学校で・・・血液型編

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296マドモアゼル名無しさん:01/11/27 21:35
B磨は、女の子を愛して愛して愛し抜いて・・・、そんな人生を歩みたいと思っていた。
だから上記の男達と付き合っていた時も、常に女性の恋人を求めていた。
同時進行で付き合っていた時もあった。
相手が女性だと、周りも、彼氏も、それが恋愛関係だと気付かなかった。

だから、彼女がいる時は自分の家に平気で泊める事が出来たし、大っぴらにデートも出来た。
高校生の時は、毎週末、家に彼女を泊めて、お互いの体や存在を貪り合っていた。

彼女の母親のAB枝も、まさかそれが恋人だとは疑いもしなかった。
彼女は高校を卒業する時、母親に自分がレズビアンである事を、告白した。
母親のAB枝は最初は驚いていたものの、怒るどころかよく告白してくれた、今まで黙ってて辛かったんだね、
アタシがしっかりした親じゃない言いにくかったんだね、ゴメンね、などと謝ってくれさえした。
そして、恥じるべきではない、堂々と生きてお行き、と励ましてくれた。

母親はそれ以来、素敵な女性有名人などの話を積極的に持ち掛けたりして、B磨と母親は
以前より増して絆が深まり、親子であり親友のような存在にさえ、なった。

B磨はその頃から、男に対しての未練が、吹っ切れた。
純度の高い「自分の人生」を生きようと、決意した。
女のみを愛して行こうと、その頃決意した。
297マドモアゼル名無しさん:01/12/05 00:04
O美「ただいま」

O枝「おかえり、あのね、お父さんと話したんだけどね・・・」

O美「あ、いいから、その話」

O美は自分の部屋に、閉じこもった。

O美の母、O枝は銀座で雇われママをしていた。
高級クラブであったので収入もかなりあり、O枝とO美の二人家族は高輪の高級マンションに居を構えていた。

5年前まではもっと小さなアパートに住んでいたのだが、パートで浅草の老舗の料亭の
仲居さんをやっていたところ、その料亭の客であったAB沢(51才)に見初められて
高級クラブのお店を任せられたのだ。
AB沢は大手家電メーカーの重役。
早い話がO枝は、彼の愛人になったのだ。
その頃から今の高級マンジョンに引っ越していた。

以前、住んでいた江戸川区のアパートにはO美を我が子のように可愛がってくれるオバちゃんが
いて決して離れたくなかったO美は泣きじゃくって、引越しに抵抗した。
外では温厚なO枝も我が子のO美には異様に厳しいシツケで叩いていう事をきかせた。

そんなこんなでOこの母と娘はあまり会話もせず、疎遠になっていた。

O美の実父、A武と母親のO枝はO美が小学3年生の時、離婚していた。
家庭裁判所の裁定でO美は両親の両者間を決められた日数ずついられるようになった。
O武の不倫で至った離婚であるが、O美は父親のもとにいることを、好んだので6年生まで
殆どを父親と過ごしていたが、O武に付き合う女性が出来て同居するようになった。
O美はその父親の恋人のA紀が好きになれず、O武に分かれるように言っていたが
彼女が6年生の時に、O美に承諾を得ず二人は入籍をした。
その二日後、O美は家出のような形で家を出、O枝の住むアパートにやって来て、以来、
共に住んで今に至るのである。
ああ、A武が途中からO武になってますが、全部A武です。
299マドモアゼル名無しさん:01/12/05 00:47
O美はO枝がAB沢の愛人だと薄々気付き始めてきた頃から、O枝に対する蔑視が強くなり始めてきた。
O枝はそれが感じられるから、余計にO美に対して冷淡な態度を取るようになった。

毎晩、酒に酔っ払って帰宅するO枝を嫌悪を持って、見詰めていた。
時々訪ねてくるAB沢も好きになれなかった。
優しくする態度も嫌悪の対象だった。
ソファに座って談笑する時もAB沢はO枝と話しているように見えて、
横目でO美の体を舐めるように盗み見していることにO美はとっくに気付いていた。

一度、O枝は真面目な顔をしてO美に、「アンタは綺麗だしスタイルもいいし、男受けしそうな
感じだから卒業後はホステスやってみない?」と言われてショックを受けたことがあった。
自分はクラブ経営の金で行けなかったと諦めていた高校に進学できたしこうやって経済的に
余裕のある生活も出来ている。
だから別にホステス業を軽蔑している訳ではなかったが、母親に対する嫌悪感がそのまま
この職業や業界に対する様々な嫌悪感に直結していたので、そんな案は到底受け入れられる筈はなかった。

そのO美をホステスにしたがっていたのは、実はABであった。
O美にはホステスを数年間修行させ、その後O枝とはまた別の店を任せようと真剣に考えていた。

O枝があまりにもAB沢の恩義を強調するもんだから、勘所のいいO美はAB沢の
本当の標的がO枝ではなく自分になってきているのを感じていた。

O美は卒業後、この家から逃亡する事を決めていた。
高校は、卒業したい−。
O美という一人の少女が、この10代を懸命に生きたという証をこの高校生活の内に
どうしても残したかった。

どうしても−。
300マドモアゼル名無しさん:01/12/05 00:52
このスレッドの名前を「卒業」にさせて頂きます。>1さん
301マドモアゼル名無しさん:01/12/12 23:31
B村「みんな乗ったか〜!?」

生徒「誰に聞いてるんですか〜?」

B村「だからみんなだ〜!」

生徒「判りませんよー」

B村「あ、そっか!
   まだバスに乗ってない奴、手を挙げろー!!」

生徒一同(爆笑)

A那「B村、相変わらず大ボケだよね」

O美「・・・うん」

A那「・・・あのさ、修学旅行なんだからもっと明るい表情しなよ〜」

O美「・・・うん」

そこから少し離れた席で、

AB乃「・・・いい、B江。
    絶対、この旅行中に仲直りするんだヨ、O美ちゃんと」

B江「・・・」

AB乃「ホント強情なコね〜。
    過ちを許してこその、人間よ!
    いつもパパが言ってるモン。」

B江「・・・私、AB乃のパパみたいに立派じゃないもん」

AB乃「そういう意味で言ったんじゃないよ〜」

B江「それに・・・」

AB乃「それに?」

B江「アタシのお父さんはそんなコト言ったことない・・・。
   そこが差なんだろうな、アタシなんかとAB乃は・・・」

AB乃「・・・あのね、そんなコト言うB江は好きじゃないよ!
    B江はいつも元気にあたし達を引っ張ってってくれなきゃ、でしょ?
    ・・・アタシが、いや、アタシとA那の二人でこの旅行中に仲直りさせる、絶対、うん!
    いい思い出造るゾ〜!!!」   
302マドモアゼル名無しさん:01/12/12 23:42
O端「アンタ、ちゃんとしなさいよ〜!」

