【単純に音だけで】 菊地成孔 【感動させてくれ】

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302名無しさん@お腹いっぱい。
(無題) 投稿者:菊地成孔 投稿日: 2月 1日(木)05時22分6秒 z22.61-45-59.ppp.wakwak.ne.jp
 5曲ぐらいかけるつもりでアルバムいっぱい持って行ったんですが、歌舞伎町の話しているうちに後が詰まっちゃいまして(笑)
2曲だけに成ってしまいました。つま、マイケルだけで2時間やっても良いぐらいですね。スタジオにサックス持ってって一緒に吹いて
やろうかと思いましたけれども(笑)、諸事情によりダメでした。

 不二家とTDLはそんなにガップリとは絡みません。不二家が提供しようとした夢の多くがディズニーと被っていたと思います。ペコ
ちゃんポコちゃんがショーを行い、レストランで不二家メニューが食べられる、帰りには不二家グッズが買える遊園地。という、
「まるで存在したかの様な空間」を、不二家は作りませんでした。あたかもそれが存在するかの様な夢を見させておくにとどめた訳です。
ここに根本の勝因と敗因(パノラマを実体化する力においての、アメリカとの腕力の比較)があったと設定しています。

 「always三丁目の夕日」には力道山は出てきますが、プロレスと隔週でやっていたディズニーと、既に現役だったペコちゃん、中休み中
だったゴジラ、まだ産まれる前のウルトラマンが出てこないという、偶像のスタンダードを移した、新しいレトロ感覚がキモの映画ですが、
象徴的だと思います。出てこない事自体は権利問題ですから仕方が無い。「過去は甘い」というノスタルジックな憧憬(その味覚化の極が
ミルキーとネクターだとワタシは思います)すら、実は無限の保証はない。ゆっくりとマントル対流の様に動くのだ(例えばガンダム世代
の台頭)と言う現実に、キューピーマヨネーズはナチュラリズム〜エコ/ロハス感覚で対応出来た。若い外部の力を入れたからです。今こそ
不二家はおっさん達による親族経営を止め、リニューアルするチャンスだし、その時ペコちゃんを救うのは女性であって欲しいとワタシは
思う訳です。「産む奇怪」ならともかく「産む機械」と言われて柳眉を逆立てている様では、本当のフェミニズムの定着は遠のくばかり。
人間の属性である機械性を否定したら、古典であるクラフトワークひとつ鑑賞出来ず、同じく古典であるボクシングひとつ観戦出来ないで
はないか。パリに修行に行く筈だった女性菓子職人と女性経営者が瀕死の不二家を蘇らせてこそのフェミニズムではないかと思う訳です。
女性の力の発揮。というのは、男性もバリアフリーで求め、認める物ではないといけません。