◆  イオンクラフトの現実と将来  ◆

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22説明さん
イオンクラフトに誤解があるな……。
本来はde Severskyという航空技術者が考えた航空機のアイデア。
イオン空気清浄機が風を起こしているのに気づいて、
同じ原理のローター・プロペラもできるかな……と考えたわけ。

イオン空気清浄機の原理というのは、
空気中に電子をばらまいて埃をマイナスに帯電させ、
空気清浄機本体はプラスに帯電させて、
静電気で埃を集めるというもの。
勿論これでも風を起こすことはできるが、
送風機としては扇風機の方が遥かにエネルギー効率が高い。
市販されているイオン空気清浄機に
電動ファンが付いているのは、そういう理由。
しかし低効率ながらも、静電作用だけでも風は起きるし、
風が起きればとーぜん反作用も働く。

よくあるイオンクラフトの実験は、
コードで引っ張った強力な電源で、
骨組みだけの軽い機体を浮かせるというもの。
以前どっかの高校が文化祭で展示していて、
その様子をウェブサイトに載せていたが、
製作自体はハイテクを必要としないようだ。

機械的に動く部品が無いので、
電源を入れると機体は音も無く浮かび上がる。
その静かさはとても印象的で、動きは確かにUFOっぽい。
常温核融合か何かで超強力な軽量電源ができれば、
この原理で動く大型の乗り物を作ることもできるだろう。
ただし、その電源でローター回した方が効率は良いんで、
エネルギー効率なんてケチなこと言ってるうちは作れない。
しかし仮に実現したら、そういう乗り物が飛ぶときには、
周囲の空気がオーロラの様に輝くはずだ。

それこそ正にUFOの作動原理なんじゃないか……
というのは、ある意味自然で平凡な考え方だが、
ひとたびUFO信者のキーワードになると、
一応「原理的には科学に反しない」本来のアイデアから逸脱して、
どんどん妄想的な内容になっていった。
しかし未来技術板の話題としては、
本来の意味でのイオンクラフトに限定して語るべきだと思う。
最初に「イオン空気清浄機の原理の扇風機」くらいを考えるのが、
テクノロジー的に妥当な出発点じゃないかな。