【未来を】ゆめりあネタバレスレVol.2【変えて】

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「ねねこ」
「なんなのだ、ダーリン?」
「お前の帽子の中、相変わらず得体の知れない何かが元気にうごめいているな」
 言うと、ねねこの耳……もとい、帽子がピンと立つ。
「ダーリン、得体が知れないなんてひどいのだ。愛が感じられないのだ」
「そもそも、なにがはいってるんだ?」
 問うと、ねねこはいつものようにアゴに手を当てう〜んと考え始める。
「謎なのだ」
 頭を抱えてはげしくふりながら、ねねこはこれまたいつものように悩み始めた。
「そんなの帽子を取ればすぐに分かることだろ?」
 言いつつ、ねねこの帽子へと手を伸ばす。するとねねこは俺の手から逃れるように後ずさった。あまつさえ帽子を手で押さえて防御までしている。
「だ、だめなのだ! トレードマークのこの帽子をとったらねねこはねねこではなくなってしまうのだ!」
「な、なにぃっ!?」
「ダーリンはひどいのだ! ねねこがねねこでなくなってもいいのか?」
 ねねこがねねこでなくなってしまう。
 その言葉に、思い出される。運命変革。失われてしまったかも知れない今。いなくなってしまったかも知れないねねこ。
「よくない」
 気がつくと、ねねこのことを抱きしめていた。
「ダーリン……」
 ゴロゴロと嬉しそうにのどを鳴らすねねこ。
「このロリコン」
 冷たい声に振り向くと、そこにはネイトがいた。そのネコミミ……じゃなくて帽子はなにかが一杯に詰まったように立っている。
「……おまえの頭の中も、なにが詰まってるんだろうな?」
「さあ? あなたみたいなロリコンに対する、軽蔑の念じゃないかしら?」
 ネイトのやきもちはいつも通り手厳しい。どっちも謎な頭をしているくせに、どうしてこう対照的なんだろうか?
 思わずため息が漏れる。でも、それはけっして不快なものではなかった。