みんなでギャルゲのシナリオを作るスレ 5月2日(木)

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1名無しくん、、、好きです。。。
本スレも3スレ目に突入。
ここはスレタイの通り、みんなでギャルゲのシナリオを作るスレです。
参加資格はネットユーザー全員。みんなで物語を描いていこう。

■まとめサイト
http://hp14.0zero.jp/206/sss1001/
http://hp24.0zero.jp/478/MGSTS0001/
■みんなでギャルゲのシナリオを作るスレ 4月1日(月)
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gal/1129982704/
■みんなでギャルゲのシナリオを作るスレ 5月1日(月)
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gal/1134139715/

■基本ルール
1、リレー小説みたいなものですので、被りは避けましょう。とりあえず、書く前、書き込む前、書き込んだ後の3回に更新しましょう。確認大事!
2、万が一、被ってしまった場合は、次の人が面白そうな方を選んで続けてください。
3、選択肢は【 】で表します。
4、あまりに話がズレてきてしまった場合、なんとか修正していってください。トンでもな流れはそこそこに…
5、話は繋げるのが基本です。設定、流れ等確認しておいてください。
6、荒らし厳禁!
2名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/04(土) 08:30:04 ID:8B4Ijojj
――でも、これだけは覚えていて…together with you
あなたに私が見えなくなっても、私の心はあなたと共にあります

■製品情報
タイトル:together with you
プラットホーム:PlayStation 2
ジャンル:創作型恋愛アドベンチャー
主題歌:4月の雪
CERO:15才以上対象
メディア:DVD-ROM(二層)1枚
メモリーカード使用容量:128KB以上
その他:デュアルショック2対応、16:9(ビスタサイズ)、プログレッシブ(525p)出力対応、ドルビーデジタル5.1ch対応
発売日:2005年10月22日
希望小売価格:初回限定版 7,800円(ピクチャーレーベル仕様。ネリネのスク水フィギュアを掲げ持つ大輔のフィギュア付)
      :通常版 6,800円
制作・著作:(C)MGSTS corp. All rights reserved

好評発売中&鋭意制作中!!
3名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/04(土) 08:45:19 ID:8B4Ijojj
「みんなでギャルゲのシナリオを作るスレ 4月1日(月)」一括表示
http://www003.upp.so-net.ne.jp/s_t_k/MGSTS-4.1.txt

注:「みんなでギャルゲのシナリオを作るスレ 4月1日(月)」を一括表示します。
テキストファイルに簡易的にコピペしただけで、編集は一切行っておりません。
それゆえ、見やすく整理もしていないので、多少の見難さはご容赦くださいませ。
また、たかがテキストファイルと言えど、容量は500KB近くあり、かつ行数も凄まじいため、
かなりのCPU稼働率を食い、全文表示されるまでには少々時間もかかります。
予めご了承ください。また、予告なく削除する場合があります。
ちゃんと取っておきたい方は、各自で全文をコピーし、ご自分のPCに保管してください。
4名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/04(土) 08:57:42 ID:/QhTSJDq
4様スレ立て乙
5名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/04(土) 10:36:17 ID:9nqizFif
乙です!
今、簡単なキャラとかのまとめを作成中です。
6名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/04(土) 11:54:03 ID:9nqizFif
《主な登場人物》
氷室 大輔
このシナリオの主人公。高二、元水泳部。不思議体験巻き込まれ男。性格は住人の書き込み次第。

瑞瀬 ゆかり
大輔の一つ年上の従姉妹。小柄・貧乳がコンプレックス。飛行機は発狂するほど苦手。

雪村 美影
大輔のクラスに転校してきた、さまざまなキャラを見せる不思議ちゃん。深窓の令嬢だが、エロカワイイ性格。セスナの運転もできる。アンダーグラウンド関係者。

萩野 彼方
大輔の大切な人(特に何をしたというわけでもないが)。高二、元水泳部。性格はツンデレと言うよりも暴走気味?

月島 美咲
おっちょこちょいだけど優しい巨乳のお姉さんな、大輔たちの一つ先輩。ゆかりの親友。今は貴史といい感じ。

野々原 環希
大輔の同級生で幼なじみ。格闘マニアで、チンへのフックはKOパンチ。男女関係には潔癖性気味(だったのだが、最近は噂好き)。胸は大きいそうで。

植原 ひなた
大輔になついている一つ下の後輩。運動オンチだが、とても明るい性格。「〜っス」というしゃべり方をする。彼方を「おねーさま」と呼び慕う。

金田一 理恵
貴史の妹、中一。ちょい生意気だが、基本は素直な性格(多分)。複雑な家庭に育ったが変にグレてないのは兄の影響かと。

転 蓮華(てん れんか)
中国からの留学生?高二、水泳部。褐色の肌でスタイルよし。性格は『空気の読めない関西弁の水泳バカ』だが、そう装っているだけという話もある。しりあすな場面には標準語になる。

松沢 明日香
大輔の同級生で悪友。クラスのムードメーカーで、情報が入るのも出るのも早い。あと口も悪い。恩田が気になる?
7名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/04(土) 11:55:21 ID:9nqizFif
鈴木 綾
大輔のクラスの委員長。リーダー気質で人を乗せるのがうまい。大輔の最も理想とするプロポーションの持ち主。

須藤 響子
保健医兼水泳部顧問。抜群のスタイルをもつ美人教師。口が悪く性格も適当だが、押さえるところは押さえる。腕っぷしはハンパなく強い。

村上 貴史
大輔の親友。動じない性格で、基本的にいい奴だが、みなぎる性欲のせいで女子人気はいまいち。だが美咲とはいい感じ。あだ名は『仮面ライダー貴史』

恩田 正和
大輔の同級生。以前は盗撮が趣味だったという変態だが、ルックスはかなりレベルが高い。足を洗ってからもシャッターチャンスでは無意識に撮影する筋金入り。ゆかりが気になる?

『調律師』ウラ=レイセン
アンダーグラウンドから大輔たちを守るためやってきた三人組のリーダー格の男。夢魔(現世の人間の夢を喰う者)。魔剣『ゲシュペンスト』を持つ面倒見がよく、。部下からの信頼は厚い。

『龍炎』神木
三人組の一人。年にして十五、六の少女。神通無双の実力で、炎を纏う魔剣『ヤマタノオロチ』を持つ。FF[の風神ばりの漢字のみの会話をするが、普通にも話せる。

『虹猫』スウ=フェリン
三人組の一人。「〜ニャ」といった話し方が特徴。外見は幼いが、高度な魔法を使い、記憶操作は十八番。大輔に唇を奪われてから(事故)、大輔にアタックしまくる。

『永遠の夢』ノヴァ
夢魔の王。夢魔界の食料難を解決すべく、夢の良質化のため現代科学の破壊を目論む。無駄な戦闘はできるだけ避けようとする。大輔と同じ顔。趣味は英会話。

ザーリフ
夢魔。こちらは人間界の支配により夢を得ようと目論む。性格は残忍で、目的のためなら手段をえらばない。
人の弱みに付け込んで操る術をもつ。元ネタが元ネタなので、新キャラはじゃんじゃん出る。

※詳しくはまとめサイトのキャラ設定を参照のこと!

とりあえずキャラ設定だけ載せてみた。
8名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/04(土) 12:12:21 ID:9nqizFif
しまった忘れてたorz

順子&夏江
このスレの清涼剤兼エンブレム兼ライターの代弁者。フラグが立つことは決してない。戦闘能力は本作最高で、トンでもな流れを強引に修正することも。
9名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/04(土) 15:05:42 ID:EU49C0L4
乙です!
そろそろシナリオもここまできたか・・・
もっと本気で作ったらよくなるよな
10名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/04(土) 19:34:03 ID:9nqizFif
???「さて、さっそくいくぜ!」

瑞紀「というわけで、ルールは簡単!!三人でその地図の×印のところにある箱から自分の名前を書いたボールを出して戻ってくる、それだけだ!
じゃ、あたしは最終調整があるから順番でも決めてなよな」
そう言って瑞紀さんは向こうにいってしまった。…なんだ?最終『調整』って…。


瑞紀「どうだい?」
近くの小屋で何やら機材をいじくっていた凛に瑞紀は声をかけた。
凛「ああ。スタッフ全員からスタンバイOKの合図がでている。仕掛けのほうも異常なしだ」
瑞紀「よし…。いよいよ身の毛もよだつ『超絶☆肝試し大会IN西表島』の始まりさ!クククククク…」
凛「…すごいいい笑顔だなぁ」
瑞紀「当然さ。あたしはこういうの大好きだからねぇ…さて、あたしはあっち行くから、仕掛けのほうは頼んだよ?」
凛「ラジャー、任せろ」
11名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/05(日) 11:07:44 ID:M8L0VP3R
ジャンケンの結果、順番は

1.ウラさん組
2.蓮華組
3.貴史組
4.恩田組
5.俺の組
という順番になった。
普通に歩けば片道20分弱くらいの道を、懐中電灯ひとつで行って帰ってくるらしい。スタートは前の組が出発してから10分後だそうだ。
神木「………」
見ると、神木さんが異常なくらい震えていた。
大輔「ん?どーしたんすか?神木さん」
ウラ「いやな、神木はこういう幽霊とか、心霊現象とかそういうのが抜群に苦手なのだ…」
大輔「えぇ〜?いつもそんなのと戦っていそうなのに?つーかあっちにも霊っているんすか」
ウラ「そりゃ、魔力の溢れる世界だ。霊の類なぞこちらよりも格段に多い」
じゃあなおさら見慣れているってなもんじゃ…。
ウラ「神木はそういった得体のしれないモノに弱いのだ。正体がわかっている相手には驚くほどの度胸を発揮するのだがな…」
大輔「はぁ…」
ホント大丈夫か?めちゃめちゃ震えてるけど。
神木「……平気」
大輔「あ、あんまり無理すんなよ?」
神木「…心遣…感謝…」
俺は震えまくりな神木さんを心配しつつ彼方たちのところへ向かった。

ウラ「心配させるだけだ。ノヴァがこの辺りに現われたというのは黙っておいた方がいい。のう神木?」
神木「………」
ウラ「いや、現世に霊はほとんど出てこないから、安心しろ」
神木「………」
ウラ「まったく…ノヴァやザーリフに対峙しても平静を保てるというのに、何故霊相手だとこうなんだ…」
神木「………(ガバッ)」
ウラ「うわ、こら、しがみつくな神木!!」
12名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/05(日) 20:07:33 ID:YrPV9Lz8
瑞紀「よし!第一組、出発しな」
ウラ「ふむ、じゃあ行くか」
環希「行ってきま〜す」
大輔「あいあい」
彼方「がんばってね〜」
いよいよ肝試し大会開始。先発は、ウラさん・環希・神木さんの三人だ。


《ウラ組》
環希「うわー、かなり暗いな…懐中電灯だけじゃ心元ないな」
ウラ「夜の森を徘徊して、その度胸を試すのが『肝試し』か。勇気を試すという点ではあの洞窟と同じような感じだな」
神木「………」
ウラ「…いやだからくっつくなと言っているだろうに…歩きにくい…」
環希「むう〜(神木ちゃん、こういうの苦手なのかな?よーし、へへへ…)」
環希はほんの出来心で、神木の耳元にそっと口を近付け…
環希(ふ〜)
神木「!!(ぞくっ!)」


「いやああああああああああああああああああ!!!」
大輔「うわ!?今のは…」
ひなた「神木さんの声…っスよね…?」
恩田「一体どんな仕掛けが…」
美咲「や…私やっぱり恐いよぉ…」
貴史「だ、大丈夫っすよ美咲さん!俺がいますから!」
瑞紀(あれ?そんなすぐのところに設置したっけ?)
13名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/06(月) 01:08:40 ID:vwTWWWYE
貴史「よーし、そろそろ良いかな、じゃあ次は蓮華達だぞ」
大輔「おい少年、準備は良いか?」
蓮華「うちか!少年ってうちのことか!?」
ひなた「蓮華さーん早く行くっス」
スウ「早く来るニャ、エセ関西人」
気がつくとひなちゃんもスウも先に行っていた。
蓮華「うるさいわ、エセ関西人って何や!」
大輔「つべこべ言わずにさっさと行け。置いていかれるぞ」
蓮華「…ぶつぶつ」
蓮華がなにやらぶつぶつ文句言いながら先に行った2人のほうにかけっていった。
ひなた「じゃあ、先輩行ってくるですーっ」
スウ「ダーリンと行きたかったニャ。早くするニャ、ニセ外人」
蓮華「誰がニセ外人やねん!」
どちらも当たっているような気がしたが俺は突っ込まなかった。
蓮華たちの姿は程なく見えなくなった。

それにしても、さっきの悲鳴ってなんだろう?
瑞紀さんもあれからどこか落ち着きがないし。
はたして無事に終わるんだろうか?少し不安だ。
14名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/06(月) 01:46:35 ID:Z6YX2vIq
《蓮華組》
蓮華「お?うちがリーダーなんか。…まさか、少年やから…?」
ひなた「どうしたんスか?蓮華さん、ブツブツと」
蓮華「え?あ、ああ何でもないで!(危ない…また順子と夏江が来るとこだった…)」
スウ「う〜暗いニャ…」
蓮華「ほんまに…不気味やな…」
ひなた「わっはっは!ひなはぜ〜んぜんへっちゃらっスよ!幽霊さんなんていないってわかってるっスから!!」
スウ(足震えてるニャ…)

スタッフ「お、来た来た。さて、任務任務、と」
木の上から、スタッフは釣り糸を垂らす。その先端には、手のひら大のコンニャクがついていた。
狙うは、ひなたの右肩…(さっきのグループは直前で思いっきり叫んでてあまりにも不憫だったのでスルーした)。

蓮華「…森を通っていたら、どこからか『痛いよー、痛いよー』と声が聞こえてきて…」
ひなた「な、なに言ってるんスか蓮華さん…やめてくださいよぉ…」
スウ「にゃ…」
蓮華「次の瞬間!手首から先しかない人間の手が右肩に!!」
(ぺとっ)
ひなた「ひ…」


「うひゃあああああああああああああああ!!!」
大輔「わ!今度はひなたか!?」
貴史「どんな恐さなんだよ…」
15名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/06(月) 18:18:55 ID:/Ryg9HRR
プレーヤー「神木に萌えた…。グラフィック超みてぇ…」
16名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/06(月) 22:03:40 ID:eK9yk3Q6
ひなちゃんの悲鳴が聞こえた後、森は再び静かになっていた。
貴史「10分経ったかな?今度は、俺達の番か」
美咲「…そうみたいね」
理恵「じゃあ、行く?」
ゆかり「理恵ちゃん、美咲さん、気をつけてね?」
貴史「俺には言ってくれないの?」
ゆかり「……美咲さん気をつけてね?」
ゆかりは美咲さんにだけ2回言った。
美咲「…はは」
理恵「信用ないのね、お兄ちゃん」
貴史「うう、それじゃーな、ちょいと行ってくるわ」
恩田「うむ、間違いを起こすでないぞ」
貴史「…………」
…こいつに言われちゃ、おしまいだな。
貴史はなぜか涙目だった。

美咲「大丈夫、貴史君?」
貴史「はははー、美咲さんは優しいなあ」
理恵「大丈夫だよ、美咲さん。何かあったらコイツでぶっ飛ばしてあげるから」
貴史「……」
貴史が持っている懐中電灯の光がだんだん小さくなって森の中に消えた。

明日香「理恵ちゃん、さっき、お土産屋で何か買ってたと思ったら、あれ木刀だよ」
大輔「…………」
貴史達がいなくなったので、こっちに残っているメンバーの方が少なくなった。
今残っているのは、恩田、ゆかり、明日香、雪村さんに 彼方と、俺で6人か。
ゆかり「………つ、次だよね恩田君」
恩田「そうだね」
明日香「……」
ゆかりは俺と目を合わせようとしなかった。
明日香もなんとなく不機嫌だし、どことなくギクシャクしている?
17名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/07(火) 00:26:19 ID:/kfgbAOd
>>15
プレイヤー「俺は灼眼のシ〇ナで脳内補完してる・・・」
18名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/07(火) 01:02:31 ID:HoKQxb2g
>>17
ナカーマ


さて、そろそろ悲鳴が上がる頃合いだと思うが…。


美影「…静かね」
彼方「そうね…もしかしたら以外と肝が座っているのかも」
しかし、次の瞬間。
???「ぎゃあぁーっ!」
響いたのは…これは貴史の声?
彼方「今の、貴史じゃない?」
大輔「そうみたいだな」


貴史「まてっ!やめ…」
理恵「…っ馬鹿兄貴っーー!!」
貴史「ぎゃああっー!!」

貴史のやつ、美咲さんに何かしでかしたのか?
19名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/07(火) 11:45:44 ID:ClULZnmC
ゆかり「う〜、私もちょっと怖いかも…」
恩田「ははは、僕がいるから大丈夫っすよ!」
心なしかゆかりと恩田の距離が近い。吊橋効果ってやつか?…なんとなく面白くないな。
美影「あぁ…大輔…私もなんだか怖くなってきたわ…」
大輔「うわっ」
雪村さんが俺の右腕を抱いてくっつく。ホントに怖いのかな…。
彼方「な…!?わ、私も!私も怖いよ大輔!」
大輔「うおっ」
彼方がそれを見て俺の左腕に抱きつく。どちらかと言えばこっちの方がウソくさい。これは…読んで字の如く両手に花、てやつか?
ゆかり「(ムッ)…さ、いこ!恩田君!?」
恩田「わわっ!」
瑞紀「あ、あと二分だけど…ま、いっか」
ゆかりが恩田の手を引いて歩きだす。
明日香「…ふん、何さ…」
それに明日香もつづく。
彼方「あ…」
ここにいるのは俺たちだけになった。
20名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/07(火) 14:23:51 ID:fToe9//D
−ゆかり視点

恩田「大丈夫ですよ。僕が守ってあげますよー」
ゆかり「…………………」
急に幼少の頃の思い出が頭をよぎる。

『お姉ちゃんは僕が守るんだー』『……守るんだー』『…んだー』『…だー』

思い出の中の幼かった大輔の姿が、目の前の恩田君と重なる。
ゆかり「ふーーーーーっ」
頭が痛くなってきて首を振りながら額に手を当ててみる。
恩田「ど、どうしたんですか?大丈夫ですか?」
ゆかり「……あー、駄目。やっぱ違うし。こういうのあたし無理」
恩田「???」

そんなときだった。
すぐそばの茂みから、ガササと音がして、何か白くて大きなものが飛び出してきた。
???「おおおおおおおおおおおぉおお!!!」
明日香「きゃーーーーっ!!」
ゆかり「きゃーーーーーっ!!!」
恩田「ぎゃーーーーーーーっ!!!!」
あたしは思わずしゃがんでしまう。

ふと目をあけて視線を上げると、馬鹿でかいてるてる坊主が木に吊り下げられていた。
ゆかり「なにこれ!もうびっくりしたー、大丈夫、二人共?………ってあら?」

見ると、恩田君と明日香がその場にへたりこんだまま抱き合っていた。
明日香「あうー…………………」
恩田「ぐおおおぉお!やられはせん、やられはせん、やられはせん…………」

…なんだ、仲良いじゃん。
21名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/08(水) 00:29:45 ID:WeqAOio8
彼方「…今の悲鳴ってゆかり達かな?」
美影「大輔、私怖い…」
大輔「……」
右腕に雪村さん、左腕に彼方がしがみついていた。
両腕にとても柔らかいものが当たっている気がしたが、俺は気にしないよう注意した。
意識を集中してはダメなんだ。意識を開放しなければ。反応するな!絶対ダメだぞ!ここが正念場だ。がんばれマイ・サン!
2人の髪の毛の香りだろうか、先ほどからしきりに鼻をくすぐっている。
落ち着け、落ち着け俺!こんなときは、そうだ!素数を数えるんだ!…って素数ってなんだっけ?
俺は別の意味で、窮地に陥っていた。
瑞紀「おーおーもててるねえ、この色男」
大輔「…………」
どう反応して良いのか分からなかったので俺は何も言わなかった。

そんな折、瑞紀さんの持っていたトランシーバーがガリガリ音を立てた。
???『…あねさん、あねさん、聞こえるかい』
瑞紀「おお、ヤスかい?どうした?折り返し地点の仕掛けは大丈夫かい?」
ヤス『そいつぁOKでさ。で、先頭のヤツらは、もうそっちを出たんですかい?』
瑞紀「はぁ?なに言ってんだい、とっくにそっちについてもおかしくない時間だよ?」
ヤス『誰も来てませんぜ?それより…』
瑞紀「何だって?」
ヤス『それより、気になるんでさ、なんつーか変なんスよ』
瑞紀「ヤス、何言ってんのか分かんないよ?」
ヤス『やけに森が静かなんスよ』
瑞紀「ヤースー。サボってんじゃないよ?」
ヤス『お?…あれは?…なんだろ?……あっ!』
急にザザザーーーーッ と音がして、トランシーバーの音声はそこで途絶えた。
瑞紀「こら、ヤス!途中で切るやつがあるかい」

ギョおおおおおおおおおおオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

突然、何かの雄たけびが森に響いた。
…な、なにかあったんだろうか?
22名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/08(水) 01:52:29 ID:YPro85PM
美影「・・・・ッ!」
彼方「な、何?何なの今の?」
と言うと二人ともさらにギュッと腕にしがみついてきた。うおっ!二人の胸が・・・・おっといかんいかん。
瑞紀「これはヤバイわね・・・あんた達!一旦宿に戻ってなさい。私はみんなを連れ戻してくるから。」
大輔「そんな!?一人では危険です」
瑞紀「大人の言うことは素直に聞くものよ。もう行くわ。いい?絶対に森に入るんじゃないよ!」
大輔「瑞紀さん!待って下さい。瑞紀さん!」
しかし瑞紀さんはそう言い残して森へ入っていった・・・
彼方「まさかと思うけどこれも仕掛けの内じゃないよね・・・」
雪村「ねえ、どうするの?大輔。このまま宿にもどるの?」
【二人を宿に帰して一人で森に向かう】
【宿に戻って現地の人を呼ぶ】
【ネリネのスク水フィギュアに祈る】
【モコドを使う】
23名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/08(水) 07:34:09 ID:WFB8zCE/
【モコドを使う】

大輔(スウ、聞こえるか!おい)
駄目だ、返事がない。こんなのは初めてだった。
大輔(こらスウ!ウラさん!もう必要ないときは余計な通信してくるくせに、肝心なときはだんまりかよ!)
だんまりと言うよりは、圏外?電池切れ?とにかくそんな感じだった。

大輔「…………………」
森が再び静かになっていた。
あの雄叫びはなんだったんだろう?
雄叫びと言うよりは獣の鳴き声に近かったような気がする。
胸騒ぎで胸が苦しくなる。
はたしてこれは本当に胆試しなのだろうか?
凜「おおい!君達、船に行ってなさい。昨日の船だよ。わかるよね」
タコ親父が小屋から出てきてこちらに叫んだ後森の方に走っていった。

何かがおかしい。
心の中で警鐘が鳴り響く。

彼方「ねえ、これって胆試し?何か変じゃない?」
美影「………開いてる?」
大輔「え?」
美影「そんな、なんで?早過ぎる。ゲートが開いてる?」
彼方「!?」
実影「でも、とても小さなゲート……。食い破られてる?」

俺は
【いてもたってもいられず森の方へ走って行った】
【船に非難しよう】
【何もできず立ち尽くす】
24名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/08(水) 12:14:53 ID:yeujcei7
【船に非難しよう】

おい、こら船! よくもこんなところまで俺たちを運んできたな!
この責任どうやってとるつもりだ!

彼方「……大輔?」

しまった…船に避難するつもりが非難してしまった……。

こ、こうなったら…
【二人を置いて森へ行く】
【二人を連れて森へ行く】
【美影を連れて森へ行く】
【とりあえず美影の話を聞く】
【とりあえずシャドウがきになる】
25名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/08(水) 13:26:46 ID:uhvgG3p9
【とりあえずシャドウがきになる】

大輔「やっぱりみんなが気になるから、俺ちょっと見てくるよ」
俺はそう言って森のほうをキッと睨んだ。
心なしか暗闇に浮かぶ森の風景がぐにゃりと歪んで見える。
気のせいだよな、きっと。ははは。

彼方「こらーっ大輔!ちょと待て!」
大輔「え、何?」
美影「大輔が懐中電灯持って行ったら、ここ真っ暗になっちゃう……」
大輔「あ…………」
それも薄情か?
大輔「……行こう!何か変だよ?絶対」
彼方「うん」
美影「…約束守ってよね?」
大輔「まかせろ」
彼方「ん?…約束って、何?」
大輔「ははは」

俺、高校生だぜ?まったく、とんだ肝試しだよな。
…沖縄旅行いろいろあったけど楽しかったな。
俺達、無事に帰れるんだろうか?
…いや、こんな弱気じゃ駄目だな。ちゃんと帰らなきゃな。
旅行は帰るまでが旅行だもんな。
大丈夫さ、必ず戻ってみせるさ。
どこかで聞き覚えのある台詞を胸に、
俺達は森のほうに走っていった。
26名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/09(木) 13:21:56 ID:y1hKys7s
俺達が森に入って、どのくら経っただろう?
彼方「なんかすごい静かね……」
美影「……………」
たしかに静かだった。何も聞こえない。鳥や動物、虫の鳴き声は一切ない。
風が草木をざわめかす音もなければ、近くを流れているはずの川のせせらぎすら聞こえない。
全くの無音状態。異常だった。
自分の声さえ聞こえないような気がして耳が痛い。
途中、近くに生えている木の枝に、白くて大きいものが吊されているのに気がついた。
それは人の顔くらいの大きさだった。
彼方「ひっ!?」
美影「…っ!!!!」
大輔「馬鹿、良く見ろ!ただの何でもねえてるてる坊主じゃないか」
彼方「え?」
…違う。さっきから感じている違和感はこんなもんじゃない。
もっとなんて言うか、こう…圧倒的な何か……。
俺はてるてる坊主が吊されている木のまわりをぐるっと見渡してみた。
てるてる坊主の仕掛けの近くには誰もいなった。
彼方「何だか大輔人が変わったみたい…」
美影「まあ、いろいろあったから彼も」
27名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/09(木) 13:30:20 ID:y1hKys7s
28名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/09(木) 23:54:49 ID:Pmmesyxd
ウラ「おおい、お前たち!」
ウラさんにスウに神木さんが向こうから走ってきた。
神木「無事!?」
大輔「ああ、まぁ…つーか、これは一体…?」
ウラ「夢魔界へのゲートが開かれ、ここは今二つの世界が交差しているまっただ中、ということだ」
大輔「ゲートが…?」
スウ「にゃ。もはやここは現世とは隔離された空間。いわば『結界』のようなものニャ!」
神木「転移準備段階」
ウラ「今、この場所で活動をしている時点で夢魔界への移動は免れない。本当ならもっとしっかり準備をしておくべきだったのだろうが…まさかこんなに早く開くとは…」
大輔「…俺はいいんすよ。もう覚悟はできています。でも…」
彼方「むまかい?ゲート?けっかい?」
俺はひとりおいてけぼりの彼方が心配だった。彼方も容赦なしに向こうの世界に飛ばされてしまうのだろうか…。
大輔「…しかし、何でわざわざこんなところ(西表島)にゲートが?」
ウラ「このゲートは…言わば君たちの力に呼ばれてこの場所にあらわれたのだ。救世主たる君たちのいるこの西表島に…」
大輔「俺たちが…?」
やっぱり俺は不思議体験巻き込まれ男だな…と思った。
29名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/10(金) 07:42:13 ID:SweUFj+W
ウラ「そして厄介なことに。夢魔界の魔獣がこちらに迷い込んできている」
大輔「え?」
ウラ「おそらく夢魔の強い力が何度も行き来した為、集中した力の残りカスごと
   空間を食い破って現実に来たようだ」彼方「……魔獣?」

…ど、どうすんだよ?そんなもん。

俺は
【魔物をやっつけるぞ】
【できるわけねーだろ。逃げよう】
【ほうっておこう】
【もう帰りましょう】
30名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/10(金) 09:48:42 ID:CwRLPxts
【ほおっておこう】
まあ当然だよな。わざわざ戦う必要もないし。…怖いし。
ウラ「残念ながらそうはいかん」
…あ、やっぱり…?
ウラ「この閉鎖空間から脱出するには夢魔界へのゲートを通らなくてはならない。そして魔獣はゲートから発生している。つまりは…」
大輔「ゲートに行くためには魔獣と戦う必要がある、と」
ウラ「その通りだ」
…なんてこったい。じゃあさっきの選択肢は何を選んでもこうなったんじゃ…。
ウラ「しかし、一匹一匹の力は大したことはないが、その数が尋常ではない。まともに相手をしていてはキリがない。ゲートへの進路を塞ぐものだけを倒していくぞ」
大輔「そんな簡単に倒せるんすか?」
ウラ「言ったろう。ここは結界と同じ。俺の力に制限はない」
そう言いながら、ウラさんは腰に差した剣を抜く…ってあれ?どこから取り出したんだろ…。
見た目はもろ鍔付きの日本刀。片刃の白い刀身が不気味に輝いている。これが…魔剣?
ウラ「こいつを使って俺が道を切り開く。行くぞ…!」
ウラさんは力を剣に込める。すると強い光を放ち…
大輔「うわ!……!?」
思わず目を閉じた俺が再び目を開けると、大きく変貌を遂げた剣が地面と水平になるように浮かんでいた。
さっきの日本刀ぽい剣は、柄や鍔に装飾が施されていて、華美な印象を持つほどだったが、この剣はむしろ鉄の塊と形容した方がしっくりくるような無骨なデザインだった。
それよりも特筆すべきはその大きさ。…つーか、でかすぎだ。刃渡りはゆうに2メートルを越し、幅は…4、50センチくらいあるんじゃないかな…。こんなのどうやって振り回すんだよ…。
ウラ「この形態は持つものではない。八の姿を持つ魔剣『ゲシュペンスト』の突撃形態だ」
そう言ってウラさんは浮かんだ剣の上に立つ。乗るものなのかよ…。
ウラ「精霊と契約したとはいえ、まだ魔力の繰り方も知らない君ではあの魔獣にも勝てないだろう。俺が君たちをゲートまで連れていく。さあ乗れ」
俺は言われるままに飛び乗った。落ちないか心配だったが、思ったよりも安定しているようだ。
ウラ「さあ、彼方嬢も早く」
彼方「え…あ…へ…?」
彼方はすっかり呆気にとられていた。俺ははっきり言ってもうこういったことには慣れまくっているので、普通に対応したが、彼方には刺激が強すぎたらしいな…。
31名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/10(金) 09:52:45 ID:CwRLPxts
細かいけど表現微妙か…orz
訂正
この形態は持つものではない
→この形態は持って使うものではない
32名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/10(金) 19:09:14 ID:U0fCbKcG
夏江「おいおいこのまま夢魔界編いっちゃうの?」
順子「さぁ?次の書き手によるんじゃない?」
33名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/10(金) 20:09:19 ID:CwRLPxts
プレイヤー「なんかそういう流れ押せ押せだから書いたけど、まずかったかな?他の人はどう思う?」
34名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/10(金) 20:21:40 ID:V+x7PThS
???「もうちょっと様子を見ようよ」

ウラさんの剣に乗った俺たちは高速で空中を移動していた。
さっき地図で見たら、イタジキ川を川沿いに、マヤグスクの滝の方向へ向かっているようだ。
地元の人には悪いが、地名などさっぱりわからないが。

大輔「いたよ!ウラさん」
ウラ「うむ」
彼方「げっ!?な、何あれ?」
美影「夢を無作為に喰らう妖獣よ」
空中からなんとも形容しがたい形の生き物(?)が、森の暗がりにが見えた。
例えるなら、アレはなんだろう?
牙が10本生えている象?首が2つあるキリン?身体中にトゲの生えた甲羅のあるサイ?
ひょろ長くて真っ黒で足や首の妙に長いダックスフンド?魚の顔をしたトナカイ?
そんなのがうじゃうじゃいる。
俺がさっきから感じている違和感の正体はあいつらか?
…いや、違う。もっと大きいヤツだ。そんな気がした。
きっとさっきの鳴き声の持ち主だ。

神木「まずいわね、あいつら人を襲うわよ」
大輔「なにい?」
神木さんがふつうに喋っていた。
ウラ「まかせてくれ!!うおおおお!かつて鬼神と呼ばれたこの温羅の力、とくと見よ!」
ウラさんが右腕を大きく振り上げる。とたんにあたりが真っ白になるほど明るくなった。
彼方「え?あ?…え?」
ウラ「常世に還れ!!卑しき獣ども!」
ウラさんが腕を振ると、ずしんと音がして、森が揺れた。魔物の集団に大きな穴が開く。
大輔「すげえ」
ウラ「まだだ、行くぞ」

そんな折、ふと、思い出した。…あれみんなは?
35名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/10(金) 22:15:13 ID:GfRIr7Cr
>>32-33
夏江「取りあえず、沖縄旅行をちゃんと終えてから、正式に夢幻界編に入った方が綺麗じゃない?」
順子「…と夏江が申しております」
36名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 00:08:52 ID:n0nRFOaL
???「まだ嫌ならこんなのはどうだ」

>>31>>36>>34
大輔「…という話があるんだけど、もう異世界行っちゃうんすかウラさん?」
ウラ「何の話だよ…まあいい。確かに異世界に行くには心も物も準備が足りなさすぎるか…。ならばまだやめておくか?」
大輔「なんだ、そんなのできるんですか?」
ウラ「簡単なことだ。ゲートのところまで行き、それを一時的に閉じてしまうのだ」
大輔「そんなことして大丈夫なんすか?」
ウラ「ゲートの性質上、閉じることに問題はない。ただ…」
大輔「ただ?」
ウラ「ゲートを閉じるのは容易だがまた開けるのはなかなかやっかいだ。もし次も今回のように魔獣が現れたら、ゲートを開くまでそいつらと戦い続けなくてはならない」
大輔「はぁ…」
まあそれなりに大変なこともあるということか。
ウラ「いずれにせよ、ゲートの所まで行かなくてはな。行くぞ…」


OK?
37名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 07:56:27 ID:ASb9kkEQ
???「アイサー>>34から」

神木「おいで!ヤマタノオロチ!」
神木さんが右腕を真っ直ぐに伸ばした先に、ブワッと炎が立ち上る。
彼方「わっ」
炎はごうと音を立てた後、剣の形になる。
神木「では温羅様」
ウラ「うむ」
神木さんは軽いステッブで空飛ぶ剣の上から飛び降りた。
大輔「な……」
神木「龍炎の神木、参る!」
神木さんが魔物だらけの地面に落ちていく。
神木「龍の焔(リュウノホムライ)!」
神木さんを中心に大きい炎が弧を描いて渦を創っていく。
神木「灰塵と化せ!」
炎が8つに別れて跳び、魔物の群を焼いていく。しかし更に不思議なことに森は焼かない。
炎は凄い速さで蛇のように森の中を飛んでいく。
大輔「うわぁ…」
彼方「な、なにあれ?あれって、現実の風景かな?あはは」
スウ「うるさいヤツだニャ。まあいいニャ。今はそれどころだニャ。スウもやるニャ!」
スウの身体が青白く光り出す。
スウ「うニャーーー!!」
スウの体から七色の光が出てきて空中で大きな動物の姿になる。
大輔「猫?」
スウ「じゃあ、行ってこいだニャ、虹猫」
虹猫『ぐおおぉおおおおおおおおおお!』
光の獣は雄叫びをあげて神木さんに続いて降りていった。
美影「何してるの?」
大輔「へ?」
美影「あなたにもいるでしょ?今呼ばなくてどうするの?」
大輔「???」
…リズのことかな?
38名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 11:49:34 ID:hrreH6Oj
そういえばこの間、神木さんと会ったときに喚んで、弾き飛ばされて…。
大輔「そのままか!?」
もしかして怒ってたりしないかな…。下手したら契約が破棄されてたり…。
ウラ「どうした?神木の話では、既にこちらの世界に喚び出してあるのではないか?」
大輔「えーっと…」

【とにかく喚ぼう】
【喚ばないほうがいい】
39名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 13:45:55 ID:B2p5EaS0
【とにかく喚ぼう】

大輔「…と思ったんだけどどうやって喚ぶんだっけ?」
とりあえず俺はまとめサイトを見てみた。よしっ!喚び方は……
大輔「俺に力を!氷の刄よ、来い!!」
こんな感じかな?
ウラ「…来ないな」
大輔「……そうですね」

………………

リズ「……マスター」
大輔「うわっ!?」
ふと気付くと後ろに刀をもった白髪の少女がいた
リズ「リズは……リズは悲しかったのであります!ずっとずっと喚ばれないから捨てられたのかと……」
少女は今にも泣きそうな顔で、その潤んだ瞳で俺に訴えかけてきた
40名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 14:42:32 ID:CMEd5Zy1
リズ「でも、マスター、えっと、そのう」
大輔「……」
そのころ眼下の森では神木さんが炎をまとった刀を振りかざしながら死闘を繰り広げていた。
スウが呼んだ大きな光の獣は、口からごうごうと虹色の怪光線を四方八方へ放ちながら、
魔物の群れをちぎっては投げのすさまじい状態だった。

リズ「リズのこと呼んでくれて、ホント、あの、その、す、すごく、嬉しかったです。はい」
リズは頬を赤らめてもじもじしていた。
大輔「いやあ、あははは」
リズ「あ、あのう、ご迷惑。だったでしょうか?リズみたいなコは?」
リズが上目遣いで俺を見上げる。
大輔「ああ、いや別に」
リズ「良かった!迷惑じゃなかったら、リズのこといつでも呼んでくださいね」
リズはにぱっと笑った。
大輔「ああ」
妙に和んだ。

美影「和んでどーするの!」
雪村さんに怒られた。そりゃそうだな。
大輔「リズさん?あのう、そろそろ?」
リズ「はい?」
大輔「いや、あのね、つまり、ね?」
リズ「ふむう、なんでしょう?」

そのころスウが呼んだ光の獣に、象みたいな魔物が体当たりを喰らわせた。
スウ「ぐっニャ!ちくしょうだニャ!」
彼方「なに、なに?スウちゃん大丈夫?」
リズ「え?えええ?まあ、まあまあ、これは、大変じゃないですか?よーしリズに任せてください」
リズはあちこち見渡した後、1人でわたわたしていた。
ようやく気がついてくれたようだ。よかった。
41名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 16:20:27 ID:+NPCHI3s
リズ「さあ片付けちゃいましょう!猫さんの弔い合戦です!」
スウ「まだ生きてるニャ〜!」
大輔「と、とにかく蹴散らすぞ!…って、ちょっと待てよ。みんなはどうしたんだ?」
リズ「マスターのお仲間ですか?この周辺からは魔物の気配しか感じませんが…」
???「案ずるな。既に空間の外に避難させている」
背後からの声。振り返ると、後ろには漆黒の服の少女…澪が乗っていた。
彼方「いつの間に!?あなた…片桐深緒さん…!?あ、あれ、ちょっと違うか!?」
大輔「澪…『黒翼』のほうだよな?あんた部の合宿じゃなかったのか?」
直後、澪は「ふっ」と薄笑いを浮かべた。…部長自らサボってる?
美影「…で、何しに来たの?わざわざ沖縄まで飛んで来るなんて…何か余程のことでも?」
雪村さんが怪訝そうな目で睨みつける。まあ、その「余程のこと」は今まさに起こってるんだけど。
澪「…信じたいことだが、この現世で奴ら…ノヴァと手下どもの気配を感じた。それもこの一帯に集中してだ。
  それで気になって見に来たが…驚いたぞ。今度は魔物が溢れているんだからな」
大輔「…ノヴァだと!?いや、その話は後か…とにかく、みんなを助けてくれたわけだな。ありがとう」
美影「でも空間外になんて…こんな閉鎖空間でそんな簡単にいくものなの?」
澪「空間操作は私の十八番だ。この神器『パンデモニウム』を使えば造作も無いこと」
そう言って虚空から杖を取り出した。禍々しい装飾が目を引く杖で、もし呪いのアイテムだと言われれば多分信じるだろう…。
彼方「何も無いとこから杖…?何なのよ、さっきから!?」
困惑する彼方をよそに、澪は座り込んでウラさんたちの方に目を向けた。
澪「では、私はお前たちのお手並み拝見といこう。いろいろやって疲れたしな」
…ちょっと待て。あんた見てるだけなのか?

【彼方も非難させてといてくれ】
【あんたも戦えよ】
【放置する】
42名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 16:38:01 ID:+NPCHI3s
>>41間違ってる…orz
×【彼方も非難させてといてくれ】
○【彼方も避難させてといてくれ】
43名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 18:26:30 ID:CEGttrjj
【彼方も避難させろよ】
澪「ふん、いずれはこの世界に行かざるをえない者だ。ここらで少し刺激を与えといたほうがいいだろう」
容赦ないなオイ…。
澪「そうだな、お前も安全な場所にいるがいい」
大輔「え?俺も?」
澪「七幹部もてこずるような魔獣に、魔力の扱いも知らないズブの素人が勝てるわけがなかろう」
大輔「う…」
確かに、ろくに鍛練もしていない俺がいきなりこんなのをなぎ倒せるなんて思えない。
澪「だいたい、その精霊自身もまだ戦闘に慣れていない」
リズ「うわ…すごい…」
うちの精霊さんはウラさんたちの戦うさまにすっかり見とれていた。…うん、俺も自信がなくなってきたぜ。
澪「まあ、そういうわけだ。お前は彼方と共に雪村美影の術にでも守ってもらっておけ」
うーん、精霊と契約したからっていきなりズバンと強くなるワケじゃないのか…ま、こんなに楽勝で強くなれるんだったら世話ねえよな。
44名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 19:04:24 ID:QHy3BcQ7
美影「そういうことなら…ディバイン・シールド!」
美影が手をかざすと、大輔の周囲が金色の光で包まれる。
大輔「うお! なんだこりゃ?」
美影「その光はしばらくの間、包み込む者を守ってくれるわ。…とにかく今は避難してて!」
そう叫ぶと、彼方を大輔の方に突き飛ばした。よろける彼方を、大輔は慌てて抱きとめた。
雪村「とにかく! 彼方さんは大輔から離れちゃ駄目よ! …まったく、もう……ブツブツ」
ぼやきつつ、美影はウラたちの援護に向かった。
神木をなんらかの術で支援したかと思えば、スウに近づく魔物に手をかざして弾き飛ばす。
かと思えば、右手でウラめがけて放たれた火球を防ぐと同時に、左手で双頭双尾の大蛇を吹き飛ばした。

大輔「す、すげえ……」
精霊の加護を得たからといって、とても大輔が加われる状況ではない。第一肝心の精霊はあたふたと逃げ回っている。
一方、ウラはゲシュペンストを変幻自在に駆使して魔物を切り刻み、神木は炎で魔物を焼く。
スウの猫にいたっては、どちらが魔物だといわんばかりに、怪獣映画さながらの暴れっぷりだ。
彼方「ねえ……。何なのよこれ……」
彼方は驚きと恐怖のあまり、大輔にしがみついている。
大輔「彼方……」
いつもの威勢が彼方から消え、その足は震えていた。
45名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 19:11:16 ID:ASb9kkEQ
リズ「ぷんぷん!」
澪「な、なんだ?」
リズ「マスターを悪く言う人は許さないですよーっ」
澪「…ふん」
リズ「あう!うきゅ〜」
澪は、リズの鼻をぱちんと指で弾いた。
リズ「ふみ〜ん。痛いです〜」
澪「おい」
大輔「…はい、何でしょう?」
澪「悪いことは言わんから逃げといたほうが良くないか?」
俺も激しくそう思った。
リズ「ああ!マスター?ひょっとしてリズのこと疑ってますねー?」
大輔「いや、そういう訳でもないが」
リズ「酷いですー。あんまりですー。じゃあ見てて下さよー。リズの魔力はマスターの魔力なんですからね!ぷんぷん」
ウラ「うむ、英雄の力見せてもらうかな」
澪「ふん」
彼方「英雄?大輔が?」
美影「………」
リズ「じゃあ行くですよーっ!うーん!」
リズの身体が黄金色に輝き始める。
澪「!?」
ウラ「ほう」
眩しい。目が開けられない。さっきのウラさんの光より何倍も強い光だった。
リズ「わ、わわわ?なんなんですか、これ?リズは氷の精霊ですよ〜?」
まるで太陽だ。リズから放たれた光がどんどん、どこまでも広がっていく。
彼方「見て!?」
美影「魔物が……」
澪「消えていく」
そこいら中の魔物が片っ端から消えていった。
スウ「すごいニャダーリン。このあたりの魔物の気配が一匹も消えたニャ!」
リズ「あわわ…。なんなんですかー?」
一番驚いていたのはリズだった。
46名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 19:13:44 ID:ASb9kkEQ
スマソ被ってしまた。
47名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 19:32:51 ID:CEGttrjj
まだ鍛練も何もしてない大輔が最初からウラさんたちも驚くほどのバカ強だと俺的にアレなので、>>44の続きから希望。
やっぱり強くなるには修業ときっかけがなくては!!というのが俺の意見かな。
ところで、精霊って灼眼ぽくなにかに宿ってるものじゃなくて、スタンドみたく契約者の外にでてるもんなのか。
48名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 19:46:59 ID:ASb9kkEQ
修業したらもっと馬鹿強くなるってのは?
でないとザーリフとかと渡りあえないし
いつも都合良くこうなるとは限らないって条件付きってヤツで駄目かなあ(^^;
まだ手強いのが残ってるみたいだし
早く胆試しに戻って(戻れるのかな?)明日は帰らないといけないし
49名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 20:01:54 ID:VwodAhSJ
プレイヤー「ていうか大輔達、いつのまに空飛ぶ剣から降りたんだ?」
50名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 20:44:28 ID:+NPCHI3s
まあ、強くなるにしても主人公が群を抜いて強いってのは避けたいな
せっかく敵味方ともに魅力あるキャラ揃ってるんだから、強さにベクトルつけたいし
>>44>>45のどちらから続けるかは次の人に任せるよ
51名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 20:56:44 ID:CEGttrjj
大輔はまだ覚醒前ぽいので、大輔の力ではなくあくまで(実は膨大な魔力を秘めていた)精霊の力が発動してぶっ飛ばしたことにしてほしいかな、と。
剣から降りたのはゲート付近についたから、とか?
つーか俺が思うように話書いたらいいのか…。

続き
大輔「な………!?」
あれだけいた魔獣がみんないなくなっていた。何?今の…。まさかとは思うが…リズの力…?
リズ「………へ?」
へ?じゃねぇだろ…。これは明らかに「私がやったんですか?」な顔だ。
彼方「寒…」
沖縄の熱気はどこへやら。魔獣をなぎ倒した身をさくような冷気がまだ残っている。
ウラ「…やるな、リズとやら」
神木「強烈…」
澪「ふむ…どうやら精霊の魔力だけは莫大なようだな。お前がうまく引き出せるようになればそこそこ強くなれるかもしれんな…」
リズ「いや…そんなことは…」
顔を赤くしてうつむくリズをみんな口々に誉めたたえる。マスターであるはずの俺はおまけ扱いだ。
(それにしても…)
俺は思った。リズが宿っていた剣は、確かキョウコからもらったはずだ。こんなデタラメな魔力を持つような精霊を俺に渡したのかよ…。つーことはキョウコの精霊はもっと…?
52名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 21:23:10 ID:hrreH6Oj
大輔「しかしこれじゃ…」
魔物は倒しても倒しても一向に減る気配が無い。
神木「とにかくゲートに向かいましょう。道を開きます!」
神木さんが剣を突き出すと、炎が一直線に飛び、そこにいた魔物は消え去っていた。
ウラ「よし、こっちだ!」
大輔「リズ、こっちに来い!」
リズ「は、はいっ!」
リズは俺たちを包む光の中に入り、俺の手の中で剣になる。
大輔「ほら、彼方行くぞ?」
彼方「で、でも…なんなの?さっきから…それに大輔まで…」
大輔「これはその…大丈夫だから、な?それに、お前は俺が守ってやるから」
彼方「大輔…」
リズ「マスター、後ろです!」
剣から浮かび上がったリズが叫んだ。
大輔「彼方、走るぞ!」
彼方「う、うん」
俺は彼方の手を取り、全力で走りだした。
53名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/11(土) 23:27:49 ID:DZGtZyR+
ウラさん、神木さん、スウが魔物たちをなぎ払い、雪村さんが防御壁を張ってくれる。
俺たちは手を繋いだまま、やがてゲートの前へと辿りついた。
ゴォォォォゥン……
夢魔の世界へとつながる漆黒のゲートが、魔物の唸り声を発しながら、その存在を誇示していた。
近づいて見てみると、直径2mくらいの円形に開いた穴で、思っていたほど大きくはない。
彼方「大輔…これは……?」
大輔「すまん彼方…今は詳しく説明している暇がない」
いささか冷たい対応だったかも知れないが、こればっかりは仕方がない。
俺は剣で魔物を真っ二つに切り払ったウラさんに声をかける。
大輔「ウラさん! どうすればゲートが閉じるんですか!?」
54名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/12(日) 01:53:53 ID:zVqvoqJG
リズ「マスター危ない!!」
ゴガッ!!
俺の後ろから殴りかかってきた、ライオンの頭を持った二足歩行の魔獣の太い腕が俺に当たる直前に止まる。もし、雪村さんの術がなかったら…。
ウラ「大丈夫か!?」
大輔「俺は大丈夫です!それより、ゲートは!?」
ウラ「溜めた魔力をブチ当てるんだ!君には無理だ。スウ、頼む!!」
スウ「任せるニャ!」
スウがゲートのところに向かう。虹の獣で進路上の魔獣を弾き飛ばしながら。
美影「!?大輔!術が…!」
大輔「!?」
見ると、俺を包んでいた光が消え失せていた。ついさっき、俺の命を救った守りの光が。
…ちい!時間切れか!
55名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/12(日) 03:16:25 ID:hH+X6i13
某プレイヤー「最初から始めてやっとここまできたよ。このゲーム、超大作な予感…。
とりあえず、ブラボー!! 実に書き手のクオリティが高い。それに…めごぱっ」

順子「無駄に話が長くなりそうだったから殺っておいたわ。気にせずに続けてちょうだい」
56名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/12(日) 07:28:57 ID:irQUOx+E
>>55
ようこそ!とりあえずばんばん書き込んでくれよな!

俺の目の前には、さっき俺に殴りかかった魔獣が腕を振りかぶる。やばい!やられる…。
ウラ「よけろ!!」
大輔「!!」
俺は反射的に横っ飛びをする。その刹那、さっきまで俺がいたところに魔獣の右腕か鉄槌のように振りおろされ、地面が陥没した。
バランスを崩し、尻餅をついてしまう。そんな俺を狙って今度は左腕を振りかぶる魔獣。
リズ「マスター!危ない!」
大輔「くうっ…!」
俺はとっさに転がって緊急回避。左の拳撃をすんでのところでかわす。またも獣の腕が地面に埋まる。その隙をついてすばやく起き上がり、バックジャンプで距離をとる。
リズ「すごいですマスター!!」
彼方「大輔…すごい…」
俺も驚いた。避け方はあまりかっこいい避け方とは言えないだろうが、俺の力のみで魔獣の攻撃をかわしたのだ。
そういえば以前神木さんと戦ったときも、彼女の斬撃を自分で驚くくらい防げていた。
(これが精霊との契約の効果…?)
相手の殺気というか、戦いの流れというか、とにかく相手の攻撃がどこにくるのかがなんとなく予想できるのだ。
もっとも、どこにくるかわかっても体のほうがついていかないし、3、4体に囲まれたら逃げられそうな気がしない。はやく雪村さんに術をかけ直してもらわなくては…!
57名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/12(日) 17:08:22 ID:jxazSyT7
ギョオオオオオオオオおおおおおぉぉぉおオオオオオオオオオオオオオオ!

大輔「!?」
彼方「え?え?え?」
ひときわ大きい雄叫びが辺りに響いた。
一瞬、森全体が震えたような気がした。
こいつだ!この鳴き声だ。さっきの違和感の正体だ!
俺はそう思った。

スウ「うニャニャ??」
来た!ばさばさと音を立てて、森の向こうから大きな影が近づいてきた。
漆黒の巨大な翼。月の光が見えなくなった。
そいつの身体が月の光を遮っていた。
彼方「でっかーーっ」
神木「…大きい!」
澪「嘘、なんで、こんなヤツが!」
ウラ「こいつは…、まずいぞ」
美影「…神龍バハムート」
大輔「…え?」
バハムートってやっぱアレっすか?

グオオオオオオオオオオオオオオオオオオおおおおおおおお。ぐるグルグル…!

やっぱ、アレだよ。アレ。
に、睨んでる。…こっちにらんでるーっ。
唸り声だけで気が遠くなった。


彼方「…バハムートってさ、イスラムのほうで巨大魚って意味らしいね、あははーっ、…本当かどうかはわからないけど」
スウ「こら凶暴女!うんちく垂れてる場合じゃないニャ!アイツの炎にやられたら骨すら残らないニャ!」
彼方「誰が、凶暴女だ!誰が!」
大輔「あほ!馬鹿やってる場合か!くるぞ!」
58名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/12(日) 21:26:09 ID:vcfZ460V
―――ィィィィィィィッ!!
あたりに高音が響き、神龍トームハバの口に青白い高エネルギー体が集約されていく。
ウラ「まさか、いきなりキロフレアかっ!?」
スウ「まずいニャ! というかもう死ぬしかないニャー!!」
死ぬってマジか!? こんなところでバッドエンドかよ!
一体俺はどこで選択肢を間違えたんだッ!?
そんな愚にもつかないことを考えながら、死を覚悟した瞬間――

ギンッ!

突然、銀色の剣閃が沖縄の青空を寸断した。
スウ「あ、あれは…」
神木「彼…」
ウラ「ノ…」

ノヴァ!!
59名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/12(日) 22:37:47 ID:cvA2f23e
彼方「ねぇ!あの仮面の人宙に浮いてるよ!」

まわりの空気が変わり、魔物達は動きを止めた。ノヴァに怯えている。

ノヴァ「まだ君たちに死なれては困るからね…」
ノヴァは俺達の方に目を向けた。一瞬雪村さんがうつむいたように見えたのは気のせいだろうか?
ウラ「ど、どういうことだ!」
ノヴァ「久しぶりだな。ウラ=レイセン。」
ギョオオオオオオオオおおおおおぉぉぉおオオオオオオオオオオオオオオ!
ノヴァ「再会を懐かしむのは後だ。大輔……とか言ったな」
大輔「なぜ俺の名前を…?」
ノヴァ「さあな…見たところ全く魔力を使えてないな…見ていろ。これが魔力というものだ」
そう言うとノヴァの体から青紫色のオーラが放出され、髪の毛の色も青紫色になった。
神木「!…超氷神!?」
ウラ「あ、あれが……伝説の超氷神……」
彼方「さ、寒いよ〜」
まわりの木や草は枯れ、凍り、沖縄に起きるはずもない猛吹雪となっていた。
ノヴァ「こんな下流な魔物に精霊の力や剣を使う必要などない!食らうがいい!!」



順子「なんかこんな感じになったけど、どうにかして肝試し再開させてね」
60名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/12(日) 22:53:56 ID:uy1JhsBj
澪「…いかんな」
これまで事態を傍観していた澪が口を開く。
澪「奴に任せておけば、問題なく魔物は片付くだろう。だが…このままでは島の環境に影響が出かねん。
  多くの生物が死滅するだろうな」
大輔「な、何ぃ…早く止めないと!!」
スウ「で、でもそんなの無理ニャ…」
神木「力の差がありすぎます!」
澪「……」
動揺するスウたちの傍らで、澪は瞳を閉じ杖を何も無い空間から取り出していた。
澪「ここは私が何とかやってみよう……温羅、力を貸せ」
ウラ「……」
澪「そして、お前たちは……逃げろ」
61名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/13(月) 00:44:56 ID:x2FarPe6
ノヴァ「さあ、還るんだ。お前はここにいてはいけない」

グオオォぉオオオオオオオオオオオオ!

ノヴァの冷気がトームバハを包む。
彼方「寒い、こ、凍る、身体が凍る…」
ぐええ、さみぃーーーっ今、何℃だよ!絶対マイナスだって!
ウラ「くそっ、ノヴァのヤツ、手加減無しだな」
澪「お前達は逃げろ、ノヴァは闘いに夢中だ。お前も彼方もこんなところで死にたくはないだろう」
大輔「…逃げろって言ってもさ、どこをどうやって逃げんだよ」
澪「私がこの神器『パンデモニウム』で、お前達を結界の外にはじき出してやる」
澪の持っている杖がぼおっと光り始める。

大輔「お前はどうすんだよ?」
澪「この私をお前呼ばわりか?…ふふ、さてねえ、どうなるんだろうな」
俺は澪の杖の上に手を重ねた。
大輔「…お前、まさか、死ぬ気か?」
澪「そんなことはせんよ。温羅、始めるぞ」
ウラ「うむ」
何がなんだか良くわからないが、すごく嫌だった。
気がつくといつも第3者に助けられている。
そんなのがたまらなく嫌だった。
大輔「貸せ」
澪「なっ!?」
俺は言葉少なめに澪の手から『何とかという杖』を奪った。
大輔「こいつは空間を操れるんだろ?やり方もなんとなくわかったよ。俺がやる。お前が逃げてろ」

彼方「大輔、変なもんでも食べたかな?」
美影「…………」
62名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/13(月) 00:52:09 ID:sX0R7/sK
ノヴァ「大輔よ……。率直に言う。それを使えば、死ぬぞ?」
大輔「……! 構わない!」
大輔は半ばヤケになって叫んだ。 
ノヴァ「ふふ、青いなあ……。おい、澪……お前はウラたちの側に付く気か?」
唐突に話しかけられた澪は、それでも気丈に答える。
澪「その気はない。私はこの世界で私、澪として生活できればいいだけよ。
  それを邪魔するのなら、私は貴方の敵にもなるわ」
見据える目は決意の眼差し。
ノヴァ「ふふ…俺の元を離れてから、俺の力が信用できなくなったか?」
澪「…何?」
怪訝な顔でノヴァを見上げる。
ノヴァ「ウラ、お前もだ。確かにお前たちがこの力を見るのは初めてかもしれないが……
    安心しろ。この美しい島、品のない魔物の犠牲にするのは惜しい。見ていろ!」
ノヴァが印を結び、何やら口ずさむ。歌うような響きだが、明らかに人の歌とは異質なもの。
ノヴァ「……フリーズ!」
一瞬、世界の全てが凍りついた。次の瞬間、
ノヴァ「ブレイク!」
島中に衝撃が走る。
大輔「な、なんだぁ!?」
ウラ「こ、これがノヴァの力…!」
…………島に静寂が戻る。否、虫や獣の声、自然の息遣いが聞こえる。空を覆っていた巨竜は消えていた。
ノヴァ「ふう、これで終わり。魔物は全て夢魔の世界に帰した。
    ただ…わずかとはいえ、常夏の島であれだけの吹雪。少し、島の生物に影響は出たかもしれない」
こちらの世界の住人である大輔と彼方、美影のみ、ノヴァの瞳が悲しみを宿していたことに気付いた。
ノヴァ「さて……出て来い! ヒビヤ! ミオ! 貴様らの仕業ということはわかっている!」
63名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/13(月) 01:43:55 ID:iy3g2g4f
ミオ「きゃははっ!ああ、面白かった。だってみんな必死なんだもん」
空間が歪み、見知った顔の女のコが出て来た。
澪「ミオ………」
ミオ「やっほー!ツバサちゃーん。お久しぶりー!やっとまた会えたねー!」
彼方「えーと、あれ?同じ顔??また、浮いてるよね?」
美影「……………」
ヒビヤ「す、すまねえノヴァ様。俺は止めたんだ」
もう一人、今度は木の上に現れた。
彼方「……あの人は!?」
ミオ「きゃははは。だってー、せっかくの胆試なんでしょ?豪勢にしてあげなきゃ」
ヒビヤ「止められなかった俺のせいです」
ノヴァ「…帰るぞ」
ノヴァはマントを翻す。

ウラ「ノヴァ!お前は!!」
ノヴァ「また会おう」
ミオ「また遊ぼうねえ!ツバサちゃん」
ヒビヤ「オラ、帰るぞ馬鹿」
ミオ「馬鹿って何よーっ」
ぎゅいんと再び空間が歪んで、3人は夜の空に溶けて消えた。


スウ「……ゲートが閉じられてるニャ」
リズ「あ、あのう終わったんでしょうか?」
彼方「さあ?」
64名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/13(月) 01:59:46 ID:15vhA1as
―その頃のザーリフ陣営

ザーリフ「カードのほうはうまく処分できましたか?」
イキュ「はっ、突然生じたゲートを利用し、やつらの本拠地周辺に送り込むよう仕向けました。しかし、遣いのモノ共は同盟軍にやられた模様です」
アリドド「所詮はD級よ」
ンボーザ「ならば、任務は遂行できてないのでは?」
イキュ「心配無用。転移の玉を持たせ、カードのみを移動させるように仕向けました故。
さらにカードにはある細工をしておりまして、他のカードを持つものにのみ反応するようになっております」
ザーリフ「いいでしょう。これでしばらくはこちらから出向くこともないでしょう」
ンボーザ「しかし、ザーリフ様。不躾を承知で申し上げますが、バリアを破れたとしても、現状ではノヴァ陣営に少々分があるのでは?」
イキュ「ザーリフ様の兄上であられるラウク様がお戻りになられれば、ノヴァ共など…」
ザーリフ「兄さんの話はやめなさい。あんな男が兄などと、実に不愉快ですよ。ボクは奥のカプセルで休みます。あなたたちも好きになさい」
そう言い残すとザーリフは奥へと消えていった。
イキュ「ザーリフ様…、お父上のドルコ様が亡くなられてから随分と変わられた」
ンボーザ「確か、良質な夢がなくなったことが原因で死んだのだったな」
アリドド「ふん、ドルコのやつが貧弱だったというだけのことよ」
イキュ「貴様っ!」
ンボーザ「やめておけ。今は仲間内で争っている場合ではない(そう、今はな…ククク)」
65名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/13(月) 03:32:41 ID:NvQyJCpi
???「ちょwンボーザさん怪しすぎwww」


――沖縄
西表島は夜の静けさに満ちていた…動物の泣き声や木々のざわめきすら聞こえず、ただ沖縄の静かな波の音がはっきりと耳に残る……
そしてさっきまでの寒さが幻だったかのように気温も上昇し、島が元に戻り始めていた。

スウ「さすがに今度ばかりは死ぬかとおもったニャ…」
神木「我、鍛練不足……」
大輔「………」
またみんなを守ることができなかった。ウラさん達みたいにみんなの役にたちたかったのに……俺だけ何もできなかった……
リズ「マスター?どうかしましたか?」
大輔「ん、なんでもないよ。なんでも……」
こんな情けないことは誰にも言いたくない。言えるはずもない
彼方「ねぇ、だいすけくん」
大輔「なんだよ。改まって…」
そういやコイツが居たのをすっかり忘れてた
彼方「なんだよじゃないわよ!!ちゃんと全部説明してよね!!!」
大輔「ぐおっ!?わ、わかったから襟をつかんでヤンキーばりに揺するのはやめてくれ〜」
澪「私から説明しよう。温羅にも確かめたいことがある」
澪がウラさんの方を向くとウラさんは静かにうなずいた
ウラ「……頼む」
66名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/13(月) 04:42:21 ID:8qLw+iHp
澪は彼方にかいつまんで順番に説明した。

現実とは違う夢魔界という異界があること。
そこには2人の魔神がいて、それぞれ軍を率いていること。
破壊と暴力で支配を望み、悪逆の限りを尽くす凶悪なザーリフ。
夢魔界の平穏のため、現実社会の科学力や技術産業の破壊を目論むノヴァ。
…狂信的平和主義者とでも言おうか。
そして夢魔界の第3勢力である同盟軍のウラさん達のこと。
澪、ウラさん、神木さん、スウ、美影さんや、さっき空中に現れた人たちが、実は普通の人間ではないこと。
澪の言葉に彼方は困惑の顔色を隠せない。

しかし、澪はなぜか金のカードのことは、彼方には話さなかった。

金のカード…。魔神ノヴァを倒す秘策。
金のカードは全部で14枚あるらしい。
同盟軍のウラさんは現在、『3』『8』『Q』『A』の4枚を持っている。
ザーリフ達が7枚もってたんだっけ?残り3枚。どこにあるんだろうな?
その金のカードってのは、2枚の番号が足して13になるように魔力で合わせると玉になるんだそうだ。
これが金のカードの本来の姿だったはずだ。
このときに出来る玉の名称を略すのは諸事情で駄目らしい。

澪「まあ、こんな感じだが、大体わかったかい?」
彼方「あははははは…。今日ってエイプリルフールじゃないよね?ちょっと…頭、痛いかも」
スウ「おい」
大輔「なんだ?」
スウ「あの凶暴女、記憶操作しなくていいのか?」
大輔「しなくて良いんじゃないかな?」



夏江「美咲さんが『K』のカードを持ってることは、貴史と、環希と、美咲さんの3人以外知らないはずだからね」
順子「アンタ、誰に言ってるの?」
67名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/13(月) 09:52:47 ID:reyILuqa
澪「傍からお前たちの戦いを見させてもらったが、どうにも無駄が多すぎる」
ウラ「むう…そうか?」
澪「お前たちは殲滅戦には長けているが、突破戦は不慣れなようだな。…そうだな、それらも含め少し話し合ったほうがいい。とりあえずお前たちの宿舎に向かうぞ」
美影「そうね、とりあえず帰りましょう」
澪「私も後で向かう。色々と話したいこともあるしな。それと、話す際はお前らも居合わせるように」
澪は俺と彼方を指差して言う。
彼方「私も…!?なんでよ!!私は関係ないでしょ!!」
抗議する彼方に澪は無慈悲に言い放つ。
澪「お前はじきにこちらの世界に身を置くことになる運命。ならば、それに立ち向かい激賞を受けるも、何も知らないまま犬死にするもお前しだいだからな」
彼方「そん…な…」
容赦のない言葉青ざめる彼方に俺は声をかけることができなかった。俺自身、何も知らなかったから。

みんなの態度は、まさに「いつもどおり」だった。
セスナに乗ってはゆかりは絶叫し俺な抱きつき、それを見て理恵ちゃんが怒り、ひなたはどこまでも無邪気で、貴史はそれらの光景を見て笑う。
まるで、さっきまでの出来事は夢だったかのように、みんな「いつもどおり」だった。
彼方はただ黙って窓の外を見ていた。窓に映る彼方の哀しげな顔。その顔を見ると、俺は胸を締め付けられる思いがした。
彼方は今どう思っているのだろう。知らない方が幸せだったのではないか、そんな問いが頭の中をぐるぐる回る。
だけど、『運命』という言葉を用いられると、もう何も言えなくなる無知な俺が情けなかった。
68名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/13(月) 11:58:25 ID:15vhA1as
???「結局肝試しは再開できなかったのか。」

―機内、着陸前
美影「着陸態勢に入ります。みなさんしっかり体を固定して下さい」
ゆかり「うわ、うわ、真っ暗で何にも見えないし、大丈夫なのっ!?」
理恵「あんたうっさい。それと、大輔から離れろ!」
ひなた「大丈夫ッスよ。これまでが大丈夫だったッスから」
貴史「そ、そうだな(大丈夫、きっと大丈夫だ)」
そう言いながらも貴史は手を組んで祈っているようだった。
しかし、俺は、
大輔(彼方のやつ、大丈夫だろうか)
ウラ(心配性なのだな。彼方嬢ならば今は寝ている。いろいろあって疲れたのだろう)
知らず知らずモコドを使ってしまっていたようだ。
ウラ(また、辛いことが待っているかもしれん。今は休むときだ。寝かせといてやろう)
大輔(そうですね)
ふう、帰ったら風呂に入ろう。今日は露天風呂を使わせてもらって、外で頭を冷やそう。
澪の話はそのあとでもいいだろう。彼方も疲れてるようだし。
着陸までゆかりが抱きついて(しがみついて?)いたことも気にならないほどに考え込んでいた。
69名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/13(月) 15:19:31 ID:dSpkiJv9
貴史「くう〜っ、着いた着いた。西表島から石垣島まで、あっと言う間だったな。まあ、たかだか30〜40kmくらいしか離れてないから、そんなもんかな?」
理恵「…あ〜あ、明日の今頃は、もうお家かあ、なんだか本当に、あっと言う間って感じ」
大輔「………」
理恵ちゃん、君には悪いが全然あっという間ではなかったぞ。
貴史「しかし、肝試し面白かったな」
大輔「…………」
俺は少しでも早く忘れたかった。
そんな貴史を見ていたら、あの後、貴史達とランデブーした際のいきさつを思い出してしまった。

−−約1時間30分前 西表島

貴史「よう大輔、遅かったな」
ひなた「心配したっすよー」
あの後俺は、雪村さんと彼方の3人でスタート地点まで戻ったんだ。
折り返し地点のボールも忘れずに持って帰ってたりして。
ゆかり「随分遅かったじゃない?途中ですれ違わなかったから、何かあったのかって思っちゃった」
大輔「わりー、道間違えた」
ゆかりは俺や彼方や雪村さんを怪訝そうに見てはいたが、出発前の俺に対する刺々しさ自体は何となく薄れていたような気がした。
…恩田のチャレンジがどうなったのかを、後で問いただしてみなければ。

幾分遅れてウラさん達が戻ってきた。
環希「あ、冷泉さん!」
ウラ「いやいや、すまんな環希嬢。途中ではぐれてしまったよ」
環希「もーっ、本当ですよう。一人ですごい怖かったんだから」
あの時俺は思ったんだ。…ああ、帰って来たんだなあって。
70名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/13(月) 16:13:52 ID:n08hoASA
〜その頃のノヴァ陣営〜
ミオ「何で私が怒られるのよぉ。いいじゃない、島のひとつやふたつ!」
ヒビヤ「…そういう問題ではないよ。――ん?あれは新しい幹部の候補者たちかな?」

