「わー、すごく美味しいですっ子鈴さん!」
にこっと笑う子鈴さん。
「良かった…!どうぞたくさん食べてくださいっ。」
「ほらな、何も心配いらへん言うたやろ子鈴ぅ。」
「この煮物、すごく味が染みて…もぐもぐ、おいひいでふ。」
「有り難う御座います……ノーマ様もどうぞ。」
「……あ、あぁ…。」
うーん、美味しい。お箸が止まらないな。
「あ、このきんぴら美味しい。これ、どんな味付けなんだろう…。」
「あぁ、それはですね……」
じーーーーー。
「うん?」
ノーマがじっと僕と子鈴さんを見ている。
「?ノーマ様、何か…?」
子鈴さんも怪訝そうにノーマに尋ねた。
「い、いやぁ…別に何でもないねん。
ウチ料理のことあんまり解らんけど、なんか楽しそうやなぁって……。」
居心地悪そうにノーマが呟く。僕と子鈴さんは顔を見合わせてしまう。
そして子鈴さんはノーマの方へ向き直り、
「ふふっ。でしたらノーマ様も練習しましょう。時田さんに美味しいお料理を
食べさせてあげれば、きっと喜んで下さいます。」
と提案した。
「でもー…ウチが料理ヘタなん子鈴も知ってるやろ?」
「誰だって最初は下手なんです。ノーマ様のお料理、食べたいですよね?時田さん」