SS神の降臨キボーヌ
前々スレの続きを……
954 :
sage:03/02/18 01:15 ID:e/nMerCK
いつみの小説うまかったな。
慟哭ファイナルエディション…万代書店(知ってるヤシいる?)で15000円…
ビクーリしますた…
もう気分は最悪だよ
次スレは?
958 :
951:03/02/18 11:29 ID:???
>958
乙鰈
>955
それは・・・
近所で4000で残ってるよぉ
962 :
951:03/02/19 10:01 ID:???
SSまだ〜
前々スレの続き、他板にあがったところまでなら保存してるけど…
代理であげようか?
ぜひお願いしますヽ(´ー`)ノ
おながいします
おなしがいがあります。
では、埋めたて職人さんに敬意を払いつつ代理であげさせていただきます。
前々スレの999からの続きです
玄関の前には1人取り残されたような子鈴さんがポツンと立っていた。
僕ら2人のやり取りを見ていただろう、控えめに呟く。
子鈴「あの……時田さん、ご迷惑でしょうか………?」
ノーマ「もうリムジン行ってしもた。一也はウチら2人、このあっつい中待っとけ言うんか?」
一也「あー………。」
どうしよう……確かにこの猛暑の中に2人を放り出すのは気が引ける。
喫茶店かどこかで時間潰せばいいのでは……なんて考えもふと頭をかすめたが、
「喫茶店行ってきて」なんて言えるほどあつかましくもない……まして、このノーマに。
「ね――――、ちょっと来て―――――っ」
頭を悩ませていると、家の奥から僕を呼ぶ声が聞こえてきた。
あの声はいつみだな……。
ノーマ「ん?誰か呼んでるで?」
一也「あ、あぁ………ちょっと待っててくれる?」
僕は玄関先でそう言うと、ブランデーの入った小包を靴入れの上に置いて、
廊下の奥の洗面所に向かった。
洗面所に入った僕の目に飛び込んできたのは、乾燥機と格闘しているいつみの姿だった。
いつみ「あ、ねぇ、これどうやったらいいの?このボタン押しちゃっていいのかなぁ?」
一也「………。」
僕は無言で乾燥機を動かした。ブゥゥゥゥ……と中の衣服が(下着だけだが)まわり出す。
いつみ「あ、なーんだ。やっぱそれ押したら良かったんだぁ。」
一也「っていうかボタンこれしかないだろ……。」
いつみ「いやー、人様の家のもの勝手にいじって壊しちゃったらヤバイじゃん?」
えらくまともな意見だ。
いつみらしくないと思いながらも最もな考えに僕は素直に感心した。
一也「じゃ、止まったら開けていいから。」
いつみ「あ、ちょっと待ってよぉ!」
そのままノーマ達を待たせてある玄関先に向かおうとした僕の腕をいつみが掴んだ。
早くノーマ達と話しをつけたい僕は内心焦りながら、いつみに向き直る。
一也「何?人待たせたままだから、話は後で聞く…」
いつみは僕の首に両腕をまわし、どこか艶かしげな笑みを浮かべて近づいてきた。
僕はぎょっとして身を引こうとしたが、絡められた腕が離れるのを許さない。
一也「な、な……」
いつみ「ね、アタシ…千砂とのコト思い出しちゃってさ…さっきは途中で終わっちゃったじゃない?
