SELECT DAYS〜僕が君にできること〜

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595某 ◆9hpTW2NKxI
【やっぱやめる】
いつもなら負けない自信はあるが、ちゃんと食べてないから全力で走ると倒れそうだ。
創太「やっぱやめた」
慎二「どうした? 怖気づいたのか?」
創太「そんなんじゃねぇよ。バカらしくなっただけだ。それに、あまり目立ちたくはない」
そう言って、後ろからついてくる体育教師へと目を向ける。
慎二「あぁ、テツか。お前も大変だな」
テツとは体育教師・黒澤鉄次郎のあだ名であり、テツは柔道部の顧問でもある。
なぜ目立ちたくないかというと、俺がテツに目を付けられているからだった。
目を付けられているとは言っても、悪いことをしたわけではない。いや、ある意味悪いことかもしれないのだが…。
その理由とは、
一年の頃、アキ姉が弁当を届けにきたことがあり、当然のごとく抱きつこうとしてきたので、
そのまま向かってくる勢いを借りて、見事な背負い投げを決めてしまった。
そこまでは良かった(?)のだが、誤算は弁当がぐちゃぐちゃになってしまったことと、テツに投げるところを目撃されていたことだった。
それからテツは事あるごとに俺を柔道部に引き込もうとしてくるようになった。
というわけだ。まったくもって迷惑な話だ。
創太「というわけで、このまま他の奴らと同じペースで走るぞ」
慎二「まぁ、どっちでもいいけどな」
結局そのまま終わるまで同じペースで走った。