鈴木英寿@tottsuan1
ttps://twitter.com/tottsuan1 コンフェデレーションズカップ初戦での日本の敗戦を受けて、やや自虐的というか、悲観的論調が各メディアで散見された。
基本的に私はFIFAのメディア担当者であるという立場上、同業メディア批判は行わない。
ただ、この一戦を切り取って本田選手や長友選手の「優勝を目指す」という発言を非現実的とする見方があるとすれば、異を唱えたい。
Jリーグが誕生して20年。
20歳の若者が大きな夢を抱いている側で、その5倍以上の歴史を有する偉人を引き合いに出して、「それは現実的ではない」とたしなめるのは、一応一理ある。
だが、選手たちはその一年、一か月、一日の刹那の中で生きている。ましてやワールドカップは4年に一度だ。
20年前、マンチェスター・ユナイテッドやインテル・ミラノ、あるいはCSKAモスクワでもいい。
日本人がそれらのクラブでプレーする日が来ると言われたとしたら、私は「そんなのずっと先だよ」と答えたに違いない。
だが、それはすでに現実となった。
現在から未来を類推することは出来ない。未来は現在の積分値に過ぎない。
日本サッカー界は、それに関わる全ての人々の情熱が凄まじい成長の加速度と微分を生み、現在の姿がある。
輝かしい未来も、それを続けることで得られるはずではないだろうか。
コンフェデでは堂々と戦い、堂々と勝ちにいけばいい。
この大会で惨敗したとしても、堂々と戦いさえすれば、逃げ腰で戦うよりは、はるかに素晴らしい未来が待っていると信じたい。
Jリーグは20歳。「お前の夢は部長くらい(W杯ベスト8くらい)にしておけ」なんて私は20歳の若者には絶対に言えない。
「人生は一度きり。頂点を目指せ」と声をかけたい。
以上のツイートは、私が6月4日のオーストラリア戦後、FIFA.comのインタビューで本田選手、長友選手(そして香川選手)と直に1対1で向き合い、その声を聴いた上での感想でもある。
「優勝を目指す」という本田選手、長友選手の姿はとても美しいと素直に思った。