ハラワタ「ウラ、スウ、神木、そして名無しの小娘…この裏切り者たちから神器を奪還すること。
     それが最後の試験だ」
ライジン「誰が誰を狙おうと自由だ。ただ決して容易ではないと――」
ミオ「へぇ〜、意外と多く見つけてきたじゃん」
ハラワタ「話の途中だ。貴様は黙っていろ」
ミオ「むぅ〜。だけど、なんかみんな弱そうねぇ。こんなのばっかじゃ猫ちゃんにも勝てないんじゃなぁい?」
候補A「何だと!?嬢ちゃんなめた口きいてくれるじゃねえか!」
候補B「よせ、こいつは…」
ミオ「きゃははは。元気だけはいいじゃん。特別にご褒美あげちゃおっか。
  私と戦って3分間立っていられたら無条件で幹部にしてあげる」
候補A「何だと?上等だ、やってやる!」
ミオ「何人で来てもいいよ?戦いにちーむわーくは大事だからぁ」
候補A「舐めやがって…。おい、おめえら行くぞ!甘く見たこと後悔させてやろうぜ!」
ただ2、3人が前に出て、残った者は――ある者は彼らを笑い、またあるものは行方をじっと見守っていた。

ライジン「止めなくて良いのか?奴め機嫌が悪いようだからな…。間違いなく潰す気だぞ」
ハラワタ「構わん。力量の差も理解できぬ者では、この先生きのこれぬよ」
71名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/13(月) 17:43:09 ID:reyILuqa
候補A「バ、バカな…」
ミオ「ほらどーしたの?まだ一分だよ?」
三分耐えぬけば七幹部任命。簡単なことだと思ってその試験を受けたことを、男は今更ながら後悔した。
男の傍らには同じく勝負を挑み倒れた者が二人。もはやぴくりとも動かない。
ミオ「自分から勝負挑んどいてよわっちいなんて、小物キャラ丸出しだよ?候補Aさん?」
候補A「な…ふざけやがって!!」
男の怒りを顕現するかのように、炎が辺りを渦巻く。この男は炎の使い手として、それなりに名を馳せた者だった。
ミオ「ふふ〜ん、そんな火力じゃあたしの髪の毛一本焦がせないよ。だめだめだね」
が、七幹部の実力は、男が思うよりもはるかに、絶望的なものだった。
候補A「な…くそおーーーー!!!」
ミオ「ふう〜、もうなんか飽きてきちゃったから終わりにするよ。ばいばい、候補Aさん」
ミオは手をパン、とひとつ叩く。ただそれだけで、男は光に包まれ、浄化され、消え失せた。
ミオ「はい、いっちょあがり!…むぅ、なんだか欲求不満…他にあたしに挑みたい人は?」
もちろん名乗り出る者はいない。ミオは肩をすくめため息をついて
ミオ「はぁ…つまんないの」

ライジン「む…?」
候補生たちを見ていたライジンが、一人の男に興味をもった。
黒い装束に身を包み、腰には小柄な造りの刀。隠された顔の、僅かにのぞく目はどこまでも冷たく、全身から滲み出る殺気はすさまじい。
ライジン「あの男…できる…。おいお前」
部下「はっ!」
ライジンは候補生の詳細を聞いている部下に声をかける。
ライジン「あの男…何者だ?」
部下「はっ!ええと…」
部下は手に持った書類をパラパラとめくる。そして…
部下「…それが…わかりません…」
ライジン「わからない?どういうことだ」
部下「候補生の素性については人員をさいてすべて調べあげたのですが…あの男だけはいくら洗っても、過去も経歴も何もわからずじまいでした。わかったのは彼の名前のみで…」
ライジン「言え」
部下「はっ!彼の名前は、影…シャドウです」
ライジン「シャドウか…ふふ、実におもしろい…」
72名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/13(月) 19:43:34 ID:E5B7X6+l
ライジン「ところで、ドッウリハ寺院の者達の説得は出来たのか?」
部下「いえ…相変わらず、応じられぬと」
ライジン「そうか…まぁ仕方ないな」
ドッウリハ寺院は、世界に名立たる戦士達が集う神聖な場所だ。
言うなれば、戦いに身を置く者たちの聖地とも言える。
その寺院を修めている6人の中から誰かを抜擢することが出来れば、この上ない戦力となるのだが、
基本的に彼らは、自分自身を極限まで鍛える「絶対的な強さ」を求めているため、
争いごとには興味がないらしく、なかなか力を貸そうとしてくれない。
現在、その6人のうち、最大の実力者であったオルト・ディスネイ(Alt Disney)は同盟軍の総帥に就き、全軍の指揮を執っている。
その後、ワーナーシスターズ(Warner Siss.)は同盟軍の副総帥についたため、
一時は同盟軍がもっとも有利になったが、3年ほど前にザーリフ陣営に引き込まれた。
残るソーニ(Soni)、ホックス(Hox)、ユニバース(Univers)、パラマウンテン(Paramountain)の4人を
どうやって引き込むかによって、戦況は大きく変化するだろう。
ライジン「だが…」
俺はシャドウという名のアサシンに目を向ける。
このような実力者がいるとなると、ドッウリハ寺院の力を借りるまでもないかも知れん。
7372:2006/03/13(月) 20:28:12 ID:E5B7X6+l
× 俺はシャドウという名のアサシンに目を向ける。
○ ライジンはシャドウという名のアサシンに目を向ける。

失礼。間違えた。
ノヴァ陣営とザーリフ陣営の描写は基本的に第三者視点だったな。

あと、MGMはこの前ソニー本体に買収されたから書かなかった。
ライオンズゲートとピクサーも中堅なのでやめときますた。
(分かる人多いと思うけど、名前の元ネタは全部ハリウッドの映画会社たちね)。
ちょっとキャラ多くなるんで、実は数ヶ月くらい悩んだんだけど、ワーナーだけいるのも何だし、
七幹部を増やすって話も出たから、出しちゃうことにしますた。
74名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/13(月) 20:57:54 ID:sX0R7/sK
順子「まー、使うか使わないかは書き手次第。でも、そういう設定なら無理して出す必要もないわね」
夏江「そうね。明らかに名前が名前だからねえ…。これ以上陣営とかキャラ増えて場面変更が多くなるのもアレだし
   それに、今でこそ冒険伝奇小説っぽいけど、一応“ギャルゲー”ってことは忘れちゃダメよ」
順子「でも…私の本体はどーなってるのよ! 王様に喧嘩売ったとこまでしか書かれて…モガ!?モガモガ……」
夏江「ハーイ、キ○ガイは放っておいて続けてね〜♪」
順子「モガモガ!モガガー!」(ジタバタ)
7572:2006/03/13(月) 21:43:35 ID:E5B7X6+l
順子「ぷはっ! 何すんのよ!」
夏江「とにかく、くだんのヤシらがマジでイラネと思ったら、あたしと夏江で粛清すればいい話でしょ」
順子「まぁ…そうね。そういうことにしておきましょうか」

…ってことでお願いします
76名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/13(月) 22:31:46 ID:reyILuqa
ではこれからの方針として俺の意見をば…
まず、興醒めにならないように、覚醒と乱入はほどほどにしよう。勝利は相性とか弱点とかをうまくついて得るのが美しい。
新キャラはそろそろ控えるべきなのかな?最近はかなり高いレベルの強さのところの話ばかり進んで、大輔レベルの敵が今のところ全くいないな…(シャドウ出した奴がえらそうに…)。
異世界編序盤は大輔はユカリと同レベルの強さで、キョウコを別格としてあまり夢魔は出さないほうがいいような気がするかな、と。

これはあくまで『ギャルゲ』なので、恋愛も絡ませようで。戦いと冒険の中で芽生える愛なんて美しいではないか。
長々とスマソ。まあ、あくまでこの物語はみんなで作るものなので、こうすればいいという答えはない。
タイミングとつじつまさえあえばどんな設定でも出していいのが、このスレのおもろいところだと思います。
77名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/13(月) 23:59:55 ID:iy3g2g4f
???「闘いの最中に敵味方の乱入ってのは、一つの手段であり、
ここぞってときには面白いかも知れないけど、
あまりピンチでないときに『よし助けてやるぞ』って現れても、
『アンタ何しにきたの?』って感じで、何だかなあ になっちゃうので、
乱入は状況にもよるけど、なるべく避けるのは賛成かな。
都合良く助けがくるなんてことは実際にはまずないしね。

で、闘いのレベルだけど、敵がこちらの都合や事情を考えて、
刺客を送り込んでくるなんてことは実際にはありえないしナンセンス。
逆に弱点をついてくるか、物量作戦や圧倒的な戦力差で殲滅を目論むくらいが個人的には普通かな。

闘いは準備不足で心細いくらいのほうが楽しいとか考える酔狂者からのコメントでした。
まあギャルゲだからいっか。見てて楽しいし。長文スマソ」
78名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/14(火) 00:33:40 ID:h7GIfywX
流れ切りですいません。
ようやくまとめサイトのストーリーまとめ第一章分完了しました。サイト内の掲示板、及びスレ内にまとめ書いて頂いた方々に感謝しつつ、報告しておきます。
時間かかってスイマセンでした。
79名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/14(火) 00:51:13 ID:Ns6QasU/
???「>>78乙!!
ではそろそろ再開しましょう」

俺たちはウラさんの部屋に集まっていた。理由はもちろん、これからのことについてだ。
彼方もずいぶんと落ち着いたようで、顔色もだいぶ戻ってきていた。
澪「待たせたな」
澪が部屋に入ってくる。ここにいるメンバーは、ウラさん、神木さん、スウ、雪村さん、澪に、俺と彼方だ。
澪「さて、さっそくだが本題だ。次の、ゲートに入るチャンスは明日の夜。これが最後のチャンスだと思ってくれて間違いない」
明日の夜…俺たちの町でゲートに入ることになるのかな?
澪「心構えとしては、あくまでゲートに入るのが目的であるということを忘れるな。前の敵だけを倒し、後ろは気にするな」
ウラ「ふむ…なるほど…」
澪「しかし、今日無理矢理にゲートを閉じてしまったため、ゲートをもう一度開くのにいささか時間がかかる。
ゲート内は非常に不安定。どんな強さの敵が出てきてもおかしくはない。今日はしっかり寝て、明日に備えるように。わかったな?」
…なんか部活の合宿前日みたいな話し合いだな…。そういえば澪は写真部部長だったな。恩田は無事に済んだのか?
80名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/14(火) 01:04:53 ID:xttM0zI9

とりあえず後二人新キャラ(七幹部の人)出たら極力控えような。


――誰かの夢
???『父上!父上は甘すぎるのです!我が一族は殺戮を!秩序を乱すものを消すのが一族の運命!』
***『……クよ。お前は……に……る……を…るな』
???『ぐぅ……くっ、いくぞンボーザ!』
ンボーザ『ハッ』

###『父上…なぜ父上は……ですか?』
***『ザ………よ……は………な』


――この記憶は何だ?父上?何故思い出せない部分がある?私は……知らない
ザーリフ「……夢?」
ンボーザ「お目覚めですか?ザーリフ様」
ザーリフはカプセルを開きしはしンボーザを眺めた
ザーリフ「ンボーザさん。私は……いや何でもありません」
―オマエハ邪魔者ヲケス。ソレガ一族ノシメイ―
ザーリフ(!?そうだ……私の邪魔をする虫ケラは排除するのみ……)
ンボーザ「ザーリフ様。報告がございます。夢人養殖所をワーナーシスターズが一ヶ所破壊してしまったとのことです。」
ザーリフ「まったく余計なことばかりしてくれるガキどもですね。あとで洗脳の力を強めておきましょう。」
ンボーザ「報告は以上です。それでは失礼します」
ザーリフ(ノヴァ、同盟軍、私の邪魔ばかりする虫ケラどもめ……)
ザーリフはまたカプセルを閉じ、眠りについた……


恩田「ヘックシュ!誰か噂でもしてるな?明日香か?」
……最近明日香の様子が変なんだよな。さっきの肝試しの時だって……(回想中)
81名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/14(火) 09:19:45 ID:uUapBwWG
貴志「お、大輔」
俺が部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、貴志に声をかけられた。
見れば恩田も一緒だった。
大輔「どうした2人して?」
貴志「いやあ、これからペンションの裏手にある露天風呂に行くんだよ」
大輔「へえ、露天風呂かあ」
恩田「うむ、実は昼間のセスナ機のパイロットの人に聞いたんだが、
   どうも、ここの露天風呂には、覗き穴が………もごもご」
貴志が何故か恩田を羽交い締めにしていた。
大輔「………」
貴志「大輔、お、お前も来い。な?
   えーとな、今、美咲さんと環希とひなちゃん。後、明日香と蓮華に瑞紀さん達が行ってるんだよ。
   理恵も一緒らしいから要注意だが…」
大輔「……………」
貴志よ、何故指折り数える必要がある……。

貴志「で、お前も行くか?行くよな?な?」

俺は
【行く】
【行きます】
【連れてって下さい】
82名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/14(火) 09:31:53 ID:uUapBwWG
貴志→貴史だったよ。
83名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/14(火) 12:19:12 ID:h7GIfywX
【行く】

まあ今日はいろいろあって疲れてるからな…。温泉でリフレッシュもいいかもな。
貴史「よし、なら行こうぜ」
大輔「…ところで恩田、それは何?」
恩田の荷物の中に見える黒い物体はまさか…。
恩田「いやー見つかったかー。いや盗撮なんてする気はないんだけどね。何があるか分からないからね。いざというときの為さ」
そう言って恩田はカメラを構え、こちらに向ける。そして止まった。
大輔「…どうした?」
恩田「…昼間話したことを覚えているかい?」
大輔「ああ、幽霊がどうとかってやつか?」
恩田「今ね…君の後ろにいるんだ…」
俺の後ろに幽霊?振り返れば…苦笑いのリズ。
大輔(リズ?)
リズ(えっと…マスターと離れてたときに少し…。どうしてか、あれに写っちゃうみたいなんです…)
84名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/14(火) 15:25:51 ID:ik4fnZl8
露天風呂は岩風呂。沖縄とはいえ夜の風は涼しく、とても心地よい。俺はつい歌を口ずさむ。
大輔「♪はぁ〜〜〜〜るばる、来たぜはぁ〜こだてぇ〜〜」
…ここまでしか知らないのですぐ黙る。ええと、他のナンバーは…。
大輔「♪北のぉ〜〜〜酒場通りにはぁ〜〜、とくらぁ」
この歌もここで終了。
貴史(こら大輔!静かにしろ!)
恩田(他のお客さまの迷惑だろうが!)
大輔「…で、お前らはついたてに張りついて何をしている?」
恩田(シー!ちょっと待て!おお…視界良好!)
貴史(ちょwwwまwww俺にも見せろよ!)
恩田(だめだ貴史くん!君は先刻ジャンケンにて負けたではないか!というかライブはまだ始まってすらいないぞ!)
ギャーギャー

大輔「…………」
【無視する】
【注意する】
【「俺漏れも!!」】
【先に逃げておく】
85名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/14(火) 17:41:52 ID:WLgzLzI1
【無視する】

何気に無視を決め込む。
とにかく俺は疲れていたのだ。
大輔「ふあ、かったるぅ………」
湯舟に肩まで浸かってみた。
大輔「ふうーーーーっ」
漫画みたいに絞ったタオルを畳んで額に置いて、
両手で湯をすくって顔を洗ってみた。
大輔「ほーーーーーっ」
湯舟の下のほうにジェット水流が出ているところがあったので、腰に当ててみた。
大輔「あああーーっ」

貴史「ええい!おっさんか、お前は!」
恩田「しーー!!静かに!…………お?……おおお………」
大輔「……」
貴史「な、何だ!何が見えたのか!?」
貴史と恩田がついたてに、ぴた張り付いていた。
まるてヤモリだ。
貴史「…あ、あれ、瑞紀さんだ。…お?お………おおぉお」
ぴくりと俺の耳が反応してしまう。
恩田「あっち、美咲さんがいる……」
貴史「なんだと!お前は見るなー!あれは俺んだー!」
恩田「あ、ひなたちゃんと理恵ちゃんだ…環希ちゃんもいる………………。
   よ、より取り見取り…て、大輔君いつの間に!?」

【それ以上はよしたまえ】
【そこをどきたまえ】
【俺漏れも】
86名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/14(火) 20:02:08 ID:dH4cWGpA
【それ以上はよしたまえ】

俺は恩田と貴史の肩をむんずと掴むと、力の限りで露天風呂に投げ込んだ。
貴史&恩田「ぐわ〜」
ドボーン!
大輔「…ったく、いい加減にしろよな」
俺だってもちろん興味はあるが、さすがに犯罪だろ。
貴史「なにすんだよ!」
恩田「そうだそうだ。クリームソーダ!」
大輔「おめーらな、仮にも高校生が、小中学生みたいなコトやってんじゃねぇよ」
大輔「つーか、お前ら、バレたときのコト考えてるか?」
大輔「こういうのをするとな、100%バレて叩きのめされるんだよ。コレお約束だろ」
貴史「うっ…確かにそうかも知れない」
恩田「し、しかし、せっかくの萌えイベントなのにっ」
大輔「>>2を読め。このゲームはPS2ソフトで且つCERO15推だぞ? 節度を守りなさい」
貴史「くっ…ちくしょう、誰だよ、このゲームをPS2にしたのは…」
87名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/14(火) 20:34:59 ID:qsMVQNUv
環希「あー、その声は大輔?」
どうやら、向こう側に気付かれたようだ。
理恵「大輔いるのーっ」
大輔「おお、いるぞー」
理恵ちゃんの声に返事をしてみた。
理恵「あ、ホントだーっ。向こうにいるみたい」
貴史(うわ、バカ)
恩田(まずいぞッ!俺のシャッターチャンスがッ!)
ひなた「えー?先輩、そっちにいるんですかー?」
美咲「じゃあ、貴史君もいるの?」
美咲さんとひなちゃんの声が聞こえた。
貴史「はいーっ!貴史はここでありますよーっうほー!」
貴史は条件反射のように返事をしていた。
理恵「馬鹿兄貴、さっきあれだけ木刀でしばいたのに…」
そうだったのか…。何があったんだろう?
明日香「恩田もいるのかな?」
明日香の声が聞こえた。
環希「え?」
蓮華「へえーっ」
ひなた「ほーっ」
理恵「ね?ひなたさんあたしの言ったとおりでしょ?」
瑞紀「良いねえ!若いってのは」
明日香「え?え?え?な、ち、違っ!」
環希「否定するところが、尚怪しい」
ゆかり「ね−、ねー、明日香ったら、肝試しのとき…」
明日香「もーっそれは言わない約束でしょ?」

急に向こうが賑やかになった。
88名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/15(水) 01:46:10 ID:SamRl46t
貴史「くそぅ、これであのお約束も体験できなくなったじゃないか!」
大輔「あのお約束?」
貴史「そう、『ねぇねぇ、美咲さんは誰か好きな人いるの?』『え? 私はそのぅ…』『あ、真っ赤になってる。誰かいるんだ〜』みたいな会話を聞くことに決まってるだろう!」
貴史は声真似を交えて俺に力説してくる。
大輔(決まってるのか?)
恩田「おぉ、貴史くん。やはりわかっているな。醍醐味と言ってもいいかもしれん」
貴史・恩田「友よ!」
二人は向かい合って双方互いに手を肩に乗せている。
大輔「お前ら気持ち悪いからやめてくれ…。しかも向こう(女子側)に丸聞こえだろ」
そのとき、ガラガラ、という扉の開く音がしてウラさんが入ってきた。
向こうもさらに騒がしくなってるのでまた誰か入ってきたのかもしれない。
89名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/15(水) 02:23:01 ID:foN9pfMP
ウラ「ふむ、温泉というものも悪くはないようだな」
大輔「ええ…。入ったことないんですか?」
ウラ「ああ。夢魔……いや、私の居たところではこのような風習はなくてな」
貴史「そういえば、ウラさんって外国のか……た……!!!」
湯につかろうとするウラを前に、貴史が愕然とする。
恩田「うむ? 一体どうし……!!」
恩田も続いて絶句する。
大輔「??? おいおい、どうし……!!」
大輔も驚愕のあまり目を見張った。
ウラ「おいおい、どうしたんだ?」
不思議そうに問うウラだが、少年3人は目の前で重たく揺れるモノに目が釘付けになった。

それは ピーーというには あまりにも大きすぎた

大きく ぶっ太く 重く そして 大雑把すぎた

それは正に巨塊だった

貴史「ま、間違いない! に、日本人じゃねえ……!」
男子風呂はわずかな間、静寂で満たされた。
90名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/15(水) 02:39:50 ID:eKB6dfld
ウラ「おお御三方、君達も湯浴みか?」
貴史&恩田&大輔「…ッ!!?」
衝撃が走った。
ウラ「ん?どうした?鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をして」

貴史「…おい」
大輔「うむ以外というか、予想外だった。いや、納得はできるぞ!」
恩田「一体、何を食ってたらあんなになるんだ?」
貴史「俺は、俺はあんなのは知らねえ!見たこともねえ」
恩田「俺、俺のは大丈夫かな?普通かな?ははは」
大輔「俺だって、い、いや、こ、これ以上は、まずい!絶対にまずい!
    この話はこれで終わろう。な?」

ウラ「円陣組んで何を話しているんだい?」
大輔「う、ウラさん、前くらい隠しましょうよ?あはは」
ウラ「?」
91名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/15(水) 02:41:39 ID:eKB6dfld
こんな時間に、こんなネタで被った…。 orz 吊ってくる。
92名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/15(水) 03:04:52 ID:foN9pfMP
まあ、どんな時間であれ、書き込む前は常にリロードしなさいってこった。

最近被ることが多いが、ちゃんとリロードはしようぜ。
93名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/15(水) 06:12:28 ID:ILL5yjoI
――同時刻、ノヴァ城。

黒い風が吹く。
一通り仕事の説明を聞いたシャドウは、ノヴァ城の窓辺にもたれて、暮れ行く夢魔界の空を眺めていた。
シャドウ「………」
シャドウは、ふぅ、と小さく息をつくと、先ほどライジンからもらった写真を取り出し、1枚だけをじっと凝視する。
4枚ある写真の顔はすでに頭の中に叩き込んだが、この1枚だけは繰り返し何度も見ていた。
その写真に写っていた人物は、虹猫のスウ。
女の子らしい装飾の部屋に、愛らしい笑顔を浮かべて立っていた。
シャドウ「ムルリ…」
ぽつり、と自分の耳にも届かないほどの小さな声でつぶやくシャドウ。
ムルリ…それは、今は亡き、彼の娘の名だった。
この写真を見ていると、どうも娘のことを思い出してしまう。
実際のところは、よく見るまでもなく、雰囲気も容姿もまったく似ていない。
顔つきなどは見間違うはずもないし、当然ムルリに猫耳や尻尾など付いていなかった。
しかし…もしムルリが生きていたら、きっとこのくらいの少女に成長していたことだろう。
小さな身体で、いつも「パパ、パパ」と一生懸命うしろをくっ付いてきた姿が重なる。
シャドウ「オレは…コイツを殺すのか?」
無機質な仮面の下に、「追憶」という名の哀切が浮かぶのだった。
94名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/15(水) 15:06:53 ID:SamRl46t
―同時刻、女性陣

ガラガラ、扉が開き、美影、彼方、神木、スウが入ってくる。
蓮華「おっ、第2陣の到着やな」
蓮華が風呂から上がり、4人に近づいていく。
蓮華「ほほぅ、神木はん、なかなかえぇもん持っとるやんか〜」
と言いながら、手をわきわきと動かしている。
その様子に神木は後ずさる。
神木「我、胸常布巻」
蓮華「いつもはさらしを巻いとんのやな〜。もったいないことしとんな〜」
蓮華はさらに近づいていく。相対して神木が後ずさる。
蓮華「ほらほら、洗礼や。覚悟しいや〜」
蓮華は駆け出そうとするが、
がしっ、彼方に頭を掴まれる。
彼方「ちょっと蓮華、恐がってるでしょ。や・め・な・さい!」
彼方の手が蓮華の頭をぎりぎりと締め付ける。
蓮華「ちょ、痛! 痛い! か、堪忍してや〜」
彼方「だったらその手をおろして元の場所に戻る! ほら、ハウス!」
彼方は犬に命令するように言って、風呂のほうを指差す。
蓮華「くぅ〜ん」
ひと鳴き(?)して渋々戻る蓮華。
彼方「まったくもう。神木さん大丈夫?」
神木「大丈夫、感謝」
神木は手のひらと拳を合わせて頭を下げる。
彼方「いいって、蓮華のバカが悪いんだし」
元凶である蓮華は「くぅ〜ん」ともうひと鳴きしていた。
95名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/15(水) 18:43:16 ID:zKOa6rT5
貴史と恩田が女性人の会話に釘付けになっている間、俺はウラさんと話をしていた。
ウラ「…先程はありがとう」
大輔「え?」
ウラ「あの時、黒翼を杖を止めてくれただろう?杖を奪って。
   奴は多分死ぬつもりだったと思う。一人で犠牲になるつもりだったに違いない」
大輔「……俺もそう思いました。だから止めた、ってのも確かにあります。
   でも本当は、それ以上に何もできない自分が嫌だったからなんです。
   …俺の自分勝手なんです。別に礼を言われるようなことじゃないっすよ」
ウラ「理由は何だっていいさ。君が助けてくれたんだ。
   あんな無愛想な奴でも、かつての俺の仲間に違いは無い。止めてくれてありがとう」
頭を下げるウラさん。
ウラ「だがその後の行動には感心できんな。結局、君は黒翼と同じ事をやろうとしていただろう?
   もし君が犠牲になって助かったとして、それで雪村たちが喜んだと思うか?」
大輔「……そうっすね。すみません。俺は……」
ウラ「いやいや、理解してるならいい。『風呂だけに湿っぽくなる』、なんてのはよそうじゃないか。
   はっはっは」
大輔「……」
……お湯の温度が少し下がった気がした。
96名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/15(水) 18:49:55 ID:zKOa6rT5
>>95、女性人→女性陣…('A`)
97名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/15(水) 19:18:54 ID:RZiYayfF
理恵「はあ……」
ひなた「どうしたんすか?理恵さん」
理恵「あ、ひなたさん……。いや、みんな良いなあって思って……」
ひなた「?」
理恵「だってあたしのって、ほら、こんなちっちゃいんだもん」
ひなた「な、なんのことだと思ったら……あははは」
理恵「タマ姉さんとか、美咲お姉ちゃんとか、瑞紀さんとか、神木さんとか………良いなあ」
ひなた「………そうですねー。私も、私のお母さん小柄だから……、望み薄かなあ……。
   で、でも従姉妹の朝美ちゃんはすごい大きいから大丈夫っすよ!きっと」
理恵「………………」
ゆかり「………………」
美影「………………」
ひなた「あ」
98名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/15(水) 20:50:54 ID:llQrPES1
瑞紀「うーん、しかし、あんたもでかいねぇ…。こりゃあたしくらいあるんじゃないか?」
環希「み、瑞紀さん…そんなまじまじと…」
ひなた「むむむ…うらやましいっすよ…」
蓮華「タマもたいがいやけど、美咲はんも相当でかいなぁ…。しかも美乳やし…」
美咲「いや…そんな…」
スウ「不平等だニャ…スウだって…スウだってぇ…」
理恵「まぁ、まだちびっこだからね」
スウ「いや、おみゃーにちびっことは言われたくないニャ」
理恵「そんな冷静に返すなぁ〜!!」
ゆかり「………」
明日香「…ゆかりさん?」
ゆかり「ちびっこでもないのに、この中で一番小さい私は…」
美咲「ゆ、ゆかり…。そんな傷つかないで…」
ゆかり「うるさいうるさ〜い!!美咲に慰められたら惨めなだけでしょーが〜!!ええい!揉ませろ!」
美咲「わ!ちょ、ゆかり!?」
ゆかり「あぁ〜何でこんなに大きいのだぁ〜!不公平だふこうへいだぁ〜!」
美咲「や!ゆかり、やめ…くすぐった…ひゃあ!!」

ウラ「まったく…騒がしいのう…」
やれやれ、といった感じでゆったりとくつろぐウラさんだったが、俺たち三人にはそんな余裕がなかった。やばい…光景が脳内で回る…。
恩田「な…!貴史くん!?大丈夫か!!」
貴史は盛大に鼻血を出して湯槽でぐったりしていた。
99名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/15(水) 20:53:14 ID:llQrPES1
ゆかりの『この中で一番』はスウは除外ね(理恵は含む)。
100名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/16(木) 04:18:40 ID:xXS79Ym1
ウラ「貴史くん、大丈夫かね? のぼせたのか? もうあがったほうがいい」
恩田「僕が運びます」
風呂で鼻血まみれというグロッキー状態の貴史を恩田が引きずっていく。
おんぶなりしてやれよ、と思ったが、口には出さなかった。哀れ、貴史…。
ウラさんは俺のほうに向き直っていた。
ウラ「せっかく二人になったのだ…」
その言葉を聞いて、無意識に少し身を引いていた。
ウラ「? 少し話をしようと思うのだが…」
大輔「何の話ですか?」
ウラ「うむ、魔王様についてだ」
大輔「魔王様…、ウラさんに魔剣を与えたというあの…?」
ウラ「そうだ。察しはついているとは思うが、『魔王様』とはノヴァのことでもザーリフのことでもない。
今は亡き、夢魔界の統治者であった御方だ。魔王様が生きていた頃には四天王と呼ばれる者達が存在していた。
四天王とは、俺と『氷神』ノヴァ、『混沌』ドルコ、そして『双刃』の4人だった。
魔王様には2人の息子がいてな。その息子というのが、ノヴァと『双刃』だった。
ノヴァは純粋な夢魔だが、『双刃』は人間とのハーフでノヴァの兄だ。
そして、その『双刃』こそがお前の…」
大輔「俺の…?」
ウラ「いや、これは俺から伝えるべきではないな。近いうちに知ることになるかもしれん」
大輔「はぁ…」
いつの間にか、ウラさんの顔が陰っていた。悲しい過去があるのかもしれない。
そう思うと、俺はウラさんに問いただすことができなかった。
ガラガラ! ピシャン!
扉の開く音がしたと思ったら、恩田が戻ってきていた。
恩田「ま、まだ女性陣はあがってないだろうな?」
俺は…
101名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/16(木) 11:12:35 ID:rRBZXZwq
…まあ、もう少しゆっくりしたかったけど、そろそろ上がろうかな。
そう思って湯舟から身体を起こした際、さっきまで、騒がしかった女風呂が、
急に静かになっているのに気がついた。
向こうの面々も上がったのかな?
そう思っていた矢先、ぼそぼそと小さな声が聞こえてきた。
…俺は思わず聞き耳を立ててしまった

環希「……美咲さんてさー、貴史のどこが良かったの?」
美咲「…え?」
理恵「そうそう、あたしもね気になってたの。お兄ちゃんのどこが良かったの?」
美咲「……んー……そうねえ……似てたのかな?」
理恵「?」
美咲「ううん、やっぱり全然似てないかも?うふふっ」
蓮華「なんやの、なんやの。おもろい話?」
彼方「あんたは黙ってなさいって、少年」
蓮華「…くすん」
彼方「あんた、またキャラが変わってない?」
明日香「やっぱ、春先の仮面ライダー事件?貴史のヤツあれで男を上げたからねえ。
   絶対馬鹿。あれは勇者の所業だったよ。あはは」
ゆかり「こら駄目だよ。理恵ちゃんがいるのよ!悪いでしょ?言い過ぎだよ?それ」
明日香「あ!あぁ…、理恵ちゃん、ゴメンゴメン。言い過ぎちゃったです。はい」
理恵「い、良いですよそんな。……もう本当に馬鹿なんだから」
美咲「理恵ちゃんは本当にお兄さんが好きなんだよね」
理恵「違いますー。でも美咲お姉ちゃんだったら、お兄ちゃんあげても良いかも」

…貴史、聞けなくて残念だったな。
102名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/16(木) 11:56:34 ID:yE+e25QH
恩田とウラさんを残し、俺はもう上がることにした。
脱衣所で下着を着て、体を曲げる。
沖縄の地でも、風呂上りのヨガ体操は欠かさない。
さて、脱いだ服を部屋にもっていったら、貴史の様子でも見に行ってやるか。

大輔「……」
部屋に戻ると、俺は異様な光景に絶句してしまった。
壁に首を突っ込んで、じたばたしている奴がいる…。
…いや、その表現は適切ではなかった。
実際には、壁に開いた小さな『ゲート』のようなものに首を突っ込んでいた。
大輔「み、澪…?何やってんだよ、人の部屋で…」
――じたばた
返事は無い。頭がゲートの中だからだろうか?
大輔「…もしかして、つっかえたのか?」
――じたばた
大輔「……」

【今は貴史のほうが気になる】
【押してやる】
【引き抜いてやる】
103名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/16(木) 12:52:20 ID:FBlAGKO1
【引き抜いてやる】

大輔「ったく、しょうがねえなあ」
このまま放置していても良かったが、
他の誰かに見つかるのも良くないだろう。
俺は澪を引き抜いてやることにした。

俺は彼女の腰に手を回した。
腰に手が触れた瞬間、彼女の身体がびくんと跳ねた。
大輔「うお?」
しきりに手をばたつかせて、身体中をぐねぐねさせている。
こっちの状況が分かってないのか?
急に悪戯心が沸いた。
……が、後が怖いので実行には移さないことにした。
大輔「俺だ、俺!今引っこ抜いてやるから、もうちょっと我慢してろ」
俺の言葉が聞こえたのか聞こえなかったのかはわからなかったが、
澪は暴れるのをやめなかった。
大輔「だーかーらー!暴れんなっての!いくぞ!せーの!!」
俺が勢いよく澪の腰を引っ張ると、
ずぽっと音がして、澪のスカートがすっぽ抜けた。
大輔「あ」

………色は、純白だったよママン。
104名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/16(木) 15:01:34 ID:TfLiwi2i
そのときガチャリと音がして、部屋に雪村さんとひなちゃんが部屋に入ってきた。

美影「あら大輔?先に戻って…………………」
ひなた「ん?どうしたんスか?雪村さ……………」
大輔「……………………………」

−−じたばたじたばた。

俺は戸口の2人が凝視しているほうへゆっくりと首を向けた。
壁に首をめり込ませたままの澪が、下半身下着一枚の姿で、ばたばた暴れていた。
…スカートは俺が持ったままだったよ。ポッキー。

ああ、も、もはや俺は、俺は……。

【言い訳を試みる】
【スカートを広げてみる】
【出番だ!リズ出てこい】
【逃げる】
105名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/16(木) 18:03:06 ID:t90f811v
【出番だ!リズ出てこい】
リズ「はいマスター!止まって!ぷりーず・ふりーず!!」
ひなた「んぎゃ!」
……ってひなたを氷らせちまったよこの妖精。驚いた表情で固まってるひなた。ちょっと気の毒だ
大輔「なぁ……ひなた大丈夫か?」
リズ「この術はただ対象を止めるだけなのです。人体に影響はありませんです。」
内心ホッとした。コイツのことだから本当に殺しかねないと思っていたのだ。
しかし、本当の危機がすぐそこにあるということを、すっかり忘れてしまっていた…………
美影「大輔……今この状況を説明してもらえないかしら?この女と何をしているの?」
さ、殺気が…
この殺気で俺は初期の雪村さんを思い出した………………ヤバイ!!!このままでは殺されかねん!!とりあえず説明を……
106名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/16(木) 19:32:05 ID:xXS79Ym1
大輔「か、かくかくしかじか!」
って、俺は何を言ってるんだ!?
美影「へぇ、そういうこと」
大輔「なんで今ので納得するんだ!?」
美影「要するに大輔も状況がわかってないんでしょ。騒いでたときの会話は聞こえてたのよ」
地獄耳恐るべし…。
美影「でも、事故とはいえこの状況はまずいわよね〜? 黙っててほしい?」
俺はどうすればいいだろう…
107名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/16(木) 20:34:15 ID:tToZHAm/
大輔「…はい。黙ってて…ほしい…です…」
美影「わかったわ大輔。ま、約束を守るかどうかは大輔のこれからの態度しだいね☆」
大輔「………」
これから我が身に降り掛かるであろう悪夢と、雪村さんの不敵なほほ笑みの合わせ技で、俺の精神はズタズタだ。つーか何でさっきリズが出てきたんだろ。
美影「とりあえず、彼女を抜かなくちゃ。…なんでこんな状況になったんだろ…大輔手伝って」
大輔「あ、やっぱりボクもですか…?ボクは…ちょっとお…」
美影「でも、ここで受けるべき罰を受けなかったら、長期にわたって命を狙われる、気の抜けない日常が始まるわよ」
大輔「…手伝います」
雪村さんはとりあえず暴れる澪をやっとこさ捕まえてスカートをはかせた。
美影「よし、と。こういうのを抜くには力じゃなくてテクニックが必要なの。ちょっと、足押さえてて」
大輔「は、はい」
俺は言われたとおり足を押さえて…うは、生足だよ…。
美影「いくわよ、せーの!!」
スポン!という擬音が聞こえるほど勢い良く澪が穴から抜けた。はまっていた穴はそれにともない閉じた。
澪「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ〜」
黒髪を振り乱し、息も絶え絶えな澪。衣服を直し、一息つく。
美影「大丈夫?」
澪「ああ…すまない。礼を言う…」
そして澪は俺を、百倍の勇気も一撃で萎えるほどの眼光で睨み
澪「…とりあえず大輔…。お前だけは絶っっっ対に殺す、殺す殺す殺ス…」
大輔「………」
今、脳内で走馬灯の上映準備が整えられている…。
108名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/16(木) 21:45:10 ID:eBoh6CHI
リズ「あの…マスターだってわざとやったわけでは…」
お、さすが俺の精霊。護ってくれるのか。
澪「……」
しかし俺に向けられていた澪の視線がリズへと移ると、
リズ「あ…いえ、そのぉ〜…」
俺の背中に隠れるリズ。澪は「はぁ…」とため息をつくと、乱れていた前髪を掻き上げた。
澪「…もういい。私は合宿に帰る…」
澪はそう呟くと杖で空中にゲートを作り出した。
美影「そんな適当にやるから失敗したんじゃない?」
澪「…っ!」
一瞬、澪の肩がピクッと震えたのが分かった。
美影「そうとう消耗しているみたいね、術式も不安定だし。手伝いましょうか?」
澪「だが…」
美影「こちら側なら安定させられるわ。向こう側だけなら今のあなたでも平気でしょ?」
大輔「雪村さんの力って…?」
俺は二人に近づく。
美影「この際だから教えてあげる。私が二つの世界のハーフだっていうのは知ってるわよね。それで、普通、ゲートを開くにはそれなりの準備や用意がいるの」
美影「でも私はこの世界とアンダーグラウンド間限定だけど、そういったものを省いてゲートを開くことができる。まあそのせいで同世界内での移動はできないけどね」
確かにいきなり向こうの世界に飛ばされたりしたこともあったな。それも雪村さんの力だったのか。
美影「今回は入り口を私が開いて、後はこの人に任せるって話よ」
そう言って呪文を唱え始め、腕を広げる。
澪「ほう…」
宙に浮かんだ魔法陣が光を発すると、異空間へのゲートが現われた。
109名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/17(金) 04:30:13 ID:fk8tbF/X
澪「では、私は帰るぞ。と、その前に…氷室」
大輔「え?」
と目を向けた瞬間、
ガゴッ、衝撃が走る。げんこつをもらったようだ。
大輔「痛つつ…」
澪「これでさっきの件をチャラにしてやる。これだけで済んだのだから有り難く思え」
さっきの衝撃で、
『100だが、最近参加した俺があんな重要な設定書いてしまって大丈夫なのだろうか?』
とかぼやいているひよこが頭の上を飛んでいた。
完全に視界が戻る頃には澪はいなくなっており、辺りは静かだった。
そういえば、ひなたが氷漬けにされたままだ。
大輔「リズ、ひなたを解放(解凍?)してやってくれ」
リズ「わかりました、マスター」
さて、どう言い訳するか…
110名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/17(金) 11:26:03 ID:aMbWcdjY
リズ「はいマスター!ええと…それ!」
リズの声とともにいきなりひなたが動きだした。
ひなた「はうあ!!…あれ?」
ひなたは何が起こったかわからず、キョロキョロしている。
ひなた「あれ?さっき…壁から…女の子の…あれ?」
美影「きっといろいろあって疲れているのよ。今日はもう寝ましょ」
違和感に苛まれるひなたを雪村さんは強引に制して、その話題はそれっきりになった。助かったような、後が恐いような…。
大輔「で、雪村さん。明日の予定は?」
美影「明日は午前中少し海で泳いで、こっちで昼食をとったのち、セスナで那覇まで飛んで、4時ごろの飛行機で帰るの。あ〜あ、明日で終わりか…」
(終わり、か…)
いよいよ明日は帰らなくてはならない。そう思うとやはり短かったな…と思う。…3ヵ月くらい旅行していた感も何故かあるが。
さて、もう寝るかな?
【寝る】
【まだ】
111名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/17(金) 11:45:35 ID:87fRZhg0
【まだ】
大輔「俺、ちょっと外の空気吸ってくるよ。」
美影「そう?私は、先に休ませてもらうわ」
ひなた「あ、先輩、散歩スか?」
大輔「まあ、そんな感じかな?」
ひなた「あのう……そのう、…ひなも、一緒して、良いスか?」

【良いよ】
【ゴメン、少し一人になりたいんだ】
112名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/17(金) 22:44:37 ID:aMbWcdjY
【良いよ】

大輔「ふう…」
海岸に出て、夜の海を見る。
(あれが夢魔の戦い、か…)
圧倒的な光景に見とれるだけで、自分には何もできなかった。できたのは、子供のような意地を張ることだけ。まあ、結果的に澪の命を救ったわけだが。
とかく自分の無力さを思い知るには十分な出来事だった。
(でも、約束したんだ。俺は強くなる、って…)
軽はずみな気持ちで誓ったのではない。俺はあのとき、確実に本気だった。俺は…
ひなた「………」
気付くと、ひなたが俺の顔をじっと見ていた。
大輔「ん?どうした、ひなた?」
ひなた「いえ…物思いにふけるセンパイの顔もかっこいいなって…」
大輔「へ?」
意表をつかれて間抜けな声を返してしまった俺。
大輔「な、何をいきなりかっこいいなんてw誰のネタだ?それ」
ひなた「いえ、ホントに…ホントにかっこいいって思ったっす!ウソじゃないです!」
大輔「あ、ああ…」
やけに力強く言うひなた。否定しなおすのも変なので、とりあえず肯定しておく。
113名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/17(金) 22:47:17 ID:aMbWcdjY
暫くの沈黙。それを破ったのは、ひなただった。
ひなた「ひなは…」
大輔「え?」
ひなた「中学に入学した頃は、ひなはすごく人見知り激しくて…自分を出すのが恐くて…」
大輔「…?」
ひなた「自分の言いたいことも言えなくて…自分から人に話しかけられなくて…教室でもひとりぼっちでした」
ひなた「そして…いつのまにかいじめられるようになってしまっていました…」
大輔「………」
ひなた「でも、ある日いじめられてるところをセンパイに助けられて…ひなは変わりました」
大輔「俺にか?」
ひなた「センパイは明るくって、おもしろくって、優しくって、センパイと話すのがとても楽しくって…」ひなた「センパイと話しているうちに、なんだかどんどん勇気が湧いてきて、いろいろ悩むのがなんだかバカらしくなって…」
ひなた「それから、友達もいっぱいできました。いじめられることもなくなりました。センパイやおねーさま、村上センパイも一緒で、毎日がとても楽しくなりました」
大輔「………」
ひなた「みんな…センパイのおかげです。センパイがいたからこそ、今のひながいるんです」
大輔「ひなた……」
ひなた「へへ…ちょっと話したくなっただけです。じゃ、ひなは先に戻りまーす!センパイ、お先に!」
そう言うとひなたは別荘へ走っていった。顔を真っ赤にしながら。
大輔「ひなた…」
俺はひなたの走っていった方をしばらく見つめるだけしかできなかった。
114名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/17(金) 23:25:44 ID:yzo0t9W9
…俺は誰かの役に立っているのだろうか?
ひなちゃんはああ言ってくれたけど、本当のところは自信なかった。
海岸に波の音が静かに繰り返す。
天を仰ぐと、満天の星空だった。

大輔「俺は、変われるのかな?」
誰に言うでもなくそう呟いてしまった。

ふと視線が遮られた。
大輔「わっ!?」
???「だーれだ?」

【…ゆかりか?】
【わかった理恵ちゃんだ】
【やめろよ環希】
【明日香だろう?】
【蓮華なにやってんだよ】
【あれ?ひなちゃん、忘れ物かなにか?】
【彼方…?】
【雪村さん、もう寝たんじゃ?】
【なんだよ貴史?】
【恩田、お前か?】
【ウラさん、あのう何をやっておられるのですか?】
【え?か、神木さん?】
【スウかい?(足よく届いたな)】
【げっ、タコ…じゃなくて、り、稟さん?(なぜゆえ妙にフレンドリー?)】
【瑞紀さん、ど、どうしたんですか?】
115名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/18(土) 00:25:14 ID:wR1xjyF6
【明日香だろう?】

俺は慌てることもなく答える。
明日香「なーんだ、普通ここは『か、彼方!?』とか慌てることでしょうが」
振り返った俺に、明日香はつまらなそうな顔をした。
大輔「おいおい…。お前と彼方の声じゃ違いすぎるって。んで、何か用か?」
明日香「うん…その、ね? あの……お…だのことなんだけど」
最後の方はかすれて聞こえなかった。明日香はうつむいている。
明日香「……今みたいな悪戯さ、なんであいつには出来ないのかなあ? 付き合い長いのに…。
    あんなバカ……。いつから……いつの間に……」
俺は…

【相談にのる】
【今は人の悩みを聞いてる余裕はない】
【「あ〜、聞こえんなぁ〜」】
116名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/18(土) 01:26:03 ID:hnoRUGA3
【「あ〜、聞こえんなぁ〜」】

大輔「あんだって?」
明日香「…だからね、あの、恩田にね…、その、ごにょごにょ」
大輔「自分で、ごにょごにょ って言うヤツがあるかい」
明日香「むーっ、…そのね、『誰だ?』ってやってみたいかなって
   思ったりしたんだけどさ、でも、何だか、今更って気もして」
大輔「お前さっきから何言ってんだ?全然分からないぞ?」
明日香「……アンタに相談に乗って貰おうって思ったあたしがバカだったよ」
大輔「そうだ、お前はバカだ」
明日香「……テ、テメエ」
明日香は眉間にしわを寄せて目を吊り上げていた。

大輔「言わなきゃ、……思ってるだけじゃ、気持ちは伝わらないよ」
明日香「…………え?」
大輔「でも、思ったような返事が返ってこないのが怖いんだ。言った先の未来が全然見えなくてさ、
   やり直しも出来ないのがすごく怖いんだ。だから前に進めない。みんな同じさ」
明日香「あ……」
大輔「悪かったな、お前さんの参考になるようなことは俺には分からんよ」
明日香「……」
大輔「さあ、帰った帰った。俺はもう少し海を見てから帰るからよ」

明日香「ありがとう。あんた見かけによらず良いヤツだね」
大輔「は?」
今のどこに良いやつの要素があった?
明日香「今日はまだ無理だけど、いつか……」
明日香はそう言い残すと、砂浜を後にした。
117名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/18(土) 01:52:56 ID:EEGCsZo4
大輔「そういえば、見かけによらず、って俺はどんな風に見られてたんだろう…」
なんだか気になってきた。
こればかりは考えたところでわかるものじゃないからな。機会があれば聞いてみるか…。
…………。
明日香にはああ言ったがここにいても何も始まらない。
大輔「よし! 明日には向こうに行くんだ。気合い入れるか!」
海岸でやることと言ったらこれだ。

【「強くなってやるぞー!」と叫ぶ】
【「バカヤロー!」と叫ぶ】
【「お前が好きだー!」と叫ぶ】
【ネリネのスク水フィギュアを掲げ持つ】
【シャドウが気になる】
118名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/18(土) 03:02:06 ID:3gM02Dqi
【ネリネのスク水フィギュアを掲げ持ちながら、「バカヤロー」と叫ぶ】

大輔「お前の出番も久々だな…」
俺はネリネフィギュアを高々と持ち上げ、海に向かって叫んだ
大輔「うおおおぉぉぉぉぉ!!ネリネェェェェェェェ!!!」
…つい、力んでしまった。叫ぼうとしたことと違うことを叫んでまった。
大輔「……誰にも聴かれてないよな?そろそろ戻るか」
そしてこのあとお泊り時の恒例行事「枕投げ大会」があることを、俺は全く予想していなかった……



順子「はい!今のシーンフィギュアにしなさい。」
メーカー「順子さ〜ん。そんなの急すぎますよ〜無理っすよ〜」
順子「文句はないはずよね?まさか文句あるって言うの??」
メーカー「は、はひぃ!直ちに作ります!」
夏江「…これが初回特典フィギュアの誕生秘話なのね」
119名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/18(土) 12:51:28 ID:PlEng+dM
――一方その頃 瑞瀬家

小百合「ねえ、お母さん」
さとり「…ん?なーに?」
居間の窓から犬小屋を見ていた小百合が、TVに見入っているさとりに話し掛けた。
TVはニュースを映していた。
小百合「…ポッキー、帰って来ないね」
さとり「……そうねえ」
ポッキーの犬小屋は昨日から空のままだった。
小百合「ねえ、何かあったのかな?あのコ」
さとり「………う〜ん」
小百合「どうしたの?お母さん」
さとり「どうもこうもないわよ。この子のことよこの子!」
???「わん」
さとりが指差した先には、昨日からこの家に居座りはじめた女の子が、無邪気にカレーを食べていた。
いや、むさぼり喰っていると言ったほうが良いかも知れない。
まるで赤ん坊が生まれて初めてスプーンを使うみたいに口のまわり中、べちゃべちゃだった。
???「あーうー」
さとり「はあ…、全く、何なんだろうね、この子は……」
小百合「警察とかには連絡したんでしょ?」
さとり「昼間連れてったわよ。…病院とか、その……施設とか、
    他にもいろいろあたって貰ったんだけど、迷子届け出てないんだってさ」
小百合「ふうん」
さとり「この子もずっとこんな調子だから、事情わからないし」
???「わん」
さとり「…警察のほうで一旦預かってくれるって話もあったんだけど、私が帰ろうとしたらこの子ったら逃げちゃって…」
小百合「……」
さとり「で、私が家に帰ってきたら、この子家の玄関先に座ってたの」
小百合「…は、はあ」
さとり「どうしたら良いと思う?」
???「わん」
120名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/19(日) 00:33:49 ID:434a6r9+
俺が部屋に戻ると枕が飛び交っていた。
大輔「…なんだこれ?」
何故かみんな部屋に集まっていた。
理恵「あ、帰ってきたな!にゃろ!」
大輔「ぐわっ」
美咲「まあ大丈夫?大輔君」
大輔「???…だは!?」
後頭部に何かがぶつかる。……枕だった。
彼方「遅いよ大輔」
大輔「えと…、どうなってんの?」
蓮華「かかか!うぐは!?」
環希「あまいよインチキ中国人」
蓮華「誰がインチキ中国人やねん!このでか乳牛女!」
環希「牛女言うな!牛はこの人でしょ!」
美咲「う、うし………」
貴史「た、環希!テメエ美咲さんになんてことを!」
環希「あはは!ご、ごめ…わっ」
ゆかり「わはは、隙ありなのだ」
美影「あれはひがみね」
明日香「うん、ひがみだね」
ひなた「おー」
恩田「しかしそれは一つの美学」
神木「…嫉妬」
ゆかり「そこ!妙に納得すんな!」
121名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/19(日) 01:45:15 ID:AsQU50D7

大輔「で、結局みんな疲れて寝てしまった、と」
時計を見ればもう0時。枕投げ大会は熾烈を極めたが、日中の疲労がたたり一人また一人と、自室に戻る者、その場で眠りに落ちる者が増えていった。部屋に残ったのは見ていただけの俺と神木さんと参加自体できないリズだけだった。
リズ「マスター、こっちの布団掛け終わりました」
大輔「ああ、ご苦労さま。神木さんは?」
神木「終わっていますよ」
俺たちは眠っているのを起こすのも悪いと思い、布団を掛けて回っており、ちょうど終わったところだった。しかし、見渡せば部屋中を占拠されており、俺の眠れるスペースが無いような…。
神木「これでは大輔君、眠れませんね…スウを連れて帰ってもあまり空きませんし…」
リズ「小さいですからねぇ」
大輔「確かに…」
神木「あ、私たちの部屋ならスウの分のベッドが空いていますが?」
神木さんたちの部屋にか…どうしようかな……ん?そういえば…


【ウラさんは構わないの?】
【何で俺とは普通に話しているの?】
【二人は眠くないの?】
122名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/19(日) 03:00:54 ID:oTmR7Ahg
夏江「と言うことは、日付変更ね?」
順子「ようやく旅行編、最終日!よっしゃーっ!!」
夏江「夜だから、静かにね」

五月五日(日)

【ウラさんは構わないの?】
なんとなく気が引けてしまった。
神木「え?」
大輔「いや、そのう、神木さんは、ウラさんと仲良さそうだったもんで。悪いかなあって」
神木「…ッ!? い、いいえ!あの!わ、わた、私は、決してそんなことはっ!」
うわっ、神木さん、顔真っ赤。
大輔「神木さんって、ウラさんの彼女じゃないの?」
前から気になっていたことを聞いてみた。
神木「えぇええ!!あ、ああぁ、あの!違っ…!と言うかですね!温羅様には、その、既に心に決めた方がいらっしゃるのです」
大輔「え?」
神木「わ、私は、その御方の命により温羅様をお守りするだけ」
大輔「…は、はあ」
神木「温羅様は、私のことなど…」
神木さんは真っ赤になって両手の人差し指の先をついついと合わせながら、うつむいてしまった。…分かりやすい人だな。
大輔「ご、ごめん。つ、つい気になっちゃってさ。なはは…」
神木「い、良いんですよ、私『あの方』のことも好きですから」
神木さんは自嘲気味に微笑みながらそう言った。…『あの方』ねえ。
神木「大輔君も近いうちに『あの方』には会うことになりますよ」
大輔「はあ」
神木「そう言えば大輔君は、どの方が一番お好みなんですか?」
大輔「は?」
神木「ふふっ私を困らせた罰です。言ってもらいますよ」

【よし言うぞ、俺は一人の娘の名を口にした】
【神木さん、こんなときだけ普通に喋るんですね】
【笑ってごまかした】
123名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/19(日) 04:49:55 ID:w6KFzHta
順子「それにしても、私たち、損な役回りじゃない?」
夏江「沖縄まで来ておいて、結局ミオ撃退と蓮華の勧誘だけなのよね」
順子「充分と言えば充分なんだけど…、露天風呂ぐらい入らせろ〜!」

【笑ってごまかした】

大輔「い、いや、ははは…そういえば、リズはそういうのはないのか?」
リズ「え? わ、わたしですか? わたしはそのぅ…」
大輔「というか精霊にそういったものはあるのか?」
リズ「え、えぇ、あります。精霊は霊と違って、相手が存在を認めていれば、触ることも可能ですから、稀にあるみたいです」
それからリズは「えと、えと」と言いながら、少し赤くなり、
リズ「お、主に契約者と結ばれるケースが多いみたいですけど…」
そう言って、うつむいてしまった。
大輔「へ、へぇ…」
なぜかさっきよりも気まずくなってしまった。どうしよう…。
【「もう寝る!」と言ってこの場で無理矢理寝る】
【再び神木さんに話し掛ける】
【そのまま押し黙ってしまう】
【ダジャレorギャグを言ってみる】
【シャドウが気になる】
124名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/19(日) 07:20:14 ID:4i9q2Pki
【「もう寝る!」と言ってこの場で無理矢理寝る】

大輔「よし、寝よう」
リズ「はい?」
寝ちまえ、寝ちまえ。こうなったらもう寝るしかねえぜ。うははは。
まるで徹夜明けの気分だぜ。
神木「あ、あのう?」
大輔「ああ、神木さん、ごめん、俺ここで寝るわ」
神木「ここって?床?」

南向きの南国感溢れる部屋は、ひどい有様だった。
部屋にはベッドが3つ並んでいたが、部屋の奥側の雪村さんのベッドでは、雪村さんと明日香が寝息を立てていた。
真ん中の俺のベッドは、いつのまにか理恵ちゃんと環希に占拠されていたよ。ちくしょう。
窓側に一番近いベッドにはひなちゃんとスウと蓮華が川の字になってすやすや気持ち良さそうに寝ていやがる。
窓際のソファには貴史と美咲さんが座ったまま寝ていた。寝苦しくないかな?
ゆかりと彼方はおのおの壁際にもたれかかるように床に丸くなっていた。おいおい年頃の女の子がこんなんで良いのかよ?
恩田は、…ヤツは一人、ベランダでひっくり返っていた。閉め出されたのかヤツは?…布団をかぶっているから、まあ、大丈夫か?
まるで無法地帯だが、俺にこれをどうしろって言うんだ?

大輔「リズ、ありがと。そろそろ休んでいいよ」
リズ「え?は、はい。そうですか?それでは、またご用があったらいつでも呼んでくださいねマスター」
リズは、えいと空中でくるんと回転すると ぱっと消えてしまった。
大輔「そんな訳だよ、神木さん。おーやーすーみーっ」
俺はその場に寝転がってタオルケットを被った。
神木「…誤魔化したつもりなのかしら?ずるい人ね」
125名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/19(日) 09:44:21 ID:qsSoeo9x
夏江「もう一度日付確認!」
――5月5日

(…いてて)
翌朝、俺は痛さで目を覚ました。床に寝たせいか、全身が凝り固まっている。
周りを見渡せば、女性陣がまだすうすうと寝ている。枕やシーツは散乱し、まるで嵐が来たかのようなひどい有様だった。
大輔「ふあ〜〜朝か…」
大きなあくびをひとつして、う〜んと伸びをする。
(それにしても、みんな無防備すぎんだろ…)
みんな惜し気もなく寝顔を晒している。もし俺が変態だったらどうする気だ。俺は妙な考えを抱いたりはしないが。
(ガチャ)
その時、ドアがそっと開く。入ってきたのは、カメラ片手に、息せき切らした恩田だった。
恩田「さて、寝顔を……あ」
大輔「………」
(バタン)
ドアが閉まる。妙な考えをおこす変態はいたようだ…。

こうして、沖縄旅行最終日が始まった。
126名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/19(日) 10:46:30 ID:w6KFzHta
大輔「盗撮はやめたんじゃなかったのかよ…」
どうも信用できない男だな。あれを無くせばモテる側の人間になるだろうに…。
身についた習慣(?)はなかなか抜けないものなのか。いや、恩田の場合はやめようとしているかどうかもわからない。
だいたいあいつは…
ごそごそ。
ん? 物音がする。
【誰か起きたのか?】
【恩田のやつめ!】
【貴史! お前何してやがる!】
【ベッド下に隠れて様子を見る】
127名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/19(日) 12:28:51 ID:/a4UDHKy
【誰か起きたのか?】

理恵「う〜ん、むにゃむにゃ」
理恵ちゃんが寝返りをうったようだ。
環希「んんんん……」
寝返りした理恵ちゃんに、一緒に寝ていた環希が抱きついた。
理恵「あ……」
環希「むぃ…駄目だよぉ、大輔、そんな、こと、しちゃぁ…………」
大輔「うお?」
お、俺はなんもやってないぞ。
うわ、り、理恵ちゃん、寝返った拍子にパジャマがはだけて、あちゃーっ胸まで半分捲れ上がってる。
み、見てはいけない!
そう思って首を横に振ってみると、雪村さんのお尻が見えた。
…うっ。ず、ずれている!?見えているぞっ。
今日は、アシカくん だった。
大輔「……」
確かに、この状況はヤバいっ、ヤバ過ぎるぞっ!
一瞬記録に残したい衝動に駆られてしまった。いかん、いかん。
恩田「うおおッ!震えるぞハートッ!燃え尽きるほどヒートッ!これを、これを逃さずして、何が漢ぞ!」
恩田は泣いていた。
大輔「やめとけって、後で殺されんぞ」
恩田「はッ!?大輔君ッ! 僕はッ!?僕はッ!?」

【とにかく恩田を部屋から連れ出す】
【恩田に協力する】
【リズさん、出番だよ】
128名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/19(日) 13:36:05 ID:X4rmHcVV
【とにかく恩田を部屋から連れ出す】

恩田「おおおおお、僕の手が、僕の手がシャッターを押せと命令するー!」
まずい。なんかいまにも「ドドドドド」とか効果音が出そうな感じだ。ここは仕方ない…。
大輔「ボラーレ・ヴィーア(とんでいきな)!」
恩田「げふぅ」
腹を強打された恩田は、文字通りドアの外にまで吹っ飛ぶ。
俺はそのスキにあわててドアを閉め、鍵をかけた。
大輔「ふう、これで当面の危機は……!」

理恵ちゃんの小さな胸、雪村さんのアシカくんパンツからのぞくお尻。
薄いシャツの下で自己主張をする環希の巨乳、健康的な蓮華のふともも。
明日香の高級そうなレースの下着、浴衣から見える彼方の胸の谷間……

大輔「お、お、おおおおお!!」
どうなる、俺の理性!!
129名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/19(日) 14:53:44 ID:fH1gq0Wl
蓮華「…あれ?ここどこや?」
そこは見たこともない場所だった。…いや、知っている場所!?
順子「蓮華、お久しぶりね」
蓮華「…順子!?順子か!?」
夏江「来たわね、蓮華」
蓮華「夏江もいる…。するとここは!?」
順子・夏江「私達の空間にようこそ」
蓮華「何ィ!?」
夏江「うふふ、ようこそ。嬉しいわ蓮華、また来てくれて」
蓮華「い、イヤや、うちは、うちは本当のお父さんとお母さんに会うんや」
順子「あら、あなたの父親は唐代小説研究の学者でしょ?」
蓮華「違う!あれは乾さんが!」
夏江「うふふ、乾さんがどうしたの?蓮華」
蓮華「こ、これは誰にも言えないことなんや!」

美影「お二人とも?蓮華さんをいじめるのはもう止めてあげてね?」
順子「ゆ、雪村美影!」
夏江「まさか、あなたが来るとは!」
順子「くっ、わかったわ、でも私たちまだ、諦めたわけじゃないから」
夏江「そういうこと。またね、蓮華」
順子「それはそうとだいぶsagaってきたから、そろそろageたほうが良いのかな?」
夏江「そうね、次の人に任せようよ」
順子「『100』の設定はどうするの」
夏江「良いと思うよ、面白そうだし」

蓮華「なんやのこれ?」
美影「蓮華さん、じゃあ、私も帰るわ、ふふっ、じゃあね」
蓮華「あ、あはは、あははは……」


蓮華「うーん、いやや…うちは、うちは…」
…蓮華がうなされていた。悪い夢でも見ているのだろうか?
130名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/19(日) 19:49:53 ID:qsSoeo9x
それから色々あり、俺はノーダメージで朝食の時間を迎えることができた。
みなぎる欲情と暴走する若さは、百戦錬磨の俺の理性でねじ伏せた。
討ち取りそこねて残ってしまった欲情は、「後々の恐さ」という最終防衛ラインと、俺のヘタレな性分により「離れて光景を見渡す」という行動だけでなんとか始末した。ふう…厳しい戦いだったぜ…。

で、ところかわってここは食堂。朝ご飯である(どうでもいいが、朝のメニューはすっごい普通)。
美影「食べながら聞いてください。今日は、午前中はあそこの浜辺で泳ぎ、ここに帰ってきて昼食をとったのち、空港に向かいます。到着は6時すぎになりますね」
雪村さんの話を聞いていて、俺はふたたび実感しなおした。ああ、旅行も今日で終わりなんだな、と。
131名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/19(日) 23:56:07 ID:uMfpDTlf
貴史「それじゃあ、行こうか大輔!」
朝食もそこそこに貴史が席から立ち上がった。
大輔「え?俺まだ食い終わってないし」
理恵「お兄ちゃん待ってよ、まだひじきも味噌汁もダシ巻き玉子も全然残ってるじゃん。こっちの酢の物も美味しいよ?
   もう!煮魚なんて少しも食べてないし。ホントに偏食なんだから!」
貴史「前から言ってるだろ、俺、酢の物や玉子系駄目なんだって、魚も小骨が苦手なんだよ」
美咲「ええ?こんなに美味しいのに。ちゃんと食べていこうよ」
貴史「み、美咲さんがそう言うのなら」
理恵「お兄ちゃん、美咲さんの言うことなら聞くんだね」
美咲「ふふっ、私が食べさせてあげようか?」
貴史「え?ほ、ホントっスか?マジっすか?」
美咲「魚の小骨はね、ちょいちょいっと、はい。こうやってよけるの」
貴史「へえ」
美咲さんは、妙に上手だった。
美咲「はい、あーんして?」
貴史「あーん」
美咲「美味しい?」
貴史「うんすごく美味しい」
美咲「そう?良かった」

美影「んん!!えーと、じゃ、じゃあ、朝食の後の予定はそれで良いわね?」
貴史「は!?」
美咲「あ…」
貴史達は、ここの全員の視線を集めていた。
瑞紀「ま、まあ、仲良きことは、なんとやらって言うからねえ」
2人は並んで真っ赤になってうつむいていた。
ゆかり「…うらやまし」
理恵「ばか…」
132名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/20(月) 14:27:18 ID:FHshAuQz
朝食を食べおわり、俺たちは一昨日行った入り江に向かった。…多少展開が早いのは、さして変わったことがなかったからだ、うん。
皆思い思いに最後の海を満喫している。俺はそんなひととおり遊んだあと、休憩がてら浜辺に寝転んで未だ遊ぶ皆を眺める。
ウラ「お疲れかな」
その隣で寝ていたウラさんが声をかけてきた。俺もそっちに顔を向けず、寝転んだままの会話。じりじりと照りつける太陽が眩しい。
大輔「ちょっと気疲れっすね。やっぱりさすがにつらいっすよ」
ウラ「ま、だろうな。俺たちは幼い頃から戦いの中で生活してきたが、君はそうではない。戸惑うのも当然だ」
大輔「そうっすね…」
あんな戦闘シーンはゲームでも見たことがない。ましてや現実の、しかも目の前で起こった出来事だ。
つーか魔獣を斬っても傷からは光が出るだけで血が出ないのは俺的にとてもありがたかった。あれ以来、血は苦手だ。できるだけ見たくない。
ウラ「しかし、彼女は…」
彼方を見る。彼方は朝から普段どおりで、今は蓮華と競泳をしていた。
ウラ「何の知識もなしに、あれを目の当たりにして、あの元気…強いな、彼女は」
大輔「…何も考えてないんすよ、きっと」
言われてみればそうだった。事情を知らなかった分、ショックは俺よりも大きいはずなのに、そんな態度は微塵も見せない。
それが強さなのかどうかはわからないが、その性格には素直に感心した。
大輔「いよいよ今日、か…」
ウラ「そうだな。……今更だが、君たちのことを巻き込んでしまってすまなかったな。奴らを倒すにはどうしても君の力が…」
大輔「いいんすよ、そんなの」
俺はウラさんの言葉を途中で遮る。
大輔「せっかくの沖縄の浜辺。湿っぽいのはナシにしましょうよ」
ウラ「そう、だな。すまないな、大輔くん」

環希「だ〜い〜す〜け〜!!何してんの〜〜!?」
貴史「もっと遊ぼうぜ〜!」
貴史たちの呼び声が聞こえる。
大輔「おお!今行く!」
俺はそう叫び返し、ひょいと立ち上がると、みんなの元へ走るのだった。
133名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/20(月) 17:57:40 ID:gITVTc4R
貴史たちと遊んでいると、遠くから俺を呼ぶ声が聞こえた。
恩田「おーい、大輔君!君の携帯が着信アリだぞ!」
大輔「すまねえ、今行く!」

着信は親父からだった。何の用だろう?
大輔「もしもし…」
親父「大輔、沖縄はどうだ?…って違う!大変だ、家が倒壊している!」
携帯からおっさんの喚く声が聞こえる。
親父「ちくしょう、すっかり瓦礫の山じゃないか!まだローンが残ってるのに…!」
大輔「…それ、前に話したはずだけど?」
親父「何…!?そんな話聞いて…………るな。
   …いや、だがまさか本当に倒壊してるとは思わなかったんだ。
   というかそんな話、冗談だと思うだろ普通」
大輔「もっと息子を信じてくれよ…」
親父「悪い悪い。で、俺はどうすりゃいい?」
大輔「…は?」
親父「家に帰るつもりだったからな、ホテルとか予約してないんだ」
…本当に俺の話は信じていなかったらしい。
大輔「…誰かの家に泊めてもらうしかないか。ちょっと相談してみるよ」

【ゆかりに相談する】
【貴史に相談する】
【それ以外】
134名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/20(月) 18:33:00 ID:x7zvOWY9
【ゆかりに相談する】

大輔「おーい、ゆかりー!」
俺はゆかりを呼んだ。
親父『ん、ゆかりちゃんもいるのか?』
大輔「ああ。母さんもいるんだろ?ならさとりさんの家に泊めてもらうのが一番だろうし」
話しているうちに、ゆかりが近くまで来ていた。
ゆかり「なあに、大輔?」
大輔「うちの親が泊まるところが無いから、ゆかりんちに入れてやってくれないか?」
ゆかり「おじさんとおばさん?別に構わないと思うけど…ちょっと待ってて」
ゆかりは自分の携帯電話を取り出すと、自分の家へと電話を掛け始めた。
ゆかり「…あ、お母さん?えっとね…圭輔おじさんと、さつきおばさんが…そうそう…で、家が無いから……」

