけていた。そしてあたりはあっと言う間に暗くなり、遂には夜になった。
 今、ロイはアッシュフォード学園のクラブハウスにいた。隣には私服に戻ったアーニャもいる。
 ここには二人だけだった。
 ジノはミレイに詫びを入れた後、なぜか彼女と意気投合して校庭で一緒にダンスを踊っている。
 スザクはピザの一騒動の時、ピザを焼くかまどの近くででアーサーを抱えていたのは見かけたが、すぐにどっかに消えた。携帯にかけても繋がらない。
 ロイとアーニャもミレイにダンスに誘われたのだが「柄ではない」と断り、「それなら。ウチの学校見てって下さい」というミレイ勧めもあって歓迎会だけに参加していたら、足を踏み入れない場所の見学をする事にした。
 人気の無い校舎を回り。裏庭を回り、雑木林を探索し、そして、ロイは今ここにいた。
「へぇ、ここ“も”クラブハウスか」
 ロイは周りを見ながら、床の軋む廊下を歩く。
 外からは、校庭で行われているダンスに合わせたゆったりとした音楽が聞こえてくる。
 アーニャは携帯で写真を撮りながら呟いた。
「ここはとても静か。別館のクラブハウスと違って……」
 ロイは苦い笑みを浮かべた。
「そうだね。何度も死にかけたね……」
 ここに来る前に立ち寄ったクラブハウスの別館は、部屋に入った瞬間サイレンが鳴ったり、落とし穴があったり、いきなり水撃銃が飛び出してきたりと、なぜか悪意のこもったトラップが満載で、何度も殺されるかと思った。
 しかし、聞けばそれでも昔、ある生徒会役員が別館の大掃除をしてから大分マシになったらしく、今回ロイ達が遭遇したトラップはその掃除の取りこぼしだったらしい。
 しかし、ロイ達が経験したトラップのあの量で取りこぼしだというのなら、その掃除をしたという生徒会役員はそれこそトラップの嵐に晒されて無事にすまなかったのではないだろうか?
 ロイはその生徒会役員が今も五体満足でどこかで元気に暮らしている事を祈りつつ、廊下を進んだ。
357KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 11:14:14 ID:6iz4LTXD
「それにしても。クラブハウスって言う割には何のクラブも入ってないんだな」
 先ほど回ってきた別館はトラップという異常なものを除けば、建物内は様々なクラブの私物に溢れており、その場所で行われている、または行われていた活動内容が良く窺えるいわゆる普通のクラブハウスだった。
 対して、ここはほとんど空き部屋であり、しかもほとんど私物が置いていない。これではクラブハウスと言うよりは一風変わったホテルや空室の多い寮と言った方がしっくりくる。
 アーニャは撮った写真を携帯で整理しながら言った。
「一階は大きなホールだった」
「そうだね。もしかしたら、共同の多目的ルームならぬ多目的施設なのかも。寝泊りとかできるのはオマケみたいな感じで」
「ホールでは飲んで騒いでドンちゃん騒ぎ。そして酔っ払った人たちはベッドのある空き部屋に放り込む。そんな感じ?」
「あ〜アーニャ。一応ここは未成年者が通う神聖な学校だから」
 すると、アーニャはそのどことなく眠たげにも見える瞳を、携帯からロイに移した。
「それをロイが言う? 今朝、ジノとロイを起こすのは苦労した」
 今日の朝。ロイとジノは部屋で酔いつぶれて床で重なるようにして寝ていた。それを発見して、叩き起こしたのはアーニャだった。
 ついでに、二日酔いでフラフラな二人を介抱したのもアーニャだった。
「……」
 ロイはそれを思い出して冷や汗を流し口をつぐんだ。
 アーニャは更に言った。
「お詫び」
「はい、申し訳ありませんでした……」
 ロイは歩きながら素直に頭を下げた。しかし、アーニャは納得がいかないらしく、小さく唇を尖らせた。
「……謝れば済むと思ってる」
「いえ、思ってません。以後気をつけます……」
「前から言いたかった。ジノもロイもお酒飲みすぎ。体に良くない」
「ごもっともです」
「本当に分かってる?」
「イエス・マイ・ロード。いつもご迷惑をおかけしております……」
 珍しく二人の注意の攻守が入れ替わった瞬間だった。ロイは困った顔で頭を下げ続けた。
 実は、ロイはお酒、特にワインが大好きだった。
358KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 11:16:37 ID:6iz4LTXD
 一年ぐらい前、ジノと一緒に食事をした時、彼に食後のワインを勧められて、そのまま二人で飲み明かしたのがいけなかったと今になって思う。
 そしてあれからすっかりワインの味にはまり、暇な夜はジノと飲み明かすのが習慣になってしまった。
 そして、それをアーニャは快く思ってない。
 ちなみに、本当にアーニャが快く思っていない理由は、体の健康云々というのももちろんあるが、ロイが暇な夜というのはとても珍しいのに、それを全部ジノに掻っ攫われて面白く無いという点である。
 アーニャだって、ロイとは夜、お菓子をつまみながら二人で夜通しおしゃべりをしたいのである。
 ただ、悲しいかな。ナイトオブセロはそんな乙女心を微塵も感じる事はできず、ただペコペコと頭を下げ続けた。
 その態度が、更にアーニャをイライラさせるのも無理は無かった。
「いっその事。お酒飲むのやめたら?」
「いえ、もう、二日酔いになるまで飲みません。次から気をつけますからそれだけは――ん?」
 その時、ロイはふと足を止めた。隣にいたアーニャもそれに習う。
「?……どうしたの?」
 アーニャが聞くと、ロイは「あっ、いや」と曖昧な返事をした後、視線と体を横に向けた。
 そこは木製の扉があった。
「ここがどうかしたの?」
「……」
 アーニャが更に聞く。しかし、ロイは黙り込んで何も答えない。
「ロイ?」
 もう一度問いかけて、ロイは始めて自分が呼ばれている事に気付いた。
「ん? 何かなアーニャ」
「ここがどうかしたの? って聞いた」
「いや、どうかしたって訳じゃないんだけど……」
 言いながらも、ロイは足を前に踏み出して扉を開けた。軋んだ音と共にあらわになった部屋。
 中には机とベッド、そして一つのタンスが置いてあるだけ。私物らしきものは何も無かったので、どうやらここも空き部屋らしい。
「? ロイ。この部屋がどうかしたの?」
「……いや、何でもない。……というか、なんで僕はこの扉を開けたんだろう?」
 眉間に皺をつくりながらも、ロイはゆっくりとした足取りで部屋の中に入っていった。アーニャはロイのその行動を不思議がりながらも、後に続いて扉をくぐった。
「? 意味も無く扉を開けたの?」
359名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:17:08 ID:nUSiVa3j
支援!
360KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 11:19:13 ID:6iz4LTXD
 アーニャが部屋の中にあったベッドにポスンと音を立てて腰掛けながら聞くと、ロイは部屋においてあった机を指でなぞりながら、
「うん。というか体が勝手に動いた」
 と、部屋全体をグルリと眺めながら答えた。
「?」
 アーニャは首を傾げた。しかし、ロイも首を傾げたい気分だった。
 部屋に入ったのは本当に何も考えずに取った行動だった。なぜか、この扉の前に立つと、この部屋の中に入るのが当たり前。という気がして仕方が無かったのだ。
「本当に……なんで僕はこんな部屋に入ったんだろう……」
 ロイは頬をポリポリとかきながら、部屋の中を何度も見回し、そしてその度に言いようのない不思議さに困惑した。
(この部屋……見覚えがある?)
 そんな気がした。しかし、ロイはすぐにそれを否定した。
(いや、それは無いな……)
 なにせ、自分がエリア11に来たのはつい最近であり、この学園には今日初めて足を踏み入れたのだ。
 しかし、どうもこの部屋にいると、
「なんか……。なんかこう、モヤモヤしてくるな……」
 ロイが呟くと、アーニャがチラリとロイを見て、
「ムラムラ?」
「……」
 ロイは心の中に湧き上がっていた何とも言えない感情を一時引っ込めて、そのアーニャの聞き間違いを即座に訂正した。
「違う。間違っているよアーニャ。モ・ヤ・モ・ヤ。モヤモヤって言ったの僕は」
「そう」
 アーニャはそう納得したあと、携帯を操作し始めながら、
「じゃあ、前から一度聞いてみたかったんだけど……ロイは私といてムラムラする?」
 訳の分からない事を、本当に唐突に聞いてきた。
「…………」
 ロイは長い沈黙の後、
「ごめんアーニャ。良く聞こえなかった。今、何て言った?」
 幻聴だと思って――いや、幻聴だと願って聞き返す。しかし、アーニャの小さな口から出てきたのは残念ながらそれが幻聴でないという事を証明しただけだった。
「だから、ロイは私といてムラムラする? って聞いた」
「……」
 どうやら、聞き間違いではなかったようだ。ロイは当然の如く戸惑った。
 おそらく、スザクに『ロイ! 実は僕はテロリスト、ゼロだったんだ、ふはははははは!』と荒ぶるゼロのポーズを取りながら告白されてもここまで戸惑わないだろう。
361名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:19:49 ID:moRWPeYD
支援
362名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:19:50 ID:nUSiVa3j
支援
363名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:22:40 ID:fiweccIG
支援
364KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 11:23:35 ID:6iz4LTXD
(どういう意味だ? というか僕にどう答えろと……) 
 考えても分からない。分かるわけが無い。なのでとりあえず、
「しません! っていうかいきなり何言いだすんだよアーニャ……」
 アーニャは携帯から顔を上げて、眉をひそめた。
「それは私に対する侮辱?」
「……なんでさ」
「“ジノが言ってた”。女が男にムラムラしないって言われるのは侮辱されているのと一緒だって」
(また君か! 厄介な奴だよ君は!!)
 そう心の奥底で嘆き、うなだれるロイを尻目に、アーニャは違うの? と言いたげに首を傾げた。
「……」
 ロイは、余計な事しか言わない友人に対して、自分の奥底から静かな怒りがふつふつと沸いてくるのを感じた。
(そうかジノ。そんなに僕からのフレンドリー・ファイアがお望みか)
 とりあえずロイは、今度ジノに会ったら出会いがしらにボディーブローを見舞う事にして、改めてアーニャと向き直った。
「というか、アーニャ。そもそもムラムラの意味分かってる?」
 そう聞くと、アーニャは困った顔をした。
「……実を言えば分からない。でもジノはロイに聞けって言ってた。きっと事細かく手取り足取り詳しく教えてくれるからって……」
(うん。ボディじゃなくて顔を殴ろう)
 ロイは――ジノが! 謝るまで! 殴るのをやめない! と固く心に誓った。
「で、ロイ。良い機会だから教えて。ムラムラって、何?」
 ベッドの上から、二つの無垢な瞳がこちらを覗き込む。
「……」
 ロイはしばらく黙考しつつ、脳を高速で回転させた。
 このまま何も言わないのは不味かった、そもそも、教えなかったとしてもアーニャの事だからその手に持った携帯を駆使しインターネットでクグるだろう。そうなったら終わりだ。
 そして、ロイは答えを導き出した、
「……複数の村をまとめて示す事だよアーニャ。“村々”っていう言葉が旧日本にはあるんだ」
 ロイが身を屈め、アーニャと視線を合わせて非常に苦しい事を言うと、彼女はまた不思議そうに首を傾げた。
「? なんでそれが、女性への侮辱に繋がるの?」
「さぁ? アーニャもあんまりジノのいう事は気にしなくていいんじゃないかな。だってあのジノの言う事だし」
「……」
365名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:24:15 ID:nUSiVa3j
支援!
366名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:24:50 ID:moRWPeYD
支援
367KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 11:27:47 ID:6iz4LTXD
 あんまりな言い草だったが、今ここにナイトオブスリーを擁護する人間は誰もいなかった。というか、多分ブリタニア全土を見ても彼を擁護する人間はいないだろう。
「“村々”をどうやって手取り足取り教わる事になるの?」
 アーニャに聞かれて、ロイはニッコリと微笑んだ
「はは、馬鹿なジノと違ってアーニャは賢いから、別に口で言うだけで教えられるんだよ」
「ジノは馬鹿なの?」
「軍人、同僚、仲間としては優秀だけど。友達としては残念ながら……」
 と、ロイが湧き上がる怒気を理性で押さえつけながら言うと、
「お楽しみの所。失礼いたします!」
 と、ロイとアーニャの側面から声がかかった。二人は咄嗟の事に驚きながらも動揺はせず、声の方に素早く振り返る。
 いつの間にか。ロイとアーニャが入ってきた部屋の入り口には一人の人物が立っていた。
(! 僕が気を取られているとはいえ、人の気配に気付かなかった!?)
 ロイは表情を変えないまでも内心は驚いていた。自分が気配を感じずにここまで人の接近を許すなど、ラウンズのメンバー以外では始めての事だった。
 やがて、その人物が数歩前に出る。するとその姿が月明かりに照らされて、その容姿が明らかになった。
 扉の前にいたのは女性だった。
 褐色の肌。アスリートのようなしなやかな肉体。それを強調するスウェットスーツ。半そでの上着。彼女は油断の無い足取りで近寄ってくると、やがてロイ達と適した間合いでピタリと止まる。
「……あなたは?」
 ロイが今までの少々間の抜けていた感情を捨て去り、レンズ越しに淡々とした強い視線を浴びせながら尋ねると、女性は背筋を伸ばしてブリタニア式の敬礼をしてから名乗った。
「ブリタニア軍機密情報局所属。ヴィレッタ・ヌゥであります。ナイトオブシックス様とナイトオブゼロ様ですね?」
 そのいかにも軍人らしい話し方から出た言葉を聞いて、ロイは首を捻った。
 機密情報局?
 機密情報局と言えば、通常の軍情報部とは別系統の独立した皇帝直轄の諜報部局である。その存在は別に秘匿もされておらず、空港の職員でも知っているある程度オープンな組織だ。
 だが、決してどこにでもいて良い組織では無い。それなのになぜこんな場所にその諜報部員がいるのか?
「……」
368名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:28:33 ID:moRWPeYD
支援
369名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:29:34 ID:fiweccIG
支援
370KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 11:31:07 ID:6iz4LTXD
 ロイが相手の意図を掴めず、ナイトオブゼロである事を肯定するか否定するかを迷っている内に、アーニャが「そう」と答えてしまった。
「……」
 ロイは仕方なく「何か?」とそのヴィレッタと名乗った女性に尋ねた。
 ただ、まだ本当にブリタニアの機情の人間と決まったわけではないので。ロイは相手の一挙一動に対応できるように、足幅を相手に気付かれないように広げ、どんな動きにも対応できるように構える。
 それに並列して、目の前の女性がどんな行動をとっても対処ができるように脳の中で何十通りのシュミレーションを一瞬で済ませた。こうしておけば例え目の前の女性が急にナイフや銃を取り出して襲い掛かってきても、とりあえず、頭脳だけは取り乱さない。
かたやアーニャも、どうやら完全に信用はしていないらしく、ベッドから腰を上げて立ち上がり、手に持っていた携帯を懐にしまうと、両手を自由にさせて、相手を見据えた。
 当のヴィレッタは姿勢を崩さずに言った。
「ここは機情の作戦区域であります。そして、このクラブハウスは一般人の立ち入りを禁止しております。よって、恐れながら今すぐに退館をお願いいたします」
(……作戦区域?)
 ロイはそのただ事では無い言葉に、他人に気付かれない程度に眉をピクリと上げた。
 今日、ロイはこの学園を隅々まで回ったが、生徒のイベントに対する熱意がすさまじすぎる点を除いてはいたって普通の学園だった。
 少なくとも、普通の情報局ならともかく、わざわざ皇帝陛下直属の諜報機関が作戦行動を行うような場所には思えなかった。
 ロイは、ヴィレッタと名乗った女性を値踏みするような目で見た。
(なぜだ? テロリストでもこの学校にかよっているのか? それとも、皇族クラスの親族でも学校に通ってて、護衛をしているのか? それとも……)
 ここで、ロイは自分が様々な思考を巡らせている事に気付いて、(……っと、悪い癖だな)と、かぶりをふった。
 何か分からない事があると、すぐにその答えと、そのさらに裏まで理解しようとする、自分の癖。
 確かに、その姿勢は軍人として必要なものだが、度を超すのはやはりよくない。
371名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:31:24 ID:moRWPeYD
支援
372KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 11:34:24 ID:6iz4LTXD
 この目の前の機情の軍人が、完全に軍人としてこちらに声をかけているならばともかく、自分達が言われていることは、“ここは一般人は立ち入り禁止なので、出て行ってください”。という学園の警備員にも言われそうな些細な内容である。
 それに、女性の服装を見るに、どうやらここの教師“役”をしている人のようだ。なら、ただ単にその教師という立場から、一般人として遊びに来ている自分たちに注意を促しているだけという可能性も高い。
 つまり……確かにこの学園でどんな作戦が行われているのかというのは気にならなくもないが、気にしたところで仕方が無いとも言える。
 ブリタニア程大きな国家ともなると、このように隠密でしかも一見不可解に見える作戦の数は格段に多い。しかもロイはラウンズという立場上その作戦を知る機会も多く、それらを一つ一つ気にしていたらキリが無い。
 ロイは、とりあえず軽く頭を下げた。
「そうですか。すみません。この場所が立ち入り禁止だとは知らなかったものですから」
 ロイは続けて言った。
「では、すぐに出て行きます」 
「お願いします」
 ヴィレッタは、スッと横に移動し、部屋の入り口の前を開けた。
「ほら、行こうアーニャ」
「分かった」
 そして、二人はヴィレッタの横を警戒しながら通り過ぎ、廊下に出た。ヴィレッタはその様子をずっと眺めていたが二人が退出するのを黙って確認すると、最後に扉を閉めて廊下に出てきた。
「ご迷惑をおかけしました。ヴィレッタさん」
「ごめんなさい」
 二人が揃って頭を軽く下げる。
「いえ。任務ですから」
 ヴィレッタはそう言って、また背筋を伸ばして敬礼した。
 そしてロイとアーニャは、きびすを返して元来た道を戻る。
 ちなみに、後になって知ったことだが。ここはあのテロリスト。“ゼロの左腕”ライが生活していた場所であり。ロイが入った部屋もそのライが生活していた部屋だった。

 ○

 この場所――クラブハウスは、ルルーシュが生活している以上色々と秘密が多い。一般人ならともかく、ラウンズにうろつかれると困る。
「あれが、ナイトオブゼロとナイトオブシックスですか」
 ヴィレッタがラウンズの二人を引き返させ、その姿が見えなくなって安堵の息を吐くと同時に、廊下の影から一人の少年が現れた。
「ロロ……」
373名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:34:53 ID:moRWPeYD
支援
374KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 11:38:56 ID:6iz4LTXD
 ヴィレッタは視線だけをその少年に向ける。
 栗色の髪。童顔とも言える顔立ち。しかし、その瞳だけは大人以上に据わっている。彼はその瞳で、ラウンズの二人が去っていた廊下を見て言った。
「それにしても。なぜ、わざわざ逃がすような真似を? 僕なら二人同時に殺せたのに。ここなら人もめったに来ないから死体の処理も楽だし」
 無垢そうな外見に似合わず、そう淡々と言うヴィレッタの部下――ロロ・ランペルージ。
 その言葉に嘘は無い。それは上司であるヴィレッタが一番良く分かっていた。
 このロロは、あどけない少年のような外見とは裏腹に、中身はただの殺人鬼である。事実、ヴィレッタの部下もこのロロに無意味に何人か殺害されている。
 実を言えば、ナイトオブセブンの依頼でナイトオブゼロとシックスを監視していたロロとヴィレッタがクラブハウスに入っていった二人を連れ戻すために追いついた時、このロロはあろうことか懐からナイフを取り出して、
「これは、兄さんの敵を減らすチャンスか……」と二人を殺そうとした。それを制止したのがヴィレッタだった。
「馬鹿を言うな」 
 ヴィレッタは腕を組みながら勢い良くロロに向き直り、言った。
「こんな場所で皇帝陛下直轄のラウンズを二人も“失踪”させるつもりか」
 怒気を交えた視線を送るヴィレッタとは対照的に、ロロは冷めた視線を返した。
「陛下――いや、皇帝程度への報告は何とでもなります。そうでしょう?」
 ロロは皇帝陛下直轄である機密情報局の一員でありながら、その皇帝を卑下するようなニュアンスを漂わせた。
 いや、そもそももう彼はブリタニアの皇帝を敬意を込めて呼ぶ必要は無かった。なぜなら、彼は――ロロはすでにブリタニアの敵となっていた。
 つまりは裏切ったのだ。この世界の三分の一をすべる大国を……。それも自らから進んで。
 ロロの主はもはやシャルル・ジ・ブリタニアではなく、ブリタニアの敵であり彼の最愛の兄、ルルーシュ・ランペルージだった。
 ヴィレッタかかぶりを振った。
「お前は分かっていない。あの二人がこんな場所でいなくなれば――特にナイトオブゼロがいなくなれば、彼と親交の深いシュナイゼル殿下やオデゥッセウス殿下を初め、同僚のヴァインベルグ卿。エニアグラム卿。クルシェフスキー卿あたりも必ず動く。
そうなれば、私たちなど一瞬で終わりだ」
375名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:39:30 ID:nUSiVa3j
支援
376名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:41:10 ID:moRWPeYD
支援
377KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 11:41:39 ID:6iz4LTXD
 そう説明するヴィレッタをロロはまたもや冷めた視線で見据え、そして、次にその視線をナイトオブゼロたちが去っていった方向に戻して、笑みを浮かべた。
「……へぇ、愛されてるんですね。あの、ロイって人」
 ヴィレッタは、そのロロの何も理解して無さそうな顔にたまらなく腹が立った。
「笑い事じゃない。情報部の大部分の馬鹿共はナイトオブゼロの性格自体が大人しいから、情報部の信用を失墜させた“あの事件”での事を恨んで堂々とキャンベル卿を中傷するが、私から言わせればその行動は愚かな事この上ない。
 考えてもみろ。一人敵に回す事によって、その国の皇帝陛下と宰相閣下と第一皇子殿下が敵になる人間が他にいるか?
 いないだろう。ナイトオブゼロの恐ろしさはその戦闘技術でも、その頭の良さでもない。人望だ。確かにキャンベル卿の支援を表明している人物は少ない。しかし、それはあくまで、実利的な付き合いではないからそう見えるだけであって、
実際の奴の親交範囲は少ないながらもその質は並じゃない。並じゃないからこそ。ナンバーゼロがいなくなればブリタニアの多くの大人物が、その原因を熱意を持って解明に走る。……これは言い換えれば、奴を敵に回す事は、
 ブリタニアの怒りを買うといっても大げさじゃない」
「あの事件?」
 ロロは首を捻った後、「ああ」と納得した。
「東ロシア戦線でナイトオブゼロが情報部が提出した報告を真っ向から否定して、しかもそれが合っていたものだから、情報部の長ドクトリン将軍含め上層メンバーの面子が丸つぶれになったあの事件ですか……」
 ドクトリン将軍と言えば、ブリタニア内で“泣く子も黙る”と言われている猛者であり。情報部だけでなく軍部全体に強い影響力を持っている人物だ、このドクトリン将軍の意見はあのシュナイゼル殿下も無下にはできないと言われている。
しかし、そのドクトリン将軍が提出した情報を、ロイは多くの皇族が参加する会議で根本から、しかも真っ向から否定した。しかも、ロイの発言は後に正しかった事が証明され、もし、最初にドクトリン将軍を初めとする情報部が提出した情報を鵜呑みにし、
軍を進めていたら、司令官であったシュナイゼル殿下の身も相当危なかったと言われている。これにより、シュナイゼルのロイに対する信頼は確固たるものになり、逆にドクトリン将軍の面子は丸つぶれになった。
378名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:42:15 ID:moRWPeYD
支援
379KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 11:45:29 ID:6iz4LTXD
そのせいで、ロイはドクトリン将軍に逆恨みされており、色々と不遇な扱いを受けている。
それは主に戦果の天引きや、能力の過小評価等の情報操作だ。お陰で、ロイは戦場でいくら武功を立てようともそれが軍全体に伝わらないし、評価も上がらない。一般人にもその実力が知らされない。
 なので、ロイはいつまでたってもうだつのあがらないラウンズ。としてブリタニア全体に認知されたままなのである。
 しかし、当のロイはそんな事をされていると知っていても文句など一つも言わない。なので、本当ならロイを擁護したい一部でありながらも大きな力を持った皇族や、貴族、そして軍人はなにもできない。こういう問題は第三者が騒げばよいというものではないのである。
「僕はあの将軍は好きじゃありません」
 そこだけは、ロロは歳相応の子供の顔でボヤいた。
「そこは私も同感だ」
 ヴィレッタも同意した。そもそもあの将軍は好意を抱けるような人物ではない。上司にもなって欲しく無い。
というのがヴィレッタの意見だった。同じ情報を扱う部署でも、ドクトリン将軍の息のかかっていないこの機密情報局に配属になった事に素直に感謝したいぐらいだった。
「それにしてもヴィレッタ隊長。あなたのキャンベル卿に対する評価は実に的を得ていますね。騎士として戦場を駆けるよりこちらの方が向いているんじゃないですか?」
 ヴィレッタはロロを睨んだ。
「……裏切り者から誉められても嬉しくない」
「これからもその明晰な頭脳で僕達兄弟の支援をお願いします」
「っ……」
 ヴィレッタは口をつぐんだ。
 目の前のロロはブリタニアの敵である。しかし、すでにヴィレッタにとってロロは敵ではなかった。
 そう、ヴィレッタももうブリタニアから見れば裏切り者なのだ。もっとも、それはロロと違い自ら望んでではなく、脅されてそうなったのだが……。
「……それにしても。まるで王様みたいですね。あのナイトオブゼロは」
 ロロが唐突に言った言葉に、ヴィレッタは顔を向けた。
「なに?」
「一人を敵に回すと。国が敵になる」
 ロロが自嘲気味に笑った。それは、いくつもの死線をくぐりぬけたヴィレッタが寒気を感じるほど暗く、でも少し悲しげな笑み。
380名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:46:06 ID:nUSiVa3j
支援!
381名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:46:49 ID:moRWPeYD
支援
382KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 11:47:46 ID:6iz4LTXD
「……そうだ。そういう事だ。ナイトオブシックスはまだ良い。この場で失踪したとしてもどうにでもなる。だが、ナイトオブゼロだけはだめだ。皇族や、有力貴族の怒りに触れることだけは――」
「なら、今から追いかけてナイトオブシックスだけでも殺しておきましょう」
 そう言いながら、スッと目を細めるロロ。ヴィレッタは即座に反対した。
「それもだめだ。ナイトオブゼロを敵に回す事になる。ナイトオブゼロが支援を頼めば手を貸す大物は一人や二人じゃないと言っただろう」
「……つまり。少なくともこの学園では殺せない。今は二人を見逃すしかない。そういう事ですか?」
「そういう事だ」
「そうですか……」
 そして、ロロはまた無表情とも言える顔になって、
「でも、いずれ二人共殺します。兄さんのために」
 底冷えするような声でそう言った。
「……」
 ヴィレッタはそのロロの言葉を聞いて改めて背筋に寒気を感じていた。
 その時、ピピピという小さな電子音。
『んっ?』
 ロロと、ヴィレッタの小型通信機が同時に鳴ったのだ。二人は、それを慣れた動作で耳に当てる。
「どうした?」 
 ヴィレッタが聞くと、すでにギアスによってルルーシュの制御下に入っている部下が応答した。
『校舎屋上にいるゼロの所に枢木卿が向かっています』
「……そうか。分かった」
 ヴィレッタは通信を切る。そしてロロも同じ動作で通信機を切ると、こちらに顔を向けた。
 その顔は先ほどまでと違い、冷たい殺人鬼のものではなく、兄の危機を純粋に心配する弟のそれであった。
「僕は、兄さんの所にいきます」
「ああ……その方がいいだろう」
 そうヴィレッタが言うと、ロロはきびすを返し、早足で最愛の兄の下へ向かって言った。
 やがて、ロロが廊下の端に消える。そしてこの場所はヴィレッタ一人だけになった。
「その方がいいだろう。か……」
383名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:47:58 ID:moRWPeYD
支援
384KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 11:50:47 ID:6iz4LTXD
 ヴィレッタは誰もいない空間に声を投げかける。そして、力なく近くの壁にもたれかかった。
「私にとって、本当にいい事とは、何だ……?」
 ルルーシュの死か? それともルルーシュの生存か? いや、どちらにしろ自分にはもう輝く未来は無いだろう……。
(全く、あんな男に助けられたせいで、私は……)
 ヴィレッタは、ゴールの無い螺旋階段にはまってしまったような気分になった。
 そのまま、何十分ヴィレッタはそこにそうしていたのだろう。
 気付けば、外から聞こえていた音楽はいつの間にか止まっていた。
 色々あった一日は、今まさに終わろうとしていた……。 

 シーン6 終わり。次回シーン7『紅 と 青』に続く。

<投下終了です!> 
 支援感謝です! いつも投下が長くて本当にすみません……。おかげさまで今回は猿にかかりませんでした。

 ふぅ、今週もとりあえずSSをお届けできたな。
 まぁ、もっとも

 大学の先生にレポートは届けられなかったけどね……。(一日遅れで無事に提出しました)

 あれ、おかしいな、大学のレポートより今週一週間で書いたこのSSの方がKB容量が大きいや。(オイ
385名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:56:03 ID:moRWPeYD
>>384
乙です!今回も面白く…ってレポート!w
これから紅い人と青い人の接触が多くなってきそうな雰囲気が感じられてワクワクします。
次回のご更新お待ちしてます!
386名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 11:57:34 ID:nUSiVa3j
ふぅー
>>384
KOUSEI卿、GJでした!
主にジノを主体とするまったりしたギャグと息を飲むシリアス
二つのテイストが重なってこの面白さは止まらないぜ!
無意識にかつての部屋に入るロイ、また戦果が少なかった訳も判明
読み終わって最高にハイってやつだぜ!!
貴公の次の投下を全力を挙げて待たせていただけますか!?
答えは聞きません、待たせていただきます!
387名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 12:00:03 ID:ko8bt2am
昨日投下しました捏造特派ENDifの続きを投下します。
3レスほどになります。
短いですが、少し話が進んでます。
あくまで繋ぎですが気に入っていただければ幸いです。

388叙勲:2008/09/14(日) 12:01:18 ID:ko8bt2am
EUとの戦争もEUのブリタニア側の玄関とも言うべき海岸線を獲得した。
その後は国境線を中心に戦線は停滞。その後は停戦を結んだ。
帝国宰相であるシュナイゼル殿下はいつまでも前線だけに居るわけにはいかない。
その為ナイトオブセブン枢木スザク卿を残し、本国に帰国する事となる。
スザクと別れの挨拶を交わし、アヴァロンにて帰還となった。
本国帰国早々、先延ばしとなっていた騎士の叙任式をするという。
そこで僕は、懐かしい人と再会する。

389叙勲:2008/09/14(日) 12:04:46 ID:ko8bt2am
以前、スザクの叙任式を見ていた自分がそれをする事になるとは考えたことが無かった。

「ライ・アスプリウス」

殿下が呼ぶ。余談ではあるが、この名は何時までも家名が無いというのは
騎士としての体裁が悪いため、そのためになんとバトレーの養子となったのだ。
決まった時の僕らの表情はとても微妙なものだったと言う事をここに記す。
閑話休題。

「汝、ここに騎士の制約を立て、ブリタニアの騎士として戦うことを願うか?」

「イエス、ユアハイネス」

「汝、我欲にして大いなる正義のために剣となり盾となることを望むか?」

「イエス、ユアハイネス」

「私、シュナイゼル・エル・ブリタニアは、汝、ライ・アスプリウスを騎士として認める。
 勇気、誠実、謙譲、忠誠、礼節、献身を具備し、日々、己とその信念に忠実であれ」

390叙勲:2008/09/14(日) 12:08:48 ID:ko8bt2am
そして、立ち上がり、この場に集まった人たちを見る。
貴族が多数だったがそこには様々な感情が入り混じっていた。
羨望の眼差しで見るもの、嫉妬の目で見るもの、媚を浮かべるもの。
人の欲望の縮図のようだった。
スザクはこんな視線の中で・・・・・・。
彼に出来て、僕が挫く訳にはいかない。

「ライ・アスプリウス、確かに拝命致します。我が主」



僕の世界が変わった瞬間だった。

391快風:2008/09/14(日) 12:12:25 ID:ko8bt2am
投下終了です。
短文ですみません。なんとなく書いてしまって、切りが良かったので。
前回同様中途半端に切ってしまいましたが、いかがでしょうか。
次回のテーマは「再会」となります。
では、これで。
また見てぎあす。


PS
今日のギアスはどんな展開か、超展開だろうが楽しんで見てみせるw
392名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 12:14:40 ID:nUSiVa3j
>>391
快風卿、GJでした!
ただ、一応前の投下からは15分ほど間を空けた方がよろしかったですよ(感想等が有るかもしれないので)

まさかのバトレー養父に驚愕
貴方様の素晴らしき発想、とてもGJでした!
これからどの様な展開となるのか、かなりの期待を持ち
全力を挙げて次の投下を待たせていただきます!


ギアスはあえてビグロブで見ます
正直、最近の展開は気分落ち着けないとまともに見れないですorz
393名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 12:19:59 ID:ko8bt2am
>>392
すみません、次回からは気をつけます。

バトレーに関しては、ライと関わりがあって、貴族的ポジションかつ、
シュナイゼルと親しい、あと一番重要なので、多分初のネタだったから
バトレーになりました。

驚いていただけたなら、こちらとしても狙い通りで嬉しいですw

感想ありがとうございます。
394名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 12:34:55 ID:9/MVErrX
油断して一晩こなかったら、結構レスが進んでいる!
しかし、読んでしまうと、怖じけるかもしれないので先に投下してしまいたいのですが、
お昼時ですが、どなたかいらっしゃいますか?
395名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 12:36:21 ID:moRWPeYD
支援いけますぜ
396名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 12:39:34 ID:nUSiVa3j
休日は朝昼兼用です
という訳でどーんとこーい!
全力を挙げて投下を支援しましょう
397KAMEI ◆0zkc8WmJ3k :2008/09/14(日) 12:39:54 ID:9/MVErrX
支援表明ありがとうございます。

こんにちは。
思い付きと欲望と勢いのままにSSを書いている気がするKAMEIです。
タイミングを外しまくりの記憶喪失CCネタになりますが投下したいと思います。
今更だし、もう止めておこうかとも思ったのですが、最終回が近づき、
多分、今を外したら本当にお蔵入りだ!と、思いきって投下することにしました。



(注意事項)
・ライ視点でライ+CC
でも、ライはCCの事と同じくらいルルーシュについても語ってます
・似非シリアス
・ルル×CCが苦手な方は避けた方がいいかもしれません
CCにとってルルーシュはあくまでもご主人様で、明確な恋愛感情を持ってるわけではないのですが、
ちょっとルルCC駄目な人にはキツい内容を含んでいるかも?
・このスレの標準的なライより世間ずれしていると思います
・微エロ?
・ギャルゲ板に投下するSSとして、間違った方向に力が入りまくってる気が……
・実はマトモなライ視点は初投下
時系列も錯綜ぎみです
口調などおかしいと思う箇所があったら指摘していただけると嬉しいです
・本文は8レス予定
念のため、途中2〜3回くらい支援があれば安心できます
398名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 12:40:43 ID:nUSiVa3j
支援
399名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 12:40:50 ID:moRWPeYD
支援
4001/8:2008/09/14(日) 12:42:21 ID:9/MVErrX
「ライ様…今晩こちらで眠らせていただいてもいいでしょうか?」
 CCは上目遣いで不安そうな顔を僕に向けた。

「それは構わないけど、ル、……ゼロは何て?」
「ご主人様は、ライ様が構わないなら好きにしていいと仰いました」
「ご主人様、か」
「あの……何かいけなかったでしょうか?ライ様が駄目だと仰るなら……その……」

 僕はしばらく考える。
本当ならCCはなるべくルルーシュと一緒にいた方がいい、と思う。
そうでなければ、新しい関係が構築できない。
ただ、今のルルーシュはいつも以上に不安定だ。
CCを傷付けるつもりなんて少しもなかったのに、怪我をさせてしまった事でルルーシュ自身がひどく落ち込んでいる。
いや、傷付けた事だけではないだろう。
CCの指に貼られた絆創膏を見て思う。
傷が治らない――その事実がCCの変化を雄弁に物語っていた。



 CCの記憶は失われ、ただの幼い娘になってしまった。
その変化には僕も戸惑っている。
全てを超越した尊大な不死の魔女が、何も知らないただの小娘に変わってしまったのだから。
いや、ルルーシュの感覚からすれば、今のCCは「ただの小娘」未満だろう。
 しかし、僕はルルーシュとは違う。
過去に王として生きた僕は、今の彼女のような存在を数多く見てきた。
主に命令され、是非もなく従うことに慣れた者たち。
理不尽に暴力を振るわれても怒ることなく、過ぎ去るのを待つか、許しを請うことしかできない存在。
ブリタニア統治下のイレブン──いや「名誉ブリタニア人」に何処か似ていて、
だが決定的に何かが違う彼ら。
そんな風に隷属することに慣れた人間は、何もしなくてもいいと言われても戸惑うことしかできない。
自由という概念さえ知らない彼らは、そんなことを言われても困るのだ。
401名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 12:43:28 ID:moRWPeYD
支援
402名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 12:43:29 ID:nUSiVa3j
 支援
4032/8:2008/09/14(日) 12:44:25 ID:9/MVErrX
 CCは自分に出来ることを、すべきことを探そうとしていた。
だが、相手はルルーシュだ。
脱いだ服は直ちにたたみ、ゴミはでた瞬間に分別してゴミ箱に入れ、汚れは直ぐに拭き取る。
CCがそれに気が付き対処しようとした時には、ルルーシュはほぼ作業を完了している。
ルルーシュにとっては当たり前のことなので、それでCCが不安になることが理解できない。
すべきことができないということは、不必要だということだと、
直ぐにでも捨てられ、売られてしまうのではないかとCCが不安を感じている事が。
 そんなことにはならないとCCに説明はした。
だが、それは彼女には理解し難いということも判っていた。
だから、少しでも彼女の不安を取り除くために、僕の部屋への出入りを自由にさせることをルルーシュに提案した。
 その提案を聞いたルルーシュは不思議そうな顔をした。
ルルーシュにとってはCCが僕の部屋に勝手に出入りするのは当たり前の事で、
改めて提案されるような事だとは思わなかったのだろう。
 だが、CCにとっては違う。
今のCCを他の団員に見られるのは得策とはいえないが、幸い僕の部屋とゼロの部屋は書庫を共有する作りになっていた。
使う時以外は閉ざされていた扉を常に解放しておけば、CCは人に見られる事なく僕の部屋に来ることができる。
 僕はCCに「ゼロが部屋にいない時は書庫か僕の部屋にいること」、
「僕の部屋の掃除をすること」、
「僕もゼロも居なくて、する事がなくて困ったら書庫の本を読むこと」を指示した。



「あの…ライ様……困らせて申し訳ありません、でした。
 私…その……、ご、ご主人様のところに戻ります……」
 黙りこんで考えていた僕の態度を、拒否と受け取ったらしいCCが、僅かに震えた小さな声で退室をつげる。
「いや、いいよ。このままこの部屋にいてかまわない」
 僕の言葉に、CCはうつむいていた顔をパッとあげた。
「いいのですか?」
「ああ、かまわない。ただし、寝るのはソファーだよ」
「ありがとうごさいます!」
 CCは心の底から、安堵したような笑みを浮かべた。
404名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 12:45:10 ID:moRWPeYD
支援
4053/8:2008/09/14(日) 12:47:31 ID:9/MVErrX
 ソファーで眠らせる。
ルルーシュにとっては、それすらもひどく戸惑うことだろう。
以前のCCなら、ルルーシュに「床で寝ろ」と平然と言い放ち、
ルルーシュが整えたルルーシュのベッドでさっさと寝てしまったのだから。
根本的にフェミニストなルルーシュは、その態度こそ不満に思っても、
実際のところは女性を床に寝かせるくらいなら、自分が床に寝るのをよしとする。
たとえ、翌日、自分の体がボロボロになると判っていても、だ。ましてソファーなら問題ない。
CCが記憶を喪った最初の日に、ルルーシュはそのつもりで
「俺のベッドで寝ろ。寝る前にちゃんと風呂に入るんだぞ」と言ったらしい。
これをCCは勘違いした。

 CCが正確にいつの時代のどのあたりの生まれなのかは判らなかったが、
その仕事の内容から考えて使用人の中でも低い身分だったようだ。
恐らく、賃金を貰えないような下層の。
そんな彼女にとっては、羽毛どころか綿の詰まった布団に寝ることさえ、空恐ろしい出来事だろう。
いや、継ぎや綻びのない清潔で真っ白なシーツというだけで、充分恐ろしかったに違いない。
「もし、これを汚したらどれだけ折檻されることだろう?」
「この布団は自分一人を売ったお金で買えるものなんだろうか?」
 そんな考えが頭に浮かんだに違いない。
だが、そんな身分の彼女でも、ふかふかの布団に寝る事を許される可能性がひとつだけある事をCCは知っていた。



