コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS SSスレ 19
952 :
ロスメモ:2008/08/23(土) 17:26:32 ID:nad/A2v9
ヴィレッタに言われ、ルルーシュに近づいていくライとスザク。
その姿にルルーシュはすぐに理解した。ライは記憶をすり替えられたと。自分と同じように。
(本来なら、ライの隣は俺の…!)
ルルーシュはそんな感情を押し殺し、握った拳を緩め、友人達を迎える。
ライの友という居場所を奪ったスザクに対し文句の1つでも言いたかったが、それよりも先に状況を整理。
ここで自分の記憶が戻っている事がバレたりしたら元も子もない。そう言い聞かせ、ルルーシュは落ち着こうとする。
――俺の記憶から消された情報は、ナナリーや母さんのことを含め、皇子だったこと。
黒の騎士団を率いた反逆者・ゼロだということ。更には、ライも俺の味方であったこと。
つまり、ライそのものの記憶は消されてはいない。故に今の俺達は――
「久しぶりだなライ」
「久しぶり、ルルーシュ。元気そうで良かった」
「そっちこそ」
ルルーシュはライと握手を交わす。その顔は、親友に向ける笑顔そのもの。
しかし、ライはルルーシュに向けていた笑みを保ちながら、後ろにいるスザクに顔を向けて言った。
「スザク、どうしたんだ?はやく君もこっちに」
「え、…ああ」
そう言われはっとしたように返事をしたスザクは、ライに手を引っ張られ、ルルーシュの前に改めて立つ。
「久しぶりルルーシュ」
「ああ、スザク」
ライとルルーシュの間にあったものと同じ空気――と見えるようなルルーシュとスザクの間で、
見えない駆け引きと騙し合いが行われているとは気付かないライは、満足そうな笑顔をしていて。
その笑顔を見てルルーシュの推測は確信に変わる。
スザクが一番に近づかなかった事も、ライを見た自分の反応を伺うため。
だがルルーシュは取り乱すことなく、またスザクを欺けているという絶対的な自信があった。
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954 :
ロスメモ:2008/08/23(土) 17:28:10 ID:nad/A2v9
記憶を取り戻してから数日間、ライの安否が分からない状態の中、何度も何度も暇さえあればシミュレーションを繰り返していたのだ。
ライがどうなってしまったのかを。意味は無いと知りながら、それでもルルーシュは続けていた。
何十何百何千何万と繰り返し、どんなに小さな可能性も見逃さず。
当然その中にも、現在のと同じ状況を想定した物もあった。
ライが自分の敵となる。偽りの記憶の中、スザクと並ぶライの姿。
ただの友達が敵となるのではなく、相手はライ。
自分にも劣らない戦略的思考のできる頭脳と、スザクやカレンに匹敵する戦闘能力。
しかもあの皇帝の騎士であるラウンズとしての力を持っているのだ。
およそ考えうる限り、これほどの強大な個人レベルの敵は他にいないと思えるほど。
ただでさえ不利な状態に、そんなライが敵という事実。
数十万に及ぶ可能性の中、この状況はルルーシュにとって……
……かなり、良い部類。
そう、とても、上位に組する状況だった。
――生きていた。
信じてはいても、それでも諦めの思考が幾重にもよぎっていた。
ライが既に殺された可能性の方が高かった。
だけど、生きていた。生きていてくれた。
ルルーシュはこれほど喜びに打ち震えたのは久しぶりだと思った。
一目見れば分かる。偽りの記憶であっても、変わらないその笑顔。
恐らくは記憶に関しては、黒の騎士団にいた事を消された程度。
どうすればライの記憶を元に戻せるかはともかく、それだけでルルーシュには救いだった。
故に、ルルーシュはスザクを欺けている自信があった。
今の自分は、間違いなく心から喜んでいるのだから。
「また会えて嬉しいよライ、スザク」
ああ、本当に嬉しい。俺を覚えていてくれて。
今はただ、それだけがルルーシュの心を占めていた。
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スレ立て完了。投下終了したら貼るよ支援
957 :
ロスメモ:2008/08/23(土) 17:30:56 ID:nad/A2v9
―――――――…
「先生、“俺とロロの全てのイレギュラーを見逃してくれませんか”」
「ああ、分かった。2人ともあまり外を出歩くなよ」
「「はーい」」
ルルーシュの瞳の力に、教師の目は一瞬赤く縁取られ、その命令は頭に刻み込まれた。
ギアス。絶対遵守のその力は偽装した監視者を次々と落としていく。
「これでヴィレッタ以外は全員か…」
「はい。でもまだナイトオブセブンがいます。殺しますか?」
