魚用☆５匹目

新しい年が明けてから少し経ちましたね。その後いかがお過ごしでしょうか？
お疲れ様と言ったほうがいいでしょうね。
小さな期待とガッカリが、パタパタと短いサイクルであったと思います。
あとちょっと眠らずに歩けます？ゆっくりゆっくりで大丈夫です。
何故ならもうすぐ次の扉が見えるから。
今投げ出してしまうと、きっとその扉を開く勇気をなかなか出せなくなってしまいそうです。
息切れしてもいいんですよ、今ある苦しみが次の扉を開く強さになるのだから。
今月は身辺整理をして下さい。あなたの心や頭の中の荷物を少し選別してみて下さい。
扉の向こうへ行くときには、荷物は少ないほうがいいですね。
本当に大事なものだけ、ギュッと握って。疲れたときのキャンディーもひとつのポッケだけにいれてね。
うちポケットもズボンのポケットも空っぽにしておいて下さいね。
どうしてなのか、いずれわかりますよ。
一月にお伝えしましたが、覚えていますか？
思い出してみて下さい。
あんまり泣かないで笑ってごらんなさい。
怒らないで歌でも歌って、疲れたら野に咲く花と一休み。
迷ったら印をつけておきなさい。

そして淋しくなったら。心がひもじくて歩けなくなったら。
今までみたいに強がったりすねたりしちゃだめ。
今まであなたはすぐに暗がりに隠れたり、恥ずかしい姿を見られまいと泣かないフリして走って逃げていました。
あなたのほうが背中を向けたなんて、思いもよらないでしょう？
あなたの背中なんか誰もみていないと思っていた？
その人の瞳は本当に冷たかった？
その人の握りこぶしはあなたのハートを砕くためのものだった？
今度は少しリラックスしてほしいのです。
次の場面をみてほしいのです。
その人の握りこぶしに手を添えてみて下さい。
その人はあなたのぬくもりに安心して、こぶしを開いてくれます。
あなたにあげたかったキャンディー。冷たいこぶしに見えていたのに。

今度はちゃんと受取ってあげて下さいね。
あなたが今までの人生で受け取らずにきたぶんも、たくさんありました。
大事に貰ってポッケにいれて下さい。
甘いキャンディー、苦いキャンディー、硬いキャンディー。
大きすぎて口に入らないキャンディー。
味なんか、どうでもいい。
みんなあなたに食べて貰いたかっただけなんです。
そんなふうにあなたは、笑ったり泣いたりひもじくて座り込んだりしながら、
キャンディーを貰って今年という人生を歩いていけますよ。
影のあるあなたより、
キャンディーを頬張りホッペを赤くして笑ってるあなたがいちばん可愛いのです。
ではまた来月までさようなら―――。