怒涛のボランチ 稲本潤一 (PART5)

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 世界一ゴシップが好きだといわれる英国メディアが、アジアからのニューカマーを見逃すはずがなかった。稲本のアーセナル入団記者会見から一夜明けた現地紙は大々的に報道した。総じて商業主義に沿った戦力補強だと痛烈批判した。

 大衆紙ミラーは「100万ポンド(190億円)のリザーブ(控え選手)がやってきた」と1面で紹介。テレビの放映権料、日本でのレプリカユニホーム販売がクラブにばく大な利益を生み出すとして「6億3000万円の移籍金を支払って、30倍(190億円)のキャッシュバックが見込める」と大見出し。3ページにわたって特集ページを組んだ。

 大衆紙「サン」は「ベンゲルがマネーメーカーと契約した」と大見出し。スポーツ面トップで報じた高級紙ガーディアンでさえも「アーセナルが日本のマーケットに進出した」と経済波及効果を主題にした。

 稲本はこの日、ミュンヘンキャンプ(オーストリアから変更)に向けて出発した。すでにベンゲル監督は25日(日本時間26日未明)のFCコカエリスポン・イスタンブール(トルコ、1860ミュンヘン戦から変更)とのプレシーズンマッチ出場を明言。アーセナル稲本のお披露目試合となる。屈辱的なメディアの評価を覆すチャンス。競争に勝ち、チームでレギュラーを張り、190億円もの巨額な富をもたらすMFになれば、どこから文句は出ないはずだ。