にいさま、ねえさま、姫、がんばって書いてみましたのv
【本当の魔法】
むかしむかし、大きな森のずーっと奥の、小さな小さなお家に、
白雪と言う名前の女の子が住んでいましたの。
白雪は、お料理をするのが大好きな女の子で、
いつもいつもお料理のことばかり考えていましたけれど、
小さい頃からずっと一人ぼっちだったので、
本当は誰かのために作りたいなって、いつも思っていましたの。
そんなある日、カラスさんがやって来て、こう言いましたの。
「白雪や、おまえは本当はこの国のお姫様なんだよ」って。
白雪はびっくりしちゃいましたけど、カラスさんは神妙な顔で言いましたの。
「でも今この国の王様達は、悪い魔法使いのせいで石にされてしまったんだ。
それを助けるには、おまえと、おまえの他に11人いる姫君達の力が必要なんだ」って。
それで白雪は、もっともーっとびっくりしちゃいましたの!
石にされちゃった王様たちは何も食べられなくなっちゃって、かわいそうですの…。
でも、自分に11人も姉妹がいるって聞いて、とてもうれしくもなりましたの。
だから白雪は、姉妹たちに会って、王様たちを元に戻そうって思いましたの!
それで大急ぎで旅の支度を始めた白雪に、カラスさんは言いましたの。
「困難な旅に出るおまえに一つだけ魔法の道具をあげよう。
さぁ、よく考えて、何が欲しいか言ってごらん。
火竜も一突きで倒せる魔槍かい? 氷狼も一瞬で焼き尽くす炎杖かい?」
白雪は、しばらく考えた後、カラスさんに言いましたの。
「魔法のお鍋がほしいですの。どんな所でも、どんな時でも、
あったかいお料理が作れる鍋がいいですの」って。
カラスさんは「やれやれ、おまえって子は…」ってあきれましたけど、
白雪の言うとおり、火が無くても熱くなる大鍋を渡すと、
すぐにどこかに飛んで行ってしまいましたの。
そう言うわけで、白雪の旅が始まったんですの。
《つづく、ですのv》