みんなでギャルゲのシナリオを作るスレ 5月3日(金)

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1名無しくん、、、好きです。。。
当スレも4スレ目に突入。
ここはスレタイの通り、みんなでギャルゲのシナリオを作るスレです。
参加資格はネットユーザー全員。みんなで物語を描いていこう。

■まとめサイト
http://hp14.0zero.jp/206/sss1001/
http://hp24.0zero.jp/478/MGSTS0001/
■みんなでギャルゲのシナリオを作るスレ 4月1日(月)
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gal/1129982704/
■みんなでギャルゲのシナリオを作るスレ 5月1日(月)
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gal/1134139715/
■みんなでギャルゲのシナリオを作るスレ 5月2日(木)
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gal/1141428542/

■基本ルール
1、リレー小説みたいなものですので、被りは避けましょう。とりあえず、書く前、書き込む前、書き込んだ後の3回に更新しましょう。確認大事!
2、万が一、被ってしまった場合は、次の人が面白そうな方を選んで続けてください。
3、選択肢は【 】で表します。
4、あまりに話がズレてきてしまった場合、なんとか修正していってください。トンでもな流れはそこそこに…
5、話は繋げるのが基本です。設定、流れ等確認しておいてください。
6、荒らし厳禁!
2名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/05(月) 20:11:11 ID:fOjFkr5y
――でも、これだけは覚えていて…together with you
あなたに私が見えなくなっても、私の心はあなたと共にあります

■製品情報
タイトル:together with you
プラットホーム:PlayStation 2
ジャンル:創作型恋愛アドベンチャー
主題歌:4月の雪
CERO:15才以上対象
メディア:DVD-ROM(二層)1枚
メモリーカード使用容量:128KB以上
その他:デュアルショック2対応、16:9(ビスタサイズ)、プログレッシブ(525p)出力対応、ドルビーデジタル5.1ch対応
発売日:2005年10月22日
希望小売価格:初回限定版 7,800円(ピクチャーレーベル仕様。ネリネのスク水フィギュアを掲げ持つ大輔のフィギュア付)
      :通常版 6,800円
制作・著作:(C)MGSTS corp. All rights reserved

好評発売中&鋭意制作中!!


■制作会社概要
商号:エムジーエスティーエス株式会社(MGSTS corp.)
創業年月日:2005年10月22日
資本金:1万500円
決算期:3月
所在地:日本
事業内容:家庭用ゲームソフトの企画、制作、販売
従業員数:約65億名(2006年6月5日現在)*1秒間に2〜3名増加
3名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/05(月) 20:12:12 ID:fOjFkr5y
■キャラクター解説
http://www003.upp.so-net.ne.jp/s_t_k/MGSTS.character.txt
■用語解説
http://www003.upp.so-net.ne.jp/s_t_k/MGSTS.yougo.txt

間違いや変なところがあれば指摘してください。すぐに修正します。


■「みんなでギャルゲのシナリオを作るスレ 4月1日(月)」一括表示
http://www003.upp.so-net.ne.jp/s_t_k/MGSTS-4.1.txt
■「みんなでギャルゲのシナリオを作るスレ 5月1日(月)」一括表示
http://www003.upp.so-net.ne.jp/s_t_k/MGSTS-5.1.txt

過去スレを一括表示します。
4月1日だけ見やすくするために線を入れましたが、テキスト内容には一切手を加えていません。
5月1日のスレは線を入れていないので読みにくいと思いますが、そのうち編集しようと思います。
また、たかがテキストファイルと言えど、容量は500KB前後あり、行数も凄まじいため、
全文表示されるまでにはかなりの時間がかかります。
スペックによってはパソコンの動作が重くなるかも知れませんが、根気よく待ってください。
4名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/05(月) 21:23:50 ID:nHoiekIQ
キャハハー(^O^)チンコ花火厨オジサンID変えながら自作自演キンモーイ(プゲラッチョ
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キャハハー(^O^)
5名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/06(火) 19:09:59 ID:Eyg7f4cU
始めるぜ。
前スレの>>525から。

大輔「くそ、どうやらひなたも俺の姿が見えないらしいな…」
ゆかり、蓮華、明日香、貴史、恩田、ひなたは俺の姿が見えない。
雪村さん、彼方、ウラさん、神木さん、スウは夢魔界にいる。
まだ会ってないのは、環希、委員長、美咲先輩、響子先生ってところか…。
大輔「今のところ、俺の姿が見えて、且つ協力的なのは理恵ちゃんだけかよ…」
ミグ「私と深緒さんにも見えますよ、大輔さん」
大輔「うお! ミ、ミグか。驚かせるな。一体どこから出てきやがった」
ミグ「懐の中です。すごく寝心地が良いですね」
そう言って、ふわ〜と大きな欠伸をするミグ。
大輔「懐ってお前…」
夢魔界の時には確かに懐に入れてたが…なんでそんなところに入ってるんだよ。
気づかない俺も俺だが。
さて、これからどうしようかな。
このまま次元の狭間にいたら1ヵ月後にはマジで死んじまうらしいから、本気で打開策を練らねば…。
俺は…

【ミグに相談してみる】
【ミグに八つ当たりしてみる】
【ミグに泣きついてみる】
【ミグにいたずらしてみる】
【ミグに…】
6名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/06(火) 22:37:53 ID:Y87SeBq0
【ミグに…ツッコミを入れておく】

大輔「懐に…って、そんなに小さくないだろ!」
ミグ「いえ、口をついて出たというか…」
また電波か…。それとも記憶が戻ってきてるのか?
大輔「で、どこに行ってたんだ?」
ミグ「ちょっと公園に…」
公園? そういえば、前にリズも公園に行ってたような…。
精霊を引き付けるような何かがあるのか? 聞いてみるか。
大輔「なんで公園なんだ?」
ミグ「あの場所はなんとなく既視感のようなものを感じて落ち着くんです。自分でもよくわからないのですが…」
大輔「そうか……公園か」
もしかしたら、夢魔界と何か繋がりがあるかもしれない。行ってみるか?
けど、このまま行っても収穫が得られるかどうか…。

【とりあえず公園に行ってみる】
【理恵ちゃんに会うほうが先】
【澪に聞いてみる】
【他に何かないかミグに聞いてみる】
【深緒を探して公園を探ってもらう】
7名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/07(水) 01:55:41 ID:hyaHfoKm
【とりあえず公園に行ってみる】

そりゃ行くしかないわな。幸い、今は時間に縛られることもないし。
理恵ちゃんも澪も探したいところだけど、まずは自分の目で見ないと。

……本当は授業内容が気になるが、戻ってきたときに誰かに教わればいいだろう。
この俺の脳みそなら、多少遅れても問題はない……よな?
男子生徒A「…でさあ、この前氷室に数学教えてやったんだけど、アイツ飲み込み悪くてさあ…」
男子生徒B「うーん、あいつ基礎の公式覚えてないんじゃないか? そりゃ問題も解けねーって!」

orz

ミグゥ「大輔さん?」
大輔「いや……今更ながら重要な何かを認識したなー、と」
ミグゥ「はあ。まあ、基礎は大事ですからねえ」
大輔「orz」
8名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/07(水) 09:49:30 ID:KVtGBzba
キーンコーン カーンコーン………

なんのかんので1時限目が終わったようだ。
こうしている間にも時間は過ぎていく。
大輔「自分のことだもんな、とにかく何とかしないと……」
校舎1階の玄関に差し掛かったところで体操服の女子の集団がどやどやと入ってきた。
多分どこかのクラスの1時限目は体育だったのだろう。
そう言えば貴史の話じゃ、うちの学校は数年前までブルマだったらしいが今やスパッツだ。
大輔「フッ………貴史じゃあるまいし」
体操服の女子の集団は更衣室に入って行った。
大輔「………………………」

【後学のためだ見学しておこう】
【俺は紳士だかその前に男なんだよ。見学するぞ!】
【ママン、許しておくれ。俺は迷わず更衣室に忍び込んだ】
【俺はチャンスを棒にふるわないナイスガイさ】
9名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/07(水) 13:29:12 ID:6YiJb7dt
【俺はチャンスを棒にふるわないナイスガイさ】

って、どれを選んでも結果は同じじゃねぇか!?
ここは行くべきなのか…?
大輔「いや、しかし…いやいや……」
ミグゥ(じ〜〜〜っ)
大輔「はっ…!」
いかん、何を考えてるんだ。ミグが不審そうに見てるじゃないか。

【弁解しておく】
【笑ってごまかす】
【当初の目的を果たすため行動する】
【逃げる】
10名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/07(水) 14:33:52 ID:ba7c8A7m
【当初の目的を果たすため行動する】

大輔「ミグゥさん」
ミグゥ「はい、何でしょう?」
大輔「忘れ物をしました。ここで少しの間待っていて貰えないでしょうか?」
何故か敬語になる俺。
ミグゥ「イヤです」
ミグゥは何故か明快にNOの返事をした。
大輔「……………」
ミグゥ「……………」
張り詰める緊張がそこにあった。

大輔「つーわけだ。ちょっくら待っててくれ!」
ミグゥ「あ!」
俺はミグゥをその場に残し、脱兎の如く駆け出した。
我が向かうは禁断の園!
11名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/07(水) 19:36:23 ID:CufAFcHg
「いざ!突撃〜!」
俺は迷うことなくエデンへの扉に手をかけ…

大輔「あばばばばばばばばばば!!!」

把手を握ったとたん、なにか電流のようなものが流れ、俺は2、3メートルほど弾き飛ばされた。
大輔「………な、なんだ!?」
よく見ると、扉に何かお札のようなものが貼ってあった。
大輔「………やられた」
それには、『悪霊退散』と書いてあった。
大輔(チクショウ、絶対澪の仕業だ…。俺の劣情をどうしてくれる!!)
俺はすごすごと更衣室を後にし…
女子A「あれ〜?なに、このお札?さっきはなかったよね」
女子B「わかんないけど、なんか不気味だね…。はがしちゃう?」
大輔「………」

【立ち去る】
【粘る】
12名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/07(水) 20:28:16 ID:z2pKjy1w
【粘る】

こういうイベントは多分初めてだ。
今まで真面目にやってきた分、ちょっとくらいハメを外しても怒られない…よな?
女子A「はがしちゃえば? きっと男子の悪戯だよ」
女子B「更衣室にお化けが出るとか? 男ってなんかくだらないことに本気になるよねー」
大輔「………」
いや…くだらなくはねぇハズだぞ、多分。
女子A「いいや、はがしちゃえっ」
ベリリ。
大輔「ナイスだ、女子A!」
俺は名前も知らぬ女子を賞賛した。
大輔「よし、今度こそ突――ハッ!」

∀・) ← 澪


 ( ・`д・´;) ← 大輔

大輔「………」
13名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/07(水) 20:34:57 ID:4j6BR/dl
澪「………」
大輔「ちい!行けるか!?」
俺は澪に構わず壁抜けを試みた。
ミグゥ「……行かなくて良いよ。バーカ」
よし、ついにミグゥのタメ口が聞けたぞ。

何かとても大切なものをひとつ無くした気分がしたが、今は気にしない。
大輔「北欧より来たれり3賢者よ!我に力を!」
澪「なんだコイツ?異様に素早いぞ!?」
ミグゥ「……1回死ね」

壁抜けした向こうには――――。

大輔「……………………」

――――3分後。

俺は更衣室を後にした。
澪「……おいコラ」
大輔「ありがとうございました大変勉強になりました」
ミグゥ「……なんでそんなつやつやなんですか?」
大輔「描写はありません。思いだし笑いもしません。……とにかく」
ミグゥ「とにかく?」大輔「ありがとうございました。サンキュー!白のレース!」
ミグゥ「やっぱりこの人絶対悪霊だよ……」
14名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/07(水) 23:17:39 ID:z2pKjy1w
順子「ミグの口調にかなり違和感があるわよ…」
夏江「この前、奇妙な澪を書いてた人と同じ人? ログ全部読めとは言わないけど、もう少し合わせるように努力してくれると助かるわ」


続き。
さてと、変なイベントはここまでにして、話を本筋に戻そう。
たしか公園に行くんだったな。
精霊が既視感を覚えるという話だから、なにか次元に関するヒントがあるかも知れない。
大輔「それじゃ行ってみるか、ミグ」
ミグ「はい」
俺はミグと連れ立って、公園に歩を運んだ。
15名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/08(木) 03:10:36 ID:pdlLJze6
学校で澪に平手打ちをくらい、ミグにじと目で見られながらも公園へと向かう道すがら、変な二人組とすれ違う。

通りすがりA「最近、順子と夏江、出てくる回数多くね?」
通りすがりB「いろいろ問題あるからなぁ」
A「でも、別に出てくることもないだろ? そこのチラシみたいなやりかたもあるんだし」
B「あぁ、これか。なになに…」
チラシ『ミグ(ミグゥ)の口調は一時的にキレたような状態ということでOKだと思います。
合わせるだけじゃなくいろんな観点を持つことも大事です。そんな心を発掘するMGSTS教にあなたも入りませんか?』
B「なんてヘタな勧誘だ…と、そろそろ行くか」
A「そうだな」

聞いたようなキーワードが入ってたような気がするが、特に気にする内容じゃなさそうだ。
ミグゥ「今の人たち、変な会話してませんでした?」
大輔「気にしたら負けだ。早く公園に行ってみよう」
ミグゥ「?」
それから数分後、例の公園に着いた。
しかし、何をやるべきだ? とりあえず…
【散策する】
【ミグと公園デート】
【ミグに探ってもらう】
【意識を集中してみる】
【シャドウが気になる】
16名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/08(木) 11:30:48 ID:32xqUFSk
【ミグと公園デート】

昼前の公園は人もまばらだった。
俺達は空いているベンチを見つけてそこに並んで座った。
近くに団地があるためか、赤ん坊を連れた女の人が何人かたむろして立ち話をしていた。
話を聞く気はなかったが聞こえてきた。
どうやらたむろしている女の人の内のひとりが初めて自分の赤ん坊を連れてこの公園に来たらしい。
世に言う公園デビューとかいう奴だろうか?真新しいベビーカーがそれを物語っていた。
公園にデビューも何もねえだろと言うツッコミは、俺はあえてしない。
あの人達にはあの人達なりの価値観があり人間関係がある。頭ごなしな否定は良くないよな。うん。
なにより今の俺には縁遠いというか全く関係ない話だった。
向こうのベンチではスーツ姿のおっさんが疲れた顔で寝そべっていた。
さやさやと静かな風が頬を優しく撫でて、髪の毛がゆっくり揺れた。
大輔「………良い天気だな」
ミグ「………良い天気ですね」
……和んでどうする?
大輔「そういえば」
ミグ「はい何ですか?変態の悪霊さん」
悪霊に変態が追加されていた。
大輔「腹減らね?」
ミグ「そうですね」
大輔「とりあえず何か食わね?」
ミグ「悪霊ならまだしも変態さんの施しは受けたくありませんわ」
ミグはにっこり笑っていたが、やはり嫌われたようだった。
17名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/09(金) 02:38:10 ID:5SsE6VVu
くそう。冗談がわからない堅物精霊め。まあ、変態でも悪霊でもなんでもいい。今は……
ミグゥ「はい、私が感じた既視感ですが……」
大輔「腹が減った!」
ミグゥ「は、はあ……」
大輔「ミグ、お前の言いたいことはわかる。が!」
ミグゥ「腹が減ってはいくさはできぬ、ですか?」
大輔「その通り! どうやらそのことわざは全次元共通みたいだな」
ミグゥ「えーと……で、どうするんですか? どこで食事を取るんですか?」
大輔「実はそれが問題。頼りの理恵ちゃんはまだ学校だし、
   深緒だって見た感じ高校生っぽかったから、学校があると思う。
   金もないし、第一我々の姿は普通の人には見えないからものを買うことも不可能。
   あるのは食べ物を載せることができる三方だけ。
   つまり! 我々は現地調達するしかないということなのだ」
ミグゥ「それって窃盗…」
大輔「人聞きが悪いぞ。これはあくまで現地調達、戦いの中ではやむを得ないことなのだ」

あのー…えーと、私、本当にこの人についていっていいんでしょうか?
ともかく……
ミグゥ選択
【背に腹は代えられません。お手伝いします】
【悪いことはいけないと思います!】 
18名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/10(土) 09:31:18 ID:z7ixCLSo
【背に腹は代えられません。お手伝いします】

ミグゥ「仕方がありませんわね。分かりましたわ。不本意ですけど、協力しましょう」
大輔「そうこなくっちゃな」
――そうなのだ。私は私の記憶を取り戻さなければいけない。
気がついたら私は神社にいて、私の姿は、この変態の悪霊さん同様、誰からも見えないのだ。
今のところ私の姿を認識できるひとは、あの深緒ってひとと、不条理にもこの変態の悪霊さんしかいないのである。
…そして、この紙が私の唯一の手がかり。
『検索履歴:ランバード、エンハンス公国、ヒド王国、石英、花崗岩、二酸化ケイ素、モース硬度』
一体なんなんだろう?このメモ?意味さっぱり分からないし。
…でも、なにか思い出せそう。でも全然思い出せない。ああ、もどかしい。

私はふと自分の記憶喪失の度合いについて考えてみた。
自分の名前や素性、生い立ちは全然思い出せないけど、日常会話をする上では支障はなさそう。
ミグゥ「理不尽ですわ」
大輔「?」
気がつくと公園の出口付近にたこ焼屋の車が止まっていた。
私はたこ焼屋の車をちらと見てみる。私はあれがたこ焼屋の車と認識できる。
あのワゴンタイプの車の名前も、車を作っている会社も作られた年もなぜかすぐに分かった。
そしてたこ焼を作っている男の人が最近年下の彼女と喧嘩をして別れ話を持ちかけられており、どうしようか悩んでいる。
…ような気がしたが、こっちは多分気のせいだろう。そもそも分かるはずのないことだ。

たこ焼屋に赤ん坊連れの若い女の人があつまりはじめたが、
あの女の人たちが、今身に着けている服や装飾品の値段、それを作っている会社までなんとなく分かった。
注意して見れば、あの人たちの家族関係まで手に取るように判る気がした。…何故だろう?
情報の認識能力はあるけど、自分のことだけ全然思い出せない。そんなところだった。
ミグゥ「やり切れませんわ」
大輔「どうした、たこ焼が欲しいのか?」
ミグゥ「……」
とにかくこの状況をなんとか脱出しなければ。私はそう思った。
19名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/10(土) 09:40:41 ID:z7ixCLSo
???「っていうか、自分の名前は思い出してたんだっけ?」
20名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/10(土) 11:01:15 ID:8OcNEOAr
つーか、ミグは大輔に対して丁寧語だぞ。
いくらなんでも、それくらいは注意してくれ。
21名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/10(土) 14:48:43 ID:upgqlq/h
セリフはキャラクターを特徴付ける大事な要素だからな
可能な限り合わせるべきだな
テキストだけなんでセリフがおかしくなるとキャラクターまで変わりかねない
22名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/10(土) 15:58:05 ID:M+T0M3Qr
ひなたは最初は「ひなた」だったのに、たまに「ひなちゃん」になるも問題だよな。
そこらへんも統一しようぜ
23名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/10(土) 18:08:12 ID:G2uh6UN9
>>22
その辺は>>3のキャラ解説に載ってる呼称表に準じればいいんジャマイカ?
これに合わせるなら「ひなた」だな。
まだ出来てない呼称表も、ここに書いておけば>>3の人が更新してくれると思われ。


>>18から。
ミグゥ「たこ焼きなんて別に欲しくありません」
私はついと横を向いて、無愛想に返答する。
しかし、その途端、まるで狙いすましたかのように「ぐ〜」とお腹の虫が鳴ってしまった。
ミグゥ「わわわ…」
私は慌てて両手をブンブン振り回したが、まったく意味のない行為だった。
大輔「意地張らなくてもいいだろうに…まぁ買ってやろうにも、この身体じゃ買えないんだけどさ」
大輔さんはそう言って苦笑を浮かべた。
それからしばらくの間は、二人とも黙っていた。
手持無沙汰になった私は、もう一度メモを取り出し、じっと眺めてみる。
そこで、ふとあることに気づいた。
相変わらずその言葉の羅列の意味は分からなかったが、単語の1つ1つは知っているということに気づいたのだ。
どういうことだろうか…。
私は1つ息を吐くと、少しばかり深慮を始める。
会話、社会常識、知識などは正常に保たれていながら、自分に関する情報だけ想起できない記憶喪失を
全生活史健忘というが、おそらく私の記憶喪失はその類であろうと思われる。
それならば、自分のことは思い出せなくても、何かしらこの不可解な状況を打破する知識なら持っているのではないだろうか。
そう考え、私はもう一度頭の中を整理し始めた。
24名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/10(土) 23:15:26 ID:ojb0c9L5
まず、一つ一つゆっくりと考え…

ぐぅ〜

ミグゥ「…………」
大輔「無理してくてもいいんだぞ? どうせ俺は食べる気だし」
ミグゥ「え、あ、じゃあ……あの…お願いします」
確かに背に腹は変えられないようです…。

テキ屋のあんちゃんが目を離したスキを見計らって、大輔はたこ焼きを2パック失敬した。

大輔「もぐもぐ」
ミグゥ「もぐもぐ」
私たちは公園のベンチに座ってたこ焼きを食べていますが…すいません、屋台のお兄さん。
大輔「気にしない、気にしない。どうせ、たこ焼き2パックなんて大した金額じゃないし」
顔色で考えてることがバレちゃったみたいです。
ミグゥ「で、でも、あのお兄さん、後で『2パック分金が足りねーぞ!』って、
    怒られちゃいますよ。ヤ○ザはそういうところ厳しいんですから!」
大輔「……なんか、ミョーなこと知ってるなあ」
自分でもその通りだと思います。
25名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/11(日) 11:10:03 ID:VZv63Bqu
大輔「ところで……」
ミグゥ「はい、何でしょうか?」
俺達はベンチに並んで座りタコ焼きを頬張っていた。
大輔「この公園に来て何か分かった?」
ミグゥ「一つだけ気掛かりなことが………」
大輔「何だい?」
ひょいと爪楊枝で次のタコ焼きを頬張る。結構美味いな、このタコ焼き。タコ大きいし……。
ミグゥ「悪霊さんが普通にタコ焼きを食べている件について………」
大輔「………………あ」
何気なく食べていたタコ焼き。普通に意識せずに掴める爪楊枝。
大輔「掴めてる?掴めてるよ!俺タコ焼きパックも爪楊枝も持ててるじゃないか!?」
ミグゥ「……気がつかなかったんですか?」
大輔「すみません。全然気がつきませんでした」
…ってことは、俺の姿も元に戻ってる!?
ヘイヘイと小躍りしたい気分になってコサックダンスを踊ってみた。
ミグゥ「………あ」
そのとき俺の後ろから、さっきタコ焼き屋の前でたむろしていた
赤ん坊連れの女の人達が、平然と俺の身体をすり抜けて前方のほうに歩いていった。
大輔「…………全然直ってないじゃん」
ミグゥ「あのう、前途多難ですか?」
疑問文で言われても……。
基準がわからない2人であった。
26名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/11(日) 15:45:28 ID:AmTG+fGx
最近進み悪過ぎるし他キャラとの絡みも皆無
このままじゃスレが死にかねない
多少強引な手を使ってでも、幽霊状態を何とかするべきか?
27名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/11(日) 18:55:14 ID:Kz3UGIl2
>>26
そんな無茶しなくてもいいと思うが…。
3日間くらい全然レスが付かないとマズイだろうけど、1日に1〜2レスあるんだから、特に問題ないと思われ。
つーか、そんなこと言うならお前さんも書きなさいよ…

>>25から。
大輔「で? 気がかりなことって何だ?」
まさかさっきのがマジで気がかりだったなんてコトはあるまい。
ミグゥ「次元関係のことに関して、私の知りうる限りの情報を思い出してみたんですが、いくつかの解決方法がありました」
ミグゥ「ただ、その解決方法のほとんどは1日以内にやらなければならないので、残る方法は限られています」
ミグゥ「その中で一番難易度が低そうなのは、時空魔法:テレポートを半角で作用させること」
ミグゥ「そうすると魔法の力が半減して、中途半端に魔法がかかりますので、その拍子に次元の狭間から抜けられるみたいです」
ミグゥ「時空魔法:テレポート自体は初級魔法ですので、その魔法を使える術者さえ見つかれば要件は具備できます。ただ…」
大輔「ただ…なんだ?」
ミグゥ「術者がテレポートを唱えたその瞬間に、大輔さんが『ファンクションエイト』と言わなければならないんですけど…そのタイミングがとてもシビアなんです」
ミグゥ「0.027秒以上ズレてしまうと、普通にテレポートが作用してしまいます」
ミグゥ「その場合、次元の狭間にハマった状態でどこか別の場所に飛ばされてしまうんですけど、どこに飛ばされるかまったく予想できません」
ミグゥ「通常なら術者の思い通りの場所へ転送できるんですが、次元の狭間は魔力の流れがイビツですので、運が悪いと地球の裏側にまで飛ばされるなんてコトも…」
大輔「おいおい、そんなコトになったら戻って来れないじゃないかよ…」
ミグゥ「はい。しかし、これが一番難易度低いんです。聞きたければ他の方法も解説しますが、これよりもっと難しいですよ?」
う〜む…時空魔法テレポートか。俺は使えないから、それで時空魔法に長けた理恵ちゃんが必要になってくるわけだな…。

【仕方ない…これが一番簡単なら、これでやってみるか】
【他の方法を訊いてみる】
28名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/11(日) 19:30:30 ID:o1iua3Fh
【他の方法を訊いてみる】

大輔「ちなみに別の方法も聞いて良いかい?」
ミグゥ「はい、わかりました」
ミグゥが目を閉じ静かに言葉を紡ぎ出す。
ミグゥ「方法はシンプル……。あなたはあなたの時間を遡ります。
  あなたがあの異界の剣士に胸を貫かれる直前まで」
大輔「!」
ミグゥ「あなたの夢は異界の剣士に胸を貫かれ死にかけています。  ……いえひょっとするともう既に死んでいるのかもしれません」
大輔「………」
ミグゥ「そして私自身もあなたが持ち歩いていたため?
  ……も、持ち歩いていた?……そして、あの剣士の衝撃は私の身体をも貫き…………」
大輔「お、おい……」
ミグゥ「わ、私は今何を?」
大輔「そっか」
ミグゥ「は、はあ……何故私がこんなことを喋っているのかはわかりませんが………」

俺は
【ファンクションエイト作戦でいこう】
【過去に遡ってあのスカした野郎と対決してやる】
29名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/12(月) 11:18:33 ID:zBlcX85U
>>26
俺はこのちょっと日常に戻ったような展開好きだけどな。
夢世界パートはすぐ新設定でてくるし、ごちゃごちゃしてわかりにくいし。
過疎ってても日常パートの方クオリティ高いからこのままでいいよ。
今日は浮かばないから本編書き込まないけど苦言だけスマソ。
30名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/12(月) 13:06:07 ID:gWvfYLtm
【過去に遡ってあのスカした野郎と対決してやる】

大輔「……戻れるのか?あの時に?」
ミグゥ「確証はありませんが、恐らく……。しかしそれは大変危険を伴う選択です」
大輔「俺は戻りたい!あの時、あの場所に!
  あの話をめちゃくちゃにしやがったキザ野郎に一発喰らわせないと腹の虫がおさまらない!
  へへんだ!全部無かったことにしてやるぜ!」
ミグゥ「……そうですか、気持ちは変わりませんか……」
ミグゥが悲しそうに呟いた。
ミグゥ「分かりました。……しかし、あなたが過去に戻り、もし逆にあの異界の剣士に敗れた場合は、魂と時の牢獄
  ……つまり無限のループに陥る危険が伴うことを忘れないでください」
大輔「……失敗は許されないということか?」
ミグゥ「はい。……でも、ひょっとすると私達はもう既に、記憶がないだけで、短い時間のなかをぐるぐる廻っているのかも知れませんね」
大輔「でも決めた!俺決めたから!最後までとことんやってやる!」
ミグゥ「……それはそうと」
大輔「「まだ何かあるのか?」
ミグゥ「このタコ焼き美味しいですね」
大輔「……………」

公園にはさやさやとそよ風が吹き、空は抜けるような青空だった。
31名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/12(月) 18:49:50 ID:mPClLvK1
ミグゥ「……やっぱり、おいしいですね」
大輔「そうだな」
結局俺たちは、タコ焼きをもう1パックずつ拝借し、おいしくいただいた。
ミグゥ「しかし…生きるためとはいえ、やはり盗みは人の道に外れた行為…そうそう簡単にとるべき手段ではありませんね」
大輔「口にソース付けながら何を言うか」
ミグゥ「う…だ、だから…私が言いたいのは、人から自分が見えないからと言って、人としてのプライドを捨ててはいけないということです!!」
タコ焼きのついでに失敬したおしぼりで口を拭くと、ミグゥはぷいとそっぽを向く。…うん、可愛い。
まぁ、それはそうだよな。こういう時こそ、人間としての資質が問われるわけで…
ミグゥ「…ましてや、女子更衣室に突入するなんてもってのほかですよ、変態の悪霊さん?」
仕返しとばかりにミグゥは言ってのける。冷静な彼女には珍しい(といっても会ったのは昨日の今日だが…)悪戯っぽい笑顔。
大輔「ぐ……そ、そこは忘れてくれ……」
ミグゥ「いいえ、その出来事はしっかり記憶しております」
大輔「き…記憶!?いやホント頼むから忘れてくれ!消去消去!」
ミグゥ「ダメです。一度記憶したことはそう簡単には忘れません」
大輔「そこをなんとか…!」
ミグゥ「ダメです」
いつのまにか、公園に来た時の険悪さはなくなっていた。
32名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/12(月) 22:04:48 ID:mupOwMd7
はっ! いつの間にか和んでしまっている!? 落ち着いてる場合じゃないはずなのに…。
それにしても喉乾いたな。
大輔「喉乾いてないか?」
ミグゥ「あ、はい。そうですね…」
大輔「じゃ、水飲みに行くか」
ミグゥ「でも、どこに…」
大輔「向こうに水飲み場があるからさ」
…………。
とりあえず、水飲み場に着いたが普通に水飲むだけなのも…
【いや、普通に飲んでいこう】
【ここは伝統の水かけ(蛇口を押さえるやつ)を実行】
【ちょっと待て、和んでる場合じゃ…】
33名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/14(水) 01:13:52 ID:BlQzurdv
【ここは伝統の水かけ(蛇口を押さえるやつ)を実行】

大輔「先に飲みなよ」
ミグゥ「どうもです」
俺は水飲み場の蛇口の取っ手に手をかけた。
おっ!?すり抜けない。まんまと持てるじゃないか。
俺がきゅっと蛇口の取っ手をひねると水が吐水口から水が少しずつ出始めた。
水の流れる音が心地よい。
ミグゥがそっと流れる水に顔を近づけた際、ちょっぴり悪戯心が芽生えた。
はい、もちろん実行です。
俺は躊躇なく蛇口の吐水口を指でぎゅっと押さえた。

水がミグゥの目の前でぶわっと凄い勢いで四散した。
ミグゥ「わっ!わーっ!?」
大輔「うお!?ことのほか爆発力が大きいぞ!」
やった俺自身も予想外の威力に少しびっくり。
ミグゥ「きゃーっきゃー!」
逃げ惑うミグゥ。俺もミグゥも一瞬で水浸しになってしまった。
ミグゥ「もーっ!なんてことするんですかー!」
大輔「ははは。悪い悪い、…つい」
とりあえず蛇口から手を離す。
ミグゥ「まったくもーっ、この人は…、悪霊で、変態で、今度はお子様ですか」
大輔「まあ、そう言うなって。あっ、虹だ」
ミグゥ「あら、ほんと」
蛇口付近に小さな虹がかかっていた。

…だから、和んでどうするよ。
34名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/14(水) 19:09:14 ID:ChezNQbx
しばらく俺達は、公園で日光浴して、着ているものを乾かした後
ミグゥ「それでは、そろそろ行きましょうか?」
大輔「そうだな。このままここにいても和む一方だし……」
俺達はベンチから重い腰を上げた。
大輔「あのさ、ふと思ったんだけど……」
ミグゥ「……まだ何か?」
大輔「俺達の着てる服も、皆から見えないんだよな?」
ミグゥ「はい、多分」
大輔「でさ、服脱いで……、脱いだ服をその辺に投げとくと、どうなるのかな?ずっと見えないままそこにあるのかな?」
ミグゥ「……………………」
何故かミグゥに白い目で睨まれた。
……うっ、あれは『そんな小せえことグダグダ気にしてんじゃねえ!このダボが!』って目だ。間違いない。
ミグゥ「……………………」
するとミグゥは何か言いかけようとして、何も言わなかった。
あれは多分『私はそんな下品な物言いはしませんし、人のモノローグを勝手に捏造しないで下さい』って目だ。
見えない緊張がそこにあった。
大輔「とりゃ!ものは試しだぜ!」
ミグゥ「あ」
俺は上着を脱いで、ベンチの上に放り投げてみた。
俺が放り投げた上着はベンチの上に落ちる直前に――――――ふっと跡形もなく消えた。
大輔「……あ、あれ?」
もう、どこにもなかった。ベンチの下にもなかったです。はい。
ミグゥ「消えてしまいましたね。まあ、何て恐ろしい」
大輔「……あの、君の棒読みは置いといてさ、俺の上着……あれっきり?もう戻らない?」
ミグゥ「そうみたいですね。これは要注意です」
ミグゥは冷静だった。
35名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/15(木) 07:43:55 ID:cl3t6dej
俺達は公園を後にした。
公園を出る際、どっかのおばさん達の話し声が聞こえた。
主婦1「あの水飲み場、さっき誰もいないのに勝手に水がぶしゅーって飛び散ってたわよ?」
主婦2「まあ故障かしら?いいわ、公園の管理人が主人の知り合いだから、私からちょっと聞いてみるわ」
大輔「………………」
ミグゥ「………………」
ミグゥにも軽く睨まれたが、とりあえず俺は何も聞こえないふりをした。

公園を出て大通りに出る。ここをしばらく行くと理恵ちゃんの通う姫百合女学園があるんだ。
ふと煙草屋の角に小さい女の子が立っているのを見かけた。はて?どこかで見たことあるような?
小さい女の子は、道路の反対側の、なにもないところをぼーっと見ながら何もせず突っ立っていた。
大輔「……誰かに似てるっていうか、どこかで見たことがあるって言うか……」
そう言えば昨日の晩、理恵ちゃんがなんか言ってたような?
ミグゥ「なんですか?悪霊さん。変態でお子様で、今度は幼女趣味ですか?」
大輔「…………………」
……何も言い返せませんでした。

大輔「……?」
あれ?今あの女の子と目が合った?気のせいか?
少女「……」
女の子はこっちを向いてにこっと笑った。……笑った?こっちが見えている?
俺はなんとなく気になって、女の子に接触を試みることにした。
ミグゥ「……ロリコン」
大輔「ぼそっと言うな。ぼそっと……あれ」
俺がちょっと目を離した隙にその子の姿は無くなっていた。
大輔「……消えた?」
ミグゥ「はい、消えましたね」
……後から気がついた。あの子は雪村さんに似てたんだ。
36名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/15(木) 11:49:01 ID:PRh8VKYO
大輔「なあ、そういえば……」
ミグゥ「はい? どうかしましたか?」
大輔「公園が気になるんじゃなかったか?」
ミグゥ「あ……」
大輔「……」
ミグゥ「そ、そうでしたね。変態でお子様でロリコンの悪霊さんのおかげですっかり忘れてました」
変態でお子様でロリコンか。我ながら堕ちたものだなあ。
とりあえず俺たちは公園に戻ることにした。
大輔「ところで、気になるってどういう感じなんだ?」
ミグゥ「ええと……あの公園の全体、ではないのですが、一部から懐かしい何かを感じるんです。
    それが何なのか、どこから感じるのかは、いまいちぼやけててわかりませんけど」
ふうむ。懐かしい、ってことは夢魔界の何か、ってことか。
もしかしたら、ゲートが開く可能性ってのもあるかもな。そういえば、深緒の神社でも……。
だが、ゲートなんて自然発生するものなのか? 
誰かが来ているのか? はたまた向こうで異変が?
って、まだ公園のはゲートと決まったわけでもないが…。でもうまくいけばそれで戻れるかも。
まあ、何にせよ公園の調査だ。
37名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/15(木) 12:57:22 ID:RU7RCVi2
大輔「おっ、子どもたちが遊んでる。平和だなぁ。俺もよくここで遊んだよ」
ミグゥ「あぁ、子どもたちが変態さんの毒牙に…」
大輔「そういう言い方やめてくれないかな。俺が誘拐犯みたいだろ…」
ミグゥ「違うんですか?」
大輔「違うから」
あれ? なんで公園に来たんだっけ?
それより、理恵ちゃんに会わないと…。
大輔「そろそろ行くか」
ミグゥ「そうですね」
公園を出る。
……ちょっと待て、公園を調査するんじゃなかったか?
大輔「なぁ、俺たちは公園の調査に来たんだよな?」
ミグゥ「そうですね」
大輔「まだやってない…よな?」
ミグゥ「…そうですね」
なんかおかしいぞ…。
38名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/15(木) 17:29:06 ID:yBx9DpAF
大輔「とにかくだ、ミグゥ、どこか怪しげに感じるところはないか」
ミグゥ「そうですね…あ」
大輔「なんだ? 何かあったのか」
ミグゥ「いえ、こんな張り紙が…」
張り紙「Canvas2やって気づいたんだが、彼方の名字ってコレが元ネタだな?」
彼方と書いてあるが、意味が分からなかった。
大輔「なんだこりゃ」
俺はそのチラシを剥がし、裏側を見てみる。
そこには…
39名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/15(木) 18:45:57 ID:VW4Ws+TK
『根本的な問題について、まとめサイトに書いたから見て下さい。できればご意見も下さい』
と書いてあった。
大輔「……なんだこれ?」
ミグゥ「……さあ?」
40名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/15(木) 20:43:13 ID:yBx9DpAF
ピンポンパンポーン。突然響いた放送の音。
大輔「なんだ? まだお家に帰りましょうの放送時間には早いはずだけど…」
順子「仕方ないわねぇ。説明してあげるわよ」
夏江「澪は、西暦でいうところの900年頃、夢魔界の頂点に立ったわ」
順子「でも、戦いに絶望して約1000年後(1900〜2000年くらい)に転生」
夏江「転生の影響で大分力が弱まったけど、それでもAランクだったし、記憶も受け継がれちゃったから、
   強力な記憶封印術を自分自身に施し、ミオと深緒に力を永久分離して、Cランクにまで弱体化」
順子「んで、普通に無食人として成長する。元々が戦いに生きてきた身だから、ジオスのような英雄に憧れを抱いたりもしたわね」
夏江「魔耐高校については、その名の通り「半強制」なので、義務教育的に入学させられる」
順子「で、無事卒業するわけだけど、記憶は封印されていても、持ち前のセンスでその頃にはミオともどもSランクになっていたと」
夏江「その後はノヴァから声がかかって戦争に参戦。ほどなく七幹部に就く」
順子「しかし、戦いを繰り返すうちに力をつけすぎてしまったため、転生直後(Aランク時)にかけた記憶封印術を自ら破ってしまう」
夏江「で、『せっかく転生して記憶を封印したのに、また同じことをしているのか』と自分に呆れた澪は、さらに現世へ転生」
順子「もう一度記憶を封印するとまた戦いを求めてしまうので、記憶はそのままにして、現世で余生を送ることにしたと」
夏江「ま、そういうわけさね」
順子「あんだすたん?」
夏江「ちなみに、これは魔法周波数を使っているので、普通の人間には聞こえませーん」
ピンポンパンポーン。
ミグゥ「…なんだったんでしょう? きっとテストか何かですから、気にせず調査を続けましょう。大輔さんはどこか気になりませんか?」
大輔「そうだなぁ…」

【ブランコのあたりが気になる】
【木陰のあたりが気になる】
【アスレチックが気になる】
【滑り台が気になる】
【シャドウが気になる】
41名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/15(木) 22:00:54 ID:cHQlnNHY
【滑り台が気になる】

大輔「滑り台の辺りを調べてみよう。滑っていくと夢魔界に突入とか嬉しい展開が有るかもしれない。
ただ、その前にミグゥ。公園全体の『空気を読んでくれないか』。」
ミグゥ「分かりました・・・とくに不思議な力は感じませんが、>>40>>39と言いたい気分です。」

滑り台に向かいながら続ける。
大輔「そうか、さっきのは空耳か?」
ミグゥ「違いないです。」
大輔「ところでミグゥに今、俺はどう見えている。」
ミグゥ「はい、氷室大輔。悪霊さん。変態。お子様。幼女趣味。以上が検索結果です。」
大輔「いや、そういう意味の見え方じゃなくて、というか・・・
俺はもう立ち上がれないかもしれないorz」
ミグゥ「どうしました。」
大輔「orz」
滑り台の下でorzとなっている俺の上に次々に子供達が振ってきていた。
42名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/16(金) 01:53:52 ID:aYYHOwK9
???「何をやっている?」
大輔「はえ?」
ミグゥ「え?」
この姿の俺たちに話しかけられるってことは……理恵ちゃん?
???「私よ、私」
そこにいたのは澪だった。滑り台の下でorzとなっている俺を冷ややかな目で見ている。
ああ、その冷たい視線がたまらない!
大輔「って、アホやってる場合じゃねーーーー!!」
俺は勝手に妄想して勝手に復活した。これがノリツッコミだ。ミグ、覚えておくよーに。
澪「で? 帰る方法は見つかったのか? その分だと、まだまだのようだが」
ミグゥ「そんなことはありませんよ! じつはかくかくしかじか(>>27)」
ミグの説明を聞いていた澪は、明らかに肩を落とした。
澪「はぁ〜……。それでもアナタ、グリアモスの一族なの? 情けなくって涙が出てくるほどよ。
  あのねえ、確かにそりゃそれが一番簡単な方法。だけど、時空魔法を使える術者がいてこそよ?
  時空魔法は高度な術。才能があっても使えるようになるまでは相当の修行が必要よ。
  いくら理恵ちゃんにすっっっごい才能があっても、まあ10年は無理ね」
ミグゥ「( ̄□ ̄|||)」
今度はミグがorzになってる…。そういや、この2人って面識あるのか? まあ、澪なら知っててもおかしくないか。
大輔「で……どうしてお前がここにいるんだ?」
澪「ふう……私も静かに暮らしたかったんだけどねえ。何もしないってわけにもいかないみたい。
  ふふ、“力得た者の責任や如何に、得た力の代償や如何に。そびえる大岩の行く末や如何に”」
大輔「? 禅問答か?」
澪「力を得るために支払った犠牲は、行為でのみあがなえる。
  力持つ者とて、動かなければいずれは朽ち果てる。英雄、双刃・ジオスの言葉よ」
大輔「……? 何を言って…?」
澪「あなたの味方になるわけじゃない。でも今回だけは全面的に協力してあげる」
澪(ジオス……私の幼い頃の憧れも、今じゃ良いお父さん、ね。
  「今回だけでいい、頼むからアイツを救ってやってくれ、か…)
澪は何かに思いを馳せるように目を閉じた。
43名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/16(金) 01:55:52 ID:aYYHOwK9
んあ、澪の口調が一部おかしいな…。スマソ
44名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/16(金) 15:18:32 ID:Ki+Boo6g
>>41
順子「>>40>>39を見て澪の補完をしたんジャマイカ?」
夏江「ちゃんと説明してあげるべきじゃない? 根本的な問題って過疎のことだと思うけど、
空気嫁とか、そういう嫌味みたいな言い方すると、ライターが逃げて余計に過疎ると思うし…。ね?」

取り合えず、前スレが落ちたので一応貼っておきます。
http://www003.upp.so-net.ne.jp/s_t_k/MGSTS-5.2.txt
ちと容量きつくなってきますた。
誰か大きい鯖領域もってる人いたら代わってくれ…orz
各種設定も更新しておきますた(いつもちょこちょこやってるけど)。
何かおかしいところあったら指摘よろです。
45名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/17(土) 01:50:05 ID:YnDNRWnN
澪の回想――

澪「ジオス……こんなところに呼び出して何か用?」
私は駅のそばの喫茶店にいる。目の前には、夢魔界の英雄、ジオス。いや、今は氷室圭輔と呼ぶべきか。
圭輔「ああ……」
少し疲れた表情で、氷室圭輔がうなだれる。
澪「何? まさか、私とイイコトでもしたいの? ふふ、それが英雄の頼みなら私も……」
目の前の男は無言だ。私も口調を改める。
澪「ジオス、私に何をしろと?」
圭輔「……大輔の助けになってくれ」
その答えを私は予想していた。次元の狭間をさ迷う彼らの選択肢は少ない。方法は多いが、可能なものはわずかだ。
澪「……でも、私には出来ない。私が干渉すれば私にも災いが及ぶ。それは…それだけは嫌」
圭輔「ああ、君の気持ちもわかる。だが、君しか頼れるべき人はいない。
   俺では大輔を救うのは到底無理だ。そう、君をここに呼んだ精神感応の術がせいぜいだよ」
かつて夢魔界の人々の憧れが、今目の前でうなだれている。私はなんともいえず悲しくなった。
圭輔「君は、己の力について考えたことがあるか?」
唐突な質問に、私は眉をひそめる。力? 私の魔力? 蓄積された知識?
圭輔「俺はかつて双刃と呼ばれ、夢魔界の平和のために力をふるった。
   おそらく、いやあの頃の俺は間違いなく四天王で一番強かった。親父より強かったかもしれん」
そう、そうなのだ。双刃・ジオスはどんないくさでも常に勝った。国を荒らす強大な魔獣も死闘のすえ打ち破った。
まさに、おとぎ話の中にしかいないような英雄だった。
圭輔「……しかし、今は俺はその力を失った。そのときと今、俺はどちらが幸せだと思うか?」
何を言うのだろうか。そんなもの……

澪選択
【今の方が幸せだと言う】
【昔の方が幸せだと言う】
【どちらも同じくらい幸せだと言う】
46名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/17(土) 02:49:37 ID:FCFwxI8T
【どちらも同じくらい幸せだと言う】

大輔「そして、その時お前は、どちらも同じくらい幸せだと言うぅぅぅっ」
回想にふけっていた澪がハッと我にかえる。
澪「なんだ?なんのことだ?」
大輔「何が起こったのかは、俺にも解らねえ。ただ今起こった事を有りの侭に話すぜ。
まるで1レスを使い果たしたかのように、澪の考えている事が手に取るように解ったんだ。
レスと言うのが何なのかは俺にも解らねえ、ただ1つこれだけは言える、澪、お前は回想から戻ってきた。」
澪「私の考えている事が解っただと?」
大輔「ああ、お前は『まさか、私とイイコトでもしたいの? ふふ』と俺の親父を誘惑した筈だ。」
澪「なっ!」
意外な部分を指摘され、動揺してしまう澪。大輔は優位に立ち、話の主導権を握った。

大輔「澪、力を貸してくれるならお願いが有る。
もし時空の接点とやらの、都合のいい時期が今で無いなら、
この後1ヶ月、次に時空の接点の強くなる時の少し前までは、俺を放置してくれ。
その上で俺が何の解決策も見つけられなかったら力を貸してくれ。」
澪「解った。」
大輔「うっかり時空の接点の強い時を過ぎてしまっては元もこもないな。その時期だけは教えておいて貰えるか?」
澪「そうだな。昨日を逃してしまったのだから、次の機会は12から14日後、
その次はだいたい26から28日後で、おそらくラストチャンスだ。」
大輔「OK、頼んだぜ澪。こんな事態になったのは、あの時恐怖にすくんでしまったからだ。
自分の力を発揮できなければ死にかねない事を理解できず、動けなかったから。
今の俺はゆっくり考えることと、戻った時に死んでも悔いが無いように、心を決める余裕が必要だ。
大丈夫だ。今度はしっかり動ける、そんな気がする。」
澪(ジオス、いや圭輔、お前の息子はお前が思っているより、遥かに逞しく育っているようだぞ。)
澪自身気付かなかったが、この時澪は昔ジオスに感じたのと同じトキメキを大輔に感じていた。
47名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/17(土) 14:38:09 ID:qPFb7mR0
???「考えが読めたのはなしだな。大輔がジオス=父と知るのはまずい」

大輔「なんだか電波な出来事が起こったような気がするが…。とにかく、今は自分で考えて行動したい」
澪「そうか、お前がそう言うのなら私は何も言えないな」
大輔「それに理恵ちゃんは時空の魔女、だったっけ? らしいから、協力してもらえば何かしら解決策が―」
澪「あれは嘘だ」
大輔「( ̄□ ̄|||)」
澪「いや、あながちはずれてはいないかもしれないのだが…。」
大輔「…どういうことだ?」
澪「魔女かどうかは別として、理恵からは異質なものを感じる。何か特別なものを持っているのは確かだ。心当たりはあるのではないか?」
そういえば、場を止めたときや記憶操作のとき、そして今回も…。
大輔「まぁ、あるにはあるな。でも、特別なものってのは何なんだ?」
澪「それはわからん。ただ耐性や霊感があるだけという可能性もある」
ミグゥ「それで、これからどうするんですか?」
お、ミグが立ち直った。
大輔「そうだな…」
希望が一つ潰えたようなものだし…
【引き続き公園の調査】
【理恵ちゃんに会ってみる】
【やっぱり澪には協力してもらう】
【嘘をついたことをネタに澪をゆする】
48つくった。:2006/06/17(土) 22:40:05 ID:NoM5OR5B
つくった。相談したいやつはこっちを使え。
http://yy28.60.kg/mgsts2006/
49名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/17(土) 22:42:56 ID:0PWcS0/n
実は既存のところで、楽屋裏的な使い方してもよさそうなところがあったんだけど・・・
50名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/18(日) 00:26:05 ID:3Wz6vsUX
【やっぱり澪には協力してもらう】

このままだと、帰る方法がいつ見つかるかわからない。
出来る限り自分の力で帰りたかったんだが、つまらない意地をはっていても仕方がない。俺は……
大輔「俺は一刻も早く帰らなきゃいけない。そのためには……」
澪「みなまで言うな。わかった、協力しよう。だが、今回だけだぞ?」
大輔「ああ、すまない」
澪「私の力を借りるのは、何も悪いことじゃない。大方、自分の力、ということにこだわっていたのだろう?
  確かにそれも大切だが、それにこだわるあまり見えなくなるものもある。
  ふん、ギリギリまでこちらにいれば、それこそ向こうではどうなっているかわからんしな。
  まあ、それに気付けただけでも十分だ」
どうやら、全部お見通しだったか……。
澪「いいか、必要とあらば助けを乞う判断力も養え。お前は救世主らしいが、どのような力があるのかわかっているのか?
  もちろん、私にもわからん。だが、強大な力かもしれなければ、人々をまとめあげる力かもしれん。
  前者ならまだしも、後者だったら……? そういうことだ」
ううむ……。救世主としての力か。考えたこともなかったな。第一、俺が救世主なんて未だに半信半疑だし…。
ただ……俺は澪に多くを教わっていること確かだ。
大輔「そういえば…さっき言ってた双刃・ジオスだって誰だ?」
澪「夢魔界の英雄よ。夢魔界では知らない者はいないほどの。そして私の憧れだった人」

澪(別に、大輔に教えても構わないのかもしれない。「あなたはその息子なのよ」、と。
  その方が自分の力を自覚するかもしれない。でも、私はそれを拒んだ。何故か。
  双刃・ジオスは私の憧れ。でも、あの人は言った。「俺は幸せだと思うか?」と。
  私は答えようとした。でも、答えられなかった。喉元まで言いかかった言葉が出なかった
  そして、私の目の前には再び英雄になろうとしている者がいる。私は彼が英雄となる姿を見たい。
  何を感じ、何を選択し、そして事が大成したとき、幸せでいられるかどうかを。
  私自身、これからどうすべきかの答えも出るかもしれない。私の責任、私の代償。
  そして、私自身、これからどうなるのかが。朽ちるだけの存在でいいのか、それとも…)
51名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/18(日) 12:08:31 ID:SbyAHPe8
理恵「…アンタ、そんなとこで何やってんの?」
大輔「へ?」
ミグゥ「あ」
澪「む」
あ、理恵ちゃんだ。公園の入り口のところに理恵ちゃんの姿を見つけた。
大輔「ど、どう…」
君こそ、どうした、こんなとこで?と言いかけて俺が公園の時計を見ると、なんと午後4時を過ぎていた。
大輔「…もう帰宅時間なのね」
ミグゥ「そうみたいですね」
俺達は昼過ぎから公園で何をやっていたのだろう?