B村「してますよ〜、いつも。
   O端先生こそ僕にあまり心配掛けさせないで下さいよ〜。」

O端「あのね、なんでアタシがアンタに心配掛けなきゃならんのよ〜!!(怒)」

B村「も〜、すぐ怒る〜。
   でも怒ったO端先生もホント可愛いんだよな〜」

O端「・・・からかうんじゃないわよ!!」

O端はなぜかうろたえて赤くなっていた。

B村「・・・でも本当にみんなにとって素敵な、それこそ一生の思い出に残る旅行に
   なって欲しいですよね・・・」

O端「・・・ああ、うん。
   (・・・こいつっていつもいきなり真剣な表情になったりするんだよね。
   なんかいつもペース握られてるようで、ムカつく)」

B村「・・・僕達にとっても、ね?」

O端「・・・ハ?」

B村「・・・実は僕、この旅行中にO端先生にプロポーズしようと思ってるんですよ。」

O端「え?は?え?」

O端は真っ赤になった。

B村「ははは!ウソウソ!なんで真っ赤になってるんですか!(笑)」

O端はB村を張り手した。

O端「アンタは今まで見た中で最低最悪の軽薄男よ!」

O端は自分のクラス担当の2組のバスに戻った。   
303マドモアゼル名無しさん:01/12/13 00:22
3組のバスの窓際からO端とB村を覗いている一人の少女がいた。

O歌「・・・」

A衣「・・・どうしたん?」

O歌「・・・いや、別に」

O歌とA衣、そしてAB織の3人は一つのグループだった。
この3人はこのクラスの女子では最も派手でO歌は茶髪、他の二人は金髪で
完全ないわゆる“ギャル”であった。
このクラスでは浮いていてA夫やA輔らとつるんでいた。
いわゆる“不良グループ”のような存在であった。

O歌は2、3日前の事を思い出していた。

B村「おい、O歌、絶対に来いよ、修学旅行」

O歌「・・・うっせーな!
   行かないっつってるじゃん。
    しつこいよ、ホント」

B村「あのな、費用の事なら大丈夫だって言ってるだろ。
   お兄さんとちゃんと話したんだから、それについては。」

O歌「あたしは恵まれたりしたくないんだよ!
   とっとと帰ってよ!
   ・・・帰れよ、バカヤロー!」

その時、O歌の隣に座っていたO雄がO歌の頬を引っぱたいた。

O雄「バカヤロー!
   B村先生はワザワザてめえなんかの為に忙しい中来て下さったんだぞ!
   生意気な口訊いてんじゃねえ!!」

B村「いや、お兄さん、暴力は・・・」

O雄「・・・いや、お見苦しいところをお見せして申し訳ない。
   先生、本当に有り難う御座います、ワザワザこんな奴の為にワザワザこんなにまで・・・」

O雄は泣き出した。
かなり激情家なようだ。
304マドモアゼル名無しさん:01/12/13 01:04
B村「・・・あのな、O歌。
   別に誰もおまえに恵んだりしたりしないよ。
   奨学金制度の一つで、将来おまえが稼げるようになってからちゃんと返してくれればいいんだよ。」

O雄「・・・先生!俺がこいつの首に縄付けても連れて行きますんで!」

O歌「・・・もう、兄ちゃんは力み過ぎるんだよ。
   ・・・でもさ、先生・・・アタシが行ったって誰も喜ばないよ・・・」

B村「なに言ってんだ。
   A衣とAB織がいるじゃないか。
   二人とも友達だろ。」

O歌「・・・実はさ・・・アタシ、修学旅行の事でA衣とAB織に話した事があったんだ・・・。
   いろいろ心配して相談に乗ってくれるかと思って・・・。
   ・・・でも、二人とも「ふ〜ん」とか「残念だね」とか、なんか淡々としてて・・・。
   アタシこの二人以外に友達いないし、なんかアタシってこのクラスでこんなモンなのかなって・・・」

O雄「・・・」

O歌「・・・なんかアタシの存在なんてこれっぽっちのモノだし、ワザワザお金を借りて行くなんて・・・。」

B村「・・・バカヤロー!
   誰がこれっぽちだって!!
   ・・・フザけんな!」

B村の逆切れに今度はO歌はもちろんO雄も驚いた。

B村「・・・あのなあ。
   これは本当は言っちゃいけない約束だし言いたくなかったけどなあ。」

B村は2日前にあった出来事を話し始めた。

B村「・・・A衣とAB織がなあ、俺の所に来てだなあ、O歌が家の経済の事情で
   O歌が修学旅行に行けないって相談に来たんだ。
   俺がちゃんと行けるんだって事、説明したらあいつら泣いて喜んでたんだぞ。」

O歌「・・・」

B村「あいつらもおまえに負けないくらい家の事情で苦労してきてんだ。
   だからおまえの気持ちはこのクラスであいつらが一番知ってんだよ。
   あいつらもおまえに劣らず苦労してきてるから、優しい言葉を掛けるのが
   不器用だけなんだ、おまえまら判るだろう?
   ・・・いいか、この修学旅行を一生の思い出にするんだ。」

O歌「・・・変わった先生だね・・・。
   ホント変わりモンだよ。
   アタシなんか構ったってしょうがないのに・・・。」

O歌は、泣いていた。
305マドモアゼル名無しさん:01/12/16 00:01
A里についての回想
>>209>>210>>235>>236など

A里「こんにちは」

A未「・・・こんにちは。
   ああ、A里さん」

A里「ハイ。
   A里です、よろしくお願いします」

A未「・・・同期になるんだからそんな堅苦しくなくていいヨ(笑)」

A里「ハイ、そうですけど年が一ッコ違いますし・・・。」

A未「なに?年の若さを誇りたい訳?」

A里「違いますよ〜(苦笑)」

そう、A未はA里と一緒に今年のViViの正式に専属モデルに採用された二人の内の、一人。
年はA未が一つ上の19歳だった。

A未「ふ〜ん、やっぱり大きいね。
   アタシと一緒なんだ、175でしょ?
   ViViって小さいモデルばかりだからアタシら浮いちゃうかもね。
   なんか他の雑誌からデッカイのばかり芸能人になってるからこの雑誌も方向転換らしいよ。
   可愛い系だとギャル系パワーに適うワケないしって」

A未は背が高いだけでなく細面で鼻筋が通った男っぽいハンサム系の顔立ちをしていた。
気性もクールでお嬢様育ちのA里とはかなり趣が違っていた。

A里「へ〜、良く知ってるんですね」

A未「・・・こんなコトくらい知っとかなきゃ(苦笑)
  A川さんとかから色々聴いといた方がいいヨ、絶対。
  ・・・アンタ、お嬢さんなんだって?
   アタシと全然雰囲気違うね・・・。
   でもね、この世界、甘ちゃんじゃやってけないよ。
   先輩なんかもみんなライバルだしね。
   あたしらのコトなんか多分良く思ってないよ」

