ゼ・マリア様がみてる

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さあ、気合い入れて応援するぞ。そろそろ後半のキックオフかというその時、
祐巳は突然「ああああっ」という世界が終わってしまうかのような絶望的な声を耳にした。
「何事」ってその出所を見れば、それは何と志摩子さんで、
さっきの「わくわくするね」と言った紅潮した顔とはうってかわって顔面蒼白となっている。
「し、志摩子さん?」
視線の先を追って見れば、ピッチをすっぽんぽんのオッサンがフグリを揺らしながら軽快に走っている。
「まさか、あの人」
「……父」