圭輔『どうだ?』
大輔「まだ分からないよ」
圭輔『そうか…ところで…っておい母さん!手がじゃブァ…』
さつき『大輔〜元気してた?』
大輔「母さんか?俺は大丈夫だよ。いまゆかりがさとりさんに電話してるから」
さつき『そう、さとりにも迷惑かけちゃうわね。そうだ、ゆかりちゃんいるんでしょ?ちょっと替わってみて。私からも頼んでみるわ』
俺は電話をゆかりに手渡した。
さて、向こうに帰ったら親父たちのところに行かないと。これからのこととか相談しなきゃいけないしな。
135名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/20(月) 21:48:59 ID:En2KJjK6
ゆかり「あ、さつきおばさんですかー?お久しぶりですー。お元気でしたー?」
何故かゆかりの声がいつもより1オクターブ高くなった。
ゆかり「えとね、あれ?携帯2つ??…えと、さつきおばさん?ちょっと待ってくださいね。ごめん、お母さんちょっと切るよー。
    …あ、あれ?お母さんって、さつきおばさんのことじゃないですよーっ。…え?いつでもお母さんて呼んでも良いって?
    あははっ、え、えとですねぇ、あのう、え?お母さん?ちょっとまってー、あうあう。」
ゆかりは、俺が手渡した携帯と、自分の携帯とを持って、わたわたしていた。
見てて微笑ましかった。
恩田「電話してる人に、電話機を手渡すやつがあるかい」
俺もそう思った。

ゆかりは携帯の2刀流で、両耳に携帯電話を当てて電話を続けていた。
ゆかり「え?…駄目?うん、うん、うん、……はい、…はあ。え?居候の女の子???うん、うん?…はあ
    あ、さつきおばさん?今ね、うちの方ばたばたしてて泊まるの駄目なんだって。え?どうにかならないかって?
    お母さん?どうにかならないかだって?え?今日はやっぱり無理なの?え?うん、うん」

なんとも不思議な光景だった。
母さん達には、ダイレクトにゆかりんちに電話させたほうが良かったような気がした。
しばらくして、ゆかりは片方の携帯を切ると、
ゆかり「おーーーい、貴史くーーーん!」
ゆかりは貴史を大声で呼ぶと、貴史のところに駆けっていった。
貴史「呼んだか?」
ゆかり「はい」
貴史「え?俺」
ゆかりは片方の俺の携帯を、貴史に預けると俺のところに駆け寄ってきた。
ゆかり「ごめん、…あたしんち、今凄いことになってるっぽいから、ちょっと無理かも」
大輔「はあ」
136名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/21(火) 03:17:53 ID:h5STf5rB
しばらくして貴史が携帯を俺のところに携帯を持ってきた。
受け取った携帯は通話は繋がったままだった。
貴史「あのさ、悪いんだけど、うちは無理だぞ?部屋がねえや」
大輔「…あ」
そりゃまぁそうだな、俺が貴史の家で借りているのは屋根裏部屋だった。
ゆかり「どうするの?」
大輔「う〜ん、どうしたもんかなあ?」
貴史「そうだ!お前の家の近くに誰も住んでない古い洋館があったろ?」
大輔「そ、それは……」
多分、それは……。

美影「あら、ふふっ、私の家が何か?」
大輔「っ!?」
貴史「げっ、雪村さん?」
ゆかり「み、美影ちゃん、いつの間に!?」
気がつくと俺のすぐ近くに雪村さんが立っていた。
大輔「あ、あの…」
美影「事情は聞かせて貰ったわ、でもあの家は駄目なの」
さすが地獄耳。…ん?あの洋館、今は誰もいないはず?
美影「地獄耳で悪かったわね、ごめんなさいね、理由があってあの洋館は今は誰もいないけど駄目なの」
聞かれていたッ!?俺は、今喋っていないぞッ!
美影「ですがホテルを紹介しましょう」
雪村さんは携帯を取り出すと、どこかへ電話をかけた。
美影「………というわけなので、よろしくお願いしますわ」
ピッと電話を切った雪村さんが俺にこう言った。
美影「駅前のビジネスホテルと話をつけました。圭輔おじさまと、さつきおばさまには、
   今日はそちらへ行って貰えるかしら?」
大輔「……」
いつのまにか父さんと母さんの名前を覚えられていた。
地獄耳恐るべし。
137名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/21(火) 03:19:34 ID:h5STf5rB
…さげ損ねてしまったスマソ。 orz
138名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/21(火) 18:39:24 ID:rYE2nR8q
エラー出たので、2連投します…

楽しい時間はあっという間に過ぎ、もうお昼の時間。俺たちは昼食をとるために別荘に戻る。
彼方「あ〜あ、もう旅行終わりかぁ…」
大輔「みんなそればっかりだなw」
彼方「そりゃあ、楽しかったしね。またみんなで旅行したいなぁ」
大輔「楽しかった、か。うん、そうだな。楽しかった」
やけに非効率的な移動や、頻繁にやってきた乱入者。生命の危機を感じたセスナに、やけにお色気が多いハプニングの数々…。
それらを俺は確かに楽しんでいた。旅行としてはムチャクチャでハチャメチャだったが。
あれだ。波乱が終わった後の常套句『終わってみればいい思い出』ってやつだな。
だが、終わっていない問題が一つ…
大輔「彼方、昨日の話だが…」
彼方「もう一つの世界…夢魔界のこと?」
思ったよりもさらりと答える彼方。
大輔「その呼び方も知ってるのか?」
彼方「うん。あの時集まったあと、澪さんに色々聞いたの。大輔、救世主なんだって?」
言いながら、俺の顔を覗き込んでくる。澪に…?どこまで聞いたんだろ…。
大輔「まあ、そういう設定らしいな、自覚はないけど」
彼方「なんかよくわからないけど、あたしも大事な役どころらしくて…一緒だね」
大輔「彼方は…いきなりそんなこと言われて、戸惑ったりしないのか?」
俺も最初は訳が分からなかった。急に変な世界な巻き込まれて困惑もしたし、憤りもした。
自分の身に降り掛かった現実(未だ現実かどうかは微妙だが)を受け入れるのにはだいぶな時間がかかったのである。
それを彼方は、昨日聞いて今日には受け入れている。いったい、彼方はどう思っているのだろう。
139名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/21(火) 18:41:37 ID:rYE2nR8q
彼方「う〜ん、最初聞いたときには戸惑ったけど、あんなシーンを見せられた後だから疑うことはなかったな」
大輔「でも、いきなり自分が巻き込まれて、理不尽に感じたりしなかったか?」
彼方「そうは思わなかったな。なんか自分しかできないことらしいし、それならあたしがやるしかないじゃない」
大輔「自分しかできないこと…それだけで納得したのか…」
だが、事情が事情だけに、安請け合いは禁物。生死がかかった問題だからな。念のため、俺は言う。
大輔「…言っておくけど、大変だぞ」
彼方「そりゃあ、ね。でも、あたしの力が必要なんでしょ?ここで見捨てたりなんかしたら後味悪いじゃない」
大輔「………」
彼方は俺が思っていたよりもずっと、単純で、まっすぐで、優しかったようだ。
彼方「それに…」
大輔「それに?」
彼方「大輔がいるんなら、あたしはどんなことでも…」
大輔「え?なんて?」
彼方「え?あ、いや、なんでもない!!」
不自然にハハハと笑う彼方を訝しむ俺。
そうこうしているうちに別荘についていた。
140名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/21(火) 19:41:46 ID:5yQH/9vD
俺達は、荷物をまとめてペンションの玄関先に集まっていた。
ゆかり「いろいろあったような気もするけど、何もなかったような気もして、何だか不思議な気持ち」
蓮華「旅行の帰りなんて大概そんなもんや」
玄関先にマイクロバスが回ってくる。
稟「おおい行くよ」
運転席からタコ親父の稟さんが顔を出す。
瑞紀「じゃあ、そろそろ行くよ。みんな忘れ物はないかい?」
美影「…はあ、これでセスナもしばらく乗り収めか」
雪村さんが、さも残念そうに呟いた。
そうなのだ。俺達はこれから空港へ向かうところだった。

瑞紀「昨日の知り合いに頼んであるから、今日も3機に分かれて貰うよ」
ゆかり「またアレ?」
環希「そうしないと帰れないっぽいから、仕方ないんじゃない?」
貴史「俺、セスナは美咲さんと一緒が良い」
美咲「え?」
貴史がわがままを言い出した。
理恵「…馬鹿兄貴。美咲お姉ちゃん!こんな阿呆と無理に付き合わなくても良いんだよ?」
美咲「私は、別に一緒でも…」
理恵「………」
スウ「スウはあのちっちゃい飛行機は、ダーリンと一緒が良いニャ」
大輔「わっ」
ぴょこんとスウが俺に飛びついてきた。
理恵・ゆかり・彼方「ッ!?」
ひなた「あ、あたしも先輩と一緒が………、あっ」
環希がひなちゃんの頭をがしっと鷲づかみにする。
環希「後でジャンケンにしよっか」
ひなた「は、はい」

石垣島の空は今日もいい天気だった。
141名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/21(火) 21:12:28 ID:HSxkUTVq
空港に行く道すがら、貴史達は昨日の西表島の肝試しの話をしていた。
理恵「ひなたさん、昨日の晩なんかちょっと変じゃなかった?」
ひなた「そうかな?あ、そうそう!理恵さん、昨日の肝試しの最中にイリオモテヤマネコ見たんですよね?」
理恵「え?うん見た見た!目がね普通の猫と比べてすごい怖いの!。あはは。でも可愛かった」
恩田「撮影には成功したから安心して良いよ」
貴史「それにしてもさー、あの仕掛けはないよなー。凝り過ぎだって。あれにはさすがにびびったよ」
理恵「お姉ちゃんに抱きつきやがって馬鹿兄貴……」
美咲「あはは…」
ひなた「あのどどどーって木から吊り下がってきた大きな蜘蛛っすか?あれリアルだったっすよねえ」
貴史「ん?そんなのいたかな?……じゃなくてさ、あれだよあれ!
   あのさささーって、目の前を横切るように飛んでった、馬鹿でかいコオロギみたいなヤツ」
環希「そんなのいた?あたしは目のギラギラ光った超リアル一反木綿がゆら〜り飛んでたのが一番怖かったかな」
美咲「私は……、髪の長い女の人が茂みの向こうから、おいでおいでしてるのが一番怖かったかな?ぼーっと光ってて……」
瑞紀「………おいおい、みんな何を見てきたんだい?冗談はおよしよ。
   そんな仕掛けは準備してないって。こっちで準備したのは、てるてる坊主つかったヤツや墓石が転ぶヤツだけだよ?」

一同「え?」
…俺は美咲さんが見たやつが一番怖いような気がした。
142名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/22(水) 00:39:43 ID:ozKvdHZG
やっぱりみんな多少なりとも魔獣と遭遇しちゃってるみたいだな。…美咲さんは別として。
しかし、誰も襲われたりしてないみたいで良かった。あとで澪にちゃんとお礼言っておかないと…。
恩田「僕は部長を見たような気がしたときが一番焦ったんだが、こんなところにいるわけないよな。ははは」
目撃されてたのか…。
恩田は今までの行動からわかるように目ざといからな。時々恐くなるぐらいだ。
大輔(目がもう一つぐらいあるんじゃないのか?)
などと失礼なことを考えてしまった。
そういえばウラさんたちはどうするんだろ? みんなにはこっちに住んでる人だと思われてるだろうな…。
143名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/22(水) 03:15:34 ID:BLO3zPQn
瑞紀「さあ着いたよ、みんな荷物を運びな」
俺達の乗ったマイクロバスは、石垣空港のずっとはずれにある格納庫の前に到着した。
瑞紀「石垣空港から那覇空港までちゃんとした旅客機は出てるんだけど、まあ美影ちゃんたっての願いだからね」
ゆかり「あははは…」
…雪村さんの願いなんだ。
瑞紀「しっかし石垣空港もぼろっちくなっちまったからねえ、まあ新空港の建設計画ってのがあるんだけどね、
   環境の問題云々で賛成派と反対派の対立があって、いろいろ難しいからねぇ」
大輔「へえ、瑞紀さんはどっちなんですか?」
なんとなく聞いてみた。
瑞紀「え?あたし?ん〜。どうなんだろうねえ?どっちかっつうと、反対かな?」
大輔「…え?」
瑞紀「喋ってる言葉で分かるかもしれないけど、あたしは元々こっちの人間じゃないんだよ」
大輔「はあ…」
瑞紀「タコ頭の生家がこっちでね、嫁いだときに、仕事やめてこっちに移ってきたのさ」
大輔「タ…」
瑞紀「毎年、お客さんがどばどば来てくれてさ、商売繁盛竿持って来いってのは、すごくありがたいんだけどね、
   それにあわせて観光事業も発展しちゃって、…決して悪いことじゃないんだろうけど、
   …やっぱさ、汚れてっちゃってるんだよね、どんどん、どんどん。普段見えてないところから順番に」
大輔「……」
瑞紀「一時ひどいときがあったんだけどさ、まあ、それよりは、幾分ましになってるかな?
   あたしらだって客商売やってて、あの馬鹿タコも、どっちかっていうと新空港の建設促進派の考え方だからね
   あたしももう同罪みたいなもんだよ」
瑞紀さんは目を細めて遠くを見ていた。
瑞紀「まあ、しょうがないって感じかな。こっちだって飯食えなくなったら終わりだもんね、さあ、荷物を運びなよ」
大輔「は、はい…」
俺は、瑞紀さんの意外な一面を見た気がした。
144名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/22(水) 08:42:50 ID:9C/cJYPS
セスナにて、那覇空港に向かう。これがセスナ移動の最後になるのかな?
いや、セスナはこれが正真正銘の最後かもしれないな。一般人がセスナに乗る機会なんてそうあるものじゃない。
何気に貴重な体験をしていたんだな、と思った。
ちなみに、ウラさんと神木さんは、もともとヘルプで来たことになっていたので、普通にセスナに乗った。スウは…ぬいぐるみ作戦だ。
ゆかり「墜ちない墜ちない墜ちない墜ちない…」
俺の横でゆかりがつぶやいている。言っちゃ悪いがすごく不気味だ。つーかセスナ移動の時って全部ゆかりと乗ってた気が…。
美影「ふふ、大丈夫ですよゆかりさん」
雪村さんがゆかりをなだめる。で、結局全部雪村機に乗ったわけだが…。
最後くらいは瑞紀さん機に乗りたかったのだが、雪村さんに脅されてこのザマさ。
ひなた「はぁ〜。セスナに乗るのも人生で最後になるかもしれないっすねぇ」
ゆかりとは対照的に、また乗りたいというニュアンスで話すひなた。このコは本当恐いもの知らずだ。
ガタン!!
突然、機体が揺れる。
ゆかり「うひゃあ!!ごめんなさいごめんなさい…」大輔「う…」
ゆかりが俺の腕に抱きつく。なんつーか、もうパターン化してるな…。
ひなた「な…あ…せ、センパイ!あたしも恐いっす!うん!」
大輔「うお!?」
わざとらしくそう言い、逆の腕なひなたが抱きつく。…うん、こっちの方が大きい…いや、なんでもない。
理恵「(ムッ)おいコラ。何デレデレしている(ゴスゴス)」
大輔「痛い痛い痛いからグーはやめてグーは…」
後ろから理恵ちゃんが殴ってくる。
美影「あら大輔さん。おモテになられるようで、結構なことでございますわねぇ、ほほほほほ…」
大輔「………」
雪村さんの殺気を含んだ言い回しに背筋が凍る。
こうして俺は、両手に花を、後頭部に鉄槌を、前方から戦慄を受けながら、空港に向かうのだった。
145名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/22(水) 23:05:55 ID:Lcwlw9vw
貴史「よう、大輔遅かったな」
大輔「はははは…………」
ゆかり「あ゙ー怖かった………」
理恵「ううーん。腰痛ぁ…」
ひなた「面白かったっスー!」
俺達が那覇空港のはずれに到着した頃には2時半を過ぎていた。
セスナから顔を出した俺達を、先に着いていた貴史達が迎えてくれた。
どうやら俺達のセスナ機が一番最後に到着したようだった。
美影「あ、そうそう」
雪村さんは満足感と物足りないって感じを足して2で割ったような顔をしていた。
大輔「何だい?雪村さん」
美影「無許可で飛行機が空港に降りることを何て言うか知ってる?」
大輔「…さあ?」
美影「ダイハードって言うの。民間の自家用機は公共の飛行場に勝手に降りちゃいけないし、
   普通はね、石垣島に行くには那覇空港から飛行機が出てるからそれに乗り換えるの」
大輔「…………」
いつかどこかで見た映画のタイトルを思い出した。
美影「セスナはね、私の数少ない趣味だったの、本当にゴメンね。無理に付き合わせちゃって」
一同「…………」

美影「でね、帰りの便はNANAの130便で、出発は15:45だから、向こうに着くのは17:55くらいね」
スウ(だからミカッちの操縦は大丈夫だって言ったニャ)
スウの思考がモコドに飛んできた。
大輔(…お、お前さんさりげなくぬいぐるみになってたよな)
スウ(うにゃ、神木に言われたニャ…。凶暴女以外の皆からスウの記憶を消しておいたニャ…。)
大輔(なんだ元気ないじゃないか)
スウ(……ダーリンと一緒にちっちゃい飛行機乗りたかったニャ…)
大輔(……そっちかい)
146名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/23(木) 06:08:20 ID:uySXTGVM
羽田空港に着いた俺達は、空港に有りがちな名前を書いた紙を持ち名前を呼ぶ風景を見た。
???「れんかー、れんかー。」

蓮華「なんやなんや、有名になったもんやなー。」
蓮華が面白そうに声のする方を見る。
そこには緑の全身タイツに手首、足首、頭に葉っぱをあしらったとても普通とは思えない、
今度アニメ化されるアレを知っているならバカ軍団のK嬢の文化祭舞台衣装の姿をした、「Renka☆」のプレートをもつ女と、
額から流血して、これまた普通とは思えない姿で、怪奇番組に有りがちな血文字風の「転蓮華」のプレートをもつ女が居た。

蓮華「ひいぃぃぃっ、順子に夏江っ!」
蓮華は叫ぶなり空港の奥に走り戻っていった。
ゆかり「えっ、なに、JUNKO☆?」
ゆかりが辺りを見回す。
ゆかり&環希「キャーーーー!!JUNKO☆ーーーー!!!」
順子「うっ、目立った、夏江、ずらかるよ。」
夏江「えっ、ええ。」
美咲「あれは、・・・夏江さん、また血まみれで・・・」
順子と夏江は足早に退散した。事態は収まるかに見えた。だが。

空港ガードマン「君、これは偽造パスポートじゃないか。」
向こうに逆走した蓮華はガードマンに捕まり、パスポートを提示させられていた。
一同唖然としている中、雪村さんが戻って行きガードマンと交渉を始めた。
美影「ちょっと待ってください!」
なんだかんだで友達思いの雪村さんは、こういう時心強い。

【雪村さんに任せておく】
【雪村さんを手伝う】
【ネリネのスク水・・・】
147名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/23(木) 08:40:18 ID:GUKxELaa
【雪村さんに任せておく】

美影「…ご迷惑を」
何故かガードマンに頭を下げる雪村さん。どうしたんだ?まさか本当に…。
ガードマン「ああ、次はきちんと言っといてやってくれ」
美影「でも、ちょっと騒ぎ大きくしすぎですよ」
ガードマン「や、ちょっとやってみたかっただけだwなんかゴタゴタしてたからな」
そう会話をかわして、雪村さんは問題のパスポートを持って戻ってきた。
蓮華「雪村はん!うちは偽造なんかしてへんで!」
美影「うん、わかってる。でも…国内線でパスポートを出す必要はないのよ。それと、パスポートは提出する必要はないのよ」
蓮華「え?そーなん?」
大輔「………」
おまえは行きに何乗ってきたんだよ…学習しろよ…。
あれは係員の冗談だったようだ。ユーモアも時と場所を選ばなくちゃ、職を失うぞ…。
こうして、なんとか事無きを得たのだった。さあ、手続きを済ませ、あとは飛行機に乗るだけだ!
148名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/23(木) 09:31:11 ID:uySXTGVM
>>147
>>羽田空港に着いた俺達
>あとは飛行機に乗るだけだ!
何処へ?

>>空港ガードマン「君、これは偽造パスポートじゃないか。」
>>向こうに逆走した蓮華はガードマンに捕まり、パスポートを提示させられていた。
この流れは、
(1) ガードマン、逆走の蓮華を捕まえる。
(2) 名前を聞く=>Japaneseじゃないな、パスポートは?(パスポート携帯義務有り)
(3) パスポート(蓮華は密入国=>乾さんによる偽造)を見せる=>偽造じゃないか!
です。説明しないとわからなかったですか?

全体的におかしいので再度146から選択願います。
149名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/23(木) 10:05:06 ID:GUKxELaa
おっとすまないよく見ていなかった。…つーかもう羽田かよ…。
次の人に任せる。
150名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/23(木) 10:07:02 ID:uySXTGVM
こんな風になる事を期待していた。

【雪村さんに任せておく】

美影「ちょっと待ってください!それは偽造じゃなくてパスポートのコピーですよ。」
ガードマン「いや、こんな手の込んだコピーなど。」
美影「彼女のパスポートは家にちゃんと有ります。実は先日友達みんなで本物っぽくしようと悪ふざけしたところなんです。」
ガードマン「そ、そうか。あんまり紛らわしい事はしないように。」

雪村さんが蓮華を連れてこちらに向かってくる。どうやら事なきを得たようだ。
蓮華「ありがとう、雪村はん。感謝しても、感謝しきれん。」
美影「そんな大げさな。」
蓮華「大げさやない。恩返しがしたい。」
美影「ええっ?そうね・・・」
美影「ごにょごにょ(大輔くんと私が仲良くなれるように協力してくれるかな?)」
蓮華「美影はん、あんた・・・」
美影「みっ、みんなに言っちゃだめだよ。」(少し赤くなった)
蓮華「わかったで。うちは美影はんに協力したる。」
蓮華(彼方はんには悪いが、じかに頼まれたのは美影はんが初めてだしな。)

戻ってきたふたり、心なしか少し仲良くなったような気がした。
151名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/23(木) 11:52:10 ID:bHzCYyCC
貴史「うおー!帰ったぞー!」
…貴史、到着ロビーで叫ぶのはやめれ。
まわりはすごい雑踏だった。
環希「う〜ん、帰って来たねえ」
ゆかり「長かったような短かったような」
……俺は長かったぞ、ゆかり。
ともあれ俺達の2泊3日の沖縄旅行はこれで終わったかな?
確かに3ヶ月くらい旅行していたような気分だった。
美咲「飛行機降りてからここまで長かったよね」
理恵「あうー荷物重いーっ」
明日香「私のみたいにコロの付いてる鞄にすれば良かったのに」
理恵「…良いなあそれ」
美影「皆さんお疲れ様でした。それではここで一旦解散にしましょうか?」
大輔「解散か……」
なんとなく感慨深いものを感じた。
でもまあ、みんな帰る方向はだいたい同じなんだけどさ。
彼方「…大輔はどうするの?」
大輔「…え?」

【モノレールかな?】
【バスにかな?】
【京急線(電車)かな?】
【なんも考えてない】
152名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/23(木) 12:39:12 ID:uySXTGVM
【なんも考えてない】

大輔「なんも考えてなかったな。貴史と理恵ちゃんと一緒に帰るか、雪村さんに両親の居るホテルに案内してもらうかだな。」
彼方「そっか、家が倒壊してて大変だったよね。」

【貴史と理恵ちゃんと一緒に帰る】
【雪村さんに両親の居るホテルに案内してもらう】
153名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/23(木) 23:28:57 ID:U+e4j4cN
【貴史と理恵ちゃんと一緒に帰る】

貴史「親んとこ会いに行くんだろ?一旦うちに荷物を置いてったほうが良くねえか?」
…う〜ん、どうだろう?そのまま親父達と一緒にホテルで宿泊ってのも考えたが、なんとなく貴史んちのほうが落ち着くんだよな。
大輔「そうだな、悪いィ貴史、お前んちに荷物置かせてくれ」
貴史「OK、お前さんが一緒のほうが理恵も喜ぶしよ」
理恵「ええぇ!ちょっ、な、お兄ちゃん!!あ、あたしは別に!」
大輔「はは…」
理恵ちゃんが真っ赤になって怒っていた。
美影「ふふっ、残念ですわ、それでは私達は向こうに車を待たせているので、先に失礼させて頂きますわ、…ウラさん?神木さん?」
ウラ「じゃあ、それでは」
神木「再見…」
スウ(後でいくニャ〜)
雪村さん達は先に行ってしまった。

環希「貴史や大輔はどうやって帰るの?ねえ、バスにしない?」
大輔「え?」
貴史「悪ィ、うちバス停より駅のほうが近いんだよ」
蓮華「まま、しゃあないやん」
環希「う〜ん、じゃあ、あたしらやっぱ帰りはバスにするよ」
彼方「少年が一緒なのが気に食わないけどねー」
蓮華「なんやねん、やる気かコラー!」
彼方「…アンタ、またキャラが変わってない?」
明日香「バイバーイ!みんな、週明けにまた会おうねーっ!おい恩田!ちゃんと荷物持てこら」
恩田「何で僕が……」
蓮華と環希、明日香と恩田と彼方の5人が、バス停のほうに歩いていった。

美咲「うふふっ、皆さんまたねえ」
ゆかり「ばいばーい」
ひなた「ばいばいですー」
とりあえずモノレール組は、美咲さんと貴史と理恵ちゃん。ゆかりとひなちゃんと俺の6人になった。
貴史「じゃあ、俺達も行こうぜ」
154名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/24(金) 00:58:05 ID:CVgShWDX
大輔「だな。行くか」
乗車券を買って、改札口へ…と、そこまで進んだところで一人遅れていることに気付いた。
理恵「んしょ、んしょ、うぅ〜」
少し後ろの方で理恵ちゃんが荷物を重そうにして、うなっている。
俺は…
【荷物を全部持ってやる】
【おみやげの袋以外を持ってやる】
【貴史に持ってやるように促す】
【声をかけるだけにしておく】
155名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/24(金) 01:34:54 ID:DPOnKRNh
【おみやげの袋以外を持ってやる】

大輔「貸してみなよ」
理恵「あっ」
…なんだよ、思ったより全然重くないじゃないか。
理恵「あ、ありがと」
大輔「いや別に、ほら行くぞ」
理恵「えへへっ、うん」

ひなた「み、見たッスか、ゆかりさん?」
ゆかり「う、うん」
ひなた「…先輩って、やっぱ年下好みなんスか?」
ゆかり「…………こっちが知りたい」
ひなた「いや、年下って言うかあれは、むしろロ…」
ゆかり「……」
大輔「ひなちゃん、その、全部聞こえてるんですけど…」
ひなた「は!」
156名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/24(金) 18:50:21 ID:Ehcc69v0
モノレールから電車に乗り換えて、俺や貴史がいつも使ってる駅に到着した。
ぷしゅっと音がして電車の扉が開く。
大輔「よっと」
理恵「ふう、ようやく駅だぁ」
貴史「もうちょいだな」
美咲「ホントちょっと疲れたかも」
ひなた「ひなも疲れたっす」
見渡すと、あたりはだいぶ薄暗くなっていた。

ゆかり「あ、そか。大輔たちってここだっけ?」
ゆかりだけ電車の中に残っていた。
大輔「え?ああ、ゆかりは隣の駅だっけ?」
ゆかり「うん」
大輔「そっか、そいじゃまあ、お疲れさん」
ゆかり「じゃあね、またね、みんな。大輔、バイバイ」
大輔「おお、またな」
美咲「うふふ、失礼しますね」
貴史「ゆかりさん、まったねーっ!」
ひなた「ばいばいっスー!」
理恵「お疲れ様でしたーっ」
ぷしゅっ音がして、ゆかりを乗せたまま電車の扉は閉まり、
ごんごんと音を立てて電車は行ってしまった。

…『またね』…か。
全く、『またね』がいつになることやら…。

美咲「じゃあ、私達も行きましょうか」
ひなた「先輩!置いてっちゃいますよー」
大輔「ああ今行くよ」
157エラーになるので2分割します orz:2006/03/25(土) 01:56:36 ID:6dn2ovPR
夕闇迫る空に星が浮かんでいた。
いつもの商店街に差し掛かるところで貴史の隣を歩いていた美咲さんが呟いた。
美咲「あ、貴史君、私こっちだから」
ひなた「あ、ひなもです」
美咲さんの言葉に合わせてひなちゃんもそう言った。
貴史「そっかー、3日間ずっと一緒だったから、ちょっと寂しいなーっ」
美咲「え?」
ひなた「そうですねえ、ひなも随分長いこと先輩と一緒だったから、なんだか寂しいなー、なんて」
大輔「ひなちゃん…………あででででで!?」
ひなた「せ、先輩!?」
大輔「り、理恵ちゃん?痛い痛い」
理恵「むーっ」
気がつくと、理恵ちゃんに背中をつねられていた。
美咲「うふふっ、大輔君、モテモテね?」
大輔「ぎゃ、ぎゃふん」
貴史「そーだぞぅ、ふらふらしてちゃあいかんぞ?男ならビシッとしなきゃな、ビシッと」
大輔「……」
158エラーになるので2分割します orz:2006/03/25(土) 01:57:32 ID:6dn2ovPR
美咲「それじゃあひなちゃん、行きましょうか?貴史君、大輔君、理恵ちゃん、バイバイ」
ひなた「うう、先輩、…またですーっ」
貴史「美咲さーん!またねーっ!」
理恵「叫ぶんじゃない!馬鹿兄貴」
大輔「ははは…」
美咲「あ、理恵ちゃん?」
美咲さんがついと振り返る。
理恵「なーに?美咲お姉ちゃん」
美咲「頑張ってねー?応援してるからね」
理恵「うん!」
大輔「?」
ひなた「な、何スか何スか?み、美咲先輩?ひなにも教えてくださいぃ」
美咲「帰りの飛行機でね、ちょっと約束したの。ごめんねえ、秘密なの、うふふっ」
ひなた「ええぇ?」
美咲さんとひなちゃんは行ってしまった。

貴史「じゃあ、行くか」
大輔「だな」
理恵「あ、家が見えたよ」
貴史の家はすぐそこだった。
159名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/25(土) 07:39:25 ID:yuzGt8OT
貴史「ただいま〜!!」
理恵「ただいま!」
芙美「あら、お帰りなさい。楽しかった?」
3日の旅行はあっという間に過ぎ、俺たちはようやく帰ってきた。
理恵「ほらほら、これ沖縄みやげ!ちんすこうに…さーたーあんだーぎーに…」
芙美「あらあら」
貴史「ふぃ〜やっぱり我が家が一番や〜」
理恵「そんな老けたセリフ言わないでよ恥ずかしい…」
大輔(我が家、か…)
その言葉を聞いてなんとなく悲しい気分になる。そう、ここは俺の家じゃないんだよな。
…とりあえず、着替えるか。
屋根裏に上がり、一息ついたころ
スウ(ダーリン!!)
大輔「うをっ!!」
急に入ってきた声にビビる。
大輔(…なんだスウ、そんなに慌てて…)
スウ(至急、集合ニャ!!待ってるニャ!!)
大輔(え?ちょっと?オイ!!)
…切れた。集合て、どこにだよ…。つーか親父のことも気になるのに…。だいぶ慌ててたな、どうしたんだろ…。
スウのそんな態度にただならぬものを感じながら、くしゃみを一つする俺。
急に話し掛けるから、パンツ一丁で会話をしてしまったぜ…。
160名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/25(土) 21:42:09 ID:yuzGt8OT
今更だが、『着替えてる時に』急に話しかけられたからパンツ一丁なのな。ほんと今更だが。
161名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/25(土) 23:57:15 ID:P8XkYdiB
???「それが変なんです大輔君」
大輔「!!?」
部屋のどこからか声が聞こえたかと思うと、いきなり部屋の壁から神木さんが現れた。
神木「カードが、カードが見つかったんです。って、…うっ!大輔君、なんて格好…」
大輔「きゃーっ」
神木「じょ、冗談を言っている場合ではありません!」
こっだって冗談じゃないやい。
神木「カードが見つかりました。7枚まとまった状態で!」
神木さんが普通に喋っていた。
大輔「か、カードって?…あっ!」
神木「はい、それも7枚も。何かおかしいのです」

そんな折誰かが階段を上がってくる音が聞こえた。
理恵「大輔、晩ご飯どうするのーっ?」
げっ、理恵ちゃんだ!
俺はと言えば、理由はどうあれ自室でパンツ一丁で、女の子と一緒の状態だ。
もはや、なんだかよく分からない。
神木「わ、私は一旦戻ったほうが良さそうですね?後で雪村さんの洋館に来て下さい」
大輔「お、おう?」

理恵「大輔、お父さんとこ会いに行くんだよね?晩御飯どうするのっ……て、あれ?」
躊躇なくドアがバタンと開かれた。ノックぐらいして欲しいなとか瞬間考える。
大輔「や、やあ」
理恵「ぎゃーーっ!!服ぐらい着ろーーーーーーっ!!変態!!」
大輔「や、やめ!痛で!物を投げないで!き、着替えさせてくれーー!」

神木(洋館で待っています)
いつの間にか神木さんの姿は部屋にはなかった。
162名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/26(日) 02:07:02 ID:gixwPdpe
>こっだって ×
こっちだって ○
小さいミスとは思いつつ、後から自分の書き間違いを見つけると、
洞穴で閉じこもっていたい気分になります。なので、ちょっと吊ってきます。
163名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/26(日) 03:23:12 ID:6PPN5DoF
大輔「せっかくだし親父たちと食べることにするよ」
理恵「…そうだよね。やっぱり家族と一緒がいいよね。つーか、さっさと服着ろっ!」
――バタン
勢いよくドアが閉まる。
俺は着替えを済ませて、すぐに家を出た。

家を出てすぐ、最初の角で知ってる顔に出くわした。
…いや、捕まった。腕を引っ張られ、半ば強制的に道路の脇に連れて行かれる。
澪「氷室…いいところにいるじゃないか。ちょっと一緒に来い」
大輔「え?…ああ、俺も今から行くとこだよ。雪村さんの洋館だろ?」
澪「違う。ゆかりの家だ」
大輔「へ?」
なぜこのタイミングでゆかりの家に?確かに澪は友達(?)らしいが…。
澪「実は一昨日ポッキーがいなくなってしまってな」
大輔「な、なにぃ!!捜さないと!!」
澪「まあ落ち着け。私の読みではどうも単なる迷い犬ではなさそうなんだ。
  それはともかく、ポッキーを溺愛していたゆかりのことだ…相当落ち込んでいるに違いない」
だから俺も来い、と…。
大輔「でも、洋館に行かないとカードが…」
澪「大丈夫、温羅たちが何とかしてくれるさ」
…そんな適当な。
神木さんが普通に話してるくらいだ。事態は相当深刻に違いない。
しかし、洋館に行ったらそのまま夢魔界行きってこともあり得るしな…。
親父たちにも会わなきゃならないし…。

【雪村さんの家に行く】
【両親に会いに行く】
【ゆかりの家に行く】
164名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/26(日) 05:19:42 ID:Zet6GDzC
【ゆかりの家に行く】

大輔「ポッキーか、ちょっと気になるな」
以前、夢で見たんだ。それは俺が以前コン○ティークって雑誌を買ったときのことだ。
俺の持っているネリネのスク水フィギュアは、それのおまけだったんだ。
それを初めて見たその日の晩に、俺は夢を見た。ゆかりんちのポッキーが、満月の晩に変身する夢を!
実に不思議な夢だった。しかもなんで、ゆかりんちのポッキーなんだよ、オイ!?…ってそのころ俺自身もそう思ったものだったよ、うん。
ふふ、しかし病んだ夢だな、俺もそう思うぜ。だがしかし、妙にリアルな夢だったんだ。
それ以来、俺は、ひょっとして、いやまさかな?と思うようになっていったんだった。…いや、それはリアルに気の毒な病気かもしれんが。

澪「そうか、兆候はあったと言うわけか」
大輔「は?」
澪「お前は『夢』とはなんなのか、考えたことはあるか?」
大輔「さあ?」
澪「夢とはな、本来各個人の脳が睡眠時に作り出す幻影に過ぎんのだよ」
大輔「え?」
澪「脳に記録、保持されている情報から作られる虚像。それが夢だ。それ以上もそれ以下もない。
  言ってみれば化学反応みたいなもんだ。お前だって、レム睡眠と、ノンレム睡眠と言う言葉くらいは聴いたことがあるだろう?
  レム睡眠時に、脳が情報を整理、記憶を再編成して固定させるっていうのが定説だったな。どう編成されるかは各人それぞれってな。
  まあ、大抵は嫌なことがあったその晩には、もっと嫌な夢を見ることが多い。それは、脳が現実よりも過酷な夢を見せることで
  現実に目覚めたときに「ああ、あれが夢で良かった」と、現実に対する脳のストレスを軽減させるものと考えられている。
  夢のシステムは実に良く出来ている」
大輔「何の話っすか?」
澪「お前の見る夢はそれとは全くの別物だということだ。お前はお前の脳が作った夢を見ていない。まあ原理や理屈は私にも良く分からんがな。
  お前が英雄と言われる所以は、実はそこにある」
大輔「……なんじゃそら」
そんなことがありうるのだろうか?(どっかのゲームじゃあるまいし)
165名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/26(日) 14:55:09 ID:AqAQDRyM
大輔「じゃあ、『夢魔界』っていうのは、誰かが見ている夢の世界?」
澪「違う。…だが、そうとも言える」
大輔「?」
澪「私も夢魔界の成り立ちのことなど詳しくは知らん。が、ここからは仮定の話だが…」
大輔「…う、うん」
澪「動物も夢を見る。生きとし生けるもの全ての生き物が夢を見ていると考えられる」
大輔「……」
澪「…ミジンコのような微生物や、植物はどうのとか、細かいことは聞くなよ?」
大輔「……み、ミジンコっスか?」
先に突っ込まれてしまった。

澪「夢を繋いでいるヤツがいる」
大輔「は?」
澪「大輔、お前にも似たような能力がある」
大輔「えーと?」
澪「睡眠時に、全くの無意識下で、誰かと誰かの夢を繋いでいる。一種のテレパスのようなものだ」
大輔「???」
澪「脳の大半は使われていないと言われているが、私は多分そこに関係があると睨んでいる」
大輔「あ、あのう?」
だ、大丈夫か、この人?
澪「また、夢魔界の魔神や魔獣や精霊は、言ってみれば繋がってしまった夢の中に生まれたバグみたいなものだ。
  だから、誰の中にでも居て、どこにも居ない」
大輔「……え?」
澪「でだ、その無意識下の精神構造体が集まり、具現化する術を覚えたとしたらどうする?
  現実世界の物質を触媒にして、実体化する術を覚えたとしたら?」
大輔「は?」
澪「私は夢魔界とはそういうものだと思っている」
あのう、話についていけないんスけど?
166名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/26(日) 22:58:23 ID:0mbqimfb
大輔「あ、あのう」
澪「何だ?」
大輔「その、む、難しい話はその辺にして、そろそろ行きませんか?」
澪「そうだな、すまない少々熱くなってしまったようだ」
大輔「ゆかりの家だったらこっちだな」
澪「待て、飛んでいった方が早いぞ」
大輔「え?な!!」
言うが早いか俺と澪の身体は空中に浮いていた。
大輔「うわっ」
澪「こっちだったな」
大輔「ぐわーー!!」
飛んでいた。俺は空を飛んでいた。
いや、俺の身体は澪に見えないロープで吊されているような感じで浮かばされていた。
何も掴むものがない。
大輔「ぐぎゃーー!」
澪「ええい!うるさいぞ!静かにしろ!」
大輔「で、でもよう………ん?」
澪「どうした?」
大輔「い、いや何でもないぞ」
ふと俺は、前を飛んでいる澪のスカートの中が、角度的にまる見えであることに気がついた。
縞…縞だ!水色と白の縞だッ!

澪「おかしな奴だな?……着くぞ」
大輔「お、おう!」
そうこうしている内に、俺達はゆかりの家の前に降り立った。
何だかすごく得した気分だった。

さ、さて…
【俺は玄関のベルを押した】
【大声でゆかりを呼んでみた】
【中庭にまわって様子をみる】
【縞について考査】
167名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/27(月) 07:37:30 ID:wygOTTTa
ピンポ〜ン
###「はい…」
今のはゆかりの声?やっぱり元気ないな…。
ガチャ
ゆかり「あ…大輔…」
大輔「あ、ゆかり。ポッキーがいなくなったって本当か?」
ゆかり「…そうなの。どこ行ったんだろ…」
ゆかりにはやはり普段の元気はなく、ほんのり涙目にもなっている。本当に心配しているというのがすぐにわかる落胆ぶりだ。
ゆかり「何か帰ってきたら変なコもいるし…」
大輔「変なコ?小百合ちゃんか?」
ゆかり「…殴るよ?大輔」
大輔「スミマセン…」
今のゆかりには冗談は通じんか…。
さとり「あぁ!!行っちゃダメ!おとなしくしてて!!」
と、ここで奥の方でさとりさんの声と、誰かが走る音が聞こえる。なんだなんだ?
168名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/27(月) 20:46:24 ID:8LIRiG16
大輔「…なんだか裏でドタバタしてるようだけど、誰か来てるのか?」
ゆかり「いや、ちょっとね…ハハハ…」
小百合「お姉ちゃん!そっち行った!!」
ゆかり「え?ああ〜!!」
大輔「え?え?何なに?」
ゆかりの後ろから、下着だけしか着ていない半裸の女の子が走っ

がごッ!!

て来たような気がしたところで後頭部に凄い衝撃が走り、俺の意識が飛んでいくのを感じる…。


澪「ふう、危なかった…。コラ瑞瀬!!裸のまま放っておくやつがあるか!!」
ゆかり「あ、澪ちゃん。だって…なぜか服すぐ脱いじゃうんだもん…なんか野性児みたい」
薄れゆく意識の中、そんな会話が聞こえたような気がした。
169名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/27(月) 21:16:14 ID:7sL9Cp8f
ぼんやりとした意識のなか、顔に妙な違和感を感じた。

――ペロペロ

う、なんだ?この感触は?

――ペロペロ

や、やめれ!顔が、顔がくすぐったいぞ。

???「あーー!!またここに来てる!」
###「いったい何なんだ?あの娘は?」
$$$「ホントに困ったわねえ………」
???「あ!逃げた!」
%%%「お姉ちゃん!そっち行ったよ!」
???「わわーー!ばっ馬鹿ーーーー!パンツ脱ぐなーーー!こらーー!」
###「お、おい、また大輔が寝てるほうに行ったぞ」

――どすん!

ぐ!ぐほ!?腹の上に何か重たいものが!?
%%%「あ、馬乗り………」
@@@「わん!」
???「ギャーーーーーッ!!イヤーーーッ!!大輔フケツーー!!」

う……ぐ……?お、重い……腹が、痛い………
何かが腹の上で暴れているようだ……。

俺は
【そっと目をあける】
【このまま様子をみる】
【そうだモコドを使って…………】
170名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/28(火) 06:48:54 ID:sxvlkCrJ
【そっと目をあける】
目を開けて一番に視界に入ってきたのは、白い肌だった。視界がぼやけていて、しっかり確認できない。
(何かが…俺に乗ってる…?)
腕でちょうど胸が見えないが、これは女の子の身体…?何も身につけてないようにも見える。
青く長い髪に、独特な耳の形…どこかで見たことがあるようn
???「見るな――――!!!」
大輔「はぐぁッ!!」
脳天に強烈な一撃。覚醒しようとしていた俺の意識はまた闇に引きずり込まれる。
%%%「うは…お姉ちゃんドライブシュートはちょっと…」
###「氷室…白目剥いたぞ…」
???「だって…って、あ!逃げた!!」
$$$「とりあえずつかまえて!!」
%%%「囲め囲め!!」
###「たく…何で私まで…」
そしてまたドタバタが再開した。


…結局、俺たちはあと2回このパターンを繰り返すこととなった。
171名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/29(水) 02:14:48 ID:3hNKSy/f
大輔「………あ、痛っ」
ゆかり「あ………だ、大輔、気が付いた?」
気が付くとゆかりが俺の顔を覗き込んでいた。
大輔「あれ?………ここは?」
ゆかり「あ、あたしの部屋…」
大輔「え?…………痛!」
ゆかりの言葉に驚いて、慌てて身体を起こすと、後頭部に鈍痛が走った。…何故?
ゆかり「あっ!大丈夫?」
どうやら俺はゆかり部屋のベッドに寝かされていたようだ。
何気なくあたりを見渡してしまった。
戸口付近にある本棚にはカバーのついた本が綺麗に並んでいて、違う段にはこまごまとした置物が並べて置いてあった。
部屋の中央にはガラステーブルがあり、その傍にはクッションやクマのヌイグルミが置いてあった。
壁にはボードがあり、あれは写真かな?何やら幾つか貼ってあった。…ここからではよく見えないが。
…俺が貴史んちで間借りしてる屋根裏部屋とは全然違うじゃん。
大輔「………へえ」
ゆかり「な、なによキョロキョロして」
大輔「あ、いや、ははは」
とりあえず笑ってごまかしてみた。
ゆかり「……ゴメンね、痛かった?」
大輔「え?」
ゆかりは何を謝ってるんだろう?それにしても俺は何故こんなところで寝てるんだろう?
そういえば寝る前に、素っ裸な娘っコを見たような気がするのは、気のせいだろうか?

俺は
【寝る前(?)のことを聞いてみた】
【自力で思い出してみる】
【壁の写真が気になる】
172名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/29(水) 19:45:06 ID:RT55vJ5/
【寝る前(?)のことを聞いてみた】

大輔「なぁ、ゆかり?」
ゆかり「え?ななな何?」
大輔「なんかさ、さっき女の子がもう一人いたような気がしたんだけど、あれは…?」
ゆかり「いや…その…それは…」
澪「それも含めてそいつには同行してもらうことにした」
澪が部屋に入ってきて、話に加わる。この良すぎるタイミング…外で聞いてたのか?
大輔「あ、澪。…同行って?」
澪「さっきの野性児だ。少し、思うところがあってな…共に温羅たちの元へ向かう」
大輔「野性児?」
澪「見れば思い出すはずだ。私の読みが正しければ、瑞瀬の犬も帰ってくるかもな」
ゆかり「本当に!?」
澪「ああ、まだ確実にとは言えんがな。とりあえず氷室よ、洋館に向かうぞ。こいつと共にな」
そこでガチャリと音がしてドアが開き、女の子が入ってきた。
大輔(………!!?)
俺はその女の子の顔を見たとき、驚愕に目玉が飛び出るかと思った。
長めのTシャツに、Gパンという出で立ちの彼女の顔は、俺には見覚えがあった。
青い髪、つんととがったエルフ風の耳。
全ては(服装以外)、俺が肌身離さず持っているフィギュアと一致していた。
173名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/30(木) 09:19:42 ID:Y+ZDZfGq
ゆかり「大輔?」
驚く俺に、ゆかりが声をかけてくる。
大輔「あ、いや何でもない…。それよりゆかり、そろそろ俺行くわ」
立ち上がり玄関へ向かう。
ゆかり「大丈夫?」
大輔「平気だって」
澪「安心しろ、瑞瀬。私が付いていってやる」
ゆかり「そう…大輔とその子のこと、お願いね」
???「……」
大輔「じゃあな、ゆかり」
ゆかり「うん、また…明日ね…」
心配そうな顔のゆかり。正直どうなるか分からないけれど…、
大輔「ああ、また明日な」
俺はドアを閉めると洋館へ向けて澪達と歩きだした。

澪「あんな別れで良かったのか?」
夜道を歩きながら澪が尋ねてきた。
澪「下手をすればもう会えないかもしれないんだ。後悔しても知らんぞ」
大輔「俺は死ぬつもりはないから。全力でやって、この世界に帰ってくるだけだよ」
澪「そうか…」
???「ふむ…ウラから聞いた通りじゃな」
突然声が響いた。
大輔「だ、誰だ?」
???「わらわはここじゃ」
声のした方を見れば、フィギュアに似た女の子。
澪「そう、こいつだ」
いたって冷静に澪が答えた。
???「わらわの本体がわらわを送るとき、ノヴァや七幹部達の世界移動の余波に巻き込まれての。仕方なく肉体を借りて、こんな姿になってしまっておる」
おかしい。こんな小さな子なのに妙な威厳というか何というか…。
???「さきほどはすまなかったの。ちと同調が乱れての。この体の意識が出てしまったのじゃ」
大輔「いったい君は…」
???「ふむ、そういえば自己紹介がまだだったの。わらわはネリー、同盟軍の長をしておる」
174名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/30(木) 11:53:20 ID:ixsLHCHV
同盟軍の長……。
この女の子が? と思ったが、アンダーワールドでは外見と中身が一致しないことは、
身をもって体験している。そういえば、この体とか言ったなあ?
ネリー「ほれ、先ほどの娘が飼っているポッキーとかいう犬っコロじゃ」
な、なんだってー(AA略
ネリー「この流れでその台詞は、ちと違うと思うぞ」
むう、何気にこっちの世界の、マニアックなことに詳しいな。さすが同盟軍の長。
ネリー「体を借りたまではいいが、その時の余波で、精神を消耗しすぎてな。
    しばらく眠りについていたのじゃ。お主が、その人形を掲げたことによって人の体にはなれたがの。
    それでも、まだ本調子とはいえんな。う〜ん、眠い……」
ああ、確かに犬は一日の大半寝てるからなあ。
それにしても、ポッキーを借りたとは、どういうチョイスなんだろうか?
しかし、このフィギュアは一体何なんだ? そういえば、俺はこれをいつから持っているんだ?
買ったのか? 貰ったのか? 特典で付いてたのか? 第一、「ネリネ」という名前は誰が付けた?
このフィギュアに似たキャラクターが出てるゲームあったけど、あっちは「ナリナ」だったし……。
うむむむむ……疑問が渦巻く。
175名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/30(木) 15:27:26 ID:vg/L74gd
頭の弱いプレイヤー「なんかこのへんの話よく分からん…とりあえず質問3つ。
・確か総帥がオルト・ディスネイと>>72に書いてあったけど、長と総帥ならどっちが偉い?
・ネリーの立場がよくわからない!kwskそしてわかりやすい説明をお願いします!
・『ナリナ』とは?今まで大輔が肌身離さず持っていたのは実は『ナリナのスク水フィギュア』だったのか!
の3つです。よろしくお願いします」
176名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/30(木) 18:49:43 ID:UlQEIVm1
ネリー「我が名はネリー=オルト=ディスネイじゃ。ちなみに、オルトはミドルネームじゃ」
大輔「は、はあ」
………み、ミドルネームっすか?
かわいい声で語尾に『じゃ』のつく口調で自己紹介。
なんとなく学芸会とか演劇ぽくて以外と新鮮かもしれん。
いや……いかんいかん。あやしいことを考えそうになっしまった自分を戒める。

それにしてもこのネリネ似の子は………………。
そうだ!この子はやっぱりネリネ似だ…。
しかも>>164で雑誌の付録であったことを思い出したぞ。
それに、いまさらナリナにはできんぞ
俺はそう思った。
177名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/30(木) 19:31:44 ID:Nl+bfFvk
ちょっとわけわからんのだが……さっき「わん」って言って大輔の上に乗ったのはネリーなんだよな?
で、ポッキーはどっからでてきたんだ?
178名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/30(木) 19:43:47 ID:vg/L74gd
ネリーは精神を休ませていたので、ネリーの姿でポッキーの人格が出た。で、今はネリーの精神が目覚めたから、ネリーはネリーでいられる、とムリヤリ解釈。(つーことは、ネリーが眠りについたらポッキーの人格になって暴れだす!?)
とは言っても、それならポッキーの身体がどこ行ったかわからないわけで。ううむ…。
179名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/30(木) 20:18:37 ID:UlQEIVm1
ネリーが休むとポッキー本来の人格(犬格?)が出てくる
ちなみに勝手な設定では、ポッキーは少しずつ人間的に成長する予定
本来のポッキーの身体は原子レベルで肉体を構成する物質に配列交換が発生している
でも、その場合、等価交換なはずだから身体の大きさが変じゃん。
っていうのは、ギャルゲだから大目にみてください。
てのはダメか?
180名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/30(木) 21:00:31 ID:vg/L74gd
原子レベルて…おいら、むつかしいのはちょっと…。てかポッキー(=犬)が人間的になったらマズいだろ…。

俺はポッキーがそのまま人の姿に化けてしまった、と解釈してたし、そのつもりで書いていた。だから正直、苦しくなるのは否めないかな、と。
ポッキー=ネリーでも世界設定的にはなんら問題はない。夢魔界とかある時点で、設定に現実的な理屈を求めるのは愚かだろ。
けど、どんな設定も出せる話だからこそ『つじつま』が大切になってくると思うな。
「なぜそうなったか」「なぜそうする必要があったか」など、「なんでもアリの設定」の中での『理屈』をはっきりさせなくては、次を繋げる人もやりにくいのでは?とオモタ。
ネリーのこと書いてしまったのは仕方ないけど、微妙に前書いた内容と合わないのは免れない。これからうまく補完していくか。

あと、今はまだ関係ないけど、主要キャラを無闇に殺すのはやめとこうな。死亡は最後の手段で。
…長文スマソ。
181名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/30(木) 21:19:34 ID:Nl+bfFvk
だれかまとめて簡単に説明してくれないか?俺の頭じゃ整理できん
182名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/30(木) 21:30:11 ID:vPN3wGNm
ネリーという夢魔界の同盟軍の長が、夢魔界から現実世界に出る際に
ポッキーの身体を使おうとしたが事故があった

ポッキーは人間になったが、ネリーの人格はポッキーの中に眠ったままになっていた

つまりは、二重人格犬娘か?
183名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/30(木) 21:33:48 ID:vPN3wGNm
間違えた

ネリーという夢魔界の同盟軍の長が、夢魔界から現実世界に出る際に事故があり、ポッキーの身体を使わざるを得なかった

が正しいかな
184名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/30(木) 21:51:59 ID:Nl+bfFvk
dクス。よくわかった
185名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/31(金) 00:31:44 ID:Dp8+BUwb
澪が「ポッキーは戻ってくる」みたいなことを言ってたが、
夢魔界に行くときにネリーの精神は元の身体のほうに戻って、ポッキーの身体は犬に戻して帰らせる、とか?
186名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/31(金) 12:31:36 ID:q46JrVqA
プレイヤー「ネリーってだいぶ子供の姿なんだろ?ワーナーといい、もしかしてドッウリハ寺院はそういうのばっかか?」


そんなこんなで俺たちは洋館にたどりついた。
ガツンガツンと、こういう屋敷の玄関によくある呼び鈴代わりのアレを鳴らす。
ウラ「おお、来たか大輔く…って澪!?って総帥!!?」
出迎えてくれたウラさんが、澪とネリーの顔を見て驚愕した。
澪「…ふん」
ネリー「おおウラ。久しぶりじゃの。調子はどうじゃ?」
ウラ「なぜ総帥がここに…?」
ネリー「いやの。そなたたちをこちらに送り込んだはいいが、わらわ自身じっとしていられなくなってのぅ…。
こちらに渡ってきたはいいが、ちょいとシステムの故障で、姿を見せることができなかったのじゃ」
ウラ「故障…?今までどこで何をしていたのですか?」
澪「とりあえず、常に全裸だったな」
ウラ「……え?」
澪「首輪をつけられ、鎖に繋がれて、ただ鳴いていた」
大輔「………」
澪「たまにご主人に連れられて、町中を徘徊する。もちろん、何も着ずにだ」
澪「先程も、全裸のまま氷室に馬乗りに…」
ネリー「誤解を招く表現をするなあほうが!!」
ウラ「総帥……」
大輔「と、とりあえず問題のカードを見せてくださいよ!」
このまま話を続けるのは色々問題がありそうだったので、俺は話を切った。
187名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/31(金) 13:27:56 ID:/6cL4oSH
ネリーの本体は別にいて、今はポッキーの体の大きさに合わせてるから、小さい姿なんだと思う。


ウラ「う、うむ、それではこちらに」
ウラさんが案内してくれた部屋には雪村さん、神木さん、スゥが揃っていた。
スゥ「ダーリンやっと来た……ニャ!?ネリー様?」
美影・神木「!?」
驚く三人。
ネリー「皆、任務ご苦労じゃったな。美影も一月、良くやってくれたの」
美影「いえ、そんな。もったいないお言葉です」


大輔「ウラさん」
ウラ「ん?どうした?」
大輔「ネリー……さんは同盟軍の総帥なんですよね?ということは、ウラさん達よりも強いんですか?」
ウラ「そうだな…どちらかといえば、俺達に強さをくれる存在かな」
大輔「?」
ウラ「あの方の下で戦いたい、共に歩みたいと思える方だ。だからこそ夢魔と不食人をまとめ、同盟軍の総帥を務められるのだろう」
ネリーさんを見つめるウラさん。ひょっとして沖縄で神木さんが言ってたのは…。
188名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/31(金) 17:34:29 ID:PwC04gIU
金糸玉葉。 略して金玉。

ご存知、我らが”睾丸の美少年”
北大路花火たんの必殺攻撃である。

ずば抜けた射程距離を誇るこの技を使うとき
どういうわけか、花火たんの顔はポッと赤くなる。

その理由は、大神たんのことが大好きな
花火たんらしいものである。


    「・・・ぽっ。あれは菊の花・・・。

     鮮やかに拡がっていくさまは、まるで大神さんのきくも・・・

     ああっ!恥ずかしくてそれ以上言えないっ!!!」
189名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/31(金) 19:21:50 ID:MsXgUh/u
ネリーの件については、あんまり深く考えない方がいいんじゃないかな。
取りあえず、ネリーの意識がポッキーに憑依していて、憑依すると容姿が少女になる
ってことにしておけばいいと思う。

それと、あんまり科学的な話は出さない方がいいと思うよ。
俺は理系だから>>179の設定は面白くも見えるけど、
文系の人間には辛いはずだから、その辺は独善的にならないよう気をつけていこう。
190名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/31(金) 20:33:46 ID:q46JrVqA
>>189同意
リレー小説はわかりやすくないとな。そのためにはこちらから簡単に考えてやることも必要かもしれん。
俺も一応理系ということになるんだが、どうにもフィーリング野郎で…。鉄1`と綿1`なら鉄のほうが重いとか思ってしまうわけよ。
本編とは明らかに関係ない話スマソ。
191179:2006/03/31(金) 21:01:32 ID:lwMspt4B
>>189&190&ALL
???「ごめん了解。やり過ぎたっす……」


大輔「神木さん、あのさ……」
俺は気になったので聞いてみることにした。
神木「………………………」
大輔「?」
気が付くと神木さんの様子が少しだけ変だった。
沖縄では、いつも冷静沈着で、寡黙で静観に徹していたあの神木さんが、
口を少しだけへの字に尖らせて、片足をぶらつかせながら、何もない部屋の隅のほうをじーっと見ていた。
後ろ手に組んだ両手は、人差し指同士をついつい合わせていた。
大輔「あ、あの、神木さん?」
神木「……………………………」
大輔「神木…さん?」
神木「…ッ!?」
神木さんの身体がビクッと反応した。
こちらも合わせて少し驚いてしまった。

神木「……ち、違う」
大輔「へ?」
何故か神木さんは、顔を真っ赤にして、激しく首を左右に振り始めた。
神木「い、いえ!…あの、ち、違います、違うんです!全然違うんです!」
大輔「???」
何故か神木さんは、今にも泣きそうな声で、顔を真っ赤にして繰り返した。
神木「だ、だから、違うんです。そ、そんな恐れ多いこと、ゼ、セゼン考えてないんです!
   わ、私は、……その……どちらも…………………………」
大輔「????」
何だかよく分からないが、こんな神木さんを見るのは初めてだった。
192名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/32(土) 00:41:01 ID:dxw+KA4l
ネリー「ふむ…確かに7枚増えとるの…」
机に並べられたカードが不気味に輝いている。
美影「どう読みますか?総帥」
ネリー「ううむ…これらはナンバーから、ザーリフ軍が所持していたカードじゃ。やはり、罠の臭いがするのぅ…」
スウ「罠…ニャ?」
ネリー「集めていたカードをわざわざ敵陣に送るのじゃ。何も考えずにそんな愚かな真似をするはずなかろうて。考えられるとすれば、奴らは漁夫の利を狙っておるのかもしれぬな」
ウラ「やはりそうか…」
ネリー「いずれにせよカードを一ヶ所にまとめておくのは危険すぎる。ひとまず夢魔界に帰るのじゃ」
澪「いや、このまま帰ってはだめだな」
ネリー「?」
澪「まだこっちに見つかっていないカードが一枚ある」
ネリー「なんじゃと!?しかし、向こうへの最後のゲートが開くまで時間が…今は何時じゃ!?」
美影「はい、え〜と、今は…7時前です」
ネリー「な!?これはまずい!あと一時間近くしかないではないか!…ええい!こうしてはおれん!探すぞ!!」
大輔「え?今から?」
ネリー「ゲートのある空間に入れるのはこちらの時間で20時からおよそ10分!!それまでにカードを見つけ、霞神社近辺にある丘に集合するのじゃ!!」
あの丘のことか…。
ネリー「残り15分ほどでどうしても見つからなかったら、アレを使うのも致し方ない!だが、あくまで最後の手段としてとっておくのじゃ!」
スウ「そういえば、あの狂暴女も連れてこなきゃいけにゃいニャ。…忙しいニャ」
ウラ「えい、悠長に話している場合ではない!探しにいくぞ!!」
そうウラさんが言うと、みんなはカードを掻き集め、ダッシュで捜索に向かった。
澪「まったく…もっと落ち着いて対処できないものか…」
澪はやれやれ、といった感じでてくてくと外に向かった。
大輔「…………」
一人にされた俺は、とりあえずカード探しの手伝いをすることにした。

こうして、ドタバタな空気の中、時限イベントが始まった。
193名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/32(土) 00:42:14 ID:dxw+KA4l
つーか、日付が3月32日になってる…。
194名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/32(土) 01:33:32 ID:9YOCzJDz
エイプリルフールですから
195名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/02(日) 11:57:46 ID:7gvOZzFc
美影「大輔?」
雪村さんが俺を呼び止めた。
大輔「何?雪村さん」
美影「私に少し心当たりがあるの、手伝ってくれないかしら?」
大輔「え?」
美影「時間もあまりないわ、澪も手伝ってくれると助かるんだけど?」
澪「ふん、仕方ないわね」
澪がえいと腕を振ると、空間に ぎゅん と穴が開いた。

うっ、これに入れってことなのだろうか?…きっとそうなんだろうな。
一瞬壁に埋まったりしたら嫌だなとか考えた。

…………ん?そう言えば、後1枚?
カードは全部で14枚だから、後3枚のじゃなかったっけ?

澪「行くぞ雪村!どこだ?」

美影選択
【荻野彼方と合流する】
【月島美咲が気になる】
【保険医須藤響子のパワーの源が気になる】
【恩田正和が気になる】
【氷室大輔の両親が気になる】
【金田一理恵の魔力耐性が気になる】
【金田一理恵の母親の退院が気になる】
【村上貴史の母親、村上芙美が飛行機事故で助かったり理由が気になる】
【鈴木綾(委員長)宅が気になる】
【真奈美(夏江の妹)が気になる】
【順子の存在が気になる】
【その他のことが気になる】
196名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/02(日) 11:59:13 ID:7gvOZzFc
り・・・  orz
197名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/03(月) 20:46:39 ID:/kH3mGRL
夏江「あと2枚はあっちの世界にあるんじゃないの?」

【萩野彼方と合流する】
…勢いで言ってしまったけど、正直心当たりはない。
まあ、とりあえず彼方さんの元に行こう。最後には合流しなくてはならないのだから、頭数は多いに越したことはない。
澪「ターゲットの場所を確認した。さあ、入れ」
ゲートは広がり、私達を包み、そして消える。


――大輔視点
ゲートの中は闇が広がっていた。向こうの方に見える光が出口かな?
大輔「なんだ。結構走らなきゃダメじゃん」
澪「文句を言うな。こっちでは多少効果が落ちる。それでも普通に行くよりは格段に早い」
俺たちは光に向かって走る。ん?待てよ…。
大輔「澪。このゲートって厳密にはどこに続いてるんだ?」
澪「条件は『萩野 彼方のいる場所』としか設定していない。どこになるかはわからないな」
という澪の言葉が終わらないうちに俺は光のゲートをくぐる。
大輔「よし、到着!彼方はどK…」
彼方「……………え?」
確かにゲートが続いていた先は彼方のいる場所だった。そして、幸か不幸か彼方は今現在入浴中だったのだ!な、なんだってーー!?
大輔「……や、やあ」
彼方「………………」
大輔「………………」
某猫型ロボットアニメを彷彿とする“お約束”に、俺は死期を悟る。すまんな餃子…もう俺は死ぬかもしれん…。
彼方「……………だ、大輔ゴルァ――――!!!」
大輔「ウボァ――――――!!」

※以下、残酷な描写によりカット致します。
198名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/04(火) 00:25:09 ID:xcF1qKy0
…10分後。俺達は彼方の家のリビングに集められていた。
彼方「ホンっトにもう!どっから現れんのよ!アンタ達」
彼方は普段着に着替え、バスタオルで髪の毛を拭っていた。
大輔「……ははは」
彼方「ったく、……でも、あんまり驚かなくなっちゃってる自分がちょっと嫌かも」
彼方が急に落ち込んでいた。
あれ?そう言えば、彼方んちってこんな時間に一人?
大輔「なあ、彼方」
彼方「……なに」
彼方は顔を真っ赤にして俺をギロッと睨んだ。
さっきのこともあって凄く怖かった。…思えば、俺の周りってこんな娘しかいないんだよなあ。
もっとさぁ、こう、何て言うかさぁ、物腰が柔らかくってさぁ、萌え萌えしてる優しげなコっていないのかなぁ…。
俺は急に悲しくなり、なぜか貴史が凄く羨ましくなった。

大輔「…いや、だからさ、お前さんのとこってお袋さんや親父さんは?出かけてるの?」
彼方「あれ?言ってなかったっけ?家の親ってね、今日本にいないの」
大輔「は?」
なんと、そいつは初耳。
彼方「な、なによ、文句あんの?」
再び激しく睨まれた。
大輔「い、いいえ?滅相もないっす」
詳しく聞きたかったが怖くて聞けなかった。

美影「あの、お話のところごめんなさいね、もう時間がないの」
彼方「時間?」
澪「お前にも来てもらうことになるぞ」
澪が彼方の腕をがしっと掴む。
彼方「え?な?――ちょっ!何?」
美影「澪、次は月島美咲さんのお宅へお願いね?」
澪「全く、仕方がないな」
彼方「え?え?え?」
次の瞬間、俺達は有無を言わさず、澪の開けた異空間に引きずり込まれた。
199名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/04(火) 01:08:43 ID:65lhrwU8
ゲートを通り、目的地に到着した。今度は『月島宅前』と縛りを入れておいたので、“お約束”連打をすることはなかった。
大輔「で、でかい……」
美咲さんの家はどちらかと言えば「お屋敷」といった感じの大きさ。さすがは院長の娘…。
彼方「たく…急すぎるっての…ブツブツ」
傍らで彼方が呟く。未だバスタオルを持ったままだ。
美影「ごめんね、今ホントに急ぎなの」
澪「時間がない。押すぞ」
澪がとっととインターホンを押す。
###『は〜い』
美咲さんの声が聞こえてきた。
澪「おお、月島。ちょっといいか?」
美咲『その声は澪ちゃん?うちに来るなんて珍しいね。どうしたの?』
澪「色々と聞きたいことがあるんだ。少しあがらせてもらえないだろうか」
美咲『うん、いーよ。ちょっと待ってね』
しばらくすると、目の前のシャッターが自動で左右に開き始めた。金持チックだな…。つーかあそこについてるヤツは監視カメラか?
美咲「いらっしゃい。なんだかいっぱい揃ってるね。何の用?」
美咲さんが出迎えてくれた。
美影「あ、美咲さ…」
さっそく話を切り出そうとした雪村さんの前にずいと出る彼方。
彼方「とりあえず…」
澪(なんだ。萩野彼方はもう事情を知っているのか?)
大輔(さあ…)
美咲「うん」
彼方「靴を貸して下さい…」
美咲「……え?」
澪・大・美「あ…」
そういえば俺たちは手に持ってたけど、彼方は室内から連れてきたから裸足だったな…。
200名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/05(水) 07:42:10 ID:UlPg8NiU
二人「順子と夏江が華麗に200ゲット!!」
夏江「最近抜群に進み悪いね…」
順子「もうこの際とっとと現世でコトを終わらせて異世界進まない?」
夏江「お〜〜い!!誰かいますか〜〜!?」
201名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/05(水) 20:35:16 ID:zoGXyw87
プレーヤー「別に進み悪くても構わないけどね」
プレーヤー「1日にものすごい数のレスが付くと逆に読むのが面倒にも感じるから、このくらいのペースでも俺的には問題ないと思う」
プレーヤー「まぁ毎日見に来てるから、何もカキコがないとさすがにちょっと残念には思うけどね」
202名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/05(水) 21:39:15 ID:1MXJpZoj
美影「美咲さん?」
美咲「はい?」
雪村さんは、おもむろに話し始めた。
美影「いきなり変なことを言うようでごめんなさい、沖縄旅行に行ってる最中もだけど、あなたから”負の気配”を感じるの」
美咲「………は?」
大輔「…………」
出ました。いきなりの「負の気配」発言。どう解釈しても、それは一般の方には電波だよ?雪村さん……。
彼方も、美咲さんから借りたパンプスを履きながら、雪村さんの言葉に少しぎょっとしていた。
とても高校生同士の会話とは思えない。しかも玄関先で。
でも雪村さんは言葉を止めなかった。
美影「あなたのような人が持っていてはいけないものを、今あなたは持っているの!」
美咲「え?」
美咲さんは、雪村さんの言葉に驚いたような顔を見せた。何か心当たりでもあるのだろうか?
美咲「あ、あれのこと、かな?でも……あれは……」
美影「!!?見せて貰えないかしら?」
美咲「でも、あれは……」
美影「あなたには断ち切らなければならない過去があるの!お願い!」
美咲「…………………………………………わかったわ。ちょっと待ってて」
雪村さんの言葉に、真剣な表情を見せる美咲さん。これは何かあるのか!?