A里「凄い気合ですね(苦笑)」

A未「そんなモンだって!
   A川さんとかから聴いてないの?
   佐田さんなんかもなんか裏表ある人かもよ〜、実は(笑)」

A里は気持ちが引きつつも、佐田真由美の悪口は勘弁して欲しかった。
306マドモアゼル名無しさん:01/12/16 00:28
A里「え〜(苦笑)私、実は佐田さんなんかに憧れて入ってきたトコあるんですよね〜。
   だからそれはちょっとキッツイかと・・・(苦笑)
   佐田さんはいい人ですヨ」

A未「そういやアンタこないだの新入りインタビューで言ってたね。
   でも社交(辞令)でしょ?
   アタシはなんか嫌だな、あの人。
   ・・・絶対、秘密だよ(笑)」

A里「・・・なんで嫌いなんですか?」

A未「・・・アンタA型でしょ?
   アタシOの奴大っ嫌いなんだ。
   ブリッコで男に媚びてるしね。
   なんか男受けするからムカつくんだよね。
   BとABは興味なし!って感じだけど(笑)
   ・・・同期の奴がAで良かったよ。
   まあよろしくね」

A里は華やかな未来に、少しばかり濁ったモノもあるらしい事はうっすらと理解出来たつもりにはなれた。
307マドモアゼル名無しさん:01/12/16 01:08
O子「悪いけど、昨日のノートみせてくれへん?」
A子「いいよ」(渡す)
B香「えーB香にも見せてー」
A子「じゃあ回して」
(O子写し終わる)
B香「あー、コピーしたいから持って帰っていい?」
308マドモアゼル名無しさん:01/12/17 21:24
O道「ハ?
   おまえ、なに言ってんの?」

時はB太の停学明け。

O道「なんつったって?
   おい?
   B太クン?」

B太「・・・だから、やめるって。
   部も空手自体も。」

O道「・・・なんで?
   学校に言われたんか?
   俺が言ってやろうか?
   おまえが悪い訳ないんだから」

B太「イヤ、もういいんだ。
   もう、おしまいにいしたいんだ。
   空手は向いていないっていうか・・・。
   もう、人を殴る感覚からは抜け出したいっていうか・・・」

O道「・・・って極真もやめんの?」

B太「・・・やめる。
   もう、すっぱりやめる」

O道「・・・そりゃ、おまえの勝手だけどさ・・・。
   ダチの俺でも納得出来ないんだぞ。
   みんなを納得させられる腹積もりあんのか?」

B太「・・・ない(苦笑)
   でも、そんなことも言ってられない・・・なんでも自分で決められない俺だったけど・・・
   でも、考えたら俺が親に自己主張したのって空手始めたいってのと、空手やめさせられそうな時
   親から中学受験奨められた時なんだけど、泣いて抵抗したって事くらいで・・・。
   ・・・だからやめる・・・やめたい気持ちくらい、自分の意志を通したいんだ。
   ・・・なんだか凄く怖いけど・・・みんなのがっかりする失望した顔見るのが凄く」怖いけど・・・
   もう、これで終わりなんだと思うと、これが最後でやっと開放されると思うと・・・」

O道「自分で決断出来た空手だからこそふんばれないのか?」
309マドモアゼル名無しさん:01/12/17 22:02
B太「・・・無理だ・・・もうオカしくなっちまうから・・・。
   精神的に不安をズッと抱えてるようなモンだから・・・。
   ・・・おまえはシューティングやっててプレッシャーとか感じないのか?」

O道「感じたことないよ(笑)
   まあデビュー戦は多少緊張したけどな。
   でも試合始まっちまえばそんなこと関係なし!(笑)
   勝ってみんなから賞賛される時の快感は一度味わったらやめらんないって!
   強くなればなるほどファンも増えてくるし声援も増えてくるしな。
   期待されればされるほど燃えるし・・・っつーか期待されねーとオレ、やる気おこらねーし」

B太「・・・羨ましいな。
   俺には無理だ、そういう考え方。
   いっそ期待しないでみんな相手の応援してくれたらって思うよ。
   どれだけのびのび闘えるかって思うよ」

O道「うわ〜。
   俺なんか考えられない。
   相手ばっかり応援来てるのって!(笑)
   それはそれでブチ切れて、相手やっつけてぜんぶ俺の声援に変えてやる、って思うけどな」

B太「俺は勝ったってホッとするだけ・・・。
   みんなに叱られないとかガッカリさせないで良かった、とか・・・(苦笑)
   でも、勝っちゃうと、次があるんだよ。
   延々と続くこのしんどさ・・・(苦笑)
   ・・・でも、もう、終わるし・・・。」
310マドモアゼル名無しさん:01/12/17 22:06
O道「・・・あのなあ、おまえさー・・・抱えすぎなんだよ!
   いろいろと余計なモンもよ〜。
   俺なんか叱られるだのみんなのガッカリ心だの一秒だって考えねーぞ!
   いい事ばっか、考える!
  
   ・・・大体俺はみんなの為にやってるんじゃない。
   自分の為にやってんだ。
   俺や親父やお袋やなによりB沙とか、ジムやそれ以外の仲間が喜んでくれると嬉しいし。
   もちろんファンもな。
  
   ・・・でもやっぱり俺は自分の為にやってんだ。
   だって俺の人生は俺のモンだろ?
   これってワガママか?
   俺は当然だと思うけどな。
  
   ・・・だれも俺の人生に責任持っちゃくれないんだ。
   自分が持つしか、ない。
   だから俺は目一杯、自分の為に生きたいんだ。
   それをまわりのみんなも喜んでくれたらなおハッピーじゃん!」

B太「・・・俺はおまえを尊敬するよ。
   おまえみたいな奴が一番強いんだよ」

O道「バカヤロー!
   俺だっておまえを尊敬してたんだよ!
   めっちゃおまえを励みにしてたのにな〜。
   ジムのみんなやなんかにもおまえは俺の自慢だったのにな〜。
   今まで見た中でおまえほどいい奴知らないし、俺も含めて(笑)
   みんなエゴのカタマリだけど、おまえはなんか違ったんだよな・・・。
   でもそんなに追い詰められてるんじゃ・・・俺ももう、なにも言わない」

B太「・・・ありがと・・・。
   おまえに軽蔑されても仕方ないって思ってたけど・・・」

O道「馬鹿ヤロー!
   おまえの実績見て軽蔑する奴がいるかよ!
   そんな馬鹿いたら俺がぶっ飛ばしてやる!」

B太「・・・ホントありがと・・・」

O道「・・・」
311マドモアゼル名無しさん:01/12/17 22:23
B沙「B太クン、軽蔑するわ」

B太「・・・」

O道「・・・あ、あのさ、違うんだって・・・つーか色々あるんだって、こいつにも
   色々とこいつなりの・・・」

B沙「O道は黙ってて!」

O道「・・・ハイ」
 
B沙「・・・B太クン・・・ホントに感謝してるのよ。
   あの男から守ってくれて・・・。
   でも、ここでやめたらあいつに負けた事になるじゃない!?」

B太「・・・いや・・・負けたとか勝ったとかじゃなくて・・・」

B沙「・・・じゃ、なに?!」

B太「・・・もう、いいじゃないか。
   あの男ももうやらないだろうし・・・」

B沙「・・・良くないわよ!!
   いい?
   ここでやめたらアイツが喜ぶじゃない!!
   あんな奴に引っ掻き回されて空手部やめてって・・・。
   これでいい訳ないじゃない!!!」