理恵ちゃんはもう一人、別の女の子と一緒だった。…あっちの子は、はて?以前どこかで見たことあるような。
真奈美「どうしたの誰かいるの?」
理恵「え?ああ、うん、…えへへ、気、気のせいだったみたい」
そうそうあれは、マナミとかいう子だった。…ドンワルショーネのコだ。
真奈美「そう言えばさ金田一さんこれ見て?可愛いでしょ?」
理恵「ごめん真奈美、苗字で呼ばないで…」
真奈美「あ、ごめーん忘れてた。でね金田じゃなかった、理恵ちゃんこれこれ」
理恵「…………」
真奈美というコが理恵ちゃんに見せていたのは、紛れもなくドンワルショーネの携帯ストラップだった。
真奈美「すっごい可愛いでしょ?これもう気に入っちゃって」
理恵「そ、そうね」
理恵ちゃんは引きつった笑顔を浮かべていた。

真奈美「じゃ、行きましょっか?」
理恵「そだね」
理恵ちゃんはこっちを向いて大きく手を振っていた。
真奈美「ねえ?あっちに誰かいるの?」
理恵「さあ?気のせいなんじゃない?」
52名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/18(日) 13:34:48 ID:U5ka0cpT
澪「とはいえ、焦るな大輔。時期を待つというのも重要なことだ。焦って失敗してしまっては元も子も無い。
>>48を見てみろ。」
53名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/19(月) 13:31:06 ID:+SeleTJI
−−放課後の教室−−
貴史(やっぱり美咲さんと話すと和む。)
貴史は休んだかと思っていた美咲が教室の前を通りかかったのを見て呼び止め、教室前で美咲と他愛ない話をしていた。
しかしその話は長くは続かなかった。教室の中で帰り支度をしていた委員長を見るなり、美咲が豹変して飛び掛ったのだ。
美咲「美影、カードを返して。悠ちゃんを返してよ。」
委員長「何の事ですか。美影って。カードって。苦しいです、放して下さい。」
貴史は美咲が美咲とは思えないような般若のような形相になるのを目の当たりにして唖然とするのみだった。
美咲「カードを、悠ちゃんを、何処に隠したの。返してよ。・・・大輔くんに渡したの? 大輔くんは何処よ。」
委員長の首を絞める美咲に、午後から登校していた明日香が割って入った。
明日香「美咲さん、無駄よ。今頃カードも大輔もゆかりが隠し持ってるんだから。」
美咲「ゆかり? ゆかりが何で?」
明日香「欲しくなったんでしょ。それで大輔たちを使って奪った。
    全ての黒幕はゆかりよ? 考えれば分かるじゃない。貴史の家に帰ってない大輔の行き先はゆかりの家しか無いでしょう?」
美咲「ゆかり!・・・ゆかりーーーっ!」
美咲が駆け出し、明日香と貴史が続いた。美咲は自分の教室に戻り、ゆかりに飛び付き首を絞め始めた。
ゆかり「く、苦しいよ。美咲ちゃん」
美咲「返してよカードを。返してよ悠ちゃんを。返してよ。返して!」
明日香「そうよ、美咲さん。ゆかりが、その女が全ての元凶なんだから。その女を放っておくとみんな持って行っちゃうんだから!」
恩田「止めてください、美咲さん。」
明日香が叫び、ゆかりの所へ来て話していた恩田が美咲を止めに入る。
美咲「恩田くんもゆかりの味方をするの? 邪魔しないでよ!」
美咲はとても女の力とは思えない力で恩田の頭を掴み、机にガンガンと打ち付けた。
明日香(恩田、ゆかりを庇うなんて可愛さ余って憎さ100倍だわ。)

−−同時刻 深緒視点−−
深緒(何? 悪霊さんとは違う、大きな怨念・・・これは怨霊?・・・が街を包みだしてる。
   もしかしたらあの悪霊さんは、この怨霊を静めるための使いの者なのかも?)
今、美咲の持つ瘴気と、明日香の怨念とが結び付き、彼女達に取り付く形で大きな怨霊が生まれだした。
54名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/19(月) 14:07:21 ID:NNiLOJjB
まとめ掲示板の>>34さんの助力を得てまとめサイトを作りました。
http://www003.upp.so-net.ne.jp/s_t_k/MGSTS_OHP/index.html

少しずつ改善していこうと思うので、間違い・要望等ありましたらまとめ掲示板の方でご指摘願います。
なお、キャラ解説と用語解説のテキストファイルの方は近々削除する予定です。
55名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/19(月) 14:46:57 ID:d1YwRzhS
>>51から

ミグゥ「うん……?」
澪「むう……?」
大輔「? どうしたんだ?」
急に眉をしまけて黙り込んだ2人に俺は問いかける。最近の俺って疑問符ばかり使ってるよなあ。嗚呼、情けなや。
ミグゥ「何か…ヘンな気配がするんです。重苦しいような、それでいて鋭いような…」
澪「まだ漠然としすぎていてよくわからないけど……。うん? 少し夢魔界の匂いもするわね?」
気配にも匂いがするのか?
澪「例えよ、例え」
ミグゥ「うう……人の情念が凝り固まってるような、これは…」
ミグが頭をかかえる。おいおい、一体何がどうなってるんだ?
澪「まあ……こういう類の気配はそれほど珍しくないんだけどね。人の怨念や情念が、
人を傷つけることは昔からあったし。あなたも『源氏物語』くらい読んだことあるでしょ?
六条御息所の生霊、といえばわかりやすいかしら?」
大輔「ああ…なんか古文の授業でやったような? 確かプレーボーイが次々と女を篭絡する平安ナンパ話だっけ?」
俺はうろ覚えの記憶を頼りに話した。
澪「……あなたの『源氏物語』観には、はなはだ偏見があるわ。事が全て終わったら、私がレクチャーしてあげる」
うお、やぶ蛇じゃないか。
澪「とにかく、それだけなら騒ぐことじゃないんだけど、今回は夢魔界絡みのようね。いい、大輔」
大輔「うん? どうするんだ?」
澪「今、この世界で夢魔界にもっとも近いのはあなた。だから、この事件もあなたの周囲が関わってる可能性が高い」
大輔「なぬ! おい、なんとかならないのか!? くそ、こんな体じゃなけりゃ……」
澪「いい? 私がこれからあなたに禁呪で“肉”をつけてあげる。ただし、あくまで仮初の肉体。
せいぜい10日、もって2週間よ。それに、この術がかかっている間は私から離れないこと。
私の魔力の影響がなくなると、意識と肉体は離れ離れになるわ。まあ、おでこにお札を貼っておけば大丈夫だけど……」
キョ○シーかよ! って俺も古いなあ。そうそう、スイカ頭がダイナマイトで自爆するんだよなあ、あれ。
澪「……どうする? 少なくとも、幽体よりは便利よ。そうね、日に数時間なら、体から抜け出ることも可能よ
それ以上だと、仮初の肉体だから崩壊が始まるけど…」

どうしよう?
56名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/19(月) 14:49:44 ID:d1YwRzhS
すまそ、>>53からだった。
場面的に>>51と書こうして間違えた。
57名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/19(月) 15:24:44 ID:jA8i9aYh
大輔「まあ背に腹は変えられんか。頼むよ澪」
澪「よし、お前に仮の肉体を与えてやる」
澪はなにやら呪文を唱え始めた。
澪「……彼の者は我が下僕なり、古の血の盟約と、地獄よりの使者がもたらした英知により、彼の者にかりそめの血肉を与え給え」
……何だか、えらく物騒な呪文だな、おい。
澪「いざ!魔導の道を選びし、この愚かなる下僕に、偉大なる父、魔王の祝福を!」
大輔「……あのう」
ミグゥ「……だ、大丈夫でしょうか?」
澪「冥界の門より来たれ!暗黒と呪詛の神、ハーデス!反魂の時は今!」
反魂って何!?今更だけどすげー不安。
大輔「う?」
か、身体が熱い?焼けるようだ。
ミグゥ「だ、大丈夫ですか?」
大輔「ど、どうだろ?」
澪「……ふう」
澪が大きくため息を付いた。
大輔「うまくいったのか?」
澪「………………すまん、失敗した」
大輔「え?…………あ!?」
すぐ気がついた。ない!なかった。なかったです。ありません!僕の大切なゴールドボールが!?
澪「ははは、胸はあるぞ。よかったじゃないか」
胸!!?こ、この膨らみはまさか!??
大輔「Cカップか!?」
澪「うーむ?どこで間違えたのだ?」
ミグゥ「あ、悪霊さん……じゃなくなりましたけど、か、可愛いと思いますよ」
大輔「NO!!」
俺は泣きそうになった。
58名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/19(月) 17:35:50 ID:RDRV6aXP
澪「しかし、これで先ほどのような変態行為はもうできんだろう」
いや、この体じゃ変態行為も何も…。う〜む、顔がどうなったのかが気になる。
大輔「な、なぁ、鏡持ってるか?」
澪「持っていない」
大輔「そうか…orz」
うなだれると自分の胸チラが見えたが、やはりというかなんというか、ドキドキはしないな。
澪「お前はどうする?」
ミグゥ「どうする、とは?」
澪「お前も肉体があったほうがいいか? ということだ」
ミグゥ「い、いえ、遠慮します…」
澪「そうか、私もそのほうが助かる。今の私にとってはこれだけの術を連続で使うだけでもかなりの負担だからな」
ミグゥ「もともと肉体の無い存在ですから…」
と言いつつ、またもやorzとなっている大輔を見つめるミグゥだった。
59名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/19(月) 18:32:27 ID:qY+KbgtY
大輔「なあ」
澪「何だ?」
大輔「ちょっとトイレ行ってきて良いか?」
澪「…………」
ミグゥ「…………」
いきなり2人に白い目で睨まれた。
大輔「な、何だよ?」
澪「お前……」
ミグゥ「………変態」
大輔「ぼそっと変態言うな!鏡だよ鏡!気になるだろ!」
ミグゥ「か、鏡?トイレで!?」
大輔「…………」
ミグゥの顔が真っ赤になっていた。……一体、何を想像しているのやら?
澪「まあいい、私も付き添ってやる。有り難く思え」
ちくしょう。事の張本人がなにを……。

俺は澪と一緒に公園のトイレの手洗い場の前に立ち、鏡に自分の姿を映してみた。
大輔「…………誰だ?これ?」
そこには―――――誰とも知らない女の子がびっくりした顔で、鏡の向こう側から俺を凝視していた。
結構可愛い顔をしていた。ちなみに髪形は何故かお団子だった。
大輔「変身!とりゃあーー!」
鏡の前で某変身ヒーローの変身ポーズをとっとみた。
鏡の向こう側で、可愛い女の子が少し泣きそうな顔で変身ポーズをとっていた。
澪「気は済んだか?」
大輔「……………」
澪「ここは男子便所だ。私はもう出たいのだが良いか?」
鏡の向こう側で、女の子はがっくりとうなだれていた。
60名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/19(月) 18:55:24 ID:5maMCuMX
大輔「つーか、この服どうにかならないかね…動きにくい」
俺の体型は女の子版にリニューアルされて、身体に女の子らしい起伏がつき、身長まで低くなっていた。
よって、ジーンズはぶかぶかだし、シャツの裾も余りまくりだ。
それでいて、胸が出てきたから、今の俺は端から見て相当エロい格好である。
澪「ジーンズは裾を折っておけば問題ない。上は……まあ、がんばれ」
大輔「いやしかし……これは……」
澪「我慢しろ俺っ娘」
………俺っ娘ォ!?
澪「コトは今まさに進行中だ。もたもたしている時間はない。急ぐぞ大輔!学校だ!」
大輔「わわ!ちょっと待……!ううぅ〜チクショー走りにくい……」
俺たち三人は目的地へと向かった。
61名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/19(月) 19:46:40 ID:/cdSEemb
走っている最中に胸の揺れが気になった。
俺の胸が前後左右に揺れているのだ。
う〜む。面倒臭いなこの揺れ。何だか重いし肩がこりそうだ。
すると2人に、何故かまた睨まれた。
大輔「……何だよ?俺何かしたか?」
妙に疑心暗鬼になる俺。
ミグゥ「い、いいえ、別に……、なんだか羨ましいかなとか思って……」
澪「わ、私は羨ましくないぞ!」
大輔「?」

澪「そ、そうだな、お前は途中で下着買って行くか?そのままだと動き辛いだろ?」
言われて気がついた。そうか、これがノーブラなんだな。

俺は
【気にせずこのままフリーダムで行こう】
【澪の進言通りブラジャー初体験】
【サラシだ。サラシにするぞ!】
【試しに揉んでみた】
62名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/20(火) 00:51:25 ID:aObMHnmI
【サラシだ。サラシにするぞ!】

澪「は?」
ミグゥ「は?」
なんですか、その目は。ブカブカTシャツなので、上からだと胸が見えそうなんですよ?
決して男の浪漫を実践したいわけじゃないんですよ?
澪「……」
ミグゥ「……」

で、俺はどこからかサラシを調達してきたわけだが…
大輔「く、苦しいぞ、これ」
澪「当たり前だ」
ミグゥ「無理やり圧迫してるから、苦しくて当然です」
大輔「ぬ、ぬぬぬ。だが、まあ、しかしこの苦しさで女の子に体になったなあ、と実感するのもなあ」
ふと呟いたが……あれ? 何か俺悪いこと言った? 二人の表情が……
澪「そうだな。圧迫される胸の苦しみを感じることなど、『女でも』味わえない者もいるしな……」
ミグゥ「大好きな女の子になれて、その上『一部の』女の子の苦しみまで味わえて、
幸運ですね〜、変態のゾンビさん」
……どーやら二人の逆鱗に触れたみたいだ。ああ、暗いぞ、君たち。しかし、ゾンビかあ。
むしろフランケンシュタイン博士が作った化け物って感じだがなあ。
それにしても、サラシは慣れないと動きづらくていかんな。ここは……

【やっぱりフリーダムで行こう】
【やっぱり澪の進言通りブラジャー初体験】
【今流行りのヌーブラだ!】
【試しに揉んでみた】
63名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/20(火) 12:34:55 ID:FmJQnoHR
【やっぱり澪の進言通りブラジャー初体験】

俺達は学校に行く途中にあるアーケード商店街のランジェリーショップに入った。
平たく言えば女性物専門の下着屋だ。
大輔「うお!眩しいぜ!」
澪「騒ぐな!馬鹿者」
……普段ならこういうポイントは、目を伏せたり逸らせたりしながら
スルーを決め込むチキンな俺が、まさか自分の購買ために来訪することになろうとは。
大輔「こういうの、よく知らないんだけど、いろいろ種類あるんだな……」
店員「いらっしゃいませ。どういうのにしますか?」
大輔「えと、ふ、普通のヤツ……」
店員「は?」
澪「もういい。お前は喋るな」
ミグゥ「ダメダメですね。元悪霊の変態幼女趣味なお子様ゾンビさん……」
大輔「せめて哺乳類の扱いにして下さい」
澪「こっちの馬鹿にサイズの合いそうなヤツを適当に見繕ってくれ。試着させたい」
大輔「ど、ども……」
店員「えと、じゃあサイズ測りますね?」
大輔「……」
なんか緊張するぞ。
店員「えーと、トッブとアンダーはと………ふむふむ」
大輔「ど、どんなですか?」
店員「お客さんのはトップが89でアンダーが69だから、……Dの70か75くらいかな?」
澪「!?」
ミグゥ「!?」
すみません。よくわかりません。
とにかく店員さんが選んでくれたのは薄いピンク色だった。
大輔「一個、3,980円!?」
ちょっとカルチャーショックだった。
64名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/20(火) 18:39:20 ID:WNvUuyWu
俺は試着室に入ってカーテンを閉めた。
試着室には大きな鏡があり、そこにはやっぱり自分じゃない女の子が、
恥ずかしそうにブラジャーを持って立っていた。
…俺はいったい何をしているんだろう?
ええい、仕方ない!俺はシャツを脱いだ。
大輔「……き、気にするなッ、今は鏡を気にしてはいけないッ!」
鏡がむちゃくちゃ気になったが、とにかく見ないことにする。
大輔「ふーっ、落ち着け、落ち着け!俺!」
こんなことさっさと終わらせて、やるべきことが沢山あるんだ!
俺は店員さんに選んでもらった薄いピンク色のブラジャーを胸に当ててみた。
大輔「あれ?どう固定するんだ?なるほど、フロントホックというやつだな。理解したぞ。……………あ」
そのとき俺は見てしまった。鏡に映っていた、別人な俺の胸を。
大輔「…けっ、結構でかい?」
鏡に映っている俺は、真っ赤になってモジモジしながら胸を隠していた。
…アホか俺は。これは俺だぞ?…でも『この姿の娘』の元になった娘って、どこかにいるのかな?ふとそう思った。
邪念を捨てろ!とにかく、この姿が今の俺なんだ。納得しよう。

あまり意味のない自問自答を繰り返しながら、俺は何とか装着を完了した。
大輔「ぐ、ちょっとキツイかな?」
店員「いかがですか?」
いきなり、カーテンの向こうから店員さんが顔を覗かせた。
大輔「わっ、ちょ、ちょっときついかも、ですね」
この店員さん、大学生のバイトか何かかな?年上のお姉さんか…。つい余計なことを考える。
店員「じゃあ。こっちのEの70のほうを試してみてください」
店員さんは俺にもう一つのブラを渡して顔を引っ込めた。何故かこっちも薄いピンク色だった。
大輔「お…今度はぴったりだぞ?」
すると俺の呟き声に呼応するようにカーテンの向こうから声が聞こえた。
澪「…あの野郎、Eカップだと?」
ミグゥ「はうう、なんでしょう?このやるせない敗北感は」
大輔「……」
こっちの値段は特価で4,980円だったよ、ママン。
65名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/20(火) 22:03:43 ID:L61VcsgC
澪「そう落ち込むなミグ。世の中には胸の小さい方が好みという男もたくさんいるんだ」
澪はミグの頭にポンと手を載せ、細い髪を優しくなでる。
ミグ「でも…なんか悔しいじゃないですか」
ミグが恨みがましい目で俺のことを睨んでくる。
お、俺だって好き好んで今の状況になってるんじゃないやい!
澪「そんなことはないさ」
澪「それに、むしろ胸が小さくないと興味すら湧かないと言う男だってたくさんいるからな」
プレイヤー「そう、俺とかな…」
どこからか謎の声が聞こえた。
66名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/21(水) 00:32:02 ID:NMGFVC7i
澪「それで良いんだな?」
大輔「まあ、良いんだか、悪いんだか」
…そうなんだよな。サイズはぴったりなんだけど、ぴったり過ぎて、
腕を伸ばしたりすると、背中からぎゅっと突っ張って窮屈なんだよな。
澪「よし、アレはあのまま使わせて貰う。後、あれと同じものを、もうひとつくれ」
澪が店員さんにそう告げていた。
大輔「え?2こ買うのか?」
澪「汚れるだろ?替えだ、替え。…致し方あるまい」
大輔「……はあ、なるほど?」
妙に律儀な澪だった。
店員「毎度ありがとうございます。消費税込みで10,458円です」
澪「ふむ」
意外!澪がお金を支払ってくれた。
ちなみに財布から小銭をちまちま探す澪の姿は、ちょっとだけ微笑ましく見えたぞ。
店員「…って言うかね、えっとね、ごめんなさいね、Eから上のサイズ、あんまり種類置いてなくて。…やっぱり店長に言っとかないと」
澪「気にするな、後で、私も自分のを買いにくるぞ」
澪は最後まで口調を崩さなかった。

俺達はランジェリーショップを後にした。
…貴重な体験だった。『もう2度と行きたくない』という気持ちと、
『また行きたいな』という気持ちが織り交ざった不思議な感覚だった。
妙に時間を食ってしまったが、とにかく仕切り直しだ。俺たちは学校に向かった。

大輔「そう言えばさっきの店員さん、結構綺麗な人だったな」
俺が誰ともなしにそう呟くと、ミグゥに軽く睨まれた。
ミグゥ「まあ、…元悪霊の変態幼女趣味なお子様デカ乳俺っ娘ゾンビさんは、今度はお姉さまスキーですか?」
大輔「あのう、俺の肩書き、歯止めなくどんどん増えてるんですけど?」
67名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/21(水) 01:34:55 ID:xEWyxcH1
――澪視点
澪(まさか、圭輔から受け取った金がこんな形で役に立つとは…)
澪(金銭面もそれとなくサポートしてやってくれとは言われたが…これは複雑だ)
澪(しかし、私の失敗もあるとはいえ大輔はつくづくイレギュラーに恵まれているらしい)
澪(まったく退屈しない奴だ。今度はどんなイレギュラーを見せてくれるのか)
68名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/21(水) 03:06:19 ID:xwEOmbfH
大輔「ところでさ、澪って魔法で金とか出せないのか? なんか普通に金とか出してて意外だったんだが」
澪「出来ないことないぞ? ほら……」
そう言って手の平を地面に向けると、ヒラヒラとお札が落ちてきた。
一枚、二枚、三枚、四枚…………ドサドサドサ! うお、札束じゃないか! ゆ、諭吉様が仰山いらっしゃるだぁ!
澪「ちゃんとすかしも入ってるし、番号も違うぞ? だが、まあ……」
澪が指をパチっと鳴らすと、諭吉様の団体はかきうせた。
澪「人の世界で暮らす以上、それなりのルールは守るさ。………たまーにインチキはするが」
ミグゥ「あ、いけないんですー」
澪「たまーにだから、大目に見てくれ。どうせ経済に影響が出るほど使ってはないぞ。
あまりでかいものを買うと、税務署もうるさいしな。私が使う金額なんて、本当に女子高生の小遣い程度だ」
大輔「女子高生ねえ……」
澪「何か文句でも?」
大輔「いーえ」
澪「ほれ、そんなことより学校へ行くぞ」
澪(とはいえ、確かに力を持つが故の不便さはある。強大な力と平穏な生活……
二つは相容れないものだが、私には力を捨てる勇気はない……。何故力を持つ私が?と思うときもある。
ジオスは「圭輔」でいることに幸せなのだろうか…。どうやらこの戦い、私も無関係ではいられないようだな。
私自身の幸せが何かということを探す……ふう、青臭いことだが、それも新鮮ということか。
ジオスも難儀な宿題を出してくれたことよ)
69名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/21(水) 10:23:55 ID:nUsOw+BP
ちょっと時間を遡って>>53から

―――貴史視点

貴史「美咲さん?なあ、ちょっと、おい!何やってんだよ」
俺は美咲さんを後ろから羽交い締めにした。それでも美咲さんは恩田の頭を掴んだままだった。
……何だこれ?何だこれ?俺の頭が混乱する。目の前で起こっている出来事が理解できない。
美咲「……返してくれないの!ゆかりが、悠ちゃんを返してくれないの!」
貴史「は?悠ちゃん?」
ゆかり「た、貴史くん!あたしね、知らないの。知らないのに!」
美咲「悠ちゃんがね、いないの…………えぐっ……うぅう……」
美咲さんは泣き出してしまった。
貴史「とにかくさ美咲さん。とりあえず恩田のヤツを離してやりなよ、泡吹いて白目剥いてんじゃん。それ以上やったらマジで死んじゃうって、そいつ」
美咲「………貴史くん?……え?あ……」
美咲さんはようやく恩田を開放した。ごとんとでかい音がして、恩田が床に崩れ落ちる。
明日香「はっ!死んじゃえば良いんだ!そんなヤツ!」
貴史「お前は黙ってろ!話ややこしくすんじゃねえ!」
明日香「な、何よ……私だって……私だって……うわあぁあぁ…」
俺が睨みつけると今度は明日香も泣き出してしまった。
ゆかり「……知らないの。あたし、何も知らないのに……ぐす…」
ゆかりさんもうずくまって声を殺して泣いていた。
……何だこりゃ?
おい大輔、お前なら、こういうときどうするよ……。
70名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/21(水) 19:02:10 ID:8OfupBCQ
―――貴史視点 続き

響子「……全く、今日はせっかく早く帰れる日だったのに…」
貴史「うわー、響子センセ、やる気全然ねえし」
響子「冗談だ。真に受けるな」
貴史「……ははは」
美咲「………」
俺達は気を失った恩田を保健室に連れてきて、そこで響子先生に会った。
とりあえず響子先生には、『恩田が階段から落ちた』と伝えた。
……さっきの一件は、センコー達には見られてないと思うけど、他にもギャラリーの生徒がいたから、
いずれ学校側にもバレるかも知れない。まあ、そうなったら、そうなったらで、考えはあるが……。
……でもって、恩田をベッドに寝かせた後、現在に至る。

響子「で、だ……」
貴史「は、はい!?」
響子「こいつは、誰にやられた?」
貴史「は…」
美咲「!」
明日香「!」
ゆかり「!」
綾「!」
まずい!早速バレているじゃん!?
響子「階段から落ちたヤツが、こんな傷になるわけないだろ?…これはな、こうやって頭を硬い何かに打ちつけると出来る傷だ。こうだ、こうやる!」
響子先生は、ベッドで寝ている恩田の枕を、ずぼっと引き抜いて、右手で物凄い勢いで縦に振り始めた。
…いや、美咲さんは、そこまで激しく手首のスナップを利かせてなかったけど……。
ちなみに、枕を引き抜く際、恩田の首が、がくんとなって、みんな少しびっくりしていたけど、誰も突っ込まなかった。

貴史「…俺です、響子先生。本当は俺がやったんだ」
71名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/21(水) 22:44:40 ID:ncVxFn5P
美咲「た、貴史君、…いったい何を言っているの?」
貴史「美咲さん、ゴメンな。今は、ちょっと黙ってて?…恩田をボコったのは俺なんです!間違いありません」
明日香「貴史?」
響子「…………言え、訳を聞いてやる」
響子先生は鬼の形相だった。ううっ、これは生半可なことじゃ納得させられないぞ。こっちも肝っ玉ってやつを据えてかからないとな。
それに、噂が広がっちまう前に、さっきのギャラリーの奴ら、確か3年生の野郎が3匹。
顔は覚えてっから、今日中に、シメて病院送りにしちまわないとな。
今日のことを思い出せないくらいに強烈にやってやる!…女がいなくて幸いだったな。

貴史「こいつ実は、ひでー女たらしでさ…」
明日香「え?」
恩田が気を失っていることを良いことに適当に言うことにした。すまんな恩田。
貴史「好きだって言い寄る可愛い娘がいるにもかかわらずさ、それをまあデリカシーない言葉で
   ないがしろにしてさ、しかもノリと勢いだけでダチの女取ろうとしたりしてさ」
明日香「…か、可愛い?」
ゆかり「……えと?あ、あの?ダチの女って?え?え?」
貴史「本人はマジだって言ってたけど、どこまで本気なのやら」
綾「貴史君、それ本当?」
貴史「おお、マジだぜ!マジ!」
…いえ、嘘です。ホントは全然わかりません。恩田今は起きるなよ?今度晩飯奢ってやるからな。
貴史「だから、一発かまして、そのいい加減さを分からせたかったってわけよ、先生」
うん、我ながら筋は通ってるよな。
響子「ふむ、そうか……」
貴史「だから、俺がやったんだ」
響子「実はな、私はそっちの月島が、こいつをどつきまわしているところを、先ほど3年の教室の前で見たのだが、今の話、どこまで本当なんだ?」
貴史「え?……えええええええええええ!!?」
響子「と言うのは、実は全然嘘なのだが、…そうか月島か」
貴史「は?」
……え?俺、ひっかかった?
72閑話休題:2006/06/21(水) 23:51:55 ID:zvSzXgda
埋もれ気味なので貼りなおしますね。

■まとめサイト
http://www003.upp.so-net.ne.jp/s_t_k/MGSTS_OHP/index.html

■楽屋裏
http://yy28.60.kg/mgsts2006/
73名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/22(木) 00:50:19 ID:K7j5Cc05
>>71
響子「いいか、村上。こういう職業やってるとな。人の表情やらでだいたいわかってしまうんだよ。
お前はうまくできてたかもしれないけどな。後ろの奴ら見てると疑わずにはいられないんだよ」
この人、普段は適当にやってるみたいなのになんて鋭いんだ。
でも、ここで引いたらダメだ。なんとか突き通すしかない。
貴史「いえ、本当に俺がやりました。響子先生は美咲さんがこんなことをやるような人だと思いますか?」
響子「ふむ、確かに月島がそんなことをやるとは思えない。私も月島の性格は知っているつもりだ。だがな―」
貴史「でしょう。それに恩田も男です。この中で男の俺以外にはここまでやれる人はいません」
響子「……その言い分は一理あるな。特に窮地に追い込まれた人間の力は相当なものだ。普通の女の力では気絶する前に外されてしまうだろう」
それだけ言うと響子先生は少し考え込み、
響子「う〜む、わかった…。とりあえず、お咎めは保留だ。おまえらは一度帰れ」

※貴史選択
【帰る】
【帰らない】
74名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/22(木) 02:15:36 ID:oqiyRY5l
【帰る】

学校にいても仕方がない。俺たちは帰路につくことにした。
俺も、美咲さんも、ゆかりさんも、明日香も口が重い。恩田? 奴ならまだ保健室で寝てる。委員長はまだ学校に用事があるようだ。
まあ……なんで美咲さんが、あんなことをしたのかわからないけど、恩田も今までの前科があるからな……。
天罰が下ったということにしておこう。あいつも少しは痛い目見た方がいい。
美咲「あの…貴史くん。ありがとう…………」
貴史「あ、ああ……。美咲さんのためなら、この貴史、火の中、水の中! うわははは!」
美咲「……でも、あんなことした私が言うのもなんだけど、怖いことしないでね? 響子先生と話しているときの
貴史くん、ちょっと雰囲気が怖かったから……」
う……。確かにあのときは俺も少し少し混乱してたかも。もし本当に実行してたら俺が傷害犯になるところだった。
美咲「…………ゆかり、ごめんね、本当にごめんね。私、私…本当に何が何だか……」
ゆかり「うん……。私も美咲のこと、信じてる。さっきは怖かったけど……もし、何かあったら、
私にも相談して? 親友でしょ、私たち……。ほら、もう泣かないで」
ゆかりさんはポケットからハンカチを出して美咲さんの涙をぬぐう。
美咲「ぐす、ありがと……」
貴史「で……明日香! 一体お前は美咲さんに何をけしかけたんだ!!」
明日香「! な、なによ……わ、私が悪いっていうの?」
貴史「そうは言ってないけど……なあ、何があったんだよ? 最近ふさぎこんでるみたいだし……」
明日香「し、知らない! 私は何も知らない!」
悲鳴のように明日香は叫ぶと、俺たちに背を向けて走り去った。

明日香(私……どうしちゃったの? カードって何のこと? なんであんなこと……
もう、わからないよぉ……わたし、どうすればいいの? 大輔がどうとか、ゆかりがどうとか、
そんなこと知らないよぉ……誰か、助けてよ……お願い……私、どうなっちゃうの?
お願い、誰か助けて……お願い……助けて……助けてよぉ……………………………恩田ぁ……)
75名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/22(木) 04:03:18 ID:v+CtrVNN
貴史「でもなあ…………」
ゆかり「?」
貴史「3人か……」
美咲「貴史……君?」
貴史「センパイ達に言わないで欲しいって頼むってのも一つの手なんだけどなあ、
   でも人の口に戸は立てられないって言うし、…良い人だったら良いんだけどなあ。
   やっぱ、世の中良い人ばかりってわけにもいかねえし、第一怖ええ系の人達だったら
   美咲さん脅されて、あんなことやこんなことを!うおお!?
   ……いやいや、待て待て、それは変な小説や漫画の見過ぎだ。頭を冷やせ俺!
   でも、変な噂が広がって、……最近の女子とか、キッツいのいるからなあ。
   美咲さんにもしものことがあったら、俺……俺……」

美咲「貴史君?さっきから何をぶつぶつ言ってるの?」
貴史「いやあ、うははは。な、なんでもねえ、なんでもねえっすよ。ははは」
……やっぱり最初の直感で決まりだな。あのセンパイ達には悪いけど、
俺と美咲さんの明るい未来のために、ちょっとだけ軽ーくぶっちめて、今日の記憶をすっ飛ばしておくか。
右手に握りこぶしをぎゅうと作ってみた。

貴史「あ、悪い、美咲さん、俺ちょっと野暮用ができた。先に帰るわ」
美咲「え?あ、ちょっと貴史君」
ゆかり「……」
76名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/22(木) 04:25:29 ID:RAPLwsFX
それから、家の方向の近い美咲と貴史はゆかりと分かれて、ふたりきりで歩いた。
貴史(こういうとき美咲さんと家の方向が一緒で役得だよな。)
しばらくして美咲が立ち止まり話しかけてきた。
美咲「さっきはゆかりが居たから言わなかったけど確認しておきたい事が有るの。
貴史君は私達の味方? それとも大輔君やゆかりの味方?」
貴史「美咲さん何を言って?」
美咲「答えてよ!」
美咲は貴史の足を思い切り蹴り、貴史のすね足が骨折し有り得ない方向に曲がった。
貴史「ぐあぁぁぁっ!」貴史は叫び、余りの激痛に気絶した。

美咲「・・・君、貴史君、大丈夫?」
貴史が目を開けると、いつもの優しげな表情の美咲が居た。貴史の足は曲がったままだ。
美咲「ごめんなさい。救急車呼ばないとね。貴史君はゆかりの味方なんてしないもんね。」
貴史「美咲さん、おかしいよ。」
美咲「おかしい? そう。残念だな。」
美咲は優しい表情のまま、貴史の腕を掴むと恐ろしい力でへし折った。
貴史は気絶し、優しい表情の美咲が起こし、質問の後、腕や足、指を次々折っていく、そんな事が繰り返された。
十数度目に貴史は無理矢理意識を戻されると、変わらず優しげな表情の美咲が居た。
貴史「ひいぃぃぃぃっ!」
貴史の心にはすでに美咲の笑顔が恐怖の対象としてすりこまれていた。
夕暮れの道で美咲は、腕や足や指が奇怪なオブジェクトのように折れ曲がり瀕死の貴史に再び問いかける。
美咲「もうゆかりの味方なんてしないよね。」
美咲と明日香は怨霊の力を共有し、そして支配されていた。

貴史選択
【そんなことは出来ないという−−美咲と決別する】
【美咲達の味方になるという−−明日香の支配下に下る】
77名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/22(木) 04:34:23 ID:RAPLwsFX
かぶったので、繋ぎの部分書いときます。
75の後、ここで、76に繋いでください。

美咲「え?あ、ちょっと貴史君」
美咲は貴史の肩を掴んだ。
美咲「今日はもう少し一緒に居て欲しい。」
貴史「え? でも・・・」
美咲「おねがい」
肩を掴む力が一層強くなる。
貴史「仕方ないですね。分かりました。」
貴史(今日は美咲さん変だし、家に送り届けてから、即行で学校に戻ろう。)
78名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/22(木) 04:34:57 ID:MKNG0+2C
明日香と別れてすぐ、俺たちのそばで一台の黒い車が停まった。
車種はわからないが、高級車ってことだけはわかる。
左側の窓が開き、壮年の男の顔が現れた。
???「美咲お嬢様。お帰りですか」
落ち着いた、だけど感情を感じさせない淡々とした声。
今の呼び方…美咲さんの実家の使用人か何かだろうか。
確か美咲さんの父親は大病院の院長で相当な権力者だったはずだ。
美咲「…学園に行くんですか?」
使用人「ええ。お嬢様が傷害行為を行った可能性があると連絡がありましたので。旦那様の命で早急に学園へと」
ちっ……情報が早いな。あの3年どもがチクったか…!
美咲「やはりお父様が…?」
美咲さんの顔が険しくなる。
貴史「美咲さんはこれからどうなるんですか…?」
使用人「お友達ですか?」
目が合う。男の口元が僅かに動いた気がした。彼は一息つき、
使用人「特別何もある筈がありませんよ。お嬢様は無実なのですから。
    旦那様は仰っています。月島家の令嬢が、そのようなことをする筈が無い、と」
美咲「……」
言ってることがおかしい。まさか…。
使用人「事実の整理を行いに行くだけです。学園側が理解して頂くまで。
    根も葉もない噂が広まっては、旦那様や病院の信用問題に関わりますので」
間違いない。こいつは…いや、美咲さんの父親は、学園連中の口を塞ぐ気だ…。
79名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/22(木) 04:36:10 ID:RAPLwsFX
紛らわしいので>>76の選択肢をコピペ

貴史選択
【そんなことは出来ないという−−美咲と決別する】
【美咲達の味方になるという−−明日香の支配下に下る】
80名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/22(木) 04:36:16 ID:MKNG0+2C
被った!?
こんな時間だからと油断してた…。
81名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/22(木) 04:47:32 ID:mJ/V4OCy
3つ?大きく3択?
82名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/22(木) 04:50:52 ID:RAPLwsFX
>>80 >>81
トリプルでかぶってるとは。

75 貴史決意
78 月島家の行動
77 美咲のお願い
76 貴史瀕死

の流れが無難ですかね。
選択肢は、そんなことは出来ないでは意味が通じないので、
味方とか分からないに修正した方が良いですね。

貴史選択
【味方とか分からないという−−美咲と決別する】
【美咲達の味方になるという−−明日香の支配下に下る】
83名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/22(木) 04:58:40 ID:MKNG0+2C
>>75>>76>>78
被った…それもかなりややこしく…。
更新怠って30分以上間を空けた俺のレスが被ってるのか、というとアレだけど。
ただ、それぞれ展開の毛色がかなり違うな。
>>75貴史決起
>>76美咲さん壊れる
>>78親父の差し金
1と2は無理矢理つなげられたみたいだけど、
被った時の対処は次の書き手(第3者)が行うのが暗黙のルールじゃないのか?
まあ俺の>>78は時間の間隔的にスルーされても一切文句は言えないが。
84名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/22(木) 05:01:08 ID:MKNG0+2C
>>83orz
× 1と2
○ >>75>>76
85名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/22(木) 05:38:02 ID:wnQJLWlV
【美咲達の味方になるという−−明日香の支配下に下る】

貴史「ぐおおお!痛てえ!身体中が痛てえ!だが、俺は!それでもぉ美咲さんをぉぉおぉ!」
必死で叫んでみるが声に出てない気がした。
???「――かし?貴史?」
誰かに呼ばれた気がした。誰の声だろう?こんな声、俺は知らない。
???「――おい、貴史!しっかりしろよ?おい」
貴史「何だよ?今、俺の身体すげー大変なことに……」
俺がうっすらと目を開けると、…ん?開けると?…俺は目をつぶっていた?
気がつくと俺のすぐ近くに、―――見知らぬ女の子がきょとんとした顔で立っていた。
???「貴史、お前何やってんの?こんなトコで?」
貴史「え?あれ?」
気がつくと俺は道のど真ん中で寝そべっていた。
貴史「は!?あれ?俺の腕、足!指!??」
???「おい?」
あれ?どこもなんともない?動く?ちゃんと自由に動きますよ?
貴史「ゆ、夢???」
なんだ?何がどうなってる?全然分からん。……一体どこからが夢??
???「それより貴史…、俺が、俺が見えるんだな?」
貴史「は?」
…誰、この俺っ娘?。って、…うおーっ!?こ、これは!美咲さんに負けずとも劣らぬすっげーボインちゃん(死語)
???「そっかーっ見えてるんだよなぁ俺!なんか、それだけですっげえ感動。俺感動!うおーーー!」
貴史「…………」
???「………あ、あのう、ミグこいつは貴史。ダチだ、ダチ。肩書きに男色家プラスしてないで下さい」
…このコ誰もいないとこ向いて独り言喋ってる?結構可愛いし、声なんてすげー通ってて、その上巨乳っ子なんだが…………なんで、俺の名前知ってんの?
???「そうだ、貴史、お前何やってんの、こんなとこで?」
貴史「何って…」
あれ?そう言えば美咲さんは?どこいったんだろ?
###「何だ、どうした?」
もう一人、出てきた、黒い服の女の人だった。
86名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/22(木) 06:04:59 ID:RAPLwsFX
###「どうした? あまり思い出したくは無いかもしれんが教えてくれ。何者に襲われた?」
???「そうそう貴史、お前凄い格好して倒れて驚いたぞ。」
貴史(凄い格好? 夢じゃないのか?)
辺りはもう夜になっていた。
###「笑い事じゃないんだぞ、だいす・・・つばさ。私が居なければどうなっていたか、命に関わる問題だ。」
???=つばさ(大輔)「ああサンキューな、澪。」
###=澪「しかし、つばさと呼ぶ事になるとは。」
貴史「あんたたち何者だ?」
澪「ああ、ある事件を追っている探偵のようなものだ。悪いが、お前を襲った奴を教えて欲しい。」

貴史選択
【明日香と言う】
【(例の)上級生達と言う】
【美咲と言う】
【分からないと言う】
【ヨガの体操をしていただけだと言う】
87名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/22(木) 06:47:32 ID:K7j5Cc05
【分からないと言う】
貴史「わからない」
そう、わからない。あれが現実だとしたら俺は無事でいられるはずがない。
ということは気絶していた?
いつから? 美咲さんと帰っている途中? もっと前か?
わからない…。記憶は鮮明に残っているのにそれも信じられない。
澪「そうか…。何か覚えていることはないか?」
貴史「わからない…。記憶があいまいなんだ」
もしかしたら放課後から全部夢だったのか? それなら美咲さんがおかしかったのも納得がいく。
きっとそうだ。そうに違いない。
澪「そうか、邪魔したな。気を付けて帰ってくれ」
つばさ?「え? ちょっと、澪?」
澪「いいから来い」
そう言うと二人の女の子は去っていった。
貴史「何だったんだ…。それにしてもやけに体が軽いような…」
とりあえず帰るか…。
そういえば、大輔のやつ一昨日の夜から見ないな。どうしてんだろうな…。
88名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/23(金) 00:34:22 ID:m5BAxHEd
大輔「怨霊ねえ…」
澪「どうした?」
大輔「いや、お前がさっき話してたことだが」
俺達は貴史と別れた後、澪が気になる場所があるというので、そこに向かっている途中だった。
澪「……」
大輔「一体何が起こってるんだ?」
澪「はっきりとは言えないのだが、人の生み出す"よどみ"が具現化している」
大輔「は?何それ?今度は階段ですか?」
澪「お前、いくら言葉の発音が一緒だからと言っても、私は13段目とか、下らない突っ込みはしないからな?」
大輔「オス!」
乗ってくれて、ちょっと嬉しかった。
澪「人の負の感情。それが集まって膨張し、意思まで持ち始めている」
ミグゥ「怒り、悲しみ、憎しみ、妬み、嫉み、嫉妬、憎悪、劣等感、他者を蹴落としてでも幸せになりたい、
   他者より少しでも長く優越感に浸りたい。他者より自分が勝っている。選ばれず消された希望。さまざまな望み叶わなかった人の想い」
大輔「……よどみ、人の負の感情が具現化……ねえ?」
澪「ある人間の身体が媒体になって、景気良く膨らんでる真っ最中だな」
大輔「……はあ」
澪「大輔、それはお前の知っている人間で、お前の行動が元凶になっているのだぞ」
大輔「………………は?」
澪「原因はお前だ」
大輔「俺?」
澪「そうだ」
大輔「マジで?」
澪「冗談を言ってどうする?」
大輔「う、うそーん!」
澪「可愛らしく言ってもダメだぞ、以前お前や美影達と一緒に月島が持っていたカードを持って行った事があっただろう」
大輔「あーっそんなこともあったような」
澪「間違いなくそれが原因だな、さっきの村上貴史とか言うヤツも、ありゃもうダメだな、あのままだと数日中に死ぬぞ」
大輔「は?」
89名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/23(金) 01:11:37 ID:lndR6oN3
澪「憑かれたな。あいつ自身が関わっているのか、とばっちりかは知らんが。
おそらく、奴にとって最悪の白昼夢でも見させられたんだろう。身体に影響が出るほどのな」
大輔「ど、どういうことだ?」
澪「お前、今怨霊と言ったな?」
大輔「あ、ああ」
澪「正確に言うとそりゃ違う。いきすだま、わかりやすく言うと生霊だよ。『源氏物語』の話をしただろう?」
大輔「ええと、平安京一のプレイボーイが、ハーレムを築いていくという……」
澪「だぁ! いい加減その解釈から離れろ! おまえはそれでも日本人か!
ええい、今度本当に講義してやる! いいか、物語の中で、六条御息所の生霊にとり憑かれた葵は死んでいる」
大輔「そんなの物語の話だろ?」
澪「無論そうだ。だが、霊的な世界と近かった平安時代ではあってもおかしくはない。
しかもこの生霊ってのがやっかいでな。少しでも標的と関係した奴でもとり殺すことがある。
つまり、とばっちりが多いんだよ。死んでる怨霊の方がまだマシだ」
大輔「ううむ、ひどい物言いだ。けど、今は平成だぜ? 夢魔界ならともかく、今の時代では……あ、そうか!」
澪「わかったか」
大輔「…………まさか、夢魔界の誰かが干渉している?」
澪「久しぶりに鋭いな。おそらくその通り。そうでもなければ、今の時代、そう簡単に生霊など出ん」
大輔「と、いうことは……ノヴァか!」
澪「彼らが直に干渉する気があったら、もっとスマートにやっているよ。こんな醜く、卑劣な手はザーリフ陣営だな。
おそらくは、策士気取りのイキュか……。基本的に奴らは単細胞の力バカ軍団だからな、こんな手段は大体奴だ」
大輔「そいつが、誰か、俺の友人の怨念を媒体に、でっかい生霊を作っている?」
澪「ああ。だが、こりゃ早く何とかしないと危険だな。村上もそうだが、これでは媒体になってる人間の精神も持たんぞ。
とにかくカードだ。そいつが媒体かどうかはわからんが、お前の友人の中でも、カードの周囲にいる人間が鍵を握っているのは間違いない」
大輔「カード……とりあえず、思い浮かぶのは美咲さんだが」

【美咲さんに聞き込みに行く】
【貴史から何があったか聞き出す】
9089:2006/06/23(金) 01:14:41 ID:lndR6oN3
14行目の大輔の台詞、

>ううむ、ひどい物言いだ

これ、なかったことにしてください。消し忘れ…。
91名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/23(金) 05:00:54 ID:ojB6TwO/
【美咲さんに聞き込みに行く】

大輔「以前カードを持っていた美咲さんに聞きに行こう。」
澪「そうだな月島はあの後、様子が変だったし。」
大輔「そんな重要なことを知っていたなら・・・」

−−月島邸−−
玄関のベルを鳴らすと、美咲さんが出てきた。
いたって普通の様子だが、澪を見て嬉しそうに話し出した。
美咲「澪ちゃん、分かった事が有るの。私達から大切なものを奪っていく泥棒猫は、ゆかりだったの。ゆかりが指示してやらせた事だったの。」
澪「月島、お前何を言ってるんだ?」
美咲「澪ちゃん? 澪ちゃんは私達の味方になるって言ってたよね? ゆかりを許したりしないよね?」
澪「しまった! 言霊しばりか!」
澪は懐から何か小さな紙切れを取り出し、俺の額に貼り付けた。そして澪はガクガク震えだした。
澪「なんて生霊だ。抵抗できない。この生霊とは力と力では勝ち目は無いのか? つばさ、逃げろ!」
つばさ(大輔)「どうしたんだよ澪。」

〜澪・回想〜
美咲「ねえ、澪ちゃんは私の『味方』だよね?」
…私は心の支えになろうと思い、『応えた。』
それとともに、月島は落ち着きを取り戻し始める。
美咲「ありがとう…。私ね、澪ちゃんにお願いがあるの…」
〜〜〜〜〜〜

澪「私は・・・すでに・・・生霊の支配下だ・・・つばさ、お前の正体が知れる前に逃げろ!」
俺は澪の指示通り、その場を去るしか無かった。
澪すら太刀打ちできない生霊、協力者が必要だ。誰を?

【深緒】
【響子先生】
【理恵】
【明日香】
92名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/23(金) 06:41:19 ID:r6QhWCI9
【深緒】

ダメだ。まともな力じゃ絶対に勝てっこない。
深緒なら、神社の娘のあいつならいい方法を知ってるかもしれない…!
???「――待ちなよ、大輔くん」
大輔「…大輔!!?――お前、さ、小百合…?わかるのか俺が!?」
ど、どういうことだ…?
今の俺は完全に女の子だ。女装した男には到底見えない。というか体格自体全然違う。
小百合「今はどうでもいいよ、そんなこと。それより、逃げてるよね」
大輔「え…?に、逃げるとかそんなことにこだわってる場合じゃないんだ!早く助けを呼ばなくちゃ澪が…。
   知り合いの巫女さんなら何とかしてくれるかもしれないんだ。早く探さないと…!」
小百合「そう言って、あまつさえ関係の無い人を厄介事に巻き込もうとしてるわけか。最低だね。
    …君が呼ぼうとしてる人は、素性はどうあれ君の周りで起こってる件については何も知らないよ」
何もかも見透かしたような表情を浮かべ、蔑んだ瞳で俺を睨みつける。
こいつ…一体何なんだ?まるで俺の周りで起こってることを知ってるみたいな…。
大輔「だけど俺一人じゃ無理だよ!美咲さんが得体の知れない怨霊に憑かれてるんだぞ!
   俺たちを殺そうとしてるんだぞ!!」
小百合「でも、あれは美咲ちゃんでもあるんだよ?何で向い合おうとしないの?」
大輔「完全に操られちゃってるんだよ!!そんなの無理だ!!」
小百合は嘆息し、俺を見つめなおした。そして、やさしく微笑みかけた。
小百合「人の心はそんなに弱くないよ。決して他人が無理矢理に支配できるものじゃない」

その頃、貴史は…。
93名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/23(金) 11:52:03 ID:5kVz4mIR
時刻はすでに夜の8時。貴史は自室で物思いにふけっていた。
貴史(一体何だったんだ? 骨も何も、どこも折れてないとすると、夢?
くそ、どうなっちまったんだ? 美咲さんに一体何があったのか。それと、明日香だ。何か口走っていたよな……?)

