軌道エレベータ

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592マジレス
ネタかと思ったらマジで言っているのか。

>>589 は、要するに「支点の無いアーチ橋」だね。
第一の難点は、それだと圧縮強度で支えないといけないこと。
物質は一般に圧縮強度よりも引っ張り強度の方が大きいから、
圧縮強度で支える構造は限界がある。
アーチ橋よりも吊橋の方が長く出来るでしょ?

それから、その構造では力のバランスが僅かでも崩れたら、
そのアンバランスを拡大する方向にフィードバックが働く。
直径数十q程度の球形小惑星の赤道上にリングを設置したら、
重力は全方向に働いているので、リングが受ける重力は
バランスさえ取れれば全体ではキャンセルされることになる。
でも、重力は半径の -2乗で利いてくるので、
リングの一部が少しでも小惑星に近づいたら、
その部分が受ける重力が強くなり、
リングの位置は偏りを拡大する方向にずれて行き、
最終的には小惑星にぶつかることになる。
『リングワールド』でもその点が指摘されて、
辻褄合わせのために、おおがかりな設定変更が行われたね。

小惑星ではなく地球上のシステムでは、それ以前に
各部分の剛性の限界で折れてしまうことになる。
軌道エレベータの場合でも超素材が必要になるけど、
それは必要強度が計算できて、実験室でのミクロな単位ならば、
それだけの強度を持つ物質も合成できる程度の問題。
しかし「支点の無いアーチ」に必要な強度は計算もできない。