♪【浅酌低唱】風星座宴会スレッド8【双天水】♪

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31マドモアゼル名無しさん
今日テレビで「走れメロス」の裏話(旅館人質トンヅラ事件)やってたね。
面白かった。

昭和11年、太宰治(双子)の妻に熱海にいる太宰から「借金をつくってしまって帰れない」という連絡が入った。
太宰の妻は太宰の友人壇一雄(水瓶)に、太宰に金を届けるよう頼んだ。
しかし太宰は壇が届けた金も浪費してしまう。更に膨れ上がる借金。
そこで太宰は「菊池寛(山羊座)に金を借りてくる」と言って壇にそれまで人質となってもらい旅館を一人出たのである。
ここから「走れメロス」が生まれたのではないか、と壇は「小説 太宰治」の中で書き綴っている。
ところで実際には、この後の太宰と壇はどうなったのだろう。
実際には10日以上待っても太宰から連絡がなかった(戻ってこなかった)ため
旅館の店主から監視されたところでしか身動きが取れず、しびれをきらしていた壇が
菊池の家に旅館の店主と上京してかけつけてみると「太宰は来ていない」と菊池に言われ、
作家仲間であった坂口安吾(天秤)や川端康成(双子)の家、その他計6箇所以上の作家仲間の家で太宰を探し
ようやく井伏(水瓶)の家の庭で暢気に将棋をしていた太宰を発見する。
「君、酷いじゃないか・・・!!!」と壇が詰め寄ると、太宰は血の気が引いたように少し手が震えていたという。
太宰は下を向き「待つ身がつらいかね、待たせる身がつらいかね」と言った。
自分を棚に上げて待ちきれなかった壇(セリヌンティウス)を責めるあたりが太宰(メロス)らしい。
後に「太宰はそれまでも散々迷惑をかけてきた井伏に、このうえ借金の申込みもできず、
切り出すタイミングを逃して迷いあぐねていたのではないか」と壇は推察している。
ちなみにその借金は総額300円(現在の約20万円)ほど。
壇と井伏、知人の佐藤春夫(牡羊)にも支払ってもらい、それでも足りない分は妻が着物を質に入れて返済した。
メロスは帰ってきた。しかし太宰は帰ってこなかった。
この「走れメロス」は自己弁護のために書かれたものなのかもしれない。
なんでもネタにするその作家根性に感服した。

という話。