――大輔――
小百合「でも、美咲ちゃんには貴方の声は届かないかもしれない。彼女のことを深く愛している人でないと」
大輔「貴史か?」
小百合「さあ? そこの人間関係までは知らないわ。でも本当に、美咲ちゃんを深く愛していれば出来るんじゃないの?
まあ、とはいえ現状ではそれも難しいかも。……ほら、最後の助けが来たよ」
助け? 俺は小百合が向く方向に視線を向けると、夜目にも鮮やかな白い鳥が俺の方に降りてきた。
大輔「な、なんじゃこりゃ?」
小百合「多分、部長からの伝言でしょ? まあ、後は頑張って。私は部長みたいに人の手助けなんかはしないから」
???「大輔…よく聞け……」
うお! って、鳥が喋ってる? これは澪の声か?
鳥「すまない、不意を突かれた。操られそうになったが、なんとか最後の力でこれを飛ばした。
いいか、私はしばらく動きが取れん。操られるくらいならと、私は一切の力を封印することにした。
私は次元のはざまでしばらく眠りにつくので、その間は手助けは一切出来ん。
その前に、最後のアドバイスだ。美咲は、おそらく生霊の影響は受けてはいるが、媒体ではない。
媒体を探せ。そして、そして媒体の傍にいるイキュ……奴を倒せ。そうしない限り、憎念は増すばかりだ。
私の術で肉を付与されたお前ならば、奴を感知できる。そしてお前の持つ氷の力で倒せ。
お前ならば出来る。自分の力を信じろ。あと、この鳥は肩にでも乗せておけ。微々たる魔力だが、私がいなくとも、5日間はその肉体も持つはずだ。
では、目覚めたときは問題が解決していることを祈っている」
それっきり、白鳥は何も話さなくなった。

大輔「澪、小百合……。わかった。イキュは俺が倒す。美咲さんの心は貴史、お前が救ってやれよ……。いくぞ、ミグゥ!」
貴史「…美咲さん、あなたは俺が守ります。あなたの過去に何があったかは知らないけど……あなただけは俺が守る!」
94名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/23(金) 14:13:28 ID:mtxaZHbp
――十数分後 貴史の部屋

――カツン。
貴史「ん?」
俺がベッドの上で物思いにふけっていると、窓の方から小さな音がした。
――カツン。もう一度鳴った。どうやら気のせいじゃなさそうだ。
貴史「………」
俺はベッドから跳び起きた。こういうことをやる奴を、俺は大輔しか知らない。
貴史「だ、大輔か!?」
大輔「いよう、貴史!」
窓の外にいたのはさっきの巨乳っ子だった。
貴史「お前はさっきの?……何の用だよ」
大輔「つばさだ」
貴史「え?」
大輔「俺の名前、つばさって言うんだ」
貴史「つばさ?……で、何か用?それにどうして俺の名前知ってんの?」
大輔「そんなことは今はどうだって良いんだ!」
貴史「?」
大輔「美咲さんっているよね?3年生の月島美咲さん」
貴史「美咲さん!?」
大輔「今、あの人に大変な事が起きてる」
貴史「な?」
大輔「あの人を助けたい!一緒に来てくれないか!」
貴史「ば、バーロー!フカシこいてんじゃねーぞテメエ!
  あの人のこと酷く言うようだったら女だって容赦しねーぞ!」
大輔「だったらさっさと俺のことぶっ飛ばしちまえば良いだろうが!
  やれよ!そんでとっとと寝ちまえこの口先だけのヘタレ野郎!」
貴史「!」
大輔「嘘じゃねえよ」
貴史「…口先だけじゃねえ!」
大輔「え?」
貴史「教えろ!どこだ!どこに行けば良い!!」
95名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/23(金) 15:25:12 ID:x+kjX/tL
つばさ「それは俺の台詞だ。俺達は何処に行けばいい?」
貴史「俺は美咲さんの様子を見てくる。つばさちゃんは学校を調べてくれ。」
貴史(学校に行っても何も無いけどな。)
つばさ「分かった。気を付けてな。」
大輔(そうだ。美咲さんは貴史に任せるのが一番だ。)

−−月島邸−−
美咲「こんな時間にどうしたの? 貴史君。」
貴史「つばさと言う女が美咲さんの事を嗅ぎ回っています。それで美咲さんが大変な事になっていると言うので、心配して来る振りをしました。」
美咲「ああ、あの娘ね。上出来だわ、貴史君。ゆかりを追い詰めれば必ず大輔君が現れる。」
貴史「はい。俺はいたって普通の振りをして、大輔が現れたらカードの場所を聞き出し、取り戻す。用が済んだ大輔は不意をついて始末する。」
忠誠を誓ってしまった貴史は完全に明日香達の支配下に有った。

−−明日香の部屋−−
生霊側の支配の頂点に立つ明日香は考えていた。
明日香「美咲の存在は邪魔になるかと思ったけど、優秀な副官になってくれるとは予想外だわ。」
明日香「彼方が居れば敵の筆頭がゆかりという時点で大喜びで参加するのに、こんな時に何処に行ってるやら。」
明日香「美咲が貴史と澪を支配下に置いたのは大きな収穫ね。貴史には大輔、澪には恩田を封じさせる事が出来る。」
明日香「問題は環と響子先生か、ゆかり寄りよね。」
明日香「ゆかり、あんたの包囲網は確実に出来てきてるわよ。」
96名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/24(土) 01:00:30 ID:9TWzM2mc
つばさ(大輔)「深緒、お前こんな所でなにやってんだ。」
貴史に美咲さんを任せ校門の前まで来た俺は、深緒が校門前に立っているのを見付けた。深緒「誰? ミグゥと…もしかして悪霊さん?」
つばさ(大輔)「良く分かったな。さすが深緒。」
深緒「女装趣味、というか性転換趣味まで有ったんだ。」
つばさ(大輔)「ちっがーう。」
深緒「どうでもいいや。貴方も怨霊に気付いて来たの?昼はこの辺りに強く感じたんだけどな。」
つばさ(大輔)「そうなのか。俺も怨霊だか生霊だかを探してるんだ。」
深緒「今はもう居ないみたいね。明日探しなおしかぁ。」
つばさ(大輔)「でもアレは俺がなんとかしないとならないものだから、部外者の深緒は危ない事しない方が。」
深緒「は?何言ってんの?悪霊さんは保留してあげたけど、街に害をなす霊は除霊する必要が有るでしょ。」
つばさ(大輔)「でも部外者を巻き込むのは。」
深緒「何で部外者なのよ?私はこの街が好きなの。守りたいの。部外者扱いしないでよね。」
つばさ(大輔)「そっか。」
深緒「怨霊の除霊が目的なら協力するよ。ひとりで何でも抱えずに、協力することは大事だからね。」
大輔(前に澪にも同じような事を言われたっけな。)
つばさ(大輔)「そうだな。俺達、協力して除霊しよう。」
97名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/24(土) 01:24:19 ID:6N7tiX5r
まとめスレの113です。>>95は直前の設定すら完全に無視しているので、
削除して、代わりに>>94>>96のつなぎを書きます。
こういうことはしたくなかったけど、>>95みたいな自分勝手くんが何度も同じことをする以上は、
と思い、強行手段に出ることにしました。

>>94の最後から引用します
大輔「嘘じゃねえよ」
貴史「…口先だけじゃねえ!」
大輔「え?」
貴史「教えろ!どこだ!どこに行けば良い!!」
大輔「どこ…? そうだな、美咲さんの周囲を探ってくれ。必ず、何かがあるはずだ。
おかしな言動とか、少しの違和感でもいい。何かあったら俺に教えてくれ」
貴史「よし、わかった!」
大輔「ああ、それと、美咲さんの周囲で、誰か不自然な奴がいるはずだ。
そいつが誰かを探り出してくれ。俺も探すけど、学校へ入れないしな」
貴史「? そういえば、お前は誰なんだ? どうも知ってる奴に似てるんだが」
大輔「そ、それは……とにかく終わったら話してやる!」
貴史「あ、ああ。よし、それじゃあ行きますか! 美咲さーん!」
大輔「って、もう夜だぞ!? 今からかよ!」
貴史「善は急げ、だ! つばさ……だっけ? 今なら学校へ行けるんじゃないか?」
大輔「あ、ああ」
貴史「よし、それじゃあ行動開始だ! うおおおおおぉぉぉぉぉ……」
大輔(相変わらず、なんつー行動力だ)
ともかく、俺は学校へ向かった。
つばさ(大輔)「深緒、お前こんな所でなにやってんだ。」

で、>>96に。
9896:2006/06/24(土) 01:45:44 ID:9TWzM2mc
>>97
>>85で支配下に入る選択だから>>95でOKジャマイカ?
つーか、アンタの方がよっぽど自分勝手に見えるゾ
99名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/24(土) 03:29:27 ID:XsvX86/R
???「えーと、続きはどこから書いたら良いかな?」
100名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/24(土) 03:32:30 ID:XsvX86/R
???「えーと、続きはどこから書いたら良いかな?」
101名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/24(土) 03:33:52 ID:XsvX86/R
スマソ自爆2連投 吊ってくる…。
102名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/24(土) 03:50:42 ID:WXafKIEU
公園から飛んできた貼り紙の裏『>>99-101
>>48から行ける掲示板で聞いてもらえますか?
非常に申し訳ないですが現在、すぐには結論が出そうにない状態です。
複数の意見があったほうがいいので、もう少し時間が必要みたいです』
誰の目にも止まらず、貼り紙は飛んでいった…。
103名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/24(土) 07:54:59 ID:9yTLqdMc
貴史「うおぉぉぉぉぉっ!!」
その頃、貴史は全速力で美咲の家に向かっていた。
今日の美咲はずっとおかしかったし、白昼夢のこともあったため、貴史は下校時からずっと美咲のことを考えていた。
ただ、今回の彼女には不可解なことが多く、どう接すればいいのか判然とせず、皆の目もあってそのキッカケが掴めなかったから、今まで行動には至れずにいたのだ。
しかし、他の人までが美咲さんの異変を感じ、且つ彼女の周りに怪しいヤツがいると知れば、行動するには十分な理由だった。
美咲さんは俺が守る! 絶対に守ってやるんだ!
彼を突き動かすもの…それは愚直なまでに純粋で真っ直ぐな、美咲への想いだけだった。
そしてこの時、美咲への強い想いと、この周辺に張り巡らされた魔力に触発され、貴史は自分の知らぬ間に覚醒を始めていた。
そう、美咲を守るための力に――
104名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/24(土) 08:01:07 ID:9yTLqdMc
あ、>>103>>96から続いてます。
俺も>>95は飛ばすべきと考えた。
というわけで、>>95には悪いが、公式に消しておく。

順子「はいはい〜、ごめんね、>>95は抹消するわね」
夏江「デリート…と」
順子「今回な残念な結果になったけど、>>103-104だって空気読めなくて怒られたことあるから、
これに懲りずにまた書きに来てちょうだい」
105名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/24(土) 22:09:55 ID:O4phMx8a
深緒「人とは違う気配がするの、とても大きな力」
大輔「…………」
…以前澪が言ってたヤツのことかな?たしか、レモンだかミカンだかとにかく果物っぽい名前のヤツのはずだ。
ミグゥ「……」
そこでなぜかまたミグゥに睨まれた。
む?その目は、……違うぜ、そんな名前じゃねーよ、こんボケが!まったく学習しねえヤツだな、オイ。……って目だった。
そしてすぐその後、……だから私はそんな下品な言い方はしませんてば!もーっ!って目で睨まれた。
複雑で見えないやり取りがそこにあった。
ミグゥ「イキュ……」
大輔「え?」
ミグゥ「魔神ザーリフに近しい側近の一人」
大輔「イキュ……。魔神ザーリフ……。」
ミグゥ「すみません、断片的な単語は分かるのですが、そこに繋がる記憶がないんです」
大輔「うん分かった、ありがとなミグゥ」
……魔神ザーリフか、いったい、どんなヤツなんだろう?
深緒「だったら、これはそのイキュってヤツの気配かな?人とも獣とも違うイヤな感じ。
  支配欲と独占欲にまみれてとても気持ち良さそう…………。ぶっちゃけ、うげって感じかな?」
大輔「なんとかしないと」
深緒「ねえ、松沢 明日香って人知ってる?」
大輔「は?明日香がどうした?」
深緒「その人のところに行ってみる必要がありそう」
106名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/24(土) 23:55:41 ID:/Bkwq2PS
順子「ここでハイライト集です」

>>71
貴史「え?……えええええええええええ!!?」

>>74
貴史「あ、ああ……。美咲さんのためなら、この貴史、火の中、水の中! うわははは!」

>>85
貴史「ぐおおお!痛てえ!身体中が痛てえ!だが、俺は!それでもぉ美咲さんをぉぉおぉ!」

>>97
貴史「よし、それじゃあ行動開始だ! うおおおおおぉぉぉぉぉ……」

>>103
貴史「うおぉぉぉぉぉっ!!」

夏江「以上ハイテンション貴史でした」
順子「貴史カコイイ」
夏江「はー。興ざめ。興ざめ。」
107名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/25(日) 01:15:52 ID:XfppVcv0
大輔「明日香がどうかしたのか?」
なんで明日香が? っと、その前になんで明日香のこと知ってるんだろうか。
深緒って高校違うよな……? ま、明日香のことだから交友関係は広そうだけど。
深緒「私の高校、あ、隣の市にある私立北神学園ってとこなんだけどね」
大輔「北神……? うお、金持ちが通う学校じゃん! す、すげえなあ」
その上美男美女が集まる学校としても有名だ。面接で顔選考があるとはもっぱらのウワサ。
キャバクラかホストクラブかよ。
深緒「あんなもん、その金持ちってのをハナにかける馬鹿ばかり集まる学校よ
それはともかく……。友達に頼まれたのよ。その明日香のことを調べてくれって」
大輔「そりゃまたなんで? あいつのことなら大体知ってるぞ? 教えてやろうか?
最近何があったのかは知らないけど」
深緒「……あんた一体何者なの?」
鋭い目で俺を見つめる深緒。その言葉、そっくりそのまま深緒に返したいんだが…今は置いておこう。
大輔「事情があってこんな体だけどな。これでも風立高校の生徒だよ。明日香とは友達」
深緒「へえ。世間って狭いものね。ええと、その明日香なんだけど私の友人から相談されたのよ。
その娘、明日香と友達なんだけど、最近ヘンなんだって。明日香って情緒不安定なところあるの?」
大輔「いや? 明るくてうるさくて耳が早いムードメーカーだけど、そんなことはないぞ?」
深緒「ふうん……。私の友人に言わせると、最近遊びに行くときでも妙に笑ったり、ふさぎこんだりが多いんだって。
突然けたたましく笑ったかと思えば、号泣したり……。で、もしかしたら悪霊が!?なんて相談されたのよ。
いくら私が巫女で、明日香って子がおかしくなったからって、そう簡単に悪霊なんて、と思ってたけど……」
ああ、普通はそう思うだろうけど、今は現状が現状だ。可能性はあるなあ。
108名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/25(日) 13:32:21 ID:6yy95T5e
貴史「美咲さーん!あなたのエンジェル貴史が来ましたよぉぉぉぉっ!」
深夜に女の家に押しかける。
端から見れば只の馬鹿である。
美咲「どうしたの貴史君こんな夜遅くに」
美咲は笑顔で迎えた。

思い上がっていた……美咲のためなら何でもできると思っていた……覚醒したのは美咲を守る力では無かった……美咲に対する恐怖だ……
貴史「ぎゃぁぁぁぁっ!」
貴史は美咲の笑顔を見て悲鳴を上げた。
頭では理解しても心に身体にあの悪夢が刻み込まれていた。
トラウマになっていた。
美咲「大丈夫?貴史君」
美咲が心配して貴史に手を掛けようとする。
貴史「触れないで下さいっ!」
貴史(大輔……俺は……俺はもう……駄目かもしれん……)
109名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/25(日) 22:47:25 ID:nF4yLW7z
――美咲視点

―――いつからだろう?…おとといからかな?急にひどく眠くなるときがある。
……抗うことのできない強烈な睡魔。
そういうときに限って、気がつくと、時間が少しだけ飛んでたりする。
……記憶がすっぽり抜け落ちてるって言うのかな?
胸の奥がもやもやして、暗いところに引きずり込まれそうな、すごく不思議で嫌な感じ。
今日の放課後だって貴史君と話してたら急に眠くなって、
しばらくしたら貴史君の声が聞こえて、
それで気がついたら、恩田君の顔掴んじゃってて……。
私は一体どうなってしまったんだろう?
ときどき自分が抑えられない気がする。
まるで、私のなかに、別のひとがいるみたい。何人も、何人も。

今だって貴史君は私の顔を見てひどく驚いた顔をしている。
……そんな顔で見ないで。
私は一体どうしたんだろう。どうすれば良いんだろう?
……こんなこと誰にも相談出来ない。
何で、何でこんなことになってしまったんだろう。
……私は、私が怖い。
110名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/26(月) 00:07:04 ID:I092onZB
貴史(俺は……俺は……それでも!)
貴史「み、美咲さん!」
貴史(へへへ……何だよ。何で美咲さんを怖がるんだよ、俺……。怖い? そりゃ怖えよ。
あんな夢見た後だもんな。怖くて当たり前だよ。でも、でもなあ……)
美咲「貴史くん……?」
貴史(俺の美咲さんのへの思いは、当たり前のもんじゃねえんだよ!)
貴史「美咲さん!」
俺は、両手で美咲さんの顔をはさみこむ。突然のことで美咲さんは戸惑いの表情だ。
美咲「あ、あの、貴史くん?」
ほんの少し、眉をしかめる。心配そうな瞳だ。
貴史(ああ、そうだ……。そうだ、これだよ……。この瞳、この声……)
貴史「やっぱり、美咲さんは可愛いよ……。俺の好きな美咲さんだ……」
美咲「え、え、え、ええええええええ!?」
一瞬で顔が真っ赤になる美咲さん。ああ、やっぱ可愛いわ……。
貴史(へへ、どうだ、大輔。口先だけのヘタレなんて言いやがって……。
この人は俺が愛する月島美咲だぜ? 俺は、美咲さんのためならなんでもできるんだよ。
ん? 大輔って俺のことヘタレなんて読んだことあったっけ? まあ、いいか……)

私は貴史くんと夜の公園に来ました。(ミグゥが違和感を感じたところではない)
だって、家のまえであんなこと……うーん、恥ずかしい。でも、私の中の怖い心は今は落ち着いている。
やっぱり、貴史くんが私のことを見てくれるから? わからない。でも、今は貴史が優しくしてくれる……。
貴史「……と、いうわけなんです」
美咲「私に、何かが……」
貴史「心当たりはありませんか?」
美咲「うん、カードが……ううん、最初から話すね。私、日比谷悠一くんっていう幼馴染がいたの……」
111名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/26(月) 04:09:38 ID:yfiPQCnx
貴史(まずいな……結構根が深いみたいだ……腕や足がへし折れるように痛い……怖い……だが……)
貴史(俺は負けない!今が頑張りどころだ!)
美咲「貴史君、大丈夫?顔色悪いよ?」
貴史(ここで美咲さんに心配させちゃいけない)
貴史「大丈夫です。早く美咲さんの話を聞かせてください。」
美咲「うん、わかった」
112名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/26(月) 11:47:31 ID:jdciwZLT
???「面白くなってきたな、書き手ガンガレ、超ガンガレ
 俺はかなり前から設定とかについていけないからプレイヤーとして見守らせてもらうお」
113名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/26(月) 18:57:49 ID:Rwiatgw+
プレーヤー1「大輔も結構良いヤツだけど、なんか貴史って本作で一番男らすぃ」
プレーヤー2「サブ男キャラがカコイイというのはギャルゲの定説でつね」
114名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/27(火) 01:51:53 ID:01VLE5mR
美咲さんは静かに語り始めた。
美咲「……私ね、幼馴染みがいたの」
貴史「え?」
美咲「………日比谷悠一くん。……私は、悠ちゃんて呼んでたの」
貴史「ゆうちゃん、か………」
今日の放課後だったっけか?詳しく思い出せないが、美咲さんがいつか言った名前をおぼろげに思い出した。
美咲「悠ちゃんね、すごい怒りんぼなんだよ?」
貴史「…………………」
美咲さんが遠くを見るような目で話を続けた。
美咲「でね、おっちょこちょいなところがあってね、あわてんぼで、すぐに道に迷ったりするの」
貴史「…………………」
美咲「一緒に夏祭りに行った帰りにね、2人して道に迷っちゃって、交番見つけて助けて貰って。……いろいろあったんだよ?」
貴史「…………………」
美咲さんの瞳に光るものが見えた。
美咲「……悠ちゃんが、小さいときはね、すごい泣き虫で、淋しがり屋で、……もうすっごい、ひねくれてたんだよ!」
貴史「…………………」
美咲さんの頬を光るものがつうと伝う。
美咲「でも、ずっと一緒だったの。……悠ちゃんとは、小さいときからずっと一緒だったの……」
貴史「…………………」
美咲「……でも、ある日いなくなっちゃったんだ…………」
美咲さんはこっちを向いて泣き笑いのような顔をしていた。
……俺は、何も言わず、何も言えず、ただ聞いていた。
115名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/28(水) 19:55:08 ID:z0GSAca/
貴史「あ、あのさ………」
良い言葉が思い浮かばないまま俺は喋っていた。
美咲「……………」
貴史「どんな奴?……じゃなくて、どんな人だったの?……そのゆうちゃんって人?」
美咲「……え?」
……あ!しまった?美咲さん今、ゆうちゃんがどんな奴か、喋っていたじゃないか!
貴史「……か、かか、顔とか、写真とか、ビデオとかないの?」
美咲「……写真?ビデオ?」
貴史「そうそう!そういうの。……残ってないの?どんな奴……、人なのか気になるなー、なんて……」
美咲「ゆうちゃん、そういうの嫌いだったから……」
貴史「そ、そですか」
美咲「あのね、貴史君」
貴史「は、はい?!」
何故か声が不覚にも裏返ってしまった。
美咲「怒らないで聞いて?」
貴史「は?」
美咲「ホントのこと言うとね、少しだけ、ほんの少しだけ、貴史君に似てるの。多分」
貴史「……は………」
え、えと、どう返せば良いのでしょう?
美咲「ごめんね……」
美咲さんは向こうを向いて謝罪の言葉を口にしていた。……何を謝っているのだろう?
そもそも謝っている相手は俺?違う?……今の美咲さんからは判らなかった。

……ふう、日比谷悠一君か…………。日比谷。あれ?……日比谷?
どこかで聞いたことがあるような無いような。はて、気のせいだろうか?
美咲「でもね……ゆうちゃん、写真とか全然無いんだけど。一つだけ、たった一つだけ………」
美咲さんの言葉のトーンが変わったことに気がついたのはその後だった。
116名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/29(木) 02:21:41 ID:U8xjV46U
初代スレの>>754付近参照。古い設定だが、そうだったかあ……。

美咲「一つだけ、残してくれたものがあるの」
俺は美咲さんの顔を見た。…………泣いてる。美咲さんの目からはとめどなく涙が溢れている。
美咲「レンタルビデオ店の会員証……。ゆうちゃんの名前が書いてある、一つだけのもの……。
ゆうちゃんね、どこかへ行っちゃったんだ。どこ? わからない……。覚えているのは、あの日。あのお祭りの日……」
貴史「ま、まさか!!」
そのとき、俺はわかった。日比谷悠一……そうだ、あの祭りの、花火の日だ!
あの、謎の事件があった日……大輔と彼方に不審者が近づき、何かを言った。大輔がそいつに殴りかかって、日比谷悠一が止めにはいって……
不審者と日比谷悠一は消えたんだ……。
待て、俺はその人を知っている……日比谷先輩を知っている! じゃあなんで思い出せなかったんだ? 
今の今まで……。美咲さんの幼馴染といえば、日比谷先輩しかいないじゃないか!
貴史「その人、日比谷先輩だよね? 祭りの日に大輔たちと崖から落ちて……?」
美咲「! 何で貴史くんが知ってるの!? いえ…貴史くんはゆうちゃんとよく学校で話していたじゃない!
私、なんで説明なんか……」
貴史「そうだ、日比谷先輩……。俺、あんなに面倒見てもらってたのに、忘れてる……?」
美咲「そうだ…あの崖で、ゆうちゃん私に言ったわ……。
『僕は美しいものを守りにいく。ごめん、美咲……もう戻れない。でも、大丈夫……
僕の事はいずれ忘れるから……。君だけじゃなく、親も、友達も……。みんなが全て忘れれば、君はさみしくない……』
そう言った……最後に、『さようなら』って……!」
貴史「……美咲さん!」
美咲「嫌!嫌!嫌!嫌!嫌!嫌!嫌!嫌!嫌!嫌!嫌!嫌!嫌!嫌!嫌!嫌あああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
やだ、やだ……ゆうちゃんのこと忘れたくない! 忘れたくない! ゆうちゃん! ゆうちゃん!
ゆうちゃんの会員証……カードはどこなの!! カードよ!! あれさえあればゆうちゃんのこと、忘れないのに!!」
突如、突風が巻き起こる! な、なんだこりゃ…!? これが、つばさが言ってた「大変な事」か!?
ええい! 美咲さんのため、こうなったらなんでもやったらあ!
117名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/29(木) 12:32:17 ID:BQjF9KVm
美咲さんは頭を抱えて、悲鳴を上げている。
貴史「くそ、なんだよこの風!」
吹きすさぶ狂風に、俺は近づくことができない。んな馬鹿な……。第一、こんなことあるわけが……
ええい、ごちゃごちゃ考えるのやめ! 俺がすべきことはただ一つ! 美咲さんを守るだけだ!
スーパータカフミングアクションいくぜえ! 俺は一瞬のスキを見計らって美咲さんの飛びついた!
美咲「! 離して! 私は誰もいらない! ゆうちゃん以外、誰もいらないの!」
貴史「美咲さん! 日比谷先輩はまだいなくなっちゃいない! どういう原理で俺たちが先輩のことを
忘れるのかはわからない! でもまだ忘れてない! だから落ち着いて!」
美咲「嘘! だってあなたもほとんど忘れてた! このままじゃ私もいつか忘れちゃう……
だから……カードが、カードが必要なの!」

一方大輔たち……
大輔「つーと、澪が言ってた誰かって明日香のことか……?」
深緒「? 私もまだ調べてないからよくわからないけど?」
大輔「まあ、いいや。とにかく明日香の家に行くか。おっと、その前に……」
俺は意識を集中し、心で剣をイメージした……それ!
深緒「わーお」
俺の手には、一本の長い氷柱が握られている。リズの力、大分コントロールできるようになったぞ。ようし…
大輔「フン!」
次に俺の手に現れたのはネリネのスク水フィギュア……のつもりだったんだけど、造形とかぐちゃぐちゃだな。
ミグゥ「……何をやっているんですか?」
まるでオタクを蔑む一般人よろしく、侮蔑に満ちた目を向けられる。だあ!
大輔「どこまで力をコントロールできるか試してみたんだって!」
深緒「……オタクの悪霊、オタクの悪霊……」
深緒まで、目をそむけてぶつぶつ言ってる。こ、こいつらは……。
118名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/29(木) 18:37:18 ID:lJYqkvXf
大輔「よーし!」
もう1回だ!気合いだ気合い!
大輔「むーーーん!」
俺は再び念じた。これ以上ないくらいの精神統一だった。明鏡止水とはまさにこのこと!。
するとネリネもどきの氷柱に異変が起こった。
形がぐにゅんと捻れたかと思うと、ある一定の形に一気に変形していく。
大輔「おお!?」
深緒「……」
ミグゥ「……」
上空を飛んでいる白鳥「……」
俺の手に握られていたネリネもどきの氷柱は―――――いつの間にかリズを形取っていた。
大輔「なんと!」
これはどういうことだ!?この造型美は凄いぞ!ただ事じゃあない!
大きさは違うが、このディテール!本物とそっくりじゃないか!
……ただし、氷柱のリズは、スク水姿でもじもじしながら、お尻のラインを直しているポーズだった。
ミグゥ「……今度は……貧乳スク水フェチですか?この、元悪霊の変態でお子様な、幼女趣味と男色家の乳デカ俺っ娘ゾンビさん」
大輔「ひ、貧乳って言うんじゃない!もはや訳がわからんぞ!」
深緒「……………………」
深緒がひんやりした目で俺を睨んでいた。
119名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/30(金) 13:02:52 ID:R/dN0e6G
大輔「だあぁぁぁ! もうこんなことしてないで行こう! 行くぞ!」
吐き捨てるようにして、身を翻す。
深緒「あ、話逸らした」
ミグゥ「都合が悪くなったら強行ですか…」
後ろから非難の声が聞こえるが無視して歩きだす。
ミグゥ「それで、『それ』はどうするんですか?」
ミグに言われて気付く、『それ』とはさっきの芸術品のことだ。
どうしよう…。

【捨てる】
【完全保存】
【食べる】
【とりあえず、そのまま】
120名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/01(土) 09:03:53 ID:b4hOlSlA
【完全保存】

大輔「よし、コイツは完全保存だ!」
深緒「……………」
ミグゥ「……………」
俺は2人のマイナス7度くらいの視線を跳ね退け、完全保存を試みた。
大輔「あ!?」
氷のリズをポケットに入れようとしたとき、誤って手から離れてしまった。
ガシャーン!
氷のリズは地面に落ちて、バラバラに砕けてしまった。
大輔「うおおー!俺の!俺の芸術品が!?」
深緒「アホなことやってる場合ですかー!」
怒られてしまった。……無理もない。

そうこうしているうちに俺達は明日香の家の前についた。
大輔「ここか………」表札に『松沢』とあったから間違いなさそうだ。
何気に明日香んちに来たのは初めてだよな。
何故か妙に緊張してしまった。
深緒「うわあ……何これ?すご……。人とも獣ともとれない物凄い気配……」

俺は
【とりあえずインターホンを押してみる】
【大声で明日香を呼んでみる】
【行くぞ!このまま強行突破だ!】
【今だ!ピンポンダッシュしてみる】
【庭に回って中の様子をチェック】
121名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/01(土) 10:36:03 ID:Rt873pKa
【今だ!ピンポンダッシュしてみる】

別にこれは悪戯じゃない。
深緒の言う通り、この家からは言いようのない気配を感じる。
俺は夢魔界で言うところのDクラスだが、この禍々しい魔力は、魔法に少しでも関わったことのある者なら誰だって分かるだろう。
中に明日香以外の誰がいるのか分からないから、ピンポンダッシュして様子を見るべきだという判断だ。
大輔「ミグと深緒は少し離れていろ。様子を見てくる」
ミグ「…分かりました」
深緒「オッケー」
雰囲気を感じ取ってくれたのか、真面目に受け応えし、二人は家の間の小道に身を隠した。
大輔「いくぜ…」
指先が震える。どうしても緊張するな…。
ピンポーン。
大輔「とう!!」
俺はピンポンダッシュをし、神速で家の前を離れる。
しばらくすると、慌しい足音とともにドアが開かれ、見たことのない顔が現れる。
イキュ「…? おかしいな。今、呼び鈴が鳴ったはずなんだが…」
イキュ「やっと来たと思っていたのに、まったく期待させおって…」
イキュ「早くラーメン来ないかな…お腹すいたぞ」
122名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/01(土) 14:33:58 ID:uu4/tuqB
大輔「なんだアレ?」
背の高さは、スウより小さかった。
薄い緑色の顔のあちこちに、シワというか、シマシマがあって、しかもギョロ目。
おまけに髪の毛が生えてなかった。
大輔「なんだよ?あの宇宙人みたいな奴は!?尖んがった耳してるぜ!?」
深緒「うん………あの人、人間じゃないよ?」
大輔「多分そんな気がする」
妙に納得してしまった。

そこへ『来々軒』と描かれたバイクが一台やってきた。
イキュ「おお来たか!待ち侘びたぞ」
店員「はい、松沢さん、味噌ラーメンチャーシュー入りと、来々軒特製ラーメン特盛りですね?合計で1350円です」
イキュ「はい、ご苦労さん。勘定はこれね?」
店員「ありがとうございます。毎度です」
バイク店員は、あいつのツラ見ても何ひとつ変な顔をせず、そのまま行ってしまった。
大輔「何気にあの店員、強者か?」
深緒「……多分、他の人には普通の人のように見えてるんだと思うよ」
大輔「君にはちゃんと見えてる?」
深緒「何あの顔?あれで人間のつもり?うわラーメン見て微笑んでる、なんかもう生理的にイヤって感じ……」
ミグゥ「……右に同じかも」
2人はかなりキツいコメントで意気投合していた。
123名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/01(土) 20:34:23 ID:Rt873pKa
イキュ「…ん?」
イキュはラーメンから顔を上げ、こちらを見据えてくる。
大輔(うお! やばい!)
俺たちは慌てて身を小さくした。
澪の話>>89があっていれば、あれはイキュという名前のヤツだろう。
そして、ミグの話>>105によると、ヤツはザーリフの側近…。
一見あまり強そうには見えなかったが、見掛けだけで判断するのは間違っているし、
ましてザーリフの側近ならば、最低でもAランクの力の持ち主と踏むべきだ。
澪の魔法で一時的に力が上がってるとは言え、まともに戦っても勝てる可能性なんざ1%もないだろう。
イキュ「なにか気配を感じたような気がしたが…まぁいい、ラーメンが伸びてしまう」
イキュはくるりと反転し、家の中に戻っていった。
危なかった…ラーメンに救われたな。
さて、これからどうしようか…。


【イキュに見つからないように忍び込む】
【イキュと戦う】
124名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/01(土) 22:26:10 ID:b4hOlSlA
【イキュと戦う】

大輔「やってみるか?」
俺は立ち上がった。
深緒「え?…ちょ、ちょっと待ちなよ!」
大輔「借りを返さなきゃならないスカした野郎がいんだよ!こんな奴に負けてられるか!」
ミグゥ「ぁ…………」
深緒「だからって!様子を見てからだって遅くないでしょ!?」
それも一理あるが……。

大輔「おい!そこの緑ハゲ!」
イキュ「!?」
深緒「うわ!?言った!言っちゃったよ!この人!」
ミグゥ「な、何か変なものでも食べました?悪霊さん……」

イキュ「……み、緑ハゲだと!?……貴様!人間の小娘が!」
大輔「てめー人類のツラしてねえクセに、ラーメン嬉しそうに見てんじゃねえ!」
イキュ「き、貴様!我が真の姿を!?」
大輔「明日香はどうした!?」
イキュ「何だと」
大輔「明日香だ!ポニーテールの女の子!」
イキュ「ん?あの娘か?あの娘は良いぞ、憎しみの心にまみれている」
大輔「ラーメン片手で言う台詞じゃねえだろこのハゲ!どこだ!」
俺は右手に握った氷の剣に力を入れた。
イキュ「貴様、ハゲハゲと何度も……。私が誰だか知っているのか?」
大輔「イキュって言うケチなパシリ野郎って言う気じゃねえだろうな、この爬虫類!」
イキュ「!?」
深緒「うわあ」
ミグゥ「これはマズいかもです」
125名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/01(土) 22:30:00 ID:b4hOlSlA
???「あれ?ゴメン微妙に繋がってないかも」
126名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/02(日) 08:27:29 ID:eoaRpO3L
イキュ「小娘…そんなに死に急ぎたいのなら良かろう」
イキュ「だが、CかD程度のヤツにわざわざ俺が出張るまでもない」
そう言うと、パチンと指を鳴らし、家の中から明日香が顔を見せる。
大輔「明日香!!」
明日香「………」
明日香は焦点の定まらない瞳で中空を見つめ、なにかしらブツブツと呟いていた。
イキュ「さぁどうする、人間の小娘よ。ある意味これは悪役の常套手段だが、実際にやられると困るものだろう? ククク…」
大輔「てめぇ…明日香に何をしやがった!」
イキュ「おや? 魔力が少し上がったな。お前はアレか、仲間に危機が及ぶと真の力を発揮する、とかいう系統の人間か?」
イキュ「まったく萎えるね、そういう正義感バカは…。ま、お前がキレたところで、俺がいる以上は勝ち目なんかない。せいぜいどうするか悩め」
嫌みったらしくそう言い放つと、イキュはその場にドスンと腰を下ろし、ラーメンをすすり始めた。
明日香「あんたも私やイキュ様の邪魔をするのね…」
大輔「俺は大輔だ! お前を助けに来たんだぞ!」
イキュに俺の名前を知られていないか不安だったが、イキュが無反応なところを見ると、どうやら俺が救世主であることを知らないらしい。
言ったあとになって考えるのも何だが、救世主とバレたら速攻でイキュが攻撃してくるだろうからな…。
大輔「ミグ、明日香が正気に戻すにはどうしたらいい?」
ミグ「操っているのはイキュです。術者をどうにかしない限りは、明日香さんにかかった魔法は解けません」
大輔「チッ…」
つまり、この場で明日香をどうにかするには、取り合えず気絶させるくらいしか方法がないわけか…。
127名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/02(日) 10:51:05 ID:/Tb1fC5m
大輔「明日香!許せ。……リズ!俺に力を貸してくれ!」
俺は氷の剣を明日香に向けた。
大輔「…確か!フリーズ・プリーズ!」
沖縄旅行中に、リズがひなちゃんを固まらせた術の名を叫んだ。
俺の身体から無数の氷の霧が出てきて、明日香の身体を包んでいく。
明日香「あ………」
次の瞬間ガチンと音がして、明日香はでかい氷の塊に変わった。
明日香「恩田………、恩田………、私は…………」
大輔「ごめんな明日香、しばらくそうしてて」
深緒「こ、凍っちゃった……」

大輔「時間がもったいない。続けていくぞ!おい!ラーメンすすってんじゃねえ!」
イキュ「!?」
俺は躊躇なくイキュに向かって氷の剣を振り下ろした。
ミグゥ「あ!」
ひときわどでかい音がして、明日香んちの玄関の扉が吹き飛んだ。
……野郎は!?いない!?どこだ!………は!?
上から気配を感じた。
深緒「あそこ!」
深緒が指差した先、明日香んちの屋根の上に奴がいた。ラーメンすすっていやがる。
イキュ「貴様、俺様の食事を邪魔しやがったな!まだ特製ラーメンのほうは全然手をつけてなかったんだぞ!」
大輔「んなもん知るか!いくぞ!」
俺は塀から2階の屋根に跳び上がった。すごい跳躍力だ。

今にも星が落ちてきそうな満天の星空。屋根の上で緑色の怪物と対峙する俺がいた。
イキュ「この人間の小娘が!」
大輔「いくぞ化物!」
128名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/02(日) 14:04:30 ID:eoaRpO3L
俺は左手で氷の矢を作り、イキュに投げつけると共に、逆手に持った氷の刃で斬りつけた。
ヒュン、シュッ!
イキュはラーメンを食べながら、その両方を軽い身のこなしで避ける。
ラーメンなんぞ食べながら戦うあたりからして分かることだが、イキュの表情には一切の焦りがなく、表情にかなりの余裕が感じられた。
大輔「くそっ!」
イキュ「ふん」
イキュは俺の攻撃を避けざまにラーメンを食べ終え、つゆの入ったどんぶりを投げつけてきた。
バシャ!
大輔「あっちーっ!!」
咄嗟に右手で払ったが、熱いつゆが腕にかかってしまう。
イキュ「他愛もない…。貴様ごときがいくら本気になったところで、この歴然とした力の差なんぞ埋まりようもないさ」
イキュはスタッと綺麗に着地すると、落ち着いた口調でそう言い、俺めがけて縄状にした魔力を放つ。
大輔「!」
プロ野球の投手も舌を巻くような速度で繰り出されたそれは、反射神経だけで避けた俺の真横を、ほんの紙一重で通り過ぎていった。
イキュ「甘い」
イキュが腕を複雑に動かし、高速で過ぎ去っていった縄状の魔力が、鞭のようにしなって俺に戻ってくる。
まずい…! 今度は避けられない!
ドォッ! カラン。
大輔「ぐあ!」
縄に絡められた俺はバランスを崩して屋根にうち付けられ、その衝撃で氷の刃が手から離れる。
大輔「く、くそ。うぐっ!」
縄を解こうと必死にもがいてみたが、魔力の縄は物理的に解こうとして出来るものではない。
もがけばもがくほど、隙間を埋めるようにして魔力の縄は強くしまっていく。
イキュ「まったく手を焼かせおって…。人間の小娘の分際で出すぎた真似をするからだ。生かしては帰さんぞ」
イキュ「しかし、このまま殺してしまうのもつまらんな…少し余興が必要か」
イキュは俺にしたのと同じ要領で階下の明日香を持ち上げてくると、「確かカップラーメン用に沸かしたお湯があったな」
などと呟いて、どこから取り出したのかも分からないポットで、俺が凍らせた明日香を解凍した。
129名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/02(日) 21:55:16 ID:HIQhHDzK
うう、どうすりゃいいんだ…。これじゃ手も足も動かせない、芋虫じゃないか。
くっそう……余裕しゃくしゃくで、のんびりと明日香を解凍している奴が憎らしいぜ!
イキュ「う〜ん? なんだ、その目は…。ははあ、ニンゲンの下らん心配事か? 安心しろ。
周囲に結界は張ってある。いくら騒ごうと、誰も気にも留めん。あまり騒がれるのもなんでな」
違げよ、ボケ! ……いや、確かにその通りなんだが。しかし、どうすりゃいいんだ?
イキュなんて「ぬお、このポット、出が悪いな。まったく、ぶつぶつ……」とか好き勝手ぬかしてるし。
???(…さん……悪霊さん!)
大輔(おお!? その声…と、いうか呼び方はリズか! な、なんじゃこりゃ? モコドもないのに???)
リズゥ(今、深緒さんの力を借りて話しかけてるんです! もう、何やってるんですか!)
大輔(うーん、何とかしたいんだけど、これじゃあ文字通り手も足も出ない。それにしても最近の巫女は器用だなあ)
リズゥ(のんきなこと言ってる場合ですか! 早く氷の力を使わないと!)
大輔(つっても、こんな芋虫大輔くんじゃ、どーしよーもないんだが)
リズゥ(ふう、いいですか、魔力の多少は修行次第ですが、コントロールするのは想像力です。
自分の中の魔力をどう使うか。呪文はそのわかりやすい具体例にすぎないんです。
あなたは氷の剣、氷の霧を使えるんじゃない。氷の力を使えるんです!)
大輔(お、おう……あ…リズ、記憶が戻ったのか?)
リズゥ(いえ、ふとそんな言葉を伝えなければいけない、そう思っただけです…)
そうか……。想像力、想像力か。常識のくびきを外して、思考を自由に…。氷の剣はない、氷の霧もない。
あるのは氷の力……。力は手にあり、足にあり……見えた!
イキュは……ポットの中をのぞきこんでいる! 今だ!

【イキュの顔面に氷の息を吐きかける】
【大気中の水分を凍らせ、弾丸にしてイキュにぶつける】
【ポットのお湯を凍らせる】
130名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/02(日) 22:48:15 ID:Altv2rXL
???「そこは流れ的にリズじゃなくてミグだとオモ
そこだけ直して、あとは続きからいこう」
###「どーでもいいけど、『屋根に括り付けられて身動きとれない大輔(女ver)をいたぶる操られ明日香』のシーンのグラフィック見てぇ…」
131名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/02(日) 22:53:13 ID:yraNtAEt
埋もれ気味なので貼りなおしますね。

■まとめサイト
http://www003.upp.so-net.ne.jp/s_t_k/MGSTS_OHP/index.html

■楽屋裏
http://yy28.60.kg/mgsts2006/
132129:2006/07/02(日) 22:58:27 ID:p7OYc9a1
ありゃ。リズになってた。
すまん、ミグゥの間違いね。
133名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/03(月) 06:13:01 ID:Y0v6JYTY
【大気中の水分を凍らせ、弾丸にしてイキュにぶつける】

大輔「そ、想像力…………」
そうだ!思い出せ!沖縄旅行のとき雪村さんと約束したじゃないか!俺がこいつらをやっつけてやるって!守るんだって!
それに、もっと強え奴が他にもたくさんいるんだ!こんなザコ野郎にてこずってるようじゃダメなんだ!
大輔「意識を集中させる。イメージをつくる。……リズ……もう一度力を貸してくれ……な………」
イキュ「な、なんだ?温度が下がっていく?」
明日香「………………………」
大輔「……おい、お前、正義感とか言ったよな」
イキュ「ん?なんだ小娘、まだ話す力が残っていたか?」
大輔「俺はな、元々正義なんかクソ喰らえなんだよ」
右腕にそこら中の空気が集まっていく感じだった。
イキュ「う、この感じは?」
大輔「名前とか分かんねえけど……、これでも喰らえよ、この三下野郎!」
イキュ「な!?」
大気中の水分が凝固してできた弾丸が、俺の意思でイキュ目掛けて跳んでいく。
イキュ「こんなもの!……………ぐは!?」
氷の弾丸が、背中からイキュを貫いていた。
イキュ「う、後ろから?なんで……こんな……ランク下の奴に………?」
大輔「知るか、そんなもん」
イキュ「!?」
イキュを取り囲むように無数の氷の弾丸が浮いていた。
大輔「あんた、さっき結界とか言ってたよな」
イキュ「うぐ……」
大輔「だったらそいつが俺の結界だ。……残酷チックで申し訳ないが……、当たるとちょっと痛いかも知れんから、ちゃんと避けろよ」
次の瞬間無数の氷の弾丸が一斉にイキュの身体を貫いた。
イキュ「うぎゃああ!?」
134名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/03(月) 10:48:42 ID:+1c1IOoa
大輔「よっしゃ、全弾命中!」
イキュ「ぐはっ…、このままでは…。やはり、操作に魔力を割きすぎたか…。戻さねば…」
いきなり、ふっと体が軽くなる。
大輔「魔力の縄…が解けた?」
下を見ると、明日香から何か黒いもやのようなものが抜け出てくるのが見えた。
そのもやは収束して、イキュの体へ入っていく。
イキュ「くっ…、戻してもダメか…はぁ、はぁ。戻らねば…」
イキュの体を見ると、先ほどの縄と同じようなものがイキュの傷を塞ぐように貼りついていた。
そして、イキュは庭に向かって駆け出す。イキュの向かう先、そこには…
大輔「歪み!? 向こうに逃げるつもりか!」
追い掛けようにもここは屋根の上。
大輔「もう一度!」
俺は氷弾を作り出し、イキュへと放つ。
しかし、慌てているためか、当たらない。
大輔「くそっ、間に合わない!」
そのとき、
声「どこへ行くつもりだ? イキュ」
なんだ? 庭に人影が…。
イキュ「き、貴様は…」
大輔「澪!」
澪「悪いな。お前にここを通させるわけにはいかん」
イキュ「なぜ貴様が……そうか! 奴は…あの小娘は!」
澪「今頃気付いたか。だが、もう遅い…。
やれ! 大輔、とどめだ!」
大輔「おう!」
135名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/03(月) 12:44:14 ID:ptzwpW2N
大輔「伸びろ!」
俺は右手に意識を集中させた。
ギュンと音がして、右の手の平から新しい氷の刃が伸びた。
大輔「とどめは、こうすると決めていた」
俺は氷の剣の切っ先をイキュに向けた。
イキュ「ひい!」
大輔「うおおおおお!」
俺は氷の刃を返して上向きにし、刃を腰から真っ直ぐにイキュに狙いをすまして、そのままイキュに突っ込んでいった。
イキュ「が!!………」
―――イキュは、避けなかった。いや、多分避けられなかったのだと思う。
氷の剣がイキュの胸のど真ん中に突き刺さる瞬間すごく嫌な感触と変な音がしたが俺は怯まなかった。
刃はイキュの胸を貫いていた。
イキュ「ぐはあ……、ば、馬鹿な!このイキュが!……こんな人間のガキに!こんな無様に!」
澪「悠久の闇へ還れ、イキュ!」
イキュ「ぐ、が、がは、ははは………。だ、だが!このイキュにも意地がある!人の淀みを!暗黒の憎しみと絶望を!我が親愛なるザーリフ様への供物とするのだ!」
その直後、イキュの身体に異変が起こった。澪「何だ!?」
大輔「こいつ、い、石に!?」
パキパキと音を立てて、イキュの体が石に変わっていく。
イキュ「我はここで死に、朽ち果てるが、我が貯めた人の淀みは、ザーリフ様の糧となるのだ!ぐはははは………」
澪「何だと!?」
大輔「あ!」
イキュの体から黒い染みのような霧が出てきて、空間の歪みに吸い込まれるように消えて行った。
イキュ「……さ、さらばだ!ぐおお!?」
イキュは氷の剣に突き刺されたまま、石になった。
136名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/03(月) 18:45:51 ID:tnrynmyS
石になったイキュの身体は、次第にぼろぼろと崩れ始めた。
詳しく解説すると、……まず、首が根元からぼきっと折れて、地面にごとんと落ちて、んでパカっと真っ二つに割れて、そのうち右腕が取れて……すみません。これ以上は割愛します。
とにかく、イキュの亡骸は、見る間に一握の砂の山に変わってしまった。
澪「…ザーリフ軍の3幹部の内、イキュを屠るとは……成長したな、大輔」
大輔「う〜ん、夢中だったから、よく分からんです」
澪「謙遜するな、大したものだ」
大輔「そ、そっかなあ」
深緒「ねえ、ちょっと!あなた!大丈夫?」
ミグゥ「悪霊さん!もう、無茶するから……」
深緒とミグゥが俺達のそばに駆け寄ってきた。
澪「む?」
深緒「あら?あらあらあら?え?何?……あれ?私?」
ミグゥ「…あ、澪さんと、深緒さん。…同じ顔」
なんだか、奇妙なご対面になっていた。
大輔「あ!そう言えば、明日香が屋根の上だった」
俺は3人を残して、その場から、塀越し経由の2段跳びで、再び明日香ん家の、屋根の上まで跳び上がった。
屋根の上の明日香は、―――氷の戒めが中途半端に溶けた状態で、まだ半身が埋まったままだった。
大輔「悪かったな明日香。えっと、か、解除!で、良いのかな?」
俺がそう呟くと、ポンッと音がして、明日香を捉えていた氷の柱が消え、彼女の身体がバタンとその場に崩れ落ちた。
大輔「うわ!顔から落ち――!ご、ごめんごめん!………あ」
倒れた拍子に明日香のスカートが太ももの上まで、はだけてしまっているのを発見してしまった。
大輔「……白?」
明日香「う、う〜」
大輔「おい、明日香?大丈夫か?見えてるぞ?バッチリ純白だぞ?おい!」
明日香「ん?に゛ゃ……!!に゛ゃに゛ゃ!?」
次の瞬間、明日香の目がバチっと開いた。…かと思うと、明日香は獣並みの早さでがばっと飛び起きた。目はまだちょっと虚ろだったが。
明日香「こ、こら!恩田!テメエ!乙女の、ぱ、パンティ見やがったなあ!このスケベ!変態!コロス!コロス!」
大輔「お、恩田!?痛て!おい!こら!痛!待て!寝ぼけるなって!痛て!ぐわ!やめて!痛い!蹴らないで!?ぎゃーー!!」
深緒「……あの人、屋根の上で何やってるのかしら?」
澪「……ぜ、前言撤回が必要か」
137名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/03(月) 20:44:16 ID:1ZERZw9X
こうしてイキュの騒動は片付いた。
ちなみに、澪にかけられた魔法(女の子の肉体)は、イキュに放った氷魔法で膨大な魔力を消耗したため、元の姿に戻ってしまっている。
イキュを屠るだけの氷魔法が放てたのは、澪のかけてくれた魔法が一時的に俺の力を増幅していたためだろう。
(Bランク中位程度の魔力を有していたらしく、相手がAランクでも、思いっきり油断していれば勝てる場合もある、とのことだった)。
次元の狭間にハマったことに関しては、澪曰く「私の与えた肉体を通じて、しばらく現世側の『気』に触れていたため、
今はギリギリで次元の狭間を脱している」らしい。
ただ、「いわば夢魔界:現世の割合が50:50から40:60になった程度だから、まだ物は触れないし、普通の人間が姿を見ることも出来ず、
ひょんなことで逆戻りする可能性がある」という注意付きだ。
あと1〜2日大人しくしていれば自然と戻るはずだから、それまでの間、魔法…特に時空系魔法の類は絶対に受けないこと、と厳重に警告された。
そんなこんなで…

−5月8日(水)−
138名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/04(火) 03:24:18 ID:pVPxPr0s
ちゅんちゅんと小鳥の鳴く声が聞こえる。目を覚ました俺はあたりを見渡した。はて?ここはどこだろう?見知らぬ天井がそこにあった。どうやら俺はどこかの部屋の布団の上で横たわっているようだ。
うう、身体中が痛い。昨日無茶しすぎたせいかもしれない。見知らぬ部屋の見慣れぬ壁に、某有名黒ネズミの壁掛け時計があった。あの時計が正しいとすると今は5時50分だ。
俺は顔を横に向けてみた。するとそこに、―――明日香の寝顔があった。
明日香「………むにゃ」
大輔「………これはどうしたことだ?」
えーと、なにがどうなってる?……俺はあの後の経緯を少しだけ思い出していた。

―――昨晩 屋根の上
明日香「あれ?大輔?」
大輔「…………………………え?」
明日香「……あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?…ここどこ?…あれ?」
大輔「え?明日香?俺が分かる?……って、あれ?俺の胸が、無くなってる?」
気がつくと胸が凄く軽くなっていた。なぜかショックだった。
大輔「まさか!?」
俺の大切なマイ・サンがそこにあった。
大輔「あるぞ!ふははは!よくぞ帰ってきた我が息子よ!…でも何で?」
明日香「?」
澪「おーい、そこの馬鹿2人」
階下から澪の声が聞こえた。
深緒「危ないですよー。早く降りてください」
今度は深緒の声だ。顔は一緒でも、声は少しだけ違ってるんだよな。
大輔「分かった。明日香ちょっと我慢してくれ」
明日香「え?な!わーーーーーっ!」
俺は明日香をひょいとお姫様抱っこして、屋根から飛び降りた。
大輔「うお!ぐは!?」
着地の際、さっきよりも足に力が入れられないことに気がついた。俺は盛大に尻餅をついていた。
澪「こら!無茶をするんじゃない!見ろ、お前は魔力の使いすぎで、私の術が解けかかってるじゃないか」
俺は胸のブラジャーが気になっていた。無い胸にする乳バンドは何ともへんてこな感じだったぞ。
明日香「あ、あのう、大輔?そろそろ降ろしてくれない?」
大輔「ご、ごめん」
明日香「ところで、何があったのか説明してくれない?」
139名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/04(火) 05:30:21 ID:SfmpgUVC
大輔「―――と言うわけなんだ」
明日香「ふーん。宇宙人が来て、私をたぶらかして変な世界に連れて行こうとしていた?」
大輔「そうだ、その通りだ」
…他になんて言えば良い?
明日香「で、宇宙人は去り、私は、屋根の上で大輔を足蹴にしているところで目が覚めたと?」
大輔「はい、全く持ってその通りです」
明日香「…………頭痛いかも」
大輔「こっちは、いろいろあって身体中が痛いぞ」
明日香「うーん、全然思い出せない」
大輔「じゃあ、俺はこれで帰るから」
明日香「ちょっと待て」
ぐいと首を掴まれた。
大輔「う、嘘は言ってないぞ!俺だってすごく大変だったんだからな!」
明日香「そうじゃないの!…その、ちょっと相談に乗ってもらいたいことがあって」
大輔「……ひょっとして、恩田のことか?」
明日香「え!?う、……うん」
聞いておいたほうが良いのかもしれない。喋らせて愚痴を吐き出させたほうが良いのかも知れない。
こういう鬱憤を一人で溜め込むのは精神衛生上非常に良くない。そんなのがアイツ等につけ込まれたんだ。
大輔「分かった」