―――5分後、美咲さんが戻ってきた。
美咲「これかしら?」
美咲さんが持ってきたのは、―――――――――――おみくじだった。
美影「…………なにこれ?」
彼方「あ!すごっ!見て見て!”大凶”って書いてあるよ」
大輔「うわ!ホントだ」
澪「ほほう」
美咲「今年のお正月にね、近所の神社で引いたら出てきたの。なんだか捨てるのも怖い気がして。なはは」
美影「ちっがーーーーーう!違う!違う!これじゃないぃぃぃい!」
美咲「わっわわわ、ごめん。ごめんなさいぃ」
なぜか雪村さんは凄い剣幕で怒り出した。
びっくりした拍子に美咲さんがポケットから何かを落とした。俺が拾い上げてみると、ん?これは何かの会員証かな?
203名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/06(木) 00:19:18 ID:3w0H7Nnc
よく見ると、ぼんやり光っている。それに、背中に悪寒が走るような感覚にとらわれる。
美影・美咲「それは!?」
会員証(?)を眺めていると声色の違う二つの声が重なる。
一瞬の間のあと、先に切り出してきたのは…美咲さんだった。
美咲「それ、大切な落とし物なの…。とても大切な…」
どこか美咲さんの顔に陰りが見える。いつもはこんな顔する人じゃないのに…。
美影「大輔くん。それ、私にも見せて?」
大輔「え? でも、これは美咲さんの…」
美影「いいからっ!」
ぱっ、と雪村さんに奪い取られる。
雪村さんもどうしたんだろう…いつもはもっと穏やかなはずだ。
雪村さんがポケットから例のカードを出し、会員証に近付ける。
すると、会員証の光は輝きを増した。
美影「やっぱり…。しかも、Kのカード。でも、何か施されてるみたい」
澪「ほう、どんなものだ?」
美影「見つかりにくくするためのものか、邪気を抑えるものか、それとも両方か…」
澪「封印の類ということだな? このままでは使えないのかもしれないな」
俺は…
【雪村さんと澪の話に加わる】
【美咲さんに話し掛ける】
【モコドで他の4人に報告】
204名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/06(木) 20:16:16 ID:pE25QNU4
【雪村さんと澪の話に加わる】
大輔「それが例のカードか?」
二人の話に入り込む俺。カードの発するまがまがしい雰囲気に戦慄を覚える。
美影「うん…今は力を押さえられているけど、すごく不気味なものを感じる…」
大輔「へぇ…」
美影「『日比谷』って、やっぱりあのヒビヤかな?」
澪「おそらくそうだろう。この男本人か、はたまた夢人格か…。いずれにせよどこかには関わってくるだろうな」
夢人格?あのヒビヤ?微妙に話についていけてないな、俺。
澪「相当大きな力が秘められているな。ここで封印を解くのは危険かもしれないな」
美影「じゃあ一旦あっちに持っていって…」
美咲「だめ…!」
大・澪・美「え?」
三人して美咲さんの方を振り返り、そして黙る。
美咲「だめなの…それは…そのカードは…」
大切なものを奪われることに恐怖する美咲さんの眼。その眼に今映っているのは、俺たち三人だった。
美影「………」
澪「………」
俺たちはその眼を直視できなかった。いきなり現れて、他人の大切な思い出を踏み躙る。今の状況では、どうあがいても俺たちのほうが悪者だった。
ダメだ…この状態でこのカードを持っていってしまうのは良心に咎める。つーか、貴史に殺されるかも。でも時間もあんまりないし…ええい!ここは…
【説明して納得してもらう】
【奪って逃走】
【ウソをついて納得させる】
【あきらめる】
【他の手をうつ】
205名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/06(木) 22:27:28 ID:UVtQ91GF
【説明して納得してもらう】

ここはやっぱり、こうしないとまずいよな。うん。
俺は美咲さんの説得を試みることにした。
大輔「美咲さん?このカードはね」
美咲「―――――――あなたたち、何触ってるのよ?」
大輔「…え?」
美咲「それはダメだって、そう言ってるじゃない!」
大輔「な!?」
美咲さんは今にも泣きそうな顔で叫んでいた。
美咲「他のものだったら、何だって持ってって良いから!でもそれだけはダメなの!」
彼方「美咲……さん?」
美咲「返して!返してよ!いいから返してよ!」
大輔「な!!ちょっ―――、み、美咲さん!?落ち着いて!」
美咲さんが、雪村さんに掴みかかろうとしたので、俺は美咲さんを羽交い絞めにして止めた。
美咲「悠ちゃんを!悠ちゃんを連れて行かないで!」
大輔「???」
…ゆうちゃんて誰?うわっ、美咲さん目が虚ろだよー!
美影「…取り付く島はなさそうね。澪、お願い!」
澪「ふん、致し方あるまい。えい!」
澪が大きく腕を振ると、玄関の壁の色が、ぐにゃりと滲んだ。
澪「行くよ!」
澪がそう言った直後、浮遊感に包まれた。
美咲「え?え?え?な、何、これ?」
美影「ごめんね、美咲さん。…………お休みなさい」
美咲「え?あ、……………………れ…………?」
雪村さんがそう言うと、美咲さんは俺の腕の中で、がくんとうなだれた。
俺は美咲さんの身体を玄関に寝かせた。
美影「美咲さん、今夜はこれで許して?今度会ったときに謝るわ。…ふふっ、もっとも私に今度があればの話だけど」
雪村さんは寂しそうに微笑んでいた。
206名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/06(木) 23:15:28 ID:22dHc0Do
彼方「ねぇ…やっぱりちょっとまずかったんじゃ…」
目的地に向かう途中、彼方が心配そうに言った。
彼方「いきなり押し掛けてさ、美咲さんの大事なもの奪って…」
さっきのことについては俺も少々良心がチクチクする。やってること強盗と変わらないもんな…。
澪「いや。今の方法がむしろ最善だと私は思っている。見ただろう、このカードを奪いにかかったときの月島美咲の眼を…」
大輔「ああ、見たみた。なんか虚ろな感じで、普通じゃなかったよな、あれは」
澪「このカードに毒されたのさ」
大輔「………え?」
美影「封印されていたとはいえ、Kのカードは本来とんでもない負の力を持っているの。美咲さんはおそらくそのオーラに精神を少しやられていたんだと思う」
澪「もしカードに封印が施されていなかったら、月島美咲はどうなっていたか…」
…なんてこったい。じゃあもしかして最近貴史と仲が良いのも精神が毒されていたから…
美影「いや…それはないと思うな…」
ぬぅ、考えを読まれたか!?
澪「とにかく、Kと道化のカードの扱いは要注意だ。まったく…あいつも何も考えず力任せにやっかいな術をかけてくれたものだ…」
澪は一人でブツブツ言っていた。
207名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/07(金) 08:21:24 ID:NYAz0eyo
大輔「そういえばさ」
澪「何だ?」
大輔「向こうの世界でゆかりとか美咲さんとかにそっくりな人がいたんだけどさ。あれは何なんだ?」
ユカリとかヒナタとか、立場は微妙に違ったけど、性格も見た目もほぼ同じだった。
澪「ああ。あれは各々の夢だ」
大輔「夢?」
澪「そう。月島や瑞瀬が見た夢を、お前のような夢を具現化する能力を持つ者が夢魔界に顕現したもの…それが無食人だと言われている」
じゃあ俺がいるからユカリたちは向こうの世界に存在してる、ということか。なんか複雑な気分だな…。
美影「大輔たち能力者がほんの少しでも関わった人間は、夢魔界への顕現の権利を有するの。たとえ本人がその人に会ったことを覚えていなくても、ね」
…ややこしい。まあ平たく言えば俺が今まで会った人にはあっちでも会う可能性があるということかな。…待てよ。向こうでそういう人が死んじゃったらどうなるよ…。
美影「夢魔界で無食人が死んでもこっちの人間には影響しないわ。でも、こっちの人間が死んじゃったら、その人の夢…無食人は消えてしまうの」
澪「こっちの世界での変化はあちらに一方的に更新される。無食人はほぼ例外なくこちらの世界と同じ姿をとるんだ」
大輔「え?でも貴史と理恵ちゃんは子供の姿だったぞ?」
澪「何?そんなはずはない。それは別人だろう」
大輔「いやいや。理恵ちゃんはともかく、貴史は小学校時代から知ってるけど、確かに貴史だったぞ」
澪「そんなこと…」
美影「ねぇ…それ、あれじゃない?壊古の獣…」
澪「え?ああ…」
大輔「カイコノケモノ?」
美影「古きを破壊すると書いて壊古。別名『時喰らい』よ。人の過去を食べて生きる獣で、そいつにやられたら、過去の姿に戻ってしまうの」
大輔「へぇ…」
いろんなのがいるんだなぁ、と普通に感心してしまった俺だった。


通りすがり「タカシとリエを夢魔界で出したいがためにこんな設定作っちゃいました…。いいかな?」
208名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/07(金) 15:30:17 ID:YAEg/e9G
それほど大層な重要な設定じゃないしおkかと。
逆に、使い方次第では、色々と面白く使えそうなギミックだ<壊古の獣
209名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/08(土) 02:33:14 ID:usXcjTbR
歪んだ空間の向こうに光が見えた。
美影「出口みたいね」
大輔「澪、次はどこに出るんだ?」
澪「…さあ?雪村に聞いてみな?」
…雪村さん次第か。
次の瞬間 キンッ!と音がして、俺達は異空間から抜け出した。
大輔「な、……うげげっ!!??」
彼方「ちょっ―――、ねえ、ここって?」
澪「おい、雪村?お前の次に望んだ場所は、ここなのか?本当に、ここで良いのか!?」
美影「…………うっ」
すぐに分かった。ここは、洋式トイレの個室だった。
美影「…確かに、ちょっと狭いわね」
彼方「い、いやーん」
俺も4人ではさすがに窮屈だと思った。
美影「…人目に付かない場所が、良いと思ったの」
そりゃあ人目に付かないって点については、最適だとは思うよ?トイレの個室は…。でもそりゃねえべ。だってトイレだもん。
…強いて言うなら、比較的、綺麗なトイレでよかったと思ったよ。心から。
美影「い、いくわよ」
雪村さんがトイレのドアを開けると、すぐ目の前に見知らぬおっさんが立っていた。
どうやら向こうもトイレのドアを開けようとしていたらしい。おっさんはびっくりして目を剥いていた。

美影「こ!?、こんばんわ」
彼方「どーーーーもーーーーっ」
澪「邪魔したな」
大輔「失礼しました、次どうぞ?」
おっさん「!!??????!?????!?」
トイレの個室から4人が順番に並んで出て行く様をおっさんは凝視していた。そりゃそうだと俺も思った。
どんな風に思われたのだろうか?…俺はあまり考えないことにした。

トイレから足早に退散した俺達は、あたりを見渡した。
彼方「あれれ?ここって?」
美影「…大輔のご両親が滞在しているホテルよ」
210名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/08(土) 19:08:42 ID:e7iS05p2
トイレを出て、辺りを見渡す。ロビーを少し見ただけでここがかなりいいところであることがわかるホテルだった。
大輔「何でここで目的地がホテルなんだ?まだカードがここにあるのか?」
美影「ううん、現世のカードはこれで全部。でも、行く前に挨拶くらいはしておきたいでしょ?」
大輔「え?ああ、そういうことか…」
美影「ご両親の部屋は806号室よ」
澪「もうあまり時間がない。行くなら手短に頼む」
そういえば時間制限有りだったな。あまりゆっくり話す時間はないが…さて、どうする?

【会いに行く】
【やめとく】
211名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/09(日) 01:48:47 ID:Yu11YJIX
【会いに行く】

時間がないとはいえ、一応会いに行った方がいいな。
もしかしたらこれが最期になるかも……って、はは、何言ってんだ。
いやいや、そういう可能性もあるんだよなあ。いや、マジで。
うん……この前みたいな化け物がたくさんいるところに行くんだよな?
口から火吐いたり、目から怪光線出したり、3段階変身しちゃうような奴らがいる世界に。

……う、うおおおおおおおお!!!!
い、今更、事の危険さを知ったぜ!!

澪「なんでもいいが、早くしてくれないかなあ…」
212名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/09(日) 02:08:56 ID:ozeNM0Fi
プレイヤー「向こうには変なポーズとりながら名乗ってくる5人組とかもいるんだろうな〜」

よし、会いに行くぞ。
806号室だったな。8階か…もしかしてこのホテル結構でかいんじゃないのか?
金かかってそうだな…。
美影「顔がきくところだから大丈夫よ」
お願いだから心を読まないでください…。
雪村さんのほうを見ると、にっこりと笑顔で返された。
そういえば、誰に同行してもらおうか…
【彼方】
【美影】
【澪】
【全員】
【一人で行く】
【彼方と美影】
213名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/09(日) 06:27:07 ID:uO30xtTl
【全員】

エレベーターに乗り込み考えてみる。
一人で行くのも何かと照れくさいし、誰かと行こうか。
オフクロたちは確か彼方のことは知ってるから一緒にいても別にいいだろう。
雪村さんはこのホテルを手配した張本人だしな、問題はない。
澪は…ま、一人くらい増えたってどうともないだろ。
そして、8階。806に向かう。
彼方「結局みんなでいくのね」
澪「くれぐれも時間を掛けすぎないように。移動できる場所を探す時間も必要だからな」
大輔「ああ、わかってる」先頭を歩いていた雪村さんが立ち止まる。『806』と書かれたドア。ここか…。
214名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/09(日) 08:47:51 ID:dsfuzNrg
>>212
プレーヤー2「5人組…?」
プレーヤー2「………」
プレーヤー2「あ」
プレーヤー2「あいつらのコトかw」

プレーヤー2「ところで話は変わってしまうが、黒翼の澪はあくまで中立だから、あんまり大輔に肩入れしすぎるのは変じゃないかな?」
プレーヤー2「大輔の味方みたいになってる気がするんだが…」
215名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/09(日) 13:25:51 ID:8R0scPs4
>>214
プレイヤー3「澪自身はこっちの世界で普通に暮らしたいだけで、それを邪魔するノヴァ達は敵ってことだから今の所大輔達に肩入れ
しているが状況が変われば裏切りも考えられるキャラ」



でいいんじゃない?
216名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/10(月) 02:12:32 ID:9JLGoxNT
それじゃあ…久しぶりに親子の対面と行くかな。
コンコン…
???「どちらさまでしょうか?」
扉の向こうからややくぐもった声が聞こえる。ん? 親父風邪でもひいたのか?
大輔「俺だよ、大輔だよ。久しぶりで声、忘れたのか?」
少し間があって、扉が開く。
大輔「よお、親父、久し…ぶ……り?」
目の前には……巨漢が立っていた。
腕も、足も、胴も、指も太い男だ。眉も、唇も、放たれる眼光すら太かった。
え、ええと……
大輔「ど、どちらさまでしょうか?」
???「失礼しました。私は貴方のお父様、お母様のお世話になっている……」
217名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/10(月) 06:51:09 ID:f3Umez/r
美影「大輔?」
雪村さんが通路の反対側から心配そうな顔で俺を見る。
澪「時間がないと言ってるだろう。」
俺と雪村さんの中間で澪がイラついた顔をしている。
そう、雪村さんが立っているのが、806号室の前。
俺が扉をノックしたのは対面の805号室だ。お世話になっていると言った後、巨漢は固まってしまった。
大輔「失礼しました。」
805号室の扉を閉め、俺は改めて806号室に向き直った。

806号室の扉が向こうから開く。父が丁度部屋から出ようとしたところだ。
父「おお、どうしたんだ。来るならフロントから電話でもくれれば良かったのに。」
母「あら大輔。」奥のソファで母もこちらに気付いた。
父「君は、・・・美影ちゃんだな!雪村の奥さん似の、綺麗な娘さんになったな。
いつも雪村には遺跡調査の資金ぐりをしてもらっている上に、今回はホテルまで世話になって、すまんな。」
美影「いえ、遺跡調査の話は父も私も楽しみにしてますし。」
雪村家と家にそんな関係が有ったとは。
母「美影ちゃん!久しぶりね。何年ぶりかしら。こっちに戻ってるなんて知らなかったわ。
本当、女らしくなって。良ければ大輔の嫁に欲しいくらいね。」
母も奥から出てきて、さらりと爆弾発言をした。雪村さんは真っ赤だ。
美影「あの、えと、私もそうなると嬉し・・・わわわ。」
母「あら、萩野さんと、大輔のお友達さんも? 立ち話もなんだから、お入りなさいな。」
218名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/10(月) 12:52:18 ID:sJnkKrom
立ち話もなんなので部屋に入ることにする。
一歩踏み入れると、一瞬固まってしまった。
大輔「部屋広すぎだろっ!」
一家族が住めるなんてレベルじゃなかった。
さつき「ほら、大輔もぼーっとしてないで入りなさい。すぐお茶を用意するわね」
美影「あ、手伝います」
そう言って母さんと雪村さんはキッチン(?)のほうに行ってしまった。
そして、取り残される俺…。

―その頃リビング(?)
澪「久しぶりだな。双刃・ジオス」
圭輔「その名は捨てた。今は氷室大輔の父、氷室圭輔だ」
澪「大輔を見たときからなんとなく気付いてたよ。まさにその通りだったな。今は何をしてる?」
圭輔「遺跡の発掘だ」
澪「建前はいい」
圭輔「ふ、お見通しってわけか。たぶん、お前の想像どおりだろう」
澪「そうか…。ならば、深く聞かないようにしよう」
圭輔「…でだ。俺はしばらくこっちを離れられない。お前さえ良ければ大輔に協力してやってほしい」
澪「そうだな…」

選択肢(澪)
【協力する】
【協力しない】


???「大輔父の旧名は英会話教室繋がりにしてみた」
219名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/10(月) 16:57:37 ID:hBVaqTCY
???「>>100の内容と合わせて『双刃』について整理。
『双刃』はノヴァの兄貴て、今は亡き『魔王様』の息子。
で、ノヴァは純粋な夢魔で、『双刃』は人間のハーフだから、『双刃』とノヴァは異母兄弟ということになるな。
つまり、見た目は同じらしいが、ノヴァは大輔にとっての叔父にあたるわけだ。
てか、やっぱり某マンガみたく、ハーフの方が強くなるのかな?と思ったね俺は」
220名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/10(月) 22:20:56 ID:wmYp9Lf2
>>219
整理サンクス。おかげでよく分かった。
ノヴァと大輔が叔父と甥の関係になると、設定的に少し微妙な気もするけど、
まぁ見たことない設定だから新鮮とも言えるかな。
ポジティブに考えようか。


【協力しない】

澪「悪いが私はあくまでも中立の立場だ」
澪「ノヴァ陣営を離反したとは言え、大輔の味方になったつもりはない」
澪「もちろん、それはジオス、お前に対しても同じだ」
私は少し語調をきつくして、そうハッキリと答えた。
圭輔「ふむ…そうか。まぁ仕方あるまい」
澪「ん? いやに簡単に引き下がったな」
圭輔「いや、俺はもう人間界に長くいすぎたせいで、力はほとんど失っているからな。力ずくで、なんてのは無理だ」
圭輔「今の俺がお前に挑んでも、1秒とかからずに殺されるだろうしな」
221名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/11(火) 01:28:40 ID:DI29g7+a
澪「ふ……。殺す? バカを言うな。どんなに力が衰えようと、
  夢魔界の住人で双刃・ジオスを殺せる者などおらんよ……。
  彼が夢魔界でどのような存在であったか、
  我々に何をしてくれたかを知るものならば、な……」
澪は遠い目で、つぶやくように話した。
圭輔「……ありがとう。そう言ってくれると、俺も、救われる思いだ……」
澪「本当に、衰えたのだな……。だが、どんな英雄もいつかは衰えるものだ。
  お前は今でも我ら夢魔の誇りだ。胸を張れ。
  私も幼い娘の頃は、おとぎ話の中の英雄、双刃・ジオスに恋焦がれたものだよ」
圭輔「ははは…。そりゃ嬉しいね。そうか、まだ俺のことを覚えてくれる人たちがいるのか……。
   まあ、なんだな。つーことは、今の俺は長嶋茂雄みたいなもんだな。ははは」
澪「……」

澪には、その例えがよくわからなかった。
222名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/11(火) 03:10:31 ID:K+x9gHo2
キッチンで小声でしんみり話すふたり。
さつき「美影ちゃん、悪いけど大輔の力になってあげてね。」
美影「そんな、さつきさんこそ、元々向こうの世界とは関係ないのに。」
さつき「私は圭輔と一緒になるときから覚悟してたから。
それより、ごめんなさい。
大輔を覚醒させるのは、向こうとこちらを繋ぐ巫女の力を持つ、あなたしかできないから。代われるものなら・・・」
美影「ふふ、自分の運命を知った時は、何で私がこの力を持ったんだろうって滅入ったりもしたけど、
好きな男の子ができて、これでも明るくなれたんですよ。」
さつき「そう、恋を知る事はできたの。でも覚醒させる時、あなたは・・・」
美影「私は好きな男の子と思い出を共有できて。好きな男の子の運命を導けるんですから、悔いは無いですよ。」
さつき「! 美影ちゃん、あなた!?」
美影「大輔君には内緒ですよ。」
そういって微かに笑う美影の顔は、少し寂しげだった。

〜〜〜〜〜〜〜〜

俺は両親と話すつもりが、父とは澪がひそひそ話を始めてしまい、手持ちぶたさに室内を見渡した。
ルームサービスなどの案内の上に、部屋に不釣合いなパーティー案内の広告が有り、何気なく読んだ。
ひゃっほうと跳ねる男の横にカリキュラムらしきものが書かれていた。
>>207 カイコノケモノ乙
 >>218 設定乙
 >>219 整理乙
 >>220 ポジティブに行こうぜ
 >>221 格好良いぜ英雄」
223名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/11(火) 21:09:38 ID:M/gNnnNC
なんだか両親ふたりとも話しかけにくい感じだったので、同じく取り残された彼方とたわいもない話をしながら待機した。
この部屋に来たのって、俺のためじゃなくて二人の用事のためだったんじゃ…と思い始めたところで、ようやく母さんかやってきた。
さつき「はい。お茶入ったわよ」
父さんも澪も集まり、ようやく話のできる環境となった。やれやれ…。

親子の会話は、普段どおりだった。(…とは言っても、普段は家にいないから、顔を合わせての会話自体が特殊なことであるわけだが)
今回の旅の話や、倒壊した我が家のこと。俺はできるだけ自然に、普段のように相づちを打つ。
久しぶりの両親の会話は楽しかったが、これから自分がおかれる立場のことを考えると、『普段どおり』にしなくてはいけないもどかしさが辛かった。
父さん母さんの中では、俺は今日は“ちょっとした”用事があるけど、明日はゆっくりと話せる、といった感じなのだろうか。
ひとつひとつ慎重に言葉を選びながら、俺は最後かもしれない親子の会話を満喫した。

澪がカップの紅茶を飲み干し、なんともなしに言った。
澪「さて…と。そろそろ時間だ」
大輔「………」
お茶菓子にのばしかけていた手を戻し、大きく息をはいた。
いよいよ、か…。
224名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/12(水) 20:52:18 ID:rWPRhe1U
俺たちはそれぞれ立ち上がる。
さつき「あれ?みなさんどうしたの?もっとゆっくりしていけばいいのに」
大輔「いや、ちょっと今日は用事があったんだ。暇ができたら…また来るよ」
圭輔「なんだせっかく来たってのにずいぶんあわただしいんだな。ま、次は家族水入らずで話そうや」
大輔「…うん、わかった。じゃあ、またな」
俺は、不審に思われないようにするあまり目をあわすことができなかった。
雪村さんは笑顔で愛想をふりまいている。澪はそっけない感じの対応をして、彼方はうつむいて何も話さない。
美影「それでは、お邪魔しました〜☆」
雪村さんの明るい声が、日常の終わりを告げる。

バタン

さつき「………」
圭輔「……行ったか」
さつき「ええ……」
圭輔「……さて、こちらはこちらにできることをしようか」
さつき「ええ、そうね。……がんばってね、大輔…!」
225名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/13(木) 01:14:57 ID:8kzT3CLO
圭輔「……では、早速だが俺たちの為すべきことをしなくてはな。
   向こうとこちらとでは流れている時間が違う。一刻もおろそかに出来ん」
さつき「ええ、そうね……あの子たちのためにも……」

わずかな沈黙。

圭輔「……覚悟は決めたかい?」
さつき「……ええ、どんな犠牲を払うおうと、これは私たち親の役目だから」

決意に満ちた目で二人で立ち上がった。
向かう先は…………………………………不動産屋。

圭輔「家、なんとかしなくちゃなあ…」
226名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/13(木) 13:08:49 ID:IaWxTs5N
ゲートを抜け、たどりついたのは思い出の丘。
ネリー「ふむ。間に合ったようじゃの」
ネリー…さん?達はもうすでに揃っていた。
馴れ親しんだあの丘からの景色。今日はいつもより遠く見えた。
大輔「ううう…いよいよか…」
向かうのは生と死が隣り合わせの世界。恐怖がじわりと俺の心を蝕む。
ウラ「いきなりそんなに気負う必要はない。他陣営も、覚醒前の君に戦力を割くほど力は余ってはいない。君はゆっくりと力をつけていけばいい」
そういえば何とか言う学校の生徒だったな。そこで戦い方とか教えてくれるのかな?
美影「時間まであと…3分よ。心の準備はいい?」
異世界についてからのことを考えていた俺に雪村さんが声をかけてきた。
うは…いよいよか…。
227名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/14(金) 03:29:36 ID:efNXQfYg
大輔「あぁ、いつでもいい。初めて行くわけでもないし」
美影「そうね」
それよりも気になるのは彼方だ。アイツは向こうに行くのは今回が初めてだ。
気付けば、俺は彼方のほうへ寄り、声をかけていた。
大輔「彼方…」
彼方「大輔、何心配そうな顔してるの?」
大輔「いや、今から知らない、それも危険かもしれない場所に行くんだぞ。不安なんじゃないかと思って」
彼方「不安? なんで? おもしろそうじゃない♪」
事もなげに言ってみせる彼方。
そうか、そうだった。こいつはこんな奴だ。心配するだけ損なんだよな。
彼方「それに、大輔もいるし…」
大輔「え?」
彼方「うぅん、なんでもな〜い! 神木さんにでも向こうのこともっと聞いてこよ〜っと」
そう言ってそっぽを向き、彼方はウラさんたちの元へ向かう。
最後のほうは心なしか少し顔が紅かったような。ま、いいか。大丈夫みたいだしな。
そこでふと思い出した。
そういえば! 親父たちに俺と彼方が双子なのか聞き損ねたー!!
俺は一人で大ダメージを受けていた。
228連投スマソ。長くなってしまったので…:2006/04/14(金) 03:31:31 ID:efNXQfYg
と、そこへ雪村さんの声。
美影「そろそろね。みんな準備はいい?」
澪以外の全員がうなづく。
ウラ「やはり、黒翼は来ないのだな? こちらについてくれればかなり助かると思ったのだが」
澪「残念だったな。私はこちらの世界が気に入っていると言っただろう?
当分、夢魔界に行くことはない。それに私は中立の立場だ。行ったとしてもそちらにつくとは限らんさ」
ウラ「そうだったな。では、行くとするか」
神木「御意」
スウ「行くにゃ〜」
ネリー「うむ」
彼方「いよいよね」
美影「えぇ。大輔、行きましょう。みんなの夢とあなたの夢の集まる場所へ…togather with you…」
雪村さんのその言葉が引き金になったかのように、目の前の空間に歪みが生じる。
美影「さぁ」
雪村さんが優しい笑顔を浮かべ、手を延ばしてくる。
俺は、その手を握り、歪みの中へと進んでいった…。
229228:2006/04/14(金) 10:09:22 ID:efNXQfYg
ぐは! なんて恥ずかしいミスを…togetherの綴りを間違えてるなんて!
重要なところなのに…スマソ
230名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/14(金) 14:12:24 ID:Qrs30V1/
歪みが広がり、俺たちを包み込む。その瞬間、ピシッという音がして、全ての音が消えた。
木々のざわめきも、虫の声も。沖縄のときと同じだ。
ウラ「前回ノヴァがほとんどの魔獣を倒したからな。ずいぶんと気配が減っている。が、ゲートの周りはそれなりの量がいるだろう。シメていくぞ…!」
微妙に体育会系なウラさんの掛け声に反応するかのように、ウラさんの剣が姿を変えていく。
ウラ「ゲートをくぐれば、君たちはそれぞれ君たちの無食人に憑依する。大輔くんは一度行ったことがあるからわかるな?」
うなずく俺。彼方はポカン状態だが、ま、いやでもすぐにわかるさ。
ウラ「とにかく、まずは師を見つけて、その人の元で戦いを学べ。決して無理はするなよ」
大輔「師…ですか?」
ウラ「そうだ。人の業を盗み、戦いの流れを知り、実戦を重ねる。そうして皆強くなっていくのだ」
『氷刄』の顔が浮かぶ。オラオラのシーンもついでに浮かんで背中がゾクッとした。
ウラ「さて、行くか…」
剣に乗るよう促すウラさん。てか、全員乗れるのか…?
231名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/15(土) 09:43:30 ID:3r3zkgR1
???「ゲートってあの丘じゃないところにあるのか?」

俺たちがウラさんの剣に乗って向かった先は…
大輔「…学校?」
見ると、グラウンドに例の魔獣がうようよいるのが見えた。
そして、グラウンドの中心にかすかにわかる歪み。
大輔「あれがゲートか!」
ウラ「そうだ。まあ、今は閉まっているがな」
スウ「解除はスウにまかせるニャ!」
ウラ「うむ。だがその前にその周りの敵を排除しなくては。神木、あれを」
神木「御意」
そう答えるや否や、神木さんはいきなり空飛ぶ剣から魔獣の塊のド真ん中に向かって飛び降りた。
大輔「ちょ…一人で行かせて危なくないっスか!?」
ウラ「神木の力なら大丈夫だ。まずは瞬間に出しうる最大の力でゲートの周りの敵を焼き払う」
彼方「そんな簡単にできりものなんですか?」
ウラ「簡単ではない。が、神木にとっては造作もない」
見ると、ちょうど神木さんが着地したところだった。
神木「覚悟…『ロード・オブ・ブレス』!!」
頭上に掲げた剣から火が放たれ、魔獣どもを囲む円形の炎の壁が形成された。あれは前に理恵ちゃんの中学で使ってたやつか?
ウラ「これであの中にいる者は逃れえぬ。さあ、見ていろ。これが同盟軍幹部、神木の力だ」
掲げた姿勢をそのままに、神木さんは剣に力を込める。ありったけの魔力を受け、刀身の波紋は輝きを増す。
その剣を地に突き立てる。すると、地面に赤い紋様が描かれた。それは炎の壁の内部をすべて包む大きさ。
神木「燃え尽きろ…『ロード・オブ・レッド』!!」
その声に呼応するかのように、紋様がさらに赤く光り輝き…
大輔「うおあっ!?」
とんでもない大きさの火柱があがった。暗かった周りが一撃で明るくなる。
凄まじい熱風に肌がピリピリと痛み、眼もカラカラに乾いてしまう。
やがて火柱が消え失せ、神木さんがぽつんと立っているのが見えた。あれだけいた魔獣たちは死骸どころかそこにいたという痕跡すらなくなっていた。文字どおり『蒸発させた』のだろうか。
未だ熱を帯びる場の空気を感じながら、俺はあまりの圧倒的な力にただ呆然とするだけだった。
232名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/15(土) 17:22:58 ID:9Oeq2ObX
???「歪みが入り口で、ゲートが出口、みたいなものなんじゃない?
少しつじつまが合わないかもしれないから学校はゲートの先に見えてて、
その学校は『魔王対策半強制勇者育成プログラム高校』ってことにしてみては?」
233名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/15(土) 18:15:42 ID:3r3zkgR1
いや、俺的には沖縄のときみたく、ゲートの周りは現世とは隔離された空間になって、景色は変わらないけど現世とは関わらない、といった感じかと。言うなれば『灼眼』の封絶かな。
だから学校は大輔たちの普通に通う学校で、そのグラウンドに異世界へのゲートが現れたと解釈した。
俺の抜群にわかりにくい説明をわかってもらえるかどうか心配だ…まあ、つまりはまだ周りの景色は現世のそれということです。
234名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/15(土) 20:27:04 ID:DR6NrYEJ
スウ「今だニャ!ゲートをこじ開けるニャ!スウの魔力を最大にしてゲートにぶつけてやるニャ!」
大輔「…っ!?」
なんだかえらく物騒なことを言ってる気がした。
スウ「ウニャ!!」
言うが早いかスウの身体が虹色に輝き始めた。
大輔「!?」
彼方「!?」
次第にスウの身体が大きくなっていく? …見る間にスウは、彼方と同じくらいの身長になった。
だが、スウが着ていたものはそのままで、おもいきりバッ、キュ、ボーンのパッツンパッツンだった。
大輔「な、ななな!?」
ウラ「頼むぞスウ」
スウ「行くニャ!」
す、すげえ!こりゃ、あの美咲さんに勝るとも劣らんナイスバディだッ!間違いなく環希の上を行っているぞッ!
彼方「おいコラ!大輔どこ見てんの?」
美影「ふふっ、彼方さん安心して?大輔は後でちゃんと夢魔界の海に沈めますから、もちろんコンクリ詰めで」
大輔「…」

スウ「虹猫極大結界流ニャ!」
ごうと音がして、スウの身体から虹色の光の柱が螺旋になって立ち上る。
スウ「ぶち抜けだニャ!」
…おいおい、もうちょっと静かな方法はなかったのかよ!
俺がそう思っていると、空中で光の螺旋はぐぐっと方向を変え、校庭に向かって降りていく。ゆがみがあった場所だ。
次の瞬間、ものすごい稲光がして何も見えなくなった。
気がつくと校庭の中央にあったほんの小さなゆがみは、巨大な黒い穴になっていた。
スウ「行くニャ!!神木!戻るニャ!」
神木「了解」
いつのまにか、スウは元のガキんちょの姿に戻っていた。すごく残念な気がした。

俺達は止まった空間の中、巨大な穴に突っ込んでいった。
235名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/15(土) 22:04:06 ID:mFke0kZa
勢いをそのままに黒い穴に突っ込んだ俺たち。
その中はまさに漆黒。一筋の光もない黒の世界。
でも、お互いの姿はっきりと見える、不思議な感覚だった。
神木「………」
スウ「うニャ〜……」
先ほど思いっくそ力を放出した二人はお疲れのご様子だ。
ウラ「ご苦労だったな二人とも。しばらく休んでていいぞ」
ウラさんは優しくそう言い、それから俺に向き直った。
ウラ「さあ、いよいよだぞ、大輔君」
大輔「はい」
ネリー「ふむ。向こうに行ったら、しばらくは同盟軍との接触は避けたほうがいいのう」
大輔「え!?なんで!?」
ウラ「そうだな。半端な力の君が我々と行動を共にすれば、かえって君を危険な目に合わせてしまうだろう」
ネリー「それよりも、どこか夢魔とはあまり関わりのないところで力をつけるのがいいからの」
大輔「………」
ウラ「はは、そんな悲しい顔をするな。心配せずともいずれまた会える。俺にはわかるよ」
上も下も、進んでいるのか戻っているのかすらもわからないような闇の中。しだいに俺の五感は狂いだす。
ウラ「いいか大輔君。いずれ君が十分に強くなったら、我が結社を訪ねてくれ」
意識もしだいに朦朧としてくる。自分が立っているのかどうかすらわからない。
ウラ「その時は、俺たちと共に戦おう。剣の向きを揃え、共に敵に立ち向かうんだ」
視界が故障したテレビのようにノイズを帯びる。ウラさんの声だけははっきりと聞こえていた。
ウラ「強くなった君との再会を心待ちにしているよ。健闘を祈る。…またな、大輔君」
こちらに向かってサムズアップをするウラさんの姿が見えたような気がした。
そしてそれを最後に、俺の意識はブレーカーが落ちたかのように焼き切れた…。


236名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/16(日) 00:13:21 ID:lyQkPasq
ゆさゆさ

…?

ゆさゆさ

何だろう身体が揺すられている気がする?
「もし?」
…誰の声だろう?どこかで聞いたことがあるような?
「もし?」
呼ばれているのは…俺か?
ああそうだ。今日は月曜日だ。連休も昨日で終わり。今日からまた学校だったんだよな。
俺はぼんやりとそんなことを考えながら、うっすらと目を開けた。
???「気がつかれましたか?良かった」
大輔「…え?」
俺の顔を覗きこんでいたのは……美咲さんだった。
大輔「え?え?え?」

びっくりして身を起こすと、見慣れたようで全く見慣れない風景が広がっていた。
周りには木の長椅子が行儀良く並んでおり、天井は木の柱が格子状になっていて西洋画みたいなものが飾られており、
長椅子の列の向こうには教壇みたいなところがあり、その向こうに羽の生えた女の人の銅像っぽいものがあった。
窓から日が差し込んでいたが、窓の形もどこか変で、窓枠の上側は丸っこくなっていた。

…教会?

そう思って美咲さんのほうを見ると、美咲さんはシスターの格好をしていた。
妙に着慣れているっぽいところを除くとまるで学芸会の芸だ。
???「あ、お姉ちゃん?パパ気がついた?」
大輔「…パ?パパ?」
新しい声のする方を向くと、そこに居たのは"リエちゃん"だった。
そのときようやく俺は気がついた。…俺は来たんだ。またここに。
237名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/16(日) 00:35:22 ID:YR29ua+s
???「…は…ッスよ〜」
###「だい…ぶ……から」
$$$「やっぱ……たほうが…」
なんだろう、声がする。俺は…寝てる…のか?
###「えいっ♪」
ピシャッ、ゴロゴロ!
そのとき、体に電気が走るような感覚がした。
大輔「ぐぁっ!」
妙な感覚に体を起こす。
???「あ、起きたッス」
な、なんだ…? 体がうまく動かない上に視界がはっきりしない。
###「ほら、大丈夫だったじゃない」
$$$「マヒしてるみたいですけど…」
###「あはは…」
$$$「今、治しますね。この者の体を浄化したまえ、キュア」
お、お? 痺れが引いてきた。
それと同時に視界が戻ってくる。目の前には三人の女の子。
大輔「ひなたにゆかりに美咲さん?」
ヒナタ「センパイ、もうなんともない―」
ばんっ!
扉を乱暴に開く音でひなたの言葉が遮られ、一人の女性が入ってきた。
大輔(響子先生?)
キョウコ「お前たちぃ〜、朝っぱらから何を騒いでる!!」
空気を震わせるほどの怒号が響く。そこでやっと意識がはっきりとしてきた。
そうか、夢魔界にきたんだった! ということは、ここは前の話の流れからして氷刃・キョウコの家?
彼方はどうしたんだろう…。まさか、前に会った馬に乗った彼方似の人に憑依してるんじゃあ…。
そこまで考えがまわったところで、肩を震わせながら立ち尽くしているキョウコが視界に入る。
とりあえず…
【戦う】
【逃げる】
【死んだふり】
【リズ召喚】
238名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/16(日) 00:38:13 ID:YR29ua+s
>>236
かぶった…スマソ
最近かぶらなかったから油断してた…。
239気にするな:2006/04/16(日) 01:04:59 ID:lyQkPasq
朝の日差しの中
優しく起こされるのが良い方は>>236から
激しく起こされるのが良い方は>>237から
次の人はお好きなほうをどうぞ。
240名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/16(日) 01:49:01 ID:+wkgWfEt
夏江「ほんじゃま、>>237から行くよ」
順子「今って第三章になるのかな?」

【死んだふり】
大輔「…………」
もっと普通の選択肢はないのかよ…と思いながら、俺はとりあえず寝たふりを決め込むことにした。
キョウコ「お前もいい加減起きろ!!」
大輔「はぐぁッ!?」
目をぎゅっとつぶっていた俺の腹にものすごい衝撃が加わる。やばい…意識が……。
ヒナタ「あぁ〜センパイ死んじゃダメです!今日から新学期ですよ〜!?」
ん…?今日から…?
大輔「…学校って、今日からなのか…?」
ヒナタ「センパイボケすぎっすよ!!長期休暇は昨日までじゃないっすか!しっかりしてください!」
大輔「…あ〜、うん。そ、そう!そうだったよな〜、ハハハ……」
今まで休みだったのか…しかしまあ、これは好都合かもな。学校がどんなところか確認しておこうじゃないか。
痛む腹を押さえながら、とりあえずベッドから抜け出した。
241名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/16(日) 09:33:44 ID:KjcIX+9Y
――大輔たちが無事に夢魔界に辿りつき、ようやく新しい世界で活動を始めた頃、彼らから遙か遠くはなれた地では、
ノヴァ陣営最強と魔術師とザーリフ陣営最強の魔術師が、雌雄を決すべく激しい死闘を繰り広げていた。
ワーナー「「はぁはぁ…早く死んでよ、白翼」」
ミオ「くっ…あんた達も手こずらせてくれるね…」
互いに荒い息をつきながら、呟くように呪詛を吐く。
数時間に及んだ夢魔界最高レベルの魔術戦闘により、彼女たちの周辺は焦土と化していた。
数十キロ四方のほうぼうから煙が上がり、ともすれば黒煙が空を覆っていく。
空気も淀み、まるで活火山の近くにいるかのような熱風が、猛り狂うように吹き荒れていた。
ワー「はぁはぁ…ナー、マーゾラメの連発、行くよ!」
ナー「り、了解! 今度こそ、スミクズにしてやる…!」
ワーとナーがマーゾラメを撃つため、呪文の詠唱を始める。
ミオ「はぁ、このままじゃ決着つかないなぁ…」
ミオ「仕方ない、これやるとすごく疲れるから、あんまり使いたくなかったんだけど…」
ワーナーの様子を見たミオが、二人には聞こえないように独白する。
そして、スッとおもむろに右腕を上げ、魔力を集約し始めた。
ミオ「うう…やっぱり辛いなぁ…」
白い光がミオの手のひらに集まり、やがて炎のように揺らめき始める。
その白い炎は、彼女の白磁のような肌に、龍の姿をした紋様を刻んでいく。
ミオ「あいたたた…。今回やったらしばらく使えないかな…」
ミオののん気な台詞とは裏腹に、魔力は誰も知りえないレベルにまで高まり、やがてそれは周辺の魔力をも吸収し始める。
ワーナー「「な、なにっ!?」」
異変に気付いたワーナーシスターズが、その異様な魔力に目を見開く。
ミオ「悪いけど、あんた達と長々遊んでるヒマはないの。どっかの是流みたいに消えてね」
右腕の痛みに耐えながら、ミオはワーナーシスターズを斜に構えてそう言い放った。
白い炎は龍の姿を形作り、生きているかのようにギロリとワーナーを見やる。
それは、白い闇。
この世界の始まりして終わりを成す、完全なる「無」だった。
ミオ「邪王…」
すうっと息を吸い込み、ワーナーシスターズに照準を合わせる。
ミオ「炎殺白龍波ッ!!」
242連続スマソ:2006/04/16(日) 09:34:45 ID:KjcIX+9Y
ワー「…うっ」
ふっと、ワーが硬い地面の上で目を覚ます。
記憶が錯綜し、しばしの間、靄のかかった頭で間近の出来事を回想する。
ああ、そうか、ミオになんか強力な魔術を撃たれたんだっけ…。
未だ覚醒しない頭で、ボーっと思い出すワー。
確か寸前でシールド張ったはずだから、大したダメージは受けていないはず…。
そう思い、いつまでも寝ていては仕方ないと上体を起こそうとして、ふと異変に気付いた。
ワー「あ…あぁああ…」
ワーがあまりの恐怖に、名状し難い言葉を漏らす。
右半身がなかった。
右腕を地面について起き上がろうとしたが、右腕も右足もない。
胸部から腹部にかけても、ほぼ右半分がごっそり削ぎ取られていた。
右目と右耳はあったが、そのどちらも機能しておらず、左半身も全身が焼けただれて瘴気を発していた。
ワー「ナ、ナー、ナー…」
呼吸が異常に早くなった声で、妹の名を呼ぶ。
ナー「こ、ここだよ…助けて、ワー」
すぐ近くから声が聞こえ、その方へ顔を向けると、そこには胸から下の半身を失ったナーの姿があった。
二人とも瀕死の重傷を負い、回復魔法をかける力すら残っていない。
ワー「ナー、あたしたち、ここで死ぬのかな…?」
ナー「うう、そうかも…」
もう助からない、と諦めかけていたところに、
イキュ「随分と派手にやられたな、ワーナーシスターズ」
ザーリフの側近、イキュが現れた。
243名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/16(日) 10:16:24 ID:+wkgWfEt
順子「最近ギャルゲであることを忘れてしまう…」
夏江「しばらくは場面変更も激しい戦闘も控えて、魔対学校を中心に日常を描いたほうがいいかもね」
順子「戦闘シーンを書くのは楽しいけど、やっぱり場面を狙いすましてナンボだもんね」
???「まああくまで激変を嫌いさりげなさを好む俺の一意見だが。てかもっと恋愛してこうでホントに」

夏江「じゃ、何事もなかったかのように続きをドゾー↓↓↓」
244名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/16(日) 12:40:46 ID:3ylDA+TJ
メーカー「日常パートになると過疎るのは仕様です」
245241:2006/04/16(日) 13:25:49 ID:KjcIX+9Y
>>243
スマソ。ちと勇み足だったかな…。
ただまぁ、俺もしばらくの間は大輔たちに戦闘をさせるつもりはないし、
今回の話もあくまで他のキャラたちの動向として書いてるんで、
「大輔たちがこういうことしている間に、他の場所ではこんなコトが起こりましたよ」
的なことなのね。
俺は他陣営キャラ(特にノヴァ陣営)も好きなんで、こいつらの魅力も出してやりたいのよ…。

ま、我がままっちゃ我がままなのかも知れないんで、
今後は俺もなるべく大輔たち中心に描いていくつもり。

取りあえず、>>242のイキュがワーナーシスターズをどうするか誰か書いてくれ…。
>>180が言ってるように無闇に殺すのは俺も反対だけど、誰も死なないと話進まないし、
俺はワーナーの親なんで、別にどうしてくれても構わないよ。
もちろん生かしてくれてもいい。その辺の判断は次の人に任せる。
246名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/16(日) 18:44:33 ID:YR29ua+s
イキュ「すぐにカプセルで休めば助かる。戻るぞ」
イキュは二人を担ぎ、歩きだそうとする。
ミオ「待ちなよ。このまま逃がすとでも?」
イキュ「お前こそ、その体で俺とやり合うつもりか?」
イキュの言うとおり、ミオはかなり疲弊していた。イキュでも倒せるほどに…。
ミオ「ぐ、行きなよ。ここは見逃しといてあげる」
イキュ「そうしてもらえるとありがたい」
そういうと、イキュは闇のなかに姿を消した。
ミオ(はぁ、あたしもまだまだかな…。それより、今は体を休めないと)

―その頃の大輔
大輔「で、学校ってどこにあるんだっけ?」
ヒナタ「ここだと、街の南側にあるみたいッス」
大輔「ここだと? 学校は一つじゃないのか?」
ヒナタ「ホントにボケちゃったんスか!? 学校は各地域の主要都市に点在していて、旅の途中でも立ち寄れるようになってるッス。」
なるほど。
大輔「よし、学校に行くとするか」
ヒナタ「ユカリさんとミサキさんも行ってみるッスか?」
ユカリ「私、行ってみたい」
ミサキ「いいんですか?」
ヒナタ「大丈夫ッス。旅の仲間ということで来てる人もよく見かけるッスから」
キョウコ「では行くとするか」
大輔「え゛っ? 来るんですか?」
俺は頭に『オラオラ』を浮かべ、怪訝な顔をしていた。
キョウコ「あぁ、私が戻っているのがバレて臨時講師を頼まれ…ってダイスケ、嫌そうだな」
大輔「そんなことないっすよ〜。魔術師の中でも5本の指に入るような偉人の授業、受けてみたいっす(棒読み)」
キョウコ「まぁ、いいだろう。さっさと行くぞ」
4人「は〜い」
なぜかみんな素直だった。
247名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/16(日) 19:44:57 ID:+wkgWfEt
大輔「てか、ユカリとミサキさんも生徒なのか?」
ユカリ「ミサキさんは違うけど、あたしはそうよ。あ、もちろん魔法部のほうね」
ミサキ「あ、私は今日は見学です」
大輔「マホウブ…?」
ユカリ「まさか…何それとか聞くんじゃないでしょうね?」
大輔「そのまさか。何それ」
ヒナタ「ちょ…ホントにセンパイどうしちゃったんスか!?なんか一般常識忘れすぎっスよ!!」
ム…やはりそろそろ不審に思われはじめた…?仕方ない。ここはアノ古典的な方法を…。
大輔「すまない…本当に何も思い出せないんだ…」
自己嫌悪な声色に、哀しげな表情のセット、そしてこのセリフ…すなわち!
ヒナタ「セ…センパイ?」
大輔「みんな当たり前のことばかりなのに…知ってなくちゃおかしいことなのに…何も、思い出せない…」
ヒナタ「センパイ…もしかして記憶喪失っスか!?」
(キタ!!)
頭を抱えながらうなずく俺。
ヒナタ「じゃ、じゃあ…ヒナとの思い出も、みんな忘れちゃったんスか…?」
大輔「すまない…覚えていたのは名前だけだったんだ…ヒナタとの思い出が、まるで消しゴムをかけたかのように消え失せてしまったんだ…」
…微妙に説明的だったかな?まあ、ヒナタはもはやそんなこと不審に思っていないからいいか。
ヒナタ「そんなぁ、センパイ…」
ヒナタが泣きそうになっている。良心が痛むが、こればっかりは『ははは、ウソだよ』とか言えないわけで。
大輔「そんなに悲しまれると俺も悲しい。思い出なんて、これから作ればいいだけだろ?」
ヒナタ「あ…」
大輔「俺は、ヒナタのことを完全に忘れなくてよかったと、心から思うよ」
いかん、フカシが止まらない…。
ヒナタ「センパイ…」
本気でヒナタが泣きそうになっていたのでさすがにここで止める俺。
(おk!!『ワタシは記憶喪失』設定完了!!)
ヒナタに優しいほほ笑みを見せながら、心中でガッツポーズをする俺だった。
248名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/16(日) 19:54:00 ID:KjcIX+9Y
ヒナタたちに嘘をつかなければならない自分に若干の自己嫌悪を感じながら
この世界に関する談義を交わしていると、やがて学校へと辿りつく。
ヒナタ「先輩、ここは覚えてるッスか? ここが学校ッスよ」
大輔「へぇ〜、ここが魔王対策半強制勇者育成プログラム高校か」
どうでも良くないから突っ込むが、この高校名、いつも覚えられなくてコピペしてくるんだよな…。
まぁ今更変えられないから仕方ないんだろうが、なんかイイ略称を考えておいた方がいいかも知れない。
そんな愚にも付かないことを考えながら、俺は大きな門構えの校舎に目を向ける。
夢魔界独自の文化なのだろうけど、左右対称なレンガ造りの建物は、どこか西洋風の雰囲気を醸し出していた。
学校全体はほぼ正方形の壁に囲まれ、正面に校舎、向かって左に体育館、
右には屋根付きのプール(と思わしき建物)があった。
校舎はそんなに奥行がないようなので、恐らく裏側に校庭があるのだろう。
一見した限りの感想だが、予想していたよりもずっと立派な学校だった。
ただ…生徒数が少ないのか、規模の割に人影はまばらで、カサカサと揺れる木々のこずえも
どこか寂しげに葉擦れの音を奏でていた。
249名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/16(日) 21:34:17 ID:F/uw5SHG
ヒナタ「まずはランクの更新に行きましょう」
大輔「何?それ」
ヒナタ「ここの生徒にはひとりひとりランクが設定されていて、それにより受けられる授業や試験が決まってくるんスよ」
大輔「へえ…一番上のランクになったらどうなるんだ?」
ユカリ「最高の称号、Sクラスになったら、国家試験が受けられるの」
ヒナタ「それに合格したら、いよいよ私たちは公的に『勇者』として認められるんスよ!」
大輔「なるほどねえ…」
そういうシステムか…。今の俺たちはさしずめ“勇者の卵”といったところだな。

ユカリ「じゃ、受付済んだらまたここに集合ね」
ヒナタ「じゃあセンパイ、またあとでです!!」
みんな三々五々受付に向かう…って俺一人かよ!!
とりあえず辺りを見渡す俺。周りはみんな他人、他人、他人…。
(いかん。ものすげく心細くなってきた…)
この感覚は高校入学時に似ているな。…まあ、ここには案内すらないけど…。
途方に暮れていた俺は、しかしやっとこさ見知った顔を発見した。
向こうのほうに歩くセミロングの女生徒。
…あれは野々原 環希その人だ!間違いない!!


250名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/17(月) 00:53:58 ID:wVuy58zO
ちょっと提案。
上の方で、長いの連投してるのあるけど、アレ辞めないか? なんか白ける。
携帯で書き込む人の場合は一度に書ける量が少ないから、まあ仕方ないけど。
書きたいシーンがあるのはわかるけど、分量を超えてまで書くのはどうかと。
色々な人が1レス1レスつなげていくのが面白いと思うんだけど……。
書きたいシーンの途中でも、次の人がどう書くかってのが、このスレ本来の楽しみ方だった気がする。

このスレが過疎気味なのは、長レスが増えたのも関係してると思うし。
まあ、短いレスばかりだと、話進まないからどっちもどっちなんだけどね。
思ったよりもスレの運営?がうまくいきすぎた結果ということなのか…。

ともかく、長レス連投だけは勘弁してほしいな。
251名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/17(月) 01:03:17 ID:qYS0HL7H
俺は迷わずダッシュを決め込む。どこへって?もちろん、環希のもとにさ。
大輔「おい環希!」
タマキ「へ?」
こちらを振り向く環希。ああ…やっぱり間違いなく環希だ…。
大輔「いや〜環希がいて助かったよ…。じゃ、さっそく更新の方法、教えてくれ…よ…?」
そこまで言って、言葉を区切る。
タマキ「………」
環希がなんとも言い難い微妙な表情を見せたからだ。
そこでふと思う。
(もしかして、こっちの世界では環希と俺って面識なかったんじゃ…)

【態度を改める】
【かまうもんか!!】
252名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/17(月) 02:02:42 ID:iNK5Kyqu
その意見には概ね賛成。やはり繋げてこそリレー小説だしな。

ところで最近は、1レスごとに何かメッセージを乗せなくてはいけない、みたいな縛りがあるような気がするんよ。それが過疎の原因ではないかと。
だから必然的に長くなるし、いい展開がなかなか浮かばないパスなら次の書き込みがない、てな傾向になるのだと思う。
…微妙に言ってる意味がわからないかもしれないが、つまりはレス一つ一つに無理に濃い内容を持たさなくていいってことだな。
劇的な展開を書きたがるから、日常で過疎るのが仕様になってしまうわけだと思う。
日常くらいもっとテキトーでいいだろ。無理してまで巧い文章なんていらないし、みんなもっとどんどん書き込んでほしいと思うな。

うは…長文スマソorz。
253名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/17(月) 02:03:56 ID:iNK5Kyqu
わかると思うが…
その意見=>>250
254名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/17(月) 21:18:14 ID:ycBXVhom
>>252そんなに小難しく考える必要はないと思うな。レスがあったらあった。なかったらなかったでいいじゃん。
まあ、連投は俺も控えてもらいたいと思うかな?

>>251から
【態度を改める】
激しく起動修正。さっきとは一転して紳士な対応を心がけることに。
大輔「ああ失礼。わたくしは大輔といふ者で…」
タマキ「…さっきから何やってんのよダイスケ」
大輔「へ?」
あれ?認識あったか?
タマキ「更新の方法教えてってどういうことよ。休み長くて脳が侵されたの?」
大輔「い、いや。実は…(記憶喪失について)」
タマキ「ええ〜〜!?それって大変なことじゃないの!?」
大輔「ははは…そういうワケだからヨロシク頼むぜ?」
タマキ「う…うん。えっと、更新の方法は………」





そして、更新が終了。俺のランクはDランクだそうだ。また微妙な…。
タマキ「Dランクならあたしと一緒ね。とりあえず教室行きましょ」
何もわからない俺は言われるままに環希についていくしかなかった。
255241:2006/04/17(月) 21:48:20 ID:hEoWln6G
>>250
分かった。
ゴメンな、みんな。なんか俺だけ空気読めてなくて…。
今後は大輔がひと段落つくまで日常を綺麗に描いてくから、寛大な心で許してやってくれ…。

続き。

環希と一緒にやってきたのは、レンガ造りであることを除けば、ごく普通の教室だった。
ドア付近のプレートを見ると、「D-1」と書いてある。
ランクDの1教室目ということだろうか。
人間界では逆の表記になるので、少し混乱した。
タマキ「ほら大輔、突っ立ってないで座りなよ」
大輔「あ、ああ…」
戸惑い気味に返事をしながら、空席の目立つ教室を見渡す。
座れと言われても、一体どこに座りゃいいんだろう…。
空いている席は多かったが、そのせいで逆にどこに座ればいいのか迷ってしまう。
大学みたいに適当な位置でいいのか?
俺は若干周章しつつ、タマキの隣に腰を下ろした。
256名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/17(月) 23:55:01 ID:iNK5Kyqu
>>255気にするな。


タマキ「あ〜あ、今日からいきなり授業か…ゆとりのカケラもないなぁ」
大輔「で、授業ってどんなことするんだ?」
タマキ「今日は、ええと…実技訓練と魔力繰りの練習ね」
大輔「魔力繰りって?」
タマキ「ホントに重傷ね…魔力を練るのは戦いの基本じゃない…」
確かウラさんもそんなこと言ってたっけ?まあマンガとかでもよく見るし、だいたいわかるかな。
ヒナタ「あ、センパ〜イ!!」
振り向くと、ヒナタが教室に入ってきたところだった。
大輔「ヒナタもこの教室なのか?」
てか、年齢は関係ないのか?
ヒナタ「はい!今学期からDクラスです!やっとセンパイに追い付きました!」
大輔「ははは…」
後輩と同じランクだということが密かにショックだった俺。
???「さて、みんな席につけ〜」
現世とまったく同じ感じで先生らしき人が登場…ってあれ松永じゃん!!
マツナガ「このクラスの主任となったマツナガだ。みんなよろしくしてくれ」
いたって普通な担任の自己紹介。まさか別世界でも同じ先生に受け持ってもらおうとは…。
マツナガ「じゃ、さっそくだが訓練に入ろうか。今から訓練所に移動するぞ。
あ、あと魔力を使うトレーニングなので、精霊をまだもってない者は職員室に魔力の腕輪をもらってくるように」
257名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/18(火) 00:38:04 ID:d8RTCLhV
野外訓練所に到着した。
なんと言うか、いかにもコロシアムって感じの場所だな…。
意味もなく見とれていると、、マツナガがやってきて言った。
マツナガ「それじゃ、新学期になったことだし、皆の力を見るべく実戦形式の訓練をしようと思う」
な!?いきなり実戦!?やば!!
マツナガ「とりあえず武器は用意した。各自、好きなものを取りにきてくれ」
武器とは、あらゆる種類の木刀だった。長さや重さはまちまちで、槍のようなものや、棍のようなものもあった。
とりあえじ俺はオーソドックスな長さのものを選んだ。ヒナタは短めのものを2本取っていた。
タマキ「………」
大輔「あれ?タマキは武器いらないのか?」
黙々とストレッチをしていたタマキに声をかける。彼女はいまだ何も持っていない。
タマキ「ふふん、そんなのいらないよ。あたしの武器はこのコブシよ!」
ボキボキと手を鳴らすタマキを見て、俺は妙に納得した。

マツナガ「全員取ったな?じゃ、呼んだやつからフィールドに入ってきてくれ。
なお、このコロシアムは『氷刄』指導の元、特別な印が組んであり、ひどいケガはしないから、みんな思いっきりやってくれい」
やってくれい、じゃねえだろ…。不安だ…。
258名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/18(火) 00:42:34 ID:d8RTCLhV
ず…orz
259227・228:2006/04/18(火) 02:39:48 ID:zsBmWb+h
マツナガ「では、まずレンカ=テン」
え? 蓮華? あいつもいるのか?
レンカ「はい」
返事の後、フィールドに褐色の肌の女の子が出てくる。
やはり、蓮華と瓜二つだった。
続いて、知らない名前が呼ばれる。
レンカの武器は棍、相手の武器は槍のようだ。
そういえば、精霊ってどうするんだろう? 今回は関係ないんだろうか?

