380 :
オーバーテクナナシー:
また一歩、実現に近づいた!神よありがとう!
381 :
オーバーテクナナシー:02/03/15 23:18
神様ありがとう、このイラスト大切にします。
383 :
オーバーテクナナシー:02/03/16 19:36
うーん、悪いが私はこれでは立たない。
384 :
オーバーテクナナシー:02/03/16 19:42
385 :
オーバーテクナナシー:02/03/16 22:57
あなた達はゼノサーガの
モモたんのパンティラで
ハァハァしてなさい。
やはり完成予想図があるとモチベーション上がりますな
>383
別に工口画像キボンヌしてきた訳ではないので・・・勘弁
>385
スマヌ元ネタ分からぬ、画像キボンヌ
そろそろ、sage進行に戻ってもイイですか?
向こう(半角)のスレがsage進行なので、こっちがageっていると何だか気まずくて・・・
僕は、目覚めたばかりの寝ぼけた眼をこすりながら、テレビの画面に目をこらした。
ニュースをやっていた。渋いブラウンの服を着た若い女性キャスターが何かしゃべっていた。
僕は聞くこともなく聞いていた。
ふざけてロボットのナンバープレートを額に取り付けていた十八歳の女の子が、町の雑踏の
なかで、酔った男に殴り殺されたと彼女はしゃべっていた。女の子のほうはかっこいいファッ
ションのつもりだったのかもしれないが、バカなことをしたものだった。殺した男のほうも、
相手が本当はロボットじゃないと知ってさぞあわてたことだろう。相手がロボットだったな
ら、所有者に賠償金を支払えばすむことだが、生きた人間ならそうはいかない。ロボットのま
ねをしていた被害者にも落ち度がある、と男は裁判に訴えるつもりらしいとキャスターの女が
いったが、いずれにしても殺人は殺人なわけで、まあ、その男にしてみれば大変なトラブルが
始まったというこのなのだろう。僕には関係ないが。
物音がして、キッチンの方からだれかがやって来た。僕にはそれがだれなのかわかっていた。
毎朝の決まったできごとだから。
アキコが僕の朝食を運んできた。ベーコンエッグトーストと、紅茶の乗った盆を、ささげ
持つようにして歩いてきた。いいにおいが、僕の鼻まで届いた。
「おはようございます」とアキコがいった。アキコの額には、金色のナンバープレートが光って
いる。四五八一二三九〇八五。アキコはこぼれるようなほほえみを浮かべた。
「ああ」と、僕はいった。
アキコは、昔のヒトラーの時代の軍服のような、ミニスカートのツーピースを身に付けていた。
ついこのあいだ、戦争映画を見た直後にふざけて買ってやった服だ。
アキコは小さなテーブルをベッドの上にセットして、そのうえに朝食を置いた。
料理は本当にうまそうだった。家事関係のソフトを奮発しておいてよかったと僕は思った。
アキコに組み込むソフトウェアは、もっと値段の安いものもあったのだが、僕は一番高いやつに
した。そのおかげで僕はこんなうまい飯に毎日ありつけるわけだった。アキコはキラキラした
瞳で僕を見守っていたが、やがて僕が満足して食べ始めると、ベッドの端のほうにそっと腰かけた。
「もっとこっちへおいで」僕はいった。
アキコは控え目に身を寄せた。アキコの柔らかい体臭が、朝食のにおいに混じって僕の鼻に
届いた。
「アキコ、その服は今日は気分じゃないな。着替えておいで」僕は口をもぐもぐさせながらいった。
「ごめんなさい。どの服がよろしいですか」アキコはゆっくりと立ち上がった。
「ベルベットのやつ」
「はい」アキコは部屋を出ていった。
僕はアキコのほっそりした後ろ姿を眺めながら、少しの間考え事をした。
今朝初めて顔を見せたとき、アキコは「おはようございます」といった。なぜだろう?そりゃあ
朝だからに決まっているが、僕のいいたいのはそうではなくて、他にも「おはよう」とか
「お目覚め?」とか、「オハヨーゴザイマース」とかいくらでも言い方はあるのに、なぜアキコは
今朝「おはようございます」を選択したのだろう、ということなんだ。そういえば、アキコは僕の
所へ来て二ヶ月たつが、初めからずっと「おはようございます」だったような気がする。
もちろんアキコは新品で、二ヶ月前に工場から直接送られてきたのだが、発注するときには、