「そういうのは止めろって言っただろ。それに…その話し方も。俺達は兄弟なんだから」
「うん。兄さん」
素直に応じるロロに、ルルーシュは優しい笑みを深くする。
その奥では、ナナリーの代わりとなっていた事への罰を与えたいという思いが渦巻いているのだが。
微かに、こうやってロロを利用するやり方はライは嫌うだろうな、という考えがルルーシュの頭をよぎる。
だが手段を選べる状況ではない。ライは今は敵となっているのだから。
「ロロ、この後だが…」
「分かってるよ。これから機情での報告があるから、出来るだけライさんの事を探るんだね」
「頼む」
しかし、こんな状況だがそれ程絶望的ではないのかもしれない、とルルーシュは思う。
ライが生きているという事はナナリーも生きている可能性が高い。いや、ほぼ確実となった。
人質とされる可能性もあるが、そこらはおいおい詰めていけば良い。
まずは、ロロを使って現在のライの立場などを詳しく知る必要がある。
C.C.から聞かなければならない事も、カレンにライの事をどう説明するかもその後だ。
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960 :
ロスメモ:2008/08/23(土) 17:33:02 ID:nad/A2v9
「やってやるさ。日本の独立くらい、この学園の中からでも。俺達の未来のためにもな」
「うん」
(だが“俺達”の中にはロロ、お前は入っていないんだよ…。俺達の未来にはお前の存在など必要無い。ふはは…)
全ては偽り。ルルーシュにとってはナナリーとライを取り戻し、世界を手に入れるための劇場に過ぎない。
しかし、それでも学園という世界を壊さずにいるのは、そこにルルーシュという人間の根元があるから。
いくら理由を並べようと、この世界を壊すことはできない事に変わりない。
それはルルーシュの甘さであり優しさであり弱点であると同時に、強さでもあった。
――――――――……
同時刻。エリア11政庁付近の空港で、ライはジノとアーニャの下へと近寄っていた。
それに気が付いたジノはしまった、という顔をして、一方アーニャは笑顔になる。
「おかえりライ」
「げ、ライ!」
「ただいま、アーニャ。ジノ……げ?」
とライはジノの言葉に首をかしげる。そんなライに少し慌てたようにジノは言葉を重ねた。
「もう帰ってきたのか?学校があるんじゃ?」
「歓迎会の準備があるから、授業が早く終わってね。スザクは何か用事があるらしいからまだ帰ってこないけど」
「そっか…スザクはまだか…」
「ん、2人は今来たとこ?じゃあ僕も一緒に政庁に挨拶を…」
「ちょ、待った待った!」
ジノの制止の声に、またライは首をかしげた。
おかしい。ジノは何かを隠している。そもそも、予定ではこちらに着いてから結構な時間がたっているはず。
じとー…というライの疑惑の視線に、ジノはわざとらしく口笛を吹いたり、今日はいい天気だなー、と話を誤魔化そうと精一杯だ。
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962 :
ロスメモ:2008/08/23(土) 17:34:34 ID:nad/A2v9
しかしライはそんなジノににこやかに笑みを向けたまま、
「アーニャ」
と呟く。勿論、アーニャはジノとライのどちらを優先するかは決まっていて。
「ジノが、政庁の防衛力を試すから、トリスタンとモルドレッドで突入しようって」
「なるほど」
「アーニャ、裏切る気か!お前も乗り気だっただろう!?」
「ライ、ジノは嘘つき。私は止めようとした」
「分かってるよアーニャ。ジノは最低だな」
「…2人とも本当に、こういう時は息がぴったりだな…」
ジノが呆れて、降参、と手を上げた。
しかし諦めきれないのか、ライに食い下がる。
「なぁ、見逃してくれよライ。トリスタンもモルドレッドももう準備しちゃったし」
「ジノ……君という人は…」
「アーニャも本当はやりたいんだろう?」
「そうなのかアーニャ?」
「ち、ちょっとだけ…」
縮こまりながらそう言うアーニャを見て、ほら、とジノがライを促す。
自分がアーニャに甘い事を利用をするジノに、少しは利口になったか、と存外失礼な事をライは思った。
しかし、次にジノが放った言葉にライの空気が変わる。
「なぁ…ほんのお遊びだからさ」
「……お遊び?」
ライはぴくりと眉を動かしジノの返答より先に言葉を続ける。
「お遊びで、第七世代ナイトメア2機で政庁に突入なんて馬鹿な真似をするつもりだったのか?」
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964 :
ロスメモ:2008/08/23(土) 17:37:15 ID:nad/A2v9
そんなライの怒ったような声に、ジノは焦る。
(しまった。ライ、こういう冗談は嫌いじゃないか!)