「ほあぁぁぁぁっ!」
「何があった?ゼロ!?」
 ちょっと間抜けなルルーシュの声を聞きつけた僕が、慌てて部屋に入った時見たのは素っ裸のCCだった。
白く美しい肌。女性にのみ許された円やかなライン。手にすっぽりと包み込めそうな胸の隆起。
生まれたままの姿で、手にバスタオルを握りしめ、緊張した面持ちでルルーシュを見つめていたCCは綺麗だった。
「ラ、ライ。こ、これは、その……」
 少しの間、見とれてしまった僕を正気に戻したのは、先程と変わらず、ちょっと間抜けなルルーシュの声だった。
「し、CC!なんて格好で出てくるんだ!ちゃんと服を着ろ!」
406名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 12:47:50 ID:moRWPeYD
支援
4074/8:2008/09/14(日) 12:54:05 ID:9/MVErrX
 最初は僕に誤解されないかを気にしたルルーシュだが、
すぐに女性の裸を自分と僕が見ているという事態を改善する方が先と切り替えたようだ。
「え、でも、ご主人様……」
「早く!早く服を着るんだ!ライ!いくらCC相手とはいえ、そんな恥ずかしげもなく女性の裸を見てるんじゃない!」
 とはいえ、年齢のわりには奥手過ぎるルルーシュは、口で言うだけで自分から動けないでいた。
仕方がないので、僕がバスローブを取りだし、CCの肩からかけてやった。
便利なルルーシュがいない時、代理としてCCにいいように使われていた僕は、
この部屋の物の位置は全て把握していた。
CCの下着の保管場所どころか、どんな種類をどれだけ所有しているのかまで知っている。
つまり、洗濯させられていたわけだ。
 バスローブをきちんと着せて立ち上がると、CCは困惑した顔で、僕とルルーシュを交互に見つめていた。
「あ、あの、ご主人様。ラ、ライ様もご一緒するんでしょうか?
 そういう場合もあると聞いたことはありますが、私は、は、初めてなので、出来れば最初はご主人様お一人とが……」
「な……っ、何を言っている、CC?」
 ルルーシュの回転の速い頭は、当然、正解を導き出していただろう。
だが、それを認める事は拒否したようだった。
「CC。君が考えているような事をゼロは望んでいないよ?」
「え?でも……」
 CCはチラリとベッドの置いてある奥の部屋を見た。
「CCが一人で寝ていいんだよ?」
「でも、ご主人様は……?」
「俺はこのソファーで眠る。お前は向こうのベッドで一人で眠るんだ」
「……そんな!できません!ご主人様のベッドを私が一人で使うなんて、できません!」
 激しく首を振り、拒否するCCを見て、ルルーシュは驚くばかりだった。
今までのCCとは違いすぎるから、仕方ない部分もあるんだけど、
もう少し何とかならないものかと思ってしまうような態度だ。
「CC。君の新しいご主人様は、女の子には優しいんだ。大丈夫。汚したって破いたって怒らないよ」
「ライ……」
 ルルーシュが不満そうな顔をこちらに向けた。
汚すのは構わないが、破くのは簡単には承知できないと言うところだろうか?
「でも……」
「あ、いや。別にそうなっても怒らない。わざとなら別だが、過失ならしかたない。だから……」
408名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 12:55:17 ID:nUSiVa3j
支援
4095/8:2008/09/14(日) 12:59:32 ID:9/MVErrX
 CCが言い澱むのを聞いて、自分の表情が彼女の不安を煽った事に気付いたルルーシュが、慌てて弁明した。
が、既に遅い。
CCはルルーシュのベッドでは──少なくとも一人では──絶対に寝ないだろう。
そう判断した僕は次善の策をとることにした。
「じゃあ、僕のベッドで寝る?」
「……え?」
「は……っ?」

 ルルーシュの間の抜けた顔を見るのは楽しいと思う。
普段がカッコつけだから、気を許されているのが実感できて嬉しいというのも、少しあるかもしれない。
でも、ルルーシュはプライドが高いからわざとそんな顔をさせるような方向にもっていく事はしないし、
その時だって、別にそういうつもりで言ったわけではなかった。
「お前、……それ、は……」
「誤解してるだろ、ルルーシュ。僕はこっちで寝るよ。ソファー貸してくれるだろ?」
 それで得心がいったルルーシュは、ホッとした顔で応えた。
「あ、ああ。もちろん構わないとも」
「でも……」
「CC。僕のベッドはゼロのに比べたら、小さくて狭いけど、それで我慢してくれる?」
 大した物じゃない。そう思わせるように誘導する。実際、ルルーシュのベッドに比べたら、
僕のベッドは普通のベッドだ。
もちろん、幹部である僕に与えられたものだから、一般隊員のベッドに比べればモノ自体は格段にいいが。
「我慢だなんて、とんでもありません。ここは寒くないし、こんなちゃんとした服があるし、私は床で充分です」
 CCはそれでも固辞した。
確かに彼女の身分なら、隙間風が吹き抜ける部屋の床で寝るのが普通だったかもしれない。
台所の竃の傍や、家畜小屋なら、暖がとれるだけ有難いというところだろう。
今考えるととんでもない状況だが、そういう時代はたしかにあったのだ。
「君のご主人様は、女の子を床で寝かせたくないんだよ」
 こればかりは紛うことなき事実だ。一片の嘘もない。
「でしたら、私がそちらの……ソファー?…で寝ます」
 普段ならルルーシュはこれで納得するはずだ。
そう思い、確認のためにCCから視線を外し、ルルーシュを見た。
だが、今日のルルーシュはどうしてもCCをベッドで寝かせたいらしい。そういう顔をしている。
410名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 13:01:20 ID:nUSiVa3j
支援!
4116/8:2008/09/14(日) 13:03:04 ID:9/MVErrX
それだけCCが疲れているはずだと思っている、という事だろう。
「……今日だけ、僕のベッドで寝てくれないかな?
 実は、ゼロに報告する事があるんだけど時間がかかりそうな内容なんだ。
 終わる頃には真夜中過ぎになっていると思う。部屋に戻るのも億劫だし、そのまま寝たいんだ」
 夜、部屋を汚さないような灯りを点けるにはとんでもなくお金がかかる。多分、CCはそう認識しているはずだ。
そうまでして話す内容は、重要で緊急性のある事に違いないと思うだろう。
実際は明日でも構わない内容だったが、書類も出来上がったし、その日の中に報告してはいけないという事はない。
「……判りました」
 狙い通り誤解し、納得したCCはその日僕のベッドで眠った。

 しかし、僕にもひとつだけ誤算があった。
それ以来CCは、ルルーシュがいなくて僕がいる時は、僕の部屋に入り浸るようになったのだ。
出入り自由を明言したとは言え、正直に言ってここまで極端になるとは思っていなかった。
僕とルルーシュとしか知らないから不安だった事もあるだろうけど、最大の原因は、多分、灯りだ。
 点灯スイッチの仕組みを理解したCCは、ルルーシュが出かけると灯りを消して、僕の部屋にくるようになった。
うん、まあ、省エネは大事だよね。
特にエナジーフィラーは注意を怠ると行動不能になっちゃうしね。



 そういうわけで、ルルーシュがいない夜は、僕の部屋のソファーで眠るのがCCの習慣となった。
僕としても、今の状態のCCを放っておくのは不安だから、好都合といえば好都合だと言える。
 ただ、精神的には見た目より幼い少女になっているCCは、とても無防備で、
色んな意味でドキドキハラハラさせられるはめに陥った。
ルルーシュほど取り乱しはしないが、健全な青少年としては、喜ぶべきかどうか非常に難しい問題だ。
いつものCCなら、わざとだろうから有り難く拝見させていただくけど、子ども相手だと思うと胸が痛む。

 今晩こっちに来たのは、そういった今までの積み重ねがあっての事だろうけれど、
ルルーシュが居るのにこっちで寝るのは、初日を除けばはじめてだった。
あの日、僕は、ルルーシュの部屋に泊まったから、本当に初めてのパターンだ。
まあ、疚しい事はないからいいんだけど、ルルーシュと何かあったんだろうか?
412名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 13:04:24 ID:nUSiVa3j
支援
4137/8:2008/09/14(日) 13:06:24 ID:9/MVErrX
 CCは、優しくて、若くて、綺麗で、自分を大切に扱ってくれる新しいご主人様に好意を持っていて、
末長くお仕えしたいと思っていると判断していたが、何か読み違えていたのだろうか?
いや、返事を迷っていたら帰ろうとしたし、二人の間に大きなトラブルがあったとは考えにくい。
 僕が考えを巡らせている間に、CCは慣れた手付きで自分の寝床を整えた。
ちゃっかりチーズくんを持ち込んでいる辺り、記憶が無くてもCCなんだなあと、改めて思う。
 寝る準備を済ませたCCは、チーズくんをギュッと抱き締め、上目遣いで僕を見つめている。
何だろう?
「どうかした?CC?」
 お腹が空いたのかな?
でも今のCCは、そうだとしても食べ物を欲しがったりはしないだろう。
 CCにとって朝ご飯を食べることは、信じられないような贅沢なはずだ。
朝食とは貴族や一部の罪深き豪商、或いは歩き続けなければならない旅人がとる物であるはず。
それなのに、毎日当たり前のようにご主人様──ルルーシュの分だけでなく、CCの分まで用意されている。
それ以上を望むとは思えないし、むしろ空腹を我慢することなんて慣れている、と思うだろう。
「……ライ様」
「何?」
 ようやく口を開いたCCを怖がらせないように、微笑みを浮かべ先を促した。
「ライ様はご主人様の友達、なんですよね?」
「うん、まあ、そうだね」
 ちょっと歯切れが悪くなってしまったのは、CCの前では用心してルルーシュをゼロと呼んでいるからだ。
ルルーシュは間違いなく親友だけど、ゼロは司令官で僕はその補佐という認識がある。
少し躊躇ったことで、CCがどう感じるか不安に思ったが、特に気にしなかったようだ。
「友達って味方のことですよね」
「そうだよ。僕は君のご主人様の味方だ。いつでも、どこでもね」
 今度は力強く答えることができた。
そう、ルルーシュは僕の親友だ。誰にも代えがたい存在。

 僕は彼のした事を全て受け入れ許す事はできないが、それでもできるだけ理解したいと思う。
隊長であるカレンが不在の中、僕にも一言の相談もなく零番隊だけで行った極秘作戦。
僕が関わらない作戦でも、概略を伝えられ、意見を求められるのが常だったから少し驚いた。
414名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 13:10:09 ID:nUSiVa3j
支援!
4158/8:2008/09/14(日) 13:11:10 ID:9/MVErrX
 折衝のため僕が不在だったからかとも思ったが、今までなら何か一言あったように思えて、違和感はあった。
それでもCCが一緒だから大丈夫だろうと思っていたのに、結果は……。

 僕はゼロに確認しなかった事を悔やんだ。
本当にまずいことならCCが止めてくれるだろうと、
CCに止められなければ僕に相談しにくるだろうと、甘えたことを悔やんだ。
 シャーリーの死とギアス嚮団の殲滅作戦、皇帝との対峙、そしてCCの記憶と能力の喪失。
起こった事も、その結果もあまりに重い。
シャーリーへの想いは理解できる。あんないい娘が理不尽に殺されていいはずがない。
ギアスを呪う気持ちも判る。かつて自分が通った道だ。
 だがそれでも、事前に知らされていれば嚮団の殲滅作戦には異議を唱えただろう。
ルルーシュもそう思ったから、僕に何も言わずに作戦を実行したに違いない。
CCが止められなかったのも判らなくはない。
 おかしいと確かに思ったのに、やり過ごしてしまった。それが今になって悔やまれる。
次はない、そう心に誓う。
ルルーシュを一人で敵に立ち向かわせたりしない。ルルーシュが隠そうとしても必ず気付いてみせる。
僕はルルーシュの友達で、「味方」なんだから。
 そういった想いを胸に、CCの問いにはっきりと答えた。
少し気恥ずかしいが、紛れもない本当の気持ちだ。

「私、……私もご主人様の味方になりたいです。ご主人様だけでなく、ライ様の味方にも」
「……ありがとう。嬉しいよ」
 そう答えると、CCは嬉しそうに笑った。
花が開いたような微笑みとは、こういう笑みを指すのだろうかと思える、本当に嬉しそうな美しい表情だった。
「ライ様。私、ご主人様が呼んでくださるCCという呼び名も大好きなんですけど、本当の名前は別にあるんです」
「……え?」
「ご主人様はご存知ですが、ライ様にも知っていてほしいんです」
 CCは笑みをますます深くする。僕は魅いられたように、その顔から目が離せなかった。
綺麗な、綺麗なCCの微笑み。それは、とても嬉しそうで、幸せそうな表情だった。


「私の本当の名前は──」
416名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 13:11:48 ID:nUSiVa3j
支援
417KAMEI ◆0zkc8WmJ3k :2008/09/14(日) 13:15:47 ID:9/MVErrX
以上です。支援ありがとうございました。

タイトル:──君の名は
でお願いします。
我ながら、ストレート且つ出落ちなタイトルだと思うのですが、他に思い浮かばす……。

 ラストがちょっと唐突になってしまいました。
ここが書きたくて書いていたはずなのに……反省。
 ルルーシュのベッドの無駄な豪華さの描写(CCの趣味設定)を入れたくなったんですが、
本当に美術設定があるはずなので、やめました。
まあ、それを言い出したら、ちゃんと二つベッドあるかもしれないんだけどね!
……と気が付いた時には、もう、だいぶ書き進んでいたので、そのまま突っ走りました。
ということで、アニメで斑鳩のゼロ私室描写を確認する事は敢えてしません。
間違っていても書き直す根性がなかったので、脳内イメージで書ききりました。
すみません。
 あと、作中でライがルルーシュを綺麗と表現していますが、これは容姿が美しいというより、
身形が調っているというニュアンスです。
CCは、仕事をする必要の無い貴公子のような、身分高い立派な人に仕えていると思っている感じです。
まあ、実際にルルーシュは本当に皇子様なわけですけどねw
上手く説明が入れられなかったので、ここで言い訳しておきます。
 内容的には、普通に考えれば時系列でTURN16と17の間で第二次東京決戦が数日後に控えているはず、
ということになるんですが、どう読んでも、そういう状況じゃないゆるさです。
書いてて自分でも「ライが暢気すぎる……」と正気に返っては、何度も筆が止まりました。(実際は携帯だけど)
 ライの生きていた時代も一体何時なんだ?って内容になってますし、
そのあたりは深く突っ込まないでくださると嬉しいです。
 最初に思い付いた時は明確なライCCではないまでも、もっとほんわかラブリーな感じになるはずだったんですが、
書いている内に変な方向に熱が入りしまい、CCとのやり取りが薄めになってしまいました。
もっと、ご主人様とライが大好きなCCを書きたかった&書くはずだったのに……。
私の場合、一気に書かないと方向性が迷走するようです。
色々反省点の多いSSですが、読んで少しでも良かったと思ってもらえる部分があれば幸いです。

さあ!今からたまったログを読むぞーっ!
418名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 13:19:24 ID:+5Vb9ZU0
1330あたりに投下します。
419名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 13:22:27 ID:nUSiVa3j
>>417
KAMEI卿、GJでした!
C.C.可愛いよ、C.C.
記憶喪C.C.の可愛さがヤバイよ!
次の投下を心待ちにしております!
420名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 13:37:39 ID:H58kcGuG
GJ
ルルCが確かに混じっているけど名前を教えてもらうシーンは…C.C.、ライに寝とられフラグのような気がする。(なぜ?)
421御錬師  ◆u/BSqNBIsk :2008/09/14(日) 13:39:26 ID:+5Vb9ZU0
蒼を背負う銀糸の本〜真実を記した書〜

CP ライノネ
ジャンル ほのぼの
〜〜部分はサブタイ

支援がきたら投下します。支援があるのに、10分以上間があいたら、
トラブルとゆうことで。

注意
ライは寝ているため、出てきません。
422御錬師  ◆u/BSqNBIsk :2008/09/14(日) 13:43:04 ID:+5Vb9ZU0
「ただいま。流石にもう寝ているか。」
声の主は、帝国最強の騎士、ナイト オブ ラウンズの一人。ノネット・エニアグラム。
政庁に缶詰になっていたがやっと出てこれた。
そして、今彼女は、コーネリア殿下の親衛隊の元若きエース。今彼女は、二ヶ月
前から居候している、ライの部屋にいる。
「寝ているよな。」
顔の前で手を振ったり、彼の頬を指でつついてみたり、して彼が熟睡しているのを確認する。
机の上には、蒼い本が一冊。
近付いてよく見ると、その本の表紙に『Diary2』と書いてあった。
彼女は、その本を手に取り、再度彼が寝ているか確認。
そして、本の一頁めを開いた。
423御錬師  ◆u/BSqNBIsk :2008/09/14(日) 13:46:19 ID:+5Vb9ZU0
「居候生活61日目
開口一番『お前、居候なんだから、飯ぐらい作ってくれ。』
昨日の夜から何も食べていない様だ。
でも、いつものシェフの人どうしたんだろう?と思いつつ
冷蔵庫に残っていた、キャベツとコーンと自作のドレッシングで作った、
コールスローと、朝取れたての玉子を使った、ゆで玉子。
そして、さっき焼いた焼きたてのライ麦パン。(上記レシピ別紙)を作った。
ノネットさんが誉めてくれた。とても嬉しかった。
明日も他のメニューに挑戦してみよう。」

彼女の顔から自然に笑みがこぼれた。
424名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 13:48:19 ID:YucRFjDt
支援
425御錬師  ◆u/BSqNBIsk :2008/09/14(日) 13:48:37 ID:+5Vb9ZU0
「居候生活62日目
ノネットさんに稽古をつけてもらった。
強すぎる。
30戦19敗1引き分け。勝てる気がしない。毎日トレーニングはやっているのに。
ノネットさん曰く、『キレがない。』やはり二ヶ月も休んでいたからだろう。
次は勝てるようにしなきゃ。でもどうすれば…なんとかなるか。」

彼女は続きが気になり一頁めくった。
426名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 13:49:10 ID:YucRFjDt
支援
427御錬師  ◆u/BSqNBIsk :2008/09/14(日) 13:49:45 ID:+5Vb9ZU0
「居候生活63日
書庫に行ったら料理関係と紅茶の本があった。
これ読んで、勉強しろと言う事なのか?
取り敢えず一通り目を通しておかなきゃ。
取り敢えず、明日の朝は、旧日本料理でも作ってみよう。
冷蔵庫に豚肉と卵とキャベツがあったし、小麦粉もあるから、お好み焼きでも、作ってみよう。」

美味しかったなお好み焼き。久しぶりだったな。ライが作る旧日本料理。
428御錬師  ◆u/BSqNBIsk :2008/09/14(日) 13:51:03 ID:+5Vb9ZU0
「居候生活64日目
朝起きるとノネットさんからの置き手紙があった。
『執務室にいる。』とだけ書いてある。
政庁の地図も入っていた。軽食(おにぎり)を持って政庁に行った。
二ヶ月ぶりの都会。
何故人は群れるのだろうか?今度調べてみよう。
なんとか政庁に到着。広い。広すぎる。迷子になるかと思った。
執務室に入ると、書類の山に背を向けたノネットさんが、他のラウンズの女性陣
(アーニャ・アールストレイムとモニカ・クルシェフシキー)と三人でお茶していた。
書類を見てと、赤字で『至急』とか『緊急』の書類がチラホラと。
溜め息をついたら、『それ頼む。』酷い。居候だけどさ、普段から勉強しておいてよかった。
その後なんとか終らせてお茶会に。色が強い人ばかりだ。ラウンズは。
早くコイツをなんとかしよう。」

彼女は何も言えなかった。
429名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 13:51:39 ID:YucRFjDt
支援
430御錬師  ◆u/BSqNBIsk :2008/09/14(日) 13:52:23 ID:+5Vb9ZU0
「居候生活65日目
朝起きると書類の山と置き手紙。
手紙には『臨時領主代行としてこれを頼む。』とだけ。
内容は、領地に関する物だ。竜巻の被害報告書や納税関連から、予算案の作成。
一通り片付けた。
だけど、机上の政治は民の為にならない。実際に目で見て、肌で感じて、現場に赴く。それを生かして考える。
明日にでも竜巻の被害地に行こう。」

彼女は只々見る事しかできなかった
431名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 13:54:09 ID:nUSiVa3j
支援
432御錬師  ◆u/BSqNBIsk :2008/09/14(日) 13:54:25 ID:+5Vb9ZU0

「居候生活66日目
竜巻の被害は想像を絶した。穀物は、殆んど駄目。町は瓦礫の山に。
復興にはかなり時間が、かかる。
瓦礫の除去作業に重機が運ぶには時間がかかる。今直ぐに取り除けば助かる命が有るはず。
どうする?
この場にいるのは、僕と現地住人26人。手作業だと被害地域全て終るのに2,3ヶ月。
ならば最終手段。
ナイトメアフレームを使うしか無いが、生憎、僕のクラブは今ロイドさんが持っている。
僕は近くの基地に行き、事情を話すと、グラスゴーを9機とサザーランド3機を貸してくれた。
然し、無料という訳にもいかなかった。
ナイトメアと現地住民の連携のお陰で無事に被害地域最も危ない地域の瓦礫撤去終了。
取り敢えずメモ書きして置いたから大丈夫だろう。被災現地より」

そんな事があったのか。すまんな。ライ。
433御錬師  ◆u/BSqNBIsk :2008/09/14(日) 13:59:42 ID:+5Vb9ZU0
「居候生活67日目
昨日のナイトメアを貸してくれた基地にいた。
理由は簡単。軍にいた、時の話をしたら、明日、新入騎士に指導をつけて欲しいと。
そのかわりナイトメアを貸す。という約束だった。
流石本国。優秀な生徒ばかり。
その日は久々にナイトメアに乗った。
そこで気が付いたのだが、勘がにぶっている。
これでノネットさんには良い勝負が出来そうだ。
そろそろ戻って考えなきゃ。具体的な救済措置を。」

アリガトウ。そう言って、彼女は部屋を出ていった。
434御錬師  ◆u/BSqNBIsk :2008/09/14(日) 14:03:58 ID:+5Vb9ZU0
次の日の朝、少年は日記がいつもの場所からずれているのを見て、
内容がバレていることを悟った。
435御錬師  ◆u/BSqNBIsk :2008/09/14(日) 14:10:25 ID:+5Vb9ZU0
以上です。支援有り難うございます。
ちなみに今回の作品は、(0022-0850)時の流れに身を任せ〜若き元エースの一日〜
の続編とゆううことで。
あと2,3作でこのシリーズ完結します。
それでは、
436名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 15:12:18 ID:nUSiVa3j
>>435
御錬師、GJでした!
日記を盗み見、ライの考え等をより深く知ったノネットさん
シリーズ完結まで頑張ってくださいね
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
437名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 17:14:29 ID:9/MVErrX
本編の合間に書けた分だけ感想を

>>340
どのキャラも素晴らしかったです!
ルルーシュの焼いたピザは、ナナリー仕様の厳選素材を使ったそこらのピザ職人顔負けの逸品だと確信できるのに、
それでもCCが選ぶのはピザ○ットのような気がする不思議。
ジャンクフードは魔女をも魅了するのか!それともチーズくんなのか?
それにしても、よきツンデレでした。


>>384
包み紙をポケットにしまうアーニャ可愛い!小説ネタもごちそうさまでした!
荒ぶるゼロのポーズとかwフレンドリー・ファイアも中黒が打ってあるあたり、ネタ?ネタなのか?
キラッ!的な意味で。
J○J○ネタもあるし、やはりネタなのか!
ところで>>358でナイトオブセロという誤字をみつけたのですが、
セロ弾きゴーシュとか音楽で戦う某マンガを思い出し、一人で受けまくりました!
438銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/09/14(日) 19:16:42 ID:AZxt65ul
初投稿させていただきます。

タイトル:Not A Clockwork
カップリング:なし(メカオレンジ)
ジャンル:シリアス

純血派編に続けて黒の騎士団編へ進み、さらにその先で?という捏造です。
5レスほどありますので、支援いただけますでしょうか。

問題なければ5分後にスタートします。
439名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 19:19:45 ID:moRWPeYD
支援します
440名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 19:20:33 ID:nUSiVa3j
気になる一文が……支援!
441銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/09/14(日) 19:23:08 ID:AZxt65ul
Not A Clockwork


地下の実験施設で、僕は彼を見つけた。

端末からデータを抜き取っている時に行き当たった「実験適合生体」の存在。
施設の最深部、数々のセキュリティを抜けた先。
そこは僕がさまざまな処置を受けた場所と、同じようなたたずまいだった。
無機質な部屋。並ぶ機材。薬品。明滅する明かり。拘束具。
だから、彼の身に何があったかは、誰に聞かずとも分かった。
投薬。強化。実験。
苦痛のみに塗り潰された、長い、長い時間。
人として扱われず、記号と数字でのみ語られて。
そして彼の、これは……手術で?
身体の左半分は金属で覆われ、血の通わない鈍い輝きを放っていた。

「ジェレミア卿」
442名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 19:23:30 ID:moRWPeYD
支援
443銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/09/14(日) 19:27:00 ID:AZxt65ul
僕が警備員や研究員たちを殴り倒すのをぼうっと見ていた彼は、近づいていっても何の反応もしなかった。
「ジェレミア卿?」
呼んでも、認識した様子が無い。
「僕です。ライです」
すぐ傍まで行って、やっと僕を横目に見た。
常に真っ直ぐに伸ばしていた背中を力なく丸め、腕をだらりと垂らして。
いつもきちんと整えていた髪が、だらしなく顔に乱れかかって。
へらり、と笑ったような表情には、でも何の感情も無くて。
「ジェレミア卿!」
「なに、でしたか。それ」
声は彼のままなのに、言葉はたどたどしく覚束なく、まるで話すことなど始めから知らなかったようだ。
「あなたのことです。ジェレミア卿」
「わたし」
一瞬、その眼に何かが現れた……と思った瞬間にそれは消え、また視線がさまよいだす。
その時になって、片目が本来の色ではないことに気付いた。
左の瞳は鉱物のような輝きを宿す黄緑色で、夕映え色の右目とは全く無関係に、ぐらぐらと揺れている。義眼、しかも機械のそれ。生身の部分に似せようという気配さえ無く。
「そう、あなたです。どうしたんですか?何故」
「わたし。いらない」
「要らない?」
「おぼえる、ない。いらない」
そう言って、彼は自分の言葉に頷く。
「理解。バトレ、いいます」
バトレー。やはりあの男か。下郎めが。
僕はこの世界で目覚めて始めて、一人の人間に明確な殺意をもった。
人から名前を記憶を奪うなど、許されることではない。
(私にしたのは、ナイトメアとこの世界の知識を捻じ込むことだったな、バトレーよ)
否、記憶のみならず知性まで。ナイトメアを操作するだけ、使役者を見分けるだけのそれを残して。
知性など持たせておけば、逆らうから。逃げられるから。
(そう、かつての私のように)
僕のように。
444名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 19:27:20 ID:moRWPeYD
支援
445銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/09/14(日) 19:32:35 ID:AZxt65ul
「要らなくないですよ、ジェレミア」
敬称をつけると認識しにくいだろうと名前だけ、子供にさとすように、
残った橙色の瞳にゆっくりと語りかける。
「大事なことです」
彼は首をかしげる。
「だいじ」
「そう、あなたの名前だから」
「なまえ。なまえ」
何かを探すように、彼はあちこちへ視線をやって、それから僕を見た。
「なまえ。あなたさまは」
「僕は、ライ」
「ライ」
彼はまた首をかしげた。でも今度は、目を伏せてじっと考えている。
自分の中から何かが話しかけてくるのを待つように。
それから、両手でそうっと何かを包むような仕草をして。
まっすぐに僕を見て、笑った。
「理解、しあわせ」
そうか。今まで、バトレー以外の個人の名など知らされなかったのだ。
たかが他人の名前ひとつが、今の彼にはどんなに貴重なものか。
そう、アッシュフォードで暮し始めた時の僕みたいに。
「ライ」
「はい」
「ライ?」
「はい」
446名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 19:33:13 ID:moRWPeYD
支援
447銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/09/14(日) 19:36:59 ID:AZxt65ul
嬉しそうに繰り返す彼にもっと応えていたかったが、そうも行かない。時間は限られている。
僕はそっと彼の、生身のほうの手をとった。
「行きましょう」
手を引くと、なんの抵抗もなくついてくる。
裸足の足音が、ぺた、カシャ、ぺた、カシャと聞こえるのが耳に痛い。
「どこへ、いくのでしたか」
「帰るんです。僕と一緒に」
「かえる、だめ」
引いていた手が止まる。
「ないです」
「何が無いんですか?」
振り向くと、困り果てた顔があった。道に迷った子供のように覚束なく頼りなく、ひたすらに哀しそうに。
「なにも」
「……帰るところが?」
「だれも」

その時、呼び出し音が耳に響いた。
「ライ、そろそろ時間切れだ」
潜入作戦の終わりを告げる、撤収コール。
「ゼロ、もう少しだけ保たせてくれ」
そう応答した時、背後で気配が凍った。

「ゼロ?」
彼の声に、異質なものが入り込んでいた。
見る間に表情が引き歪む。
苦痛。憎悪。惑乱。怨嗟。悲哀。
全てが綯い交ぜになった、貌。
「ゼロ!」
彼は絶叫した。殺されかけた獣のように、咽喉の限界など考えない咆哮。
「ゼロオオオオオォォォォ!」
うずくまって頭を抱え、怒りと憎しみとのやり場も無く。
448名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 19:37:34 ID:moRWPeYD
支援
449銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/09/14(日) 19:39:10 ID:AZxt65ul
残っている記憶は、これだけだというのか!
こんなものだけ、残したのか。敵の名前、それにこめられた情念。
ただの一言、一つの名前でこんなふうに狂乱する。生きるよすがになどならないのに。
要らない。こんなものひとつ持たされて何になる。
胸の中で迷いが荒れ狂う。
それでもこれは彼のもの、元から持っていたたった一つのものなのだと。
でも。
僕が取り戻す。でなければ、新しく与える。
必ず。
僕がそうだったように。
だから。

「ライが命じる!」
ゼロを、忘れて。

そして僕は、彼を連れ帰った。

黒の騎士団。
特区日本成立後も、監視機関としてその存在を保つと宣言した、レジスタンス組織。
そしてそのリーダー、ゼロ。
あの日、C.Cに救われた僕が補佐役を務める彼のところへ。
真の名をルルーシュ・ヴィ・ブリタニアという、友人のもとへ。
450名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 19:40:10 ID:moRWPeYD
支援
451銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/09/14(日) 19:41:50 ID:AZxt65ul
「これが……オレンジだと?」
ゼロ、いやルルーシュの第一声はそれだった。
「その名で呼ぶな!」
僕は怒鳴った。かつてはジェレミア卿本人がそう叫んでいたのに。そう思うとさらに悔しくて情けなかった。
「どうした、ライ。何を怒っている」
「君にそんなことを言われたくないよ。彼をこんなにしたのは、元を辿れば君じゃないか。
思いつきで、ありもしない疑惑を背負わせて、追い詰めて」

僕といる時はいつもいつも、どこまで本気か分からない、困った人だったけれど。
コーネリア皇女の親衛隊を見つめていた、属するところの無い寂しさを抱えた姿を、僕は忘れられない。

「いい人だったのに。ずっと前に死んでしまった皇妃様のことを、今も悲しんでいて。
守れなかったって、自分のせいみたいに悔やんでいて。こんなふうにされていい人じゃないんだ!
少なくとも、君に嘲笑されるいわれは無い!」

ルルーシュは、呆然と立ち尽くしていた。
紫の瞳がいつもの怜悧な輝きを失って、僕の背後の人影をとらえようと揺れている。

悪かった。
知らなかったんだ。
ごめん。

唇がかすかに動いて、そんな言葉を音もなく綴った。

「遅いよ!今さら!」
「ライ、お前……泣いているのか」
言われて気付いた。僕は、泣いていた。
この世界で目覚めて、初めて。
452名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 19:43:14 ID:moRWPeYD
支援
453銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/09/14(日) 19:45:02 ID:AZxt65ul
「ライ、なくですか」
肩越しに、彼が覗き込んできた。
「いたいですか、どこ」
手が顔に触れる。骨格のくっきりした長い指は以前のままで、それが却って悲しい。
「ライ?」
手は頭に置かれる。そろそろと撫でられる。今度はもう一方の金属製の掌が、顔を触る。冷たさが、胸に痛い。
「ライ」
「へ、平気、だから」
そう言ったものの、涙は止め方を忘れたように次々と溢れてくる。
「大丈夫か?」ルルーシュも心配そうに覗き込んできた。
と。
長い腕が背中にまわされ、ひょいと向きを変えられた。
ジェレミア卿が、僕を抱きかかえるようにして、自分の背中でルルーシュと隔てている。
「なっ」
ルルーシュは愕然とした。僕もだ。
「何をする!」
「ライ、なく。あなたさま、だめ」
この人は。
「ライ」
彼は僕の頭を撫ぜながら、笑いかけた。
「ぜんりょくで」
454名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 19:46:04 ID:moRWPeYD
支援
455銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/09/14(日) 19:47:51 ID:AZxt65ul
あの日、ギアスの暴走から守ろうと、僕があえて彼にかけたギアス。
全力で僕を放置してくれと。
憶えているのか。
立ち去る僕の背に、遠くで彼は叫んでいた。
それでも僕のことを全力で記憶にとどめると。

各地で密かに行わせれていた実験施設への襲撃が頻繁になり、そこで暴かれた事実がメディアを通じて
公表されるようになったのはこの後のことだ。
その過程で僕らは摂政シュナイゼルと対峙し、また彼に禁断の知識を授けるべく接近したある男との出会いを
果たすことになる。
その話は、いずれ、時を待って語りたい。
僕の世界に、新たに加わった色とともに。

[了]
456名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 19:48:22 ID:moRWPeYD
支援
457銀鰻 ◆yFhURPPFHA :2008/09/14(日) 20:00:12 ID:AZxt65ul
以上です。
読みが甘くて当初想定したレス数をオーバーしてしまいました。
>>443の改行ミスとあわせてお詫びします。
458名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 20:29:25 ID:pM1wwftj
>>457
銀鰻卿GJでした。
ジェレミアの評価は本編でも上がってるから、いつかこんなSSが来るだろうとは
思ってましたけど、良かったです
またの投下お待ちしてます
459名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 20:31:31 ID:moRWPeYD
>>457
GJでした!純血派ルートの後、黒の騎士団に合流したライの話ですか。
ジェレミアの萌えたのは初めてですwそして涙腺を突破されそうにもなりやばかった。
次回のご投下お待ちしてます!
460食卓の騎士:2008/09/14(日) 21:00:58 ID:2IP5PSbb
誰もいないようなんで、投下します。

・メアチェイス〜完結編
・10レス程度
461メアチェイス〜完結編 :2008/09/14(日) 21:04:15 ID:2IP5PSbb
「ちっ、ナイトオブワンまで出張ってくるとは…
 まさか読んでいたのか、シュナイゼル!この展開を?」
蜃気楼のコックピットでルルーシュは忌々しげに呟いた。

最早ゴール会場が遠目ながらも、肉眼で確認できる距離まで来ていたルルーシュだったが、内心穏やかではなかった。
後方数百メートルには、ライとヴェディヴィエールが追いついてきていた。
普通に飛ぶなり飛行形態に変形するなりすれば、ギリギリだが逃げ切れる距離。
だがそれではこの計画の大半は意味を失う。
ギリギリで逃げ切ってのゴールなど、余裕の欠片もない。
『黒の騎士団のKMFはブリタニアを上回る』という事実を残すためには、敗北はもとよりみっともない勝ちなど許されない。

「止むをえん……出番だ、C.C.!」
『ようやく出番か、任せろルルーシュ』

ゴール付近で待機していたピンク色の暁がゆっくりと浮上を始めた。

        
        メアチェイス〜完結編
462名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 21:05:59 ID:+5Vb9ZU0
支援
463名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 21:06:24 ID:AClieWic
支援
464メアチェイス〜完結編 :2008/09/14(日) 21:06:50 ID:2IP5PSbb
「あの色の暁はC.C.か!
 どこかにはいるだろうと思っていたけど、ここで出てくるとはね…」
平静を装ってはいたが、ライの内心は穏やかとは言えなかった。

現在地はゴールの数キロメートル手前。
ゴールに近い位置から暁、蜃気楼、ベディヴィエールが等間隔で縦に並んでいる。

『私はゼロという存在の共犯者だからな。こいつに協力するのは当然だろう?』
『そういう訳だ。
 残念だろうがここまでだ、ライ。C.C.後は任せたぞ』
『了解だ』
蜃気楼と暁がすれ違うその瞬間、

「C.C.、ピザ5枚だ!」
『『なにっ!?』』

「大方ルルーシュにピザ3枚で協力しているんだろう?ならこっちは5枚出す、だから僕に協力しろ!」
そう叫んだライの前で、暁が蜃気楼に組み付いた。

『すまんルルーシュ、ライのギアスにかかってしまった』(棒読み)
『嘘をつくなぁ!!』
どうにか暁を引き離そうと暴れる蜃気楼だが、後ろから腰に抱きつかれるよな体勢のため思うように動けない。
傍から見ると、痴話喧嘩の末に去り行く男とそれを引き止める女のようにも見える。
「それじゃルルーシュ、お先に〜」
笑いをかみ殺しながら、取っ組み合う2機の横をライが通過しようとしたその時、
465名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 21:09:30 ID:AClieWic
支援
466メアチェイス〜完結編 :2008/09/14(日) 21:10:12 ID:2IP5PSbb
『ならばこちらは10枚だ。C.C.、ライを止めろ!』

瞬時に暁がべディヴィエールに飛びついた。

「うわ!」
バランスを崩すヴェディヴィエール。
『すまんライ、ルルーシュのギアスにお前のギアスを消されてしまった』(棒読み)
「嘘をつけぇ!!」
『フハハハハハハハ、さらばだラ―!』
「ピザ15枚、こっちにつけ!」
『わかった!』
暁の右腕が蜃気楼の左足を掴む。
しかしヴェディヴィエールの右足を掴んだままだったため、暁はベディヴィエールの右足と蜃気楼の左足にぶら下がる形になり、
『ぬおっ!?』
『くうっ!?』
「うわっ!?」
3機はバランスを崩し、コースから外れだした。

『おいC.C.、ピザ20枚出す手を離せ!』
『よし!』
「待て、ならこっちは1ヶ月分出す!」
『そうか!』
『ならば――――――』

そんなやり取りが成されている間にも、絡み合うように3機はコースから外れていった。





467名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 21:11:59 ID:AClieWic
支援
468メアチェイス〜完結編 :2008/09/14(日) 21:14:33 ID:2IP5PSbb


「これは一体どういうことでしょう?
 ゼロに助力すべく現れたであろう黒の騎士団のナイトメアが、ゼロとランペルージ卿の双方を交互に妨害しています。
 あっ、今3機が絡み合うようにコースから外れていきました、マシーントラブルでしょうか?」

「案外仲間割れなんじゃないかな?
 あのピンク色のナイトメアがゼロとナイトオブイレブンのどちらに協力するか迷っているとか」

「オデュッセウス殿下、それではランペルージ卿がゼロと通じているということになってしまいます。
 いくらなんでもそれはありえないかと…」

「う〜ん、それもそうだねぇ。良い考えだと思ったんだけどなぁ……」



3機がコースを外れ始めてから十数分後―――

『斑鳩内にピザショップを設置してやる。だから俺に協力しろC.C.!』
「1日3枚まで僕がピザを焼く。だから僕に協力してくれC.C.!」
『どちらも魅力的で判断に困るな…もう一声!』
469名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 21:16:29 ID:3PkZRXrR
支援
470メアチェイス〜完結編 :2008/09/14(日) 21:20:30 ID:2IP5PSbb
更に数十分後―――

『よし、次はピザを使った名言だ。 面白い方に協力する!』

『お前が魔女なら、俺がピザになれはいいだけだ』
「ピザはある。だから、ピザはない」
『間違っていたのはピザじゃない、世界の方だ!』
「――みんなが、ピザを忘れますように」

おかしい―――とライは思った。
(何でピザを使った名台詞を言い合ってるんだ、僕たちは? というかさっきから時間のロスしかしてないような…)
ライがそう思い始めたとき、ルルーシュから通信が入る。
『ライ、ひとつ提案があるんだがどうだろう?』
心なしか彼の顔にも疲れが浮かんでいた。
「OKだ、ルルーシュ。僕も多分同じ事を考えている」
2人は画面越しに頷くと、早く次を言えと文句を言っているC.C.の後ろを指差して叫んだ。

『「あ、後ろでナイトメアが巨大ピザを焼いている!」』(棒読み)
『何!?』

物凄い勢いで暁ごと振り返るC.C.。
もちろんピザを焼くナイトメアなどある筈も無く、
『「よし、条件はクリアされた!」』
無防備になった暁に蜃気楼とベディヴィエールが攻撃を加え、飛翔滑走翼と両腕を破壊した。
『お前たちーーーーー!』
怨念の篭った叫びと共にC.C.と暁は落下していった。
「やりすぎたかな?」
『アイツなら殺しても死なん。問題ないだろう』
「それもそうか」

そして2人は再びゴール目指して走り出したのだった。
471名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 21:22:41 ID:3PkZRXrR
支援
472名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 21:24:15 ID:f3tKA+RC
ルルとライひでえww支援
473メアチェイス〜完結編 :2008/09/14(日) 21:24:19 ID:2IP5PSbb


「おおっと、ここでナイトオブイレブンとゼロがコースに戻りました。
 双方一歩も譲らぬ大接戦です。
 このデッドヒートを制し、先にゴールするのは果たしてどちらか?
 これは目が離せませんね、オデュッセウス殿下!」

「そういえば、なんで僕が解説に選ばれたんだい?」

「今更!?」



ベディヴィエールと蜃気楼は並走しながらゴールに入ろうとしていた。
最早形振り構っていられぬのか、ルルーシュは両腕を広げての飛行を止ている。
飛行形態に変形しようにも、ここまでゴールに近づいては変形しているうちに先を越されてしまう。
一方ライもここまで来ては下手な牽制などはしない方が賢明と考え、とにかくフルスロットでゴールを目指す。
ここに至り、2人の視界からはゴールライン以外のものは消え失せていた。
『負けられん、絶対に!』
「負けられない、何が何でも!」
2人の男が吼え、両機はそのままほぼ同時にゴールした。

「どっちだ!?」
『どっちが早かった!?』
互いにナイトメアを急停止しながら大会本部のスコアボードに眼を向ける。
474名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 21:24:53 ID:3PkZRXrR
支援
475メアチェイス〜完結編 :2008/09/14(日) 21:26:48 ID:2IP5PSbb
『結果は同着!全くの同着です!』
実況のギルフォードの声が会場に響き渡る。

