昔懐かし慟哭スレ P2

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…ふたりの唇が離れる。
いつみは目尻に涙を溜めて、肩で息をしていた。
熱に浮かされたような視線が僕に向けられている。
「窒息するかと、思っちゃった」
いつみが、はにかむように微笑んだ。僕は、彼女の頬を両手で優しく包んだ。
「いつみ。僕は、やけになった訳じゃない。僕たちは無事にここから出るんだ」
「え…」
「もし、いつみが気を紛らわす為だけにしたいなら…この続きはしない。でも、少しでも真剣な気持ちがあるなら…」
「そんないいかげんな気持ちじゃないよ。アタシ、本気だもん!」
いつみは力強く断言した。
「だったら、これが最後じゃない。僕たちは今日が始まりだ」
「でも…アンタはここの人だし、外に出たらもう会えなくなっちゃうかな」
少し心細そうにいつみが言う。
「会いに行くよ。電話もする」
僕の言葉に、いつみは満面の笑みを返す。
「わお、嬉しい。じゃ、あとで連絡先教えてね」
「うん…」
187 :02/02/11 14:30
僕は、そっと触れるだけのキスをした。ただそれだけでも、いつみの動悸が伝わってくる。静かに顔を離し、ぎゅっと抱きしめた。ふたりの鼓動が重なる。うなじに顔を近づけると石鹸の香りがした。
「いい匂いだな…」
「そお? えへへ…シャワー浴びといて良かった」
いつみが悪戯っぽく笑う。僕は首筋に口づけをした。舌先でくすぐるように舐める。彼女の身体が短く震えた。
いつみの肩に手を伸ばし、そこが冷えている事に気付いた。室内とはいえ暖房も無しでは肌寒い季節だ、無理もない。
僕は自分の体温を分け与えるように、いつみの肩を、剥き出しの背中を愛撫した。
鎖骨から肩を回り肩甲骨まで、いつみの滑らかな肌を僕の手の平が通り過ぎる。
背中から腰まで、やわらかな感触を楽しみながら撫でる。
その途中で、ブラジャーのホックを外した。僕の胸の中で、いつみが息を呑む。
静かに身体を離すと、ブラジャーが音も無く落ちる。
あらわになった乳房の少し上で、金色のペンダントが微かに揺れていた…。