常温核融合ってどうよ?

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696 ◆wjKya2GJ.A
一般に核融合が起こるには次の三つの過程を辿ることが必要です。

1 クラスター形成過程
重水素原子核が、同一時刻に、同一箇所にいることは大前提。

2 クーロン障壁透過仮定
正電荷の原子核同士はクーロン反発力に逆らって
核力の到達距離(1fm程度)まで近づかなければならない。
小さいながらも、トンネル効果で障壁をすり抜ける確率が存在する。

3 核力の相互作用による融合仮定
極近距離で働く核力の相互作用により融合する。


核融合反応率を上昇させる為には、上記のいずれかが増大しなければなりません。
制御熱核融合においては、
1を満たす為に、プラズマを磁場で閉じ込めて密度を上げ、
2を満たす為に、プラズマ温度(エネルギー)を上げて、
3を満たす為に、核力の相互作用が大きいDT核融合を採用しています。


凝集系核科学においては、

1を満たす為に、吸蔵率を上昇することに多くの労力が払われてきました。
固体内での重水素フラックスを増加させようとするのもこれに準じます。

2を満たす為に、DD間のクーロン反発力を電子によって、
スクリーニングすることを意図した手法が提案されています。
三菱重工が提案する仕事関数が低い第3物質(CaO, Y2O3, TiC等)の導入は、
元来、電子によるスクリーニングの効果を狙ったものです。

3に関しては、後で述べます。