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「メディア文化論」(某大学教育学部専門科目、3回生以上&院生配当)
・題目「今日のメディア文化について」
・本論の主題
現代のメディア文化の表れとして、雑誌上において仮想の家族を措定するという試みを紹介する。第1章では、当該雑誌において試みられた家族のあり方について総括する。次いで、第2章においてはそのうちの1つに着目して詳細に論じる。
・第1章
省略(これまでの読参の経過としてシスプリ、ハピレス、ミルシーを紹介)
・第2章
本章では、第1章で述べたとおりに「双恋」を例にして、現在のメディアにおける架空の家族のあり方を考える。なお、これに登場するキャラクターを資料(2003年2月号pp175-178より収めた)として末尾に添付した。
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332:03/01/29 23:13 ID:???
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この作品の特徴は、双子である。即ち、恋愛対象となるキャラクターが悉く双子なのである。勿論、双子が登場する恋愛シミュレーションゲーム自体は多々存在する。ただ、それらの作品と根本的に異なる点が2つある。
1つは、登場するキャラクターが全て双子である点である。これは、数人の中に1組混ざっているというのとは異なる。
そして、もう1つは従前のゲームと根本的に異なる点であるが、双子の両方を同時に好きにならねばならないという点である。一般のゲームならばどちらかを選ばねばならないところである。これは「2人一緒じゃダメですか……」という台詞に象徴されている点である。
ここにおいても家族像を直接措定するのは確かに難しい。しかし、双子という家族的関係の中に割ってはいることを考えると、これもまた家族の範疇に入れ得るといえる。少なくとも、この双子は血縁関係のある正真正銘の双子である。
さて、本ゲームにおいては5組の双子が登場するが、その詳細は末尾の資料のとおりである。要約すると以下のようになる。
桜月キラ・ユラ姉妹はロングヘアに制服が清楚なムードの正統派美少女と言える。多くの恋愛ゲームで主役格とされるタイプである。
一条薫子・菫子(かおるこ・すみれこ)姉妹は、若干のボーイッシュな側面を持つタイプである。
白鐘沙羅・双樹(さら・そうじゅ)姉妹は、気が強そうで少し乱暴な話し方をする沙羅と素直なタイプの双樹という対照的な組み合わせである。このような対照的(だが、「不思議な通じ合いと強い絆」がある)な組み合わせは他にはない。
雛菊るる・らら姉妹は何事も信じやすい性格の小学生である。
最後に、千草初・恋(うい・こい)姉妹は、かなり内気で気弱なタイプである。実際、何かある度に謝ってばかりいる。
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332:03/01/29 23:16 ID:WVCIcYjc
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さて、これに対して読者は読者はどのキャラクターを好んでいるのか。勿論、この誌上ゲームには複数冊購入した上で複数投票する読者が毎度存在するゆえ、得票数がそのまま人気に直結するとは限らない。
しかしこれによって求められる架空の家族像の一片が分かる。この結果は以下の通り(2003年2月号より)である。
(第1回の得票結果を掲載)
この結果から何が言えるのか。1つには、均質な家族像を求めてはいないということである。これは、5組の中で唯一均質な双子ではない白鐘姉妹に一番の人気が集まっていることから予想できる。
言いかえると、均質な環境は実在の家族内で満足できているので空想上の家庭においては、不均質さを楽しみたいという傾向があるといえる。これは、先の例のように性質の異なる「妹」が12名出たり「母にして教師」が5名出たりするのと同じと言える。
いま1つ言えることは、「妹」が人気を博するのと「幼い少女」が人気を博するのは別物であるということだ。
これは、確かに空想上と言えども妹への愛はタブー化されているがために逆に多くの者を狩り立てることとなる。
しかし、それはあくまでも自分とつりあいのとれる年齢の範囲内であり、つりあいのとれない年齢になると逆に家族としても愛情を育みにくくなることを反映している。これは、大部分の実在の家庭において父娘相姦が生じずに済んでいるのと根は同じであろう。
・成績は、4月上旬に出る予定。