アンタも結局イケなかったみたいだし、続き……しない?」
とんでもない事を言い出したいつみが、自分の身体を必要以上に押しつけてくる。
冷房も効いていないこの場所で、僕は汗ばんだ背中を気にしながらも
その意識はいつみの柔らかい肢体に集中していった。
一也「何言ってるんだよ……っ!ぼ、僕は……」
いつみ「アンタに好きな人がいるのはわかっているけど、今だけでいいから……、
アタシ……また身体が熱くなってきちゃって……切ないよぉ……。
ほら、わかるでしょ?固くなっちゃってる……」
片手を僕の手に添え、いつみは自分の胸元に持っていく。
思っていたよりもずっとボリュームのあるその乳房の先端は、
タンクトップの上からでも解かるぐらいに固い感触を残していた。
細い眉を寄せて、彼女は僕に懇願してくる……。
いつみ「お願い、アタシ我慢できない……!して、気持ち良く、してっ!」
すでに熱くなっているその股間を僕の腰に押しつけて、
いつみは腰を小さく前後に動かす。
潤んだ瞳は快楽のみを求める雌のように、その瑞々しい身体は激しく悶え出した。
一也「いつみ……、う……あぁっ!」
僕のシャツのボタンを強引に外し、胸元に舌を這わせる。
くすぐったいような、どこか快感を与えるその愛撫に僕の身体から力が抜けていく。
いつみ「あハ………硬くなってきたぁ……」
今日2度目の、シッパーを下ろす音。その相手は共に目の前のいつみだ。
いつみ「千砂がしてくれなかったコト、してあげるね………」
僕の足元に跪き、ごそごそと僕のモノを取り出す。
節操もなくそそり立ったペニスが飛び出ると、いつみは嬉しそうに手を添えた。
いつみ「すっごいビクンビクンしてる……じ、じっとしててよ……」
小さな口をめいっぱい開けて、いつみは僕のモノを……
「ああぁぁ―――――――――っ!!」
ドタタタタ…。
ノーマ 「か、一也ぁ!!う、上に千砂によう似たコが…………うわぁ!!
い、いつみが一也を襲っとるぅ!!」
一也「ち、違う!!」
いつみ「ノーマ……?」
ノーマ 「子鈴ぅ――――!!来て見ぃ、おもろいで――――!!」
嬉々として玄関の方に手を振るノーマ。
一也「わ、わ、わ!」
いつの間に上がりこんだんだ!?
僕は自分のモノを覗き見られた恥ずかしさより、勝手に家に上がりこんだノーマに
2階で気を失っている青木さんを見られたということに焦りを感じた。
男の部屋に頬を紅潮させた女の子がベッドで寝ていたら、
あらぬ考えを持たせかねない。
慌てて衣服を正してから、僕は事のあらましをノーマに説明することとなった…。
ノーマ 「……へぇ、それじゃ一也が無理矢理ヤッた訳やないんやな?」
一也 「あ、当たり前だよ!」
ノーマ 「そか。ウチてっきり千砂は襲われたショックで気ぃ失ってたんか思たわ」
一也 「そんな訳ないだろ…」
僕達は2階へ戻った後、これまでの経緯をノーマと子鈴さんに説明した。
予想通り、ノーマは僕が青木さんを無理矢理家へ連れて来て、
純潔を奪ったと勘違いしてくれていた。
彼女が僕をどういう目で見ていたのかが解かったような気がして、とても悲しくなる。
いつみ「それどころか、コイツってばぜ〜んぜんヤル気になんないの。
アタシが千砂をけしかけて、よーやっと盛り上がってきたんだけどねー」
子鈴 「では、時田さんは青木さんと……?」
一也 「ち、違いますよ! 僕はしてません!
いや、その…ちょっとはしました、けど…」
ノーマ 「挿れてないっちゅう訳やな。」
一也 「……!!」
いきなり核心をついてきたノーマに赤面しつつ、
僕は子鈴さんに向かってコクコクと頭を縦に振って見せた。
ノーマ 「中途半端なやっちゃな〜……千砂が覚悟決めてあんたの所来てんから、
それに答えたらなアカンがな」
いつみ「アタシもそう言ったのに、全然ダメ! アンタは女の子の気持ちがわかってない!」
ビシッと僕に指差して、いつみが偉そうに説教をたれてきた。
一也 「そんな事言ったって……!」
子鈴 「……でも、時田さんにも何か理由があるのでは?」
ノーマ 「理由? 千砂のバージン受け取られへん理由かいな?」
いつみ「あー、それがね、好きな人がいるって…」
一也 「わぁ、言うなぁ!!」
僕の制止は1歩遅く、『好きな人』という言葉を聞いたノーマの目が爛々と輝き出した。
それは僕にとってはとてもイヤな輝きだった…。
ノーマ 「ほほぉ……そうか、一也には惚れた女がおるっちゅー訳か。
