>>379 移籍金なし 戸田は画期的
イングランドへ渡っていた戸田和幸のオランダ・ADOデンハーグへの移籍は、
日本選手にとって実は画期的なケースである。所属元のJ1清水と1年半の契約延長をした上で、
6月末までの期限付き移籍。通常必要となるデンハーグから清水へのレンタル料や
移籍金のたぐいが、今回は一切発生していないからだ。
デンハーグは戸田以外にも、元名古屋のウリダら3選手を残留争いのために
補強したが、いずれも移籍金ゼロという。
働き場を自ら探さなければならない中堅クラスの選手と、充分な経済力を持たない
中小クラブの双方にとって、移籍金は足かせとなりかねない。
欧州CLの公式誌によれば、欧州でもトップクラスの出場32チームでさえ、
今季前に獲得した計143選手のうち「フリー(移籍金なし)」は実に34人に上る。
一部の強豪クラブを除き、カネにものをいわせて選手を買いあさるやり方は変わりつつある。
日本では選手を売って移籍金を得るのはまだ当然の権利だという意識が強い。
だから、欧州の代理人の間では「日本人は高くつく」というのが共通認識となり、
その目は韓国や中国の選手に注がれることになる。日本選手が海外に飛び出しにくい現状には
そんな事情も絡んでいる。(潮智史)