神とは…

このエントリーをはてなブックマークに追加
487遊び人の霊さん
この産業スパイさんの大失敗は、私がルナティックな珍発明家というだけでなく、
東洋の魔法使いで、本物のパワーを持った魔法のグッズを所有していて、
科学的にも原理が説明可能な魔法の技術を、自在に使いこなせる人物だということを、
正しく理解できていなかった点にあるようです。

私のほうも、まさか、「神龍が宿って守っています。取り扱い注意。」というキーワードが、
こうもうまく暗示として働いて、宿主の神龍が聖石を守ることまでは、期待していませんでした。
この種の神様は、心の中に幻視される、ただの直感的な幻覚といっても、
暗示などによって、脳にインストールされると、本当に持っている強い力を発揮するので、
信じる者の精神上には実在する神様、と言って、どうやら間違いではないようです。

神様は正しく奉って使わないと祟るという言い伝えは、科学的に見ても事実のようです。
そして、祟り神のパワーを、私のような東洋の魔法使いは、
正しく、実用的に活用できることも、実証された珍事件でした。

後日、この隕石はあまりにも危険なので、幾つかに分割して、法具などの形に整形し、
厳重に磁気シールドが施されたケースの中に、保管されることになりました。
もちろん現在も、「神龍が宿って守っています。取り扱い注意。」と赤文字で書かれた、
注意書きの紙が、ぺたぺたと何枚も重ねて貼ってあります。

ということは、古来から伝承されている、魔物を封印したお札というものは、
注意書きが読めない人の脳には、暗示効果が働かず、
神様のイメージがインストールされないわけだから、機能を発揮しないことになりそうです。
つまり、もしも隕石を盗み出した産業スパイさんが、外国人だったならば、
神龍の幻覚に襲われることは、なかったのかもしれません。
でも、たぶん運搬中に、不幸な交通事故でも起こして、死んでしまっていたことでしょう。

こうして、祟り神の原理を、科学的な視点から考えていくと、
触らぬ神に祟りなし、という古い言い伝えもまた、迷信ではないことになりそうです。