「きゃっ!」
矢も楯もたまらず、僕は顔を彼女の胸に埋めて乳房を吸いたてていた。唇とは違った柔らかい感触に、さらに興奮が高まっていく。
「だ、だめっ! それは駄目ですっ」
聞いちゃいない。口を大きく開けて、乳房にかぶりつく。
布越しに乳房を吸いながら、舌でその先端を嘗め回した。乳首が大きく膨らんでいるのが分かる。
「や、やめ……」
顔を上下左右に動かして、唇で、舌で、時には歯を使ってこの最高級の乳肉を味わった。
千砂が僕の肩に手をおいて、身を引こうとする。逃すまいとして、彼女の腰に回した腕に力を込めた。
と、指先が千砂のお尻に埋まった。ぷりぷりとした感触に、思わずわしづかみにする。
「ひあっ」
左手で背中を押さえ、右手で尻たぶを撫で回す。谷間に沿って手を動かすと、腰が悩ましげに動いた。
僕は夢中になって千砂の肉体をむさぼった。
ふと気付くと、肩に掛かる力が弱くなっている。千砂も感じているのだろうか?
左手を腰から離し、両手でお尻をこね回した。時にはつまむように、時には滑らせるように。
そうしながら、ゆっくりと顔を下におろしていった。唇を当てたまま、みぞおちを吸い立て、おへそを嘗めた。
そして、僕の鼻先が股布に触れようとしたとき。
視線? 緊張? とにかく何かを感じて、千砂の顔を見上げた。
「一也さん……」
震える声。彼女の目には、うっすらと涙が浮かんでいた。
思わず身体を離す。彼女の顔をまともに見ることが出来ず、目をそらした。
「…ごめん、調子に乗りすぎた」
「……」
「千紗が好きって言ってくれたのが嬉しくて。僕も千紗のことが好きで好きで。
つい、頭に血が昇って。その、身体だけが目当てって訳じゃなくて、千砂のこと本当に」
「…くすっ」
「千砂?」
彼女の顔には、笑みが戻っていた。
「やっぱり優しいんですね、一也さん。私が怖がっていたら、やめてくれました」
「……」
「さっきはまるで人が変わったみたいで、正直どうしようかと思いました」
「…ごめん」
「もう大丈夫です。一也さんが私を大切に思ってくれているのが分かりましたから」
良かった。あのまま続けていたら嫌われていたかもしれない。
手を伸ばし、彼女の肩に触れる。けれど千砂は僕の手を優しく払い、一歩さがった。
そしてそのまま、背を向けると泳ぎはじめた。少し離れたところでこちらを向いて、
「冷たくて気持ちが良いですよ」
手を振って僕を誘った。天使の微笑み。
うん、頭を冷やすには、ちょうど良いかもしれない。
彼女を追いかけようと足を踏み出した。