B沙は興奮して涙ぐんでいた。  

B太「ホントはこんな事にならなくても、やめたかったんだ・・・。
   今回がそのきっかけになったっていうか・・・。
   そもそも俺にケンカ売りに来た事から始まったんだ。
   O道の事も、B沙ちゃんの事も・・・。
   もうこんなややこしい事からすっぱり足を洗いたいだけ(笑)」

B沙「・・・こんなややこしいって・・・なに?
   人を助けるのは、大切な事じゃないの?
   私、ワカンない
   ・・・B太クンの空手の実績知ってるヨ。
   だからこそ、なんでそんな淡白な理由でやめられるのかが、わかんない」

B太「・・・」

O道「・・・俺が話すよ。
   B太は疲れてるから・・・。
   責めるような言い方は、やめろ」

B沙「・・・別に責めてないって・・・」

B沙は下を向き、口を両手で押さえた。
瞳から、涙が伝った。

B太「・・・ゴメン」

B沙「・・・バカ・・・なんで謝るのよ・・・」
312マドモアゼル名無しさん:01/12/23 23:10
AB也「おまえさあ、告るんだろ?」

B彦「・・・ハ?」

AB也「修学旅行じゃん?告白したりするんじゃないの?気分が出るし・・・」

B彦「・・・そんなベタな事しないし、考えないって!(笑)」

AB也「おまえ、そういう正確なおした方がいいよ〜。
    ・・・女に嫌われるぞ」

B彦「・・・なんで?(キョトン)」

AB也「・・・ヤ、別にいいけど・・・(ヤレヤレ)
    とにかく俺はO美ちゃんに告るからな。
    邪魔すんなよ」

B彦「・・・邪魔なんかしないけど・・・。
   ・・・本気?」

AB也「・・・俺がこんなこと冗談で言うタイプに思える?」

B彦「・・・」

B彦は、先日、AB也からこの修学旅行中にO美に告白する旨の事を聴いていた。

AB也「・・・とにかく、応援してくれ、な」

B彦「・・・ああ、うん。」

B彦はAB也がいつも冷静で気持ち変動を表に表さないが、実は繊細でシャイな面を
AB也自信は口に出さないにせよ誰よりも理解できていたのであった。
だから、うまく行ったら困る気持ちと同時に、AB也を気遣う気持ちを捨てられなかった。
313マドモアゼル名無しさん:01/12/23 23:27
AB乃「どこで告白しよっかな〜?」

B江「・・・」

B江はAB乃がB彦に告白したってウマく行かないだろう事は良く解っていた。
B彦はO美に気がある事は明らかだったし、簡単に心変わりする事は考え難かった。
それはO美も考えていた事だった。
A那も最初はそうであった。
しかし徐々にAB乃の気持ちに当てられ、なんか奇跡のような逆転劇が起こるような気がし始めていた。

B江「・・・もう、決めてるクセに、告る場所(笑)」

AB乃「ええ〜!バレちゃった?」

B江「(笑)」

ここ数日、彼女は何度も何度も言っていた。
加茂川のほとりで告白する事を。

B江「B彦、なんか複雑っぽい性格してるみたいだけど、AB乃の魅力は判るよ、多分。
   ・・・私、時々、男に生まれたら、って思うんだ。
   そしたらAB乃の事好きになってただろうな〜・・・。」

AB乃「・・・もう、なに言ってんの(笑)」

B江は下を向いて片手で目頭を押さえた。
振られるかも知れないAB乃をおもんぱかっての事か、それとも彼女の健気さに心を打たれての事か、
O美との確執の事か、男になりたいという、取り留めの無いとも言える気まぐれの為か・・・。
・・・B江の、その答の数々をこの旅行中に見つけられるのだろうか?
それは、運命だけが、識っている。

AB乃「・・・もう、なに泣いてんのヨ・・・。
    アタシも哀しくなっちゃうヨ・・・。
    B江・・・ねえ、一生の思い出にしようね・・・?」

B江は下を向いて泣きながら、うなずいた。
  
314マドモアゼル名無しさん:01/12/23 23:33
鴨川、か・・・
315マドモアゼル名無しさん:01/12/24 00:03
賀茂川も、ある、か・・・
O次郎「ガハハハハハハハ・・・・・・・・」

B村「んだろんだろ(笑)」

O次郎がデカい声で笑っていた。
京都に向かうバスの中。
O次郎はB村の隣の席に座りB村の得意な馬鹿話に爆笑していた。

O次郎「センセイはホンマに面白か、オトコたい!(笑)」

バス中に響く笑い声にもみんな当然の事に文句は言えない。
B村もお調子者で声がデカいので、二人の会話はバス中に聴こえていた。
そこでB村がいらぬお世話と言うか余計な詮索と言うか、B彦にとってひたすら迷惑な
展開を持ち出した。
B村らが座っている席のすぐ後ろにB彦とAB也が座っていたのだ。
B村「おい、B彦、おまえ、O次郎と近所なんだって?」

O次郎が振り返ってB彦を、ジッと、見た。
ビビるB彦。
でも、これが二人の、運命の始まりだったのだ。
317マドモアゼル名無しさん:01/12/29 01:47
O次郎「おお、おまえの事は良く見るぞ。
    オイの近所に住んじょるぞ。
    良く、オイに挨拶するんで感心な若者だと思っとったけど同じ年じゃったんか・・・。」

辺りに笑いが産まれた。

B彦は注目されると緊張してしまうので、迷惑だなと思う気持ちと少しホッとする気持ちがない交ぜになった。

しかしここでO次郎の表情が厳しく、なった。

O次郎「・・・しかし、オマエの親父は気に喰わない。
    オイの事をいっつも無視しよるし、一度睨み付けてやがった。」

B彦は体が竦んだ。
B彦の父親はO次郎の事を毛嫌いしており、悪口ばかり家の中でも悪口ばっかり言っていたからだ。

B村「しかし、O次郎。
   挨拶しない、っておまえもしとらんのだろ?アイコだよ。
   ・・・それにオマエを睨み付けるなんて、度胸があるじゃないか!」

O次郎「・・・イヤ、違う。
   オイはこう見えても、礼儀にうるさいんじゃ。
   年上の人間には、礼をするんじゃ。
   みんなオイを怖がってるのもあるじゃろうが、礼は返す。
   それにオイが睨み返したら、目を逸らしおった。
   ・・・ヘタレじゃ。」