そかそか……それで誰や? あんたが心奪われた女言うんは?」
やっぱりこういう展開になった。
人一倍好奇心が強そうなノーマがこの話題に飛びつかない訳はなく、
身を乗り出して僕に問い詰めてくる。
いつみ「そうよ、千砂よりいい子じゃなかったら、アタシが許さないから! 誰!?」
ノーマという強い味方が増えた今を逃すまいと、いつみもその話題に便乗してきた。
一也 「そ、そんなの言えないよ……!」
僕は1人状況を見据えていた子鈴さんに助けを乞う目を向けたものの、
彼女はただ困ったような表情で僕に苦笑を返すだけだった。
今この流れを止められるのは、子鈴さんしかいないのに…。
ノーマ 「こらぁ一也! シカトしとらんと早よう言わんかい!」
いつみ「アタシ達の知らない子だったら、写真も見せて!」
一也 「こ、子鈴さ〜ん……助けて……」
場が完全に『僕の告白を聞くまで許さない』という絶体絶命の雰囲気になっている。
あくまで傍観者を決めこむ子鈴さんが頼りにならないとわかり、
いよいよ2人に追い詰められようとしていたその時。
千砂 「……………ん、ぅん………」
ベッドに寝ていた青木さんが声を漏らした。
瞬間、皆の視線が彼女に向く。
皆が注目する中、ゆっくりと彼女の瞼が開いて、
2、3度パチパチと瞬きを繰り返した。
一也 「あ、青木さん、気がついた?」
千砂 「あれ? 私…」
青木さんは自分の見つめている顔を順に確認して、驚いたような表情をしている。
ノーマ 「やー千砂、おひさ。ウチの事、覚えとる?」
千砂 「……ノーマさん……ですよね?それに、子鈴さんも……どうして?」
青木さんは目を白黒させて、自分の前に座っている2人を交互に見ている。
どうやら今の状況が頭の中で整理できないらしい。
そりゃそうだ、彼女達がここにいる理由が青木さんにはわからないだろう。
子鈴 「ノーマ様が、時田さんのご自宅へ遊びに行くと言われたもので……」
そんな彼女の意を汲んで、子鈴さんが現状を説明した。
しかし、子鈴さんの言葉尻には困ったような感じが込められていた。
ノーマの付き添いで来てみたものの、青木さん達の邪魔をするような形に
なってしまったことを気にしているのかも知れない。
ノーマ 「そしたら、なんやオモロイ事になってたっちゅー訳や。
スマンな千砂、なんや邪魔してしもたみたいで」
千砂 「じゃ、邪魔って……」
青木さんが寝ている間に事の説明は終わっていたので、ノーマと子鈴さんには
彼女が気を失っていた訳は全て伝わっていた。
全てが筒抜けになっていると知った青木さんが恥ずかしそうに俯く。
ノーマ 「あはは、照れな照れな! そやけど、千砂は危ないなぁ。
男の前で気絶するなんて、襲ってください言うてるようなモンやで?」
一也 「なっ……そ、そんな事しないよ!」
イヤらしく笑うノーマに、僕は強い口調で言いきった。
どうも彼女の中では、僕はそういう欲望が強い男になっているらしい。
千砂 「そ、そうですよ……それに、いつみもいるんだし……」
ノーマ 「あんたが寝てる間に、そのいつみと一也がよろしくヤッてたの見たんやけど…」
千砂 「ええっ!?」
子鈴 「ノ、ノーマ様っ…」
その言葉を聞いた刹那、青木さんが強い視線で僕といつみを睨んだ。
一也 「ち、違うよ! 何もしてないって! 僕達はただ、青木さんの…」
僕がそこまで言って初めて、青木さんが自分の異変に気づいた。
何かを確かめるように、もぞもぞと手で腰の辺りをさすっている。
千砂 「わ、私の……下着、は……?」
いつみ「あのね、千砂のパンツ汚れちゃったから洗ってあげようと思ったの。
そしたらいきなり後ろから押し倒されて…」
一也 「ち、違うだろ!! 逆じゃないか! いつみが僕に…」
よよよ、と手で顔を覆ってわざとらしい演技をするいつみを、
僕は焦りながら否定した。この状況で冗談はやめてほしい。
ノーマ 「…とまぁ、2人は乳繰り合おうとしてた訳や」
千砂 「そ、そんな……!」
ノーマ 「でも安心しぃ。ウチがそこで乱入したから、2人はそこまでや。
千砂の考えてるような事はなーんもなかったで!」
千砂 「………本当ですか?」
青木さんは悲しげな眼を僕に向けてきた。
冗談か本気かわからないノーマやいつみの言葉より、
僕の口から是非を聞きたいらしい。
一也 「ほ、本当だよ」
いつみ「あはは、ゴメンゴメン。何もなかったよ、これホント!
