ギャルゲー板最萌トーナメント一回戦 Round13

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646詩子さん ◆SHIIko2U
織田夏澄ちゃん支援入場二次小説、
『素敵な幼なじみに送られて』

「私…いいのかなぁ…」
 トーナメントの選手控室、
 心配そうな顔をして呟くひとりの少女。
 少女が俯くたびに長い髪も一緒になって揺れている。
「いいって何が?」
 その隣の席、ショートカットの少女が不思議そうに尋ねる。
「私なんて、目立たないし、なにもできないし…」
 なおも長い髪の少女はぶつぶつと呟いてる。
「夏澄? いいかげんにしないとあたし、怒るよ?」
 ショートカットの少女は大げさに椅子を立つと、
 長い髪、夏澄と言う名前の少女、に強い口調で言い放つ。
 夏澄は少しだけ驚いた顔でショートカットの少女を見つめる。
「確かにあたしたちの中で選ばれたのは夏澄だけ、
 それくらいあたしたちはマイナーかも知れないけどさ、
 でも、せっかく出場できたんだ。
 あたしたちのこと、ひとりでも多くの人に知ってもらおうよ」
「…綾……」
「それに、肩肘張らず、夏澄は夏澄らしく、いつもどおりでいいんだよ」
 それだけを言って、ショートカットの少女、綾は、夏澄の頭に手のひらを乗せる。
「うん、わかった、ありがとう、綾」
「よしっ、それじゃ行こう!」
「うんっ!」
 夏澄と綾、ふたりは会場へ続く廊下を小さく駆けていった。
 これから始まる試合の、緊張を帯びた空気をものともしないように…