澪「おい、大輔」
大輔「どうした澪?」
澪「分かってないかもしれないから言っておくが、お前はお前の魔力を使いすぎたせいで私の術が解け元の男の姿に戻っている。今は皆にその姿は見えてはいるが、お前の異常が根本的に直ったわけではない。そのうちまた以前のように誰の目にも見えなくなるかもしれない」
大輔「え?」
澪「……これが触れるか?」
澪はどこからともなく杖を取り出した。たしかパンデモニウムとか言うヤツだ。
俺は、それを触ろうとして、―――すり抜けた。
大輔「うそーーーー!」
またか!?また幽霊に逆戻りか!?女のコの身体が懐かしく、非常にもったいなく感じた。こんなことならもっといろいろやっておくんだった。
澪「そう悲観するな、そうだな、お前はあの娘と話があるんだろう?話せるうちに話しておけ。私は深緒と話がある。後でまたこっそりと様子を見に来てやるから、身体に異常があったらそのときにまた教えてくれ」
大輔「分かった」
140名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/04(火) 06:52:52 ID:oavDjyes
―――んで、明日香の部屋。
大輔「話って?」
座布団に腰を下ろした俺は、ベッドの上に座った明日香に話かけた。
明日香「うん、その前にね、大輔?」
大輔「何だ?」
明日香「あのね、その、ゆかりさんってさ、大輔の何なの…かな?」
大輔「は?」
明日香「いや、あの、だから、そ、そのまんまなんだけど…」
大輔「ゆかりか…」
俺は慎重に言葉を選ぶ。
大輔「瑞瀬ゆかり、俺のひとつ上の先輩で従姉妹。世話焼きだけど結構ドジなところがあって、おっちょこちょいでヘビメタファンの変わり者」
明日香「うーん、なんてゆーか、そんなんじゃなくてさ」
大輔「うん、分かってる。ちゃんと分かってる。俺も、そろそろハッキリさせたほうが良いんじゃないかってことは思ってる」
明日香「え?」
大輔「でも分からないんだ俺。ゆかりのことは確かに好きだけど、女の子として好きかって聞かれるとさ、こうなんていうか、背中がむずむずすげー痒くて、全然分からん」
明日香「……大輔ってさ、ガキ?子供?お子様?」
大輔「う、うるせえな、お、お子様で悪かったな!お前こそどうなんだよ!」
明日香「私?私は……フられちゃったんだ」
こないだのアレか?
明日香「それがねー!聞いてよ!アイツ酷いんだよ!『明日香は大切な女友達だと思ってる。悪いけど恋愛感情は無い』だってさ!ホントに何様のつもりだっての!」
凄い剣幕だった。
明日香「『俺も我慢して付き合ってもらいたくは無いし』って言うのよ!我慢で人に付き合ってくれって言うわけ無いじゃん!アイツ馬鹿じゃないの!」
もう止まらない。
明日香「で、でも、のっけにアンタを利用した私もね、悪かったの」
大輔「え?」
明日香「一番最初にね、私が……」
そこで明日香が口ごもった。俺は実はこの話の経緯を知っていたが、あせらず次の言葉を待った。
明日香「ア、アンタは…、だ、『大輔は競争率高そうだからあんたで我慢しといてあげる』って言ったの」
明日香は嘘をつかなかった。
大輔「そっか」
明日香「どうしたら良いかな?この気持ち」
141名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/04(火) 07:58:36 ID:C65nSrgc
しばらくして異変が起こった。
明日香「あれ?大輔?」
大輔「え?」
明日香「あれれ?な、何あいつ、急にどこいったんだろ?おーい!」
大輔「お、おい、俺はここにいるだろ?」
言葉が全然かみ合ってない。まさか……。
ミグゥ「タイムリミットです。悪霊さん」
大輔「ミグゥ?」
部屋の扉のところにミグゥが立っていた。
ミグゥ「外で澪さんが待っています」
大輔「分かったよ」
俺は腰を上げた。
明日香「なによあいつ!話の途中だったのに!でも、まあ、聞きたいこと聞いたから、いっか」

―――明日香の家の玄関先
澪「―――ひょんなことで逆戻りする可能性があるから、くれぐれも注意しろ」
大輔「分かったよ、要は急に人に見えることもあるって言うんだな?」
澪「そうだ」
大輔「それにしても、明日香の両親が外泊で良かったな、玄関直してくれてありがとな、澪」
澪「なに、安いことだ。そう言えば、大輔はこの後どうする?私と来るか?」
大輔「いや、俺はもう少し明日香のそばにいてやりたい。今のあいつほっとけなくてさ」
澪「そうか」
深緒「ミグゥちゃん?この人が変なことしないよう見張っておいてね?」
ミグゥ「はい、わかりました」
大輔「……信用ないのね」

―――で、現在>>137に至る。
142名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/04(火) 08:05:09 ID:C65nSrgc
>>138にしたほうが良かったかな?
143名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/04(火) 11:44:19 ID:6c854irc
ともかく5月8日(水)の朝からね。

ちゅん…ちゅん……
大輔「すずめが鳴いてるなあ……」
ミグゥ「のどかですね……」
俺とミグゥは明日香が学校に行った後、松沢家の居間でくつろいでいた。
しばらく明日香を見守るとは言ったものの、俺の姿が見えたり見えなかったりでは外を歩くのは危険だ。
ましてや学校で見つかったらどんなことになるか……。幸い、明日香の両親は10日まで旅行中らしい。
と、いうわけで、明日香が学校に行ってる間は、ここに潜伏してるというわけだ。
大輔「周りの人に気付かれないようにするのもホネだなあ。ゲームみたいに簡単にはいかないか」
ミグゥ「スネーク、今回の任務だが――ってやつですか?」
大輔「相変わらずヘンなこと知ってるねえ……」
それにしても……明日香と恩田かあ。合わない、合わないよなあ。
大輔「盗撮マニアの変態と、クラスのギャル系早耳ムードメーカーの組み合わせかあ」
ミグゥ「その説明だとミもフタもありませんよ」
大輔「明日香も、素直になりゃいいのに。なーにが、『大輔は競争率高そうだからあんたで我慢しといてあげる』だ」
ミグゥ「……その言葉、本当かもしれませんよ?」
大輔「ぬわんですと!?」
ミグゥ「さあ? でも、明日香さん、今はその恩田さんのことしか考えられないみたいです」
大輔「だろうな。それにしても恩田も恩田だ。明日香のことを恋愛対象として見れないとは、ねえ」
ミグゥ「それは恩田さんが、もてないからもったいないことをした、ということですか?
それは違うと思います。明日香さんの言葉からして、恩田さんには明日香さんが本気でないと思ったんでしょう」
大輔「そういえば、あの2人、付き合い長いし、昔から憎まれ口叩き合ってたって言ってたなあ」
ミグゥ「そういうことだと思います」
要は本気でぶつかり合ってないってことか。明日香の気持ち、通じるといいんだけどな……。
144名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/06(木) 14:23:51 ID:P4v29prl
――貴史視点

今日は朝から少しだけ複雑な気分だった。多分、昨日の一連の事件が原因だな、絶対。
貴史「………ため息も出ねえ」
教壇上の先生は、今度の林間学校についてあれこれ喋っているようだが、全然頭に入ってこなかった。
周りの奴らは、にわかに活気立っていたが俺だけ意気消沈気味だった。
貴史「何がどうなってんのか、訳わかんね」

――昨日の晩、あのへんてこな巨乳の俺っ娘。…たしか、つばさとか言ったか?あいつと会った後、
美咲さんに会って、それから公園で日比谷先輩の事を二人で話して、そしたら美咲さんと俺の周りだけ、
ものすげー竜巻みたいになって、どうなることかと思ったら、急に嘘のように静かになって………。
……そしたら美咲さん、気を失っちまって、……で気がついたら、今度は美咲さん、沖縄旅行から戻ってからの記憶が全部すっぽり抜け落ちてて……。
『胆試し楽しかったよね?』だもんな……。
……その後、美咲さんは、日比谷先輩のカードのことを気にしてる感じはなかったけど、
あのカード、探して美咲さんに返してあげたほうが良いのかなあ?大輔なら何か知ってっかな?
……でもなあ連絡取れねえし、今日だって大輔のやつ学校来てねえし、どうしたもんか。
貴史「……訳わからん」
145名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/06(木) 15:00:00 ID:P4v29prl
???「林間学校×→林間教室○でした。はい、吊ってきます」
146名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/08(土) 13:56:33 ID:PK4KBk/4
――貴史視点 続き

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴って昼休み。
今日は弁当を持ってきてなかったので、俺は一人売店に行くことにした。
貴史「一人で売店行くのもなんか寂しいよな」
売店に行く途中、ふと見知った顔を見かけた。
貴史「……あれは?」
昨日3年の教室の前で美咲さんの『恩田撲殺事件』があったとき、近くにいたギャラリーの3人だった。
……いや、恩田は死んでないか。でもあれは夢?ちょっと確認してみるか?
貴史「すんませーん先輩!」
先輩1「…誰?中村知り合い?」
先輩2「知らね。新城は?」
先輩3「さあ?」
貴史「あのう、昨日のことなんスけど」
先輩2「……昨日の?」
先輩1「おい、まずいぞアレ見られたのか?」
先輩3「だから止めとけっていったろ馬鹿!」
貴史「?」
先輩1「な、何の話だよ?」
貴史「いや、昨日の放課後、3年の教室の前で女の子が野郎を1人、ボコにした事件があったでしょ?」
先輩2「なんだそりゃ?」
先輩3「嘘!マジで?」
貴史「え?マジも何も、先輩方みんな近くにいたではずでは?」
先輩1「んなもん知らんわ。それよりお前、放課後って言ったよな?お前こそあんときコンビニに居たのか?」
貴史「あの、何の話ですか?」
先輩2「てめえこそ、何の話だよ?」
???「そいつらの記憶は、私が昨晩のうちに消しておいたから、心配するな」
突然後ろから声が聞こえ振り向くと、女の子が一人立っていた。昨日、あのつばさという俺っ娘と一緒にいた女だ。ここの生徒だったのか?
147名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/08(土) 14:00:16 ID:PK4KBk/4
で orz
148名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/08(土) 22:43:03 ID:QuJZIXV4
――澪視点
澪「ちょっと、失礼するぞ」
指先に魔力を込め、貴史のこめかみの辺りを軽く突く。
澪「すまんな、村上。おまえだけ記憶を残しておくわけにもいかんのでな」
そのままその場を立ち去る。
澪「ふむ、これで全員か…やれやれだな。私の失態も一端を担っているのだから仕方ない」
記憶の件はあとで氷室にも伝えるとしよう。
しかし、まさか向こうのやつらが直接一般人に関与してくるとはな。
しばらく気を張っておく必要があるか。このまま何もないことを願うのみだ。
澪「さて、退屈な授業でも受けてくるか」
ひとりごちてから教室に戻るために歩を速めた。
149名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/09(日) 17:46:44 ID:UOp0qErV
事件が解決したそのころ――ザーリフの城(宇宙船?)では…



ザーリフ「久しぶりですねみなさん。私がザーリフです。」
ユーニギ「そして私がザーリフ様一番の部下ユーニギです。」
ザーリフ「ものすごく邪魔ですよ。ユーニギさん」
ンボーザ「……あのザーリフ様?」
ザーリフ「ああ。すいませんね。ちょっとしたファンサービスですよ」
ンボーザ「………。先程申し上げたとおりイキュは死亡、アリドドは依然行方不明といった模様です。」
ザーリフ「イキュは死にましたか…まあいずれ殺す予定でしたから手間が省けましたよ。」
ンボーザ「問題はアリドドでしょう。さすがに幹部クラスが抜けてしまっては手のうちようが…」
ザーリフ「しかたありませんね。私たちは少し様子見としましょう。」
ンボーザ「それがよいかと。」
ユーニギ「また出番減っちゃいますね…。」
ザーリフ「だからと言ってわざわざ私の前に立ってポーズをとらないでください。そんなに死にたいですか?」
ンボーザ「……。」
150名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/09(日) 20:57:58 ID:Gn3zERY4
ザーリフ「しかしまぁ、完全に様子見に徹するというのも何でしょう。ンボーザさん」
ンボーザ「はっ」
ザーリフ「ひとまず、貴方自らクメナ村に偵察隊を引き連れて、アリドドさんの捜索に全力を注ぎなさい」
ザーリフ「彼とて我がザーリフ軍の幹部。そう簡単には死なないでしょう」
ンボーザ「承知いたしました」
ンボーザは恭しく頭を下げると、マントを翻してザーリフに背を向けた。
ザーリフ「ああ、ンボーザさん」
その彼の後姿を、ザーリフが呼び止めた。
ンボーザ「はい。何でございましょうか」
ザーリフ「イキュさんについては、自分の実力に慢心しているところがありましたから、やられても仕方ありません」
ザーリフ「しかし、あなたまでやられたり、あまつさえおめおめと逃げ帰ったりしてみなさい」
ザーリフ「…わたくしが直々に、根性を叩き直して差し上げます。ユーニギさんも、よろしいですか」
ユーニギ「はっ」
ンボーザ「…了解いたしました。帰りにちょっと現世へ立ち寄り、部品の調達もしてきますが、よろしいですよね」
ザーリフ「ああ、ンボーザさんのパソコンにメモリ増設するんですね。いいでしょう」
ザーリフ「ついでに500GBのハードディスクも買ってきておいてください。録画したアニメが溜まる一方でしてね。お金はあとで返します」
ンボーザ「分かりました。あ、それと、今日の夜7時から始まる…」
ザーリフ「分かってますよ。やっとアニメ化された「together with you」ですよね。ちゃんと最高画質で録画しておきます」
ンボーザ「ありがとうございます。楽しみにしていたのでリアルタイムでも見られないのは残念ですが…行って参ります」
ザーリフ「ええ、気をつけて」
151名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/10(月) 02:18:07 ID:xlWiOMvP

―――夢魔界の奥深く

常人いや、Aクラスの夢魔ですらやっとというほどの魔力に包まれた場所、そこに彼はいた。

紫色の湖(正式には魔力が液体化したようなもの)をずっと眺めている。
仮面の奥から見据えるは己の絶望か栄光か…一心不乱に湖を眺めていた…

ノヴァ「ヒビヤか……」
ふと彼が重い口を開いた。湖から目を逸らさずそのままの体勢で…
ヒビヤ「ご報告があります。」
ノヴァ「言ってみろ」
ヒビヤ「ザーリフ陣営幹部のイキュが死亡した模様。」
ノヴァ「……そうか。では我々の仕事がしやすくなったな。」
ヒビヤ「そのための刺客はもう決まっております。あとは機を待つだけかと…」
ノヴァ「封はとかれた。今こそ神器を集めるのだ。Are You OK?」
ヒビヤ「覚悟はできています。では…これで私は失礼します。」


ノヴァ「ヒビヤ。」
ヒビヤ「………?」
ノヴァ「裏切るなよ。」
ヒビヤ「…………。」


そのままヒビヤは薄暗い闇の中へ消えていった……
152名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/10(月) 08:07:30 ID:xlWiOMvP
あれ?ここでヒビヤ出すのは夢魔界に戻った時おかしいかな?
もしまずかったら


ノヴァ「ヒビヤ。」
ヒビヤ「………?」
ノヴァ「裏切るなよ。」
ヒビヤ「…………。」


の下りなしにしてハラワタかライジンってことにしといてくれ。特にさしつかえなければそのままで。
153名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/10(月) 10:42:26 ID:Taxbmbgy
えー、つまり、ハラワタかライジンがノヴァに報告してるってことでいいのかな?
154名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/10(月) 14:05:49 ID:xlWiOMvP
すまん。そういうことで頼む
155名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/10(月) 22:53:21 ID:Xe7Fw1X8
>>156
別にヒビヤのままでいいと思うが。
大輔が人間界にいる間夢魔界の時間の流れが違うとしてもあまり違いすぎても
ザーリフとか下手に動けないはずだし、諸設定に矛盾が生じるし。
大輔やられる→ヒビヤ、イキュのことと合わせてノヴァに報告
で、大輔は生死の境をさまよってるみたいな感じでいいんジャマイカ?
まあ後は書き手しだいだが…
156名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/11(火) 01:49:20 ID:Ruv8JAKB
戻ったらダイスケかヒビヤどちらかが死ぬと見るべきか。
俺はダイスケが死んで死亡フラグイベント挿入
で次の失敗は許されない条件で、大輔が現れる展開もアリと見たが…
死ぬのはダイスケでじでいいんジャマイカ?
>>155
157名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/13(木) 19:18:01 ID:ANAu/SYF
続き。流れとしては>>143から。

それにしても暇だなぁ…。
いつもは、毎朝目が覚めるたびに学校面倒くせーと思いつつ通っていたものだが、
こうもすることがないと、逆に学校で授業を受けていた方がマシに思えてくる。
大輔「なぁ、ミグ」
ミグ「なんですか?」
大輔「なんかして遊ばないか? 暇でしょうがない」
ミグ「ずいぶんと悠長な人ですね…」
大輔「そうは言っても、俺の身体は大人しくしてれば治るんだろ? 何かやると、それこそ逆戻りする可能性を生むじゃないか」
ミグ「まぁ、確かにそれも正論ですが…」
ミグ「分かりました、それでは、何をしますか?」
158名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/14(金) 01:15:12 ID:1d9ba4uB
大輔「トランプでもするか?」
ミグゥ「トランプですか?」
大輔「昨日、明日香の部屋の机の上にあるのを見かけてたんだ。俺、ちょっと取ってくるよ」
俺は重い腰を上げた。
ふとここで思う。…………トランプか、すり抜けずに手に持てると良いな。まあ試しにやってみるか、ダメならダメで諦めよう。
ミグゥ「…………」
大輔「ん?」
気がつくとミグゥが俺の真後ろに立っていた。
大輔「なぜ、お前さんまで普通について来るのですか?」
ミグゥ「女性の部屋にお一人で、無断で入るのはいかがなものかと思いまして」
大輔「家の人が誰もいないのに、無断で居間で2人してゴロゴロしていることのほうが、いかがなものかと思いますが?」
ミグゥ「うう」
大輔「むむ」
ミグゥとのくだらないやり取りもほどほどに俺達2人は、明日香の部屋に向かった。居間の出口のドアはきちんとすり抜けられました。
大輔「あうう…ちくしょう、また、幽霊に逆戻りかよ」
ミグゥ「良いじゃないですか?これで長い肩書きが少し短くなりました。変態幼女趣味のお子様で男色家な悪霊さん」
ミグゥはいつになくにっこり微笑んでいた。
大輔「デカ乳と俺っ娘ゾンビが抜けただけじゃねえか」
なんだか余計悪くなっている気がした。

大輔「お、ここだ、ここだ」
明日香の部屋の前に立つ。
ミグゥ「あ!?」
大輔「ん?どうしたミグゥ?」
ミグゥ「あ、いえ?何でもありませ――――あ!」
大輔「痛だ!」
俺はミグゥの言葉は最後まで聞けなかった。ミグゥのほうを振り向いたまま明日香の部屋のドアをすり抜けようとして、―――――ドアにぶち当たった。
大輔「くううううう!痛ええ!思い切り打っちまった!」
ミグゥ「あうう、あ、悪霊さんが実体化してます!…………ただし、また、女の子の姿で……」
大輔「え?」
159名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/14(金) 13:34:37 ID:GZGFnir/
―――貴史 視点

貴史「う……な、何だよ、今の?」
脳天にずんとくる重たい衝撃があり、その前後の記憶がぼやけていた。
貴史「…あ…れ?俺、何してたっけ?」
……確か、昼飯を買いに売店に行く途中だったはずでは?
先輩1「…………だからさ、お前、昨日の放課後学校近くのコンビニに居たのかって聞いてんだけど?」
貴史「へ?」
えーと、……誰?この人達。見るかぎり3年生?
何だか良く分からないことを喋っている。……これは俺に話しているのだろうか?
貴史「あの、すんません、全然行って無いっス」
とりあえず、行ってない返事をしてみた。
実際のところは、昨日のことがさっぱり思い出せないので分からない。
先輩2「じゃあ、昨日、俺達がコンビニでエロ本のカバー外して立ち読みしてる最中に、このドジ(先輩3)がよろけた拍子に棚に倒れやがって、
  棚に陳列してあったモン全部床にばらまいちまって、店員に咎められたけど走って逃げたら、
  俺達エロ本持ったままだったよ。っつーことは見てねえんだな!?」
貴史「……そ、それは災難でしたね?」
先輩3「全部言ってどーすんの」
この先輩達、案外良い人かも知れない。

恩田「やあ貴史君」
貴史「よう恩田……て、テメエその怪我どうした?」
俺が見知らぬ先輩方と話し込んでいたら、頭を包帯でぐるぐる巻きにした恩田が現れた。
恩田「……それが、さっぱり覚えてないんだよ。響子先生の話だと、昨日俺は階段から落ちたらしい……。
  で、今朝病院行って、学校には今来たところ」
貴史「そうか、そいつは災難だったな」
災難って、続くもんなんだな。……俺はそう思った。
160名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/15(土) 02:30:50 ID:nAfvcY7z
昼休みも終わる頃、明日香はゆかりの教室に来ていた。
ゆかり「どうしたの明日香ちゃん、私に用事?」
明日香「えーと何だっけ」
明日香「そう、写真です。ゆかりさんの写真が欲しいんです。」
ゆかり「えっ、やだな、何に使うの?」
明日香「だー、思い出せない。……だー?……ダー?……ダーッ!」
明日香「ダーツです!ダーツの的にするんです!」
ゆかり「えっ……」
明日香「あっ……あれっ?」
明日香は走りだした、今にも泣き出しそうなゆかりを置き去りにして。
明日香(私、何であんなこと……どうしちゃったんだろう、私)
161名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/15(土) 14:27:45 ID:y6+pGWJd
貴史「おっ、向こうから走ってくるの明日香じゃねぇ?」
恩田「そのようだね」
明日香のほうはまだ気付いてないようだ。

【声をかける】
【そのままスルー】
【わざとぶつかって因縁をつけてみる】
【なんとなく隠れるor逃げる】
162名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/15(土) 15:02:56 ID:aJpy2w9M
↑これ、誰の選択? 恩田かな?
163名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/15(土) 19:01:19 ID:y6+pGWJd
一応、貴史視点から続いてるってことで貴史のつもり。
結局は次の書き手次第だからどっちでも…。
164名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/15(土) 19:34:12 ID:2qh9DpGQ
――貴史 視点
【声をかける】

貴史「いよう、明日香!血相変えてどうしたよ?」
明日香「あ、貴史………!げっ、お、恩田も?」
何故だか急に明日香の顔が真っ赤になった。
明日香「………あれ?…え?ええ!?ど、どうしたの!?恩田!その怪我!?」
明日香が包帯姿の恩田を見つけて駆け寄ってきた。
恩田「それが……僕にもさっぱりなんだが」
明日香「大丈夫?本当にもう、恩田って昔からドジなんだから!気をつけなさいよ!」
恩田「あ、ああ……」

先輩1「……俺達行っても良いか?」
貴史「あ、はい」
先輩3「ったく、余計なことベラベラ喋りやがって……。おい、お前、誰にも言わないでくれよ」
貴史「大丈夫っス!俺結構口固いっスから!」
先輩達は行ってしまった。

明日香「今の3年生?何の話だったの?」

貴史選択
【「それがさあ聞いてくれよ!」俺は先輩達の話を誰にも内緒と言って2人に教える】
【それより恩田と明日香って喧嘩してなかったっけ?…俺の気のせいか?】
【ちょうど良いや!3人で昼飯にしようぜ】
165名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/16(日) 02:32:54 ID:RZAXcJDN
【ちょうど良いや!3人で昼飯にしようぜ】

貴史「ちょうど良いや!3人で昼飯にしようぜ」
恩田「僕は病院の後に軽く食べたから」
明日香「何言ってるの。昼休み終わるよ」
貴史「げっ。俺だけ食べそこなったか」

大輔はどうしていたかと言うと
【居間に戻って考えていた】
【トランプを探すのを続けていた】
166名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/16(日) 11:04:58 ID:t+B00nMM
【居間に戻って考えていた】

ミグ「はい、1のペアで切りますね」
大輔「ぬおお」
俺達は居間に戻り、トランプで大富豪をやっていた。
大富豪を2人でやるときは、カードを全部く配り切らないでやると良い。と言うのを以前どこかで聞いたことがあったので、それに従っていた。
ジョーカー2枚入りの、54枚のトランプを2人で13枚だけ配って、大富豪と大貧民だけでやるローカルルール。
すでにプレイ3回目。全戦ボロ負けだった。
ミグ「あのう………」
大輔「何でしょう?」
ミグ「現実逃避はこのくらいにして、そろそろ真剣に考えませんか?」
大輔「……………はあ」
そうなんだよな。なんで俺はまた、女の子の姿になっちまったんだろう?
俺は胸の腫れ物を見下ろしながらため息をついた。サイズはFだそうだ。
ミグ「……多分、これは私の憶測ですが、昨晩の魔物との戦いで、悪霊さんは『借り物の肉体』に備わっていた魔力を使い果たしました。
  元々、魔力で結晶化していた『借り物の肉体』は消滅してしまいましたが、
  澪さんのかけていた呪術自体は生きていて、悪霊さんの魔力が復活したから、借り物の肉体も再結晶化したのだと思います」
大輔「再結晶化?」
ミグ「でも、この呪術は澪さんが常に近くにいないと成り立たないはずでしたが、
  多分、今は悪霊さん自身の魔力を触媒にして呪術が完成されているのではないでしょうか?
  言い換えると呪術を自身で維持するだけの魔力を悪霊さんが持っている。ということになりますが」
大輔「何がなんだかわからんが……要するに、澪にこの術を解いてもらわないと直らないということかな?」
ミグ「はい、おそらく」
そういえば、えらい物騒な呪文だったことを遅ればせ思い出した。
167名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/17(月) 14:39:43 ID:sNDrJAv4
大輔「とにかく、澪に相談してみるか?」
ミグ「そうですね、人から見えるのに、よそ様の家にいるのはあまり良い状況とは言えませんから」
明日香のことは気がかりだったが、今の状況で明日香とご対面するのは少々面倒なので、俺達は早々に明日香の家を出ることにした。

裏口から家の外に出た。昼過ぎの空はとても良い天気だった。
大輔「うーん。妙な横槍とか入っちまって、何だか長引いちまったよな。それに俺、元の姿に戻れるのかな?自信が無くなってきたよ」
ミグ「元気出してください。変態幼女趣味が聞いてあきれますよ?」
そんなもんであきれないでください。
ミグ「どこかに解決の糸口があるはずです。冷静になって考えましょう?」
大輔「んなこと言ってもよう」
ミグ「頑張りましょう!ね?」
ミグが両手にぐっと握り拳を作る。
なんのかんの言っても、ミグって付き合い良いよな、結構良いコだし。
ミグ「それに似合いませんよ?変態さんは変態さんらしくしてないと」
……何気に口は悪いけど。

ともかく、俺は今回の一件のことを順を追って考えてみた。
まず、普段は就眠時に行ってた夢魔界に、俺は自分の肉体を持ったまま雪村さんや彼方や温羅さん達と一緒行ったんだ。
無茶苦茶だった。あの丘から一旦次元の狭間に行って、それから学校の校庭から夢魔界への穴に飛び込んだんだ。
夢魔界でいろいろあった後、明日香が魔物にさらわれて、俺は学校上げての救出作戦に参加。先発隊として皆より一日早く出発したんだ。
んで、あのヒビヤって野郎に会ったんだ。いきなりあの野郎にぶっ飛ばされて現実世界に異常な強制送還させられて
以後、俺の身体は幽霊のように誰からも見えないし、なんでもすり抜けちまう。寝ても夢魔界に行けないから、にっちもさっちもって感じ。

澪に仮の肉体を貰ったのは良いが、なんとそれは女の子の身体だったんだ。Fカップですよ?Fカップ!
その後、貴史が道端で倒れてて、怪しい怨霊事件に巻き込まれて、その晩、明日香に取り付いてたイキュって宇宙人みたいな野郎を倒したら、ようやく元の姿に戻れて…。
しばらくしたら、また誰からも見えなくなって、その翌日、俺の身体は女の子の姿で実体化しました。
大輔「…それが今日です」
ミグ「何か言いましたか?」
大輔「いえ、何も……」
168名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/20(木) 01:14:29 ID:s7KgKF+V
大輔「……何気に自分の状況をもう一度整理して考えたんだよ」
ミグ「変態さんは変態だと自覚しましたか?」
大輔「待て、そーいうことでなく」
ミグ「他に何か?」
大輔「一昨日の晩せっかく理恵ちゃんが協力してくれるって言ったのに」
大輔「俺は帰らないどころか連絡もせず……心配してるだろうな……事情を話して謝らないと」

【澪に会いに行く】
【理恵に会いに行く】
169名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/20(木) 23:57:28 ID:etrAsN7O
【理恵に会いに行く】

大輔「そうだな、ちょっとだけ会いに行ってみるかな?」
ミグ「でも、今、変態さんは元の男の人の姿じゃないんですよ?」
大輔「それはそれ。別人を気取って、『大輔からの伝言』だけでも伝えられるから」
ミグ「そうですか?」
大輔「えっと今の時間だと、もうすぐ学校も終わる時間かな?」
俺たちは理恵ちゃんが通う学校に進路変更してみた。

外はだいぶ暖かくなっており、昼下がりの風は少し気持ちよかった。
途中、昨日のほとんどを過ごした公園に差し掛かった。この公園を抜けて大通りをしばらく行くと理恵ちゃんの通う姫百合女学園があるんだ。
ミグ「昨日の公園がなんだか1ヶ月以上前のようです」
大輔「……」
俺は何も言えなかった。
公園の出口のところに、たこ焼き屋が来ていた。
ミグ「昨日のたこ焼き屋さんですね」
大輔「そうだな」
美味しかったのを思い出して、なんとなく2人してそっちが気になった。
ミグ「ごくり」
大輔「欲しいのか?」
ミグ「い、いいえ」
大輔「実は昨日の晩、澪に幾らか軍資金を貰ってたんだ。ちょっと食べていこうか?」
ミグは返事はしなかったが、にっこりと満面の笑みを浮かべた。

たこ焼き職人「へいらっしゃい」
大輔「たこ焼き2つお願いします」
たこ焼き職人「はい、2個ね」
###「おじさーん、こっちもたこ焼き2つ、お願いしまーす」
???「太っても知らないよ?真奈美」
###「何を言ってるのですか?君も付き合うのですよー」
大輔「お?」
どこかで聞きなれた言葉に振り向くと、――――――そこに理恵ちゃんと、真奈美とかいうコが立っていた。
170名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/21(金) 01:00:04 ID:ES6lEJVF
たこ焼き屋の前で待っている間に理恵ちゃん達の話し声が聞こえてきた。
真奈美「そう言えばさー」
理恵「なーに?」
真奈美「理恵んちに居候してる理恵ちゃんの彼氏、まだ帰ってこないんだって?」
理恵「ぶー!!いきなり何言ってんのアンタ!……って、どこでそんなこと!だ、大輔のこと、あたし、誰にも言ってないのに!?」
真奈美とかいうコは、したり顔でニヤニヤ笑っていった。
真奈美「ふーん、理恵ちゃん、下の名前で呼び捨てで呼んでるんだー、その人のこと」
理恵「な、何よー?」
真奈美「別にー、理恵ちゃんらしいかなーって」
理恵「どこで聞いたの?アイツのこと」
真奈美「おお!?否定しねえのかい?彼氏のこと!」
理恵「いや、…違うって言っても今のアンタ、聞きそうになくて」
真奈美「なんだ、彼氏じゃないのか。…お姉ちゃんに聞いたの。学校で月曜日から氷室ってひとがずっと来てないって」
理恵「そっか、あのバカの言ってたことホントっぽいな」
ミグゥ「あのバカは今どこにいるんですかね?」
大輔「……」
たこ焼き職人「はいよ嬢ちゃん達、それぞれふたつで一千万円ねー」
大輔「ど、どうも」
俺は、いつの時代の生き物か分からない屋台の親父に千円札を払った。
ミグゥ「話があるんじゃなかったんですか?悪霊さん」
大輔「ちょっと待て、俺は不意打ちには弱いんだ」
理恵「?」
気がつくと理恵ちゃんが俺のほうを向いて訝しげな顔をしていた。
真奈美「理恵ちゃん、あっちで食べよ?」
理恵「あ、うん、真奈美先に行ってて?」
真奈美「りょーかーい」
理恵「ねえ、あなた?」
大輔「は、はい?」
理恵「あなた、どこかで会ったこと無い?」

【いえ、全然知りません】
【全部暴露】
171名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/25(火) 01:56:40 ID:gYaHwpIq
【いえ、全然知りません】

大輔「ひ、人違いでは?」
とりあえず知らんぷりを試みる。
理恵「そうかなあ、絶対知ってる人だと思うんだけどなあ。でも何であたし、そう思うんだろ?」
う……鋭い?
ミグゥ「この人にお話があるんじゃなかったんですか?悪霊さん」
大輔「っさいなあ、分かってるよ」
ミグゥ「なっ!?うるさい?……私は悪霊さんの為を思って言ってるのに!」
大輔「だから、心の準備が要るんだっつーの」
ミグゥ「ふんだ!悪霊さんのことなんかもう知りません!」
ミグゥはぷいと向こうを向いてしまった。
理恵「えーと、こっちの人は初めましてで良いのかな?……何だかこじれてる?」
大輔「え?」
ミグゥ「あれ」
そっか、理恵ちゃんって幽霊状態の俺も見えてたから、ミグゥも見えるんだ。
おととい理恵ちゃんに会ったときはミグゥには外して貰ってたから分からなかったけど。
大輔「あのさ理恵ちゃん」
とにかく話てみるか?
理恵「ん?……なんであたしの名前知ってるの?」
大輔「え?ああ、あの、その、じ、実は、大輔君からあなたに伝言を頼まれてるの」
理恵「……え!?だ、大輔、から?」
大輔「うん、しばらく理恵ちゃんの家には帰れないかも知れないからゴメン。だってさ」
理恵「……………」
直後、物凄い形相で理恵ちゃんに睨まれた。
理恵「……ふうん、何気に下の名前で呼び合う間柄なの?」
大輔「あ、あれ?」
172名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/25(火) 03:10:20 ID:BwL1221h
理恵「あなた、大輔が今どこにいるか知ってるの?」
大輔「う………」
知ってるも何も、俺、本人です、はい。………どうしよう?
ミグ「あのう、理恵さんと言いましたよね?悪霊さ―――大輔さんは、今ものすごく大変なことに巻き込まれています」
理恵「………な、何?いきなり」
おお!?ミグに初めて名前で呼ばれた?
ミグ「こちらの女性は、つばささんと言って異界の使者です。大輔さんの危機を伝えに来ました」
大輔「ど、ども、俺………じゃない、私はつばさです」
理恵「あの?大輔が、危機?危ないの?」
ミグ「はい、このまま放っておくと近日中に大輔さんの魂は完全に消滅します」
理恵「…………」
おいおい、なんかミグの奴えらく物騒なことを言ってるな。……大丈夫かな?俺。
少し不安になってきた。
大輔「お、おいミグ」
ミグ「あなたの助けが必要です。理恵さん!」
理恵「え?あ、あの、あたしの助け?」
ミグは何か考えがあって喋っているのだろうか?
ミグ「大輔さんの通う高校の裏山に小高い丘がありますが、そこにご一緒して頂けないでしょうか?」
理恵「……………う、うん。大輔はそこにいるのね?」
ミグ「はい、大輔さんはそこにいます」
まあ、俺が同行すれば嘘にはならないんだろうけどね。
大輔「あ、あのさ……」
理恵「は、はい。つばささん、でしたっけ?まだ何か?」
大輔「とりあえずタコ焼き食べようよ」
理恵「……………………」
173名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/25(火) 03:46:04 ID:NU3IVoI9
真奈美「ばいばーい、理恵ちゃーん彼氏によろしくー!」
理恵「あのー、真奈美、あいつ彼氏じゃないんだけど…」
大輔「……」
公園のベンチで理恵ちゃんたちと、たこ焼きを平らげた後、俺たちは真奈美ちゃんと分かれて、”あの丘”に向かった。

大輔「おいミグ?」
ミグ「はい、なんでしょう?」
大輔「何か考えがあるのか?」
ミグ「記憶が」
大輔「は?」
ミグ「あるはずの無い記憶が見えたんです。理恵さんに出会ってはっきりと」
大輔「?」
俺はそのときミグが何を言っているのか分からなかった。

丘の頂上についたころには、夕焼け空になりかかっていた。…ここだけ”あのとき”のままのようだった。
理恵「うわあ、綺麗な夕焼け!ねえ、見て見て?良い眺め。街が一望できるねー」
理恵ちゃんが柵のほうまで駆けっていく。
大輔「おおい、隅は危ないぞ?」
思わず普段の口調で話す俺。
理恵「平気ー」
動じない理恵ちゃん。

大輔「で、これからここでなにがあるんだ?ミグ」
ミグ「少し急ぎましたが、これから私達は夢を見ます」
大輔「夢?」
ミグ「遠い遠い過去の記憶の夢、揺ぎ無い時の流れが見る、大いなる夢」
大輔「なんだそりゃ?」
理恵「ねえ、ところでさ、大輔はどこ?」
理恵ちゃんがそう言ったとき異変は起こった。
174名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/25(火) 04:51:16 ID:kx14SeIb
理恵「な、何アレ?」
大輔「……」
突然夕日が、……太陽が欠け始めた。あたりがどんどん暗くなっていく。
以前、皆既日食について、TVで見たことがある。月が太陽の光を遮る現象だ。
しかし、こんなに速いはずが無い、はっきり言って異常だった。

あっという間にあたりは真っ暗になった。……しかし街の灯はどこも灯らない。
月に遮られた太陽の青白いコロナだけが、あたりを薄ぼんやりと浮かび上がらせていた。
理恵「綺麗だけど、気味が悪いよ…」
大輔「おい、ミグ何が起こってるんだ?」
ミグ「私にも、……このグリモアスの名を継承する私にも、申し訳ありませんが今回の事象を全て説明できるわけではありません」
大輔「グリモアス?お、お前、記憶が?記憶が戻ったのか?」
ミグ「我が名はミニ・グリモアス。老師グリモアスの正当なる後継者」
大輔「な、何だ?身体が?おかしい?」
理恵「なんなのよー!一体!?」
ミグ「どこでもない、この時!場所!この一点!」
大輔「ミグ!さっきから何言ってんだよ!?これは、お前の仕業か!?」
ミグ「違います。全くの自然が起こす現象です。…時が満ちた。そう言うべきでしょうか?
   この瞬間、魔力に満ちたこの場所で、時間に穴が開きます。……悪霊さんはワームホールという現象をご存知でしょうか?」
大輔「知らん、んなもんは知らん!」
理恵「うえーん、気持ち悪いー!ぐるぐる回るよー」
俺は理恵ちゃんの身体を抱きしめていた。既に足が地面についている感覚が無い。
ミグ「今こそ、時の糸を手繰り寄せ、全ての因果を覆します。時は流動的でありながら歴史は繰り返す。
  時の再生はあまりにも偉大なれど、あまりにも脆弱。人は時を知らず、知らぬ間に支配されている。
  時こそが絶対の支配者なれど、全てのものに平等であり、大いなる祝福と優しさと絶望を与え続ける」
理恵「あ?あれ?大輔?いつの間に?」
大輔「え?」
俺はいつの間には元の身体に戻っていた。
ミグ「時間の逆転が始まりました。あなたの仮初の血肉は剥がれ落ち、主の下に戻ります。
   さあ、行きましょう、その娘は極めて弱いですが時を飛ぶ力を持っています」
ミグの身体が小さくなっていき、最後には本になった。
視界が暗転して、そこで俺の思考は止まった。
175名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/25(火) 05:49:09 ID:F81+jO1l
どこからか、ごうごうと大きな音が聞こえる。
ここはどこだろう?俺はここで何をしている?
吹きすさぶ強烈な風が俺の身体全身を揺さぶっていた。
俺の身体が宙に浮いている気がした。……重力が無い?
あたりを人の悲鳴が埋め尽くしていることにそんなに時間はかからなかった。
理恵「大輔!?大輔!?」
俺は理恵ちゃんが起こしてくれる夢を見ていた。
理恵「ゴラァ!さっさと起きんか!このボケが!」
大輔「ぐはっ!」
腹を蹴られ、俺は眠りから覚めた。
大輔「は!?ここは!?」
半身を起こしてあたりを確認してみようとしたが、身体が宙に浮かぶ感覚だけは止まなかった。
大輔「な、なんだこりゃ?」
理恵「わかんない、わかんないけど!飛行機の中みたい!」
大輔「飛行機ってこんな飛び方するっけ?」
絶対急降下中だと思った。
理恵「するわけ無いでしょ!このアホ!」

???「お客様?大丈夫ですか?早く席に戻って酸素マスクをつけて非常時の体勢をとって下さい!」
大輔「あ、キャビンアテンダントさん?」
???「は?」
大輔「でも、こないだ沖縄行きで乗ったときと比べて随分デザインが違うような?」
理恵「そうなの、なんかおかしいの!なんとなく!」
そのとき機内がガガンと揺れた。怒号や悲鳴が再び地響きのように沸き送る。どこかで小さい子供の泣き声が機内に響く。
大輔「痛て!」
頭上から、どさどさと何かが落ちてきた。…雑誌だった。
大輔「何これ?ドラゴソボーノレ 大きくなった主人公VSマジユニア!?ジヨジヨ、第2部で…、サンタナ編だ…。
  なぬ男塾が連載中?おお?文庫コミック版でしか見たことが無いろくでなしがッ!?」
これ一体いつのジャソプだよ!?
176名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/25(火) 10:57:48 ID:pYkG1UfW
大輔「ホントいつのだよ、これ…」
俺はジャソプの日付を確認する。
大輔「え〜と……うわ、20年以上前のじゃん…」
また轟音が鳴り響き、機体が大きく揺れる。
大輔「うを!?」
俺はたまらずすっころび、ジャソプもどこかにすっ飛んでいった。
大輔「いたた…何なんだよ一体…ん?まてよ…」
俺はいつにない想像力の冴えを感じた!
飛行機…パニック…そして20年前……全てのキーワードが一本の線に繋がった!!そうか、 これはッ!
理恵「バーロー!呼び掛けたら返事ぐらいしてよ!!」
大輔「へ?あ、あれ…?バーロー…?」
また大きな音とともに激しい振動。
理恵「きゃあッ!!」
大輔「む!?」
あ!バランスを崩した理恵ちゃんが俺に抱きついたような形に!
理恵「あ…」
大輔「…………」
理恵「………………」
大輔「………………」
理恵「〜〜〜〜〜!!」
大輔「?」
理恵「いつまでやってんのよッ!!」
大輔「ゴフッ!」
理恵ちゃんの拳をゼロ距離でモロに受け悶絶する俺。
理恵「も、も〜!何でそんな冷静なのよ!やっぱり明らかに変だよ!?今の状況!」
大輔「あ、ああ…」
理恵ちゃんの一撃で、さっき閃いたものがすっかり抜け落ちてしまっていた。
177名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/25(火) 15:48:20 ID:QOhCB9tj
???「お、おい!ス、スチュワーデスさん!一体、これはどうなっているんだ!」
見上げると、俺達のいる場所から、すぐそばの席で、男が客室乗務員さんに呼びかけていた。
はて?この人どこかで見たことあるような?
客室乗務員「だ、大丈夫ですよ」
こんなときでも客室乗務員さんはにっこり笑顔を絶やさない。
正直、逆にすげえ怖かった。
ちなみに現在では、航空会社別に、それぞれ正社員と契約社員で、客室乗務員さんの呼び名が違うんだ。
スチュワーデスをスチュワーデスと呼ばなくなって、もう何年も経っていた。

###「貴之さん……」
貴之「芙美…、大丈夫だ!スチュワーデスもああ言ってる。俺達ようやく一緒になれたんだ!こんなことで終わりになんてなるわけ無いだろ!ははっ」
芙美「そ、そうよね、あたし達これからだもんね……」
機体の傾きは徐々になくなり、だいぶ水平になったが、機内は尚も激しく揺れていた。
理恵「……あ」
大輔「理恵ちゃん?」
理恵「お、……お父さん?」
理恵ちゃんがそういった直後、バガンとでかい音がして、天井に見えるはずの無い大空が見えた。
大輔「え!!?」
理恵「きゃー!?」
機内の天井が裂けた。異常な轟音。風を高速で切る金属音。耳を劈く破壊音。
あたりの物や、人が一斉に空中に投げ出された。
俺はとっさに理恵ちゃんを抱えて床にしゃがみ込み近くの席の柱を掴んだ。
ぐうんと、景色が反転。真下に大空が見えた。すごいパノラマだった。
理恵「何これ!?後ろ席が無いよ!無くなっちゃった!!」
機体は、俺達のすぐ後ろから、すっぽり無くなっていた。
はるか空中の向こうに、半分になった尾翼の部分が見えた。
尾翼のまわりにゴミみたいに何かが舞っていた。……何だよアレ!?
気がつくと、今しがた俺達に話しかけてきた客室乗務員さんの姿もどこかに消えていた。
芙美「貴之さん!」
貴之「芙美!」
178名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/25(火) 16:58:51 ID:zWFieSGy
理恵「落ちてる!落ちてるよー!」
大輔「なんだこれー!?」
真っ逆さま。まさに垂直落下。そういうときって、ほら、よく無重力って言うじゃん。
でも、このときの無重力は、想像していたものとだいぶ違っていた。
身体中に機体の振動が伝わってくる。座席の柱を掴む手がしびれて今にも引き千切れそうだ。
大輔「うおお!根性ォ!」
俺がこの手を離せば、俺達は空中に投げ出されてしまう!今は堪えろ!

俺の後ろ――、機体の後ろの穴から、次々と何かが空中に投げ出されていく。
その中には人の姿もあった。空中を飛んでいく人は、みんなびっくりしたような顔をしてた。
あっ!今、投げ出された人と目が合った。
理恵「ありえない!ありないよー!」
数秒が永遠に感じる瞬間。
芙美「貴之さん!」
貴之「芙美!!離すなよ!」
横を見ると、さっき、ふみと呼ばれていた女の人が、ベルトにしがみついて、空中で身体をばたつかせていた。
貴之「なんだってベルトを外してたんだ!?」
芙美「だって!あんな急に締め付けたら、お腹の中のコが!」
貴之「バ、バカ!そういうときは、ベルトとお腹の間に、毛布を何重にも折り畳んで挟み込むもんなんだよ!待ってろ!今助けてやるからな!」
芙美「だ、だめ、手が滑る………あ!」
たかゆきと呼ばれた男の人の手が、ふみと呼ばれた女の人の手に触れる直前。女の人の手はベルトから離れ、彼女は機体の後ろの穴から空中に消えていった。
その間、1秒もあったかどうか覚えてない。
貴之「芙美ーーーーーーー!!!」
理恵「お、おばさーーーーん!!!」
大輔「え?」
理恵ちゃんが絶叫する。ふみ?……あれ?芙美さん?貴史の母さん?……ってことは、つまり?これって?
気を抜いた一瞬、俺の手は、座席の柱からすっぽ抜けた。
大輔「あ、あれ?」
理恵「きゃーーーーーーーー!」
次の瞬間、理恵ちゃん共々俺達は、凄い勢いで機体の外に投げ出された。
179名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/25(火) 23:34:21 ID:dm4y6WQ8
息が、息が出来ない?思考がうまく定まらない。
理恵「大輔ーーーーー!!きゃーーーーー!!」
大輔「うわあああーーーー!!」
俺達は抱き合ったまま空中を舞っていた。服がばたばたと肌に張り付く。髪の毛なんかひどい状態だ。
目の前を飛行機が黒い煙を上げて落ちていくのが見えた。
斜めに傾いた飛行機は、胴体の後ろの半分が無くなっていた。
もの凄い光景だった。……あんなんじゃ飛べねえよ。
飛行機の穴からいろんなものが投げ出されていた。俺達のすぐ近くを熊のぬいぐるみが舞っていた。

下方に白いもやが見える。―――あれは雲?
理恵「あ!!あれ!!」
大輔「何!?」
理恵ちゃんが指差した向こうに、その人は居た!
あの服は、さっきの女の人!?――芙美さんだ!
理恵ちゃん、目が良いんだな。
理恵「おばさーーーーん!!」
芙美「……」
どうやら彼女は気を失っているようだ。無理も無い。
理恵ちゃんは空中で両手を出して、クロールみたいなことをはじめた。
大輔「うわ、理恵ちゃん!そんなに暴れると!」
理恵「待ってて、おばさん!」
理恵ちゃんの行動で、芙美さんが遠ざかったり近寄ったりぐるぐる向きが変わる。
そうか!空気抵抗で俺達の落下方向が変わってるんだ。
それが分かったところで、今の状況が好転するはずもなかったが……。

俺も、両足を広げてみたり身体を曲げてみたりした。――おっ!芙美さんが次第に近寄ってくる。
俺達はなんとか、空中で芙美さんのところに辿り着いた。俺達って案外凄いかも。
理恵ちゃんが下方からの暴風の中、震える手で芙美さんの服を掴んだ。
理恵「おばさん!おばさん!しっかりして!!」
……しっかりも何も、今は起こさないほうが良いのでは?……俺はそう思った。
180名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/26(水) 01:06:11 ID:8nr7WIpm
雲を抜けた。――海だ!地表がどんどん近寄ってくる!
今、どのくらいの高さなんだろ?……ぼやけた頭で考えてみるが分からなかった。
かわりに去年の夏、スカイダイビングをやってみたいってバカを貴史が言ってたのを思い出した。
貴史、絶対やらねえほうが良いぞ。――俺はそう思った。
理恵「おばさん!おばさん!?」
理恵ちゃんが、おばさんと呼ぶには少し早い女の人に呼びかけ続けていた。
俺も芙美さんに気をとられていた。
だから異変に気がつくのに少し時間がかかったんだ。

超高速の、360度パノラマの圧倒的光景。
その景色が次第にぐんにゃり、にじみ始めていた。
大輔「な、なんだ?水平線が、さざ波みたいに歪んで見える?」
俺は最初、この異常体験のせいで、俺の頭がどうかなったのかと思った。

どどんと大きな音がした。見るとずっと向こうの下方の海面に、でかい水しぶきが上がっていた。
理恵「……何あれ?」
大輔「……」
多分、飛行機が海に落ちたんだ。
……あれ?俺達は?俺達はどうなる?
身体中で感じていた下方からの風を感じなくなったのはその後だった。
理恵「あれ?この感じ?」
理恵ちゃんも異変を感じている?

まわりの景色が急速に暗くなっていった。
理恵「これって!?」
大輔「分からない!俺にも分からないよ!」
漆黒の闇が俺達を包んでいった。闇がどんどん広がっていく。
景色が、前方――と言うか、下方の円状にしか見えなくなり、ぎゅんと海面が遠ざかっていくように感じた。
理恵「何これーー!?」
大輔「知るもんかーー!」
視界が完全に遮断されたのはその直後だった。
181名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/26(水) 02:12:34 ID:65l2ARWS
理恵「何これ?何なの?一体どうなってるの?」
大輔「全然分かりません」
闇、全くの暗黒空間。つい今しがたまで見えていた大空や海はどこにも見えない。
しかし、……真っ暗闇だったが、不思議と俺達は互いの姿を認識し合えた。……なんでだろ?
暗闇では上下左右の感覚が分からなくなるって漫画とか小説でよくあるけど、
俺達、順番逆だよな。だって落下の無重力体験中に暗闇に包まれちゃってるんだもん。
もう浮いているのかすら分からなかったが、とにかく、未だ足が地面についている感じは全く無かった。
さっきまでの落下の恐怖は、すっかり無くなっていたが、今度は現実を感じられない恐怖に襲われていた。

理恵「そうだ!おばさん!」
理恵ちゃんは芙美さんの服の裾を掴んだままだった。
俺は理恵ちゃんを抱えていた両手のうち、左手を離して、芙美さんを抱き寄せた。
芙美「……う……ん」
理恵「生きてる、良かった」
間近で芙美さんの顔を見てみた。随分若かったが確かに芙美おばさんだった。
大輔「理恵ちゃん、あのさ」
理恵「何?」
大輔「あの状況で、よくこの人が芙美さんって分かったね?」
理恵「うん……なんとなく」
大輔「単に、そっくりさんなだけだったりして」
理恵「そうなんだよね、あたしも不思議なんだ。芙美さん、こんなに若くないもん。……でも、しなきゃいけないって思って」
大輔「そっか」
理恵「飛行機に乗ってた人達、どうなったのかな?」
大輔「……」
多分、あの事故は、俺の知っている事故だ。
俺はあの事故で亡くなった人の数を知っていたが、言うのは止めておいた。
理恵「これからあたし達、どうなるのかな?」
大輔「さあてなあ、悪いけど想像もつかないよ」
182名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/26(水) 04:20:14 ID:+pIk4lZX
暗闇に風が吹いた。
大輔「うっ?」
理恵「何!この風!?」
風はごおと音を立てて次第に強くなっていく。
もう目も開けられない。一瞬落下が再開したのかと思ったけど違うのか?風は下からというより、真横っぽかった。
大輔「あっ!」
俺の手が芙美さんから離れてしまった。
理恵「お、おばさーーん!」
芙美さんの姿が暴風に飛ばされて、暗闇の向こう側に見えなくなってしまった。
理恵「ああ!おばさん……!ど、どうしよう!どうしよう!どうしよう!」
大輔「ごめん!俺がうっかり手を離したばっかりに!」
理恵「…風が!すご!きゃあああ!」
大輔「理恵ちゃん!」
ひときわ強烈な風が吹いた。風というより巨大なの塊か何か?空気の塊?そして、それは俺から理恵ちゃんを引き剥がしてしまった。
理恵「大輔ーー!」
大輔「理恵ちゃーーん!」
何なんだ!一体何が起こってるんだ!

ミグ「案ずることはありません。全ては夢、あらかじめ用意されていた時の見る夢」
突然、頭のなかにミグの声が響いた。
大輔「ミグ?ミグなのか?おおい!これは夢か?全部夢だって言うのか?」
ミグ「いえ、人の見る夢とは違います。それに今の私はあなたの知っているミグではありません。私は継承されしグリモワの意思、万物の記録そのもの」
大輔「何言ってるんだか分かんねえし!理恵ちゃんと、芙美さんはどうなったんだ?大丈夫なのか!?」
ミグ「理恵さんは、元の時間軸のあの丘に無事戻りました。……芙美さんと言う方は、不運にも時空の果てに飛ばされてしまいました」
大輔「おいコラ!それじゃ分からないよ!お前グリモワだろ?全部知ってるんだろ?教えてくれよ!」
ミグ「あの方が、今後どうなるのかは、あなたのほうがよくご存知なのでは?」
大輔「芙美さんは、……事故から6年後に帰ってくるんだよ。記憶をなくして」
ミグ「事は成りました。再び時の流転が始まります。今度はあなたがあなたの見る夢を成し得る番です。次にあなたが目を覚ますのは、成し得られなかった夢の続き。黒き力に魂を奪われた悲しき異界の剣士との闘いの場、くれぐれも気を許さぬよう……」
大輔「夢の続き?お、おい」
ミグの声はそこで途絶えた。
183名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/30(日) 12:10:06 ID:VBz6hOCi
…あれが夢?
嘘だ!そんなはずがない。夢なもんか!絶対違う!
何がなんだか分からなかったがそれだけは言える!
あれは夢なんかじゃない!