B村「おい、O次郎。
   それは、B彦に失礼だぞ。」

O次郎が何か言おうとした瞬間、B彦が口を開いた。

B彦「いえ、いいんです、先生。
   ホントに俺の親父は卑怯者ですから。」
 
B村「・・・おいおい、シャレならんだろ、そんな冗談」

B彦「・・・別に冗談じゃないっすよ。
   冗談でこんな事、言えないでしょ?」

O次郎「・・・」

B彦「影でゴチャゴチャ言うのは、卑怯者以外の何者でもありませんよ。」

O次郎「・・・オイの悪口言っとるのか、オマエの親父は?」

B彦「俺は告げ口みたいな事言いたくないし、それはどうこう言いたくありません。
   ただ思う事を言ったまでです。」

O次郎「・・・オマエはどう思っとるんじゃ、それじゃ。
    どう思っとるんじゃ?オイの事。」

B彦「・・・別にどうこう思ってません。
   あなたの事良く知りませんし。」

このやり取りは大声でやり取りされた訳ではないのでバス中に響いた訳ではなかったが
みんながザワつき始めていた。

O次郎「親が親じゃと、子が子じゃ。
   オマエもオイの陰口、言っとるんじゃろ。」

B彦「・・・言ってませんよ」

バスの中がシーンと静まり返っていた。
このバスは最新型だったので、静寂性が抜群であったのでこのやり取りはクラス中の皆が聴いていた事になる。

O次郎「オイは卑怯な奴らは、相手にせん。
   堂々と言えんで蔭でコソコソと・・・。
   情けない奴らじゃ。」

B彦「言ってないって言ってるだろぉ!!!!!!!!!」

B彦は絶叫した。
スマン
ここまで読んだけど登場人物把握しきれん。
320マドモアゼル名無しさん:02/01/03 21:58
バスの中を静寂が支配した。
誰もが息を飲み、教師のB村でさえ言葉を失った。
しばらく睨み付けた数秒の沈黙の後、O次郎がゆっくりと立ち上がった。

B村「・・・おい、O次郎、やめろ。
   修学旅行だぞ、コラえろ。
   乱暴行為は許さんぞ、絶対。」

O次郎はB村の言葉も耳に入らずにB彦を睨み続ける。

AB也「・・・あの、こいつ、なんて言うか情緒不安定なトコあって・・・。
    ・・・すいません。」

B彦「・・・なんでオマエが謝んだよ。
   ・・・謝んなら、俺だろ。
   謝る気はないけど、な。」

2列分、斜め後ろに座っていたAB乃が堰を切ったように、叫んだ。

AB乃「やめて!もう、やめて!なんでそんな事でケンカしなくちゃならないのよ!」

泣き出した。
泣き出すAB乃を抱き寄せてB江は言った。

B江「・・・あの・・・O次郎クンも怒るのは解らないけど。。。
   ・・・修学旅行じゃん・・・みんな楽しもうよ。
   ・・・B彦クンもそんな事で怒鳴るなんて、良くないよ。
   ・・・アタシだってそんな怒鳴られたら立場ないし・・・B彦クン謝っといたら?」

冷静な口調だったが、その時B江が震えていたのは、抱きついていたAB乃が卒業式の総代としての
スピーチで語った事。
この時のB江の冷静な口調と震える彼女の体、そしてその後のB彦とO次郎のやり取りは
私は生涯、ズッと忘れる事はないでしょう、と語った時、
多くのこのバスに乗り合わせた人間達は涙を止める事は出来なかった。
そう、教師のB村でさえも。

ザワ付き始めた。
O美は声が、出ない。
彼女は重要な時に声が出なくなる自分が嫌だった。
A那が「やめてよ!!!」と叫んだ。

O次郎「おんしゃ、立て」

さらに動揺が広がり、ざわつき始めるバスの中。
B彦は立ち上がった。

B村「おい!O次郎!!」

体を掴むB村を軽く突き飛ばしてシートに座らせるO次郎。

O次郎はB彦に向かって前に体を深く折り曲げた。
そして、確かに、こう言った。

O次郎「・・・スマン」
321マドモアゼル名無しさん:02/01/07 23:52
B彦「・・・」

O次郎「・・・オイが・・・オイが悪かった・・・スマん」

静寂が場を支配していた。

その時、乱暴な、でも力強い拍手が聴こえた。
B村のそれだった。
しばしの静寂の後、拍手が続いた。
そして、ついにはバス中に割れんばかりの波及喝采が沸き起こった。

どこか一体感の不足していたこのクラスが始めて心を一つにした瞬間だったかも知れない。
ようやく拍手がやみ始めるまで、二人は立ち続けていた。

目をお互いに逸らすことは一度もなかった。
O次郎ならそれは解るが、B彦までもが最初から最後までこの緊迫した状況において
この皆の畏怖の的になっている大男相手に一度も視線を逸らさずに瞳から強い光を放ち続けたという事実は、
このクラスの生徒達の心に、異様に昂揚した感情を生み出すに至った。

そう、この事件からこのクラスの全ての事が、劇的な変化を始める事となった。

まるで長い冬を乗り越えた氷壁が春の訪れと共に、硬直していたものが堰を切ったように溶解して流れ出すが如く
あまりにも大きな激動がこれから始まる事になるのであった。

O次郎は、語り始めた。
322マドモアゼル名無しさん:02/01/08 00:25
O次郎「・・・オイは・・・オイは・・・孤独じゃった。
    ・・・オイは小さい頃から友達がおらなんだ。
    オイは小さい頃からいつもイライラを人にぶつける事で自分を慰めておった。
    オイはあるテレビドラマで見た世界に憧れておった。
    それは、おいのお父が・・・」

O次郎はこみ上げるものを押さえきれず、男泣きを始めた。
しばらく腕で顔を隠し、目を伏せて泣いた。

・・・しばらくの後、また語り始めた。

O次郎「・・・オイはそのドラマがオイの死んだ親父が気に入っていたドラマじゃとお母から聴いておった。
    ・・・オイのお母はお父の事を話すのを嫌っておった。
    オイのお父の事を話す時は、そのドラマの事だけじゃった・・・。
  
    お母は、一度そのドラマの再放送を見ながら泣いていた時があった。
    オイはその時、泣く理由を訊く事は出来なんだ。
 
    ・・・オイはそのドラマがお母とお父の絆になっちょる事だけは、よう、解った。

    それは男同士で殴りあう話じゃった。
    殴りおうとるのに、後に片方の男は片方の男を命を捨てて助けるんじゃ。
  
    ・・・お父は、そんな絆が欲しいと言っておった。
    お父は死ぬのなら、オイの為に、オイの為に死にたいと呟いておったそうじゃ。

    ・・・しかし、それが出来んで、死んじまいおった。
    
323マドモアゼル名無しさん:02/01/08 00:30
    オイは荒れた。
    オイはケンカ出切る相手が欲しかった。
    誰もオイに立ち向かう奴は、おらなんだ。
    みんなオイにオベッカ使う事しか、せなんだ。
    お母に叱って欲しかったが。お母がオイを叱る事も、無かった。
   