【ヒナタに聞いてみる】
【タマキに聞いてみる】
【レンカのほうを見ている】
260名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/18(火) 04:28:47 ID:e0n0KgMG
【タマキに聞いてみる】

大輔「よう環希、これってさあ…」
タマキ「しっ、喋ってたらマツナガのおっさんにどやされるよ?」
大輔「お、おう」

聞きそびれてしまった。
レンカ「よっしゃ!ぐーちゃん!出てきいや!」
ぐーちゃん「キシャー!」
大輔「…」
…なんだあれ
見ると蓮華は得体の知れない怪物を呼び寄せていた。
頭が鷲で、身体がライオンで尻尾が蛇だった。でかい翼が生えていた。
レンカ「ほな行くでマナミ!」
マナミ「負けないよ!おいで!ドンワルショーネ!」
ドンワルショーネ「ぐもー」
マナミと呼ばれた相手の女の子も何だかよくわからないものを呼び寄せていた。
…どんなネーミングセンスだ。

要するになんでもありってことか?
261名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/18(火) 07:00:38 ID:Vq4n4Zuv
大輔(なあ)
タマキ(なによ!話してたらマツナガに…)
大輔(いや、ちょっとな。精霊って、けっこうみんなごろごろ持ってるものなのか?)
タマキ(ん〜ん。精霊の宿るアイテムなんてそんな頻繁にあるわけじゃないし、やっぱり精霊持ちは憧れるものだよね)
タマキ(やっぱり一生のパートナーだし、できるだけいい精霊についてもらいたいでしょ?だからみんななかなか決めかねてるわけよ)
やっぱり質のいいものを持ちたいのは人情だもんな。俺だったら、あのマナミとか言う子の精霊は…遠慮願いたいし…。
などと考えていたら、その変な形の精霊をレンカの精霊が弾き飛ばした。
「きしゃ〜!!」
変な精霊はキリモミ回転をしながら吹っ飛ぶ。
大輔「おお〜」
タマキ(レンカの精霊『グリヴァー』はね、精霊自身の攻撃力は、それこそAクラスに行っても通用するほど強力なの)
グ「ガアアアアア!!」
レンカの精霊は激しく吠えて、変な精霊に襲い掛かる。
変な精霊(いや、名前覚えにくいので…)はそれをかわすと、直接レンカに攻撃を試みる。
タマキ(でもね…)
レンカ「うひゃあ〜〜!!」
レンカはそれを見てスタコラとフィールド内を逃げ始めた。
追う変な精霊、逃げるレンカ。言っちゃ悪いが、すんごく無様だ…。
タマキ(レンカ自身の戦闘能力は、その…かなり低い位置にあるかなぁ…)
一方、マナミはレンカの精霊の攻撃を巧みに避けていた。うん、こっちのが断然カッコイイ。
タマキ(マナミって子の体術はすごく冴えてるって有名なの。でも…精霊が…ちょっとねぇ…)
大輔「………」
俺はメモを取り出し、今学んだことをそこに記した。
『バランスが大切』
262名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/18(火) 14:39:44 ID:AP73PWes
グリヴァーはしつこく追い掛けるが、マナミは距離を取って躱し、レンカの目の前に飛び込んだ。
レンカ「ひいっ!」
マナミは再びレンカを飛び越えジャンプする。
レンカ「ひゃ、グ、グリばああっ!」
ドガンという音と共にレンカはマナミを追っていたグリヴァーと正面衝突し、後方へ吹き飛ばされた。
グリヴァー「ガウ…!」
レンカに駆け寄ったグリヴァーが少しして首を横に振る。
マツザワ「レンカの気絶により、マナミの勝利!」


大輔(なぁ、レンカの精霊って…)
タマキ(なんでも親御さんから受け継いだとか。知識も力もかなりのものだけど、レンカがあれじゃあ力を存分に発揮できてないのよ)
263名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/18(火) 19:01:48 ID:UKkIBIQf
マツナガ「次!ダイスケ=ヒムロ!、アヤ=スズキ!両者前へ!」
アヤ「は、はい」

ヒナタ「あ、委員長っス!」
大輔「へー、委員長、こっちでも委員長なんだ……」
タマキ「何ノンキな事言ってんの?アンタも呼ばれてんじゃん」
大輔「……………………………え?」
ヒナタ「先輩、頑張って下さいっス応援してるっス!」

大輔「え?あ?な?ちょ、…まだ心の準備が………」
タマキ「ほら、さっさと行ってきなさいよ」

マツナガ「ヒムロ!いないのか!失格になるぞ!」
松永のおっさんが野太い声で俺を呼んでいる。
大輔「……マジっすか!?」
264名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/18(火) 20:06:22 ID:pqfcCc2g
俺は長さの近い剣を選び、委員長アヤの待つフィールドに入った。
ダイスケ(このイミテーションを持った状態でもリズを呼べるだろうか?)
委員長は…素手?
マツナガ「では、始め」
委員長がペンダントを掲げてポソリと呟いた。
アヤ「スノー・ミラージュ」
委員長の精霊は呼び出されるという物ではなく、
委員長の内側からにじみ出てくるようだった。
肌の色は白くなり、黒髪も灰色に変わっていった。
委員長自身が雪の精霊に変わったかのような…というか…
大輔「!? 雪村さん!?」
驚いた俺はリズを呼ぶ事も忘れて唖然としていた。
続く委員長の美しい舞を見て、金縛りになって動けなくなっていた。
マツナガ「勝者、ダイスケ! アヤ、反則負け。お前はAクラス行きだ。」
アヤ「ふふ、やりすぎちゃった。」
何か分からない内に不戦勝していた。
気になるのは雪村さんと鈴木さんの関係だ。
いつかAクラスに移動になったアヤに聞かなければ。
265名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/18(火) 21:18:02 ID:2h9tNBJX
>>264
…? よく意味が分からんのだが…。
読解力のない俺に誰か補足説明を頼む。
266名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/18(火) 21:49:52 ID:AP73PWes
>>265

戦闘開始→アヤ変身(美影に似てる?)→アヤの踊りに大輔動けない→アヤ反則負け

なんだが、負けたのに跳び級でランクアップしてるしなぁ。

アヤの技?がレベル高かったから上のランクに移動した、という理由くらいしか…。教えて、えらいひと!
267名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/18(火) 22:11:07 ID:p0Fn8MVZ
>>264ごめん俺もわからん…。説明求ム。

こうして、皆呆然とする中、アヤは退場していった。
マツナガ「…ええと、タマキ=ノノハラ!」
タマキ「はい」
マツナガ「お前、ダイスケの相手な」
ダイスケ「いいい!?」
タマキ「ふっふっふ。ダイスケ、覚悟はいい?」
拳をボキボキと鳴らしながらタマキがフィールドイン。
ダイスケ「いや、ちょっと待とうか。今から精神統一を…」
タマキ「実戦で敵は待ってはくれないわよ。さ、とっとと構えた構えた!!」
ダイスケ「ちい…仕方ない。リズ、出て来い!!」
リズ「はいマスター!!」
さらさらと虚空からリズが出現。周り(特に男子)から感嘆の声があがった。
タマキ「人型の精霊…ダイスケ、いいコと組んだじゃない…」
ダイスケ「え?ああ、まあな」
そういえば人間の姿をした精霊はリズしか見たことがない。珍しいのかな?
タマキ「ま、私の場合はこのコを無闇に顕現させたりはしないけどね。あくまでこの体で勝負よ!!」
その言葉どおり、タマキは精霊を出さなかった。俺は首にかけたペンダントが精霊を宿すアイテムだと推測した。
リズ「がんばりましょう、マスター!」
ダイスケ「おう!行くぜ!」
リズが出てきたことによって俺の心はだいぶラクになった。さあ、やるぜ…!
マツナガ「では、双方、構え!」
マツナガの声が響く…。
268名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/19(水) 00:08:01 ID:kbsY1Qg/
プレイヤー「元ネタからして今まで『レンゲ』だと思ってた……」
269名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/19(水) 01:43:42 ID:CZyRudlz
生徒A「なあなあ、ヒムロってあんな精霊もってたか?」
生徒B「ああ、なんかあの『氷刃』に貰ったらしいぜ」
生徒C「マジかよ!! ……でも、なんでまたヒムロが? しかし、それより……」
生徒B「ああ、あの精霊可愛いよなあ」
生徒A「あの初々しい雰囲気が萌える……」
生徒D「でも、あの娘、委員長の変身後に似てるよなあ?」
生徒C「言われてみれば…? うーん、胸の大きさは委員長だけどな」

外野がうるさいが……そうか、こっちの世界でも「萌え」って概念はあるのか。
なんか嫌だな、オイ。
マツナガ「始め!」
タマキ「先手必勝!」
うお、タマキが突っ込んでくる! いやいや、落ち着け大輔。どうも両方の世界は、
色々なところで共通点が多いみたいだ。つーことは、タマキの行動も……
ダイスケ「リズ! 左のジャブからの連打が来るぞ!」
リズ「はい、マスター!」
ふふ、この大輔をナメるなよ! …ってアレ?
リズ「あ、あれれ???」
リズの横を駆け抜けてこっちに来た!?
タマキ「術者を狙うのはジョーシキよ! …lって、そんなことも忘れたの?」
うーむ、バトル中だというのに哀れみをかけられてしまった。
270名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/19(水) 02:28:11 ID:hgD7eqTN
順子「アヤはランク更新で力をセーブして、ランクを偽ったから反則負けだったりする訳ね。」
夏江「いきなり内側から精霊力引き出したもんね。それからマナミ一回戦突破おめでとー。」
蓮華「いやー、負けた負けた。あんたの妹に負けるとは。そうそう、>>268纏めも見てな。」
順子&夏江「いつか来ると思ってたわ。」
271名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/19(水) 07:48:02 ID:geKhMFh5
タマキ「オラオラオラ!」
大輔「わっ!わっ!わっ!」
すり足でタマキが迫ってくる。
リズ「ま、マスター!?」
タマキ「オラァ!」
大輔「……ッ!?」
間一髪でタマキのストレートを避けた。
ブン!と風を切る音が短くこだまする
ふう、あぶねえぜ。俺はコイツに幾度となく意識をすっ飛ばされたのだ。
タマキ「オラオラ!」
タマキの右ジャブからのコンビネーション!こちらもギリギリでかわした。
大輔「…ん?」
…あれ?見える?
何故だかタマキの攻撃がゆっくりに見えた。
俺は見えてから、かわしていた。
何でだろう?なんで見えるんだろう?
いつも(?)のような必殺の気合いが感じられないから?
んにゃ、あのスピードは以前何度も俺を吹き飛ばしたものと同じにも見えるが?
タマキ「逃げてばっかりじゃ話になんないよ!?」
絶対敵わないと思っていた環希……。
とにかく見えるのだからしかたがない。
大輔「いけるか?」
…かと言って、持っている剣でタマキを切り付けるのも気が引ける。

俺は
【ええいままよ!正々堂々攻撃開始!】
【やっぱ無理っス!このままやられてしまおう。どうせ俺はそういうキャラだ】
【逃げた】
【シャドウがきになる】
272名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/19(水) 12:08:27 ID:Y45VXLOt
【ええいままよ!正々堂々攻撃開始!】

いいや、俺は強くならなくちゃいけない。みんなと約束したんだし。俺は剣を構え直す。
タマキ「ちょっとはやる気出たみたいね」
再びタマキが接近してくる。
リズ「マスター!」
タマキ「甘い!」
リズが氷の弾を射ってくるがタマキはステップで避ける。
タマキ「セイッ!ヤッ!」
大輔「クッ…」
タマキのラッシュを体を捻り、剣を盾にして防ぐ。しかし、如何せんこちらから攻められない。
タマキ「ハッ!」
顔面狙いの正拳突きを首を曲げて躱す。
タマキ「足元がら空き!」
タマキがしゃがみ込むと俺の足を払った。
大輔「うわぁっ!?」
どさっと尻餅をついてしまう。
タマキ「ハアアアアッ!」
タマキのペンダントが輝き、右腕が振り下ろされる。避けられないなら、受けとめるしかない。俺は体の前に剣を構える。
タマキ「セイッ…!」
しかしタマキの正拳を支え切れず、すぐに押し込まれる。明らかにさっきまでとは重さが違っていて…。
タマキ「ヤアッ!」
次の瞬間、剣が砕け俺の体をもの凄い衝撃が通り抜けた。ズズン…!
大輔「ガグハッ…」
リズ「マスター!!」

タマキ「どうしたの、これで終わり?」
タマキが衝撃で窪んだ地面に横たわる俺を見下ろしていた。

【このまま気を失うか】
【まだやられる訳にはいかない】
273名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/19(水) 13:41:46 ID:MnP8f/W7
【このまま負ける訳にはいかない】

でも、クソッ!!体が動かない…!
リズ「マスター!!」
俺の傍らにいたリズが急に光り輝き霧散した。
大輔「な…ちょ、リズ…!?…ってあれ?」
急に体の痛みが和らぎ、力が湧いてくるねがわかった。
リズ(がんばってくださいマスター!!)
頭の中に直接響くリズの声。いける…まだやれるぜ!
立ち上がり、木刀を構えなおす。


――外野の会話
男1「お、インモードだな」
男2「インモードて何?タクマくん」
タクマ「なんだ知らないのかシゲル?インモードは精霊を内に宿して戦う戦法さ」
シゲル「え?でもそんなことしたら、精霊のサポートを受けられないじゃないか」
タクマ「まあ確かにな。でも、インモードでは通常時と比べて身体能力が上昇する。だが、シゲルの言うように精霊の直接的な支援は受けられないから使い分けが重要なわけだ」
シゲル「なるほど!」
タクマ「ま、俺に言わせりゃダイスケはアウトモードで戦ったほうがいいけどな」
シゲル「え?何でだい?」
タクマ「そりゃあお前。精霊が可愛いからに決まってんじゃねえか」
シゲル「………」
マツナガ「オラお前ら!私語をするな!」
妙に説明的な会話はそこで切り上げられた。
274名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/19(水) 14:41:49 ID:MnP8f/W7
の…orz
そして選択肢違う…orz

細かいけど、直さずにはいられない。
275名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/19(水) 18:10:51 ID:THmgLBuR
タマキ「精霊とのシンクロ率は高いみたいね。でも、そんな付け焼き刃で勝てるかなッ!」
タマキが再び間合いを詰めてくる。しかし、
大輔(あれ? さっきよりも遅いぞ)
間合いを詰めてきたタマキが攻撃を繰り出してくるが、やはり先程よりも遅く感じる。
右ストレートをかわし、懐に潜り込む。そこで鳩尾のあたりめがけて木剣の柄のほうで思い切り突いた。
タマキ「ぐっ」
タマキは苦しそうに膝をついた。だが、それも一瞬で、タマキはすぐに間合いをとる。
タマキ「やっぱりこのままじゃ勝てないか…。しかたないね」
そう言ったあと、ペンダントを握る。
タマキ「シルフィード!」
タマキは精霊の名前? を叫ぶが、何も起こらない…?
タマキ「よし、行くよダイスケ。よ〜く、見てなさい」
言うが早いか、構えに入る。
次の瞬間、バン! という音が聞こえたと思ったら、すぐ目の前にタマキがいた。
タマキ「烈風掌!」
タマキの拳が飛んでくる。
避けきれず、折れた木剣で防いだが、受けた瞬間体が浮き上がり、吹き飛ばされる!
吹き飛ばされた俺は、フィールドの外にいたヒナタにぶつかる。
ヒナタ「ひゃうっ」
そのままヒナタと倒れこんでしまった。
マツナガ「ヒムロ、フィールド場外。勝者ノノハラ!」
大輔(い、今のはなんだったんだ!?)
わけもわからず、困惑していた。
276名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/19(水) 20:59:32 ID:BvlZrUGw
−−−同時刻 ユカリ視点−−−
ユカリ「あ、Dランクの教室覗いてみない?」
ミサキ「対になるアイテムを学舎内から探し出すなんてゲームみたいで面白いですね。」
ユカリ「あれ? がらがらだ。ダイスケ達居ないや。」
Dランクの教室の中には、荷物を纏めてる女性がひとりだけ。あれは…
ユカリ「もしかして? ミカゲちゃん? 何年ぶりだろう!」
アヤ「あなたはミカゲのお知り合いですか。」
黒髪の女性はそう答えた。
ユカリ「ああ、ごめんなさい。あなたは? ミカゲちゃんのお姉さんか何か?」
アヤ「私は、アヤ=スズキです。」
アヤ「ミカゲは眠りました。今は私の中で深い深い眠りについています。」
ミサキ「眠ってる? アヤさんの中でミカゲさんが?」
ユカリ「あれあれ、ミカゲちゃんとアヤちゃんは姉妹じゃないの?」
アヤ「あまり深く知る必要は無いと思いますよ。それともあなた方が、
運命を繋ぐ巫女の力、ミカゲの力を狙う者で有れば、
私も容赦なくミカゲの力を開放しますけど?」
ユカリ「あの、友達だからってだけで。」
アヤは表情を綻ばせて口調を変えた。
アヤ「なんだ。そうだったの。私もミカゲの時の事はハッキリは覚えてないから。」
アヤ「ありがとうミカゲの友達でいてくれて。これからも、それからアヤもよろしくね。」
そう言うと彼女はAランクの教室の方へ去っていった。



順子「元ネタは誰も分からないかもね。」
夏江「元ネタではアヤとミカゲで片方の名前なんだけどね。」
277名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/19(水) 21:23:43 ID:geKhMFh5
リズ「ぐすん…、うう、すみませんマスター。リズが、リズがふがいないばっかりに……」
リズが目の前に、ぽん と音を立てて現れた。
大輔「やあ、リズ…お前さんのせいじゃ…………………う?」
とたん体中があちこち痛くなった。
大輔「あ…………たたたたたたた!?」
ヒナタ「せ、先輩、大丈夫っスか?」
リズ「ああ、ま、マスター?」
…あ、あかん立ってられん。
俺はその場にへたりこんでしまった。
これは、慣れないことはするもんじゃねえってことか?ママン。

タマキ「へへーん。あたしの勝ちだね」
いつのまにか肩に鳥を乗せていたタマキがニコニコ顔でこちらにやってきた。
俺の記憶が正しかったら、あれはハヤブサだ。
タマキ「うふふっ、こら、くすぐったいよシルフィー」
大輔「…………………」
体中が痛かったので返事が出来なかった。…別に悔しかったからじゃないぞ。

タマキ「紹介しとくね、このコはあたしの相棒のシルフィード。ほらシルフィー?挨拶は?」
シルフィード「…………ぷい」
大輔「………………」
タマキ「あらら?嘘、このコったら照れちゃってる」
大輔「………………」
タマキ「このコね、女の子なの。ふふ、仲良くしてあげてね?」
リズ「むーー」
何故かリズの機嫌が悪くなってしまった。
278名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/19(水) 23:33:42 ID:Y45VXLOt
大輔「どうしたんだ、リズ?」
リズ「初対面なのにあの態度はちょっとひどいと思います」
リズが腕を組み、プンプンといった感じで頬を膨らます。
タマキ「そうだよねー、せっかくの新しいお友達なのにねー?」
タマキがニヤニヤと笑いながら続く。するとさっきまでそっぽを向いていたシルフィードが初めは目線を、そしてゆっくりと顔をこっちを向けた。
大輔「はは…これからよろしくな」
リズ「よろしくお願いしますね、シルフィードさん」
リズも笑顔に戻り手を差し出す。
シルフィード「…………」
しかし、バサッと翼を広げるとシルフィードは空へと飛んでいってしまった。
リズ「あーっ!」
タマキ「あらら…ごめんね、あの子ちょっとプライド高い所があってね。あれでも本当はあなた達のこと、認めてるから。あ、本人は否定するかも知れないけどね」
タマキは空を旋回しているシルフィードを見上げた。
279名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/20(木) 01:05:56 ID:X8EXWBds
ヒナタ「あ〜あ、ヒナも精霊ほしいなぁ…」
シルフィードを見上げながら、ヒナタがつぶやく。
大輔「ん?ヒナタは持ってないのか?」
ヒナタ「ヒナは未だ腕輪のお世話になっておりますよ…ううう」
大輔「腕輪って?」
タマキ「あんたそんなことも……って記憶喪失か…。腕輪ってのは、精霊を持ってない人が魔力を得るために使うアイテムなの」
タマキ「それ自身に魔力がこもっていて、それから供給を受けて戦う、言わば魔力タンクね」
ヒナタ「それでも上等なものならけっこうな力が宿ってるんスけど、ヒナのは何せ魔法屋の安物で…あああ、精霊うらやましいっスよぉ〜」
大輔「………」
何の苦労もなく精霊を手に入れた俺は、ヒナタに少し申し訳なかった。

マツナガ「次、えーと…ヒナタ=ウエハラ」
タマキ「あ!ヒナタちゃん呼ばれたよ!」
ヒナタ「え!?え!?」
大輔「がんばってこいよ!ヒナタ!」
ヒナタ「は、はい!行ってきます!」
280名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/20(木) 06:50:28 ID:JO/3FHgK
マツナガ「ナツエ=アサクラ前に」
ナツエ「はーい」
マツナガのおっさんに呼ばれた相手の女の子が元気にかけって行く。
ナツエ「痛で!」
…あ、こけた。しかも顔面から。
大輔「ん?あの子は」
タマキ「知り合い?」
大輔「……んにゃ、そんなんじゃなくて」
詳しく知っているようで詳しく知らない。不思議な感覚だった。
大輔「お?」
ふと気が付くとタマキのシルフィードが俺の頭の上に舞い降りてきた。
タマキ「こらシルフィー」
シルフィード「……………………」
タマキ「え?そっちのほうが居心地が良いって?もうなんだかなあ」
リズ「むー」

大輔「………始まるみたいだな。おーいヒナちゃーん頑張れよー」
ヒナタ「頑張るですー」

ヒナちゃんは両手に短い獲物を持っていた。
双剣とか言うらしい木製の模造品だった。
大輔「ん?」
見るとナツエってコも同じような武器を持っていた。
281名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/20(木) 22:42:05 ID:JmG7T0Xc
プレーヤー「夏江を通常空間に出しちゃダメだろ」
プレーヤー「つーか、順子&夏江はああいう位置にいるからこそイイわけで」
プレーヤー「まだ1レスしかないから、>>280はやめにした方が良くね?」
282名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/21(金) 00:10:35 ID:WE9dvynZ
別にいいと思うが……ストーリーに絡まなければ
ジュンコはもうでてるわけだし
283名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/21(金) 01:12:51 ID:DVB5ms3C
順子「じゃあこんな感じ?ふっふっふ、あんた一人活躍しようったって甘っての」
夏江「ぶーぶー」


マツナガ「はじめ!」
ヒナタ「いきます!とあ―――!!」
開始と同時にヒナタがナツエに突っ込んだ。
ナツエ「なんの!」
ナツエは左手の剣でヒナタの攻撃を払うと、右の剣で斬りかかる。
ヒナタ「はっ!!」
ヒナタはそれをかわすと、バク転で距離をとり剣を構え直す。
睨み合う双方。なんというか、ナツエが正統派な戦いをしていることが俺的にはかなり驚きだ。
ヒナタ「よし!ヒナタ、いきます!はああああああ…」
ヒナタが唸る。つたないながらも、両手の得物になにか力が集中していくような感じを俺は感じた。
ヒナタ「さあ、第二ラウンドですってああ〜!」
得物を一振りしたヒナタの右手から木刀がすっぽ抜けた。
魔力を帯びた剣は綺麗な放物線を描いて飛び…
ナツエ「ふぎゃっ!」
バリバリ油断していたナツエの頭にクリーンヒットした。
ナツエの頭から噴水のように鮮血が出てくる。皆の悲鳴がこだまする。場の空気はてんやわんや。
ヒナタ「あ……すみません…」
こうして、血まみれのナツエは医務室に運ばれていった。
284名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/21(金) 01:53:50 ID:CgfR3aWa
順子「まあ、所詮アンタなんてこんなもんよ」
夏江「ちぇー。久しぶりにここから出れたのにー」
順子「おーほっほっほ! 悔しかったら私みたいに映画女優になりなさいな!」
夏江「……イヤ。だってアンタ、ヘンな役しかやってないじゃん」
285名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/21(金) 02:18:39 ID:egNTQ+8H
プレイヤー「ひどい怪我はしないんじゃなかったのか!? やはり夏江は別物かw」


そのあと、いくつか試合はあったが、実戦は特につつがなく終わった。
ナツエ事件? とずっと頭にシルフィードが乗っていたこと以外は…。
そして授業、というか実戦時の注意点等を一時間ほど聞かされてから俗に言う昼休みになった。
さてと、昼飯食べないといけないんだが、こっちの俺って今はどれくらい金持ってるんだろう…。
確認してみる…が、
価値観がわかんね〜! 剣やペンダントは見たが食料はまだ見てない…。
誰かに聞くか? 自分で確認してみてもいいのだが…

【誰かに聞く】
【自分で確認】
【別の方法】
【すでに誰かから聞いたかも…】
286名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/21(金) 10:26:33 ID:wZka7Gkm
【誰かに聞く】

…調べるまでもなく、俺は弁当なんか持ってきてないわけで。じゃあ、お金は?
大輔「なあリズ?今の俺の経済状況は?」
リズ「はいマスター。今のマスターの所持金は、その…かなり可哀相な部類かと…」
大輔「………」

タマキ「ダイスケ〜せっかくだから一緒に…」
大輔「お、ちょうどいいところに。ちょっといいか?タマキ」
タマキ「ん?何?」
大輔「少し黙って聞いていてくれ。俺は今日は弁当を持ってきていない」
タマキ「………」
大輔「そして、お金は昨日ほとんど使ってしまった。財布はカラに等しい」
タマキ「………」
大輔「あ、もう喋っていいぞ」
タマキ「…つまり、あたしになんか奢れと?」
大輔「…お願いします」
タマキ「はあ…わかったわよ…。あ〜あ、せっかく勝ったからなんか奢らせようと思ったのにな…」
大輔「スミマセン…」
申し訳なさに自ずと姿勢が低くなる。
タマキ「じゃ、とっとと学食行きましょ」
あ、学食なんてあるんだ。まるで普通の学校だな。
タマキ「たく…お金ないんならアルバイトくらいしたらどう?」
アルバイトか…前向きに検討しなくちゃな。なにせ生活費は自分で稼がにゃなんないし…。
ダイスケ「てか、これからどうするよ。衣・食・住すべて不安定すぎるんだが…」
タマキ「ダイスケって確か寮生活じゃなかったっけ?」
大輔「へ?そうなの?」

もしそうなら食と住はなんとか大丈夫だ。
タマキ「そうなの?じゃないでしょまったくもう…どこまで記憶無くしてんのよ…」
大輔「そうは言われてもなぁ…」
などと話しながら、学食に向かった。
287名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/21(金) 11:41:17 ID:wZka7Gkm
???「『じゃあ何で昨日そこに泊まらなかった』という話になってくるから、
『学校が休みだったから寮は機能していなかった』ということにしといてくれ」
288名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/21(金) 23:43:38 ID:VZclXfoQ
学食に向かう途中、タマキと一緒に廊下を歩いていると、ふと最初に感じた印象が戻ってくる。
やはり人が少なく感じられる。
全校生徒数は200人近くいるらしいが、この人数は俺が現実世界で通っていた高校の半分程度に過ぎないし、
学校の敷地面積や施設数からすれば尚更それが顕著になる。
要は、現実世界の高校に比べると、人口密度が大分低いということだ。
夢魔界の常識なのか、それとも単にこの学校が寂れているのか…。
俺はちょっとそのことが気になって、タマキに話を聞いてみることにした。
289名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/22(土) 01:20:07 ID:UpzQAeqy
タマキ「あぁ、そのことね。記憶喪失じゃしょうがないか。まず、ランクについては覚えてる?」
俺はその言葉に首を振る。
タマキ「ホント重傷ね…。まぁ、それは置いといて。
ランクはS、A、B、C、D、E、Fと分けられてるんだけど、問題はランクSとAの人たちなんだよね」
大輔「何かあるのか?」
タマキ「SとAの人たちは課題…クエストとも言うわね。そのクエストを与えられて、ほとんど学校にいないのよ。一部例外もあるみたいなんだけど…。
さらに言うと、Bランクの人もS、Aの人とパーティ組まされることがあるの。それで、少し少ないのよ」
そんなシステムになってるのか。
タマキ「ちなみに、クエストを多くこなすといろいろ優遇されるみたいよ〜。今の私たちには関係ないけどね。
Dランクとパーティ組もうなんて奇特な人もいないし。
あ、もう一つ、全校生徒ってのはS、Aの人たちを除いて、だから」
大輔「なんで?」
タマキ「S、Aの人の大半はクエストこなして近くの街の学校行ってはクエスト受けて、の繰り返しであまり一つの学校に留まらないからね」
そうなのか…ついでに例外とやらについても聞いてみるか?

【聞いてみる】
【やめとく】
【久々に…シャドウが気になる】
290名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/22(土) 08:43:14 ID:9/GH7Z1n
【聞いてみる】

大輔「例外って?」
タマキ「え? ああ、SとAで学校に来てる人のこと?」
大輔「そうそう」
タマキ「うんとね、簡単に言うと、ランクSを目指している人が、さらに修練を積むために学校に来てるのね」
タマキ「ランクSの昇級試験ってと〜っても難しくて、ものすごい狭き門なの」
タマキ「この学校なんかじゃ、今まで輩出したSの人は数人だけだし」
タマキ「まぁ、大体の人は一生A止まりだよ。Sになるなんて、余程の秀才か、生まれつきの天才だけだから」
タマキ「さっきはSの人がこの学校にいるみたいな言い方したけど、今の在校生にランクSの人なんていないからね」
大輔「へぇ…」
すると…なんだ、ランクAはエリートで、Sというのはエリート中のエリートなわけだな。
この学校の場合は勉学だけでエリートになるわけじゃないみたいだから、ちゃんと実戦能力も高いヤツなんだろう。
大輔「ランクSになるのって、そんなに難しいのか?」
タマキ「そうだねぇ…。この学校が最後にランクSの人を輩出したのは、20年くらい前だったかな」
大輔「そんなに難しいのかよ…」
タマキ「ちなみに、その年にはこの学校にSの人が二人いてね。有名だから知ってると思うけど、黒翼と白翼っていう人」
大輔「………」
291名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/22(土) 10:19:03 ID:dt1eik7r
大輔「しかし、Dランクっつうのも微妙な立場だなぁ…」
タマキ「ふふ、まあね。じゃあ、次のテストで根性出せばランクアップするかもね」
大輔「テスト?いつあるんだ?」
タマキ「え〜と、1週間後ぐらい?」
大輔「そうかー1週間か…って近ッ!?」
ユカリ「あ、ダイスケ。やっほ〜!」
と、そこにユカリとミサキさんがやってきた。
ユカリ「ダイスケってばなに?もうこんなカワイイ子と仲良く食事?スミにおけないねぇ〜」
『カワイイ』というワードにタマキが少し赤くなる。
大輔「べ…別に」
ユカリ「あらあら照れちゃってぇ。このこの」
ユカリがにやにや笑いながら肘でこづいてくる。
大輔「ユカリたちはもう飯食ったのか?」
ミサキ「うん。こんな感じのところでご飯食べるのってあんまりないけど、なんだか楽しかったよ。修道院暮らしが長かったからね」
そういえばミサキさんは修道院追い出されたとか…ドジだからって、そんな簡単に追い出されるものなねかな…?
ユカリ「そうそう。師匠(キョウコ)から伝言!学校終わったら、師匠の家に集合ね」
大輔「え?何で?」
ユカリ「さあ…私も詳しくは聞いてないから…」

カラーン カラーン…

鐘の音が鳴り響いた。この学校のチャイムは鐘の音のようで。うん、実にいい感じだ。
ユカリ「あ、予鈴。ダイスケも急ぎなよ。いこ、ミサキ」
ミサキ「うん」
二人は並んで歩きだす。まるでずっと前から友達だったかのように…。
タマキ「ユカリさんか…うん、いい人だ」
大輔(かわいいと言われたからだな…)
俺たちはセルフで食器を処理し、教室へと戻った。
292名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/22(土) 13:38:40 ID:9/GH7Z1n
教室に戻ると、俺はさっき座っていた席と同じところに腰を落ち着ける。
タマキも俺に習い、すぐ隣の席についた。
大輔「なぁ、タマキ」
まだ本鈴が鳴っていないので、俺は隣のタマキに話かける。
タマキ「なに?」
筆記用具をカバンから出しながら、タマキがこちらに目を向ける。
大輔「あのさ、さっき言ってたランクアップテストって、いったい何すんの?」
この学校は現実世界の学校と違うから、昇格試験はペーパーテストだけじゃないだろう。
まぁ多分ペーパーテストもあるんだろうけど、分からないのはそれ以外のテスト内容だ。
一体なにをするのか、この世界の経験が短い俺には皆目見当もつかない。
293名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/22(土) 17:21:27 ID:8ZUirFZr
タマキ「まったく…。とりあえずあんたなら実技でしょ。これはモンスターと闘ったり、生徒同士で闘ったりするの。まあそのときにならないと分からないから」
大輔「ふむふむ」
タマキ「たとえ負けても実力がある、と判断されれば上に上がれるの」
大輔「他にはなにかあるのか?」
タマキ「知識のテストだったりするけど、今のあんたじゃあねぇ…」
確かに。こっちのことを分かってない俺じゃ厳しいな。となると、実技しかないわけか。
タマキ「他に日頃の実績とかが認められれば、いきなりクラスがアップしたりするの」
294名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/22(土) 23:03:44 ID:dt1eik7r
午後の授業は社会。言うなれば夢魔界の歴史や政治に関することだった。
興味がないわけでもないので一応聞いていたのだが、どうにも予備知識不足で、言っていることのほとんどがチンプンカンプンだったぜチクショウ。

とりあえずこの国は王が存在し、王が統治を行なっている。
一応絶対王政ということになっているのだが、現実には色々問題があるそうで、王宮では頭を抱えている。
こっちの戦いは数を揃えればいいというわけではなく、100の戦士も一人の圧倒的な実力を持つ者に全滅させられる世界である。
王宮の持つ力もそれなりのものらしいが、大きな力を持つ者は人の下に付きたがらないのが世の常。
戦力は量より質なこの世の中において、実力者の不足は由々しき事態だ。ポッと出の天才に一国が滅ぼされることだってある。
だから、時代が求めているのは悪を滅ぼす、絶対的な力を持った『正義』、すなわち、『勇者』という存在なのだった。
300年前、ある国がたった一人の男の手によって滅亡した。栄華を極め、無敵とまで言われたその国が滅び去るのに、一夜もかからなかったという。
数カ国が提携して『魔王対策半強制勇者育成プログラム高校』が設立されたのはそれから数年後のことだった。
強大な力を、世のため、人のために使う者が少しでも増えるように、国を挙げて実力者の発掘と育成に乗り出したのだ。
…もっとも、『勇者』として世に出た者が、力に溺れて悪の道へと進んでしまったことは記憶に新しく、今のシステムについては賛否両論である。
私たちが争いに怯えることなく、平穏無事に過ごせる日はいつやってくるのであろうか…。

…と、教科書に書いてあった。わかりそうで全くわからない。やっぱり俺は実技で勝負するしかないのかね…。
あまりのわからなさに自己嫌悪に陥っていたところで授業が終了した。これで一日が終了。さて、これからどうしようか。

【とりあえず寮に行く】
【キョウコの家に直行】
295名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/23(日) 23:15:17 ID:dkOqkku6
>>244…orz


【とりあえず寮に行く】
ま、荷物もあることだし、一旦寮ってのに行ってみるか。これからの生活スペースの感じも気になるしな。
俺は鞄を抱え、外に出る。今日大量にもらった教科書がすごく重たかった。

学生寮は本校のすぐ隣にあり、質はそこそこと言ったところだが、とにかくデカい。何人入れるんだよ…。
入口に各部屋割を書いた貼り紙を発見。タマキによると俺は寮生だというが…。え〜と…ヒムロヒムロ…お、あった。…なんだ相部屋かよ。ま、そこは仕方ないか。
???「あ、ちょっとお待ち」
部屋に向かおうとした俺は何者かに呼び止められた。
???「ダイスケくん、あなた部屋の掃除もロクにせず帰省したでしょ」
大輔「………?」
何だ?この人、現世のどこかで会ったことがあるような…。
大輔「あ!『明らかに攻略対象じゃないおばさん』!?」(前々スレ197参照)
管理人「何をワケのわからないこと言って…あたしのことは『管理人さん』と呼びな!」
大輔「あ…スミマセン」
この人が管理人か…。マンガやゲームみたく若くてキレイな管理人をほんのり期待していた俺はちょっぴりがっかりする。
管理人「とにかく!帰省した人できちんと掃除をしておかなかったのはあなただけよ!だいたい、普段の使い方から(ガミガミガミガミ)」
大輔「………」
それからしばらく、俺は身に覚えのないことで叱られるハメになった。
296名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/23(日) 23:23:21 ID:sSnYkiBi
ちょwwwwwwあのおばさんかwwww
297名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/23(日) 23:58:17 ID:SnNAw7XS
ようやく管理人さんから解放された頃には、もう夕食間近になっていた。
管理人「まったく、これからは気を付けなさい」
大輔「はい…」
管理人「それじゃあね。あ、食堂はいつもどおりやってるから。食券を買って食べなさいね」
最後の一言が気になる。やっぱり寮とはいえ、タダというわけにはいかないか。とりあえず部屋に行って荷物を置いてくるとしよう。


大輔「えっと、201号…」
リズ「マスター、こっちみたいですよ」
どうやら俺の部屋は二階らしい。外観どおりだだっ広い寮内、部屋を探すのも一苦労だった。
大輔「ここか…」
相部屋らしいがどんなルームメイトがいるのか。俺は木の扉のドアノブを回した。ガチャ、ガン!
リズ「マスター?」
大輔「鍵がかかってる」
仕方がないのでノックしてみる。コンコンコン。
???「今開けるよ」
扉の向こうからは少々幼い声。ガチャっと開いた扉から中を見れば…
???「お兄さん、この部屋の人なんでしょ?とっとと入ったら?」
見たことの無い子だった。見た目ちとお坊っちゃん、背は俺の胸辺りか?黒髪の男の子はそう言うと部屋の中へ戻って行った。しかし…
リズ「…なんだか」
大輔「…うーむ」
とりあえず俺たちは部屋の中へ入った。
298名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/24(月) 18:32:46 ID:bbYAlzyV
部屋に入る。学生寮にしてはなかなか広く、ちゃんとベッドは二つあった。…だが、風呂がないな。
ガキ「お風呂は1階の大浴場だけだよ。忘れたの?」
整った顔をニコリともさせずサラリと言い捨てる少年。…チクショー、生意気なヤツだぜ…ってあれ?俺、今声出したっけ…?
ガキ「だいたいわかるよ。お兄さんわかりやすい顔してるし」
ムカ〜!なんてムカつくガキだ!……いや落ち着け大輔!相手は子供だぞ!本能は理性でねじ伏せろ!深呼吸、深呼吸…。
大輔「やあ、すまないな。今ちょっと記憶喪失で…」
ガキ「お兄さん、ランクは?」
話聞けよ!礼儀を知らねぇのかこのガキャ!…いや冷静になれ大輔!これは修業だ!広い心を持つんだ…!すーはー…すーはー……、よし。
大輔「あ〜…俺は…」
ガキ「ふーん、Dランク、か」
まだ何も言ってNEEEEEEEEEEEEEEE!!…当たってるけど。
ガキ「ちなみに僕はBランクだよ。これからもがんばってね」
聞いてねーよ!つーか負けてるし…。しかも今俺のこと鼻で笑いやがった!チクショウ、いつか覚えてろよこのクソガキがッ!!
ガキ「ふふ、それはこれからが楽しみだね。それより、待ち合わせはいいの?」
大輔「あァ!?」
待ち合わせ…?待ち合わせまちあわせ………!!
大輔「しまったぁ!!」
昼のユカリの言葉といつかの『氷刄』のオラオラシーンが頭によぎり気が遠くなる。
大輔「てめえ何で知ってるんだ!てか、何で教えてくれなかったんだ!」
ガキ「顔にそう書いてあったのさ。言わなかったのは、自分で思い出さなきゃ自分のためにならないと思ったからさ」
大輔「…………」
今、シナプスが2、3本プチプチと切れていく感覚を味わった…が、今はそれどころではない。
大輔「ああ〜時間が!てめえ覚えとけよ!!」
ガキ「陳腐な台詞だね…大丈夫だよ、記憶力には多少の自信があるんだ。今日起こったことくらい覚えとくさ」
大輔(UZEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!)
俺は必ず殺すと書いて必殺を誓いながら、自身最速のダッシュで『氷刄』の家に向かった。
299名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/24(月) 22:15:24 ID:MzjNzBIV
マッハ0.04で『氷刄』の家に辿りつくと、俺は速度を緩める間もなくドアを開ける。
大輔「すみません! 遅れましたっ!!」
   _, ,_
  ( ・д・) ッパーン!!
   ⊂彡☆))Д´)ノ >>ダイスケ

ドアをくぐるなり、キョウコ先生の強烈なビンタが炸裂した。
確かにビンタではあったが、それは側頭部を金属バットで打たれたかのような衝撃だった。
大輔「〜〜〜〜〜ッ!!」
あまりの痛さに、声にならない声を上げ、床を転げながらもんどり打つ。
キョウコ「私は遅刻が一番嫌いなんだ。今後は時間厳守しろ。…いいな?」
大輔「は、はい、すみません…」
チクショウ、どれもこれもあのガキのせいだ!
本当は何の関係もないが、思わず八つ当たりしたくなるぜ。
あのムカつく顔を思い出すだけで…
顔を思い出す…
あれ? あの顔って…
大輔「どうしてテメェがここにいる!?」
ガキ「よぉ、お兄さん、ずいぶん遅かったな」
大輔「質問の答えになってないぞ」
ガキ「お兄さんは走ってきた。俺はラールを使った。それだけの話だって」
ガキ「それと、ちゃんと言っておくけど、俺の名前は『タカシ』! テメェ呼ばわりしないでくれよ」
大輔「あ? タカシ…?」
俺は前々スレの506に意識を飛ばした。
300名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/24(月) 23:19:16 ID:scoeMY6/
???「>>298のと>>299のと、口調はどっちにしようか?細かいけど気になる俺ガイル」

大輔「キョウコさん!!何でこのガキがここにいるんすか!?」
キョウコ「さあ、気がついたらいつのまにかいたんだ。だが、けっこうな魔力を持ってるようだし、別にいいんじゃないか?」
大輔「でも、コイツはッ!」
コイツのタチの悪さを熱弁しようとした俺を気にせず、このクソガ…タカシは深々とお辞儀する。
タカシ「はじめまして『氷刃』キョウコさん。僕はタカシといいます」
キョウコ「あ、ああ。よろしく」
ユカリ「あ、あたしはユカリ。あたしからもよろしくね」
タカシ「はい、ユカリさん。よろしくお願いします」
ミサキ「いいコじゃない、タカシくん」
大輔「だまされてる!!みんなだまされてるんだ!!」
ユカリ「なーによ大輔。こんな小さな子相手にムキになって」
タマキ「カッコ悪いよダイスケぇ〜」
大輔「………」
なんか俺が器の小さい男に…。つーかタマキが普通に混ざってるな。
しかし、子供のころの貴史がこんな生意気な奴だったなんて…。こりゃ現世で交友関係を見直さなくては…。
タカシ「ゲンセ…?何だい?それは」
大輔「心読んでる!?」
キョウコ「ああダイスケ。その子は所謂超能力者だ。それもかなり強力な」
タカシ「僕の能力をこんなに早く見抜くとは。さすがですねキョウコさん」
そう言うと、タカシは手をクイとひねる。机の上にあったカップがひとりでに持ち上がり、タカシの手元にむかった。
タカシ「得意なのは読心術ですが…さすがに『氷刃』の心は読めませんね」
いや、読もうとするなよ…。
ミサキ「え…じゃ、じゃあ私達の考えはキミに筒抜けなの…?」
タカシ「安心してください。レディの心を読むような無粋な真似はしません」
ユカリ「ふふふ、タカシくんたらぁ〜」
大輔「………」
俺は煮えたぎる怒りを、こんな能力を得たから性格が悪くなったのか、ナチュラルボーンクソガキなのかを考えることで誤魔化した。
301名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/24(月) 23:28:02 ID:RzgD9P4y
>>298の口調の方がいい気がする。他にああいう口調のキャラいないからね。
タカシか……おいちゃん、勝手にタカフミって読んでたよ。
302名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/25(火) 00:15:52 ID:mGYvDLwO
大輔「で、キョウコさん。用ってなんですか?」
キョウコ「ああ、実はお前達の学校、略して魔耐校と王宮からなんだがな、なんでも最近街の近くの森が騒がしいらしい。それを調べてくれ、と言う話だ。普段なら放っておくんだが、どうにもきな臭くてな。おまけに僅かだが魔力の乱れを感じるんだ」
ユカリ「私は全然…」
タカシ「………」
キョウコ「おそらくザーリフ軍絡みだと思うのだが…」
タカシ「ザーリフ!」
突然タカシが声を上げた。みんなの目線が一斉にタカシを向く。
大輔「な、何だよ?」
タカシ「ようやく、ようやく見つけた…」
ミサキ「タ、タカシ君?」
タカシ「どいて!」
ミサキ「キャアッ」
タカシはミサキさんを突き飛ばすと家の外へ出た。
ユカリ「タカシ君!」
ユカリとタマキが後を追うが、タカシは呪文を唱えて街の外へ飛んでいってしまった。
大輔「どうしたんだ?」
キョウコ「さっき話した森の方へ向かっているな。お前達にも調査を手伝ってもらいたかったから呼んだんだが…。ガキが…手間をかけさせる」
キョウコさんはタカシの飛んでいった空を睨んでいた。
ミサキ「ど、どうしたら…」

【とにかく調査しに行こう】
【タカシを追い掛けるのが優先だ】
【あんなガキ知らん】
303名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/25(火) 00:59:42 ID:CcnYv+Io
【タカシを追い掛けるのが優先だ】

クソガキだが、さすがに見捨てるのは後味が悪い。捜しに行くか…。
キョウコ「行ってくれるか?まあそこまで心配することはない。感じる乱れは非常に些細なものだ。ザーリフ絡みだとしても、出てきて下っぱの下っぱだな」
ユカリ「でも、あの子はどうしたんだろ…?なんか血相変えて飛び出して行ったけど…」
キョウコ「さあな、個人的な遺恨でもあったんじゃないか?ま、あの子供の実力はなかなかのものだ。そう簡単にやられはせんだろう」
ミサキ「でも、やっぱり心配…」
キョウコ「いずれにせよ目的地は同じだ。とりあえずポイントに向かってくれ」
そう言うと、キョウコは俺に地図の書いた紙を手渡した。
キョウコ「私は別件にあたるから共に行動はできない。この件に関してはお前たちに任せる。いいか、結局何もわからなければそれでいい。決して無理はするなよ」
俺、ユカリ、タマキ、ミサキさんの4人で、問題の森に向かった。
304名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/25(火) 13:03:43 ID:R01STQJz
地図に従い、森に向かう俺たち。
大輔「なんつーか、このメンバーバランス良くないか?」
タマキ「まあ確かにね。回復役もいるし、魔法使いもいるしね」
ユカリ「ま、問題はダイスケが戦力になるかどうかけどね〜」
ユカリは(こっちの世界での)一昨日の、後ろに隠れて逃げ回る俺しか知らないんだよな。が、今の俺はその時の俺とは違うぜ!
大輔「ふっふっふ、任せてくれよ。なんなら、後ろに隠れてもいいぜ」
ユカリ「ふふ、期待してるよ」
ユカリはにっこりと微笑む。あ〜…ちょっと可愛いかも…。
大輔「…つーかさ」
俺はさっきから気になっていたことを口に出す。
大輔「…なんでタマキが普通にまざってるんだ?」
タマキ「…え?」
タマキの動きがぴたりと止まる。
タマキ「いや、昼に話聞いて、なんか面白そうだったから…べ、別にいいじゃない!ねー!ユカリさん?」
ユカリ「うん、もちろんOKだよタマキちゃん」
タマキ「へへー、そういうわけよ大輔」
意気投合してるし…。

大輔「ここだな…」
地図に書かれたバツ印のところに辿り着いた俺たち。
ミサキ「…何もありませんね」
タマキ「そうみたいね。なーんだ、拍子抜けだな…」
大輔「ま、何もなかったらそれでいいじゃん。とりあえず…」
タカシを捜そうか、と続けようとした俺は奇妙な声が聞こえたような気がして言葉を切る。何だ?サル?いや、ちょっと違うな。何の鳴き声だろ?
ユカリ「どうしたの?」
大輔「いや、今変な………!!」
ユカリの声で振り返り、そして見つけた。全身緑で、二足歩行の生物。背丈は俺の腰くらいだ。何故か『バイサイマン』という名前が浮かんできただ。
バ「キキ―――ッ!」
大輔「みんな!後ろだ!」
俺は『あれ?こいつの元ネタってフ〇ーザ編だっけ?』と考えながら戦闘準備に入った。
305名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/25(火) 18:47:53 ID:3Q8voxS6
???「ベ○ータ戦だな」

大輔「なんだこいつら…気味悪いな」
タマキ「私、あんなの殴りたくないんだけど…」
わかる! 今回ばかりはお前の気持ちを察してやれるぞ!
その生物はあえて言うなら緑色のグレイ? をさらに頭をしわくちゃにした感じだ。
誰もが嫌悪感を―
ミサキ「なにあれ、かわいい!」
…抱くわけではないらしい。てかマジか? ミサキさん…。
ミサキ「私、触ってくる」
バイサイマン(名付け親:大輔)のほうへ寄っていくミサキさん。
うぉい! 待て待て待て、明らかに危ないだろ。
ミサキさんを止めようとしたとき、バイサイマンの頭が割れた。
大輔(溶解液か!?)
なぜか俺は直感した。そして走りだす。
大輔(間に合ってくれ!)
306名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/25(火) 19:00:37 ID:Fk9YpJYr
>>304
ちょwwwおまwwww考えることが俺と同じかよ!wwww

ちろりろりろりろ〜♪(モンスターに遭遇するBGM@DQ5)

――――――――――――――――――――
ダイスケ  タマキ   ミサキ   ユカリ
ゆうしゃ  ぶとうか  そうりょ  まほうつかい
HP 30   HP 32    HP 21    HP 19
MP 10   MP 0    MP 20    MP 23
――――――――――――――――――――

            ○
            十
            八
――――――――――――――――――――
バイサイマンがあらわれた!


――――――――――――――――――――
307306:2006/04/25(火) 19:03:48 ID:Fk9YpJYr
↑の画面をコピペして、下のウインドウに戦闘状況を書いてくれ。
どう書くかの説明は…しなくてもいいよな。
308名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/25(火) 20:05:50 ID:3yX4qGHM
>>306
携帯だとわかりにくそうだから、やめた方がいい気もする
俺はPCだから何とも言えんが…

しかしDBネタが話の中心になりそうで怖い
できればオリジナリティのある展開を期待したいところだな
309名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/25(火) 20:19:39 ID:R01STQJz
>>306ごめん俺ケータイだからわからん…。

>>308リレー小説において、逆読みのパロディは一発でイメージを固めるいい方法だからね。
まぁ、確かに最近出すぎなような気もするよな。気を付けなくては…(ちなみに今までで俺が一番情けない響きだと思ったのは『ムルリ』かな)
つーか、まず初めて『ザーリフ』なるキャラを出してきた人に拍手を送るべきだな。やっぱりはじめににタマゴを潰したコロンブスが一番偉いのだ。
310名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/26(水) 20:53:49 ID:IGBwTAzi
???「俺携帯だし>>から行くよ」


大輔「ミサキさん危ない!!」
ミサキ「へ?はうッ!!」
ダッシュの勢いでミサキさんを突き飛ばす。そのすぐ後に、バイサイマン(仮)の頭から何か液体のようなものがさっきまでいたところに降り掛かる。
その液は地面をも溶かし、その部分は少しへこんでいた。
大輔「ふ〜…大丈夫ですかミサキさん?」
ミサキ「ダ…ダイスケくん…。手…手が…」
大輔「え?あ………」
俺の左右の手は、それぞれミサキさんの魅惑の膨らみにジャストフィットしていた。しかも俺の全体重がかかっていて、離そうにもすぐには離せない状態。
大輔「………」
……どこからかシュッシュッと風を切る音が聞こえてくる。それは現世でも馴染みの音。俺を闇の彼方に放り込む、悪魔の響きだ。
死期だ…死期が近づいている……。
タマキ「不潔よ――――!!!」
大輔「シャドウが気になばッ!!」
チンへのフックがクリティカルヒット。俺はお約束を抗うことなくモロに食らい、戦うべき敵を目の前にしてブラックアウトした。
311名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/26(水) 21:42:15 ID:IGBwTAzi
アンカー付け忘れてる…orz
>>305な。
312306:2006/04/26(水) 22:06:19 ID:7r/zTA9O
そうか、携帯の人からだとちゃんと見れないんだな。
失礼した。普通に書こう。


敵のバイサイマンは、同士討ちした大輔一行の行動に戸惑いを見せていた。
ユカリ「チャンス!」
大輔は気絶、タマキは大輔に殴りかかって拳を振り上げた格好、ミサキは大輔に押し倒された状態と、
まったく戦闘中と思えない光景だったが、ユカリはその機会を逃すことなく、瞬時に呪文を完成させる。
ユカリ「ラメ!」
テロリロリロ!(呪文の音@DQ4)
どこかで聞いたことのある効果音と共に、小さな火球がバイサイマン目掛けて飛んで行く。
ゴゥ!!
バ「ギィィイ!!」
見事に命中し、バイサイマンは火炎に包まれながら悲鳴を上げる。
弱いモンスターであったため、その一撃でも十分なダメージを与えることが出来た。
バ「…ギィィ!!」
しかし、まだ倒すには幾分か足らなかったようで、バイサイマンは怒りの表情を浮かべながら大輔一行に襲い掛かって来た!
313名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/26(水) 23:47:32 ID:aUJU9j6M
さすがにそこまでのパロディはちょっと…


タマキ「もう…しつこい!」
タマキが鞄から小手を取出し装備し、向かってくるバイサイマンを殴りつける。
バ「ギシャー!」
殴られた勢いで後方へ飛ばされたバイサイマンは溶けるように地面へ消えていった。
大輔「いてて…なんだったんだ?」
まだ視界もはっきりせず、くらくらとする頭を擦りながら俺はバイサイマンが消えた辺りを見た。
ユカリ「見た感じ植物で出来た人形、ゴーレムね」
大輔「植物…?」
そのとき、ガサガサッと辺りの藪が動いた。
ミサキ「何?」
タマキ「囲まれてる…」
タマキの言葉に皆武器を構え、四人で円形に背を寄せる。
バ「ギャギャ…」
言ったとおり、藪の中からは何体ものバイサイマンが現れた。更に周囲の地面からも這い出てくる。
大輔「……」
ユカリ「まずいわね…」
次の瞬間、ドズンッ!と爆音が森の中に響いた。
タマキ「な、何なの?」
ユカリ「何かの魔法みたい。もしかして…」
ミサキ「タカシ君!?」
ユカリ「たぶん…て、来る!」
俺たちを囲んでいるバイサイマン達が襲い掛かってきた。
314名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/27(木) 01:11:08 ID:5x84UNlN
やる!俺もやってやる!
俺は腰のロングソードに手を当てた。
瞬間、いつぞやコイツがすんなり抜けてくれなかったときのことを思い出した。
我ながら恥ずかしい思い出だった。

俺は握った柄に力を入れて、鞘から剣を引っ張る。――――が、今度も途中でつっかえてロングソードは抜けてくれなかった。
大輔「うがー!こなくそー!なんで、なんで抜けんのですかーー!!ムッキーーーー!!」
タマキ「バカ!何やってんの!そんな腰の高い位置にベルト巻きつけてる鞘から、長身の剣がいきなり抜けるわけないでしょ!」
大輔「え゛?」
タマキ「一旦鞘のベルトを外すとか、その、ベルトを伸ばすとかしなさいよ!ワンタッチでしょ?」
大輔「あ、ホントだ」
鞘のベルトの付け根は、あっさり外れる仕組みになっていた。
タマキ「んとね、もしくはね、普段から鞘は、腰のもっと低い位置になるようにして、鞘のベルトの長さには余裕をもって腰に巻くとか、
   いろいろ工夫すんの!っていうかさ、そんなの常識でしょ?」
…知らないよ。そんな常識。
俺はちょっと泣きそうになった。

タマキのアドバイス通りに、腰から鞘を外して剣を抜くのを試してみる。スラっと金属のこすれる音がして、剣はことのほかあっさり抜けてくれた。
大輔「…あ、抜けた」
タマキ「そうね」
大輔「やったーーー!!!やったよ!抜けたよ!うほーー!ブラボー!俺最高!」
タマキ「………喜んでる、こんなことで。…ダイスケ、頭大丈夫?」
大輔「……」
タマキ「ついでだから言っとくとね?東洋の刀や青龍刀とか、刀身が弓なりに曲がってて、鞘から抜きやすくなってるものもあるから、
   …居合いって言ったっけ?そんな技もあるみたいだから、まあ自分に合う武器を探すことね」
タマキは両腕に装着したグローブをガツガツと合わせていた。拳の前面がトゲ付きメリケンサックみたいになっていた。
…俺はさっきあんなものでどつかれたんだな。…よく死ななかったよな。俺。

ミサキ「あ、あのー?お取り込み中のところ、失礼しますね?」
ユカリ「こらーーー!バカダイスケーー!助けろぉおおお!!!!」
大輔&タマキ「あ」
気がつくとミサキさんとユカリが、かなりピンチになっていた。
315名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/27(木) 01:23:38 ID:5x84UNlN
???「ありゃ?ロングソードって、前々スレの570で売っ払ってたっけ?」
316名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/27(木) 01:30:29 ID:kp9WYdtI
リズの宿った短剣貰ったから売り払ってるな。
317名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/27(木) 18:48:59 ID:p9cIWozB
前々スレ見てみたが、「氷の刃(アイスエッジ)」という武器らしいな。
氷の刃は鞘から抜きぬくいっていう設定ないけど、
取りあえず>>314の「ロングソード」を「氷の刃」に読み替えればいいと思う。
318名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/28(金) 16:27:58 ID:Wt30kr97
じゃあ、>>314から
短剣だから抜きにくいとかはないけど、とにかくまあ、準備に手間がかかったことにしよう。

大輔「よし! 準備完了!」
おれは右手で短剣を掲げると、左手で指パッチンしながら叫んだ。
大輔「リズゥゥゥゥゥ!!」
わずかな沈黙。
ミサキ「………」
ユカリ「………」
タマキ「………何それ?」
リズ「………あのー、普通に呼んでくれて構わないんですけど」
うお、冷たい目で見られるどころか、いつの間にかリズまで出てるし。
駄目だなあ。氷を撒き散らすとか、突然現れた氷柱を砕いて出てくるとかしないと。
登場シーンというのは重要なんですよ? ここでインパクトを与えておかないと、
視聴者の食いつきも悪く…
タマキ「いいから戦え!」
タマキの蹴りで俺はバイサイマン(仮)とユカリたちの間に吹っ飛ばされた。
大輔「だあ! とにかくリズ、こいつらを凍らせるんだ!」
いいんだ、いいんだ。どのみち二文字名のリズじゃ、叫んでも語呂が悪いし。
319名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/29(土) 00:51:51 ID:bVElYCCH
リズ「ああ?ま、マスター!?大丈夫ですか?」
大輔「俺はいいから、やっちまえ」
リズ「えっと、そのう、あの、じゃ、じゃあ、行きますね?」
リズが腕を振り上げると、彼女の周りに、無数の鋭く尖った氷の塊が、風に舞いながら、音もなく集まる。
リズ「氷刃の舞!フリーズ・ロンド」
リズは掛け声とともに身体をくるんと反転させた。
刹那、彼女の周りを回っていた氷の刃が向きを変え、魔物の群れに飛んでいく。

バイサイマン(仮1)「ギー!!!」
バイサイマン(仮2)「ギャギャー!!!」
リズが放った氷の嵐は、4体いた化け物のうち、2体を巻き込んだ。
次の瞬間、ギキンッと音がして、2体の化け物が氷の柱と化した。
ミサキ「ほ〜っ」
ユカリ「うわ!この子、すごっ」
リズ「うう〜、すみません。マスター、おふたり外してしまいました!」
大輔「うう!分かってる!こっち来てる!来てる!」
バイサイマン(仮3)「ギシャー!!!」
リズの攻撃を避けた化け物のうちの1体は、俺のすぐ目の前でよだれを垂らしながら口をバクバクさせていた。
アイスエッジで防がなかったら、頭からぱっくりやられていたかもしれない。
大輔「ひえええ!」
タマキ「んもう!触りたくなかったのにぃ!!!」
バイサイマン(仮3)「グギャッーーーー!!!」
うおお?タマキさん回し蹴り。
タマキの回し蹴りが炸裂。俺に組み付いていたバイサイマンさん(仮3)は、ぶっ飛んでいって地面でバウンドしたあとピクリとも動かなくなった。
一撃です。たったの一撃で動かなくなりました。あの口から見える緑色の液体。あれは何でしょう?ママン。
タマキ「もう1匹!どこへ行った!?」
320名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/29(土) 01:08:49 ID:mS6jFuMd
ユカリ「あ! あそこ!」
敵(主にタマキ)に危険を感じたのか、森の奥へ逃亡しようとしていた。
タマキ「逃がすか!」
大輔(いや、逃がしてもいいんだけど…)
こっちが被害を受けなければいいのだから、という俺の思いはタマキに届かなかった。
タマキは一度構え直すと、実戦のときに見せたような俊足であっというまに追い付き、ぶっとばした…ようだ。
茂みの向こうに行ってしまったため、実際に確認したわけではない。
残された俺たち3人はしかたなく茂みに突っ込んでいったタマキを追うことにした。
茂みを抜けるとそこには…
321名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/29(土) 10:27:51 ID:cniUDxOD
――――そこには見慣れない男と対峙するタマキの姿があった。
男は黒装束に身を包み、顔を隠していた。
???「まだ未知数か…………」
タマキ「…誰、アンタ?」
二人の間にはさっき俺達を襲っていた怪物が横たわっていた。
怪物の背中には細長い刀が突き立てられていた。
…トドメはタマキが刺したんじゃないのか?
大輔「これは一体?」
???「……………氷室大輔」
黒装束の男はおもむろに俺の名前を口にする。
大輔「!」
ユカリ「!」
ミサキ「!」
誰だこいつ?こんな奴俺は知らない。
タマキ「こら無視すんな!あたしの獲物だったのに」
???「全く、こんな雑魚どもに苦戦するような輩を何故注視するのか……」
黒装束の男は刀を怪物から引き抜き自分の背中の鞘に戻す。
ユカリ「何なの、この人……」
リズ「うう、ま、マスター……怖いです」
リズが俺の背中に隠れてしまった。
???「まあ、俺は俺のやり方を貫くまでだ」
大輔「あんたは?」
???「…俺か?俺は『影』………名など遠の昔に捨てた」
大輔「?」
???「…今ここで貴様を殺っても良いが、もう一人の雇い主から、別の仕事を請け負っている。命拾いをしたな小僧」
大輔「……………………」
氷のような冷たい空気。
???「次に仕合うときが貴様の死ぬ時と知れ」
大輔「!!?」
何が何だか分からないまま、男は一陣の風と共に消えた。
322名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/29(土) 11:08:25 ID:HFoYdoma
ユカリ「……タマキさん、一体あの人は?」
そうか、こっちの世界じゃ二人は面識無いのか。あっちじゃ普段は「タマ」だもんな。
タマキ「茂みに飛び込んだときには、もういたわ。
    ……それと、私のこと、さん付けなんかしなくてもいいわよ」
ようやく構えを解くタマキ。ふう、なんか、凄い威圧感だったな。
ユカリ「じゃあ、タマ、ね」
タマキ「タ、タマ……。そんな風に呼ばれたことはないけど、なんか耳慣れた感じね。
    まあ、いいわ。よろしくね、ユカリ」
ミサキ「それにしても、あの人からは魔力は感じられなかった……何者なの…」
タマキ「魔力無し? じゃあ、あの身のこなしは体術? そんなバカなこと……」
おいおい……あんな早業、普通の人間じゃ無理だぞ。それこそ漫画の忍者でもないと……
ん? 忍者? ……待てよ、あの体術、あの黒装束、そして『影』。
大輔「シャドウ……」
俺はうめくようにつぶやいた。間違いない。ヤツはシャドウだ。つーか、なんでシャドウが?
タマキ「あんた、あいつのこと知ってるの? 何者なのよ?」
大輔「ああ、確かに俺はあいつを知ってる。けど……詳しいことは知らない。
   ただわかるのは、シャドウという名前。そして体術の達人。
   そして……俺はあいつと決着をつけなくてはいけないこと」
俺のトラウマ……。そう、決着をつけるのは俺だ。それにしても……
大輔「シャドウイベント、ちゃんとやっとけばよかったなあ」
323名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/29(土) 11:16:20 ID:HFoYdoma
互いの呼称については、まとめサイトを参照させていただきました。
で、FF6を知らない人、何が何やらかとは思いますが、スミマセン。
シャドウについては、初代スレ>>439参照。
簡単にいえば、色々とトラウマを抱えたアサシンです。
324名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/29(土) 12:34:17 ID:bE8DwQ00
シャドウ視点

シャドウ「………」
疾風のごとく森を走り抜けながら、彼は先ほどの出会いを思い返していた。
シャドウ「氷室大輔…不思議な男だ」
戦闘能力は彼の足元にも及ばなかったが、どこか人を惹きつける力を持っていた。
それがノヴァの危惧している能力なのか、それとも単に彼だけがそう感じたのか、それは分からない。
ただ、久しく触れていなかった感情…「人」に対しての興味を持ったのは、厳然たる事実だった。
シャドウ「フッ…俺らしくもない」
小さくそう呟いた声は、誰の元にも届くことなく、寂然とした森の中へと消えていった。
325名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/29(土) 20:30:34 ID:OygyNmN5
黒装束の男が立ち去った後、俺達はタカシをさがていした。
タマキ「あ、いたよ?あの子」
タマキが森の奥にタカシの姿を見つけた。
タカシ少年は茂みの向こうを睨んでいた。
タカシ「あのカードだ…なんとかして見つからないように…」

大輔「おーい、クソガキ!」
俺は大きい声でタカシを呼んだ。
俺の声にタカシの身体がびくっと反応し、顔を真っ青にして、こちらを振り向いた。
タカシ「あうあう」
大輔「なんだー?おおい聞こえてんのか?心配させんじゃねえぞ!ガキのくせに」
ことさら大きい声でタカシのほうを向いて叫んでみた。
タカシ「ば、ばか!そんな大きい声で―――――!!」

ぎゃいいいいいいいおおぉおおおおーーーーーーーーーーー!!

タカシの声が、異形な雄叫びでかき消された。
大輔「!」
タマキ「!」
ユカリ「!」
ミサキ「!」
タカシ「せっかくカード見つけたのに!僕のせいじゃないんだからな!お前のせいなんだからな!お前がそんな大声出すからいけないんだからな!」
タカシが指を小さく十字に切ると胸の前に小さな魔方陣がぼうっと浮かび上がった。…が、ぽん と音がして魔方陣が消えた。
タカシ「げっ、魔法封じ?ヤバい!!逃げられない」
ざざざざと音がして、林の向こうから巨大な牛が現れた。
ミサキ「こ、これって!?」
タマキ「べ、ベヒーモス…」

ぎゅも゛おおおおおおおおおおおきゃいいいーーーーーーーーーー!!!

タカシ「お前のせいなんだからな!なんとかしろーーー!!」
大輔「俺のせいっすかーーーーーー!!??」
326名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/29(土) 21:33:37 ID:jOEJUSav
大輔「何で魔法使えないんだよ!?」
タカシ「たぶん、誰かがここで妨害式を形成したんだと思う」
大輔「いや何のために!?」
タカシ「さあ?実験か何かじゃないか?この森にはドレッドがよく出没するんだ」
大輔「ドレッド……?」
タマキ「ある目的のため結成された犯罪者ギルドね。最近の保安隊はもっぱら彼らの対応に追われてるみたい」
タカシ「解説乙。ま、とにかく妨害エリアを出るまで魔法の使用は不可。つまりは……」

グオオオオオオオアアアアアアアアアアア!!!

ベヒーモスなる生物の咆号が空気を震わす。どうやらベヒモちゃんは俺たちに襲い掛かる気満々のようだ。
大輔「…こいつとガチで追いかけっこするしかない、と」
タカシ「そういうことさ……………DASH!!」
一同「うひゃああああああああああッ!!」
タカシの掛け声とともに、俺たちはう〇星やつらばりに脱兎のごとく逃げ出した。

???「『ドレッド』は、序盤の敵を作りたくて(無理矢理)出しました。これ以上新規のDBネタは出てほしくないし」
327名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/29(土) 23:39:42 ID:owHzNQvr
タマキ「そ、そういえばさ」
大輔「何だ?」
タマキ「ベヒーモスって、バハムートの中東名で、語源はヘブライ語で『獣』って意味なんだって!」
大輔「………」
…タマキ、それって今言わなきゃいけないことか?
俺達は森の中、巨大な牛の怪物から逃げまどっていた。
タマキがベヒーモスと呼んだ怪物は、『ぎゅもおおお』とか殺る気まんまんな雄叫びを上げて、木々をなぎ倒しながら追いかけてくる。
振り返りざま見上げてみた。…高さは6〜7mくらいはあるだろうか?きっと2階建ての建物の高さはあると思う。
幸いにも生い茂った木々があるおかげで、俺達は追いつかれずにいた。…森の木々さんごめんなさい。そしてありがとう。
でもって、ベヒーモスの額に、カードっぽいものが見える気がするけど、気にしてる暇はなさそうだった。

ユカリ「だめ〜やっぱ魔法が撃てないぃ!」
ミサキ「こっちもダメみたいです」
リズ「力が出ないです〜」
タマキ「どうしよう大輔?あたしもあんなゴツイやつ殴ったことないから…」
大輔「こ、これは困ったね」
タマキに どうしよう? って言われたのが、なぜか一番精神的に堪えた。
タカシ「お、お前ら!い、いいかぁ!」
大輔「なんだ!クソガキ!」
タカシ「クソガキって言うな!」
大輔「だから何!?」
タカシ「コイツには、攻撃しちゃダメなんだ!」
大輔「え?」
タカシ「だから!コイツには絶対攻撃しちゃダメなんだって!」
大輔「…こ、攻撃すると、どうなるの?」
タカシ「…多分、はらいせに竜巻を呼び寄せるか、最悪隕石群降らすからコイツ」
大輔「い、隕石群ですか」

俺は
【やっぱ無理っす。このまま逃げよう】
【隕石群がなんだ!こうなりゃ肉弾戦あるのみだ!】
【なんとかカードだけでも奪えないか】
328名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/30(日) 02:28:44 ID:ZpNvOArr
【なんとかカードだけでも奪えないか】

大輔「なんとか―」
と、ここまで言ったところで少し考えてみる。
そういえば、俺以外はカードのことを知らないんだから(タカシは何かしら知ってるみたいだが)危険に付き合わせるわけにはいかないよな。
だから、俺は次の言葉を口にした
大輔「―逃げ切るしかないみたいだな!」
タマキ「そんなことわかってるわよ!」
タカシ「みんな、ボクに付いてきて、少し道をはずれるから転ばないようにしてよ」
大輔「ど、どうするんだ?」
タカシ「この先に洞窟があるんだ。あの体躯なら絶対入ってこれないからそこに逃げ込んでやり過ごすよ!」
今は緊急時だ。疑ってる暇もない。ならば、
大輔「よし、わかった! 案内してくれ」
残りの3人もうなずく。
タカシ「じゃあ、そこの茂みに突っ込むよ。ボクを見失わないようにしてよね!」
そう言って、先立って茂みに入っていった。俺たちもそれに続く…
329名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/30(日) 03:07:17 ID:52R4RGOb
タカシの口調は>>298>>328でいいんだよね?


とりあえず俺たちは森の中を走った。
リズ「みなさん!」
森が開け洞窟が見えた。
大輔「あれか?」
ユカリ「キャア!」
突然ユカリが叫んだ。俺が尋ねるより早く、
タカシ「っ……ゼロ!」
タカシが懐から一冊の本を取出し、振り向き様にページを捲る。開いた本からは黒い影が出てきた。
タカシ「ブラックアウト!」
影がベヒーモスに向けて打ち出される。影を顔に受けたベヒーモスは転んだユカリの目前でその巨体に制動をかけた。
ベヒーモス「ガアアアアァ!」
ベヒーモスが頭を激しく振るう。
ミサキ「あ、魔法が…」
立ち上がったユカリとミサキさんがそれぞれ杖を構え直す。
タマキ「いきなりどうしたのかしら」
タカシ「目潰しの魔法を掛けたからね。反撃が来ないのは幸いだったけど」
大輔「だったら今のうちに攻撃すれば…」
タカシ「言われなくても分かってるよ…ゼロ!」
再びタカシが本のページを捲り…、
タカシ「シャドーブレイド!」
ユカリ「え?」
タカシが腕を振るうと夜の闇よりも濃い黒い刄が一直線にベヒーモスに向かって走り、巨体を貫き、
ベヒーモス「グガアアアア!」
巨大な獣が叫び声をあげた。


ユカリ(あの子…詠唱なしで魔法を?)
330名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/30(日) 13:59:06 ID:skHCVyyY
ベヒーモスの様子がおかしい?ぐるぐると喉をならしながら天を仰いでいる。
大輔「…おい」
タカシ「なんですか?」
大輔「あいつを攻撃しちゃいけないって言ったのは、たしかお前さんだったよな?」
タカシ「……………」
大輔「てゆーか魔法使えるようになったんだな?」
タカシ「…う、うん。そうみたいだね。この洞窟にいるときは大丈夫みたいかな。あはは」
…どうもこのガキわからねえ。2面性があるっつーか、…それとも何かを隠してる?

ぐもおおおおお!!!

ベヒーモスの雄叫びが、辺りに地響きを呼んだ後、急にすごく静かになった。
ユカリ「あれ……なんだか静か?」
タマキ「あ、あはは」
ミサキ「……何か来てる?遠くで空気の震える音が聞こえる?」
タカシ「まずい!」
タカシは胸の前に小さく魔法陣を出す。ひゅんと音がして、タカシの姿が消えた。
ミサキ「あ、あれ?あの子………」
タマキ「…逃げた?」
大輔「あのガキィ!!!」
ユカリ「…ッ!!?」
突然、地面が揺れ出して、洞穴全体がバキバキ音を立てて崩れ始めた。
俺は洞窟の出口から見た。…空から無数の赤く燃える大きな塊が、ところがまわずひゅんひゅん降ってきて森を焼いているのを見た。
ミサキ「きゃあああああ!!」
ユカリ「ど、洞窟が!崩れ!崩れるぅ!!あわわわ!!」
タマキ「すごい!すごいよ、ダイスケ!隕石群だよ!メテオだよ!メテオ!」
大輔「感心してる場合かーーー!!」

【とにかく洞窟の外に逃げる】
【生き埋め覚悟で洞窟の奥に逃げる】
331名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/30(日) 15:04:53 ID:JdCLZ5tk
【とにかく洞窟の外に逃げる】

ってゆーか俺達いつの間に洞窟の中に入ってたんだ?
とにかく洞窟の外に出ると、天から流星群がそこかしこに降り注いでいた。
そのなかでベヒーモスは体から血を流しながら雄叫びを上げていた。
まるで怪獣映画みたいだった。
ユカリ「すごい光景………世界の終わりみたい………」
あのタカシって子供もどこかへ行っちまったみたいだし、俺達だけでどうにかするしかなさそうだった。
……でも、できるんだろうか?俺達だけで……。

大輔「……やってみよう!」
タマキ「え?」
大輔「リズ」
リズ「は、はい」
大輔「前の試合のときみたいに俺の中に入ってくれないか?」
リズ「…え?」
大輔「ユカリ」
ユカリ「な、なにダイスケ?」
大輔「俺がこれからあいつの頭まで登ってって、この剣突き立ててくるから、
  そこに目掛けて思い切りカミタリを落としてくれないか?
  使えるんだろう魔法。……効き目は、あるかどうか分からないけど………」
ユカリ「う、うん……………………………って、ぇえええ?そ、そんな!!」
大輔「ミサキさん?防御力上げる魔法とかできる?」
ミサキ「ええ、なんとか」
大輔「じゃあタマキとユカリのことお願いしますね。リズ、来い!」
俺は皆の返事を待たずに駆け出した。
リズ「あうあう〜マスター待って下さい〜!無茶苦茶です〜!」
タマキ「こらー!ダイスケ!」
大輔「タマキはあいつの足止めを頼むな!!!」
タマキ「………………シルフィード、あたしに入って?馬鹿のサポートだけど許してね」
332名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/30(日) 15:10:52 ID:JdCLZ5tk
???「うおおん、間違えた。カミタリって何?」
333名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/30(日) 18:01:49 ID:ZpNvOArr
タマキ「今回はおとりと足止め、回避だから足だけでいいわね。よろしくシルフィード」
大輔「足だけ? なんのことだ?」
タマキ「ダイスケはまだ知らないか…。パーシャルポゼッション、通称PPって言うんだけど、これは精霊をある一定の部分にだけ宿らせることなの。
例えば足ならジャンプ、ダッシュ、蹴りなんかが全体のときより格段に上がるってわけ。
ダイスケもできるなら足に集中させたほうが楽にあいつの頭までいけるよ」
大輔「じゃあ、実戦のときやさっきの俊足はもしかして…」
タマキ「そのとおり、って話してる場合じゃないよ。早く準備して、なんとかするよ」
大輔「リズ、できるか?」
リズ「はい、マスター。やってみます」
リズが視界から消えると、体がやけに軽くなったように感じた。
大輔「ミサキさん、魔法をかけてくれ」
ミサキ「じゃあ、…マイトリング!」
ミサキさんが唱えると俺の頭上に輪っかが浮かぶ。
ミサキ「そのリングがある間は、魔力が体を守ってくれるから。
でも、まだ未熟だからどれくらい効果があるかわからないの、ごめんなさい」
大輔「大丈夫、ありがとう。ユカリは準備OK?」
ユカリ「え、え、あ、えと、その…」
大輔「落ち着けって、深呼吸して」
ユカリ「う、うん。すーはーすーはー」
大輔「落ち着いたか?」
ユカリ「うん、大丈夫。なんとかやってみるから、ダイスケも頑張って」
タマキ「私も準備OK!」
大輔「よし、行くぞ!!」
334名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/30(日) 18:12:32 ID:zJL687Qc
流星群はいまだ降り止まない。
すぐそこで森が燃えていた。木々の燃える音が聞こえる。生木の燃える臭いがする。
一瞬ここが夢の世界であることを忘れそうになる。
…しかし、暴れる怪物の足はすぐそこにあった。

俺は、ベヒーモスの間近まで駆け寄った。
…うっで、でか。
今更ながら、ヤツの大きさを実感した。
…がんばれ!がんばれ自分!
怖気づきそうになる自分を応援する。
俺はベヒーモスがまだ倒していない近くの木に登った。
リズのおかげかいつも以上に両腕に力が入れられる。自分でも驚くほどのスピードでスルスルと登れた。
そして、怪物を見下ろすことが出来た。
大輔「…牛、だよな?これ」
これは牛か?いや牛っぽい角があるが、前足や後ろ足は異常に太い。
どうにかなんのかよ?こんなの。俺んちよりでけーんじゃねーか?(今は倒壊してっけど)
大輔「あ!」
眼下でタマキが凄いスピードでベヒーモスに接近しつつあった。
タマキ「行くよシルフィード!烈風掌ッ!!!」
タマキがベヒーモスの右前足に両手の掌をぐんと押し当てるように繰り出す。
あれは俺がタマキに試合でぶっ飛ばされた技だ。

どごん とでかい音した。

タマキ「硬あああ!痛ああ!手痛ああ!」
大輔「………」
怪物は「ぐおおおおおおお!!」とか雄叫びを上げながら、ずずんと右前足をまげて地につきその場につんのめっていた。
…タマキ恐るべし。
今だ!!俺は木の枝を思い切り、蹴った。
俺はベヒーモスの背中に飛び移った。…いや、実際には距離が足りず、ぎりぎりぶら下がっていた。
とにかく暴れる怪物の背中にしがみつくのは成功した。
335名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/01(月) 13:00:53 ID:DzZlre6I
ぐもおおおおぉお!!!
ベヒーモスが再び吠えた。
大輔「どわわわわわ!!うわうわ!!!」
咆哮は、まるで地震だった。
怪物の背中が激しく上下左右に揺れる。

タマキ「ダ、ダイスケ!!!!??」
大輔「だ、大丈――……ぶ!?」
タマキの声に返事をして、俺は気がついた。
げっ!!コイツ後ろ足で立ち上がろうとしてんのか!?高い!何mあるんだ!?
ぐぐんと身体が上に持ち上げられる。
大輔「落ちる落ちる落ちる落ちるー!!」
掴んでいた背中の毛の束が、指からすり抜けそうになったので、俺はアイスエッジを怪物の背中に突き立てた。うへえ!痛そー!