とするとミグは何が言いたかったのか?
…やはり何も分からない。
でもひとつ分かることがある。
あのとき、理恵ちゃんが芙美さんを見付けなかったら、
芙美さんはあのまま他の瓦礫と一緒に海か地表のどこかに落ちてた。
あの高さだ。絶対助からない。
でも芙美さんは、6年後に帰ってくるんだ。
……やっぱり、あれは本当にあったことなんだ。

変えられなかった飛行機事故の記録
変えられた一人の女性の運命
大輔「そうか……、そうなんだ。やっと分かった。ごめんな芙美さん、おじさん
  それに飛行機に乗ってた人達、俺……変えられなかったんだ。事故のこと何も変えられなかったんだ」
ようやく気がついた。

闇のなか光が見えた。
多分あの光だ、……あそこにあいつがいる。……あのスカした野郎が。
奥歯をギリリと噛み締める。
大輔「運命を!運命を変えるんだ!」
そして光が俺を包み込み、闇が消え去った。
184名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/30(日) 13:15:41 ID:uSy7AyNF



???「―――――くん?ダイスケくん?」
大輔「…………?」
目を開けたら、フードを被った女の子の顔が目の前にあった。
???「どうしたの?いきなりボーッとして」
大輔「ぁ……ミサキ……さん……?」
タカシ「しっかりしてよ、ダイスケさん。戦場では少しの油断が命取りになるんだからね」
大輔「……タ…カシ……。あ、ああ、すまんな…ちょっと考え事してた」
タカシ「…?まあいいや。もうすぐ問題のポイントだし、気を引き締め直して」
大輔「……………ああ」
辺りに広がる光景は廃墟と化した村。
何かの焼けたような臭いが鼻をつく。
空は立ち上る黒煙でドス黒く染まっている。
…そうか、帰ってきたんだ。あの時、あの場所に…。
185夜光 ◆WZUNqKEFyc :2006/07/30(日) 20:28:40 ID:P5BqIu0W
保守
186名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/30(日) 22:55:16 ID:zdO7GG3m
187名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/31(月) 10:41:12 ID:wXx8rNFM
ミサキ「あれですね…」
俺たちは例のアジト前に辿り着いた。
しかし、たかだか数日前のことなのに、この光景を見たのは随分昔…それこそ一ヶ月以上前のことのように思えるな、何故か。
タカシ「さて、とりあえずここで様子を見ようか」
大輔「……………」
確か…ここでずっと待ってたら後ろからアンチクショウに声をかけられて、名乗ったらいきなり襲われて…。
タカシ「ん?どうしたんだいダイスケくん」
大輔「いや、ちょっとな…」
ここでそのまま待ってたら前回の死亡パターンと同じじゃねーか。ここいらで違う分岐を入れておくか?
大輔「なあタカシ?」
タカシ「ん?」
【場所変えないか?】
【突撃しよう!】
【ありったけの補助魔法を頼む】
【呼んでみただけ☆】
188名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/31(月) 11:19:46 ID:Umr1owwo
順子「一応補足しておくわ」
夏江「このシーンは、前スレ(5月2日)で言うと、>>445の手前あたりと思われるわ」
順子「忘れちゃった人は下記のページで流れを確認してみてね」
http://www003.upp.so-net.ne.jp/s_t_k/MGSTS_OHP/log/MGSTS-5.2.html


【場所変えないか?】

俺は提案してみた。
タカシ「え? なんで? まだ先あるよ」
大輔「いや、だって出会いそのものがなければ、絶対にループしないじゃん?」
タカシ「は…?」
小説や漫画の展開では、そう判断しても出会ってしまうものなんだが、ここはそんな世界じゃない。
回避しようと思えば、普通に回避できるはずだ。
…逃げるようで何だが、いくら息巻いたところで、今の俺じゃ万に一つも勝算はない。
勝てない戦いに臨むのは、勇気ではなく蛮勇だ。
大輔「とにかくだ、例え俺だけでもここはもう離れるぞ」
タカシ「分かったよ、仕方ないな…」
189名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/01(火) 15:32:04 ID:ORpMUH4z
結局三人で場所を変えることに。
タカシ「はぁ…何処か一つ場所を決めたら闇雲に動き回らず好機までじっとそこで待つ。それこそ一番効率がいい方法なのに…。
釣りスキル72、狩りスキル64の僕が言うんだから間違いない」
…それなんてFF]T?つーかやけに高いな、ガキのくせに。

ミグ「戻ってきましたね…」
懐からミグの声。そうか、あいつここでは本の姿だったな。
ミグ「接触自体を避けるのはいい手です。今の貴方ではあの剣士には敵わないでしょうから」
大輔「あ〜…やっぱり無理なんだ…」
ミグ「はい。準備も無く、地理条件も向こう有利。今のままではキリンが逆立ちしても無理ですね」
大輔「相変わらず厳しいお言葉で…」
ミグ「それに……ここで貴方にいなくなられては、私が困りますからね」
大輔「お?それってもしかして俺のこと好k「いえ、それは違います(ミグ)」そんなきっぱり言わんでも…」
ミグ「私も今までそれなりの知識を蓄積してきたつもりですが、世界はこんなにも広い。私はまだまだ全知には程遠く、知らないことだらけです」
ミグ「貴方には私の持ち主となる以上、私にあらゆる世界を見せる義務があるのです」
大輔「義務、ねぇ…」
ミグ「別世界にも共に移動してしまったくらいです。まぁ…私としては非常に不本意ではありますが、貴方と私には何か因縁めいたものがあるのでしょう」
大輔「さりげなく傷付く言い方だが、縁があるっつうのは同意だな」
ミグ「ま、仕方ありませんね。もう暫くは私は貴方と共にありましょう。せいぜい色んなことを学ばせて下さいね、変態の元悪霊さん?」
大輔「へ、ヘンタ……ってちょっと待てミグ!!俺の事は何て記録してあるんだ!?」
ミグ「読みあげましょうか?ええと…『氷室大輔。元悪霊で変態幼女趣味でお子様な性格(スク水フェチ)。女子更衣室に突撃しt』…」
大輔「…………消せ」
ミグ「嫌です」
大輔「明らかに悪意剥き出しの説明文じゃねーか!公文に主観を入れるな!消せ!消せ!」
ミグ「お断りです。せっかく把握した知識を消すことなんてできません」
大輔「いや、頼むから消してくれ―――――ッ!!」
ミグ「嫌です」
リズ(ううう……なんかマスターとミグさん、やけに仲がいいな…)
190名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/02(水) 18:55:34 ID:tCUjeNt1
精霊とそんな会話をまじわしながら、さっきの場所からちょうど反対側へと回った。
ミサキ「あ、こっちにも入り口があるんだね」
大輔「ほんとだ。ちょっと様子を見るか」
タカシ「あ、あんまり不用意な行動は…」
移動したことにより油断しまくっていた俺は入り口の前に。
するとその瞬間『プシュウー』とSFな音がしてドアが開き、中から出てきたのは…
ヒビヤ「はぁ………ん?」
大輔「あ」
エンカウントキタ――――(゚∀゚)―――――!!
大輔「な!ななななななななななな…」
ヒビヤ「ちょ…落ち着いて!僕は敵じゃないよ!僕はヒビヤ。奴隷を助けるためにここに来たんだ
そうだ。失礼だけど君達の名前を教えてくれないか?生存者の確認をしたい」
名前…。そうだ名前!!相手は俺の顔を知らなかった。ここで『ダイスケ』だと言わなければなんとか…
タカシ「ん?どうしたんだい?汗びっしょりだよダイゴフッ!?(大輔のボディブロー)」
ヒビヤ「ん?『ダイ』…」
大輔「い、いや…ダイ…ダイキ…そう!俺の名前はダイキ!ダイキ=イノウエです!うん!」
とっさに現世でのクラスメートの名前を出してしまった。すまん井上…。
タカシ「痛てて…いったい何を……するんだダイキくん!」
目配せをすると俺の意図に気付いてくれたのか、とっさに呼び方を変えるタカシ。さすがだ。
タカシ「まったく…。あ、それと僕はタカシ=ムラカミです」
ミサキ「えと……私は、ミサキ=ツキシマです」
ヒビヤ「ミサキ…!?」
明らかにヒビヤの顔色が変わった。
ヒビヤ(…そうか、夢世界の方の人格か…しかし驚いた…)
ミサキ「あ、あの…何か…」
ヒビヤ「……ああ、すまない。ちょっと考え事をね。じゃ、じゃあ君達、気を付けてね」
それだけ言うとヒビヤはそそくさとその場を去っていった。
大輔「行った?行った?はぁ〜〜〜…助かったぁ〜〜…」
タカシ「まったく…いきなり殴ってくれて…」
ミサキ(あの人…何なんだろ…)

ヒビヤ(あの娘と美咲は別人なんだ。わかってる、わかってるけど……でも………美咲……)
191名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/02(水) 23:56:58 ID:PzX4UaCy
???「ヒビヤが出てきたのってユカリたちを連れてきた後だよな?なんかこの辺キャラの動きが複雑で…」

大輔「ふう…すまんなタカシ。いきなり殴って…」
タカシ「ふん、ひとつ貸しだよ」
相変わらず生意気な返答だが、立場上強くは言えないので黙っておく。
ミサキ「あの人は…私のこと知ってたのかな…?」
ミサキさんはヒビヤのことを気にかけていた。まあ、初対面?の男にあんな対応されたんじゃそりゃ気にもなるわな。
タカシ「さて…見たところ大丈夫そうだし、中入ってみる?」
大輔「そうだな」
そう思ったその瞬間またドアが開いた。俺たちはとっさに岩陰に隠れる。
???「さあ、来るんだ!!」
$$$「イヤッ!!離せ!この!」
###「クソッ!まさかここがこんなにも簡単に陥落するとは…」
???「まぁ、せめてレドックの王女は確保しておかねばな」
中から出てきたのはおそらくザーリフ軍の者と思われる男二人。そしてそいつらに無理矢理連れていかれそうになっているのは…
大輔(彼方!?)
彼方がなんでここに!?ま、まあ、そんなことはいい。今はとにかく…
【助けよう!】
【様子を見よう】
192名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/03(木) 05:31:21 ID:pftc7Kc/
【助けよう!】

なんで彼方がここに?とにかく助けなきゃ!
大輔「おいお前ら、ちょっと待て!」
タカシ「わあ!あのバカ真正面から!」
ミサキ「あうあう!?」
ザーリフ兵1「あ?なんだお前は?」
ザーリフ兵2「我らの邪魔をするか!?」
彼方「……あ、……だ、大輔?」

大輔「えーと、たしか魔法はイメージするのが大事なんだっけ?」
攻撃のカタチを頭の中に思い描いてみた。
強く、強く。
あたりの気温が急速に冷たくなっていく。
ザーリフ兵2「き、気温が!?」
ザーリフ兵1「お前、魔術士か?」
大輔「いけるか!?」
イメージがカタチになる。近くの壁や地面から氷柱がぎゅんと伸びた。
大輔「なるほど、こうすると思った通りになるのか。……昨日(?)の闘いも無駄じゃなかったのかな?」
ザーリフ兵「!?」
ザーリフ兵「なんだ!?」
大輔「氷柱よ、やつらを捕まえて、札幌雪祭りもびっくりの氷の彫刻にしちまえ!」
俺が指差すとガチンと音がして、彼方を連れて行こうとしていた二人組は氷柱の中に捕われた。
タカシ「……彫刻というよりは、ヒスイに閉じ込められた昆虫みたい」
ミサキ「いつの間にか、この人魔力強くなってる?」

彼方「大輔?」
大輔「よ、久しぶり」
彼方に会うのは数ヶ月ぶりのような気がした。
193名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/03(木) 23:56:07 ID:IJ5GWSDf
大輔「まあ、久しぶりっつっても2、3日か…」
彼方「……………」
大輔「まさかこんなにも早く見つかるとはな」
彼方「……………遅いわよ、バカ…」
大輔「(ムッ)バカとはなんだよ!せっかく助けてや……!」
軽口で応酬しようとした俺は、彼方の顔を見て言葉を呑んだ。
彼方「…この……グス……ヒック……バカ………グス…」
彼方の両目に今にもこぼれおちてしまいそうなほどの涙が溢れていた。
大輔「…あ〜、えっと…彼方…?すまなうぷっ!」
いきなら彼方は俺に抱きついてきた。
彼方「…な……なんで…グス……もっと早く……早く……ヒック……ううう……」
拳で俺の胸をバンバンと叩いてくる彼方。力はなく、ほとんど痛みはない。
大輔「彼方…」
彼方「……かった………怖かった……怖かったよぉ…………大輔………」
まあ、こっちの世界に来ていきなりコレだもんな…そりゃ怖かっただろうな…。
大輔「…彼方……ごめんな…?ごめん…」
少しでも安心するよう、彼方をぎゅっと抱き締める。
コイツ、こんなに小さかったっけ…?
大輔「彼方……もう大丈夫。もう大丈夫だからな……俺が…「あ!いた!カナタ姫!」
守ってやるからな、と続けようとしたところ、どこぞから響いた素頓狂な声にかき消された。誰だよ…いいトコなのに…。
オンダ「…ぬ!お前何をしている!カナタ姫から手を離せ!」
大輔「……………」
えーと、恩田?えーと、つーことはコイツが王様だっけ?…てか姫!?彼方って姫なのか!?まあここは一先ず…
【無視】
【離れる】
【恩田を張り倒す】
【二人の仲を見せびらかす】
194名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/04(金) 03:12:15 ID:a92TrPgQ
【離れる】
無意味に敵を作っても仕方ないしな。
俺は彼方から離れ、というか彼方を引き離し、ふたりのやりとりを見守った。
オンダ「大丈夫ですかなカナタ姫……てか……筋肉すごっ……」
カナタ「筋肉すごっ……ておい!」
オンダ「ああカナタ姫は強制労働で筋肉ダルマに変わってしまった。昔の可愛らしさは微塵もない…」
アヤ「あ、お姫様見付かったんですか。良かったですね。」
ドアが開きユカリたちを含む大勢がぞろぞろと出てきた。
オンダはそのユカリを指してカナタに言い放った。
オンダ「お姫様ってのは、このお方のように可愛らしく女らしい柔らかさを持っているべきなんだ」
ユカリ「へへ、なんか照れる」
オンダ「カナタ姫……婚約は解消させてくれぇぇい、ぅわあぁぁぁん……」
ひとり泣き叫びながら去り行くオンダの背中にカナタが叫んだ。
カナタ「何よそれ!こっちこそ願い下げだわ」
大輔(良かった。オンダのおかげで彼方がいつもの調子を取り戻したみたいだ。)
195名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/04(金) 15:38:29 ID:DcDMoOpo
大輔「…それにしても前に見たオンダと性格微妙にちがくないか?」
ミグ「多少時空移動の影響を受けたのかもしれませんね。」
大輔「時空移動の影響?」
ミグ「結論だけ言うとあるべきものが元に戻った…ということです。」
大輔「……結論聞いてもなんかよくわかんねーな。」
ミグ「いつも変なことばっかり考えている元悪霊で変態幼女趣味でお子様な人にはわからないでしょうね。」
大輔「……………そろそろ泣くぞ?」
ミグ「どうぞご自由に。」
大輔「くっ……コイツ」


……ってミグに油売ってないで本題に戻らなきゃな
196名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/05(土) 22:31:11 ID:wQqGoTQU
大輔「ところで、なあタカシ」
タカシ「なんですか?」
大輔「もしさ、すげえ強ぇ敵とどうしても渡りあわなくちゃいけないときって、お前ならどうする?」
タカシ「なんでそういうの僕に聞きますか?」
大輔「い、いや、まあ、なんでだろ?」
タカシ「意味分かんないし」
大輔「て言うかさ、ずっと避けて通れたら良いんだけど、そういう訳にもいかないかなって言うか」
タカシ「ひょっとして、さっきの剣士のことを言っているんですか?」
大輔「……………」
タカシ「能力の伴わない勇気は蛮勇。……あなた努力は嫌いみたいですから、意気地無しは一生逃げ続けてれば良いじゃないですか?」
なんだかムカっときた。
大輔「そんな言い方ねえだろ?だって、しょうがねえじゃんよ」
タカシ「……自分の無能さを僕に当たらないでくださいよ」
大輔「…む…無能?」
タカシ「努力足りない人は、言い訳ばっか上手になるもんです」
大輔「口で言うのは簡単だけどよ、無理なもんは無理だぜ?」
タカシ「だからって僕に愚痴らないで下さい。僕は僕で、妹と父さんを助け出さないといけないんですから!」
それは初耳。
タカシ「絶対勝てない敵と渡り合う方法ですか……。強いて言うならこの世に"絶対"は無いですから突くならそこですかね」
大輔「?」
タカシ「真正面から力の押し合いをしようと考えるから無理が出るんですよ。色々やり方を考えるんです。
  それが姑息と言われようともそれこそ"絶対"勝てる方法で」
ついさっき絶対は無いと言い切ったタカシがにやっと笑う。
大輔「方法ねえ……」
タカシ「僕の妹はほんの少しの間ですが時間の流れをせき止めることができます。あいつの能力を上手く生かせば………」
197名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/08(火) 01:57:58 ID:hwwYPE/8
彼方「さっきから何の話してるのよ」
タカシ「これはレドックの王女様。なに「筋肉ダルマ」は失礼だろうという話ですよ」
説明も面倒と感じたのかタカシは話をはぐらかした。
彼方「ほんと失礼しちゃうよね」
タカシ「そうです王女らしくここはアマゾネス・オブ・アマゾネスと呼ぶのが相応しいですね」
彼方「!」
大輔(タカシよ、口の悪さは王女に対しても変わらないんだな)
ミグ「カナタ、レドックの王女、筋肉ダルマ、アマゾネス・オブ・アマゾネス、記憶しました」
リズ「ミグって何か嫌味事典みたいですね」
大輔&ミグ「!」
198名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/09(水) 13:44:25 ID:S3ZK839R
ミグ「嫌味辞典ですって…?」
リズ「あ…」
思わず本音が出てしまった、とばかりに口の前に手をやるリズ。
タブーに触れてしまったのか、ミグの表情には怒りの気配すらなく、能面のように何も読み取れなかった。
俺はフォローしないぞ…。
というか、俺だってそう思ってないわけじゃないし。
ミグ「確かに私は魔導書…。そして魔導書の多くは邪法の集大成」
ミグ「存在するだけで周囲に影響を及ぼしてしまう魔導書は疎んじられ、一般の本屋には流通していないどころか、裏道にある怪しい古本屋にしか置かれない身…」
ミグ「公的機関が管理している場合でも、往々にして厳重な封印を施され、利用される時と言ったら犯罪ばかり…」
ミグ「私が悪いわけではないのに、『魔導書』という肩書きがあるだけで常に周りから忌避され、嫌忌され、煙たがられ…」
ミグ「そして、嫌味辞典などと醜名を付けられ、言動のすべてを論難され、冷評され、難詰され、人前に姿を現すたびに後ろ指を指される…」
ミグ「私なんか、死ぬまで一人寂しく、電気の消えた暗い部屋の隅で、膝を抱えて座ってればいいんだ…」
リズ「え、ちょ…」
ミグ「う…ぐす、えぐ……うわああぁぁぁん!」
大輔&リズ「わーっ!」
泣いた。
199名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/12(土) 08:08:15 ID:l30ttpf1
リズ「わわー、ごめんなさいごめんなさい!」
ミグの予想外な反応に戸惑いつつ必死に謝るリズ。
お、俺は何も悪くないよな…?
タカシ「ところで、これからどうする? 最近スレが停滞気味なのは、これからどうすればいいのか分からないからだと思うんだけど」
大輔「いや、5月2日の>>393を見るとアスカの救出が目的っぽいから、取りあえずアスカを探すべきなんじゃないか?」
タカシ「そういえばそうだったね。なんか3ヶ月以上も前のように感じられるよ」
大輔「彼方、明日香を見なかったか?」
彼方「見たけど、私は別のところに連れて行かれちゃったから、あれからどうなったかまでは…」
大輔「そうか…」
??「うぅ、助けてくれ…」
うめくような声に目を向けると、ミサキさんが瓦礫の下敷きになった男性を助け起こしていた。
ミサキ「大丈夫ですか? 今、回復魔法をかけます」
男性「うぐ…あ、ありがとう」
そうだ、アスカ意外にも奴隷として連れ去られた人たちがいるんだ。
こんなところで悠長にしている場合ではない。
今、「大輔、タカシ、ミサキ、彼方、オンダ、リズ、ミグ」、「レンカ、ヒナタ、タマキ」、「ユカリ、アヤ、マナミ」の3グループに分かれて捜索いるが、さて、これからどうするか。

【一度集まって今後の方針を話し合う】
【まずはアスカを探す】
【その他】
200名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/14(月) 02:59:39 ID:IMof7rE+
>>199
スマソ、俺は今のところ普通の日常に戻るまでROMるつもり…。
過疎の原因は他のところにあると思う。散々言われてることだけど。
異世界は無闇に複雑だし、攻略対象も彼方と美影くらい。正直書きにくすぎる。部分的なら書いてて楽しいかもしれないけど、長い目で見た場合、
早く本編に戻りたいのに、これが数スレ続くことを思うとやってられない。
そこに思い至った人が少なくないのかもしれない。
そうならば、多分今のままじゃ人は戻ってこないと思われ。
なんかもう思いきって分離か新シナリオを始めた方が、まだ人が集まりそうな気さえする。
良くない発想だけど、人がいないと絶対に成立しないスレだし…。
勝手な駄文で話切って本当にスマソ。
201名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/14(月) 07:41:25 ID:cuMnyzRL
>>200
そうか…。まぁ仕方ないことだと思う。確かに書きづらいからね。
俺はこの物語を捨てたくないから、一応夢魔界編も書くつもり。
強制はしないけど、もし良かったらまた夢魔界編も書いてくれると嬉しい。
つーわけで続くを書く。>>199から開始。

【一度集まって今後の方針を話し合う】

俺は一度集まって今後の方針を話し合うことにした。
傾いた防壁の上に乗り、全員を見渡せる位置で大声を上げる。
大輔「おーい、みんな! ちょっと集まってくれー!!」
みんなは俺の声に振り返ると、「何だろう?」と一度顔を見合わせてから小走りにやってくる。
数十秒ののち、全員が集まった。
ヒナタ「あぁー! レドックの王女様ー!?」
彼方の姿を認めると、ヒナタは大声でそう叫ぶ。
彼方「ひなた? ね、ねぇ大輔、一体どうなってるのよ。ここって現実世界じゃないんでしょ? なのにみんな知ってる顔ぶればっかり…」
大輔「あれ、まだ説明してなかったっけ…」
そういえばちゃんとした説明はしていなかった気がする。ここらで言っておくべきか。
大輔「まず、ここは夢魔界。現世と対を成す世界だ。で、夢魔界には夢魔と無食人ってのがいてだな、その無食人ってのも現世と対を成す存在が要るんだよ」
大輔「彼らは現実世界の貴史や連華、ひなたやゆかりたちの無食人というわけだ。そんで、お前はどうやらレドックという国の王女らしいな…」
彼方「は、はい…?」
イマイチ理解できていない模様だ。仕方ない、あとでゆっくり説明するか…。
ユカリ「ねぇ大輔、集めた用は何なの?」
大輔「ああ、悪い。えっと、ご覧のとおりカナタ王女(なんか違和感がある…)は救出したんだが、アスカがまだ見つかっていない」
大輔「奴隷として捕らわれている他の人々の救出もすべきだろうけど、生憎そこまでの人手はないから、それは後発隊に任せるとして、
俺としては本来の目的であるアスカの捜索にリソースを集中したいと思う。みんな何か意見はあるか?」
202名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/15(火) 13:18:26 ID:/TOGugei
レンカ「うちはそれでええよ。心配やしな」
アヤ「私もそれで構いません」
他の皆も異論はないようだ。
大輔「よし。じゃあアスカを探そう。探索魔法を使える人と、瓦礫をどかしたりする作業が出来る人と組んで手分けしよう」
タマキ「おっけー」
俺の話が終わると、みんなは三々五々散っていく。
タカシ「じゃあボクはミサキお姉さ…ぐえっ」
俺はミサキさんのところに行こうとするタカシの服(魔法使いのローブの、フードみたいになってるところ)をつかんで歩みを止める。
タカシ「ごほごほっ、な、何すんだよ!」
大輔「探索魔法を使える者同士で組んでどうする。お前は俺と組むの」
タカシ「げ、勝手に決めないでくれよ。大輔だってボクと組みたくはないだろ」
大輔「組みたい組みたくないの問題じゃない。いくら男だって言ったってお前は子供だろうが。一番腕力のある俺と組むのがもっとも合理的なんだよ」
タカシ「ちっ…分かったよ」
しぶしぶ頷いて衣服を整えると、右手を掲げて探索魔法を唱える。
探索魔法と言っても、矢印みたいな視覚的表示をしてくれるわけじゃない。
アスカと同じ、もしくは逆位相の波長の魔力を放ち、干渉する位置を特定するというものだ。
ただ、四方八方に魔力を放たなければならないため、魔法力の消耗は激しいし、干渉位置の検索も難しい。
忍耐と集中力を要する魔法と言えるだろう。
10分ほど探索を続けていたタカシが、閉じていた目を開けて難しい顔をする。
疲れたのか、少し辛そうな表情だった。
大輔「どうだ?」
タカシ「…さっき戦闘が行われたからだろうけど、該当が何箇所もある。一番遠いところだと1kmくらい先かな」
大輔「1km先か…」

【近場から当たってみる】
【遠いところに行ってみる】
203名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/16(水) 03:44:55 ID:6tzdB/Qy
【遠いところに行ってみる】
大輔「俺たちは遠いところから捜そう」
アヤ「あの、ごめんね。そろそろ止めた方が良いと思って。張り切ってるところに悪いんだけど……」
さっきオンダやユカリたちが出てきたドアから元奴隷の方々が続々と出てきていた。
ドンワルショーネのコが腹を抱えて声も出ない程の笑いを堪えている。その後ろから…
アスカ「とっくに白馬の王子様が救出してくれたわよ」
ユカリ「一応、見付けてたんだ」
……沈黙…………そして…………爆笑。
元奴隷の方々までみんなで爆笑していた。
開放された喜びも有り、皆、笑いに笑っていた。俺はすごく恥ずかしい。
彼方「さて、皆、開放された事だしこれからどうするの」
アヤ「状況報告も必要ですし帰路につくか、ここで待つかして後発隊と合流します」
彼方「そう、私はすぐ帰りたいわ。レドックの王女が命令します、貴方は護衛として同行なさい」
彼方は俺を指して言った、そして次にアヤを指して続けた。
彼方「貴方は残って皆をまとめなさい」
彼方(沖縄で美影に聞いた大輔の好みは委員長だった。ここはなんとしても引き離さないと)
彼方「他に護衛として同行させるのは、大輔?と言いましたか?誰が適任ですか?」
彼方は白々しく俺に聞いた。

まず誰を同行させる?
【ユカリ】
【タマキ】
【他から選ぶ】
204名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/16(水) 08:56:41 ID:oHtnyekX
【ユカリ】

同行させるなら魔法使いは必須だから、取りあえずはユカリがいいだろう。
タカシでもいいんだが、あいつはあいつで実力のあるヤツだから、残存兵がいる可能性がある以上は、ここに残ってもらった方がいいはずだ。
ここからフォートレスまでなら、そんなに危険もないだろう。

他にも同行させる?

現在のパーティ : 大輔、彼方、アスカ、ユカリ、リズ、ミグ、

【タカシ】(グレーアウト)*選択不可
【ミサキ】
【オンダ】
【ミグ】
【レンカ】
【ヒナタ】
【タマキ】
【アヤ】
【マナミ】
205名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/16(水) 08:59:35 ID:oHtnyekX
あ、すまない。選択肢修正する。

現在のパーティ : 大輔、彼方、アスカ、ユカリ、リズ、ミグ

【タカシ】(グレーアウト)*選択不可
【ミサキ】
【オンダ】
【レンカ】
【ヒナタ】
【タマキ】
【アヤ】
【マナミ】
【このパーティで良い】
206名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/16(水) 09:06:32 ID:oHtnyekX
アヤは選択できないんだった…。度々マジでスマソ。

現在のパーティ : 大輔、彼方、アスカ、ユカリ、リズ、ミグ

【タカシ】(グレーアウト)*選択不可
【ミサキ】
【オンダ】
【レンカ】
【ヒナタ】
【タマキ】
【アヤ】(グレーアウト)*選択不可
【マナミ】
【このパーティで良い】
207名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/16(水) 10:53:27 ID:n3uWnweI
大輔「ええと……次は……」

オンダ「………………(無言の圧力)」

大輔「回復にミサキさん…?いや、でもなぁ…」

オンダ「……………(無言の圧力)」

大輔「バランス的には戦士系が……いや、待てよ…?」

オンダ「……………(無言の圧力)」

大輔「……………わかったよ……。にア【オンダ】」

オンダ「………わかってらっしゃる」

大輔(アーヴァイン乙…)
208名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/16(水) 16:28:58 ID:12e/6Jc+
大輔「この中で治癒の能力に長けているのは誰かな?」
アヤ「『精霊使い』の私と、『僧侶』のミサキさん。それにオンダ『王子』も多少心得ているかも」
オンダ「いかにも、初歩的な部分なら」
ヒナタ「祭事実行委員長の異名を持つアヤさんは『精霊使い』とか『巫女』とか呼ばれる中でも、儀式を簡略化して術を使える数少ない方っス」
ヒナタ「『精霊使い』の儀式の踊りも一流なので各町で祭事が行われる時はひっぱりダコなんスよ」
大輔「『踊り子』で学級委員長じゃ無かったのか?」
ヒナタ「『踊り子』?学級委員長?なんスかそれ」
大輔(そうか旅して各地の学校を渡り歩くこっちには学級の概念は無いんだな)
大輔(こちらの治癒系はオンダが居る。残る方は少しでも必要だろう。ヒナタの知識と戦闘能力は役に立つ、連れて行こう)
大輔「ヒナタは一緒に来てくれ。タマキとマナミは攻撃系として残って欲しい」
ヒナタ「一緒にレドックのお城に行けるスか!わはーっ」

現在のパーティ : 大輔、彼方、アスカ、ユカリ、オンダ、ヒナタ、(リズ、ミグ)

【タカシ】(グレーアウト)*選択不可
【ユカリ】(ハイライト)*選択済み
【ミサキ】
【オンダ】(ハイライト)*選択済み
【レンカ】
【ヒナタ】(ハイライト)*選択済み
【タマキ】(グレーアウト)*選択不可
【アスカ】(ハイライト)*なぜか選択済み
【アヤ】(グレーアウト)*選択不可
【マナミ】(グレーアウト)*選択不可
【このパーティで良い】
209名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/16(水) 17:41:01 ID:oHtnyekX
プレイヤー「これ、グレーアウトのところを選択しても絶対選べないのか?」







【タマキ】

システム音「ブブー」
プレイヤー「あ、やっぱダメか、選べないのか。チッ」




【このパーティで良い】

大輔「よし、こんなものかな」
あまり大きな団体になってしまうと逆に動きづらいかも知れないからな。
戦力的に考えても、このパーティでちょうど良いだろう。
俺はそう判断して全員を見渡し、頭の中を整理した。

王女送迎組:大輔、彼方、アスカ、ユカリ、オンダ、ヒナタ、(リズ、ミグ)
前線救助組:タカシ、ミサキ、レンカ、タマキ、アヤ、マナミ
210名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/17(木) 00:06:17 ID:FzK4h59L
                  < MGSTS corp.プレスリリース >

                                                   2006年8月17日
報道資料                                 エムジーエスティーエス株式会社

           「together with you」のプレイステーション3への移植が決定


 エムジーエスティーエス株式会社のプレイステーション2対応ソフトウェア「together with you」
は、次世代コンピュータエンタテインメントシステム・プレイステーション3へ移植されることが決定
しました。プレイステーション3の発売日である2006年11月11日に合わせ、ローンチタイトルとして
発売いたします。

 当社の第一弾タイトルとして2005年10月22日に発売された本作は、2006年8月17日時点での国
内出荷本数が23万本を超え、美少女恋愛アドベンチャーゲームの歴史に名を残す記録的な大
ヒットとなりました。DVDや関連グッズも好調なセールスを記録し、ユーザーの皆様の心と、日本
各地域の日常生活の中へ順調に浸透しております。年末商戦には、今後ますます拡大が予想さ
れる「together with you」の市場に向け、関連メーカー各社からも強力なラインナップが提供され
る予定です。

 エムジーエスティーエスは、「together with you」のマーケットの一層の拡大を図り、更なる感動
の創造を推進して参ります。

                                                         以上
211名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/17(木) 00:15:46 ID:FzK4h59L
 <製品詳細>
タイトル:together with you - Premium Edition -
プラットホーム:PLAYSTATION 3
ジャンル:創作型恋愛アドベンチャー
主題歌:4月の雪
CERO:C(15才以上対象)
メディア:BD-ROM(二層)1枚
セーブデータ使用容量:1024KB以上
その他
 ・PLAYSTATION 3用コントローラー6軸検出システム対応
 ・オンラインゲーム、オンラインサービス対応
 ・アスペクト比16:9(ビスタサイズ)対応
 ・プログレッシブ(480p、720p、1080p)出力対応
 ・ドルビーデジタル 5.1ch、ドルビーTrueHD 7.1ch対応
発売日:2006年11月11日
希望小売価格:初回限定版 7,800円(ピクチャーレーベル仕様。ネリネのスク水フィギュアを掲げ持つ大輔のフィギュア・リニューアル版付)
         :通常版 6,800円
制作・著作:(C)MGSTS corp. All rights reserved
公式ホームページ:http://www003.upp.so-net.ne.jp/s_t_k/MGSTS_OHP/index.html
212名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/18(金) 02:17:30 ID:n1rXZWum
俺達が班分けを確認していると、不意にタカシが声を上げた。
タカシ「リエ、どうしてお前がここに!」
リエ「ぁぅぅぅぅっ」
彼方「その娘、ショックで喋れなくなってるのよ」
予期せぬ事態にタカシの心は動揺し、ザーリフへの怒りで一杯になった。
その負の心に道化のカードが付け入った。
タカシ「ザーリフゥゥゥッ!」
タカシの髪の毛は小金に輝いて逆立ち、その身は妖しげなオーラに包まれた。
道化のカードに取り付かれたタカシは並みの魔術師では出来ない飛行で飛んでいってしまった。
その姿は斜めに発射したロケットかミサイルのようだった。

−−−
弾丸のように飛んだタカシはザーリフの城に向かい、そしてザーリフの目の前まで迫った。
イキュが死に際にザーリフに渡したKのカードに発する負のオーラと、タカシの道化のカードの負のオーラが引き合っていた。
タカシ「ザーリフゥゥゥッ!」
ザーリフに一矢報いようとしたタカシは彼に睨まれ、その次の行動で彼に跪いていた。
ザーリフ「道化の魔術師よ、我が新しき前線拠点を破壊した者を捜し出し始末してしまいなさい」
タカシ「はっ、ザーリフ様の仰せのままに」
タカシはザーリフの城を後にしてヒビヤ討伐へと旅立った。
ザーリフ「瀕死のワーナーを操る力を減らせる今、道化のカードに心捕らわれた者を操るなど造作も無い。道化には道化が相応しい……」

−−−
ミサキ「あの…彼を追わなくて大丈夫かな」
大輔「いつもの事だよ。昨日の夜も勝手にどっか行って帰ってきたんだ」
レンゲ「タカシは良く単独行動するからなー。あいつの悪いところや。気が済んだら帰ってくるから心配せんでえーよ」
この時、次にタカシと敵として会うとは、その場の誰もが予想しなかった。
213名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/18(金) 02:36:53 ID:u7z96e90
…早く夢魔界編終わらせたいのはわかるがちょっと無理矢理すぎないか?
214名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/18(金) 04:43:12 ID:2wnxxQuC
>>212
説明不足で割と意味不明になってるな…
さらに大輔視点とナレーション(?)を前置き無しに混在させてるから余計にわかりにくい
焦るのはわかるが少し落ち着いてくれ

…とはいうものの、現状であんまりまったりやっててもまずいのは確かだよな
俺としても、日常を描きたい多くの書き手を突き放してまで、
まだまだ先の長い夢魔界編を丁寧に完結まで導くことが、
本当に「みんなで作るスレ」的なことなのか?って気がしてきたしな…
215名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/18(金) 18:54:15 ID:fb4IonGq
夏江「私も>>212は強引だと思うわ。流れ無視されてるし…」
順子「気持ちは痛いほど分かるから、あまり強くは責められないんだけど、
つまらないからって無理矢理なことをするのが良いとも思えないし、全員が全員、夢魔界編を書きたくないと思ってるわけでもないからね」
夏江「いささか不本意だけど、3人もおかしいと思ってるから、久しぶりに権限発動して元の流れに戻すわよ。>>209から開始ね」

王女送迎組:大輔、彼方、アスカ、ユカリ、オンダ、ヒナタ、(リズ、ミグ)
前線救助組:タカシ、ミサキ、レンカ、タマキ、アヤ、マナミ

大輔「じゃあ、俺たちはひとまずフォートレスに戻って、一度準備を整えてからカナタ王女をレドックまで送り届けてくる」
大輔「強い敵はいないと思うが、基本的に攻撃は仕掛けず、後発隊が来るのを待つこと」
大輔「万一、敵から攻撃を受けた場合は、後発隊が辿り着くまで防御中心の戦略を取るんだ」
大輔「防御結界はタカシ、ミサキさんは救護担当。もし攻撃が必要な場合は、アヤを中心にして、敵の一人一人を確実に仕留めていく陣形を取れ」
前線救助組全員「了解」
タカシ「しかし、ずいぶんと偉そうだな、大輔さん」
大輔「うるさいっ。真面目にやってるんだよ」
タカシ「はいはい。まぁ安心して任せておいてくれよ」
大輔「ああ。しかし、油断はするなよな。幹部が出てこないとも限らないから」
タカシ「おっけー」
彼方「大輔、そろそろ出発しようと思うけど、準備はいい?」

【準備OK。フォートレスに帰還するぞ】
【あ、まだやり残したことがあった】
216名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/19(土) 00:07:59 ID:fr6g9FEL
大輔「ああ準備はOKだ」
オンダ「それではフォートレスに帰還するぞ」
俺達が旅立とうとしたその時。
アヤ「待って!」
俺は立ち止まりアヤに振り返った。アヤの寂しそうな表情が目に入る。
アヤ「あの・・・ダイスケ達も気を付けてね」
大輔「分かってる。慎重に行くよ。アヤも元気でな、そう遠くない未来にまた会おう」
アヤ「ええ・・・そう遠くない未来に」
彼方(やばい・・・やばい・・・ヤヴァ〜イ・・・何なのよこの雰囲気は・・・私の居ない内にこのふたり何か有ったのかしら)
彼方(あっ、べっ別に私は大輔の事なんて何とも思って無いんだからね)
彼方「さ、お別れはそのくらいにして、いくよ」
ヒナタ「レドックのお城にれっつらゴーでス、レドックのお城!レドックのお城!」
騎士のたしなみというやつだろう、オンダ王子はカナタ王女に白馬を勧めた。
彼方「あんたの馬なんて乗りたくないわよ」
オンダ「しかし私だけ馬というのも気が引けますな」
その言葉を聞いてユカリとアスカがさも乗りたそうな目で白馬を見た。
オンダ「ユカリさん、でしたかな?よろしければお使いください」
ユカリ「えっ、いいんですか」
ユカリは喜びを顔に表して、白馬に乗った。
そんな事で俺達はまず、フォートレスに向かって歩き出した。

道中、ユカリが白馬でずっと楽をしている。そしてアスカが何かとても不満そうだ。
大輔(現実世界と夢魔界で別の存在でも、どこかで影響し合う部分が有るのかもしれないな)
ヒナタ「レドックのお城!」
ヒナタはレドックのお城に行ける事がとても楽しそうだ。
大輔「なあヒナタ、何がそんなに楽しいんだ?」
ヒナタ「レドックは今の時期花が綺麗な筈っス。フォートレスの属国の中でもお城の庭園が綺麗な事で有名なんスよ!」
彼方「そうそう、そして私はそこの王女様」
オンダ「花の中の女王というとラフレシアでしたな」
彼方「誰がラフレシアよ!」
ミグ「カナタ、ラフレシア、記憶しました」
リズ「ミグ・・・」
217名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/19(土) 07:28:18 ID:ZcCnfeMd
レドック城庭園――ヒビヤ
ひと通り奴隷を解放したあと、ハラワタさんと合流しレドック城に向かった。
今僕たちは、庭園で花の手入れをしている少女…小百合に接触するため近づいている。
彼女は本来僕と同じ世界に属するはずだが、なぜか二世界を比較的自由に行き来できているようだった。
そして、今日もこちらに来ている――。

ハラワタ「今年もよく咲いているな。ノヴァ様も賞賛なさることだろう」
小百合「…そらどーも。何?また勧誘に来たの?」
ハラワタ「そう邪険にするな。今日はいい情報を二つ持ってきた」
小百合「あ、そ。勝手に話せば?」
ヒビヤ「例の救世主、氷室大輔がここに向かってる。フォートレスを経由して来るらしいよ。
    ここでの君のお姉さんも一緒にね」
一瞬だけ小百合の鋏が止まる。だがすぐに手は動き出す。
小百合「…どうでもいいよ。今の私はただの庭師・サユリだもん。ハイ次」
ハラワタ「ふむ。クメナでアヤ=スズキが救助活動をしているらしい。すなわち、雪村美影も然り」
小百合「……」
小百合の鋏が確かに止まった。
ヒビヤ「どうかしたんですか?小百合ちゃんと雪村美影さんに何か関係が?」
ハラワタ「…知らぬのか。何、つまらぬ因縁だ。
     この娘はかつての仲間と意見が食い違い、対立し、孤立し、そして一度死んだ。
     かの巫女である雪村と相打ちという形でな。ただそれだけだ」
ヒビヤ「一度死んだ?」
ハラワタ「くくく。そう、この世界での肉体を失ったのだ。だが両者は蘇った、いや、蘇らされた。人外の身としてな。
     片やかりそめの肉体の生ける屍、片や何者かに憑いて生きる寄生虫――」
突如、小百合は鋏の刃をハラワタさんの鼻先に突きつけた。同時に彼女に呼応するように周囲の木々がざわめく。
小百合「つまんないこと喋り過ぎたね。さっさと消えちゃうといいよ?」
ハラワタ「ふむ、やはり相容れぬか…。貴様を蘇らせた意味は無かったと再認識しよう。
     貴様の人間性以外は評価していたのだがな、残念だ」
ハラワタさんは嘆息し、おもむろに白衣のポケットに手を突っ込んだ。本当に殺る気なのか?
だから、僕も刀を抜いた。
218名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/19(土) 08:36:05 ID:fr6g9FEL
>>217
勘弁してよ。今度は唐突な上に設定消化するどころか変にこじらせてるし。
蘇らせたとか、これこのまま続けていいの?
私は217には反対させてもらいます。
219名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/19(土) 08:51:20 ID:TEzR19gC
高まる闘気。
3人の魔力が干渉し合い、融合し合い、反発し合い、一部の庭園の花たちが弾け飛ぶ。
外見的にはただ3人が立っているだけだが、常人がこの場に居合わせれば、目が合っただけで気を失うほどの殺気が放たれていた。
一触即発の雰囲気が漂う中、つと前触れもなく1つの魔力が消える。
小百合「ふっ、くだらない」
自嘲なのだろうか、小百合は皮肉げに口角をつり上げ、ハラワタさんに突きつけていた鍬を下ろす。
小百合「さっさと消えな。いくら勧誘に来たって、私はどの陣営にも手を貸さないよ」
そう唾棄し、僕たちに背を向け、作業に戻る。
しかし、その背には一切隙がない。
「これ以上干渉すれば容赦はしない」という魔力を、無言のうちに放っていた。
ハラワタ「仕方ない、出直すか」
ハラワタさんは、やれやれと肩をすくめると、白衣のポケットに入れていた手を出し、小百合さんに背を向ける。
もちろん、ハラワタさんにも隙はない。
その辺の剣士が斬りかかれば、間違いなく返り討ちに遭うだろう。
僕も剣を収めると、ハラワタさんの後を追う。
ヒビヤ「いいんですか? 情報を無償提供しただけじゃないですか」
ハラワタ「あそこで殺り合っても仕方あるまい。それに、いくら俺とお前の二人がかりでも、ヤツ相手に無事では済まないぞ」
ヒビヤ「…闇の救世主の方はどうするんです?」
ハラワタ「そっちは任務外だろ? まぁそう急くなよ、光の救世主」
ヒビヤ「………」
220名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/19(土) 12:53:40 ID:gYu1Jl3z
>>218
しかしもう続いてるしな
>>212のような大きな矛盾があるわけでもないし(多分)、別にいいんじゃないか?
否定ばっかしててもライターが書くにくい
あと激しくどうでもいいことだが、>>217鋏(はさみ)が>>219鍬(くわ)になってるな
221219:2006/08/19(土) 13:11:56 ID:TEzR19gC
>>220
ぐわ、激しくスマソ。見間違えた。
大した影響はないけど、鋏に読み替えてくれ…。

>>218
戦闘になっちゃうとアレだから、それだけは避けさせてもらったけど、
物語的はそんなに矛盾や強引さを感じなかったから、俺はそのまま続けさせてもらった。
ついでに言うと、書き込む前の確認を怠ったため、>>218の書き込みは
俺が書き込んでから気づきますた。ごめんなさい。
222名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/19(土) 15:11:44 ID:1bII4wQh
俺も>>218と同じ考えなわけだが。
設定追加より伏線消化を優先すべきだと思う。
223219:2006/08/19(土) 16:24:27 ID:TEzR19gC
全員反対してるわけじゃないから、この場合は普通に続けるべきだと思うけど、
設定追加より伏線消化を優先すべきという考えには同意。
俺もちょっと伏線張っちまってるから気をつけるよ。

しかし、苦言を呈すのが悪いことだとは言わないし、意思統一には役立つと思うけど、
自分で改善しようとする努力(要は書き込み)も必要だと思う。
「書いてもいないのに、文句だけ言って何様?」と言いたくもなるからさ。
まぁ…今のいささか辛辣な言い方だけど、理屈としては分からないでもないでしょ?

取りあえず、俺が書くと連投になっちゃうから、
誰か続き頼む(俺としては>>216の続きから書いてくれるとありがたい)。
224名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/19(土) 17:13:11 ID:gYu1Jl3z
ただ、ここらで伏線の整理が必要だろうな
多すぎて俺にもわけわからん…
消化しようにも何から片付ければいいのか…
225名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/19(土) 18:36:34 ID:AYUkR+eD
でも結局、小百合なんかの伏線処理は結構な期間が必要だと思う。
今までの流れから怪しすぎ…。
226216と218:2006/08/20(日) 00:43:30 ID:wjeFSjr5
>>219
私自身スレ内で苦言を言うのは余り好きではないです。
今スレでは217が余りにも酷かったので218にて初めて苦言を言わせてもらいました。
> 「書いてもいないのに、文句だけ言って何様?」と言いたくもなるからさ。
と言われるとは夢にも思いませんでしたよ。216にお気付きでないですか?

夢魔界の部分に早く収拾つけて恋愛要素の多い普通のギャルゲに戻したい。
これが現在の流れだと思っています。私の勘違いですか?

アヤは大輔に告白し、大輔は事情をうまく伝えられなくてアヤを振ったような形になりすまないと思っている。
彼方のツンデレ要素の強化。
ユカリとアスカとオンダの関係と、夢魔界の部分が全然後の恋愛に関係無いのは空しいため、何か影響有るかもという程度の伏線。
(これは夢魔界=夢だから、誰が誰に好意を持ちやすいかなんかを大輔と彼方が目安として知るような効果を考えました)
ミグの嫌味辞典(ギャグ要素)
これら今までの流れを取り入れて恋愛要素の多い方向に持いこうと一生懸命考えたのが>>216です。
新たに加えたのはレドックの庭園の話くらいです。後々問題になる部分でしょうか?

朝、恋愛要素中心の流れで誰か続きを書いてくれたかなと期待してスレを覗いた時に>>217ですよ。
突然場面転換し、小百合や美影は一度死んだとか不完全に蘇ったとか不穏な内容。
それに小百合は現実世界でヒロインのひとりのゆかりの妹ですよ。
大輔、彼方、美影はハーフの設定が有り、現実世界と夢魔界を行き来できるのだと思います。
小百合をどうします?ゆかりとはどちらかの親が違うとかキツイ設定をここでも使いますか?
以前、これ以上夢魔界と関わり深いキャラを増やさないで行きたいと言ってたのは何だったのですか?

