鈴音萌え萌えスレッド

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「先輩? この後 予定、何か入ってます?」
陽が落ちてきた放課後の練習場。キーボードをケースにしまいこみ、ストラップを
「よいしょっと」と肩にかけ、鈴音が聞く。

結局、片桐さんは卒業を待たずに留学。何となく納得いかないものを感じながらも、
新曲は書き上げる事が出来ず、"Tears Angel"で勝負した一昨年のバンドコンテスト。
その後も色々あったが、結局、俺と鈴音のツィンボーカルで今まで乗り切って来た。
卒業を間近に控えたヴァレンタイン・ライブでは会心の演奏が出来た。
音大に通うまでの残り少ない日々を、少しでも鈴音と過ごしたい・・・
そう思いながら「俺達に引退はない」を合言葉に、今日も練習していた。

「何も入ってないぞ? ってゆうか、すっちゃんとどっかに行こうかなぁとか思ってた」
「好きにしろ、馬鹿。やってらんないね、康司とっとと帰ろうぜ」
「ああ。じゃあな、おふたりさん。」
「悪いな巧実。じゃぁな、康司。」
「失礼します、先輩(×2)。・・・えっ? どっかってどんな所ですか?」

冬でも雪は申し訳程度しか降らない地方。
川沿いの通学路をいつものように鈴音と帰りながら歩く。

「すっちゃんは何処か行きたい所でもあったの?」
「私、先輩の部屋を見てみたいなぁって思ってたんです。」
「遊びに来たい、と。急な話だね。」
「だって・・・ もうすぐ、先輩いなくなっちゃうじゃないですか・・・」

鈴音の表情が暗くなる。

「ああ、心配しなくても大丈夫だよ。毎日メール送るから。」
「でも・・・ 先輩が音大に行ったら、きっと女の子達が群がってくると思うし・・・」
「俺はすっちゃん一筋だから。浮気なんかする訳ないだろ? 信じられない?」
「先輩のことは信じてます。でも・・・ 私・・・」

鈴音の声が震える。

「分かったよ。」

もはや野暮な言葉は不要だ、と思った。
俺達は無言で歩いていった。
ポケットから家の鍵を取り出し、無造作にドアを開ける。

「・・・先輩、お母さんは?」
「親父の入院の付き添いでここ最近は俺の天下だよ。」

靴を脱ぎ、郵便をチェックして、ギターとキーボードを置いて2階に上がる。
鈴音もしずしずと付いて来る。

「え? 知らなかった・・・ じゃあ先輩、ご飯とかはどうやって?」
「労災とか保険が下りてるからお金には困らないけど、贅沢する訳にもいかないから。
 自分で味噌汁も作るし、ご飯も炊いてた。」
「へー、凄いですね・・・ もっと早く言ってくれてたら、ご飯くらい私が作りに来たのに。」
「いや、流石にまずいかな、とか思ってさ。コーヒーでもいれて来るから、中に入っててよ。」
「じゃあ、お邪魔しまーす・・・(パタン」

折角鈴音が来てくれたんだからインスタントでなく豆を挽いて美味いのを出してやろう。
そんなに時間は掛からないはずだ。
豆をミルに掛けて、コーヒーメーカに入れて、水を入れてスイッチを押すだけ。
コーヒーが落ちるまでについでに洗濯機を回して、米を研いでおく。
部屋の中には音楽雑誌、作曲した分&やりかけの分の譜面、ノートパソコンには
鈴音への想いを綴った日記ややり取りしたメール・・・ 見られて困るような物は特にない。
そんな事を考えながら米を研いでいるうちにコーヒーが落ちる。
片付けて、冷蔵庫から生菓子(エクレア×4)を取りだし、お盆に皿とコーヒーカップ、
菓子とフォークを乗せて、鈴音がぽつねんと待っているはずの自分の部屋に行こうとした。

部屋に女子特有の香りが漂うのは始めてだ。
鈴音は窓を開け、何か考えながら外の景色に見入っている。
俺は何と無く嫌なものを感じて盆を机に置き、鈴音を呼び寄せる。
「すっちゃん、女の子引っ張りこんでるのばれたらやだからさ。ここに座ってこれでも食べてよ。」
「あ、すいません先輩。気が効かなくって・・・ 」

無言で食べる2人。空気が重い。堪らずMDをかける。
ついこの間のヴァレンタイン・ライブ(=卒業ライブ)を録音したものだ。
・・・不意に鈴音が泣き出す。
「うっ・・・ うっ・・・」
「すっちゃん?」
「私、先輩と離れるのは嫌です・・・ 絶対・・・ そんなの嫌なんですっ・・・」
「すっちゃん・・・」

堪らず鈴音を抱き寄せる。
鈴音は躊躇せず俺の唇を求めてくる。
鈴音との始めてのキスは甘い味となった。
そのまま、彼女が泣き止むまで、俺達はベッドに倒れ込み、
抱き合いながら互いの口中を味わっていた。
気付けば既に月光が窓から射し込んでいた。

泣き止んだ彼女がふと立ちあがる。
そして無造作に制服を脱ぎ捨て、ブラウスのボタンを外す。
俺は咄嗟に窓のカーテンを閉めた。
薄明かりの中で鈴音は、自らの意志で下着姿になっていたようだ。

「先輩・・・ 見て下さい・・・ 今日の為に、私・・・ 」

机のスタンドを鈴音が点ける。と、スタンドの光が鈴音のレースの下着姿を照らし出す。

「私、先輩を私のものにしたい。他の誰の事も考えられないように。
 今日は友達のうちに泊まるって言ってあるんです」
「すっちゃん・・・」
「先輩っ・・・」

飛びこんでくる鈴音を受け止め、ベットに2人で腰掛けながら、彼女の唇だけでなく、
露出した背中、肩、太腿を掌で愛でる。
鈴音の頬が紅潮し、熱い吐息を耳に受け取る。
何処で覚えたのか、鈴音の舌が俺の舌を、右に左に高速で嬲る。
全身の力が抜ける感覚。
自分で脱ぐ積もりが、いつのまにか俺は鈴音に衣服を取り去られていたようだ。
仰向けに俺がベッドに倒れこむと、鈴音はブラジャーを自らの手で外し、
小ぶりだが形の良い胸を俺の口元に持ってくる。
彼女の意を汲み取るまでもなくむしゃぶりつくと鈴音は喘いだ。

「はぁああん・・・ せんぱい、上手っ」