ちょーっとさぁ、からかってやろうと思っただけなんだ。だからゴメンね、千砂!」
よく言うよ。
ノーマが来なかったら、あのまま口で僕のモノを咥えてもらえそうに……
いや、間違えた。嫌々咥えられそうになったんだ。
ノーマ 「ま、ウチが見とらん間にすでに…」
一也 「し、、してないよ! 何もやってないって!!」
千砂 「…………そうですか。私、時田さんを信じます」
その瞳には不安の光が宿って見えたが、僕達2人の言い分に青木さんは
取りあえず納得したようだった。
一也 「あ、ありがとう……」
ノーマ 「さっすが千砂! 好きな男なら例え嘘でも信じてまえるっちゅーわけやな!
一也ぁ、愛されてるなぁ!!」
ノーマがドン、と肩を押してきて、僕の身体は青木さんの方へ突き飛ばされた。
立て膝をついたまま青木さんに向かって倒れていきそうになったところを、
彼女が支えてくれる形になり、僕は青木さんの胸に飛び込んだ状態で制止していた。
青木さんの身体の柔かさが、僕の脳内にさっきの情事を思い出させる。
温かい青木さんの股間、恥ずかしそうに頬を染めて喘ぐ可愛い彼女……。
千砂 「あ、あの、時田さん……」
僕を妄想から現実へと引き戻したのは、他ならぬ妄想の相手の声。
慌てて青木さんから離れて、僕は彼女に改めて向き直った。
一也 「ご、ごめん! 何……?」
千砂 「そ、その……」
青木さんはもごもごと口を動かしているが、その内容が聞き取れない。
いつもハッキリとものを言う彼女にしては珍しく口篭もっている。
が、ベッドの上でスカートをきっちりと抑えている彼女を見て、
何となくその態度の意味がわかった。
ノーマ 「千砂ぁ、スースーして落ちつかんのやろ? ノーパンやもんなぁ!」
僕と同じく青木さんの言動を見ていたノーマが核心をついた。
彼女も『ハッキリ』思ったことを口にするタイプだが、
青木さんと違うのは頭に浮かんだことを真っ先に口にするところだ。
一也 「あっ……あの、多分もう乾いてると思うから……」
千砂 「そそうですか……」
ノーマの『ノーパン』という言葉が、僕達を余計に意識させた。
普通にしていれば決して見えることのない青木さんのスカートの中。
だが彼女が脚を高く上げればもしかするかも…という邪な考えが、
僕の視線を彼女のそこへと釘付けにしてしまう。
いつみ「確か、乾燥機に入れっぱなしにしてたんじゃなかったっけ?」
子鈴 「……では私が……」
控えめな声がしたと同時に、子鈴さんが立ちあがった。
彼女の言葉の意は、青木さんの下着を取りに行ってくれるということらしい。
千砂 「わ、私も行きますから!」
がば、と青木さんが立ちあがり、僕の横を擦りぬけて子鈴さんの隣に並んだ。
その動きが僕から逃げるように素早かったため、何か寂しいものを感じてしまった。
子鈴 「場所は……先ほどのところですよね?」
さっきノーマが僕といつみを目撃したところの事を言っているのだろう。
子鈴さんはあの時の呼びかけで上がりこみはしなかったものの、
きちんと場所だけは把握していたようだ。
まぁノーマの(見た事ないけどきっとそうに違いない)豪勢な屋敷で働く
彼女にとっては、部屋の数も片手で数えられるぐらいの
小さな家の構造なんて簡単に覚えられるんだろうな。
子鈴さんが青木さんと連れ立って部屋を出ようとした時、
僕はある事に気づいた。
今この部屋にいるのは子鈴さんと青木さんと、いつみとノーマ……。
一也 「ぼ、僕も一緒に行きます!」
千砂 「え? 時田さんも……?」
青木さんは顔に片手を添えて、困ったような表情を浮かべている。
どうして僕が急にそんな事を言い出したのかが理解できていない様子だ。
子鈴 「大丈夫ですよ、時田さんにわざわざ来ていただかなくても…」
一也 「いえ! 一緒に行きますから!」
頑なに同行を主張する僕に、子鈴さんと青木さんは渋々頷いた。
そりゃ、僕がいたら青木さんが気を使っちゃうのはわかるさ。
一度は見られたとはいえ、自分の下着を取りに行くんだから。
でも、ノーマといつみの2人を僕1人で相手にするのは無理だって!