216の後にこういう内容を加えられて、>>223のように、
> 自分で改善しようとする努力(要は書き込み)も必要だと思う。
と言われるのは本当に心外です。
このまま217と219が採用されて進むのでしたら、私も恋愛要素の多い方向に修正するのに疲れますから、
みなさんに合わせて戦闘中心で死屍累々のシナリオを書くようにします。
227名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/20(日) 04:13:53 ID:WF13VmBX
>>226
誰も>>216は否定してないよ。
小百合に関しては夢魔界側のキャラっぽい怪しげな発言あるからねぇ…。
長くなりそうなら楽屋裏にシフトしたほうがいいんでない?
228名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/20(日) 04:25:29 ID:eIr2AdSO
>>226
>>217は確かに唐突だが、無駄にするのも惜しいんだよな…。
美影がなぜ精霊になってるのか、っていう謎の答えはいつか誰かが書かなきゃならないことだし。
不完全に蘇ったってのも、美影が現世でたまに自分の存在が消えるのではないかと不安を持っていたことと噛み合いそうだったり。
小百合にいたっては前々から怪しかったし、今さら普通の人間ってのは無理かと。

>大輔、彼方、美影はハーフの設定が有り、現実世界と夢魔界を行き来できるのだと思います。
待て。そりゃただの憶測では。多分まだ書かれてないことだし、前提として使うには危うすぎる。
それに悠一にはおそらく当てはまらないし、彼方は大輔の双子と決まったわけでもない。

>小百合をどうします?ゆかりとはどちらかの親が違うとかキツイ設定をここでも使いますか?
そんな無茶に無茶を重ねるようなことはしなくていいだろ…。
大輔や悠一みたいに元は現世から連れてこられたってことにでもすればいいじゃないか。

>このまま217と219が採用されて進むのでしたら……戦闘中心で死屍累々のシナリオを書く ようにします。
…もし自分の思い通りにいかないなら自分も無茶するって言うのか?
納得のいかない流れになることも当然あるさ。ここは「みんなで作るスレ」なんだから。
でも、それが嫌だからといって、開き直って無茶な脅しをかけるってのはあまりに幼稚じゃないか?
情けないこと考える暇があったら良くなるように努めようよ。

>>227
議論が話を妨げてるのは間違いないけどさ、過疎時に分散はなんか不安だな…。
229名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/20(日) 07:23:57 ID:31Uyr5Up
伏線を少し消化しておく。まずは確定してない神器でも(流れ的には>>219から)。

ミオ「………」
その頃、3人の強大な魔力に触発され、白翼のミオが長い瞑想から覚めていた。
薄っすらと目を開け、残留する彼らの魔力を深呼吸と共に中和する。
ミオ「んーっ。今はいつかな〜?」
ミオは大きく伸びをしながら、備え付けられている時計に目を向ける。
長く座り続けていたため、少し身体を動かすだけで全身がバキバキと音を立てた。
ミオ「んーと、2日くらい瞑想し続けたのかな。ずいぶん長くやってたんだねぇ、ふわ〜」
大きな欠伸をかまし、今度は右手に目をやる。
さすがにそう簡単には治ってくれないようで、まだ回復率は50%といったところだった。
力を入れてみても、動きが少々ぎこちない。
ミオ「まったく…君のせいだからね」
ミオは動きの悪い右手で、近くにあった何かを小突く。
それは、一冊の本だった。
もちろん本に語りかけても無意味であるが、そこは彼女の愛嬌なのだろう。
ミオ「威力は半端なく強いけど、制御が効かなかったり、リスクのある魔法ばっかり載ってるんだから…」
ミオ「この右手を手っとり早く治す魔法でも載ってないのかねぇ」
ブツブツと独り文句を言いながら、自らの神器を手に取る。
そう、これが彼女の神器。一見ただの本だが、これは曰く付きの代物だ。
歴史的には貴重な一品であり、強力な魔術が数多く記されているが、そのことごとくが禁呪法、もしくは邪法であり、外道の集大成と言える。
今までも数え切れぬ者たちがこの本に魅せられ、侵され、葬られてきた、最強にして最凶、最恐の災厄にして最悪の魔道書、その名も…
――死霊秘法(ネクロノミコン)
西暦730年、アブドゥル・アルハザードによって執筆されたこの魔道書は、幾多の人の手を渡り、今はミオの手の中にあった。
精神の弱いものなら、触れただけで死に至らしめるほどの禍々しい妖気を放っていたが、もちろんそんな“微弱な力”など、ミオにとっては児戯に等しい。
ミオ「載ってないなぁ…。というか、仮に載ってたとしても、こんな目次もないような本なんか、検索効率が悪くて使ってられないよ」
ミオは邪悪な魔道書を、ポイッとその辺に放り投げ、何を思ったか、急に真面目な顔になって立ち上がる。
ミオ「お腹すいたぁ!」
らしい。
230説明不足の212修正:2006/08/21(月) 16:39:13 ID:0AB/RbKb
−−−一方前線救助組−−−
救出された奴隷の中にタカシは妹のリエの姿を見付けて驚いていた。(前スレ370)
タカシ「リエ、どうしてお前がここに!」
リエ「ぁぅぅぅぅっ」
タカシ「どうしたんだリエ」
奴隷「ザーリフの部下のウブって言う看守に怯えて声が出なくなっちまったんだよ」
タカシ「そのウブって奴は!どこだっ!」
奴隷「オンダ王子がやっつけてくれたよ」
予期せぬ事態にタカシの心は動揺し、ザーリフへの怒りで一杯になった。
その負の心に道化のカードが付け入った。
タカシ「ザーリフゥゥゥッ!」
タカシの髪の毛は小金に輝いて逆立ち、その身は妖しげなオーラに包まれた。
そして道化のカードの力に捕らわれロケットかミサイルのように飛び去って行った。
ミサキ「あの…彼を追わなくて大丈夫かな」
レンカ「タカシはよく単独行動するからなー。あいつの悪いところや。気が済んだら帰ってくるから心配せんでえーよ」
この時、次にタカシと敵として会うとは、その場の誰もが予想しなかった。

−−−そしてタカシ−−−
タカシは別にザーリフの居城を知っている訳では無かった。
しかしザーリフの手には、美咲に残っていたKのカードの負の淀みが、
明日香と、死に際のイキュを介して届いていた。(>>135
これら道化とKの対になるカードの出す負の力が引き合い、ザーリフを捜したいタカシに呼応した。
弾丸のように飛んだザーリフの城に向かい、そしてザーリフの目の前まで迫った。
タカシ「ザーリフゥゥゥッ!」
ザーリフに一矢報いようとしたタカシは彼に睨まれ、その次の行動で彼に跪いていた。
ザーリフ「道化の魔術師よ、我が新しき前線拠点を破壊した者を捜し出し始末してしまいなさい」
タカシ「はっ、ザーリフ様の仰せのままに」
タカシはザーリフの城を後にしてヒビヤ討伐へと旅立った。
ザーリフ「瀕死のワーナー(前スレ242)を操る力(前スレ80他)を減らせる今、
道化のカードに心捕らわれた者を操るなど造作も無い。道化には道化が相応しい……」
231名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/21(月) 16:42:04 ID:0AB/RbKb
スマソ
弾丸のように飛んだザーリフの城に向かい、そしてザーリフの目の前まで迫った。
弾丸のように飛んだタカシはザーリフの城に向かい、そしてザーリフの目の前まで迫った。



232名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/21(月) 22:46:02 ID:jwP1FFso
>>230-231、すまんのだが、別ルートの>>215-216が進んでいるし、
補足も間違えてるよ(イキュは死なないことになってるから)。
そもそもお前さんの書き込みは棄却されてるので、混乱させるようなことはやめてくれ…


>>216から開始する。
大輔「なんと出発してからたった2レスでフォートレスに到着したぞ」
というわけで俺たちはフォートレスに帰還した。
いささか簡単すぎるように見えるかも知れないが、クメナとフォートレスの間で敵に遭遇することはなかったし、
別段仲間内のトラブルも起こらなかったから、特に語るべきこともないのだ。
ちなみに後発隊とは出発して数十分後にすれ違ったので、あの後すぐアヤたちと合流したと思われる。
クメナからフォートレスへはランバードの馬車(鳥車か?)に揺られて3時間ほどかかったので、もう日はとっぷり暮れていた。
早いところ魔耐高校へ彼方を連れて行こう。
…と城門前で思案していると、親切なことにキョウコ先生が迎えに来ていた。
キョウコ「よう、なかなか良い首尾だったようだな。上出来、上出来」
キョウコ先生は満足げにウンウンと頷いていた。
キョウコ「おや? そちらの人は…」
彼方「え? (ていうか響子先…あ、そうか、大輔が言ってた無食人のなんたらっていうヤツなのね…)」
彼方が一瞬怪訝な表情を浮かべたが、フォートレスまでの帰路で懇切丁寧に説明したので、すぐに理解の色を示した。
彼方「えっと、レドック王女のカナタです。よろしくお願いします」
キョウコ「な、なんだってー!?(AA略)」
233216と218:2006/08/22(火) 01:49:52 ID:dJwc5gzY
>>228
ごめんなさい。あの書き方だとヘソを曲げているようにしか見えませんでしたね。
私のシナリオの書き方ではキャラの設定や今までのシナリオを重視します。
周りの設定が恋愛要素に関わる部分が多ければ恋愛側に寄りますし、また逆もしかりです。
ですから恋愛中心でも戦闘中心でも元々みなさんに合わせるしかできませんよ。
現在世界と意識を共有した主要なキャラが相打ちで死んだような設定があると現在世界に戻っても殺伐として使者も出るようなシナリオを書いてしまいそうです。
夢魔界編が終わる前に美影と小百合のシコリが完全に解消されていてほしいものです。
それから美影と小百合をゾンビのように扱ってるのも嫌とは思いました。美影は今のところ有力なヒロイン候補ですし、小百合も有力なヒロイン候補ゆかりの妹です。
恋愛要素中心に持っていこうとしているのにそれで良いのかなという意見を言いたかっただけです。
234名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/22(火) 04:14:52 ID:AkucuE2h
>>233
別に良いんじゃないか?
実際のギャルゲには重苦しい訳ありの事情を抱えたヒロインも少なくないわけで。
そういう要素が恋愛要素の妨げになるのかというと、必ずしもそうじゃないと思う。
目を伏せたくなるような設定が、ドラマを盛り上げるのに一役買っているケースなんて珍しくない。
それと、大輔の幽霊化の時とは、全然ケースが別と思われ。
あれは視点かつ人間関係の中心である主人公が、急にほとんど誰にも接触できなくなったから問題が出たわけで。

現世にも殺伐とした空気を持ち越すのではないかと心配してるようだが、それは多分杞憂かと。
二人は現世では友達らしいし(1-263参照。だが実際には設定のみ?作中ではまだ接触すらしてないような…)、
夢魔界でも元仲間同士みたいだから、本当に伏線を消化する気なら絶対に何らかの決着はつくはず。
何にせよ、この先彼女らに救いがあるかどうかは書き手次第かな。
あまりに救いがなかったり、御都合主義的に救われてもチープで萎えるが。
あと「生ける屍」とか「寄生虫」って表現も、ハラワタのセリフ故だろうし深く気に病む必要はないと思うが。
235230だけど:2006/08/22(火) 04:22:05 ID:FIKLvBbg
>>232
棄却って何の権限が有るんだか。
いや、それ以前にイキュは死んでると思うんだが。
イキュが死なないという部分を提示してくれ。

>>212の修正とは言っても、230の部分で入るよう修正してるぞ。
彼方の部分は他の奴隷に置き換えている。
何かあの部分に挿入して問題有るのか?
>>212が意味不明と取れる部分もソース書いて提示してるぞ。
236名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/22(火) 04:29:18 ID:AkucuE2h
>>230-232>>235
俺としては、余程ひどくない限りはどんな書き込みも繋げていきたい。
たとえ一度は棄却されても、修正に不備がないんなら許可してもいいと思うんだがな。
別場面の話だし、そこまで混乱はないのでは?
237232じゃないけど:2006/08/22(火) 09:48:22 ID:gsaj2GI8
>>235は自分の作った話を放棄する勇気がないのだろうか…。
突飛過ぎるのと夢魔界側に話を寄せてるからさっさと日常に戻したい側としてはややこしくしたくない。
できればない方がスマートにいくだろうけど、>>235が使いたいなら別にいい、と俺は思う。
238名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/22(火) 19:13:08 ID:RLmocOpe
>>235
反対者が何人もいるんだから、甘んじるところは甘んじようよ。
俺も強制的に修正されたことあるし、空気読み誤って怒られたこともあるけど、
そこは仕方ないと割り切ったよ。
何もシナリオはこれだけじゃない。いくらでも書けるし、書いてくれ。>>232の続きから行くぞ。


両手を高く上げ、背をそらしながら大声を上げるキョウコ先生。
何を大げさな…。
キョウコ「レドックの王女様が同行しているとは…さすがにビビったぞ」
大輔「それで、キョウコ先生。もう時間も時間なので、王女をレドックに送り届けるのは明日にするとして、
   取りあえず今日はもう休みたいんですが」
キョウコ「あ、ああ、そうだな。他の皆もご苦労だったな。明日も早い。しっかり身体を休めろ」
全員「はい」
俺たちは久しぶりに魔王対策半強制勇者育成プログラム高等学校を門をくぐった。
レンガ造りの壁も、手入れの雑な木々も、なんだかとても懐かしく感じられる。
まるで3ヶ月以上も旅をしていた気分だぜ。
さて、まずはどうするかな。

【食堂にメシを食いに行く】
【風呂に入りに行く】
【もう寝る】
239名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/22(火) 23:15:58 ID:bO1aTRU3
しばらく書き込まない内にレスが進んだと思ったら、大半が議論かい。
長文議論はまとめサイトの方でやってくれないかな。シナリオが見にくくて仕方ない。


【風呂に入りに行く】

うむ、まずはメシはか風呂だが……風呂入ってさっぱりした後にメシってのがいいな、うん。
と、いうわけで俺たちはひとまず解散した。彼方も今日は寮に泊まるようだ。
王女サマだけど……まあ、中身は一般人だし。
ヒナタ「うおおおおお! メシっス! メシっス! お腹空いたっス〜!」
遠くからヒナタの元気な声が聞こえてくる。なんつーか……戦闘の知識とかはともかく、
現実世界より頭ゆるくなってないか? むむ、不憫な……。
アスカは保健室で手当てを受けている。傷そのものより、心のケアなのだそうな。
ユカリはオンダと一緒に、学校のお偉いさんに呼び出されてた。今回の報告だそうな。
で、彼方はなんか丁重にもてなされてたが……明らかに困惑してたな。いきなり王女サマだし、仕方ないか。
と、まずは早く風呂に入っちまおう。ヒナタじゃないが、いい加減に腹減ってるし。
さて、大浴場はこっちか。こういうところは現実世界のどこにでもある寮だよな。
リズの剣とミグの本は、ユカリに預けたし……。よし、ひとっ風呂浴びるぞ!
ガラガラっと引き戸を開けると…

大輔「い、石造りの露天風呂……。灯篭に松の木、竹の垣根まで……なぜ純和風」
正直、意味がわからん。わからんが、風呂であることには間違いない。
疑問は多いが、とにかく入るか。
240216と218:2006/08/22(火) 23:16:55 ID:kfcnM6ci
>>234
何かこれまで設定投下した誰かがその伏線を解決するシナリオを書いてるように見えなかったから心配なんですよ。
無茶な設定を投下して満足して去っていくような。

>>238から
【食堂にメシを食いに行く】
大輔「食堂にメシを食いに行こう」
俺は彼方を案内して食堂に移動した。俺達は食堂で再びキョウコに合った。
キョウコ「しかしなぜカナタ王女が一緒に居るのだ」
彼方「それはですね・・・オンダ王子と旅をしていたら・・・(大輔を親指で指して)そこのバカスケに略奪愛されちゃったんですよ」
キョウコ「なっ、お前・・・」
   _, ,_
  ( ・д・) ッパーン!!
   ⊂彡☆))Д´)ノ >>ダイスケ
キョウコ「何を大それた事をしとるのかっ!」
彼方「冗談です。まあ、いろいろと。それでこれから彼はレドックの犬として私の護衛になってもらいます。犬輔です」
キョウコ「まあAクラスは出払ってしまっているが・・・護衛はこんなダメスケで良いのですか?」
彼方「他にも数名借りていきます」
ミグ「氷室大輔、バカスケ、犬輔、ダメスケ、記憶しました」
リズ「・・・・・・」
241名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/22(火) 23:18:12 ID:kfcnM6ci
すいませんカブりました_no
240は無しの方向で・・・
242名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/23(水) 10:01:56 ID:9ADGBbjT
伏線消化が最優先という流れだけど、どんな伏線が放置されてるか不明確なまま言っても無責任な気が。
本来は書き手それぞれが読み取るべきものだけど、今回の場合いささか複雑になりすぎた感がある。
これじゃ新参はおろか、ROMってる人も余計に書きにくくて過疎るだけでは…。
そんなわけで、とりあえず消化した方が良さそうな伏線を簡単にまとめてみた(本当に簡単だけど…)。
単体ではどう扱えばいいかわからない伏線も、組み合わせれば消化の糸口が見えてくるかもしれないし。
良ければ指摘、補完の協力を。

楽屋裏 みんなでギャルゲのシナリオを作るスレについて
http://yy28.60.kg/test/read.cgi/mgsts2006/1150551287/l50
243名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/23(水) 18:46:04 ID:9+PFn271
んじゃ>>239からね。

俺は洗面器をつかみ取り、風呂のお湯をすくう。
こういう場所のお湯ってクソ熱いのが定番だが、右手を入れてみても、予想していたほどの温度ではなかった。
風呂のお湯としてはちょうど良い。
俺は洗面器を持ち上げ、お湯を頭からかぶる。
バシャー!
大輔「ああ、なんかホント洗い流される感じだなー」
首の骨をコキコキと鳴らしながら、もくもくの湯気の上がるお湯に浸かる。
大輔「ふぅー。ああ、生き返る〜」
この瞬間が嫌いな人なんてほとんどいないだろう。
口から出てしまった言葉は親父くさかったが、まぁ許せ。
大輔「………」
ところで…ちょっと周りを見渡してみるが、誰も見当たらない。
ギャルゲなら風呂で何かしらのイベントがあって然るべきなんだが、この作品は捻くれているらしく、
混浴ということもなければ、隣の女子風呂からも全く声が聞こえてこなかった。
ずいぶん静かだ。
このところ独りになることがなかったから、これはこれで貴重な時間と言えるかも知れない。

【そろそろ出る】
【もう少し浸かってる】
【思いを巡らす】
244名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/26(土) 09:35:34 ID:Zng119vK
【そろそろ出る】

大輔「そろそろ出るか…」
俺は身体と頭を洗い、のぼせない程度に温まって早々に風呂を出た。

大輔「よ、今から風呂か?」
髪を拭きながら廊下を歩いていると、彼方とユカリとヒナタに出会った。
3人とも着替えを持っていたから、これから風呂に入りに行くのだろう。
彼方「うん、そうだよ。大輔は…もう入ってきたみたいね」
大輔「ああ。いい湯だったぞ」
内装にはビビったが。
しかし、クメナに赴く前までは何十日もここに滞在していたはずなのに、どうして俺は>>239で驚いたりしたのだろう。
我がことながら、甚だ疑問だった。
大輔「ところでユカリ、お前、風呂にそれを持っていくつもりか」
俺はユカリの持っているものを指差す。
それは、さっき俺が預けた氷の刃(アイスエッジ)とミニ・グリモアスだった。
それぞれリズとミグの宿るアイテムのことだが、今は二人ともその中に入って眠っているはずだ。
ユカリ「えー、だって二人とも女の子なんだよ? お風呂くらい入って然るべきじゃない」
ヒナタ「そうッスよ、先輩。精霊とは言え、彼女たちも乙女ッス」
大輔「いや、その考えを否定する気はないんだが…」
しかし…氷剣の精霊と、魔道書の精霊だぞ。
お湯に浸したら、とんでもないことにならないか?
特にリズが心配だ…。

【ユカリたちを止める】
【まぁ大丈夫だろう】
245名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/28(月) 18:57:33 ID:vNtRrWK4
【まぁ大丈夫だろう】

少し心配だったが、精霊だから大丈夫だろう(理由になってるのか分からないが)。
大輔「まぁ、いいんじゃないか。じゃあ、明日な」
ユカリ「うん、またね」
彼方「早く寝なさいよ〜」
ヒナタ「王女様とお風呂に入れるなんて、超感激ッス!!」
大輔(ヒナタ…オヤジくさいぞ)
心の中でヒナタの言動に突っ込みながら、俺は彼女たちとは逆方向に歩き出す。
大輔「う〜ん…」
しかし、本当にリズたちを風呂に入れてしまって大丈夫なんだろうか…。
今更ながら、少し安易な判断だったんじゃないかと思ってしまう。
大輔「………」
足を止める俺。
今ならまだ間に合うよな…。

【やっぱりユカリたちを止める】
【いや、大丈夫だって】
246名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/01(金) 21:23:56 ID:ZosoY3iK
日常パートを書きたいと主張しつつ、いざ日常パートになると過疎る矛盾…


【いや、大丈夫だって】
大輔「まぁ、平気だろう…」
俺は楽観的に考えると、止めていた足を進めることにした。
しかし…
??「んきゃーーーーー!! 解けます! 解けてしまうですーっ!」
??「イ、インクがにじむ〜!!」
大輔「………」
大輔「…俺にどうしろと?」
こんな声が聞こえてくるということは、もうユカリたちは風呂に入ってしまっているだろう。
今更救助になんぞ行こうものなら、この俺が救助を必要とするくらいの怪我を負わされるに決まっている。
人生は虚しい。
そして、現実は残酷だ。
大輔「精霊たちに幸あれ…」
耳をつんざく悲鳴に罪悪感を抱きながら、俺は目を閉じて合掌した。
大輔「さてと、まだ寝るには早いけど、どうしようかな」


【誰かに会いに行く】
【モコドで誰かに連絡してみる】
【食堂にメシを食いに行く】
【寝てしまう】
247名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/02(土) 04:17:46 ID:5G98xSNr
【モコドで誰かに連絡してみる】
大輔(久々にモコドでも使うか…………)

大輔(……誰にも連絡取れないな…………)

大輔「なんて事だ! 誰かに電話線(?)が切られている!」
大輔(誰も居ない所でお約束してもな)
大輔(モコドはまた使えないしどうするかな)

その時誰かに声をかけられた
???「こんなとこで立ち止まって何をしてるのカナ? カナ?」
俺はこのとき夢魔界の異変に全く気付いていなかった。
いや、気付きようも無かったんだ。

− 一方風呂場では −
彼方「これはね、ケジメなんだよ! 中々出番の無いヒロインを差し置いて出番を独占したことのね」
ユカリ「にぱぁ 大丈夫ですよ。あなた達が死んでもヒロインは沢山居ますから」
彼方「まさか爪の3枚程度で許されると思って無いよねえ」
ユカリ「これは最初から決められた事なのです」
ヒナタ「ヒナタは全然ヒロインの座なんて狙っていません事よ。先輩が居なくてもしっかりできるんですから」
ミグ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
リズ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
248名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/02(土) 07:25:24 ID:e+V6ftK6
/*イベントグラ 蒸発するリズ*/
リズ「ごめんなさいごめんなさいごめ………」
リズが天に召されました。

/*イベントグラ 湯にボロボロと崩れるミグ*/
ミグ「ごめんなさいご め  ん   な    さ     い」
リズがお亡くなりになりました。

/*彼方らの立ちグラ バスタオルで身体は隠れている*/
彼方「これでケジメがついた。 精霊だから死体の始末も要らないね」

/*場面転換 大輔の居る寮の通路 アスカ立ちグラ 茶化したような顔*/
アスカ「あれ〜大輔はこんな所で何をしてるのカナ? お風呂を覗きに行くのカナ?」
大輔「ばっ馬鹿、そんなんじゃね〜よ。 きょ、教官棟にフォートレスとレドック、それに街道のマップを貰いに行こうと思ってな」

/*アスカ立ちグラ 不思議そうにしている顔*/
アスカ「そうなんだ? 教官棟もそろそろ閉まるから急いだ方が良いよ。 でも、こんな夜に行くのカナ?」
大輔「おっおう、気付いた時に入手しとかないとな。 出発してから無いなんて事にならないように」
アスカ「ふ〜ん」
大輔「なっなんなら、明日アスカにもマップ見せてやるよ」
アスカ「 そうだね。 それが良いよ…         」

/*台詞の途中で切替 アスカ立ちグラ 殺気を漂わせて下から睨むような顔*/
アスカ「(そうだね。 それが良いよ…) 明日見るから!」
俺は何か追い立てられるように、その場を逃げ去った。

/*キャラ無し 夜の寮内*/
大輔(いったい…さっきのアスカは? まるでアスカでなくて別のナニモノかの様だった…)
大輔(まさかな…そんな馬鹿な…)

【マップを貰いに行く】
【寝てしまう】
249名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/02(土) 07:28:55 ID:e+V6ftK6
スマソorz

/*イベントグラ 湯にボロボロと崩れるミグ*/
ミグ「ごめんなさいご め  ん   な    さ     い」
ミグがお亡くなりになりました。

です。
250名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/02(土) 07:50:54 ID:k/BnMFZQ
>>248-249
何だこりゃ…。

―その頃、食堂―
マツナガ「な、何だ、今の感覚は!? 一瞬自分のキャラが変わってしまうような…!」
寮母のおばさん「落ち着きな! 何か強力な魔力の波動に当てられただけだよ!」
キョウコ「しかし…この気をふれさせるような感覚、まさか…金のカードか!」
???「――流石だな、キョウコちゃん。正解だぜ」
不意な言葉とともに扉が開いた。フードを被った中背の男が入ってくる。
マツナガ「お前は…ミズセ! コタロウ・ミズセか! お前何ヶ月もどこで何をやっていた!」
キョウコ「サトリさんもユカリも心配してたんだぞ!」
コタロウ「悪い、話せば長くなるし、色々報告もあるが今はそれどころじゃない。
     …けどな、妻と娘を裏切るようなマネはしてねえさ。それだけは信じてくれ」
マツナガ「…やはりサユリを探してたのか? たとえ見つかっても、彼女はもう…」
コタロウ「…言うな、オッサン。どうなってようがあれは俺の娘だ。第一この非常時に話し脱線させんな」
マツナガ「オ、オッサ…! お前ももうオッサンだろうが! 年齢をわきまえて言葉遣いくらい慎め!」
コタロウ「そら悪かったな。だがよ、今のはサトリもオバサン呼ばわりしたのと一緒だぜ! もし知ったらアイツ…」
おばさん「馬鹿な話は後にして、さっさと今の状況を説明しな!」
コタロウ「…そうだったな。どうもこの街にカードが一枚あるらしい。
     『A』と『K』を同盟軍が現世から持ち帰ったことで、全部のカードがこの世界に揃い共鳴を始めてるそうだ。
     その影響でここら一帯の人間が正気を失っているんだ」
キョウコ「成程。しかもわずかながら波動が徐々に強くなっているか…。
     精神攻撃耐性の強さや一部体質にもよって差異はあるが、いずれは町中の人間が完全に精神をやられるな」
コタロウ「ああ、俺たちもいつどうなるかわからねえ。特にオッサンあたりは時間の問題だな」
マツナガ「何だと!」
おばさん「喧嘩は後にして、今は正常な者を一人でも多く探すんだよ!」
251名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/02(土) 08:06:43 ID:e+V6ftK6
/*キャラ無し 教官棟*/
大輔「ちょっと遅かったか。 誰も居ないや」

/*キャラ無し 食堂前*/
大輔「おろ。 明かりが点いてる」

/*イベントグラ 食堂にて血相変えた教官たち*/
大輔「こんなところに揃ってどうしたんすか?」
252名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/02(土) 19:55:00 ID:ivxRUrpW
ドタバタと食堂を走り回る教官や生徒たちに声をかける。
キョウコ「大輔! …お前、大丈夫なのか?」
大輔「は? 大丈夫って、何がです?」
キョウコ「いや、そんな…いくら何でも無影響ってことは」
大輔「?」
ユカリ「うぅ…せ、先生、何ですか、この変な感じは…」
ヒナタ「あ、頭痛いっ…ス」
うめくような声に振り返ると、ユカリたちが壁に手を付きながらヨロヨロと歩いていた。
大輔「ど、どうしたんだ!?」
コタロウ「ユカリ、大丈夫か? くっ…」
ユカリ「お、お父さん!? 今まで一体どこにいたのよ…っ!」
キョウコ「大輔、詳しくは後で話すが、今必死に防御結界を張れる者たちを招集しているところなのだ。お前も協力してくれ」
大輔「ぼ、防御結界? 一体どう……分かりました、協力します」
理由を訊ねたかったが、キョウコ先生の辛そうな顔を見て後回しにした。
よく見ると、他の教官や生徒たちも、額に汗をかいて必死に何かに抗っている様子が伺えた。
俺は何の影響もないは、ユカリたちの容態なんかからして、不特定多数に向けて何かしらの魔力が放たれているのかも知れない。
取りあえず俺は防御結界が張れないので、作れる人を探し出そう。
そう思い、全速力の1歩を踏み出すと…
彼方「あ…あれ? 痛くなくなった…」
ユカリ「あ、本当。何だったんだろう…」
いきなり解決し、俺はたたらを踏んだ。
??「やっぱり以前より力が落ちてしまったわね…この学校を覆うだけの中規模結界なのに、ずいぶん時間がかかってしまったわ」
コタロウ「ッ…!!」
大輔「え?」
聞き覚えのある声 ―― なぜか体感で4ヵ月半ぶりくらいに聞いたような ―― が、俺の鼓膜を振動させた。
美影「お久しぶり、皆さん」
253名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/03(日) 01:17:05 ID:UYhcLWyk
ああ…まあ、なんだな。

まとめスレにあったように、異世界ルートリセットしたスレ作った方がいいのかな。
これじゃあもう収集つかんだろ。なんかヘンな書き込みあるし。
254名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/03(日) 11:11:58 ID:rL1JSm8A
少々厳しいことを書く。発言が気に障る方がいたらすまない…。

>>246
現世では日常の些細な出来事こそが話の中心だったから盛り上がった部分もあるんだろう。
だけど夢魔界ではメインが他にある分、単なる閑話休題って感じが否めない。
しかも恋愛要素に重点を置くわけにもいかず、早く現世に戻したい人にとっては多分足枷に近い。
極端な話、無理に異世界でやる必要性はないし、現世の方がキャラの設定も活かせる。
厳しく言うと、色々な意味で面白くないパートになってしまっている。
なのにいざ話を起こそうとすると、無茶だ唐突だ戦闘は嫌だと叩かれがちなのが最近の傾向…。
状況が動かないと話に収拾がつく筈もないのに…。

>>253
そうだな…。正直考えるべきかもしれない。
現状のままだと異世界完結までに年単位かかりそうな悪感が…。
それまで現世の設定やそれを書きたいライターを放置するのもどうよ?と思うし。
ただ、ギャルゲ板内にもう1スレは難しいかと。どちらかが楽屋裏行きか…。
255名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/03(日) 12:40:57 ID:HHSv1Io6
>>254
少々強引な手段になるが、数ヶ月程度で夢魔界編を終了させる手もないわけじゃない。
3陣営を和解させれば一番早く終わる。
その後はノヴァ・ザーリフ陣営のキャラも日常に参加させることが出来ると思うし、
既存のキャラを殺さなくてもいいというメリットも生まれる。

多分、俺は夢魔界編に一番手を入れているライターなんで、
影響力は結構大きいと思うんだけど、今後はそういう方向で書いていこうか?
不自然にならないように和解させるのは少し骨が折れそうだけど、
このスレの総意としてそういう方向性が定まれば、話も書きやすくなると思う。
どう? 和解する方向で行ってみる?
256名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/05(火) 03:17:58 ID:IJGJWyik
ミグは構わないという訳では無いけど、今の大輔を考えると、
リズを殺してしまったのは問題が有ったような気がしますね。
しかし少し停滞した日に、別の方向に向かう続きを書かずに、
否定的な事を言い続けるはもっと問題だと思うから、
この一言にして、復活の話でも考えた方が前向きですね。

そのまま和解させるとメイン・サブ含めて、
いろいろキャラ同士に遺恨が残りそうに思えます。
何か良い手でも有るの?

私も夢魔界にどうしても収拾がつかなくなったら、
一気に日常に戻せる案が有りますが。
あるキャラを少し悪者にしてしまいます。
257名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/05(火) 07:05:23 ID:tPnX19b+
まあ夢魔界の日常パートがだれてるのは確か。
明確な目的も人間関係の進展もないんで、ヤマもオチも無い感じは否定できない。
こんな調子の展開が中心になったら、そりゃ過疎るわな…。
ここは1スレ目の彼方登場のときみたいに、特定のレスでのイベントを前もって決めてみるか?
別に絶対守らないといけないって事は無いだろうし(実際彼方のときは守られなかったし)。

>>255
七幹部は普通に現世に溶け込めそうな感じはする。キャラ的にも魅力はありそうだし。
ただし魔法とか超人とかの要素を可能な限り切り離すことが前提だろうな。
そこらへんの設定が新たな敵や冒険を呼んだりしたらもうどうしようもない。
ただ、これによってキャラの魅力が減少するかもしれないが。
しかし、ザーリフ陣営のキャラを日常に参加させるメリットはよくわからない…。
明らかにパロキャラだし、現世だと意味もなく登場人物増えるだけのような。

>>256
いざというときに限らず、話が面白くなりそうなら遠慮なく設定出してみてくれ。
既に偽善や偽悪が入り乱れてる感じだし、今さら誰かが完全な悪者にはならないだろう。
258名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/06(水) 18:22:00 ID:MdIt1qVQ
美影「大輔君、起きて。大輔君・・・」
大輔(いや、俺は起きてるが・・・あれ・・・だんだん眠く・・・)

美影「大輔君、起きて。大輔君・・・」
・・・ハッ!
気が付くとそこは雪村さんの洋館の一室、現実世界だった。
泣きはらした顔の雪村さんと心配そうに俺を見ている彼方が傍らに居た。

美影「ごめんね、ごめんね・・・」
雪村さんは眼から大粒の涙をこぼして俺に謝っていた。
そこに居る雪村さんは、以前、俺にまた遊んでと言った、寂しげな少女の雰囲気を持った雪村さんだった。
美影「私ね、普通じゃない変な力が有るの。夢を見せる力、そして現実にも少し夢の影響を与える力」
美影「友達が出来ても、みんな不気味がって離れて行っちゃうの・・・」
大輔「ごめん、状況が良く分からない。ザーリフは?ノヴァは?」
彼方「みんな美影が見せてた夢なんだってさ」
美影「私の作る夢は完全には自分で作りきれないのよ。どこからか変な力が働いて大きな歪みができてしまう」
美影「大輔君は死にそうになって、何とか元に戻したと思ったら、今度は彼方さんが苦しみだすし・・・」
美影「もっと楽しい夢を見せてあげるつもりだったのに・・・」

大輔「いや、でも、現実でもさ、ウラさんとか神木さんとか・・・沖縄の夜に襲われた事は?」
彼方「美影のとこの執事や家政婦だったりして」
美影「沖縄の夜の襲撃の事は白実夢です・・・」

大輔「澪はどうなんだよ!夢魔界では凄い実力者なんだろ?」
美影「現実では只の写真部部長です、私が夢を覚ますので澪さんもそんな夢を見た程度に思い、忘れていきます・・・」
259連投スマソorz:2006/09/06(水) 18:29:32 ID:MdIt1qVQ

大輔「家は?俺の家は?」
美影「それは・・・知りません・・・」
大輔(家が倒壊したのは現実かよ・・・)

美影「私の夢は少しは現実にも影響を与える力が有ります。私はこんな力を持つ私なんて消えちゃえと思ってました」
美影「そして現実にもみんな私の存在を忘れ出し、消かけたあの時、大輔君、あなたがこの洋館にやって来て私と話をした」
美影「そして、また来てくれるって・・・私は夢で楽しませてあげようと思ったのに・・・私は・・・」
彼方「もうちょっと私好みの夢にして欲しかったけど、まあ、それなりだったよ」
美影「私は・・・私なんて・・・」
大輔「雪村さん、落ち着いて」
美影「私なんて・・・私なんてやっぱり消えちゃえば良いんだ・・・」
大輔(雪村さん、なんか身体が半透明になってだんだん消えていくんですけど!?)
260連投スマソorz:2006/09/06(水) 18:39:36 ID:MdIt1qVQ
まずは連投すいません。

>>257
一気に戻す案って、これなんです。
一応、不可思議な部分はみんな発端の美影のせいにしてしまって、
設定自体も、美影の見せた夢での設定として辛うじて残す方法。
ここから続ければ、みんな望んでた筈の通常の生活側に戻せませんか?

連投だし、総意で夢魔界編を続けようという話になれば、
>>252から続けてください。
そしてどうしても夢魔界編の継続が無理そうなら、
再びこの話を入れて、通常の生活に戻す検討もしてください。

どうでしょうか?
みなさんで続きの判断をお願いします。
261255:2006/09/06(水) 20:48:59 ID:2HW4PPYa
>>256
>>258-260みたいに短くまとめることは出来ないけど、
俺の考えとしては、まず大輔に「救世主として自分に何が出来るのか」を考えてもらい、

ノヴァ陣営とザーリフ陣営を撲滅すりゃいいのか
   ↓
いや、違う
   ↓
夢魔界の飢餓を無くす為に夢を良質化するという目的だったのだから、この戦争は本末転倒
   ↓
真に救世主たるには、この不毛な戦争を止めさせ、かつ夢の改善もしてこそだ

という結論を出してもらって、ノヴァ・ザーリフ両名に直談判する形を取ろうかと思ってる。
ノヴァ陣営には相手の話も聞かずに殺しにかかるようなキャラいないから、話せば分かってくれるはず。
ザーリフ陣営はいきなり襲い掛かってくることも考えられるけど、ノヴァ陣営を説得した後なら
ノヴァや七幹部もザーリフ陣営の説得に協力してくれると思うから、大輔のランクアップも必要なし。
これならそれほど手間はかからないと思うし、話を書く速度によっては1ヶ月以下で済むと思う。

3陣営が和解した後は、スレのみんなが望む「日常」に戻って、普通のギャルゲとして展開する。
魔力の高いキャラなら現世にも出てこられるから、魔法を使ったイベントなんかを書いても良さげ。
こういう方向で行こうかと考えてるんだけど、どう思う?
>>258-260の案は、多数のキャラが消滅しちゃうから、正直言うとかなり嫌だ。
今までみんなで書いた話を全部白紙に戻してしまうのはあまりに惜しい。
262名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/07(木) 00:49:30 ID:s0Rr2ahW
>>258
白実夢でなくて白日夢だから
263名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/07(木) 23:22:20 ID:0l1/hskF
俺としては夢魔界編を楽屋裏にもってって続ける。

そして今いるキャラを使って
日常的でギャルゲらしいNEWシナリオをパラレルワールド的な感じでここでやっちゃうって手がいいと思う


夢魔界編のキャラを消滅させずに学校の先生やら隣人やらにすればどうにかなると思うんだけど…
264名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/07(木) 23:53:43 ID:nQBe0qeK
俺もキャラ自体を消滅させる必要はないと思う。
ただ夢魔をそのまま現世に出して、魔法使いや超人が何人もいる状態はどうかと思う。
登場人物に魔法使いがいる、なんて珍しい設定じゃないけど、
それはあくまで1〜2人程度が限度だと思う。初期みたいな割と現実に近い日常を描くのなら。
あんまり多すぎるとまた地に足が着かない話がメインになりかねない。
シナリオ的には特殊能力者は美影と理恵だけでもう十分だろう。
265名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/08(金) 03:35:15 ID:+hS73c22
キャラが増えすぎるのも面倒なだけだ。
ウラとかスウとかは結構馴染んでたけど、夢魔編あってこそのキャラ。
現世編のみでやるならば必要ナシ。

SF(すこしふしぎ)要素はあってもいいけど、それがいちいち魔法だとか術だとかってのはもういいかな。
分けるとすれば、の話ね。
266名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/08(金) 14:33:09 ID:JYnQUw26
>>265
夢魔界のキャラをどうするにせよ、今後キャラは増えるだろうな。
楽屋裏で言われてたけど、現在のところ似た感じのヒロインが多いのは事実なので。
強気で口調が似てるキャラが多くダウナーが少ない、と…。
これは夢魔界のキャラをヒロインとして据えれば解決するとは限らない。
まあ足りない要素を新キャラばかりで補っていくのもどうかと思うんで、
今後はできるだけ書き分けにも気をつけていかないと。
リレー小説だから困難かもしれんが…。
267名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/08(金) 19:24:24 ID:B+DuBkWm
リストラという手がありますぜ
268名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/10(日) 20:10:27 ID:wKHTF08x
そろそろ方針をきめようか
いつまでも停滞してては余計に過疎るし
…一応もう少し意見を集めてみる?
269名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/10(日) 21:43:38 ID:opaV/fR4
2つに分けるのは嫌です。
普通の恋愛物を作ってるつもりで、纏めサイト行ったら夢魔界シナリオの設定が有って、
例えば、ゆかりに殺戮の魔術師とか書き加わってたらすごくめげる。

でも日常的でギャルゲらしいNEWシナリオの方が、パラレルワールド扱いなんだね。
だったらこのまま夢魔界続けたら?
キャラに愛着有るからここを選んでます。
でもパラレルワールド扱いになるなら、日常的なギャルゲ書くのは、
他の類似スレに移る方が良いかもしれないと思えてきました。
270名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/11(月) 00:44:44 ID:hx/krRoE
ならばNEWシナリオが本筋で夢魔界編がパラレルワールドってことにすればいいじゃないか
271名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/11(月) 03:17:29 ID:67FRKBl2
需要がある方を本スレで書くべきかと。
今までみんなで作ったシナリオも大事だけど、
これから先みんなでシナリオを書き続けられるか、というのはもっと大事だろう。
書き手がいなくなったらそれで終りだし。
新シナリオに需要があるかどうかはまだ未知数だけど、
現在の夢魔界編は正直もう怪しい…。
なんというか書き手を突き放し過ぎた感じがする。
最近の意見の流れからいくと夢魔界編がパラレルになりそう。
272名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/11(月) 03:54:19 ID:PUvWly7q
その書き手の居ない夢魔界編をパラレルにしてまで残す意味は?
解り易くなるようにわざとキツイ言い方で書くけど
結局夢魔界編で自己満足投下続けてた辺りが文句言われずに好き勝手できる環境にしてあげようという事かな?
273名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/11(月) 04:55:37 ID:RUIcdQCU
>>272
むしろ今まで作ってきたシナリオをどうしても否定したくない人の為では。
勝手な奴は夢魔界だろうか現世だろうがお構いなしだったし。
楽屋裏での>>95問題や俺シナリオ妄想問題なんていい例だろう。
ただそういう連中と同じくらい面倒なのが、投下されたネタが一見無茶だからって何でも否定する輩だな。
特に3スレ目あたりの「ミオ登場=戦闘」とか決め付けて、書き込みを否定しようとする流れは見るに耐えなかった。
書き込み次第でいくらでも違った展開にできるだろうに(実際戦闘回避してたけど)。
書き手に初期くらいの柔軟さがないと、新シナリオも結局書きにくくて廃れていくかもな…。
274名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/11(月) 07:50:22 ID:hx/krRoE
もし日常パートにしたとしたらこれからはちゃんとみんな書こうぜ。

いつも日常パートになると過疎るからそれが問題なんだよ
275名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/11(月) 09:57:33 ID:67FRKBl2
単に日常をだらだら描くだけでは結局退屈に感じる人も少なくないだろうね。
適当なタイミングで何か事件(物騒である必要は全くない)を折り混ぜていかないと。
さて、過去の流れから気を付けた方が良さそうなことをいくらかピックアップしてみた。

過疎る危険性がある行為
▲主人公や世界観の根本的な設定を途中で唐突に変更最悪これまで築き上げてきた設定が使えなくなる。
話を一から始めるのとあまり変わらない。

▲実在の場所を舞台にする
知識がない人は書けない。適当な描写をしても叩かれる恐れがあるし。

▲パロディの多用
パロ自体を使っちゃ駄目ってことはないだろうけど、話の主軸にだけは絶対に持ってこないように。
別作品の元ネタを知らないと書けないシナリオなんて、知らない人には最悪の代物。
また幼稚だと感じて萎える人もいる。

少し気を付けた方が良さそうなこと
■一場面にキャラを出しすぎない
■キャラの性格や口調は出来る限り以前の書き込みに合わせる
また、可能なら書き分けて個性を出す
■視点変更を多用しすぎない
■二行以上のAAの使用には気を付ける(携帯だとうまく表示されない場合もある)
276名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/11(月) 17:23:55 ID:67FRKBl2
>>275
改行が変orz
277名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/11(月) 19:46:24 ID:oHon8wbT
なんか収拾が付かないな…。

提案なんだけど、「together with you」を手放して、新作を作らないか?
もう普通に続けることは不可能だと思うから、別スレ立てて分裂するとか、
無理やり日常に戻す等の半端な手段は取らずに、思い切って切り捨てるべきだと思う。

俺は初代スレの>>1なんだが、「together with you」のタイトル付けたのも俺だし、
今まで100〜200レスくらいは書いてきてるので、正直言えば完全に手放すのはとても惜しい。
俺のキャラもたくさんいるから、愛着は大いにあるし、このスレをここまで成長させてくれた皆にも感謝してるよ。
でも、このスレの住人の総意として夢魔界が足かせになってるなら、なかったことに出来ない以上、
もう切り捨てるしかないと思う。このスレの問題点はしっかり学ぶことが出来たから、
次回作でそれを生かせば、「together with you」も無駄にはならないと思うよ。

もし賛成者が多数いるようなら、新スレ立てて新作を開始してくれ(もしくは俺が開始する)。
278名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/14(木) 16:39:00 ID:sTU+I8N8
>>277
新スレは止めてくれ。できなくなってほっぽり出して新スレ乱立なんて見苦しい。
それからここは、みんなで作るスレなんだろう?
パラレルとかもっともらしく言って、その実みんなで作れなくなって決裂するのも見苦しい。

>>258-259から続けても、>>261の方法をとってもどちらでも良いと思う。

>>258-259の場合はすぐにでも日常に戻るし、今迄の話もなんでああいう夢になったのかなみたいに、
大輔や美影、彼方が考える形でシナリオに絡ませてもいい。全て白紙では無いと思う。
トンでもな流れはそこそこにと有るように、
夢魔世界の部分が大きなトンでもな流れになっていると判断するなら、大きく修正する事も必要。
それで全体の修正ができるなら少しは書いたシナリオを捨てる勇気も持った方がいい。

>>261の方を選んだら実際夢魔世界を続けて実質変わらない。
通常の日常に戻したいと再び同じような話になる可能性は残る。
でもみんなの中には夢魔世界を夢にせず続けたいという考えも有る事も考慮してくれ。
しかし夢魔世界を続けたい意見ばかりで改善されていなかったのも問題だ。
だから容量と期限の条件付きでもう1回だけ続けてみてはどうだろう。

次スレが400KBを超えるまで、あるいは2006年10月末までに、夢魔世界に決着を付けて、通常の日常に戻す。
もし次スレが400KB超えるか、2006年11月に入ったら、夢魔世界の話は>>258-259に繋げて夢として処理する。
パラレルでの継続のような決裂もしない。できなかったのだから仕方なしと諦める。
これならいつ通常の日常に戻れる時が見えていて安心できるし、夢魔世界を続けるチャンスも残っている。

続けたい、通常の日常に戻したい、夢魔世界を夢にせず続けたい、決裂したくないという、みんなの声を生かした道を考えてみた。
もっと前向きで良い方法が有るなら教えてくれ。
煽りや後ろ向きな否定はごめんだ。
279名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/14(木) 16:46:16 ID:sTU+I8N8
>>278
なんか偉そうな言い方をしてしまったが、その、つまり、みんな頑張れ。
280:2006/09/14(木) 19:44:42 ID:EpzZDsUy
>>278
その考えを否定するつもりはないんだけど、書きたい意欲が出てこない=過疎化している以上、
現実問題として、この作品を続けるのは非常に困難だと思う。
それに、辛辣な物言いになってしまうけど、「みんな頑張れ」じゃ他力本願だから、何の解決にもならない。

実は俺、何度か出てきた新スレ案に度々反対しているので、今回初めて逆の意見を言ったのよ。
で、反対した時はレスを書くようにしてたし、過疎時にも積極的に書いていた。
でも、正直限界が来てるように感じる。どこだかは明かさないけど、
あまりに書き込みが少なくて、ほとんど俺一人だけで書いていたところが結構ある。
基本的に連投禁止になってるから、日(ID)はズラしてたけど、俺だけで書いてたらこのスレの主旨に反するでしょ?
それに、スレ保守のために、自分のレスにレスするのって虚しいのよ…。

ここまで深刻に過疎っちゃうと、もう普通に続行させるのは無理だと思うわけ。
で、その最たる理由が夢魔界の存在(=設定の煩雑化)による書き込みにくさにあるわけだから、
のびのびと書ける環境にするには、もうtogether with youを切り捨てて、新作に移行するしかないと思うんだよ。
281名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/15(金) 07:41:45 ID:eSJBAo+x
みんなが書きたいのは、多分1スレ目のような空気のシナリオだと思うんだ。
だから、とりあえず>>258-259から続けて試験的に本編に戻してみないか?
夢魔界の方はもう継続は無理だろうけど、本編の方はどうなるかわからない部分がある。
新スレはそれを確かめてからでもいいんじゃないだろうか?
もし書き手の意欲が戻って上手く続くなら続行すればいいし、これでもやっぱり駄目なら新作も仕方無い。
>>261>>271の案は、ここまで過疎ってると難しいかもしれない。
過疎の原因が夢魔界そのものである以上、もしかすると期限までただ停滞が続くだけの可能性もある。

あと、煩雑な設定の多くは夢魔界のもの。本編に戻れれば少し解消されるかもしれない。
実際、昔問題になってたのは煩雑な設定ではなく、登場人物の多さ。
ここのところは、ある程度キャラをグループ分けすることで対処しやすくはなるはず。
今は人間関係が昔よりはしっかりしてるから、特定のキャラに絡むキャラが割と決まってきてるし。
(ゆかりや貴史は実に多くのキャラと絡むけど)
282名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/16(土) 18:59:12 ID:gTyrxUuM
それじゃあ、少し強引に感じるけど、>>258-259から続けてみようか。
流れ的にどこが適当なのか見当が付かないけど、取りあえず沖縄編は終わってるようだね。
記憶で言うから信用性に欠けるけど、確か沖縄に発生したゲートをくぐって夢魔界へ行き、
夢魔界でヒビヤにやられて現世へ、現世から夢魔界に戻ったところで夢から覚めるという流れだよね。

俺が雪村さんの手を取ると、消えかかっていた彼女の身体が元に戻る。
美影「離して…」
大輔「いや、別に気にしてない…とは言わないけど、とにかく雪村さんが消える必要はないから」
美影「うぅ…」
大輔「とにかくさ、俺混乱しまくってるから、今がいつのなのか教えてくれないか?」
彼方「大輔、私から説明するわ」
彼方は雪村さんの肩にそっと手を置くと、彼女に座るよう促す。
雪村さんの様子を見て、彼方は自分が説明した方がいいと思ったのだろう。
彼方「まず、大輔の質問に対する答えだけど、今日は沖縄から帰ってきた次の日よ。つまりゴールデンウィーク明け」
彼方「大輔は沖縄から帰ってくる途中に、飛行機の中で眠っちゃって、雪村さんの力で全然起きなくなっちゃったのよ」
彼方「送り届けようと思ったんだけど、大輔の家は倒壊してるからね…」
彼方「仕方なく、この洋館で一夜を明かしてもらったわけ」
大輔「そう…なのか?」
正直腑に落ちないところがたくさんあったが、あまりにその数が多すぎて、1つ1つ聞いて確かめる気にはなれなかった。
取りあえず、色々と思考を巡らせるより前に、彼方の話をしっかり聞いておくことにしよう。
283名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/16(土) 19:00:24 ID:gTyrxUuM
連投スマソ。

大輔「しかし、それならどうしてお前までいるんだよ」
彼方「今、何時だと思ってるの?」
大輔「え?」
彼方は呆れたような言葉とともに、「ほら」と窓の外を指差す。
夕焼け…。
つまり学校は終わっていると、そういうわけね…。
大輔「沖縄旅行の帰りから、次の日の夕方まで眠り続けていたということか…」
彼方「そうよ。雪村さん、責任感じて、今日は一日中大輔の面倒診てたんだからね」
大輔「そうだったのか。ありがとう、雪村さん」
美影「いえ…元々私のせいですから…」
大輔「彼方も心配して来てくれたんだよな? ありがとな」
彼方「え? ああ、うん…」
大輔「って、ちょっと待てよ、まさか俺は学校を無断欠席…」
彼方「…まぁ、そうなるわね」
大輔「おい、松永先生に怒られるじゃないかよ! あの先生、サボるとスゲーうるさいんだぞ!」
彼方「知ってるわよ。今朝キレてたから。それにしても、急に話のランクが落ちたわね…」
大輔「くそ、明日どうすりゃいいんだよ! つーか、それ以前に俺は今日どこで寝ればいいんだよ!?」
ひとまず現状の把握が出来たので、ある程度混乱のおさまった俺は、現実的な思考に戻って頭を抱えた。
美影「あの…大輔君さえ良ければ、何日でも居てくれて構わないから…」
美影「こんな不気味な洋館と、私なんかと一緒でいいなら、だけど…」
大輔「あ、ありがとう。取りあえず、今日はここに泊まらせてもらうよ」
大輔「いや…そんなことの前に、もっと重要なことに気づいたぞ…」

【トイレに行きたい!】
【メシを食いたい!】
【風呂に入りたい!】
【その他!!!】
284名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/18(月) 00:00:02 ID:epWx06Tk
方向性を定めたのはいいが、いきなり長文連投か。
285名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/18(月) 02:12:47 ID:FylU0LzK
同IDでの連投が絶対に駄目とは思わない。
携帯の場合、長い文章を一度に書き込めない機種もある。
さすがに仕様はどうしようもないので、それを駄目と叩くことはできない。
なのでそういう理由に限り、合計30行程度までなら許容範囲でもいいとは思う。

だが>>282-283は、シナリオ部分だけでも計40行越えているのはやはりマズイ。
長文連投が悪く言われるのは流れをコントロールする力が強すぎるから。
もしそういう意図を狙って書かれると、出せる設定の数や細かさ、展開を定める強制力が、
1レスだけのときとは比べ物にならない。そういうのは「みんなで作る」という主旨から離れている。
いくら過疎でも、いや過疎だからこそ最低限のマナーくらい守らないと、
いい加減嫌気がさして離れていく人も出るかもしれない。
286282-283:2006/09/18(月) 08:06:43 ID:qNVC2max
方向性を定めるためとは言え、ちょっとでしゃばり過ぎた。ごめん。

しかし、今までも言われきてるが、シナリオ本体も書くようにしようよ。
そういう論議も必要だと思うけど、それだけ書いても物語は進まないし変わらない。
論議とシナリオを1レスずつ書き込むなら同IDの連投でも問題ないはずだから、
やっぱりシナリオも書いて欲しいと思う。論議ばかりになると過疎も助長されるし…。

今回俺も「あ、やっと続きが書かれた」と思って来たのに、>>284-285しか書かれてなくてorzして、
結局連投になっちゃうから続きも書けない…。
287名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/19(火) 07:44:20 ID:zsi4iGrA
【トイレに行きたい!】
大輔「そ、そうだ、ちょっとトイレ行ってくる!」
一日分溜まってるせいか下腹部に結構な違和感がある。やばいことにはなってないだろうか。
彼方「何よ急に。デリカシーのない奴ねえ」
美影「トイレは廊下の突き当りを右にだけど…気をつけてね」
大輔「わかったよ!」
ドアノブに手かけ、勢いよく外側に向けて押す。が、
???「――!!」
鈍い音と、短く高い声のようなものが聞こえた。
大輔「……」
恐る恐るそのままドアを押すとやや重い。
隙間から外の様子を伺うと、少女が頭を抱えてうずくまっていた。
うっ…こいつは…。
澪「う、うう……痛たた……誰だ…!!」
大輔「み、澪っ! ふ、不可抗力なんだ! 許してくれ!」
澪「ひ、氷室…? そうか、貴様か…」
俺を睨みつけてくるが目には涙が滲んでいる。相当痛かったらしい。
澪「まあいい…目覚めた記念だ。特別に許してやる。許してやるとも…。今はな…!」
頭をさすりながら、言葉を呪いのように吐きかける。怖えぇよ…。
大輔「お、落ち着け! それより何でまた澪がここにいるんだ?」
澪「知るか。雪村に招かれて、今まで迷惑をかけてすまなかったといきなり謝られた」
美影「澪さんは大輔君の次くらいに影響が強かったから、一応説明をしたの」
澪「説明、だったのか…? 身に覚えのないことや電波話を延々と聞かされただけのような気がしたが」
…もう忘れてるのか。なんだか微妙に寂しいな。何もかもなかった事になるんだろうか?
だけど、それにしては微妙に話しぶりが親しいな…。初対面同然じゃあないのか?
大輔「なあ、俺と澪っていつ知り合ったんだっけ?」
澪「忘れたのか? 薄情な奴だな」
表情が呆れたものに変わっていく。そして、やれやれといった口調で、
澪「去年の学祭後に誓い合っただろ? 私たちの学園生活を滅茶苦茶にした恩田に復讐をしよう、と」
急に嫌なことを思い出した。
288名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/19(火) 08:33:50 ID:4S1RQdW0
そう、あれは去年の学園祭…。
俺は恩田の起こした盗撮騒ぎに巻き込まれ、1年の頃から写真部の部長だった澪も先生に大目玉を食らったのだ。
その後もしばらくは白い目で見られたり、先生から目を付けられたりして大変な目に遭った。
大輔「辛い記憶だぜ…」
遠い目をして言う俺。
澪「そんなことより、お前、どこかに行こうとしていたんじゃないのか? 何か慌てていたようだが」
大輔「っ!」
しまった、すっかり忘れていた!
意識し出すと、いきなり下腹部に強い圧迫感。
くっ、まずいぞ…。
あまりの圧迫感に脂汗が流れ、4月1日の>>69-74が走馬灯のように俺の頭をよぎった。
大輔「うおおおおおおお!」
咆哮を上げながら、俺は安息の地を目指して、全速力でひた走る。
…数十秒後…
大輔「ふぅ…」
俺は至福の時を過ごしていた。
大輔「さてと、次はどうするかな…」
うんこをしながら俺は思案する。

【腹減った。メシを食おう】
【身体が気持ち悪い。風呂に入ろう】
【彼女たちにもう少し詳しい事情を訊いてみよう】
【その他】
289名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/20(水) 03:07:04 ID:zPZ0BDl3
【身体が気持ち悪い。風呂に入ろう】
俺は用をたし手も洗い(綺麗好きなのだ♪)雪村さん達のいる部屋に戻った。
大輔「いろいろ済まない、先に身体を洗って寝汗をスッキリさせたい」
美影「あっ、そうね。準備するから少し待って」
準備………!?………あらぬ妄想が俺の頭を横切った。
大輔「やっぱり、一旦出かけて来るよ。外で身体洗ってくるから」
美影「外でって? どうせ私も私も毎日入ってるから良いのよ?」
私も入る………!?………いや全然違う意味で言ってると解っている、解っているんだ。
大輔「いや、大変嬉しいのですが、変に興奮しそうで………いやいや、この期にコインランドリーのシャワーを使ってみたいのさ」
何言ってんだ、俺。棒読みだし顔も赤くなってそうな悪寒。
美影「そう………」
雪村さん、寂しそうな、不安そうな顔だな………
大輔「大丈夫、2時間程度で戻ってくるから。いろいろ話も聞かせて貰わないといけないし」
美影「そう………じゃあ、夕食作って待ってるね」
手料理か、料理研究会のゆかりのは美味しかったな。雪村さん料理は上手いのかな?
彼方「料理は美影、味見は私、昨夜の夕食で美味しさは保証付よ」
昨夜も御馳走になったのか。てか彼方は味見担当かよ。美味しいやつ、てか美味しいのか。楽しみだな。
澪「今日はこの澪先輩様が、お前用にスペシャルな隠し味を加えてやる。楽しみにしてな」
不敵な微笑をたたえた澪がわざと尊大な口調で脅しを加える。怖えぇよ…。てかやっぱさっきのを根に持ってんのか?

