>>576 よその板で全文見つけたのでコピペしとくわ。
思った以上に悔しがれない 作家 馳星周さん(45)
「思った以上に喜べない」デンマーク戦に勝利した後、本田はそう発言した。
「思った以上に悔しがれない」パラグアイ戦の後、わたしが抱いた感想がこれ
だ。今大会、日本は幸運に恵まれていた。いや、強運を味方につけていた。選
手たちは、2年にわたり、自分たちの監督から自信を奪われてきた。ろくに機
能しないシステム、芳しくない成績。監督も選手もサポーターもメディアも、
だれもなにも期待しない中、しかし、最弱のカメルーンと初戦で当たるという
僥倖に恵まれ、勝利することで彼らは監督に奪われ続けてきた自信を取り戻し
た。強運を味方につけた。失うものはなにもないのだ。彼らは果敢に欧州勢と
戦い、予選グルーブ突破という偉業を成し遂げた。しかし、決勝トーナメント
に進んだ途端、彼らはW杯開幕前の、自信を奪われた日本代表に戻ってしまっ
た。勝ちたい、ではなく、負けたくないに気持ちが傾き、その結果、なんのリ
スクも冒せないひ弱な集団に逆戻りしてしまったのだ。PK戦での敗戦が決ま
った直後、だから悔しいという思いがわかなかった。彼らは戦わなかった。負
けるべくして負けたのだ。死力を尽くした上で負けたのなら悔しさもこみ上げ
てくるだろうが、そうではなかった。
>>579のつづき
8年前のトルコ戦を思い出す。あの時か
ら日本はなにひとつ進歩していない。本来なら、弱気になっている選手たちを
鼓舞するのは監督の役目なのだが、哀しいかな我らが日本代表監督にはその力
がない。ゴールを決めた選手が岡田監督のもとに駆け寄ったシーンがあったか?
決勝トーナメント進出を決めた時、歓喜のダンスを踊る選手たちの中に岡田監
督の姿はあったか?強運に恵まれて、日本代表は快進撃を見せた。だが、それ
が監督のおかげだと考える選手は皆無だったのだと見るのはうがちすぎだろう
か?選手たちの力と熱意と団結力で勝ち取ったベスト16なのだ。その選手たち
が弱気になったら、勝利は間違いなく遠ざかる。オシム監督が病魔に倒れさえ
しなけれぱ。どうしても、そう考えてしまう。彼ならば弱気に陥った選手たち
を一喝しただろう。もっとクリエーティブな戦い方で我々を魅了しただろう。
なによりも、彼が磨き上げた日本代表が死力を尽くし、その上で散ったのなら、
わたしは歯噛みし、地団太を踏み、心の底から悔しがることができただろう。
残念だった。だが、悔しくはなかった。それがパラグアイ戦後の正直な感想だ。