気付けばライの背後には何か黒いオーラが見え隠れしていて。
「ジノ…」
「は、はい!」
思わず敬語になる。ふとジノは横に視線を逸らすが、そこに人影は無く。
アーニャは既にライの後ろで携帯を手に記録をし始めていた。抜け目ない。
「遊びでそういう事をするなと何度言えば分かる…」
「すいません…」
ラウンズには基本的に上下関係は無いのだが、こういう状況になるとジノはライには頭が上がらない。
もはやジノは政庁突入を諦め、ライの気をどう抑えようか悩んでいた。
「やるなら本気だ。しっかりと政庁の奴らの防衛力をテストしないと」
「へ?」
「突入に対する一次対応、その後の二次対応までの速さと内容、その他KMFの実力なども……
ああ、モルドレッドは装備が限られるから、メインはトリスタンか。なら誘導についてのテストも出来るかな…」
「ら、ライ。ちょっと待て!」
思わずライの喋りを止めたジノに、しかしライは当然だとばかりに言い放つ。
「ジノが言い出した事だ。文句は言わせないよ」
「そうじゃなくて!……やっていいの?」
ジノの囁くような疑問の声に、そして同様の疑問の視線を向けるアーニャに、ライは首をかしげた。そして、
「駄目とは言ってないけど?」
少しおどけたようなライの笑顔に、ジノは歓喜の声を上げた。
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966 :
ロスメモ:2008/08/23(土) 17:39:07 ID:nad/A2v9
*
「いえ、まだルルーシュがゼロでないと判断するのは早い。監視は今まで通りに」
「僕達の監視が信用出来ないと?」
「そういう訳じゃない。ただ、彼は平気な顔で人を騙す奴です。一年前もそうだった」
暗い部屋に広がる、モニター群の中、ロロ達機密情報局員はスザクへのルルーシュに関する詳細な状況説明を行っていた。
そして、そのスザクの言葉に、ロロは心の中で悪態をつく。平気な顔で騙す奴。それは貴方もでしょう、と。
――兄さんの期待を一身に受けながら、それを裏切った……。
その事実から生まれる嫉妬と憎悪の感情を、しかしロロは冷静に受け止めた。
ルルーシュを信用できるのか、という問いはいつも、という程時間はたってないが、それでもずっと頭の中に。
だがこの自分の感情は何だ。
「その……アールストレイム卿は?」
「ライはこちらでも監視を。ルルーシュと接触した際は、注意してくれ。
まぁ、ライに異変があれば、アーニャが気が付くと思うが…」
「アーニャ?」
「いや、こっちの話だ。君は今まで通り、弟役を続けてくれ」
「イエス、マイ・ロード」
何がこっちの話、だ。アーニャというのはナイトオブシックスの事だとロロはすぐに思い出した。
スザクの言葉から、ライに関してはアーニャが監視しているのかもしれない、と推測する。
(けどナイトオブシックスは機密情報局の事は知らないはずじゃ?)
思わず確認しようと開きかけた口をすんでのところで止める。
これ以上の余計な質問は怪しまれる可能性があった。
(けど、最初の報告としては上出来かな…)
などと、兄の反応を期待してしまう自分のどうしようもない感情にロロは再び気付く。
ルルーシュを信用できるのか、などという問題は、自分の中でもう通り過ぎているのだと改めて認識した。
――僕はもう、兄さんから逃れられない。
支援
コードギアス 反逆のルルーシュR2〜LOST MEMORIES〜
COLOR 8『ナイト オブ ラウンズ』
終わりです。支援どもでした。
本当はこの後の政庁突入まで行く予定だったのですが、思ったより長くなってしまい…
10話あたりから、1話の分量が増えるかも。でも最近忙しいから投下ペースは落ちるという悲劇。
ではまた。
NEXT COLOR 9『政庁 崩落』
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……
>>968 ピンクもふもふ卿、GJでしたか!