『同着だと!? そんなものが認められるか!』
「こうなったら第2ラウンドでも何でもいいから決着を―」
完全に熱くなっているライとルルーシュ。
と、
『今回のKR、準優勝はライ・ランペルージ卿とゼロの2人です!』
「『へ?』」

準優勝という言葉によって一気に頭を冷やされた2人の口から、揃って間抜けな声が出た。
冷静さを取り戻した2人はそこで漸く、大会本部の方に視線を向ける。
そこには、




優勝インタビューを受ける、アーニャ・アールストレイムの姿があった。



表彰台の前でレポーターのカノンがアーニャにマイクを向ける。
476名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 21:27:28 ID:3PkZRXrR
C援
477名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 21:29:11 ID:OzKKb0Ws
支援〜
478メアチェイス〜完結編 :2008/09/14(日) 21:29:53 ID:2IP5PSbb
「それにしても見事な逆転劇だったわね、アールストレイム卿。
 過去のKRでも最下位からの逆転劇はアールストレイム卿が初だそうよ。
 これはある意味かのラインバルト王以上の快挙だけど、今の気持ちは?」

「すごく、嬉しい」
セリフとは裏腹に、声も表情も普段通りで携帯を操作しながらも、ちゃんとインタビューに答えるアーニャ。

「事前の予想をひっくり返しての優勝だけど、これには私からも賛辞を送らせて頂くわ」
「だから言った、言わせておけばいいって」

「突然乱入した黒の騎士団の妨害にも動じる事無く、シュタルクハドロンで襲い掛かってきた部隊を一掃。
 その後ブレイズルミナスを展開し、他の部隊からの攻撃を無効化しながら進み、
 他のラウンズや黒の騎士団の精鋭が戦う中、障害物ルートと空中コースを相次いで抜け、
 ランペルージ卿とゼロがどこかに行っている間にゴール。
 無駄の無いスムーズで知的な戦略だったわ。」
「黒の騎士団は主力機以外は実弾武器が殆ど。実弾はモルドレッドに通用しない」

「ただアールストレイム卿に向かっていった部隊が随分弱かったことと、
 その部隊がモルドレッドに攻撃を仕掛けるタイミングよりも大分早くに、
 シュタルケハドロンのチャージが終っていたことが疑問と言えば疑問なのよね。
 前者はゼロが過去の結果などから油断したんだと思うけど、後者は………」
「気のせい」
「……まぁそれもそうね。
 ヒーローインタビューでこんな質問は無粋だったかしら。
 それじゃアールストレイム卿、最後にカメラに向かって何か一言」

「応援してくれた人、ありがとう」
それだけ言って、アーニャは携帯のカメラで取材陣を撮影した。
479メアチェイス〜完結編 :2008/09/14(日) 21:32:06 ID:2IP5PSbb
その後の表彰式では、実行委員長のシュナイゼルよりメダルがアーニャ、ライ、ゼロにそれぞれ手渡された。

リアルタイムでその映像を映すカメラを通して、満足気にブイサインをするナイトオブシックスと、
真っ白に燃え尽きて放心したナイトオブイレブンとゼロの姿が生中継された。


翌日


「終った…。次は?」
来年のKRオフィシャルブックの表紙を飾る写真撮影を終え、スタジオを出たアーニャは外で待っていたマネージャー(KR実行委員の兵士)に次の予定を尋ねた。
「はい、この後10時から『週刊ブリタニア』の取材。
 12時から昼食と休憩を兼ねた移動。
 13時から『お昼のペンドラゴンNews』に生出演。
 15時から化粧品メーカー『イゾルデ』のマスコットガールとして打ち合わせの後、同社のCM撮影。
 18時からは―――
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 となっています。
 暫くはこうした多忙なスケジュールになりますが、何卒ご了承を」

「わかった、取材場所に案内して」
「イエス、マイロード」
奇跡的逆転優勝を飾ったアーニャは、ラウンズの仕事もままならぬほどに、各方面から舞い込んだ取材やイベントなどに大忙しだった。
480メアチェイス〜完結編 :2008/09/14(日) 21:34:57 ID:2IP5PSbb
そんなアーニャの姿を遠くからビスマルクとノネットが見つめていた。
「それにしても未だに信じられんな。まさかアーニャとモルドレッドが優勝するとは」
珍しく顔に笑みを浮かべたビスマルクが呟く。
「仕方がないさ。アーニャとライ以外は全員戦闘の方に夢中になってしまって、レースどころじゃなかったからな。
 騎士としての悲しき性というやつかな?」
豪快に笑い飛ばしながら、ノネットがビスマルクに言う。

「それにしても…」
呆れた顔でノネットが振り返る。
そこには、
「「奪われた、私の優勝が………」」
普段のテンションからは考えられないほどに落ち込んだ、ジノとルキアーノがいた。

ちなみにこの2人はレースの後、朝まで飲み明かしたらしいが未だに立ち直れていなかった。
他のラウンズもヤケ酒がたたり、二日酔いで休んでいた。
スザクはショックによる心的ストレスで入院したロイドと、極度の疲労により検査入院したギルフォードの見舞いに、ライは昨日の内にエリア11に戻っていた。

余談だが、この日オデュッセウス・ウ・ブリタニアは前日の疲れがたまったのか、昼過ぎまで寝ていた。
481名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 21:36:22 ID:nUSiVa3j
支援
482メアチェイス〜完結編 :2008/09/14(日) 21:38:47 ID:2IP5PSbb


「殿下、次の処理報告書と殿下の承認が必要な書類をお持ちしました」
「やれやれ、まだあるのかい?」
「まだまだありますよ。
 黒の騎士団の乱入により壊されたナイトメアや、壊れたレースコースの修繕回収だけでも半分も終っていませんよ」
「今回は私の目論みも外れてしまったね。ゼロがあのタイミングで戦術的勝負に出るとは思わなかったよ」
「そもそも、黒の騎士団を呼ばなければこんなに処理に追われることも無かったと思いますが?」
「そうだね。ナイトオブシックスには悪いが、ブリタニアのナイトメアの宣伝にはイマイチならなかったしね。
 まぁゼロに優勝されなかっただけでも良しとしようか、今回は」
「珍しいですね、殿下が痛み分けで引き下がるなんて」
「私も今回のKRではそれなりに楽しめたからね。
 ゼロ、そしてナイトオブイレブン…あの2人は本当に楽しませてくれるよ」
「ゼロは分かりますが、何故ランペルージ卿が?」
「さぁ、何故かな?」

カノンの質問をやんわりとはぐらかしながら、シュナイゼルは次の書類を手に取った。
483名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 21:39:32 ID:3PkZRXrR
支援
484メアチェイス〜完結編 :2008/09/14(日) 21:42:28 ID:2IP5PSbb


同時刻、斑鳩艦内ゼロの部屋ではルルーシュとライがシュナイゼル同様に事後処理に追われていた。
被害と準備予算だけは大量に出たが、それに見合った結果が残せず騎士団は大赤字。
2人は各方面から色々と文句を言われたのだった。
ちなみに玉城は機体は全壊したものの、本人は無傷で帰還していた。

「ライ、今回のことは大半がお前の責任だからな」
テーブルを挟んで書類の処理をしていたルルーシュが言う。
「ルルーシュ、君がもっとちゃんと作戦を考えないからだと思うけど?
 いくらなんでもアーニャに玉城を当てるなんて、完全に失策だろ」
ライも言い返す。

「黙れ、お前が邪魔しなければ上手くいっていたんだ!」
「自分でそのぐらいは考えてたって言ったじゃないか!」

「煩い、大体KRを始めた理由が妹に喜んでほしかっただと? 馬鹿かお前は!」
「他の誰に言われても、君にだけは言われたくない!」

「ナナリーの為の崇高な目的と、お前の妹への下心丸出しな目的を一緒にするな!」
「妹のために世界に喧嘩売るのと、イベント1つ起こすのでどっちが馬鹿なんだよ!」

「えぇい、馬鹿って言うな、馬鹿!」
「そっちだって言ってるだろうが、馬鹿!」

「うるひゃいほ、ほーへーほーやほも(煩いぞ、童貞坊やども)」

「「ピザを喰いながら喋るな!」」
485名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 21:43:33 ID:nUSiVa3j
支援!
486メアチェイス〜完結編 :2008/09/14(日) 21:45:32 ID:2IP5PSbb


同日ブリタニア某所。
そこには割り勘で注文の支払を済ませたものの、KRの盛り上がりに乗っかって注文を取り過ぎたため、ポケットマネーを完全に使い果たし、途方に暮れる兄弟がいた。

「ねぇシャルル、文無しになってみて、何か分かった?」
「所詮、世の中金が全てってことですよ、兄さん」
「シャルル、それは君のキャラじゃないよ?
 ところで僕は思うんだ、お金ってこの世で最も美しいものなんじゃないかって」
「兄さんこそ、キャラが違うんじゃあませんか?」
夕暮れの中、電車賃もない2人はトボトボとブリタニア王宮へと歩いて帰ったのだった。


数日後
487名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 21:46:24 ID:nUSiVa3j
支援
488メアチェイス〜完結編 :2008/09/14(日) 21:47:19 ID:2IP5PSbb
「3日後、中華連邦で超合集国のナイトメアレースが開催されることが分かった。
 そして、ゼロからブリタニアにゲスト参加の要請が来た!
 これに対し、皇帝陛下は全ラウンズをこのレースに投入し正面から優勝を奪い取れと仰せられた!
 総員、気を引き締めて準備をしろ!」
ビスマルクが叫んだ。

「オールハイルブリタニアー!」
ナイトオブ2、4、5、8、12も叫んだ。

「へぇ、まだまだ楽しめそうじゃないか」
ノネットがニヤリと笑った。

「取り戻す、私のプライドを!」
「ゼロ、どんな結果になろうと許しは請わないよ…」
ジノとスザクが瞳に鈍い光を宿らせ静かに呟いた。

「敵に屈辱を受けた場合はどうすればいい? そう、やられたらやり返すだ!」
ルキアーノは普段と変らなかった。

「チャンピオンは挑戦を受けて立つ」
アーニャが静かに闘志を燃やした。

「もう嫌だ………」
その夜、ライは枕を涙で濡らした。



                  メアチェイス・完
489名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 21:50:32 ID:nUSiVa3j
支援ー
490食卓:2008/09/14(日) 21:51:20 ID:2IP5PSbb
以上です。支援ありがとうございました。
レスが多くなってしまって申し訳ないです。

レースの順位は開幕編の時から考えていました。
最後のほうがグダグダになった気もしますが、これにてメアチェイスシリーズ終了です。

491名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 21:53:48 ID:nUSiVa3j
オハヨウゴザイマシタ
また寝落ちしましたですねorz
言い訳無駄、私よ、感想は今!

>>457
銀鰻卿、初投下乙&GJでした!
胸が熱く、痛い
そんなかんじのSSでした
あと、原作以上のジェレミア卿の惨状に泣きそうです
……やたら特殊なルートを通ってますね
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!

>>490
食卓の騎士卿、GJでした!
ウー様が何気に核心ついてて吹いたw
どちらにとっても妨害者であったC.C.、スキをついて1位だったアーニャ
最高に面白かったのでした!
なんかドカ○ンやったあとみたいな兄弟にも吹いたw
シリーズ完結乙でした!
貴公の次の投下を全力を挙げて待たせていただきます!
492名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 21:53:49 ID:XoQgej0J
食卓の騎士卿GJでした!
遂にメアチェイスシリーズ終了ですか…面白かったのになぁ…
ですが、卿がこれ以上の名作を残してくれるよう、次回の投下を全力でお待ちしております!
493名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 22:01:33 ID:G5A5T2mG
>>490
GJ!!
シスコン同士のどうしようもない罵り合いと
キャラが変わってるブリタニア兄弟に爆笑しました。
このシリーズが終わってしまうのは名残惜しいですが、
きれいな落ちに全力で拍手を送らせていただきます!
494名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 22:27:43 ID:WUYS+b3f
ひとつ質問なんだけど、このスレはセリフとそのセリフを喋っている場所しか書いていないような
のはあり?
495名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 22:36:41 ID:AZxt65ul
食卓の騎士卿、GJです!ずーっとシリーズを楽しみに読んでました!
スピード感あふれる展開、キャラを活かしきった場面構成、
そしてスチャラカ極まりないやり取りの妙味に腹筋を捻じ切られました。
ライとギルフォードに、心からお疲れ様でしたと言いたい!
そして、次回も頑張れと!wwww
(もちろん解説はウーさんで)

追記.
支援いただいた方、ありがとうございます。またGJ恐縮です。
単にジェレミアENDでライが…ってのが悲しかっただけなのですが、
何とか行く先を!と考えC.Cに拾ってもらいました。
(シナリオ的には自分のプレイ順だったりもします)
メカオレンジについては、公式でBRが無ければ本国で知能を削られて
いた筈なので、そっちを転用した次第。
悲惨な状況書いてアレですが、このシチュエーションだとギャグも
可能になりますね。罪滅ぼしにいずれ?
496名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 22:41:34 ID:JCm+Dy6U
>>494
個人的にナシ
そういうのは、キャラスレ行きじゃないかな?
ウーたんとかギネ様とか退場キャラとかのスレみたいに・・・
そこなら住人も好意的
497名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/14(日) 22:55:52 ID:61hgvFQQ
つTHREADシリーズ
498KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/14(日) 23:01:31 ID:6iz4LTXD
遅レスですみません。KOUSEIです。
>>385 386
感想ありがとうございます!。
とても励みになります!

>>437
ご指摘ありがとうございます。確認しました。

また誤字か……精進が足りませんね。
誤字無しを目指してはいるのですが、いまだに一度も達成できませんorz。
499KOUSEI ◆g9UvCICYvs :2008/09/15(月) 00:05:20 ID:JP1j6x0c
すみませんsage忘れましたorz
おかしいな、オートでsageが入るはずなんだけどな……
500名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 01:23:17 ID:3ZCkE1Qr
誰も居ないようなので投下します
501名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 01:24:41 ID:QyXkSBaQ
支援
502叙勲:2008/09/15(月) 01:25:47 ID:3ZCkE1Qr
儀式が終わったその後は就任パーティーとなった。
各皇族・貴族を含め、様々な人と話をした。

「ようやくシュナイゼルも騎士を持ったか、うん、よかったよかった。
 なかなか持たないから心配してたんだよ。彼を頼むよ、ライ」

と、第一皇子オデュッセウス殿下。皇族は皆ライバル関係と聞いていたし、
特に第一皇子にとっては皇位継承の最大の敵のはずなのだが・・・・・・。
ま、まぁ穏やかな方と言うことだし。
第一皇女ギネヴィア殿下は遠くからじっと見られるだけだったが、
第5皇女カリーヌ殿下は何故か積極的に話しかけられた。
この前のEU戦の活躍を褒められたり、叙任式で立派だった、との事だ。
一通り皇族・貴族と言葉を交わすと、強烈な視線を感じた。
その強烈な存在感と言ったものなのか・・・。
503名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 01:26:33 ID:QyXkSBaQ
私怨
504叙勲:2008/09/15(月) 01:28:17 ID:3ZCkE1Qr
その視線の先を追うとそこには、

「ノネットさん!?」

「よぉライ、立派になってまぁ、元気にしてたか?」

ナイトオブナイン、ノネット・エニアグラム卿その人だった。
エリア11でまだ特派所属だった僕とスザクを相手に、模擬戦を申し込まれ、戦った相手。
彼女との戦いは僕らの勝利となったが、それは辛勝でしかない。
もう一度同じ条件ならば、勝つ事は無いだろう。
そのくらいの接戦であり、ラウンズの強さに圧倒された戦いだった。
しかし、この戦いが今後の僕らの軍人生活を変えるきっかけでもあったのだ。
505名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 01:28:59 ID:QyXkSBaQ
紫煙
506叙勲:2008/09/15(月) 01:30:31 ID:3ZCkE1Qr
「お久しぶりです。エニアグラム卿。お元気そうで何より・・・うわっ!」

「ノネットさん、だろ?ライ」

挨拶した瞬間、瞬時に後ろを取られ、首に手を回される。
衝撃に息が詰まる。ゴホゴホ咳き込みながらも、

「すみません、ノネットさん、それよりも、その・・・、手を・・・」

「ん?なんだ、胸か?”当ててんのよ”というやつだ。どうだ?ムラムラするか?」

なんと、とんでもない事をおっしゃりやがりましたよこの方は。
そんな逆セクハラを(これってパワハラ?)受けつつ、必死に離れる事に成功した。

「・・・本当に相変わらずですね、ノネットさんは」

「おお、私は変わりは無いぞ!しかし、本当に立派になったな、うん。姉としてはうれしいぞ」

「いつから姉になったんですか、貴女は・・・」

もうあまりの特急ノネット号のスピードについていけない。

507名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 01:31:32 ID:QyXkSBaQ
四円
508叙勲:2008/09/15(月) 01:32:43 ID:3ZCkE1Qr
「ほら、何かと世話しただろ?食事に連れてったり」

ああ、確かに。日本食が食べたいと言って、僕とスザクを連れまわし、僕らは酔いつぶれたんだ。
ちなみにノネットさんはザルで店の酒をほとんど空けていた。
こんなところでもラウンズは最強なのかと感心したものだ。

「もうなんでもいいです・・・」

この人相手では常に無条件降伏状態だ。まともにやって勝てる気がしない。
というよりも勝った自分が想像できないのだ。

「枢木はラウンズ、お前は皇族騎士。お前らを買ってる身としては鼻が高いぞ。
 それに、負傷されたとはいえ、よく殿下を守ってくれた。感謝する」

急に真面目な表情になったかと思えば、頭を下げ始める。
その行動に慌てた僕は、

「や、やめてください。・・・僕は何もしてませんよ。結局守れてはいないのですから。
 今も入院中とのことですし・・・・・・」

「いや、そうやって気にかけてくれただけでも、私との約束を覚えてくれただけでもいいさ」

「ノネットさん・・・」

この人は本当に・・・、いつも気を使ってもらってばかりだと感じる。
いつか、この恩を返すためにも、頑張ろう。そう思った。
509名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 01:33:56 ID:QyXkSBaQ
試演
510叙勲:2008/09/15(月) 01:34:47 ID:3ZCkE1Qr
そうこうしていると、誰かがこちらにやってくる。
あれは、

「おーい、ノネット。そこにいたのか」

「・・・記録」

背の高い金髪の男と、ピンクの髪の小さい女の子がやってきた。
しかし、彼らの着ている服は、ナイトオブラウンズの制服だ。

「なんだよノネット、ライ卿と知り合いだったのか?私にも紹介してくれよ」

と金髪の男、ナイトオブスリー、ジノ・ヴァインベルグ卿。

「ん、綺麗な銀髪。記録・・・・・・」

携帯片手に操作している少女がナイトオブシックス、アーニャ・アールストレイム卿。
彼らもノネットさんと同じ帝国最強の12騎士、ナイトオブラウンズの一員だ。
511名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 01:35:40 ID:8jCJEEpO
志炎
512後3レス、お願いします。:2008/09/15(月) 01:37:08 ID:3ZCkE1Qr
どうやら僕に話しかけにきたようなので、

「初めまして、ライ・アスプリウスです。ヴァインベルグ卿、アールストレイム卿、よろしくお願いします」

「へ〜、私たちの事知ってたのか、それなら話は早い。私の事はジノと呼んでくれ。
 今後もシュナイゼル殿下の指揮の下一緒に戦うんだからな」

「・・・アーニャ。・・・よろしく・・・」

静と動といった対照的な二人のラウンズ。だが、どちらも祝い、歓迎してくれてるのがわかる。
この策謀渦巻く中ではとてもありがたい事だ。僕も笑顔で答えたのだった。


513叙勲:2008/09/15(月) 01:39:03 ID:3ZCkE1Qr
しばらく話しているうちに年齢の話しになり、年が近いとわかりとても親近感を抱いた。
また、ノネットさんとの出会いの事も話し、

「へ〜、ノネットが負けたって噂本当だったんだな。セブンとライでか・・・。
 今度私とも対戦しような!」

と、ジノとは特に打ち解けられた。アーニャは口数こそ少ないが、良い子だというのは感じた。
話しに盛り上がっていると、

「やあ、盛り上がってるようだね」

シュナイゼル殿下がやってきた。一同姿勢を正し跪く。

「ああ、楽にして構わないよ。折角の我が騎士のパーティーだ。大いに楽しもうじゃないか」

「シュナイゼル殿下、それで何か・・・」

立ち上がり、すぐに殿下に尋ねる。僕の所に来たという事は何かあったではないか。そう感じる。


514名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 01:39:41 ID:QyXkSBaQ
しえん
515名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 01:40:24 ID:NjCoE63T
支援
516叙勲:2008/09/15(月) 01:41:14 ID:3ZCkE1Qr
「ああ、実は鬼籍に入ったかと思われていた妹が生きていたと言う報告を受けたのだよ。
 なんでもエリア11に居たらしく、今は皇帝陛下が保護してるのだが、私に回ってきてね
 君にも後で紹介しようと思ってね」

エリア11・・・、もう大分昔の事のように感じる。
生徒会の皆は元気にしてるだろうか。

「それで、なんていう皇女殿下なのですか?」

とジノ。どうやら興味津々の様子だ。

「ナナリー・ヴィ・ブリタニアだよ。かのマリアンヌ后妃の息女で、エリア11では、
 アッシュフォード家に保護されていたらしい」

シュナイゼル殿下の口から出た名前は僕を驚愕させた。
ナナリー!?まさか、ナナリーが皇女?
いったいどうなってるのか、今の僕には何も理解できなかった。 

517名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 01:43:49 ID:NjCoE63T
しえん
518快風:2008/09/15(月) 01:45:00 ID:3ZCkE1Qr
以上です。
総スレいくつか言うのを忘れてしまいました。
支援してくれた方々には感謝。
トーマス卿にお願いなのですが・・・。
今回のこの叙勲は前に投下した3レスと一緒に保管していただけると
幸いです。

今日の展開に関しては、もうあそこまで来るなら、ここのシュナイゼルを
どれだけラスボスチックに、ルルーシュ以上の外道にしても問題なさそう
な気がしてきました・・・。

また見てぎあす。
519名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 01:54:59 ID:2SiFM7MM
>>518
快風卿、GJでした!
続きが気になる引きですね
というか、ウー様がいい人すぎるww
貴方の次の投下を全力を挙げて待たせていただきますね!
520名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 02:02:51 ID:3ZCkE1Qr
>>519
私の中でのウー様はあんな感じです。
まぁ国際放送でああいうことを言える御方ですしw
引きに関しては、区切りと、本編を参考にしていますw
こんな作品でよろしければ喜んで続きを書きたいと思います。
感想ありがとうござます。
521保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/09/15(月) 08:05:20 ID:xD7tIx8E
>>498 修正しておきました。

>>518 初めまして&今後とも宜しくお願いいたします。
502からのものは、0024-0388と合わせて保管いたしました。
522名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 12:26:37 ID:3ZCkE1Qr
>>521
いつもながらお早い仕事ぶり、感謝します。
今後ともよろしくお願いします。
523保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/09/15(月) 12:49:13 ID:xD7tIx8E
現在、次期SS単体雛形の動作試験をしております。
XHTMLのバージョンを1.0から1.1に引き上げました。これによって難読文字などに対してルビを振ることが可能になりました。
(それだけではないが、取り敢えずは)
http://www1.ocn.ne.jp/~herma/CodeGeass_LostColors/2ch/Test/ruby.html
上記にアクセスして、ルビが正しく表示されているかの動作確認にご協力いただきたいのです。
ブラウザの種類とバージョンをお願いいたします。

尚、FIreFoxではアドオンが必要です。以下からどうぞ。
https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/1935
では、よろしくお願いいたします。雑談しながらでも結構です。

 ※言うまでもないですが、SS投下が最優先です
524名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 12:56:58 ID:2SiFM7MM
……携帯からは下の方は不明ですね
上の方はルビというか○九三○(マルキューサンゴー)となってます
525保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/09/15(月) 13:05:14 ID:xD7tIx8E
ありがとうございます。引き続き皆様からの情報をお待ちしております。
意見や要望なども遠慮なく仰ってください。
526名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 13:25:55 ID:ElfeeTQp
Firefoxでアドオンを適用してルビが確認できましたよ〜
527名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 14:33:47 ID:lk5V3zso
IE7で、異常なし
528名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 14:41:17 ID:i7jD2kmK
1445ぐらいに投下してもよろしいでしょうか?
529名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 14:47:42 ID:i7jD2kmK
もう少し待ってみますので、一応支援等をお願いします。
530名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 14:55:23 ID:Iyct+j0O
支援します
531ブランフォード:2008/09/15(月) 14:57:47 ID:i7jD2kmK
根気よく待ってよかった…

皆様、お久しぶりです。ブランフォードです。

長編の3話が終わった後にスランプになり、今まで書けませんでしたorz
とりあえず、短編で1つ出来たので投下します。

題名は暴走メイド咲世子さん!
カップリングは…なしでいいのかな?
ギャグ物です。タイトルどおり咲世子さん暴走してます。
4レスくらいあります。
では、参ります。
532名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 14:58:39 ID:Iyct+j0O
支援
533名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 15:03:23 ID:i7jD2kmK
トラブル発生、少し待ってください。
すいませんorz
534ブランフォード:2008/09/15(月) 15:07:29 ID:i7jD2kmK
修復完了しました。
行きたいと思いますが大丈夫でしょうか?
535暴走メイド咲世子さん!:2008/09/15(月) 15:09:39 ID:i7jD2kmK
「よ〜く、狙って……それっ!」
カスッ
「あれ?当たらないなぁ、やっぱりビリヤードは難しいな。」
スザクが1人で学校にあるビリヤード台で練習していると、不意にルルーシュが現れた。
「ん?スザク、何をしてるんだ?」
「あ、ルルーシュ…いや、今度ユフィとビリヤードをすることになってさ、その練習。」
「ほぅ、俺でよかったら教えようか?」
「え!?いいの?」
「あぁ、お前が教えてほしいのならな。」
「ありがとう!早速頼むよ、全然上達しなくて困ってたんだ。」
「よし、いいだろう。言っとくが厳しくいくからな?覚悟しておけよ?」
そして、ルルーシュがスザクの後ろから覆いかぶさるように、キューを一緒に持つ。

その頃、ビリヤード場の入り口では…
「ル、ルルーシュ様とスザク様が2人で手を重ねたりなんかしちゃって、そしてそのまま見つめあったりして……アッーー!!」
咲世子が1人暴走していた。そこへ、ライが現れる。
「咲世子さん?どうかしたんですか?」
「あ!ラ、ライ様…いえ、何でもございま……アッーー!!」
「!?ど、どうしたんですか?いきなり奇声を上げて。」
「ま、まさか!こ、ここにライ様も入って、3人で?美形のお方が3人もいらっしゃって、あんなことや、こんなこともしちゃったりなんかして…。」
「あ、あの?咲世子さん?」
「そんな夢のような光景を目の前で見られるなんて、私の一生分の幸せを使い果たしてしまうのでは?それならばここは見たいけど退くしか…。」
「咲、世、子、さ、ん!!!」
「は、はい!?どうかしましたか?」
「本当に大丈夫ですか?疲れてるなら、医務室に連れて行きますけど…。」
「い、いえ!そんなことをしたらもったいない光景…ゴホンッ!…もったいないお言葉ありがとうございます。私は大丈夫ですので、お楽しみを。」
536名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 15:11:00 ID:bIe5H2tF
支援
537暴走メイド咲世子さん!:2008/09/15(月) 15:12:24 ID:i7jD2kmK
そう言って、咲世子は風のように去っていく。
「お楽しみ?なんのことだ?まぁ、咲世子さんが大丈夫と言ってるならいいか。……ん?ルルーシュにスザク、何をしてるんだ?」
「あぁライか、そうだなビリヤードという奴だ。知っているか?」
「いや、知らないな…どうやってやるんだい?」
「ふむ、スザクも慣れてきたところだし、今度はお前に教えるとしようか。スザクお前も教えられるな?」
「えっ!?僕もかい?……がんばってみるよ。」
そうして、ライはルルーシュに後ろから覆いかぶされ、足と腰をスザクに固定された状態でレッスンを受けることになった。

そして、またしても廊下にて――
「も、戻ってきてしまいました…。やはり、仕事より興味の方が勝ってしまいました。はぁ、こんなことではメイドとして失格……ブッ!!」
今度はライが咲世子の目の前で2人から拘束されているではないか!!
「あ、あぁ…や、やっぱり、さ、3人で……アッーーーー!!」
バタッ!!
「ん?なんだ?」
「今、すごい音がしたね。」
「ルルーシュとスザクはここにいてくれ、僕が見てこよう。」
そして、ライが扉を開けると、そこには咲世子さんがおびただしい量の血液を鼻から出していた。
「さ、咲世子さん!?大丈夫ですか!しっかりしてください!!」
「う、う〜ん…わ、私は夢を見てるのでしょうか?あのライ様の美しいお顔が目の前に…こ、これで…私も逝けます…。」
「た、大変だ!ルルーシュはすぐに医務室の手配を!」
「あ、あぁ、分かった!」
「スザクはストレッチャーを早く!!」
「う、うん!」
「咲世子さん!!しっかり!」
538名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 15:15:10 ID:bIe5H2tF
支援www
539暴走メイド咲世子さん!:2008/09/15(月) 15:16:11 ID:i7jD2kmK
数十分後―――

咲世子は医務室で目を覚ました。
「あ、あれ?私はいったい?」
「あ、目を覚ましましたか?」
「ラ、ライ様?」
「いきなり鼻血を出して倒れるから心配しましたよ?」
「も、申し訳ございません。」
鼻血を出した理由がライたちに原因があるなんて、言えるはずが無かった。そこに――
「あ、気がついたんですね?大丈夫ですか?」
ルルーシュとスザクがお見舞いに来た。
「ご心配をおかけしたようで、申し訳ございません。」
「いえ、大丈夫ですよ。無理をしすぎたんじゃないですか?ルルーシュがナナリーのことを咲世子さんに任せっきりだから…。」
「そ、それは…確かに咲世子さんに依存しているところはあったかもしれないな。以後気をつけますよ。無理はしないでください、ナナリーが悲しみますから。」
「はい、ありがとうございます。スザク様、ルルーシュ様。」
話しのキリがついたところで、ライが切ったりんごを渡す。
「ほぅ、お前が切ったのか?」
「あぁ、何故か出来るみたいだからな。どうぞ、食べてください咲世子さ…」
言いかけたところでルルーシュがりんごを食べる。
「旨いな、このりんご。」
「ルルーシュ、それは僕が咲世子さんのために切ったりんごなのに咲世子さんより先に食べるとはどういうことだ?」
「フン、愚問だな。俺が毒味をしてから、食べてもらったほうが咲世子さんも安心できるだろう?」
「君がただ食べたいだけじゃないのか?」
「何?俺は食い意地の張った、どこぞのピザ女とはちがうぞ?」
「こうなると、一緒じゃないか。食い意地の張ったルルーシュ君?」
「き、貴様ぁ!もう一度言ってみろ!!」
「わわ、ここは医務室だよ!2人とも!!」
「「知らん!!」」
540暴走メイド咲世子さん!:2008/09/15(月) 15:20:18 ID:i7jD2kmK
男3人でじゃれあっていると、その光景を見ていた咲世子さんに変調が…
「ライ様とルルーシュ様の間にスザク様がいて、もみ合いになって…それからそれから、アッーーー!!」
また、咲世子さんは気を失ってしまった。
「「「さ、咲世子さん!?」」」


今日もアッシュフォード学園は平和そのものです。
541名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 15:22:25 ID:Iyct+j0O
支援
542ブランフォード:2008/09/15(月) 15:24:24 ID:i7jD2kmK
以上で、投下終了です。いかがでしたか?
気になったところなどあったら、言ってください。今後の参考に…。

きっと、スランプの原因は某手強いシミュレーションのせいだな…。
クッ!なんとか、長編の続きも書かねば。
それでは、皆さん次の投下でお会いしましょう!
543名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 15:39:51 ID:pAtZ1TSO
ブランフォード卿、楽しく拝読しました!
咲世子さんの腐?っぷりが直球ですね。

現時点の公式の光景は彼女にどう見えるのやらwww


>>523
いつもありがとうございます。同じくFIreFoxにて確認しました。
〇九三〇と〇九四五の間が狭くてルビがくっついてますが、判読できます。
544名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 16:17:16 ID:ziHiN8w+
>>542
フハハハハ・・・
やはり、咲世子さんはこうでなくては
GJ!でした
545名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 18:12:55 ID:2SiFM7MM
>>542
ブランフォード卿、GJでした!
ただ一言、咲ww世ww子www
これだけで伝わる気がするw
貴方の次の投下をお待ちしております!
546名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 19:02:44 ID:Apvtm5bA
>>523
お疲れ様です。

以下の環境で動作確認を行いました。アドオンは導入済です。
OS:WindowsXP Professional SP3
ブラウザ:FireFox3.0.1
UserAgent:Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.0.1)

表示は以下の通りです。ご確認ください。
※ルビの表示位置を明確にするため、ルビの部分を『(ルビ)』と表記を統一し、内容をその右側に記載してあります。

ルビ表示サンプル
 (ルビ) ←マルキューサンマル
〇九三〇 やぐら橋大階段 閉鎖
 (ルビ) ←マルキューヨンゴー
〇九四五 最終移動開始、会議棟
                      (ルビ) ←ようかん
早く早くとせがむV.V.。仕方なく、僕は羊羹を適当に切り分け、その口に運んでやった。

追記
「ルビと上の行の文字が重なってしまう」という方は、アドオンの設定で
『ルビを含む行の高さ』を『ルビに合わせて広げる』と設定すると改善されると思います。
手順は下記の通りです。
『ツール』→『アドオン』→『XHTMLルビサポート』→『設定』→『ルビの表示スタイル』→
『ルビを含む行の高さ』を『ルビに合わせて広げる』に変更
547保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/09/15(月) 19:16:41 ID:xD7tIx8E
>>546 詳しい検証と報告、ありがとうございます。当方でもIE6とFireFOX3で試験いたしました。閲覧には概ね問題なさそうです。
しかし、Safariとオフェラでは未だ成功しておらず、更なる改良が必要のようです(CSSでなんとかなるとのことらしいが……)。
548名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 19:56:19 ID:pAtZ1TSO
>>546卿に倣って再度実施しました。
OS:WindowsXP HomeEdistion Version2002 SP3
ブラウザ:FireFox3.0.1
Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.0.1)

ルビ表示サンプル
 (ルビ) ←マルキューサンマル
〇九三〇 やぐら橋大階段 閉鎖
 (ルビ) ←マルキューヨンゴー
〇九四五 最終移動開始、会議棟
                      (ルビ) ←ようかん
早く早くとせがむV.V.。仕方なく、僕は羊羹を適当に切り分け、その口に運んでやった。
          (ルビ) ←ゼネラルエレクトリック
バルカン砲は   GE   社の登録商標です

※ご教示いただいた設定変更で適切な行間になりました。

ついでに同環境でIE6.0(SP3)にても確認。
デフォルトの文字表示が明朝になりましたが、ルビ表示は重ならず読むことができました。
549とうふ ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/15(月) 22:04:02 ID:vNQ0nix6
初めてですが、投下したいと思います。
トリップこれでちゃんと出るだろうか…

タイトル:LOST PIECE
カップリング:なし
ジャンル:シリアス

結構長文になるかと思います。
550とうふ ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/15(月) 22:09:41 ID:vNQ0nix6
スタジアムは日本人で満員となっていた。彼らの顔には将来への期待、そして僅かばかりの不安が窺える。
だがそれも仕方ないだろう。彼らは今、数年前に奪われた物を取り返す瀬戸際に立っているのだから。
この場は行政特区日本式典会場―――日本人がその名を取り戻す可能性が宣言される場所。
だが彼らの表情は更に変化する事になる。驚愕のそれに。
漆黒のKMF、ガウェインが空に姿を現し仮面の男が現れたためである。
その名はゼロ。正義の味方を名乗り、神聖ブリタニア帝国に反逆する謎の男である。
彼らはその姿に目を奪われていた。この場に現れた日本の希望の意図を推し量りかねて。
姿を見せただけにも関わらず、彼はまるで王のようにこの場を支配していた。




LOST PIECE TURN 0 終わる世界




ゼロと桃色の少女―――ユーフェミア皇女は二人だけの接見を約束し、G1の艦橋に二人だけで消えていった。
それを見届けると銀髪の少年はようやく息をついた。
漆黒の機体の複座コックピット内で、緑の少女の座るシートより上部に位置するシートに身体をもたれかける。
しかしその端正な容貌には未だ少々の強張りがあった。
それを目端で捉えた緑の少女は彼に向って振り向いた。からかいの混じった笑みと共に。

「どうしたライ?らしくもなく緊張してるみたいじゃないか。こういったのはお手の物だったのだろう、王様?」

ライと呼ばれた銀髪の少年はその王様という呼称に苦笑した。
ライ・ランペルージ―――それが彼の今の名だった。
その名はアッシュフォード学園に滞在する少年の名にして、黒の騎士団リーダー・ゼロの片腕の名である。
しかし緑の少女に呼ばれたように、彼には別の側面もある。真の名をライ・ウル・ブリタニア。
数百年に及ぶ過去の時代において、狂王と呼ばれた王という別の側面が。
551名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 22:11:49 ID:2SiFM7MM
支援
552とうふ ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/15(月) 22:12:46 ID:vNQ0nix6
「別にこの式典に緊張してるわけじゃないよC.C.。君こそ緊張はしないのか?」
「私は魔女だからな。式典には誰よりも主賓としてご縁があったから今更なんだよそんなものは」
「そういう冗談は君の事を知ってると、本当に笑えないからやめろ」

中世の「狩り」の事を揶揄する少女、C.C.に疲れたようにライは力なく告げる。
いつもならこうしてからかわれるのはゼロの役割だが、彼がいない場合にはこうしてライにお鉢が回ってくるのである。

「別に緊張しているわけじゃない。ただ、何か漠然とした不安があるんだ」
「ほう?それはどういう理由でだ?」
「それがわからないから漠然としたって言ってるんじゃないか。まあ…取り越し苦労だとは思うんだが。
 ひょっとしたら彼が心配なだけかもしれないし。ルルーシュは変な所で抜けてるから」
「変な所で抜けてるお前が言うと説得力があるんだかないんだかわからないな?」
「ほっといてくれ」

ルルーシュ―――ゼロの正体を事もなげに口に出すライはゼロの本当の姿、目的を知る数少ない人間の一人である。
その言葉を口に出されても全く動じもしない、C.C.もまた。
この場の同行者として全てを話している彼らを選んだのはルルーシュだという事実を後から見ると、実はルルーシュもライと同様の言い知れぬ不安を感じていたのかもしれない。
しかしそれは全て後の話。今、この場でその不安の正体に気づく者などいようはずもなかった。

「外に出てくるよ、少しは気晴らしになる。スザクもいるから話し相手には事欠かない」
553名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 22:13:29 ID:2SiFM7MM
支援!
554とうふ ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/15(月) 22:16:15 ID:vNQ0nix6
コックピットの解放を行い、パイロットシートからライは立ち上がった。
C.C.はからかうような笑みを浮かべる。

「全く失礼な奴だな、私とでは気晴らしにもならないか?ああ、私と一緒では興奮して気晴らしどころではないか」
「ああ、心臓がうるさくてたまらないんだ。いつ何時ピザを作れってワガママを言われるかと」
「ほう、それはとてもいいアイデアだな?早速―――う、ぁ…!」

苦痛に呻くように左目を押さえた。

「C.C.!?」
「まさか…こんな早く…うっ……」

彼女はまるで夢遊病にでもかかったかのように足元をふらつかせた。
その先はコックピットの外―――そのまま彼女は糸の切れたマリオネットのように倒れこんでいった。

「C.C.!」

ライは反射的にコックピットから身を躍らせ、受け身も取れず自由落下するC.C.の腕を何とか掴み、抱え込んで着地した。
いきなりコックピットから飛び出してきたライに驚いたのか、スザクが走ってこちらに向かってくる。

「ライ!君も来て―――いや、それより一体どうしたんだ?」
「スザク?ああ、彼女が突然倒れてしまって」
「倒れた?確かその子は前にナリタでゼロを庇、うぁっ!?」

容態を見ようとC.C.の額にスザクが手を当てた途端だった。
彼はまるで電流を流されたかのように苦悶の声を上げて倒れた。
555名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 22:16:37 ID:2SiFM7MM
支援
556とうふ ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/15(月) 22:20:28 ID:vNQ0nix6
「スザ―――う、く…!」

それはライも例外ではなかった。
稲妻にも似た光が彼の頭を駆け巡り―――全て取り戻したと思っていた過去の、更に奥の記憶をこじ開ける。
見えるのは遺跡。そして自分の前にいる中性的な少年。彼が纏っている衣服はまるで何かに何度も貫かれたかのようにボロボロになっていた。

「あの軍勢に一人で飛び込むなんて、何をやってるんだい君は?ひょっとして死ぬつもりだった?」
「…そうだと言ったら?もう私は………僕は、疲れた。母も、妹も失ってしまった。僕にはもう生きる理由なんて…」

自分の声とは思えないほどの疲れ切った声だった。

「ダメだよ、そんな事は絶対に許さない。私との契約は守ってもらうよ、ライ」
「…君との契約なんてもう無理だろう。もう母も、妹もどこにもいない。色がなくなったこの世界では果たせなくなってしまった」
『契約』という言葉にライは疑問を浮かべた。
そうだ、自分は彼と契約していた。しかし、その契約内容を思い出せない―――
「確かに今の君じゃ契約を果たすのは難しいだろうね。ならそれは今じゃない」
「…?何を」
トン、と軽く少年が自分の胸を押した。
弱り切った自分にはその程度でも体のバランスが崩れ、泳いだ身体は円状の赤い光の中に入って行った。
淡い輝きを増すサークルにライが驚いていると、彼はライに笑みを向けた。
「それだけで色をなくすのは間違っているよ、ライ。まあ私が言っても聞かないだろうから、それは遥か先の誰かと君とで理解してね」
「遥か、先?一体君は、何、を…」
「私は契約が果たされればそれでいいんだ。そのためだよ、これは。いつかもわからない未来、その時まで」
意識が遠のいていく。記憶が終わろうとしているのだろう。
ただ一つの言葉のリフレインだけがいつまでも耳に残っていた。

―――おやすみ―――
557名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 22:21:15 ID:2SiFM7MM
支援!
558とうふ ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/15(月) 22:22:47 ID:vNQ0nix6
「契約…」

忘我の淵から意識が目覚めたライは、ぼんやりと呟いた。
そうだ、それを果たさせるために彼は自分を眠りにつかせた。
しかしそれならば何故彼は自分の前に姿を現さない?
彼はC.C.と同じように不老不死。故に今もなお、存在しているはず。
コードを奪われでもしない限り、ではあるが…思い出せない契約内容と関係があるのだろうか?

