白河ことりファンクラブ15学期

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132D.C.I.F.作者 ◆zRMZeyPuLs
「お兄ちゃん・・・おめでとう・・・」
さくらは複雑な想いではあったが、"ひとまず"祝いの言葉を向ける。
「ありがとな・・・」

「白・・・ことり先輩、花束をお願いします。」
美春はこの日の為にブーケを取る練習をしてきた。他にも、音夢と眞子が目を光らせて睨んでいる。
「そ・・・れ!!」

バサッ

少しだけ花びらを散らせながらブーケは・・・。
「・・・これはどういう事だ?」
花びらは桜の花だった。季節はまだ3月。今となっては普通の桜であるのに、2週間は早い。
「季節じゃないけど・・・綺麗・・・」
みんな上空を見上げ、桜を見つめる。しばらくしたら桜はすべて散り、結婚式場は桜吹雪に包まれる。
「うわ・・・」
それは視界がきかない程である。
「何なんだ・・・」
しかし、純一とことりだけはその瞬間を垣間見た。
「あ・・・」
離れた場所だったのだが、はっきりわかった。黒衣を纏った少女がブーケを持って微笑んでいた。
「アイシア・・・」
気がつくと桜の花びらは全て消えていた。そして、黒衣の少女も辺りにはもういなかった。
「今のはなんだったんだろう?」
「白昼夢ってやつ?」
真実は純一とことりだけが知っているようだった。
「ふふふ・・・」
「どうした?ことり・・・」
「何だかね・・・春ってとても気持ちいいなって思ったの。」
「そうかもな・・・」