ヒギイイイィイイイ!!!

ベヒーモスは雄叫びをあげ、今度は四つん這いになろうとしていた。
大輔「ぬあああああ!?」
身体が空中に投げ出される感覚が、ジェットコースターより恐ろしい。
ずんと音がして、俺の身体はベヒーモスの背中に叩きつけられた。
大輔「ぅう、痛たた……。こ、怖ええぇ!コラ!テメエ!大人しくしろー!」
…こなくそー!落ちてたまるか!
俺はアイスエッジを引き抜き、一気に背中を駆け上がっていった。
途中、こいつの背中の毛を掴んでいた手を少しだけ嗅いでみたが、ちょっと臭かった…。

大輔「おらおら!ちくしょうめ!登頂してやったぞ馬鹿野郎!!!」
俺は半泣きになりながら、ベヒーモスの頭の角にしがみついた。まるで丸太だった。
336名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/01(月) 18:19:54 ID:3l4JYpDV
俺はベヒーモスの後頭部までなんとか辿り着いた。
大輔「よし!あとはこの剣を……!」
俺は剣を振り上げ一気に……
リズ(あの……マスター?)
大輔「どうしたリズ!?今いいところなのに!」
リズ(その剣を刺したら……リズのおうちがなくなってしまいますです……)
大輔「あ………」
俺の手に握られてるのはキョウコにもらった氷の刄。
やっぱ、これを刺すのはマズイよな。やっつけてから見つかるかどうかわからないし…。えーと、確かもう一本短剣を持ってたはず…
大輔「……ん?」
懐をごそごそとまさぐっていた俺は額に何か貼りついているのを見つけた。金色に光るそれは……
大輔「カードか!?」
足元に気を付けながら額にじょじょに移動する。体毛をつかみながらそれを近くで見てみる。
大輔「…あれ?違うな、なんかでかいし……」
カードかと思ったそれは大学ノート程の大きさで、どちらかと言えばチップと表現した方がしっくりくる感じだった。
大輔(額にチップ…明らかに怪しいな…)
そして、さらに怪しいことにチップには『はがすな!!』とデカデカと書いてあった。
大輔「………」

【はがす】
【はがさない】
337名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/01(月) 21:43:21 ID:cle/2IZ/
【はがす】

大輔「てりゃ!」
俺は躊躇なくそいつを引っぺがした。
リズ(少しは悩むとかしないんですかー!!)
大輔「なんだこれ?」
引きはがした大学ノートサイズのチップの下に『EMETH』と文字が掘ってあった。

大輔「………………」
…えーと、何だっけ、これ?どっかで見たことあるような?ないような……。
大輔「どういう意味だろ?」
リズ(あ、それはですね………)

ギャオオオオォオ!!!

リズが説明する間もなく、ベヒーモスはこれ以上ないくらい暴れ始めた。
大輔「だわわわわわ!!!首を!首を振るんじゃないぃ!!!」
リズ(ま、マスター大丈夫ですか!?)
大輔「大丈夫じゃない!大丈夫じゃないぞーー!!」
リズ「……………」
俺はベヒーモスの角にしがみついたまま落ちないよう堪えた。
悩んでいる暇はない!
俺は
【氷の刃を額に突き立てた】
【『EMETH』が気になる】
338名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/02(火) 00:31:13 ID:KUKL3G23
【氷の刃を額に突き立てた】

大輔「リズ、我慢してくれ!」
リズ「えぇー!?」
俺はベヒーモスの額に氷の刄を突き立てた。
ベヒーモス「グオオオ!」
おもいきり頭を振り回すベヒーモス。
ユカリ「行くよダイスケ!飛び降りて!」
大輔「おおぅ!」
俺は飛び降りた、というか振り落とされた感じで地面に落ちた。と同時にユカリが魔法を放つ。
ユカリ「ライトニングレイ!」
ユカリの杖から思わず目を閉じてしまう程の雷撃がベヒーモス、それも額の一点に集中した。
ベヒーモス「ゴグアアアア…」
ベヒーモスは完全にこと切れ、轟音と共に倒れた。

タマキ「や、やった…」
ユカリ「あはは…もう限界…」
ユカリは杖で体を支えていたが、地面に座り込んでしまった。
ミサキ「もう、限界まで魔力を使いきるなんて…」
ユカリ「えへへ…ふぅ」
俺はみんなの無事を確かめるとベヒーモスに近づく。
リズ「マスター…」
大輔「そんな声出さないでくれ…ほら、ちゃんと無事だから」
リズ「あ…」
ベヒーモスの額から氷の刄を引き抜く。考えれば神木さんの『ヤマタノオロチ』を受けとめたこともあったんだよな。これくらいなら平気だったんだろう。
339名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/02(火) 01:26:52 ID:4KQYVxhc
さてと、こいつを倒したはいいが、森は荒れてるし、カードも間違いだったし…。
そういえば、木が燃えたりしてたはずなのに意外に被害が少ないような気が…。タカシ「それはボクが対処しておいたよ」
大輔「うをっ!?」
いきなり背後から話し掛けられて声を上げてしまった。
大輔「お前、いつのまに…」
タカシ「さっきだよ。とりあえず、森の消火活動や保護は出来る限りやっておいたから」
森、ってかなりの広さがあると思うんだが…。
タカシ「だから行動範囲の広いボクが行ってきたんじゃないか。ナメないでよね」
それは確かにすごい、すごいのだが…
大輔「勝手に人の思考を読むな!」
タカシ「ま、別にいいじゃない」
大輔「いいわけあるか!」
俺はこのクソ生意気なガキを捕まえようと試みるが、ヒョイと避けられてしまう。
タカシ「ほらほら、悔しかったら捕まえてみなよ」
こんのクソガキャー、もう怒ったぞ!
大輔「うがー!」
タマキ「元気ねぇ…」
リズ「マスター…」
ユカリ「私、もうへとへとなんだけど…」
ミサキ「ふふ、あの二人仲が良くていいわね」
タマキ「そう?」
結局疲れるまで追いかけた結果、タカシを捕まえることはできなかった…。
340名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/02(火) 13:33:52 ID:yg2JRIA3
――ミサキ視点

ミサキ「ふうん………」
ユカリ「どうしたの、ミサキさん?」
ミサキ「……ダイスケくんが剣を突き立てた牛さんの額の場所なんだけど………ほら?」
ユカリ「牛さんって…………あ」
額の一角に『METH』という文字が掘られていた。
最初のMの前に、もう一文字あったようだが、そこに剣を突き立てた痕後があり、黒焦げになって読めなくなっていた。

ミサキ「……これ、ダイスケくんがやったのよね?」
ユカリ「そうみたい」
ミサキ「あんな状況で?彼、凄い………」
ユカリ「きっと何も分かってないってアイツ!あはははは」
ミサキ「うふふっ、そうかも」
タマキ「どうしたの2人共?」
ミサキ「これこれ」
タマキ「あーっ!、そういうことか。成る程。じゃあもう大丈夫だね?ダイスケってば、すごいじゃん」

『EMETH』はラテン語で『胎児』。一番前の『E』の文字を削ると『METH』となり、これは『死ぬ』と言う意味だった。
『EMETH』はゴーレムなどに仮の生命を与えるときに施す術のひとつである。

ユカリ「て、ことは、このベヒーモス。……誰かに操られてたってこと?」
ミサキ「……うーん、どうなんでしょう?」
341名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/02(火) 14:02:38 ID:yg2JRIA3
???「すみません間違えました。『EMETH』はラテン語で『真理』です」
342名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/03(水) 23:48:49 ID:KQBi8zvO
キョウコ「ふうむ、そんなことがねえ…」
大輔「いやあ、大変でしたよ」
俺たちはそれからキョウコ宅に帰り、調査結果を報告した。
キョウコ「あの森にベヒーモスは本来はいない。やはり作為的なものを感じるな」
大輔「やっぱりザーリフが関係してるんすかね?」
キョウコ「どうだろうか。近頃はドレッドの活動も活発になってきてるからな。まあ、いずれにせよこれからも油断はできないな」
ユカリ「ドレッドかぁ。うう…恐いなあ…」
ミサキ「そうだよね…」
キョウコ「ま、そうそう巻き込まれることはないと思うがな。とりあえず、危険だから夜に一人で出歩いたりはしないことだ。いいな?」
一同「は〜い」
どの世界でも注意事項は同じなんだな、と思った。
キョウコ「とにかく、今日はご苦労だったな。報酬がわりだ。晩はうちで食べていくといい」
一同「わ〜い」
あんなデカイのと戦って報酬が晩飯がというのも割にあわないような気がしたが、とりあえず俺はゴチになることにした。
343名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/05(金) 09:18:47 ID:1l89Hzcz
夕食を終えて、寮に戻ってくる。
大輔「ああ〜、なんか劇的な1日だったなァ」
大きく背伸びをし、靴を履き替えようと下駄箱を…
パカ。
大輔「………」
パタン。
空けて、閉める。
タマキ「何してんの、大輔」
靴も履き替えず、下駄箱の前に立ち尽くしている俺を不審に思ったのだろう、タマキが訝しげに声をかけてくる。
大輔「あ、いや、ちょっとまだ用があるから、先に言っててくれ」
タマキ「? まぁいいけど…。みんな、行こう」
そう言って、タマキたちは自室に戻っていった。
俺は十分にタマキたちが遠ざかったのを確認すると、おもむろに下駄箱を開ける。
大輔「む…やはり見間違いではなかったか」
下駄箱の中には手紙らしきものが入っていた。
白い封筒の表には、「氷室大輔 様」と書かれてあるから、取りあえず宛名の間違いはないだろう。
初めての経験に、俺はドキドキしながら封筒の裏…つまり差出人を確認した。
そこに書かれていたのは…

【ウラ=レイセン】
【神木】
【図書委員会】
【魔王対策半強制勇者育成プログラム高等学校長】
【英会話の勧誘広告だった】
【その他】

順子「この前気付いたけど、ノヴァとジオス(大輔の父)って英会話つながりね?」
夏江「随分長い間、気付かなかったわ」
344名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/05(金) 23:02:56 ID:LUu4Su4q
>>218「書いておいたのに…」

【英会話の勧誘広告だった】
『あなたも外国人教師と本格英会話で…』
大輔「って、ただの勧誘広告かよ!? しかもイーオン…」
そこで封筒の端に『イーオンは少し名前に向いてないよな』と書いてあるのを見つけた。
大輔(なんのことやら…)
そのまま封筒をゴミ箱に入れ、部屋に戻ることにした。
部屋のドアを開けると、
はらり
何か紙のようなものが足元に落ちた。
大輔「また手紙か? 今度はなんだ…」
落ちたものを拾いあげる。それは…
345名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/06(土) 00:16:50 ID:moD6aVc1
厚めのA4紙だった。
少し薄汚れていたその紙には、無機質なワープロの印字で、
>>344 あ…気付かなかった。俺がアホですね。逝ってきます」
と非常〜に小さなフォントで書いてあった。
大輔「意味不明なんだが…」
紙を顔に近づけてよく見てみても、ドアの間に挟まれていたためか、
汚れや折り目がついていてイマイチ見づらい。
ただ、文字らしきものは見当たらなかった。
大輔「なんだろうな…」
一人呟き、ポリポリと側頭部と掻きながら裏をめくってみると、そこには…
346名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/06(土) 00:25:57 ID:ezaYPqNd
『拝啓 氷室大輔様へ
 下駄箱のメッセージは見て頂けたでしょうか?
 そしたら今晩10時、寮の前の公園の噴水の前にいらして下さい。
 決心にすごくドキドキしました。来るまで待ってます。 敬具』
大輔「…こ、これは!?」
ペンギンくんがあしらわれた可愛い便箋に、ころころとした手書きの文字で書かれていた。
大輔「まさか!?ラ、ララ、レ!ラあああぁあ!!」
なんてレトロチックな!今はまさに失われつつある文化!
大輔「しかしッ!しかしだッ!騙されているという可能性を忘れてはいけないッ!」
俺は思わず便箋をひっくり返す。が、差出人はどこにも書いてなかった。
大輔「…………」
なんとなく手紙の匂いを嗅いでみた。
大輔「…うーむ」
…妙な臭いはしない。それどころかほんのり良い匂いがする?……香水?……てか……俺って一体……。
俺は急いで玄関先に走って戻り、ごみ箱からさっき捨てた紙くずを拾い上げ広げた。
『あなたも外国人教師と本格英会話で…』
大輔「…勧誘広告だよな?…しかもイーオンの」
……まて、一番最後の行?
手書きだ!ころころした文字で『めくれ』って書いてある!
大輔「……は!二重底かッ!?」
よく調べると広告は糊付けされた2枚重ねになっていた。
俺はそれを開く。中には…………、『部屋の扉のメッセージ見てください』と書いてあった。
大輔「……………」
347名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/06(土) 00:27:41 ID:ezaYPqNd
かぶった……スマソ
348名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/06(土) 08:21:46 ID:moD6aVc1
>>346
便箋を裏返すところにだけ目を瞑れば、そのまま進行しても特段問題ないと思う。

>>346から。
大輔「さて…どうしようかな」
なんかこの世界に来て早々にラブレターが届くというのも少々怪しい気がするが…。
というか、こういうシチュエーションだと「ラブレターだと思って行ったら実は全然違った」ってのがお約束じゃないか?
今まで本当にラブレターだったことなんて、To Heartの理緒くらいしか見たことないぞ。
大輔「う〜む…」

【ラブレターだと期待して行く】
【誰かのイタズラだと思って行く】
【同盟軍関係の人からの連絡だと考えて行く】
【敵の罠だと考えて行く】
【行かない】
349名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/06(土) 11:38:20 ID:vNqbXLdD
【これはラブレターだ!とほのかに期待しつつ、やっぱ誰かのイタズラだよ。と、がっかり感に包まれながら、
 もしかして同盟軍からの連絡か?と思い直した後、いや、まてまて、これはひょっとすると敵の罠か?と思い付き、
 いろいろ考えたあげく、行きたくないという考えに至るも、やっぱり行く】

大輔「……長いよ」
何も考えられない。……が、これを書いた人は俺が行くまで待ってるらしい。
人を待たせるのも良くないと判断した俺は、とにかく行ってみることにした。

大輔「……そろそろ時間だな」
いつのまにか寮の玄関の壁にある時計は、9時45分になっていた。
…ということは俺は長いこと寮の玄関先に一人居続けたことになるだろうか?
俺は寮の前の公園に向かった。

公園に入って少し歩くと、広場に出た。
大輔「……ここかな?」
広場の中央に、石造りの何かがあり、少しだけライトアップされていた。
これが噴水だろうか?夜だからか、噴水は動いてなさそうだったが、水の流れる音は聞こえていた。

大輔「……いた」
噴水の反対側に人影を見つけた。

そこにいたのは、――――委員長だった。
350名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/06(土) 17:00:22 ID:moD6aVc1
アヤ「こんばんは、大輔くん。来てくれると思ってた」
大輔「委員長…一体なんの用ですか?」
アヤ「うん、手短に話すね。実は…」
大輔「あ、ああ…」
アヤ「英会話教室に興味ないかな、って思って…」
大輔「………」
アヤ「………」
大輔「………」
アヤ「………」
大輔「オー、アイムソリー。アイハブ、アン、アポイントメント」
アヤ「ああ、今日はノヴァの日かー」
大輔「イエース、ザッツライト」
アヤ「それじゃ、頑張って」
大輔「グッバイ」

【ネタが思いつかないのでそのまま帰る】
【やっぱり最後まで話に付き合う】
【オーユー、ドロップ、ア、ハンカチ】
351名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/06(土) 19:29:58 ID:vPy36n8E
【ネタが思いつかないのでそのまま帰る】

委員長ってこんなキャラだったか?
……いや、別に親しいわけじゃないから、よく知らないんだけどさ。
そんなことを考えて寮の門前まで来たとき、
???「やっぱり氷室君だぁ〜!」
大輔「!?」
急に後ろから抱きつかれた。って、こ、この声は…。
大輔「――!!は、『白翼』ミ…もごっ」
口を押さえられる。
ミオ「声が大きいよっ!あたし今追われてるんだから!
  ねえ、ちょっと隠れるから、かくまってほしいの。いいよね?」
大輔「ちょ、ちょっと待…」
言うだけ言って、ミオはどこかへ隠れてしまった。
…何なんだよ一体。
しかし、俺を捕らえに来たわけでもなさそうだな。相変わらずよくわからん奴だ。

程無くして、今度は警備兵と思われる男が話しかけてきた。
警備兵「この辺りで妙な少女を見なかったか?銀の髪と瞳をしたアホっぽい小娘だが」
多分…いや、間違いなくミオのことだ…。
大輔「…その子がどうしかたんですか?」
警備兵「昔、この国の聖剣を奪い、多くの勇者候補を弄び殺した奴でな。
    情報によると今はかなり弱っているらしいが、恐ろしい殺人鬼…いや、狂人だ。
    もし見たと思うなら、何でもいいから話して欲しい」
大輔「……」

【見た】
【見てない】
【……】
352名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/06(土) 19:36:18 ID:n1+Z1+P2
【オーユー、ドロップ、ア、ハンカチ】

大輔「…オ、オーユー、ドロップ、ア、ハ、ハンカチーフ?」
アヤ「……」
もはや言ってる俺もなんだかよく分からない。
アヤ「あ、あの」
大輔「ホ、ホワット?」
アヤ「ち、違うんです」
大輔「はうあ?」
アヤ「あ、あの、手紙の件は謝ります!って言うか、アレは…その、あの、…あの手紙はア、アスカさんが書いたんですぅ!ご、ごめんなさい!」
委員長は急に顔を赤くして俯いた。
大輔「ん?」
アヤ「あ、あの、昨日の、晩ですね?みんなで、その、私の部屋に集まって、ト、トランプしたんですね?」
大輔「はい?」
アヤ「ポ、ポーカーです、はい。…で、でも、その、あの、と、途中から、ア、アスカさんが入って来てですね」
大輔「……」
そうか、明日香もこっちにいるか。しかしなんだな、なんとなくカタカナ標記はまずくないか?とか、何故かそう思った。
アヤ「最初は、ですね、飴玉とか、お菓子だったんですよ?」
大輔「……はい?」
アヤ「そ、そしたらアスカさん。…あれ悪乗りって言うんでしょうね?負けたら罰ゲームになったんです」
大輔「は?」
アヤ「す、すす、す、好きな人に、こ、ここ告白…する、みたいな…なはははは」
大輔「……」
アヤ「で、でも、こ、断ったら、2ヶ月間、寮のトイレ掃除ひとりでとか言うんですよ!?アスカさんたら、ひどすぎだよね?うん」
大輔「……」
なんとなく話が読めてきたような、読めないような。顔が熱くなった気がした。
そんな俺に委員長も気がついたのか、わたわたし始めた。
アヤ「で、ですから!ち、違うんです!あれ?で、でも違わないのかな?あ、あわわわわ?私、へ、変なこと言ってる?
   あ、あの、わ、わた、私も、その、あの、い、良い機会かなあみたいな。  …え?そ、そんなこと、ぜ、全然考えてない。です!」
353名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/06(土) 19:37:04 ID:n1+Z1+P2
か、被ってる?すまん。
354名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/06(土) 19:45:34 ID:vPy36n8E
最近停滞気味だから被るとは思わなかった。
>>351書いた人間が言うのも何だが、
流れ的には>>352の方が自然でいいと思う。
委員長の電波行為もフォローしてるし。
355名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/06(土) 21:08:56 ID:E24LC9cM
これはアレだ、戦闘シナリオと恋愛シナリオの分岐t(ry
356名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/06(土) 22:50:34 ID:moD6aVc1
んじゃ>>352から始める。戦闘シナリオはまだ早い気がする。
せめてドレッドを倒して戦闘スキルを身に付け、
大輔がCかBクラスになってからでないと…と俺は思ってる。


大輔「………」
俺は取り乱しまくっている委員長の姿を見て、逆に冷静になる。
落ち着いて委員長の言葉を反芻してみれば、委員長の気持ちが冗談でないことは明白だろう。
大輔「…ごめん」
アヤ「え…」
大輔「ごめん。悪いんだけど、俺…今はそういうこと考えていられないんだ」
大輔「委員長には言ってなかったけど、俺は現実界から来た人間なんだよ」
大輔「俺は、今この世界を三分している勢力のうちの2陣営…ノヴァとザーリフを食い止めるために、この世界にやってきた」
大輔「同盟軍のお偉いさんから聞いた話なんだけど、俺は現実世界の救世主らしいんだよ」
大輔「だから…2つの世界の今後は、俺の双肩にかかってるみたいなんだ」
大輔「俺は、この2つの世界を救うために力が欲しい。今はそういう気持ちにはなれないんだよ。だから…ごめん」
アヤ「………」
357名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/06(土) 23:20:48 ID:E24LC9cM
俺の説明を聞いて委員長は少しきょとんとしていたが、すぐにその顔が真っ赤になる。
アヤ「な……何よ何よ! わ、わたしが、ま、真面目に、こんな恥ずかしい思いで
   その、こ、こんなことしてるのに……救世主? ゲンジツカイ?
   ば、ば、バカにしないでよ!! わ、わ、私のことが嫌いなら、迷惑なら、
   そういえばいいじゃない!! …………バカ!!!!」
委員長は一気にまくしたてると、きびすを返して走り去った。

ごめん、委員長……。でも、迷惑はかけられないから……。
大輔「はあ……生まれて初めて、女の子をフッちまったよ」
俺はぐったりと公園のベンチに座り込んだ。今は罪悪感しか感じない。
委員長、相当軽蔑しただろうな。委員長は何も悪くないのに……はあ。

タマキ「ねえ、ねえったら!」
大輔「んあ?! ……なんだ、タマキか? なんでこんなところに?」
タマキ「なんでって…門限よ! あんたは記憶が無いだろうけど、寮の門限は11時なのよ」
11時? いつの間にかそんな時間が経っていたとは。ああ、気が重い。
タマキ「ねえ、どうしたの? なにかあったの?」
358名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/06(土) 23:37:38 ID:job3FbLr
>>351も、まだ戦闘になるとは限らないようだから別に大丈夫では?
というか、他陣営キャラ=戦闘って考えるのはどうかと
一応ギャルゲだしさ…
359名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/07(日) 00:13:03 ID:cGzL5X67
他陣営キャラ=場合によっては攻略可ってことか!?
つまりユ―ニギとかアリドドとかハラワタとか……すまん。続きをどうぞ
360名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/07(日) 01:38:08 ID:CMvEGsne
>>357から。(>>351を途中から引用しますね)

大輔「なんでもないよ」
全然なんでもなくなかったが、精一杯なんでもないふりをした。
タマキ「そうなんだ、……あ、あのね、アスカ達見なかった?」
大輔「え?」
タマキ「…アスカとユカリとレンカとキョウコさんに、後はマナミちゃん。昨日、委員長の部屋に集まって遊んでたコ達がね、いないの…」
キョウコさんも混ざっとんのかい!
大輔「……わりい、なんか俺すげー頭痛いから、もう帰って寝るわ」
タマキ「そ、そう?気をつけてね?」
俺はタマキと分かれて寮のほうに向かった。
…やばい。見られてたのかな?…ん?そういえば、なんでタマキが、昨日委員長と一緒に遊んでたメンツ知ってんだ?
そんなことを考えながら寮の門前まで来たとき、
???「やっぱり氷室君だぁ〜!」
大輔「!?」
急に後ろから抱きつかれた。って、こ、この声は…。
大輔「――!!は、『白翼』ミ…もごっ」
口を押さえられる。
ミオ「声が大きいよっ!あたし今追われてるんだから!ねえ、ちょっと隠れるから、かくまってほしいの。いいよね?」
大輔「ちょ、ちょっと待…」
言うだけ言って、ミオはどこかへ隠れてしまった。
…何なんだよ一体。 しかし、俺を捕らえに来たわけでもなさそうだな。相変わらずよくわからん奴だ。
程無くして、今度は警備兵と思われる男が話しかけてきた。
警備兵「この辺りで妙な少女を見なかったか?銀の髪と瞳をしたアホっぽい小娘だが」
多分…いや、間違いなくミオのことだ…。
大輔「…その子がどうしかたんですか?」
警備兵「昔、この国の聖剣を奪い、多くの勇者候補を弄び殺した奴でな。情報によると今はかなり弱っているらしいが、恐ろしい殺人鬼…いや、狂人だ。もし見たと思うなら、何でもいいから話して欲しい」
大輔「……」

【見た】
【見てない】
【……】
361名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/07(日) 09:22:01 ID:jA9ncvt0
【見てない】

大輔「いえ、見てないです」
俺はそう答えていた。
一応、俺のいた世界では、戦争で負傷した人間は敵であっても助けなければならない、と国際条約で決まっている(本当のことだ)。
まして、いくらSクラスの魔術師とはいえ、ミオは女の子。
ここで、通報しますた!(AA略)なんてやったら主人公失格だぜ、なぁ?
警備兵「そうですか…もし見かけましたらご連絡ください」
そう言って、警備兵は去っていった。
彼の後ろ姿が十分に遠ざかったことを確認すると、俺はさっきミオが消えた方向に声をかける。
大輔「もういいぞ、ミオ」
ミオ「はぁ…助かったよ、大輔」
茂みから顔を出すミオ。
大輔「何やってんだよ、お前…」
ミオ「あはは…ちょっと魔力を使いすぎちゃってね、ラールも使えないの。だから一晩だけかくまって。魔力回復したら帰るから」
確かに、よく見ると顔には脂汗をかいていて、服もボロボロ、まさに満身創痍という風体だ。
ミオ「ねっ? 私、一応この学校のOGなんだしさぁ。いいでしょ?」
そう言って、にこ〜と笑うミオ。
大輔「………」
やばい…素直に可愛いと思っちまった。
ミオ「あ、いたた…」
大輔「どうした? どこか痛むのか?」
右腕を抑えて苦悶の表情を浮かべるミオ。
ミオ「あ、えへへ、大丈夫大丈夫。ちょっとした魔術の後遺症。大きいの使ったからね…くっ!」

【気にせず寮に案内する】
【バカ! 意地張らないで見せてみろ!】
362名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/07(日) 12:58:36 ID:3JcuCf24
【バカ! 意地張らないで見せてみろ!】
ミオ「わっ!コラ!何をする!」
俺は無理矢理ミオの右腕の裾を捲くり上げた。
大輔「何だこれ?」
……き、亀裂?
ミオの右腕には無数の亀裂が走っており、腕が石みたいに硬くなっていた。
色なんか真っ白で、ところどころパズルのピースが合わないみたいに、めくれて欠けていた。
大輔「お、お前、これ?」
ミオ「痛いじゃん!離してよ!」
大輔「ああ、ご、ごめん」
ミオ「もう、いちいち驚かない!ふん!しょうがないんだよ、あたしは………」
大輔「え?」
ミオ「こうなった理由、知りたそうだね?」
大輔「う、うん」
ミオ「バーカ、教えないよ」
大輔「…と、とにかく、ここじゃ」
俺はミオを俺の部屋に連れて入った。幸い、かどうか判断は微妙だが、タカシは部屋にはいなかった。
ミオは依然右腕をおさえて、うなるばかりだった。
大輔「ちっ!あのクソガキなら、なんか知ってそうだったんだけどな。…ミオ、ちょっと待ってろ」
俺はタカシが使っている机の引き出しを勝手に開けた。
大輔「非常事態だ、許せ」
中には小さな瓶やら何やらが所狭しと几帳面に並べて置いてあった。
大輔「……うう、どれもラベルが読めん。……ん?これは」
俺はタカシの引き出しから『やくそう』を見つけた。これなら分かるぞ。だって平仮名だもん。
俺はベッドのシーツを破って、即席の三角巾と包帯を作り、ミオの右腕を手当てした。
大輔「効くかどうか分からんが、お前大丈夫か?」
ミオ「……敵さん手当てして、……あんた、馬鹿?」
大輔「心配するな、良くそう言われてるから」
363名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/07(日) 13:47:29 ID:jA9ncvt0
大輔「なぁ…マジでどうしたんだ? 話してくれないと、こっちだって適切に対応できないぞ」
ミオ「本当に馬鹿だね、大輔くん。今言ったじゃん、私は敵だって」
大輔「こっちだって言ったぞ。そんなことはよく言われるって」
大輔「話せよ。少し修行したから分かるけど、今のお前の魔力、普段の数千分の一くらいになってるだろ」
ミオ「ナメないでよね〜。いくら弱ってると言ったって、今の大輔くん一人倒すくらいは出来るよ」
大輔「俺を倒した後、ここから逃げ切る体力まであるのか?」
ミオ「………」
大輔「強情なヤツだな…」
そのまま、しばらく二人とも無言の時間が過ぎていったが、やがてミオの方から沈黙を破る。
ミオ「…邪王炎殺術の奥義を使ったの、ワーナーとの闘いでね。
ミオ「この右腕はその後遺症。魔力は寝れば回復するけど、この腕だけはしばらく使い物にならないよ。対処法なんてないから」
大輔「そうか…対処法ないのか、悪かった」
言いながら、白磁のような腕にそっと触れる。
ミオ「な、なによ」
大輔「痛むか?」
ミオ「痛むよ。…ってさっきからそう言ってるじゃん」
大輔「まぁまぁ、そう怒るなって」
ミオ「ん? 別に真面目に回答しただけで、怒ってなんていないよ。私はツンデレじゃないもん。にこ〜」
大輔「そ、そうか」
俺は能天気な笑顔に苦笑すると、ゆっくりと腰を上げる。
大輔「で、これからどうするんだよ」
ミオ「ここにいつまでも居座るわけにはいかないから、私は外にいるよ。学園内にはいるけどね」
そう言ってミオも立ち上がり、窓枠に手をかける。
ミオ「じゃあね。夜明け前には帰るから。今回は助かっちゃった。ありがとね」
大輔「あ、おい!」
最後にもう一度笑顔を浮かべると、ロングスカートの裾をはためかせて、ミオは漆黒の夜に消えていった。
大輔「ああ、行っちまいやがった…大丈夫なのか、あいつ」
364名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/07(日) 14:22:05 ID:MD4olyMU




ザアアアアアアアアアアアアアア……

大輔(ん…雨…?)
あれから眠りについた俺は、雨の音で目を覚ました。タカシはやっぱり帰っていなかった。
大輔「すげぇ雨……今、何時だ?」
枕元の時計を見る。
大輔「ふぁ〜あ…まだ2時かよクソ〜」
大きな欠伸をひとつして、もう一度眠ろうと横たわったところで、ふと思う。
大輔(そういえばあいつ…こんな雨の中どこで寝てるんだろ…)

【ミオが気になる】
【二度寝】
365名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/07(日) 15:53:50 ID:jA9ncvt0
???「なんか今日、俺かなりたくさん書いてるな…」


【ミオが気になる】

はぁ、俺ってホントお人好しだよな…。
心の中で自分自身に苦笑し、俺は勢いをつけて立ち上がる。
雷こそ鳴っていなかったが、外はバケツをひっくり返したような酷い雨だ。
ミオがどこにいるのかは分からないが、もし屋外にいるとしたら、さすがにズブ濡れだろう。
俺はタオル1枚と傘を手に、雨音の鳴り響く部屋を抜け出した。

――ミオ視点。
ミオ「はくっし! うぅ〜、寒い…風邪ひいちゃうよ」
大輔と別れて何時間になるだろうか、数十分前から大雨が降り出し、私は大木の根を背にして座り込んでいた。
辺りは漆黒で塗りつぶしたかのような深い闇。
学校の非常灯がぼんやりと光っているだけで、普段は明かり代わりになる星々も、生憎の天候に隠れてしまっている。
こうして身を隠して野宿をするなんて何年ぶりだろう…。
この学校に通っていた頃は、実習で野宿をするなんてこともままあったが、私がSクラスの魔術師に認定されてからは初めての気がする。
私はため息をつくと、胸の前辺りまで左手をあげ、小さく念を送った。
ボウッ、と小型の炎を呼び出し、しばしその暖かさに触れる。
明るいとバレるので、目立たぬよう青色の炎にしておいた。
ミオ「あったかい…」
ミオ「う〜ん、このまま魔力の無駄遣いをするわけにはいかないから、少し仮眠でも取ろうかな…」
ザッザッザ。
ミオ「! 誰か来た…」
366名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/07(日) 17:23:33 ID:LI08VStV
ミオ「だ、大輔くん?」
大輔「よう」
…良かった、見つかった。……あれ?良かった?俺、ミオが見つかってほっとしてる?
ミオ「どうしたの?こんなとこに」
大輔「俺か?俺はな、……散歩だ」
ミオ「ふうん、散歩ね。……こんな時間のこんな天気に?」
大輔「夜の散歩だ。気にするな」
ミオ「あ、そ。………わっ?」
俺は、ずぶ濡れのミオにタオルを放り投げた。
大輔「使え」
ミオ「え?あ、ありがと……」
大輔「とにかく見つかって良かった。こんなとこにいたら風邪ひくぞ」
…やっぱり俺は、ミオが見つかってほっとしてるんだと思う。
ミオ「……散歩じゃなかったの?」
大輔「うるさい、散歩だ」
ミオ「……大輔くんて、面白い人だよね」
大輔「部屋に来い。ここよりはマシだと思う」
ミオ「…………」
大輔「どうした、やっぱりイヤか?」
ミオ「まさか!魔力弱ってるあたしに変なことする気ね!?うわ変態!痴漢!人さらい!」
大輔「……俺、まだ死にたくないから、そういうの無理っす」
ミオ「微妙に失礼ね……」
大輔「とりあえず、着替えたほうが良いだろ。来なよ」
ミオ「了解」
ミオはしぶしぶだが、俺の傘に入ってきた。
ミオ「あんたってさあ……」
大輔「何」
ミオ「つくづく馬鹿ね」
大輔「ほっとけ」
367名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/07(日) 18:40:20 ID:VC1RCE1S
隣で傘に入っているミオを見る。
ミオ「……」
顔色は長い銀髪で良く見えない。黒翼の澪とよく似た顔立ちだが澪は黒髪のショート。一番の違いは雰囲気だろうか。
大輔「なあ…」
ミオ「ん…なに?」
大輔「腕、大丈夫なのか?」
ミオ「うん、大丈夫。大分良くなったかな」
大輔「そう…」

再びの沈黙。俺たちは雨の中を寮の入り口まで戻ってきた。
ミオ「あらら、これは…」
大輔「どうした?」
ミオは入り口の前で立ち止まっていた。
ミオ「結界ね。侵入者に反応するタイプ」
さっきミオが侵入したからか、入り口には結界が張られているらしい。
大輔「入れないのか?」
ミオ「後々面倒だし。それにきみのお陰で少しは良くなったから帰るね」
大輔「そうか…」
雨はまだ降っている。俺は畳んだ傘を差し出した。
大輔「ほら、持ってけよ」
ミオ「え?」
大輔「こんな中、傘も無しに帰れないだろ」
ミオ「いいの?」
大輔「いいよ、持ってけ」
ミオ「そう。じゃあありがたく貰っておくわ」
ミオは傘を受け取るとにっこりと笑った。
ミオ「じゃあね、大輔くん。おやすみ〜」
振り向いたミオはバイバイのつもりか傘を掴む手を広げ軽く揺らす。そしてミオは雨の中に消えていった。
大輔「そこまで悪い奴には思えないんだよな…」
とにかくもう寝よう、と俺は自分の部屋に戻った。
368名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/07(日) 19:18:29 ID:jA9ncvt0
――ミオ視点。

降りしきる雨の中、私は「ふわ〜」と大きな欠伸をしながら、のんびりと歩を進めていた。
この真夜中じゃ、歩いていても見つかりっこないだろう。
そう踏んで、私は魔力の節約のため、ノヴァ陣営の街まで徒歩で向かうことにした。
ミオ「今回は世話になっちゃったなぁ。今度ちゃんとお礼しないと」
ミオ「取りあえず、お礼の前に傘は返さないとね」
ミオ「あ、そういえばタオルも返し忘れた! 洗って返さないと…」
ミオ「ん〜、お礼あげるとしたら、なんか残るものがいいかなぁ」
ミオ「そうだ、久しぶりにクッキー焼いてみるのもいいかも」
ミオ「…あれ?」
ふと立ち止まる。
あれ…なんで私、こんなことばっかり考えてるんだろ…。
そういえば、と思い出してみると、さっき木陰で休んでいたときも、似たようなことを考えてたような…。
こういうときのお約束って…。
ミオ「いやいや、少女漫画じゃあるまいし、ときめいちゃったなんてことナイナイ」
私はそう言ってかぶりを振ると、くるくると回りながら、足取り軽く帰路についた。


順子「立場・性別とわず、いつの間にかみんなが大輔の人柄に惹かれ始める…」
夏江「それがこの作品のタイトルの所以であり、救世主としての力の1つなのかも知れないね」
順子&夏江「…とか考えてみちゃったりして」
369名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/07(日) 21:57:15 ID:dTy3dzM6
――タカシ視点

タカシ「やっぱり!見つけた。カードだ」
夜、雨の降りしきる森の中、タカシの姿はそこにあった。昼間ここで、歴史には残らない闘いがあった。
ベヒーモスと呼ばれる巨大な魔物が、今はまだ名も知れぬ若者に討ち滅ぼされたのだ。
タカシは、今は動かなくなった魔物の亡きがらを見ていた。
タカシ「僕の目に狂いは無かったね」
魔物の右目。瞳の奥に、トランプを思わせるカードが浮かんでいた。
タカシ「悪く思わないでね?……ゼロ!」
タカシがそう言うと右腕に光が集まる。
タカシ「ウィンド・エッジ!」
タカシがぶんと右腕を振ると、魔物の瞳にスパっと裂け目ができた。
タカシ「よし」
タカシは瞳の中に腕を押し込む。グジョリという気味の悪い音がしたが、タカシは怯まない。
タカシ「………取れた。……ジョーカーだ」
瞳から出てきたカードには、ジョーカーの絵が描かれていた。
すると不思議なことが起こった。魔物の亡きがらが、音もなく崩れ始めたのだ。
タカシ「……こいつが大元の魔力のよりしろだったんだね」
魔物の亡きがらは、初めからそこに何もなかったみたいに、跡形もなく消えて無くなった。
タカシ「この魔力があれば!………待ってろよリエ!捕まってるお父さんは必ず僕が助け出すから!」
370名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/07(日) 22:34:07 ID:aDoyjqSN
カナタ「なんでこんな事になちゃったんだろう?」
大輔と楽しく冒険の旅〜の筈が、目が覚めればザーリフとやらの新しい前線基地を作るとかの奴隷生活。
看守のウブとか言う奴は、奴隷を自分の玩具くらいにしか思ってないし。
日中、リエちゃんって娘の「ウブじゃなくてデブだ」発言に怒って、
ウブが振り上げたムチで、リエちゃんを庇った奴隷が一瞬で破裂させられたし。
リエちゃんって娘はショックで声が出なくなってるし。
カナタ「大輔、早く救い出してよ。」

イキュ「ミオを追うつもりでしたが、こんな夜に魔王対策半強制勇者育成プログラム高校の奴らと出くわすとは」
アスカ「離しなさいよ」
イキュ「Eランクの娘ひとり、奴隷として捕まえてしまいましたよ。明日からしっかり働きなさい。」

ドスン。何かが部屋に投げ入れられた。多分新しい奴隷だ。
???「痛いわね。」
カナタ「明日香?」
アスカ「誰よ、あんた?」
371名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/07(日) 22:43:51 ID:aDoyjqSN
>>369
かぶった。
そして、タカシがリエと一緒じゃないのと、
ザーリフに怒りを覚えている事から勝手に判断して、
前回の異世界編の後リエが捕まったつもりで書いてしまった。
捕まってるのは親父だったのか?

誰が捕まってるのかは、続きの話で補正してくださいorz
372名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/07(日) 23:09:16 ID:LI08VStV
???「たしか夢魔界に来てすぐ、>>236>>237と被りがあって、採用されなかった>>236の方に、
リエはミサキと一緒に登場してたから、てっきりリエはどこかであっさり出てくるもんだと思ってますた。

そうなると、捕まってるのは2人のお父さんかな?と思ったけど、
>>236は無かったことになったから、リエも、リエのお父さんも両方捕まってることにすれば良いんじゃないかな?」
373名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/07(日) 23:15:28 ID:MD4olyMU
???「父親が捕まったか、リエが捕まったかはその後の展開にまかせよう
イキュって敬語キャラだっけ?」


イキュ「作業の調子はどうですか?」
ウブ「ばっちり。どれい、どんどんはたらく。さぼったら、ころす」
イキュ「…あんまり無闇に数を減らすのはどうかと思いますが…む?そこにいるのは…」
彼方「な…何よ?」
イキュ「あれは『レドック』の王女、カナタではありませんか!どうしてここに…」
ウブ「おうじょ?オレ、しらない。きづいたらいた」
イキュ「…まったく、ここの者たちは何も考えてないのですか…。…しかし、これは使い道がありますね…ウブ、この娘は殺さずにいなさい」
ウブ「わかった。ころさない」
イキュ「ふふふ…これはいいコマを手に入れた…」
アスカ「あんたって王女なの!?」
彼方「…私も今初めて知ったよ…」
374名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/07(日) 23:18:32 ID:MD4olyMU
実は被ってました…orz
書き込み前の更新徹底…だな。
375名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/08(月) 00:23:56 ID:C8FjTTlT
漆黒の風が吹く。
切り立つ崖の上にそびえ立つ古城には、異界の者達が集っていた。
ミオ「ただいま戻りました〜」
ノヴァ「ん…ミオか。ご苦労だった」
ノヴァ「見たところ、お前も結構手酷くやられたらしいな。Is it all right?」
ミオ「ううん、全然大丈夫じゃない。白龍波を使っちゃったんでね、しばらくSランク夢魔たちとの戦闘は無理だよ」
ノヴァ「Shit! 次の指令があったのだが…致し方ない」
ミオ「うん? 次の指令って?」
ノヴァ「Oh、最近ザーリフ軍がクメナ村付近に前線基地を建造しているようでな…」
ノヴァ「我が国では禁止している奴隷を酷使して、だ」
ノヴァの声に、わずかな怒りの声が混ざる。
ノヴァ「作戦的にも、あの場所に前線基地を作られてしまうと攻めにくくなる。そこで、今のうちの壊滅させておきたいのだ」
ミオ「なるほどねぇ…でも、前世基地の建設ってんなら、結構大事でしょ? Sランクのヤツが1〜2人いると思うけど」
ノヴァ「ああ、いる。だからお前には頼みたかったんだが…」
ミオ「うん、悪いけど無理ね。本当は行きたいけどさ。ライジンあたりに頼んでみれば?」
ノヴァ「いや、ダメだ。今、やつにはタージベ地方の前線基地の作戦指令長官を任せている」
ミオ「この前来た新入りとか、ハラワタとかもダメなの?」
ノヴァ「ああ、手があいていない」
ミオ「う〜ん…じゃあ、ヒビヤに任せるしかないんじゃない?」
ノヴァ「ふむ、ヒビヤか…。あいつはある意味最終兵器なんだが、仕方ない、今回はヤツに頼もう」
ノヴァ「Invite Hibiya!」
376名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/08(月) 00:57:59 ID:7Do6tSC6
プレイヤー「リエを庇って破裂死亡したのがタカシの親父で、
タカシは怒りの心をジョーカーの負の力に支配された上、
ザーリフにあっけなく敗れ操られて、憎き彼の手先に。
ダイスケ最大のライバルになるとか言う、ギャルゲらしからぬ壮絶展開?」
377名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/08(月) 01:06:04 ID:FvTkWWLv
――クメナ村全線基地開発機関本部



アリドド「……そうか。レドックの王女が…」
イキュ『ええ。私もおどろきました。』
アリドド「ウブには絶対に殺させるなよ。レドックの王女ならば、あとあと我々にとって有利な駒になる。」
イキュ『わかっています。ただしアレが暴れたら私の手には負えませんがね。』
アリドド「ウブ……そうだな。いつもより多めに菓子を与えてやれ。」
イキュ『しかし……いつ暴れ出すかわからない手のかかる怪物ですから、私は苦手ですね。』
アリドド「仮に暴れたとしても、いつでも封印できるだろう。それより例の計画だが……」


―――緊急事態発生!!―――緊急事態発生!!  

アリドド「何事だ!!」
―――高エネルギー反応確ヲ認!!『S-12式シカウター』デハ戦闘能力ヲ測定デキマセン!!!
アリドド「バ、バカな!!何かの間違いだ。俺の戦闘服とS-15式のシカウターを用意しろ!迎え撃つ!!」
アリドド(それにしても奴らがこの場所に来るには早すぎる……いったい誰だ?誰が来た?)
378名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/08(月) 01:16:36 ID:PC6AtY4p
ちょっと、苦言、いい?

>jA9ncvt0
確かに連投じゃないけど、あまり1日に書きすぎるのもどうかと。
俺は多くても1日1回にしてるが……みんなはどうなんだ?

>ラール、クメナ、ターベジ
元ネタがわかりやすいけど、そこまでパロるのもどうかと。
それにミオの空間移動は元々名前なんてなかったんだし、無理に名前付けなくてもいいかと。
ひとつの技とか術に名前付けるのは、やはりわかりやすくなるけど、
逆に幼稚にもなりやすいと思うし……。

文句ばかりでスマソ
379名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/08(月) 01:17:59 ID:PC6AtY4p
ああ、ザーリフ軍はネタの塊だから、その辺は構わないかw
380名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/08(月) 01:27:59 ID:FvTkWWLv
まあ、ザーリフ軍はもともとすぐ死ぬ予定(今のドレッドみたいな)みたいだったんだが
いつのまにか設定がすごいことになってたんで乗っかっていったらパロだらけになったって感じだな。
今後パロは自粛、書き込みは一人一日1〜2回でどうかな?
381名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/08(月) 02:29:42 ID:jz4yG/xl
俺の場合、書き込みは最低2つ空けぐらいにしてるんだが、過疎ってるときには日にち置いて1つ空けでも書いたことがある。
パロはやっぱり少し控えたほうがいいと俺も思う。
ウブとタージベまでやるとな…。広がらなければいいんだが…。
382名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/08(月) 15:44:23 ID:pqkm6vwd
夜中にカナタの居る場所で騒動が起こっている事は俺はその時知らなかった。
ダイスケ(そう言えば門限が有るとかいう話を聞いたけど、タカシは何で居ないのだろう?)
そしてふと今日の出来事を何気なく思い返してみて。
ダイスケ「委員長に雪村さんとの関係聞きそびれた!」
話し辛い関係になってしまったし、ランクは分かれてしまったし、もう雪村さんから聞くしかないかな。
それにしてもあの告白が現実世界だったら…とても勿体無いことをしたorz
そんな事を考えつつ俺は再び眠りについた。

???「………大輔君、大輔君起きなさいよ。授業始まるわよ。」
優しい声が聞こえる。ぽかぽかした良い陽気だ。
俺は目を開けると窓際の自分の席で机に突っ伏して眠っていた。声は隣の席からだ。
優しく起こしたくれたのは雪村さんだな。そう考えて声の主の方へ顔を向ける。
委員長「昼休みはおわっちゃったよ。」
そこには鈴木綾が。
あれっちょっと待て? どういうことだ?
確かに俺の隣の席は委員長だった。いや、雪村さんだった?
これが夢世界で見ている夢だとは解っている。だが夢は記憶を整理するもの。
俺は記憶の錯乱と共に雪村さんを忘れそうになっている?
現実の世界で俺は?

【窓際の席で雪村さんの隣だった】
【窓際の席で委員長の隣だった】
【他の男子生徒が羨む両手に花の席だった】
383名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/08(月) 20:10:58 ID:C8FjTTlT
>>378
悪い…普段は数週間くらいROMってる時も多いんだが、
昨日は珍しくスラスラとシナリオが頭に浮かんだもんだから、創作意欲を刺激されてつい…。
これからはある程度自制する。スマンカッタ。

ただ、あんまり細かいルールや規制を作られると、正直書き込みづらくなる。
前にも別件で指摘が飛んできたことあるんだが、やっぱこう何度も指摘されると書き込むのが怖くなるのよ…。
あまり目に余るようだったら言った方が良いけれど、ある程度の寛容さも必要だと思う。
と考えるのは俺の独善かな…。
384名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/08(月) 20:50:01 ID:PC6AtY4p
こういうスレの割には意外と長命で、結構形になってきたからなあ。
この流れを守るためには、少々耳が痛いことを言わなきゃ…と思ったもので。

規制というか、あまりに常識外れはなあ(パロとか書き込み過多とか)。
本来こういう議論はまとめサイトでやるべきなんだろうけど、あっちは誰も見てないっぽいし…。
385名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/08(月) 23:57:03 ID:3RCBOHlJ
【他の男子生徒が羨む両手に花の席だった】
大輔「あれっ? 隣には雪村さんも居た気がするけど、俺窓側だったっけ?」
委員長「氷室君、雪村さんって?」鈴木綾が怪訝な顔をする。
大輔(まてまて、思い出すぞ。そうだ確か。)

(1-185 担任「雪村は、そうだな大輔の隣の席へ」)
(1-624 俺は隣の席に座る鈴木を睨んだ。)

大輔(雪村さんと委員長は隣に居た筈だ。窓際という記憶はとりあえず無い。)
委員長「氷室君は、私の秘密を何処まで知っているの?」鈴木綾が続けて聞く。
大輔(って、えぇぇぇぇっ?)
落ち着け大輔、良く考えるんだ。
俺は目を閉じて、額に手を当て、眉間にしわを寄せ必死に考えた。

ハッ!
上半身を飛び起こし目を開くと、そこは夢世界の寮のベッドの上、朝が来ていた。
大輔「俺は…雪村さんと委員長が一緒に居る所を…見た事が無いっ!」
俺はぐっしょり冷や汗をかき、言いようの無い不安を感じていた。
早く、早く雪村さんに逢わなくちゃ、そんな気がしていた。
386名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/09(火) 00:09:03 ID:OS5oBT+8
>>383には悪いが、俺は>>384と同意見
細かいルールは必要ないと思うけど、マナーは大事だと思う

>書き込み過多
何回措きと細かく決める必要はないと思う
他の書き手が不快感を感じない程度の間隔を各自で判断すればよいかと
あくまで書き手の良識にかかってるってことで

>パロ
確かにイメージを把握しやすくなるけど…最近は行き過ぎてると思う
ネタの塊のザーリフ陣営は仕方ないとしても、
普通の魔法までDQのイメージで固まってしまうのには正直抵抗がある
このスレはDBやDQのSSでは無いんで…
幽白ネタも一緒で、ミオの白龍波にはさすがに少し引いた
387名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/09(火) 01:16:32 ID:zPXKgGmD
???「ほどほどが一番?…んでは、>>385から」

結局、その晩タカシは帰ってこなかった。
大輔「…あのガキ」
俺はタカシのことが心配だったが、腹がぐうと鳴ったので食堂で朝食をとることにした。
…夢の世界で疲れて、寝て、起きて、着替えて、腹が減る…か。
着替えながら、ふと思う。
大輔「あ、ありえねえーっ」
でも、俺の腹は鳴っていた。
…ってゆーか、寝ても現実世界には戻れないんだな、俺。
大輔「行くか…」
俺は、なんとなく肩を落としつつ部屋を後にした。

食堂は、にわかに騒然としていた。何かあったのだろうか?
???「あのう、何かあったんですか?」
俺は誰かに呼びかけられ振り向いた。
―――そこに、昨日の実戦の訓練で、レンカと勝負して勝った女の子が立っていた。
たしか、マナミとか言ったはずだ。
大輔「いや、俺も来たばっかで良く分からないんだけど?」
アヤ「大輔くん!大輔くん!大輔くん!大変なの!大変なの!大変なの!」
大輔「あ、い、委員長、お、おはよ」
委員長が凄い剣幕で現れた。俺は昨夜のことがフィードバックされ、顔がぼんと熱くなった。
アヤ「お、おお、おはよじゃないの!大変なの!大変なの!どうしよう!どうしよう!あうあうう!」
大輔「ど、どうしたの委員長?」
アヤ「あ、ああ、アスカさんが!アスカさんが!学校に魔物が出たの!警備兵の人が何人も怪我したの!」
大輔「…は?」
委員長が、何を言っているのか良く分からない。
マナミ「あの、委員長?落ち着いて下さい」
アヤ「う、うん!で、でも、あんまり落ち着いていられないの!アスカさん魔物にさらわれちゃった!ど、どうしよう!」
388名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/09(火) 04:01:53 ID:IltqMSBc
キョウコ「私から話そう。」
何か普通にここに居るんだなキョウコさん。
キョウコ「昨夜ちょっと訳があってな、みんなで寮の外に居たんだが、何故かそこにザーリフの一味を名乗る奴が現れた。
アヤの精霊呪文による防御結界に入れたユカリ、マナミ、レンカは問題無かったが、
逃げ送れたアスカが連れていかれた。私と警備兵が応戦したが奴の逃げ足は速かった。」
キョウコさん説明的な台詞をありがとう。

大輔「キョウコさんもてこずる相手か。タカシも昨夜から居ないのが気になるな。」
レンカ「なんやてー!」

順子「フラグが立たないと攻略ルートが発生しない委員長の出番が多いのはどうかと。」
夏江「良いんじゃない? マナミも出てるし、この際ノリノリで行こう。それじゃ私も。」
むんず
夏江「だめ?」
順子「だめ!」
389383:2006/05/09(火) 12:55:39 ID:atLT7a3Q
>>386
OK、分かった。俺も>>384の意見に反対するわけじゃないし、
その考えも理解できるから従うよ。ごめんな、みんな。今後は気をつけるよ。

ただ、パロがダメなら、固有名詞を付ける場合、何が何なのかまとめて欲しい…と思う。
パロなら覚えやすいし、名前見ただけでイメージも湧くんだけど、
例えば技・魔術の名前や、武器の名称、誰の精霊が何という名前なのかとか、
全部読んできた俺でもログを読み直さないと思い出せないことあるし、特に新人にはかなりキツイと思う。

別に俺の意見を受け入れてもらえなかったから反論してる、ってわけじゃなくて、
そうしてもらえるとすごく助かるのよ。
他力本願ですまんが、誰かやってくれる人がいれば是非頼む。
390386:2006/05/09(火) 13:38:48 ID:OS5oBT+8
>>389
ケチつけるだけなのも良くないんで、やってみよう
そろそろ設定をまとめようとも思っていたし
ただ、今忙しいんで週末くらいになりそうだけど、それで構わなければ…
391名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/09(火) 21:16:33 ID:C+ViSL/O
>>388から再開しますね。
マナミ「あーっ!そう言えば、そうでした!キョウコさん!思い出しました!あたし全部思い出しました!
   昨日の晩はですね、委員長の告白現場みんなで見に行って、んと…、それで委員長の玉砕ボガーン見て、
   でもって、寮に帰ったらみんなで委員長の残念会やろうよって話してたら、魔物が出たんですよね!
   それから、キョウコさんが『うげー!あのバカ娘連れてかれちまったよ!まずった!しくじった!
   マジやべー!警備兵も5〜6人のされちまったし!私、責任取らされるよ!!』とか叫んでいたのを、
   あたし今、ようやく思い出しましたよ!!」
大輔「……………………………」
アヤ「……………………………」
レンカ「……………………………」
キョウコ「ま、マナミちゃん?ちょっと、こっち来なさい」
マナミ「あーうー!キョウコさん!耳!耳痛いですー!そんな引っ張らないでくださいー!!」

レンカ「………や、やあ、だ、ダイスケはんに、い、委員長、おはよ……さん……あはははは」
大輔「お、おうレンカ、いつのまに。おはよう、委員長も、おはよ」
アヤ「あ、はは、………ど、どうも………」

窓の外は雨も上がり、とても良い天気だった。
392383:2006/05/09(火) 23:08:17 ID:atLT7a3Q
>>390
ありがとう。あまりに他力本願だったんで、辛く当たられるかと危惧してたんだけど、
そう言ってもらえるとありがたい。まとめよろしく頼む。

ところで、これを契機に用語を整理・作成しないか?
パロディが発生するのって、結局は「分かりやすさ」があるから安易にやっちゃうわけで、
この辺が整備されてればパロディを用いる必要性もなくなってくると思うんだよ。
例えば「ラール」はDQの「ルーラ」から来ている瞬間移動魔法なわけだけど、
独自に“瞬間移動魔法”の名前をちゃんと作っておけば、「ラール」にする必要なんてなくなるよね。
このスレもかなり長くなってきたから、やっぱこういう用語整備は必要だと思う。

で、ここで提言なんだが、>>390さんに全部の用語整理を頼むのもアレだから、
少しずつみんなで用語を作成して、解説を書いていかないか? あくまで物語が止まらない程度に、だけど。
具体的なやり方としては、これから新しい固有名詞を作った時、カキコの末文に用語解説を書くってのはどうだろう?
そうすればパロディを使わなくても良くなるし、まとめ役の人も解説書く手間が省けると思う。
新人さんにも優しいスレにもなるから、面倒ではあれ、最善策でもあると思うんだが、どう?

