ギャルゲー板最萌トーナメント一回戦 Round6

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927缶珈琲
今日こそ、届いてるかな。
あなたに書いた、手紙のお返事。

いつもね、電話の後は、私、泣きそうになるの。
あなたに伝えたい、たくさんの喜び、たくさんの寂しさ、たくさんの想い、
それがあふれ出しそうになって、止まらなくて、でも、時間は余りにも短すぎて。

だからね、私、手紙を書いたんだよ。
私、文章下手だから、何度も何度も書き直して。
途中でレターセットが足りなくなって、大急ぎで近くのコンビニまで買いに行ったりね。
え? 大丈夫、転んだりしてないよ。そこまでドジじゃないモン。

最後の最後まで、書くかどうしようか悩んだ一言は、
結局、消しゴムで消しちゃった。
だけど、よぉっく見ると、うっすらと書いた後が残ってるんだよ。
あなたにだけ気づいて欲しいなんて、ちょっと虫が良すぎるかな。

多分、真っ赤なポストに負けないくらいに赤くなりながら、
ちょっぴりのおまじないと一緒に、手紙をポストに入れたの。
早くお返事届きますように……って。
出した後も、本当に郵便屋さんが来るか心配になって、
しばらくポストの周りをうろうろしたんだよ。

それから毎日、私、そわそわしてたと思う。
終わりのチャイムが近づくたびに、私の様子がおかしくなっちゃうの、
チームのみんなは気づいてたかなぁ?

いつもの帰り道。
最後の曲がり角を曲がるたび、ドキドキする。
私の家の前の、ちっちゃな銀色のポスト。
まるで壊れ物みたいに、そおっと空けてみる。

……!!
届いてる……!!
でも、あれ? 私の使った便せんとそっくりだなぁ。

『宛先不明に付、お届けできません』

…………………負けないモン!!

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などと久々にショートSSなんかを書きたくなってしまう<<佐倉楓子>>ちゃんに一票っ!