さっきの話をぶり返されるに決まってるよ…。
ノーマ 「何や。一也はウチらが嫌いなんか?」
いつみ「ヒッドイの! アタシらが何したって言うのよ?」
…………。
一也 「行きましょう」
子鈴 「は、はい」
僕は先頭に立って部屋を出た。
自分さえ面白ければそれでいい、と考える悪魔2人を部屋に残して。
・
・
・
ノーマ 「一也のヤツ、ウチらから逃げたな……」
いつみ「ああもあからさまだと、ヤな感じだよね〜」
ノーマ 「しっかし、さっきの千砂に抱きついた時のあいつ見た?
一也、ずーっと千砂のアソコ見てたな!
スカートの上から見えるわけないっちゅーねん! ははははは!!」
いつみ「千砂にいたずらしてる時も何か動きがぎこちないって言うか……。
よくわかんないって感じで触ってたよ」
ノーマ 「あれは女を知らんな。童貞決定や!」
いつみ「アタシもそう思うな。女の子を怖がってるように見えるんだよね」
ノーマ 「ここは1つ、このノーマ・ウェンディ様が一肌脱ぐか……!」
いつみ「ふふっ、面白そうだね! アタシも噛んじゃおっかな?」
ノーマ 「そんじゃ2人で一也を男にしてやろか?」
いつみ「ヤッちゃう? 襲っちゃう?」
ノーマ 「あ、ちょっとその前に確認や。まさかとは思うけどいつみ、あんた……
……初めてやないやろな?」
いつみ「………ほほほ、それはご想像にお任せいたしますわぁ、ノーマ様ぁ♪」
・
・
・
無事に部屋から抜け出る事に成功してホッと息を撫で下ろしていると、
後ろからついてきていた子鈴さんが申し訳なさそうに声をかけてきた。
子鈴 「あの……すみません」
それは僕と青木さん、両方に言っているようだった。
一也 「どうかしましたか?」
千砂 「?」
子鈴 「いえ…急にお邪魔してしまって、時田さん方に
ご迷惑をおかけしてしまっているのではないかと…」
悲しそうに目を伏せて、子鈴さんが謝る。
一也 「迷惑だなんて、そんな事…」
確かにノーマの強引な性格には少し戸惑う反面、
彼女が明るさが変わってなくて嬉しい、という気持ちもある。
ノーマのあの性格は相手を多少(?)困らせるものの、
不思議と不快には感じない。
千砂 「わ、私もそんな事思ってません。
それより久しぶりに子鈴さん達に会えて嬉しいですよ。
あれからどうしているか、気になっていましたから……」
青木さんも僕に同意してくれた。
正直なところ、僕もそれは気になっていた。
あの”事件”に係った人達は、少なからずショックを受けたに違いない。
館でも出来事の直後は、僕も梨代も、真理絵先生も
”事件”のことを口にすることはなかった。
いや、口にするのも嫌になるぐらいに僕らの心に深い傷を残していたんだ。
だけど、時が過ぎると共にその忌まわしい記憶も風化され、
今では『みんな助かってよかったな』と振りかえられるほどに
冷静に考えられるようになった。
それはどうやら僕達だけではなかったようで、
青木さんや子鈴さんもどこか客観的にあの事件を
見れるようになっていると感じられた。
ノーマやいつみ達と顔を合わせると、どうしても初めて出会った夜を思い出すが、
それはむしろ、個性の強い彼女らと知り合いになれたという『良い想い出』となっている。
一也 「僕もそう思ってました。やっぱりあの出来事はそれなりにショックでしたから…。
でもこうして尋ねて来てくれて嬉しい気持ちの方が強いですよ。
ノーマの元気なところも相変わらずで…」
ははは、と子鈴さんに笑ってみせると、彼女も少し笑みを浮かべてくれた。
ノーマがあんな子だから、いろいろとフォローしないといけない事が多いんだろうな…、
なんて思いながらも、僕は周りへの気配りを忘れない子鈴さんに感心した。
子鈴 「そう言っていただけると……。」
いくらか表情が和らいだ子鈴さんに僕は安心して、2階の階段を降りていく。
僕はもう慣れているが、ここは少し急な勾配になっているので降りるには注意が必要だ。
一也 「あ、階段結構急だから気をつけ…」
先に降りた僕は、壁に手をついてゆっくりと降りてくる彼女達に注意を促そうとしたが…
千砂 「とっ、時田さん! 見ないでくださいっ!!」
僕が階下から彼女らを見上げた瞬間、青木さんが叫んだ。
スカートの裾を下へ引っ張り、ぎゅっと握り締めている。
しまった! 彼女は今……。
見れば青木さんは顔を少し紅潮させて、怒ったような表情で僕を見ている。
僕は何の為に1階まで降りてきたかを今思い出し、自分の迂闊さに後悔した。
