白雪のミラクルハニーシュークリーム#2

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129白雪
【本当の魔法】 第二話        (前回のお話は>>77ですの)

白雪が一人ぼっちで住んでいたお家は森の奥でしたので、三日歩き続けて、
やっと森の出口が見えて来ましたの。ところが、そんな白雪の前に突然、
とっても大きくて、頭が二つあるヘビさんがあらわれて言いましたの。
「この森に入った生き物は人間であろうと二度と森の外に出る事は許さん!」と。
白雪は、そう言われてしまって、どうしようか悩んでいましたら、
もう一本の奥の道から女の子がヒョイと現れて、大蛇さんに言いましたの。
「ヒナ、王様たちをタスケにいかなきゃイケナイんだから、どいてよー!
ヒナは、おヒメさまなんだよ! ヒナの言うことが聞けないの!? ぶー!」
それを聞いた白雪は、大蛇さんに追い返された女の子に、自分もお姫様の一人で、
王様たちを助ける旅に出た事を告げると、女の子・雛子ちゃんは、顔いっぱいの笑顔で
白雪に抱きついて、二人で大喜びしましたの。

でも、大蛇さんが森の出口にいては、森を出る事が出来ないので、
二人は顔を見合わせて困ってしまいましたの…。
その時、雛子ちゃんのお腹がぐ〜っとなりましたの。
「えへへ、ヒナ、朝はやくに薬草をさがしに森に来たから、おなかペッコペコだよ…」
白雪は、ピンとひらめきましたの! こんな時こそ魔法のお鍋の出番ですのv
白雪は、ここまで来る途中に摘んでいたキノコや山菜を使って
たちまち香ばしいお料理を作り上げ、雛子ちゃんは大喜びですの。

そうしたら、匂いに釣られて、さっきの大蛇さんが顔を出しましたの。
白雪はちょっとだけ残っていたお料理を差し出すと、大蛇さんは、
「こんなに美味い物は食べた事が無いから、もっともっと寄越せ」って言いましたの。
そうしたら、雛子ちゃんが大蛇さんの片方の右ヘビさんに、こっそり耳うちしましたの。
「ねぇねぇ、ヒナ、言いこと思いついたよv あのね、もう片方のヘビさんに、
ヒナの取ってきた眠り草を食べさせちゃえばゴチソウ一人じめだよ! クシシシv」
それを聞いた右ヘビさんは、勿論大乗り気で、雛子ちゃんからその草を受け取ると、
左ヘビさんに「料理が出来るまで、これを食べてな」と渡して食べさせましたの。
それで、眠り草を食べた左ヘビさんはたちまち眠ってしまいましたの。
……でも、勿論、頭は別々でも体は同じですから、右ヘビさんも眠ってしまいましたの。

そんなわけで、白雪と雛子ちゃんは、大イビキをかく大蛇さんの脇を楽々とすり抜け、
王様の住むお城を目指して、仲良く手をつないで、元気に歩き始めましたのv

《つづく、ですのv》