【中村俊輔】ていうかセルティックなんだよね392

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――欧州CLはW杯に勝るとも劣らないハイレベルな舞台だ。
欧州CLは選手一人ひとりの力など、レベルは高い。でも状況の難しさならセリエAの方がきつかったと思う。
グラウンドの悪さ。相手の激しさ。ロングボールが飛び交う中で強い相手に一人で立ち向かわなければならなかった。
 W杯は短期決戦の難しさを痛感した。自分自身、原因不明の体調の悪化に悩まされた。初戦がとても大事で、
イタリアのように試合をしながら形になっていったチームが勝ち進む。僕にとっては欧州CLより難しい。

――欧州CLならではのレベルの高さとは。
ホーム・アンド・アウェー方式で対戦することが関係している。たとえばセルティックはホームでベンフィカに
3−0で勝った。そのときベンフィカの布陣は4・4・2で中盤はダイアモンド形だった。次にアウェーで対戦する直前に
ポルトガルリーグを見たら、ベンフィカの布陣は4・2・3・1。その方が攻撃的だったし、一度負けた布陣は
もうないだろうと思った。しかしアウェーでも同じ4・4・2をやってきて0−3をお返しされてしまった。
本拠と敵地の違いだけでなく、布陣と戦術と選手の組み合わせでこれだけ違った試合になる。
サッカーの奥の深さを体験した。

――対戦した選手で印象に残っているのは
マンUのMFスコールズ。彼はパスのもらい方がうまい。プレッシャーを受けないところにさっと走って、
楽に逆サイドに展開する。わざわざ難しいことをして相手をかわしても、うまいとは全然思わない。
サッカーをよく知っている人にわかるうまさが彼には染みついている。走るサッカーをやろうとしているオシム監督も、
派手なオーバーラップだけではなくて、こういう5メートルのダッシュを評価するんじゃないかな。

――欧州CLでの得点は、奥寺康彦さん(現横浜FC社長)が欧州チャンピオンズカップで得点して以来だった。
そうやって比較されるのは光栄なこと。当時の奥寺さんはたった一人で長年にわたって欧州で活躍した。
代理人などが力になってくれる今の僕らの状況とは違う。僕よりずっとすごいと思う。