「…いや、今は関係ない」

今、重要なのはそういった事ではない。
それよりもスザクやC.C.を介抱する事の方が遥かに重要だ。
どちらもいずれ目を覚ますだろうが、放っておいていいものではない。
特にユーフェミアの騎士であるスザクを気絶状態にしてしまったというのは非常に拙い。

(行政特区日本が成立するにせよしないにせよ、この件で突つかれかねないしな)

「おい、スザク、C.C.―――」
「あら?あなたは確かライと申しましたか?ここにいるという事はあなたも日本人だったのでしょうか?」

突如聞こえた、どこかゆったりとした声に顔を向ける―――そこには艦橋から出てきたのだろう、ユーフェミアが立っていた。
内心慌てながらも姿勢を正す。相手は一応敵方とはいえ、自分など及びもつかない位置に立つ皇女だ。
礼を失する事があってはならない。
559名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 22:23:51 ID:2SiFM7MM
支援
560とうふ ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/15(月) 22:25:04 ID:vNQ0nix6
「はい、ユーフェミア皇女殿下。私は―――」
「なら、死んでください」

反応する間もなかった。武器を持っているはずがない彼女が取り出したモノ。
その微笑みには殺気が全く感じられなかった事。彼女の立場を考えてもこんな事をするはずがないという一瞬の思考の否定。
それら全ての要素が一瞬だけライの反射的行動を抑え込み。焼けるような熱さが腹部に三か所穿たれた。

「あ、ぐ…っ!」

腹部という人体の急所に同時に三発。
それだけならまだしも、あまりの予期せぬ事態故に痛みに耐える覚悟もなかったため、膝をついた。

(な、何、が…!?)

「あら?まだ生きてらっしゃるのですね」
「!?く、ぎ―――!?」

更なる銃声。
直前に力を振り絞って身をかわした結果、心臓を狙った四発目の弾丸は腹部に当たった。
だが、たとえ即死を免れようと重傷の身に更に鉛玉が打たれた事に変わりはない。
もはや身体に力も入らず、ライは自らの血溜まりに倒れこんだ。
視界がぼやけていき、ただ彼女が死を振りまくために走っていく姿を見ている事しかできない―――恐らくは、彼女自身も望まぬ死を。

(や、め、ろ…君は、そんな、事…)

「やめろユーフェミアッ!」
「お願いがあります!皆さん死んでいただけないでしょうか!」

必死に叫ぶゼロの声と虐殺を喜々として叫ぶユーフェミアの声を子守唄に、彼の意識は閉ざされた。
561名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 22:25:21 ID:2SiFM7MM
支援!
562とうふ ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/15(月) 22:27:49 ID:vNQ0nix6




純白のドレスが日本人の血で赤く染まる。
桃色の髪まで真紅に染まってなお、ユーフェミアの日本人虐殺は止まらない。
銃弾と硝煙、血風が巻き起こり、屍が築き上げられていく。
その前に仮面の男、ゼロが立ち―――

(やめろルルーシュ!君は…!)

彼女を撃った。
ゼロは震えるように倒れこみ、C.C.がそれを支えた。
仮面を取ったルルーシュは慟哭と罪悪感の嘆きを絞り出すかのように、C.C.を強く抱き寄せ紅い瞳に涙を流した。

後は流れるように過ぎ去っていった。
行政特区日本の虐殺を機に、新たなる国の建国、ブリタニア軍に決戦を挑む黒の騎士団。
ルルーシュは表情を仮面で隠し戦いへと赴く。そして、誰にも触れられないほどに遠くへと。
暗闇の中、彼は必死に手を伸ばした。しかしそれは彼の身体にかする事すら叶わない。
たった一人、歩いて行く。屍と血で築かれた道を、歩く足が血を流している事すら些事と切り捨てて。

「待―――!」

跳ねるように飛び起きた。ずきり、と腹部が痛む。
周囲の音は何もなく、ただ彼の荒い吐息の音だけが響いていた。

(今のは、夢、か…)

彼は荒い息を整えながら、周囲を見渡した。どうやらここはアッシュフォード学園とは違う場所に設置した拠点らしい。
自分はベッドに寝かされていたようだ。身体を起こすと腹部に激痛が走った。
この傷があるという事は、ユーフェミアのあの行動も現実だったという事。
恐らくはルルーシュのギアスの暴走で―――最悪の現実に彼は歯噛みした。そうこうしているうちに、突如扉が開く。
563名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 22:28:16 ID:2SiFM7MM
支援
564とうふ ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/15(月) 22:31:49 ID:vNQ0nix6
「作戦補佐!?お目覚めになられたんですね!」

彼の部下、鈴木が慌てて駆け寄ってきた。
少々慌て者の面が目立つが、思考を分割して事にあたれるという意味では稀有な人材であった。
ライは答えず、まず状況を問い質した。

「特区はどうなった?」
「…特区は終わりました。罠だったんですよ全部。今は」
「―――ブリタニアとの決戦か。状況を見せてくれ」

言われるがままに鈴木は現在の状況をデータ、口頭で迅速に伝えた。
その最悪の一歩手前の状況にライは頭を抱えた。
もはや負けが決定している。時間を稼ぐ事は出来るが既にチェックという結論が決まっているのだ。

「な、何でこんな酷い状況に?ゼロがみすみすこんな」
「………ゼロは藤堂殿に指揮を預け、戦線を離脱しました。今、紅月隊長が彼を追っています」
「何だって!?」

予想だにしない現実のオンパレードにさすがにライも頭がオーバーヒートを起こしかけていた。
自分も追わねばと反射的に考えるが頭の片隅の冷静な部分がそれを諌めた。
今自分がやらねばならない事は出来る限り傷が少ないようにこの負け戦を着地させる事だ。
ルルーシュを追うのはその後だ、と告げている。

「藤堂さんに繋げてくれ。大至急だ」
「待ってください!今のあなたはようやく峠を越えたところなんですよ!?ゼロからも決してあなたを戦闘行為に参加させるなと」
「時間がないんだ早くしろっ!君がやらないのなら僕が自分でやる!」
565名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 22:32:25 ID:2SiFM7MM
支援!
566とうふ ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/15(月) 22:33:53 ID:vNQ0nix6
怒鳴りつけて彼はほとんど無理矢理に回線を繋がせた。
用意されたモニタに藤堂の顔が映る。

「ライ!?今は安静に」
「そんな事はどうでもいんです!藤堂さん、あなたならわかるでしょう。この戦いはもう負けが決定してる。せめて傷が少ないように負けなきゃならない。
 プランLを使って撤退してください。それから―――」

矢継ぎ早に指示を飛ばし、最も被害が少ないように撤退、潜伏できるよう計画を伝えていく。
藤堂が指揮を任された以上越権行為となるが、もはやそんな事にかまっていられる場合ではなかった。

「…わかった。そうする他はないだろう。ならば君も難しいとは思うが速やかに撤退を」
「僕はまだ撤退しません。ゼロを連れ戻します。撤退するなら当然彼もいなければならない」
「バカを言うな!君はどれほど自分が危険な状態だったのかわかって―――」

全ては聞かず、ライは無理矢理に回線を閉じた。
そのままベッドから起き上がり、身支度を整える。動く度に腹部に激痛が走るがそんな事に構っている暇はない。

「い、今の話、本気ですか!?それだけは絶対に駄目です!本当に死んでしまいますよ!?今生きてる事すら奇跡なんです!ゼロなら紅月隊長が追っています、だからあなたは」
「ライ・ランペルージが命じる。今は僕の邪魔をするな」
「―――はい、お気をつけて」

ギアスが発動し、鈴木の自由意思を奪う。
心苦しくはあったが、そんな事を言っている場合ではなく、余裕もなかった。自分が相手なら間違いなく今の無防備なゼロを狙う。
月下に辿り着くまでの間にも幾人かにあったが、その度にギアスを使って黙らせていく。
愛機、月下に乗り込んで起動させ、ゼロ、ひいてはカレンの後を追う。目的地は神根島。

「ルルーシュ、カレン…!」

Gの衝撃に腹の傷口が開き、服が血で滲んでいく。
口元まで血が昇ってきたが彼はそれを無理矢理に飲み下して機体を発進させた。
567名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 22:34:06 ID:xV2r5PQ4
レス数くらい書けよ

支援
568名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 22:34:26 ID:2SiFM7MM
支援
569名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 22:47:20 ID:s7PW6mA5
初めて投下するって相手に随分な物言いな>>567はDQN。
ううん、知らないけどきっとそう。

支援
570とうふ(10/16) ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/15(月) 22:49:48 ID:vNQ0nix6

神根島の遺跡。ギアスの因縁が眠る地にて、3人の男女が対峙していた。
いや、対峙というには相応しくないだろう。
3人の男女―――ルルーシュはスザクによって倒され、カレンは現実を直視する事が出来ずにいたのだから。
「ゼロっ!」
「こいつはルルーシュだ!日本人を、君を利用しようとした男だ!そんな男を守りたいのか君は!?」
「…………っ!」
息を飲むような掠れた音がカレンの喉から鳴り、除々にその足は後ろへと下がっていく。
しかしそれを遮るかのように、何かの爆発による轟音が響き渡った。
「きゃ!?」
「何だ!?これは、ナイトメアの」
「…!スザクっ!」
彼らより一足先に驚きから戻ったルルーシュは、懐から更にもう一丁の銃を取り出した。
この距離なら万が一にも外れはない。銃に弾丸を弾き出させるべくトリガーを引こうとし―――
「無駄だよルルーシュ」
あっさりとその銃も叩き落とされた。
事、このような戦いにおいてはどのような状態であろうと、ルルーシュが彼に勝つ確率は0である。
容赦なしにスザクの足がルルーシュの身体に振り下ろされる。
「が!?くそっ!スザク…!」
「…ユフィは、そうやって恨む事さえしなかったんだ、君を。それなのに…それなのにっ!君はユフィを過去と言い切り、裏切った!今ここでお前は終われっ!」
憎しみに染まりきり悲しみの混ざった叫びが空しく響く。
「あ、あ……ゼロ…ルルーシュ…」
カレンは混乱の極致にあった。ゼロを守らなければという想い、裏切られたという想い、ゼロへの個人的な淡い想い、信じるものがなくなったという想い。
全てがごちゃ混ぜになり、ただ涙を流し立っている事しか出来なかった。
だが、そこにもう一人のファクターが到着する。

「ま、て…スザク…っ」

腹部を血で染め、足を引きずりながらも眼光だけは衰える事無く。ライ・ランペルージはこの場に在った。
571名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 22:50:13 ID:2SiFM7MM
支援!
572とうふ(11/16) ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/15(月) 22:54:26 ID:vNQ0nix6
ライはこの状況を切り抜ける方法を、血が抜けていきうまく頭に血が巡らない中で必死に考えていた。
スザクがいるのはわかっていた。ランスロットがこの神根島にあったのだから。
後で暴れられても困るためランスロットは破壊しておいたが、だからといってこの状況が変わるわけでもない。
完璧な体調だったならばスザクを倒せる自信はあったが、今の状況では彼と戦うなど考える事自体がおこがましい。
ギアスを使おうにも傷の悪化が予想以上に酷いため、使用するほどの集中はとてもできそうにない。
(絶望的としか言いようのない状況だな…)
「え、ラ、ライ…?あなた、身体は…」
ようやく理解できるモノが目の前に出てきたからか、カレンの目に僅かばかりの光が灯る。

「ライ!?そんな身体でバカかお前はっ!早く逃げ―――ぐあぁぁっ!」

スザクはもう一度ルルーシュに足を振り下ろし彼の両足を折り、強制的に黙らせた。
ぞっとするほどの冷たい目で彼はライを見下ろす。
「ライ、君か。こいつを見ても何も驚かないって事はどうやら君もゼロの正体を知ってたらしいね」
「………っ!?ライ、あなた、も…?嘘、嘘よね?そんな、事」
懇願にも似た声だった。罪悪感がこみ上げる。
しかし事ここに至ってはごまかす事もできない。彼は真実を告げるしかなかった。
「…そうだ。僕は、知って、いた」
「―――っ!ラ、イ…」
「そうか。じゃあ君の罪状はこれで3つだ。ゼロの正体を知りながら皆を裏切っていた事、反逆に加担した事、そしてギアスという悪魔の力を持っている事」
「ギアス、も…知ってる、のか」
「ああ」
色の失った声で淡々とスザクは告げた。
感情が剥げ落ちたかのようなその声は逆に、彼が内に持つ激情の大きさを伝えていた。
「あ、あ、あ…」
カレンの手が震え、銃が手から離れる。
ゼロに続き、ライも『見知らぬ何か』になってしまった。
何を信じればいいのか、全てが彼女を裏切っているかのような錯覚にカレンは陥った。
世界が怖い。ぐにゃりと視界が歪む。―――ここに、いたくない。
573名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 22:55:08 ID:2SiFM7MM
支援
574名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 22:56:37 ID:x821dxKv
支援
575とうふ(12/16) ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/15(月) 23:00:27 ID:vNQ0nix6
「………っ!」
脇目も振らずに彼女は逃げ出した。
ライはそれを見ていたが、追う事はできない。彼女が逃げ出したのを皮切りに。

「君も、ここで終わらせる」

全身を殺意で満たしたスザクが襲いかかってきたのだから。
空中で回転し、遠心力で威力を増した蹴りがライの首へと伸びる。
「ぐっ!」
かろうじて受け止めたが、その代償にさらに腹部から血が溢れる。
しかしスザクの攻撃は止まらない。更なる連撃が何度も彼を襲う。
彼の行動を予測し、どうにかそれらをしのいでいくが、彼の身体はもはやガラクタだ、すぐに限界は訪れる。
すくい上げるようなアッパーでガードをこじ開けられる。
(しまっ…!)
悔恨の声を出す間もなく、彼は腹部に強烈な一撃をもらい吹き飛ばされた。
そのままの勢いで壁に激突し、ずるずると滑り落ちていく。
「ご、ぐ…がはっ!げほっえほっ」
たまらず、口から血を吐き出す。今ので内臓がイカれたらしい。
壁との激突の際に額も切れたのか、視界が真っ赤に染まっていく。だが、それでも―――
「ぐ、ぅ…」
「…まだ立ち上がるのか」
止まる事などできない。壁に手をついてライは無理矢理に身体を起こした。さすがに驚いたようにスザクの動きが止まる。
全ての武器を奪われ、両足を折られたルルーシュにはそれらを見ている事しかできない。耐え切れず彼は叫んだ。
「やめろ、もうやめてくれ!早く逃げろライ!本当に死ぬぞっ!!」
「君を、逃がし、たら…そうす、るよ。だって、僕たち、は」
都合も義理も過去も関係ない。なぜなら自分達は。

「友達、だろ」

友達だから、見捨てられない。
そんな、何よりも単純で純粋な理由が彼を動かしていた。
576名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:01:18 ID:2SiFM7MM
支援!
577名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:02:06 ID:x821dxKv
支援
578とうふ(13/16) ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/15(月) 23:03:29 ID:vNQ0nix6
「―――っ、この、わからず屋がっ!」

ルルーシュはあらん限りの力を持って、ライの目に視線を合わせた。
その眼に浮かぶはもはや消える事のない刻印。

「俺を見捨ててここから逃げろっ!」
「な、ルル…っ!」
「ルルーシュ、お前…っ!くそっ、逃がすものか!」

絶対の命令、王の刻印の翼がライを捕えた。
ライの脳に絶対の遵守項目として「逃走」が刻み込まれる。
スザクが駆け出しているが、遅い。一人だけの逃走に徹するならライは絶対に逃げ切るだろう。

「…っ!!…逃げ…っ、置い、て」

足が逃走しようとライの足が勝手に動き出し始める。
しかし、動き始めただけで、その動作は非常に緩慢だった。
握りしめた拳から血がしたたり落ち、彼はその足を砕けよと言わんばかりに地に叩きつけた。

「嫌、だ」

彼は意思の力でギアスを抑えつけ、『嫌だ』と言った。
579名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:05:07 ID:2SiFM7MM
支援
580とうふ(14/16) ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/15(月) 23:06:21 ID:vNQ0nix6
「そんな、ギアスを拒否…!?」
「―――!?ユ、フィ」

その光景はスザクの脳裏にあの光景をフラッシュバックさせた。
血の通わなくなった白い頬。震える手で自分の手を握った彼女。
『日本人を虐殺しろ』というギアスに逆らい、ただ彼に感謝だけを告げて逝った主君―――

(違うっ!)

止まりそうになった足を無理矢理にスザクは動かす。
そうだ、違うのだ。ユフィを殺した悪魔の力を持つ奴等に懺悔も容赦も要るものか―――!

「もう、黙れ!」

ライの懐にまで間合いをつめたスザクはライの首に手刀を振り下ろした。
ガタのきた身体ではそれを防ぐ手もなく、ギアスを抑えつけるのに精一杯の今の状態では避けられるはずもなかった。
首元の衝撃により意識が強制的に断たれ、なす術もなく彼は崩れ落ちた。

「ライっ!」
「騒ぐな、意識を落としただけだ。後は…君だけだ、ルルーシュ」

そう言いながらもスザクの目はライに向けられていた。血に塗れながらも、ギアスに逆らってまでも、友を守ろうとした男。
助け起こす事さえしなかったが―――殺意しかなかった目が理不尽さと悲しみに満ちたものに変わる。

「…知らないんだ、君は。あいつが、友達なんかに値しないって事を」

だがそれも一瞬の事。すぐに目は殺意に満ち、その視線はルルーシュを貫いた。
銃をルルーシュの心臓に定めたまま、ゆっくりと近づいていく。
581名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:07:06 ID:2SiFM7MM
支援!
582とうふ(15/15) ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/15(月) 23:09:04 ID:vNQ0nix6
「君達を皇帝陛下に引き渡す。二人ともその場で裁きを受けるんだ」

ある意味真っ当な処置ではあるかもしれない。
だが、事実は違う。その見返りこそが目的。スザクは手に入れるつもりだった。
彼が求める席、ナイトオブワンに近づくための地位―――ナイトオブラウンズの地位を。
それを悟ったルルーシュは更に憎しみの混じった視線を向ける。

「友達を売っての出世かっ!」
「許しは請わないよ、ルルーシュ、ライ。だって友達だろう、俺達は」
「貴様がそれをっ!ぐっぁ」

ライにしたように、ルルーシュの首筋に手刀を叩き込む。
意識を失い、完全に地に倒れこむルルーシュには目もくれず、ライのナイトメアのキーを探すべくライに近づいて行った。
ランスロットが破壊された事は彼にもわかっていた。修復するにせよ一から作るにせよ、今の状況では乗って帰る事は不可能だ。
ならばライのナイトメアをいただくしかない。
見下ろすスザクの目は真っ黒に塗りつぶされており、以前確かにあったはずの光は失われてしまっていた。


この数日後、ゼロの死亡が全世界に報道された。
ブラック・リベリオンと名付けられたこの戦いは黒の騎士団、ひいては日本の敗北に終わった。日本は2度敗けたのだ。
ある者は絶望し、ある者は嘲笑い、ある者はゼロは死んでいないと現実を認めなかった。
そのようなショックの中では、二人の学生が消え、そしてただ一人だけが戻ってきた事など彼らの周囲を除けば誰も気に留めなかった。
しかしその一年後。再び、いや、世界はより大きな激動の渦に巻き込まれる事となる。

「そう。間違っていたのは俺じゃない。世界の方だ!」

仮面の王を起点に、再び世界は試される。
583名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:10:25 ID:2SiFM7MM
支援
584名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:11:48 ID:tlp8FyfR
支援
585とうふ ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/15(月) 23:13:03 ID:vNQ0nix6
以上で投下終了です。
支援ありがとうございました。レスが多くなってしまいすいません。
レス数の計算を失敗してしまい、最後にいきなりレス数が変わってしまいました。すいません。

>>567
すいませんでした。ルールを無視してしまって申し訳ない
586名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:17:25 ID:2SiFM7MM
>>585
とうふ卿、初投下乙&GJでした!
まぁ、徐々に慣れていけばいいと思いますよ

息を飲み、読み進めていきました
GJ……GJだと言った!
続き、ライがどうなったのか、が非常に気になりますね
貴方の次の投下を全力を挙げて待たせていただきます!
587名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:32:35 ID:3ZCkE1Qr
45分から投下したいのですがよろしいでしょうか。
10レスほど予定しています。
588名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:35:33 ID:j3NPjmcS
支援しますよ
589名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:37:00 ID:tlp8FyfR
支援します。
590名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:43:45 ID:3ZCkE1Qr
では投下します。
59123話派生:2008/09/15(月) 23:44:51 ID:3ZCkE1Qr
ルルーシュ皇帝率いる神聖ブリタニア帝国と、シュナイゼル殿下のダモクレスと
超合衆国の黒の騎士団連合軍との戦いの火蓋が切って落とされた。
僕はただその様子を見守るしかなかった。
シュナイゼル殿下の野望も、ルルーシュの覇道も、僕には認めることができなかった。
どうして、こんなことになってしまったのか。
こんな世界へとなってしまったのか。
592名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:45:18 ID:j3NPjmcS
支援
59323話派生:2008/09/15(月) 23:46:28 ID:3ZCkE1Qr
ルルーシュがアッシュフォード学園での超合衆国への参加を申し込んでいる頃、
シュナイゼル殿下は天空要塞ダモクレスより、フレイアをペンドラゴンへと落とした。
結果はかつて世界の中心とも言われたブリタニアの首都の壊滅だった。
そして、シュナイゼル殿下のルルーシュへの宣戦布告。
それもナナリーを使っての大きな揺さぶりだった。
表向き、動揺を見せず、妹のナナリーを切り捨てたルルーシュだったが、
内心はかなりの痛みを感じていたと言う事だけはわかる。同じ兄としての共感だろう。
彼が、どれだけ妹を愛していたか。大事にしていたかわかるから・・・。
594名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:47:24 ID:j3NPjmcS
支援
595名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:47:36 ID:tlp8FyfR
支援
59623話派生:2008/09/15(月) 23:48:50 ID:3ZCkE1Qr

そして、今眼の前でシュナイゼル殿下の野望を初めて知った。
騎士である自分でさえ知らなかった野望。
いや、うすうす感じていた。この男から感じた深い憂鬱と共にくる野望を。
傍に居た期間こそ短いが、どれだけ優秀な人であるかは感じ取っていた。
そう、その才能こそが、彼を退屈にさせた。達成感というものが無いのだ。
何をしても1番であり、すぐに究めてしまう天才。
だからこそ、協力し、喜びを分かち合うということがないのだろう。
たとえ、そのような場面があっても、本来の力を抑えてしまうのだろう。
だからこそ、満たされない。絶対的なまでの孤独を感じてしまう。
597名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:49:01 ID:tlp8FyfR
支援
59823話派生:2008/09/15(月) 23:50:25 ID:3ZCkE1Qr

神になろうと言うシュナイゼル。だが、それは真実であり嘘だろう。
彼はもしかしたら楽になりたいのかもしれない。
自分に敵対し、自分を超える存在を見たいのではないか。
ルルーシュならば、自分を超えられると、だからこその行動。
何故かそう感じる。
思えばこれまでの手段において、ルルーシュを追い詰めながらも何処か抜け道を残す。
その印象を受けた。中華での反乱しかり、黒の騎士団内部分裂しかり。
そうやって、育てている様な気さえする。
599名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:51:18 ID:tlp8FyfR
支援
60023話派生:2008/09/15(月) 23:52:18 ID:3ZCkE1Qr

案の定、それを聞いたコーネリア殿下が剣を抜く、まずい!
思わず駆け出す。間に合うか・・・・・・。
結果として、腹に1発、足に1発当たっていた。
気を失ってしまっているが、治療さえすれば助かる。
すぐに衛生兵を呼び、運ばせる。
殿下は、そんな僕をただ眺めていた。

601名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:53:12 ID:tlp8FyfR
支援
60223話派生:2008/09/15(月) 23:54:32 ID:3ZCkE1Qr
そして、処理が終わり、立ち上がった僕に殿下は言う。

「君も反対かな?ライ」

「・・・僕は、貴方の作ろうとする世界に賛同することができない。
 そして、ルルーシュたちの成そうとする事にもです。
 世界は一人一人のものだ。誰かが押し付けるものでは無い。
 誰かから導かれた答えを与えられてそれで良しとしてはいけない。
 人々はそこまで愚かでは無い。
 もう誰かに支配される世界であってはいけないんだ!」

そう、人は一人一人が自分の王なのだ。誰かに支配されるものでは無い。
かつて王であったときには考えもしなかったこと。
603名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:55:29 ID:tlp8FyfR
支援
60423話派生:2008/09/15(月) 23:56:23 ID:3ZCkE1Qr
「それは、狂王としての意見かな?それとも・・・」

「ライとして、世界の色を失い、そして新たに見つけた一人のライという人間の意見です」

例え、理想だとしても、気付いてしまったのだ。

「どうやら我々の望む世界が違うようだね。残念だよ、君の事は好きだった。
 これまでの功績もある。
 ルルーシュに付く用でも無いし、コーネリアと共に立ち去りなさい」

そう言って背を向ける。見逃してくれると言うのだ、彼は。
今の僕にはクラブも無い、只の騎士。利用価値は終わったのだと言う。
それは、彼の最後の温情なのかもしれない。
結局この方の素顔を最後まで見る事の出来なかった僕にとっての褒美なのかもしれない。
深く一礼し、部屋を出る。
その後はシャトルに眠ったままのコーネリア様を載せ、脱出する。

605名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:57:35 ID:tlp8FyfR
支援
60623話派生:2008/09/15(月) 23:58:27 ID:3ZCkE1Qr
エリア11となった日本のアッシュフォードに行き、コーネリア様を預けた。
ミレイさんに事情を話し、彼女に託し、すぐさま動く。
この戦いを見守るのが、僕の役目だ。



死を恐れることなく突撃するブリタニア軍。
フレイアだろうが恐れないその姿は、かつての僕の罪と同じだ。
”ギアス”
恐らく彼、ルルーシュも使ったのだろう。
今さら過去のことで悔やむことも、恐れる事も無い。
ただ、忘れない。それだけしか出来ない。
もう、彼らに許しを請うことも、贖うことも出来ないのだから。



こんなにも美しい世界で、人々の命の輝きが消えていく空。
もしも、神が居るのなら、何を思うのか。
それは誰も知る事は無い。
607名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:59:18 ID:j3NPjmcS
支援
608名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/15(月) 23:59:28 ID:tlp8FyfR
支援
609快風:2008/09/15(月) 23:59:37 ID:3ZCkE1Qr
投下終了です。
ライ、傍観END。
自分のシュナイゼル観とも言うべきものでしょうか。
彼には某漫画の螺旋の神様的存在をイメージします。
故にこのような作品へとなりました。
ライとしては、シュナイゼルの方法もルルーシュの方法も、
賛同できないからこその行動となります。
特に、ギアスを使った兵に関しては、かつての自分の罪そのもの。
だからこそ、そちらへの陣営は行かないでしょう。
シュナイゼルはそこら辺も読んでます。
異色なENDかも知れませんが、楽しんでいただけたら幸いです。
610快風:2008/09/16(火) 00:00:54 ID:9Na1Woj2
ちなみにこれまでのシリーズのIFというか、派生話です。
あちらとは設定ぐらいしか関係ありません。
611名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 00:02:06 ID:tlp8FyfR
乙でした。
何かシュナイゼルが悲しそうでしたね。盟友に裏切られたような気分かな?
次回の投下も楽しみにしています。
612名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 00:08:19 ID:FaNrXEG8
>>610
快風卿、GJでした!
>>602、処理というか処置では?
ライもルルーシュ見てるとかつての自分見てるみたいで辛いんでしょうね
貴方の次の投下をお待ちしております!
613快風:2008/09/16(火) 00:20:35 ID:9Na1Woj2
>>611
そうですね、ここまでの過程で、シュナイゼルの苦しみを理解していた
と言う事を感じたりしていたライですから。
彼となら、同じ目線で付き合うことができたからということでしょうか。

>>612
はい、そのような誤用があったとは、確認ありがとうございます。
ルルーシュにしても、そのように見ていますしね。

感想ありがとうございます。
614とうふ ◆VWLH9tMv3Y :2008/09/16(火) 00:29:20 ID:Y3XkZ7E6
>>586
ありがとうございました。
次は失敗しないように頑張ります。ライの動向などいろいろ頑張って書きたいと思います。
615名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 00:31:03 ID:Y3XkZ7E6
>>610
快風卿、乙でした。
シュナイゼルが寂しそうな感じがそこはかとなく…本編では見えづらかった
彼の人間性が垣間見えたように感じました。
次回の投下も楽しみにしております
616快風:2008/09/16(火) 00:36:28 ID:9Na1Woj2
>>615
今回の話を書く前に23話を見直すと、そこはかとなく悲しそうな印象
を受けたということと、現在書いてるシリーズのために、色々と、
シュナイゼルについて調べた結果、このような表現にしました。
彼の人間性を感じていただければ自分としては成功かな?と。
感想ありがとうございます。
617名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 01:20:03 ID:hVixAh83
>>613

快風卿GJです
本編を今見ましたがシュナイゼル怖いよ!
618名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 07:38:28 ID:OzaF1ehh
とうふ卿、快風卿
投下終了したら、コテハンは外した方が良いと思われる。
619名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 11:18:38 ID:hVixAh83
誰もいない…小ネタを投下するなら今の内!

ウザルイ

スザク『違う…ナイトオブラウンズは、俺の知っているブリタニア人とは違う!(10以外)
ナンバーズというだけで俺を蔑み、見下していた者達とは違う!』

その昔、スザクが慕っていた桐原は、ブリタニア人に無礼討ちされた
テロリストを支援した それだけの理由である

スザク『ライ、知っているか?今でこそブリタニアで語り継がれる英雄、閃光のマリアンヌはな、元は平民出の庶民だったんだ
嘘ではない。ルルーシュに聞いた話しだ
僕達も…KMFの腕で成り上がり、人の上に立つことが出来る!』
620名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 11:23:33 ID:hVixAh83
スザクがライに『僕達』という言葉を使ったのは、これが初めてである

ライ『スザク…ライは生まれついての皇族にござる
皇族はフラグメイカー如き者。
フラグメイカーの成すべき事…それは恋をして、フラグを建てまくる。これにつき申す』

ライは、元はゲームキャラクターであった自分を愛してくれているスレ住人に報いる覚悟を語っただけだったが
本編ではウザクやら卑怯者やら裏切り者やら、R2で散々な目にあっているスザクにとって、その言葉は…

スザク『……』

ビリッビリッビリ(折り鶴を破る音)
621名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 11:37:45 ID:hVixAh83
以上、小ネタ終了です。
元ネタ知らない人がいたらすみません
スルーしてください
622名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 11:42:20 ID:FaNrXEG8
>>621
元ネタは知らない
故にGJとだけ言っておきます
そして誰も居ないことはほとんど無い、とも言っておこうか
貴方の次の投下をお待ちしております!
623名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:13:05 ID:XOyfUlZG
新参ですが、投下してもいいですか?
20分ごろ投下したいです。だいたい15レスです。支援おねがいします。
624名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:18:08 ID:5MqHZKrx
支援します
625名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:20:54 ID:gGYNMmA6
できる限り支援します。
626黒猫にゃー子:2008/09/16(火) 20:21:28 ID:XOyfUlZG
そろそろ投下します。

タイトル;終わりと始まりの予兆

カップリング:カレン

ジャンルはシリアスだと思います
627名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:23:48 ID:5MqHZKrx
しえん
628名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:23:50 ID:gGYNMmA6
支援
629黒猫にゃー子:2008/09/16(火) 20:24:07 ID:XOyfUlZG
行政特区日本発足記念式典。
僕はその会場から少し離れた所に跪いていた。目の前には、ユーフェミア殿下が片手に銃を持ち、立っていた。


脚が痛い。血が流れ出ていた。
彼女は、僕を置き去りにして式典会場に向かっていく。日本人を皆殺しにするつもりだ。

最後の賭けだ。
「ユーフェミア!僕の身体には、半分日本人の血が流れている!僕はまだ生きているぞ!こっちにきて僕を殺せ!!」
彼女は振り返り、僕の顔を見て、再び銃を向ける。

やるしかない。ギアスに支配されている者に、僕のギアスが通じるかどうかはわからない。でも、やるしかないんだ。

「ユーフェミア・リ・ブリタニアに命じる!どんな人間であろうと、絶対に殺すな!!」 「ぐあっ!」銃弾が右肩に当たった。痛みで気が遠くなる。

やはり、ギアスが作用している最中は、僕のギアスは通じないのか?
630名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:25:03 ID:5MqHZKrx
支援
631名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:25:19 ID:gGYNMmA6
支援
sage忘れ失礼しました。
632黒猫にゃー子:2008/09/16(火) 20:26:34 ID:XOyfUlZG
だが、諦めるわけにはいかない!

「絶対殺すな!!どんな人間も傷つけるな!」 「う゛ッ!!」 右胸を銃弾が貫いた。もう叫ぶこともできない。

「うぐぅ…まだ、まだだ…」こんなことあってはならない。必ず止めなければ。

「日本人は、早く死んでください!」ユーフェミアは、倒れている僕を見下しながらそう言った。

もう一度
「ユーフェミア・リ・ブリタニアに命…じる。絶対に…殺しちゃ…」
目の前がどんどん暗くなる。「だ…め…だ……」

くそッ…心の中でそう言いながら、みんなの事が思い浮かぶ。

記憶を失った僕を助けてくれた、生徒会のみんな。今まで一緒に戦ってきたスザク。
よく、三人で仲良く話した、ルルーシュにナナリー。
633名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:27:14 ID:5MqHZKrx
sien
634名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:27:17 ID:gGYNMmA6
支援
635黒猫にゃー子:2008/09/16(火) 20:29:28 ID:XOyfUlZG
そういえば、もしルルーシュに何かあったらナナリーを守ってくれと頼まれたな。
そして、記憶探しを手伝ってくれた、僕が恋した…カレンのことを。

意識が、薄れてゆく……


…話し声がする。僕は生きてるのか。

「はぁ…。一体なにがどうなってるの?ユーフェミア殿下が突然、イレブンの虐殺命令、おまけにその殿下は瀕死の状態だしさぁ」

えっ?ユーフェミア殿下が瀕死の状態って…。

「そんなこと、私に聞かないで下さい」
「それに…ライ君まで…。スザク君もショックが大きいね。あれは。デヴァイサーを二人も失うのは痛いなぁ」
「不謹慎です!怒りますよ!」

状態がわからない。とにかく起きよう。

「うッ」起き上がろうとした時、身体に痛みが走った。
636名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:31:13 ID:gGYNMmA6
支援
637名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:31:26 ID:5MqHZKrx
支援
638黒猫にゃー子:2008/09/16(火) 20:32:53 ID:XOyfUlZG
「あっ!ライ君!気がついたのね!よかったわぁ!!ロイドさん!」
「あれぇ?もう大丈夫なの?君、凄いねぇ。んふふ、んふふふ」ロイドさんは、おかしな笑い声を上げながら、僕の顔を覗いてきた。

「ええ。なんとか大丈夫みたいです。」痛みに耐えながら起き上がった。

「まだ起きちゃだめよ」
「いえ。なんとか。あの…それよりも状況は?…ユーフェミア殿下は無事なんですか!?」声が身体に響く。

「状況は最悪」
ロイドさんは、今の状勢を教えてくれた。
ユーフェミア殿下がもうだめかもしれないということ。特区日本は失敗に終わり、黒の騎士団がトウキョウ租界に攻め込んでいること。すべて僕の責任だ。そう思った。

「そう…ですか。あの、スザクは?」
「ユーフェミア殿下の所にいるわ。」
スザク…

「そうだ!セシル君、そろそろ格納庫に行こう」
「わかりました。じゃあライ君、ちゃんと寝てるのよ」
「はい」二人はなにをしに、行ったんだ?

それにしても、あの時のユーフェミア殿下の感じはギアスだった。やはりゼロがギアスを…。なんにせよ、ここで寝ているわけにはいかない。僕にやれることをやらなくちゃ!

639名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:33:51 ID:5MqHZKrx
sienn
640名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:34:53 ID:gGYNMmA6
支援
641黒猫にゃー子:2008/09/16(火) 20:35:49 ID:XOyfUlZG
着替えて格納庫に向かった。とにかく今は、黒の騎士団が近づいてきている。ゼロがギアスで、ユーフェミア殿下を操ったのか、確かめなくては。

目の前にあるのは、ランスロット・クラブ。僕のナイトメアフレーム。そしてその隣には、クラブのキーを持って頬を赤く腫らしたロイドさんと、やっぱり来たという顔をしたセシルさんがいた。

「ライ君!寝てないとだめじゃない!」
「すみません。でも、確かめたい事があって。それに、こんな時に、呑気にねていられませんよ。」
「もうっ!」
「あの…ロイドさん?どうしたんですか?それ」
「あはぁん。君もいくの?キーを奪ってさぁあ」なんとなくわかった。

「はい。どうせ止めても行くんでしょ」そう言ってロイドさんは、僕にキーを渡した。
「ありがとうございます。じゃあ行ってきます」
642名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:36:11 ID:5MqHZKrx
支援
643黒猫にゃー子:2008/09/16(火) 20:37:56 ID:XOyfUlZG
「あー。あと壊さないで持って帰ってきてよね。色々とさぁ」
「…?わかりました」
「気をつけてね。ライ君。無理しちゃだめよ。」
「はい。セシルさん」

僕はクラブに乗り、機体のチェックを終えたあと、アヴァロンから飛び出した。

今回は、フロートユニットを装備していない。
ゼロの居場所がわからない限り、行き場がない。取りあえず中心部に向かった。

進むうちに、何機もの無頼の姿があった。だが…
「この程度、何ともない!」しかし、身体はかなりきつかった。
それを堪えながらも、次々と無頼を撃破していく。この場は、容易に突破できた。だが銃で撃たれた場所に激痛が走り、生暖かいものを感じた。そう長くは、たたかっていられない。

少し先に進むと、大きな爆発音が聞こえてきた。
644名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:39:38 ID:5MqHZKrx
しえん
645名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:39:49 ID:gGYNMmA6
支援
646黒猫にゃー子:2008/09/16(火) 20:40:40 ID:XOyfUlZG
ランスロットと紅いナイトメア…スザクとカレンだ。カレンは、黒の騎士団の一員で、あの紅いナイトメアのパイロット。そして強い。

ランスロットの左腕が無くなっていた。

おそらくスザクは、ユーフェミア殿下の敵を取ろうと、ゼロを探しているはず。
僕もゼロには聞きたいことがあったが、カレンに言うことがあった。

「スザク、大丈夫か?」
「ライ!?どうして君が!?式典で重傷を負っていたはずじゃ!?」
スザクは、驚きながらも怒り狂った声で答えた。
「ああ。なんとか動ける。それに、寝ていられる状況じゃないだろ。ゼロを探しているんだろ?ここは任せて先に行け」
「しかし!」
「ユーフェミア殿下の敵をとるんだろ?」
「でも、君の身体は!……いや。わかった。じゃあ、ここはませた」
647名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:42:54 ID:5MqHZKrx
支援
648黒猫にゃー子:2008/09/16(火) 20:43:51 ID:XOyfUlZG
まるで何かを、悟ったかのようにそう言って、この場を離れた。

「…カレン」
「いいの?スザクに行かせて。あなた一人じゃ、私に勝てないわよ。まぁ、二人いたって負ける気しないけどね!」
僕を挑発するかのように、軽く笑いながら言った。

だが、それを無視して話しを切り替えた。
「カレン。黒の騎士団からぬけるんだ。ゼロを信用しちゃいけない!」
「どうして?ゼロのなにがわかるっていうの!?」
「わからないさ。ただ…危険だということはわかる!なにかこう…自分の目的のために、行動しているようにしか思えないんだ」
「勝手なこと言わないで!ゼロは、私たち日本人の為に一緒に戦ってくれているの!だから、ゼロは私が守る!!」

やはり説得は無理か!
だがゼロがなんのために戦っているのか、それがわからない限り、黒の騎士団は危ない。なら…
「そこから無理矢理にでも引きづり出して、連れて行く!!」
649名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:44:45 ID:YxjS/Fok
支援
誤字ありました

ここはませた
ここは任せた
650名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:46:03 ID:gGYNMmA6
支援
651名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:46:24 ID:5MqHZKrx
しえん
652黒猫にゃー子:2008/09/16(火) 20:47:57 ID:XOyfUlZG
「そう。なら…やってみなさいよッ!!」
カレンの言葉を聞き終わった瞬間、紅いナイトメアは目の前にいた。とっさにクラブの上体を下げる!
「くっ!」
息をつく間もなく、次の攻撃が連続して繰り出される!
「どうしたの?そんなんじゃ、私に勝てないよ!!」
一旦、離れて体制を立て直す。可変ライフルを放り投げ、ツインMVSを持ち、突進した。
「はあぁ!!」避けられた。が、反撃の隙を与えないように、なんども斬り込んむ!
動きさえ読んでしまえば…。
そして…!バランスを崩した紅いナイトメア。ここで振り上げれば、終わる。だが、その時、カレンの言った言葉が脳裏によぎる。

(ゼロは私が守る!!)
本当に良いのか!?彼女の想いをねじ曲げてまで。
これで…良いのか?

