http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20021207k0000m040133001c.html パラジウムを使う新方式確認 阪大名誉教授ら
荒田吉明(核融合)、藤田広志(金属物性)
両大阪大名誉教授は6日、パラジウム金属の超微細な粒子に
重水素ガスを取り込ませてレーザー光線を当てる新方式で、
核融合反応の際に生じるヘリウムを確認した、と発表した。
核融合に必須とされる超高圧の状態以外でも実現できたことで、
大規模装置の必要のない発電などの可能性があるという。
核融合反応を起こすには、
重水素などの原子と原子を接触させることが条件。
両名誉教授によると、パラジウムとジルコニウムの合金を焼き、
直径5・メートル(ナノは10億分の1)の範囲に
パラジウム原子約8000個が格子状に集まった
超微細粒子を作った。
この超微細粒子に重水素ガスを吸わせると、
パラジウム原子1個に対し、通常は1個未満しか取り込まれない
重水素が約3個取り込まれ、凝集。
さらに溶接に使うレーザー光を当てると核融合が起こり、
ヘリウムが通常の空気中の10万倍発生した、という。
山崎敏光・東京大名誉教授(原子核物理学)の話
この手法は優れており、世界でも例がない。
中性子などを出さない核融合反応は、常識をくつがえすもので、
今後の関連の研究に期待したい。 【大島秀利】
[毎日新聞12月6日] ( 2002-12-06-23:52 )