昔懐かし慟哭スレ P4

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ノーマ 「……へぇ、それじゃ一也が無理矢理ヤッた訳やないんやな?」
一也 「あ、当たり前だよ!」
ノーマ 「そか。ウチてっきり千砂は襲われたショックで気ぃ失ってたんか思たわ」
一也 「そんな訳ないだろ…」
僕達は2階へ戻った後、これまでの経緯をノーマと子鈴さんに説明した。
予想通り、ノーマは僕が青木さんを無理矢理家へ連れて来て、
純潔を奪ったと勘違いしてくれていた。
彼女が僕をどういう目で見ていたのかが解かったような気がして、とても悲しくなる。
いつみ「それどころか、コイツってばぜ〜んぜんヤル気になんないの。
     アタシが千砂をけしかけて、よーやっと盛り上がってきたんだけどねー」
子鈴 「では、時田さんは青木さんと……?」
一也 「ち、違いますよ! 僕はしてません!
     いや、その…ちょっとはしました、けど…」
ノーマ 「挿れてないっちゅう訳やな。」
一也 「……!!」
いきなり核心をついてきたノーマに赤面しつつ、
僕は子鈴さんに向かってコクコクと頭を縦に振って見せた。
ノーマ 「中途半端なやっちゃな〜……千砂が覚悟決めてあんたの所来てんから、
     それに答えたらなアカンがな」
いつみ「アタシもそう言ったのに、全然ダメ! アンタは女の子の気持ちがわかってない!」
ビシッと僕に指差して、いつみが偉そうに説教をたれてきた。
一也 「そんな事言ったって……!」
子鈴 「……でも、時田さんにも何か理由があるのでは?」
ノーマ 「理由? 千砂のバージン受け取られへん理由かいな?」
いつみ「あー、それがね、好きな人がいるって…」
一也 「わぁ、言うなぁ!!」
僕の制止は1歩遅く、『好きな人』という言葉を聞いたノーマの目が爛々と輝き出した。
それは僕にとってはとてもイヤな輝きだった…。
ノーマ 「ほほぉ……そうか、一也には惚れた女がおるっちゅー訳か。
    そかそか……それで誰や? あんたが心奪われた女言うんは?」
やっぱりこういう展開になった。
人一倍好奇心が強そうなノーマがこの話題に飛びつかない訳はなく、
身を乗り出して僕に問い詰めてくる。
いつみ「そうよ、千砂よりいい子じゃなかったら、アタシが許さないから! 誰!?」
ノーマという強い味方が増えた今を逃すまいと、いつみもその話題に便乗してきた。
一也 「そ、そんなの言えないよ……!」
僕は1人状況を見据えていた子鈴さんに助けを乞う目を向けたものの、
彼女はただ困ったような表情で僕に苦笑を返すだけだった。
今この流れを止められるのは、子鈴さんしかいないのに…。
ノーマ 「こらぁ一也! シカトしとらんと早よう言わんかい!」
いつみ「アタシ達の知らない子だったら、写真も見せて!」
一也 「こ、子鈴さ〜ん……助けて……」
場が完全に『僕の告白を聞くまで許さない』という絶体絶命の雰囲気になっている。
あくまで傍観者を決めこむ子鈴さんが頼りにならないとわかり、
いよいよ2人に追い詰められようとしていたその時。
千砂 「……………ん、ぅん………」
ベッドに寝ていた青木さんが声を漏らした。
瞬間、皆の視線が彼女に向く。
皆が注目する中、ゆっくりと彼女の瞼が開いて、
2、3度パチパチと瞬きを繰り返した。
一也 「あ、青木さん、気がついた?」
千砂 「あれ? 私…」
青木さんは自分の見つめている顔を順に確認して、驚いたような表情をしている。
ノーマ 「やー千砂、おひさ。ウチの事、覚えとる?」
千砂 「……ノーマさん……ですよね?それに、子鈴さんも……どうして?」
青木さんは目を白黒させて、自分の前に座っている2人を交互に見ている。
どうやら今の状況が頭の中で整理できないらしい。
そりゃそうだ、彼女達がここにいる理由が青木さんにはわからないだろう。
子鈴 「ノーマ様が、時田さんのご自宅へ遊びに行くと言われたもので……」
そんな彼女の意を汲んで、子鈴さんが現状を説明した。
しかし、子鈴さんの言葉尻には困ったような感じが込められていた。