110 :
遊び人の玲さん:
10年ほど前から、数人の発明家が動力付きインラインスケートを試作したのを見てきたけど、
問題点は、重心位置から最も離れた足の部分に動力が加わると、
足元をすくって簡単に転ぶことだったんだよね。
そのため、試作されても、実用になるものとして日常的に使われるケースはほとんどなかった。
問題は力を出すことより、力をセーブしてバランスを保つことのほうにある。
この点は、セグウェイ・ヒューマン・トランスポーターの登場で完全に解決されたし、
インラインならセグウェイのように急旋回すると横倒しに転ぶ可能性を考えなくてもいいから、
熟練者が使用するならセグウェイよりはるかに安全で利便性が高い乗り物になるんだけど、
その後も、モーター内臓のインラインスケートを本格的に作ろうとする人は、
あまりいないみたいだね。
売れるかどうかよりも、やっぱり怪我をすることが目に見えているからかな。
111 :
遊び人の玲さん:2006/12/21(木) 04:13:13 ID:tEeAClsz
Airhopper エアホッパー と電動インラインスケートを合体させると、
ジャンプランプ無しでも宙を飛べるようになるから、
人気漫画「エア・ギア」に登場する「エア・トレック」と似たような使い方が可能になる。
エアホッパーに似た、コンパクトなシリンダーで動かすアームを持った、動力付き西洋竹馬の、
稼動アーム(ブレード)部分に、10センチ径のホイール2つを付けた、
電動インラインスケート「エア・ブレード」を作って欲しいと、
最近うちの発明家工房に、複数ルートから要望が来ている。
同時に依頼が来るなんて、なにか変だと思ってネットで調べたら、
エア・ギアという漫画が最近流行していることが分かったんだけどね。
アニメを見て、おおよその発想は掴めたし、基本的には悪いアイディアではないと思う。
でも、Xスポーツの祭典Xゲームでノーマルなインラインが下り坂で出している速度でも、
高さ5メートル近くまでふわっと軽く飛べてしまうから、
下がアスファルトで転んだら、あまりにも危なすぎるんだなぁ。
ハーフパイプと違って、平面のアスファルトにドスンと落ちて、
普通の生身の人が生きていられるとは考えにくい。
112 :
遊び人の玲さん:2006/12/21(木) 04:24:01 ID:tEeAClsz
某多国籍企業グループの保安部門からも、高機動移動ギアを作って欲しいと依頼が来ていて、
これは、すでに納品実績がある、格闘技訓練用防具から発展した
インテリジェントなエアーコンフォート機能を持つプロテクタースーツ類一式と
セットで使用することが前提だから、使用者が怪我をする問題は解決済み。
棒の先端から錘を付けたワイヤーを繰り出して、暴漢に絡めて取り押さえる
遠隔ワイヤー捕縛システムと併用すれば、スパイダーマン顔負けの空中移動すら可能になる。
高層ビルの谷間に張ったワイヤーに「エア・ブレード」のホイールを引っ掛けることで、
両手が自由に使える逆さ吊りの状態で素早く移動したり、
ビルの外壁を障害物を避けて走りながら昇り降りするワイヤーアクションだって不可能ではない。
某貿易センタービルを航空機の自爆テロで壊された某国のレスキュー方面から来ている
ややこしい装備品の依頼にも、ある程度までは応えられる。
ただし、エアーコンフォートスーツ(着るエアーバッグ)を一般向けに市販しようと思ったら、
お値段がオートバイ用の着用タイプのエアバッグの価格なんか比較にならないくらい、
恐ろしく高価なものになってしまう問題がある。
それと、技術のベースには、戦闘機のパイロットが10Gといった力が加わる空中での戦闘に耐える
体の血流を調整する目的で作られた、プレッシャースーツのノウハウなんかが使われていて、
企業秘密を漏洩してしまう格好になるから、今のままでは市販出来ない問題も抱えているんだよね。
問題はエア・ブレードそのものの開発ではなく、防具のほうにあるわけだけど、
誰か安価なXスポーツ用の全身プロテクターを市販して、解決してくれないかな。
これに関しては、私にしては珍しく他力本願モードだったりする。
すでに完成した防具があるのだから、
作ろうにも予算が付かない状態だし、うちの発明家工房のスタッフのなかに誰も
性能が劣るものをいまさら作りたがる酔狂な人間などいないわけで、
自己解決不可能な課題なんだよね。