中田徹さんレポ フェイエノールト、新星ビセスワールの活躍で大勝
開始からわずか6分間で、俊足FWのスローリーは2度右サイドを切り裂いた。8週間にわたるリハビリテーションが報われたときだった。
しかしスローリーはハムストリングを痛め負傷退場。フェルベーク監督の抱擁も、大観衆の拍手もスローリーには慰めにもならず、
ほぼ無反応のまま、ただ泣きながらピッチを去った。
右サイドの“やり”を失った前半のフェイエノールトだったが、コンパクトさは失わず、フォーレンダムを圧倒し続けた。
フォーレンダムは不必要なファウルで、フェイエノールトに2つのPKを献上、これをトマソンが2度とも決め、前半を2−0で折り返した。
しかしフェイエノールトの気合の入った前半の戦いぶりからみれば、仮にフォーレンダムがPKをプレゼントしなくともいずれ点は入っただろう。
しかし、後半のフェイエノールトは完全にペースダウンした。気が抜けたのか、それともほかに技術的・戦術的理由があったのか。
フェルベーク監督も「なぜかは分からない。来週になったらビデオを見ながら選手と話し合わないと」と、しばらく退屈な時間が続いた。
しかし75分、ビセスワールが左足でカーブのかかったミドルシュートをコントロールよく決めると、フェイエノールトはようやく血の巡りが戻ってきた。
83分にはビセスワールが今度は右足でカーブのかかったミドルシュートを決め、フェイエノールトは4−0と大量リード。
さらにロスタイム、ビセスワールはGKと一対一になったもののハットトリックを狙わず、より確実な位置にいたモルスにゴールを譲って5−0とした。
これでビセスワールは2ゴール1アシスト。「マン・オブ・ザ・マッチはビセスワール」とフェルベーク監督は喜んだ。