ようやく、しおらしくなってきた韓国サッカー3472

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   http://kfa.or.kr/Japan_kfa/news/news/view.asp?g_gubun=2&g_conid=200854152836
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http://www.kfa.or.kr/Japan_kfa/news/news/view.asp?g_gubun=2&g_conid=20085912155
[日本語版]Kリーグ事務総長キム・ウォンドンインタビュー後編
[ 2008-05-09 ]

http://www.kfa.or.kr/kfa_photo/japan_image/2008591245901.JPG
韓日プロサッカー交流の必要性を強く語ったキム・ウォンドン事務総長

――ACLの大会方式が変わるということですよね。それはどういうことですか?

「Jリーグもそうでしようが、KリーグにとってもこれまでのACLは位置づけが難しい部分がありました。国内での大会
認知度は低く、各クラブにとってはアウェーの移動費など金銭的支出ばかりが多くなるどころか、一次リーグでは
レベルの低い国とも試合せねばならなかったため、ホームでの集客も望めない。しかも、国内リーグと並行せねば
ならないので勝ち進むほどにチームが疲弊するという悪循環があり、Kリーグを代表して出場するクラブからも不満も
絶えず、動機付けも難しかったのです。しかし、来季からのACLは実力やマーケティング能力など、一定レベルに
ある国々だけが参加できるようにし、ステイタスや金銭面など、参加クラブにとってメリットの多い大会にアップグレード
させたい。このような動きが活発になることで、水原三星、FCソウル、城南一和(ソンナム・イルファ)、蔚山現代
(ウルサン・ヒュンダイ)といった海外進出志向の強いクラブのモチベーションも上がり、それがKリーグ全体の底上げに
つながっていくと思います。5月のアジアプロリーグ委員会で最終調整となりますが、KとJにはそれぞれ3〜4枠が
与えられることになるでしょう」
――昨年はプレーオフから勝ち上がってきた浦項が優勝しました。プレーオフは確かにKリーグの人気を高めるため
には必要だとは思いますが、ACLにはリーグ戦1位のチームにも出場権を与えるべきだと思うのですが。

「最終的な枠数にもよりますが、来年からはそうしようと考えています。韓国からはリーグ戦1位とFA杯覇者、そして
プレーオフ勝者かリーグ戦2〜3位が出場する形にしたいと考えています」

――いずれにしても、プレーオフ制度はまだ必要だということですね。

「KリーグはJリーグよりもチーム数が少ないので、チーム数が一定数になった時点でプレーオフをどうすべきかを考え
たいと思いますが、理想は昇格降格制度の実施です。上位は優勝争いをして、下位は降格しないように必死に
戦い、中位のチームはACL出場圏内の順位を獲得するために戦う。そうした仕組みができれば、Kリーグもまた
一段階レベルアップしていくでしょう」

――さて、ACL改革報道と同じ時期に、日本ではJリーグがアジア枠導入を検討しているという記事が出ました。
既存の外国人3枠とは別に、2010年からAFC加盟国選手のためのアジア枠を1つ設けることをJが検討している
とされていますがその動きをキム・ウォンドン事務総長はどう捉えていますか?

「その話は年初に日本で先に報道されましたよね? どういう内容とニュアンスで報じられたかは詳しく知りませんが、
アジア選手に多くの機会を与え、アジア全体の底上げと人的交流を発展させようというJの目的には賛同します。
だが、それを実現させるなら、例えば日韓中で同時でなければならず、Jだけが先行するというのはありえません。
考えてみてください。もし先にJがアジア枠を設ければ、極端な話、韓国から18名の選手がJ1に流れるわけです。
J2も含めれば合計33名。一方的な流出は釣り合いが取れませんし、Kにとって国内リーグに空洞化を招く
危険性もある。アジア枠を導入するなら、あくまでも各国同時でなければならないし、もちろん、Kもアジア枠導入を
検討していますが、Jだけが先行するという形は、我々としては絶対に容認できません。これから韓・中・日間の
ビジョンをすり合わせていかなければなれませんが、いずれ一緒に実現させたいという気持ちはあります」
――最近は韓国の若い選手たちがKリーグを経験せずに、高校や大学からそのままJリーグにやって来るケースも
増えています。この現象をどのようにお考えでしょうか?

「本人たちが強く希望するのに、“行くな”と引き止めるのはおかしな話でもありますし、若い選手たちが日本に行く
ことは韓国サッカーの発展という見地から見ても、とてもいいことだと思います。彼らは韓国と日本のサッカー交流の
担い手にもなるわけですからね。ただ、彼らがドラフトやFA制度など、Kリーグ独自の制度から避けたいがために
日本を選んでいるとしたら、それはあまり歓迎できることではありません。日本に行くとしても、ルールに則った形で
進出してくれることを望みますし、そうした自然の選択を歓迎します」

――なるほど。では、Kリーグが今季掲げるテーマは何でしょうか?