大輔「じゃ、コインランドリーに。2時間程度で戻ってくる」
しかし昨日今日と雪村さん家にお泊りか。
貴史の家に居ないと分かれば、ゆかりも再び口を出しそうだし、理恵ちゃんに見付かっても問い詰められそうだ。
これがギャルゲだったら………
”タオルと石鹸を買ってコインランドリーで身体を洗って来よう。ゆかりか理恵ちゃんにバッタリ会うとアウトだぞ♪”
なんてミニゲームでも入りそうだ。
290名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/20(水) 04:02:19 ID:zPZ0BDl3
今シナリオを続けて良いものか疑問も有るが286の意見ももっともだと思い一応先にシナリオを書いてみた。
シナリオ本体も書くようにしようには賛成できるから一応従ってみたものの。
少し強引にと思うなら強行せず思い留まるべきでは。
この上、夢魔世界を続けたい書き手が強引にと決別しては意味が無い。
彼らが期限付きで纏め上げる事を決心して続けるなら認めてはと考える。
みんな頑張れに付いては、夢魔世界を夢にせず続けたいという事に対してのつもりだった。
俺はみんなで作るギャルゲが、みんなの手で続けられれば、夢魔世界はどちらでもいい。
夢魔世界を夢にせず続けたいと強く思ってる書き手は、今頑張らないと続かないと考え、主にその書き手達に頑張れと言ったつもりだ。
今のシナリオの流れで良いのか?

だらだら論議していても仕方ない。
普通の日常シナリオを書きたい書き手はもう随分待ってる。
300迄に今のシナリオの流れに待ったがかからなければ、夢魔世界を続けたい書き手も断念して今の流れで続けてくれないか?
でなければ待ったをかけて10月迄の纏め上げをしてくれ。

それから10日以上何も無いならまだしも、この程度で過疎過疎言うのは止めてほしい。
何を言ってるのかと。リアル過疎スレからすればorz

MGSTSがこの手のスレの最古参だと思う。他の創作スレは駄目駄目な雰囲気だ。
でも最古参のMGSTSが決裂せず、みんなの手で続いている事が大きな指針になっていると考える。
MGSTSが決裂や放棄して別スレを立てるようでは他と同じで全て駄目駄目になると考える。
みんな頑張ろう!
291名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/20(水) 05:56:11 ID:Ho6m+xui
大輔「なぜかな…。見飽きたはずの商店街がひどく懐かしいや…」
どういうわけか、もう半年近くも来てないような感覚に襲われた。
大輔「さて、ここまでは大丈夫か…」
今のところ知り合いとは誰とも出くわしていない。
まあ当然だよな。ここはリアルだ。いわゆるお約束展開など――。
ゆかり「あっ! 大輔っ! 大輔ー!!」
…ははは、実は未来人が作った極めてリアルなゲームの世界なのかもしれないな、ここは。
正面から俺目がけてゆかりが走ってくる。
息を切らし、汗を浮かべながら、服の乱れも構わず、ツインテールを揺らし――というか、まだこの髪型だったのか。
本人は全力で走ってるのかもしれないが、はっきり言って遅い。いくらでも逃げられるだろう。
だが、ここまで一生懸命走られると逃げるのも悪い気がしたりしなかったり。
……そんなわけで、余計なことを考えてるうちに俺は捕まった。

ゆかり「はぁっ…はぁ…。やっと見つかった…。…はぁっ…大輔っ、今までどこにいたの!?」
大輔「う…いや、その…」
予想通りの問いが来たっ! やはり逃げるべきだったか。
正直に答えたらややこしくなるだろうが、適当に誤魔化そうにもいいネタが思いつかん…。
ダメだ、言葉が続かない。どうするよ?
ゆかり「ああもう! 今はそんなのどうでもいいよ! それより!」
意外なことにゆかりの方から話をすり替えてきた。
ゆかり「おじさんとおばさんに会わなくていいの!?」
大輔「あっ!」
親父と御袋、今帰ってきてるんだった! いろいろありすぎて完全に忘れていた!
昨日から眠り続けてたのが本当なら、昨日も会ってないってことになる。
だけど…、今は雪村さんたちを待たせてるわけだし…。
大輔「…今日はもういいや。明日にでも会うことにするか」
ゆかり「ダメだよっ、それじゃ間に合わないよっ」
おもむろに俺の服の袖を掴み、バス停の方向へ引っ張ろうとする。
ゆかり「突然用事が出来てね、今夜19時の便でむこうに戻ることになったの。
    もうホテルはチェックアウトしてる。今すぐ空港に行かないと間に合わないよ!」
292名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/20(水) 19:47:18 ID:CF0sGWIr
大輔「な、なんだってー!?」
よもやそんな事態になるとは。
クソ、どうしてこう俺の生活は落ち着かないんだ…。
しかし、困ったな。
風呂は…まぁどうでもいいとして、雪村さんや彼方の話は聞いておきたい。
空港までは片道1時間もかからないから、あとで聞くという選択肢もないわけじゃないが、
解せないことがたくさんあるから、早く聞いておきたい気持ちが強いのも確かだ。
かと言って、数ヶ月ぶりに帰ってきた親父とお袋に、一度も顔を会わせないってのもなぁ。
倒壊した家のこともあるし…。
どうしよう。

【ゆかりと一緒に、親父たちのところへ行く】
【予定通り、コインランドリーへシャワーを浴びに行く】
293292:2006/09/26(火) 07:43:29 ID:qC3fifSR
保守

誰か書いてくれないと連投になっちゃうよ…
294名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/28(木) 21:22:00 ID:UH3TwzA9
久々にROMりにきた保守
295名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/29(金) 02:17:08 ID:+1UDTmir
>>292から
大輔「俺もいろいろ有って混乱してるかもしれないけどさ」
ゆかり「どうする?タクシー止めようか?」
大輔「空港には行かない」
ゆかり「どうしてぇぇぇっ!?」
大輔「家が無くなって。友達のとことか転々として。親に放置されてもそれなりにやってきた」
ゆかり「そんな拗ねたこと言ってないでっ!」
大輔「そうじゃないよ。親に信頼されてるんだ。あいつなら放置してもしっかりやれるって」
ゆかり「大輔…」
大輔「会う必要が有るならお互い探してでも会うさ。今はもっと優先すべき事が有るから行くんだろ。空港に行って甘える所を見せて決心を鈍らせたらいけない」
ゆかりの瞳がにじみ始める。
ゆかり「大輔ぇ…」
大輔「俺は今は両親の期待に応えてみようと思う。会うのはこの次でいい」
ゆかり「大輔ぇ、かわいそうだ。ウチくる?ウチ来ていいよ?ウチ来なよ…」
ゆかりは潤んだ瞳でそう言うと、俺の胸に抱きつき顔を埋めて泣き出した。

大輔(それに、さっきの雪村さんが気になる。見間違えで無ければ明らかに消えかかっていた)
大輔(これで俺が約束を破って本当に消えちゃったら夢見が悪い。今迄の不思議な事といい、彼女には何か有る)
大輔「なあ、この後別の約束が有ってさ。ちょっとシャワー浴びて、戻らないといけないんだ」
ゆかり「ならウチで浴びなよ」
成り行きで、ゆかりの家で風呂に入ることになっちまった。
風呂の後にゆかりが離れなければ、一緒に雪村さん家に行けばいいか…
296名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/02(月) 08:45:58 ID:9Ws2ZuCc
???「…ふざけんじゃねえよ!」
歩こうとした瞬間、背後から体を強く掴まれる。振り返ると、
ゆかり「貴史くん、タマ…なんでここに?」
環希「…手分けして探してたはずなのにね。何の因果か幼馴染四人が商店街に集っちゃったわけね」
あれ? 幼馴染はあともう一人いたような…。だけど、まるで記憶を削り取られたように思い出せない。
…まあいいか。思い出したところで何のフラグも立たない気がするし。

環希「私も貴史も途中からだけど話は聞いてたわ」
ゆかり「そうなの…。でも貴史くん、どうして…」
貴史「分かってるはずだ。こいつは聞き捨てならないことを言った」
大輔「せっかく探してくれてたのに済まないと思う。でも今は忙しくて行けない」
貴史「そこは気にしてねえよ。お前自身の問題だから行くも行かないも自由だ。だがよ…」
環希「さっきから何ナメたこと言ってんの? …おじさんたちのことよ。
   放置しても大丈夫って何よ? 帰って来てから戻るまで、遊び呆けてたとでも思う?」
ゆかり「行方不明の大輔を探し回ってたんだよ。昨日からずっと休まずに…」
大輔「でも結局は空港に向かった。きっと大丈夫だと信頼に値する息子だって期待されてる証拠さ」
環希「…大輔、なんか変わったわね。落ち着いたというか…辛い旅でもして一皮剥けたみたいな。
   …でも、信頼とか期待って、あんた何様よ。勇者か救世主にでもなったつもり?
ゆかり「期待とかなんて求めてないよ…。ただ元気にやってるか、それだけだと思うよ…?」
大輔「分かってる。だが今は俺にも親父たちにもやるべきことがある。こんなとき顔を見せるためだけに会っても迷惑なだけだ」
貴史「はっ、事務的なことだな。家族が会うのに意味や機会なんて理由付けがいるってか!
   世の中には、そんなつまんねえもんに縛られて、家族が揃わず寂しい思いをしてる奴だっているんだぞ!」
脳裏に一人の少女の姿がよぎった。
貴史「なのに自分からそれに縛られるような考え方しやがって…!
   お前みたいな奴が理恵のそばにいるんじゃねえよ! 今日限りで出て行け!」
環希「ちょ…あんたはそうやってすぐ勢いで無茶苦茶を言う!」
297名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/09(月) 09:42:20 ID:yTQr19LK
大輔「貴史、お前には感謝してる。落ち着いてくれ。
   俺もひとりでは生きていけない事は理解してる。
   でもな、そうだな、説明が難しい。
   仮に自殺でもしそうな友達が居るとする。それで自分が傍にいて話を聞いてやる事で辛うじて思い留まっている状況だとする。
   その友達と話を聞く約束をしているとする。
   そんな時に今の俺の状況、長く会えなかった親と会わずに別れるかどうかの話が起こったとする。
   貴史、環希、ゆかり、そんな状況ならお前らはどうするよ。
   友達との約束を破って親に会いに行くか?
   親に会わずに友達との約束を守るか?
   俺は後者を選んだ。親はただ普通に長い仕事にでるだけだ。友達との約束を破ってなにか起こったら絶対に後悔する」
環希「事情は全然判らないよ。でもそんなに深刻な事と天秤にかけているなら仕方ないのかな」
貴史「全然、全然良くねえよ! 家族だろ! 親を選んで当然だろ!
   飛行機に…飛行機に乗るんだぞ! 飛行機が落ちたらどうすんだよ!
   二度と会えなくなるんだぞ! う、うわあぁぁぁぁぁ!」
貴史が両手で頭を抱え、瞼を大きく見開き、瞳から大量の涙を流し、路上に向かって叫び出した。
俺はこんなに取り乱した貴史を見るのは始めてかもしれない。過去のトラウマを抉っちまったか?
貴史を落ち着かせるために今すぐ空港に行くべきなのかもしれない。
しかし、沖縄から帰って熟睡状態の俺を運ぶのは彼方と雪村さんだけでは無理だろうし、
みんなもその状況は知っていたはず。揃いもそろって行き先に気付かなかったのはどういう事だ?

【貴史が心配だ、空港へ行く】
【美影が心配だ、洋館へ行く】
298名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/10(火) 15:04:37 ID:AlptJgBh
プレイヤー「何やら重要そうな分岐だな…」

【美影が心配だ、洋館へ行く】

大輔「悪いがその友達が心配なんだ。俺は行く」
貴史「そうかよ、そうかよ…!
大輔「冷静に考えるんだ。飛行機が落ちるのと自殺しそうな友達が死ぬ確率はどちらが高い?
   もちろん後者だ。だから俺はこちらを優先しなければならない」
環希「なら急いで行くといいわ。そこのバカは私たちが何とかするから」
大輔「悪い…」
環希「いいからさっさと行きなさいよ。ゴタクはいいから。
   私も今のあんたと付き合い続けるのは正直嫌なの。いちいち理屈っぽくて、話してるとムカつくわ」
ゆかり「で、でもっ! 今の大輔も少しクールでかっこいいと…」
環希「ややこしくなるから黙ってなさい」
ゆかり「むー! むー!」
ゆかりは環希に口を押さえられてじたばたしている。
俺はそんなに変わったのだろうか?

貴史「なあ大輔…」
感情を押し殺したような声がうずくまった貴史から響く。
貴史「俺はもうお前と同じ屋根の下で暮らしたくない。
   頼む、出て行ってくれ。それが納得いかないなら俺が出て行く」
大輔「お前は今、感情的になってるだけだ。そんなことする意味なんて…」
貴史「理屈の問題じゃねえんだよ! 今のお前とはウマが合いそうにない。
   きっと衝突する。理恵の前だけでは、そんなとこ見せたくないんだよ…!
   家族同士だけでなく、友達同士でも分かり合えない姿なんて、見せたくないんだよ…!」
大輔「貴史…、俺は…」
貴史「もういい。行けよ」
もう何も返さず、振り向かず、洋館に足を向ける。
後ろを振り返るのはもう許されない。何故かそんな気がする。
俺たちの間で何かが壊れようとしている。そんな感じがした。
299あぼーん:あぼーん
あぼーん
300名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/17(火) 21:59:12 ID:cjAVbK3u
順子「……」
301あぼーん:あぼーん
あぼーん
302名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/22(日) 00:51:10 ID:Fv8HhVjN
流れがほぼ完全に止まった…。もう駄目なのか?
一応、点呼でもとってみる。
303あぼーん:あぼーん
あぼーん
304名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/23(月) 23:19:34 ID:lkFGtv7y
>>298
なんだか厄介なことになってしまったかもしれない…。
貴史が怒る理由もわかる…わかってると思う。しかし、貴史の気持ちはわからない。
当事者にしかわからない苦しみでもあるのだろうか? 俺にはそれが理解できていないのだろうか?
しかし、今は洋館に向かうしかない。俺はそれを選択したのだから…。
………
……

さて、もうすぐ洋館に着くが、俺…何の為に出掛けたんだろ。結局風呂も入ってないし…。
とりあえず、雪村さんから話は聞かないと…。
(♪〜♪〜〜)
ん、なんだ? 歌?
それは洋館に近づくごとにはっきりとしてくる。
洋館の前まで来ると、ようやく声の主に思い当たる。
大輔「雪村…さん?」
美影「大輔君…」
雪村さんは洋館のすぐそばにある大樹に手を置いたまま、こちらを振り返る。
大輔「今の歌は?」
美影「今の歌は、夢へと誘われ戻らなくなった者を呼び戻すための歌…」
呼び戻す…歌? ということはもしかして…。
大輔「他にも誰か?」
雪村さんは静かにうなずく。
美影「女の人が二人と男の人が一人。私の近くにいたせいで影響を強く受けてしまった人たち…」
雪村さんの近く…。雪村さんに関係ありそうな3人…。
大輔「それって、もしかしてウラさんたち?」
またも静かに雪村さんはうなずく。
そうか、あの人たちもここに…。
305名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/27(金) 00:18:09 ID:grhclyxO
???「忙しくてしばらく見ないうちに、随分ややこしいことになってんのな」

大輔「そうなんだよな、あれって全部夢なんだよな。なんだか今でも全然信じらんね」
美影「信じる信じないはあなたの自由。でもあれは夢。あなたはとても長い夢を見たの、そして私も」
大輔「私も?…あ、そうそう!それはそうとさ、俺、すごく重大なことに気がついたんだよ!」
美影「何?」
大輔「コインランドリーってさ、洗濯機並べて置いてある、洗濯屋なんだよね」
美影「…」
大輔「ほら、100円いれたらさ、こうザザザーって、脱水までやってくれる優れもの」
美影「…」
大輔「まさか洗濯機の中に入ってシャワー浴びるってのもなあ。一体どんなだよ。いやあ勘違い、勘違い」
美影「…」
大輔「コインシャワーと間違えたよ。一緒に設置してあるところあるからな。わはは」
美影「…」
大輔「でさ、乾燥機って大概別料金なんだよね」
美影「…大輔君?」
大輔「な、何?」
美影「あなたは、あなたの大事な家族が、今遠くに行こうとしているのに、あなたは今ここに居ていいの?」
大輔「…」
美影「私は大丈夫」
大輔「でもさ」
美影「一緒に行くことは出来なくても、せめて見送って下さい。お話はそれからでも出来ますから」
雪村さんはにっこり微笑んだ。
306名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/27(金) 14:52:04 ID:P1gnkrHp
それはまぎれもなく雪村さんの優しい配慮だった。
頭では理解できた。だけど…。
大輔「何だよそれ」
美影「大輔…君?」
大輔「知ってたのかよ。親父たちが帰ること」
美影「……はい」
俺の内で何かが静かな音を立てて切れ始めるのを感じた。
大輔「俺は雪村さんが消えてしまうんじゃないかと思ったから戻ってきたんだ。
   何もかも振り払って、ただ雪村さんを心配して…」
美影「……」
大輔「なのに…何だよそれ。俺が…いや、俺だけじゃない。
   ここに戻るまでに、俺や貴史たちがどれだけ辛い選択したかわかってんのかよ。
   遅いよ。遅すぎるよ。今さら行ってもいいなんて…」
美影「……ごめんなさい」
…これは全部俺が勝手に立ち回った結果のはずだ。
別に雪村さんが当たられる必要も、謝る必要もないはずだ。
なのに口からは勝手に雪村さんへの落胆の息が出ていた。
大輔「今は違うと思っていた。こちらの都合お構いなしに夢の中に放り込んでた冷たい瞳の雪村さんとは。
   でも結局何も違いはしなかったんだな。消えもしないのに消えそうな素振りして、俺を振り回して…」
今まで溜まっていたかのように、嫌な言葉が次々と紡がれていく。
何を言ってるんだ俺は。そんなことを言えば傷つけるだけだ。
見ろよ。雪村さんが震えているじゃないか。
いや、彼女だけじゃない。俺も震えている…?
ああそうか。俺は今でもまだどこか彼女に恐れを抱いているのか…。
大輔「俺と、俺の周りの何もかも滅茶苦茶にして…」
美影「私は…」
大輔「返せよ。返してくれよ、全部。失くした時間と絆全部だ!それができないなら…」
もうやめてくれ。雪村さんはもう十分心を痛めているはずだ。だからもう言うな。

でも無理だった。
もはや俺の雪村さんに対する恐れや不信感は全部爆発していたんだと思う。
大輔「それができないなら、本当に消えてくれよ!俺をもう振り回さないでくれよ…!」
307名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/27(金) 17:07:41 ID:hmvhjHAh
大輔「夢の中で行ったんだ!アスカを助けに!みんなで!」
美影「……」
大輔「それでさヒビヤってヤツにやられた後さ、こっちに戻ってきて身体が透明になったんだぜ?」
雪村さんはただ黙って聞いていた。
大輔「大変だったんだぜ?ミグっていうくそ生意気な本の小娘に変態幼女趣味って言われてさ、その後、澪のヤツには女の子の身体にされてさ」
俺は何故か泣いていた。
大輔「闘ったんだ、魔物と。身体中緑色のシマシマのヤツ!」
美影「……」
大輔「勝ったよ、ギリギリだったけど」
美影「……」
大輔「その後理恵ちゃんと時間を遡って飛行機が墜落して、芙美さん結局助けられなくて」
美影「……」
大輔「そしてもう一度夢の世界に戻ったんだ。ヒビヤってヤツと再戦するかもって思ってたけど、闘いは回避しちゃったけどね」
美影「……」
大輔「でもアスカはちゃんと取り戻したんだ。なんと、それまで逸れてた彼方も見つけたって言うオマケ付きで!」
美影「……」
大輔「フォーレスだっけ、街に戻って風呂に入ったよ。純和風だぜ」
何故だか涙が止まらない。
大輔「遠くでミグとリズの悲鳴が聞こえた気がしたけどあいつら大丈夫かな?少し心配だよな」
美影「……」
大輔「でもそこから思い出せないんだ。そこからの続きがないんだよ」
美影「……」
大輔「そこが夢の終わりってヤツなのかな?はは………」
美影「……ごめんね」
大輔「……」
俺は涙も拭わないまま走り出していた。
美影「……さよなら大輔君」
308名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/28(土) 05:01:19 ID:AEucXJSg
まるで洋館の前で待っていたようにタイミングよいタクシーを拾って空港に向かった。
空港には見慣れた面々が集まっていた。
圭輔「遅かったな大輔、彼方ちゃんは澪さんが連れてきてくれたぞ」
貴史「全く、彼方も連れてくるとか走り出して骨折り損だな」
大輔(え?)
圭輔「今日からは、さゆりさんに預かっていただくことになったからな」
さゆり「親戚なんだから自分の家だと思ってね。ゆかりも喜ぶわ」
ゆかり「ちょっと、何言って…」
圭輔「貴史くんも今までありがとう。これからも大輔の力になってくれるとありがたい」
貴史「当然っスよ、大輔とは腐れ縁の親友っスから」
貴史もさっきの事を覚えて無く、何か変だと思いつつ、彼方のことも聞けず、
両親を見送った後、帰路についた。
大輔「さゆりさん、ちょっと寄り道します。すぐに戻ります」
俺は再び洋館に向かった。
洋館には誰もいなく、食事の変わりに置手紙が有った。
「大輔くん、ごめんね。悲しい結果だけど、最後に貴方の本心が分かって良かった。
また夢の力を使って、貴方を空港に向かわせたの。みんなもう私を覚えてないし、出来事もまるく収めてるから。
さよなら、こんな怖い力を持った私は消えるね」
309名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/28(土) 06:52:15 ID:wEAD1FUl
???「>>308のさゆりはさとりの間違いか?」

大輔「ふざけるな! やっぱり君は何もわかっちゃいないじゃないか!」
思わず手紙を握りつぶす。
嫌悪感で胸がいっぱいになって吐き気がしそうだ。
こんな不快な気分になるなんていつ以来だろうか。
大輔「ああ、確かにあれも本心だよ。だけど人の心の全部が全部表に出るわけないだろ」
あんな酷い事を言っておいて、こんな理屈自分勝手かもしれないが。

大輔「それに出来事を丸く収めただと? 余計なお世話だ!」
確かにさ貴史たちとの言い合いは悲しすぎるくらいの結果になったさ。
だけど俺たちが勝手にすれ違っただけのことだ。別に雪村さんの力なんて直接関係ない。
大輔「自分がすべての中心だとでも思ってるのかよ? 自惚れるな馬鹿…!
   当人たちの問題を勝手に解決するなよっ…!」
あれは互いの想いがぶつかり合った結果だ。
それも本当の想いだったから悲しいんだ。

今の状態は見た目幸せかもしれない。だけど、あの時あった本当の気持ちはどこにある?
人の心や思い出は楽しいことばかりでできてるんじゃない。
腹立たしい怒りや、今あるような悲しさも大切な一部のはずだろ?
なのに、それが欠けてて本当の幸せなんてあるのか?
あんなの…綺麗事で片付けてるだけだ。
こういうことこそが、人の心を弄ぶということなんだよ。
なまじ心を操れるから、未だにそんなことも気づけないでいるんだ。
君みたいな学習能力の無い馬鹿は勝手にどこへでも消えてしまえばいい。
だけどな、その前に…。

【探し出して文句を言ってやる】
【いや、もうどうでもいいか】
310名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/28(土) 11:08:55 ID:x0WKmHyq
【いや、もうどうでもいいか】

俺はふうとため息をついた。
いろんな思いが浮かんできては消える。
大輔「なんか気が抜けちまったよなあ……」
やるせない気持ちで誰もいない洋館を後にした。

何気なく空を仰いた。
色は青から赤に変わり始めていた。
大輔「いま、何時くらいなんだろ?」
ごうと小さく音を立てて一本の飛行機雲が遠くで伸びていた。
大輔「………」

そんなときだった。
どこからかボソボソと妙な声が聞こえた。
???「はうう、熱いです……怖いです……」
???「ひええ………インクが……、体が溶けるよう…………」
大輔「!?」
はっとして視線を戻した。
見ると道端のごみ箱がガタガタ揺れていた。
大輔「……なんだあれ?」
次の瞬間、ボンと音を立ててごみ箱の蓋が天高く舞い上がった
大輔「どわ!」
中から飛び出して来たのは………、
リズ「ぷはあ、し、死ぬかと思ったです……」
ミグ「あうあう!?………あれ?」
既に見知った2人の小さな女の子の姿だった。
大輔「???」
ミグ「は!?体、ある!よかったまだ溶けてなかった!」
リズ「熱かったー。……って、あれ?マスターじゃないですか?こんなとこでどうしたんですか?」
大輔「…………」
こっちが聞きたかった。
311名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/28(土) 15:25:28 ID:GPs23KhM
なんか急に進んだな。
でも、むやみに異世界キャラ出すのはどうかと。
日常に戻したくて今の流れがあるのに。
未だ異世界の延長の域から抜けてない以上、元に戻りそうで怖い。
とはいえ出したい気持ちもわかるんで、出すのなら設定とかは上手く考えていかないとな…。

…という広告が目に入った。
312名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/28(土) 15:52:44 ID:VmlgI8VV
なんというか、もうグダグダですね
313名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/29(日) 10:27:12 ID:ZZuupS9o
>>310から
大輔「お、お前ら、なんで?え?あれ?」
リズ「あのう、どうしたんですか?マスター」
リズがきょとんとした顔でこちらを見ている。
なんだよこれ、一体どうなってんの?全部雪村さんが見せていた夢だったはずでは?
ミグ「うう、なんだか頭痛い…………」

大輔「………………ん?」
ふと気がついた。
二人の姿に少し違和感。
大輔「……あ、あのさ」
リズ「はい?」
大輔「君達さ、なんでランドセル背負ってるの?」
リズ「……ランドセル?……あれ?」
ミグ「………え?」
違和感の正体。
2人は赤いランドセルに可愛いミニスカートだった。ランドセルの脇には縦笛を入れた袋が挿してある。
リズ「あれ?……あれれ?………マスター、これってとどういうことでしょう?」
大輔「……さあ?」
冷静に2人の姿を見てみた。どう見ても小学生だよな。……しかも低学年ぽい。
ミグ「変態幼女趣味…………」
ミグがぼそりと呟いた。
大輔「君、変わってないね」
ミグ「……頭痛い」

何がなんだか分からないけど、どうしよう?
【とりあえず2人を連れていく】
【放置】
314名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/30(月) 21:31:21 ID:XZda9pMl
すいません>>308のさゆりは、さとりでしたー。

再開します。
【放置】
大輔(なんなんだいったい。これ以上こいつらに構ってられるか)
後ろで声を掛けるリズらしき者とミグらしき者を足早に置き去りにした。
ポケットに入れた手が何かにぶつかり、俺はそれを取り出した。雪村さんからの手紙を丸めたものだった。
未練を断ち切るため破り捨てようと開いたそれには………、あぶり出しの逆のように、一切の文字が無かった。
大輔「そこまでして消えたかったのかよ」
俺は冷笑して手紙であったものを破り、貴史の家に向かった。

貴史「なあ、出てっちまうのか、俺も理恵も悲しむぜ」
大輔「親たちが決めた事だし。これからも毎日顔合わせるんだし、よろしくな」
荷物を纏めようと部屋を見回し、案外物持ちだったことを思い知る。
大輔「今日は運びきれないな。今度取りに来させてくれないか」
貴史「理恵が居ない時にしないと邪魔されるぞ」
そう言った貴史はからかうような笑顔をしていた。

…そして十数日が過ぎ、ゆかりの家での生活も安定してきた。
その後あの夢の関係者とも会わず、周りにもあの事を知る者は皆無だった。
ただ俺の記憶だけは残っていた。
俺はあの出来事を、洋館の幽霊に取り付かれ、それを振り切ったんだと自分に言い聞かせていた。

―5月21日(月)― (4月1日が月曜にしては5月の曜日が変なので曜日訂正してます)
315名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/01(水) 06:30:33 ID:lY19fgBT
爽やかな朝だった。
洗面所で顔を洗い、ダイニングへ向かう。
そこには既に世話になってる夫婦二人の姿があった。
二人とも見た目が若い。余裕で20代と通用しそうなあたり、さすがゆかりの両親だ。
大輔「おはようございます」
さとり「おはよう、大輔くん」
小太郎「おう、おはようさん」
さとりさんはエプロン姿で朝食の準備をし、小太郎さんはつまらなさそうに新聞をめくっていた。
小太郎「ちっ…今日もスケールの小せえ事件ばっかだな。退屈だぜ…」
…どうかこのオッサンが地獄に堕ちますように。

さとり「それにしても今日はゆかりが遅いわね」
大輔「確かに。いつも早く起きてポッキーの散歩してるのに」
毎晩遅くまでネトゲやってる小百合は問題外として、ゆかりが俺より遅いなんて珍しい。
さとり「ねえ大輔くん、ゆかりを起こしてきてくれないかな? いいよね、小太郎くん?」
小太郎「ああそうだな。大輔、お前に任せた」
いかにも適当な返事が返される。
大輔「なっ…! 俺は従姉弟とはいえ他所の男だぞ!? もし何かしたらどうする気だよ!?」
さとり「あらあら♪ 何かする気なの? 若いっていいわね〜」
小太郎「…その時は決闘だ。俺とお前のどちらかが死ぬことになる」
片や頬に手を当て嬉しそうな顔をし、片や真顔で遠くを見ながら深刻そうな声を放つ。
この人たちは本気なのかふざけているのか。
とりあえず、若さゆえの過ちを未然に防ごうという意識は皆無らしい。

小太郎「まあ冗談はともかくとしてだ」
さっきとは違った種類の真剣な顔で小太郎さんが俺に向き直る。
小太郎「お前、最近魂が抜けたような顔ばっかしてるからな。注入するチャンスをやろうってんだよ」
注入の方法が間違ってないか? 娘の親として。
さとり「勢い余ってゆかりに注入しないようにね〜」
大輔「…何をですか」
…もういい、とりあえず起こしてこようか。
いつまでもこの人たちに付き合ってると、何かがおかしくなりそうだ。
316名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/01(水) 06:34:06 ID:lY19fgBT
>>314
過去ログでは4月の途中で日付がおかしくなって、
以後ずれたのに合わせてるから、5月21日はむしろ火曜日か?
よくわからないが5月以降の日付に合わせた方が混乱も少ないだろうか。
317名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/05(日) 06:01:20 ID:+bh3B3jq
―5月21日(火)の続き―

小百合「ああ、大輔おはよう」
大輔「おはよう」
眠たそうな小百合とすれ違う。
大輔(ゆかりが小百合ちゃんより遅く起きるなんて初めてか?)

さて、質素でシンプルな扉が小百合ちゃんの部屋、
こっちの可愛らしく飾った扉がゆかりの部屋だ。
【ノックする】
【いきなり開ける】
318名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/12(日) 00:58:45 ID:WeM3EaI8
【ノックする】
しかたない、相手は腐ってもレディだ。
俺はドアをノックした。
大輔「おい、ゆかり、朝だぞ、起きろ」
―――部屋の中からは何も返事は無かった。
大輔「おい、ゆかり、起きろ。起きないと、このドアを開けるぞ、良いのか?」
―――部屋の中からはやはり返事は無かった。
大輔「うーむ、このままではラチがあかない、いいか開けるぞ、良いのか?良いんだよな?じゃあ、遠慮なく」
俺は躊躇無くドアを開けた。

大輔「おい、ゆか…り?」
ゆかり「すぴー」
ゆかりはベッドの上で気持ち良さそうに寝息を立てていた。
大輔「……」
ゆかり「ううーん」
ゆかりがベッドの上で寝返る。
大輔「おーい、ゆかりさん?気持ち良さそうに寝ているところ悪いのですが、パンツ丸見えです」
可愛い子犬のアップリケだった。
ゆかり「うーん、むにゃむにゃ、…ってゆーかさー、林間教室はどうしたのよー?…ぶつぶつ。まーた、後のこと何も考えてないなー、ぐうぐう」
大輔「…ギリギリな寝言言ってんじゃねーよ」
ゆかりがさらに寝返る。
大輔「ぬうッ!?胸がはだけてッ!おおッ!?なんということッ!こいつッ!いつのかにかッ!少しずつ成長しているッ!?」
…は!?いかん、いかんぞ、このままでは発禁になってしまう。
大輔「起きろ!発禁娘め!」
俺はゆかりがしがみついている毛布を抜き取って、そのまま毛布で数回ゆかりをバシバシしばいた。
ゆかり「ぎゃふあ?」
大輔「目が覚めたか?ゆかり」
ゆかり「え?何?何?地震?………え?あれ?なんで大輔がここにいるの?」
ゆかりがベッドの上で寝ぼけていた。
大輔「目のやり場に困るから早く起きてくれ」
ゆかり「え? ぎゃーーー!!!出てけーーー!!すけべーーーー!!」
ゆかりに部屋を追い出された。
319名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/13(月) 00:00:52 ID:IKtHdmhG
う〜む、しかし先程のゆかりをCGでお見せできないのは残念だったな。
それはさておき、どうせゆかりの奴は明日の林間教室が楽しみで寝れなかったとかそんなとこだろ。
前日ならよく聞くが、前々日からとはさすがゆかり。
あ、この前恩田に渡されたデジカメ持ってきとけばよかったかもな。(注:盜撮は犯罪です)
つーか、恩田とゆかりは結局どうなったんだ?
なんだか元の鞘に戻ったみたいになってるんだが…。
あれも夢だった…とか? わからん。
お、ポッキー発見。

【ポッキーに尋ねてみる】
【ポッキーと戯れてみる】
【ポッキーをスルーする】
320名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/13(月) 17:53:46 ID:6WfhxOHz
順子「どこかのライターさんはグループ分けイベントから始めたかったみたいだけど」
夏江「明日から出発なんてまた急な展開になったね」
順子「前日にグループ分けなんてそうそうないわね?」
夏江「はい、はい、名案!」
順子「何?」
夏江「担任の松永先生が忘れていた」
順子「 」
夏江「駄目?」
順子「どうする? やっちゃう? グループ分け? 今日しかないよ?」

夏江「それよりも」
順子「今度は何?」
夏江「1、2年生限定イベントで、ゆかりや美咲、澪には関係ないんじゃないかな?」
順子「そう言えば高校3年だしね」
夏江「もちろん、理恵ちゃんもね」
順子「じゃあ318のゆかりは大輔が出発せずに家に居た夢を見てたって事で」
321名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/13(月) 19:38:13 ID:UKpofUZ8
>>320
1スレ目にこの学校では3年も参加するとあったような
322名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/14(火) 02:17:57 ID:mRAwlnBr
>>320
都合が悪くなったら何でも実は夢だったとか魔法で解決とかいうのはなあ。
異世界から現実に戻るときは3さすがに仕方なかったけど。
でも、それと直接関係なさそうな部分まで強制終了というのがここのところ多い。
貴史とのケンカとか両親との再会イベントとかまでいきなり終わってしまったし。
なんというか全然話が膨らまない。
話は繋げていくのが前提のはずだし、異世界みたいにどうしようもなく脱線する場合や、
無理や矛盾が多すぎる場合以外は何とか繋げていかないか?
323名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/14(火) 17:27:18 ID:PJeDKfII
順子「>>321、ログを検索してみても無いみたいね」
夏江「本編では318の寝言が初出みたい」

順子「>>322、こらこら折角のイベントを夢や魔法にして終わらせない」
夏江「320は318の寝言の内容を言っただけでイベント自体はこれからみたい」

順子「じゃあ明日からの1、2年生限定イベントに向けて続けてちょうだい」
324名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/14(火) 19:00:48 ID:/CTOVl7B
>>323
一応、林間学校の初出は1スレ目784。全学年参加することになってる。
過去に書かれたシナリオをむげに扱うのも忍びないんでサルベージしてみた。

http://www.sakura-network.jp/stk/log/MGSTS-4.1.html#R784
784 名前:名無しくん、、、好きです。。。 :2005/11/28(月) 23:39:16 ID:skKoC+H4
あっという間にホームルームとなった。
松永「いいかー?もうそろそろこの学校恒例の林間教室の時期になった。
うちの学校は他学年も全員行く事になっている。
だから一年生には先輩としてリードして欲しいそして三年生には良い思い出を残してもらう為に良い企画を考えてくれ!
あと、班とかも決めといてくれ!以上!それじゃ解散!!」
大輔「ふー…平凡過ぎると学校も終わるの早いなあ…」
325名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/15(水) 05:56:55 ID:E63LGtKu
【ポッキーに尋ねてみる】
大輔「なあ、恩田とゆかりはどうなったのかな?」
しゃがんでポッキーに話し掛けてみるが言葉を返す訳もなく。
ただその円らな瞳が『サルベージ乙、これからもよろしく』
なぜかそう物語ってる気がした。
???「ふふん、気になるぅ?」
振り返ると
大輔「ゆかり!」
ゆかり「恩田君も話してみれば根は良い子よね」
なにやら俺の知らないところで進展があるようで。
やばいぞ。ひとつ屋根の下でリードしてる筈なのに。
って何焦ってんだ俺?
326名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/16(木) 02:13:30 ID:HeslXHv7
大輔「!?」
急に鳥肌が立った。同時に殺気にも似た強烈な視線を感じる。
ふと背後をみると窓越しに変なジェスチャーを送っている男がいた。
意味は多分…、
『チョットコッチニコイ。コナケレバヨウシャシネェ』
大輔「…ちょっと行ってくる」
ゆかり「?」
ポッキー「…わおん」

小太郎「すまんな。少し聞きたいことがあってな」
見当はつく。今の話のことだろう。
しかし聞いていたとは趣味が悪いというか地獄耳というか…。
大輔「…恩田のことっすか」
小太郎「物分かりが良いな。で、誰なんだよ、そいつは!あァ?」
大輔「…なんで急にキレてんだよ…」
小太郎「おっと悪ぃ。いや、どこの馬の骨ともわからん野郎とゆかりが付き合ってるなんてぞっとしなくてな」
だからって俺に当たらないでほしいもんだが。
まあ俺も何故か面白くはない。恩田の人となりは十分知ってるのにな。
いや、知っているから嫌なのか…。
小太郎「なあ、どんな奴なんだ。教えてくれないか」大輔「恩田は…」

【変態だ】
【良い男だ】
327名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/16(木) 21:42:08 ID:kgX79I+j
【変態だ】
大輔「恩田は一言で言うと盗撮趣味の変態ですかね」
小太郎「盗撮趣味の変態だと!」
大輔「もっともそれさえ除けば外見も性格も良い男なんすけど」
あれ?
何か小太郎さんの耳には入ってないみたいだ。話す順序を誤ったか?

朝食の瑞瀬家の食卓は修羅場と化した。
小太郎「認めん!盗撮趣味の変態などとの交際など断じて認めん!」
ゆかり「だから交際とかそういうレベルじゃないんだってば」
小太郎「そんな変態野郎と話す事も認めん!」
ゆかり「何言ってるの!恩田君のこと知りもしないで勝手な事を言わないで!」
小太郎「知らなくても分かる!ろくな奴じゃない!」
ゆかり「あったまきた!もうお父さんとは口きかない!」
そのまま朝食を終えたゆかりは家を飛び出していった。
さとり「いいの?何年ぶりかしら?」
小百合「しーらない」
小太郎「どぅしよぅ…」
そんな涙目ですがるように俺を見るなよ。さっきまでの威厳は微塵もないな。

俺はゆかりを追い駆けて家を出た。ゆかりと並んで学校への道を歩く。
ゆかり「少し言い過ぎたかも。私だってついこの前まで話もしないで恩田君を誤解してたもの」
成長したなゆかり…成長…胸…そう言えば女性の胸は彼氏に揉まれると大きくなるとか…まさか恩田と!
俺の中で妄想が膨らみ始めた。
【モンモンモンモン…】
【妄想を止める】
328名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/19(日) 02:51:06 ID:ru963Ejm
【妄想を止める】

やめとこう、なんか頭痛くなってきた。
ゆかり「そう言えばさ、大輔」
大輔「何?」
ゆかり「なんのかんので、あれからもう1年経つんだね」
大輔「……何の話だ?」
ゆかり「ううん、何でもないの。てへへ」
大輔「また容赦なくギリギリな話だな」
ゆかり「……時の経つのは早いというか遅いというか、変な感じ」

貴史「よう、お二人さん、おはよ」
美咲「お早うございます」
貴史と美咲さんが現れた。
大輔「やあ美咲さん、おはよう」
ゆかり「おはよう、美咲ちゃん」
美咲「ふふ、朝から仲が良いのね」
ゆかり「な、そ、そんなんじゃないよ。ね?大輔」
大輔「え?あ、ああ」
美咲「そうそう、理恵ちゃんたら今朝も機嫌悪かったけど、大輔君駄目よ〜」
大輔「な、何の話っスか?」
美咲「さあ?ふふ、何の話かしら?」
美咲さんが意地悪く微笑む。
大輔「きょ、今日から林間教室だったよね?美咲さんは準備は大丈夫?」
思わず話題を変えてみた。
美咲「え?ええ、バッチリ、抜かりはありませんわ。今からすごく楽しみ」
ゆかり「そうだね、1年から3年までが縦に分かれて班分けされるから、
  どんな1、2年が同じ班になるか、ちょっとドキドキだよ」
そんな折、貴史が耳元で囁いてきた。
貴史「ようよう、あのさ、俺って何となく、ナチュラルにスルーされてない?」
大輔「………」
329名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/27(月) 01:01:48 ID:M991KR/r
俺達が学校に着くと校庭にバスが数台並んで止まっていた。
観光用のでかいヤツだった。

ゆかり「なんだか、いよいよって感じだよね」
大輔「いきなりって感じがするんだが、俺の気のせいか?」
貴史「まあ、小せえこと気にすんなって」
大輔「でさ、俺達どこ行くんだっけ?」
ゆかり「……」
美咲「……」
貴史「お前さ、昨日のホームルームで聞いてなかったのかよ?それに何度も話があっただろ」
大輔「いや、多分俺聞いてない」
ゆかり「…あのね、さっきも言ったけど、1年から3年までが縦に分かれて合同の班が幾つか作られるの。
   私は3年生だから、1年生と2年生から、誰が同じ班なるかはまだ知らないけど、
   それでね、今年の林間教室は行く場所も大きく3つに分かれるの」
大輔「え?そうなの?」
ゆかり「うん、海コースと、山コースと、沖の島コース」
大輔「ほほう」
美咲「ほほうって、大輔君……」
貴史「海は結構有名どころの海水浴場兼キャンプ場で、山はかなりド田舎なところらしい、牧場があるんだってさ。
   沖の島は小さい島で、山あり川ありの結構イカしたところらしい。フェリーに乗り換えて行くんだそうだ。
   で、今年はそれぞれの場所で、チーム別にコテージが用意されるんだってさ、すげーよな?うちの学校」
大輔「さすがに全校生徒が一挙して押し掛けるのはまずいってことかな?」
貴史「さあ?どうなんだろうな」

俺は、
【海コースだったはず】
【山コースに決めた気がする】
【沖の島コースかな?】
330名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/27(月) 20:10:28 ID:geOY/gkN
順子「少し前に出たことも無視して進むのはいかがなものかな」
夏江「なんのこと?」
順子「319では明後日の朝、つまり明日からの筈だった。いきなり1日分消されたわね」
夏江「順子、こまかいことはキニシナイ方向で」
順子「なに言ってんのよ。これが順子クオリティでしょ」
夏江「いいから329の流れで続けましょうよ」
順子「メインキャラ外されたのは伊達じゃない!」
夏江「それ威張れないか…ゲフッ」
順子の裏拳がヒットし夏江は額から流血した。
331名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/27(月) 21:25:17 ID:81O+F53Y
夏江「今はライターがかなり少ないみたいだし、少しくらい展開前倒しでもやむをえないわよ」
順子「そうか?」
夏江「今のペースだと一日経過に何週間かかることか…」
順子「日本語おかしいわよ」
夏江「大きな問題がなければ続けてもいいんじゃない?」
順子「それが気に入らなくて離れる人がいたらどうすんのよ!」
夏江「でも展開の遅さにうんざりして去る人がいたらどうするの!?」
順子「早すぎてもダメだろー!」
夏江「なにも超展開なんて望んでないわよ!」
332328の人:2006/11/27(月) 22:36:23 ID:H9NR22pT
あ、いや、素で間違えてたんですばい。
今更「間違ってますた」って言い出せなくて。
もう、どこがなにやら。
333328の人:2006/11/27(月) 22:41:39 ID:H9NR22pT
そんなわけで吊ってきます。orz
334名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/01(金) 20:33:26 ID:y3bJqbxs
懐かしいなぁ。久しぶりにここ来たよ。
まだ続いてるみたいだね。
しかし、まあ…まとめサイトほったらかしだねwwww
まとめでも見て現状把握でもしようと思ったんだけどさ
335名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/02(土) 02:43:30 ID:p1p4wBq3
とりあえず続けてみよう。
新展開が始まったばかりだし、いくらでもフォローはきくはず。

【山コースに決めた気がする】

大輔「山…」
確か海関係は選ばなかった。
いや選びたくなかった。
嫌でも思い出してしまうから。
儚げで力なってやりたかった、でも決して許せもしない少女のことを…。
だから避けるように山を選択したんだ…。

同伴の先生には響子先生もいたはずだ。
ケガや病気になったとき心強いが、そういう事件が起こるフラグになってないか不安だ。
…なんてことを、もし口にしたら殺されるな。
さて、知り合いは3〜5人程度しかいなかった気がするが、誰だっただろう?
336名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/02(土) 04:38:41 ID:7Yd4YJMh
委員長「おはようございます、月島先輩、瑞瀬先輩。おはよう、村上君、氷室君。
 月島先輩、私も沖の島です。よろしくお願いしますね。」
美咲「あ、えーと、鈴木さん?はい、よろしくね。」
気が付くと俺達の傍に委員長が来ていて、爽やかに挨拶をしてきた。
委員長−−−鈴木綾−−−なぜかあの後、沖縄での出来事で例の少女が居た場所が委員長に置き換わっていた。
だれもがその記憶を持っていて気になるところではあるものの、今は考えないようにしている。
委員長「今でも意外だな。氷室君は私と同じ沖の島を選ぶと思ってた。でも戻ったらお互いにお土産話しようね。」
−−−委員長『恋とか意識した事はないけど、好かれるのは悪い気はしないな。』
沖縄で俺が委員長が一番好みと言ったのは、当事者が聞いた事になっていた。
隣の席って事も有り、以前より委員長は親しく話してくれるようになった。
本来なら喜びたい事だが、例の少女の件が心に引っかかり、気を抜くと俺自身も委員長に例の少女を重ねて見てしまう。
今回は一緒に沖の島を誘われたのに、なぜか一歩引きたい気持ちになり、後で土産話をしようと断ってしまった。
大輔「残念な気もしてきたな、そう言えば今回も大胆Uカットの水着?」
委員長「不正解、スク水です。ああいうのは気のある相手にしか見せません。」
・・・今、何と言いましたか?
貴史「なあ、委員長、代わってくれよぅ。今ならまだ。」
委員長「ダーメ、村上君は海。」
貴史「あの時、あの時、グーさえ、グーさえ出していなければ。美咲さんと一緒だったのに。」
彼方「おはよう。みんな早いね。いよいよ牧場行きだね。」
そう山へ行く俺の知り合いは、2年は彼方、環、恩田、3年にゆかりと澪だったな。
あれ?これだけだったか?知り合いと言えば、1年のひなたは確か・・・
337名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/03(日) 03:44:03 ID:/XOE2dEw
>>334だが、もうこのスレ一年以上続いてるよな?
始めからいる奴ってどれくらいいんの?
流れ切ってすまない
338名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/03(日) 10:51:52 ID:vrLRdXgU
>>337
一応初期からいる。
まあ異世界のあたりはかなりROMってたけど…。

大輔「ひなたは?」
順子「沖よ。あまりキャラが多くても収拾がつかなくなるから」
大輔「なんだそりゃ…」
彼方「何ひとりでブツブツ言ってんだよ…」
大輔「あれ?今誰かとしゃべってたのに」
彼方「…寝ボケてる?」

そして程なくして山行きの知り合いが揃った。
339名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/03(日) 15:35:41 ID:xkMBHM6e
大輔「明日香と蓮華は?」
夏江「海よ。明日香は山に行きたがってたみたいだけど…」
大輔「って、アンタ誰だよ!」
彼方「大丈夫? 頭イッちゃったか?」
大輔「あぁ、何でもない…」
何か変なモノがいる気がする。
響子「山行きのバスはこっちだ! さっさと乗れ!」
響子先生がバスの側面を開け、生徒の荷物をちぎっては投げ入れている。
(生徒をちぎって投げていないだけマシか…)
なぜか、開けたバスの窓から生徒を放り込む姿を想像してしまった。
大輔「んなバカな」
ゆかり「大輔? 先行くよ?」
彼方「バカは放っておいて先に行こう」
環希「そうね」
澪「私も先に行くぞ」
恩田「大輔君、大丈夫かい?」
大輔「へ? あれ? 他の連中は?」
恩田「君が惚けてる間に先に行ってしまったよ」
大輔「マジか、ヒデェな」
恩田「僕ももう行くよ」
俺も荷物を持ち、バスに乗り込む。(荷物は当然のごとく響子先生に奪い取られた)
え〜と、空いてる席は…
恩田「お〜い、こっちだ」
恩田が手を振ってくる。知り合い5人が密集しているようだ。
とりあえず、そこへ向かう。
恩田「今からくじを引いてもらうよ。
  1から6まで番号が書いてあるから、引いたくじの番号に従って座るんだ」
みんなで一斉にくじを取る。俺の番号は…
340名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/05(火) 02:56:42 ID:n8HKomwO
保守あげ ガンガッテください。
341名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/08(金) 07:39:23 ID:Klo1kbk4
くじは6番だった。

澪「そうか、だったら私の隣はお前か」
澪が俺の引いたくじをのぞき見した後、5番のくじをひらひらさせながらそう呟いた。
ゆかり「ええ?大輔6番?私1番だから………」
環希「2番はあたしだから、よろしくね、ゆかり先輩」
ゆかり「うう………」
彼方「4………」
恩田「やあ、僕の隣は彼方さんですか?いやあ光栄だなあ」
彼方「……4!さすが4!朝からブルーだよ」
恩田「なぜ!?」

響子「おいコラ!そこ何やってる!さっさと座らんか!」
響子先生の怒号がバス内に響く。
俺達は急いでくじで決めた席順にバラけた。
響子「ったく、誰が隣でも構わないだろうに。……まあ、若いってことか」

???「…そう言えばさ夏江、近くに牧場があるんだって。後で行ってみる?」
???「……前にね、牛に噛まれたことがあるの私」
俺達の後ろの席のほうから以前どこかで聞いたことがある誰かの声が聞こえたが、
はて気のせいだろうか?