僕は確かにアキコの外観や、家事や秘書機能といったオプションのソフトもいくつかつけ加えたり
はしたが、アキコの行動パターンつまり、どういった口のきき方をするとか、どういった立ち居
振舞いをするかなんてことは、まるで指定しなかった。にも関わらず、アキコはまったく僕の
期待通りの行動を見せている。僕はよそよそしいのはもちろん困るが、あんまりベタベタしたのは
嫌いだし、ある程度礼儀正しく行動することになれているのだが、アキコはまったく僕のそんな
好みにピッタリなのだ。アキコが工場から出荷されるときに予め覚えこまされている、いわば
お仕着せの行動パターンが、偶然にも僕の好みとピッタリ一致しているのだろうか。そんなことは
どうにも信じられない。なぜって、僕の知っている人でも、みんなロボットをもているが、自分の
ロボットの行動パターンが気に入らないなんて話は一度も聞いたことがないからだ。
一人一人の好みは違うはずだから、工場でお仕着せにされている行動パターンがすべての
ユーザーに満足を与えているはずがない。現に僕は、友人たちのロボットを見ていて、よくこんな
ロボットを気に入っているもんだと不思議に思うことがあるが、本人たちはそれでいいらしいのだ。
僕なら五分間でも我慢できないような行動パターンを見せるロボットを気に入って、所有している
者が現にいるのだ。
僕はこの点を不思議に思って、アキコについていた取扱説明書を引っ張りだして、分厚いその本
のページをめくってみた。
探している箇所はすぐに見つかった。そこを読み進むうちに、僕の疑問は消え去っていった。
簡単に説明するとこういうことだ。
やっぱり、すべてのユーザーを満足させる行動パターンは存在しなくて、個々のロボットは
それを自分で学習していくのだ。工場から出荷された時点の新品のロボットには、共通の行動
パターンといったものが一応組み込まれてはいるが、それはいつまでも通用するものではなくて、
最初に電源が入れられた瞬間から、ロボットは学習を始めるのだ。
電源を入れられて数日の間は、ロボットの行動はひどくよそよそしくぎこちない。人間に対して
ひどくへりくだっていて、礼儀作法の教科書そのままといった行動を示す。まるでよくしつけ
られたホテルのメイドか何かのように。これが、工場で組み込まれたお仕着せの行動パターン
なのだ。この時点では、どのロボットも全く同じ、区別のできない行動パターンを見せる。
つまり、まだ個々のユーザーの好みの違いが反映されていないのである。
ユーザーとロボットの双方がおたがいになじみ始めると、ロボットは少しずつ行動パターンを
変え始める。その変化は大変に些細で、ほとんどのユーザーは気さえつかないほどである。
その変化は、言葉使いの些細な変化であったり、身のこなしの変化だったりする。例えば、
「おはようございます」といっていたものが、ちょっとくだけて「おはよう」といってみたり、
ユーザーの日常的な世話をするときでも、少し離れて控えていたものが、ほんの少し身を寄せる
ようになったりするといったようなことだ。
もしその変化をユーザーが受け入れたなら、ロボットはその変化を自分自信のなかに刻み込む
のだ。つまり、行動パターンが少しずつ変化するわけである。それからは、「おはよう」という
のが普通になり、躊躇なくユーザーのそばに腰掛けたりするようになるわけである。
もしユーザーがその些細な変化を受け入れない場合は、ロボットはすぐそれをもとに戻す。
そして、行動パターンは変化しないわけである。
これはこういうことだ。ロボットが初めて「おはようございます」ではなく「おはよう」と
いったときにユーザーが嫌な顔をしたり、体を近づけることをはしたないなどと感じたりする
のが、ユーザーの表情から読み取れたりするわけである。ロボットがユーザーの表情や態度から
感情を読み取る能力というのは驚くべきもので、このへんをつかさどるソフトの開発がロボット
の商業的な成功をもたらしたといっても言い過ぎではない。もしこのソフトがなければ、
ユーザーは始終ロボットの行動に腹を立てたり、ロボットに小言をいっていなくてはならな
かったろう。だとしたら、ロボットを買いたがる人がこんなに増えるはずはなかったろう。