ちょっ、次回予告!
ライの無事を確認したルルーシュ、その内面描写が巧く、読みやすい
いつもながら続きが気になる引き
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
さて、次のスレも出来たことですし残りをどうしましょうか?
埋め
ssの投稿はスレ20に任せ、
本スレで、支援のマナーの定義と投稿後の御意見の書き方について
討論しませんか?
埋めネタがあるなら討論をなしで
ネタ投稿でカウントダウンとかでしょうか?
こないだ飛んできた電波
・ガンルゥファイト
・ライの乗機ゲッカガンルゥ
・「みよ、鍛えあげたこの体」とさけぶムキムキゼロ
・ラスボス、デビルガンルゥ
・石破ラブラブ輻射波動でとどめ
無論ボツ
ついに20スレいったか…。
金色のガンルゥ
真・ゲッカー1
機動戦艦イカルガ
俺としてはゲッカー2とかゲッカーライガーのほうがいいと思う、つまりドリル
しかしながら腹とか頭から輻射波動も捨てがたいな
機動戦士ガン・ルゥ00
僕がガンダムだ!
キングゲッカー
ガンダムじゃねぇ、ガン・ルゥだ…orz
というかなんでこんな流れになったんだ?
みんなもっと感想書こうぜ
支援した人は出来るだけ感想書いた方がいいと思う
賛成は挙手、ノ
(・ω・)ノ
( ^ω^)/
>>978 ライ「ナナリー。僕はもう、君に折り紙を折ってあげられないんだ……」
そして、黒いランスロットで出撃ですね。分かります。
>>988 そこはガウェインの中にクラブだろ
そして折り紙折れないならKMF乗れなくない?
クラブの操縦系を神経電位接続に変更すれば…無理だな
じゃ埋め用のネタSS投下します
まとめると、神経電位接続でガウェインの装甲を被ったクラブ。
カレン「ライはどこに行きたいのぉ?」
993 :
食卓:2008/08/23(土) 19:27:59 ID:+dJ8N9tR
重力少年『エルゴ、エェェェンドッ!』
ゼロ『ぐおっはぁ!?』
馬鹿代表『チェェェェストォォォォ!』
ゼロ『私の戦略が、戦術に敗れるというのか!?』
少年兵士『ゼロ、お前を殺す』
ゼロ『ナ、ナナリーーーーーーー!!!』
ル『おいライ、何だこれは?』
ラ「今日本で人気のスーパーなロボットの大戦ゲームだよ」
ル『そんなことを聞いているんじゃない、何故私がこんなにボロ負けしているんだ!』
ラ「精神コマンドがあれば絶対守護領域も簡単に壊せるからね、KMFはサイズも小さいし」
ル『敵勢力として出てくるのは分かる、しかし死にすぎだろうこのゼロ』
ラ「いいじゃないか、僕なんて本編に出てないからこれに出れないんだぞ!」
ル『知るか!』
ラ「どうせ君なんて、総じてステータスが低いから蜃気楼じゃなくて、隠し機体のガウェインでC.C.と一緒にしか出撃枠もらえないよ!」
ル『えぇい、魂持ちがカレンとスザクだけなど俺は絶対に認めない!』
C「何を騒いでいるんだ、お前達?」
同時刻ブリタニア某所
「ゴキ○リ、お前の大事なものは何だ? そう命だ!」
プシュー(殺虫剤を吹き付ける)
「アハハハハハハハ、ヒャハハハハハハハハハ!」
ぴろりろり〜
「記憶…」
ライなら、愛とか奇跡も使えるはず!
>>993 食卓の騎士卿、GJでした!
……直撃、か
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
食卓の騎士卿GJ!
テンさんwwなにやってんだww
ゴキ○リ相手にwww
1000なら、ライとミレイさんが結婚する
>>993 GJ
ライは指揮官とガンファイト持ちっぽい
1000ならライはノネットさんの嫁
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。