    オイのイラ立ちはいつしか自分でも止められんように、なった。
   
    オイはヤクザを半殺しにする事件を起してしもうた。
    鑑別所に入ったが、それでもオイを止められる者はおらんだ。
   
    ・・・誰かに、オイを止めてもらいたかった。
  
    ・・・オイは今、サッパリした気分で、おる。
    オイは今、自分が変われたと思うておる。
    そこの男のお蔭じゃ。
   
    礼を言う。
    心から、礼を言う。
  
    みんなこんなオイを笑ってくれて結構じゃ。
    オイは、怒らん。
   
    ・・・オイは自分がドン臭い事も皆に嫌われてる事も、目立ちたがり屋のクセに
    でしゃばりで皆に邪魔扱いされとる事も、実は、ちゃんと、判っておる。
   
    ・・・しかし、どんなに嫌われても、大きな声で皆を威嚇せんでは自分がこの世におらんような気がするんじゃ・・・。
   
    オイは自分が情けない男じゃと言う事は、実は自分が一番、知っちょる。
   
    ・・・皆に今までの事を、謝る。
    今までに傲慢な態度を、謝る。
   
    ・・・許してもらえんかも知れんが、謝る。
    勝手な事は百も承知じゃ。
  
    でもオイは変わりたいんじゃ。
   
    ・・・オイは変わりたいんじゃ・・・。
   
    みんな、オイを許してくれ・・・」
324マドモアゼル名無しさん:02/01/15 21:54
B彦「・・・」

O次郎は、泣いていた。

周りからも女子生徒を中心に啜り泣きをする声が聴こえた。
B彦はO次郎に手を差し出した。
O次郎は少し間を置いた後、同じく差し出した。
二人が握手した後、B彦は言った。

B彦「・・・大男の泣きっ面なんて、カッコ良くないヨ
   ・・・でも、なんか今のアンタ、凄くカッコいいヨ(笑」

O彦「・・・オイの友達になってくれるか?」

B彦「・・・オイで良ければ(笑 ・・・よろしく。
   ・・・前からアンタには凄く興味あったんだ。
   根っからワルじゃないって、そんな気がしてた。
   今日、それが確かめられて、なんかいい修学旅行になりそう(笑」

O次郎「・・・」

O次郎は声を出そうにも声が出ず、また泣き出した。
こんな事を言ってもらえるのは初めてだったのだ。

また、B村の拍手でバス中に拍手の渦が起こった。
325マドモアゼル名無しさん:02/01/15 22:24
「O次郎くんもアレだけど、B彦クンって結構やるよね」

「うんうん。
 見直したよ、スッゴ〜い!」

などこの後もしばらくはバスの中でいろんな生徒がこの出来事をそれぞれの心持を持って話題にしていた。
バスの前方ではB村が気を利かせてO次郎とB彦を隣同士に座らせていた。
O次郎は堰を切ったように今まで溜め込んでいた話をB彦に聴いて貰っていた。
B彦も楽しく聴いていた。

AB乃「・・・B江、スゴくカッコ良かったヨ。
    惚れ直したかナ?(笑」

B江「・・・あのね・・・どうなる事かと思ったヨ。
   ホントB彦っていろんな面倒起してくれるよ(笑」

B江は中学のB彦の起した暴行事件の事を思い出していた。
B彦とB江は中二の時は同じクラスだった。
しかし言葉を交わした事は全く無く、お互いに興味が無かった。
B江と違ってB彦は非常に穏やかで、目立たない生徒だったのだ。
それだけに中3の時にB彦が起した暴行事件は、それだけ衝撃的な印象をB江や彼を知るみんなに与えた。

B彦とB江の通っていた味代中学では在日朝鮮人の子が多く通っていた。
B江のクラスにも在日の子がいた。
B江は在日の子が嫌いだった。
そのクラスにいた在日の女の子は気が強くクラスを仕切っていた。
B江はそこも非常にムカつく原因になっていた。
B江は在日の事を非常に嫌って軽蔑していた。
父親がいつも悪口を言っていたからだ。
兄のB一は非常に差別を嫌い、そんな父親の価値観を毛嫌いしていた。
B太も一切差別は口にしなかった。
兄弟の中ではB江だけが、日々募るイラ立ちを在日の存在に向けて吐き出す事を心の中で日常にしていた。
326マドモアゼル名無しさん:02/01/15 22:56
A那「・・・う〜ん、やるじゃんB彦。
   これでますます迷っちゃう、O美?(笑」

O美「・・・ハ?なに?」

A那「トボけるかな〜(苦笑
   B太サンとますます迷っちゃうんじゃないの?」

O美「あのね〜、アタシにとってB彦クンは、お友達。
   それ以外は、ないって!」

O美は以前のように迷って答える気はなかった。
AB乃の想いを、知っていた。
友達の想いを大切に出来る女の子になりたかった。
以前のO美、この高校に入って今の四人の親友が出来る前の彼女なら、
こんな事を考える余裕はなかったかもしれない。
以前のB江に対して発揮してしまったアザとさの件でも、もう自分の欲求を通す為に
邁進してしまう自分の性格にかなり嫌気が差してきてのもある。

もうB彦に対する、妙な未練はスッパリと切り捨てて恋愛感情はB太だけに、
そしてなによりB江やA那やAB乃との友情を一番大切にしよう、
生涯の友情にしようという想いが、今の彼女を支えていた。

O美「・・・アタシ、絶対AB乃ちゃんの応援する!
   絶対に!
   AB乃ちゃんみたいないい子を断るなんて、絶対にさせない!
   B彦君とは友達だしね、もう力ずくでうなずかせてやる!(笑」

O美はこんな風にサッパリ考えられるようになった自分に気持ちのいい清々しさを感じていた。

A那「・・・でも・・・振られたらどうすんのサ・・・?」

O美「そんなこと考えない!
   今さっきのB彦クンの心意気、見たでしょ!
   言ってて良くワカラないんだけど、きっとウマく行くよ!」

A那「・・・あのさあ・・・アンタB江の事とかあって混乱してんのか知らんけど、重要なコト忘れてるよ。
   B彦って、アンタのコト好きなんだよ。
   B彦がコクられて、アンタのコトが好きだって言ったらどうすんだヨ。
   まあ、アンタに責任はないとは思うケド・・・」

O美「・・・もうイヤ・・・もう・・・イヤだよ・・・揉めるのは・・・。
   アタシはみんなと仲良くしたいだけなんだヨ・・・」

O美は泣き出した。
327マドモアゼル名無しさん:02/01/27 19:18
B太「・・・なに?」

O博「・・・オマエ、止めるんだって?空手」

B太「・・・ウン」

O博「・・・あのなあ、お父さんの立場考えたことあるか?」

B太「・・・ハ?」

O博「・・・おまえが活躍し始めてからお父さんな、いろんな人から声掛けられてなあ、
   期待してます期待してます、って言われてきたの知ってるか?」

B太「・・・だから、なに?」

O博「・・・なに、じゃないだろうが!
   おまえお父さんの立場考えた事あんのか?
   会社のいろんな人がなあ、おまえの応援来てくれたの知ってるだろ!おまえ考えた事あんのか!」