一也 「ご、ごめん!」
慌てて僕が青木さんから視線を外した刹那、彼女の驚きと焦りが混じった声が聞こえた。
千砂 「きゃあ!」
子鈴 「あ、危ないっ……!」
ぐらり、と青木さんが傾くと同時に、その細身の身体が僕の上に落ちてくる。
僕は彼女を下から受け止めるべく両腕を広げて腰に力を入れた。
一也 「……っ!」
青木さんの柔かい身体が、僕の胸の中に落ちてきた。
思っていたよりもしっかりした重さに僕の身体がわずかによろける。
一也 「だっ…大丈夫?」
千砂 「ご、ごめんなさい!」
彼女は段差に少し足をぶつけたみたいだったが、
目に見える大きなケガはないようだ。
間近で見る青木さんは、やっぱり可愛かった。
両足を床についた彼女の身体から、僕が腕を離そうと――
子鈴 「お、お怪我はありませんか!?」
上から長いメイド服の裾をひらひらさせて、子鈴さんが慌てて駆け下りてくる。
一也 「こ、子鈴さん! 危ないですからゆっくり…」
僕の注意も虚しく、子鈴さんの足が階段を踏み外すのが
はっきりと見てとれてしまった。
子鈴 「あっ…!」
一也 「わわっ!!」
僕は青木さんを支えていない半身で、子鈴さんを受け止めようと差し出した。
ぼふっ!!
ゆったりとしたメイド服の上からでもわかる豊満な胸が、僕の肩口に当たる。
それより衝撃的なことに、顔から落ちてきた子鈴さんの唇が、僕の頬にぶつかった。
温かい感触が頬に残り、驚いたような荒い息遣いが顔に当たっている。
千砂 「あ……」
女性とは言えど、2人を支えられるほど僕の身体は頑丈にできていないようで、
すでにしっかりと立って態勢を整えていた青木さんを残して
僕は子鈴さんを抱きかかえたまま、その場に倒れこんでしまった。
密着していた身体を慌てて離して、子鈴さんが心配そうに僕を覗きこんでくる。
子鈴 「時田さん、ごめんなさい! お怪我は…」
一也 「……大丈夫です。でもひ弱なもので、支えきれませんでした……すみません」
よっ…と、上半身を起こして笑って見せると、
子鈴さんは細い眉をハの字に曲げて、僕の顔や身体をさすり始めた。
子鈴 「どこか、痛いところはありませんか…?」
僕は子鈴さんより先に立ちあがって、彼女に手を差し伸べた。
それに掴まって子鈴さんが僕に倣う。
一也 「平気です。それより子鈴さんは…?」
子鈴 「え、ええ……私は時田さんに受け止めていただきましたから……」
弱々しく笑う子鈴さんに心配させまいと、
僕は彼女を受け止めた方の肩をポン、と叩いて見せた。
一也 「僕もたいしたケガはないし、青木さんも大丈夫みたいでよかった!」
その場を暗くさせまいと、僕は努めて明るく言った。
そんな僕を見て、子鈴さんも安心したようだ。
子鈴 「時田さん、ありがとうございました……私、つい慌ててしまって……」
千砂 「私も……ごめんなさい。時田さんに助けてもらいました……」
見ると、青木さんも済まなさそうに頭を下げている。
僕の場を明るくしようとした努力も空しく、2人は頭を垂れていた。
一也 「やだなぁ、みんな無事だったんだしそんな気にする事ありませんって!」
僕は『気にすることはない』という意味を込めて、彼女達の肩を軽く叩いた。
改めて感謝されるのが照れ臭くなって、そのまま背を向けて洗面所へと向かう。
そんな僕の考えを理解したのか、子鈴さんが後ろでクスリと笑ったように聞こえた。
僕は頬が熱を持ち始めるのを感じながら、早足で廊下を進む。
子鈴 「……うふふ……」
はっきりと、子鈴さんが笑う声が聞こえた。
洗面所の入り口へと到着し、僕は立ち止まった。
青木さんが下着を履くのを僕が見るわけにはいかないな…。
後から来る2人に『ここですよ』と示して、僕はその場に突っ立っていた。
すると青木さんが僕の横に来て、小声で何か呟いている。
一也 「何? 青木さん」
僕がそう聞くと、彼女は俯いてどこか素っ気無い態度を見せた。
その態度の意味が解からず、僕は少し戸惑う。
怒っているようにも見えるその表情には、言いも得ない迫力があった。
一也 「ど、どうかした……?」
たじろぎながら僕が聞くと、青木さんは可愛い口を尖らせて小声を発した。
千砂 「………さっき、子鈴さんと………」
青木さんが僕の片頬を見やりながら、じと…と睨みつける。
そこで初めて、彼女が不機嫌にしている理由がわかった。
子鈴さんを受け止めた時のあの現場、青木さんも見てたんだ……!
