>>567 ――――キーンコーンカーンコーン…
【創太】「………くそ―、針山の野郎」ったく、ヤツは手加減というのを知らんのか?!
いくらハリセンだからって、あんなに振りかぶったら痛いっちゅーの!!
しかも3発もっ。
俺の姿を見ろよ。制服ボロボロ、顔から着地したせいで頬は擦りむけてんだぞ?!
今度はアイツの車に何をしてやろうか…
【??】「――――あっ!!いたっ!!!」
ん?この聞き覚えのある嫌な声は…
俺の本能が叫ぶ。逃げろ!!と。
>>568 【創太】「うぉりゃぁぁぁぁ〜〜〜!!!」
振り返らずに本日2回目の俺ダッシュ。さらに磨きがかかり、コンマ2秒とかからず全速力に達する。
【??】「あ!!待て、このバカそぅ……」
【創太】「……ハァッ、ハァッ、ハァッ」
フフフ、さすがの奴でも俺の足にはかなうまい。危機は去ったぜ。
上機嫌で教室の扉を開ける。
【信二】「お!やっと来たか。お疲れ〜」
教室に入ると昔から付き合いがある奴らの中でも1番の友達…いや、悪友か。信二が話かけてくる。
【創太】「おはよう、信二」
【信二】「……おまえ、相変わらずマイペースだなぁ」
お前にだけは言われたくない。
【信二】「って、ボロボロだな?ハリ先か?輝美か?」
【創太】「両方だ」
言いながら席につく。
【信二】「あははは!!そうか、そいつは災難だったな」
……と、待てよ?
>>569 ……と、待てよ?
【創太】「何で知ってんだ?」
【信二】「ん?何が?」
【創太】「輝美だよ」
そうだ。ハリ先はともかく、何で輝美も出てくるんだ?
【信二】「は?だってアイツ、おまえが遅刻だと知ったらすぐに教室を出て……」
―――――ガラッ!!!
【クラスメート達】「―――ビクッ!!」
………そうだった。アイツとは同じクラスだったな。
【信二】「……行ったぞ」
…もういい、よくわかったよ。
【輝美】「……ハァッ、ハァッ、創太ぁ〜??」
怖い怖い怖い怖い怖い…
【創太】「極力目を合わさないようにする…」
【信二】「いや、俺に言われても…」
信二が輝美の方をチラッと見る。
【信二】「もう手遅れみたいだぞ…?」