<具体例>※あくまでも例
■コンビネーションフレア
ワーナーシスターズの得意技。二人で火球を作り、時間差で別々に攻撃する。
当初、ドラゴンクエストの「メラゾーマ」のパロディとして「マーゾラメ」を使っていたが、
用語整理の際にこの名称へ変更された。

※使用頻度が低かったので、名称を強制的に変更させてもらいました。また、最後の二行は要らなければ削除してください。
393名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/10(水) 01:57:30 ID:ueZFlFYx
>>391から。

マツナガ「お前ら、朝飯食いながらで良いから、ちょっと聞いてくれ!」
見ると食堂の奥のほうに何人か講師達が集まっており、その中にマツナガのおっさんの姿があった。
マツナガ「知ってる者はいるかも知れんが、昨夜、わが校のアスカ=マツザワが魔物に連れ去られた」
マツナガの野太い声が食堂に響き、食堂にどよめきが起こる。
マツナガ「それもよりによって最悪の極左思想勢力、ザーリフ軍の所業と思われる…」
どよめきがさらに大きくなった。

マツナガ「かねてから予想されていたことだったが、特に、ここ近日、極右思想勢力のノヴァ軍に対して、極左のザーリフ軍に不穏な動きが見られる。
    我が魔王対策半強制勇者育成プログラム高等学校は、城塞都市フォートレスの国軍と協力体制をとることになり、
    国軍に協力する特別遊撃隊を組織することになった」
夢の中とはいえ松永先生の、おっさん声で、『ノヴァ』とか、『ザーリフ』とか、漫画みたいな言葉が聞けるとは思わなかったよ。しかも朝から。
マツナガ「今回、新たに組織する特別遊撃隊の最初の任は、アスカ=マツナガの救助に当たることになる。
    尚、国王カズマサ=オンダ殿からの正式な協力要請の通達は明日届くことになっている。…………が、しかしだ!」
ここまで流暢だったマツナガのおっさんの口調が、急に苦々しいものに変わる。
マツナガ「しかしだ、現在我が校の、有力Sランク候補生達は、お前ら知っての通りだが、あちこち出払っている」
大輔「………」
マツナガ「Sランク候補生の者達には既に収集をかけた。が、なぜか今、瞬間移動魔法封じが各地で起きている!…間に合わん。
    よって、今回の我が校からの遊撃隊参加は講師全員と、在学中の学生から有志を募ることとする!各自ランクに問わず申し出てくれ!」
食堂のどよめきはMAX状態だった。
マツナガ「キョウコ殿」
キョウコ「…分かっている。こうなったのも何かの縁だ。協力するぞ」
マツナガ「礼を言う。戦場に不完全な者達を送り出さねばならないのは、辛いが………………」
…戦争が始まる?俺はなんとなくそう思った。

俺は、
【特別遊撃隊に参加する】
【特別遊撃隊には参加しない】
394名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/10(水) 06:31:18 ID:k4Bbq4R7
【特別遊撃隊に参加する】

アスカ=マツナガって、こっちの世界での明日香のことだよな…。
それなら見過ごすことなんて出来るわけないじゃないか。
大輔「先生! 俺は参加します!」
辺りが一際どよめいた。
しかし、Dランクの人間が参加すると分かってか、張り詰めていた迷いの空気が消え、
続いて「俺も、私も」と遠くからポツポツ声が上がり始めると、
やがてほぼ全校生徒が遊撃隊参加に名乗りを挙げていた。
キョウコ「よし、お前らいい度胸だ! 出発は明朝! 各自体調をしっかり整えておけ!」
生徒達「おぉー!!」
395名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/10(水) 13:29:15 ID:JpuoOr8s
『本日の講義は全て休講です。遊撃隊に参加を希望される学生は、午後1時になりましたら講堂に集まって下さい。 学生課』

校舎前の掲示板に、張り紙がしてあった。
大輔「……授業は無しか」
なんだか現実味の無い話だよな。まあ、もっとも夢の中なんだけど。

とにかく昼まで変に時間が空いてしまった。どうしょうかと考えていると、どこからかマツナガのおっさんの声が聞こえてきた。
マツナガ「遊撃隊出発が明日では到底間に合いません!彼女は殺されてしまう」
???「しかし。これは国が定めたことだ。我らに拒否権はない」
マツナガ「しかし!昨晩アスカ=マツザワが魔物に連れ去られてから、もう随分と時間が経っております!」
あれは教頭の声だ。校舎の向こうからマツナガと教頭の2人が現れた。俺は植木のかげに隠れて様子をみることにした。
教頭「くどいですよ?マツナガ先生。既に国軍から先発して討伐隊の捜索が開始されています。
  そして、あくまでも学校法人である我らは、今回遊撃隊として探索に参画できること自体、国王の恩恵に感謝すべきなのです」
マツナガ「しかし!教頭も知っておられるはです!フォートレスの国軍は年々弱体化の一途を辿って、
   今や奴らは権威にすがるだけの税金泥棒に過ぎません!そんな奴らに……」

なんだかとんでもない話を聞いてしまったような。

俺は
【明日なんか待っていられない!俺だけでも今すぐ出発だ!】
【ルール違反はやっぱ良くないよな。明日まで待ってみんなと一緒に行こう】
396名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/10(水) 14:17:19 ID:zHr8K1IH
順子「RPGみたいになってきたわね」
夏江「日常パートに戻るかと思ったら事件発生だもんね」
順子「まぁ、彼方と美影がいないから合流しないと二人の出番はないわけだし…。きっかけとして、ってところね」
夏江「とりあえず、続きどうぞ」

【明日なんか待っていられない! 俺だけでも今すぐ出発だ!】
そうだ、夢の中とはいえ、人の命がかかわる問題だ。ぐずぐずなんてしていられない。
それに…
大輔「女の子一人助けられない…そんな救世主なんてまっぴらだ!」
???「待ちなよ」
大輔「タカシ…」
タカシ「まったく、なんでそうすぐにアツくなるかな」
大輔「だってな、おまえ―」
タカシ「だってもなにもないよ! 一人で突っ込んでいくなんて、ただの蛮勇だってことわからないの?」
大輔「じゃあ、どうしろってんだよ?」
タカシ「だから、みんなで行くんじゃないか」
大輔「明日まで悠長に待ってろっていうのか!?」
タカシ「……今、呼んでるよ。ダイスケのまわりの人達だけだけどね」
大輔「え…?」
そのとき、タカシの後ろから走ってくる複数の人影が見えた。
あれは…
397名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/10(水) 14:26:29 ID:Pt8xPric

人影が四人。見覚えが…。
タマキ「ダイスケ!」
聞こえた声はタマキだった。見れば他にユカリ、ミサキさん、アヤ委員長。
大輔「なんでみんなが?」
アヤ「これよ」
委員長が掲げたのは一枚の紙。そこには…

『校長の名において以下の者達を先発隊に任ずる。
アヤ=スズキ
タカシ=ムラカミ
ミサキ=ツキシマ
タマキ=ノノハラ
ダイスケ=ヒムロ
ユカリ=ミズセ

     校長之印』

とあった。
大輔「えぇー!?」
アヤ「Aランクってことで私が選ばれたの。で、少数精鋭の方がいいって、ベヒーモスを倒したあなた達を連れていきたいと希望したのよ」
ユカリ「なのに一人で飛び出そうとするし…」
ユカリがため息。
ミサキ「まあまあ、友達思いなのはいいことじゃない」
398392:2006/05/10(水) 20:42:18 ID:k4Bbq4R7
話止めてスマソ。
通勤途中に気が付いたが、瞬間移動魔法に名称なんか付ける必要ないね…。
「瞬間移動魔法」と書けばいい話だし、メラゾーマだって「火炎系魔法」なりいくらでも他の表現が出来る。
なんか俺グダグダだな orz 客観的に見ると半分荒らしに近いわ。
ログ読むとあまりにバカなんで、迷惑かけたせめてもの罪滅ぼしとして、しばらくのあいだ書き込みを自粛します。
本当に申し訳ない。
399名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/10(水) 21:02:29 ID:MvXBDEU9
大輔「しかし…校長もよく俺達の同行を許してくれたよな…」
キョウコ「それは私が推したからだ」
大輔「キョウコさん!?」
いきなり話に加わるのは『氷刃』の得意技のようで。
キョウコ「ベヒーモスと言えば最弱クラスのものでさえBクラスの連中も手こずる強敵。
そんな魔物をDランクであるお前たちだけで倒した。そんなお前らに賭けてみたくなったんだ」
大輔「キョウコさん…」
キョウコ「だが、お前らが行くのは本物の戦いの場…そこでは敗北即ち死だ。決して気を抜くな」
一同「はい!!」
キョウコ「とはいえ…何と戦うにも大事なのは情報。お前たちの知識では…少々不安だな…こいつを持っていくといい」
そう言ってキョウコが取り出したのは、手帳ほどの大きさの一冊の本だった。
大輔「これは……?」
キョウコ「この世の全てのことを記憶しているという全知の精霊『グリモアス』。その孫娘を宿した本だ」
???「お初にお目にかかります」
手に取った本から落ち着いた感じの声が聞こえた。
大輔「あ、ああ…はじめまして(…孫娘?)」
俺はなんとなく本をパラパラと見てみた。
大輔「あれ?」
中には古代文字のようなものが書いてあり、とりあえず俺には読めない。…読めなきゃ本の意味ねーじゃねーか…。
???「この本はあくまで私を宿すアイテムにすぎません。だから、書いてあることはさして重要ではなく、知識の供給は基本的に私の口で行ないます。そのつもりでいてください。
まだ未熟ゆえ知識量にも多少の不安はありますが、これから何卒宜しくお願い申し上げます」
大輔「あ、ああ!よろしくな!…え〜と」
???「名は『ミニ・グリモアス』。ミグとでも呼んでいただければこれ幸いかと」
大輔「そ、そうか。よろしくな、ミグ」
なんだかすごい冷静…調子狂うな…。
ミグ「あ、そうそう…」
大輔「ん?なんだい?」
ミグ「私も精霊のはしくれゆえ、少々のことではこの本は破れないようにしておりますが、本の扱いはなるべく丁寧にお願いします。誰しも痛いものは痛いので…」
大輔「………」
やっぱり調子狂う…。
400名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/10(水) 21:13:38 ID:MvXBDEU9
連投ですが…

>>398
自粛てアンタ…。そんな気にする必要ないんじゃね?ID変わったら何事もなかったかのように書き込むよろし。

…と、いうわけでわかりやすさ上げるなら解説役なんかいたら便利じゃね?と思ってミグなるキャラを出しました。どうかな?
401名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/10(水) 23:02:41 ID:Hr5DXJzf
???「>>398もちつき給え」

大輔「あのう?」
ミグ「何ですか?」
大輔「じゃあ聞きますが」
ミグ「はい、どうぞ?」
大輔「君の名前の『グリモアス』ってどういう意味でしょう?」
ミグ「……」
タマキ「多分ね、『グリモアス』って名前はね、『グリモア』もしくは『グリモワ』からとってるって思うの!
    まあ、簡単に言うとね、『グリモア』って言うのは、魔導書や呪術書の類の総称で使われたりする言葉ね。
    でね、『グリモワ』の語源は、『グリモワール (grimoire)』 って言うらしくって、これはフランス語で『呪文集』って意味で、
    特に中世ヨーロッパで流布した呪術書のことを言うみたい。悪魔や精霊、天使などを呼び出して、
    願い事を叶えさせる手順などが書かれてるって言われてるわ。
    ほら、聞いたことない?『エロイムエッサイム 我は求め訴えたり Eloim Essaim frugativi et appelavi』ってヤツ。
    これって『黒い雌鳥』っていう『グリモワール』に書かれてたんだってさ。他には『ソロモンの大いなる鍵』
    『ソロモンの小さき鍵』『ピラミッドの哲人』などが有名どころの『グリモワ』よね?」
大輔「は?」
俺は何がなんだか分からず、もはやついていけそうになかった。
タマキ「でしょ、でしょ?ミグ」
ミグ「……さあ?私は、私の名前に興味を持ったことはないので、申し訳ありませんが分かりません」
タマキ「…………」

キョウコ「ところでだ。コイツも渡しておく」
俺が受け取ったそれは、地図と袋に入った金貨の束だった。金貨はかなりの量があった。
大輔「うお?こ、これって?」
キョウコ「餞別だ、とっておけ。私は立場上、お前らと同行はできん」
ユカリ「ええ?一緒してくれるんじゃないんですか?」
キョウコ「そう不安そうな顔をするな。私も明日、皆と共に後を追う。いいか?まずお前らは、クメナという村に向かえ。
   ここフォートレスより遥か北にある。街の情報屋の話では、そこが奴らの前線基地だ。
   とても歩いていける距離じゃないから、街ですぐに馬を買うことだ。健闘を祈る!」
402名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/11(木) 01:07:47 ID:LmVgsH25
大輔「馬を買えってことらしいけど、この中で馬に乗れる人って何人いる?」
挙がった手はふたつ、タマキとアヤだった。
タカシ「これじゃあ話にならないね。三人乗りなんて馬が保たないよ」
タマキ「じゃあ、どうするのよ? 馬車なんて高くて買えないし…」
アヤ「あ、それなら、私の家から借りてくることができるかも…」
タマキ「そういえば、委員長の家って結構な名家だったのよね」
アヤ「あんまり家には頼りたくないけど、事情が事情だし…。ちょっと相談してみるわね」
そう言うと、委員長は少し離れたところで一人で話しだした。
大輔(あ、もしかしてモコドか? 最近すっかり忘れてたな)
思いだしたはいいが、身の回りのどこを探しても見つからない。
ユカリ「ダイスケ? キョロキョロしてどうしたの?」
大輔「なんでもない…」
とは言ってみたものの、ウラさんたちと連絡がとれるかもしれない、と思うと気になって仕方がない。
大輔(う〜む、どこにもないみたいだ。今はあきらめよう)
大輔「はぁ…」
ミサキ「ダイスケくん、なんだか落ち込んでない?」
ユカリ「どうしたんだろ?」
403名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/11(木) 06:42:00 ID:188tE1a9
委員長は戻ってくると話を始めた。
アヤ「みんなに聞いておいて欲しいことが有るの。」
アヤ「今はみんな突然の出来事に混乱しているみたいだけど、
こんな時こそ纏めサイト
http://hp14.0zero.jp/206/sss1001/
を使うべきだと思うの。
”指摘・メッセージはこちら”に、”MGSTSへの提案者”が幾つかメッセージを残してるから参考にしてみて。」
大輔(委員長、まるで雪村さん並みの電波を発してませんか?)
一同は委員長の電波発言に唖然としていた。

未だ傍に居て聞いていたキョウコが見かねたのか、委員長を捕まえて少し離れ、ひそひそ話を始めた。
俺達には内容は全く聞こえなかった。

キョウコ「アヤ、『精霊の巫女』ミカゲの力はまだ表に出せないのか?
力の数段大きいミカゲになってもらえると安心なんだが。」
『氷刃』キョウコは『精霊の巫女』ミカゲ=アヤの関係を知っていた。
アヤ「ごめんなさい。昨夜のショックで精神不安定なの。今は表に出せそうに無いです。」
キョウコ「あいつのせいか。全くダイスケといい、アスカといい、いらん要因を作ってくれる。」
俺は何かキョウコに睨まれた気がした。
キョウコ「最もノヴァ陣営が何か気付き始めたようだから、アヤの状態の方が別の意味で安心かもしれないな。」
404名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/11(木) 21:07:34 ID:Q7Kk4WdI
大輔「じゃ、君のことポケットに入れさせてもらうけど…いいかな?埃とか大丈夫…だよな?」
ミグ「ええ、お構いなく。心遣い、感謝致します」
大輔「ああ、どういたしまして…」
ミグ「聞きたいことがあればご遠慮なさらずに聞いて下さい。気をつかう必要はありません。解説することは好きなので」
大輔「あ、はい。どうもです」
なんかこっちも敬語になるな…。
リズ「マスタぁ〜!!」
大輔「うわ!?ど、どうしたリズ…?」
リズがいきなり出現する。なんだかご立腹のご様子。
リズ「楽しそうにお話していらっしゃるようですが、マスターと契約したのはリズですから、それを忘れないでくださいね!?」
大輔「いや、別に忘れてたワケでは…」
ハタから見たら俺は楽しそうなのか?
リズ「ミグさん美人だからって、そんなハナの下伸ばしてぇ〜!」
大輔「いや、それはない」
なぜなら、ミグの本体がどんなのかは知らないが、俺が話しているのはThe Bookに他ならないからだ。
リズ「これから決戦だってのに、そんな緊張感なくていいんですか!?」
大輔「リズ…何をそんなに怒って…」
リズ「別に怒ってなんかいません!ただ、マスターがあまりに…」
ミグ「それは『ヤキモチ』という感情からくる怒りかと思われます」
リ・大「え?」
ミグ「自分の愛する者の愛情が他に向くのをうらみ憎む感情のことで、まあ『嫉妬』のことですね。
状況から判断するに、おそらくリズ…?さんは契約者である貴方への情のあまり、私と貴方の一連の会話を、恋する二人のように感じて憤りを感じた…それが先刻のリズさんの怒りの原因でしょう」
大輔「………」
リズ「ぁ……ぅ……」
ミグ「つまり、只今の出来事から推測するに、リズさんは貴方のことが…」
リズ「いやあああああああああ!!」
リズは真っ赤になって脱兎の如く逃げ出した。無論、俺も相当真っ赤だと思う。ミグだけが冷静に、そして心配そうに続ける。
ミグ「あ…リズさん…?…私今、リズさんに何か失礼なことを…?」
大輔「………」
ミグは冷静かつ天然であることを知った。
405名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/11(木) 23:03:26 ID:/b47d9gA
###「アヤお嬢様!お待たせ致しました」

アヤ「あ!皆さん!馬車が来ました!」
委員長の声のするほうに顔を向けると、――――――――あれは何だ!?
???「クエー!!」
???「クエーーー!!」
???「ケーーーッ!」
???「クエッ!クエッ!クエッ!」
…あれは、馬か?…鳥だよな?どう見ても絶対鳥だよな!あれ。
すげーでけえ鳥が4羽、屋根付き荷車を引いて現れた。
大輔「……い、委員長?あ、あの……」
アヤ「さあ、皆さん乗って下さい」
タマキ「おお!すげー良い馬じゃん!」
ユカリ「カッコイイ!」
ミサキ「うふ、とても可愛い目をしてますね?」
タカシ「おおい!チビっ子!出発すんぞー!置いてくぞー!」
リズ「も、も〜!チビっ子って言うの止めて下さい〜!リズって名前があるんです〜!」
大輔「……あ、あのう?委員ちょ―――」
アヤ「ありがとう。爺はここで良いわ?」
###「はいお嬢様、隣街まで買い物に行かれるそうで。どうかお気をつけて」
初老のおっさんは馬車(?)から降りた。
大輔「…あれ?…あの?委員長?隣街に買い物?」
アヤ「うん、えへへ。爺も帰り、歩きになるけどごめんね?気をつけてね?」
……俺、ひょっとして、委員長にスルーされてる?
タマキ「ほら!ダイスケも早く乗んさなさいよ!」
大輔「馬じゃない………」
でけー鳥は、けたたましくクエー!とか鳴いていた。
406名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/11(木) 23:16:15 ID:/b47d9gA
「さ」がいっこ余計な箇所がありますた。…………orz
407名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/12(金) 02:33:17 ID:4rAd7xxl
初期〜沖縄までのライター「久しぶりに来たらかなり進んでるな。もう一度復帰してシナリオ書こうかな?追いつき次第、再び参戦するよ」
408名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/12(金) 13:04:43 ID:qiHsR3lO
$$$「待って…待ってください…ッス〜」
この声は…
ユカリ「あ、ヒナちゃん」
タマキ「ありゃ、レンカもいる」
しばらくすると、二人の女の子がそばまで駆け寄ってきた。
ヒナタ「センパイ、ヒナを置いていくなんてひどいッス! この前のときだって…」
大輔「いや、ヒナタを危険な目に合わせるわけにはいかなかったからさ」
とは言ったものの、バタバタしてて忘れてたなんて言えないよな…。
ヒナタ「センパイ…。それでもヒナは…センパイの…ゴニョゴニョ」
なぜかヒナタはうつむいて指を突き合わせている。最後のほうはよく聞き取れなかった。
大輔「ヒナタ?」
ヒナタ「と、とにかく、ヒナもついていくッス!」
レンカ「あ、ウチも…ウチもついていくで〜。でないと…うぅ」
レンカはいきなり嗚咽をもらし始めた。
タマキ「レンカ? どうしたの?」
レンカ「あの二人が、あの二人が…」
タマキ「二人? なんのことよ?」
レンカ「お願いやから、連れてってくれ〜」
大輔「どうする?」
俺は今回の責任者である委員長に向けて問い掛けた。
アヤ「ダイスケくんにまかせるわ」
大輔「そうか、それじゃあ…」

【連れていく】
【連れていかない】
409名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/12(金) 15:19:38 ID:7qab5txv
【連れていかない】

大輔「駄目だ!お前らは残れ!」
レンカ「ええ!!」
ヒナタ「そんな〜!」
大輔「遊びでやってんじゃないんだ!駄目だったら駄目だ!」
ヒナタ「あ、遊びだなんて!ひどい……」
大輔「それでも気持ちが変わらなかったら、お前らは明日みんなと一緒に来い!委員長!」
アヤ「は、はい!?」
大輔「馬車(?)を出発させて!時間が勿体ない!」
アヤ「う、うん……大輔くんがそう言うなら……レンカさん、ヒナちゃん、ごめんね」
委員長は馬車(?)を出発させた。
キョウコ「頑張れよー!」

ヒナタ「うう〜。先輩、酷いです〜。あんまりです〜」
レンカ「………あかんて」
ヒナタ「え?」
レンカ「あんクソダボがあ!このまま引き下がってられるかあ!」
ヒナタ「レンカさん?」
レンカ「関西人の根性みせたるわ!おりゃああ!出てこいやあ!ぐーちゃん!!」
ぐーちゃん『きしゃーーーー!!!』
ヒナタ「レンカさん中国の人じゃ……」
レンカ「ほな行くで!ほらヒナちゃんもぐずぐすせんと早よ乗り!」
レンカ「は、はい!」
マナミ「レンカさん!早くしないとあの人達見失っちゃうわよ!」
ヒナタ「あ、あれ?」
レンカ「マナミ、お前いつの間に!………ええい!しっかりしがみついとけや!落っこちても助けへんで!!」
ぐーちゃんは、かしまし3人娘を乗せたまま大空へ飛び立っていった。
410名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/12(金) 20:00:11 ID:idWN7BHc
???「>>407 ここはみんなでギャルゲのシナリオを作るスレだからな。いつでも来い」

クエーエエーッ!
クエッ、クエゥ!
ウグ、グググ、ゲゲゲゲッ!
ケェーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!
大輔「………」
大輔「なぁ委員長、アレどうにかなんないの? 非常に耳障りなんだけど…」
4匹の雄叫び(?)があまりにウルサイので、俺は委員長に聞いてみた。
アヤ「どうにもなりません。その代わり速さは保証しますから」
ミグ「この動物はランバードという鳥類です。その名の通り走る鳥で、最大120km/時という俊足を持っています」
大輔「そ、そうなんだ…。詳しいんだね」
ミグ「もちろん、世界の全てが記された本の孫娘ですから」
ミグ「ちなみに、原産はエンハンス公国。230年前ほど前に貿易経路を通じて生息地域が急激に拡大、現在は世界各国に広く分布しています」
ミグ「陸の交通手段として多用されておりますが、食用にもなるので、畜産も盛んに行われています」
ミグ「最大の生産国はヒド王国。全世界の生産量の23.2%を占めており、このうちの91.8%が輸出されております」
ミグ「なお、正式名称がランバードであり、俗称はありません。もちろんボコチョなどという名前もありませんので、お間違いのないようご注意くださいませ」
大輔「あ、ありがとう、ミグ…」
途中で止めようかと思ったのだが、つっこむ機会がなかった…。
大輔「ところで委員長、結構景色が速く流れてるけど、これってどのくらい速度出てるの?」
アヤ「えっと…今、時速86kmですね。魔術師の飛空系呪文には遠く及びませんけど、馬車としては快速でしょ?」
大輔「まぁ、確かにそうなんだけど…木製の馬車で、しかも地面が舗装されてるわけでもないのに、よくそんなに速度出せるね」
アヤ「ええ、この馬車はシールド張ってありますから、そう簡単には壊れませんよ」
大輔「そうなんだ…」
411名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/12(金) 22:31:26 ID:pQAqYKFH
???「>>407おかえり」

城塞都市フォートレスの北門を抜けて、俺たちは一路北に向かう。
アヤ「このままクメナまで一気に行きます!頑張ってね!メグ!ジョー!ベス!エイミー!」
アヤは4匹の鳥っ子ランバードを手綱で操りながら叫んだ。
鳥達は荷馬車を引いたままものすごい速さで荒野を掛けていく。
タマキ「どのくらいの時間で行けるかな?」
ユカリ「ちょっとまってね?えーとね、んーとね、今がここでしょ?でもってクメナがここだから…」
タカシ「そうだね、この調子だと、ざっと2時間半くらいってとこかな?」
…2時間半か。時速86kmが2時間半保たれたとして215km。…およそ200km強くらいだろうか。
???「センパーイ!」
大輔「ん?」
遠くから誰かの声がした。はて?聞き覚えのあるような?
???「コラー!このド阿呆が!見つけたでー!追いついたでー!」
今度は分かった。レンカの声だった。
振り向いたその先に――――――翼のある化け物が空を飛んでいた。
大輔「な!!?」
化け物がぐうんと急降下し始め、馬車に並走して低空飛行になる。
その背に誰かが乗っているのが見えた。
ヒナタ「センパーイ!」
レンカ「ゴルァ!ダイスケ!うちらを置いてきやがって!後でしばく!絶対しばく!覚悟しとけ!このタゴサクが!」
大輔「げっ!?」
ヒナタとレンカだった。
タマキ「あ、あんた達!来たの?」
ヒナタ「どうもですー!来ちゃいましたですー!」
マナミ「こ、こんにちわですー!お初ですー!」
ミサキ「まあ、こんにちわー」
ユカリ「あれ、あの子は?」
…あれ?3人?…もう1人いる?あの子は確か、今朝食堂で会ったコだ。
確か、昨日の試合でレンカに勝った、ドンワルショーネの子だ。
412名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/13(土) 11:01:33 ID:VKgxbQMR
大輔「何しに来たんだよ! お前ら校長から許可貰ってないだろ!」
馬車の窓から上半身を乗り出して、大声で叫ぶ。
レンカ「許可なんか必要あるかい! 人を仲間はずれにしおった制裁のついでに、前線基地も破壊したるわ!」
大輔「危険だって言ってるんだよ、バカ!」
レンカ「バカ〜!? 真剣になっとる私がバカだと!? 後でしばく! 絶対しばく! 覚悟しとけ! このタゴサクが!」
大輔「………」
大輔「もういい…」
無限ループに陥りそうだったので、俺は反論を諦めた。
ヒナタ「先輩〜、微力ながら協力させてください。Dランクの底力、見せ付けてやりましょう!」
んなもん見せ付けなくていい。
マナミ「こんにちはー! 私も協力しますのでよろしくお願いしますー」
彼女は…確かレンカと試合しているときに見たな、タマキが「精霊は弱いが、体術が冴えてる」と言っていた娘だ。
レンカの精霊(グリヴァーと言ったか)の攻撃をすべて避けていたから、能力的には期待できるかも知れない。
何故か分からないが、夏江の妹ということになってるし…。
俺はヒナタとマナミに手を振って返すと、外に出していた上半身を引っ込めて椅子に深く腰掛ける。
そして、少し休むか、と目を閉じると、
アヤ「あっ! ちょ、ちょっと、みんな、あれ見て!」
突然、委員長が驚愕の声を上げた。
大輔「なに、どうした? うっ…」
アヤ「だって、あれって…」
(BGMが重苦しい雰囲気のものに変わる)
委員長が指差す方角を見ると、遙か先、山を越えた向こう側から黒煙が上がっているのが見える。
これだけでは別段どうということもないだろうが、確かにどことなくキナ臭い雰囲気があった。
委員長が声を上げたときから、身体全体に針で刺されるような痛みが走り、俺の中の何かが強い警笛を発していた。
アヤ「あそこって…前線基地の場所だよ。どうして黒煙なんか…」
タカシ「事故か何か…じゃないよね」
アヤ「うん、違うと思う。魔方塵がこの辺りまで散らばってるから、なにか魔術が放たれてるよ。しかもかなり強力なのが」
大輔「なんだって!? …よし、行ってみよう。委員長、行けるか?」
アヤ「うん。どんなに飛ばしても2時間近くはかかると思うけど…」
大輔「いや、いい。飛ばしてくれ」
アヤ「はいっ」
413名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/13(土) 22:18:51 ID:gxaIj+AE
馬車は進み、切り立った崖に囲まれた道を通る。
アヤ「ここを越えればクナメまでもう少しです!激しく揺れるので舌を噛まないよう気をつけて下さい!」
地面はものすごいオフロード。車体はこれ以上ないくらいガタガタ揺れる。
大輔「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙…」
タマキ「…うるさいよ大輔…」
大輔「いや、これはデコボコ道を走るときの礼儀だろ」
タマキ「……………そうかぁ」
こんな中をランバードはさっきまでと変わらないスピードで走る。その脚力とスタミナはハンパじゃないと思った。

タカシ「!まずい!!」
いきなりタカシが叫ぶ。どうしたのか聞こうと思った瞬間
ボガ―――ン
両サイドの崖の上で轟く爆発音。そして
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
ユカリ「な、なななななな何!?」
その爆発により削りとられたおびただしい量の岩が、馬車目がけて落ちてきた。
タマキ「うわわわわわ!落石!?」
ミグ「…いけませんね。このタイミングはちょうど馬車に直撃です…」
大輔「な、なんだってーー!!つーか何でそんな冷静なんだよ!!」
ミグ「お言葉ですが、これでも非常に取り乱しております。ただ表にあまり出ないだけで…」
大輔「…………そうかぁ」
…ええい!ここでやられるなんて冗談じゃねえぞ!何とかしなきゃ…!
414名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/13(土) 23:58:53 ID:8LmZC+lx
ミサキ「は!そうだ!完全防壁の魔法で!あ、あれ?詠昌が間に合わない!?」
考えている暇はなさそうだった。
大輔「リズ!俺に入れ!」
リズ「は、はい!?」
大輔「いいから早くしろー!」
リズ「は、はいですマスター!」
リズの姿がぽんと消えた後、身体中に力がみなぎる。
大輔「ぬおおおお!」
俺は馬車の屋根に駆け上がった。
タマキ「ダ、ダイスケ!?」
落石はすぐ目の前まで迫っていた。
大輔「当たれ!」
俺は馬車に落ちてきた最初の岩を氷の刃で弾き飛ばした。
ギインと鋭い音がこだました。
大輔「うげっ!硬!」
刃の先は欠けてないと思うが、とにかく硬かった。すぐ次が来る!
大輔「割れろ!」
ガキンと音がして岩が真っ二つに割れ、馬車の両サイドに分かれてドスンと落ちる。
ひょええ!俺、岩割ってるよ!俺、高校生だぜ!?
岩は尚も次々降ってくる。
大輔「うおりゃ!ド畜生がぁ!これでもか!……あ!」
前方で荷車を引いているランバートの上に岩がドカドカ落ちてきた。
大輔「間に合わない!?」
タカシ「ゼロ!シャドーブレード!」
足元の屋根の下から黒い光が伸びて、ランバートの上に落ちてきた岩を次々と薙ぎ払っていく。
タカシ「お兄さん?考え無しの蛮行はほどほどにね」
大輔「けっ!」
足元からクソガキタカシの声が聞こえてきた。
タマキ「全く馬鹿なんだから!」
気がつくとタマキも馬車の屋根に登ってきていた。
タマキ「行くよシルフィー!ミサキの防壁魔法が出来るまで頑張るよ!」
415名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/14(日) 00:37:51 ID:0VgzjhLK
タマキはシルフィードを呼び出すと、俺と同じように身体に取り込み、構えを取る。
タマキ「烈風掌!」
ゴゥン!
裂帛の気合いとともに、この前の試合の時にも使っていた突きで岩を四散させる。
大輔「おぉー、素手で岩を割りやがった。すげーな…」
タマキ「あいたたた…さすがに素手でやるとちょっと痛いわね」
大輔「だ、大丈夫かタマキ」
タマキ「あはは、平気平気…」
ミグ「この一帯は石英を多量に含有している硬質の花崗岩が密集しています」
ミグ「石英は二酸化ケイ素が結晶して出来たガラス光沢を持つ鉱物で、モース硬度は7」
ミグ「ただ、あくまでも石英は主成分ですので、実際の硬さは7より落ちると思われますし、そもそも破壊エネルギーとしては速度と質量の方が問題ですので、硬度はあまり重要じゃありませんね」
大輔「なら長々と解説するなよっ」
タカシ「爆裂魔法(エクスプロード)!」
カッ!
ゴオォゥゥン!!
タカシの放った爆裂魔法が命中し、落ちてきた岩を粉砕する。
大輔「おおー! タカシ、やるじゃんか! ぬるぽ!」
ガッ!
大輔「ぐあっ! いってー!」
横合いから飛んできた拳大の岩が、俺の顔面に命中する。
本気で痛い…“ここ”の特性を失念していた。
416名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/14(日) 03:56:06 ID:tItjOqiP
燃えるクナメにて

「助け・・・うっ・・・・・」
男は、その“黒い刀”をつき立て、一つの生命を絶たせた
ヒビヤ「・・・・」


〜回想〜>>375の続き
ヒビヤ「お呼びでしょうか」
ノヴァ「ナメクの前線基地の破壊をお前に命ずる。容赦はするな。そこにいる全ての者を殺しても構わない!」
ミオ(あんなに声を荒げちゃって・・・・ご機嫌ななめね・・・Kのカードも大輔達に
取られちゃったみたいで仕方ないけどさ・・・・)
ヒビヤ「承知いたしました。では、先鋭部隊を連れ、今すぐ向かいましょう」
ノヴァ「あまり失望させないでくれ。お前にはKのカードの奪取も命じたはず。
それを易々と取られるとは・・・。」
ヒビヤは僅かな笑みを浮かべ言った

ヒビヤ「ご安心を。Kのカードには封印が施されており、解除しない限り彼らには使う事すらできません。
>>203参照。2重プロテクトを掛けております。
そう・・・。僕の大切な人の想いと、僕が掛けた封印によって。」




ヒビヤ「鍵を握るのは美咲。君なんだ。君が世界の崩壊を望めば僕は喜んで殺戮を行おう」

417名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/14(日) 03:56:41 ID:tItjOqiP
スマソorz
あげてしまた
418名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/14(日) 06:40:11 ID:3RFNjUSb
〜現世・美咲の家〜

澪「月島、しっかりしろっ!」
美咲「悠ちゃんが行っちゃた…またいなくなっちゃった…」
月島は泣きながら、うわ言のように同じ言葉を繰り返していた。
澪「…やはり方法が荒すぎたのか」

氷室たちが現世を発ってすぐ、私は月島の様子が気になり彼女の家に向かった。
あのカードは、性質としては呪われた道具に近い。
故に、無理矢理引き離せば厄介な影響を残す恐れがある。
――わかっていたのにな。
なのに雪村を制止せず、ショック療法にでもなるだろうと楽観視し、力を貸した。
…愚かだった。その結果はこのザマだ。

澪「とにかく落ち着け。同盟…いや、雪村たちに頼んで何とか会員証を取り戻すから」
言葉に反応し、月島が私に顔を向ける。
今もなお、うつろな瞳。やはり、カードの影響が強すぎたか…。
美咲「…頼むの?」
澪「ああ。大丈夫、きっとわかってくれるから」
美咲「駄目だよ…」
澪「つ、月島…?」
美咲「頼むなんて…そんなの私は絶対納得しないから!!私の悠ちゃんを獲っちゃう人たちなんだよ?
   そんな人たちなんて…苦しめて苦しめて…自分で死にたくなるくらいまで苦しめてしまえばいいのよ!!」
もはや狂気に満ちた瞳で声を荒げる。
美咲「ねえ、澪ちゃんは私の味方だよね?ちゃんと戻ってきてくれたんだもん、美影ちゃんたちとは違うよね?」
月島の心は壊れかけていた。それに、こんな月島をこれ以上見たくも無かった。
だから…私は心の支えになろうと思い、応えた。
それとともに、月島は落ち着きを取り戻し始める。
美咲「ありがとう…。私ね、澪ちゃんにお願いがあるの…」
419名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/14(日) 08:35:47 ID:EMkNOXrb
ギャハハハハハハハハ(^O^)チンカス臭い文章だねー
まるてチンコ花火SSじゃん

ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(^O^)絶望的な文章能力のチンコ花火厨オジサン自作自演駄文連貼りキンモーイ
420名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/14(日) 08:55:06 ID:0VgzjhLK
順子「伊達にあの世は見てねぇぜ! 食らいやがれ、レイガーン!!」
夏江「死ねぇ! ギャァァリック砲ぉぉ!!」
>>419は悲鳴を上げる間もなく、Sクラスをも遙かに凌駕する順子&夏江の連携攻撃を受けて消滅した。
順子「うふ、久しぶりの見せ場。邪魔者は始末したわ♪」
夏江「何事もなかったかのように初めて頂戴ね〜」
421名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/15(月) 13:17:37 ID:c782gj7Y
話としては>>415の続き

ミサキ「よし、完成!いくよ!フィールド、オープン!!」
ミサキさんが杖をかざすと、青白いドーム状の光があらわれ、馬車をランバードごど覆った。
ミサキ「ふぅ〜…これで大丈夫……」
一同「助かった〜」
緊張がとけ、皆でその場にへたりこむのだった。
タカシ「しかし…今の落石、明らかに人為的なものだよ」
大輔「人為的って…じゃああれは誰かが起こしたのか!?」
タカシ「おそらくそうだろうね。それも、さっきの爆発のタイミングからして、僕たちを狙っていたんだろうね」
大輔「なんてこったい…」
疑惑を残しつつ、馬車はクナメへと進む。
422名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/15(月) 19:46:54 ID:AFIQ7SV9
落石現場から2時間近くかかり、ようやく俺達はクメナ村に到着する。
大輔「これは…どういうことだ」
遠くから見ていて半ば予想していたことだが、いざこの場で実際の光景を目にすると、そう言わずにはいられない。
クメナ村の前線基地は、建設をしていた痕跡こそあれ、立ち並ぶ石壁は廃墟のような有様だった。
ほうぼうにバイサイマンなどの死骸が転がり、黒煙が腐臭を帯びた風になびいている。
そんな中を、俺達はただ呆然と立ち尽くしていた。
アヤ「どう考えても、一戦あった感じよね…」
タカシ「そうだね…ただ、そこら中に転がってる死体はザーリフ陣営のヤツらばかりだから、ほとんど一方的みたいだけど」
ミサキ「同盟軍がここまで完膚なきまでに破壊工作をするとは思えませんので、ノヴァ陣営と一戦に及んだのかも知れませんね…」
レンカ「お、おーい、みんな! こ、こっち来てみぃ!!」
小さな丘になった場所から、レンカとヒナタが手を振って呼んでいる。
どことなくレンカ達の声が上ずっているように聞こえたが、俺達は互いに顔を見合わせつつ、小走りにレンカたちのところへ向かった。
ヒナタ「先輩、こ、これ…」
ヒナタが震えながら指差す光景を見て、全員が息を呑む。
大輔「マジかよ…」
そこには、直径にして50メートルはありそうな巨大クレーターがあった。
周辺の建物や木々まで根こそぎ焼き尽くし、まるで何もない惑星に不時着したかのような気分になる。
タマキ「ば、化け物ね…」
大輔「まったくだ…」
俺は救世主とかいうものらしいが、本当にこんな凄まじいコトが出来るようになるのだろうか…。
そんなことを思いながら嘆息すると、不意にカンッと石の打ち合うような音が鳴り響く。
誰かいる!
反射的に振り返ると、そこには――
423名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/15(月) 21:28:10 ID:RREUAQVn
負傷兵「うう・・・腕が・・・・脚が・・・・助けてくれ・・・」
そこには無残にも膝から下が無くなり、落ちた片腕をかろうじてくっついてる手で握り締めたザーリフの残党が這っていた

大輔「う・・・」
俺は目の前にいる死体一歩前のそれに対して、哀れさや手当てを考える前に激しい嘔吐感に見舞われた。
ミサキ「どうしたんですか?・・・・ひっ!!!」
俺はミサキさんの小さな悲鳴で我に帰る。
ヒナタ「どうしたんすか〜?」
大輔「だめだ!!!!こっち来るな!!!!」
が、遅かった。その場にいた全員は目の前の惨状に息を呑む。時を再び動かせたのは負傷兵だった。
負傷兵「黒い・・・カタ・・・・ひ・・・ビ・・・ぐっぉ」
兵士はどす黒い血を噴出し絶命した。
ミサキ「ひ、ヒドイ・・・誰がこんなことを・・・・」

こんな光景を目の当たりにして、俺は要約自分が非日常世界にいるという実感が沸いた。
殺される恐怖。殺す恐怖。人が人でなくなるような、そんな世界の中にいると。

が、俺以外こんなことに慣れていたという訳ではない。
案の上ミサキさんは震えてるし、タマキでさえ泣いている。
こんな時、俺くらいしっかりしなくちゃな。
【とりあえず兵士の供養くらいするか】
【街をもう少し調べよう】
【か、帰ろうか・・・・】
424名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/16(火) 00:24:50 ID:kt74zgRX
【もう少し街を調べよう】
亡くなった兵士に手を合わせ、みんなのほうを向く。
大輔「みんな! 顔を伏せてる場合じゃない。目的を忘れたのか!?」
そう、目的だ。さらわれたアスカを助けるために俺たちは来たんだ。
タマキ「そ、そうよね。早くアスカを探さなきゃ」
レンカ「でも、もしかしたらアスカはんはもう…」
…………。
場に重い空気が流れる。ユカリやヒナタにいたっては目に涙を溜めている。
大輔「まだ…まだ決まったわけじゃない。今もどこかで助けを待ってるかもしれない。探すんだ、手遅れになる前に!」
タカシ「お兄さんの言うとおりだよ。早くしないと助かるものも助からなくなる」
ここでやっと、みんなが顔を上げる。
タマキ「そうよ! きっと生きてる。アスカだって弱くないんだから!」
ユカリ「うん、探そう。助けを待ってるはずだよ」
大輔「じゃあ、3人ずつに別れて、レンカの組は空から頼む」
レンカ「わかったで」
さて、誰と行動しよう。
一人目
【タカシ、ユカリ、タマキ、ミサキ、アヤ、ヒナタ、レンカ、マナミから選択】
二人目
【一人目で選ばれなかった人から選択】
425名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/16(火) 00:38:06 ID:pXeUQ/1z
【とりあえず兵士の供養くらいするか】

俺達は兵士に土をかけた。
ユカリ「か、火葬にしたほうが良かったかな?なんて……」
大輔「…………………」
ユカリ「じょ、冗談よ!なによ!そんな睨まなくったって……ぶつぶつ……」
タマキ「ユカリ?こういうときは冗談言わないの」
ユカリ「ご、ごめん」
ミサキ「…全能なる父よ、今ひとりの帰らざる不幸な御霊があなたの元に旅立ちます。
   願わくば彼の者に大いなる慈悲と安からな眠りをお与え下さい……」
ミサキさんがひざまづきお祈りをしていた。
他のみんなもミサキさんにあわせて両手を握り合わせて胸に当てていた。
俺だけ両手を合わせてしまっていた。

レンカ「明日は我が身か……」
マナミ「あう…そ、それはイヤかも」
ヒナタ「………………せ、センパイ!」
大輔「な、何?ヒナちゃん」
ヒナタ「センパイは死んじゃうんですか!?うう、死んじゃイヤです〜!ううううわーーん」
大輔「…………あのう?」
アヤ「大丈夫よヒナちゃん?大輔くんは私が守るから」
そのときの委員長は、その姿こそ委員長だったが、まるで雪村さんを見ているようだった。
426名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/16(火) 00:40:17 ID:pXeUQ/1z
ぬお?スマソ被った。
427名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/16(火) 00:44:30 ID:UDXqsE6e
>>425>>424
にすれば平気だね
428名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/16(火) 01:01:39 ID:UDXqsE6e
ってことで>>424から
回復役は必要と考えて、ミサキさんは決定。
あともう一人は・・・
タカシ「ねぇ。ミサキお姉ちゃん連れてくの?だったら僕も連れてってくれないかな?なんか嫌な予感がするんだよね。ミサキお姉ちゃんに何かが起こりそうな。杞憂で済めばいいんだけど。」
まあ、コイツ見掛けによらず結構強いし、認めたくはないが、現段階では俺よりは強い。
あくまで、現段階だからな!!
大輔「おう。じゃあ、よろしく頼む。」

429名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/16(火) 10:02:34 ID:WfKKhvZB
大輔「こいつはひでぇ…」
ミサキ「うぅ…」
タカシ「………」
村の奥に行けば行くほど、光景は凄惨さを増していく。
焼け朽ちた家々、転がる死体。人肉の焼ける臭いが鼻をつく。死屍累々とはこのことを言うのだと思った。
大輔「くそ…アスカはどこに…どこにいるんだよ…」
タカシ「アスカさんはザーリフたちに捕まったんだろ?だったら、いるとしたら基地の方だと思うよ」
頭にひとりでに浮かぶ最悪の可能性。それを必死に否定しながら、俺は基地建設予定地へと向かうのだった。


――その頃、ユカリ視点
ユカリ「なによ…あんた!」
???「ん〜なんだろうかねぇ…」
ダイスケたちが村の探索に出て少ししてから、妙な男が私たちの前に現れた。
オレンジの長髪に似合わない漆黒の服、背中には大太刀。焼け野原でその姿はひときわ異彩を放っていた。
ふざけた話し方から、軽い印象を受けるけど、内に秘めた力は相当のものを感じる。
アヤ「その服…あなた、ドレッド…!?」
???「あ〜れ?知ってんじゃねーか。そんなら、話は早いな」
ドレッド…あの犯罪者ギルド!?なんでそんなやつが私たちに…?
???「まあ、何だ?昨日お前らウチがせっかく操ってたベヒーモス殺しただろ?あれ、けっこうウチには痛手だったんだぜ?」
???「で、ドレッドの基本方針は『ドレッドに仇なす輩は皆殺し』だ。…まぁ、そういうこった」
アヤ「あの落石もあなたの仕業ね!」
???「ごめーとー、てなもんだ。あれで任務が終わったらラクだったんだがな、さすがに甘かったか…」
???「ま…でも、やっぱり直接殺りあわなきゃ、つまんねぇよなぁ…!」
男が背中の剣に手をかける。とたんに、男の威圧感が急激に高まる。
???「女を殺す趣味はねぇが…ドレッドのために死んでくれ…」
大太刀が煌めく。あれは…精霊?
430名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/16(火) 20:54:44 ID:D1LjOKMV
大輔、タカシ、ミサキ(基地建設予定地へ進行中)
レンカ、ヒナタ、タマキ(グリヴァーに乗って空から探索中)
ユカリ、アヤ、マナミ(ドレッド団員と対峙中)

に分かれて行動中でいいんだよな。>>429から書く。

ドレッド団員「けけけ、俺は一応魔王(略)高校出身でな。少々の魔法くらいなら…」
男は精霊を身体に取り込み、剣を構える。
ドレッド団員「さ〜て、死んでもらおう、かねっ!」
気合いとともにそう言い放ち、ドレッド団員がアヤに斬りかかろうとした時、
ザシュ!
横合いから目にも留まらぬ剣閃がひらめき、ドレッド団員を両断していた。
ドレッド団員「………」
ドォッ!
ドレッド団員は自分に何が起こったのかも分からないまま、無言のまま地面に倒れ伏す。
???「まだザーリフ軍の残党が残っていたか…ろくに眠れやしない」
マナミ「だ、誰、あなた…」
次から次へと現れる男たちに、彼女たちは動揺を隠せない。
ヒビヤ「あんたたちは…ザーリフ軍じゃなさそうだな。俺はヒビヤ。ザーリフ軍以外の抹殺は命令されてないから安心してくれ」
アヤ「そ、そいつだってザーリフ軍じゃないはずよ。ドレッド団員だもの」
ヒビヤ「まぁそうだが、ドレッドはザーリフの手先みたいなものさ。時々こうして行動をともにしているからああ〜」
言葉が途中から大きな欠伸に変わり、ヒビヤと名乗った少年はごしごしと目をこする。
ヒビヤ「ちょっと一仕事したあとなんで眠いんだ。悪いが奴隷の解放はあんたたちに任せた」
そう言って、彼は瞬間移動魔法で数十メートル先の軒先まで飛んでいき、そこで寝息を立て始めた。
マナミ「………」
アヤ「………」
ユカリ「ね、ねぇ、どうする?」
431名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/16(火) 21:42:28 ID:UDXqsE6e
ユカリ「あの・・・ありがとうございます。一応お礼くらいは言っておきたくて。その・・・」
ヒビヤ「ん?ああ。気にしないでいいよ。それよりあまりここにいると君達も危険だと思うが。」
寝ていた彼は、ゆっくりとした手つきで私達の後ろを指さした。
マナミ「ひっ!?囲まれた・・・」
残党A「悪いなお譲ちゃん。こっちも混乱状態で味方以外は殺すように言われてんだ」
残党B「ん!?女だけじゃないな・・・って、あ・・・お、お前・・・」
残党C「ひ、怯むな!!人数では・・・・うっぉ」
その刹那、最後の言葉を言い終える前に首が飛んでいた。
残党A「抜刀せずに、鞘だけで首を切るなんて・・・・ば、化け物・・・」
ヒビヤ「これは寝てられませんね。相手は5人程か・・・。ああ、お嬢さん方。逃げるなら今の内ですよ」

しかし、私達は誰一人一歩も動こうとする者はいなかった。
動けない、いや、彼の戦いに多少なりとも見惚れてしまっていたのかもしれない。
見たい。もっと見たい。と。
432名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/17(水) 02:02:07 ID:KLZQ992N
??「そういえば、もう一つギャルゲ製作スレあったけど、結構進んでるな」
順子「これは負けてはいられないわね」
夏江「意地を見せましょう」
433名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/17(水) 02:38:54 ID:NN7LjP11
ヒビヤ「さて、覚悟してもらおう…か……」
ドレッドたちに向き合った彼だったが、突如顔を歪ませる。
ヒビヤ「く、くそ……や、やはり力を使いすぎたか……」
そのまま、剣にもたれかかるように崩れ落ちた。ど、どういうこと?
アヤ「ちょ、ちょっと!」
マナミ「い、一体どうしたのよ!?」
混乱する私たちだったが、ドレッドたちの反応は違った。先刻まで彼らに恐怖を与えていた対象が、
突然倒れたのだ。彼らは気を取り直したように、口元に薄ら笑いを浮かべた。
残党A「へ、へへ……よくわからねえが、そっちのあんちゃんさえいなけりゃ……」
残党B「へ、俺たちをビビらせた罰だ。ガキは八つ裂きにして、女どもは……」
数人のドレッドたちは包囲をせばめる。ど、どうしよう!?
マナミ「あ、あ、アヤさん、は、早く防御魔法を…」
アヤ「……時間がないわ。……あなたたちは逃げなさい! 私がなんとかする!」
ユカリ「そ、そんな……!」
下品な笑いを浮かべるドレッドたち……。私はどうすれば…!

???「ふむ、もう少し力を制御してほしいものだが……」
低い声と共に、一人の男が空間から滲み出すように現れる。周囲の環境と調和した魔法の使い方…
こんな綺麗な転移魔法、学園でも使える人は限られている。
現れたのは長身痩躯で、薄汚れたコート姿の男。無精ひげを生やしているけど、不思議と垢じみた感じはない。
???「? 見知らぬお嬢さん方がいるな? まあ、まずはザーリフの走狗を始末するか」
男はコートのポケットから数錠のカプセルを取り出して地面に蒔いた。すると次の瞬間……
「ギシャー!」
バ、バイサイマン!? カプセルから現れた怪物たちたちがドレッドたちを襲っている…!
この人は一体……。
ヒビヤ「や、やあハラワタ……。ぼ、僕は帰りの馬車を頼んだつもりはないんだけどね……」
ハラワタ「ふん、ならば時間通りに帰ってこい。やんちゃ坊主めが」
ヒビヤ「は、ははは……ぐ、ごほっ!」
ハラワタ「あまり俺の手をわずらわせるな。これでは何のためにノヴァ様がお前を派遣したのかわからん」
434433:2006/05/17(水) 03:40:43 ID:S5Ne2Pvx
ヒビヤとハラワタの関係?は前スレ431を参照にしました
435名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/17(水) 06:14:49 ID:TKW5Q4I1
夏江「まとめサイトの苦言・提案のところにメッセージがあったわ」
順子「私も同感だと思うから、ちょっと読んでみてよ」
夏江「それから、言い忘れてたけど、昨日、シナリオ展開についてのところに書き込んでおいたわ」
順子「是非、みんなの意見を聞きたいな」
436名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/17(水) 06:26:38 ID:KLZQ992N
ヒビヤ「すまない。多少力を使いすぎたようだ。何せこの刀は少々荒れるからな」
ハラワタ(圧倒的な破壊力を持っているが、やはり元は人間。力はあってもその器が小さくては、体力面で問題あり・・・か。改善しなくてはな。)
ヒビヤ「なに・・・せめて、ここにいる敵くらいは倒させてもらいたい。」
!?
残党A「うっ・・・」
残党D「ひっ、ぐぇっ・・・」
一瞬だった。黒い閃光が走ったかと思うと、次にはザーリフの残党は皆即死していた。
ハラワタ「抜刀するまでもないか。恐ろしい男だ。」





ハラワタと名乗る男は戦闘が終わると、ヒビヤと名乗る少年と少し会話した後に、帰ったようだ。
ハラワタ「仕事に忠実なのは分かるが、体には気をつけたまえ。まあ、お前が倒れるような事はないだろうが・・・また定時になったら様子を見に来る」


ユカリ「あの・・・大丈夫ですか?」
ヒビヤ「まだ、仕事が残ってるんでね。それにしても君達は僕の知り合いにソックリだ。これも何かの縁でしょう。途中まで護衛しよう」
優しく微笑する彼は、先ほどまでの冷徹且つ殺戮的な彼とは別人かと思えるくらい優しいものだった
437名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/18(木) 01:32:46 ID:d53a9Xq7
ハラワタが放ったバイサイマンが消えてないか?
438名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/18(木) 09:50:55 ID:jZPE9RjC
>>437
バイサイマン放つが残党に襲いかかる前にヒビヤが一掃ってことでいいんじゃないか?
てかバイサイマンってザーリフ陣営じゃないの・・・?
439名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/18(木) 11:38:40 ID:d53a9Xq7
>>438
バイサイマンは野良モンスターだと思ったぞ。
ザーリフ陣営とはどこにも書いてなかった気がする。
まー、とりあえず、次の人はバイサイマンの処理も忘れずにな。
440名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 02:33:04 ID:5lfLiz63
ヒビヤ「やれやれ、ハラワタさんもコイツらの始末くらいして帰って欲しかったよ」
彼はそう言い刀に手をかけた。
ユカリ「あの!待って!まさか・・・殺すの?確かにコイツら気持ち悪いけど、こっちの都合で出して何もせずに殺すのは可哀相だよ・・・」
ヒビヤ「・・・・・・・・・そうですか。分かりました。しかし野放しにしておくのはちょっと危険ですから・・・そうですね・・・・・・ハラワタさんの元へ返しますか」
いたずらっぽい笑顔を浮かべ、手を翳すと瞬時にバイサイマン達は消えた。
ヒビヤ「ハラワタさんもまさか返品されるとは思ってもないだろうな」
軽く溜め息をつき続けた
ヒビヤ「さて、これから仕事で奴隷の救出に行かなければなりませんね。僕もさぼってはなれませんし。それに部下ともはぐれてしまいました。彼らは元気でやってるでしょうか?心配です」
ユカリ(この人は慈善団体の一人なのかな?)
441名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 07:54:30 ID:jmGwsDGE
ヒビヤの奇襲で狂気の状態のウブがザーリフの残兵数名に、牢の鍵を開けさせようとしていた。
ウブ「みんなみんな肉塊にしてやる」
その背後から、白馬に乗り青竜刀を持った紫の鎧の騎士が駆けつけて対峙した。
紫の鎧の騎士「悪いが牢の中の方々は開放させてもらうよ。」
ウブ「誰だ、お前は。おまえから肉塊になれー」
ウブが鞭を振るうと、紫の鎧の騎士は青竜刀で軽くいなした。
ウブ「なぜだ、なぜ破裂しない。」
紫の鎧の騎士「この世界が物語だとすれば、僕と君にはメインキャラと雑魚キャラの格の違いが有るからさ。」

ヒビヤ「この先が奴隷の牢に続くと思う。すまないが俺はもう限界のようだ。ここで休ませてくれ。彼らの開放を頼む。」
タマキ、ユカリ、アヤはアスカを開放するために走った。
そして紫の騎士とウブが対峙している場所へ辿り着いた。

ウブ「おまえら、なんだ。おまえから、肉塊になーれ」
ウブはユカリに鞭を放った。
紫の鎧の騎士「危ない、お嬢さん。」
白馬からひらりと舞い降りた騎士は、ユカリを襲う鞭を青竜刀でなぎ払った。
鞭はウブの頭上に落ち、ウブは風船のように破裂し自滅した。

ユカリ「あ、ありがとうございます。ユカリ=ミズセと申します。あなたは?」
紫の鎧の騎士は鎧のマスクからハンサムな顔を見せ、爽やかに笑った。
紫の鎧の騎士「僕の事はマサカズとお呼びください。」
一国を治めるだけ有って、その実力は勇者並み、オンダ=マサカズの登場だ。
ユカリ(素敵な方・・・)
442名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 07:59:16 ID:jmGwsDGE
マサカズ=オンダでした。orz
443名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 10:23:45 ID:xuBC2wtA
三人は奴隷の牢屋へと直行した。
マナミ「アスカさん!」
アスカ「…マナミ?あなたも捕まったの…?」
アヤ「違うよ。アスカさんを助けにきたの」
アスカ「委員長…?じゃ、じゃあ…」
マナミ「そ、もう大丈夫ってこtうわぁ!?」
アスカはいきなりマナミに抱きついた。
アスカ「うっ、えぐっ、こわかった…こわかったよおぉ…」
マナミ「アスカさん…大丈夫、もう大丈夫だよ…」
嗚咽を漏らして泣きじゃくるアスカを、マナミは優しく抱き締めた。
ユカリ「これでミッションコンプリートだね」
アヤ「…私達、結局何もしてないけどね」
他の奴隷たちも助かったことを知り歓喜の声をあげる。これにて一件落ちゃk…
オンダ「い…いない!何故だぁ〜!」
ハッピーエンドな空気をぶち壊す素っ頓狂な声をあげる王子・オンダ。
オンダ「カナタ姫!?我がフィ〜アンセ、カナタ姫はいずこ!?せっかく城抜け出してまで助けに来たってのにぃ!」
ハンサム顔に似合わない狼狽ぶりに、周囲は少々冷め気味だ。一人の奴隷が見かねてこう言った。
奴隷1「あ〜…あの何とかいうお姫さんなら、ここが襲撃をくらった時に奴らに連れられて移動魔法でバユーンバユーンと…」
オンダ「な、な…」
なんだって―――!?

その頃、大輔は…
大輔「なぁ…いつになったら突入するんだ?あんまり待ってたらアスカが…」
タカシ「焦ったらだめだよ。好機を待つこと、これもまた勇気だよ」
俺とタカシとミサキさんは、基地入り口前の岩場に隠れ、未だ様子を伺っていた。それにしてもまったく動きがないn…
ヒビヤ「なんだい君たちは」
三人「どひゃああああああああああ!!」
急に後ろから声をかけられ、盛大にビビる俺たち。ほんと、口から心臓が出るかと思うくらいビビッたぜ。
ヒビヤ「そこで寝ようと思ったら、怪しさ大爆発の君たちを見つけたのさ。いったい何を……!!?」
ミサキ「へ?ななな何ですか!?」
男はミサキさんを見て驚いたような表情を見せた。…あれ、この人もしかして…日比谷さん?
ヒビヤ「…いや、何でもない(そうか…この娘は美咲の無食人だな…。…しかし、これは………美咲…)」
444名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 10:35:39 ID:xuBC2wtA
???「入口で見張ってたんなら大輔はユカリたちを見てるハズだが、まあそこは『別の入口から入った』とでもしておいてくれ
ユカリ組が先に出たハズの大輔より先に着く可能性がそれしか思いつかなかったわけで」
445名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 11:14:39 ID:5lfLiz63
ヒビヤ(しかし、フードを深く被ってるから顔が良く見えない。他人の空似かもしれないし。美咲に会いたいが為に見間違えているのかも・・・。)
大輔「あの、失礼ですがあなたは?」
ヒビヤ「ああ。名乗る程の者ではありませんよ。奴隷解放の手助けをしているところですが、部下とはぐれてしまいましてね。困ったものです」
大輔(慈善団体の一人なのか?)
ミサキ「それより先急ぎましょう!ダイスケ君!何か中が騒がしいみたい」
ヒビヤ(!?ん?まさか・・・氷室大輔か?どうりで顔を見た事があると)
ヒビヤ「失礼ですがあなたのお名前よろしいですか?一応生存者の確認をとりたいので」
大輔「あ、いいですよ。俺は“氷室大輔”です」
ヒビヤ「・・・・・・。そうですか。残念です。」
大輔「?え?」
ミサキ「私は―」
ミサキさんが言いかける前に男は立ちはだかった。
ヒビヤ「まさか。こんな所で会うとは。残念ですが、これ以上先へは行くことがないでしょう」
ゆっくりと刀に手をかける。
大輔「え?な・・・」
ヒビヤ「非常に残念です。僕はあなたの抹消も仕事に含まれているのです」
ゆっくりと近付いてくる男に、俺は言い様の無い恐怖心が芽生えた。
どうする?
【戦う】
【逃げる】
446連投スマソ描きたいシーンなので:2006/05/19(金) 12:31:42 ID:5lfLiz63
【戦う】
まずい。普通の敵とは圧倒的に何かが違う・・・・。
タカシ「お姉ちゃん、僕の後ろにいて。お姉ちゃんは僕が守るから」

俺は剣と抜き構える。
が、その暫時何が起きたのかは分からない。
直前に垣間見た光景は、地面をえぐる程の爆風が起き、詠唱途中であったであろう
タカシの体は数メートル高く吹き飛ばされ、うつ伏せに倒れていた。

そして次に視界入ってきたものは、厚い雲に覆われた空。
そして感覚が戻る
大輔(はぁ・・ぐっ・・声がでな・・・。うっ)
感覚を取り戻すほど走る激痛。喉とみぞうちをやられたらしい。
そこで、男は初めて抜刀。
ヒビヤ「もう終わりです・・・・」
喉もとにつきたてられた刀は距離にして5センチほど。
鮮やかな黒というものは見たことがない。その刀は見ほれてしまいそうな“黒”
陳腐なメタリックブラックなどとは比較に出来ないほどだった。

ミサキ「・・・めて、やめてよ!!!!!!!」
かろうじて魔法で衝撃を受け流していたミサキさんのみ立っていた。
しかし、衣服はところどころ破れ、フードはどこかに吹き飛んでしまったらしい。
その瞬間、時がとまる。
447連投スマソ描きたいシーンなので:2006/05/19(金) 12:33:13 ID:5lfLiz63
ヒビヤ「美、咲?美咲なのか・・・・?」
男は驚きとも悲しみとも取れる表情をしていた
大輔(ああ、こっちの世界のミサキさんはやっぱりネコ耳が生えていた・・・
死ぬ前に謎が・・・分かっただけ・・・いいかな)
死ぬ直前に走馬灯を見るというが、俺はそんなどうでも良いことを考えていた。

タカシ「う・・・クソっ・・・」
タカシは持てる力全てを出し、持っていたナイフを男に投げ、再び倒れる。
が、当たる直前に男は我に帰り避けようと試みたがしっかりと頬から眉間に掛けて切り裂いた。
ヒビヤ「!?あっ・・・。」
手を添えてよろけた男は俺から離れ地面に向かい太刀を振るう。
448連投スマソ描きたいシーンなので:2006/05/19(金) 12:34:10 ID:5lfLiz63
轟音とともに激しい爆発。
俺の意識も薄れかかってる。
大輔「つ・・め・・・たい、、な」

雨が降り始めていた。男はもうどこにもいない。
そこで俺の意識は途切れた。
449名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 12:49:20 ID:xuBC2wtA
450名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 13:15:56 ID:5lfLiz63
>>449
すまない。このシーンは前々からどうしても書きたかった。今は反省している。
451名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 14:26:19 ID:RZU6PzsL
順子「>>445-448、どうしても書きたいシーンだから連投…ってのはどうかと」
夏江「『みんなで作るスレ』なんだからマナーは大事にね」
順子「話を止めるのも良くないんで続けるわ↓」

ああ…もう痛みすら感じない。感じることはただひとつ…、
???「…輔……大輔…」
誰かが俺の名前をしきりに呼んでいるということ。それだけだ。

静かにしてくれ。俺はもう駄目なんだ。もう眠らせて欲しい…。
意識が深い闇に、沈むように落ちていく。ついに死ぬのか…。
ただ…その前にひとつだけ気になることがあった。

ぺろぺろ

誰かが俺の顔を舐めている…。
いや、人を起こそうとする場合、普通は顔を叩いたりするわけであって…。
誰だよ、この奇行の主は。
…死ぬ前にそいつの顔を拝んでみるのも悪くないか。
重い瞼を開く。そこには――。

ポッキー「わぉん!」
大輔「うを!ポ、ポッキー!?……ってあれ?ここは…」
ゆかり「大輔!良かった…気が付いたんだ…」
どういうわけか、さっきまでとはまったく異なる光景が広がっていた。
見覚えのある少女と犬。
見覚えのある鳥居と社。
間違いない。ここは、現世だ……。

――5月6日(月)――
452名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 15:40:04 ID:AOGHoF4e
プレイヤー「なにぃ!?」

―小百合視点
小百合(はぁ、まさか殺そうとするなんて…。
今回は間に合ったみたいだけど、次も大丈夫な保障はないし、まったく、ヒビヤにはあとで忠告しておかないと。
これで双方の世界に異常が起きてなければいいんだけど…)
考えてても仕方がないので、散歩用の綱を取る。
小百合「ポッキー、散歩行くよ!」
ポッキー「わおん!」
小百合(ま、大丈夫だよね)
453452:2006/05/19(金) 16:24:39 ID:AOGHoF4e
???「ん? 鳥居と社? ポッキーはゆかりと散歩中なのか?
ミスったらしい。散歩に出掛けるところを抜かして読んでくれ」
454名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 16:45:20 ID:0ifCw+tl
…最近なんか展開が唐突すぎて変だ。
455名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 20:08:28 ID:xuBC2wtA
同感。流れをもっと尊重しような。
456451:2006/05/19(金) 20:28:38 ID:RZU6PzsL
…悪かった。確かに唐突にも程があった。
>>451はスルーしてくれくれて結構です。
457名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 20:40:39 ID:xuBC2wtA
いや、その展開は俺は『やられた!』て感じでなかなかいいと思う。これからの展開にもよるけど。
異世界でクナメに着いてから乱入者多杉なのが気になっただけ。
458名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 20:59:55 ID:zgWXtV7+
順子「私も現世に戻ってくるのはそんなに悪くないと思うわ。ちょっと急ではあるけど、漫画なんかでも時々見かける展開だし」
夏江「というワケで、>>451から続けるわよ」

ゆかり「どうしたの? 身体大丈夫? どこか痛くない?」
神社なんかに倒れていれば当然の反応だろうが、ゆかりはしきりに俺の容態を聞いてくる。
だが、今の俺にそんな余裕があるはずもなく、ただ唖然と現世の風景を見つめていた。
風に揺れ、カサカサと葉擦れの音を立てる木々。
頬に触れるのは、陽春をはらんだ5月の風。
現世のはずなのに、なぜかその風景には現実味が感じられなかった。
一体どういうことだろうか…。
俺はなぜ現世に戻ってきた?
まさか向こうで死ぬとこっちに戻ってくるのか…?
いや、それはない。
向こうにいたユカリやタカシなんかの存在は、現世の彼らにとって「夢」に過ぎなかったはずだ。
つまり、夢魔界で起こったことが、現世の何かに影響を及ぼすことはないと見ていい。
もしそんなことが頻繁に起こっているなら、ずっと前に夢魔界の存在が公然になってしまっているはずだ。
ただ、俺は現世の身体のまま夢魔界に赴いたから、向こうでも俺は「実体」であって、死んだら本当に死ぬだろう。
つまり、俺はヒビヤの爆風に飲み込まれた後も死んでおらず、なんらかの理由によって「身体」が現世に引き戻されたということになる。
その理由と方法、そして無傷であることの説明はつかないが…。
大輔「………」
さて、いつまでも長々と考察にふけっていても仕方ない。
取りあえずはゆかりに話を聞いてみよう。
459名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 21:05:33 ID:RZU6PzsL
>クナメに着いてから乱入者多杉
そこも気になるけど、最近(特に旅行以後)一場面の登場人物が多杉になりがちなのも気になる。
一人当たりの描写が薄くなって、どうしても「いるだけ」のキャラが出てきてしまいがちなんだよな…。

さて、これからの展開か…。
最近ギャルゲっぽい展開が希薄になりがちだから、その辺に期待したいところかな。
460名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 21:06:58 ID:RZU6PzsL
被った…。まあ問題は無いけど流れ切ってしまった。スマソ…。
461名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 21:48:54 ID:BS4UKiWe
>>458から再開。

大輔「ゆかり?あのさ」
ゆかり「…あら?あれーーー!?だ、大輔!?どこ行ったの?」
大輔「は?」
ゆかり「あれー?今の今まで、ここに大輔居たよね?」
俺の目の前にいるゆかりがおかしなことを言い始めた。
大輔「ゆかり?おい、お前何を言って……」

俺はゆかりの肩を持とうとして―――すり抜けた。
大輔「あ、あれ?」
ゆかり「お−い、大輔?どこ行ったのー?」
大輔「……なんだこれ?」
良く見ると、自分の腕がうっすらと透けており、ぼんやり向こう側が見えていた。
大輔「な、なんだこれ?おい、冗談じゃないぞ!」

小百合「お姉ちゃーん」
ゆかり「あ、小百合。大輔見なかった?」
小百合「ううん、見てないよ?」
ゆかり「おっかしいなあ、今の今までそこに居たんだけどなあ?変だなあ?」
小百合「それよりお姉ちゃん、もう帰ろ?」
ゆかり「んもう、大輔ったら、今度あったら…」
小百合「それにしてもポッキー見つかってホント良かったね」
ゆかり「そうだね」
大輔「……」
なんだこれ?なんだこれ?なんだこれ?俺ひょっとして、ずっとこのまま?
462名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/19(金) 23:10:37 ID:zgWXtV7+
???「…次元の狭間にはまったな」
大輔「! だ、誰だ!?」
振り返ると、そこには黒翼の澪が腕を組んで立っていた。
大輔「澪! ちょうど良かった。これどうなってるんだ?」
俺はこれ幸いとばかりに彼女に聞いてみる。
澪「言ったとおりだよ。今のお前は夢魔界と現世の狭間の空間にある」
大輔「狭間?」
澪「そうだ。次元に歪みを感じたから来たみたんだが…お前は本当に珍しい事例ばかり出すヤツだな」
そう言いながら、澪は皮肉げに頬を緩ませた。
澪「非常に不安定な状態だぞ。放っておくと命に関わる」
大輔「な、なんだってー!?(AA略)」
大輔「くそっ、こんなところで油売ってるヒマはないのに!」
大輔「澪、単刀直入に訊くが、元に戻る方法はないのか?」
澪「………」
澪「…お前、何か勘違いしてないか?」
大輔「え?」
彼女は一瞬の間を置くと、綺麗な眉をしかめて、その漆黒の瞳で俺の目を見据える。
澪「私は元ノヴァ陣営だが、お前の味方になったわけではない」
澪「元に戻る方法ならいくつか知っているが、それを教える義務もなければ義理もないのだよ」
澪「もとより、私はこういうイザコザに嫌気が差してノヴァ陣営を離反したのだ」
澪「これ以上お前たちに手を貸して、ノヴァ陣営のヤツらに目を付けられては敵わないからな」
そう言い放ち、澪は長いスカートをひるがえして、くるりと反転する。
澪「そのままでいても1ヶ月くらいは生きられるだろうから、まぁその間にせいぜい自分で考えることだ」
感情のない声で冷たく言い残し、彼女はフッと空気に溶けるように消えていった。
463名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/20(土) 00:03:21 ID:vY1Pjwby
大輔「待て!落ち着け、落ち着け!俺!」
俺は両手を合わせてみる。
大輔「…触れるよな」
どうやら自分の身体には触れるようだ。
俺は鳥居の近くに生えている木の枝に手を伸ばてみた。
大輔「あ…」
俺の手は、木の枝に触れることなくすり抜けた。
大輔「ど、どうなってんの、これ?…澪は"夢魔界と現世の狭間の空間"とか言ってたけど」
混乱するばかりで一向に考えはまとまってくれない。
ひとつ分かったことと言えば『地面は普通に歩けるんだな』ってことだけだった。
大輔「どうにかしないと…」
俺はとにかく神社を後にして、大通りまで出ることにした。

今日は何日だ?今日は、…5月6日の月曜日のはず。
そうだよ、もう、学校だって始まってるはずだ。ゆかりがこんなとこにいたってことは、
学校も終わったってことかな?…げっ!?ってことは、もう午後回ってる?俺ひょっとして無断欠席!?
まあ、俺としては、無断欠席どころの騒ぎだったのだが。

大通りに出てみたが、誰も俺のことに気付いてくれない。
通り過ぎる人皆、俺の身体をすり抜けていく。かなり奇妙な感覚がグレートにショックだった。
大輔「うおおお?なんだこれ?」
ためしに歩道でに寝転んでみた。
すぐ起きた。
大輔「…さ、最近の女の子って、ど、どうして、あんなスカート短いのかな…
   って、い、いかーん!いかん、いかん、いかん!ち、違う!そんなことをしてる場合か俺ー!!」
464名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/20(土) 00:11:07 ID:vY1Pjwby
でに って何だよ…。orz
465名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/20(土) 01:17:41 ID:wJLxXvir
大輔「それにしても参った……」
とりあえずこれからのことを考えなければ……。
と、思いつつ俺は大通りの車道で寝転んでいた。
大輔「ううむ、これはぶつからないとわかってても凄いスリルだ」
ためしに目をつぶってみる。
大輔「う、うおおおおおお! 音だけってのも怖えぇー!」

と、まあ馬鹿ばかりしているわけにもいかない。
狭間、狭間ねえ。リズも呼び出せないし、あのなんとかって辞書もないしなあ。
どのみち、俺だけで解決できるハズもない。漫画やゲームなら、こう救世主の能力が覚醒してとか……
大輔「つまり、今の俺に足りないのはエージェント・スミスばりのライバルということか!」
って、いかーーん! 妙な状況のせいか、どうも下らんことばかり考えてしまう。
俺ってある意味大物かもしれないな。
ともかく、何か行動せねば。とりあえず、夢魔界との接点を考えると……

【美影の家に行ってみる】
【あの丘に行ってみる】
【やっぱり澪を探す】
【なぜか響子先生の所に向かう】
【こんな状況でもシャドウがきになる】
466名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/20(土) 02:24:59 ID:Sz3Rl76H
順子「やはりここは1スレ毎にヒロインが減っていって最後は彼方しか残らないスレなのかしら。」
夏江「1スレ目では仮面ライダー事件で美咲が攻略対象から消えたよね。」
蓮華「なんやてー」
順子「いままで貴史との修羅場が出来るけど攻略できるという話じゃなかったかしら。」
夏江「天然ボケ癒し系キャラを攻略したいプレイヤーが親友と修羅場作ってまで奪うとは考え難いもの、元々そんな攻略ルート無いのよ。」
蓮華「なんやてー」
順子「なるほど。2スレ目では誰が攻略対象から消えたのかしら。」
夏江「2スレ目では恩田の告白でゆかりが攻略対象から消えたよね。」
蓮華「なんやてー」
順子「ゆかりは恩田の事を好きになるのかな。」
夏江「ゆかりはコンプレックスを持ってるし、ゆかりならではの良さを理解して全てが好きと思ってくれるハンサムさんには心動くわよ。」
蓮華「なんやてー。そして3スレ目では異次元に引きずりこまれて、わいが消えたんやな。」
順子「蓮華は関係なく、こっちの存在。」
夏江「関西弁の時点で某パン漫画よろしく、なんやてーって驚くキャラに決まってたのよ。」
蓮華「な、な、な、なんやてー」
順子「3スレ目では、美影か委員長が消える流れかと思っていたけど。」
夏江「大輔が消されるとは思わなかったわね。ゲームオーバーってことかな。」
蓮華「なんやてー」
順子・夏江「冗談よ。」
蓮華「なんやてー」
467名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/20(土) 04:33:37 ID:OSbXaykC
【こんな状況でもシャドウが気になる】
あぁ、なんであのとき俺は…。
って、いかーーん! またやってしまった。重傷だな…。
そうだ! こんなときにはアレがあるじゃないか!
そう、いつも窮地を救ってくれた(かどうかはわからない)あのアイテム…。
そして、俺が懐からおもむろに取り出したのは…
【ネリネのスク水フィギュア】
【恩田の秘蔵写真】
【諭吉さん】
468名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/20(土) 07:26:23 ID:bF2GLDhs
>>466
順子「あ、そういえば、環希と神木はウラが好きなのよね。2スレ目でそんな展開があったわよ」
蓮華「なんやてー(元ネタ分からないけど)」
夏江「そういえばそうだったわね。ウラはこの手ことに奥手そうだから、最後まで話が進展しなさそうだけど」
順子「ま、それも愛嬌じゃない? ちなみに…」
夏江「私たちが好きなのは…………………………あなた」
順子「そう、今この文章を読んでいるアナタよ。ムフン」
夏江「さぁ、私たちの愛を受け止めてッ!」
蓮華「なんやてー」


【ネリネのスク水フィギュア】

俺は懐からネリネのスク水フィギュアを取り出すと、燦然と輝く太陽に掲げた。
快晴の空から後光が差し、神々しいまでに美しく映えるネリネ。
よし、行ける!
大輔「助けて、ネリネ!」
469名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/20(土) 08:34:47 ID:mcb+HQCE
俺は交差点のど真ん中でネリネのスク水フィギュアを天にかざす。
――――しかし、何も起こらなかった。
大輔「…………NOー!」
横断歩道を渡る人達の靴の音や会話が聞こえる。そのうち信号が変わるときの"あのメロディ"が聞こえてきて、
信号が赤に変わると、車が行き来を始めた。
どこかで車のクラクションが聞こえたり、安売り宣伝カーの音も聞こえた。
全てが俺をすり抜けていく。
…現実が近くて、すごく遠かった。
俺はネリネのスク水フィギュアをポケットにしまうと、とぼとぼと歩き始めた。
…何が起こってるんだろう?

