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金子勝彦
「2002W杯日韓大会の前にトルシエと色々話をしまして、中村俊輔選手のことを聞いたんですよ。
そうしたら彼はコミュニケーションが巧くできない。物凄く巧いんだけど、彼は今ではなくてむしろその
後の方が中心選手になると思うよ。だから今回外すんだ、ということを言ったんですね。それじゃコミ
ュニケーションとはトルシエさん何なんですか?と聞いたんです。するとプレイをやっていて仲間と、
俺はこういう風にしたい、こういうボールを出したい、お前はこうしてくれ、というそういうものインプレイ
の中で無いんだよ。という言い方をしたんですよ。」
岡野俊一郎
「それは日本の若い選手の一番苦手なところです。これは若い選手はみんなそうですよ。コミュニケ
ーションが苦手なんですよ。」
金子
「なんでしょう?」
岡野
「教育の問題ですよ。小さいときから仲間と話をするというのが無いんですよ。俊輔でいえば一番の
話し手はボールだったんですよ。久保も同じ。つまり仲間とのコミュニケーションが苦手というのは一
つは教育問題ですよ。私はそう思ってます。」
金子
「これはアジアの中でも、きわめて日本的な問題?」
岡野
「そうです。周りからあいつとはうるさくてやりにくいとか言われるのが嫌だから、むしろ黙ってる。特に
同年代はそうですよ。A代表チームみたいにある年齢層の幅があるとね。だから中田英は言えるん
です。性格もあるけど言える。実績もあるし。でも言われたほうはなかなかそうかとは思わない。むし
ろ反発する。それは今の日本の若者の特徴ですよ。全般的に見て。」