よく考えればあの場にいた青木さんも見てて当たり前なのだが、
あの時の僕は周りを見る余裕なんてなかった。
一也 「あ……!あ、あれは不可抗力で……」
子鈴 「どうかしたんですか?」
僕と青木さんが立ち止まって言いあっているのを不思議に思ったのか、
すぐ後ろにいた子鈴さんが僕の横に顔を出して聞いてきた。
いきなり現れた子鈴さんに驚きながら、僕は彼女にキスされた頬を押さえて取り繕った。
一也 「い、いえ! 何でもありません!」
子鈴 「……そうですか」
僕の慌てる様もさして気にする様子はなく、子鈴さんは洗面所に入っていく。
子鈴さんに気を取られたその一瞬の出来事だった。
千砂 「………ちゅっ」
一也 「っ!!?」
手で押さえていない側の頬に柔かい唇の感触。
一瞬何が起きたか解からずに固まってしまった僕に、
青木さんは『してやったり』という笑顔を向けた。
千砂 「あはっ、やりました!」
呆然と立つ僕を後にして、青木さんは洗面所に入っていった。
静かに閉まったドアを見つめながら、僕はまだ温かい感触の残る頬を
確かめるようにそっとなぞった。
ここまででした。
続きをぜひ拝みたいものですが…
995 :
12:03/02/19 14:36 ID:???
とりあえず代理うぷ乙。
俺は見たことなかったので嬉しいよ。
コピペもこれだけの量だと辛そうだ・・・埋めたて職人様、ぜひ続きを!
ヤキモチ千砂タン(・∀・)イイ!
続きキボン
いつみ・ノーマと3Pの予感…!!
期待させる展開だ
>>997 >いつみ・ノーマと3Pの予感…!!
素晴らしい組み合わせですな いぢめられたいハァハァ
|彡ミミ/\\\\\\\\|
|彡 | \\\\\\\|
ヽ |へ、_ _,へ\\\\/
| __ __ | / )
| |/ ノ
| ( / _ ) /
ヽ ヽ | 慟哭最高!
ヽ ヽー‐‐‐ァ /\
//ヽ ヽ-‐' / /\ \
/ / ヽ_ / / / \
/ \ |\ /| /\ \
(⌒\ / (⌒ヽ |二| | / \ \
__ゝ ヽ ___ ゝ \ \| / / |
( ヽ─ ( l ) ヽヽ / / / |
 ̄ ̄( ̄丿 |  ̄ ̄( ̄ ゝ \ / / |
rY''"""''''ー-ュ
ノ rー‐--ィァ-i 〉 埋めたて職人くん
/ / `i〈
| .j ー-、 r‐ ヽ| 続きを皆が待っているぞ
i' _,,.| ' ⌒ |⌒ |L
| |リ!'7 ,- ,.__!_, 、 |ヒ 一刻も早く復帰してくれるよう
ヽY~ /.t====ァ ! ||
ノ | ゝー--イ |そ 私も望んでいる
ミ_ /ト、 ー イ´
rーイ /. \ヽ / ト-、 ダァァァァァ――――ッッ!!
r´ 厂ノ \. ゝL____j/ ヒァ`ー-、
人 ゝ、 ! ノ |
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1001 :
1001:
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