考えのまとまらないうちに、気がつくと俺はいつもの公園のところまで来ていた。
ここを向こうに抜けると、貴史の家が見えてくるんだよな。
俺は、公園のブランコに腰掛けた。
大輔「はは…………ブランコには座れるけど、ブランコの鎖は持てないんだな。基準が良く分からん」
なんとなく涙が出そうになった。
公園から見える空は、次第に青から赤に変わっていった。遠くでカラスの鳴き声が聞こえていた。
大輔「どうすっかなあ」
そんなときだった――――

理恵「あれ、大輔、そんなとこで何してんの?」
大輔「…………え?」
買い物袋をぶら下げた制服姿の理恵ちゃんが通りの向こうから俺を見つけて声をかけてきた。
なんだか随分久しぶりに理恵ちゃんを見た気がする。ってゆーか!?
大輔「み、見えるのか?俺が」
理恵「………あんたバカ?熱でもあるんじゃない?」
俺はブランコから立ち上がろうとして、鎖に手をかけ―――ようとして、すり抜けて、バランスを崩しその場にしりもちをついてしまった。
大輔「はは…ははははは」
理恵「ついに、おかしくなったか」
470名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/20(土) 11:52:39 ID:bF2GLDhs
しかし、なんで理恵ちゃんには見えるんだ?
あれから特に変わった出来事は起こっていないはずだが…。
そういえば、ゆかりも最初は俺の姿が見えてたよな…。
もしかして、次元の狭間とやらにいる関係で、現世に近くなったり遠くなったりするんだろうか。
澪も不安定だと言っていたから、そういう解釈もあり得なくはなさそうだ。
とすると、まったくの不定期に見えたり見えなくなったりを繰り返すのか?
誰からもまったく見えない状況よりは幾分マシだが、これはこれで突然消える可能性もあって厄介だな…。
471名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/20(土) 13:03:46 ID:wJLxXvir
順子「理恵は、以前もスウの術がかかりにくかったりと、魔法?に耐性?が
   あるようなことは書かれていたわ」
夏江「どのスレのどこか忘れたけど、確かにあったわね」
順子「でも、その理由はわからずじまいだったから」
夏江「伏線が生きているということ?」
順子「Yes!Yes!Yes!」
夏江「……? まあ、なんでもいいけど、書き手次第ってことね。
   あ、そうそう。最近まとめスレでも議論してたから、
   あまり安直な展開は避けてね。って、難しいだろうけど……」
順子「大丈夫。ここの良い子のみんなならやってくれるわよ。おねーさんと約束よ」
夏江「ところで蓮華は?」
順子「んー………一応、未来がありそうだし、帰したわ。果たして戻ってくることがあるのか
   微妙なところだけど。ふふ、ふふふふふ……」
472名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/20(土) 15:19:23 ID:SbjVQraO
理恵「そう言えばあんた、昨日の晩は家に帰らなかったね?お父さんとお母さんの泊まってるホテルに泊まったの?」
大輔「え?ああ、うん……」
嘘です。昨日は『魔王対策半強制勇者育成プログラム高校(長いよ)』の寮に泊まりました。いろいろありました。はい。
理恵「電話とかすればよかったのに」
大輔「え?」
理恵「な、何でもない!それよりさ、きょ、今日はどうするの?」
大輔「は?」
理恵「えと、その、今日は、あの家に来るの?それともホテルのほうに行くの?」
大輔「えーと」
泊まるも泊まらないも、俺には別に考えなきゃならないことがあり、宿泊先の心配をするのはお門違いのような気がして少し可笑しくなった。
理恵「昨日ね、お母さんが退院したの。でね、まだお母さん完全に直った訳じゃなくて、完治までもう少し時間がかかるってお医者さん言ってたの」
大輔「はあ」
理恵「それがね!あたしにもなんだか良く分からないうちに、うちのお母さん、お父さんのとこにしばらく滞在することになったの!」
大輔「……は?」
理恵「お兄ちゃんトコのおばさんと、あたしのお母さん。小さいときからの知り合いらしくって、…幼馴染っていうのかな?
   昨日の晩、お父さんとおばさんとお母さんの3人でいろいろ話してたみたいだけど、…なんかもう、あたし、お母さんのことよくわかんないかも」
大輔「…………」
理恵「だからっていうのもなんだか変なんだけどね、ちょっと混乱してるから、あ、あんたも一緒に来てくれると助かるって言うか、自分を保てるって言うか
   ああもう、あたし何言ってんのかな?」
こっちはこっちで別のベクトルで大変なことになっているようだ。

通りすがりの主婦1「ねえ、あのコ誰もいないのに独り言いってなかった?」
通りすがりの主婦2「さあ?」

大輔「り、理恵ちゃんはさ、先に戻っててよ。俺はさ、あ、あとで絶対顔を出すからさ」
俺はそれを言うだけで精一杯だった。
理恵「ホント?そうなんだ!えへへ良かった。晩御飯のおかず多めに買ってあるから、じゃあまた後でね?」
理恵ちゃんは、にぱっと笑った後、その場を去っていった。
473名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/20(土) 17:54:41 ID:bF2GLDhs
>>471
了解。

>>472から。
俺は理恵ちゃんの後ろ姿を見送って、フゥと小さく息をつく。
今の主婦たちの会話からすると、やっぱり俺は一般人の目に入っていないようだな…。
なんで理恵ちゃんにだけ見えるんだろう。
理由はよく分からないが、まぁそもそもこうなった理由が分からないし、ゆかりが途中から俺の姿を認識できなくなったのも、
物体によってすり抜ける物と触れられる物がある理由も分からないから、深く考えたところで解決するとも思えないが…。
とにかく、理恵ちゃんは俺の姿が見えるみたいだから、もし今後誰かと話したいときがあれば間に入ってもらうとしよう。
取りあえず、貴史の家に泊まるかどうかは置いておくとして、まだ少し時間があるから、他の人も探してみよう。
俺は、

【みんなはもう覚えてないかも知れない古い洋館へ向かった】
【あの丘に向かった】
【県立風立(かぜたち)高等学校(俺が通う高校)に向かった】
【光ヶ丘市立第五中学校(理恵ちゃんが通う中学。俺の母校でもある)に向かった】
【その他の場所に向かう】
474名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/20(土) 18:02:09 ID:gbTfpMCd
>>466
1スレごとにヒロインが減るって……そういう考えはどうかと。正直気分が悪い。
まあ、本当のことかもしれないが。
しかし、ゆかりも脱落なのか。
結構フラグ立ってたのにな…。
475名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/20(土) 19:02:29 ID:/SNEz9hp
ゆかりは恩田が一方的にゆかりのことを好きで、ゆかり自身は恩田に全く興味ないと思われる。
それに恩田には明日香がいるから脱落にはまだ早いかと
476名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/21(日) 00:02:05 ID:xKdl/Jl3
>>473
???「細かい指摘だけど、理恵たちの通ってる学校は『姫百合女学園』(1-885)。まあ1スレ目のことだが…」
477名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/21(日) 05:00:00 ID:IfWbT9Fi
【みんなはもう覚えてないかも知れない古い洋館へ向かった】

>>473 465【美影の家に行ってみる】
俺は雪村さんの家へ向かった。
この状況を相談できるのは雪村さんしかいないな。

雪村さんの洋館に続く道、俺の前方遠くを歩くひとりの女生徒が居た。
あれは…委員長?
俺はこのまま進むと見てはいけないものを見てしまいそうな気がする。
そう、委員長の生着替えを。…じゃなくて。
そう言えば雪村さんも向こうに行ってる筈だし。洋館に行っても意味は無いな。
いや、今は洋館に近付かない方が良さそうだ。何か謎が増えそうな気がする。うん。

当ても無く道を戻り気が付くと高校の傍の通りに来ていた。
見慣れた男女が何か揉めている。恩田と明日香だ。
恩田「明日香には感謝してる。お前が『大輔は競争率高そうだからあんたで我慢しといてあげる。』というような事を言ってくれたおかげで自分のするべき事に気付いた。」
明日香「だ、だから何よ。」
恩田「俺も我慢して付き合ってもらいたくは無いし、もし何も言わず大輔にゆかりさんを任せて他の女子と付き合ったら、その女子に失礼な事だと気付かせてくれた。」
恩田「明日香は大切な女友達だと思ってる。悪いけど恋愛感情は無い。俺は誠意を持ってゆかりさんにアタックする。お前も負けずに大輔にアタックしろよ。じゃあな。」
恩田が去っていく。
明日香「何よ、あんたなんか大っ嫌い。」
凄い場面に立ち合わせてしまった。
478473:2006/05/21(日) 08:33:28 ID:WxSMA980
>>476
ガ━━━━Σ(゚Д゚;)━━━━ンッ!!
スマソ…覚えてなかった。それで補完してください。


いや、つーか俺にアタックするって何だよ…。
もちろん意味が分からないワケじゃないが、いささか信じがたくもある。
夢魔界の委員長といい、いったい俺のどこに惚れるんだ…。
大輔「くそ、顔を出しづらいじゃないか…」
しかし、ここで隠れていても一向に事態は進展しないし、事態打開のための最善策は
俺の姿が見える知り合いを見つけることだから、ここでずっと尻込みしているわけにもいくまい。
俺は意を決して、明日香に声をかけてみた。
大輔「明日香」
明日香「………」
少し大きな声で呼びかけてみたのだが、明日香は俺の声に気付くことなく顔を俯けていた。
ああクソ、やっぱり明日香にも見えないか…。
明日香「うっ…うう…」
大輔「!」
え…マジか、明日香が泣いてる!?
明日香「やだ…どうしてあたしっていつもこうなんだろう…」
明日香「本当は最初から恩田がずっと好きだったのに、いつもああやって捻くれたコト言って…」
明日香「その度に後悔して、今度はちゃんと素直になろうと思って、でもまた失敗して…」
明日香「嫌い、嫌い…自分が大ッ嫌い!」
大輔「………」
479名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/21(日) 20:04:00 ID:3TPLNt5p
俺は泣き続ける明日香を残し、その場から立ち去った。あまりこんなところは人に見せたくないだろう。今の俺の状態では盗み見と同じだ。
それに、ここにいたら自分の無力さを強調されているようで嫌だった。
友達が目の前で泣いているのに、何もしてあげることができない。もどかしさに俺も涙が出そうだった。

行くあてもなく、町内をさまよう。
大輔(あ〜あ、これからどうするかな…)
これからのことを考えながら、路地を曲がり
どがん!
???「きゃっ!」
曲がりっぱなで思いっきり女の子にぶつかった。
大輔「痛!ス、スミマセン!」
???「あ、こ…こちらこそ!」
いけない…考え事に夢中だった…。曲がり角で女子とぶつかるなんて、ギャルゲかよ…(※ギャルゲです)
…待てよ?ぶつかる……?
俺はその事柄が持つ意味に気づき、女の子を見る。
女の子も大きな眼をさらに大きく見開いてこっちを見ている。その瞳に映っているのは、間違いなく俺の姿。
まずはこの質問しかない!とばかりに紡いだ言葉は
「「あ、あなたは俺(私)の姿が見えるのですか!?」」
「「というか、俺(私)に触れられるのですか!?」」
2回ともキレイにハモって、一緒に黙る。そして、一呼吸おいて、言った。
「「は、はい…」」
この台詞も見事にハモってきた。



###「2-483あたり見れ」
480名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/21(日) 20:40:42 ID:sz/e9oCQ
???「でもあれって、リズだったというオチだった気が…」
481名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/21(日) 21:33:51 ID:3TPLNt5p
あ…ホントだ見逃してた…。
でも、2-485の台詞的にも時期的にも、リズだったと片付けるにはちょっとアレじゃないか?
まあ、スルーするか繋げるかは次の人に任せるよ。
482名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/22(月) 00:05:21 ID:yD6/Wnim
???「続けよう。多分問題ない」

大輔「君も次元の狭間にはまったのか?」
少女「わかりません…。気がついたらこんな体になっていたんです。
   それ以前のことはまったく思い出せないんです。名前さえも…」
記憶喪失ってやつか…?
少女「私はもう、抜け殻同然なんです…」
???「そう…、だったらそのまま消えちゃうと良いよ…。悪霊たいさぁんっ!」
ヒュンッ――
少女「キャッ!」
札みたいな変な紙切れが少女めがけて飛んでくる。俺はとっさに彼女をかばった。
不思議なことに紙切れは体をすり抜けず、額に張り付く。
大輔「何だこりゃ?」
???「効いてない!?おっかしいなぁ〜」
少女が首をかしげながら姿を現す。
つい最近見覚えのある少女。間違いない。こいつは…。
大輔「お前ミオか…?良かった。この際お前でもいい。何とかしてくれ…」
???「何変な事言ってんの?…ううん、それよりなんで私の名前が深緒だって知ってるの!?
  …気持ち悪い悪霊だぁ…」
少女「…お知り合いじゃないんですか?」
深緒「悪霊の知り合いなんていないわよっ!それより!
   うちの神社に変な歪み作ったり、物の怪連れてきたり!全部キミたちが原因なんでしょ?」
大輔「……」
昨夜(現世時間)のことを言ってるのか?
しかし、言ってることが微妙におかしい。まるで夢魔界のことをよく知らないみたいな…。
――まさか、現世のミオか?
でも、あいつ夢魔じゃなかったのか?なんで「こっちにも」いるんだ?
…いや、そんなこと今はどうでもいい。あいつには俺たちが見えている…。
483名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/22(月) 00:09:01 ID:yD6/Wnim
>>482
少女少女ってわかりにくくてスマソ。
>少女が首をかしげながら姿を現す。
>つい最近見覚えのある少女。
の部分は深緒です。
484名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/22(月) 05:07:26 ID:3J9wlCn5
順子「私達でも修正効かないくらいシナリオに影響が出るなんて。」
夏江「もう蓮華を呼び戻して力を合わせるしか。」
順子「ちっがーう。怪物ヒビヤをどうにかしないとなんないのよ。」
夏江「順子、落ち着いて。」
順子「この前連投した5lfLiz63、まとめサイト見なさい。」
485名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/22(月) 15:57:39 ID:wBH3UIkt
深緒「で、あんたたちなんなのよ? 私の名前知ってるわ、札は効かないわ、で気味悪いんだけど」
大輔「少なくともお前が言うような悪霊じゃないな。名前を知っていたのは偶然だ。ミオと言えば有名だからな」
向こうのミオの性格から考えて、こう言ってやれば…。
深緒「そう? 私ってそんなに有名人? えへへ〜」
やっぱり…。
こっちのミオは言動からして神社の娘、だろうか。一応、神社に行ってみるのも悪くないかもな。
大輔「それより、神社がどうのとか言ってたが、何かあったのか?」
何があったのかは知っているけど、どうなったのかは確認できなかったからな。
深緒「うん、なんだか変な化け物みたいなのが倒れてるし、その場所自体から変な感じがするし、って本当に何も知らないの?」
大輔「あぁ、全く」
俺の後ろにいる少女も首を振る。
大輔「よかったら案内してくれないか? 力になれるかどうかはわからないけど…」
深緒「う〜ん、別にいいんだけど、化け物も煙みたいに消えちゃったし、変な感じも薄れてきてるよ」
大輔「それでも頼む」
深緒「じゃ、ついてきて」
大輔「君はどうする?」
後ろにいる少女に問い掛ける。
少女「行きます」
486名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/22(月) 19:24:50 ID:1MKOHtRr
神社への道々、俺は二人の容姿をよーく眺めてみる。
深緒…う〜む、黒翼・白翼の二人と瓜二つだ。いや、三人だから瓜三つなのか?
性格もミオにそっくりだし、ここまで似ていると、まったく無関係ってことでもなさそうな気がする。
まぁ、基本的にノヴァ陣営には話の通じるヤツらが多いし、仮にミオと何らかの関係があったとしても、怒らせない限りは恐らく安全だろう。
それから謎の少女。
少し半透明になっているところから察するに、普通の人間じゃないことは明らかだな。
というか、よく見ると浮いてるんですが…もしかして精霊か?
やけにちっこい身体からしても、リズに類似する点があるから、その可能性も捨てきれないな。
大輔「なあ、謎の少女さん」
少女「はい?」
大輔「いや、自分の名前も覚えてないんだよな? 何か所持品はないのか?」
もし彼女が人間だったら、財布やバッグ等の所持品を調べて、名前や住所の書かれた何かを見つけるのが解決の近道だろう。
そう考えての質問だ。
少女「えっと、少しお待ちください」
そう言って、スカートのポケットやらを探り始める。
少女「あ、何かありました」
少女が取り出したのは、メモ帳のような紙切れだった。
大輔「うん? ちょっと見せてもらっていいか?」
少女「はい」
大輔「なになに」
検索履歴…ランバード、エンハンス公国、ヒド王国、石英、花崗岩、二酸化ケイ素、モース硬度。
大輔「………」
ちらり、と彼女を見る。
少女「…?」
そうか、あっちじゃ「本」だったからな…。精霊だとこんな姿をしてるのか。
そういえばコイツ、俺の懐に入っていたよな。恐らくヒビヤの一撃で俺と一緒に現世へ吹き飛ばされたんだろう。
487名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/22(月) 20:08:06 ID:03S5WVCC
大輔「…………」
少女「あ、あの?」
おっと、つい考え込んでしまったようだ。
大輔「ああ、ごめんごめん。君が誰なのかわかったよ。君の名前はミニ・グリモアス
   本の精霊だ。俺たちはミグぅて読んでたけど……」
少女「みに、ぐりもあす?」
大輔「ええと、かくかくしかじか」
俺はこれまでのことをざっとミグに説明した。
ミグ「はあ……精霊、ですか? ザーリフ? ノヴァ? はあ……」
小首をかしげる仕草が可愛い…じゃなくて! 何か全て忘れてるみたいだな。
自分が精霊だってことすらわかってないみたいだし……。
488名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/22(月) 20:10:31 ID:DFjioeH4
>ミグぅて
→ミグって

なんじゃこの間違いは。うぐぅ。
489名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/22(月) 23:58:23 ID:1MKOHtRr
>>487-488
順子「わざとやったのかと思ったわ…」
夏江「この業界じゃ有名すぎるもんね」
順子「そういえば、このスレってギャルゲのパロはあんまり出ないのね」
夏江「そこはアレ、ギャルゲがギャルゲをパロっても意外性がありませんから」
順子「よく分からない理屈ね…」
夏江「そんなことはともかく、はい、>>487から開始してちょうだい」
490名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/23(火) 01:05:53 ID:geT3mpsC
>>487
ミグ「私の名前はミグゥなんですね。嘘をついてるようにも見えませんからあなたを信じます」
大輔「いや、ミグゥじゃなくて…」
慌てて修正しようとしたが、ミグは目を瞑って反芻しているようだった。
ミグゥ「……憶えました。あと、話からすると私はあなたとは違う存在なんですね?」
大輔「あ、あぁ。そうなるかな」
ミグゥ「そうですか。まだよくわかりませんが、少しずつ整理してみます」
本来の性格もあってか、妙に落ち着いてるな。
そういえば、名前…間違って憶えちゃったみたいだけど、いいのかな。う〜ん…
【訂正する】
【ま、いいか】
491名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/23(火) 01:09:49 ID:HRRyxPrx
【ま、いいか】
いずれ記憶が戻ったときに直るだろう。
そんなこんなで俺たちは神社へと着いた。
塗料がやや剥げ落ちた鳥居、静かに水をたたえる手水。何も珍しくない、普通の神社だ。
社屋の横には日本家屋風の平屋がある。多分ここが深緒の家なのだろう。
深緒「う…何よこれ」
鳥居をくぐった深緒が体を強張らせる。
深緒「さっきは消えかけてたのに!」
俺もその異様な気配は感じていた。うなじの辺りに不快な振動が伝わる。
間違いない、あれは俺を狙っている!? と、するとノヴァかザーリフ陣営……
いや、そう考えるのは尚早だ。あれほどこちらの世界で直接手を出さなかったノヴァ陣営が
今更俺を狙うのもヘンだ。ザーリフ陣営にしても、タイミングが良すぎやしないか?
ミグゥ「あ、あの……あれ」
ミグに服の裾を掴まれた俺は彼女が指す方向を見てみる。そこには……
大輔「空間の歪み…! ……! 誰が!? いや、まさか俺が飛ばされたときに!?」
おいおい、あんな穴が開いてたのかよ…。そりゃあ何が来てもおかしくはないよな……。
ズル… ズル…
異様な音に目を向けると、そこには明らかにこの世界では異質な生き物がいた。
俺は三本の角を生やして、牙をむき出しにした芋虫なんて知らない。
少なくとも、1メートル以上ある芋虫なんて、聞いたこともない。
深緒「ひ……」
あとずさる深緒。幽霊とかには耐性?あっても、この気持ち悪いモンスターじゃなあ…。
あ、芋虫がこっち見た。さて…………どうしよう!!!!
大輔「と、と、とにかく! 二人は逃げろ! こいつは俺だけを狙ってる!」
とっさに口走ったが、俺は残ってどうするんだ!!?? 武器もないし、リズもいないし……
大輔「ん?」
いま、何か一瞬“感じた”ぞ。この感覚は…リズ? 何か、俺の胸の奥にひんやりした感覚が…。
大輔「お、おい! リズ! いるんなら出て来い!」
沈黙。芋虫は見た目と裏腹に、自衛隊の匍匐前進くらいの速さで向かってくる!
大輔「う、うわあ! く、来るなあ!」
俺はとっさに手を払った。が、すると……
数本の氷柱が俺の手から放たれ、芋虫に突き刺さる! これは…リズの術!?
492名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/23(火) 01:41:11 ID:a51w3fqS
=== 同時刻 明日香視点 ===

明日香の部屋、壁の的に向かってダーツを投げる明日香。
明日香「あーもうムカツク、ゆかりの奴! 大輔だけではあきたらず、『私の』恩田まで誘惑するなんて。」
次のダーツを投げる。
明日香「見てらっしゃい。友達はこっちの方が断然多いんだから。」
さらに次のダーツを投げる。
明日香「ゆかり、あんたをこの街に居られなくしてあげる!」
一息つき両手を腰に当て嫌味な笑いを浮かべる明日香。
明日香「ダーツの的にゆかりの写真が欲しいわね。」

=== 大輔視点 ===

大輔「なんだ? あの芋虫、暴れ苦しんでるぞ。」
ふと見ると角の1つに氷柱が突き刺さっている。
ミグ「弱点かもしれません。」
大輔「いけるか? もう一発。」
もう一振り別の角を狙って手を払う。
別の角に氷柱の1つが首尾よく刺さる。
大輔「ポッキーと遊んだフリスビーが役に立つとはね。」
さらに一振り、最後の角に氷柱が刺さる。
芋虫はグッタリと動かなくなり、姿が透明になって消えていった。
一息つき両手を腰に当て爽やかな笑顔になる俺。
大輔「思い切ればできるもんだな。」
深緒「凄い…」
深緒が関心した眼で見ている。

俺は、
【辺りを調べる】
【また会おうと言って空間の歪みに向かう】
493名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/23(火) 03:48:29 ID:xKXAH8GT
【辺りを調べる】
…どうにもキナ臭い。異常なタイミング良さ、俺だけを狙う芋虫…罠としか考えられん…。
しかし、辺りを見回しても怪しい人影は一切見当たらない。考えすぎか?
…いや、もっと細かく調べてみるべきか。社の裏側に向けて足を踏み出す。だが…、
大輔「あ、れ…」
途端、体がよろめく。…全身に力が入らない。意識まで朦朧としてきやがった…。
…なんだこれ…もしかして、さっきの力を使ったせい…なの…か……?

――気づくと縁側で横になっていた。外はもう真っ暗で、夜空には綺麗な月が昇っていた。
大輔「こ、ここは…?」
深緒「私のおうちだよ。大丈夫?顔真っ青だったよ?」
ミグゥ「心配しました…。急に倒れて…」
二人とも心配そうな顔で俺を見つめる。
大輔「心配かけてごめん。もう大丈夫だから…」
まだ体はだるいが、それだけで他に異常は無さそうだった。
深緒「そっか、良かった。ちょっと待ってて、お茶持ってくるから」
ミグゥ「…それは嬉しいんですが、この体では飲めないのでは…?」
深緒「だいじょぶ、お供え物みたいな形でなら、きっと飲めると思うよ」
…本当かよ?いや、それより…お供え物って…。俺は幽霊じゃないって言ってるのに…。
ともかく、縁側で月を見ながらお茶をすする…か。実に風流でいい。
歪みがどうなったかとか気になることはあるが、とりあえずお茶を楽しむことにしよう。
…しかし、直後俺は自身の目を疑うことになるのであった…。

深緒「お待たせ〜」
深緒が運んできたのは、澄んだ赤褐色の液体の入ったティーポット。レモン、ミルク。そして焼き菓子…。
っておい、お茶って紅茶かよ!和のテイストはどうした!?
深緒「ささ、どーぞっ」
大輔「……」
【とりあえず有難く頂く】
【緑茶を出せ!それでも巫女さんか!】
494名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/23(火) 18:54:12 ID:5vAngWo1
【とりあえず有難く頂く】

善意で出していただいたモノにケチを付けるのは失礼だろう。
俺は少し戸惑いながらも、「ありがとう」と言って紅茶を…
大輔「あれ?」
手がカップを素通りする。
あ、しまった…俺はモノを触れないんだった。
深緒「どうしたの?」
大輔「いや…カップがつかめないもんで…」
深緒「あ…そうか、そういえば悪霊だったんだよね? なんか普通の人っぽいから忘れてたよ」
こつん、と自分の頭を叩いて、小さく舌を出す深緒。
現実の生活ではあまり見かけない仕草だが、彼女には違和感を感じさせない不思議な自然さがあった。
これも深緒(ミオ)の天然さがなせるワザとでも言うべきだろうか。
それにしても、俺はただ見ているだけなんだな…。
なまじ紅茶と菓子が美味しそうだから、なおのこと虚しい。
495名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/23(火) 21:18:34 ID:VxI5UkRj
深緒「ねえ、悪霊さん?」
俺がレモンティーと焼き菓子を恨めしそうに睨んでいるりと、深緒がこともなしげにそう呟いた。やはり俺のことだろうか?
大輔「だから俺は悪霊ではないぞ」
深緒「あなたは、どこから来た悪霊さんなの?」
大輔「…おい、聞けよ」
深緒「どうしてあなたみたいな悪霊さんがここにいるの?」
大輔「……」
こっちが聞きたいわ。
深緒「さっきの芋虫も実はあなたの仕業だったりして?だって悪霊さんだし。で、何もないところから氷の柱を出してみたり怪しさ100倍だね」
大輔「…君ってさ、ガキんちょのときの通信簿に『人の話を聞きましょうね』って書かれてただろ?」
深緒「うるさいわね……………………なんで知ってんのよ」
…べ、ベタ過ぎだぞ。
大輔「………あ、あの、ところでですね、さっきからあちらのお嬢さんが飲んだり食べたりしている紅茶や焼き菓子がすごく欲しいんですけど、どうにかなりませんか?」
ミグゥ「はい、とても美味しい紅茶です。こちらの焼き菓子、パリパリした歯ごたえが最高です」
ミグゥはとても美味しそうだった。…って食ってんじゃねーよ。
深緒「ふーんだ、悪霊さんは何にも教えてくれない上に、ひどいこと言ったから知らない」
ミグゥ「…これなら?」
ミグゥがどこからか、白い色の木製の足の付いた小さな台を取り出した。たしか"三方"ってやつだ。
ミグゥは三方の上に、焼き菓子をちょいちょいと置いていく。
ミグゥ「さあ」
大輔「さあって……」
これでとれたら、俺は悪霊決定、かな?
大輔「……あ」
掴めました!焼き菓子、掴めましたよ!ママン!
深緒「良かったですね、悪霊さん」
ミグゥ「それ美味しいですよ?悪霊さん」
大輔「…………はは」
妙に和んでいたが、何だか悲しくなった。
496名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/24(水) 10:26:07 ID:V6OYmDMp
そういえば、理恵ちゃんのとこ行ってないな〜。怒ってないといいけど…。
澪はこの状態でも一ヵ月ぐらい大丈夫と言ってたけど、
腹減るし、一人じゃロクに食べられないし、早めに解決しないと体のほうが持ちそうにない。
それより、今何時だろ…。
などと、遠い目をして考えながら焼き菓子をたいらげてしまった。
とりあえず当面の質問を投げ掛ける。
大輔「今何時?」
深緒「だいたい7時過ぎってところかな」
そろそろ行動開始しないと…
【理恵ちゃんのところへ行く】
【澪にもう一度会う】
【神社の近辺を調査する】
【古い洋館へ行ってみる】
497名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/24(水) 15:25:40 ID:hyhwqcKq
【理恵ちゃんのところへ行く】

約束は守らないとな。
大輔「この三方くれないかな」
深緒「貸すだけならいいですよ悪霊さん」
大輔「悪いな、一ヶ月くらい貸してくれ。」
深緒「悪いのは当たり前ですよ、悪霊さんだもの。」
俺は三方を借りて深緒とミグに別れを告げ、貴史の家に行く事にした。
道すがら通りのあちこちに同じ内容の張り紙を見つけた。
張り紙「>>496 >>473 古い洋館 >>477 以外にも何か有ったの?
解説よろしく。」
意味は分からなかったが少し気になった。

しかし貴史とおばさんには俺の姿は見えないだろうから、
まずは理恵ちゃんに説明して協力してもらわないとな。
食事は理恵ちゃんに三方の上に乗せて貰おう。

【事故が有って幽体離脱しているという】
【あっちの世界の事から全て話す】
【親父の持ち帰った怪しい薬を飲まされて透明化したと言う】
498名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/24(水) 19:35:14 ID:P667Vffh
>>497
順子「質問の意味がイマイチよく分からないんだけど、美影の家=古い洋館よ?」
夏江「それで疑問晴れるならいいけど、分からなければもう少し具体的にお願いね」

>>497から。
【あっちの世界の事から全て話す】

大輔「う〜ん…」
こういう場合って、主人公は何かしら適当なことをでっち上げるのが普通だよな…。
ただ、そういう嘘をつくと非常に高い確率でバレるのが常だし、騙しておいて協力を頼むのも道理に反する気がする。
少々骨が折れそうだが、全部言っておいた方がいいかも知れない。
誠心誠意説明すれば理解してくれると思うし、理恵ちゃんだったら快く協力してくれるだろう。
未だ迷う気持ちもあるが、スゥに記憶を消してもらうのも、逆の立場ならあまり気持ちの良いものじゃないし…。
大輔「よし、言うか…」
現世でこのことを話すのは、彼方以外では初めてだ。
腹を決めよう。
そう考えていると、やがて貴史の家(=理恵ちゃんの家)の前に辿りつく。
夕闇に佇む家の中からは、蛍光灯の光が煌々と漏れ出ていた。
499496:2006/05/24(水) 19:55:47 ID:V6OYmDMp
>>497古い洋館には結局入ってないから、で納得できるかな
500名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/25(木) 07:28:08 ID:h/+WNy0v
貴史の家の郵便受けに入っていたチラシの一部が見えていた。
チラシ

>>498 473で覚えてないかもと言われた古い洋館は477で美影の家の事だよと指摘されてました。
それでも496で美影の家とか美影の古い洋館という書かれ方をしなかったので、
もしかしたらみんな忘れている別の古い洋館でも存在するのかもと思って質問したのです。

>>499 結局、古い洋館=美影の家の1つだけでFA?
というか、だとしたら何で美影の古い洋館というような書き方してくれなかったの?
混乱しましたよ。

500ゲットですよ。
501名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/25(木) 12:11:18 ID:+ZRlanQk
>>500
前のスレとかが最後の登場なら話は違うけど、古い洋館=美影の家は、
数レス前に出たばかり。わざわざことわる必要もなかったんだろう。
さすがにそれくらいは読んでくれよ。
とはいえ、なるべくわかりやすく書くのも大事かもな。
これ以上の議論があるならまとめサイトで頼む。

続き。
さて、インターホンを……って、押しても無駄なのか。
大輔「俺が来たこと、どうやって理恵ちゃんに知らせよう?」
ミグゥ「どうしましょうか?」
参ったなあ。こっちとしては、いきなり入るしかないんだけど、理恵ちゃんからすれば
不法侵入というか、あからさまに怪しいし。あ、そうだ。
ミグゥ「何か思いついたのですか?」
大輔「まあ、駄目元で」
俺は意識を手に集中した。何故かわからないけど、リズの術が使えるんだ。
いちかばちかで……。
大輔「ふん!」
手に意識と力をこめると、小さな氷の塊が生まれた。
大輔「なるほど、こんな感じでいいのか……」
あのときは咄嗟だったけど、なんとなくわかりかけてきた。
インモードで、リズが俺の中に入ってきたときの感覚を思い出す。
なんで俺がリズの力を使えるのかわからないが……もしかしたら、あの時、
リズが俺を守ってくれた、のかなあ?
ミグゥ「あの、どうしました?」
大輔「いや、なんでもない」
俺は理恵ちゃんの部屋の窓に氷を投げつけた。カツン、と乾いた音がする。
さあ、気付いてくれよ。
502名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/25(木) 12:51:14 ID:IftGZlk/
大輔「…………………」
返事はなかった。
大輔「………NO!」
俺はぐるっと庭を回って玄関先のほうまで行ってみることにした。
理恵「あ、大輔。おかえり」
大輔「!!!、あ、ああ、うん。た、ただいま」
キッチンの窓からエプロン姿の理恵ちゃんが顔を覗かせていた。
理恵「何してんの、早く上がったら?」
大輔「…う、うん」
俺は今自分が置かれている事態を理恵ちゃんに説明しようとしたが、どこから話したら良いものか見当もつかなかった。
理恵「でさ、何それ?」
大輔「え?これ?」
理恵ちゃんは目敏く俺の三方を見つけた。
大輔「…おまじないみたいなものかな?…それよりさ、理恵ちゃん。少し大事な話があるんだけど聞いて貰えないかな」
理恵「…え?」
大輔「あのさ、俺的にはマジで、すげえ人生変わるくらい重要事項なんだけどさ…。言うの決心するの結構時間かかったんだけど」
理恵「………」
何故か理恵ちゃんの顔が急に真っ赤になった。
大輔「困ったな、どこから話したら良いかな?」
理恵「え?えと?あ、あれかな?んと、つまり、それって…こ、告は……」
大輔「……は?」
芙美「あらやだ理恵ちゃん。誰と話てるの?」
そんなおり、俺の後ろから芙美おばさんの声がした。
芙美おばさんは、俺の身体をそのまま、すうっとすり抜けて、窓越しに買い物袋を理恵ちゃんに手渡した。

理恵「!?」
大輔「…………」
芙美「はい、理恵ちゃん。コショウと七味。せっかく理恵ちゃんが晩御飯作ってくれるってときに
  切らしちゃうなんてね………………ん?…理恵ちゃんどうしたの?」
料理「……………………あれ?」
503名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/25(木) 13:07:00 ID:zX9mFvVV
???「…………料理?」
504名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/25(木) 13:28:16 ID:IftGZlk/
うむ最後の料理は理恵の誤りですばい
料理が喋っちゃいけないよね
505名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/25(木) 20:36:56 ID:Ps10kYdb
理恵「あ、ええーと…お母さん、ちょっと待ってね」
そう言うと、くるりと反転して俺に背を向け、自分の頬をぎゅーっとつねる。
…ベタな話だが、夢かどうか確かめているのだろう。
理恵「あいたたたっ!」
芙美「…なにしてるの、理恵ちゃん」
理恵「あ、なんでもないの。ちょっと眠かったから目覚ましに…」
理恵「それよりお母さん、悪いんだけど、ちょっとのあいだ火見ててくれる?」
芙美「いいけど、どうしたの? なんか様子が変よ?」
理恵「ううん、少し思い出したことがあって…ちょっと部屋に行ってくるね。すぐ戻るから」
理恵ちゃんはおばさんにそう言い、俺に視線を合わせると、指先で「付いて来い」の合図をした。

理恵「ちょっと…あんまりジロジロ見ないでよ」
俺は理恵ちゃんの部屋に上がらせてもらい、そこでなぜか正座させられていた。
大輔「いや…女の子の部屋って入ったことがないもので」
以前彼女を起こしに来たときにも入ったことはあるが(1-350参照)、あの時は周りを見渡す余裕なんてなかったからな…。
理恵ちゃんの部屋は、ベッドの周りに大小さまざまなぬいぐるみが置いてあったり、コルクボードに写真が張ってあったり、
机の上に読みかけと思わしき「なかよし」が置いてあったりと、いかにも女の子な感じの内装をしていた。
ほのかに香る甘い匂いにも、女の子の部屋を意識させられる。
理恵ちゃんは俺の様子に軽くため息をつくと、勉強机の椅子に座って、静かに口を開いた。
506名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/26(金) 01:03:25 ID:tgunfuiF
理恵「私、料理じゃない」
大輔「……は?」
何か電波的は発言が聞こえたような…。
理恵「とりあえず、さっきのは何? それに、お母さんには大輔が見えてないみたいだった」
大輔「なんて説明していいか…。まず、一回見てもらおうか」
理恵「何を?」
理恵ちゃんの質問には返答せず、机に触れようとしてみる。
が、当然すり抜ける。
大輔「こんな具合なんだけど…」
言いながら、手を机にすかすかすり抜けさせる。
理恵「なんだけど…、って言われても……」
理恵ちゃんは俺の手を見ながら、しばし考え込む。
しばらくしてある考えに至ったのか、再び口を開いた。
理恵「え…幽霊ってこと? 大輔、死んじゃったの? うそ…昨日まで…嫌、嫌だよ!」
急に理恵ちゃんが取り乱しはじめ、顔を伏せ、頭を抱えた。
あらぬ方向に誤解をしているみたいだ。落ち着かせたほうがいいな。
大輔「ちょっと、理恵ちゃん。落ち着いて…」
理恵「やだよ…聞きたくない!」
大輔「落ち着くんだ!」
少し口調を強くして理恵ちゃんの肩を掴む。
ん…? 掴む? なんで掴めるんだ? 三方があるからか、理恵ちゃんだからか…。
いや、今はそれよりも…
507名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/26(金) 12:05:00 ID:zyCMzMQQ
理恵「やだ! やだよぉ…」
うお、いきなり抱きつかれた。理恵ちゃんは俺の胸に顔を押し付け泣きじゃくる。
理恵「そんなの、そんなのいやぁ…」
う、うーん、困ったぞ。実に困った。ここまで泣かれるとは…。
よく見ると、涙で俺の服が濡れている。本当によくわからんなあ。
と、とにかく幽霊に触れるわけないって早く気付いてほしいんだが。
理恵「死んじゃ、やだよぉ…」
とにかく、これじゃあ話も出来ないな。

【落ち着かせるため、理恵ちゃんの髪をなでる】
【落ち着かせるため、理恵ちゃんの背中をさする】
【落ち着かせるため、理恵ちゃんを優しく抱きしめる】
508名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/26(金) 18:51:56 ID:MbNUJ0DH
【落ち着かせるため、理恵ちゃんを優しく抱きしめる】

大輔「大丈夫だよ。俺は死んでないから」
俺は極力優しい声を意識しながら、理恵ちゃんの小さな身体をそっと抱きしめる。
理恵「わっ…」
理恵ちゃんは一瞬驚いたような声を上げたが、抱きしめられていることに気付いたのか、やがて安心したように力を抜いて身体を俺に預けてくれた。
理恵「死んでないの…?」
目尻に涙を浮かべた顔で、俺のことを見つめてくる。
大輔「ああ、死んでないよ。信用できない?」
俺は抱きしめる力を少しだけ強めた。
理恵ちゃんの髪の香りが、ほのかに鼻先をかすめる。
理恵「あ…」
理恵「ううん、そんなことない。信じるよ」
大輔「じゃあ、俺の話、聞いてくれるかな。大切なことだからさ」
理恵「うん…」
509名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/27(土) 02:32:50 ID:dl+5H88w
理恵「でもなあ」
大輔「でも、何だい?」
理恵「あたし、変なものが見えちゃうときがたまにあるみたいだから」
大輔「変なものって?」
理恵「あたしにもわかんないよ。…例えばなんだけどね、なんで担任の先生の足元に、
  いつも布切れみたいなものが絡み付いているのに誰も言ってあげないの?とか、
  学校の廊下を歩いている同級生の後ろに知らないおじさんがくっついて歩いてるのに、何でみんな不審者がいるぞって咎めないの?とか、
  煙草屋の角に、いつもずっと同じ服着て立ってる小さい女の子がいるんだけど、あれ何?って感じの話」
大輔「……」
理恵「言うとみんな気味悪がるに決まってるから、誰にも言わないことにしてんだけど、内緒ね?言ったらぶっ飛ばすからね」
大輔「…はあ」
理恵「ちなみに生前の大輔の後ろには…」
大輔「言わんで良いし、第一、生前って何?…わかった。そんななら俺の話も少しは信じてくれ――」
理恵「言っとくけど、あたし現実主義だかんね?ゆ、幽霊なんか絶対いるはずないもん。…多分」
大輔「…そうですか」

ともあれ俺は、今年の4月の頭から、俺の身の周りで起こっている怪事件の数々を知ってる限り順序立てて理恵ちゃんに説明した。
現実世界とは違う夢魔界という異界があること。そこには空想上の動物や魔物がいること。魔法が使えること。
夢魔界では夢魔界の日常があること。変な長い名前の学校があること。現実世界と同じ名前で同じツラの人がいること。
凶悪な2人の魔神。ノヴァと、ザーリフが対立していること。夢魔界での戦いに巻き込まれてしまったこと。
夢魔界で、ヒビヤという強敵に襲われて気がついたらこうなっていたこと。
話が終わったときには1時間くらい経過していた。
大輔「――って訳だ。正直なところ、今の俺のこの状況は俺にもさっぱり分からん。だが"知り合いの人"の話から察すると、
  どうも俺の身体は今、この次元に存在していない?いや、肉体だけが現実に帰りそこなったってことか?」
理恵「……」
大輔「こんな感じなんだけど、わかった?」
理恵「わかった。…あんたが救いようのないメルヘン野郎だったってことは良くわかったよ」
大輔「Oh!NO!」
理恵「まあ、そのすり抜けができるアホみたいな身体に免じて信じてあげるわ。…不本意だけど」
510名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/28(日) 18:28:59 ID:vxDajWH/
理恵ちゃんはまだ少し怪訝な表情を浮かべていたが、どうやら一応は信じてくれたらしい。
理恵「…それで、具体的に私は何をすればいいの?」
大輔「いや、別に今すぐ何をしてくれっていうのはないんだけど、さっき説明したように、俺の姿が見えるのは今のところ理恵ちゃんだけなんだ」
大輔「だから、もし他の人とコンタクトを取りたいときに…」
理恵「なるほど、私に仲介をして欲しいと、そういうわけね?」
大輔「そうそう、そういうこと」
理恵「うん、いいけど…でも、その場で言うのは難しいと思うよ? だって普通の人は見えないわけだから…」
大輔「まぁ…そうだよね」
確かに、その場その場で通訳してもらうというのはダメだろう。
例えばゆかりと話をしたとしても、俺の姿が見えない以上、傍目から見れば理恵ちゃんは単なる奇人に映ってしまう。
それに、さっきの長い説明もすべて理恵ちゃんの口から言うとなると、これはかなりの重労働だろう。
紙とペンだけでも触ることが出来れば、もっと楽に伝えることも出来るんだろうけど…。
大輔「なら、俺からの伝言、みたいな形式で使えてくれないかな? それだったら分かりやすいと思うし」
理恵「そうだね、それなら大丈夫かも」
大輔「で、最終的な目的なんだけど、俺はとにかく早く夢魔界に戻りたい」
大輔「このおかしな現象が起きた理由はまだ分からないけど、解決する方法はあるらしいんだ」
大輔「だから、ひとまず…」
ぐ〜…
真面目な空気をブチ壊す音が、理恵ちゃんの部屋に小さく響く。
理恵「ひとまず…夕食?」
大輔「はい…」
理恵「あ! そういえば、お母さんにすぐに戻るって言ったのに、もう1時間も経っちゃってる!」
理恵「ごめん大輔、ちょっと待っててね。お母さーん! ごめんなさーい!」
理恵ちゃんは小走りに部屋を出て行き、慌しく階段を下りていった。
511名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/28(日) 20:37:35 ID:/2AgBii7
貴史「…え?大輔に会った?どこで?」
階下から貴史の声が聞こえてきた。俺は廊下に出て階下に耳を立ててみた。
時同じくしてふんわり美味しそうな匂いがした。…これは中華?多分、チンジャオロースあたりだろうか?

理恵「うんとね、公園のとこ」
貴史「……あいつ今日学校サボってやがって」
理恵「ええ!?そうなの?」
貴史「しかも無届けでやんの。学校サボるならサボるで俺を誘いやがれってんだ。全く水臭いヤツだぜ」
理恵「……………………」
貴史「あいつ何か言ってたか?」
理恵「ゴ、ゴメン。あたし、姿見ただけだから見間違いだったかも?」
貴史「あいつ見掛けたら教えてくれよな」
理恵「……うん。わかった」
貴史「そういえば、今日美咲さんも学校休んでたんだよなあ。
  あ〜あ、風邪らしいんだけど大丈夫かな?」
理恵「あたし上でご飯食べるから。じゃ、じゃあね」
芙美「ああ、理恵ちゃん、オレンジ剥いたからこれもついでに持って行きなさい」
理恵「あ、芙美おばさんありがと」

…あ、理恵ちゃんが階段上がってくるぞ。
俺はそっと理恵ちゃんの部屋に戻った。

そうか俺は今日は学校無届けの欠席か……。なかなかヘビーだな。
512名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/29(月) 15:19:37 ID:Klc6ZqCo
俺は理恵ちゃんに三方の上に食事を乗せて貰い夕食を始めた。
理恵「なんか、おままごとしてるみたいだね。」
気付いてはいたが、わざわざ指摘されるととても恥ずかしい。
理恵「おー、大輔が赤くなった。」
だから、口に出して言うな。

食事の後、理恵ちゃんに今後の相談と状況の確認をした。
大輔「だから、ゆかりには見えなくなった。今可能性が有るのは理恵ちゃんの他に、澪と深緒ちゃんとだけだ。」
俺は理恵ちゃんへの説明のため便宜上、深緒の方を深緒ちゃんと呼ぶ事にした。
理恵「わかった。それで学校の方は本当に連日無届けの欠席で良いんだね?」
大輔「ああ、考えてみれば一時期の彼方よりましだからな。それに・・・長くても1ヶ月だ。」
理恵「で、大輔は失踪中で、たまに着信非通知で連絡が有ると。」
大輔「そう失踪中だ。」
理恵「なんか面白そーだね。」
大輔「ああ、なかなか出来ないヘビーな体験さ。」
さすがに夜は理恵ちゃんに屋根裏部屋を開けてもらい自室で眠った。
眠ったのだが、夢魔界へ行く事は無かった。

――5月7日(火)――

屋根裏部屋を開けてもらい三方の上の朝食後、理恵ちゃんと家を出る。
理恵ちゃんは中学へ、俺は一応高校へ向かった。高校への道の途中、澪に鉢合わせた。
澪「お前、まさか、戻らずに日付を超えたのか?」
大輔「ああ1ヶ月有るからな、じっくり考えれば良いんだろう?」
澪「それは存在できる限度だ。お前、夢魔界と現実界の時空の接点というものを考えていないな。
私の知っている元に戻る方法の殆どは昨日の時点で無ければならないものだ。お気楽なことだ。」
呆れ顔で澪は先に歩いていった。愕然とする俺。
大輔「な、なんだってー!?(AA略)」
513名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/29(月) 20:11:38 ID:IIeVKkyX
キャラクター解説をまとめてみますた。
http://www003.upp.so-net.ne.jp/s_t_k/MGSTS.character.txt
変なところもあるんで、指摘よろしくお願いします。
俺は毎日このスレをチェックしてるので、言ってくれればすぐに直します。
それと、>>3に張った初代スレに、読みやすいよう線を入れてみますた。
これだけでもかなり読みやすくなると思うけど、相変わらず凄まじく重いので、
開く時はそれなりに覚悟して開いてください。全文表示されるまでかなり時間がかかります。

>>512から。
俺は頭を抱えた。
くそ〜、澪のやつめ…。
1ヶ月も持てば1日で解決しようなんて思わないだろ。
つーか、よく考えると本気でヤバイ状況じゃないのか?
まだ解決方法のかの字も分からないぞ…。
もし用意に時間のかかる方法しか残されていないとしたら、急がないとマジでピンチなんじゃないか?
俺は…

【その辺を右往左往する】
【学校へ走る】
【ミグに聞いてみる…つーか、あいつは>>501以降どこ行きやがった!?】
514名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/31(水) 03:47:43 ID:MvX99Ckx
【学校へ走る】
とりあえず澪を追いかけよう。
さっき確かにあいつはこう言ってたはずだ。
澪『私の知っている元に戻る方法の“殆どは”昨日の時点で無ければならないものだ』
“殆どは”……つまり、あいつは何か知っている。今からでも何とかなる方法を。
それにもう現世で頼れそうな人間は澪しかいない…。
多少鬱陶しがられても構うもんか…!

――鬱陶しがられても、か…。
確かにあいつは夢魔界絡みの人間を鬱陶しがってるみたいだが、
なぜか俺には…いや、俺だけには妙に肩入れしてる気もする。
第一、現世で俺に危険が迫った時、いつも最初に助けてくれようとするのはあいつだ。
ミオの『光縛』の時も…。西表島のノヴァの時も…。
いや、それだけじゃない。最初、夢魔界に行くのを止めようとしたのもあいつだ。
昨日も俺の身が危険な状態にあるって忠告してくれた。
今だって俺に確かなヒントを与えてくれた。…少し独善的な考えかもしれないけど。

だけど、なぜ助けてくれるんだろう?俺が勇者で厄介事を全部片付けてくれる存在だからか?
いや、だったら最初夢魔界に行くのを止めたのはおかしいか…。
何というか……あいつは俺を突き放したようで、いつも見守ってくれてる……そんな気がしなくもない…。
しかし、どうして無関係なはずの俺を?
そもそも、あいつは本当はどこの誰なんだ?
…わからないことだらけだ。
だから今はただひたすら走った。答えを求めるために。

順子「>>513乙。ただ職業「勇者」に違和感を感じるのは私だけ?
   DQとかで何となく慣らされているけど、本来勇者ってのは何かすごい事をした人に与えられる称号だと思う。
   だから場合によっては踊り子でも勇者と呼べるわけで、職業とするには曖昧すぎる気がする。
   そもそも、大輔はまだ何も大それたことをしてないわけだし。剣士か魔法剣士あたりが妥当なのでは?」
515名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/31(水) 21:42:41 ID:wfa0+CDZ
――澪視点。

澪「これからあいつはどう出るか…」
大輔に忠告をしてやった後、私は現世の風景を風立高校の屋上から俯瞰していた。
通り過ぎていく風が、私の首筋をなでていく。
澪「あいつはことごとく私の予想を裏切るからな…見ていてこれほど面白いものはない」
そう…私が大輔に近づく目的は、あえて悪い言い方をすれば、単なる余興である。
救世主である大輔が、私の話に触れ、どのような判断を下して、どのようにして解決し、成長していくのか…私はそれを見てみたい。
かつて、ミオと深緒を分離させる前…魔王統制時代よりも遥か昔、私は別の名で夢魔界最強の魔術師として君臨していた。
しかし、世界の頂点などすぐに飽きる。
自分に比肩する相手がいない世界ほど、つまらないものはないからだ。
戦いに生き、戦うことを目的としてきた私にとって、その世界は絶望以外の何物でもなかった。
しかし…大輔は違う。
ヤツは全盛期の私と同等の力を有するだけの資質を秘めていながら、戦うこと自体を目的としているわけでも、戦争で功績をあげようと考えているわけでもない。
人類のため、仲間のため、正義のため…そういった使い古された金看板を掲げているわけでもないのだ。
私はそこにとても興味をそそられる。
まぁ、仮に大輔が全盛期の私に匹敵する力を身につけたところで、一度分離したミオや深緒を融合することは出来ないから、戦うつもりなど皆無だし、もし倒したって虚しいだけだ。
戦うこと以外を目的とした者が戦いに勝ち、その後をどうしていくのか…私は是非ともこの目に収めておきたい。
澪「ん…? あいつは何をあわてて走っているんだ」
まぁ…おおよその予想はつくな。私のところに来るつもりだろう。
澪「さて、今回はどんな応対をしようか…」
人差し指の腹を唇にあて、私は小さく笑った。
516名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/02(金) 00:20:10 ID:boFjfsFH
大輔「やあ、みんな、おはよう」
俺はなんとなく自分の教室に入ってみた。ちゃんと挨拶は忘れてないぞ。
教室はホームルームが始まる前で、まだ先生は来てなかった。
わいわいがやがや。皆の話題は昨日見たTVのドラマの展開だの、学校の授業やあのセンコーがマジウゼーだの、そんな感じ。
大輔「おお、すごく、すごく、久しぶり!この感じ!この普通さ!これだよこれ!」

貴史「おはよー」
貴史が眠そうな顔で教室に現れた。
大輔「おっす、貴史!」
蓮華「おお、貴史はん、早よないで?完全遅刻やんけ」
貴史「…るせーよ」
大輔「どうしたよ相棒、元気ねーじゃねーか?」
貴史「…ふう」
貴史が、ため息混じりにクラスをぐるりと見渡す。
貴史「お前さんだけだな、…エセ中国人の蓮華」
大輔「え?」
蓮華「おいコラ、エセってなんやねん」
貴史「なんかさー、沖縄旅行一緒に行った同じクラスのヤツでさ、普通に今日学校に来てんの、俺とお前さんだけじゃね?」
蓮華「あ…」
大輔「え?」
貴史「…大輔のやつ、おとといからいねえだろ。…美咲さんも連絡取れねえし。彼方も雪村のお嬢も昨日からいねえ。
  それによ、なんだか恩田や明日香。それに環希も来てねえじゃねーか!どうなっちまってんだ?これ」
蓮華「せやなあ、そいえば今日は環希はんも来てないなあ。どないしたんやろ?」
大輔「お、俺は、ここにいんぞー。へいへーい」
俺は貴史と蓮華の間に入り、陽気に手を振ってひょいひょい踊ってみた。
貴史「もうすぐ臨海学校だってあんのに、大輔のヤツ、…スク水フェチのクセしてどこ消えやがったよ。これじゃあ学校つまんねーじゃん」
すぐそこにいる貴史にも蓮華にも、沢山いる他のクラスメートにも、やはり俺の姿は誰の目にも見えていないようだった。
大輔「……澪を探そう」
俺は誰に言うでもなくそう呟いてクラスを後にした。
…それにしても貴史、俺はスク水フェチじゃないぞ。…多分。
517名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/02(金) 18:48:38 ID:Moe0hytZ
順子「後で混乱が有るかもしれないからフォローしておくわね。」

順子「彼方と美影は、大輔と一緒に夢魔界に行っているから居ない。」
夏江「日付から考えると大輔が居ないのは、昨日から。
   昨日から彼方と美影と大輔が同時に居なくなったということ。」

夏江「それから昨日は明日香と恩田は学校に来てるわね。」
順子「>>477-479に下校時として登場してるわね。」
518名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/03(土) 02:40:54 ID:KyY3MFp3
俺は校舎の屋上に上がってみた。確証はないが、なんとなく澪がいる。そんな気がした。
屋上への扉は閉まっていたが、俺は扉をすり抜けて屋上ヘ出た。慣れると意外に便利だなこういうの。
……そう言えば屋上に来るのって雪村さんのカミソリレター事件以来だっけ?

そこに――――澪はいた。澪はフェンス際にひとり立っていた。
大輔「………澪」
澪「…………」
俺が呼びかけると、澪はこちらに振り向いた。
大輔「……な、なあ澪。元に戻る方法を……」
澪「言っておくが!」
俺の台詞は途中で遮られてしまった。
澪「前に言ったな。私はお前に味方しているわけじゃない。この先お前がどうなろうと知ったことじゃない」
大輔「…うう、どうしても駄目か?」
澪「駄目だ」
俺は泣きそうになった。
大輔「お前はケチだ。ケチンボだ。ちくしょう、これからはしみったれ澪と呼んでやる!」
澪「お前…結構余裕あるな………」
大輔「じゃあな、あばよ」
澪「まあ待て」
大輔「んだよ」
澪「そうだな、少しヒントをやろう」
大輔「……え?」
澪「昨日気付いたことだが、お前が下宿している家に娘がいるだろう、……あれは魔女だ」
大輔「は?」
……魔女?魔女ッコ?魔法のステッキで華麗に変身?ほうきで空を飛ぶぜベイベー。
澪「お前今、魔女を馬鹿にしただろ?」
大輔「もはや馬鹿にするしかないだろ」
澪「TVや漫画の見すぎだ愚か者!魔女と言っても時の魔女だ。多分時間を遡る能力を持っている。本人に自覚があるかは知らんがな」
大輔「……は?」
澪「ヒントは言ったからな」
澪は一陣の風と共に姿を消した。
……あのう全然ヒントになってないんですけど。
519名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/03(土) 10:44:02 ID:p4HO7gxL
作中に出てくる用語もまとめてみますた。ちと順番がメチャクチャで申し訳ないけど…。
http://www003.upp.so-net.ne.jp/s_t_k/MGSTS.yougo.txt
変なところがあったら指摘お願いします。載せて欲しい用語があれば言ってください。
前述のとおり毎日スレをチェックしていますので、言ってくれればすぐに反映させます。
(1〜2日経っても修正されてなかったらゴルァしてください)
ただし、追記・修正を行った場合でも、その旨は書きません。スレの流れを止めてしまうので…。


>>518から。
大輔「う〜ん…」
俺は澪の言葉を頭の中で反芻し、しばし深慮する。
時間を操るってことは、時空魔法に長けてるってことだよな…。
つまり、俺が今ハマっている次元のなんたらというのも、理恵ちゃんの得意分野というわけか?
イマイチ判然としなかった。
第一、時空魔法に長けてるといっても、現世の理恵ちゃんが魔法を使えるわけじゃない…と思う。
ずいぶん前に夢魔界で会ったリエちゃんは5歳くらいだったから、これもやはり十分な魔法が使えるとも思えない。
どういうことなんだ?
咄嗟のことが起こると魔法が使えたりするんだろうか。
それとも、俺が魔王(略)高校で習った魔術の授業を、理恵ちゃんにも教えてみればいいのかな…。
俺は難しい表情をしながら、しばらく屋上でウンウン唸っていた。
520名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/03(土) 11:12:58 ID:LGY805Qm
――澪視点。

ククク、面白い。こんなに面白い遊びはなかなか無い。
元に戻る方法、現時点で確実な方法は1つだけ。
そしてそれは必ず行われる。
このままの状態が続けば夢魔界側の異変に気付いて美影が必ずやってくる。
大輔も美影の世界を繋ぐ能力は知ってる筈なのだが。
それが今日なのか、明日なのか、もっともっと先かは分からない。
3週過ぎても来なければ、私が美影に連絡をしてやろう、夢見が悪いからな。

それまでは、ククク、楽しませてくれ大輔くん。
君は私の言葉を信じてしまうのかな?
お前に味方しているわけじゃない。とヒントを与えた上でのこのジョーク。
唯一の協力者である、あの少女を魔女扱いしたらどうなるか?
元に戻ろうと必死に足掻く姿をぞんぶんに楽しませてくれ。

――そして大輔。
大輔「いずれにしても理恵ちゃんに時空魔法が使える素質があると説明する必要は有るな。
説明というか説得というか、信じてもらえるだろうか?」

【後々の事を考えて授業を聞いておく】
【シャドウが気になる】
【理恵ちゃんの中学へ向かう】
521名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/03(土) 20:15:21 ID:HRW3eFmA
澪ってこんなやつだったか?
522名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/03(土) 21:10:59 ID:0N3Y1DVB
【シャドウが気になる】

大輔「ここでこうしていてもどうにもならん。しかたない理恵ちゃんの学校にでも行ってみようかな」
俺は屋上を後にした。
……そういえば
大輔「環希のやつも学校に来てないんだったな……調子でも悪いんかな?」
本当、どうなるんだろうな、これから。
以前なら、俺のピンチのときには、環希がどこからともなく擦り足で現れて、俺の意識をアッパーカットでぶっ飛ばしてくれたんだ。
俺はそんな環希を懐かしく感じていた。……いや、思い出を美化するのは弱気になってる証拠だ。良くないな、やめよう。
実際ろくでもない思い出ばかりで悲しくなってきた。

3年のクラスの前を通ったとき、ゆかりの姿を見掛けた。
授業が始まっているにも関わらず、ゆかりはとなりの席の女の人と何やらひそひそ話し込んでいた。
……何やってんだか。

少し気になって聞いてみた。
???「さっきの話だけどさ、良いんじゃない?付き合うだけ付き合ってみたら?」
ゆかり「あぁあうあう。で、でも、あ、あたし、ずーーーっと前から決めてる奴が――って、美香!授業中に何言わせんのよ!」
美香「あんたってさ、何気に年下好み?」
###「何々、美香?ゆかりがどうしたの?」
美香「ああ里美。ゆかりがね昨日写真部の2年生に告られたんだってさ」
里美「何ーー!うっそー!」
ゆかり「ああもう!バラすしー!」
担任「あなた達、随分楽しそうな会話してるわねー?教科書ちゃんと見てるー?」
里美「げっ」
ゆかり「あ………」
美香「なははは……」
担任「全く何やってんだか。あんた達、後で職員室に来なさいね?」

……本当、俺何やってんだか。
523名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/03(土) 21:36:42 ID:KT5mZgBn
―澪視点
(しかし、氷室に言ったこともあながち外れているというわけでもないのだがな)
(あの娘、村上の妹で理恵といったか…今は微弱だが明らかに異質なものを感じる)
(初めて雪村と会ったときにも感じたが、それとも違うようだ)
(こちらを調べてみるのも面白いかもしれんな。何かきっかけがあればあるいは…)
澪「ふ、私も最近は悪い癖が出てしまっていかんな。しばらくは傍観者に撤するとしよう」
そう言いながらもしばらくの間、澪はいろんな考えを巡らしていた。


―大輔視点
なんにしても、今できることをやってみるほうがいいかもしれない。
とりあえず…

【学校を出る】
【もう一度、自分の教室へ向かう】
【一年の教室へ行ってみる】
【誰にも声が聞こえないのをいいことに、何か叫んでみる】
524名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/04(日) 02:02:37 ID:rQGj5BPG
>>521
確に>>520は明らかに違和感ある
レス全部に目を通せとは思わないけど、できる限り前々からのに合わせるべき
強引なキャラ転向は流れ無視と変わらないし
そういやヒビヤの口調も以前似たようなことあったな
525名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/04(日) 22:49:51 ID:PA7e/Hdy
【一年の教室へ行ってみる】

そうだな、学校を出る前に1年のクラスにも行ってみるかな?
大輔「……それにしても恩田の奴本当にゆかりにアタック始めたんだな」
妙な焦燥感に苛まれた。
俺はどうしたいんだろう………。
そんな折、ゆかりの呟きが聞こえた。
ゆかり「これもみんな大輔のアホがハッキリしないのがいけないんだ……あんにゃろめ!」
大輔「………………」
俺はゆかりのいるクラスを後にした。

1年のクラスの前でひなちゃんを見かけた。
ひなちゃんは教壇に立って何か数式のようなものを黒板に書いていた。1時限目は数学かな?
ひなた「先生できたッス」
教師「ふむ、ほう、……良くできている」
教室になぜかどよめきが起こった。
ひなた「えっへへ」
教師「……今年の東大入試で正解率が1番低かった問題だぞ。それ」
ひなた「こういうの得意っス」
……ひょっとして、ひなちゃん。すげー頭良い?
教師「……植原、お前今からでも全然遅くないから。もっと進学率の高い学校に編入するか?なんなら紹介してやるぞ」
ひなた「でも先輩が………」
教師「ん?」
ひなた「あわわ、いえ、あの、なんでもありません。あ、あたしはこの学校にいたいんです……」
教師「そうか、植原は進学希望か?」
ひなた「いいえ、就職を考えてまっス。はい」
教師「……まあ気が変わったらいつでも言いにきなさい」
ひなた「はーい」

……俺、このままでいいんだろうか?
526名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/04(日) 23:26:38 ID:RBW4TjfT
>>525
順子「>>513のキャラ解説読むと、『あまり頭は良くなかったようだが、彼方に勉強を見てもらい、無事同じ高校に合格』って書いてあるわよ」
夏江「高校受験も危ないのに、なんで大学入試の問題が解けるのよ! と言いたいそうです」
順子「まぁ細かい設定なんだけどさ。どうする?」
夏江「そんなの、今後みんなで決めるコトでしょ」
527名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/04(日) 23:51:37 ID:IKX9fdT0
真奈美「頭の悪いフリしてたんだよきっと」
528名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/05(月) 00:58:57 ID:I1T+dHFu
???「入学式の新入生代表って、入学試験トップの人がやるし、彼方に教えてもらってから抜群に伸びたんじゃね?」
529名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/05(月) 01:18:46 ID:5pYpvsiq
ひなたはやればできる子

と、いうことにしようじゃないか
530名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/05(月) 02:08:42 ID:kNPW3Kys
ところで残り容量がもう20KBも無いですね。
そろそろ次スレに移りたいけど、現状のまま次スレに移っても酷い過疎になりそう…。
いかんせん問題が多すぎるようで…。話し合う必要性がアリかと。

主な問題は次の通りかな?スレ存続において深刻そうな順番に並べてみました。
・恋愛要素の激減(特に異世界がらみの展開で)
・設定の複雑化(もはや書き手が書きづらいレベル)
・連投の横行
・流れ無視、キャラ乱入過多、唐突な性格転向(多少はフォローする約束だけど)
・一場面のキャラ数が不必要に多い
・視点変更過多
・過度のパロディ(解決済み?)
・戦闘のインフレ

…なんか異世界絡みでの問題が多い気が。だけど、2スレ目を盛り上げてくれたのも事実。
良いのか悪いのか…。
みなさんが“今”異世界編をどう思ってるか、ちょっと意見を聞いてみたいです。
【現世より断然面白い】
【良い】
【普通】
【いまひとつ】
【もはや蛇足】
531名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/05(月) 12:46:11 ID:5pYpvsiq
議論するなら
http://hp14.0zero.jp/206/sss1001/
まとめサイトで。議論してる間に容量オーバーになるのも本末転倒だしな。

あえて言うなら、異世界は【いまひとつ】かな。スパイスがメインになっちゃいかんよ。
532名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/05(月) 13:35:37 ID:kNPW3Kys
>>531
本来あっちでやるべきとは思うけど…何人が見てるかわからないしな…。
現状はちょっとヤバげだから、少しでも確実に議論したいと思ったんだが…。
533名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/05(月) 13:42:48 ID:fN1x4Ppm
異世界編はぱっと見わけのわからない設定だらけでよくわからない。
みんな名称にこだわり過ぎ。
534名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/05(月) 19:49:14 ID:fOjFkr5y
>>530
恋愛要素の激減は確かにギャルゲとして致命的だが、
戦闘シーンになると書き込みが多くなって、日常シーンになると過疎化する傾向は否めないから、
絶対に悪いってこともないと思う。俺としては、日常シーンは日常シーンで書いてて楽しいし、
戦闘シーンも戦闘シーンでやっぱり楽しいよ。

設定の難しさについてはかなり問題だから、キャラ解説
http://www003.upp.so-net.ne.jp/s_t_k/MGSTS.character.txt
と用語解説
http://www003.upp.so-net.ne.jp/s_t_k/MGSTS.yougo.txt
をなるべく分かりやすいようにまとめて、少しでも助けになればと思ってる。
まだまとまり悪いけど、これから頑張って使いやすくしておこうと思うんで、
よければみんなも協力してくれると助かる。

もしどうしても恋愛要素中心のギャルゲを書きたければ、
「together with you 〜another story〜」のスレでも立てるか、
完全に別のスレを作るしかないと思う(物騒な話は絶対に出さない、というルールを設けてね)。
535名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/05(月) 19:52:55 ID:5pYpvsiq
異世界編は…
・すぐに〜最強とか、幼稚な設定出しすぎ。
・既存の伏線すら消化してないのに、新設定出しすぎ。
・流れ無視して、好きなキャラ出しすぎ。好きなキャラ優遇はいいけど、度が過ぎる。
・ただでさえキャラ多いのに新キャラ出しすぎ。

などが挙げられる。
……なんか、最近のジャンプ漫画とかパクリ御三家並のひどい状況だな。
最近は他ライター、流れを気にせず好き勝手書く人が多すぎる。
確かに自由に書くのは否定しないけど、好き勝手書くこととが違う。
いわば「自由をはきちがえている」と。

異世界編は嫌いじゃなかったけど、最近は書く気も失せてる。
個人的には、異世界に行かず、ノヴァとの戦いとかも現実世界でやってほしかったり。
536名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/05(月) 20:13:28 ID:fOjFkr5y
新スレ立てておいた。

みんなでギャルゲのシナリオを作るスレ 5月3日(金)
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gal/1149505809/
537名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/05(月) 22:10:37 ID:I1T+dHFu
>>536乙!…が、さっそく変なのが来ているな。
538名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/05(月) 22:39:54 ID:fOjFkr5y
>>535
順子「あのさ、気持ちは分からないでもないけど、あんまりそう辛辣なこと書くのはやめようよ…」
夏江「今までのシナリオを否定されるの悲しいし、他の人の士気まで落ちちゃうでしょ?」
539名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/06(火) 09:14:29 ID:ykdP1Sv8
>>537
てかID変えてないのに(ボソ
540名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/06(火) 09:18:34 ID:ykdP1Sv8
>>536
遅ればせ乙です

>>ALL
いつも楽しませて貰ってます
ゆっくりペースでも良いじゃないですか
頑張って下さい
541名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/06(火) 14:21:43 ID:j7yIRZRO
>>536乙。しかし難しいところだよな。
異世界編を消化するのにあと1、2スレはかかるだろうし。
それまで日常はまともに描けないだろうし(日常シナリオに異世界設定が割り込んでくる)。
それに異世界に関わる現世のキャラが増えすぎると、全部終わっても元の日常に戻れないかもしれないし…。
…何だか足かせが多すぎる。本当に分裂するしかないのか…?
542名無しくん、、、好きです。。。
いや、異世界での『日常』を描けば問題ないと思っていたよ。それはそれで面白そうじゃん。
なんつーか、最近の異世界編は事件多杉で、あとシリアス杉だな。
もっとこう…そんな世界だからこそのシチュとかを期待していたんだが…。
とりあえず、もっとほのぼの行こうぜ!の一言に尽きるよ。戦闘も出来る限り軽いノリで行こう。シリアスなんて飾りよ、飾り。
あと、新設定も出し杉かな、と…。1スレ目最後あたりでも問題になってたじゃん。

長々とスマソ。ちなみに本編はあっちで進行してます。