ズガン!大きな音が響き、紅いナイトメアの異常に長い手が、クラブ顔面を鷲掴みにしていた。

「捕まえた!これで最後よ!」
653名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:50:02 ID:5MqHZKrx
sienn
654黒猫にゃー子:2008/09/16(火) 20:51:13 ID:XOyfUlZG
「くそッ!」
迷ってる最中に、捕らえられていた。あれを使われたら…終わる。
はずなのに、一向に発動する気配がない。

「…ねぇ。今ならまだ大丈夫。…黒の騎士団に入って」
嬉しかった。でも…
「すまない。それはできない。ゼロのもとでは戦えない」
「どうして!?あなただって、私と同じハーフでしょ!?日本人の血をひいてるのよ!…そんなに今の生活がいいの?ブリタニアの犬になって。人の上に立つのがそんなにー」
「違う!!」カレンの話しを割って答えた。
「違う。ブリタニアの中から変えようと…スザクと一緒に日本を変えようとしたんだ!…それに、ゼロは信用できない。だから…」

「そっか…じゃあ、さようなら」寂しそうに言った。
クラブの顔から下へ、徐々に表面が沸騰したかのように泡立つ。

最後に伝えたいこと…
「カレン…好きだったよ……」
655名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:53:53 ID:5MqHZKrx
sien
656黒猫にゃー子:2008/09/16(火) 20:55:05 ID:XOyfUlZG
「えッ?」カレンは驚いていた。そしていつの間にか、紅いナイトメアの右腕が下に垂れ下がっていた。

「なんで…今さらになってそんな事…言わないでよ!」
カレンは、擦り切れそうな声で喋り出した。
「そんなの…私……私も!ー」

最後の言葉を、発しようしたその時、目の前は真っ白な閃光に包まれた。

カレン…スザク…みんな


ーーークラブは頭から胸まで無惨に散っていた。

ーー「ナナリーがいなくなったら、俺はなんのために…。なんのための独立戦争だッ!ユフィまで犠牲にして…」
「見えたぞ。神根島だ」
「取り返す。だれが敵であろうと!ナナリーを!!」

ーー「待っていろ、ゼロ!!必ず俺が…!!」

ーー「扇さん!?大丈夫ですか!?……でもどうやって…。ッ!?あれは、ランスロット。アイツがここを離れる理由なんて…」
「ごめんなさい、ライ…」


657名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:57:52 ID:Y8gp1fw0
支援
658黒猫にゃー子:2008/09/16(火) 20:58:58 ID:XOyfUlZG


ーーー神根島、謎の神殿の中

「カレン。ここにいるということは、ライは…」
「私が…殺した…」
「そう…か。君もゼロの正体を知りたくないか?」
「なにを今更…」
「君にも立ち会う権利がある」
「あッ!まてぇ!!」

スザクはゼロに銃を向けて、引き金を引いた。
仮面のてっぺんに貫通した。そして、仮面が割れた…。

「なんで?どうして!?」
「信じたくはなかったよ…」
「そんな…。ルルーシュが…」
「そうだ。俺がゼロだ。黒の騎士団を率いて、神聖ブリタニア帝国に挑み、ゼロとして世界を手に入れる男だ!」

ルルーシュがゼロの正体だった。
「ライ。あの時の約束…覚えているか?お前は…」

そしてーー


「スザク!!」

「ルルーシュ!!!」
659名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 20:59:31 ID:Y8gp1fw0
支援
660名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:01:48 ID:5MqHZKrx
支援
661黒猫にゃー子:2008/09/16(火) 21:03:05 ID:XOyfUlZG
投下終了です。
文字、レス数間違えてすみません。いろいろ間違いだらけですけど最後まで支援ありがとうございました。
662名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:14:31 ID:gGYNMmA6
GJ、お疲れ様でした。ここで終わるのでしょうか、是非とも続きが読みたい作品です。

あと、誤字というほどではないのですが、「ー」を「―」に置き換えた方が良いと思われる箇所が多数あるようなのですが……。
663名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:15:52 ID:FaNrXEG8
>>661
黒猫にゃー子卿、初投下乙&GJでした!
なんか切なさが止まらない
これは続くんでしょうか?
続くならば大変期待してもよろしいですか
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
664名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:20:00 ID:XOyfUlZG
662さん
すみませんでした。
次からは気をつけます。
665名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:21:04 ID:5MqHZKrx
GJでした。
カレンと聞いて読んでみたら、敵同士とは・・・。
こういう話も良いですね。
続きを期待しつつお待ちしてます。
666保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/09/16(火) 21:24:53 ID:gGYNMmA6
では、修正しておきました。
改めまして、今後とも宜しくお願い致します。次回の投下を心よりお待ち申し上げております。
667名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:27:22 ID:XOyfUlZG
保管者トーマスさんありがとうございまし。
またがんってはらせてもらいます。
668名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:30:02 ID:5MqHZKrx
では、次は自分が投下させて頂いても良いでしょうか?
本編のみで11レス程度使用しますので支援して頂きたいのですが・・・。
669名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:30:31 ID:XOyfUlZG
保管者トーマスさんありがとうございまし。
またがんばって貼らせてもらいます。
670名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:32:14 ID:Y8gp1fw0
了解、支援します。
671ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark :2008/09/16(火) 21:34:01 ID:5MqHZKrx
有り難うございます。ではその前に例の如く注意書き等を少々。

タイトル  〜 胎動(中編)〜
カップリング 無し 
前作 〜 胎動(前編) 〜 の続きになります。
話の根幹は黒騎士ルートを通ってのR2準拠ですが、もう色々と破綻してますので、
出来ればIF物として読んで頂ければ幸いです。
以下注意点
●暗いお話。
●前半部分は以前捏造したライの本名で進み、後半は無理矢理戻してます。
●王様ライの性格は微妙。相変わらず自分の想像が入り過ぎてます。
●ロロの設定も性格もオリジナル入ってます。
●ライもV.V.も皇帝も黒いです。お好きな人はご注意下さい。

では、投下行きます。
672名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:35:15 ID:Y8gp1fw0
支援
673ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark :2008/09/16(火) 21:36:42 ID:5MqHZKrx
        〜胎動(中編)〜

謁見の間での、傍目にはおどろおどろしく聞こえる会話が終わりを告げた後、きらびやかな衣服に着替えさせられたライゼルは、
二人に誘われるがまま薄霧がたちこめる廊下を眉間に縦皺を作りながら歩いていた。
――神を殺し、世界の嘘を破壊する――
それについて、彼は確かに協力すると言った。それが母と妹の仇になると考えたからだが、
それ以降、二人からは一体どうやって神を殺すのか。
その具体的な説明が一切無かったからだ。その事に若干の不満を抱きながらも、言われるがままに二人の後ろを歩いていたが、
建物の中に霧がたちこめるような珍妙な場所を歩かされ、更にはその霧が進むにつれて濃さを増してゆくのに対しても、何の説明も無い。
遂に我慢出来なくなった彼は、苛立ちを隠す事無く2人の背中に険のある声を浴びせた。
「何処に連れて行こうと言うのだ!?」
「とても良い所だよ」
「付いて来れば良い」
彼が不機嫌だと言うのは、声を聞いただけで容易に想像出来るにも関わらず、V.V.から返って来たのは何とも曖昧な返事だけ。
皇帝に至っては、端から説明する気ゼロの返答しか返って来ない。
そんな2人の答えとは言えない答えに少々呆れると、
「まさか、この廊下は黄泉の国へでも繋がっているのではないだろうな?」
ライゼルは馬鹿にするかのように軽口を叩いた。当然、彼自身黄泉の国など信じてはいない。
戯れ言のつもりでつい口走った台詞だったのだが、その言葉を聞いた瞬間、前を歩いていた二人はピタリと止まって同時に振り返ると、
「面白い事言うね」
「今の問い掛け気に入った」
674名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:36:51 ID:Y8gp1fw0
支援
675ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark :2008/09/16(火) 21:39:22 ID:5MqHZKrx
V.V.は童でも見るかのような表情で返し、皇帝は口元を僅かに釣り上げて微笑を浮かべた後、
「それに、あながち間違いでも無い」
フッと少し鼻を鳴らすと不満顔を貼り付けている彼に対して言い放った。
ライゼルはその皇帝の台詞に少々面食らった様子でいたが、直に――戯れ言など言うものでは無いな――と思ったようで、
口を真一文字に閉じると黙って2人の後に続いた。
暫く歩いた後、ぼんやりと霧が晴れていったかと思うと、突然不思議な空間に出た。
自分は建物の中を歩いていた筈が、気がつくと広大な空間に立っている。黄金色の夕日が注ぐ広大な空間。
雲海の中に静かに佇む神殿のような場所。その幻想的とも言える光景に、呆気に取られた様子でいる彼を見た皇帝は、
「これは神を殺す武器、アーカーシャの剣という」
誇らしげに説明を行ったが、それを聞いたライゼルは尚更理解出来なくなった。
目の前に広がるのは神殿のような構造物で、どこをどう見ても武器には見えなかったからだ。
「この神殿が武器だと?」
「左様」
「どのようにして使うのだ?」
これは最早、自身の理解の範疇を越えていると判断した彼は、より詳しい説明を求めたが、
「気が早いよ。まだその時じゃ無いんだから」
「ではそれまで何をしていろと言うのだ?」
クスクスと笑い声を洩らしながら、V.V.に嗜められた彼が怪訝な様子で問い掛けると、
「ある男の監視を頼みたいんだよ」
「監視だと?」
何とも間抜けな言葉が返って来た為、彼は、一瞬V.V.がふざけているのかと思った。
眠りから叩き起こされて最初に言われた言葉が、――神を殺すから協力しろ――。
いや、その事は気にしてはいなかった。だが、壮大な話を聞かされた後にこのような非現実的な場所にまで案内されて、
否が応にも気持ちが昂って来た所に言われた言葉が男の監視。
この落差は一体何なのだと思った彼が眼で続きを促すと、
676名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:39:29 ID:Y8gp1fw0
支援
677ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark :2008/09/16(火) 21:42:00 ID:5MqHZKrx
「ああ、実際に監視する必要は無いよ。部下を一人付けるから、その子から状況を聞いて、僕に報告してくれるだけでいいよ」
「小間使いのような事を私にやらせる気か?」
次の言葉は、ライゼル自身が先程対等であると宣言したというのに、まるで自分を下に置こうとする発言だった。
それが気に食わなかったライゼルは噛み付くように言ったが、V.V.はそんな彼の言葉をヒラリと躱すように言う。
「面白いと思うけど?」
「本当に面白いならお前がするだろう?」
「二人ともやめよ」
突如として皇帝の制止が入った。その事には納得がいかなかったが、皇帝の有無を言わせぬ眼差しを見て、
「理由ぐらいは話してもらえるのだろうな?」
臆する事無く念を押す様に伝えると、やっと先程からの不満が解消されそうな言葉が返って来た。
「我々の計画に一つ、欠けている物を持っている女がいる。彼奴はその女を誘き寄せる――」
「餌と言う訳か。その女の名は?」
続きが気になったライゼルは平然と皇帝の言葉を遮って問うと、そんな彼の態度に、皇帝は少々苦笑しつつも女の名を告げた。
「C.C.という」
「人間の名では無いな」
その女の名前を聞いた瞬間、彼は率直な感想を口にした。
しかし、そこであることに気付くと、側に居るV.V.に視線を落とす。
すると、視線が会ったV.V.は
「当たり。彼はそんな彼女を誘き寄せる為の餌。君は餌の監視」
良く出来ましたと言った様子で答えた。その答えを聞いたライゼルは両腕を組んで押し黙ると、皇帝と同じ様に黄昏の空間に視線を移した。
与えられた役目は監視する事。それだけを聞けば彼の心を動かすには程遠い。
ネズミを誘き出すのであれば、その男を公開処刑にでも何でもすればいいというのが彼の意見だったからだ。
だがそれをしないとなると、何かしらの理由があるのだろう。
その事に対して少々疑問は残ったが、ライゼルは視線はそのままに鋭さを増した瞳で、どちらに言うでもなく命じるように告げた。
678名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:42:40 ID:Y8gp1fw0
支援
679ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark :2008/09/16(火) 21:45:53 ID:5MqHZKrx
「その男の事を話せ」
「やる気になったの?」
どうやら本当に引き受けるとは思っていなかったようで、V.V.は少々驚いた口調で彼を見上げて問い掛けるが、ライゼルは視線を移す事無く続ける。
「お前と同類の女。ならばその男もギアスを授かってるのだろう?ギアスの力は王の力だ。どのような男か知りたい。その上で決める」
――皇帝、お前もな――とまでは言わなかった。V.V.の協力者である皇帝。
であれば、恐らく持っている筈だと踏んでいた。
だが、今は同じ目的を共有する者同士、この場は下手な詮索などせずに、何れ機会を見つけて聞き出せば良いだけだと判断したのだ。
「よかろう。では話すとしよう」
相変わらず皇帝の視線もそのままだったが、そう言うと話し始めた。帝国に弓を引いた男の事を。
だがその時、僅かに皇帝の表情が緩んだのを彼は見逃さなかった。
それはどこか懐かしむような表情に見え、ライゼルは自身の疑問が少し深まったのを感じながら、皇帝の言葉に聞き入った。
話しが終わった時、ライゼルの心に残ったのはゼロという男に対する純粋な興味だった。
皇帝の話の中に出てきたゼロという男に言い知れぬカリスマ性を感じたのだ。
それはゼロが戦いに破れた敗者とはいえ、彼の興味を引くには十分なものだった。
しかも、今、まさにこの帝都に向かっているという。だが、到着するまでは、まだ若干の猶予があった。
「ゼロという男の詳しい情報が見たい」
「よかろう。後で届けさせる。だが、あくまで監視に徹せよ。何があろうとも殺すな」
その時の皇帝は今まで以上に真剣な様子で、彼はその言葉に益々疑問が深まると同時に少々不快に感じた。
確かに彼自身、用済みとなった餌に用は無いとも思っていたが、そこまで非道な振る舞いをする気はなかった。
何よりも、食い付くまでは生かす必要があり、皇帝の台詞は捕らえた後に言うべき言葉の筈。
だが、それはまるで捕らえる前に自分が殺すように思われているのかと思ったからだ。
680名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:46:06 ID:Y8gp1fw0
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681ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark :2008/09/16(火) 21:48:59 ID:5MqHZKrx
「そのような愚行を私が行うとでも?侮辱する気か?」
「そうであったな」
「それに、そう言った事はV.V.に言え。私の部下となる者が無能であれば、そのような事になる可能性はあるからな」
そう言うと同時に二人の視線が下に下がると、その先に居たV.V.はやれやれと言った様子で、
「分かったよ。でも、あの子は優秀だから大丈夫だと思うよ。取りあえず今日の所はここまでにしとこうか」
そう言うと無理矢理にも思えるように会話を打ち切ると、再びライゼルに視線を移し手招きするように告げた。
「君は僕に付いて来て。その子を紹介するから」
「分かった。だがどのような者か、どう監視させるか、お前の考えをその者に会うまでに聞いておきたいのだが?」
「それは歩きながら話すよ、ライ」
V.V.がその名を紡いだ瞬間、辺りに冷気が生じた。
その出所に対して、澄まし顔でどうしたのと言ってのけるV.V.に、出所であるライゼルは冷酷な剣幕で告げた。
「私をその名で呼べるのはたった2人。母と妹だけだ」
「これはもう決まっている事。その方が色々と都合が良いんだよ」
そう言うとV.V.は、軽い足取りでライの側まで近付くと、上目遣いで見つめた。
それは端から見れば何とも可愛らしい仕草に見えただろうが、今の彼には憎々しい姿でしかない。
ライゼルは中腰になると、顔を鼻先が触れそうな至近距離まで近づけて、怒気を孕んだ口調で凄む。
「決まっているだと?どういう事だ?」
だが、V.V.はそんな彼の態度を寧ろ楽しむかのように陰惨な笑みを浮かべ返すのみ。
一触即発の空気が周囲を漂った時、不意に後ろから、この疑問に対しては明確な返答が返って来た。
「ライゼルの名は帝国にとってある意味神聖なものなのだ。皇族と言えど名乗る事は許されん。
何れ他の者に紹介する時に、その名は邪魔になる」
「私を紹介するだと?」
思わぬ答えに先程の怒りを忘れて、驚きを隠し切れない表情を浮かべたライゼルが問い返す。
自分はV.V.と共に居て、ゼロの監視をするだけで良いと思っていたからだ。
682名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:49:24 ID:Y8gp1fw0
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683ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark :2008/09/16(火) 21:52:27 ID:5MqHZKrx
「表に出す事はせぬが、お前の存在はごく近しい者達には知らせる。息子としてな」
「止めろ。私に父親なぞ居らん」
「御主は先程、我らと肩を並べると言った。ならば我らは対等である。対等の者の命令を聞く気にはならん。
それとも、発言を取り消すというのか?」
さっさと立ち去ろうと踵を返した所で、続けざまに放たれた皇帝の言葉にライゼルは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
一度言った事を取り消すなど、自身のプライドが許さず、そうまで言われてしまっては最早どうする事も出来なかった。
「……好きにしろ。行くぞV.V.」
しかし、彼の最後の抵抗か、不愉快極まりないと言った口調でそう吐き捨てると、一人元来た道に向かって歩き出していった。
「彼には、ここのもう一つの使い方を教えないとね」
V.V.はそんな彼の後ろ姿を見つめて愉快そうに皇帝に告げた後、小走りで彼を追いかけて行く。
そんな二人を見ながら、皇帝は鋭さを帯びた瞳を作りながら思慮に耽る。
――兄さん、もう嘘は吐かないで下さいよ?
―――――――――――――――――
V.V.と共に薄暗い地下施設を案内されている途中、色々な説明を受けた。
この場所の事。ゼロの監視をどのように行うのか等々。
そこまで話すと、V.V.はふと思い出したかのように問い掛けた。
「ライは無茶をするよね。彼に対してあれだけ尊大な態度を取るなんてさ」
その名を呼ばれるのにはまだ不満があったが、最早どうにもならない事を理解していた彼は
敢えて触れる事をせずに答えた。
「……殺されるとでも?それならそれで私は構わん」
そう、ライは本当にそう思っていた。何故なら、元々彼は生きるつもりは無かったのだから。
しかし、隣を歩いている少年、V.V.と結んだ契約のせいで、自ら死ぬ事が出来ない。
V.V.の願いが母と妹の仇を討つ事に繋がるのであれば、今直ぐにでも神を殺して、
今度こそ永遠の眠り――死――を迎えたかったのだ。
彼にとって大切な2人が居ない世界など、その後どうなろうと知った事では無いのだから。
684名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:52:46 ID:Y8gp1fw0
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685ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark :2008/09/16(火) 21:55:03 ID:5MqHZKrx
そんな思いもあり、仇を取れない事に未練はあったが今の彼は殺してくれるのなら、寧ろ感謝してやろうとも思っていたのだ。
しかし、皇帝はライの不敬を咎める事さえしなかった。その事に対しては、中々懐の深い男だと評価していた。
そんな彼の言葉を聞いたV.V.が笑みを浮かべていると、視線の先に一人の少年の姿を認めて彼の袖を引っぱった。
が、その時になってV.V.は、彼が指輪をしている事に気付き少し疑問を感じ問い掛けようとした。
ライの事はV.V.も本を読み皇帝程では無いが多少の事は知っていた。
だが、その本の中で彼が結婚しているなど何処にも記載されていなかったからだ。
誰から貰ったのか分からない謎の指輪。ひょっとすると、彼が過ごした学園や騎士団の中でそういった相手が居たのかもしれない。
不味い事になる前に、外させるべきだろうかとも迷ったが、指輪の事を下手に追求して自分に嫌疑を抱かせるくらいなら、
聞くべき事では無いと判断したV.V.は、結局見て見ぬ振りをするとライと共に少年の元まで歩み寄った。
「ほら、彼に挨拶して」
「よろしく…お願いします」
その少年はV.V.に促されるがままライに挨拶したが、その仕草は何とも儀礼的で、
それだけでもライを不愉快にさせるのには十分だったが、何よりも彼を苛立たせたのは、
栗色の髪の間から覗く薄紫の瞳から発せられていたある種の人間が持つ薄暗い光のせいだった。
父親と異母兄二人を殺して即位した当時、王宮は権謀術数、卑しい貴族が未だ蔓延っており、彼はそれらを駆逐する為に徹底的な弾圧を行った。
結果、殆どの者は一族郎党粛正したが、まだ若かった彼は残党から報復を受ける事となった。
だが、そこは彼らも心得たもので、王には何も通じないと見るやその牙は王の母と妹に向けられる事となる。
その計画を知った彼は、間一髪といったところで防ぐ事が出来たが、その怒りは治まる事を知らず、関与したものを3日3晩責め抜いた末、
惨たらしく殺した。
今、ライの目の前に所在無さげに佇む少年は、その時、母と妹を狙った者の目にそっくりだったのだ。
――この眼……暗殺者か。
そう思いながら、ライは少年に問い掛ける。
686名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:55:31 ID:Y8gp1fw0
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687ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark :2008/09/16(火) 21:57:34 ID:5MqHZKrx
「名前は何と言う?」
「……有りません」
目の前に居る少年は、そうポツリと呟くと悲しそうに瞳を彷徨わせた。
「どういう事だ?」
彼はその答えに少々驚きながらもV.V.を睨みつけながら問うが、返って来たのは残酷な言葉だった。
「彼が名前を持つ必要なんて無いよ」
「貴様……」
「大体、名前なんて付けたところで、覚えるのが面倒なだけだよ」
「では、お前はこの者を何と呼んでいるのだ?」
呆れ果てたライは冷めた口調で尋ねたが、V.V.は特に気にした様子も無く、しれっとした様子で答える。
「別に?普段は番号で呼んでるけど?ああ、でも任務の時は味気ないからコードネームで呼んでるよ」
仮にも嚮団のトップであるV.V.。その者に、少年は普段名前で呼ばれる事さえ無いという。
名前はその人間の個を形作る大切な要素。名前で呼んで貰えるという事は、この世界に自分という存在が確かに居るという事を、
自分だけでは無く他人が認めてくれるという事。自身の存在証明の一つでもあるというのに、少年はそれさえも認められないというのだ。
だが、そこまで考えたライだったが、同時に――成る程な――とも思った。
任務の時は、番号では無く仮初めの名ではあるが与えられる。それは自分が唯一認められている時間。また呼ばれたい。
そう思うからこそ死に物狂いで遂行しようとする。
――結果、体のいい駒の出来上がりという訳か。しかし、それではこの任務には少々役不足だな。
そう思い、目の前の少年に視線を落とすと、先程見せた薄暗い光は消え、今度は捨てられた子犬のような瞳でV.V.を見つめていた。
その少年の視線に気付いたV.V.は面倒だと言わんばかりに溜息を吐いた後、
「兎に角、その子は君の部下に当てるから。嚮団から機情に派遣する駒としてね。君達二人でゼロを監視してもらうよ」
そう言うともう用は終わりと言わんばかりに踵を返すと振り返る事無く立ち去って行く。
688名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 21:58:09 ID:Y8gp1fw0
支援
689ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark :2008/09/16(火) 21:59:59 ID:5MqHZKrx
その後ろ姿を見た少年は、顔を伏せて肩を震わせていた。
だが、その仕草は逆にライを喜ばせるものとなった。
――悲しむ余裕があるか。まだ、完全に人形となった訳では無いようだな。ならば、私の好きなように作り替えてやろう。
心の中で歪んだ笑みを浮かべると、未だに顔を伏せている少年に対して顔を上げろと命じた。
その言葉にゆっくりと顔を上げる少年。そうしてライは少年に静かに語り掛ける。
「任務のとき、V.V.には何と呼ばれていた?」
その問いに対して、少年は言いかけたが直に何かを思い出したようで口籠ってしまった。
――成る程、任務以外では口にする事も禁止しているのか。徹底しているな。
そんな少年の様子から、そう解釈したライは少々感心した後丸みを帯びた口調で促した。
「ここに今V.V.は居ない。言え」
許しを得た少年は、V.V.の去った方向をチラリと見た後にたどたどしい口調で答えた。
「……ロロ」
「ロロか。……では、今日からお前の名前はロロだ。以降、そう名乗れ。私が許す」
それは少年にとって予想外の言葉だったようで、思わずえっ?と言った様子で瞳を見開いた。
が、直ぐに先程と同じく悲しげな表情を浮かべて呟く。
「でもV.V.は……」
「私に同じ言葉を二度言わせるな!」
そんな少年の態度に苛立ちを覚えたライは、有無を言わさぬ口調でそう断じた。
その声が薄暗い施設の中に木霊する。
それがやがて消えると、暫くして少年の独り言が聞こえてきた。
「ロロ……僕の名前……」
それを聞いたライは必死に何度も名前を復唱する少年、ロロから視線を逸らすと、
軽く溜息を吐いた後にV.V.が去った方向を見つめながら思う。
――全く、困ったものだ。人形のような者を弟役に据えるなど。このような事は、繊細に事を運ばねばならぬと言うのに。
そう、ただ報告するだけなら人形でも構わない。
だが、具(つぶさ)に監察する為には、周囲の人間と一定の折り合いを付ける事が必要だった。
690名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 22:00:37 ID:Y8gp1fw0
支援
691ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark :2008/09/16(火) 22:02:48 ID:5MqHZKrx
学園に溶け込ませなければ意味がない。その為には、やはり人形では駄目なのだ。
彼が欲しかったのは、目的の為ならばどのような手段も厭わない者。
そういう意味では、目の前の少年は正に打って付けだった。命じれば戸惑う事無く人を殺せるだろう。
だが、周囲の人間が取っ付き難い存在では駄目だった。表と裏を使い分けれる人材でなければならない。
その意味では、少年は不適格だった。後は、自分に忠誠を誓う存在。
それはギアスを掛ければ早い話だったが、それでは言われた事を淡々と行うだけになる。
笑えと言えば笑うだろうが、そこに感情の発露は望めない。益々人形に近づくだけだ。
だからこそライは少年に名前を与えた。それは少年が今一番欲しがっていながら、手に入れる事が出来なかったもの。
それを与える事で、ライは最も効率良く少年の心の中に己の存在を植え付けた。
後は適当に優しさを与えてそれを深く刻んでやればいい。それだけで、忠誠を誓うようになるだろう。
それに、V.V.から聞かされた少年の持つギアスは少々厄介な物だった。
不意にライの両眼が紅色に染まったかと思うと、嬉しそうに自分の名前を何度も呟いている少年に対して、静かに命じた。
「ロロ、私にギアスは使うな」
「分かりました」
紅い鳥が羽ばたき、一瞬ロロの瞳に紅い縁取りが浮かんで消えた。
これで、万一裏切られる事となっても自分にギアスを掛ける事は出来ない。
それに、ライはギアスを使えない場合のロロには驚異は感じていなかった。
ロロのギアスの特性か、殺し合う事などする必要が無かったのだろう。
片やライは自ら剣を手に取り、幾度となく自らの手で敵を斬り殺して来たのだ。
腕には覚えがある。負ける要素は微塵も無かった。
――これで準備は整った。
ライが密かにほくそ笑んでいると、
「あの……お願いが」
「何だ?」
その言葉に我に返ったライが見たのは、建物の影からゾロゾロと出てくる子供達の姿だった。
692名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 22:03:16 ID:Y8gp1fw0
支援
693ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark :2008/09/16(火) 22:04:11 ID:5MqHZKrx
どうやら先程の彼の声につられて集まって来たようだった。
そうして子供達は、ロロの周りに集まると、じっと何かを頼むかのような瞳でライを見つめた。
咄嗟に嫌な予感がした彼は立ち去ろうとしたが、それを引き留めるようにロロが願う。
「僕の弟と妹達です。どうか、その……」
最後まで聞かなくとも分かるその言葉の続きを予想したライは、
他にも子供が居る事を語らなかったV.V.を憎々しげに思いながら軽い目眩を覚えた。
――V.V.が嫌がった本当の理由が分かった。
694名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 22:05:17 ID:Y8gp1fw0
支援
695ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark :2008/09/16(火) 22:05:30 ID:5MqHZKrx
以上で投下終了です。
他の方と違いを出そうとする事に終始して、確実に迷走している気がします。

感想・批判・ご指摘など、何でもいいので頂けると嬉しいです。
最後に支援して下さって、ありがとうございました。
696名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 22:10:08 ID:FaNrXEG8
>>695
ライカレ厨卿、GJでした!
過去ライ、凄くカッコいいです
しかし、元のライに戻る日が来るのか大変気になるところですね
……このあと、全員分名前を考えたんでしょうかね
まぁ、それは次の投下でわかるんでしょう
と、いう訳で、貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
697名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 22:10:16 ID:Y8gp1fw0
>>695
GJです!まさかのロロ(とその兄弟達)篭絡フラグw
これは面白い。続きが実に楽しみになってまいりました。
次回のご投下を心からお待ちしてます!
698名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 22:16:37 ID:5MqHZKrx
>>696
有難うございます。戻る日はいつでしょうかね?鍵はオレン(ry
何でもないです。頑張ります。

>……このあと、全員分名前を考えたんでしょうかね
>まぁ、それは次の投下でわかるんでしょう

・・・え?

>>697
有難うございます。本編準拠するうえで、ロロはある意味鍵のような気がしてて
何とか丸め込めないかと考えた結果こうなりました。
やり過ぎ感がある気がしますが、何とか頑張ります。
699名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 22:51:04 ID:sCcRoJ+b
23:00に投下予定です
6スレほどですが、よろしいでしょうか?
700名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 22:53:43 ID:FaNrXEG8
支援します
701名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 22:56:50 ID:FG5UEY2T
支援しますよ
702ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk :2008/09/16(火) 23:01:09 ID:sCcRoJ+b
毎度ありがとうございます、ピザーライです
今日もSSをお持ちいたしました
今回もRegain Colorsの続きの第14話となります
それでは注意をよく読み、お召し上がりください

注意点
これはギアスルートを通ったライをR2に組み込んだお話です
色々と原作部分をカットする場合があります(基本ライ中心のため)
カップリングは未だに未定となっています(若干C.C.寄り)
703名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 23:01:48 ID:FG5UEY2T
おお!待ってました!
全力で支援します
704名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 23:02:39 ID:FaNrXEG8
ならば、私は全力で支援を控えます!
705名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 23:03:42 ID:gCmGJNsU
多すぎ防ぐためですね、わかります
706コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/09/16(火) 23:06:37 ID:sCcRoJ+b
第14話「すれ違い」

「星刻さん」
ライは作戦状況を斑鳩から見ながらゼロたちの到着を待った。
星刻によるクーデターを利用し、天子を奪う作戦。
今の自分たちにはこれが上策、割り切るつもりではいたが胸が痛んだ。
今はゼロの代行として斑鳩の指揮を取っている。
とはいえ予定通りにことが進んでいるため別段指示を行うこともなかった。
「藤堂機、千葉機、トラックを確認。着艦態勢に入ります」
(さて、このままうまくことが運ぶかどうか・・・・・)
ライの頭の中には星刻の顔が浮かんでいる。
彼なら、天子を大事に思っていた彼ならここに現れる。そんな予感がしていた。
そして、ナイトオブラウンズの参加も考えられる。
「扇さん、ここは任せます」
「あ、あぁ、でもどこに?」
「格納庫に、暁を用意してきます」
「だが、戦闘は早くでも1時間はないとゼロは言っていたが・・・・・」
そんな扇の言葉を無視してライはラクシャータに話しかける。
「暁のほうは?」
「大丈夫よ〜、輻射波動砲弾までとはいかないけど輻射波動なら出力は同じくらい出るわよ〜」
「分かりました」
そう言うとライはブリッジから出ていった。
707名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 23:07:12 ID:FG5UEY2T
支援
708コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/09/16(火) 23:09:00 ID:sCcRoJ+b
そして、やはりライの予想は的中した。
「やっぱり来たんですね、星刻さん」
ライは先に飛翔滑走翼を付けおいた暁に乗り込むとすぐに機体を起動させる。
蒼い暁と紅蓮が神虎へと向かっていく。
「っ!?カレン、君は補給がまだだ!僕が彼を抑えるから!」
『大丈夫!ライこそ新しく乗った機体でいきなり本番は辛いでしょ!』
「しかし!」
『いいから行くわよ!』
いつもと違うカレンにライは戸惑いながらも飛び出していく。
暁と紅蓮の廻転刃刀と呂号乙型特斬刀を受け止める神虎。
『紅月カレンと・・・・ライか!だが、この神虎ならば!』
神虎のスラッシュハーケンを暁は巧みに避けていく。
しかし、神虎もカレンの攻撃に当たることはなかった。
「よっしゃー!カレン!ライ!やっちまえー!」
そう言う玉城だが、藤堂は厳しい視線で戦っている2人を見ていた。
斬月の飛翔滑走翼が外されているため自分は援護に迎えない。
しかし、ライとカレンの2人なら任せられると思っていたが・・・・・・。
「どうしたというんだ」
上空で戦っている2人を見て藤堂はそう呟いていた。
709名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 23:10:08 ID:FG5UEY2T
支援
710名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 23:10:34 ID:gCmGJNsU
支援
711コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/09/16(火) 23:11:13 ID:sCcRoJ+b
連携がうまくいっていなかった。あれほど連携の良かった2人の動きが見えない。
ライもカレンもいつのもの動きとは程遠い。
「まずいな」
連携がうまくいかなければお互いの動きを妨げるものでしかなかった。
そして、それを星刻が見過ごすはずもなかった。
いつもの動きが出来ないことに耐えかねたカレンが神虎へと向かっていく。
そして、神虎を捉えた、その時だった。
紅蓮のエナジーフィラーが尽きてしまい、動きが止まってしまう。
「カレン!」
ライは神虎に向かおうとするが神虎は刃をスラッシュハーケンで捕らえられた紅蓮へと向ける。
朝比奈と千葉と共にカレンの救出をしようとするが、そんな3人を砲撃の雨が襲った。
「くそっ、時間を食いすぎたのか」
神虎を援護する砲撃をライは巧みに避け、神虎を追いかける。
「カレン!うわっ!?」
ライの暁へと砲撃が集中し、ライはシールドで防御するが吹き飛ばされる。
『ライ!』
「くそっ!カレン、助けるから!絶対に!」
『その通りだ!諦めるな、カレン!』
ライとルルーシュはカレンへと語りかけた。絶対に助けると・・・・・・。
712名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 23:11:44 ID:FG5UEY2T
支援
713コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/09/16(火) 23:15:30 ID:sCcRoJ+b
その後、星刻の戦略により黒の騎士団は撤退を余儀なくされてしまった。
天帝八十八陵に入り、篭城戦の形となった。
しかし、中華連邦はナイトオブラウンズに協力を仰ぎ、戦力差が大きなものへとなっていく。
インドからの援軍も見込めない状況だ。
このままでは全滅も時間の問題となってしまう。
『大宦官はここで私たちだけでなく星刻までここで抹殺する気だな』
「くそっ、こんなこと・・・・」
ライは操縦桿を握りながら正面の竜胆を睨みつける。
『大丈夫だ、ライ。ディートハルト、仕掛けの準備を』
『ここでですか?』
『全て揃った最高のステージじゃないか』
(この状況を打開する策・・・・・か。ディートハルトを使うとなると情報による策か)
ライはこの状況を打開するルルーシュの策を考える。
このまま戦えば戦力差では不利な状況だ。インドの援軍は望めない、ならばどこから?
セロは大宦官に通信を送り、大宦官との会話を始めた。
いつものゼロらしからぬ会話がそこにはあった。
そこでライはルルーシュが何をしようとしているのか理解した。
(なるほどだからディートハルトか・・・・・やっぱり君は凄いよ、ルルーシュ)
それならば自分がするべきことは・・・・・・・。
「守り抜くことだけだ」
714名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 23:17:22 ID:FG5UEY2T
支援
715コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/09/16(火) 23:20:18 ID:sCcRoJ+b
「はぁっ!」
ライは暁を駆り、爆撃機を次々と落としていく。
このまま天子ごと天帝八十八陵を潰す気なのだ。どこまでも腐った連中だ。
『ライ!こちらの航空戦力は私たちが抑える、君はラウンズの相手を!』
「了解です!」
ライはそう言うと星刻とトリスタンの元へと向かう。
「星刻さん!避けて!」
『っ!』
星刻は素早く神虎を滑らせると上空からライの乗る暁がトリスタンへと斬り掛かっていた。
『ライか!』
「今は僕たちが戦う理由はないはずです、相手すべきは・・・・・」
そう言ってライはトリスタンへと連続で斬り掛かる。
その動きを見ながらジノは嬉しそうに口の端を持ち上げる。
『お前、あの時のパイロットか・・・・・面白い』
「あの時の借り・・・・・返させてもらう!」
暁とトリスタンの戦いを見ながら星刻をライへと話しかけていた。
『何故助ける、ライ!』
「誰かを助けたい、守りたいという気持ちを僕は良く知っています!
 それに今の僕たちの最大の敵は大宦官のはず、違いますか?」
ライの言葉に星刻はフッと笑うと操縦桿を握り直した。
716名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 23:22:12 ID:FaNrXEG8
支援
717コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk :2008/09/16(火) 23:22:18 ID:sCcRoJ+b
『甘い考えだな、大宦官を倒れれば私はまたお前の敵となるぞ』
「大丈夫、そんなことにはなりませんよ」
そうやって答えるライの言葉に星刻は信じても良いような気がした。
『良いだろう。だが、私が黒の騎士団で味方と判断するのはお前だけだ』
「ありがとうございます」
『ならば味方としてお前に頼みたいことがある』
星刻の視線の先には洪古たちのガン・ルゥがモルドレットの攻撃で破壊されていた。
ガン・ルゥではあの機体にはダメージを与えられないようだ。
『私の仲間を助けてやってくれ、私はまだ大丈夫だ』
「・・・・・・分かりました」
ライはそう言うと攻撃を続けるモルドレットへと向かっていく。
「ナイトオブスリーの次はナイトオブシックスか・・・・面白い」
自然とライは戦闘に高揚しているのか口の端を持ち上げていた。
718名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 23:23:27 ID:FG5UEY2T
誤字かな?
星刻をライへと話しかけていた→星刻はライへと話しかけていた

支援
719名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 23:29:38 ID:FG5UEY2T
規制か?
720ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk :2008/09/16(火) 23:31:28 ID:sCcRoJ+b
以上です、いかがでしたでしょうか?
何だかちょっと駆け足になってしまったような気がします
もう少しカットは控えるべきかなと反省したり・・・・・・。

それに少しミスをしたところが・・・・。
>>713のセロは大宦官に通信を送り、大宦官との会話を始めた。
セロじゃなくてゼロです、申し訳ありません
>>715の暁とトリスタンの戦いを見ながら星刻をライへと話しかけていた。
を暁とトリスタンの戦いを見ながら星刻はライへと話しかけていた。
です、重ね重ね申し訳ありません

この頃、REGAIN COLORSばかりになっているような気がします
自分の短編やNAMELESS KNIGHTの続きは需要あるのだろうか?と疑問に思ったのですが、どうでしょうか?
それでは、また次の配達で!
721名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 23:34:38 ID:FG5UEY2T
ピザの配達人卿GJです!
ライを本編に組み込んだ話だというのに違和感ゼロなのは何故だ?
・・・それは、文才があるからだ!
いやぁ、まったくもって素晴らしい文才ですねぇ。
あまりに続きが楽しみなため何回もリロードしてしまいましたよw
卿の次回の投下を全力でお待ちしております!
722名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 23:39:34 ID:GYQpbOv3
GJ!
ええええええええ!?ここで終わり?気になる〜

リゲカラ(略してスマソ)のカプは希望できるなら私的にライC行ってくれればいいかも。
他のSS長編ではライカレが多いので、たまには他のヒロインにスポット当てた作品も見てみたいです(これは言っては失礼だったでしょうか?)