「一言で言うと、“速度戦”です。これは早い試合展開、スリリングなゲームをしようというものです。最近の韓国の
サッカーファンたちはプレミアリーグをテレビ中継などで見る機会が多く、そのプレミアリーグとKリーグを比較して、
こう言うんですよ。“試合展開にスピードがない”と。それは各チームのプレースタイルによるところが大きいですが、
レフェリーと選手たちに意識変化を促しました。それによって、フェアプレーに徹することによって試合にリズムと
テンポが作られ、よりスピード感あるサッカーが展開されるようになりましたね。Kリーグは昨年からファウルの数を
減らすことを徹底しているのですが、今季は平均32回ととても少なくなりました。昔は遅延行為やファウルも
多かったのですが、選手一人ひとりの意識が高まることで、リーグ全体のレベルを引きあげようと努めています」
―JリーグとKリーグのオールスター戦に話を戻しますが、韓日を問わず、一部のサッカーファンたちは否定的な反応も
示しています。例えば日本の場合だとインターネット上で、“Kリーグはハードなイメージがあるので選手がケガをする”
などの書き込みがありますし、そのライバル感情ゆえに日韓両国で“試合したところでどんな成果があるとのか”と
いう声が、一部であったりしますが、それについてはどう思われますか?

「翻って言えばそれだけ関心がある証拠だと受け止めたいと思いますし、インターネットの書き込みが両国の世論の
すべてを言い表しているというわけでもないでしょう。それらの反応は、“アイツらよりもオレたちのほうが強い”といった
固定観念があったり、“アイツらと同じにしないでくれ”といった感情的なものに起因していると思います」

――お互いが抱くライバル感情が度を過ぎてしまっているということですね。

「日本のネチズンたちの間でかなりの反対意見があったことも聞きましたが、そうした一部の人々はKリーグよりも
Jリーグのほうが強いという優越感を持っていて、相手にならないKリーグと試合をやっても損をすると思っているの
でしょうが、そのような発想は危険ですし、結果的には自ら孤立することになるぞと忠告したいですね。ちょっと
厳しい言い方になりますが、“どうぞ自分たちだけでやってください。その代わり、そんな保守的な考え方では、
結果的には自国リーグの発展の可能性さえも自ら閉ざしてしまうことになりますよ”と、言ってあげたいですね」
――それはつまり?

「サッカーはグローバルなスポーツであり、今やプロリーグ同士の交流は世界の常識。自国で完結するリーグは
ありませんし、自国リーグのことだけに目を向けていると孤立するだけです。つまり、自国リーグの発展のためには
他国リーグとの競争・交流が不可欠であり、それが刺激となってそれぞれの発展を促すことになる。距離的に
近くサッカー文化的にも共通点が多いKリーグとJリーグの交流は必然で、もはや互いが必要不可欠な存在。
一方が衰退してしまえば、もう一方もさらに発展する機会を失ってしまうのです。KとJはそういう運命であり、
これからはその交流をさらに深めて、両国リーグがアジアサッカーを引っ張っていかなければならないのです。
個人的に、Jリーグの佐々木常務理事とも腹を割って何度も話あってきましたが、こうした考えに関しては、
私たちKリーグとJリーグの思いは一致しています」
――過去に取材したとき、「Jリーグが生きればKリーグも生きるし、Jリーグが死ねばKリーグも死ぬ」と言って
いたのを覚えていますか?

「もちろん。その気持ちに今も変わりはありません。リーグは競争しながら大きくなっていきますし、常に競争する
相手がいて発展するのです。現実的に今、KリーグとJリーグはともに切磋琢磨しなければならない必要性に
迫られているとも言えます。というのも、今やアジアの代表チームのレベルは均衡状態にありますよね。この現象は
韓国や日本が弱くなったからではなく、他国のレベルが向上したことによるものです。カタールやバーレーンなど
中東勢がみるみる力を伸ばしているのは一目瞭然で、彼らのそうしたレベルアップの下地となっているのが
国内リーグの充実であり、双方リーグの交流がそれぞれのリーグの活性化にもつながっている。そういうことを
考えた場合、KとJリーグもこれからどんどん交流し、切磋琢磨を通じてレベルアップしていかなければならない
のではないでしょうか。韓国には『紙一枚も相持ちすると軽い(易いこととでも共同すればもっと能率が上がると
いう意味)』ということわざがあるのですが、片足で進むよりも両足で進んだほうが、速く力強く前に進める。
KとJが手を組んでアジアサッカーをリードし、ヨーロッパにも対抗できるサッカーをこの地域に作り上げなければ
ならないのです。『JOMO CUP 2008』も、そうした共同戦線の一環。これを機に、KとJの関係性が
一層強まることを期待せずにはいれませんね」
――そういう意味でも、『JOMO CUP 2008』の意義と期待を感じずにはいられませんが、大会まであと
数ヶ月、Kリーグはどのように準備する予定ですか?

「日本での記者会見で、鬼武チェアマンが“日韓戦だけに真剣勝負を展開したい”とおっしゃったじゃないですか(笑)。
ちょっぴり意外な発言でしたが、ならば我々としては“臨戦無退”の覚悟で臨むのみです。選手選考もファン
投票ではなく、選抜方式にします。Jがそうするというのですから、我々Kもベストメンバーを組みますよ。リーグや
クラブの運営システムではJですが、ピッチ内での勝負ではKだということを示してみせますので、日本のファンの
皆さんも楽しみにしていてください」(後編・おわり)

取材・文=慎 武宏