また訳の判らない理屈が始まった。
昔からO博は気に入らない事があると論旨が明瞭でない理屈を並べて癇癪を起すのだった。

B太「・・・あのさあ・・・どうしろっていうの?」

O博「・・・おまえの月謝誰が払ったと思ってんだ! 
   おまえ自分で払えんのか!」

なぜ、「やめるな」という一言が言えないのだろうか。
O博は自分の願望や要望をハッキリ言えない、言わない方であった。
自分の要望や意向を家族がそれなりに察して、それを自分の意思表明に関係無く
行ってくれないと、不機嫌になり癇癪を起すのが常だった。
こんな性格にいちいち付き合うのは妻のB絵くらいで子供3人はそれぞれにこのO博の
性格と言うか性向にてこづって多かれ少なかれ情緒に負担を蓄積していた。
O博は自分のこういった頑迷さを譲歩しようと言う気は全く持とうとしなかった。
良くも悪くも自分が中心でなければいけなかった。

O博「・・・おまえは小さい頃からワガママだったよなあ・・・」

ワガママとは程遠い性格をB太はしていたが、この父親の頑なな思い込みにB太は竦み続けて来た。
 
B太「僕は空手を止めます。
   ・・・本当にごめんなさい。」

B太はなんで謝っているのか全く分からなかった。
でも小さい頃からこの彼にとっての強大な存在である父親にこの言葉を何千回繰り返してきたか、分からない。
328マドモアゼル名無しさん:02/01/27 19:52
B子「あのねえ。
   アンタはまたお父さんに怒られるとか思ってるのか知らないけどねえ。
   お父さんの気持ち、考えた事あんの?
   始める時も止める時も自分で決めて、自分で勝手にやって、お父さんがどんなに
   嫌な気持ちになってるか考えた事ないでしょ!」

B太「・・・」

この夫婦の破綻している論理にマジメに付き合うのをB太の兄のB一は早々に止めた。
妹のB江はこの夫婦の攻撃性を最も忠実に引き継いでいる。
間のB太は最も「困惑」していた。

兄のように自分の中で突き放す胆力も持てず、妹のように両親に信服も置けず、
ただ小さい頃から困惑を続けて来た。
両親に反論出来る気持ちを持てずただ自分を責め続けていた。

O博「・・・もう、いい!やめろ、やめろ!もう勝手にしろ!でもな、もう知らないからな!
   それは覚悟しとけよ!なんでも自分の勝手が通ると思うなよ。権利権利でなんでも通ると
   思ったら大間違いなんだよ!」

O博は昔から自分の要望に従わない場合は暴力的行為や経済的な脅しめいた事を言うのが常だったが
今は大概が具体的な中身のないいわゆるハッタリだった。

食卓で聴いていたB一が口を挟んだ。

B一「なにを覚悟すんの?」
329マドモアゼル名無しさん:02/01/27 20:02
B一は数年前、O博にさんざん経済的な強迫をされてそれにキレて逆に強迫し返した事がある。
出て行ってもいいけどそれなら今までのたまりにたまった鬱憤を晴らさせてもらう、
と言い放ったのだ。
B一は身長180センチあって空手もやっていた。
暴力では父親に負ける訳はない。

居直って以来、O博とは家庭内絶縁状態であった。
強迫と強迫の均衡で成り立っている、哀しい親子関係であった。

B一はもともと弟のB太に負けないくらい繊細であった。
父親を軽蔑していながら結局は父親の経済的庇護の元で大学に通っている。
このやるせない惨めさとこの環境における現実を両立させるには自分をとことん貶めて自虐的な
性格を演じなければ自分の精神の均衡を保つ事は非常に難しいのであった。

彼の好きな自嘲的な言葉は「俺は敗北者」というものだった。

B一「B太、やめろやめろ! 
   おまえに空手なんか向いてないって。
   日本一だから、世界一だから向いているって限らないって。
   こいつが嫌いか好きなんかが重要じゃん。
   
   ・・・それが出来てればやめたいなんて事にならなかったんだろうけど」

B太「・・・」

B太は両親の気持ち以上にB一が理解し難い人物であった。
決して嫌いという訳ではなかったのだが・・・。

B太「・・・嫌いになった訳じゃないけど・・・」

B一「・・・ホントにおまえは煮え切らん奴だな。
   嫌いなら嫌いって言えヨ!」

B太(苦笑)「嫌いな訳じゃないって・・・」

B一「だったらやめるなよ」

B子「・・・ホント、考え直したら?
   先生や他の生徒さんに悪いでしょ?」

B太「・・・」

B一「関係ないだろ、そんな事!
   おい、B太、嫌いだから止めるんだろうが!
   ハッキリしろよ、おまえ。
   ヘラヘラ人に媚び売ってんじゃねえヨ!」

B太はムッとした。

B子「・・・アンタは関係ないでしょ。
   黙っときなさい!」

B一「なんで関係ないんだヨ!
   ・・・俺は7年も空手やってたんだぞ。
   関係ない訳ないだろ!
   
   ・・・おい、B太、おまえ、ちょっと来い!」
330マドモアゼル名無しさん:02/01/27 20:22
B一は居間にやってきてB太の胸座を乱暴に掴んで引っ張った。
B太は驚いたが抵抗しなかった。

B一「おまえを見てたらムカムカするんだよ!
   いつもいっつも人にヘコヘコ媚び捲くりやがって!
   お前には自分の意見がねえのか!
   ・・・親に生きさせてもらってるとでも思ってんのか!
   俺はロクでもない奴かの知れんけど、オマエはクズだよ!!」

B一はB太の胸座を掴んだまま、今のカーテンと雨戸を開けた。

B一「てめえ、出ろ!!」

B一はB太の胸座を庭に向かって放り投げるようにして外に投げ出した。
B太は裸足で庭に立った。
B一も裸足のまんま庭に下りてきた。
そしてB太の左足の腿辺りに強烈な下段蹴りを、入れた。
下段蹴り、俗に言われるローキックはB一が現役の頃、最も得意としていた技で
これをB太にも良く教授してやっていた。
B太はその蹴りにも動じず、抵抗もしなかった。

続いてB一はB太の頬に右の生拳突きを見舞った。

それでもB太は抵抗しなかった。
いや、抵抗できなかった。

母親のB子がなにか叫んでいたがB一には聴こえなかった。
B一は左足でB太の頭部側面に強烈な上段蹴りを放った。

B太はガクッと片膝を地面に付いた。
下を見たまま、やはり抵抗しなかった。

B一は攻撃するのを、止めた。
そして、言った。

B一「・・・やっぱりオマエは負け犬だ。
   あの夫婦に負けた負け犬だ。
   あの父親に負けた、負け犬だ。
   俺とおんなじ、負け犬なんだ。

   ・・・空手を止めた理由が判ったよ
   ・・・おまえに空手家を称する資格は、ない 」

B一は家の中に入り、2階の自分の部屋に上がっていった。

B太は一人、庭で片膝を付いたまま、悔し泣きをしていた。
なにに悔しかったのか、まだ今のB太には判らなかった。
331マドモアゼル名無しさん:02/01/27 21:05
本当懲りないな?
お前ら妄想狂?
>331
なんで、なにに懲りんだよ?(藁
お前正真正銘のバカだな。
333マドモアゼル名無しさん:02/01/27 21:31
漫画板のヲタク共の塊みたいで嫌だ。
334マドモアゼル名無しさん:02/01/27 21:32
読むなよじゃあ
バカだな(藁
335マドモアゼル名無しさん:02/01/27 21:33
AはアホのA
BはバカのB
ABはアブノーマルのAB