あと、これも我侭要望かも知れませんけど、配達人卿はもうちょっと話を長くしたほうがいいと思いました。
十二レスくらいに長くしても支援があるのでさるに当たることは無いと思いますよ。
お仕事忙しいのであれば…仕方がありませんが…
723名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/16(火) 23:42:15 ID:FaNrXEG8
ピザの配達人卿、GJでした! 今回も美味しくいただきました!
ひたすらGJを贈りたい
違和感がないのが素晴らしい
しかし、カレンはどうなるのか
原作どおりかはたまた……
貴公の次の配達を全力を挙げてお待ちしております!
724名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 11:46:21 ID:6E5DXiHN
ピザの配達人卿、GJでした!
725名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 15:09:26 ID:U69ISgnD
ピザさんぐっじょぶ〜
本編じゃしんくー敵だもんな〜。どうにかならんもんかな〜
この後の展開に期待して、お待ちしておりますよ〜
726名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 18:55:43 ID:lnCXpel9
19時に投下したいんですが、大丈夫ですか?
5レスなんですが支援は、必要ですか?
必要なら頼みたいです。
727名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 18:56:45 ID:b/KdqYF9
一応支援するっす
728名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 18:59:11 ID:b/KdqYF9
すまん急用が出来てしまった。支援の増援を要請します。
729黒猫にゃー子:2008/09/17(水) 19:00:13 ID:lnCXpel9
支援ありがとうございます。
この前の続きです。
タイトル:コードギアス 反乱のライ です

730名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:00:25 ID:JX9Nnxcx
支援するッス
731名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:01:30 ID:b/KdqYF9
支援
だ、誰か!頼む!
732名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:02:33 ID:lnCXpel9
第一話 狂戦士 誕生 の 日

「おい!起きろ!実験を始めるぞ!」
そう言って、軍服を着た男が、僕の身体を強く揺さぶった。
それにイラッとした僕は、躊躇なく、あの力を使った。
「僕に触れるな!」
その声を聞いた男は…
「ああ。わかった。…さっさと行くぞ」
ベッドから立ち上がり、素足のまま、実験室へ向かった。

そこには、白衣を着た人達と、その中央にバトレーがいた。バトレーは、僕にナイトメアの操縦や、色々な知識、情報を刷り込んだ男だ。
「おお、来たか。じゃあ、早速始めるぞ。今日は、これの最終調整だ。さぁ、乗るんだ。CODE-L」

…CODE-L。それが、ここでの僕の名前だ。
僕は、言われた通り、ジークフリートという機体に乗り込み、いくつものテストをこなした。
そうして、実験は終わり、部屋に戻された。

733名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:03:22 ID:JX9Nnxcx
支援
734名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:04:30 ID:lnCXpel9
あれから約一年たった。あのあと、助かった僕は、半年も寝ていたらしい。
というか、よく生きていられた。
それから、さらに半年。ここでずっと、実験をしていた。
これからどうなるんだ?僕は…。いろいろ考えているうちに、また深い眠りについた。

「おい!起きろ!最後のテストだ」
またか。…ん?最後?
「早くしろ」
「わかってる!」

男についていくと、今日は、いつもの実験室ではなく、外だった。
真っ青な空に、膨大に広がる砂漠。外の風が心地いい。
その先には、二機のジークフリートが待機している。
「今日で最後だ。全力をだしきって、戦うのだぞ」
後ろからバトレーの声が聞こえた。

ジークフリートのコックピットブロックの中。バトレーの映像が映し出される。
「馬鹿な真似はするなよ。不振な動きをみせれば、機体ごと爆破するぞ。わかったな?CODE-L」
「ああ」
そんなことだろうと思った。

735名無しさん@実況は実況板で:2008/09/17(水) 19:04:56 ID:5ek6nUqv
支援
736名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:05:13 ID:JX9Nnxcx
支援
737名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:05:24 ID:pHVI/SzF
支援
738名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:06:12 ID:lnCXpel9
おそらく相手は、ジェレミア・ゴットバルト。僕とは、違う実験室で、テストをしていたらしい。
そして、僕がここから脱走しない理由だ。
彼は、ギアスキャンセラーを持っている。ギアスの力を無効にする装置。そして、完全なる機械に改造された肉体。
まだ、未調整の部位があるらしい。

ジークフリートを起動させる。地面から離れ、空中に浮く。
相手のジークフリートも、戦闘体制に入る。
「よし。じゃあ、始めるぞ。戦闘開始!」
その言葉を発せられると、相手は突撃してきた。
だが、避けるのは容易なことだった。動きを読みさえすれば、当たらない。
すぐに、反撃に移る。大型スラッシュハーケンを、二つ射出する。
が、既になにもない、砂地をえぐる。
「そう簡単には落とさせてくれないか。…なら!」
機体を回転させながら、突進する。彼も同じ動きをしていた。
高速で接近するジークフリート。
739名無しさん@実況は実況板で:2008/09/17(水) 19:06:42 ID:5ek6nUqv
支援
740名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:08:05 ID:mu7yUVmc
支援
741名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:09:28 ID:lnCXpel9
高速で接近するジークフリート。
動きを止め、すべてのハーケンを打ち込んだ。
すこし、かすっただけだ。だが、当てる気はなかった!
ハーケンの紐の部分が絡まっていく、最大出力で相手の回転と、逆方向に回転する。
すると相手の回転は止まり、今度は、僕のジークフリートを中心に、回り始めた。
「うおぉ!!」
そのまま、地面に叩きつけた
ほぼ無傷のように、見えるが、まったく動かない。
たぶん、ブレイズルミナスと電磁装甲のおかげだろう。ただ、機体に伝わる衝撃は防げない。
機体の故障か何かか。

ーー戦闘終了の合図。
機体から降りると、大きな喜びの声が聞こえる。
「すごいぞ!これなら、皇帝陛下もお喜びになるはずだ!」
「ええ。やりましたね!バトレー将軍!」
「うむ。早速、本国へ送る準備にかかれ!」
バトレーの、その言葉で研究員は、ばたばたと慌て始めた。

742名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:09:46 ID:JX9Nnxcx
支援
743名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:11:04 ID:lnCXpel9
休む暇もなく、拘束着を着せられ、口を塞がれ、狭いケースのような物に、閉じ込められた。
何かに積み込まれている。

揺れが止まった。すぐに、運び出されているようだ。
そして、ケースが開く。
何時間も暗闇の中にいたせいか、光の眩しさで、瞼が上がらない。
やっと慣れてきたようで、周りを見渡すと、大きな建物の中だった。
正面に誰かが立っている。霞んだ目を、細めた。
……なッ!皇帝!?どうして皇帝が目の前に!?
皇帝は、僕をまじまじと見つめながら、口を開いた。
「ほう。こやつが、兄さんの言っていた、古より目覚めし王か」
バトレーが前に出る。
「皇帝陛下。すべての調整は終えています。いかがなさいますか?」
「こやつは、おいてゆけ。バトレーよ、お前は兄さんの所へ戻るのだ」
「はッ!イエス・ユア・マジャスティ!」

…本当に僕は、どうなってしまうんだ!?
744名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:11:42 ID:mu7yUVmc
支援!
745黒猫にゃー子:2008/09/17(水) 19:13:50 ID:lnCXpel9
投下おしまいです。
ダブった所がありました。
すみません。
他にもなにかあったらおしえてください。
746名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:14:47 ID:U69ISgnD
sienn
747名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:19:35 ID:U69ISgnD
にゃー子さんおつかれさまでした〜
一つの文章の中の情報量が薄いかな? と思うところがありました
もちろん多すぎてもよくないのでしょうけど、少し淡々としているかな、と
わたしも人のことを言えるような文章ではないので、良い文章が書けるようにがんばりましょうね〜
748名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:19:54 ID:lnCXpel9
すみません。
サブタイトル間違ってました……
第一話 狂戦士 誕生 の 日 前編

でした。
ホントにすみません…
749名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:22:00 ID:mu7yUVmc
黒猫にゃー子卿、GJでした!
実験体となったライ、この後の展開に大いに期待しております!
ここにいたる前の展開も後々詳しく出てくると期待しておりますよ
貴方の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
750名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:27:17 ID:lnCXpel9
ありがとうございます。
次からはちょっと書き方を変えたいと思います。
751名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:33:55 ID:1pKFEKZM
40分くらいから7レス程度で投下します。
お暇でしたら、ちょっとだけ支援をお願いいたします。
752名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:39:12 ID:JX9Nnxcx
支援します
753名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:40:33 ID:U69ISgnD
支援しましょ
754マト ◆Dmf7s6g6us :2008/09/17(水) 19:41:15 ID:1pKFEKZM
支援ありがとうございます。

古い話で恐縮ですが、4スレ目の「円卓の騎士」の続きです。
・BRからR21話までの空白の一年の間の話になります。
・特派ルートで特区の惨劇を回避できなかった場合となります。
・本編に描かれてないのをいいことにオリジナル展開です。

・一話分の分量が短いため、三話分一気に投下します。
・投下終了宣言まで、これを含めずに8レスとなります。
755桜の庭 1/2:2008/09/17(水) 19:42:21 ID:1pKFEKZM
   「桜の庭」


 ナナリーと二人、ライが車椅子を押しながら散歩をしたことがある。いつもはルルーシュか咲世子が
傍にいたが、彼らのどちらも外出中で一人ぽつんと寂しそうにしていたナナリーにライは思わず声を
かけていた。
 ナナリーを見ていると、ライの心の中には不思議な温かさが灯った。どこか懐かしいような、
それでいて寂しい感情が溢れる。

 目が見えなくてもナナリーはこの学園のことをよく知っていた。涼しい木陰、小鳥が巣をかけている木、
猫の集会所。
 最初は兄であるルルーシュと一緒にしか外に出られなかったナナリーも少しずつ安全な道や場所を覚え
て、今や学園内ならば自由に行動できるのだと言う。彼女に配慮するようにアッシュフォード側も設備を
整えていた。至る所につけられた緩やかなスロープや広く取った道幅は車椅子でも不自由なく移動できる。
756名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:42:53 ID:U69ISgnD
ま っ て ま し た 〜
757桜の庭 2/2:2008/09/17(水) 19:43:10 ID:1pKFEKZM
 ナナリーは裏庭の木の一本に手を耳を当ててその存在を確かめるようにしていた。
「これはサクラだね。何か聞こえる?」
「はい。木の中を通る水の音がします。ライさんも聞いてみますか?」
 ナナリーと同じようにライも木の幹に耳を当てた。ごぅっと微かな音がする。動くことも啼くことも
しない木々が確かに生きている音だ。
「春になると、ここも満開になるんです。一面、薄いピンク色になって、とても綺麗なんだそうです」
 ナナリーはそっと幹を撫でていた。ライは桜の樹を見上げた。今は葉を落として枝だけになった木に
花が咲く様子は知識として知っていても、なかなか想像できない。少なくとも彼の記憶の中にはなかった。
「見てみたいな」
「では、来年は一緒にお花見をしましょう。お兄様や生徒会のみなさんも一緒に!
 きっと、とても素敵です」
 ぽつりと漏らしたライの呟きにナナリーはぱっと笑顔を咲かせて答えた。
「約束?」
「はい! 約束です」

 後ほど記憶を取り戻したライはナナリーに対する感情がどこから来たものが知った。自分の愚かな過ち
で失くしてしまった大切な妹の影を彼女に重ねていたのだ。
 だから、今度こそ守りたいと思った。ナナリーを、この学園のみんなを、この場所をすべて。


「スザク、返答次第では僕は――」
 スザクはゆっくりと振り返ったが、その表情は灯りの影になってよく見えない。
758名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:43:48 ID:U69ISgnD
しえん
759透明な檻 1/3:2008/09/17(水) 19:44:18 ID:1pKFEKZM
   「透明な檻」


――ふうん、きみは面白いね。でも今はちょっと邪魔かな。ね、シャルル?



「なんだ、辛気臭い顔をして。腹でも痛いのか? 今日は私の奢りだ。気にせずに飲め!」
「ノネットさん、だから僕は未成年ですって、何回言えば……」
 陽気なノネットとは対照的にライは小声でぼそぼそと反論した。先ほどから周囲の視線を痛いほど
感じている。
 それはそうだろうとも思う。ナイトオブナイン――本人は地味で目立たないなどと言うが――皇帝直属
のラウンズと訳の分からない若造が一緒に飲んでいるのだ。高級士官御用達のバーらしく、さすがに不躾
にじろじろ見る輩は居ないが、さりげなくこちらを伺う様子が分かる。
(それにこの色、やっぱり目立つな)
 ジノ・ヴァインベルグとの模擬戦の後、私服に着替える間もなくノネットに拉致されたため、ライは
旧特派の制服のままだった。通常のブリタニア軍の制服は青を基調にしているが、特派はカーキだ。
キャメロットと名称を変えた後でも何故かそのまま引き継がれた。ナイトメアに予算を注ぎ込む余り、
備品などが後回しになりがちなのは変わらないらしい。
「本当の年齢はよく分からないとロイド伯爵に聞いたぞ?」
 ノネットがマティーニのオリーブを齧りながら指摘すると、ライは黙って目の前のグラスに手を付けた。
彼の過去の記憶は未だに戻らない。しかし、自分の居場所を見つけた今はそれでもいいと思い始めていた。
曖昧な過去は時折、不明瞭な夢となってライを苦しめたが、その回数も本国に来てからは減っている。
いや、本国に来てからあの夢は見ない。
過去に囚われずに現状を見ることできるようになったことを喜ぶべきことなのかもしれないが、ライは
どこかそのことに引っかかりを覚えていた。
760名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:44:49 ID:U69ISgnD
しえーんー
761透明な檻 2/3:2008/09/17(水) 19:45:36 ID:1pKFEKZM
 ふと気付くとノネットがライを覗き込んでいた。
「すみません、ぼうっとして」
 謝るライにノネットは静かに首を振り、そっと彼の頭を撫でた。
「お前も枢木も自分の中に仕舞い込んでしまうからな。性分だから仕方ないのかも知れないが、本当は
 少し……。いや、なんでもない。気にしないでくれ」
 言葉を濁して笑って見せたノネットの横顔は、ライには少しだけ寂しそうに見えた。
 ゼロの起こした行動の余波がこの人にも影響を与えたのかもしれない。第二皇女コーネリアはエリア
11総督の地位を返上した後、行方知れずになっている。妹姫の仇を討つためだと実しやかに噂されて
いるが、そのことについてノネットは何も言わない。

「私はしばらく留守にするが、その間はよろしく頼むぞ」
 ノネットはカードで支払いを終えるとそう言って、店の外で待っていたライの肩を叩いた。明後日から
再び戦地なのだと言う。ラウンズは本当に忙しい身だ。そんな中、自分のために時間を割いてくれたのに
上の空だったことをライは申し訳なく感じた。
「はい」
「うん。いい返事だ」
 ノネットは鷹揚に頷き、軽くライを抱き寄せた。この人の前ではまったく子供扱いだ。ライは少し悔し
く思ったが、大人しくされるがままになった。
「だが、くれぐれも無茶はするなよ」
「貴女こそ」
 小さく囁かれた言葉に同じように返す。
762名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:45:58 ID:U69ISgnD
しえn
763透明な檻 3/3:2008/09/17(水) 19:46:31 ID:1pKFEKZM
 キャメロットの研究開発室からほど近くに用意された自室に帰ったライは、うまく眠れずに寝返りを繰
り返していた。慣れないアルコールのせいだろうか。冷えたミネラルウォーターを冷蔵庫から取り出し、
一口飲むとかえって目が冴えてしまった。
 こうなってはベッドに潜っても朝まで同じだろう。かと言ってロイドに渡された資料を読む気にもなれ
ず、エリア11から持ってきていた読みかけのペーパーバックを開いた。ブラックリベリオン前に発売
された本でルルーシュから借りたままになっているものだ。栞代わりにその辺の葉書やメモを挟む込む癖
があるライは時々、妙なものに出くわして驚くことがある。

 その本から落ちたのは薄紅色の花だった。
「折り紙?」
 エリア11式のペーパークラフトの花だった。見覚えのないはずの桜。見なくなった夢。
 不意にライは自分が何か大切なものを失ってしまったことを悟った。
764名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:46:53 ID:U69ISgnD
しえん継続中
765独裁者の城 1/2:2008/09/17(水) 19:47:40 ID:1pKFEKZM
   「独裁者の城」

「休職、ですか?」
 軍本部に呼び出されていたロイドが不機嫌そうに伝えたのはライに対する短い辞令だった。
「そんな……! どうして、突然」
 セシルの疑問ももっともだ。次世代ナイトメアフレームの開発は急ピッチで進められている。
キャメロットの抱える枢木専用機の新武装に加え、そのランスロットをモデルにした量産型の調整には
プログラムシミュレーションによる期待値だけでなく、実動データが必要になる。枢木スザクが簡単に
動かせない立場となった今、テストパイロットの存在は貴重だった。
「だって、先週のメディカルチェックにも何も問題なかったはずじゃないですか! それを急に」
 セシルに目を向けられてライは頷いた。定期健診では異常はなかった。
「はいはぁ〜い。そう言う訳で、君は今日はもう帰っていいよ。アッシュフォード家に話はつけておいた
 から、エリア11に戻るってことで。僕たちも今日はもう、おーしーまーいー!」
 ロイドはセシルの言葉が聞こえなかったように手を叩くと、大袈裟に業務の終了を宣言した。

「ロ・イ・ド・さ・ん?」
 ライを追い出し、怒れるセシルの言をロイドはいつもの軽薄な笑みで受け流した。次いで、彼は眼鏡の
ブリッジを押し上げて向き直ると、優秀な秘書官を手招きしてマシンルームへと向かった。
 空調の効いたマシン室は他の部屋よりもひんやりとしている。セシルは肌寒く感じるほどの気温に腕を
擦りながら示されたデスクチェアに腰かけた。ロイドは途中の自動販売機で買ったコーヒーを二つ、
デスクの上に乗せる。
766独裁者の城 2/2:2008/09/17(水) 19:48:31 ID:1pKFEKZM
「何があったんですか?」
「僕だって知らないよぉ〜。上の言うことなんか無視したいところだけど、強制除隊なんかチラつかされ
 たらねぇ」
 なんだかIDのことまで探りも入れられちゃたし。付け加えられた一言にセシルは血の気が引いた。
ライのIDは半ば違法のやり方で作られたものである。アスプルンド家と第二皇子の名を出せば追及される
ことはないはずだが、あえてそこを突いてくるとは。
「一体、誰がそんなことを……」
「さあねぇ〜? まあ、そんなことはどうでもいいんだけど、僕から大事なデヴァイサーを二人も
 奪うってのは、許せないんだよねぇ」
 ロイドは冗談めかして、ずずっと紙コップのコーヒーを啜った。セシルもつられたように一口飲み
こんだ。安っぽい香りが広がる。
「僕も手ぶらで帰るのは癪だったし、貰うもんは貰ってきたけどね。んふふふ」
 一転して不気味な含み笑いを漏らしたロイドは紙コップを空にしてくしゃっと潰した。
「さてと、セシル君」
「はい、なんでしょうか」
 珍しいロイドの真面目な声色にセシルは思わず背筋を伸ばした。
「偶には正攻法ってのも必要だよねぇ? しばらく書類仕事が続くけどよろしくね」
「Yes, My Lord」
 滅多に使用しない返答でセシルは晴れやかに敬礼した。
767名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:49:48 ID:U69ISgnD
しえんーー
768マト ◆Dmf7s6g6us :2008/09/17(水) 19:50:38 ID:1pKFEKZM
以上で今回の投下は終了です。
人の少ない時間帯に支援ありがとうございました。

感想などありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
駄目なら駄目とはっきり言って欲しいでござるよ……。
769名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 19:54:29 ID:U69ISgnD
マトさんおつかれさまでした〜
いえね、後発の書き手としては目標のお一人なんですよ。ホントに
わたしはやたら長い文章になってしまうので、コンパクトにまとめられるとこなんか、習いたいくらいです

さて、わたしも投下準備に入りますね。15分たってからの20:10よりでいきま〜す
770名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:02:59 ID:1pKFEKZM
支援します
771名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:06:00 ID:mu7yUVmc
>>768
マト卿、GJでした!
ライはナナリーに対する記憶を書き換えられたんでしょうか
まぁ、後で明らかになるんでしょうが
なんかラストのロイドさんがカッコいいですねぇ
貴方が次に投下するのを全力で楽しみにしています!

>>769
支援します
772BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y :2008/09/17(水) 20:11:05 ID:U69ISgnD
こんばんは。スランプ気味で書いて書いて書くものの、まるでうまくいかない青い人です
今回“も”思いつき短編です
【本日の前書き】
・あとがき込みで10レスです
・メインはシュナイゼル
・オリジナル…、オリジナル…だよねぇ?
・ライ、哀れ。スザク、もっと哀れ
・あとがき劇場はV.V.欠勤につき、マリアンヌ様ご登場
773名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:11:23 ID:mu7yUVmc
支援
774名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:11:29 ID:1pKFEKZM
支援
7751/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y :2008/09/17(水) 20:13:05 ID:U69ISgnD
【覚醒 の 白き 戦乙女 〜あるいはデヴァイサーと呼ばれた男たちの慟哭〜】

月は人の心を惑わせる。
昔からよく聞く話だ。
いつか誰かが言っていた。
──月が赤く輝く夜は、この空の下でよからぬことを考えているヤツがいるものだ──
よからぬことなのか、そうでないのかはともかくとして、この赤く輝く月の下で帝国宰相たるシュナイゼル・エル・ブリタニアは、その執務室にて深く思索にふけっていた。
「閣下、一息つかれてはいかがですか?」
副官にして政務補佐官たるカノンの声にシュナイゼルの思考はようやく現世に帰還を果たす。
「おや? もうこんな時間だったのかい」
時計の針はすでに深夜を示している。窓からのぞく月もその身を天高く掲げている。悪い癖だと彼は笑った。
「やはり自分自身面白いと思える仕事には没入してしまうね。時間など忘れてしまうよ」
手渡されたコーヒーの香りを楽しみ、ふーっと息を吐いて彼は語り、喉を潤した。
「確かに興味深い試みだと思いますわ」
シュナイゼルのデスクに広げられた計画書を目で追い、カノンもつぶやく。
「この計画が軌道に乗れば、世界のカタチが変わります。この地上から戦争はなくなる…。いえ・・・」
──戦争という概念そのものが消失する……
ゴクリと喉を鳴らすカノン。
『我ながら陳腐な表現だこと……』
だが、そのような形容以上に的を射た表現が見つからない。ということは、
『わたし自身、陳腐な人間であるということなのでしょうね』
などとも思うカノンだ。
「すでに技研からは実戦投入も可能だと報告があがっていますわ。ただ…」
「ただ?」
カノンに似つかわしくない不明瞭な言葉にシュナイゼルは思わず聞き返した。
「検証作業に従事する部隊、それにパイロット…アスプルンド伯爵風に申し上げれば、デヴァイサーがおりません」
776名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:13:21 ID:mu7yUVmc
師匠
7772/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y :2008/09/17(水) 20:15:01 ID:U69ISgnD
さもありなん、とシュナイゼルは一人嘆息した。
「なかなか軍部から賛同は得られないだろうね。そもそも彼らの存在意義を脅かすような計画なのだから」
えぇ、とカノンは頷く。
「すでに陸・海軍の戦略戦術研究所をはじめ、戦技教導部隊に軍務省の技術研究本部まで、ほとんどの関係部署から総スカンをいただいております」
「我ながら人望がないね」
とんでもない! とカノンは言う。
「閣下が後押しされるプロジェクトだからこそ、いまだに潰されずにすんでおりますのよ?」
カノンは陸軍省、海軍省、それらを統括する軍務省に統帥本部の軍官僚がいかに石頭で堅物で、評価に耐えない無能者たちで、そんな者共を相手しなくてはならないシュナイゼルが不幸なのかを勢いよく並べ立てる。
そんなカノンを苦笑しながらなだめるシュナイゼルだが、
「でも、当てはあるんだろう?」
そう、いたずらっ子のような視線をカノンに向けるのだ。
「もちろんですわ」
連ねる悪口雑言をおさめ、カノンは自身満々に答えた。
「閣下もご存知の人材を用意しておりますわ。運用には何の問題もないかと」
一冊の資料をデスクに置くカノン。その資料に記載された人物の顔、名前。それはシュナイゼルが見知った名前と顔。
彼が予想した通りの人物だった。
「やはり彼に行き着いたんだね」
「やはり彼に行き着きましたわ」
二人の視線を受ける人物の写真。
くすんだ銀髪の青年がカメラの向こう側に緊張した面持ちを向けていた。
「では、彼に託すとしよう。新しい世界の誕生を、ね」
「戦いのない平和な世界を、ですね」
カノンはその言葉の中にそっと『シュナイゼル閣下の管理・運営する』と付け加え、言った。
二人がプロジェクトを託す人物。彼の名を「ライ」と言う。
彼は今、北アフリカの地にあった…。
778名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:15:14 ID:1pKFEKZM
支援
779名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:16:45 ID:bcCJ43ld
支援
780名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:16:54 ID:mu7yUVmc
支援
7813/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y :2008/09/17(水) 20:17:00 ID:U69ISgnD



一ヵ月後。北アフリカ──エル・アラメイン戦線。
60有余年を数える過去に、この地で大きな戦いがあったという。
砂塵吹きすさぶ荒野はどれほどの血を吸ったのか? 
答えるものがいようはずもない。そして、今また大地は戦場と化していた。

「ぜ、前衛部隊の総てが音信途絶! 呼び出しにもまったく応答しません!!」
「全滅…なのか? 我がEU最強の精鋭ナイトメア部隊一個師団が三十分を待たずに全滅だと?!」
──バケモノか……
陸戦艇の指揮座につく将軍はその座席からずり落ちかけていた。
悪夢だ…。正に悪夢。死神に魅入られたとしか思えないこの戦場。
そう、死神だ。ブリタニアの死神が襲いくるのだ!
「どうにかせねばならぬ! 何としてもここで! ここを抜かれればブリタニアに本土への道が開かれるのだぞ!!」
逃げ出したい思いは、ある。正直言って怖い。当たり前だ。誰だって命は惜しい。
だが、逃げる事などできない。彼は軍人であり、彼の後ろには丸裸の祖国が、本土があるのだから。
脳裏によぎるのはブリタニアに降り、その占領政策によって悲惨を極める他国の人々の姿……。断じてならない。祖国を人民をそのような境遇に陥らせる事など!
「右翼にまわったナイトメア部隊を呼び戻せ! なんとしてもヤツを抑えるぞ!」
オペレーターに指示を出しつつ、彼もまた覚悟を決める。
「予備部隊も総て出す。総力を挙げてブリタニアの白い死神を拘束しろ! ヤツをこの地に封じ込めるのだ!」
そう、必ずしも撃墜する必要はなかった。拘束するだけでいいのだ。
戦闘に次ぐ戦闘で死神──ランスロットのエナジーは更なる長時間の戦闘継続には耐えまい。
『ならば…ヤツがエネルギー切れを起こすまでこの戦場に封じ込めるまで……』
それは悲壮な覚悟だった。
兵士たちの…部下の命そのものを弾丸とする、失うことを前提とした作戦。それは彼にとって、
『将帥としては無能の極み…っ!』
食いしばる唇の端から彼の無念が赤い色をなして零れ落ちる。それを彼の参謀たちは、部下たちは見逃さない。
「閣下……!」
782名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:17:16 ID:1pKFEKZM
支援
783名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:18:46 ID:bcCJ43ld
支援
7844/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y :2008/09/17(水) 20:19:01 ID:U69ISgnD
彼らに向かい、将軍は答える。
「諸君、私たちは軍人としては無能・暗愚の極みだ。だが、それでもこの胸に宿る、戦人の意地をブリタニアの死神にみせてやろうではないか」
「閣下!」「司令官殿!」「将軍!」彼の言葉に敬礼を繰り返す男たち。その中に若い青年将校がいた。
「閣下! わたしもお供させてください!」
若い。まだ三十歳そこそこか。彼の名を将軍は記憶の中から探り出した。
確か士官大学校を出たばかりの俊英の呼び声も高い男だ。かつての日本、エリア11に留学の経験もあったという。
「ならん」
有史以来、星の数ほども繰り返されてきた拒絶の言葉を彼もまた口にした。
「なぜですか!」
くいさがる若い士官。だが、彼ははっとした。
『あの、いつも厳しい将軍閣下が笑っていらっしゃる?!』
将軍は彼に語りかけた。
「なぁ、きみ。死ぬのは我ら年寄りだけでいい。我々は君たち若い世代に大きな借金を残していくことになる…」
かつてない柔和な笑みを浮かべ、将軍は若者に託すべき言葉を捜していた。そのように思えた。
「しかし、この戦いによって祖国が、本土が救われるのならば我々の犠牲には意味が残る。軍人としての体面は保たれる」
つまらない面子ではあるがね。そういって彼は笑った。
「そして、それを後世に伝えるのは君たちの役目だ。君たち若者が死んでしまってはどうするのだね?」
「閣下………」
老人は若者に道を委ねるのだ。そうして彼に退艦を促した時!
「来ます! ナイトメア一機! 識別信号はランスロットタイプです、ブリタニアの死神ですっ!!!」
オペレーターの悲鳴にも似た報告が陸戦艇のブリッジに響き渡った。
「もう、肉眼で視認できる距離まで近付かれているぞ! 策敵班は何をしていたかっ!」
再び指揮座に座りなおし、将軍は指示を出し始めた。いざとなればこの陸戦艇を体当たりさせてやるつもりであった。
「君、どうやら生き延び損ねたな」
青年もまた微笑んだ。
「閣下と一緒ならば、寂しくはないでしょう」
いい返事だ! ともう一度笑い──それはとても哀しげな笑顔であったが──将軍は軍人としての責任を果たす顔へと戻った。
785名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:19:07 ID:mu7yUVmc
支援!
786名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:20:20 ID:1pKFEKZM
ごめん。席外す。支援
7875/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y :2008/09/17(水) 20:22:02 ID:U69ISgnD
「全戦力をもってヤツを迎え撃つ! 我らの後ろには剥き出しのEU本土が、祖国がある! 総員、命を惜しむことなかれ!」
おうっ! とブリッジに男たちの声が響く。
そして、彼らの気迫を掻き消すかのように警告音が響いた。
オペレーターがそれを確認する。
「前方に敵機! ランスロットです……って違う? あ、ランスロット・クラブでした……、いや違う、げ……あれ? え? 違うよね? えぇ? なにコレ? うそーん」
オペレーターの素っ頓狂で不明瞭で不正確で不真面目なその報告に将軍は怒った。
「報告は明瞭にせんかっ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
返事は返ってこない。
その時、ブリッジ内のスピーカーから音楽が流れてきた・・・。

《《《 だ い す き 、 ハ〜○ィ〜〜〜》》》

そのあまりにも可愛らしい少女の甘々な声に、セカイがその動きを止めた………。



痛車(いたしゃ)というものがある。
それは漫画・アニメやゲームなどに関連するキャラクターやメーカーのロゴをかたどったステッカーを貼り付けたり、塗装を行った車、あるいはそのような改造を指す。
そのネーミングは、ニ次元キャラクターを描いた車で走り回る「痛い車」という自嘲とデザインのアクが強い事で有名なイタリア車を示す「イタ車」(いたしゃ)にかけたものであった。
EUエルアラメイン方面軍の人々の眼前にせまる“ブリタニアの死神”が、正に“ソレ”だった。
白いボディ、青いアクセント、背部のフロートユニット。それは、彼らEUに多大な損害を加えてきたランスロット・コンクエスターの兄弟機、ランスロット・クラブの姿そのものだ。
ただ、それらの意匠をどこか遠い、時空さえ超越した遥か彼方、限界の向こう側、果てしない宇宙の深遠へと追いやるほどのモノがその機体を彩っていた。
それは、実に模範的な<<少女>>であった。
788名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:22:10 ID:mu7yUVmc
ならば私の全力をもって支援
7896/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y :2008/09/17(水) 20:26:51 ID:U69ISgnD
模範的な少女──未来を感じさせるスタイリッシュなその身体は成熟と未発達の狭間を感じさせ、手にしたマイクはこの甘い歌声の主であることを彼らに悟らせるのだった。
「あ、あれは…っ!!」
声をあげる青年将校に将軍が振り返る。
「知っておるのか、きみ!」
青年は額の汗を拭うこともせず、「あ、あぁ……」とどこぞの雷電のように答えた。
「あれは、かつての日本──エリア11が生み、育て、世界に誇る一大産業までになった………」
ゴクリ。誰かの喉が鳴った。それだけのことであるのに、ブリッジどころか戦場全域にまで響くかのような大きな音に聞こえた。
「あれこそいわゆる一つの[自在装甲戦“痛”機]、世界に名だたる、THE・MOE!!! 今は亡き日本の、最 高 の 文 化 !!!」
「な、な、なんだってぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっっっ!!!」
「機体の前面から下半身、脚部にいたるまでを覆い尽くすかのように描かれた愛らしい少女の姿、あの抜群のプロポーション、魅惑のショートカット! あれはまさしくアイマス、それも星○美希、それもあの覚醒verだあぁぁぁッッッ!!!」
「ジーザス。なんてこった、奴らは正気じゃない」
「いかれてる。なんて扇情的なイラストなんだ。何かが奥深いところからこみ上がってきそうだ…」
将軍が、参謀たちが口々に動揺を口の端に乗せる。青年も自分自身動揺を隠せないものの、必死の形相で説明を続けた。
「かつて、日本で隆盛を誇ったMOE! それらはまさに最高の存在! 決して日本だけのムーブメントではなかったのです」
ブリタニアで、EUで、中華連邦で…、それらのムーブメントは確かに社会を侵食していた。それはわかる。だが、それがなぜ戦場にあるのだ!
「一説によれば、ブリタニアの日本侵攻はサクラダイトの確保ではなく、MOEムーブメントを手中に収めんがための軍事行動であったとの分析があります。イスラエルのモサドは一時それを証明するに足る証拠を入手したとか…」
まさか……力なくつぶやく参謀に青年は頭を振った。
「そんな話、唐突に言われても認めたくはありませんね。わかります。」
急に冷静さを取り戻した青年。だが、彼らの目は眼前の痛車、もとい痛ランスロットに釘付けのまま、だ。
ギュウインっと音をたて、彼はターンを決めるとビシっとモニター上の痛ランスロットを指差した。ビシっと。
790名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:27:16 ID:mu7yUVmc
支援
7917/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y :2008/09/17(水) 20:32:35 ID:U69ISgnD
「あの機体に描かれたアイマス、それは我らヨーロッピアン・ゲーマーにとって、まさしく涙の象徴」
その時、彼が涙を流していたことに始めて気が付いた男たちであった。いそいそとハンカチを渡す将軍。青年はビーーーッと鼻をかんだ。
「曰く、頼むナ○コ、こっちでも販売してくれ! 曰く、時々思うんだよ、俺、日本人だったらなって。曰く、だまされるな!どうせ日本でしか出やしない!」
彼は息継ぎなしで言い切った。
「そうした男たちの羨望と諦観と絶望の涙にまみれた…、アイマスッ! まさか、この地でその姿を目にすることがあろうなんてっ!!」
それも箱○版、それも○井美希のペイント…。
結局、我がドイツでは発売されなかったんですよねー、箱○版。青年は肩を落とし、涙で襟元をびしょびしょにした。
うんうんと参謀たちも口々に不満を上げ始めるのだ。
「つーかさ、何と言ってもギャルゲーは日本製なんだよな」
「スポーツや車ゲーは負けてないよ。むしろこっちに限るけどさ。でもギャルゲーは無理だって。発想力からしてウチらじゃ対抗できねーよなー」
「向こうのゲームやろうとしたら、本体からして日本verのシステムそろえなきゃいけないじゃん? 金がいくらあっても足りねぇての」
どうどう。青年はそれら参謀たちをひとまずなだめすかして落ち着かせる。
「見てください、あの機体」
ランスロット・クラブ・痛は悠然とそこにあった。
その機体に描かれた星井美○は大胆不敵な笑顔で彼らを見下ろしている。
その瞳に見つめられると、彼らはどうにかなってしまうのだ。
「かなわない、な」
将軍がポツリとつぶやいた。
「我らEU最強を誇る機甲部隊が破れるのですか……」
「戦う意志を奪うためのMOE、やる気を失わせる兵器としてのHENTAIか。畜生、ブリタニアの悪魔どもめ!」
「勝てるはずがない………。第一あんなのを相手に真面目に戦争しろとでも?」
あー、わかるわかる。書いてる本人すらどうにかなりそうだもん。
「まして、あれは星○美希・覚醒ver。そう、あれこそ・・・──覚醒 の 白き 歌姫──」
そこは茶髪の歌姫ってするべきじゃん? だってそれって語呂が悪いじゃん? つーか、タイトルの方は戦乙女ってなってるじゃん? 外野でごちゃごちゃ言ってる連中を尻目に将軍は嘆息した。
792名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:32:56 ID:mu7yUVmc
支援!
7938/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y :2008/09/17(水) 20:34:00 ID:U69ISgnD
──時代が変わったようだな──
ランスロット・クラブ・痛は銃弾の一発を放つでなく、ただそこにある。
その機体に描かれた少女の姿が、戦域総てをカバーする甘い歌声が彼の戦意を根こそぎ奪っていた。
──この機体こそ、歴史を変える──
MOEが戦場を覆い尽くし、HENTAIが兵士から戦う意志を奪う未来を彼は確かに見た。
「THE・MOE、最高の文化か」
自分が口にした言葉を発した将軍に、青年は振り向いた。
「閣下?」
「君は言ったな。MOEこそが最高の文化だと。至高の存在だと」
至高とまでは言ってねーんだけどなー。と思いつつも、青年は「はい、そうです」と答えた。
「ならば我々の敗北は歴史の必然だったのだろう……」
将軍は静かにそうつぶやいた。
なぜなら・・・、
「最強ごときが最高にかなうわけがないのだからな」
青年は将軍を蹴り飛ばし、座席から突き落とした。
「オチがいきなりクローズネタかよっ!!!」



その日、エジプト北部に位置する地中海に面した港湾都市。アレクサンドリア西方106kmに位置するこの地をかけたブリタニア帝国とEU軍の戦いは終結をみた。
多くの命を吸い取った荒野を舞台とした戦いのあっけない幕切れ。それはブリタニアの新たなる恐ろしさを世界に知らしめることとなり、
「しくしくしくしくしく………」
一人の青年騎士の心に尋常でない傷を残したのであった。


794名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:34:14 ID:mu7yUVmc
支援
7959/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y :2008/09/17(水) 20:36:45 ID:U69ISgnD
シュナイゼルは報告書を精読していた。
五度目である。
天才であるところのシュナイゼルは同じ書類を二度三度と精読することはまずない。
その彼が何度も読み直す。それは尋常でない熱意を感じさせるものであった。
彼のおそらくは心からの満足気な笑みにカノンはホっとした面持ちでいた。
「閣下ご考案のMOE・ATTACKは予想以上の効果を示しておりますわ」
エルアラメイン以来、MOE・ATTACK──戦痛機による敵軍の戦意喪失を企図した視覚・聴覚刺激による無血攻撃戦術は驚きの戦果をあげていた。
「戦わずして勝つ。かつてどんな英雄もなしえなかった新戦術の誕生。おめでとうございます、閣下」
ありがとう。そう答え、シュナイゼルは満足気に頷く。
「今回の成果を受けて、この新戦術を主にして運用するチームを立ち上げることになってね」
カノンもそれは初耳だった。
「それはおめでとうございます! よく皇帝陛下がお認めになられましたね?」
「あぁ、陛下にはちょっとした献上品をね。快く認可いただけたよ。ライマーなんとかと言ったかな? それなりに貴重なCDやらグッズやら、色々とね」
それも初耳だった。皇帝陛下がライマーユニ? 寵姫の誰かにでもプレゼントするのだろうか? 皇帝自身がそれを欲するとは想像もしないカノンだった。
「それで、その専任チームとは?」
あぁ、とシュナイゼルは真剣な面持ちに戻る。
「新たにラウンズとなった枢木スザク卿を部隊長として専属スタッフを編成することになったよ。陛下としてもお気に入りの彼に新部隊の司令を任せたいとおっしゃってね」
「ではライ卿は?」
カノンのもっともな質問に、少し沈痛な面持ちで彼は答える。
「わたしとしても彼には継続して参加してもらいたいところだったんだが、彼には外れてもらうことになったんだ」
一人の愚将は二人の名将に勝る。シュナイゼルはそんな名言を引き出して、ライの新戦術運用チーム脱退を説明した。
「残念がるでしょうね、ライ卿」
「本当に残念なことだ、わたしもね」

後日、新戦術運用評価部隊「チームM.O.E」隊長となった枢木スザクはその部隊着任にあたって絶句し、慟哭したという。
それは、もっぱら友人であるライ卿の部隊離脱を嘆いてとのことであるが、歴史はそれが事実かどうかの実証をしてはいない……。
796名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:36:54 ID:mu7yUVmc
支援!
79710/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y :2008/09/17(水) 20:38:41 ID:U69ISgnD
【ぎあすあとがき劇場 マリアンヌ様がみてる】

投下終了と同時にわたしの横でマリアンヌ様がつぶやいた。
「ねぇねぇ、あおちゃん」
──なんですかぁ? と聞き返すわたし。
「あおちゃんって箱○ユーザーでしょ」
まってました! とばかりにわたしは頷いた。
──そうなんですよ。ばっりばりの箱○ユーザーなんですっ!
最初はエースコンバット6だけが目当てだったんですけどねーとつぶやくわたしにマリアンヌ様の目がきらめいた。
「じゃあデッドライジングは?」
──持ってますよぅ
「じゃあじゃあライオットアクトは?」
──持ってますともさ!
「じゃあじゃあじゃあ、BFBCとシャドウランとBULLYにオーバーロードッ!!」
──イエス、ユアハイネスッ!!!
わたしたちはガシっと友情の拳をかわした。
──今回のお話って、元はといえば、修理から帰ってきたわたしの箱○で兄が遊んでいたのが思いつきの始まりなんですよ
「というと?」
──兄がわたしの箱○でAC6やってたんですけどね、わたしのゲイツポイント(MSのネット内通貨)で勝手にアイマスの戦痛機ダウンロードして遊んでたんです
「あちゃー。兄ちゃま、やっちゃったのね?」
──やっちゃったんです。悔しいのでそれをネタにしたというわけです
もちろんゲイツポイントは倍返しで返してもらいましたけどー。そういうわたしに「倍返しは基本よねー」とマリアンヌ様は笑った。さすが庶民派はちがう。
ゲーマー二人、話はいつまでたっても尽きない。こうして夜更けまでゲーム談義は続いていくのでした。

──マリマンヌ様、もう夜ですけど、旦那さんは放っておいてもいいんですか?
「いーの、いーの。飯さえ作っておけば死にゃあしないってwww」
さすが庶民派は違ったwww
798名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:39:15 ID:mu7yUVmc
支援
799名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:41:59 ID:U69ISgnD
以上でした
すいません。なんか色々とホントにすいません
疲れているんだろうな、わたし
ほとんど一気に書き上げたので、色々矛盾とか誤字があるかもしれませんが、そこはまぁ…
察 し て く だ さ い 

ちなみにこの話のあと、ライとスザクは仲が悪くなったとか、ならなかったとか、あじゃうじゃ…
800名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:45:47 ID:mu7yUVmc
BLUEDESTINY先生、GJが……したいです

という訳でBLUEDESTINY卿、GJでした!
フハハハハハハ……笑いました
痛KMFとは、何処からそんな発想が、と思ったらそんな所からw
ランスロット・クラブ・痛、のネーミングセンスw
読み方はツー、でいいんですよね、たぶん
まぁそんな機体なら戦う気も失せますねw
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
801保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/09/17(水) 20:51:41 ID:bcCJ43ld
お願い&確認しておきたいこと

>>黒猫にゃー子卿 前回からの続き物とのことですが、
0024-0629 を
メインイトル コードギアス 反乱のライ
サブタイトル 終わりと始まりの予兆
にして宜しいでしょうか?

