コパ・アメリカ2011 PART2

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306名無しに人種はない@実況はサッカーch

アメリカ独立リーグは選手が大人だ [南米、欧州そして今アメリカ 日本サッカーを世界のものさしで測る 元日本代表・広山望]
フィジカル、個人技も高い

 6月のキリンカップに来日したペルー代表のことを某テレビ局は「格下」と表現していた。

 コパ・アメリカ(南米選手権)が好例だ。開催国アルゼンチンがボリビアに続いてコロンビアと引き分け、ブラジルは初戦でベネズエラとドローに終わった。南米には楽に勝てる国なんてない。

 一部のサッカー中継のアナウンサーや解説者は聞くに堪えないし、日本のスポーツメディアの常識と世界の常識は、いまだに大きくズレている。

 ペルー同様、日本で軽んじられている国のひとつにアメリカがある。

 アメリカは、野球やアメフトなど4大メジャースポーツのイメージが強いが、近年、サッカーも飛躍的に力をつけてきている。W杯には6大会連続で出場し、02年はベスト8に、10年にはベスト16に入っている。

 アメリカには元イングランド代表MFベッカムや、元フランス代表FWアンリがプレーしているMLS(メジャーリーグサッカー)というプロリーグがある。広山望がプレーするリッチモンド・キッカーズは、下部組織に相当するUSL(独立リーグ)に所属している。

 MLSとUSLの交流は盛んで選手の移籍も多い。先日、リッチモンドはUSオープンカップでMLSのコロンバス・クルーに勝利した。そのレベルは決して低くない。

「(リッチモンドの)チーム戦術を比べたら、J1のクラブには劣ると思います。ただ、個人のフィジカル、個人技は非常に高いし、伸びしろもすごくあると思います」

 リッチモンドにはブラジル人やドイツ人、あとウガンダやシエラレオネなどアフリカ諸国の代表級選手も所属している。彼らはアメリカの大学を経由してチームに加わっている。これはUSLの特徴である。

「他国リーグと比べると選手が人間としてしっかりしているし、何よりも大人という感じが一番しますね。(年俸が高くないので)サッカーだけやっていればいい――というわけにはいかないことも関係しているかも知れませんが。
あくまでメーンはサッカーですが、USLには、社会といろいろなつながりを持っている選手が多いですね」

(取材・構成=ノンフィクションライター・田崎健太)

日刊ゲンダイ 2011/7/8
http://v.gendai.net/q?uid=1&sid=A817&i=article%2Fdetail&aid=238449&p=1