何はともあれ、俺達を乗せたバスは出発した。
342名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/14(木) 03:36:28 ID:eLYOC0nv
恩田「それで…なんですよ」
ゆかり「えーそうなのーそれも楽しそうだねー」
ああなんか3と4は前後に話し掛けるのも楽でいいなー。
でも恩田は前に乗り出して怒られないのかなー。……響子先生、熟睡ですかorz
彼方「あー、明日香。そっちはどう?」
大輔「明日香?」
彼方「うん、携帯。ふたりでソフトモバイルの定額プラン契約してさ。今回は山と海で実況中継しちゃおうって訳」
彼方が振り返って電話したまま話した。
大輔「時間帯に気をつけろよ」
彼方「夜は使わないからへーきだよ」
彼方「へー、そっちは松永がテンション高すぎで、みんなブルー入ってるんだ。やっぱ今回の大はずれは海だね」
彼方「え? 恩田の声が聞こえるって? ああ、ゆかりとそれはもー楽しそーに喋ってるよ。え? 今すぐ代われ? 恩田、ほら!」
恩田「なんだよ。盛り上がってるのに。何?…………切れたぞ」
彼方「えー? あれ?……圏外……」
……ソフトモバイルのエリアは予想外に狭かった。相当な田舎に行く俺たちにはもう連絡は取れないだろう。……明日香……合掌……
大輔「ぐっ…」
澪「何だアレは、何で恩田の奴はゆかりと楽しく喋ってるんだ?」
いかにも不機嫌そうな澪の肘が俺のわき腹に決まった。
大輔「ゆかり達は楽しそうだが、何怒ってんだ?」
澪「分かるだろ、恩田が楽しそうにしてるのが許せないんだよ」
大輔「恩田がゆかりと楽しくしてるのが許せない? まさか、澪、お前恩田の事…」
澪「なっ、何勘違いしてんだ! べっ、べつに恩田の事なんて好きでも何でも無いんだからね!」
澪は真っ赤な顔になって大声をだした。…バス中に聞こえてるってばよ。
大輔「実在するとは……これが……ツンデレ……」
しかし最近の恩田はモテモテだな。明日香にゆかりに澪までかorz
その時、大輔は気付いていないのだった。ゆかり、美咲、彼方、理恵、ひなた、委員長、美影…大輔に好感を持つ女性の方が多いということを。
343名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/14(木) 03:38:46 ID:eLYOC0nv
つっこみ入る前に補足。
美咲は初代スレの仮面ライダー前、大輔を気にする雰囲気が有ったし、まだヒロインから外れた訳じゃないという話も有ったので。
貴史や日比谷に次いで大輔にも好感は持っているだろうという事。
美影は今後が有るか分からないものの、これまで大輔に気がある素振りを見せていたので。
まあ、これまでの流れからすると、ゆかり、美咲、彼方、理恵、ひなた、委員長、美影までを考えておいていいのかなと。
344名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/17(日) 00:43:37 ID:V0WsckMZ
>>343
順子「滑稽ね。大輔のまわりからは1スレ目で美咲、2スレ目でゆかり、3スレ目で蓮華、そしてこの4スレ目で美影が消えているのに。」
夏江「順子、私たちはシナリオが潤滑に流れるように裏方をしていたんじゃないの?」
順子「夏江、私たちは誓ったじゃない。存在を無視されて裏方に回されてから、あの男、大輔に復讐しようって。」
夏江「そんな、でも、もう何か見てられないよ。」
順子「何を言ってるの?今はチャンスなのよ。シナリオを裏で操る力を持った私と似通った力、シナリオを紡ぎ出す力を持った存在、美影が居なくなった今が。」
夏江「私は、裏方でも、このスレ好きだから、そんなことを言う順子には同調できない。」
蓮華「待ちいや、順子はん。納得いかんて。」
順子「おやおや反逆?裏方2番煎じの夏江と無理やり連れて来られたできそこないの蓮華が束になっても怖くも何とも無いわよ?」
夏江「それでも、私は順子のしようとしてることを認められない。」
順子「あんた達は周りから女性や友達が消えて孤立してゆく大輔を眺めていれば良いのよ。」
順子は夏江の額を軽く弾き、夏江はそれだけで弾き飛ばされた。
蓮華「夏江はん。」
蓮華が夏江に駆け寄る。起き上がった夏江は額から血を流していた。
夏江「負けられない。今度ばかりは。私の命に代えても引き下がれない。」
夏江は強い意志を持った瞳で順子を見据えた。
345名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/21(木) 06:46:36 ID:WBxia8FS
意識が遠い。
しきりに誰かが俺を呼び、揺すっている。
大輔「……う…」
ゆかり「大輔、大輔、起きてよ〜」
大輔「…ゆかり? 俺は…寝てたのか。着いたのか?」
バスの中にほとんど人はいなかった。彼方たちの姿もない。
だけど目的地には見えない。
窓から見えるのは、何台もの停車した車とそこそこ大きな建物、そして道路くらいだ。
ああ、サービスエリアか。みんな休憩に降りたってわけか。
…響子先生は相変わらず寝てんのな。

ゆかり「大丈夫? うなされてたよ?」
大輔「ああ…悪い夢を見ただけだ。気にすんな」
ゆかり「すごい汗だよ。どんな夢だったの?」
大輔「…つまんねえ夢だよ。ゆかりや美咲さん、ついでに蓮華がもう消えたって変な女が言っててさ。
   んなわけねえのに妙なリアリティがあって…」
別にもうフラグが立つことのない女に怯えてるわけじゃない。
でも声と体が少し震えていた。そして腕に今さら有るはずの無い痛みを感じた。
大輔「単なる夢だってわかってるのにさ、すげえ怖いんだよ。
   また彼方みたいに突然いなくなるんじゃないかって…」
ゆかり「大丈夫だよ」
やわらかく、ぬくもりのある腕が抱きしめてくる。
ゆかり「私はいなくならないから。私は彼方ちゃんとは…違うから。どこにもいかないから」
こいつ、相変わらず彼方と張り合ってるのか。
まあそれはともかく…暖かい。なんとなく落ち着いてきた。

【もう大丈夫だから放してくれ】
【もうちょっとこのまま】
346名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/23(土) 18:14:21 ID:8Uh7TyUi
夏江「某創作スレは少しずつ再開しはじめたみたいね。このスレも頑張らないと」
347名無しくん、、、好きです。。。:2007/01/02(火) 22:49:21 ID:vKJPg75c
【もうちょっとこのまま】
ゆかりの優しい気遣いがとても暖かい。今はもうちょっとこのままでいたい。
俺はそっと目を閉じ、ゆかりの腕に身体をあずけた。

少し車内がざわつき出した。休憩が終わったらしい。
???「すげー、こいつら抱き合ってるよヲイ」
見知らぬ声に自分の状況を思い出し、ハッと目を開けた。
そして辺りを見回し、ゆかりを引き離そうとする時に見えたものは・・・
無言で俺を睨む恩田と、じと目でゆかりを睨む澪だった。
澪「二股かよ、この女・・・」
そこへ、突進という言葉が相応しい勢いで割って入り、こちらに向かって来る者が有った。
彼方「アンタ、どさくさ紛れに何やってんのよ!」
彼方がゆかりの肩を鷲掴みにして俺たちを引き剥がす。
ゆかり「え?あれ?えーと・・・」

何はともあれ、それ以上の暴力沙汰などなく収まったのは良いものの、
俺たちの座っている一角は重苦しい雰囲気になり、周りには興味津々で見る者も現れ出した。
こうして考えると、ひと波乱有りそうな知り合いが揃ってしまったようだ。
澪「イイ性格してるな、お前の従姉妹は・・・」
バスが再び走り出す時、澪の嫌味が俺に突き刺さった。
348名無しくん、、、好きです。。。:2007/01/05(金) 09:58:34 ID:Namg92uP
澪「……しかし、大輔」
隣の澪がおもむろに話し掛けてきた。
大輔「何だよ」
澪「あー………、まあ、その、なんだ」
大輔「だから、何?」
澪「前からな、気にはなっていたのだが……」
大輔「?」
なんだか妙に澪の歯切れが悪い。
澪「あ、いや、そのな、お前と月島は………」
大輔「ゆかりが何だよ」
さっきのことで俺は少しやさぐれていた。
澪「………実は2人は付き合っているのか?」
大輔「……………は?」
一瞬目が点になった。
澪「だっ、だから実は2人して内緒でこっそり付き合い始めてて、
 私や皆はそんな事情を知らないマヌケなピエロなだけか?と聞いているのだ!」
澪が俺の耳元で、俺にしか聞こえない大きさの声で早口にまくし立てた。
澪の顔がいつになく真っ赤になっていた。
……コイツ、さっきゆかりのこと二股とか言ってたくせに。

【「ああその通りだぜ!ベイベー」俺は口から出任せを言った】
【「ノンノン、俺が好きなのは澪、お前だけだぜ!」俺は口から出任せを言った】
【「んにゃ、なーんもねーべ」俺は肩を落として正直に答えた】
349名無しくん、、、好きです。。。:2007/01/05(金) 10:04:41 ID:Namg92uP
はう?ゆかりは月島じゃなくて瑞瀬だっけ?orz
350名無しくん、、、好きです。。。:2007/01/08(月) 23:25:52 ID:rVDKvx+5
【「んにゃ、なーんもねーべ」俺は肩を落として正直に答えた】
大輔「んにゃ、なーんもねーべ」
俺は肩を落として正直に答えた。
澪「お前にとって瑞瀬はどうでも良いのか? 嫌いなのか?」
大輔「嫌いなことはないよ」
澪「ならこの林間学校中に瑞瀬を落とせ。 そうすれば恩田はフリーに、じゃないフラレて面白い」
大輔「おい、それは澪が傷心の恩田に近付くために俺達を使うってことか? 何なんだよそれ」
澪「な、何言ってんだ!」
一瞬、バス中に聞こえる素っ頓狂な声を上げた後、さっきより小声にして澪は続けた。
澪「いいから、お前はこの林間学校中に瑞瀬を落とせ。 分かったな?」
大輔(こいつ、ツンデレどころか恩田を好きなことに自分自身気付けないおネンネか?)
それよりも澪と恩田のことは好きにさせるとして。
さっきから瑞瀬を落とせ、落とせって、まるでゆかりを物のように言う態度にムカついてきた。

【澪を怒る】
【適当に聞き流す】
351名無しくん、、、好きです。。。:2007/01/15(月) 21:17:50 ID:6hWoy0lk
フェイトver.βことカンチは神奈川の知障
352名無しくん、、、好きです。。。:2007/02/04(日) 03:29:38 ID:GJMajK18
保守
353名無しくん、、、好きです。。。:2007/02/04(日) 10:54:44 ID:KR00dNYC
【適当に聞き流す】
澪「おい、聞いてるのか?」
俺は返事もせず澪が話を止めるまで適当に聞き流す事にした。
澪「だから林間教室、林間教室って拘ってて、林間教室が始まったら流れが止まるとはどういう事だってんだよ」
大輔(こいつも中々にヤヴァイ発言を……)
そんな時、誰かが歌い続けているのに気付いた。
???「ある晴れた ひ〜……」

ゆかり「ねえねえタマ、さっきから何歌ってるの?」
環希「えっ? 私なんか歌ってた?」
ゆかり「うん、ドナドナ。 お経みたいに口ずさんでて怖かったよ?」
環希「あれ〜? 全く記憶にございません、あはは」
ゆかり「それから時々、『男なんて』って吐き捨てるように言ってた……何かあったの? 役に立てるかは分からないけど。 相談に乗るよ?」
環希「あ〜、うん、相談できるかどうか。 でも、ありがと。 相談したくなった時にお願いして良いかな?」
ゆかり「うん」
環希「ところでさ?」
ゆかり「はい?」
環希「ゆかりは大輔と恩田、どっちと付き合うつもりなの?」
ゆかり「う〜ん、最近思うんだけど、付き合う……とかじゃなくてさ、そうなっちゃうとあのふたりは付き合ってるからって、距離を取られちゃうじゃない? それより皆で仲良くしたいかなと思う。 焦って付き合う必要もないのかなって」
環希「でも相手が特別な関係になりたいって言ってきたら?」
ゆかり「……う〜ん……その時に考えるよ。 今は私を好いてくれる相手とは男女問わず仲良くしたいし、そんな皆には幸せでいて欲しいし、困っている時は私で何かできるなら力になってあげたい。 そういう付き合い方がしたい」
環希「そっか……私は最高の親友を持ったみたいだな……」
環希は少し涙ぐんでいた。
354名無しくん、、、好きです。。。:2007/02/21(水) 08:45:00 ID:UETZrGvZ
保守
355名無しくん、、、好きです。。。:2007/03/01(木) 01:35:33 ID:oWcZdAnG
保守
356名無しくん、、、好きです。。。:2007/03/04(日) 06:21:34 ID:Lw88hCLK
久しぶりに見てみたが全然進んでないな…
もう人もいない悪寒orz
展開的に当分は強気のヒロインばっかってのも書きづらい原因か
林間教室というネタ自体が駄目とは思わないけど

プレイヤー「……」
【このまま続行】
【セーブデータをロード】
【メッセージスキップ】
【電源を切る】
357名無しくん、、、好きです。。。:2007/03/04(日) 08:26:30 ID:VQKOxpQq BE:317024238-2BP(7778)
っ【リロード】
358名無しくん、、、好きです。。。:2007/03/09(金) 13:30:11 ID:HJVGnk3H
順子「充填完了! 派手に散りなさい!」
夏江「そんなことしたら終わっちゃうんじゃない? いろいろと…」
順子「伊達にあの世は見てねえぜ!」
夏江「聞く耳無し?」
359”管理”人:2007/03/25(日) 15:29:52 ID:fxMskOiI
過疎化によりアクセスが非常に減ったのと、サーバーの容量が足りなくなってきたため、
まとめサイトを閉鎖させていただきました。
大変勝手で申し訳ありませんが、ご了承ください。
360名無しくん、、、好きです。。。:2007/04/11(水) 01:15:45 ID:3HErX0y/
 ∩ 
//     
\\(^ω^)_
 \_    \
   ) 菁 /\\
 /   <  \\ 
/ /\ \  ∪
( / \ \
 \\   \ \
  \\   \ \
   ∪    \ \
        ⊂_)  
361名無しくん、、、好きです。。。:2007/04/15(日) 01:22:28 ID:PzSv7RCz
なんかもうだめなのか…
夢魔界がなければと思わずにはいられない
362名無しくん、、、好きです。。。:2007/04/15(日) 11:37:01 ID:dk/4lLPd
個人的にあれはあれで好きだった。発想・内容としては面白い。
問題は主要キャラの数だと思った。
363名無しくん、、、好きです。。。:2007/04/15(日) 21:16:56 ID:0jFWS18l
>>356 もうちょっとだけ続けてみようか

響子「おおい、お前ら、そろそろ到着するから、忘れものすんなよ」
響子先生の声がバスの中に響いた。
…高速道路を降りてからどのくらい経ったんだろ?
なんだかずいぶん長いことバスに乗ってたような気もするが、はたして気のせいだろうか?
環希「あ、牧場だ」
環希の声に反応して窓の外を見ると、のどかな風景が広がっていた。
ゆかり「あ、見て見て、牛がいるよ」
大輔「ホントだ、牛だ」
彼方「牛だね」
恩田「ほほう、牛だ」
澪「まさしく牛だな」
環希「…なんで、みんなあたしと見比べてんのよ!」

恩田「他意はない」
大輔「そうだぞ、気のせいだ」
彼方「気のせい、かな?」
澪「お前の気にしすぎだ」
ゆかり「そうだよ、気にしすぎだよ、気のせい、気のせい、ね?」
環希「……」

ゆかり「でもなー、そっかー、あれが牛か…、大っきいなーっ」
恩田「以外に迫力だな」
大輔「うわ、あれなんか見てみろよ、すっげーでけーっ!!」
澪「あれがホルスタインってやつか?」
彼方「どうかな、やっぱ本物って、大きいね」
環希「…せ、先生!みんなが、みんなが!!?」
響子「気にするな」
環希「うっ…ううううう!」
そうこうしているうちに、バスが牧場の入り口で止まった。
364名無しくん、、、好きです。。。:2007/04/18(水) 13:35:23 ID:eHRxZiNV
落ちそうだからあげ
365名無しくん、、、好きです。。。:2007/04/28(土) 17:35:30 ID:svbTHMTg
バスを降りて点呼。
響子「いない奴はいるかー?いたら返事しろよー」
素で言っているのか、ボケで言っているのか。まあ響子先生だから仕方ない。
響子先生は真面目な面持ちで名簿を見つつ、俺達の顔を見渡していた。
全学年を縦に3つに分けたとはいえ、かなりの人数だ。
大輔「100名ちょっとはいるかな?」
彼方「……あれ、あれ?」
大輔「ん?どうした彼方」
彼方「え?ああ大輔、そのね、恩田がいないんじゃない?」
大輔「あん?……………そういえばいないな」
気がつけば恩田の姿がなかった。

大輔「先生!恩田がいませーん!」
響子「あぁ?」
響子先生がちっと舌打ちをして俺を睨んだ。…いや、睨まれてもなあ。
響子「恩田?……ああ、写真部の変態小僧か、ちゃんと監督しとけ馬鹿者!」
大輔「…………」
……恩田、お前すごい言われようだぞ
ゆかり「あらホント、恩田君いないね」
澪「なあ、アレじゃないか?」
澪が牧場のほうを指差した

恩田「ねえねえ君々、牧場の人?観光客?馬に乗ってる姿すごく良いよ!
  ずごいカッコイイ!それに君可愛い!ミニスカなのに馬に乗って平気?怖くない?」
???「え?あ、あの、その………………」
恩田「恥じらい!その恥じらいがたまらない!見えそうで見えないのが尚良い!」
???「ええと、あ、あの……………?」
恩田「写真!写真撮らせてもらって良いかな?良いよね!?その困った表情サイコー!」

響子「氷室、学校の恥だから、あいつを止めてこい」
大輔「……嫌です」
366名無しくん、、、好きです。。。:2007/04/30(月) 18:33:58 ID:kpDmbbRh
???「……『ずごいカッコイイ』ってなんですか?」
367名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/02(水) 02:41:21 ID:u0WC5AOb
恩田「ずごい!ずごいカッコイぐは!!?」
大輔「さっさと戻れ!馬鹿者」
???「……あ」
大輔「君、うちの変態が悪かったね」
???「あ!?い、いえ、と言うか、あの、その人、白目剥いて……?」
大輔「大丈夫、当て身だったから死んでないはず、多分」
???「は、はあ………、あ、あの、どうもです」
馬上のミニスカの女の子はあっけに取られていたが、
俺はあえて気にせず恩田の首根っこを掴んだまま列に戻った。

響子「んん!じゃあこれからの予定を連絡するから
  各人、後で『聞いてなかった』がないように!」
響子先生がメガフォンで仕切り直す
響子「えーとな、お前らはこれから林間教室に入るわけだが、
  とりあえず人として節度のある学生らしい生活を送るように!
  分かったな!氷室!」
…なんで俺?しかも名指しで。
響子「あー、前置きはめんどくせーから諸注意事項は
  前もって渡しておいたしおりを良く読んどけ」
だんだんおざなりになってきた。そんなしおりあったっけ?
響子「じゃ、まあ班別けだ、今から渡すプリント通りにお前ら別れろ
  全部で12この班に別れるように書いてある」
澪「なんだ?これから班別けか、出発前にしとけ手際が悪い」
恩田「まったくだ」
大輔「…お前もう復活したのかよ」
???「えと、あの、い、1班から3班の人は、こ、こっちでーす」
恩田「やや、あれは、さっきのミニスカの人じゃないか」
…あ、本当だ。
368名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/03(木) 05:26:37 ID:Z4dTfRaX
配られたプリントを見てみた。
大輔「何々?おっ、俺は2班か」
ゆかり「あ、私も2班だよ、えへへー、一緒だね大輔」
環希「あら、あたしも2班だってさ、まあ、よろしくね」
澪「ふーむ、私も2班か、なんだか作為的なものを感じるな」
響子「お前ら、各自自分の班が分かったらさっさと分かれろ!
  あ、忘れるところだったが、7班から12班の6組は、
  もうすぐ別のバスが来るから、ここで待機」
すこし辺りがどよめく。
夏江「あのう先生、どうして半分こだけバスですか?
  まあ私は1班みたいだから関係ないっぽいですが、順子が9班だから……」
どこかで聞いたことのある声の女の子が響子先生に当然の質問をした。
最後のほうはごにょごにょと聞き取れなかったが
響子「それがだな、本来、お前らが泊まる予定だったホテルが、火事で燃えた」
一同「はぁ!?」
どよめきが大きくなる。
大輔「あの、先生、それマジで?」
響子「私は嘘は言わん。それで急遽……でもなかったが宿泊施設の変更を
  余儀なくされることになった。まあ、そんな遠くないところに、安宿…じゃなかった
  条件の良いところが見つかってな、半分だけそこに収容だ」
……収容って。
気がつくと彼方が俺達に背を向けてプリントを覗き込んでいた。
彼方「ほっ、………2班だ、良かった」
大輔「どうした?彼方」
彼方「え?ううん、な、何でもない何でもない、なははは」
恩田「9班?……………何故、何故俺だけ?」

???「あ、あのう、1班から3班までの人は、こっちに来て下さーい」
さっきのミニスカの女の人が、馬の上から小さい声で叫んでいた。
369名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/03(木) 12:12:16 ID:guLwCKOO
それにしても、生まれて初めて馬を間近で見た。
澪「馬だ」
大輔「馬だな」
ゆかり「大輔、馬だよ馬、大きいねえ」
彼方「ひゃー、でっかいねー」
環希「……て言うか、何で馬が?」
???「あ、あの、申し遅れました、わ、私、あの、その、種原茜って言います
 今回の、その、林間教室のインストラクターを務めさせて頂きます」
大輔「…ああ、なるほど?」
茜「あの、皆さん、よ、よろしくお願いします」
馬の上のミニスカの女の人が自己紹介をした。

大輔「へー、インストラクターの人なんだ」
茜「あ、あなたは、さっきの……………………変態さんのお友達」
思わず目と目が合ってしまった。今気がついたがこの人かなり可愛いぞ。
ショートカットがよく似合っていた。……しかし最後に聞き捨てならない一言を。
大輔「え?ああ、あはは…、さっきはどうも」
彼方「大輔、やけにニヤついてんじゃん」
ゆかり「良かったねー、大輔、可愛いコとお知り合いになれて」
環希「あ、あたしは別に何も突っ込まないからね」
大輔「何だよ、俺は別に」
茜「あ、あうあう、け、ケンカはだめなのです」
恩田「そうだな、最低な女たらしだなあいつは」


茜「……あ、さっきの変態さん」
大輔「なんでお前がこっちにいんだよ!もうバスが来るはずだろ!」
恩田「ふははははは!ミニスカのあるところに我はあり!」
響子「この馬鹿者!こんなところに!」
恩田「しまった!見つかったか!?では諸君また会おう!さらばだ」
恩田は響子先生に連れて行かれてしまった。
370名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/03(木) 13:54:58 ID:vZHzdeh/
ゆかり「恩田君だけ違う班だなんて、ちょっと可哀相だね」
澪「なんだ?お前、あいつのことがやっぱり気になるのか?」
ゆかり「え?あ、ちょ…、違うよ、なんだか仲間外れみたいだから……」
大輔「ゆかり……」
ゆかり「あ、大輔も気にしてるんだ〜っ」
大輔「…な、ば、馬鹿、ちげーよ」
ゆかり「気にしてるんだ〜っ」
大輔「だ、だから、違うって」
ゆかり「あそ、……大輔の馬鹿」
大輔「そこで逆ギレかよ」
ゆかり「大輔のバーカ、アホー」
大輔「てめえ、コラ!」


茜「あ、あの、あの大輔さんて人と、ゆかりさんて人は、恋人さん同士なんですか?」
彼方「え!?な!?こ、こ、恋!?ち、ち、ちが…」
澪「知らん」
環希「大輔ったらフラフラしてるから誰が本命なのかさっぱり分かんないのよね」
夏江「まったくです」
茜「……はあ、そうなのですか」

彼方「あれ?あんたは?」
夏江「……え?は!?…あ、あれ!?」
環希「あなた、誰?」
夏江「あれ?あれ?あれれ?」
371名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/06(日) 02:13:43 ID:m5vf+/Vu
大輔「…え?…オリエンテーリング?」
茜「はい、オリエンテーリングです」
…ずっと昔、ガキんちょの頃に聞いたことのある言葉を
馬の上の、ミニスカインストラクターの種原茜さんが語った。
環希「……あの、オリエンテーリングって、地図を見ながら
 チェックポイントを回りつつ、目的地を目指すアレですか?」
茜「はい、そうです」
種原さんは、にっこり微笑んだ。
茜「えとですね、皆さんには、これから、この種原牧場の裏手にある
 森林公園奥のキャンプ場まで行って貰います。
 そこが1班から3班さんの、林間教室第1日目の宿泊場所になります」
周りがどよめき始める。
茜「あ、それから、目的地まで、ここからだいたい、3kmちょっと……あるかな?」
とたん周りから『げー!?』『うぜー!』『なんだよそれ!?』
『だりー!』『騙された!』『やってらんねー!』
『荷物どうすんだよ』『ホテルじゃねーのかよ!?』等の、
やる気無し度98%な、反対意見が巻き起こる。
ちなみに、ここに集まっているのは1班から3班だけだったが
それでも30人近くいた。
茜「あうあう、ごめんなさいなのです、でもこれはもう、
 林間教室の行事として、最初から決まっていることなのです」
大輔「……マジかよ?歩くのか?山道を?……3kmも」
彼方「何?大輔。始める前から死にそうな顔してさ」
澪「日頃の精進が足りん証拠だな」
ゆかり「……あーうー」
環希「あら、こっちもすっかり顔面蒼白だよ」
夏江「3kmか…、はぁ…、キツイなぁ……」
澪「……ところで、さっきから気になってるんだが、お前、誰だっけ?」
夏江「………………………」
372名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/06(日) 11:08:10 ID:3KfaOlf/
茜「それじゃ早速出発です」
配られた地図を見ると、最初のチェックポイントだろう『ふれあいの里』ってところに赤丸がつけてあった。
……えーと、今ここだから、ここから3kmくらい道なりに歩くとして、最終目的地はと。
彼方「…大輔、何してんの?遅れちゃうよ」
大輔「え?ああ、悪い悪い」
気がつくと、みんなぞろぞろと移動を始めていた。
俺はとりあえず置いてあった荷物を背負ってみんなについて歩いた。
大輔「多分なんだけどさ、今日の宿泊先はここだろうな」
環希「へー、どれどれ」
大輔「道なりにここから3kmったら、このしらさぎキュンプ場しかないよな、ってね」
澪「ふむ、なるほど、ところで、……このマークは何だ?」
ゆかり「温泉マークだね、……あ!これって入れるのかな?」
茜「はい、入れますよ、なんと露天風呂です」
今の会話を聞いていたのだろう、種原さんが馬の上から答えた。
環希「露天風呂かぁ、やだなぁ、あたし水着持ってきてないよ」
ゆかり「私も〜」
夏江「私も水着持ってきてないし、どうしよう」
露天風呂と聞き、女性陣が嬉しそうに嫌がる。
……なんとなくやる気がわいてきた。
ん、何だかちょっと聞き慣れない声が混ざっていたような。
茜「向こうに着いたら皆さんは晩御飯作らないといけないので、
 早く行ったほうが良いですね。食事の後はみんなでキャンプファイヤーです。
 そうそう温泉のほうは、開放してあるから、いつ入っても大丈夫ですよ」
……林間教室、悪くないかも。
373名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/06(日) 11:30:56 ID:3KfaOlf/
今気がついた、
なんだよキュンプ場ってorz
374名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/06(日) 22:04:39 ID:I95a9n5x
ほどなくして牧場が森の陰に入って見えなくなった。まわり中が緑色だった。
何気なく見上げると、木々の間から5月の抜けるような青空が見えた。
こんなのを木漏れ日って言うのかな?
夏と呼ぶには少し早く、たまに通り抜けて行く風は涼しかった。
遠くから虫の大合唱が絶え間無く聞こえていた。
環希「あれー、もう蝉が鳴いてる?」
茜「今年は、少し早いかな?」
ゆかり「虫の鳴き声ってさ、静かなのか、うるさいのか、微妙だよね」
大輔「まあ、アブラゼミやニイニイゼミの鳴き声は脳髄に響くからな」
彼方「……ニイニイゼミの鳴く頃には、身悶えするくらいに
  うだるような暑さだから、風情もなんにもないよね」
大輔「………………………」
俺は特に何も突っ込まなかった。
環希「ねえ、あれって、チェックポイントじゃない?」
しばらく歩いた後、環希が前方を指差して声を上げた。
見ると『ふれあいの里』と、でかい看板が立ててあり、
看板のところには、俺達以外の何人かが集まっていた。
そこには机が設置してあり、多分あれは通過証拠のハンコだろう。
机の一角に穴が開いていて、大きな印鑑が紐でくくり付けられていた。
ちなみに、机は、小中学校で使われているアレだった。
何がどう『ふれあいの里』かは知らないが、看板の浦手は
少し開けており、ペンキの剥げかかったベンチがいくつか並んでいた。
ゆかり「ふー、休憩所だね、トイレもあるよ」
澪「見ろ、ジュースの自販機があるぞ!すごいな、ちゃんと電気も通ってる」
茜「い、田舎を馬鹿にしてはダメなのですよ」
彼方「でもコーラは売り切れだね、いつ入れるんだろ」
茜「…………………」
375名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/16(水) 17:33:57 ID:83IwZVIk
『ふれあいの里』看板の下にある机には、プリントが何枚か置かれていた。
環希「次のチェックポイントかな?」
環希が取り上げた一枚を、みんなで覗き見た。
ゆかり「んと、どれどれ?…えーと、じゃ、や、…あっ!…邪馬台の滝?」
彼方「!?や、邪馬台て、も、もしかして、あの?本当に?すごいじゃん!」
大輔「うわっ、嘘くさー」
環希「これはひどいなー」
澪「うむ、これはないな」
彼方「……え?……は?」

茜「あ、あのう、この辺一帯には、大昔、女王が統治する
 大きな国があったという、俄かには信じがたい伝説があってですね」
大輔「…またか」
環希「だね?!」
澪「うむ」
彼方「???」
ゆかり「……あのさ、邪馬台国って、確か、九州じゃなかったけ?」
彼方「あ」
大輔「あの国はね、諸説がたくさんあって、日本中にインチキな伝説が
 転がってて、取れる鉱石の関係上、岡山の吉備って話もあるよ」
ゆかり「はあ、…大輔って、たまに役に立たない知識に詳しいよね」
大輔「ほっとけ!それに役に立たないって言うな!」
彼方「…なんだ、本当じゃないのか」
大輔「彼方どうした?」
彼方「え?う、ううん、な、何でもないよ!なははは」

茜「あう、ぐすん、本当なのに……」
376名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/17(木) 12:20:16 ID:q5pV+9UL
男子生徒A「……なあ」
男子生徒B「ん?どうしたよ?」
男子生徒A「あそこだけ、なんつーか、温度っつーか、"色"違くね?」


大輔「だからさ、邪馬台国ってのは、日本中のあちこちに
 『実はここだった』的な諸説があってだな、本当はまだ
 どこにあったか、分かってないんだってば」
彼方「……あたしが知らないのを良いことに、
 みんなで嘘言ってんじゃないでしょうね?」
ゆかり「私、九州だとばかり思ってたよ」
環希「実は、日本じゃなくて、エジプトにあった。なんて
 変な説を真面目に研究してる学者さんもいるんだって」
澪「興味ないな、どうでも良い」
茜「あう、ホントのホントに、ここなのに………」


男子生徒B「……あ………アレか」
男子生徒A「なんであいつの周りだけやたら女の子だらけなんだよ!」
男子生徒B「何気にインストラクターの人も混じってんのな」
男子生徒A「ムカツクから、後であいつシメっか?」
男子生徒B「止めとけよ、まあ、気にすんなって」
男子生徒A「そう言うお前はどうなんだよ!」
男子生徒B「俺か?俺は塾で知り合った彼女いるから別に?」
男子生徒A「はあ?お前彼女いんの?」
男子生徒B「あれ?言ってなかったっけ?」
男子生徒A「はあ……彼女欲しい………」
377名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/24(木) 02:53:17 ID:oJp2PgQd
……数十分後
大輔「ぜーは、ぜーは」
ゆかり「ひー、ひー」
道は勾配がきつくなってきた。第2チェックポイントの「邪馬台の滝」とやらは、未だ見えない。
環希「あんた達ー、遅いよー」
澪「全く、だらし無い奴らだな」
彼方「こらー、ドンジリだぞ〜!置いてくぞー!」
大輔「…え?俺ら、ラスト?」
茜「はい〜、私は最後尾担当なので、あなた達が一番最後ですよ〜」
ゆかり「ひー、ひー」
大輔「ゆ、ゆかり?」
ゆかり「な、なによ?」
大輔「あ、あんまし、さ、お、女の子が、ひーひー言うもんじゃ、ねーぞ」
ゆかり「…………!う、うるしゃーーー!」
大輔「あ、壊れた」
ゆかり「ひーん!荷物重いよーー!」
大輔「ったく、バカだな、そんなに沢山持って来るからだよ」
ゆかり「だってだって!こんなに歩くなんて、思ってなかったんだもん!」
大輔「俺が、ゆかりの荷物、半分持ってやってんだから、もちっと頑張れ、な?」
ゆかり「うー」
環希「あんた達ー!もうちょっとみたいだから頑張れー!」
澪「やっぱり二股女は根性が足らんな」
彼方「大輔ださ過ぎ!それが元水泳部?気合い足んないよ!」
好きなこと言ってやがる。
大輔「てめーらの分の荷物も、半分ずつ俺が持ってやってんだろーが!」
ったく、そろいもそろって、こんな山の中に何持ってきやがった!
環希「あははー、大輔頑張れー」
澪「こういう力仕事は、男の役目だからな」
彼方「鞄の中見たら、殺すからねー!」
ゆかり「うう、だ、大輔〜、これも持って〜、お願い〜」
大輔「……………」
茜「若いって、良いですね〜」
378名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/30(水) 05:33:04 ID:j0cCd1A+
茜「ここが邪馬台の滝です〜」
大輔「………………」
前方の道端の茂みの間に、少しだけ岩肌が見える部分があり、
そこを涌き水がちょろちょろと流れていた。
水が流れ落ちたところに、洗面器くらいの小さな水溜まりが出来ていた。
……どう見ても滝には見えない。
大輔「なあ、種原さん」
茜「はい、何でしょう?」
大輔「あの涌き水が、邪馬台の滝か?」
茜「そうです。あれが由緒正しき邪馬台の滝です」
大輔「…………」
もはや何も言うまい。
環希「あ、見てよ、この石、何か掘ってあるね」
ゆかり「ホントだ、何て書いてあるんだろ?」
彼方「苔がビッシリ生えてて、さっぱりわからないけど」
茜「あ、その石はですね、ヒメキコソの石って言ってですね……」
ますます胡散臭い。
澪「おい、お前ら、次の地図があったぞ」
澪が道端の掲示板に貼付けてある真新しいプリントを見つけた。
うちの学校名と響子先生のサインが今日の日付と共に書いてあった。
大輔「何々?……ちょ、張政広場?」
どういうネーミングセンスなんだ?
茜「さ、中継地点は次で最後ですよ、急ぎましょうか」
何気なく見上げると、木々の間から静かな光が洩れていた。
379名無しくん、、、好きです。。。:2007/06/15(金) 09:33:06 ID:iCyhby0l
その頃、大輔の夢の中にいたはずのノヴァは…
ノヴァ「なに? 順子夏江省から文書が届いているだと?」
ハラワタ「はい。こちらです」
ノヴァ「ふむ…」
ハラワタからA4封筒を受け取り、中身を取り出す。
ノヴァ「なに、6ヶ月間の一部業務停止命令…だと?」
ノヴァ「Is it why !? 我々が何をしたと言うんだ!」
ハラワタ「いえ、私にも皆目見当がつかないのですが…」
ノヴァ「I am angry very much !!」
380名無しくん、、、好きです。。。:2007/06/21(木) 08:12:00 ID:5g9CD91P
茜「出発しますよ〜」
やる気のない顔の若者達がぞろぞろと群れを成して動き始める。
ここまでで疲れた者が多いらしく、悪ふざけをする奴はおろか文句の声さえ出てこない。
あまりにも無気力……若さをまるで感じない。昼間から不気味な光景だ…。
…もっとも、俺に言えたことじゃないんだが。ぜえぜえ…。

澪「情けない奴だな。この程度で息を切らすとは本当に男か?」
大輔「か、顔だけ涼しい奴が何言ってやがる…」
肩で息をしている女が挑発しても説得力などないわけで。
どこで拾ったかは知らないが、澪は長い木の枝を杖代わりにしていた。
それにしても、さっきから道の起伏が激しい。
バテてる野郎はかなり多く、まして女の子には相当きつい道のりだ。
当然、俺も例外じゃない。
遥か前方、先頭のあたりに目をやると、彼方や環希たちの姿が見える。
嗚呼、小さい。かなり距離が開いてる証拠だ。
大輔「あいつらは化け物か?」
澪「流石、筋肉質の体育会系どもは違うな。住む世界が別ということか」
大輔「……」
俺も去年までは同じ世界にいたはずなんだが…。
落ちたもんだな。確かに水泳やめてからろくな運動してないが。
体力に物を言わせた先頭集団は、どうも遅れてる者を待つ気は無いようだった。
中継地点で足並みを揃えればいいと思っているのか、単に連中も必死なのか…。
大輔「それにしても、さっきから誰か足りないような気が…」
澪「あれか?」
澪が俺達の遥か後方を示す。そこには、種原さんと今にも死にそうな顔のゆかりの姿があった。
一緒に歩き始めたつもりだったが、まさかこんなに差が出ていたとは。
俺自身必死で気づかなかった…。

【無理矢理先頭グループに追いつく】
【現在のペースを維持する】
【最後尾グループと共に行く】
381名無しくん、、、好きです。。。:2007/07/05(木) 17:43:17 ID:XhaPMYLA
夏江「……」
順子「!!」
382名無しくん、、、好きです。。。:2007/07/14(土) 02:17:19 ID:T+2T5anY
誰かが一人で全部書いてもいいから続けてくれ
結末だけは見たい
383名無しくん、、、好きです。。。:2007/07/17(火) 19:26:57 ID:+JByOqDG
まともな結末は見たいがもう収拾つきそうに無いな
思いきって新シナリオでも始めた方がまだいいかもしれん
もう参加者いなさそうだが
384名無しくん、、、好きです。。。:2007/07/19(木) 01:47:13 ID:QvaO6bOD
保守
385もうちょっとだけ続けてみようか:2007/07/24(火) 03:02:37 ID:lCuQBQwl
【最後尾グループと共に行く】

大輔「おい、何やってんだよ、ゆかり?」
ゆかり「だって…………」
大輔「だってじゃねえだろ、お前の荷物、俺がほとんど持ってやってんだろ?」
ゆかり「ううう」
大輔「ほら!それも貸せ!もうちょっとだから頑張れ」
ゆかり「うう、ありがと」
ゆかりは鞄を3つ持ってきていたが、内2つを俺が持ってやっていたので
最後の1つを受け取って、ゆかりはついに手ぶらになった。
…俺が背負っている環希と彼方と澪とゆかりの荷物は、これで今、何キロになった?
ゆかり「ああ、軽くなった〜、軽くなったよ〜」
大輔「ちくしょう、い、いいかげん、いくぞ(いろんな意味で)」
ゆかり「うん」
茜「若いって、良いわね〜」
馬の上の種原さんが涼しい顔で答えた。

そうこうしているうちに、やっとこさ坂道が終り、開けた場所が見えてきた。
環希「あ、ようやく到着だよ」
彼方「あんたら、遅いよ」
澪「ふん、根性なしめ」
ゆかり「うう、大輔、ごめんね」
大輔「………………お前ら、礼くらい言いやがれ」
茜「ホント、若いって良いわよね」
386名無しくん、、、好きです。。。:2007/08/04(土) 03:29:44 ID:yFFyHvf1
保守
387名無しくん、、、好きです。。。:2007/08/05(日) 06:34:46 ID:PB/o7FzI
小百合「大輔君、私…大輔君のことがずっと好きでした…」
大輔「ちょ、ちょっと待て。急に場面変わり過ぎた気がするんだが」
小百合「気のせいだよ。それより、私と付き合ってください…!」
大輔「断る」
即答した。
こいつの性格の悪さは十分知っている。一緒に住んでからもうお腹いっぱいなんです。
小百合「絶世の美少女の告白にその返事はないと思うよ」
自分で言うか。
小百合「じゃあ私だけの下僕になって。今月使いすぎちゃったの」
大輔「一気にランクが下がったんだが。それが本音かよ。絶対に断る」
小百合「えー!? だけど私は魔法を使えるのでした。これを見たまえー!」
大輔「へ?」
目を疑った。小百合の手には、恩田との友情の証――盗撮写真の数々が!
大輔「バカなっ! 絶対に見つからない場所に隠していたんだぞ!」
小百合「乙女のシックスセンスを甘く見たね。これが他の人の目に触れたら…あとは君の頭でもわかよね」
嗚呼、終わる。俺の人生が、終わる。

大輔「――っ!! …………ゆ、夢か……」
…寝てたのか。久しぶりに酷い寝覚めだ。体中に嫌な汗をかいてるし。
噂のBADENDかと思ったじゃないか。
とにかく、家に帰ったら隠し場所を見直さないと。

あれから宿泊場所まで大した距離は無かった。
だけど情けないことに俺の体力はすっかり果ててしまっていた。
部屋に着くなりベッドに突っ伏して、その後はまったく覚えていない。
今何時だ?
周囲を手でさぐると携帯が転がってたので開いてみる。

【二時間くらい寝てたらしい】
【あれ、二日目の朝だし】
【さ、最終日…?】
388名無しくん、、、好きです。。。:2007/08/17(金) 03:26:15 ID:U+oGhaaQ
【保守】
389名無しくん、、、好きです。。。:2007/08/24(金) 11:22:43 ID:6pRRdfnE
保守
390名無しくん、、、好きです。。。:2007/08/25(土) 16:42:15 ID:8ccpwphk
捕手
391名無しくん、、、好きです。。。:2007/08/26(日) 14:51:48 ID:Ipkr4OsY
hosyu
392名無しくん、、、好きです。。。:2007/08/26(日) 22:54:57 ID:MXA+EV1P
【二時間くらい寝てたらしい】

大輔「やべ、集合時間ぶっちぎって寝てた!?」
俺は急いで立ち上がって、ぐるりとあたりを見渡した
窓の外はまだ明るかったが、だいぶ赤くなっていた
大輔「……うわー、すっげーど田舎」
赤みを帯びた窓の外の風景は、信じられないくらい雄大で
木がたくさん生えた山以外、何もなかった
大輔「おっと、こうしちゃいられん」
携帯に登録しておいた、スケジュール表を見ると、
すっかり晩ご飯になっていた
大輔「飯ィ!俺の飯が!?うおお!ちくしょう!
  なんで誰も起こしてくれないんだ!?」
俺は部屋の出口に向かって駆け出した
大輔「ぐお!??」
刹那、何かに蹴つまずいて身体が空中で縦に2回転した
大輔「何とォ!」
俺は無我夢中で、空中で身体を捻り態勢を立て直すと、無事に着地した
意味もなく、オリンピック並のウルトラCが無駄に成功した瞬間だった
大輔「いったい何なんだよ!」
振り返ると、そこには、見知った女の子が寝息を立てていた
ゆかり「すぴー」
大輔「……お前か、……………あ」
見ると、ゆかりのブラウスやスカートがはだけて、
上も下も、下着がまる見えになっていた
大輔「し、白と水色のストライプか………」
多分、俺のウルトラCが原因なんだろうな……
393名無しくん、、、好きです。。。:2007/08/27(月) 17:58:06 ID:bbv3tEMZ
コンシューマなのでイベントCGをお見せできないが、
こういうあられもない姿をされると正常な男児は自然と目が行ってしまうわけで…
さて、どうしたものか。

【もう一度ウルトラCをかける】
【ゆかりを起こす】
【無言で立ち去る】
【もう少し観察する】
394名無しくん、、、好きです。。。:2007/08/30(木) 02:14:36 ID:Q0pOwlka
【もう少し観察する】
大輔「……コラ、違うだろ!?」
俺はいったい、誰に文句を言ってるんだ?
見る気は無かったが、何となく見てしまった。
……コイツ、ひとつ先輩のクセに、どう見ても小学生なんだよな。
つるぺたんという形容がぴったりなちっこい胸に、小さく細い身体。
そんなゆかりが仰向けになって、縞々のチチバンドとパンツを丸出しにして、すぴすぴ寝息を立てていた。
……だから、俺はロリでもペドでもねぇんだよ。……あ、でもコイツ、一応先輩だから、ロリじゃないのか?
大輔「は!?いかん、いかん!」
つい、我を忘れそうになってしまった。こんなところを他の奴に見られたら、間違いなく幼女を襲う変態の図だ。
俺はとりあえず、ゆかりのはだけた服を直した。
大輔「おい、ゆかり?起きろ、晩飯遅れるぞ、おい!」
ゆかり「う〜ん、むにゃむにゃ…」
一向に起きる気配はない。
大輔「うりゃー!起きんかボケが!」
枕でゆかりをバシバシしばいた。
ゆかり「ぅ?あ゙?…あぎゃ!あぎゃ!あぎゃ!!」
大輔「起きたか?」
ゆかり「殺す気か!?」
大輔「ゆかり、起きろ、晩飯だ」
ゆかり「もう起きとるわ!…って、あれ?大輔?…ここどこ?」
大輔「林間教室の泊まるトコだよ、オマエ何でこんなトコで寝てんだ?」
ゆかり「もうすぐ晩御飯だから、宿舎で寝てる大輔起こしに来て…」
大輔「だから晩飯の時間。ちょっと過ぎてんぜ?」
ゆかり「ああ!もうこんな時間!?そっか、大輔の顔見てたら、あたしもつい寝ちゃってたんだ」
大輔「じゃあ、行こうぜ」
ゆかり「あ!思い出した」
大輔「今度は何?」
ゆかり「大輔の寝顔、超可愛いかった!」
大輔「くだらねえこと言ってると殴る!」
ゆかり「痛!…うう、もう頭殴ってるし!」
ともかく俺達は宿舎を後にした。
395名無しくん、、、好きです。。。:2007/09/10(月) 03:13:33 ID:guYBwUD6
しかし古い宿舎だ。
それなりに古い木造らしく、歩くとギシギシ音がする床がたまにある。
壁や柱も傷や汚れが目立つ。
途中電話機が目に入った。
…ダイヤル式の黒いアレですか。
何というか時間の流れに取り残されたような所だな。

ゆかり「ねえ大輔知ってる?ここって出るらしいよ」
大輔「…何が?まあ大体予想はつくけど一応言ってみな」
ゆかり「深夜お化けが出るんだってさ」
大輔「……アホかっ!ベタ過ぎるわっ」
つい反射的にゆかりの頭を叩いてしまった。
だが別に後悔はしていない。
ゆかり「あ゙ぅっ!何すんだよっ!」
大輔「人様の宿舎を勝手に幽霊屋敷にすんなよ!」
ゆかり「ほんとだよ!白い髪の女の子!顔面蒼白で氷みたいに冷たい色の目で睨みつけてくるんだって!」
大輔「――え…」
今、確かに脳裏を何かがよぎった。
懐かしいような、寂しいような、腹立たしいような、哀しいような…不思議な感覚。
そして猛烈な違和感。
知らないはずの彼女を知っている気がする。
だが何かが俺に、彼女の存在が在り得るはずがないと警鐘を鳴らしてもいる…。

【バカバカしい】
【嫌な寒気がする】
396名無しくん、、、好きです。。。:2007/10/03(水) 14:49:46 ID:iUlLLhzK
age
397名無しくん、、、好きです。。。:2007/10/03(水) 15:08:21 ID:7nD5KCWL
【嫌な悪寒がする】すると、後ろに細身の女の子が、立っていた。
大輔「こんにちは」
女の子「・・・」
女の子はキョトーンとしている。

【もう一度あいさつ】
【笑わす】
398名無しくん、、、好きです。。。:2007/10/09(火) 18:23:07 ID:W8rDx87/
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399名無しくん、、、好きです。。。:2007/10/09(火) 20:57:50 ID:ZbYCq3fm
sage
400千叶 ◆Sarinx/UAE :2007/10/09(火) 22:58:43 ID:RjURS+RX BE:369861247-2BP(8044) 株優プチ(gal)
ho
401名無しくん、、、好きです。。。:2007/10/11(木) 09:23:48 ID:LRnjHbyW
age
402名無しくん、、、好きです。。。:2007/10/21(日) 23:52:09 ID:hjcSKmJD
田中ロミオ(CROSS†CHANNEL、最果てのイマ)=山田一(加奈〜いもうと〜、家族計画)
星空めてお(腐り姫、CANNONBALL〜ねこねこマシン猛レース、Forest、SEVEN-BRIDGE)
麻枝准(Kanon、AIR、CLANNAD、リトルバスターズ)
虚淵玄(吸血殲鬼ヴェドゴニア、鬼哭街、沙耶の唄、続・殺戮のジャンゴ)
丸戸史明(ショコラ、パルフェ、この青空に約束を―、フォセット)
奈須きのこ(月姫、Fate/stay night)
トノイケダイスケ(Canvas 〜セピア色のモチーフ〜、水月、さくらむすび、ワンコとリリー)
竹井10日(秋桜の空に、お姉ちゃんの3乗、ひまわりのチャペルできみと)
るーすぼーい(A Profile、車輪の国向日葵の少女、車輪の国悠久の少年少女)
朱門優(蜜柑、黒と黒と黒の祭壇、めぐりひとひら。、いつか届くあの空に。)
foca(ロケットの夏、らくえん〜あいかわらずなぼく。の場合〜)
瀬戸口廉也(CARNIVAL、SWAN SONG)
健速(こなたよりかなたまで、巫女舞、キラークイーン、遥かに仰ぎ麗しの)
水無神知宏(Crescendo、せんせい3、微熱教師ちえり、オンリーワン2)
ヤマグチノボル(グリーングリーン、私立アキハバラ学園、そらうた、ボーイミーツガール)
王雀孫(21-Two One-、それは舞い散る桜のように、ね〜PON?×らいPON!)
藤崎竜太(魔女のお茶会、ゆきうた、ときどきパクッちゃお!、ドラクリウス)
丸谷秀人(SEXFRIEND、MAID iN HEAVEN、ゆのはな、遥かに仰ぎ麗しの)
北側寒囲(杜氏の郷、チュートリアルサマー、波の間に間に、ロンド・リーフレット)
たけうちこうた(アズラエル、セパレイトブルー、すくみず2、D.C.U〜ダ・カーポU〜)
木之本みけ(魔法とHのカンケイ。、ちょっと素直にどんぶり感情、夏めろ)
タカヒロ(姉ちゃんとしようよっ!、同2、つよきす、君が主で執事が俺で)
三宅章介(こみっくパーティー、天使のいない12月、ToHeart2、Tears to Tiara)
鋼屋ジン(斬魔大聖デモンベイン、機神飛翔デモンベイン、ニトロ+ロワイヤル)
ふみゃ(鬼畜王ランス、アトラク=ナクア、王子さまLv2、妻しぼり)
正田崇(PARADISE LOST、Dear My Friend)
東出祐一郎(てこいれぷりんせす!、あやかしびと、PRINCESS WALTZ、Bullet Butlers)
403名無しくん、、、好きです。。。:2007/11/07(水) 01:00:48 ID:nkS2pSA9
保守
404名無しくん、、、好きです。。。:2007/11/08(木) 01:48:25 ID:Lm++lEWL
age
405名無しくん、、、好きです。。。:2007/11/08(木) 01:57:11 ID:7z9lcG6n
>>401
高橋龍也(雫、痕、ToHeart)
久弥直樹(ONE、Kanon)

も入れてやれよw
406名無しくん、、、好きです。。。:2007/11/08(木) 02:42:33 ID:c/MTMfDb
こちらのオークション商品も宜しくお願いいたします。
WANTED AUCTION
一般商品先
http://www.auction.co.jp/pa1.asp?M=229033
407名無しくん、、、好きです。。。:2007/12/01(土) 01:25:29 ID:+PDC9xQ3
保守
408名無しくん、、、好きです。。。
保守