>>マト卿 755から766までのものは一つに纏めますか?それとも分けますか?

>>BLUEDESTINY卿 20日の改装の際にお知らせを投下する予定ですが、その時に
貴方の作品を使わせて頂いて宜しいでしょうか?
あと、3点リーダの件はどうしましょうか?修正は直ぐに済みます。
802名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 20:54:38 ID:U69ISgnD
>>801
ぜんぜん問題ありませんよ〜
むしろ拙作を使っていただいて感謝を〜
…は、一つ一つ修正してもらうのもお手数ですし、そのままでかまわないかなぁと
今後書くものに関しては気をつけていきますということで
803名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 21:06:13 ID:eG2qKcq1
あ、戻った。

>>801
3話分なので分けてくださると嬉しいです。
名前欄を各タイトルごとに分けてますので、それを目安にしてください。
お手数をおかけいたします。

>>799
GJ!腹抱えて笑いました。
こwwwwれwwwwwはwwww
確実にやる気なくすwww
シュナイゼルもフレイヤなんかじゃなくて、コレ開発してれば世界平和は確定だったのにww
804保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/09/17(水) 21:06:45 ID:bcCJ43ld
>>802 ……実を言うと、あの提言の直後にマクロを組んで、過去の全作品を修正したのでしたw
拒否されるわけではなさそうでしたので置き換えちゃいました。領地からご確認ください。
805名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 21:15:06 ID:U69ISgnD
さすがに仕事が速いwww
絶対保管のギアスは伊達じゃありませんね〜
ご苦労さまでした&ありがとうございました〜!
806名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 21:31:15 ID:vSHwmrHP
21:45に投下します。本文だけで8レス分あります。
807名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 21:33:37 ID:FtdFKkxe
支援します
808余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/17(水) 21:45:44 ID:vSHwmrHP
ありがとうございます、そろそろ投下します。
リーライナものですが、妙な方向に行ってしまいました。

作者:余暇
タイトル:自称・緑茶の精、現る
カップリング:ライ×リーライナ

(設定及び注意)
・特派編スザクEND後
・ファンタジーもの?
・リーライナの性格は想像です。
・リーライナは、ちょっとした能力を持っています。

本文は8レス分です。
809名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 21:46:22 ID:FtdFKkxe
しえん
810余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/17(水) 21:47:54 ID:vSHwmrHP
            『自称・緑茶の精、現る』

食料品店で買い物をしていると、何やら見慣れないものを見つけた。
「何これ、えーと、緑茶って書いてあるな。」
「おや、ライ様。お買い物ですか?」
そこへ、咲世子さんがやってきた。
「あ、咲世子さん。こんにちは。」
「こんにちは。まあ、それは緑茶ではありませんか。」
「咲世子さん、緑茶って何ですか?」
どうやら彼女は緑茶を知っているようだ。
「緑茶とは、エリア11、日本に古くからある飲み物です。特区日本が成立したことで、租界でも出回るようになったのですね。」
「へえ、そうなんですか。これ、おいしいんですか?」
「はい。多少の苦味はございますが、おいしいですよ。健康にも良いと聞きますし。」
そうなのか、一度試してみるか。
「咲世子さん、緑茶の淹れ方を教えてもらえますか。少し興味が出てきました。」
「ええ、喜んで。」
その後、僕は咲世子さんに簡単な淹れ方を教えてもらい、緑茶を買った。
811名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 21:48:36 ID:FtdFKkxe
シエン
812余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/17(水) 21:51:04 ID:vSHwmrHP
学園のクラブハウスにある自室に戻った僕は、早速緑茶を飲むことにした。
「えーと、急須に茶葉を入れて。お湯を注ぐ、と。」
緑茶と一緒に買ってきた急須と呼ばれる道具に茶葉を入れ、お湯を注いだ。
「少しずついい匂いがしてきたな。そろそろかな。」
僕は湯のみに緑茶を注いだ。緑色の液体が湯気を立てている、なかなかおいしそうだ。僕は一口飲んでみた。
「ふむ、少し苦いな。でも結構おいしい。」
これは咲世子さんの言ったとおり、甘い和菓子と合うかもしれない。今度探してみよう。しかし、本当においしい。
「はあ、『緑茶うめぇ』、なんちゃって。」
思わず口をついて出た言葉。ところがこの言葉に、急須が反応して光り出した。
「えっ!?な、何だ?」
急須の口から白い湯気がたくさん立ちこめ、僕の視界を遮った。
そして視界が晴れると、僕は信じられないものを見た。
「う、うそ……。」
僕が座っていた向かい側のソファの上に、一人の女性が横たわっていた。長いストレートの金髪にコウモリの形をした髪留め。
胸元の大きく開いた、かなり大胆な紫色の服。いや、服というよりパイロットスーツに似た素材でできている衣装だ。
どうやら彼女は眠っているらしく、静かに寝息を立てていた。
813名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 21:52:26 ID:FtdFKkxe
なんでやねんw支援
814余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/17(水) 21:54:09 ID:vSHwmrHP
「誰だよこの人。ていうか、どこから出てきたんだ。確か急須の中から……。」
僕は急須の中を見たが、変わった様子はない。いや、とにかく彼女を起こさないと。事情を聞かなくては。
「すいません、起きてもらえますか。」
僕は彼女を揺すった。
「うーん……。」
すると、彼女はゆっくりと目を開けた。じっとこちらを見ている。
「良かった、気がついた。大丈夫ですか?」
「ここは、どこですか?」
「僕の部屋ですよ。あなたは誰ですか、一体どこから……。」
僕は、彼女が急須と湯のみを見つめていることに気がついた。彼女はそれらを見た後、僕の顔を見つめる。
そんなに真剣に見られると、恥ずかしいのだが。
「それ、緑茶ですよね。もしかして、あなたが飲んでいたんですか?
『緑茶うめぇ』とか言いませんでした?」
「えっ、確かに緑茶ですけど。それに、『緑茶うめぇ』と言いましたけど、どうしてそれを…ぶっ!?」
突然、彼女に抱きしめられた。胸の柔らかい感触に顔をはさまれ、オーバーヒートしそうになる。僕はあわてて彼女から離れた。
「良かったー。こんないい男に召喚されるなんて、私もついてるわね。」
「い、いきなり何するんですか!それに召喚って何のこと?」
彼女はニコッと笑い、こう言った。
「申し遅れました。私はリーライナ・ヴェルガモン、『緑茶の精』をやってます。
これからよろしくお願いします、ご主人様♪」
僕の頭は思考を停止した。『緑茶の精』って何だ、そして僕が彼女のご主人様?突拍子すぎて思考が追い付かない。
815名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 21:54:57 ID:mu7yUVmc
支援
816名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 21:56:08 ID:bcCJ43ld
ワロスw 支援
817余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/17(水) 21:57:06 ID:vSHwmrHP
「とりあえず説明して下さい、『緑茶の精』って何ですか?」
僕が質問すると、リーライナさんは笑って答えた。
「読んで字の如くです。緑茶が好きな妖精の仲間、外見は人間ですけど。」
「妖精なんてこの世界にいるんですか?でも今も急に現れたし……。
そうだ、この急須の中から湯気が出てきて、それが晴れたらあなたがいたんだっけ。」
「そうです、ご主人様が呪文を唱えたから。」
呪文だって?僕がそれを唱えたと言うのか?
「『緑茶うめぇ』、それが緑茶の精を呼ぶ呪文なんです。でも誰でも呼び出せるわけではなくて、
十万人に一人の確率でしかないんです。そしてその十万人に一人が、あなたというわけです。」
「は、はあ。」
まさか冗談のつもりで言った言葉が、そんな非現実的な呪文だったとは。しかも確率低いな。
「でもあなたはどうして、緑茶の精なんですか?その服も見たところ、ナイトメアのパイロットスーツと同じ素材ですよね。
もしかして、ナイトメアに乗れるとか。」
すると彼女は、目を見開いた。
「わあ、よくわかりましたね。そうです、普段は私、ブリタニア軍でナイトメアに乗っているんです。
今日も訓練があったんですけど、それが終わった直後にご主人様に呼ばれたんです。」
「そ、そうですか。何だか悪いタイミングで呼び出したみたいですね。」
別に呼び出したくて、あんなことを言ったわけではないのだが。
818名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 21:57:26 ID:mu7yUVmc
支援!
819名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 21:59:31 ID:FtdFKkxe
もし入浴中だったら・・・
支援
820余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/17(水) 22:00:47 ID:vSHwmrHP
「ところで、ご主人様のお名前は何ですか?」
リーライナさんが尋ねてきた。しかし、その呼び方はどうにかならないのか。
「えーと、ライと言います。ところで、ご主人様と呼ぶのはやめ…」
「ええっ!?もしかして、『特派のダブルエース』のライさんですか?」
突然彼女が叫んだ。よく名前だけで、僕が特派にいるとわかったな。
「軍の女性達の間で大人気ですよ、『特派にものすごい美形がいる』って。」
「美形?この僕がですか?まさか、僕はそんなにいい男ではないですよ。」
「その謙虚な所が、また人気なんですよ。私、本当に運がいいなあ。」
リーライナさんが顔を赤らめ、うっとりしている。やはりあの薄着だから、風邪をひいたのだろうか。
「あの、上に何か着た方がいいですよ。風邪をひきますから。」
「あ、ご心配なく。ところで、何かして欲しいことってありますか?
あまり大したことはできませんけど、せっかく呼んで下さったので。」
なるほど、おとぎ話で言うところのランプの精と同じか。しかし、して欲しいことと言っても何もないぞ。とりあえず……。
「えーと、そのご主人様と呼ぶのはやめて欲しいんですけど。何だか恥ずかしくて。」
「えっ、ダメですか?じゃあ、『あなた』がいいですか、それとも『ダーリン』がいいですか?」
僕は頭を抱えた。それはそこへ行きつく過程を省き過ぎだ。
「じゃあ、ライさん……。」
いつの間にか隣に来ていた彼女が、僕の耳元で囁いた。彼女の吐息が耳にかかり、僕は耳まで真っ赤になった。
「うふふ、真っ赤になっちゃってかわいい。じゃあ、『ライさん』って呼ぶことにしますね。
ライさんも、私のこと呼び捨てにして下さいね。丁寧口調も禁止。これからもお願いしますね。」
「は、はあ。」
彼女が差し出してきた手を、僕は思わず握っていた。早くも彼女のペースに乗せられている気がする。
821名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 22:00:59 ID:hXtt1uQR
>>819
破廉恥な! 支援
822名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 22:03:09 ID:FtdFKkxe
>>821
いや、男なら頭によぎったはずだ!
書いたわしはドスケベだけどw
支援
823余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/17(水) 22:06:13 ID:vSHwmrHP
「あ、これおいしい。」
その後、僕たちは緑茶を飲みつつ、リーライナさんが持っていた芋ようかんを食べていた。
彼女から聞いて驚いたのだが、彼女はナイトオブテン、ルキアーノ・ブラッドリー卿が率いるヴァルキリエ隊に所属しているらしい。
ラウンズに仕えているというのも驚きだが、彼女のパイロットスーツを見ていると、ブラッドリー卿の趣味も疑いたくなった。
「それにしても和菓子って、本当に緑茶に合うな。」
「そうですか、良かった。」
彼女と過ごすティータイムも悪くなかったが、一つ気がかりなことがあった。
「ところでリーライナさん。」
「もう、呼び捨てにしてって言ったじゃないですか。そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに。」
「いや、やっぱり初対面だし。それより、どこか泊まる所はあるんですか?まあ妖精なら、移動も簡単にできるでしょうけど。」
すると彼女は、困ったような顔をした。
「それがそうでもないんですよ。ある程度緑茶を飲んで力をためないと、瞬間移動なんて大技はできないんです。
さっき芋ようかんを出した時にも力を使ったから、また補充しないといけませんね。」
何だか不便だな、それ。お腹がいっぱいになったら大変じゃないか。

十分後。
「よし、補充完了。それでは、そろそろ本国に戻りますね。ルキアーノ様がうるさいから。」
「あ、はい。それじゃ、お元気で。」
「はい。また伺いますね、ご主人様♪」
そう言うと、彼女は瞬く間に消えていった。
「ご主人様、か。不思議な人だったな。でも本当に、また来るのだろうか。
まあ僕に関わっても面白くないし、多分もう来ないだろう。」
一時の夢のようなものだった、僕は自分にそう言い聞かせていた。
明日からまた、いつもの日常が始まる。この時点ではそう考えていた、だが現実はそうではなかった。
824名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 22:06:24 ID:bcCJ43ld
支援
>>822 そんな素晴らしいものは全力で投下するべきだと思うのですよ。
825名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 22:06:57 ID:mu7yUVmc
>>822
ぶり○りざえもんが入浴中に呼び出されたことを思い出した
支援
826余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/17(水) 22:09:24 ID:vSHwmrHP
翌朝。僕がベッドの中で目を覚ますと、隣に柔らかい感触を感じた。目をこすりつつ、よく見ると……。
「うわあっ!?リ、リーライナさん?」
「ふふっ。おはようございます、ライさん。」
何故か、素肌にワイシャツだけを羽織った姿のリーライナさんがいた。正直、直視できない。
「そんなに驚くことないじゃないですか。私は緑茶の精、いつだってライさんのそばに駆けつけることができるんですよ。
それに、ライさんは私のご主人様。ご主人様を温めてあげれば、喜ぶかなーって。」
喜ぶも何も、驚きのあまり心臓が止まるかと思った。それにまさか、本当に来るなんて。
すると彼女は、僕にぴったりと体を寄せてきた。彼女の体温が伝わってきて、かなり恥ずかしい。
「そんなに緊張しなくてもいいですよ、だんだん慣れますから。こちらから突然お邪魔することもあるので、
心の準備はしておいた方がいいですよ。」
何て一方的な。僕が呼ばなくても来るなんて、どんな妖精だ。
「それでは、これで失礼しますね。一応、向こうでの生活もありますから。」
そう言うと、彼女は消えていった。何だったんだ、一体。僕は顔を洗うためにベッドから抜け出したが、
台所のテーブルの上に何かが置いてあるのに気づき、それに目をやった。
「これは、朝食じゃないか。書き置きもあるな、なになに……。」
『味は保証します、しっかり食べて頑張ってくださいね。リーライナより。』
書き置きを読むと、僕は何だか嬉しいような申し訳ないような、不思議な気分になった。
「へえ、彼女が。悪いことしたな、今度お礼を言おう。もちろん、緑茶もご馳走しなくちゃ。」
僕の目の前に現れた、不思議な妖精。その人は僕を振り回すようでいて、僕のことを考えてくれる心の温かい女性だった。
827名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 22:09:46 ID:mu7yUVmc
支援
828余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/17(水) 22:12:30 ID:vSHwmrHP
おまけ
ここはブリタニア本国の政庁。私はライさんの所から戻った後、すぐに登庁した。
するとそこへ、後輩のマリーカがやってきた。
「おはよう、マリーカ。」
「おはようございます、先輩。ところで、昨日訓練が終わった後どこへ行ったんですか?
いつの間にかいなくなったので、驚きましたよ。」
まあ、そうだろう。私だって急に呼ばれて少しあわてたから。
「ちょっとね、素敵な殿方の所へ。」
それを聞くと、マリーカは目を輝かせた。
「ええっ、先輩恋人がいるんですか?いいなあ、どんな人ですか?」
「うーん、まだ恋人ではないわ。それに、今はご主人様と妖精の間柄だし。」
マリーカは首を傾げた。
「ご主人様と妖精?ご主人様とメイドなら理解できますけど、妖精ってどういうことですか?」
私はいたずらっぽく笑って言った。
「そのままよ、妖精が人間に恋するような、メルヘンチックな関係。今の所はね。」
噂に聞いていただけで、ぼんやりした憧れでしかなかった彼。でも実際に会って、はっきりした憧れに変わった。
正直に言うと一目ぼれ。彼に呼ばれた偶然を、単なる偶然にしたくなかった。

(これから、もっと私に夢中にさせてあげますよ、ご主人様。)
829名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 22:13:04 ID:mu7yUVmc
支援!
830余暇 ◆kkvclxzIds :2008/09/17(水) 22:17:09 ID:vSHwmrHP
以上です、支援ありがとうございました。
とんでもない方向へ行ってしまった。予想外でした。

入浴中だったら……。それは考えていなかった。
また書くと思うので、参考にします。

次に投下する時は、ユフィものにします。一つ書きかけがあるので。
831名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 22:24:13 ID:mu7yUVmc
余暇卿、GJでした!
呼び出される緑茶の精
クレ○んのぶり○りざえもんを思い出した私は異端なのかもしれない
妖精……リーライナって一体……
とりあえず芋ようかん出すって凄いよね
貴方の次の投下を待っています!

……ユフィもいいけど卜部もね、期待してます
832名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 22:25:11 ID:FtdFKkxe
乙でした。
洒落で言ったのですが、採用された嬉しいなw
ジャスミン茶やプーアル茶など別の茶の精だしても良さそうですし
こういった話も好きなのでシリーズ化希望!
833名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 22:46:51 ID:7hD92/xt
GJ
芋ようかんか…食べたら巨大化かな
834名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 23:39:09 ID:5XwDEgbD
余暇卿GJでした。
その発想はなかったわってレベルじゃねぇぞってくらいGJ!
45分より投下してよろしいでしょうか?
835名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 23:45:07 ID:mu7yUVmc
どーぞ、支援します
836快風:2008/09/17(水) 23:46:42 ID:5XwDEgbD
では投下します。
8レスほどです
837名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 23:47:07 ID:mu7yUVmc
支援
838邂逅:2008/09/17(水) 23:47:56 ID:5XwDEgbD
膠着状態になっていたEUとの戦争。
停戦が破られイタリア州軍の戦線が押し返されそうになっていた。
その状況を打破すべく、シュナイゼル皇子の下抗戦にでる。
そして、殿下の騎士たる僕も前線へと向かうのだった。
そこで僕は、自らの残した罪を見る事となることをまだ知らない。
839名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 23:48:35 ID:mu7yUVmc
支援!
840邂逅:2008/09/17(水) 23:49:29 ID:5XwDEgbD
「ナナリー皇女殿下、御目通りの許可を頂き感謝します。
 シュナイゼル殿下が騎士、ライ・アスプリウスです」

久しぶりに見たナナリーは、本物で、確かに彼女は皇女なのだと感じる。

「ライさん!?ライさんなのですか?」

彼女からすれば特区の事件で僕が負傷した事は聞いているはずだ。
さぞや心配をかけてしまっていたのだろう。

「ご無事だったのですね。心配しました。あの時、ライさんが負傷したと聞いて。
 今は、シュナイゼル兄様の騎士になられたと聞きましたが・・・」

やはり泣かせてしまったようだ。こんな姿をルルーシュに見られたら殺されてしまう。
行方不明と聞いたが、ナナリーにとってさぞや心細いことだろう。
841名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 23:49:44 ID:mu7yUVmc
支援
842邂逅:2008/09/17(水) 23:51:18 ID:5XwDEgbD
「うん、とても良くしていただいてるよ」

そう、身元が定かで無いような僕を取り立てていただいた方なのだから。

「戦場でも活躍なさってるとか・・・、余り無茶な事はしないでくださいね」

確かに功績は着実に、シュナイゼル殿下の名に恥じないようにしているが、
心配をかけてしまう。彼女は失うことを恐れているのだろう。
そんなナナリーの手をとり、やさしく握る。

「大丈夫だよナナリー。僕は必ず生きて帰るから。
 君に折り紙を教える約束をしただろう?だから、必ず帰るさ」

「ライさん・・・。はい、約束ですよ?」

小指を差し出しながら僕に確認をとるかのように約束を口にする。
僕も小指を差し出し、絡める。

「約束する。嘘にはしないよ。指きりげんまんってね」

日本、エリア11に伝わる約束のおまじないをする。
そう、ナナリーに嘘はつかない。だから・・・。
843名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 23:51:48 ID:mu7yUVmc
支援!
844邂逅:2008/09/17(水) 23:53:01 ID:5XwDEgbD
EU戦線の前線に着き、戦況を現地司令官に聞く。
指揮系統をシュナイゼル殿下に移し、早速確認する。

「ふむ、小高い丘を盾にされてしまってるのか。定石どおりの配置のようだね。」

確かに定石どおり、だがそれだけに手堅い。

「だが、わざわざそれに付き合う必要は無いね。」

通常通りに向かうだけでは損害は大きくなってしまう。
遠征軍にとっては危険度が上がってしまう。

「運んできたフロートユニットをとり付けた部隊でかく乱及び撃破といこうか。
 ナイトオブセブンは既に単独行動に打って出ている様だし、作戦を伝えてくれ。」

「イエス・ユアハイネス!」

武官が復唱しそれぞれが指示どおりに動く。
殿下がこちらを向き、

「さて、ライ、君には・・・・・・」

845名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 23:53:14 ID:mu7yUVmc
支援
846邂逅:2008/09/17(水) 23:55:35 ID:5XwDEgbD
「お前がシュナイゼル殿下の騎士か、なんだ随分とガキじゃねぇか。
 俺の足をひっぱるんじゃねぇぞ」

ナイトオブテン、ルキアーノ・ブラッドリー卿だ。
ブリタニアの吸血鬼の異名をとる男。

「ん?ほぉ〜、これはこれは、ガキ呼ばわり失礼した。まさか同類様と会えるとはな」

同類?何の事だ。僕の疑問を感じたのか、ブラッドリー卿は、

「俺と同じ人間にとっての大事なものを奪うのが大好きな野郎だろ?」

「大事なもの?」

「そう、お前の大事なものはなんだ?そう、命だ!
 日常では罪となるが、戦場では英雄となる。堂々と奪うことができる。
 お前は俺と同じだ。大勢の命を奪ってきたんだろう?」

その言葉が呪詛となって僕を絡みつく。そう、僕は沢山の死山血河を築いてきた。

「何嫌悪してんだ。奪う事はブリタニアの国是だ、かの狂王もやったことだろう?
 まぁ、お互い楽しもうぜ?」

そう言って、格納庫へと向かっていくブラッドリー卿。
彼の言う事に何も反論できなかった。
そう、全ては僕から始まったこの連鎖。
彼のような人間を生んだ元凶。
そんな事を考えてしまっていた。
847名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 23:56:29 ID:mu7yUVmc
支援!
848邂逅:2008/09/17(水) 23:58:43 ID:5XwDEgbD
そうこうしていると、補給に戻ったスザクがこちらにやってくる。

「ライ?こんなところで何ぼんやりしてるんだい?早く搭乗しないと・・・」

そうだ、彼も、日本人たちもこの国是の被害者・・・。
僕は、なんて罪深い事を・・・。
表情が暗くなったのを察したのか、

「ライ、君が何に落ち込んでいるのか、僕には少しわかる気がする。
 君は罪を犯して、それに殉じようとしているね?」

スザクがまるで心でも読んだかのようにピンポイントでついてくる。
そんな僕の考えを読んだのか、

「ああ、僕もそうだったから。でも、君は違う。やりなおす事はできないかもしれない。
 けど、変えていく事は出来るはずだ。嘘をついたのなら、貫くしか無い。
 少なくとも、僕は君の味方のつもりだよ」

スザクが手を差し伸べる。そう、いつも彼には救われる。
世界に色を失くしてしまったときも。
きっかけはいつもスザクが与えてくれるのだ。
849名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/17(水) 23:58:59 ID:mu7yUVmc
支援
850邂逅:2008/09/18(木) 00:00:59 ID:2VMfyF6j
しっかりしろ!ナナリーとも約束したじゃないか。帰るって。
沈んでいた心が浮かんでくる。
スザクに礼を言い、クラブに搭乗する。
ランスロット・クラブ・アサルト
新装備、試作型ハドロンブラスター、強化方ブレイズルミナスを装着したクラブだ。
今回はこれのデータ回収も役目として入っている。
例え、それが僕の罪だとしても立ち止ってしまってはいけない。
それこそが、僕が奪ってしまった者たちへの冒涜だ。
背負い、そして、生きていくことが贖いとなるのなら、僕は・・・。

「ライ・アスプリウス、ランスロット・クラブ・アサルト、発艦!!」

誘導に従い、発艦。
今はもう迷わない。そう誓ったのだ。
851名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 00:01:34 ID:mu7yUVmc
支援!
852邂逅:2008/09/18(木) 00:02:27 ID:5XwDEgbD
第7世代型KMFパーシヴァルを駆り、ルキアーノは歓喜の雄叫びを上げていた。
いつものように戦場で相手の大事なもの、命を奪い、その感触を楽しむ。
だが、今回の戦場はそれだけでは無い。
―ライ・アスプリウス―
その存在による戦いに魅入られていた。
いけ好かないナイトオブセブンとの行動に腹立たしく思いつつ、命に従いながら来た。
そして、シュナイゼルの騎士もともに前線での行動となり、更に面倒に感じた。
会って見れば、普通の子供にしか見えない、それが第一印象だった。
だが、すぐに感じ取った同類の匂い。多くの命を奪った存在。
もしかしたら自分以上に奪っているのか、こんな20に満たない子供が。
そして、興味を持った。
実際に戦場で、彼は効率的に味方を指揮し、自分もまた先頭に立って、敵を倒す。
その手腕、行動、そして倒し方。
どれをとっても見事だと言わざるを得ない。

「新しいおもちゃが見つかったぜ。俺を失望させるなよ?ライ」

新しい獲物を見つけたとばかりに見つめ、自らも新たな敵を確認する。
この日のルキアーノは通常の3割り増しの武勲を上げる事となった。

853名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 00:03:19 ID:ic/LZ8Id
支援
854邂逅:2008/09/18(木) 00:04:32 ID:2VMfyF6j
ハドロンブラスターをVARISに接続、スコープを通して、ロック。発射。
多くのパンツァーフンメルを巻き込み消滅させる。
すぐさま別の部隊がやってきて、弾幕を放ってくるが、フロートで急上昇する。
そのまま取り外した可変式VARISの狙撃モードにて、上空より狙い撃つ。
1機、2機、3機と連続して破壊。
そのまま、サザーランド・エア。サザーランドにフロートユニットを装着したものに、
指示し、散開させ、次々と地上部隊の援護に回す。

「・・・これもまた、僕の罪だろう。だが、もう止まらない。
 犠牲になってきた人のためにも、スザクや殿下のためにも。
 何よりも、自分のために!」

青き騎士は次なる戦場へと向かう。
その姿は、どこまでも美しく、そして一片の慈悲も無い攻撃だった。
この戦いを機に彼はEU軍にて、”青き死神”と呼ばれる。
奇しくもスザクの”白き死神”と同じ異名で・・・。
855名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 00:04:45 ID:lVj6bt31
支援
856名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 00:06:03 ID:mg7oomFz
支援
857邂逅:2008/09/18(木) 00:06:21 ID:2VMfyF6j
投下終了です。
スザクとの会話は少々言葉足らずかなぁと思いつつ、長くなってもダラダラと
なってしまう。難しいです。
テンさん登場。自分はテンさんは結構好きです。でもヴァルキリエ隊はもっと好きです(えw
今回はテンさん、同類を見つける。スザク、諭す。ナナリー、ヒロインを目指す(え?ww
の三本でお送りしました。
次回もお楽しみに〜。
ま〜た見〜て、ぎ〜あす〜w
858名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 00:12:47 ID:lVj6bt31
>>857
快風卿、GJでした!
残した罪、ブリタニアの国是、ですか
特派ルートのスザクはやはり群を抜いて親友ポジですね
二人の信頼関係が素晴らしく思えます
ヒロイン、ナナリーに期待しつつ
貴方の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
859名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 00:13:51 ID:mg7oomFz
GJでした
ナナリー、まだ敵は少ない(?)ぞ
860名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 00:21:39 ID:NSF5uhE0
こんばんわ。
30分ごろ投下したいのですが、よろしいでしょうか?
合計で6〜7レスの予定です。
861名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 00:24:41 ID:lVj6bt31
全力を挙げて支援します!
862あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/18(木) 00:30:07 ID:NSF5uhE0
支援表示ありがとうございます。
時間なので、そろそろ投下します。
支援よろしくお願いいたします。

タイトル 合流の夜に…
カップリング ライ×井上
分類   シリアス

注意事項
 本SSは、解放戦線編に行きながらそれでもカレンを思い続けた場合というのを想定して書いています。
また、設定など本編とは違う解釈やオリジナルの部分が多々あります。
それらが駄目な方は、スルーをお願いいたします。
合計で6〜7レスの予定です。

なお、投下は2分前後ごとに行う予定ですので、5分超えた場合は、トラブル発生と思っていただいて結構です。
その際は、再度投下しなおします。
863名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 00:30:45 ID:lVj6bt31
支援
864あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/18(木) 00:32:15 ID:NSF5uhE0
合流の夜に…


片瀬少将との意見の食い違いから、解放戦線から離反した僕らを待っていたのは黒の騎士団への合流であった。
かって、意見の違いから、離別したゼロとまた共に戦う。
不思議な感じがしていたし、ゼロとうまくやっていけるかどうかという不安はあった。
しかし、藤堂中佐を大歓迎する黒の騎士団団員達とうれしそうに対応する藤堂中佐達を見ているとこれでよかったんだという思い

がわきあがってくる。
いざという時は、自分が泥をかぶればいい。
そう決心すると祝宴を途中で抜け出した。
かって離反した僕がここにいても意味は無いと思えたし、折角の気分に水を注すだけだろう。
それに一度は、自分の主義を通すため彼らを見捨てたのだ。
それはいくら言い訳しても、事実。
だから僕はその場を離れた。
祝宴を途中で抜け出した僕は一人格納庫を歩いていた。
6機の月下。
そして、その側には黒の騎士団の無頼がずらりと並んでいる様はなかなか壮観な眺めだった。
その光景を十分堪能すると僕は自分の月下のコックピットに乗り込んだ。
もちろん、始動させることはしないから、ハッチは空けたままだ。
アッシュフォード学園を出てからというもの、転戦する日々が続いたせいかここが唯一の僕の居場所のようになっていた。
だから、ここが一番落ち着く。
僕は、見慣れたコックピット内をゆっくりと見直す。
お前もいい感じみたいだな…。
別に機械と会話できるわけではないし、見ただけで細かく状況がわかるわけではない。
だが、きちんと整備され、調整された月下はうれしそうな感じに見えた。
865名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 00:32:44 ID:lVj6bt31
支援!
866あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/18(木) 00:34:53 ID:NSF5uhE0
そして、パネルの隙間に隠すように挟んでいる1枚の写真を取り出した。
そこにはカレンの笑顔で笑う姿。
それをぼんやりと眺める。
そういえば…まだ言葉も交わしてなかったな…。
ふと、合流してから未だに彼女とは会話らしい会話さえしてない事に気が付く。
だが、何を言えばいい…。
負の感情が心の奥から湧き、僕の心を黒く塗り上げていく。
「私は、ゼロについていくから…」
別れ際に言われた言葉が未だに僕を苦しめる。
僕は、ゼロに嫉妬している。
彼女にそこまで言わせるゼロに…。
だんっ…。
コックピットの壁を叩く。
駄目だっ。
そんなことは考えるな。これは自分自身でまいた種なんだ。
人のせいにするな…。
僕が…僕が…。
だんっ、だんっ…。
何度もコックピットの壁を叩く。
いつしか皮がむけ、血がにじみ出ている。
しかし、それ以上に心の痛みは僕を傷つけていた。
867名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 00:34:58 ID:lVj6bt31
支援
868あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/18(木) 00:36:48 ID:NSF5uhE0
その時だった…。
「どうしたのかな、ライくん?」
月下の足元から声がかけられた。
僕は、我に返って声の方向を向いた。
そこには井上さんがいた。
少し酔っているのか、頬が僅かに紅くなっている。
「い、いえ…何でもありません」
慌てて、僕は写真をしまって月下から降りようとした。
不信がられては、藤堂中佐達に迷惑がかかる。
だが、慌てていたせいか握っていた写真が手からはなれ、下へと落ちていく。
「あ、ああっ……」
途中で捕まえようと躍起になって手を動かすが、写真はそんな僕をあざ笑うかのように井上さんの近くに舞い落ちる。
「あら…なにかしら?」
井上さんは、それを拾い、裏になっていた写真をひっくり返す。
「だ、駄目です。見ないで下さいっ」
必死になって言うが、もう後の祭り…。
「ふーーーんっ…。そうなんだぁ…」
井上さんは、じっくり写真を見てからこっちを向く。
その表情は、おもちゃを見つけた子供のように無邪気な笑顔だった。
僕は、観念して下に降りた。
「はい。カ・レ・ンの写真っ」
名前のところを大きくはっきりと言いながら写真を返してくれる。
僕は、それをただ無言で受け取る。
869名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 00:37:18 ID:lVj6bt31
支援!
870名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 00:37:43 ID:oCLfEFSf
しえん
871あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/18(木) 00:39:27 ID:NSF5uhE0
僕の様子がおかしい事に気が付いたのだろう。
井上さんのからかうつもりだったらしい表情が、真剣なものに変わる。
「どうしたのよ?」
覗き込むような感じで僕の顔を見ている。
「いえ…。何でも…」
そう言って踵を返してその場を離れようとする僕の肩を、井上さんの手ががっちりと掴み自分の方に振り向かせる。
「何でも…じゃないわよ。そんな思い詰めた顔でほっとけるわけないじゃない」
真正面から、真剣な目が僕を射抜く。
僕はその視線を受け止める事が出来ず、俯くだけだった。
「話しなさい…。手助け出来るとは言えないけど、話すだけでも楽になれるから…」
そう言うと、井上さんは僕を優しく抱きしめるとなだめる様に背中を軽く叩く。
何度も何度も…。
まるでゆりかごに乗せられているかのように心が落ち着いていく。
そしていつしか、僕は井上さんに何もかも喋っていた。
872名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 00:39:57 ID:oCLfEFSf
支援
873あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/18(木) 00:41:45 ID:NSF5uhE0
「そっか…そういう事か…」
月下の整備用台に腰掛け、真剣な表情で僕の話を聞いた井上さんは、隣に座っている僕をじっと見た。
「すみません…」
「いいのよ。気にしないで。これは私が自ら望んで聞いた事だからさ…」
そう言うと背中を何度か軽く叩く。
「しかし、君の気持ちは良くわかるわ…。カレンは、ほんとゼロに陶酔してるからねぇ」
「………」
「でもさ、やる前からそんなんじゃ駄目よ。恋は戦いなんだから…」
「…だけど…」
「だけど…じゃないのっ。しっかりしなさい。男の子でしょう」
「…はい…」
それでも俯いたままの僕を見て、溜息を漏らす。
「はぁ〜、これじゃあ…藤堂中佐の懐刀と噂されるまでになった人物とは思えないわ…」
「…すみません…」
「まぁ、ライくんらしいかなとも思えるけどね」
僕をしばらく見つめた後、くすりと笑う。
874名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 00:42:07 ID:lVj6bt31
支援
875あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/18(木) 00:44:05 ID:NSF5uhE0
「だけど、もっと自信もっていいと思うけどね…私は…。ゼロにだって負けてないと思うけどな」
「そうでしょうか…」
「そうそう。それに、君がいなくなった後、カレンかなり落ち込んでたわよ。
それに、解放戦線で君が活躍しだしてからは、その情報とかは必ずチェックするようになってたし…」
それが事実なら、すごくうれしい。
だが、どうすればいいのだろう…。
井上さんが、これだけ相談にのってくれて励ましてくれているのに僕の心はまだ迷っていた。
そんな僕の態度に我慢できなくなったのだろう。
「あーーん、もう…」
頭をガリガリとかくと、僕を真正面から見つめる。
そして、あっという間に首に手を回すと僕の唇に自らの唇を押しあわせた。
ほんの数秒の間の事だったろうが、僕には時間が止まったかのようだ。
そして、唇を離すと、僕の目をじっと見つめる。
「おねーさんが自信のつくおまじないしてあげたんだから、もっと自信を持ちなさい。いいわね?」
真っ赤になりながら、井上さんはそう言うと格納庫から出て行った。
僕は、我を忘れその後姿を見つめていただけだった。
876名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 00:46:08 ID:lVj6bt31
支援!
877あしっど・れいん ◆M21AkfQGck :2008/09/18(木) 00:46:25 ID:NSF5uhE0
以上で終了です。
支援ありがとうございました。

しかし…また1番最初で文章がぶった切れてますね…。
何でだろう…。
トーマス様次のようにつなげておいてもらえますか…

>>しかし、藤堂中佐を大歓迎する黒の騎士団団員達とうれしそうに対応する藤堂中佐達を見ているとこれでよかったんだという思いがわきあがってくる。

よろしくお願いいたします。
878名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 00:58:07 ID:lVj6bt31
>>877
あしっど・れいん卿、GJでした!
井上のお姉さんっぽさが大変GJ!
読みながら感じる切なさ、読み終わって溜め息が出ました!
もう一度GJ!
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
879名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 03:20:30 ID:5O6LZjZv
880名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 06:29:19 ID:MaOUYLnt
>>877
GJ
井上さんがいいお姉さんっぷりが素敵です
この後、ライはカレンとくっつくのかな?
それともカプがライ×井上だからカレンではなく最終的に井上とくっつくのかな?
例え続こうが続くまいが次の投下を期待しています
881名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 07:20:19 ID:2pJWxYeS
昨日は久しぶりに投下が多かったようですね。よきかな、よきかなw
882保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/09/18(木) 08:19:27 ID:f9YnzjEh
>>877 ご要望の箇所を修正いたしました。

最近、夜更かしが出来ないため対応が遅れがちになっています。ご迷惑をお掛けいたします。
883名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 13:49:12 ID:mg7oomFz
誰かおられますか?
新参者ですが、ちょっと書いてみました程度のお話なのですが、
14時頃に投下してみたいのですが。
884名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 13:50:19 ID:GcbUWGun
できる範囲で支援しますよ。
885多彩にして無職 ◆u57YJX1k7k :2008/09/18(木) 14:00:40 ID:mg7oomFz
やっぱり人がおられましたか。
唐突に思いついたので、メモ帳を開いて書いてみました。
23話でライが颯爽と登場したら、のifものです。 

タイトル:捏造23話『ライの翼』
ジャンル:シリアス
カップリング:なし

注意:ライの性格がおかしいです。
   ライは咲世子さんに忍術をならっています。
   捏造KMFが少し登場します。
   ライがブリタニア側の人と面識があるのは、ルート決定前にフラフラしていたからです。
   続きません。 


このレスと終了宣言を含め6レスぐらいだと思われるので。支援は出来ればお願いします。
以上 お付き合いくださったら、幸いです。
886名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 14:02:39 ID:GcbUWGun
支援
887多彩にして無職 ◆u57YJX1k7k :2008/09/18(木) 14:04:27 ID:mg7oomFz
【これまでのあらすじ】
斑鳩から脱出するルルーシュをライが見つけたときには、すでにロロは死んでいた。
決意を新たにするルルーシュと共にライは神根島へと向かう。
そんな中、ルルーシュは皇帝との対決に際し、一人で赴くと言い放つと、
遺跡へと進んでいった。
一人、神根島に残ったライは帝国宰相シュナイゼルの不穏な動きを探るため、
友の無事を祈りながら、神根島を後にする。

(ルルーシュ、ナナリーすまない)
ライは咄嗟の行動で体を動かしていた。
突然の侵入者に驚く、シュナイゼルとカノンを横目にコーネリアを守る形で前に出ると、
懐から球を床に打ち付けると、煙が立ち込める。
「失礼します」
コーネリアを掴むと跳躍すると一気にKMF格納庫へと向かった。
KMFを強奪するとダモクレスから脱出した。
888名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 14:04:42 ID:GcbUWGun
支援
889多彩にして無職 ◆u57YJX1k7k :2008/09/18(木) 14:06:37 ID:mg7oomFz
ルルーシュの神聖ブリタニア軍と黒の騎士団・シュナイゼル混成軍が対峙しているなか、
旗艦アヴァロンに一騎のKMFが合流していた。
ライは目の前の蒼地に白いラインが入ったKMFを見上げながらブリッジへと通信する。
『どうかな、ライ。新しいKMFは、紅蓮聖天八極式、ランスロット・アルビオンの
開発過程でうまれた機体だ』
「ありがとう、ルルーシュ。僕を信じていてくれて」
『あたりまえだ』
「黒の騎士団が出てきたら、僕がでる。その前に話がしたいな」
『何をいまさら、言うというのだ』
ライはルルーシュに笑いかけると、頷くだけだった。