OはヲタクのO
336マドモアゼル名無しさん:02/02/16 18:25
誰かそろそろ続きを・・・
お願いします・・・
337作者分の一:02/02/18 03:07
みんなどう思っての?
私は聴きたい、感想を。
感想

あまりに小説に特化しすぎていて血液型の特徴が出ていない。
登場人物多すぎ。

無人島で・・。血液型編 を読み返してみると違いがよく分かります。

無人島で・・。血液型編。
http://cheese.2ch.net/fortune/kako/998/998220274.html
339マドモアゼル名無しさん:02/02/23 22:07
こんなに真剣に書いてるのにこの程度の煽り&感想かい?
この板の程度が知れるねえ(ハア〜
A子「・・・B太サン・・・」

B太「ああ・・・」

A子「あの・・・アタシ、いろいろあって・・・その・・・上手くいえないケド・・・
   その・・・」

B太「・・・いいヨ(笑)気、使わないで・・・(苦笑)
   みんな気を使うんだよな。
   ・・・気イなんて使ってくれない方がズッとマシなのに・・・(苦笑」

この日、ついに空手部の廃部が決定し、ヒッソリと職員室前の掲示板にその旨が張り出されたのだ。
あまり気が付いてる者もいず、この学校から空手部が誕生一年もしない間に静かに姿を消す事になった。

A子「わたし、あんまり空手の事、知りませんけど・・・」

B太「ハハハ・・・俺から空手取ったらデクの棒だぜ・・・(苦笑)」

A子「あの・・・その事なんですけど・・・。
   あの女の子との事なんですけど・・・。
   あれ・・・やっぱり付き合ってるんですか?」

B太「・・・ああ、あの子の事?
   O美チャンって言うんだけど・・・。
   
   ・・・違うヨ・・・別に付き合ってなんかないよ・・」

B太はチクリと胸が痛んだ。
自分の自信がまったく持てなかった。
その心持がこの哀しい答を言わせたのであろう。
A子「B太サンは・・・空手が凄く強くてカッコいいし、目立つから・・・女の子にモテるのは解ります・・・。」

B太「ハハハ・・・もう、いいヨ、そういうのは・・・(苦笑)」

A子「違うんです!・・・私、どうせフラれても、これだけは言っておきたくて・・・。
   ズッとズッと気持ちは変わらないんですけど・・・アタシ、B太サンの空手とか全然興味ないんです・・・。
   人気がある事も、アタシおすいうの、興味ないし・・・。
   ルックスがいいとかも興味ない方で・・・。

   ・・・アタシ、B太サンの雰囲気とか・・・か弱そうな、、あ、すいません・・・でも優しそうな、凄くいい人そうな・・・
   そんなトコに引かれて、もう心がズッと一杯だったから・・・
ホント、胸が苦しいのとかホント初めてだったから・・・
   アタシ性格可愛くないし、フラれてもいいからそれだけは言いたかっただけで・・・
   あの、ホント、すいませんでした!」
 
A子、ダッシュで振り返って走り出した。

B太が大声で、答えた。

B太「おい!待てよ!
   ・・・俺と付き合うか?
      
   ・・・いや、俺と付き合ってくれ!」
A里「え?
   ホントですか?」

B太「・・・うん」

A里「ウソ!ヤッタ〜!あ、いや、その、すいません・・・(照れ笑い)」

A里はさっきと今の忙しい展開に涙目になっていた。

A子「ウソウソウソウソ!ウソ〜!
   絶対、振られると思ってから〜!
   嬉しい、嬉しいです〜!」

A里は小さな頃は別としてこんなに喜ぶは初めてじゃないだろうかと思った。
モデルに採用された時でも、こんなに喜ばなかった筈。

A里「ホントに付き合ってくれるんですか?」

B太「ホントだって(笑い)
   ・・・そんなに嬉しいの?」

A里「うれしいですヨ〜、あ〜良かった〜
   振られると思ってたから・・・
   ホントにあの子とはなんともないんですか?」

B太「・・・ウン」

今、修学旅行に行っているO美の事を想った。
O美の好意は彼には重く感じた。
なのになぜA里にOKしたのかは解らない。
彼女の純朴さに心を奪われたのか、それ以外なのか・・・。

謝罪)・・・340、341、「A子」でなく「A里」でした!
B彦「あのサ・・・
   O美チャンのどこが気に言ったわけ?」

AB也「・・・う〜ん
   可愛いとこだヨ。
   俺にないもん、ああ言う、天真爛漫さ・・・羨ましいヨ
   なんかいつも笑顔を心掛けてるとこがイイっていうかなんか尊敬できるし・・・」

B彦「・・・尊敬!?
  ・・・オオ!」

AB也「・・・なに?」

B彦「・・・同じ年なのに゛尊敬”って凄い!
   俺、聴いててなんかドキドキしてきたヨ(笑)
   ・・・オマエって凄いやっちゃなあ〜」

AB彦「・・・なにゆーとんねん!(苦笑)」

B彦「・・・オマエはホントにいいやっちゃ!オトナだよ、俺より、ズッと。」

AB彦「・・・あのさ・・・俺がウマく行っても・・・あれ、気まずいの、無し、な」

B彦「・・・オオ!判ってるって!
   サッパリ行こ、サッパリ!(笑)」

ムヤムヤした空気を笑い話に霧散させるのは、いつもB彦の、役割。
AB也はいつもそれで、安心する。

B彦「・・・しかし、オマエはウマく行くかしれないヨ。
   なーんか、オマエなら、なんか諦め付くかなー、なんて(笑)
   だって、さっきの゛尊敬”で、俺、ドキドキときめいちゃってるモン(笑)
   絶対、言えよ、これ!(笑)」

AB也「オマエがトキメイてどーするんだヨ!(笑)」

AB也は胸に熱いものが込み上げるのを、感じて、いた。


    
344マドモアゼル名無しさん:02/03/21 01:48
早よ、続き書いたらんかい!!!
毎日、ここチェックするのに飽きたから!
誰でもいいから書き込んで!!!
(オマエが書けよ、とかなしね)
345マドモアゼル名無しさん
ねえ、そんなに下らなかったかなあ?
今までの内容。

私としては誠実に書き続けたつもり。

なんか哀しいな・・・