『ドレッドノート撃沈、突破されます!』
前衛艦がやられ、旗艦に危機がせまっている。
「ZX04-9 AKATUKI K-night L-avenge(暁 ナイトレーベン)、発艦」
アヴァロンのカタパルトデッキから蒼い弾丸が発射される。
890名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 14:08:49 ID:GcbUWGun
支援
891多彩にして無職 ◆u57YJX1k7k :2008/09/18(木) 14:09:55 ID:mg7oomFz
「今かな、両翼を砕こう」
「艦首拡散ハドロン重砲セット!」
黒の騎士団が敷いていた布陣に穴があく、
旗艦斑鳩の艦首にあるハドロン砲が禍々しく赤黒く輝きだす。
「敵軍両翼に向け」周香凛の声以下ぶるように
「未確認機接…」
言い終わるまえに斑鳩の艦橋がゆれる。
煙の中から、蒼いKMFが飛び出してくる。
それはライが駆る天馬である。
蒼く丸みを帯びたフォルムに、左腕には輻射波動腕、
何よりも魅了されるのが、蒼く光る3対の翼(エナジーウィング)である。
「こちら、ルルーシュ皇帝が騎士の一人、ライ」
斑鳩を攻撃したKMFのパイロットが黒の騎士団から忽然と消えた戦闘隊長であることに、
そしてルルーシュの騎士と名乗ったことに、騎士団の中心メンバーが驚いているなか。
892名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 14:10:20 ID:GcbUWGun
支援
893多彩にして無職 ◆u57YJX1k7k :2008/09/18(木) 14:12:10 ID:mg7oomFz
「まずシュナイゼル。貴方に問おう。いまコーネリア殿は何処に居られる」
ライにとっては分かりきっていることである。
彼女はライ自身がダモクレスから助け出したのだから。
「いらなくなったから排除したのですよね。宰相閣下」
「そして、扇要、藤堂鏡志朗。どうやら駒になるのが、嫌なようだが」
ライは斑鳩のブリッジ正面に立つ。
「ギアスがどうだと理屈を捏ねて、ゼロを排除したようだが。
今度はシュナイゼルの手の平で遊ばれているだけではないか。
シュナイゼルが目指しているのは、世界を焦土とするフレイアによる支配だよ。
日本解放など所詮、駒を動かすためのニンジンよ。鼻先にぶら下げてられて、
駒が動けば捨てるだけのな」
ライはトリガーを引く
「駒は指してにはなれない!」
輻射波動腕が斑鳩の甲板を突き破りフロートシステムのコアを溶解させる。
優雅に6枚の翼を広げると落下していく斑鳩を振り返ることなく、
空中要塞ダモクレスへと飛び立った。
894名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 14:13:03 ID:GcbUWGun
支援
895多彩にして無職 ◆u57YJX1k7k :2008/09/18(木) 14:17:03 ID:mg7oomFz
以上で終了です。
支援ありがとうございました。
自分に文才がないことがハッキリわかったような気がする。
ネリ様不在に誰も突っ込んでないので、突っ込んでみましたが…あれ?
おかしいな、余計なところを削ったら、黒の騎士団を説得させるはずが orz
続きや前の話は一切考えていません。
録画を間違えて消してしまったので2回しか見ていないので、
時系列やセリフが違うところがあるかもしれません、壮大に突っ込んでください。
機体名はどうやっても読めないですね、単なる趣味です。
小心者なので、これから今日発売の可変戦闘機パチ組に逃げます。
夕方頃に戻ってこれるといいな orz

すみません誤字がありました

24-891
「敵軍両翼に向け」周香凛の声以下ぶるように
「敵軍両翼に向け」周香凛の声にかぶるように
です。もうしわけありません。
896名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 14:19:03 ID:Pcx7t/cg
誤字指摘支援
>>891
>>周香凛の声以下ぶるように →声に被る
897名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 14:21:29 ID:GcbUWGun
>>895
初投下乙です!面白い書かれ方をしますねっていうか忍術ー!w
ますます人間離れしていくライが頼もしく見えました。
次回のご投下をお待ちしてます。
898名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 14:32:28 ID:lVj6bt31
>>895
多彩にして無職卿、初投下乙でした!
いきなりあらすじとか書いていたのであれ? と思い保管庫漁ってました
支援出来ずにすいません

性格が違うというか、どこか違和感を感じました
なんか、安定していないというか、なんというか
上手く言えなくて申し訳ない

貴方が次に投下されることをお待ちしております!
899名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 14:33:00 ID:Pcx7t/cg
ちと、遅かったか。失礼しました
>>893
>>「駒は指してにはなれない!」 →指し手
がいいかと

あと、1レスに32行までOKなのは、ご存知でしょうか?
レス数を少なくできるので、もう少し掘り下げても良かったのではないでしょうか?
ライが呼んだ、シュナイゼル以下の反応も見てみたかったです。

ともかく、GJでした。卿の次の投下に期待してます。
900名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 14:48:25 ID:mg7oomFz
感想ありがとうございます。
すみません、一時間とちょっとで書いたもので、勢いだけで、
ひねりも何もない文章になってしまっています。

>>898 さんへ
前書きでも書きましたが、性格はおかしいです。
書き手である私がライの性格を把握しきれずにいることと、
いわゆる狂王の面が出てきていることを表すために、
あえて、安定してないようにしました。

嫌いな方もいるかもしれませんが、
この展開ってまんま、
自由のローエングリン破壊じゃないか、
投下終了して冷静になってみたら、orz
901名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 14:56:48 ID:lVj6bt31
>>900
前書きを読んでいても違和感をおぼえ
それを指摘してしまった俺orz
あと、自由が破壊したのはタンホイザーだったかと
902名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 17:53:47 ID:UjBZHGKZ
>>830
遅レスですが、GJ!
芋ようかんを取り出したところから妖精というか、ドラ○もんを思い浮かべた。
また見てギアスの一枚絵から(たぶん)こんな発想が出てくるとはww
どんな柔軟な脳をしているんだw
903名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 21:35:40 ID:MaOUYLnt
また見てギアスと言ったら先週のC.Cに無理やり色塗りさせられてるセシルさんに萌(ry
904名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 21:56:45 ID:xII5bgpJ
まぁ、セシルさんはロイドさんに染まってますけどね
905名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 22:20:12 ID:5hCp7rHR
このスレも随分落ち着いたよね。
2日で1スレ消費するなんてざらだった頃が懐かしい。
906名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 22:21:07 ID:MaYPR/Bl
成熟期も過ぎて衰退期に入ってるのは否定できんだろうな。
これでロスカラ2でも発売決定すりゃあ状況も変わろうもんだがな
907名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 22:37:34 ID:jcBp+HPN
ロスカラ2が発売決定したらいい意味での人外の者たちがたくさん現れるんだろうな
本当発売してくれないかな
908名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:03:36 ID:0VpyyLxx
投下したいけど容量やスレ的に厳しい…
909名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:06:10 ID:3oucU1Nu
容量ってもうそんなにいってますか?
本文7レスの投下準備をしていたのですが……
910名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:07:51 ID:0VpyyLxx
7レスなら大丈夫。こっちは30レスくらいだから無理だわ。また明日きます
911名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:10:05 ID:xII5bgpJ
30レスですかw
分割して投下をお勧めします。
912名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:10:56 ID:3oucU1Nu
あ、すみません。
30レスですか。すごい!楽しみにしてます。

では埋め的に15分から投下開始します。
注意書き〜終了宣言まで9レスです。
途中、数回の支援をお願いいたします。
913名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:12:49 ID:MaYPR/Bl
すげえ、30レスて・・・
914マト ◆Dmf7s6g6us :2008/09/18(木) 23:16:06 ID:3oucU1Nu
時間ですので、投下開始します。

>>766の「独裁者の城」の続きです。
・BRからR21話までの空白の一年の間の話になります。
・特派ルートで特区の惨劇を回避できなかった場合となります。
・本編に描かれてないのをいいことにオリジナル展開です。

・投下終了宣言まで、これを含めて9レスとなります。
915名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:16:25 ID:01hDPOx8
支援 任せてギアス
916鳥籠 1/7:2008/09/18(木) 23:17:02 ID:3oucU1Nu
   「鳥籠」


 皇歴二〇一七年は激動の年だった。枢木スザク強奪事件ではじめて舞台に姿を現した仮面の男、ゼロは
今まで誰も為し得なかった数々の事件を起こし、ブリタニアに対する反逆を開始する。そして機運の
高まったブラックリベリオン――。極東のエリア11が独立を果たすかとも思われたが、半ばにして戦線
は崩れ、ゼロは処刑された。
 その逮捕に関わった人物が、ゼロが最初に助けた枢木スザクであったことは、なんたる運命の皮肉
だろうか。
 ゼロの素顔は結局公表されないままだった。それゆえ様々な憶測は飛び交ったが、黒の騎士団はほぼ
壊滅、ゼロが例え生きていたとしてもこの半年は何の行動も起こしていない。


 アッシュフォード学園でのヴィレッタ・ヌゥの役どころは体育教師に決まった。他の機密情報局の
メンバーの多くも教師として入り込み、ルルーシュ・ランペルージの監視を務めることになる。
 ブラックリベリオン後、ゲットーはもちろん租界もまた落ち着かない状況が続いたが、緑に囲まれた
アッシュフォード学園は別世界のように暢気に見えた。例え、残った生徒会メンバーの記憶が改竄され、
偽りのものであっても、生来、彼らはマイペースなのだ。
 祭りと称して生徒会長のミレイ・アッシュフォードが繰り出す珍妙な企画にヴィレッタ自身も何度巻き
込まれたか分からない。一日の終わりに図書館棟の地下で行われる報告がなければ、うっかり学園に
馴染んでしまいそうだ。
917名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:17:48 ID:MaYPR/Bl
支援
918鳥籠 2/7:2008/09/18(木) 23:18:03 ID:3oucU1Nu
「要注意」と 赤く印字された書類を前にして、ヴィレッタは眩暈を堪えるように眉間の押さえた。
 学期の途中、それも進級を目前にした中途半端なこの時期に復学する学生が居るという。ただの学生
ならば顔と経歴を確認するだけで済んだだろう。しかし、彼は元特別派遣嚮導技術部所属、現在は休職中
だが、現役の軍人でもある。枢木スザクとは同僚、ルルーシュ・ランペルージ、ナナリー・ランペルージ
とも親交が深い。
 ヴィレッタはもう一度書類を眺めた。要注意と朱書きされた文字は変わらない。銀色の髪の少年が写真
の中からこちらを見ている。


 エリア11に帰国してすぐに訪れたアッシュフォード学園は夜と言う時間帯もあって、ひっそりとして
いた。それでも住み慣れたクラブハウスが見えるとライはほっと息を吐いた。
 ――あなたが帰ってくる場所はここなのよ。
 特派に入ることを決めた時、ミレイが言ってくれた言葉が蘇る。
「ミレイさんはすごいな」
「そうよ〜。今頃分かった? これからはもっと崇め奉りなさいね!」
 独り言に応えた声の主はエントランスで手を振っていた。
「ただいま、ミレイさん」
「おかえり! ね、あなたのおうちはここだって言ったでしょ?」
919鳥籠 3/7:2008/09/18(木) 23:19:12 ID:3oucU1Nu
「あなたの使っていた部屋はそのままだから、前と同じにしてね」
 少ない荷物を置きに部屋に入ると掃除は行き届いているが、何もかもが以前と同じままだった。ライは
ミレイの心遣いに微笑む。ここには帰る場所がある。
「ありがとうございます、ミレイさん」
「うんうん。感謝するなら、対価は労働で!」
 ミレイはライを見て明るく笑い、生徒会室の扉を開けた。中にいた生徒会役員たちの顔が上がる。
ブラックリベリオン前よりも人数は少し減ってしまっていた。ニーナは帰国し、黒の騎士団だったカレン
は行方不明だ。スザクも休学し、軍務に専念している。それでも残ったシャーリーやリヴァルは嬉しそう
にライを迎えてくれた。
「久し振りだなぁ!」
「今日はみんなで待ってたんだよ!」
 彼らはそれぞれに駆け寄り、ライをもみくちゃにする。それを二人の兄弟が遠巻きに見ていた。一人は
微かに笑みを浮かべて、もう一人は冷ややかにも見える無表情で。

「急に復学だって会長に聞かされて驚いたぞ」
「ルルーシュ」
 名前を呼ばれた彼は軽く手を挙げて答えた。
「しばらくは学生に専念するよ。また、よろしく」
 ライの差しだした手をルルーシュはしなやかに握った。
「会長の企画の犠牲者が増えて喜ばしい限りだ。これで標的が分散する」
「そうだよ! お前とスザクがいない間、オレ達がどんなに苦労したか……。
 まあ、最近はロロも手伝ってくれるから、だいぶ助かってたけど。な、ロロ!」
 皆から少し離れた場所で様子を見ていた亜麻色の髪の少年は急に話を振られて戸惑っていた。口数の
少ない大人しい子供なのだ。いつも兄の影に隠れるようにしている。今もライと距離を取り、近づこう
としない。
920名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:20:35 ID:01hDPOx8
支援
921鳥籠 4/7:2008/09/18(木) 23:20:38 ID:3oucU1Nu
「どうしたんだ、ロロ。また同じ屋根の下で暮らすんだぞ?」
「だって、兄さん」
 ルルーシュは引っ込み思案な弟に少し溜息をついた。
「仕方ないよ、ルルーシュ。でもまたうまくやっていけるさ。僕がはじめてここに来た頃だって――」
 優しく微笑みかけてくれた影がライの脳裏を過ぎる。亜麻色の髪の。
「どうかしたか?」
「いや、何でもない」
 気のせいだろうとライは軽く頭を振って影を追い払った。

「じゃーん! ではライの復学を祝って、不思議の国のアリスのお茶会を開きます!」
 少しの間、席を外していたミレイが満面の笑みで戻ってくるなり、両手いっぱいの衣装をテーブルの
上に積んだ。
「いつの間に用意してたんですか! 俺は絶対にごめんですよ!」
「会長、そんなことばっかりしてるから単位が足りなく……」
「はい、良い子は黙って着替えましょうね!」
 彼らはミレイに押し付けられた服を手にして更衣室代わりの別室に追い立てられて行く。騒々しい嵐の
後、ロロとライだけが残った。
「ライさん」
 ロロが小さく声をかける。ライと視線が絡んだ。紫の瞳はルルーシュとよく似ていて、そしてあまり
似ていなかった。ライは少年の得体のしれない何かに押されて半歩足を引いた。
「ライ! ロロ! 何やってんのよ、あんたたちも参加するのよ! 逃げようったって無駄無駄!
 ちゃーんと用意してあるんだから」
 ミレイの声に二人の間にあった奇妙な緊張は解けた。ライはほっとしつつも、言いしれない予感に心中、
眉を顰めた。
(何やっているんだ、僕は。彼はルルーシュの弟じゃないか)
922鳥籠 5/7:2008/09/18(木) 23:21:36 ID:3oucU1Nu
「まさか、貴女がここで先生になっているとは思いませんでした」
 体育館での授業の後、片付けの要員としてライを指名したのはヴィレッタだ。呼びつけておいて
ヴィレッタはなかなか本題に入れずに溜息ばかりついていた。その間にライはてきぱきと作業を終えて
しまう。とうとう最後のモップがけまで完了して道具を片付けると、手持無沙汰になってしまっていた。
 ライの言葉は純粋な驚きで、そこに何かの含みはない。駆け引きだらけの機情の任務の間にすっかり擦
れてしまったヴィレッタの心には沁み込むようだった。
「私も、想像もしなかったことだな」
 銃やナイトメアの操縦桿を握ることはあっても、それを教鞭に持ち替え子供に教えることになるなど
夢想だにしなかった。
「でもよかった。ヴィレッタさんが元気そうで。ブラックリベリオンからずっと貴女にもジェレミア卿に
 も連絡ができないまま、僕は本国へ行ってしまったし」
「そうか、卿にも心配をかけていたのだな。すまない」
 ジェレミアはブラックリベリオン時に行方不明となっていた。元上司の安否をヴィレッタも気にしてい
たが、軍でも行方は掴めない。あの時の行方不明者は軍関係者・民間人を合わせて数万人にも上る。今も
所在の分からない者が多い。

 ライとの再会を喜ぶべきだろう。それが通常であれば。しかし、ヴィレッタの心には後ろめたさが暗い
影を落としていた。以前と変わらぬ笑顔を向けられれば、任務と割り切っていた気持ちが揺らぐ。
「ヴィレッタ卿?」
「ここでは『先生』と呼べ」
「はい、ヴィレッタ先生」
 ここのところすっかり板についてしまった態度で答えると、ライは悪戯っぽく笑い行儀のよい返事を
した。
923名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:21:49 ID:MaYPR/Bl
支援
924名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:22:22 ID:lVj6bt31
支援
925鳥籠 6/7:2008/09/18(木) 23:22:39 ID:3oucU1Nu
「ところで、復学してみてどうだ? 何か変わったことはないか?」
 なるべく自然に――ヴィレッタは手のひらの汗をそっと拭いながらライに質問を投げかけた。
彼の記憶もまた改竄されている。彼の頭の中では仲の良かったナナリー・ランペルージの存在がロロと
入れ替わっていた。徹底した情報収集と証拠の隠滅に努めたが、勘の良い少年のことだ。僅かな穴も
見逃してはならない。
「そうですね。大部分が帰国してしまったのは残念ですけれど、新しい生徒とも仲良くなれそうですし、
 生徒会のみんなが元気でよかった。ミレイさんが留年するとは思いませんでしたけど、
 今はありがたいですね」
「アッシュフォードは何を考えているんだか……。成績はよいはずなんだが。この間も――」
 ヴィレッタは先日行われた全校水着大会を思い出して顔を顰めた。水泳ではない。あくまで水着が
主役だ。
「それは見たかったな」
「笑いごとではないぞ」
「次はきっと大丈夫ですよ。お花見だって、ミレイさんが言ってましたから」
 張り切っているであろう生徒会長を思い浮かべ、ヴィレッタはうんざりとため息をついた。
「他には何も。何か気付いたらお知らせしますよ、ヴィレッタ卿」
 笑顔を浮かべているが、ライは気付いている。ヴィレッタが任務のためにここに居ることに。
彼も軍人だ。それも優秀な。
「……すまない」
 ヴィレッタは洗いざらい喋ってしまいたい気持ちになったが、それは体育館の入り口に映った細い影に
よって辛うじて押し留められた。
「先生、頼まれていた資料を図書館から借りてきましたが」
「あ、ああ、すまない、ロロ。すぐに行く」
「じゃあ、先生、僕はこれで」
 ライは話が終わったことを察して、ロロと入れ替わりに体育館を後にした。一瞬だけロロと視線が
交わったが、彼らは互いに声をかけることはなかった。
926鳥籠 7/7:2008/09/18(木) 23:23:40 ID:3oucU1Nu
 図書館棟の地下、機密情報局の施設に入ってからようやくロロは口を開いた。
「特定の生徒に近づきすぎないようにしてください。一時の感情に流されて僕たちの任務を失敗させる
 つもりですか?」
 紫の瞳がヴィレッタを冷たく貫く。
「分かっている!」
 嚮団から派遣された少年は見た目とは裏腹に冷徹な暗殺者だ。道具に徹し、時には仲間さえ簡単に切り
捨てる。ギアスという力に怖気が走るのはそんな時だ。ギアスも嚮団もおとぎ話のような存在だが、ここ
にある以上認めなければならない。
 ゼロは居なくなったが、世界は変わってしまった。ヴィレッタは何度目かの重い溜息を吐き出した。
927名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:23:41 ID:lVj6bt31
支援!
928マト ◆Dmf7s6g6us :2008/09/18(木) 23:30:27 ID:TJkFdF9x
以上で投下終了です。
支援ありがとうございました!
最後に猿になったので携帯から失礼いたします。
929名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:31:47 ID:01hDPOx8
ありゃ、最後で規制ですか・・・
投下間隔が短かったせいかな?
930名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:34:00 ID:lVj6bt31
>>928
マト卿、GJでした!
記憶を書き換えられているライや生徒会メンバー
表面上は変わらないように見えてもかすかに感じる違和感
ライが思い出すとき、どの様な選択をするのか、大変気になりますね
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
931名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:35:41 ID:iUXupHI8
>>928 GJ、お疲れ様でした。そろそろ真剣に部屋が欲しいところですね。ご一考頂ければ幸いです。

皆様、容量が450kBを超えましたので、規定に従い次スレ建設を試みます。
では暫し失礼致します。
932名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:39:39 ID:01hDPOx8
>>928
GJ! ヴィレッタ卿とも親しい様で、学園生活がどのように
進むのか楽しみです。シリアスで、通すのかコミカルなのを
織り交ぜてくるのか?
次回も期待して、待っています
933保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/09/18(木) 23:42:40 ID:9FVOMw6r
次スレ建設完了しました
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gal/1221748651/
主回線が規制に巻き込まれた。悲惨です(泣
934名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:43:55 ID:lVj6bt31
>>933
乙でした!
935名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:45:37 ID:3oucU1Nu
>>933
乙です!
ついでにシリーズ名は「バベルの崩壊」です。
お手数ですが、よろしくお願いいたします。
936保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/09/18(木) 23:50:37 ID:9FVOMw6r
>>935 では、この続き物のシリーズ名・メインタイトルをタイトルを「バベルの崩壊」として、
既存のものをサブタイトルとして扱うということで宜しいですか?
937名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/18(木) 23:54:01 ID:3oucU1Nu
>>936
その通りです。よろしくお願いします。
続きものと言ってもあと2回で終わりですが……。
938保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/09/19(金) 00:13:59 ID:JTQhl5RN
>>937 では領地の中だけそのように修正しました。一覧関係は22時間以内に対処できると思います。

某所で投下速度の低下が懸念されていますが……、大丈夫かなあ。
20日の夜、“諸刃の剣”なシステムを正式導入・発表するのですが……。

939名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 02:58:36 ID:ril1aeB0
>>938
とりあえずその刃が貴方を傷付けないことを祈りながら
全力でお待ちしております!
940名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 06:53:57 ID:7krbPxKg
埋める?でも、ゲリラSSの人がまだ来てないんだよなあ。俺もトーマス卿も結構楽しみにしてるのに。
941名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 08:45:54 ID:a40TRCPq
>>940
今464KBだけど、500KBまでいけるの?
なら、短編1、2つ位投下されてから
来るんじゃない?
942184 ◆CqyEjyiJyU :2008/09/19(金) 14:04:00 ID:s2pmMWsJ
いや〜、昨日は専ブラ『ギコナビ』から書きこみできなくなって、アタフタしちゃいました。
こんにちは。「リロード」完璧! 今週も人のいない時間帯?を狙い撃ち『184』です。
前回に引き続き、投下宣言と前書きを一緒にやらさせてもらいます。
これにより総レス数を一つ減らして【規制防御】&【一騎駆け(支援不要)】の効果を期待!?
な〜んて。

タイトル  :ロスカラさん 第4話 ナリタ?攻防戦
カップリング:ライ←(井上&カレン)
ジャンル  :コメディ? ユル〜いキャラで再構成もの

キャラの言動が、ほぼギャグです。(各自がギャグ漫画にありがちな特技や思考を持ってたりします。)
5〜3頭身キャラが出て来る四コマ漫画を楽しむ感覚で、読んでもらえれば幸いです。
なので、カップリング表記は参考程度に考えてください。

本文2レス目の最初、ゼロのセリフはTV版の「雪は何故白いのか知っているか?」に対する回答です。
ゲームのみでTV版を見ていない人(居るのかな?)には、唐突に感じるかもしれないので念のため。

3レス使用予定、総レス数が5レスなので支援は不要

では、5分後位に本文スタートです。
943184 ◆CqyEjyiJyU :2008/09/19(金) 14:09:02 ID:s2pmMWsJ
ロスカラさん 第4話 ナリタ?攻防戦


前回、四聖剣と別れ黒の騎士団との合流を目指すところまで話は遡る。

藤堂さん達は一団となって森林の中へ消えていった。僕も踵を返し、敵の布陣の手薄な所を
探りながら撤退する。
(千葉凪沙さんか・・・綺麗な人だったな。黒の騎士団の女性陣とは、違うタイプの。凛!とした
感じで、林の様な静かな雰囲気の人だった。また、一緒に戦いたいものだ・・・)
「凪沙さんか・・・」
呟いた瞬間通信が繋がり、モニター上の井上さんの顔がすぐに不機嫌なものに変わった。
「誰、凪沙って? ま〜た、余所で女作ってきたの?」
「あわわわ・・・」
「全く少しは、女房である私の事も「誰が誰の女房ですか!」」
慌てる僕を余所に、自分設定の話を続ける井上さん。そして、つっこみを入れるカレン。絶妙の
タイミングで、割り込んできた。
「え? それは勿論、私がぁ〜、ライ「そういう事じゃなくて!」」
「・・・あの井上さん、早く本題に入ってください」
二人のやり取りで落ち着きを取り戻すことができた僕は、先を促した。

戦闘によりゼロの無頼が大破。身を隠しているので、迎えに行って欲しい。ポイントは――
と、通信の本題を話し終え
「どんなに寄り道をしても、最終的にあなたは私の元に帰って来るの。うふっ♪」
と、艶やかな微笑で締めくくる井上さん。
「!・・・え、え〜と。・・・よ、寄り道しないで、真っ直ぐ帰ってきなさい」
そして、その井上さんに触発され言葉を選んだけれど、結局『お母さん』的な事しか言えてない
カレン。頬が赤いので、照れているのが一目瞭然だ。僕が返事をする前に、通信は切られてい
た。
944184 ◆CqyEjyiJyU :2008/09/19(金) 14:12:13 ID:s2pmMWsJ
僕は、無頼を指定されたポイントにある洞窟に横付けした。洞窟内から話し声が聞こえる。
「――綺麗だと思う。私は嫌いではない」
「そうか。――お前がそれほどまでに私の事を想っていてくれていたとはな。でも、ライに聞か
 れてしまったぞ? 恥ずかしいでは――いやん♪ は、恥ずかしぃん」
途中から人が変わったかのようになるC.C.。「やん♪やん♪」と、体をくねらせ照れる姿は可愛
いけれど、それはやはりただのポーズ。何だかゼロで、遊んでいる様にしか見えない。だが、
ここは合わせておこう。
「ふ、二人がそんな関係だったなんて・・・ごめん、邪魔しちゃって。でも、急いで撤退しないと
 いけないんだ。続きは、アジトでやってもらえるかな? さ、二人とも無頼の手に乗って」
「ラ、ラ、ラ、ライ! 私達は別に、そういう「いいから、いいから」」
コクピットに押し込めない事もなかったが、あえて二人とも手に乗る様に僕は指示した。
「落ちない様に、互いの身を寄せ合うようにして。いくよ?」
「さあ、もっとこっちに。私の温もりをこの想いを感じてくれ。そして、お前の熱い――」
「い、い、い、いい加減にしろ! こ、この魔女がっ!」
C.C.は、僕に親指をぐっと立ててみせニヤリと笑った。良い仕事ができたようだ・・・




翌日、司令室で昨日の戦闘データをゼロ、C.C.、カレンとの四人で見る事になった。
「一騎駆けとは、恐れ入る」
「ふむ。常に先を読み、相手を撹乱、そして殲滅。素晴らしい、黒の騎士団はまた計算できる
 戦力を手に入れた」
隣に座っているカレンが肘で突いてくる。その笑顔は、僕が褒められたのが自分の事の様に
嬉しいのだろう。

データの再生は、四聖剣との共闘部分に入り、その時の通信会話も聞こえるようになった。
いつの間にか、僕の後に井上さんが立っていた。通信データを用意したのは、この人だろう。
「ほう、藤堂を黒の騎士団に勧誘したか。さすがに直ぐに応じる訳ないが、抜け目がないな」
「『将を射んと欲すれば、まず馬を射よ』――四聖剣の女を堕す為の布石に見えるのは、私の
 考えすぎかな。なあ、カレン、井上?」
「なっ!」
945184 ◆CqyEjyiJyU :2008/09/19(金) 14:15:16 ID:s2pmMWsJ
C.C.のトンデモ発言(でもないか?)に、腰を浮かせかけた僕を後に居た井上さんが肩を掴ん
で押さえつけた。
更にカレンが僕の左腕をぎゅっと、抱きかかえてきた。口を尖らせて、「むーー」と唸っている。
それはさておき、あの、む、胸が当たってますよ? カレンさん。
「ゼロ、彼は先の作戦で命令違反を犯しました。反省を促す為に、無頼から降ろす事を進言し
 ます!」
井上さんが、有耶無耶になっていた事を蒸し返してきた。
「い、井上さん。その件は――」
「ふむ、降ろしてそれから?」
ゼロは慌てる僕を片手を上げる事で制し、井上さんに続けるよう促がす。
「はい、私に乗せ――げふんげふん。彼の身柄は、諜報部が預かります。私がビシバシしごい
 てやります。ええ、それはもう色々と・・・」
そう言って、僕の頭を後から抱きかかえてきた。わわっ! おっぱいがおっぱいが後頭部に!
温かい・柔らかい・いい匂い、ヤ、ヤバイ! こ、これは魔性のおっぱいだ!!
「ふふっ♪ 魔技【後乳固め】(ボソッ)」
その技に僕は、完全に反論を封じられた。恐るべし、ウシノチチもといウシロチチ固め!!
「むっ、それなら私専属のお世話係として、紅蓮弐式のメンテや私のメンテ(意味深)を♪
 ――な〜んて、きゃーきゃーきゃー♪」
くっ、カレン耳元で騒がないでくれ。僕はカレンの黄色い声で、飛びかけていた意識をどうにか
取り戻す事ができた。
「専属か・・・それなら、司令部付きのメイドなんてどうだ? お前ならメイド服も似合いそうだ。
 写真もいっぱい撮ってやるからな?」
そう言いながら、僕の右隣に移動し、内股と顎をサワサワと撫でてくるC.C.。く、くすぐったい、
ゾクゾクしてきた。
「諜報部!」「お世話係!」「メイドだ!」
「あなたは、諜報部がいいわよねえ?」「お世話係でしょ?」「メイドしかないな?」
「ゼロ! 彼を諜報部に!」「いえ、お世話係に!」「ゼロ、この男は司令部に置くべきだ」


結局、僕は独房に入っている。『すまんが処遇が決まるまで、独房に入っててくれ』と言う事だ
った。しかし、三日経っても処遇が決まるどころか新たに候補が追加されているという話だ。
「これから、僕はどうなるんだろう・・・」
946184 ◆CqyEjyiJyU :2008/09/19(金) 14:16:28 ID:s2pmMWsJ
以上です。
前話での感想に
>>このシリーズはやたら井上さんが魅力的だwww
と、ありまして8割方できていた本文に『井上さん分』を加筆して増量してしまいました。
今回修正も多くその為、改行やレスの区切り位置・容量の確認と、トーマス卿の『SSチェッカー』が
いつも以上に活躍しました。遅ればせながら、便利なツールをありがとうございます。

それでは、また来週〜
947名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 14:20:54 ID:5xpqMZrc
>>946
GJでした!!
ライと年上の女性の絡みがすきなので、
楽しませてもらいましたwww
948名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 14:44:32 ID:ekD8Jvnx
>>184
乙です!諸星あたrじゃなくてライがとてもステキッw
この平和な雰囲気が大好きです。
次回の投下お待ちしてます!
949名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 14:46:46 ID:KNdSplUW
>>946
GJでした!オープンかつ健康的なお色気を堪能しました!
950名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 15:58:34 ID:N7eP/BxQ
>>946 順調にハーレムが築かれつつありますなw 続き全力で待ってます。GJでした!
951名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 16:07:28 ID:ril1aeB0
>>946
最高じゃないか! このユルさは!
184卿、GJでした!
皆暴走し過ぎw 特に井上とカレンw
着々とハーレムを作り上げていくライw
わくわくしながら続きを全力で待たせていただきます!
952名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 18:45:28 ID:pgux8ofY
>>941 大丈夫。短編1本ぐらいなら余裕でOKですよ。
>>942 GJ!井上スキーな俺にとってまさしく天国みたいな話し。神と呼ばせてください! 
953名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 19:44:12 ID:kqcoZI5A
ume
954名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 19:45:40 ID:kqcoZI5A
埋め
955埋立用スレネタSS・Q&A(1/3):2008/09/19(金) 19:48:35 ID:nc8ZoMBC
「ねえ、咲世子」
「これはVV様。わざわざいらっしゃるなんて、何かあったのですか?」
「ちょっと前に、トーマスが男か女か気にしてるレスが何回かあったけど、君はどう思ってるのかなって」
「ネット上で男女を問うても無意味だと思っております」
「……いや、そうじゃなくて。もし、トーマスが女だったら君の妄想は成り立たないわけでしょ?だから……」
「まあ!とんでもありませんわ!VV様!
 トーマス様が現実で殿方かどうかなんて、萌えの前には些細な事です!」
「えっ!?そうなの?」
「腐道において重要なのは関係性!関係性の前には現実の性別など無力です」
「でも、トーマスが女だったら具体的な関係性は変わってくるんじゃないの?」
「世の中には男体化というものがございます」
「な、男体化?」
「単純に女体化の逆です。女性キャラを男性にしてしまうのです」
「……つまり、トーマスが男だろうと女だろうと関係ないっていうのは、
 トーマスが女だったら男体化して妄想するから問題ない……ってこと?」
「左様でございます」
「……………」
「それに私の中ではトーマス様の性別などより、もっと重要な問題を抱えております」
「……嫌な予感がひしひしとするけど、一応聞かせてもらうよ」
「未だ、トーマス様とVV様のどちらが受けでどちらが攻か私の中で定まらないのですっ!
 このままでは、百合カプ萌えになってしまいます!」
「待って咲世子。わざわざトーマスを男体化するとまで言い切ってるのに、何で百合になるの?
 百合って女性同士を指す言葉なんじゃないの?」
「一般にはそうですが、腐道においては受け同士のカップルの事です」
「受け……そう、咲世子的には僕ら二人とも受けなんだ……。
 何か色んな意味で知りたくなかったよ……」
「受けとオニャノコのカップルを指す場合もあります」
「男女なのに百合なの!?」
「はい!」
「……あー、奥が深いということだけは判ったよ。ていうか、それ以上は判りたくない……」
「あら、そうなんですか?こんな質問をされるくらいですから
 『変なもの』にいよいよ目覚めてつつあるのかと期待してしまいました」
956名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 19:50:59 ID:kqcoZI5A
埋め
957(2/3)声優ネタ或ハはんぎゃく日記ネタ:2008/09/19(金) 19:51:36 ID:nc8ZoMBC
「ない!それだけは絶対にないからっ!」
「そうですか。残念です」
「心の底から残念そうな顔しないでよ!どうせなら、女の子を勧誘すればいいじゃない!」
「ここはギャルゲ板ですから、殿方の夢を壊すようなことはあまり……。
 例えば、シャーリー様とソフィ様は私と同じく準公式で腐的な扱いがありましたが、このスレではスルーですし」
「SEとかピクドラ系は公式でいいんじゃないの?DVDマガジンまでいくと微妙だけど、
 君はロスカラで大々的に取り扱われたからねぇ……」
「二期SEを公式扱いはちょっと。いくらスーさんでもランスロットを持ち上げるのは……。
 私的に『ヌルヌルだよー』は必聴ですけど」
「咲世子はロロ贔屓だから『いいんだよ、ロロ』押しかと思ってたよ」
「DVDマガジンと言えば久しぶりに見直しましたら、私はどうやらルル×スザだったようです。
 ロスカラ蒼月編のルルーシュ様描写が凄かったのですっかりルルーシュ様は受けだと……」
「待った!咲世子!」
「はい?」
「ロスカラ的にはルルーシュはヒロインなんだ!だから……」
「ではロスカラSS的にはルルーシュ様は受けでOKということでしょうか?」
「そういうことが言いたかったんじゃないけど……まあ、その解釈でもいいよ」
「どうなされたのですか?VV様?急に疲れた顔をされて。……あ、よろしかったらバナナブレッドを
 召し上がりませんか?甘いものを食べれば疲れも和らぐかもしれません」
(疲れの原因は咲世子なんだけどね……)
「お飲み物はチョコレートフレーバーのミルクティーなんていかがでしょうか?それともコーヒーになさいますか?」
「……カフェオレにして」
「かしこまりました」
「……咲世子待った!何やってるの?」
「コーヒー牛乳を牛乳で割っておりますが、何か?」
「どうして牛乳で割るの?それはそのまま飲むものでしょ?」
「まあ!さすがはVV様!そうですよね、VV様は皇族でいらっしゃいますもの。
 コーヒー牛乳をストレートで飲むという贅沢は普通のことなんですね!」
「それって別に贅沢じゃないと思うんだけど。それよりコーヒー牛乳が出てきた事にビックリだよ!
 当然レギュラーコーヒーから作ってくれるものだと思っていた」
「残念ながらコーヒーは私のジャンルではないのです」
958名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 19:51:39 ID:cQA55bol
キタ!支援!!
959(3/3) ◆jj1O33/AE. :2008/09/19(金) 19:54:36 ID:nc8ZoMBC


「……一息入れたところで、もう一つ訊きたいんだけど?」
「はい、なんでしょう?」
「部屋、どうするの?作っていいの?」
「ああ……。えーっと、ご辞退申し上げます」
「どうして?トーマスがせっかく……」
「理由は色々とございます。例えば『初シリーズ部屋がコレかよ!』とか……」
「ああ、まあ、それはねえ……」
「三本目でやめるつもりが、つい四本目を書いてしまい、投下することにした時は、
 いっそ埋立人とでも別コテつけてやろうかとも思ったそうですが、
 コテ二つ+名無しで投下するというヘンテコな事態に陥るのが目に見えていたのでやめたそうです」
「これ以外も名無しで投下したことあるんだ?」
「はい、何本かしたそうです」
「……じゃあ、とりあえず現状維持ってことだね」
「あ、いえ、違います」
「何が違うの?」
「トーマス様に依頼メールを書いている最中なのですが、
 移転を機にこのスレネタSSは保管庫から削除していただくようお願いを致します」
「えっ!?」
「元々ロスカラSSとは言い難い内容ですし、SS以外のレスからネタ拾ったりしていますから、
 保管庫で保管していただくにも、保管庫で後から読んでいただくにも、ちょっと微妙すぎなんですよね。このSS」
「や、でも……」
「そもそもSSと言えるのかどうかも怪しい代物ですし、過去ログでの保管で充分!と言うことです」
「咲世子、本当に?」
「はい!」
「……………」
「それでは、そろそろメールを届けにいかなければなりませんので、失礼致します。さようなら、VV様」
「えっ……と、さようなら……?」

「……って、ええーっ!?ホントにーーー!?」
960名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 19:57:51 ID:cQA55bol
そ、そんな!?
961名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:01:02 ID:kjyIllGk
ええーーーーーっ…。
マジですか?
962名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:01:53 ID:HsUEKNvU
ええー!そんな!
963名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:03:26 ID:cQA55bol
ご、ご一考頂くわけには……、悲しむ人が大勢いると思います。勿論、私もです。
964名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:03:57 ID:kjyIllGk
これが釣りなら…無茶苦茶釣れそうだ…。
釣りであってくれーーーっ…。
965名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:04:06 ID:ril1aeB0
>>959
GJでした……って、えぇーーーっ!!
まぁ一応過去ログで読めますし、本人がそう言うのならば止めませんが。
それに埋めSSをやめる訳でもないみたいですしね。

とりあえずこのSSで知らなかった、別に知らなくてもよかった知識が増えていきます。
コーヒー牛乳牛乳割り、当然ですね。
あとカルピスは水多めで。
貴方の次の投下を全力でお待ちしております!
966名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:12:18 ID:cQA55bol
本人の意志が最優先……解ってはいます。それでも、願わずにはいられない……!

……480kBに達しました。埋め、しましょうか……?
967名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:19:56 ID:ril1aeB0
……?
保管庫から削除するだけで別に投下は続けるんじゃ……読み違い?
968名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:41:21 ID:kqcoZI5A
生め
969名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:42:18 ID:ril1aeB0
優しい>>1000でありますように
970名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:44:17 ID:kjyIllGk
うめー
971名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:45:31 ID:0f7sc/tT
優しい次スレでありますように
972名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:50:57 ID:tJLLVJ95
ところでトーマス卿の諸刃の“諸刃の剣”なシステム気になる梅
973名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:52:02 ID:kjyIllGk
確かに…気になる…。
974名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:52:57 ID:HsUEKNvU
埋め梅
975名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:54:04 ID:kjyIllGk
梅うめーっ。
976名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:56:13 ID:HsUEKNvU
緑茶うめぇ
977名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:56:19 ID:ril1aeB0
オォォーーール・ハァァイルゥ・埋めタァァァイナァァァ!
978名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:56:47 ID:Ro2nsr9o
埋めついでに質問いい?
979名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:57:10 ID:HsUEKNvU
コーヒー牛乳+牛乳うめぇ
980名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:57:15 ID:kjyIllGk
ジュースかってこーっと…。
うめうめ…。
981名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:58:27 ID:HsUEKNvU
>>978 答えられる範囲ならいいっすよ
982名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:58:35 ID:tJLLVJ95
>>978
早くしたほうがいいぜ熟め
983名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 20:58:39 ID:ril1aeB0
なんたる行幸! 宿命! 数奇!
>>978
どぞ
984名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 21:00:37 ID:Ro2nsr9o
ここ以外でおすすめのロスカラSS教えてください
985保管者トーマス ◆HERMA.XREY :2008/09/19(金) 21:00:37 ID:cQA55bol
埋め

>>972 ヒント:職人の皆様に更なる強大な権限と責任を
986名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 21:02:26 ID:tJLLVJ95
サイト名書き込むのまずいよね倦め
987名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 21:02:52 ID:ril1aeB0
>>984
2ちゃんでそう言うこと聞くのはどうかと
988名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 21:02:58 ID:HsUEKNvU
それは、ちょっと答えられんかな
サーチで地道に探すのが吉
989名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 21:04:10 ID:Ro2nsr9o
そうでしたね。すんません。埋め
990名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 21:04:49 ID:oBwVVkfh
次スレの支援お願い…
991名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 21:04:54 ID:HsUEKNvU
薔薇の園に負けずにがんばれとだけ。梅
992名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 21:05:11 ID:kjyIllGk
うめじゅーすなかった…。
1週間前まであったのに…。
いとー●んのばかーっ…。
あれ大好きだったのに…
うめうめ・・・。
993名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 21:06:03 ID:ril1aeB0
>>1000なら次スレにライナナ大量投下!
994名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 21:06:05 ID:tJLLVJ95
たまにBLサイトでも取り扱ってるから
ギアスサーチで気長に探すしかないと思ふ。
もしくは某大手二次創作投稿サイトaででも聞くしかないなウメ
995名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 21:06:15 ID:Pukn/c9p
オスシ作ってみたよ(・∀・∩)…食べてみて。
996名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 21:07:34 ID:Ro2nsr9o
1000なら次スレは今日中にで埋まる
997名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 21:07:49 ID:kqcoZI5A
埋め
998名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 21:08:50 ID:kjyIllGk
>>1000なら959は釣りww
999名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 21:09:06 ID:tJLLVJ95
ロスカラ2出る事願いウメウメウメ
1000名無しくん、、、好きです。。。:2008/09/19(金) 21:11:18 ID:kqcoZI5A
1000なら、今年じゅうにロスカラ2発売!
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